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玉川温泉-1

6/17(日)から6/20(水)まで秋田県の玉川温泉に行ってきました。改修したらしくて、部屋も食堂もきれいでした。道すがら聞こえてきましたのは「値段も上がったので他の温泉宿に行く客が増えた」と言うもの。それでもそれほど値段が高い印象は持ちませんでした。wifiがどこでも使え、食事もHPを見るとどうかと思っていましたが、美味しかったです。緑の山々に囲まれ、天気にも恵まれ、雰囲気は最高でした。

温泉は強酸性でPH1.13とのこと。髭がひりひりする感じでしたので、滞在中は剃らずに伸ばしていました。それでも普通に入れます。屋外にラジウム泉で有名な岩盤浴するところもありましたが、小生は屋内で利用しました。癌ではありませんが、低放射線のホルシミス効果で、もし癌細胞ができていたら殺す効果があると思っています。

玉川温泉入口

売店入口

玉川薬師神社

お社

屋外岩盤浴への途中

 

『中国・トラック運転手3000万人がスト敢行?退路を断って決死の抗議行動に打って出たワケ』(6/15日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/19日経朝刊<中国の経済統計に不自然な動き… 「水増し」ひそかに修正?

【北京=原田逸策】中国の経済統計に異変が相次いでいる。地方の水増しだけでなく、国の統計にも不自然な数値がみられる。経済減速のサインなのだろうか。景気の先行きに目をこらす必要がありそうだ。

2018年1月に国の国内総生産(GDP)にあたる域内総生産の水増しを公表した天津市。18年1~3月の実質成長率は1.9%と、全国31の省・自治区・直轄市で最低だった。19年から地方の域内総生産の作成も国が主導する。不正が後で発覚すれば厳罰となるため、天津は正直な数字を出したのだろう。

全国31地区をみると、吉林、雲南、青海、河北、内モンゴルの5地区は実質成長率が名目成長率を上回った。吉林や内モンゴルは名目成長率がマイナス。物価が上昇しているのに不自然だ。

恐らく真相はこうだ。18年から実態に近い域内総生産を出し始めたが、17年までの水増しした数値は維持したまま。だから名目の成長率が実質を下回る。ひそかに水増しを正しているようだ。

1~3月の実質成長率が国(6.8%)を上回ったのは、31地区のうち18地区と過去10年間で最少。かつては全体の9割の地区が国を上回っていた。

域内総生産の「季節性」も薄れる。以前は31地区合計の域内総生産と国のGDPを比べると、1~3月は国を下回り、4~6月と7~9月はやや上回り、10~12月は10%超上回った。これが17年10~12月は国を5%しか上回らず、18年1~3月は国とほぼ同じだ。毎年の成長目標を達成するための「背伸び」をやめた可能性がある。

異変は国の統計にもある。国家統計局が毎月公表する小売売上高(社会消費品小売総額)。実額と前年同月比の名目伸び率を公表するが、18年から統計局が公表する伸び率と前年の額から計算した伸び率がずれる。統計局は「農業調査をもとに17年の値を修正した」と高い伸びを説明する。

製造業などの企業利益は18年1~4月の累計で前年同期比15%増の2.1兆元(約36兆円)。だが、17年1~4月の利益(2.3兆元)から計算すると6.6%の減少だ。統計局は「調査対象は毎年異なる」とする。

12年1月まで遡って計算すると、計算値と公表値の動きはほぼ一致してきた。差が開いたのは17年秋から。「水増し修正で一部の地方が国に報告する企業利益が大幅に減った」との指摘がある。固定資産投資の伸び率も同じことが起きた。

中国の統計は経済が不調になると実態や実感とずれやすい。「人民元ショック」が起きた15年は貿易やが落ちたのに成長率が安定していた。相次ぐ統計の異変は経済の下押し圧力の高まりを映している可能性がある。信頼できない統計から中国経済の実態をどうとらえるか。古くて新しい問題が突きつけられた。>(以上)

数字の誤魔化しの修正は高度のテクニックが要ります。何せ今までの発表数字を睨みながら数字をいじらないと辻褄が合わなくなりますので。まあ、彼らは「没関係」なのでしょうけど。

6/19看中国<在日本干过这种事的人 明年起将被拒绝入境!(组图)=日本でかかった医療費を払わなかった人は来年から日本に入国できなくなる!>こんなことは当り前の話なのに厚労省の役人は「外国人にも人権がある」といって規制を渋ってきました。外国人に人権があるのは当り前ではないですか。要は支払いを怠った人を人権といって保護する構図になっているのに、放置して来たという事です。あり得ません。そんなことを言えば借金し放題ではないですか。我々日本人ですら保険証を受診前に提出するというのに。この記事にあるように海外旅行者は海外渡航保険に入るべきで、中国人はその証明がない限り入国させないようにしないと。ビザを要求する国があるのだから、差別でも何でもなく、そう言うことをする不埒な人間が多いと説明すれば済むこと。或は担保を差し出せるかどうか。でもそんな金持ちばかりではありません。この記事の中では、中国人父母が日本を旅行中、心臓発作を起こし、救急に運ばれ、入院、分割払いで払うことにしたが、帰国してすぐ親父が死んで、債務が大きく息子は払えないと言って払わないのもいます。中国では人命第一の措置はとるはずもなく、金が無ければ受診できません。日本に来て高額医療を受けて帰るのもいます。海外旅行者を増やすことばかりに目が言って、大きな安全(日本の富のロスも含めて)についての検討がお留守になっていたという事です。日本で中国人に受診だけでなく、帰化の仕方などをいろいろ教える輩もいます。違法行為幇助の罪で逮捕してほしい。なお、中国人の医療費未払い者の入国禁止でお茶を濁していますが、偽パスポートを発行できる国ですから、偽名で入国できます。入国時に顔認識でマッチさせないと駄目でしょう。それでも根本的対策ではありません。やはり保険付保者以外は入国できないようにしないと。

北村氏の記事は少しずつ中国でもストライキができるようになってきたということです。デモは官製デモ、ストは違法で禁止ですから。何せ生産優先の国で人命が犠牲になろうと政府はお構いなしです。それが公害を発生させ、空気、水、土地を汚染してきました。こんな国が世界を指導するなんて思うことが、ずれているとしか思えません。しかし、ストに参加したトラック運転手は過酷な処分が待っているのか、それとも人手不足だからそのままにして、運賃を上げるよう行政指導して解決するのかどうかです。

記事

中国でトラック運転手による全国規模のストライキが行われた

南米最大の経済を誇るブラジルでは5月21日から連続で10日間にわたるトラック運転手によるストライキが行われた。これは世界的な原油価格の高騰とブラジル通貨「レアル(BRL)」安により燃料価格、特にトラックの燃料となるディーゼルオイルの価格が値上がりしたことが原因であった。ディーゼルオイルの値上がりによりトラック運転手が生活苦に直面したことから、彼らを束ねるトラック運転手協会が燃料価格の引き下げを求めてストライキに突入したのだった。

トラック運転手による長期ストは物流を滞らせ、各地の工場を生産停止に追い込み、庶民の生活に深刻な影響を与え、ブラジル経済に大きな損害を与えて、経済成長率の引き下げを余儀なくさせた。

さて、中国でも6月10日にトラック運転手による全国規模のストライキが呼びかけられた。これは燃料価格の高騰、各種各様な通行税、各地の交通警察や運輸管理部門による過酷な搾取に堪え兼ねたトラック運転手が全国の仲間を結集する形で抗議行動に打って出たものだった。

メディアやインターネット上の情報によれば、6月8日に重慶市、江西省“修水市”、安徽省“合肥市”、山東省“聊城市”、貴州省“銅仁市”などでは6月10日の本番に先行する形でストライキが始まり、多数のトラックが高速道路、国道、駐車場などに集結して燃料価格の値下げと運賃の値上げを要求すると同時に、トラックに対する交通警察や運輸管理部門による勝手気ままな罰金徴収などの不公平な処遇を止めるよう呼びかけた。

