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『日本単独で「核武装国」中国を壊滅させる秘策は機雷』(8/1ZAKZAK 兵頭二十八)について
兵頭氏の「米国抜きでの日本の中国への機雷設置」は中国の核ミサイル報復を受けるのではという気がします。日本も核保有しなければ採れない戦略と思います。しかし、中国はMAD(相互確証破壊)が成り立つ国かどうか?毛&ポンピドー会談の経緯を見ると成り立たないのでは。中国は昔から国民の命を鴻毛の如く扱ってきました。為政者だけが生き延びれば後はどうなろうと知ったことはないというスタンスです。現代史を見ても、南京陥落時に真っ先に逃げた唐智生、黄河花園口を決壊させた蒋介石の所業を見れば分かります。オバマの「核なき世界」は中国を有利にするだけです。中国の核爆弾はまだ200発くらいと言われていますが、米ロは7~8000発台です。時間の利益を中国に与えます。中国はSTART(戦略兵器削減条約)を批准していませんので。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B8%E4%BF%9D%E6%9C%89%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%B8%80%E8%A6%A7
http://www.cnn.co.jp/special/interactive/35030561.html
機雷敷設は中国船だけを認識して、爆発するように設定しなければなりません。日高義樹氏の『中国、敗れたり』によれば、米軍の海底に設置した機雷は、衛星に頼らず中国船を自動認識して浮上して爆発するタイプとの記憶があります。当然日本もその程度の機雷は持っていると期待します。
http://blog.jog-net.jp/201510/article_1.html
機雷敷設は准戦争行為なので中国に宣戦布告したと看做されるのでは。中国が黙っている訳はないと思います。通常戦力だけであれば日本が短期的には勝つと思いますが、200発も核を持っている中国にどう対峙するのでしょうか?BMDやPAC3では全部は撃ち落せないのでは。その対抗策が明示されていないので不安になります。勿論、武道と同じで敵にこちらの手の内を見せれば敵はそれを打ち破る手を考えるでしょうから説明してないのではと思います。日本は対抗策を持っていると信じたいです。まあ、自由主義諸国で中国を経済制裁し、封じ込めるのが先という気がしますが。
記事
日本の国防を考える時、最大の脅威は中国だ。仮に共和党の大統領候補・ドナルド・トランプ氏が主張するように米国の後ろ盾がなくなったら、日本はどうすべきか。軍学者の兵頭二十八氏は、日本は「自衛」の結果、中国を簡単に滅する“奥の手”があると論じる。 * * * 在日米軍が2017年に急に引き上げ、日米安保が停止したとしよう。ふつうは他の集団的安全保障(たとえば核武装国である英・仏・印・イスラエルとの2国間の軍事同盟条約)を模索するだろうが、話を極度に単純化し、それもナシということにする。 すると日本は核武装国の中共に対して単独で自衛せねばならぬ。 体重百キロのチンピラに密室で襲撃された老人と同じく、弱者の自衛には手加減は不可能だ。日本は主権と独立を防衛するために、中共体制そのものを全力で亡ぼしてしまうしかない。じつはそれは簡単である。 まず尖閣の領海に機雷を敷設し、それを公表する。これは主権国の権利なのだが、チンピラの中共は必ず、わけのわからないことを叫び、軍艦か公船か漁船を出してきて、触雷するだろう。そのうえもっと軍艦を送り込むので、わが国は「自衛戦争」を始められる。 こっちは弱い老人だから体力のあるうちに早く決着をつけなくてはならぬ。すぐ、中共本土の軍港前にもわが潜水艦によって機雷を撒き、それを公表する。同時に黄海や上海沖で潜水艦によって敵軍艦も雷撃させ、わざとらしく「機雷が作動したと思われる」とアナウンスする。 すると中共海軍の防衛ドクトリンがスタートする。彼らは外国軍の潜水艦を北京や上海に寄せつけない手段として、漁船を動員して大量の機雷を撒かせることに決めているのだ。こっちが機雷を撒くと、向こうも機雷を撒く。レバレッジ(梃子作用)が働いて、わが自衛行動が数倍の効果を生むのだ。
連中には撒いた機雷の位置を精密に記録するという訓練も装備もありはしない。しかもシナ製機雷には時限無効化機構もついてない。
自分たちで撒いた機雷により、シナ沿岸は半永久に誰も航行ができない海域と化す。中共に投資しようという外国投資家も半永久にいなくなる。なにしろ、商品を船で送り出せなくなるのだ。
外国船籍の原油タンカーがシナ沿岸には近寄らなくなる(無保険海域となるのでオーナーが立ち寄りを許可しない)結果、中共沿岸部の都市では、石油在庫はたちどころに闇市場向けに隠匿されて、表の市場には出てこなくなるだろう。他の生活必需物資も同様だ。
およそ精鋭の掃海部隊があったとしても、大量の機雷の除去には数十年を要する。中共軍にはその準備がないので、中共だけが「石油高」「電力高」「輸出ストップ」に長期的に苦しむ。闇石油を押さえた軍閥が強くなり、石油を支配していない中央政府と大都市・大工場は逼塞する。第二の袁世凱または張作霖があらわれるだろう。弱者の日本の正当防衛は成功したのである。
機雷戦のメリットは、いったんスタートすると、核をチラつかせた脅しや、シナ人得意の政治的工作をもってしても、事態を元には戻せないことだ。そもそも敵艦がわが領海を侵犯しなければ触雷はしないのだから、平和的だ。艦艇が沈む前に敵に脱出のチャンスを与えるという点では、対人地雷よりも人道的である。
そして、機雷戦がいったん始まれば、シナ大陸沿岸海域は長期にわたって無保険化することが確定するので、戦争の決着がどうなるかとは関係なしに、中共経済の未来は終わる。スタートした時点で、日本の勝利が決まるのである。
このように、強者の米国がバックについていない場合、余裕を失った弱者の日本は、却って簡単に中共を亡ぼすことになるのである。
※SAPIO2016年8月号
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『トランプ人気が急加速、悪役クルーズ登場が契機に 受け狙いの米国・日本のメディアが伝えない真の潮流』(7/29JBプレス 堀田佳男)について
<日経ビジネス8月1日号 『トランプ氏に乗っ取られた共和党』
7月21日に閉幕した党大会で、ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補に指名された。反移民や反自由貿易を掲げ、同盟に疑問を呈するトランプ氏は共和党の従来の主張と大きく異なる。左傾化する民主党とポピュリズムに走る共和党、その間で“企業”は行き場を失いつつある。
7月21日に閉幕した党大会で、ドナルド・トランプ氏が共和党の大統領候補に指名された。反移民や反自由貿易を掲げ、同盟に疑問を呈するトランプ氏は共和党の従来の主張と大きく異なる。左傾化する民主党とポピュリズムに走る共和党、その間で“企業”は行き場を失いつつある。

トランプ氏の主張は、共和党を支えた「3つの保守」とは異質なものだ(写真=新華社/アフロ)
2012年の共和党候補として米大統領選を戦ったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事は選挙戦で、3本脚のスツールを愛用した。
共和党には、伝統的に経済的な保守、社会的保守、安全保障の保守という3つの立場がある。経済的な保守はレーガン政権以降、いわば党是と化している自由貿易や減税、規制緩和など小さな政府路線を支持する経済界や富裕層、社会的保守は妊娠中絶や同性婚に反対する宗教的保守派、安全保障の保守は同盟国との連携を重視する国際協調主義者や強い米国を重視する外交的タカ派などが主なベースである。
3つの保守が共和党を支えているということを示すため、ロムニー氏はその象徴として3本脚のスツールを持ち歩いていた。だがドナルド・トランプ氏を候補に担いだ今年の大統領選で、そのバランスは大きく崩れている。
それが端的に表れているのは、自由貿易や移民に対する強硬な姿勢だ。
元来、共和党は自由貿易の守護者だが、トランプ氏は選挙戦を通じて自由貿易が米国の製造業や雇用を破壊したと主張している。移民についても「メキシコ国境に壁を作る」と繰り返す。7月21日の指名受諾演説でも、「労働者を傷つけるような貿易協定にはサインしない」と明言、政策綱領にも「国境の壁」の建設が明記された。
2つの「保守」は既に崩壊
安全保障に関しては、日米安全保障条約など既存の同盟にたびたび疑問を呈している。党大会の期間中には、北大西洋条約機構(NATO)における米国の防衛義務に疑義を表明した。その底流にあるのは、同盟国が応分の負担をしていないという認識だ。
