A『すべてのアメリカ人を株主に」…AI失業時代にトランプ政権が仕掛ける富の再分配「ユニバーサル・ベーシック・キャピタル」とは一体なにか』、B『「未来は理想郷か、はたまた破滅か」…AI覇権をめぐる米国政府とテック企業の「対立の末路」』(8/5現代ビジネス 池田純一)について

8/6The Gateway Pundit<WATCH: Trump Points to Bannon and Navarro Prosecutions When Asked if Fauci Should be Indicted for Contempt, Says Fauci’s Crimes Were “Far More Serious Than a Lot of Crimes”= 動画:トランプ大統領は、ファウチ氏が議会侮辱罪で起訴されるべきかと問われた際、バノン氏とナバロ氏の訴追を例に挙げ、ファウチ氏の罪は「多くの犯罪よりもはるかに深刻だ」と述べた>

ファウチは世界で2000万人超(超過死亡を含む)を殺した張本人。フロリダ州等の起訴も進め、死刑にするのが相応しい。

トランプ大統領は、上院国土安全保障委員会が木曜日に決議案を可決し、アンソニー・ファウチ博士を訴追するよう勧告したことを受け、司法省がファウチ博士を議会侮辱罪で訴追することを望んでいると示唆した。 

デイリー・コーラー紙のレーガン・リース記者がトランプ大統領に対し、司法省はファウチ氏を大統領執務室で起訴すべきかと質問したところ、トランプ大統領はスティーブ・バノン氏とピーター・ナバロ氏が同じ罪で起訴されたことに言及した。

バノン氏とナバロ氏は、1月6日委員会からの召喚状を無視したため、ともに4か月間服役した。

「ご存知の通り、彼らはピーター・ナバロとスティーブ・バノンという、非常に立派な2人を、これまでほとんど起訴されたことのないような罪で起訴しました。そして、そこには明らかな類似点があります」とトランプ氏は記者団に語った。「あるアナリストが、以前は司法省でそのようなことが持ち込まれると笑い飛ばしていたと言っていましたが、メリック・ガーランドは2人の非常に立派な人物を起訴し、刑務所に送りました。」

「だから、そういうことが起こると、もしかしたら彼はそうすべきだったのかもしれないと思うようになる」とトランプ氏は付け加え、ファウチ氏の犯罪は「多くの犯罪よりもはるかに深刻だ」と指摘した。

視聴:

リース:司法省はファウチ博士を起訴すべきだと思いますか?

トランプ氏:まあ、ご存知の通り、彼らはピーター・ナバロとスティーブ・バノンという、非常に立派な二人を、これまでほとんど起訴されたことのないような罪で起訴しました。そして、そこには明らかな類似点が見られます。

そして彼らは、あるアナリストが言っていたように、司法省ではそのような事件が持ち込まれると笑い話にしていたのに、メリック・ガーランドは二人の非常に立派な人物を起訴し、刑務所に送った。私は大統領ではありませんでした。もし私が大統領だったら、二秒で恩赦を与えていたでしょうが、そうではありませんでした。

これは私が去った後のことだった。彼らは私が去るまで待ってから、この二人を起訴した。彼らは恥を知るべきだ。だから、そういうことが起こると、確かに彼もそうすべきだと思う。率直に言って、彼のやったことは多くの犯罪よりもはるかに深刻だ。しかし、これまで一度もそんなことがなかったのに、彼らは二人を起訴したのだ。

https://rumble.com/v7dtm6g-trump-points-to-bannon-and-navarro-when-asked-if-fauci-should-be-indicted-f.html

ザ・ゲートウェイ・パンディットが以前報じたように、上院国土安全保障・政府問題委員会は、先週の公聴会で質問への回答を拒否したファウチ氏を議会侮辱罪で告発する決議案を可決した。

委員会の委員長であるランド・ポール上院議員(共和党、ケンタッキー州選出)は、「直ちに司法省に送付し、起訴状を作成するための手続きを継続するよう要請する」と述べた。

