9/22ZAKZAK『戦時日本の徴用どころではない 中国・国防動員法の恐怖…「有事」認定で進出企業のヒト・モノ・カネを根こそぎ』について

前も中国の国防動員法の恐ろしさについて書きましたが、多くの日本人は「そんなことはないだろう」という考えと思われます。100年に1度の地震、50年に1度の大雨洪水が起きているのですからもっと、リスクには敏感になっていないと個人の生命はおろか、国の生命も失うことになりかねません。何せ中国人は日本人の想像を超えることを平気でします。日本国内にだけいると、その感覚がなかなか分からないのでしょう。

本記事にありますように有事の際には①日本国内に居る中国人②中国に居る日本人ともに問題になります。

2008Beijing-Nagano

①の場合、2008年北京オリンピック時、長野に中国人が集まり(勿論、中国共産党が動員をかけました)、大きな中国国旗を掲げ騒いだのは記憶に新しい所です。20008年の総理大臣はあの福田康夫です。それは中国も足元を見て好き勝手やってくるでしょう。今後国内にいる中国人には注意を怠らないようにしないと。神社に油を撒く在日帰化人くらいならその内天罰が下るでしょうけど、川に毒でも流されたのでは犠牲が多すぎます。日本に居る中国人は家族を大陸に於いてきていますので、両親等が人質になります。共産党の命令に背けば人質の運命はどうなるか容易に想像できます。

②については、中国内の日本人は監視対象になっています。決められた範囲の住居に住み、登録された電話番号しか使えません。盗聴は当り前です。中国が世界制覇の野心を明らかにした以上、今後ますます厳しくなっていくでしょう。罪をでっち上げ、拘留されるケースも出て来るでしょう。フジタ社員が尖閣問題で人質になったように。あの時も中国人社員が軍管轄地でわざと写真を取っています。こういう卑怯な手を使うのが中国と言うことは覚えておいた方が良い。

来年1月の台湾総統選で国民党候補が敗れそうなので(9/19中日新聞「直近の各種世論調査の支持率は洪、宋両氏が共に10%台に低迷する一方、蔡氏は40%超と大きく引き離している。」)、

台湾国民を不安に陥れようとしていると思います。習が訪米していますが、オバマも「選挙に介入し、または侵攻するのであれば、台湾関係法を発動する」くらい言わないと。日本も米国の後押しをしませんといけません。

記事

「中国政府がひとたび『有事だ』と判断すれば対中進出している日系企業も含めて、中国のあらゆる組織のヒト・カネ・モノの徴用が合法化され、戦時統制下におかれる懸念があることにもっと関心を払うべきだ」

 マレーシアを拠点に日系企業向けコンサルティング業務を手がけるエリス・アジア事務所の立花聡代表は厳しい表情で“警告”を続けた。

■有事になれば一方的に適用

 あまり知られていないが、2010年7月1日に中国が「国家の主権、統一と領土の完全性および安全を守るため」として施行した「国防動員法」の規定をさしている。全14章72条からなる同法について、立花氏は「(適用の)可能性は低いだろうが法律として存在する以上、(日本にとっても)不確定要素となる」と指摘した。「有事」の定義はややあいまいながら、仮に東シナ海や南シナ海などで偶発的な衝突が起きた場合、中国が有事と考えれば一方的に適用が可能だ。

 例えば第31条。「召集された予備役要員が所属する単位(役所や企業など)は兵役機関の予備役要員の召集業務の遂行に協力しなければならない」。予備役要員は中国国籍の男性18~60歳、女性18~55歳が対象。有事の際、戦地に送られるというよりは、兵站などの後方支援や中国の敵国に関する情報収集任務が与えられる可能性がある。

 日系企業の中国現地法人が雇用した中国人従業員が同法に基づいて予備役として徴用されて職場を離れた場合も、雇用側は給与支給など待遇を続ける義務が生じる。同時に、社内情報などがすべて軍当局に伝えられても阻止するすべはない。しかも中国国内だけではなく、日本など海外滞在中でも中国国籍保持者は「国防勤務を担う義務」がある。ヒトが大問題になる。

次に第63条。「金融、交通運輸、郵政、電信、報道出版、ラジオ、映画テレビ、情報ネットワーク、エネルギーや水資源の供給、医薬衛生、食品と食糧の供給、商業貿易などの業種に管制を敷く」とある。最悪の場合は日系企業の中国の銀行口座凍結や金融資産接収のほか、売掛金放棄も考えられる。ビジネスの基本であるカネが危ない。

■最悪の場合、口座凍結も

 そして第54条。「備蓄物資が国防動員の需要を延滞なく満たすことができなくなったときは民生用資源を徴用できる」。民生用資源は、企業など組織や個人が所有、または使用している社会生産、サービス、生活上の物資、施設などを幅広く含むとされる。自動車や電機など、現地工場の生産設備や物流のためのトラックなどのモノが根こそぎ徴用されても“合法”だ。

 立花氏は(1)国際電話やインターネットなど海外との通信手段の全面遮断(2)国内線や国際線など航空便の運航停止(3)中国に滞在中の日本人など外国人の預金引き出し禁止-などの措置が法的に可能になるとみて、対中進出する日系企業に厳格なリスク管理を訴えている。

 平和ボケ日本では一笑に付される恐れもあるが、「有事の際には日本人駐在員やその家族が“人質”になる危険性も排除できない」(立花氏)ことは確か。少なくとも経営者は最悪のシナリオを想定した事前対策が欠かせない。

 ただちに差し迫った危機があるとはいえなくとも、立花氏は「16年に有事リスクがある」とみる。16年1月には中国が自国領の一部と主張する台湾で総統選挙がある。対中融和策をとる現在の与党、中国国民党の候補が破れ、野党の民主進歩党が政権奪回した場合、中台関係の行方が気がかりだ。

■来年1月に有事が…

 事実、中国の北京軍区の部隊が7月、内モンゴル自治区の市街戦訓練場で、台北の台湾総統府に酷似した建物を攻撃する軍事演習を行い、台湾側を威嚇した。攻撃部隊は敵側首脳の排除を意味する「斬首行動」に成功したという。さらに来年11月の米大統領選で対中外交戦略をめぐる議論がどのような方向に向かうか。選挙結果によって緊張が高まる恐れも考えられる。

 中国は、集団的自衛権の限定的行使を容認する日本の安全保障関連法案の審議に、これまでも強く反発してきた。安倍晋三首相の「戦後70周年談話」の見極めに加え、習近平指導部は9月3日には抗日戦争勝利70年の軍事パレードなど一連の行事で抗日キャンペーンを強める。

 一方で、「国際社会から非難を浴び、経済的にも損失の大きいはずの『国防動員法』を中国がそう簡単に適用するはずがない」との反論も日本国内からはでそうだ。ただ、安全保障関連法案一つとっても遅々として進まぬ日本に対し、中国はすでにさまざまな法的措置を着々と進め、戦時体制に備えている現実がすぐそこに実際に存在していることは認識する必要がある。まずは中国に人員を派遣している日本企業から「発想の転換」をすべきではないか。(上海支局長 河崎真澄)

9/18日経『中国も「東大合格ロボ」開発 人工知能の競争激化(真相深層)』について

若干、日が立った記事ですが、東大の専門バカ教授とそれを持ち上げて書く日経記者の大局観のなさを強調したいので採り上げます。中国が今何をしているかは、偏向していると言われる新聞・TVでも報道されていて、見ていれば少なくとも分かりそうなもの。南シナ海や東シナ海で起きていることは知っているはずです。AIこそは軍事に応用できるもので、世界各国が最先端の地位を目指し激しい競争をしているのを知らないのでしょうか?小生の属する「士気の集い」で防衛研究所の先生と講演会終了後、懇親会で「これからの軍事兵器はレーザーとロボットが主流になるのでは」と聞きましたら「その通り。良く勉強していますね」と言われました。AIはロボットの性能向上に寄与します。

この教授は利敵行為をしているのに気が付かないのでしょうか?尖閣だけでなく沖縄まで中国領土と言って憚らない中国になんで軍事的なメリットを与えようとするのか。国の予算が少ないからと言って、敵国の金を使い、敵国に便宜を与えようとするのであればスパイと変わらない。民生用であって自国に利益を齎すのであれば、敵国と雖も仕方がない部分はあると思いますが。ただ、それでも敵国のGDPを増やせばその分軍拡に予算が使われるので基本的に反対です。

それもこれも、戦後GHQの陰湿な国の教育への介入で、愛国心や軍事への関心を消し去ったことに起因するのではと思っています。東大教授ですから学力レベルは高いのですが、国家観、歴史観を持たない根なし草のようなものです。日本のエリートと言われるレベルがこの程度ですから。今回の安保法案に反対した憲法学者、元法制局長官、元最高裁判事等も同根です。権威と言われる人は疑った方が良い。憲法なんて国民の生命・財産を守るための手段であって、今それが危殆に瀕しているので、従来の解釈を変えただけです。国民の生命>憲法ではないですか。「憲法守って国滅ぶ」では困ります。念仏平和主義こそ国を滅ぼすもとと思っています。

記事

人間の知能の働きをコンピューターで実現する人工知能(AI)の開発競争が激化してきた。東大合格をめざす日本のAI開発計画にならい、中国も「難関大合格ロボ」の開発に乗り出したことが分かった。先行する米国、追い上げる中国のはざまで日本は大丈夫か。

中国のAIベンチャー、アイフライテックのホームページ

China AI venture

 AI研究を手掛ける国立情報学研究所(NII)の新井紀子教授に5月末、アイフライテックという中国企業から電子メールが届いた。

 「中国は国家プロジェクトとして、大学入試に合格できるAIの開発に乗り出します。資金は3年で30億円。東大合格をめざし新井教授らが研究するAI『東ロボくん』に注目してきました。協力関係を築きませんか」。そんな趣旨だった。

 中国ではネット検索大手、百度(バイドゥ)のAI研究などが知られるが、国の技術水準を上げようと新たに目をつけたのが大学入試だ。AIベンチャーのアイフライを中心に有力大学が協力し、中国の上位20大学への合格を狙うという。

 東ロボくんは2011年に開発が始まり、100人を超す研究者がいる。東大合格はまだ無理だが、大学入試センター試験の模試では、8割の私大で合格可能性が80%以上になった。ビジネスに応用する期待も高い。

国立情報学研究所教授の新井紀子(あらい・のりこ)氏=2013年11月26日。

Noriko Arai

 ただ、NIIから出る予算は年間で数千万円と中国に比べて少ない。新井教授は研究が進むならと前向きにとらえ、日中連携を決めた。7月に自ら訪中して講演し、11月にも中国から研究者が来日する。情報共有など交流を深める考えだ。

 AIはロボットや自動運転などに欠かせず、産業や軍事にかかわる。中国が技術の吸収に貪欲になるのも無理はない。先行するのは米国だ。

 「得意な科目は何?」。無料通話アプリのLINEでメッセージを送ると、すぐ返事がきた。「体育っす」。会話の相手は女子高生をイメージしたAI「りんな」。企業が販促や顧客対応に使う想定で、米マイクロソフトが開発したものだ。

 米グーグル、アップルもスマートフォンのデジタル秘書機能などAIの開発を進める。特許庁によれば、主要国でのAI特許出願のうち米国籍は全体の5割近い。まさにAI大国アメリカだ。

 AI熱の高まりは日本も負けていない。政府は「日本再興戦略」で、AIやビッグデータなどを活用して国の競争力を引き上げる必要性を唱えた。ただ着実に成果を上げるには、ブームに踊らされない周到さがいる。まずは縦割りを排除し、無駄のない研究体制を築くことだ。

 経済産業省系の産業技術総合研究所は5月、人工知能研究センターを新設した。トップは自然言語処理の第一人者で、北京のマイクロソフト研究所にいた辻井潤一氏。AI研究の最先端を知る大物を迎え、日本の中核拠点にとの意気込みでスタートを切った。

 かと思うと8月に入り、16年度予算の概算要求で、文部科学省もAI研究の計画を打ち出した。100億円を投じ、研究施設を整備するという。両省連携の動きもあるが、人材や資金が分散して研究が非効率にならないような十分な工夫が欠かせない。「民間を含めてオールジャパンで取り組まなければ世界と戦えない」と慶応大学の山口高平教授は訴える。

 プリファード・ネットワークス(東京・文京)は、ロボットや自動車がそれぞれ協調し合い、故障や事故のない未来をめざすAIベンチャーだ。西川徹社長は「知能だけ進化しても、精密に制御できる機械がなければ限界がある」と考え、ファナックやパナソニック、トヨタ自動車と手を結んだ。AIと日本が強い製造業。その掛け合わせが武器になるとの発想だ。

