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『南北会談の主題は「非核化」ではなく「統一」 爆弾提案「在韓米軍は駐留してよい」はあるか?!』(4/19日経ビジネスオンライン 森永輔)について

4/18看中国<六则短笑话 让您一次笑个够(组图) =6個の短い笑い話 一回笑わすことができれば充分である>昨日の続き。

「不怕 怖くなんかない

一对情侣骑车在路上飙着车。

女:“你骑那么快,我好怕喔。”

男:“别怕喔。来,跟我一样把眼睛闭起来就不怕。”

カップルが自転車に乗って飛ばしている。女:「そんなに飛ばしたら、怖いわ」。男:「怖がることはないさ。僕同様に目を瞑ればね」。

“别怕喔。来,跟我一样把眼睛闭起来就不怕。”(图片来源:Adobe Stock)

老妈的需求 母の求め

三个离家闯天下的儿子聚在一起,讨论各自送给老妈的礼物。

大儿子说:“我为妈妈盖了一栋大房子。”

二儿子说:“我送给她一辆奔驰,还附司机。”

三儿子说:“我一定会打败你们了,你们知道妈妈非常喜欢读圣经,你们也应该知道她的眼睛不好。我送她的是一只会朗诵全本圣经的棕色鹦鹉,总共动用二十名修道院的修士,花了整整十二年的时间来教这只鹦鹉,我还得每年都要奉献十万元,他们才肯训练它。不过这是值得的,妈妈只要说出章节名称,那只鹦鹉就会开始背诵圣经给她听。”

过了不久,他们就收到妈妈寄出的谢卡。

给大儿子的写道:“Charles,你盖的房子好大。我只住在其中一个房间,但是我却得打扫整栋房子。”

给二儿子的写说:“James,我太老没办法外出旅行。我整天都待在家里,所以我从来没坐过那台奔驰。而且,那个司机好粗鲁,好没礼貌。”

她给三儿子的信柔和许多:“最亲爱的Thomas,你是三个儿子中唯一知道妈妈最喜欢的是什么,谢谢你送的那只鸡,非常好吃。”

実家を離れている3人の子供が集まって、母に各自何を送れば良いか相談した。長男は「家を建ててやる」、次男は「運転手付きのベンツを送る」、三男は「俺は必ず二人より良いものを。母は聖書を読むのが好きだけど、目が良くないのは知っているね。俺は聖書を朗読できる橙色のオウムを贈ろうと思っている。僧院の20名の修道士を使い、12年の時間をかけてオウムに教え込み、毎年10万元の寄付をして、やって貰った。母が章の名を言ってくれさえすれば、オウムの聖書を聞かせられる」と。

時間を置かずに、母からお礼の手紙が届いた。長男には「チャールズ、家が大き過ぎて一部屋しか使っていない。でも、掃除は全部の部屋をしているよ」、次男には「ジェームズ、年をとりすぎて旅行には行けない。一日中家にいるのでベンツは使っていない。運転手は粗野で、礼儀知らずだし」、三男には優しく、「最愛のトーマス、兄弟の中で一番私が何を喜ぶのか知っているね。鳥を送ってくれて有難う。美味しかったよ」と。

幽默图。(图片来源:Adobe Stock)

闹鬼 お化けが出る

一个酒鬼喝醉酒了回到家中,跟太太说:“我们家真的闹鬼了。”

太太:“怎么说。”酒鬼:“我刚回来时要去上厕所,没想到才一开门,灯就亮了。”

太太:“真的吗。”酒鬼用力点头。太太想了想说:“你是不是觉得里面还有阵阵阴风吹出来。”

酒鬼觉得惊讶极了,说:“你怎么知道。”太太生气的大声说:“这是你第三次喝醉后在冰箱里尿尿了。”」

大酒飲みが酔って家に帰り、妻に「この家は本当にお化けが出る」と言った。妻:「何を言うの」男:「戻って来てすぐトイレへ行って、ドアを開けるや明かりがすぐ着くとは思わなかった」妻:「本当?」男は強く頷いた。妻は考えて「中の方からひとしきり風が吹かなかった?」と聞いた。男は訝しんで「どうして分かった」。妻は怒って大声で「酔って冷蔵庫にオシッコをしたのはこれで3回目だわ」と言った。

4/19 The Guardian <North Korea wants total denuclearisation, says Seoul>「文在寅大統領の話では、「金正恩は非核化に米軍撤退のような条件を付けなくても良い」と言っている」とのこと。どこまで本当なのか分かりません。ミアシャイマー教授も武貞氏も北が核放棄することは絶対あり得ないと言っています。ポンペオ次期国務長官が金を籠絡したのか、騙されたのかトランプ・金会談を見て見ないと分かりません。北が本当に非核化に踏み切り、米朝戦争がなくなることは良いことですが、そうなると、中露の出方が気になります。また、反日政策を維持するのか、韓国の反日支援をどうするのか、統一をどうするのか等変数が多すぎます。日本にとって戦争・平和どちらに転んでも今までの延長線で行くことはないでしょう。国民の自覚が促される処ですが、左翼メデイアに操られているようでは望み薄です。歴史を大事にしない国民の咎めが出るという事でしょう。

https://www.theguardian.com/world/2018/apr/19/north-korea-wants-complete-denuclearisation-says-seoul

http://dwellerinkashiwa.net/?p=8638

武貞氏は朝鮮半島の語学屋としてハングルに思い入れが強く、客観的に情勢判断ができず、日本の国益を損ねる発言をしている人との印象しかありません。ですから左翼メデイアに重宝がられるのでしょう。氏の「南北が親密であることを、米国や中国に示すことができるか否か。これができれば北朝鮮は、米国や中国に対してプレッシャーを与えることができます」というのは朝鮮半島の実力を買い被り過ぎでしょう。米中とも南北をいつでも如何様にでもできますが、それぞれ今のままがメリットがあるから、分断されたままになっている訳です。そこが分かっていません。先ず「統一」ありきから始まっているからです。核を持った統一朝鮮が日本に核投下することを全然考えていませんから。

彼は紛れもなく「朝鮮半島ファースト」であって、「日本ファースト」ではありません。本記事を読んで痛切に感じました。こういう人が防衛研究所の教授をして、日本国の禄を食んできた訳ですから、戦後日本の在り方が如何におかしいかです。昨年訪朝して北の高官と会えるという事は北のプロパガンダの手先になっているという事でしょう。経済制裁中であるにも拘らず。北京経由で平壌に入ったのでしょうけど。

在韓米軍撤退の話は金・ポンペオで話合われた可能性があります。北が完全に南を統一するまではいても良いと。

記事

いよいよ、第3回目の南北首脳会談が迫る(写真:AP/アフロ)

韓国の文在寅大統領と北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長による南北首脳会談が、いよいよ4月27日に迫った。日本人は「非核化」の動向に目を向けがちだが、実はその主題は「統一」にある――朝鮮半島問題の専門家、武貞秀士・拓殖大学教授はこう語る。(聞き手 森 永輔)


 

武貞 秀士(たけさだ・ひでし)氏
拓殖大学大学院特任教授。
専門は朝鮮半島の軍事・国際関係論。慶應義塾大学大学院修了。韓国延世大学韓国語学堂卒業。防衛省防衛研究所に教官として36年間勤務。2011年、統括研究官を最後に防衛省退職。韓国延世大学国際学部教授を経て現職。著書に『韓国はどれほど日本が嫌いか』(PHP研究所)、『防衛庁教官の北朝鮮深層分析』(KKベトスセラーズ)、『恐るべき戦略家・金正日』(PHP研究所)など。

武貞:大きく三つあります。第1は、南北が親密であることを、米国や中国に示すことができるか否か。これができれば北朝鮮は、米国や中国に対してプレッシャーを与えることができます。

第2は、世界が最も注目する「半島の非核化」について、南北双方が何を発言し、どのような表現で共同宣言に盛り込むか。そして第3は、朝鮮半島問題における米国の役割について触れるかどうか、です。第3のポイントは第2のポイントの延長線上のものと言えるかもしれません。

南北宥和に焦る米国

—南北が結束して米中に対してプレッシャーをかけるのですか。

武貞:そうです。主役は北朝鮮と韓国だと周辺国に知らしめる。1月9日に開かれた南北閣僚級会談で「南北関係で提起される全ての問題を、わが民族が朝鮮半島問題の当事者として、対話と交渉を通じ解決していくことにした」とうたっています。

これは2000年に行われた第1回南北首脳会談の時に出した6.15共同宣言に通じる表現でもあります。「統一問題を、その主人であるわが民族同士、互いに力を合わせて自主的に解決していくことにする」。

第1回南北首脳会談では、韓国の金大中大統領(当時)と北朝鮮の金正日総書記(同)が話し合いました。「主人である」は米国や中国を介在させないの意。「民族同士」は南北対話を通じて進めるとの意。そして「自主的に解決」は米国の軍事コミットメントを減らしていく、という意思の表れです。

南北関係が緊密であれば、もし米トランプ政権が北朝鮮をいじめるような行為に出ても、北朝鮮は、「韓国との関係をさらに深めるぞ」と“すごむ”ことができるようになります。このためにも、6.15共同宣言より密度の濃い文書を作ることでしょう。南北統一につながる道の第一歩である市場統合のロードマップに触れることがあるかもしれません。

—市場統合というのはどんなイメージですか。

武貞:北朝鮮の資源と労働力、韓国の資本と技術を結びつけて、北朝鮮のインフラを開発する……。

—開城(ケソン)の工業団地で手掛けていた共同事業を拡大させるイメージですね。

武貞:そうです。文在寅大統領は大統領選において市場統合を公約に掲げていたので、北朝鮮が「これに協力する」とリップサービスすることが考えられます。

—韓国と北朝鮮が親密になると、米国は何か困ることがあるのでしょうか。

武貞:韓国が北朝鮮との親密度を増すにつれて、米国は疎外感と、韓国に対する不信感を高めました。今年1月1日に金正恩委員長が新年の辞を公表し、平昌オリンピックに参加するとの驚きの意向を表明しました。「われわれは大会が成功裏に開催されることを心から願っています」「われわれは代表団の派遣を含めて必要な措置を講じる用意があり」という文言が新年の辞に並んだのです。

次いで韓国と北朝鮮は1月9日に閣僚級会談を開き、南北関係の改善と平昌オリンピックでの協力で合意しました。一連の動きについて、米国は韓国に対し執拗に説明を求めました。「米国も当事者である」と。

米国の不信感を高める韓国の行動はほかにもあります。北朝鮮が昨年8月、米グアム周辺を弾道ミサイルで攻撃する作戦を検討していると明らかにし、米国はこれに翻弄されました。そんな時にも韓国の文政権は親北の姿勢を崩さなかった。

米国のマイク・ペンス米副大統領が平昌オリンピックの開会式に出席すべく訪韓した時にも、北朝鮮との関係改善にかける文在寅大統領の意気の高さを目の当たりにしたことでしょう。

トランプ大統領が、韓国からの特使と40分あまりの面談をしただけで、米朝首脳会談を即座に受け入れた背景には、これらの動向がもたらした焦りがあったと考えられます。

金大中の夢、再び

—北朝鮮との宥和を示すことで韓国にはどのようなメリットがあるのでしょう。

武貞:文在寅政権は、金大中(キム・デジュン)元大統領の遺言を重視する政権です。

金大中氏は南北を「連合」方式で統一することを提唱していました。先ほど触れた6.15共同宣言で「南と北は国の統一のために、南側の連合体案と、北側の低い段階の連邦制案が互いに共通性があると認め、今後はこの方向から統一を指向していくことにした」と合意してもいます。

しかし、金大中氏時代に実現することはかなわなかった。金大中氏は「文在寅、お前がやってくれ」と遺言し、これが、文在寅氏が政治家になるきっかけとなりました。

「文在寅大統領は、『南北関係の改善』と『米韓同盟の維持』の間で板ばさみになり苦しんでいる」といった見方がありますが、それは当たりません。金大中政権や盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権に参加したスタッフに囲まれ、南北関係の改善に軸足を置いています。

彼らは「米韓同盟を薄めつつ、南北関係を改善し、1+1が3にも4にもなるような統一に向けて北朝鮮を説得していく」と考えです。

—「アメリカ陣営に属す韓国」の文在寅大統領が金正恩委員長と会談するのではなくて、「民族統一を目指す韓国」の文在寅大統領が金委員長と会談する、が南北首脳会談の「主」たる位置づけなのですね。そして、統一を念頭に置く南北が主役となる環境を築くため、米国と中国を牽制する体制を築く。

武貞:その通りです。この流れの中で、韓国が北朝鮮に対して独自に科している制裁を緩和するよう北朝鮮が求め、韓国が協力するかもしれません。例えば5.24措置と呼ばれる制裁の停止。北朝鮮が2010年5月に韓国海軍の哨戒艦「天安(チョナン)」を沈没させたことを理由に科した制裁です。開城工業団地と金剛山以外の訪朝不許可、北朝鮮に対する新規投資の不許可、人道的な支援を除く北朝鮮支援事業の保留を決めました。

火星15号の発射成功で、北はギアチェンジ

—南北関係はなぜ急に改善の方向に向かい始めたのでしょう。朴槿恵(パク・クネ)政権の時代とは隔世の感があります。文在寅氏が大統領に就いたこと以外にも理由があるでしょうか。

武貞:確かに朴槿恵政権が続いていたら今日の南北の姿は見られなかったでしょうね。文在寅氏の性向を理解していた北朝鮮は、崔順実(チェ・スンシル)氏が国政に介入したとの疑念を韓国市民が強め、ろうそく集会、朴槿恵氏の弾劾と進む中で文在寅批判を控えるようになりました。

しかし、最も大きい要因は昨年11月29日に火星15号の発射実験に成功したことでしょう。北朝鮮はこれによって米本土が攻撃できるようになったとしています。飛行距離は960キロ、高度は4475キロ、飛行時間は53分。ロフテッド軌道でなければ1万2000キロ飛んだと推定されています。北朝鮮はこれを「核武力完成の歴史的大業」と表現しました。

北朝鮮はこれを境に「話し合い」モードにギアを入れ替えた。「アメリカファースト」を掲げるトランプ大統領が、同盟国である日本や韓国を守るためにニューヨークやワシントンを犠牲にすることは考えづらい。話し合いに応じる可能性が出てきたわけです。イデオロギーや歴史観に基づいて政策を判断する人物が米大統領だったら、北朝鮮との首脳会談は実現しないかもしれません。良い意味でも悪い意味でも、こうしたことに執着しないトランプ大統領だからこそ実現する面があります。

