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12/25日経ビジネスオンライン『中国の掌の上で踊り出した韓国 「分水嶺の韓国」を木村幹教授と読む(3)』について
本シリーズは3回目。朝鮮半島は北を含め他人の褌で生きていくしかない民族としか思えませんね。事大主義でなければ、強国の圧迫で国として存続できなかった長い歴史があるからでしょう。北はすぐに弱者の恫喝に走るし、南は強者の顔色を窺う。自国の運命を「米中に決めて貰う」ですって。「朝日新聞も頼りにならない」とのこと。如何に他者に依存し、自分の都合しか考えない民族と言うことか。米韓同盟がありながら、軍事的には米国の敵国である中国に擦り寄ってTHHADの配備についても韓国が反対するというのでは何をかいわんや。「信義に悖る」行為です。ペンタゴンは怒りに打ち震えているでしょう。2012年の日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)締結時、韓国の直前のキャンセルで流れました。アメリカの圧力があったにも拘わらず。結局、日米、韓米でGSOMIAを結び、アメリカ経由で情報を両国に流すようになるようです。情報入手の時間のズレが生じる可能性もあります。アメリカ経由で得た情報は特定秘密保護法によって保護され、両国とも情報流出の場合は国内法によって処罰されることになります。でも裏切り者、蝙蝠外交の韓国とまともに付き合うことはできません。所詮、小中華ですから。日本を仮想敵国としている国を日本が守る必要はありません。アメリカも良く考えた方が良い。アチソン声明のように朝鮮半島をアメリカの防衛線からはずして中国に渡し、日本に核武装させた方が良いのでは。
記事
中国は韓国を思うままに操り始めた――と木村幹・神戸大学大学院教授は言う(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。
外交巧者の中国
木村:中国の対韓外交が凄みを増しています。もう韓国は、その意のままに操られているかのようです。11月に北京で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、それが鮮明になりました。「中国中心の国際秩序の形成に、韓国は積極的な役割を果たそうとしている」との印象を周辺国は深めました。この場での韓国政府のパフォーマンスといいますか、動きを見てのことです。韓国の動きの背景には、韓国人の心を巧みに揺さぶる中国外交がありました。さすが、外交巧者の国だと思います。以下、時系列に沿って「心理ゲーム」を読みます。11月7日、中国と日本は「関係改善について」と題する合意文書を発表しました。2年半ぶりの日中首脳会談を、APECの場で開くためでした。それを見た韓国は大いに焦りました。歴史認識問題などで中国と対日共同戦線を張っていたはずなのに、梯子を外されたと考えたのです。韓国は「日本の首相が反省しない限り首脳会談は行わない」と言い続けていた。中国も日本との首脳会談は拒否していましたから、強力な後ろ盾と頼んでいた。しかし突然、習近平主席が安倍晋三首相と会うことを決めた。さあ大変だ、というわけです。
「屋根を見上げる犬」の韓国
鈴置:韓国の「見捨てられ感」は大きかった。毎日経済新聞のテレビチャンネル、MBNはニュースで「信じていた中国が……朴大統領の外交解法に注目」(韓国語、11月8日)という見出しを立てました。左派系紙のハンギョレも「四面楚歌に追い込まれた韓国外交」(日本語版、11月9日)という見出しの社説で、日中首脳会談の開催決定に関し、以下のように書きました。・我が国の立場から見れば、日本問題で必ずしも中国と異口同音に協調してきたものではないものの、中国の対日批判の戦線離脱によって「鶏追った犬が屋根を見上げる」(意気込んでした仕事が頓挫してしまうこと)になってしまった。「韓国は中国と協調しているわけではない」とハンギョレは書いていますが。
朝日新聞も頼りにならない
鈴置:言い訳です。2014年春ごろから韓国人は一斉にそう言い始めました(「ルビコン河で溺れる韓国」参照)。米国から「中国にすり寄っているじゃないか」と叱られたからです。そして、韓国が期待するほどには米国は「慰安婦」など歴史問題で日本に圧力をかけてくれない。韓国の思い通りに内側から日本政府を揺さぶってくれてきた朝日新聞も「済州島での強制連行」を誤報と認めてしまった。こうなると、あとは中国に「日本叩き」をやってもらうしかない――と中国依存を強めているのが今の韓国です。だから「中国とは共闘していない」とは米国向けの言い訳に過ぎません。本音では、日中首脳会談の開催決定を「屋根を見上げる犬」のように唖然として聞いたのです。
木村:韓流ドラマのヒロインに例えれば、こうなります。街で買い物をしていると、最近親しくなったボーイフレンドを見かけた。声をかけようとしたら、その横には他の女性が歩いている。しかもよりによって、それは自分と犬猿の仲の因縁の女性。「あの人には絶対に裏切られないと思っていたのに、こんなことがあって良いはずがない」――。ジングルベルが鳴り響く街に、呆然と立ち尽くす主人公。冷たい雪もちらつき始めた……。ちょっとオーバーかもしれませんが、韓国の政府や世論は一時、こんな心境に陥りました。
吹雪の中のマフラー
–中国を信じていたがゆえの傷心ですね。
木村:でも、天は――いや習近平は、朴槿恵を見捨てませんでした。韓流ドラマが「主人公が雪の中で立ち尽くすシーン」では絶対に終わらないように、APECを舞台とするドラマにも、どんでん返しの第2幕があったのです。11月10日の中韓首脳会談で、中国は両国の自由貿易協定(FTA)に関し「実質的な妥結」をしてくれました。これを発表することにより朴槿恵政権は、中国と極めて深く良好な関係にあると、世界と国民に示すことができました。ハンギョレには「四面楚歌などと妙な言いがかりを付けるな」と言い返せます。
鈴置:日本は中国とFTAを結んでいません。だから韓国が先に結ぶとなれば「中国が日本よりも韓国を大事にしている証拠」となるのです。
木村:以下は、第2幕です。次第に吹雪が激しくなる中、ヒロインの肩を叩く人がいる。振り向くとボーイフレンドがニコニコと笑いながら立っていて、買ったばかりのマフラーをさっと差し出す。そして一言「君のこと、忘れるわけがないじゃないか」……。なかなかのプレイボーイですよね、中国は。見捨てられた、とショックを受けた直後だっただけに「マフラー」の効き目は絶大でした。重要なのは順番です。もし、マフラーを貰った後に「因縁の相手」と歩くボーイフレンド見たら、彼女はせっかくのクリスマス・プレゼントを叩きつけて家に帰ったかもしれません。
FTAと顔芸
