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3/26 日経ビジネスオンライン エコノミスト『ナチスの歴史を巡るドイツとギリシャの確執 賠償問題は日中韓だけではない』記事について
戦後賠償については何回も蒸し返されるのは、譲歩すれば「もっともっと」と脅せば金を出すと相手が思うからです。毅然とした対応が必要です。ドイツもメルケルが日本に来て注文をつけたと報道されましたが(ドイツ政府は否定)、自分の頭の上の蠅もおえずに片腹痛いです。ギリシャがドンドン悪態をつき、ドイツを強請れば、日本が中国と朝鮮半島から如何に何度も過去の謝罪(金で解決せよという意味)を迫られて来たかの痛みが分かるハズです。彼らはそれだけでなく、歴史を改竄・捏造することにより世界に「日本民族は道徳的に劣った民族」と刷り込みを図り、20世紀の日本の統治に対する復讐を図ろうとしています。ドイツはユダヤ人の民族浄化を図ろうとしましたが、日本は戦争をしただけです。これは世界の歴史の中では常にあることで、非難されるいわれはありません。国際法でも認められています。負けたことが一番悪いだけです。少なくとも日本はベルサイユ講和会議で「人種差別撤廃法案」を出しましたが、ウイルソン米国大統領に拒否されました。ドイツとは違います。
日本人はもっと近現代史を勉強しないと、敵の口車に乗せられてしまいます。世界は悪い人間の方が多いのですから。
記事
ドイツとギリシャの指導者たちは建設的と言うにはほど遠い非難の応酬に明け暮れ、ユーロ圏を存続の危険にさらしている。その1例が、ギリシャのヤニス・バルファキス 財務相に関する2013年に撮影されたユーチューブの動画を巡る騒動だ。当時、左寄りの経済学者として知られたバルファキス氏が「ギリシャはデフォルト(債務不履行)すべきだ。あとはドイツが自分で解決しろ」と述べ、中指を突き上げる侮辱的なジェスチャーをする姿が動画に映っている。
独テレビのトーク番組中で3月15日に放映されたこの映像を、バルファキス氏は改ざんされたものだと主張した。前後の関係が無視されているとはいえ、問題の映像は本物であることをドイツのメディアが証明したことで、騒動が長引く結果となった。ドイツの批評家は怒りに任せ、ギリシャは嘘つきで無礼だと言い放った。
ここにきてギリシャとその最大の債権国、ドイツの関係は最悪の状況に陥っている。ギリシャの極左政党、急進左派連合(Syriza)党首のアレクシス・チプラス氏が同国の首相に就任した1月以降、両国の関係は悪化の一途をたどっている。ギリシャ救済策の延長交渉に当たるドイツのウォルフガング・ショイブレ財務相 とギリシャのバルファキス財務相が、互いに信頼を失っていることは明らかだ。ショイブレ氏がバルファキス氏を「愚かなほど単純」とこき下ろすと、駐ベルリンのギリシャ大使はドイツ外務省に抗議した。
ギリシャの国防相は、シリア難民をギリシャからドイツに送り込むと脅しをかけている。その中にテロリストが紛れ込んでいても責任は欧州にあると発言した。さらにギリシャの司法相は、ナチスがギリシャを占領した時に与えた損害の補償の一環として、アテネにあるドイツ語学校、ゲーテ・インスティチュートを差し押さえることもあり得ると示唆している。
第2次世界大戦の過去を反省したドイツ
中指を立てるジェスチャーをしたかどうかなどは、子供じみた喧嘩として済ませることができるかもしれない。だが、ドイツの資産を差し押さえるという、過去の歴史に基づく威嚇は大きな影響をもたらす。両国に付きまとう暗い記憶を蘇らせるからだ。
1941年から1944年までナチスはギリシャを占領した。その時の残虐さは、ナチスがスラブ諸国において見せた残虐さ次いで悲惨なものだった。その時以降、ギリシャはドイツに対する損害賠償請求を公式に取り下げたことはない。そしてこの数年、ギリシャが抱えるに至った膨大な債務を巡って激しい論議が戦わされるなか、ギリシャ政府は突如、ドイツに財政上、モラル上の歴史的責務の精算を求め出した。
ドイツは、その過去について他の国から触れられることを嫌がる。独自の極めて正式な歴史認識方法があるからだ。過去の記憶を思い起こし、そこから学習することは、ドイツの政治的、心理的、物理的アプローチの根幹をなしている。ドイツの議員たちが国政を論じるため連邦議会議事堂に向かう時、目にするのは壁に書かれたキリル文字の落書きだ。1945年にベルリンが陥落した時、同議事堂を占領したロシア赤軍が書いた落書きである。無謀な統治を二度と行わないための静かな警鐘として、ドイツはこの落書きを敢えて残した。ナチスが侵略もしくは占領した国に対して、ドイツの政治家は通常は意識して気を配る。
仮にロシアによるウクライナ侵攻がなければ、アンゲラ・メルケル独首相は今頃、旧ソ連が対ドイツ戦に勝利した70周年を祝う式典に出席する準備をしていたことだろう。だが実際には、その翌日の5月10日にモスクワにある無名戦士の墓を訪れることになりそうだ 。メルケル首相がドイツを欧州におけるイスラエルの最強の同盟国と呼ぶのは、ドイツがホロコーストに対して紛れもない悔恨の意を表明しなければならないことが、最大の理由である。
戦時補償のあいまいな解決
しかしながら、ドイツが深い贖罪の意を表し、気配りを見せても限界がある。ギリシャが持ち出した一連の歴史問題と、それらがどのよう扱われているかを詳細に見れば明らかだ。ギリシャの要求は次の3つに分けられる。第1は、ナチス侵攻の犠牲となった国の政府に当然支払うべきと考えられる一般的な賠償金の問題。第2が、犠牲者1人ひとりに対してドイツが負うべき精神的なもしくは法的な責務。そして第3は、占領時代にギリシャがドイツに強要された融資である。この融資はアフリカでの戦争の戦費として使われた。
1953年のロンドン会議において、ギリシャを含む対独債権国は、西ドイツが抱えていた海外債務のほとんどについて支払いを免除した。この結果、ドイツの「経済の奇跡」が成し遂げられたのだ。その際、賠償問題は将来の平和条約に委ねられた。平和条約は1990年に調印され、東西両ドイツと戦勝国4カ国(米国、英国、フランス、ソ連)がドイツ統一を受け入れた。当時のヘルムート・コール首相 とハンス・デートリッヒ・ゲンシャー外相は、この「2+4カ国合意」を平和条約と呼ぶことを敢えて避けた。このことは、賠償問題は条約締結と同時に明白な形で対処されるべきだったとの提案をそらすのに役立った。一方で、賠償問題は解決済みと見なす動きが広がっていった。
この時、ギリシャが抗議することはなかった。だが、やがて同国が調印していない条約はギリシャの賠償請求権を消滅させるものではないと主張するようになった。ギリシャ人がしばしば指摘するように、1990年以前は賠償問題を議論するのは時期尚早だと言われていた。なのに、今では、いま議論しても遅すぎると言われてしまう。今月、チプラス首相は議会で、ドイツは賠償金の支払いを回避するために「トリック」を使ったと非難した。ドイツはこれを強く否定した。つい最近、メルケル首相の報道官が繰り返したように、ドイツは賠償問題を「法的にも、政治的にも解決済み」と見なしている。
ドイツは710億ユーロの賠償を支払ってきた
ドイツは犠牲者個人及びその家族に対する責務についても同様の見解をとっている。西独は戦後、多額の賠償を行ってきた。政府データによれば、賠償額は合計710億ユーロ(約9兆3000億円)に上る。欧州諸国と1960年に交わした合意の一環としてドイツは、ギリシャにおいてナチスの犠牲となった人々に1億1500万ドイツマルク(5750万ユーロ、約74億4000万円)を支払った。
歴史学者のエーベルハート・ロンドルツ氏によれば、これはアウシュビッツに収容されていた日1日当たり2.50ユーロ(約330円)に相当する。犠牲者とその子孫にとって、これは笑止千万な額だろう。ナチスが1944年にディストモ村で繰り広げた大量殺戮の犠牲となった人々は、ドイツを1997年に個人として初めて訴えた。
しかしながら2012年に、ハーグの国際司法裁判所はドイツ側に立ち、政府は、海外の裁判所において個人から起こされた訴訟に関しては免責されるとの概念を導入した。この決定にほっとしたのはドイツだけではない。過去においては、外国人にひどい振る舞いをした政府はいくらもある。
戦時融資は賠償とは異なる
だが1942年にギリシャがドイツに強要された戦時融資については事情が異なる。融資額は4億7600万ライヒマルクで、ギリシャによれば、今日の価値にして推定110億ユーロ(1兆4000億円)に達する。これは、救済策の一部としてギリシャがドイツに負っている支援額650億ユーロ(約8兆5000億円)の約17%に相当する。1960年代、首相を務めたルートヴィヒ・エアハルト 氏は、ドイツは再統一後にこれを返済すると述べた。エアハルト氏は、ドイツ再統一は決して実現しないと考えていたのかもしれない。
第2次世界大戦中にギリシャに強要した戦時融資の返済について検討すべきだと考えるドイツ人も多い。「今やらなければ、いつやるのか」とロンドルツ氏は言う。前例を作ることを避けたいのなら、ドイツは信託や基金に資金を拠出すればよいと同氏は示唆する。中道左派の社会民主党や緑の党に所属する政治家の中には、責任を負い、誠意を示すというドイツの戦後の伝統を貫くべく、返済を主張する者もいる。
一方、ギリシャが戦争のことを持ち出し、改めて苛立ちを募らせているタイミングを疑いの目で見るドイツ人もいる。2000年ころからドイツのアイデンティティは変わってきたと「ザ・パラドックス・オブ・ジャーマン・パワー」の著者、ハンス・クンナニ 氏は指摘する。ドイツはもはや自らを戦争の加害者とだけ見てはいない、犠牲者としても受け止めている。アウシュビッツの子孫であるだけでなく、英国軍による爆撃で戦火に包まれたドレスデンの子孫でもあるからだ。
