『臨時休校騒動で分かった、今こそ安倍首相に「謙虚さ」が必要な理由』(3/3ダイヤモンドオンライン 上久保誠人)について

3/2阿波羅新聞網<武汉疫情缓解?出现反向信号 中国高达150万人感染?反而是个好消息?=武漢肺炎の流行は緩和された? 反対向きの信号が出ている 中国の感染者数は最大150万人? これは良い知らせ?>数日前、中国メディアは、武漢の最初のキャビン病院はもはや患者を受け入れていないと報道した。 アポロネットの王篤然評論員は、これは重大なシグナルであると分析した。市民記者の李沢華は、武漢コロナウイルスによる死亡者数は、中共の公式発表の41倍になる可能性があると明らかにした。 米国企業のアナリストは、韓国の新型コロナウイルスのデータを基に、中国では60万から150万人がウイルスに感染している可能性があると計算した。 王篤然は、これは悪いニュースであるが、その実それは素晴らしいニュースでもあると分析した。悪いニュースというのは、多くの中国人が感染しているようであるということ、良いニュースというのは、海外のデータから、患者の圧倒的多数は死亡しないため、死亡率はそれほど高くない。 中共が発表した死亡率は、本日3月2日のデータによると3.6%である。

14億の人口を擁し、衛生状態が悪いというか汚いと言った方がピッタリの中国では、感染者数が千万単位でいてもおかしくない。ただ無症状感染者が多いのでは。中国の公式発表を鵜呑みにするのは危険です。

https://www.aboluowang.com/2020/0302/1416847.html

3/2阿波羅新聞網<撑不住了 苏宁强迫全员卖货 3天须卖够1000元=我慢できない 蘇寧は従業員全員3日間で1,000元を必ず売るよう強制した>最近、蘇寧の多数の従業員が明らかにしたところによると、蘇寧はR&D部門も含め、すべての従業員に3日間で1,000元分の商品を販売するよう強制し、売れなければ罰金を科すと。従業員は、最終的に任務が完了できなければ、自分でお金を払わなければならないと述べた。その話を聞いて、蘇寧は長らく従業員に商品を売らせてきたことがわかるが、肺炎前の要求はまだ満たすことができたが、2月以降、要求量は増加し続けている。もう一人の従業員は、我慢できなければ、離職するしかないと述べた。

蘇寧グループの社長室は2/27に《グループ全従業員の拡販運動と評価方法》を出し、蘇寧の従業員全員の拡販要求と蘇寧グループの全体(本社、地域)の経営幹部(末端は含まず)は人事考課の対象項目とする。評価期間中(2020年2月27〜29日)、1人当たりの注文数は最低2件、合計注文額は1,000元以上で、できなければ、差額は罰金として徴収され、且つセールストレーニングを受けさせる。

さらに、蘇寧易購の蘇州地域管理センターの文書は、2月5日以降、蘇州地域の従業員は1日5注文を受け、各300元の売り上げが必要であることが示されている。地域内で、任務が週3回未達の場合、罰金は100元、任務が週4回未達の場合、罰金は200元になり、毎月任務未達且つ部門で下から1位の個人は減給とする。そして、店舗スタッフは、任務が週2回未達の場合、罰金は100元、4回は200元の罰金とし、毎月任務未達且つ部門で下から1位の個人は減給とする。

操業している企業が少なく、個人の買出しもままならない状態でのノルマはキツイでしょう。多分自ら辞めていくよう誘導しているのでは。

https://www.aboluowang.com/2020/0302/1416942.html

3/3阿波羅新聞網<辽宁山东传甲肝传染大爆发 官方紧急改口“辟谣”= 遼寧省・山東省でA型肝炎が大流行 公式には“デマ否定”と緊急に改める>最近、ネットで流布している病院の診断書は、「遼寧と山東で多く発生しているA型肝炎は渤海湾の汚染された魚介類に関連している」と伝えている。 以前は山東の煙台と蓬莱でこれについて公式に警告を発していたが、最近山東の日照と遼寧の丹東などでは「デマとして否定」するようになった。 渤海湾の「18線の小さな村」に住んでいるネチズンは、村の伝染病病院は既に満杯と述べた。前の公式報道によれば、早くも2月初めに、煙台疾病管理予防センターは、春はA型およびE型肝炎の発生率が高い季節であるから、旧正月には食事に注意し、生の魚介類を食べないように市民に呼びかける通知を継続的に出していた。

