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『G7の裏番組、「中国・中央アジアサミット」が国際秩序に与える衝撃波 中国が中央アジアと「運命共同体」に、多極化・不安定化していく世界の行く末』(JBプレス 福島香織)について
5/25The Gateway Pundit<63% of Americans Believe Trump-Russia Smear was “Hit Job” Against Trump – Majority Want FBI to be Criminally Prosecuted for Their Actions=63%の米国人は、トランプへのロシアの名誉棄損は「政敵抹殺」だったと信じている – 大多数がFBIのその行為に対する刑事訴追を望んでいる>
左翼メデイアは証拠が挙がっても無視するが、国民の方が健全と言うこと。似非エリートはダメ。
トランプとロシアのデマは、トランプ大統領を公職から追放するためのクーデター未遂で、FBI、司法省、主流メディア、民主党によって米国民に対して行われた歴史的な詐欺であった。
最新のダーラム報告書を国民から隠蔽しようとする政権メディアの最善の試みにもかかわらず、米国人はこの大規模な政府スキャンダルを認識している。
有権者のほぼ3分の2、63%が、トランプとロシアのデマはトランプへの政敵抹殺だったと信じている。有権者の過半数は、FBIが彼らの不法行為の報いに直面することを望んでいる。
https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/63-americans-believe-trump-russia-smear-was-hit/
5/25希望之声<美国印太司令劝告习近平:对台动武没有速战速决=米インド太平洋司令官は、習近平に忠告:台湾への武力行使に速戦即決はない>台湾海峡の情勢は引き続き各国の注目を集めている。 米インド太平洋軍のジョン・C・アキリーノ司令官は5/23、NYで、習近平がロシア・ウクライナ戦争から教訓を学び、台湾に対する武力行使についてよくよく考え、台湾海峡では「速戦即決の」解決の可能性はないと述べた。
VOAの報道によると、アキリーノ将軍は同日、米中関係に関する全国委員会のセミナーに出席した。 アキリーノは、米国大統領と国防長官から2つの任務を与えられたと述べ、1つ目は中国の台湾侵攻を阻止することであり、できなければ、2つ目として戦闘に備えて勝利することであると述べた。
アキリーノの声明は、中共が台湾に対して武力行使をした場合には米国が介入することを改めて確認した。
アキリーノはロシア・ウクライナ戦争を例に挙げ、ひとたび戦争が勃発すれば国際社会はすぐに団結し、侵略者としてプーチン大統領と同様に世界的な非難に対処しなければならないことを習近平は理解しなければならないと語った。
アキリーノはまた、習近平が就任以降、意図的に国家の力を集中させ、他のすべての国を犠牲にして現在の世界秩序を変え、中共に利益をもたらそうとしていると述べた。 アキリーノは、最近のスーダン危機を例に挙げ、中国政府の要請を受けて、米国政府は中国国民の避難を支援し、中国国民の身の安全を保護したとし、これらの米国の行動は世界秩序のルールに基づいていると述べた。
アキリーノは、どの国も孤立して真に繁栄することはできないので、脅迫や衝突ではなく協力することが中国の利益になると習に助言した。
合理的判断ができるリーダーであれば戦争はしないでしょうけど・・・。それと中国人は詐術が得意だから。
https://www.soundofhope.org/post/724595
5/25看中国<余茂春示警:台湾有事 就是世界有事(图)=余茂春警告:台湾有事は世界有事である(写真)>米国のシンクタンク、ハドソン研究所の中国センター所長で、元米国国務省中国政策首席補佐官でもある余茂春は最近、台湾に立脚する中華民国が、常に中共にとって目の上の瘤であり、肉体の中のとげでもあると自由時報に寄稿した。台湾有事は即ち世界有事であると。
彼は、70年以上にわたり、中共は台湾を解放し、中華民国を消滅させる必要性を常に強調してきたと述べた。 冷戦終結後、共産主義革命を最後まで遂行するために台湾解放を公然と主張するのは時代遅れになったため、中共は民族統一の旗印を掲げ、それまでの台湾解放のスローガンを祖国統一の統一戦線のプロパガンダに変えた。台湾は自由、多元主義、人権を受け入れる革命的な変化を遂げ、中国語圏文化圏で初めて完全に近代的な民主社会を確立した。
余茂春は、世界戦略構造の中で、台湾海峡情勢は特に過去6、7年で最も革命的な変化を遂げており、この変化の本質は台湾の防衛が北京間の主権帰属問題をはるかに超えていることであり、その重要性は台湾海峡という狭い地理的範囲をはるかに超え、インド太平洋地域をも飛び出し、まさに世界秩序と世界安全保障の重要なテーマとなっていると指摘した。
彼は、米国にとって台湾は従来より世界的な反共戦略の鍵の一つであり、台湾を守ることは当時の西ベルリンを守ることと同じくらい重要だと述べた。 したがって、米国はいつものように、中共の台湾への軍事侵攻に断固として反対する。 1980年に米中(華民国)相互防衛条約が終了した後も、米国はさまざまな方法で台湾の防衛を保証すると約束した。 台湾関係法と一連の大統領令、重要な政策声明に基づき、米国政府と米国大統領は、中共による台湾への武力侵犯を阻止するという約束を決して放棄していない。
余茂春は、カーター大統領以降のすべての米国指導者は米軍の台湾防衛について一貫した戦略を持っており、根拠の弱い「戦略的曖昧さ」は一度もなかったと述べた。 70年以上にわたる台湾海峡の平和と安定は、ありもしない「戦略的曖昧さ」ではなく、米国の一貫した戦略的明確さの恩恵を受けてきた。
彼は、近年、中共が台湾侵略に向けた政策声明と軍事準備を強化していると指摘した。 現米国大統領のバイデンは、中共の台湾侵略に対して米国は間違いなく軍事介入するだろうと繰り返し述べている。 WHと国務省の報道官は大統領の発言をいわゆる修正する声明は出さなかった。 それどころか、WHと国務省のすべての公式声明は、米国の軍事介入によって台湾を防衛するという大統領の決意と戦略的意図をさらに確認した。なぜなら、1970年代の米国と中国は、米国・中国・台湾関係の枠組みを米中二国間協定で確認しているからである。台湾海峡を挟んだ二国間関係について、いずれの当事者も紛争解決のために武力を行使してはならないこと、また解決には海峡の両側の国民の同意が必要であることを明確に規定している。 この立場に、米国大統領、WH、国務省報道官の間に差はなく、高度な統一性がある。
余茂春は、台湾に対する中共の脅威はアジア太平洋地域全体にも影響を与えると述べた。 日本とオーストラリアの政治指導者らは、台湾有事は即ち日本・オーストラリア有事であると述べ、南シナ海で中国と領有権を争っているフィリピン政府も中共の野心を非常に懸念していると述べ、台湾付近のフィリピンの戦略的島嶼は台湾海峡の軍事危機に対処するため、米軍に軍と兵器を駐留させる権利を与え、同盟国である米国と協力する決意を示している。韓国の尹錫大統領は、以前、台湾問題は決して地域的な問題ではなく、世界的な問題であるとも述べた。
彼はさらに、欧州も台湾の防衛を懸念していると述べた。 欧州の安全保障を主な任務とする北大西洋条約機構は、台湾の防衛もNATOの防衛義務の一つとすべきであることを明確にしている。 NATO事務総長のイェンス・ストルテンベルグは、台湾海峡の和平もNATOの問題であると繰り返し述べている。
このため、世界は中共の世界軍事戦略の野心と目的をより認識するようになり、台湾の防衛は中共の世界軍事戦略を打ち破る最初の戦いとなる。 これは、NATO、米国、その他の軍事同盟軍や武装勢力が台湾の防衛にこれほど懸念を抱いている重要な理由の一つであり、台湾の防衛を国際化しているのはまさに中共そのものである。
デリスキングよりデカップリングの方が中共の世界制覇の野望を挫けさせると思うが・・・。民主党とDSはダメだなあ。
https://kzg.secretchina.com/news/gb/2023/05/25/1036707.html
5/25阿波羅新聞網<未普:在王气已终的废都,习近平梦回唐朝=未普:王の魂が消えた廃都で、習近平は唐王朝に戻ることを夢見る>習近平は日本の広島でのG7サミットに対抗するため、古都西安で中央アジア5か国のサミットを開催し、サミットは照明や花飾りで飾られ、街の灯りや花火の光が輝き、富と贅の極みを尽くし、豪華さは映画「The Golden Armor in the City」によく似ていた。張芸謀監督の北京オリンピックの開会式を彷彿とさせるこれらはすべて、同じ系統の壮大な叙事詩であり、全体主義の美学を鮮やかに体現している。
対照的に、日本のG7サミットは非常に簡素であるが、画期的な成果を上げた。 この共同コミュニケは歴史的な「ポツダム宣言」に匹敵するもので、1945年に米国、英国、中華民国が署名し、日本のファシストの無条件降伏を規定しただけでなく、戦後の国際秩序も確立した。当時、ソ連は日本との和平協定が無効になっていなかったため、この文書に署名しなかった。
広島サミットの共同声明にも同様の歴史的意義がある。第一に、この声明は戦争を通じて平和を求めるロシアの考えを打ち切り、ロシアが他国に侵略して占領した地域から撤退することを要求した。 つまり、不服があって攻撃し服従させるやり方では、プーチンが敗北を認めたときのみ平和が実現できるということになる。第二に、共同声明は中国の「経済的脅迫」に全会一致で反対しており、中国への「デカップリング」には至らないものの、リスクは除去されなければならない。 これはロ・ウ戦争から得られた痛ましい教訓であるだけでなく、北京政権に対する国際社会の理解の深まりから導き出された冷静な結論でもある。
しかし、習近平は依然として「中国の夢」に執着しており、帝都で花火を打ち上げたり、属国が宮廷に来るような豪華な国家晩餐会を開催したりする。 習近平の中国の夢は、実は帝国の夢である。 最近の一見些細な騒動は、中国が過去10年間で王朝になったことを反映している。
一人漫才で「スタイルが良くて戦いに勝てる」と表現した自分の犬が、番組を中止され数千万元の罰金を科せられ、刑事告発されるそうである。 理由は軍を中傷したためだが、もっと重要なのは、この8文字は習近平語録からの引用であり、皇帝の金言に等しい。
漫才を語る人は冗談も言えない、これは中国の不条理だ。さらに不条理なのは、中国の政治はいまだ皇帝と切り離せないということだ。 実際、中国に皇帝がいなかった時代は長くはなく、元帥の張勲が王政復古に失敗したとき、毛沢東はいとも簡単に王政復古を成し遂げた。 彼は先代の皇帝をも超える皇帝である。
日本は、無条件降伏はしておらず、日本軍が無条件降伏しただけ。ドイツと違い、日本政府は残っていた。
https://www.aboluowang.com/2023/0525/1906063.html
5/26阿波羅新聞網<中共财长为习近平出巡让外史吃闭门羹 欲拒还迎沦国际笑话—中财长为伺主出巡让外史吃闭门羹 评论:表忠是天朝为官头等大事=中共蔵相、習近平出張で外国高官を門前払い、戻って歓迎できたがそれも拒否し、世界に笑われることに—主の出張のため、中国蔵相は外国高官を門前払い コメント:天の王朝の役人にとって忠誠が一番大事>中共は前から中国を訪問する予定だったドイツの蔵相に門前払いしたが、ドイツメディアは中共蔵相がこの日視察中の習近平に同行したのはゴーストタウンと化した「ミレニアム計画」の雄安だったと暴露した。一部の批評家は、中共の役人奴隷は主人に忠誠を示し、国益を無視していると批判した。 中国とドイツの問題に関する専門家は、この事件は習近平が戦狼の姿勢をとろうとしているだけでなく、西側諸国を丸め込みたいと考えていることを示しているが、その実、世界に笑われることになったと指摘した。
ドイツ蔵相は中共に厳しいことを言うので会いたくないと思ったのもあるようです。好き嫌いで外交するようでは・・・。中共の驕りでしょう。
https://www.aboluowang.com/2023/0526/1906399.html
