『広く伝えたいアフリカに対する日本の貢献 8月27~28日にTICAD(アフリカ開発会議)が開催』(6/6日経ビジネスオンライン 御立尚資)について

6/5日経朝刊記事「風見鶏 なぜ同日選は消えたのか」の中で、最後のセンテンスに「内閣支持率は上昇し、自民党中堅議員はなお悔しげだ。「衆院解散はいつやるのか。絶好の機会を逃したのではないか」」とあるし、また6/6日経朝刊記事には「総裁選も絡む「衆院解散」 浮かぶ3シナリオ」の記事では早期の衆院解散もあるようです。小生の5/31ブログで衆院解散・参院同日選もあるのではと書きましたが、残念ながらそうなりませんでした。日経記事を読みますと「何故」と思いましたが。公明党の横槍では。何せ法律通り3ケ月だけ住民票を移動して候補者を当選させ、その後また元に戻すことをしていますので。同日選は彼らにしてみれば重点候補選択の余地が狭まる訳で避けたい思惑があります。また、軽減税率(小生は旧民主党の給付付き税額控除の方が優れていると思っています)の手柄を選挙で訴えたかったのに消費税増税延期され、一矢報いたかったこともあるのでは。自民党も公明党の力を借りないと当選できないのでは嘆かわしいですが。

「総裁選も絡む「衆院解散」 浮かぶ3シナリオ

expectation of dissolution of the Diet

安倍晋三首相が7月の参院選に合わせた衆参同日選を見送ったことで、永田町の関心は次の衆院解散・総選挙の時期に移ってきた。2017年4月に予定していた消費税率10%の引き上げは19年10月まで2年半延期され、解散時期の自由度は増した。参院選の結果を踏まえ、18年9月の自民党総裁の任期延長を視野に入れると、衆院選と総裁選の密接な関連が浮かび上がる。

 (1)年内~17年1月の通常国会冒頭

 「確実に勝ちが見込める機会はそう多くない。解散するなら早い方がよい」。首相に衆参同日選の実施を進言していた首相周辺は、経済が比較的好調で、野党の支持率が低いうちに解散した方が有利と主張する。民進党の岡田克也代表も3日、「年内の可能性が高い」との見方を示した。

 議席占有率6割を超える勝利を収めた12年と14年の衆院選はいずれも12月。自民党若手議員は「政治は縁起が大事だ」と話し、参院選で勝利した場合、12月中の選挙が有力との見方を示す。12月に予定するロシアのプーチン大統領の来日時に北方領土問題を前進させ、その成果を掲げて解散に踏み切るとの説も取り沙汰される。

 ただ、次期臨時国会では、環太平洋経済連携協定(TPP)関連法案や、消費増税延期を盛り込む税法改正案など重要法案が山積し、その後には17年度予算編成が控える。政治日程への影響を考えれば、17年度予算の審議が始まる前の来年1月の通常国会冒頭解散も有力になってくる。

 (2)17年通常国会~臨時国会

 首相が17年4月からの消費税率10%への引き上げを再延期したため、これまでは困難とされてきた17年中の解散も選択肢となった。17年度予算を成立させた同年4月以降の衆院選でも増税の影響がないからだ。

 ただ、この場合のハードルは高い。1つが先の通常国会で成立した改正公職選挙法の影響だ。小選挙区を「0増6減」する新しい区割りは来年夏以降の適用となり、一般的に制度変更の前後は解散・総選挙はしにくいとの見方がある。仮に新しい区割りの適用前であれば「定数削減を回避する思惑があるのでは」と批判され、適用後であれば「候補者調整が間に合わない」との問題が出てくるためだ。

 2つ目は連立を組む公明党が国政選挙並みに重視している東京都議会選が17年夏に予定されていることだ。支持母体の創価学会が大規模な組織戦を展開するため、同党はこの時期の衆院解散・総選挙になれば集票力が分散しかねないとして消極的な姿勢を示す。

 (3)18年の自民総裁任期満了前

 現在の衆院議員の任期は18年12月までだが、首相の総裁任期はその前の9月末までだ。自民党則は延長を認めないが、過去には中曽根康弘氏が任期切れまで3カ月となった1986年夏、衆参同日選挙に踏み切って大勝し、その功績が認められ、特例で総裁任期を1年延長した例がある。今回も任期切れ直前で解散し、大勝すれば任期延長にも道を開くとの計算が働く。

 東京五輪を2020年夏に控え、首相が任期中の実現に意欲を示す憲法改正も任期延長が不可欠だ。消費税率10%への引き上げ時期が任期切れ後の19年10月となったことも任期延長論の根拠となる。稲田朋美政調会長は5日のフジテレビ番組で安倍首相の総裁任期延長について「自民党内のルールなので安倍首相が首相(総裁)を続行している可能性は十分ある」と述べた。

 もっとも総裁任期満了前の解散の場合、いったん年内から年明けにかけて衆院解散に踏み切り、さらに総裁任期満了前に2度目の解散に踏み切る「小刻み解散」のタイミングとなる可能性もある。首相は14年に衆院任期を2年以上残して解散して圧勝した。衆院選の間隔を短くして党内の求心力を保つと同時に、野党の選挙準備が整わないようにする狙いだ。

 一方、党内には「衆院で3分の2を失わないために今回は同日選を見送ったのだから当分、解散はないだろう」(ベテラン議員)として18年まで解散できないとの見方もある。ただ同年12月までの衆院の任期満了時期に近づくほど有利なタイミングで解散できる余地が狭まり、実質的な解散権を行使できぬまま「追い込まれ解散」になりかねないリスクをはらむ。>(以上)

TICADは1993年~今度で6回目となり、初のアフリカ開催とのこと、もっともっと外務省はマスメデイアに働きかけてPRすべきです。アフリカに植民地支配のなかった日本、勤勉で親切かつ誠のある日本人はアフリカ人に信頼されていると思います。経済成長著しい上、人口増も予測されている中、日本の持っている資金・技術だけでなく和の精神も伝えられたらと思っています。中韓の得意とする賄賂では一部の人間しか豊かになれず、協調して物つくりに励むことにより豊かになる実感を得て貰えればと思っています。ただいざと言うときの自衛隊の海外派兵の保証と武器使用のネガテイブリスト化は必須です。

2014年9月にチュニジアへカルタゴ遺跡を見に旅行しました。その時のガイドさんはチュニジアの大学の英文科卒のエリートで日本の奨学金を得て日本に留学したことがあるとのことでした。(2009年にトルコに行ったときのガイドさんも英文科卒でした。トライリンガルは当り前のようです)。2008年にエジプトへ行ったときのガイドさんは敬虔なイスラム教徒で、客が我々夫婦二人でしたので宗教の議論をいろいろとした記憶があります。また、小生が支援しています上橋泉柏市議のご子息もチャドで活躍しています。

アフリカも国連の票数で大きな役割を果たします。小生は、日本は常任理事国入りに拘ることはないと思っていますが、(それより国連憲章の敵国条項を早く削除せよ、これはロシアとの平和条約締結後か?)中韓の国連を舞台にした反日活動に大きな抑止力になると思います。中国のように資源奪取だけが目的で、地元の人の雇用もなく=技術移転無し、場合によっては囚人を送り込むような国のやり方と違ったやり方をすれば信頼を勝ち得ると思います。日本のビジネスマンももっと頑張らねば。

記事

TICAD 5

(写真:AP/アフロ)

 今年8月27日から28日の2日間、ケニアのナイロビでTICAD Ⅵ(第6回アフリカ開発会議)が開催される。

 伊勢志摩サミット、そしてそれに続くオバマ大統領の広島訪問という大きな外交イベントの陰に隠れる形であまり注目を浴びていないが、今後10~20年を考えると、G7、G20だけでなく、アフリカ諸国と日本の関係強化につながるTICADに、もっと光が当たってもいいはずだと考えている。

 人類全体にとって重要な貧困や飢餓撲滅、あるいは感染症対策――。こういった課題の解決のためにアフリカの開発が重要であることは論をまたない。

 さらに、今世紀中にも世界全体の人口がピークを打つと考えられる中、数少ない人口増加が見込まれ、所得レベルの向上とあいまって、「次の成長市場」としてのアフリカの重要度は極めて高い。以前のコラムでも紹介したが、2040年にはアフリカの労働人口はインドや中国を上回ると想定されているのだ。総人口も、その頃には20億人を超えると推定されている。

 さて、6回目を迎えるTICAD(Tokyo International Conference on African Development)。この会議は、名称にTokyoと冠している通り、日本政府主導で、1993年以来、5年に一度日本で開催されてきた。共催者として、アフリカ連合委員会、国連、UNDP(国連開発計画)、世界銀行が名を連ねている。

 日本が、国際機関や民間セクターを巻き込み、「アフリカの経済開発」を促進するための会議を20年以上にわたって実施してきたわけだ。

 前回のTICAD Ⅴには、39名の国家元首クラスがアフリカ51カ国から参加、開発パートナーとなる域外諸国31カ国、国際機関72機関、さらにはNGO/NPOも多数参加した。

 植民地時代の旧宗主国ではない日本が主導するということにも大きな価値があるのだが、これだけ続けてくると単に集まって話し合うというだけでなく、さまざまなポジティブな結果が具体的に出てきている。

 アフリカの成長を考える上では、それを担う人材の育成がカギとなる。

500人の若者がTICADプログラムで日本に留学

 たとえば、資源開発の専門的知識を教育するプログラムが設けられ、2016年1月までに2000人以上が参加し、研修を修了している。また、2014年、15年だけでも500人弱のアフリカの若者が、TICADから発生したプログラムで、日本に留学してきている。現地での学校教育環境を改善するプログラムに至っては、2014年末の数字だが、実に770万人の子供たちへの支援が行われてきた。

 これ以外にも、安全な水へのアクセスを担保するための給水整備支援など、単純なODAやインフラ建設だけでなく、実にさまざまな意味のある開発支援が日本主導でおこなわれてきている。

 さて、こういった価値を生んできたTICADなのだが、正直なところ、日本国内では十二分に知られていない。もっと言うと、アフリカの現地、さらには開発やビジネス上のパートナーとなる欧米諸国でも、アフリカにおける日本の貢献は、ごく一部にしか伝わっていないのが実状だと感じている。

 メディア等でも、よく中国や韓国のアフリカ進出との比較がなされるが、こと開発支援とそのポジティブな結果だけに絞っても、日本の貢献が知られていないのはもったいないこと、この上ない。今後一層、ビジネス上も外交上も重要度を増す地域で、日本の国としてのブランド価値を高めていくための、広報・マーケティングへの徹底的な注力が必要なのではないだろうか。

 この広報・マーケティング下手は、アフリカについての日本国内での知識と理解が不足していることもその一因である。アフリカの変化は速く、さらにアフリカ54カ国の中での違いも大変大きいため、具体的なイメージが伝わりにくいのだ。

 旧宗主国だった欧州各国では、メディアでアフリカ諸国が取り上げられる頻度が(日本と比較すると)非常に高い。この点でも、新興経済については、アジア中心の情報流通となりがちな日本では、もう一段深いレベルでのアフリカ各国についての知識獲得と普及を、意思をもっておこなうことが不可欠だ。

経済の成長スピードが速いサブサハラ各国

 少しだけ、実例を挙げておこう。

 まず、変化の速さ。低開発イメージが強いサブサハラ各国。具体的にはサハラ砂漠以南の49カ国を指すのだが、2000年代には、実に年率5.8%の経済成長を遂げている。十数年で、経済規模が倍になるスピードだ。その後、世界的な資源価格下落の影響下でも、2015~17年に年3~4%の成長が予想されている。

 アフリカ各国間の違いも、イメージのずれが生じる原因となる。

 IMFの2014年ベースの統計によれば、購買力平価ベースでの一人当たりGDPアフリカ上位3カ国は、 赤道ギニア 3万2千ドル セイシェル 2万6千ドル ガボン   2万3千ドル と、中進国以上、先進国に極めて近いレベルに達している。

 ところが、下位3カ国を見ると、 中央アフリカ 607ドル コンゴ    704ドル マラウィ   780ドル とアフリカ内上位国の30分の1以下であり、地域内でも極端な違いがあることが明白だ。

 さらに、各国ごとの違いと変化の速さとが掛け算になることも多い。たとえば、1990年代半ばに民族紛争、その後の大虐殺が大きく報道されたルワンダ。21世紀に入り、民主選挙が行われ、政情や治安はまったく違ったレベルで安定している。女性の社会進出も大きく進み、閣僚の26%、国会議員の57.5%が女性だ。世界銀行のビジネスのしやすさのランキング(Doing business)でもルクセンブルグについで62位。中国の84位やベトナムの90位よりもはるかに上に位置づけられている。

 今回のTICAD Ⅵは、実は初めて日本ではなくアフリカ、ケニアで開催される。これに合わせ、日本のさまざまな企業が参画するアフリカ域内の国を超えた地域インフラ整備のイニシアティブも打ち出される模様だ。

 日本で行われたサミットとは違い、放っておくと、メディアでもあまり取り上げられずに終わってしまうかもしれないが、ぜひぜひ、我々も注視し、さまざまな広報・マーケティングを世界各地で行ってほしいと思う。これを通じて、アフリカの変化、そして各国さまざまな実状について、少しでも日本国内での理解が進むことを期待したい。

 さらに、ぜひとも日本のこれまでの貢献も含め、広く日本ブランドを高める機会になれば良いなと考えている。もちろん、読者のみなさまの中にも、非常に詳しい方はいらっしゃるだろうが、より広い方々がアフリカと日本について、知見を高めてくださることを期待してやまない。

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『英離脱が招く破壊ドミノ チーフ・ポリティカル・コメンテーター フィリップ・スティーブンズ』(6/5日経 FT)について

欧米で起きている政治現象は、国民の政治に対する怒りでしょう。米国のトランプ&サンダース現象は正しくそうです。エスタブリッシュに繋がる政治家に対し、国民の望んでいること、特に豊かな生活を送りたいのに格差は広がるばかりで、それを掬い取ることに対して何も手を打てていないことに異議申し立てしているのが本質でしょう。欧州でも極右(実際は移民反対なだけ、国際金融資本のグローバリストに対して国民国家の役割を重く見る)の議席が伸びています。仏では来年の大統領選でマリーヌ・ルペン国民戦線党首が大統領になるかもしれませんし、オーストリアでは極右と言われるノルベルト・ホーファー大統領候補が本当に僅差で敗れました。相手と50:50ですから。

http://www.news24.jp/articles/2016/01/02/10318763.html

http://wien.cocolog-nifty.com/operette/2016/05/post-85bc.html

ドイツはインフレを極度に恐れる(第一次大戦後のハイパーインフレの経験から)体質と法律でナチズムを禁止していることがあります。中国と韓国による日本イジメに通じるものが、欧州諸国のドイツいじめにあるような気がします。でも第四帝国と言われるようにドイツがEUの経済を牛耳るようになりました。

http://thutmose.blog.jp/archives/34662377.html

http://europeanlife.web.fc2.com/other/nazi-verbot.html

ただ真偽のほどは分かりませんが、下記の情報もあります。これが真実でしたら米国のリーマン・ショックどころではないでしょう。単にドイツ銀行だけでなく、欧州全体と中国に大打撃を与え一時的に大パニックになるでしょう。株式市場も大暴落するでしょう。ドイツと中国が誤魔化しきれるかどうかですが。債券の償還期限があってもロールオーバーしてしまえば分からなくなるのでは?中国の債券(サブプライム以下と思われる)にはCDSのような評価する手段はついていないでしょう。一応「検討する」とロイターの記事にありましたが、そうすれば透明度を上げねばならず、誤魔化しが効かなくなると思います。人民元のIMFのSDR通貨バスケット入りは達成されましたが、透明度を上げる義務を負い、また「市場経済国」は鉄鋼の問題で認定されないと思いますが、WTO違反を繰り返し、南シナ海の問題で国際司法裁判所の判決に随うこともしない国に、おいしい所だけを与える必要はありません。経済制裁すべきです。まあ、経済破綻すれば必然的にそうなるでしょうけど。何せ「ない袖は振れない」で通せばよい国ですから。小生も駐在時代そうした経験がありますので。

http://ameblo.jp/eccentricbear/entry-12167137642.html

http://jp.reuters.com/article/china-bonds-cds-idJPKCN0WW20W

http://www.yomiuri.co.jp/world/20160605-OYT1T50052.html

英国のEU離脱は、EU経済について上記の話を知っていて真実に近いと感じているのなら、ありうるかもしれません。ただ国民レベルでの話にはなっていませんので。離脱派は単に欧州をドイツに牛耳られるのが面白くないというだけでしょう。離脱はないと思っています。

記事

 欧州連合(EU)離脱を問う6月23日の英国の国民投票は、EUと英国両方の運命を左右する。離脱となれば、EUの残る27加盟国にも深刻な結果を及ぼす。ドイツとフランスは間違いなく、英国以外の加盟国の結束をどう高めるか必死に考えている。より深刻なのは、離脱によって分裂の危機にさらされる英国だ。

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EU残留を訴えるキャメロン英首相=ロイター

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EU離脱を訴える英国独立党のファラージュ党首=ロイター

ballot on the secession of EU

英国の国民投票は今月23日に実施(投票用紙のイメージ)=ロイター

 離脱派の背景には強力なナショナリズムがある。保守党の離脱派は自分たちのロジックを打ち捨て、ファラージュ党首率いるポピュリスト(大衆迎合主義者)の英国独立党と運命を共にしようとしている。両者に共通しているのは移民、支配階級、知識人などあらゆるものへの反発。怒り作戦とでも呼ぶべきものだ。

 結果がどうであろうと、有権者の票は地域によって割れるだろう。ロンドン、北アイルランド、スコットランドの3地域はEUとの関係を維持しようとしているはずだ。ウェールズは予想が難しい。

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 ロンドンが欧州寄りの立場を取るのは欧州と同様、グローバル都市として、欧州や世界から労働者や移民を受け入れてきたからだ。30万人のフランス人を受け入れ、フランス第6の都市とも呼ばれる。イタリア、ポーランド、スペイン、ポルトガルやもっと遠くの国々から来た人々にとっても第2の故郷になっている。

 多様性も享受してきた。5月の市長選では保守党のザック・ゴールドスミス氏が恥知らずな反イスラム運動を繰り広げたが、市民は圧倒的に英国生まれのイスラム教徒、サディク・カーン氏を支持した。

 英国らしさを意識しすぎ、離脱に傾いている周辺地域とは一線を画する。ロンドンには貧困も存在するが、イングランド南部の東海岸の一部の町に見られるような民族対立はない。私が思うに、ロンドン市民は「どちらかを選べ」と迫られたら、ポーランド人医師やインド人技師が来るのを拒絶するよりも、英国の地方から移ってくる英国人の流入を厳しくするはずだ。

 北アイルランドでは、最近の世論調査で残留派が大多数を占めることがわかった。大まかに言うと、カトリックは残留派で、プロテスタントは離脱派と残留派にほぼ二分しているが、全体でみると、この地域は残留を選ぶだろう。

 それでも国民投票で離脱が決まれば、様々な懸念が生じる。かつて北アイルランドが英国に属すべきと主張するユニオニストと、アイルランドへの帰属を訴えるナショナリストを長年の対立から和平に向けて説得できたのは、英国とアイルランドの両国がEU加盟国だったからだ。以来、北アイルランドが経済的発展を遂げてきたのも、アイルランドと開かれた国境を持ち、EUからかなり多くの補助金や投資優遇策を得られてきたことによる。

 しかし離脱となれば、今は無きに等しいアイルランドとの国境が、EU加盟国でなくなった英国とEUの境界線になる。つまり単一市場から離れ、英国として移民制限を強行すれば、アイルランドとの往来にも貿易にも国境審査が必要になる。英国では、北アイルランドを経済的な重荷だという人も出てくるだろう。

 スコットランドは保守党に近いせいか、欧州懐疑派が根付いたことはない。ファラージュ氏の英国独立党も限定的な支持を得ているだけだ。ロンドンや北アイルランドと同様、スコットランドでも残留派が多数を占めそうだ。だが国民投票で離脱が決まれば、英国からの独立を求める一派を勢い付かせることになる。

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 スコットランドの独立は2014年の住民投票で否決された。独立推進派のスコットランド国民党は5月の議会選でも敗北した。過半数を失い、独立を再度問う住民投票を行うことができなくなった。英国の離脱が決まれば、独立を求める議論が再燃するだろう。欧州大陸にバリケードを築くような英国に縛られているぐらいなら、今は英国の一部でいいと思っているスコットランド人も考え直すのではないか。

 英国がEUの一部であり続けるのがいいのと同じように、英国も連合王国として結束しているべきだ。その方が国家としての能力を高められるからだ。イングランドがEUを離脱したなら、スコットランドは英国の一部でいるより、EUに加盟した方がいいと考えてもおかしくない。

 ロンドンの独立の可能性を論じるのは現時点では早すぎるが、離脱が決まればこの都市が自治の拡大を求めるのは当然だ。明白なのは離脱が連合王国の分裂につながっていくということだ。EU加盟国でなくなった英国は、もはや魅力的ではなくなる。

(3日付)

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『中国の「不戦而勝」戦略に勝つための処方箋 米国を中心とした対中連合でサラミスライスを許さない姿勢を』(6/3JBプレス 渡部悦和)について