今年1月1日の新年の辞で「アメリカ本土全域がわれわれの核打撃射程圏にあり、核ボタンが常に私の事務室の机の上に置かれているということ、これは決して威嚇ではなく、現実であることをはっきり知るべきです」と表明したのは、「もう北朝鮮と喧嘩をする時代ではなくなった」という意思を表したものでした。

—火星15号の実験が成功する前、9月3日には水爆の実験に成功した、としていました。第2の注目点は「半島の非核化」ですね。

武貞:そうです。文在寅大統領にはこの問題を取り上げなければならない必然性があります。もし取り上げなければ、北朝鮮の言いなりになっているように映り、何のために南北首脳会談を開いたのかが分からなくなってしまう。韓国内の保守勢力から突き上げをくらうでしょう。

私が3.1節*の時にソウルを訪れたところ、3万人余りの人が、文在寅大統領の退陣を求めてデモするのに遭遇しました。参加者は韓国と米国、そしてイスラエルの国旗を手にしていた。「米国との軍事同盟を重視せよ」「トランプ大統領としっかり意思疎通せよ」「トランプ大統領と上手く話せるのはイスラエルだ」という意図があったのかもしれません。

*:1919年の3月1日、日本統治下の朝鮮で独立運動が起こった。これを記念した日。

文在寅大統領は、韓国の親北姿勢に対する米国の懸念を弱める必要もあります。北朝鮮への先制攻撃をかつて主張したジョン・ボルトン氏が大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に就任したこともありますし。

北朝鮮にとっても意義があります。核をめぐって米朝間で直接対話することの重要性をアピールできるからです。加えて、米国が韓国に提供している核の傘の撤収――具体的には①B1、B2といった戦略爆撃機を朝鮮半島に飛来させない、②米国は北朝鮮に対して核を先制使用しない――につながる議論のとっかかりにすることができますから。

—どのような表現にすることが考えられるのでしょうか。

武貞:これは難しい問題です。

米国に対して核政策の転換、非核化を求めるのかが注目されます。「米国が敵視政策を取るから核開発を進めざるを得ない」と考える北朝鮮は、米国への要求を盛り込もうとするでしょう。しかし、それを受け入れれば米韓同盟にキズが付くので、韓国は入れたくない。

さらに北朝鮮が言う「非核化」と米国が言う「非核化」が異なる点が困難を招きます。北朝鮮は韓国の特使を通じてトランプ大統領に「体制を保障するならば非核化に応じる」と伝えました。トランプ大統領はこれを「北朝鮮の非核化」と理解したようです。ゆえに首脳会談に即座に応じた。しかし、北朝鮮の主張は「半島の非核化」で、米国が韓国に提供する核の傘を取り払うことも含んでいる。

したがって、米朝首脳会談を前に、非核化の意味に踏み込んで合意に至るのは容易ではないでしょう。

—韓国と北朝鮮は「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」を1992年に発効させています。「南と北は核兵器の試験、製造、生産、受付、保有、貯蔵、配備、使用を行わない」と表現しました。これについて改めて合意し、宣言に盛り込むことはあるでしょうか。

武貞:「体制の保証があれば核の放棄をする」との宣言をすることは、北朝鮮にとって、ハードルは高くないでしょう。

—その場合は文在寅大統領も保守派に対して名分が立つし、世論の支持も得られる。

武貞:そうとばかりは言えません。条件付きの核放棄宣言なら92年に合意したことの焼き直しです。「対話のための対話をしてしまった。また北朝鮮に騙された」との反発が韓国内で起きるでしょう。

北朝鮮が核を放棄することはない

—そもそも、北朝鮮が核の放棄に応じることはあり得るのでしょうか。例えば、米国が核の傘を取り去ったら、北朝鮮は核を放棄するでしょうか。

武貞:いや、それはないでしょう。北朝鮮の核には半島を統一するツールとしての役割があるからです。統一が成るまで放棄することはありません。

北朝鮮は2012年、憲法に「核保有国」であると明記しました。国家の基本政策の一つに位置付けたのです。基本政策とは何か。もちろん半島の統一です。

実際に使用する気はないでしょう。しかし、核を保有することで米国による軍事介入を阻止できる。そして、核保有国である北朝鮮が韓国を飲み込むことができる。もちろん北朝鮮がこの意図を言葉にすることはありません。韓国を敵に回すことになりますから。

私はこの意図について、昨年9月、訪朝したときに北朝鮮の李洙墉(リ・スヨン)氏に尋ねてみました。同氏は現在、北朝鮮外交の総責任者です。最高人民会議(日本の国会に相当)の外交委員長であり、朝鮮労働党中央委員会の副委員長と同党国際部長も務める。先日の習近平・金正恩会談にも同席していた外交の責任者です。私の質問は「ノーコメント」と厳しく回答を拒否されました。

それに韓国は、北朝鮮の核施設を自力で攻撃できる長射程の弾道ミサイルと巡航ミサイルを保有しています。したがって、南北分断が続く限り、北朝鮮は核を放棄できないのです。

—仮定に仮定を重ねることになりますが、米国が提供する核の傘がなくなり、朝鮮半島の統一が成ったら、統一朝鮮が核を放棄することはあり得るでしょうか。

武貞:それも考えづらいでしょう。北朝鮮と韓国のどちらが主体となって統一するかによって事情が異なります。北朝鮮が主体となった場合、「せっかく苦労して開発したものをなぜ放棄するのか」と考えるでしょう。「中国も保有している」「将来の日本の軍国主義に備える必要がある」など様々な理由をつけて維持を図るでしょう。

韓国が主体となって統一した場合も放棄することはありません。特にミサイルです。韓国はこの分野でずっと北朝鮮の後塵を拝してきました。ロケット開発においても、最も重い状態で機体を持ち上げる1段目のロケットはロシア製に依存しています。北朝鮮の技術が得られれば、これを手放すはずがありません。

在韓米軍、今は必要だが将来は……

—3つ目のポイントは米国の役割ですね。

武貞:具体的には米韓同盟の価値を薄めるような文言を共同宣言に取り込むかどうかです。1カ月後に米朝首脳会談を控えています。したがって、南北首脳会談とはいえ、その隠れた主題は米朝関係になります。

—米国と韓国が3月27日、FTAをめぐる再交渉が妥結したと発表しました。交渉の過程で米側が、在韓米軍の撤収を交渉材料に使ったことが報じられています。ここに注目すると、文在寅大統領は米韓同盟を重視しているように見えます。

武貞:それは、どのくらいのタイムスパンで見るかだと思います。短期、つまり北朝鮮との分断が続く現状において、韓国は在韓米軍を必要としています。文在寅大統領のような左派の人でさえ、もし在韓米軍がいなくなったら「北朝鮮の奴隷にされてしまうのではないか」と不安を抱いていると思います。

しかし長期では、南北関係が改善するにつれ、在韓米軍の規模を縮小できるとみているでしょう。文在寅大統領は「在韓米軍がいなくなってもよい」と口にしたことはありませんが、そう論じるブレーンと価値観をともにしています。

北朝鮮が在韓米軍の駐留を望む?!

武貞:対話モードにギアチェンジした北朝鮮は、南北首脳会談や米朝首脳会談で大胆な提案をしてくるかもしれませんね。例えば「在韓米軍はしばらく駐留してよい」、もしくは「駐留してくれ」と。

—なぜ、そんな提案をするのですか。

武貞:北朝鮮は「段階的」かつ「相互的」な半島の非核化を主張しています。習近平氏との首脳会談でこう発言しました。この「段階的」がキーワードです。

北朝鮮は最終的に在韓米軍が撤収することを望んでいます。しかし、「出て行け」と言ったところで出て行くものではありません。むしろ「駐留してよい」と言い、「北朝鮮はそれほど弱っている」と米国に思わせることが逆に緊張緩和ムードを促進して在韓米軍の撤収につながると、北朝鮮は考えている節があります。

在韓米軍は「現状維持装置」でもあるからです。在韓米軍がいるからこそ、北朝鮮は国家としての形を維持できている。仮に在韓米軍が撤収し、南北関係が改善し、韓国企業が北朝鮮に殺到するようなことになれば、金政権と北朝鮮経済は今のままでは済みません。

よって、在韓米軍は「駐留してよい」と発言することで「北朝鮮は現状維持装置を必要としている」と見せることができる、と北朝鮮は考えるのです。

米国が在韓米軍の価値を考え直すことも考えられます。火星15号によって北朝鮮が米国に対する核抑止力を完成させたという前提で考えると、韓国が攻撃されても、在韓米軍が存在していなければ米国には「関与しない」という選択肢が残ります。その是非はともかくとして。しかし、在韓米軍が存在していて、これに攻撃が加えられれば、米国は関与せざるを得ません。「アメリカファースト」のトランプ大統領は、このことの損得を計算せざるを得なくなるでしょう。

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『「中国式グローバル経済」へと舵を切る習近平政権 欧米の経済エリートが絶賛した「開放的な態度」は本物?』(4/18日経ビジネスオンライン 福島香織)について

4/18看中国<短笑 您一次笑(组图)=6個の短い笑い話 一回笑わすことができれば充分である>長いので2回に分けて紹介します。

六则短笑话,让您一次笑个够!(图片来源:Adobe Stock)

泄漏国家机密 国家機密を漏洩

有一名议员,因为在开会时对上级的指令不满意,所以就破口骂出“我们的总统是个白痴。”

当天晚上他就被逮捕,而到了第二天就被处决了。

他的罪名是:“泄漏国家机密。”

ある議員が会議でボスの指示に不満だったため、「我々のトップは白痴」だと口走った。その日の夜、彼は逮捕され、翌日には処刑された。罪名は「国家機密漏洩罪」。トップとは習近平のことでしょう。

 抗議

在飞机上,一位男人对空中小姐大表不满。

男人:“抗议啦。我每次搭机都坐同一个座位,

而且没电影看、没有窗帘。害我连觉都没法睡。”

空中小姐走向这位高声抗议的男人那裹:

“够了喔。机长,你别闹了。”

飛行機内である男がスチュワーデスに不満を表した。男:「毎回同じ座席、映画も見れず、窓のブラインドもないので眠れない。抗議する」。スチュワーデスはその男の背面に立ち、「もういいでしょう。機長。騒いじゃダメ」

幽默图。(图片来源:Adobe Stock) ユーモア図

 夢の話

太太:“你最近睡觉常说梦话,而且都是在抱怨我耶。”

先生:“你确定那是梦话吗。”

妻:「あなたは最近寝ている時にいつも寝言を言う。それは私に対する不満ばかり」。夫:「君は寝言と思っているだけ」

家禽 家禽

一年级的老师教小朋友认识家禽动物

老师:“有一种动物两只脚,每天早上太阳公公出来时,它都会叫你起床,而且叫到你起床为止,是哪一种动物。”

小朋友:“妈妈。”」

一年生の先生が生徒に家禽について教えた。先生:「動物の仲間で足が二本、毎朝太陽が昇る時に皆が起きるまで起こすのは何だ?」。生徒:「ママ」。

4/18日経電子版<中国、台湾海峡で軍事演習 米台接近をけん制>米国並びに日本が一緒になって中国の台湾侵攻を止めないと。「台湾は中国の一部」などと平気で嘘をつく連中ですから。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29537440Y8A410C1FF2000/

習近平の演説に拍手を送るなんて、馬鹿はどこまで行っても馬鹿。騙されているのに気付かないのは振り込め詐欺被害者以上に愚かとしか言いようがありません。中国が2001年にWTOに加盟して17年も経つのに、加盟時の約束を守ってきましたか?何回騙されれば気が済むのでしょうか。

彼らの価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言うものです。尖閣、南シナ海、スリランカ、マレーシア、モルデイブを見ていれば分かりそうなもの。「南京」、「慰安婦」も常に嘘をつく彼らの捏造だと気が付くでしょう。考えても見て下さい。我々が正直を旨として生きているのは先祖の血が流れているからです。我々の父祖を信じずに、何故嘘つき中国人の言うことを信じるのでしょう。朝日を筆頭とした左翼メデイアが事件を捏造したのは、彼らは中国人と同じく「革命成就の為には、でっち上げも嘘も許される」と思っているからです。今のモリカケがその最たるものでしょう。未だ朝日等の左翼メデイアの言うことを有難がっているようでは、本質を見抜く目を持たない人間と思われるのは必定です。自分が友達を選ぶ場面を考えれば分かるでしょう。嘘つきで「自分のものは自分のもの、他人のものは自分のもの」と言って憚らない人間を信じて友達にしますかという事です。国と国の関係も同じです。

ユダヤ・グローバリズムと共産主義は親和性があります。ユダヤ・グローバリズムはデラシネだった時期が長く、自国が再建できたのは戦後でした。世界各地にユダヤ人は散らばり、主権国家の中で生き延びることをずっと考えて来ました。どうせなら国家の枠を外し、統一政府ができた方が都合が良いと考えるのでしょう。バビロン、ポグロム、アウシュビッツ等悲惨な目に遭っているので、統一政府で権力を握れば良いと。共産中国も同じです。共産主義は暴力革命を肯定し、国境をなくして独裁政治を世界に蔓延して行こうという運動です。習の考えていますのは、共産主義に名を借りた中華秩序の再構成です。中国の歴史で封建時代はなく、中央集権だけとはよく言われる所です。習は中国でしている人権弾圧、少数民族や法輪功信者の虐殺を世界に広めて天下を取るつもりでいるのでは。欧米の企業家・投資家で習を褒め称えるのはユダヤ・グローバリストでしょう。

大躍進や文革、天安門事件を知っている中国人は政府の弾圧が如何に酷いものだったか知っていますので、政治の風向きには敏感にならざるを得ません。親子であっても密告が奨励された時代もあった訳ですから、「物言えば・・・」となるのは仕方のないことなのかもしれませんが。でも中国はこのままいけば世界の敵になる事は自明です。自由・民主・人権・法治のいずれもない国が世界を統治することは、世界の人々が反対するでしょう。各国で中国との貿易取引は禁止する時代が来るかもしれません。

記事

博鰲アジアフォーラム年次総会の開幕式で演説をする習近平(写真:AFP/アフロ)

ダボス会議のアジア版(?)という評価もある中国が主催する博鰲アジアフォーラム年次総会の開幕式(4月10日)での習近平の演説が素晴らしい、と欧米の経済エリートたちがやたら持ち上げている。中国の対外開放拡大を打ち出し、知財権を強力に保護するといい、輸入自動車の関税引き下げや合弁自動車企業の外資持ち株比率制限の緩和、金融市場の外資参入制限の緩和などを約束した。