また、水曜日には、上院委員会がファウチ氏のパンデミック時代のiPhoneのコピーを入手したというニュースも報じられた。これにより、委員会はファウチ氏の数々の嘘のさらなる証拠や、彼が委員会で回答を拒否した質問への回答を入手できる可能性がある。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/08/watch-trump-points-bannon-navarro-prosecutions-when-asked/

 

https://x.com/Q_TheStormRider/status/2085386886902685847/video/1

8/6Rasmussen Reports<46% Want Contempt Charges Against Dr. Fauci=46%がファウチ博士に対する侮辱罪での訴追を望んでいる>

アンソニー・ファウチ博士が新型コロナウイルス感染症のパンデミックに関する上院委員会の質問への回答を拒否したことで、議会侮辱罪の告発が起こり、多くの有権者がこの告発を支持している。

ラスムッセン・レポートが実施した最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の46%が、ファウチ氏が7/29に上院国土安全保障・政府問題委員会で行われた公聴会で質問への回答を拒否したことを理由に、議会侮辱罪で訴追されるべきだと考えている。41%はファウチ氏が議会侮辱罪で訴追されるべきではないと考えており、13%は判断を保留している。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/46_want_contempt_charges_against_dr_fauci?utm_campaign=RR08062026DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

8/7阿波羅新聞網<最新!伊朗彻底破功—美方最新表态,伊朗春秋大梦破功=最新!イランは我慢できず功を焦る――米国の姿勢がイランの野望を打ち砕く>

米国政府高官は木曜日(8/6)、イランとの継続的な外交努力の結果、ホルムズ海峡およびその周辺に設定されるいかなる一時的な海上ルートについても、承認や通行料、手数料は不要になると述べた。

この発言は、戦略的に極めて重要な同海峡の再開をめぐる交渉が続いている中でなされた。報道によると、イランとオマーンは、ホルムズ海峡を出入りする船舶の交通を一時的に管理することについて、最終合意に近い段階にあるとされている。

同高官は「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」に対し、「一時的なルートは障害のないものとなる。つまり、承認や許可、通行料や手数料は一切不要だ」と語った。さらに、ホルムズ海峡は国際水路であり、特定の当事者がその航路や航行の可否を支配することはできないと強調した。

イラン政府とIRGCは分裂しているのでは。米国は商船が攻撃されたらどうする?

https://www.aboluowang.com/2026/0807/2417848.html

8/7阿波羅新聞網<朱明昌:西方国家为何重新审视对中共政策?—从“接触”到“去风险”= 朱明昌:なぜ西側諸国は対中共政策を見直しているのか?――「関与(エンゲージメント)」から「デリスキング(リスク低減)」へ>

近年、米国や西側諸国による中共への戦略的評価は劇的に変化している。米国による貿易戦争の開始や先端半導体・重要技術の輸出規制、EUによる「デリスキング(リスク低減)」戦略の提示、さらには日本・カナダ・オーストラリアなどによるサプライチェーンの安全保障協力の強化に至るまで、米国や西側諸国が中共政権との関係を見直しているという明確な傾向が浮かび上がっている。

戦狼外交の当然の報い。

https://www.aboluowang.com/2026/0807/2417853.html

8/7看中国<郑丽文自掏百万赈灾熊本 引中共小粉红怒火(图)=鄭麗文、熊本の災害支援に私費100万台湾$を寄付し、中共の「小ピンク(愛国主義的な若者)」の怒りを買う(写真あり)>

日本の熊本県で最近、被害深刻な地震が発生し、多数の死傷者やインフラへの甚大な被害が出た。現在、各方面から支援活動が行われている。国民党の鄭麗文主席は、復興支援のために私費100万台湾元を寄付した。彼女は7/31、寄付の手続きを完了させるとともに、日本国民への哀悼と支援の意を伝えるため、日本台湾交流協会を訪問した。しかし、台湾と日本の間の相互扶助の精神を示すことを意図したこの善意の行動は、中国のソーシャルメディア上で激しい反発を招いた。中国のネットユーザーから厳しい批判が寄せられ、寄付を行った具体的な日付が予期せず論争の的となった(731部隊との関連)。