6月8日、四川省“成都市”ではSNSの“微信(WeChat)”を通じて、トラック運転手に対して次のような呼びかけが行われた。

トラック運転手諸兄

成都市では6月10日に全ての営業貨物トラックがゼネラルストライキを行います。これと同時に、全ての営業貨物トラックが成都市へ物品を運び入れる、成都市から物品を運び出すことが禁止されます。その時、成都市の外環状道路には人を派遣して巡回調査を行い、営業貨物トラックを見つければ一律に戻るよう説得しますが、頑迷で逆らう場合は車両を叩き壊します。反抗者がいればその場で決着を付け、成都市の何万人ものトラック運転手がその責任を負います。全国のトラック運転手たちよ、この事を心に留めて協力願います。
成都協会

上記の呼びかけは成都協会の名義で行われたが、成都協会とはいかなる協会なのかは分からない。恐らく成都市のトラック運転手が団結して設立したものと思われるが、無認可の組織であり、誰が責任者であるのかも不明である。同様の呼びかけは全国各地で行われたと思われるが、ネットの記事で確認できるのは上記の成都協会の呼びかけだけである。

この成都市の呼びかけと呼応するように、“微信”の“朋友圏(モーメンツ)”には“中国政府大卡車十宗罪?(中国政府のトラックに関する10の罪を問う)”と題する文章が投稿された。その内容は以下の通り。

成都協会の呼びかけに呼応

中国政府のトラックに関わる10の罪。関係部門は我々の質問に回答願いたい。

第1問:トラックの場合、“行駛証(車検証)”の有効期限が15年だが、どうして今、我々のトラックを“黄標車(高濃度の汚染を排出する車)”に変更して、廃車するよう要求するのか。この結果として10万台から50万台のトラックが1万台まで減少することになる。そうなったら、我々はどうやって生きて行けばよいのか。

第2問:“道路運輸管理局”の規定では55トンまでは積載重量超過にならないのに、これが交通警察になると49トン以上は積載重量超過になる。どうして統一しないのか。

第3問:ある地点では積載荷重の限度がない無蓋トラックにも積載荷重超過の輸送許可証を手続きしなければならないのはなぜか。

第4問:車両検査の時、検査をしているのは交通警察官か警察協力員か、一体どちらか。警察協力員なら彼らに処罰する権利はあるのか。彼らは法執行に当たって先に法執行を証明する書類を提示すべきではないのか。

第5問:“黒銭(賄賂)”を受け取るのは交通警察官か、あるいは警察協力員か、はたまた「なりすまし」か。こうした賄賂の受け取りはいつになったらなくなるのか。

第6問:どうして1台の車が交通警察と道路運輸管理局という二つの部門から処罰を受けることがあるのか。

第7問:交通警察の罰金徴収任務は一体だれが決めたものなのか。これは罰金を徴収することが目的で、積載荷重超過を罰することを目的としていない。いつになったら合理的な規則案が出てくるのか。

第8問:罰金を徴収しながら領収書を切らない。領収書を切れば、免許の点数を減点する。これは法執行なのか、強奪なのか。

第9問:車両に問題がなければ、欠点を探し、欠点を無理やり作り出す。この種のあら探し式の法執行を受ける我々はどうやって生活したらよいのか。

第10問:全国の高速道路は損失が出るとすぐに高速料金を値上げする。損失を我々に転嫁するだけで、どうして自分たち自身の原因を探そうとしないのか。路面品質はどうしてあんなに悪いのか。道路の使用年限は10年なのに、その10年の間に度々道路を修復し、補修する。そのつけをどうして我々運輸業者に払わせようとするのか。

我々が故郷を離れたのは同じ目標のためだ。それは、生活し、生存するためである。だから我々は団結して全社会に我々の存在を知らしめねばならない。もしこの文章の転送が100万回に及んでも、関係部門が我々に注意を向けないなら、我々は彼らに我々の声を聞かせなければならないのだ。

全国のトラック運転手はこうした表明を行うことで、退路を断って一致団結して協調行動を取るべく、各地のトラック運転手組織が連盟を結成し、全国規模のストライキを6月10日に実施することを決定したのだった。そして、次のような檄文が微信に投稿された。

通知:全国のトラック運転手へ宛てた手紙

6月10日は全国のトラックの運行停止日です。もし、当日にトラックが運行を停止せず路上を走行していたら、どのトラック運転手でも構わないから、車をぶつけてください。これは前もって通知済みのことであり、人の意見を聞かない独断専行の者はトラック運転手には相応しくないのです。今回はトラック運転手の団結力を証明しなければなりません。つらい労働をし、不当な待遇を受けているトラック運転手の友人たちよ、我々はすでに我慢の限界を超えたのです。もはや退路はないのです。どうか皆さんの手を動かしてこの文章を転送してください。成敗はこの一事にあります。

6月10日に仕事を停止しても飢え死にすることはありませんが、廉価な運賃は我々を飢え死にさせます。我々は大きな犠牲を払ってトラックを買い、命を懸けてカネを稼ぎ、長年他郷に暮らして家を思い、子供を思っています。

それは少しでも多くのカネを稼ぐためです。この安い運賃と高い燃料価格を見て下さい。これなら故郷の家にいて心安らかに田畑を耕すに越したことはありません。それなら元手が出て行くこともなし、危険もありません。再度繰り返しますが、皆さん手を動かして本文章を転送してください。2018年6月10日は全国のトラック運転手の仲間が仕事を停止する日です。我々、3000万人のトラック運転手が一致団結していることを見せてやりましょう。6月10日、6月10日です。

上記の檄文には「3000万人のトラック運転手」と書かれているが、実際はどうなのか。中国政府“公安部”の“交通管理局”が2018年1月15日に発表した統計によれば、中国の自動車保有台数は3.1億台で、免許証保有者数は3.85億人となっている。“載貨汽車(トラック)”の保有台数は2341万台、このうち新規登録台数は310万台で、史上最高を記録したとある。

統計上でトラックは、“薇型”(長さ3.5m以下、車両重量1800kg以下)、“軽型”(長さ6m以下、車両重量4500kg以下)、“中型”(長さ6m以上、あるいは車両重量4500kg以上12000kg未満)、“重型”(車両重量12000kg以上)の4つに分類されているが、一般にトラック運転手と呼ばれる人たちが運転するのは薇型と軽型を除く、中型、重型だろう。

この点に関し、中国メディアは「政府統計によれば、中国の現在のトラック保有台数は1500万台であり、一般に1台毎に少なくとも2人の運転手がいるとして計算すると、全国には少なくとも3000万人のトラック運転手がいる計算になる」と報じている。したがって、トラックの保有台数2341万台から薇型と軽型の台数を除いた“中型”と“重型”の台数が1500万台ということになるものと思われる。

中国の高速道路は日本の15倍の長さ

一方、中国政府“国家統計局”発表の『2017年国民経済・社会発展統計公報』によれば、2017年の貨物輸送総量は479.4億トンで、その内訳は、鉄道輸送:36.9億トン(総量に占める比率7.7%)、道路輸送:368億トン(同76.8%)、水路輸送66.6億トン(同13.9%)となっている。実に貨物輸送総量の8割近くが道路輸送で占められ、その多くがトラックによって輸送されているのである。

2017年7月に中国政府“交通運輸部”が発表したところによれば、中国の高速道路の総延長距離は13.1万kmで、2012年末から4万km増大して世界一であるという。日本の高速国道の総延長距離が2017年末で8776kmであることを考えると、中国の高速道路は日本の何と15倍の長さである。それだけ距離が長い高速道路を使って全国各地へ貨物を輸送するトラック運転手の仕事が過酷なものであることは疑いの余地はない。

その彼らを待ち受けるのが交通警察や道路運輸管理局による検問であり、積載荷重超過や荷締め不足、タイヤの空気圧不足などの理由で難癖をつけて罰金を科し、時として見逃しを条件に賄賂を要求する。また、各地政府が独自に定めた非公式な道路通行料や渡橋料の支払いを要求される。こうした関門がトラック運転手を悩ませ、彼らの収入を圧迫することになる。

一方、検問を行う交通警察官や道路運輸管理局の職員は、気分が良ければ検査も適当だが、気分が悪ければ徹底的にあら探しを行い、片っ端から罰金を科す。これではやられる側のトラック運転手はたまったものではない。こうした不満を取りまとめたのが上記の「中国政府のトラックに関する10の罪」なのである。

