「慰安婦問題で日韓局長会議を続けているが、朴大統領の要求した年内決着は無理」と言うのが12/16日経に載っていました。当たり前です。強制連行何て事実とも異なり、日韓基本条約で解決済の問題をグダグダ討議する方が余程おかしいです。日本の外交も椅子を蹴って退席してくるくらいの交渉をしなければダメでしょう。いつまでも甘やかすからつけあがるのです。ましてや相手が幻想・妄想で生きている民族となれば猶更でしょう。現実を見さしてやらねば。スマホ部材の輸出を止めれば韓国は一発で干上がります。日本の外務省は武器なし(というか戦う材料も探さない無能集団)で戦っているようなものでしょう。加藤産経ソウル支局長の裁判、靖国爆破事件の出国時検査の甘さ等突っ込みどころは一杯あるでしょう。テロ支援国家と国際世論に訴えるのが良いでしょうが、鼠男が国連事務総長をやっていて、ネポテイズムの塊の男なので期待できません。返す返すも日本の政治家はバカが多く残念という気がします。事務総長選の時に日本も推薦したのですから。翻ってそういう政治家を選んだ国民が悪いことになります。
古森氏の言われるように慰安婦問題について政府が褌を締めてかからないと、軍艦島の強制徴用の問題のように足元を掬われます。無能の外務省がネゴするのでとてつもなく心配です。今回の件も結局、政府が米国を動かしたというよりは民間が動かしたという事です。小生も目良浩一氏の訴訟にいくばくかの寄付をしております。本来、官房機密費はこういう時のために使うものでしょう。いくつかのフィルターを通して出所が分からないようにすれば良い。世界ではどこでもやっているでしょう。こういう所に役人の地頭(じあたま)の良さが問われるのに。
記事
慰安婦問題はいまどうなっているのか――。
11月の日韓首脳会談で「日韓関係改善の最大の障害物」とされた慰安婦問題はその後、どうなったのか。この問題の背後で重要な役割を果たしてきた米国はどのように認識しているのか。私がふだん駐在する米国の首都ワシントンから見る限り、きわめて少しずつではあるが、慰安婦問題は日本側にとって有利な方向へ動き出している。
以下では、事態が好転していることの根拠を5点ほど報告したい。
歴史学者たちの抗議声明に反論
第1は、米国歴史学会(AHA)の機関誌『歴史展望』(Perspective on History)12月号に日本側の学者50人の反論が掲載されたことである。
『歴史展望』は今年3月号に、米国の歴史学者20人による「日本の歴史家に連帯して」と題する日本外務省への抗議声明を掲載していた。その抗議声明に対する反論である。
米国側の歴史学者を主導したのは、慰安婦問題で長年日本を糾弾してきたことで知られるコネティカット大学のアレクシス・ダデン教授だった。ダデン教授らは、米マグロウヒル社の高校教科書の慰安婦記述の間違いを正そうとした日本外務省を非難していた。
その教科書には、慰安婦について「日本軍が強制連行」とか「20万人の性的奴隷」「天皇からの贈り物」などという根拠のない記述があった。日本外務省は当然のことながら、マグロウヒル社に訂正を求めた。だが、ダデン教授らは「米国の教科書の内容への日本政府の不当な干渉であり、検閲だ」と抗議したのである。
それに対して日本側では、大阪市立大学の山下英次名誉教授や東京大学の小堀桂一郎名誉教授ら50人の学者がダデン教授らの主張を正面から否定する声明を『歴史展望』に送り、掲載を求めていた。『歴史展望』には当初その掲載を渋る様子もあった。だが、12月3日発行の最新号にようやく掲載した。反論の内容は「米国の歴史家は日本政府に対する抗議声明を出すよりも、米国の歴史教科書の内容の妥当性について、全面的な検討作業を開始するよう米国内で働きかけ、自分たちもその方向で行動すべきだ」という骨子だった。