世界中のグローバル企業関係者たちはこの演説に拍手喝采。中国に貿易戦争をしかけた米トランプ大統領も、こうした習近平の発言に感謝と歓迎の意をツイッターで早速表明。アナリストたちは、米中貿易戦争は回避されると安堵し、アジア株、米先物株も一時的に上昇した。トランプの攻撃にうまく対処し、トランプのメンツをたてつつ、国際社会の懸念を解消したという評価が報道され、国際通貨基金(IMF)理事も元国連事務局長も元WTO事務局長も習近平があたかも自由貿易と国際秩序の擁護者であるかのように絶賛。中には中国の専制政治すら肯定する投資家やグローバル金融関係者まででてくるほどだ。

だが、ちょっと待て。本当に、これは私たちが望むフェアで自由で開放的な経済の方向性なのだろうか。

習近平のこの演説の中身をざっと振り返る。まず2018年が改革開放40周年であり、フォーラム開催地の海南省に経済特区が建設されて30周年であるという話を皮切りに、改革開放路線を継続拡大していくことを強調。「中国は対外開放は基本国策として堅持する」「中国人民が今日自信をもって言えることは、改革開放は中国の第二次革命であり、中国を大きく改変するだけでなく世界に深い影響を与えるものだ」と主張。

「中国人民は継続して世界とともに行き、人類のさらなる大きな貢献のために、平和発展の道を堅持し、グローバルパートナーシップ関係を積極的に発展させ、多極主義を堅持し、グローバルシステムの変革に積極的に参与し、新たな国際関係を構築し、人類運命共同体構築を推進する」「中国の発展がどの程度であれ、誰かの脅威となることも、現行の国際システムを転覆することも、勢力範囲を打ち立てようと陰謀を弄することもない。中国は終始世界の平和の建設者であり、グローバル発展の後継者であり、国際秩序の擁護者なのだ」としたうえで、金融市場の開放、自動車など製造業における外資参入制限の緩和、投資環境の改善、知財権保護の強化、貿易不均衡是正のための輸入自動車関税の大幅引き下げなどを約束。さらに「一帯一路」政策について、「中国は地政学博打のそろばんをはじくつもりもなく、排他的な地域グループを構築するつもりでもなく、強制的に商売を押し付けるものでもない。……一帯一路は経済グローバル化の潮流に最も広範に適応した国際協力プラットフォームであり、各国人民をさらに幸福をもたらすものだ」と訴えた。

この演説を、フィリピンのドゥテルテ大統領、シンガポールのリー・シェンロン総理が絶賛。IMFのラガルド専務理事は「習近平の提唱する開放的な態度を称賛する」と自分の演説で語り、潘基文元国連事務局長やパスカル・ラミー元WTO事務局長らも熱烈な拍手を送った。

「国進民退」現象が進む中国

確かに素直に内容をよめば、素晴らしくて、本当に中国が市場開放を拡大し、グローバル経済の新たな旗手として新たなビジネスチャンスを生み出してくれるのだ、と期待する人もいるだろう。だが、よくよく考えてみると、習近平政権は2012年に政権を受け継いで以降、似たようなことを言い続けているのだ。発言内容自体にあまり新鮮味はない。

そして過去6年を振り返り、習近平政権が実際にどのような経済政策をとってきたかをみれば、演説で言うようなことは何一つ実施していないのだった。

この6年、習近平政権がやってきたことは、市場を一層管理することであった。経済活動に対する共産党と政府の干渉は増えている。国有企業改革は民営化の方向で進められず、私営企業の活動はむしろ退行を迫られる「国進民退」現象が進んでいる。口でいくら改革開放拡大をうたっても、実際は鄧小平が進めてきた改革開放路線に逆行している。

一帯一路に至っては、過剰な債務を負わせて地政学的要衝地に港湾や鉄道などのインフラを建設させるも、当事国が債務不履行に陥ると、インフラ施設の租借権そのものを差し押さえるという、ひと昔前の帝国主義の植民地獲得の再現みたいなことをやり始めている。これをグローバル経済のプラットフォームと言うなら、グローバル経済そのものの定義が従来のものと全く違う、ということになろう。

いやいや、これまではそうだったが、今後は、習近平政権は路線を変更するのだ、という人もいるだろう。人民銀行総裁の易鋼によれば、6月前に保険企業と証券企業に関しては外資の持ち株比率の制限を緩和し、ロンドンと上海の株式市場をリンクさせ、中国金融市場に外資を誘導していく計画があるという。だが、それは本当に外資と中国の金融企業が共通のルールと秩序に従ってフェアな競争ができる市場の実現、ということになるのだろうか。

私は、こうした習近平政権の打ち出す「対外改革」を歓迎する企業家、投資家たちはおそらく、肝心なことをあえて気付かないふりをしているのではないか、という気がする。

共産党ルール下の「グローバル市場」?

つまり、中国のいうグローバル経済とは、中国共産党のルールと秩序で運営されるグローバル経済圏ということである。

これを裏付けるように、最近のニューヨーク・タイムズが「中国、在中国外国企業への影響力強化」の見出しで、中国市場に進出する外資企業への共産党の干渉が強まっている現実をリポートしている。例えば日本の自動車メーカー・ホンダは中国共産党が在中国工場の運営管理に参与できるように法律文書を書き換えたという。

米インディアナ州のディーゼルエンジンメーカー・カミンズも、在中国合弁事業における人事などにおいて共産党の干渉を認めるように定款を書き換えたとか。つまり外国企業が中国の市場に進出する場合、その人事や経営方針は共産党の指導・同意を最優先にせねばならない。もちろん、中国の上場企業も共産党の干渉をこれまで以上に受ける。株主総会を開く前に、共産党組織の意見・方針の聞き取りが必要、といった条項が多くの企業の定款に書き加えられることになった。株主の利益より、党の利益が優先されるのである。

中国サイドに言わせれば、中国市場で儲けるつもりなら、共産党の指導に従うのは当然であろう、ということだ。だが、これまで多国籍企業が自分たちの利益以上に優先してきたものなどあっただろうか。企業の利益よりも、あるいはその企業の本社がある母国の利益よりも、株主の利益よりも、そしておそらく消費者の利益よりも、共産党の利益を優先させねばならない市場を、本当に開放された市場、グローバル市場と言えるのかどうか。

もちろん、これまでのグローバル経済は米国主導であり、反グローバル経済を主張する人たちは、グローバリゼーションではなくアメリカニゼーションである、と批判してきた。ドル基軸で米国スタンダードの秩序のもとでの競争で、米国が根本的に主導権をもってきた。

鄧小平の改革開放は、共産党の指導が政治と思想と党と行政組織に徹底される一方で、経済活動にはできるだけ干渉しないという方向で進められていた。だからこそ、中国はこの米国スタンダードのグローバル経済の波に乗って、奇跡の高度経済成長を遂げることができた。中国の今現在の経済的成功は、米国スタンダードのグローバル経済に中国側が合わせた結果である。

中国はこの成長のために、“農民”という膨大な労働力を安価にグローバル企業に差し出した。“農民”たちは搾取されたが、その代わりに中間層が形成され、その中間層を賄賂や利権という形で取り込んでいった共産党も豊かになって、共産党専制体制の維持を図ることができた。

だが、習近平政権はこれまでのシステムを大きく変えていこうとしているのだ。鄧小平路線で中間層が育ち、世界一に成長した巨大市場を武器に、今度は、米国式グローバル経済に寄り添うのではなく、中国式グローバル経済を打ち立てて、米国をはじめとする国際企業に従えと言い始めた。習近平演説の本音は、そういうことである。

政治の風向きに敏感な中国人たち

おそらく一部の投資家、企業家、経済エリートたちは、そういうこともわかって、習近平演説を歓迎しているのかもしれない。中国の巨大市場でビジネスチャンスが見込めるならば共産党に迎合してもいい、と思っているのか。特にトランプの米国が自国主義に走るならば、その穴を埋めるのは、巨大市場を有する世界二位の経済体である中国しかない、と思っているのか。

だが、ちょっと冷静に考えてみれば、曲がりなりにも選挙で国家指導者・大統領を選ぶ民主主義国家の主導するグローバル経済になじんでいた人々が、社会主義専制国家が主導するグローバル経済になじめるだろうか。「中国のような巨大でもともと秩序のないような国家は、習近平のような独裁的リーダーによる新権威主義的経済が合っているのだ」という欧米の経済エリートもいるのだが、その習近平政権が主導する中国経済市場に進出するためには、ときに自分たちの利害を度外視して共産党に忠誠を尽くさねばならないということを、果たして本当に受け入れられるのだろうか。

実は、この原稿を書いているのは4カ月ぶりの北京なのだが、しばらく来ないうちに「中国に習近平の独裁は必要なのだ」と言い出す人が周りに急に増えたのには驚いた。政治にうっすら不満を漏らしていた知識人たちでさえ、声に出して習近平の独裁を肯定するようなことを口にするようになってきた。ある出版関係者は「たぶん、選挙を行えば、習近平が必ず当選する。知識エリートは確かに不満を抱えているが、おそらく中国人民全体からいえば支持派が多い」。

たびたび政治動乱を経験してきた中国人は政治の風向きに敏感である。全人代で憲法が修正され、習近平が長期に権力を握る可能性が拡大し、国際社会の経済エリートたちが習近平の独裁をも肯定するような流れになっていけば、彼らは、これはおかしいと思っていても、おくびにも出さなくなってくる。

だからこそ、安全保障上は一番中国の脅威を感じながらも冷静に中国と付き合える日本が、本当にこの政権の行く方向に、国際社会が求める共通の利益を見出せるのかを、国際世論などにあまり左右されずに、見極めようと努力する必要があるのではないか、と改めて思うのである。

良ければ下にあります

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『米朝首脳会談は本当に開かれるのか 「シリア空爆」で脅し「リビア式解決」を目指すトランプ』(4/17日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

4/17ZAKZAK<米朝首脳会談の真実 CIAが裏チャンネルで根回し…トランプ氏の即断即決はマスコミ向け演出に過ぎず>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180417/soc1804170003-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

4/17ZAKZAK<米シリア攻撃で正恩氏は半狂乱 北「核・化学・生物兵器」放棄しなければ死刑宣告>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180417/soc1804170002-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

4/17ZAKZAK<北朝鮮軍、内部に異変…不満の将校ら「義兄弟の契り」で秘密組織>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180417/soc1804170009-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

4/16レコードチャイナ<日本、対韓国と対中国で温度差?外務省が「韓国は最も重要な隣国」を削除>日本外務省のHPから「韓国は最も重要な隣国」を削除というのは米国と連携したのでは。日高義樹氏の『米朝密約』にも「韓国は信頼できない国。核兵器を持たせたら、どこに売るか分からないと米国は考えている」とありました。

http://www.recordchina.co.jp/b592370-s0-c10.html

4/16AFP<米兵家族ら退避訓練開始=日本経由で米国へ-在韓米軍>

http://www.afpbb.com/articles/-/3171323

4/16ParsToday<韓国が、軍事駐留費用負担などに関するアメリカの要求を拒否>

http://parstoday.com/ja/news/world-i42430

トランプが金と会う時に圧力を最大限にするためいろいろと手を打ってきているという事です。韓国に対して米国は見捨てても良いと思っているのでは。在韓米軍撤退も米朝首脳会談で約束するかもしれません。

日高義樹氏著書『米朝密約』の中からポイントを紹介。なお、「米朝密約」とはMADが米朝の間でも成立しているという意味です。また米国は第二次朝鮮戦争になれば、韓国の被害は膨大になるため戦争できないとも。アチソンが「アジア極東に関心がない」と言ったのは本心かどうか。朝鮮戦争を引き起こすためにわざと言ったとも言われています。また、日高氏の言う日本の憲法改正と核武装には何時も言っていますように大賛成です。

①ロシアと北朝鮮の関係については、非公式であるが朝鮮戦争以来、地下道による交通ルートが作られており、膨大な石油などが密かに供給されている情報もある。(P.64)

②しかし、これまで北朝鮮が開発してきたミサイルは、基本的にはイランが開発したスカッドミサイルを原型にしている。スカッドミサイルはミサイルというよりもロケットで、推進力を増やすために火薬の量を調節するロケットの仕組みとあまり変わりのないものである。(P.70)

③一つはアメリ力が北朝鮮に対して明確な敵意を持っていること、そしてもう一つはそれ以上の警戒心を韓国に対して抱いていることである。アメリカは北朝鮮が核装備を強化することには真っ向から反対しており、何としても北朝鮮には核兵器を持たせないと決意を固めている。それと同時に同盟国である韓国にも同じように核兵器を持たせないと決意している。韓国が核兵器を持つことは北朝鮮と同じ、あるいはそれ以上に危ないことであると考えているからでからである。(P.88)

④これまで北朝鮮側がはっきりと核ミサイルで中国を攻撃できる能力を持ったと発表してこなかったことには理由がある。アメリカの軍事専門家は次のように説明している。 「北朝鮮は多数のノドン、テポドンクラスのミサイルを保有しており、北京をはじめ上海など、距離にして八百キロから千キロの主要都市を攻撃するのはたやすいことであった。 しかしこれまでは、ノドン、テポドンに搭載することのできる小型の核弾頭を持っていなかった。最近の実験でミサイルに搭載できる核兵器の開発に成功したことは明らかで、中国に対して実際に核攻撃することが可能になった」

そのうえ、重要なのは、北朝鮮がニ〇一七年八月にICBMの開発に成功したことと並行して、水爆の小型化にも成功したと見られることである。北朝鮮は核分裂による核爆弾を小型化し、それに続けて性能が核分裂爆弾の百倍以上ある核融合爆弾、水爆の実験に成功したものと思われる。そしてさらに注目されるのは、移動可能のミサイル発射装置の実戦配備に成功して、強力な水爆を搭載したミサイルで中国を攻撃できる能力を持ったことである。(P.92)

⑤いまアメリカで行われているトランプ大統領批判というのは、選挙結果の否定である。 国民が選んだ国王のごとき存在の権威を奪い、消滅させてしまうことである。このことについて、アメリカの野党民主党やマスコミはどう考えているのであろうか。

アメリカ政治のエピソードとして伝えられていることがある。奴隸解放による南北戦争の前、閣僚会議で奴隸解放について話し合った際、賛成したのはリンカーン一人で、閣僚はすべて反対した。この時、評決のあとリンカーンはこう言った。

