『交渉の達人・トランプに見透かされた安倍首相 レバレッジ効かされ日本はどんな悪条件をのまされるか』(12/30JBプレス 堀田佳男)、『トランプ氏の政策を徹底分析、見えてきたもの 米次期政権の内政、外交政策とその影響』(12/30JBプレス 矢野義昭)について

堀田佳男氏はトランプ当選を外した米国政治の評論家ですから、また予想を外す可能性はあります。ただ、外したことにより頭を丸めたのは彼の誠実さの表れと言えます。外務省出身の宮家などと比べれば真面と言えます。ただ、主張は欧米系のメデイアの主張をなぞっているだけという気がしますが。やはり、トランプの閣僚級の人材と直接インタビューできるようにならなければ、今度のトランプ当選のような予想をするのは難しいと思います。

矢野氏の記事からトランプの政策で見えてきますのは、ビル・クリントン、オバマの民主党政権がやってきたことへの全否定でしょう。強いアメリカを再現するために、米国民の雇用の維持拡大を図る積りです。①米国内への投資の拡大②規制緩和(労働規制、環境保護規制、社会保障政策)③税制の見直し④移民制限⑤国内治安維持⑥対中強硬派政策(通商関係人事:ナヴァロ国家通商会議議長、ウイルビー・ロス商務長官、カール・アイカーン貿易投資国際ビジネス・大統領顧問、ライトハイザー通商代表、軍人:マイケル・フリン国家安全保障担当大統領補佐官、ジェームズ・マティス国防長官、マイク・ポンペオCIA(中央情報局)長官)です。

世界の平和を攪乱する中国に時間の利益を与えてはいけないと思います。日米豪印露による中国包囲網の形成と、経済的締め付けによって中国経済を崩壊させるのが最上策と考えます。無能のオバマの8年間は最悪でした。中国の為すがままで、ロシアにだけ経済制裁を課すアンバランスな政策を採ってきました。ロシアは核・軍事大国ではあるものの、GDP比で米国の1/10しかありません。翻って中国にはどうか。世界から投資資金を集めて、経済発展を軌道に乗せました。本記事にありますように反日政治家ビル・クリントンが中国のWTO加盟を詰めずに認めたからです。裏で中国の金が動いたのだろうと思いますが。1/20以降世界平和に向けて、バランスオブパワーの正常な世界が動き出すことを願っています。日本もその実現に向けて責任を果たさないと。

堀田記事

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中国北部・山西省太原市のショッピングモールに登場した、ドナルド・トランプ次期米大統領に似せた巨大なオンドリ像(2016年12月24日撮影)〔AFPBB News

2017年を迎えるにあたり、ドナルド・トランプ次期大統領(以下トランプ)が政権初期に採ると思われる政策とその因果関係について予測したいと思う。

まずトランプが真っ先に行うと口にしていることから述べていきたい。1月20日の就任式直後、トランプは「オバマケア(米版国民皆保険)」を廃止すると繰り返し発言している。

だが施行されている保険制度を大統領の一存で中止することはできない。「オバマケアを廃止する」との意思を示せても、トランプ政権と共和党は代替案を準備できていないため、すぐに廃止すると健康保険を失う国民が多数出てしまう。

オバマケアが導入される前、米国には約4700万もの人が保険に入っていなかった。施行後、約2000万人が健康保険を手にすることができたが、オバマケアでも全国民はカバーしきれていない。

選挙中の勇ましい言動はどこに

残りの約2700万人は未保険のままである。しかもオバマケアの施行後、多くの加入者の月々の掛け金が上がり、オバマケアに反対する人が増えた。

仮にトランプが共和党主導の健康保険法を成立させたとしても、オバマケアのように多くの未加入者を救済できるとは限らない。

そのため、すぐに廃止するという過激な発言は現実的ではない。しかもトランプは当選後、オバマケアの条項の一部を維持するしており、選挙中の勇ましい言動は失せている。

トランプが就任初日に行動すると明言していることはまだある。環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱である。

選挙中から米国の雇用を奪うとの理由でTPPに反対してきた。11月中旬、ニューヨークで安倍晋三首相と会談した時、トランプは同首相からTPPの思い入れを聞かされたはずである。

ところが商務長官に指名されているウィルバー・ロス氏や、新設された国家通商会議の代表に指名されたピーター・ナバロ氏といった保護主義政策を主張するアドバイザーの声の方がトランプにとっては説得力があったようだ。

北米自由貿易協定(NAFTA)も見直すとはっきり言っているので、多国間での自由貿易協定はトランプ政権下では軽視されることになる。その代わり、日本を含めた特定国で2国間協定を結ぶことになるだろう。

これは実にトランプらしい交渉の進め方だ。

初動で見透かされた安倍首相

子供の頃から、不動産業で成功した父親の事業のイロハを学んで会得したのが、特定相手との交渉術だった。いかに相手にプレッシャーをかけて優位な条件をのませるかにかかっている。多国間による交渉ルールを作るより、2国間交渉を好む理由がここにある。

トランプの日本に関する過去の発言を読むかぎり、日本は手玉に取りやすいという印象のようだ。日本は押しに弱いばかりか、米国が防衛しているという強みをトランプは最大限に生かして交渉に望んでくるはずだ。

駐留米軍の維持費を全額負担しなければ全面撤退もあるという言い分は、選挙中だけの論理ではないだろうい。これがトランプの本音であり、彼の言う「レバレッジ(テコ)」なのである。

つまり、「日本を防衛してあげる」というテコを使って、2倍も3倍も大きな成果を得ようというのだ。

彼の言葉を借りるならば「できるだけ優位に立って取引をすること」を念頭に置いているのだ。さらに「相手がこれなしでは困るというものをもつこと」を意識してさえいる。

日本が独自防衛できないということは、すでにトランプに弱みを握られていることに等しい。著書『トランプ自伝:アメリカを変える男』ではこうも書いている。

「交渉でやっていけないことは、何がなんでも成功させたいという素振りを相手に見せることだ。こちらが必死になれば相手はすぐに察知する。相手にこの姿勢を見せたら交渉はこちらの負けである」

安倍首相はたぶん11月のニューヨーク会談で、TPPを何としてもまとめたいと必死に説明したはずだ。その時点でトランプの術中にはまっている。会談後に撮られた写真で見せたトランプの笑顔は、「安倍はたやすい」という思いの表れだったのかもしれない。

不法移民政策については、しばらく強硬路線を採るだろう。シリア難民には門戸を閉ざし、国内の不法移民を追い返す方策を練るはずだ。同時に中南米からの不法移民と麻薬密売者を入国させないために、本当にメキシコ国境に壁を作る努力をし始めるだろう。

だが3100キロに及ぶ国境で本当に高い壁が必要とされるのは数百キロ。すでに高いフェンスが築かれている場所もある。多額の予算が必要になるが、連邦議会は来年から上下両院とも共和党が多数議席になるので、壁建設計画は可決されると思われる。

トランプノミクスへ集まる期待

繰り返しトランプが述べているメキシコ政府に工事費の全額を負担させる案は多難だが、トランプがどういったレバレッジを使うのかは見ものである。

経済の話題にも触れておきたい。

トランプが当選した直後から、為替相場はほぼ全通貨でドル高の動きを見せている。米国債の利回りは急上昇し、株式市場も記録的な高値をつけている。だが、まだ新政権がスタートしていないので実態経済が伴っていない。

本格的な冬に入る前に狂い咲きした桜のようにも見える。桜はすぐに散る運命にあるので、機関投資家につり上げられた株価はある時期に来て、急落することもある。

それでも、過去1カ月半で筆者が話を聞いた複数のエコノミストの中には、来るべきトランプ政権に楽観的な見通しを立てている人もいた。輸出に頼っている中国や日本にはマイナス要因は少なく、経済成長はむしろ上向くというのだ。

特質すべきなのは、トランプがドナルド・レーガン大統領を踏襲する政策を打ち出している点だ。レーガノミックスではなく「トランプノミクス」である。特徴は以下の4点。

(1)大型減税 (2)インフラ投資 (3)保護主義政策 (4)金融規制の緩和

これらによって米経済は好況が持続する可能性がある。当選前は「トランプショック」が世界経済を襲うと恐れられたが、専門家の見方も変われば変わるものである。

バブル再来の危険性も

トランプノミクスが導入されると米経済は数年、好景気に沸くかもしれない。日本も製造業を中心に景気が上向き、1980年代後半に訪れたバブルに似た成長が到来する可能性がある。

そうなると、米国はいずれ貿易赤字と財政赤字の双子の赤字が拡大してくるだろう。しかも日米で共通するのは、好況を本当に実感できるのは企業だけとの見方が強いことだ。

米国では中流層以下の実質所得が20年前と同じレベルにまで下落し、社会格差は縮まっていない。日本でも消費者の買い控えは貯蓄率の高い高齢者にも広がっており、相変わらず市場でのカネの回りが悪い。

トランプ政権はプラス・マイナスの両要因を抱えながらスタートする。大統領は今後4年間トランプのままなので、日本はトランプ政権といかにうまくつき合き、交渉していくかを一から練っていく必要がある。

矢野記事

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米ペンシルベニア州ハーシーで演説するドナルド・トランプ次期大統領(2016年12月15日撮影)〔AFPBB News

ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利は、ピープルによるエスタブリッシュメントに対する反乱という「革命」の側面と、グローバリズムに対するナショナリズムの反撃という側面がある。

この両側面は、英国のEU離脱決定、イタリアでの「五つ星」運動の躍進などにも共通してみられる、世界的な潮流と言えよう。

中でも今回の米大統領選挙の結果は、世界と日本の将来にとり、最も深刻な影響を及ぼす。

トランプ氏の勝利の背景には何があったのか、トランプ候補は何を訴え新政権はどのような政策を採ろうとしているのかを、主に国内政策について、選挙期間中のトランプ氏の発言などから分析する。

1 背景となった深刻な米国内経済情勢

大方の予想に反してトランプ氏が勝利した背景には、米国内各州の深刻な経済、とりわけ雇用喪失がある。

2016年6月、メーン州での演説で、トランプ氏は、以下のように米国内の雇用喪失の深刻さを訴え、米国の労働者の利益のために自由貿易協定を見直すことを訴えている。

米国はここ20年間で、5000万人人口が増加したにもかかわらず、製造業の雇用は3分の2に減少した。家計所得は2000年から4000ドル減少し、失業率は1970年以来最も高くなっている。

「クリントンはワシントンのエリートのために闘っているが、私は、米国の労働者の利益のために、より公正でバランスのとれた貿易取引を創り出す」

9月にロスアンゼルスでは、以下のように演説し、バラク・オバマ政権の自由貿易政策とリーダーの無能を厳しく批判している。

「米国は、日本、中国、メキシコに対し毎年大規模な貿易赤字を出している。米国に対し、中国は毎年1000億ドルの貿易赤字を出し、日本は毎年数千台の車を輸出し、メキシコからは不法移民が流入している。中国人も数百万人が流入している」

「日本、中国、メキシコの指導者たちは賢明だ。彼らには豊富な交渉力もある。我々にも、交渉のできる有能な賢いリーダーが必要だ。善良だが米国のために何もできないリーダーはもういらない」

「アラバマ州では3万1000人、(テキサス州)ダラスでは2万人が集会に参加した。サイレント・マジョリティは私を信じている。彼ら『ピープル』はもう黙ってはいない。政治家に怒り、国のあり方について論じている」

また9月30日付の『ザ・ヒル』誌は、以下のように、オバマ政権下での一般国民の窮状を訴え既存の民主・共和両党の経済政策を批判し、既存政治にとらわれない実業家トランプ大統領候補の雇用創出政策、財政再建への期待を報じている。

「オバマ大統領が去る頃には、米国の連邦財政赤字は20兆ドルになり、6割以上の米国民の貯蓄は1000ドル以下になるだう。ヒラリー・クリントンと左派の官僚たちは、政府の介入を増やし、自由市場への規制を強化すればするほど、問題解決になると信じていた」

「他方、大半の右派は、単に減税し、補助金をバラまいて、わずかの雇用を生み出せばよいと信じていた。どちらも間違っている。幸い今、実業家出身の大統領候補トランプ氏がいる」

「雇用の創出とは、それぞれの地区議会で工場を閉鎖させないように訴え、税制の環境を維持強化することだ。また、破滅的な貿易協定を再交渉することである」

「トランプ氏の税制計画は、製造業の対外競争力を高め、雇用の海外流出を止め、事業を継続するものだ。また、大幅な減税と米国内での雇用に寄与した企業に対する報奨金により、米国を世界中から雇用を招き寄せる国にするものだ。我々は二度と奪われる立場に立ってはならない」

「赤字急増を生む宣戦布告なき戦争を続けてでも産油国を守るべきだという共和党エスタブリッシュメントの主張に反対する。戦争は最後の手段であり、豊かな国には公平な資金分担を求めるべきであり、米国の納税者を彼らの踏み石にさせるべきではない」

本選挙直前の2016年11月7日にトランプ陣営は次のように、米国内の雇用を喪失させ国内の製造業、畜産業などの主要産業の流出、崩壊をもたらしたとして、NAFTA(北米自由貿易協定)、中国のWTO(世界貿易機関)加盟、米韓自由貿易協定、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など、既存の貿易協定への反対姿勢を、具体的にデータを上げて明確にしている。

「TPPにより米国の自動車産業は一掃されるだろう。NAFTAにより、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニア各州の自動車産業はメキシコに行ってしまった」

「ミシガン州では、クリントンとオバマの政策により、米国の雇用と工場は他国に流出した。ミシガン州では、NAFTAと中国との貿易協定により、全雇用の4分の1以上、21万人分の雇用が失われた。2014年に再雇用された人の5人に3人は給料が減り、3人に1人は給料が2割以上減り、NAFTA締結以来ミシガン州では15万7000人分の雇用が失われた」

「農民も甚大な被害を受けた。ミシガン州の主要畜産品であった牛の、メキシコとカナダへの輸出はNAFTA締結後21年間に46%減少した」

「韓国との自由貿易協定締結以来、ミシガン州が韓国に輸出していた、自動車、機械類など上位10品目の貿易赤字は54%も増加した」

「ヒラリー・クリントンが進めているTPPにより、より多くのミシガン州の雇用が失われ、自動車産業と部品製造工場が中国や東南アジアに行ってしまうだろう」

「オハイオ州では、NAFTA締結と中国のWTO加盟以来、30万7000人分、3分の1の雇用が失われた。オハイオ州でも2014年に再雇用された労働者の5人に3人は給料が減り、3人に1人は20%以上給料が減った」

「NAFTA締結以来オハイオ州では14万5000人分の雇用が失われた。オハイオ州からメキシコ、カナダへの主要輸出品であった牛と豚の輸出は、NAFTA締結以来、それぞれ46%、76%減少した。韓国との自由貿易協定により、ヒラリー・クリントンは7万人分の雇用が創出されると言ったが、締結後の4年間で上位10品目の対韓輸出は58%も減少した」

「ペンシルベニア州では、NAFTAと中国のWTO加盟により、製造業の雇用は30万8000人分、3分の1が失われた。メキシコとカナダへの牛の輸出は46%減少し、対韓貿易では、米韓自由貿易協定締結後、赤字額が54%増加した」

「同様に、ノースカロライナ州では、製造業の雇用は34万8600万人分、43%減少した。特に繊維産業は壊滅し、ハイテク産業も打撃を受けた。この18年間で、ノースカロライナ州の最大の輸出産業であったコンピューターと電子部品は、390億ドルの赤字に転落した」

「この新産業での赤字と、NAFTAによる自動車産業、製造業の赤字とあいまって、ノースカロライナ州の貿易は赤字になった。牛のメキシコ、カナダへの輸出額は、NAFTAの22年間で59%減少した」

「米韓自由貿易について、クリントン長官は7万人分の雇用を生み、輸出を増加させると言っていたが、協定締結以来4年間で対韓貿易赤字は64%増加した」

「ニューハンプシャー州では、製造業の雇用は23万人分、3分の1が失われた。牛のメキシコ、カナダへの輸出額は、NAFTAの22年間で59%減少した」

「クリントン長官は、『新たな改善された米韓貿易協定』により、より多くの雇用が生み出され輸出は増加すると言っていたが、実際には対韓貿易赤字は154億ドル、99%増加した」

「このことは、10万2500人分の米国人の雇用が失われたことに相当する。米韓自由貿易協定締結以来、対韓貿易赤字は23%増加した。特に主要農畜産品であるリンゴとミルクの輸出は、それぞれ4年間で8%と88%減少した」

「TPPによりニューハンプシャー州は、雇用を喪失し、高価な訴訟沙汰に晒されることになるだろう。TPPは、外国企業に同州や米国に対する訴訟における秘密国際法廷での特別な権利を保障している。そのため、外国企業は米国の納税者から際限なく賠償金を得ることができる」

上に挙げられているミシガン、オハイオ、ペンシルベニア、ノースカロライナ、ニューハンプシャーの諸州はいずれも、スウィング・ステイトと呼ばれる、民主党か共和党かいずれか票が割れる州であり、大統領選挙本選挙の帰趨を決する諸州でもある。

中でも、ミシガン、オハイオ、ペンシルベニアなどの各州は、かつては米国の中核的産業地帯であった。しかし、20世紀の中頃から、産業の西部への移転、産業構造の変化、国際化など、種々の要因により衰退してきた。

そのため、「ラストベルト(錆びついた地帯)」と呼ばれている。これらラストベルトの3州の衰退に、近年さらに拍車がかかっている。

これらの3州では、スウィング州の中でも、これまでは、自動車労組組合員などを中心とする民主党支持者が比較的優勢を占めていた。

しかし、ビル・クリントン大統領時代以来民主党政権が積極的に進めてきたNAFTAその他の自由貿易協定の結果、これらの州は、自動車産業の衰退、関連企業の海外移転、雇用の喪失、賃金の伸び悩みなど、深刻な経済危機にさらされてきた。他のノースカロライナ、ニューハンプシャー州も同様の状況にある。

上記の5州のもう1つの主要産業である農畜産業も同様であり、大幅な貿易赤字と減産、雇用喪失を強いられている。これら5諸州は、このようにNAFTA、中国のWTO加盟、米韓自由貿易協定などで最も深刻な打撃を受けてきた諸州でもある。

上記のトランプ陣営の本選挙直前の文書では、これらの自由貿易協定を推進したオバマ政権、ヒラリー・クリントン国務長官の責任を厳しく糺している。本選挙では、ニューハンプシャー州を除き、すべてトランプ候補が制し、大統領選勝利を決定づけた。

その背景には、上記の、自由貿易体制のもとで米国内の産業の空洞化と雇用の喪失が一般の労働者や農民に深刻な打撃を与え、既存の政治家、エスタブリッシュメントに対する憤懣として鬱積していたという事情がある。

トランプ候補は、「ピープル」の憤懣の声を聴き取り、そのエネルギーを「アメリカ・ファースト」のスローガンのもと、結集することに成功した。同時に彼は、既存の政治に染まらない、しかも実業家としての実績を持つ有能なリーダーという、自らのイメージ創りにも成功している。それらが彼を勝利に導いたと言える。

言い替えれば、トランプ氏がくみ上げることに成功した、国内経済問題に対する一般の労働者や農民の憤懣、特に雇用問題が、大統領選挙の勝敗を決する決定的要因となったと言えよう。

2 国内雇用回復、国内産業再生への期待

2016年6月30日付の『フォーブス』誌は、トランプ氏の経済政策について、以下のように論じている。

「トランプ氏が主張する、中間層を代表して貿易と移民について交渉する際の出発点は、貿易は自由であるべきだが、公正(fair)でなければならない。移民は歓迎されるべきだが、評価(measured)されねばならないというものであった」

「トランプ氏こそ、所得格差と地域不安が取り返しのつかない点に達する前に、高まるナショナリズムの感情を正しく導ける、現実主義的な起業家精神を持つ希望の星である」

「英国民がEUからの離脱に賛成票を投じ、米国の有権者がエスタブリッシュメントの候補者にノーを突きつけたのは、数十年にわたる賃金の伸び悩み、生活費の高騰、治安の悪化などをもたらした戦後の経済政治秩序に対する拒絶を反映したものである」

「ビル・クリントン大統領は、統一した労働基準や為替操作を統制する規則を強制することもなく、中国のWTO加盟を承認した。移民受け入れは、慎重に実行する必要があったにもかかわらず、欧米の経済を成長させ繁栄をもたらすとして、軽率に拡大された」

「官僚主義的なEUは、英国民にほとんど離脱交渉の余地を与えなかったが、英国民は投票を通じて変化を要求した。同様に、トランプ氏は、米国民の貿易と移民問題で、これ以上誤った政策を続けたくないという、草の根の声に耳を傾けた」

「トランプ氏は孤立主義者ではない。彼は、グローバルな国際的エリートの利益ではなく、米国民の最善の利益を代表する賢明なグローバリストである」

「EU離脱という投票結果は、英国と大陸との関係のあり方についての交渉の始まりを示しているが、同様にトランプ氏の主張は、米国の政治的エスタブリッシュメントに対し、労働者階層の窮状に対応するよう強いるものだ」

「米国民は、英国のEU離脱による経済落ち込みに陥ることなく、現状からの経済再生を達成できる。トランプ氏の起業家精神に基づく解決策は、そのための最大の希望の星である」

このように、トランプ大統領候補が一般国民の期待に応えて、米国に雇用を取り戻し、経済再生を可能にする最善の人物であることを強調している。

選挙直前に行われたミシガン州での演説で、トランプ氏は、ラストベルトの経済再生策について、以下のように約束している。

「ミシガン州こそ私の最後の演説の場所として最もふさわしい。私が大統領になれば、ミシガン州が外部委託によって失った雇用を取り戻し、ミシガン州を経済の原動力とすることを約束する」

「かつては、地元のフリントで車が作られ、皆さんはメキシコで水を飲むことはなかった。今ではフリントでは車が作られず、皆さんはフリントの水を飲めなくなっている。我々が勝利すれば、自動車工場を造り拡張する。私は皆さんのためにしなければならないことをよく分かっている。それは、これまでよりも大きく、より良く、より強い自動車策業をミシガン州に取り戻すことだ」

さらに「ミシガン州は歴史的な岐路に立っている。もしも我々がミシガンで勝利すれば、我々はこの歴史的選挙で勝利し、我々が望んできたものをすべて実行することができる」と、参加者に本選挙の歴史的な意義を強調している。

また、2016年11月6日のミネソタ州での選挙直前の演説では、有権者に対して、以下のように訴えている。

「我々の失敗を重ねてきたエスタブリュッシュメントは家庭での貧困と海外からの災厄以外に何物ももたらさなかった。我々はこの国を貧血状態にしてきた経済と政治には飽き飽きした。今こそ真の変化、人々を責任ある地位に就ける変化の時だ」

「この選挙で、腐敗した政治支配層か、あなた方『アメリカ人民』か、いずれがこの国を運営するかが決まる。彼女(クリントン)は彼らとともにある。私はあなた方とともにある。これが最後のチャンスだ」

「オバマケアを直ちに撤廃し取り換えるための真の変化が始まっている。オバマケアをそのままにしておけば、ミネソタ州の住民は、保険料の60%の引き上げを経験することになるだろう」

「真の変化とは、我々の政府に正直さを取り戻すことを意味する」

「私が米国の有権者にする第1の約束は、政府の腐敗を終わらせ、この国を特殊利益から解放することだ」

「トランプ政権は、米国から雇用が流出するのを止めるとともに、ミネソタ州から雇用が逃げ出すのを止める。もしある企業が、ミネソタを離れ、労働者を解雇し、別の国に移り、その製品を米国に輸入しようとするなら、35%の税を課する」

「我々は、シェール、原油、天然ガス、クリーンな石炭などの国産エネルギーを、規制から解き放つ。我々は、ミネソタの農民、労働者、小規模事業家にとり有害な、オバマ政権による規制をすべて撤廃する」

以上のように、トランプ候補は選挙戦の最終段階でも、企業の海外流出阻止と規制緩和により雇用を創出することを強調し、経済再生を誓っている。他方でトランプ候補は、大統領選挙直前のミネソタ州での演説でも、レーガン政権以来の大減税を行うと表明している。

このような大減税と、後述するインフラ投資、国防費の削減停止を、20兆ドルに上る連邦財政赤字の中、同時に達成するのは容易ではないと思われる。規制緩和、国内のインフラと軍事への投資、保護主義的な貿易政策により、経済が活性化され、必要な財源が確保できるかが注目される。

3 各種の規制緩和政策

トランプ氏は、経済再生の切り札として各種の規制緩和を進めることを、具体例を挙げて選挙期間中一貫して訴えている。規制緩和全般については、不要な規制をあぶり出し、その1割を止め、ビジネスを活性化するとしている。

(1)銀行業務の規制緩和

トランプ氏は、選挙期間中は銀行やウォール街を攻撃し、ポピュリスト的な発言をしてきた。しかし大統領選挙の最終段階では、ポピュリスト的色彩を薄め、ウォール街寄りの政策を打ち出している。

金融面では、政権移行チームは、金融危機後に銀行規制のために制定され、オバマ大統領が署名した2010年の「ドッド・フランク法」を見直すとしている。また不況期に商業銀行と投資銀行の分離を規定し、メガバンクを破壊した「グラス・スティーガル法」の再導入という選挙期間中の主張も、触れられなくなった。

2016年初めのアイオワの選挙運動でも、トランプ氏は、「ウォール街を、罰を受けずに逃れさせてはならない。ウォール街にも課税すべきだ。ヘッジファンドの減税措置はなくすべきだ。他の候補は銀行に操られている」と主張してきた。

しかしトランプ氏の選挙期間中の財務責任者であったスティーブン・ミニューチン氏は、ヘッジファンドのマネージャーであり、元ゴールドマン・サックスの銀行家でもあった。ミニューチン氏は、財務長官に指名されている。

移行チームの財務政策担当のポール・アトキンス氏はトランプ氏について、「彼は長年にわたり金融規制と企業に対する制裁に反対してきたので、金融関係の経営者とマーケットは、彼の当選を喜んでいるだろう」と述べている。

