『中国・キリスト教弾圧にバチカンの妥協どこまで?迫害の背景に浮かぶ中国共産党の危機感』(12/19日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国・高速列車で頻発する指定席の座席占領 罰金から行政拘留への処罰強化が遂に実現』(12/14日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/19阿波羅新聞網<外媒:内斗加剧 李克强两次演讲不提习 反习势力浮出水面=外国メデイア(WSJ):内部闘争は激化 李克強は2回の講演で習の名を出さず 反習勢力が水面に浮上して来た>12/18改革開放40周年記念大会の習の演説は古色蒼然、何も変わりは無かった。党内エリートと習の不協和音が目につくようになった。李克強は先月シンガポールで講演した時に習の名を出さず、鄧小平の名前を出した。鄧樸方は北京のやり方を批判した。

https://www.aboluowang.com/2018/1219/1220440.html

中国共産党は内部分裂すれば良いのに。ただ、お公家集団の共青団が力技の習を打倒できるかは疑問です。

福島氏の記事で、フランシスコ法王にパウロ二世のような役割を期待しても無駄でしょう。共産主義の恐ろしさを知っていて、中共に擦り寄っている気がします。赤い法王でしょう。何で枢機卿は彼を選んだのかと言う気がします。米国がバチカンに中共に擦り寄るなと警告しないと。

日本企業も中国に擦り寄りすぎです。自由を抑圧、非人道的な共産主義の怖さを経営者が分かっていません。目先の金に転んでいるとしか思えません。強かな中国人がそんな簡単に儲けさせてくれるはずもないのに。学力レベルでなく地頭の良さが問われます。まあ、米国がやがて対中COCOMを発動するでしょうから、その時焦っても遅いでしょう。

北村氏の記事で、“覇座”が中国で一般化していると言うものですが、福島氏の記事にありますように共産主義の非人間性、拝金主義に疲れ切った人は宗教に救いを求めますが、それもできない人間は公衆道徳を無視することで自分の力を誇示しようと思っているのでしょう。愚かな人達です。そういう人達が日本に大量に入って来たらどうなるか?入管法改悪は愚策としか言いようがありません。2年後の見直しで廃案にすべきです。

福島記事

ローマ・カトリック教会の法王庁(バチカン)で10月16日に開かれた世界司教会議に、中国の司教2人が初めて参加した(写真:ロイター/アフロ)

 バチカンは14日までに中国福建省閩東(ミントン)教区の地下教会司教だった郭希錦を同地区の政府公認教会の副司教にした。司教の地位は北京当局の任命した司教、詹思禄に譲られた。郭希錦はバチカンが任命した司教であり、長らく中国当局がその地位を承認してこなかった。地下教会司教として過去何度も拘束、尋問され虐待され、バチカンと中国が司教任命権をめぐる交渉を水面下で行っていた最中の3月にも、地元警察に身柄を拘束されていた。

 バチカンと中国が9月に司教任命権問題で“暫定合意”に至り、中国当局が勝手に任命し、バチカンから破門されていた7人の司教に対して破門を取り消した。これに続き、地下教会の司教を政府公認教会の司教の下につけることに同意したわけで、バチカン側は全面的に中国政府に譲歩し続けているという印象だ。だが、今中国で起こっている非公認教会の弾圧の嵐をみるに、バチカンの妥協は中国を勢いづかせることになりはしないか。バチカンはどこまで妥協するつもりだろう?

 郭希錦はバチカンの判断に従う意思をすでに表明しており、12月14日までに、北京の釣魚台迎賓館にて、バチカンから派遣された代表団とともに詹思禄と面会、譲位式が執り行われた。

 環球時報が14日に報じたところによれば、彼の司教譲位がバチカンと中国の交渉の焦点の一つであったようだ。中国側は2017年以来、なんども郭希錦に司教を譲位するように要求していたという。郭希錦は環球時報に対して、これで地下教会と政府公認教会は合併したと語っている。

 だがこれは本当に中国のキリスト教信者たちにとって喜ばしいことなのだろうか。というのも、今中国で進行しているカトリックを含むキリスト教弾圧は文革以降過去最悪と言われる苛酷さなのだ。

四川省では信者100人以上逮捕

 たとえば四川省成都の秋雨聖約教会が、ほぼ同じ時期に大弾圧にあっている。この教会はカトリックではなく、カルバン派の牧師、王怡が指導者として知られ、2005年に創立。王怡が妻とともに逮捕されたほか、100人以上の信者らが逮捕、拘束された。事件は国際社会も注目している。この一斉拘束の際、非暴力を掲げる信者たちに警察は武器なども使って威嚇しており、まさに羊の群れに踊り込んだ狼の様相であったと、ラジオ・フリーアジア(RFA)は報じていた。

 45歳の王怡は政権転覆罪で起訴される可能性があり、有罪判決がでれば懲役15年の可能性が指摘されている。だが王怡がこれまで法律家として言論人として宗教家として弱者救済に尽力し、中国社会をより良くしようとしてきたことは周知の事実。当初の活躍は、中国のメディアでも好意的に取り上げられ、2004年には中国で最も影響のある公共知識人の一人として「南方人物週刊」に取り上げられていたほどだ。

 9月には北京の錫安(シオン)教会が取り壊されていた。「民政部に登記のないまま、勝手に社会組織を名乗り活動を展開し、社会組織管理秩序を見出し、社会団体登記管理条例、違法民間組織取締り暫定弁法などの規定に違反」しているという理由だ。この教会は2007年に創立された北京最大の家庭教会で、もともと7つの礼拝堂をもち毎週1500人が礼拝に参加していたという。過去、何度も弾圧を受け、潰されかけそうになりながらも熱心な信者たちに守られてきたが、今年に入ってカルト扱いされ、周辺には顔認証監視カメラが設置され、教会内にも盗聴器が仕掛けられたという。

 また警察側は牧師たちを個別に尋問してスパイがいるなどと吹き込んだり、家族が入院中の牧師に対して協力するならば万元単位の入院費を肩代わりしてやるといった買収をしかけたりしていたらしい。4月以来、9月までに7つの礼拝堂のうち6つが閉鎖においこまれ、9月9日の最後の一つの礼拝堂に警察70人が乗り込み、教会や牧師の個人所有物を押収、強制立ち退きを行った。指導牧師の金明日は「教会に物件を貸していた家主が政府から強い圧力を受けて、契約を中止したいと頼んできたので、我々は閉鎖せざるを得ない。だが新しい場所を借りることはもう不可能だろう」と語っていた。

 このほか、今年2月以降、浙江省や河南省の家庭教会や地下教会の弾圧、閉鎖が続いているという。河南省南陽市で10年の歴史をもつ光彩キリスト教会は9月、警察が突然やってきて教会の十字架を撤去、聖書その他の教会の所有物を押収し、絵画や設備の破壊した。河南は500~600万人のキリスト教徒がおり、光彩教会はその信仰の中心地の一つだった。河南では家庭教会だけでなく、政府公認の三自愛国系の教会ですら十字架撤去を強制されている。

