『「農村老人の自殺は賢明な選択」中国因習の暗澹 5600万人の“留守老人”、高い自殺率、長寿支える仕組み整わず』(10/6日経ビジネスオンライン 北村豊)について

10/7日経電子版日本は中国の反面教師か 

中国でこのところ、めったに聞かなくなった言葉がある。「党内民主」だ。

党とはもちろん共産党をさす。14億人の国民すべてが参加する選挙をいきなり実施すれば、大混乱に陥りかねない。だから、まずは党員だけによる投票で指導者を選ぶ仕組みを広げてみてはどうか。平たく言えば、そんな考え方だ。

習近平国家主席(党総書記)の前任者である胡錦濤氏は、少しずつでも党内民主を進めようとしていたフシがある。2011年7月の党創立90周年を祝う式典では「党内民主主義を発展させる」と演説した。党員のあいだで、党内民主への期待がいっとき高まったのは確かだ。

しかし、そうした期待はすぐにしぼんだ。党の関係者から耳の痛い話を聞いたのを覚えている。「日本の政治があまりにひどすぎるから、中国の民主化は進まないんですよ」

当時の日本の政治状況を振り返ってみよう。胡政権が2期目に入る直前の07年9月、安倍晋三首相が突如辞任した。その後、首相は福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人の各氏へと1年ごとに代わった。

そして、胡氏が党内民主の発展をうたった2カ月後の11年9月、こんどは菅氏に代わって野田佳彦氏が首相に就いた。安倍氏から数えて6人目である。

隣国で繰り広げられるドタバタ劇は、民主主義の欠点をさらけ出したようにみえたのだろう。「たとえ党内だけの民主化であっても、日本のような混乱を招くきっかけになるのではないか、という議論が一気に勢いづいた」。先の関係者はそう嘆いていた。

日本を反面教師にしたとは思いたくないが、12年秋に胡氏を継いだ習氏も、党内民主には積極的でないようにみえる。

16年には、党の規律強化を定めた条例から「党内民主の発展」という文言を削除した。今月18日から開く5年に1度の党大会で、新たな指導部をだれがどう決めるのかは相変わらずブラックボックスのままだ。

くしくも党大会のさなかの22日に、日本は衆院選の投開票日を迎える。

習政権の発足とほぼ時を同じくして首相の座に返り咲いた安倍氏は、就任5年足らずで2度目の衆院解散に打って出た。朝鮮半島の緊張が高まるなかでの解散には「党利党略」との批判がつきまとう。

首相がいつでも衆院を解散できる仕組みは、中国からみれば政治を不安定にする要因に映るのではないか。そんな問題意識を中国社会科学院日本研究所の高洪所長にぶつけてみたら、少し意外な答えが返ってきた。「首相に解散権があるのはいいことだ」

議会が首相を辞めさせられる議院内閣制は、米国型の大統領制に比べて安定性に欠ける。そんな欠点を補うために、首相に解散権があると高氏はみる。衆院議員はいつクビにされるかわからないから、首相を簡単に辞めさせられなくなるというわけだ。

トップの権力を強めるという意味で、中国も受け入れられる考え方なのかもしれない。しかし、降ってわいた衆院選の結果、日本の政治が再び混迷期に入ったらどうだろう。中国で、民主主義そのものを否定する空気がさらに強まるような気がしてならない。

昨年の米大統領選でトランプ氏が勝ったときから、その兆候はあった。「民主主義はトランプ氏を米国のリーダーに選んだ。私は党が選んだ習氏の方がはるかに立派な指導者だと思う」。外資系金融機関に勤める中国人男性の弁だ。

民主主義は試練にさらされている。(中国総局長 高橋哲史)>(以上)

民主主義でない、個人の言論の自由のない、法治でもない、人権弾圧が当り前の国を参考にして民主主義を論じても仕方がないでしょうに。民主主義にも失敗はあります。日本の民主党政権時代のように、国民が誤った選択をしたこともありました。マスメデイアによる偏向報道で「一度やらせてみたら」と煽り、その結果が余りに酷かったので、国民は党名ロンダリングした反日民進党を選ばず、彼らは崩壊の危機に陥り、今次の希望の党の合流でまた国民を騙そうとしているというのが今の構図でしょう。一党独裁ならぬ一人独裁の習は革命でも起きない限り、政権を手放すことはありません。メデイア人のお花畑脳は困ったものです。