トランプ政権では、規制緩和が重大な政策項目となるとの移行チーム財務担当者の発言が伝えられると、ニューヨークのダウ平均株価は約4%上昇した。

トランプ氏は減税よりも税体系の見直しを重視している。特に、税体系の見直しにおいては、会社や投資家にとり、株式買い取りよりも投資を魅力的なものにしなくてはならないとみている。

(2)労働政策の規制緩和

労働政策については、トランプ氏は、労働省の新規制には反対するとしている。

顧客にとり最善の利益となり、顧客とアドバイザーの間の利益対立を解消するために、すべての仲介業者と財務アドバイザーに対して消費者側にとり有利になる基準を定めるための、労働省の新しい規制にも反対するとみられている。

(3)国内エネルギー産業の規制緩和

国内エネルギー産業へのインフラ投資については、積極的である。

ジョージ・W・ブッシュ政権の政府高官でトランプ氏に近い人物の発言によれば、これまで環境保護と安全性の観点からオバマ政権下では開発が中止されてきて論争となっている、キーストーンXLやダコタ・アクセスのパイプライン計画について、トランプ新大統領は就任早々にも前進させるだろうと語っている。

キーストーンXLはカナダのアルバータ州のタールサンドとメキシコ湾岸にある米国の精油所を結ぶパイプラインで、専門家は誰もが最高のものだと称賛する設備である。パイプラインの安全性を判定する権限を持つ連邦機関も安全性に問題はないとみている。

それにもかかわらず、オバマ大統領は、パリの気候変動会議を1か月後に控えているとの理由で、2015年、パイプラインの開発認可を拒否した。パイプラインを敷設しているトランスカナダ会社は、敷設を拒否している米連邦政府を現在訴えている。

現在使用中のパイプラインは鉄道よりも安全であることは立証されている。それにもかかわらずオバマ政権は、連邦のパイプラインの安全性を確認する担当機関には意見を求めず、実情を知らない司法省にパイプライン開発の許認可権を与え、パイプラインの専門家の発言は封じられている。

オバマ政権のもとで一部の活動家たちは、陸軍工兵団がパイプライン建設に許可を与える前に、環境評価が不十分として反対するという戦略を採っている。しかし、166ページに及ぶ陸軍工兵団の環境評価報告の内容は、事実に基づき詳細に記されたものであり、活動家たちが主張するような問題はない。

しかしオバマ政権は、水質汚濁を理由にパイプライン計画に反対するネイティブ・アメリカンと活動家たちが2度も法廷で敗訴したにもかかわらず、彼らを擁護して、パイプライン計画の中止を命じている。

トランプ氏の移行チームは、元のブッシュ政権やレーガン政権のメンバーから多くの制度上の知見を得ている。しかし、前政権の関係者の多くは、トランプ新政権での地位を得るために協力しているわけではない。それほど、オバマ政権の行き過ぎた政策に対する、保守良識派の不満は鬱積していると言える。パイプライン問題はその点を象徴している。

(4)社会保障関連法の規制緩和

トランプ政権は。オバマ政権のもとで制定された「可能介護(affordable care)法」に盛られた、大量の実施規則、指針を、来年早々に修正または削除する。健康介護法と保険金支払いを巡る訴訟を含め、司法省が係争中の法案について、トランプ政権は、共和党員に有利なように法案を修正するであろう。

トランプ政権は以下のような方法により、オバマケアの規制を緩和しあるいは修正することになる。

・下院の共和党員が、オバマ政権は、議会の承認を得ることなく、非合法の、コスト分担に対する補償金支払いを命じているとして、法務省を訴えている。トランプ政権は、この訴訟について、法務省側に法廷闘争を止めさせ、市場を弱めるような保険者への補償金の支払いを止めるだろう。

・最も重篤な患者にかかる費用をカバーするためのリスク・コリダー(回廊)保険金の支払いについて、オバマ政権は保険者に支払わせるように訴訟を決着させようとした。これに対し、議会の共和党は、リスク・コリダー保険は、予算に対し中立的でなければならないとの法律に違反する違法な補償金だとして強硬に反対している。トランプ政権は、司法省に対し、この訴訟についても共和党の意向に沿うように決着させるだろう。

・トランプ政権は、誰もがいずれ必要とする個人の医療介護保険の適用範囲拡大を保証するために、個人が義務的に支払うべき保険金に、より多くの例外規定を設けるであろう。

・トランプ政権は、オバマケア基金に対する、奉仕または登録による支援を中止するであろう。

・トランプ政権は、オバマ政権がすべての企業に対し、その保険計画に避妊法を含めるよう雇用者に要求していた、保健福祉省による義務規定を見直すであろう。最高裁は、より多くの事業者に例外を認める判決を出している。

4 トランプ新大統領の移民政策、対テロ政策

トランプ候補は2015年5月、メキシコとの国境に壁を造ると明言している。その際、不法移民には善良な人もいるが、「一部には強姦者、殺人者、麻薬密輸人も含まれ、彼らは南部の国境から入ってくる」と、メキシコからの不法移民の危険性を訴えている。

トランプ候補は、壁を造る理由として、メキシコ国境が乗り越えられるため、米国に安全保障上の危機がもたらされているとの危機感を指摘している。また、壁の建設に対しては1億人の米国民の暗黙の支持があり、バチカンにも壁があるが誰も法王を非難はしないと、正当性を主張している。

さらに、壁建設の資金は「メキシコに払わせるべきだ」、なぜなら、メキシコが、「米国をかじり取り、国境と経済の両面で利益を得ているからだ」と主張している。

トランプ候補は、具体的にどのようにしてメキシコに壁建設の資金を出させるかについては言及していないが、米国がこれ以上不法移民を受け入れられない、我慢の限界にきているとし、壁建設などの強硬策の必要性を説いている。

また建設業者としての実績のあるトランプ氏は、「誰にも自分のような壁は作れない」とも表明し、壁建設実現への自信を見せている。

2015年2月にトランプ候補は、オバマ大統領の不法移民に対する恩赦を違法として、一刻も早く撤廃するよう主張した。メキシコからの不法移民には、テロ組織とつながりを持つ数千人に上る者も含まれており、事態はさらに悪化していると訴えている。

2016年11月にはミネソタ州で移民対策について、以下のように具体的に述べている。

「トランプ新政権は、受け入れ先の地域住民の了解なく海外からの難民を受け入れない。テロに好意的な地域からの難民については、全面的な審査が終り、受け入れのための態勢が保証されない限り入国許可を出さない。我々は国境の安全を守り防衛する。もちろん、巨大な壁も建設する」

「我々は、不法移民の流入を止め、外国人犯罪者を追放し、市民への脅威となっている犯罪者と犯罪組織を最後の一人まで排除する」

ムスリム移民についても、米国の指導者が何が起こっているか分かるまで、ムスリム移民の米国への流入を全面的に禁止すべきだと主張している。世論調査結果によれば、米国人の25%が米国内での暴力行為の一部はジハードとして正当化されていると感じ、51%が、米国のムスリムには、(米国を捨てて)イスラム法で統治されるとの選択肢が与えられるべきだという考えに同意している。

このように米国民の間でムスリム移民に対する反感が高まっている。

トランプ氏は、このような世論を踏まえ、米国民の間で憎悪が理解を上回っていることは明らかであり、この問題とそのもたらす脅威について我々が理解し対応策を決める前に、ジハードを妄信する連中のテロの犠牲者になるわけにはいかないとし、ジハードから米国民を守るべきだと訴えている。そのための決定的な方法がムスリム移民の全面入国禁止であると主張している。

2015年3月、イランとの交渉について、トランプ氏は、ジョン・ケリー国務長官はイランに対し、我々の要求はこれだと突きつけ、もしイラン側が受け入れないなら交渉を打ち切るべきだ、オバマ政権はイランと長々と交渉しているが、こんなものは交渉とは言えない、私なら、イランとの交渉は一日で片付けられると、対イラン強硬論を主張している。

また、オバマ政権はあまりにも絶望感にとらわれ過ぎて、イランと悪い交渉をしてしまった、イスラエル寄りとは思われないと非難している。

イスラエルについてトランプ候補は、エルサレムはイスラエルの首都であり、市民の安全上首都は分割されるのは望ましくないとし、「私はイスラエルの真の友である」と発言し、クリントン氏が引き継ごうとしているオバマ政権のイスラエルたたきの政策を止めさせると約束している。

銃規制については、国民に武器保持の権利を認めた憲法修正第二条を尊重するとして、銃規制反対の姿勢を明示している。また、最高裁判所判事については、堕胎に反対し生命を尊重する保守派の判事を任命することを約束している。

これらの国内での銃規制反対、堕胎反対などはいずれも共和党の伝統的な支持層である全米ライフル協会、キリスト教福音派などの主張に沿った政策である。

黒人層のトランプ支持率は8%、クリントン支持率が88%とも報じられており、黒人は最も反トランプの多いマイノリティだが、その中でも、黒人の若者の大半が独立派を支持しているとの、次のような声もネットを通じて寄せられている。

「クリントン氏は自分が最善と思うことをするだけ、民意に迎合するだけで、黒人の若者の気持ちが分かっていない。トランプ氏は、若者の悩みに応える政策を提示してきた」

「オバマ政権の8年間がたっても、4割の黒人の少年少女が貧困のうちに暮らしており、黒人は持ち家比率が白人よりも低く、失業者の比率も高い。黒人の若者の多くは、失うものはないと感じている。オバマ政権の8年間の政策は何ももたらさず、黒人層の傷を深めただけだ。クリントン氏がオバマの政策を継承するのは我慢ならない」

このような黒人の若者の声は少数意見とみられるが、オバマ政権の政策が黒人層にすら十分な恩恵を与えず、失望を招いている一面を伝えている。なお、トランプ氏は、黒人の若者に対しては、特に教育の機会の拡大を訴えている。

ネイティブ・アメリカンも民主党支持が多数派のマイノリティであるが、保護区内の石油などの数十億ドルに上るエネルギーに対する備蓄規制を緩和し、ネイティブが主体的に事業に取り組めるようにしてもらいたいとの要望もある。

この点では、トランプ氏の主張が一部のネイティブ・アメリカンにも受け入れられるものであることを示している。

ヒスパニック系のトランプ候補に対する支持率は28%と報じられている。しかし、ヒスパニック系の米国人の中にも、米国は法治国であり、メキシコ出身者でも不法移民は不法なことに変わりはなく、彼らのおかげで、米国の市民として立派に責務を果たしているヒスパニック系の市民の職が脅かされ、あるいは地域の治安が悪化するなど迷惑を受けているとして、壁の建設を支持する声もある。

このように、トランプ候補の移民政策やテロ対策に関する主張は、過激に聞こえても、各種エスニックグループの本音の要求に応えた面も多い。そのため、マイノリティも含めて幅広い支持を集めることができたと言えよう。その意味で、トランプ氏の主張が米国の分断を深めたという指摘は、必ずしも正確とは言えない。

5 高い軍、法執行機関への評価と期待

トランプ氏は2016年年9月15日、ロスアンゼルスの海軍艦艇「アイオワ」艦上の演説で、以下のように、軍の再建と退役軍人、国境警備隊、警察官に配慮した政策をとることを明言し、国防や治安の第一線に立つ人々に相応の処遇を与え、強い米国を再建することを約束している。同時に、対外的にも交渉力のある有能なリーダーの必要性を訴えている。

「退役軍人が多くの場合、不法移民よりも冷遇されているのは不公正だ。退役軍人用病院の不適切な管理、長い待ち時間を是正し、システムを改革する。民間病院の利用を進め、サービスを向上し、治療水準を改善する。米国を再び強くし、軍を強化し、退役軍人のための社会保障を充実する」

「私を77人の中将、200人以上の軍人、22人の名誉勲章受章者が支持している。シークレットサービス、ニューヨーク市警にも感謝している。私は、『米国第一』を信条とし、再び米国に誇りをもたらす」

「イランやプーチンから尊敬されるような大統領では駄目だ。イランとの取引にオバマは1500億ドル以上をつぎ込み、核兵器を保有する権利を約束した。クリントンとケリーは世界中で破綻を招いている」

「国内にも多くの問題がある。不法移民により米国民の所得が失われ、麻薬が密輸入され、富が国外に流出した」

軍については、オバマ政権の国防費の強制削減措置を止め、強い軍を再建すると表明している。また法執行機関についても、「国境警備隊も自らが無力なことにどうすればよいか議論している。

不法移民の子供たちを85年間も面倒を見る必要があるのだろうか?」と演説し、理解と支援の姿勢を明確にしている。尋問方法として問題になっていた水責めについても、拷問に当たらないとして、法執行機関の活動への拘束を緩めている。

まとめ

以上から、トランプ候補の主張が、いかに、一般国民の各層、各州、各種エスニックグループ、軍・法執行機関など、幅広い国民の支持を得るような内容であり、またそれに応じるきめ細かな訴えを、選挙期間を通じて、演説会やメディアを使い様々の機会に展開してきたかが分かる。

また、単なるポピュリストではなく、ウォール街、銀行、エネルギー産業、軍需産業など、経済界の要望も踏まえた現実的政策を当選直後から正面に打ち出すようになっており、今後の政権基盤が財界主流を巻き込んだ堅固なものになる兆候を見せている。

トランプ氏は政治歴も軍歴もない実業家出身の初の米大統領であり、選挙期間中に主張していた政策も内政が主である。内政面の政策運営については、選挙期間中の公約から一部乖離することはあっても、その支持基盤を為す一般の労働者、農民、小規模企業家などの声を反映した政策をとらねばならないとみられる。

もともと共和党内でも主流派から外れ、党組織の支持はあまり期待できないトランプ新大統領としては、2期目を目指すためにも、雇用の確保、企業の海外移転阻止、各種の規制緩和、減税、自由貿易政策の見直し、壁の建設を含めた移民対策と国境管理の強化、治安維持とテロ対策、国内インフラ投資の拡大など、支持層の利害に直結した政策については、概ね選挙間の公約に沿って実行されるとみられる。

他方、一般の民衆には直接影響の少ない、外交、国防など安全保障面の問題は、トランプ政権に入る専門家グループの意見がかなり反映されるとみられ、今後の政策は不透明な部分が多い。

しかし、いずれにしても、「米国の国益第一」を追求し、「米国を再び偉大にする」との大目的に沿う政策になるであろう。

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『トランプ氏の「一つの中国」見直し論がもたらす衝撃 なぜ米中関係の根幹を揺るがすことになるのか』(12/29JBプレス 阿部純一)について

1/3日経<アジア通貨防衛を強化 ドル融通枠、3兆円拡大へ 

アジア各国が通貨防衛で協調する。日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)は2017年中にも各国の合意で貸し借りできるドルの融通枠を現在の720億ドル(約8兆円)から960億ドル(約11兆円)へ約3兆円増やす。今年は世界の政治情勢が変わり、米国の追加利上げや欧州の選挙次第で新興国通貨に急落の恐れがある。アジアの通貨交換協定をテコに一段と関係を深め、金融危機を防ぐ備えを厚くする。

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アジア各国は5月、横浜市でアジア開発銀行(ADB)総会と日中韓・ASEAN財務相会議を開く。こうした場を使い、各国は金融危機の際に多国間でドルを貸し借りする「チェンマイ・イニシアチブ」という枠組みの拡充で合意する方向だ。

同枠組みは1997年のアジア通貨危機を踏まえ、アジア各国が整備した。ドルを借りた国は外国為替市場で「ドル売り・自国通貨買い」の為替介入を実施して自国通貨の急落を抑える。

ドルの融通枠は全体で2400億ドル(約28兆円)あるが、このうち各国の合意だけで貸し出せるのは3割、約8兆円だ。残り7割は国際通貨基金(IMF)の金融支援後に融通する仕組みとなっている。IMFの支援決定には一定の時間がかかるため、ASEANは急速な資金移動へ柔軟に対応するには各国の合意だけで融通できる割合を引き上げるべきだとする。

資金の貸し手となる日中韓は資金の焦げつきを懸念し、合意だけの融資枠を3割に固定してきたが、16年末の事務レベル会合で歩み寄りの機運が生まれた。物価上昇率や外貨準備高など経済財政運営やドルの流動性に関する指標を支援の条件とし、貸し倒れリスクを防ぐことで各国が一致。日韓も野放図な貸し出しは防げるとみて、合意のみの融資枠を3割から4割に上げる姿勢に転じた。

各国が協調姿勢に転じたのは米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げの影響が大きい。FRBが16年12月に追加利上げに動くとの観測が強まるとマレーシア通貨のリンギ相場は1ドル=4.4リンギ台と1998年以来の水準に下落。タイのバーツも対ドルで昨年秋に比べ約5%安い。

FRBは17年に利上げを3回実施するとしており、アジア金融市場に一定の影響が出ることは避けられない。欧州ではフランスやドイツなどでトップを選ぶ選挙が相次ぎ、結果次第では金融市場に動揺が広がるリスクもある。

チェンマイ・イニシアチブと並行して、日中は2国間の通貨交換協定も進める。日本はマレーシアやタイと協定締結の交渉に入っている。中国は15年11月にインドネシアと資金枠を拡大。マレーシアやタイと協定の期限を延長している。ただ中国は2国間協力を重視し、ドル融通枠の拡大に反発する可能性もある。>(以上)

中国の軍事膨張主義や韓国の反日活動(慰安婦像)を止めさすには経済的に追い込む必要があるのに、それを助けるというのは日本政府には大局観がないとしか言いようがありません。日本がチェンマイ・イニシアチブを使うことはないし、約束を反故にするのが当たり前の中韓は融資しても踏み倒す可能性が高いでしょう。形を変えた通貨スワップでしょう。日本政府の当局者はハニーか金で籠絡されたとしか思えません。戦争を避けるなら、中韓の経済を崩壊させるのが一番です。

本記事にありますように「一つの中国」は虚構で、それを今まで米国はさも「実体」があるように演じてきました。対ロ戦略上必要だったのでしょうが、逆に怪物を作り上げてしまいました。そもそも、中国国民党も中国共産党も中国人の政権ですから、独裁になり、粛清がごく普通に行われました。228事件や大躍進、文化大革命を見れば分かります。

台湾は国姓爺合戦で有名な鄭成功を大清帝国が打ち破り、清に属したとはいえ、「化外の地」扱いでした。日本が統治したのは日清戦争後の1895年から第二次大戦敗戦後の1945年までの50年間ですが、台湾に与えた影響は大きいです。でなければこんなに親日国になっていないでしょう。反日教育を国家政策としている中韓とは違います。

中共は漢人の政権で少数民族を弾圧しています。チベット、ウイグル、モンゴル人がその対象です。清は満州族の政権で、漢民族の政権ではありません。漢人は領土についていいとこどりをしています。漢人に東北三省、チベット、ウイグル、内モンゴルを統治する権利はありません。況してや台湾においてをや。戦後は蒋介石の国民党亡命政権が統治しましたが、次の蒋経国国民党政権で民主化が進められ、李登輝総統が選ばれたり、陳水扁民進党首が総統になったりしました。独裁の中共とは違いますし、誰も人権が保証されない国と一緒になりたいとは思っていないでしょう。香港住民が今そう思っている筈です。英国との「一国二制度」の約束すら守れない国です。日米豪印露で中国の暴発を抑え、台湾を守るようにしなくては。いつも言っていますように、時間の利益を中国に与えるのは下の策です。

記事

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台湾・台北でスピーチをする蔡英文総統(2016年10月10日撮影)。(c)AFP/SAM YEH〔AFPBB News

米国の次期大統領となるドナルド・トランプ氏による「米国が“一つの中国”に縛られるのはおかしい」という発言が注目されている。

米「フォックス・ニュース」の12月11日のインタビューに応えた発言であり、「中国の貿易・外交政策次第では」という条件付きのものであった。しかし、たとえ条件付きの発言であるにしても、「一つの中国」に疑義が示された衝撃は大きい。言うなれば米中関係の根幹を揺るがすことにもなるからだ。

現状の米中関係に不満を抱いているトランプ氏

1979年1月の国交樹立以降、歴代の米政権が遵守してきた「一つの中国」政策にはそれなりの重みがある。しかも、それは台湾の現状を維持するために米中がギリギリの妥協を重ねて生み出したものだった。

少し詳しく論じてみよう。

米国はカーター政権時に、同盟関係にあった台湾(中華民国)と国交ならびに相互防衛条約を断ち、中華人民共和国を唯一正当な政府として認め、その代わりに中国は台湾に対する「武力解放(武力統一)」を「平和統一」に改めた。米国と中国はそうやって台湾の扱いについて折り合いをつけ、以来、歴代の米政権は「一つの中国」政策を採り続けてきた。

米国はまた、中台の交渉による平和的統一への期待を表しつつ、台湾への防衛用兵器の供与などを盛り込んだ「台湾関係法」を米国内で成立させ、台湾の安全保障に引き続き関与する姿勢をとった。もちろん、台湾関係法は台湾の「独立」を助長するものではなく、あくまで台湾海峡両岸の現状維持を目指すものであった。

では、トランプ氏は米中関係をどうしたいのだろうか。

トランプ氏や彼の周辺にいる政策アドバイザーには、台湾が置かれている状況への不安と同時に、現状の米中関係への不満がある。つまり、米国が不必要な譲歩を重ねてきた結果が中国の現状変更を伴う拡張主義的行動を許し、民主主義体制下にある台湾が中国の経済的・軍事的圧力にさらされている事態を生んだと見ているのである。

たしかに、間もなく退場するオバマ大統領が、台湾が望む兵器、例えばF-16戦闘機C/D型の新規供与などを却下してきた事実も含め、中国に毅然とした態度を取ってきたとは言い難い。

同様に、台湾内部でも、もはや「一つの中国、台湾は中国の一部」という考え方を支持するのはごく少数派で、大多数の人は台湾が「事実上独立した政治主体」であるという現状を支持している。米国がそうした状況にある台湾に同調すれば、中国の言う「一つの中国」はすでに虚構化しているのであって、実態は「一つの中国、一つの台湾」となっている以上、米国が中国の主張に追随するのはおかしいと考えても不自然ではない。

中国人にとって台湾とは?

しかし、中国人のメンタリティーはおそらく違うのだろう。台湾は日清戦争で中国(清)が敗れた結果、日本に割譲されたが、もともとは中国に帰属していた。だから第2次世界大戦で日本が敗れた結果、蒋介石の中華民国が台湾を取り返したのは当然のことであった。その中華民国を、毛沢東が中国革命で台湾に追いやったが、米国が蒋介石を庇護した結果、今日まで台湾に中華民国が命脈を保っている。「中国革命を成就させること、つまりは台湾を中国に統一するという中国(中華人民共和国)の悲願を成就させることは、中国に課せられた神聖な使命だ」ということなのだろう。中国にとって、台湾はあくまでも「不可分の領土」なのである。

中国のこの「一つの中国」の論理をよく理解している米国人なら、トランプ氏の発言がいかに危険なものであるかが分かっているだろう。

もし米国が、台湾の「独立」を助長するような動きに出れば、米国との戦争の危険を冒してでも中国は阻止する行動を取るだろう。逆に、もし中国の指導部が拱手傍観するようであれば、愛国ナショナリズムに駆り立てられた中国人民が指導部を厳しく突き上げることは想像に難くない。つまり、中国はいずれにしても暴れ出すことになる。

中台が歩み寄れる余地はどんどん消滅

とはいっても、こうした中国側の事情を現在の台湾の人たちは懸念こそするだろうが、だからといってそのまま受け入れ、おとなしく我慢し続けるとは思えない。

中国の台湾との「平和統一政策」は、香港で先行適用された「一国二制度」である。だが、香港の現状が示すようにうまく機能していない。台湾はこの政策を当初から拒否し続けてきた。しかも人口の大多数が台湾で生まれ、台湾で育った人々であるから、中国は彼らにとってたまたま言葉が通じる「外国」にすぎない。要するに、中国と台湾とでは、お互いの認識が果てしなく乖離してしまっていると言っていいだろう。

お互いに歩み寄れる余地が時間の経過とともに消滅していく中で、経済的にも軍事的にもパワーでまさる中国が、台湾を経済的に従属させ、軍事的に戦意を喪失させることで、軍門に下ることを強要しようとしていると、台湾の人々は受け止めている。米国に頼り、防衛面ではあまり期待できない日本にも頼るのは、台湾にとって日米同盟以外に、他に寄る辺がないからである。

その台湾では、2016年5月に発足した民進党の蔡英文政権が、「一つの中国」で中台が合意したとされる「92年コンセンサス」を認めない姿勢を堅持している。そのため、中国側は台湾への観光客を制限したり、台湾を国際機関の会議から締め出そうとしたり、様々な形で圧力を強めている。トランプ発言は、そうした状況下で発せられた。

米国内で高まっていた台湾へのシンパシー

こうした背景を理解した上で、あらためて今年の米大統領選挙を振り返ってみると、米国内での台湾へのシンパシーの高揚が見えてくる。

今年の米大統領選挙では、民主党のヒラリー・クリントン候補も、共和党のトランプ候補も、共に中国には厳しい姿勢を取っていた。それは、米国全体に中国に厳しい目を向ける雰囲気があったからである。

それに加えて、米政界には今年に入って「台湾寄り」の姿勢が目立っていた。南シナ海における中国の人工島建設など、米中関係にマイナスになることを承知の上で、中国は勢力拡張政策を取ってきた。米国内の動きはそれに対する反動と見ることができる。

2011年、台湾総統選挙を翌年に控え、民進党の総統候補として蔡英文が訪米した時、米国側はけんもほろろの対応をした。米中の協調を図る上で、海峡両岸の接近に積極的な国民党の馬英九総統の続投が望ましいとの判断があったのだろう。ところが、翌年の総統選挙をにらんだ2015年に蔡英文が訪米した際は、米国側は手のひらを返すように歓待した。米国がいかに中国との関係に苛立っていたかが分かる。

その動きは今年になっても止まらず、米上下両院では6月から7月にかけて、台湾関係法と台湾に対する「6つの保証」を再確認する決議案が全会一致で採択された(決議案の正式名称は「『台湾関係法』と台湾に対する『6つの保証』を米台関係の基礎とすることを再確認する両院一致決議案」)。