背景に中国共産党の統治の危機感

 RFAが秋雨教会の大弾圧後、米国のキリスト教系NGO対華援助協会の責任者である牧師、傅希秋や亡命作家の余傑にインタビューしている。

 傅希秋はこうコメントしている。

 「“習皇帝”の統治下では、キリスト教の中国化、宗教の中国化が叫ばれている。主な目的は共産党がすべての宗教組織および独立傾向の強い宗教団体および個人を絶対的にコントロールすることだ。(2015年の)浙江省の強制十字架取り壊し事件などが起きたあたりから、共産党内部文書で“キリスト教の増長と過熱的発展を抑制する”ことが目的だと通達されている」

 余傑はこれが個別の事件ではなく、習近平政権が始まって以来の政策の重要なステップであり、背景に中国共産党の統治の危機感があると指摘していた。

 「今年に入って秋雨教会、北京の錫安教会の迫害が起きた。これらは都市部の新興教会として中産階級のパワーを集め、広義の人権を含め、信仰の自由を守ろうとしていた。これに中国共産党が恐怖し、慌てたから、こうした弾圧と破壊を行ったのだろう」

 キリスト教の中国における発展は、たしかに目を見張るものがある。2010年の社会科学院のリポートによれば中国のキリスト教徒は2300万人、今年4月に発表された宗教白書によればそれが3800万人以上。10年もみたない時間で65%の増加である。この数字は非公認教会の信者の数字を入れていないので、全体では1億人近いのではないか、という推計もある。

 キリスト教の発展の背景は、傅希秋によれば、“中国共産党の暗黒政治、マルクス主義や無神論思想の破綻”が原因らしい。共産党体制のもと唯物主義、拝金主義がはびこり、人々の道徳や誠実さの水準が地におちたとき、人々が信仰をもとめたのだという。それがある人にとってはキリスト教であり、また別の人にとってはイスラム教であり、チベット仏教や仏教であったということだろう。

 米国の亡命華人作家の余傑は、私が現役の記者であった2003~08年ころ、北京で何度かあって取材したことがある。彼が主宰する北京方舟教会の礼拝に何度かうかがった。信者の多くが中産階級で、社会的地位も高く教養もある金持ちであったが、信仰に入ったきっかけなどを取材していくと、多くの人が、拝金主義や競争社会における精神の疲労、虚しさを訴えていた。人を騙した人も騙された人もいて、救いを欲していた。

バチカンは中国の恐ろしさをわかっていない?

 同じころ、世間では孔子ブームも起きていて、毛沢東時代に批判したおした孔子を中国伝統の文化として再評価し、道徳や礼節を取りもどそうという運動も展開されていたが、余傑によれば、儒教文明の基本は農業社会の価値観にあって、現代の産業化社会には合わなかった、という。都市の知識文化人がこうしてキリスト教に傾倒していたという。あの頃から、確かに家庭教会はさまざまな迫害をうけていたが、中国社会に静かに根を張り、広がっていた。

 宗教は、中産階級の知識人と地方の農村や低層の虐げられた人々を結び付ける絆になりえ、中国社会の不条理や不安・不満の思いを結集させてよりよい社会を作っていこうというポジティブな力に転嫁させる可能性を秘めていたが、それが共産党体制を転覆させかねないパワーになると気づいたため、習近平政権になって急速な宗教の中国化政策がとられたわけだ。宗教を共産党がコントロールできなければ、宗教は共産党を飲み込みかねない。

 キリスト教、カトリックを共産党が支配するためには、まず総本山のバチカンを中国共産党がコントロールできなければならないのだ

バチカンが中国の宗教というものに対する警戒心を十分理解しているかどうかは、わからない。ただバチカンが中国の恐ろしさをわかっていないのではないか、という不安と疑問は、9月以降、信者たちの間で少しずつ広がっている。

 閩東教区の例をうけて、各教区では地下教会は公認教会のもとに下るのが、バチカンの指示であるという解釈を受け入れた寧夏教区の地下教会の神父・王沢義も、公認教会に入ることを公表した。だが同じ教会の同僚や信者たちから「軟弱」「裏切りもの」と批判を浴び、教会から離れた信者もかなりいたという。地下教会が分裂しかかっており、バチカンの9月以降の動きは、中国共産党の宗教の力の淡化、宗教の中国化という狙いに利している、という危機感をもつ信者もいるという。香港教区司教の陳日君は11月突然、隠居宣言を行った。86歳の彼はこれまでバチカンの今の親中路線が危ういと言い続け、これを推し進めているバチカン・ナンバー2枢機卿のピエトロ・パロリンを名指しで批判してきた。

フランシスコ教皇、訪中の可能性も

 だが、フランス宗教紙のインタビューで、彼は今後について、「同じ宗教内で争うことはできない」と語り、修道院にこもって隠居生活を行う、としている。司教としてバチカンの決めたことには逆らえない、ということだろう。中国の宗教の自由のために尽力してきた陳日君の諦観のにじむ言動は、中国の信者の動揺を誘っているという。

 来年末にはフランシスコ教皇が日本を訪問するようだが、中国訪問も俎上にあがっている。教皇自身が中国訪問を強く望んでいるとも聞くので、ひょっとすると同じタイミングで訪中予定が組まれるかもしれない。教皇訪中は遅かれ早かれ実現することだろう。教皇は何を中国訪問に期待しているのだろう。単に世界最大の布教市場への期待だけではあるまい、と思いたい。

 ヒトラーと渡り合ったピウス12世は結果的には、ユダヤ人虐殺を食い止められなかった教皇といった汚名もかぶった。ヨハネ・パウロ2世は旧ソ連や東欧の民主化を後押しし、東西冷戦終結における重要な役割を担った。バチカンは時代の節目節目で国際政治のギアチェンジの役割を担い、おそらく今もそれだけの影響力を持ち得る国家だろう。だからこそ、宗教、信仰とまったく縁のない私までが、バチカンと中国の駆け引きが気になるのである。バチカンの今現在の妥協は長大な駆け引き、戦略の一環であり、最終的にはその影響力を中国の過去40年来最悪の人権侵害、宗教弾圧の救済のため、そして中国が赤い帝国の野望を捨てて、普通の国として生まれ変わるきっかけのために発揮してくれることを切に願う。

北村記事

中国では他人が座るべき指定席を占拠して座り続けるトラブルが社会問題化している(写真はイメージ=PIXTA)

 中国語で“覇”という漢字は、「占領する」とか「横取りする」といった意味を持つ。そこで、中国語辞典で“覇”の付く熟語を調べると、“覇占(力ずくで占領する)”、“覇持(強行に独占する)”などといった言葉が目につくが、最近の中国でたびたび目に付くのが“覇座”という言葉である。“覇座”とは何を意味するのか。中国語の“座”は「座席」を意味するから、“覇座”は「座席占領」となり、列車や飛行機などの交通機関で他人が座るべき指定席を占拠して座り続けることを意味する。

