『西洋の物差しで中国を測るから見誤る 京都府立大学文学部歴史学科・岡本隆司教授を迎えて(1)』(12/19日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『「自分が上に行きたい」中国人との付き合い方 京都府立大学文学部歴史学科・岡本隆司教授を迎えて(2)』(12/20日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『中国に「属国」と言われたら日本はどうすべきか 京都府立大学文学部歴史学科・岡本隆司教授を迎えて(3)』(12/21日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

12/23 facebook ‎城管视频‎ ― 記錄中國 投稿

维稳队伍辅警也在维权 估计只是贪得无厌 ?

民間警察隊はおとなしく権利を主張 狙いは貪り尽すことだけ?

https://www.facebook.com/Jtarptihecas.4.0/videos/1197872233704870/

12/22中国禁聞網<扶老人遭巨额索赔 男子走投无路自杀证清白=老人を助けたら巨額賠償の目に遭う 男性は川に身投げして潔白を証明>老人が転んだのを見たバイクの主が病院まで運んだところ、病院から3000元を請求されて払った。「善意でしたことが仇になった。今回のことは教訓としよう。以後老人は助けない」と述べた。数日後、老人の息子二人から20万元払えとの要求が。交通警察からも電話があり、彼を調べると。彼は農民工で年収は1万元程。自分の身の証をするため、川に投身自殺した。

https://www.bannedbook.org/bnews/cbnews/20181222/1051308.html

12/23阿波羅新聞網<加外长:加拿大遵守与美国签订的引渡条约=Chrystia Freelandカナダ外相:カナダは米国と結んだ引渡条約を守る>12/21(金)外相は「法治国家は自由社会の基礎であり、カナダは国際法を尊重する。その中には米国との引渡条約も含まれる。孟晩舟事案は公平、公正で透明な法手続きによって進められ、政治化はしない。中国は拘束している元カナダ人外交官に弁護士との接見もさせず、夜は消灯させずにいる。早く解放すべき」と要求した。

https://www.aboluowang.com/2018/1223/1221799.html

12/22希望之声<中共抓捕200多名加拿大人 加拿大将驱逐2000多名中国人=中共は200人以上のカナダ人を逮捕 カナダは2000人以上の在カナダ中国人を追放するだろう>華為副会長兼CFOの孟晩舟がカナダで逮捕されてから、10日内に中共は3名のカナダ人、元外交官マイケル・コヴリグ氏、実業家のマイケル・スペイヴァー氏とサラ・マクルバー氏とを拉致した。中共の報復活動は加中関係を依然として緊張させている。カナダ外務省広報官のリチャード・ウオーカーは「およそ200名のカナダ人が中共に拘留されている。カナダは今後2000名以上の中国人不法移民を追放するだろう」と表明した。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/22/n2502778.html

日本もカナダ同様、中国人・朝鮮半島人の不法移民を追放すべきです。入管法改悪・孔子学院放置等、今の政権は国防上の危機感が全然感じられません。この国民あってこの政権なのでしょうけど。

12/23日経<ナバロ米大統領補佐官 米中協議「合意は険しい」 中国産業政策の全面転換迫る

【ワシントン=菅野幹雄】トランプ米政権のピーター・ナバロ大統領補佐官(通商担当)は日本経済新聞の取材に対し、中国との貿易や構造改革を巡る協議で設けた90日の期限内の合意は「険しい」と述べ、安易な妥協をしない決意を強調した。国家主導でハイテクを育成する中国の産業政策には「構造的な変化が不可欠だ」と、全面的な転換を迫る姿勢を示した。(関連記事総合2面に)

ナバロ氏

20日、ホワイトハウス内でインタビューに応じた。ナバロ氏は大統領に助言する立場から通商分野を中心に政策決定への影響力があり、政権きっての対中強硬派。米中協議の設置で合意した1日のアルゼンチンでの米中首脳会談にも同席した。

米国は中国製品に対する制裁関税の引き上げを2019年3月1日まで猶予した。米中が中国の改革策で合意できなければ米国は2千億ドル(約22兆円)分の関税を10%から25%に上げる。

ナバロ氏は協議の状況について「ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と(中国副首相の)劉鶴氏による水面下の交渉を忍耐強く見てほしい」と指摘。その上で米中合意が「いかに険しいかを政権の大勢が認識している」と明言した。

理由として「中国は約束を破ってきた長い歴史がある」と語った。01年に加盟した世界貿易機関(WTO)のルールや、15年に中国が表明した南シナ海の軍事化や知的財産の侵害を否定する約束が破られた点を挙げた。

ナバロ氏は技術移転の強要や知財侵害、サイバー攻撃やスパイ活動、補助金による産業保護など中国の53項目の不公正慣行を挙げ「ほぼ全てがWTO違反だ」と明言した。

米中協議の成功には「これら全てについて、中途半端でない明確で検証可能な対応が必要だ」と述べた。「中国経済の構造的な転換と(知財侵害を許容する)文化の転換が不可欠だ」とも表明、全面的な改革を求めた。

習近平(シー・ジンピン)国家主席のもとで中国が策定した「中国製造2025」は「将来に産業を独占するための戦略だ」と酷評した。中国は最近、この呼称を使わなくなったが「中国が目標をあきらめたと考える人は皆無だ」と、強い不信感をにじませた。中国が抜本的転換を確約しない限り協議で妥協すべきでないという、政権の強硬派の姿勢を映している。>(以上)

孟晩舟のカナダから米国への引き渡し、ナバロの発言から見て来年の3月1日には予定通り、中国から米国に入って来る製品・サービス全部に高関税が賦課されると予想しています。ナバロ以外の対中強硬派も今まで中国は如何に約束を破り、恬として恥じない厚顔無恥な民族か思い知っています。今更中国が約束しても守らないと心底思っています。朱鎔基がWTO加盟時に約束したことはハナから守る気がなかったのですから。何時も言っていますように中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というものです。

山田氏の記事では、日本人は自分と同じと思わずに外国人を見るべきだと言うのに賛成しますが、別に日本は孤立している訳でもないし、日本と中国の捉え方が小生と両氏では違うのかと感じました。感想を列挙します。

①空海が『三教指帰』を著し、仏教・儒教・道教を比較した上で、仏教が一番優れていると述べています。小生もそうだと思います。現実的な中国人に、哲学を求めてもという事です。ゼロを発見したインド人でなければ思惟できなかったのでは。

②明治維新後、日本は高い金を払って、外国人を雇い技術を教わり、またパテント料も相手企業にキチンと払ってやってきました。盗み取る中国とはやり方が違うという視点が欠落しています。

③共産党の非人間性には触れていません。歴史家であれば、大躍進や文革の悲惨さにも触れるべきでは。今のウイグル人の強制収用も漢人と同じと思っているようでは捉え方が間違っています。中国的価値観だからと言って許されるべき話しではないでしょう。

④中国・韓国人が日本を舐めるようになったのは、日本が何をされても主張して来なかったからです。鷹揚に構えていたわけでなく、日本のエリート層が保身に走った為です。それでも、80年代の中国・韓国とは友好的にやって来たと思われるので、日本は変わらず、相手が変わった(舐めるようになった)のでは。日本が援助して両国経済を大きくしたせいもあります。岡本・山田氏の認識は違うのでは。

⑤沖縄について「属国」という表現が西洋と中国では意味するところが違うとありましたが、それを分かったうえでも、西洋流の定義で行くべき。中国は都合が悪くなれば発言を引っ繰り返すし、利用できるものは何でも利用しようとしますから。岡本氏は石井望先生の言説も調べた方が良いのでは。

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日本は嫌でも中国と付き合っていかなくてはならない。その割には、あまりに中国のことを日本人は知らないのでは、と常日頃思っている。中国のことを知らないから中国の一挙一動に踊らされる。世界各国の方がそんな日本を見れば、滑稽と感じられるかもしれない。

中国は巨大といっても、その本質が昔と変わっているわけではない。今回から3回にわたって中国の歴史学者として著名な岡本隆司・京都府立大学文学部歴史学科教授をお招きして、歴史的な背景を学んだうえでの、地に足が着いた中国との付き合い方について考察してみたい。

岡本 隆司(おかもと・たかし)氏
京都府立大学文学部教授。1965年京都市生まれ。神戸大学大学院文学研究科修士課程修了、京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(文学)。専門は近代アジア史。多言語の史料を駆使した精緻な考証で、現代の問題にもつながる新たな歴史像を解き明かす。
著書に『近代日本の中国観』(講談社選書メチエ)や『歴史で読む中国の不可解』(日経プレミアシリーズ)など。

山田:私は、30年近く中華圏で生活をしています。この間、「世界の工場」と呼ばれるようになった中国に日本の企業や人が大挙して出かけていってものづくりをしたり、近年は中国から観光客が日本に押し寄せて買い物をしまくり、その様子が「爆買い」という流行語になるほどの現象になったりと、日本人が中国の人やもの、情報に触れる機会は飛躍的に増えました。ところが、日本人の中国に対する理解や認識というのは旧態依然というか、あまり変わらないんだなというのを最近感じています。つまり、ちょっと中国が騒ぐと政府を含めて右往左往する、一喜一憂するのはそろそろやめようよ、ということなのですが。

そういった観点から、岡本先生のご著書を読むと、気付かされることがあります。つまり、中国の歴史を学ぶと、中国の行動様式は実はそれほど変わっていないのだな、ということ。そういった観点から、いつも勉強させられています。

岡本:ありがとうございます。中国は、好きでも嫌いでも関わらざるを得ない部分があります。若い人たちでも、あるいはビジネスであっても、関わらないといけない。私は文学部というところで中国の歴史に関わっているわけですが、なかなか興味を持ってもらえないというところがあります。

今、中国政府の少しの挙動に対して、日本は一喜一憂したり、すごい過剰反応をしたりして、本当に目先の現象にとらわれてしまっている。中国の根底を知る、あるいは広く知ることができてないからではないでしょうか。

私自身は、本当に歴史しかやってこなかったのですが、最近はいろいろお声掛けいただいて、時事的なことにも意見を言わせていただいています。そうすると、根本的には昔と変わってないな、と考えることが多くなりました。日本人にも長い目で見てもらって、どう変わっているのか、あるいはどう変わっていないのかと考えるような視座を持ってもらうと、もう少し腰が据わるんじゃないかなと思います。

日本の物差しでは中国は測れない

山田:岡本先生は、今年の7月に発行された『近代日本の中国観』(講談社選書メチエ)で、石橋湛山(※1)や内藤湖南(※2)などかつての日本のジャーナリストや学者たちの中国研究や中国に対する見方について紹介されています。その一人に、当時「支那通(中国通を意味する戦前・戦中の表現)」として知られた橘樸(※3)を取り上げておられます。私、東洋大学の中国哲学文学科で学んでいたのですが、実はその時の恩師である中下正治氏(故人)が1966年代に刊行された『橘樸著作集』(勁草書房)に編集委員として携わっていたのです。この著作集が1990年代に再版された際、私は香港にいたのですが、恩師が「弟子が香港にいるから、印税の一部で送ってやってくれ」と出版社にかけあってくれ、献本してもらった、ということがありました。岡本先生が参考文献でこの著作集を取り上げておられたこともあり、先生の著作をより興味深く読ませていただくようになりました。

(※1)石橋 湛山(いしばし・たんざん、1884〜1973)──戦前期に東洋経済新報社の記者、編集長、社長を務めたジャーナリスト。政治家に転身し首相に就任したものの2カ月で辞任。その後は、日本国際貿易促進協会総裁を務めるなど、中国との関係打開に尽力した。
(※2)内藤 湖南(ないとう・こなん、1866〜1934)──戦前を代表する東洋史学者。本名は虎次郎。師範学校卒業後、新聞記者となり中国問題を中心に取材。その後に京都帝国大学の教授となり京都学派を育てた。
(※3)橘 樸(たちばな・しらき、1881〜1945)──中国研究家でジャーナリスト。早稲田大学中退後に新聞、雑誌などの編集に携わる。おおよそ40年を中国で過ごし、中国の合作社運動にも関与した。

岡本先生は、『近代日本の中国観』の「むすび──日本人のまなざし」の章で、中国の政治社会を西洋や日本と同一視し、西洋を物差し(基準)として対比するのが問題であると指摘されています。少し長くなりますが、重要なところなので引用すると、

それが日本人の中国観にもたらしたのは、中国の政治・社会を西洋・日本と同一視したうえで、西洋を基準として対比する認識法である。それは、中国人「よりも中国のことをよく知っている」橘樸も、中国「のことは全く分からなかった」吉野作造(※4)も、「我国民の認識不足」を歎いた石橋湛山も、程度の差こそあれ、選ぶところはなかった。

(※4)吉野 作造(よしの・さくぞう、1878〜1933)──明治から昭和にかけての政治学者。大正デモクラシーの中心人物で、日本を民主主義・自由主義へとリードした。

なるほどと思いました。そして、翻って、いまだってまったくもって同じじゃないかと。

岡本:その通りです。

山田 泰司氏

山田:要は西洋、日本の物差しで中国のことを測るから、例えば日中首脳会談で習近平国家主席が尊大な態度を取ると、何だあれは、と感じるようになる。

岡本:そうなんです。でも、ある程度は仕方がないかなとも思うんです。

我々は普通、何かを書くときに、左から右に書きますよね。だけど昔の日本人はそうじゃなかったはずで、右から縦に書いていたはずです。要するにものの書き方だけでも西洋化されてしまっている。何か物を知るにしても、本当に西洋に囲まれて暮らしていて、西洋が西洋であることすら認識できてないという環境がそこにはある。

教育課程とかいうのも、西洋から入ってきた物です。中国をたまたま題材として学ぼうとしても、全部西洋の学問体系でやっているわけです。日本語でしゃべっていて、日本語で聞いて、分かってよかったね、とやっている。結局、西洋というベースでしか知識がゲットできなかったりとか、物が見られなかったりというのは、我々はしょうがない部分があるんです。

ただ、西洋じゃない国を見るときに、それは日本でも中国でもどこでもいいのですが、そのときにどれだけ我々が、そこが西洋じゃないんだとか、自分たちは西洋の目でしか見られないんだと自覚しているのか。それを自覚するだけでも、だいぶ違うはずなんです。

橘樸をはじめ、この書籍で紹介している人たちは、私なんかよりもよっぽど中国のことを知っている人です。そういう人たちでさえ、やっぱりいろいろなことを間違ったり、見誤ったりする。あるいは行動としておかしなことをする。人ごとではない話です。

中国の中身はそんなに変わっていない

山田:知識だけがあっても駄目だということですね。

そこでちょっとお伺いしたかったのが、最近先生はメディアに引っ張りだこで、ビジネス誌などでも執筆されている。一番の近著である『歴史で読む中国の不可解』(日経プレミアシリーズ)では前書きで、そのような先生の近況に関して、こうお書きになっている。「そのため本業の学会・研究から、余技・雑文とみなされ、あからさまに白眼視を受けることもあった」と(笑)。

まあそうだろうなとは思う一方で、いまだにそうなのかとも思います。だから、中国を見誤る問題というのは、学術界の方にもその原因があるのではないかと思うのです。歴史を研究する際にも、必ず現代にリンクして考えるとか、そんなようなことを意識する必要があるように思います。

岡本:日本の中国研究は、現代を研究する人と、それから昔のことを研究する人とが、もう全然乖離している。どんな地域研究でも、多かれ少なかれそういうことはあると思うんですが、中国研究はものすごくそれが顕著だと思います。

例えば、中国の古典は中国語ができなくても読めちゃう。漢文が分かれば。ですから、日本語だけでやれる。一方で、現代を研究している人は中国語はできるけれども、漢文が読めない。これが典型的な事例です。さすがに最近はもうそういうことがないですけれども、それこそ我々が大学に入ったころだと、「歴史を学びに来たのだから、別に現代のことはどうでもいいわ」みたいな雰囲気はありましたし、私自身そう思っていました。

ただ、これだけ中国との間で行き来があって、我々のような歴史屋も資料を探しに向こうの方に行ったりとかになると、現在の状況が無縁だとはいかなくなってはきている。かといって、現状分析とかに歴史の視点から口を出すとか、あるいは現状の人たちが歴史に対して近寄ってくれるかというと、そこの行き来は非常に少ないなと。

現状の中国研究に関しては、人がどんどん増えて来ています。一方で、歴史の方はすそ野がどんどん狭まってきて、誰もいなくなってきつつある状態です。大学の中国史研究室というと、ほとんど中国人の留学生で占められます。

