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『中国の大工はなぜイレズミを隠したのか 反レイシズムを怯ませる時代の空気』(6/21日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

宮脇淳子著『教科書で教えたい真実の中国近現代史』の46頁には「シナ文明の特徴は、漢字と都市と皇帝にある」、「漢人とは文化上の観念であって、人種としては蛮・夷・戎・狄の子孫です」(52頁)とありました。中国は中華思想のせいか、歴史的に西洋主導の国際ルールを守らない国です。第二次アヘン戦争(アロー号事件)後の天津条約を守らず、「ところが英仏軍が退去すると、清朝政府のなかで主戦派の立場が強くなり、一八五九年六月、天津条約を批准するために天津から北京へ向かっていた英仏艦隊が、防衛の責任者だった欽差大臣センゲリンチンによって大沽砲台から砲撃されました。これに怒った英仏両国は、一八六〇年八月、報復のために約一万七千の兵力と軍艦二百隻からなる大遠征軍を派遣して大沽砲台を占領し、清朝との交渉にあたりました。しかし、パークス領事をふくむ英仏人が咸豊皇帝の指示によってセンゲリンチンに囚われ、十一名が殺害されるという事件が起こったため、北京に進軍した英仏連合軍は、十月、報復として北京郊外の円明園という美しい離宮に侵入し、貴重な財宝を掠奪したあと、その事実を隠蔽するために徹底的に破壊し離宮を焼き払ったのでした。」(156頁)とあります。円明園の焼き打ちも日本人がしたように思っている中国人が多いです。丹東にある「援朝抗美記念館」には堂々と「南鮮が北鮮に侵攻して来た」と説明があるくらいですから、歴史改竄はお手の物です。宮脇教授も「シナの歴史は政治であって、日本のように史実に基づく実証主義ではない」と言っています。

6/24宮崎正弘氏メルマガ<中東の秩序を搦め手で攪乱する中国 兵器を武器に密輸にも手を染め、はてしなく拡がる闇>こちらの記事にありますように、中国は如何に国際ルールを守らないか、世界平和の攪乱分子かという事です。独裁国は民主主義国の手順をふっ飛ばし且つ批判者は投獄されるか死刑になるので、誰も批判しないことを良いことに好き勝手やります。国際社会が中国を封じ込めないからです。「読者の声」に出てきます田村秀男氏は「中国の軍拡原資は貿易黒字」と言っていましたが、貿易戦争で$が不足して日本にスワップ要請があっても絶対受けないことです。反日国で、裏で日本を貶めることを沢山しているのですから。人民元の下落は輸出に有利となりますが、対外債務は重くなります。暴落すれば外資のキャピタルフライトが起きる可能性があります。$での支払ができず、益々貿易できなくなるのでは。

http://melma.com/backnumber_45206_6700445/

本日のブログは中国人の生活を紹介するものですので、中国語の記事も政治ではなく、生活についての記事を紹介します。

6/23阿波罗新闻网<在“变态”的日本“常态”的中国人=(中国から見て)変わっている日本、普通の中国人>浅草寺、忍野八海、金閣寺、天守閣、道頓堀等日本には有名な観光地があるが、中国人でにぎわっている。中国人はどこに行っても、思ったことをストレートに言い、迷惑を顧みずもてなすが、出過ぎず、謹直であり、融通が効かなく、真面目且つ礼儀正しい日本人とは大きく違う。ある日銀座を歩いていたら、中国人女性が相方に「出国したのを忘れたわ。まだ中国にいる感じ」というのが聞こえた。

中国人も日本に旅行に来るなら、買い物だけでなく、品質の良いものを作る日本の良い所を理解した方が良い。でも大部分の中国人は日本を理解したくないし、理解もできないと思う。成田空港で抗議の為の国家を歌うなんぞ。中国人にとって日本人には複雑な感情がある。羨み、妬み、恨み、蔑視である。一位は恨みで歴史的なもの、蔑視が二位、中国は経済的にも大きくなり、「小日本」と蔑むようになった。しかし日本は世界で最高品質のものを作りだしている。中国の富裕層の爆買対象は地理的に見て日韓両国である。日本の小学生の昼食も規則正しく、衛生的である。教育こそが国民性を築く基礎である。中国人にとっては見慣れないため、日本人の細かい所に拘るのを「変わった」人達と思い、煩わしさを感じてしまう。「排水溝で魚を飼う、バスの運転手はストで罷業するはずが運転し、乗客から金を取らない、病院食はレストラン並み、マンホールは芸術品、学校は清掃員を雇わず、学生が掃除をする、手洗い終わった水をトイレの水洗に使う、出退勤時に混んでいても皆ルールを守る、出発を20秒前にした列車は乗客に謝る等」。サッカーを見終わった後、観客がゴミを集めることや分別収集なども。

日本人を「変態」と言うのは中国人の歴史の恨みだけでなく、自己崇拝の気持ちから。私は日本にいて中国人の押し合いへし合い、出し抜かれるのを恐れ、思う存分大声で喚き、好き勝手に人を批判し、買い漁る等、これらは中国人の「常態」である。前述の中国人女性の発した言葉は銀座が中国人で一杯だったからである。去年、世界選手権で優勝した男性は日本のホテルで水道水の栓を開けて流し放しにしたが、これこそが「変態」では。反日を言うのであれば、何故日本に旅行に行くのか。一方で見下し、一方で利用する。それでいて矛盾していることに気が付かない。良いものを手にしたとき、心の中には大中華思想があり、争って買うような卑しい行動をしても心でバランスを取り、虚栄心を満足させる。中国人は自分を改良する必要があるのでは?

さすが中華思想にドップリ浸かった西太后や精神勝利法を編み出した魯迅の阿Qを産んだ国です。でも筆者は真面な感覚をお持ちです。大部分はここに書かれている通りで、民族的特徴と言えます。真実の現代史を知っている中国人と日本人が少ないので、片方は恨み、もう一方は贖罪に走るようになっています。お互い正しい情報を取ることが必要です。孫文、汪兆銘、コミンテルン、FDRについて良く調べた方が良いでしょう。

http://www.aboluowang.com/2018/0623/1133299.html

山田氏記事では、「多少の息苦しさや理不尽を感じても、現状維持が一番いい。この点で、いまの中国と日本が奇妙なほどよく似ているということにも驚くのである。」とありますが、中国と日本がそんなに似ている気はしません。日本には自由があり、差別も過敏なくらい戒められています。どこが似ているのでしょう?山田氏は中国在住が長いので、日本のことが分からないか左翼メデイアの影響を色濃く受けたかどちらかです。そもそも共産主義と言う結果の平等を目指す国のジニ係数が0.73なんておかしいでしょう。ただ、日本人にも反体制を標榜する人がまだたくさんいますが、格好つけだけで、命を懸けてやっているようには見えません。村上春樹や是枝裕和は是非中国に帰化してほしいです。中国は歓迎するでしょう。是非かの国で反体制を貫いてほしい。反体制を標榜している学者も。本記事に出て来る反体制をやって来た人達とは覚悟が違います。収監される恐れがありますので。それにしても習近平の自由への弾圧の程度が大きくなったという事でしょう。

記事

現在開催されているワールドカップの1次リーグ・アルゼンチン対アイスランド戦で、アイスランドのラグナル・シグルドソン(白いユニフォーム)と争うアルゼンチンのリオネル・メッシ(紺のユニフォーム)。両選手にタトゥーが確認できる〔写真:IJMPA代表撮影(福地和男)

サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会のテレビ観戦で連日寝不足という人も多いことだろう。中国はアジア予選で敗れてしまい本戦出場は叶わなかったのだが、中国のSNS「微信(ウィエポー)」を見ると、特に男性の投稿はここ数日W杯一色と言ってもいいほどである。中国の内陸に住んでいる、見るからに運動音痴の仕事仲間がSNSで「あー歳には敵わない。眠い。スペイン対ポルトガルは録画で見る。無念」とつぶやいて寝落ちしたりしている。サッカーに特に興味が無い私はテレビでJリーグをやっていても5分と観ていられないが、W杯となると、いくらハリルホジッチ監督の解任に納得がいかなくとも、格上のコロンビアとの一戦で香川がPKを決めた際には心の中で小さくガッツポーズをしたし、セルビア対コスタリカといった縁もゆかりもない国同士の試合でもなんとなく最後まで観てしまう。これが一流の持つ魅力ということなのだろう。

しかし今回、W杯を観て改めて認識したのが、タトゥーを入れている選手の多さだ。アルゼンチンのメッシをはじめ、タトゥーをしている選手はもはやまったく珍しくない。

一方で、W杯出場を逃した中国のサッカー界で、最近もっとも大きな話題になったのもタトゥーなのだ。

タトゥー選手は代表戦に参加できず

タトゥーをしていることで有名な中国のサッカー選手・張琳芃(黄色いユニフォーム、2018年5月に開催されたアジアチャンピオンズリーグから)。中国代表として出場した試合は60を超える。対する赤いユニフォームの選手は、ブラジルの代表経験を持つアレシャンドレ・パト。イタリア、イングランド、スペインのリーグでプレーした経験も持ち、現在は中国の天津権健所属。彼の腕にもやはりタトゥーが見られる(写真:Imaginechina/アフロ)

中国は3月末、ウェールズ、ウルグアイ、チェコを招いてチャイナカップという国際親善試合を開いたのだが、この際、複数の中国選手がスリープやサポーターでタトゥーを隠して試合に臨んだことが話題になった。また、タトゥーをしている中国のサッカー選手と言って真っ先に名前の挙がる張琳芃はいずれの試合も欠場した。複数の中国メディアによると、中国サッカー協会が選手らに、代表戦でタトゥーを見せるのを禁じたのだという。理由は、中国共産党の道徳と価値観に反するからなのだそうだ。

中国でも長い間、イレズミは負のイメージを持つものとして捉えられて来た。中国版ウィキペディアの「百度百科」によると、刑罰として顔にイレズミを入れる「黥刑」は、秦(BC778~BC206)代から始まり、途中消えたり復活したりを繰り返しながら清代(1616~1912)まで続いた。中国共産党が支配する中華人民共和国(1949~)の時代に入ると、一般的には、黒社会、すなわち暴力団や反社会的勢力の代名詞として捉えられてきた。この流れは日本とほぼ同じである。

ちなみに、『イレズミと日本人』(平凡社新書)で山本芳美氏が、日本では昭和のヤクザ映画が「イレズミ=暴力団」というイメージをことさら強調することに一役買っており、やはりイレズミをしている鳶や火消しの古老たちにイレズミと言うと嫌がられ彫り物と言ってくれと注文を付けられる、と書いているように、中国でも、90年代に香港、中国、台湾で大流行した『古惑仔』等の香港のヤクザ映画で主人公たちが龍や虎のイレズミをしていたことが、「イレズミ=黒社会」のイメージを市民に定着させた部分がある。