 NIIの新井教授は「日本企業は、それほど巨大ではないが整理された販売などのデータを多く抱える。深く使い尽くせば生産性を高められる」と指摘する。

 時に中国のようなライバルとも手を組み、日本ならではの生かし方を探る。機械に知性をふき込むAI研究、まずは人間の知恵が試される。(編集委員 村山恵一)

9/18日経ビジネスオンライン 石黒千賀子『第2回 中国は2049年の覇権国を目指す 「中国には100年に及ぶ国家戦略がある」。『China 2049』のM・ピルズベリー氏に聞く』について

米中国交正常化は中国側からの働きかけだったという事実は、如何に中国はソ連を脅威に思っていたかという事です。キッシンジャーに金、女、「歴史に名を残す」という名誉とか死に物狂いでいろいろ持ち掛けたのではないかと思います。アメリカもアホというか中国が考えた通り、共産国家の両国同士で戦わせれば、漁夫の利が得られたでしょうに。調べましたら英語で“fish in troubled waters”と言うそうで、英語圏も同じ発想をするという事です。両国が疲弊すれば、第二次大戦で失った中国大陸が共産主義でなくなった可能性もあったのに。中国の外交が一枚上手だったという事でしょう。キッシンジャーはこれで中国人に騙された恥ずべき政治家の烙印を押されることでしょう。

中国人は戦闘では弱いので奸智を働かす詐術が得意です。賢いと言えば賢いです。それと歴史から学ぶ姿勢が全然違います。小・中・高校で、捏造であっても教科書を使って因果関係(勿論捏造が大部分ですが)やどのように対処すれば良かったかを考えさせます。年号の暗記に終わっている日本の歴史教育と違います。やはり、現代史からきちっと教えていかないと。日教組のイデオロギーに染まった教育では困りますが。

韜光養晦(tao1 guang1 yang3 hui3)が何故「有所作為(you3 suo3 zuo4 wei2)」に変わったのか、ここが一番知りたいところです。まだ続きますので、その内明かされると思いますが。小生は前にもブログに書きましたが、習近平が実権(特に軍権)を握るために、威勢の良いことを言う必要があったのではと思っています。でもそれが中華帝国の終わりの始まりという事に気付いていません。米国は戦術レベルで飴を与えれば動かせると思っているかもしれませんが、米国も懐疑派が増えています。それはそうでしょう。米国の国益を毀損することをしていますので。その内、軍部が暴走して習のコントロールが効かなくなり、習の暗殺or暴発する恐れがあります。戦前の日本は議会制民主主義であったにも拘わらず、(ドイツもそうでした)、軍の暴走で大日本帝国を解体してしまいました。独裁・専制国家である中共ではもっと簡単に暴走する気がします。

日本も安保法案が時間をかけ、やっと通りましたが9/21日経記事の世論調査では「安倍内閣の支持率40%(前回より6%ダウン)、安保関連法案成立「評価せず」が54%で「評価する」が31%(「評価する」の内訳は男性が41%、女性が23%)、集団的自衛権の行使に「賛成」が28%で「反対」が53%とのこと。如何にマスコミが捻じ曲げて報道しているかです。中国と言う「今そこにある危機」にどう立ち向かうかを国民に考えさせないといけないのに、中韓の手先となって動いています。国民もマスメデイアは左翼のアジビラ程度と思えば良いのにそれができていません。ロケット弾が落ちない限り気が付かないのかも。女性の支持が少ないのはTVの影響と思います。国民は物心両面で自衛隊を応援していかないと。米国では軍人が一番尊敬されると聞きました。それは当然です。命を賭けて国を守るのですから。

記事

 鄧小平が、天安門事件で西側諸国による制裁を受けて出した外交方針「韜光養晦(とうようこうかい)」は、これまで「中国は、経済発展を最優先するので、海外との摩擦は最小限に抑え平和を求める」方針だと理解されてきた。

 しかし、マイケル・ピルズベリー氏は、「それは誤った解釈」で、「韜光養晦の本質は『野心を隠す』」で、これこそ中国の長期的な野望を象徴していると語る。中国共産党には、中華人民共和国を設立した時から「再び世界の覇権国としての地位を奪還する」という目標があり、その実現のために100年に及ぶ戦略を実行していると、近著『China 2049』で指摘した。

 第1回でピルズベリー氏は、米中国交正常化への動きも、従来から信じられてきたようにニクソン大統領とキッシンジャー国家安全保障担当大統領補佐官(当時)が中国に働きかけて実現したのではなく、実は中国からの熱心な働きかけにより実現した事実を明らかにした。背景には、1969年以降の中国の深い戦略と意図があったという。

 第2回は、その戦略と意図の具体的な中身を聞いた。

 また、記事の末尾にピルズベリー氏へのインタビューを一部収録した動画を掲載した。併せてご覧ください。

(聞き手 石黒千賀子)

マイケル・ピルズベリー(Michael Pillsbury)氏

1945年米カリフォルニア生まれ。米スタンフォード大学卒業(専攻は歴史学)後、米コロンビア大学にて博士課程を修了。1969~70年国連本部勤務を経て、73~77年ランド研究所社会科学部門アナリスト、78年ハーバード大学科学・国際問題センターのリサーチフェロー、81年国務省軍備管理軍縮庁のディレクター代行、84年国防総省政策企画局長補佐、86~90年議会上院アフガン問題タスクフォース・コーディネーター、92~93年国防総省総合評価局特別補佐官、98~2000年国防総省特別公務員(米国国防科学委員会)、1997~2000年米国防大学客員研究フェロー、2001~2003国防総省政策諮問グループメンバー、2003~2004年米中経済・安全保障検討委員会シニア調査アドバイザー、2004年以降、現在も国防総省顧問を続けながら、ハドソン研究所中国戦略センター所長を務める。米外交問題評議会と米シンクタンクの国際戦略研究所(CSIS)のメンバーでもある。米ワシントン在住。 著書に『Chinese Views of Future Warfare』『China Debates the Future Security Environment』などがある。

—前回おっしゃった中国が1969年以降、一貫して追求している戦略とは、一体どういうものなのでしょうか。

ピルズベリー氏:一言で言うと、「中華人民共和国建国100周年に当たる2049年までに、再び世界の覇権国となるべく、自分たちの実力を常に実力より低く見せて注意深く動く」――ということです。これが中国の戦略では、常に大きな部分を占めています。

 中国では1969年5月、4人のトップクラスの将官が集まり、夏にかけて20回以上会合を重ねました。彼らは、そこで中国が進むべき道について議論し、それを戦略としてまとめ、毛沢東にメモを提出しています。

米国は『戦う二虎(中ソ)を山頂から眺めている』と見た中国

 この時、作成されたメモを中国は今でも機密扱いにしているので、その存在はほとんど知られていません。しかし、会合には4人の将官のほかに、当時、外務大臣を務めていた将官と書記係として熊向暉(ゆう・こうき Xiong Xianghui)という若い人物も参加していました。熊向暉は後に中国の有名なスパイとして知られた人物です。その彼が1999年に回顧録「我的情報与外交生涯」を発表しました。

 熊向暉は2005年に死去しましたが、その回顧録の改訂版がその翌年に出ています。改訂版は、1969年に行われた4人の将官を中心とした多くの会合について触れているものの、その内容について少ししか明らかにしていません。しかし、それでも最終的に毛沢東に提出した報告書の中から最高機密に該当する、ある1ページの内容を明らかにしています。

 それを読むと中国がどのように考えて、米国接近を図ることにしたのか、彼らの考え方がよく分かります。会合ではこんな会話が交わされたそうです。

 まずある将官が、「今の時代(1969年当時のこと)は、2500年前の春秋戦国時代、あるいは200年頃の三国志の時代に似ている。私たちはこうした過去の時代から重要な教訓を引き出して、学ぶ必要がある。ソ連と中国に対する米国の今の戦略は、まさに『戦う二虎を山頂から眺める』である。この事態をよく考える必要がある」と。

 当時、中国はソ連軍から脅威を受けていることに加えて、経済成長が1963~64年以降、停滞していました。この将官は、「米国は、共産主義の一国がもう一国をむさぼり食うのを待っている」と戦国時代から伝わることわざで表現したといいます。また、別の将官は有名な「赤壁の戦い」を引き合いに出して、「北の魏に対抗するために東の呉と組む」という諸葛亮の戦略に学ぶところがある、と主張し、ソ連からの攻撃に備えて、米国というカードを使うかどうかを議論した。その結果、米国をまず見方につけることを外交・軍事戦略の基本方針としたというのです。

「新興国は覇権国に潰される運命にある」

――戦国時代の教えに従って、米ソ対立を利用して、米国を中国の味方につけることが米中国交正常化の狙いだった…

ピルズベリー:そうです。ご存じのように春秋戦国時代とは、500年にわたって政治闘争が続き、中国が形成された重要な時代です。後半の250年(戦国時代)は、争っていた7つの国が、秦王朝の下に統一されて終わる。その間、各国あるいは諸侯の間では権力政治や陰謀、策略が渦巻き続けた過酷な時代です。

 この時代から中国が引き出した主な教訓、戦略は九つありますが、一番重要なのが覇権を握っている国に対して「自分の野心を決して見せないこと」です。

 どういう考え方か説明しましょう――。小さな国と既存の大きな覇権国があったとします。覇権国は当然、金も資金も技術も抱えている。春秋戦国時代にあったように、もし覇権国が、台頭し始めた新興国を見て「野心あり」と疑い始めたら、その新興国を必ず潰しにかかります。新興国というのは覇権国に潰される運命にある――。中国の将官たちはこう考えています。

 私は、熊向暉の回顧録を読んだだけでなく、中国の将校によって書かれた戦略に関する本をこれまで何冊も翻訳してきたので、彼らが春秋戦国時代から多くを学んでいることを知っています。

 彼らは、スペインやオランダ、フランス、イギリスといったかつて覇権を握っていた西欧諸国も研究し、その歴史からも学んでいます。「小さな国に過ぎなかったオランダがどうやって台頭し、あれだけの世界的な力を持ったのか」「スペインはそのオランダをどうやって負かしたのか」「そのスペインは英国にどうやって打ち負かされたのか」、そして「英国はいかにして米国に覇権の座を奪われたのか」――。こうした覇権国の変遷を徹底的に研究しています。

 将官たちは、西欧諸国の興亡の歴史と春秋戦国時代や三国志の時代から導き出す教訓は同じだ、と言います。つまり、こういうことです。

 まず、国力をつけるために資金と技術、科学、そして政治的な支援をその時代の覇権国(今の時代では米国)から取り付けることが重要だ。ただし、それを実行するには細心の注意深さが求められる。間違っても覇権国を敵に回してはいけない。敵に回せば、覇権国は台頭しようとする新興国を必ず抑えつけにくるに違いないからだ――と。

「韜光養晦」は中国の戦略を象徴する言葉

—中国政府は、というか中国共産党はここまで研究した上で、米国に接近するという方向に舵を切ったということですね。

ピルズベリー:そうです。1969年の中国の将官たちによる会合に話を戻しましょう。熊向暉氏の回顧録は、当時、米国と中国の間でポーランドのワルシャワにて行われていた会談*1にも触れています。外相を務めていた将官がこう語ったと書かれています。「中国は55年から米国とワルシャワで会談を重ねているが、その交渉はどこにも着地しそうにない。格の低い大使2人がワルシャワで会って話をしていても、何の進展も望めない」と。

*1 米国は中華人民共和国が誕生してから20年間ワルシャワで細々と大使級会談を行っていた。何度も中断したが、それでも当時としては米中間の唯一のチャンネルだった

 そしてこの外相兼将官も毛沢東へのメモを書いた。「米国から大臣級の人物を中国に来させればいい。そうすれば交渉の成果が期待できる」と。

—だから第1回で指摘されたように、米国はオスロやカブールの大使館を通じて何とか米国と関係を築こうとした。そして、2年を経てその努力が実り、1970年7月と10月のキッシンジャー大統領補佐官の訪中へとつながっていった…

ピルズベリー:はい。しかし、先ほど話したように中国が米国に接近するに当たって最も重視したのが、「自分たちの野心は決して見せない」という過去からの教訓です。注意深く動かなければ、米国は自分たちの野望に気づき、中国を崩壊の道を進ませようとするに違いない、と見ていました。

