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『各地の校庭に「毒トラック」、健康被害児童続出 儲け優先で廃タイヤ混入、鼻突く悪臭にも行政は後手』(7/8日経ビジネスオンライン 北村豊)について
共産主義が如何に人類を不幸にするシステムかという事です。一党独裁は批判を許しません。メデイアは「党の喉と舌」です。習近平の唱える「依法治国」が如何に実体のないものか。立派な法律は作ってもその通り運営された試しはありません。権銭交易でポストを金で買い、そのコストを回収するため部下から賄賂を受け取り、業者から賄賂を受け取ります。他人がどうなろうと関係ありません。本記事も子供の健康よりも賄賂を貰った方が良いというのがほのかに見えてきます。陸上トラック製造業者の倫理観に日本人は呆れるでしょうが、中国人にしてみれば当たり前の考えです。悪いことをしてでもコストを下げ、相手業者との価格競争に勝ち、役人に賄賂を払うためには必要なプロセスと考えるからです。これが中国人の発想、現実的な行動基準です。
日本人はいい加減中国人に対する幻想から目覚めた方が良いでしょう。「論語」を深く学んだ影響もあって、高徳な中国人のイメージを持っている人が多いと思われますが、現実は違いすぎます。孔子だって、当時世の中から受入られなかった訳ですから。当時の中国は弱肉強食の世界だったわけです。今でもそうですが。
「尖閣」を奪いに来る訳はないと思ったら大間違いです。彼らは「人のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」という発想をします。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄です。日本を騙して油断させ、一気に奪いに来るかもしれません。中国と言うモンスター作りに加担した親中派政治家の責任は重いです。でもそういう政治家を選んだのも国民です。最終的に国民がそのツケを払うことになります。選挙で反日民進党や日本共産党に投票すれば反日政策が推進されます。真剣に投票行動しませんと。
中国の水汚染もPM2.5より恐ろしいと言われるほど進んでいます。日本の土地・水を奪われないよう監視が必要です。

2015.02.03 16:43 by wakaba
http://news.livedoor.com/article/detail/11421795/
記事
遼寧省“瀋陽市”の中心部に位置する“和平区”に所在する“瀋陽鉄路第五小学(瀋陽鉄道第五小学校)”(以下「鉄五小」)は、瀋陽市のみならず遼寧省で優良教育校として知られ、約2800人の児童が在籍している。同校に異変が現れたのは1年前に運動場を改修してからのことだった。
鼻血、めまい、吐き気、白血病…
鉄五小は2015年の8月に運動場の改修を行い、合成樹脂舗装のトラックを新設した。ところが、9月に新学期が始まると、多数の児童が鼻血やめまい、手足に力が入らないなどといった身体の異常や不調を訴えるようになった。時間が経過しても、この状況は一向に改善されず、鼻血を出す児童は増大の一途をたどり、状況はますます悪化していった。新設されたトラックからは鼻につんとくる濃厚な臭いが発生していた。児童の父母たちはトラックから発生する臭いが有毒で、それが児童たちの身体に異常を生じせしめているのではないかと疑念を抱いた。父母たちは学校側に質問を提起して解決を促したが、学校側は何らの措置も採らずに放置し、父母たちに対する回答を先延ばしにしていた。
2015年9月の新学期から2016年5月までの9か月間に、全校24学級で多数の児童が頻繁に鼻血を出し、一部の児童は鼻血が止まらない症状を呈していた。また、大多数の児童に、めまい、吐き気、せき、手足に力がはいらないなどの異常が現れていた。2016年1月、5年生の女児が学校の身体検査で急性白血病と診断され、間もなくして死亡した。父母たちは女児の急性白血病による死が合成樹脂舗装のトラックによって惹起されたものと推断した。5月30日、父母たちは大挙して鉄五小へ押しかけ、校舎の壁に横断幕を掲げて、関係当局に対して問題を迅速に解決するよう要求した。しかし、学校側は“公安局”へ通報して警官の急派を要請し、駆け付けた警官は父母たちを排除すると同時に横断幕を没収したのだった。
小学校の運動場に合成樹脂舗装のトラックが新設された後に、児童の身体に異常や不調が出現する現象は、2015年9月に新学期が始まった後に各地で報じられるようになった。この問題が最初に報じられたのは江蘇省で、“蘇州市”、“無錫市”、“南京市”、“常州市”などの各地で合成樹脂舗装のトラックに問題が提起された。これに続いて、広東省の“深圳市”、“広州市”、“珠海市”、“東莞市”などでも同様の問題提起がなされ、さらには北京市や遼寧省からも問題提起が行われ、全国的な問題へと発展した。
上述した鉄五小の問題に関して関係当局(瀋陽市教育局)が父母たちに公表した回答には次のように書かれていた。すなわち、先ごろある朝鮮族小学校に新設された合成樹脂舗装のトラックを検査したが毒性は検出されなかった。当該合成樹脂舗装の原材料は鉄五小の原材料と同時期に市政府買付で調達したもので、同一ロットであるから、朝鮮族小学校のトラックに毒性が検出されていない以上、鉄五小のトラックに毒性はないと判断する。
中国では政府買付や建設事業は入札制が実施されているが、深刻な腐敗(汚職や職権濫用など)により入札は名目だけのものとなり、学校のインフラ整備は権力者にとって重要な利権となっている。学校の体育施設を生産する“聚氨酯(ポリウレタン)”製造企業は、国際陸連認定が全国に十数社、中国陸上競技協会認定も全国に数十社しかないのに、実際に生産を行っている企業は数千社あり、2015年だけでも3000社以上増加しているのが実情である。
全国各地で報じられる合成樹脂舗装のトラック問題に着目した中国国営の“中央電視台(中央テレビ)”の人気番組『経済半時間』は、6月22日に「誰が毒トラックを製造したのか」を放送し、国内に大きな反響を巻き起こした。その概要は以下の通り。
半数以上の生徒が欠席
【1】6月14日、記者は北京市“平谷区第六小学(小学校)”(以下「平谷六小」)の運動場にいた。新設された“塑胶跑道(合成樹脂トラック)”は基本的に完工し、明るい太陽の下で赤い合成樹脂トラックは一段と目を引いた。記者はその場に数十分間留まっていたが、空気中に漂う鼻を突く臭いにめまいを感じた。不思議なことに、運動場周辺には1人の児童も見当たらないばかりか、運動場には立ち入り禁止のロープが張られていた。その理由を児童たちに聞いてみると、新しい合成樹脂トラックが完成してから耐えがたい臭いが漂い、児童たちの身体に問題が出現するようになったため、運動場は体育の授業に使われなくなったのだという。
【2】平谷六小の校庭改修工事は2015年10月20日に入札が行われ、2016年5月に工事が完成した。運動場に新設された合成樹脂トラックの舗装面積は1700m2であったが、トラックの使用を開始して10日間も経たないうちに、一部の児童に程度は個々に異なるものの鼻血、アレルギー、めまい、嘔吐(おうと)などの症状が出現したのだった。
【3】記者が児童たちに尋ねると、ある児童は「今日(6月14日)は40人のクラスで20人以上が欠席している」と答えたし、別の児童は「38人のクラスで出席したのは13人で、25人が欠席している」と言った。後者の児童に症状は鼻血が多いのかと問うと、「鼻血ではなく、めまいと吐き気」という回答だった。鼻血や嘔吐が出現しているのは主として1~3年生とのことだったので、記者が1~3年生の5教室を見て回ったところ、どの教室も3分の1が空席だった。6月14日に北京市“平谷区教育委員会”が記者に提供してくれた資料によれば、過去1か月間に平谷六小で鼻血が出たことのある児童は25人で、このうち医者で治療を受けた児童は11人に上っていた。
【4】校庭改修工事を行った企業によれば、合成樹脂トラックは合成樹脂の顆粒に液体のりを混ぜて舗装したもので、技術的に高いものではないという。そこで多数の工事業者に原料となる合成樹脂顆粒の仕入先を問い合わせたところ、河北省“保定市”や“滄州市”一帯に合成樹脂トラックの原料を生産する企業が数十社存在することが判明した。これらの生産企業は地元の工事業者に合成樹脂トラックの原料を供給し、それら工事業者が地元のみならず北京市を含む河北省以外の地域における校庭改修工事を受注しているという実態が浮かび上がった。
廃タイヤなどを粉砕して混ぜ込む
【5】6月15日、記者は河北省の保定市と滄州市に出向いて調査を展開した。事前にネット上で合成樹脂トラックの工事業者を探しているという名目で呼びかけたところ、保定市の工事業者の責任者である“潘”という人物と連絡が取れていた。記者は保定市のレストランで潘さんと面談したが、潘さんは得意気に合成樹脂トラック舗装工事の秘密を話してくれた。潘さんは30歳前の若者で、合成樹脂トラック舗装工事の仕事に携わって3年以上とのことだった。彼によれば、カネを稼ぎたいと思うなら、肝心なのはいかに原料コストを下げるかで、そのためには廃タイヤや廃ケーブルから回収した被覆材を粉砕すれば原価は非常に安くて済むのだという。
【6】潘さんは河北省内や北京市内の多数の学校から合成樹脂トラックの工事を請け負っているとのことだった。現在の廃タイヤ価格は1トン当たり1400~1500元(約2万2000~2万4000円)だが、もっと稼ごうと思うなら、安い物なら何でも良いから粉砕して顆粒にしたものを本来の原料に加えて量を増やせばよい。要するに、“一分銭, 一分貨(品質と値段は相当する)”ということに尽きる。本来の原料はタイヤ顆粒だが、それが品質の良いタイヤから作られているとは限らず、中身は何でもありの混合品なのだという。その中には使い古されたゴミの顆粒もあれば、校庭の古いトラックを引きはがして回収した物を再度粉砕した顆粒も含まれている。潘さんに連れられて保定市の中心から70km程離れたある村を訪れた記者は、1軒の門を固く閉ざした民家の中にある秘密工場で、廃タイヤを切断して粉砕している現場を目撃した。門を入った時点で、記者は平谷六小の運動場に漂っていたのと同様の鼻を刺すような悪臭を嗅ぎ、息苦しくなったのだった。