鈴置:中国は11月7日に突然に態度を軟化し、韓国とのFTA妥結に動いたようです。中央日報が「『韓中首脳会談前に妥結を』……農産物開放幅めぐり徹夜で調整」(日本語版、11月10日)という記事でそう書いています。同日は「日中首脳会談」を両国が発表した日です。この記事を読んで私は、傷心の韓国をなだめるには「中韓首脳会談の場でFTA妥結を発表」というプレゼントを与えるしかない、と中国指導部が判断し、交渉にあたる通商当局に軟化を指示したのかな、と想像しました。中国の通商当局は韓国の譲歩をもっと勝ち取れると踏んでいたでしょうけれど。韓国は首脳会談のお土産として「妥結」を持ち帰りたかったからです。
木村:韓国世論に対してはFTAに加え、習近平主席の「顔芸」も有効でした。11月10日の安倍晋三首相との会談で、習近平主席は目も合わさず、終始硬い表情のまま。これを見た韓国メディアは一斉に「安倍には苦虫顔だったが、朴槿恵大統領には満面の笑みを浮かべていた。やはり中国は日本よりも韓国を重視しているのだ」と書きました。
「日本は廊下の片隅」
–習近平主席の「苦虫をかみつぶした顔」は、中国国内向けと思っていました。
木村:主目的はそうだったかもしれません。でも結果的ではあったにせよ、あの「顔芸」は韓国に対しても絶大な効果を発揮したのです。
鈴置:「顔芸」に加え「中日首脳会談は廊下の片隅のようなところで開かれた。本当の会談とは言えない」とも、韓国各紙は報じました。青瓦台(大統領府)か外交部が「廊下会談だった」とレクチャーしたと思われます。もちろん「日中会談」を貶め「韓中会談」をうたいあげるためです。それに、ハンギョレなどが「首脳会談の開催など日中関係の改善でほごにされるかもしれない」と心配した「慰安婦共闘」も中国は忘れてはいませんでした。7月の中韓首脳会談で中国が約束してくれた通り、両国の政府系機関の研究が始まります。12月17日に聯合ニュースが「韓中政府系機関 慰安婦問題共同研究へ=MOU締結」(日本語版)と報じています。
「米国牽制の小道具」を支持
–FTAに顔芸、そして慰安婦と盛りだくさん。相当に派手で豪華なマフラーですね。
木村:だからこそ朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は中韓首脳会談の直後の11月11日に、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)を「積極的に支持」する発言を行うことになります。中国が押し始めたFTAAPに米国は必ずしも肯定的ではありませんから、同盟国の韓国としてはかなり思い切った発言でした。中韓FTAの発表でヒートアップした、中国への期待が作用したのは明らかです。
鈴置:米国は中国を排除する方向で、環太平洋経済連携協定(TPP)を推進中です。それを牽制するために、中国はFTAAPをAPECの場に持ち出したのです。つまり、朴槿恵大統領は「米国牽制の小道具」に使われるFTAAPに賛成したのです。一方、韓国はTPP交渉にまだ正式には参加していません。だから「積極支持発言」により、韓国は米国主導のTPPよりも、中国が唱えるFTAAPを優先する意向を表明したとも見なされました。木村先生ご指摘の通り、中国のくれたマフラー「中韓FTAの早期妥結」へのお返しが、朴槿恵大統領の「積極支持発言」だった可能性が大きいと思います。
元カレのオバマには冷たくしても
–APECには米国も参加しています。その目の前で韓国が「中国支持」を表明してもいいのですか。
鈴置:米国はもう、元カレ扱いでしょう。キャンパスまでの送り迎え――ボディーガードはまだ、米国にやってもらっている。しかしそれぐらいは、いつでも中国が代わってやってくれます。
木村:ことに、このAPEC首脳会議は米中間選挙で民主党が負けた直後に開かれたこともあって、オバマ大統領の影は薄かった。半面、習近平主席はアジア太平洋からリーダーを集め、大いに存在感を誇示しました。こうした状況は朴槿恵大統領に、やはりこれからは中国との関係こそが重要なのだ、との印象を強めさせたと思います。そして米国は「FTAAP積極支持」などの韓国の動きに、表立った反応は見せなかった。韓国の目にはそれが「世界で指導力を失った米国が、対中接近を韓国に許容する印」と映ったことでしょう。
鈴置:韓国の中国傾斜に拍車がかかりますね。
木村:韓国では米中の2大国が世界を仕切る、という「G2論」が主流です。当然、その世界観が韓国の行動の根にあります。米国もG2の一方の雄である中国の存在を尊重し、中国の「地域覇権」を承認する過程にある、と韓国人は見ているのです。
「米韓」こそ廊下会談だった
鈴置:「離米従中をやめろ」と米国から叱られることを、韓国はもう恐れなくなった――という木村先生の分析には同感です。米国から不興を買うであろう朴槿恵大統領の「FTAAP支持発言」を韓国メディアはさほど批判的に書きませんでした。載せても小さな扱いでした。朴槿恵大統領は北京でオバマ大統領にも会ったのですが、この米韓首脳会談は直前まで開催が流動的でした。米国側が「日程調整が難しい」としたためです。結局、開いたのですが米国が選んだ会談場所は、文字通り「廊下の片隅」でした。少し前までなら韓国紙は「米国から軽く扱われた。こんなことでいいのか」と大騒ぎしたはずです。でも、そうはなりませんでした。「いざとなれば、中国の懐に飛び込めばいいのだ」という空気が韓国に広がっているのがよく分かります。
木村:そんな韓国の雰囲気を象徴するのが、在韓米軍基地への終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備を巡る議論です。最近、主要紙の1つに「配備問題は米中ロに話し合って決めてもらおう」との記事が載りました。さすがにこれには驚きました。
「もう、大国が決めて」
鈴置:私も驚きました。ついにここまできたか、と思いました。中国専門家のキム・フンギュ亜洲大学教授が筆者です。中央日報の日曜版「中央SUNDAY」(韓国語版、11月16日)への寄稿でした。日本語版には11月18日に「THAADの韓国配備は国際イシュー、米中露の妥結誘導が先」との見出しで載りました。今、韓国は米中双方から踏み絵を突きつけられています。最大のものがTHAADです。米国は北朝鮮の弾道ミサイルから在韓米軍基地を守るために、これを配備すると言い出しています。これに対し中国は「北のミサイル用というのは誤魔化しだ。中国の弾道ミサイルを監視・撃墜するのが目的だ」と主張、韓国に配備を拒否するよう要求しています(「『核攻撃の対象』と中国に脅される朴槿恵」参照)。最近はロシアまでが中国と声をそろえて、韓国に配備拒否を求めるようになりました。海洋勢力と大陸勢力の間で板挟みに陥った半島国家の韓国――。 そこで「この問題で我が国を責めないでほしい。米国、中国、ロシアの問題なのだから、あなたたち大国で話し合って決めてくれ」と、韓国人は叫び始めたのです。この寄稿のポイントは以下です。
- THAAD配備はすでに韓国の問題を越えて域内主要国の戦略的利害の中で議論されなければならない事案となっている。これを韓国が立ち上がって整理する必要はない。
•強大国の間の折衝と妥協が必要であり、この過程で韓国の安保利益が反映される妥協案が出てくるようにしなければならない。
「沖縄」を米中に決めてもらう?