ドイツで進むギリシャ不信
今日の文脈で語れば、それが合理的かどうかはともかく、ドイツ人は自らをユーロ危機の犠牲者だと見ている。クンナニ氏によればドイツ人は、「奴らはドイツからカネを奪う口実として過去を持ち出し、自分たちの過ちの尻拭いをドイツにさせようとしている」と考えている。事実、ドイツ最大のタブロイド紙のビルド紙は、賠償の要求を「脅迫」と呼んでいる。
こうした環境の悪化は、当然ながら、ユーロ圏の将来を巡る論議のトーンにも影響を及ぼしている。直近の世論調査によると、ドイツ人の82%がギリシャが約束した改革を遂行できるかを疑問視しており、52%がギリシャにユーロから離脱してほしいと望んでいる。関係悪化を懸念して、メルケル首相は3月23日、チプラス首相をベルリンに招いた*。欧州を意図せぬ災難から守るために、メルケル首相は自慢の交渉力を駆使しなければならないだろう。
*:報道によると、メルケル首相とチプラス首相はこの会談で、信頼関係を築くことでは同意したものの、政策面での進展はなかった。
3/25 日経ビジネスオンライン 福島香織『パラオ海底の五星紅旗の愚 「天皇訪問」直前の挑発、「単なる悪戯」か?』記事について
パラオは本記事にありますように台湾と国交がある数少ない国です。小生が2011年末から2012年年始に家族と共に訪れたときには、中国人はいなくて台湾人が多かったです。台湾人はパラオに農業指導に来ていました。中国人が蔓延るのは所詮受入側の金のためでしょう。国防上の問題があるというのに。目先の利益だけしか見ないのは非常に危険です。国防動員法がありますから。
この行動は単なる悪戯とは思えません。軍の許可を取った行動と思います。「政府を批判する自由の無い国」でこんな行動は取れません。反日デモが中国共産党の指導でなされているのと同じです。中国のやり方はジワリジワリと人口を植民させていくやり方です。現在のシベリア然り、アフリカ然りです。1930年代の長野朗の『支那30年』にも明らかです。
中国人にマナーを守れと言っても無駄でしょう。バス内の標識には「吐痰請向外吐 提高個人素質」(痰を吐くなら外に、個人の資質を高めよう)と言うのが堂々と貼られている国ですので。
http://gakugo.net/unarigoe/2009/09/97913.html
記事
今年は中国にとって抗日戦争勝利70周年目ということで、おそらく中国政府や中国人の行動の中には、なかなか日本や日本人を刺激するものが出てくると予想している。たとえば共同通信が先日、特ダネとして報じたパラオ海底の旧日本海軍給油艦の船尾に中国国旗「五星紅旗」が結びつけられていた事件。あれはいったい、何だったのだろう。ありがちな中国人旅行者ダイバーのいたずらだと、やり過ごしていい話なのだろうか。
旧日本海軍給油艦「石廊」の船尾付近に中国国旗
このニュースは、大手メディアでも詳しく報じられていると思うが、簡単に説明したい。
パラオは、太平洋上にある島嶼国で、第一次大戦後、ドイツの植民地支配から脱し、日本の委任統治領となった。第二次大戦がはじまると北西太平洋方面の拠点となり、1944年9月から2カ月に渡るペリリュー島の戦いなどで日米軍に1万2000人を超える犠牲を出した激戦の地である。戦後はアメリカの信託統治を受け、1993年に独立している。
このパラオに、天皇皇后両陛下が4月8~9日の日程で慰霊のために公式訪問されることが1月に発表された。パラオには、多くの戦争遺跡がある。日本軍1万695人、米国軍1794人という戦死者をだしたペリリュー島の戦いの現場などには、日米軍の遺構、戦車、ゼロ戦、破壊された停泊中の艦船や兵士の遺品などが点在している。
この戦争遺跡の一つで、沈没している旧日本海軍の給油艦「石廊」の船尾付近に中国国旗が結び付けられているのを、21日、取材で海底に潜った共同通信記者が見つけた。石廊は太平洋戦争中の1944年3月30、31日、パラオ・コロール島沖で停泊中に米軍の大空襲を受け、多くの乗員と共に沈没。今なお、当時の船体をとどめたままコロール島西南8キロ、水深40メートルの水底に沈んでいる。五星紅旗は幅1メートルほどで、船尾の砲座を囲む柵の支柱だったとみられる水深約26メートルの場所に針金と白い結束バンドで取り付けられていたという。付着物が少ないので一週間以内に取り付けられたものらしい。人気のダイビングスポットであり、中国人ダイバーの仕業ではないかと見られている。
パラオには毎年、多くの日本人が慰霊や観光に訪れており、日系人が大統領を務めたこともあり、「世界で一番の親日国」とも言われている。その一方で、去年あたりから急増している中国人観光客のマナーの悪さについては、現地の反感が高まっているようで、人民日報系タブロイド紙・環球時報(3月15日)も「珊瑚を破壊し、ゴミを海にポイ捨てすると、現地のタクシー運転手が苦言を呈していた」と報じていた。パラオはGDPの85%が観光収入という観光立国であるが、春節休みがあった2月の訪問観光客の62%にあたる1万955人が中国人だった。これはパラオ人口1.8万人の半分以上を占める。2014年のパラオ観光客は前年比34%増と急増だったが、この最大の要因が中国人観光客らしい。この年の中国人観光客は4万人を超え、国別では一番多かった。
パラオは台湾と国交を持っているために中国とは国交がない。2012年4月にパラオ警察が同海域で保護されているサメの違法漁を行っている中国漁民を取り締まる際に、中国漁民を一人射殺し、漁民25人が逮捕される事件が発生するなど、パラオと中国の間にはトラブルも結構多い。だが観光立国としては、反感を持ちながらも、1400ドルのヘリクルージングなど金に糸目を付けずに遊ぶ中国人観光客増を歓迎せざるを得ない状況だった。
普通の中国人観光客の発想なのか
こういう状況をかんがみると、石郎船尾の「五星紅旗」は、マナーの悪い中国人観光ダイバーの悪ふざけだろう、とは思う。実際、愛国を掲げる中国人が国旗を持って旅行に行き、無邪気に国旗を広げて記念写真を撮影する光景は実はわりと見かける。私は台北で、そういう中国人観光客を見かけたことがある。これは台湾の人々が相当鼻白む行為である。だが、多くの場合は、単に訪問国に対する知識が不足していたり、想像力が欠如していたりして、無礼なだけで、何が悪いか、本当に分かっていないようなフシもある。
ただし、日本人にとって英霊の眠る海であり慰霊の場であるパラオの海で、天皇皇后両陛下が慰霊に訪れられる直前のタイミングで、わざわざ水底の旧日本軍艦に五星紅旗を掲げる行為は、あきらか日本のパラオにおける歴史を知り、日本とパラオの関係や国情を知った上での日本や日本人に対しての政治的挑発の意図があるだろう。日本人の死者に対する思いの深さ、慰霊や弔いの心を重視する国民性を知った上での侮辱行為ではないか。当然、パラオの誇る世界遺産の海を汚す環境破壊行為でもあるし、また独立国で国交のないパラオに対する失礼極まりない行為でもある。知りたいのは、こうした行為が本当に普通の中国人観光客の発想なのか、あるいは国家的意志のようなものが働いているのか、ということである。
と言うのも、2013年8月1日、中国人民解放軍のあの過激なタカ派発言で知られる羅援少将が人民日報海外版主催の講演会で「五星紅旗を釣魚島(尖閣諸島)海底にさして主権を主張すべきだ」と発言していたことを思い出したからだ。その対談内容を簡単に紹介すると。
「五星紅旗を海底に挿して主権を主張すべきだ」
「八一建軍記念日のおり、著名軍事専門家で軍事科学院世界軍事研究部の副部長である羅援少将が(人民日報海外版が運営する)海外ネット“名家講堂”のゲストとして、『中国領海をめぐる争いに対する策略』と題する講演を行った。人民日報の編集委員で海外版総編集長の張徳修が出席、海外版副編集長の王咏賦が司会を担当した。このとき、羅援は『目下我が国の平和崛起が直面する問題は外部からの挑発が“両海三領域”、つまり東シナ海、南シナ海、インターネット領域、宇宙領域、金融領域に集中していることだ』と語り、黄岩島(スカボロー礁)事件、仁愛礁(セカンド・トーマス礁)事件など、フィリピンとの領海問題および、釣魚島(尖閣諸島)をめぐる対立の文脈を分析。同時に中国がいかにこの争いに対応して主権防衛を行うかについて、具体的な提案をした。
羅援は『我々は東シナ海と南シナ海で、六つの存在感を突出しなければならない。つまり行政、法律、軍事、執法、経済、世論における存在感である』と語り、『さらに国防は科学と相互に結合するべきだ。たとえば蛟龍号有人深海探査艇の技術をもって、釣魚島と南シナ海の島礁の海底に五星紅旗を挿し、中国の主権を喧伝するべきである』と語った。
『万里海疆孤島咽、銅墻鉄壁誰能越』(万里の海の辺境と孤島に、銅墻鉄壁をはりめぐらせば誰も越えることはできない)と、岳飛の満江紅に習った自作の漢詩を披露。聴衆の大喝采を受けていた」…
解放軍は実際に2010年8月26日、国産有人深海探査艇蛟龍号によって南シナ海の深さ3000メートルの海底にまで潜り、五星紅旗を立てることに成功。その様子はCCTVでも放送されている。この蛟龍号は改良を重ねられて今は7000メートル位潜れるそうだ。
こうした国家戦略と、親日国の海底に眠る旧日本軍艦に中国国旗を飾る発想はかなり似ている。30メートルの深さで国旗の取り付けなど、ツアー参加のにわかダイバーの所業というよりは、かなり慣れたダイバーではないだろうか。本当にただの観光客だろうかと、ひょっとして軍関係者じゃないのか、とかんぐりたくもなるだろう。
「遺憾の意」なければ「国家の意思」では?