何清漣 @HeQinglian 11h
米国国務省で中国政策担当のもう一人の高官が辞任 https://rfi.my/9XKt.T
分析:バイデンは、彼の対中政策を実行できなかった当局者2人が相次いで「辞任」したため、米中関係はすぐに「雪解けする」だろうと予測した。
バイデンファンが対中強硬派として称賛するのを願う、今後は「技巧派」と言い改める――少なくとも他人のIQに対して最低限の敬意を示すことである。
rfi.fr
米国国務省で中国政策担当のもう一人の高官が辞任
米国務省の中国政策担当トップのリック・ウォーターズが、米中両国の緊張のさなか辞任する。 関係者によると、国務省はウォーターズの後任を選定しているという。 最近、中国政策や対中関係を担当する複数の当局者は相次いで人事の異動を発表している。
福島氏の記事では、中央アジアはトルコのルーツだから、本来米国がトルコと中央アジアを結びつけるようにすればよいのに、民主党は民主主義のイデオロギーで固まり、柔軟な外交ができない。ナショナリストを嫌うため、エルドアンも嫌っている。サウジも民主主義サミットに呼ばなかったことで、中国側に追いやった。バイデン民主党の外交は無茶苦茶としか言いようがない。米国の弱体化をもくろんでいるとしか思えない。
米国のレームダック化は民主党が推進している。大統領選で共和党に変われば米国もまともになり、うまく世界の場での外交をするのでは。
中国・中央アジアサミットにそんなに歴史的意義は感じません。欧米日豪印がスクラムを組んで、中共・専制国家圏と対峙すれば、恐れることはないと思います。でも彼らは分断を図ってくるでしょうからそれが心配の種です。マッキンダーの地政学は今から100年前の概念で、科学技術の進歩や戦争のやり方の変化があり、ハートランドを押さえれば世界を握れるとはならないでしょう。マルクス経済学だって近経に変わっているではないですか。それと同じ。
記事
中国・西安で開催された「中国・中央アジアサミット」(2023年5月19日、写真:新華社/アフロ)
(福島 香織:ジャーナリスト)
広島でG7サミットが開かれ世界の注目を浴びているその裏側で、第1回中国・中央アジアサミットが、シルクロードの起点となった唐の都、西安(長安)で開催された。
日本のメディアでも、女性ダンサーたちが天女に扮して舞うような歓迎式典のゴージャスなパフォーマンスの映像が流され、日本がホストとなった広島G7サミットに対抗する意図があったのではないか、という論評もあったと思う。
私個人としては、広島G7サミットも中国・中央アジアサミットも、のちのちに歴史的意味を評価され直すような、国際政治史上のマイルストーンともいえるニュースであったと考えている。
では、この2つの政治イベントが同時に開催されたことにはどのような意義があったのだろう。
対中政策の足並みを揃えさせる
広島G7サミットについては、日本がホスト国であったこともあり、日本メディアがかなり手厚く報じていたのでここで詳細を繰り返す必要はないだろう。
簡単にいえば、チャイナウォッチャーから見ると、このG7サミットは、中国に焦点をあてたものだった。日本が中心となってG7を団結させ、対中「デリスキング」(脱リスク)という表現で、対中政策の足並みを揃えさせたという点が最大の意義であったといえる。
デカップリング(排除)ではなくデリスキングという言葉からわかるのは、一見すると中国への配慮のように見えて、今の中国習近平体制が西側先進国にとってリスクであるという認識でG7が一致しているということだ。
そして、このG7サミットで、ウクライナ・ゼレンスキー大統領を広島に招き、さらにはコモロやクック諸島、インドネシア、ブラジルまで、グローバルサウスと呼ばれる途上国・新興国首脳を招き、G7の言う「1つの国際ルール」を遵守する国際社会枠組みの存在をアピールし、中国にもその「1つしかない国際ルール」を遵守せよと求めた。
これは、習近平がかねてから主張している“中国式現代化モデルによる新たな国際秩序の再構築”という目標を否定するものだ。中国は、民主化だけが現代化の道ではなく、G7という限られたメンバーだけの金持ちクラブの創った国際秩序は途上国の利益を代表しない、という考えを広めようとしている。だが、今回のG7サミットはグローバルサウスの代表国も呼び、中国が画策している新しい国際秩序の構築の動きに公然と挑戦した。
米国の「レームダック化」と日本の変化
中国が怒り心頭なのは、そのお膳立てをしたのが日本ということだ。日本はこれまで比較的中国に配慮してみせ、安全保障上依存している米国に致し方なく追随しているというポーズをとってきた。だが、今回はいかにも日本が主導的に根回しをしたような印象を与えた。
それは、例えばオバマ元大統領が10分で退場した原爆資料館で、バイデン大統領に40分近く、米国の原爆投下による30万人の民間人虐殺の実態について説明を受けさせた、といったことなどもある。また、自衛隊車両をウクライナに提供するなど、平和憲法下の日本としては、極めて踏み込んだ形で外国の戦争に関与する姿勢もみせた。
中国としては、戦後78年目にして日本の姿勢や立ち位置が変わりつつあると感じただろう。
そうした日本の変化が、バイデン政権になって米国のレームダック化が加速していることとも関係があるとすれば、G7広島サミットは国際社会の多極化への転換の萌芽とも受け取られるし、同時に、次の世界大戦の可能性を意識せずにはいられない変化の兆し、ともいえるかもしれない。
万が一にも台湾有事が起こり、米中戦争の形になるとすれば、日本が矢面に立って中国と戦うことになろう、と中国は改めて意識したのではないか。
さらにはこうした外交政治パフォーマンスを「平和都市・広島」でやったのだから、中国が受け止めたメッセージはひょっとすると日本の想像を超えているかもしれない。
動き始めた「人類運命共同体」構想
この広島G7サミットの裏番組ともいえる第1回中国・中央アジアサミットも、実は次の世界大戦の可能性を意識せずにはいられない変化の象徴といえる国際会議だった。
参加者は中央アジア5カ国(カザフスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、トルクメニスタン)の大統領たちである。習近平がそれぞれの国家元首と1対1の会談を行い、共同宣言や声明を出した上で、全参加国が西安宣言に調印した。
この中国・中央アジアサミットの成果の1つは、西安宣言や中国側が発表した成果リストで規定された“中国と中央アジアの関係強化のメカニズム化”だ。
このサミットの開幕式で習近平は演説を行った。その演説によると、中国は中央アジアとの関係を発展させ、「互いに(周囲の敵を)見張り合い、ことが起きれば助け合い、共同で発展し、普遍的な安全を守り、世代を超えて友好的な中国・中央アジア運命共同体」となるという。
「人類運命共同体」構築は、習近平の打ち出す中国の最高外交目標であり、中国が主導する国際社会の新たな枠組みの理念だ。この理念と目標の起点に、中央アジアを据えている。それは中国が打ち出す一帯一路構想の起点が新疆という中央アジアとの隣接地域であることからもうかがえる。
習近平は演説の中で、中国・中央アジア運命共同体構想を8つの面から推進するとした。すなわち(1)メカニズム構築の強化、(2)経済貿易関係の開拓、(3)相互連携の深化、(4)大エネルギー協力、(5)発展能力のレベルアップ、(6)エコ・イノベーションの推進、(7)文明対話の強化、(8)地域平和の維持、だ。
これが具体的に何を意味するかが、西安宣言と成果リストにある。大きくまとめると3つに分けられる。
(1)中国・中央アジア首脳会談メカニズムを構築し、2年ごとに議長国持ち回り方式で開催する。同時に閣僚級会議メカニズムを構築し、重点領域での閣僚級会議を定期的に行う。常設事務局設置についても検討する。さらに一帯一路建設の強化と中央アジア5カ国イニシアチブ、発展戦略をリンクさせる。
(2)中国側からは多元的な協力プラットフォームの設置を提案。具体的には外交、産業投資、農業、交通、危機管理、教育などに関する閣僚級会議のメカニズム化のほか、エネルギー協力、税関、政党対話、内閣協力ネットワーク、実業家会議、地方協力、産業投資協力、Eコマース協力、健康産業連盟、通信社フォーラムなどの各プラットフォームで交流、協力を深める。
(3)こうした枠組みにおける多元的な協力を協議文書にして調印した。それがサミット西安宣言や8つの備忘録などだ。
こうしてみると、このサミットは中国の「人類運命共同体」構想を実務として動かし始めたという意味で、中国にとって非常に豊富な成果があったと言える。
軽視すべきではない「地政学的意義」
在米華人評論家で、元中国党校機関紙「学習時報」副編集長の鄧聿文が、このサミットの成果についてドイツの多言語メディア「ドイチェ・ベレ」に寄稿し、「地政学的意義を軽視すべきではない」と指摘している。
いわく、このサミットで3つの重要な点が決定した。1つは中国・中央アジア協力のメカニズム化、2つ目は中央アジアが一帯一路建設のモデル区になり経済貿易協力のレベルを引き上げていくこと、3つ目は中国と中央アジアの文明対話、国家安全協力の強化だ、という。
中国・中央アジア協力のメカニズム化は、両者の関係を永続的、安定的にするもので、それがさらに一帯一路建設とリンクして中央アジアの経済発展に寄与するものとなれば、中央アジアの中国依存は急速に進むことになろう。
ポイントは中央アジアの地理的位置だ。鄧聿文は、英国の地政学者、マッキンダーの「中央アジアはアフリカとユーラシア全体の心臓地帯」という表現を引用し、中国が中央アジアとの協力メカニズムを通じて、経済貿易、交通、文化、反テロ活動までを連携した場合、米国が中国に対して海上からの戦略的包囲を仕掛けても、それを打破することができる、という。
これははっきり言及されてはいないが、中国が将来的に米中戦争、あるいは第3次世界大戦を仮定した上での布石ともいえる。
世界の多極化を示した2つのサミット
中央アジアとの「運命共同体」化は、中国の戦略学者や国際関係学者が言うところの、いわゆる「西向戦略」の一環に他ならない。
仮に中米関係が完全に断絶した場合、中国は中東、EUとの経済貿易ルートを確保する必要がある。台湾海峡戦争が勃発した場合、米国はEUに対中経済制裁を強いるだろうが、中国が欧州との経済貿易のリンケージを今から強化しておけば、EUはその制裁パワーの度合い、範囲、時間を軽減、短縮せざるをえない。
これは広島G7サミットで、中国を経済貿易上のデリスキングが打ち出された理由でもある。また中央アジア5カ国のうち3カ国は中国と国境を接し、イスラム国としてかつてはウイグル独立派に影響力を持っていたが、経済的に中央アジア5カ国を従えれば、この懸念も軽減できる。
これまで中国の西向戦略は進めたくともなかなか進まなかった。理由は簡単で、中央アジア5カ国への影響力はロシアが厳然と維持していたからだ。
だがロシアはウクライナに戦争を仕掛けたことで国力が一気に弱体化、いまや中国を頼りにするほかない状況に追い込まれている。
ロシアが弱体化すると、米国がその政治的空隙に入り込もうと、今年(2023年)2月末、カザフスタン・アスタナで米国・中央アジア5カ国外相会議を行いブリンケン国務長官を送り込んだ。だが、米国は対中央アジアに効果的な経済的手段を提示できなかった。代わりに中国がまんまとロシアの後釜として中央アジアのパトロンに収まった。ロシアとしても、米国に入り込まれるよりは中国の方がましだ、と考え、これを許した。
もしロシアがウクライナとの戦争で弱体化していなかったら、第1回中国・中央アジアサミットは、おそらく第1回中国・ロシア・中央アジアサミットになっていただろう。
広島G7サミット成功の背後に米国レームダック化という要因があり、中国・中央アジアサミットの成功の背後にはロシアの弱体化があり、ともに時代の変局、米国一極状態から多極化への変化を示すサミットだった。
そこに将来的な米中戦争、あるいはその代理戦争、あるいは第3次世界大戦に至りそうな兆しが少しでも見えるなら、目を背けないことだ。私がこういう寄稿をすると、きまって戦争を煽っている、と難癖をつけてくる人がいるが、必要なのは、それをどう回避するか、どう防ぐか、について、より具体的なテーマを設定するためにも、リスクの可能性を正面から評価することだろう。