寄付のニュースが中国のソーシャルメディアに伝わると、いわゆる「小ピンク」(愛国主義的な中国のネットユーザー)の間で不満が噴出した。多くの人が彼女に対して「極めて失望した」と表明し、これまで彼女を支持してきた中国の同胞に「冷や水を浴びせた」と非難した。「なぜ広西の洪水被害には寄付しなかったのか」「なぜ日本だけを助けるのか」といったコメントが寄せられ、最近中国で発生した洪水被害地域への支援を優先しなかったことが問題視され、中には、彼女の行動が政治的立場を危うくするものだとして、「敵味方の区別がついていない」「私利私欲のために国を裏切った」と批判する声さえあった。

事態が拡大するにつれ、彼女のソーシャルメディアは簡体字中国語のコメントで埋め尽くされた。多くの中国ネットユーザーが「中国人である資格がない」と批判したり、「党名を『日本国民党』に改名すべきだ」と揶揄したりした。また、広西の洪水救援活動に寄付したのかを問い質し、彼女が「偽物(なりすまし)」ではないかと疑う声もあった。こうした中国のネットユーザーによる集団的なネット上の攻撃に対し、台湾のネットユーザーが彼女を擁護する動きを見せた。彼らは、人道支援は政治的立場によって左右されるべきではないと主張し、台湾は国際的な災害時に常に人道的精神に基づいて手を差し伸べてきたのであり、そのことで政治的な攻撃を受けるべきではないと訴えた。

台湾のネットユーザーは「小ピンク」の集団攻撃に対して反論も行い、次のような辛辣な意見を述べた。「台湾の寄付は善意によるものであり、感謝を求めているわけではないが、親切に対して敵意で報いるような相手に、誰がわざわざ関わりたいと思うだろうか」「一方は相互扶助と協力であり、もう一方は親切に悪意で報いることだ。どちらを選ぶべきなのかは明白だ」「かつてSARSが流行した際WHOに問い合わせたとき、中国当局者は『お前たちのことなど誰が気にするのか』と言い放ったではないか。それなのに、今になって恥ずかしげもなく台湾からの寄付を期待するのか」「それは人間を救うことと、狼を救うことの違いのようなものだ」。

中国人は 基本“乐祸幸灾”= Schadenfreudeだから・・・。且つ被害者ビジネスの名人でもある。小ピンクの言い分は無視したらよい。

https://www.secretchina.com/news/gb/2026/08/07/1103097.html

池田氏の記事では、UBCの考えには賛同するが、国民全員に投資口座を作っても、投資するお金がなければ絵に描いた餅。AIで失った雇用=収入途絶をどう解消するのか?UBIと組み合わせて使うのはどうか。会社の上げた利益を一部税で徴収し、生活できる金額を総ての国民に分配する。当然国民でない人には給付されない。

AIは軍事に最も応用され、世界覇権を目指す国はAIを使いこなさなければ、覇権獲得は難しいでしょう。米中共に必死だが、技術的には今のところは米国が上。中共製AIは「安かろう、悪かろう」で、中共にとって都合の悪いことは調べられないし、データが全部中共に持って行かれ悪用されないとも限らない。安心感がない。共産国家が世界覇権を持つのは『1984』同様、悪夢である。

A記事

UBCはアメリカを根本から変える隠し玉

ここのところアメリカではにわかにUBCの話が賑わっている。

UBCとはユニバーサル・ベーシック・キャピタル――直訳では「普遍的基礎資本」――の略称で、国民に投資口座を提供し株式を注入することで、その市場評価を個人資産とする考え方。国民に一律に投資口座を設けさせて、それにより大企業や国民経済の成長を金融市場から直接、国民一人ひとりが享受できるようにする仕組みのことだ。