「評決は一対ほかの全員である。したがって大統領である私の提案が採決され、成立する」

リンカーンの主張はまさに「大統領だけが力を持っている」というアメリカの政治の現実を指摘したものであった。現在、アメリカ政治が麻痺し、機能していないのは、この不文律が無視されているからである。(P.144)

⑥「核兵器を持ってしまった北朝鮮を力で押しつふすことは非常に危険だ。失うもののないキムジョンウンが一か八かの博奕を打ち、世界を破滅させてしまう危険がある。北朝鮮が核兵器を持ったという現実を正面から捉え、危険な状態を避けるために長い時間をかけて、北朝鮮が変わっていくのを待つしかない」

この説明には、国防総省の記者団も戸惑った。北朝鮮を核保有国として認め、核保有国同士の冷戦という形の対立を続けるというのが、マティス国防長官の考え方であると察したからである。

北朝鮮が核兵器を持ってしまった以上、無理に北朝鮮をねじ伏せるのではなく、時間をかけて北朝鮮が豊かな国になり、国際社会の一員になるのを待つ。これが、トランプ政権の考え方であり、キム.ジョンウンとの暗黙の密約である。しかし、この結果、核戦争よりも恐ろしい事態が生じてくることに気がついている者は少ない。

北朝鮮が時間をかければ豊かな国になり、国際社会の一員になるというのは、トランプの幻想である。これが幻想であることは、歴史的にもすでに示されている。アメリカは中国を平和国家にすることはできなかった。戦争の惨禍を避けるために独裁政権と手を組むというのは、すでに破綻した考え方である。

トランプ大統領の間違いは、アメリカの指導者が繰り返してきた間違いである。私は四十年あまりアメリカの対中国政策を見てきたが、ニクソン大統領やキッシンジャー博士、 シユレシンジャー博士といったアメリカのいわば優れた指導者たちも、同じことを考えていた。

「中国が豊かな国になれば、国際社会の一員にふさわしい、平和で民主主義の国になる。 経済的に豊かになれば、指導者が国民を政治的に苦しめたり、近降の国々を侵略したりしようとは考えなくなる」

キッシンジャー専士は私にこう言ったが、私は同意をすることができず、ハドソン研究所の研究会でもそのことをはっきりと主張した。いまも残っている文書のなかで私はこう述べた。

「中国という国は歴史的にみて、民主主義になったことはなく、近隣の国々を侵略し続けている、豊かになったとしても、その性格が変わるとは思えない」

この文書を改めて見て、今は亡き友人のロバート•ノバックを思い出した。彼は私の番組の準レギユラーを務めてくれた、アメリカの著名な政治評論家である。その彼が持ち前の皮肉っぼい口調で私にこう言ったことがある。

「ミスター.ヒダカはなぜそれほど中国のことを疑うのか。考え方が偏っているように思える」

いまならばノバックもそうは言わないだろう。中国は平和国家になるどころか日本の領土である尖閣列島を自分の領土であると主張し、南シナ海だけでなく、台湾やべトナムまで我が物にしようとしている。共産主義の専制国家である中国の現状を見れば、同じ大体制の北朝鮮が豊かになっても平和な国になるはずがないことは自明の理である。 いま北朝鮮の状況を図式的に考えれば、以下のようになる。 「大きな屋敷に盗賊が入り込み、ダイナマイトの導火線に火を近づけて脅しながら飲んだり食べたりの大宴会を繰り広げている。屋敷の住人や召使いは押し込められて、その状況に恐れおののいている。

外から警察が声をかけ、ダイナマイトを手放せば望むことはなんでもする、逃走用の車を提供すると申し入れる。だが、ダイナマイトを手放した途端に警察だけでなく、押し込.められていた人々が盗賊に襲いかかることは明らかである。そんなことを受け入れるバカ.な盗賊はいない」

北朝鮮は決して核兵器を手放さない。北朝鮮は最新の兵器を抱えた敵に取り囲まれている。その敵から自らを守るには、同じ核兵器を抑止力として持つ以外に手段はない。

戦争を避けるために、北朝鮮に核兵器開発を許したまま、外交交渉を行うというアメリ力の試みは、もう一つの中国を生むだけの行為である。そして、さらに恐ろしいのは、アメリ力の指導者だけでなく、マスコミや専門家のすべてが、その中国の協カを心から期待していることである。

アメリカの指導者たちは、アメリカと北朝鮮が軍事的衝突を起こすのを最も恐れているのは中国だと考えている。中国は北朝鮮が壊滅することを望んでいない。この考え方に基づいてアメリカの専門家やマスコミは、北朝鮮の問題を中国に任せるべきだとしている。 この話もある意味で、北朝鮮とアメリカとの密約につながってくる。

私が北朝鮮とアメリカのあいだに密約があり、両国のあいだの戦争は考えられないと、主張しているのは、基本的なアメリカ政府の国際戦略に基づいている。

歴史の前例を引っ張り出すまでもなく、アメリカという国は基本的には選挙がすべてを決める国であり、戦争を始めるのが難しい国である。アメリカの国内政治の現状を見れば、 たとえ核兵器とミサイルで世界の軍事情勢を大きく変えようとしている北朝鮮に対しても、 アメリカが国際世論を背景に戦いを始めることはきわめて難しい。

北朝鮮とアメリカが「戦争しない」という密約を持ってしまったことは、アメリカが国際社会の指導者に適していないことを明確に示している。トランプ大統領の北朝鮮に対する攻擎的な態度は、北朝鮮側に戦う姿勢を固めさせ、しかも強カなミサイルと核兵器を準備する時間を与える結果になっている。(P.196~199)

⑦第三部アメリカは中国とは戦わない

私が在籍するハドソン研究所の中国と北朝鮮問題の権威は、ジエームス・フィーリー博士である。彼はハドソン研究所へやって来る前は、国防総省で北朝鮮問題を担当していた。 ジエームス・フィーリー博士はアメリカのマスメディアの人気者で、いたるところで中囯と北朝鮮の問題を論じている。彼は最近のハドソン研究所の集まりでこう述べた。

「中国は朝鮮半島に二つの朝鮮を維持することに疑問を感じ始めたのではないか。中国に負担がかかり過ぎると思っている」

時に彼はこうも述べた。 「中国は北朝鮮がアメリカに攻撃されて、崩壊してしまうことを恐れている。北朝鮮がなくなれば、アメリカが鴨緑江を隔てて中国の向かい側までやってきてしまう」

そのほか、彼は北朝鮮が崩壊した場合、数知れない難民が中国国内になだれ込んでくることを中国は心底恐れていると述べている。

こういったフィーリー博士の発言は、アメリカにおける中国と北朝鮮の関係を理解するための重要な指針となっており、あらゆるところで学者や専門家が同じようなことを指摘している。

このフィーリー博士の主張が正しいのか、正しくないのかは別として、アメリカの政策問題の立案者が中国の考え方や政策を非常に大事に思っていることは確かである。アメリ力は常に中国の対北朝鮮政策を忖度している。

アメリカの北朝鮮専門家が中国を念頭に置いていることは、結局、北朝鮮問題を解決するにあたって中国の出方を頼りにしていることを示している。こうしたアメリ力の態度を最も直線的に表していたのが、オバマ大統領の中国寄りの姿勢であった。

歴史的に見ても、アメリカはアジア大陸に介入はしたくないと考えている。このことはかつて第二次大戦終了後、当時のデイーン•アテイソン国務長官が次のように述べたことに明らかである。

「アメリカはアジア極東のことには関心を持っていない。海のこちら側、つまり台湾には関心があるが、朝鮮とは関わりを持ちたくない」

こうしたアメリ力の姿勢が結果的に朝鮮戦争の勃発につながった、と指摘する歴史家もいる。

北朝鮮がアメリカに侵略され、鴨緑江の河岸までアメリカ、ないしは韓国の軍事勢力下に置かれることを、中国政府が歓迎していないのは確かであろう。だが、そのことを中国政府の指導者が明言したわけではない。またフィーリー博士が述べた「朝鮮半島に二つの朝鮮を維持することが重荷になってきた」という発言を、私は直接中国の指導者から聞いたことがない。

さらにまた、北朝鮮がアメリカ軍の攻撃を受け、難民の多くが中国に逃げ込んでくることを懸念していると、中国の指導者が発言したこともない。いま述べてきた中国政府の懸念というのは、アメリカの専門家たちが中国の考え方を付度して述べているだけである。(P.217~219)

日高氏のこの本は昨年末に出版されていますので、状況の変化が起きています。米朝首脳会談が開かれること、ポンペオが国務長官に、ボルトンが安全保障担当大統領補佐官になったことです。

今日米首脳会談が開かれていますが、①北の段階的核廃棄は認めない②拉致被害者の帰国も俎上に③米国・日本との合意が為されれば経済支援をするということが確認されるのでは。

鈴置氏の言うように金正恩は進退が極まっているのでは。フィーリー博士は外交のボスのキッシンジャーの代弁をしているだけでしょう。米国の歴史学会は真実追求の場ではないし、政治に置いてもボスの考えを忖度して発言しなければ誰も相手にしなくなるからだと思います。トランプが彼らの期待を裏切ることを望んでいます。

記事

軍事攻撃を受けたシリアの首都ダマスカス上空で14日に確認されたミサイルの光(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

米朝首脳会談が開かれるのか、怪しくなってきた。

存亡の危機に立つ金正恩体制

鈴置:4月9日、トランプ(Donald Trump)大統領は「5月か6月初めに米朝首脳会談を開く」と語りました。でも、金正恩(キム・ジョンウン)委員長がそれに応じるのか、疑問符が付いています。

米朝首脳会談でトランプ大統領が「直ちに核を放棄するか、しないのか」と厳しく問い詰めるのは確実です。

金正恩委員長がへ理屈をこねて時間稼ぎに出ようものなら、米国は「これだけ手を尽くしても外交的には解決できなかった」と宣言し、軍事攻撃に乗り出す可能性が高い。

米朝首脳会談を開けば、北朝鮮は空爆されるか、核を即時に廃棄するかの2択に直面するわけです。どちらに転んでも金正恩体制は存亡の危機に立ちます。

4月14日未明(現地時間)のシリア空爆で「明日は我が身」と北朝鮮の指導部は肝を冷やしたことでしょう。そんな墓穴を掘る会談に金正恩氏が応じるのか――。米国や日本の朝鮮半島問題の専門家の間では、米朝首脳会談の「不発説」が広がっています。

まず非核化、見返りはその後

—米国は北朝鮮を追い詰める場として首脳会談を使うのですね。

鈴置:その通りです。米国は「四の五の言わずにまず、非核化せよ」と命じる方針です(「『文在寅の仲人口』を危ぶむ韓国の保守」参照)。

国務長官に指名されたポンペオ(Mike Pompeo)CIA長官も4月12日、上院の公聴会で「大統領と政府は北朝鮮に見返りを与える前に、我々が望む恒久的で不可逆的な成果を得るつもりだ」と語っています。

It is the intention of the president and the administration not to do that this time, to make sure that … before we provide rewards, we get the outcome permanently, irreversibly, that it is that we hope to achieve.

北朝鮮が完全に非核化するまで何の反対給付も与えない、と宣言したのです。VOAの「Pompeo: No Reward for N. Korea Without Irreversible Denuclearization」(4月12日、英語版)が伝えました。

ホワイトハウスもポンペオ氏の発言の抜粋「Excerpts from CIA Director Pompeo’s Prepared Remarks」をわざわざ作って、サイトに載せました。ポイントは以下です。

I have read the CIA histories of previous negotiations with the North Koreans, and am confident that we will not repeat the mistakes of the past. President Trump isn’t one to play games at the negotiating table‐and I won’t be either.

「(米国がまず譲歩して北朝鮮に援助を与えた)過去の米朝交渉を私は研究した。我々はそんな過ちは繰り返さない。トランプ大統領はいい加減な交渉をする人ではないし、私もそうだ」とポンペオ氏は言い切りました。

米国をはじめとする国際社会は北朝鮮に騙され続けてきました。「もう、その手は食わないぞ」と米政府は北にしっかりと言い渡したのです。

化学兵器は北朝鮮も使った

—4月14日のシリアへの攻撃は北朝鮮情勢にどう影響しますか?

鈴置:米軍は英・仏軍とともにシリアの化学兵器関連施設を空爆。米政府は「市民に化学兵器を使ったアサド政権への警告である」と説明しました。

北朝鮮に対し、大いなる威嚇となったはずです。北朝鮮や韓国の親北派の間には「トランプは全ての選択肢がテーブルの上にあると脅すが、どうせ口先だけ。軍事行動には出まい」といった空気もありました。

約束を破ろうが、外国人を拉致しようが、テロを実行しようが、北朝鮮が軍事的制裁を受けたことはなかったからです。

しかし、トランプ政権はシリア攻撃で「やるべき時は必ずやる」と示した。北朝鮮の指導部は「空爆の次の対象は我々かもしれない」と焦っていると思います。

シリア空爆でもう1つ注目すべきは、化学兵器の使用がその理由だったことです。化学兵器と言えば北朝鮮も同罪です。2017年2月13日、金正恩委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアの空港で化学兵器を使って殺されました。

北朝鮮政府は否定しましたが、マレーシア政府はこの暗殺に北朝鮮の大使館員らが関わっていたとして4人の北朝鮮国籍の容疑者の引き渡しを要求しました(「弾道弾と暗殺で一気に進む『北爆時計』の針」参照)。

ロシアだって化学兵器を使った元スパイ暗殺未遂事件に絡み、欧米から外交官追放など厳しい制裁を受けている。北朝鮮だけが化学兵器を使っても糾弾の対象になってこなかったのです。

他にあまりの多くの大罪をおかしているため「北朝鮮の化学兵器」は目立たなかった。が、シリア空爆で世界は「北朝鮮も化学兵器の使用国だ」と思い出したでしょう。

フセイン捕縛でカダフィは観念

—シリア空爆が北朝鮮への威嚇に……。「鶏を殺して猿を脅す」みたいな話ですね。

鈴置:「フセインを殺してカダフィを脅した」という前例もあります。リビアのカダフィ大佐も核開発に邁進していた。しかし、2003年の湾岸戦争でイラクのフセインが捕縛された直後に、カダフィは核開発を完全に放棄したのです。

ただ、金正恩委員長に対し「鶏を殺す脅し」が効果を発揮するかは分かりません。「シリアは核兵器を持っていなかったから攻撃されたのだ」と考えて、ますます核に固執する可能性もあります。

CNNの「Trump’s Strike on Syria is exactly why North Korea wants nuclear weapons」(4月14日)は専門家のそうした見方を伝えています。

—「リビア方式」という言葉を新聞で見ました。

鈴置:ポンペオ長官が4月12日の公聴会で主張した「まずは核の完全な放棄、その後に制裁解除などの見返り」という方法のことです。この場では「リビア方式」という言葉は使いませんでしたが。

「リビア方式」に前々から言及してきたのは、4月9日に大統領補佐官(国家安全保障担当)に就任したボルトン(John Bolton)氏です。

例えばRFAのインタビュー「Interview: Trump-Kim Talks to be ‘A Very Short Meeting’ if Pyongyang Won’t Discuss Denuclearization」(3月23日、英語)です。

北朝鮮やイランが核交渉で時間稼ぎをしてきたと指摘したうえで「もし米朝首脳会談が行われるのなら、我々が13、14年前にリビアとの間で実施した議論と同様の方法で進めねばならない」と語っています。

I think we should not fall for that ploy again. I think we should insist that if this meeting is going to take place, it will be similar to discussions we had with Libya 13 or 14 years ago: how to pack up their nuclear weapons program and take it to Oak Ridge, Tennessee, which is where the Libyan nuclear program.