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『存在感増すグローバルサウス、アフリカが望む成長と欧米中にはない日本の強み 【オウルズレポート】アフリカの成長戦略を握るAfCFTAの理想と現実』(5/25JBプレス 大久保 明日奈)について
5/24The Gateway Pundit<Comer Drops $5 Million Biden Bribe Bombshell in Letter Threatening Wray with Contempt Over Subpoenaed FBI Whistleblower Document=カマー氏、FBI内部告発文書を受けての召喚を侮辱したという書簡の中でバイデンに500万ドルの賄賂が渡ったと爆弾投下>
FBIの上層部はDSの一員では。
下院監視委員会委員長のジェームズ・カマー下院議員(共和党、ケンタッキー州)は水曜日、クリストファー・レイFBI長官に書簡を送り、FBIへの召喚状でFD-1023書式の提出命令を拒否したことで議会侮辱罪に問われるとレイを脅迫した。内部告発者は、当時のバイデン副大統領が有利な政策決定と引き換えに外国人から現金賄賂を受け取ったという情報文書があると主張している。カマー氏はこれまでのレイ氏の対応に不満を表明し、召喚状に従う期限を5月30日とした。
カマー氏は火曜日の書簡の中で2つの爆弾発言を投下した。文書請求の検索条件が広すぎるというFBIの苦情について議論する中で、カマー氏は「500万」(または500万のバリエーション)という用語を追加し、それがバイデンに支払われたとされる賄賂の金額であると述べた。もう一つの爆弾は、FBIが委員会に対し、召喚状文書が問題となっている2020年6月にバイデンに関する「多くの」CHS(機密人的情報源)報告書があったと述べたことだ。
「…召喚状の範囲を狭めるために、FD-1023 書式で参照される可能性のある、非機密で法的に保護された内部告発者の開示に基づいて、「2020 年 6 月 30 日」および「500 万」という追加の条件を提供しています。これらの条件は、次のとおりです。 FD-1023書式の日付と、その外国人が望ましい政策結果を得るために支払ったとされる金額への言及に関係している」
https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/comer-drops-5-million-biden-bribe-bombshell-letter/
5/24The Gateway Pundit<Robert Kennedy, Jr: “Trump Has Shown Himself to Be the Most Devastating Debater Probably Since Abraham Lincoln” (VIDEO)=ロバート・ケネディ・ジュニア:「トランプはおそらくエイブラハム・リンカーン以来、最も破滅的な討論者であることを自ら示した」(ビデオ)>
民主党の中にもまともな人はいるが、悪が主流となっている。
民主党の大統領候補ロバート・ケネディ・ジュニアは今週初めにメーガン・ケリー氏に加わった。
ロバート・ケネディ・ジュニアは、同党がここ数十年で擁立した中で最も興味深く誠実な民主党候補者であり続けている。
話し合いの中で、RFKジュニアはメーガン・ケリーにこう語った。
「バイデン大統領はある時点で、共和党の推定候補者としてのトランプ大統領について議論しなければならないだろう。トランプ大統領は、討論相手を手早く追い出す能力という点において、おそらくエイブラハム・リンカーン以来、最も破壊的な討論者であることを示している。」
もちろん、これは完全に正直な発言であり、トランプ陣営も無視したわけではない。
トランプ大統領は水曜日、これをTruth Socialに再投稿した。
https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/robert-kennedy-jr-trump-has-shown-himself-be/
5/24阿波羅新聞網<又有新热点!美中冲突一波未平,一波又起!=新たな注目点が誕生! 米中対立は未解決のまま、新たな問題が次々起きる!>英国FT紙は、太平洋の海域から南極大陸やアフリカの海岸に至るまで、中国漁船団が米中間の地政学的対立の新たな発火点となりつつあると報じた。 中国の遠洋漁業は漁獲量と船団規模の点で世界最大であり、世界中に推定1万隻の漁船がいる。 中国の漁業は、絶滅危惧種を狩猟しているとして環境保護活動家から、また公海上で漁業作業員を虐待しているとして人権専門家から長年批判されてきた。
自己中の中国人。何が国際法を遵守しているのだ!
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905847.html
5/24阿波羅新聞網<马斯克激吻长发正妹 身份曝光惊呆11万人=マスクが長髪少女の正体暴露で11万人を驚かす>ツイッター社のボスであり、テスラ電気自動車の創業者でもあるイーロン・マスクは、キャリアの中でさまざまな領域を手掛け、近年は人工知能(AI)の研究開発を積極的に推進している。 最近、彼が女性ロボットとキスしている写真がインターネット上で拡散し、ネチズンは「将来、人間がロボットと恋に落ちることは本当に可能なのか?」と唖然としたが、この投稿は純粋に、AI の急速な発展がもたらす可能性のある危険、特にテスラ社が発売した人型ロボット オプティマス (テスラ・ボットとしても知られている) の危険を示しているとマスクは述べた。彼はこれらの写真が「AIによって生成された」ものであることを率直に認め、誰もがそれを真剣に受け止めないよう呼び掛けた。
人間と同じように作れば女スパイとして活躍するのでは。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905900.html
5/24阿波羅新聞網<陆封杀美光后座力强?外媒揭北京真正盘算:在布这个局=中国がマイクロンを禁止した反動は大きい? 外国メディアが中国政府の本当の計画を明らかに:ゲームを仕掛けている>中国当局は国家安全保障を理由にマイクロンのチップを禁止したが、これはテクノロジー業界にとって衝撃弾となった。 NYT紙は分析記事を書き、この禁止措置は、米国とその同盟国との間に不和の種を蒔いて亀裂を生じさせるという中国政府の新たな戦略を垣間見るものだと指摘した。
韓国のサムスンとSKハイニックスがマイクロンの顧客を獲得すると予測されているとのこと。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905906.html
5/24阿波羅新聞網<养老堪忧!中共迫不得已下令…美芯片巨头撤出中国移师越南 中国研发团队全部被裁=養老年金が心配! 中共は命令せざるを得ず…米国のチップ大手を追い出し、中国からベトナムに移転させる、中国の研究開発チームは全員解雇された>年金が心配!国家衛生健康委員会は、2035年までに中国の60歳以上の人口が現在の2億8000万人から4億人に増加すると予測している。アナリストらは、これにはコミュニテイ施設と介護施設併せて約4,000万床が必要になるだろうと予想している。現在、ベッド数はわずか 800 万床である。
現在、中国の31の省、市、自治区のうち11の省、直轄市、自治区では退職年金制度が赤字になっている。中国科学院は、中国の養老年金制度は2035年までに資金が枯渇すると予測している。; 中共は命令せざるをえなかった・・・米国の大手半導体企業は中国から撤退し、ベトナムに移転し、中国の研究開発チームは全員解雇された;長い間現れなかった李嘉誠は家族の財産を移し、2つのことを考える。一族の支配と不動産が売れなくなった時のことを考慮:東北の没落は古い底を破った! 座って待つことしかできないのか? 黒竜江省鶴崗市のもがき(財政支出が収入の2倍)は習にとって不吉な前兆だ。
日本人は中国人の移住阻止を真剣に考えないと。健保財政や年金財政が彼らのために食われてしまう恐れがある。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905902.html
5/24阿波羅新聞網<世卫秘书长谭德塞警告:下一波疫情比新冠“更致命”= WHO事務総長テドロスは警告:次の流行の波は新型コロナよりも「より致命的」になるだろう」>世界保健機関(WHO)のテドロス事務総長は22日、ジュネーブで開かれた世界保健総会で、世界はパンデミックの次の波に備える必要があると警告し、今後の感染拡大は「新型コロナウイルスより致死性が高い可能性がある」と指摘した。
また米国民主党と中共の合作で新しい疫病をはやらせ、グレートリセットし、一部企業を儲けさせ、関与した人物にキックバックが渡ると予言したのでは。でなければ、こんな大変なことを軽々とは言えない。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905737.html
5/24阿波羅新聞網<谁是习近平接班人?=習近平の後継者は誰?>WSJは今日、歴史を振り返りながら習近平の後継者の謎を解くための記事を書いた。 中国の指導者習近平は70歳近くになり、潜在的なライバルをすべて排除し、後継者を発表しておらず、この状況は中国の安定を脅かす可能性があると同時に世界秩序の基盤を揺るがすと付け加えた。
中共と自己中・中国人は世界人民の敵。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905895.html
何清漣 @HeQinglian 12h
NATOは加盟国に軍事支出の増加を要請:数か国が緊密に従い、 数か国がグズグズしている。https://rfi.my/9X4X.T
10年前、NATO加盟国は2024年までにGDPの少なくとも2%を防衛に費やすことに同意した。 … もっと見る
rfi.fr
NATOは加盟国に軍事支出の増加を要請:数か国が緊密に従い、 数か国がグズグズしている。NATOは加盟国に防衛費の増額を求めている。 NATO東側の加盟国は戦争に勝つため、軍備増強の準備を進めている。 しかし、ドイツや他のほとんどの加盟国は追随していない。
何清漣 @HeQinglian 12h
西側諸国におけるマクロンの扱い:
マクロンは、好意を示すために率先して中国へ握手を求めたが、自立したドゴール主義者と言われ、米国とEUの政治家によって修復された。
1か月後、バイデンとG7の3要点宣言はマクロンの提案と実質的に変わらなかったが、マクロンも弟のように後に下がり、同じ列に座り、国際秩序再編において米国の仲間入りを果たした。
——核心はリーダーシップの問題としか言いようがない。
5/24大紀元<台湾の武力統一「支持する中国国民は、55%に過ぎない」 海外学術誌の世論調査が語る>
「英文の学術誌「当代中国期刊(Journal of Contemporary China)」はこのほど、中国の世論調査に関する論文のなかで「台湾の武力統一を支持する中国国民は、実は55%に過ぎない」とする調査結果を発表した。
この調査は2020年末から2021年初頭にかけて、シンガポール国立大学の劉遥(Adam Y. Liu)氏や上海ニューヨーク大学の李晓隽氏が共同で行ったもの。オンラインプラットフォームを通じて実施された調査の結果、合計1824件の有効回答が寄せられた。
同調査のアンケートでは「中国と台湾の関係」について5つの選択肢が提示された。そのうち「武力による台湾統一」については、55%の回答者が支持。33%が不支持。12%が「わからない」と答えている。
香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」は同調査の共同作成者である劉遥氏の分析を引用して、「北京(政府)は、台湾に対して強硬な立場を取らざるを得ない、と感じるべきではない。実は、中国国民は台湾に対して、もっと穏健な立場も受け入れられるからだ」と伝えた。」(以上)
この世論調査はどのようにして中共の監視をすり抜けたのか?