似たような言葉としてユニバーサル・ベーシック・インカム(UBI)があるが、こちらが、政府が徴収した税金から国民に「基礎収入」として配分するのに対して、UBCは直接、国民を株式市場に紐づけ、誰もが「基礎資本」を有することを目的にしている。

UBCが突然注目されるようになった背景には、AI経済の急成長がある。そう遠くない将来、効率化に長けたAIが経済活動に全面的に導入されることで、雇用機会が激減し、雇用を切られる、あるいはそもそも雇用機会が消失するといった事態が引き起こされることが予想される。その甚大な社会的混乱を見越して、AIによる効率化の果実を、AIによって職を失った人、あるいは働く機会そのものを失うであろう人たちに分配する道を予め作っておこうとするものだ。

米シリコンバレーを中心に、人工知能(AI)の影響による人員削減が広がり始めている(写真:iStock)

AIによって生み出された富がAI企業の持ち主、すなわち株主=投資家にのみもたらされるとしたら、今後、社会に壊滅的なまでに格差が生じる事態を避けるために採ることのできる最もシンプルな方法は、すべての市民にAI企業の所有権を与えることだ。そうすることで、AI企業が労働者から奪った富を、市場経済の仕組みを通じて構造的に補填できる仕組みを根付かせる。UBIのような「事後分配」ではなく、「事前分配」を配備するのがUBCだ。

「株式民主主義」というアメリカの夢

興味深いことに、このUBCの導入については、党派や政治信条を超えた幅広い政治家や起業家から支持を獲得し始めている。

具体的にはバーニー・サンダース、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)、ギャビン・ニューサム、スティーブ・バノン、ヴィヴェック・ラマスワミ、サム・アルトマン、それにドナルド・トランプといった右も左も関係ない錚々たる面々。

サンダースとAOCは、今流行りのDSA(アメリカ民主社会主義者)に属する、プログレッシブと呼ばれる急進左派。対してカリフォルニア州知事のニューサムは民主党内の中道派。バノンとラマスワミはMAGAに与する急進右派。アルトマンはOpenAIの創業者CEOで、トランプは言わずとしれたアメリカ大統領。この他にもAnthropic関係者やトランプ政権の閣僚なども賛同し始めている。

それだけこの「AIによる雇用喪失による経済的衝撃」が政治、とりわけ選挙政治に基づくデモクラシーを採用するアメリカで重大な意義を持つことを示している。同時に、党派を超えて、あるいは政府と民間の所属を超えて関心を集めつつある事実から、UBCという処方箋がそれだけアメリカ人の直感に訴えるところがあると見てよいのだろう。

その共通感覚(コモンセンス)とは、資本市場がアメリカを築いてきたという通念であり、それは「すべての市民は株主である」という理想だ。この考え自体は「株式民主主義」とか「人民資本主義」といった言葉で、過去に何度もアメリカでは浮上してきた。会社のオーナーになりその成長利益に預かる、それはアメリカ人の誰もが夢見る姿のひとつだ。

建国以来、多くの企業の力で国富を増やし国力を伸ばしていったアメリカらしい感覚だ。その根底には、堅牢なビジネス社会とそれを支える金融市場がある。そこに今、テクノロジーによるイノベーションという無限の人工フロンティアが加わった。UBCの導入の機運は、そうしたアメリカ経済の歴史的性格からも生じている。

無論、意地の悪い見方をすれば、テクノロジーによる社会への大打撃に対する目眩ましとして、「誰もが株主になる社会」という理想をもちだしてきたといえなくもない。UBCのような仕組みを通じて、株式市場の上昇から実現される富の創出へアメリカ国民の幅広い参加を促す。株式市場のアメリカ国民への解放であり、アメリカ国民の株式市場への包摂でもある。文字通りの「投資社会」の実現だが、それは、アメリカ国民の経済生活が、アメリカ経済そのものと一蓮托生になることを含意する。