トランプ政権で北朝鮮との交渉を仕切るのがボルトン補佐官とポンペオ長官。この2人が「リビア方式」――「まずは非核化しろ。褒美はその後だ」と明確に主張したのです。北朝鮮の時間稼ぎ作戦が成功する見込みははまずなくなったと思います。

ボルトンをなめていた青瓦台

—米朝の間で「仲人口」をきいて――双方に上手い話をして首脳会談をまとめた韓国は?

鈴置:北朝鮮と同様、相当に困惑しているようです。韓国政府は北朝鮮とスクラムを組み「段階的な非核化」を主張してきました。日本でも宣伝活動を展開しました(「裏切る文在寅にムチを見せたトランプ」参照)。

韓国政府は「リビア方式はボルトン氏の個人的な見解に過ぎない」と甘く見ていたからです。少なくとも韓国民にはそう見て欲しかったようです。

朝鮮日報の「青瓦台、ボルトンとの衝突の恐れを聞かれ『大統領はトランプ』」(4月4日、韓国語版)によると、青瓦台(大統領府)高官は記者を集め「大統領はトランプ、ボルトンは参謀」と言い放っていました。

この記事は同じ高官の「(米国の主張する)一括妥結と(韓国の主張する)段階的な妥結とは同じこと」との説明も紹介しています。

もちろん詭弁です。米国は過去の「段階的な妥結」で騙されたからこそ「一括妥結」を主張しているのです。

そのうえリビア方式は「北朝鮮がまず完全な非核化措置を採れ」と一方的な行動を要求するものです。米韓の主張は「同じこと」どころか「180度異なる方向」を向いているのです。

文在寅(ムン・ジェイン)政権は米国と北朝鮮の間で板挟みに陥った。そこを保守派に突かれないかと恐れた挙句、こういう滅茶苦茶な弁解を始めたのです。

リビア方式も時間がかかる?

—日本の新聞で「リビア方式も時間がかかる」という話を読みました。

鈴置:朝鮮日報の同じ記事を見て書いたと思われます。この記事は青瓦台高官が「リビア方式も時間がかかる」と語ったとも報じています。

これまた詭弁です。青瓦台高官は「完全な非核化以降、米国とリビアの国交が正常化されるまでに様々の段階があった」と韓国メディアに説明しました。

しかし、重要なのは「交渉を開始してから非核化までの時間」です。これこそが北の時間稼ぎを許すかどうかを分けます。「非核化から国交正常化までの時間」などは重要ではないのです。少なくとも米国や日本、世界にとっては。

文在寅政権とすれば、どんな詭弁を弄そうと「リビア方式」を阻止したいのでしょうけれど。青瓦台高官の一連の発言から、文在寅政権が完全に北朝鮮側に立ったことがよく分かります。

7年も生き延びたカダフィ

—「北朝鮮は体制の保証がない限り、リビア方式を飲まない」と断言する日本の専門家もいます。

鈴置:北朝鮮のプロパガンダに乗せられた意見です。「カダフィは核を放棄した結果、反政府運動によって政権を倒された。だから金正恩には体制の保証をしたうえでリビア方式を飲ませるべきだ」との主張です。

事実をチェックすれば、それがいい加減な言説であることがすぐ分かります。リビアが核を完全に放棄したのが2004年3月。反政府派との間で勃発した内戦によって――「アラブの春」の一コマです――40年も続いた政権が崩壊したのが2011年8月。そして、カダフィ大佐が殺されたのが同年10月です。

カダフィ大佐は核を放棄した後、7年半も政権を維持できたのです。もし核放棄に踏み切らなかったら、2004年には米国の攻撃によって命を断たれていた可能性が高い。

そもそも金正恩委員長がまともに政権を運営していれば、反政府運動によって殺される心配など必要ありません。悪政を続ける政権に対し、米国だって体制は保証できません。お門違いの要求なのです。

—確かにそうですね。なぜ、こんな主張が語られるのでしょうか。

鈴置:「時間稼ぎ作戦」の一環でしょう。「米国による体制の保証」を首脳会談の議題に加えれば、平和協定の締結と国交正常化、制裁の解除と経済援助など多くの案件を話し合うことになります。

米朝がこれらを交渉するだけで相当な時間がかかる。結局、米国は北朝鮮と韓国が画策する「段階的な妥結」のワナに落ちて、時間稼ぎされてしまいます。

時間さえ稼げば北朝鮮は米国東海岸まで届くICBM(大陸間弾道弾)を完成できる。そのうちにトランプ政権は他の問題に手をとられて妥協に出てくる――と南北朝鮮は期待しているのです。

化粧した「体制保証の要求」

—でも、ボルトン氏やポンペオ氏の起用に加え、シリア空爆で「段階的な妥結」の希望も消えうせた……。

鈴置:その通りです。しかし依然、北朝鮮と韓国は体制の保証を要求するつもりのようです。左派系紙のハンギョレが独自ダネと称して「北朝鮮、非核化の見返りとして5つの案を米国に提示した」(4月13日、日本語版)を報じました。北朝鮮が米国に以下の5つの案を提示したというのです。

  1. 韓国における米国の核戦略資産の撤退
  2. 韓米戦略資産演習の中止
  3. 通常・核兵器による攻撃の放棄
  4. 平和協定の締結
  5. 朝米国交正常化

この記事は、北朝鮮が本気で非核化を目指しており、米国との妥協を実現するために交渉条件を具体的に提示した――とのニュアンスで書かれています。

4月27日の南北首脳会談で、金正恩委員長自らがこの5項目を発表するかもしれません。もちろん、これも南北合作のワナです。

5項目はいずれも北朝鮮の体制を保証するものです。米国の主張する「リビア方式」も受け入れる素振りをする一方で「それには体制維持を保証する必要がある」と言い出す――お化粧をしているけれど、要は時間稼ぎ作戦なのです。

—このトリックに米国がひっかかるでしょうか?

鈴置:南北朝鮮の意図があまりにも露骨ですから、騙されないと思います。米国は北朝鮮や韓国よりも、一枚も二枚も上手です。

米国は米朝首脳会談に応じることで北朝鮮に「リビア方式」を飲ませる場を作った。韓国の仲人口に騙されたフリをして、北朝鮮に最後通牒を突きつけるチャンスを得たのです。

運転台に座っていなかった

—韓国が米朝首脳会談をまとめたというのは本当ですか?

鈴置:文在寅政権はそう見せかけています。が、専門家の間では米朝の情報機関――CIAと北朝鮮の偵察総局が密かに接触して合意したという見方が増えてきました。

米国からそうした情報が漏れています。北朝鮮だって直接、米国の意図を確かめずに首脳会談に乗り出すほど軽率ではないでしょう。

韓国人は「我々は運転台に座った」と大喜びしました。文在寅政権の宣伝を信じ込み、外交の主導権を握ったと勘違いしたのです。

でも次第に、その化けの皮が剥がれてきました。これで米朝首脳会談が不発に終われば、韓国の面子は丸つぶれです。

文在寅大統領は4月27日の南北首脳会談で、トランプ大統領と会うよう金正恩委員長を必死で説得することでしょう。金正恩委員長がどう応えるかは分かりませんが。

(次回に続く)

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『トランプは「森友問題」から安倍を救えるか?いよいよ日米首脳会談』(4/16日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『直前予想、日米首脳会談はこうなる!「日米FTAは持ち出さない」「TPP+(プラス)」が浮上』(4/17日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

4/10杉浦正章ブログ<「米中貿易戦争」安倍訪米の課題に浮上>王毅が日本にスットンで来て河野外相と会ったのも、米中貿易摩擦で日本を中国の味方に付けようとの思いでしょう。米中覇権争いで、日本に米軍基地があることを別に置いても、「言論の自由」を認めない国の応援をすることはないでしょう。況してや尖閣の侵略の意図を持った国をです。

http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/archive/20180410

4/16アゴラ 八幡和郎<安倍外交は順風満帆だが敵は自身と偽リベラル>八幡氏自身が真正リベラルと自覚しているので、「偽リベラル」(=実は左翼)という表現をしています。小生は、リベラルは左翼の隠れ蓑と思っていますので、「偽リベラル」は左翼とハッキリ書いた方が分かり易いのでは。

http://agora-web.jp/archives/2032165.html

4/17facebook 朱雪琴氏投稿<‪【強盜、土匪】人家商家在店門口卸貨二分鐘,賊就盯上了,成群結隊來搶劫!‪【強盗、ゴロツキ】店の前で荷を卸すこと2分、賊が見つけるや群れを成して略奪しに来る!

https://www.facebook.com/100013649473166/videos/422592604872385/

4/17facebook Jason Gao氏投稿 湖北省襄陽市で政府は退去を求めるが、市民は合理的な移転を求め、政府はゴロツキの真似は止めるべき。殴る、道路破損、断水・停電、人がいないときに入口を壊したり、窓を叩いたりする。

https://www.facebook.com/jason.gao.7731/videos/492191397866140/

4/17 Guardian<Japan’s Shinzo Abe tipped to resign in June as cronyism scandals take toll>日本の政治の仕組みが分かっていない外国人記者が日本のメデイアの言っていることを翻訳して記事として流しています。米国報道を見て、取材せずに翻訳して日本の記事として流す日本人特派員と同じです。しかし、小泉のような老ポンコツの言うことを其の儘信じて載せるとは。「6/20会期末に辞任したらどうか?」何て戯言に過ぎません。日本のメデイアの支持率は当てにならないことに加え、森首相は7%まで行ってやっと辞任しましたから、まだまだの支持率でしょう。また福田・麻生・二階派が乱れずに支援すれば、9月の総裁選も安倍で決まりです。4/14安倍退陣の国会デモの人数も5万人とTBS報道の数字を使っていますが、ネットの写真を見て見ろと言いたい。3000~4000人くらいでしょう。左翼は平気で嘘がつけますから。このガーデイアン記事を書いたのも左翼でしょう。デモの参加者はロートルが殆ど。全学連の旗もありました。アナクロの極みです。昔取った杵柄、青春時代の思い出に浸っているのかもしれませんが、国民に訴える力はないでしょう。この豊かな時代に人権弾圧をする共産主義に幻想を抱くことはありません。朝日・毎日・東京新聞各紙が自分の媒体を使い、大々的に参加を呼び掛けてもこの程度しか集まらないのですから。共産党が動員をかけたのでしょうけど。中共が裏で金を出している可能性もあります。

https://www.theguardian.com/world/2018/apr/16/japan-shinzo-abe-tipped-to-resign-june-cronyism-scandal

高濱記事と八幡記事を比較して見れば、高濱氏が言うようなトランプにとって安倍は用済みと言うことはないでしょう。やっと共和党主流派の人事を撥ね返し、ボルトンを持ってきた訳ですから。これからも安倍首相のアドバイスを聞き入れて行くと思います。

細川氏の記事ではクドロー国家経済会議委員長への評価が低いですが、日高義樹氏の『米朝密約』によれば、「二〇一七年夏、まさに四面楚歌、周りをすべて敵に取り囲まれたアメリカ大統領ドナル ド・トランプは一ヶ月の長い夏休みをとった。その休みのあいだ、彼が密かに行ったのは経済問題についての顧問である四人の財界人と、トランプ政権の今後の基本政策について話し合うことだった。

トランプが話し合った四人とは、まずウォール街きっての投資家とされるラリー・クードロウ、次にトランプ大統領の友人でもある雑誌『フォーブス』のオーナーのスティーブ・フォーブス、それにウォール街の経済学者として誰知らぬ者のないアーサー・ラッファー、そしてスティーブ・ムーアである。

以上の四人はトランプ大統領の長年の友人として知られており、非公式のグループを作って共和党の政治家を支援してきている。このグループはまた、レーガン大統領の基本政策であった「サプライサイダー理論」の信奉者で、トランプ大統領とは基本的に考え方が一致している。

ワシントンの消息通のあいだでは、この四人は「ビッグ4」と呼ばれ、いまやトランプ政権を動かす陰の存在となっている。表面的にはトランプ政権の黒幕とされるのは「ビッグ6」でメンバーはステイーブ•ムニユーチン財務長官、ゲーリー•コーン経済諮問委員長、ポール・ライアン下院議長、ミッチ・マコーネル上院院内耪務、ケビン・ブレデイ下院歳出委員長、そして上院のオリン・ハッチ財政委員長である。だがトランプ大統領の政策を動かす本当の黒幕は、この「ビッグ4」である。

トランプ大統領とこのビッグ4のあいだで行われた二〇一七年夏の秘密の話し合いの中心は、現在の低金利政策をどう進めるか、トランプ大統領の選挙公約である減税をいかに実施するか、そしてサプライサイダー理論政策の基本となる公共投資をどこまで行うのかの三つであった。」(P.166~167)

とあります。肩書だけでは見えて来ない世界というのもあります。細川氏のように、官僚出身では限界があるという事です。

高濱記事

—いよいよ安倍晋三首相が17日から20日の予定で訪米します。今回の安倍訪米をワシントンはどう見ていますか。

高濱:安倍首相を迎えるワシントンの雰囲気は、過去2回の訪米とは明らかに異なっています。

安倍・トランプの“蜜月”は過去のものと化してしまうのか(写真:UPI/アフロ)