【7】6月15日、記者は河北省滄州市の工事業者から合成樹脂顆粒を供給してやっても良いとの電話を受けた。6月17日に滄州市へ入った記者は電話をかけて来た工事業者の“張”という人物と会い、彼に連れられて滄州市の中心から20km離れた場所を訪れた。そこは辺り一面に異臭を放つゴムのごみが散乱していた。とある農家に入ると、そこの庭には廃タイヤや廃ケーブル、さらには名の知れないゴム製品が入り混じって積み上げられていた。張さんによれば、これらのゴム製品を粉砕することにより黒色の顆粒を生産するが、黒色顆粒はトラックの一番下の層に使われるのだという。
【8】張さんが記者に見せてくれたのは黒色顆粒の製造工場で、そこには1台の全長2mほどの設備が置かれていた。設備の投入口に投げ込まれたゴムのごみは切断されてから粉砕され、二層の篩(ふるい)に掛けられて顆粒となって出てくるのだった。「この黒色顆粒を使えば、1m2当たり2元(約32円)節約ができる」と張さんは説明した。張さんによれば、学校の合成樹脂トラックを舗装する時、工事業者は液体のりと黒色顆粒を混ぜ合わせるが、液体のりと顆粒の比率には何の基準もなく、全ては作業員の勘に頼っている。但し、張さん自身は作業現場には出向かない。その理由は黒色顆粒と液体のりを混ぜた物は有毒だと認識しているからだという。
深刻な「黒色汚染」
【9】中国の『“産品質量法(製品品質法)”』の第13条には、「人の健康と身体、財産の安全に危険を及ぼす可能性がある工業製品は、人の健康と身体、財産の安全を保障する国家基準、業界基準に必ず合致しなければならない。国家基準、業界基準が未だ制定されていないならば、人の健康と身体、財産の安全を保障する要求に必ず合致しなければならない」と規定されている。また、第27条には「製品には製品品質検査合格証明がなければならない」として、中国語の製品名称、生産工場と住所、さらには製品規格と等級、主要成分の名称と含有量の明記が求められている。しかし、合成樹脂トラックの主要原料である黒色顆粒には工場名・住所の記載もなければ、製品の品質に対する検査合格証もない。
【10】廃タイヤは国際的に公認の有害ごみであり、「黒色汚染」と呼ばれ、環境に深刻な汚染をもたらす。2009年、中国政府の“環境保護部”、“国家質量監督検験検疫総局(国家品質監督検査検疫総局)”など多数の部局は連名で『環境保護部第36号公告』を発表して、明確に「廃タイヤおよびその切断塊」を『輸入禁止固体廃棄物リスト』に組み入れている。また、廃ケーブルは多種類の重金属で構成されており、自然環境に廃棄されれば、環境を破壊することは言うまでもない。中国の『固体廃棄物環境汚染防止法』には、固体廃棄物を収集、貯蔵、輸送、利用、処理する組織と個人は、散布、流出、浸出を防止する、あるいは環境汚染を防止する措置を必ず採らねばならない」と明記されている。にもかかわらず、小学生がこのように汚染された合成樹脂トラックの上で運動すれば、その結果はいわずもがなの話である。
某メディアは合成樹脂トラックの材料を生産する工場の責任者から聴取した話として次のように報じている。
トラック舗装工事の入札を落札するために、建設会社は価格を抑えてより多くの利益を稼ぐことを考える。そのために、建設会社は材料の生産メーカーに原料価格の引き下げを要求する。価格引き下げを要求された生産メーカーは利益を確保するために生産コストを下げるべく、低価格の粗悪な原料を使って生産を行う。こうした悪循環によって、現在の市場における合成樹脂トラックの価格は1m2当たり100元(約1600円)前後、甚だしいのに至ってはさらに低い。一方、ある専門家は、「そんな価格で基準に合致した原材料が使われるはずがない。基準に合致した合成樹脂トラックの一般価格は1m2当たり200元(約3200円)である」と述べている。
6月22日に中央テレビの『経済半時間』が報じた通称「毒トラック」問題は、小学生の子供を持つ親たちを不安に陥らせ、その矛先は中国政府に向けられた。翌23日、中国政府“教育部”は、夏休み期間中に環境保護部および国家品質監督検査検疫総局と協力して全国で学校の合成樹脂トラックを検査すると発表した。メディアによれば、不合格な「毒トラック」は撤去されるし、“偸工減料(仕事の手を抜き、材料をごまかす)”ことで「毒トラック」を建設した業者は厳重に処罰されるという。
摘発を開始、放送は中止
昨年9月の新学期以降に全国で多発した「毒トラック」問題は、『経済半時間』が取り上げたことで、解決の目途がついたように思える。6月22日の『経済半時間』は、「毒トラック」問題の“下集(後編)”を翌日の23日に放映すると述べたが、23日になって急きょ後編の放映は取り止めとなった。これは中央テレビの上層部からの命令によるものであった。
河北省の情勢に詳しいメディア記者によれば、現在の中央テレビの“台長(総責任者)”である“聶辰席”は河北省出身で、長年にわたって河北省に在籍した。彼は2006年12月に河北省共産党委員会常務委員兼“宣伝部”部長に任命され、2015年4月に中央テレビの台長に任命された。また、毒トラックの材料を生産する滄州市の共産党宣伝部長である“賈発林”は、元中国共産党中央政治局常務委員であった“賈慶林”の弟である。どうやら後編が放送中止となった背景には、河北省と強いつながりを持つ中央テレビの台長と賈慶林の弟の存在があると考えられている。真偽のほどはともかく、そう考えられるのが中国の現実なのである。
なお、6月23日にメディアが報じたところによれば、滄州市内で毒トラックの材料を生産していた工場9カ所が滄州市当局によって閉鎖され、工場の関係者が身柄を拘束された。
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『参院選間近、英エコノミスト誌は自民大勝と見る 選挙後、改憲にまっしぐら』(7/7 The Economist 日経ビジネスオンライン )について
エコノミストの記者はどこまで日本の政治状況を分かって書いているのでしょうか。安倍首相は自分の総理の内に憲法改正したいと思っているでしょうが、今度の参院選で与党+αで2/3の議席を取っても国民投票をクリアしなければなりません。慎重に進めるでしょう。もし、失敗すれば今後10年くらい憲法改正論議ができなくなる恐れがあります。安倍総裁の任期は18年9月までですが、自民党党規を改正(3期9年、21年9月まで)し、東京オリンピックまで続投するかもしれません。18年12月までに衆院選、19年7月参院選と続きます。どこで仕掛けるか或は仕掛けないのか分かりません。
自民党の行う世論調査は正確と言われています。何度も世論調査した上で衆参両院での発議、国民投票となるのでは。憲法改正は逐条改正になると山田宏氏が言っていました。全部を改定するのは大変で、差当り96条の「発議を2/3から1/2にし、国民投票で1/2は残す」ところを改正すれば良いのでは。9条2項の「国の交戦権は認めない」と言うのは中国が尖閣を攻めて来た時に現実追認となるでしょうから今の所其の儘でも良いと考えます。誰が見ても自衛隊は憲法違反の存在ですが、その存在は国民に浸透、感謝されています。憲法以上の存在と言うことができます。GHQの押付け憲法が如何にダメかという典型です。自衛隊予算を「人殺し予算」と言ってのけた日本共産党や素の尻馬に乗る反日民進党には投票しませんように。
記事
日本では昨年、選挙権を得られる年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられた。だが東京都に住む高校生のミナミさんは、7月10日に実施される参議院選挙で投票する予定はないと言う。多くの日本人と同様、彼女は政治を「つまらないもの」だと感じている。今回の選挙によって彼らのこうした見方が変わることは恐らくないだろう。

安倍首相が応援演説(写真:Abaca/アフロ)
安倍晋三首相が率いる現政権は、苦戦する野党勢に対して完勝すると思われる。安倍政権の支持率はこのところ急上昇している。4月に熊本県で発生した一連の地震に手際よく対処したことが好感されたほか、5月には米国のオバマ大統領による広島訪問という、国民感情に訴えかける出来事もあった。自民党は得票につながる有権者への働きかけを効果的に進めており、選挙での投票率が低い場合は自民党に有利な結果となる。
また安倍首相は、英国が国民投票でEU(欧州連合)離脱を決めたことから生じている経済の混乱にも救われることになる。デフレや伸び悩む消費、停滞する賃金など日本経済が直面する苦難についても、今や外的要因のせいにすればよい。安倍首相は消費税引き上げの延期を6月1日に決定した。それに先立って「世界経済に危機が迫っている」との警告を発し、冷笑を買った。それが今では同首相に先見の明があったのかと思わされる展開となっている。経済が大きく変動すれば、安倍首相の掲げる「安定」や「能力」といった公約が魅力を増す可能性もある。
自民大勝で二大政党制が崩壊
その一方で、野党勢は失うものが多い。参議院では総議席数242の半数が3年ごとに改選される。野党の民進党は現在もある程度の議席数を保持しているが、2013年の選挙で低迷した。テンプル大学のマイケル・チュチェック教授は民主党がある程度の議席を有している参議院の現状について、日本が今でも実質的な二大政党制を維持していると説得力を持って主張するための最後の砦だと話す。
だが二大政党制の状況はこの参院選で消滅するだろう。自民党は今回27年ぶりに参議院で圧倒的多数を勝ち取ると思われる(衆議院はすでにその状態にある)。