6/4産経ニュース<米国防長官が「中国は孤立の長城築いている」と名指しで批判、仲裁裁判所判断の尊重迫る

3日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議の会場で、中国の孫建国・連合参謀部副参謀長(左)と握手するカーター米国防長官(米国防総省提供・共同)

Carter & Sun

【シンガポール=吉村英輝】カーター米国防長官は4日午前(日本時間同)、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、中国による南シナ海の軍事拠点化が、周辺国に脅威を与えていると名指しで批判した。さらに、中国が地域で「自らを孤立させる万里の長城」を築く結果になると警告し、国際社会による圧力を中国に示した。

カーター氏は、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピンから提訴を受けたオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が近く示す判断が、中国や周辺国にとり、国際法にのっとった緊張緩和への「好機だ」とも指摘。中国に対し、裁判所の判断に反発せず、尊重するよう迫った。

また、中国が「領海」と主張する人工島などから12カイリ(約22キロ)内に米艦艇を派遣する「航行の自由」作戦を継続するとし、航行や飛行の自由は誰にも保証されていると強調した。

そのうえで、オバマ政権によるアジア重視政策は、米国内の党派を超えて維持されていくと述べ、最新鋭の潜水艦や爆撃機を展開していく方針を表明。数十年かけて築いた地域での米軍の能力に他国が追いつくには「数十年はかかる」と指摘し、存在感をアピールした。>(以上)

本記事結言にあります通り、オバマ大統領の訪広は評価しますが、「世界の警察官を止める」と公言したこと(そう行動したとしても、公言する必要はない。抑止の概念が希薄。空手でこの攻撃はしませんと言うのと同じで、相手は攻撃しやすくなる。世界平和を破壊する発言)やシリア介入中止、ロシアのウクライナ問題と中国の南シナ海問題の弱腰な対応(ロシアに経済制裁したのだから、中国にも経済制裁すべき、如何に米中が経済的に結びついていたとしても、ロシアと欧州の経済的結びつきが強くても米国は欧州に制裁させたのだから)こそが中国の傲慢な対応をさせてきた訳です。そういう意味でオバマ大統領はリアリストでなくノーベル平和賞には値しない人物と思っています。まあ、リアリストと言われるキッシンジャーだって中国の賄賂に負けてしまっている訳ですから、リアリストが正しい判断ができるという事ではありませんが。

ただ、「力なき正義は無力なり」と言われますように、外交の背景には武力の存在が必要です。日本の外務省は戦前戦中、軍に外交のイニシャテイブを取られたため、国益ではなく、単なる省益追求のための外交しかしていません。普通に考えて、国際的に日本の発言を高めようと思ったら、憲法を改正し、自衛隊を軍にすると思うのですが。戦後は栗山や小和田のハンデイキャップ国家論が幅を利かせてきました。メデイアと連動して改正の動きを潰してきました。国賊で、財務省と並んで売国組織です。

サイバーアタックは投資コストが懸らず、経済後進国でも先進国を簡単に攻撃できます。中国とか北朝鮮が得意なのはそういう理由からです。5/29「士気の集い」の講演で、サイバー研究・実践者として高名な名和利男先生の話では「ハッカーと防御側では圧倒的にハッカー側のレベルが高い。米国の防御のレベルも上がってきたがまだまだ。日本は論外。ただ、言葉(漢字、ひらがな)の問題があり、攻撃側は制約を受ける。個人のPCのウイルス対策ソフトは(凄腕の)ハッカーには役に立たない。ただハッカーの多くは子供。サーバーのping送信を受けて、繋がりの確認をするためサーバーから必ずpong送信する性格を利用して、ping送信を一斉多数にするとサーバーがダウンする。子供のハッカーに対してウイルス対策ソフトは有効。ただ日本の会社はハッキングを受けても「なかったことにしてくれ」と言われる。而も上から下まで。」とのことでした。日本の経営者は失敗を許さないのと何が大切かが分かっていない人間がなっていると感じました。

いつも言ってますように、中国の野心を挫くためには、日本の大東亜戦争の逆をすれば良い訳です。

①中国包囲網を敷く。そのためには

②米日豪印台+ASEAN+露(ABCD包囲網と同じ、韓国を入れていないことに注意。ロシアとは平和条約締結。TPPが経済ブロックとなる)

③レッドドラインではなく、原状回復要求。日本にも満州撤退を要求したではないか。

④準軍事プロセスとして中国向け石油禁輸発動。(中国沿岸に中国船自動識別機雷敷設)

⑤中国大陸に中国語で「封じ込めに至った理由と戦争の危機、共産党打倒」のチラシを空から撒く。

⑥民主化組織を応援

といったところでしょうか。

記事

Obama in summit

伊勢志摩サミットで採択された首脳宣言は南シナ海情勢に言及し、緊張が高まっている現状に「懸念」を示した。写真は協議に臨む各国首脳(2016年5月27日撮影)(c)AFP/Carolyn Kaster〔AFPBB News

本稿は、4月20日付の拙稿「中国への見方を大きく変えた米国、日本は再評価:2030年のグローバルトレンドと日米対中国戦略」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46626)の続編である。

前稿では元太平洋軍司令官デニス・C・ブレア大将の論文“Assertive Engagement:AN UPDATED U.S.-JAPAN STRAREGY FOR CHINA(主張する関与:最新の米国および日本の対中国戦略)”を紹介し、その中国認識と日米共通の対中国戦略「主張する関与」について紹介した。

ブレア大将は、米国の同盟国としての日本の重要性を深く認識した上で、日米同盟関係を背景として「日米共通の対中国戦略を構築すべきである」と主張している。

わが国にとっては非常にありがたい主張であると同時に、日本の真価が問われる厳しい主張でもある。さて、本稿ではブレア論文などを踏まえて、前稿で予告した具体的な対中国戦略についてその一端を、特に南シナ海情勢を焦点に紹介する。

1 台頭する中国への対応は米国を中心とした対中連合が基本

中国は、海洋強国を宣言しているが、一帯一路構想などを見ると大陸国家と海洋国家の二兎を追っているように思えてならない。

しかし、アルフレッド・セイヤー・マハンが主張するように大陸国家と海洋国家の両立は難しく、中国は大風呂敷を広げすぎてしまっているのではないかというのが筆者の評価である。

また、中国は東シナ海と南シナ海の2正面作戦を実施している。わが国は、尖閣諸島を巡り中国と領土問題を抱えるが、東シナ海の問題は南シナ海問題と密接不可分な関係にあることを認識する必要がある。

わが国は、東シナ海問題を巡り単独で中国と対抗する愚は避けるべきであり、米国などと協力して中国の2正面作戦を余儀なくさせ、その弱点を利用することが重要である。

中国は、南シナ海で九段線を根拠に過大な領土要求を実施し、人工島を建設しその軍事拠点化を進め、米軍の航行の自由作戦にも抵抗するなど確かに手強い。

手強い中国に対しては、米国でさえ単独で対応するには荷が重く、米国を中心とした対中連合(coalition)で対処することが基本戦略となる。その連合は、米国を中心として日本、オーストラリア、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、台湾などで構成すればいい。

中国は、現在、経済の失速に伴う諸問題に直面しているし、権力闘争も激化している。過去の経済力、特にお金の力を利用した膨張的な対外政策は曲がり角に来ている。さらに、中国は、領土問題を抱える周辺諸国すべてと対立関係にある。

米国を中心とする対中連合により、中国の強圧的な政策をより協調的な政策に転換させる必要がある。

以上が筆者の基本的な認識であるが、この認識は日本政府が現在実施している諸施策と一致していると思う。

伊勢志摩サミットにおいて、中国の強烈な反発を受けながらも東シナ海問題や南シナ海問題を討議したことに賛辞を送りたい。そして、バラク・オバマ米大統領のベトナム訪問とベトナムへの武器輸出禁止の解除は対中連合形成にとって大きな成果である。

以下、日米共通の対中国戦略について説明する。

2 不戦而勝(戦わずして勝つ)

本稿においては、「不戦而勝(ふせんじしょう)」(中国語で「不战而胜」)をキーワードとして、中国の強圧的な台頭にいかに対処するかを考えてみる。

「不戦而勝」は、孫子の兵法の「戦わずして勝つ」を出典とするが、中国の専売特許ではなく、米国をはじめとして多くの国で活用されている。なぜなら、不戦而勝は各国の抑止戦略そのものであるからである。

冷戦終結後の戦略環境では、経済的な相互依存関係などにより大国間の戦争の蓋然性が低下していると言われている。

軍事力を使った戦争が不可能であれば、各国はいかにして自らの国益を防護し実現していくか。その方策が「戦争には至らない手段を駆使して相手を屈服させる」戦略、つまり「不戦而勝」戦略なのである。

中国は、米国との決定的な軍事衝突を避けて、目的を達成しようとしている。現時点で、中国の軍事力が米国の軍事力よりも劣っていると認識しているからである。

私が注意喚起したいしたい点は、中国はぶれることなく長期にわたり「不戦而勝」戦略を貫徹している点である。だから手強いのである。

日本をはじめとする民主主義国家においては、政権が交代するたびに安全保障政策が変わり、長期にわたる一貫した安全保障政策の追求が困難である。しかし、マイケル・ピルズベリーが「100年マラソン」で指摘するように、中国は100年単位の長期的スパンで終始一貫した政策を追求してきたのである*1

中国は、「不戦而勝」の考えに基づき、軍事力の直接的な使用を避け、非軍事的な手段を用いて中国の国益を追求する戦略を採用している。

その具体的な方策が、地経学(geoeconomics)、サラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)、「戦争には至らない準軍事的作戦」[POSOW(Paramilitary Operation Short of War)]、サイバー戦、三戦(世論戦、心理戦、法律戦)などの活用である。

前述のブレア論文のみならず、ワシントンDCに所在する著名な安全保障関係シンクタンクの各種論文、例えばCSISとSPF USA共同の“The U.S.- Japan Alliance to 2030”、ランド研究所の“The Power to Coerce”*2(強制のためのパワー)、カーネギー国際平和基金に所属する戦略家アシュレイ・テリスの“Balancing without Containment*3”などの対中国戦略の結論も不戦而勝である。

そもそもこれらの論文の前提が「戦争以外の方法で中国の強圧的な台頭をいかに抑止し、いかに対処するか」であるがゆえに、経済、外交などの非軍事的手段を使った活動などに焦点を当てた政策が多い。結果的に中国の「不戦而勝」と米国の「不戦而勝」の戦いの構図となっているのである。

米国における戦争以外の方法で対中国戦略を考えるトレンドの背景には、オバマ大統領の対外政策の特徴である「世界の諸問題の解決において、まず外交などの非軍事的な手段で対処し、軍事力の使用を努めて避ける」という方針があると思う。

このオバマ大統領の非軍事的な手段による問題解決には米国内でも賛否両論がある。

ブレア論文をはじめとした各論文に共通するのは、オバマ大統領の対中国関与政策が軟弱すぎて効果的ではない、より強い関与政策が必要であるという主張である。

オバマ政権7年半にわたる対中政策は、中国の「不戦而勝」戦略により、特にサイバー戦および南シナ海問題において敗退してきたというのが筆者の結論である。

それでは今後、いかなる不戦而勝戦略をもって対処すべきかを考えてみたい。まず、ランド研究所の“The Power to Coerce”の論文を紹介しながら議論を進めていく。

*1=Michael Pillsbury、“The Hundred-year Marathon”

*2=David C. Gompert、Hans Binnendijk、The Power to Coerce、 RAND Arroyo Center

*3=Ashley J. Tellis, Balancing without Containment, Carnegie Endowment for International Peace

3 強制力(P2C)の活用(ハードでもソフトでもない第3のパワー)

ランド研究所の“The Power to Coerce”に記述されている「目的達成のためのパワー」(下図1を参照)を見てもらいたい。

パワーを単純に区分すると、ハードパワー(軍事力)と、ソフトパワー(文学・美術・教育などの文化、民主主義などの価値観、国家が採用する人権政策などの政策)になる。

しかし、ランド研究所のユニークな点は、強制力(P2C:Power to Coerce、例えば経済制裁などの地経学的手段)という造語を導入した点であり、このP2Cを不戦而勝の手段として駆使しようというのである。

米国の意思を中国に強要するために、ハードパワーである軍事力を使い戦争を実施するという選択肢はあるが、ハイリターンの可能性がある一方で、あまりにもハイリスクでハイコストであり、現時点で採用できない選択肢である。

ソフトパワーは、ローリターンであるが、ローリスク、ローコストであり、各国において頻繁に使用されている。

P2Cは、その中間で、ハイリターンであるが、ローリスク、ローコストで必要な時にいつでも実施できる非暴力の手段で、時に軍事力の代替となり得る。

P2Cの手段としては、地経学的な要素が中心で、例えば経済制裁、兵器・技術の禁輸、エネルギーの供給または停止、攻撃的サイバー戦、海上阻止行動、敵の敵(Adversaries’ Opponents) に対する支援(例えば、中国と南シナ海の領有権を争うフィリピンに対する支援)などである。

P2Cは、平時において我が意思を相手に強制することのできる有力なパワーである。

power for achievement of purpose

図1「目的達成のためのパワー」出典:The Power to Coerce

4 地経学(Geoeconomics)による対処

ここで、P2Cの代表的な手段である地経学的手段について考えてみる。

地経学は、地政学と共に長い歴史を持ち、国家安全保障戦略の重要な要素である。最近、地経学の重要性が再認識されているように思う。例えば、オバマ大統領が多用する経済制裁の発動(クリミアを併合したロシアに対する経済制裁)や経済制裁の解除(イラン核合意に伴う経済制裁の解除)はその典型例である。

そして、地経学の復権を象徴するかのように、著名なシンクタンクCFR(Council on Foreign Relations:外交問題評議会)に所属するロバート・ブラックウィル(Robert D. Blackwill)とジェニファー・ハリス(Jennifer M. Harris)*4の共著で出版された“ War by Other Means(他の手段による戦争)”は読むに値する良書である。以下、“ War by Other Means”を紹介しながら対中不戦而勝戦略を考えてみる。

  • 地経学とは何か?

地経学とは、「国益を増進し防護するためおよび有益な地政学的結果を得るために、経済的手段を使用することや、ある国の地政学的目標に対する他の諸国の経済的活動の効果*5」を研究する学問である。

  • 主要な地経学の手段

貿易政策、投資政策、経済制裁、サイバー戦(例:中国が米国などの企業秘密を窃取するために実施しているサイバー戦による情報窃取)、経済援助、財政および金融政策、エネルギーおよび商品(commodities)を管理する国家政策(例:ロシアが欧州に対する天然ガスの供給を政治的理由により50回以上停止した)、主要な地経学的資質(例:対外投資をコントロールする能力、国内市場の規模・国内市場をコントロールする程度)

  • 地経学に基づく政策的処方箋

ブラックウィルとハリスは、20もの地経学に基づく処方箋を提示しているが、主要なもののみを列挙する。

米国の力強い経済成長、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の批准、政治的・軍事的脅威に焦点を当てた同盟国の地経学的行動、中国に対処するための長期的な地経学的政策の構築、国家が主導する地経学的なサイバー攻撃への対処である。

以上のような地経学の政策的処方箋が平時における対中国戦略の中心になる。そして、平時から有事までを含んだ国家安全保障戦略の重要な政策になるのである。

  • 中国による地経学的手段の活用

中国こそ経済力を徹底的に利用した地経学的手段を使った対外政策を行っている国家である。例えば、北朝鮮に対する経済支援(石油や食糧)は、北朝鮮の崩壊阻止や中国の影響力の保持などを狙いとしていて、朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼしている。

わが国に対しても何度も経済制裁などを実施してきた。

例えば、2001年の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発して、日本車の輸入を年間40~60%削減した。尖閣諸島における漁船衝突事件(2010年)に対する報復として、日本に対するレアアースの対日輸出制限を実施した。

2011年には日本企業の生産拠点と技術の中国への移転を強要する為に再度レアアースを手段に使った。2012年の尖閣諸島国有化の際には、中国からの経済制裁や日本製品不買運動を受けた。

さらに、日本の企業特に防衛産業に対するサイバー戦による情報窃取を繰り返しているが、中国によるサイバー戦はわが国にとって現在も大きな脅威となっていて対策が急務となっている。

しかし、日本は、レアアースを武器とした中国側の攻撃に対して、代替物の開発や入手先の多様化で対応し、結果的にはその後のレアアースの暴落で中国側にも大きな損害が出た。

また日本は、市場を中国外のベトナムなどに求めたために、中国にとってもマイナスの側面が出てきている。いずれにしろ、中国の経済力を利用した攻撃的な対外政策には、こちらも経済的要素を活用した政策で対抗しなければいけない。

  • 地経学に基づく具体的な対中国政策

“ War by Other Means”と前述の各シンクタンクの対中戦略を総合して地経学に基づく具体的な対中国政策を導き出すと以下の様な政策になる。

この政策が対中「不戦而勝戦略」の重要な要素になる。

改めて強調するが、地経学的な政策は、日本や米国の国家安全保障戦略の核となる重要な要素であり、わが国においても政府およびNSC(国家安全保障会議)を中心として体系的かつ総合的に検討されるべきものである。

・地経学的政策に関する日米のコンセンサスの構築。日本単独ではなく、米国との協調が不可欠であり、日米のNSCなどにおける緊密な調整が不可欠である。

・強い日本経済および米国経済の維持・増進。これは地経学の基盤である。

・米国の同盟国および友好国に対する国力増強を支援[例えば、経済援助、沿岸警備隊(coast guard)の能力構築に対する支援]する。これにより中国のパワーを相殺する。

・サイバー戦能力の向上による中国のサイバー戦への実効的な対処を実施する。防御的なサイバー戦のみでは限界があり、より積極的なサイバー戦により中国のサイバー戦を抑止すべき。

・中国に対する経済制裁、特に中国のサイバー戦による情報窃取(cyber theft、cyber espionage)に対する経済制裁、WTO(世界貿易機関)の規則に違反した鉄鋼などのダンピングに対する制裁を実施する。

・中国に対する投資や技術協力を戦略的に実施する。

・中国に対して有利な経済関係を構築する。選択的にグローバリゼーション(TPPやアジアインフラ投資銀行AIIBへの関与など)を深化させ、中国が完全に市場を開放した時のみこれを受け入れる。市場を開放しなければ中国を除外する。

・中国国内の民主主義グループに対する支援を実施する。

*4=Robert D. Blackwill, Jennifer M. Harris, “War by Other Means”, Belknap Press of Harvard University Press

*5=“War by Other Means”、P20

5 中国の不戦而勝戦略=サラミ・スライス戦略にいかに対処するか?