山田:そうなんですか。

岡本:これは山田さんとも意気投合する部分だと思うのですが、ある程度以上の時間軸を取って見ると、中国は目まぐるしく変わっているようで、実は中身はゆっくりとしか動いてない。そうすると我々からすれば、現状の研究はどんどんやっていただいていいですが、もう少し歴史的な、昔のことを知っていただくと、いろいろ幅が広がるのではと思います。

逆に自分たちの業界で言えば、もう少し現状の人たちと積極的に交流をして、説得したりとか、あるいは間違いを正してもらったりとか、そんなことがあってもいいと思います。シンポジウムや研究会にはいくつも出ているんですけれど、やはり意識とかの点でなかなか共有できていない部分の方が多いんじゃないかなと思います。

私は、幸か不幸かいろいろなご縁があって、ビジネス誌にも書かせてもらったりしています。ただ、歴史の業界の中だけにいらっしゃる方々からすると、「お前何してんねん」みたいな感じはやっぱりありますね。

日本人は中国に興味を無くしている

山田:そうですか。でも歴史に興味を持つ日本人の学生が減っているというのは、ちょっと深刻な問題ですね。

岡本:そうですね。非常に卑近な例で言いますと、私は歴史学科に所属していますが、ここには歴史を勉強をしたい人が来て、1年に40人ぐらい採るんですね。そこで日本史と外国史の比率がだいたい3対1です。外国史を学びたい10人ぐらいの7割が西洋史です。

そうなるのも仕方がないとは思うんです。世界史の教科書を見ても、東洋と西洋の比率がその通りなので。毎年ゼロにはならないので、その辺はいいのかなとか思うんですが。

山田:私は、とにかく日本人は『水滸伝』と『三国志』が大好きな人というのが一定数必ずいるので、いまでもそういう人がたくさん集まってくるんだろうと思っていました。中国史については鉄板というか、心配ないだろうと思っていたんですけれども。

岡本:そうではなくなってきていますね。昔はおっしゃるように『三国志』に興味を持ったら歴史に来て、『水滸伝』に興味を持ったら文学に行くみたいな感じだったと思うんですけど、我々の世代までは。

山田:今の話を伺うと、日本人が中国人に親近感を持たないというのは、歴史についても興味を持つ人が減っているということも関係しているんでしょうかね。

岡本:ニワトリと卵じゃないですけど、そっちの方も大きいかなとも思います。中国の印象が悪くなる、嫌いになるから興味が持てない、興味が持てないので、歴史にも興味を持たない。どんどん知らなくなってくる。負のスパイラル的なところがあって、それこそ日中の関係が悪くなったときが、決定的なタイミングだったのかなという気がします。

一方で、2000年前後に日中関係が悪くなる前までは、中国に対して好意を持っているというような部分も結構あったように思います。日本人って、「あまりよく知らないからこそ憧れる」みたいなところがありますから。ただ、よく見えてくると幻滅する。ちょうど尖閣諸島の件などですごくぶつかり合いがあって。

山田:そうですね。

岡本:何はともあれ、昔だったら「嫌いだ」とか、とにもかくにも意思表示はした。ところが最近は、本当に「興味がない」という感じです。

山田:ただ、隣にいるんだから「興味がない」ではすまないですよね。

岡本:そうなんですよね。非常に厄介な人たちですけれども、だからといって引っ越せないですから。

中国は上下関係で物を見る

山田:でもちょっと極端な言い方をすると、コケにされっぱなしですよね。日本の場合はね。中国にも韓国にも翻弄されているというか。向こうが1枚も2枚も上手です。

岡本:わりと日本がこういうことしかできないというのを、向こうは見切ってやっているという部分もあるのだと思います。確かに日本のほうは、選択肢が少ないんですけれども。ただ山田さんがおっしゃっていたみたいに、日本は本当に一喜一憂というか右往左往という感じですね。

韓国とかを見ていると、朴槿恵政権と文在寅政権って何が違うの、みたいに感じます。国内的に右派と左派が違うだけで、基本的には日本に対してや、あるいは外に対する姿勢なんていうのは、まったく変わってない。それは中国でも、同じだという気がしています。

山田:本当にそうですね。我々は延々と見誤り続けているわけですけれども、そこで今日は、中国を見る上で、ここだけは押さえておいた方がいいんじゃないか、ということを伺いたいなと思うんです。やっぱり孔子の儒教でしょうか。

岡本:そうですね。儒教はすごく常識的な教えで、それを基盤にして中国は独自の思想、物の考え方、フレームワークをつくってきたのでは、といった感じでとらえています。ほかに表現のしようがないので、儒教的な枠組みという言い方をしているのですが、何か教義というよりは、思考法・発想法というべきでしょうか。人でも集団でも国でも、上下関係で物を見ている。

人間世界の現実としては当然で、人が違えば腕力も違うし、知能も違います。立場が違えば、上司部下の関係になりますし、歳が違えば、先輩後輩の関係になります。とにかく対等、平等はあり得ないというところから出発をして、じゃあ、その関係はどう円滑にするのかとか、破綻を来さないようにするのかということを、もともと考えたのが儒教の出発点なんだろうと思っています。

そういう物の考え方というのが、ずっと続いている。例えば、社会全体の枠の付け方とか、集団の秩序のつくり方とかいうようなものまで。そこまで規制しているというのがおそらく中国だということが、ここのところずっと勉強してきて考えているところです。

リアルな人間世界では、そういう上下関係しかないのですが、一方で平等を理想とすべきだというのが西洋的な考え方だと思うんです。平等を前面に出すか、あるいはリアルなところから出発するのかという違いが、多分東西の違いなのかなというふうに理解している感じです。

一つにはまとまれない中国

岡本:そういう上下関係で見るというのが一つ。もう一つは中国はすごく多様であるということ。我々すぐ中国は、とか言いますけど。

山田:本当は黒龍江省はとか、広東省はと言いたいですよね。

岡本:それも我々の西洋的な認識基準では、やっぱりネーションということを基盤に物を考えちゃう。中国という国があったら、ひとくくりで考えがちなんですが、そもそも当の中国人がそういう考え方をしている人たちというのが、どれだけいるのか。あいつは上海人だからとかって、よく言いますから。

ただ、知識人はやっぱり、一つにまとまりたいというのを刷り込まれている部分があると思います。「一つの中国」ですね。過度な干渉はしてくれるなということは、コンセンサスとしてあると思います。

山田:なるほど。香港がまだ返還される前のことですけれども、広東省が香港ドルを採用しようというようなことを考えていたという話がありました。すると広東省に北京から人がどんどん乗り込んできて、トップがどんどん替わったりして。要は香港と一体化しちゃって、力を持ちたいな、みたいな人がいたのです。現代でも、虎視眈々と狙っている人がいるんだなというのが、とても面白かった。

岡本:逆に言うと、それが中央の政府、要人にとっては、ものすごく怖い。だから統制を強めたり、言論を封殺したりする。ですから香港で起こっている独立派の弾圧といったことは、中国は昔から多元的なところがあったので、ああならざるを得ない。それこそ「一つの中国」というのは、すごくインパクトのある言葉ですけど、一つじゃないから、「一つの中国」というんだと。

山田:そこの部分は善し悪しじゃないんですよね。一つでまとまっていこうとするんだったら。昨日もちょっとある人とウイグルの問題について話しました。最近、どんどんウイグルの人たちと連絡が取れなくなっている。収容所があって、そこに入れられているというんですね。人権的にはもちろん許せることではないんですが、じゃあ、中国は漢民族に対して優しいのかといったら、そうではない。

岡本:そうではないですね。そんなの漢民族に言わせたら少数民族を、すごく優遇しているわけですよ。

山田:最近はテクノロジーが発達して、顔認証でコンサート会場で指名手配の犯人が何人も見つかっちゃったりする。上海とか北京だとか、漢民族の町中でもそう。チベットやウイグルとかは弾圧が目立つんだけれども、じゃあ、中央政府が漢民族に優しいかというと、決してそうじゃない。やっていることは同じ。

(明日公開予定の第2回に続く)

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中国の歴史学者として著名な岡本隆司・京都府立大学文学部歴史学科教授をお招きして、中国との付き合い方について考察する第2回。前回に引き続き、中国を見誤らないためには、どんなことを理解しなくてはならないのかなど議論した。

(前回の記事「西洋の物差しで中国を測るから見誤る」から読む)

岡本:中国ですごく難しいのは、なかなか本音のところを話してくれないこと。何を考えているのかとか、どうしたいのかとか、捕捉するのがとても難しい。めったなことを言えないというのがあるのでしょうけど。

山田:だから昔から、中国は隠語が発達したのでしょうか。

岡本:我々が読んでいる古典でも、ほとんどの人が読んでいる古典中の古典というのがあって、そこで使われている言葉を張り付けて文章をつくるんですよ。つまりすべて比喩だとか、隠喩だとか。要するに自分のストレートな文章、自分のいいたいことを自分の言葉でいうのは下の下だと。

山田:下の下ですか。一方で、中国人の知人に、例えば、「食べても食べても太らないんだ」なんて言うと、「腹に虫でもいるんじゃないか?調べてもらえ」なんて思った通りのことを真顔で言ったりしますけどね(笑)。

岡本:私的な会話・口語はそれでいいんですが、公的な文章・書面はガラッとかわります。多面的で複雑ですから、ばか正直で、ストレートで、しかもみんな平等な日本人からすると、本当に対極の人たちなんですよね。

とにかく平等は嫌い

山田:本当に忘れちゃいけないのが、平等が嫌いというところですよね。

岡本:韓国人はもっとですけど、とにかく人をランク付けしたい。逆に言うと自分は上にいきたい。

山田:私は農民工の人たちと20年ぐらい付き合ってきたのですが、「出生時点でこんなに格差があって、とんでもない社会だ」ということに対して私は怒るわけですよ。そして、農民工である彼ら自身に、その不平等に憤りを感じないのか? と尋ねるのですが、「それは仕方ないよね」というんですよね。彼らの考え方を理解できない、不思議に思うということこそが、日本的価値観で物を見ているということなんだなと。彼らは本当に平等が嫌いなんだと。

岡本:多分農民工の人たちの中にもすごい格差があって、それでとにかく下がいればそれでいいとか。あの中でも搾取、非搾取関係がある。

山田:ああ、なるほど。

岡本:我々の研究の中でも、乞食ギルドみたいなのがとりあげられることもあるんですよ。とにかく物乞いをしている連中でも親玉みたいなのがいて、下っ端から搾取しているとか。

山田:研究とおっしゃいましたけど、それはいつごろのことでしょう。

岡本:清代とかで、そういう記録が出てくるのですが、もっと前からあってもいいとは思うんです。そういう貧しい人たちでも、その中ですごく争っていて、階層ができている。その間でも、何とか上に上ろうという人たちもいる。ですから、上下関係でもすごく多様で重層的ですし、もちろん平面的にも、いろいろなところがある。

山田:なるほど。私が最初に中国に行ったのは語学留学をした1988年なんですけれど、すぐ思ったのが、やたらに友達、友達と言うよなと。それは建前なんですかね。

岡本:逆にいうと信頼できる人をつくりたいという願望がある。本当に信用できる人たちにはすごいですよね。本当に親密になったら。

山田:僕も本当にどうしてここまで親身にしてくれるんだろうというのがありました。

多様すぎる中国で信用できたもの

岡本:それはおそらく、利益と一体化するのでしょう。地縁、血縁で中国人というのは凝集しますけれど、逆に言うと、それぐらいしか信頼できる人がいない。社会の信頼・信用を醸成する装置がそれしかない。

山田:そこをちょっと詳しく教えていただきたいです。

岡本:中国の貨幣制度はよく分からない最たるものですが、昔の中国は時と所によって、全然使われている貨幣が違っていた。もうちょっとさかのぼると、銀の地金を使っていた地域もあった。結局、中国で統一的に流通する通貨というのができなかった。

それは大きなエリアで、このお金だったら、この紙幣だったら、と信用できる信用度ですか、それを保証するような装置がない。例えば銀行だったりとかが通貨制度をつくって、兌換をしてとかするんですけれど、中国の政府はそういうことを一切しない、というか、できない。社会が多様すぎて。あるいは相対的な権力というパワーがなさすぎて。

そうすると経済活動って、見知った人たちの間で、これはこういう価値で通じるようにやりましょうかとなる。今でしたら、商品券とか。

そうしたら、みんな顔見知りですし、そこで協力しますし、協力したらみんなで利益が分かち合える。そういった商店街がいろいろあったら、商店街ごとで商品券って違うじゃないですか。例えば日本の円と、アメリカのドルという感じで、コミュニティーそれぞれで違う。そうすると、そのコミュニティー同士が取引したい、交流したいとなるとどうなるか。共通で価値が分かるものが必要。

となると貴金属。金とか銀とかでしか、取引ができないという形で、中国の昔の経済社会って成り立っていた。昔はお金がいろいろあったというのが民国時期にはいくつも記録が残っています。「雑種幣制」なんていいます。それが嫌なので、中国で1つにまとめたいといって、蒋介石が頑張ったのが幣制改革だったりとか、毛沢東の人民元だったりとかするんです。

要するにそのコミュニティーの中では通じるので、しかもそれを破ったら制裁を加える規約とかいうのも、自分たちでつくっているんですよ。それは国家の法律とかでは全然なくて、ギルドの内部で残っている。

山田:今の中国には、ギルドはどういう形で残っていますかね。

岡本:いや、どうなんでしょうね。でも、ないはずはないだろうと。

山田:中国研究には一時ギルドが盛んに出てきて、ギルドしか出てこないといっても過言ではなかった。ところが、その後ぱたっと出てこなくなるんです。ギルドというのはどうなったのかなというのは常々思っているんです。1949年以降の中国ってそれまであったものが、本当にぱたっとなくなったものがやっぱりあって。それが80年代、90年代になって、またちょっと出てきたので、そのうちギルドも、ひょっとすると復活するかも。

岡本:おそらく実態的なものはすでにあるんじゃないかなという気はしますけどね。逆に言うと、手前みそで恐れ入るんですが、そういうことを明らかにするとなると、歴史研究がしっかりしてないといけない。連続性でもってとか、あるいはどう連続、非連続なのかというのが歴史研究なしでは分からないと思うので、我々の責任も大きい。

日本は今や孤立気味

山田:あともう1つお書きになっていて素晴らしい視点だと感じたのが、「中国人が沖縄のことを語るときに『属国』だったという言葉を使うと、史実に誤りがないのに、日本人には中国人の暴論に聞こえてしまう、どうやらそこに問題の本質がある」という指摘です。

岡本:そうですね。要するに認識基準が違うんです。

山田:一般の日本人から見ると、感情的になっているのは相手側、つまり中国の方のように見えるんだけれど、実は逆で、中国と付き合っているときに感情的になってしまうのは日本の方じゃないかと、とても思うんです。確かに上から目線でやられたりとか、私も日々、中国で暮らしていて腹の立つことばかりなんです。じゃあ、そこのところで冷静に、本当に感情に走らずに見なきゃいけないというときに、やっぱり中国の歴史とか、物の考え方を知るのはとても重要になっている。

岡本:そうなんですよ。やっぱり引き出しを多く持っていた方がいいですよね。中国に関する知識とか、あるいはこの人たちだったらこういうふうに考えるだろうとか。共感と言うと、少し語弊があるかもしれませんけれど、彼らが普通に持っている知識だとか、常識とかを、こちらがわきまえる必要がありますので。

山田:僕が思うのは、中国人というのは、いけしゃあしゃあと臆面もなく取りあえず言ってみる。言ってみてだめだったら、じゃあまあ、いいか、みたいな。日本人には、物を言われた通りに受け取らないでくださいと、とても言いたい。

岡本:おそらく中国はすごい競争社会ですから、日本人みたいにあうんの呼吸で分かってくれるとか、何か相手は自分のことを思いやってくれるだろうというような、甘い世界じゃない。それこそ多様で、本当に隣の人でも全然、他人のようなところで彼らは日々暮らしていますから、とにかくやってみてだめだったらもう一遍というふうなこと。そこもやっぱり我々とは認識基準が違うので、それが分かるかどうかですよね。