大久保氏の記事で、アフリカ経済は自由貿易を標榜とのこと。政治体制が自由で民主主義の国になれば良いと思いますが、中ロが深く入り込んでいる国もあり、そんなにすんなり理想の政体にはならないのかと。スーダンのように内乱が起きる国もあり、結局富の分配を理想的な形で行えるよう、精神的な成熟が要請されるのでは。
日本のアフリカに対する支援で、モノ作りが期待されているとのこと。これは日本がソフトで完全に出遅れていることを表しています。でも、アフリカの人達に喜んでもらえるなら、日本企業は遠いですが、どんどんアフリカに進出すべきでしょう。中ロのような専制国家にしないためにも、自由で民主主義の国が支援を厚くすべきです。
記事
グローバルサウスの代表格、インドのモディ首相。G7広島サミットでも存在感を示した(提供:Ukrainian President Press Office/UPI/アフロ)
- 「グローバルサウス」と呼ばれる新興国・途上国の存在感が増す中、欧米中は2050年に世界の人口の25%を占めると予測されているアフリカ諸国との関係強化でしのぎを削っている。
- だが、アフリカは欧米による民主主義の押しつけも、中国による「債務の罠」も望んでおらず、アフリカ自身が望む発展ビジョンを進めようとしている。
- アフリカとの連携強化で出遅れている日本だが、アフリカが望む形に寄り添えば、欧米中とは違った形で関係を強化できる。
2050年には世界の人口の4分の1を占めると予測されているアフリカ。2019年に発足したAfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)にも、エリトリアを除く54カ国が署名しており、2021年に一部運用が始まっている。約13億人の人口と約3.4兆米ドルのGDPを抱える単一の大陸市場創設が目標だ。
もっとも、歴史的に欧州の影響力が残るアフリカだが、昨今は「一帯一路」を掲げる中国が存在感を高めている。その中国を警戒する米国も、アフリカに対する支援を強化しつつある。これからの世界のカギを握るアフリカに対して、欧中米が水面下でしのぎを削っているのが現状である。
この中で、「ASEANの奇跡」を演出した日本はどのようにアフリカに向き合うべきなのか。岸田首相の歴訪を踏まえ、日本がとるべき支援やアフリカを巡る各国の動きを分析する。2回目の今回は、アフリカ自身が望む成長戦略と抱える課題について。
※1回目「岸田首相のアフリカ歴訪、この30年のカギを握るアフリカで日本は何ができるか」から読む
(大久保明日奈:オウルズコンサルティンググループ プリンシパル)
多大な潜在力を秘める「最後のフロンティア」として、また米欧や中国とは異なるもう一つの軸として注目を集めているアフリカ諸国。主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)では、アフリカを含む「グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)」との関わり方も重要な論点であった。
前回記事「岸田首相のアフリカ歴訪、この30年のカギを握るアフリカで日本は何ができるか」では、日本とアフリカの関わりにフォーカスして話を進めた。今回は、アフリカ自身が考える成長戦略について考察を深めたい。
アフリカ諸国が望む発展の形は、アフリカ連合が2013年に策定した「Agenda 2063」という開発ビジョンに表れている。50年後の2063年を目標に、政治・経済・社会の複合的な視点からアフリカの成長を目指す長期ビジョンだ。今年は発足から10年目という節目の年である。
アフリカはかつて欧州諸国の植民地となった苦い歴史を持っている。その歴史を踏まえ、他国の介入や強制を伴うものではなく、“The Africa we want”、すなわち「アフリカ自身が望むアフリカ」を実現するという強い想いで策定されたのが、この「Agenda 2063」である。
「Agenda 2063」では、アフリカの人々が望む形を「7つの期待(aspirations)」として、その期待を実現するための施策として15の旗艦(flagship)プロジェクトを掲げている。
「7つの期待」には、政治的な安定や法の支配、平和などの普遍的なテーマのほかに、アフリカの文化的なアイデンティティや価値観の共有、女性や若者、子どもの潜在能力の解放など、理想とするアフリカの姿が謳われている。
旗艦プロジェクトには、インフラ整備、自由な移動や単一航空市場の創設、宇宙空間戦略、サイバーセキュリティ、アフリカ百科事典など、政治・経済のみならず、多岐にわたる計画が策定された。
アフリカの自由貿易構想、AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易圏)の設立も、旗艦プロジェクトの一つとして位置付けられている。
AfCFTAの希望と現実
AfCFTAとは、アフリカ連合加盟国のうち、エリトリアを除く54カ国が参加する大規模な自由貿易協定(FTA)構想だ。2019年5月に発効され、2021年に一部の運用が開始された。今後本格的に始動すれば、人口約13億人、GDPは3.4兆米ドルという世界最大級の経済圏になると予想されている。
FTAとして、域内関税を撤廃し、商品とサービスなどの自由な取引を目指す。また、非関税障壁を緩和し、域内での貿易を促進することにより、アフリカ経済の拡大を狙うものだ。
AfCFTAは二つのフェーズに分けて検討が進められる。フェーズ1では物品貿易やサービス貿易、紛争解決規則・手順の検討、フェーズ2では補助金などの扱いを決める競争原則のほか、投資、知的財産、デジタル貿易、貿易における若者と女性について検討される見込みだ。
物品貿易の分野では、タリフラインベース(関税撤廃率)で90%以上の関税を撤廃すること、非対象品目を3%未満にとどめること、残りの7%はセンシティブ品目として、原則10年間で撤廃すること──などが合意に至った。
FTAの締約諸国間で生産されたことを特定する原産地規則や残った品目の関税率については協議中だ。サービス貿易についても、輸送、通信、観光、金融、ビジネスの5分野を優先的に扱うことで合意している。
昨今のFTA/EPAで不可欠とされているデジタル貿易に関するルール形成、すなわちデータローカライゼーションやデータ移転、消費者保護などについても前倒しで議論される見込みだ。
各国の自国優先主義や西側と中国・ロシアのデカップリングが進む中、巨大な自由貿易圏であるAfCFTAにかかる期待は大きい。
もっとも、一部運用から2年が経過しているが、アフリカ域内貿易比率は12%と、他地域に比べ低い状況にとどまっている。アフリカの持つ構造的な悪循環のため、思うような成果が出すことができていないことの表れだ。
アフリカの発展を阻む悪循環
構造的な悪循環はいくつも挙げられる。例えば、農業生産性の著しい低さだ。
アフリカでは労働人口の半分が農業に従事するが、小規模農家中心であるため生産性が低く、農作物を適正価格で売る販売網がない。
また、植民地時代の残滓だが、アフリカの農業はカカオや綿花など輸出用の単一作物が中心で、穀物などの自給率は低い。自国で消費する小麦や米などの主要穀物はほとんど域外からの輸入に頼っている状況となっている。
しかも、輸出のために単一作物の大量生産を繰り返したため、農地は痩せ始めており、新しい農作物の生産も困難だ。穀物を輸入に頼っているため生活コストが高く、国内総生産(GDP)の割に労働コストが高いという問題も抱えている。
近年は気候変動の影響も深刻化しており、アフリカの農家は気温の上昇、降雨量の変動、収量変動に対して脆弱だ。
社会インフラ全般が未成熟なことも大きな課題とされる。
例えば、サブ・サハラアフリカの電化率は35%程度で、特に農村部は19%にとどまっている。世界の未電化人口の半分以上がサブ・サハラアフリカに集中する計算だ。
高速道路や物流施設などの物流インフラの整備も求められている。アフリカでの道路舗装率は20%以下と言われている。物流網が整備されていないと、国内はもとより国境を越えた域内でのモノのやり取りが進まないことは明白だ。
輸送や手続きに時間がかかるため、アフリカ域内よりも域外への輸送コストの方が安い状況になっている。
金融や医療などの不足も深刻だ。
工業化が進まない根本的な理由
例えば、日本も含めた多くの先進国では90%以上の人々が銀行口座を保有するのに対し、アフリカでは40%を下回る国が存在する。国によって基礎的な金融サービスへのアクセスに差がある状況だ。
正規の銀行との取引を利用できない人々は、貸金業者に頼らなければならない傾向が高いが、こうした業者は高い金利を課すことが多い。また口座を持たない人々は事業を立ち上げたり、予想外の事態に保険をかけることが難しい。
製造業の基盤が未成熟だという点は、AfCFTAにおける物品貿易を妨げている大きな要因だ。
そもそもアフリカ諸国は農産物や鉱物資源のような一次産業が中心で、製造業が育っていない。産業別GDPに占める製造業の割合は、例えばナイジェリアでは8.8%、ケニアでは8.4%、ガーナでは4.2%といった状況だ。
非工業化(de-industrialization)に向かっている国もある。例えば、南アフリカのGDPに占める製造業の割合は、現在14%となっており、過去のピーク時に26%あった割合が低下してしまった。
エチオピアなどは繊維・縫製業など軽工業を中心に海外企業の誘致に取り組んでいるが、自動車などの大規模雇用を創出する産業が育つまでの道のりは長い。物流インフラが乏しい上に労働コストも高いため、海外の企業が拠点を作ろうにもその選択肢にならないのだ。
日本に対して製造業の基盤作りを期待する向きもあるが、前回記事で述べたように、広大でかつインフラが整っていないアフリカでは、東南アジア諸国連合(ASEAN)型の支援モデルは通用しない。
インフラや裾野産業が未発達であるためアフリカ大陸内でのサプライチェーンがつながっておらず、輸出のほとんどが域外向けになっている。社会インフラの不足もアフリカの成長を阻む要因とされる。
AfCFTAには、このような悪循環を抜け出し、工業化による発展を目指す狙いもあったが、理想と現実のギャップは大きい。
このような構造的な歪みを早急に解決しない限り、高い理想とともに打ち出されたAfCFTAへの期待が徐々に減退していく可能性も懸念されている。
アフリカの未来を変える打開策としてのデジタル
これらの問題を打開する新たな一手として、新たに注目されているのがデジタル分野の強化だ。新しい農作物を作る、製造業を育てるなどの直接的な産業振興に注力することに加え、インターネットやITインフラなどデジタル技術を強化することで一足飛びの成長を促そうという試みである。
実例として、2016年のルワンダの例がある。
道路舗装すらままならなかったルワンダの地に、米国のスタートアップ企業がある種実験的にドローンによる医療物資の輸送業務ビジネスを展開したところ、輸送血液や医療資源など必要な物資の運搬を短時間で効率的に行うことができるようになった。結果、多くの人命救助につながっている。
ルワンダで血液パックを輸送するドローン。アフリカでは「リープフロッグ型」の発展が始まっている(写真:アフロ)
また、2007年にケニアで開始されたモバイル送金サービスM-PESA(エムペサ、PESAはスワヒリ語で「お金」の意味)は、今は欠かすことのできない社会インフラとなっている。
ケニア国内では約3000万人がM-PESAを使用しており、普及率は約74%、総取引額はGDPの約50%という驚異的な数字だ。
ケニアには農村から都市部に出稼ぎに行く貧困層も多いが、金融機関の口座を持っておらず、家族に安全に送金できない状況だった。その一方で、携帯電話の保有率は高く、そこに着目した安全で手軽な「M-PESA」の送金サービスは瞬く間に受け入れられ、貧困層の金融包摂とケニア経済の活性化に寄与している。
このように、IT技術とアフリカの抱える課題をうまく組み合わせることができれば、先進国が段階的に踏んできた発展を飛び越えた「リープフロッグ型」の発展が期待できるはずだ。
もちろん、一口にデジタル分野の強化と言っても、支援を考える諸外国、何よりアフリカ自身にとって、具体的にどのような形でデジタル化を図るかは明確ではない。その中で日本には何が期待されているのか。
ソフトウェアの実装において、日本が米国や中国に肩を並べることは容易ではない。その日本ができることは、雇用創出などを伴う経済成長に貢献することではないだろうか。それが、アフリカが日本に期待するところでもある。
例えば、アフリカではデジタル化における重要なインフラであるデータセンターが不足しているが、建設・運用時には多くの雇用が創出される。気候変動対策の重要性が増す中、環境配慮型データセンターの敷設・運用支援はアフリカが求める支援の一つだろう。
また、資源供出にとどまっているバッテリー産業の高度化およびアフリカ内資源循環性の構築も、アフリカの発展に貢献できる可能性があるのではないか。
アフリカでは、日本はいまだに「ものづくり大国」のイメージが強い。日本ならではの方法で、アフリカの発展に貢献していくことが求められているはずだ。
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『ゼレンスキー旋風の陰で、G7の対中姿勢は変わったのか?』(5/24日経ビジネス 宮家 邦彦)について
5/22The Gateway Pundit<Jim Jordan Vows Scrutiny of Durham Report Findings – Threatens to Cut FBI Funding and Reopen Hillary Clinton Investigation (VIDEO)=ジム・ジョーダン、ダーラム報告書調査結果の精査を誓う – FBIの資金削減とヒラリー・クリントン捜査の再開までをも言う(ビデオ)>
どんどん民主党、FBI、CIAに圧力をかけないと2024年選挙でまた不正をする。
下院司法委員会のジム・ジョーダン委員長(共和党、オハイオ州選出)は日曜日、委員会が最近発表されたダーラム報告書で言及された人物を詳しく調査すると発表した。
ジョーダン氏は、捜査の可能性に関して「何事も計画外ではない」と強調し、FBIの資金提供を削減し、ヒラリー・クリントン氏らに関連した捜査を再開すると脅迫までした。
「ダーラム報告書が出てきて、FBIには大義も断言できるものも証拠も何もなかったことがわかっているのに、彼らはトランプ大統領とその陣営の捜査に乗り出した」とジョーダン氏はFOXニュースの司会者マリア・バーティロモに語った。
「ダーラム報告書の最良の一文は、「法律への忠実さという基本的な使命を果たせなかった」だったと思います。彼らは法律を遵守しませんでした。」
https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/jim-jordan-vows-scrutiny-durham-report-findings-threatens/
政治ニュースを信じない:信じる=52:30、共和党支持者では65:22
メデイアの報道ぶりが、民主党偏向:共和党偏向=52:20。
メデイアは人民の真の敵か、賛成:反対=59:36.