(「6つの保証」とは、レーガン政権時代の1982年に議会に対して説明された6項目からなる台湾政策。(1) 台湾への武器供与の終了期日を定めない、(2) 台湾への武器売却に関し、中国と事前協議を行なわない、(3) 中国と台湾の仲介を行わない、(4) 台湾関係法の改正に同意しない、(5) 台湾の主権に関する立場を変えない、(6) 中国との対話を行うよう台湾に圧力をかけない、を指す。)

こうした動きがトランプ次期大統領の対中政策を形作っていると言っても過言ではない。

この議会決議を受け、米共和党は政策綱領にこの「6つの保証」を書き込んだ。これに関与したとされるのが、共和党系シンクタンクであるヘリテージ財団のフェローを務めるスティーブン・イェーツ氏である。彼はトランプ氏の政権移行チームのメンバーとなっている。

また、同じく政権移行チームでトランプ氏の外交・経済アドバイザーを務め、このほどトランプ次期政権がホワイトハウス内に新設する「国家通商会議」の委員長に指名されたカリフォルニア大学アーバイン校教授のピーター・ナバロ氏も台湾寄りの姿勢が明確だ。彼は、今年7月「ナショナル・インタレスト」のウェブサイトで「米国は台湾を見捨てることはできない」を掲載し、台湾の置かれた立場に対する深い同情の念と米国にとっての高い戦略的価値を論じている。ナバロ教授は米中の通商政策の専門家だが、今後は米中外交へも影響力を行使しうる立場になる。

抜本的見直しが求められている対中政策

では、トランプ政権下の米中関係はどうなるのか。台湾への高まるシンパシーが「一つの中国」政策を揺るがすことになるのか。

はっきり言えることは、これまでの米国による「一つの中国」政策が歴代政権の対中「関与(engagement)」政策と相まって、中国の経済大国化、軍事強国化の手助けをしてきたことだ。その中国が一方的な「現状変更」勢力となっている現在、米国に対中政策の抜本的見直しが求められているということだ。

米国の穏健派は「一つの中国」を見直す危険を指摘するが、その立場が往々にして中国の立場を代弁することになっている点に気づかずにきた。そうした状況に一石を投じたトランプ氏の発言は議論を広げ、深める機会となった。問題は、いかに政策にまで高めるかだ。米国外交の知恵に期待したい。

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『習近平主席は本当に強いのか~日経大予測2017  編集委員 中沢克二』(12/30日経)について

今年は習近平VSトランプの争いが本格化するのではないかと思っています。

12/21ロイターによれば、「トランプの閣僚として新政権の主要ポストに名前が挙がった候補者と、すでに指名が決まった新閣僚の顔ぶれは以下の通り。

<すでに指名が決まったポスト>●国土安全保障長官 *ジョン・ケリー(海兵隊退役大将)●環境保護局(EPA)局長 *スコット・プルイット(オクラホマ州の司法長官)●労働長官 *アンディー・パズダー(ファストフード大手CKEレストランツ・ホールディングスの最高経営責任者)●住宅都市開発長官 *ベン・カーソン(元神経外科医)●大統領首席補佐官 *ラインス・プリーバス(共和党全国委員長)●首席戦略官兼上級顧問 *スティーブン・バノン(保守系メディア「ブライトバート・ニュース」の元トップ)●司法長官 *ジェフ・セッションズ(アラバマ州選出共和党上院議員)●中央情報局(CIA)長官 *マイク・ポンペオ(カンザス州選出共和党下院議員)●国家安全保障担当の大統領補佐官 *マイケル・フリン(退役陸軍中将、元国防情報局長)●国連大使 *ニッキー・ヘイリー(サウスカロライナ州知事)●教育長官 *ベッツィー・デボス(共和党の献金者。党の元ミシガン州委員長)●厚生長官 *トム・プライス(ジョージア州選出共和党下院議員)●運輸長官 *イレイン・チャオ(元労働長官。夫は共和党のマコネル上院院内総務)●財務長官 *スティーブン・ムニューチン(元ゴールドマン・サックス(GS.N)幹部、選挙戦でのトランプ陣営の財務責任者)●商務長官  *ウィルバー・ロス(著名投資家、ファンド「WLロス」会長)●国防長官 *ジェームズ・マティス(元中央軍司令官)●エネルギー長官 *リック・ペリー(前テキサス州知事)●国家経済会議(NEC)委員長 *ゲーリー・コーン(ゴールドマン・サックス社長兼最高執行責任者)●国務長官 *レックス・ティラーソン(エクソンモービル(XOM.N)の会長兼最高経営責任者) ●中小企業庁長官 *リンダ・マクマホン(プロレス団体の共同創業者で元最高経営責任者)●内務長官 *ライアン・ジンキ(モンタナ州選出共和党下院議員)●陸軍長官 *ビンセント・ビオラ(高頻度取引企業バーチュ・ファイナンシャル(VIRT.O)創業者)●行政管理予算局(OMB)局長 *ミック・マルバニー(共和党下院議員、サウスカロライナ州)●国家通商会議(新設、National Trade Council) *ピーター・ナバロ(対中強硬派エコノミスト)

<名前が挙がっている候補者>

●米通商代表部(USTR)代表 *ダン・ディミッコ(米鉄鋼大手ニューコア(NUE.N)元CEO)」(以上)

オバマ時代に不遇を託った軍経験者とMBA出身の実業家で構成されています。オバマの口先だけの”change, yes, we can”とは違うものを感じさせます。米国の世界覇権に挑戦して来る中国に甘い顔はしないという事です。中国に時間の利益を与えるのは米国にとって不利になります。=日本にとっても不利になるという事です。南シナ海に日本の自衛隊も「航行の自由作戦」に参加すべきです。尖閣を日米共同で守るには中国に日米の絆を見せつけた方が良いでしょう。国際法に違反している訳でなく、中国の主張する九段線は国際仲裁裁判所で否定された訳ですから。中国が嫌がっているのが分かりますから、どんどんやるべきです。南スーダンに自衛隊を派兵するのは中国の為になるだけで意味がありません。早く撤退した方が良く、南西諸島に配備した方が良いと考えます。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201608/CK2016082102000111.html

本記事にあります、チャイナ7で習=太子党、李=団派、張徳江=江派、兪正声=太子党、劉雲山=江派、王岐山=太子党、張高麗=江派です。常務委員の68歳定年制を破り、王岐山を継続任用させるには理由が必要になりますが、「理屈は後から貨車でやってくる」のでしょう。それを認めれば、習の任期2期というのもあっさり破られるのでは。何せ反腐敗運動で政敵を沢山作りましたので、政権を手放した瞬間に粛清されるかも知れませんし。王岐山を重用すれば、彼が寝首を掻く可能性もあります。

経済的に中国を追い込むのが戦争を避けるためには一番かと思います。勿論気の狂った中共が暴発する可能性もありますが。中国に進出している日本企業も痛みを受けますが、授業料です。諦めるべきです。人権弾圧、粛清が当たり前の共産主義国家が世界制覇を狙っています。その野望を押しとどめなければなりません。日本人にとって、覚悟が試される1年となりそうです。

記事

2017年、日本と世界の経済・政治はどう変わっていくのか。日経新聞のベテラン編集委員の見通しを、このほど出版した『これからの日本の論点 日経大予測2017』(日本経済新聞出版社)をもとに紹介する。

■共産党大会の人事に注目

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習近平・中国国家主席(左)とトランプ・米国次期大統領=AP

中国の2017年最大の焦点は、秋以降の共産党大会人事である。「チャイナ・セブン」といわれる7人の最高指導部=党政治局常務委員の顔ぶれがどうなるかは、今や世界の関心事だ。世界第2位の経済大国で、軍事面の実力も向上している。中国がどうなるかは世界の政治・経済に直接、大きな影響を与える。

中国国家主席、習近平は、17年最高指導部人事で多数派を形成したい。それが、5年にわたり苛烈な「反腐敗」運動を展開した目的だった。7人中4人を自派で固められればベストである。現在の7人の中で、習と、首相の李克強を除く5人は年齢制限により引退するはずだ。68歳という年齢制限には張徳江、兪正声、劉雲山、王岐山、張高麗の5人がひっかかる。彼らは引退を迫られる。その穴をいかに埋めるかの勝負になる。

もう一つの焦点は、「ポスト習近平」を担う新世代の指導者が決まるのかどうかだ。これは、現在の50代の「革命第6世代」の戦いになる。習としては、自らの意向を尊重する従順な人物を自派から選びたい。だが、なかなかそれに適当な人物はいない。

注目すべきグループに、高級幹部の子弟らを指す「太子党」がある。1949年の新中国の建国前の革命戦争を戦ってきた紅(あか)い幹部の子息らを指す「紅二代」もこの一派である。習近平自身もこのグループから抜てきされた。重要な基盤であり、この勢力から誰をエースとして引き上げるかも面白い。

■「南シナ海」、米トランプ政権の出方次第

南シナ海への中国の海洋進出を巡りフィリピンが提訴した裁判でオランダ・ハーグの仲裁裁判所は16年7月12日、中国が管轄権の根拠とする「九段線」には国際法上の根拠がないとの判決を下した。その後、フィリピンのドゥテルテ政権の急速な中国接近などで、南シナ海問題は一見、中国の思惑通りに動いているかのように見える。

だが、次期米大統領、トランプの出方次第で事態は大きく変化する。「中国は要塞を築いている」。当選後、たびたび南シナ海に言及するトランプが、本格的にアジアの安全保障問題に取り組むかどうかは、なお推移を見極める必要がある。これは「一つの中国」に必ずしも縛られない、というトランプの驚くべき発言の今後にも関係する。南シナ海問題、台湾問題、北朝鮮問題……。これらは全て予想が難しいトランプがカギを握る。

そして日中関係も米中関係の動きをにらむ展開になる。17年は、日中国交正常化から45周年に当たる。日中が交流を強化する名目は存在する。これをどう生かすか。16年9月、中国・杭州の20カ国・地域(G20)首脳会議で日中首脳会談を実現させた、首相の安倍晋三と習近平の間でさらなる信頼関係の構築が必要だ。

自民党総裁任期の延長を固めた安倍。その政権の基盤は安定している。習近平指導部としても当面続く安倍政権を無視できない。この状況を日本側もうまく利用し、対中関係を軟着陸させる必要がある。

中国経済の減速が続いている。17年も警戒が必要だ。中国経済の現状分析で注目すべき動きがある。習の経済ブレーンとみられる人物が共産党機関紙、人民日報で語った中身だ。紙面上、匿名の語り手は「権威人士」と呼ばれる。

■「L字型経済」の衝撃

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中国経済は下降した後に当面上向かない「L字型」をたどるとの観測もある(上海市の証券会社)

「中国経済はU字型回復などあり得ない。もっと不可能なのはV字型回復だ。それはL字型の道をたどる」「L字型は一つの段階で、1、2年で終わらない。数年は需要低迷と生産能力過剰が併存する難局を根本的に変えられない」

「L字」とは、下降した後に当面は上向かないことを意味する。従来の中国政府のこれまでの公式説明とは根本的に違う。

「古い手法によるテコ入れ策はバブルを生み、問題を大きくする」「断行すべきはサプライサイド中心の大胆な構造改革だ」。こうも指摘している。

中国の社会全体の債務額は15年末で168兆4800億元(約2700兆円)。これを国内総生産(GDP)で割った比率は249%となる。中国が「全社会レバレッジ率」と呼ぶこの比率は極めて高い。中国で最も大きな債務問題は非金融部門の債務で、そのレバレッジ率は15年末で131%に達するという。融資プラットフォーム債務(政府債務との重複もある)を加えるなら156%である。

中国政府は、貯蓄率が高いためコントロールできると説明している。だが、巨額の債務処理には長い時間を要する。返済に追われる民間部門はかなり長い期間、設備投資を控えざるをえない。こうした深刻さの認識が、権威人士による先の「中国経済は当面、『L字』に」という表現だった。今後とも比較的好調な新車販売、インターネット通販などを含めた消費の後押しが必要だ。注意すべきは、リーマン・ショック時の4兆元対策のようなバラマキ、大盤振る舞いに陥らないようにすることだ。この過剰投資こそが現在の苦境をつくった元凶だった。

中長期的な中国経済の行方を左右するのは、イノベーションによる構造転換である。中国政府は、技術集約度と付加価値が高い産業の発展戦略を描く。「メード・イン・チャイナ(中国製造)2025」と名付けた戦略では、製造大国から製造強国への転換を目指している。

■注目の「メード・イン・チャイナ2025」

中国の製造業の実力は確実に上がっている。家電の海爾集団(ハイアール)、通信技術の華為技術(ファーウェイ)などが代表例だ。ハイテク製品の輸出でも中国は世界一である。しかし、中国の自主ブランドの輸出はその1割にも達していない。8、9割が、外資系企業が中国で生産した製品だ。自動車にしても、大半がドイツ、日本、米国の企業のブランドだ。民族企業の技術はまだまだ劣る。この現状を打開できるかが中国の将来を決める。

これらは国務院を統括する首相の李克強がリーダーシップを発揮できる分野だ。しかし、それは習近平と李克強のコンビが次の次の党大会がある22年まで、うまく力を発揮すればの話である。

話題となった「権威人士」の正体は、中央財経指導小組の弁公室主任、劉鶴だった。彼は、習政権のマクロ経済の司令塔として絶大な力を持つ。時には李克強より影響力は大きい。経済政策を巡って路線対立があるのは明らかだ。

中国の16年の成長目標は6.5~7%である。首相の李克強は中国経済について「楽観しており、自信がある」としている。これも習の経済ブレーンの指摘とはニュアンスが違う。それでも中国はこの数字を必ず達成するだろう。そうでなければ20年までに国民所得を倍増する目標は達成できない。

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大都市の不動産価格は暴騰が続いているが、住宅市場は過剰在庫が目立つ(重慶市)

一連の経済政策での対立が、17年の中国経済全体にどんな影響を及ぼすのか。純粋な政策上の対立というより、政治が絡むため予想は難しい。しかし、この経済論争の帰趨(きすう)が、17年の共産党大会での最高指導部人事に影響する。

■不動産バブルは崩壊の兆し

中国の住宅市場は過剰在庫がなお目立つ。だが、16年まで大都市では価格が暴騰していた。特に、深圳では住宅価格が前年に比べて5割も上がった。おかしな現象だ。その理由は、行き場を失った流動資金がどっと住宅市場に流入したことだ。中国人はつい最近まで、住宅価格は右肩上がりで、下がることはないと信じ込んでいた。バブル景気までの日本の土地神話と極めて似ていた。公有制だった中国に民間住宅市場が誕生したのは1990年代末のことだ。まだ、20年の歴史もない。

その頃、中国人は、政府や国有企業などから極めて安値で住宅の割り当てを受けた。ちょっと目先の利く人々は、この住宅を担保に銀行から巨額の資金を借り入れ、2軒目の家を買った。それが数年もたたずに2、3倍の値になった。これを転売すれば値上がり益は大きい。この行為を繰り返せば、大金持ちになってしまう。実際、彼らはそうなった。保有している家は、農村などから出てきた人々に貸せば、かなりの賃貸収入も得られる。

社会主義を掲げる中国は、住宅に関する限り、資本主義以上に資本主義的だ。とはいえ、土地そのものは国のものである。30、50、70年間という期限つきの使用権しかない。これを売買しているのだ。定期借地権付き住宅と考えればよい。本当の資産価値は住宅の上物にしかない。冷静に考えれば、今のような高値はおかしい。日本で言う「土地転がし」。ゆがんだゲームはどこかで終わる。誰かが必ずババを引くのだ。17年にかけて不動産相場は大都市でも天井を打ち、下落傾向が強まるだろう。(敬称略)

[2016年10月21日発行の『これからの日本の論点 日経大予測2017』の一部を抜粋、加筆・再構成]

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『嘘つき中国、学術研究で対処しても逆効果 福沢諭吉の教える「議論の本位」を定めることが大切』(12/28JBプレス 森清勇)について

過去の歴史を断罪する場合、渡辺惣樹氏の言う「民事裁判での比較衡量の証拠“the preponderance of evidence”ではなく、もっと厳格な刑事裁判で要求される合理的疑いのない証拠“beyond a reasonable doubt of evidence”」で議論すべきと思います。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=4624

中国は賄賂社会で上から下に至るまで賄賂を取るのが当たり前になっています。中国駐在8年間の経験でそう断言できます。その彼らが外国人にも賄賂を贈らないことは考えにくいです。南シナ海の国際仲裁裁判所の判決が出る前に、裁判官に賄賂を贈ろうとして拒絶され、それが為に中国にとって厳しい判決が出たと言われています。さもありなんと思います。中国国内で人民法院は行政の一部で、裁判官は当然賄賂を取ります。国連で日本をなきものにしようといろんな国に賄賂を贈って中国の言い分を通そうとしているのは理解できるでしょう。日本の外務省はやられっ放しではダメです。キチンと外国に日本の立場を伝えねば。

米国との和解がオバマ大統領の広島訪問と安倍首相の真珠湾訪問で為されたと思っています。日本は容共FDR政権によって太平洋戦争に巻き込まれたと思っていますが(=日本は、侵略戦争はしていない)、そのことは日米ともに言い分があるでしょう。時間をかけて米国の歴史家の見方を変えるようにしていってほしい。

中国の嘘、韓国の嘘に日本が何時までも唯々諾々と従う必要はありません。安倍首相は“The brave respect the brave”と言いました。中国は孫子の兵法で詐術で以て勝利するのがベストという発想をします。日米の「敵ながらあっぱれ」という敵を褒め讃える文化は中国にはありません。杭州にある秦檜像のように唾を吐きかけ、汪兆銘の墓を蒋介石が爆破したように敵は死んでも侮蔑の対象です。日本人は韓国人のように自分の保身の為に外国勢力を招き入れて内乱を起こす民族とも違います。中国大陸と朝鮮半島とは関わらない方が良いです。ただ、相手の不条理な攻撃に対しては、キチンと反撃、世界に対して日本の正当性をアピールしなければ。それが第二次大戦で学んだことでしょう。いくら日本国内で「正しい」と言っても自己満足で終わり、敵にしてやられます。ヘンリー・ストークスの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”を今読んでいますが、米国でも出版されたとのこと。こういう動きが世界で広がっていけば日本への誤解も少なくなると思います。

記事

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色のスモッグに覆われる南京市。ここでも大気汚染が深刻だ〔AFPBB News

南京事件について、日本では民間人20万人以上を虐殺したという意見から、戦争に伴う殺戮はあったが意図的な虐殺はなかったとする意見まで存在する。

歴史的な問題なので、日本では学術的に戦史家を含めた歴史家が主体になって研究するテーマであるが、中国は日本の反対を押し切って「南京大虐殺」として宣伝し、ユネスコの「世界の記憶」にまで登録した。

中国の主張は政治的な面が濃厚で、日本を犯罪国家に貶めることによって自国の犯罪歴の相対化を図り、同時に格差社会の内部矛盾によって生じる危険なエネルギーを日本に向けて発散させる意図があるとみられる。

こうした中国の目的や意図に照らすと、日本の関係者が精力的に行っている学術研究の成果は二の次三の次である。現に、日本人の真摯な研究には一切耳を傾けようとしない。

聞く耳を持たない以上、日本が学問的研究で対処しても中国を納得させることはできない。日本で「ああでもない、こうでもない」と議論が盛り上がれば上がるほど、「虐殺があった証拠」とか、「虐殺を隠蔽しようとしている」と、巧みに宣伝に取り入れられるだけである。

以下では、中国の「政治的」主張にいかに対処するべきかを考える。

事件を報道する記者魂

日清戦争の時、旅順虐殺事件(1894年11月21~23日)があった。日本の騎兵斥候隊約20人が捕えられ、隊長や兵士を惨殺して首をはねて晒し、遺体の傷口からは石を入れ、あるいは睾丸を切断するなど、その惨状は見るに堪えないものであったと言われる。

これを見た一部の日本軍は激高し、便衣兵となって逃げ込んだ中国人兵士を旅順市内で掃討する一方で、隠匿などで加勢していた市民もいたことから、多数の市民を惨殺した事件である。

3日間の行動であるが、参加した軍人たちの日記や手記、10人前後の内外記者の報道、画家やカメラマンの記録、そして陸奥宗光外相(当時)をはじめとして外交に携わった者たちの報告などの資料が多数残されている。

被害者である中国側でも同様に多くの記録が残されている。記録の内容は千差万別であるが、いずれの記述からも鬼気迫るものが感得される。

通州事件でも同様である。支那事変の発端とされる盧溝橋事件(1937年7月7日)の3週間後の7月29日、通州の日本人居留民を保護する任務の中国人保安隊が、日本の民間人を惨殺する事件が起きた。

午前3時頃、通州の城門が閉じられ、異常を感じた日本人もいたが、日本人が訓練した中国人保安隊でもあり信頼し切っていたところに最大の誤算があった。

日本人家族のみが襲われたことからも、周到な準備の下に実行されたもので、半日間に385人中223人が残虐な方法で殺されてしまった。

かろうじて生き残った記者や居留民の手記、救出に向かった軍隊・軍人の報告書や証言、外交ルートでの記録などが、ここでも多数残されている。

東京朝日新聞や東京日日新聞(現毎日新聞)、読売新聞、その他雑誌なども含めて多くのメディアが競って報道している。事件後1か月過ぎても、記者や作家、そして何よりも関係者たちが真実を求めて現地や関係者を訪ね、訪問記やいろんな形で関係記録を残している。

このような事件について、従軍記者は言うに及ばず、関係した多くの者が、立場の違いによって記述内容や精粗の違いなどはあっても、読むに堪えないような生々しい記録を残している。

記者たち約200人が無関心?

ところが、南京は中華民国の首都でもあり、攻略戦のとき東京朝日新聞、東京日日新聞、同盟通信社それぞれ50人前後の記者を派遣しており、また地方紙も派遣しており、少なくも200人近い記者がいたことになる。

作家や画家、カメラマンなども数十人はいた。もちろん中国人で報道に携わっていた者も同様に多数いたであろう。内外の外交官もいたし、南京市民たちの安全を保障すべく活躍していた外国人教授や宣教師なども40人近くいた。

これほど多くの記者らが虐殺を見逃していたとみること自体、上記の旅順事件や通州事件と対比して合理的でない。

石川達三氏のような作家たちが、日本兵の暴行など幾つかの事象を書き残している。褒められた行為ではないが、これらは決して軍隊が組織的かつ計画的に行ったものではなく、戦争の流れの中での兵士らの蛮行である。

それより何よりも、虐殺されたという中国の軍隊や中国人の将兵が日本人同様にいたであろう。被害の立場の旅順事件でも加害の立場の通州事件でも、彼らも多くの現場記録などを残してきた。しかし、南京事件に関しては、「虐殺」の記録を何も残さなかったというのだろうか。

虐殺の報道どころか、朝日は12月20日朝刊では半ページを費やして「甦る平和都市南京」と題する写真特集を組んでいる。

新聞紙面やアサヒグラフなどを飾った写真は、日本軍の入場を歓迎する場面や、道路上で静かに散髪したり、中国人の子供たちが嬉々としてお菓子を受け取っているような写真がほとんどである。どこにも虐殺を報じる紙面は見られない。

外紙が日本人の暴行を伝えたとされるが、日本人記者の誰一人として気に留めていない。南京戦の終始を通じて現地にいた同盟通信社の前田雄二氏は、「南京大虐殺はなかった」と公言している。

「彼が南京城内を1人で見ていたわけではないだろう」と疑問を呈する向きもあろう。当然1人で、四六時中城内や安全区を見ておれるはずがない。

しかし、彼は、同社が派遣していた同僚約50人の誰彼となくいつも意見交換をしている。些細なことでも記者の間で必ず話題になるが、誰一人として虐殺を話題にした者はいなかったと述べている。

他社の記者たちともしばしば一緒になることがあったようである。前田氏1人の目ではなく、カメラマンも含めて張り巡らされた多くの目を代表して、いや通信社や新聞社を代表して、それはまた日本を代表してともみていいだろうが、「大虐殺はなかった」と断言しているに等しいのである。

報道されるはずもない「幻の虐殺」

日本軍の入城(12月7日)から1週間後の状況を「ロンドン・タイムズ」は18日付で「14日・・・通りには死体が散在したが女性の死体は無かった」と報道している。ちなみに、この時期の南京市民は国際安全委員会が設定した安全区(避難区)に保護されており、死体は南京攻略戦で生じたもの以外ではない。

ところが、東京裁判を控えて連合国最高司令部・民間情報教育局監修のラジオ番組「眞相箱」では「陥落寸前の南京」の掲題で、「日本が南京で行った暴行についてその真相をお話し下さい」という質問を設けて次のように解説している。

「我が軍が南京城壁に攻撃を集中したのは、昭和12年12月7日でありました。(中略)その1週間後、その恨み(上海の中国軍から手痛い抵抗を蒙ったこと)を一時に破裂させ、怒涛の如く南京城内に殺到したのであります。この南京大虐殺こそ、近代史上稀に見る凄惨なもので、実に婦女子2万名が惨殺されたのであります」と。

先述のロンドン・タイムズは現地情報として「女性の死体はなかった」と、わざわざ付け加えていたのに、東京裁判を前にした8年後のラジオ放送で突如として「婦女子2万名の惨殺」が登場するのである。

朝日新聞記者の本多勝一氏が1971年に、「中国人に与えた暴虐を日本人が忘れてはならない」として中国を訪ね歩き、北支から中支にかけて中国側が受けたと主張する暴虐(『中国の旅』)や、上海戦から南京攻略戦へ移行する途中での話(『南京への道』)を連載するが、これらは南京大虐殺のことではない。

中国の30万人虐殺主張は、決して北支から中支までの累計でも、あるいは上海戦から南京戦までの累計(中国軍の戦死傷9万8340人、ちなみに日本側7万3000余人)でもなく、どこまでも南京攻略戦で市民が無法に惨殺されたとして告発しているのである。

国際安全委員会の宣教師たちが伝聞として伝える事件情報を聞いた日本の兵士が現場に行ってみると、何も起きていなかったという報告もしばしばである。

宣教師たちは、自分たちが見たと言えば、現場の確定も必要であろうだが、「伝聞」としての情報であれば、必ずしも自分たちに責任はない。こうして、多くの伝聞情報が創作されていったと言える。