トラックの燃料であるディーゼルオイルの価格は、2017年10月12日に1リッター当たり6.08元(約103円)だったものが、その後は徐々に値上がりし、現在(2018年6月11日)は6.79元(約115円)となり、8カ月間で0.71元(約12円)の値上がりとなっている。これに引き換え運賃は安いままに据え置かれている。あるトラック業者は以下のように述べている。

【1】40トンの貨物を積載できるトラックで、山東省“済寧市”から200km離れた江蘇省“徐州市”まで貨物を運ぶ場合、所用時間は5時間、人員は2人で、運賃は1トン当たり45元(約765円)の計算で1800元(約3万600円)である。しかし、道路通行料だけで280元(約4760円)、これに燃料を加えると700元(約1万1900円)になる。人件費は運転手が300元(約5100円)、護衛が100元(約1700円)であるから、これら諸経費を合計すると1380元(約2万3460円)となり、手元に残るのは420元(約7140円)。これでは故を起こしたりして賠償が必要となれば利益が吹っ飛ぶ。

【2】そればかりか、検問で積載荷重超過と判定されて1回200元(約3400円)の罰金を払ったら赤字しか残らない。時には貨物の依頼主からの支払いが延滞して、いつになったら入金するか分からないこともある。したがって、トラックを積載荷重の限度内で営業していては赤字になり、積載荷重超過を前提に営業しないと利益が出ない。40万元(約680万円)でトラックを1台購入して運送業を始めたが、仕事をすれば赤字、しなければ赤字で、身動きが取れず、トラックを売りたくとも買手がいない。これでは如何ともしがたく、やっていられないというのが本音である。

6月10日、トラック運転手による全国規模のストライキは予定通り実施された。しかし、政府側から脅しを受けたり、運転手仲間の協調がうまくいかなかったりしたため、トラック運転手3000万人のうちのどれだけの人数がストライキに参加したのかは、中国政府による情報管制もあって確認されていない。

但し、上海市、四川省、重慶市、湖北省、山東省、安徽省などの各地では多数のトラック運転手がストライキに参加したことが確認されている。彼らは高速道路に車列を並べ、橋を占拠して通行を妨げて、気勢を上げた。また、一部の地域ではストライキに参加した運転手が、ストライキに参加せず運送営業を行っていたトラックの通行を妨害したことで、双方の運転手間で暴力による衝突が発生し、一部のトラックは破壊されたという。

政府に対して生存権を保障するよう要求

最近では一部の中国政府を後ろ盾とする物流会社が貨物の大口出荷元を独占し、運賃を安く抑えて、業務を拡大しているので、燃料価格の上昇やその他の各種要因により個人経営のトラック輸送業者が彼らと競合することは難しくなっているのが実情である。こうした厳しい状況下で、全国3000万人のトラック運転手は退路を断つ覚悟で1日限りのゼネラルストライキを敢行した。

それは中国政府に対して彼らの生存権を保障するよう要求するものであった。トラック運転手の大多数は農村出身者で、家族を故郷に残した出稼ぎ者であるから、家族を養うための仕送りは欠かせない。そんな彼らが決起してゼネラルストライキに打って出たのは、生きるための最低条件の確保を求めたのである。

果たして中国政府はトラック運転手が提起した『中国政府のトラックに関わる10の罪』の質問に答えて、何らかの改善策を提示するだろうか。米誌「ニューヨークタイムズ」によれば、今年に入って現在までに中国国内で報じられたストライキだけでも400件以上に及んでいるという。

蓄積された庶民の不満が爆発すれば、いかな独裁体制を敷く中国共産党といえども安泰とは言えない。3000万人ものトラック運転手が一致団結してゼネラルストライキを敢行したことで、中国共産党指導部が肝を冷やしたであろうことは想像に難くない。

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『中国監視社会の実態、自由闊達な深センの「裏の顔」』(6/15ダイヤモンドオンライン 姫田小夏)について

6/16看中国<普京訪華後 俄禁中國在貝加爾湖取水(圖)=プーチン訪中後にも拘わらずロシアは中国にバイカル湖での取水を禁じる>イルクーツク州裁判事は中国・ハルピンの企業にバイカル湖からの取水によるペット詰飲用水の生産を禁じる判決を出した。同じくペット詰飲用水を作って­いる韓国企業はお咎めなしにも拘わらず。理由はロシアの水質基準に合わないとのこと。これはバイカル湖周辺の住民は豊かでなく、国家として政府が中国と付き合うのは仕方がないとしても、国民感情レベルでは反中であることには変わりはない。シベリアの森林も伐採され中国に輸出される。天然資源が奪われる恐怖がある。プーチン政権は腐敗しているので嫌われているが司法は独立しておらず、上の指示に従って判決を出す。ロシア国内での外国投資、特に中国からは必ず贈賄する。この判決は反中感情の為せる業。

ロシアも中国も腐敗という意味では似たり寄ったりです。日本と言う国がどんなに良い国かこの点を比較してみても明らかです。左翼は日本の良さを認めませんが。ロシア国民か中国国民になる事を勧めます。日本政府はロシア国民の反中感情を利用して、中国を牽制するようなことも考えたほうが良いのでは。

https://www.secretchina.com/news/b5/2018/06/16/861937.html

6/16阿波羅新聞網<專家:中共用關稅回擊美國是一個錯誤=中共が関税で米国に対抗するのは誤りである>マルコルビオは「トランプは素晴らしい。米国が中国産のものに関税を課すのは、中国が知財等を盗んで作った製品だから。関税と言わずに窃盗税と言うべき」と。あるIT関係者は関税をかければ消費者が困るだけ。歴史上関税で解決した問題はないと。ロック元駐華大使(華僑第一号大使)は「中国の米国からの輸入品は代替性がある。大豆然り、ボーイング然り。損をするのは米国」と。中共はやられたら同程度でやり返すと。米国のある研究所員は、「中国の関税報復措置は誤り。トランプは更なる報復を課そうとするだろう。両者とも傷つくだけ。中国は米国産製品の輸入等貿易黒字を減らすような、別な手を考えるべき」と。トランプは「米中の貿易戦争はとっくに始まっていて、今まで米国は負けて来た。彼らは多くを得て来た。それを今変えるだけ」と。

トランプのやり方は正しいと思います。真の敵は中国なのだから、中国が困ることをすれば良いと思います。特に貿易黒字を軍拡原資にしている中国であれば

http://tw.aboluowang.com/2018/0616/1130471.html

中国の監視社会は本ブログで何度も伝えて来ました。しかし、それが香港にも及んでくるとは。勿論、新幹線での包丁による殺人事件から教訓を得るとすれば、やはり改札前後での手荷物チエック(金属探知機か身体全部スキャンか)は必要と思います。新幹線以外でも事件が起きる可能性がありますので、JRに任せるのでなく、政府としても国家安全の見地から対策は練るべき。

公安が威圧警備するのはやりすぎと思います。事件が起きたらすぐ出動できる体制を整えておくくらいでしょう。監視カメラはもっともっと増やすべきですし、スパイ防止法も。

記事

深セン市の入り口に掲げられた看板。香港側からの移動者に社会主義思想を見せつける Photo by Konatsu Himeda

香港特別行政区の北側に隣接する深セン市は、「中国のシリコンバレー」として、昨今世界中から熱い視線を集める新興都市だ。だが、自由闊達なイノベーションの一大拠点という輝かしい一面の裏には、治安維強化の厳しい現実があった。(ジャーナリスト 姫田小夏)

深センの出入境ゲートで指紋と手の甲をスキャン

4月半ばの午前9時過ぎ、筆者は香港の繁華街・旺角から香港MRTの東鉄線に乗り、深セン市を目指した。香港の北端・東鉄線終点の羅湖駅に着いたのは午前10時。ここで下車するのは、観光目的で訪れる筆者のような、もの好きな外国人もわずかにいたが、多くは仕入れ目的の行商人だ。

車両から吐き出された乗客のほぼ全員が、越境ゲートを目指して歩く。眼下には、香港と深センの間を流れる深セン河に鉄条網が張り巡らされ、緊張感を醸し出す。境界となる細い川を渡るとそこは中国本土、空気はガラリと変わり「厳しい管理下」に置かれたことを察知する。天井にぶら下がるのは無数の監視カメラだ。いまどき日本でも監視カメラは珍しくないが、これほどの数となるといい気分はしない。