 “中国共産主義青年団北京市委員会”の機関紙「北京青年報」は12月8日付で「“動真格了 高鉄覇座女乗客首次被拘留(まじでやったぜ、高速鉄道で座席占領の女乗客が初めて拘留された)”」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

【1】12月6日に遼寧省“大連市”の“公安局”が発表したところによれば、12月3日14時9分、内モンゴル自治区“包頭市”発遼寧省“大連市”行きのK56列車が遼寧省“瀋陽市”の市内にある「蘇家屯駅」を出発した直後に、列車長から「1号車の車両で乗客による“覇座(座席占領)”が発生している」という通報が列車に乗車している“乗警(鉄道警察官)”へ発せられた。

【2】“覇座”を行っていたのは女性乗客の“劉某”(22歳、黒龍江省“甘南県”出身)であり、彼女は瀋陽駅から乗車して“営口市”にある「熊岳城駅」へ向かおうとしていた。瀋陽駅から熊岳城駅までの距離は218kmで、所要時間は約3時間であった。K56列車が蘇家屯駅を発車後に、1号車の座席番号64の指定乗車券を持った“祝某”という乗客が、当該座席に座っていた劉某に対して座席を明け渡すように要求したところ、劉某はこれを拒否し、「座席は早く座った者勝ちだ」と言い放った。列車の乗務員がやって来て劉某の説得を試みたが効果がなかったので、列車長経由で乗車していた鉄道警察官に報告した。

【3】劉某の不当行為に対して、2人の鉄道警察官が劉某の指定席占領という行為は列車の秩序をかき乱すとして何度も通告を行うと同時に、『治安管理処罰法』違反の容疑に当たると警告し、劉某に速やかに座席を明け渡すよう要求した。しかし、劉某は聞く耳を持たず、極めて無礼な態度で要求を拒否しただけでなく、鉄道警察官や周囲の乗客に対して罵声を浴びせる始末だった。劉某に何度警告を行っても効果が無かったので、鉄道警察官は列車の秩序維持を理由に、劉某を強制的に連行し、最寄りの「大石橋駅」にある派出所へ劉某の身柄を引き渡した。鉄道警察官2人が劉某を連行するために、力ずくで座席から引き離そうとした時、劉某は「座席の“搶劫啦!(強奪だ)”」と大声を張り上げて抵抗したという。

【4】派出所に身柄を引き渡された劉某は、“覇座”を行ったことに関して“供認不諱(包み隠さず自供した)”。“大連鉄路公安処(大連鉄道警察署)”は『治安管理処罰法』の関連規定に基づき、劉某に対して行政拘留の処罰を与えた。

初の「行政拘留の処罰」

 上記のニュースが報じられると、人々は鉄道警察が劉某に対して「行政拘留の処罰」を与えたことに喝采を上げたという。それは記事の表題にもあった「“動真格了(まじでやった)”」という言葉が示すように、この種の“覇座”事件において「行政拘留の処罰」が下されたのは劉某が初めてだったからである。

 劉某に適用されたのは『治安管理処罰法』の第23条第1項の規定だと思われるが、その内容は以下の通り。

【第23条第1項】

 下記する5項目の行為のうちの該当するものが一つある場合は、警告あるいは200元(約3300円)以下の罰金。情状が比較的重い場合は、5日以上10日以下の勾留とし、同時に500元(約8250円)以下の罰金を科すこともできる。

 5項目は箇条書きで規定されており、そのうちの第3項目が“覇座”に関連すると思われるが、そこには次のように書かれている。

(3)公共の自動車、電車、汽車、船舶、航空機あるいはその他公共交通機関上の秩序をかき乱す行為

 従い、劉某に下された行政拘留は「5日以上10日以下」ということになるが、具体的に何日間の勾留になったのかは報じられていない。

 なお、“覇座”行為を抑制するため、“広東省人民代表大会常務委員会”は2018年10月9日に『広東省鉄路安全管理条例』を採択し、同条例は12月1日から施行された。同条例には、「鉄道の乗客は乗車券に明記された座席に従って乗車せねばならず、他人の座席を占領してはならない」と明記されている。但し、同条例には“覇座”を行った場合に適用される具体的な罰則規定は記載されていない。

当事者の特定、容易に

 ところで、中国では今年の8月以降に列車の乗客による“覇座”事件が頻発するようになり、それがメディアのニュースによって報じられることにより世論が盛る上がると同時に、“覇座”の当事者が社会から指弾を受けることが多くなっている。その原因はネット社会であり、限られた個人情報から当事者が容易に特定されることにある。

 2018年8月21日、山東省の「済南駅」発「北京南駅」行の列車No.G334に乗った“王新穎”(仮名)という女性が、自分が購入した窓際の指定席(座席F)に座ろうとしたら、何とその席にはすでに赤の他人の男性が座っていた。驚いた王新穎が男性に乗車券を示して自分の席だから座席を空けるように要求したところ、男性は「俺はこの席が良い」と言うばかりで動こうとしない。困り果てた王新穎が列車長に窮状を訴えて呼んでくると、男性は列車長の要求に応じて乗車券を示したが、そこに記載されていたのは1列後ろの窓際の指定席(座席A)であった。列車長が「ここはこちらの女性の指定席だから、座席を空けて、貴方自身の指定席へ移動して欲しい」と要求すると、男性は「座席から立つことができない」と言い出した。

 これを受けた列車長がどこか身体が悪いのかあるいは酒でも飲んでいるのかと尋ねると、男性は「酒なんか飲んでいない」と反発した。さらに、列車長が酒を飲んでいないのに、どうして立てないのかと聞くと、男は「俺にも分からない」と答えた上で、「下車する駅に着いても立てないと思うから、車椅子を用意しておいて欲しい」と述べ、その後に「俺は絶対に俺の席には座らない」と言い放つと、王新穎に向かって「あんたもそこに立っていないで、俺の席に座るか、食堂車へ行けば」と言う始末だった。

 王新穎は大学を卒業したばかりの女性で、「済南西駅」から乗車したが、男性は1つ前の始発駅である「済南駅」から乗車して、彼女の指定席に座ったのだった。男性に対しては列車長のみならず鉄道警察官も自分の指定席に座るように説得を試みたが、らちが明かず、王新穎には“商務車廂(グリーン車)”の席が、男性が彼女の指定席を空けるまでという条件付きで手配されたが、結局彼女はグリーン車に座ったまま終点の北京南駅に到着した。

“覇座男”は誰なのか

 北京に到着した王新穎は、指定席を占拠した不埒(ふらち)な男性に対する怒りを表明するために、彼女が列車長と男性のやり取りを撮影した動画をネット上に投稿したのだった。投稿された動画は大きな反響を呼び、“覇座男(座席占領を行った男)”は誰かという“人肉検索(ネットユーザーが協力して限られた情報から人物を特定すること)”が行われた。