宮崎正弘・石平氏共著『いよいよトランプが習近平を退治する!』(P.170~202)によれば、石平氏は「共産党の実権は王岐山が握り、国家の外交・経済は習近平が担当する。政治局常務委<習近平<規律検査委=王岐山と。王は鄧小平のように裏から操る。王は団派と組んで習を潰すかもしれない。習は太子党からも人気がない。仲間を守り切れないので」とのこと。19大はどうなるのか見ものです。

Facebook記事より<中国と対峙できれば、日本はアメリカからも自立できる 中西 輝政 幻冬舎>。中西輝政氏の論点は中国のA2/ADがプロパガンダの可能性もあること、中国沿岸を機雷封鎖すれば中国は継戦能力を持たないことを考慮していないように見えます。勿論今の北朝鮮と同じでプロパガンダであっても「最悪を想定し、対応を準備する」ことは危機管理の要諦です。米国から(軍事的・精神的)自立は賛成ですが、民主主義国としての同盟は大事にしていきませんと。「中国と対峙できれば、アメリカからも自立できる」と仰りますが、ここまで経済が大きくなった中国が日本の言うことを聞くとは思えません。反日を国是としている国が、です。「自前の防衛力を堅実に整備していく」ことは大賛成ですが、先ずはGDPの2%の防衛費を突破することから始めないと。

http://www.gentosha.jp/articles/-/8847

北村氏の記事を読んでの感想ですが、中国の一人当たりGDPは8113.26$(16年)で中進国の上の部類では。それでも老人の自殺が多いのは社会保障が整っていないためで「穀潰し」と自分も思い、周りもそう見るからでしょう。世界経済第二位が誇る国がこの状態ですから。まず、軍拡・治安対策にかかる金や賄賂で高官に行っている金を集めれば、社会保障も整備できる筈です。結局それができないのは国民による監視の仕組みがないからです。何せジニ係数が0.73という数字ですから。国民は共産党を打倒すべきでしょう。

小生は中西輝政氏の言うように中国が民主化できれば日本にとって脅威は減ると思っていますが一筋縄では行かないでしょう。嘘をつくのが当り前、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観の持主の民族です。民主主義と言うのは理想の人間が多く集まり、投票行動を通じて国民の代表として選ばれたものが統治する仕組みです。でなければ衆愚政治に堕すだけです。前にも書きましたが、中国で選挙するときの問題点として、黒子、文盲、賄賂・買収などが挙げられます。それらをどうやって克服するのか、民族性から言っても。

記事

中国の平均寿命は大きく延びたが、農村部の老人の自殺率は高い。長寿を支える社会制度の整備が求められている。写真は習主席が若い頃を過ごした陝西省の地方集落(写真:AP/アフロ)

中国政府“国務院”の“新聞辦公室(報道担当局)”は9月29日付で白書『中国健康事業の発展と人権の進歩』を発表し、2016年に中国人の平均寿命が76.5歳に達したと報じた。

67年で41.5歳分

同白書が報じた平均寿命に関わる要点は以下の通り。

【1】1949年に中華人民共和国が成立した時には、経済社会の発展水準は比較的遅れていて、医療・衛生システムは脆弱であった。当時、全国には医療・衛生機関が3670カ所、衛生人員が54.1万人、衛生機関のベッド数は8.5万床しかなく、平均寿命は35歳に過ぎなかった。

【2】健康事業の発展は人々に実質的な健康福祉をもたらした。この結果、中国人の平均寿命は1981年の67.9歳から2016年の76.5歳まで延びた。妊産婦の死亡率は1990年の10万分の88.9から2016年の10万分の19.9に下降したし、嬰児死亡率は1981年の34.7%から2016年の7.5%まで下降した。国民の主要な健康指数は総体的に中高所得国<注1>の平均水準より高く、国連のミレニアム開発目標(MDGs)を前倒しで実現した。