中国ではこの報道については、共同通信を引用する形の事実報道が中心で論評は23日の段階ではほとんどなかった。微博では、日本人を悔しがらせているぞ、といった賞賛や歓声が散見される。だが、日中の複雑な歴史関係に絡む感情を差し引いても、この行為は明らかに海にゴミをポイ捨てする中国人観光客と同じかそれ以上のマナー違反である。最近、パラオ周辺の海底には簡体字ラベルのついた食品の袋や缶などのゴミが落ちており、パラオ政府はこれを問題視して4月15日から中国人の入国者数を制限することにしている。中国人にとって神聖な五星紅旗も、こういう使い方をしては、海底に落ちている簡体字のついたゴミと同じ、海を汚しているだけである。
個人的な意見を述べるならば、中国政府がこの件に関して正式に遺憾の念を示さない限り、こういった行為は中国の国家としての意志とみなしてよいと思う。海底の戦争遺跡に五星紅旗を結び付けた輩が政府や党や軍の指示を受けてやったのではないとしても、いまだに海底に旗を立てて主権を主張するが勝ちという発想で、領土をめぐるトラブルを解決しようと軍の少将が中央メディアで呼びかけている以上、このような国民の行為は党と政府の指導に従ったものだとはいえるだろう。
中国人観光客は世界の観光立国の救世主であるとみなされている。彼らが昨年海外旅行先で使った金は1兆元を超え、それは中国国内における中国人観光客の消費よりはるかに多い。日本で春節(旧暦正月)休みがあった2月、45万人の中国人観光客が訪れてくれて、百貨店や家電量販店などで引き落とされた銀聯カード(中国版デビッドカード)の総額は30億元を超えていたという。日本に興味を持ち、大量に買い物をして経済に貢献してくれたことに、日本人の多くは感謝し歓迎している。
「救世主」よ、最低限のマナーは守れ
だが、ふと思うのだ。観光客が、単純に日本が好きで、日本をもっと知りたくて観光に訪れてくれるのならば、私たちは心をこめてもてなしたいと思うけれど、そこで声高に領土や領海の主権主張や政治的ロビー活動を展開されれば、それはもはや普通の観光客ではない。中国政府のプロパガンダを担った経済、文化進出の尖兵として、日本人の目には警戒すべき相手としか映らないだろう。
私は中国人観光客を歓迎したい方なので、訪問先の環境を損なわない、遺跡・文物を傷つけたり汚したりしない、その土地の宗教、文化、歴史に配慮する、という最低限の観光客マナーをどこの国にいくのであれ守ってほしい。もし、中国が、観光客を公共外交戦略の一環と位置付けているのならなおさら、旗を振りかざして権利や存在感を誇示するようなやり方は逆効果であると気付いた方がいい。
3/24 日経ビジネスオンライン 高濱賛『ヒラリー危うし!「メールゲート」スキャンダルでぐらつく』記事と3/14 Andy Chang 『ヒラリードットコム・ゲート』について
民主党と言うのは日米問わずダメでしょう。メール問題の報道の仕方は、ヒラリーとジェブ・ブッシュを相討ちにしたい構図がすけて見えます。安倍さんが上・下院で演説するのですら中韓はオバマ政権を使って、日本政府に圧力をかけているようです。
歴史認識の問題は日本国民がもっと危機感を持たないといけない問題です。小生の体験で言えば、余りに左翼メデイアに影響を受け過ぎではないかと思わざるを得ない場面に遭遇しました。一昨日、小生が総会屋担当をした時に、一緒に働いた尊敬できる先輩と飲みました。小生が総会屋に妥協しようとしたときに決然と“No”を言われた大先輩です。でも意見が全然合いませんでした。意見が合わないのは小生の考え方が飛躍しすぎであるからかも知れません。でも、中国の体験のない人には分からないのかもと思いました。それだけ中国人のやり方は日本人の想像を絶するという事ですが。
「士気の集い」、「防人を励ます会」のメンバーと飲むのが心の安らぎを感じます。やはり、昔の会社関係の人とは議論が噛み合わないような気がします。残念ですが。小生の意見が正しく、他の人の意見が間違っているという意味ではありません。日本は中韓と違い、多様な意見の存在を認める国です。でも酒を飲むときには、自分の意見と近い人と飲む方が精神的に落ち着きます。
高濱賛記事
次期米大統領の最有力候補と目されるヒラリー・クリントン前国務長官(69)が在任中に私的メールアドレスを公務にも使用していたこと(米メディアは「メールゲート」と命名)が3月2日明るみに出た。
米下院のベンガジ調査特別委員会(2012年9月11日に駐リビア米総領事館襲撃事件を調査している)がその事実を「発見」し、米国務省が内部調査し確認した。
「連邦公文書記録管理法」(The Federal Records Act)は、閣僚ら政府高官に対し、在任中行う公務に関する電子メールはすべて公用アドレスを使うことを義務付けている。その記録は退任後、「米国立公文書記録管理監督局」(NARA)の管理下に置かれる。同法は同局に強力な法的強制力を付与していないため、違反者に罰則を科すことはごく稀とされる。だが今回は、次期大統領の有力候補が国家機密を扱う国務長官在任中に行った「違法行為」であるだけに、そのインパクトは想定外の方向に広がる可能性がある。
クリントン氏は報道から8日後の3月10日に記者会見を開き、「持ち歩く端末が1台の方が便利だった。公私を分けておいた方が良かった。法令違反はしていない」と弁明した。だが、この程度の釈明でメディアや共和党が収まる気配はない。私的メールアドレスを使用した送受信メッセージの数は約6万通。クリントン氏はそのうち公的なもの約3万通を、発覚後、国務省に提出している。残りは「とっておく必要がない」私的メッセージだとして消去したことを示唆している。
連邦公文書記録管理法に違反する恐れも
米政界の事情に精通している専門家たちは「この場は凌いだようだが、中長期的に見ると傷は残った。国民は次に発覚するスキャンダルは何かと見ている」(政府関係コンサルタント会社プライム・ポリシー・グループ幹部のケリー・ギブソン氏)と厳しい見方をしている。
保守派の法律学者の中には「今回のケースは完全な法破り。発覚後、私的メッセージは消去したという。提出することを強制的に要求される可能性のあるメッセージを1通でも破棄することは立派な犯罪だ」(ロナルド・ロツンダ チャップマン法科大学院教授)といった意見も出ている。
(”Clinton’s Email Scandal Will Leave a Scar,” Cary Gibson, Thomas Jefferson Street Blog, US & World Report, 3/17/2015)
(”Hillary’s Email and the Law,” Ronald D. Rotunda, Wall Street Journal, 3/16/2015)
というのも、「クリントン元大統領、前国務長官夫妻には、その政治活動において不透明な点があるとして批判が付きまとっている。今回のスキャンダル発覚はそれを増幅させる結果になった」(米ニューヨーク・タイムズ紙)からだ。
(”Hillary Clinton Used Personal Email Account at State Dept., Possibly Breaking Rules,” Michael S. Schmidt, New York Times, 3/2/2015)
共和党は「第三者調査委員会」立ち上げを要求
共和党にとってはクリントン氏のスキャンダルは降って湧いた幸運。クリントン叩きの絶好の材料と言える。
ジョン・ベイナー下院議長(共和、オハイオ)は3月17日、第三者調査委員会の設置を提唱した。「ベンガジ事件の真相を究明するため、クリントン氏が私的なメールアドレスで送受信されたメッセージのうち同事件解明に必要なものがどれかを決める決定権を第三者機関に与えるべきだ」。
一方、下院ベンガジ特別委員会のトレイ・ガウディ委員長(共和、サウスカロライナ)は「ベンガジ事件にかかわり合いのあるすべてのメッセージを委員会に提出してもらうため、クリントン氏には2週間の猶予を与えた」と発言。また下院監視・政府改革委員会のジェイソン・チェフェッツ委員長(共和、ユタ)は、私的メッセージも含めすべてのメッセージを提出するようクリントン氏に求めている。
(”Boehner calls for ‘third party’ access to Clinton emails,” Scotto Wong, The Hill, 3/17/2015)
今後の動き次第では「クリントン氏を委員会に招致する可能性も出てくる」(下院監視・政府改革委員会スタッフ)。
発覚以後、「ヒラリー好感度」は6ポイント減
今回の「メールゲート」が16年に行われる次期大統領選に向けたクリントン氏の好感度にどのような影響を与えているのか。
問題発覚後の3月13~15日にCNNが行った世論調査によると、同氏の好感度は53%(昨年11月は59%)、不人気度は44%(同38%)。「ヒラリー嫌い」が6ポイント増えている。昨年11月の時点では、56%が「ヒラリーは正直で信頼できる」と答えていたが、この回答も50%にダウンしている。
(”Poll: Hillary Clintoin’s email divides public,” Jennifer Agiesta, CNN, 3/16/2015)
共和党サイドでは本命と目されながらも支持率では今ひとつ伸び悩んでいたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が他候補を一歩リード。