出入境ゲート(形態は空港のイミグレーションとほぼ同様)では、パスポートの提示だけでは済まされなかった。親指を除く四本の指の指紋に加えて、左右の手の甲のスキャンを要求された。指紋による認証は、2017年から深センのイミグレーションや越境ゲートで始まって全国で導入され、上海の空港でも、この4月から10本の指の指紋が取られるようになったばかりだ。

近年、中国政府は二重国籍者への取り締まりを強化していることから、生体識別を役立てるつもりなのかもしれない。とはいえ、吸い取った後の膨大な個人データは「どんな形で二次利用されるのだろうか」と不安になる。中国IT企業の成長は著しいが、その技術がこうした監視体制の強化に使われていることは間違いない。

手続きが終わり、深センでの第一歩を踏み出す。自由と法治の都市である香港から来た乗客らを待ち受けていたのは、全面真っ赤な共産党スローガンだった。習近平国家主席による新時代の「特色ある社会主義思想」の徹底を強調したものだ。

黒い制服組の公安が地下鉄内を巡回

出入境ゲートを抜けた筆者は、市街地に向かう深セン地下鉄1号線の始発駅を目指した。だが、地下鉄の乗車も簡単ではなかった。改札を過ぎると、手荷物はX線検査を通され、人間もまた金属探知ゲートをくぐる。手荷物の中にペットボトルなどの液体が確認されると、係員が取り出した上で、再度の安全確認を行う。そのセキュリティチェック体制は、まるで飛行機に搭乗するかのように厳重だ。

ちなみに上海でも、2010年に開催された上海万博と前後して、治安維持のための手荷物検査が地下鉄の全駅で導入されたが、これほど厳重なものではなかった。万博後もそのまま検査機器と検査係は残されたものの、これに応じる市民は少数で、むしろ「手持ち無沙汰な係員」が気の毒なくらいだった。

やっとの思いで地下鉄に乗ると、今度は “黒い制服組”が乗客と一緒に列車に乗り込んできた。背中には「列車安全員」とあり、扉が閉まるや、早速車内の巡回を始めた。全身黒づくめの制服なので、妙な威圧感がある。彼らはいわゆる「公安」で、2017年8月から深センで全面的に始まった治安維持のために巡回しているというのだ。

駅構内には、2人の公安に挟まれ尋問されている女性がいた。どうしたのかと見ていると、公安の1人が自分のスマートフォンを取り出し、動揺する女性に向けてシャッターを切った。身なりもごく一般的で、会社勤めとおぼしき普通の女性だが、彼女が何をしたというのだろう。深センではこんなことが公然を行われているのかと戦慄を覚えた。

中国では2015年に国家安全法が成立し、その後、毎年4月15日を「国家安全教育日」として、全国で教育強化を実施するようになった(今年から香港でもその導入が始まった)。これほどの警戒を高めるのは“治安維持月間”に重なったためなのかもしれないが、翻せば想像以上に治安が悪いのかもしれない。

隣接の香港で治安が悪化 無数の監視カメラが設置される

香港に戻り、筆者は香港屈指の繁華街・旺角の歩行者天国(西洋菜南街)を散策した。ちょうど週末だったせいで、夜の歩行者天国にはどこからともなくパフォーマーが湧き出し、それぞれに歌ったり踊ったり楽しんでいた。しかし、ここでも筆者は違和感を持った。やはり、設置されている監視カメラが多かったからだ。民衆のたわいもない自己表現の空間には、あまりにも不釣り合いなのだ。

歴史ある賑やかなホコ天も 親中派と本土派の対立の舞台

学生が普通選挙を求め、中環(セントラル)を占拠した2014年の「雨傘運動」は記憶に新しいが、2016年にも市民のデモが地元警察と衝突する大規模な事件が起きている。

この歩行者天国は18年に及ぶ歴史があるが、一見、賑やかな“ホコ天”にも、実は「親中派」と「本土派」の対立抗争の舞台という裏の顔が存在していた。“香港独立分子”が潜在していることも、エリア一帯の監視体制を高める要因になっているといえそうだ。

自由と法治の都市であるはずの香港でも無数の監視カメラが回る Photo by K.H

もとより、深センと香港をまたぐエリアについては、博打やドラッグ、性風俗などで乱れた一面も存在する。そのため、「安全強化はむしろ歓迎」と言う声もある。しかし、国家が社会のあらゆる領域に統制を及ぼすかのような物々しい監視体制は、健全な市民社会の形成という観点からは明らかに逆行するものだ。

自由闊達な創造の空間、技術革新が進む一大拠点といわれる深センをこの目で見たいと訪れたが、目のあたりにしたのはもう一つの現実だった。習近平体制になっていまだかつてない厳しい監視社会が深センにも到来する中で、今後も新たなビジネスモデルやイノベーションは創出され続けるのだろうか。

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『「金正恩勝利」で終わった米朝首脳会談、元駐韓大使が徹底解説』(6/14ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)、『米朝首脳会談の「落としどころ」は日本にとって最悪だった』(6/14ダイヤモンドオンライン 上久保誠人)、『北朝鮮、経済変革の「指南役」は米国より中国か』(6/13ダイヤモンドオンラインロイター)、『トランプでも金正恩でもなく「北朝鮮問題」の本質は「中国問題」』(6/15Yahooニュース The PAGE)について

本日も紹介記事が多いのでコメントは短くします。武藤氏は外務省出身ですから昨日の本ブログの宮家氏と同じ見方をしています。トランプは外交のプロシージャーを踏んでいないと言うものです。でも踏んでやっていればいつまで経っても首脳会談は開かれなかったのでは。突破力が必要なときもありますし、下がある程度詰めて来たから会談ができたと思っています。上久保氏は、今回の合意は日本にとって厳しいものと見ているようですが、米国と日本の制裁は続きますし、問題は中国、韓国が制裁を緩めることです。国連の場を利用して緩和を許さないようにしませんと。勿論、CVIDにかかる経費や拉致被害者解放ができれば日本が経費負担せざるを得ません。トランプが北との戦争は金がかかるので避けるというのであれば、戦争以外で締め上げるしかありません。米中で貿易戦争の口火が切って落とされました。お互いに関税の掛け合いです。中国が米国との貿易量が減れば、朝鮮を援助する余裕ができるかどうかです。まあ、北を緩衝国家のままで置いておきたいとは思うでしょうから支援はするのかもしれませんが。でも裏で米朝が握っていたとすれば、中国の支援も必要はなくなります。以前本ブログで中国語の記事を紹介しましたが、中国は米朝がくっつくのを懸念しているというものでした。ロイターの記事のように行くかどうかは今後の展開を見てみないと分かりません。渡辺氏の記事は、昔から小生が言ってきた所ですので、目新しさは感じませんでした。

武藤記事

米朝首脳会談で、会場のホテル内を散策さるトランプ大統領と金正恩委員長 Photo:Reuters/Aflo

6月12日、シンガポールにおいて歴史上初めてとなる「米朝首脳会談」が行われた。だが、その結果は、トランプ米大統領ではなく、金正恩朝鮮労働党委員長にとって満足のいくものであったと言えるだろう。

それを端的に表していたのが、会談前と後の金委員長の表情だ。会談場所のカペラホテルに降り立った時の金委員長の表情は硬く、こわばっていた。しかし、会談を終えてトランプ大統領と連れ立って歩いたときの表情は、満面の笑みを浮かべて勝ち誇っているかのように見えた。

表情が、これだけ明らかに変化したのはなぜなのか。会談の中身について、詳細に見ていくことにしよう。

合意文書に盛り込まれず 非核化の実現は疑わしい

会談における主要な課題は、「北朝鮮の非核化」と「北朝鮮に対する体制の保証」だった。

しかし、会談後に発表された共同声明を見ると、「非核化」については、「金委員長は、朝鮮半島の完全な非核化を強く断固として取り組むと再確認した」「2018年4月27日の板門店宣言を再確認し、北朝鮮が朝鮮半島の完全なる非核化に向けて取り組む」とするのみであり、具体的な道筋などについては触れられていない。