 その結果として判明したのは、“覇座男”は“孫赫(そんかく)”(1985年生まれの33歳、山東省莒南県出身)であり、現在は韓国“圓光大学”の博士課程在学中の人物だった。

 人肉検索で特定された孫赫は、8月22日の夜、自分の態度が極めて悪く、深く反省しているとして、ネット上に王新穎に対する謝罪表明を書き込んだ。謝罪表明の全文は以下の通り。

 ネット上で私が本人だと暴露された高速鉄道座席占領事件に関し、私は悔悟と自責の念を表明します。ここに、私は当事者となった女性と全国の人々に対して衷心よりお詫びします。私は深く反省し、この種の行為が社会のマナーに重く違反し、当事者を深く傷付け、社会に悪い影響を与えたことは、痛恨の極みです。今後はこの種の誤りを再び犯さぬように、さらに修養を積み、人としての素質を高めるよう努力しますので、どうか全国の皆さん、私に自分を改める機会を与えて下さい。

 孫赫は上述のように謝罪表明を行ったが、事態はそれで終わりとはならなかった。その翌々日の8月24日、列車No.G334 を管轄する“中国鉄路済南局集団公司”は、加害者である孫赫に対する処罰を発表し、『治安管理処罰法』第23条第1項の規定に基づき孫赫に200元(約3300円)の罰金を科すと同時に、一定期限内における列車乗車券の購入制限を付加したのだった。

 一方、8月22日早朝には、広東省「深圳駅」発で山東省「青島駅」行の高速鉄道T398の済寧区間で、“無座車票(立ち席乗車券)”を購入した、赤い上衣を着た40歳前後の女性が女子大生の購入した指定席に座り込んで占領するという事件が発生した。自分の指定席に座ろうと思ったら他人が座っているのを見た女子大生は、列車の乗務員を呼んで協力を要請した。乗務員が女性の乗車券を調べると、それは「立ち席乗車券」で、座席に座ることができない乗車券だった。そこで、乗務員が女性に席を空けるよう説得したが、女性は厚顔にも最後まで席から離れず、女子大生は座席指定の乗車券を持ちながら早朝4時から6時までの2時間をずっと立っていることを余儀なくされた。

「ごね得」処罰に喝采

 この女性については、いかなる処罰も与えられなかったようで、関連記事をチェックしても何もない。要するに、“覇座”に関しては、上述した孫赫のように、罰金と一定期間の乗車券購入制限が処罰の限度と考えられ、T398の女性のように何の処罰も受けない「ごね得」が通用することもあったのである。そうした状況に一石を投じたのが、文頭に述べた北京青年報の記事で、「“動真格了(まじでやった)”」と喝采を浴びたように、処罰を「罰金」から一歩踏み出して「行政拘留」まで拡大したことだった。

 ところで、中国ではどうして“覇座(座席占領)”が多発するのか。教育レベルが低いからだというのは、上述した孫赫が韓国の圓光大学博士課程の学生であることを考えると説明がつかない。もっとも、孫赫は人間検索を受けたことにより過去に行った各種の悪事が露見しており、本質的に悪事を平然と行うタイプの人間であることが判明しているので例外と言えるのだが。

 この点について中国メディアが報じている意見は、鉄道の列車長や乗務員、さらには鉄道警察官が“覇座”に対して寛大で、厳しい処罰を行うことなく、200元程度の罰金で済ませて来たことが、「指定席だろうが、誰も座っていない空席に座って悪いか」という意識を持つ人々を増長させたというものである。それは、最悪でも200元の罰金で済むというなら、屁理屈を並べながらも指定席に座っていた方が得だといった感覚を持たせるに至ったということである。誰かが“覇座”で得をしたという話を聞けば、俺も俺もと模倣犯が出て、いつの間にかそれが流行するという中国の伝統的な行動形態なのである。

 “覇座”の処罰にようやく「行政拘留」が導入されたことで、模倣犯の出現率は低下すると思うが、“覇座”をより一層厳しく取締り、厳罰に処すことが改善の鍵だと思われる。中国には“殺鶏給猴看(ニワトリを絞め殺してサルを脅かす)”という成語があり、日本の「一罰百戒」と同様な意味を持つが、1件でも良いから典型的な“覇座”事件に厳しく対処して、メディアを通じて大きく報じ、ごね得は絶対に許されないと人々に示すことが、中国社会の改善には不可欠だと思う。但し、こうした事件は中国だけでなく、日本でも少数とはいえ発生しているのである。

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『ロシアの孤立深めたウクライナ艦船拿捕 強硬策が裏目、米ロ関係も展望開けず』(12/14日経ビジネスオンライン 池田元博)について

12/15 Facebook   中国观察

毎回重要な日がやって来るが、合点がいかない。それはそうで、南京虐殺の数字30万は中共のプロパガンダですから。

12/15ZAKZAK<ファーウェイ逮捕当日に自殺していた習氏“参謀” 中国「千人計画」と関係か 河添恵子氏が緊急寄稿>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181215/soc1812150005-n1.html

12/15阿波羅新聞網<孟晚舟被捕 华为员工被跳楼?生前遭追杀 多少人被谋杀?=孟晩舟の逮捕 華為職員はビルから突き落とされた? 生前には殺すので追い回された どのくらいの人が謀殺されたか?>華為後継者の逮捕は世論の注目を集めた。華為は雑誌《財富》の世界500位内に入る会社であるが、職員が度々飛び降り自殺している。阿波羅ネットの調査では、普通でない死に方をしたのが40例以上ある。華為は情報封鎖しているが。その中で少なくとも3例は謀殺された痕跡が残っている。この3例は共通して、家庭円満、生活も豊かで何ら自殺するような跡も見えなかった。華為は例外なく情報を封鎖している。華為の職員は海外のメデイアに「社員は奴隷同様で、訳が分からず突然死ぬ。急死もしばしば」と明らかにした。数年来、ネット民は「命が惜しければ華為を離れることだ」と呼びかけている。

https://www.aboluowang.com/2018/1215/1218544.html

深圳の鴻海の富士康(FOXCONN)と同じで自殺が多い。ただ、流石に富士康で謀殺との話は聞かなかったです。華為はスパイ会社と言うのもあるのでしょう。

12/15阿波羅新聞網<加媒爆料:中共国安或正在监视孟晚舟=カナダメデイアが明らかに 中共国家安全部は孟晩舟を監視している>華為の副董事長兼CFOの孟晩舟は裁判所の保釈を受け、夫名義の家に戻って住んでいる。カナダのセキュリテイ会社の24時間監視を受けているが、現地メデイアは中共国家安全部もまた見えないように孟の一挙一動を監視して中共の利益を守ろうとしていると。

