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3/15日経 エコノミスト『全人代が描く未来、信用できるか』について

英国・エコノミスト紙も習近平の権力奪取は未完成と見ています。5ケ年計画も基礎となる数字が出鱈目なので画餅に帰すことは明らかです。昨年度のGDPがマイナス成長と言われる中、どうして本年6.5%の経済成長が可能なのか?中国社会はハリボテ社会です。政府・企業とも、大躍進や文革同様、スローガンだけで中味がありません。プロパガンダで敵を欺くやり方を好みます。

でも、キャメロンやオズボーンのように中国に膝を屈した感のある英国で厳しい意見を載せるのは大したものと思います。日本のメデイアも自民党政府の揚げ足取りばかりしているのでなく、たまにはエコノミストの記事でも読んで精神の立て直しを図ったらどうかと思われます。

中国は過重債務、過重投資と言われているのに、新たなインフラ投資をするのが分かりません。膨大な借金を抱え、誰が支払うのか?デフォルトを防ぐために増札するのでしょうけど、ハイパーインフレを引き起こすのでは。国民の怨嗟の的となります。うまく切り抜けられるか?切り抜ける方法がないため、外に敵を見出し、戦争を引き起こすかもしれません。日本の尖閣に上陸するかもしれません。そのときに日本国民は自衛隊の有難さと憲法9条では国を守れないことに気付くでしょう。憲法9条は、戦後すぐは米国の為、今は中国の為に存在しているのです。憲法改正を邪魔する人間は中国か朝鮮半島の手先と思って間違いありません。

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指導者というのは時折、すべてが順調だと主張しすぎる傾向にある。年に一度、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の代表者およそ3000人が北京に集い、共産党の指導部がすでに秘密裏に下した決断を形式的に承認する。李克強首相は3月5日の開幕に際し、中国は今年までに完了するよう定めた5年前の主な目標をすべて達成したと発表した。

■成長目標の実現、中央政府頼み

Xi in APRC

習国家主席が政治的支配を確立したかを判断するのは難しい(9日、北京)=ロイター

 国家計画を担う高官は全人代を取材する報道陣に、中国経済がハードランディングに見舞われることは「絶対にない」とも語った。全人代の常務委員会委員長は、政府は憲法(言論と集会の自由が明記されている)を完全に順守して行動すると述べ、習近平国家主席は代表団に向かって、有能で正直な官公吏が昇進すると語った。

 全人代のこのとことん明るい調子に納得する人はほとんどいないだろう。李氏は演説で、成長を下支えするために追加刺激策が近く打ち出されることを示唆し、商品市場はそれに反応して多少上向いた。だが、2010年代末までの中国の経済見通しに対する弱気心理は、依然、国内外に蔓延(まんえん)している。

 中国の指導者たち――かつて、長く、目覚ましい経済成長期を実現したことで広く称賛された人々――が今、景気が減速する中で四苦八苦しているとの認識が広がり、その弱気心理はいっそう悪化している。

 今年についていえば、李氏は国内総生産(GDP)成長率の具体的な目標を掲げる従来の慣行を巧みに避けた。代わりに6.5~7%という目標レンジを発表することで、自身に一定の弁解の余地を与えた。

 世界的な基準に照らすと、まずまずの成長率といえるだろう。中国にとっては、昨年と同程度になるはずだが、追加の刺激策なしで目標を達成するのは難しい。また、中国の近年の実績を見れば、景気刺激策は結局、無駄なプロジェクトと成り果て、一段と大きな不良債権の山をもたらし、経済の首を絞めかねない。

 李氏は、成長目標を達成するために、各地方政府が建設プロジェクトを行うより、むしろ中央政府の財政・金融政策により重点を置いていく意向をほのめかした。さらに、財政赤字がGDP比3%に達し、昨年の2.3%の目標より高くなること、通貨供給量(M2)の伸びの目標を13%増とし、昨年の12%を上回るとした。小幅な調整に聞こえるかもしれないが、少なくとも短期的には、成長率を押し上げる一助になるはずだ。金融政策はすでに緩和されている。今年1月、中国の銀行による新規融資額は2.51兆元(3850億ドル)にのぼり、単月としては過去最大を記録した。

■新5カ年計画、達成容易でなく

 長期展望はより気がかりだ。10日間の会期における全人代の責務の一つは、習氏が起草を指揮した中国の第13次5カ年計画を承認することだ。李氏は予想通り、今年から20年までの計画の対象期間に、6.5%の平均年間成長率を目指すと述べた。だが、「極めて複雑で困難な国際環境」や国際貿易の減少といった問題のせいで、目標の達成は容易ではないと認めた。党内の迷信深い人は不安になるだろう。13という数字が中国で不運を暗示するからではなく、5カ年計画の創始者であるソ連が第13次計画に乗り出すや否や崩壊したからだ。

 本誌(英エコノミスト)が印刷に回された時点で、新計画の全文は公表されていなかった。だが、これまでに公開された断片的な情報は、中国がなんとしても行わなければならない経済改革を表現上は行うとしている。李氏は、市場の力の「決定的な役割」と「供給サイドの改革」の必要性に対する政府の信念を改めて表明した(後者については、経済の最重要分野における非効率な国有企業の支配を弱めるなど、構造改革の必要性を暗に示している)。

 しかし、これまでの指導部の改革の試みはさほど思い切ったものではなかったし、李氏は今回、新たな対策を近く打ち出す気配も見せなかった。実際、手に負えなくなった投機を抑制する策として長年温められてきた不動産税導入の可能性にさえ触れなかった。新計画には、効果の疑わしい投資計画が含まれている。20年までに新たに50の空港を建設したり、辺境チベットにつながる2本目の鉄道路線を建設したりするといった計画だ。

 5カ年計画は、30年までに中国と台湾を結ぶ総延長126キロの高速鉄道を建設することまで提案している。万一、実現するようなことがあれば、これは世界で最も長い鉄道トンネルになるが、台湾に発言権があるのなら、実現する可能性は極めて低い。

■習氏の関心は経済より権力か

 習氏は経済改革に専念するより、自身の政治的支配力を高めることで頭が一杯であるように見える。全人代が開幕するわずか数日前、当局は元不動産デベロッパーで共産党員の任志強氏が運営するソーシャルメディアアカウントを閉鎖した。彼は3800万人のフォロワーを誇るこのアカウントを使い、メディアに対する党の統制強化を図る習氏を批判していた。

 全人代の会期中には、検閲官らが、北京の経済誌「財新」が掲載したオンライン記事を1本削除した。財新は「違法なコンテンツ」を投稿したとされたが、見た限り、全人代のアドバイザーが「自由にものを言う権利は守られなければならない」と語ったと報じたことがその理由だった。

 楽観論者は以前、政治的な支配を確立した習氏がいずれ、改革に二の足を踏む人々を攻撃するためにその権力を使うようになると考えた。その期待は完全に消滅したわけではない。だが、習氏が望んでいた政治的支配力を手に入れたのかどうか、また改革にはあまり興味がないのか、それともまだ政治的には安泰だと感じていないのかを見分けるのは難しい。党総書記の座を引き継いでから3年以上たったが、反対勢力をつぶそうとする習氏の精力的な努力からは、絶大な自信はうかがえない。いずれにせよ、共産党の5カ年計画によって改革を進めるだろうという期待と、習氏の個人的な思惑を一致させるのは難しいのかもしれない。

(c)2016 the economist newspaper limited. Mar 12th 2016 all rights reserved.