同盟には歴史的経緯や平和の配当など金銭負担を超えた恩恵があるはずだが、トランプ氏は外交をP/L(損益計算書)的な視点でしか見ていない。不動産デベロッパーとして銀行や下請け業者とシビアに交渉してきたトランプ氏ならではの発想だろう。
社会的保守について言えば、過去の選挙戦で妊娠中絶に反対を表明するなどキリスト教保守派の主張に沿った発言をしている。もっとも、ゲイを公言している米ペイパルの創業者、ピーター・ティール氏を党大会のスピーカーに招聘、トランプ氏自身も「LGBTQ(性的少数派を意味する言葉)を暴力と弾圧から保護するために全力を尽くす」と述べるなど、その立場は交錯している。
単純に割り切れないのは他の2つの保守も同様だ。演説では、いつものように保護主義的な言動を繰り返していたが減税は支持した。オバマケアの撤廃も支持しているが、共和党が主張している社会保障の給付金見直しには言及していない。
それでも、伝統的な共和党とは懸け離れているのは確かだ。「社会的保守の柱は堅持していくようだが、それ以外の2つの柱は完全に破壊された」と共和党系のシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所のジェームズ・ペソコウキス研究員は天を仰ぐ。
共和党主流派は既に“トランプ後”を見越して動き始めている。
党の実質的なリーダーであるポール・ライアン下院議長はトランプ氏の支持を表明しているが、消極的な支持の枠を出ない。予備選・党員集会を戦ったライバルも一様に距離を置く。
「小さなマルコ」と揶揄されたマルコ・ルビオ上院議員は党大会にビデオでのみ参加した。お膝元のクリーブランドで開催された党大会なのに、オハイオ州知事のジョン・ケーシック氏は会場に姿を現さなかった。妻を侮辱されたテッド・クルーズ上院議員に至っては、演説でトランプ支持を明言せず、最後は大ブーイングに包まれた。今年の党大会のハイライトの一つだろう。
ブッシュ家が輩出した2人の元大統領も、オバマ大統領に敗れ去った2人の元大統領候補も不参加を決めた。党大会は党の結束を深め、11月の本選に向けて士気を高めることが目的の一つ。だが、党大会の4日間を見る限り、一枚岩になりそうな雰囲気にはない。
政治的に消滅した中道路線

(写真=AP/アフロ)
トランプ氏の登場で共和党の“解体”は加速しつつある。影響を最も受けているのは、伝統的な支持基盤だった大企業や商工会議所などの経済団体だ。
トランプ氏はTPP(環太平洋経済連携協定)やNAFTA(北米自由貿易協定)に反対票を投じているだけでなく、大企業が社会経済システムをゆがめ、不当な利益をむさぼっていると強調している。格差と社会的不均衡の拡大は事実だが、その見方は民主党の候補者争いを戦ったバーニー・サンダース上院議員に近い。事実、指名受諾演説ではサンダース支持者に秋波を送った。
トランプ氏の最近の発言を見ると、白人労働者層や宗教的保守派にフォーカスして選挙を戦う姿勢が鮮明だ。今年の大統領選では白人労働者層が多い北西部のラストベルト(かつて製造業が栄えたエリア)がカギを握るとみられている。それを考えれば、不満を抱えた労働者に注力したポピュリズム戦略は合理的に違いない。
オバマ治世の8年間、米国ではリベラル化が進行した。「1972年以降の大統領選の中でも最も左にシフトしている」と米ワシントン・ポストが書いたように、民主党の新たな党綱領には最低賃金や気候変動、人工中絶などでこれまで以上にアグレッシブな政策が並ぶ。
「企業関係者は極めて厳しい選択を迫られている」とペソコウキス氏が指摘する。先鋭化したリベラルと宗教色の強いポピュリズムに米政治が色分けされる中で、右派、左派ともに中道路線が絶滅しかけているのが現状だ。共和党や民主党が割れて第3極が生まれるという見方が出始めているのも、そうした認識が背景にある。
英国の欧州連合(EU)離脱が示したように、中道の消滅は世界的な現象。主張が右と左に離れるほど、合意形成は難しく国は分裂していく。それを防ぐには、安定した経済成長の実現と公平な分配しかないが、道のりは険しい。“トランプ後”の世界は依然として視界不良だ。
| 経済政策における違いが目立つ ●伝統的な共和党の主張とトランプ氏の主張の主な相違 | ||
| 自由貿易の推進 | 「私は労働者を傷つけるような、いかなる貿易協定にもサインしないと誓う」 「我々には米国を第一に置く、より条件のいい貿易協定が必要だ」 | |
| 国際的な協調主義 | 「コストを負担するのは米国で、NATOの加盟国は応分の負担を果たしていない」 「グローバリズムではなく米国第一主義が我々のクレド(信条)」 | |
| 合法的な移民はOK | 「検査態勢が確立されるまで、テロに屈しているいかなる国からの移民も一時的に止めなければならない」 | |
| オバマケアの撤廃 | 「破滅的なオバマケアを廃止し置き換える」(*共和党は高齢者向け公的医療保険「メディケイド」などの見直しを主張しているが、トランプ氏はそれについては演説で述べていない) | |
| 中絶や同性婚の反対 | 「イデオロギーによる暴力と弾圧からLGBTQを保護するために全力を尽くす」(*同性婚は支持している模様。中絶には言及していないが、過去の発言では中絶には反対の立場) | |
| 減税による経済成長 | 「今回の大統領選に出馬したあらゆる候補の中で、最も大規模な減税案を提案している」 | |
| 注:トランプ氏の指名受諾演説を基に作成、一部は党の政策綱領の表現 | ||
(ニューヨーク支局 篠原 匡)>(以上)
<8/2日経The Economist 開かれた世界を守るには
劇場型政治といえば、米大統領選に向けた二大政党の全国党大会に匹敵するものはない。右派と左派が一堂に会して党の大統領候補を選び、共和党は保守主義的な、民主党はリベラルな党政策綱領を採択する。しかし今年は違った。民主党のヒラリー・クリントン氏が二大政党で初の女性の大統領候補になったからだけではない。両党とも全国大会で新たな断層が浮き彫りになったのだ。それは左派対右派の構図ではなく、志向が外向きか内向きかによる分断だ。

7月25日の米民主党全国大会でサンダース氏に声援を送る支持者ら=AP
共和党の大統領候補に選ばれたドナルド・トランプ氏は例により一刀両断的表現で「グローバル主義ではなく米国第一主義こそ我々の信条だ」と言明した。自由貿易を批判する彼の演説は、クリントン氏と民主党の大統領候補の指名を最後まで争った「民主社会主義者」を自称するバーニー・サンダース氏の支持者の共感も誘った。
ポピュリスト政党 欧州9カ国で与党に
これは米国に限ったことではない。今や欧州全土でも「世界というのは不快で恐ろしい場所だから賢明な指導者は世界と遮断するために壁をつくるべきだ」と訴える政治家が勢いを持つ。ハンガリーでは民族主義的な保守強硬派が政権を握り、ポーランドでも排外主義を訴え、司法にも介入する政府が誕生した。欧州では右派、左派を問わずポピュリスト(大衆迎合主義者)の主張を掲げる政党が2000年時点の2倍近い支持を集め、9カ国で政権を握るか連立与党に加わっている。
これまでのところ、反グローバル主義者たちにとって最大の成果は、英国の欧州連合(EU)離脱の決定だろう。自由貿易が最もうまく機能しているEU単一市場からの退出が決まった6月の国民投票では、有権者の偏狭な考え方が肯定され、主要政党は真っ二つに割れた。
強まる内向き志向 自由主義のリスクに
反グローバル主義者の主張に説得力を持たせるニュースは毎日のように起きている。7月26日には過激派組織「イスラム国」(IS)に忠誠を誓う男2人が、フランス北部ルーアン近郊の教会で85歳の聖職者を殺害した。フランスとドイツではその前から残虐なテロ行為が後を絶たない。危険なのは不安があおられ、内向き志向の勢力が選挙でさらに勝つことだ。自由主義陣営にとり、共産主義に続く最も恐るべきリスクだ。この流れには何としても対抗しなければならない。
まず何が危機的状況なのかを思い出してみよう。米国主導の組織や規則、同盟などの多国間システムは第2次世界大戦以降、70年間にわたって世界の繁栄の礎となってきた。この体制のおかげで欧州は戦後復興を遂げ、ソ連の共産主義が崩壊し、中国が世界経済に組み込まれて貧困層がかつてないほど減少した。
壁をつくって外界を遮断すれば国は貧しくなり、危険に満ちる。もし欧州が協調をやめてバラバラに自国の主権を振りかざしたり、米国が世界から目を閉ざしたりすれば、望ましくない国がその間隙を突くだろう。米国と同盟関係にあるバルト諸国がロシアの脅威にさらされても、米国は何もしないかもしれないというトランプ氏の発言は無責任で、理解に苦しむ。米国は北大西洋条約機構(NATO)加盟国への攻撃を、NATO全体に対するものとみなすと断言してきた。もしトランプ氏がそれをほごにしたら、米国は二度と信用されなくなる。トランプ氏のあたかも大統領になったかのような発言は、世界の厄介者と呼ばれる国々を増長させた。ロシアのプーチン大統領が同氏に肩入れするのはもっともだ。