https://www.aboluowang.com/2018/1215/1218554.html

中共国家安全部は裁判所の引き渡し命令が出たら、殺すつもりで張っているのでは。でも米国も相応の保護措置を採ると思います。重要被告人且つスパイの証人ですから。

12/15阿波羅新聞網<美国加拿大部长会议:引渡不受政治干扰=米加大臣会議:引き渡しは政治の干渉を受けない>12/14米加外相・防衛相会議がワシントンで開かれ、孟の引き渡し問題も話し合われた。ポンペオは会議の後の記者会見で、「米加両国は会談で、グローバルな問題、反テロ、経済安全、NATO事務、北朝鮮とその他の国への制裁について、継続して協力を強化していくことに同意した。またウクライナの最近の緊張とロシアの脅威についても討論した」と述べた。カナダの外相は「両国の討論の中には孟やカナダ国民の中国での拘留の案件も含まれている。カナダは司法の独立を尊重する。どんな裁判でも政治の干渉は受けない」と述べた。

https://www.aboluowang.com/2018/1215/1218439.html

12/7日経<日ロの平和条約、いま必要か  本社コメンテーター 秋田浩之

戦後、歴代首相の多くが「北方領土問題の解決」を唱え、ロシアに4島の返還を迫ってきた。政治生命を懸け、交渉に臨んだ首相もいたが、ロシアを動かせなかった。このため、日ロはいまだに平和条約を結べていない。

いま、その厚い壁に安倍晋三首相が挑んでいる。側近によると、ただの努力目標ではなく、本気で約3年の任期内に決着させる意志を抱いているようだ。

歴史の難題から逃げず、解決しようとする安倍首相の姿勢は政治指導者として正しいし、敬意に値する。この問題の決着は、父の安倍晋太郎元外相が最後まで精力を尽くした悲願でもある。

そのうえで水を差すようで申し訳ないが、戦後70年以上、日ロに刺さってきた懸案の妥結をいま、急ぐことが賢明なのかどうかについては、疑問を禁じ得ない。

領土交渉をいま妥結させるということは事実上、4島返還をあきらめるのに近い。

安倍首相は歯舞群島と色丹島の引き渡しをうたった1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉する構えだ。まず、この2島の返還を確認し、残る国後、択捉両島でも譲歩を引き出そうというわけだ。これに対し、プーチン大統領は対米戦略上の要所である択捉・国後はおろか、歯舞・色丹の主権を渡すかどうかも明確にしていない。

この隔たりを埋め、短期で妥結するとなれば、落としどころは良くても歯舞・色丹の2島先行返還と考えるべきだろう。これは4島面積の7%にすぎない。

だからといって、4島返還に固執すべきだと言いたいわけではない。もし、平和条約の締結がもたらす国益が、4島面積の約9割よりも大きいのであれば、あり得る選択肢だ。このまま4島返還を訴えても、近い将来、ロシアが応じる兆しはないからだ。

逆に、平和条約を結んでも、失う領土に見合うほどの外交利益を得られないのであれば、不利な条件をのんでまで、手打ちを急ぐ必要はないだろう。

いったい、どちらが正解なのか。日ロ双方への取材を重ねると、残念ながら現実は後者に近いように思う。

そもそも平和条約がなくても、日ロはそれなりに「普通の関係」になっている。56年宣言で外交関係は正常化した。安倍首相とプーチン大統領の会談は通算24回を数え、防衛交流も進んでいる。

そのうえで平和条約を結ぶと、外交上、いったい何を得られるのか。日本政府関係者らによると、安倍政権が期待しているのは、主に2つだ。

第1は、中国をにらんだ戦略協力である。ロシアは内心、強大になる中国を脅威に感じている。領土問題がなくなれば、日ロは外交、安全保障面でさらに連携を深め、中国に向き合いやすくなるというわけだ。

趣旨は分かるが、日ロの外交・安保協力はかなり進んでおり、平和条約によって「どこまで上積みできるのかは疑問だ」(日本政府筋)。両国は外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を3回開き、軍首脳の往来も増えている。

しかもロシアからみれば経済、外交ともに、日本より中国のほうが大切だ。この問題に詳しいロシアの外交専門家はこう話す。

「強大になる中国は将来、脅威になるかもしれないが、現在は緊密な戦略パートナーだ。ロシアは日本ほどには、中国をけん制する必要性は感じていないし、平和条約を急ぐ理由もない」

第2の期待は、経済面の恩恵である。4島の一部が返ってくれば、その分、日本の排他的経済水域(EEZ)は広がる。漁業や資源開発には確かに恩恵だ。

ただ、平和条約によってロシアの投資環境が一気に改善するわけではない。大がかりなエネルギーやインフラ分野の協力が劇的に広がるとは限らないだろう。

もうひとつ考えなければならないのは、日米関係へのリスクだ。ロシアは歯舞・色丹を引き渡したとしても、米軍が駐留しないという確約を得たがっている。

プーチン大統領の懐刀、パトルシェフ安全保障会議書記が10月上旬に来日した際にも、この問題を改めて持ち出したという。だが、日本が2島への米軍駐留を認めないと約束すれば、米側が反発し、日米に亀裂が生まれてしまう。中ロには好都合だろうが、日本には大きな損失だ。

このような状況を総合すると、2島(先行)返還などで妥協してまで平和条約を急ぐことが、日本外交の収支上、黒字になるとは考えづらいのである。

早期妥結論者からは次のような反論が聞かれる。この機を逃せば、ロシアは交渉をやめ、2島すらも返ってこない。ロシアはさらに中国に接近し、日本の立場は厳しくなる……。確かにこうしたリスクはあるだろう。ただ、これらの主張はち密な分析というより、焦燥感に近いのではないか。

それでも、領土決着を急ぐなら、平和条約の付属文書などで、せめて次のような目的にかなう担保を取りつけたいところだ。

▼尖閣諸島が日本の一部であることをロシアが確認する。

▼核を含めた兵器で日本を脅したり、使用したりしない。

▼歴史問題で、中韓と共闘しない。

元島民の立場を考えれば、解決が早いに越したことはない。問題は、領土問題での譲歩に値する対価を、ロシアから得られるかどうかである。>(以上)

秋田氏の要求をロシアが認めるかどうかです。確かに今のままでもロシアとの関係は悪くはないでしょうが、後になればなるほど解決が遠のくのでは。判断が難しい。ただ安倍首相が歴史に名を残すためだけで平和条約を締結するのであれば止めてほしい。キチンと日本の国益を説明しなくては。

池田氏の記事で、ロシアは掟破りをしたということでしょうか?ウクライナとの条約を一方的に破るのは責められても仕方がありません。こんなことをすれば、欧米ともうまく行かなくなるのは必定。日本の平和条約締結も難しくなるのでは。譬えウクライナ艦船に武器が沢山積んであったとしても航行の自由は守らなくては。そうしなければ、南シナ海での航行の自由もできなくなります。日ソ中立条約を一方的に破棄した歴史と重ね合わせると、中国とロシアは約束が守れない国と言えます。