—鄧小平が中国の外交方針として口にした言葉「韜光養晦(とうようこうかい)=能力を隠して、力を蓄える」は、日本でもよく知られています。しかし、ピルズベリーさんの本を読み、その解釈を日本は間違えてきたのではないかと感じます。

 日本では、韜光養晦は「中国は鄧小平の描く改革開放の発展戦略のことで精一杯なので、今はあえて“能力を隠して、力を蓄え”、他国との平和的な関係を維持し、外資の導入や輸出の拡大を目指す」、つまり、「他国との摩擦を避け、経済建設に専念する」という方針を表す言葉だと理解されてきました。

ピルズベリー:鄧のその言葉「tao guang yang hui」は有名です。まさに私が説明してきた中国の戦略を象徴する言葉と言えるでしょう。英語でもいろんな形で訳されています*2。

*2 ”keep a low profile and bide your time, while also getting something accomplished.”“hide your ambitions and build your capability”など。

 鄧は当時、中国がソ連の経済モデルをまねたのは誤りで、中国はその代償を払っていると見ていました。だから米国を相手に同じ失敗を繰り返すわけにはいかない、と考えていました。覇権国に追いつき、追い越すには、まず米国から知識とスキルを得るしかない。トップを満足げに走る米国からエネルギーをこっそり抜き取り、それによって遅れを取り戻して「マラソン」に勝とうと考えていたということです

鄧小平は米国から支援を取り付けるのに最も成功した人物

 鄧小平は、米国から強力な支援を取り付けることに最も成功した共産党指導者と言えます。後で詳しく説明しますが、1983年、当時の世界銀行トップから「どうすれば中国が経済的に米国に追いつけるか」を助言してもらう約束を取り付けたのも鄧でした。

 ちなみに私は今、「マラソン」という言葉を使いました。私の本の英語タイトルも直訳すれば「100年マラソン」です。実は、1969年の将官による会合で出された基本戦略は、もっと前から存在していたことを私は後に知りました。中国の戦略は「いわば中国にとって100年マラソンなのだ」と表現した中国の軍人がいたのです。

—毛沢東ではない?

ピルズベリー:毛沢東も「アメリカを超えたい」と発言していた事実はあります。彼が最初にそう言ったのは1955年に開かれたある極秘の会議において、とされています。その時に毛沢東は「実現するには75年くらいかかるだろう」と言ったそうです。単純計算すれば、2030年に中国は米国に追いつく、ということになります。しかし、中国で毛沢東のこの発言が公にされたことはないようです。

—では、「100年マラソン」と呼んだ中国の軍人とは誰なのでしょうか。

ピルズベリー:2010年に中国で出版された『中国の夢』という本を書いた人民解放軍の大佐、劉明福(Liu Mingfu)という軍人です。人民解放軍国防大学の学者で、将官を育てる立場にある人です。私はこの本で初めて「100年マラソン」という記述を初めて目にしました。

 劉は、「毛沢東が1955年に求めたことを実現するには、100年にわたってマラソンすることが必要だ」と記しています。そして、どうすれば中国は米国に追いつき、追い越し、世界の最強国になれるかを書いています。

毛沢東が死ぬまで繰り返し読んだ『資治通鑑』

—しかし、1955年から100年というと2049年ではなく2055年となります…

ピルズベリー:2049年というのは中華人民共和国建国から100周年に当たる年です。毛沢東が米国を追い越したいと発言したのは1955年ですが、彼がそうした思いを持っていたのは建国前に遡ります。つまり、米国を抜き、再び世界の覇権国となることは毛沢東、中国共産党にとっては建国前からの悲願だったということです。

 1930年代に国民党に敗れた紅軍(中国共産党)が行った有名な長征*3の間、毛沢東は本を1冊だけ携えていました。それは西洋に並ぶものはない、歴史を教訓とする国政の指南書『資治通鑑』(しじつがん)という本です。核となるのは戦国時代の兵法で、紀元前4000年にまで遡る逸話や格言が収められています。

*3 1934年10月~36年10月に中国共産党の紅軍が国民党の攻勢を受け、江西省瑞金から陜西省北部へ交戦しながら徒歩で約1万2500kmを移動したことをいう。苦難に満ちた大移動だったが、その途上で毛沢東は主導権を確立し、37年以降、延安が臨時政府の首都となった。

 私は、米国の中国専門家が犯した最大の間違いの一つは、この『資治通鑑』を軽んじたことだと考えています。92年になって初めて、私たちはこの本が毛沢東の愛読書だったことを知りました。米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記者だったハリソン・ソールズベリー氏(93年5月死去)が、毛沢東は35年当時だけでなく、76年に亡くなるまで、この本を繰り返し読んでいたと著書で書いています*4。鄧小平もこの本を熟読していたというし、ほかの指導者も読んでいる。

*4 『The New Emperors: China in the Era of Mao and Deng』(New York: Harper Perennial, 1993)。この本の中でソールズベリー氏(93年5月死去)は、毛沢東の元秘書で伝記作家の李鋭へのインタビューでこの事実を知ったと記しているという。

—『資治通鑑』は中国では戦略を扱った書物としては有名なんですね

ピルズベリー:中国の高校生は、この本から抜粋した文章を書き写して学ぶそうです。

 今年6月下旬、私は中国に行ってかなりの数の将官に会いました。その中には何年も前からの知己もいます。私の今回の本を既に読んでいた中国の軍人たちは、「100年マラソンはあと34年残っている。しかし、2049年に行うパレードについてもう考えているんだ」という。多分、冗談でしょうが、続けて「(パレードは)2049年10月1日だ。おまえも来たいか」と聞いてくる。私は「もちろん是非行きたいが、生きていたとしても私は104歳だ」と答えました。すると彼らは「心配ない。中国には100歳以上の人は沢山いるから大丈夫だ」と言う。彼らは版権も取らないで、ちゃっかり私の本を既に中国語に翻訳して読んでいました…(笑)。

習政権誕生後、国家の推薦図書となった『中国の夢』

—しかし、中国は鄧小平の時代とは異なり、最近は「自分たちを実力以下に見せる」とか「台頭の意図を隠す」ことをしなくなっているように感じます。特に2013年、習近平政権が誕生してからは、その姿勢が顕著に思えます。トップの座が見えてきたから、もはや隠す必要がなくなったということでしょうか。

ピルズベリー:習近平氏は2012年11月に中国共産党書記長に就任してすぐ、それまで中国が隠してきた野望を認めました。最初のスピーチで、かつて中国の指導者が公式の演説で述べたことのない「強中国夢(qiang zhongguo meng)」という言葉を口にしたのです。

 これは驚くべき発言でした。中国の指導者は、西側の政治家とは異なり、公式の場での発言に細心の注意を払います。特に「夢」「希望」といった言葉は避けます。しかし、習氏は以来、スピーチで何度となく「強中国夢」という言葉を使っています。米「ウォールストリート・ジャーナル」の記事によると、習氏は2049年をその夢が実現する年としています。

 そして、この「ウォールストリート・ジャーナル」の記事によれば、2013年には先に述べた『中国の夢』という本が、中国政府の統制下にあるすべての書店で「推薦図書」の棚に飾られたそうです。

—昨春、英「フィナンシャル・タイムズ」が報道していましたが、国際通貨基金(IMF)によれば、購買力平価で中国のGDP(国内総生産)を試算すると、2014末には米国のそれを上回ることになるとのことでした。つまり、経済面では既に中国は米国を抜きつつあるとも言えます。

ピルズベリー:米国はこのマラソン競走で中国に抜かれつつあるのかもしれません。まさにこの100年マラソンの戦略が最も力を発揮したのが、経済分野です。経済分野における中国の戦略について次に話しましょう。

(第3回に続く)

9/19「防人と歩む会」主催の“横須賀軍港巡りと戦艦三笠見学”について

小生が属します「防人と歩む会」が主催しました“横須賀軍港巡りと戦艦三笠見学”に事務局として参加しました。葛城奈海会長、山口事務局長も参加。平間洋一先生からいろいろ教えて戴きました。

詳しくは下のyoutubeで。

これをyoutubeに上げるのに時間を食いました。たまにしかしませんので。まずデジカメで撮った写真を縮小(小容量に転換)、ムービーメーカーでムービーに変換、(ここで音入れ、「海ゆかば」のVIDEOからMP3ファイル転換がうまく行かず、直接MP3ファイルを探すのに時間がかかりました。ここで、youtube向けのファイル(MP4)に変換しました。

 

https://youtu.be/gxOjEjb_q7c

 

 

9/17渡部亮次郎 Andy Chang『連戦と陳雲林処罰の噂』について

台湾は日本と共にABCD相手に戦いました。今の中華民国は中国大陸の亡命政権です。同じ漢民族だから賄賂・利権は当り前です。それは習・王岐山と雖もやっています。こんなのは中国人だったら誰でも分かっていますし、外省人だって分かっているでしょう。

民進党にも配っていたというので根は深い。親中を標榜している台湾の政治家は金を貰っているかハニーにかかっているかです。日本と同じでしょう。民進党の陳水扁も収賄で捕まったのは国民党の政治的報復と思っていましたが、分からない部分もありますね。でも中国人の馬英九だってやってないはずがありません。大陸同様、腐敗は政敵を倒すための名目・看板です。陳雲林が処分され、連戦にも累が及んだ方が台湾にとって良いのでは。来年1月16日の大統領選と立法委員選挙で民進党は有利になるでしょう。

小生が中国駐在時代、台湾出身のカメラマンと飲んだ時に、「今、中国の女子大生4,5人を囲っている。アナタにも紹介しようか?」と聞かれたので、断った経験があります。2000年くらいのときですからまだ中国の経済が大きくないときです。2001年のWTO加盟から中国の経済発展が始まったと考えて良い。台湾の経済人はどんどん大陸に出て行き、いい思いもしたのでしょうけど、結局は台湾を大きく脅かす存在としてしまいました。日米と同じです。今後は撤退、「非中三原則」で行かないと。

記事

連戦が国民党の大反対を無視して9月3日に中国の軍事パレードに参加したあと、台湾では連戦を処罰しろと言う声が高い。連戦の処罰については、国民党は賛否両論、民間では元副総統の呂秀蓮と民間の百人余りが外患罪で告訴したと言う。

台湾のテレビ対談では台湾側の連戦批判の外に中国側では習近平が国台辦(国務院台湾事務辦公室)主任陳雲林(1997-2008年)を処分するという噂が出てきた。国務院台湾事務所がこの20年来やってきた台湾統一はすべて間違いだったと習近平は発見した。

陳雲林の報告は間違った報告が多く、去年の選挙は完全に間違った報告をした。陳雲林は中台貿易の元締めだったので、中国内と台湾内の双方にひどい利権汚職があったのがわかって習近平は激怒したと言う。

  • 国民党は中共の抗戦記念に大反対

国民党は「抗日勝利70周年記念活動」に反対で、馬英九総統は連戦に不参加を勧告したが連戦は無視して参加した。なぜ国民党は中共の抗戦記念に反対なのか、連戦はなぜ反対を押し切ってパレードに参加したのか。いろいろな議論や憶測が飛び交っている。

中国共産党は日本軍と戦った事実はない。日本と戦ったのは蒋介石の国民党軍で、しかも重慶に逼塞して米軍の援助で体面を保っていただけだ。

戦争が終わってから国民党は共産党との闘争に負けて台湾に逃亡した。大東亜戦争は1945年に収束したが中共が建国したのは1949年である。共産党が日本軍と抗戦した事実はない。中国の抗戦勝利70周年とは国民党の手柄を横取りする大嘘である。

国民党にとって統一とは中華人民共和国と中華民国の統一である。中国は中華民国を国と認めないから統一とは国民党の降参であり、中華民国の滅亡である。だから国民党は戦勝記念に参加を拒否する。

もしも国民党の幹部が中共のパレードに参加したら抗日の手柄を横取りされるだけでなく、中華民国が中国に併呑されたことになる。

中国の勝利パレードに参加しない理由とは中華民国の存亡問題なのである。

国民党は台湾に逃亡したが台湾は中国の領土ではない。台湾で中華民国を国と自称する理由がない。だから馬英九は「台湾は日本と抗戦した」と嘘をついた。

しかし台湾人が馬英九の嘘に大反対し、李登輝は日本の雑誌に終戦以前の台湾は日本の領土で台湾人は日本軍として中国と戦ったと述べた。国民党では李登輝が中華民国に叛いたと言い張って李登輝の総統年金を取り上げると言い出した。中共も国民党もみんな嘘つき、中国人は歴史の改竄を平気でやる、中国人の「正しい歴史主張」は嘘の塊である。