壁の建設を唱える人たちが支持を広げることで、すでに様々な影響が出ている。EUを離脱することになった英国は景気後退へ向かうだろう。EUも危機にある。フランスで来年、極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首が大統領となり、英国に続いて離脱を決めればEUは崩壊しかねない。トランプ氏は自身の経営するカジノが客から現金を吸い上げるように、国際機関から信頼性を吸い上げた。世界最大の経済大国の大統領になるかもしれない人物が新たな貿易協定の締結を阻み、既存の貿易協定を破棄し、自分の考えが通らなければ世界貿易機関(WTO)から脱退すると脅している。
壁の建設に反対し、開かれた世界秩序を維持するには、一段と強い言葉で大胆な政策を示し、それを広める作戦を練らなければならない。まず言葉については率直さが必要だ。米国にとってなぜNATOが重要なのか、欧州にはなぜEUが欠かせないのか、自由貿易や異民族との共存を進めればいかに社会が豊かになるか、そしてテロとの戦いにはなぜ各国協調が必要なのかを有権者に思い出させるのだ。
グローバル化の信奉者の多くはほとんど口を閉ざしている。勇敢にも立ち上がったのはカナダのトルドー首相やフランスのマクロン経済産業デジタル相など一握りの政治家だけだ。グローバル化の推進のためには戦わねばならない。
社会の安全網強化で 負の要素を減らせ
しかしながら、グローバル化には手直しが必要なことも忘れてはいけない。貿易で損を被る人も大勢いるし、移民が急増すれば地域社会の混乱を招くこともある。こうした問題の最善の対応策は壁をつくることではない。開かれた社会の良さを維持しつつ、負の要素を減らす大胆な政策を打ち出すことだ。モノや投資資金の自由な流れを守りながら、そのために仕事を失った人たちが支援と新たな機会を得られるよう社会のセーフティーネットを強化するのだ。移民の流入をうまく管理するため公共インフラを整備し、移民が仕事に就けるようにし、移民の急増を抑える規制を認めよう。
作戦について言えば、左派や右派の政党で開かれた世界を支持する勢力が、いかに選挙で勝つかが重要になる。オランダとスウェーデンでは中道政党が団結し、国粋主義者らを締め出した。フランスでは02年の大統領選の決選投票で、同じような連合体が国民戦線のジャンマリー・ルペン党首を破った。17年の大統領選でも娘のマリーヌ氏を倒すには、こうした政党の連合が必要になるかもしれない。英国でも今後、中道主義の新党が求められるだろう。
米国では既存政党自身が答えを引き出さなければならない。反グローバル主義に真剣に対抗しようとするなら、共和党員は意に沿わなくてもクリントン氏を支持すべきだ。クリントン氏自身もまた、明確な開放政策を打ち出さなければならない。副大統領候補にスペイン語に堪能なグローバル主義者のティム・ケーン氏を選んだのは良いことだ。とはいえ、世論調査でトランプ氏との差はごくわずかだ。リベラルな世界秩序が維持されるかどうかは、クリントン氏が大統領に選ばれるか否かにかかっている。
(7月30日号)>(以上)
<8/1産経ニュース トランプ氏がイスラム教徒の戦没者遺族を「侮辱」 身内からも批判
【ワシントン=加納宏幸】米共和党大統領候補の不動産王、ドナルド・トランプ氏(70)が7月31日、戦死したイスラム教徒の米軍人の遺族を侮辱したとして批判された。共和党幹部もトランプ氏に対する不快感の表明が相次ぎ、陣営は釈明を迫られた。米軍最高司令官になる資質に関わるだけに、11月の本選にも影響を与えそうだ。
遺族は、2004年にイラクで自爆テロにあって戦死したフマユン・カーン陸軍大尉の父でパキスタン出身のキズル・カーン氏。
民主党大統領候補にヒラリー・クリントン前国務長官(68)を指名した同党全国大会に7月28日、妻と登壇し、イスラム教徒の入国禁止を主張するトランプ氏に「米国憲法を読んだことがあるのか」「(戦没者が眠る)アーリントン国立墓地を訪れたことがあるか」などと問いかけた。
トランプ氏は31日、ツイッターで「カーン氏から敵意をもって攻撃されたが、反応してはいけないのか。イラク戦争(開戦決議)に賛成したのはクリントン氏で、私ではない」と反論。米メディアでは「クリントン氏のスピーチライターが原稿を書いたのではないか」とも発言した。
カーン氏は31日のCNNテレビ番組でトランプ氏を「黒い魂を持っている。指導者には到底ふさわしくない」と批判し、共和党幹部に同氏への支持撤回を要求。クリントン氏もカーン氏に同調し、同党に「党派よりも国家(への忠誠)を取るべきだ」と訴えた。
共和党のライアン下院議長は31日、声明を発表し、カーン大尉を含む多くのイスラム教徒の米軍人による献身をたたえ、宗教を理由に入国を禁止するような主張を「拒否する」とした。同党のマコネル上院院内総務も入国禁止は「米国の価値に反する」と指摘した。
トランプ氏への批判の高まりを受け、共和党副大統領候補のペンス・インディアナ州知事は31日夜、「カーン大尉は英雄であり、すべての米国人が遺族を大事にすべきだ」とする声明を発表した。ただ、テロに関与した国からイスラム教徒を入国禁止にするとの主張は変えなかった。>(以上)
堀田氏は「メデイアは決めつけて書いてしまう癖がある」と言いたいようです。朝日新聞の角度を付けた報道の例もそうでしょう。ただ朝日新聞には戦後反日に転換したため、日本への悪意が感じられますが。角度を付けると言うことは、事実に基づいた報道ではありません。日本国内の外国に関する報道では日本のメデイアの特派員がその国の新聞やTVを見て解説するのが多く、堀田氏のように現地でいろんな人に取材して記事を書く人は少ないという印象を持っています。
堀田氏は「共和党が全国大会でクルーズに演説させて逆に団結を促すようにシナリオを描いた可能性もある」とのことです。それにしてもトランプは物議を醸す発言が続き、ヒラリーを利しているように見えます。それでも最終的に米国民がどちらを選ぶかですが。
「エコノミスト」の記事はリベラル臭がプンプンします。グローバリズムが「善」との思いが前面に出ています。鎖国するより開国して国際分業した方が経済的に富むことは北朝鮮やキューバの例を見れば明らかです。でも移民の受入を前提にしなくとも良いのでは。今現実に起きている問題はイスラム移民の問題です。ISシンパが紛れ込んでいるかも知れず、テロの危険性が高まる施策をEUは率先してやっているようにしか見えません。国の大きな役目は「国民の生命及び財産」を守ることです。EUに入っていてそれができないのであれば離脱を望む国が出て来るのは当然です。「多文化共生」と良くリベラル左翼が言いますが、「多文化尊重」が正しい道と思います。自分の生まれ故郷の伝統文化を大事にして、その地で暮らせるのが理想でしょう。勿論外国暮らしを否定するものではありませんが、「郷に入れば郷に随う」ように相手国のルールを尊重して初めて存在が認められるのでは。在日のように日本国内で反日活動する人たちは帰国して貰った方が良いでしょう。英国「エコノミスト」はシテイのグローバリズムを後押しする立場ですので、世界の潮流を見誤っているように思えます。世界は「統合」から「分散」「分断」へと動いて行っています。メデイアが「報道しない自由」を行使しても、今や「SNS」を使って瞬時に世界に流れる時代です。中国のように「金盾」ですぐ削除するような国もありますが。中国国民も海外旅行に行くようになったのだから如何に自国は自由がないか感じれば良いのに。「ポケモンGO」すらできない国です。
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米オハイオ州クリーブランドで開かれた共和党全国大会で演説する(2016年7月21日撮影)〔AFPBB News〕
米大統領選は大手メディアに煽られている――。
オハイオ州クリーブランドで開かれていた共和党全国大会を取材し終えて抱いた思いである。いきなり筆者の思いから入って恐縮だが、現地で見聞きしたこととメディアで報道されている内容の違いが目にとまったので報告したい。
党大会前、ドナルド・トランプ候補(以下トランプ)の支持率は不支持率よりもはるかに低く、党内がまとまらずに分裂する危険性もあるとの見方があった。
なにしろトランプは共和党の重鎮から嫌われていた。ブッシュ家の3人(大統領経験者2人とジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事)は早々と党大会に出席しない意向を表していた。
ジョン・マケイン元大統領候補、ミット・ロムニー前大統領候補、さらにトランプと予備選を戦ったジョン・ケーシック・オハイオ州知事らも党大会には姿を見せなかった。
分裂の党大会かと思いきや
党大会前の各種世論調査を見ると、トランプの不支持率は70%代半ばで、ヒラリーに勝てそうもない「危険水域」に入っていた。有権者だけでなく党内の重鎮が反旗を翻していたため、党内を統一することは多難だった。
「分裂の党大会」という言葉が脳裏に浮かびさえした。