日本側の歴史学者たちが慰安婦問題について連名で反論を投稿し、米国の紙誌に堂々と掲載されたことはこれまで前例がない。米側の歴史学者全般にその反論が幅広く行き届くことが期待される。
韓国人学者の起訴に日米の学者が抗議
第2は、韓国当局が慰安婦問題の書『帝国の慰安婦』の著者、世宗大学・朴裕河教授を名誉毀損罪で起訴したことに対して、米国や日本の学者54人が抗議声明を発表したことである。
11月26日に公表されたこの抗議声明には、日本の大江健三郎氏、上野千鶴子氏らのほか慰安婦問題に関する日本政府の主張に反対してきたハーバード大学のアンドリュー・ゴードン教授やジョージ・ワシントン大学のマイク・モチヅキ教授も名を連ねた。
『帝国の慰安婦』は慰安婦問題に関して日本政府を非難しながらも、「日本軍と慰安婦たちは同志的な関係にあった」などと書き、日本軍の強制連行も朝鮮半島においてはなかったという立場を示していた。韓国政府は、その内容が韓国側の当事者らの名誉を傷つけたなどとして刑事訴追の措置をとった。
年来の日本糾弾の急先鋒のダデン教授らは、韓国政府を非難する声明には加わっていない。だが、「日本軍による集団連行はなかった」という立場をとる韓国人学者を擁護する声明が米国で出てきたことは、慰安問題についての米国側の事実認識にヒビが入ってきたことを意味するといえる。
日本糾弾の主張から消えた「強制連行」という言葉
第3は、朝日新聞の大誤報訂正に象徴される慰安婦問題の虚構部分が、米国の専門家たちにボディブローのように伝わり始めたことである。
米国の“左翼系”歴史学者たちは長年「日本軍が組織的に約20万人の女性を強制連行し、性的奴隷にしたことが慰安婦問題の核心だ」と主張してきた。「慰安婦」というのは、日本の軍隊が政策として一般女性を強制的に徴募して自国将兵たちのための売春行為を強要した国家的犯罪だと断じていたのだ。
だが、その「国家犯罪」部分の主張が、朝日新聞の記事撤回や、秦郁彦氏ら日本の歴史学者たちの事実提示により虚構だと証明された。「日本軍による強制連行」も「20万人」も「性的奴隷」も証拠がないことが明らかになった。
そのように事実が明らかになることで、米国の学者たちは主張を変えていかざるをえなくなった。長年、日本叩きの先頭に立ってきた前述のダデン教授でさえも、最近では「強制連行」などの虚構キーワードを使わなくなった。その代わりに「女性の人権弾圧」「女性たち本人の意思に反した」「日本軍の関与」といった表現を使うようになった。日本叩きの主張が後退しているのである。
ダデン教授が音頭をとって米国、欧州、日本などの学者、活動家の総計500人ほどの署名を集めた安倍政権への圧力文書にも、「強制連行」という言葉は出てこなかった。
米国の裁判や国連で日本側が正面から反論
第4は、米国や国連の第一線で慰安婦の真実を知らせる日本側の努力が少しずつ米国の国民や国際社会へ伝わり始めたことである。
全米で最初に慰安婦像が建てられたカリフォルニア州のグレンデール市では、地元在住の日本人、目良浩一氏らにより同市に対する抗議の訴訟が起こされた。訴訟は昨年から今年にかけて連邦裁判所と州裁判所に相次いで出された。いずれも原告側に不利な裁決が出たものの、日本側の主張は米国のメディアでも報じられ幅広く知られることとなった。米国ではそれまで、公式の場で日本側が慰安婦問題について正面から反論することはまったくなかったのだ。
2015年7月には、国連の女子差別撤廃委員会の準備会合で、慰安婦問題の虚構を正す日本女性の団体「なでしこアクション」の山本優美子代表らが「慰安婦問題は強制連行の事実はなく、反日の政治宣伝に使われている」と報告した。国連の場で日本側がこれほど明確に事実を報告した前例はない。同撤廃委員会の委員長らは「慰安婦問題で異なった主張があることを初めて知った」と述べていたという。