記事

クリミア半島周辺で11月末、ロシアがウクライナ艦船を銃撃し、拿捕(だほ)する事件が起きた。背景にあるのはクリミアの帰属を巡る対立だ。ロシアはウクライナによる挑発と主張するが、国際世論はウクライナ擁護に傾き、プーチン政権が防戦に追われている。

軍服姿で陣頭指揮に当たるウクライナのポロシェンコ大統領(写真:ロイター/アフロ)

事件が起きたのは11月25日。黒海のオデッサ港からアゾフ海のマリウポリに向かっていたウクライナ海軍の小型艦船2隻とタグボートをロシアの警備艇が追跡。ロシア本土とクリミア半島の間のケルチ海峡周辺で、ロシア側が銃撃し、船舶を拿捕した。

銃撃でウクライナの兵士3人が負傷した。命に別条はないという。ロシア側は船舶を拿捕するとともに、24人のウクライナ人乗組員を拘束した。ロシア連邦保安局(FSB)はウクライナ艦船が停船命令を無視して「領海侵犯」したと主張。対するウクライナのポロシェンコ大統領は「ロシアによる侵略的な軍事攻撃」などと激しく非難している。

ロシアとウクライナは2003年に締結した条約で、アゾフ海を両国の内海とし、すべての艦船の航行の自由を認めている。ウクライナ艦船への攻撃と拿捕はこの条約に違反するうえ、そもそもロシアが2014年春にウクライナ領のクリミア半島を一方的に自国に併合したこと自体が「違法だ」というのが、ポロシェンコ政権の論拠だ。

ロシア警備艇の行為を「軍事攻撃」「危険な侵略」とみなしたポロシェンコ大統領は、ロシアを非難するだけでなく、国内の安全を確保するという理由で矢継ぎ早に緊急対策を打ち出した。まずは「戦時状態」と称する戒厳令の導入だ。大統領は当初は60日の施行を提案したが、議会が期間を30日間に短縮し、対象地域もロシアとの国境地帯などに限定して布告した。

さらに戒厳令の施行期間中、16~60歳のロシア人男性のウクライナ入国を全面禁止する措置まで打ち出した。クリミア併合やウクライナ東部での軍事衝突では、ロシアの武装集団が国内に入って〝暗躍〟した経緯があり、新たな暴動や不穏な動きを阻止するのが目的という。政府は外交官のほか、親族の葬儀といった特別な事情がある場合は入国を認めるとしているが、これにはさすがに行き過ぎといった批判も一部に出ている。

では、ロシアはどう反応しているのか。

ポロシェンコ大統領の選挙キャンペーンに参加したくない

この事件について、プーチン大統領は記者会見の場などで何度か触れているが、とくに興味深いのは12月5日の発言だろう。モスクワで開かれたボランティアを表彰する式典に出席後、記者団からポロシェンコ大統領との会談の可能性とその条件について質問を受けた。大統領の返答は「私は単にポロシェンコ大統領との会談を避けたり、嫌ったりしているわけではない。私は彼の選挙キャンペーンに参加したくないのだ」というものだった。

ウクライナでは2019年3月31日に次期大統領選が予定される。プーチン大統領によれば、ポロシェンコ大統領はまさに大統領選を視野に意図的に危機的状況をつくりだし、その責任を自身ではなくロシアに転嫁し、かつ問題をうまく処理できる能力があると見せかけようとしているのだという。

ロシアの有力紙「ベドモスチ」が報じたキエフ社会学国際問題研究所の世論調査では、次期大統領選の有力候補者の中で、ポロシェンコ大統領の支持率はわずか11.9%に過ぎない。支持率トップのユリア・ティモシェンコ元首相(19.3%)の後じんを拝し、劣勢に立たされているのが実情だ。

ポロシェンコ大統領が事件直後に60日間に及ぶ戒厳令の布告を提案したのも、国民の危機意識をあおって自らの支持率向上につなげたり、次期大統領選そのものの延期を画策したりするのが主たる狙いだとロシア側は強調する。これがプーチン大統領の「私は彼の選挙キャンペーンに参加したくない」という発言につながる。

ロシアはさらに、今回の事件はそもそもウクライナが意図的に引き起こしたとの論陣も張っている。FSB幹部は「ウクライナ艦船は事件の1カ月ほど前からアゾフ海で挑発行為を繰り返していた」と指摘。今回はウクライナ側からケルチ海峡航行の事前通告がなかったうえ、拿捕したウクライナ海軍の艦船を調べたところ、「通常のレベルを超える武器や弾薬を搭載していた」とも主張している。

政権によるこうした宣伝効果もあって、ロシア国内では、事件の責任はウクライナにあるとの認識が幅広く共有されている。政府系の全ロシア世論調査センターの直近の調査では、「ウクライナ政権による計画された挑発行為」とする回答が79%に上った。逆に、ウクライナ政権に紛争状態をつくる意図はなかったと判断する市民はわずか7%だった。

当然、ウクライナとの関係悪化を指摘する声も増えている。民間世論調査会社のレバダ・センターの調査によれば、ウクライナとの関係を「悪い」とみなすロシア市民が直近で60%と、「良い」の28%を大幅に上回った。かつてともにソ連を構成した共和国で、スラブ系住民が主体の兄弟国ともいわれたロシアとウクライナは、2014年のクリミア併合をきっかけに関係が悪化しているが、今回の事件をきっかけに一段と冷え込みそうな雲行きだ。

ロシアはさらに孤立する

事件を「ポロシェンコ大統領の選挙対策」とみなすロシアに対し、ウクライナ側は、国内支持率が低迷気味なプーチン大統領が緊張感をあおって政権への求心力を高めようとしたと反論する。ともに激しい非難合戦を繰り広げているわけだが、事件が両国に与える負の影響を考えると、明らかにロシアに分が悪いようだ。

まずは国際社会の評価。主要7カ国(G7)外相は、事件に対する最大限の懸念を表明するとともに、「ロシアの軍事力の使用は正当化し得ない」とロシアを一方的に非難する声明を発表した。ロシアが拘留したウクライナ乗組員と艦船の解放や、ケルチ海峡での合法的な航行なども求めた。さらに、ロシアによるクリミアの「違法な併合」は「今後も認めない」と改めてクギを刺した。

欧州でロシアと対峙する北大西洋条約機構(NATO)もロシアに対する批判や警戒を強めており、今後は黒海周辺での監視体制を一段と強化する見通しだ。NATO加盟国のリトアニアは、今回の事件に関与したロシア人20人の入国を制限する対ロ制裁措置を発動した。対ロ制裁の動きが欧米を中心にさらに広がる可能性もある。

次に米ロ関係への影響。米国のトランプ大統領はこの事件を理由に、アルゼンチンでの20カ国・地域(G20)首脳会議の際に予定していたプーチン大統領との首脳会談を急きょ中止した。両首脳はもともと、フランスのパリで11月に第1次世界大戦の終戦100年を記念する式典が開かれた際に会談する予定だったが、「式典に集中したい」との仏政府の要請で延期していた。