国民党の何應欽軍政部長(国防相に相当)が著した一級史料『中国現代史料叢書=対日抗戦』(盧溝橋事件から日本敗戦までの8年間にわたる軍事報告)の「南京之失陥」には、「日本軍の暴虐も〝南京虐殺″も何処にも出てこない」し、当時の中国共産党の軍事雑誌を集めた『抗戦中の中国軍事』中の南京の戦闘記録にも「日本軍による市民の虐殺とか捕虜の大量殺戮のことなど出てこない」(田中正明『「南京事件」の総括』)。

ことから田中氏は、「南京事件について、日本人が知らなかったと同様、中国人も―中国共産党も国民党も―知らなかった。知らなかったのではない、このことはそうした大事件などなかった何よりの証拠である」と確言する。

議論の焦点は何か

南京大虐殺を強く肯定するのは日本人の一部で、中国はこれ幸いと乗っかって、今では国際社会に向けて日本は犯罪国家だと言いふらしている。日本にとっては百害あって一利なしである。

ここで、思い出すのが、福沢諭吉が『文明論之概略』で、正しい議論をするには「議論の本位を定める事」が重要であると述べていることである。

「軽重、長短、善悪、是非等の字は、相対したる考えより生じたるものなり。軽あらざれば重あるべからず。(中略)かくの如く相対して重と定まり善と定まりたるものを議論の本位と名づく」と定義する。

そして、「背に腹は代え難し」や「小の虫を殺して大の虫を助く」という諺を引用しながら、背に傷を被っても腹を守る方が大切であり、鶴の餌には鰌(どじょう)を用いても妨げがないではないかと述べながら、議論の本位とは何かを分かりやすく説明する。

日本が封建制度の大名や藩士を廃したことに関して、「徒に有産の輩を覆して無産の難渋に陥れたるに似たれども、日本国と諸藩とを対すれば、日本国は重し、諸藩は軽し、藩を廃するはなお腹の背に替えられざるが如く、大名藩士の禄を奪うは、鰌を殺して鶴を養うが如し」というのである。

「すべて事物を詮索するには、枝末を払いてその本源に遡り、止まる所の本位を求めざるべからず」という。こうして「議論の箇条は次第に減じて、その本位は益々確実なるべし」と述べる。逆に「議論の本位を定めざれば、その利害得失を談ずべからず」ともいう。

一度、議論の本位を定めたからには、次には「敵のためか、味方のためか、何れにてもその主とする所の本を定めざるべからず」と主張する。

例えば神仏の説を挙げてみると、神道は現在の吉凶をいうが、仏法は未来の禍福を説いているのだから、議論の本位を異にしており、議論がかみ合わないのは当然であるという具合である。

また「事物の本に還らずして末のみを談」じているのは、あたかも武器として弓矢剣槍の得失を争うようなものであり、小銃が出てくれば弓矢剣槍の論争は忘れられてしまうだろうというのである。

中国が主張しているのは、日本は犯罪国家であるということである。そのために、日本でやるべき議論の中心は、日本は「犯罪国家か、そうではないか」ということである。

数百人でも数千人でも日本軍が南京市民を「虐殺」したと言えば、中国にとっては御の字で、「日本が虐殺を認めた」、「日本は犯罪国家だ」となり、白髪三千丈式に拡大していき、最初は2万人と言っていたのが、南京虐殺記念館では30万人と書かれ、今では40万人という数字さえ聞かれる状況である。

ちなみに、筆者が考える本位や枝末などは以下の通りである。

本位:日本を虐殺国家に仕立てたい中国 ⇒ 日本は「犯罪国家か否か」が焦点 枝末:日本が虐殺数を学術的に求めること ⇒ (学問的には重要であるが)中国は求めていない 本源:虐殺したとされる地域・時機・態様 ⇒ 安全区内(広くは城内)で37年12月7日~38年2月の間に、幾人の市民惨殺(基本的に最も重要)があったか その他:戦時か平時か、惨殺場所はどこか、惨殺したのは捕虜か・便衣兵か・市民かなど

おわりに

林思雲博士は「西洋の科学的観点に基づけば、梅汝こう(王へんに敖)が自著(『極東国際軍事法廷』)の中で書いている出鱈目(大要:幕府山で捕えられた老若男女5万7418人のうち、生きている者を針金で縛って下関に追い立て銃殺や斬殺したうえ、死体に石油をかけて燃やし証拠隠滅した)は、悪質な行為である。

しかし、中国の『避諱』(日本の悪事を暴露すること)の観点に基づけば、・・・真の愛国行為なのである」(北村稔・林思雲著『日中戦争―戦争を望んだ中国 望まなかった日本』と述べる。

同様に「アイリス・チャンがこの本(『ザ・レイプ・オブ南京』)を書いた目的は歴史の真相の研究ではなく、愛国の目的で歴史を編纂したのである。従って西洋の科学的方法による検証をパスしないのは当然である」という。

日中間の歴史共同研究がいかに惨めな結果をもたらすかが分かろうというものである。事実を追求しようとする日本側(西洋側と言ってもいいだろう)と、国家の体面を傷つけないようにしたい中国側との共同研究に〝意見の一致″などの「成果」を期待するべきではないのだ。

共同研究で得ることがあるとすれば、学問の世界における中国のやり方、すなわち「政府の太鼓持ち」の実情を知り得るということではないだろうか。

日本側が幾ら学術的研究で対処しても致し方ないとなれば、福沢がいう議論の本位に戻り、中国を含めた国際社会に向かって「大虐殺はなかった」と、胸を張って喧伝することであろう。

 

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『令人很慚愧 中國新十大惡人有你嗎?(人を恥ずかしく感じさせるもの 中国の新しい十大悪の部分があなたにもありますか?)』(12/28中国観察)について

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。今年も、中国、米国、韓国、ロシア、インドを中心に国際政治・外交を見て行きたいと思っております。

本年の年賀状です。

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12/26TBS「「大雪欠航」でゲートに乱入、新千歳空港で中国人観光客大暴れ」の報道。

http://news.tbs.co.jp/sp/newseye/tbs_newseye2947247.html

これぞ(下記記事も含めて)中国人です。小生が会社に勤務時代、中国の実態を述べたときに、小生を「国粋主義者」とか「人種差別主義者」とか言って貶めた人達よ、これを良く見ろと言いたいですね。また、左翼リベラルに洗脳された人達も。日本をこういう社会にしたいですか?こういうことをする人達が主張する「南京虐殺」やら「従軍慰安婦」の真実性を信じられますか?民度が余りにも違いすぎます。我々日本人の先人達が本当に彼らの言うようなことをやったと思いますか?今の我々ができないようなことをですよ。米国が我々に民主主義を教えた何て嘘でしょ。帝国議会は第二次大戦よりはるか前から開設していましたし、米国のようにインデイアンの虐殺や黒人奴隷のようなことは日本の歴史上ありません。どうして外国人の言うことが正しいと思うのか今の日本人の頭の構造を知りたいです。

中国人は何年経っても、いくら豊かになっても、その本性は変わらないという事が分かります。『非中三原則』が正しいでしょう。1/20のトランプの大統領就任前に尖閣にチョッカイを出すかもしれませんので要注意です。

12/31日経では、稲田防衛大臣の靖国参拝について米国が批判としていますが、別に批判している訳ではないでしょう。真珠湾で安倍首相とオバマ大統領が強調したのは「和解」と「慰霊」です。その精神を踏まえれば、米国が批判できるはずもない。批判するとすれば和解の姿勢から程遠い中国、韓国でしょう。リベラル派はGHQのWGIPの影響を未だ受けていて、日本が悪者でないと気が済まないようです。今度の真珠湾訪問はそれを払拭する旅だったはずです。それを理解できない日本の記者の頭脳の程度を疑います。また、日経は宮家邦彦が「関係国へ説明、稲田氏の責任」とか述べていますが、岡本行夫と同じく、腐れ外務省の発想を引きずっています。国内施設に大臣が行くことに何故外国に伺いを立てなければならないのか。それこそ、トランプ流に言えば、中国の国連を舞台にした「南京」や「慰安婦」問題を日本に了解を取ったか、朴槿恵の告げ口外交や釜山の慰安婦像設置に日本の了解を取ったのかと言いたい。そもそも「南京」や「慰安婦」問題を大きくした責任は、外務省の事なかれ主義が大きかったのでは。まあ、稲田大臣の靖国参拝で韓国は通貨スワップを言い出しにくくなったでしょう。「日本からスワップしてくれ」と言ったなんて嘘は通用しませんよ。通貨スワップすれば、日本国民が次の選挙で自民党を懲らしめるだけです。

米政府、稲田氏の靖国参拝を暗に批判

【ワシントン=吉野直也】米国務省報道担当者は29日、稲田朋美防衛相の靖国神社参拝を暗に批判した。「歴史問題は『癒やしと和解』を促す形で取り組むべきだ。我々はその重要性をすべての当事者に強調し続けてきた」と慎重な対応を求めた。日本経済新聞の取材に答えた。

稲田氏の靖国神社参拝は、オバマ大統領と安倍晋三首相が27日(日本時間28日)に旧日本軍が攻撃した真珠湾を訪れ、演説で「和解の力」を訴えた直後。両首脳による真珠湾訪問と演説で盛り上がった歓迎機運に冷水を浴びせる恐れがある。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル電子版は稲田氏が首相とともに真珠湾を訪問し、日本に帰国した直後だったと報道した。靖国神社には旧日本軍が真珠湾を攻撃した当時の東条英機首相らも合祀(ごうし)されていると伝えた。

首相が2013年12月に靖国神社を参拝した際、米政府は「失望」声明を発表。日米関係はしばらく微妙になった。NBCテレビ電子版は28日の今村雅弘復興相の靖国神社参拝を報じた記事で、中国や韓国の怒りを誘発すると指摘していた。>(以上)

記事

1、到處亂丟垃圾的人(どこでもゴミを捨てる人)

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有人不自覺,把樓道、電梯和馬路徹底當成垃圾桶了,隨心所欲胡亂扔。(廊下やエレベーター、道路を気にせずにゴミ箱にしてしまい、気の向くまま辺りかまわずゴミを投げ捨てる人がいる。)

2、欠錢不還,拖欠貨款的老賴(借金は返さず、引き延ばして返そうとしない債務者)

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就是有這麼不要臉的人,怎麼催都不還錢,在他們的眼裡,你的錢就是我的,我的還是我的。(恥知らずの人。いくら督促しても金を返さず。彼らの見方では、あなたのお金は私の物。私のお金はやはり私の物)

3、喜歡插隊的人(割り込みする人)

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大家規規矩矩排隊,你拿個電話裝老闆,心底暗中打着小算盤,兩條腿不自覺的插在隊伍前排!(皆がルール通り並んでいる。あなたは電話を掴みオーナーの振りをして、心の中でソロバンを弾き、両足が自然と前列に割り込みするように動いてしまう)

4、一年到頭都打折(一年間最後までずっと割引)

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有些不良商家一年365天,天天哭爹喊娘跳樓價,各種店慶打折促銷,實則出售商品價碼標高,打完折和平常價格一樣!說不定還比平時的高!(良くない店は1年365日、直ぐに値下げする。いろんな店は販促の為イベントセールをするが、セールス品の価格は元値が高く、値下げしても普通の値段と一緒になる。いつもの値段が高いとまでは言えないが)

5、價格貴到飛起的(値段をすぐに上げる)

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漲價隨口一說,你問漲價理由是啥?BBBBB一大堆,沒有一項在理的!((外(地)人と見ると)口からすぐに上げた値段が出る。あなたは理由を聞くと、山のような言い訳が。でもちっとも理屈になっていない)

6、遛狗不栓繩的主人(犬をリーシュに繋がずに散歩させる主人)

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養狗本無錯,遛狗也可以,可整個狗不栓繩子滿街亂跑,到處便便,丟了之後又很着急,覺得為了狗狗的安全,一定要記得給你家愛犬佩戴牽引繩!(犬を飼うのは問題ないし、散歩させるのも。ただ、街中をリーシュ無しでむやみに走らせ、どこでも排便させ、いなくなってから慌てて、犬の安全に思いを致す。必ずや愛犬はリーシュに繋いでおくことを覚えておくように)

7、隨地大小便(どこでも大小便する)

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不管光天化日,人來人往,一直貫徹着只要不抬頭,遍地是WC的精神,懷疑你的人生信條是不是堅持不要臉!(真昼間、人の往来が激しくても、ずっと顔を上げさえしなければどこでもWCになる精神というのであれば、あなたの人生信条が恥知らずを続けることなのかを疑う。

8、惡意佔停車位(わざと好き勝手に車を停める)

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在龍岩,經常看到很多車主不考慮別人的感受,隨意停車,真是無語了!(龍岩(福建省)では、いつも他人のことを考えずに、勝手に車を停める。言う事なし)

9、開車不遵守交通規則(車の運転は交通ルールを守らない)

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經常看到很多車主隨意闖紅燈,隨意變道,真的很危險!(いつも多くの車の持主は赤信号でも渡るし、思うが儘に道を変え、本当に危険)

10、沒事就說加薪的老闆(給料アップは大したことはないというオーナー)

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(以上皆為網絡圖片)(以上は全部ネットの図・写真から)

要加薪是好事,但是總是空喊着要加薪卻只能讓員工捉急了!當然碰到連工資都拖欠的,那就……(給料アップは良いことだが、全く口先だけでは却って社員を焦らせるだけ。当然給料遅配でもあれば・・・)

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『逆立ちしても国後・択捉は帰ってこない歴史的背景 日露首脳会談総括~神話の崩壊で両国関係は新しいステージに』(12/28JBプレス 杉浦敏広)について

売国奴の丹羽宇一郎率いる伊藤忠にしては(佐々淳行によれば瀬島龍三はソ連のスパイだったとのこと。ずっと、売国奴に牛耳られている会社です)、杉浦氏はまともと言うか、直言居士を思わせます。それでも伊藤忠を辞めたのは、利益追求優先で、国益を考慮に入れない売国体質が合わなかったからかもしれません。古森義久氏が毎日を辞め、伊藤正氏が共同通信を辞め、田村秀男氏が日経を辞めて産経に移ったのは、自分の考えていることを記事にしたくてもそれぞれの社風が許さなかったという所でしょう。産経の阿比留瑠比氏によれば「産経の給与は他紙と比べて低いうえに経費もなかなか出ない」とのこと。こういう新聞社に移ったのは、金よりは自分の矜持を大切にしたからと思います。杉浦氏もそうでしょう。

12/30日経で安倍内閣の支持率調査で、「内閣支持率64%に上昇 真珠湾慰霊「評価」84%」とあり、その中で、日ロ共同経済活動についてもアンケート結果が載せられていました。

<日ロ共同経済活動、「賛成」は57% 

安倍晋三首相は15、16両日のロシアのプーチン大統領との会談で、北方四島での共同経済活動の協議開始で合意した。これについて聞いたところ、賛成は57%で反対の24%を上回った。賛成と答えた人の割合は男性が63%で、女性の48%より多い。

今回の日ロ首脳会談を「評価する」は44%、「評価しない」は38%だった。

北方領土問題の進展を期待するか聞いたところ、「期待する」は57%、「期待しない」は35%だった。期待すると答えた人は、30代は67%、40代で66%と高い一方、70歳以上は47%にとどまった。高齢者ほど交渉の行方を慎重にみている。>(以上)

「期待する」と答えた人も4島全部が返ってくると思っている人は少ないと思います。アンケートの質問項目によって答え方は変わります。小生も杉浦氏の言うように二島返還が限界と思います。ただ、日本政府が主張してきたことに論拠がないというのは知りませんでしたが。国際間の契約は原文(正文)が優先されるのは、国家間・企業間でも同じです。軍事膨張主義の中国包囲網形成の為には、地政学的にロシアの協力が必要です。

また、同じく12/30日経には核融合の記事が載っていました。

<「地上の太陽」 35年に本格稼働 国際熱核融合炉の新計画 安全・無限…新エネへ前進 

太陽と同じ「核融合」と呼ばれる反応を地上で再現し、エネルギーを取り出す国際的な大型実験施設の建設が、軌道に乗り始めた。国際熱核融合実験炉(ITER)計画と呼ばれ、総投資額は約200億ユーロ(約2兆4000億円)。11月には2035年の本格稼働を目指す新計画がまとまった。技術的な課題も多いが、将来のエネルギー供給の切り札になる可能性を秘める。

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ほぼ完成した組み立て棟

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調整作業が始まっている電磁石用コイルの製作棟

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ITER計画には日本、米国、欧州連合(EU)、中国、韓国、ロシア、インドが参加。オーストラリアも協力する。管理運営を担うITER機構本部と、実際に核融合の実験を進めるための中核施設は南仏プロバンス地方のサンポール・レ・デュランス(カダラッシュ)にある。

核融合には原子番号が同じ水素だが、普通の水素とは違い原子核に中性子を持つ重水素と三重水素を使う。約1億5000万度の高温にすると、重水素などの原子はプラスの電気をもつ原子核とマイナスの電子に分かれ、高速で飛び交うプラズマと呼ばれる状態になる。原子核は秒速1000キロメートル以上のスピードで激しくぶつかり合い、融合する。このときに発生する大きなエネルギーを熱として発電などに有効利用するのが目標だ。

原料、海水から

出力100万キロワットの石炭火力発電所は燃料として年間270万トンの石炭が必要だが、ITER機構によると同等の出力の核融合炉なら重水素、三重水素合わせて250キログラムしかいらない。原料の重水素や、三重水素を作るのに必要なリチウムは海水中に無尽蔵にある。

また原子力発電の「核分裂」と異なり、長期間、有害な放射線を出し続ける放射性廃棄物を出さない。中性子のエネルギーの大部分は熱に変換され、安全性は確保しやすいという。

一方で課題も多い。高温プラズマを強力な磁石を使って閉じ込め、制御しなければならないが、出力を上げようとすれば制御は難しくなる。磁石は巨大な超電導コイルに電流を流す電磁石を使うため、それ自体に多くのエネルギーを消費する。緻密な工学設計、プラズマ技術、そして巨額投資が必要だ。

費用総額200億ユーロ

ITER計画は当初の見通しが甘く、参加国が資金の代わりに実験炉に必要な設備を作って「物納」するスケジュールなども明確でなかった。作業の詳細が徐々に固まり、各国との情報交換も進んだため「ようやくきちんとコストの見積もりを出せるようになった」(ITER機構長のベルナール・ビゴさん)。

今年11月のITER理事会は、建設費は07年の機構発足から25年までが約69億ユーロ、26~35年は約46億ユーロとした。参加国が物納する部分の費用と、25年末以降の実験費用を加えると35年までに総額約200億ユーロに達し、当初計画を50億ユーロほど上回る見通しだ。

11月下旬、訪れたカダラッシュのITER建設現場では約1500人が働き、作業用車両が頻繁に行き来していた。機構長室からは工事現場が一望でき「基礎工事は終わった。実験炉のアセンブリー(組み立て)棟もほぼ完成し、来春から使える」とビゴさんは胸を張る。

黒くそびえたつ組み立て棟の天井の高さは約60メートルあり、内部に巨大構造物を持ち上げて移動できる大型クレーンが備え付けられている。核融合炉を作るための電磁石やその収納容器を動かし、炉を組み立てる予定だ。

電磁石用のコイルは専用の製作棟で、ニオブチタン合金でできた超電導線材を多数束ねて作る。実際に使う際にはセ氏零下269度の液体ヘリウムをコイル内に流して冷却する。また、プラズマを発生させる容器は真空状態を保つ必要がある。構造物の位置のずれや隙間は、絶対に避けなければならない。1500トンもある構造物をミリメートル単位の誤差で設置しなければならず、高度なエンジニアリング力が求められる。

電磁石は組み立て棟に連なるトカマク棟の地下に設置する。ITERはトカマク型と呼ぶタイプの核融合炉を採用するため、心臓部となる建物をこう名付けた。わずかな揺れも核融合反応の妨げになるのでバネのような免震器具を493個設置し、総重量約30万トンの建物を支える。地震はまず起きない地域だが、念には念を入れた。

11月の理事会は、装置を稼働して最初にプラズマを発生させる時期を当初計画に比べ約7年遅れの25年12月、核融合反応を起こす本格稼働は約9年遅れの35年とする案を了承した。ビゴさんは「プレッシャーは大きいが、それはすべての参加国の人たちも同じだろう」と覚悟を決めるように語った。(編集委員 安藤淳)>(以上)

杉浦氏はパイプライン敷設について余り肯定的な評価はしていません。小生も同じで、パイプライン敷設等膨大な設備投資が必要なものは、将来のエネルギーミックスを考えて、止めておくべきでしょう。ガスや石油はタンカーで運べば良いと思います。

最後に、杉浦氏は、「米トランプ大統領誕生により、露米関係は好転するものと予測する。

露米関係好転により露は対日関係改善には関心を失うとの識者の見方もあるが、筆者はこのような説には与しない。事実は逆である。露米関係好転にともに、日露関係も好転すると考える。

露米関係・日露関係好転は、日中関係にも影響を及ぼすことになる。中国は露米・日露関係が改善すれば、自国の孤立化を恐れ、多少なりとも対日姿勢を修正する可能性もあると予測する。」とあり、小生も米ロがうまく行けば、日ロもうまく行くと思います。日本単独で動くことは米国が許さないでしょう。悲しい現実です。でも、対中政策を考えれば良いことでしょう。日本の安全保障に直結しますので。ただ、傲慢な中国が「自国の孤立化」を恐れるかは分かりません。行きつくところまで行くかも。中共が人民解放軍をコントロールできるかどうか。

記事

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都内の講道館を訪れ、笑顔で言葉を交わすロシアのウラジーミル・プーチン大統領(右)と安倍晋三首相(2016年12月16日撮影)〔AFPBB News

プロローグ/「あなたはロシアの国益を犯している」

端正な顔立ちのロシア紳士は何の前触れもなく突然、事務所にやって来た。そして、筆者の目の前に座ると筆者に冷たく言った。

「あなたはロシアの国益を犯している」

青雲の志を抱いてサハリンに赴任し、日露経済関係発展のために粉骨砕身努力しようと奮い立っていた矢先の出来事であった。

その時筆者は、レフォルトボ*1に収監される哀れな筆者の姿を想像した。突然やって来たその人の名刺には、「ロシア連邦保安庁(FSB)サハリン支局 法務中佐」と記されていた。

「日本の正義」 vs.「ロシアの正義」

その日、1つの神話が崩壊した。「北方領土は日本固有の領土」という名の神話が。

ロシアのV.プーチン大統領は2016年12月15日、11年ぶりに訪日した。2016年に入り、4回目の日露首脳会談である。しかし領土問題交渉は何も進展せず、日本側には「経済協力食い逃げ論」が出ているが、この認識は間違いである。

プーチン大統領は事前に「あらかじめ期限を設けた領土交渉は有害」と明言しており、領土交渉が進展しないことは事前に判明していた。

また、民間企業のビジネス構築はあくまでも経済合理性に基づくものであり、民間企業は利益の見込めない事業には着手しない。すなわち、「経済協力食い逃げ」はあり得ず、領土交渉が進展するとの安倍晋三首相の期待は独り相撲であった。

しかし、だからと言って、今回の日露首脳会談が無駄であったわけではない。首脳会談を通じ、北方領土を巡る双方の認識の相違が浮き彫りになった点は1つの成果である。

安倍首相は12月16日に開催された日露首脳共同記者会見の席上、この認識の相違を「日本には日本の正義があり、ロシアにはロシアの正義がある」と表現した。

換言すれば、日本の正義はロシアの正義ではないということになる。

では、ロシアの正義とは何か。それは戦勝国(連合国)の正義である。ソ連軍によるクリル諸島占領は第2次大戦の結果であり、これが戦勝国の論理・正義となる。日本側にとっては屈辱の論理・正義だが、米国もソ連のクリル諸島に対する主権を認めていた。

記者会見の実況中継を見ていた筆者は、安倍首相のこの発言こそ、パンドラの箱が開き、日本の神話が崩壊する瞬間であったと受け止めた。神話が崩壊した今こそ、今後の日露関係を構築するうえでの新たなる歴史の1ページが始まるのであろう。否、始めなければならない。

日露首脳会談総括(2016年12月15~16日)

最初に、今回の日露首脳会談を総括したい。領土問題に関しては何の進展もなく、この意味では安倍政権の政治的敗北と言えるが、筆者は下記の点で大きな成果があったと考える。

◆「北方領土=日本固有の領土論」神話の崩壊は新局面への第一歩。 ◆ 日ソ共同宣言に基づき、平和条約締結後、露側が2島を引き渡す確認が取れたこと。

今回の日露首脳会談において、短期的には、元4島住民のビザなし自由往来を検討することで合意した。択捉島や国後島にはロシアの軍事基地があるので自由に島内を歩けるわけではないだろうが、一歩前進と言えよう。早速、事務方では検討作業が始まったと言われている。

戦後日本では「北方領土は日本固有の領土」が国是となり、「北方4島即時一括返還」を錦の御旗にして、戦略としての対露関係構築の方向性を検討してこなかった。

しかし今回、日露安全保障問題や4島における共同経済活動の枠組み検討など、日露共同でやるべき指針・方向性が戦後初めて出てきたと言えるだろう。

一方、欧州連合(EU)は12月15日、日露首脳会談の最中に対露経済制裁を半年間延長することを発表。米財務省は12月20日、米国の対露経済制裁措置の強化を決定した。日本政府も12月25日、対露経済制裁措置を当面延長する方針を固めた。

これを歴史の皮肉と言わずして、何と言えようか。

日露首脳共同記者会見(20161216日)

東京で開催された上記共同記者会見の席上、幹事会社の記者が北方領土問題に関して質問した。

この質問に対するプーチン大統領の返答が圧巻であった。同時通訳が同時通訳にならず、安倍首相も質問した記者もプーチン大統領が何を言いたいのか、内容をよく理解できなかったのではないかと推測する。

プーチン大統領は記者の質問に答える形で、日露間の領土問題を巡る過去160年間の歴史に言及した。日露和親条約・樺太千島交換条約・日ソ共同宣言・ダレスの恫喝*2・・・である。

実によく勉強している。これでは、安倍首相はもちろん日本側の誰も太刀打ちできないだろう。

*1=モスクワにあるFSBの前身旧KGB(国家保安委員会)の刑務所。

*2=「ダレスの恫喝」とは、日ソ交渉が難航している最中の1956年8月、米J.F. ダレス国務長官は重光葵外務大臣と会談して、「日本が2島(歯舞・色丹)返還で決着させるなら、沖縄は永久に返還しない」と脅したことを指す。

安倍首相がロシアをよく知らないことは、上記の日露共同記者会見席上の発言でも明白である。安倍首相はプーチン大統領に対し、「ウラジーミル、君は」と呼びかけた(同じ呼びかけは12月15日の山口県長門市での首脳会談でもあり、またそれ以前にもあった)。

ここには間違いが2つある。ロシア語には“ウラジーミル”という呼びかけはそもそも存在しない。安倍首相は親しみを込めて言っているつもりなのであろうが、プーチン大統領は内心ギョッとしているはずだ。

ウラジーミルの愛称はバロージャであり、“バロージャ・シンゾー”が“ロン・ヤス”に相当する。

余談だがプーチン大統領は安倍首相をどのように呼んだのかと言えば、“Mr.Abe”である。この2人の呼びかけの相違が2人の関係を如実に反映していると言えよう。

2つ目は、公の場で一国の大統領に向かって「君は」はない。親しい仲間内だけの私的な宴席なら「君は」でよいが、公式の場では「プーチン大統領」と呼びかけるべき局面である。

安倍首相は自らの無知を天下に公言しているようなものだと、友人のロシア人が言っていた。安倍官邸には、ロシアを理解している人材がいないのだろう。

北方領土問題/日露交渉クロニクル

プーチン大統領訪日の前後、日系各紙では過去の日露間領土交渉が大きく報じられていたので、領土問題とは何かを考える良い機会が与えられたと言える。しかし、正直申し上げて、領土交渉に関する本質論は少なく、議論が混乱しているように思える。

では、なぜ議論は混乱しているのか?