3/14日経ビジネスオンライン 鈴置高史『朴槿恵外交は「暴走」から「迷走」へ どうせ、我々は「米中の捨て駒」なのだ』について

韓国は愚かですから、自分が大国をいいように操っていると思っていましたが、逆に米国からTHHADで梯子を外され、北とは秘密交渉で韓国は梨の礫の状況に置かれました。事大主義の咎めが出た形です。

クリントン政権時の北爆を断った韓国が道を誤ったとしか思えません。覚悟のない国はダメです。北は失うものがないので自由度が高くなります。韓国は守るべきものが見えていません。ですから保守派と雖も、反日に血道をあげ、逆に日本人の韓国嫌いは進んでいっているように思えます。

http://www.sankei.com/politics/news/160312/plt1603120010-n1.html

韓国嫌いの数字について、まだまだ数字上は低く感じます。友人の話を聞くと嫌いになっている人が増えています。韓国は中国の手先になって、反日を世界中に広めていますし、日本にいる所謂在日も日本共産党と組んで日本弱体化を図っています。国民も真実を知らされればもっと下がるのでしょうが、偏向したメデイア(新聞・TV)からだけ情報を取っていますと、正しい判断ができなくなります。

米国が朝鮮半島から足抜けするかもしれないとのこと。いい加減「火病」に振り回されるのは御免と思ってきたのでしょう。朝鮮戦争時の韓国軍の戦いぶりを見ていたらそんなものは分かっていたでしょうに。米国は如何に日本を恐れていたかという事です。反日をやらせ放題にしてきましたから。

それに引き換え今の日本は足抜けならぬ腰抜けばかり。日本の中枢が保身の官僚に牛耳られているようでは。財務省・外務省・文科省が三馬鹿ならぬ三悪トリオです。彼らをコントロールできる政治家がいないのが問題。国民主権が泣きます。でも「国家は国民に見合った政府しか持てない」と言われますので止む無しなのかと。

日本も傍観者の立場でいられるはずがありません。韓国が中国側に付いたなら、中国の軍事膨張を防ぐ自由主義諸国の最前線は日本と台湾になります。それを頭に描きながら外交をして行きませんと。やはりATO(Asian Treaty Organization)の早期創設が望まれます。ASEAN諸国とも連携して中国封じ込めを図ることが肝要です。

今度の参院選では与党+αで議席の2/3を取り、憲法改正の議論を俎上に載せ、国民投票まで持って行きたい。先ずは96条の改正から。自衛隊の国軍化より、硬性憲法を修正しないと。クライン孝子の『敗戦国・日本とドイツ 戦後70年でなぜ差がついたのか』を読みますと、1949年基本法制定から1997年まで44回も改正してきたとありました。世界の動きに機動的に対処するにはすぐに憲法改正できる仕組みにしないと。左翼メデイアの報道と違い、国民レベルでは2度の大震災もあり、自衛隊が如何に頼りになるか分かっていますので、9条改正は後で良いと思います。

しかし、民主党と維新の党の合併後の名前が民進党とは。台湾の民進党は国民党独裁の中で戦って政党を立ち上げた訳で、彼らにそんな覚悟もないでしょう。中味は共産党と同じく反日売国政党です。騙されてはいけません。民主党にも保守派が居ると言っても、姿が見えません。間違っても投票することのないようにしたいです。

記事

前回から読む)

 米国を離れ、中国に向けて「暴走」していた韓国。北朝鮮の核問題を巡り米中が取引に動くと、今度は「迷走」し始めた。

「南シナ海」とも交換?

前回は、韓国が「自分はのけ者か」と疑心暗鬼に陥ったという話で終わりました。

鈴置:朝鮮半島の未来を自分とは関係なく、周辺国が話し合って決めるのではないか――との恐怖です。

 きっかけは、米中が北朝鮮に対する国連制裁案を固める際、在韓米軍に導入予定の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)を交渉カードに使ったことでした。

 仮に、米国が満足できるほどの対北制裁を中国が実行したら、THAAD配備はなかったことになるかもしれません。それに、米中の取引の場はもっと広いと見る向きもあります。

 在韓米軍へのTHAAD配備と、中国が現在進めている南シナ海での対空ミサイル配備とを交換条件に米中が交渉する――との観測まで韓国紙に載り始めました。

 韓国は梯子を外されかけています。米国の顔色をうかがい、中国の報復まで覚悟して配備を容認したというのに……。これでは朴槿恵(パク・クンヘ)大統領はピエロです。韓国人の米国に対する猜疑心は膨らむ一方です。

WSJが抜いた米朝秘密接触

—それに加え、米国と北朝鮮が2015年末に、国交正常化を念頭に置いた秘密交渉に入りかけていたことが明らかになりました。

鈴置:ウォールストリートジャーナル(WSJ)が2月21日「U.S. Agreed to North Korea Peace Talks before latest Nuclear Test」(英語版)ですっぱ抜いたのです。骨子は以下です。

  • 4回目の核実験の数日前、オバマ政権は朝鮮戦争に正式に終止符を打つべく対話を開始することで北朝鮮と秘密裏に合意していた。米国が長い間掲げていた、北朝鮮が先に核武装を削減するとの条件を取り下げてのことだ。
  • 代わりに米国は「北の核兵器」を対話の一部とするよう求めた。しかし、北はこの反対提案を拒絶した。以上は、この動きに詳しい関係者が明かした。

 この記事により、韓国はちょっとした騒ぎになりました。「朝鮮戦争に終止符を打つ」とは、米朝の間で国交を正常化したうえ、平和協定なり不可侵条約を結ぶという意味です。

南ベトナムの二の舞に

—「平和協定」のどこが問題なのでしょうか。

鈴置:交渉で北朝鮮が「休戦協定を結んだだけの状態から安定的な平和体制に移行するのだから、在韓米軍を撤収すべきだ」と言い出すのは確実です。そもそも、それこそが北が平和協定の締結を主張する目的なのですから。

 韓国人、特に保守派は在韓米軍の撤収により南北朝鮮の戦力、あるいは心理的なバランスが崩れたら、北朝鮮が攻撃してくる可能性が高いと信じています。だから安易に平和協定を結ぶなんて、彼らにとってはとんでもないことなのです。

 保守運動の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は北朝鮮の平和攻勢に強い危機感を抱き、このニュース以降しばしば、国民への警告記事を自分のサイトに載せています。

 「韓国が参加しない米朝の平和協定交渉はベトナムの再現だ!」(3月1日、韓国語)では以下のように主張しました。警告のポイントは、平和交渉が「北の核」容認につながる、という点です。

  • 韓国が参加しない米朝の平和協定交渉は、南ベトナムの敗亡を呼んだ「パリ平和交渉」の再現となる。受け入れることはできない。
  • 平和交渉は北の核放棄の後に限って行うべきだ。核の脅威が進行中に平和交渉すれば、北の核武装を事実上、認めることになる可能性が高い。
  • パリ平和協定が北緯17度線の南に進入した北ベトナム軍を認める一方、駐越米軍を撤収させたことにより、(南ベトナムの)共産化につながった。

米国の変節に不意打ち食らう

 今回の「米朝接触」のニュースに、保守派だけではなく普通の韓国人までがショックを受けました。成立しなかったとはいえ、米朝がいったんは平和協定を話し合う交渉に入りかけたからです。

 米韓はこれまで「平和協定」に関する話し合いについて、北朝鮮が先に核兵器を放棄するのなら応じてもよい、との姿勢で足並みをそろえてきました。

 でもWSJの記事によれば、米国は「北の核放棄」と「平和協定」を同時に話し合ってもよい、と姿勢を変えたのです。

 東亜日報は社説「米中のTHAAD・平和協定の気流変化、韓国は不意打ちを食らうのではないか」(2月27日、日本語版)で、そこに危機感を表明しました。

  • 当分は北朝鮮への制裁が続くだろうが、危機的状況がある程度落ち着けば、中国と北朝鮮が6カ国協議と平和協定交渉の並行を提起し、米国も前向きに検討する可能性が高い。
  • 最近、米国の専門家の間では、25年間維持してきた「『先』非核化、『後』平和協定」という対北交渉の枠組みを見直す兆しがある。
  • 制裁だけでは北朝鮮の核問題を解けない現実をあげて、平和協定交渉が必要だとする主張も少なくない。ロシアも平和協定の必要性に共感している。
  • しかし、平和協定は北朝鮮が主張する在韓米軍の撤収、米朝国交正常化などと連動している。北朝鮮が核を放棄するまで、韓国は受け入れられない。

中国も平和協定を推奨

 韓国人の悩みをさらにかき立てたのは「平和協定」締結に向け、中国も露骨に動き始めたことです。

 WSJが特ダネを報じる4日前の2月17日、王毅外相は北朝鮮に核放棄を求めるだけではなく、休戦協定を平和協定に転換する協議を並行して進めるべきだと語りました(「表・THAADを巡る米韓中の動き」参照)。