米ロ間には、2021年に期限切れを迎える新戦略兵器削減条約(新START)や、米国が旧ソ連と結んだ中距離核戦力(INF)廃棄条約の扱いを中心に、核管理をめぐる懸案が山積している。トランプ政権はすでに「ロシアが順守していない」としてINF廃棄条約を破棄する方針を表明。米国は新STARTの延長にも慎重姿勢を崩していない。

プーチン大統領はG20首脳会議閉幕後の記者会見で、米ロ間にはこうした核兵器をめぐる「戦略的安定の問題」があるだけに、本来なら早急に実施すべき首脳会談が行われなかったことは「残念だ」と述べている。一方、米国のポンペオ国務長官はINF廃棄条約について、ロシアが「60日以内」に条約違反を是正しなければ条約破棄に向けた手続きを開始すると表明した。

もともと条約違反を否定するロシアが、米国の要求に従う可能性はほぼ皆無だ。トランプ、プーチン両大統領が参加する国際会議は当面なく、このままでは首脳間で本格的な話し合いが全くないまま、INF廃棄条約の消滅が決まる公算が大きい。米ロは新たな核軍拡競争に突入しかねず、経済が低迷し財政状況も厳しいロシアにとってより重い負担となる。

最後にウクライナとの関係。ロシアは今回の事件をポロシェンコ大統領のネガティブキャンペーンに活用しているが、ウクライナ大統領選でどの候補が勝っても、ここまでこじれた両国関係を修復するのは困難だろう。クリミアの領有権問題に加え、ロシア系住民が多いウクライナ東部の紛争も収拾のメドが立っていない。

ウクライナ東部紛争を巡っては、ドイツとフランスが和平協議の仲介役を務めてきたが、メルケル独首相もマクロン仏大統領もここにきて国内での求心力を急速に失いつつある。強力な仲介役が不在のまま、ロシアとウクライナの紛争はさらに泥沼化しかねない。クリミア併合以降、米欧がロシアに科している経済制裁も解除は望み薄で、むしろ強化される方向に向かうだろう。

今回のウクライナ艦船砲撃・拿捕事件は結局、ロシアの国際的な孤立を一段と深めることになりそうだ。

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『台湾を見習え 日本に決定的に欠ける報復攻撃力 中国の対日ミサイル攻撃に「やられっぱなし」になる日本』(12/13JBプレス 北村淳)について

12/14Facebook   中国观察   12/13這個星球上前所未見的邪惡投稿

【中國地下長城曝光】藏核武兼活摘集中營

[中国地下の長城が明らかに]核兵器を隠し、生きたまま臓器を摘出する強制収容所

https://www.facebook.com/organ.harvest/videos/262051994488371/

12/13アンデイチャン氏メルマガ<幽冥界で彷徨う台湾>

http://melma.com/backnumber_53999_6768692/

12/14阿波羅新聞網<中共内斗?连三胖好友都抓 北京一句话让孟晚舟绝望=中共の内部闘争? 金正恩の友人でさえ逮捕 北京で言われているのは孟晩舟を絶望にさせる>孟の逮捕後、中共は2名のカナダ人を報復として逮捕した。孟が保釈後、駐カナダ中国領事が慰問に訪れた。多くの人が疑問に思うのは、「中共がこのように多くの人を動員するのは、孟が米国で裁判を受ければ機密を漏らすのを心配しているから?今は金正恩のカナダの友人(バスケットのロッドマンと会わせた)まで逮捕した。これは内部闘争が疑われる」と。中共の商務部12/13(木)に、米国との交渉は順調に進展していると述べた。阿波羅ネットの評論員は、この話は孟を絶望させるだろう。多くの人の分析では、習は孟の事件でトランプとの協議を引っ繰り返すことは無いと見ている。この他、米・司法委員会委員長のチャック・グラスリーは「米国内で行われているネットでの経済スパイ活動の90%以上は中共がやっている。今週議会に対応法案を出す見通し」と答えた。

https://www.aboluowang.com/2018/1214/1218058.html

12/14阿波羅新聞網<中共放话撞沉军舰?美国防部回应了=中共は米艦と出会い次第撃沈すると言い放つ 米国防部は反応した>中国のタカ派の軍人は、もし米国の軍艦が再び南シナ海に入ったなら、絶対に沈めてやると言った。米国国防総省は数日の沈黙の後、これに反応した。南シナ海を含む国際水域の自由航行の権利を維持していくと強調。南シナ海での委縮した行為は中共の侵略行為を励ますことになるので。中共の作戦は1隻の軍艦が米軍艦の南シナ海での航行を阻止、もう1隻が撃沈すると。米国防総省は1951年にフイリピンと締結した共同防衛条約があり、2016年には国際仲裁裁判所の判決も下りた。中共の南シナ海の主張は根拠がなく、その他の国が国際法を守るのを応援していく。

 https://www.aboluowang.com/2018/1214/1218061.html

12/14看中国<日本重大发现 华为设备藏有“不必要的元件”(图)=日本は重大な問題を見つけた 華為の設備には不必要な部品が>これはフジTVで与党議員の発言と。(ネットで調べましたが確認できず)。それで政府として排除を決めたと。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/12/14/879092.html

北村氏の提言は非常に大事と思われます。今の国民のレベルでは憲法改正もままならないのだから、せめて報復能力を持って、悪の中共の攻撃の抑止としなければ。ヘリ空母「いずも」も攻撃型空母にしないとかアホなことを言っていると中共のミサイルが飛んでこないとも限りません。

アンデイチャン氏は台湾国民の未覚醒を嘆いておられますが、日本国民の方がもっと酷いでしょう。日本は独立していると言ったって、国民に自衛の覚悟が無いのですから。戦後のGHQの「平和主義」の洗脳が、左翼主導に替わって今も続いています。それに気付かない国民が大部分ですから、日本も台湾も似たり寄ったりです。

米国の南シナ海の自由航行作戦の続行は自由を愛する人々には大きな力となります。諸悪の根源はオバマ民主党でした。トランプが悪の中共と戦っているのを自由主義国は全面的に支援しないと。左翼メデイアは中共から金を貰っているのでしょう。そうでなければ、自由に筆が振るえなくなる政治システムを応援することは合理的でありません。ソ連のコミンテルンと一緒のことを中共がしています。日本人もいい加減、メデイアを全面的に信じるのは止めたら。

記事

総統任期4年間の中間選挙(統一地方選挙)で台湾・台北の投票所を訪れた蔡英文総統(2018年11月24日撮影、資料写真)。(c)CHANG Hau-an / POOL / AFP〔AFPBB News

 2018年11月に実施された台湾の統一地方選挙では、蔡英文総統率いる与党・民主進歩党が国民党に敗北した。選挙大敗の責任を取って民主進歩党党首を辞任した蔡英文総統は、2020年の総統選に向けての党勢立て直しに取り組むこととなった。