だから、現在の中国で20~40代でタトゥーをしている人が驚くほど多いことにはいささか驚かされる。上海では、「刺青」「入墨」「紋身」の看板を掲げたタトゥーの店が、繁華街の他、住宅街にもたくさんある。

タトゥー流行の端緒は、中国人のバスケットボール選手で国民的スターの姚明(ヤオ・ミン)が2002年にNBA入りしたことで、タトゥーを入れているNBAのスター選手たちのビジュアルが大量に中国に入ってきたことにあると私は考えている。そして、この2~3年、第2次ブームと言ってもおかしくないほど、タトゥーをする人が増え目立ち始めた。今回、タトゥー人口を一気に増やしたのは20~30代の女性である。

街のあちこちで見られるタトゥーを入れる店

タトゥー支える富裕層と森ガール

ここで一つ中国のイレズミについて断っておくと、この原稿では、香港ヤクザ映画の影響までのものを「イレズミ」、姚明のNBA入り後のものは基本的にタトゥーとするが、明らかにファッション性の動機と異なる理由で入れたものは「イレズミ」として使い分けることにする。

さて、現在、中国でタトゥーを入れる人は大きく3つに分けることができる。(1)富裕層、(2)「小清新」(シャオチンシン)と呼ばれる20~30代の女性、(3)そして工場やウェイター、美容師等、比較的低賃金で働く人たちだ。

このうち、W杯のサッカー選手がしているような、二の腕から手首にかけてとか、太股から足首まで、つまり半袖のTシャツや短パンを着ていても見える部位にタトゥーを入れるのは、(1)の富裕層だ。絵柄もサッカーやバスケットのNBA等スポーツ界の有名選手やセレブの影響を受けているものが多い。彼らが通うタトゥー屋は彫り代が1時間1500元(2万5500円、1元=約17円)程度が相場。サッカー選手らが好むような絵柄は彫り上げるまでに相当な額がかかるため、経済的に余裕のある富裕層が勢い中心ということになる。

次に(2)の「小清新」と呼ばれる20~30代の女性。中国の若い女性にモノやサービスを売ろうとしているビジネスパーソンにとっては、既に手垢のついた言葉だと思うが、一般の日本人にはなじみがないと思うので、彼女らがいったいどのような人たちなのかを説明する必要がある。しかしこれが難しい。そこで中国国有のラジオ局中国国際放送が日本語ホームページの「キーワードチャイナ」で説明している小清新の説明を引用することにする。

「最初は音楽でアコースティックやフォーク風のジャンルを指す言葉。今は文学や映画、写真など各ジャンルの芸術まで広がった。また、そのような芸術やライフスタイルを好む人も『小清新』という。ファッションで説明するとわかりやすいかもしれない。『小清新』のおしゃれというのは、天然素材で淡い色、小さな花柄やレースなどがポイントになる。また、化粧もナチュラル系で、日本でいうカントリー風だったり森ガールのようなものなんだろう」

日本人がイメージしやすいように大づかみで言えば、「村上春樹や岩井俊二や無印が好きな意識高い系の女子」と言えるだろうか。事実、小清新をターゲットにしたサイトには、無印良品を小清新の代名詞と表現しているところもある。

この小清新の女性たちがこの2~3年、タトゥーを入れているのを本当によく見かけるようになった。手首、足首、鎖骨、肘の内側、首の後ろ等、服を着ていても他人から見える場所にワンポイントで入れているというのが多い。グーグルで「小清新」と入力すると、検索候補に「小清新紋身」というキーワードが出てくることからも、彼女らのタトゥー人口の多さが分かろうというものだ。

ここまでの説明で分かると思うが、富裕層と小清新のタトゥーは、オシャレタトゥーである。

そして(3)の工場労働者や美容師、ウェイター等の比較的低賃金の人びと。日本で言うところのヤンキー比率が高いこの層は、いきがって入れることがほとんどのようである。図柄はサソリ、どくろ、星等々、ワンポイントで入れるのが主流。ただ、工場の多くは採用の条件にタトゥー禁止を盛り込んでいる。だから工場や工員の暮らす寮のある町には工員らを対象にしたタトゥー屋が必ずと言っていいほどあるのだが、看板に目立つように書いてあるのが、タトゥーを消すサービスを提供しているという点。服を着ていても見えるところに入れている人は採用面接にあたって消すのだろう。

さて、サッカーの中国代表選手がタトゥーを隠すよう求められた一件は、ここに挙げた(1)~(3)の人びとに何らかの影響を与えたのだろうか。

6月初旬の上海は肌の露出が高い季節になり始めたこともあり、タトゥーをしている人が、昨年よりもさらに増えたような印象を受けた。つまり、サッカーの一件は今のところ、「タトゥー」の人びとには影響していないということである。タトゥー屋が大量に廃業し始めているというような現象も、今のところ聞かない。

都会で受けた壮絶な差別とイレズミ

ただ、気になることもある。それは、都会人に差別された屈辱を忘れず中国で生き抜くことを決心した証として背中一面にイレズミを入れた青年が、サッカーの件が起きるほんの少し前に、イレズミを隠すようになっていたことである。

彼の名前は仮にA仔(エーチャイ)としておく。彼と知り合ったのは2016年、海南島の海口だった。当時彼は22歳。仕事はマンションの内装工事が中心の大工。経営者ではないが、現場監督のような立場にあり、収入は当時で月1万元(17万円)。国産だがSUVのマイカーも持っている。海南島に訪ねた私の若い友人の親友で、空港の送迎にクルマを出してくれたり、食事に誘ってくれたりと、滞在中、「叔叔、叔叔」(おじさん、おじさん)と言っては何かと世話を焼いてくれた。

そのA仔がタトゥーを入れていることは、空港から彼の車の後部座席に乗り込んだときに分かった。肩甲骨の部分が深くえぐれたタンクトップから模様がのぞいている。背中一面に大きなタトゥーがあるのは間違いないようだったが、正面からは彼がタトゥーを入れているのは全く分からない。ただ、中国の富裕層のように、たんなるオシャレで入れているのとは違うように思えた。オシャレで入れるならば、服を着ていてももっと目立つように入れるのではないかと思ったのだ。一方で、工場労働者や美容師たちのように、ほどほどのいきがりとほどほどのオシャレをミックスしたのとも明らかに一線を画していると感じさせるほどの大きさではあった。

そこでA仔との3度目の食事の時、私は思い切って彼にタトゥーを入れたわけを聞いてみた。すると彼は、親友の遠方から着た年長の友人ということを尊重してくれたのか、ポツリポツリと話をしてくれた。

彼は内陸部の重慶郊外の農家に三男坊として生まれた。その地域の子供たちのほとんどがそうであるように、彼も中学を卒業すると、実家を出て北京へ働きに出た。

「そして」と彼は言った。

「そこで北京人から差別を受けた。そして北京を離れた。差別されたことを一生忘れまい、と思って、ある土地で背中にイレズミを入れた。そして海南島に来た、というわけです」

中学を卒業したばかりの少年が、背中一面にイレズミを入れようと思うほどの差別とは、一体どのようなものなのかを想像した。想像がつかなかったが、根掘り葉掘り聞く気にもなれなかった。北京に何カ月いたのか、何の仕事をしたのかについては聞いてみたが、これについても黙って笑うだけで答えてくれなかった。

北京に行った彼が、黒社会に勧誘され、契りとして若気の至りで背中にイレズミを入れてしまったのではないか、とも考えた。

ただ彼が「差別を受けた」というのを聞いて、私はそれは本当なのだろうと確信した。

農村で生まれるか、都会に生まれるかで、人生のスタート地点で天と地ほどの差がついてしまう中国。都会人による地方出身者に対する蔑視は、せいぜい「ダサい」「田舎者」と馬鹿にされる程度の日本に生まれた私には想像がつかないほどのものがあるのだろう。同じ漢民族でありながら、他の国におけるレイシズムに近いものがあるのだ。

「ふーん、そうだったのか。知り合って3年以上になるけど、いま初めて知ったよ」

隣で聞いていた共通の友人がポツリと言って、フーッと息を吐いた。

その夜。A仔にイレズミの写真を撮らせてもらった。

A仔のイレズミ。中学を卒業したばかりのころの壮絶な記憶を背中に刻みつけて生きている

タンクトップを脱ぐと、観音菩薩と龍が現れた。

オレを差別したこの国で生き抜くにはどうしたらいいのか。イレズミを入れてでも気合いを入れて、立ち上がらなければ。

22歳になったA仔の背中には、中学を卒業したばかりのころの悲壮な決意が張りついていた。

「非主流のカリスマの引退」との共通点

そのA仔が、イレズミを隠すようになったことを知ったのは、今年の春節直後のこと。SNSに、白いワイシャツを着た自撮り写真を投稿しているのを見つけたのだ。「袖付きのシャツを着るなんて、何年ぶりか覚えてないほどだよ」と書き込んでいた。そしてその次の投稿も、さらにその次も、彼はワイシャツ姿だった。そこから今日まで、彼はイレズミがのぞくタンクトップを着て外には一度も出ていない。

SNSで、どうしてワイシャツを着るようになったのかと尋ねた。しかし、彼から返事は返ってきていない。

彼がイレズミを隠すようになった理由を考えていた私は、ある日、中国で「殺馬特」(シャマト)と呼ばれるパンクの若者たちの中でカリスマ的存在だった青年が「卒業」したということを知った。そして彼が卒業を決めたのも、A仔がイレズミを隠すようになったのとほぼ同じ時期だったということも。

殺馬特のカリスマの引退については前回の原稿で書いているのでここで詳しくは書かないが、どうして引退を決めたのかとの私の問いに彼は、

「同じような考えの人ばかりにしようというのは、とても怖いことだ。病んだ社会だ」

という言葉を返してきた。

A仔がイレズミを隠すようになったこと。殺馬特のカリスマの引退。そしてサッカー中国代表のイレズミの一件。これらが重なり合うように起こったのは、恐らく偶然の符合ではない。

A仔もカリスマも、だれかに直接警告されたわけではないのだろう。しかし、彼らのような中国社会の「非主流」を排斥しようとする空気が中国で確実に増していて、A仔やカリスマのように、自らの意思を明確に自覚して行動してきたような人たちが、激烈な悔しさを糧に研ぎ澄まされた豊かな感受性で、世の中の空気を敏感に感じ取った末の、生き抜くための行動なのだと思う。その後に出てきたサッカー代表の一件は、彼らを潰しにかかっている「大きな意思」が、いよいよ表にも顔を見せ始めたのだということなのだろう。

ではなぜ、富裕層や小清新、工場労働者や美容師らのタトゥーは増えているのだろう。それは、芽を摘む理由がないからだ。工場労働者などの低所得者層については、オシャレといきがりでタトゥーを入れるのでとりあえずは満足していると判断されているのだろう。そして富裕層も小清新も、1時間1500元のタトゥーを楽しめるのは、いまの社会のおかげだということが分かっている。いまの社会を支えているのはこの層だ。