我々はどうあがいても日本人なので、まねはできないです。ただあの人たちが何でそうするのかとか、はいろいろ考える必要がありますし、知っておく必要があります。私、京都にいますので、どこに行っても中国人ばかりなんですよ。観光地とか。それで私の周りにも、「何であの人たちあんなうるさいの?」などと言う人たちがいるんですけれど、あれがあの人たちにとっての普通なんだから。

山田:最近は日本基準がどうも怪しいですね。日本基準は決してグローバルスタンダードじゃない。どちらかというと中国の方がアメリカ人と分かり合えるところがある。日本人は、ぜひそこは認識した方がいいと思います。

岡本:日本は言葉にしても、物の考え方にしても昔からそうですけれど、世界の孤児なんですよ。そこを誤解している方が多い気がします。俺たちは西洋化していて、西洋のことをよく知っていて、だから西洋人と仲がいい。日本はアジアにあるから中国人と顔も似ているし、同じ漢字を使っているし、中国とも分かり合える。みたいなことを言っていますけれど、よくよく考えてみたらどっちでもないので、そういう意味では日本の置かれている位置というのはそもそも危ない。

山田:ちょっと孤立気味だというのは分かっていますかね。

岡本:どうだろう。せめて政府の要人とかはちゃんと認識した上で誤らないように動いてほしいと思うんです。そこがすごく難しいですし、あとマスコミもなかなか大変かなという気はしますので。

やってみたら面白かった中国研究

山田:ところで、先生はそもそもなぜ中国の歴史を学ぼうとされたのでしょう。

岡本:昔から歴史が好きだったのです。そもそも歴史が好きだというだけで、普通からすると若干おかしい人なんですけれど、歴史が勉強できたらどこでもよかったみたいなところがあったんです。中国なんて初めから思ってなかった。

山田:そうなんですか。

岡本:日本の戦国時代とか、あるいはドイツの騎士道とかああいう勢いのあるところに憧れるところはありました。先ほどお話ししていたように、『三国志』は好きでしたから、中国も考えなくはなかったんですけれど、どちらかというと二の次、三の次でした。

ただ、語学が全然できなかったことが1つあって、漢字だし楽かな、って勘違いしまして、中国語を学んだ。歴史をやって、中国語もやって、しょうがないから中国史かな、みたいな。それだけのことだったんですね、初めは。

ただ、中国の歴史はやってみるといろいろ面白い。最初はアヘン戦争を勉強していました。するとイギリスと中国とで、言っていることが違うんです。資料とかを見ていると、当たり前ですけどイギリスは英語で書いてあって、中国は中国語で書いてあって、訳すんです。どう考えても合わないんですよね。同じ事実を述べているとか、あるいは同じ事柄を言っているのに合わない。

自分が理解できていないんじゃないかなと初めはすごい思い悩みました。ある時に悟ったんです。「そうか、この人たち、もともとの考え方が違うんだ」と。だから、「こっちの人はこう言うけどあっちの人はああ言って、そこでもめているんだな」とか。または「ここをこう違うように解釈することで、トラブルを避けているんだな」とか。いろいろなことがそれで解けるようになってきて、少し楽になって、面白くなってきました。

山田:厄介だけれどやってみると面白いということですよね。

岡本:それと我々のころから、中国への留学もそれなりに行けるようになってきた。私は落ちこぼれだったので留学生試験に落ちたのですが、それでも向こうには何回も訪れた。そうすると学者の待遇が全然違う。向こうの方が圧倒的に社会的に地位が上ですよね。知識人がすごく偉いんです。

知識人に対する待遇もそうですが、知識とか学術に対する社会的な位置付けも、中国では違うということは理解しておくべきかもしれません。日本で文部科学省が一番下っ端じゃないですか。

山田:局長級官僚が逮捕されるなど注目されましたけど、今年は。

岡本:扱いが低いからあんなやつらが出てくるんですよ、逆に言えば。

山田:ご苦労されるんじゃないですか、今、文科省があんなだと。

自前の中国、輸入の日本

岡本:いや、もうそれはずっとですよ。大学全体がすごい大変です。ノーベル賞をもらわれた方が、必ず基礎研究費をもっと増やしてほしいと言うように。それでも国が動かない。それが理系の話です。理系は我々とは一けたも二けたも違う金を動かしてやっているわけですけれど、それでもです。

山田:そこに1つ答えがあります。要は文化系も基礎研究をおろそかにしてきたということですよね。

岡本:そうなんですよ。教育とか養成とかいうの、すごく時間とお金が掛かるものなので、その辺の認識をやっぱり改めてもらわないと。結局企業任せというか。

山田:企業に任せると、やっぱり利益に結び付くことしか、やらなくなる。

岡本:そうなんですよ。

山田:そう考えると、中国は今でもむだなことたくさんやりますよね。共産党の理論を考えるのだって、むだなことといえばむだなこと。要はスローガンを先に考えて、理屈は後付けみたいなことを中国は本当にやる。例えば、江沢民の時代に「3つの代表」というスローガンを作った。考えたのはいいけれど、それについて、誰も分からない。

だけどそこから理屈を付けていこうとしたときに、それを考えるインテリジェンスがごまんといるというところが、中国の底力の1つじゃないかと僕は思うんですよ。むだなことも含めて、きちんと研究もしているし、勉強もしている。それが中国の底力だと僕は思っていて、面白いところだとも思っている。それに対して、日本はそこのところがなかったうえに、さらに研究費を削ろうとしている。今後の中国との関係を見る上でも、少し不安なところですね。

岡本:日本人は、そういう意味ではすごく安上がりにいろいろなことをやってきたと思うんです。明治維新にしても、全部輸入ですし、思想というのは外から来るものだと日本人は思っている節があります。中国の場合は自前で考えますよね。自分たちの足場を見直して、ほかの国はどうしているのかということも含めて、いろいろ考えるべき時期に日本は来ていると思うんですよね。

(明日公開予定の第3回に続く)

12/21記事

中国の歴史学者として著名な岡本隆司・京都府立大学文学部歴史学科教授をお招きして、中国との付き合い方について考察する第3回。今回は、中国を理解するための歴史の重大性などについてご教示いただいた。

(前々回の記事「西洋の物差しで中国を測るから見誤る」から読む、
前回の記事「『自分が上に行きたい』中国人との付き合い方」から読む)

山田:こと中国を見るために、こういうことを勉強したらいいよとか、基本的にこういうものを押さえておいた方がいいよ、みたいなことはありますか。先生の著書を読むのはもちろんなんですけど。

岡本:中国といっても、世界のうちの1つですので、やはりほかの世界のものと比べられるような構えを付けておくことはとても重要だろうなと思います。それは歴史で言えば、日本史でも西洋史でもいいんですけど、やっぱり両方を見ることをぜひやってほしいです。

西洋の近代史でもいいですし、中世史でもいいです。勉強をすると中国史の展開とどう違うかというのがよく分かります。歴史の研究は、やはり1つのことに没入することで非常に精密な研究ができるので、決して否定はしません。ただ細かいトリビアが分かったから、じゃあどうなの、という話にどうしてもなります。

大きな文脈で、どのように位置づけられるのかを常に考えるためには、大きな範囲で見ないといけない。じゃないと、中国がどういう位置付けにあるかとか、日本がどういう位置付けにあるかというのが分からない。日本だけで日本を語るというのは、日本を知ったことにはならないと思います。

山田:そうですね。日本に来た外国人に、何で日本に来たの、日本の何を見に来たの、といったことを聞くテレビ番組が人気だったりしますけれども。

岡本:外国の教育体系だとか、社会状況があって、そういうことを分かった上で、日本に来た外国人に聞いているんだったらそれでいいと思うんですよ。単に日本に来た外国人に、何で日本に来たんですかと聞いただけでは意味ないですよね。

山田:それだと、自信をなくしているから単に褒めてほしいだけになりますね。

岡本:昔は自信があったんでしょうね。ですから、韓国とか中国に対して日本人はすごく鷹揚でしたから。ただ、間違った自信の持ち方をしていたのが最近分かってきて、今度は嫌韓、嫌中となる。日本人はちょっと短絡的だなというのは分かりますね。

山田:短絡的。本当ですね。

岡本:向こうの人たちはたぶん変わってないんですよ。日本に対する見方も、自分たちのスタンスの取り方も。

世界に自分の立場を置けるような思考を

山田:確かにこの数年の爆買いブームなどで、日本に来る人が増えていて、実際に中国人を自分の目で見て、印象が変わったとかは確実にある。それは間違いないんですけれども、根本的な見方が変わったかというと、それはない。

岡本:ただ印象が変わっただけでというぐらいなレベルですよ。そういうところを我々がどうわきまえるかというのが実はとても重要で、やっぱり日本人自身の、たぶん考え方の持ち方とか、そういうのがむしろポイントなんだろうなと。

山田:そうですね。好きとか嫌いとか、そういうところから離れて一歩引いたところで、まず相手を見ようよ、相手を知ろうよ。そこからはじめようと。

岡本:私がこうやって本を書いているのも、ちょっとでも関心を持ってくださる方にはきちんと情報を供給しないといけないかなと思っているからです。

山田:日本人は歴史好きな人が多いですよね。

岡本:そうですね。ただ、歴史好きでも単に普通の小説好きでも構わないのですが、例えば自分たちと違う世界に自分の立場を置けるような思考を養ってほしいですね。そういうことが考えられて初めてグローバル化に対応できる人間だろうという気がします。どんどん日本人は内向きになっているような気がするので、そこは大丈夫かな? と思うんです。

山田:中国のことでいうと、若い人の中ではネット中心なんですけど、今年、「深圳すごい」というのがありましたよね。かいつまんで説明すると、それまで中国に縁のなかった20代の日本人の書き手が、イベント取材か何かで初めて深圳を訪れて圧倒され、「林立する超高層ビルの間を電子マネーが飛び交う近未来的な街で、若者が夢を抱きながら生き生きと働いている。それに比べて俺たち日本の若者は死んだような街で死んだように働いている。こんな国にしたオヤジどもよ、一体どうしてくれるんだ」と書いた。そうしたら、あまりにも単純で中国の一面しか見ていないと、どちらかといえば叩く意見が多かった。

ただ、とっかかりはそれで十分だと思う。日本の報道だけ見ていて「中国怖い」で止まってしまうだけよりは、そうやって関心を持って、感情を動かしてくれる方がはるかにいい。さっきも言いましたが、好むと好まざるとにかかわらず、隣人で、ものすごい影響を受けるのですから。

今、日本に留学に来る中国の若者も増えていると思うのですが、どのぐらいのレベルの家庭の人が多いですか。

岡本:大きい大学ですと、留学生の交換制度とかもあったりしますが、我々の規模の大学ですと単発的な感じです。ただ、人数はそれでも増えていますね。やはり裕福な学生しか来られないですよね。

山田:中国に戻ると、日本の専門家になるというよりは、ビジネスの世界で日中の架け橋になる感じでしょうか。

岡本:どうなんですかね。例えば、私のところに来て、日本に住み着いて、日本人と結婚。それで中国にかかわる仕事をしているという人はいます。馬力がありますよね、そういう人は。

山田:逆に日本人で中国に留学する学生はいますか。

岡本:専門でやろうという人の留学は、最近やはり増えてきました。制度がやっと整ってきたというのがあると思います。

「中華人民共和国」は全部日本語

山田:先ほど(対談の第2回参照)沖縄の話を伺いました。中国人が史実として間違えてないのに、日本人には暴論に聞こえてしまう。ここの部分をもう少し掘り下げて教えていただきたいのですが。

岡本:私は、翻訳概念という形で自分の研究をやっているんです。例えば西洋と東アジアが交錯してきたときに、日本は非常に鋭敏に反応して、すぐ近代化を進めようとした。ただ、西洋のいろいろな言葉をどう表現したらいいかに苦労した。その時に基本的には漢字でそれを言い表すようなことをやったわけです。

それが例えば、中国とか東アジアで流布しているような言葉を、西洋の翻訳語だとしたときに、意味の重なり合いというか、にじみ合いというのが出てくるというプロセスが、明治時代にはあった。一番分かりやすい例では、「国家」という言葉がありますが、日本人は「ネーション」とか「ステート」の意味で使うわけですが、同じ時代に中国では国家といったら、それはただの王朝の意味でしかない。

内閣もそうですよね。我々は普通に安倍内閣など、「キャビネット」の意味で使うんですけど、もともとは「内」は宮内庁の「内」、宮中の意味で、「閣」というのは学問所の意味なんです。いわば天皇の家庭教師と、そういう意味なんですよね。要するに天皇のご相談役みたいな家庭教師。そういう歴史を日本人は知っているから、内閣というのをキャビネットの翻訳語にしたんだろうと思います。それが今度、中国に逆輸入されて、袁世凱が内閣総理大臣になった。

沖縄の文脈にもどりますと、中国は伝統的に沖縄は中国の属国だという。もともと属国と言ったら上下関係の下を意味していて、「小さい国だから大きな中国に対して頭を下げて儀礼します」というだけの関係。だから、属国といっても間違えてないんですけど、ただ西洋のカテゴリーの翻訳概念で属国と言ったら、それは「琉球の主権が奪われるんじゃないか」という発想になってしまう。そんな滲み合いが近代史・日中対立のプロセスですね。歴史的事実で「属国」だと言っても、それだけにはとどまらない概念になってくる。

中国の人も、日本人がそうやって作った翻訳概念というのを大量に中国語に受け入れた。先ほどの「国家」、中国語で発音すれば「グゥオジア」という言葉もそうです。それこそ「社会主義」という言葉も日本人が作った言葉。「社会」という言葉は中国にはなかったんですから。

山田:そうですか。

岡本:「中華人民共和国」というのは全部日本語です。中華と言ったら、昔は文明の中心という意味でチャイナではなかった。チャイナでなくても中華はあったんですね。それがチャイナの意味になったのは、日本人が中国のことを支那と言っていたら、中国人が支那は嫌だから中国と言うんだと言い張って、初めてチャイナが中国になったんです。それが「中華」です。「共和」という言葉が「republic」の意味になったのは日本人がそうしたんです。これはいつも笑い話で言うネタです。

山田:中国文学者の高島俊男さんは、支那は本当に悪い言葉だろうか? とおっしゃっていましたね。

岡本:中国がまだ中国という国名ではなかったころ、自分たちの国は王朝名で呼ぶしかない。でも王朝に仕えるのは嫌だという人がいて、自分たちのことをどのように呼ぼうかと考えた。自分たちは国民になりたい。そういう人たちが支那と呼びはじめた。俺たちは支那人と名乗ろうと決めたのです。例えば、中国の革命家が日本で出した雑誌には『二十世紀之支那』というのがあったぐらいです。

だけどよく考えてみると、それは日本人が「俺たちジャパン人」と言っているのと同じ。すごくおかしいので、自分たちの国名を考えないといけないと言いだした。じゃあ、昔から言っている中国にするかと。威張っている国名みたいだけど、まあ、威張るのはみんな一緒だから許してくれ、みたいな形で。

山田:アラン・ブースという作家がいて、太宰治の『津軽』を読んで、作品をたどる旅をしたのですが、そのときに、太宰の実家で、当時は記念館と旅館になっていた「斜陽館」に行ったんですよね。そこでブースが言っているのは、いくらその作家の代表作だとは言え、斜陽なんて縁起の悪い言葉を、もうけなきゃいけない旅館に付ける中国人は誰一人としていないだろう。いかにも日本人らしいと。

中国では町のちっぽけなアパートでさえ「何々国際」「世界ビル」というような威勢の良い名前を付ける。

岡本:我々は中国から文字をもらって、それで自分たちの思考を表してきた。我々が作った言葉が、今度は中国に影響を与える。でもお互いに社会組織とか物の見方・考え方とかが全然違うから、同じ字を使っていても、当然のことながら表現するものとか、表現するベクトルとかが違うはず。そういうことを踏まえて、コミュニケーションを取らないといけないはずです。

山田:まさに魯迅の世代では、西洋のものに関して日本語に訳されたものを中国人が勉強したというのがたくさんありますよね。医学にしても科学にしても。

岡本:それでしか中国人は西洋にアクセスできなかったという歴史があるんですね。もちろん直訳みたいなことを彼らもしてみたんだけど、できない。古典の規制が強すぎて。例えば「進化論」という言葉がありますが、進化という言葉は日本語からきている。最初に中国語で自然淘汰みたいな言葉で訳してみたけど、何か古典語みたいで全然、その意味がイメージできない。