1月6日 北朝鮮、4回目の核実験
1月7日  
朝鮮日報、社説で核武装を主張
与党セヌリ党幹部2人、核武装に言及
1月13日 朴大統領、国民向け談話で「THAAD配備は国益に基づき検討」
2月7日  
北朝鮮、長距離弾道ミサイル実験
韓国国防部「THAAD配備に関し、米国と公式協議に入る」
中国外交部、北朝鮮と韓国の双方の大使に抗議
Global Times社説「配備すれば戦略・戦術の両面で軍事目標に」
2月16日  
環球時報・社説「配備すれば韓国は中・米の碁盤の石だ」
朴大統領、国会演説で「配備の協議開始も抑止力の一環」
2月17日 王毅外相、平和協定締結のための米朝協議を提唱
2月21日 WSJ「2015年末、米朝が平和協定に関し秘密交渉」
2月23日 米国、配備に関する合同実務団結成のための約定書交換を突然に延期
2月24日 ケリー国務長官「配備に汲々としない」
2月25日 ハリス米太平洋軍司令官「必ず配備するわけではない」
3月2日 国連安保理、対北朝鮮制裁を採択
3月4日 米韓、配備に関する合同実務団結成のための約定書を交換

 

 こうした動きを考え合わせ韓国人は、自分の知らないところで米・中・北が談合して、勝手に話を進めていくのではないかと疑いを持ったのです。

—疑り深いですね。

鈴置:韓国には、米国の対北朝鮮政策がぶれ続け、それにより自分たちは引きずり回されてきた――との根深い不信感があります。

空爆考えたクリントン

 朝鮮日報の社説「政府は米朝の平和協定論議をちゃんと知っていたのか」(2月23日、韓国語版)がその思いを吐露しています。

末期のオバマ(Barack Obama)政権が北朝鮮との交渉に乗り出す考えを少しでも持っているのなら、我々は見過ごすことができない。過去20年間、米国の対北政策は制裁と対話の間で揺れ動き、別段の成果を生めなかった。

北の核施設の空爆まで考えたクリントン(Bill Clinton)政権は1994年、カーター(Jimmy Carter)元大統領の訪朝を期に、北朝鮮と電撃的にジュネーブ合意を結んだ。

しかし、北がこの約束を破ったため、次のブッシュ(George W. Bush)政権は強硬策に転じた。もっともこの政権も、末期に方向を変えた。

オバマ政権も北との合意が破れると「戦略的忍耐」に転じた。持続性のない対症療法を繰り返しては、北の偽装平和戦略に利用されたということだ。

政権末期には北と妥協

—こうして見ると確かに、米国の歴代政権は腰が据わっていませんね。

鈴置:米国からすれば韓国だって、クリントン政権が北の核施設を空爆しようとしたら怖がって「やめてくれ」と頼んできた。その後も北が核実験した直後は大騒ぎするが、すぐに忘れてしまうではないか、と言いたくなるでしょうが……。

—政権末期になると米国が北に接近するのは?

鈴置:歴代政権は北朝鮮に対し初めは強硬に出る。しかし、強硬策に出ると戦争になりかねないと次第に認識する。政権末期になると「外交上の実績作り」を目的に、表面的な妥協をしてしまう――というパターンです。

イランの核合意が後押し

 もう1つ、韓国人が恐れる理由があります。2015年に米国や中国など6カ国と、イランの間で核合意という先例ができたことです。

 イランが核開発のスピードを落とす見返りに、米欧は経済制裁の相当部分を解除する――との内容です。注意すべきはイランが約束したのは、決して「核兵器の完全廃棄」ではないことです。

 このスキームを朝鮮半島に当てはめれば、北は核・ミサイル実験を中断することで核開発の速度を落とす。見返りに、国連加盟国は制裁を一部解除し、米国も米韓合同軍事演習の中断など融和姿勢を見せる――ことになります。

 中国と北朝鮮はまずこの取引を実現し、それを手掛かりに「平和協定の締結」と「在韓米軍撤収」の交換を目指すでしょう(「表・朝鮮半島を巡る米中のカード」参照)。

朝鮮半島を巡る米中のカード
米国 中国
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定(不可侵協定)の締結  ・米朝国交正常化  ・在韓米地上軍撤収  ・在韓米軍撤収  ・米韓同盟廃棄 北朝鮮の核兵器廃棄  ・核弾頭の増産中断  ・弾頭再突入技術の開発中断  ・弾頭小型化技術の開発中断  ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障

注)左右の項目は必ずしも連動しない

 すでに米中の間で「THAAD配備の中断」と「従来よりも強い制裁」が取引された模様です。今後は「THAAD配備」ではなく「米韓同盟」がカード化されていくわけです。

朝鮮半島から「足抜け」

—表の「平和協定」の項目は「米朝国交正常化」「在韓米地上軍撤収」「在韓米軍撤収」「米韓同盟廃棄」と4つに細分化されています。

鈴置:下に行くほど強力な――中国・北朝鮮に得なカードです。ただし、米国にとっても必ずしも悪い話ではありません。面倒な手間ばかりかかる朝鮮半島から「足抜け」できるのですから。韓国の保守にとっては悪夢となりますけれど。

 もし一番下の「半島の非核化・中立化の制度的保障」まで状況が進むと、彼らは「米国に見捨てられた」「やはり、自分たちは米・中の捨て駒だった」と意気消沈するでしょう。

 韓国を脱出する人も出るかと思います。なおこの際、日本が大陸に向き合う最前線になります。他人事ではありません。

どうしようもない韓国

—結局、韓国はどうするのでしょうか。

鈴置:どうしようもありません。半島の将来を巡り、米中が繰り広げるゲームを見守ることしかできないのです。

 先に引用した東亜日報の社説「米中のTHAAD・平和協定の気流変化、韓国は不意打ちを食らうのではないか」(2月27日、日本語版)の最後の部分を要約します。

  • 北朝鮮の核問題で今回、米中は(韓国の背の届かない)高い空で駆け引きを繰り拡げた。当事者である韓国が脇役に追いやられる可能性があるという冷徹な現実に気づく。
  • 米中の気流変化を感知できずに両国の言いなりになることがないよう、政府は気を引き締めなければならない。

巨人たちのバスケットボール

 保守論壇の本流中の本流とされる、朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹も、コラム「THAAD問題はそんなに簡単ではない」(2月25日、韓国語版)で、似た例え話を使いました。以下をご覧下さい。

最近、米中という背の高い人たちがTHAAD問題に関し、我々の頭の上でバスケットボールを回し始めた。米中のやり取りの結果、韓国配備がなくなることもあれば、配備の後に我々が想像した以上の暴風が吹き荒れることもあろう。

我々が行く道の先に安全保障に関しどんな得失があるのか、可能な限り中長期的な視点で状況を見極めねばならない。たとえ背は低くとも、発想だけは背の高い人の上にいなければならない。そして、冷静に、冷静に、また冷静でなければならないのだ。

 ボス交渉が始まった。結論はまだ、分からない。軽挙妄動せず、その行方を見極めよう――との呼びかけです。楊相勲・論説主幹も「状況を見守ろう」と訴えるしかないのです。

「離米従中」に歯止めかからず

—韓国がTHAAD配備を認めたので、「離米従中」をやめて米国側に戻ったのかと考えていました。

鈴置:日本の外交関係者の間でもそう思い込んでいる人が多い。韓国人が「親中外交はやめた」などと言ってくることもあるのでしょう。でも、楊相勲・論説主幹の記事の見出しではありませんが「問題はそんなに簡単ではない」のです。

 今回、韓国は米国から強く命じられたので、THAAD配備を受け入れました。今後、米国が「配備はやめた」と言い出せば、恥ずかしい思いをしながらもそれに同意するしかない。

 反対にTHAADを配備したら中国からひどく苛められるでしょう。楊相勲・論説主幹の言う「暴風が吹き荒れる」はそれを指します。そのあげく韓国は海洋勢力側から引きはがされ、今まで以上に大陸側に引き込まれる可能性も高い。

 もう、韓国人は、自らの意思によって自分の国の針路を決められません。米中どちらかが大声で叱りつけるたびに、反射的に動いているだけなのです。

 これまで韓国は米国を離れ中国側に向かって暴走していた。暴走とはいえ、そこにはなにがしかの意思は働いていた。しかしここに至りついに、意志とは関係なく迷走し始めた――と見るべきでしょう。