CNNが実施した先の世論調査ではクリントン支持は55%(昨年12月は54%)、ブッシュ支持40%(同41%で)、依然としてクリントン氏が15ポイント、リードしている。だが共和党サイドは、「メールゲートの重要性が米世論にさらに浸透すれば、ヒラリー支持はさらに落ち込む。ブッシュが追いつき,追い超すことチャンスは十分ある」(共和党選挙対策担当者)とあくまでも強気だ。
「ヒラリー大統領選キャンペーンの終わりの始まり」
保守派メディアの「ヒラリー叩き」にも力が入ってきた。3月10日の記者会見の様子を見た保守派コラムニスト、ペギー・ヌーナン氏は米ウォール・ストリート・ジャーナル(3月13日付け)のコラムでこう書いている。
「ヒラリーの目はうつろで、質問する記者とアイ・コンタクトすら取らなかった。国務長官がメールを公私混同すること自体、スキャンダルなことは皆知っている。ヒラリーにはそのことすら他人から問題にされたくないだけのだ。…彼女には戦闘に赴くハングリー精神が微塵もない。戦いに疲れたようにすら見える。…たぶん、私たちはヒラリーの大統領選挙に向けたキャンペーンの終わりの始まりを見たのかもしれない」。
(”Hillary Seems Tired, Not Hungry” Peggy Noonan, Wall Street Journal, 3/13/2015)
ヌーナン氏は、ロナルド・レーガン第40代大統領のスピーチライターなどを経て政治、宗教、文化に関する著書、論文を書きまくっている女性論客だ。
Andy Chang 記事
ヒラリー・クリントン元国務長官が公務通信に彼女の個人のメールアドレスを使用していたことが問題化したので、ヒラリーは3月10日、ニューヨークで記者会見を開いて釈明した。
ヒラリーは2016年の大統領選挙で民主党の最有力候補とされていたが、このスキャンダルで違法行為を究明されることになったので、たとえ出馬しても当選は無理と言われている。
ヒラリードットコム・ゲート、またはイーメール・ゲートと呼ばれている。ヒラリーは記者会見で問題の鎮静化を図ろうとしたが、その逆にパンドラの箱を開けてしまった感がある。
アメリカ政府の規定では、公務執行中は公務用のメールアドレスを使うことが義務付けられているが、ヒラリーが国務長官に就任した2009年にはまだ規定がなかったという。
しかし規定した後もヒラリーは規定を無視して私用スマホで個人メルアドを使用していたことが去年8月に発覚した。ヒラリーは今年1月になってからようやく5万5千通のメールのコピーを提出した。しかもヒラリーは一般のサーバーでなく、クリントン家の自宅サーバーを使用していた。
- ヒラリーの記者会見で述べたウソ
記者会見でヒラリーは次のような4点の説明をした。
(1)国務長官に就任した時に、公務用と私用のスマートフォン(スマホ)、二つのスマホは面倒だから、一つに絞って私用スマホを使うことにした。当時はこれが許されていた。
(2)私用スマホから発信したメールは受信者の公用アドレスに送信したので、受信者は規定に従って政府に提出され保存された。
(3)引退後、政府は国務長官に在任中のメールの「コピーの」提出を求めた。私は要求に従い55000通のコピーを提出した。しかし、プライベートなメール、例えば娘の結婚式などのメールは提出せず、「消去してしまった」。
(4)更に私は、国務省に提出したメールすべてを公開するよう要求した。私用スマホで国家機密を送信したことはなかった。
この4つの声明はみんな嘘の塊である。
(1)ヒラリーは「公用と私用の二つのスマホは面倒だ」と言ったが、実際にはiPhone、Blackberry、iPad二個の計4つの私用スマホを使っていた。更に彼女はヒラリーだけでなく別のメルアドを使っていた可能性もあると言われる。
(2)政府の規定ではメールの提出を義務付けられていたが、受信者側が規定に従って提出したのに、彼女だけが規定に反して提出しなかった。しかもヒラリーは2012年に国務長官の通達として公務員の私用スマホを禁止しただけでなく、私用スマホを使った直属部下の駐ケニヤ大使を免職処分にしたのである。部下に対して法規に従えと命令し、本人は法を犯したのである。
(3)政府がメール提出を求めたとき、彼女は55000通のメールを「紙にコピーして」提出した。紙に印刷されたメールでは違法行為があったかどうかの調査はできない。メールの提出は電子メールのコピーでなければならない。
また、彼女はプライベートのメールを消去したと説明したが、彼女には公私の「判断する権利」はない。
「不都合メール」を消去した疑いが残る。提出しなかったメールを消去する権利はない。証拠隠滅である。しかもヒラリーは自宅サーバーの提出を拒否した。
オバマ政権は2011年に二つの行政命令を出している。一つ目は公務員の私用スマホの私用を禁止したこと、二つ目は公務メールをすべて政府が保存することである。2009年の就任当時は私用スマホが「許されていた」としても、2011年の命令に従わなかったのは違法行為である。しかも2012年には本人が部下に通達を出している。
- AP通信社が国務省を告訴
記者会見の翌日11日、AP通信は米国の国務省を告訴すると発表した。AP通信はアメリカの情報公開の自由(Freedom of Information Act)でヒラリー在任中のメール提供を国務省に申請していたが、国務省はAP通信の要求を数年間放置したままだった。だからAP通信は遂に国務省を告訴することにしたという。
AP通信だけでなく、国民が最も知りたいことはベンガジ事件と呼ばれるヒラリーの部下だった駐リビア大使ほか三人がリビアのベンガジ市でテロ攻撃を受けて死亡した事件の詳細である。テロ攻撃が始まった際にヒラリーとオバマはホワイトハウスで攻撃の消息一切を聞きとっていたが、オバマは救援隊を派遣しなかった。そして四人の死亡が確認された後もベンガジ事件をテロ行為ではなく、ある男のビデオに抗議した事件だったと強弁したのである。
ベンガジ事件の調査委員会の主任・トレイ・ガウディ国会議員は、事件当時のメールと自宅サーバーの提出を要求している。
- クリントンスキャンダルの多いこと
クリントンのスキャンダルは私用スマホの使用やメール消去などの一か月ほど前から外国献金問題が問題化していた。ワシントンポストの報道によると、クリントン基金会(ビル、ヒラリー、チェルシーの基金会)が2001年から今日までに20億ドル以上の献金を集めたことを素っ破抜いたが、この基金会は多くの外国の献金を受け取っていた。
ヒラリーが2009年に国務長官に就任し、基金会はヒラリーが政府の要職に就いたので外国の献金を断ると通達したが、2014年にヒラリーが退職すると同年12月には外国にヒラリーが公務を引退したので再び献金を受け付けると通達したと言う。
報道によるとサウジアラビアの献金は1000万~2500万ドル、アラブ酋長連合国は100万~500万ドル、このほかにカタール、アルゼンチン、オーストラリアなども献金リストに入っている。
ヒラリーは大統領選挙に出馬すると言われ、国内国外でも彼女がアメリカ大統領になる可能性を報じている。しかし、たとえ当選した後に外国献金を返還したとしても献金の恩情は残る。大統領が外国の献金を受けたら政治にどんな影響を与えるか。彼女に大統領の野心があったら初めから外国献金を断るべきだった。それなのに引退したから再び献金を受け付けると言いだしたとは呆れる。
- ウオーターゲートとヒラリーゲート
アメリカのメディアは民主党贔屓で、ヒラリーやビル・クリントンのスキャンダルの報道を避けてきたが、記者会見後は三大テレビが少しだけ報道するようになった。フォックスニュースは共和党系でベンガジ事件やヒラリー献金問題などを追及していたが、AP通信の告訴で今後はスキャンダル報道がエスカレートすると予想される。
民主党員はヒラリーの「消極的支持」が多く、やがて問題が沈静化して彼女の立候補に影響を及ぼさないことを願っている。だが彼女が本当に立候補すれば共和党候補にとっては願ってもない有利な選挙となるであろう。
ウオーターゲート事件の後、政府がらみのスキャンダルはみんな何とかゲートと呼ばれるようになったが、ヒラリーのメール消去は、ニクソンテープの消去にソックリである。ニクソンはウオーターゲート事件の介入を否定し続けていたが、ホワイトハウスでは常時録音が設置されていたことがわかり、国会がテープの提出を求めた。
するとニクソンは録音テープをタイプした文書を提出し、おまけに秘書が録音テープを18分ほど「間違って消去した」と発表したので、一挙にニクソン罷免問題、ニクソン辞職に発展したのだった。
ヒラリーの個人メールのタイプと部分消去は、ニクソンテープとそっくりである。スキャンダルは始まったばかり、ヒラリードットコム・ゲートはどんどんエスカレートするだろう。
3/22ケント・ギルバートブログ『外務省へのアドバイス(二か国語)』について
ケントの言うように外務省のHPに載せた「尖閣の1969年発行の中国の地図が日本領になっている」のを、日本語だけでなく、各国語に翻訳して、世界の大使館でそれをプリントして各国政府に説明するよう働き掛けるようにするのが良いでしょう。如何に中・韓が嘘吐き国家と言うのを世界に知らしめるチャンスです。慰安婦もデッチ上げ、南京虐殺も捏造と言うのを事実をもとに反論していくべきです。
外務省のHPの「資料コーナー」の「尖閣諸島に関する資料」の中の「尖閣諸島について 平成27年3月16日更新」PDFの21ページに載せていますが、探すのが大変。これでは日本人でも見つけるのが難しいでしょう。腰が引けている感じです。これではまともな交渉は出来ません。トピックスとしてトップページに載せるくらいしないと。
本件ケントの言うように外務省に意見提言としてHPから送付しました。そんなに難しくありませんから、意見送付してみては如何でしょうか?