いろいろな言葉がそんな状態。それが古典を踏まえない日本の漢字の並びで中国に入っていったら西洋のものを考えられるようになった。そんな歴史がある。こういったことは、中国人も知らないけど、そういうこともあったんだと、中国人に教えてあげれば、話題になると思うし、お互いに近くなれる。

漢字はすごく面倒くさいですけれども、漢語圏はそれだけに共通の歴史があります。我々は研究レベルの部分が多いんですけど、そうも言っていられないような時期にもきているような気もします。

「正統」について中国はどう考えているか

山田:昨今の言論や世情を見ていると、「学者なんだから、世事のことなんか知らないよ」とばかりは言っていられないという危機感を持ち、何か発言しなければと思われたということですね。ただ、学問を専門にやられている方は、本当に正しいかどうかをはっきりさせるまでは、外に出せないというところが難しいですよね。

岡本:それはやはり学問の厳しさで、学問的な約束としてはそうでないといけない。ただ、もう間違いないだろうとなれば、どんどんアウトプットしていかないと。世の中のスピードも速いですし。

翻訳概念に関してはずっと研究してきました。一昨年ぐらいにやっとまとめて発表したのですが、沖縄の問題や尖閣の問題とか、竹島の問題などが目前に出てくると、ちょっと待っていられないですよね。そういった問題は歴史から考えてくださいと、我々が言わないと誰も言いませんから。

山田:でもそれは、すごく勇気が必要だったと思います。

それと『歴史で読む中国の不可解』(日経プレミアシリーズ)では、「正統」について中国がどのような考え方をするのかについてのくだりも、非常に納得がいきました。「今の共産党政権が『正統』なら、ほかの政治勢力はすべて従順たるべし、さもなくばそれは、『偽』の政権であり、否定すべきものだというわけである。このあたり『三国志』の昔から、ほとんど変わっていない」と。

岡本:特に中国語圏である香港、台湾がまずそうですね。

山田:これだけでも頭に入れておいて、新聞を読んだり、ニュースを見たりすると、だいぶ違うと思いますね。

岡本:我々は歴史を扱っているので、その辺は当たり前なんです。正統派の「正統」ですが、まったく違う意味合いで、普通の日本人にはなじみが薄くて、とても難しい概念ですね。それは中国の資料や歴史書を読んでいたら普通に出てくる話なので、我々の業界では、ことさら強調しないんです。

ただ、ほかの政治学の人たち、例えばアメリカ研究をやっている人たちと話すと、彼らにとってはちっとも常識じゃない。同じアカデミズムの中でもそうです。しかし、ビジネス界など中国を相手にしないといけない人たちがいっぱいいる中で、これら東洋史のことを、学者の中だけでとどめておいていいわけがないんですよね。

そこの垣根はちょっと低くした方がいいはず。でも何か歴史の「正統」論とか言うと、すごく難しくなっちゃって、そのへんの塩梅をうまくするのはやっぱり難しい。

今のことを考えるのに歴史にも目を向けて

山田:いや、先生の著書は勉強になります。本当に知識が付く。どんどん還元してください。

岡本:人間の知識欲とか、関心とかいうのは、それほど衰えてないと思うんです。特に年配の方々は。ですので、もちろん学術をきっちりと養成していく側面はとても大事です。ですが同時に、そういう学術を支えるためにも、やっぱり間口・すそ野は広くしていきたい。

山田:本当に今は、経済の理論とか企業の理論で何でも動き過ぎだと思います。

岡本:私とかがしゃべりに行って、どこまで関心を持っていただけるかは分からないのですが、ただ少し歴史にも目を向けながら、今のことを考えていただきたいというのが、声を大にして言いたいところです。

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『半島がまた、きな臭くなってきた 崩壊した米朝シンガポール合意』(12/21日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『IMF危機を思い出す韓国人 21年前とだんだん似てきた……』(12/15日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/21希望之声<中共国企老总在台北酒店自杀 留下9页遗书=中共の国営企業の社長は台北のホテルで自殺 9頁の遺書を残す>香港に上市している中共の国営企業・中遠海能の取締役社長の賈利賓(39歳)は21日早朝に台北のホテルから飛び降り自殺した。9頁の遺書を残したが、それから推測すると、彼は生前鬱病にかかっていたと思われる。

本当に鬱病で自殺したかどうかは分かりませんが。

賈利賓が自殺した台北のホテル

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/21/n2499487.html

12/21希望之声<圣诞节将至 中共再升级对中国基督教徒的迫害=クリスマスはもうすぐ 中共は中国のキリスト教徒の迫害のレベルを上げる>クリスマスが来るが、中国大陸以外の多くの国のキリスト教徒はクリスマスを喜びの中で迎えるが、中共は中国のキリスト教徒に一層の弾圧を加えている。

クリスマス前に成都警察は百名を超すキリスト教徒(秋雨キリスト教会所属)を逮捕

フランシスコ法王はこれを見てどう考えるのだろうか?

https://www.soundofhope.org/gb/2018/12/21/n2497669.html

上記URLで“Not Found”と表示されましたら、「希望之声」で検索してみて下さい。中共のハッカー部隊が邪魔しているのかもしれません。

12/22阿波羅新聞網<帮川普筑墙!川粉GoFundMe募款 4天筹到1100万美元=トランプの米墨国境の壁建設に役立つように! トランプフアンは募金を集める 4日で1100万$を集める>米国の空軍の退役軍人が16日から壁建設費用を集める募金を始めた。目標は10億$、こんなにも短い期間の内に1100万$も集まるとは思わなかった。総合メデイアは「2016年大統領選でトランプは壁建設を約束し、50億$の予算を掲げ、今議会の批准を待っているがデッドロックに陥っている」と。戦争に3度出征し、米国軍の名誉負傷章であるパープルハート章を貰った退役老兵のBrian Kolfageが16日募金活動を始めた。彼は「多くの米国人は不法移民によって殺害され、且つ不法移民は米国にとって何ら社会貢献もしていない。それで壁を完成させるのは必須である」と述べた。また彼はトランプに投票した6300万人がもし80$ずつ出し合えば合計50億$になるとも呼びかけた。集まった募金は全額トランプ政府に渡すとも。もしこれが実現すれば、GoFundMe募金の歴史の中で最高額となる。21日午前8時時点で18万人が募金し、1100万$以上が集まった。これに抵抗する人もいて、19日にGoFundMe募金で「梯子をかけてトランプの壁を乗り越える」募金を募り、難民救済と移民の教育・法律サービスに充てる考えである。

https://www.aboluowang.com/2018/1222/1221369.html

12/22阿波羅新聞網<孟晚舟案延烧 美国国务院发最新声明=孟晩舟の事件は延焼している>米国国務省広報官(Robert Palladino)は12/21(金)に「華為経営陣の孟晩舟の逮捕は法治国家のカナダで合法的に逮捕された。中共は2名のカナダ国民をすぐに釈放すべきである」と発言した。

https://www.aboluowang.com/2018/1222/1221492.html

12/20韓国海軍の駆逐艦からのP-1哨戒機へのレーダー照射で韓国側は「遭難した漁船を捜索していた」と説明していますが、それなら普通上空にレーダーを当てずに水平にレーダーを当てるのでは。本当に「息を吐くように嘘を言う」民族です。まあ、日本が憲法上の制約があることを知ってやったのでしょうけど。米中露にはやるはずもないのに。すぐ撃沈でしょう。でも反日教育で洗脳(嘘の歴史と嘘の憲法で凝り固まった)された連中ですから不測の事態が起きる可能性もあります。如何に日本の憲法が腐っているか。左翼の「平和主義」と言うのが如何に欺瞞であるかです。憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」というのが破綻しているのが分かるでしょう。憲法改正も前文を直さなければダメです。基本法としておかしい。

明年2/28マテイスの辞任が北朝鮮との関係にどう影響するかです。シリアやアフガンから撤兵し、中国と朝鮮半島に向き合って貰った方が日本にとって良いと思います。日高義樹氏によれば「米北間で戦争しない密約」があるとのこと。まあ、中北への経済制裁で両国の体力が低下して行くのを待つ方が戦争するより遙かにマシですが。ただ、覚悟は持っていませんと、舐められます。

12/21記事

2017年12月に実施された米韓の合同空軍演習「Vigilant Ace」訓練中、京畿道平沢市在韓米空軍烏山基地の上空を飛行する米国の電子戦機EA-18G(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

米朝合意が崩れた。朝鮮半島に再び緊張感が走る。

核を捨てない北朝鮮

鈴置:2018年6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が開かれ、両国の関係改善が謳われました。北朝鮮が核を放棄する代わりに、米国は北朝鮮の体制存続を認めることでも合意しました。

しかしこの取引は、雲散霧消しました。北朝鮮は核を放棄するつもりなどなく、それを米国も認識したからです。

米朝首脳会談後、北朝鮮から漏れてくる情報は共通していました。北の当局が「米国を騙すことができた。核を放棄するフリをしてカネを得ることができる」と国民に説明しているというのです。

北朝鮮は過去何度も世界を騙すのに成功してきましたから、国民はそれを信じ「経済制裁が解除され、生活が楽になる」と期待を高めました。ところが米国は制裁を緩めない。

そこで金正恩(キム・ジョンウン)政権は経済制裁は簡単に解けないと国民に説明し「自力更生」を訴える作戦に転じました。国民の失望が自らへの怒りに転化するのを恐れたのです。

9月から「自力更生」運動

自由北韓放送(本部・ソウル)の金聖玟(キム・ソンミン)代表は「2018年9月10日から北当局は国民の学習会を通じ『自力更生』『自給自足』を強調し始めた」と言います。

金聖玟代表は北朝鮮を脱出した後、韓国で北朝鮮の民主化を目指す、北向け放送の自由北韓放送を主宰しています。内部に多くの情報源を持ち、早くて正確な北朝鮮情報に定評があります。

2018年12月14日、日本の「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」などが参議院議員会館で開いた国際セミナーで語りました。韓国語ですが、日本語に逐次通訳されました。動画はここで視聴できます。

朝鮮労働党出版社が学習会配布用に作成した「学習提綱・自力更生、自給自足のスローガンを高く掲げ前進することについて」という題目の資料も、9月に日本の専門家に伝えられています。

状況証拠からも、転換点が2018年9月だったことは明らかです。米朝首脳会談以降、北朝鮮とその代弁者である韓国は米国に対し、終戦宣言を出すよう要求していました。それが9月の国連総会の頃から要求を制裁緩和に切り替えました。

終戦宣言は在韓米軍撤収、さらには米韓同盟廃棄を要求するための伏線です。米国の軍事的な圧迫を取り除くために北朝鮮が仕掛けた大技です。

ただ制裁が続いたままだと、この大技が決まる前に人民の反乱が起きかねない。「シンガポールの首脳会談で米国を騙すのに成功した」と国民に誇り、期待感を持たせたのが裏目に出たのです。

北の核武装に協力する南

—そこで「使い走り」の韓国も制裁緩和を唱えた。

鈴置:その通りです。10月中旬に欧州を訪れた文在寅(ムン・ジェイン)大統領は仏、英、独などの首脳と会談しては強引な理屈をこねて対北制裁をやめさせようとしました。青瓦台(大統領府)は「ローマ法王訪朝」というフェークニュースまで流しました(「北朝鮮と心中する韓国」参照)。

もちろん欧州各国は制裁緩和要求を拒否しました。文在寅大統領は「北朝鮮の核武装に協力する奇妙な指導者」として認識されるようになりました。

文在寅大統領は9月の訪米でも北朝鮮の代弁を繰り返したため、米メディアから「金正恩の首席報道官」と揶揄されていました(「『北朝鮮の使い走り』と米国で見切られた文在寅」参照)。それを上塗りしたのです。

12月4日にオークランドで開かれたNZ・韓国首脳会談後の会見で冒頭、アーダーン(Jacinda Ardern)首相は以下のように語りました。

・北朝鮮がCVID(Complete, Verifiable, Irreversible Denuclearization=完全で検証可能、不可逆的な非核化)を実行するよう希望する。
・太平洋の安全と朝鮮半島に最善を尽くすために、国連制裁を順守する。

制裁緩和を求める文在寅大統領を封じ込めた格好でした。朝鮮日報も「NZ総理、文大統領の前で『北はCVIDに応じよ…制裁を続けてこそ』」(12月5日、韓国語版)の見出しで報じました。

本来、韓国が説いて回らねばならぬCVIDを、外国の首脳から説教されるに至ったのです。韓国は北朝鮮の核武装を幇助し、南北共同の核を目指していると世界の専門家から見なされるに至りました。

最後は物理的手段

—南北朝鮮はなぜ、「米国を騙せた」と勘違いしたのですか。

鈴置:これまで5度も世界を騙すのに成功したからです。それにトランプ大統領が「金正恩委員長とはいい関係にある」などとツイッターなどで持ち上げたのを見誤ったのです。

誰が聞いても褒め殺しです。「いい関係にある」とは「俺の言うことを聞かなければ悪い関係になる――殴り殺すぞ」ということなのですから。

ただ、朝鮮人――コリアンは「親しくなればどれだけ甘えてもいい」と考えます。米国の大統領が「いい関係」と言ってくれたのだから非核化しなくても制裁を緩めてくれる、と思い込んだのでしょう。

米国もその誤解を解こうとしたフシがあります。12月14日の東京でのセミナーで、金聖玟代表が明かしました。

米国の国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めるポッテンジャー(Matthew Pottinger)氏が7月、金聖玟代表に以下のように語ったそうです。

トランプ(Donald Trump)大統領は北朝鮮の意図を知らずに軍事演習中止措置をとったのではない。北朝鮮の終戦宣言と平和協定要求がワナであることも分かっている。北は平和協定締結を通じ核保有国の地位を合法化し、米韓同盟を分裂させ、ひいては北朝鮮主導の統一を夢見ている。

同時に北朝鮮による挑発が起きた時、米軍の韓国支援が法的に制限できること、在韓米軍撤収まで念頭に置いていることも(トランプ大統領は)理解している。

金正恩が優れた交渉者であるなら、非核化で意味のある何かを見せなければならない。金正恩も国際関係の最後の手段には物理的手段があると言うことを分かっているはずだ。

  • 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止、核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言
▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与
→・2002年10月4日 ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言
→・2003年1月10日 NPTからの脱退を再度宣言
▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認
→・2006年10月9日 北朝鮮、1回目の核実験実施
▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始
・2008年6月26日 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定
・2008年6月27日 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破
→・2009年4月14日 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言
→・2009年5月25日 北朝鮮、2回目の核実験
▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助
→・2012年4月13日 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射
→・2013年2月12日 北朝鮮、3回目の核実験

減っていく外貨

—「勘違いするなよ」と南北朝鮮にクギを刺した……。

鈴置:それも、「最後には物理的手段がある」とドスを利かせています。この話は直ちに平壌に伝わったと思われます。なにせ対北放送の責任者に語ったのですから。

北朝鮮の10月の学習会でも「自力更生」「自給自足」が強調されたそうです。もっとも金聖玟代表によると、当局に対し国民からは「これ以上の自給自足は無理だ」「(1990年代半ばの飢餓の時のように)もう一度、山に入って松の皮を食えと言うのか」などと反発があがっているそうです。

10月に米国が中国共産党との戦いを宣言しました(「中国との冷戦を宣言したペンス副大統領」参照)。

一時期は対北制裁を緩めたと報じられた中国ですがこれ以降、比較的まじめに制裁を順守しているようです。制裁を破ったと因縁をつけられ、米国の怒りに油を注ぎたくはないのでしょう。

韓国は北朝鮮産石炭の輸入など露骨な制裁破りを繰り返してきました(「『言うことを聞け』と文在寅を叱ったトランプ」参照)。

が、北との取引に動く韓国の銀行や財閥に対し、米国が制裁――2次制裁ということになりますが、これをチラつかせて牽制しています。

韓国から資金逃避が起き始めている。そんなガソリンの蒸気が部屋に満ちている今、韓国の銀行や財閥に対する2次制裁は部屋のなかでマッチを擦ると同然です(「IMF危機を思い出す韓国人」参照)。

昨年秋に強化された制裁により、北朝鮮は外貨建て輸出が激減しました。一方、中国からの禁輸品以外の輸入は続いている。手持ちの外貨を使って食糧輸入を維持しているわけですが、「外貨の貯金」がいつまで持つか不明です。