日本の頭上のボール

—なぜ、韓国は自分の運命に関与できないのでしょうか。

鈴置:対立を深めた米中が、血相を変えて外交ゲームに取り組み始めたからです。横綱のような米中がガプリ四つに組めば、前頭級の国の出る幕はなくなります。

 北朝鮮の核問題も深刻になるほどに、解決には相当の軍事力と、国民の我が身を削る覚悟が必要になります。でも、韓国はいずれも持たないのです。

—日本はどう動けばいいのですか。

鈴置:「韓国外し」は人ごとではありません。東アジアの安全保障の構造変化に関与できないという意味では日本も、韓国と似た境遇にあるのです。

 日本人も、頭の上で飛び交うボールの行方から目を離してはなりません。ひょっとするとボールを瞬時でも、少しでもコントロールするチャンスが来るかもしれない。その時に備えるべきです。

(次回に続く)

3/9WSJ EDWARD N. LUTTWAK『Suffering From Trumphobia? Get Over It Before the 1980 election, Reagan’s opponents said he would ignite a nuclear holocaust. Didn’t happen.(トランプ恐怖症の苦悩?それは1980年の選挙の前に終わった話。レーガンの相手は、彼が核で虐殺を起こすと言ったが、そうはならなかった。)』について

エドワード・ルトワックのウオールストリートジャーナルへの寄稿記事です。誤訳があればご容赦ください。戦略論の大家もトランプ大統領の現実化に目を背けることはできないと考えているようです。レーガンの例を引いて今は過激発言で大衆の支持を受けていますが、本選が近づけば普通の保守政治家に戻るだろうと。そうしなければクリントンには勝てませんので。確かにSNSを利用した選挙は今までのTV広告を多用したお金のかかる選挙と区別されます。その意味ではイノベーターです。広告会社は真っ青でしょう。日本の政治にもネットの活用をもっと認め、米国と同じく戸別訪問も認めた方が良い。公職選挙法は厳しすぎて、政治家を知るチャンスを少なくしている気がします。

3/11日経電子版の記事にもトランプが豹変する可能性を示したものがありました。

<トランプ氏、暴言封印 討論会で主流派に支持呼びかけ

【ワシントン=吉野直也】米共和党は10日夜、大統領選の候補指名争いの大票田であるフロリダ州でテレビ討論会を開いた。15日の大票田決戦を控え、首位を走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は自身のトレードマークである暴言を封印し、党主流派に支持を呼びかけた。指名争いから撤退したキリスト教保守派で元神経外科医ベン・カーソン氏は11日、トランプ氏への支持を表明した。

Trump & Cruz-2

フロリダ州の討論会の休憩時間に言葉を交わすトランプ氏(左)とクルーズ上院議員(10日)=ロイター

 「共和党主流派はこの現実を利用すべきだ」。トランプ氏は討論会で、無党派を含む幅広い層から支持を得ていると説明し「反トランプ」の立場を鮮明にする主流派に再考を促した。トランプ氏の指名を阻止したい主流派内には7月の党大会で決選投票に持ち込み、トランプ氏以外の候補を担ぐ構想もある。

 トランプ氏は予備選・党員集会を通じて共和党の新たな支持層を掘り起こしていると強調し、「(民主党の本命候補)ヒラリー・クリントン前国務長官(68)も倒せる」と語った。

 トランプ氏にとってキリスト教保守派に人気が高かったカーソン氏の支持が得られたことも追い風だ。カーソン氏と2位につける保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員(45)の支持基盤は重なっており、同氏に打撃を与えられると読む。

 クルーズ氏は討論会でホワイトハウスがある首都ワシントンでも「トランプ氏は(大統領ではなく)スミソニアン(博物館)のトップとしては歓迎されるだろう」と皮肉った。主流派の党大会での画策にも触れ「惨事だ。投票者の意志を尊重すべきだ」と主張した。

 主流派のマルコ・ルビオ上院議員(44)は「あらゆる選挙は重要だが、今回の大統領選は世代間闘争だ」と支持を求めた。伸び悩むルビオ氏は地元フロリダで敗北するような事態になると、撤退が現実味を帯びる。世論調査ではトランプ氏に先行を許しており、厳しい戦いを強いられている。

 15日の大票田決戦はフロリダ、オハイオなど各州で予備選・党員集会がある。フロリダやオハイオは首位候補が州の代議員を独占する「勝者総取り」方式で、ここでトランプ氏が勝利すれば、指名獲得への流れが一気に加速する。>と。

日本にも厳しい物言いをするトランプですが、大統領になれば変わるでしょう。中国に対してはクリントンのように中国から金を貰って来たわけでないので、米国の覇権に挑戦していることが分かれば対峙すると思います。そのためには日米同盟を基軸とした自由主義諸国の結束こそが大事と理解するでしょう。

記事

Trump in WSJ

The candidate meets the press in Jupiter, Fla., March 8. PHOTO: JOE RAEDLE/GETTY IMAGES

By EDWARD N. LUTTWAK

March 9, 2016 6:13 p.m. ET

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Unlike the fear of Islam, which is a rational response to Islamist violence across the world, the fear of Donald Trump really is a phobia. There is a precedent for this: the panicked Reaganphobia that preceded the 1980 election. We heard that Ronald Reaganwas a member of the John Birch Society—whose essential creed was “Better Dead Than Red.” He therefore rejected “mutual assured destruction,” the bedrock strategy of the liberal consensus to guarantee coexistence by nuclear deterrence. Reagan, it was said, believed in “counterforce,” that is in a disarming first strike to win a nuclear war.

Mr. Trump irritates many with his vulgarities but Reagan was insistently depicted as a threat to human survival, so that most of the columnists and editorial writers of the quality press reluctantly called for Jimmy Carter’s re-election, despite the clamorous failures of his hopelessly irresolute administration. In Europe there was no reluctance. In London, Paris and Bonn, then the capital of West Germany, the re-election of Jimmy Carter was seen as a necessity to keep the bomb-thrower Reagan out of the White House, and well away from the nuclear button.

So many eminent people, including W. Averell Harriman, adviser to five U.S. presidents and chief negotiator of the 1963 Limited Test Ban Treaty, asserted that Reagan wanted to start a nuclear war that the KGB went on maximum alert from inauguration day for more than two years, forcing its officers around the world to take shifts on 24-hour watches of all U.S. strategic air bases to detect the telltale simultaneous launchings of a nuclear first strike.

In 1983, two years into his first term, Reagan did send U.S. troops into action to fight a war . . . in tiny Grenada, whose 133 square miles was the only territory that Reagan invaded in eight years. As for nuclear weapons, Reagan horrified his advisers at the 1986 Reykjavik Summit with Mikhail Gorbachev with his eagerness for nuclear disarmament, thereby disclosing that he didn’t even believe in strike-back, let alone in attacking first. He wanted ballistic-missile defenses, not ballistic missiles.

Mr. Trump’s lack of good manners may be disconcerting, but as president his foreign policies are unlikely to deviate from standard conservative norms. He would only disappoint those who believe that the U.S. should send troops to Syria to somehow end a barbaric civil war, or send troops to Libya to miraculously disarm militias, or send troops back to Iraq to preserve its Iran-dominated government, or send more troops back to Afghanistan where the Taliban are winning because of the government’s incapacity and corruption.

President Trump would do none of the above. He will send troops home from Afghanistan and Iraq, while refusing to intervene in Libya or Syria, or anywhere else in the Muslim world, where U.S. troops are invariably attacked by those they are seeking to protect. Real conservatives want to conserve blood and treasure, not expend them lavishly to pursue ambitious political schemes.

As for trade, yes, Mr. Trump has called for tariffs against China and Mexico. Most economists now agree that wage stagnation in the U.S. and other advanced countries is caused by imports from China and other newly industrialized countries. Tariffs are unlikely, but one should expect vigorous antidumping measures, instead of allowing entire industries to be submerged.

What about the racism then? Born and raised in New York City, Mr. Trump has met one or two people during his life who are not white Anglo-Saxon Protestants. He is unlikely to be startled by an encounter with a person of “Hispanic” or “Latino” origin. He has worked successfully with any number of African-Americans, and he has certainly shared a meal or two with Jews, including his son-in-law, Jared Kushner.

True, Mr. Trump launched his campaign by denouncing the supposed crimes of illegal immigrants from Mexico. But given his personal history, one may seriously doubt the sincerity of his anti-Mexican sentiments. He must certainly find ways of undoing the damage—starting with a fulsome apology—but nobody should view Mr. Trump as a racist because of those remarks.