結論から先に言えば、混乱の原因は、日露間の条約原文(正文)は「クリル諸島 (the Kurile islands) 」と書いてあるのに、日本側翻訳は「千島列島」になっている点である。

もし「クリル諸島」と「千島列島」が同じ地理的概念であれば問題は生じないが、定義の齟齬があれば、原文(正文)が優先されることは論をまたない。

本稿ではまず論点を整理すべく、領土問題を巡る過去160年間の日露交渉の歴史を概観する。

原文(正文)がクリル諸島の場合、この言葉を採用して、いくつかの事例において原文と翻訳を比較することにより頭の体操をしてみたい。

1855年2月  日魯通好条約(日露和親条約/安政条約/正文オランダ語)

千島列島に於ける日露間の国境線が二国間条約にて平和裏に画定。  北方4島は日本、得撫島以北は帝政ロシアに帰属。樺太は二重主権。

和文正文と露文正文も作成されたが、双方は相手の言葉を理解できず、二重通訳の問題が存在した。→ 和文と露文に相違がある場合、蘭語正文に依拠することになる。

1875年5月  樺太・千島交換条約(正文仏語)→「樺太・クリル群島交換条約」

樺太はロシア、クリル群島(18島)は日本に帰属決定。

和文と露文は単なる翻訳に過ぎず、条約正文は仏語のみ。ゆえに、和文と露文に齟齬が生じた場合、正文仏語に依拠することになる。

1905年9月  ポーツマス条約

日露戦争の結果、北緯50度以南の南樺太は日本に割譲。

1945年8月  太平洋戦争終結。 1945年9月  戦艦ミズーリ艦上にて、降伏文書調印。同日、連合国一般司令第1号発布(参考 ⑤)。

1946年1月 連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号発布(参考 ⑥)。 1951年9月 サンフランシスコ講和条約 締結。同日、日米安保条約調印。

日本はクリル諸島・樺太における主権を放棄(正文英語/和文翻訳)。(日本側認識:北方領土は日本固有の領土で、千島列島に含まれず)

1951年10月 外務省西村条約局長の国会答弁:

「サンフランシスコ条約にある千島列島の範囲については、北千島と南千島の両者を含むと考えます。なお、歯舞と色丹島が千島に含まれないことは米外務当局も明言されました」

1956年10月  日蘇共同宣言(ブルガーニン/鳩山)

ソ連側は、平和条約締結後、2島(色丹・歯舞)引き渡しを約束。  両国議会が批准しており、法的拘束力を有する。

1993年10月 東京宣言 (エリツィン/細川)。

平和条約早期締結交渉継続で合意。

1997年11月 クラスノヤルスク会談(エリツィン/橋本)。

2000年までに平和条約締結を目指すことで日露合意。

1981年2月 日本政府、「北方領土の日」(2月7日)制定。 1998年4月   川奈会談(エリツィン/橋本)。 日本側、国境線画定案を提示。 1998年11月 モスクワ会談(エリツィン/小渕)。 露側、中間的平和友好協力条約締結案。

2000年9月3日  プーチン大統領訪日。

森首相と会談の際、プーチン大統領は口頭にて日ソ共同宣言を確認すると発言。露側は川奈提案を拒否。

2001年3月 イルクーツク会談(プーチン/森)。

文書にて日蘇共同宣言を確認する声明を採択。

2016年12月 プーチン大統領/安倍首相の公式首脳会談(日本)

ロシアにとっての択捉島・国後島の重要性

ロシア連邦保安庁サハリン支局の法務中佐より「あなたはロシアの国益を犯している」と恫喝された筆者は、直ちに共同作業をしているロシア側の石油会社に駆け込み、助けを求めた。

その時、我々のコンソーシアムはオホーツク海の広大なる海洋鉱区において、海洋鉱区の地形を調査するため、調査船が海底にソナーを打ち込む作業をしていた。

パートナーの石油会社の社長は「心配するな。我々が処理する」と確約してくれたが、理由を訊いても説明はなく、ただニヤニヤしていた。

部屋のドアで別れ際に再度質問した。「なぜ連邦保安庁が私のところに来たのか?」。

その時、そっと返ってきた返事が「あれをやるとメタルが映る」。

どういう意味なのか。メタルと言ってもまだ海底パイプラインも建設していないので、メタルが映るはずはないのだが・・・。その時、突如閃いた。そうだ、潜水艦だ!

ロシア語の「あなた(ブィ)」は単数形と複数形が同形なので、法務中佐殿の「あなた」は、実は「あなた方」という意味だったのだろう。すなわち、ロシア側パートナーにとっては先刻承知の話であり、哀れな日本人が恫喝されて駆け込んでくることも、すべてお見通しだったのかもしれない。

12月16日の日露共同記者会見の席上、プーチン大統領は日本人記者の質問に答える形で択捉・国後は露の軍事的観点より必要という意味の返答をしている。また日本の軍事専門家も、択捉~国後間の国後海峡からロシアの軍艦や潜水艦が通過していると発言している。

確かにその通りだが、これは1枚のコインの表側の現象にすぎない。

では、裏側の露の本当の意図は何かと言えば、それは「オホーツク海の内海化」であり、米の攻撃型原潜がオホーツク海に侵入するのを阻止することである。

「オホーツク海の内海化」はスターリンの戦略であり、1945年8月18日に千島列島最北端に位置する占守(シュムシュ)島に侵攻したのも、スターリンが終戦直後トルーマンに北海道の北半分を要求したのも、「オホーツク海の内海化」戦略の一環にほかならない。

千島列島の弧を形成する最南端の島は択捉島と国後島になる。択捉・国後間の国後海峡は広く深く、水深が約480メートルあり、潜水艦が最大潜航深度で航行できる。太平洋戦争中の潜水艦の最大潜航深度は約100メートルであり、これ以上深く潜航すると圧壊した。

現在の潜水艦の最大潜航深度は約400メートルと言われているが、チタン製の露原潜は約600メートルまで潜航可能とも言われている。

このような深度になると海流や海温の関係で海上からのソナー探知による潜水艦発見は困難になるので、海底に潜水艦探知装置を設置して、音紋(スクリュー音)を採取する。

『レッド・オクトーバーを追え』でも潜水艦の音紋の話が出てくるが、1980年代中葉の旧ソ連邦の時代、ソ連海軍の潜水艦の音紋が一時期採取困難になり、西側軍事筋で話題になったこともあったという。

潜水艦は音紋を採取されると正体がバレ、価値が半減する。択捉・国後間の国後海峡にも、この潜水艦探知装置(ソーサス・ライン)が設置されていると想定するのが合理的判断だろう。

択捉島と国後島間は水深が深く、オホーツク海に遊弋するロシア海軍のミサイル搭載原潜がチョークポイントなしに通過できる海峡であり、ここを越えると太平洋に進出できる。

オホーツク海の内海化を国是とする軍事戦略の観点より、ロシアには択捉・国後両島は必要であり、そのような戦略的重要拠点をロシアが日本に引き渡すはずはないだろう。

これが冷徹な国際政治の現実であり、筆者が択捉・国後は永久に日本に還ってこないと主張してきたゆえんである。これが北方領土を巡る真実である。

「北方領土は日本固有の領土」とお題目を百万遍唱えても、日本に還ってくることはない。

日露経済協力案件

次に、日露経済協力案件を総括したい。

プーチン大統領訪日時、日露経済協力案件では計80(政府関連12事業+民間企業68事業)、総額約3000億円の経済協力案件が調印された。

しかし、いくつかの合意案件を除きほぼすべての案件が法的拘束力のないMoU(Memorandum of Understanding=了解覚書)であり、民間企業は今後、その事業が経済合理性を有するのかどうか精査することになる。

民間TVでは、識者と言われている人たちが「経済協力だけが先食いされる」類の発言を繰り返していたが、これは上述通り間違い。

経済協力と経済支援は似て非なるもの。経済支援は税金投入であるが、民間会社が推進する新規事業案件はあくまで、経済合理性に基づくビジネス関係の発展・拡大を意味する。

民間企業は経済合理性のない案件は着手しない。ゆえに、民間企業においては「経済協力だけが先食いされる」ことはあり得ない。総額3000億円はMoUの総額だが、仮に30億円でも300億円でも実態のある商業契約調印に結実すれば、それは今回の日露首脳会談の成果と言えよう。

サハリンから送電網を整備して日本向けに電力を輸出する構想「エネルゴ・モスト」や、サハリン島と北海道を橋梁やトンネルで接続する構想(妄想)が今回の民間68事業に入らなかったのは、当然と言えばあまりに当然の結果と言わざるを得ない。

また、最近では日露パイプライン議員連盟によるサハリンから日本縦断陸上天然ガスパイプライン建設構想が再度マスコミに登場するようになったが、この構想には致命的欠陥がある。

幹線パイプライン建設構想が成立する3要件は以下の通りである。

(1)供給源が存在すること。 (2)需要家が存在すること。 (3)パイプライン建設費が回収できること。

この1つでも欠ければ本来ならばパイプライン建設は不可能であるが、公共事業として税金を投入すれば物理的には建設可能である。筆者は、この種のパイプラインを「political pipeline=公設パイプライン」と呼んでいる。ちなみに、3要件を満たすパイプラインは通常の「commercial pipeline=商業用パイプライン」である。

この構想がなぜ致命的欠陥を有するのかと言えば、天然ガス供給源も最終需要家も不明であり、パイプライン建設費が回収可能かどうかの事業化調査も実施されていないからである。

すなわち、パイプライン建設が先行する構想であり、実態は利権追求型構想である。

新聞報道などによれば、日本縦断陸上パイプラインの建設費は約7000億円という。土地代の高い日本でこの建設費ですむはずがない。これもオリンピック同様、豆腐一丁・二丁の世界になるだろう。

ここで誤解を避けるためあえて追記するが、筆者はサハリンから日本向け天然ガスパイプライン建設構想自体に反対しているわけではない。供給源が存在し、需要家が存在し、パイプライン建設費が回収できるのであらば、すなわち経済合理性あらば、推進すればよいと考える。

ただしこの場合、日本縦断陸上パイプラインではなく、大陸棚沿岸に敷設する海底パイプライン建設構想の方が経済性ははるかに有利になるだろう。

クリル諸島」の範囲/「千島列島」の範囲

日本の外務省の公式見解では、「北方領土」とは、広義には『全千島列島と南樺太』となり、狭義には『歯舞群島、色丹、国後、択捉』となる。現在、北方領土を巡る交渉がかくも錯綜しているのは、上述のごとく、クリル諸島と千島列島の地理的概念に関し、日露間に解釈の相違が存在するからである。

1855年の江戸幕府と帝政ロシアが交渉して合意した文書は、あくまで蘭語正文である。日本語正文と露語正文は翻訳にすぎず、日本側は露語を、ロシア側は日本語を解せず、二重通訳の問題が存在した点も指摘した。

一方、樺太・千島交換条約の正文は仏文のみ。和文と露文は文字通り翻訳にすぎない点、日魯通好条約と少し事情が異なる。ゆえに、日本側と露側で解釈の相違がある場合、仏語正文のみに立脚しなければならない。

では、仏語正文を検証したい。まず、この仏文正文の条約名称を記す。

TRAITE D’ECHANGE DE L’iLe DE SAKHALINE CONTRE LE GROUPE DES ILES KOURILES

魯暦1875年4月25日、西暦5月7日、サンクト・ペテルブルクにおいて調印(仏文)

(仏語からの和訳) サハリン島(*樺太)とクリル諸島のグループ(*クリル群島)との交換条約 (日本語条約名称)樺太・千島交換条約

上記を比較すると、小さな、しかし本質的な相違に気づかれることだろう。

仏語正文の「クリル諸島のグループ」 (LE GROUPE DES ILES KOURILES)を和文(翻訳)の名称では「千島」と訳している。

すなわち、和文(翻訳)に拠れば樺太島と千島列島を交換したことになるが、これは不正確な翻訳であり、正しくは樺太とクリル群島を交換した。

ところが、同じ“LE GROUPE DES ILES KOURILES”を日本語条約本文(翻訳)の中では、「クリル群島」と仏語を正確に和訳している。

では、「クリル群島」とはどこを指すのか。仏語正文第2条に定義されている。

「全魯皇帝陛下は第一款に記せる樺太島の権理を受し代として其後胤に至る迄現今所有クリル群島(即ち、第1シュムシュ島、・・・第18ウルップ島)計18島の権理及び君主に属する一切の権理を大日本国皇帝陛下に譲り、而今而後クリル全島は日本帝国に属し、カムチャトカ地方ロパトカ岬とシュムシュ島の間なる海峡を以って両国の境界とす」(出典:外務省条約局『旧條約彙纂』第一巻)

すなわち、仏語正文によれば、クリル群島とは日魯通好条約により露側領土となった18島(占守島~得撫島)を指し、この18島(クリル群島)はクリル諸島の一部(1グループ)となり、この18島(クリル群島)と樺太島を交換することにより、クリル全島が日本の領土になる。

仏語正文には、これ以上のこともこれ以下のことも書かれていない。

列強による19世紀のクリル諸島・千島列島の認識

繰り返しとなるが、重要な点なので再度言及したい。現在の北方領土を巡る交渉がかくも錯綜しているのは、ロシア側のクリル諸島と日本側の千島列島の法的・地理的概念に関し、日露間に解釈の相違が存在するからである。

そこで、当時の世界列強および日本が「クリル諸島 vs. 千島列島」をどのように認識していたのか考察したい。

参考① ロシア皇帝ニコライ一世がプチャーチン提督に宛てた書簡

最初に、ロシア皇帝ニコライ一世がプチャーチン提督(露側交渉団長)に宛てた訓令をご披露したい。引用する書簡は、日露の外務省が北方領土問題を巡る問題点を整理するために協議・編纂した資料集であり、正式名称は『日露間領土問題の歴史に関する日本国外務省とロシア連邦外務省の共同作成資料集』(1992年9月作成)と題する。

『ニコライ一世のプチャーチン提督宛訓令』(1853年)(抜粋) 1853年2月24日 皇帝陛下署名   1853年2月27日 第730号

『長崎表及び御老中宛て書簡(蘭語訳付)は本書別添の行嚢にて送付するが、これらの内より重要な御老中宛ての書簡の内容につき、外務省として以下の通り説明しておくべきと考える。この書簡においては、我々との通商関係開設に関する日本側への提案、及び追って指定する我々の商船(必要あれば軍艦も)に対する日本の港湾への寄港許可に関する提案の他、露日間の国境画定の要求も提示してある。国境問題に直ちに取り掛かるとの考えは、根拠のあるものと思われる。何故なら、このことを通じ、我々はいわば日本人が我々と交渉に入ることを余儀なくさせ得るからである(中略)』

この国境問題に関する我々の要望は、可能な限り寛大なものであるべきである。何故なら、通商上の利益というもう一つの目的の達成こそが、我々にとり真の重要性を持つからである。クリル諸島の内、ロシアに属する最南端はウルップ島であり、同島をロシア領の南方における終点と述べて構わない。これにより、我が方は同島の南端が日本との国境となり、日本側は択捉島の北端が国境となる。日本政府が予想に反してウルップ島に対し自らの権利を主張する場合には、先方に対し、この島が我々のあらゆる地図中でロシア領と記載されていること、(中略)。一般にこの島(ウルップ島)はクリル諸島における我々の領土の境とみなされている旨を説明し得よう』(註:下線・ゴシック体・強調部分は筆者の判断による)

上記書簡より、ロシア側の主張するクリル諸島がいわゆる北方領土を含むクリル列島であることは明白である。皇帝陛下は交渉団長を務めるプチャーチン提督に対し、クリル全島のうち、交渉により平和裏にウルップ島と択捉島の間を日露の国境として画定すべく指示を出している。

この指示は簡潔・明瞭であり、間違えようもない。ゆえに、プチャーチン提督はこの皇帝陛下の指示に忠実に従い、江戸幕府代表川路聖謨交渉団長と蘭語通訳を介し、辛抱強く、真摯な態度で日露国境線画定交渉を続けたと理解するのが理に適っている。

参考② 米国の記録

米国はペリー准将をして日本に開国を迫らせる一方、第2分遣艦隊を組織。1853年から1856年までオホーツク海を探検させている。この分遣隊に測量技師として乗船したドイツ人ヴィルヘルム・ハイネはその著『中国、日本、及びオホーツクの海洋探検』(1859年)に、「探検隊の艦船航路を示す北大洋の地図」を記載している。

その地図には、北海道はYeso(エゾ)、Kunashir Insel(国後)からSchumschu Insel(占守)までは“Kurilen-Reihe”(クリル列島)と明記されている(この場合、20島)。

これが当時の列強の認識である。なお、この地図を観るにつけ、今日のカムチャトカ半島・サハリン島・日本列島が正確に測量されていることに驚きを禁じ得ない。

参考③ 明治政府の千島列島の認識

では、一番肝心な日本は、当時の千島列島の範囲をどのように認識していたのか。

幕末・明治維新の碩学、本条約に於ける対露交渉の日本側代表海軍中将榎本武揚特命全権公使は『千島疆界行』(1875年)にて、「今、千島とは根室よりカムチャトカに連なる二十有余島の惣名」と明記している。すなわち、明治維新の日本側認識は当時の世界列強の認識と一致している。

上記より、「樺太千島交換条約」にあるクリル群島(18島)がクリル諸島の一部であり、当時の明治政府も政府の高級官僚も、「クリル諸島=千島列島(北方領土を含む千島全島)」と認識していたことが判明する。

ゆえに、現在の日本政府が主張する「北方4島は千島列島には含まれず」との論理が成立しないことは明白である。付言すれば、「北方領土」という言葉自体、戦後の造語である。

参考④ ヤルタ会談、1945年2月

ここで一言、ヤルタ会談に言及したい。米ルーズベルト・英チャーチル・蘇スターリンは1945年2月、クリミア半島のヤルタに集まり、戦後の世界分割を討議。独降伏3か月後にソ連が対日参戦する密約を結び、このヤルタ会談は日独終戦交渉に決定的な影響を与えた。

ゆえに、5月9日の独降伏を受け、ソ連は8月9日に対日参戦した。ちなみに、同年2月11日に署名された同協定の日本に関連する部分のみ、下記訳出する。

三大国、ソ連、米合衆国、英国の指導者達は独逸の降伏及び欧州に於ける終戦の2~3か月以内に、下記条件のもと、ソ連が連合国側に立ち、対日戦争に入ることに同意した。

1.外蒙(モンゴル人民共和国)の現状維持。 2.1904年、日本による背信的攻撃で犯された露所属の諸権利の回復、すなわち、

(a)樺太島南部及びその近くの凡ての島々をソ連邦に返還すること (b)(c)略

3.ソ連邦に対し、クリル諸島を譲与(Передача)すること(後略)。

3大国政府首脳は、ソ連邦のこれら諸要求が日本に対する勝利の後、無条件に満たされるべきことに同意した(後略)。

これが、国際政治における戦勝国(連合国)の論理(正義)となる。

考察⑤ 1945年9月2日付け連合国一般司令第1号

東京湾の米戦艦ミズーリ号甲板にて1945年9月2日、日本は連合軍に対する降伏文書に調印。その日、連合国司令部(GHQ)は一般司令第1号を発布。ここでは北方領土関連部分のみ抜粋する。(出所はこちら

1(b) The senior Japanese Commanders and all ground, sea, air and auxiliary forces within Manchuria, Korea North of 38 degrees North latitude, Karafuto, and the Kurile Islands, shall surrender to the Commander-in-Chief of Soviet Forces in the Far East.

1(ロ)満洲、北緯三十八度以北ノ朝鮮、樺太及千島諸島ニ在ル日本国ノ先任指揮官並ニ一切ノ陸上、海上、航空及 補助部隊ハ「ソヴィエト」極東軍最高司令官ニ降伏スベ シ(筆者註:日本語訳は千島列島だが、英文原文は the Kurile Islands=クリル諸島)

考察⑥ 1946年1月29日付け連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号

次に、1946年1月29日に発布された連合軍最高司令部訓令(SCAPIN)第677号には、以下のとおり記載されている(出所はこちら)。

1.日本国外の総ての地域に対し、又その地域にある政府役人、雇傭員その他総ての者に対して、政治上又は行政上の権力を行使すること、及、行使しようと企てることは総て停止するよう日本帝国政府に指令する。 2.(略) 3.この指令の目的から日本と言ふ場合は次の定義による。

日本の範囲に含まれる地域として

日本の四主要島嶼(北海道、本州、四国、九州)と、対馬諸島、北緯30度以北の琉球(南西)諸島(口之島を除く)を含む約1千の隣接小島嶼

日本の範囲から除かれる地域として

(a)欝陵島、竹島、済州島。 (b)北緯30度以南の琉球(南西)列島(口之島を含む)、伊豆、南方、小笠原、硫黄群島、及び大東群島、沖ノ鳥島、南鳥島、中ノ鳥島を含むその他の外廓太平洋全諸島。 (c)千島列島、歯舞群島(水晶、勇留、秋勇留、志発、多楽島を含む)、色丹島。

(中略)

6.この指令中の条項は何れも、ポツダム宣言の第8条にある小島嶼の最終的決定に関する連合国側の政策を示すものと解釈してはならない。

(後略)

正直申し上げて、筆者がこのSCAPIN677号を知ったのはつい最近のことである。筆者の尊敬するロシア専門家よりご教示戴いた次第。

第3項で日本の主権が及ばない地域が規定されているが、ウィキペディアによれば、最終領土画定は講和条約次第となる。

「SCAPIN-677が発令された半月後の1946年(昭和21年)2月13日に行われた日本との会談において、GHQはSCAPINが領土に関する決定ではないこと及び領土の決定は講和会議にてなされると回答している」(ウィキペディア)

この連合軍最高司令部訓令677号は暫定的指令であり、領土の最終画定は講和条約によると明記されている。その講和条約が1951年のサンフランシスコ講和条約となるが、この講和条約は翌年1952年発効したので、講和条約発効とともにこのSCAPINは消滅した

上記より、連合国(戦勝国)はクリル諸島=千島列島と理解しており、そのクリル諸島とは択捉・国後を含む20島と理解していたことが分かる。サンフランシスコ講和条約で日本が放棄したのはクリル諸島ゆえ、日本は名実ともに択捉・国後を放棄したことになる。

なおここでは、日本は「誰に対してクリル諸島を放棄したのか?」という問題が残る。当然、講和条約締結国に対して放棄したことになるが、ソ連邦はこの講和条約に署名していない点を付記しておく。

エピローグ/「あなたは国賊だ」

筆者はサハリン駐在時代から首尾一貫して、「北方領土=日本固有領土論には法的・歴史的根拠がない。択捉・国後は永久に日本に引き渡されることはない」と、孤高の論陣を張ってきた。

そのため、サハリンでは同胞から「あなたは国賊だ」と言われた。

FSBからは「あなたはロシアの国益を犯している」と恫喝され、同胞からは「あなたは国賊だ」と罵倒される辛いサハリン駐在であった。この話は今まで封印してきたが、12月16日にパンドラの箱が開いたので、あえてご披露した次第。

今回この文章を発表することにより「あなたは国賊だ」とまた言われることも覚悟しているが、神話が崩壊した今こそ、ドグマチズム(教条主義)を排し、感情抜きの実のある議論が進むことを心より願っている。

繰り返す。プーチン大統領は日ソ共同宣言を熟知しており、平和条約締結後、2島(歯舞・色丹)を引き渡す心構えはできているだろう。あえて1つの条件を付けるとすれば(実際に付けているが)、それは2島に米軍を駐留させないとの日本政府側からの言質となる。

日米安保条約によれば、日米双方が同意した場合、米軍駐留が認められる。

換言すれば、日本側が反対すれば、米軍の駐留は認められないことになる。歯舞・色丹が日本側に引き渡される場合、日本側は米軍を駐留させない対価として、自衛隊の駐屯を認めさせる選択肢が1つの交渉材料になるだろう。