「人権」を言いだした米国

北朝鮮経済は相当に苦しい……。

鈴置:それも先細りです。だからこそ「使い走り」の文在寅大統領が、世界の顰蹙も無視して制裁緩和を訴え続けているわけです。

北朝鮮がショックを受けたのは、経済制裁が緩まないどころか、人権問題を米国がこと挙げし始めたことでしょう。

12月10日、トランプ政権は人権侵害を理由に朝鮮労働党幹部と北朝鮮政府の3人を制裁対象にすると発表しました。

AFPの「米、北朝鮮高官3人に人権侵害で制裁 金委員長の右腕も対象」(12月11日、日本語版)などが報じました。

制裁の内容は在米資産の凍結などで実効性は低いのですが、北朝鮮当局は頭を抱えたと思います。6月の米朝首脳会談後、初めて米国が再び「人権状況の改善」を北に突きつけたのです。「人権問題のデパート」である北朝鮮にとって、これを指摘されたら手も足も出ない。

制裁を所管する米財務省は「ワームビア(Otto Warmbier)氏の事件がこの制裁の背景にある」とはっきり表明しました。発表文はここで読めます。

ワームビア氏は北朝鮮を旅行中に逮捕され、1年半後の2017年6月に米国に送り返されましたが、帰国直後に亡くなった米国の青年です。家族は拷問の末に殺されたと主張しています。

そのワームビア氏の家族は北朝鮮に対し11億ドルの損害賠償を要求しました。米政府系のVOAが「12月17日に確認した」として報じました。

「ワームビア家族、北朝鮮に賠償額11億ドルを請求…『懲罰的な賠償判決で北朝鮮を処罰せねばならない』」(12月18日、韓国語版)です。

夜間給油訓練の標的は北

—米国はなぜ今、北朝鮮を「人権」で攻撃し始めたのですか。

鈴置:北朝鮮が非核化に応じないと見切ったのです。話し合いで解決できると考えていた時は「人権」まで持ちだすと交渉が複雑になるので控えていた。

しかしどうせ対話で解決できないのなら、北朝鮮を「許すことのできない敵」に認定したと自国民にも世界にも表明し、圧力を最大限まで強めるつもりでしょう。

12月14日、トランプ大統領がツイッターで「米朝協議は急がない」と表明したのも、この一環と思います。

2017年11月の韓国国会演説で、トランプ大統領は北朝鮮の人権状況がいかにひどいかを強調しました。金正恩政権を「共に天をいだけぬ敵」に認定したのです。

当時はいつ米国が先制攻撃するか、世界がかたずを飲んで見守っていました。その段階に逆戻りしてきたわけです。

安保専門家が注目した航空事故があります。12月6日午前2時ごろ、米海兵隊のFA18戦闘攻撃機が夜間の給油訓練中にKC130空中給油機と衝突し、両機とも室戸岬の100キロ沖に墜落した事故です。

AFPの「高知沖で米軍2機墜落 1人死亡 5人不明 訓練中に接触」(12月7日、日本語版)は米海兵隊の発表を受け「定期訓練中だった」と報じました。

しかしある専門家は「夜間の給油訓練は最も危険な訓練。相当な必要性があって実施していたに違いない」と首を傾げました。「定期訓練」ではなく「特定の目的があっての訓練」と言うのです。

墜落した海兵隊のFA18は山口県・岩国基地の所属です。第2次朝鮮戦争が勃発すれば深夜、北朝鮮を真っ先に空爆する部隊と見なされています。そしてこの専門家は「空中給油が必要な攻撃目標は北朝鮮以外にない」と断言します。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

裏切り者との演習は不要

—北朝鮮を攻撃する訓練をしているということですね。

鈴置:専門家の多くがそう見ています。6月の米朝首脳会談以降、メディアは「融和ムード」を醸し出してきました。でも、あの会談では肝心なことは何も決まっていないのです(「から騒ぎに終わった米朝首脳会談」参照)。

北朝鮮はそもそも、核を放棄するつもりなどない(『米韓同盟消滅』第1章第1節)。米国も、ポッテンジャー上級部長が語ったようにそれは初めから分かっている。いつでも戦争モードに戻るでしょうし、戻り始めたと見る専門家が増えている。

—しかし、米国は韓国との合同空軍演習を中止しました。

鈴置:年末に実施する「Vigilant Ace」ですね。ただ、今や「韓国と合同演習をしない」方がきな臭いのです。

「Vigilant Aceは対北先制攻撃の訓練です。文在寅大統領は「米国が先制攻撃する際は北に通報する」と公言しています(『米韓同盟消滅』第1章第1節)。

米国にすれば「Vigilant Ace」を実施して裏切り者の韓国に手の内を見せるわけにはいかない。そもそも敵と内通する韓国と肩を並べて実戦を戦うことがなくなった以上、合同訓練も不要なのです。

猿に鶏を殺させる

—では、米国の先制攻撃の可能性が再び高まった?

鈴置:米国は人権を持ち出し「北朝鮮敵視」の姿勢を再び明確にしました。中国に対する圧力にも使うつもりでしょう。「トランプの米国は何をするか分からないぞ」と、猿の目の前で鶏を殺し脅す作戦です。

覇権を目指す中国を叩きつぶすべく、米国は全力をあげています。長期戦になるでしょうがとりあえずは、2019年2月末に尻を切って中国から様々の譲歩を引き出そうとしています。

その譲歩の中に、対北制裁の徹底的な強化――例えば、食糧輸出の実質的な制限を入れさせる手があります。中国が本気になって食糧輸出を断てば、北朝鮮は直ちに崩壊します。

米国は中国を圧迫することにより、中国をして北朝鮮を崩壊させることができるのです。ここまで来ると「猿に鶏を殺させる」と言った方が正確ですが。

もちろん韓国も北朝鮮もこの手には気付いている。だから南北の鉄道連結工事などを開始して、韓国から北朝鮮に援助物資を運び込むパイプをこじ開けようとしているのです。

(次回に続く)

12/15記事

通貨危機に見舞われた韓国ソウルで1997年11月、金融改革方針を巡る反政府集会に参加した韓国銀行の行員たち(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

韓国人は今、1997年の通貨危機を思い出す。資本逃避が始まるなか日米との関係が悪化し、金融の命綱を失う。というのに政権は手をこまねき、政界は抗争に明け暮れる――。21年前とだんだん似てきたからだ。

面子も職も失った

鈴置: 11月28日封切りの映画「国家不渡りの日」が韓国でヒットしています。初めの1週間で157万人が見たと報じられています。

韓国は1997年秋から通貨危機に見舞われ結局、IMF(国際通貨基金)に救われました。タイトルが示すように、当時の経済危機を描いた映画です。

実録風の映画ではありますが、この危機を利用して大儲けしたという架空の人物も登場します。韓国語の予告編はここで見られます。

—「IMF危機」ですね。

鈴置:そうです。韓国に乗りこんできたIMFは構造改革と称し、金融、貿易の保護政策をすべて撤廃させました。韓国人は経済の国家主権を失ったと嘆き、日本による植民地化に続く「第2の国恥」と呼んだのです。

韓国人が失ったのは面子だけではありませんでした。IMFが実施した厳しい緊縮政策で、多くの人が職を失いました。

経済が回復した後も、企業は非正規職の比率を高めたうえ、正規職に対しても「名誉退職」の名の下、40歳代定年制を導入するなど、厳しい姿勢を維持しました。

IMF危機を境に韓国経済の国際競争力は格段に高まり、サムスン電子や現代自動車など世界に冠たる企業が登場しました。しかし同時に雇用の不安定、貧富格差など現在、韓国が抱える問題も生んだのです。

お灸をすえた米国

—なぜ今、「国家不渡りの日」がヒットしているのでしょうか。

鈴置:状況が当時と似てきたからです。朝鮮日報の「〈ファクトチェック〉映画『国家不渡りの日』 韓銀がIMFを食い止めようとしたって?」(12月4日、韓国語版)によると、この映画は最後のシーンで「危機の再来」を訴えているそうです。

実際、外国人が株を売り、資本逃避が起き始めています(「新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判」参照)。

しかし、いざという時にドルを貸してくれていた日本や米国との関係が極度に悪化しました。韓国は北朝鮮の核武装を幇助する裏切り者と見切られたのです(「『米韓同盟消滅』にようやく気づいた韓国人」)。

政府がこの危さに気付き、経済や外交政策を根本から変えれば何とかなるかもしれない。しかし文在寅(ムン・ジェイン)政権は唯我独尊。経済政策の失敗で失業率が上がろうが、異様な対北接近で米国や日本との関係が悪化しようが、全く気にとめません。

IMF危機を招いた金泳三(キム・ヨンサム)政権も強気の外交を展開し、米国や日本との関係を悪化させました。

半面、中国にすり寄ったので、怒った米国は韓国が最も必要とする時にドルを貸さず、日本の対韓緊急融資も止めました。IMFに行かせるため――韓国にお灸をすえるためです。

米韓同盟消滅』の第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」は、当時の状況――例えば米軍の機密を中国に渡すようになった韓国に米国が激怒した――を解説しています。

金泳三のデジャヴ

—金泳三政権は危い状況に気が付かなかったのですか?

鈴置:大統領選挙を控え野党との政争に没頭するあまり、経済にまで気が回らなかったのです。政権末期で士気が落ちており、重要な情報が大統領に上がらなかった、とも言われています。

次の大統領選挙は2022年なので、現在は政権末期ではありません。が、文在寅政権も経済音痴ぶりを発揮しています。

「所得を増やせば景気はよくなる」との単細胞的な発想で、最低賃金を一気に1割以上も引き上げました。

多くの零細・中小企業の採算が取れなくなり、従業員を解雇したり廃業に追い込まれました。その結果、若者の雇用は減少し、景気も悪化しました。

政策ミスが明らかになったにもかかわらず、文在寅政権は軌道修正しません。「現実から目をそらすな」と韓国各紙は激しく批判しています。この辺りも「金泳三のデジャヴ」なのです。

そんな状況下で、日本との関係悪化が新たな懸念材料に浮上しました。韓国経済新聞は韓国政府が慰安婦合意を事実上破棄した11月21日、社説「外交がせねばならぬこと、してはならぬこと、見分けているか」(韓国語版)で以下のように書きました。

国際金融市場の揺れが次第に激しくなる中、通貨スワップの締結が不振だ。カナダ、スイスなどとは結んだが、米国や日本といった重要国とはなしの礫(つぶて)だ。

日本とのスワップ協定は少女像(慰安婦像)などの問題で交渉チャネルまで途絶えた。

「韓国が再び通貨危機に陥った際、以前のように助けてくれる国があるのか」との憂慮が国内外から聞こえてくる。

韓国の通貨スワップ(2018年12月14日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約523億ドル)終了→再開? 2014年
10月11日
2017年
10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約72億ドル) 2017年
2月8日
2020年
2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約79億ドル) 2017年
3月6日
2020年
3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約36億ドル) 2017年
1月25日
2020年
1月24日
スイス 100億スイスフラン/11.2兆億ウォン(約101億ドル) 2018年
2月20日
2021年
2月19日
CMI<注1> 384億ドル 2014年
7月17日
カナダ<注2><注3> 定めず。通貨はカナダドルとウォン 2017年
11月15日
定めず

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。

<注2>カナダと結んだのは「為替スワップ(bilateral liquidity swap)」で市中銀行に外貨を貸すのが目的。中央銀行に対し市場介入用の外貨を貸す「通貨スワップ(bilateral swap)」ではない。

<注3>カナダとは「規模も満期日も定めない常設協定」と韓銀は発表。英文の発表文では、発動は「市場の状況が許せば」「必要に応じて」としているところから、規模などはその都度協議して決めるものと見られる。

<注4>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額
資料:韓国各紙

警告を始めた保守系紙

—日韓関係の悪化が通貨危機につながるとの懸念ですね。

鈴置:初めは経済紙がそれを訴えていました。12月に入ると一般紙にも「日本との関係を悪化させると経済危機に陥るぞ」と警告する記事が載り始めました。

東京特派員を経験した朝鮮日報の鄭権鉉(チョン・グォンヒョン)論説委員が12月5日「『反日の代価』は高い」(韓国語版)を書きました。

韓国が日本に対し外交戦争を仕掛けるたびに、日本から反撃された事実を思い出せ、という趣旨の記事です。次の1文があります。

日本は通貨スワップ中止など金融制裁という切り札を随時、使ってきた。

同じ保守系メディアでも、ネットはさらにはっきりと日本との関係悪化が通貨危機を呼ぶと警告しました。

失敗を繰り返す愚かな国民

趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムで、日本語に訳せばファンド・ビルダーあるいはバンダービルドのペンネームで活躍する識者が「またもや同じ失敗を無限に繰り返す傾向」(12月4日、韓国語)を書きました。

ファンド・ビルダー氏はまず、朝鮮日報の「〈ファクトチェック〉映画『国家不渡りの日』 韓銀がIMFを食い止めようとしたって?」から、以下の部分を引用しました。要約しつつ引用します。

1997年当時、通貨危機が深刻になると、日本からドルを借りる案が浮上した。だが、その前に香港証券市場が大暴落したため、日本の政府と民間銀行は資金事情が厳しくなり、韓国に貸す余裕がなくなっていた。

そのうえ金泳三大統領が「日本の悪い癖をしつけ直す」と会見で語っていたため日韓関係は最悪の状況に陥っていた。日本からの支援は得られず、IMFを頼るしかなかった。

当時を振り返ったうえ、ファンド・ビルダー氏は「失敗を繰り返す韓国人」を嘆きました。

日本に対し「悪い癖をしつけ直す」と一喝した後、IMFの世話になった前轍を踏んではならない。

というのに今、韓国人は対策もなしに「慰安婦」「徴用工」の件で日本に対し「差し押さえ」まで云々するなど大声を出している。そんな姿を見ていると、第2のIMF事態が起きるのではないかと本当に心配になる。

愚かな国民は過去から何の教訓も得られず、ひたすら同じ失敗を無限に繰り返す傾向が強い。朝鮮時代に我らの先祖がそうであったし、現在の韓国人もまた、同じであるようだ

実録・IMF事態の内幕

—金泳三大統領の発言のせいで日本はスワップを拒否したのですか?