That said, Mr. Trump is unlikely to persist with the State Department’s “resettlement” programs that keep flying Iraqis, Somalis and assorted others to Maine and other states supposedly in need of diversity—although the locals think otherwise.

The hysteria in certain circles notwithstanding, a Trump presidency would offer only the prosaic changes of any conservative administration: less activism across the board, with a view to saving some money; less environmentalist extremism; fewer “programs” instead of more of them; and no special efforts to add to minority representation in new categories, such as the transgender Supreme Court nominee that some are calling for.

In practice, these are all changes at the margin—a matter of 5% less spending rather than 5% more. In this election, though, that in itself would offer a clear alternative to the huge increases in government spending advocated by Bernie Sanders and followed by Hillary Clinton. While Mrs. Clinton may not follow through, one should not count on her insincerity.

So those who are planning to emigrate if Mr. Trump is elected president—one heard lots of emigration vows when Reagan was winning—might wait a week or two after inauguration day before fleeing. They might discover that President Trump is as good an administrator of the public weal as he was in his presidential campaign—the cheapest by far, and successful too.

Mr. Luttwak’s books include “The Endangered American Dream” (Simon & Schuster, 1993) and “The Rise of China vs. the Logic of Strategy” (Harvard, 2012).

3月8日、候補者はフロリダ州のジュピターで記者会見した。写真: ジョーRAEDLE

エドワード・N.ルットワークの意見

2016年3月9日午前6時13分午後ET

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世界に広がるイスラム教徒の暴力に対し合理的な対応はイスラム教を恐れることではないように、ドナルド・トランプを恐れることは恐怖症としか言いようがありません。前例があります。1980年の選挙を前にレーガン恐怖症と言われてパニックに陥りました。ロナルド・レーガンはジョン・バーチ協会のメンバーであり、協会の根本的な信条だった「アカの支配であれば死んだ方がマシ」の信奉者と聞きました。 彼はそれゆえ核抑止による共存を保証する寛大な合意の基本戦略である相互確証破壊(MAD)を拒否しました。レーガンは、核戦争に勝つためには敵を無害化する一撃、つまり「反撃能力」を信じていたと言われています。

トランプ氏は、その下品さにより多くの人を苛立たせていますが、レーガンは人類の生存を脅かすものとしてずっと描かれ、故に高級紙のコラムニストや論説委員のほとんどはジミー・カーターの絶望的に決断できない管理能力のなさにも拘わらず、しぶしぶ彼の再選を求めました。ヨーロッパではカーターは全く抵抗がありませんでした。ロンドン、パリ、西独の首都ボンでは、ジミー・カーターの再選は、爆弾投下魔レーガンをホワイトハウスから遠ざけ、核のボタンから離すので良いことと看做されていました。

多くの優れた人物、中でもW. アヴェレルハリマンは5代に亘って米大統領の顧問として仕え、1963年の部分的核実験禁止条約の交渉責任者でもありましたが、KGBがレーガンの就任日から2年以上も最大の警告を続けて来た核戦争を開始したいとレーガンは考え、すべての米国の戦略空軍基地において、核の一撃の発射の証拠となるものをチエックするために、スタッフに24時間監視のためのシフトを取る、と主張しました。

1983年、彼の1期目の2年目ですが、レーガンは小国のグレナダに米軍を派兵しました。そこは133平方マイルの領土しかないのに、8年間ずっと侵略しました。 核兵器について、レーガンは1986年のレイキャビクサミットでミハイル・ゴルバチョフとの会談で核軍縮について熱心に話をして顧問を震え上がらせ、彼は報復攻撃を信じてもいないが、やられ放しにもしない。ほしいのは弾道ミサイルではなく、ミサイル防衛だと明らかにしました。

トランプ氏の行儀の悪さにまごつくかもしれませんが、大統領になれば、彼の外交政策は、標準的な保守の規範から逸脱しそうにありません。米国は何とか野蛮な内戦を終わらせるためにシリアに軍隊を送ったり、民兵を奇跡的に武装解除するためにリビアに軍隊を送ったり、イランに支配された政権を維持するためにイラクに戻って部隊を送ったり、政府の無能と腐敗のためタリバンが支配しているアフガニスタンに再度派兵すべきと信じる人々を彼はガッカリさせるかもしれません。

トランプ大統領となれば、上記のいずれもしないでしょう。米軍は保護を求める人々によって絶えず攻撃されるようなイスラム世界や、リビアやシリアに介入することを拒否しつつ、アフガニスタンとイラクから撤兵させるでしょう。本当の保守派は、政治的野心を追求するためにムダに生命・財産を費やすのでなく、それらを守るものです。

貿易に関して、トランプ氏は、中国とメキシコに対する関税を要求しています。多くの経済学者は、現在米国および他の先進国における賃金の停滞は、中国やその他の新興工業国からの輸入が齎したものということに同意します。関税の見込みがなければ、人々は業界全体が沈下する前に、強力な反ダンピング措置を期待します。

それから人種差別についてはどうでしょう?ニューヨーク市で生まれ育ったトランプ氏は、彼の人生の中で1人か2人出会ったWASPではありません。彼はルーツが「ヒスパニック」または「ラティーノ」の人と出会っても、びっくりしそうもありません。彼は多くの黒人とも働いて結果を出し、確かに彼の義理の息子ジャレッドクシュナーを含むユダヤ人との食事を共にしています。

実の所、トランプ氏は、メキシコからの不法移民の犯罪を非難することによって彼の選挙キャンペーンを開始しました。しかし、彼の個人的な歴史を考えると、人は彼の反メキシコ感情が本物かどうか疑うかもしれません。彼の発言のせいで人種差別主義者と看做されないように、充分な謝罪から始めて、ダメージを受けない方法を見つけなければなりません。

トランプ氏は多様性の必要からイラクや、ソマリア、他の組み合わせからメイン州や他の州に「移住」させる国務省の計画に固執していないよう見えます。現地の人の思いとは関係なく。

特定の集団のヒステリーにもかかわらず、トランプ大統領となれば、保守派の平凡な行政に変わるでしょう。お金を節約するため、部局を跨る活動を少なくし、過激派の環境保護活動も少なくします。「計画」を増やすのでなくより少なくします。例えば誰かが要求している性転換した最高裁判事候補のような新しい分野で少数者を代表するものを加えていくことに特別な努力は要しません。

実際、これらは全て許容範囲の変化です。5%より多く消費するより5%少なく消費するという問題です。この選挙では、政府支出の大幅な増加を提唱するバーニー・サンダースとそれに従うヒラリー・クリントンに対して明らかに代替案を提供するでしょう。クリントン氏がそれに従わないかもしれませんが、彼女の不誠実さを期待しないでください。

トランプ氏が大統領に当選したら移住を考えている人は、レーガンが勝った時にも移民の誓いをたくさん聞いたものですが、脱出する前に、就任日から一週間か二週間待った方が良いかもしれません。大統領選挙のときにはるかに安いコストで成功したように、トランプ大統領は公共の福祉の良い管理者であることを発見するかもしれません。

ルットワック氏の本は、「絶滅のおそれのあるアメリカン・ドリーム」(サイモン&シュスター、1993)と「戦略の論理対中国の台頭」(ハーバード、2012)が挙げられます。

3/11日経ビジネスオンライン 北村豊『習近平、3大国営メディアに「党の代弁」要請 全権掌握へ、「江沢民の牙城」に乗り込む』について

習近平VS劉雲山(上海派)の争いはどう決着が付くかです。でも敵陣に乗り込む勢いからすれば、習の方が有利と見ます。劉は薄熙来と同じ運命を辿るかも。上海派は追い込まれています。逆転できるネタがあればとっくに出しているでしょうから。上海派は法輪功の弾圧をしてきていますので、信者に憎まれています。もし、習と上海派の立場が逆であれば信者から有益な情報が取れたかも知れませんが。

でも本記事の新華社の上部の媚び諂い方は中国人の典型です。まあ、問題を起こせばすぐ首になるから致し方ない面はありますが。それでも、社員のレポートでやんわり批判できるようになっただけ、昔と比べれば進歩したと言えるでしょう。勿論すぐ削除の憂き目にあったとしても。昔なら有無を言わさず拘束、人知れず殺されたと思います。IT技術の進歩で発表する場ができたことは大きいでしょう。昔は壁新聞の時代ですから。