多くのメディアも、そこに切り口を見つけた。割れた党内といった流れの方が、読者を惹きつけやすい。「党内はよくまとまっている」では面白みに欠ける。ニュースは悲劇の方が受けるし、読者も悲劇をどこかで期待していたりする。
もちろん、ジャーナリズムの役割は目の前で起きていることを正確に伝えることだが、結束していない党大会の方が伝える側も受け手の側も注目度が高い。
クリーブランドには世界中から約1万5000人(主催者発表)のメディア関係者が集まっていた。8割近くがリベラル派に属していると言われる。その流れでは、トランプが醜態を晒すとか、共和党が分裂するといった出来事を嬉々として伝える傾向がある。
日本の大手日刊紙も「トランプ氏指名に反発噴出 米共和党大会 分断あらわに」、「党大会、目立つ亀裂」といったタイトルを打った。本文中でも「挙党態勢からはほど遠い共和党大会だった」といった文面が読める。
大会初日(19日)、反トランプ派の代議員らはトランプを代表候補にするのを阻止する動きに出た。大会規則を承認する手続きに異議を唱えたのだ。コロラド州から来ていた代議員が退場する場面もあった。
そうした光景を目の当たりにすれば「亀裂」という言葉は外れていない。けれども過去の党大会を振り返ると、ライバル候補を支援する代議員たちは大勢いた。バトルと呼べる状況になったことさえあった。
その中で、トランプは全米から集まった代議員(2472人)の過半数を得て代表候補になる。予備選で州ごとに選ばれた代議員たちが党大会で、もう1度投票をしてトランプを代表候補に選んだのだ。
会場の雰囲気を大きく変えたクルーズ演説
しかし、トランプが実際に獲得したのは2472人中1500人超に過ぎない。残りの900人ほどはテッド・クルーズ候補(以下クルーズ)やマルコ・ルビオ候補の支持者たちで、トランプ以外に票を入れている。
つまり、党大会に集まった代議員は、最初から全員がトランプを推しているわけではなかった。
大会3日目、さらに党内分裂と言えることが起きた。演者として招待されたクルーズが、トランプ支持を表明しなかったのだ。演説の最後に、「良心に従って投票してください」と述べた言葉は、「ヒラリーに投票してください」という意味でもある。
会場からはブーイングが起きた。その言葉の直前まで、演説巧者のクルーズらしい内容だっただけに、落差が激しかった。クルーズはこともなげに党とトランプを裏切ってみせた。
メディアによっては、こうした党内の動きこそが共和党を分断させていると発信した。だが、大会参加者のムードはクルーズの演説直後から変わる。クルーズを党内から排除するような空気が醸成されていったのだ。
4日目の朝から、様々な共和党関係者を取材した。話をしてくれた全員がクルーズを非難した。
アダム・キンジンジャー・イリノイ州議会議員は「クルーズの演説で党が割れたとは思わない。政治理念の違いはあっても、あのクルーズの演説はあり得ない」と憤りを隠さない。党大会に招待されたら、代表候補を支持するのは慣例なのだ。
クルーズの出身地であるテキサス州の代議員からも話を聞いた。カーボーイハットが似合う年配の紳士である。
「クルーズは自分勝手過ぎます。私は予備選ではクルーズ支持者でした。でもクルーズには嘘をつかれた気分です」
共和党全国委員会の広報部長、ショーン・スパイサー氏も「反トランプの党員でさえも、クルーズの演説内容は尊厳に欠けていたと思ったはず」とトランプを擁護した。
ブルートになったクルーズ
CNNのコメンテーターは、クルーズを漫画「ポパイ」の登場人物「ブルート」になぞらえた。誰からも嫌われるキャラクターになったことで、周囲の人間は主人公の「ポパイ」であるトランプへ、今まで以上に強い思いを寄せるようになったというのだ。
悪役が誕生したことで、トランプに求心力が生まれた瞬間だった。
党がここまで計算したいたかは分からない。クルーズもまさか自分がブルートになるとは思わなかっただろう。裏の裏がある米政界だけに、共和党がこれくらいのシナリオを考えていた可能性はある。
オハイオ州の名誉代議員の男性は党大会最終日、会場を出た所に特設された屋外の飲み屋でビールを飲みながら長々と語ってくれた。
「オハイオ州出身ですが、フロリダ州パームビーチに別荘を持っています。そこで何度もトランプと顔を合わせています。ゴルフ場で会ったこともあります」
「彼はやり手のビジネスマンですが、話をすると本当にまともな人であることが分かります。選挙中、ライバル候補に暴言を吐いたりしましたが、最初は信じられなかった」
「落ち着いて話をすると、すぐに優秀な人であることが分かります。クルーズの演説の後、仲間の党員たちはトランプでまとまりつつあります」
こうした党大会の潮流の変化は、現場に足を踏み入れないと分からない。男性は最後に言った。
「予備選で反トランプ派だった党員でも、ヒラリーだけには票を入れないという点で共和党はまとまっています」
筆者は、やみくもにトランプを支持するつもりはない。そうではなく、メディアの多くが最初から「分裂された党大会」というイメージを心にすり込んで大会に乗り込み、変化が起きても気づかずにいることに疑問を持つのだ。
日米のメディアを散見するかぎり、共和党全国大会後も「党内は分断」といった論調のメディアが多いことに驚くのだ。
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『南シナ海 苦境の習氏 仲裁裁判で完敗→「微笑外交」に微修正』『効くか、寸止めの圧力』(7/31日経)について
人民解放軍を主導しているのは習で、習が人民解放軍の操り人形と言うことはありません。徐才厚や郭伯雄を失脚させたのですから。勿論上海派の大物二人を処分したのですから軍内部には不満は溜っているでしょうが、トルコのようなクーデター騒ぎは起こっていません。習が狙っている「中華民族の偉大な復興」を果たすべく軍もそれに乗って予算獲得に励む構図でしょう。特に目立った実績のない海軍は。それで南シナ海に出てきて突っ張っている部分もあるのかも。習も海軍に引っ張られているのかも知れませんが、「呼べば来る、来れば戦う、戦えば必ず勝つ」と言った手前ブレーキはかけられません。米国と戦争状態になった時に中国が何日持つか正しい情報が習に入っていない可能性もありますが。まあ、戦争になる前に経済制裁、海上封鎖、陸上封鎖をするかもしれません。
中国空母「遼寧」のポンコツさを米軍作戦部長が見たって、それは前から分かっていたこと。恭順の意を示したように見えますが単なる時間稼ぎでしょう。腹の中は「中国が経済的にもっと豊かになり、軍事費を増やし、技術的にも米国を追い抜く日が必ず来る。その日まで首を洗って待っておれ」でしょう。何せ騙すのが得意な民族ですから。ピルズリーのように数十年中国と付き合ってきてやっと今頃気付くなんて遅すぎです。鼻薬でも貰っていたのでしょうけど。
米国の歴史を知り、日本の歴史を知れば米国のやり方に疑問が付くことは多いです。しかし選挙と同じで100%完璧な政治家がいないように、国際社会で完璧さを求めても意味がありません。相対比較で付き合うべきかを決めるべきです。米国憲法修正第1条は「言論の自由」だそうで、自由を認めない中共より遙かにマシです。付き合うべきは「自由、民主、基本的人権、法の支配」の共通価値観を持った国とだけです。中韓は口先だけですので仲間にはなれません。
ライス補佐官は13年に「G2」を認める発言をしました。オバマの考えを述べた(中国が主張してきた「G2」をオバマが受け入れた)だけかも知れませんが。今振り返って見て「如何に愚かだったか」恥ずかしくないでしょうか。国や会社のトップたるもの「先見の明」が要求されます。百年とは言わず、10先くらいは見据えた行動を取って貰いたいものです。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM2100S_R21C13A1EB1000/
『南シナ海 苦境の習氏 仲裁裁判で完敗→「微笑外交」に微修正』記事
南シナ海での中国の主権を認めない判決を仲裁裁判所が下した。苦境に陥った中国の習近平国家主席は受け入れを拒む一方、新たな動きも見せる。それは米国や日本との関係にも微妙な変化をもたらした。

習氏は参院選で基盤を固めた安倍政権を無視できなくなった


12日の判決から1週間余り、米海軍制服組トップのリチャードソン作戦部長は山東省青海の中国北海艦隊司令部にいた。「米海軍は南シナ海を含む世界中で法に基づく軍事行動を続ける」。伝えた言葉は判決を無視し、岩礁施設の建設続行まで宣言した中国への警告だった。
G20へ「一時休戦」
それでも中国は青海でリチャードソン氏に唯一の空母「遼寧」を参観させた。注目すべきは、飛行甲板以外に、艦載機格納庫なども公開した事実だ。海軍大将だけに一目で装備水準を判別できる。中国がリスクを冒したのは「米国との衝突だけは避けたい」という本音を伝えるためだった。