多少の息苦しさや理不尽を感じても、現状維持が一番いい。この点で、いまの中国と日本が奇妙なほどよく似ているということにも驚くのである。

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『中国メディアが「マハティール首相訪日」に見せた強い関心』(6/18ダイヤモンドオンライン 第一財経)について

6/23朝7時のNHKニュースで、大和葡萄酒(甲州市)のワインが紹介されていました。栃の心の故郷のジョージア(旧グルジア)はワイン発祥の地と言われ、その製法(大きな甕の中で発酵させる)を採り入れて作っているとのことでした。昨年10月の防人と歩む会主催の「河添恵子先生講演会」で大和葡萄酒の萩原社長と知り合いましたが、彼もTVに出ていました。映像が無いのは残念です。

同じく6/23朝7時のNHKニュースで、カリフォルニア州のどこかの町で聖域都市から離脱したというのが放映されました。トランプ政権の連邦政府の補助金減額or停止政策が効いてのことと思われます。これも映像が無いのが残念ですが。聖域都市と言えば聞こえは良いですが、国の中に国を作るようなものでしょう。この裏には中共の存在があるのではと睨んでいます。米国のリベラルは容共と言うか、自由をはき違え、自由を一番弾圧する共産主義を受け入れる所がダメな点です。法治国家を標榜するのであれば、厳格な法執行をしなければならないでしょう。日本の沖縄も独立運動をしている人間がいますが、裏で中共が金を出していると思います。スパイ防止法があれば一発で逮捕でしょうけど、ないので公安は外患誘致罪の疑いか何かで身辺を良く洗った方が良いのでは。日本政府も辺野古移転工事の妨害を沖縄県が排除しないのだから、トランプ同様交付金を大幅削減すれば良いでしょう。

6/18阿波罗新闻网<马来西亚反腐涉及中共=マレーシアの反腐敗運動は中共にまで及ぶ>ナジブ首相は中国の「一帯一路」のパートナーとして、中国がマレーのインフラ整備をすることに対し大歓迎した。ポケットに入れただろうという醜聞のある中で、選挙に負け、首相を下りた。マハテイール新政権は「以前に中共と締結した契約は疑わしき取引と思われるので、審査をし直す。ナジブ一派は公金を横領した。国民は彼らの醜聞を聞いて、嫌悪感を深め、政権打倒の引き金になった。仏メデイアに対し、マハテイール新首相は「クワラルンプール~シンガポール間の高速鉄道は国の債務が大きくなるので取りやめる。建設の初期段階で、中国の金も未だ入っていない」と。但し中国側は雲南省とシンガポールまで繋がるのでやりたいと思っている。もう一つの高速鉄道は、中国の金が入って、建設が始まっており、マレーの東海岸を走る。建設資金は140億$とも。新首相は「これについても中国と協議する」と。仏メデイアは「ムラカの深水港と巨大工業区(多分ジョホールバルのフォーレストシテイでは?)も協議の対象に。唯、今の所変更又は取消せるかどうか分からないが、専門家はプロジェクトによっては取り消せるだろう」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0619/1132037.html

本記事にもありますように、マハテイールはTPP11も再交渉と言っていますのは、中国との契約の見直しをするため、バランスを取る必要に迫られたためなのでは。TPP11はガラス細工の積み上げでできており、再交渉を言いだせば崩壊するかマレーシアをオミットするかどちらかです。TPP11は、参加国の過半数が国内手続きを完了してから60日後に発効するとのことですから。老練な政治家のマハテイールがこのことを理解していないとは思えません。19年にはTPP11は発効予定ですので、マレーシアがどうするのかは今は読めません。

ASEAN発足時の狙いは反共でしたのに、中国の存在が大きくなりすぎて、誰も中国の横暴を非難できなくなりました。米国衰退が原因とは思えず、米国の二極化で国内が分裂して、外にエネルギーが回せなくなっていることが大きな原因だと考えています。裏では中共が暗躍している部分もあると思いますが。米国は中国を見くびり過ぎたのでしょう。また北朝鮮も。大日本帝国を崩壊させた咎めです。でも、今の日本はどうかと言うと、自立の気概を持った日本人は殆どいません。先人たちは不平等条約を解消するのに53年かけて実現しましたのに、戦後73年経つのに国連の敵国条項一つ削除できないでいます。大正・昭和以降の外務省職員の劣化でしょうけど、それを許すというか無関心な国民も劣化してきていると思います。マハテイールは、今は心の中ではルックイーストとは思っていないでしょう。しかしEAECは中国を利するだけです。大事なのは中国を大きくしないことです。

参考:6/22JBプレス 末永 恵<アリババも”手中”に、マハティール首相の巧外交術 新ルックイーストもベトナムも注視の全方位外交>

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53372

記事

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

—15年ぶりに再登板したマレーシアのマハティール首相は、6月10日から12日の日程で来日。安倍晋三首相や黒田東彦日本銀行総裁と会談したが、中国メディアはこの訪日をつぶさに追い続けていた。背景には中国にとってマレーシアは極めて重要な貿易相手国であること、さらにマレーシアでのインフラ投資において、中国と日本はライバル関係だということがある。中国メディアはマハティール訪日をどう報じたのか。中国の経済メディア「第一財経」の記事を転載する。

マレーシアのマハティール首相(92)は復帰(5月10日)

日本政府はマハティール首相を手厚くもてなした。訪問期間中(6月10日~12日)、安倍晋三首相と黒田東彦日本銀行総裁とそれぞれ会談した。 また日本側は、マハティール首相を日本商工会議所、ジェトロ(日本貿易振興機構JETRO)などが主催する投資・貿易フォーラムに招待した。

だが、マハティール首相は訪日期間中多くの場で発言したが、初の外遊での発言に特に期待を寄せていた人たちを失望させた。

マハティール首相は3日間の東京訪問で多くのことを語ったが、中国への言及は期待したほどではなかった。それに、日本が最も気にかけている環太平洋パートナーシップ協定(TPP)問題でも、「特に関心がなく」、再交渉が望ましいと直接述べた。

対立ではなく話し合い 対中関係重視を強調

今回の訪問は、復帰前から決まっていた。

マハティール首相は外界の様々な憶測を打ち消すため、初の外遊先に日本を選んだ理由について、毎年参加している日本経済新聞社主催の第24回「アジアの未来」国際会議に出席するためだと自らの口で語った。

また、日本やマレーシア、その他の参加国もそうだが、「アジアの未来」において、中国は極めて重要な存在であると語った。

マハティール首相は会議で、司会者と来賓からの質問に一つひとつ答え、中国に対する自らの見解を丁寧かつ忍耐強く説明した。また、マハティール首相は、中国との友好交流を望んでおり、対立ではなく話し合いを望んでいると、これまでメディアが伝えていたのとは全く異なる立場を表明した。マハティール首相が最も望んでいるのは、マレーシアの産業が強くなることだ。

TPPに全く反対というわけではない

第24回「アジアの未来」で、日本側は「環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定」(CPTPP、米国離脱後の11ヵ国のTPP)の参加国の高官を多数招待した。CPTPP参加国高官は、CPTPPの妥結に向けた交渉の中で日本が中心的役割を果たしたことに感謝し、CPTPPが合意に達した後の互恵・ウィンウィン関係について語ったが、はじめに姿を見せたマハティール首相はCPTPPに冷水を浴びせ、「TPPに関心がない」と述べた。

3月8日、チリの首都サンティアゴでTPP11協定の署名が行なわれた。メンバー国は、日本、カナダ、オーストラリア、ブルネイ、チリ、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの11ヵ国。アメリカ離脱後のCPTPPの国内総生産(GDP)は3分の2に減少し、13兆ドル(約83兆元)で、アメリカ離脱前は世界のGDPに占める割合は40%だったが、離脱後は13.5%に減少した。CPTPPの経済規模は縮小しているが、発効後も太平洋国家の川上産業・川下産業の産業チェーンの構築に好影響を与えることが予想される。

オーストラリアは、CPTPP発効後、加盟国間で98%の関税障壁が撤廃されると予測している。

マハティール首相はそうは思っておらず、「再交渉が望ましい」と述べ、マハティール政権は貿易条項の見直しを求めていくとの考えを示した。だが、マハティール首相は、マレーシアは「TPPに全く反対というわけではない」とも述べた。

東アジアは日中韓中心に団結して発展すべき

マハティール首相は、TPPが支持されないのは、この協定がマレーシアの公平な競争にマイナスとなるからだと説明し、次のように語った。

「乳幼児期の産業があるように、乳幼児期の国もある、これらの国は発展が始まったばかりで、強い貿易国または産業と競争することができないので、特別措置をある程度設け、ある程度保護することが必要であることを、われわれは認識しなければならない」

さらに、マハティール首相は「このようにしてこそ競争がより公平となるのだ」と指摘する。

そのため、マハティール首相は「東アジア経済協議体」(EAEC)を重視している。それは、ASEAN諸国、中国、日本、韓国などの東アジア諸国の団結を目指す構想で、90年代にマハティール首相が提唱した。しかし、当時アメリカの強い反対に遭い、その構想は実現しなかった。

「当時、アメリカがわれわれに反対したため、EAECは実現しなかったが、今やアメリカは再び孤立主義へと向かっているように見受けられ、もはやEAECをつくるなとは言えなくなっている」

マハティール首相は、東南アジア諸国は団結して発展すべきだと述べた。

高速鉄道プロジェクトはカネがかかりすぎる

その一方で、15年ぶりに首相に復帰したマハティール首相は、国内産業を発展させることを考えている。

マハティール首相は マレーシアの自動車製造技術はいくつかの大国に引けを取らないが、競争の中で貿易障壁という壁に今も阻まれていると語る。さらに、マハティール首相は、マレーシアに投資する外資が技術とアイデアを持ち込むことを望んでいるとも語っている。

マハティール首相が訪日期間中にクアラルンプール=シンガポール高速鉄道問題についての立場を変えたことは、注目に値する。マハティール首相はこう述べている。

「マレーシアは現在、このプロジェクトを続けることができないが、マレーシアが高速鉄道を永遠に持てないということではない。このプロジェクトはカネがかかりすぎるため、われわれが今すべきことはこのプロジェクトを延期することだ」

5月28日、マレーシアはクアラルンプール=シンガポール高速鉄道の中止を宣言し、この計画を「不必要な計画」と呼んだ。 理由は、建設費用が1100億リンギ(約177億元)に上る一方で、何の利益も見込めないからだ。

2013年にマレーシアとシンガポールが合意に達したクアラルンプール=シンガポール間の高速鉄道プロジェクトは、2014年に建設を始め、2026年末の操業開始を目指していた。

この高速鉄道は全長350キロメートル。マレーシアのクアラルンプールから南部のジョホールバルを経て直接シンガポールに行くことができる。 この高速鉄道が完成すると、シンガポールからクアラルンプールへの移動時間は4、5時間から90分に短縮され、一日当たりの旅客数は数十万人に達すると見込まれていた。