  • 中国のサラミ・スライス戦略の成功

中国の不戦而勝戦略の具体的な戦略の1つがサラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)であり、サラミ・スライス戦略の具体的な作戦の1つが「戦争には至らない準軍事作戦」POSOW(Paramilitary Operations Short Of War)であり、POSOWの具体的な戦術の1つがキャベツ戦術である。それぞれの戦略、作戦、戦術にいかに対処するかを考えていきたい。

中国の不戦而勝戦略の具体的な戦略は、サラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)である。

私がサラミ・スライス戦略という言葉を初めて使用したのは、2014年6月末、中華民国の国防部に招待されて国際安全保障フォーラムに参加した時であった。出典は、ロバート・ハディック(Robert Haddick)の “Salami Slicing in the South China Sea”である。

サラミ・スライス戦略とは、1本のサラミを丸ごと一挙に盗めばすぐにばれるが、薄くスライスして盗んでいけばなかなかばれない。このように、相手の抵抗を惹起しない小さな行動を積み重ねることにより、最終目標を達成しようとする戦略である。

南シナ海を最終的に中国の海にするために、長い時間をかけて一つひとつの成果を積み重ねてきていて、もしも米国が真面目に介入しなければ、中国の目標は達成されることになるであろう。

China's claim for territorial water

図2「中国の領海の主張と各国のEEZ」

中国の南シナ海や東シナ海におけるサラミ・スライス戦略の経緯を概説する(図2参照)。

1950年代にフランス軍の撤退に伴い中国がパラセル諸島(西沙諸島)の半分を占拠、米軍のベトナム撤退に伴い75年ベトナム軍との戦いに勝利しパラセル諸島全域を支配、80年代に在ベトナムソ連軍縮小に伴いスプラトリー諸島(南沙諸島)に進出。

1988年スプラトリー諸島6か所を占領、在フィリピン米軍撤退に伴い95年フィリピンのミスチーフ礁を占拠、2012年にスカボロー礁において中国船とフィリピン沿岸監視船の睨み合いの末にフィリピンが撤退し、中国がスカボロー礁を事実上支配。

2014年からスプラトリー諸島で大規模な人工島を建設、2015年から2016年にかけて人工島の軍事拠点化(3000メートル級の滑走路の建設、対艦ミサイルや地対空ミサイルの配備など)を進めている。

これらの事実の一つひとつがスライスされたサラミの一片であり、60年以上をかけて中国の南シナ海の聖域化が進行しているのである。

人工島については、中国のみが構築しているのではなくて、図3が示すように各国が建設しているが、その規模と機能が圧倒的に違うのである。3000メートル級の滑走路を保有することによりいかなる航空機でも離発着可能となるし、港湾の整備により大型艦艇の利用も可能となる。

comparison of runway

図3「滑走路比較」 出典:AMTI、CSIS

distance of monitoring Shouth China Sea

図4 「南シナ海における海上監視距離」出典:AMTI、CSIS

図4を見てもらいたい*6。各国の航空機がスプラトリー諸島の滑走路を使用した場合の飛行半径である。中国は、ファイアリー・クロス礁の滑走路を洋上監視機Y-8Xが使用したとして1000マイル、爆撃機H-6Gが使用したとして3500マイルの戦闘半径を有する。

また、戦闘機J-11の場合は870マイルの戦闘半径を有する。人工島を利用して何が可能かを以下に数点列挙する。

・洋上監視機Y-8X、レーダー設置などによる海上監視能力の向上が期待できる。

・やがて対艦ミサイル及び対空ミサイルを配備することによりA2/AD能力の向上が期待できる。

・戦闘機部隊の訓練基地とし活用する(日本の硫黄島と同じ)。

・中国が海の万里の長城と呼ぶ海底監視網の構築の作業拠点として活用できる。

  • 中国のサラミ・スライス戦略への対処要領

・米国が、中国に対して越えてはいけない線(レッドライン)を明確に引き、レッドラインを越えると軍事行動を辞さないことを外交などを通じ中国に警告し続けることが重要である。

レッドラインの設定と相手がレッドラインを越えた時の軍事行動の決意がないと、中国のサラミ・スライス戦略を打破することはできない。

中国の狙いは、人工島を領土、その周辺12カイリを領海、その上空を領空であると主張し、その主張を軍事力で強制することである。結果的に南シナ海の大部分が中国の領海やEEZになってしまう。

米軍のみならずすべての国家の艦船や航空機が航行の自由および飛行の自由を制限される事態になる。

このような事態は絶対に避けるべきである。中国が尖閣諸島周辺の日本の領海内に侵入をしつこく繰り返しているが、その行動を我々も見習うべきである。

米国が設定すべき南シナ海におけるレッドラインは、「FONOPを実施する米軍の艦艇や航空機に対する中国PLAによる攻撃」である。FONOPに対する軍事力をもってする攻撃だけは絶対に許してはいけない。

結論として、米海軍は、航行の自由作戦FONOPを頻繁にしつこく継続することが重要である。

オバマ大統領は、東シナ海や南シナ海におけるFONOPに関する権限を米海軍に完全に分権し、過度の統制を加えるべきではない。米海軍の行動に連携して海上自衛隊やオーストラリア海軍もFONOPを実施すると一層効果的である。

・東シナ海におけるレッドラインは、「航空機による領空侵犯および尖閣諸島への上陸」である。絶対にこの2つを許してはいけない。

・さらに、米国を中心として米国の同盟国(日本、オーストラリア、韓国、フィリピン、タイ)と友好国(インドやASEAN=東南アジア諸国連合など)で連合を形成し中国の地域覇権を抑止するべきである。

・紛争当事国であるフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどの対処能力の向上である。当事国自身の自助努力を前提として、日米はこれらの諸国の能力構築に協力すべきである。

・日米は、南シナ海の領土及びEEZ問題全ての多国間による解決をサポートすべきである。この行動は、中国を除くすべての関係国の支持を得なければいけない。多国間での解決は、国際規準に則った合理的な解決のための努力であるが、中国をさらに孤立させることになろう。

・日米は、伝統的な共同演習、ISR(情報・監視・偵察)を十分な頻度と規模で実施すべきである。その行動は、前例となり権利を確立することになる。

・米国は、国連海洋法条約(UNCLOS)を批准すべきである。米国はUNCLOS批准国でないために中国に十分に反対できてない。

*6=この図では台湾のP-3Cがスプラトリー諸島のItu Aba 島の滑走路を使用したら1549マイルを監視できるとしている

China's cubbage tactics

図5「中国のキャベツ戦術」出典:渡部作成

6 中国の「準軍事組織による戦争に至らない作戦」への対処

中国は、サラミ・スライス戦略の一手段としてPOSOW(Paramilitary Operations Short Of War) *7(準軍事組織による戦争に至らない作戦)を南シナ海やわが国周辺海域で多用している。

POSOWの特徴は、軍事組織であるPLAN(人民解放軍海軍)を直接使用しないで、非軍事組織(海上民兵=武装した漁民、海洋調査船)および準軍事組織(中国の沿岸警備隊である海警局)を使用して目的を達成する点にある。

図5「中国のキャベツ戦術」を見てもらいたい。中国が得意なキャベツ戦術では、以下のような戦術がとられている。

①武装した漁民が乗った漁船で攻撃目標(例えば、フィリピンの漁船、奪取したい島)を取り囲む。

②漁船や海洋調査船の保護を名目に海警局の舟艇が漁船の周りを取り囲む、しばしば相手国の沿岸警備部隊の舟艇の活動を妨害する。

③PLAN(人民解放軍海軍)が海警局の舟艇の外側で、特に相手国の海軍艦艇を警戒監視する。

中国のPOSOWは日米に対して極めて効果的な作戦である。POSOWは、日米の法的不備をついた作戦である。軍事組織でない漁船や海警局の舟艇に対する直接的な対応が取れない。

最近の実例を紹介する。

米太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト大将によると、航行の自由作戦を実施した昨年10月のイージス艦ラッセンと今年1月のイージス艦カーティス・ウィルバーの周辺に海上民兵が乗った船が近寄ってきて、両艦艇を取り囲んだという。

当然ながら漁船の周辺にはPLANの艦艇がいた。2014年5月、中国が西沙諸島で石油掘削リグをベトナムとの調整なく設置した際にも、キャベツ戦術を活用した。

それでは、キャベツ戦術をはじめとする中国のPOSOWにいかに対処するか。

最も重要なことは、紛争当事国であるフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどの対処能力の向上である。

海軍・空軍、沿岸監視部隊の能力向上などの当事国の自助努力を前提として、日米はこれらの諸国の能力構築に協力すべきである。日本のフィリピンやベトナムに対する海上保安庁の中古船舶の譲渡や売却は有力な案であるし、共同訓練による能力向上に寄与することも重要である。

*7=Mohan Malik, “America and China’s Dangerous Game of Geopolitical Poker”, The National Interest, June 18, 2014

結言

ワシントンD.C.所在の著名なシンクタンクの提言には、オバマ政権の南シナ海などにおける対外政策があまりにも中国に対して寛容すぎたことへの批判が背景にあり、各シンクタンクの対策は中国に対し厳しいものである。

私は、オバマ大統領の広島訪問時のスピーチに代表される高邁な人格には敬意を表する者であるが、南シナ海問題に対する米国大統領としての言動や決心には問題があると思っている。

中国の南シナ海での強圧的行動に対するオバマ大統領の姿勢は、中国に対する配慮が強調され過ぎ、同盟国の懸念や不信感を引き起こしてきた。

例えば、2014年4月の東アジア訪問における日本やフィリピンにおけるオバマ大統領の言動が典型的であるが、オバマ大統領はフィリピンにおいて、「我々の目標は、中国に対抗しようというものでも、中国を封じ込めようというものでもない。我々の目標は、国際的なルールや基準を尊重することであり、それは海洋における論争にも適用される。そして、我々は、国家間の論争において特定の立場に立たない」と発言している。

彼の領土問題で中立的であろうとする態度が中国を大胆な行動に駆り立ててきた側面がある。南シナ海の中国の領有権の主張は南シナ海の大部分に及び、周辺諸国の排他的経済水域(EEZ)の大部分を侵害する形になっている。中国の主張がいいかに荒唐無稽であるかが分かる。

シカゴ大学のミアシャイマー教授は、大国間の勢力均衡において、相手国に明確なレッドラインを明示することの重要性を指摘している。南シナ海や東シナ海におけるレッドラインの設定と中国がレッドライを越えた時の断固たる軍事力の発揮は極めて重要である。

このレッドラインの設定に関してオバマ大統領は、2013年8月、シリアによる化学兵器の使用はレッドラインを越えるものであると軍事的介入を警告しておきながら、最終的には軍事力の使用を断念してしまい、米国の威信を失墜してしまった。

二度と同じ過ちをアジアにおいて犯してもらいたくはない。

結論として、中国に対する不戦而勝戦略の重要な要素が、米国を中心とした対中国連合の構築であり、地経学的手段の活用(経済制裁、経済援助など)、中国のサラミ・スライス戦略に対するレッドラインの設定とレッドラインを越えた場合の軍事力の使用を中国へ明示すること、南シナ海におけるFONOPの継続的かつ頻繁な実施による航行の自由の確保である。

冒頭で言及したデニス・ブレア大将は、日米同盟関係を背景として日米共通の対中国戦略を構築すべきであると主張している。

アジアの安全保障を考えた場合、日米同盟が核となって、米国の同盟国や友好国との連携のもとに中国の強圧的な台頭に対処しなければいけないと改めて思うのである。

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『韓国人による震韓論』(シンシアリー著)

この本は、韓国人の冷徹な目で、日本人は韓国人とどう付き合ったら良いのかを示唆してくれています。一言で言って韓国は敵国、その位置は千年経っても変わらないという事でしょうか。福沢諭吉は早くから中国・朝鮮半島は信頼するに値しないことを見抜いていました。三田の卒業生は是非この本を読んで、韓国と絶交するようにしてほしい。

さて、昨年4月安倍首相の米・上下院合同演説→昨年8月首相戦後70年談話→昨年12月慰安婦合意→本年5月オバマ訪広というシナリオは日米共同で中韓の歴史戦を粉砕するために描かれて来たような気がします。米国は”Korea fatigue”と、中国と手を組み米国への裏切りで、韓国を相手にしなくなってきていると思います。

歴史戦の延長で言えば、今回三菱マテリアルの強制徴用した(単なる契約、銃剣を突き付けた訳でない、従軍慰安婦と同じ構図)と主張する中国人との和解はすべきではなかったです。岡本行夫辺りが智恵ならぬ間違ったアイデアを授けた所でしょうか?彼は三菱マテリアル取締役で、北米一課長の時に、湾岸戦争時の日本の支援金をくすねた男です。日高義樹氏の本に書いてありました。また彼は朝日新聞の誤報・虚報の第三者委員会の委員で朝日の言いなりにしかならない根性のない男です。国際的な謝罪報道すら要求しませんでした。第三者の如何わしさは舛添を見てれば分かるでしょう。でもサイモン・ウィーゼンタール・センターというのはユダヤ人の強力な組織です。ユダヤと中国が手を握り歴史戦を仕掛けてきているとしか思えません。日本も杉原千畝だけでなく、東条英機や樋口季一郎がユダヤ人を救ったことをPRしなければ。

http://toyokeizai.net/articles/-/79307

また、歴史戦で民間も頑張っています。今後はUNESCOを舞台に慰安婦や南京虐殺を否定し、天安門事件やチベット人虐殺を世界記憶遺産に載せるように攻めの姿勢で臨んでいかねば歴史戦に勝てません。相手の嫌がることをしなければ。

6/2松林利一氏のFacebook

今年この(注:慰安婦)申請をするため中国がUNESCOに働きかけ3月末の締め切りを5月末に引き延ばしたらしい。これに対しては日本政府が本気で取り組みUNESCOに善処させる必要がある。外務省や文科省を初めとする関係省庁のやる気溢れる行動を見たい。

上記は「守り」となるが守りだけでは面白くない。「攻め」が必要になる。「文化大革命」「天安門事件」材料には事欠か無い。この攻めに関しては民間人が中心となる。私としても是非とも応援していきたい。

今回別途「20世紀中国大陸における政治暴力の記録」をテーマとして、チベットと日本が共同で申請を行った。具体的には120万人を超えるチベット人の虐殺事実と200人を超える日本人虐殺の通州事件。この2つを併せ「中国の政治暴力」として括り長く世界記憶遺産に残す趣旨での申請である。

ある面「史実と捏造の対決」がUNESCOを舞台に開始された。真実が虚構に負ければ道理が引っ込む。道理を通すため勝たねばならない。>(以上)

http://www.sankei.com/world/news/160601/wor1606010023-n1.html

本書によれば「韓国は日本と戦争したいが力がないからやらないだけ」と思っているとのこと。こんな国に日本は支援してきました。利敵行為で、愚かとしか言いようがありません。政治家だけでなく、国民の監視が行き届いていなかったためです。偏向メデイアの果たした役割は大きいでしょう。

<5/26Asahi.com「独島」と旭日旗めぐり日韓で混乱も 潜水艦救出訓練

 日米韓などが参加して韓国近海で25日から始まった潜水艦救出訓練で、海上自衛隊韓国軍揚陸艦「独島(トクト)(竹島の韓国名)」への乗艦に難色を示した。一方、韓国側では海自の救難艦が通常使う旭日旗を掲げたことに反発する声も出て、日韓防衛協力の難しさを改めて見せつけた。

 日米韓など6カ国が参加し、潜水艦の遭難事故を想定した脱出と救助の訓練を行う。7回目の今年は韓国がホスト国で、当初は大型艦で収容能力がある「独島」に各国の参加者を招き、訓練の状況を逐次解説する方針だった。

 だが、海自は独島への乗艦に消極的だった。領有権争いで韓国の主張に譲歩した印象を持たれることを嫌ったとみられる。これには韓国側が譲歩し、別の艦船に変更されたという。

 一方、海自の救難艦などは24日、旭日旗を掲げて韓国南部の鎮海(チネ)海軍基地に入港。これを問題視する韓国メディアの報道が相次いだ。ハンギョレ新聞(電子版)は旭日旗について「かつての日本軍国主義の象徴だ」とした。(ソウル=牧野愛博)>(以上)

韓国経済も断末魔を迎えています。「6/3韓国危ない33社 造船大手破綻で始まった“ゾンビ財閥”破綻ラッシュ」という記事や「米、強引すぎる韓国圧迫 WTO韓国人上級委員の再任拒否&FTA完全履行要求」と韓国への米国の怒りが目に見えるようです。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160603/frn1606031550001-n1.htm

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160603/frn1606031845005-n1.htm

慰安婦も韓国国内で意見を纏められるとは思えません。国際協約違反は世界に知れることになるでしょう。平気で日韓基本条約を反故にする国ですから。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/24295.html

日本は間違っても通貨スワップで韓国を助けてはなりません。言って来たら、公衆の面前での土下座と慰安婦の虚偽の発表を要求すべき。それと反日を止めることを。でも彼らはいつでも裏切るので、約束はすぐ反故にされるでしょう。「非韓三原則」こそが正しい道です。中国側に行こうが日本の知ったことではありません。共産国になればよい。米国ももう見限っているでしょう。

内容

P.33~35

日本はどこの国よりも韓国との武力衝突の可能性に備えるべき         

もちろん、その道に反対している国もあります。その中でも、もっとも反対している が、隣国である大韓民国です。「何もするな。何も変えるな。絶対に変わるな!」ともっとも日本に要求している国、それが韓国です。

マスコミなど、日本側のメディアの記事に目を通していると、先に「縛り」の一つだと書いた七十年前の戦争のことで、「韓国」という字が異常なほど目立つことを、私は憂いています。韓国に対する必要以上の配慮を、無条件の協力を強いる論調も目立っています。まるで、国家間の出来事を、善悪論で押し通そうとしているようです。

どうでしょう。「韓国に、力が足りないという現状以外に、日本を侵略しない理由などない」というのが私の持論です。力が足りないというのは、韓国が安全保障をアメリカに頼っているという意味です。

日本は、韓国という国についてもっと警戒心を持つ必要があります。

歴史上、大きな「聖戦」は「聖地」にまつわるものでした。「独島(竹島)」という韓国人の「反日の聖地」のことも含め、ここだけの話、「局地的な武カ衝突など全ての可能性に備える」必要があります。

どちらかというと、私はもし日本がどこかの国と武力衝突するなら、その相手は中国やロシア、いや北朝鮮より、韓国のほうが可能性が高いと思っています。

韓国のこだわりの正体は「謝罪表現」の有無

詳しくはこれから書いていくことになりますが、韓国の「対日観」は、「韓国が上で、 日本が下」を基本とします。日本が上がることは、韓国が下がることです。韓国が日本に対してそこまで一方的な上下関係を信じて疑わない土台は、「善悪論」、具体的には「日本の謝罪」です。

韓国人の精神世界では、謝罪は「歪」を認めることであり、「歪」は「正」より下です。 謝罪した人は「格下」になります。安倍談話において韓国がもっとも気を尖らせる「謝罪」表現の有無。そのこだわりの正体でもあります。

私はこう思っています。安倍談話によって、韓国がこだわっている日本との関係の基本が破壊されるだろうと。それが「良い意味での破壊」であることを信じています。

「安倍談話」の内容がなぜ両国関係を「良い意味で破壊する」のか

本名も出せずに「シンシアリー」という場違いなポジションにある私ですが、場違いだからこそできることもあります。

日本が「普通の国」への重い一歩を踏み出した二〇一五年二月から八月の間、日本の「縛り」たる韓国で何が起こったのか。どんな心理が人々の頭の中をよぎったのか。安倍談話の内容がなぜ両国関係を「良い意味で破壊する」ものなのか。

それを書籍としてまとめることも、意味があるのではないでしようか。それがこの本を書いた理由です。

さて、そういうことで、あくまで一冊の「読み物としての楽しさ」を失わないよう気をつけながら、これから始めてみたいと思います。韓国にとってとても長かった六力月の話を。

P.72~75

朝鮮日報がニ○一一年に連載したシリーズコラム(2011韓国人よ、幸せになれ)の五回目(ニ〇一一年一月七日)に、面白い内容が書いてあります。

コラムの諮問委員会に参加した海外の専門家たちは、韓国人を「お金が好きでありながら、大金持ちは嫌いだという、富に対して二重の態度を持っている」と分析しました。朝鮮日報がアンケート調査を行った結果、韓国人は九十三%が「お金が幸せに必要だ」と思っていることがわかりました。

しかし、その理屈だと「幸せになっているはず」である大金持ちの人たちに対しては韓国人はかなり批判的で、「親のおかげだろう」、「何か不正をやった結果」としか見ていないこともわかりました。これは、外国の專門家たちには大変珍しく、興味深い結果だったようです。

KDIの報告書に戻ると、「上」になれなかった人たちは、「剥奪感」を主張しています。 報告書によると、他人と比べる「比較傾向」の強い人であればあるほど、「目標至上王義」、 「利己主義」な態度を見せたとなっています。また、彼らは自分を幸せだと感じていない側面が強く、自分が不幸な理由を「相対的な剥奪感」によるものだと思っていました。

剥奪感というのは、韓国の国語辞書によると、「権利や資格など、当然自分にあるべきいくつかのものを奪われたように感じること」という意味です。

「下」になった人たちは、「上」になった人たちに素直に拍手を送ることができないでいるのです。不当な何かによって、負けてしまった。そう思っています。スポーツの試合などでも韓国人は「きれいな負け方」ができないことで有名ですが、それとも関係していま す。

「憤怒調節障害を病んでいる大韓民国」

上は下を人間扱いしないし、下は上に何かを奪われたと思っている社会には、「憤怒」 だけが残ります。

二〇一五年三月二十六日の中央日報は〈憤怒調節障害を病んでいる大韓民国〉という切ない題の記事で、「このところ韓国社会は憤怒で溢れかえっている。特定の問題が話題になると、多くの人たちがその問題の本質を見るよりも、ただ不満を吐露するのに忙しい。

いや、不満を超え、憤怒を表出するといった表現が合っているかもしれない。とくに強者が弱者に不適切な方式で権威を振るう『甲の横暴』のことになると、こうした葛藤と憤怒は極に達する……」と伝えています。 「甲」というのは、大企業が不公平な契約を中小企業に要求する「契約書の甲乙表」から きた表現だと言われています。まるで、革命前夜みたいな雰囲気ですね。

相手を赦せば自分が「下」になるから決して赦さない

怒り狂い泣き狂う人に「それは残念でしたね」と言ってやれないこともないですが、すこし考えてみると、「当然、肖分にあるべきものを奪われた」の「当然」の基準は誰が決めたのか?気になります。法律などちゃんとした基準によるものならわかりますが、も し「自分自身の基準」によるものなら、大問題です。

自分が不幸な理由は、奪われただけではなく、自分自身に原因がある可能性だってあるのですが、そういう見方が欠けているからです。そんなのは、ただの被害者意識です。 「慰安婦」や「セウォル号」などのニユースをご踅になった方なら、「被害者を自称しながら、なんであんなに偉そうに上からの目線なんだろう」と思われたことはないでしょうか。

被害者は邪悪な何かによって権利を剥奪された人たちだから、すなわち「正」で、「上」 だ。韓国には、そういう妙な「共感帯(連帯感)」ができています。上になれなかった人たちが自分自身のために残した最後の予防線、“私は何も悪くない。私は正しい。だから、本当は私が上なのだ”。その感覚の副作用であると言えるでしょう。 お気づきでしょうか。これが「恨(ハン)」の正体です。

「悪」を設定することで、自分が「善」になれます。「歪(下)」を設定することで、自分 が「正(上)」になれます。逆に、相手を赦せば、自分の格が下がります。だから赦しません。

言い換えれば、恨(ハン)は、永遠に赦せないから終わらないのではなく、赦そうとしないから終わらないのです。

P.80~85

集団利己主義の原点は「白か黒かだけ。中間地帯がない」

「終わらない」と合わせてもう一つ、「恨」の現れ方として「両非論を認めない」を覚えておく必要があるでしょう。

両非論は「両方に責任がある」という意味ですが、自分にも非があると認めると「格が下がる」ため、恨の世界では両非論は認められません。結果、「善」か「悪」か、「白」か「黒」かだけが存在できます。だから韓国社会はほとんどの事案が「極端な二つの意見(ニ元論的)」に分かれることになります。