任志強のような人は今後も出て来るでしょうが、習は力で押さえつけようとするでしょう。「国民の為」という大義名分は「共産党の利権の為」に今でもすり替わっています。自由競争の結果で格差が広がったのなら仕方のない面もありますが、銭権交易で不当に富を収奪してきたのは弁解の余地はありません。打倒さるべき政体です。

やはり、中国経済を崩壊させるのが世界平和の近道と考えます。中国が民主化したとしても民族性は変わらないでしょうから距離を置いて付き合うことが肝要です。勿論、中国がそんなに簡単に民主化するとは思っていませんが。日米欧は民主化の助けになる事であれば未だしも共産党の延命に手を貸すのは止めてほしい。黒田日銀総裁のように資本規制を言って中国を助けるような言動は慎むべきです。財務省も国賊が多いです。自分は頭がいいと思いこんで驕るのでしょうけど。学力は緊急時には役に立ちません。平時の時に前例踏襲するには便利でしょうけど。

記事

Xi visited media

3月5日から始まる第12期“全国人民代表大会(略称:全人代)”第4回会議を目前に控えた2月19日、中国共産党総書記の“習近平”は、中国国営メディアである“人民日報”、“新華社”、“中央電視台(中央テレビ)”を順次視察し、“党和政府的媒体姓党(中国共産党と中国政府のメディアは中国共産党の代弁者である)”と強調した。

中央テレビを視察した際には、中央テレビの職員が「中央テレビは“姓党(党の代弁者であり)”、絶対に忠誠ですから、どうぞ検閲してください」というプラカードを掲げて、習近平に媚びを売った。また、その後に行われた“高層宣伝工作会議(首脳部宣伝業務会議)”の席上、習近平は「メディアは党と政府の宣伝の拠点であり、“必須姓党(党の代弁者でなければならない)”」と述べた。

新華社、最高指導者の査察を熱烈歓迎?

その2日後の21日、ある新華社の職員はインターネットの掲示板に匿名で、習近平視察に際しての新華社の対応振りについて書き込んだ。この書き込みは瞬くうちにネット上で伝播されたが、たちまち削除された。その書き込みの全容は以下の通り。

【1】“春節(旧正月)”明けの出社2日目の2月15日、1枚の表を受け取り、個人情報を書き込んだ。聞くところによれば、それは政治審査表で、新華社職員の中から500人の“歓送隊伍(見送り隊)”を選ぶためのものであり、私はその中に1人に選ばれたのだった。なお、見送り隊とは別に“歓迎隊伍(出迎え隊)”も組織された。私は一貫して歓送迎などという儀礼的な行事には興味を持っていなかったが、上司がこれは政治的任務であり、参加しなければならないと言うので、どうしようもなかった。“習大大(習近平おじさん)”<注1>は我が国の最高指導者であり、非凡な人であり、機会があれば彼を見たかったし、それは自分にとっても光栄と思えた。2月18日午後の退勤時に、上司は私たちに、習近平が明日視察に来るので、明日は鮮やかで美しい衣装を着てくるようにと命じた。

<注1>“習大大”は習近平の愛称として作り出された言葉。“大大”はパパあるいはおじさんを意味する。庶民に親しまれる習近平を演出するのが目的か。

【2】今日(19日)家を出る時、私はいつも通り紺色のダウンコート(年齢も高いので保温が一番)を着て、赤いスカーフ(多少は色鮮やか)を首に巻いた。新華社ビルに到着すると、周辺には“便衣(私服警官)”、“武警(武装警察)”、“特警(特殊警察)”がくまなく配備されていた。8時50分に私たち500人はそれぞれ勤務する階から1階へ降りて講堂へ集合するよう命じられた。但し、その時には携帯電話などの電子機器の携行は禁止された。執務区域はすでに警戒が厳しく、出るだけで、入ることは許されなかった。指揮者は私たちに今後の予定を次のように説明した。すなわち、このまま1時間座って待ち、その後順番に列を作って安全検査を受けてから、南門の内側に整列して、習近平が新華社ビルを出てくるのを待ち、見送りを行う。

【3】これと同時に、指揮者は私たちに次のように指示を出した。もし習近平が見送りの人たちと握手をしようとするなら、握手するのは1列目の人だけに限定し、2列目の人は手を伸ばしてはならない。習近平が通り過ぎる時にはただ拍手して「“総書記好!(総書記こんにちは)”とだけ言い、自分勝手に声を掛けてはならないし、“近平,您好(近平、今日は)”といった類のプラカードや横断幕を掲げてはならないし、1列目の人は手袋などの使用も禁止。

【4】講堂ではあてがわれた番号順に座ったので、左右に座った人と必ずしも顔見知りというわけではなく、誰もが顔を見合わせるだけで手持無沙汰で、たまたま知り合いがいると世間話に花を咲かせた。私は本を読んでいたので、時間つぶしはさほど苦にならなかったが、近くに知り合いがいて話しかけてきたので、読書に専念できなかった。講堂内にいる人々を見渡すと、非常に多数の人が色鮮やかな衣装を身に着けていた。顔見知りで、間もなく定年退職する爺さんはすごく目立った。彼はめでたい日に着る真っ赤な綿入れの上着を着て、真新しい青色の中折帽をかぶっていた。彼は、日頃は濃いグレーの衣装ばかりで帽子などかぶったことなどなく、まるで春節に母親によっておめかしさせられた赤ちゃんみたいだと、皆は陰で彼を笑っていた。

【5】数十分が過ぎた頃、指揮者が安全検査の後はトイレに行くことはできないから、急いでトイレを済ますようにと指示を出した。人々は一斉にトイレへ殺到し、トイレの前には長蛇の列ができた。その後、待つこと1時間、1時間半、2時間と過ぎても、一向に安全検査を受けるようにとの指示はなかった。座るのに飽きた人々は講堂の入り口に集まったが、警戒は依然として厳重で、ビルの入り口には武装警察官が乗ったマイクロバスが停まっていて、車の窓から武装警察官が見張っていたので、人々はただ待つしかなかった。新華社の敷地内にある高層の住宅ビルの窓からは、武装警察官の頭が見え隠れし、武装警察官は住民の家にまで入って警備を行っているようだった。朝出勤と同時に、執務室の窓はすだれを巻き上げるよう指示を受け、併せて狙撃手に撃たれるから窓際でうろうろするなと注意喚起もあった。一方、この間も指揮者は盛んに携帯電話で連絡を取っていたが、何も動きはなかった。

「肩すかし」の対価はコメディ映画とまんじゅう

【6】この日の天気は暖かくないばかりか、風もあった。講堂の入り口に立って、自分の執務室の窓を見上げると、小鳥のように飛んで執務室へ入り、自分の椅子に座ってゆっくりと熱いお茶を飲み、ネットにログインしたいとつくづく思ったものだった。11時15分頃、執務ビルから出て来た1人の保安係が講堂入り口にたむろしている人々に対して、「あんたたち解散だ。総書記はもう帰った」と呼びかけた。一瞬の沈黙があったのち、失望と怒りが入り混じった声が鳴り響いた。そして500人の見送り隊は解散となり、人々は三々五々執務室へ戻った。ある者は総書記に会えなかったことを悔しがり、ある者はようやく自由の身になったことを喜んだ。誰かが「今日は“愚人節(エープリルフール)”か」と言えば、またある者は「我々500人はきっと政治審査をパスしなかったので、臨時的に閉じ込められたんだ」と冗談を言った。

【7】その日の午後、見送り隊は通知を受け取ったが、その内容は次のようなものだった。

午前中の行事は都合により取り消しとなった。皆さんの理解と協力に感謝の意を表し、映画『“美人魚(マーメイド)”』<注2>を特別上演します。日時は2月23日午後12時20分から、今日の見送り隊の番号札が入場券となります。同時に“慶豊包子舗(慶豊包子店)”<注3>の優待券50元(約1000円)を発給します。

<注2>『美人魚』は2016年春節元旦(2月8日)に封切られた映画で、富豪と人魚のロマンチックコメディ。 <注3>“包子”は中華まんじゅうを意味する。“慶豊包子舗”は2013年12月28日の正午に習近平がお忍びで立ち寄り、列に並んで順番を待って“包子”を食べたことで有名になった。