米トランプ大統領誕生により、露米関係は好転するものと予測する。

露米関係好転により露は対日関係改善には関心を失うとの識者の見方もあるが、筆者はこのような説には与しない。事実は逆である。露米関係好転にともに、日露関係も好転すると考える。

露米関係・日露関係好転は、日中関係にも影響を及ぼすことになる。中国は露米・日露関係が改善すれば、自国の孤立化を恐れ、多少なりとも対日姿勢を修正する可能性もあると予測する。

換言すれば、露米・露日関係が悪化すれば、中国は今後さらなる対日強硬姿勢が可能となる。

この意味でも、今回のプーチン大統領訪日はまさに「奇貨、居くべし」と言えるだろう。

(参考文献:『クリル諸島の文献学的研究』(村山七郎著/三一書房/1987年8月発刊)

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『安倍首相が真珠湾で謝罪する必要がない理由 日米の絆を認め未来を向いている米国の元軍人たち』、『米中は対決の時代へ、日本には何が起きるのか 鮮明に中国との対決姿勢を見せるトランプ新政権』(12/27・28JBプレス 古森 義久)について

中国・台湾関係の記事を紹介します。

12/28ZAKZAK<中国との関係変化望まぬ台湾 米中「一つの中国」騒ぎのウラで盛り上がらず

今回が今年を締めくくる原稿である。その視点から中国を見たとき、やはり今年から来年にかけて大きなテーマとなる話題で締めくくりたいと思う。それは何か。  ずばり、ドナルド・トランプ大統領の誕生と米中関係である。  もちろん来年の中国は5年に一度の大きな人事の1年を迎えるが、このインパクトはそれに勝るとも劣らない衝撃となるはずだ。  先週の記事でも触れたように、トランプ氏は台湾の蔡英文総統との電話会談に続き、FOXテレビとのインタビューで、必ずしも「一つの中国」を重視しないといった発言をして米中の外交関係者を慌てさせた。  この原則に簡単に踏み込むトランプ氏の“外交素人ぶり”についてはすでに述べたが、一連の騒ぎの中で、メディアがなぜか見落としている一つの反応について、少し触れておかなければならない。  それは肝心の台湾がそれほど盛り上がっていないことである。  私はいま、台湾こそ驚いているのではないかと思う。まるで準備もしていない舞台にいきなり立たされたような戸惑いが彼らの反応の随所に感じられるからだ。  そもそも、トランプ氏が台湾の現状への同情心や台湾海峡問題に深くかかわってきたことを背景に中国にプレッシャーをかけているわけではない。単に取引材料として持ち出したことが明らかだけに、台湾の反応が複雑になるのも当然だ。  ここ数年、台湾で「大陸との関係」を問えば、「現状維持」という答えが圧倒的(たいてい80%を超える)であった。

現状維持とはもちろん大陸との統一は嫌だが、一方で独立へと突っ走って中国を刺激することもしたくないという考え方だ。  つまり台湾の人々は、急激な変化など望んでいない。  ここで思い出されるのが、「96年の経験」、いわゆる台湾海峡危機だ。  台湾初の直接投票による総統選挙が行われたこの年、最有力候補とされた李登輝氏が台湾独立派とみられていたことから中国が警戒し、ミサイル演習と称して台湾海峡にミサイルを撃ち込んだことで、一帯の緊張感が一気に高まった。  台湾市場の株価とニュー台湾ドル、そして地価が凄まじい勢いで暴落してゆき、多くの人々が海外移住のための準備を始めた。その過程では中所得者がパラオへの移住を目指し、二束三文の土地を売りつけられて苦労するといった様子を、私は現地でながめることとなった。  台湾を通して“国”が崩れてゆくとはこういうことかと実感したのを思い出す。  結局、この事態を憂慮した米国が台湾海峡に空母を2隻派遣し、事態を鎮静化させたのだが、台湾海峡が間違いなくアジアの火薬庫であることを実感させられた。  ■富坂聰(とみさか・さとし) 拓殖大学海外事情研究所教授。1964年生まれ。北京大学中文系に留学したのち、週刊誌記者などを経てジャーナリストとして活動。中国の政・官・財界に豊富な人脈を持つ。『中国人民解放軍の内幕』(文春新書)など著書多数。近著に『中国は腹の底で日本をどう思っているのか』(PHP新書)。>(以上)

富坂氏の論調は相変わらず中国寄りでは。日本人に誤解を与えます。台湾人の現状維持は平和を望むだけで、中国に時間の利益を与えることではありません。変えるべきところは変えて行かないと。トランプ大統領になって、日米で台湾の変化を支援していくべきです。96年の台湾危機に逃げ出そうとしたのは、中国からの亡命政権である蒋介石が連れて来た外省人ではないでしょうか。本省人は台湾で生まれ育ったので逃げ出すわけにはいかないでしょう。中国人・韓国人だったら我先に逃げるでしょうが。「日本死ね」で問題になった俵万智も東日本大震災の時に沖縄へ逃げ出しました。メンタリテイは中国人と一緒でしょう。だから「日本死ね」を擁護できるのです。

下は富坂氏の言っていることとは逆の動きです。中国が嫌がっていることを日台連携してやっていくという事です。台湾の正名運動に繋がります。来年のWBC(ワールドベースボールクラシック)や2020年東京オリンピックでは、日本政府は台湾を「中華台北」ではなく、「台湾」で参加させてほしいと思っています。

12/29日経<対台湾窓口機関が名称変更 「日本台湾交流協会」に 

【台北=伊原健作】日本の対台湾窓口機関である公益財団法人「交流協会」は28日、2017年1月1日から名称を「日本台湾交流協会」に変更すると発表した。1972年の日中国交正常化を受け、日台は断交。同協会が実務関係の維持を担ってきた。名称が曖昧で認知度が高まらないなどの問題が指摘されていた。台湾側も長く改称を求めていた。同協会は「日台関係がさらに発展するよう一層努力する」としている。>(以上)

12/29日経<中国「強烈な不満」 日台交流協会の名称変更 

【北京=永井央紀】中国外務省の華春瑩副報道局長は28日の記者会見で、日本の対台湾窓口機関が「日本台湾交流協会」に名称変更することに「強烈な不満」を表明した。華氏は「『二つの中国』のたくらみに断固反対する。台湾と国際社会に誤ったメッセージを送り、中日関係に新たな障害をつくってはいけない」と強調した。>(以上)

12/28大礒正美氏のメルマガでは「弁護士政権から史上初のMBA政権へ」とトランプ政権を位置づけています。確かに「今までのアメリカとは違うぞ」と期待させてくれます。

http://www.geocities.jp/oiso_zemi/column/latest213.html

米国の民主党政権は、中国に寄り過ぎて、日台を犠牲にして来ました。今後は中国の軍事膨張主義を抑えるために、中国包囲網を形成していかなければなりません。今度の安倍首相の真珠湾訪問で日米の絆は一層深まったと言えます。オバマを全否定したいトランプがどう思っているかは分かりませんが。中国の国際社会での傍若無人ぶりを抑え、中韓の歴史戦にも勝利するためにトランプの登場は喜ぶべきと思います。

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旧日本軍による米ハワイの真珠湾攻撃で犠牲となった人々を追悼し、米首都ワシントンの国会議事堂に半旗で掲げられた米国旗(2016年12月7日撮影)。(c)AFP/NICHOLAS KAMM〔AFPBB News

安倍晋三首相が12月27日にハワイの真珠湾を訪れ、75年前に旧日本軍が行った奇襲攻撃で犠牲になった米国軍人たちの霊を悼む。

「安倍首相は真珠湾で日本軍の攻撃について謝罪や釈明をすべきだ」という主張も一部から聞かれる。だが、米国側の日米戦争への認識を長年考察してきた立場からすると、そんな必要はもうまったくないように思える。米国側の怨讐にはとっくに終止符が打たれ、日米両国の今後の友好を重視する姿勢が明白だからだ。

日本軍と激しく戦ったブッシュ氏の言葉

1991年12月7日の真珠湾50周年の式典でも、そんな米側の日米戦争への認識と態度を確認することができた。

1991年は米国にとって、真珠湾で日本軍の奇襲攻撃を受け、日本との開戦、第2次世界大戦への参戦へと突き進むことになった歴史の転換点から半世紀という年だった。

式典は、日本軍が沈めた戦艦アリゾナの残骸の上に建てられたアリゾナ記念館で催された。私はこの式典を取材するためワシントンからホノルルへと飛んだ。

その時点では、日本軍の攻撃を受けたときに真珠湾の米軍基地で軍務に就いていた将兵たちの約1万2000人が健在だとされていた。その元将兵たちは「パールハーバー生存者連盟」という組織をつくっていた。そのうちの約6000人がこの式典に参加することになっていた。その人たちの間では「多くの戦友が日本軍のスニークアタック(だまし撃ち)に不意をつかれ殺された」という非難の声が出ていた。

そのため私は、ワシントンからホノルルまでの長い飛行機の旅で、その元米軍人たちと乗り合わせ、日本人だという理由で難癖をつけられたり非難されたりするのではないかという懸念を少なからず抱いていた。

だが、実際には私が元米軍人たちから非難されるようなことはまったくなかった。

真珠湾の式典でも、当時のジョージ・ブッシュ大統領はそんな私の懸念をあっさりと一掃する内容の演説をした。

ブッシュ大統領は過去の戦争へのネガティブな思いを一切述べず、以下のように語ることで現在および将来の日米両国の和解と友好を強調した。

「日本とはもう完全に和解を果たした」

「私は日本に対してなんの恨みも持っていない」

「戦争での最大の勝利は、かつての敵国で民主主義が実現したことだ」

「いまやもう罪をなすりあう時ではない」

広く知られているように、ブッシュ氏は米海軍の最も若いパイロットの1人として日本軍基地への爆撃に何度も出動した。そして小笠原諸島の日本軍基地を空から攻撃した際は、地上からの砲火を受けて、乗っていた戦闘機が墜落した。ブッシュ氏はパラシュートで脱出し、文字どおり九死に一生を得た。

そんな日本軍と激しく戦った経歴があるブッシュ氏が、戦争での怨讐はもう完全に過去のものと表明した点はきわめて意味が大きかった。

日本軍を称賛した元海兵隊の議員

過去の戦争の経緯をあえて振り返ることはせず、日米両国が戦後に果たした和解と友好、そして普遍的な価値観の共有を大切にする、という態度は、ブッシュ大統領をはじめ日本軍と実際に戦った経験のある米国人たちの間で特に顕著だった。

しかも、米軍と戦った日本軍の将兵の武勇を称えるという態度さえ頻繁に感じられた。私自身、新聞記者としてワシントンを中心に米国に通算25年以上駐在する間、日米戦争の体験者に数えきれないほど会ったが、いつもそうした印象を受けた。

たとえば、私がワシントンに毎日新聞の特派員として最初に赴任した1970年代後半に取材を通じて知りあったジョン・チェイフィー上院議員は、海兵隊員としてガダルカナルと沖縄の両方の戦闘に参加していた。私は当初、そのことを知らなかった。本人がまったく触れなかったからだ。

ところがある機会に自らの戦歴を語った同議員は、日本軍の勇猛さや規律を賞賛し、日米の戦後の友好がいかに価値ある絆であるかを力説した。その語調には日本の軍事行動を批判するという気配はツユほどもなかった。

私はさらに、南太平洋のブーゲンビル島上空で山本五十六提督の乗機を撃墜したという米軍パイロットや、中部太平洋のタラワ島の攻略戦で日本軍を全滅させた海兵隊の将校からもじっくりと話を聞く機会を得た。終戦からすでに40年以上が過ぎており、かつての敵国だった日本を非難する人は誰もいなかった。

みな、「両国の国益が不可避な形で激突し、戦争となり、両国とも死力を尽くして戦った」という認識を抱いているようだった。米国は完全に勝利し、日本は敗北の代償をさんざんに払ったのだから、どちらが悪かったのか、というような議論を蒸し返す必要はまったくない、という姿勢だった。日本の敗北の代償にはもちろん原爆の被害や東京裁判での懲罰も含まれる。

こうみてくると、真珠湾攻撃から75年、終戦から71年経った今、日本の首相が戦争行動を改めて謝罪すべきだという必然性はどこにも浮かんでこないのである。

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ミサイル駆逐艦「ジョン・S・マケイン」に星条旗を掲揚する乗組員。米海軍横須賀基地にて(資料写真、出所:米海軍)

米国のドナルド・トランプ新政権が中国との対決を辞さない強固な政策をとり、米中対決の新時代を迎えることが確実となってきた。米中関係が険悪となると、当然ながら日本への影響も重大となる。

トランプ氏は選挙戦期間中から中国に批判的な姿勢を貫いてきた。オバマ政権の対中姿勢に対しても軟弱に過ぎると非難し、自分が大統領となれば対決もいとわず中国を力で抑え込むという構えを示してきた。

この対中強硬姿勢は、トランプ氏が大統領に当選してからさらに強くなった。中国側もその動きに対して激しい反発を示しており、米中関係はオバマ政権時代とまったく異なるせめぎ合いとなりそうだ。

新政権の強硬な対中政策を裏付ける根拠

トランプ氏が中国に対して、オバマ政権とは正反対ともいえる強い抑止や封じ込め策を推し進めるという展望には、以下のような根拠がある。

(1)トランプ氏は選挙戦中から、中国に関するオバマ大統領の政策を「軟弱で宥和にすぎる」と非難してきた。中国の経済活動については「通貨レートを不当に操作し、貿易も不正に進めてきた」と糾弾し、中国製品に異常ともいえる高関税を課すことを提案した。

(2)トランプ氏は選挙戦中の9月の演説で、米軍が世界規模で縮小していることを批判的に取り上げ、米軍の再強化を具体的に提案した。そのなかで、東アジアにおいて中国の軍拡を抑止の対象にする海軍や海兵隊の増強案を明示していた。

(3)トランプ陣営の防衛問題顧問であるアレックス・グレイ氏は、選挙投票日の直前の11月初め、トランプ氏自身の考えとして「中国の無法な軍事拡張に対して、まず十分な抑止力の効く軍事増強を実現し、『力の立場』から断固として交渉する」と述べていた。

(4)トランプ氏は当選から間もない12月2日、年来の「一つの中国」の原則を無視して台湾の蔡英文総統と電話会談をした。中国側から抗議が来たが、「中国に命令されるいわれはない」と撥ねつけた。

(5)さらに12月11日に、トランプ氏は「米国はなぜ『一つの中国』策に縛られなければならないのか」という疑問を提起した。「私は『一つの中国』策をよく理解している」と強調したうえでの発言だった。

(6)トランプ氏は12月21日に、新政権の対中政策の一環として「国家通商会議」を新設することを発表した。議長には中国への厳しい政策提言で知られるピーター・ナバロ氏(カリフォルア大学教授)を任命した。

(7)ナバロ氏は、中国が軍事力を強化して南シナ海、東シナ海で強圧的な攻勢を進め、米国の国益までも侵害しているとして、米国の軍事力増強と日本など同盟諸国との連携の強化による中国封じ込め策を訴えてきた。

(8)トランプ新政権にはその他、対中強硬派として知られるランディ・フォーブス前下院議員、ビル・タレント前上院議員、デーナ・ローラバッカー現下院議員、ジム・ウールジー元CIA長官らが政策顧問や次期政権幹部として参集している。

軍事力は今なお米国が圧倒的という自信

こうしたトランプ氏の言動や、同氏を支える人物たちの特徴をみると、トランプ次期政権が外交政策において特に中国への対応を重視し、断固とした姿勢で中国に接していくことは明らかである。中国の軍事的な攻勢を抑止するためには軍事力の行使もいとわないという決意も見てとれる。協調や融和を優先して対決を避けるオバマ政権の対中政策とは根幹が異なっているのだ。

トランプ新政権のこうした強固な対中姿勢の背景には、今なお軍事力は米国が圧倒的な優位にあり、もしも軍事衝突が現実的となれば中国側は必ず譲歩あるいは妥協するという計算があるといえる。

だが、中国が国家の根幹にかかわる「一つの中国」の大原則までトランプ新政権に否定された場合、台湾への侵攻に乗り出す可能性もあり、その展開は予測が難しい。米中関係はまさに波乱や激動を予感させる。

こうした軍事面での衝突も含めて米国が中国と厳しく対決する場合、米国のアジアでの安全保障にとって、在日米軍や米軍基地の重要性がきわめて大きくなる。トランプ新政権にとっては日米同盟の価値がそれだけ高くなるというわけだ。

その場合、日本としては、米中両国間の摩擦や対立に揺さぶられる危険性が高まる一方で、日米の米安全保障の絆が強化される機会にも恵まれる可能性が出てくることとなる。

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『中国が操る韓国大統領レース THAADに連座、ロッテもイジメの対象に』(12/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/28安倍首相の真珠湾での演説は素晴らしかったです。オバマ大統領はやや軽い感じがしました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161228/k10010822371000.html

日本のTV報道によれば、保守派と言われるFOXニュースが「和解するには謝罪が必要だ」と言ったというのは、米国人の驕りが透けて見えます。NHKの報道で、多分真珠湾の生き残りの米兵と思われますが、オバマ大統領・安倍首相共に彼らに話しかけましたが、安倍首相は身を低くして聞き入っていました。天皇・皇后両陛下が被災者に寄り添う姿勢と同じで、米国人は気が付かないかも知れませんが、相手に気を遣っていることが感じられ、日本人として嬉しく思いました。願わくば、何故日米開戦になったのかを、国民レベルで相互に真剣に学んで行った方が良いと思います。日米ともに、今までの通説だけでなく、新たな証拠に基づいて。和解ができた環境であればこそ可能です。

ハフィントンポストによれば、「安倍首相へオリバー・ストーン監督ら公開質問状、「日本が攻撃したのは真珠湾だけではない」と声明を発表とのこと。真面に答える必要はありません。中韓が裏で糸を引いているのは見え見えですから。ヨタ連中の為せる業です。オリバー・ストーン監督の現夫人は韓国人のチョン・ソンジョン氏とのこと。記者会見時の写真にハングルが見えています。朝鮮人は国を捨てて、世界に出ていても、反日活動に勤しみます。通貨スワップはもっての他、GSOMIAも解消しないと。次期大統領は誰がなっても(潘基文氏でも)、必ず北と一緒になるように動くでしょう。国民感情には抗えません。抗えば朴槿恵大統領のように弾劾されます。共産主義国は粛清が当たり前の国なのに、それを国民レベルで望むとは。ヒトラーを民主的手続きで選んだドイツ国民以上に愚かとしか言いようがありません。後で自分が粛清の対象になった時に気付いても、時既に遅しです。ハフィントンポストに依れば、公開質問状には高橋哲哉東大教授も名を連ねているとのこと。左翼は分かりやすい行動を取ります。朴槿恵大統領が「1000年忘れない」と言ったり、中国のように「従軍慰安婦、南京虐殺、強制徴用」で歴史を改竄・捏造、尖閣や沖縄を盗もうという国に和解を求めてもしょうがないでしょう。過去の歴史でずっと日本を強請る気でいるのですから。彼らに未来志向はありません。あるのは、ゆすりタカリの精神だけです。金を取れれば嘘でも何でもよいという民族性です。未来永劫付き合わないことです。

oliver-stone

http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/25/story_n_13854564.html

次は韓国ではなく、相手は中国と思われますが、東芝の原発で数千億円の損失を再度計上するとのこと。東芝の株主としては、経営者の劣化に怒り心頭です。経営者が、国際環境の変化を読み間違えたのではと疑っています。米国or経産省が中国への原発技術流出を嫌い、今のタイミングでわざと情報をリークしたのでは。12/28日経web版には「消費者、株主、取引先、従業員にとって「寝耳に水」状態だっただけでなく、経営陣も混乱している様子が垣間見えた」とあり、綱川社長も情報がどこから出たのか把握してないのでは。

12/27日経<日米、中国と原発受注目指す 資金期待も技術流出懸念

日米中企業による3カ国連合がトルコで原子力発電所4基の受注を目指している。東芝傘下の米原子力大手ウエスチングハウス(WH)が中国国有の国家電力投資集団と組んで、トルコ政府と交渉中だ。日本にとって強力なライバルだった中国のマネーを活用して海外で原発を受注すれば、日本の原発輸出のあり方にも一石を投じることになる。

受注が実現すれば2兆円規模の商談になるとみられる。3カ国連合の関係者は「2017年中にはトルコ側と(原発建設に向けて)合意できると期待している」という。受注を目指しているのは第3世代と呼ばれる最新の中型炉。WHの新しい加圧水型軽水炉(PWR)「AP1000」が軸になる。

WH会長のダニー・ロデリック氏は、今回のスキームの役割分担を「中国が発電事業に資金を提供し、WHは機器を供給する」と説明する。東芝・WHは出資を避けながら、中国マネーを活用して原発を受注しようとしている。

背景には資金面での高いハードルがある。2兆円規模とされる費用を、10年単位という長期間の売電収入で回収しなければならない。自分たちだけでそのリスクを負うのは難しいとみている。特に、政情が不安で地元通貨の急変動が起きやすい新興国では困難が多い。現地で出資者を募るのも簡単ではない。

一方、中国勢は潤沢な資金を持ち、日米などの原発技術を欲しがっている。海外での受注実績をつくり、自国の原発産業を早期に育成したい考えもある。WHのロデリック氏は3カ国連合について「すべての国にとって利益となる」と述べ、中国と日米の利害が一致すると指摘する。

懸念もある。技術が中国に流出することだ。将来、中国企業が海外市場で一段と台頭する可能性が高まる。日本政府もこうした懸念を抱いている。中国と組んだことについて日本政府関係者は「事前にまったく聞いていなかった」と戸惑いを隠さない。

だが、東芝・WH関係者は「何十年も同じ技術を抱え込むのは無理。次の技術を開発すればいい」と話す。

こうした姿勢は中国をライバル視する三菱重工業とは好対照だ。三菱重工はトルコ・シノプで新型の原発、PWR「アトメア1」を建設する計画。シノプは日本の官民が中国勢と受注を競った案件だ。

三菱重工などが事業に出資し、日本政府は国際協力銀行(JBIC)の融資でファイナンスを支援する方針。だが、事業性の調査を進めるにしたがい、収益を確保する難しさが浮き彫りになっている。

原発の輸出拡大は日本の原発メーカーにとって重要な課題。国内で新規建設が見込めないなか、技術を維持し成長を果たすためには必要不可欠とみている。技術流出を覚悟して中国と手を組むのか、それともあくまで中国と真っ向勝負を貫くのか。トランプ次期米政権が中国に強硬姿勢をとるとみられることも、選択を難しくしそうだ。

(花房良祐)>以上

12/28日経ビジネスオンライン<東芝、原発事業で陥った新たな泥沼 減損額は数千億円か、始まった債務超過へのカウントダウン 小笠原 啓

「減損回避のために買収した企業が、1年後、新たな減損の火種になるとは思わなかった。まるでブーメランのようだ」。ある東芝関係者は12月27日、本誌の取材に対してこう漏らした。

東芝は同日、米国の原子力事業で数千億円規模の減損損失が発生する可能性があると発表した。米原発子会社ウエスチングハウス(WH)が2015年末に買収した企業の資産価値が、想定より下回ったのが原因だ。

会見した綱川智社長は「(損失の可能性を)12月中旬に認識した」と述べ、「経営責任を痛感している」と強調した。一方で具体的な損失額については「精査中で答えられない」として言及を避けた。年明けにも減損テストを実施し、2月中旬までに計上すべき損失額を算定する。

問題となったのは、WHが子会社化した米CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)。原発建設におけるパートナーだった米エンジニアリング会社のシカゴ・ブリッジ・アンド・アイアン(CB&I)から、2015年12月31日に「0ドル」で買収した。

買収後にWHがS&Wの経営状況を見直したところ、原発の建設プロジェクトなどでコスト超過が判明。資材や人件費などが想定よりも大幅に増えたという。その結果、S&Wの資産価値が当初の想定から大きく下がり、多額の損失計上が必要だと判断した。今後、数千億円規模の「のれん」を計上し、減損テストを経てその一部または全部を取り崩すことを検討する。

東芝は2017年3月期の連結最終損益を1450億円の黒字(前期は4600億円の赤字)と見込んでいる。数千億円の減損損失を計上すれば、最終赤字に陥る可能性が高い。

今年9月末の自己資本は3632億円。損失の規模によっては債務超過に陥る可能性すら出てきた。この点を問われた平田政善CFO(最高財務責任者)は「お答えできる状況ではない」と述べるにとどめた。

傘下に収めてわずか1年で、巨額減損の火種となったS&W。なぜ東芝とWHはこの企業を買収したのか。その理由を知るには、時計の針を1年ほど巻き戻す必要がある。

東芝の不正会計が発覚したのは2015年4月。7月に第三者委員会が2000億円以上の利益水増しを認定し、田中久雄氏ら歴代3社長が責任を取って辞任した。9月には東京証券取引所から「特設注意市場銘柄」に指定され、半導体や家電など複数の事業で厳しいリストラが始まっていた。

この間、一貫して焦点になっていたのがWHの減損問題だった。

電力会社との関係を修復する条件だったS&Wの買収

東芝は2006年に約6000億円を投じてWHを買収。買収価格とWHの純資産との差額、約3500億円の「のれん」を計上していた。買収後、リーマンショックや原発事故などで経営環境は激変したが、東芝は一貫して原子力事業は「好調」と説明し、巨額ののれん計上を正当化してきた。仮に不調を認めると減損処理を迫られ、経営危機に直面する可能性があったからだ。

一方で、原発建設の現場では「コストオーバーラン」が深刻な問題になっていた。WHは米国内で4基の原発を建設していたが、規制強化による安全対策や工事の遅延などでコストが増大し、事前の見積り額を超過するようになったのだ。

発注元の米電力会社はWHに超過分のコスト負担を求め、一部は訴訟に発展。工事を担当するCB&IとWHとの間でも、負担割合などをめぐって争いになっていた。こうした係争が深刻化して損失計上を迫られれば、WHの収益計画を見直さざるを得なくなる。すると、のれんの減損処理が現実味を帯びる。こうした事態を回避するために、東芝はS&Wを買収することで関係を整理することにした。