ケントの主張で「言えば失脚間違いなしだからです。王外相は家族が人質なのかも知れません。」と言う部分は英文にはありません。でも中国では家族が人質になるのは当り前です。中国の「国防動員法」で有事には在日中国人は中国共産党の指示に従わなければ家族が悲惨な目に遭うというのは充分理解しています。テロには注意しないといけません。
ヘンリー・ストークス(フィナンシアルタイムズ、タイムズ、NYタイムズ記者、三島由紀夫の友人)の『英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄』を是非読んでください。如何に戦勝国が歴史を改竄したかが分かります。下記のように残念ながらアメリカでこの本を英文で発行する出版社は現れてないようですが。せめて多くの日本人が真実に目覚めんことを。
加瀬英明氏によれば
「ニューヨーク・タイムズ、ロンドン・タイムズ、ファイナンシャル・タイムズの日本支局長を歴任した、ヘンリー・S・ストークス氏の著書『連合国戦勝史観の虚妄』(祥伝社新書)という良書が、一昨年12月に出版されて、10万部以上売れるベストになっている。
本書は、日本は先の大戦を自衛のために戦い、アジアを西洋の植民地支配から解放したが、侵略したのではない、日本は「アジアの光」だった、東京裁判は不正な復讐劇だった、“南京大虐殺”は中国のプロパガンダにすぎない、慰安婦は売春婦で、性奴隷ではなかったなどと、説いている。
ところが、本書を原文で出版しようとしても、尻込みするアメリカの出版社が多い。
日本で英語の本を出版して、アメリカ全国の書店に唯一つ配給していた、講談社インターナショナルは経営が行き詰まって、昨年春に解散を強いられてしまった。これでも、日本は国際大国といえるのだろうか。」
内容
岸田文雄外務大臣と中華人民共和国(PRC)の王毅外相との会談が開かれましたが、王外相は相変わらず日本の「歴史認識」に関する話を持ち出したようです。私自身も日本の歴史認識について不満を持っているということは、以前、夕刊フジの連載「ニッポンの新常識」第2回に書いた通りです。
When talks were held between Foreign Minister Fumio Kishida and the Peoples Republic of China (PRC) Foreign Minister O Ki, Foreign Minister O as usual brought up the issue of “understanding of history.” I myself have some issues with the Japanese perception of their own history as I wrote in the second article in my series “Common Knowledge Revisited” presently running in the Fuji Evening News.
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150212/dms1502121550003-n1.htm
日本は日清戦争前後から現在までの、中国大陸や朝鮮半島との関わりについて、史実に基づいた歴史認識を、世界に向けてはっきり主張すべきだと思います。ついでに、PRCと韓国の国内の歴史についても、彼ら及び世界に向けて教えた方が良いでしょう。何故なら、PRCと韓国の両国は、歴史認識に関する重大な欠点を持っているからです。
I think that Japan should clearly state to the world its understanding, based on historical facts, of the relationship it had with continental China and the Korean Peninsula since the Sino-Japanese War. At the same time, I think they should also tell the world as well as PRC and Korea the domestic history of these two countries. The reason is because both PRC and Korea have serious flaws in their understanding of history.
http://matome.naver.jp/odai/2141901026094268401/2141901453995324703
PRCは建国直後の1950年代から、母国語の記述に用いる漢字を「簡体字」と呼ばれる簡略な文字に変更しました。同様に韓国は、建国後、日韓併合時代に使っていた漢字ハングル混じり文という便利な表記方式を捨てて、固有名詞をのぞけば表音文字のハングルだけにしました。
After the establishment of the PRC in the 1950s, the characters used to write its mother tongue were changed to simplified Chinese characters. Likewise, after its establishment, Korea discarded the method of writing which mixed Chinese characters with Hangul, and except for proper nouns, adopted the Hangul phonetic system exclusively.
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E5%B0%82%E7%94%A8%E6%96%87%E3%81%A8%E6%BC%A2%E5%AD%97%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%AB%E6%B7%B7%E3%81%98%E3%82%8A%E6%96%87
その結果、戦後教育を受けたこの二か国の国民の大半は、70年前の母国語の文書を読めません。その上、両国の指導者は、世界中に嘘を吐いても平気なことからも分かるように、自国民に嘘の歴史を教えることに全くためらいがありません。だからPRCと韓国の国民は外国語を学ばない限り、歴史の真実を知ることができないのです。
As a result, a large portion of the population educated after the war are unable to read their mother tongue further back than 70 years ago. In addition, the leaders of both countries, as can be seen by the fact that they coolly lie about their history to their own people, have no compunction whatsoever about teaching lies about their own history. Thus, unless the people of PRC or Korea learn a foreign language, they cannot hear the truth.
これは一種の愚民化政策であり、両国とも見事な成果を収めています。王毅外相や朴槿惠大統領が、しきりに「歴史認識」と叫ぶのは、戦前・戦中・戦後の歴史的事実について、新聞や書籍を読むだけで検証可能な日本人に「歴史の真実を教えて下さい」というSOSだと捉えることもできます。これはもちろん皮肉です。
This is one form of a policy to keep the masses uninformed, and both countries have been very successful at it. The fact that Foreign Minister O Ki and President Park Geun-hye incessantly harp about the “understanding of history” can be interpreted as an SOS signal directed to the Japanese, who are able to verify facts by reading books and newspapers, asking them to “teach the historical truth.” But of course I am saying this sarcastically.
王外相と朴大統領の極端に反日的な態度は、PRCの習近平国家主席に対して、「王様、あなたは裸です」と正直に言えない裏返しかも知れません。言えば失脚間違いなしだからです。王外相は家族が人質なのかも知れません。こっちは半分マジです。
The extreme anti-Japanese stance taken by Foreign Minister O and President Park may be a backhanded way of saying to Chinese President Xi Jinping what they cannot express straightforwardly, namely “The Emperor is naked.” I am at least half serious on this point.
日本にもPRCや韓国に対して、歴史的事実を主張せず、媚びへつらうだけの政治家や外交官がいますが、私は彼らのことを、金(カネ)もしくはハニートラップによって操られているパペットだと見ています。そうでないなら、近現代史の資料を十分に読んでいないか、読んでも意味を理解できないBAKAとしか考えられません。
There are some obsequious politicians and diplomats in Japan who cannot advocate historical facts to the PRC or Korea, but I look at these people as puppets manipulated by money or a honey trap. If that is not the case, then we are left to believe that either they are not sufficiently reading materials on contemporary history, or else they are fools who cannot understand the meaning of what they are reading.
先日、外務省が尖閣諸島に関する1969年PRC作成の地図をホームページに載せた件は非常に良かったです。それに加えて以下のような歴史的事実を、中国語、韓国語、英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語などに翻訳して「日本国の歴史認識」として、外務省のホームページに掲載してはいかがでしょうか。
Just the other day the Foreign Ministry took the welcome step of publishing on its home page a map concerning the Senkaku Islands prepared by the PRC in 1969. I suggest that they also translate the following materials to Chinese, Korea, English, French, German, Spanish and Portuguese and post them on the Foreign Ministry’s home page.
1、中華人民共和国(PRC)の建国は、大東亜戦争を含む第二次世界大戦が終結した1945年の4年後、1949年10月であること。
- The fact that the People’s Republic of China (PRC) was established in October 1949, four years after the war ended in 1945.
2、終戦時に存在しないPRCという国家は、第二次世界大戦に参加することが不可能であり、したがってPRCが「戦勝国」であるはずがないこと。
- The fact that it is impossible for a country called the PRC which did not exist at the end of the war to have participated in the Second World War, and therefore for the PRC to be considered one of the victorious states.
3、中国大陸で日本軍が「戦争」をしていたのは、蒋介石率いる中華民国(Republic Of China)の正規軍である国民党軍であること。
- The army fighting the Japanese on the Chinese continent was the Kuomintang military, the official forces of the Republic of China, led by Chiang Kai-shek.
4、大戦中に毛沢東率いる現在の中国共産党が戦っていた相手は、基本的に国民党軍だから、それは「内戦」に過ぎないこと。
- During the war, what is now the Chinese Communist Party then led by Mao Tse-tung basically fought against the Kuomintang in what was nothing more than a civil war.
5、大戦中に共産党軍が日本軍に戦いを挑んでも、それは国の正規軍同士の戦いではないから国際法上「戦争」でななく、日本軍に対する「テロ行為」に過ぎないこと。
- The fact that even if when the Communist Party army engaged the Japanese army during the World War, since it was not the official army of the country, according to international law this was not a “war” but an act of terrorism against the Japanese army.
6、国連憲章には今も、戦勝国たる安保理常任理事国は中華民国(ROC)であると明記してあり、1971年に国連に加盟したPRCを常任理事国扱いしているのは、他の国連加盟国による「妥協」と「お情け」によるものであること。
- The fact that to this day in the U.N. Charter the victorious country clearly listed as holding an official permanent seat on the U.N. Security Council is the Republic of China (ROC), and the fact that the PRC, which joined the U.N. in 1971, is treated as a permanent member of the Security Council is a result of the compromise and concessions of other members of the United Nations.
7、毛沢東が行った「大躍進政策」や「文化大革命」などの愚策によって、数千万人に及ぶPRC国民が餓死したり虐殺された事実を日本は知っているが、今まで「お情け」で何も言わなかったこと。
- The fact that Japan is aware of the fact that tens of millions of Chinese and PRC citizens starved or were massacred as part of Mao Tse-tung’s failed policies of “The Great Leap Forward” and “”The Cultural Revolution,” and that as a concession Japan has not brought these issues up in the past.
8、PRCは東トルキスタン(ウイグル)、チベット等を武力侵攻し、数百万人単位の人々を虐殺し、それを現在も続けていることは世界中が知っているが、PRCの内部崩壊を避けるため、今まで声高には非難しなかったこと。
- The fact that the whole world knows that the PRC forcefully invaded East Turkistan (Uighur) and Tibet and massacred millions of people and that this continues, and that to prevent a collapse of the PRC, they have engaged only in muted criticism.