さて、国営メディアは“中国共産党中央委員会宣伝部(略称:中宣部)”の管轄下にあり、中宣部を主管しているのは、中国共産党中央政治局常務委員の“劉雲山”(序列第5位)である。劉雲山は“江沢民”元総書記のグループに属し、1993年に中宣部に着任してから副部長に就任し、2002年10月から2012年11月まで中宣部長を務めた。劉雲山退任後の現職の中宣部長は“中国共産主義青年団(略称:共青団)”グループに属する“劉奇葆”だが、政治局常務委員として中宣部を主管する劉雲山の力は強く、劉奇葆は名目上の中宣部長と言える。

「暗殺」恐れ厳重警備、ネット上では猛批判も

中宣部は中国共産党のイデオロギーや宣伝活動を統括する部門で、新聞、出版、教育、テレビ、ラジオなど広範な部門を指導、監督しているが、劉雲山は頻繁に習近平の意向に逆らう姿勢を示しており、中宣部は最後に残された江沢民グループの牙城と化していると言われている。従って、劉雲山は、習近平にとって目の上のたんこぶと言うべき存在なのである。その敵の牙城に習近平自身が視察を名目に乗り込んだのが、2月19日の一台(中央電視台)、一報(人民日報)、一社(新華社)の視察であった。

だからこそ、国営メディアの視察であるのにかかわらず、万が一の暗殺を恐れる習近平は、警備を極力厳重にし、新華社の視察では当初予定していた500人編成の見送り隊の送迎を受けぬまま、密かに新華社を後にしたのだった。習近平は2012年11月の総書記就任の当初、“軽車簡従出行(地位のある人物が供回りを質素にして出かける)”ことを公言したが、今や大量の兵士による厳重な警戒がそれに取って代わっているのである。

ところで、冒頭で紹介したように、習近平は「メディアは党と政府の宣伝の拠点であり、“必須姓党(党を代弁しなければならない)”」と述べた。従来、党メディアは“党的喉舌(党の代弁者)”と言われてきたが、“党媒姓党(党メディアは党の代弁者)”はその度合をさらに強めることを意味している。この発言に敢然とかみついた人物がいた。

それは“任志強”である。任志強は1951年3月生まれの64歳。2007年に亡くなった父親の“任泉生”は中国政府“商業部”の元副部長だった。1981年まで12年間を軍人として過ごした任志強は、その後不動産開発に従事し、1993年に“北京市華遠集団”を設立して“総裁”となる。彼の事業は順調に発展し、不動産業界では名の知られた存在となった。

任志強は優秀な“中国共産党員”であり、以前には北京市“西城区”の人民代表に選出されたことがあり、現在は“中国人民政治協商会議北京市委員会委員(略称:北京市政治協商委員)”である。

任志強は折に触れてネット上の自身の“微博(マイクロブログ)”にコメントを書き込んでいたが、その直截で批判的な口調はネットユーザーたちの人気を集めた。任志強の“微博”はフォロワー数が3700万人いるとされ、ネット上の重要人物を意味する“網路大V”の1人として知られている。

「人民の政府はいつから共産党の政府になったのか」

その任志強が上述した中央電視台のプラカード「中央テレビは“姓党(党の代弁者であり)”、絶対に忠誠ですから、どうぞ検閲してください」と習近平の“党媒姓党”発言に反発したのだ。彼は2月19日夜に“微博”で発表した文章の中で次のように述べた。

(1)人民の政府はいつから中国共産党の政府に変わったのか。使っているのは共産党の活動資金なのか。これは好き勝手に変えることはできない。納税者のカネを使って納税者にサービスを提供しないようなことをするな。

(2)対立する2つの陣営を徹底的に分けることはできるのか。全てのメディアが共産党の代弁者で、国民の利益を代表しないなら、国民は打ち捨てられ片隅に忘れ去られるだろう。

これに対して、国営メディア「北京日報」傘下のニュースサイト「千龍網(ネット)」は2月22日付で『誰が任志強に反党の自信を与えたのか』と題する文章を掲載した。その内容は、任志強が“党媒姓党(党メディアは党の代弁者)”に反駁して攻撃したと指摘し、任志強は共産党員であるにもかかわらず、その党員としての自覚を喪失したと論じたのだった。千龍網の文章を皮切りに、中国メディアは相次いで任志強を次のように糾弾した。すなわち、任志強は長期にわたり、党規約や政治規則に違反した言論を発表してきた。その行為はその宣誓を行った入党宣言と相反し、党員としての原則を忘却したばかりか、党のイメージに損害を与えた。党員が反党の言論を発表すれば、その威力と損害は非党員が同様のことを行うのとは比べものにならない。このような党内の反党分子は党規約と規律処分条例に照らし除去しなければならない。

2月28日、“中国国家互聯網信息辨公室(中国国家インターネット情報弁公室)”は“新浪(sina.com)”、“騰訊(QQ.com)”などのポータルサイトに対して、任志強のアカウントを閉鎖するよう命じた。アカウントが閉鎖されたため、現在、任志強の“微博”は「ごめんなさい。このアカウントは異常が出たので、当面訪問できません」と表示されるのみ。翌29日には、北京市西城区党委員会が『任志強の重大規律違反を正確に認識することに関する通知」を発表し、党員が党の方針・政策と一致しない言論を公表することは、それがインターネット上であろうともメディア上であろうとも、全て党規則が許すものではないと表明した。西城区党委員会は「中国共産党規律処分条例」に厳格に照らして、任志強を厳粛に処罰するという。

それは「裸の王様」への道

2015年10月に公布された『中国共産党規律処分条例』は、党員に対する規律処分を5段階に分けている。その内訳は、警告、厳重警告、党内職務解任、党籍保留のまま謹慎処分、党籍解除となっている。情報筋によれば、上述した北京市西城区党委員会の通知には、任志強と呼び捨てにして、敬称の“同志”を付けていないことから、任志強は最も重い党籍解除の処分になると思われるという。

2月19日の国営メディア視察を通じて、メディアの忠誠を確認した習近平は、今後宿敵の劉雲山を排除する形で、全権力を一手に握り、皇帝としての地位を確実なものとしようとしている。習近平にとって、任志強のような歯に衣着せない論客は、害虫以外の何物でもなく、排除するに越したことはないのである。イエスマンだけを重用する裸の王様の運命は、どうなるのか。それは神のみぞ知るである。

3/10日経ビジネスオンライン 長尾賢『海洋安保をめぐって激化する本物のスターウォーズ 日印は宇宙空間でも連携するべき』について

中国の衛星破壊事件では、宇宙ゴミ(スペースデブリ)が沢山出て、他の衛星を脅かしました。人の迷惑を顧みない国です。

http://www.sankei.com/world/news/150325/wor1503250042-n1.html

中国は三戦(世論戦、法律戦、心理戦)の他に、戦闘領域を宇宙・深海・インターネットの世界に広げています。昨年7/1国家安全法により定められました。日本も今までの戦争の概念に閉じこもっていたのでは、敗れることになります。第二次大戦の敗戦はABCD包囲網を築かれた時点で決まったようなものです。中国の軍事暴発を防ぐためにはATO(Asian Treaty Organization)による同盟構築が重要です。条約締結よりは具体的行動の積み上げで信頼関係を重ね、然る後に条約締結の流れが自然かと。中国包囲網を作ることが重要です。3/8王毅外相は日本に「日中関係の改善について日本側の対応が妨げになっている」と注文を付けて来ましたが、それだけ日本の行動が中国の軍事行動の牽制(南シナ海での)になっているという事です。中国の嫌がることはドンドンした方が良い。

インドとの宇宙部門での提携もした方が良いでしょう。「はやぶさ」が地球に帰還できるだけの技術力を持っている日本だから、インドと日本が協力して宇宙空間から中国の行動を監視できるようにした方が良いと思います。勿論、日米豪印で情報も共有化すべきです。またインドと核技術でも協力しあい、いざと言うときはインドから核を有償譲渡して貰えるだけの関係が作れれば良いと思います。

記事

海洋安全保障をめぐって宇宙空間でも競争が起きている。映画のスターウォーズほど派手ではないが活発な動きだ。今月、東京で「安全保障分野における日米宇宙協議」が行われた。先月は米国とインドが宇宙利用に関する協議を行い、海洋安全保障についても話し合った。

 特にインドは具体的な動きを進めつつある。南シナ海を囲むベトナム、ブルネイや、インドネシアにも衛星追跡局(厳密には、データ受信追跡テレメタリー局)を設置する計画だ。すでに1月、ベトナムの施設は完成した(図1参照)。