会談前、具体的な内容までは合意できないだろうとの観測が広がり、大きな枠組みの原則合意にとどまるのではないかと言われていた。それでも、日米が主張してきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(以下CVID)に関しては合意するのではと期待されていたのだが、それも合意できなかった。

トランプ大統領は記者会見で、CVIDについて「話をしたが書いていないだけ。これは完全な非核化ということであり、検証されることになる」と述べたが、これまで北朝鮮が何度となく約束を反故にしてきたことを考えれば、少なくとも合意内容を文書化すべきであった。

実よりも名を取ったトランプ大統領

トランプ大統領は会談前、「完全な非核化の意思が確認できなければ、会談を中座する」とまで言っていたのだが、なぜ、このような曖昧な内容の文書に合意したのか。それは、トランプ大統領にとって、今回の米朝首脳会談は、「自身の成果」とすることが重要であり、そのため「実よりも名を取った」からである。

両国は、会談を有利に進めようと、会談前から猛烈な駆け引きを行った。その結果、トランプ大統領は、「北朝鮮は怒りとあからさまな敵意を表明しており、現時点で会談するのは不適切」だとして、突如、米朝会談の中止を発表した。

これに驚いた北朝鮮は、金桂官第一外務次官の談話で、「いつでもどのような方式でも向かい合って問題解決の用意がある」と前言を翻して、金英哲統一戦線部長が米国を訪問、トランプ大統領やポンペオ国務長官と面談して会談の再設定を試みた。

これだけ慌てたのは、北朝鮮が切実に米朝首脳会談を求めていたからだ。この時点では米国が圧倒的に優位に立っており、北朝鮮に対して譲歩を迫れる立場にあった。そのままの姿勢で会談に臨めば、北朝鮮に対しCVIDへの歩み寄りを不可避なものにできたと思う。

しかし、トランプ大統領はそうしなかった。「北朝鮮の核問題で成果を上げたい」と焦るあまり、安易に会談の再設定に応じてしまったのだ。これが原因で、米朝の立場が逆転してしまったと言える。

トランプ大統領がこうした行動に出てしまったのは、歴史的な米朝首脳会談を実現して自らの「政治的成果」とすることで、今年11月の中間選挙や、2年後の大統領選挙に向けて体制の立て直しを図りたいと考えていたからだ。彼にとって重要なのは、「会談が成功した」と主張できるようにすることだったのだ。

他方、金委員長は、生きるか死ぬかの覚悟で会談に臨んでいた。国の安全保障のために、核ミサイルはどうしても手放せない。だからといって、このまま開発を続ければ、制裁を強化されてますます経済的に追い込まれ、生存自体が危うくなりかねない。そのため、粘り腰で非核化を遅らせ、その間にできるだけ多くの経済支援を勝ち取ろうとしたのだ。

このように見ていくと、会談準備過程の膠着状態は北朝鮮の“遅延戦術”によるもので、時間切れとなった米国が譲歩を迫られた形だったといえる。そもそも、首脳会談の再設定から準備期間は2週間ほどしかなく、北朝鮮の譲歩を引き出す時間的な余裕はほとんどなかった。そういう意味で、米国は首脳会談の日程を設定せず、北朝鮮をじらしながら、非核化に向けて歩み寄りを見せたところで日時を決めるのが得策だったのだ。

CVIDで合意できなかったことが今後の禍根になる可能性

今回の会談が出発点となり、来週以降、ポンぺオ国務長官やボルトン大統領補佐官が、北朝鮮側のカウンターパートとなって具体策を詰めていくという道筋をつけたことは一つの成果といえる。しかし、北朝鮮からCVIDの約束をきちんと取りつけることができなかったことは、今後に禍根を残しかねない。

というのも第一に、閣僚レベルで具体策を詰めていくにしても、合意した以上の譲歩を北朝鮮側から引き出すことは容易でないからだ。また、トランプ政権としても、北朝鮮が完全な非核化の意思を示さないからといって、自ら今回の会談が「失敗だった」と言うことはできない。要するに、トランプ政権は北朝鮮との交渉の余地を自ら狭めてしまったのである。

第二に、段階的非核化によって北朝鮮が時間稼ぎをし、その間に体制を立て直して核ミサイルを開発する機会を与えかねないからだ。そもそも、北朝鮮が非核化の道筋をつけることを頑なに拒否しているのは、その意思がないからであり、北朝鮮がこれまで再三にわたって約束を反故してきたことの再現になりかねない。

そして第三に、今回の米朝合意をテコに中国やロシア、そして韓国が制裁の手を緩めてしまう可能性がある。既に、中朝国境沿いの貿易は、以前より活発になっている模様だ。韓国も開城に連絡事務所を設け、開城工業団地の再開準備ともとれる動きを示し始めている。制裁が緩和されれば、北朝鮮が非核化を進めなければならない動機はなくなってしまう。

非核化に関する言及が不十分で盛り込まれなかった終戦宣言

今回の会談では、朝鮮戦争の「終戦宣言」についても合意するのではないかと言われていた。北朝鮮にとって、非核化する上での最大の懸念材料は「体制の保証」であり、終戦宣言はその第一歩となる。

合意文書の中で、「トランプ大統領は、北朝鮮の安全保障の提供に取り組むとした」とし、「米国と北朝鮮は平和と繁栄のため、両国民の望みに従い、新たな米朝関係構築に取り組む」「米国と北朝鮮は恒久的で安定した平和的な体制を朝鮮半島に築く努力を共に続ける」と記されてる。

朝鮮半島に恒久的な平和をもたらすことは重要であり、そのため北朝鮮に安全保障を提供することは肯定的な動きだ。トランプ大統領は記者会見で、在韓米軍に関連し、「米韓合同演習はとても挑発的であり、費用も莫大だとしてこれを減らしていく」と言及した。

しかし、米韓側が一方的にこうした措置をとるのはいかがなものか。確かに朝鮮半島の緊張が緩和されるなら、それはいいことだ。しかし、朝鮮半島の緊張を高めているのは、38度線沿いに配備された北朝鮮の膨大な長距離砲である。米韓側が緊張緩和を図るなら、北朝鮮にも対等に緊張緩和の措置を取るよう求めるべきではないか。北朝鮮の要求を一方的に聞くだけでは、交渉にはならない。

今回、終戦宣言が盛り込まれなかったのは、非核化に関する言及が不十分だからだろうが、近々、終戦宣言から平和協定の締結に向けて動き出す可能性は高い。だが、護衛艦の天安艦砲撃やプエブロ号事件、延坪島砲撃など、数々の衝突事件を起こしているのは北朝鮮側であることに鑑みると、平和への取り組みを強く促してほしい。

トランプ大統領は記者会見で、「人権問題については細かいところまで議論した」と述べた。しかし、そこで強調したのは米国の戦争捕虜・行方不明兵士の遺体回収、帰還問題だった。しかし、記者の質問の趣旨は、北朝鮮住民の人権問題だったはずで、金正恩体制の圧政下で政治犯収容所に送られ、惨殺されている人々のことを指していたのだ。

北朝鮮は米朝関係を改善し、国際社会に復帰することで経済発展を進めることを目指している。しかし、北朝鮮の人権状況が現状のままであれば、北朝鮮を支援しようとする国際機関や、投資をしようという企業が現れるわけもなく、人権問題の解決は避けて通れない。

北朝鮮は、長年、国民を締めつけてきた。これを一気に開放すれば反政府活動が広がり金正恩体制は持たないかもしれない。そのためにも、まず住民の生活改善は不可欠であろう。こうした問題に北朝鮮がどう取り組むのか、米国をはじめとする国際社会がいかに取り組んでいくべきか、議論を始めるべきであろう。

拉致問題に言及されたものの解決は容易ではない

トランプ大統領は会談前、安倍晋三首相に対し、「拉致問題について取り上げる」と述べた。会談でいかなる議論がなされたかについては、既に安倍首相に伝えられたであろう。拉致被害者家族も、「今回が最後の機会だ」として希望を持っている。最終的に解決しなければないのは日本政府であり、安倍首相も真剣に取り組んでいる。

北朝鮮にとっても、日朝首脳会談を開きたいはずだ。米朝関係が進んでも、米国は金は出さないと言っており、日本、韓国、中国に丸投げしている。日本としても戦後処理の問題は片付いていないので、拉致や核ミサイルの問題を包括的に解決し、国交正常化の過程で経済協力を提供することになるだろう。