9、世界最悪のファシズムはPRCという国で行われていることを日本は知っていること。
- The fact that Japan knows that the worst fascism in the world is practiced by the PRC.
PRCと韓国こそが認識すべき歴史について書き始めたら、本当にキリが無いので、今日はこれくらいでやめます。
If I were to write out all the history which the PRC and Korea need to recognize, there would be no end to it, so I will stop here for today.
皆さんも外務省がホームページに掲載すべきだと考える「歴史認識」があれば、コメント欄に書き込んでみて下さい。
If you have any other things which you think should be listed on the Foreign Ministry’s home page as items of “historical understanding,” please feel free to write them in your comments below.
3/19・20日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「反米民族主義」が復活する韓国 「駐韓米大使襲撃事件」を木村幹教授に聞く』記事について
「歴史は繰り返す」と言いますが、日清・日露戦争あたりの朝鮮半島を彷彿とさせます。清・露・日の大国に挟まれ、アッチに付いたりコッチに付いたり。事大主義の典型です。今は米・中・露の3ケ国で韓国の手足を引っ張り合っている構図です。でも自業自得でしょう。蝙蝠外交は相手国総てから信頼されないという事が分からない民族性なので。安保は米国、経済は中国とか切り離して考えることが如何に危険か分かっていない。北朝鮮と戦争に成ったら、中国と経済がそのままという事はないと思います。中国としても北朝鮮の同盟を無視して、韓国を支援はできません。勿論北朝鮮は石油がなく、継戦能力はありませんが、ロシアが支援すれば別となります。ましてや北は核保有国、ロシアがウクライナに核使用の可能性を明言した通り、北も明言するかも知れません。韓国はそれを防ぐためにもTHAADの配備が必要なのにそれが分かっていません。
AIIB参加、THAAD配備でお茶を濁そうとしても米国が許すかどうか。米国も頭が悪いというか、中華・小中華の民族性が全然分かっていません。「裏切り」は常套手段です。THAAD配備しても軍事機密が中国に筒抜けになる可能性もあります。アチソン声明のように朝鮮半島から身を引き、台湾と日本で中国の軍事膨張を食い止めるようにした方が良いと思います。
記事
「反日の日」に反米デモ
—木村先生は3月5日のリッパート(Mark W. Lippert)米大使襲撃事件の当日、ソウルにおられました。韓国の空気はどんなものでしたか。
木村:まず、その4日前にソウルで繰り広げられた「3・1節」のデモに注目すべきと思います。「反米」が全面に出ていたのです。これには正直、驚きました。
今回のソウル訪問の目的の1つは、例年行われるこのデモを観察することでした。米大使襲撃事件を考えるために、韓国の変化をくっきりと映したこのデモの話からいたします。
鈴置:1919年3月1日に起きた、日本からの独立運動が「3・1運動」。それをたたえるデモですね。この日は韓国では「反日記念日」です。
私がソウルに住んでいたのは4半世紀前の話ですが、日本人はこの日は外出しないよう注意を受けたものです。一方、米国は日本から韓国を救ってくれた恩人。感謝されるべき日だったのですが……。
木村:だから、このデモで「反米」のメッセージが強く打ち出されたことに驚いたのです。今年はソウル大学医学部近くのマロニエ公園から、日本大使館そばの国税庁までデモ行進があるというので取材に行きました。
集まったのは300人ほど。韓国の進歩派、分かりやすく言えば左派が組織したデモでした。しかもその中で、かなり過激な路線をとる主思派(チュサパ)――北朝鮮の主導原理である主体思想を信奉する流れのグループです。
デモの先頭に掲げられたのは「反日の日」だけあって、さすがに日本を批判する「慰安婦」関連のプラカードでした。しかし次に出てきたのは「GSOMIA反対」。ここで反米色が一気に強まりました。
朴と安倍を操るオバマ
—GSOMIAとは?
鈴置:2012年6月に日韓の間で結びかけたけれど、韓国が当日になって署名をドタキャンした軍事情報保護協定のことです。日韓の軍事情報交換は日米韓の「中国包囲網」につながると懸念した中国が、韓国に圧力をかけた結果でした。
結局、「情報の交換は北朝鮮の核・ミサイルに限り、かつ米国経由とする」と矮小化したうえ、覚書に格下げして2014年12月にようやく実現しました。中国の顔色を見る韓国に配慮して「中国包囲網ではない」形をとったのです。
木村:もちろん、GSOMIAも覚書も米国が勧進元です。だからデモ隊はこれをことさらに取り上げることで「危険な日本との軍事協力は、実は裏でワシントンが仕切っているのだ」と訴え、米国に対する拒否感を盛り上げたのです。
それを分かりやすく示すためでしょう、オバマ(Barack Obama)大統領のお面をかぶった参加者が、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と安倍晋三首相のお面をかぶった2人にヒモをつけて後ろから操ってみせていました。
鈴置:米大使襲撃犯が訴えた「米国主導による日韓癒着」と全く同じ主張ですね。日韓関係の悪化に悩むオバマ大統領が見たら「そんな風に操れたらどんなにいいことか」と苦笑したでしょうけれど。
“習近平”もデモに登場
木村:全くその通りです。デモ隊の話に戻りますと「GSOMIA」の次は「NO! THAAD(サード)」が登場しました。新聞用語で言えば「終末高高度防衛ミサイル」です。THAADなど知らない人も多いからでしょう、紙で作ったミサイルをかぶった人がいました。
デモの隊列もここまで後ろの方に来ると、先頭グループが訴えていた慰安婦問題はもちろん「日本」そのものがどこかにすっとんでしまっています。つまり「米中どちら側の言うことを聞くのか」と国民に迫るデモになっているわけですね。
米国は今、ミサイル防衛(MD)の一環として在韓米軍基地にTHAADを配備しようとしています。
一方、これを食い止めようと中国は今や、公式的にも反対している。THAADは名目こそ北朝鮮のミサイルに備えるものだけど、実際には中国の核戦力への防御手段である。そんな中国に対する敵対行為は容赦しない――というわけです。
そして、それを裏打ちする形で、デモ隊の列の最後の方に、習近平のお面をかぶった人が登場しました。そして“習近平”の手にはプラカードが。
書かれた文句は「中国から貿易黒字を稼いでいるのに、どうしてTHAADを配備するのか」――。”習近平”は「米中どちらをとるのか」と、改めて韓国人に迫ったのです。
矛先は日本から米国に
鈴置:彼らのシュプレヒコールは?
木村:最も多かったのが「戦争反対!」です。誰にでも受け入れられやすいからでしょう。
鈴置:韓国メディアによると、米大使襲撃犯も犯行直後にこのスローガンを叫んでいました。米韓合同演習の最中で、これが北朝鮮との戦争につながると中止を求めてもいた。
木村:「戦争反対!」を除くとシュプレヒコールの順番は、プラカードの並べ方と同じで「慰安婦」→「GISOMIA」→「THAAD」でした。
鈴置:韓国の民族主義の矛先が、日本から米国に向き始めたということですね。少なくとも、そうさせようと狙う勢力がいるということですね。
活動家育てる巧みなデモ
木村:ええ、参加者に対する教育効果も狙っているのでしょう。「戦争反対!」とか「安倍政権は慰安婦に謝罪せよ」とか、若い学生にも共感できるスローガンを叫ばせる。
そのうちに、もともとは関心の薄かった「GSOMIA」や「THAAD」にも反対させ、無意識のうちに反米感情を彼らに植え付ける仕掛けと思います。この辺りは韓国の運動体のデモはなかなか巧みです。
こうした「反米」デモは韓国ではこの5年ほどすっかりなりを潜めていました。それが今回、あまりにも露骨な形で登場した――しかも、すっかりノンポリ化しているはずの大学生を動員して――です。
韓国で「反米」が復活しつつあるのです。まず、米国によって北朝鮮や中国との対立や戦争に巻き込まれる――との恐れから。そして「格差」です。朴槿恵政権が新自由主義的な経済政策をとっていることもあって、それには火が付きやすい。
鈴置:若者の失業率の高さは日本とは比べものにならない。それはいっこうに改善しませんし。
木村:ただ「韓米同盟破棄」というスローガンは私が聞いた限りはなかった。そこまで一気にいくと、普通の韓国人は引いてしまうからと思います。
このデモは、要は「今のままだと中国との関係も取り返しがつかないほどに悪化するぞ。韓米同盟の危険性を見つめよう」――との呼び掛けでした。そしてこれこそ、デモを組織した勢力が一番言いたいことなのです。
朴政権も「民族主義」の標的に
—参加者は素人だった、ということですか?