 こうした動きは何を意味しているのだろうか。それは地域の安全保障情勢、そして日本の国益にとってどのような意味を持つのか。本稿は、海洋安全保障と宇宙空間のかかわりと、特にインドが進める宇宙利用に焦点をおき、日本の国益について考察する。

図1:インドが衛星追跡局を整備しつつある国々(オレンジ色)

Tracing satellite office

出所:筆者作成(インドは、インド洋のモーリシャス、アンダマン・ニコバル諸島=インド、東南アジアのベトナムのホーチミン市、ブルネイ、インドネシアのビアク島、南太平洋のフィジーに、衛星追跡局を設置する)

海洋安全保障と宇宙空間が交わる3つ交差点

 このトピックを考える際に、まず気になるのは、そもそも宇宙が海洋安全保障にどうかかわるのか、ということだ。一見すると明確ではないかもしれない。しかし、実は大きなかかわりが出始めている。それは大きく3つに分かれる。南シナ海を例に説明しよう。

 1つ目は、南シナ海で何が起きているかを知るために宇宙が活用されている。例えば、南シナ海で中国が進める人工島建設や対空ミサイルの配備動向を把握するため、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)は人工衛星を使った画像を利用している。南シナ海のように、人があまり住んでおらず、周辺各国のレーダー網の整備も十分でない海で何が起きているのか把握するには、衛星の力に負うところが大きい。

 2つ目は、自分がどこにいるかを把握すること。中国が建設している人工島から12カイリの海域に米国が軍艦を航行させる場合、衛星を利用した位置測位(GPS)システムが有用だ。

 3つめは通信である。状況をいち早く届けるのに衛星通信を使用するのである。衛星通信は妨害されづらく、軍事用には最適だ。

このように現代の海洋安全保障のシステムは、平時から衛星に依存している。そして、もし戦争になった場合、衛星はより重要性を増す。特に、最先端の武器を保有している米国は衛星に依存する度合いが大きい。艦艇から巡航ミサイルを発射し敵の拠点を攻撃する場合、敵の拠点がどこにあるのかを衛星で把握し、発射したミサイルがどこを飛んでいるかを衛星で把握しながら誘導する。これらの情報を衛星を通じて通信し、命中したのかどうかまで衛星を使って確認する(図2参照)。

図2:巡航ミサイル発射と人工衛星のかかわり概念図

Artificial satellite & launching missile

出所:筆者作成

 結果、心配事が出てきたのである。2001年、米国議会が設置した宇宙委員会(正確には「米国国家安全保障宇宙管理・組織の評価委員会」)が報告書を発表した。この報告書が、米軍が衛星を使ったシステムに依存していること、衛星を攻撃される脆弱性があることを指摘したのである。

 実際、2007年、中国が衛星を破壊する実験を行った。地上から打ち上げたミサイルで、宇宙空間の衛星を破壊したのだ。衛星を破壊されれば、南シナ海で何が起きているのか把握できなくなる。把握できても攻撃できないかもしれない。これは海洋安全保障上、重要な問題である。米国も日本も、そしてインドも、宇宙の安全保障上の利用について認識を改めざるを得なくなった。結果、インドの宇宙利用が今、急速に進み始めている。

衛星追跡局防衛は軍事行動の理由になる

 インドの宇宙利用はどの点で急速に進んでいるのだろうか。最初にみるのは、何が起きているか把握するための衛星である。南シナ海沿岸国に衛星追跡局を配置したのはこの一環とみられる。これらの施設は、インドの衛星が撮影した画像情報を受信する役割を担う。同時に、沿岸国に情報を提供する。インドがベトナムに設置した施設は、南シナ海で何が起きているか、インドとベトナム双方が把握するための重要な情報源になる。

 この施設にはもう一つの役割がある。もし中国がこの施設を脅かす軍事行動を起こした場合、インドは自国の施設を守るために軍を派遣することができる。2012年12月、インド海軍の当時の参謀長がインドとベトナムが共同資源開発している施設の安全確保を理由に挙げて、インド海軍を派遣する用意があることを述べた。インド国防相が2015年12月に訪米した時には、南シナ海における米印共同パトロールについて話し合ったようだ。

 こうした動向から見て、インドが将来、南シナ海に海軍を派遣することは、まったくあり得ない話ではなくなりつつある。インドの衛星追跡局の誘致は、そのきっかけを作る役割を持ち、政治的に重要なものである。

2つ目はGPSをはじめとする位置測位衛星について。この分野でもインドの取り組みは積極的だ。インドは複数のシステムを複合的に構築している。GPSに加え、ロシア製のGLONASS、そしてインド国産のシステムIRNSSも構築している。こうすることで、特定の国に依存することのない外交的な自由が得られる。軍事的には、どれか1つの衛星が攻撃された場合でも、代替システムを確保することができる。

 3つ目の通信衛星についても同様だ。特にインドが2013年に打ち上げた衛星は、インド海軍が本国と通信する能力を飛躍的に向上させた。以後、インド海軍はインド洋北半分だけでなく、さらに遠方でも軍事作戦が可能になったといわれている。

衛星を攻撃する能力を、衛星を守る抑止力に

 そして、やはり衛星破壊兵器について動きが出始めた。インドは、日本と同じように、宇宙の軍事利用に反対する「宇宙の平和利用」を掲げてきた国だ。だから、この種の兵器の開発を長年にわたって忌避してきた。しかし、中国が2007年に衛星破壊実験を行って以降、インドが独自に開発しているミサイル防衛システムの開発計画(本来は弾道ミサイルを迎撃するためのもの)の中で、衛星破壊兵器も一緒に開発しているといわれている。インドの国防研究開発機構の長は2010年に、衛星破壊兵器を開発しているとはっきりと言及したことがある(注)。

 なぜインドに衛星破壊兵器が必要なのか。衛星破壊能力を保有することは、自国の衛星を守ることにつながるという論理があるからだ。例えば中国がインドの衛星を攻撃することを考えたとしよう、もしインドが中国の衛星を攻撃する能力を持っていれば、報復を恐れる中国は攻撃を躊躇するかもしれない。

 つまりインドは、衛星を利用して東南アジア各国との協力関係を構築するとともに、インド海軍の行動範囲を拡大しようとしている。その努力を、中国に衛星を破壊させないように、宇宙における抑止力を高めながら行っているのだ。非常に手堅い動きである。

(注)インドの衛星破壊兵器についてはGroup Captain RK Singh, “Indian Anti Satellite Weapon: Necessity, Urgency and the Way Ahead”, USI Journal, Jan-Mar 2013, Vol. CXLIII, No.591 (The United Service Institution of India, New Delhi), pp.85-92に詳しい。

衛星を守るべく、日米印で協力を

 こうしたインドの動きは、特にアジア地域で高まる海洋安全保障上の脅威と連結している。中国が東シナ海、南シナ海、そしてインド洋などで活動を活発化させる中で、海洋安全保障を支えるための宇宙空間での活動を活発にしているのだ。

 では、こうした環境における日本の国益は何か。日本の衛星も攻撃に対して脆弱ではないのか、考えなくてはならない。インドはすでに米国と、宇宙分野とミサイル防衛の両方で協力しつつある。日本も米国と宇宙分野、ミサイル防衛分野で協力しつつある。だとすれば、日本とインドは協力するべきではないのか。

 協力できる分野は少なくとも2つある。インドが他の東南アジア各国と宇宙分野で連携を深めるならば、日本、インド、東南アジアで衛星を介した情報共有や、東南アジア各国が衛星を活用するための日印協力が可能なはずだ。施設の重複を避けるなど、より効率的なシステムを作ることができるかもしれない。

 2つ目はミサイル防衛と衛星破壊兵器に関する協力だ。衛星破壊兵器について、日本は深刻にとらえる必要がある。衛星攻撃は相手国に効果的なダメージを与えるが、人を殺傷しない。だから、安易に使用される可能性がある。日本の衛星を破壊する動機をもつ国が現われたとき、その国の意思をくじいて抑止する力は何か。日本には手段が必要だ。

 日本はインドとミサイル防衛で協力できないか。米国を含めたミサイル防衛の中で、衛星破壊兵器の技術も共有できないか。検討してみる価値があるはずだ。