習主席は25日、訪中したライス米大統領補佐官と北京で会談した。ケリー米国務長官は翌日、ラオスでの東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)に出席する。習主席がライス氏に「現行の国際秩序と規則に挑戦するつもりはない」と語ったのは、米国への秋波だった。
そこには、9月に中国・杭州で開く20カ国・地域(G20)首脳会議の成功に向けて「一時休戦」の雰囲気を醸し出す狙いもあった。
判決が出た12日、中国は対日外交でも動いた。モンゴルでのアジア欧州会議(ASEM)の際、中国の李克強首相が安倍晋三首相と会談する日程調整に早々と応じた。現地の事前折衝でも「条件をのまなければ会談自体やめる」という常とう句は封印した。
8カ月ぶりの日中首相会談は15日、あっさり実現した。南シナ海問題ではぶつかったが、双方とも内容公表は控えた。直前、李首相はモンゴルで南シナ海問題のカギを握るカンボジアの首相らとも会談。ラオスでのASEAN会合を前にねじを巻いていた。中国は翌週、杉山晋輔外務次官の北京入りも受け入れた。
「経済を含む対日交流は大切だが、中国に厳しい安倍は相手にしたくない」。中国がそんな姿勢を微修正したのはなぜか。「完敗」判決を受け、中国の選択肢は狭まった。国際的な孤立は避けたい。体面さえ保てるなら周辺国との対話に応じる「微笑外交」である。
参院選での自公勝利も影響した。安倍政権の基盤は盤石になり、中国が気にする憲法改正さえありうる。習指導部も安倍政権を無視できない。「中国は口でどう言おうと相手の力に応じて対処する。中国自身が力の信奉者だからだ」。中国外交を知るアジアの外交官の弁だ。25日、ラオスでは日中外相会談が実現した。
中国の王毅外相は4月末、北京で岸田文雄外相と会談した際、突出した「日本たたき」に出た。今回も南シナ海問題では原則論に終始したが、年内に日本で予定する日中韓首脳会談の調整には初めて前向きな姿勢を示した。日中の「海空連絡メカニズム」の運用開始も実現させたいとした。
主権問題譲歩せず
日中韓外相会談が実現すれば王氏の外相就任後の初訪日になる。杭州G20で約1年半ぶりの安倍・習会談があるのかも焦点だ。とはいえ、中国は一連の国際会議の声明で判決に触れるのを力ずくで阻止した。南シナ海での演習も強行している。主権問題では一切、譲歩していない。
「既存の国際秩序を変えるのは本当に難しい」
外国訪問中だった習主席が周囲にぽろっと本音を漏らしたことがある。自ら提起した「新しい形の大国関係」が米オバマ政権に事実上、拒まれた後だった。今回、ライス氏に語った「現行の国際秩序と規則に挑戦するつもりはない」との融和姿勢は、既に国際法を無視した以上、方便にすぎない。
習主席が掲げる「中華民族復興の夢」には米主導の現体制への反発がにじむ。今後も海洋での摩擦は続く。日本は各国と連携し、国際法による解決を根気強く促すしかない。
<仲裁裁判所判決の骨子> ・中国が南シナ海に設定した独自の境界線「九段線」には主権、管轄権、歴史的権利を主張する法的根拠はない ・南沙諸島には排他的経済水域(EEZ)を設けられる国連海洋法条約上の「島」はなく、中国はEEZを主張できない ・中国がスカボロー礁でフィリピン漁民を締め出したのは国際法違反である ・ミスチーフ礁とセカンドトーマス礁はフィリピンのEEZ内にある ・中国は南沙諸島で人工島を建設するなどして国連海洋法条約の環境保護義務に違反している
『効くか、寸止めの圧力』記事
南シナ海をめぐり、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は今月12日、中国の主張をことごとく退ける判決を下した。その2日後、米国のバイデン副大統領は、ハワイで開かれた日米韓の外務次官協議に出席した。

閣僚より格下の次官級会議に副大統領が出ることなど、ふつうなら考えられない。異例だったのは、それだけではなかった。
その冒頭、約50分の長広舌をふるい、伏せられていた習近平・中国国家主席との会談の一部を、暴露してしまったのだ。
バイデン氏が2013年12月初め、訪中した際のやり取りである。テーマはこの直前、日中台に囲まれた東シナ海に中国が「防空識別圏」を設定し、外国機の出入りを監視しようとした問題だった。
この措置を批判したバイデン氏に、習近平氏は「では、私にどうしろと言うのか」と開き直った。そこでバイデン氏は「あなたがどうするか、さほど期待していない」と切り捨て、こう警告したという。
「米軍は(最近、中国への通知なしに防空識別圏内に)B52爆撃機を飛ばした。我々はこれからも、飛び続ける。中国の『防空識別圏』を認めることはない」
実際、米軍はその後も、中国が設けた「防空識別圏」を無視し、自由に飛んでいる。バイデン氏はこの発言をあえて公表することで、南シナ海でも、中国の強引な行動は認めない決意を示したのだった。
米政府は中国に対し、南シナ海でも「防空識別圏」を設定したら、強い対抗措置に出る、と水面下で伝えているという。
先週、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の会合でも、米国は日本と組み、中国に仲裁判決の受け入れを迫った。
ところが、総じてみると、米国の対応はなぜか、いたって穏便だ。オバマ大統領は仲裁判決への発言を控えている。米国防総省でもいま、軍事圧力を強めることには慎重論が多いらしい。
仲裁判決を受け、かさにかかって中国を責めるというより、刺激しすぎないよう、“寸止め”の圧力にとどめているようなのだ。どうしてなのか。
内情を知る複数の外交筋はこう解説する。
「中国は法的に完敗し、内心、かなり焦っている。さらにたたくより、静かに諭したほうが、前向きな行動を引き出しやすい」
米国にかぎったことではない。安倍政権の対応も似たところがある。
今月15日、モンゴルで開かれた安倍晋三首相と李克強中国首相の会談。安倍氏は日本周辺での中国軍の動きなどをけん制したが、南シナ海問題には短くふれる程度にとどめたという。
会談の前半では、9月初めに中国が主催する20カ国・地域(G20)首脳会議を成功させるため、最大限、協力するとも伝えた。
「言うべきことは言うが、経済やテロ対策では中国との協力を進めていく」。周辺によると、安倍氏はこんな意向を示している。中国が窮地にある今こそ、日中打開の好機とみているフシすらある。
この路線がうまくいくかどうか、日米両政府内ではなお、議論が割れる。要約すると、こんな具合だ。
南シナ海の軍事化を主導しているのが習近平氏なら、対話によって彼らの行動を変えられるかもしれない。だが、軍が主導し、習氏が追認しているのだとすれば、融和策はほとんど効かないだろう――。
このどちらかで、処方箋は全く異なる。答えを知るには、中国の言動にさらに目を凝らし、権力中枢の実態を探るしかない。
(編集委員 秋田浩之)
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『対中ビジネス、懸念広がる 10年後の中国経済は?「2~3%低成長」半数近く 日中関係、国内ビジネスパーソン調査』(7/29日経)について
7/28産経ニュース<石平「九段線」とは中国が地図上に引いた線にすぎない 「世界は中華帝国の所有物」は妄想というしかない
今月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は南シナ海領有権問題に関する裁定を下した。最大のポイントは、中国が南シナ海の広い範囲に独自に設定した「九段線」なるものに「法的根拠はない」とし、この海域に対する中国の「歴史的権利」を完全に否定したことにある。
世界主要国の大半が裁定の正当性を認めていることからも、裁定はまったく適切なものであると思う。問題はむしろ、中国政府が今までどうやって、南シナ海に対する自らの「歴史的権利」を主張できたのか、である。
中国側の主張をつぶさに見れば、証拠という証拠の提示はほとんどなく、ひたすら「権利」を主張するだけのいいかげんなものであることが分かる。「九段線」というのは中国が地図の上で勝手に9つの破線を引いて、フィリピンやベトナム近海までを含む広大な海域を「中国のもの」にしてしまった話だ。
国際法の視点からすれば、このような「領有権主張」はまさに乱暴というしかないが、実は現在の中国政府が主張する「九段線」は、かつて中国大陸を統治した国民党政権が設定した「十一段線」から受け継いだものだ。
つまり、「国際法無視の領有権主張」に関していえば、今の中国共産党政権も昔の国民党政権も「同じ穴のむじな」なのである。
2つの政権は両方とも、自国の国名に「中華」を冠したことからも分かるように、対外意識の根底にあるのは、やはり、中国伝統の「中華思想」である。
昔ながらの中華思想は、外部世界に対する「中華」の絶対的優位性を主張するのと同時に、いわゆる「王土思想」を世界観の基軸としている。
中国古典の《詩経》小雅(しょうが)に、「普天(ふてん)之(の)下(もと)、王土に非(あら)ざるは莫(な)く、率土(そつど)之(の)浜(ひん)、王臣に非ざるは莫し」というのがある。現代語に訳すれば、