  • 漢民族の歴史捏造は「歴代中華帝国」

中国人の歴史捏造とは次のようなものである。中国人にとって抗日勝利とは中国が日本と戦って勝利した歴史である。中国は漢民族の国であり、日本との戦争は勝利で終わった。そして中華民国も滅んだ。これが歴代中国の歴史であると言うのだ。

中国二千年の歴史の観点から見ると、歴代の中国とは漢民族の作った国々である。蒋介石の中華民国が日本と戦った、そのあと中華民国は毛沢東に滅ぼされ、現在の中国は中華人民共和国である。

この理論によれば共産党が日本と戦ったのでなくても中国が日本に勝って、中華民国が滅んで、共産党が中華人民共和国を建国したと言う歴史過程が成り立つ。これが漢民族の歴代中華帝国の歴史だと言うのである。

  • 連戦の戦勝記念参加

国民党の大反対と台湾人の反中国にも拘らず連戦はなぜ中国の戦勝記念に参加したのか。一説では連戦は既に国民党内の影響力を失い、習近平の庇護を必要とするから、習近平が参加を命じればどうしても行かなければならないと言う。

別の説によると、連戦は陳雲林の台湾工作の接点であり、陳雲林が台湾工作を始めてから陳雲林は台湾での経済金融の利権を取得し、連戦と彼の部下は中国における経済金融の利権を取得した。だから戦勝記念に呼ばれたら利権を守るため参加せざるを得ないという。

中国側の台湾交流事務主任が陳雲林で、台湾側は連戦と彼の部下、海基会(海峡交流基金会)董事長だった江丙坤(2008-2012年)など数人の名前が挙げられている。中国は台湾側の人物を処罰できないが、陳雲林が「雙規」に逢えば台湾側も大変だと言う。

消息筋によると江丙坤の息子・江俊徳は中国で??金属公司を立ち上げ台湾向けの金属輸入を扱う。連戦は上海医院の設立と経営、徐立徳は環宇投資公司の設置などで中国における大きな利権を得たという。

  • 陳雲林と連戦の金融利権

もっと大きな利権は金融業の発展に関する利権である。陳雲林の台湾における銀行業、台湾で人民元の貯金や為替業務を許可し、人民元の使用を認め、人民元名義の預金で台湾の銀行界より高い利息を約束して台湾の金を吸収した「金融侵略」である。これの見返りとして連戦と徐立徳は中国の各省県市で銀行業を行う利権を獲得したと言う。ところが中国の人民元の暴落で台湾でも中国でも大きな損失が出てしまったのだ。連戦が慌てて習近平と会談した理由はこれと言う。

この他に習近平が陳雲林に激怒した理由とは、台湾統一工作で国民党だけでなく民進党の幹部たちを買収し、メディアの主要人物も中国に制御された。だが政党とメディアの工作に成功しても民間の反感が高まった挙句、ヒマワリ学生運動や去年11月の選挙では民意に反した情報を中国中央部に流し続けた。たとえば連戦の息子連勝文、台中市長胡志強、呉伯雄の息子呉志揚などは当選確実と報告していたのにみんな落選した。習近平は激怒して間違った情報を流し続けた陳雲林、20年来の台湾工作がすべて失敗だった責任で彼を処分すると言うのである。

また別の説によると、習近平は既に薄熙來、徐才厚、周永康、令計画の処分を終え、次は台湾統一に失敗した陳雲林を汚職の罪で処罰すると言う。陳雲林が処罰されれば台湾側でも連戦一味も危ないと言う。今後の成り行きを見守っていきたい。

9/17・18日経ビジネスオンライン『統一は中国とスクラム組んで 帰国後も習近平を見つめる朴槿恵』『「ヒトラーと心中した日本」になる韓国 「姫!ご乱心」と叫ぶ保守メディア』について

指導者選びが大切という事でしょう。日本でも民主党政権は無能・売国でした。今回の安保法案反対もどこの国民を守ろうとしているのか分かろうと言うもの。民主党の岡田・野田に至っては、以前は集団的自衛権を支持していたと佐藤正久参院議員に暴露されてしまう始末。それでシレッとして、反対を唱えられるのだから、平気で嘘がつける中国人・韓国人と同じ連中です。安倍政権で本当に良かったと思っています。

朴槿恵大統領は全部他国のせいにしますというか、彼の国の民族性でしょう。悪いことが起これば総て日本のせいにする。だから半島統一ができないのは日本のせいとかいって他責にします。李氏朝鮮時代は中国の属国、日本が第二次大戦後も米国に統治され、然る後米国から独立を許された、自分たちで国の運命を決めることができなかった哀れな民族です。密約は「中国に騙されている」という意見もあるようですが、狐と狸、どちらの国も化かし合いが得意なのでやりあって貰えば良いと思います。

韓国の保守派メデイアがいくら叫ぼうとも、韓国に対する日本人の心は大衆レベルで冷え切っています。これこそポイントオブノーリターンだと思います。「北の侵攻を防ぐのが南の役目、日本も反共なら南の支援を」というのは20年前の話。今、南そのものが共産中国にべったりなのでその論理は使えません。中国と一緒にグルになり、世界に歴史改竄の慰安婦像を建て日本を貶めようとするのに普通の日本人だったら耐えられません。日本国内でもそれを支援しようとしているのは、なりすまし日本人、在日かその関係者、共産主義シンパ位でしょう。マスメデイアの言う(数の少ない)民意とは彼らの意見のことを言います。ですから自民党の支持率が39%、民主党が9%(8/30日経)くらいしかないのです。朝日・毎日・東京等の新聞を読んでいる人は高齢者が多いですから読者はどんどん減っていくことでしょう。いい傾向です。

記事

(前回から読む)

 北京での抗日式典に参加し、国民から大きな支持を得た朴槿恵(パク・クンヘ)大統領。帰国の機中で「中国と協力し統一を目指す」と宣言した。この予想外の急速な中国傾斜に、保守派も米中二股派も「韓米同盟が消滅する」と悲鳴をあげた。

支持率が20%も急騰

–訪中で朴槿恵大統領の支持率が急上昇したと聞きました。

鈴置:韓国ギャラップの9月第1週(1-3日)調査(9月4日、韓国語)では「大統領はよくやっている」が54%と、前週比5%ポイント上昇しました。韓国ギャラップは「訪中の影響」と分析しています。

朴槿恵政権の支持率

質問=「大統領の職務遂行ぶりを評価するか」

調査期間=2015年9月1-3日/調査主体=韓国ギャラップ

evaluation for Pak

 2014年4月のセウォル号事件以降、初めて50%台に乗りました。なお「よくやっていない」は6%ポイント下がって38%でした。

 その1週間前の8月第4週(25―27日)調査(8月28日、韓国語)でも、支持率は34%から49%へと急上昇しています。半面、不支持率は56%から44%に12%ポイントも落ちました。

 この時点で支持率が不支持率を上回ったのですが、2014年11月第1週以来のことでした。「地雷事件」による南北間の緊張を一気に解いた、8月25日の南北合意のためです。

 地雷事件は中国の北朝鮮への圧力もあって解決できた、と韓国では報じられています。結局、8月末から9月初めにかけての2週間で支持率が20%ポイントも回復したのは、中国のおかげでした。

天安門の外で待たされた朝貢使

—朴槿恵大統領にとっては「中国さまさま」ですね。

鈴置:韓国の大統領が天安門の上に立ち中国のトップと肩を並べて軍事パレードを参観する光景は、韓国人にとって感無量の出来事でした。

 清に朝貢した朝鮮の使節は、皇帝の都合によっては天安門の外でずうっと待たされました。くぐるのは、もちろん正門ではなく脇の門。楼に上がるなんて許されなかったでしょう。

 韓国メディアは抗日式典――抗日戦勝70周年記念式典の前から、楼上での朴槿恵大統領の席順予想に力を入れました。

 式典の前日には「訪中した約30カ国の首脳の中で唯一、習近平主席主催の晩さん会を開いてもらったのだから、主席のすぐ横だろう」と期待を盛り上げました。

 結局、プーチン大統領に次ぐ「来賓No.2」の席だったのですが、それでも韓国人は大いに満足しました。ことに北朝鮮から参加した崔竜海(チェ・リョンヘ)労働党書記の席が、習近平主席とは遠く離れていたので溜飲を下げました。

 韓国の報道チャンネル、YTNが式典をすべて中継しました。1時間半に渡る中継の間に、何度も画面に「朴槿恵大統領は2番目、崔竜海は一番端の席」とテロップを入れました。よほどうれしかったのでしょう。

楼上の“怪しい指導者”たち

—西側では、非民主国家の指導者に取り囲まれた韓国の大統領の姿を見て、ぎょっとした人も多かったと思います。

鈴置:習近平主席が演壇に上がった際、座ったままのプーチン大統領とカザフスタンのナザルバエフ大統領が三角形を形造りました。強権で名を馳せる3人です。

 その三角形のど真ん中に、黄色のスーツを着た朴槿恵大統領が座ったのです。この映像は印象に残りましたし、象徴的でもありました。

 式典には集団虐殺に関与したとして国際刑事裁判所(ICC)から逮捕状の出ているスーダンのバシル大統領、彼の逮捕に協力しなかったと西側の一部から疑いの眼差しで見られている南アフリカのズマ大統領も参加しました。

 ICCは国連を背景に生まれた組織ですが、韓国外相から国連事務総長に転じた潘基文(バン・キムン)氏はバシル大統領らと天安門で並びました。異様な集まりだったのです。式典に参加した朴槿恵大統領を企業社会に例えれば、こんな感じです。

J社はC社の招待を断った

  • 大手自動車メーカーU社の系列企業、K社の社長。最近、部品を大量に買ってくれるようになったC社の社長から「ウチの創業70周年式典に是非、来てくれ」と言われた。C社はU社のライバル。おいそれとは行きにくい。
  • でも、C社への納入実績は増える一方。それにU社は地理的には離れているのに対し、C社はすぐ隣。そもそも祖父の代までK社はC社の系列だった。うまくとりいればK社のライバルのN社を、C社は系列から切り捨ててくれるかもしれない。
  • そこでU社の購買担当者には「少し顔を出すだけだから」と誤魔化してC社の式典に参加。でも、壇上で挨拶するのは警視庁のリストに載っている怪しげな企業のトップばかり。そして彼らに囲まれ談笑する光景を、取材に来たカメラマンに撮られてしまった……。

—まずいですね。

鈴置:U社のもう1つの系列企業、J社の社長はC社の招待を断りました。「工場が忙しい」などと、取って付けた理由で。このため、K社社長の参加がより目立ちました。

「国の行く末が心配」

—それに、業界団体の専務理事をやっているK社の元・海外担当役員まで、この怪しい式典に参加してしまっています。

鈴置:韓国メディアはこの式典が「怖い人の集まり」だった点は報じませんでした。報道は「我が国の大統領は中国で異例の好待遇を受けた」の一点張りだったのです。

 だから、国際情勢に詳しい韓国人はともかくも、普通の人にとって大統領の抗日式典参加は「極めて誇らしい出来事」でした。支持率が急上昇したのも当然です。

 ただ、それに危うさを感じた韓国人もいました。例えば日本語で「シンシアリーのブログ」を書く匿名の歯医者さん。政治的な色の濃い主張はしない人です。

 そのシンシアリー氏が支持率の急上昇に関し「朴槿恵大統領の支持率、54%に上昇」(9月4日、日本語)で、以下のように書いたのです。なお、助詞などを少し手直ししています。

  • 一部で親中政策を憂いている人もいるのは事実ですが、朴槿恵大統領の親中政策は「国民的」支持を得ていると見ていいでしょう。
  • 反日+親中ですね。
  • まさか、私が本気で「国の行く末」を心配する世代になろうとは、考えもしませんでした。いつからこうなったんだろう……。

「統一のために中国と協力」

 韓国人がすっかり親中に染まってしまった、との驚きの表明です。支持率アップで自信を得た朴槿恵大統領が、さらに中国に傾くとも懸念したのでしょう。

 韓国人の従中振りをシンシアリー氏が茶化したことはありました。でも「国の行く末を心配」とまで書いたのは初めてです。

 彼の憂鬱な予想は、直ちに現実のものになりました。このブログが載ったのとまさに同じ頃、9月4日午後に朴槿恵大統領は中国から戻る飛行機の中で記者団に対し、以下のように語っていたのです。