木村:韓国ではすでに、安全保障分野でさえ「米中等距離外交」的な論調が当たり前になっているのです。ここに注目せねばなりません。そもそもTHAAD配備を巡る問題は米韓同盟、つまり米国と韓国の2国間の問題。それを他の大国に入って決めてもらうというのは、すでに同盟の体をなしていない。例えば、沖縄の海兵隊の基地問題について中国を入れて議論しよう、と日本人が言い出すのと同じです。
鈴置:私も韓国人に「周辺国が決めてくれればいいと言うのはまずくないですか」と聞いてみたのです。多くの人が「自分で決めたら、米中どちらからか殴られる。だから米中双方に決めてもらうのが一番いいのだ」と答えました。「独立国なら、他国から殴られるコストを甘受すべきではないのかなあ」とも言ってみたのですが、韓国人はそう思わないようです。ブッシュ大統領が打ち出した東欧ミサイル防衛構想というものがありました。ロシアが強く反対し、結局、オバマ大統領はあきらめました。この前例を見て、韓国は「大国間で決めて」と言い出したのかもしれませんけど。
東欧で「悪しき前例」作ったオバマ
木村:イランの弾道ミサイルを防ぐために、チェコに早期警戒レーダーを、ポーランドに迎撃基地計画を作るという計画でした。この計画を放棄したことで、オバマ大統領は「ミサイル防衛構想で押されれば引く」前例を作ってしまったといえます。中国はこの「実績」を念頭に置いて反対しているのでしょう。韓国もまた、それを手がかりに「米中ロ間での手打ち」を期待したくなるのかもしれません。ただ、それはあくまで「東欧」という極めて微妙な地域での話です。チェコもポーランドもかつてはソ連圏で、北大西洋条約機構(NATO)では冷戦後の新規加盟国です。それに対し、韓国は米国の古い同盟国です。米国との親密度も、依存度も全く異なるはずなのに……。
鈴置:それに、北朝鮮とイランの脅威は比べものになりません。
木村:その通りです。米国がこの計画を取り下げた理由の1つは、イランのミサイルの脅威がさほどではないとの判断でした。一方、北朝鮮は韓国全土を射程に収めたミサイルを大量に保有しています。そもそもTHAADの韓国配備は、少なくとも公式的には、在韓米軍基地を守るのが目的です。北朝鮮の明らかな脅威から在韓米軍を守る武器の配備についてさえ、米国は中国やロシアと協議すべきだ――と韓国人は言い出したのです。
いつの間にか変容した米韓同盟
鈴置:米国にすれば、無茶苦茶な議論です。米韓同盟が消滅するとしたら、THAAD配備問題が引き金になるのかもしれないと思います。「米中等距離外交」に関連、もう1つ興味深いことがあります。それは、韓国が米韓同盟の仮想敵から中国を完全に外してしまっていることです。中国はTHAAD配備を拒否させるために「配備したら在韓米軍基地は核攻撃の対象にする」と韓国を脅し始めました(「『核攻撃の対象』と中国に脅される朴槿恵」参照)。韓国はその脅しを前提に「米国に認めるべきかどうか」悩んでいます。つまり、韓国人は「THAADが配備されなければ、韓国は中国の核攻撃の対象ではない」と思い込んでいるのです。ほんの10年前まで、韓国人は現実を見ていました。「米中が戦争に突入すれば、米国の忠実な同盟国である韓国はどうあがいても中国の核攻撃を受ける」と考えていました。でも今や韓国は「米韓同盟の仮想敵は北朝鮮だけで、中国は敵ではない。だから、中国も韓国を敵と見なさない」と信じています。米国には北朝鮮の脅威を防いでもらうけれど、中国封じ込めに加わるつもりは全くないのです。中国を最大の仮想的に据える米国としては、そんな虫のいい韓国を守ろうという気は起きなくなってしまいます。ことにTHAAD配備に韓国が反対すれば。在韓米軍だけではなく、在日米軍やグアムの基地も中朝の弾道ミサイルから守る、米国の安全保障にとって必須のものだからです。
(次回に続く)
12/24宮崎正弘氏メルマガ 『中国・パキスタン経済回廊にインドは不信感拡大 陸のシルクロードもカザフスタンは賛意を表明したが。。。』記事について
中国のGDPの発表数字はまやかしがあると言われています。2013年で9.5兆$(ジェトロ発表数字)と言っても、下記の記事のように、ケインズの「穴を掘ってまた埋め戻す」ような失対事業ばかりでは、政府債務が山のように膨れ上がるだけです。3/5のブルームバーグの記事では政府、企業、家計の債務合計が21兆$とありました。これではAがBから借金してビジネスし、BはCから借金、CはAから借金するようなもので、信用創造と言えば聞こえは良いですが、花見酒経済で、何の裏付けもなく通貨発行しているような気がします。2014年3月で日本の政府債務は1158兆円ありますが、個人金融資産が1630兆円あります。政府債務が毎年増えていってますが、個人の金融資産もそれに連れて伸びていっています。一説によれば「政府の国債発行を民間が引き受け、家計の預金として持つだけでは生産性向上に役立つ事業に金が回らないことを意味し、これはこれで問題である」という意見もあります。でも少なくとも政府の借金は民間の支払い能力に裏付けられています。産経の田村秀男記者によれば「中国は4兆$に上る外貨準備を担保に人民元資金を発行し、金融機関に資金を流す。あるいは、緊急事態には党指令で、問題金融機関にドルを資本注入できる。日本のバブル崩壊期の「飛ばし」が国家的規模で行われる可能性が高い。これまでにも、飛ばされた巨額の不良債権は経済膨張のプロセスの中で、もみ消されてきた。」とのこと。「飛ばし」とは「決算対策のために、企業が保有する評価損(含み損)を抱えた有価証券(株式・債券等)を一時的に第三者(他社)に転売することをいう。これは、企業が保有している株式や債券などが値下がりして、含み損がバランスシートに載ることを避けるために、含み損の出ているものについて買い戻し条件付きで時価とかけ離れた価格で第三者に転売することである。そのスキームとしては、証券会社に間に入ってもらい、決算期の異なる企業を相手に、後日の金利付き引き取りを条件として、時価より高い価格で売却するなどして損失を決算書上において見えなくする(隠す)。一般に飛ばしは、1980年代までは証券会社の損失補填の手段として利用されていたが、その後(1990年代)の証券不祥事で社会問題化し、現在では粉飾決算の一つとして金融商品取引法で禁じられている(その背景には、バブル時代の財テクの失敗などがあった)。なお、飛ばしで転売を繰り返しても、時価が回復しない場合は含み損がさらに膨らんでいくことになる。」とあります。中国の不動産の実需は、一般個人の所得が多くない現在、出て来るとは思えません。バブルが破裂した時にどうなるか。中国国内だけで治まれば良いですが、戦争で解決しようとする可能性もあり、心配です。
記事