しかし、北朝鮮は相変わらず拉致問題は解決済みだとしている模様で、スウェーデン合意に基づく調査も途中で打ち切っている。北朝鮮のような統制国家では調査の必要はなく、拉致被害者の現状はすでに把握済みだと思われるにもかかわらずである。となれば、日本政府が拉致被害者の現状をできるだけ詳細に把握し、追及することで、金委員長が拉致被害者を返さざるを得なくなるようもっていく必要があるだろう。

今回の米朝首脳会談をきっかけとして、米国の北朝鮮との交渉は今後も続いていく。その過程で、非核化について進展があることを期待する。ただ、日本も傍観者ではいられない。日本は、米国に対して要請して推移を見守るのではなく、当事者としての意識を持って北朝鮮との交渉に臨む必要があると言える。

(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)

上久保記事

Photo:AFP/AFLO

「大山鳴動して鼠一匹」とは、まさにこれだ。米国のドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の米朝首脳会談が行われた。両首脳は、(1)「米国と北朝鮮の新たな関係の樹立を約束」(2)「朝鮮半島の持続的かつ安定的な平和構築に共に努力」「北朝鮮は朝鮮半島の完全な非核化に向けた作業を行うと約束」「戦争捕虜、戦争行方不明者たちの遺骨収集を約束」の4項目で合意し、文書に署名した。しかし、「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化」(CVID)という表現は明記されず、全ての項目において、「いつまでに、どのように実現するか」の具体策は示されなかった。

本連載が主張してきた「米国には決して届かない短距離・中距離の核ミサイルが日本に向けてズラリと並んだ状態でとりあえずの問題解決とする」(本連載第166回)という状況が出現する。「史上最大の政治ショー」が起こるかのように大騒ぎした割には、何一つ決まらなかった。「落としどころ」は至って平凡で、日本にとっては最悪なものとなった。

トランプ大統領は「拉致問題提起」を日本からカネを引き出すために利用した?

首脳会談終了後の記者会見で、トランプ大統領は「完全な非核化」実現のために「圧力は継続する」と述べた。また、首脳会談で「日本人拉致問題」を提起したという。安倍晋三首相はこれを高く評価し、感謝の意を表した。後は、首相自らが動いて「日朝首脳会談」を開催し、拉致被害者を取り返すだけとなった。

だが、トランプ大統領は記者会見で「非核化のための費用は、日本と韓国が出す」とも述べた。「圧力を継続」と言いながら、非核化のためという名目で日本に「カネを出せ」とクギを刺したということだ。これで安倍首相は日朝首脳会談に「手ぶら」では行けなくなった。

安倍首相は、日朝首脳会談の開催前から、拉致問題を首脳会談で提起するように、トランプ大統領に積極的に働きかけてきた。そして、そのことを日本国民に対してアピールし続けてきた。トランプ大統領も安倍首相に会うたびに「シンゾー、任せろ。必ず金正恩に話す」と応え、実際に会談で提起したという。拉致被害者の会の皆様は「これが最後のチャンス」と切なる思いで見守っている。いまさら安倍首相が平壌には行かないと言い出せない状況になっている。

この連載は、「北朝鮮との融和」は拉致問題を動かす好機と指摘してきた(前連載第1回)。そして、今回はこれまでとは違い、本当に拉致被害者を少なくとも数名取り戻せるかもしれないと考えている(第181回)。実際に、そういう状況が出現したといえるかもしれない。だが、それは日本が「非核化のためという名目でいくらカネを出すのか」を提案することと、バーターとなっているのではないだろうか。

日朝首脳会談で、北朝鮮に非核化のためのカネを出すことを決めれば、その見返りに拉致被害者が2~3人帰国するかもしれない。もしそうなったら、日本の世論は歓喜するだろう。だが、北朝鮮に渡すカネが、本当に非核化のために使われるかどうか、わかりはしない。逆に、日本が渡すカネが「最大限の圧力」が形骸化するきっかけとなる懸念もある。しかし、その時、拉致被害者を返してもらった日本政府と国民は、北朝鮮に面と向かって厳しく批判できるだろうか。

今の北朝鮮にとって、拉致被害者を2~3人返すことなど、たやすいことだ。金委員長は米朝首脳会談の実現によって、長年の「国家的悲願」であった「米国による体制保証」をトランプ大統領から引き出したのだ。それに比べたら、拉致問題など、言葉は悪いが実に小さなことだ。

「拉致問題は解決済み」という立場の北朝鮮にとって、さらなる拉致の事実を認め、日本に謝罪することは「国家的な恥」ではある。だが、米国による体制保証という「国家的悲願」の実現と比べれば、実に小さな「恥」である。

金委員長が安倍首相に対して「祖父・父の時代に、恥ずかしい振る舞いがあった。だが、私はそれを解決する」と言えば、朝鮮中央放送が「金委員長が寛大な心で偉大な決断をされた」と大絶賛するだろう。それで安倍首相からカネを引き出せるならば、簡単なことだ。

トランプ大統領が米朝首脳会談で拉致問題を提起した。それは「圧力一辺倒」で「完全なる非核化」を求め続ける安倍首相にカネを出させるために、周到に仕組んだ罠だったように思われてならない。

米国、中国、韓国、ロシアの「完全な非核化」に対する本音

日本を除く、「北朝鮮核ミサイル開発問題」の関係国である、米国、中国、韓国、ロシアは、口を開けば「完全な非核化」と言うが、実際は非核化に強い関心はない。米国は「アメリカファースト」であり、既に米国に届くICBMの開発を北朝鮮に断念させて、核実験場を爆破させた。それで目的達成なのである(第184回)。その意味で、トランプ大統領は米朝首脳会談に、「うまくいけば、ノーベル平和賞が取れるかな」という程度の、軽いノリで臨んでいた。

しかも、ノーベル賞を取るのに、北朝鮮の完全な非核化までは実は必要なく、「朝鮮戦争の終結」とそれに続く「在韓米軍の撤退」で十分だと考えている。在韓米軍の撤退は、時期はともかくとして、既に米国では決定事項である(第180回・P.5)。しかも、トランプ大統領は「経費節減にいいことだ」と言い切っているのだ。その上、米朝首脳会談では「米韓軍事演習」の中止にまで言及した。

要するに、トランプ大統領は「アメリカファースト」と「ノーベル平和賞」しか関心がなく、「完全な非核化」は、「金委員長と話はつけた。後は、やりたければシンゾーがカネを出してやれ」と言って、無関心なのである。

一方、ロシア・中国は、本音の部分では、北朝鮮が核兵器を持つことは悪いことではないとさえ考えている。東西冷戦期から、中国・ロシアは「敵国」である米国・日本と直接対峙するリスクを避ける「緩衝国家」として北朝鮮を使ってきた。米朝首脳会談でトランプ大統領が北朝鮮の体制を保証したことで、「緩衝国家」は今後も存続するのだ。

その上で「緩衝国家」が核兵器を保有し、それを日本に向けることは、北東アジアの外交・安全保障における中国・ロシアの立場を圧倒的に強化することにつながる。換言すれば、緩衝国家・北朝鮮の体制維持と核武装は、中国・ロシアにとって「国益」だと言っても過言ではない(第166回)。

韓国は、同じ民族であり、統一すれば領土となる土地に、北朝鮮が核を撃つわけがないと思っている。核はあくまで日本に向けられるものであり、それは悪いことではないと考えるだろう。

トランプ大統領が言及したように、「在韓米軍」の撤退が、韓国が中国の影響下に入ることを意味し、北朝鮮主導の南北統一の始まりになるのかもしれない。北朝鮮よりも圧倒的に優位な経済力を持ち、自由民主主義が確立した先進国である韓国が、最貧国で独裁国家の北朝鮮の支配下に入ることはありえないと人は言うかもしれない。しかし、明らかに「左翼」で「北朝鮮寄り」の文大統領にとっては、それは何の抵抗もないどころか、むしろ、歓迎かもしれないのだ(第180回・P.6)。

日朝首脳会談をきっかけになし崩し的な経済協力が始まる

少なくとも、文在寅大統領は、南北首脳会談で金委員長が求めてきた経済協力を進めるだろう。一応、韓国も「完全な非核化」まで圧力を継続するという立場だが、日朝首脳会談で安倍首相が非核化のためのカネを出すことになれば、後はなし崩しとなる。