そうなれば安倍首相の自民党内における権限は増大し、連立パートナーである公明党の意見に耳を貸さない自由を獲得できる。公明党は仏教系の宗教団体を支持母体に持つ政党で、平和主義と社会福祉を重視している。
安倍首相は改憲を公言しないが…

選挙戦が進む中で政府にとって大きなリスクとなっているのは、安倍首相が自らの最終目標を声高に口にしてしまう事態だ。つまり参議院で議席の3分の2を確保することである。実現すれば、米国が1946年に起草した日本の平和憲法の主要条項を改正すべく国民投票を発議できる。
安倍首相にとって憲法改正は積年の悲願だ。政府は選挙権年齢を引き下げた。これは改憲に向けた国民投票を可能にする法案を支持する条件として野党勢が求めたからだ。日本が永遠に戦争を放棄することを定めた第9条を、安倍首相は時代遅れで危険なものだと考えている。だが憲法改正に反対する有権者は多く、安倍首相は今回の選挙運動においてこの願望を前面に出さずにいる。
衆議院では自民党と公明党の連立政権がすでに議席の3分の2を確保している。両党は2013年の参院選で大勝しているため、今回の選挙でわずか77議席を獲得すれば参議院でも総議席数の3分の2に手が届くことになる。つまり、前回と同じだけの議席数をとればいい。そうすれば現在10議席を保有する2つの右派小党の支持を取り込むことで改憲できる。
こうした展開になっても、安倍首相にはメリットがほとんどない可能性もある。憲法改正に対する国民世論の反対は根強く、たとえ改憲手続きに着手できたとしても、首相が望み通りの結果を得られないこともあり得る。公明党もまた、第9条の改正には抵抗するだろう。
だが残念なことに、ほとんどの日本人――彼らの最優先課題はあくまでも経済――にとって、こうした障壁は改憲を阻むものとはならないだろう。選挙が終われば、政府は持てるエネルギーの大半を憲法改正に注いでいくつもりでいる。
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『「南シナ海」が加速させる「韓国の離脱」 THAADを拒否しよう、対米関係悪化は覚悟の上だ』(7/7日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
<7/8NHKニュース米最新迎撃ミサイル 韓国に配備決定 12時51分
韓国とアメリカは北朝鮮の核やミサイルの脅威に対応するため、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を韓国国内に配備することを最終的に決定しました。
韓国国防省のリュ・ジェスン(柳斉昇)国防政策室長は8日、記者会見し、北朝鮮が核実験を重ね、新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」とみられるミサイルなどの発射を繰り返していることについて、韓国をはじめアジア太平洋地域の安全に対する重大な脅威になっていると指摘しました。 そのうえで、北朝鮮の脅威に対応するため、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」を韓国国内に配備することを、アメリカとの協議を通じて最終的に決定したことを明らかにしました。 リュ室長は、「THAADの配備はいかなる第3国も対象としておらず、北の核やミサイルの脅威に対してのみ、運用される」とも述べ、配備に反対している中国に理解を求める姿勢を示しました。 また、記者会見に同席した在韓アメリカ軍司令部のトーマス・バンダル参謀長は「THAADの朝鮮半島への配備は、米韓の防衛戦略の極めて重要な要素であるミサイル防衛態勢を向上させるものだ」と述べ、具体的な配備場所について今後、詰めの協議を急ぐ考えを示しました。 韓国政府はことし2月から「THAAD」の配備についてアメリカ政府と公式な協議を行ってきましたが、これに対して中国は「THAAD」の高性能レーダーが北朝鮮にとどまらず中国東北部にまで及び中国軍の監視に利用されると主張し、韓国への配備に強く反対していました。
官房副長官「決定を支持」
萩生田官房副長官は記者会見で、「韓国はわが国と戦略的利益を共有する最も重要な隣国で、具体的な配備計画は米韓で議論が行われていると承知しているが、米韓の協力が進むことは地域の平和と安定に資するもので、わが国としても決定を支持している」と述べました。 一方、萩生田副長官は、記者団が「中国の反発も予想されるが」と質問したのに対し、「米韓によって配備を決めているものであり、第三国についてコメントする立場にない」と述べました。
中国 断固反対の姿勢
アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の韓国への配備が決まったことについて、中国外務省の洪磊報道官は8日の記者会見で「米韓が、中国を含めた関係国の明確な反対の立場を顧みず、THAADを配備すると発表したことに、中国は強い不満とともに、断固反対の立場を表明する」と述べ、北京に駐在するアメリカと韓国の大使を呼んで、中国政府として厳重に抗議したことを明らかにしました。 そのうえで、「THAADの配備は、朝鮮半島の非核化の実現に役立たないだけでなく、中国の戦略的な安全保障上の利益も損ない、地域の戦略バランスを破壊する」と述べて、米韓両国に対し、配備に向けたプロセスを即時停止するよう要求しました。 中国政府はTHAADの高性能レーダーが中国東北部などに展開する中国軍の監視に利用されることを警戒しており、これまでも再三にわたって、THAADの韓国への配備に反対する立場を表明していました。>(以上)
朴政権も米国から「THHADを配備しなければ、在韓米軍も撤退する。当然戦時作戦統制権もなくなる」とでも脅されたのでは。そうでなければ韓国の異常なマスコミに逆らってまで配備することはなかったと思います。最後通牒を突き付けられたのでしょう。
しかし、朝鮮人の事大主義というのは民族のDNAとして刷り込まれています。壬午事変から日清戦争までアッチに付き、コッチに付きと右往左往した挙句、日本に統合される羽目になった歴史を振り返って見るのができないのでしょう。今でも米中を手玉に取った気になって、実は米中に踏み絵を踏まされる構図になっていることに気付きません。何でも自分の都合よく解釈するファンタジーの中に暮らしている民族ですので。歴史を改竄・捏造するのはお手の物、文化や運動まででっち上げする国ですから。
韓国は今回米国の言うことを聞きましたが、中国が盛り返すべく韓国を脅しにかかることは充分考えられます。経済で締め上げる行動を取るかも知れません。そうなれば、また中国の属国になるような動きになるでしょう。先祖返りとでもいうのでしょうか。共産主義国に隷従することがどんなに恐ろしいことなのか韓国人は分かっていません。スターリン、毛沢東、ポルポトは自国民大量虐殺で有名です。米中の狭間にあって、中国は韓国が自由主義国家に属することは許さなくなるのでは。そうなれば、北と一緒にさせるかも知れず、金王朝によって政府関係者とメデイア、軍人は血祭りにされる可能性もあります。韓国人というのは想像力に乏しい人達です。
一方、もし在韓米軍撤退や戦時作戦統制権返還の動きが出れば、北が南を襲うことも充分考えられます。何せ南の方が経済的に豊かなので掠奪しようとするでしょうし、金正恩は核を使って脅すかも知れません。韓国は米国がいつまでも韓国を甘やかし続けると思っていたら大間違いです。同盟国にあるまじき行動をとればしっぺ返しを受けます。蝙蝠外交の限界です。でも韓国民は意図的に不都合な真実には目を塞ぎます。民族的特質ですので。
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13552.html
記事

「南シナ海に主権」と主張する中国に対して7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所の判断が下される(写真=Hollandse-Hoogte/アフロ)
南シナ海で高まる米中の緊張――。それが韓国の「海洋勢力からの離脱」を加速する。キーワードは「地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)」だ。
中国側に鞍替え
鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)政権に最も近いと見なされる中央日報が「THAADの在韓米軍配備を拒否しよう。米国との関係が悪化するだろうが、それも覚悟すべきだ」と書きました。
筆者は有名なコラムニスト、金永煕(キム・ヨンヒ)国際問題大記者。「THAADを放棄しよう」(7月1日、韓国語版)という記事です。
—中央日報の日本語版にも同じ見出し「THAADを放棄しよう」(7月1日)で載ったので、日本でも読んだ人がいると思います。
鈴置:米軍は北朝鮮の核開発に対抗し、THAADの在韓米軍基地への配備を計画しています。これに対し中国は、韓国に応じないよう強く圧力をかけました。
しかし2016年2月7日、北の長距離弾道ミサイル実験の数時間後に韓国は配備を容認。現在、米韓両軍は配備する場所など具体案を煮詰めています。
もっとも、中国とロシアは「我が国の核ミサイルを監視する狙い」と主張し依然、配備を拒むよう韓国に要求し続けています。
この記事が載った2日前の6月29日にも、訪中した韓国の黄教案(ファン・ギョアン)首相に、習近平主席がTHAAD配備に反対すると伝えました。
左派系紙、ハンギョレは「習近平主席、韓国首相に『THAAD反対』重ねて強調」(6月29日、日本語版)で「これに関し韓国政府は公開しなかったが、中国の新華社が伝えた」と報じました。
外交ゲームの象徴
—中国も執拗ですね。
鈴置:「THAAD」は、米中どちらが韓国を従わせるかという外交ゲームの象徴ともなっているのです(「THAADを巡る米韓中の動き」参照)。
| 1月6日 | 北朝鮮、4回目の核実験 |