「天の下に広がる土地は全て天の命を受けた帝王の領土であり、その土地に住む人民はことごとく帝王の支配を受(う)くべきもの」という意味だ。
漢王朝以降の中国歴代王朝においては、そのまま中華帝国の政治原理となっている。要するに中華帝国の人々からすれば、天命を受けた「天子」としての中国皇帝こそが「天下」と呼ばれるこの世界の唯一の主であるから、世界の土地と人民の全ては中国皇帝、すなわち中華帝国の所有物となっているのだ。
このような世界観において「領土」と「国境」の概念は存在しない。全ての土地は最初から中国皇帝の所有物であるから、それをあえて「領土」と呼ぶ必要もないし、「国境」を設定する必要もない。
世界全体が中国皇帝を中心にして無限に広がっていく一つの同心円なのである。
現代の国際感覚からすれば、このような世界観は笑うべき「妄想」というしかないが、近代までの中国人は本気でそう信じていたし、その残滓(ざんし)たるものが今でも、中国の指導者やエリートたちの意識の根底に根強く染み込んでいるのだ。
だからこそ、以前の国民党政権は何のためらいもなく南シナ海の広範囲で勝手な「十一段線」を引くことができたし、今の中国政府はこの海域に対する「歴史的権利」を堂々と主張することができる。要するに彼らの潜在的意識には、南シナ海であろうと何々海であろうと、最初から中華中心の「同心円」の中にあるものだから、おのずと「中国のもの」なのである。
これは冗談として済ませる話ではない。1人か2人の中国人がこのような妄想を抱くなら一笑に付する程度の話だが、核兵器を含む巨大な軍事力をもつ大国の中国がこうした時代錯誤の妄想に基づいて実際に行動しているから大問題なのである。>(以上)
7/29ZAkZAK<田村秀男 世界各地が中国化する恐れ…習政権の厚顔無恥を咎めない国際社会
古代中国を舞台にした司馬遷の「史記」では、口舌に長(た)けた英雄群像が描かれている。その弁論術は実に巧妙だが、現代中国の共産党幹部はその伝統をねじ曲げている。真っ赤な嘘をつき、黒を白と言いくるめて国際ルールを踏みにじる。 25日に閉幕したラオスでの東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国外相会議では、中国の王毅外相が、南シナ海での中国の主張を退けたハーグの国際仲裁裁判所の裁定を非難し、共同声明で触れさせなかった。中国の圧力に弱いカンボジアなどへの根回しが効いたためで、王毅外相は「(ASEAN外相らとの会談で)中国の提案が支持と賛同を得た」と吹聴する始末である。 中国・成都で23、24の両日開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、議長の楼継偉財政相が、中国の地方政府などの債務の膨張問題について、「解決は容易ではないがシステミックリスクはない」「国内の貯蓄率が高いため投資の伸び維持は可能」と言いのけた。中国の銀行融資と地方政府や企業の債券発行はそれぞれ年間で約200兆円、約220兆円と急増している。国際通貨基金(IMF)の分析によれば、銀行の不良債権比率は国内総生産(GDP)比で20%を超え、1990年代の日本のバブル崩壊期のピークをはるかに超えている。ハーグ裁定と同様、北京は徹頭徹尾、リスクを否定し、政府の手で金融危機を防げると主張する。
10月には、人民元がIMFの特別引き出し権(SDR)構成通貨に組み込まれ、円を押しのけドル、ユーロに次ぐ第3位の国際主要通貨の座を確保する予定だが、その条件である金融自由化を進めるどころか、外国為替市場に介入を続け、株式市場を党による統制下に置いている。国際合意もルールも無視して平然とし、信用バブルを膨張させる。 党幹部は国内の過剰生産の削減には取り組むと言いながら、鉄鋼などのダンピング輸出にいそしんでいる。市場原理にまかせずに、国有企業を温存するためにそうなるのだが、北京は各国に対し、「市場経済国」としての認定を迫るという厚顔無恥ぶりだ。 ところが、である。国際社会ではどの国も中国に対してはあいまいな態度しかとらない。南シナ海で米国は中国との軍事衝突を恐れる。IMFも米国も欧州、日本も中国の金融自由化約束の履行を口にしないし、人民元のSDR認定取り消しを検討する気配がない。中国の債務爆弾が破裂すればグローバル化した金融市場が巻き込まれると恐れるからだ。 このままだと、何が起きるのか。習近平政権は膨らませた人民元を武器に海外で兵器、先端技術、さらにエネルギー・食料など戦略物資を、富裕層は日本を含む快適な居住環境のある先進国で不動産を買い漁る。一方では軍事脅威の拡大、他方では世界各地の中国化が加速するだろう。 >(以上)
石平・田村両氏が共通して言っていますのは、中国人の自己中心的な生き方です。いつも言っていますように中国人の基本的価値観は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というものですから。南シナ海、東シナ海だけでなく、ブータンにまで中国人を入植させ、中国領土としようとしています。長野朗が言ったように「アメリカは$の力によって、ロシアは軍事力によって、中国は人の数によって」他国に進出しようとします。田村氏の言う「世界各地の中国化」(≒チャイナタウン造り、その国の伝統文化の破壊)が進んで行っています。日本を含めた西側社会が見て見ぬ振りをすれば、チエンバレンの宥和政策と同じになります。中国のバブル崩壊を恐れて先送りすればするほど大爆発となって世界を揺るがせます。チャイナマネーが軍事拡張と世界の不動産買収に充てられ、焦げ付いたときの後処理をどうするつもりなのでしょうか。中国人・朝鮮人の発想は“too big to fail”なのでしょう。敵が潰れるまで価格競争します。董明珠氏の『市場烈烈』を読むと良く分かります。中国の鉄の過剰生産も世界の鉄鋼産業を壊滅させるための仕掛けと見れば分かり易い。ソフトバンクの孫氏も同じ発想でしょう。ARMの買収もうまくいくかどうか。
http://jp.wsj.com/articles/SB12334390200972253966304582196851451900104
http://jp.wsj.com/articles/SB12334390200972253966304582196851451900104
日経の本記事は日本人の平和ボケを表していると思います。日本国内でアンケートを取ったからだと思います。それでも、10年前と比べれば中国に対する脅威の思いは強まっていると感じますが。中国在住の駐在員にアンケートを取れば、「中国からの撤退」や「事業縮小」の意見が増えると思います。所詮国内にいる日本人は海外にいる日本人のことは考えていないという事でしょう。拉致被害者に関しても「我関せず」、政治に無関心で自分の生活のことだけしか考えない日本人が増えています。やっと自衛隊機がアルジェリアの人質事件後に飛ばせるようになり、南スーダン内乱で自衛隊の陸上救出も可能になりました。左翼は海外邦人の救出には冷淡です。自分勝手な連中で中韓と同じです。自衛隊の海外派遣は平和憲法違反なんて自分の子供がテロリストに捕まっても無視するのでしょうか?ピースボートの世界一周旅行が正しく左翼の正体を現しています。海賊が跋扈するアデン湾の自衛艦航行を依頼するのですから。彼らの論理は現実の前に破綻しているのは少し考えれば分かるはず。
日経読者のアンケートを読むと、戦後GHQの呪縛が続いているのが分かります。軍事に無関心だから、洗脳が続いていますが、中国経済の伸長は軍拡を齎すといった視点が必要と思います。これは日経の設問が悪いからでしょう。平和憲法は平和を守るのには何も役立つわけがありません。こんなのものは小学生ですら分かる論理です。いじめにあった時に、「皆で仲良く」と先生が言っていると言ったって、いじめっ子がイジメを止める訳がありません。強制力が必要になります。少しは現実を見て、真の賢さを身に着けた大人になれと言いたいです。知的に未熟では。
7/28には日中交流団体「日中青年交流協会」理事長の鈴木英司さん(59)がスパイ容疑で拘束されているのが分かったとのこと。中国に尽くして来た如何わしい人物と思いますがそれでも逮捕されるのですから。理屈は後から取ってつけるだけでしょう。習派VS団派の権力闘争に巻き込まれたという見方もあります。2010年のフジタの社員の逮捕もでっち上げです。軍事施設を撮影なんて普通中国人の案内がいればどれだけ危険か分かっているのに、それをわざとさせたか、していないのにそうしたといった捏造でしょう。南シナ海がきな臭くなる中、戦争が起きれば在中邦人は人質になる危険性があります。日本の経営者は財務的に危険(横領・有報虚偽記載等)がありますが、現地は中国人に任せ家族を含めて帰国させるべきです。授業料と思って。
記事
日経・CSISバーチャル・シンクタンクが実施した日中関係に関する調査(第3回)で、日本のビジネスパーソンが中国経済の先行きに厳しい見方を持っていることが分かった。安全保障面でも中国に対する懸念を強めており、投資先も中国以外を有望視している。中国市場の重要性に対する認識に変わりはないものの、リスクを軽減したいとの姿勢が読み取れる。