状況の変化の一つは、ドナルド・トランプ大統領の「何人もそばに寄せつけないような強気の姿勢」(ワシントン外交筋)です。トランプ大統領はこれまで以上に自信をもって独断専行路線を突っ走り出しました。

まず、同大統領は、対北朝鮮戦略が軍事と経済の両面において見事に成功したと確信しているのです。金正恩・北朝鮮労働党委員長に「非核化」まで持ち出させて米朝首脳会談を提案させたという自信です。米朝首脳会談は予定されてはいますが、「北朝鮮が条件を付けてくる場合、トランプ大統領は蹴る覚悟を捨てていない」(ジョン・ボルトン次期大統領補佐官=国家安全保障問題担当)ようです。

この「強気の姿勢」は、大胆な輸入制限策にも表れています。大統領選当時から「公約」してきた貿易不均衡是正のためなら、中国との「貿易戦争」も辞さない構えです。さらに、不法移民阻止ではメキシコとの国境地域に州兵を派遣するよう命じました。

「安倍政権はいつまでもつのか」

第2の状況の変化は、3月末から4月上旬にかけてワシントンに、日本の政局に対する危機感が広がっている点です。言うまでもありません。森友学園への国有地売却を巡る一連のスキャンダルに安倍政権がぐらつき始めたことに対する危機感です。

—森友学園への国有地売却問題はワシントンでどう受け止められているのですか。

高濱:「森友スキャンダル」報道の口火を切ったのは、米政財界人によく読まれている経済誌「フォーブス」のオンラインです。

「学校スキャンダルが日本の首相を追い落とすかもしれない」という見出しの記事を3月29日付で公開し、森友学園スキャンダルについて詳細に報じました。事件の動きを時系列的に記した表まで作って掲載しています。

筆者は、東京在住フリーランサーのジェイク・アデルスタイン氏。かって読売新聞社会部に外国人記者第一号として採用され、12年間記者活動を続けた知日派ジャーナリストです。日本の暴力団関連事件を追いかけて、脅迫された体験もしています。

(”School Scandal May Get Japan’s PM Expelled — Can Abenomics Survive Without Abe?,” Jake Adelstein, Forbes. 3/29/2018)

ジェイク記者は経済誌の記者らしく、日本経済への波及効果を案じています。「安倍首相がこのスキャンダルで辞任せざるを得なくなれば、日本経済を再活性化するとして安倍氏が12年に始めたアベノミクスは道半ばで消滅するのだろうか」

「強気トランプ」の支持率は50%に達する

—「内憂外患」という意味では、トランプ大統領も同じように苦境に立っているのではないですか。一連の外交で、トランプ支持率は上がっているのですか。

高濱:確かにトランプ大統領の状況のほうが安倍首相よりも深刻です。ロシア疑惑をはじめ、政権の中枢を担う人々の相次ぐ解任・辞任の動き、さらにはポルノ女優が明かした過去の不倫疑惑などが目白押しです。ただトランプ大統領の場合は「打たれ強い」というか、スキャンダルに関して「免疫」が出来ていますから(笑)。

国内でにっちもさっちもいかなくなると、大統領なり首相は国民の目を外に向けようとして外交に活路を見出す、と言われていますね。北朝鮮への強硬姿勢といい、中国への「貿易戦争」宣戦布告といい、そういった面は否定できません。

こうしたトランプ大統領の対外強硬姿勢は白人保守派だけでなく、より幅広い層で受けています。事実、保守系世論調査機関が4月12日に公表したトランプ大統領支持率は50%に達しました。

(”Daily Presidential Tracking Poll,” Rasmussen Reports, 4/12/2018)

良くて「輸出制限問題は秋以降まで棚上げ」

—そこでマールアラーゴで行われる2回目の日米首脳会談です。トランプ大統領はどう出るのでしょう。

高濱:日米首脳会談を占うべく、3人の専門家に聞いてみました。主要シンクタンクの上級研究員A、ベテラン外交記者B、元国務省高官Cの3人です。

A氏とB氏はほぼ同意見。

「トランプは『森友スキャンダル』については見て見ないふりをするのだろう。それはそれ、これはこれ、で、『米国第一主義』を貫き通す。つまり中間選挙(で与党共和党候補を勝たせる)や自分に降りかかっているスキャンダルを振り払うため、日本も輸入制限措置の対象国とすると安倍に言い放つ」

唯一、C氏は棚上げ論を主張しました。「ここは苦境に立っている安倍に恩を売る。首脳会談では輸入制限措置の決着は棚上げ。今秋以降に再協議することで合意する。安倍は9月30日には自民党総裁選。トランプは11月6日中間選挙を控えている。トランプは当面、中国との貿易戦争に手いっぱいで、日本にまで気が回らないだろう」

—トランプ大統領はこれまで安倍首相を「buddy」(相棒、兄弟)と呼んで世界の指導者たちの中で最も信頼できる友として扱ってきました。だとすれば、ここは困ったときに助けてくれるのが「真の友」といった感じもするのですけど。

高濱:その話を前述のA、B、Cの各氏にしましたが、相手にされませんでした(笑)。

まず、トランプ大統領という男には真の友達などいない、と言うのですね。トランプ氏と数十年にわたる付き合いのある人物の何人かが「トランプは自分に得をもたらす人間を『友』と言うだけ」と言っているのだそうです。

(”Donald Trump has never had any friends, likes to speak to his family every day,” Newsweek Archives, 8/18/2017)

トランプにとって「安倍は既に用済み」?

ストレートな表現をすれば、トランプ大統領は安倍首相を散々利用するだけして、反対給付はないだろうというのです。そのことをズバリ指摘しているのが政界専門オンライン誌『ポリティコ』のウィリアム・ぺセク記者です。

「トランプの相棒は、相棒だったことを後悔し始めている。安倍はトランプに対して誰よりも強く“求婚”してきたのに、今やそれほどホットではなくなってしまった」

(Trump’s world-leader buddy Is Starting to Regret It. Japanese Prime Minister Shinzo Abe wooed the new American president harder than anyone. But his bet on Trump is not looking so hot today.)

同記者の見立ては次の通りです。安倍首相が懸命に働きかけたにもかかわらず、トランプ大統領は就任から1年を経て、①貿易戦争をエスカレートさせ、②北朝鮮ににじり寄り、③中国の習近平国家主席といちゃついている。

「安倍首相の支持率は今や30%台に下がってきた。その理由として森友学園への国有地売却に絡むスキャンダルとの関連が取りざたされている。またトランプ大統領との(緊密な)関係がネガティブ要因になっているのかもしれない」

「政治学者のブラッド・グロサーマン氏はこう分析している。『安倍首相がトランプ大統領との密接な関係によって得た利益はなんらなく、それによって生じたライアビリティー(負債)を一身に背負っている』」

(”Trump’s World-Leader Buddy Is Starting to Regret It,” William Pesek, Politico, 4/1/2018)

安倍首相にしてみれば、「北朝鮮の核・ミサイル開発阻止で最大限の協力をしてやったのだから俺が政局運営で窮地に陥っている今、手を差し伸べてくれてもいいはずだ」という思いがあるかもしれません。しかし「自分のことしか考えたことのないトランプに恩義などは通用しないよ」(米主要メディアのホワイトハウス詰め記者)という意見があることは付け加えておきたいと思います。

細川記事

本日(17日)から2日間、日米首脳会談が開かれる。北朝鮮と通商問題でトランプ大統領は「予測不能」の揺さぶりを仕掛けてくる。その時、安倍首相はどう対応するか。双方が繰り出す交渉のカードを直前予想する。

安倍首相はトランプ大統領の揺さぶりに、どんな対応をするか。写真は昨年11月のトランプ大統領の来日時(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

日米首脳会談が17、18両日に行われる。北朝鮮問題と通商問題が2大テーマだ。後者の通商問題は鉄鋼問題と「日米の自由貿易協定(FTA)がらみ」だ。これらをどう絡めて「取引」してくるかは、トランプ大統領次第である。

ここで、交渉がどのように進むかを、トランプ政権や安倍政権の内情などから予想してみたい。

安倍首相:鉄鋼問題解決のための「日米FTA」は持ち出さない

鉄鋼問題では通商拡大法232条に基づく関税引き上げの適用対象国から日本を除外すべきであることを、安倍首相は当然主張するだろう。ただし、そのために日米FTAなど他の通商交渉を持ち出す考えは、安倍政権内にはない。その結果、仮に適用除外されない結果になったとしても、困るのは米国のユーザー業界だ。しかも別途、米国メーカーが生産できない品目は適用除外されることから、日本の鉄鋼業界の実害は限定的になるからである(参考:輸入制限で日本を除外しないトランプの頭の中)。

鉄鋼問題と引き換えに他の通商交渉を持ち出してしまうと、味をしめるのがトランプ氏である。最たる例が米韓FTAの見直し交渉である。

韓国は鉄鋼輸入制限の適用除外という地位を獲得するために、米韓FTAの見直し交渉で譲歩を強いられた。通貨安誘導を禁じる為替条項と鉄鋼の輸出自主規制がそれだ。さらに一度合意しても最終合意を留保され、北朝鮮対応での牽制材料に使われて、韓国はトランプ氏に翻弄されている。

トランプ大統領が、日本にも同様の要求をしてくるかのような一部報道もあるが、それは短絡的だ。韓国には、公表しないでウォン安介入をし、米国の不信感を買っているという、後ろめたさがある。一方、日本はここ5年以上、為替介入をしていないし、そもそも金融政策を縛ることには財務省が断固反対する。80年代にあった輸出自主規制も今や世界貿易機関(WTO)の下では禁止されている。仮に米国が言ってきても堂々と拒否するのは明らかだ。

安倍首相:北朝鮮問題と通商は切り離す

「通商と安全保障の議論は絡めずに、切り離すべきだ」。日本の識者は異口同音にそう指摘する。だが、安全保障を米国に依存する日本としては、それは言わずもがなだ。

米朝首脳会談では拉致問題を取り上げるよう要請し、ミサイル問題も米国本土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけでなく、日本に届く中距離、短距離ミサイルも忘れないように要請する。そうした北朝鮮問題と通商での譲歩をトランプ氏が絡めてきた時にどう切り離させるかが問題なのだ。これはまさに安倍首相の手腕にかかっている。

本来、首脳会談は事前に事務方が折衝を重ねて、大筋本番での議論の方向性が見えているものだ。ところがトランプ政権だけはそうした常識がまるで通用しない。

日本政府関係者も通商、安全保障それぞれの分野でトランプ政権幹部との事前折衝をワシントンで精力的に行っている。しかしそこで相手の理解を得たとしても、本番の首脳会談でトランプ氏がどう出てくるかは別問題だ。

先日のシリアへの攻撃では、大規模攻撃を主張するトランプ氏に対して、マティス国防長官が限定攻撃への歯止め役であった。通商分野でマティス長官役を果たせる者がいるだろうか。クドロー国家経済会議委員長、ロス商務長官、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表にそれを期待することは無理だ。

こうしたトランプ氏に安倍首相は出たとこ勝負で臨機応変に対応するしかない。様々なトランプ氏の出方を予め想定して、首脳会談の本番に臨むことになる。

トランプ大統領:常套手段の脅しのセリフを繰り出す

首脳会談に向けてトランプ流の揺さぶりは露骨だ。

まず相手を言葉で脅し、攻撃して揺さぶり、慌てさせる。そこで相手から有利な取引を引き出すのがトランプ流の交渉術だ。今回も日米首脳会談を控えた先月下旬、安倍首相を名指しで、「『こんなに長い間、米国をうまくだませたなんて信じられない』と、ほくそ笑んでいる。そんな日々はもう終わりだ」とつぶやいている。また先日も日本を名指しで、「何年も貿易で米国に打撃を与えてきた」と言う。

もうトランプ氏のお決まりの常套手段だと十分に分かっているのだから、メディアも反応しなければいいものを、「叩かれ症候群」の日本のメディアはつい反応してしまう。それでは相手の思うつぼだ。こういう相手には無視するのが一番なのだ。

トランプ大統領:TPP復帰の本気度、実はゼロに近い

さらに環太平洋経済連携協定(TPP)復帰をちらつかせた発言もそうだ。トランプ氏はTPP復帰に向けた条件の検討をライトハイザーUSTR代表に指示した。だがこれも1月のダボス会議での発言と同様、本気ではないだろう。

トランプ氏のダボス発言を受けて、日本のメディアはトランプ政権の方針転換だとして大々的に報じたが、私はそれに疑問を呈して「単なる揺さぶり、思わせぶりだろう」と指摘した(参照:米国のTPP復帰はトランプ流の揺さぶりか)。

その後今日に至るまで、トランプ政権内ではTPP復帰を検討した形跡が全くない。日本のメディアの勇み足は「誤報」と言われても仕方がない。

今回の発言も農業州の共和党議員との会合での発言だということを考えると、11月の中間選挙を睨んだ農業団体の不満へのリップサービスに過ぎない。本気度は限りなくゼロに近い。

トランプ政権:「TPPの再交渉」は二国間交渉を迫る口実

そして、これは日米首脳会談を控えたタイミングだということも関係する。TPPは3月に署名を終え、あとは早期発効に向けて国会承認を得ようとしている矢先だ。安倍総理としては、それまでは波風を立たせたくないというのが本音だろう。日本は米国にTPPに復帰してもらいたいのはヤマヤマだが、TPPの再交渉に応じるという選択肢はない。

そこでTPPの再交渉を条件に復帰をちらつかせ、再交渉が嫌なら、“日米FTAがらみ”の二国間の協定を迫るという、トランプ流の「揺さぶり戦術」だと見たほうがいい。これも見え透いた交渉術で、そもそもTPP復帰によって大統領選でのコアの支持層の反発を招きかねないリスクを冒すはずがないのだ。

そのことを念頭に置いて、こうした揺さぶりは受け流すのが得策だ。そもそもトランプ氏はTPPに復帰する考えはないのだから、トランプ氏の単なる揺さぶり発言をまともにとらえて、「TPP再交渉かFTAか、米国は二者択一の選択を迫る」という一部の報道ぶりも、ややずれていると言わざるを得ない。

トランプ政権:対日FTA要求をより鮮明に

むしろトランプ大統領は、日米FTAに向けた圧力をより鮮明にしてくるだろう。日米FTAについては、これまではライトハイザーUSTR代表など取り巻きの幹部しか言及しておらず、トランプ氏は一切言及していなかった。