マハティール首相がこの計画の中止を宣言した後、マレーシアが支払うべき違約金は1億2500万ドル(約8億元)に達するのではないかと見られた。

マハティール首相は日本メディアのインタビューに応じ、「高速鉄道は、長距離なら大いに意義があるが、短距離は役に立たないと思う」と述べた。

だが、マハティール首相がこの計画の中止を宣言した時、シンガポール交通省は、マレーシア政府が協力中止を正式に通告していないとの声明を発表した。その後シンガポール側は、マレーシア政府に外交ルートを通じて立場を表明するよう求めたと述べた。

中国に“借り”を作りたくない

マハティール首相は訪日期間中、各方面の関係者の質問を受けたが、「中国」が中心的テーマだった。 以前の報道によると、マレーシアの新政権は、これまで中国と結んだ取り決めの一部条項について再交渉する可能性があると表明した。

それに対し、中国外務省は「中国はマレーシアが引き続き安定と発展を維持していくものと信じている。マレーシアとともに、相互尊重と平等互恵の原則に基づいて両国の包括的戦略的パートナーシップの持続的発展を促し、両国の人々にさらに幸福をもたらし、地域の安定と繁栄を促進していきたい」と述べた。

マハティール首相は東京で、上述の質問に直接答えなかった。だが、マハティール首相は外国直接投資の定義について自分の考えを控えめに述べた。マハティール首相によると、外国直接投資は外資企業が資本と技術を投資対象国に持ち込むことを意味するが、現在、外資企業がマレーシアで土地を購入していることには賛成できないという。

一方で、マハティール首相は、中国についてこう述べている。

「中国は長い歴史を持ち、中国とマレーシアの間には2000年の交流の歴史があり、それに中国はマレーシアを植民地にしたことは一度もなかった」

それとは逆に、マレーシアの貿易相手国としての中国については、「中国との友好関係を保つのを望んでいるが、中国に“借り”を作りたくない」と述べている。

マハティール首相は、中国とマレーシアとの貿易交流の歴史は長く、14億人の市場は世界にとって魅力的であると指摘し、現在の中国はより強く豊かになっており、消費者市場も拡大しているので、「われわれはこの市場に入りたいと思っている。だから、われわれは中国と付き合わなければならない」とも述べた。

それぞれのイデオロギーを尊重しそれぞれの市場にアクセスしたい

現在、中国は9年連続でマレーシアの最大の貿易相手国であり、2年連続でマレーシアの製造業への最大の投資国であり、6年連続で訪れる観光客が最も多い国となっている。

ただ、マハティール首相は、「一国だけでは、いかなる目標も達成できないかもしれない」ので、東南アジア諸国は東アジア経済協議体を通じて“グループ”として意思疎通・交流すべきだと考えている。

マハティール首相はこう述べた。

「政権が交替したが、世界のすべての国と友好的に付き合い、それぞれのイデオロギーを尊重したいと思っており、あらゆる国と引き続き貿易を行なってそれぞれの市場にアクセスできるようにしたい。なぜなら、われわれは貿易に頼ってわが国を発展させるからである」

マハティール氏の首相復帰が決まった後、中国外交部の耿爽(こうそう)報道官は定例記者会見でこうコメントした。

「マハティール氏はベテランの政治家で、マレーシアとASEANの発展、中国・マレーシア関係および東アジア協力に積極的かつ重要な貢献をしてきた。中国はマハティール氏のマレーシア首相就任に祝意を表す。マハティール首相の指導の下、マレーシアの国家建設が新たな成果をあげ、中国とマレーシアの包括的戦略的パートナーシップが引き続き着実に前に向かって発展すると信じている」

2年後、世界最年長の首相になっているだろう

5月24日朝、白天・マレーシア駐在中国大使は、首相に復帰したマハティール氏を訪ね、祝意を伝えた。

白天大使はこう述べた。

「閣下は、中国とマレーシアの外交関係樹立から44年間の半分の22年間、マレーシア首相を務められました。その間、7回中国を訪問し、広範囲かつ深い現在の両国間の実務協力の基礎を築き、中国・マレーシア関係に重要な貢献をされました。また閣下は、中国・ASEAN協力とASEAN+3協力の構想を提起され、今日勢いよく発展する東アジア協力で歴史的役割を果たしてこられました」

これに対し、マハティール首相はこう述べた。

「近年、中国経済は急速に成長し、鉄道などのインフラで顕著な成果をあげており、農業などの分野の科学技術レベルが目覚しい進歩を遂げている。中国の発展の経験と科学技術はマレーシアも学ぶ必要があり、両国間の協力はさらに発展するだろう。中国企業がマレーシアに投資し、両国間の協力を引き続き前に進めていくことを歓迎する」

今回東京で、マハティール首相は日本の各界の人々からの祝福を受けた。

任期についての質問に答えたとき、マレーシアの人々が望むなら、2年後も首相を続けたいとの考えを示した。マハティール首相は「人々が私を必要とするなら、私は喜んで働きたいが、どれだけ長生きできるかわかりません」と語り、さらに「2年後に私は95歳になりますが、もうすでに世界最年長の首相となっています」とユーモラスに語った。

(翻訳/フリーライター 吉田陽介)

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『米朝首脳会談の勝者は中国なのか 半島問題は小休止、誰が勝者か判断するには早すぎる』(6/20日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国が米朝首脳会談の結果を「歓迎」する3つの理由』(6/19ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

6/21阿波罗新闻网<中外专家:胜算很高 川普逼迫习近平放弃中共模式=中国と外国の専門家:勝算は高い トランプは習近平に中共モデルを放棄するよう迫る>米国は貿易戦争中、初めてファイアーウオールを槍玉にあげた。それによりネットが繋がらず、商機を失したと言うもの。香港中文大学の林教授は「米国は実質的に習に圧力をかけ、中共モデルの経済発展を変えさせようとしている。それはモデルとしての国営企業を含んで共産党が全面的にコントールするやり方である。中国は国際経済や市場のルールに従うのを望む」と。

香港冠城商業経済研究センターの関主任は「中共の対米報復措置は限られている。米国の対中輸出量と中国の対米輸出量とを比べて見れば、全然少ない。且つ中国の米国への輸出品は容易に代替が効く。中共は米国に直接投資部門で報復に出る。ただ中共にとっては逆風である。人民元は米国の関税措置を受けて暴落するだろう」と。WSJは「トランプは貿易戦争のレベルを上げるのを厭わない。勝算は高い。衆議で決せず、準備はできている。ビジネス界の圧力があっても気にしない」と。ナバロは「トランプ大統領はあらゆる機会を通じ中国の侵略的行為を変えさせようとしてきた。米国と比べると中国が負けるのは確実に高い」と。ライトハイザーは「第二波の関税措置は未だ効力を発せず。数カ月かけて業界の意見を聞いて決める」と。

トランプの関税措置は中国の「中国製造2025」を狙い撃ちしたもの。米国のハイテク部品の輸出を制限して、「2025」をできなくしようとしている。

http://www.aboluowang.com/2018/0621/1132738.html

6/22阿波罗新闻网<美国农民:受中共关税冲击 仍然支持川普=米国の農民:中共の関税の攻撃を受けても依然としてトランプ支持>中共の報復関税に対し、農場主は将来の不安はあるものの、トランプの不公平貿易に対する措置を支持している。加州の柑橘類互助会のジョエル・ネルソン会長は「この2ケ月の果物の輸出量は下がっているが未だ摘果と売る時期ではないので影響はそれほど大きくない。ただ貿易戦争が緩んでいない状況で、将来は不確実である。もし中国市場が閉ざされたら、他を探さざるを得ないが困難である。」と。肉類輸出連合会は最新の数字を挙げ「豚肉の4月の輸出数量は去年と比べ下がっているが、輸出額は安定している。豚肉の海外輸出総量は記録を刷新するくらい増えて、中でも韓国が激増している」と。アイオワの養豚業者のクリス・ナペルはボイスオブアメリカの取材に対し「今は特に悪いという事もない。飼料のトウモロコシの値段も下がっている。商売はまずまずである。豚肉の価格もそんなに下がっていない。ただ今後は影響を受ける可能性がある」と。肉類輸出連合会は「関税の影響は今後数カ月経ってから出て来るだろう」と警告した。

一般には「中共の報復関税はトランプ支持者の多い農業地域に照準を合わせたもので、明らかに農民が共和党とトランプに圧力をかけるか、選挙でトランプを罰することを望んだもの」と受け止められている。しかしナペルはトランプに一票を投じたし、今もトランプ支持は変わらない。トランプは既に農業省に農民保護の政策を検討するよう命令した。農民は愛国者だから。WHのナバロは今週「トランプ大統領の採った行動は自衛措置であり、米国の優れた科学技術を守るため中共の侵略的な権利侵害は受けないようにすることである。政府は現在米中貿易戦争の最中、米国の農民を救うにはどうしたらよいか研究中である。ただ今の所、具体的な措置は発表されていない」と。

加州の柑橘類互助会のジョエル・ネルソン会長は「果物が売れる時期が来る前に、政府は解決の道を探し出すのを期待する。しかし、政府が中共に強硬な態度を採るのは理解する。もし、我々の産業が不公平に扱われるのなら、政府に働きかけて戦って貰う。政府は中国政府から二、三の産業が不公平に扱われたのを確認している。それで政府は圧迫を加えるやり方をした。これは疑問の無いやり方である。もし我々個人でも不公平に扱われたら、政府にそうするように望むだろう。当然のこと」と。

http://www.aboluowang.com/2018/0622/1132924.html

福島氏の見立ては、「中国の変心(北を守らない)が北の変心を招いたのでは」というものです。中国大陸も朝鮮半島も歴史上裏切りの連続ですから、お互い疑心暗鬼になるのは仕方のない所です。最終的に金が米中どちらを取るかです。まあ、北が一部核保有して、日本も核保有すれば一番困るのは中国ですから、そうなるのを望みます。でも、日本は左翼の似非平和主義者に刷り込まれているから、なかなか大変ではありますが。

加藤氏の記事では、中共指導部は米朝対話を歓迎したとありますが、あくまで戦争になる事との比較の上の話でしょう。中共が、米朝がくっつくのを恐れるのはその通りと思います。ただ、金が習に共産主義者として同じ匂いを感じたというのはどうでしょうか。暴君・独裁者と言う意味ではそうですが。国民の殺し方を見れば金は毛沢東に似ていて、習はまだそのレベルまで達していないと感じます。まあ、毛と習とでは時代が違いますから。北は50年前の中国と同じです。

福島記事

中国・北京で販売された米朝首脳会談を報じる雑誌の表紙(写真:AP/アフロ)

シンガポールで国際社会の耳目を集めた米朝首脳会談が行われて1週間あまりが経った。この会談に対する評価は、トランプが妥協しすぎた、金正恩の一人勝ちだとか、あるいは一番の勝者は中国の習近平である、といったものが多いようだ。理由は、米朝首脳会談後に発表された共同声明にCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)の文言や非核化の期限設定が入らなかったこと、なのに米国側が米韓合同軍事演習の中止という妥協を早々に決めたこと、あたりだろう。軍事演習の中止は、中国にとってもありがたいことであるのは間違いない。では、この首脳会談で米国は敗者だったのだろうか。この結果に、中国がほくそ笑んでいるのだろうか。