昔、上海に住んでいた時に出張して大連に行き、生牡蠣を食べたところ、その日の夜、上海に帰ってから、嘔吐と激しい下痢で七転八倒した記憶があります。日本人と上海人は小生と同じ目に遭いましたが、大連人は全然何ともありませんでした。

https://www.aboluowang.com/2020/0303/1417084.html

3/3阿波羅新聞網<中国林草局发出预备蝗虫大举入侵的紧急通知=中国林業草原局は、バッタの大襲来に備えて緊急通知を出した>南アジアからくる砂漠バッタは中国に大襲来する可能性が高いため、2020年には中国国家林業草原局が砂漠バッタの効果的な予防と制御に関する緊急の通知を出した。 専門家は、気象条件が合えば、パキスタンやインドからチベットに侵入してくるか、ミャンマーから雲南へ、またはカザフスタンから新疆に侵入してくるリスクがあると判断している。

林業草原局はFAOの発表に基づき、通知したようです。米中貿易協議、武漢肺炎ウイルス、肝炎ウイルス、蝗害と来れば、悪行を重ねてきた中共への天の怒りでしょう。いよいよ中共崩壊かと期待されます。

https://www.aboluowang.com/2020/0303/1417028.html

3/3看中国日本語版<中国国営メディアの60人の記者は必ず10日以内に米国から帰国>米国は本気で中共と戦っているのだから、同盟国の日本が中共に甘い顔をするのはおかしい。

https://www.visiontimesjp.com/?p=4711

3/3WHよりのメール

“President Trump welcomed Colombian President Iván Duque Márquez to the White House earlier today. Before taking questions in the Oval Office, President Trump gave an update on the federal government’s Coronavirus response.
 “Our country is doing very well. Our professionals are doing, really, an incredible job,” the President said. “We’re also working with other countries to help them because they really have a fear of the unknown.”
The President also met this afternoon with pharmaceutical companies that are actively working to develop the COVID-19 vaccine, discussing how the federal government can help accelerate their vaccine development.
Vice President Mike Pence, who President Trump tapped to lead the Administration’s Coronavirus response, met with a number of America’s governors today to give an update on the White House Coronavirus Task Force. “We’ll continue to coordinate closely with state & local leaders as we respond,” he wrote after the meeting.”

https://youtu.be/U1DnSwt-VnI

上のyoutubeは、ペンスのタスクフォース報告が△35分くらいから始まります。会見の最後で、ペンスは“If I may, we will be back everyday”と言っているから毎日記者会見するのかも。

上久保氏は現在中国から日本への渡航は事実上ほとんどないと言っていいほど制限されている。」と言っていますが、キチンと数字で示して議論を進めるべき。でなければ、氏の言う科学的というのが空しく響きます。足立康史議員の国会質問で分かった800人/日でも、その中に感染者がいるかもしれません。地政学を研究しているのであれば、2万人から800人に減ったという数字の大小に目を奪われることなく、危機管理の観点から見ないとダメでは。欧州のペストのパンデミック等怖さを知っているでしょうに。日本人の感染者が1人でも見つかれば、接触者も隔離します。人数が減ったからと言って2省以外の中国から入れるのでは、何のために隔離までして疫病の感染拡大を防いでいるか分からなくなるでしょう。普通の日本人は中国人を800人もまだ入れているのかと思います。中国人の全面入国禁止をしているのは、米露台豪比等の国がありますが、ではなぜ彼らは日本のように2省に制限しないのか?危険因子は除去するのは当り前です。それと上久保氏は中共の公式発表しか見てないのでは。彼らはいつも嘘の数字を発表していることに思いを馳せなければ、誤断します。中国語を使った、官製メデイアでない報道から情報を取った方が良い。

安倍首相の言葉に国民が信を置かなくなったというのはその通り。前にも本ブログで指摘した通り「信なくば立たず」です。どんなことをやっても民主主義の国では批判が起きます。国民にきちんと説明して安心させるのが大切では。大統領制と議員内閣制の違いはありますが、上述のペンスのタスクフォースのように専門家にも出席して貰い、記者会見の中で、国民が知りたいことが伝わるようにしてほしいと望みます。安心感が違います。野党との国会質疑は時間の無駄としか思えない質問ばかり。有事の際は直接国民に語ってほしい。

モリカケは米国のロシア疑惑やウクライナ疑惑同様、野党と左翼メデイアが共同謀議ででっちあげたものです。安倍首相に憲法改正させないためです。そのくらいは見通せないと、上久保氏は論評する資格はないのでは。