その背景はこうだ。ポイントは、昨年スタートした日米経済対話である。ペンス副大統領と麻生副首相による枠組みで昨年2月の日米首脳会談で合意され、これまで2度ほど開催された。そして、そこでの議論がいずれ日米FTAの交渉開始につながってくるので、それまでは敢えて日米FTAとは言わない、との暗黙の共通認識が日米間であったようだ(参考:事実上、「日米FTA交渉」は既に始まっている)。要するに日米経済対話での進捗を踏まえて「期が熟せば」ということなのだ。

トランプ大統領としては、11月の中間選挙を前にして、TPP離脱によって相対的に国際競争が不利になる畜産業界の反発を、前述のリップサービスだけでいつまでも乗り切れるわけでもない。そうすると、勢いそろそろ日米FTAをより鮮明にしたいとの誘惑にかられるのも頷ける。一方、日本としてはTPP批准の国会審議もあり、まだその時期ではないということだろう。いずれにせよ日米間で水面下での綱引きが行われていた。

安倍首相:「TPP+(プラス)」を目指す提案も

日本は日米FTAとは言わないにしても、何らかの二国間協議のボールを米国に投げる必要がある。

TPPの再交渉という選択肢はあり得ず、当面トランプ政権がTPPに復帰することは期待できないにしても、安倍首相としてはトランプ大統領に対して、深追いしない形で、復帰の呼びかけ自体は続けるべきだろう。TPPで他の参加国の国内批准を円滑に進めるうえでも、TPPを主導する日本が今回の首脳会談でトランプ氏に復帰を呼びかけることは大事だ。

ただ、それだけで終わりたくても終わるわけではない。

そこで考えられるのが、「TPP+(プラス)」の提案だ。

TPPの再交渉をしないとなれば、そのままの形で復帰するか、しないかは米国次第だ。そのうえで、日米間ではTPPを越えるプラス・アルファの課題を協議することを目指すべきだろう。現実問題として、二国間協定はすべて拒否するとの姿勢を果たして貫き通せるだろうか。中身次第という面もある。そこが知恵の出しどころだ。

念頭にあるのは対中国を睨んだデジタル分野だ。最近の中国については国家主導のデジタル保護主義が日米共通の大きな懸念材料になっている。TPPを交渉していた5年ぐらい前にはまだ顕在化していなかった問題だ。米国も最近、中国のこの分野での動きに警戒感を強めている。こうした問題にルール作りで主導していくことに、米国の目をもっと向けさせるべきだろう。

今回の日米首脳会談で、日本側が日米間の新たな対話の場を提案する、との報道がある。だが、表面的な形にばかりにとらわれてはいけない。大事なのは「場の設定」という器ではなく、「そこで何を協議するのか」という中身だ。単に米国側の求める農業分野での関税引き下げだけの場にしてはならない。それに加えて、より戦略的なテーマを加えていけるかが大事だ。トランプ氏本人にそうした中身にまで関心を持たせることが果たしてできるかは大きな課題ではある。

安倍首相:「日米経済対話」の枠組みを仕立て直す

前述の日米経済対話も合意した当初はいいアイデアではあったが、その後の実態は米国からは個別問題のボールがいくつか投げられたに過ぎず、残念ながら目に見えた成果を出すには至っていない。

これは、米国側が北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉や米韓自由貿易協定の見直し交渉などに忙殺されていたからだ。米国側にエネルギーを注ぐ余裕と体制になかったことから、まともな深掘りした議論ができなかったことに起因している。決して日本側の対応の悪さではない。

しかし、そうした実態を知らないトランプ氏には日本がこの日米経済対話を「時間稼ぎ」、「ガス抜き」に使っているとしか映っていないようだ。今回の首脳会談でも、「日米経済対話の枠組みで引き続き協議するということで押え込めれば成功」と言う識者がいる。だが、こうした見解は甘いだろう。

トランプ氏の思い込みは説明だけでは払しょくされない。そこで目先を変えて、対話の枠組みも新たなものに仕立て直して提案することも必要だろう。

トランプ氏の忠実な交渉屋を自負するライトハイザーUSTR代表と茂木経済財政担当大臣が担う場にして、協議をする姿勢を明確にする提案だ。そうしたボールをトランプ氏自身がどう受け止めるかが注目点だ。

安倍首相:輸入・投資の両面で米国への貢献を数字でアピール

だが、こうした新たな枠組みだけではトランプ氏には不十分だろう。トランプ氏の関心が、目に見える数字の成果にあるのも事実である。そうした相手には、馬鹿げたことだと分かっていても、輸入拡大の具体的数字も意味があるというのも現実だ。

昨年11月のトランプ訪中時には28兆円の大型商談という手土産であった。日本は中国のような巨大な数字を積み上げることはおよそ不可能だが、中国のような実現するかどうか分からない、いい加減な張子の虎の数字ではなく、実のある数字であることをアピールできる。

また、自動車メーカーの対米投資による雇用への貢献も正当に評価させるために、日米間の貿易だけで見るのではなく、投資も含めて見るべきであることもアピールすべきだろう。

LNG(液化天然ガス)や航空機など輸入や自動車などの対米投資で、トランプ再選までの期間にどう貢献できるかを示すことも意味があろう。

安倍首相:最大のリスクは予測不能なトランプ氏の反応

これまで、安倍首相、トランプ大統領の双方が投げるボールは何かを予測してきた。だが、こうした安倍首相が投げるボールに対して、トランプ氏がどう反応するか、蓋を開けてみないと分からない。そもそもトランプ氏がどういう出方をするか、予測不可能であるのが最大のリスクなのだ。

いずれにしても安倍首相にとってはこれまでの日米首脳会談とは比べ物にならない厳しい駆け引きが待っている。どういう結果になるのか固唾を飲んで見守りたい。

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『プーチン氏はなぜ大勝で再選されたのか 史上初の過半の得票。経済の低迷打破には人事刷新がカギ』(4/13日経ビジネスオンライン 池田元博)について

4/13杉浦正章<トランプ一触即発の状態でけん制>化学兵器がシリアで本当に使われたのか、使われたとしたらアサドがやったのか、反体制派がやったのかは藪の中です。でも、ロシアだけでなく、中国と北朝鮮に対する牽制にはなったでしょう。

http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/archive/20180413

4/13鍛冶俊樹<シリア化学兵器は北朝鮮製か?>鍛冶氏は米軍のシリア撤退を防ぐために、反体制派が化学兵器を使った可能性もあると指摘。また「前回の化学兵器が北朝鮮製だとするならば今回も北朝鮮製だと見るのが当然の理である。北朝鮮の狙いは米軍を中東に釘づけにして対北攻撃を回避する事だ。一方米国は英仏をシリアに代理介入させて、米軍主力を予定通り東アジアに振り向ける算段であろう。」とも述べています。可能性がいろいろとあり、真相は分かりません。ただ、非戦闘員の犠牲は少なくすべきです。

http://melma.com/backnumber_190875_6669936

4/15News US 崩壊ニュース<【ロシア発狂】シリアのミサイル防衛システム、ゴミだと判明www プーチンのメンツ丸潰れキタ>米軍発表ですが下記の写真を見るとロシア製のミサイル防衛システムは機能していなかったのでは。ロシアがこの程度であれば、中国が持っているという(本当かどうか分かりませんが?)ミサイル防衛システムはもっと劣るでしょう。これで中国も米国を舐めて行動しにくくなります。渡邉哲也氏のfacebookには「朝鮮半島有事、対応次第で台湾が独立国家として国際社会に復帰できる可能性がありますね。 台湾が米国をはじめとした西側諸国軍の一員として参加した場合、戦勝国の仲間入りする可能性がある。 敗戦側の北と連携する中国はこれに強く反対できない。 ボルトンあたりが考えていそうです。」とありました。

http://www.news-us.jp/article/20180415-000009w.html

4/15ZAKZAK<東アジアの民主主義危機で中国と台湾の識者らシンポジウム>「幸福の科学」もいろいろ活動していますね。自由を守るためでしたら、ドンドンやってほしい。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180415/soc1804150003-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

4/16北野幸伯メルマガ<米英仏、シリア攻撃~真のターゲットはプーチン

皆さんご存知と思いますが、アメリカ、イギリス、フランスが、シリアを攻撃しました。

<米ミサイル攻撃105発 シリア化学兵器施設3拠点に 朝日新聞DIGITAL 4/15(日) 1:11配信

トランプ米政権は13日、シリアでアサド政権が化学兵器を使用したと断定し、報復として米軍が英仏との共同作戦で化学兵器関連施設3拠点をミサイル攻撃し、破壊したと発表した。

米国防総省は14日に会見を開き「全てのミサイルが目標に到達した」と強調。

一方、アサド政権を支援するロシア軍に損害が出ないよう攻撃対象は慎重に選ばれたが、ロシアは強く反発しており、米ロの緊張が高まるのは避けられない。>

アメリカがシリアをミサイル攻撃するのは、昨年の4月につづいて2回目。前回も、「アサドが化学兵器を使ったこと」が名目上の理由でした。前回と今回の違いは、イギリスとフランスが攻撃に参加したこ

とですね。

この話、「今日はここまで、さようなら」ともいえる話です。しかし、「過去からの流れ」と「グローバルな動き」を見ると、何が起こっているかはっきりわかります。

▼「米ロ代理戦争」としての「シリア内戦」

振り返ってみます。シリア内戦は、2011年にはじまりました。「アラブの春」が流行っていた頃です。

欧米、サウジアラビア、トルコなどは、「反アサド派」を支持しました。一方、ロシア、イランは、アサドを支援しました。この内戦は、最初から大国同士の「代理戦争」だったのです。ロシアとイランがバックにいるので、アサドはなかなか倒れない。我慢の限界に達したオバマは2013年8月、「アサドを攻撃

する!」と宣言します。ところが、同年9月、「やっぱりアサド攻撃やめた!」と戦争をドタキャンし、世界を仰天させました。

これでオバマは、「史上最弱のアメリカ大統領」と批判された。なぜ「ドタキャン」したのでしょうか?

理由は二つありました。

一つは、プーチンが、「アサドは化学兵器を使っていない!」という情報を大拡散したこと。

<プーチン大統領は記者会見で「シリア政府がそのような兵器を使ったという証拠はない」と述べた。また、シリア反体制派に武器を提供するという米の計画を批判し、「シリア政府が化学兵器を使ったとの未確認の非難に基づいて反体制派に武器を提供するという決定は、状況をさらに不安定化させるだけだ」と語った。プーチン大統領はまた、反体制派が化学兵器を使ったことを指し示す証拠があるとし、「われわれは化学兵器を持った反体制派がトルコ領内で拘束されていることを知っている」と述べた。

さらに、「反体制派が化学兵器を製造している施設がイラクで発見されたという同国からの情報もえている。これら全ての証拠は最大限真剣に調査される必要がある」と強調した。>(ウォール・ストリート・ジャーナル2013年6月19日)

世界ではいまだに、「アメリカは『イラクに化学兵器がある!』とウソをついて戦争を開始した」記憶が新しい。

それで、「オバマは、ウソをついてるんちゃうの?」と慎重になった。

そして、第2の理由は、イギリスがオバマを裏切ったこと。

<シリア軍事介入 英、下院否決/米、対応苦慮/仏、参加崩さず

【ベルリン=宮下日出男、ワシントン=小雲規生】

シリアのアサド政権による化学兵器使用疑惑で、英下院は軍事介入に道を開く政府議案を否決した。有志連合による介入を準備してきたオバマ米政権には痛手となる>(産経新聞 2013年8月31日)

こうしてオバマは、「プーチンのせいで」戦争ドタキャンに追いこまれた。「オバマはうそつきだ!」と大胆に主張するプーチン。オバマは、激怒したことでしょう。「戦争ドタキャン事件」から2カ月後の2013年9月、ロシアの隣国ウクライナで、「反ヤヌコビッチ大統領デモ」が起こります。ヤヌコビッチは、「親ロシア」。そして2014年2月、革命が起こり、「親ロシア」ヤヌコビッチが失脚。激怒したプーチンは、同年3月、「クリミア併合」をして世界を仰天させました。「シリア戦争ドタキャン直後」に起こったこの事件。普通に考えても、「偶然じゃないよね」と思えるでしょう。そのとおり。「ウクライナの革命は、俺がやったのだ」とオバマは、認めています。

「ロシアの声」2015年2月3日付から。

<オバマ大統領 ウクライナでの国家クーデターへの米当局の関与ついに認める

昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内幕について、オバマ大統領がついに真実を口にした。恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだろう。CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウクライナにおける権力の移行をやり遂げた」と認めた。別の言い方をすれば、彼は、ウクライナを極めて困難な状況に導き、多くの犠牲者を生んだ昨年2月の国家クーデターが、米国が直接、組織的技術的に関与した中で実行された事を確認したわけである。

これによりオバマ大統領は、今までなされた米国の政治家や外交官の全ての発言、声明を否定した形になった。これまで所謂「ユーロマイダン」は、汚職に満ちたヤヌコヴィチ体制に反対する幅広い一般大衆の抗議行動を基盤とした、ウクライナ内部から生まれたものだと美しく説明されてきたからだ。>

「う~む本当だろうか~~???」

それでも信じることができない人は、「YouTube」で「Obama admits he started Ukraine revolution」を

検索してみてください。

シリアに話を戻します。シリアには、「アサド派」と「反アサド派」があった。ところが、「戦争ドタキャン」後、新たな勢力が台頭してきた。それが、いわゆる「イスラム国」(IS)。ISは、「反アサド派」から独立し、勢力を急速に拡大していきました。ISは、残虐行為とテロを繰り返す。オバマも放置できなくなり、2014年8月、「IS空爆」を開始します。

ところが、ISは、依然として「反アサド」でもある。それで、「ISは、敵で味方」という変な状態になった。結果、アメリカの空爆はまったく気合が入らず、ISの勢力は拡大する一方でした。

2015年9月、プーチン・ロシアがIS空爆を開始。プーチンの目的は、「同盟者アサドを守ること」。オバマのような迷いがないので、ISの石油関連施設を容赦なく空爆した。それで、ISは、弱体化したのです。

▼「戦術的勝利」をおさめたプーチン

さて、シリア、ウクライナにおける米ロ代理戦争は、現状どうなっているのでしょうか?思いだしてください。ロシアは、アサドを支援する。アメリカは、反アサドを支援する。

アサドは、いまだにサバイバルしています。フセインやカダフィのように殺されてもおかしくないのに、ま

だ政権を維持している。それどころか、アサドは、ロシアとイランの支援を得て、IS,反アサド派を駆逐し、ほぼ全土を掌握するまでになっています。そう、プーチンは、シリアで「米ロ代理戦争」勝っているのです。実際、彼は2017年12月11日、シリアで「勝利宣言」を行い、ロシア軍撤退を命じています。

ウクライナは?まず、ウクライナからクリミアを奪った。東部ドネツク、ルガンスク州は、事実上の独立状態を維持している。こちらの方も、勝っています。

 

▼アメリカのターゲットは、プーチン

しかし、プーチンは、一瞬たりともリラックスできません。

なぜ?