米朝首脳会談について簡単に振り返っておこう。共同声明で確認されたのは4点。

①米朝は両国民の平和と繁栄への希求に基づき、新たな米朝関係の樹立を約束した。

②米朝は朝鮮半島の恒久的かつ安定した平和体制を築くことに共同で取り組む。

③2018年4月27日の板門店宣言を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島の完全なる非核化に取り組むことを約束した。

④米朝はすでに身元が分かっている遺骨の即時返還も含め、戦争捕虜や行方不明兵の遺骨収集を約束した。

会談後のトランプの記者会見では、共同声明には盛り込まれていないが、北朝鮮側が非核化の検証やミサイルエンジン実験場の廃棄に同意したこと、米国は経済制裁は非核化が再核化しないと判断した段階で解くとしたことなどが説明された。また朝鮮戦争の終結についても、「終わりはもうすぐだ」と期待を示した。

米韓軍事演習を「金のかかる戦争ゲーム」と表現し、その中止を言明、「いずれ在韓米軍を撤退させたい」とも語った。人権問題についても提起し、今後も議論するとした。また、日本人の拉致問題についても共同声明には盛り込まれていないが、話し合いに「取り組む予定」とした。非核化の費用については、日本と韓国が支援してくれると思う、とし、米国が助けなければならないわけではない、とした。

こうした内容について、トランプは自分が譲歩しすぎだと言われることを承知しているが、譲歩はしていない、と主張した。また、プロセスは始まったばかりであり、共同声明に盛り込まれていない約束について、半年後に守られていなかったら、「私が間違ってました、と言う」「何か言い訳する」と答えていた。トランプは金正恩について、有能、信頼ができる、だがいい人とは言っていない、と評価した。

会談では、トランプサイドが作った「北朝鮮の非核化がもたらす未来の繁栄を想像させる映像」を金正恩に見せたという。高級ホテルを作って不動産で儲ける話などもしたらしい。

会談は中朝関係を根本的に変えた

さて、この会談の成果について、どう評価するか。ケチも付けられるが、準備期間2カ月の会談から得られる合意はこの程度のものではないか、とも言える。予測したものより若干、米国の妥協分が多かったが、米韓軍事演習の中止や、在韓米軍の撤退は、かねてから米国側も検討していたことを思えば、大きく予測を超える妥協でもなかっただろう。

トランプの言う通り、プロセスは始まったばかりで、ポンペイオとボルトンというトランプ政権の強面二枚看板による交渉チームがどこまでできるか、というところにかかっているのではないだろうか。ただCVIDが実現するかどうかについては、私は最初からあまり期待はしていない。

そもそも米国にとって北朝鮮の核兵器がどれほど脅威なのか。米国の本音で言えば、ICBM開発をやめさせるためのミサイル実験場の破壊で十分な成果かもしれない。これに、核弾頭の一つや二つを引き渡させれば、たとえすべての核施設を完全廃棄する前にトランプ政権が終わっても、当面は北朝鮮の核兵器の対米攻撃力を丸裸にできたという意味では、米国にとっての非核化はできた、と言えるかもしれない。

何度もこのコラム欄で繰り返し言っているが、半島問題は米朝問題ではなく、米中のアジアにおけるプレゼンス問題、覇権争いである。米朝の直接対話の実現、しかも金正恩を、海を越えてシンガポールにまで引っ張りだしたプロセスを考えると、私はこの会談の本当の意義は、中朝関係を根本的に変えたことではないか、と思う。

私は中国が専門なので、この米朝会談が中国に与えた影響力について整理してみたいと思う。ちょうど、朝日新聞(6月17日付)が、特ダネとして米韓軍事演習中止の要求は、習近平が5月の大連で金正恩と会談した際に提起するように促した、という中国外交筋の話と、北京の北朝鮮筋による「我々が最も優先するのは体制保証だ。米韓軍事演習中止の要求は(中朝首脳会談前に)念頭になかった」という発言とを合わせて、金正恩がトランプに「相手を敵視する軍事行動の中止」を求めたのは中国の代弁であった、つまり中国の思惑を反映した米朝首脳会談であった、との見方を示した。

この記事は、香港メディアなどが朝日新聞の名前を引用する形でも報じている。これが事実なら、習近平は金正恩を利用して、米朝首脳会談を思惑通りにコントロールしたので、中国が影の立役者であり、本当の勝者である、とも言える。

「中国は不安に陥っている」という見方

だが、BBCやシンガポールメディアによれば、次のような見方もある。米朝首脳会談の実現で、中国は不安に陥っている―。

米朝首脳会談の前に金正恩が中国に二度も訪れ金正恩と会談したことで、いかにも中国が風上に立っているように見えるが、これは習近平の不安の表れではないか、ということだ。これはいわゆる筋ネタではなく、中国の北朝鮮の内情を知る著名学者、沈志華ら、識者の分析である。これは割と説得力のある話で、北朝鮮はもともと中国依存脱却のために、米朝直接対話を望んできた過去がある。

また、中国自身「旧ソ連との関係を絶って米国に寝返った」過去もある。米中首脳会談の実現は、かつてのニクソンショックと類似した部分もあり、米国の無党派シンクタンク・スティムソンセンターのアナリスト・孫雲は「当時の中国にできたことがどうして北朝鮮にできないと思うのか?」と問いかけている。

実は私自身は、朝日新聞の独自ネタより、BBCの分析のほうに傾いている。中国の本筋が一部の大手メディアだけにリーク情報を流すとき、何等かの意図がある場合が考えられるからだ。中国は北朝鮮に対して依然強い影響力を維持し続けているというメッセージを今のタイミングでことさら国際社会にアピールするのは、中朝関係が以前のようなものではないからだ、と疑う用心深さは持ったほうがいい。

金正恩が中国とのパイプ役であった張成沢を処刑し、さらにやはり中国が庇護していた異母兄である正男を暗殺し、6年もの間、中国との距離を置き、中国が党大会後に送り込んだ特使をお茶も出さずに追い返した上で、いきなり今年の3月と5月に金正恩が中国にまで来て習近平との面会を求めたのは金正恩の米朝首脳会談に向けての駆け引きの一環にすぎず、本当に中朝が信頼関係を再構築できたとは考えにくい。

習近平も金正恩に疑念を持ちつつ対米外交の戦術上、金正恩に会ったほうがよい、と判断したにすぎないと私は思う。北京、大連の会談報道のテレビ映像から、そういう空気は見てとれないだろうか?

中朝の長い歴史を振り返れば、友誼よりも恨みを募らせた時間のほうが長いのだ。だから朝鮮戦争で40万人の中国人兵士が犠牲になっても、朝鮮には彼らの犠牲に感謝をささげる記念碑すらない。北朝鮮には中国に対する友誼がもともとなく、中朝関係が外交戦略上、戦術上のものにすぎないとすれば、かつて中国が旧ソ連に対して行った戦略転換を北朝鮮が中国に対して行う可能性を懸念してもおかしくない。

「北を守らない」という選択肢の余波

そもそも米朝首脳会談の実現の背景には、中国が北朝鮮有事に備えて動きを見せ始め、しかも北朝鮮に対しては「守らない」という選択肢を検討したことが、私は大きいと思う。

北朝鮮の基本外交は、自らの地政学的価値を利用して、米中両大国の間に立って双方を刺激して相互に牽制しあう均衡の中で自らの安全を模索するというものだった。だが、ここにきて、中国は米国が北朝鮮を攻撃したとしても黙認するかもしれない、と不安になった。

実際、2017年11月、中国は米国による北朝鮮攻撃の可能性はあるとみて、国境沿いに難民キャンプを建設し、不測の事態に備えて国境防衛を増強。中朝友誼大橋の遮断をはじめ中朝国境を完全に閉じ、中朝国境で北部戦区国境管轄部隊による軍事演習を行った。この演習は北朝鮮に味方して米国と戦うための演習ではなく、中国の国境を守る演習だ。

つまり11月上旬の北京で行われた米中首脳会談の結果、中国は米軍による北朝鮮攻撃の可能性はあるとみたが、その際に同盟国の義務を守るつもりはなく、国境防衛に専念する姿勢を見せた。間違いなく、これは北朝鮮への圧力となった。

だから北朝鮮は狼狽し、米国との直接対話を急いだ。トランプはこれに応じたが、ボルトンから「リビア方式」という発言があり、米国が一筋縄でいかないと思い至って、習近平にも会談を求めた。ひょっとすると金正恩は習近平に背後から狙われることを恐れたのかもしれない。

朝鮮問題に詳しいジャーナリスト、重村智計が、金正恩が首脳会談直前に大連に行った目的は、シンガポールでの首脳会談の留守中の国内でクーデターが起きないよう習近平に頼んだのではないか、と指摘していた。北朝鮮で軍事クーデターが起きる場合、解放軍旧瀋陽軍区が関与する可能性は高い。

習近平が北部戦区(旧瀋陽軍区)をきちんと掌握できているか、という問題はあり、習近平が解放軍を通じてわざと北朝鮮に政変を起こさせる工作をするとは考えにくいが、北朝鮮内部で起きている政変の動きに気づかないふりをするぐらいのことはやりそうだ、と疑って釘を刺したのではないか。

そういう流れをたどれば、中朝がタッグを組んで米国に相対しているというよりは、米朝首脳会談実現に至るまでのプロセスで、米国が中朝関係を大きく揺るがせた、あるいは見せかけにすぎなかった対米戦略上の友誼の仮面をはがした、と言えないだろうか。私は米朝首脳会談の本当の意味は、中朝関係の変質を決定的にしたことではないか、と思う。

この会談自体の結果は、中国にとって損はない。米韓合同軍事演習が中止となることも、いずれ在韓米軍が撤退するということも中国にとっては朗報だ。中国は北朝鮮を信じてはいないが、中国に刃向かう実力はないという前提は揺らいでいない。

半島問題は小休止状態にある

だが、誰が勝者か判断するには早すぎる。半島問題は決着したのではなく、何か大きな変化を控えての小休止に入っただけと考えるほうが、私は納得がいく。

半島の問題を米中新冷戦対立構造の中の一つに過ぎないと考えると、中国の関心は、米朝首脳会議が決定して以降は、明らかに半島問題よりも次のステージである通商問題、そして南シナ海・台湾問題に移っていた。中国にとっては米韓軍事演習の中止よりも、リムパックが中国を外して行われることのほうが重要だ。米朝首脳会議が終わると、米国は即刻、対中貿易戦争を再燃させた。

米中対立がこうして先鋭化する中で、日中関係も12月の北京における日中韓会合、来年の大阪で行われるG20を利用した日中首脳の相互訪問の予定などが取りざたされ、動きがでてきた。世界の激しい変化の中で、日本の外交力も試されている。