文化体育観光部公式ブログによると、「ニ〇一三年韓国人の意識•価値観調査(文化体育観光部が二〇一三年十月十一日〜十一月十日まで全国の十九歳以上の男女二千五百三十七人を対象に実施したアンケート調査)」の結果、「富裕層と庶民層の葛藤(対立)が大き いと思いますか?」という質問に「はい」と答えた人が八十九•六%。「企業家と労働者の間の葛藤が大きいと思いますか?」に「はい」八十五• 一%。「進歩(左翼)と保守 (右翼)の間の葛藤が大きいと思いますか?」に「はい」八十三•四%でした。

それもそのはず、単純に「葛藤」があるだけでなく、政治でも経済でも、韓国社会では「妥協は負け」です。自分の正しさを諦めることだからです。だから、「中間地帯」の役割が果たせるような「中道派」の存在もありません。

この問題が指摘されたのは、ずいぶん前からです。ちょっと古い情報源ですが、一九九〇年に東亜日報が一年間連載した〈韓国人診断〉というシリーズコラム、その八回目となる 「白か黒かだけ。中間地帯がない(一九九〇年三月二十五日/東亜日報)」をまとめてみます。

  • 私たちの周辺には、中間地帯の存在を許容せず、両極端だけが対立する風潮が蔓延している。ある主題において賛成か反対かの意思表示を強要するだけで、妥協点を見つけようとする努力は無視される

・考えが違うと敵となる。韓国人は他人と違う考えを持っていても余程のことがないとそれを表に出さない。他人と違う意見を出しても、返ってくるのは討論の相手としての関係ではなく、感情的な敵対関係であるからだ。

・「画一」が、「統一」や「団結」と勘違いされている社会。その社会で置いてけぼりにされないためには、対立している両極端のどちらかを選んだほうが楽だ。その間に存在する多様な選択の行動パ夕―ンは、たとえそれが中庸でも、「灰色主義(どちらでもない)」 と非難されるからだ。このような「黒白主義」、「二分法的思考傾向」のせいで、私たちの社会では政治的、社会的、個人的活動において多元主義が成熟できずにいる

・韓国人の両極端さは、「民族性」にその理由がある。「地政学的」には、厳しい国際関係の中で、急いで一つの結論を出さないといけなかった。「文化的」には、「王宮文化(極めて高貴で富裕な文化)」と「農民文化(低質で貧困な文化)」という両極端な文化しか存在しなかった。今のソウルすらも、過去の農民文化の集合体であるだけで、独自の都市文化を創造できなかったという指摘を受けている

・宗教や学問的にも•中国や日本のように、多様な宗教や学問が共存することはできなかった。朝鮮時代からは「儒教」、「朱子学」だけが認められた。政治の世界にもまた、「対立」だけが存在した。「日帝時代(併合時代のこと)」には「親日か、反日か」だけだった。「軍事政権時代(朴正熙〜盧泰愚政権まで)」には「政権の言いなりか、闘争か」しかなかった。「極右」が「極左」を生む結果になったのだ

・そんな中、「両極端性」が深化していった。そして、民族性として内面化されたのだ

この現象は、日本側のネットでよく「ウリ(私たち)とナム(他人)」と呼ばれる、韓国特有の「集団利己主義」となりました。二十五年前の新聞で大々的に扱うくらいなら問<題意識があったようですが、診断はできたのに処方案は効かなかったようで残念です。

「異なる」ことを永遠に受け入れられない民族

一九九六年六月二十九日のハンギョレ新聞に載っている、韓国文化政策開発院の金文煥 (キム•ムンファン)、ソウル大学美学(※aesthetics。美の本質や形態、構造などを追求する学問)部教授のインタビューから、同じ見解を見出すことができます。日本文化の輸入規制をなくすべきかどうか議論が起きていた頃の記事です。

  • (質問)韓国文化と日本文化を比べるなら:

「(教授の答弁)韓国文化には儒教主義的文化の遺習が比較的強く残っている。日本も儒教を受け入れたが、『真似をした(表面的にやっただけという意味)』だけで、比較的、 多くの固有の伝統を生かしてきた。その結果、規範に縛られない風土ができた」

「韓国は儒教的伝統が強すぎて、『対抗文化』としての本質が強くなりすぎた。一時、韓国社会で『克日』という言葉が流行したことがあるが、それも『対抗文化』としての我らの文化の性質が反映された結果だ。日本文化と韓国文化は、ニつの民族の生活と歴史が異なるから、異なっていて当たり前だ。『異なる』を認めると、正しいか間違っているかの価値判断から自由になれる」

・韓国文化のそのような属性はどこに起因するのか:

「韓国人は倍達民族(韓国民族の呼び方の一つ)や単一民族など、同類意識が強いため、『異なる』を認めることができず、つい『異なる』を「間違っている』と扱う傾向がある」

恨(ハン)とはもともと、自分と他人を比べることから始まるものです。比較にこだわり過ぎるのは、自分自身に自信がないからでもあります。韓国人は他国の文化の起源を主張することで有名ですが、それと似ています。自国の文化に自信がないという意味です。

自分に自「信」がないから、誰かと信じ合うことなど成立しません。信じ合わないから、妥協もありません。自分の主張だけが絶対的に正しくて他人の意見は間違っているという、 余裕のない認識になってしまいます。 「異なるを認めることで正誤の判断から自由になれる」。正しさは一つではないこと。韓国人はそれが認められないでいます。

それが、「兩非論など認めない」という流れになるわけです。

P.203~205

第三節 国全体か恐ろしい反日人間量産施設」

韓国人はなぜ「約束」を守れないのか?

この本を読まれている読者の皆さんは、「韓国人って約束は守るベきだという基本的な教育もしていないのか?」と思われるでしょう。それはもう、していますよ。韓国は決して教育インフラが乏しい国ではありません。

では、どうして日本との約束を守らないのか?また同じ話になりますが、「上下関係」が原因です。

韓国人は、ある規則において「例外になる(規則を守らなくてもいい)ことが、自分がその規則を守っている他の人たちより「上」になった、何か特別な待遇を受ける資格を得たことだと思っています。校則でも社会規範でもビジネスでもスポーツの試合でも国間の条約でも、この考え方は変わりません。

すなわち「社会の配慮の中には自分も主体として含まれている。自分も他人に対し配慮を行うべきだ」とする価値観ができていません。「社会には配慮が必要だけど、私は例外で、配慮は他人が私に対して行うべきだ」と思っています。

この「自分だけ例外になりたい」という願望は、「自覚がない」、「責任感がない」、「信頼できない」という結果に繋がったりします。

「下」は「上」に何もできず、隙さえあれば「上」を引きずり下ろすことしか考えていない。「上」は「下」に何をしても構わず、隙さえあれば「下」をこき使うことしか考えていない。

それが韓国の「上下関係」です。韓国社会の「二元論的構造」を象徴していると言えましょう。

「恨(ハン)」とは、相手と比べたがる歪みからできたもので、負けを認められず、自分は不正な方法で負けた被害者だから実は「上」であると信じ続けることである・・・と第二章に書きました。ある意味、「あらゆる規則から例外になれる資格」こそ、恨(ハン)が追求するものであるとも言えます。

(韓国にとっては)絶対的な上下関係を基本とする日本との関係においての約束事など、守るはずがありません。韓国関連のニュースなどを見て、皆さんは「この人たち、は何をしてもいいと思っているのか」と不快に思われたことはありませんか?その認識でほぼ正解です。

恨の価値観に囚われている韓国にとって、日本が上がることは韓国が下がることです。日本が下がることは韓国が上がることです。韓国にとってはその比較が何より優先します。 「反日」という名の、最後先順位です。

韓国は、「約束は守らないといけない」と平気で話しながらも、「日本との約束は守らなくていい」と思っています。韓国が日本より上だからです。

そもそも、韓国は、日本に悪いことをしたという自覚そのものがありません。日本との約束を破るのは韓国にとって当然の権利だから、日本に悪いことをしたと思う理由がないのです。

どちらかというと、韓国で反日は、そのまま愛国であり、一種の「道徳」です。

P.218~226

安倍談話が気になって仕方がない」韓国人の異常行動

日本が被害者に化けようとしている」と原爆関連の式典を「拒否」

異常に暑かった二〇一五年七月~八月。

「安倍談話が気になって仕方がない」韓国の異常行動も熱く続きました。 マスコミは「安保法案のせいで安倍の支持率が落ちた」と狂喜する報道を連発しながら、「安倍政権の立場が弱くなったから、安倍談話の内容も韓国に有利になるだろう」という、根拠のわからない期待を示したりしました。

新聞記事などを引用するとキリがないので、八月になってからの韓国の動きだけを、一部まとめてみます(※以下、安倍談話が発表された二〇一五年八月十四日を前後しての記事からの引用が多いため、年度表記を省略します。記述のないものは、全て二〇一五年です)。

八月四日は朴槿恵(パク•クネ)大統領が岡田克也民主党代衣と接見した際、安倍談話を意識し、安倍総理は村山談話や河野談話などをもう一度明らかに認める必要がある、今こそが慰安婦問題を解決できる事実上の最後の機会だと話しました(同日の国:民日報)。岡田代表はいわゆる慰安婦問題に関連し、「日本の政治家として申し訳がなく、恥ずかしい」と話しています(八月三日/聯合ニュース)。

八月六日にはクアラルンプールで開かれたASEAN関連会議で、尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官(外相)が日本の岸田文維外相に「安倍談話と関連し、歴代内閣の明確な歴史認識継承を明らかにし、日韓最大の懸案である日本軍慰安婦問題の解決のための日本側の進展した態度」を要求したとのことです。(同日の聯合ニュース)。

外交部長官が日本に「進展」を要求していた八月六日は、ちょうど広島に原爆が投下された七十周年目の日でした。

広島の追悼式には、日本で行われた原爆犠牲者追悼行事に初めて本国の高官(ローズ米国務省軍備管理・国際安全保障担当次官)を派遣したアメリカを始め、核保有「大」国であるイギリス、フランス、ロシアなど世界百カ国から、最多の五万五千人が参席しました。しかし、韓匡の柳興洙(ユ・フンス)駐日大使は、姿を見せませんでした(八月六日聯合ニュース。中国側も参列していません)。

韓国側は「日本が被害者に化けようとしている」との理由で、原爆関連の式典などを拒否しつつあります。

大韓言論賞を受賞したこともある論説貪が「原爆は神罰だった」、「まだ日本への罰が足りないと思うの.は神の自由だ」(ニ〇一三年五月二十日/中央日報という記事を載せたことは有名ですが、この日(八月六日)にもまた、東亜日報が「日本は被害者を名乗る資格はない。その理由は単純に日本は加害者だからだ」、「日本人の原爆の日に対する感情は安っぽい感傷に過ぎない」と批判しています。

朝鮮日報も原爆で亡くなった方に対する日本の追悼、慰霊ムードを「日本が東アジアで信頼を獲得し、平和国家と認められるためには、犠牲者コスプレ(犠牲者のふりをすること) はそれくらいにして、相手の立場から考えることも学ぶべきだ」と書いています(八月十四日)。

韓国は原爆のことを、「セムトン(イイザマ)」だと、どこか喜んでいます。日本の「進展」を要求する前に、こういう韓国側の「セコさ」を何とかしてほしいものですが・・・。

「安倍談話、安倍談話、安倍談話」・・・政府を挙げて、もはや病的な執着

八月八日の朝鮮日報の報道内容はさらに傑作です。

「……朴槿患大統領が発表する光復節(八月十五日)演説文を準備している大統領府と外交部の実務担当者らは今、緊急態勢に入っている。今後の韓日関係にかなりの影響を与えることになる日本の安倍晋三総理の戦後七十年談話が光復節の前日に発表されるからだ ……(中略)……予想される安倍談話の内容に合わせ複数の演説文を準備しているとのことだ……」

安倍談話が気に入らなかったらキツイ内容を、気に入ったら柔らかい内容を選ぶという意味です。早くも「反撃」を用意していたわけですね。

八月十日には、また朴槿恵大統領が、大統領府首席秘書官会議で、「日本政府が歴代内閣の歴史認識を確実に継承するという点を明らかにすることにより、我が国をはじめとする周辺国との関係を新たに出発させようとする成熟した姿勢を示していてほしい」と話しました。

同日の聯合ニユースは、「朴大統領の発言は、安倍晋三日本総理の戦後七十年談話に村山談話や小泉談話などで指定された「侵略」、「謝罪」、「痛切な反省」、「植民地支配」の四つの核心表現を込めて、真の反省と謝罪の意を示すことを促したものと見られる。また、安倍総理の談話が期侍に満たなかった場合、韓国と中国など日本の植民地支配と侵略被害国との関係がさらに悪化することもありえるという警告メッセージを送ったとも解釈される」と報道しています。

八月十一日には、朴槿恵大統領が訪韓したハモンド英外相と会い、安倍談話について「歴代内閣の歴史認識の継承を明確にすれば、未来志向の関係発展の基礎になる」と述べました(同日の産経新聞)。記事によると、朴大統領は植民地支配と侵略への反省を明記「(それらの談話が)韓日関係の発展を可能にした」と説明したとのことです。

八月十二日には、なんと潘基文(パン•ギムン)国連事務総長が、安倍談話に対して 「日本は過去の歴史に対する真の反省に墓づいた真の和解と協力を通じてより良い末来に進まなければならない」と国連報道官を通じて話しました(八月十三日/聯合ニュース)。 国連事務総長が特定国家の過去歴史問題を公に「反省」を要求するのは、極めて異例です。潘事務総長本人は否定しているものの、韓国の次期大統領候補だという噂もあります。

八月十三日には、魯光鎰(ノ .グァンィル)外交部スポークスマンが、「日本内閣の歴代談詁で表明された歴史認識が後退してはならず、継承されなければならないという点を強調しながら、それが何を意味するかは、日本政府が明確に知っているだろう」と強調しました(同日のKBS)。

潘基文事務総長はともかく、こうしてみると、ほほニ日おきに、安倍談話に関連した韓国「政府」の見解が披露されていることがわかります。安倍談話、安倍談話、安倍談話 ……別に韓国人に向けて発せられる談話でもないのに、ここまでくると、もはや病的な執着です。

韓国が「舌なめずりして」待った発表当日

そして、韓国が(望ましくない意味で)待ち焦がれていた、談話発表の日が来ました。 八月十四日、十七時頃に閣議で決された「安倍談話」は、ちょうど十八時に発表されました。

私はすでに三月の時点で「次の本(本書)は『価値観』をキーワードにする」と決め、「その象徴は安倍談話になる」と信じていました。そして、この六力月間の記録を本としてまとめるのは、十分に意味のあることだと。その六カ月のクラィマックスになるであろう安倍談話に期待していたのは言うまでもありません。

しかし、率直に言って、不安もありました。

談話の内容を決めるまで、安倍総理周辺では、自民党の内部から外部から、想像を絶するほど様々な意見がぶつかり合ったことでしょう。その中でも、私は「閣議決定」がもっとも心配でした。

六月二十一日には読売新聞が「安倍首相は今夏に発表する戦後七十年談話について、閣議決定を見送る方針を固めた。政府の公式見解としての意味合いを薄め、過去の談話にとらわれない内容とする狙いがあるとみられる」と報道したこともあります。

閣議決定はあったほうがいい形になります。言うまでもないでしょう。しかし、その分、内容への制約も増えます。閣議決定のためには、満場一致が必要になるからです。閣僚の中には公明党の方もいるわけでして。

談話発表の一週間前、安倍総理が談話の草案について谷垣禎一自民党幹事長、菅義偉官房長官、公明党の山ロ那津男代表と話し合ったとのことですが、その場で山口代表は、

  • 謝罪と反省が必要
  • 世界各国にちゃんと謝罪が伝わるように

・中国、韓国との関係改善のための内容

などを要求したとのことです(八月九日/聯合ニユース)。

公明党には公明党の考え方があるでしょうけど、日本の総理の日本のための談話について話し合いながら、どうしてこうも他国を気にしすぎるのか・・・これは別に山口代表の問題だけでもなく、日本のマスコミの論調も同じでした。非常に残念なことです。

星の数ほどの意見があれど、総理は一人、談話は一つだけです。全てに配慮すると「ヌルい!」と叩かれ、片方に突っ走ると「極右だ」と叩かれるでしょう。そのバランスをどう取ればいいのか。私のような凡人には「賴みます—安倍総理」とお願いすることしかできず・・・。

八月十四日、早めに診療を終えた私は、自分の部屋でワールドブレミアム(海外向けNHK放送。韓国でも一部のケーブルテレビで放送されています)チャンネルをつけました。

歌って踊る楽しい子ども番組が終わり、午後六時。総理自ら戦後七十年談話を発表する、生放送が始まりました。

〈戦後七十年談話、いわゆる安倍談話の全文は、本書には載せません。全文は首相官邸サイト(http://www.kantei.go.jp/)にありますので、「首相官邸トツプ〉総理大臣〉総理指示・談話など>平成二十七年八月十四日内閣総理大臣談話」でお読みください〉

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『ロボット100万台と工員14人飛び降りの因果 鴻海の中国工場で、まずは工員7万人を削減』(6/3日経ビジネスオンライン 北村豊)

98年~2000年まで深圳で勤務しました。その時にビール壜の洗壜工場へ見学に行きました。台湾人の経営という事でその非人間的なやり方に吃驚しました。当時は外省人と本省人の区別もついていませんでしたので、多分外省人が経営していたのだと思います。従業員の宿舎は、コンクリ-トでできた建物の大部屋に3段ハンモックを吊るし、ぎゅうぎゅう詰めにし、それでも足りなければ廊下に莚を敷いて寝かせていたりしていました。(深圳は暑い地域です)。仕事は市場から帰ってきた壜を手洗いするのですが、出来高払いで1本0.01元。しかも手袋をしないので、手がふやけてしまいます。いくら山奥から人を引っ張ってきても、当時逃げ出す人は多かったです。

鴻海の郭会長も勿論、外省人です。外省人(蒋介石が連れて来た台湾に住む中国人の子孫)と本省人(台湾人)では性格が違います。Facebookの記事を見ましたら、蒋介石が台湾に逃げ込んできて70年近くなりますので、外省人の本省人化、本省人の外省人化が出てきているとありましたが、大勢は外省人(台湾に住む中国人)と本省人(台湾人)と思えば良いのでは。鴻海の郭会長のやり方は洗壜工場のやり方と同じだったのでしょう。ですから、14人も飛び降り自殺(?)者が出たのです。普通は2,3人自殺者が出れば、監督官庁やマスコミが放っておくはずがありません。地方政府は雇用で文句が言えないのと、同じ中国人同士賄賂付けになっていたと思います。流石に14人にもなって放置できなくなったのでしょう。最初の飛び降りをした“馬向前”の後の報道がされたのかどうか?中国では金で報道させないこともできますので。

鴻海のシャープ買収で約束はすぐに反故にされました。当たり前です。日本人は中国人の性格を理解していないからです。契約とか約束とかは自分に都合の良いときだけ守ると。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族的特質を持ちますので。

http://www.sankei.com/economy/news/160514/ecn1605140026-n1.html

http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1605/23/news062.html

人員合理化のための機械化・ロボット化は合成の誤謬を引き起こすでしょう。マクロで見れば、失業増、消費減となります。中進国の罠と北村氏は言っていますが。郭会長が台湾を愛するなら、中国大陸でなく、台湾に投資すべき。元々安い人件費狙いで大陸に進出したはずです。2000年に上海にいた台湾人カメラマンに聞いた話ですが、中国人の女子大生を囲っているとのこと。小生にも別な女性を紹介すると言われましたが勿論断りました。経営者で数人囲っているのは当り前です。台湾から離れて女性囲い狙いもあったのでしょう。言葉が通じますので。しかし、今や大陸の人件費も上がり、ロボットを増やすのであれば、別に大陸で投資する必要はありません。郭会長は台湾人ではなく、中国人だからでしょう。

記事

中国の国営ラジオ放送局“中国人民広播電台(中央人民放送)”のウェブサイト“央広網(ネット)”は5月26日付で、「ロボットの展開で富士康昆山の工員11万人が5万人に削減」と題する記事を掲載した。「富士康昆山」とは“富士康科技集団(英文名:Foxconn)”(以下「富士康」)の江蘇省“昆山市”にある工場を指す。その概要は以下の通り。

ロボットが人に取って代わる現実

【1】ロボットが人間に取って代わることは、いまや趨勢ではなく、広く展開されている現実である。富士康はすでにロボット技術を採用し、昆山工場の工員を2013年の11万人から5万人まで削減し、人件費の大幅な削減に成功した。

【2】典型的な労働集約型企業である富士康に対する外部の印象は、無数の生産ラインがあり、出入りが激しい工員と厳しいコスト管理下で行われる連続の超過勤務である。しかし、周期的な工員不足、人的コストの上昇に伴う工場の遠隔地への移転などの各種圧力に直面して、富士康は生産形態の転換なくしては破滅に至ることを認識していた。それなら、どうやって行員数を半減して、営業額を増大させることができるのか。