<注1>世界銀行の定義では、1人あたり所得が824ドル以下の国は低所得国、825~3254ドルは中所得国、3255~1万64ドルは中高所得国、1万65ドル以上が高所得国。

世界保健機関(WHO)が2016年6月に発表した2015年5月時点の『国別平均寿命リスト』によれば、中国は第53位(平均寿命76.1歳)で、女性が第80位(77.6歳)、男性が第44位(74.6歳)であった。上記の記事によれば、中国人の平均寿命は、2015年の76.1歳から0.4歳延びて2016年に76.5歳になったということになる。ちなみに、当該リストによれば、全世界の平均寿命は71.4歳(男:69.1歳、女:73.8歳)であり、国別第1位は日本の83.7歳で、その内訳は女性が第1位(86.8歳)、男性が第6位(80.5歳)であった。

上記の通り、1949年における中国人の平均寿命はわずか35歳であり、それから11年後の1960年でも43歳に過ぎなかった。それが、1970年:59歳、1980年:67歳、1990年:69歳、2000年:71歳、2007年:74歳、2013年:75歳、2015年:76.1歳、2016年:76.5歳と飛躍的な伸びを示した。1949年から2016年までの67年間に平均寿命は41.5歳も延び、119%も伸長したのである。日本の平均寿命は、1949年(58歳)から2015年(83.7歳)までの66年間に25.7歳しか延びていないので、伸長率はわずか44%である。

9月22日、ネット掲示板「天涯論壇」に著名な評論家の“風青楊”が「“農村老人為什麽自殺成風(農村老人はどうして自殺が珍しくなくなったのか)”」と題する文章を書き込んだ。この文章はネットユーザーの注目を集め、ネット上で激しい議論を巻き起こした。その概要は以下の通り。

世界平均の4~5倍

【1】湖北省の”武漢大学”が発表した農村老人の自殺に関する調査報告を読んで心が乱れた。特に少なからぬ子供が死に追いやった老人の事件。ある出稼ぎに出ている息子が7日間の休暇を取り、危篤の父親を見舞うために実家へ戻った。2~3日が過ぎたが父親はまだ死なない。すると、息子は父親に向かって「あんたは死ぬのか死なないのか。俺の休暇はあんたの葬儀を含めて7日間だ」と言ったので、父親はすぐに自殺した。

【2】農村老人が頻繁に自殺する件については、数年前にメディアが報じていた。湖北省“荊門市”の管轄下にある“京山県”の農村には、“自殺家(自殺小屋)”や“自殺洞(自殺洞窟)”と呼ばれる物が有り、病気を患った老人や子供の厄介になりたくない老人が古い家や荒れ地、樹林、小川などを選択して、静かに自殺して果てる。地元民はこの風習に慣れていて何もおかしいとは思わない。村民によれば、70歳以上の年齢で、自分で身の回りのことができなくなり、経済条件も悪化し、子供の生活も比較的困難で、病気も満足に治せない、このような条件を備えた老人が自殺するのは“明智的選択(賢明な選択)”だという。中国政府が公表している統計データによれば、中国の農村老人の自殺率は世界の平均レベルの4~5倍に達している。

【3】冷たい数字だけでなく、ニュースが農村老人の晩年生活がいかにもの悲しいものかを伝えている。ある老人が自殺するのは、子供が自分を相手にしてくれないのを恐れ、自分で掘った穴に横たわって農薬を飲みつつ土をかきいれる。病床に伏した老人は息子の明白な指示を受けて薬を飲んで自殺する。また、中風で寝たきりの⽼⼈が不思議なことに薬を手に入れて自殺することもある。老人が自殺した後の村は平静で、老人の死が笑い話になり、自殺は喜劇になる。親孝行は依然として美徳だが、親不孝も認められる。

【4】農村老人は、都市老人の様に退職して“養老金(年金)”や“医保(医療保険)”が有る訳でなく、耕作をしなければ食べて行くことができない。少なからぬ農村老人は死の直前まで農作業に従事している。彼らの子供は親を扶養しないのか。農村の子供たちの誰もが老人を扶養しないのではない。彼らも生活が苦しく、多くの人々は生活の重みに耐えかねている。1人の子供を大学へ行かせれば、長年の蓄えは全て消え失せて借金を抱えるようになるし、家族の誰かが病気になれば、一家全員が困窮することになる。