クリミア併合後、ロシアは、「経済制裁」と「原油価格暴落」ボロボロになってしまった。2018年3月1日、プーチンは、「裏世界史的大事件」を起こします。年次教書演説で、フロリダ州を攻撃する映像を見せ、アメリカを脅したのです。

<「フロリダ州を核攻撃」のビデオ、プーチン大統領が演説に使用 CNN.co.jp 3/2(金) 10:40配信

(CNN) ロシアのプーチン大統領は1日に行った演説の中で、無限射程の核弾頭が、米フロリダ州と思われる場所を狙う様子をアニメーションで描写したコンセプトビデオを披露した。フロリダ州には米国のトランプ大統領の別荘がある。>

<プーチン大統領は演説の中で、極超音速で飛行でき、対空システムも突破できる「無敵」ミサイルを誇示。「ロシアやロシア同盟国に対する核兵器の使用は、どんな攻撃であれ、ロシアに対する核攻撃とみなし、対抗措置として、どのような結果を招こうとも即座に行動に出る」と強調した。プーチン大統領が披露したビデオでは、何発もの核弾頭が、フロリダ州と思われる場所に向けて降下している。>(同上)

この演説で、欧米の指導者たちは、「反プーチン」で一体化してしまいました。3月4日、ロシアのスパイでありながらイギリス諜報に情報を流していた「ダブル」スクリパリさん殺害未遂事件が起こります。メイ首相は、即座に「これはロシアがやった!」と宣言しました。

3月18日、プーチン、大統領選で圧勝。

3月26日、欧米を中心に25か国が「ロシア外交官追放」の決定を下します。

ロシアは、即座に報復しました。

4月6日、アメリカ財務省は、対ロシアで新たな制裁を発動。

<米国>対露制裁対象に38個人・団体 対決鮮明に 毎日新聞 4/6(金) 23:45配信

【ワシントン高本耕太、モスクワ大前仁】米財務省は6日、2016年米大統領選介入を含むサイバー攻撃などロシアの対外「有害活動」に関与したとしてロシアの計38個人・団体に対する制裁措置を発表した。

オリガルヒ(新興財閥)関係者や政府高官らプーチン大統領の周辺人物の多くを対象としており、ロシアとの対決姿勢を鮮明にした。>

この制裁ですが、すでにアメリカ国内で「資産凍結」がはじまっているようです。そして、「プーチンの友人たち」がターゲットになっている。

4月14日、アメリカ、イギリス、フランスは、ロシアの同盟国シリアをミサイル攻撃。

アメリカは、さらにロシア制裁を強化する方針です。

<米、露企業に制裁方針…シリアの化学兵器関連 読売新聞 4/16(月) 1:33配信

【ワシントン=大木聖馬】ヘイリー米国連大使は15日、米CBSテレビのインタビューに対し、シリアのアサド政権の化学兵器開発・使用をロシアが支援していたとして、米政府が16日にも独自の制裁を発動する方針を明らかにした。ロシアが反発し、米露関係がさらに冷え込むのは必至だ。>

▼アメリカの巧妙な戦略

プーチンに対するアメリカの戦略は、非常に巧妙です。

〇情報戦 =  プーチン悪魔化せよ!

例をあげれば、

・プーチンは、国家ぐるみのドーピングを指示した?

・プーチンは、化学兵器を使って、裏切り者を消した?

・プーチンは、アサドに化学兵器を使わせた?

〇外交戦 = プーチンを孤立させろ!

・スクリパリ暗殺未遂を受け、25か国がロシア外交官を追放

・今回は、アメリカ単独ではなく、英仏がシリア攻撃に参加

〇経済戦 = 制裁をますます強化し、ロシア経済を破壊しろ!

・クリミア併合

・ロシアによるアメリカ大統領選介入疑惑

・スクリパリ暗殺未遂

・アサド支援

などなど、とにかく口実を見つけ、どんどん制裁を強化していく。プーチンが、アグレッシブになれば、またそれが「制裁強化」の口実になる。アメリカは、「軍事力」を使わずに、プーチンを追いつめている。

皆さん、「なんでアメリカは、アサド排除を目指さす、一日で攻撃を止めたのだろう?」と考えませんでしたか?別にアサドが政権にいてもいいのです。彼が次回、シリアにわずかに残った反アサド派を攻撃する。すると、米英仏は、「アサドは、また化学兵器を使った!」といって、ミサイル攻撃するでしょう。

そして、またロシアが反発する。欧米は、「ロシアは、アサドが化学兵器を使うのを容認している!」と宣言し、ますます制裁を強化するでしょう。

今のアメリカの対ロ戦略は、80年前の対日戦略と変わりません。>(以上)

プーチンは、proxy war の場面で、欧米に戦術的には勝っていても、戦略の階層で言う上位概念の戦略の所で負けているというのが北野氏の見立てです。

今度のミサイル防衛が失敗だとするとロシア製兵器の信頼性が落ち、輸出にも影響を与え、経済が益々苦しくなる恐れがあります。

池田氏の記事では、プーチンの国民的人気は落ちていないとのことですが、これから経済的な締め付けがますます厳しくなり、個人資産凍結も西側は課すようですから、人気急落の可能性もあります。プーチンを裏切るのも出て来るかもしれません。

記事

3月のロシア大統領選で、現職のプーチン大統領が予想通り再選された。得票率は過去最高となり、史上初めて有権者の過半数の支持を得た。首相時代も含めて、すでに18年近くもトップの座に君臨しているのに、今回の選挙で大勝した要因は何か。

(写真=アフロ)

「すでに多くの人たちが指摘しているが、今回の選挙は恐らく我が国の歴史で最も透明で、もっとも清潔だったと言えるだろう」――。今月3日、プーチン大統領はロシア中央選挙管理委員会のパムフィーロワ委員長と会談し、3月18日に投開票された大統領選の運営を高く評価した。

中央選管の労をねぎらう意図なのだろうが、プーチン氏の発言には当然のことながら、自らが「公正な選挙」で大勝したとの自負がうかがえる。実際、今回の大統領選ではいくつかの選挙区で不正が発覚したものの、2011年12月の下院選の時のような大規模で組織的な票の水増しや不正操作はなかったとされている。

確かに大勝だった。中央選管が発表した最終結果によれば、投票率は67.5%で、プーチン氏は76.69%を得票した。得票率は過去最高だ。しかも今回は1億900万8428人の全有権者のうち、約5643万人がプーチン氏に投票した。ロシアの大統領選で初めて、全有権者の過半数の支持を得たことになる。

圧勝で“マンネリ”の懸念を払拭

大統領府はかねて、プーチン再選戦略として投票率、得票率いずれも70%台の達成を暗黙の目標に掲げていた。投票率こそ7割に満たなかったものの、全有権者の過半数の支持を集めたことで、通算4期目の政権を担う正統性を十分に確保したといえるだろう。

投票結果を詳細に分析すると、2012年の前回大統領選との違いがいくつか浮き彫りになってくる。最大の特徴は、有権者の多い都市部で軒並みプーチン氏の得票率が上昇したことだろう。

とくに前回の2012年の大統領選で、プーチン氏の得票率が47%と過半数に達しなかったモスクワでは今回、70.9%まで伸びた。第2の都市サンクトペテルブルクでも、前回の58.8%が今回は75%に達した。

このほか、エカテリンブルクが56.9%→73.9%、ニジニノヴゴロドが60.6%→76.2%、チェリャビンスクが60.6%→72.1%、サマラが59.7%→75.3%といった状況だ。こうした都市部での票の大幅な上乗せが、プーチン氏を圧勝へと導く原動力となった。

もちろん、カバルダ・バルカル共和国(プーチン氏の得票率は93.38%)、チェチェン共和国(91.44%)など、伝統的にプーチン氏の人気が高いカフカス地域、あるいはロシアが2014年に併合したウクライナ領の「クリミア共和国」(92.15%)のように、得票率が90%台を超えた連邦構成主体も少なくない。

半面、地域別でプーチン氏の得票率がもっとも低かったのはサハ共和国(64.38%)。以下、アルタイ地方(64.66%)、沿海地方(65.26%)、ハバロフスク地方(65.78%)、サハリン州(66.92%)と続き、主に極東・シベリア地域での得票が伸び悩んだ。とはいえ、今回はプーチン氏の得票率が5割を切る自治体はひとつもなかった。

プーチン氏は首相時代も含めてすでに18年近くもトップの座に君臨し、次の任期でさらに6年がプラスされる。さすがに長期政権のマンネリズムへの不満が国内で広がって当然のようにみえるが、今回の選挙は国民の根強いプーチン人気を改めて実証する結果となった。

もちろん、プーチン氏圧勝の裏には政権側の様々な仕掛けもあった。ひとつは投票率、得票率を上げるための工作だ。

プーチン大統領は大統領選投票日の2日前の3月16日、急きょテレビに出演し、「わが国がどのような道を歩むのか。ロシアとわが子どもたちの未来は、ロシアの国民一人ひとりの意思に左右されるのです」と国民に訴えた。

プーチン氏は続けて「我々は一人ひとりが皆、わが祖国の行く末を考え、案じていることでしょう。ですから皆さん、日曜日には投票所に来て、偉大な祖国、愛すべき我がロシアの未来を選択する権利を行使してください」と投票を呼びかけたのだ。現職大統領としての要請ではあるが、自らも出馬する大統領選への投票を呼びかけること自体、極めて異例だ。

政権側は同時に、国家公務員、国営企業や国営銀行の従業員、軍関係者などに対し、投票に行くように半ば強要したとされる。国家機関や企業によっては、投票所に出向いた自身の写真をネットで送信するよう義務づけたところもあったという。

もうひとつは、大統領選の立候補者の絞り込みだ。プーチン政権の腐敗や汚職の実態を暴露し、若者を中心に人気の高い反政権派ブロガー、アレクセイ・ナワリヌイ氏は「横領罪などで有罪判決を受けている」(中央選管)として出馬を認められなかった。

結局、8人の立候補者で競われた選挙戦は、プーチン氏を除けば、ロシア共産党のパーベル・グルディニン氏が11.77%を得票したのが最高だった。一方、プーチン氏の「恩師の娘」として話題を呼んだテレビ司会者、クセーニヤ・サプチャク氏の得票率は1.68%にとどまった。サプチャク氏は「すべてに反対する人々のための候補者」を標榜したものの、ナワリヌイ支持者たちの不満の受け皿として“政権が裏で擁立した候補”のイメージを拭えなかったようだ。

プーチン大統領は投票日翌日の3月19日にさっそく、クレムリンに大統領選の他の候補者たちを一堂に集めて会合を開いた。大統領は席上、「重要なことは国家の利益となる建設的な作業のために、我々が将来に向けて力を結集していくことだ」と述べ、政権への協力を呼びかけている。“官製”選挙だったとの疑いは拭えない。

ちなみに立候補を認められなかったナワリヌイ氏は、「投票のボイコット」を国民に呼びかけたが、これが皮肉にも、投票率とプーチン氏の得票率を高めたとの説がある。国家公務員や国営企業社員などに選挙参加の動員令がかかるなか、あえて選挙に行かなければ「ナワリヌイ支持派」とみなされかねず、多くの有権者がいらぬ不信を招きたくないという理由で投票に参加したというのだ。

英国で起きたロシア人の元情報機関員の暗殺未遂事件が追い風に

真偽はともかく、もうひとつプーチン氏の勝因に挙げられているのが、英国で3月初めに起きたロシア人の元情報機関員の暗殺未遂事件だ。英政府は旧ソ連製の神経剤「ノビチョク」が襲撃に使用されたとし、ロシアによる犯行と断定。ロシアは関与を否定したものの、事件への報復措置として英国に駐在するロシア外交官23人の国外追放を決めた。

大統領選の投票日直前に、英ロ関係は一気に緊迫した。プーチン大統領はまさに「大統領選のさなか」にロシアが襲撃事件を起こすはずがないと主張している。とはいえ、プーチン政権はかねて米欧の圧力に屈しない「強いロシア」路線を掲げ、国民の根強い支持を集めてきた。それだけに英ロの緊張は結果的に、プーチン再選へのさらなる追い風になったとの見方がでているわけだ。

プーチン大統領は3月23日、中央選管が大統領選の最終結果を発表した日に、国民に向けて再び演説した。7300万人以上の有権者が投票に参加し、このうち5600万人以上が自分に投票してくれたとし、「我が国の歴史で支持率が最高の水準になった」と感謝の意を述べた。

さらに、国民の多くが自分を高く信頼してくれたのは「とりわけ(世の中を)良い方向に変えてくれるという期待感からだろう」と自ら分析。そのような評価は過去の実績と結びついているのだろうが、「我々には真の突破口が必要だ」と強調した。

新たな雇用創出、経済の効率性の拡大、実質収入の増加、貧困の減少、インフラ整備、教育や健康など社会分野の発展、環境や住宅問題の解消……。「突破口」を切り開くべく、大統領は次の任期で優先的に取り組む課題も掲げた。

ただし、2012年からの3期目は、原油価格の下落や米欧の経済制裁の影響もあって、2015~2016年に2年連続でマイナス成長に陥るなど経済は大きく低迷した。原油依存の経済構造からの脱却も一向に進んでいない。米欧の制裁圧力が一段と強まる中、次の任期でよほど抜本的な構造改革を断行しない限り、「突破口」を切り開くのは不可能だろう。プーチン氏にその意思はあるのだろうか。

それを占う最初の試金石は、5月の就任式後に公表される人事だろう。すでにプーチン政権下で長らく外交の司令塔となってきたラブロフ外相の引退説がささやかれている。最大の焦点はいうまでもなく首相職だ。メドベージェフ首相が続投するのか、あるいはアレクセイ・クドリン元財務相など、あらたな人材を抜てきするのか。

仮に人事面の刷新がなければ、次の任期でも抜本的な経済改革は望み薄で、経済の停滞は避けられない。選挙で大勝したプーチン氏への国民の期待感も早晩、薄れていくと予測せざるを得ない。

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