「トランプ・アカウント」が示唆する投資社会

そのように見てしまうのは、UBCへの関心の高まりの理由として、去る7月4日(独立記念日!)に開始された、いわゆる「トランプ・アカウント」があるからだ。

これは、アメリカ生まれの全ての子どもに向けて株式市場での資産形成を支援する目的で作られた政府支援型の投資口座のことで、特にトランプ2.0の任期である2025年から2028年までの間に生まれた子どもについては、連邦政府から1,000ドルの拠出金を受け取る権利が与えられる。投資対象はインデックスファンドであり、つまりはアメリカ経済の趨勢に投資することになる。

写真:gettyimages

口座の設立は親がしなくてはならないが、あくまでも子どものためのものなので、子どもが18歳になるまで誰も手を付けることはできない。アメリカの若者は18歳の時点で投資を行うための原資を公式に得て、それを元手にしながら資本市場の成長を享受できる、というのが、プログラム推進者の触れ込みだ。

重要なのは、このような「資本市場にアクセスできる口座」を誰もが持つことで「投資社会アメリカ」の実現に一歩近づくことだ。そして、このトランプ・アカウントがUBCの実装のための鳥羽口になるのではないか、というのがUBCへの関心が高まったもう一つの理由だ。

もちろん、もう一段、メタ視点で俯瞰してみれば、アメリカ経済の指標に株価を採用したトランプ2.0が、とにかく株式市場に流れ込む資金の量を増やすことに注力した結果ともいえる。

ちなみに、このトランプ・アカウントだが、名称の党派的好き嫌いこそあれ、「すべてのアメリカ人を株主に」という発想自体はアメリカ的であることから、似たような構想は党派を超えて以前から提唱されていた(たとえば民主党のコリー・ブッカー上院議員による「ブッカー・ボンド構想」など)。それもまた、この投資口座をUBCの実践につなげようとするきっかけの一つになっている。

将来的には、UBCの形で、連邦政府が組成したソヴリン・ウェルス・ファンド経由で国民に株式市場の価値=資産が移転される可能性もある。ただ、その実践には、政府がフォーチュン500やビッグテックの株式を所有する必要がある。そのため、これはアメリカが、中国のような国家主導の経済体制に移行していくためのインセンティブ設計のようにも見える。

つまり、AI、ならびにそれを提供するAI企業によって既存の産業地図が書き換えられそうな時に、その書き換えによる様々な社会的衝撃を吸収し、配分をし直すための策のようなのだ。だが、それが本当に、キャピタリズム信仰の強いアメリカで実現可能なのか。

【後編】→「未来は理想郷か、はたまた破滅か」…AI覇権をめぐる米国政府とテック企業の「対立の末路」

B記事

AIの急成長に伴う深刻な雇用喪失と社会的混乱を見越し、アメリカで急速に関心を集めている「UBC(ユニバーサル・ベーシック・キャピタル)」。税金から収入を給付するUBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)とは異なり、UBCは全市民に投資口座を提供して企業の株式を与え、AI企業の巨大な富を還元する「事前分配」の仕組みだ。

「すべての市民を株主にする」という発想はアメリカ人の根強い共通感覚に合致しており、急進左派のサンダースから右派のトランプ、AI企業トップのアルトマンまで、党派や立場を超えた支持が広がっている。

【前編】→「すべてのアメリカ人を株主に」…AI失業時代にトランプ政権が仕掛ける富の再分配「ユニバーサル・ベーシック・キャピタル」とは一体なにか

シリコンバレーが促す「ナラティブ」とは

トランプは、11月の中間選挙に向けたメッセージとして、ニューヨーク州やコロラド州の民主党予備選でDSA(アメリカ民主社会主義者)候補が勝利した結果を受けて、「コミュニズムがアメリカを襲おうとしている」と強調し、MAGA共和党への投票を呼びかけている。だが、UBCの導入をみると、資本市場を通じた所有ではあれど、トランプ2.0の行っていることのほうがよほど「コミュニズム」的に見えてくる。株式市場へのアクセスを国民に広めることで、国民がアメリカ経済を共有しているような幻想を広めるのだから。