5/23看中国<鹰派议员力促减少美中商业联系 跨国公司恐成靶子(图)=タカ派下院議員、米中ビジネス関係縮小要請、多国籍企業が標的になる可能性も(写真)>強硬派の米国議員マイク・ギャラガー(Mike Gallagher)は、米中競争委員会に対し、広範な米中ビジネス関係のどの部分が中国を強化しているのかを調査し、どのようにしてその関係を縮小するかを計画するよう指示している。
「我々は米国企業が米国企業らしく行動することを望んでいる」とギャラガーは語った。 彼は、ウォール街、シリコンバレー、ハリウッドの巨人、中国ビジネスに関心を持つ他の米国人は、中共がもたらすリスクを理解していないと考えている。
最近では、ギャラガーは、アップルのサプライチェーンを中共の危険にさらしていること、ウォルト・ディズニーが中国を喜ばせるために映画を自主検閲し、米国の価値観を損なっていること、ナイキ(NKE)が強制労働によって生産された綿花を使用している可能性があることを非難した。
ディズニーは各国の規則に従うためにストーリー作りで妥協はしないと述べており、アップルは生産をインドなどに移転している。 Nike.comの声明は強制労働をなくすための行動を支持している。
ギャラガーは、シリコンバレーが中国のテクノロジー分野への投資を制限すること、ウォール街のファンドマネージャーが中国株を売却すること、製造業者がサプライチェーンで米国の基準を遵守することを主張した。 これに企業幹部が動揺しているのは明らかだ。
ギャラガーは企業界の懸念を認めた。 今月ワシントンで開かれた米国商工会議所の会合で、ギャラガーは同委員会が企業に証言を求める召喚を計画しているかどうか尋ねられた。 彼は「米国の対中政策について将来、激しい議論が交わされるかもしれない…企業は中国への投資戦略を守り、中国での製造事業を守る準備をしておくべきだ」と答えた。
ロジウム研究機構は、2020年現在、米国は中国に1兆2000億ドル相当の株式と債券を保有し、さらに数千億ドル相当の工場、不動産、その他の資産を保有していると推定している。 昨年の二国間貿易は7000億ドル近くに達し、中国は8500億ドル以上の米国債を保有している。
ギャラガーと流暢な中国語を話す中国通の戦友、ポッテインジャー・トランプ大統領国家安全保障副補佐官は15年間、朝食で会話する習慣を維持しており、二人は中東、アジア、そして世界について自由に語り合っている。 ポッテインジャーの目には、ギャラガーは国家安全保障政策に大きな影響を与える「真面目な歴史研究者」だという。
敵をここまで大きくしたのは米国。中国人の本性を見抜けない愚かさ。
https://kzg.secretchina.com/news/gb/2023/05/23/1036542.html
5/24阿波羅新聞網<想解除芯片禁令 荷兰外交大臣告诉秦刚…=オランダ外相は秦剛に対し、チップの禁止を解除したいと語った…>オランダのウォプケ・フックストラ副首相兼外相は23日、中国で、西側諸国政府が中国に対する防衛姿勢を強める中、オランダ経済とサイバー空間の保護はオランダにとっての優先事項であると述べた。
米国は10月に米国製チップ製造ツールの中国への輸出を制限したが、それにはオランダと日本の他の主要なチップ製造技術サプライヤーの同意があって初めて有効になる。
日本はまた、7/23から23種類の半導体製造装置の輸出を制限すると述べ、中国政府を怒らせた。
「中国はリソグラフィー装置について深刻な懸念を抱いている」と秦は記者団に語った。
「中国とオランダはお互い重要な貿易相手国であるため、両国間の正常な貿易秩序と国際貿易ルールを共同で守り、世界の産業とサプライチェーンの安定を共同で維持すべきだと我々は信じている。」
オランダ大使館での2回目の記者会見でフックストラは、オランダで計画されている輸出規制は特定の国を対象としたものではなく、詳細は今後数週間以内に発表される可能性があると述べた。
フックストラは、「関係はより複雑化している」としても、中国政府との「関与を積極的に追求する」必要があると付け加えた。
中国はオランダにとって重要なパートナーかという質問に対し、同氏は「その通りだ」と答えた。
フックストラは中共へリップサービスのつもりかもしれませんが、真意だとすれば中共に総て奪われることになる。中国人が国際ルールを守った試しはない。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905653.html
5/24阿波羅新聞網<养蛊的遭反噬! 胡锡进被重点监控=伝説上の毒虫を養うのは反発に遭う!胡錫進は監視下にある>笑果文化社傘下のトークショー俳優として知られるHOUSEの発言が物議を醸しており、環球時報元編集長の胡錫進は関係者に改善の機会を与えるよう呼び掛けた。
中国笑果文化社傘下で著名なトークショー俳優のHOUSE(李昊石)は、人民解放軍を野犬と比喩した疑いがかけられ、中共当局から罰金を科せられ、番組は中断された。『環球時報』元編集長の胡錫進はこれについて声を上げ、国民が関係俳優と笑果社に反省と改善の機会を与えることを期待したが、予想外に多くのネチズンが胡を批判して通報した。これにより、胡錫進の中国でのソーシャルメディアは厳しく監視されるようになった。
密告社会で監視社会の国は専制国家で、特に共産国、中共は酷い。
https://www.aboluowang.com/2023/0524/1905525.html
宮家氏の記事で、本文にあるように垂秀夫駐中国日本大使の、中共のG7へのクレーム対応は立派だった。日本は脅せば言うことを聞くと思ってちょっかいを出したのでしょうが、反駁されて、中共の面子は丸つぶれ。力に頼る国の驕りか、愚昧さが齎したものか。でも、垂秀夫大使でなく、凡庸なチャイナスクール出が大使だったら、こんなに見事に、即座に切り返せなかったでしょう。TVや新聞でお見受けする元中国大使ではこうはいかなかったのでは。
明治時代の外交官は、日本の不平等条約を無くすため、国益を賭け、命を削って交渉しました。今の日本の外務省には骨のある人物がいなくなり、サラリーマン化しています。その中にあって今回の垂秀夫大使の反論は胸のすく想いであり、見事としか言えない。外務省勤務者は彼を目指して頑張ってほしい。
記事
フランスのマクロン大統領(左)と中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席。台湾をめぐるマクロン大統領の発言が、「G7の結束が乱れている」との不安を高めた(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)には正直言って驚いた。筆者は、外務省に入省した直後に開催された1979年の東京サミット以来、40年以上にわたってG7首脳会議をフォローしてきた。そんな筆者でも、こんな不思議な感覚は初めてだ。現代史が転換期に入りつつある中、今年のG7広島サミットほどグローバルで、中身があり、かつ重要な結果を伴う首脳会議は他に思い付かない。それほど全てが新しい光景だった。
過去10年の間に、ポスト冷戦の時代がようやく終わり、これに代わって新たな国際・国内政治環境が生まれつつある。ウクライナ戦争が長期化する中、中国、ロシア、北朝鮮などは、武力による現状変更の意図を隠そうともしない。こうした「現状変更」勢力が、既存の国際秩序に対する挑戦を始めて以降、初めてアジアで開催されたG7首脳会議が広島サミットだった。
幾つか偶然も重なった。米連邦政府の債務上限問題により米国のバイデン大統領がサミット後のオーストラリア訪問を取りやめたため、日米豪印の枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会合は広島開催となった。サミット2日目(5月20日)には、ウクライナのゼレンスキー大統領の訪日まで実現した。普段なら記念写真撮影と共同文書発表でシャンシャンと終わるはずのサミットが、突然、G7及び参加各国首脳によるリアルタイムの実質的政治決断の場となった。
G7の対中姿勢に関して相反する報道
当然ながら、G7広島サミットに関する報道の多くは、ゼレンスキー旋風とウクライナ戦争の行方を取り上げるものとなった。やはり、ウクライナ大統領がG7サミットに参加したことのインパクトは絶大なのだろう。これに比べて、今回のG7広島サミットで議論した対中政策に関する記事・論評はあまり見当たらない。ネット上で探してみても、中国に関しては、以下のような比較的小さな記事しか見当たらなかった。
- 中国外務省次官は21日、北京駐在の日本大使を呼び、「日本はG7の議長国として関係国とともに中国を中傷、攻撃し、内政に乱暴に干渉しており、中国の主権や安全、それに発展の利益を損なっている」と述べ、強烈な不満と断固反対する考えを示した。(NHK 5月22日)
- G7広島サミットを受けて、複数の市場アナリストから、G7が中国への強硬姿勢を弱めているとのメッセージを送ったとの見解が示されている。(MINKABU PRESS 5月22日)
あれあれ、一体どちらが正しいのか。記事を読むだけではよく分からない。ちなみに、北京駐在の日本大使は、上述の中国側の申し入れに対し「中国が行動を改めない限り、これまで同様にG7として共通の懸念事項に言及するのは当然で将来も変わらないだろう。言及しないことを求めるのであれば、まずは中国側が前向きな対応を行うべき」(河北新報5月22日)と反論したという。極めて正しい対応である。
G7首脳コミュニケの中国関連部分を精査する
今回のG7でも多くの長文の成果文書が発表された。「G7広島首脳コミュニケ」と題された政治文書は英文で40ページという膨大なもので、全文に目を通すだけでも大変だった。この種の文書を読むたびに、いったい何人の人が全文を精読しているのか、疑問に思うほどだ。されば、今年のG7首脳コミュニケと昨年のそれを読み比べた人も、恐らくあまりいないのではないか。
報道にあるように、もし昨年よりも今年の方が「対中強硬姿勢」が「弱まっている」のであれば、中国が「強烈な不満と断固反対する考え」を表明する必要はなかろう。というわけで今回は、広島首脳コミュニケにおける対中政策部分を、昨年6月にドイツ・エルマウで行われたG7サミットでの成果文書と比較し、G7の対中姿勢がいかに変わったのか、または、変わらなかったかを検証したい。
広島首脳コミュニケの中国関連部分は、第51項と第52項にまとめられている。ここからは各パラグラフの書きぶりを紹介し(編集部注:外務省のサイトにある仮訳を引用)、必要に応じて、昨年との比較を試みる。しばし、お付き合い願いたい。なお、【】部分は筆者の個人的かつ非公式なコメントであるので、念のため。
51)我々は、G7のパートナーとして、それぞれの中国との関係を支える以下の要素について結束する。
・我々は、中国に率直に関与し、我々の懸念を中国に直接表明することの重要性を認識しつつ、中国と建設的かつ安定的な関係を構築する用意がある。我々は、国益のために行動する。グローバルな課題及び共通の関心分野において、国際社会における中国の役割と経済規模に鑑み、中国と協力する必要がある。
【宮家注】この部分は広島で新たに加わった内容だ。中国に「率直に関与」し、懸念を「直接表明」する、「建設的かつ安定的な関係を構築」する、「中国と協力する必要がある」など、これまでにない書きぶりである。上記の市場アナリストがG7の対中「強硬姿勢は軟化」したと見る理由は、恐らくこれだろう。
・我々は、中国に対し、パリ協定及び昆明・モントリオール生物多様性枠組に沿った気候及び生物多様性の危機への対処並びに天然資源の保全、脆弱な国々の債務持続可能性と資金需要への対処、国際保健並びにマクロ経済の安定などの分野について、国際場裏を含め、我々と関与することを求める。
【宮家注】気候変動、保健、マクロ経済の部分は昨年と比べ大きな変更はない。
・我々の政策方針は、中国を害することを目的としておらず、中国の経済的進歩及び発展を妨げようともしていない。成長する中国が、国際的なルールに従って振る舞うことは、世界の関心事項である。我々は、デカップリング又は内向き志向にはならない。同時に、我々は、経済的強靱性にはデリスキング及び多様化が必要であることを認識する。我々は、自国の経済の活力に投資するため、個別に又は共同で措置をとる。我々は、重要なサプライチェーンにおける過度な依存を低減する。