(1面参照)<以下の通り
中国事業「縮小」4割 政治リスク意識 日経・CSISバーチャル・シンクタンク 国内3000人調査
2016/7/29付日本経済新聞 朝刊
日本経済新聞社と米戦略国際問題研究所(CSIS)が共同で設立・運営している「日経・CSISバーチャル・シンクタンク」は、日本企業で働く社員約3千人を対象に日中関係を巡る意識調査を実施した。南シナ海問題などを背景に中国の政治リスクを懸念する声が多く、今後の対中ビジネスも4割の人が「縮小が望ましい」と答えた。
(関連記事を特集面に)
調査は、日本在住の民間企業で働く係長以上の役職者2827人に、インターネットを通じて5月末から7月中旬にかけて行った。日中関係の意識調査は今回で3回目。
尖閣諸島の接続水域を中国の軍艦が航行したことについて、75%が「日本の領土・領海に深刻な脅威」と回答。人工島を建設した南シナ海情勢に関しては、95%が「反対を表明すべきだ」と答えた。中国でビジネスを行う際に懸念する問題として「政治リスク」を選ぶ人が約80%に達した。
中国経済の先行きも慎重意見が多い。10年後の経済成長率は、5割弱が「2~3%程度になる」と予想。対中ビジネスの方向性も「撤退」(15%)「縮小する」(40%)が、「拡大・発展する」(8%)「現状維持」(37%)を上回った。
新興国で有望な投資先としては、インドが50%、東南アジア諸国連合(ASEAN)が38%で続き、中国(4%)を圧倒した。政治情勢や経済の減速を背景に、中国リスクの分散を図ろうとする姿勢が目立つ。>(以上)
ビジネスパーソン約2800人を対象にした今回の調査は、2014年4月の第2回調査から約2年の時間を置いて実施した。この間、中国情勢は大きく変化している。
経済面では減速が鮮明になり、昨夏には人民元切り下げをきっかけに世界経済の混乱を引き起こした。一方、アジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立するなど、中国が世界経済で主導権をとろうとする動きも表面化した。
政治面では習近平政権が国内で反腐敗運動を徹底する一方、南シナ海で人工島を造成するなど海洋進出を加速し周辺国との対立を深めている。
こうした情勢の変化を受け、日本のビジネスパーソンの対中観にどんな変化があるかが調査の読みどころだ。
◎ ◎ ◎
過去2回とはっきり変わったのが中国経済の先行きに対する見方だ。
10年後の中国経済について聞いたところ、46%が「2~3%程度の低成長に移行」と答え、34%が「バブルが崩壊して経済が混乱し、マイナス成長の可能性もある」を選んだ。「5~6%程度の安定成長で推移」とみる人は全体の18%にすぎず、前回(32%)、前々回(35%)に比べ半分近くに激減した。
日中の政治的緊張が高まるリスクを想定した場合、日本企業の対中事業についても、「拡大・発展を目指す」は前々回が約20%、前回は10%あったが、今回は8%まで減った。一方、「縮小する」と答えた人は40%で最も多く、「撤退する」も15%あった。
今回調査で新たに取り上げたAIIBについては、6割弱が「加盟する必要なし」を選択。35%が「当面は様子見」とし、全体として消極的な姿勢が浮かび上がった。
貿易関係についても、「中国との貿易自由化は現状程度でよい」が32%で最も多く、「環太平洋経済連携協定(TPP)と同程度の広範で高い水準の自由貿易を目指す」の24%を上回っている。
ただ、中国市場の重要性(約8割が「必要不可欠」と回答)や、日中製造業の競争力比較(約6割が「全体として日本が優位」と回答)など、基本的な対中認識に関しては3回の調査を通して大きな変化があるわけではない。
回答者の属性別に調査結果を見ると、中国ビジネスに直接携わっているかどうかで顕著な差が出た設問もあった。
中国事業に携わる人はそうでない人より対中ビジネス戦略で「現状維持」を選んだ割合が10ポイント以上高く、逆に「縮小」は10ポイント以上少ない。中国経済の先行きでも中国事業に携わる人に楽観論の割合が高い。中国と仕事上のかかわりがあるかどうかで一定の認識ギャップが存在するのは確かなようだ。
◎ ◎ ◎
一方、外交・軍事面に関する回答からは中国の海洋進出に対する懸念が浮かぶ。
中国の南シナ海での行動が日本のシーレーン(海上交通路)確保にどんな影響が出るか聞いた設問では、回答者の半数が自社の事業活動に対して「現時点では影響はないが、将来影響が出てくると思う」と答えた。「すでに影響が生じている」も14%ある。
東シナ海についても、今後5年程度の時間軸でみた場合、「日中の緊張関係は今以上に高まる」が66%、「現在と同等の緊張関係が続く」が29%で、「徐々に沈静化していく」は2%にすぎない。
東シナ海の緊張が高まると答えた人に理由を自由に書いてもらったところ、「中国は国内統制のため国民の目を海外に向けようとするから」(50代の非製造業・部長クラス)、「米国が弱体化し、日本への関与が弱まるから」「中国は現状の枠組み、国際ルールを変えようとしている」(50代の製造業・部長クラス)といった意見が多かった。
中国による南シナ海への進出に日本がどう対応すべきか聞いた設問では、「中国の行動には反対を表明すべきだが、軍事的な関与は避ける」が4分の3近くを占めた。ここからは、中国との決定的な対立は回避したいとの意識が働いているようにも読める。
一方で、回答者の5人に1人が「自衛隊の哨戒機や艦艇を常時継続的に南シナ海に派遣するなど、軍事的な関与をすべき」を選んでいる。
中国の海洋進出に対する不安が日本で対中強硬論の高まりを招いているのか、今後も定点観測を続ける必要がありそうだ。
前回調査時点との違いとしては、台湾で今年5月に民進党の蔡英文政権が発足したことも重要な変化といえる。蔡政権との関係をどうすべきか聞いたところ、日台FTA協議を進めるなど「積極的に関係を強化する」と答えた人が6割弱に上り、中国への刺激を控えるため、「距離を置くべきだ」と答えた人(8.5%)を大きく上回った。
両国で認識にギャップ アカデミックアドバイザー(東京大教授) 川島真氏に聞く
2016/7/29付 日本経済新聞 朝刊
この調査も今回で3度目となった。2012年、2014年との比較では、特に経済面を中心に日中関係への見方はほぼ横ばいになっている。中国への見方も、必ずしも強硬になっているわけではない。しかし、いくつか顕著な変化もある。

中国国内政治では、共産党政権が不安定でも継続すると60%が答え、中国の民主化への道のりは、20~50年かかるとみる回答が増えた。中国国内では習近平政権への批判は増しているが、日本ではむしろ政権の継続を予測している点が面白い。
そのためか、政治リスクを考慮に入れた場合、対中ビジネスは縮小すべきだとの回答が40%に達した。前回よりも7%近い増加だ。
経済面では、中国市場の重要性への認識は変わらないが、今後の経済見通しが厳しくなった。10年後の中国経済を予測する質問で、34%がマイナス成長の可能性もあると予測した。だが、中国経済と関わりのある回答者ほど、中国経済の将来を肯定的に見ている点には留意すべきだ。
安全保障面を見ると、中国海軍の行動が日本の領土・領海への深刻な脅威だとする回答が4分の3を占め、圧倒的多数が東シナ海の緊張は今後も継続するか、あるいは一層高まると見ている。だが、日本の防衛力については、現状維持でよいとする回答がこの3回の調査で増えている。
しかし、日米同盟に関する問いでは、中国に対抗するために日米同盟を強化すべきだとの回答が、3度の調査で60、54、48%へと減少し、自主的な防衛力の強化が前回の21から26%に伸びた。
これはトランプ現象の影響だけではない。集団的自衛権を含む安保法制が施行され、日米同盟の強化が一段落したからかもしれないが、日米同盟の将来への漠然とした不安があることも否定できない。
日中関係全般では、習近平政権の対日政策を56%が「強硬だ」としたものの、安倍政権により日中関係が悪化したと見る人が75%から52%へ減少し、改善したとの見方が19%から37%へ上昇した。中国政府は南シナ海問題を理由に日中関係の悪化を指摘するが、日本国内では異なる。双方で両国の関係への認識に齟齬(そご)が生じている。
台湾については民進党政権が成立したためか、台湾独立が日本にとってよいとする回答が増え、蔡英文政権と積極的な関係を築くべきだとする回答が過半を占めた。台湾政策について、米国の意向を踏まえるべきだとの回答が30%を割ったのが印象的である。
今回の調査では、中国や日中関係についてだけでなく、米国への印象、日米同盟の位置付けが変化していることが興味深い。
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『『炎黄春秋』停刊宣言は中国の良心の断末魔 右派知識人排除の先に待つのは、絶望への下り坂』(7/27日経ビジネスオンライン 福島香織)について