一方で、AI企業がUBCに関心を示したのは、彼らの投資活動を円滑に進めるために、未来の漠然とした不安を払拭しておくことが必要と感じたからなのだろう。AIによる社会へのネガティブな影響を一企業が被るのではなく、予め政府を巻き込むことでリスクをヘッジする。特に上場を控えたOpenAIとAnthropicは真剣だ。6月に先んじて上場したSpaceXが厄介な結果を残したためだ。

SpaceXの株価は、IPO直後こそ225ドルまで急騰したが、それ以後は下降基調にあり、7月中旬には公開価格である135ドルも割り込んでしまった。SpaceXの株価低落については、予定されていた大型ロケット・スターシップの打ち上げ中止が大きく、それも含めてIPO直後のご祝儀相場の喧騒も、利益確定売りによって沈静化の方向に向かった、というのが一般的分析だ。

写真:gettyimages

この状況を受けて、OpenAIは年内に予定していたIPOを来年2017年に延期することを検討している。なお、Anthropicについては、今のところ、年内の上場計画に変更はないという。

このような刻々と変わる資本市場の様子もUBCの検討を促している。

たとえば、シリコンバレーのAIスタートアップからすれば、将来の収益性のためにも、中国産の低廉なオープンモデルのAIがアメリカで採用されるのを抑え込むためにアメリカ政府による規制の力に頼るほかない。今や習近平主席自ら中国製AIのオープンネスを公式に強調するくらいなのだから。

シリコンバレーのビジネスモデルの根幹が、未来言説を売り、それを資本市場を通じてマネタイズすることにあるからだ。そうして世界中の資産家、機関投資家、金融機関からカネを集めて成長を実現させる。

そこでナラティブとして売られる未来は、従来からある「明るい未来」を促すものか、あるいは、近年盛んになってきた防衛テックのような「暗い未来」を覆すものか、のどちらかに限られる。いずれも、「近未来において価値が実現され、利益として回収される」という言い方をする。

実のところ、このシリコンバレーの過剰に未来言説に依拠した投資戦略は、その投資の性格をも規定している。終末論が流行るのは、能天気にユートピアを語ることが困難なくらい時勢が荒れてきているからだが、一定の範囲で誰もが「信じられる」未来像を掲げて、投資資金を市場から、すなわち民間から募る構図そのものは変わらない。

中国が国家主導で進める「AI+」

これに対して、AI開発のもう一つの雄である中国は、そんな行方のわからない未来に依拠するのではなく、もっと実直に、社会建設の上で必要なインフラ分野におけるAIの導入を重視する。「AI+戦略」と言われる国家戦略のもとで、交通、エネルギー、都市経営、農村発展、などの公的サービスの領域でAIの活用を試みている。どこまでも現実的で、こういってよければ、シリコンバレーの「カルト化」「超越化」に比べてはるかに「世俗的」で「現世的」だ。

写真:iStock

中国の「AI+戦略」は、社会のインフラをAI駆動型に切り替えていくことに熱心だ。直接投資の形で、AI強化された社会インフラを一式、途上国に提供していくことでウィンウィンの関係を築こうとしている。「一帯一路」政策の実践だ。

言い換えれば、政府機能の情報化、AI化を政府主導で進めている中国の方が、各国に売り込む外交力、交渉力に長けている。情報化以後の社会インフラを一式、「完パケ」で提供できる能力の点で、中国政府のほうがアメリカ政府の上を行っていた、と理解すべきなのかもしれない。これは、アメリカが政府主導というよりも市場主導の自由主義型の政治・経済システムを運営してきたことの結果でもある。米中両国の社会体制の違いから生じた差異だ。