| 朝鮮日報、社説で核武装を主張 | |
| 与党セヌリ党幹部2人、核武装に言及 | |
| 1月13日 | 朴大統領、国民向け談話で「THAAD配備は国益に基づき検討」 |
| 北朝鮮、長距離弾道ミサイル実験 | |
| 韓国国防部「THAAD配備に関し、米国と公式協議に入る」 | |
| 中国外交部、北朝鮮と韓国の双方の大使に抗議 | |
| Global Times社説「配備すれば戦略・戦術の両面で軍事目標に」 | |
| 2月12日 | 王毅外相、ロイターに項荘舞剣、意在沛公」(中国は米国から剣を突きつけられた) |
| 環球時報・社説「配備すれば韓国は中・米の碁盤の石だ」 | |
| 朴大統領、国会演説で「配備の協議開始も抑止力の一環」 | |
| 2月21日 | 解放軍報「中国軍の空爆により韓国と日本のTHAADは1時間で破壊可能」 |
| 米国、配備に関する合同実務団結成のための約定書交換を突然に延期 | |
| ケリー国務長官「配備に汲々としない」 | |
| 邱国洪大使「1つの問題で中韓関係は一瞬にして破壊」 | |
| 2月24日 | 前日の邱国洪大使発言により韓国証券市場で中国消費関連株、一斉に下げる |
| 2月25日 | ハリス米太平洋軍司令官「必ず配備するわけではない」 |
| 2月26日 | ラッセル国務次官補「THAADは外交的交渉カードではない」 |
| 2月29日 | 武大偉・朝鮮半島特別代表、尹炳世外相に配備反対を伝える |
| 3月2日 | 国連安保理、対北朝鮮制裁を採択 |
| 3月4日 | 米韓、配備に関する合同実務団結成のための約定書を交換 |
| THAADを巡る米韓中の動き(2016年) | |
さて金永煕大記者の記事から、最も論議を読んだ部分を翻訳します。なお、韓国の新聞社には「大記者」という肩書が残っています。あまりに時代がかった名称だからでしょう、日本語版では「国際問題論説委員」と訳されています。
- 韓国の選択は2つのうち1つだ。まず、THAADを配備し、その代価として中国を確実な北朝鮮の後見人にすること。もう1つはTHAAD放棄により、中国が北朝鮮の牽制にさらに積極的に出るようにすることだ。
- 正解はTHAAD配備の放棄だ。韓米関係は若干の後退を容認するだけの余地がある。韓中関係にはそのようなマージンがない。
- 戦争の防止が至上命題だが、THAADがあっても北朝鮮の挑発意志をくじくことはできない。いっそのことTHAADを放棄し、中国の力を借りて北朝鮮の戦争挑発を事前に防止することが最善の政策だ。
非現実的で危険な発想
—THAAD配備を放棄、つまり米国に「配備するな」と言えばうまくいく、ということですね。
鈴置:そこが批判の対象となりました。記事の書き込み欄で、多くの読者が「THAAD配備を拒否しても、中国が北朝鮮の挑発や侵攻を阻止してくれるとの保証はどこにもない」と疑義を呈しました。
親米保守の言論サイト、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに「証人」というペンネームの識者が「韓国の安保を中国にゆだねようとの危険な発想」(7月1日、韓国語)という記事を載せました。やはり、そこを突いています。ポイントを要約しつつ訳します。
- この主張は確実な結果を担保できない、あまりに危険な「希望」に過ぎない。北朝鮮が完全に中国に従うとの前提は現実的ではない。
証人氏は続けて「THAAD配備を拒否しても、韓米関係は維持できる」とのくだりも批判しました。以下です。
- 中国にとって在韓米軍は「のどに刺さった骨」だ。THAAD配備には関係なく、チャンスを見て米軍追い出しにかかるだろう。それに協調しない限り、韓国は排除の対象となる。
- 「配備か放棄か」は「米国か中国か」を意味する。米国と根回ししてあっても「THAAD放棄カード」を選べば、韓米同盟のタガが緩むのは確実だ。
- 両方から手招きされた時に態度を明確にしないと、次には両方から強要されることになる。この主張は「耐えきれない状況」を招くことになろう。
「属国に戻れ」と命じる中国
—「THAAD拒否」によって、韓国の「米韓板挟み」の状況がもっと厳しいものになるとの主張ですね。
鈴置:その通りです。「板挟み」どころか「米国が韓国を見捨てる」契機となる可能性もあると思います。
いったんは合意したTHAADの配備を今になって韓国が拒否したら、米国でますます「韓国は裏切り者だ」との声が高まるでしょう。
2015年9月に朴槿恵大統領が天安門の軍事パレードを参観して以来、米国の外交界では韓国の「離米従中」が共通認識となりました(「ルビコン河で溺れ、中国側に流れ着いた韓国」参照)。
韓国の行状が目に余ったためでしょう、同年10月には訪米した朴槿恵大統領に対しオバマ大統領が、米中どちらの側に立つのかと共同会見の場で難詰しました(「蟻地獄の中でもがく韓国」参照)。
韓国を守るために米国は軍を置いているのです。その在韓米軍を防御するためのTHAAD配備に反対すると言うのなら、韓国から軍を引こうではないか――との声が米国から上がるのは確実です。
そもそも、外国への関与を減らしたいとの思いが米国では強まっています。米大統領候補のトランプ(Donald Trump)氏の「韓国ただ乗り論」はその象徴です(「『トランプからの請求書』は日本に回せ」参照)。
一方、中国は「THAADを拒否した韓国」に優しくなるどころか、さらに厳しい要求を突きつけるでしょう。米国の後ろ盾を失った韓国に、より強い態度で臨むのは目に見えています。
すでに韓国に対し、中国の役人や学者が非公式にですが「中国と同盟を結べ」と要求し始めています(「ついに『属国に戻れ』と韓国に命じた中国」参照)。
千年にもわたって朝鮮半島の王朝は中華帝国の一部でした。中国人にすれば「韓国は中国の言うことを聞いて当然」なのです。
韓国はますます動揺し「離米従中」を加速することでしょう。THAAD拒否により、米韓同盟が直ちに廃棄されるわけではない。しかし、相当なダメージを受けるのは間違いありません。
4割がもう、中国派
—金永煕大記者はそこまで考えて記事を書いたのでしょうか。
鈴置:それは分かりません。言えるのは、この人が中国との関係を極めて重視する言論人ということです。
2016年1月の北朝鮮の4回目の核実験の後には「韓米日の枠組みよりも中国との協力で北の核武装を防ごう」と主張しました(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。
「北の核」の解決に積極的に動いてこなかったオバマ大統領に対しても「世間の物笑いの種」と厳しく批判しました。米国への失望の表明でもあります。
今回の記事も「Say not to Thaad」の見出しで7月4日の英語版に収録されています。「拒否」を世界に向け宣言したのです。金永煕大記者は、いざとなったら韓国の命綱を米国ではなく中国に託そうと決意しているのかもしれません。
確かに「THAADを拒否さえすれば、後は中国がうまくやってくれる」という彼の主張は「天下の暴論」扱いされました。が、「米国ではなく中国に頼る」との意見には、賛成する人も多いのです。
グラフ「米中どちらが大事か」をご覧下さい。2015年の意識調査ですが、もう4割近い韓国人が「中国派」なのです。
グラフ●米中どちらが重要か

孤立深める中国
—なぜ突然、今になって「THAAD拒否」を金永煕大記者は書いたのでしょうか。
鈴置:「南シナ海」が原因と思います。先ほど引用した結論のすぐ前の部分で、世界の情勢を以下のように説いています。
- 2015年5月、オバマ米国大統領がベトナムを訪問し米国の武器輸出禁止措置を解除した。これを機に、米国に包囲されるとの中国の被害者意識が一層、激しく刺激された。
- 南・東シナ海での中国の膨張戦略を牽制するため、米国はインド、ベトナム、フィリピン、豪州、日本と2―3カ国単位での安保ネットワークをしっかりと造り始めた。
- そのたびに北朝鮮の中国に対する戦略的な値段が急騰する。すでに中国経由での北朝鮮とパキスタンの核コネクションの復活が報じられた。米国が南・東シナ海で中国を圧迫するほどに、対北制裁への中国の参加の度合いが落ちるほかはない。
南シナ海の軍事基地化により、中国の国際的な孤立は深まるばかりです。6月に入り中国の海・空軍が尖閣諸島周辺で日本に対して新たな挑発を始めたのも、国際社会の関心を南シナ海からそらす目的もあると解説する専門家もいます。
特に7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、フィリピンによる中国への提訴に判決を出すことに注目すべきです。「南シナ海のほぼ全域に主権が及ぶ」との中国の主張に、不利な判決が出ると見られています。その際、中国の孤立は決定的なものになります。
「THAAD」で許し乞う韓国
—すると、中国は北朝鮮をより可愛がるようになるので核問題の解決はますます遠のく、ということですね。
鈴置:それもあります。が、判決により韓国がもっと困る事態も発生しそうなのです。金永煕大記者は言及していませんが。
5月末の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言には「東・南シナ海における状況に懸念」「力や威圧を用いず、仲裁を含む法的手段で解決する」との文言が盛り込まれました。
「中国に厳しい判決」が出たら、西側主要国が対中非難で声をそろえる可能性が大です。これに対し、中国の側に立つのはアジアではカンボジアなど数カ国。後はアフリカの、中国に世話になっている国ぐらいでしょう。
いくら韓国が中国の顔色を見る国といっても、さすがに中国の応援はできない。昨年のオバマ大統領の難詰の主眼も、「南シナ海で中国を非難しない」点にあったのですから。
しかし、米国側に立つ韓国を中国は許さないでしょう。中国は韓国をすっかり属国扱いするようになっています。
—韓国はどうするのでしょう?