 このように政治的には中国寄り勢力の反攻が、少なくとも今回の統一地方選挙においては進展していると言ってよい。

 だが、台湾軍による中国に対する軍事的抵抗姿勢の努力は緩められてはいない。というよりは、トランプ政権による反中国・親台湾政策の推進により、台湾軍の対中国戦力の強化は進展しつつある。

 その一例が、かねてより台湾軍が配備している雄風IIE巡航ミサイルの改良作業である。

中国本土を攻撃する雄風IIE巡航ミサイル

 雄風IIE巡航ミサイルは対地攻撃用の長距離巡航ミサイルである。「イスラエル製対艦ミサイルを改造して生み出された雄風I対艦ミサイルの改良型である『雄風II対艦ミサイル』の派生型である」としばしば誤って伝えられているが、実際には雄風II対艦ミサイルとは別物であり、台湾の政府機関である国家中山科学研究院によって独自に開発されたものである。

雄風IIE対地攻撃用長距離巡航ミサイル(初期型)

雄風IIE巡航ミサイル(以下、HF-IIE)は中国本土を攻撃する兵器であることから、軍事的にも政治的にも台湾の最高機密の1つとされている。そのため詳細情報は公にされていないが、2001年には開発プロジェクトが開始されており、2004年から2005年頃には実戦的テストが成功し、2008年には実戦配備されたと言われている。

 その後明らかになった情報によると、HF-IIE Block-1と呼ばれている初期型のHF-IIEは、200キログラムの弾頭(非核高性能爆薬弾頭)を搭載して、巡航速度マッハ0.85(およそ時速1040キロメートル)、最大射程距離600キロメートルとされている。ただし、最大射程距離を伸ばす改良は続けられており、1000キロメートルのバージョンも配備されているともいわれている。

 そして先月(11月)明らかになった情報によると、最大射程距離を1200キロメートルに延長させた新型のHF-IIE巡航ミサイルが、少なくとも100発以上調達されることとなり、既にそのための予算136億台湾ドルが計上されたということである。

 最大射程600キロメートルである初期型HF-IIEの場合、射程圏に入る地域は福建省、浙江省の全域と広東省の一部である。攻撃可能な航空基地や海軍施設は台湾海峡を隔てた福建省の数カ所に留まり、上海のような重要戦略目標は射程圏外ということになる。

 HF-IIEの最大射程距離が1200キロメートルになると、射程圏に入る地域は福建省、浙江省、広東省、江蘇省、安徽省、江西省の全域、湖南省の大半、それに湖北省、河南省、山東省、広西壮族自治区の一部を含む広大な地域に広がり、20カ所以上の航空施設を含む中国軍重要拠点を攻撃することが可能になる。また、上海市、広州市や深セン市といった沿海部大都市だけでなく武漢市や長沙市といった内陸部も射程圏内に収めることになる。

台湾から1200キロメートル射程圏

圧倒的な戦力差がある中国と台湾

 こうして台湾軍は間もなく、中国本土の広域を射程圏に収める改良型HF-IIEを手にすることになる。一方、対する中国軍の台湾攻撃態勢の現状はどのようなものなのであろうか?

 一言で言うならば「中国軍の台湾攻撃戦力は、圧倒的に強力である」ということになる。

 中国軍は、台湾全域を射程圏に納めている弾道ミサイル(東風11、東風15、東風16、東風21Cなど:いずれもロケット軍が装備し、地上移動式発射装置から発射される)と長距離巡航ミサイル(東海10、長剣10、紅鳥1、紅鳥2など:ロケット軍、空軍、海軍が装備し、地上移動式発射装置、航空機、駆逐艦などから発射される)を、2000発前後も配備している。

 もし中国が、アメリカ軍が名付けた「短期激烈戦争」を台湾に対して敢行した場合には、開戦劈頭で1000発以上の各種長射程ミサイルが台湾全域の軍事施設、政府関連施設、重要インフラに降り注ぐことになる。

 また中国海軍は世界最大数とも言われている各種機雷を保有しており、台湾周辺にビッシリと機雷を敷設して、台湾の海上交通を完全に遮断してしまう能力も保持している。そして海軍戦力そのものも、また空軍と海軍の航空戦力も、中国軍が台湾軍を圧倒的に凌駕している。

 要するに、中国軍による台湾上陸が開始される以前に「短期激烈戦争」の勝敗が決してしまうことは必至である。

中国に「二の足を踏ませる」ことになるHF-IIE

 このように圧倒的な台湾攻撃能力を手にしている中国軍に対して、台湾軍がHF-IIEのような中国本土攻撃用ミサイルを数百発を手にして立ち向かったとしても効果的打撃を加えることが不可能であることは、台湾当局は百も承知だ。

 すなわち、台湾が開発を続けているHF-IIEは、中国に対する先制攻撃手段や反攻手段としては位置づけられていないことは明白である。そうではなく、HF-IIEは中国に対する報復攻撃手段なのである。

もちろん、中国軍が台湾へミサイル連射攻撃を仕掛けた場合、台湾軍が中国本土の戦略目標に対して200~300発のHF-IIEを撃ち込んで報復攻撃を加えたとしても、戦局そのものを好転させることはできない。しかしながら、軍事的重要施設、共産党指導者関連施設、重要基幹産業施設などをピンポイントに破壊する報復攻撃能力を台湾側が保有していることは、中国軍そして共産党指導者が台湾に対する軍事攻撃実施を決断するに際して「二の足を踏ませる」効果があることには疑いの余地がない。

 圧倒的戦力を擁する敵に対して、反撃して撃破するだけの戦力を手にすることができないまでも、HF-IIEのような効果的な報復攻撃戦力を手にすることは、国防の責に任ずる政府・国防当局にとっては最低限の義務と言えよう。

日本にも必要な報復攻撃戦力

 台湾同様に日本も、中国人民解放軍の1000発を超える各種長射程ミサイル(東風21C、東風26などの弾道ミサイル、ならびに東海10、長剣10、紅鳥2、紅鳥3などの長距離巡航ミサイル)の脅威に直面し続けている(参照:拙著『巡航ミサイル1000億円で中国も北朝鮮も怖くない』講談社α新書)。そして、そのような対日攻撃用ミサイル戦力は、ますます強化されている。

中国人民解放軍の対日攻撃概念図 しかしながら日本国防当局は、台湾国防当局と違い、報復攻撃戦力を手にする努力を怠っている。国会でも、「敵基地攻撃論」といった的外れな議論が浮上しても、それが報復攻撃戦力構築へとは発展しない。

 このまま報復攻撃力を手にしないでいると、中国は「二の足を踏む」ことなく自らの都合に合わせて日本に大量のミサイルを撃ち込むことができ、日本は「やられっぱなし」のまま屈服させられることになる。日本政府・国会は、取り返しがつかない状況に立ち至る前に、報復攻撃戦力を手にする努力を開始すべきである。

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