中国はパキスタンの南北を縦断する「経済回廊」の建築に全面協力すると打ち上げた。イランとパキスタンの国境グァイダールの浚渫、港湾整備、波止場建設は中国企業が請け負い、一本のバースは完成した。これは将来の原潜寄港地でもあり、グァイダールからカラチ、ラホール、イスラマバードからさらに北上して中国カシュガルへと至る全長4000キロの「経済回廊」に総計450億ドル(5兆3000億円)を投下するという。その内の350億ドルは沿線部のインフラ建設、鉄道改良、光ファイバー併設。付近に発電所も建設する。グァイダール港には貯炭、原油備蓄基地ならびに精油所を建設し、原油を中国まで輸送するという複合的計画で、パキスタンのインフラ整備に寄与してくれるうえ、パイプラインの通過料でうるおう。シャリフ首相は2014年11月に北京を訪問し、北京との間に20の合意文書にサインした。ともかく大風呂敷を広げるのが大好きな中国。天津の北、唐山に建設した大工業区は胡錦涛政権が鳴り物入りで熱中したプロジェクトだった。十兆円を投下してハイウェイ、港湾、発電所、複合ビル、高層住宅に貯炭場、政庁ビルなどを建設し、世界最大のエコシティだと胸を張った。90%ほど仕上がった時点で突如このプロジェクトは失速した。人工島の地盤が沈下し始め、ビルの一階は満潮時に海水に沈み、蟹が捕れる。十兆円で廃墟を造った。南水北調という大プロジェクトは水量の多い長江の水を運河を三本も造成し、北京、天津に水を運ぶという世紀の試みだった。すでに沿岸部ルート、中央ルートは完成したが、せっかく運ばれる水は病原菌だらけで飲み水には使えないことが分かった。西ルートは峻険な山岳地帯を通過するため、まだ着工されてもおらず、実際に工事のメドは立っていない。中国全土に225の飛行場を作った。週に一便しか飛んでこないへんぴな場所や冬の間はまったく使えない極寒地の飛行場が出現し、つぎの廃墟候補となる。風力発電は40万基。その三割が送電線に繋がっていない。同様に遠くトルクメニスタンから新彊ウィグル自治区を経由した上海までの6500キロのパイプラインは完成したが、キャパを満たせず、同様にミャンマーを南北に縦断し、雲南省から広西チワン自治区南寧に運ぶ4000キロ弱のパイプラインはミャンマーから昆明までの790キロが繋がったが、輸送量は計画の二割前後しかない。大風呂敷がすきな中国、世界で廃墟を量産するらしい。
12/25日経 『中国、地方債務抑制に動く 隠れ借金の膨張防ぐ』
【上海=土居倫之】中国が地方債務問題の改善に動き出した。江蘇省と新疆ウイグル自治区の地方政府は、傘下のインフラ投資会社の新規発行の債券を「保証しない」と明確にした。中国ではこうした投資会社が地方政府からの支援を前提に安易に資金を集め、野放図にインフラを開発してきた。新方針でこうした債券を発行しにくくすることで、地方政府の過剰債務・投資を解消する。
地方政府が出資して設立するインフラ投資会社は中国で「融資平台」と呼ばれる。地方政府はこれまで多くの場合、明示的に保証しないまま傘下の投資会社に資金を調達させ、道路や公共住宅の建設を代行させてきた。 「投資家の利益を保護するため、債券発行を中止する」。17日、新疆ウイグル自治区ウルムチ市政府が100%出資する投資会社、ウルムチ国有資産投資は10億元(約190億円)の債券の新規発行中止を宣言した。
中止に追い込まれたのは、ウルムチ市政府が15日「政府債務に組み入れる」との通知を「撤回する」と発表したためだ。集めた10億元で経済開発区の道路を建設するはずだったが、道路を建設しても収益は見込めず、政府の支援がなければ債務の返済はおぼつかない。既に買い手が決まり、発行手続きも終わっていたが、急きょ中止した。
12日には、江蘇省常州市政府傘下の投資会社、常州天寧建設発展も、政府の「償還責任を負わない」との発表を受けて債券発行の延期を決めた。
中国では、地方政府による地方債の発行が原則禁止されてきたため、こうした投資会社がインフラ開発の抜け穴となってきた。中央政府も全貌を把握しきれないまま、こうした隠れ借金が膨張。国際的に中国の地方財政に対する不信感が高まる要因となってきた。
地方政府の不透明な財政慣行にメスを入れるため、財政省は地方政府に対し2015年1月5日までに「14年末時点の返済すべき債務を分別し、その金額を報告する」よう求めている。両市の決定はこれに沿った措置だ。両市が「保証しない」ことを明確にしたことで、地方債務としてカウントする必要がなくなる。
焦点は既存債務の取り扱いだ。地方政府が財政省に報告する金額を圧縮するため、既存債務についても「保証しない」と明確にした場合、金融機関の反発は必至で市場が動揺する可能性が高い。金融機関は政府の支援を前提に、こうした投資会社に資金を提供しているからだ。24日時点で既存債務について対応を明確にした地方政府はない。
国務院(政府)は、16年をめどに地方政府傘下の投資会社による資金調達を禁止する方針だ。代わりに地方債の発行を条件付きで解禁し、今後は地方政府が直接、地方債発行で財源をまかなう。
市場規律の導入により、資金面の制約から地方のインフラ投資会社は従来のような採算を度外視した大規模な投資は難しくなりそうだ。民間住宅投資と並ぶ成長のけん引役だった地方のインフラ投資は来年以降、一段の減速が必至で、中国の成長率の下押し圧力となる。
12/24 ダイヤモンドオンライン 北野幸伯『2015年、「世界の孤児」プーチンはどうやって米国に「逆襲」するのか?』記事について
原油価格の下落は①米とサウジが組んでロシア経済をガタガタにしようとする陰謀説②ロシアがアメリカのシエールオイル掘削を止めさせようという説③サウジがアメリカのシエールオイル掘削を止めさせ、イランの核開発をする力を削ぎ、引いてはシーア派に牛耳られるイラクの力を削ぐ説、と3つほど考えられていますが、③が一番近いのでは。11月に石油化学メーカーでサウジ駐在の友人が帰国した時にもそう言っていました。オバマのアメリカは同盟国であるサウジを怒らせ、イスラエルを怒らせ、日本をも怒らせています。プーチンと比べオバマの言動の軽いこと。役者が違います。リベラルとか左翼と言われる人種に共通な特徴です。何の覚悟もなく、建前だけで簡単に「正義」を主張します。民主主義ですから選んでる方が悪いのですが。トルコもEU加盟をイスラム教と言うことでずっと拒否され、エルドアンも堪忍袋の緒が切れ、クリミア戦争で戦った相手国とも手を結ぼうとしています。欧米諸国の判断の誤りです。ルトワックが言ってますように中国はロシアと手を組ませないようにしないといけないのに、ロシアをそちらに追いやっています。インドのモデイだって首相に当選して慌ててオバマは会うようにしました。BJPのモデイはグジャラート州の州長のときにモスリムの虐殺に加担したという噂があったためです。北朝鮮の元首を暗殺する映画を世界に配信することが「表現の自由」ですか?自由の概念をはき違えているのでは。慈愛に満ちた天皇と独裁者を比べるのは不遜以外の何物でもありませんが、天皇を侮辱した発言をした李明博のような非常識な国家元首もいます。何でも許される訳ではありません。アメリカは強欲、横柄の度が過ぎて来ています。同盟国の信頼を失いつつありますが、台頭する中国の封じ込めにはアメリカの力がどうしても必要なのが痛し痒しです。北野氏は「米ロは今、「戦争中」といっても過言ではない状態にある。日本政府は、このことをはっきり自覚し、軽薄な「プチ独自外交」に走らないことが大切である。」と言っていますが、意味するところは優先順位でいけば①日米同盟の深化②ロシア、インド、豪等中国封じ込めの準軍事同盟関係、そのため①靖国参拝は控える②領土問題、拉致問題で安易に妥協しないことかと思われます。近藤氏も北野氏と同じく、米ロで新冷戦が始まっているとの見方です。オバマの大統領が終わる2017年に新しく生まれる大統領に「ロシアを取り込み、中国を封じ込める」ように政策転換することを期待したい。ジェブ・ブッシュが大統領になることを望んでいます。