また、日本国内で2015年10月から口頭弁論が初めて開かれた朝日新聞に対する集団訴訟では、従来の「日本軍による強制連行20万人」という虚構を打破するために在米の日本人100人近くが原告に加わっている。
オバマ政権が韓国に日本との関係改善を要望
第5は、日本糾弾を執拗に繰り返す韓国にオバマ政権が批判的な姿勢を示し始めたことである。
これまで朴大統領は安倍首相との日韓首脳会談開催の前提として「日本がまず慰安婦問題で誠意ある措置をとる」という条件を突きつけていた。そのことに対して今年春頃から、オバマ政権のウェンディ・シャーマン国務次官らが「日韓両国間の安全保障協力を優先すべきだ」という意向を伝え始めた。
オバマ政権はそれ以前は、慰安婦問題などの歴史認識について日本よりも韓国側の主張に同調する傾向が見られた。だが、それが少しずつ変わってきた。
その背景には、中国の南シナ海などでの軍事攻勢や理不尽な行動がある。穏健な対中国政策を続けてきたオバマ政権も、ついに対中姿勢を硬化させるようになった。そうなると、東アジアの同盟国である日本および韓国との安全保障面での協力強化が必要となる。日韓両国があまりに距離を置いたままという状況では困るのだ。
このため、今年に入ってオバマ政権は韓国政府に対して、慰安婦問題などの歴史案件にこだわることなく日本との関係改善に着手することを促すようになった。その新政策を朴大統領に通知する最初の使者がシャーマン次官だったというわけだ。
オバマ政権のこの優先順位の修正に対して、韓国のメディアは激しく反発した。明らかに韓国政府の意向を受けての抗議である。だが韓国政府にとって、自国の安全を保障する米国の意向は大きい。結果的に朴大統領は年来の前提条件を引っ込めて、安倍首相との会談に臨むことになった。この点も、慰安婦問題を好転させる大きな潮流の変化だといえよう。
事態を逆戻りさせてはいけない
以上のように、慰安婦問題に関して日本にとって有利に見える要因が拡大しているが、米国ではその後も各地で慰安婦の像や碑を建てる動きが続いている。慰安婦像の設置や日本の「残虐行為」を示す博物館などの開設には、韓国系だけでなく、むしろ中国系の「世界抗日戦争史実維護連合会」がより大きな役割を果たすようになった。中国政府と直結した在米中国系組織である。
米国の歴史学者たちの多くも、朝日新聞の誤報訂正や秦郁彦氏らの指摘を無視するような態度は変えていない。国連でも、虚偽の「クマラスワミ報告」が修正されたり撤回されるという気配はまだない。
しかし、それでも、米国の学者や中韓両国政府からの「日本軍による強制連行20万人」という虚構の糾弾になんの反論もしなかった数年前までの状況が大きく変化してきたことは間違いない。
前述したように、今や「強制連行20万」という非難を正面から叫ぶ声はほぼ皆無となった。その代わりに論点をシフトさせた日本非難が述べられるようになった。日本糾弾のこうした質的変質の意味は決して小さくない。攻守が入れ替わったといっても過言ではない。だからこそ今後も日本の官民が一体となって、強制連行などなかったことを主張し続けることが重要である。
その点で危険なのは、今後の日本政府の韓国に対する対応だろう。慰安婦問題の核心部分について、これまでの外務省のように相手の虚構を決して突かず、「慰安婦問題は解決済み」との主張だけで事態収拾を図ろうとすれば、事態は逆戻りしかねない。そんな危険な陥穽が大きな口を開けているのである。
【訂正】米国『歴史展望』誌に反論を掲載した日本側の学者の名前に一部誤りがあり修正しました。(2015年12月9日)