WHOのテドロスは日本を韓国、イタリア、イラン同様、感染危険国扱いしたのは、習近平の訪日延期を地ならしするためでしょう。米国は入国禁止措置を日本に取っていないのに。しかし、これでオリパラ開催も危うくなるかも。そもそもで言えば、安倍首相の昨年6月の習との会談で訪日招待したのが、戦略的な大誤断でした。当時既にウイグル人強制収容の話は出ていたわけですから。それが今になって効いて来ているわけです。日本は撤回することも覚えなくては、敵に出方を簡単に想像させ、敵の思い通りに動かされます。国際社会で誠実一本槍ではナイーブと思われるだけで、国益を損ねます。中共は米中貿易協議を、不可抗力を理由に履行しないことを考えているというのに。日本も事情変更を主張して習の国賓来日を中止すれば。

記事

新型肺炎の対応に関する記者会見に臨む安倍晋三首相 Photo:JIJI

安倍晋三首相の「臨時休校要請」が批判を浴びているが、今回明らかになった深刻な問題は、安倍政権が発する「言葉」に対して国民が信頼を失ってしまっていることではないだろうnか。指導者は有事の際に指導力を発揮するために、国民から信頼されていなければならない。今こそ、安倍首相をはじめとする全ての政治家が「謙虚さ」の本当の重要性を知るべきときではないだろうか。(立命館大学政策科学部教授 上久保誠人)

全国の小中学校・高校に臨時休校を要請した安倍首相

 安倍晋三首相は2月27日、新型肺炎の感染防止対策として、全国の小学校・中学校・高校に3月2日からの臨時休校を要請した。首相は、「これから1~2週間が急速な拡大か収束かの瀬戸際」として異例の政治決断をした。だが翌日、唐突な決断に対してさまざまな批判が広がると、首相は国会で「基本的な考え方として示した。各学校、地域で柔軟にご判断いただきたい」と答弁した。

 一度は、強い調子で全校臨時休校を要請しながら、翌日には自治体・学校側に判断を委ねると発言を修正した安倍首相の右往左往した姿勢に戸惑いが広がっている。だが、筆者は全校臨時休校という安倍首相の決断には一定の合理性があると考えている。

「科学的」かつ「政治的」に全体最適な解を選択することが大事

 もちろん、全校臨時休校によってさまざまな問題が生じることは承知している。子どもの勉強や受験の問題は言うまでもない。子育て中の働く親は、子どもを預けるところがなく仕事を休まなければならないかもしれない。経済活動の停滞を招く懸念がある。特に、医療現場では子どもの世話のために看護師らが出勤できず、通常の診療体制の縮小を検討する病院が出てきている。新型肺炎が広がり、ギリギリで踏ん張っている医療体制の崩壊が起きかねない。

 しかし、どんな対策を取っても、それに伴う問題は必ず起こるものである。医療現場はいうまでもなく、職場でも学校でも高齢者施設でも、さまざまな現場から多様な批判が噴出してくる。これら全てを解決する完璧な解決策などあり得ないことは、誰でも分かっていることだ。大事なことは、さまざまな問題があることを認めながら全体的にみてベターな解は何かを、「科学的」かつ「政治的」に選択することである。

 その観点から考えると、全校臨時休校は悪くないのではないか。新型肺炎の流行を完全に止めたければ、人と人の接触を完全になくすことだ。つまり学校だけではなく、企業活動そのものを全部停止して交通機関も止めればいい。また、新型ウイルスが発生した中国からの入国を完全に禁止すればいい。だが、それは実現不可能な理想論だ。日本経済の状況や日中の経済関係の強い結び付きを考えれば、簡単にできることではない。

 一方で、専門家が指摘するように、ここ1~2週間が感染拡大か収束かの勝負どころだとすれば、何も手を打たないというわけにはいかない。理想的ではなくても、何らかの対策は打たねばならない。全ての条件を考慮した上で、ベストではなくてもベターな策を探すとき、それは「学校」を休校にして「子ども」の動きを止めることだというのは理解できる。

不安を煽るような言説を排除して科学的データに基づいて整理すると…

 ちまたに氾濫する人々の不安を煽るような言説を排除し、科学的なデータに基づいて今起きている事態を冷静に把握すると、全校臨時休校という安倍首相の決断の合理性が見えてくる。

 ある感染症の専門家に聞いたところ、医学的、疫学的にみれば、12月に新型肺炎が発生した中国・湖北省武漢市は、少なくとも混乱を極めて医療体制が破綻したために死亡率が高くなったと考えられている(「新型」であったがために初動が正しかったか誤っていたかどうかは今後の検証を待たねばならないが)。