加藤記事

写真:「労働新聞」より

歴史的な米朝首脳会談の交渉は金正恩側の“勝利”という見方が主流

「今回、トランプ大統領と金正恩委員長は歴史的な会談を実現し、かつ前向きな成果を得た。これは朝鮮半島の核問題を政治的に解決する上での重要な一歩である。中国は米朝双方を心から祝福したい。朝鮮半島問題は複雑であり、順を追って一歩一歩解決していく以外に道はない。米朝が相互に尊重し、向き合い、朝鮮半島問題の政治的解決に絶え間ない努力を続けることを希望する」

6月14日、シンガポールで開催された米朝首脳会談に同席し、ソウル経由で北京入りしたマイク・ポンペオ米国務長官を人民大会堂に迎え入れた習近平国家主席はこのように米朝首脳会談を評論した。ポンペオ長官は「トランプ大統領からぜひともよろしくお伝えくださいという言葉を預かっている。特に、習近平主席朝鮮半島問題において施してくれた重要なアドバイスやサポートに感謝していると言っていた」と述べ、中国の働きを評価した。

世界中で多くの人間が“歴史的な1日”と振り返った6月12日。歴史上初めて実現したトランプ大統領と金正恩委員長による米朝首脳会談の具体的な経緯や内容については、その多くがすでに大々的に報道されているため、ここでは詳細を省くことにするが、会談に対する評価を大きく色分けすれば「具体的成果に欠ける内容であった」というものと「それでも意味のある会談であった」というものであろう。

前者に関しては、米国が唯一受け入れられる結果と断固強調してきた「完全で検証可能、不可逆的な非核化(CVID)」という言葉が共同声明に盛り込まれず、非核化のための具体的な期限設定や行程表の提示もなかったこと、後者に関しては、それでも米朝の現役最高指導者が歴史的に初めて会談を実現し、「新たな米朝関係や、朝鮮半島における永続的で安定した平和の体制を構築するため、包括的で深く誠実に協議を行った」(共同声明)こと、この会談の実現を通じて、一時は一触即発の危機すら懸念されていた朝鮮半島情勢が少なくとも緩和の方向に向かいつつあることであろう。

交渉に関して言えば、CVIDではなく「朝鮮半島の完全な非核化」という文言にとどめた金正恩側の“勝利”だったという見方が主流のようである。

冒頭で中国の最高指導者による最新のコメントを引用したが、中国共産党指導部は今回の米朝首脳会談をどのように観察・評価し、かつ今後の動向をどのように見積もっているのであろうか。

本稿では以下このテーマを「全体的評価」、「戦略的考慮」、「内政的要素」という3つの視角から検証していきたい。

中国共産党指導部は米朝首脳会談を歓迎している

まず1つ目であるが、習近平によるコメントにもあるように、共産党指導部としては全体的に今回の会談を前向きに評価し、歓迎していると言える。

このような感想を保持し、立場を表明する最大の動機の1つはやはり「“第2次朝鮮戦争”が回避されたこと、あるいは少なくとも回避される方向に向かっていること」であろう。

「中華民族の偉大なる復興」と定義された“中国夢”というスローガンの下、改革開放・現代化建設を推し進めている中国としては、北朝鮮問題が引き金となって、自国の国境付近で再び米国と一戦を交えることのダメージは計り知れない。党・政府の官僚や体制内研究者はしばしば口にする。

「中国にとって対外開放とは、まずは対米開放であり、対米関係とは中国現代化建設のプロセスにおける最大の外部要素である」

そんな米国と武力衝突に陥ることの経済的、外交的、軍事的、そして政治的ダメージを涼しい顔をして吸収できるほどの国力を中国は持ち合わせていないし、“米国に戦争で勝利すること”を通じて中国の国際的影響力を一気に向上させようなどともくろむ余裕は、少なくとも現段階ではないであろう。

もう1つの動機としては、北朝鮮の体制や核を巡る動向とインパクトに帰する。北朝鮮が核武装し米国や韓国、そして中国との関係を悪化させ外交的に孤立していく中で、国内の経済情勢が悪化し、その過程で、あるいは結果的に極度の混乱、“崩壊”を彷彿とさせるような状況に陥り、中朝国境の中国側に大量の“難民”が流れ込んできたり(実際にこのような状況に対処するための政治的・物理的な準備を中国は進めてきていた)、核の放射能が漏洩してくるような事態になれば、中国国内では社会不安が蔓延し、“国家安全保障”をも脅かしかねない。

また、北朝鮮が継続的に核武装していく流れは、韓国や日本、そして台湾を核武装に向かわせ、北東アジアに“核の連鎖”が発生する引き金となりかねない。

このような事態を回避するために、具体性や徹底性に欠けるとはいうものの、「トランプ大統領は北朝鮮に体制の保証を提供する約束をし、金委員長は朝鮮半島の完全な非核化について断固として揺るがない決意を確認した」(共同声明)ことの意義や価値は、中国の全体的国益に資する流れであると共産党指導部は読んだに違いない。

6月12日、米朝首脳会談直後に中国政府が「外交部声明」と題して出した声明文は「この期間、朝鮮半島情勢に出現している重大で前向きな変化、特に米朝首脳会談が得た成果は中国側の期待に符合するものである」と指摘している。

中国が最も嫌がるシナリオは朝鮮半島全体が“親米化”すること

次に2つ目であるが、中国が米朝首脳会談を観察し、そこに関与していく過程での戦略は、今日経済貿易関係が悪化し、台湾問題でも不透明感が漂う米中関係が1つの土台になっているという点を指摘しておきたい。

米国がトランプ政権になって以来“ダイナミック”に動いているように見える朝鮮半島情勢であるが、中国が最も嫌がるシナリオは、米中関係が悪化する中で、北朝鮮と韓国との関係、および米朝関係が劇的に改善し、その過程で北朝鮮が“親米化”し、結果的に(南北が統一するか、どのように統一するかという問題はさておき)朝鮮半島全体が“親米化”するというものであろう。

こうなれば、中国にとって最大のライバルであり“戦略的競争相手”である米国の脅威が実質的に中国の国境まで迫ってくることになり、中国はこれまでとは比較にならないほどの安全保障的な恐怖に見舞われる事態に直面することになる。

このような事態を回避すべく、中国は南北首脳会談、米朝首脳会談が準備・開催される中で習近平・金正恩による中朝首脳会談を2度アレンジした。習近平は上記で取り上げた1点目の目的を果たすべく金正恩の背中を押し、アクセルを踏ませつつも、いまだ若く、経験不足とされる金正恩が前のめりになりすぎないよう後ろで支え、ブレーキを利かせるべく働きかけた(もっとも、習近平に言われるまでもなく、金正恩にはアクセルとブレーキを原則性と柔軟性に基づいて踏み分ける意思と能力がそもそもあったのかもしれないが)。

その1つの結晶が“中途半端な形”で発表された共同声明である。

特に、「北朝鮮の完全で検証可能、不可逆的な非核化」ではなく、「朝鮮半島の完全な非核化」という文言は中国の国益に全く符合するものである。

中国にとっては、北朝鮮だけでなく、韓国における米国の“核の脅威”が撤去されて初めて、自らの戦略が達成されたといえるからだ。習近平・金正恩会談の開催、およびトランプ・金正恩会談の分析双方に直接関わった党中央対外政策関係者はこう述べる。

「米国は不可逆的で検証可能な非核化を、北朝鮮は非核化と制裁解除の同時進行を主張している。両者の妥協点として、段階的かつ検証可能な非核化、それと同時進行で、徐々に制裁を解除していくというものになると我々は見込んでいるし、それを望んでいる」

トランプ大統領が、米朝間で非核化に向けた交渉が続いている間は米韓合同軍事演習を中止することに理解を示したことも、中国の戦略に符合するといえる。「北朝鮮が核実験を停止し、米韓も軍事演習問題で自制的になっている。これは事実上中国側が提起してきた“双暫停”というイニシアチブを実現したことにほかならない」(6月13日、中国外交部耿爽報道官、同部定例記者会見)。

本稿は中国の見積もりを検証することに焦点を当てているため多くは書かないが、筆者から見て、金正恩が今回対米関係の改善に乗り出した最大の動機の1つが米中関係の悪化である。金正恩は米中摩擦に戦略的契機と外交的空間を見いだし、それを利用しながら、中国機でシンガポールに飛び米国大統領との会談に臨んだのだと筆者は見ている。

「北朝鮮化」する中国・習近平政権を北朝鮮の金正恩は信用した!?

そして、最後の3点目である。

北京で開催された中朝首脳会談後に書いた『習近平が訪中した金正恩を破格に手厚く歓迎した理由』でも触れたが、今回の米朝首脳会談に至る一連の流れや動きには、中国の内政的な動向や要素が底流部分で影響している。

筆者が見る限り、仮に北朝鮮指導部が百戦錬磨であったとしても、いまだ34歳と若い金正恩率いる同国が、中国(そして補足的・側面的にロシア)という後ろ盾なくして、韓国と米国というこれまで敵対してきた軍事同盟に挑んでいくことなど到底できなかったであろう。前述したように、米中関係の悪化に金正恩が契機を見いだしたことは関係しているが、それだけで金正恩は中国、そして習近平を信用したであろうか。

筆者は金正恩率いる北朝鮮が習近平率いる中国を信用し、後ろ盾にするに至った内政的要素が(議論を可視化し、分かりやすくするためにあえて乱暴な表現を使うが)“中国の北朝鮮化”である。

本連載でも度々扱ってきたように、2期目に突入した習近平政権は「党がすべてを領導する」という方針の下、社会主義やマルクス主義といったイデオロギーを至るところで掲げ、政治的に異なる立場や意見を一切許さず、言論や報道、教育や社会に対する締め付けを一層強化し、国内企業・外国企業、中国人・外国人を問わず、すべての市場・世論でのプレーヤーに共産党の立場を尊重し、忠誠を誓わせる政策を取っている。

「そんな習近平に金正恩が見出したのは安心感という感情に違いない」

長年共産党のプロパガンダ政策に関わってきた共産党のある長老はこのように語る。

金正恩は習近平が自国の政治を北朝鮮のように“発展”させつつ、経済的には貧困の撲滅や民生の改善という、党が絶対的権力を擁する状況下でも推進できる分野に特化して政策運営をしているやり方に、安堵を覚えたに違いないと筆者も捉えている。習近平も、金正恩が政治的には絶対的権力を行使しつつ、経済的には部分的改革と開放を徐々に推し進めていくことを支持するであろう。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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『「北朝鮮は非核化で譲歩しなかった」は間違い 焦点は米朝の「和解」だった』(6/18日経ビジネスオンライン 森永輔)について