鈴置:それは誤りです。「香港市場の暴落」も関係ありません。日本銀行は韓国銀行の要請に応じ、ドルを貸そうとしました。しかし、米FRB(連邦準備理事会)がそれを止めたのです(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。

しかし韓国では「日本を怒らせたからスワップ獲得に失敗した」ことになっています。ただ、今度は本当にそうなります。韓国にやりたい放題されている日本が、スワップを与えることはまずないでしょう。

ファンド・ビルダー氏の記事に追い打ちをかけるように、趙甲済ドットコム(韓国語)は「〈実録〉IMF事態の内幕(上)―大統領はいなかった(1)」(12月11日)、「〈実録〉IMF事態の内幕(上)―大統領はいなかった(2)」(12月12日)、「〈実録〉IMF事態の内幕(上)―大統領はいなかった(3)」(12月13日)を連載しました。

通貨危機当時、月刊朝鮮の編集長だった趙甲済氏が自身の雑誌の1998年3月号に書いた記事を分割して再録したのです。

大統領はいなかった

この記事は韓国経済研究者の必読文献です。1997年11月7日以降、青瓦台(大統領府)、財政経済院、韓銀の関係者がどう危機に対応したかを日報の形で克明に記録した、文字通り「実録」なのです。

20年前の記事を再び公にしたのは「文在寅という無能な政権に任せていると再び通貨危機に陥るぞ」とのメッセージを国民に送るためと思われます。

なお、韓国が通貨危機に襲われた2008年10月27日にも趙甲済氏は、この記事を「1997年通貨危機と2008年経済危機」の見出しで自身のサイトに一挙掲載しています。

今回の再掲記事の見出しに「大統領はいなかった」とあるように、趙甲済氏はこの記事で金泳三大統領の経済危機に対する無関心さや、IMFによる救済がどういう結果をもたらすかまったく理解できなかった無能さを、たんたんと事実を記すことで浮き彫りにしています。

普通の韓国人がこの記事を読んだら、文在寅大統領の無関心さと無能さにたちどころに思い当たるのです。

怒りを米国に向けさせる

—深い意味のある再掲載なのですね。

鈴置:もう1つ目的があると思われます。映画「国家不渡りの日」は実録風ではありますが、かなり脚色されていて米国陰謀論の色彩が濃い。

この映画によって「米国のために通貨危機に陥った」との認識が深まり、反米ムードが盛り上がりかねない。韓国政府の無能ぶりを明らかにすることで、それを防ぐ狙いと思います。

—韓国人は「日本のせいでIMF危機が起きた」と信じているようですが。

鈴置:その通りです。「米国ではなく日本が悪い」というのが長い間、韓国の常識となっていました。興味深いのはこの映画が、韓国人の怒りの矛先を日本から米国に向けさせようとしている点です。

朝鮮日報の「〈ファクトチェック〉映画『国家不渡りの日』 韓銀がIMFを食い止めようとしたって?」も、「IMFの後ろには米国がいて韓国との交渉を操っていたと描いているが、IMFの最大の出資者は米国であり、その声が大きいのは当然だ」と、この映画を批判しています。

1990年前後に毎日新聞のソウル特派員を務め、韓国映画に詳しい下川正晴氏は「時代性」「同時性」がその特徴と解説します。今起きていること、あるいはこれから起きそうなことを好んで題材に取り上げるのが韓国映画というわけです。

韓国映画は日本のそれと比べ、世論を誘導する役割がはるかに大きい。「米国こそが自分たちを南北に分断する元凶なのだ」とのメッセージも娯楽大作「JSA」などの映画によって韓国人に刷り込まれてきました(『米韓同盟消滅』第1章第4節「『民族の核』に心躍らせる韓国人」参照)。

同盟破棄の起爆剤に

そして、韓国の「反日」は「反米」の伏線であることが多い。左派は国民の合意を容易に得られる「反日」を盛り上げ、次第にそれを「反米」へと転化していく――と保守派は言います。

例えば、「南北共同で民族の核を持つ」という夢を語る映画が時々制作されます。1995年の「ムクゲノ花ガ咲キマシタ」では民族の核は日本に落とされました。

しかし、2017年の「鋼鉄の雨」では米国を念頭にした「民族の核」に変質しました(『米韓同盟消滅』第1章第2節「『根腐れ』は20世紀末から始まっていた」参照)。

「国家不渡りの日」がIMF危機という民族の苦痛も、日本ではなく米国の陰謀によってもたらされたとの刷りこみを狙う映画とすれば、韓国の左派とその背後にいる北朝鮮は、近く再燃するかもしれない通貨危機を米韓同盟廃棄の起爆剤に利用するつもりかもしれません。

(次回に続く)

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『ファーウェイめぐり勃発した米中IT覇権争いは「対岸の火事」ではない』(12/18ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)、『中国が米国との関係修復で歩み寄る決断をした3つの理由』(12/18ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

12/20facebook 中国观察 厉害了他妈的国凄いぞ fuck youの国) 投稿

加拿大小伙子在中国买火车票,售票员说: “买票实名制,所以需要看护照”。结果加拿大小伙子在压迫下,在不得已情况下,就辱华了

这位加拿大小伙子的行为,证明了加拿大人民一身正气,大义凌然。连骂街都显得那么高尚和幽默典雅,真是个非常有素质的洋大爷 ?

カナダの若者が中国で列車の切符を買うとき、売り子が”実名を確認するので、パスポートを見せるように”と言った。結果、カナダの若者は圧迫を感じ、やむを得ない状況の下、中国を罵った。このカナダの若者の行動は, カナダ人が誠実かつ大義を持っていることを証明している。 街を罵る時ですら、とても優雅でユーモアがあり、本当に優れた西洋人であること?

https://www.facebook.com/Lihailetamadeguo/videos/1886537954791889/

12/21阿波羅新聞網<川普破天荒 重磅惩罚中共不对等 北京示好美国打压加拿大=トランプは破天荒 中共の不平等扱いに厳罰 北京は米国に優しくカナダに圧力>中共はカナダに孟晩舟の逮捕の報復として、既に3名のカナダ人を逮捕した。伝えられるところによると、中共は米国産大豆を大量購入し、米中貿易協議を和らげる雰囲気作りに役立てた。しかし米中間には多くの領域で対抗関係にある。ロイター社は、「中共は11月に原潜から発射したミサイルの標的は米国で、狙いは成功した」と報道。トランプは19日(水)にチベット旅行対等法に署名し、正式法案として成立させた。これは、中共の米外交官や報道機関のチベット・ウイグル入境制限に対して、米国もチベットの中共官員の入国を制限するもの。これは米中が国交を結んで以来、米国が中国に初めて対等を要求したもの。米中は全面的な冷戦に入り、貿易戦はその一部に過ぎない。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221216.html

12/21阿波羅新聞網<大限逼近 习近平难出手 北京被迫减持美债 欧盟助川普一臂之力

——贸易战压力大;北京被迫减持美债;撑人民币汇率=大きな限界が迫って来る 習近平は手出しができず 北京は米国債を減らすことを迫られる EUはトランプに救いの手を差し伸べる 貿易戦の圧力は大きい:北京は米国債を減らすことを迫られる 人民元レートを支えるために>12月初めに中共は米国と貿易戦で90日間現状維持することで合意、中共は経済構造を調整することを約束したが、中国問題の専門家は「中共内部は分裂していて、習近平が方向を打ち出すのは困難であろう」と見ている。EUは20日再度、中共の強制技術移転問題をWTOに訴え、解決を図ろうとしている。技術移転しないで良いというのは18年前に中共がWTO加盟時に朱鎔基総理が承諾したことである。日本経済新聞は、「中国は最近、人民元レートを維持するため、米国債を売りに出している。トランプ政府から為替操作国と批判されないために」と報道。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221242.html

12/21阿波羅新聞網<习近平不得不对川普让步?中共钱包遭腰斩 实际情况更惨 ——11月税收遭腰斩 上海等三直辖市工业增速跌至负值=習近平はトランプに譲歩せざるを得ない? 中共の財布は斬られた 実際の状況は悲惨に 11月の税収は大幅下落 上海等の3直轄市の工業指標は急速に落ち込みマイナスに>米中貿易戦は90日の猶予を貰って停戦となったが中国の経済指標は好転していない。中共財政部の先週発表した数字は、ピークだった4月と比べ大幅に落ち、11月の消費税、企業所得税とも年初の数字位である。18日の国家統計局の数字では、北京・天津・上海のある規模以上の工業指標は急激に落ちてマイナスとなった。ある銀行の幹部は「今年の10月までの返済違約件数は歴史的な記録を誇り、債務危機のレベルが上がっている」と。

https://www.aboluowang.com/2018/1221/1221247.html

真壁氏と加藤氏では見解が相当離れている印象を受けます。真壁氏が米国からの情報、加藤氏は中国からの情報によるせいではないかと考えます。90日に纏まるくらいなら、とっくに纏め上げていたでしょう。米国としても覇権を奪われないためには中共に手綱を緩めることはできないと思われます。もし、合意に達するとすれば、中共の詐欺に米国が引っかかったことを意味します。そこまでトランプは馬鹿ではないでしょう。朱鎔基のようにWTO加入時に、ハナから騙す気でいたのですから。中国人と共産主義者は平気で嘘がつける人達です。恥を知らない連中です。

真壁記事

米国の共和党内部には、ファーウェイの米国ビジネスそのものを禁止すべきとの主張まである… Photo:REUERTS/AFLO

米国と中国のIT覇権をめぐる争いが激化

“攻める中国”vs“守る米国”――。

12月に入って、米国と中国のIT覇権をめぐる争いが一段と熱を帯びてきた。この問題は、一朝一夕に片づくものではない。米国では一部の政治家だけでなく世論も、安全保障を理由に中国に対する強硬姿勢を強めている。先行きは楽観できない。

両国にとって、IT先端技術の競争力を高めることは、世界の政治・経済・安全保障にかかわる重要な問題だ。米国は自国の優位性を守りたい。一方、中国は米国をはじめ世界各国で、自国のIT関連製品やサービスのシェアを高め攻勢をかけたい。そもそも両者の利害が鋭く対立する中で、米国と中国が簡単に歩み寄れるはずがない。

中国最大のスマートフォンメーカーであるファーウェイの副会長兼CFOが、カナダ当局に逮捕された。この件を受けて、先進国を中心にファーウェイの製品を排除する動きも目立ち始めた。米国の対中強硬姿勢が強まるに従い、中国もハードラインを取らざるを得なくなる恐れは高まっている。

今後の両者の貿易交渉は難航するだろう。

覇権にこだわり“守り”を固める米国

安全保障とは、国を守ることである。米国は安全保障を理由にして、中国への強硬姿勢を一段と強めている。当面、米国の対中強硬姿勢は、高まることはあっても、軟化することは考え難い。

その背景には、中国の脅威から米国を守る危機感の高まりがある。

12月1日から、対中強硬論者であるライトハイザーUSTR(米通商代表部)代表が対中交渉の責任者に就いた。

「中国がIT先端技術と海洋進出などによって脅威を強めている」と主張するナバロ大統領補佐官も、今後の交渉で重要な役割を果たすだろう。両氏とも安全保障を理由に、中国への制裁強化の必要性を説いている。

米国議会全体でも対中強硬論は勢いを増している。中間選挙を経てトランプ大統領は民主党との関係改善を狙っている。民主党のシューマー上院院内総務や、ペロシ下院院内総務の対中姿勢はトランプ政権幹部よりもむしろ強硬だ。

共和党内部には、ファーウェイの米国ビジネスそのものを禁止すべきとの主張まである。

米国の企業経営者やロビイスト、市民も、中国が米国にとっての脅威であるとの考えを強めている。中国が産業スパイ活動(いわゆる知的財産権の侵害)、ハッキングなどのIT攻撃やSNSなどからのデータ詐取を行っているとの見方が増えているためだ。

この考えに基づくと、中国が米国のIT先端技術や知的財産などへのアクセスを阻止することは、米国を中国の脅威から守ることにつながる。対中通商交渉の中で安全保障の重要性が高まっているのである。

特に、IT先端分野における競争は、今後の国際社会に大きな影響を与える。

米国が世界の政治・経済・安全保障の基軸国家としての役割を維持するには、IT分野での覇権を強化しなければならない。その他の分野で米中が妥協点を探ることはあっても、先端のIT分野で米国が中国に譲歩をすることは考えづらい。米国が戦乱分野で中国に妥協することは、自国への脅威を高めることに直結する恐れがある。

その意味で、今後の米中通商交渉において、IT先端分野をめぐる摩擦は一段と高まることが想定される。

“攻め”の姿勢を崩さない中国

対照的に中国は、世界のIT市場に攻め込みたい。自国のIT機器などを世界に向けて販売し、米国企業以上のシェアを手に入れたい。この目的を果たすために、世界市場へのアクセスが維持されるか否かは中国にとって死活問題だ。

中国は米国を含む世界市場を攻略したい。そのために、1日の米中の首脳会談にて中国はトランプ大統領に“手土産=1.2兆ドル程度の輸入拡大”を持参した。

それに対して、トランプ氏は90日間の休戦=交渉期間を認めた。それはトランプ大統領の譲歩だ。トランプの譲歩に関して、米国内では「米中首脳会談は失敗だった」とかなり厳しい見方もある。

それに加えて、世界各国で中国のITデバイス、通信機器などが使われることは、中国の先端分野での覇権強化にとって欠かせない。中国の規格に基づいて情報通信サービスが提供されるようになれば、中国は自国を中心とした勢力圏を整備しやすくなる。

現在、中国政府はIT先端技術振興策である“中国製造2025”に取り組んでいる。同時に、一帯一路(21世紀のシルクロード経済圏構想)を進めて、人民元の流通範囲の拡大にも傾注している。中国がIT分野の競争力を高め市場シェアを獲得するために、世界有数のIT機器企業であるファーウェイは抜きにして語れない。

今回、カナダは米国の要請に応じて、ファーウェイの幹部を逮捕した。

米国とカナダの間には犯罪者を引き渡す条約が結ばれている。ファーウェイの孟副会長が米国に移送されることも考えられる。イランとの取引を理由に、米国がファーウェイに直接、制裁をかける可能性もある。

そうなると、同社が米国製のIT部品を用いることができなくなるかもしれない。これはIT分野における中国の覇権強化を左右することにもなりかねない。

12月11日の米中電話会談の背景には、この展開を恐れた中国の思惑があったはずだ。

中国は米国製自動車への関税引き下げに同意したが、すでにそれは米中首脳会談で決められていた。それ以上は明らかにされていない。ということは、ファーウェイ問題をはじめとするIT分野で中国が米国の理解を得ることがかなり難しいということだろう。

かみ合うはずもない米中の貿易協議

今後の展開を考えると、米国と中国の主張がかみ合うことは考えづらい。基本的に、攻める立場の人間には、守る立場の発想はない。IT分野での覇権強化を目指す中国にとって、米国の安全保障に配慮する考えはないはずだ。

そう考えると、米中の交渉も、かみ合うはずがないと言っても過言ではない。ライトハイザー氏は「交渉の延長はない」と明言している。

米国の安全保障への危機感はかなり強い。11日、中国市場で検索サービスの提供開始を目指しているといわれてきたグーグルは、中国市場への参入は計画していないと姿勢を急転換した。中国から距離を取る米国企業は増えるだろう。

一方、中国は守りを固める米国、および中国製IT製品の利用をやめようとする同盟国に対して、硬軟使い分けつつ事態の打開を目指すはずだ。

すでに、中国ではアップル社製品の不買運動が起きている。中国企業との取引を求めて、中国がわが国などに圧力をかける可能性もある。そうなると、IT分野を中心に米中の通商交渉は一段とこじれるだろう。

日本にとって、米中の貿易戦争は「対岸の火事」ではない。

通商面で米中の衝突懸念が高まると、日本経済には無視できない影響が及ぶ。すでに、スマートフォンの販売不振から中国の景況感は悪化している。

日本の産業用機械業界などでは、中国企業の設備投資先送りなどを受けて業績予想を下方修正する企業が増えてきた。ファーウェイをはじめ中国のIT企業が米国製品にアクセスしづらくなったり、中国で米国製品などの不買運動が激化すれば、日本の景況感は一段と悪化する恐れがある。

わが国は自力で国力を高めることを真剣に考えなければならない。

そのためには、アジア新興国への支援を強化し、わが国の主張を支持する親日国を増やす必要がある。その上で、TPP(環太平洋パートナーシップ)参加国の拡大など多国間の経済連携をわが国が主導することが重要だ。

それが、わが国の発言力を高め、世界経済の安定と成長を支えてきた自由貿易体制の維持・強化と中国の覇権強化を食い止めることにもつながるはずだ。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

加藤記事

12月1日の米中首脳会談では両首脳とも笑顔だった… 写真:新華社/アフロ

中国と米国の関係は1月1日に向けて修復へ向かう?