木村:要所は活動家が固めていましたが、多くは”初心者”でした。例えばプラカードの持ち方がなっていない。道行く人に見せるのではなく自分たちの方に向けていたりしました。
デモを指揮する活動家が、交通整理の警官ともめ事を起こした時には、”初心者”から「ムソゥオー」との声があがりました。日本語に訳せば「怖わー」です。
普通の学生が過半だったと言っていいと思います。大学ごとに数10人のグループで参加していたようですが、彼らの話を聞くと「慰安婦問題に関心があって参加した人」が目立ちました。
こうしてみると「慰安婦」を主たる材料に「反日民族主義」的な政策を打ち出してきた朴槿恵政権が、逆にこの「反日民族主義」の標的になりつつあることも分かります。
学生らは「慰安婦」を入り口に運動に入る。しかし、この問題を解決できない、あるいは米国の圧力もあって一部では日本に協力せざるを得ない現政権を見て、批判を強める。そして運動は次第に「反朴槿恵」的な性格を濃くしていく――という流れです。
今後、朴槿恵大統領が「慰安婦」で少しでも日本に譲歩したと受け止められるような動きをしたら、こうした民族主義者は黙っていないでしょう。運動家は好機到来とばかりに、それを利用することでしょう。
鈴置:デモに参加した学生らは、まだきっちりと組織化はされていないのですね。
高齢化する保守層
木村:ええ。大学から参加した人に聞くと、お互いの関係はまだ「デモ前に数回、集会で会ったことがある」くらいでした。組織としては、これから育てていく感じでした。
韓国は3月が新学期ですが、入学したばかりの学生もいました。つまり、新入生は正式に入学する前から、このデモに勧誘されていたわけです。
2014年12月に国会内では最左派の統合進歩党が解散させられたばかりです。北朝鮮の指示を受け、韓国の政体を暴力で破壊しようとする団体と憲法裁判所に認定されたからです。
こうした北朝鮮に近い組織を再建するためにも「3・1節デモ」が使われている側面があると思います。
鈴置:昔、この日は「反日」を叫ぶ保守派が活動の中軸だったのですが……。
木村:そこです、時代の変化を感じさせたのは。今年は、保守派がいったんは申請したデモを取りやめたそうです。理由は「主催者の体調不良」。
デモに参加するような積極的な保守層は高齢化が進み、まだ寒い3月初めのソウルの街頭に出るのはつらかったのかもしれません。
鈴置:300人のデモは数としては少ない気がします。1987年の民主化闘争の頃は、数10万人規模のデモもしばしばありました。
懐かしいスローガン、再び
木村:あの頃の韓国は政治の季節でしたからね。学生はデモに参加するのが当たり前だった時代です。
しかし今は「ノンポリの時代」です。というのに突然「3・1節デモ」が最近にない盛り上がりを見せた。反日デモで参加者が数百人の単位になったのは、久しぶりのことです。
注目すべきは「反日の皮をかぶった反米」が顔をのぞかせたことであり、突然に盛り上がった反米の空気の中で米大使襲撃事件が発生したことです。これを見落としてはなりません。
鈴置:1980年代に日本で叫ばれたスローガン「日米『韓』3角軍事同盟反対」を思い出します。1983年に中曽根康弘首相が日本の首相として初訪韓し、全斗煥(チョン・ドファン)大統領と会談しました。
その後、日本では北朝鮮の意向を受けた団体が「米国が日本と韓国を癒着させ、戦争の道に押しやっている」と主張しました。おりしも米国はレーガン(Ronald Reagan)大統領の時代で、共産主義との対決姿勢を鮮明にしていました。
勤務地だった大阪市東部の歩道橋の上に「3角同盟反対」の横断幕がかかっていたのを今でも覚えています。彼らは韓国を国とは認めないので「韓」とカッコでくくり、「3国」ではなく「3角」としたのです。
木村:同じ時期に韓国でも、日本以上に激しい「反日反米」運動が盛り上がりました。今回の「反日反米」運動はまだ、立ち上がったばかり。でも、あの時代の再来なのです。
我々のように長く韓国を見ている人間にとっては「懐かしいスローガン」ですが、今の韓国の若者にとっては新鮮に響くのかもしれません。実際、デモに参加した学生たちはとても楽しそうでした。
「ここはイラクなのか?」
鈴置:韓国の保守も「突然に復活した反米」に警戒を強めています。だから、米大使襲撃事件後、彼らは「米韓同盟強化」を大声で叫ぶようになったのでしょう(「『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。
さっそく柳根一(リュー・グンイル)という保守の長老が筆をとりました。襲撃事件当日の3月5日に趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに「『3流エセ民族主義者』の蛮行を糾弾する」(韓国語)を掲載しました。
柳根一氏は朝鮮日報の論説で鳴らした、韓国では知らぬ人のいない記者です。記事からは韓国保守の焦りがよく分かります。要旨は以下です。
- 米国大使へのテロが起きるこの地は、イラクかアフガニスタンなのか? 第3世界の近代民族主義は、もともと植民主義、帝国主義に対するアンチ・テーゼから生まれた。
- 韓国社会の一角にはいまだ、韓国を帝国主義者が支配する植民地、あるいは半植民地、貧農国家と見なし、それを支える韓米同盟を民族、民衆、統一、平和の敵と敵視する時代錯誤の「3流のエセ民族主義」が残っている。
- 1980年代の新軍部(全斗煥政権)時代に、この「3流のエセ民族主義」が生まれ、頂点に達した。多くの国民は(民族主義を唱え活動する)学生に対し心のどこかで「彼らはそれなりの理由があって怒っているのだから、あれだけやるのも……」と考えもした。
- だが、今日の大韓民国がいけないというのなら、ほかに何があるというのか。大韓民国が植民地というなら、休線ラインの北側は何だというのか。
- 今回の米大使へのテロで、犯人とその同志らは宣伝戦で相当の得点を稼いだ。韓国があたかも反米運動の場であるかのように世界に宣伝した。米国国民の情緒の片隅に「そんな国となぜ同盟を結ぶのか」と反感を起こさせないとも限らない。
木村:保守派の危機感がよく現れた記事ですね。ただ、北朝鮮の影響を大きく見過ぎてはいけないと思います。重要なのは北朝鮮の動向以上に、「反米」が受け入れられやすい環境が韓国に生まれていることなのですから。
対韓融和派を傷つけた
—大使襲撃事件により、米国は韓国への姿勢を変えるでしょうか?
木村:短期的には大きな影響はないでしょう。米国は1人の跳ね返りの犯行に怒って、韓国への政策を変えるほど「子供」ではありません。
でも構造的、あるいは長期的には影響が出るでしょう。犯人は大使、それも「米中間で板挟みになりがちな韓国の立場にも配慮すべきだ」と説いていた対韓融和派の大使を傷つけてしまったのです。この結果、ワシントンで対韓政策を決める際の勢力バランスが変わる可能性があります。
朝鮮半島には関心が薄かったオバマ(Barack Obama)大統領も、この事件で朝鮮半島情勢、とりわけ韓国社会の雰囲気の変化に注目したことでしょう。
「3・1節デモ」がいみじくも示したように、韓国の「反日」は「反米民族主義」をカモフラージュする側面が強い。それに気がついた米国人も多いと思います(「『反米民族主義』が復活する韓国」参照)。
実際、米専門家の間では事件前から懸念が高まっていて、生え抜きの外交官であるシャーマン(Wendy R. Sherman)国務次官が韓国に対し「安易な民族主義の利用はやめるべきだ。そうでないと外交を誤ることになる」と警告したばかりでした。
被害者ぶるな
鈴置:米国はこの事件をテコにして、朴槿恵(パク・クンヘ)政権の「二股外交」や「離米従中」をやめさせるつもりでしょう。
3月8日にリッパート(Mark W. Lippert)大使が入院先で語った「これは米国への攻撃だ。米韓同盟を一層強固にすべきだ」 との発言がそれを物語っています。
以下は私の見立てです。まず、米大使は「米国への攻撃だ」という言葉で「お前ら韓国人は被害者ではなく、加害者だろう。責任転嫁するんじゃない!」と叱った。
韓国紙が社説で「大韓民国へのテロだ」などと自分も被害者になりすまそうとしていたからです(「『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。
さらに米大使は「米韓同盟を強固に」という文言で「米韓同盟を維持したいなら、二股外交をやめろ。終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)の配備ぐらい、さっさとのんだらどうだ」と要求した――と読めるのです。
韓国人もその辺の感じはよく分かっている。日本人に向かっては「雨降って地固まる」などと強がってみせます。でも内心は、米国の顔色を必死でうかがっています(「『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。
THAADで与党と青瓦台が対立
—被害者が言うならともかく、加害者側が「雨降って地固まる」というのも、すごい話ですね。
鈴置:そこが韓国人の韓国人たるところです。米国にすれば、逆手にとって「だったら地面を固めて見せろ。THAAD配備に直ちに賛成しろ」と突っ込めるわけですが。
木村:文字通り、大使襲撃事件が韓国にとって「中国側に行くのか、米国側に残るのか」の踏み絵となってしまいました。
保守の与党、セヌリ党執行部からは早速「米国のTHAAD韓国配備に賛成すべきだ」との声が上がりました。しかし朴槿恵政権はおいそれとのむわけにはいかない。
朴大統領は習近平主席から「配備を許すな」と釘を刺されているからです。3月15日の与党と政府の政策調整協議会で、この問題も話し合いましたが、結論は出ませんでした。
踏み絵を迫られたのは、政府や与党だけではありません。最大野党である新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表は3月13日、フィナンシャル・タイムズ(FT)とのインタビューで「在韓米軍の役割は統一後も維持されなければならない」と語りました。
THAADに関しては言及しなかったようですが、次期大統領選挙もにらんで「右」に翼を広げた格好です。THAAD配備に柔軟な態度を見せる伏線かもしれません。
始まった国論の分裂
鈴置:米大使襲撃事件の直後は「進歩派によるテロ」と批判され、一瞬はうろたえた左派ですが、反撃に出ました。