 しかし、中国では武漢以外の地域での死亡率が武漢の7分の1にとどまっており、インフルエンザの倍程度の死亡率だという(「新型肺炎 致死率、武漢だけ突出 中国、湖北省除けば0.17% インフルの倍程度」『東京新聞』2020年2月7日)。武漢で発生した新型肺炎は、少しタイムラグをもって日本に伝播したことは想像に難くない。日本も医療システムが崩壊しなければ、「武漢以外」に準じた状況になると考えるのが妥当だ。

 まさに、ここ「1~2週間が感染拡大か収束かの勝負どころ」であることが分かる。ここで感染増加の山をなだらかな山にするため、イベントなどの自粛に加えて小中高の学校での感染を抑え込めれば、感染規模は大幅に小さくなる。

 新型コロナウイルスに対して、子どもは症状が起きにくく、軽症になるとされる。だが、インフルエンザは無症候性感染者からウイルスの排出があり、感染源になり得ることが示唆される(Clin Infect Dis. 2017 Mar 15;64(6):736-742. doi: 10.1093/cid/ciw841.)。また無症状の患者から感染したとされる事例が複数報告されている(JAMA. Published online February 21, 2020. doi:10.1001/jama.2020.2565)。その上、子どもは感染防御に関する知識も意識も乏しい。成人と比べても感染を広げてしまう集団となる可能性はある。感染した子どもが無症状であればなおさらだ。

 そして、「学校」は比較的トップダウンで止めやすいということもある。もちろん法的根拠がなく、安倍首相は「要請」以上の強制力を持てなかったなど、さまざまな問題はある。だが、基本的には文部科学省と自治体が通達を出せば、それに従って休校を決めてくれると考えられる。

 一方、企業ではそう簡単にはいかない。安倍首相が企業活動の停止など口にしようものなら、その日から「例外扱い」を求めて全国からありとあらゆる財界人や経営者、その他さまざまな団体役員が自民党本部にやってきて陳情し、修羅場になるだろう。

 もちろん、安倍首相の全校臨時休校の要請には拙い点も散見される。菅義偉官房長官や萩生田光一文科相との間に事前の調整がなく、今井尚哉首相補佐官の進言によって決まったとされる意思決定の不透明さや杜撰さの問題はある。だが、どこかで止めなければいけない中で小中高を臨時休校にするという選択をしたことには、十分に合理性があると評価すべきなのである。

「中国からの入国を全面禁止せよ」という批判は的外れ

 安倍首相の「全校臨時休校」の要請に対しては、「その前に他にやるべきことがあるだろう」という批判がある。その代表例が「中国からの入国を全面的に禁止せよ」というものだ。現在、新型肺炎の発生源である中国からの入国制限を湖北省と浙江省に限っているが、なぜ中国全土に拡大しないのかという主張である。

 筆者も当初この主張を支持していた。自民党の保守系議員など政府に近い筋も主張していた。だからリアリティーのある主張だと思っていたのだ。だが、よく調べてみると、現在中国から日本への渡航は事実上ほとんどないと言っていいほど制限されている。

 中国人の訪日観光は基本的に、中国の法令に基づく「団体観光」の形式をとり、旅行会社を通じて団体観光ビザを申請することになる。だが、中国政府は新型肺炎の発生後、中国国内の旅行会社に対し、全ての団体旅行を中止するよう命じている(「中国、27日から海外団体旅行を禁止 新型肺炎拡散防止で」『日本経済新聞』2020年1月25日)。これは、通勤のために京都駅を毎日のように通る筆者にも実感がある。京都駅を埋め尽くしているようだった中国からの観光客が、雲散霧消しているのだ。

 自民党の保守系議員はこの状況を当然知っているはずだ。それでは、なぜ「中国からの入国者全面禁止」にこだわるのか。中国政府が自ら日本への出国を禁止していることや、安倍政権が自ら中国人の入国禁止を決断しないことが「政治的」に都合が悪いからだとしか言いようがない。

 新型肺炎に感染した人が中国から日本へ入国し放題になっているかのような発言は、国民を不要なパニックに陥れてしまうものだ。現在のような「非常事態」において、「政治的な思惑」で誤った情報を軽はずみに流すのは慎むべきである。