  • 朝鮮半島の平和統一のために今後、中国と協力することを決めた。可能な限り速やかに、どのように平和統一をなすのか議論が始まるだろう。

中国のおもちゃになる

 韓国では猛反発が起きました。中国と組んで統一を図れば、米韓同盟の消滅に直結する可能性が極めて高い。中立化した韓国が、自由と民主主義を維持できるのか――との悲鳴でした。

 親米保守の趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムにしばしば論説を載せる「証人」という筆名の識者がいます。その「『朝鮮半島平和統一』その同床異夢」(9月5日、韓国語)の一部が以下です。

  • 我々が考える統一と中国のそれは完全に異なる。中国には十中八九、朝鮮半島を米国の影響力から遠ざけ中国が管理するという下心がある。我々の統一は当然、朝鮮半島が米国の作戦区域に残るとの前提がある。しかし、これを中国が認めはしないだろう。
  • (朴槿恵大統領は)統一のためには米国との決別も辞さないというのか? 果たしてそんなことは可能か? 決別は統一の前なのか、後なのか? 中国と平和統一を論じるのは、中国のおもちゃにされる公算が大だ。
  • 朴大統領が中国へ行き習近平、プーチンと並んで立つ姿によって支持率が急騰するという現象こそが、すでに中国の管理下に組み込まれたことを示す危険信号に映る。

米軍撤収も中国と話し合うのか

 同じ日に東亜日報も社説で、大統領が突然に唱えた「中国とスクラムを組んだ平和統一」に疑念を表しました。

 保守系大手3紙の中では、政権に最も距離を置く新聞です。今回の訪中に対しても3紙の中で唯一、明確に反対していました(「“恩知らず”の韓国」参照)。

 東亜日報の社説「「中国と協力する『平和統一』は自由民主体制が確かなのか」(9月5日、韓国語版)の骨子が以下です。

  • 大韓民国憲法に明示された「自由と民主主義を基本とした秩序に立脚した統一」と、中国の朝鮮半島戦略をどう一致させるのか、明確にする必要がある。
  • 中国メディアは韓中首脳会談で「習主席は『自主的統一』の実現を望むと語った」と報じている。それが外部勢力の介入を排除するとの意味なら、駐韓米軍の撤収を語っているわけであり、北朝鮮の主張する統一と変わらない。
  • 昨年2月、中国の軍部は統一に関し、領土・領海紛争の徹底的な解決に加え、外国軍隊撤収のタイムテーブルの提示など6項目を先決条件として挙げた。朴大統領は大韓民国の安危に直結する在韓米軍撤収まで中国と論議するというのか。
  • 韓国は統一の具体的方法に関し、同盟国の米国とさえ緊密に対話する段階に至っていない。朴大統領がいくら統一のビジョンを強調しても、現実には越えねばならない山が多いからだ。
  • 習主席は北朝鮮を戦略的資産と見なしている。朝鮮半島全域をその資産とするために朴大統領に「魅力攻勢」をかけているとの分析も出ている。

「統一」で騙された大統領の暴走

—「魅力攻勢」ですか。

鈴置:東亜日報は上品な表現に留めていますが、はっきり言えば「朴槿恵大統領は中国の力に魅せられ、習近平主席に騙されかけている」ということでしょう。

 背景には「中国は北朝鮮を放棄する意思など一切ない。むしろ韓国を『統一』という甘い言葉で釣って米国から引きはがし、半島全体を我がものにするつもりだ」との認識があります。

 週明けの9月7日からは、朝鮮日報や中央日報など訪中に賛成していた保守系紙も、社説やシニア記者のコラムを動員し連日のように「中国に傾き過ぎだ」と叫び始めたのです。趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムでは「対中依存の暴走」との表現も使われました。

 でも、朴槿恵大統領は馬耳東風。9月9日に開催されたソウル安保対話では、世界各国の国防関係者を前に「統一は北朝鮮の核問題や人権問題の根本的解決策になるだろう。世界史から見れば20世紀の冷戦の歴史を終息させることになるだろう」と演説しました。統一に集中する姿勢をさらに鮮明にしたのです。

 青瓦台(大統領府)も最高級の政府高官による中国との戦略対話の早期開催に動いています。世論の危惧をよそに、朴槿恵大統領は「中国とスクラムを組んだ統一」に邁進し始めたのです。

俺の後ろには中国がいるぞ

 2015年以降、平均的な韓国人の自画像は「米中間では等距離に位置する国」となりました。保守紙も少しずつ軸足を中国に移しており、その文言を使わないにしろ、朴槿恵政権の「等距離」つまり「二股外交」を支持するに至っています。

 米国の要請を無視し中国の言いなりになったのは、抗日式典参加だけではありません。終末高高度防衛ミサイル(THAAD)や、中国の南シナ海の軍事拠点化の問題でもそうです。

 2014年までは多くの韓国人が「『等距離』だの『離米従中』だの言い募るのは日本人だけ。韓米離間を図る日本の陰謀だ」などと言い張っていました。

 しかしこれだけ「離米従中」が誰の目にも明らかになると、今度は「米中等距離のどこが悪い」と居直り始めたのです。日本人に対し「俺の後ろには中国がいるぞ」と肩をそびやかす韓国人がさらに増えました。

もう、米国側に戻れない

 ただ、そうした空気を体現する保守系紙さえも、大統領の「中国とのスクラム宣言」は大いにショックを受けました。等距離どころか、完全に中国側の国となり始めたからです。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年9月16日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の対中批判要請を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にも関わらず韓国は参加

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

 「韓国は米中の勢力争いに決着がつくまで二股外交を続けるだろう」と語っていた韓国人がいます。この人からも、こう言われました。

(次回に続く)

(前回から読む)

 中国とスクラムを組んで朝鮮半島を統一すると宣言した朴槿恵(パク・クンヘ)大統領。保守系メディアは必死で引き止める。だが、大統領に動じる風はない。その真意はどこにあるのだろうか。

米国と決別するのか

—前回は朴槿恵大統領が「中国と協力し統一を目指す」と宣言。韓国の保守派が大慌て、という話で終わりました。

鈴置:大統領の発言は9月4日の、中国からの帰りの機中の出来事でした。翌日の9月5日から保守メディアが一斉に大統領に翻意を促しました。

 「中国頼みの統一は米国との決別を意味する」「米韓同盟を失い中立化したら、自由と民主主義を維持できない」などと、大統領に真っ向から反対したのです。

 9月5日、東亜日報はいち早く、そんな趣旨の社説を載せました。同紙はもともと軍事パレード――抗日戦勝70周年記念式典の目玉行事です――に大統領が参観することに反対していました(「統一は中国とスクラム組んで」参照)。

浮かれる時ではない

 同紙は9月10日にも社説で「大統領は急がず、長い目で統一外交を進めるべきだ」(日本語版)と訴えました。正確を期すために原文「幕が上がった統一外交、息長く推進を」(9月10日、韓国語版)からポイントを翻訳し、引用します。

  • 中国が血盟の北朝鮮を捨て韓国を選ぶ、という戦略的転換をしたと判断するのは難しい。韓国国内では具体的な統一方法に関し、共感が形成されていない。当事者である北朝鮮とも議論がない状況だ。
  • 北は「統一は我が民族の力だけで実現すべき、民族の一大事だ」と朴大統領の発言を批判し始めた。大統領の「東北アジア外交の主導」は息切れしている。
  • 朴大統領が任期内に目に見える形で統一の成果を出そうと、無理筋の手を打つのは望ましくない。

 中国から戻って来た大統領は突然、「統一だ」と叫び始めた。この国をどこへ連れて行くのか分からない――。こんな恐怖心を抱いたに違いありません。東亜日報は「そんなに焦らず、統一はゆっくり考えましょう」と大統領を諌めたのです。

 他の保守系メディアも大統領を抑え込みに入りました。軍事パレード参観に賛成していた朝鮮日報も9月7日、社説「韓中の『統一論議』、浮かれる時ではない」(韓国語版)を載せました。

 中国が北朝鮮を捨てる判断をしたわけでもないのに「中国と統一論議」などと浮かれるのは現実を見誤っている、との主張です。

外相は自画自賛

 同紙は9月9日には社説「尹外相の『対中外交の自画自賛』、後始末に自信はあるのか」(韓国語版)で尹炳世(ユン・ビョンセ)外相を厳しく批判しました。今回の大統領訪中を「歴史的ターニングポイント」であり「外交的な幅を広げた」と自賛したからです。

 ただでさえ米国や日本から「中国傾斜」と疑いの目で見られているのに、それを加速して責任はとれるのか――との訴えです。外相批判の形をとっていますが、実際は「朴槿恵批判」そのものです。

 中央日報も9月7日に社説「統一論議の火種、小さな失敗で消してはならない」(韓国語版)を載せました。中国と統一を議論するのはいいけれど、米国や日本との関係を損なうべきではないと指摘しました。

瓢箪から駒の「スクラム」

—確かに「大慌て」といった感じですね。

鈴置:「中国とスクラム」路線は、ほとんどの韓国人にとって予想外だったのです。「瓢箪から駒」にメディアが慌てるのも当然です。

 朴槿恵大統領の訪中前、韓国政府は「統一問題を抱える以上、軍事パレード参観を拒否できない。中国は統一に大きな影響力を持つからだ」との理由を掲げました。

 でも普通の韓国人は「本音は米国への言い訳だ」と理解していました。太平洋の向こうから米国が苦い顔をして、訪中準備を進める韓国を見ていた。

 ことに1カ月半後の10月16日には、ワシントンで米韓首脳会談が開かれます。米国が引き止める中、強引に抗日式典に出るのですから、朴槿恵大統領としてはオバマ(Barack Obama)大統領に何らかの言い訳を用意する必要がある。

 そこで「統一」なら韓国人の“聖域”であるため米国人から口出しされにくいと考え、これを理屈に持ち出したのでしょう。

北東アジアを韓国が主導

 青瓦台(大統領府)も米国を相当に意識していました。訪中直前には「大統領が中国から帰ったら、米国との関係強化や日本との関係改善にも力を入れる」としきりに強調しました。

 朝鮮日報の「朴大統領、中国とは『統一外交の種まき』…米日とも対北朝鮮で協調」(9月1日、韓国語版)からもそれがよく分かります。

 この記事は冒頭で、朱鉄基(チュ・チョルギ)外交安保首席が8月31日に、以下のように韓国の外交姿勢を説明したと報じました。

  • 訪中以降に予定される外交日程により、我々の国益を伸長する主導的外交として、北東アジア情勢の好循環的な発展に寄与する。

種をまかずに刈り取り

 どの新聞も「東北アジアを主導する朴槿恵外交の一環としての訪中」との表現を使いました。訪中は韓国外交の一部に過ぎない、との意味です。

 「主導的外交」という言葉も目を引きました。青瓦台がレクチャーで使ったようです。訪中は「従中」の結果ではないと言いたかったのでしょう。普通の韓国人も薄々「大統領は中国に脅されてやむなく行くのだ」と感じていたからです。

 要は韓国の指導層は、言葉は悪いけれど「統一は米国に怒られずに訪中するための方便」くらいに考えていたのです。少なくともすぐに動き出す話とは考えていなかった。

 先に引用した朝鮮日報の見出しが示唆的です。訪中は統一への「種まき」なのです。ところが朴槿恵大統領は「種まき」どころか、帰国の途につくやいなや「中国とスクラムを組んだ早急な統一」に動き始めた。これでは「刈り取り」です、まだ種もまいていないというのに。

 多くの韓国人は「あれっ。話が違うじゃないか」と思ったでしょう。大統領の暴走と考えた人も少なくなかったのです。

中国を背景に北を叩く

—朴槿恵大統領はなぜ「暴走」し始めたのでしょうか。

鈴置:側近にも本音を語らない大統領なので、それは謎です。韓国人も首をひねっていますが、敢えて答えてもらうと「支持率」を指摘する人が多いのです。

 前回の「統一は中国とスクラム組んで」で話題にしたように、8月末からの2週間で大統領への支持率が20%ポイントも上がりました。

 「地雷事件の上手な処理」と「天安門の栄光」が原因ですが、共通するのは「中国を背景に北朝鮮を叩く」ことに成功した点です。

 長らく支持率の低迷に苦しんだ朴槿恵政権は、この急上昇を見て、本来は方便だった「統一」の旗を高く掲げることにした――との見方です。つまり「中国を背景に北を叩く」ことにしたのです。

 政権スタート時から使ってきた、「慰安婦」を掲げ「米国を背景に日本を叩く」作戦はすでに頓挫しました。安倍晋三首相は韓国を無視し続けるし、普通の日本人も反韓感情を高める一方だからです。そもそも、思ったほどに米国が助けてくれないのです。