たとえば、「未来は理想郷か、はたまた破滅か」といった言説の根底にある「AGI誕生神話」にも左右されないため、中国は政府の管理=規制のもとで着々とAIの利用を進める。そのAIも、オープンソース型の――正確にはオープンウェイト型の――ものを採用することで、あたかも初期のオープン志向のインターネットのように、多くの利用者がそれぞれの分野で必要に応じてAIを開発していくのを促す。大事なのは中国製品を流通させることで、それによって日常生活の現実を支えるインフラの更新サイクルに組み込まれていく。

まさに米中の資本主義の違い、「資本主義vs資本主義」の構図で、それも、90年代に議論された「アングロサクソン資本主義vsライン資本主義」の再演に近い。英米型とドイツ型の資本主義の違いとしてあったのは、株式売買による合併・合理化を進める流動性の高い資本制か、それとも、雇用者・被雇用者を含めた組織=企業の盤石さとそれ支える融資主体の資本制か、といったものだった。

この対比で言えば、中国のAI+戦略が進めているのは組織重視のドイツ型になるのだが、しかし、今の中国の市場解放政策を始めた鄧小平が参考にしたのが、同じ中国系のリー・クワンユーによるシンガポールの急成長で、そのリー・クワンユーが触発されたのが、戦後日本の通産省による産業政策だった、というのを知ると、なかなかに考えさせられる。国民生活を国富増加の投資に巻き込むという点で、UBCが、昭和日本の郵貯や簡保を原資にした財政投融資のようにも見えてくる。

リー・クアンユーと鄧小平の会談(1988年9月、中国・北京)/写真:gettyimages

ともあれ、アメリカは、「市場を通じた投資」という形で、国家と企業を繋ぎ止めることで両者が協調して行動する――少なくともそうしようとするインセンティブが配置された――未来を望んでいるようだ。国民も、政府が用意した投資口座をもつ以上、そんな「投資社会」を受け入れる。それがイノベーション資本主義という、シリコンバレーとウォール街の結託を保証する仕掛けだとしてもだ。かくしてAIとホワイトハウスのタッグは互いに互いの都合によってアメリカ社会を根底から書換えようとする。そうしてトランピズムの第2段階が始まる。

防衛と解雇の「二重のジレンマ」

それにしても、ホワイトハウスはなぜここまでAIに執着するのか? 直近のジレンマとしては、防衛か、雇用か、どちらを優先するのか? という問いがある。

AIは軍事兵器の一環、サイバー兵器、防衛テックである。だから、他の誰よりも早く開発を行い、築いた優位性を維持しなくてはならない。止まっている余裕などない。

なぜなら、サイバー攻撃の世界では、相手が開発中の「革新的技術」が実行可能になる前に、その有用性を越える技術開発が達成される可能性を示し、実際にその開発に着手し、相手が優位になる可能性を「潰す」ことで、なんとか相手の考える「究極兵器」の実行を阻止できるからだ。

つまり、「いつまでも終わらない継続された新AI開発の実施過程そのもの」が次代の新たな「抑止力」となる。

任意の社会システムが、IT、さらにはその超上位互換であるAIの傘下に収まることで、一進一退を繰り返すサイバー戦の流儀が、物理世界の防衛の世界にもにじりでてきてしまった。だから、やめられない。

やめることは、相手の思惑の遅延化手段、あるいは、相手が遅延化対策を打ってくるだろうという期待を抱かせることに失敗し、堂々と攻撃を仕掛けてくるようになるから。相手国国家の統治システム全般に対する制御権を確保することが、兵器による破壊行為の多くを代替すると想定されるからである。

だから、アクセルを踏み続けるしかない。脱落した時点でアウトだ。

その一方で、AIは労働環境を一変させる業務効率化ツールである。究極の経営合理化マシン、それは資本主義社会の権化であるアメリカには間違いなく福音だ。雇用が増加しないまま一方的に生産性が向上する、という経営者や資本家にとって夢のような世界が実現される。