【3】仮に一般工員の給与を年間5万元(約85万円)、工業用ロボットの市場価格を約12万元(約204万円)とした場合、生産ラインの改造を通じて、多数の工員をロボットに置き換えることができる。ロボットは24時間操業を可能とするし、誤差は小さく、製品率はさらに高いので、3年程度で富士康昆山工場は削減あるいはその他の方法で工員を半分に減らすことができる。

【4】江蘇省昆山市のほか、浙江省、広東省などの東部、東南部の経済発展地区でもますます多くの地域でロボットが人に取って代わる現象が出現している。広東省の2015年を例に挙げると、ロボットの保有量は4.14万台で、全国の18.8%を占め、全世界の2.49%であった。そのうち、2015年に新たに増加したロボットは1.82万台で、全国の4分の1、全世界の6.9%を占めた。一口で言えば、広東省はロボットが人に取って代わる有力な省になりつつある。

【5】ロボットの導入が盛んになっている背景には、労働力市場の矛盾が浮かび上がる。2015年の1~9月に広東省の定点観測企業2万社における工員不足の平均人数は38人であった。「世界の工場」として名を馳せた“東莞市”はかつて工員不足に悩んだが、ロボットの導入後は工員不足が大幅に緩和された。

【6】コストの上昇もロボットの導入を後押ししている。2008年より前の30数年間、珠江三角州の労働者の賃金水準は年に100元(約1700円)程度しか上昇しなかったが、2008年以降の7年間に広東省“広州市”の最低賃金水準は月額800元(約1万3600円)から1895元(約3万2200円)に上昇して毎年1.2倍の伸びを示したが、製靴、家具などの業界では倍増したところもあった。仏山市経済・情報化局副局長によれば、普通工員の平均月給が3500元(約6万円)として、ロボットを導入した後に、ロボット1台が平均して工員8人分の仕事をすれば、1年間で30万元(約510万円)の人件費を節約することができる。また、ロボットを導入すれば、製品の品質が向上する。ロボットは精度が安定しており、製品の品質を大幅に高めることができる。

【7】多くの人々が心配するのは、ロボットが導入された後に流れ作業の生産ラインの工員たちが大挙して失業することになるのではないかということである。ある家具生産工場を例に挙げれば、1台20万元(約340万円)のロボットは年俸10万元(約170万円)の熟練工2人に取って変わることができる。言い換えれば、1年間でロボットの購入費用を回収できることになる。あるネットユーザーは富士康昆山工場で6万人の工員が削減された記事を見て、工員の失業時代が間もなく到来するという思いを深くしたという。

シャープ買収の台湾・鴻海が推進

 さて、今年3月30日に台湾の“鴻海精密工業股份有限公司”(以下「鴻海精密工業」)が3888億円の第三者割当増資を引き受ける形で日本の家電大手であるシャープを買収したことは大きな話題となったが、富士康はその鴻海精密工業が中国本土へ投資することを目的に設立した企業である。実質的には台湾の鴻海精密工業を中核とする“鴻海科技集団”が、中国では富士康という企業名で運営されているもので、鴻海科技集団と富士康は表裏一体の関係にあると言ってよい。富士康はアップルの委託を受けてiPhoneやiPadを生産していることで知られるが、アップルのみならず世界の大手メーカー各社から電子機器の生産を請け負う世界最大の電子機器受託生産サービス(EMS)企業である。なお、鴻海精密工業は米フォーチュン誌の世界企業番付「Fortune Global 500」2015年版の31位(2014年版では32位)にランクされている。<注>

<注>2015年版で鴻海精密工業の同業者は、韓国サムソン13位、米国アップル15位。ちなみに、日本企業で最高位のトヨタ自動車は9位。

鴻海精密工業は1988年に富士康の名義で対中投資を行い、広東省“深圳市”に最初の工場を建設した。その後、冨士康の業績は順調に拡大したことから、深圳工場だけでは生産が需要に追い付かず、同じ広東省で深圳市に近い“恵州市”、“中山市”、“仏山市”などの珠江三角州周辺に工場を建設したが、さらなる増産の必要性から中国各地に工場を建設し、今では中国全土に合計35カ所もの工場を持つに至っている。工場数の増大に伴い工員数も飛躍的に増大し、中国国内だけで最高時は150万人に達していたと考えられている。

 鴻海精密工業が上述した世界企業番付「Fortune Global 500」に初めてランクインしたのは2005年版で371位であった。この輝かしき栄誉を礎として、さらに上位を目指して業績の拡大を図っていた富士康科技集団を突然襲ったのが、2010年1月から11月までの11か月間に連続して発生した14件の工員飛び降り事件だった。

若手工員14人が飛び降り

 最初の事件が発生したのは1月23日の早朝だった。深圳市“宝安区”にある富士康の“華南培訓処(華南訓練所)”の宿舎で19歳の工員“馬向前”が階段の上り口で死亡しているのが発見された。警察は馬向前の死因を高所から墜落したことによる外傷性ショック死と断定したが、これは宿舎の高い所から飛び降りたということを意味していた。しかし、馬向前の遺族は馬向前がすでに会社へ辞表を提出済みで、2月9日には富士康から去る予定だったとして、警察発表の死因に異議を唱えてメディアに訴えたことから事件は大きく報じられ、冨士康は世論の厳しい追及の矢面に立たされることとなった。但し、メディアが事件を大きく報じた裏には、冨士康が台湾の投資企業であることも大きく影響していた。

 この事件を皮切りとして、わずか11か月間に工員の飛び降り事件が合計14件発生したのだった。その内訳は、3月11日(飛び降りた工員の年齢・性別:20歳・男)、3月17日(不明・女)、3月29日(23歳・男)、4月6日(19歳未満・女)、4月7日(18歳・女)、5月6日(24歳・男)、5月11日(不明・女)、5月14日(21歳・男)、5月21日(21歳・男)、5月25日(29歳・男)、5月26日(23歳・男)、8月4日(22歳・女)、11月5日(22歳・男)であった。なお、彼らが飛び降りた結果は死亡12件、負傷2件であったが、このうち自殺あるいは自殺の可能性と判断されたものは8件で、不明が4件だった。

 上記から分かるように飛び降りた工員は“80后(1980年代生まれ)”あるいは“90后(1990年代生まれ)”と呼ばれる若者であり、彼らの全てが農村の出身者で、冨士康へ入社してから時間はそれほど経過していなかった。彼らは富士康の厳しい管理体制の下で機械のように単純な生産作業に長時間従事することで精神のバランスを崩し、思い詰め、逃げ場を求めて飛び降り自殺に走ったものと考えられる。

employees in a Chinese manufacturing

2010年、若手工員の連続飛び降り事件が発生した際、鴻海は広東省の工場を国内外のメディアに公開した(写真=ロイター/アフロ)

2010年当時の調査によれば、富士康の給与は的確に支払われていたし、工員に対する福利厚生も他社に比べて遜色のないものだった。但し、労働環境は非人間的な単純作業の繰り返しであり、トイレに立つ回数すら制限する奴隷労働に近いものだった。富士康の本拠地である深圳市の工場では、わずか3平方キロメートル足らずの土地に40万人以上の工員がひしめき、退勤時間には深圳市で最も繁華な地区以上に込み合う様相を見せていた。富士康が工員に求めるのは、ひたすら速度と効率であり、生産ライン上では、自由な発言や携帯電話を受けることは禁止され、交代者が来ない限り持ち場を離れることは許されなかった。これに加えて、工員を監督する現場管理者の態度は極めて悪く、横柄であった。工員が命令に従わない時には暴力を振るい、暴言を吐き、首にするぞと脅して従わせる。要するに富士康の職場には働くことの喜びもなければ、夢も希望も見い出せなかった。

 中国がまだ貧しかった時代に生まれ育った“60后(1960年代生まれ)”や“70后(1970年代生まれ)”の工員たちは、富士康のような外資系企業の工場で働くことで、国内企業よりも良い給与を得ることに喜びを感じた。しかし、物心付く頃に中国が飛躍的な経済成長を遂げた“80后”や“90后”の工員たちは、一人っ子政策が生み出した「一人っ子」であるために親に大切に育てられた。このため、彼らは厳しく単調な労働に耐える力が無かったし、深圳市のような大都市の生活に憧れる抱いて富士康へ入社したのだった。そうした彼らが夢と現実の乖離に絶望を感じて、飛び降り自殺を図ったことは想像に難くない。

3年以内に100万台のロボットを導入

 メディアは富士康で起こった14件の連続飛び降り事件を“14連跳”と名付けて、富士康叩きに狂奔した。富士康は全ての工員宿舎に自殺防止ネットを設置し、70人の心療内科医を常駐させることで、工員の飛び降りを抑止する措置を講じた。その後、富士康は工員に対する大幅な賃上げを実施し、1日当たりの超過勤務を3時間に制限する規定を作ることで、“14連跳”による企業存亡の危機を乗り越えた。この“14連跳”を契機として、2011年頃に鴻海精密工業の創業者で、鴻海精密工業と富士康の“董事長(会長)”を兼ねる“郭台銘”が提起したのが、機械が人に取って代わる“機器人(ロボット)計画”だった。郭台銘は3年以内に100万台のロボットを導入して富士康の生産ラインを改良すると公言したのだった。

 郭台銘がロボット開発計画を提起したのは2006年だった。彼は米国マサチューセッツ工科大学から技術者グループを招聘して富士康の生産ラインに適合するロボットの開発を要請した。2007年には富士康の「AR(Automation Robotics:自動化ロボット)事業部」を深圳市に発足させ、本格的に工業用ロボットの研究開発をスタートさせた。2008年には開発された富士康製ロボットを生産ラインへ投入してテストを行い、2009年には“Foxbot”と命名された富士康製ロボット15台が完成し、塗装、組立、運搬などのラインに配備された。こうした過程を経て、郭台銘は日産1000台のペースでロボットを生産すれば年間30万台という確信を持ち、2011年に3年以内に100万台のロボット導入を公言したのだった。

2015年5月24日付の上海紙「新聞晨報」が報じた富士康の関連記事によれば、富士康は2010年から2015年5月までに、3億元(約51億円)を投入して昆山工場生産ラインの自動化改造を進めており、すでに採用している自主開発のロボットは2000台以上に上っている。同紙に掲載された富士康の自主開発ロボットには、“富士康深圳一号”の文字が書かれていた。

 上記の記事には、“中国機器人産業聯盟(中国ロボット産業連盟)”の統計データが紹介されていた。同データによれば、2014年に中国市場で販売された工業用ロボットは約5.7万台で、前年比で55%増大した。5.7万台は全世界の販売量の4分の1を占め、中国は2013年・2014年と2年連続で世界一のロボット市場となった。このうち、中国の国内企業のロボット販売量は1万6945台で前年比76.6%の増大、外資企業のロボット販売量は約4万台で、前年比47%の増大であった。

中進国の罠に、はまり込む

 上述したように、中国では人間に取って代わるロボットの導入が積極的に進められているが、その大部分は設備投資の資金に余裕がある、あるいは、資金を借りる能力のある大企業が主体である。これに対して、中小企業は銀行からの借入は困難で、資金調達能力に限界があるため、ロボットを導入したくてもできない状態にある。こうした状態が進めば、ロボット導入を果たした大企業はますます富み、導入ができない中小企業はますます窮することになり、企業間格差はより一層拡大しよう。

 一方、ロボット導入が進めば、大量の工員たちが職場を追われ、失業者が増大することは火を見るよりも明らかである。中国では経営破たんしながら政府や銀行の支援を受けて存続している国営のゾンビ企業を整理する方針が出され、数百万人規模の失業者が出る可能性が高い。ロボット導入はさらなる失業者の増大を加速させることになるが、中国政府はこうした失業者にどのように対処する積りなのか。その根底にあるのは、中国政府が最低賃金水準を年々大幅に引き上げたことによる賃金上昇が企業業績を悪化させ、人件費節約のためにロボット導入を余儀なくさせたことにある。

 こうして見ると、中国が中進国の罠(わな)にはまる可能性は極めて高く、容易には罠から抜け出せないように思えてならない。

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『トランプはなんとイスラム教徒にも大人気だった 日本では伝えられないアメリカの現実』(6/1JBプレス 部谷 直亮)について

本記事を読みますと、イスラム教徒の中でのトランプ支持者は①経済活性化②イスラムの教えに沿っていること③充実した医療保険を理由に挙げています。イスラム教徒は民主党支持者が多いので、数少ない共和党支持者の中でのトランプ支持者ですから総数はグッと少くなるのでは。でもトランプの支持率がヒラリーを抜いた記事もありました。ヒラリーはFBIの聴聞もあり、追い込まれています。また、サンダースが民主党候補になれない場合(特別代議員の存在もあり、サンダースが候補になることはないでしょう)、独立候補となる可能性もあります。共和党で独立して候補となる人はいません。ヒラリーにとっては苦難の道が続くと思います。

フィリピンのドウテルテの大統領就任は6/30ですが、大分発言も慎重になってきました。中国は南シナ海の問題で味方につけようといろんな工作を仕掛けるでしょうが、アキノ大統領のしてきた米軍の駐留、南シナ海領有権問題の国際司法裁判所の判決(ドウテルテ大統領就任前に判決が出る可能性もあり)は守るでしょう。6/1Newsweek記事では見出しが「ドゥテルテ次期フィリピン大統領 米国に依存せず」ですが、読みますと南シナ海については多国間協議を支持していますし、自主防衛の力を付けて行くというのは方向として正しいのでは。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/06/post-5221.php

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2800W_Y4A420C1EAF000/

ドウテルテ同様、トランプも今後発言を軌道修正していくと思います。

日本の海外駐在特派員はロクな取材先を持っていないでしょう。せいぜい海外の新聞やTV、ネット記事を翻訳して、さも自分が調べたような顔をしているだけです。日高義樹氏のように取材先を持って自分のTV番組の中で放送できる人は稀です。トランプが大統領になるかもしれないので官民挙げての人脈作りをしていかないと。大統領にならなくても何かで役に立つでしょう。ビル・クリントンはアーカンソー州知事の時には日系企業を誘致して親日的でしたが、ブッシュ父から引き継いで大統領になったときに経済が悪化していたのと中国からの金で日本軽視の姿勢を取りました。日本の人脈作りが下手なせいです。ま、日本人は中国人のようにスマートに賄賂を贈ることは出来ませんから。ヒラリーが大統領になれば、中国宥和策を採るでしょう。

記事

Trump-12

米カリフォルニア州フレズノで開いた集会で演説する米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏(2016年5月27日撮影)。(c)AFP/Sandy Huffaker〔AFPBB News

 2015年12月、イスラム教徒を完全に入国禁止にすると宣言したトランプ候補。だが驚くべきことに、在米イスラム教徒団体が2016年3月に行った世論調査では、共和党系候補ではトランプ候補が最も支持を得ているという結果が出た。

 米国でもこの結果は意外感をもって受け止められたようで、トランプ候補を支持するイスラム教徒のグループなどへの各種インタビューが行われている。

 一体なぜトランプ候補がイスラム教徒から支持されているのか。実はその支持の背景にこそ、日本人の多くがトランプ旋風を読み違えてしまった原因がある。

最もイスラム教徒が支持する共和党候補

 米イスラム関係評議会協会(CAIR:Council on American – Islamic Relations)は、在米イスラム教徒の間では名の通った中立的で穏健な団体である。

 トランプ候補が「入国禁止宣言」を行った際にはすぐさま批判を行い、その後も幹部が、トランプ候補をはじめとする共和党候補を繰り返し批判している。

そのトランプ候補に批判的なCAIRが今年3月、全米のイスラム教徒1850人に世論調査を行った。その結果、最も支持する大統領候補は、第1位クリントン候補(47%)、第2位サンダース候補(25%)、第3位トランプ候補(11%)、第4位ルビオ候補(4%)、第5位クルーズ候補(2%)、第6位ケーシック候補(1%)となった。

 在米イスラム教徒の多くは民主党支持者(この調査でも67%が民主党支持、18%が共和党支持と回答)なので、クリントン候補、サンダース候補が首位を占めることは当然であろう。一方、米国内で議論を呼んだのは、トランプ候補が共和党候補で最も支持を集めたことである。トランプ候補のイスラム教徒入国禁止宣言やテロリストの家族も皆殺し発言を強烈に批判した、ルビオ、クルーズ、ケーシックの3候補はトランプに惨敗してしまったのだ。しかも、前二者は地元ですら負けている。CAIRがトランプに批判的な団体であることを考慮すると、まさに意外な調査結果であった。

 また、世論調査で定評のあるギャラップ社の調査でも、CAIRとほぼ同様にトランプ候補は在米イスラム教徒の13%から支持を得ている。

支持の理由は経済と社会保障への対応

 なぜトランプ候補はイスラム教徒から支持を受けるのか。その大きな理由は経済と社会保障への対応である。

 CAIRの世論調査で共和党支持のイスラム教徒に「大統領選挙の候補者選びで最も重要な論点は何か」と尋ねたところ、第1位に経済(38%)、第2位はイスラム教徒への差別(14%)、第3位は医療(12%)、第4位は外交(10%)となった。

 要するに、1兆円を超える資産を稼ぎ出した経営者としての実績を持ち、国内経済再建を強烈に掲げるトランプ候補に、経済問題を重視するイスラム教徒たちの支持が集まっているのである。

 実際に、サジド・タラルという在米イスラム教徒によるトランプ後援会会長は、「トランプが支持されている理由は経済」だと言う。トランプ候補の小さな政府、ビジネス推進政策、財政政策こそが、米国を経済的混乱から救うことができると話す。

 CAIRの行政関連業務マネージャーを務めるロバート・マッカウもCNNの取材に対し、「イスラム教徒でトランプを支持する人間の大部分は、中小企業経営者のための減税などの経済政策に引き寄せられている」と指摘している。

 また、トランプ候補は共和党候補では珍しいことに、オバマ大統領が推進してきた国民皆保険制度に好意的である。彼は、「オバマケアよりも素晴らしい皆保険制度を実現させる」と主張しており、これが医療の充実を願うイスラム教徒の願いに叶っているのだろう。

共和党とトランプ候補はイスラム的価値観を体現している

 各誌が行った、イスラム教徒へのインタビュー等からも興味深い結果が出ている。

 イスラム教徒による共和党系団体「共和党イスラム教徒連合」の代表を務めるパキスタン系米国人で女性弁護士のサバ・アハメドは、USAトゥデイ誌のインタビューで以下のように語っている。

「自分は2011年までは民主党員だった。だが、よくよく考えれば共和党にこそイスラムの価値観があると思い、共和党員になった。すなわち、中絶反対、反同性婚、伝統的な家族制の維持、自由経済および貿易の推進である。イスラムの価値観はまさしく(米国の)保守主義と重なる。

 トランプ候補は、最終的にはイスラム教徒入国禁止政策を撤回するだろう。実際、つい最近、彼は入国禁止政策を“単なる提案”だと言っている。自分は、共和党候補者が誰でも気にせずに支持し、他の在米イスラム教徒にも支持を呼びかけるつもりだ」

 つまり、トランプ候補の問題発言は選挙戦で注目を浴びて勝つためのレトリックに過ぎない、共和党こそイスラムの価値観と親和性があるから支持する、というのがアハメド氏の主張である。

3人のイスラム教徒たちへのインタビュー

 またタイム誌は、CAIRの調査を受けて、トランプを支持する3人のフロリダ在住のイスラム教徒にインタビューを実施した。これらのインタビューも、イスラム教徒たちがなぜトランプを支持するのかを雄弁に語っている。

 まず、37歳の無党派層のアダム・ウォーシャワーは、次のようにトランプ支持の理由を話す。

「トランプ候補は、別にイスラム教徒が嫌いだから入国禁止を提案したのではない。ただ、テロを防ぎたいからそう言っているに過ぎない。私はイスラム教徒として、テロを食い止めるためにトランプ候補を支持する。

 自分は別にトランプ信者というわけではなく、単なるリアリストだ。彼が勝つのであれば、イスラム教徒のために最も良い政策を行ってもらうよう支えたい。イスラム教徒の自分が彼を支持することが、イスラム教徒にとって良き変化をもたらす」

 1990年にシリアから移民した小切手換金サービス会社の社長のオマル・アルカディリ(52歳)も熱心なトランプ支持者である。アルカディリは次のように語る。

「自分はこれまでクリントンやオバマ大統領に投票してきた。しかし、オバマ大統領の下で、経済は悪化した。トランプの反イスラム教徒発言を聞いて最初は悩んだが、もっと大事な問題は経済であるとの結論を得た。

 トランプの反イスラム教徒宣言は選挙戦における炎上戦法でしかない。アメリカの熱狂しやすい人々に向けたエンターテイメントみたいなものだ」という。

 3人目は、パレスチナ移民の子供で、現在はプリペイド携帯会社の支店を複数経営するラエド・ハマダーンである。ハマダーンは「パレスチナ和平を重視する唯一の候補」としてトランプ候補を支持している。

「トランプ候補はメキシコの壁の建設やイスラム教徒の追放を唱えているが、実際には投票なくしては行えないから実現不可能だ。オバマ大統領がグアンタナモ収容所を閉鎖したいと言いながらいまだにできていないのと同じことだ。

 自分は、好戦的な共和党と違って戦争を回避するオバマ大統領を支持してきた。しかし、民主党は税金を経営者からたくさん徴収するばかりで支持できない。共和党ならば、経営者にもより公正な税制にしてくれる」