木村:左派からは「テロはよくないが、米韓軍事演習を減らせ」といった声も出てきました。
鈴置:左派系紙、ハンギョレの「韓国与党、従北世論つくりに続き、テロ防止法・サードまで推し進める」(3月9日、日本語版)や「米大使襲撃……それでも言うべきことは言おう」(3月13日、日本語版)がその象徴です。
木村:左派は反米色が濃く、総じてTHAAD配備に反対です。ただ、新政治民主連合は日本の民主党にも似て、様々のイデオロギーを持つ人が存在します。下手するとこの問題で分裂するかもしれない。
鈴置:それは保守も同じことですね。
木村:ええ、青瓦台(大統領府)と与党はさらに関係が悪化するかもしれません。韓国では国を挙げて「中国の言うことを聞くか、米国に頼るか」で国論の分裂が始まったのです。
中国も韓国を「金縛り」
鈴置:見逃せないのは中国の動きです。文在寅代表はFTと会見した3月13日に、邸国洪・駐韓中国大使とも会談しました。
大使から中国訪問の要請を受け「できるだけ早い時期に訪中したい」と答えています。文在寅代表が次の大統領選で勝つ可能性もある。そこで中国は「次期大統領」を取り込み、THAADなどでの「米国回帰」に今から歯止めをかける狙いでしょう。
米大使襲撃事件後、中国は形勢挽回に出ています。野党の代表だけではなく、韓国全体を金縛りにしようと動いているのです(「“4強”の動き」参照)。
| 米大使襲撃事件前後の“周辺4強”の動き(2015年) | |
| 2月23日 | 日韓の最後の2国間通貨スワップ枠(100億ドル)延長されず |
| 2月25日 | ロシアが「南北朝鮮への電力供給と、北の鉄道改修を推進」とロ朝ビジネス協議会で表明 |
| 2月27日 | シャーマン米国務次官「歴史認識により日中韓の協力が妨げられている」 |
| 3月1日 | 朴大統領「慰安婦は必ず解決すべき問題。日本の歴史教科書の歪曲で関係悪化」 |
| 3月2日 | 日本外務省、韓国に関するHPの記述から「自由と民主主義など基本的価値観を共有する」を削除 |
| 3月5日 | 韓国の反米民族主義者、リッパート駐韓米大使をナイフで襲撃、ほほに80針の傷負わせる |
| 3月8日 | リッパート駐韓米大使、入院先で「米国への攻撃だ。米韓同盟を一層強固にすべきだ」 |
| 3月8日 | 中国の王毅外相が中朝首脳会談の開催可能性を示唆と聯合ニュースが報道 |
| 3月12日 | 米韓連合司令部「THAAD韓国配備に向け候補地を非公式に調査済み」と公表 |
| 3月16日 | 訪韓した中国の劉建超外務次官補「THAAD配備に憂慮」「AIIBに参加を」 |
| 3月16日 | 中国、抗日戦争勝利70周年記念行事に朴大統領を招待 |
| 3月16日 | 訪韓した米国のラッセル国務次官補、襲われ負傷したリッパート駐韓米大使に面会 |
| 3月17日 | ラッセル米国務次官補「軍には北朝鮮の弾道弾の脅威に備えたシステムを考慮する責任」 |
3月8日に聯合ニュースが「中国外相 中朝首脳会談の開催可能性を示唆」(日本語)と報じました。この記事をよく読むと「示唆」とまで書くのは踏み込み過ぎと思います。
しかし韓国では「大使襲撃事件を機に米国回帰しそうな韓国に対し、中国が『それなら北朝鮮と関係改善するぞ』と脅してきた」と受け止められました。
例えば、朝鮮日報の社説「朝中関係改善を懸念、韓国外交に新たな試験台」(3月11日、韓国語)が、そう書いています。
AIIBは3月末が期限に
—中国が米国の無言の圧力を押し返すのに成功した、ということですか。
鈴置:いえいえどうして、中国の“反撃”に対しては米国も黙っていません。3月12日には、米韓連合司令部が「THAAD韓国配備に向け、候補地を非公式に調査済み」と公表しました。
板挟みに困惑した韓国に泣きつかれたためでしょう、これまで米国は「THAAD問題では韓国と話し合っていない」という公式見解をとっていました。
でも、この発表で「中国などは気にせず、さっさと配備を受け入れろ」と通告したも同然です。米韓連合司令部の副司令官は韓国人将官なのですから。
木村:韓国に突きつけられた踏み絵はTHAADだけではありません。聯合ニュース(日本語版)は「中国主導のインフラ投資銀行への参加 今月中に結論」と3月15日に報じました。
アジアインフラ投資銀行(AIIB)に関しては、米国からは「参加するな」と言われています。韓国はTHAAD同様に、決断を先送りしていました。
ところが最近、中国が「3月末までに加盟を決めないと創業メンバーに加われず、不利な状況に置かれるぞ」と“忠告”したと言われています。状況は急速に煮詰まっています。
米中がソウルで白兵戦
—ぐずぐずするな。「踏み絵」は3月末までに踏め、という中国の要求ですね。
鈴置:その通りです。韓国は「米中二股」を決め込み、THAADもAIIBに関しても曖昧な姿勢に終始してきました。
でも突然に「中国側に行くのか、米国側に残るのか」立場を決めざるを得なくなりました。米大使襲撃事件をきっかけに、一気に外交ゲームが加速した感じです。
THAADについて韓国が態度を決める締め切りを米国は設定していないようです。しかし、韓国内には「AIIBに参加し中国側に付くのなら、バランスをとってTHAADでは米国側の言うことを聞く――配備を容認すべきだ」との声もあります。AIIBにTHAADの問題が連動する可能性があるのです。
3月16日は象徴的な日になりました。米中双方の外交当局の高官がソウルで“激突”したのです。
訪韓した中国の劉建超外務次官補が同日、韓国政府に対し「THAAD配備に憂慮」と表明したうえ「AIIBに参加を」と要求しました。さらには2015年9月頃に開く、抗日戦争勝利70周年記念行事に朴槿恵大統領を招待しました。
一方、米国のラッセル(Daniel R. Russel)国務次官補は同日、ソウルに到着、リッパート駐韓米大使を見舞いました。そして翌17日に韓国外務省幹部と会談しました。
会談後、記者団に「軍には北朝鮮の弾道弾の脅威に備えたシステムを考慮する責任がある」と述べ、THAAD配備の必要性を訴えました。
そのうえで「まだ配備もしていない、理論上の安全保障のシステムに対し、第3国が大声を出すのはおかしな話だ」と中国を批判しました。ソウルを舞台に、米中の白兵戦が始まったのです。
背景にはロシア
木村:ロシアの動きも見逃せません。ロシアは朝鮮半島の取り込みに力を入れています。2月25日にロシアは「南北朝鮮への電力供給と、北の鉄道改修を推進する」と表明しています。
中国は米国だけではなく、ロシアも念頭に置いて動かねばならないのです。「中国外相が、中朝首脳会談を示唆」というのは韓国よりも、ロシアを意識した動きでしょう。下手すると、独占的だった北朝鮮への影響力をロシアに奪われますからね。
2014年から、ロシアは北朝鮮との関係を急速に深めてきました。中国との関係が悪化した北朝鮮には願ってもない話です。そしてロシアはこれをテコに韓国まで「釣り上げよう」としているかに見えます。
ロシアは5月に対独戦勝記念式典を開きます。南北朝鮮双方の首脳に招待状を送っています。ただ、ウクライナ問題でロシアと関係の悪化した米国は、韓国に参加しないよう求めている。
しかし朴槿恵大統領は、訪ロを簡単にあきらめられない。ロシアに行けば、金正恩第1書記と会談できるかもしれないからです。もし南北首脳会談を実現できれば、一気に人気を回復できる可能性が大です。
日米外して「大陸会議」
鈴置:朴槿恵大統領が5月の戦勝記念式典に参加するために訪ロすれば、中国が9月にも開催を計画している抗日戦争の戦勝70周年記念式典にも参加する可能性が高まります。
韓国はロシア以上に中国の言うことを聞かざるを得ないからです。でもそれは、中国と一緒に対日共同戦線を張ると受け止められるでしょう。日本とだけではなく、米国との関係もさらにおかしくなるかもしれません。
木村:ロシアからの圧力は、対中接近の格好の「言い訳」として使える――と韓国は考えているかもしれません。THAAD問題では、中国だけではなくロシアも韓国配備に反対している。ロシアも韓国の“米国べったり”には批判的なのです。
そこで韓国は米国に対し「我々が少々、米国と距離を置くのを理解してほしい。中国だけではなく、ロシアからも圧力が高まっているのです」と説明し得るわけです。
鈴置:確かに、韓国人だったらそんな言い訳を考えつきそうですね。でも、米国はますます怒るかもしれません。中国だけではなくロシアの言いなりにもなる――大陸側に完全に寝返る、ということを意味するからです。
これに関連、実に面白い記事を見つけました。中央日報の「北朝鮮は核保有…ドイツのような統一はない」(3月13日、日本語版)で、ロシア国立高等経済学院(HSE)のセルゲイ・カラガノフ教授が以下のように語っているのです。
- 南北両首脳が(対独戦勝記念式典への)招請に応じれば、実質的な会談をしなくても公式的な席で会えるため、ロシア・韓国・北朝鮮には対話の開始点になる。
- もし南北首脳が会談し、中国の習近平国家主席とプーチン大統領が会談に加われば、南北中露4者会談という新しいフォーマットも可能になる。
日米という海洋勢力を排除して、4カ国で「大陸会議」を作ろう、との呼びかけです。北と一緒に南も取り込むロシアの作戦がよく分かります。
「反米」に中国の影
—朝鮮半島を考える時に、ロシアを見落としていました。
鈴置:冷戦終結後は極東に関心を失ったかに見えたロシアが、このところ明確にカムバックしてきました。
ところで、前回の主要テーマとなった「突然盛り上がった韓国の反米民族主義」について、木村先生に伺います。
韓国の保守は、こうした“3流の民族主義”は北朝鮮が仕掛けたもの、と見なしがちです(「『反米民族主義』が復活する韓国」参照)。でも、中国が裏で糸を引いていても不思議ではないと思います。
木村:前回に紹介したデモなり運動団体が直接、中国につながっているとは思いません。デモを主導した勢力は北朝鮮にシンパシーを抱いていても、中国に対しては必ずしもそうした感情は持っていないからです。
むしろ中国は、彼らに「反米材料」を提供することで「上から目線で韓国を見る米国」への、韓国人の不満に火をつけることを狙っていると思います。
韓国に対する中国の働きかけに関しては、表面に出てくる動き以上に、間接的な仕掛けを観察することが重要です。巨大な中国を支配する共産党にとって、外国の世論への工作はお手のものですからね。