【宮家注】この部分は新たな記述。「中国を害すること」や「発展を妨げる」意図はない、とわざわざ書いている。また、求めるのは「デカップリング」ではなく「デリスキング」だとも述べている。確かに昨年にはなかった表現が加わっているようだ。
・中国との持続可能な経済関係を可能にし、国際貿易体制を強化するため、我々は、我々の労働者及び企業のための公平な競争条件を求める。我々は、世界経済を歪める中国の非市場的政策及び慣行がもたらす課題に対処することを追求する。我々は、不当な技術移転やデータ開示などの悪意のある慣行に対抗する。我々は、経済的威圧に対する強靱性を促進する。我々はまた、国家安全保障を脅かすために使用され得る先端技術を、貿易及び投資を不当に制限することなく保護する必要性を認識する。
【宮家注】ここでは、経済分野における中国に対する従来の要求を繰り返している。内容的には昨年とほぼ同様である。
・我々は引き続き、東シナ海及び南シナ海における状況について深刻に懸念している。我々は、力又は威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対する。
【宮家注】安全保障面では、昨年とほぼ同様、厳しい内容は変わっていない。
・我々は、国際社会の安全と繁栄に不可欠な台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認する。台湾に関するG7メンバーの基本的な立場(表明された「一つの中国政策」を含む)に変更はない。我々は、両岸問題の平和的解決を促す。
【宮家注】台湾部分では、「一つの中国政策に変更はない」との部分を新たに追加している。だが、全体として従来の立場に変わりはないようだ。
・我々は、強制労働が我々にとって大きな懸念事項となっているチベットや新疆ウイグルにおけるものを含め、中国の人権状況について懸念を表明し続ける。我々は、中国に対し、香港における権利、自由及び高度な自治権を規定する英中共同声明及び基本法の下での自らのコミットメントを果たすよう求める。
【宮家注】人権部分も、昨年とほぼ同じ表現を踏襲している。
・我々は中国に対し、外交関係に関するウィーン条約及び領事関係に関するウィーン条約に基づく義務に従って行動するよう、また、我々のコミュニティの安全と安心、民主的制度の健全性及び経済的繁栄を損なうことを目的とした、干渉行為を実施しないよう求める。
【宮家注】この部分は新たな要求。外交団や外国人に対する「干渉行為」を批判している。
・我々は、中国に対し、ロシアが軍事的侵略を停止し、即時に、完全に、かつ無条件に軍隊をウクライナから撤退させるよう圧力をかけることを求める。我々は、中国に対し、ウクライナとの直接対話を通じることも含め、領土一体性及び国連憲章の原則及び目的に基づく包括的、公正かつ永続的な平和を支持するよう促す。
【宮家注】ロシアに対する中国の姿勢に関する要求は基本的に昨年と変わっていない。
52)南シナ海における中国の拡張的な海洋権益に関する主張には法的根拠がなく、我々はこの地域における中国の軍事化の活動に反対する。(以下略)
【宮家注】南シナ海に関する表現も昨年とほぼ同様である。
そして、G7対中姿勢に変化は?
引用が長々と続いたことをおわびする。しかし、以上のG7成果文書は、決して気まぐれでは生まれたものではない。各国の政治家と官僚たちが、時には徹夜を重ね、練りに練った結果、出来上がった表現なので、あえて一言一句を味わっていただきたいと思った次第である。
中国に関する書きぶりが今回変わった理由や背景を筆者なりに推測してみよう。ポイントは3つある。
(1)対中姿勢は「軟化した」とまでは言えない
中国と「建設的かつ安定的な関係を構築する用意」はあっても、G7の目的はあくまで「国益の追求」だ。中国側の譲歩がない限り、実質的な関係改善に向かう可能性は低いだろう。それでも、こうした柔軟な姿勢を暗示する表現がG7首脳文書に加わったことは中国との関係を改善する上で悪くない。少なくとも、マイナスになることはないだろう。
(2)中国側の異様な反応
以上の通り、今回の中国関連部分は全体としてバランスの取れたものになっている。恐らく、「中国との関係においては『対決』と同時に『対話』も重視すべし」と考える日本を含む一部諸国の意向が反映されたからだろう。そうだとすれば、中国が今回示した反応はやや異様ではないか。今年のコミュニケが気に入らないのであれば、昨年のコミュニケはもっと気に入らなかったはずだからだ。
昨年、ドイツで首脳コミュニケが発表された際、中国外務省が北京駐在ドイツ大使を呼びつけて強烈な不満と断固反対する考えを示した、という報道は記憶にない。されば、今回は議長国が日本であったために、意図的に呼びつけた上でそれを公表したのだろう。その意味でも、北京駐在の日本大使の対応は見事である。
(3)むしろ強まる対中圧力
今回、中国側が過剰反応した理由は、文言上の問題ではなく、恐らくは、ウクライナを含む欧州情勢と、台湾を含むインド太平洋情勢が重なり合う危険を感じ取ったからだろう。今回の広島G7サミットの最大の成果は、独仏伊など欧州大陸国家が、インド太平洋と欧州の安全保障は一体であると実感したことだ。そうであれば、中国が過剰反応した理由も理解不能ではないだろう。
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『「天地人」が岸田首相に味方、稀代の演出家と俳優によるG7広島サミットの成果 世界の動き、広島という場所、ゼレンスキー大統領の3つが揃った歴史的会合』(2/22JBプレス 山中 俊之)について
5/21The Gateway Pundit<Former Deputy National Security Advisor Claims FBI, CIA, and DOJ Will Rig 2024 Presidential Election After Successfully Rigging 2016 and 2020 Elections (VIDEO)=元国家安全保障担当副補佐官、FBI、CIA、司法省は2016年と2020年の選挙の不正操作に成功したので、2024年の大統領選挙も不正操作すると主張(ビデオ)>
共和党がしっかり監視しないからDSや民主党にしてやられてしまう。
https://twitter.com/i/status/1660381696066461696
https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/former-deputy-national-security-advisor-claims-fbi-cia/
5/22The Gateway Pundit<Tucker Biographer Discloses Final Tucker Monologue That Did Not Air and What It Entailed – Says Dominion Demanded Tucker’s Ouster as Part of Fox News Settlement – Tucker Tweets in Response (VIDEO)=タッカーの伝記作家、放送されなかった最後のタッカーの独白とその内容を公開 – ドミニオンはFOXニュースとの和解の一環としてタッカーの追放を要求– タッカーはそれに応じてツイート(ビデオ)>
マードックの愚かな判断の一つ。
ムーア氏の全文は次のとおり。
現在、彼の解雇はフォックスとの和解の一環としてドミニオンが要求した条件だったと報じられている。ドミニオンはこれを否定しましたが、私の情報筋は状況をよく知っており、このニュースが流出する前からこれが事実であると私に保証してくれました。
それが本当であれば、ドミニオンに支配的な利益を持っている少数の人々が、おそらくこの国で最も重要で影響力のある保守派の声を沈黙させることに成功したことを意味することになる。
https://twitter.com/i/status/1660643619378741254
5/21The Gateway Pundit<Trump’s Truth Social Media Firm Files $3.78 Billion Defamation Lawsuit Against The Washington Post=トランプのトルースソーシャル・メディア会社がワシントン・ポストに対し37億8000万ドルの名誉毀損訴訟を起こす>
偏向メデイアに鉄槌を。
この訴訟はフロリダ州サラソータ郡で土曜日の夜遅くに起こされ、極左のWaPoはTruth Socialプラットフォーム、そのCEOであるデビン・ヌネス、およびトランプ前大統領に関する虚偽の名誉毀損の声明を発表し、その評判を傷つけ、重大な経済的損害を引き起こしたと主張している。
「WaPoは、保有する関連情報の隠蔽を特徴とし、TMTG(Trump Media & Technology Group)に対する長年にわたる運動を続けてきた。これは、 “民主主義は闇の中で死ぬ”をモットーとする出版物にとっては痛烈に皮肉な真実である」、と訴状は述べた。
「WaPo の最近の名誉毀損はTMTGにとって存続の脅威となり、多大な損失をもたらしています。TMTGは、そのビジネスと善意に対する特別損害、その名声と評判に対する実際の損害、そしてWaPoの重大な不正行為に対する懲罰的損害を回復するためにこの訴訟を起こした。」
https://www.thegatewaypundit.com/2023/05/trumps-truth-social-media-firm-files-3-78/
5/23阿波羅新聞網<纽时:习近平恼羞成怒 拜登这步棋看来走对了—纽时分析:G7对中国其人之道还治其人之身=NYT:習近平は恥ずかしさで激怒、バイデンのこの手は正しい行動をとっているようだ— NYT分析:G7 は中国に対し人の道でなく人治をしている>NYTは、G7は中共による経済的脅迫の増大に対抗するため、輸出制限や産業補助金措置等、人の道でなく、人治で対応し、中共当局の抗議を受けたが、米国は新たな産業政策は正しいと信じていると分析した。
もっと激しくデカップリングすべき。
https://www.aboluowang.com/2023/0523/1905151.html
5/23阿波羅新聞網<莫迪展开印太之行,要和中共挣这个名号=モディ首相、インド太平洋への旅に乗り出し、中共との争いで名声を勝ち取りたい>インドのナレンドラ・モディ首相は5/19、日本、パプアニューギニア、オーストラリアへの6日間の歴訪を開始した。 専門家らは、モディ首相が西側諸国や太平洋島嶼国との関係を強化することで、中共の一帯一路構想や外洋海軍を抑制し、G20サミットの開催を利用して途上国の代弁者としての役割を果たしたいと考えていると見ている。
インドが自由で民主主義の発展途上国のリーダーとなるのは好ましい。
https://www.aboluowang.com/2023/0523/1905188.html
5/22希望之声<高级黑?华春莹又发对比图 评论再翻车=幹部の愛国心? 華春瑩がまた比較写真を投稿する コメントが再び引っ繰り返す>華春瑩はツイッターに比較写真を投稿し、左は西安ビル不夜城の観光客の風景、右は日本人の反G7抗議集会の風景である。 各写真のキャプションには、中国・中央アジア首脳会議が「共に未来を築き、団結と協力を強化し、発展を促進する」ことに焦点を当て、G7首脳会議が「覇権を求め、分断と対立を煽り、発展を阻害する」とする文章も添えられていた。
「これは我々に、外国では抗議できるが、内では歓迎することしかできないことを教えているのか?」
「人々はG7サミットで抗議活動をすることができるが、20大で抗議した勇士は今でも姿を消したまま。彭さんはどんな罪を犯したというのか?」
あるネチズンは、華春瑩の上記のツイートに対して、「西安の路上で、A4の白紙を一枚手に取ったら、何が起こるだろうか?」「西安に行って抗議しようとしたら、すぐに逮捕されるだろう」とコメントした。
別のネットユーザーは「家があるのに帰れない人は西安出身者ではないですよね?」とメッセージを残した。 中国・中央アジア首脳会談の安定を維持するために、大唐芙蓉園の周辺地域の住民に外出させ、立ち入り禁止を命じた結果、多くの人を帰宅できなくした中共当局を嘲笑した。