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3月のロシアによるクリミア併合以来、米国とロシアの対立は、実質的に戦争状態と言っていい状態になっている。欧州と日本からも経済制裁を加えられた上、原油価格下落によってルーブルの価値が半分以下になってしまい、「世界の孤児」とまで呼ばれるようになったプーチンだが、実は中国やインド、トルコなどと原油や天然ガスを手みやげに独自外交を繰り広げている。2015年、米ロの対立によって世界の分裂がさらに進むことは必至だ。「2015年に何が起こりますか?」――。答えは、誰にもわからない。しかし、「2つの視点」から見ることで、「世界がどっちに向かっているか?」を、ある程度知ることはできる。「2つの視点」の1つ目は「世界的に見る」ことだ。日本国内の政局だけではなく、視野を「全世界」まで広げて考える。もう1つの視点は、「歴史的に見る」こと。「過去」に原因があり、その結果「現在」がある。そして、「現在」が原因となり、「未来」が形作られる。歴史を追ってみると、「ある流れ」が存在していることが明らかになる。今回は、この「2つの視点」を使って、15年の米ロ関係を予測してみよう。
戦争と平和の繰り返しで頂点に立った米国 世界情勢の「主人公」たちの栄枯盛衰
世界の歴史を見ると、「平和」と「戦争」が繰り返されている。そして、「戦争」には、「主人公」といえる国々が必ず存在している。たとえば、第1次大戦の主人公は、大英帝国とドイツ帝国だった。英国は、大国ロシア帝国と米国の支援を受け戦い、ドイツ帝国に勝利した。第2次大戦時、欧州戦線の主人公は、またもや大英帝国と(ナチス)ドイツだった。英国は、大国米国とソ連を味方につけ戦い、強敵ドイツに勝利した。戦後の主人公は、いうまでもなく米国と共産ソ連である。次に世界は「冷戦時代」、別の言葉で「米ソ二極時代」に突入した。その後も世界では多くの紛争、戦争が起こっている。中国内戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争(1978~89年)などなど。これらは、いずれも米ソによる「代理戦争」だった。「米ソ二極時代」は、91年末のソ連崩壊によって終結。そして、世界に超大国が一国しかいない、「米国一極時代」が到来した。ライバルだったソ連は崩壊。経済のライバル日本は、バブル崩壊により「暗黒の20年」に突入。欧州は、冷戦終結により、豊かな西欧が、貧しい東欧を抱え込むことになり苦しい。中国はまだまだ弱く、米国の地位を脅かす存在ではなかった。ただ一国、米国だけが、「ITバブル」による「空前絶後」と呼ばれる経済的繁栄を謳歌していたのである。
「主人公」が米国とロシアに移り 世界各地で繰り広げられた”代理戦争”
ところが、米国の一極世界は長くつづかなかった。反逆の狼煙をあげたのは、意外にも「欧州」、特にドイツとフランスだった。冷戦時代、ドイツ(当時は西ドイツ)、フランスはソ連を恐れ、米国の言いなりになるしかなかった。しかし、ソ連崩壊によって、「東の脅威」が消えた。それで、「もはや米国の保護は必要ない」と考えたのだ。ドイツ、フランスは、「EUを東に拡大すること」「ユーロをドルにかわる世界通貨にすること」によって、「欧州に再び覇権を取り戻そう」と画策した。米欧対立の犠牲者になったのが、イラクのサダム・フセインである。フランスにそそのかされたフセインは2000年9月、「原油の決済通貨をドルからユーロにかえる!」と宣言し、米国の指導者たちを卒倒させた。2003年、米国はイラクを攻撃し、フセイン政権を打倒。イラク原油の決済通貨をユーロからドルに戻すことに成功した。さて、03年頃から、世界情勢の主人公は米国とロシアに移っている(もちろん、米中という見方もあるだろうが)。有能な独裁者プーチンによって急速に復活してきたロシアは、米国と対立するようになっていく。米ロは、「イラク戦争」「ユコス問題」「グルジア・バラ革命」(いずれも03年)、「ウクライナ・オレンジ革命」(04年)、「キルギス・チューリップ革命」(05年)などで、米ソ時代と同様に代理戦争を繰り広げた。米ロの対立は08年8月に起こった「ロシア-グルジア戦争」で一つのピークを迎える。当時グルジアの大統領は、03年の革命で政権についた超親米男・サアカシビリ。つまり、この戦争は、ざっくりいえば「米国傀儡政権」グルジア対ロシアの戦争だったのだ。しかし、この戦争後、米ロ関係は改善されていく。理由は、グルジア戦争の翌月(08年9月)、「リーマンショック」から「世界的経済危機」が起こったこと。米国にもロシアにも、戦いを継続する余裕はなく、いわゆる「米ロ再起動」(平たく言えば仲直り)の時代に突入する。仲直りは長くは続かなかった… プーチン復帰で、再開された米ロ「新冷戦」
2000~08年まで、4年2期大統領をつとめたプーチンは、その座をメドベージェフに譲った。理由は、憲法の規定で、「大統領は連続2期まで」と決められているからだ。米国大好き男・メドベージェフが大統領だった4年間、(グルジア戦争を除けば)米ロ関係は比較的良好だった。しかし、12年5月、プーチンは大統領に復帰し、米国との新たな戦いを開始する。13年8月、オバマはシリア軍が反体制派に「化学兵器を使ったこと」を理由に、「シリアを攻撃する」と発表した。しかし翌9月には、戦争開始の決定を「ドタキャン」して、世界を驚愕させた。これはいったいなんだったのか?実をいうと、オバマのいう、「シリア軍が化学兵器を使った」という大義名分は「ウソ」だったのだ。こちらを見てほしい(太字筆者)。
<シリア反体制派がサリン使用か、国連調査官 AFP=時事5月5日(月)配信
[AFP=時事]シリア問題に関する国連(UN)調査委員会のカーラ・デルポンテ調査官は5日夜、シリアの反体制派が致死性の神経ガス「サリン」を使った可能性があると述べた。スイスのラジオ番組のインタビューでデルポンテ氏は、「われわれが収集した証言によると、反体制派が化学兵器を、サリンガスを使用した」とし、「新たな目撃証言を通じて調査をさらに掘り下げ、検証し、確証をえる必要があるが、これまでに確立されたところによれば、サリンガスを使っているのは反体制派だ」と述べた。>
要するに、米国は、イラク戦争に続き、「ウソの理由」でシリアを攻撃しようとしていた。それを積極的に暴露したのが、プーチン・ロシアだったのだ。13年6月、北アイルランド・エニスキレンでG8サミットが開かれた。オバマは、このサミットで「シリア攻撃のお墨つき」を得ようとした。しかし、プーチンが「戦争計画」に反対し、オバマは困ってしまう。しかも、プーチンの挙げた根拠は、誰にも否定できないものだった。
<プーチン大統領はまた、反体制派が化学兵器を使ったことを指し示す証拠があるとし、「われわれは化学兵器を持った反体制派がトルコ領内で拘束されていることを知っている」と述べた。 さらに、「反体制派が化学兵器を製造している施設がイラクで発見されたという同国からの情報もえている。これら全ての証拠は最大限真剣に調査される必要がある」と強調した。>(ウォール・ストリート・ジャーナル2013年6月19日、太字筆者)