東芝は2015年10月28日、WHがS&Wを完全子会社化すると発表。プレスリリースには次のように記載されている。「米国のプロジェクトに関し現在訴訟となっているものも含め、全ての未解決のクレームと係争について和解する」。「価格とスケジュールを見直すことにも合意した」。

つまりS&Wを買収することが、電力会社との関係を修復する条件だったのだ。前述の東芝関係者は「S&Wを買収しなければ、WHは2015年中に減損処理に追い込まれていたかもしれない。資産査定などの時間は限られていたが決断せざるを得なかった」と振り返る。冒頭の「減損回避のための買収」とはこういう意味だ。

東芝は結局、2016年4月に原子力事業で約2500億円の減損損失を計上した。それが可能になったのは直前の3月に、東芝メディカルシステムズをキヤノンに約6655億円で売却できたからだ。

だが改めて数千億円の減損処理を迫られた場合、同じ手を使うのは難しい。過去1年でリストラを進めた結果、売れる事業が社内にほとんど残っていないからだ。資本増強の手段としてNAND型フラッシュメモリーの需要が旺盛な半導体事業の売却や、分社化して株式上場する案も考えられるが、それは東芝の「解体」と同義だ。

会見に志賀会長とWHのロデリック前社長は出席せず

東証から特設注意市場銘柄に指定されている東芝は、公募増資などの資本増強策が事実上取れない。12月19日には東証が指定期間を延長することを発表しており、2017年3月15日以降に東芝が提出する内部管理体制確認書で改善が認められなかった場合、上場廃止になる。平田CFOは会見で「銀行に状況を説明して協力を得たい」と述べ、金融支援の可能性に言及した。

日経ビジネスが繰り返し述べてきたように、WHの買収こそが東芝が粉飾決算を始めた「原点」だ。原子力での巨額買収の失敗を覆い隠すために、パソコンや社会インフラなど複数の事業部門が利益の水増しに手を染めた。S&Wの買収は、原発建設でのコスト超過に直面したWHが、それをカバーするために選んだ苦肉の策なのかもしれない。最初の失敗から負の連鎖が始まり、今なお新たな損失リスクを生みだしている。

なお、12月27日の記者会見には原子力事業を率いてきた志賀重範会長と、S&Wの買収時にWHの社長を務めていたダニエル・ロデリック氏(現エネルギーシステムソリューション社の社長)は姿を見せなかった。平田CFOによると両氏は「現地(米国)に飛んで、数字の精査をしている」という。>(以上)

IR法で菅官房長官は、パチンコや競馬競輪を含めてギャンブル依存症対策を講じるとのこと。良いことです。パチンコは脱税の温床且つ朝鮮総連経由で北に資金が流されています。入場時にはマイカードを提示させるようにし、且つ1日の上限枠を設定、且つ売上の5割は税金として国庫納付を義務付ければ10兆円(税)/20兆円(売上)で消費税増税しなくても済みます。日露戦争のための軍事費調達として課税されたビール税の小売価格に対する割合は、今の所42.2%もあります。(ビール酒造組合調べ)。それを考えれば、売上の半分を税金で取って依存症を減らすのは国民も賛成するのでは。反日民進党もきっと賛成に回るでしょう(笑)。パチンコの所管も警察ではなく、厚労省にして、規制した方が良いです。警察の天下り先で、公営でなく違法賭博なのに、取締りしてませんので。

http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000090959.html

記事

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2016年7月、抗議デモが展開される中で決定したTHAAD配備だったが、韓国「離米派」の台頭で、中国が望む「配備撤回」への動きが勢いを増している(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

韓国で次期大統領を争うレースが始まった。裏で操るのは中国だ。

観光局長までが脅し

鈴置:朝鮮日報に興味深い記事が載りました。イ・キルソン北京特派員が書いた「中国に向けてろうそくを掲げられるか」(12月21日、韓国語版)です。

韓国の有力大統領候補が米軍のTHAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)の配備に反対の声を上げた。すると、中国政府の観光関係者までが「THAADに反対しろ」と韓国を脅し始めた――との書き出しです。要約しつつ訳します。

  • 12月15日、韓中両国政府の観光部局が北京で式典を開いた。中国の李金早・国家観光局長は祝辞で「最近、両国関係がTHAAD配備で新たな局面と課題に直面した。適切な方法を探し、観光協力強化のために条件を整えてほしい」と述べた。
  • 9月の北朝鮮の5回目の核実験後、中国の外交・国防部以外は公にTHAADを取り上げなかった。北の核に不安を増す韓国の世論を考慮したためだろう。
  • しかし「THAAD反対」を叫ぶ韓国野党の声が大統領弾劾の局面で大きくなり、文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」前代表のような有力大統領候補が配備延期を主張すると、中国は観光局長までがTHAADを語り始めたのだ。

外から援護射撃

7月8日、米韓は在韓米軍へのTHAADの配備を正式に決めました。すると、それに強力に反対していた中国が韓国への嫌がらせに乗り出したのです。10月、中国政府は「韓国に行く観光客を20%減らせ」と中国の旅行会社に指示しました。

中央日報の「中国政府『韓国に行く中国人観光客20%減らせ・・・ショッピングも1日1回だけ』」(10月25日、日本語版)などが報じました。

影響が出始めています。2016年11月に韓国を訪問した中国人客は前年同月比1.8%増に留まりました。

2015年に韓国でMERS(中東呼吸器症候群)が大流行。反動で2016年8月には同70.2%増を記録するなど、訪韓中国人数は急回復していました。その伸びが一気に鈍ったのです。

聯合ニュースの「訪韓中国人客が伸び悩み 日本人は3割増=11月」(12月22日、日本語版)は「THAAD問題が響いた」との大韓貿易投資振興公社(KOTRA)の分析を紹介しています。

当初、中国政府は訪韓観光の規制強化とTHAADは関係ないと説明していました。ところが朝鮮日報が書いたように、12月15日には国家観光局長がはっきりと「THAADを何とかしないと観光客をどんどん減らすぞ」と脅すに至ったのです。

韓国で文・前代表ら大物政治家が「THAAD反対」を叫び始めた時です。タイミングから見て「内側の声」に合わせ「外側からの圧力」を韓国政府にかける目的であるのは間違いありません。

韓流ドラマにも罰

韓流ドラマも同じパターンです。中国政府が映画、ドラマなど韓国製コンテンツを使うなとの「禁韓令」を放送局に指示したと11月、中国メディアは報じました。

同国政府はそれを否定していましたが12月20日になると、中国外交部の参事官が「禁韓令」に関する韓国記者の質問に答えて「まず、THAADを解決することが必要だ」と語りました。

国家観光局長と同様に韓国内で「離米派」が立ち上がった瞬間、方針を変更し、はっきりと「THAADを認めた罰だ」と言い渡したのです。

聯合ニュースが「韓流締め出しへの批判に『THAAD問題の解決必要』=中国高官」(12月21日、日本語版)で報じています。

毎日経済新聞の「中国の報復で非常燈が点いた対中事業・・・ロッテ税務調査、旅客中断、反ダンピング関税」(12月16日、韓国語版)は「THAADに対する報復」がオンライン通販、化粧品、石油化学製品、自動車関連など多様な業種に広がっていると報じています。

ゴルフ場でとばっちり

—記事の見出しに「ロッテ」が立っていますが。

鈴置:その部分を訳します。以下です。

  • 11月29日から、ロッテグループの中国内の(量販店)150余店舗が税務調査に加え、消防法や食品安全法による検査の対象となった。ロッテケミカルなど在中工場も同様だ。中国でこれほど厳しい「全方位検査」を受けるグローバル企業はなかった。
  • ロッテは中国での広告を停止した。ホームショッピング事業も売却を検討している。3兆ウォン(3000億円)をかけて瀋陽にロッテタウンを建設中だが、許認可が困難になるかもしれない。

—なぜ、ロッテがイジメに遭うのですか。

鈴置:米軍のTHAAD配備は住民の反対運動により、用地選定が難航しました。二転三転の結果、慶尚北道の星州(ソンジュ)郡にあるロッテグループのゴルフ場を軍が入手して米国に提供することになりました。

ロッテが頼んだわけではありません。とばっちりを食ったのです。でも、「泣く子と中国には勝てない」のです。

中国の威嚇で票稼ぎ

—韓国にとっても中国は「困った国」ですね。

鈴置:必ずしもそうとは言えません。「離米派」の大統領候補にすれば、中国は極めてありがたい存在です。

「離米派」は「3点セット」――THAAD配備、日本とのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)締結、従軍慰安婦合意――の見直しを主張しています(「『キューバ革命』に突き進む韓国」参照)。

一方、中国がTHAAD配備容認に対する露骨な報復に乗り出しました。「3点セット」を見直さないと大変なことになる、との恐怖感が国民の間に広がるほど「離米派」は票をかき集められるのです。

—GSOMIAや従軍慰安婦合意も、中国と関係するのですか?

鈴置:大いに関係します。日韓GSOMIAに対し中国政府は明確に反対しています。「朝鮮半島の対立を深める」などと理屈をこねていますが、要は日米韓による中国包囲網を作らせたくないのです。

表「中韓の『慰安婦共闘』」を見れば分かる通り「慰安婦」でも両国は共闘体制を組んでいます。2014年7月の首脳会談で「慰安婦の共同研究」に中韓は合意し、共同声明の付属文書に盛り込みました。

中韓の「慰安婦共闘」

2014年7月3日
中韓首脳会談で「慰安婦の共同研究」に合意。共同声明の付属文書に盛り込む(聯合ニュース・韓国語版
2014年12月15日
韓国政府系の東北アジア歴史財団と、中国吉林省の機関、档案局(記録保管所)が慰安婦問題関連資料共同研究のための了解覚書(MOU)を締結(聯合ニュース・日本語版
2015年8月15日
中国国家公文書局が『「慰安婦」–日本軍の性奴隷』第1回文献テレフィルムを公式サイトで公表(人民網日本語版
2015年9月22日
サンフランシスコ市議会が「慰安婦碑または像の設置を支持する決議案」を全会一致で採択。運動の中心となったのは中国系団体(産経新聞)
2015年10月12日
中国外交部の華春瑩副報道局長、旧日本軍の慰安婦に関する資料について「ユネスコ世界記憶遺産への登録申請を他の被害国と共同で進める方針」(聯合ニュース・日本語版
2015年10月13日
韓国外交部の魯光鎰報道官、慰安婦資料のユネスコ世界記憶遺産に中韓が共同で登録申請することに関し「推進中の民間団体が判断すべきだ」。推進中の民間団体とは女性家族部傘下の財団法人、韓国女性人権振興院(聯合ニュース・日本語版
2015年10月28日
「中韓の慰安婦像2体」をソウル城北区に設置、除幕式。中韓の彫刻家が製作し、両国市民団体が支援(産経新聞

中国からすれば、米国の仲介による2016年12月の慰安婦合意は韓国の裏切りです。共同声明を証文に韓国に対し「慰安婦合意を破棄しろ」と圧力をかけることもできます。

米韓同盟の紐帯である「3点セット」の見直しを主張する「離米派」とは、中国の顔色をうかがう「従中派」でもあるのです。

意地を見せた韓経

—中国の報復に対し、反発は起きませんか?

鈴置:起きています。東亜日報は社説「ロッテにTHAAD報復し、北朝鮮制裁は真似だけする中国」(10月30日、日本語版)を載せました。

ただ、この記事は中国への反感を表明したうえで、中国依存度を下げようと呼び掛けただけです。私が見た限りですが、明確に中国に対抗しようと訴えたのは韓国経済新聞の社説「政府は中国の市場経済国(MES)の地位認定を撤回せよ」(12月2日、韓国語版)くらいでした。

—韓国政府は「市場経済国」と認定しているのですか?

鈴置:2005年、中国がWTOにおける「市場経済国」であるとの主張に韓国は賛成しました。今、中国の度重なるルール破りに怒った日米欧が「今後も認定しない」と言っているのと対照的です(日経「WTOの『市場経済国』、日本も中国を認定せず」参照)。

韓経は「ロッテなど我が国の企業があれだけ苛められているというのに、まだ認定すると言うのか」と韓国人に訴えたのです。ただ、韓経のように「意地」を見せたメディアは例外的です。

中国に屈する韓国紙

左派系紙はもともとTHAADなど「3点セット」に反対です。そして韓経以外の保守系紙は中国の報復に屈し始めました。

中央日報は社説「中国の偏狭なTHAAD報復・・・大国にふさわしくない」(12月3日、日本語版)を載せました。

見出しや本文では「中国の偏狭さ」を批判しています。韓国語版(12月2日)の見出しも同じです。でも、結論部分では次のように書いたのです。

  • 我々は中国が大局的な立場でTHAAD報復を撤回することを期待する。韓国政府もTHAAD導入において中国の立場を十分に配慮する措置が求められるだろう。

中国が報復を撤回するとは考えにくい以上、「中国の立場に配慮」とは「THAAD配備を拒否」を意味するのです。中央日報はもともと「拒否派」です(「『南シナ海』が加速させる『韓国の離脱』」参照)。

中国で「日本より下」に

—最大手の朝鮮日報は?

鈴置:中国に詳しい政治部のアン・ヨンヒョン次長が「中国の統一戦線戦術」(12月10日、韓国語版)を書きました。まず、中国が日本に対して以上に、韓国に冷たくなったと指摘しました。

  • 11月22日に北京で開かれたアキヒト日王(天皇)の誕生日祝賀会には、中国外交部の劉振民・副部長(次官)が壇上に上がり、中国駐在の日本大使と乾杯した。
  • 一方、10月19日に駐中韓国大使公邸で開かれた開天節(韓国の建国記念日)のパーティには中国外交部の課長が出席しただけだった。毎年、次官補級以上が参加していたというのに様変わりだ。
  • 中国は韓中共同戦線を組むことで日本を圧迫してきた。しかし、7月にTHAAD配備の発表に韓米同盟の強化を見て取ると、日本との関係改善を模索する姿勢を打ち出した。

中国が日本との関係改善に動いているとは言い切れません。ましてそれがTHAADのせいだ、というのは韓国人特有の天動説的発想と思います。

ただ、韓国人読者がこれ読めば「やはり、THAADが諸悪の根源だ」と思うでしょう。アン・ヨンヒョン次長は次のように結論付けました。

  • 中国共産党は国益のためには過去と理念にこだわらず、統一戦線戦術を繰り広げる。THAAD報復に怒るだけで、米国と北朝鮮だけを見つめる外交手法では中国のこの戦術に当たるのは難しい。

はっきりと「THAAD配備に反対する」とは書いていません。しかし「北朝鮮と米国だけを見つめる」とは「北の核ミサイルに対抗することだけを考える」ということです。

アン・ヨンヒョン次長は「それではダメだ」――つまり「THAAD配備を再検討しよう」と説いたのです。

脅せば従う韓国人

—韓国はTHAAD拒否に向かって雪崩を打っているのですね。

鈴置:ええ。7月に米韓がTHAADの配備を正式に決めた直後、人民日報の姉妹紙「環球時報」は「5つの対韓制裁」を発表しました(「『中国陣営入り』寸前で踏みとどまった韓国」参照)。

「環球時報」の英語版「Global Times」の記事「China can counter THAAD deployment」(7月9日)で読めます。

■環球時報が中国政府に建議した「5つの対韓制裁」

(1)THAAD関連企業の製品の輸入禁止 (2)配備に賛成した政治家の入国禁止と、そのファミリービジネスの中国展開の禁止 (3)THAADにミサイルの照準を合わせるなどの軍事的対応 (4)対北朝鮮制裁の再検討 (5)ロシアとの共同の反撃

注)環球時報の英語版「Global Times」では「China can Counter THAAD Deployment」(7月9日)で読める。

THAADに関し「協力した韓国企業製品の輸入禁止」だけでなく「賛成した政治家の入国禁止」も明言しています。

訪中できなければ韓国の大統領はやっていけません。大統領選挙で「THAAD賛成」を明確に訴えられる政治家はまず、いないと思います(「『習近平のシカト』に朴槿恵は耐えられるか」参照)。

ただ、これまでは1つ問題がありました。政治家として「中国の報復が怖いからTHAADに反対する」とは言えなかったことです。

韓国人の多くも本音では「不愉快でも中国の言うことを聞くしかない」と思っています。意識調査を見ても「中国が最も重要だ」と答える人が「米国」と答える人を上回っているのです。

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冒頭に引用した朝鮮日報の「中国に向けてろうそくを掲げられるか」(12月21日、韓国語版)に以下のくだりがあります。

  • 中国は我々を「強く出れば頭を下げる民族」として扱う。「歴史的に統一した中国に対し、韓国はただの一度も抗ったことがない」ということだ。
  • 「中国側に立てば10倍の褒美をやるというのに、なぜ、中国に反旗を翻し10倍の罰を受けるのか」ということでもある。

2匹目の「ドゥテルテ」

—「脅せば言うことを聞く」と、中国にすっかり見切られていますね。

鈴置:だからこそ、韓国の政治家は「中国の報復を避けるためTHAADは拒否しよう」との本音は言いにくかった。

それが朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の弾劾騒動で「THAAD反対」の言い訳ができたのです(「『キューバ革命』に突き進む韓国」参照)。

「朴のやったことはすべて悪い」との雰囲気が盛り上がる中、離米派は「あれは『朴印』の政策だから反対する」と言えばいいのです。「従中派」のレッテルを張られず「従中」できるようになったのです。

—「離米派」と中国の共闘が始まったのですね。

鈴置:その通りです。中国が報復カードをちらつかせるほどに「離米派」の票は増える。それにより「離米派」の大統領が誕生すれば、韓国は自動的に「従中」する。明快な共闘の構図です。

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中国は目を細めて韓国のドゥテルテ(Rodorigo Duterte)たち――米軍は出て行けと叫ぶフィリピンの大統領――を眺めているでしょう。

「離米」に警告したトランプ側近

—米国はどうするつもりでしょうか。

鈴置:12月20日になって、トランプ(Donald Trump)次期政権から「見解」が明かされました。国家安全保障問題担当の大統領補佐官に就任する予定のフリン(Michael Flynn)元陸軍中将が韓国の外交部と国防部の高官に以下のように語りました。

東亜日報の「フリン次期国家安保補佐官、在韓米軍とTHAAD配備は韓米同盟の正しい決定」(12月22日、日本語版)から引用します。

  • 米軍とTHAADの(韓国への)配備は、韓米同盟次元の正しい決定であり、韓米同盟の堅固さを象徴するものだ。

もちろん「在韓米軍を追い出したり、THAAD配備を拒否したら米韓同盟がなくなると思えよ」という意味です。韓国に広がる「離米ムード」に警告したのです。

—ズバリ、言いましたね。

鈴置:でも、米国とスクラムを組む政治家が出てきそうにないのも事実です。中国と共闘したがる政治家はいっぱいいるのに。

—「親米派」の国民もいるのでは?

鈴置:もちろん残っています。「親中政権ができたら移民する」という人もいます。親米クーデターを考える人も出てきました。

※2017年は1月1日付で「2017年の日韓関係を占う(仮題)」を掲載します。

良ければ下にあります

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『緊急連載 先読みトランプ 「素人外交」世界に波紋 最終回 変わる世界のパワーバランス』(日経ビジネス2016年12月26日・2017年1月2日号)、『トランプ氏、中国空母に鉄槌! 米国への挑発に猛反発必至 海上民兵の尖閣上陸もあり得る』(12/27ZAKZAK)について

トランプが第二のレーガンを目指すのであれば、SDIに代わる政策を打ち出すかもしれません。レーガンの敵はソ連でしたが、今回は中国です。如何に経済的結び付きが強くとも、中国が世界覇権を目指していることがはっきりしていますので、妥協の余地はないでしょう。国益の観点から言っても、従来米国の持っていた利益が損なわれるのは必定ですから。太平洋を何故米国が二分割して中国にくれてやる必要がありますか。米国の第二次大戦の戦利品です。米兵の血で贖ったもので、中国が戦争で勝ちとった訳ではありません。中国が太平洋、南シナ海に出てこようとするなら、早晩ぶつかることは間違いありません。ぶつかるのであれば、相対的に米国の力が弱まる前の方が良いに決まっています。

「肉を切らせて骨を絶つ」精神が必要です。日経は経済紙ですので、米中戦わば、経済的混乱が起きることを恐れていますが、そもそも戦闘が始まる前に、経済制裁をお互いにしあうのでは。戦前の日本の場合は一方的に制裁されましたが。トランプはまず経済的に締めあげて、中国の軍拡を押えようとするはずです。日本も経済面で中国との取引が減りますが、戦争するより良いでしょう。経営者は中国事業を授業料として諦めることです。そもそも人口の多さに幻惑され、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という信義誠実の原則が成り立たない国でビジネスしようとしたのが間違いですので。

日米露で準軍事同盟ができれば、日本の安全は飛躍的に高まります。勿論、ロシアはスターリンが日ソ中立条約を無視して日本を攻めましたが、所詮銀行強盗上りの共産主義者です。今のプーチンは柔道精神を大事にし、日ソ共同宣言を履行して、平和条約を結びたいと思っていると思います。ロシアにとっても国境線を接し、シベリアに中国人が増殖し、北極海航路を耽耽と狙っている中国は脅威です。如何に核大国で軍事大国のロシアと雖も、GDP比でみれば中国11,186B$:ロシア1,326B$と、ロシアは中国の1/10くらいしかありません。勿論、中国の公称のGDPが信用できないというのはありますが、継戦能力がないことは明らかです。ロシアにとって日米と準軍事同盟を結ぶことは悪い話ではないと思います。問題は、グローバリズムに染まった国際金融資本の影響を受けた米国議会が米ロの提携に難色を示すことと、北方領土に米軍基地を置かないことを米国が認めるかと言う点と思います。

藤井厳喜氏はトランプが大統領就任してすぐに経済制裁を中国に課し、「大統領令による『在米資産の凍結』だが、その前に特定個人や企業への制裁」と言っています。中国も米国の本気度に恐れをなすのでは。今の人民解放軍のレベルでは勝ち目がないのに、虚勢をはっても、コテンパンにやられるだけです。田村秀男氏は12/24ZAKZAKで「中国 止まらぬ資金流出、人民元の下落 習政権の慢心が自滅招く」という記事を書いています。先ずは中国を経済的に困らせることが大事かと。

http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20161224/ecn1612241530002-n2.htm

日経記事

「偉大なる米国の復活」を掲げて次期大統領の座を手にしたドナルド・トランプ氏の外交手腕は未知数とされてきた。ツイッターの書き込みや主要閣僚人事には「素人」との批判が上がるが、「意外に戦略的」との見方も。少なくともオバマ政権とは異なる新たな秩序を築こうとしているのは間違いなく、世界はそれに身構えている。

中国を挑発する言動を連発

●トランプ氏の最近の行動や発言

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トランプ次期大統領(右上)は台湾の蔡英文総統(右下)と電話会談したほか、ツイッターなどで中国を非難。中国の習近平国家主席(左)はどう対応するか(写真=左:ロイター/アフロ、上:ロイター/アフロ、下:AP/アフロ)

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「米中関係が悪くなっても、米ゼネラル・モーターズ(GM)製自動車の販売に大きな影響はないと信じている。中国最大手メーカーの上海汽車集団との合弁事業だし、ディーラーは現地資本だから。しかし大統領就任後のトランプ氏の動きは気になる」

12月中旬、中国・上海でGM車などを販売する李方氏は、ドナルド・トランプ氏の次期米大統領就任について、わずかな不安を口にした。

GMは昨年、中国での新車販売台数で独フォルクスワーゲン(VW)を抑えて3年ぶりに海外メーカーとしてシェアトップに返り咲いた。GMが昨年、世界で販売した約996万台のうち、実に3分の1強を中国市場で売った。同社にとって中国は決して失うことのできない大切な市場だ。

だが、トランプ氏の最近の言動は、近年の米国と中国の安定した関係の上に築かれてきたビジネスにも影響を与えかねない。

そもそも米大統領選の直後まで、中国にはトランプ氏に対する楽観論があった。ビジネスマン出身のトランプ氏は交渉できる余地があり、人権など中国が抱える問題の根幹を突いてくる可能性の高いヒラリー・クリントン氏よりくみしやすいといった見方だ。

ツイッターで中国を批判

だが今月に入ってからトランプ氏は中国を挑発する言動を繰り返している。

12月2日、トランプ氏は台湾の蔡英文総統と電話で約10分間、会談した。米国の大統領や次期大統領と台湾の総統の会談が明らかになったのは、1979年の米国と台湾の断交以来、初めてのこと。さらにトランプ氏は12月11日、FOXニュースのインタビューで「1つの中国になぜ縛られなければならないのか」と再び台湾の問題に言及した。

中国は台湾を自国の一部とする「1つの中国」の政策を堅持しており、台湾を国家として認めていない。米国も79年の米中国交正常化後、「1つの中国」の原則を守ってきた。

96年には中台関係が悪化、中国が台湾に向けミサイルを発射し、米国が空母を派遣する事態に陥ったこともある。台湾を巡る問題は、米中関係で最もデリケートなテーマの一つだが、トランプ氏は台湾問題をも中国との取引材料に使う勢いだ。

トランプ氏の中国への挑発はさらに続く。12月4日には、ツイッターで「中国は我々に南シナ海で大規模な軍事施設を建設していいかどうか了承を求めたか。私はそうは思わない」などと中国を批判した。さらに12月15日に米海軍の無人潜水機が南シナ海の公海上で中国海軍に奪われたことを受けて、トランプ氏は17日、再びツイッターで「前代未聞の行為だ」と非難した。

「外交の素人」ゆえの振る舞い──。トランプ氏の言動はそう受け取られることが多い。しかし米国と中国、ロシアの3カ国に駐在経験のある商社関係者は「相当したたかだ」と言う。

その象徴が国務長官に親ロシア派と目される米エクソンモービルCEO(最高経営責任者)のレックス・ティラーソン氏を充てるという人事だ。「政治経験のないティラーソン氏の国務長官就任の含意は、どちらかと言えば米国よりも中国寄りのロシアとの関係を改善し、3カ国のパワーバランスを見直すつもりなのだろう」(同)と分析する。

日本企業も報復の巻き添えに?