「国民の税金がどれだけ使われたのか」と疑問を抱く人もいた。 「西安大ばら撒き」「中国人は喜んで260億元を配る」
https://www.soundofhope.org/post/723680
何清漣がRetweeted
WSJ中国語ネット @ ChineseWSJ 5月21日
#今週の人気記事 米国のスパイのトップ、長年務めた大学学長、金融界のトップ女性は、ジェフリー・エプスタインの旅程を記した大量の文書に名前が載り、彼が性犯罪者として有罪判決を受けてから数年間の内に、彼が以前に報道されているよりも多くの人と接触を持っていたことを示している。
cn.wsj.com
エプスタインの旅程が暴露される:米国のエリート層と金融家の性犯罪者との交流に関する秘密の記録(パート1)
今回のエプスタインのプライベートな旅程と電子メールの暴露により、彼が性犯罪者として登録されてから数年間に、CIA長官、ゴールドマン・サックスの法務部長等と会っていた詳細が出てきた。
何清漣 @HeQinglian 20h
「中国とのデカップリング論」米欧が前後して小箱にしまい込む。
https://upmedia.mg/news_info.php?Type=2&SerialNo=172948
バイデンの対中戦略の曖昧さの下での三重の位置付けは、言うは易く行うは難しである。
「パートナー関係」では、主従を決めるのは難しいが、両国は優位な立場になることを望んでいる。
競争関係に関しては、中国は常にそれを文字通りに受け入れてきたが、「平等な競争」が何を意味するかについては独自の解釈を持っている。 … もっと見る
upmedia.mg
何清漣のコラム「「中国とのデカップリング論」米欧が前後して小箱にしまい込む―上報
5/10、ジェイク・サリバン米国家安全保障担当大統領補佐官と中共中央外交弁公室の王毅局長がオーストリアで会談した。
何清漣 @HeQinglian 20h
米国製F16戦闘機のパイロット養成には、少なくとも1年と言われる一定期間の訓練が必要だが、3億7500万ドルの軍事支援では何日持つだろうか。
引用ツイート
日経中国語ウェブ @rijingzhongwen 20h
[G7サミット閉幕、ゼレンスキーは強力な協力を得たと発言] G7はウクライナに「必要なすべての」財政的・軍事的支援を提供することにつき、全会一致で合意した。 バイデン米大統領は5/21にゼレンスキーと会談し、欧州同盟国による米国製F16戦闘機の提供を認めると述べた。 大砲や弾薬などについても発表。
何清漣 @HeQinglian 1h
先ほど述べたように、西側諸国の対中政策はバイデンの政策である。
協力:[G7 は「世界貿易からの中国の排除」を追求しない。 ここでは誰もデカップリングについて話していない]
競争: [米国と中国の軍事競争の日々の激化を考慮して、米国は経済分野でも中国に対してより攻撃的な戦略を採用している]… もっと見る
引用ツイート
何清漣 @HeQinglian 23h
「中国とのデカップリング論」米欧が前後して小箱にしまい込む。
https://upmedia.mg/news_info.php?Type=2&SerialNo=172948
バイデンの対中戦略の曖昧さの下での三重の位置付けは、言うは易く行うは難しである。
「パートナー関係」では、主従を決めるのは難しいが、両国は優位な立場になることを望んでいる。
競争関係に関しては、中国は常にそれを文字通りに受け入れてきたが、「平等な競争」が何を意味するかについては独自の解釈を持っている… もっと見る
山中氏の記事では、ゼレンスキーをG7に呼んだ裏には米国の影があるのでは。彼本人も良い宣伝の場になるし、日本での開催でも世界的に大きく配信され、岸田政権には大きくプラスになったと思います。この勢いを借りて、解散に踏み切るかどうか?
ゼレンスキーはブラジルのルラ大統領に会わなかったが、敵を減らし、味方を増やすという点で、会っておいた方が良かったのではないか。中国・中央アジアサミットは成金とハイエナの集まりのようにしか見えません。上記の希望之声の華春瑩の記事にあるように、自国民の言論・表現の自由を抑圧しておきながら、専制国家の集まりを美辞麗句で飾ることができるのだから、中国人と言うのは面の皮が厚すぎる。
山中氏は中共との過度なデカップリングは経済利益を失うと言いますが、推進しなければ、中共を肥大化させてしまう。西側の今までの甘やかしが今の中国を作ったのだから、過度のデカップリングがちょうどよい。ケナンのソ連封じ込め同様、中共も経済的に封じ込めないと。
記事
平和記念講演を訪問したウクライナ・ゼレンスキー大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
(山中 俊之:著述家/国際公共政策博士)
主演:ゼレンスキー大統領、出演:各国首脳、演出:岸田文雄
岸田首相は、政治家であると同時に、稀代の演出家かもしれない。歴史に残る劇場型G7広島サミット(主要7カ国首脳会議)を終えての率直な感想だ。
1975年にフランスのランブイエで第1回が開催された主要国の首脳によるサミット。今回の広島サミットで49回目を迎える(緊急時開催を除く)。
サミットに向けては、シェルパと言われる外交当局責任者(日本では経済担当の外務審議官)が事前に会談や共同声明の内容を精緻に詰める。そのためサプライズが多いわけではない。いや、外交当局からすれば、サプライズがあると困るというのが本音だろう。
今回は、そのような外交的な慣行を大きく裏切った。もちろん、首相の意向を受けた外交当局が、秘密裡にゼレンスキー大統領の対面での出席を調整していたことは間違いない。しかし、このようなサプライズ演出は、外務省の本来業務からは離れたことだ。
稀代の劇場型サミットが、岸田首相の演出であることは間違いない。
主演のゼレンスキー大統領が元俳優であることも、劇場型サミットの演出に大きく貢献した。
今回のG7広島サミットでは、天(=世界の動き)、地(=広島という場所)、人(=ゼレンスキー大統領)が味方した。
自身の選挙区でサミットを開催した意味
天(=世界の動き)とは、ロシアのウクライナ侵攻や中国の経済的威圧に対して、西側諸国が結束する必要性がかつてなく高まっていたことだ。
現在は戦時である。各国の利害を抑えて結束することが求められることは議論の前提のようなものだ。
地(=広島という場所)とは、被爆地・広島から核兵器に関するメッセージを世界に発信できたという点だ。
日本の都市の知名度を世界で調査すると、広島は、東京を除き最上位級に来ることは間違いない。私が長く住んでいた中東でも、ヒロシマと言って知らない人は稀だ。被爆地ヒロシマは、世界どこに行っても知られている都市名である。
日本でのG7サミットを振り返れば、東京以外では沖縄、北海道・洞爺湖、伊勢志摩で開催されている。いずれも開催地が決定した当時の首相の選挙区からは離れている。自分の選挙区のある都道府県での開催は、我田引水との批判があるので避けたのであろう。
それでも今回の開催地として広島を選んだのは、究極的な核廃絶を訴えるために恰好の場所であるからにほかならない。
招待国を含め、全首脳が原爆資料館を訪問して慰霊碑に献花した。被爆者にとって焦点の一つであった核兵器禁止条約についての言及はなく、残念ながら核廃絶に向けては大きな前進はなかった。
しかし、首脳は原爆の実相について胸に刻んだことであろう。世界に向けて原爆の悲惨さを理解してもらう契機にはなったと言える。
最後の人(=ゼレンスキー大統領)は、戦時下の大統領が危険を冒してサミットに参加したことだ。
ゼレンスキー大統領の参加だけでないサミットの成果
ゼレンスキー氏は、個別に各国首脳と会談をしてきたが、主要国の首脳が一堂に会する会議に出席したのは戦争開始後、初めてのことだ。各国首脳がウクライナへの支援を次々と表明するサミットとなった。世界のメディアも、ゼレンスキー大統領の参加については大きく報道していた。
このように、G7広島サミットは、天地人が味方した歴史上かつてないサミットとなったのだ。
サミットの成果としては、中国との関係において、デカップリング(切り離し・分断)ではなく、デリスキング(De-Risking)という概念を打ち出した点に注目したい。
「デリスキング(De-Risking)」は、中国による経済的威圧を避けるため、欧州連合(EU)が先に打ち出した政策だ。中国との経済関係は維持しながらも、中国の資源や商品への過度な依存を軽減することで、リスクを減らすというものだ。
私は、多くの企業の中国事業を含めたグローバル展開を支援させていただいている。このようなデリスキングの考え方は企業の経営戦略との整合性があると感じる。
米中対立と言われていても、多くの日本企業にとって中国は重要な顧客であり生産基地だ。過度なデカップリング(切り離し・分断)は、中国のみならず、日本を含む西側諸国の経済利益を損なう。
政治や外交では、各国の政治・安全保障上の利益が過度に強調され、経済ビジネスの視点が軽視されることもある。ビジネスパーソンは、政治・外交が再びデカップリング指向に向かわないように監視・提言すべきだ。
今思い出すべきジョージ・ケナンの言葉
ロシアのウクライナ侵攻については、西側諸国の結束と数々の軍事支援が表明された。戦争長期化が懸念される中、ウクライナ優位の下、停戦交渉が進むことを期待したい。
戦争終結後の平和構築においては、為政者に対して戦争責任を問うた上で、戦後の米ソ冷戦時に米国務省でソ連封じ込め政策の骨格を作ったとされるジョージ・ケナン(1904〜2005)の言葉を思い出したい。
ジョージ・ケナンは、NATO(北大西洋条約機構)が、チェコ、ハンガリー、ポーランドなど東欧圏を加盟させる拡大路線をとることを推進した際、「これは新たな冷戦の始まりだ。ロシア人はいずれ強く反発するだろう」と発言している(ジョージ・F・ケナン「アメリカ外交50年」船橋洋一氏解説)。
国際政治・外交においては、過度に相手国を追い詰めることは邪道だ。
ロシアのウクライナ侵攻が、力による一方的な国際秩序の変更であることは論をまたない。一方で、2003年の米国が仕掛けたイラク戦争も、類似のものであるとの理解が国際社会では根強いことも忘れてはならない。
広島サミットで実施された米・ウクライナ首脳会議(写真:AP/アフロ)
広島劇場の幕は下りた。しかし、劇に酔っている暇はない。戦争惨禍は続き、終息は見えない。
今後、真に求められるのは、ジョージ・ケナンのように世界を鳥瞰した立場から平和と経済発展の双方を構築・実践していく推進力ではないだろうか。
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『プーチン大ショック、極超音速「キンジャール」まで撃墜、封じられる核攻撃 露のミサイルを次々撃墜するウクライナの高い防空力、F16供与でさらに強化』(2/22JBプレス 木村 正人)について
木村氏の記事では、ロシアの極超音速ミサイルもパトリオットで撃ち落とせたと。これが事実であれば、日本の持っているパトリオットで、中共・北朝鮮・ロシアのミサイルも撃ち落とせるのでは。なんせ似非平和主義者に騙されて、シェルターもない国ですから。
2/27日経<トマホーク購入400発予定、首相が提示 米国製ミサイル>
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA2745K0X20C23A2000000/?n_cid=SNSTW001&n_tw=1677493426
琉球朝日放送<迎撃ミサイル「PAC3」与那国・石垣・宮古島に配備進む>
https://www.qab.co.jp/news/20230424172338.html
記事
G7広島サミットに出席するため、5月20日、広島空港に到着したウクライナのゼレンスキー大統領(提供:Ukrainian Presidential Press Service/ロイター/アフロ)
(国際ジャーナリスト・木村正人)
バイデン氏、F-16のパイロット訓練認める
[ウクライナ中部クリヴィー・リフ発]日本時間の5月19日金曜日の正午過ぎ、英フィナンシャル・タイムズは、「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が今週末のG7サミットに対面で出席する」「ゼレンスキーは、日曜日に広島で行われる議論に参加する見込み」と報じた。