要するにプーチンは、オバマに面とむかって、「おまえはウソをいっている!」といったのだ。さらにロシアは、「反体制派(=反アサド派)に、『9.11』を起こしたアルカイダが含まれている」ことも暴露し、米国を追いつめていった。結局、オバマは、(ウソを後に暴露された)「イラク戦争」の失敗を繰り返さないために、戦争を中止せざるを得なくなった。一人で戦争を阻止したプーチンの名声は高まり、オバマ・米国の権威は地に落ちた。ウクライナで、(親ロシア)ヤヌコビッチ大統領を非難する大規模デモが起こったのは、そのわずか2ヵ月後のことである。これは、偶然だろうか?そうかもしれないし、そうではないのかもしれない。
引くに引けないオバマとプーチン 2015年、米ロの和解は期待薄
14年、米ロの対立は、誰の目にも明らかになった。時系列で見てみよう。2月、ウクライナで革命が起こり、親ロシア・ヤヌコビッチ政権が崩壊した。3月、ロシアは、ウクライナ領「クリミア共和国」と「セヴァストポリ市」を併合。4月、ロシア系住民が多いウクライナ東部ルガンスク州、ドネツク州が「独立宣言」。親欧米ウクライナ新政府は、もちろんこれを容認せず、軍隊を派遣、内戦が勃発した。現在も米国は、欧州および日本と共に、「対ロシア制裁」を強化しつづけている。モスクワ在住の筆者にはよくわかるが、ロシア制裁の効果は、かなりあがっている。ルーブルは、年初の1ドル32ルーブルから、12月半ばにはなんと79ルーブルまで大暴落。ルーブルの価値は、この1年で約2.5分の1になってしまった。ルーブル下落で輸入品の価格は上がり、インフレが庶民を苦しめている。さらに、原油価格の暴落(WTIは6月のバレル107ドルから、12月には53ドルまで下げた)が、輸出の3分の2を石油、ガスに頼るロシア経済を直撃している。ロシア国内でも、「来年は、09年以来のマイナス成長。しかも相当なマイナス成長になりそうだ」と予想されている(09年、ロシアのGDPは、マイナス7.8%だった)。 しかし、プーチンが「クリミアを返す」ことは「あり得ない」と断言できる。プーチンの高い支持率は、「クリミア併合」によって維持されているのだから(支持率は、年初60%だったが、併合後は80%台を保っている)。なぜ、ロシア国民は、「クリミア併合」を支持するのか?クリミアは、1783年から1954年までロシアに属していた。要するに、ロシア人は、「クリミアはロシアのもの」と確信しているのだ。プーチンは、これを「無血」でウクライナから取り戻した。いってみれば、日本が無血で、ロシアから北方領土を、韓国から竹島を取り戻した感覚である。だから、プーチンは、クリミア併合によって「ロシアの歴史的英雄」になった。それをいまさら、「やっぱりウクライナに返す」といえば、国民は激怒し、いくらプーチンでも政権を維持できなくなるだろう。要するにロシアは、変わらない(変われない)。一方、米国オバマ政権も、「対ロシア制裁」を解除し、ロシアと和解することはできそうもない。オバマは、「シリア攻撃をやめたこと」「クリミア併合を阻止できなかったこと」などで、「決断力のない」「弱腰の」大統領と非難されている。こういう批判をかわすために対ロ制裁を強化しているのだから、これを途中でやめるわけにはいかないのだ。ロシアと和解するどころか、米国は、ウクライナ政府の軍備増強を積極的に支援している。
<米議会が13日に可決した法案は、ロシアの防衛・エネルギー産業や金融企業などを対象に追加制裁を行うよう大統領に求めている。また、対戦車兵器など致死的兵器を含む3億5000万ドル(約409億円)の軍事支援をウクライナに供与することを2015会計年度に認めている。>(毎日新聞12月17日、太字筆者)
一方で、ロシアは「親ロシア派」への支援を増やしている。ウクライナ政府軍と親ロシア派の内戦は、9月から「休戦状態」にあるが、米ロ共「内戦再開」にむけた準備を急いでいる。つまり15年、「ウクライナ内戦」が再び始まる可能性は高い。そうなると、米国は、ますますロシアへの制裁を強化せざるを得なくなるだろう。
中国、インド、トルコはロシアの味方!? 「世界二分化」を目指すプーチン
日本から見ると「やられっぱなし」で、「世界の孤児」ともいわれるプーチン。実際、かなり苦しい立場にあることは間違いない。しかし、「世界の孤児」というのは少々大げさだろう。世界2位の経済大国中国は、「ロシア支持」を明確にしている。また、プーチンは12月1日、ロシア-欧州を結ぶ「サウスストリーム」(=ガスパイプライン)の建設中止を発表。かわりのガスパイプラインを、トルコまで建設することを明らかにした。ここで重要なのは、トルコが欧州を裏切ってロシアについたこと。さらに、プーチンは12月11日、インドを訪問し、モディ首相と会談。「ロシアはインドに、毎年1000万トンの原油を供給する」「ロシアは、インドに20基の原発を新設する」ことなどで合意した。インドも、米国のいうことを聞かず、ロシアとの友好を深めている大国である。15年、プーチンは、経済制裁に苦しみながらも、「反米の同志づくり」に精を出すことだろう。「同志」「同志候補」は、中国、「上海協力機構」(中ロ+中央アジア4カ国)、「BRICS」(中ロ+ブラジル、インド、南アフリカ)、南米諸国などである。ロシアに制裁を課している、米国、EU、日本を合わせると、世界GDPの約半分になる。それでロシアは苦しいのだが、プーチンは来年、残り半分の大国を自陣営に引きずり込むために奮闘するだろう。いずれにしても、米ロは今、「戦争中」といっても過言ではない状態にある。日本政府は、このことをはっきり自覚し、軽薄な「プチ独自外交」に走らないことが大切である。
近藤大介氏「米中はすでに、何らかの『密約』を交わしている!? 2015年、北朝鮮を巡る外交が大きく展開していく予感」(現代ビジネス12/12)記事
北朝鮮を久方ぶりに訪れたというある実業家は、私に次のように述べた。「華やかなのは市中心部の蒼光通りや栄光通りだけで、東平壌には巨大な貧民窟が広がっていた。真冬だというのに、通りには腐臭が立ちこめている。そして、地区の役場の職員たちが総出で、のたれ死にした遺体の処理をしていた。朝晩氷点下20度にもなる極寒の中、暖房もなく、食糧もなく、ついに首都・平壌まで、廃墟が広がり始めた。そもそも金正恩が指導した2009年末の通貨改革の失敗で平壌市民への配給が不可能になり、平壌市の面積を4割削減して、人口を220万から180万に減らした。それでも配給できなくなったため、今年4月に、さらに市の面積を縮小し、人口を150万に減らした。今回さらにピンチになって、つい
に100万まで減らそうとしているという噂が立っていた。12月12日に、ナンバー2だった叔父の張成沢・党行政部長を処刑して丸1年が経ったが、金正恩はいまだに、張成沢に関係のあった幹部の粛清を続けている。その数は2000人とも3000人とも聞いた。張成沢の姉の夫である全英鎮・駐キューバ大使一家、兄の息子である張勇哲・駐マレーシア大使一家も、このほど処刑されたそうだ。朝鮮人民軍の幹部に対しても、相変わらず粛清が続いていると聞いた」。このように、いよいよ窮乏してきた北朝鮮は、来る1月8日の金正恩32歳の誕生日にも、国民への「特別配給」ができない有り様だという。このまま経済困窮が続けば、朝鮮人民軍の「離反」も考えられる。(北とロシアは接近していくが)ここへ来て、ロシア経済に黄信号が灯り始めた。それによって、にわかに「ロシアが北朝鮮経済を救う」というシナリオも崩れてきた。「(露北間の)3500kmの鉄道建設はいいが、一体誰が資金を出すのか?」というわけだ。
では、結局どの国が北朝鮮を救うのか?