日本政府がPCR検査を大々的に実施しない合理的な理由

 政府の新型肺炎への対応で最も批判が多いのが「PCR検査」に関するものだ。PCR検査とは、鼻や喉に綿棒を入れて粘膜を採取し、この中に存在するかもしれない遺伝子を増やすことで陰性か陽性かを調べる検査方法だ。新型肺炎に感染しているかどうかを検査する方法は、PCR検査しかないとされている。

 日本において、このPCR検査の実施件数が少ないことが批判されてきた。韓国では2月27日午前9時の時点で4万4157人が検査を受けたのに対し、日本では26日午後1時の段階で1890件にとどまっていた。実に韓国の23分の1の実施数だ(辺真一「韓国が日本よりも「国内感染者」が約10倍も多い3つの理由 日本は大丈夫か!?」)。中国メディアから「東京五輪を開催するために感染者を少なく見せようとしている」と指摘されるなど、批判は日本国内にとどまらず、世界中に広がっている。

 だが、PCR検査を日本政府が抑制的に行っていることは間違っていない。なぜなら、現在の検査の精度で検査実施数を大幅に増やせば、さまざまな面で医療崩壊を引き起こす懸念があるからだ。

 日本には、約2万の病院・クリニックがある。全面的にPCR検査を解禁して、仮に1つの医療機関で1回陽性が出れば、検体の数は2万となる。現在検査できる施設のキャパシティーの問題から、厳格なウイルス感染防御が必要なその施設を増やしてもなお、早期に検査処理能力を超えることは容易に想像できるだろう。

 そして、新型感染症となれば「指定感染症」として「隔離」することになる。おまけに、隔離は少なくとも2週間以上は続く。日本の指定感染症病院のベッド数は約4000だ。現在不足が予想されるため増やす方向とはいえ、ベッドに余裕があるわけではない。指定感染症病院については、北海道で早くも非常事態宣言がなされている。

 問題なのは、現在のPCR検査は、「偽陽性」「偽陰性」がそれぞれ8パーセントくらい出る精度の低いものだということだ、本当は新型肺炎ではない偽陽性の患者がベッドを占めると、本当に隔離が必要な患者のベッドがなくなってしまうことになる。また偽陰性と診断された人は、お墨付きをもらったことで外出してウイルスをばらまくことになる。

 さらに、全面的にPCR検査を解禁したときに問題となることは、新型コロナウイルスに感染している可能性がある人が病院に押し寄せることだ。そうすると高齢者や基礎疾患を持つ外来患者や入院している人に新型肺炎が感染するリスクが跳ね上がる。死亡者・重篤者を増やしてしまうことになれば、その病院は院内感染により、病棟閉鎖という非常事態に陥る可能性が高くなるだろう。

また、診療を行う医師や医療スタッフが感染する可能性も格段に高まる。開業医の約3割は60歳以上の高齢である。1人でやっている開業医の場合、その医師が新型肺炎に感染してしまえば、その医療機関は即、長期閉鎖や閉院に追い込まれてしまう。医療崩壊を起こすリスクは、あらゆる面で格段に高まるということだ(岩永直子「新型コロナ、なぜ希望者全員に検査をしないの?  感染管理の専門家に聞きました」)。

 実際、日本の約23倍のPCR検査を実施している韓国では、新型肺炎の感染者数が3700人を超え、死者20人に達している(日本はダイヤモンド・プリンセス号の乗船者を除くと、国内発生は197人、死者6人)。さらに、3万3000人以上の感染の有無を検査中で、今以上に感染者は増えると考えられる。韓国では、PCR検査を徹底的に実施したことが新型肺炎感染者を激増させる原因となってしまっているのではないか。

 新型コロナウイルスに感染したのではないかと、心配になって検査を受けたくなる国民の気持ちは理解できる。筆者も、もし感染したらと考えると不安になる。だから、PCR検査実施を増やそうとしない政府をメディアが批判し、世論が沸騰してしまう。だが、政府は世論に押されて方針を変えてはいけない。

 既によく知られているように、新型肺炎の感染者は5割が無症状。8割から9割が重症化しない。15%が軽度の肺炎で、人工呼吸器が必要となる重篤な肺炎は5%だ。死亡率は、医療体制が破綻しなければ0.4%とされている。通常は自宅での療養で全く問題がない。メディアにも国民にも冷静な対応を求めたい。

 今、冷静さを保って医療崩壊を回避できれば、新型肺炎のパンデミックは起きず、中国の武漢以外の都市並みの感染率・死亡率にとどまり、4月以降は収束していくだろう。東京オリンピック・パラリンピックは問題なく開催できることになるはずだ。