 以上のように、トランプを支持するイスラム教徒たちは、オバマ大統領の経済手腕に絶望すると同時に、トランプの過激な言動を冷静に分析して期待をかけている。そして、彼らは、先のサバ・アハメド弁護士と同様に、自らが支持を表明し応援していくことが、トランプ候補のイスラム教徒への好意的な反応につながると考えている。

 要するに、イスラム教徒たちは極めてリアリスティックな立場からトランプ候補に期待しているのである。

アメリカの現実を無視している日本の分析

 筆者は昨年末より様々な研究会でトランプ候補優勢を主張してきた。だが、多くは「トランプが大統領になったら高級焼肉を奢る(笑)」という反応であった。現在もマスメディアでは「最後はヒラリーが勝つ」という論調が大勢を占める。

 なぜ日本では、こうした現実を無視する分析が横行するのだろうか。

 その大きな原因は、上記のような選挙戦の帰趨を決定する草の根の支持層の声を軽視してきたからであろう。実際、選挙戦初期の日本のメディアの「ブッシュが勝利する」という分析も、共和党のエリート層に属する人間からの伝聞情報を根拠とし、ティーパーティー(茶会)運動のような市民運動には目を向けていなかった。

 しかし、もはや米国政治(特に共和党内部)は、一部の既得権益を重視するエリート層の手を離れつつある。しかも、ややこしいのは、このエリート層には、これまでの草の根運動を主導してきたはずの「保守派」も、今や含まれているということである。

 要するに、旧来のエリート層や「保守派」に期待しない、減税と自由競争に基づく経済政策を重視する草の根の一般市民たちが影響力を行使する時代に入っているのだ。

 トランプ候補が、エリート層が少なく、既得権益化した「保守派」にも入れない在米イスラム教徒の支持を受けているというのは、そうした時代の変化を象徴していると言えよう。そして、そこにこそ、トランプ旋風を日本が理解できず予測もできなかった原因があるのである。

(*)CAIRの世論調査については、早稲田大学公共政策研究所地域主権研究センター招聘研究員の渡瀬裕哉氏から貴重な助言を頂戴しました。ここに深く御礼を申し上げます。

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『G7とオバマ広島訪問、中国「日本猛攻」の意味 安倍式「歴史の乗り越え方」が中国を焦らせる』(6/1日経ビジネスオンライン 福島香織)について

中国人は自分が都合悪くなると、すぐに論理のすり替え、百年前のことを持ち出すなどして誤魔化そうとします。不合理精神そのものですが、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄ですから。でも非難の仕方は相変わらずで、朝鮮半島と同じで下品です。中華・小中華というのは如何に徳のない民族かという事です。エリザベス女王に“rude”と言われるのは当り前です。礼儀を知りませんので。孔子がいくら徳を教えようとしても誰も守ろうとしなかった国です。中国の歴史は虐殺の歴史なのに、デッチアゲの南京事件を言い立てるのは面の皮が厚すぎでしょう。而も共産中国の建国の父・毛沢東は文革時、批林批孔を煽動して紅衛兵に人にあるまじきことをさせました。それが今では孔子学院を世界中に作り、中国語を教えるというのですから。ご都合主義の最たるものです。

本記事の中で、中国のメデイアは「サミット、オバマの訪広が今度の参院選対策」というのですから、選挙もしてない国に難癖をつけられる覚えはないという気にさせられます。悔しかったら選挙して見れば良いのに。出来ないのであれば、黙っているべきと思うのですが、そうできない所に性が出るのでしょう。オバマの訪広は日本が望んだことではないのは、日本の新聞記事、ネットを読めばわかること。日本に多くのスパイを送り込んでいる中国が知らないはずがありません。都合の悪い情報は知らん振りします。

9月のG20は楽しみです。中国は日本を悪者とする絵を描こうとするでしょうが、せいぜい味方は韓国くらいのものでしょう。それだって米国から圧力をかけられれば分かりません。逆に中国が孤立を深めるのではと。議事国の纏め方が楽しみです。

記事

Abe and OBama in Hiroshima

歴史を乗り越えようとする日米に、中国は焦りを募らせる(写真:代表撮影/AP/アフロ)

 8年ぶりの日本でのG7に続いて、オバマ米大統領の広島訪問と、先週の日本は国際ニュースが盛りだくさんであった。しかも、いずれも中国が影の主役であったといえる。ただ8年前は、リーマンショック直後に世界から経済の救世主として期待された中国の存在感とは裏腹に、今回はむしろヒール(悪役)であった。中国の反応から、サミットとオバマ広島訪問を見てみたい。

日本が「悪知恵」で対中包囲網

 G7の首脳宣言では中国を名指しこそしなかったが、国家が国際法に基づき力や威圧を用いないこと、平和的な手段による紛争解決を追求することの重要性を再確認し、東シナ海、南シナ海における状況を懸念し、紛争の平和的管理、解決の根本的な重要性を強調した。

 これに対し中国外交部報道官は27日の定例記者会見で、強烈な反発を表明。「今回の日本が主催するG7サミットは、南シナ海問題を煽り、緊張情勢を拡大させ、南シナ海の安定に不利益をもたらした。G7は先進国の経済問題を話し合うプラットフォームと名乗るにふさわしくない。中国側はG7のやり方に対して強烈な不満を示す」と日本を名指しする形で抗議した。

 さらに30日の記者会見では、「中国が南シナ海で展開している活動は完全に主権範囲内のことで、正当合法であることは議論の余地がない。中国は南シナ海の航行・飛行の自由もしっかり維持している。しかし“航行の自由と自由の横行は同じではない”。中国は個別の国家が航行の自由という建前で中国を悪者にすることには断固反対する」と訴え、G7拡大会議でも中国へのけん制を念頭に海洋問題が議論されたことについては、「会議で何を討論しようとも、他国の利益を損なうことはすべきではなく、地域の緊張を刺激すべきでもない」と批判した。

 安倍晋三首相は記者会見上、一言も中国という国名を言わず、南シナ問題については、2014年のアジア安全保障会議上で提出された三原則、つまり①国際法に基づき主張する②力や威圧を用いない③平和的解決を徹底する、を繰り返しただけである。表現上は決して中国を特別挑発するようなものではないのだが、一部中国メディアは「G7は安倍が“夾帯私貨”(ヤミ商品を紛れ込ませることを)している」という言い方で、いかにもホスト国の日本が悪知恵をめぐらして、G7の本来の議題とは関係のない南シナ海の問題を強引に議題のテーブルに乗せて、対中包囲網を形成したのだ、と日本に対する苛立ちを募らせている。

南シナ海問題以外についても、中国メディアはおおむね酷評しており、「G7モデルは、西側国家が世界経済の舞台上、圧倒的優勢を占めるために作られたのであり、中国、インド、ブラジルなどの新興国が彼らに背を向けて発展し始めた今日、G7サミットはすでに政治的回顧録に過ぎず、政治そのものになりえない」「内容のないショーだ」(中国金融報)、「会議の議題は空疎で、対立は明らかで、成果は乏しく、しかもホスト国の日本がたえず議題を偏向させている」「G7の影響力は日増しに衰退し、世界経済における役割はすでに過去のもの」(中国社会科学報)などとG7オワコン説を力説している。

「G7よりG20」「南京を忘れるな」

 もちろん、9月に中国がホストとなって浙江省杭州で開かれるG20こそが、グローバルな問題の討論と解決のプラットフォームであるということが言いたいがための文脈だ。

 「G20があるのに、G7はまだ必要なのか」というタス通信の報道などを引用して、南シナ海から世界経済減速まで、世界の諸問題の原因となっている中国が参与していないG7ではなく、中国が重視するG20がグローバルメカニズムの核となるのだと訴えている。

 G7に続く、米大統領オバマの広島訪問についても、思いっきり難癖をつけている。

 27日に外相の王毅が記者会見上で「広島は注目に値するが、南京はさらに忘れてはならない。犠牲者に同情することも大切だが、加害者は、永遠にその責任から逃れることができないのだ」と“過去の侵略戦争発動者”日本に釘を刺した。

 華僑系通信社中国新聞社は「やってきたよ、でも謝らない:オバマの広島訪問に日本は満足なのか?」というタイトルで、これがオバマの在任期間のロスタイムの政治ショーにすぎないと揶揄した。

 さらに「非核化を推進できるのか、日米同盟を強化できるのか、アジアリバランス政策に多少寄与するのか、あるいは日本の侵略行為の罪を淡化させるという安倍の望みをかなえ、7月の選挙のプラス材料となるのか。我々は目をこすって待ってみよう」「かつて非核化推進努力によりノーベル平和賞を受賞したオバマがもっとも気にしているのは残りの在任期間が多くない状況下で、“非核世界”の理想実現のために努力して見せる。それが自分により多くの政治遺産を残すことになる。…安倍にしてみれば、オバマの広島訪問は日本の第二次大戦下での侵略暴行の記憶を淡化させることに役立つ。表面上は世界に核兵器の廃絶を呼びかけるためとしながら、実際は自分たちが第二次大戦の被害者であるイメージを打ち出して、日本が侵略戦争を発動した責任と他国に与えた損害の記憶を薄れさせようということだ」などと、日米の狙いを分析している。

 さらに、次期大統領選の共和党候補ドナルド・トランプが「(オバマが日本訪問中)なぜ真珠湾奇襲作戦について質問しないんだ」と28日にツイッター上でつぶやいたことなどを引用し、日本が戦争被害者でなく加害者であることを改めて強調した。

米国の戦闘能力はピーク時の半分

 またシンガポールのストレーツタイムズ紙を引用する形で、米国のレームダックを印象付けようとしている報道もある。

 「オバマは広島で日本に謝罪はしなかったものの日本にごまをすったことは明白である。これは傲慢なアメリカ合衆国とオバマさんが一夜にして良心に目覚め、日本と対等なパートナーシップを結ぶことを決めたのか? もちろん違う。日米間のパワーバランスはすでに巨大な変化が生じている。米国経済は日増しに衰弱し、オバマは世界覇権維持を軍事力にますます頼らざるを得なくなっているが、その軍事力もまた、経済基礎の上に建設されている。いまや、米軍の戦闘能力は、ピーク時の50パーセント前後である。この米軍の実力的凋落は何なのか。間違いなく、米国のグローバル覇権がいよいよ終焉の時を迎えているサインである」

 「オバマはこの脆さ極まりない世界覇権の地位のため、軍事同盟の関係上、日本にすり寄らねばならないのだ。もちろん安倍は鋭敏にこのオバマの本音をかぎ取っている。米国が日本を必要としている以上に、日本も米国がさらに必要である。…(オバマに広島にG7のついでに立ち寄るよう頼むのは)オバマ大統領が謝罪をすれば一番良いが、謝罪をしなくとも、オバマが来れば、それは一つの態度なのである。オバマが広島に謝罪に来た、というふうに読み取ってよいのだ。安倍は虚栄心とメンツを大いに満足させたことだろう。オバマは何を得たのか? 屈辱以外に? 実際、米国はこんなところまでやってきて、実質なにもよいことはないのである」(中華ネット論壇)

 以上の論評は、外国メディアを引用する形も含めて、かなり中国の本音に迫っているのだと思う。そしてサミットとオバマ広島訪問の成果とは何かを考えるとき、中国の批判の裏側を読めばだいたい当たっているだろう。グローバル経済の問題に対応するとき、G7ではいまひとつ影響力が持てないということもある意味、当たっている。だが今回、注目するべきは国際社会のパワーバランスにおける日本の存在感を中国がかなり意識してくれているということだろう。

 中国は、今回のサミットにしろ広島訪問にしろ、安倍が仕組んだと批判している。中国包囲網でG7とアジア・アフリカ7カ国の結束を固めることに成功し、オバマ広島訪問で米国のレームダックと日本と米国の関係性の変化を国際社会に印象づけた。さらに中国や韓国などとの“歴史情報戦”に一矢報いた。

中韓とは異なる、歴史の乗り越え方を示す

 習近平政権の当初の外交シナリオの中に、日本が“歴史修正主義者”で軍国主義復活を狙っているという間違ったイメージを国際社会の中で広め、日米離反、日本孤立を画策しようというものがあった。日米離反政策は、結果的に習近平がオバマを侮りすぎたことで失敗、米国はむしろ対中警戒を強めて日米同盟が強化される格好になるのだが、その流れに乗じて今回、日本は“過去の戦争の被害者と加害者の和解と未来志向”というものを演出してみせて、過去の戦争の被害者として延々に謝罪を求め続ける中国や韓国にあてつけて見せたのである。

 このことは、いまや国際政治の一つの重要カードとなっている歴史情報戦において、中国が言うように、日本の侵略戦争イメージを薄れさせると同時に、いつまでも過去の戦争の恨みにこだわっている中韓の心の狭さと対比するかたちで、日本という国の歴史の乗り越え方を示すことができたのだ。

安全保障のバランス、再考を

 今回のオバマ広島訪問に関する中国の批判(指摘)の中で、私が一番、なるほどと感心したのは、米国の軍事力衰退の象徴と捉えていることである。米大統領広島訪問の意義としては、日米関係の緊密化アピールによる対中牽制以外に、単純にノーベル平和賞を受賞したオバマが大統領としての最後の花道に広島を選んだのだろうというぐらいにしか考えていなかったのだが、ここは中国の見立てが当たっているだろう。

 日本では、この訪問時期にあわせて共同通信が実施した全国電話世論調査で、日米地位協定を「改定すべきだ」との答えが71パーセントに上った。もちろん、元米海兵隊員の軍属が逮捕された沖縄女性遺棄事件の衝撃が大きな要因ではあるが、この大統領広島訪問も影響があるだろう。軍事大国として圧倒的強者として日本の安全保障を預かってきた米国の大統領が、謝罪の言葉こそ口にしなかったが、かつての虐殺現場を訪れて献花したわけである。

 米国は日本に対して圧倒的強者から、等身大のパートナー国の立場に自ら降りてきて、日本の気持ちに配慮を示そうとしている。米国はかつてほど威圧的でも傲慢でもなくなったが、かつてほど強くもない。ということならば、日本の安全保障のバランスも再考せねばなるまい、という気持ちにさせられるではないか。

 オバマの次の大統領が誰なのかにもよるが、世界がここまできな臭く、南シナ海から東シナ海にかけての緊張がかつてなく高まっている状況で、米国の軍事的実力が落ちているというならば、従来の日米地位協定を変えていこうという流れになるのは当然かもしれない。

中国の非難が示す安倍外交の成果

 “戦後レジームの脱却”を公言していた安倍政権が、それどころか、日米安保強化に動いたという点を批判する声は保守層の間でも起きているが、その日米同盟のパワーバランスが少しずつであるが変化している流れを考えると、やはり安倍外交の根っこにはぶれがないという気がする。

 G7サミットについても、米大統領広島訪問についても、中国がここまで真剣に“安倍のたくらみ”として批判してくるということは、安倍外交としてはかなりの成功だと自信を持っていいということだろう。もちろん、消費増税延期という内政問題にサミットを利用した感などもあるのだが、外交を内政に利用することが悪いというわけではない。

 世界はいま戦後長らく固定されてきた枠組みや秩序から、少しずつ変化しようとしている。主なプレイヤーは米国と中国、あるいはロシアだと思われているが、日本もかなりの存在感をここにきて見せるようになってきたではないか。次はG20で中国のお手並み拝見である。

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『米投資ファンド、中国の不良債権処理に参入 』について(5/30日経)

本記事の債務は小さすぎでしょう。中国は都合の悪い数字は低く発表しますので。宮崎正弘氏のメルマガにも中国の債務はトータルでGDPの320%、30兆$(3300兆円)とヘッジファンドは読んでいるとのこと。中国の発表している数字は融資平台のノンバンクの数字は入っていないのかも知れませんが、それにしても少なすぎの印象があります。

http://melma.com/backnumber_45206_6373694/

実需を無視して建物を作った後には何が残るかと言うと、宴の後の借金と廃墟でしょう。紙幣の増刷で乗り切れるかどうかです。ハイパーインフレになるのでは。そうなれば、共産党は打倒されるでしょう。幹部は亡命、でも預金情報を押えている米国に差押えされるかもしれません。借金の返済に充てられるかも。

ハゲタカのKKRが損をすることはしないと思います。安く買い叩いて、高く売り抜ける目算があるのでしょう。ただ、中国の土地の所有権は共産党が握っています。居住用70年、工業用地50年の使用権だけを切り売りしています。この年限を利用して儲けるのかどうか?やり方は想像できません。

「招商銀行が不良債権の証券化に踏み切った」と言うのは、リーマンの轍を踏むということでしょう。サブプライムで腐った林檎も入れて証券化して、世界的にその証券を買った国や銀行は損しました。そのような証券を中国以外の国が買うことはないでしょう。損するのが分かっていますので。花見酒の経済になるのでは。

記事

 【上海=張勇祥】米国の有力投資ファンドが相次ぎ中国の不良債権処理ビジネスに参入している。オークツリー・キャピタルが北京の不動産に投資したほか、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は中国国有の資産管理会社(AMC)と提携した。中国では景気減速に伴い不良債権が急増している。当局は海外勢の資金を導入し、最終処理を急ぐ考えだ。

condo in Beijing

10年間、建設が止まったままの住宅群(5月、北京)=AP

 オークツリーは2015年に第1弾となる不良資産買い取りを実施したほか、「北京で商業用不動産のプロジェクトに関与している」という。地方都市の不動産への投資は検討せず、上海や北京など大都市圏での投資機会を探るとしている。

 KKRは中国国有の不良債権処理会社、「中国東方資産管理」と共同出資会社の設立で合意した。KKRで中国地区の代表を務める劉海峰氏は「投資先に必要な資本とノウハウを提供する」という。同社は中国の不良債権の多くは不動産が担保になっていると指摘しており、不動産を活用した最終処理を模索するとみられる。

 ゴールドマン・サックスは現時点では残高はないが、北京の拠点を通じ投資機会を探っている。中国では1997年のアジア通貨危機を契機に、大きく膨らんでいた不良債権処理を本格化した経緯がある。中国当局は政府出資でAMCを設立、国有銀行の不良債権を分離して買い取ったほか、ゴールドマンなど海外の投資銀行に債権を売却した。

bad loan in China

 ゴールドマンは国有商業銀行の一角である中国工商銀行のほか、複数のAMCから総額200億元(約3300億円)規模の不良債権や関連資産を買い取った実績があるとされる。ゴールドマンは工商銀にも出資、香港市場などへの上場を支援した経緯があり、過去の実績を生かせると判断しているようだ。

 このほか、ローンスターは国有AMCの一つである「中国華融資産管理」に接触。不良債権ビジネスでの提携を模索している。ローンスターは華融だけでなく、複数の金融機関と協議しているとみられる。

 海外の投資ファンドが相次ぎ中国に進出する背景には、金融機関が巨額の不良債権を抱え、かつ最終処理を急いでいることがある。中国の商業銀行の不良債権残高は16年3月末時点で1兆3921億元と1年前に比べ42%も増加した。

 このほか、不良債権に分類していないものの、将来の元利払いにリスクがある「関注類」と呼ぶ債権が3兆2000億元にのぼる。中国は1~3月期の実質経済成長率が6.7%と7年ぶりの低水準にとどまり、鉄鋼や石炭、造船業などで債務不履行が相次いでいる。中国政府は過剰な生産能力や人員を抱える企業の淘汰を進める方針で、不良債権は今後も増加が続く公算が大きい。

 中国の銀行も最終処理を加速しており、5月には国有大手の中国銀行のほか、招商銀行が不良債権の証券化に踏み切った。銀行の資産内容の劣化を放置すれば金融システムへの信認が揺らぎかねず、中国当局は政府主導で不良債権対策を進める考えだ。

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『オバマ広島訪問、米国内はどう受け止めたのか』(5/30日経ビジネスオンライン 高濱賛)

本日、安倍首相は野党の不信任決議を受けて、粛々と否決し、衆院解散するのでは。麻生副総理、谷垣幹事長、稲田政調会長も「消費税増税を延期するのであれば、衆院を解散して信を問うべき」と言いだしたのはその証拠では。示し合わせての発言ではないかと思います。二階総務会長は先日の御坊市長選で子息が落選する憂き目に遭い、支持基盤がガタガタになっているのでこの近くでの選挙はしたくない気持ちがありありですが。売国議員は落選した方が良いでしょう。

5/30日経では<内閣支持、56%に上昇 オバマ氏訪問「評価」92% サミット外交「評価」62% 

 日本経済新聞社とテレビ東京による27~29日の世論調査で、内閣支持率は56%で4~5月の前回調査から3ポイント上昇した。不支持率は35%で5ポイント低下。先の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で議長を務めた安倍晋三首相の働きぶりは62%、オバマ米大統領の広島訪問は92%がそれぞれ「評価する」と答えた。一連の外交成果が支持率を押し上げた形だ。(関連記事総合・政治面に)

approval rating of cabinet

 内閣支持率は2014年9月の内閣改造を受けた調査で60%を記録して以来の高水準となった。

 来年4月の消費増税は「反対」が63%と依然高水準。「賛成」は3ポイント上昇の32%だった。増税先送りで取り沙汰される衆参同日選は「反対」が1ポイント低下の42%、「賛成」は3ポイント低下し38%だった。経済政策「アベノミクス」は「評価する」が38%と2ポイント上昇し、「評価しない」は49%で4ポイント低下した。