しかも、その雇用喪失、つまりは解雇のスピードは想定を超える速さであり、その失業者たちが事態を飲み込み、訴訟などの形で反乱の狼煙を上げる猶予を与えない。事実として、雇用の喪失が継続されるだけである。

当然、「雇用」や「失業」に対して敏感な、社会主義的な政治家、アメリカでは「進歩主義的(プログレッシブ)」な政治家から、AI開発にブレーキを掛ける動きが出てくる。たとえば、バーニー・サンダースから、AI開発の拠点であるデータセンター建設に制約をつける「AIデータセンターモラトリアム法」が提出された。

「AIデータセンターモラトリアム法」を提出したサンダース上院議員とアレクサンドリア・オカシオ=コルテス民主党下院議員(写真:gettyimages)

国家防衛のためにAI開発のアクセルを踏みっぱなしにする動きと、急速な雇用喪失による社会の消失を阻むためにAI開発にブレーキをかけようとする動き、その二つの相反する動きがアメリカに襲いかかる。

このジレンマを乗り越えるためにホワイトハウスも食指を伸ばしたのがUBC構想だった。AI開発の未来に投資しながら、そのリターンを国民に還元する道を開き、その上トランプ2.0が望む投資社会アメリカまで実現する。とにかく株式市場にカネを回したいトランプ2.0にとって格好のソリューションだ。

AI支配権をめぐる駆け引きは続く

それにもうひとつ、トランプ2.0にとってAIには都合のよい側面がある。それは、「ユニタリー・エグゼクティブ・セオリー(単一執政府理論)」が描く、大統領による政府の一元管理の実現に大いに資する点だ。つまり、「行政権の拡大への対応」と「AI政府への備え」の二つをまとめて行う。AIを利用して、連邦議会が保持していた行政権力を完全に引き剥がす。今はちょうど、今後の統治システムの制御権を巡って民間のAI企業との鍔迫り合いに突入したところだ。

このようにAIによる政府の代替が起こる未来を考えると、ホワイトハウスがAI企業と手を組むのは理解しやすい。行政権力=執行権の拡大に応じて、その管理の一元化を図ることで、大統領がAGIの対抗者たり得る地位を事前に確保しておく。

ホワイトハウスが、AnthropicのようなAI企業の製品の無条件の使用を要求するのも、AI企業がやがて登場するAGIの代理人=エージェントして振る舞うのを避けようと思っているからだ。だが、それが簡単に思うようにいかないのは、AIが現在進行形のサイバー防衛のためにすでに不可欠のものでもあるからだ。

この連邦政府とAI企業の駆け引きはすぐには終わりそうもない。その解決策のひとつとして浮上したのがUBCだった。様々な政治的思惑の交差点で生じたものだったのだ。

即座に導入されるかいなかはさておき、当面の間、UBCは、やがてくるAI経済のベンチマークとなる議論として扱われるのだろう。教皇レオ14世が回勅「マニフィカ・フマニタス」で強調した分配的正義の実践でもあるからだ。

見方によっては、UBCはテクノロジーをサイエンスのように改めて「公共的なもの」に引き戻す手立てでもある。シリコンバレーのIT企業が典型だが、もともとインターネットやコンピュータなどの基盤技術は、連邦政府の研究助成によって開発された経緯がある。DARPAやNASAの研究プロジェクトとしてシーズマネーが蒔かれそれが芽吹いた。その大元の「公共性」を鑑みて、その果実を国の主権者である国民に当初から分配する仕組みを作ろうとするものだ。

株式の形で私有財産として、社会に点在する企業を所有させることで、私有財産の形で社会主義的な、共産主義的な状況を作り出す。「ユニバーサル=普遍的」という言葉にはそうした意図も込められている。

どうやら一周回って、来たるべきAI経済については、インターネットの登場期に頻繁に聞かされた「コモン」を巡る議論を再訪することになりそうだ。

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