その一報があった翌20日土曜日の午後3時30分、ゼレンスキー大統領は専用機で広島空港に降り立った。
19日のG7で、ジョー・バイデン米大統領はF-16を含む第4世代戦闘機でウクライナのパイロットを訓練する計画への支援を表明した。バイデン氏は今年初め「ウクライナがF-16を必要とするとは思わない」と否定的な見方を示していた。そこから一転、米国が欧州諸国によるウクライナへのF-16供与に初めてゴーサインを出した格好だ。
ロシアを刺激しないよう少しずつ武器供与の既成事実を積み重ねる「サラミ戦術」がこれまでは功を奏している。
対ロシア制裁について曖昧な態度を取り続けているインドのナレンドラ・モディ首相やブラジルのルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ大統領もG7に招待されている。ゼレンスキー氏の直接出席は、G7にとって西側と中露に対し等距離外交を続ける“第三勢力”の巨頭モディ、ルラ両氏への圧力を増し、味方に引きつける絶好の機会となる。
ゼレンスキー氏は最近、イタリア、ドイツ、フランス、英国を訪問し、武器弾薬供与の約束を取り付けた。19日にはサウジアラビアで開催されたアラブ連盟の首脳会議にサプライズ出席、「私たちの国土での戦争に異なる見解を持つ人々がいても、ロシアの刑務所の檻から人々を救うという点では一致団結できると確信している」と訴え、外交にも力を入れている。
ロシア軍はミサイル、ドローン攻撃でウクライナ軍の反攻計画を妨害
英国における戦略研究の第一人者である英キングス・カレッジ・ロンドンのローレンス・フリードマン名誉教授は最新の有料ブログで「ウクライナの反攻は電撃戦による短期決戦ではなく、長期の攻撃を準備している」と分析した上で「ウクライナの防空はミサイルや無人航空機(ドローン)攻撃を含むロシアの航空戦力に対処できるのか」と問いかけている。
米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者や漏洩した米国防総省の機密文書をもとに、ウクライナの防空網は1年以上にわたって西側の兵器で強化されてきたものの、大量の弾薬を供給しなければ、最短で4月中旬までにロシア軍のミサイルやドローンの度重なる砲撃で脆弱になった防空網が崩壊に追い込まれる恐れがあると伝えていた。
ロシアのプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)
だが現在までの戦況を見ると、ウクライナにとって最悪の事態は免れている。
ウクライナ空軍司令部によると、5月に入ってロシア軍によるミサイル、ドローン攻撃は激化しているのだが、ウクライナ国防情報部のヴァディム・スキビツキー代表は「ロシア軍はこれらの攻撃でわれわれのエネルギーシステムの破壊を試みたが、失敗した。今はわれわれの春、夏の反攻計画と準備を妨害することを最優先にしている」と分析している。
「ロシア軍は現在、指揮統制センター、弾薬や装備の供給ルートや集中地点、燃料貯蔵所、兵員集中地帯に対してミサイルを使用。われわれの防空システムが配備されている地域に特別な関心を持つようになった。ロシア軍の航空戦術は毎日約20〜25発の精密誘導弾KAB-500を前線と前線地域で使用している」とスキビツキー代表は言う。
実際、ウクライナ軍はロシアのミサイルやドローンを含む航空戦力を相手に、よく凌いでいる。
ロシア軍の極超音速空対地ミサイルKh-47M2キンジャールを撃墜
ウクライナ空軍の発表から5月に入ってからのロシア軍のミサイル、ドローン攻撃を見ておこう。
【5月1日】ロシア北西部ムルマンスクから9機の戦略爆撃機Tu-95、カスピ海地域から2機の可変翼超音速戦略爆撃機Tu-160を使って空対地巡航ミサイルKh-101/Kh-555を18発発射。うち15発はウクライナ軍によって破壊される。
【5月3日】ウクライナに近いロシアのブリャンスクと、アゾフ海の南東岸から最大26機のイラン製神風ドローン「シャヘド136/131」を使用。うち21機がウクライナ軍によって破壊される。ウクライナ南部ミコライフとヘルソンでロシアのドローン4機が破壊される。
【5月4日】ブリャンスクとアゾフ海東岸から最大24機のシャヘド136/131を使用。ウクライナ軍によってうち18機が破壊される。またキーウ上空でウクライナ軍のトルコ製バイラクタルTB2が制御を失ったため同軍が撃墜。
ロシア領の戦闘機MiG-31Kから発射された極超音速空対地ミサイル「Kh-47M2キンジャール」が、キーウ上空でウクライナ軍の広域防空用の「地対空パトリオット」によって破壊される(5月6日に発表)。
広域防空用の地対空パトリオット(ウクライナ空軍発表)
【5月5日】南東方向から2機のシャヘド136/131で攻撃するもウクライナ軍によって破壊される。
【5月6日】アゾフ海東岸から8機のシャヘド136/131で攻撃するも破壊される。さらにロシアのドローン5機が破壊される。
【5月8日】ブリャンスクの空港から35機のシャヘド136/131が攻撃をしかけるも、ウクライナ軍によって破壊。ヘルソンでもロシアのドローン3機が破壊される。クリミアの中距離爆撃機Tu-22Mからミサイル8発を発射し、ウクライナ南部オデーサを攻撃。黒海の空母から巡航ミサイル「クラブ」を8発発射するが、ウクライナ軍により破壊される。
【5月9日】カスピ海の戦略爆撃機Tu-95から17発の「Kh-101/Kh-555」を発射。ウクライナ軍によりうち15発が破壊される。25発の巡航ミサイル、クラブとKh-101/Kh-555を発射、ウクライナ軍によりうち23発が破壊される。3機のシャヘド136/131も破壊される。
【5月12日】ロシアのドローン4機が破壊される。
【5月13日】21機のシャヘド136/131のうち17機とロシアのドローン1機が破壊される。
【5月14日】4機のシャヘド136/131とロシアのドローン「オルラン10」が撃墜される。ヘルソンでロシアのドローン3機が撃墜される。夜間攻撃では18機のシャヘド136/131、ロシアのドローン7機、黒海の艦船からクラブ、Tu-95からKh-101/Kh-555 /Kh-55が使用されるが、うちドローン25機、巡航ミサイル3発が破壊される。
【5月16日】6機のMiG-31からキンジャール6発、クラブ9発、黒海の艦船から3発の短距離弾道ミサイル、9K720イスカンデルを発射するが、すべて破壊される。6機のシャヘド136/131、3機のドローンも撃墜される。
「キンジャール」を搭載したMiG-31K戦闘機(kremlin.ru, CC BY 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で)
【5月17日】2機のTu-160と8機のTu-95から22発のKh-101/Kh-555、黒海の艦船から6発、地上からイスカンデル2発が発射するも29発が破壊される。2機のシャヘド136/131と2機のドローンが撃墜される。
【5月19日】22機のシャヘド136/131と、黒海の艦船から6発のクラブでウクライナを攻撃したが、16機のシャヘド136/131と3発のクラブが撃墜される。2機のシャヘド136/131とロシアのドローンが撃墜される。
【5月20日】キーウに向かった18機のシャヘド136/131が破壊される。
「ウクライナの反攻作戦の能力を短期的に低下させるのが目的」
米シンクタンク、戦争研究所(ISW)は「ロシア軍のドローンやミサイルによる定期的な攻撃はウクライナの反攻作戦の能力を短期的に低下させることを目的とした新たな航空作戦の一部である可能性が高くなっている」と分析。2022年秋から23年冬にかけての重要インフラ攻撃と比べ、高精度ミサイルの使用は大幅に減少した。
「ロシア軍は精密ミサイルのかなりの割合を使い果たしている可能性が高く、現在限られた在庫を節約するためこれらのミサイルの使用数を大幅に減らしている可能性がある。ロシア軍の新たな航空作戦はキーウと後方地域のウクライナ軍の産業と物流施設に焦点を当てているようだが、ウクライナ軍全体の能力が大きく抑制されているとは考えにくい」という。
前出のフリードマン氏は「ゼレンスキー氏が武器を増やすために最優先にしたのは防空システムと最新の戦闘機だ」と指摘する。「最終的にはF-16がウクライナに届くだろう。米国は現在、同盟国(オランダの可能性が高い)がF-16を提供することに反対していないように見える」。実際、バイデン政権は欧州の同盟国に対してF-16のウクライナへの供与を認める意向を示し始めている。
ただ都市部が常に攻撃を受けていることへのウクライナ側の懸念は非常に強い。
「ミサイルやドローンを使ってウクライナ全土を攻撃してもウクライナの戦略的立場を根本的に変えるほどの一貫性と有効性を持ってはいないが、実害、痛み、ストレスを与えているのは間違いない。電力供給を中断させることを目的とした当初の作戦は失敗。ウクライナの反攻が迫っているため物資の供給妨害や指導者の注意をそらすことに優先順位をシフトした」
強化されたウクライナの防空システム
今年3月、ウクライナの10都市を狙った80発以上のミサイル攻撃でインフラが破壊された「困難な夜」(ゼレンスキー氏)を受け、ドイツの地上防衛用地対空ミサイルIRIS-T、米国とノルウェーが開発した中高度防空ミサイルシステムNASAMS、米国とドイツからそれぞれパトリオットが供与された。
これにより、ウクライナの防空能力は格段に向上した。
核弾頭も搭載できる極超音速空対地ミサイル「キンジャール」は速度、不規則な飛行軌道、高い操縦性の組み合わせにより迎撃困難と考えられてきた。しかし5月4日、ウクライナはパトリオットを使ってキーウ上空でキンジャールを撃墜。5月16日にもキーウの防空力を圧倒するため複雑な攻撃があったが、6発のキンジャール、9発のクラブ、3発のイスカンデルはすべて破壊された。
「ミサイルが撃墜されたとしても、ウクライナ側はそのために貴重な防空資源を使い果たし、前線部隊を支援できなくなる恐れがある。しかし、その目的はやはり、傷つけ、罰することであり、運が良ければウクライナの攻撃計画を妨害することだ」とフリードマン氏は指摘する。ゼレンスキー氏は最近の欧州歴訪で防空システム強化の約束も取り付けた。
5月15日には、ウクライナとの国境から50キロメートル近く離れたロシアのブリャンスクで2~3機のロシア製ヘリコプターと戦闘爆撃機Su-34、多用途戦闘機Su-35が撃墜された。ロシアの防空網の致命的な欠陥なのか、それともウクライナ軍が車両搭載システムを用いて国境付近を攻撃しているのか、さまざまな憶測を呼んだ。
「ウクライナの、ミサイルを無力化する能力の高さには目を見張る」
オスロ大学研究員でミサイル技術の専門家ファビアン・ホフマン氏は英紙デーリー・テレグラフへの2回にわたる寄稿で「英国はウクライナに英仏が共同開発した空中発射巡航ミサイル、ストーム・シャドウを送り、クリミア大橋などこれまで届かなかった標的を攻撃できるようにする。送られたバージョンの射程は250キロメートルと思われる」と解説する。
低空飛行でステルス性の高いストーム・シャドウは迎撃するのが難しい。ウクライナ軍は国内のほぼ全域を標的に、要塞化された構造物や埋もれた構造物も破壊できるようになる。「しかしロシア軍の電子戦部隊はGPS(衛星測位システム)誘導を妨害することで、ストーム・シャドウの成功を妨げる恐れがある」(ホフマン氏)との懸念もあったが、すでに戦果を収めている。
「ウクライナのミサイル撃墜率は、ウラジーミル・プーチン露大統領の最大の脅威が無力化されたかどうかを問うものだ。ウクライナひいては米欧がミサイルを無力化する能力の高さには目を見張るものがある。おそらく、すべてではないにせよ、ほとんどのミサイルが無力化され、ロシアのミサイルの威力は大きく損なわれた」(同)
核弾頭も搭載できるキンジャールは戦術核の基礎をなす。「ロシアの短距離弾道ミサイルや巡航ミサイルに対するウクライナのミサイル防衛が明らかに有効であることを考えると、ロシアが戦術核をうまく配備する能力に疑問符が付くだろう。ロシアの意思決定者は戦術核で目標を攻撃できるかどうか、疑問を持ち始めるかもしれない」とホフマン氏は指摘する。
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