「それでも我々は1月1日に向けて中米関係をなんとか修復しようとするだろう」

米国と中国が繰り広げる最近の攻防を眺めながら、両国間で貿易戦争が勃発して(7月6日)約50日がたった盛夏の北京で、中国外交部の局長級幹部が筆者にこう語っていたのを思い出した。

来年の1月1日、米中は国交正常化40周年を迎える。その政治体制や民族性から、儀式を重んじるのが中国共産党や中国人民だと感じさせられてきたが、米中貿易戦争が現実的に勃発してしまい、互いに応酬を繰り広げるなかで事態は構造的に長期化・泥沼化するのだろう。

筆者のそんな考えを伝えると、同幹部は「貿易戦争は米中間の戦略的競争関係の一部にすぎない」という観点から同調しつつも、冒頭のコメントを残してきた。

儀式を重んじるという形式上の動機以外に、政策的な意味合いも込められているように思われる。中国にとって、今年40周年を迎えた改革開放の歴史とは、まさに米国との関係を構築し、発展させる過程にほかならなかった。

その意味で、対米関係の悪化はすなわち改革開放の失策に等しいといえる。

中国外交部のプレスリリースに見る米中首脳会談の「良好な雰囲気」観

中国共産党が改革開放40周年を祝うプロセスには、2019年1月1日に米中国交正常化40周年を良好な雰囲気の下で迎えて初めてピリオドが打たれる──。

習近平国家主席は、記念日からちょうど1ヵ月前にアルゼンチンで実施された米中首脳会談にそういう心境で臨んだのかもしれない。

「米中双方が経済貿易の分野で、いくぶんの意見や立場の相違が存在するのは完全に正常なことである。大切なのは相互に尊重し、平等で互恵的な精神にのっとって適切に摩擦を管理すること、その上で、双方が共に受け入れられる解決の方法を探し当てることである」

習近平は会談でトランプ大統領に対してこう切り出し、「新たなラウンドの改革開放プロセス、および国内市場と人民の需要に基づいて市場を開放し、輸入を拡大し、中米経済貿易関連の問題の緩和に尽力していきたい」と寄り添った。

中国外交部のプレスリリースには、習近平がトランプや同政権を批判、牽制する内容は見られず、かつ両首脳が満面の笑みで楽しそうに握手をしている写真が使われていた。

筆者から見て、この事実こそが、中国側が対中関係を改善させたい立場を米国側、中国国内、そして国際社会に対して訴えたいと現段階で考えている状況証拠である。「良好な中米関係は両国人民の根本的な利益に符合するし、国際社会の普遍的期待でもある」(習近平)。

同リリースが、トランプが習近平に対して「米国は中国の学生が米国に留学に来るのを歓迎する」と語ったことを記載していた事実も、中国当局として貿易戦争が勃発して以来、米国への留学を不安視する自国の若者やその家族をなだめるべく奔走している現状が見受けられるのである。

中国側の前向きなコメントは焦燥感がにじみ出ている

今回の会談を経て、米中両首脳はいったん課税の応酬を棚上げすることで合意し、米国側は90日間の“猶予”を中国側に与えることを通達した。

中国側はこの間に農産物やエネルギーといった分野で米国からの輸入を拡大するなどして、3月1日に第3弾(2000億ドル)の課税率が10%から25%に上げられないように、そして最大規模とされる第4弾(2670億ドル)が実施されないように米国側に歩み寄ろうとするであろう。

王毅国務委員兼外相は会談後記者団に対して「両国首脳は友好的で率直な雰囲気の中で2時間半にわたって深い交流を行った。予定していた時間を大幅に上回った。貿易問題に関する議論は前向きで、建設的だった。今回の会談で得た合意は、今後一定期間における中米関係に方向性を示した」と語った。

国内向けのアピールであろうが、仮に3月1日の段階でトランプ政権が中国側の歩み寄りに満足せず、再び中国製品に対して大々的な課税措置を取ってくるリスクが存在するにもかかわらず、ここまで前向きなコメントを残したあたりに、中国側の焦燥感がにじみ出ているように筆者には見受けられた。

中国側が米国側に歩み寄ろうとしている立場と心境がより鮮明に露呈されていたのが、商務部記者会見における高峰報道官(12月6日、北京)の声明文である。少し長くなるが、重要な根拠だと考えられるため3段落分引用する。

「中米両国の経済貿易問題における利益は高度に重なり合っており、天然的に補完し合う構造的需要を擁している。双方のチームは現在順調に意思疎通を行っており、協力関係も良好である。我々は90日以内に合意に至ることに充分な自信を持っている」

「中国側としてはまずは農産品、エネルギー、自動車などから着手し、双方が合意に至った具体的事項を着実に実施していきたいと考えている。その後、今後90日間において、明確なタイムテーブルとロードマップに基づいて、双方の利益、共同の需要に符合する知的財産権の保護、技術協力、市場開放、および貿易均衡などの課題を巡って協議をし、合意の形成に尽力していきたい」

「中国側としてはこれらの課題を巡って米国側と相互に尊重し、平等で互恵的な協議を行い、両国企業のためにより良いビジネス環境を創造していきたい。これからの90日間で、中米双方はすべての追加課税を取り消すことを最終目標に協議をしていくつもりである」

今年に入って以来、貿易戦争を巡って米国を悪者にし、被害者意識を至るところでむき出しにし、「正義は我にあり」というスタンスで国内外に訴えてきた中国当局から出てきた言葉とはにわかに信じがたかった。

中国はなぜここにきて米国側に歩み寄ろうとしたのか

なぜここにきて、習近平自らがトランプと友好的な会談に臨むことを通じて、中国側は米国側に歩み寄ろうとしたのだろうか。

筆者は習近平の脳裏には3つの懸念が交錯してきたと考えている。本連載でも随時扱ってきたが、ここで端的に総括してみたい。

(1)景気の下振れと市場心理の悪化が懸念される経済への懸念(経済的懸念)

(2)米国との関係悪化が習近平の権力基盤を侵食することへの懸念(政治的懸念)

(3)米中国交正常化40周年を円満に迎えられず、祝えないことへの懸念(外交的懸念)

この3つの懸念から、ここに来て中国共産党指導部として一定の妥協もやむを得ないという立場で、米国側に歩み寄る意思決定をしたというのが筆者の現段階における分析である。

前向きな雰囲気の中で米中首脳の接触が進んでいるまさにそのとき、またしても不安要素が米中関係を襲うことになる。華為技術(ファーウェイ)の創設者・任正非氏の実娘・孟晩舟副会長兼CFOがカナダのバンクーバーの空港で拘束された事件である。

12月8日、楽玉成・外交部副部長(次官級)がカナダ駐中大使を外交部に呼び出し厳重抗議。「米国の要求に応じるという理由で中国国民を拘留し、中国国民の合法的、正当な権益を侵犯した」カナダ当局のやり方を「極めて悪劣」なものとし、「直ちに釈放することを強烈に促す。さもなければそれが必然的に招く深刻な代償、すべての責任をカナダ側が払うことになるだろう」と半ば脅迫に近い表現で圧力をかけた。

2人のカナダ人の拘束は中国側の報復措置か

12月10日、元カナダ外交官を含む2人のカナダ人が中国の国家安全に危害を与えたとしてそれぞれ北京市と遼寧省丹東市の国家安全局によって「法に基づいて強制措置が取られた」(陸慷・中国外交部報道局長、12月13日)。

孟氏拘束に対する報復措置とも取れるタイミングであった。

その後、バンクーバーの裁判所は孟氏の保釈を条件付きで認める決定を下したが、中国で国家安全局によって拘束されている2人のカナダ人の動向を含め、まだまだ予断を許さない状況が続くであろう。

12月14日には中国の盧沙野・駐カナダ大使が現地紙に寄稿し、「今回の事件は単純な司法案件ではなく、たくらみのある政治的行動である。米国が国家権力を動員し、一中国ハイテク企業を政治的に抹殺しようとした」と指摘。

カナダ側が米国の根拠なき要求に屈し、司法の独立を守らなかったと批判した。中国当局は孟氏拘束の背後には米国の影が作用し、「“国家安全”という装いをもって中国企業を抑え込み、中国の発展を阻害するもの」(盧大使)という揺るがない解釈と立場を抱いているようだ。

筆者が眺める限り、官民問わず、中国はますます米国を信用しなくなっている(過去記事参照:『米中貿易戦争が泥沼化、中国はもはや米国を信用していない』)。

カナダが陥っている苦境は日本にとってもひとごとではない

一方で、前述したように、中国として米国との関係を修復しなければならない現状は変わっておらず、中国当局もその方向性で1日1日、そして3月1日に向けて米国側と「落としどころ」を探っていくものと筆者は捉えている。

12月11日午前、米国との経済貿易関係を統括する劉鶴・国務院副総理が米国側のムニューシン財務長官、ライトハイザー通商代表と電話会談し、協商の進め方について意見交換をした。これを受けて、高峰商務部報道官は「中米双方は細かい部分の協商に関して密接な意思疎通を保持し、進展は順調である。我々は米国側が訪中し話し合うことを歓迎するし、訪米して話し合うことにも開放的な態度を保持している」とコメントしている(12月13日、商務部記者会見)。

昨今における中国側の歩み寄る姿勢は、往々にして米国や西側国家に対して強硬的な論調を展開することで知られる「環球時報」が12月10日の社説で「中国は米国側に圧力をかけるけれども、孟晩舟がいるのはカナダの勾留所である。米国が裏でどれだけの作用を働かせているとしても、孟に対して直接的に手を動かしたのはカナダである。問題解決のための主戦場はカナダにほかならない」と主張している点にも如実に反映されている。

昨今の背景、一連の事件を通じて、カナダは米中の間に挟まれる形で実質スケープゴート化していると言っても過言ではない。

同じ米国の同盟国として、米中2大国の狭間で生存・発展空間を見いだしていく状況にあるアジア太平洋国家として、日本にとってもひとごとでは決してないだろう。

カナダが陥っている苦境に目を凝らし、そこから「教訓」をくみ取るべきであることは言うまでもない。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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『中国・キリスト教弾圧にバチカンの妥協どこまで?迫害の背景に浮かぶ中国共産党の危機感』(12/19日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国・高速列車で頻発する指定席の座席占領 罰金から行政拘留への処罰強化が遂に実現』(12/14日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/19阿波羅新聞網<外媒:内斗加剧 李克强两次演讲不提习 反习势力浮出水面=外国メデイア(WSJ):内部闘争は激化 李克強は2回の講演で習の名を出さず 反習勢力が水面に浮上して来た>12/18改革開放40周年記念大会の習の演説は古色蒼然、何も変わりは無かった。党内エリートと習の不協和音が目につくようになった。李克強は先月シンガポールで講演した時に習の名を出さず、鄧小平の名前を出した。鄧樸方は北京のやり方を批判した。

https://www.aboluowang.com/2018/1219/1220440.html

中国共産党は内部分裂すれば良いのに。ただ、お公家集団の共青団が力技の習を打倒できるかは疑問です。

福島氏の記事で、フランシスコ法王にパウロ二世のような役割を期待しても無駄でしょう。共産主義の恐ろしさを知っていて、中共に擦り寄っている気がします。赤い法王でしょう。何で枢機卿は彼を選んだのかと言う気がします。米国がバチカンに中共に擦り寄るなと警告しないと。

日本企業も中国に擦り寄りすぎです。自由を抑圧、非人道的な共産主義の怖さを経営者が分かっていません。目先の金に転んでいるとしか思えません。強かな中国人がそんな簡単に儲けさせてくれるはずもないのに。学力レベルでなく地頭の良さが問われます。まあ、米国がやがて対中COCOMを発動するでしょうから、その時焦っても遅いでしょう。

北村氏の記事で、“覇座”が中国で一般化していると言うものですが、福島氏の記事にありますように共産主義の非人間性、拝金主義に疲れ切った人は宗教に救いを求めますが、それもできない人間は公衆道徳を無視することで自分の力を誇示しようと思っているのでしょう。愚かな人達です。そういう人達が日本に大量に入って来たらどうなるか?入管法改悪は愚策としか言いようがありません。2年後の見直しで廃案にすべきです。

福島記事

ローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)で10月16日に開かれた世界司教会議に、中国の司教2人が初めて参加した(写真:ロイター/アフロ)

 バチカンは14日までに中国福建省閩東(ミントン)教区の地下教会司教だった郭希錦を同地区の政府公認教会の副司教にした。司教の地位は北京当局の任命した司教、詹思禄に譲られた。郭希錦はバチカンが任命した司教であり、長らく中国当局がその地位を承認してこなかった。地下教会司教として過去何度も拘束、尋問され虐待され、バチカンと中国が司教任命権をめぐる交渉を水面下で行っていた最中の3月にも、地元警察に身柄を拘束されていた。

 バチカンと中国が9月に司教任命権問題で“暫定合意”に至り、中国当局が勝手に任命し、バチカンから破門されていた7人の司教に対して破門を取り消した。これに続き、地下教会の司教を政府公認教会の司教の下につけることに同意したわけで、バチカン側は全面的に中国政府に譲歩し続けているという印象だ。だが、今中国で起こっている非公認教会の弾圧の嵐をみるに、バチカンの妥協は中国を勢いづかせることになりはしないか。バチカンはどこまで妥協するつもりだろう?

 郭希錦はバチカンの判断に従う意思をすでに表明しており、12月14日までに、北京の釣魚台迎賓館にて、バチカンから派遣された代表団とともに詹思禄と面会、譲位式が執り行われた。

 環球時報が14日に報じたところによれば、彼の司教譲位がバチカンと中国の交渉の焦点の一つであったようだ。中国側は2017年以来、なんども郭希錦に司教を譲位するように要求していたという。郭希錦は環球時報に対して、これで地下教会と政府公認教会は合併したと語っている。

 だがこれは本当に中国のキリスト教信者たちにとって喜ばしいことなのだろうか。というのも、今中国で進行しているカトリックを含むキリスト教弾圧は文革以降過去最悪と言われる苛酷さなのだ。

四川省では信者100人以上逮捕

 たとえば四川省成都の秋雨聖約教会が、ほぼ同じ時期に大弾圧にあっている。この教会はカトリックではなく、カルバン派の牧師、王怡が指導者として知られ、2005年に創立。王怡が妻とともに逮捕されたほか、100人以上の信者らが逮捕、拘束された。事件は国際社会も注目している。この一斉拘束の際、非暴力を掲げる信者たちに警察は武器なども使って威嚇しており、まさに羊の群れに踊り込んだ狼の様相であったと、ラジオ・フリーアジア(RFA)は報じていた。

 45歳の王怡は政権転覆罪で起訴される可能性があり、有罪判決がでれば懲役15年の可能性が指摘されている。だが王怡がこれまで法律家として言論人として宗教家として弱者救済に尽力し、中国社会をより良くしようとしてきたことは周知の事実。当初の活躍は、中国のメディアでも好意的に取り上げられ、2004年には中国で最も影響のある公共知識人の一人として「南方人物週刊」に取り上げられていたほどだ。

 9月には北京の錫安(シオン)教会が取り壊されていた。「民政部に登記のないまま、勝手に社会組織を名乗り活動を展開し、社会組織管理秩序を見出し、社会団体登記管理条例、違法民間組織取締り暫定弁法などの規定に違反」しているという理由だ。この教会は2007年に創立された北京最大の家庭教会で、もともと7つの礼拝堂をもち毎週1500人が礼拝に参加していたという。過去、何度も弾圧を受け、潰されかけそうになりながらも熱心な信者たちに守られてきたが、今年に入ってカルト扱いされ、周辺には顔認証監視カメラが設置され、教会内にも盗聴器が仕掛けられたという。

 また警察側は牧師たちを個別に尋問してスパイがいるなどと吹き込んだり、家族が入院中の牧師に対して協力するならば万元単位の入院費を肩代わりしてやるといった買収をしかけたりしていたらしい。4月以来、9月までに7つの礼拝堂のうち6つが閉鎖においこまれ、9月9日の最後の一つの礼拝堂に警察70人が乗り込み、教会や牧師の個人所有物を押収、強制立ち退きを行った。指導牧師の金明日は「教会に物件を貸していた家主が政府から強い圧力を受けて、契約を中止したいと頼んできたので、我々は閉鎖せざるを得ない。だが新しい場所を借りることはもう不可能だろう」と語っていた。

 このほか、今年2月以降、浙江省や河南省の家庭教会や地下教会の弾圧、閉鎖が続いているという。河南省南陽市で10年の歴史をもつ光彩キリスト教会は9月、警察が突然やってきて教会の十字架を撤去、聖書その他の教会の所有物を押収し、絵画や設備の破壊した。河南は500~600万人のキリスト教徒がおり、光彩教会はその信仰の中心地の一つだった。河南では家庭教会だけでなく、政府公認の三自愛国系の教会ですら十字架撤去を強制されている。

背景に中国共産党の統治の危機感

 RFAが秋雨教会の大弾圧後、米国のキリスト教系NGO対華援助協会の責任者である牧師、傅希秋や亡命作家の余傑にインタビューしている。

 傅希秋はこうコメントしている。

 「“習皇帝”の統治下では、キリスト教の中国化、宗教の中国化が叫ばれている。主な目的は共産党がすべての宗教組織および独立傾向の強い宗教団体および個人を絶対的にコントロールすることだ。(2015年の)浙江省の強制十字架取り壊し事件などが起きたあたりから、共産党内部文書で“キリスト教の増長と過熱的発展を抑制する”ことが目的だと通達されている」

 余傑はこれが個別の事件ではなく、習近平政権が始まって以来の政策の重要なステップであり、背景に中国共産党の統治の危機感があると指摘していた。

 「今年に入って秋雨教会、北京の錫安教会の迫害が起きた。これらは都市部の新興教会として中産階級のパワーを集め、広義の人権を含め、信仰の自由を守ろうとしていた。これに中国共産党が恐怖し、慌てたから、こうした弾圧と破壊を行ったのだろう」

 キリスト教の中国における発展は、たしかに目を見張るものがある。2010年の社会科学院のリポートによれば中国のキリスト教徒は2300万人、今年4月に発表された宗教白書によればそれが3800万人以上。10年もみたない時間で65%の増加である。この数字は非公認教会の信者の数字を入れていないので、全体では1億人近いのではないか、という推計もある。

 キリスト教の発展の背景は、傅希秋によれば、“中国共産党の暗黒政治、マルクス主義や無神論思想の破綻”が原因らしい。共産党体制のもと唯物主義、拝金主義がはびこり、人々の道徳や誠実さの水準が地におちたとき、人々が信仰をもとめたのだという。それがある人にとってはキリスト教であり、また別の人にとってはイスラム教であり、チベット仏教や仏教であったということだろう。

 米国の亡命華人作家の余傑は、私が現役の記者であった2003~08年ころ、北京で何度かあって取材したことがある。彼が主宰する北京方舟教会の礼拝に何度かうかがった。信者の多くが中産階級で、社会的地位も高く教養もある金持ちであったが、信仰に入ったきっかけなどを取材していくと、多くの人が、拝金主義や競争社会における精神の疲労、虚しさを訴えていた。人を騙した人も騙された人もいて、救いを欲していた。

バチカンは中国の恐ろしさをわかっていない?