北朝鮮の後見役を自認する中国が、米朝首脳会談での融和の進展を受けて、非核化のための圧力の有名無実化に動くことは自然である。そして、日本とともに「蚊帳の外」とされてきたロシアにとっては、北朝鮮への経済協力こそ蚊帳の外から脱する唯一の方法だ。

米朝首脳会談前にウラジーミル・プーチン大統領と安倍首相の日露首脳会談が行われた。日ロ経済協力は着々と進んでいる(第147回)。プーチン大統領から、「日ロ経済協力を発展させて、ロシア、日本、北朝鮮の『環日本海経済圏』をつくろう」とぶち上げられたらどうだろう。北方領土問題を抱える日本は、それを断れるのだろうか。

拉致問題の進展は完全な非核化を遠のかせるかもしれない

本連載の著者、上久保誠人氏の単著本が発売されます。『逆説の地政学:「常識」と「非常識」が逆転した国際政治を英国が真ん中の世界地図で読み解く』(晃洋書房)

「日本人拉致問題」の解決は、拉致被害者とその家族の皆様にとっては、まさに「最後のチャンス」である。できることならば、横田めぐみさんをはじめ、全員が帰国できることを願ってやまない。

安倍首相は、拉致問題についての日本国民の期待を高めてしまった。いまさら「平壌に行かない」とは言えない。しかし、平壌に行ったら、日本は北朝鮮の非核化という名目で、カネを出さなければならないことになる。「拉致問題」は完全にトランプ大統領と金委員長に、いいように利用されたのではないだろうか。

拉致問題の進展は、北朝鮮の完全な非核化の実現を遠のかせてしまうという、相反する結果をもたらしてしまうのかもしれない。

(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

ロイター記事

6月11日、トランプ大統領は、北朝鮮が核放棄すれば、米国からの投資に支えられて「非常に豊かに」なるだろうと約束したかもしれない。だが、同国における変革の原動力となるのは米国ではなく、中国だろう。5月、平壌で撮影。KCNA提供(2018年 ロイター)

[ソウル/北京 11日 ロイター] – トランプ大統領は、北朝鮮が核放棄すれば、米国からの投資に支えられて「非常に豊かに」なるだろうと約束したかもしれない。だが、同国における変革の原動力となるのは米国ではなく、中国だろうと、北朝鮮に詳しいエコノミストや研究者は予想する。

北朝鮮にとって最も身近な手本となるのは、米国式の資本主義ではなく、1978年に中国指導者となった鄧小平氏が最初に推進した、国家統制下の中国式の市場経済だと指摘する。

当時の中国は、27年間に及ぶ故毛沢東国家主席による統治がもたらした混乱、つまり資本主義が禁止され、私有のビジネスや財産が国家に接収され集団所有の下に置かれた時期から、抜け出そうとしていたのである。

鄧小平氏は痛みを伴う改革を導入し、現在では、過去40年にわたる中国経済の奇跡の基礎を築いたという評価が広がっている。その変化は巨大であり、成長は驚異的だった。しかし何よりも重要なのは、中国共産党が、権力をただ維持するだけにとどまらず、国内統制をさらに強めつつ、こうした成果を達成したことである。

シンガポールで12日、トランプ大統領と北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による史上初の首脳会談が行われる中で、北朝鮮政府の関心は、ますます中国に傾斜しつつある。

正恩氏は3月以来、中国を2度訪問し、習近平国家主席と会談している。一方で、北朝鮮を支配する朝鮮労働党の高官級代表団は5月、11日間にわたる中国訪問のなかで、中国のハイテク都市交通や最新の科学的成果などを中心に、いくつかの産業拠点を視察した。

この代表団が中国を訪問したのは、正恩氏が核実験・ミサイル実験の中止を宣言し、「社会主義経済建設」に専心すると誓ったほんの数週間後である。中国メディアは正恩氏の声明を、鄧小平氏の政策を簡潔に表現した「改革開放」の北朝鮮版だと位置付け、中朝国境の丹東市では住宅建設投資が急増した。

「金正恩氏がトランプ大統領と会談するのは、米国に制裁を解除してもらう必要があるからだ。その後の見出しはすべて、金正恩氏と習氏の名で埋め尽くされるだろう」と語るのは北朝鮮関係に詳しい韓国のエコノミスト、Jeon Kyongman氏だ。

中国は、北朝鮮にとって最も重要な同盟国であり、最大の貿易相手国である。2011年に金正恩氏が権力を継承して以来、中国との貿易関係はますます重要となっている。現在、中国は北朝鮮の貿易全体の90%以上を占め、北朝鮮経済にとって唯一の生命線となっている。

北朝鮮の「開放」に狙いを定める中国

2017年4月、平壌で撮影(2018年 ロイター/Damir Sagolj)

英リーズ大学で中国・北朝鮮関係を専門とするアダム・キャスカート氏によれば、中国北東部の「ラストベルト」地域で経済成長が停滞していることも、北朝鮮との経済関係強化に関心が高まる追い風となっているという。

北京の東興証券でチーフエコノミストを務めるZhangAnyuan氏によれば、計画経済から市場経済への移行という中国のモデルは、それが政治や経済、社会の安定を損なわずに実現されただけに、北朝鮮政府にとって魅力的である。

「地理的な位置や経済システム、市場規模、そして経済の開発段階を考慮すれば、中国と北朝鮮のあいだの経済協力は他に代えがたい、模倣しようのない優位を得ている」とZhang氏は言う。

だがキャスカート氏は、経済自由化の進展はゆっくりしたものになる可能性が高いという。というのも、北朝鮮は、通貨や移民を巡る規制緩和による政治リスク増大については慎重になることが見込まれるからだ。

北朝鮮は中国だけでなく、上からの厳しい統制が維持されている他の国の経済システムも参考にするかもしれない、とキャスカート氏は述べ、ベトナムや、あるいは韓国の「財閥」型ビジネス構造を例に挙げた。それにより「資本独裁制」に近いものが可能になるからだという。

習主席は、トランプ大統領からの強いプレッシャーを受けて、2017年後半には北朝鮮に対する制裁を厳格に実施し始めた。中国は今年3月までの6ヵ月連続で、国連安保理の制裁決議に従って、北朝鮮からの鉄鉱石や石炭、鉛鉱石の輸入を完全に停止している。

この制裁は石炭依存度の高い北朝鮮の重工業や製造業に打撃を与えた。だが、より重要なのは、中国政府との貿易が急減することによって「経済の最も繁栄する部分がやられてしまった」ことだという。

つまり、個人や卸売業者が中国製の消費財や農産物を売買する非公式の闇市場だ、とJeon氏は語る。「北朝鮮経済を締め上げた最大の要因は、制裁実施に向けた中国の決断であり、この制裁の解除が金正恩氏にとっての急務だ」

「蚊帳スタイル」

ソウル国立大学のKim Byungyeon教授(経済学)は、制裁解除後も、北朝鮮は国家管理の下での経済成長を追求する可能性が高いという。統制を失うことは現体制を不安定化する可能性があるからだ。「そうなれば、正恩氏は現在手中にある権力を半分以上失うだろう」

フィッチグループ傘下のBMIリサーチは、統制維持に向けた努力の一環として、市場開放が行われるとしても当初は「経済特区」に限定されると予想。こうした特区において、北朝鮮政府は自国の低コスト労働力と中国の資金力や技術的ノウハウを結合することを目指してきた。

5月、韓国ソウルでTVニュースを眺める人々(2018年 ロイター/Kwak Sung-Kyung)

東岸の元山(ウォンサン)観光特区や、韓国との境界線にある開城工業地区などの例に見られるように、正恩氏は経済における国家統制を維持しようとするだろう、と専門家は言う。

正恩氏はすでに元山にスキーリゾートや新たな空港を開設し、人口36万人の同市を多額の外貨を稼ぐ観光名所に変貌させている。

「制裁が緩和されれば、まずこの種のプロジェクトが進められる可能性が最も高い」とBMIリサーチは言う。

Jeon氏は、これは鄧小平氏のモデルに似た「蚊帳スタイル」の改革だという。国家統制の厳しい枠組みのなかで限定的に外資導入と市場自由化を進めるやり方だ。

鄧小平氏は中国東部沿岸に一連の経済特区を設け、固有の地方特例法によって輸出市場向けの合弁製造事業に対する外国からの投資を奨励する一方で、多国籍企業との直接の競争から国内産業を保護した。