私は、2015年にアメリカが名乗りを上げるのではないかと見ている。北朝鮮を巡って米中はすでに、何らかの「密約」を交わしているのではないか。11月11日~12日、北京APEC(アジア太平洋経済協力会議)終了後に、オバマ大統領が2日間の中国国賓訪問をおこなった。オバマ大統領と習近平主席は、計8時間にわたる首脳会談の中で、北朝鮮問題についても時間をかけて話し合っている。この時、オバマは、北朝鮮外交を進めることを習近平に告げたのではなかったか。なぜなら、アメリカにとって北朝鮮が再び「ロシアの植民地化」するのは困るからだ。もし羅先がロシア軍の「軍港」と化せば、北東アジア情勢は大きく様変わりすることになる。それは中国とて望まない。中国は、「2018年から30年間、計40兆円の天然ガスをロシアから輸入する」という過去最大規模の契約を5月に結んだばかりだ。これはロシアからすれば、長期的なエネルギー輸出による安定した財政収入を確保したことになる。一方の中国からすれば、中ロ関係が悪化した場合、いつでも契約を打ち切るという選択肢を持ったことで、ロシアの生殺与奪を握ったに等しい。その後、ロシアが北朝鮮に急接近したのは、中国の背後に回ることで、中国が身動きを取れないようにする意図があったのだろう。そのような状況下で、北朝鮮に冷たかったアメリカと中国が、北朝鮮戦略の転換を始めたのである。12月17日にオバマが緊急会見して発表した、アメリカとキューバとの電撃的な国交正常化である。なぜ半世紀も敵対視していた両国の関係が急展開したかと言えば、二つの理由が考えられる。
一つは、オバマが「任期中の外交的成果」が欲しかったからだ。もう一つは、「ロシアの味方」を減らしたかったからだろう。つまり「新冷戦」が始まっているのである。こうした一連のできごとの延長線上に、2015年の米朝接近がある。すでに中国も手を打ち始めた。12月17日、北京の北朝鮮大使館で開かれた金正日総書記死去3周年の追悼行事に、劉雲山・中国共産党中央政治局常務委員(序列5位)が参列したのである。いまからちょうど1年前に、金正恩第一書記が張成沢を粛清して以降、中朝関係は冷え込み、両国の高官の往来はストップしていた。今回の劉雲山常務委員の参列は、その雪解けを示す中国政府の「シグナル」だった可能性がある。ともあれ2015年、北朝鮮を巡る外交が大きく展開していく予感がする。日本はこれを好機と捉え、拉致問題解決に活かしていくべきである。
12/23日経『朝日新聞の慰安婦報道 第三者委「危機管理に失敗」』等の記事について
朝日新聞の本件第三者委員会はメンバーが身内に近い人たちなのでアリバイ作りで大した報告は出ないだろうと思っていましたが、意外にも厳しい内容が出たと思っています。まあ、それなりに頭は回る人たちなので、甘い報告を出せば「身びいき」とのバッシングを受けるのが分かっていますため、どの程度の内容を出せば許されるか見極めて出してきたのがこの報告だと思います。
良かった点
- 「吉田証言への疑問点を示す記事が他紙に掲載されたのに、裏付け調査を怠った」と指摘したこと。秦郁彦の調査を指すものと思われます。
- 「木村伊量社長(当時)ら経営幹部が反対し、謝罪はしないという方針が決まった」と明らかにしたこと。まあ、これは社長を断罪することで「朝日新聞」という組織を守ったと見えなくもないですが。
悪い点
- 「同社記事が国際社会に与えた影響は限定的だったと認定した」こと。この記事が基で、左翼の跳梁跋扈もありましたがクマラスワミ報告が出され、アメリカの政治上層部に影響を与えたこと。民主党のオバマも相当影響されている様子。これは多分岡本行夫(外務省出身)がメンバーにいるため、事実を確認することなく「ずっと謝罪してきている」と外国に向けて主張してきた外務省に累が及ばないようにしたのでは。秦郁彦が調査結果を発表しましたのは1992年3月で、当時の外務次官を調べましたところ、やはりというか「小和田恒」です。駐米大使は前外務次官の「栗山尚一」で両者とも「日本はハンデイキャップ国家で良い」という論者です。官房長官は加藤紘一(外務省出身)でグルになって国を売った連中です。ハニーか賄賂工作という外国の謀略に引っかかった可能性もあります。
- 今後の対応、少なくとも英独仏露中、スペイン、ポルトガルの言語で謝罪・訂正記事を発信すること。「広義の強制性」なんて論理は事後法で裁くのと同じなのだから、主張を止めるべき。
記事
朝日新聞が従軍慰安婦をめぐる証言報道を取り消した問題で、報道内容を検証していた第三者委員会(中込秀樹委員長)は22日、報告書をまとめた。日本軍が朝鮮人女性を強制連行したとする証言など慰安婦報道の一部は裏付けが不十分だったうえ、記事取り消しや謝罪も遅きに失したことを挙げ「読者の信頼を裏切り、ジャーナリズムのあり方として非難されるべきだ」と総括した。軍が朝鮮人女性を強制連行したとする元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏(故人)の証言を1980年代から90年代に複数回取りあげたが、「吉田証言への疑問点を示す記事が他紙に掲載されたのに、裏付け調査を怠った」と指摘。97年の慰安婦問題に関する特集記事で吉田証言に関する記事を訂正・取り消し、謝罪をすべきだったのにこれを怠ったと批判した。今年8月の検証記事で一部記事を取り消したが、経営幹部が経営上の危機管理を優先し「記事の取り消しはするが謝罪はしない」との方針が決まったと指摘。これについて「『社を守る』という大義によって、編集現場の決定が翻された。そのため慰安婦問題の伝え方が読者や社会が納得する内容にならず、危機管理そのものに失敗した」と厳しく非難した。今後の提言として、記者が先入観や思い込みをただして取材にあたることや、経営が編集に介入することは最小限にし、経営と編集の分離をいっそう進める必要があるとしている。
『朝日新聞の慰安婦報道 第三者委「読者の信頼裏切った」』記事