中国へのトランプ氏の強硬な姿勢が続けば、経済にも影響が及びかねない。同氏はかねて中国製品に高関税をかけると公言しており、実行に移せば中国側も米国製品に高い関税をかけるといった報復措置に出ることが考えられる。ロイター通信は専門家の話として、中国政府が報復対象となり得る米企業のリストを作成していると報じている。

米国勢調査局によると、2015年の米中間の貿易額は約6000億ドル(約70兆円)に達する。米中関係が緊張した20年前の1995年と比べると10倍超に膨らんでいる。両国の経済関係の悪化が世界の経済に及ぼす影響は過去とは比べものにならないほど大きい。

中国に駐在する日系商社の幹部は「中国が米国に対し報復措置を取れば、日本企業も巻き込まれかねない。今後の中国ビジネスがどうなるかは予断を許さない」と話す。米国企業以外にも規制の網がかかり、日本企業の事業も落ち込みかねないとの見立てだ。

中国に対する厳しい言動から透けるのは、新たな国際秩序を築こうというトランプ氏の意志だ。大統領就任後に取る対中政策は2017年の世界経済の最大の波乱要因になる可能性がある。

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欧州では2016年、各国で既存の政治に「ノー」を突きつける動きが広がった。移民、難民、経済格差など、国民の鬱積した不満が爆発。6月に英国は欧州連合(EU)からの離脱を決め、12月にイタリアでは憲法改正を否決。マッテオ・レンツィ首相(当時)が退陣した。さらに、国民の不満を巧みに拾い上げ、「打倒既存政治」を掲げる極右政党が躍進しており、トランプ氏の大統領選勝利後、勢いを増している。

「東欧からの移民には労働許可証制度を導入すべきだ」。今年11月、オランダ地元メディアの掲載した記事が、EU加盟国に波紋を広げている。発言の主は、同国のローデワイク・アッシャー副首相。社会・雇用相も兼務するアッシャー氏は、これまで移民に寛容な姿勢を示す人物として知られてきた。ところが、最近になって移民の扱いに対する考え方を転換。早急な移民管理の必要性を訴え始めた。

現実には、EU加盟国の国民に労働ビザの取得を義務付けることは難しい。EUの基本理念の一つである「人の移動の自由」に反するからだ。それでもアッシャー副首相が移民制限を主張し始めたのは、来年3月に予定されている総選挙を意識しているためだ。

同選挙で躍進が予想されているのが、「反移民」を掲げる極右政党の自由党だ。党首のヘルト・ウィルダース氏は移民に対する過激な発言で知られ、12月にはモロッコ移民への差別発言で有罪判決を受けた。

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欧州では極右政党が躍進。ウィルダース氏(左)とルペン氏が注目される(写真=左:ロイター/アフロ、右:AP/アフロ)

「オランダのトランプ」躍進

にもかかわらず、移民流入に不満を抱くオランダ国民からの支持は高い。11月に実施された世論調査では、自由党の支持率は与党の自由民主党を抑えてトップに立った。トランプ氏とも親交があると言われるウィルダース党首はトランプ氏と似た主張を繰り返し、「オランダのトランプ」の異名を持つ。

アムステルダムは国際都市として、多国籍企業が欧州拠点を構えてきた。英国のEU離脱後、ロンドンに代わる都市としても注目を集めている。だが、仮に右翼勢力が台頭すれば、これまで築き上げてきた国際都市のステータスが崩れる恐れもある。

オランダ同様に極右政党の躍進に戦々恐々としているのが、2017年4月に大統領選を予定しているフランスだ。現職のフランソワ・オランド氏に代わり1月に選出される与党候補、既に出馬を表明した最大野党の共和党のフランソワ・フィヨン元首相、そして極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首の争いになると見られている。

なかでも「反EU」「反移民」を掲げるルペン氏のFNは、着実に支持を高めており、2015年の地方選でも注目を集めた。ルペン氏は、大統領に就任した場合、「EU離脱を問う国民投票を実施する」と明言している。

秋に予定されるドイツ連邦議会選挙も懸念が広がる。2016年12月にキリスト教民主同盟(CDU)党首に再任したアンゲラ・メルケル首相は、EUの枠組みを維持する最後のとりでと目されている。しかし難民受け入れを続ける政策へのドイツ国民の不満はくすぶり、反難民を掲げる極右政党・ドイツのための選択肢(AfD)は勢いを増している。

欧州版TPPへの影響も必至

米国との経済関係も不安要因だ。トランプ氏がTPP(環太平洋経済連携協定)から撤退を宣言すると表明したことなどから、欧州版のTPPとも言える、環大西洋貿易投資協定(TTIP)を巡る交渉も、不透明感が増している。

特にドイツにとって米国とメキシコの関係悪化は自国の製造業を考えると頭の痛い問題だ。これまでVWグループや独BMWはメキシコに生産拠点を開設、NAFTA(北米自由貿易協定)を活用して米国への輸出を増やしてきた。米国とメキシコの関係が悪化すれば、戦術を見直す可能性が出てくる。

東欧の安全保障も懸念事項だ。トランプ氏がロシアとの関係改善を進めれば、ロシアの東欧での影響力が増しかねない。シリアでは政府軍とロシア軍がアレッポを制圧するなど中東地域の力関係も変わる可能性がある。

トランプ氏は欧州が進めてきた温暖化対策の国際的な枠組みにも懐疑的な見方を示している。英国との離脱交渉開始、主要国での選挙に加え、トランプ氏にどう対峙するか。EUの苦悩は深まりつつある。

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トランプ次期大統領の存在は日本の外交や経済にも影響を及ぼしつつある。

12月15、16の両日に行われた日ロ首脳会談。安倍晋三首相はウラジーミル・プーチン大統領と北方領土問題を含む日ロ間の平和条約締結に向け北方四島での共同経済活動に関する協議の開始で合意し、記者会見などで「平和条約への重要な一歩だ」と強調した。

経済協力をテコに日ロの信頼関係を深め、領土問題の解決につなげようというのが安倍首相の基本戦略。会談に合わせ日本側が提案した8項目の対ロ経済協力プランに基づき、約80件の経済協力に関する合意文書を交わした。だが北方領土の主権を巡る溝は埋まらず、領土問題の解決に直接つながる合意は得られなかった。共同経済活動の枠組みに関する協議も難航は必至だ。

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安倍晋三首相とプーチン大統領の会談にも影響を与えたとみられる(写真=読売新聞/アフロ)

今年5月や9月の安倍首相との会談で領土問題の解決に前向きな姿勢をにじませていたプーチン氏だったが、その後、態度を一変させた。領土問題で弱腰を見せればプーチン氏の政権基盤が揺らぎかねないといったロシアの国内事情に加え、大きな要因と見られるのがトランプ氏の大統領選での勝利だ。

オバマ米大統領とプーチン氏の仲は険悪と言える状況だ。EUもロシアと対立を深めている。米から圧力を受けながらも安倍首相がプーチン氏との関係強化を進めたのは、欧米の包囲網に直面するロシアに接近することでプーチン氏との信頼関係を構築し、領土交渉の前進と東アジアの安全保障を脅かす中国をけん制する狙いからだった。

だが、トランプ氏は国務長官にプーチン氏と親交のあるティラーソンCEOを起用するなど、ロシアとの関係改善に取り組む姿勢を鮮明にしている。ロシア経済を揺さぶってきた原油安も減産合意で一服しており、「政治・経済両面で日本との関係打開を急ぐ必要性が急速に薄れたのだろう」と政府関係者は指摘する。

利上げ・保護主義に警戒感

中東で戦闘指揮経験があるジェームズ・マティス元中央軍司令官を国防長官に充てるなど、トランプ氏は外交面では中東を重視する姿勢も見せている。その一方で対アジア政策の方向性は不透明だ。10ページでも見たように、トランプ氏は中国に強硬姿勢をちらつかせており、今後、南シナ海などで緊張が高まる恐れがある。

安倍首相は1月にも行われるトランプ氏との首脳会談で日米の緊密な連携を確認したい考えだ。ただ外務省幹部は「韓国政治の混乱が続く中、対中、対北朝鮮外交の基軸である日米韓の連携に揺るぎがないことを早く示さないと、中国、北朝鮮に隙を与えることになりかねない」と懸念する。

トランプ氏の勝利後に一変した市場環境の先行きはどうか。トランプ氏は大規模減税やインフラ投資などに注力する意向を表明。財政拡張路線を先取りして世界のマネーが米国に回帰し、ドル高・円安、日米などでは株高、金利高が進んでいる。米経済の改善を踏まえて米連邦準備理事会(FRB)も1年ぶりの利上げに踏み切った。

トランプ政権が掲げる大型減税などがある程度実現すれば米経済の成長が加速し、米長期金利やドルの一層の上昇につながる可能性がある。円安が進めば日本の輸出企業の収益改善を後押しする一方、食料品や原材料価格の値上がりが消費を冷やす恐れも出てくる。

米経済が過熱するようだとFRBの利上げが加速し、新興国からの資金流出や通貨急落リスクが高まりかねない。米国内の雇用維持に主眼を置くトランプ氏がドル高を嫌い、FRBに政治介入する可能性もささやかれる。米議会との調整が壁となってトランプ氏の政策の実現性に疑問符がつけば、日本を含む世界の市場が揺さぶられかねない。

保護主義への傾斜も大きな懸念だ。TPP離脱やNAFTA再交渉の方針をどのように具体化していくのかは不透明だが、これらが実行されれば企業のグローバル展開の阻害要因になるだけでなく、安倍政権の成長戦略にとって大きな痛手となる。

トランプ氏が特定の貿易相手国や海外企業に批判の矛先を向けるリスクへの警戒感もじわり広がっている。政府はEUとのEPA(経済連携協定)など大型の経済連携交渉の加速を目指しているが、経済産業省幹部は「2017年は日本の経済連携戦略が正念場を迎える年になりそうだ」と漏らしている。

(上海支局 小平 和良、ロンドン支局 蛯谷 敏、編集委員 安藤 毅)

ZAKZAK記事

習近平国家主席率いる中国が、新たな軍事的挑発を仕掛けてきた。同国初の空母「遼寧」の艦隊が25日、沖縄県の宮古海峡を通過して西太平洋に進出したのだ。「対中強硬姿勢」を明確にするドナルド・トランプ次期米大統領を牽制するとともに、弱腰が指摘されるオバマ政権の間に「第1列島線」(九州-沖縄-台湾-フィリピン)を突破した既成事実を示したかったのか。経済・安全保障面で、断末魔の苦しみに直面しそうな中国が暴発する危険性とは。今後、トランプ氏が猛反発するのは確実だ。  夕刊フジは19日発行の「スクープ最前線」(ジャーナリストの加賀孝英氏執筆)で、《中国が暴走する危険がある》《南・東シナ海で決起行動に出かねない》《沖縄県・尖閣諸島も危ない》と警鐘を鳴らしたが、やはり中国は動いた。  防衛省統合幕僚監部は25日、中国初の空母「遼寧」が同日午前10時ごろ、宮古海峡を太平洋に向けて通過したと発表した。海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」と、那覇基地所属のP3C哨戒機が確認した。  遼寧が太平洋に進出したのを海自が確認したのは初めて。領海侵犯はなかったという。  遼寧は、ルーヤンIII級ミサイル駆逐艦、ジャンカイII級フリゲート艦など5隻とともに艦隊を組んでいた。海自は24日午後4時ごろに東シナ海中部の海域で初めて遼寧を発見しており、動向を追っていた。  防衛省はまた、25日午後にジャンカイII級フリゲート艦からZ9ヘリコプターが発艦し、宮古島領空の南東約10キロから30キロの空域を飛行したと発表した。航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)した。  伊藤俊幸・元海上自衛隊呉地方総監(元海将)は「中国側は『訓練の一環だ』と言うだろうが、これは訓練レベルが上がるのを意味しており、米国への挑発と言える。トランプ氏に『1つの中国』を否定されたことへの意趣返しとみられ、示威的に力を見せ、出方を見たいのだろう」とコメントした。

遼寧は、ウクライナから購入したスクラップ状態の空母「ワリヤーグ」を、遼寧省大連で改修したもので、2012年に就役した。全長305メートル、全幅73メートル、排水量6万7500トン。  米海軍横須賀基地を母港とする米原子力空母「ロナルド・レーガン」が、全長333メートル、全幅77メートル。排水量は約10万1400トンだけに、大きさは大差がないが、性能は大違いだ。  ロナルド・レーガンは原子力空母のため、長期間連続航海が可能で、航行速度も速い。遼寧には、航空機を甲板から空中へ飛ばすカタパルト(射出機)がなく、甲板前部を坂にしたスキージャンプ式の発艦しかできない。艦載戦闘機「殲(せん)15」(J15)も重いと飛び立てないため、ミサイルや爆弾などのフル装備は不可能とされる。  軍事研究家は「パイロットの訓練の精度からみても、複雑な空母の運用は困難」と見る向きが多い。だが、中国が米海軍の無人潜水機を強奪したのに続き、空母を西太平洋に進出させる「対米強硬姿勢」に出たことは見逃せない。  背景には、トランプ次期政権の「対中強硬姿勢」が考えられる。  トランプ氏は、安倍晋三首相といち早く会談し、ロシアのプーチン大統領にも好意的なメッセージを送ったが、習氏の中国には批判的だった。  選挙中から「中国は為替操作国だ」と断じ、米国の雇用を奪っていると繰り返し批判。「中国からの輸入品に45%の関税をかける」と主張した。  通商政策などをホワイトハウスに助言する「国家通商会議(NTC)」の新設を決め、委員長に「対中強硬姿勢」で知られ、中国の政策を強く批判する著書を執筆してきた、カリフォルニア大学アーバイン校のピーター・ナバロ教授を充てると発表したのだ。

安全保障面でも、国防長官にジェームズ・マティス元中央軍司令官(退役海兵隊大将)、大統領補佐官にマイケル・フリン元国家情報局長(退役陸軍中将)ら「対中強硬派」の指名を決めた。  さらに、トランプ氏は台湾の蔡英文総統との電話会談に踏み切り、FOXテレビのインタビューで、「なぜ、『一つの中国』政策に縛られる必要があるのか分からない」と発言した。中国が「核心的利益」と位置付ける台湾問題で、「一つの中国」政策を見直す考えを示したのだ。  完全に中国は追い込まれ、習氏は大恥をかかされた。  中国には「死不認錯」(=死んでも間違いを認めない)という言葉がある。自分に非があっても謝らないし、勝てない相手にも弱みを見せない。 冒頭の「スクープ最前線」でも指摘したが、事実上、「死に体」状態であるオバマ政権の間に、中国が軍事的暴発に踏み切る危険性があるのだ。  前出のナバロ氏の著書『米中もし戦わば』(文芸春秋)には、米中戦争の「引き金となるのはどこか?」という分析が各章に分けて行われている。「台湾」「北朝鮮」に続き、3番目に「尖閣諸島の危機」がある。「ベトナムの西沙諸島」「南シナ海の『九段線』」より前であり、「危険度が高い」とみているようだ。  今後、習氏はどう動き、トランプ氏はどう対抗するのか。  国際政治学者の藤井厳喜氏は「ナバロ氏が国家通商会議のトップに決まったことで、トランプ政権は『経済と安保の両面で中国を追い込む方針』だと明白になった。断末魔にある中国は、オバマ政権の間に、できる限り、既成事実を積み重ねるつもりだろう。海上民兵の尖閣上陸も十分あり得る。トランプ氏は就任前は『許し難い暴挙』などと言葉でけん制しながら、就任直後から一気に動くはずだ。伝家の宝刀は大統領令による『在米資産の凍結』だが、その前に特定個人や企業への制裁を科すのではないか。台湾との関係強化も進めるだろう」と語っている。

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『アメリカに冷たくされたタイに食い込んだ中国兵器 オバマの理想主義がもたらした中国の“成果”』(12/22 JBプレス 北村淳)について

本記事を読みますと、日米で中国と言うモンスターを造り上げてしまった感を強くします。日本の大東亜共栄圏を日本に替わり実現しようとしているのでしょう。日本の五族協和とは違い、人民からの収奪が目的でしょうけど。日本も戦後委縮し過ぎです。米国が日本を押さえつけてきたせいもありますが。一帯一路政策が成功してしまうでしょう。

オバマは無能と言うか、世界に害を為しただけという気がします。リベラルというのは共産主義を認めるのでしょう。リベラルは、語源はリベレイトで黒人奴隷解放から来ています。まあ、中共もチベット侵略も農奴からの解放と主張していますが。そもそも人民解放軍と言う名前からして英語名がPeople’s Liberation Armyと言うのですから、リベラルと共産主義は相性が良いのでしょう。でも、オバマのように軍を嫌うのは珍しいです。日本の左翼リベラルと同じで、敵に陣地を明け渡す作戦なのかも知れません。こういう人物がノーベル平和賞なのですから、ノウルエー人も人を見る眼がありません。

タイはブミポン国王が逝去され、新しいワチラロンコン国王が就任されました。不倫問題等で国民の人気はイマイチと言われていまして、中国が介入する余地は沢山ありそうです。ネパールのように王制を打倒し、ネパール共産党毛派が牛耳っているように。ネパールのルンビニはお釈迦様がお生まれになった土地で有名ですが、今の宗教はヒンズーでインドの影響が大きい所にも中国は手を突っ込んできている訳です。

日本も沖縄独立を中国国内で喧伝し、中国人に刷り込みをしていますし、沖縄の左翼2紙を反基地運動のアジビラにして煽動しています。騙される方が悪いとはいえ、中国の人権弾圧の政治について沖縄県民は危機感が足りません。翁長を県知事に担いでいるようでは危ないでしょう。日本の公安調査庁と米国議会報告で反基地闘争の裏には中国がいるというのを明言しました。マスメデイアは殆ど報道していません。

http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-a146.html

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47344

12/21日経でもこの内容はスルーされております。中国に不利になる記事は流さない「日中記者交換協定」を墨守しています。これで社会の木鐸を気取るのですから、どうしようもありません。情報はネットで取った方が正しい情報が取れ、正しい判断ができます。

12/21日経<「サイバー攻撃深刻化」 公安調査庁が回顧と展望 

公安調査庁は21日、国内外の治安情勢をまとめた2017年版の「内外情勢の回顧と展望」を公表した。「サイバー攻撃の脅威が多様かつ深刻化している」と分析。20年東京五輪に向けて警戒を一層強める必要があると強調した。

回顧と展望によると、リオデジャネイロ五輪・パラリンピックでは、公式サイトに約2千万件のサイバー攻撃が確認された。企業などから重要情報が盗み取られるケースに中国や北朝鮮、ロシアなどの関与が指摘されているとした。

一方、国内ではオウム真理教から改称した「アレフ」が今年5月、札幌市に最大規模の施設を新たに確保するなど「危険な体質を維持している」と記した。信者の数は昨年と同じ約1650人で、10月末時点の資産は約9億1千万円としている。〔共同〕>(以上)

記事

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タイ陸軍が米国製M41戦車の後継として発注した中国のVT4戦車(出所:Wikipedia)

中国の軍事的・外交的拡張戦略の進展は、南シナ海だけにとどまらない。南シナ海での人工島建設や基地群誕生のように大々的に取り上げられることはないが、タイとの軍事的関係の親密化も目を見張る勢いで推進されている。

露骨にタイに冷たく接したオバマ政権

2014年5月、タイで政治的混乱を鎮定することを大義とした陸軍が中心となってクーデターが敢行され、8月にはプラユット陸軍総司令官が国王から首相に任命され軍事政権が発足した。

それ以降、軍事政権を一律に忌み嫌うオバマ大統領は、タイに対して露骨に冷たい姿勢を示し始めた。

オバマ政権の方針により、それまでタイ軍部と親密な交流を続けてきていたアメリカ軍部も、合同演習などの規模を縮小したり、中止したりせざるを得なくなった。そのため、東南アジアや極東軍事戦略を担当していたアメリカ軍関係者などの間からは、「アメリカ軍とタイ軍の関係が疎遠になってしまうと、その隙に乗じて中国人民解放軍の影響力が強まりかねない」といった危惧の声が上がっていた。

その心配は的中した。オバマによるタイ軍事政権に対する“冷たいあしらい”が始まるやいなや、中国側からタイ軍事政権への軍事的・経済的なさまざまなアプローチが開始されたのである。

本コラムでも指摘したように、2015年夏には、中国によるタイ海軍への潜水艦売り込みに関する具体的情報が流れ始めた。国防予算の関係でこの年の取引は白紙となったが、中国側が“経済的パッケージ”を提供したことで、2016年の夏には3隻の中国製「元型S26T」潜水艦をタイ海軍が手にすることが決定した(本コラム2016年7月14日「潜水艦3隻購入で中国に取り込まれるタイ海軍」)。

潜水艦は国家機密の塊ともいえる軍艦である。そのような潜水艦をタイ海軍に売却し、潜水艦要員の教育訓練や合同演習などを行うことで、人民解放軍海軍とタイ海軍の結びつきは強固になっていく。そして中国側は、潜水艦売却に加えて、継続的に必要となるメンテナンスや修理などを通して経済的利益をも手に入れることになったのである。

今度は新鋭地対空ミサイル

オバマ政権がタイ軍事政権を敵視する政策をとることは、中国にとって好機に他ならない。中国はこの機に乗じて、軍事上の利益と経済的利益を手中に収めつつ、中国国防圏をタイにまで拡大していこうとしている。その戦略は潜水艦取引にとどまらない。

12月13日、タイ空軍は、中国の「中国精密机械进出口总公司」(CPMIEC:中国国営の防衛企業。主としてミサイルや防空システムに関連した兵器や技術の輸出の代理店)から輸入したKS-1C中距離地対空ミサイルシステムを公開した。

1980年代以降、タイ空軍は短距離(最大射程10キロメートル以下)地対空ミサイルをイギリス、スイス、スウェーデンなどから輸入していた。だが、その後、それらは中国製のQW-2短距離地対空ミサイルに置き換えられてきた。そして今回、最大射程距離70キロメートル、最大射程高度27キロメートルとこれまでの短距離地対空ミサイルに比べると極めて高性能のKS-1C中距離地対空ミサイルを、タイ空軍は手にすることになったのだ。

KS-1Cは人民解放軍(陸軍と空軍)が使用しているHQ-12対空ミサイルシステムの輸出向けバージョンである。そのため、中距離地対空ミサイルを初めて手にしたタイ軍に対して、中国人民解放軍が教育訓練を実施することになる。訓練を通して両軍の関係はますます親密になっていくものと思われる。

中国は、KS-1Cよりも射程距離が短いKS-1A中距離地対空ミサイルをミャンマーに輸出しているし、タイと同じKS-1Cを中央アジアの隣国であるトルクメンスタンにも持ち込んでいる。そして、タイに引き続いてパキスタンとマレーシアにもKS-1Cの売り込み攻勢をかけている。それらの売り込みが成功すれば、地対空ミサイル供与を突破口に、人民解放軍の影響力が中国周辺諸国に広がることになるのだ。

タイ国内に中国の装甲車両工場が誕生?

中国が経済的利益を手にしながら軍事的影響力を拡大していくために用いているのは、潜水艦や地対空ミサイルだけではなく戦車にも及んでいる。

タイ陸軍は、かつてアメリカから輸入したM41戦車(陸上自衛隊も1960年代にはM41戦車をアメリカから供与されていた)の後継として、28両の中国製VT4(MBT-3000)を発注した。初期の試験運用などの状況如何では、VT4を150両ほど追加注文するものとみられている。

VT4は中国北方工業公司(ノリンコ)が製造する輸出向け主力戦車であり、旧式の米国製軽戦車であるM41と違って、人民解放軍が使用している99式主力戦車を元にした近代的戦車である。このような新鋭戦車の輸出を通して、タイ陸軍と人民解放軍の交流がさら深まることは確実である。実際に、VT4の輸出にとどまらず、中国の装甲車両メーカー(すなわちノリンコの子会社)がタイに進出する話まで飛び出した。

先週、北京の中国国防省を訪問したタイのプラウィット国防大臣(副首相を兼任、退役陸軍大将)は、人民解放軍の最高幹部たちに対して、主力戦車をはじめとする装甲車両の整備工場や生産拠点をタイ国内に建設するよう誘致したという。中国側は即座にタイ側の誘致案を支持し、さっそくワーキンググループを発足させることで合意したという。

このほか北京では、プラウィット国防大臣と李克強首相との間で、タイ縦貫鉄道や高速道路を建設するための中国・タイ共同プロジェクトが合意されている。そのため、タイに中国の装甲車生産・整備工場が誕生する日もそう遠くはないと考えられる。そして、タイ陸軍が手にする100輛以上のVT4主力戦車は、タイ国内のノリンコ工場で生産されることになるかもしれない。

世界各国が最先端防衛技術を戦略的に活用

潜水艦にしろ、地対空ミサイルシステムにしろ、主力戦車にしろ、中国は、タイのように自ら兵器を製造できない国々に売り込むことにより、経済的利益を手にするだけではなく軍事的影響力をも着実に植え付けつつある。もちろんそのような武器供与は、単なる思いつきではなく綿密に練られた安全保障戦略に基づいている。まさに防衛産業を国防ツールとして有効に活用しているのだ。

このように、新鋭兵器の輸出を戦略ツールとしているのは中国だけではなく、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデン、イスラエル、ロシアをはじめ枚挙にいとまがない。最先端技術力を有し、各種兵器を生み出している国々の多くは、兵器の輸出を戦略ツールとして活用し、経済的利益を手に入れると共に、外交的立場を強化したり、国内産業の保護を図ったり、国内の最先端技術力の発展に役立てたりしている。

日本には、中国が戦略ツールとして輸出する元型S26T潜水艦、KS-1C中距離地対空ミサイル、VT4主力戦車と同等か、それ以上の性能を誇る潜水艦、地対空ミサイル、主力戦車を作り出す技術が存在する。ところが、いくら高性能兵器を生み出しても、自衛隊だけにしか供給できない仕組みが続いていては、国際競争から脱落することは自明の理である。日本政府は、せっかく国内に存在する技術力を戦略ツールとして活用していかなければならない。

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