鈴置:そこで「THAAD拒否」を繰り出す手があるのです。中国には「南シナ海ではやむなく米国側に立つが、THAADでは中国側に立つから許してほしい」と弁解できます。
米国に対しては、金永煕大記者が記事で主張したように「南シナ海で米国側に立った。おかげで中国の対北圧力が弱まる。その補完措置としてやむなくTHAADを放棄したい」と言い訳するのです。
「Koexit」が始まる
—米国は納得するでしょうか。
鈴置:しないと思います。こんな子供だましの言い訳をしたら却って怒り出すかもしれない。しかし韓国とすれば米中の間で二股外交を続ける以上、めちゃくちゃでも何らかの言い訳が要るのです。
—結局、「南シナ海」が韓国の「離米従中」を加速するわけですね。
鈴置:その通りです。韓国とはあまり関係なさそうな「南シナ海」の問題が「海洋勢力からの離脱」を呼んでしまうのです。「Brexit」ならぬ「Koexit」です。
—金永煕大記者は朴槿恵政権と近い、とのことでした。「THAAD拒否論」は政府の差し金でしょうか。
鈴置:そこは分かりません。趙甲済ドットコムの金泌材(キム・ピルジェ)記者は「中国の恫喝に負けたのだ」と説明――というか、非難しています。
「中国が反発するから『THAADを放棄しよう』と言う中央日報の金永煕記者」(7月1日、韓国語)という記事です。THAADの必要性を訴えるのが主眼の記事ですが、冒頭の中国関連部分が興味深いのです。ポイントを訳します。
- ソウルのある大学で情報分析の手法を教えるS教授(前職は情報要員)は最近、韓国メディアの最大の問題として「中国恐怖症」(China-phobia)を挙げた。以下である。
- 韓米を離間させるため、中国がTHAAD配備を活用し始めた。中国の当局者らは公式、非公式の経路を使って「配備反対」で声をそろえた。すると「中国恐怖症」に陥った言論人たちが「ほら見ろ、私の言った通りだろう」と事実上、中国の代弁をする。新しいタイプの事大主義者たちである。
中国恐怖症にかかる韓国人
—「中国恐怖症」ですか。
鈴置:ええ、「恐中病」です。この病はメディアの世界に限らず、韓国全体に広がっています。
韓国紙はしばしば日本や米国を罵倒の対象とします。が、中国には借りてきた猫のようにおとなしい。韓国紙の記者に聞くと「中国は特別な国なのだ」と答えます。
中国は書いた記事に対し、どんな報復をしてくるか分からない、というのです。彼らの心の奥底には「中国には逆らえない」「逆らってはいけない」という諦念のようなものがあります。
長い間、朝貢国として中国の王朝につかえてきた後遺症です。だから金泌材記者の記事にも「新しいタイプの事大主義者」とあるのです。
「THAAD拒否」に対する韓国メディアの反応も異様です。私が7月5日までに見た限り、中国の意向を尊重しようと主張する金永煕大記者――つまりは中国を署名記事で批判したのは何と、趙甲済ドットコムの金泌材記者ただ1人なのです。
記者が中国に盾突きたくないと言うのなら、新聞社としてはTHAAD導入派の外部の識者に原稿を書いてもらう手もある。しかし、そんな記事も見当たりません。
発表を突然、前倒し
—中国が圧力をかけたということですか?
鈴置:圧力をかけなくとも、中国恐怖症に罹った韓国記者の自己規制を待てば十分、ということでしょう。
ただ「THAAD配備派」の巻き返しの動きも一部メディアで観察されます。いずれの記事も軍がネタ元です。
朝鮮日報が7月4日に微妙な記事を載せました。軍事が専門のユ・ヨンウォン記者が独自ダネとして書いた「THAAD、1-2カ月内に配置発表を検討」(韓国語版)です。
米韓両軍が検討中のTHAAD配備計画を突然に前倒しする、というのです。骨子は以下です。
韓国政府筋が7月3日「THAAD配備地域に関する正式発表が遅くなり過ぎないようにすることを決めた」と述べた。
韓民求(ハン・ミング)国防長官は6月28日、国会で「配備は年内に結論が出るだろう」と述べていた。しかし政府と軍当局は結論を長引かせると中ロの反発や国内の反対世論が強まると判断した。米国が早急な発表を望んでいることも影響したという。
ただし、中ロの反発も無視できない状況だけに、青瓦台(大統領府)の最後の政治的な判断が残っているとの見方もある。
韓国でも激突する米中
—「政府筋が語った」という7月3日は日曜日ですね。
鈴置:リークはその前日の7月2日か、あるいは7月1日だったのかもしれません。朝鮮日報を含むほとんどの韓国紙は日曜休刊です。2日に聞いても4日付になります。
金永煕大記者の7月1日の記事を見て「このままだとTHAAD拒否の流れができかねない」と焦った国防部が、信頼する記者に急きょ書いてもらった感じです。この記事にもありますが、何せ6月28日まで、国防長官が「配備決定は年内」と言っていたのです。
「米国が早急な発表を望む」ともあります。
鈴置:米国に近い軍の「THAAD配備派」と、中国の意向を受けた「拒否派」が朴槿恵大統領の決断を求め、戦っているのです。
東亜日報も7月5日の社説「漆谷配備が有力なTHAAD、中国の顔色を伺うな」(日本語版)で、改めて配備を主張しました。配備場所が絞り込まれたとの、軍がリークしたとおぼしき特ダネに関連して書かれた論説です。
南シナ海を巡る米中のつばぜり合いがこれから本格化します。それに伴い「Koexit」――韓国の海洋勢力からの離脱の動きも激しくなるでしょう。じっくりと観察する必要があります。
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『「中国軍はヘリで尖閣を急襲する」と米研究機関 東シナ海制覇を目論む中国の野望』(7/6JBプレス 古森義久)、『東シナ海、中国戦闘機の「攻撃動作」はあったか 日本の第一のリスクは「危機感の乖離」にあり』(7/6日経ビジネスオンライン 福島香織)について
福島氏記事にあります、6/28織田邦男氏のJBプレス記事は抜粋ですが下記の通り。
<東シナ海での中国軍戦闘機による米軍や自衛隊の偵察機への危険飛行は、これまでにもしばしば生起している。他方、中国軍戦闘機は空自のスクランブル機に対しては、一定の抑制された行動を取ってきたのも事実である。
武装した戦闘機同士がミサイル射程圏内でまみえると、一触即発の事態になりかねない。そういうことに配慮してだろう、中国軍戦闘機は空自戦闘機とは一定の距離を保ち、比較的抑制された行動を取ってきた。
これまで中国軍戦闘機は東シナ海の一定ラインから南下しようとはせず、空自のスクランブル機に対しても、敵対行動を取ったことは一度もなかった。
だが今回、状況は一変した。中国海軍艦艇の挑戦的な行動に呼応するかのように、これまでのラインをやすやすと越えて南下し、空自スクランブル機に対し攻撃動作を仕かけてきたという。
攻撃動作を仕かけられた空自戦闘機は、いったんは防御機動でこれを回避したが、このままではドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断し、自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという。
筆者は戦闘機操縦者だったので、その深刻さはよく分かる。まさに間一髪だったと言えよう。冷戦期にもなかった対象国戦闘機による攻撃行動であり、空自創設以来初めての、実戦によるドッグファイトであった。
日中共に戦闘機はミサイルを搭載し、機関砲を装備している。武装した戦闘機同士がミサイル射程圏内で遭遇するわけである。戦闘機同士がいったん格闘戦に陥ると、空中衝突やミサイル発射に至る可能性は十分にある。
規律の厳格な空自戦闘機操縦者が先にミサイル発射することはまずあり得ない。だが中国空軍の戦闘機パイロットは経験も浅く、何をするか分からない。>(以上)
本ブログトップページ告知欄にありますように、7/16(土)14:00~アカデミー茗台(東京都文京区春日2-9-5)にて織田邦男先生による講演会が「士気の集い」主催でありますので是非参加ください。
中国機が自衛隊機にロックオンしたことをすり替え、中国は「空自機がレーダー照射」とか逆のことを言ってきています。嘘つき中国人のやりそうなこと。これに対し萩生田光一官房副長官が反論しましたが遅いでしょう。今は中国と情報戦の最中にあるという事を官邸はもっとしっかり意識すべきです。中国が言う前に世界に発信する癖をつけておかないといつまでも後手後手に回るだけです。証拠がないというのであれば、中国だって証拠はないでしょう。規律正しい自衛隊員と「騙す方が賢く騙される方が馬鹿」の国の軍隊の言い分のどちらを信じますか。聞くまでもありません。中国は嘘でも言ったもの勝ちと思って言っているのです。言わばダメモトです。裁判でなく外交と言う戦争を戦っているのですから、証拠が何て言っていると負けてしまいます。官邸は織田氏への機密漏洩の犯人探しをしているとのこと。方向が逆ではないのか。戦うべきは中国でしょう。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160705/frn1607051205006-n1.htm
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160705/plt1607051917010-n1.htm
日本人もダッカ事件のようにテロに遭うようになりました。その前にはチュニジア、アルジェリアでも日本人殺害事件がありました。国民一人ひとりが「我が身を守る」ことを学んでいかなければなりません。今の所テロ事件は海外だけですが、日本国内で起きないとも限りません。入国の水際で止めるのも大事ですが、鎮圧するのを国民が支援するようにしないと。警察だけではダメな場合があるかも知れません。そうなれば自衛隊の治安出動です。「人殺し予算」とか自衛隊予算を呼んだ日本共産党は治安出動に反対するのでしょう。その間にも国民の命が失われていく可能性があります。阪神大震災、東北大震災の時の左翼政権の取った行動を見ていれば分かります。優先すべきは「国民の命を守る」事です。
中国が攻めて来たら機敏・果断に反撃しないと。国民は自衛隊を支援しましょう。自衛隊の出動にとやかく言うのは中国のスパイと思ってよいでしょう。今度の参院選も反日民進党だけでなく、日本共産党も落とすようにしなければ。
古森記事

中国海軍のヘリコプター「Z-8」(資料写真、出所:Wikimedia Commons)
中国軍が尖閣諸島など日本の領海や領空への侵犯を重ねる中、中国の軍事動向を調査する米国の研究機関が「中国軍部はヘリコプター急襲や洋上基地の利用によって尖閣諸島を奪取する戦略を着実に進めている」とする分析を明らかにした。
同研究機関は、中国は長期的には東シナ海での覇権を確立するとともに、沖縄を含む琉球諸島全体の制覇を目論んでいると明言している。
尖閣制覇の目的は?