安倍政権の「言葉」を国民が信頼していない事実が問題

 要するに、新型肺炎を巡る日本政府の対応は後手に回りがちだといった意思決定の問題はあるものの、概ね合理性があり、間違ってはいない。しかし、今回明らかになった深刻な問題は、安倍政権が発する「言葉」に対して国民が信頼を失ってしまっていることではないだろうか。

2月29日、安倍首相は「全校臨時休校」の要請について説明するために、記者会見を行った。だが、丁寧な説明は何もなく、「全責任を私が持つ」「断腸の思いで決断した」という精神論に終始。令和元年度予算の予備費として残っている2700億円以上を活用した緊急対策を今後詰めると表明しただけだった。メディアは首相を酷評した。

 だが、前例のない緊急事態である。安倍首相のトップダウンで決断し、そのプロセスを説明しようがなかったことや具体策が詰め切れてないことは、ある意味仕方がない部分もある。問題は、首相が「全責任を私が持つ」と言って、その言葉を信じられる人がいないことだ。

 その理由は、言うまでもないだろう。これまで何度も不祥事が起こるたびに安倍首相は「責任は私にある」と原稿の棒読みで発言し、実際に責任を取ったことがないからだ。逆に、首相の言葉に信頼があれば、たとえ具体案がすぐに出せなくても、国民は「首相がきっと何とかしてくれる」と納得したはずだ。メディアも国民も難局を乗り切ろうと、一丸となれたのではないだろうか。

 この連載では、指導者は「謙虚」であるべきだと論じたことがある(本連載第176回『国家の指導者が「謙虚」でなければならない理由』)。それは、一般的には「謙虚でないと有権者の怒りを買って選挙に負けるから」だといわれている。

 安倍政権では、「森友学園問題」「加計学園問題」や「桜を見る会」の問題などが多発。首相やその周辺の「権力の私的乱用」疑惑と、首相への「忖度」からくる官僚による隠蔽や公文書偽造、資料破棄などの問題が次から次へと起こってきた。しかし、野党の追及に対する首相や閣僚の態度は「おごり」「傲慢」そのものだった。

 安倍首相は選挙の前になると急に「謙虚な姿勢」を強調した。しかし、選挙に勝利すると、謙虚な姿勢などすっかり忘れて、元の「傲慢」な首相に戻った。首相は、選挙に勝つためだけに「謙虚」なふりをすればいいと信じ切っていたようだ。

 だが、指導者が謙虚でなければならない理由は、実は選挙に勝つためではない。「有事」の際に、指導力を発揮するためである。強力な首相の権力は、究極的には「有事」において首相が指導力を発揮するためにある。ところが、首相に「謙虚さ」がなく、「軽率な言動」「おごり」「傲慢な態度」によって首相の権力に対する国民の支持や信頼が失われてしまうと、指導力を発揮できなくなるのだ。

つまり、首相の指導力に対して国民が信頼を置いていなければ、有事の際に「国難」を招くことになる。そして、2年前に筆者が警告したことが実際に起きてしまった。新型コロナウイルスという「未知の敵」が襲来する「有事」が起こったのだ。しかし、「有事」において安倍首相の言葉が信頼されず、厳しい批判を浴びることで首相自身も周囲も右往左往してしまっている。政府が迷い、厳しい世論の批判に屈すれば、パンデミックという国難を招きかねない状況に陥っている。

 今こそ、全ての政治家が「謙虚さ」の本当の重要性を知るべきときではないだろうか。強い権力を持つからこそ何をしてもいいのではなく、普段はその扱いには慎重にならねばならない。そうでないと、いざというときに権力を使えなくなってしまう。指導者が「謙虚」でなければならない本当の理由を思い知るべきなのである。

 そして、安倍首相が今やらなければならないことは、「これ以上何もしないで現状を維持すること」である。首相が「全校臨時休校」を決断したのは、政府の新型肺炎への対応に批判が集まることに焦り、首相の決断力を見せようとしたからだという。「全校臨時休校」自体は合理性があっても、首相の決断の仕方は最悪である。

 さらに安倍首相が焦って、「緊急事態宣言」を出すという話が出ている。これまで述べてきたように、静かにしていれば危機は去っていく。首相が動けば国民がパニックになり、医療機関に殺到して医療崩壊やパンデミックを引き起こしかねない。首相よ、自分で何でも決断しようとするな。「謙虚」になれと強く訴えておきたい。

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