 韓国人も反日・卑日には飽きが来ています。だったら今度は「地雷事件」で盛り上がった反北感情を生かそう――と政権が考えて不思議はないのです。

 朴槿恵政権は8月25日で任期の半分を折り返しました。これから急速にレームダックに陥るのが普通です。来年の総選挙では、与党が朴槿恵派と反・朴槿恵派に分裂する可能性さえ出てきた。

 経済も悪くなる材料はあっても良くなる材料は皆無です。内政で支持率を維持するのは難しい。外交で支持率を稼ぐしかないのだ、と見る人が多いのです。

成功の呪い

—「支持率説」に立てば、中国と綿密に打ち合わせたわけでもない――つまり「中国とのスクラム」はさほど実態のある話ではないということですね。

鈴置:そうなります。

—でも、朴槿恵大統領は本気で「中国とのスクラム」を実行するつもりのようですが。

鈴置:そこで語られ始めたのが「勘違い説」です。大統領なり政権中枢が以下のような認識を持つに至った、と解説する人もいます。

  • 北朝鮮の内部は揺れており、体制維持が困難になっている。「地雷事件」後の動きを見ても、北は予想外に弱腰だった。一方、我が国は抗日式典では中国から大事にされた。中国も我が国主導の統一を受け入れる可能性が増した。中国と組めば、北の動揺に付け込んで一気の統一も可能だ――。

 中央日報の金永煕・国際問題担当大記者は「朴大統領のユートピア的思考」(9月11日、日本語版)で「勘違い説」を唱えています。

  • どのように平和統一をするということなのか。ビジョンも戦略も提示されないまま統一の言葉ばかり広がっている。
  • 朴大統領は最近、参謀に対して統一に備えるべきだという言葉をよく述べているという。最近の統一準備委員会会議では、朴大統領が統一への対応を強調し、「来年にも」という表現まで使ったと、会議出席者は伝えた。
  • 朴大統領は北朝鮮の地雷挑発後に開いた南北当局者接触の8・25合意を我々の勝利と理解し、北朝鮮に対する自信が高まったという印象を与える。小さな成就が自慢を招く。成功の呪いを警戒しなければいけない。

軍事力に圧倒された?

—現実に向き合うべき国の指導者に対し「ユートピア的」とは厳しいですね。

鈴置:金永煕大記者はよほどショックを受けたのでしょう。大統領訪中までは、それを手放しで褒めたたえていたのですから。

 『どうせ、中国の属国だったのだから……』で引用した通り、以下のように「朴槿恵外交」を謳いあげていたのです。

  • 韓国は堅実な中堅国家として周辺強大国パワーゲームのバランスウエイトだ。今後は広い北東アジアを視野に置いて、この地域唯一の中堅国家として「バランスウエイトの力」を使って北東アジアの平和を牽引しながら南北問題に接近することができる。

—それにしても、国家の浮沈を左右する案件で「勘違い」するものでしょうか。

鈴置:それを補強するのが「圧倒説」です。中国の強力な軍事力を天安門の楼上から眺めるうちに、朴槿恵大統領はすっかり中国の強さに圧倒され、判断力を失った――との見方です。

 東亜日報の社説「中国と協力する『平和統一』は自由民主体制が確かなのか」(9月5日、韓国語版)は、それをさりげなく指摘しています。

  • 中国の軍事力の台頭を天安門の上から目撃しながら朴大統領が、何を考えていたかを気にする国民が多い。

流される「密約説」

—なるほど。「勘違い説」の説得力が増しますね。

鈴置:ええ。ただ、この“勘違い”は韓国にとって相当な危うさをはらみます。北朝鮮が崩壊寸前かは外からは断言できません。韓国の希望的観測に終わるかもしれないのです。

 そして中国が韓国主導の統一を認める保証はありません。崩壊の危機に陥った北を、中国がテコ入れしてしまうかもしれません。

 以上2つの障害をクリアして韓国主導で統一したとしても、中国の助けを借りれば、それは「中国が望む形での統一」になる可能性が大きい。

—自由民主主義体制を維持できるか、と東亜日報などが疑うのも当然なのですね。

鈴置:もっとも、こうした疑いを打ち消すために作られたと思われる噂も出回っています。北朝鮮の崩壊に関しては「実は、朴槿恵政権は崩壊が近いとの極秘情報を握っている」。

 中国とのスクラムについては「統一後も現在の韓国の体制を維持していいとの密約を中国から得ている」――です。これらを「密約説」と呼んでおきます。

大阪の陣

—崩壊や密約は本当ですか?

鈴置:判断できません。こうした情報は「怪しいな」とは思っても、容易には否定できないところがミソなのです。なお、日本にもこの「密約説」が流れて来ています。

 こうした怪情報に対抗する目的もあるのでしょう、親米保守の趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムの金泌材(キム・ピルジェ)記者は、大阪城外堀のロジックを使って「騙されるな」と訴えています。

 「敵の約束を信じた指導者の運命」(9月9日)という記事です。韓国語の記事ですがサイトを開くと、大阪城本丸の大きな写真が目に飛び込んで来るのでびっくりします。

 記事は「徳川方の和睦条件をのんで、難攻不落の秘訣だった大阪城の外堀を埋めることを認めたあげく滅ぼされた豊臣方の無能さ」を紹介します。そして以下のように結論づけます。

  • 大阪の陣は敵の約束を信じた指導者と国民が「偽りの平和」と「対話勢力(中立化勢力)」を選択すると、どんな結果をもたらすかを克明に示す、歴史的な事件だった。

 北朝鮮に近い人々が「統一の可能性が出てきた。まず、障害になる韓米同盟を破棄しよう。最低でも在韓米軍は撤収させよう」と言い出す可能性が増しました。

 韓国はそもそも「中立化志向」が根強い(「『フィンランドになりたい』と言い出した韓国」参照)。現政権にそのつもりがなくとも左派が「統一論議」を「米韓同盟破棄」に利用するかもしれない。金泌材記者ら保守派はそれを猛烈に警戒し始めたのです。

文化的帰巣本能による従中

—親米保守の趙甲済ドットコムは大忙しでしょうね。

鈴置:連日「中国に騙されるな」「自由民主主義を守れ」という記事が大量に載ります。「識者」氏ら常連の筆者に加え、李長春(イ・チャンチュン)元シンガポール大使も久しぶりに筆をとりました。外交政策企画室長を歴任した外交界の理論派です。親米保守としての深い危機感からと思います。

 「『平和統一を急ぐ』なら自由民主主義を放棄するのか」(9月9日、韓国語)がそれです。「統一幻想曲」「対中依存の暴走」「文化的帰巣本能による従中」などの強い単語を使い、中国との統一論議に反対しました。

 趙甲済氏自身も9月4日から9月15日までの12日間に30本も記事を載せています。ほとんどが「中国とのスクラム」に反対する記事です。

 なかでも日本人には印象深い記事が「ドイツを過大評価し道を誤ったあげくに滅びた日本」(9月7日、韓国語)です。

 趙甲済氏は、大本営・陸軍参謀で戦後は伊藤忠商事で活躍した瀬島龍三氏の回想録『幾山河』の第二章を大量に引用します。

希望的判断で滅びた大日本帝国

  • 1940年9月、日本は独伊と三国同盟を締結する。これで日本は英米を敵に回した。常勝するドイツの国力と戦力を日本の軍部は過大評価する一方、米英のそれは過小評価した、と瀬島は回想録で記している。
  • 瀬島は情報の判断ミスも指摘している。「陸海軍ともに軍事情報の収拾に重点を置き、政治、経済を含む総合的な国力の判断をおろそかにした。我が民族の性情からして冷厳なる合理的、客観的判断力に欠けやすく、心情的、希望的な判断に流れた」というのだ。
  • 半面、スペインのフランコは英国の能力を正確に把握し、ヒトラーの参戦要求を拒絶して国体を維持した。

 大日本帝国の滅亡の原因を諄々(じゅんじゅん)と説いた後、趙甲済氏は韓国人に向かってこう呼び掛けたのです。

  • 今、韓国には「米国の時代は終わり、中国が浮上する。中国と協力し統一に進まねばならない」という人が多い。中国が総合的な国力で米国を凌駕することは200年以内には不可能だ。中国に対する過大評価を警戒すべきだ。
  • 国際情勢を見抜く指導者の眼力が、民族と国家の興亡を左右する。

 朴槿恵政権に対する強烈な諫言です。

どこかピントが……

—中国経済は大きく揺れ始めました。単なる景気悪化ではなく、構造的な問題を抱えていることが誰の目にもはっきりしました。なぜ韓国だけが、中国を命とばかりに頼んで突っ走るのでしょうか。

鈴置:そこなのです、韓国がユニークな点は。米中の間をずる賢く立ち回っているようで、どこかピントがずれている――。その話はじっくりいたします。

(次回に続く)

9/14日経電子版『9月3日に天安門楼上に並んだ元首たち  編集委員 飯野克彦』について

中国は歴史の改竄の常習国です。中国駐在時代に行った丹東の抗美援朝記念館では「朝鮮戦争は南側の侵略により始まった」と臆面もなく、平気で嘘を書き連ねます。南京虐殺館も同じです。なかったことをさもあったように金をかけてアピールします。真実の歴史を叙述する訳でなく、政治的プロパガンダです。

流石に今の日本人は中国の異様さに気付いてきたのでしょう。NPO法人「言論NPO」の二〇一四年年七月~八月に実施した世論調査で日本人の93%(前年比2・9ポイント増)が中国に良くない印象を持っていると回答。南沙諸島で3本目の滑走路を造っているというニュースが米国から流されました。悪の帝国そのものです。

パレードに集まった元首級は専制国家の代表みたいな方が圧倒的に多いです。確かに「ファシストが反ファシスト戦争を祝う」と揶揄されてもおかしくないです。韓国と潘基文国連事務総長がこれに参加したことは、韓国は西側の一員に留まらないという事を宣言したようなものです。潘基文は次期韓国大統領の有力候補と言うのですから、完全に軍門に下ったと言えるでしょう。

中国にとって「海のシルクロード」を構築するよりは中央アジアを通る「一帯一路」の方が、今回のメンバーを見ているとやりやすいと思います。ただ金欠中国に他国にばらまく金が残っているかどうか。

記事

China military parade

天安門の楼上で軍事パレードの観覧に臨む習国家主席(中央)、韓国の朴大統領(左端)、ロシアのプーチン大統領(左から2人目)ら(3日、北京)=写真 柏原敬樹

古来より国家的なイベントは政治ショーとして見どころが多い。わけても、権威主義的な体制が威信をかけた場合は見どころ満載といえる。中国共産党政権が9月3日に北京の中心部で実施した軍事パレードは最新の例だ。

 「主役」である習近平国家主席の言動。初めて公開されたとされる兵器の数々。「ファシストの手法で反ファシスト戦争の勝利を祝う」と皮肉られた、厳戒態勢。「パレード・ブルー」とか「ファシスト・ブルー」などと、やはり皮肉まじりに呼ばれた、まれに見る青空。もちろん、天安門の楼上に並んだ中国の要人たちの顔ぶれとその表情、一挙手一投足は関心の的だった。注目点をあげるときりが無いが、その中で、天安門の楼上に並んだ外国の元首たちに焦点をあててみたい。

筆者が注目した記事

・9月5日 The Economist “Clueless and immoral

・9月3日 YouTube「慶祝抗戦勝利70周年9.3閲兵完整版」

・8月25日 国務院新聞弁公室サイト「国新弁挙行抗日戦争勝利70周年紀年活動第六場専題発布会」

■外国元首は22

 8月25日に中国政府が開いた記者会見では「30人の外国指導者」が「9月3日を記念する活動」に参加する、との発表があった。そのうち国家元首は22人。中国中央テレビ(CCTV)の中継では、パレードに先だって習主席夫妻が外国の要人や国際機関の高官と握手する様子が伝えられ、発表通りの22人が天安門に出向いたことを確認できた。内訳を地域別にみると次のようになる。

 北東アジアでは韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領とモンゴルのエルベグドルジ大統領の2人。東南アジアはベトナムのチュオン・タン・サン国家主席やミャンマーのテイン・セイン大統領ら5人。南アジアからはパキスタンのフセイン大統領だけだった。

 目立ったのは旧ソ連圏の国々。ロシアのプーチン大統領のほか、中央アジアからカザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの大統領が参加した。ベラルーシのルカシェンコ大統領の姿もあった。アフリカからはエジプトのシシ大統領や南アフリカのズマ大統領ら4人。ほかに東欧の国のトップが3人と、南米からベネズエラのマドゥロ大統領がはるばる駆けつけた。