【5】大部分の農村老人は独りぼっちで寂しい。一方、若者は出稼ぎに出てカネを稼いで家族を養うが、老人の相手をする時間はない。ほとんどの農村には無料の老人娯楽センターも養老院もなく、日光浴とテレビ鑑賞以外に娯楽と呼べるものは何もない。これが一部の農村老人が自殺によって解脱を求める原因の一つである。生活保障の不足、医療保険の不足、晩年の精神的孤独、これらが農村老人の自殺率が高いことの三大原因である。これを4文字で言い表すと、“老無所依(老いて頼る物なし)”となる。

【6】国内総生産(GDP)が世界第2位、国民1人当たりの平均収入が中等の上に踏み込んだ国、その国で農村老人の自殺が頻発していることは社会全体の恥辱である。老人の非正常な死を削減するには、餓死、病死、孤独死という3つの問題を解決しなければならない。そのためには、政府が農村住民の最低生活保障と農村“養老保険(年金)”を推進し、老人の誰もが年金を受け取れ、病気になったら医者にかかれ、最低生活保障を受けられるようにしなければならない。さらに、人として子供は親の扶養義務を果たさねばならない。これは人倫の基本であり、解釈の必要はない。いつかある日、我々もまた老いるのだから。

70歳以上は日本の倍

2014年にWHOが発表した『自殺防止:世界の緊急課題(Preventing Suicide: a global imperative)』には、「2012年:世界183か国・国別自殺死亡率」の表が掲載されている。同表から作成した【表1】を参照願いたいが、世界一の自殺死亡率大国は韓国で、人口10万人に対する自殺死亡率は36.6人となっている。これに対して日本は第8位で自殺死亡率は23.1であり、中国は8.7で日本と韓国とは大きく隔たっている。しかし、70歳以上の自殺死亡率を見ると、116.2の韓国は論外として、日本が25.5であるのに対して中国は51.5と倍の数字となっている。

この中国の70歳以上の自殺死亡率を中国政府「国家衛生・計画生育委員会」の2015年統計で都市部と農村部の年代別自殺死亡率を⾒ると【表2】の通りになる。

上述した風青楊の文章には、「中国政府が公表している統計データによれば、中国の農村老人の自殺率は世界の平均レベルの4~5倍に達している」という記述があるが、【表2】はその論拠である。確かに【表1】では中国の70歳以上の自殺死亡率は51.5であるが、【表2】の農村部の70歳以上の自殺死亡率は都市部の倍の数字を示している。

農村老人の自殺死亡率が高い原因は、「生活保障の不足、医療保険の不足、晩年の精神的孤独」の3つであると風青楊は明言しているので、これに付け加えることはない。世界第2の経済大国で農村老人の自殺が頻発し、湖南省の京山県では今なお“自殺家”や“自殺洞”といった、かつて日本にあった「姥捨て山」の世界が残存していることは、中国社会全体の恥辱と言って良いだろう。

5600万人の“留守老人”

中国が2016年に支出した国防費は9765.84億元(約15兆6253億円)、治安維持のための“社会安全費”は11031.98億元(約17兆6512億円)であった。これは公式な数字であって、軍事関連の研究費や開発費は含まれていないとされる。これらの支出を減らして農村部の生活保障や医療保険の費用に充当すれば、農村老人の自殺は大幅に減少するだろう。

2014年5月、河南省“駐馬店市”の管轄下にある“上蔡県”の“黄埠鎮”で116歳の老女が自殺した。3人の子供に先立たれた彼女は、孫やその妻が広東省へ出稼ぎに行って家に1人残された。116歳の高齢では思うように動くことができず、身の回りのことも、食事さえも作ることができず、生きる望みを失った彼女は首を吊って天国へと旅立ったのだった。

116歳という年齢が正確なものかは分からないが、1人残された彼女には自殺する以外の道はなかったのだろう。現在、中国には5600万人の“留守老人(家族が出稼ぎに行き、家に残された老人)”がいる。

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