「鄧小平氏は深センを経済特区に指定し、かつての静かな漁村を、世界の製造業の一大拠点に変貌させた」とJeon氏は語る。「正恩氏は、特に経済の他の部分においては最小限の変化しか望まないだろうから、こうした経済特区に熱心になるだろう」

(Cynthia Kim and Christian Shepherd/翻訳:エァクレーレン)

ヤフー記事

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が初めての対面を果たし、華々しく世界の注目を集めた「米朝首脳会談」。その影で忘れてはならない「主役」がいます。アメリカ研究が専門の慶應義塾大学SFC教授、渡辺靖氏は、今回の首脳会談の結果は、まさに中国が望んだ流れになっていると指摘します。朝鮮半島情勢を考えるとき、アメリカにとっても、北朝鮮にとっても、そして日本にとっても、つきまとう中国の影。渡辺氏に寄稿してもらいました。
【写真】共産党大会に首脳会談 北京で思う米中関係、民主主義、そして日本

朝鮮半島めぐり中国が望む流れに

米朝首脳会談の結果を「信頼醸成の第一歩」と見るか「ただの政治ショー」と捉えるか。会談を実現したトランプ大統領の手腕を評価するか、北朝鮮に押し切られたと批判するか。米国民の評価はおよそ二分されており、外交・安保専門家の間ではより辛口の意見が目立つ。引き続き、米朝交渉の行方から目が離せないが、中長期的な、地政学的な観点からすると、「北朝鮮問題」の本質は「中国問題」であると考える。

[写真]シンガポールまで向かう専用機まで用意した中国。事態は習近平主席の望む流れへと動いている(代表撮影/ロイター/アフロ)

当然ながら、中国は対岸における有事を望まない。核武装した隣国の存在も然り。米韓同盟の存在も目障りだ。中国にとっては、米朝の緊張緩和、北朝鮮の非核化、朝鮮半島からの米国の影響力後退が最も望ましい。
その意味で、今回の米朝首脳会談の実現、そして共同声明の内容は中国にとって歓迎すべきものであったろう。米国による北朝鮮攻撃のオプションは事実上消え、北朝鮮も核・ミサイルを開発しにくくなり、さらにはトランプ大統領から米韓軍事演習中止や在韓米軍撤退を示唆する発言があったからだ。
今回の共同声明は「段階的非核化」を事実上容認する内容になっているが、それはまさに中国が望んでいたものだ。とりわけ、北朝鮮が核・ミサイル開発を凍結する見返りに、米韓が軍事演習を凍結するという「二重凍結」を中国は重視していた。記者会見の席上、トランプ大統領は同軍事演習を「戦争ゲーム」と(北朝鮮の認識に沿った名称で)呼び、その中止を示唆した。在韓米軍と米韓同盟の運用に関わる核心部分が、事前に韓国側と――そればかりか一部報道によると米国防総省のマティス国防長官とも――すり合わせがないまま、北朝鮮との会談後に発表された格好だ。
今後「段階的非核化」の見返りとして、北朝鮮は「在韓米軍の撤退」や「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)の撤去」なども求めてくるかもしれない。それは中国にとっても理想的な話であり、その実現のためにも、中国には北朝鮮を支援する価値がある。中国・大連での2回目の中朝首脳会談の際に「米国が望む(核の一括放棄後に制裁解除する)リビア方式に従わなくとも中国は北朝鮮を支援する」といった確約を金正恩委員長は習近平国家主席から受け取っていたのだろう。中国は金委員長がシンガポールへ向かう専用機(中国国際航空)を提供するなど緊密ぶりを印象づけた。

「一帯一路」が朝鮮南端まで繋がる

北朝鮮が今年に入って対話路線に転じた一因は、最大の貿易相手国である中国による経済制裁が一定程度効いたからだとされる。しかし、すでに中朝国境の経済活動(石炭や石油精製品の船舶同士の取引、ブラックマーケット、出稼ぎ労働者の往来など)は元に戻りつつある。
中国は北朝鮮が核実験場などを爆破したことを「非核化に取り組んでいる証し」として、国連加盟各国が北朝鮮に科している経済制裁を緩和する決議案を提出する可能性もある。その際、トランプ政権が拒否権を発動すれば、せっかくの対話ムードが壊れかねない(北朝鮮は「米国が敵視政策を再開した」と反発するかもしれない)。北朝鮮の東西両岸と38度線(南北分断線)を結ぶ「H」型の経済回廊が完成すれば、韓国の経済界にとっても大きなビジネスチャンスが開ける。そして、中国からすれば「一帯一路」が朝鮮半島の南端まで直に繋がることになる。
北朝鮮との交流が進み、中国との経済的結びつきがさらに深まり、米軍のプレゼンスが低下する韓国の状況は、「米韓切り離し(デカップリング)」を狙う中国の地政学的目標と合致する。
もちろん、韓国内では保守派を中心に、そうした展開を危惧する声が強い。また、北朝鮮も、中国の衛星国になることを回避すべく、実は一定程度の在韓米軍のプレゼンスを望んでいるという見方もある。北朝鮮が米国との関係改善を望む理由は、短期的には米国、長期的には北朝鮮を完全に影響力下に置こうとする 中国から身を守るためという見方もあながち的外れではないだろう。

[写真]トランプ大統領は史上初の米朝首脳会談の成果を強調した(ロイター/アフロ)

中国の「シャープパワー」警戒する米国

米国がこうした中国の勢力拡張を警戒しているのは明らかだ。今年1月に公表されたトランプ政権下初の「国家防衛戦略(NDS-2018)」において、米国は中国を(ロシアとともに)既存の国際秩序への脅威となる「修正主義勢力」と位置付けている。海洋(尖閣諸島、台湾、南シナ海)、サイバー、関税、知的財産権など争点は山ほどある。
加えて、最近では、中国やロシアなどの権威主義国家による世論形成プロジェクトを「ソフトパワー」ならぬ「シャープパワー」として警戒する雰囲気が米国内でとみに強まっている。シャープパワーは昨年末に全米民主主義基金(NED)の研究員によって提唱され始めた概念で、相手国を情報操作などによって世論誘導する能力を指す。 中国政府が世界各地で展開している言語文化教育機関「孔子学院」についても、米国内では「プロパガンダ機関」として問題視されており、有力大学を中心に距離を置き始めている。
米国では少し前まで「中国がグローバルな市場経済のなかで発展すれば、次第に民主化が進むだろう」との楽観論があったが、「現実はむしろ民主化に逆行するかのような強権国家化が進んでいる」との失望感や反発が急速に広がっている。私は今年1~3月までワシントンに滞在していたが、米国における対中強硬論や中国警戒論の台頭ぶりは日本で想像していた以上であった。
その一方、TPP(環太平洋経済連携協定)、パリ協定(地球温暖化対策の国際枠組み)、イラン核合意など、多国間枠組みから次々と離脱するトランプ政権は、自らの影響力拡大を狙う中国にとってあながち悪い存在ではない。

中国が日米切り離しを仕掛ける可能性

韓国における米軍のプレゼンスが低下すれば、日本はその中国と対峙する「最前線国家」となり、今まで以上に安全保障上の負担が必要になる可能性がある。そして、中国は「米韓」の次に「日米」の切り離しに照準を合わせてくるかもしれない。
今は北朝鮮について議論しているが、中長期的に見れば、日本にとっても問題の核心は中国なのだと思う。 今は日米同盟を基軸に対応しているが、「米国第一主義」の行方次第では、数年後には、米中の狭間でバランスを取らざるを得ない状況まで押し込まれている可能性もある。

■渡辺靖(わたなべ・やすし) 1967年生まれ。1997年ハーバード大学より博士号(社会人類学)取得、2005年より現職。主著に『アフター・アメリカ』(慶應義塾大学出版会、サントリー学芸賞受賞)、『アメリカのジレンマ』(NHK出版)、『沈まぬアメリカ』(新潮社)など

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