こう並べてみると、地政学的な考えが頭をもたげてくるのを禁じ得ない。たとえば、東南アジア諸国連合(ASEAN)の加盟国のうち元首が天安門に登ったのは、メコン川流域に位置し経済発展が比較的おくれている国々だ。ASEANを貫く亀裂、分断線のようなものが見えてくる気がする。南アジアからの出席がパキスタンだけにとどまったことは、中国にとりインド洋への進出が決して容易でないことをうかがわせる。

 対照的に、中央アジアを経てロシア、ベラルーシ、東欧へとつながる道筋は結構くっきり浮かびあがる。海のシルクロードと陸のシルクロードを作ろうという「一帯一路」構想を習主席は打ち出しているが、少なくとも政治的には陸上の道づくりの方が進めやすいといえそうだ。

■自由や民主の理念は敵視

 視野をさらに広げると、かつての冷戦時代のような地球規模の分断線さえも感じ取れる。岩礁の埋め立てなどで南シナ海の現状を一方的に変更しつつある中国の活動や、ウクライナに対するロシアの侵略的な行動に、表だっては反対しない国々のトップが天安門楼上に勢ぞろいした。そんな印象を受ける。

 と同時に、自由や民主といった理念に必ずしも賛同しない政権や、むしろ敵視している政権のトップが目につく。振り返れば、天安門の前では1989年、学生たちの民主化要求を共産党政権が武力で弾圧した天安門事件が起きた。そんな場所で共産党政権が催した軍事パレードだ。天安門に登る先進国の元首がいなかったのは当然といえる。あえて登った元首たちが自由と民主をどう考えているのか、問いただしたい気分になる。

 その意味で、9月5日付の英誌「エコノミスト」の記事は衝撃的だった。南アの与党であるアフリカ民族会議(ANC)が最近まとめた外交政策に関する文書の素案は、天安門事件について「米国が後押しした反革命だった」と決めつけているという。ウクライナ問題は「米国が導いた紛争」だそうだ。中国共産党政権やプーチン政権の歴史観を引き写したような内容だ。ANCが今は亡きマンデラ大統領の与党だったことを踏まえると、エコノミスト誌が「無知で非倫理的」と形容したのもうなずける。

 

9/12東洋経済オンライン 伊藤歩『中国が監査で覇権掌握、日本なすすべなし? じわり増すビジネスリスク、米国も屈した』について

「じわり増すビジネスリスク」と思っているのは遅すぎでしょう。中国企業は3つの財務諸表(株主、銀行、監督官庁向け)を作るのは当り前です。何が正しい数字かは作っている方も分からないのでは。 小金庫と言われる裏金用の金庫を必ず企業は持ち、役人を接待漬けします。中国は賄賂社会で上から下に至るまで賄賂を取るのは当然と思っています。こういう国と付き合えば、日本の醇風美俗が失われます。

中国の監査法人や法律事務所も当てにならないと思った方が良いです。彼らは政府に反することはできませんので。以前中国に駐在していた時には、監査法人向けに小生が原稿を作り、それを彼らが追認してただけです。中国は資本主義のルールに従わず、ローカル・ルールをゴリ押しして、富を奪ういいとこどりだけするやり方です。これを認めたら世界は混乱します。

最善策は「非韓三原則」ならぬ「非中三原則」(=助けない、教えない、関わらない)を徹底すればよい。人口に幻惑されるのは敵に塩を送るものです。戦争を避けるためには中国の経済成長をマイナスにする必要があります。日本企業は高い授業料と思って中国から撤退すべきです。目先の利益だけで判断するのでなく、将来日本を侵略しようと虎視眈々と狙っている国に企業としてどう付き合っていくのか考えるべきです。日本人駐在員は人質になる可能性もありますし、日本人駐在幹部はパクられる危険性もあります。これからの進出も避けるべきと思います。

中国は尖閣のように、国内法で勝手に領土にしてしまう等、三戦(の内の法律戦)を充分活用して戦争を仕掛けて来ています。実際の戦闘と違い、目に見えませんが間違いなく戦争は始まっています。彼らは国際法何て気にしない民族です。自己中心の人達ですから。条約>国内法で条約に合わせ法律改正するのが普通の国のやり方なのに逆をやりますので。日本の憲法も条約にそぐわなければ直すのは当り前と思った方が良いでしょう。護憲の人達はどう考えるのでしょうか?

記事

日本企業に、じわりじわりと中国子会社への懸念が広がっている。買収した独グローエに、もれなく付いてきた中国水栓メーカー・ジョウユウが破綻し、660億円もの損失処理を余儀なくされたLIXIL。純資産225億円の江守グループホールディングスは、中国子会社の破綻で550億円の損失が発生。北陸を代表する超優良企業が瞬く間に倒産に追い込まれた。企業の財務状態が適切に公表されているかどうかを評価する監査に、なすすべはないのだろうか。

 同国に子会社を持つ日本の上場会社は多い。「中国経済が減速する中、本社側の経営者が中国子会社の内情に不安を抱くケースが増えている」(中国に進出している日系企業の相談業務を手掛ける鈴木幹太弁護士)という。

 実際、「中国子会社で不正が起きていても本社側で把握することは難しい。最近は販売や製造だけでなく、財務の責任者も現地に送り込むケースが増えているが、それでも隣の席に座っている現地採用の営業担当者が何をしているのかが把握できない。取引の相手方が現地スタッフの親族企業であるとか、その親族企業との間で循環取引が行われているといったことは、他のスタッフからの内部告発によって初めて発覚するケースがほとんど」(同)。

 日本本社の報酬体系を海外子会社に持ち込むことで、不正を誘発している面もある様だ。「中国では報酬やポストがすぐに得られなければ、基本的にはさっさと他社へ移る。だが、中にはその会社から回収しようとする人も出てくる。加えて一族の繁栄が最優先という価値観があり、かつ親族企業を潤す取引自体が不公正な利益供与に該当する可能性が高く問題だ、という感覚は希薄。ただ、取引実態の発覚を防ぐため、書類は完璧に整えているのが普通」(同)。

 それでは監査法人なら把握可能なのかと言えばそれも違う。上場会社の監査に従事している公認会計士は、「最近、漠然と中国子会社をよく見てほしいと言ってくる経営者が増えているが、不正を働く従業員は巧妙に書類を整える。社内でもわからないことを、部外者であり強制調査権もない会計士に解明できる余地はほとんどない。不安ならまず本社側が内部調査をし、そこで把握した証拠に基づいて一定の権限を会計士に与え、監査報酬の追加発生も覚悟すべき」と強調する。

 本体の監査を担当する公認会計士は、子会社も含めた連結全体の監査の品質に全責任を負っている。ただ実務上、言語や法令理解の問題があるため、海外監査は基本的に現地の会計事務所に委託するのが一般的。「なんとなくイヤな感じがする」というだけで、追加報酬の発生と相手方の抵抗が予想される手続を、現地事務所に依頼することは難しい。だからこそ、本社経営陣による強力なバックアップが必要になる。

 海外の監査を依頼する相手が他人であるという点は、世界4大会計事務所(通称Big4=EY、デロイト トウシュ トーマツ、KPMG、PwC)と提携関係にある、日本の4大監査法人(新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらた)も例外ではない。Big4に次ぐ規模のBDOやグラントソントンと提携しているBDO三優、太陽ASGも同様だ。

 これら日本の監査法人は基本的に、提携先の現地会計事務所に海外子会社の監査を依頼する。江守の場合も、日本本社をKPMG系のあずさが監査していたので、中国子会社はKPMG上海が担当していた。

 世間一般にはあまり理解されていないが、Big4のネットワーク間には資本関係も指示命令系統も存在しない。提携先である各国会計事務所は、本部に対価を支払って同じブランドを使用する者同士というだけ。人事交流は行われているが、それ以上でも以下でもない。従って「ちょっとお願い」程度のレベルで「より突っ込んだ監査」を依頼できる間柄ではない。

 では、日本の監査法人は現地会計事務所を盲目的に信用し、業務を丸投げできるかといえば、そんなことは許されていない。

 グループ会社の監査手続きについては公認会計士協会(JICPA)が監査基準委員会報書告600(以下、報告書600)で定めており、どこの監査法人もこれに従って手続きを行っている。この報告書600は、国際監査・保証基準審議会(IAASB)が策定している監査基準に準拠した、いわば世界標準でもある。

 本体の監査人は委託先の選定責任も負っており、報告書600は委託先の能力や独立性、実績などについて、一定のチェックを行うよう求めている。親会社の監査人の求めに応じて監査証拠を出すことはもちろん、子会社の監査業務に直接関与することも認める会計事務所でなければ委託すべきではない、としている。監督官庁である金融庁の公認会計士・監査審査会も、監査法人に対する検査では、報告書600に従った手続がとられているかを見る。

 実際の業務では、海外子会社から上がってきた決算書類を見て、親会社の監査人が委託先に、気になる部分や集中的にチェックしてほしいポイントを列挙した監査指示書を出す。納得できる回答が出なかったり、監査証拠の提出を拒まれたりした場合は契約を解除し、別の会計事務所に依頼し直さなければならなくなる。

 もっとも、Big4などには統一マニュアルが存在し、同一ブランドを使用する上で必要な品質チェックも本部から定期的に入る。それでもLIXILや江守のような事態が起きると、本部のチェック機能とはどの程度のものなのか疑いたくなる。LIXILのケースでは、問題の買収子会社ジョウユウはフランクフルト証券取引所に上場していた会社であり、その監査はグラントソントンが担当していた。

 さらに近年、報告書600に代表される、世界標準のグループ監査ルールを形骸化させかねない法整備が、中国で着々と進められている。

 実は今年2月、中国の法制度が米国市場のルールに挑み、事実上中国が寄り切り勝ちする事態が起きた。

 日本ではあまり話題にならなかったが、そもそもの発端は2010~11年に、米国の証券市場に上場する中国企業の不正会計が相次いで発覚したことだった。2012年2~4月にかけ、米国SEC(証券取引委員会)が、調査対象の中国企業の監査を担当していた中国Big4とBDO系の大華、合計5つの会計事務所に対し、正当な権限に基づいて監査資料の提出を求めた。

 だが、5事務所はこれを拒絶、その理由が「監査資料の提出が中国の国内法規に抵触する」というものだった。根拠は2009年10月に中国証券監督管理委員会が公布した「国外における証券発行と上場に関連する機密と書類管理業務に関する規定」である。

 この規定では、国外で上場している中国企業の監査資料を、上場先の国の監督機関等に提出する場合は、資料が国家機密に該当するかどうか、事前に機密行政管理部門の判断をあおがなければならないとされている。この規定、監査資料がどの程度の範囲のものを指すのかも明確にされておらず、運用も中国政府の腹一つなのだ。

 このため、この問題は米中間の外交交渉マターとなったが、交渉は決裂。そのためSECは5事務所に聴聞会への召喚と、質問回答状の提出を命令し、行政審判手続きが始まった。第一次審決が出たのは2014年1月で、5事務所のうち中国Big4に6カ月間の業務停止命令が下る。中国Big4はSEC調査対象外の中国企業の監査も行っているため、米国で上場している数十社の中国企業が、とばっちりで上場廃止の危機に瀕する可能性もあった。

 この第一次審決に中国Big4が不服を申し立て、最終的に決着がついたのが今年2月。一つの事務所につき50万ドルを支払った上で、SECからの書類提出要請に応えられるよう、今後4年間で具体的な対策を講じることを約束して和解が成立した。

 米国発の報道は、SECが中国に対し、国内法規の一部変更もしくは例外規定の設置を約束させたも同然というトーンだったが、「会計士の受け止め方は逆。SECが求めた監査資料のうち、一部は提出が始まった様だが、業務停止は撤回させた。今後、改善努力の進展が思わしくなければ再び業務停止処分が発動できる和解内容ではある。とはいえ、影響が甚大であるだけに果たして実行可能かどうか。その上、中国企業はSECの権限を脅かすことが証明されたにもかかわらず、昨年9月、米国はアリババの上場を認めた。アリババ上場が米国にもたらす利益を優先したのだろうが、米国は中国に屈したも同然」(海外監査に詳しい公認会計士)。