 調査は日経リサーチが全国の18歳以上の男女を対象に乱数番号(RDD)方式で電話で実施。固定電話と携帯電話で計2278件を対象に、1089件の回答を得た。

外交成果、参院選へ与党に追い風 本社世論調査 

 日本経済新聞の世論調査で、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)などの外交成果が安倍政権の内閣支持率を1年8カ月ぶりの高水準に押し上げた。2017年4月の消費増税も「反対」が6割超と、先送りの意向を示した安倍晋三首相を後押しする結果が出た。7月の参院選に向けて追い風になりそうだ。

 首相はサミットで主要7カ国(G7)首脳らとの議論を主導し、世界経済の減速阻止策を柱とした首脳宣言を取りまとめた。こうした議長としての働きぶりを「評価する」は62%で「評価しない」の21%を大きく上回った。内閣支持層で「評価する」との回答は8割に上った。

 政府・与党はもともと参院選を控えた時期のサミット開催を「選挙戦に弾みをつける格好の場」ととらえ、会議の成功を最重要課題としていた。安倍首相は5月の大型連休中に欧州を歴訪、財政出動を含む政策協調に慎重な英国やドイツの首脳と調整を重ね、首脳宣言の採択につなげた。

 世界経済が危機に陥るリスクに触れた首脳宣言は、17年4月の消費税10%への引き上げ先送りの口実になるとの批判も根強い。ただ予定通りの消費税引き上げに「反対」が「賛成」のほぼ2倍。内閣支持・不支持にかかわらず「反対」が多く、増税延期そのものが参院選に大きくマイナスになることはなさそうだ。

 サミットに併せて実現したオバマ米大統領の広島訪問も高い評価を受け、内閣支持率は56%と14年9月の第2次安倍改造内閣が発足した直後以来の高い水準になった。参院選の投票先も自民党が44%と「1強」を維持しており、選挙戦に向けた大きな懸念材料は見当たらないようにみえる。

 ただ沖縄県で米軍属が逮捕された女性遺棄事件への日本政府の対応は「適切ではない」が46%と「適切だ」の37%を上回った。事件には女性の反発が根強く、無党派層も半数近くが政府対応を「適切ではない」と回答した。6月上旬には沖縄県議選があり、その結果次第では参院選に逆風が吹く可能性もある。

参院選候補の野党一本化 「反対」が「賛成」上回る

 世論調査で7月の参院選での野党が進めている候補者一本化について聞いたところ、「賛成」が35%、「反対」が42%となった。

 野党の支持層でみると、民進党支持層が「賛成」73%、「反対」19%、共産党支持層も「賛成」63%、「反対」27%と一本化の軸になる民進、共産両党の支持層には一定程度浸透している。ただカギを握る無党派層は「反対」36%と「賛成」31%を上回った。

 民進、共産両党に社民、生活両党を加えた野党4党は参院選で32ある「1人区」すべてで一本化のメドを立てている。

 今後は政策のすり合わせなどが課題になりそうだ。

 参院選で投票したい政党は、自民党が44%で4~5月の前回調査から変化はなかった。民進党は3ポイント低下の12%だった。公明党4%、共産党5%、社民党1%でいずれも横ばい。おおさか維新の会は2ポイント低下の4%で、生活の党は1ポイント上昇の2%。態度未定は4ポイント増え28%だった。

 政党支持率は自民党が2ポイント低下の44%、民進党が3ポイント低下の8%。無党派は9ポイント上昇し30%だった。>(以上)

安倍首相の支持率も上がり、解散には良いチャンス。参院の野党一本化も衆院と同日選をすることにより実質一本化の活動ができなくなります。第二次安倍内閣の使命は憲法改正です。衆参の2/3を確保する良いチャンスです。先ず96条改正して衆参1/2の発議にすれば良いのでは。国民投票はそのまま。

米国も多様な意見の存在が認められる社会ですので、いろんな意見が出るのは健全でしょう。でも、日本が歴史の見直しをしようとすると、「歴史修正主義者」の烙印を押して封じ込めるのは間違っています。お互いの立場を尊重するのが自由主義国家の良い所でしょう。米国人ももっと、自国の歴史を学ぶべきです。インデイアンの虐殺、黒人奴隷、原爆投下は米国の原罪です。自覚してほしい。日本人は謝罪は求めませんが、歴史の見直しはして行きます。

記事

Obama in hiroshima

被爆者の人をハグするオバマ大統領(写真:AP/アフロ)

—米国のバラク・オバマ大統領が来日しました。被爆者を含めた日本国民の多くは同大統領の広島訪問、原爆資料館見学、慰霊碑前での演説の“3点セット”を高く評価しています。米国の反応はどうですか(オバマ演説の英文全文はこちら)。

高濱 3人の米識者に聞いてみました。彼らが付けたスコアはA+~B+(最高点はA+、最低点はC-)でした。

  • リベラル派:ダスティン・ライト博士、カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部

 オバマ大統領によるこれまでの演説の中で最も重要な演説として記憶されるだろう。とくに原爆で命を奪われた日本人はもとより、韓国人、米兵ら戦争捕虜の人たちに触れたのも非常によかった。

 加えて、何に言及しなかったかも重要だ。原爆投下によって戦争終結が早まり、あれ以上多くの米兵や日本人が戦争の犠牲にならなかった――という点に触れなかった。これは、原爆投下正当論の修正につながる可能性がある。少なくとも、従来からの論議に一石を投じたことは間違いない。(採点はA+)

  • 穏健保守派:米主要シンクタンクの上級研究員(匿名希望)

 オバマ大統領は就任する前から広島を訪問したいと希望してきた。2009年のプラハ演説で謳い上げた『核なき世界』に向けた決意を広島で再び発信したいという願望を実現した勇気は見上げたものだ。レガシー(遺産)作りの一環だと批判されようと、お構いなしにやってのけた。

 共和党の大統領候補への指名を確実にした不動産王ドナルド・トランプ氏の品位も哲学もないアジ演説を聞くにつけ、オバマ大統領の言動は米国人にとって一服の清涼剤となる。世界に誇れるものだ。これだけの知性と見識を持った大統領はなかなかいない。

 ただ核兵器廃絶についての具体的な青写真が提示できなかったのは残念だ。(採点はA-)

  • 中道派:デイビッド・ストラウブ氏(国務省で日本部長、朝鮮部長を歴任した日韓関係をよく知るアジア通。スタンフォード大学アジア太平洋研究センター朝鮮問題研究プログラムのディレクター)

 オバマ大統領は、就任当初からやろうとしていた広島訪問を実現した。この点についてはそこそこの成功(modest success)と言える。「謝罪はしない」と事前に公言するなど用意周到に根回しをして、米国内にくすぶり続けている政治的な信管を抜き取った。反対してきた退役軍人団体も最後には無視するか、いやいやながら訪問を了承した。

 戦略面でみると、海洋進出を続ける中国や核開発に余念のない北朝鮮に対して、『核兵器なき世界』を広島からアピールする狙いはある程度成功した。

 広島は日米同盟にとって、のどに刺さったトゲだ。それを取り除いて和解することに役立ったのは違いない。ただし、日米の間で和解はすでに済んでいる。

 その一方で、東アジア全域に目を転じて、今回の広島訪問を考えてみると、中国、韓国、北朝鮮は控えめな形ではあるが訪問に否定的だった。オバマ大統領は、慰霊碑の前で述べた所感で韓国人被爆者にも触れた。だが広島訪問が、東アジア全域で第二次大戦の傷を癒す和解につながったかどうかは疑問だ。(採点はB+)

反対してきた退役軍人は反応せず

 米主要メディアも「オバマ大統領は原爆投下について謝罪はしなかったが、悲惨な戦争で命を奪われた罪なき人々を追悼した」(MSNBC)といったトーンで広島訪問が成功だったと報じています。

—当初、オバマ大統領の広島訪問に強く反対していた退役軍人、とくに日本軍の捕虜になった人たちの反応はどうでしたか。

高濱 反対派は反応しませんでした。

 オバマ政権による徹底した根回しが功を奏したのです。オバマ大統領自身、「謝罪しない」とメディアとのインタビューなどで繰り返し述べました。スーザン・ライス大統領補佐官も退役軍人団体の幹部に会って「謝罪はしない」と口を酸っぱくして説明しました。

 退役軍人団体の人たちは当初はこう反発していました。「たとえ謝罪しなくとも、大統領が広島に行って慰霊碑に献花すれば、日本人はそれを謝罪と受け取りかねない」。それが根回しの結果、退役軍人のある者は黙りこくり、ある者は無視する姿勢に変わったように思います。

 オバマ大統領は広島に訪問する直前まで、軍隊や退役軍人といった反対派に配慮し続けました。例えば、米軍岩国基地に立ち寄り、日米同盟の最前線で働いている米兵の労をねぎらいました。

 慰霊碑に献花した際にオバマ大統領は、黙とうはしたものの頭は下げませんでした。見ている米国民に「謝罪」と受け取られかねないジェスチャーを避けたのでしょう。

「広島訪問は愚行」となじる保守系サイト

 もっとも保守派の中には今回の広島訪問を手厳しく批判する者もいます。926万人がアクセスしているというウエブサイト「ヤング・コンサーバティブ」のマイケル・カントレル編集長はこうコメントしています。

 「オバマ大統領がまたまた陳腐な愚行(old shenanigans)をやらかした。被爆地・広島を訪問したのだ。そこで、原爆投下は『罪悪だ』(evil)と言ってのけた。なんで原爆が投下されたか、知っているはずだ。カミカゼがパールハーバーを奇襲したからだ。この男は嘆かわしい(deplorable)」

米国民の原爆投下正当論は変化するか

—オバマ大統領の広島訪問を契機に、米国民の間にある原爆投下正当論は今後、弱まっていくでしょうか。

高濱 しばしば引用される「原爆投下を正当化する米国民は56%」という世論調査結果は2015年のものです。これが今後劇的に減っていくかどうか、まだ分かりません。

 ただ原爆投下正当論の実態を調べていくと、ハリー・トルーマン第33代大統領の原爆投下決定が正しかったという紋切り型の自己弁護以上の何かがあります。それは第二次大戦を戦った米国民の大義名分を守らねばならないという信念です。日本軍国主義と戦い、打ち負かしたという歴史認識の修正は絶対に許せないという「偉大なる世代」*が抱く矜持なのかもしれません。

*:「偉大なる世代」(The Greatest Generation)は、大恐慌を生き抜き、第二次大戦で帝国主義と戦い勝利した1930年以前に生まれた米国民を指す。NBCテレビのアンカーマン、トム・ブロコウ氏が著書の中で使用し、その後一般化している。

反対の理由は「偉大なる世代の業績と遺産」を守ること

 ロイド・ベッセイ米海軍退役少将の指摘にそのことがにじみ出ています。同氏は退役軍人会の幹部で、潜水艦の乗組員として第二次大戦を戦いました。「原爆投下で日本は無条件降伏した。もし原爆を使用しなければ、米軍は日本本土に上陸し、日本軍と戦っただろ。多くの米兵の命だけでなく、日本国民の命を犠牲にしたかもしれない。あのトルーマン大統領の決定は正しかった。第二次大戦に参戦していた米兵にその是非を問えば、彼らのほとんど全員がトルーマン大統領の決定に賛同していたはずだ」。

 「オバマ大統領と安倍晋三首相は、同大統領が広島で謝罪しないことで合意したそうだ。だが、米国の現職大統領が広島を訪問すること自体が大統領による『暗黙の謝罪』(implicit apology)と受け止められる」

 「米大統領は平和と戦争の双方に大変な責務を負っている。トルーマン大統領は原爆投下という空前絶後の歴史的かつ宿命的な決定を迫られた。何らかの謝罪をすべきだと信じている者は、トルーマン大統領が当時直面していた立場に自らをおき、歴史的脈絡の中でその意味を考えるべきだ」

 「われわれ『偉大なる世代』は自らが築き上げた遺産と業績に誇りを持っている。原爆投下について大統領が謝罪することは、第二次大戦に参戦し死んでいった同志の魂を踏みつけにする酷い仕打ち以外のなにものでもない。それがいかなる形であれだ」

「真珠湾vs広島」という一次方程式に疑義

 かって東京特派員だった米ニューヨーク・タイムズの知日派ベテラン外交記者デービッド・サンガー氏は、オバマ大統領の広島訪問について「Obama’s Visit Raises Ghosts of Hiroshima」(オバマ訪問は広島の亡霊を呼び覚ます」という見出しの記事でこう指摘しています。

 「オバマ大統領の広島訪問は、大統領選の真っ最中というこの時期を念頭に入れれば、オバマの『謝罪の旅』を批判してきた勢力にとって格好の標的になる」

 「一方、懸念されるのは、それでなくとも歴史認識問題で修正主義的な主張をしてきた日本の保守勢力が、オバマ大統領の広島訪問で勇気づけられ、『先の戦争は正しかった』という自分たちの主張は正しかったと言い出すことだ。彼らは第二次大戦前中に日本軍が犯した南京虐殺、従軍慰安婦問題、捕虜虐待拷問といった過去をしっかりと受け止めようとはしていない」

 「オバマ大統領がなぜ、いま広島訪問に踏み切ったのか、それは広島を知る『偉大なる世代』の人たちが歯が抜けるように死んでいるからだ。やがて彼らは皆いなくなり、トルーマン大統領の原爆投下決定を支持する世代は絶滅してしまうだろう」

—オバマ大統領の広島訪問をめぐる論争は、「真珠湾vs広島」という一次方程式――日本軍が真珠湾を攻撃したからその報復として原爆を投下した――ではないのですね。底辺には根深い歴史認識の問題がある。

高濱 その通りです。

 一つは、原爆投下についての日米の記憶の違いです。米国にとっては、日本帝国主義を破り、第二次大戦を終結させ、冷戦に向けて備えたという意味があります。日本にとっては無条件降伏と世界唯一の原爆被害国としての記憶です。お互いに異なる歴史認識を持っているわけです。

 そこには日米両国民の歴史認識をめぐる溝があるのです。あまりここを突くと、サンガー記者の指摘するように、眠っていた「亡霊」を起こしてしまいます。オバマ大統領が「謝罪する」「謝罪しない」との論議に潜んでいたのはまさにこの歴史認識の問題でした。

—オバマ大統領の広島訪問を受けて、その答礼として「今度は安倍首相がアリゾナ記念館で追悼すべきだ」という議論が巻き起きないでしょうか。同記念館は、水没した戦艦アリゾナ真上に建てられています。

高濱 安倍首相が真珠湾を訪問するという話は、5月25日の日米首脳会談後の共同記者会見でも出ました。安倍首相はそうした計画はないと明言。同首相のこの発言を米メディアはやや批判的に取り上げました。今後、保守派を中心に同様の要求が出てくる可能性は十分ありそうです。

オバマ大統領は従来の歴史認識を堅持

—オバマ大統領は訪日する前、ベトナムを訪問しました。ベトナムは75年4月まで米国と戦争をしていた国です。ベトナムから見れば、米国はベトナムを「侵略した敵国」です。空爆で罪のないベトナム人を大量に殺したことについて、ベトナム国民の間で「米国は謝罪すべきだ」といった声は上がらなかったのでしょうか。

高濱 それがまったくなかったんですね。専門家によると、理由は三つあります。

 一つは、ベトナム人の平均年齢が若いこと。ベトナムの人口9342万人のうち60%以上は「戦争を知らない世代」です。従って、空爆もソンミ虐殺も遠い昔の話になってしまっている。そして若い世代は親米なのです。

 2番目の理由はベトナムの歴史にあります。外国勢力から徹底的に侵略されてきました。まず2000年前に中国に侵略された。1428年に中国から独立したかと思うと、今度はフランスに占領された。1954年まで続きました。

 ベトナム駐在経験のある米外交官は筆者にこう言っています。「米国は63年から75年までベトナムで戦闘活動に従事した。これはあくまでも南ベトナムを支援するためだった。内戦の助っ人だった。だからベトナム人には米国だけを悪者扱いする国民感情はないんだ。現にベトナム人の76%が米国に好感を持っているという世論調査がある」。

 3番目は、中国が脅威となっていること。南シナ海での海洋権益追求、軍事基地化はベトナムにとってはたいへんな脅威です。かって中国と戦争をしたベトナムが中国に対して抱く恐怖心は他国とは比較にならないほど強い。そこで頼りにしたいのが米国です。

 今回のオバマ訪越で実現した武器禁輸の全面解除は、ベトナムにとっては最重要案件でした。「謝罪」なんかよりも「武器」だったのです。

 米国にとっては「侵略に対する謝罪」などもっての外の話です。「共産勢力の拡大を阻止する」という大義名分のため南ベトナムを支援した――これが米国の歴史認識です。

 オバマ大統領にとって今回のベトナム、広島歴訪は、「謝罪することなく、従来の歴史認識を堅持する」の旅でした。

「謝罪なし」は日本から提案した?

—ところでオバマ大統領の「謝罪なき広島訪問」の舞台裏(ジョン・ケリー国務長官とキャロライン・ケネディ駐日大使による水面下での活動など)についていろいろ報道されています。米側から何かインサイドストーリーは流れていますか。

高濱 「謝罪なし」を最初に言い出したのは日本サイドだったことを仄めかす極秘外交文書の存在が明らかになっています。

 オバマ大統領は09年11月に訪日した際に、すでに広島訪問を考えていたのです。これはジョン・ルース駐日米大使(当時)がヒラリー・クリントン国務長官(当時)に宛てた機密公文(09年9月3日付け)で明らかになったものです。ウィキリークスが11年10月12日に暴露しました。

 この中でルース大使は09年8月28日、薮中三十二・外務事務次官(当時)との会談内容についてこう報告しています。「薮中事務次官は次のように述べた。オバマ大統領は日本国民の間で史上まれにみる人気を博しており、同大統領の11月の訪日に強い期待を抱いている」。

 「とくに日本の反核グループは、大統領が4月5日にプラハでした非核演説を踏まえ、大統領が広島に足を運ぶのではないかと推測している。日米両国政府はそのような世論の期待感を抑制すべきだ。オバマ大統領が原爆投下について謝罪するため広島訪問するというのは『non-starter』(考慮するに値しない)である」

 「適切なメッセージを携えた、派手さのないシンプルな広島訪問は確かに極めてシンボリックだが、今年11月の訪日に絡めるのは時期尚早である」

 オバマ大統領が広島を訪問するという考えをルース大使、薮中次官のどちらが言い出したのか、この公文からはわかりません。ただし、オバマ大統領が広島を訪問する可能性について両国政府が極秘裏に話し合っていたことは分かります。また日本側から「謝罪抜き」を提案していた事実も浮かび上がってきます。

—今回の広島訪問は次期大統領選に何らかのインパクトを与えそうですか。

高濱 トランプ氏は28日の選挙演説でこう述べています。「オバマ大統領は広島を訪問したが、謝罪さえしなければ問題にはしない。誰が気にするか、だれもしないだろう」。「黙認」というよりも「無視」といった感じです。ただツィッターでこう書いています。「オバマ大統領は日本滞在中に真珠湾奇襲について話したのかね。数千人の米国人が命を落としてるんぞ」。

 クリントン氏のほうは28日午後9時現在(東部時間)コメントしていません。

 予備選の最終段階に入り、トランプ氏もクリントン氏もそれどころではないのでしょう。また、国論を二分する「原爆投下」の是非論など、どちらも取り上げたくないでしょう。是非論を支持する人は民主党と共和党のどちらの支持層にもクロスオーバーして存在しています。1995年のギャラップ調査によると、「米大統領は原爆投下について謝罪すべきでない」と答えた共和党支持者は74%、民主党支持者は52%でした。

広島で謝らず、死体遺棄で謝罪

 トランプ氏は核使用論を展開していますからオバマ大統領の「核廃絶」宣言には真っ向から反対でしょう。

—オバマ大統領が広島を訪問する直前に沖縄で、米軍関係者が日本人女性の死体を遺棄する事件(いずれ殺人事件になると思いますが)が起こりました。当初危惧された広島訪問への悪影響はなかったようです。米国はこの事件をどう見ていますか。

高濱 確かにバッドタイミングでしたが、広島訪問そのものに悪影響は出ませんでした。

 ただ7月には沖縄で大々的な県民抗議集会が予定されているようです。今回の事件が普天間基地移設問題にどう影響を及ぼすか。1995年に米兵3人が少女を暴行した事件の悪夢を彷彿させます。成り行きを注視しています。

 オバマ大統領は日米首脳会談の席上、この事件について「謝罪」しました。これを受けて米メディアの中には、「広島では謝罪しないのに、元海兵隊員の殺人事件(米メディアは死体遺棄とは言わずに殺人と決めつけています)で謝罪した」と皮肉っぽく報道していました。

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『「知識青年」は文革を懐かしく振り返った 歴史的な悲劇を繰り返してはいけない』(5/24JBプレス 柯 隆)、『「エイズ誤判定」で10年、放置された男の悲劇 幾多の人生を狂わす、中国検査体制のお粗末』(5/27日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国重慶市で台湾・蔡英文総統就任の祝賀横断幕を貼りだした17人を逮捕するという記事がありました。

http://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20160523/Recordchina_20160523026.html

中国に民主化を希望する人間がいたとしても弾圧されるだけ。邪な人間が権力を牛耳り、富を独占する悪辣な社会が中国です。共産党統治の正統性など微塵もないでしょう。

柯氏の記事には「知識青年」は文革を懐かしく振り返るとありますが、やはり感覚がずれているのかと。紅衛兵で有為の人材を虐殺したのも忘れて懐かしむようでは民主化なんぞ夢のまた夢。民度の問題でしょう。