ワシントンで中国の軍事動向を研究する民間機関「国際評価戦略研究センター」の主任研究員リチャード・フィッシャー氏は、中国人民解放軍の東シナ海戦略についての調査結果を報告書にまとめ、このほど公表した。
同報告書は、まず中国が南シナ海で人工島建設による軍事化を推進し、同時に東シナ海でも、2013年11月の防空識別圏(ADIZ)の一方的な設置宣言に象徴されるように、軍事能力を高めていることを指摘する。特に、尖閣を含む琉球諸島の南部を重点的な対象とした(1)レーダー網や電子諜報システムの近代化、(2)J-10やJ-11など第4世代戦闘機の配備、(3)新型の早期警戒管制機(AWACS)や電子諜報(ELINT)の配備や強化、(4)以上のような戦力の演習の頻度増加――などが最近、顕著にみられるという。
また同報告書は、中国は尖閣諸島の軍事奪取のための能力を特に強化しているとし、尖閣の制覇には二重の目的があると分析する。つまり、“台湾攻略のための戦略拠点を確保する”、および“2020年頃までに東シナ海全域で中国の戦略核潜水艦活動の自由を確保する”という目的である。
着々と進んでいる尖閣奪取の準備
同報告書はそのうえで、尖閣諸島の軍事奪取に向けた中国人民解放軍の最近の動きとして、以下の諸点を列記していた。
・浙江省の南麂列島で、ヘリコプター発着を主な目的とする新軍事基地の建設を始めた。この基地は尖閣諸島から約300キロの地域にある。中国軍ヘリのZ-8やZ-18は約900キロの飛行距離能力があり、尖閣急襲用の新基地と目される。
・2015年6月以降に、浙江省の温州市で、日本の海上保安庁にあたる「海警」の新しい基地の建設を始めることが明らかになった。温州市は尖閣諸島から約320キロの地点にある。温州市の海警基地はまず尖閣諸島方面での任務につくとみられる。
・中国海軍は新型のホバークラフトをすでに東シナ海に配備した。さらに新鋭の重量級ヘリの開発にも着手し、尖閣諸島や宮古列島、八重山列島への敏速な軍事作戦の実施能力を高めている。
・中国海軍はウクライナ・ロシア製の時速50ノット、運搬量500トンの大型ホバークラフト2~4隻を購入し、同様の国産艦も製造中である。その結果、中国軍は、ヘリコプターの急襲部隊を後方から敏速に支援することが可能になる。
・中国軍は、搭載量15トン、飛行距離400キロの新型ヘリコプターも独自に開発している。完成して配備されれば、尖閣諸島の占拠にきわめて効果的な手段となる。
・中国は、2015年7月に公開した巨大な「洋上基地」の東シナ海への配備を実際に進め、尖閣攻略の有力な武器にしようとしている。この洋上基地は軍用航空機と軍艦の洋上の拠点として機能するため、中国が占拠した尖閣諸島に曳航すれば、即時に新軍事基地となる。
沖縄や先島諸島も狙われている
さらにフィッシャー氏は同報告書で、尖閣諸島だけでなく沖縄や先島諸島(宮古列島と八重山列島)をも日本から奪取しようとする中国の長期戦略の存在を指摘した。
同報告書によると、中国人民解放軍の羅援少将(軍事科学研究院所属)らは、中国共産党機関紙「人民日報」などに2013年半ば以降一貫して「沖縄を含む琉球諸島は本来は中国の主権に帰属する」という主張を発表してきた。中国と沖縄や先島諸島との歴史的な関わりを強調するその主張は、中国政府の意向の反映とみられるという。フィッシャー氏は、中国の尖閣諸島への攻勢は、沖縄などを含む日本領諸島へのより広範な長期戦略の一環であるとしている。
米国で明らかにされた、こうした中国の尖閣諸島、沖縄その他の琉球諸島、さらには東シナ海全体への軍事的野望の実態は、当然ながら日本でも深刻に受けとめなければならない動きである。
福島記事
中国軍仕様のスホイ30。2000年撮影(写真=ロイター/アフロ)
バングラデシュ・ダッカのレストランでおきたIS襲撃事件はあまりに痛ましい。犠牲者の方々に深い哀悼を捧げたい。テロリストへの怒り、事件の浅薄な政治利用、メディアの報道の在り方に対する疑問など、頭によぎることはたくさんある。だが、一番懸念することは日本人と日本政府の危機感の薄さである。
武装勢力が一方的に自分たちの正義を振りかざし、攻撃対象国の無辜(むこ)の国民を狙う、いわゆる“非対称性戦争”は、世界各地ですでに始まっている。ただ日本が事件の現場になっておらず、比較的日本人の被害がこれまで少なかったから多くの日本人はこれまであまり、硝煙の満ちた“あっちの世界”の方を見ないできたのだ。
今回、日本人犠牲者が多かったので、日本でも衝撃的に報じられているが、しばらくすると、また自分と無関係なような気になってしまうかもしれない。死者44人を出したトルコの空港での自爆テロも、日本人ジャーナリストがシリアで拘束されて一年以上たつことも、一時的に意識に上るが、しばらくすればまた忘れる。日本人はいつも、まるで危機がそこにあると認識すること自体が、危険なことのように、すぐ忘れたり、事態の重さを現実よりも軽く見ようとしたりする。
ISのテロだけではない。南シナ海で起きている事態も、東シナ海で起きている事態も、日本人一人ひとりにとって他人事でない危機ではないだろうか。ここで中国の軍事的挑発の問題を出すと、話をこじつけすぎといわれそうだが、こうした世界の現象はどこかでつながっている気がする。今回は日本人の危機感共有の重要性について、先日起きた東シナ海上空の自衛隊機と中国機の一触即発事態を例に、少し考えたい。
一触即発のドッグチェイス
6月17日に、東シナ海上空では、自衛隊機と中国戦闘機が異常接近した。“ドッグファイト”に近い状態、いや厳密にいえば、反撃を許されない自衛隊機は逃げに回る一方だったので、“ドッグチェイス”かもしれないが、いずれにしろ一触即発の危機的状況であったようだ。
あったようだ、と曖昧にするのは、これは公式の発表ではないからだ。戦闘機乗りであった織田邦男・元空将がJBプレスの寄稿記事で28日に明らかにしたことが最初の報道で、産経新聞、毎日新聞が自衛隊幹部や政府関係者の話を聞いたうえで、29日に後追いで報じた。織田記事では、「(中国軍機から)攻撃動作を仕かけられた空自戦闘機は、いったんは防御機動でこれを回避したが、このままではドッグファイト(格闘戦)に巻き込まれ、不測の状態が生じかねないと判断し、自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという」とある。素直に読めば、中国軍機がミサイル攻撃体制(ロックオン)をとったので、フレア(赤外線センサーを欺瞞するデコイ装置)を発射してこれを回避し離脱した、と受け取れる。
これを受けて、萩生田光一官房副長官が29日の記者会見で「近距離でのやりとりは当然あったのだと思う」としながらも「攻撃動作をかけられたという事実はない」と言明した。さらに30日、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は会見で「中国軍機が尖閣諸島方面に南下したが、特異な行動だとは判断していない。攻撃動作を取ったという事実はない」と語った。
私は会見には出ていないのだが、会見の詳細を知る元航空自衛官の評論家、潮匡人氏によれば、「ロックオンはあったのか」という記者の質問には「なかった」と答え、「フレア発射はあったのか」という質問に対しては、特定秘密であることを理由に、答えなかったらしい。私が、ロックオンされなくてもフレア発射することはあるのか、と潮氏に聞くと「それはその場になってみないとわかりません。ないとはいえない。通常はない」とのことだった。ちなみに中国国防部は「2機のスホイ30が東シナ海上空の防空識別圏内をパトロール中、日本のF15戦闘機2機が接近して火器管制レーダーを照射(ロックオン)した。中国側は戦術機動などの措置をとったところ、日本機はフレアを発射して退避した」と発表。日本側の方が攻撃動作を先に仕掛けたので応戦体制をとった、としている。
「彼らが言いたくても言えないことを」
政府発表を素直に信じる人たちは、萩生田会見、河野会見を聞いて、「なーんだ、織田記事はガセだったのか」と、ほっとしたかもしれない。中国側の発表を素直に信じる人は「自衛隊機は攻撃動作を先に仕掛けたうえ、中国に反撃されて逃げたのか」と思ったかもしれない。一部の人たちは、織田はデマを流してけしからん、と言ったコメントをツイッターなどで流していた。では、この記事は織田氏の妄想で、ねつ造であったのだろうか。