 確かに、和解した相手は中国政府ではなく民間企業でしかない。実際にどの程度改善が可能なのか疑問だ。

 中国では2011年3月に「国外会計士事務所の中国内地における臨時監査業務実施暫定規定」も制定されている。この規定は中国国外の会計事務所が中国の会社を監査する場合、臨時監査許可証を必要とする、というもの。しかもその有効期限は香港、マカオの会計事務所は5年、台湾は1年だが、それ以外の国はわずか半年。継続的に監査を行うには、半年ごとに更新手続きをとらなければならない。

 さらに許可を受けた場合でも、中国国内の会計事務所との共同監査を推奨している。その上で、中国国内の事務所に対しては、国外事務所との共同監査で作成した資料のうち、国外事務所に提供することが不適当だと中国政府が判断したものについて、共同監査の相手方である国外事務所への提供を禁止している。ここでも禁止対象になる監査資料の範囲は中国政府の腹一つ。この規定は、日本企業の中国子会社の監査も適用対象だ。

 また、今年7月には「会計事務所が従事する中国内地企業国外上場監査業務暫定規定」が誕生した。この規定では、国外上場の中国企業を監査する海外会計事務所には、先ほどの許可の取得に加え、中国国内の会計事務所との合同監査が義務付けられた。つまり、国外事務所による単独監査を禁止したのである。

 この新規定誕生で、既存規定の運用が強化される可能性を懸念し、PwCあらたでは「臨時許可の取得も視野に入れた対応を検討している」という。顧客の中国子会社の監査は、現地PwCのスタッフに委託しているとはいえ、日本の会計士がいっしょに現地工場を回り、質問をすればそれが監査業務だと言われる可能性が否定できないからだ。ちなみに、日本の4大監査法人のうち、問題意識を持ち、「対策の必要性を認識している」と筆者に明確に回答したのはPwCあらただけだった。

 現在、中国では新たに国内会計事務所に対し、対外的な監査書類の提供を原則禁止する「会計事務所監査管理暫定弁法」の制定も予定されている。8月15日にパブリックコメントの募集が終了しており、これから制定作業に入る。最終的にどうなるのかは不明だが、「規制強化の流れが反転する可能性はほぼない」(前出の海外監査に詳しい公認会計士)。

 すでに、中国の会計事務所が日本の監査法人と共同で作成した資料を日本の監査法人が入手するには、中国政府の許可が事実上必要になっている。そこへ、中国の会計事務所単独で監査した場合にも網をかけようとしていることになる。中国子会社で突如巨額の損失が発生しても、事実の解明すらできなくなる可能性をもはらむ。

 中国の法規制は、国内企業に海外上場のメリットを享受させる一方で、市場参加者が果たすべき義務の履行を回避させる効果を持つ。世界は中国企業の海外上場がもたらす恩恵を無視できない。中国企業にのみ特例を認めれば、世界中の資本市場の秩序は崩壊する。

 公認会計士・監査審査会に対策を聞いたが、「外国の法規制のことでもあり、コメント出来る立場にない」という回答だった。だが日本の監査制度に甚大な影響を与えるかもしれない今回の事態。コトは民間組織でしかない会計事務所や企業の次元を超えている。各国当局との連携も含めた対応が必要なはずだ。

9/12ZAKZAK ケントギルバート『世界中が認識 PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国』について

小生が何時も言ってきました中国人の基本的価値観「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と同じことをギルバート氏は言っています。世界の人々が中国人の大嘘に気付き始めました。小中華の大嘘にも気付いてほしいと思います。アフリカの独裁国くらいでしょう、中国の言うことを聞くのは。スーダンのバシル大統領は現職の国家元首としては初めてICC(International Criminal Court)から逮捕状が出ていますが、スーダンに対する経済制裁や国連平和維持軍の派遣は中国の拒否権により阻止されています。(『勝利の裁きか、正義の追求か』ウイリアム・シャバス著、P.39)。それで軍事パレードにも参列させたのでしょう。

習近平の軍事慣例に反する左手の敬礼を中国のローカル・ルールを国際ルール化したとギルバート氏は見ていますが、利き手が右の人が多い中で、左手の敬礼が国際的に認知されるとは思えません。あくまでも中国だけのローカル・ルールで終わるのではと見ています。

記事

中華人民共和国(PRC)は3日、「抗日戦争と世界反ファシズム勝利70周年記念」と銘打った式典を開催した。史実を無視したネーミングで、PRCは平気で大嘘をつく恥知らずな国だ-と世界中が認識した。

 しかし、これは意図的に発した警告であり、踏み絵だった。

 私は童謡「森のくまさん」を思い出した。日本語の歌詞だと、熊は「お逃げなさい」と警告した後、貝殻のイヤリングを拾う。それを返すためにお嬢さんを追いかけるのだ。熊にも性善説を適用するとは、あきれるほど日本的で平和な歌に生まれ変わっている。

 ところが、米国の原曲だと、熊は人間に「銃を持たないなら逃げろ」という。熊の警告には銃の有無を確認し、逃げ回る人間の追跡を楽しみたい意図があるのだ。

 AIIB(アジアインフラ投資銀行)に色気を見せた欧州各国の首脳も今回の式典に招待されたが、熊の危険性を理解して、すたこらサッサと逃げ出した。「嘘つきの仲間に入れ」という踏み絵は踏まなかった。

 他方、韓国のお嬢さんは躊躇(ちゅうちょ)しつつも踏み絵を踏んで、2匹の熊陣営にすり寄った。結果、歴史の真実だけでなく、自由主義陣営から受けた70年間の恩義もドブに捨てた。米国はどう出るのか。

 余談だが、国連事務総長が式典に参加したのは最高だった。日本人の「国連信仰」を打破するきっかけになるはずだ。

 私は、日米両国は国連を脱退して、新しい国際組織の創設を呼び掛けるべきだと考えている。それこそが「戦後レジーム」の真の終焉(しゅうえん)である。

 習近平国家主席らの大嘘にあきれる人は多いが、PRCは「だます方より、だまされる方が悪い」と考えている。平気で大嘘をつく行為は恥ではなく、出世に必要不可欠な能力であり、特権の行使とも言える。

 日米欧諸国には倫理や道徳を重んじる建前があるので、PRCの常識は容認できない。この食い違いに、習氏はストレスを感じていたはずだ。

 そこで、習氏は大胆な作戦に出た。史実を無視して歴史を捏造し、常識外れの行動を取ってもまったく恥じないことを、自ら全世界に証明したのだ。軍の慣例に反した「左手での敬礼」はその一部だろう。

 つまり今後、誰かがPRCを信用してだまされても、だまされた方が悪いということになる。

 こうして習氏は、PRCのローカル・ルールを、世界中が認めざるを得ない国際ルールへ昇格させたのだ。肉を切らせて骨を断つ。したたかな戦略には、脱帽せざるを得ない。

9/11ZAKZAK 高橋洋一『増税阻止チャンスは一度! 針の穴に糸を通すような困難』について

石破茂は無派閥をずっと主張してきたのに宗旨替えしました。所詮は田中派に居て、意見が合わず自民党を出ていき、小沢の新進党に参加して出戻りしただけの男です。谷垣幹事長からも「私が野党総裁時代に派閥をどうするかでかなりいろいろな主張があった。」(9/12日経)と揶揄される始末。こういう男が次の首相を狙うために変節して派閥を立ち上げるとは。自民党への出戻りという意味では、河野洋平と同じ危険な臭いがします。慰安婦問題で河野同様平気で国を売るのでは。因みにネットで石破の慰安婦問題についての発言や拉致問題についての発言は少ないです。日和見主義者でしょう。

今度の総裁選で岸田は安倍首相から禅譲を匂わされたとの噂があります。線は細いが石破よりはましかも。ただ外相経験者とはいえ、キチンと日本の国益を必死になって主張できるかどうかです。

やはり安倍3選が一番良いのでは。しかし、景気が良くなければ党則の2期を超えてまで「やらせよう」とはなりません。東京オリンピック2020は安倍首相にやらせたい。また、この3年で自民党の党是、安倍首相の悲願の憲法改正ができない可能性もあります。後5年やれば日本の風景も変わることを期待します。

そのためには、消費税は再延期しないとダメです。高橋洋一が読むように来年7月にW選挙に勝利することです。それには「消費税再延期」するしかないでしょう。前回の衆議院選は財務省の安倍封じ込めを打開するためにやったと言われていますから、今回もう一度延期と言うと財務省は必死になってもっともっと抵抗するでしょう。今軽減税率が問題になっていますが、これが2017年4月までにスムースに実施できるとは思えませんので再延期はしやすいと思います。是非再延期を願っています。中国経済は回復不能と言われていますので。

9/2「ぼやきくっくり」によればhttp://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1771.html

青山繁晴:「じゃあ日本はどうなのか。実は日本は、全部がマイナスとは限らなくて、つまり日本はこれでおそらく、消費増税ができなくなるんですよ」

櫻井浩二:「はぁ、消費増税ができなくなる…」

青山繁晴:「2017年4月に、何があっても、景気を考えなく、消費増税しますと安倍総理はおっしゃいましたが」

櫻井浩二:「言いましたね、はい」

青山繁晴:「こないだ安倍総理は私に、これは東京のラジオ番組の生放送でおっしゃったのが、安倍総理にスタジオ来ていただいたんですが、消費増税、僕は凍結すべきだってことを安倍さんに打ち合わせなしで迫りましたら、安倍さんは、いや、公約してるからってことをおっしゃった上で、でも海外で大きな要因があったら話は別だとおっしゃったんですよ」

※7月23日 ニッポン放送「ザ・ボイス そこまで言うか!」8:30頃~

本庄麻里子:「うーーん」

櫻井浩二:「ああ~」

青山繁晴:「もうこの時すでに安倍さんには、日本のインテリジェンス、機密情報で、中国経済が危ないって入ってましたから、だからリーマンショックの再来って話じゃなくて、中国のことを指さしてるんで」

櫻井浩二:「ああ~」

青山繁晴:「実は消費増税、やってはいけない、また、デフレ、云々の話になりますから、ま、そういう意味ではプラスの点も、少しはあるってことです」

記事

国内外の経済環境に不透明感が増しているが、2017年4月の10%への消費再増税はどのようにすれば止められるのだろうか。

 まず、現状をきちんと理解しておくと、民主党時代に制定された消費増税法はまだ生きている。その中で、17年4月からの消費増税は既に法定化されている。

 昨年12月の衆院選で、安倍晋三政権は今年10月から予定されていた10%への消費再増税の実施時期を17年4月に延期した。これがなければ、今頃は日本経済が奈落の底に沈む寸前にいたかと思うと、衆院を解散してまでも延期したのは正解だった。

 延期の際、景気情勢によって増税を停止できる「景気条項」を削除した。その解釈として、「景気がどうなっても消費再増税する」という話が流れたが、まったくの事実誤認である。

 これまでに本コラムでも指摘したが、そもそも消費増税法の付則であった景気条項は、消費増税を止めるためにはまったく役立たないものだった。

 政権運営に不慣れな民主党議員に対して、「景気条項があれば、増税を止められる」との説明も一部にあったようだが、それは事実ではない。景気条項を使っても、新たに法案を出す必要があり、それが政治的に困難だからだ。

 昨年12月の衆院選がなければ、消費再増税は延期できなかったというのが事実だ。あの段階で、もし安倍首相が「増税を止めるための法案を作ろう」と言ったら、政局になって首相の座から引きずり下ろされただろう。そうした政局の動きを封じるために、衆院議員は全員クビというのが解散・総選挙であった。景気条項の有無は、消費再増税をスキップするための政治的な意味はまったくない。

 重要なのは、国政選挙で、どのような公約を掲げて、選挙に勝つかという点だ。昨年の衆院選では、消費増税スキップを公約として自民党が勝ったので、それが実現された。17年4月からの消費再増税を止めるには、遅くとも16年9月までに、意思を固めて国民の審判を受ける必要がある。その審判とは16年7月の参院選である。

 ただし、通常のように悠長に公約作りをしながらであると、財務省がつぶすだろう。それを封じるには、その時、衆院を解散してダブル選挙にした方が、成功する確率は高くなる。そこが唯一のチャンスである。

 一方、消費税が争点にならなければ、今の法律通りに17年4月から消費再増税になる。もし、その時の経済状況からみて延期がふさわしく、選挙の争点にして勝利すれば、消費再増税は延期される。逆にいえば、この一点しか延期される可能性はないだろう。この意味で、消費再増税を止めるのは、針の穴に糸を通すようなものだ。

 このタイミング以外で政治的に仕掛けても、政治巧者の財務省が各方面へ根回しすることで、もくろみは不発となるだろう。財務省はマスコミ、財界、学会、海外などへ大きな影響力もあるので、侮ってはいけない。