北村氏の記事では中国のエイズ患者は100万人とありますが、もっと多いと思います。売血する人も多いし、エイズ患者は絶望のあまり注射器で道行く人にエイズをうつそうとして射した話もありましたから。中国の医療機関は金儲け主義で、小生が駐在していた2005年までは救急車も金がなければ乗せてくれない状態でした。偽陰性で政府を訴えても多分勝てないでしょう。役人同士で結束し、人民法院の裁判官も賄賂で動きますので。

https://www.youtube.com/watch?v=trh0gi_qUSo

http://www.epochtimes.jp/jp/2012/08/html/d12288.html

柯記事

Mao's portrait at Tenanmen-3

文化大革命を指導した毛沢東の責任は追及されなかった(資料写真)

 2016年は、文化大革命が発動されて50年目の年である。1966年5月16日、党中央政治局拡大会議は「文化大革命小組」(指導グループ)の設立に関する通達を発表し、これが実質的に文化大革命のスタートとなった。

 それから文革は10年間続き、1976年、毛沢東の死去とともに終焉した。共産党中央委員会は文革が誤りだったことを認め、文革によって打倒された知識人や共産党幹部たちの多くが名誉を回復した。

 しかし、鄧小平の主導による文革の清算は不十分だった。文革のほとんどの責任は毛沢東が負うべきものだったが、共産党中央委員会の総括では毛沢東夫人の江青女史をはじめとする四人組(江青、張春橋、姚文元、王洪文)に責任が押し付けられた。

 四人組は毛沢東が死去してから1カ月後に逮捕された。のちに開かれた四人組の裁判で江青女史は「私なんかは毛主席の番犬のようなもので、毛主席に言われるがままに人を噛んだだけだ」と弁明した。四人組には死刑または無期懲役、懲役20年の刑が宣告された。だが、毛沢東の罪は問われなかった。これこそが鄧小平主導の文革処理の最大の問題である。

なぜ毛沢東の責任は問われないのか

 中国国内では、文革に関する多くの資料がいまだに公表されていない。文革研究のほとんどは、毛沢東の秘書や共産党幹部の一部が記した回顧録をもとに行われている。

 文革が発動された理由として最も説得力のある解説は、毛沢東が、文革の前に自らが発動した「大躍進政策」が失敗したため、責任を問われることを恐れて文革を発動したというものだ。

 大躍進の過ちを批判したのは劉少奇国家主席である。毛沢東は劉少奇に権力を奪われることを恐れ、文革を発動した。要するに、文革は劉少奇を打倒するための権力闘争だったということである。

 この解説には一理ある。だが、全国民が巻き込まれた理由については言及されていない。劉少奇を打倒するために、なぜ全国民を巻き込む必要があったのだろうか。

 実は毛沢東にとっては、理想的な社会主義国家を建設することよりも、絶対的権力者としての地位を確立することが最大の目標だった。大躍進政策が失敗したことで、党内において毛沢東に対する批判が台頭していた。その急先鋒だったのが国家主席の劉少奇である。毛沢東は自らの地位と権力を固めるために文革を発動し、自らに批判的だった知識人と共産党幹部を一網打尽にした。その結果、毛沢東は人民の上に君臨する“王様”になった。毛沢東にとって文革は一石二鳥の革命だったのである。

 こうして毛沢東は国民を巻き込んで政敵を倒した。毛沢東の責任を問う必要があることは明白である。それなのに、なぜ責任が問われなかったのか。

 毛沢東が死去したあと鄧小平が復権したが、毛沢東にとって代わるほどの権力は手にしていなかった。中国で毛沢東はすでに神様と同じような存在になっていた。一方、鄧小平は「最高指導者」に過ぎない。毛沢東の責任が問われれば、共産党そのものの正当性が揺るぎかねない。

 実は鄧小平自身も文革の被害者だった。だが、リアリストの鄧小平は政治的必要性から毛沢東の責任を問わないことにした。そこで、四人組が逮捕され、投獄されたのである。

文革時の歌劇が復活

 文革は中国に何をもたらしたのだろうか。

 まず、中国の経済は崩壊寸前に陥った。文革で直接殺されたのは数百万人に上ると言われている。また、数千年にわたって脈々と流れてきた中国文化も完全に破壊してしまった。文革は完全に「罪」である。

 しかし、中国では今なお文革に関する議論は自由にできない。38年前に採決された共産党中央委員会の決定では、文革が「過ち」だったとされた。その後、文革によって打倒された共産党幹部と知識人の多くが名誉を回復した。いわゆる文革の後処理である。しかし、文革自体は完全に否定されていない。

 現在、中国で文革のイメージを象徴するのは当時作られた歌や歌劇である。近年、文革の時代の歌と歌劇を上演するイベントが相次いでいる。中国人は、なぜあの悲劇をこんなに早く忘れてしまうのだろうか。

「知識青年」は文革を懐かしく振り返る

 現在の共産党幹部のほとんどは文革に直接参加した世代である。彼らにとって、文革はある意味で青春そのものだった。

 彼らは学校で勉強しなければならない年頃にもかかわらず毛沢東の呼びかけに応じて勉強を放棄し、恩師たちを迫害した。彼らは文革の被害者であると同時に加害者でもある。

 筆者は、当時、農山村へ下放された「知識青年」と呼ばれる人々にインタビューしたことがある。意外にも、彼らの多くは当時のことを懐かしく語っていた。彼らが振り返る様子を見ると、文革はとりたてて悲劇ではなかったようである。

 歴史的な悲劇は、人々が悲劇を忘れたときに繰り返される。中国では、多くの有識者が文革の再来を懸念している。

 もちろん今は毛沢東時代のような大規模な文革が再び起きる可能性は低いと思われるが、より“洗練”された新しい形の文革が起きる可能性は十分ありうる。

「造反有理」は今も生きている

 そもそも文革という悲劇が引き起こされたのは、毛沢東を守るという大義名分のもと社会の秩序を決定する法律が無視されたからである。

 劉少奇が紅衛兵に暴行されたとき、劉は憲法の本を持ち出し、「革命的な若者よ。私は国家主席である以前に、公民として憲法で保障される権利を享受できる」と主張して抵抗した。むろん、毛沢東を守ると主張する革命的な若者たちが、劉少奇国家主席の話を聞き入れるはずはない。

 中国人には、「ある目的を達成する場合、手段は選ばなくていい」という傾向が往々にして見られる。文革世代のDNAには「造反有理」(体制に逆らうのには道理がある)の遺伝子が埋め込まれている。

 しかし、この考えこそ悲劇を生む土壌である。法治国家であれば、目的はどうであれ、手段が合法的でなければならない。中国が法治国家になるまでの道のりは、依然として長いと言わざるをえない。

北村記事

 中国では「エイズ(AIDS)」を“艾滋病(aizibing)”と呼ぶ。12月1日は“世界艾滋病日(世界エイズデー)”であるが、その前日の2015年11月30日に“中国疾病予防控制中心(中国疾病予防抑制センター)”傘下の“性病艾滋病予防控制中心(性病エイズ予防抑制センター)”は中国におけるエイズ流行に関する最新情報を発表した。その概要は以下の通り。

(1)2015年10月末までの時点で、生存しているエイズウイルス(HIV)保菌者とエイズを発症しているエイズ患者の総数は57.5万人、死亡したエイズ患者は17.7万人であった。

(2)2015年1月から10月までに新たに報告された病例は9.7万件であった。これら病例がHIV感染した主たる経路は、性感染、血液感染および母子感染であり、異性性接触感染が66.6%、男性同性性行為感染が27.2%を占めた。男性同性性行為感染の比率は明らかに上昇しており、2015年の全国男性同性愛者のHIV感染率は平均8%に達している。

(3)ここ数年、若者や学生の間でエイズ感染が急速に拡大している。2015年1月から10月までの間に新規に報告された学生のHIV感染者およびエイズ患者の数は2662人に達し、昨年同期に比べ27.8%増大している。

官製統計57.5万人、実数は100万人超か

 上述したように中国の官製統計はHIV保菌者とエイズ患者の総数を57.5万人としているが、専門家の多くはこの数字は少なすぎると疑問を呈し、その実数は100万人以上に達していると考えられている。生存するHIV保菌者とエイズ患者の総数を100万人と仮定すると、2015年末の総人口(13億7500万人)に占める比率は0.07%となり、人口1万人当たり7人のHIV保菌者とエイズ患者が存在することになる。この数字は世界的に見れば決して高い水準ではないが、中国ではエイズに関する正しい知識の普及が十分でないため、人々のエイズに対する差別と偏見は日本以上に激しく、一度HIV保菌者の烙印を押されると社会から疎外されるのが常である。

 河南省南西部に位置する“南陽市”の管轄下にある“鎮平県城郊郷四里庄村”の農民、“楊守法”もHIV保菌者の烙印を押されたことで苦しい日々を送ることを余儀なくされた犠牲者の1人だった。今年(2016年)53歳の楊守法は小学校卒業の学歴しかない。1985年に22歳で結婚した楊守法は、妻との間に3人の子供(一女二男)を得た。彼は農業に従事し、農閑期には工事現場で働いて生計を立てていた。

 2003年に四里庄村は河南省疾病予防抑制センターによってエイズの中度感染村に認定された。このため、同年12月に四里庄村の特定集団に対してHIV感染状況の調査を目的とする採血が行われることになり、楊守法はその調査対象に選定された。この調査は四里庄村の医師である“胡明道”から“健康普査(健康調査)”という名目で調査対象に選定された村人たちに通知されたのだったが、楊守法は12月15日に胡明道の診療所で採血を受けた。

 数か月後、胡明道が楊守法の家を訪ねて来て、「あんたはエイズに感染している」と通告した。四里庄村にはエイズに感染した者が多く、当時もエイズ感染は低水準ながら流行が続いていたので、楊守法は胡明道の言葉を何らの疑問を抱くことなく素直に受け入れた。しかし、胡明道が去った後に緊張が解けた楊守法は心の張りを失って落ち込み、「死ねばそれまで」と自分に言い聞かせたのだった。1992年頃、鎮平県では闇の売血が盛んに行われ、採血に使う注射針が使い回しされたことにより、多数の貧困な農民たちがエイズに感染した。楊守法の記憶によれば、1992年頃、超過出産による「一人っ子政策」違反の罰金を支払うために家計が逼迫(ひっぱく)したことから、楊守法は一度だけ売血を行ったことがあった。血液は大きな袋1個が50元(約850円)だったが、楊守法は一度に袋2個分も採血され、その量の多さに驚いて、2度と売血には行かなかった。楊守法はそのたった1度の売血で不運にもエイズに感染したのだと理解した。

感染通告、恐怖、無気力、離婚…

 エイズ感染の通告を受けた後、楊守法は幾度も自殺を考えたし、心中は常に恐怖に打ちひしがれていた。それ以前の楊守法は至って健康で病気一つしたことが無かったが、通知を受けてからは1日働くと全身に痛みを感じるようになった。楊守法はエイズ感染の事実を家族に告げることができなかった。当時すでに学校を中途退学していた長女と長男は妻と一緒に四川省へ出稼ぎに行っていた。次男は四里庄村に残って学校へ通っていたが、2006年に学校を中途退学して母と姉兄がいる四川省へ出稼ぎに行ってしまった。

 エイズ感染を告知されてからの楊守法は農業を止めて無登録の輪タク<注>を始めたが、気力がないから仕事にも身が入らず、毎週必要とする生活費15元(約260円)すら稼ぐことができなくなった。その頃には楊守法がエイズ感染者(HIV保菌者)であることは村の公然の秘密と化し、村人たちが群れている場所に楊守法が顔を出すと、人々は彼を避けて四散するようになった。こうした事が度重なると、楊守法は親類や友人との付き合いを断ち、村の冠婚葬祭にも参加せず、家に閉じこもるようになった。

<注>「輪タク」とは、自転車の後部に客席を取り付けた営業用の三輪車。

 そうこうする内に、楊守法のエイズ感染は四川省にいる彼の妻の知る所となり、2010年に妻は“鎮平県人民法院(裁判所)”へ離婚訴訟の申し立てを行ったが、裁判所は楊守法が病気であることを理由に保留とした。2011年7月に再度離婚訴訟を申し立てた妻は、裁判で「自分は“人販子(人身売買業者)”に誘拐され、鎮平県へ売られて楊守法と結婚させられた。結婚後は双方に何の感情もなく、2004年からずっと別居生活を送っている」などの理由を述べ立てた。楊守法は裁判には一度も出席しなかったが、最終的に裁判所は離婚を認めた。後に妻が語ったところでは、彼女が人身売買業者に売られたというのは嘘で、実際は鎮平県には従兄(いとこ)に連れられて来たし、楊守法との関係も決して悪いものではなかった。全ては離婚するための方便だった。離婚が成立すると、楊守法と子供たちとの関係は次第に疎遠になり、そのうちに連絡は途絶えた。楊守法は全く一人ぼっちになったのだった。

一方、エイズの知識が深まるにつれて、楊守法は定期的にエイズ治療薬を飲めば、発症を抑えられることを知った。最初の頃は、鎮平県疾病予防抑制センターから「1分(約0.17円)硬貨」大の白い錠剤を受け取り、1日1錠を3回に分けて飲んだが、飲むとすぐに激しい嘔吐に襲わるのが常だった。2005年10月に楊守法は城郊郷の“十里庄村”にあるエイズ治療所に収容された。ここではスタブジン(Stavudine)、ラミブジン(Lamivudine)などのアップグレードされた治療薬が供与されたが、服用後の反応は以前より緩和された。但し、毎日薬を服用することにより、楊守法の身体はますますむしばまれていった。夏は厚手の外套を着ても凍えそうに寒く、冬は布団にもぐり込んでも寒くて、ストーブが必需であった。また、手の震え、頭のぼやけ、耳鳴り、眼のかすみ、記憶力減退といった症状が進行した。

10年後の陰性判定

 2012年9月、楊守法は病状が悪化しため“南陽市第一人民医院”で治療を受けたが、その際に自分がエイズ感染者(HIV保菌者)であることを告知しなかった。その翌日、楊守法は前日に行われた検査の結果を受け取ったが、そこに書かれていた「HIV抗体陰性」の意味が理解できなかった。そこで医師に尋ねると、医師は「エイズに感染していないということだ」と答えた。そんな馬鹿なことがあるはずがない。楊守法は驚いて言葉を失った。今回の検査で、楊守法は食道炎、びらん性胃炎、胆のう炎、前立腺肥大などの疾病を患っていることが判明したが、これらはエイズ治療薬の長期服用による副作用と考えられた。

 楊守法は十里庄村のエイズ治療所に戻ると、HIV抗体の検査結果について意見を聞いたが、治療所の責任者は、「恐らくエイズ治療薬を服用していたために、陰性という結果が出たのだろうが、その検査結果は不正確だ」と断定したのだった。それならば、エイズ治療薬の服用を止めたらどうなるか。楊守法はエイズ治療薬を飲むのを止め、それから2年間が経過する前後に多数の医院を訪れてHIV抗体検査を受けたが、検査結果は全て陰性だった。

 こうして楊守法がエイズ感染者(HIV保菌者)でないことは確認された。思えば2003年から2014年までの約10年間に、楊守法はエイズ感染者として差別と偏見にさいなまれ、離婚により妻子からは見放され、治療薬の副作用で体はボロボロにされ、精神的にも追い詰められ、地獄の日々を過ごして来たのだ。

 2015年11月に楊守法の姪がネットの掲示板に楊守法が遭遇したエイズ誤判定事件の顛末を書き込んだことで、同事件はネットユーザーの注目を集め、転載を重ねることにより全国に知れ渡ることとなった。11月10日、“鎮平県衛生局”は7月15日に楊守法から要求を受けてHIV抗体検査を行った結果が陰性であった旨の発表を行ったが、2003年のHIV抗体検査時に残留していた楊守法の血液を今回改めて再検査した結果は陽性であったことから、その原因を残留血液のDNA検査を含めて究明すると表明した。

 ところで、エイズ感染者でないことが確認されたことで、楊守法は経済的に困窮することになった。エイズ感染者と認定された楊守法は、2人分の“農村低保(農村生活保護)”を支給され、毎月200元(約3400円)を受領していた。これ以外に2013年からは毎月200元のエイズ救済金をまとめて毎年2400元(約4万円)を1回払いで支給されていた。しかし、エイズ感染が誤判定であったことが確認されたことにより、2015年の年末にこれらの支給は停止された。

賠償請求の道は険し

 楊守法は2015年に6000元(約10万円)を費やして新しい三輪車を購入していたが、薬の副作用に蝕まれた体は長時間の労働を許さず、輪タクの稼ぎはせいぜい1日20~30元(約340~510円)にしかならなかった。切羽詰まった楊守法は、鎮平県政府に対して200万元(約3400万円)の賠償請求を提出した。2016年3月、城郊郷政府ビルにおいて、楊守法と姪は鎮平県疾病予防抑制センターとの間で賠償問題の協議を行ったが、センター側が提示したのは10万元(約170万円)にも満たない金額で、交渉は決裂した。5月10日前後に四里庄村の書記が25万元(約425万円)ならどうかと打診し、これでだめなら裁判に訴えろと言って来たが、楊守法は即座に25万元の提案を拒絶した。

 治療薬の服用を停止してから3年が経過し、楊守法の衰えた体はある程度まで回復したが、まだ歩くには杖が必要だし、手はいつも震えている、記憶力は依然として衰えたままである。「あいつらは誤判定で俺の人生を台無しにしておきながら、10~20万元程度のはした金でちゃらにしようとしている」と怒りを露わにしている楊守法は、適正かつ正当な賠償金を獲得すべく、裁判に訴えることを決意している。

 誤判定によりエイズ感染者にされた例は楊守法が初めてではない。2009年に江蘇省“常州市”の工場で長年働いていた“邳州(ひしゅう)市”出身の“呉長棟”もエイズ感染を告知されたことで悩み苦しんだ犠牲者だった。1975年生まれで当時34歳だった呉長棟を悪夢が襲ったのは2009年11月5日だった。この日、仕事が休みだった呉長棟は買い物の途中に献血車を見かけ、生まれて初めて献血を行った。多少は世の中に役立つことをしたと良い気分に浸ったが、その翌日に実家のある邳州市の疾病予防抑制センターから「あなたはエイズに感染している」との電話連絡を受けて奈落の底に突き落とされた。

 突然のエイズ告知を受けて動転した呉長棟は長年勤めた職場を辞して邳州市へ戻り、邳州市疾病予防抑制センター(以下「邳州市センター」)に出向いた。呉長棟が事の真偽を尋ねると、応対した医師は常州市で献血を行った際に採血した血液がHIV抗体検査で陽性と判定されたと説明したのだった。呉長棟は献血時に“居民身分証(身分証明書)”を提示したために、エイズ感染の連絡は身分証明書に書かれた住所がある邳州市センターへ連絡されたのだった。邳州市センターは呉長棟の実家に電話を入れて、「血液に問題がある」と理由を説明して呉長棟の居場所を確認した上で、呉長棟へ連絡してきたのだった。

 実家に連絡が行ったことは呉長棟にとって耐えがたい衝撃だった。すでに69歳の母親を含む家族が呉長棟の血液に問題があることを知っているのだ。呉長棟は離婚して一人娘を母親に預けて常州市へ出稼ぎに行っていた。自分がエイズで死んだら、母親と娘はどうなるのか。実家へ帰った呉長棟に対して家族は血液に問題があるとはどう意味かと尋ねたが、呉長棟はちょっとした病気だと言葉を濁し、人知れず涙を流し、眠れぬ日々を送った。

 しばらくして冷静になった呉長棟は、「自分がエイズに感染するようなことをした覚えがない以上は、誤判定の可能性は否定できない」という結論に達した。11月25日に“徐州市”内の医院で偽名を使ってHIV抗体検査を行ったところ、結果は陰性だった。その2日後の11月27日に徐州市疾病予防抑制センターで検査を受けたが、結果は陰性だった。さらに念を押すため、12月4日と12月21日に徐州市内の別の医院で検査を受けたが、全て陰性だった。こうして呉長棟のエイズ感染は誤判定だったことが確定した。彼は誤判定の責任を追及したが、関係機関は責任回避と責任転嫁に注力するだけで、呉長棟に対する謝罪もなければ、原因の究明すら行おうとしない。呉長棟は誤判定が確認されてから500日を経過しても依然としてエイズ感染のトラウマに悩まされている。

「偽陽性」を放置か?

 上記2例はHIV抗体検査の結果が陽性であったことからエイズ感染と診断されたものだが、実際は「偽陽性」であったものと考えられる。日本でもスクリーニング検査の偽陽性率は約1%であり、100人に1人の割合で偽陽性が出現している。但し、日本の場合には、検査は2段階方式で、スクリーニング検査の後に確認検査があり、偽陽性は確認検査では正しく陰性に判定されるため、誤判定が起こる可能性はほぼ皆無と考えられている。

 中国も日本と同様にHIV抗体検査の2段階方式を採っていれば、楊守法や呉長棟のような誤判定の被害者が出ることはないはずである。短期間に陰性が確認された呉長棟はまだしも、10年以上にわたって厳しい境遇を味わった楊守法の場合は悲惨であった。こうした誤判定や誤認が起こった場合に、当事者たる関係者に共通する常套手段は責任回避と責任転嫁であり、被害者に謝罪や賠償が行われることは滅多にない。

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