朝日新聞の従軍慰安婦報道を検証する第三者委員会は22日、報告書をまとめた。日本軍が朝鮮人女性を強制連行したとする証言など慰安婦報道の一部は裏付けが不十分で、記事の取り消しや謝罪も遅きに失したとして「読者の信頼を裏切り、ジャーナリズムのあり方として非難されるべきだ」とした。同日、記者会見した第三者委委員長の中込秀樹弁護士は「新聞記事が社会にいかに大きな影響を与えるかを自覚すべきだ」と述べた。朝日新聞は、元山口県労務報国会下関支部動員部長、吉田清治氏(故人)が「済州島(現・韓国)で朝鮮人女性を強制連行した」などとした証言を1980年代から90年代に複数回取り上げた。報告書は「吉田証言について十分な裏付けがされた事実がうかがえない」と指摘。他紙に同証言への疑問が掲載された後も「証言の取り扱いを減らすなど消極的対応に終始し、読者の信頼を裏切った」と批判した。同社は97年と2014年の2回、慰安婦問題の検証記事を掲載した。97年は吉田証言について「真偽は確認できない」と説明するにとどまった。報告書は吉田証言に基づく軍による強制連行を前提とした記事は、この段階で訂正か取り消して謝罪すべきだったと指摘した。14年8月の検証記事では16本の記事を取り消したが謝罪はしなかった。編集幹部を含む検証チームは訂正とおわびを載せる紙面案を作成したが、木村伊量社長(当時)ら経営幹部が反対し、謝罪はしないという方針が決まったと明らかにした。この点について「経営による危機管理が先行しすぎた。『社を守る』という大義によって、編集現場の決定が翻された。このため読者や社会の納得のいく内容にならず、危機管理そのものも失敗した」と総括した。一方、同社記事が国際社会に与えた影響は限定的だったと認定した。検証記事を批判的に取り上げようとしたジャーナリスト、池上彰氏のコラム掲載見送りも「木村社長が掲載に難色を示し、編集部門が抗しきれなかった」とした。朝日新聞への提言として、記者が先入観や思い込みをただして取材にあたることや、誤報への対応策を明確にすること、経営と編集の分離をいっそう進める必要があることなどを挙げた。
12/21日経 『地球回覧 日系米国人の苦難に光』記事について
日系人の強制収容所について書いたのは山崎豊子の小説『二つの祖国』が有名です。主人公は日本人らしく戦争中の二つの国にあってどちらの立場を取るかを悩みに悩んだ末、アメリカ側に立つことにしました。極東軍事裁判の通訳モニターを務めた後に自殺しますが、心の葛藤があったのでは。しかし、中華、小中華の民族は国を平気で捨てるにも拘わらず、国籍変更した国で捨てた国のための工作活動をします。日本人の心の潔さ、真面目さがないから、迷わずに捨ててきた国のために動くのでは。所詮は金のために動く人達でしょう。そうでなければスパイです。日本の政治家にもたくさんいますが。中華、小中華の人達には『二つの祖国』の主人公についての心情は理解できないでしょう。今クリスマスに公開されるアンジェリーナー・ジョリー初監督の映画「アンブレイカブル」で、戦争中に日本軍人は「食人」した民族というふうに描かれているそうです。日本の歴史を余りに知らなさすぎです。日本人は明治維新後になって、明治天皇が初めて牛肉を食し、庶民も動物の肉を食べるようになった歴史があります。仏教の「無益な殺生はしない」教えが長い間守られて来たのだと思います。況や人間をや。中国が裏で動いている気がします。また、アメリカは人口の多い中国にこの映画を持込み、儲けるつもりでしょう。第二次大戦前、新聞王ハーストは何の根拠もない日本脅威論を書き立てました。彼は「新聞の売上げを増やすためなら、国を戦争に追い込むことも辞さない」と言われた人物で、総人口の〇・一%しかいない日本人があたかもアメリカを征服するかのように書き、世論をあおりました。また、ヘンリー・ルースは雑誌「タイム」や「ライフ」で親中・反日報道をしてアメリカ国民世論を誤った方向に導きました。プロパガンダです。放置していては世界の日本への見る目が変わっていくでしょう。本当に食人の習慣がある(現在も胎児を食うそうです)のは中国人です。黄文雄、林健良が言っています。自分たちがやってきたことを他人に転嫁するのは得意な民族ですから。慰安婦、南京虐殺と同じ構図です。外務省は何をしているのかと言いたい。頭でっかちの公家集団では何もできません。解体して、新組織を作るべきと思います。
記事
米西部ワイオミング州。日本人旅行者にも人気が高いイエローストン国立公園から東へ約100キロの場所に、窓が割れ、外壁はがれ落ちた一群の廃虚がある。「ハートマウンテン転住センター」。第 2次世界大戦中に1万人以上の日系米国人が送り込まれた強制収容所の跡地だ。
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12月上旬、現地を訪ねると、 かつて500棟近いバラック が立ち並んでいた平原には雪が舞っていた。近くにそびえるハートマウンテン(標高2476メートル)から吹き下ろす風が冷たく肌を突き刺す。
72年前、行き先も告げられずに列車に乗せられ、3日以上かけて連れてこられた日系人の多くは温暖なカリフォルニア州の住民だった。「持てるだけ」しか携行を許されなかった手荷物の中に、氷点下20度まで下がる冬の寒さをしのぐコートはなかった。「安全保障の脅威になる」 とい口実のもと、太平洋沿岸部からハートマウンテンを含む全米11カ所の強制収容所に連行された日系人は12万人 あまり。大半は米国で生まれ、市民権を持ちながらも、戦争によって「敵」と色分けされた二世たちだった。「何人も正当な法の手続きによらないで、生命、自由または財産を奪われることはない」。跡地にオープンした資料館の入り口には、合衆国憲法修正5条が大きく刻まれている。88年8月、レー ガン大統領は日系人強制収容の過ちを認め、米政府として初めて公式に謝罪。生存者に補償するとともに、強制収容の歴史を学校で教えるための基金も設立した。だが、現実には強制収容の歴史を知る米国人は「驚くほど少ない」と、資料館を運営するハートマウンテン•ワイオミング財団のシャーリー• ヒグチ理事長は嘆く。多くの学校は米国史の暗部にあえて触れず、ヒグチ氏の両親を含む収容者自身も、つらい過去を封印し、多くを語ってこなかったためだという。01年9月11日の米同時テロでは、国際テロ組織アルカイダ対する憎悪が米国内のイスラム系住民に向けられ、最近もミズーリ州で丸腰の黒人 青年が白人警官に射殺された。人種間の不信に根ざした悲劇は後を絶たない。そんな中、「日系人」と言うだけで住み慣れた土地を追われ、自由を奪われた強制収容の歴史に光を当て、そこから学ぼうという草の根の取り組みが広がっている。
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11月22日、カリフォルニア州サンノゼ市で、ドキュメンタリー映画「ハートマウンテンの遺産」の上映会が開かれた。「テレビ界のア力デミ— 賞」と呼ばれエミ—賞を今年受賞した同作品は、収容者とその親族の証言などを基に、収容所での生活や終戦後に待ち受けていた人種差別の実態を記録。厳しい環境の中でも尊厳を失わず、ひた向きに生きた人々の様子を鮮やかに描写している。「人種に基づいて人を判断し、差別するのは正しいことだという考え方は今も根強い。残念だが、それがこの国の現実だ」。プロデューザーの一人で、自らも日系人のデイビッド・オノ氏はいう。「だからこそ、この史実をもっと 広めなければならない」。戦後70年の節目となる来年 2月19日には、首都ワシントンで上映会を開く。2月19日 は日系人強制収容への道を開いた大統領令に、ルーズベルト大統領が署名した日でもある。「米国人はもちろん、日本の人々にも強制収容の歴史を知ってほしい。日本にとっても縁のない話ではないのだから」。ヒグチ氏の言葉が、ドスンと腹に響いた。 (シリコンパレー=小川義也)