 同じころ、世間では孔子ブームも起きていて、毛沢東時代に批判したおした孔子を中国伝統の文化として再評価し、道徳や礼節を取りもどそうという運動も展開されていたが、余傑によれば、儒教文明の基本は農業社会の価値観にあって、現代の産業化社会には合わなかった、という。都市の知識文化人がこうしてキリスト教に傾倒していたという。あの頃から、確かに家庭教会はさまざまな迫害をうけていたが、中国社会に静かに根を張り、広がっていた。

 宗教は、中産階級の知識人と地方の農村や低層の虐げられた人々を結び付ける絆になりえ、中国社会の不条理や不安・不満の思いを結集させてよりよい社会を作っていこうというポジティブな力に転嫁させる可能性を秘めていたが、それが共産党体制を転覆させかねないパワーになると気づいたため、習近平政権になって急速な宗教の中国化政策がとられたわけだ。宗教を共産党がコントロールできなければ、宗教は共産党を飲み込みかねない。

 キリスト教、カトリックを共産党が支配するためには、まず総本山のバチカンを中国共産党がコントロールできなければならないのだ

バチカンが中国の宗教というものに対する警戒心を十分理解しているかどうかは、わからない。ただバチカンが中国の恐ろしさをわかっていないのではないか、という不安と疑問は、9月以降、信者たちの間で少しずつ広がっている。

 閩東教区の例をうけて、各教区では地下教会は公認教会のもとに下るのが、バチカンの指示であるという解釈を受け入れた寧夏教区の地下教会の神父・王沢義も、公認教会に入ることを公表した。だが同じ教会の同僚や信者たちから「軟弱」「裏切りもの」と批判を浴び、教会から離れた信者もかなりいたという。地下教会が分裂しかかっており、バチカンの9月以降の動きは、中国共産党の宗教の力の淡化、宗教の中国化という狙いに利している、という危機感をもつ信者もいるという。香港教区司教の陳日君は11月突然、隠居宣言を行った。86歳の彼はこれまでバチカンの今の親中路線が危ういと言い続け、これを推し進めているバチカン・ナンバー2枢機卿のピエトロ・パロリンを名指しで批判してきた。

フランシスコ教皇、訪中の可能性も

 だが、フランス宗教紙のインタビューで、彼は今後について、「同じ宗教内で争うことはできない」と語り、修道院にこもって隠居生活を行う、としている。司教としてバチカンの決めたことには逆らえない、ということだろう。中国の宗教の自由のために尽力してきた陳日君の諦観のにじむ言動は、中国の信者の動揺を誘っているという。

 来年末にはフランシスコ教皇が日本を訪問するようだが、中国訪問も俎上にあがっている。教皇自身が中国訪問を強く望んでいるとも聞くので、ひょっとすると同じタイミングで訪中予定が組まれるかもしれない。教皇訪中は遅かれ早かれ実現することだろう。教皇は何を中国訪問に期待しているのだろう。単に世界最大の布教市場への期待だけではあるまい、と思いたい。

 ヒトラーと渡り合ったピウス12世は結果的には、ユダヤ人虐殺を食い止められなかった教皇といった汚名もかぶった。ヨハネ・パウロ2世は旧ソ連や東欧の民主化を後押しし、東西冷戦終結における重要な役割を担った。バチカンは時代の節目節目で国際政治のギアチェンジの役割を担い、おそらく今もそれだけの影響力を持ち得る国家だろう。だからこそ、宗教、信仰とまったく縁のない私までが、バチカンと中国の駆け引きが気になるのである。バチカンの今現在の妥協は長大な駆け引き、戦略の一環であり、最終的にはその影響力を中国の過去40年来最悪の人権侵害、宗教弾圧の救済のため、そして中国が赤い帝国の野望を捨てて、普通の国として生まれ変わるきっかけのために発揮してくれることを切に願う。

北村記事

中国では他人が座るべき指定席を占拠して座り続けるトラブルが社会問題化している(写真はイメージ=PIXTA)

 中国語で“覇”という漢字は、「占領する」とか「横取りする」といった意味を持つ。そこで、中国語辞典で“覇”の付く熟語を調べると、“覇占(力ずくで占領する)”、“覇持(強行に独占する)”などといった言葉が目につくが、最近の中国でたびたび目に付くのが“覇座”という言葉である。“覇座”とは何を意味するのか。中国語の“座”は「座席」を意味するから、“覇座”は「座席占領」となり、列車や飛行機などの交通機関で他人が座るべき指定席を占拠して座り続けることを意味する。

 “中国共産主義青年団北京市委員会”の機関紙「北京青年報」は12月8日付で「“動真格了 高鉄覇座女乗客首次被拘留(まじでやったぜ、高速鉄道で座席占領の女乗客が初めて拘留された)”」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

【1】12月6日に遼寧省“大連市”の“公安局”が発表したところによれば、12月3日14時9分、内モンゴル自治区“包頭市”発遼寧省“大連市”行きのK56列車が遼寧省“瀋陽市”の市内にある「蘇家屯駅」を出発した直後に、列車長から「1号車の車両で乗客による“覇座(座席占領)”が発生している」という通報が列車に乗車している“乗警(鉄道警察官)”へ発せられた。

【2】“覇座”を行っていたのは女性乗客の“劉某”(22歳、黒龍江省“甘南県”出身)であり、彼女は瀋陽駅から乗車して“営口市”にある「熊岳城駅」へ向かおうとしていた。瀋陽駅から熊岳城駅までの距離は218kmで、所要時間は約3時間であった。K56列車が蘇家屯駅を発車後に、1号車の座席番号64の指定乗車券を持った“祝某”という乗客が、当該座席に座っていた劉某に対して座席を明け渡すように要求したところ、劉某はこれを拒否し、「座席は早く座った者勝ちだ」と言い放った。列車の乗務員がやって来て劉某の説得を試みたが効果がなかったので、列車長経由で乗車していた鉄道警察官に報告した。

【3】劉某の不当行為に対して、2人の鉄道警察官が劉某の指定席占領という行為は列車の秩序をかき乱すとして何度も通告を行うと同時に、『治安管理処罰法』違反の容疑に当たると警告し、劉某に速やかに座席を明け渡すよう要求した。しかし、劉某は聞く耳を持たず、極めて無礼な態度で要求を拒否しただけでなく、鉄道警察官や周囲の乗客に対して罵声を浴びせる始末だった。劉某に何度警告を行っても効果が無かったので、鉄道警察官は列車の秩序維持を理由に、劉某を強制的に連行し、最寄りの「大石橋駅」にある派出所へ劉某の身柄を引き渡した。鉄道警察官2人が劉某を連行するために、力ずくで座席から引き離そうとした時、劉某は「座席の“搶劫啦!(強奪だ)”」と大声を張り上げて抵抗したという。

【4】派出所に身柄を引き渡された劉某は、“覇座”を行ったことに関して“供認不諱(包み隠さず自供した)”。“大連鉄路公安処(大連鉄道警察署)”は『治安管理処罰法』の関連規定に基づき、劉某に対して行政拘留の処罰を与えた。

初の「行政拘留の処罰」

 上記のニュースが報じられると、人々は鉄道警察が劉某に対して「行政拘留の処罰」を与えたことに喝采を上げたという。それは記事の表題にもあった「“動真格了(まじでやった)”」という言葉が示すように、この種の“覇座”事件において「行政拘留の処罰」が下されたのは劉某が初めてだったからである。

 劉某に適用されたのは『治安管理処罰法』の第23条第1項の規定だと思われるが、その内容は以下の通り。

【第23条第1項】

 下記する5項目の行為のうちの該当するものが一つある場合は、警告あるいは200元(約3300円)以下の罰金。情状が比較的重い場合は、5日以上10日以下の勾留とし、同時に500元(約8250円)以下の罰金を科すこともできる。

 5項目は箇条書きで規定されており、そのうちの第3項目が“覇座”に関連すると思われるが、そこには次のように書かれている。

(3)公共の自動車、電車、汽車、船舶、航空機あるいはその他公共交通機関上の秩序をかき乱す行為

 従い、劉某に下された行政拘留は「5日以上10日以下」ということになるが、具体的に何日間の勾留になったのかは報じられていない。

 なお、“覇座”行為を抑制するため、“広東省人民代表大会常務委員会”は2018年10月9日に『広東省鉄路安全管理条例』を採択し、同条例は12月1日から施行された。同条例には、「鉄道の乗客は乗車券に明記された座席に従って乗車せねばならず、他人の座席を占領してはならない」と明記されている。但し、同条例には“覇座”を行った場合に適用される具体的な罰則規定は記載されていない。

当事者の特定、容易に

 ところで、中国では今年の8月以降に列車の乗客による“覇座”事件が頻発するようになり、それがメディアのニュースによって報じられることにより世論が盛る上がると同時に、“覇座”の当事者が社会から指弾を受けることが多くなっている。その原因はネット社会であり、限られた個人情報から当事者が容易に特定されることにある。

 2018年8月21日、山東省の「済南駅」発「北京南駅」行の列車No.G334に乗った“王新穎”(仮名)という女性が、自分が購入した窓際の指定席(座席F)に座ろうとしたら、何とその席にはすでに赤の他人の男性が座っていた。驚いた王新穎が男性に乗車券を示して自分の席だから座席を空けるように要求したところ、男性は「俺はこの席が良い」と言うばかりで動こうとしない。困り果てた王新穎が列車長に窮状を訴えて呼んでくると、男性は列車長の要求に応じて乗車券を示したが、そこに記載されていたのは1列後ろの窓際の指定席(座席A)であった。列車長が「ここはこちらの女性の指定席だから、座席を空けて、貴方自身の指定席へ移動して欲しい」と要求すると、男性は「座席から立つことができない」と言い出した。

 これを受けた列車長がどこか身体が悪いのかあるいは酒でも飲んでいるのかと尋ねると、男性は「酒なんか飲んでいない」と反発した。さらに、列車長が酒を飲んでいないのに、どうして立てないのかと聞くと、男は「俺にも分からない」と答えた上で、「下車する駅に着いても立てないと思うから、車椅子を用意しておいて欲しい」と述べ、その後に「俺は絶対に俺の席には座らない」と言い放つと、王新穎に向かって「あんたもそこに立っていないで、俺の席に座るか、食堂車へ行けば」と言う始末だった。

 王新穎は大学を卒業したばかりの女性で、「済南西駅」から乗車したが、男性は1つ前の始発駅である「済南駅」から乗車して、彼女の指定席に座ったのだった。男性に対しては列車長のみならず鉄道警察官も自分の指定席に座るように説得を試みたが、らちが明かず、王新穎には“商務車廂(グリーン車)”の席が、男性が彼女の指定席を空けるまでという条件付きで手配されたが、結局彼女はグリーン車に座ったまま終点の北京南駅に到着した。

“覇座男”は誰なのか

 北京に到着した王新穎は、指定席を占拠した不埒(ふらち)な男性に対する怒りを表明するために、彼女が列車長と男性のやり取りを撮影した動画をネット上に投稿したのだった。投稿された動画は大きな反響を呼び、“覇座男(座席占領を行った男)”は誰かという“人肉検索(ネットユーザーが協力して限られた情報から人物を特定すること)”が行われた。

 その結果として判明したのは、“覇座男”は“孫赫(そんかく)”(1985年生まれの33歳、山東省莒南県出身)であり、現在は韓国“圓光大学”の博士課程在学中の人物だった。

 人肉検索で特定された孫赫は、8月22日の夜、自分の態度が極めて悪く、深く反省しているとして、ネット上に王新穎に対する謝罪表明を書き込んだ。謝罪表明の全文は以下の通り。

 ネット上で私が本人だと暴露された高速鉄道座席占領事件に関し、私は悔悟と自責の念を表明します。ここに、私は当事者となった女性と全国の人々に対して衷心よりお詫びします。私は深く反省し、この種の行為が社会のマナーに重く違反し、当事者を深く傷付け、社会に悪い影響を与えたことは、痛恨の極みです。今後はこの種の誤りを再び犯さぬように、さらに修養を積み、人としての素質を高めるよう努力しますので、どうか全国の皆さん、私に自分を改める機会を与えて下さい。

 孫赫は上述のように謝罪表明を行ったが、事態はそれで終わりとはならなかった。その翌々日の8月24日、列車No.G334 を管轄する“中国鉄路済南局集団公司”は、加害者である孫赫に対する処罰を発表し、『治安管理処罰法』第23条第1項の規定に基づき孫赫に200元(約3300円)の罰金を科すと同時に、一定期限内における列車乗車券の購入制限を付加したのだった。

 一方、8月22日早朝には、広東省「深圳駅」発で山東省「青島駅」行の高速鉄道T398の済寧区間で、“無座車票(立ち席乗車券)”を購入した、赤い上衣を着た40歳前後の女性が女子大生の購入した指定席に座り込んで占領するという事件が発生した。自分の指定席に座ろうと思ったら他人が座っているのを見た女子大生は、列車の乗務員を呼んで協力を要請した。乗務員が女性の乗車券を調べると、それは「立ち席乗車券」で、座席に座ることができない乗車券だった。そこで、乗務員が女性に席を空けるよう説得したが、女性は厚顔にも最後まで席から離れず、女子大生は座席指定の乗車券を持ちながら早朝4時から6時までの2時間をずっと立っていることを余儀なくされた。

「ごね得」処罰に喝采

 この女性については、いかなる処罰も与えられなかったようで、関連記事をチェックしても何もない。要するに、“覇座”に関しては、上述した孫赫のように、罰金と一定期間の乗車券購入制限が処罰の限度と考えられ、T398の女性のように何の処罰も受けない「ごね得」が通用することもあったのである。そうした状況に一石を投じたのが、文頭に述べた北京青年報の記事で、「“動真格了(まじでやった)”」と喝采を浴びたように、処罰を「罰金」から一歩踏み出して「行政拘留」まで拡大したことだった。

 ところで、中国ではどうして“覇座(座席占領)”が多発するのか。教育レベルが低いからだというのは、上述した孫赫が韓国の圓光大学博士課程の学生であることを考えると説明がつかない。もっとも、孫赫は人間検索を受けたことにより過去に行った各種の悪事が露見しており、本質的に悪事を平然と行うタイプの人間であることが判明しているので例外と言えるのだが。

 この点について中国メディアが報じている意見は、鉄道の列車長や乗務員、さらには鉄道警察官が“覇座”に対して寛大で、厳しい処罰を行うことなく、200元程度の罰金で済ませて来たことが、「指定席だろうが、誰も座っていない空席に座って悪いか」という意識を持つ人々を増長させたというものである。それは、最悪でも200元の罰金で済むというなら、屁理屈を並べながらも指定席に座っていた方が得だといった感覚を持たせるに至ったということである。誰かが“覇座”で得をしたという話を聞けば、俺も俺もと模倣犯が出て、いつの間にかそれが流行するという中国の伝統的な行動形態なのである。

 “覇座”の処罰にようやく「行政拘留」が導入されたことで、模倣犯の出現率は低下すると思うが、“覇座”をより一層厳しく取締り、厳罰に処すことが改善の鍵だと思われる。中国には“殺鶏給猴看(ニワトリを絞め殺してサルを脅かす)”という成語があり、日本の「一罰百戒」と同様な意味を持つが、1件でも良いから典型的な“覇座”事件に厳しく対処して、メディアを通じて大きく報じ、ごね得は絶対に許されないと人々に示すことが、中国社会の改善には不可欠だと思う。但し、こうした事件は中国だけでなく、日本でも少数とはいえ発生しているのである。

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