私は織田氏とは面識があり、この記事については発表と同時にメールで「読んでください」とリンクもいただいていた。そのメールには「現役諸君の深刻な危機意識は必ずしも、政治の世界と共有されておりません。彼らが言いたくても言えないことを、書いてみました。これを読んで、心ある政治家が少しでも動いてくれればいいのですが…」と書き添えてあった。織田氏とはときどき情報交換の会食の場でご一緒することもあり、その都度、東シナ海における中国機飛来の急増に伴うスクランブルの急増、そしてパイロットたちにかかる責任と期待の重圧についてお話をうかがっている。そのストレスを想像するだけで自分まで胃がおかしくなるような気持ちになったものだ。
文章が得手であり、コラムニストとしてJBプレスに連載枠を持っているものの、けれん味のない人柄で、専門の安全保障や自衛隊がらみのこと以外はあまり論評しない。まじめで常識的な人物という印象の物腰で、とても署名原稿で大胆な捏造をしたり、デマを吹聴するような人物には思えない。「現役諸君が言いたくても言えないこと」とあえてメールに書き添えた、その心情を推察すれば、彼は戦闘機乗りOBとして、現役の後輩たちの「心の内」を忖度し、政府・官邸の無理解に黙っていられない、という気持ちに駆られたのではないか。
中国機のスクランブルは1.7倍に
一般に、自衛隊のスクランブル中に起きた事象は、国家安全にかかわる情報であり、特定秘密である。少なくとも現役自衛官からそうした情報が洩れることはあってはならない。それどころか、自衛官は上官命令には絶対服従であり不満を外に漏らすことすら許されない。逆にいえば上官は常に前線にいる自衛官の気持ちを推し量り、積極的に迷いなく命がけの任務を遂行できる環境を整えることが最も重要な仕事だ。自衛隊の最高指揮監督権を有するのはいうまでも首相であるから、首相は最前線の自衛官が、不満や迷いを持つことなく任務に専念できる環境を整えることが責務だといえる。だが、現役自衛官たちは上官命令に絶対服従が原則なので、その責務が果たされているかどうかを今の首相に直接言える立場の人は現役には、ほとんどいない。組織を離れたOBが「忖度」して代弁するしかない、と思ったのかもしれない。
河野統幕長が30日の会見でも言及していたが、4~6月の中国機のスクランブルは前年同期比1.7倍で急増している。現役のパイロットの数は限られており、私が仄聞したところでは、予備パイロットまでアラート待機を命じられているという。習近平政権の軍事的挑発は、今年前半までは南シナ海で、6月以降は東シナ海で急激にエスカレートしている。もともとはサラミ戦術(サラミを薄く切るように小さな行動を積み重ね、時間の経過と共に有利な戦略的環境を整えていく)を好んだ中国だが、最近の軍事挑発は“厚切りハム”ぐらいの大胆さでエスカレートしていて、いつ偶発的衝突、偶発的戦闘が起きてもおかしくない状況だ。実際、東シナ海では尖閣接続海域での軍艦侵入、日本領海への軍艦“無害通航”、上空では、スクランブル発進した自衛隊機と中国戦闘機の”ドッグファイト”もどきが起きている。
「攻撃動作」はあったのか、なかったのか。何をもって「攻撃動作」というのか。真相は「藪の中」である。日本政府も中国政府も自国の安全を守るために、公然と嘘をつくことはある。私個人の推察を言えば、「ロックオン」自体はなかったかもしれないが、それをもって「攻撃動作」がなかったとは言えない。スクランブルで自衛隊機が空に駆け上がったとき、これまでの中国機は一定の距離をとり、接近してくることはなかった。それが、機首をこちらに向けて近づいて、射程圏内に入り、後ろにつかれて追いかけられたならば、パイロットからすれば「攻撃動作」として脅威を感じたことだろう。
フレアを発射したかどうかは不明だが、「ロックオンもされていないのにフレア発射するのはパイロットとして恥ずかしい」というような批判は、そういう状況に直面したことがない人間が軽々しく言うべきではないだろう。少なくとも戦闘機乗りとしてスクランブル出動を数えきれないほど経験している織田氏は、パイロットの恐怖を理解して、この原稿を書いたということだろう。こうしたパイロットの心情を官邸が理解せず、むしろ中国の事情をおもんぱかって、「攻撃動作はなかった」「特異な行動と判断していない」ということで片づけてしまえば、現場と官邸で危機感が共有できていない、という国防上、ゆゆしき問題を残すことになる。
しかも、一層懸念されることには、萩生田会見で、情報漏えい問題について言及された。仄聞するところでは、官邸は織田氏に情報を漏らした自衛隊内の“犯人探し”を始めているという。現役自衛官から任務中の情報が外に漏れたということは国防上の重大事件であり、そういう統制が取れていない状況がリスクである、というのが官邸の認識らしい。
本当の危機を回避するために
それは違うと思う。今一番のリスクは、官邸と現場の危機感が乖離していることである。そしてそういう状況で現役自衛官が言いたくても言えない気持ちを代弁するために自衛官OBが、特定秘密である任務遂行中の詳細を秘密漏えいのそしりを受ける覚悟で公表したにも関わらず、官邸サイド、統幕長も「攻撃動作はなかった」と一蹴してしまったことである。
本来ならすぐさま公表して、中国側に戦闘機の異常接近を抗議し、再発を防ぐ努力を行うべきではなかったか。たとえ外交的政治的に公表を避ける判断を下したとしても、水面下で外交的対応がなされるべきであり、また自衛隊の現場に不満やわだかまりが残らないようにケアすることが自衛隊の最高指揮監督権を持つ首相官邸の仕事ではないだろうか。それができなかったことの方がリスクであろう。
問題の責任は織田氏に情報を漏らした側にあるのではなく、むしろ、公表すべき情報を公表しなかった官邸側、あるいは適切な対応がとれなかった官邸側にあるのではないか。特定秘密保護法で守られるべき秘密が漏えいしたのか、公表されるべき情報が権力の都合によって隠蔽されたのか、それを世に問うのがジャーナリズムであり、それを決めるのは世論だとしたら、私は織田記事はジャーナリズムであり、世論の一部としての私個人の感想は、この情報が公表されなかったより、された方が、危機の所在がどこなのかわかってよかったと思う。
そもそも、本当の危機の原因は中国側にある。年内に南シナ海の実効支配を固め、スカボロー礁の軍事拠点を完成させ、年明けには南シナ海上空に防空識別圏を設定することは、習近平が解放軍に直接指示している“決定事項”だというのが、香港あたりから流れてくる“軍事筋”情報である。その計画を確実に遂行するためには、偶発的局地的軍事的衝突も辞さない覚悟、とも言われている。6月以降、東シナ海での軍事挑発が目立ち始めている目的についてはまだ、はっきりわからないが、習近平政権が極めて軍事的冒険主義の傾向が強いことは、今までの行動を見ていても明らかだ。
危機は今、ここにある
想像してみるといい。中国では2001年4月、南シナ海上空で中国戦闘機の挑発的危険飛行の末、米軍電子偵察機と接触、中国人パイロットが死亡(脱出したのち行方不明)して、米軍機が中国側に回収されたうえ乗員が長期間拘束された事件が実際にあった。このとき、私も現場の海南島に取材に入ったが、一つ間違えば米中間で戦争状態が生じたかもしれない事件だった。中国側はパイロットの命を失ったものの、米軍電子偵察機の機体を回収して隅々まで調査し、貴重なデータを奪えたこと、当時の江沢民政権が基本的に親米であったことなどもあり、双方が戦争回避の努力をして、最悪の事態を避けることはできた。だが、もし、同じことが今、日中の間で、東シナ海上空で起きたら、どうなるだろうか。
私は、習近平政権は、こういう事態に対応する外交的忍耐力は江沢民政権より低いと思っている。
あす、東シナ海上空で日中の戦闘機が接触して墜落するかもしれない。あす、自分がISのテロに巻き込まれるかもしれない。世界の動きをみて、危機の所在を確かめていたら、そんなことは絶対ありえない、とは決していえないこともわかるだろう。そして、ISのテロに遭うかもしれない、と思えば、コーランの一部ぐらいは暗誦できるようにしておくかもしれないし、日中間で偶発的戦闘状態が起きるかもしれないと思えば、中国旅行や中国駐在に赴くときの心構えが違うだろう。
危機は隠蔽しても、見ないふりをしても、確かにそこに存在する。猛スピードで突進してくるトラックも、しっかり見ていれば、避けられるように、危機を認識して、情報とその危機感を共有することが最悪の事態を避けるために一番必要なことではないだろうか。
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『英国のギリシャ悲劇 二大政党制の終わりの始まりか』(7/5JBプレス Financial Times)について