6/20西村眞悟の時事通信<我らの使命は、北朝鮮と中共の独裁体制が崩壊するのを見ることである>北と中共の独裁体制が崩壊するのは大賛成です。でも、真の敵は中国ですので、北を味方につけて攻める手も「あり」と思います。サウジも秘密警察の強い独裁国家ですが、米国は石油とオイルダラーの為に、それを黙認し、同盟しています。小生も北の国民が死の恐怖におびえながら暮らすより、民主化され自由な社会に生きた方が良いと思いますが、先ず隣国を民主化しない限り、中国が北に攻め上げて来るでしょう。中共を打倒するまでは致し方ないと思います。

http://www.n-shingo.com/jiji/?page=1435

6/21阿波罗新闻网<美议员提议案 呼吁摒弃一中并承认台湾=米国議員(ローラバッカー下院議員、カリフォルニア選出、共和党)は議案を提出 一中政策を止め台湾を承認する呼びかけ>議員は20日、議会に議案を提出し、「米国は台湾と外交関係を回復するプロセスを始め、米国政府の数十年に亘る“一中政策”を止めるべき」と。「“一中政策”には瑕疵があり、“一中一台”に改め、台湾を主権国家として承認すべき。米国政府は台湾を全面的に支持し、国家として国連組織全部に参加させ得るようにすべき。米国が国家承認をしていないのは成熟した民主国家としての台湾以外はシリア、イラン、北朝鮮、ブータンの4ケ国」とも。

いよいよ議会も台湾を国家承認、中共切捨ての方向で動き出したのでは。蔡英文総統がトランプ大統領との電話会談、米海軍艦艇寄港検討や要人の交流可とした事など、中共を正面の敵と認識し、米・日・台で対抗しようとしているのでは。

http://www.aboluowang.com/2018/0621/1132596.html

6/21看中国<金正恩玩弄两手策略 朝媒狠戳川金会(图)=金正恩は両天秤の策 北のメデイアは米朝首脳会談を思い切って後押しする>北京の外交関係筋は「金の三度目の訪中は①中国の朝鮮半島における不関与の懸念にバランスを取ること②トランプに核問題での進め方に注意を与える」と分析。北のメデイアは「金は習に対し、“朝中は家族と同じで、苦楽を共にし、お互いに関心と支持を寄せ、世界に向けて手を携えて朝中関係は既に伝統的な関係を超越し、歴史上前例のない特殊な関係に発展した”と述べた」と。もう一点注目すべきは「金は未来の朝鮮半島の発展に於いて中国の官員の協力があれば真の和平が保てる」と。トランプは金が習に面子を与えるのは面白くない。外交筋は「金が北京に近づくのは、ある種米国にヒントを与えているのである。(米国は中国を説得しないとの意?)この両天秤は至れり尽くせりとも言える」と。

まあ、金の本心が奈辺にあるかは神のみぞ知るでしょうけど。両大国を相手に振り回すだけの力量があることは大したものとも言えますが、日清戦争前夜の朝鮮の大院君、閔妃、高宗の事大主義でシナ、日本、ロシアに付いたり離れたりの例を思い起こせば、危ない綱渡りとも言えます。それもこれも米国の優柔不断、日本の無関心が招いた北の核保有国としての地位があればこそです。本当に核放棄するのかどうかです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/06/21/862279.html

本記事の宮本氏の意見は、米朝首脳会談を肯定的に捉えています。本ブログでも何人かの意見を紹介しましたが、批判的に見る人の方が多かった印象です。小生は重村氏や宮本氏の言うように米国は譲歩していないし、いつでも戦争できる態勢にあるし、(安倍首相がトランプにアドバイスしたとも言われる)文書化もできました。細かい所が書かれていないのは、やはり金を助けるためでしょう。下手にストレートに書けばクーデターが起きる可能性があります。米国としてもここまで交渉してきて、海のものとも山のものとも分からない未来のクーデター政権と交渉するより良いとの判断と思います。

宮本氏も「中国は隣の国が共産主義国でなくなることを恐れている」と思っているようです。

記事

史上初の米朝首脳会談が6月12日に開催された。「非核化」の具体策と期限が示されなかった点に批判の声が上がる。だが、北朝鮮外交・政治・軍事の研究者、宮本悟・聖学院大学教授は「焦点は『和解』にあった」と見る。そして「金正恩委員長は非核化を目指す」(同)

(聞き手 森 永輔)

この笑顔は米国との和解を達成した喜びを表すのか、非核化で譲歩しなかったことの達成感をしめすのか(写真:AFP/アフロ)

—6月12日、史上初の米朝首脳会談が開催されました。注目されたのは、どんな点ですか。

宮本:第1に、北朝鮮が「完全な非核化」を米朝首脳会談で受け入れたことです。4月27日に行われた南北首脳会談の「板門店宣言」に記されている通りの内容です。これは北朝鮮が譲歩したことを意味します。

宮本悟(みやもと・さとる)
聖学院大学 政治経済学部 教授 1970年生まれ。同志社大学法学部卒。ソウル大学政治学 科修士課程修了〔政治学修士号〕。神戸大学法学研究科博士後期課程修了〔博士号(政治学)〕。日本国際問題研究所研究員、聖学院大学総合研究所准教授を経て、現在、聖学院大学政治経済学部教授。専攻は国際政治学、政軍関係論、比較政治学、朝鮮半島研究。著書に『北朝鮮ではなぜ軍事クーデターが起きないのか?:政軍関係論で読み解く軍隊統制と対外軍事支援』(潮書房光人社)など。(撮影:加藤 康)

—「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」(CVID)が共同声明に盛り込まれなかったことから、「北朝鮮は非核化で譲歩することがなかった」とする見方が多くあります。

宮本:私は異なる見方をしています。まず北朝鮮は6カ国協議の際にCVIDを否定していました。なのでCVIDの「C」すなわち「完全な」が入った分、北朝鮮は譲歩したと見るべきです。

もちろん「完全な」が意味するものが明確でないことは否めません。しかし、その点を責めるべきではないでしょう。そもそもCVID自体が曖昧なもので、同じ状態でも、北朝鮮に対して「まだCVIDになっていない」とも、「すでにCVIDである」とも言うことができるものです。極端に言えば、米国がこれはCVIDだと言えばCVIDになるのです。

それに、今回は「首脳」会談です。和解し、非核化の大きな目標を示すことがその目的でした。「非核化」の定義が明確でないとの批判は的外れな気がします。よって「米国は負けた」「北朝鮮ペースで交渉が進んだ」と見るのは適切でないと思います。

—「和解」の重要性に注目していますね。

宮本:はい。米国の見方は、非核化したら和解できるというものでした。しかし北朝鮮は「和解できたら非核化する」と考えている。そもそも、朝鮮戦争を発端とする米国との対立があるから北朝鮮は核開発を始めたのです。今回は、米国がこの北朝鮮の考えを受け入れて首脳会談に臨んだのだと思います。

つまり、米朝が対立をやめ、和解と非核化のスタートラインに立つことが首脳会談の目的だった。この目的は一応達成できたのではないかと評価します。

米国側で、この北朝鮮の考えを理解したのがマイク・ポンペオ国務長官だったと思います。

—国務長官がレックス・ティラーソン氏からポンペオ氏に交代したのは、米朝首脳会談を開くという点においてはグッドニュースだったわけですね。ポンペオ氏が理解しているのはどこから分かるのですか。

宮本:5月13日に、「北朝鮮が核兵器を放棄する戦略的選択を行なえば、米国は北朝鮮に安全保障を提供する用意がある」と発言していました。

北朝鮮がシンガポールでの会談に応じたのも譲歩です。元々はピョンヤンで開くことが北朝鮮側の希望でした。しかし、そうなれば北朝鮮の国民が「米国が謝罪に来た」と解釈する可能性があるでしょう。この案はドナルド・トランプ米大統領が拒否しました。

宮本:次に浮上した板門店もホワイトハウスが受け入れなかった。韓国の影響を強く受けることが望ましくないと考えたようです。

シンガポールは空路で移動する必要があります。北朝鮮においては神にも等しい存在である金委員長を危険な目に遭わせることは国家の尊厳に関わることでしょう。それに、北朝鮮の航空機は老朽化しているため、戸惑いがあったはずです。結果的には中国国際航空を利用することで解決させました。

2月15日から3月5日の間に「非核化」を決断

—北朝鮮はこれまで米国からの脅威に「核」で対抗する道を歩んできました。これを、「和解」することで米国の脅威をなくす方針に転換したわけですね。なぜでしょう。

宮本:核兵器開発や核抑止体制を維持するにはコストがかかります。「和解」して非核化すればそれが必要なくなり、核兵器開発に対する経済制裁も解除されます。

また、北朝鮮は、中東やアフリカなど第三世界との交流を進めています。テロ支援国家の指定や制裁によって国家イメージが悪化するのをよしとしていません。

—米国に対する方針転換を図ったのはいつだったのでしょう。

宮本:1月1日から3月5日の間のどこかだったと考えます。そして、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の説得が金委員長の背中を押した。

1月1日に新年の辞を発表した時点では、まだ米国に対して強硬姿勢でした。核のボタンは執務机の上に置かれている、としていた。いっぽう3月5日には、金委員長と会談した韓国の特使がその足で訪米し、米朝首脳会談をしたいという金委員長の意向をトランプ大統領に伝えています。

2月9日に金委員長の妹である金与正(キム・ヨジョン)氏と金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が平昌(ピョンチャン)五輪に出席するため訪韓し、大統領府を訪れました。文大統領が米朝会談を進めることを提案しましたが、北朝鮮側は反応を示しませんでした。

しかし2月25日、今度は金英哲(キム・ヨンチョル)党副委員長が訪韓し、文大統領に「米朝会談をする用意がある」と伝えました。

—この時点で「和解」へのかじを切った。

宮本:そうかもしれません。党の高官がこのように発言したことの意義は大きいでしょう。しかし、核問題について米国と協議することは許されていませんでした。

北朝鮮は2013年3月に開いた党中央委員会全員会議の場で、核問題を協議の対象としてはならないと定めていたからです。この全員会議は、核開発と経済再建を並行して進める「並進路線」を定めた会議として知られているものです。

同会議は次のように宣言しました。「先軍朝鮮の核兵器は決してアメリカのドルと換えようとする商品ではなく、我々の武装解除を狙う対話の場と交渉卓上に載せて議論する政治的交渉物や経済取引物ではない」

つまり、この2月25日から3月5日までの間に、この宣言を取り下げる大きな決断をしたのではないかと思います。これは大転換です。党中央委員会全員会議の開催なしで、党の方針を変えられるのは、当然、金委員長しかいません。

—平昌五輪を皮切りに南北が接触する過程で、文大統領が金委員長を説得したわけですね。ただ、文大統領が説得しても、金委員長がすぐに受け入れるとは考えられません。北朝鮮の側に文大統領の説得を受け入れる下地があったのでしょうか。

宮本:そう思います。金委員長はかつて「脅威がなくなり、安全が確保されるなら、苦労して核を開発する必要はない」と語っていました。「苦労して」と言っているところから、核開発にかかる資金面の負担が財政を悪化させていたことが読み取れます。

—冷戦末期のソ連と同じですね。軍拡の負担が重くなっていた。

宮本:そう思います。

「体制の保証」も定義されていない

—北朝鮮は非核化の具体策を示していないのに米国は北朝鮮の「安全の保証(security guarantee)」をしたという批判も多いですね。

宮本:実は、北朝鮮が求める「安全の保証」の定義も「完全な非核化」と同様に具体的ではありません。具体性がない点ではイーブンではないでしょうか。

(撮影:加藤 康)

トランプ大統領が「米韓合同軍事演習を当面行なわない」と示唆したのは米国の譲歩だと見る向きもあります。これに対して北朝鮮は「米国はいつでも容易に再開できる」と評価しているでしょう。反対に、北朝鮮が核実験場とミサイル実験場を破棄しても非核化にあまり意味がないと評価する向きが米国で多いですね。

トランプ大統領の発言は北朝鮮の安全を保証する意思があることを示すシグナルではあっても、保証そのものではありません。同様に、北朝鮮が核実験場とミサイル実験場を破棄したのも非核化の意思を示すシグナルであっても、非核化そのものではありません。今は、米国も北朝鮮もお互いに、意思を示すシグナルを出している状態であって、お互いに何も相手に与えていないのです。

繰り返しになりますが、今回の米朝首脳会談は両国の首脳が仲直りの握手をしたことに意義があるのです。そして、非核化と北朝鮮の安全に関する大きな方針を掲げたわけです。

—トップダウンで方針を決めて、詳細は実務者に任せる。これがトランプ流でしょうか。

宮本:そうは思いません。大きな外交交渉ではよくあることです。先の南北首脳会談もそうでしょう。具体的な話は、今後予定されている実務者協議が進むのを待って評価するべき。

イランと北朝鮮が異なる理由

—実務者協議は期待できるでしょうか。

宮本:進展させるためには米国が現実的な人物を交渉担当者に据える必要があります。核の平和利用にまで制限を課すようだと、北朝鮮は決して受け入れないと思います。1994年に米朝が枠組み合意に達した時も、北朝鮮の平和利用の核は認めました。北朝鮮は慢性的な電力不足に苦しんでいます。国内にウラン鉱を保有しているので原子力発電を切望しているのです。

—米国は5月8日、イラン核合意から離脱することを決めました(関連記事「米国の『原則ある現実主義』が導く核なき中東」)。この合意は、医療用途などウランの平和利用をイランに認めるものでした。

米国のその核合意から離脱した。このことは米朝首脳会談における北朝鮮の態度に何か影響を与えたでしょうか。

宮本:恐らくなかったでしょう。「米国は約束を守らない国だ」という印象を北朝鮮に与えたなら、北朝鮮は首脳会談を進めなかったと思います。

またイランと北朝鮮では置かれた環境がかなり異なります。トランプ大統領が離脱を決めた理由の一つに、バラク・オバマ前大統領が達成したレガシーを否定する意図があります。イラン核合意しかり、TPP(環太平洋経済連携協定)しかりです。一方、北朝鮮の核問題には、オバマ政権は手を着けませんでした。だから、オバマ前大統領のレガシーを否定するには、北朝鮮の非核化に何か手を着ければよいのです。

—米国がイラン核合意から離脱した背景には、イスラエルの安全を守る意図もありそうですね。

宮本:そう思います。米朝首脳会談が実現した背景に、米国の同盟国であるイスラエルが反イランであるのに対して、同じく同盟国である韓国の文政権が親北朝鮮にかじを切った点も影響したでしょう。

懸念は、米朝の国内にいる反対勢力の存在

—実務者協議を成功に導く要素と、破綻につながる要因を一つずつ挙げていただけますか。

宮本:成功に導く要素は、金委員長が非核化を実現する意思を固めていること。和解が順調に進めば、核開発の全貌を明らかにするところまでは少なくともいくと思います。現在は、核弾頭が何発存在するのか、それは高濃縮ウランを使ったものも含まれているのか、プルトニウムを使ったものだけなのか、まったく分かっていません。

加えて、朝鮮労働党は4月20日に中央委員会全員会議を開いて、並進路線を集結し、経済建設に集中する意向を発表しました。北朝鮮が路線の終結を明らかにするのは極めて異例です。ここにも金委員長の決意が表れていると言えるでしょう。

一方、ネガティブな要素は米朝双方にある政治的雑音、つまり反対勢力の存在です。

核兵器を開発している研究チームや、その管理を担当する戦略軍が簡単に納得するとは考えられません。

北朝鮮の閣僚の中にも「米国は信用できない」と考える人がいます。閣僚ではありませんが、第1外務次官を務める金桂寛(キム・ゲグァン)氏が5月16日、ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障担当)を「えせ憂国の志士」と罵倒したのは、金第1外務次官が米国の意図に疑いを持っていたからかもしれません。同氏が本来、米国と交渉してきた外交官であることを考えると、彼自身がそう考えたのではなく、反対派の突き上げに遭い、言わせられたことも考えられます。

さらに、朝鮮労働党の機関誌である『労働新聞』も和解に反対する個人論評を掲載していました。トランプ大統領が米朝首脳会談を中止する意向を表明し、金第1外務次官が再考を促す談話を発表した翌日の5月26日のことです。「帝国主義の侵略的本性は絶対に変わらない。死ぬ時まで他国と他民族に対する侵略と略奪をこととするのが帝国主義者の生存方式であり、本業である。帝国主義、特に米帝に幻想を抱いて、それからの『恩恵』を期待するのは革命的原則を譲歩し、反帝・反米闘争から退く卑屈な行動である」との記事を掲載しました。

記事は少なくとも党組織の検閲を通らないと掲載できないことを考えると、執筆者だけでなく同じ考えの人々が朝鮮労働党内に存在することが分かります。

こうした反対勢力が今後、例えば、査察対象とする施設のリストを作成する際に、その一部を故意に省くことがあるかもしれません。それが明らかになれば、米国は北朝鮮が国ぐるみで行った隠蔽工作と疑うでしょう。実務者協議が停滞することになりかねません。

—米朝首脳会談を直前に控えた6月3日、北朝鮮は軍の幹部3人を解任しました。彼らも反対派だったのでしょうか。

宮本:それは分かりません。

—首脳会談で1対1の話し合いを終えた後、金委員長は「誤った偏見と慣行が時に目と耳をふさいできたが、あらゆることを乗り越えてこの場にたどり着いた」と発言しました。これは反対派による抵抗を意味していたのでしょうか。

宮本:はい、そう理解しています。米国に対する偏見によって誤った判断を金委員長に報告したり、金委員長自身も米国に対する悪イメージから判断を誤ったことがあるでしょう。

金英哲とポンペオが米朝首脳会談の舞台を回した

—米朝首脳会談の出席者から読み取れることはありますか。

宮本:米朝首脳会談に北朝鮮側は外交の大物をそろえました。首脳二人だけの会議に続いて開催された拡大会議に参加したのは、金委員長に加えて、李洙墉(リ・スヨン)氏、李容浩(リ・ヨンホ)氏、金英哲氏でした。李洙墉氏は朝鮮労働党副委員長兼国際部長、李容浩氏は外務大臣です。

金英哲氏は朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長なので、対米外交とは本来関係ないのですが、ポンペオ氏がCIA(米中央情報局)長官として訪朝した時に、諜報部門の代表としてカウンターパートになったものと考えられます。それ以来、金英哲氏とポンペオ氏の交渉ラインが、米朝首脳会談にこぎつけました。

妹の金与正氏は3月末の中朝首脳会談には参加しなかったので、最高指導者の肉親の安全を図るため外されたと思っていましたが、南北首脳会談の後はずっと金委員長についていますね。しかし、重要な会議に参加したのは南北首脳会談だけですから、重要な役割があるわけではなさそうです。本人が希望してついてきているとしか思えません。

北朝鮮は中国への警戒を解いていない

—中国について伺います。今回の米朝首脳会談に中国は何かしらの影響を及ぼしたのでしょうか。もしくは、北朝鮮が有利な立場を築くため、中国の存在を利用したことはありますか。

宮本:中国が米朝首脳会談を成功させたかったのは明らかです。米国が米朝首脳会談を中止する意向を表明した時、中国共産党系の環球時報はこれ以上ないくらいに批判していました。

—北朝鮮が核開発を続け、米国と対立していた方が、中国にとっては好ましい。北朝鮮に対して影響力を行使できるから、という考えがあります。

宮本:私は違うと思います。北朝鮮が非核化を進め、朝鮮半島の緊張が緩和されることこそが中国の利益と考えているのです。対立が高じたり、戦争が起きたりすると、中国が開発に力を入れている中国東北部や山東省の経済に悪影響が生じるからです。首都・北京だって、わずかの距離しか離れていませんから影響を受けます。

そのために、金委員長がシンガポールに移動するための飛行機を提供したり、事前に中朝首脳会談を2回も行なったりしているのです。安定を得るためのコストとして米朝首脳会談を受け入れたわけです。

中朝の関係を振り返えると、ある傾向が見て取れます。南北関係や米朝関係が宥和に進む時ほど中朝の往来も活発化しているのです。例えば、2000年に中朝首脳会談が行なわれました。これは、南北首脳会談が開かれる直前のことでした。北朝鮮は、米国や韓国との話し合いの時にこそ、中国の後ろ盾を必要とするのです。

南北関係や米朝関係が悪化した時に、北朝鮮が中国を頼る――と考えるのは朝鮮戦争の時に中国が義勇軍を派遣して北朝鮮を支援した時のイメージが記憶に残っているからでしょう。その時とは既に構図が変わっています。

それに、考えてみてください。中国軍を北朝鮮国内に入れて、裏切られたらどうなるでしょう。そんな恐ろしいことを北朝鮮はしたくないと考えます。北朝鮮が軍事面で中国を頼るのは非常に考えにくいことです。

中国が安全を維持するため、バッファーとして北朝鮮を必要としている――という考えはもう古いでしょう。今はどこからでもミサイルが飛んでくる時代ですから。それよりも中国が発展する邪魔はしてくれるな、暴れてくれるな、というのが中国の考えでしょう。

—昨年の春、米国が北朝鮮を軍事攻撃するのではと緊張が高まっている時、「中国が人民解放軍を北朝鮮に進駐させて守るのでは」との見方が浮上しました。米軍は、誤って中国軍を攻撃すれば一大事になるので北朝鮮への攻撃を踏みとどまる、という発想です。

宮本:そういう話もありましたね。しかし、逆の説もありました。人民解放軍が北朝鮮に入って武力をもって政権交代を進める、と。もちろん、どちらも滑稽な話です。

—仮に将来、統一コリアができるとして、これが韓国主導であっても中国は容認するでしょうか。

宮本:統一そのものは問題視しないと思います。それよりも、北朝鮮という一党独裁制の仲間が一つ減ることの方が嫌でしょう。

中国にとっては、統一コリアが敵対的になったり、朝鮮半島が内戦になって混乱したりしなければ、それでよいのです。

ただ、南北のどちらかがどちらかを吸収合併する事態になれば、内戦が発生するかもしれません。

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