本記事を読みますと英国の政党政治の行き詰まりがEU離脱を齎したのではと感じました。確かにキャメロン首相辞任、保守党内での首相選でボリス・ジョンソンの辞退、UKIPのファラージ党首の辞任を見ますと、「何と無責任な」と思います。あれだけ離脱を煽ったのだから、英国をその路線で偉大な国にする責任があります。離脱後のロードマップもなく、EUへの国民の反感を利用しただけでしょう。今後の国の舵取りの重さに耐えかねて辞任したとしか思えません。でもそういう政治家を選んだのも英国民です。政治家を選ぶ時にはしっかり考えて選ばないとしっぺ返しを喰らうということになります。今度の日本の参院選もよく考えて投票に行かないと。「気を付けよう甘い言葉と民進党。民進党には、もれなく共産党がついてくる」です。
小選挙区制度は二大政党以外の政党への参入障壁になっているとの記事ですが、日本の場合は二大政党にはなっていません。やはりものの考え方の違いにあるのでは。西洋は二元論で、日本は多元論だからという気がします。小沢が入れた小選挙区制度も日本の風土にはなじまなかったという所でしょう。ただどぶ板選挙に陥り、市会議員選挙と同じレベルになって、真剣に国政を考える政治家が少なくなった気がします。日本の面積で言うなら国政は大選挙区か全国区にすべき。県議会もなくして大選挙区毎の広域行政と市町村行政に転換した方が良いのでは。地方自治はマスメデイアのチエックを受けることが殆どないので、政治家により市民の知らない所で利権漁りされています。今般の東京都知事選で自民党都議団が増田を推薦したのはその最たるものでしょう。増田は今まで親韓政策を採ってきました。小沢の子分だったから岩手県知事になれたのでしょう。舛添の後も親韓政治家にしたら韓国人学校の問題はそのままになります。如何に地方自治体の自民党政治家は腐っているかという事です。
英国がギリシャのように小政党乱立で意思決定に時間がかかると言うことにはならないでしょう。システムの問題ではなく、政治家の資質の問題ですからリーダーシップを持った政治家が出てくれば心配することはないと思います。
記事
(英フィナンシャル・タイムズ紙 2016年7月1日付)

英ロンドンの国会議事堂前の広場「パーラメント・スクエア」で、ウィンストン・チャーチル元首相の像にくくりつけられたEUの風船(2016年7月2日撮影)(c)AFP/Niklas HALLE’N〔AFPBB News〕
英国の政治がギリシャと同じ道をたどっている。ブレグジット(英国の欧州連合=EU=離脱)の経済的なリスクは繰り返し語られていた。政治が直面する危機は無視された。投票で示された離脱という決断は議会の過半数の意思に逆らう結果だ。この結果が残すレガシーは、指導者不在の保守党政権と内紛に陥った野党・労働党、そして次に何をすればいいのか分からない、途方に暮れた政治家だ。これは、世界で最も安定した民主主義国の1つだという看板を下ろしつつある国だ。
アイルランドの詩人W・B・イェーツはかつて、中心が持ちこたえられないと心配した。英国では、中道は置き去りにされた。下院議員の約3分の2は、跳ね橋を上げることに反対した。彼らはこの先、英国を栄光なき孤立に引きずり込まなければならない。
デビッド・キャメロン氏が首相辞任を表明してから、割れた保守党はイングランドのナショナリズムにとらわれている。スコットランドは独立について再び考えをめぐらせている。そして労働党の党首ジェレミー・コービン氏は、ウゴ・チャベス氏のベネズエラは社会主義者の成功物語だという本人の確信によって完璧に描写される指導者だ。英国の二大政党制はしばらく前からきしんでいた。今や、ついに裂け目が入ってしまった。
ボリス・ジョンソン前ロンドン市長は、キャメロン氏の後任の最有力候補と見なされてきた。しかし、同じ離脱派のマイケル・ゴーブ氏と袂を分かち、積極的ではなかったものの残留派についていたテレサ・メイ内相に流れが傾いたことから、撤退を決めた。
昔ながらの政治的誠実さというものにあまり通じていないことがジョンソン氏の強み(と呼べるのであればの話だが)だったようだ。5人の候補者で争われる党首選では、選挙の行方を最終的に決定づける党内の活動家らに最も手堅い候補としてアピールしそうなメイ氏が、本命に浮上している。
左派の状況も保守党とどっこいどっこいだ。労働党ではコービン党首の不信任動議が出され、同党所属の下院議員の4分の3がこれを支持したが、極左の活動家と労働組合のボスを後ろ盾に持つ同氏は辞任を拒んでいる。この結果、これらの下院議員と党全体との間に取り返しのつかない亀裂が入る恐れがある。
さらに悪いことには、スコットランドがEUから引きはがされて「リトル・イングランド」に束縛される危険性に直面していることから、連合王国も危うい状況に陥っている。
経済にも心強い材料はない。それどころか、金融市場の短期的な乱高下を除いて考えても、英国は急激な景気減速に向かっており、恐らく景気後退に陥ることになる。政治のリスクを考えれば、ブリグジット後に何がどうなるかはっきりするまでは誰も投資などしないだろう。
ロンドンを本拠地とするルウェリン・コンサルティングが指摘しているように、金融サービス業界の見通しは「真っ暗」で、予算の規模が大きく経常収支も赤字の英国は資本逃避に弱い。中期的には、痛みを伴う歳出削減と増税が実施されることになりそうだ。そう、ジョージ・オズボーン財務相はキャンペーン中にウソをついていなかったのだ。
こうしたことから、総選挙を実施してからでなければ、EU本部との真剣な交渉など始められないことは明らかだ。有権者は国民投票でEUから離脱したいという意志を表明したが、離脱してからどうすべきかについては何も語っていない。とはいえ、総選挙を経ずに次の首相になる人物は、メイ氏も含め、ほかのEU加盟国27カ国と交渉する政治的正統性を持たないことになってしまう。
ドイツのアンゲラ・メルケルが語ったように、英国は単一市場への全面的なアクセスか、移民に関する自主性かのどちらかを選ばなければならない。どちらか一方しか手に入れることができない。
前者の選択肢、つまり欧州経済地域(EEA)加盟国であることから想定されるいわゆるノルウェー・オプションの選択肢を取る場合、離脱派はほかのEU諸国出身の労働者を締め出すという公約をあきらめなければならない。後者の選択肢を取る場合には、雇用の減少と生活水準の低下についてオズボーン氏が語ったことは正しかったと離脱派は認めざるを得なくなる。
それでも、英国がかなりの幸運に恵まれ、かつそれ以上にほかのEU諸国が親切に対応してくれたら、英国はがれきの中から何かを拾い上げられるかもしれない。
国民投票の結果を取り消すわけにはいかないが、英国が戦略的な目標に据えるべきなのは、単一市場にとどまることができる連合協定を、そして安全保障や防衛、犯罪対策において重要な協力を続けることによって英国が欧州の国であり続けることを認めてくれる連合協定を結ぶことだ。これを「ノルウェー・プラス」の選択肢と呼んでもいいだろう。
ただ、そのような協定を結ぶのであれば、その是非を総選挙で問わなければならない。新首相には、最低でも新たな負託を国民が授ける必要がある。
もちろん、選挙では何も解決しない可能性もある。政治勢力の分裂により、二大政党は最も調子が良いときでも単独で過半数を得るのに苦労している。今は調子が最も悪いときだ。総選挙前の政治の停滞の後には、そう、総選挙後の停滞が続くかもしれない。
普段は慎重な政治家も、こんなときには過激に考えるべきだろう。今回の国民投票は、議会の多数派である中道・国際主義の議員をないがしろにした。離脱派の言葉を借りるなら、こうした穏健派は「支配権を取り戻す」計画を練るべきだ。
多くの中道の保守党員にとって共通点が多いのは、イングランドのナショナリストの離脱派ではなく中道の労働党員の方だ。同様に、中道の労働党員にとって共通点が多いのは、コービン氏が掲げる1970年代的な国家社会主義の支持者ではなく、親欧州の保守党員の方だ。
英国では、政界再編があまり起こらない。1つの選挙区で最も得票数の多い者しか議員になれない小選挙区制が、二大政党以外の政党の前に残酷なほど大きく立ちはだかっていることがその主な理由だ。
しかし、ナショナリズムや極左の社会主義とは違う、経済面では自由を尊び社会面では思いやりを大事にする親欧州の新勢力が台頭する余地も出てくるかもしれない。もちろん、それを待つ時間は、英国のこれまでのパートナーたちにとって極めて腹立たしいことだ。欧州には、不確実な時間を過ごす余裕は1年たりともない。しかし少なくとも、ドイツやフランス、そしてそのほかの国々はギリシャと渡り合った経験がある。
By Philip Stephens
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