7/28~7/30まで万座温泉に出かけました。湯質が非常に良く、何度もお風呂に入ったり、出たりしました。長期滞在して湯治する人もいて、80過ぎたお婆さんで、熱海で旅館を経営されている方も1ケ月の湯治に来ているとのことでした。建物は古いのですが、食事はバイキングで野菜が美味しく、お腹いっぱい食べられます。また行きたくなるところでした。

万座温泉日進館

対面に見える禿山、硫黄分のせいで植物は育たず

日進館の源泉、硫黄泉で近くは立ち入り禁止でした

禿山の上から見た日進館
さて、本記事ですが、福島氏は最後に「「炎黄春秋」停刊宣言は、中国の良心の断末魔であり、中国の未来が絶望の坂を転がり始める、ポイント・オブ・ノーリターンのように感じた。」と述べています。共産中国に言論の自由を求めるのは、八百屋で魚を求めるのに同じで、あり得ない話です。共産党支配をなくさない限り中国人には幸せは来ないという事ですが、果たして今の中国人でそれをどれだけ自覚している人間がいるかどうかですが。自己中が多いので。
人類の不幸が中国国内だけに留まるだけならまだしも中共は世界制覇に向けて着々と準備を進めています。ASEANも日本もチベット、ウイグル、モンゴルのように侵略されるのが嫌であれば、大同団結して中国の野心を挫かないとダメでしょう。日本政府・官邸も沖縄に中国が手を伸ばしてきているのにもっと危機感を持たないと。沖縄独立運動は裏で中国が金を出していると思います。「琉球民族独立総合研究学会」なるものも中国が作らせたのでしょう。中国国内でも「琉球・沖縄最先端問題国際学術会議」なるものを作ってPRし出しました。日本の外務省は何もせず。腐った組織です。米大統領がトランプになり、日米同盟破棄となった時に日本は中国の軍門に下るつもりでしょうか?温泉地でケント・ギルバート&ロバート・D・エルドリッジの『危険な沖縄』を読みました。日本の左翼は良く「米国の戦争に巻き込まれる」という言い方をしますが、国際関係論の中では「見捨てられるか、巻き込まれるか」のどちらかとエルドリッジ氏は言っています。ノホホンと暮らし、左翼プロパガンダ紙の言うように生きれば間違いなくなく中国の属国です。日米同盟を確固たるものにするには「自国は自国民が守る」ことを決意し、そのため国民一人ひとりができることから行動すべきです。
http://www.mag2.com/p/news/212497
記事
1991年の創刊以来、中国知識人の良心を代表するとして愛読されてきた中国の改革派雑誌『炎黄春秋』がついに停刊に追い込まれた。おそらくは文革発動50周年に関する5月号の記事が最終的なきっかけとなったのだろう。習近平政権になってから何度も停刊危機がささやかれたが今年7月17日になって、社長だった杜導正の署名で停刊声明が出された。過去25年19回にわたって当局から圧力を受け続け停刊の危機に瀕しながらも耐え続けた雑誌が、このタイミングで停刊に追いやられた背景に何があったのか。炎黄春秋停刊から見えてくる中国の未来を考える。
当局による雑誌社乗っ取り
停刊声明は、このような文面だった。
「7月12日、中国芸術研究院が一方的に炎黄春秋雑誌社との契約書「中国芸術研究院と炎黄春秋雑誌社協議書」を破毀し、わが社指導機構の総入れ替えを宣言したことは、憲法第35条が与えた“公民の出版の自由”の権利を厳重に侵犯するものである。また明確にわが社の人事、出稿、財務における主権を約定している協議書にも違反している。7月15日、中国芸術研究院が派遣した人員がわが社に強硬に侵入すると、『炎黄春秋』のオフィシャルサイトのパスワードを盗み取り変更し、我らが雑誌の基本的編集出版条件を喪失させた。
これに鑑み、炎黄春秋雑誌社委員会の討論を経て決定したことは、きょう7月17日即日停刊し、今後いかなるものも『炎黄春秋』名義で発行する出版物は、“本社”と関係ないこととする」
これはどういうことか。炎黄春秋の主管は一昨年から国務院文化部直属機関である中国芸術研究院となり、その主管機関の研究院がいきなり25年間、社長を務めていた杜導正を解任し、人員を派遣して、編集局を占拠し、雑誌社の資産800万元を差し押さえ、資料や荷物を勝手に運び出し、オフィシャルサイトのパスワードを奪い勝手に変えて、雑誌社から編集権、出版権を奪ったわけだ。そして幹部、編集者を総入れ替えして、雑誌の性質を完全に変えてしまおうと試みたということだ。ちょうど杜導正が妻を看取り、体調を崩して入院したスキをついての、当局による雑誌社乗っ取り事件である。
杜導正はこの声明発表の直前、香港有線電視のインタビューに答えて「これは“公開強盗”と変わらない」「いや文革大革命と全く一緒だ」と激しく非難した。そして、弁護士を立てて、当局のこの無法に抵抗すべく、訴訟の準備をしているという。
炎黄春秋という雑誌は創刊以来、何度も政治的に敏感なテーマを取り上げてきたアグレッシブな改革派誌だ。もともと天安門事件で失脚した趙紫陽に近い党中央老幹部たちが創刊。当初の主管は解放軍長老・蕭克上将が主導した中華炎黄文化研究会で、研究会の機関誌という体裁だった。このため共産党中央宣伝部がこの雑誌の人事や編集に直接介入できず、編集権の独立がかなり守られていた。社長の杜導正は今年93歳の老体だが、国務院新聞出版総署長などの閣僚経験者で現在の政治局常務委員・劉雲山(思想宣伝担当)の上司に当たる。
「八つのタブー」を守りつつ
創刊当初は中道左派に位置するポジションだったが2001年2月25日、習近平の父親である開明派(中国的には右派)習仲勲が「炎黄春秋、弁得不錯(炎黄春秋はすばらしい)」との賛を贈ったことから、これを「丹書鉄契」(特権を付与されたというお墨付き)として、次第に右派色を強め、政治体制改革や文化大革命などの敏感なテーマに関する切り込んだ論評や史実の掘り起こしを特色とするようになっていった。
主に中国共産党史、軍史、国史の重要な歴史事件の当事者の回顧録を通じて、近代史を見直し、中国共産党の歴史的錯誤、例えば飢饉や文革などに対する検証を行い、未来のよりよい党政にフィードバックさせることが目的だ。重大な理論問題や中国の発展方針を示唆するオピニオンも多く載せ、特に政治改革に対しては積極推進派の姿勢を示していた。
もちろん体制内雑誌としての守るべき一線は心得ていた。雑誌社と当局の間では「八つのタブー」が決められていたという。その八つのテーマとは①軍の国軍化問題②三権分立③天安門事件④党・国家指導者及び家族の批判・スキャンダル⑤多党制⑥法輪功⑦民族・宗教問題⑧劉暁波――。習近平政権以降は⑧は劉暁波から憲政に変わった。それ以外は、雑誌で取り上げてよいということになっており、炎黄春秋はこの八つのタブーを守りながらもぎりぎりのところを狙った原稿を果敢に掲載してきた。
たとえば天安門事件は八つのタブーに入っているが、天安門事件で失脚した故・趙紫陽の手記や回想録を最初に中国国内の公式メディアで取り上げたのはこの雑誌だ。天安門事件そのものに触れないが、趙紫陽をポジティブに取り上げることで天安門事件にかするようなエッジボール記事を掲載したのだ。
最近では習近平の個人崇拝傾向にもどこよりも早く警鐘を鳴らしてきた。もちろん習近平を直接批判するような記事ではないが、ロシア語から翻訳された「個人崇拝」の元の言葉について劉少奇が「個人迷信」と翻訳すべきだと主張するものの毛沢東に却下された歴史エピソードなどを載せれば、個人崇拝の危うさを伝えるには十分だろう。炎黄春秋はそういう高度な洞察ができる知的レベルの高い読者を想定した雑誌だった。
しかしこうした果敢な記事を何度も載せてきたせいで、党中央宣伝部からは何度も強い圧力を受けてオフィシャルサイトが閉鎖されたり、雑誌の印刷や配送が妨害されたりした。停刊の危機にさらされたのは、わかっているだけで19回に及ぶ。だが顧問に元毛沢東秘書の李鋭や、農村改革の父として習近平も地方幹部時代に教えを請うた杜潤生を抱え、党の老幹部らの支持も広くあり、中国国内および党内高級幹部の良識的知識人にも愛読者が多いことが幸いして、これまで何とか耐え抜いてきた。
「南方週末」は全面降伏
共青団派の政治家もおおむね支持者だ。2008年にこの雑誌の最大の庇護者であった蕭克が死去、その年の12月に趙紫陽についてポジティブに取り上げた記事が原因で、社長の杜導正が江沢民派(党中央宣伝部)から猛攻を受けて失脚しそうになったとき、最後に彼を守ったのは胡錦濤だ。ウィキリークスが後に漏らした米大使館公電の中にその詳細があった。
こうして時の権力者や党の老幹部たちの強い庇護もあって、圧力を受けるたびにそれをはねのけ、部数を伸ばし、最近の発行部数は20万部に上っていた。南に南方週末あれば、北に炎黄春秋あり、そういわれた中国の数少ない良心的メディアだった。
習近平政権になってこうした良心的メディアに対する弾圧が激しくなり、南方週末は2013年春節特別号の「社説差し替え事件」をはじめ度重なる報道弾圧を受け続けた。また習近平政権は炎黄春秋の編集権にも介入しようとし、老齢の杜導正に引退を迫った。杜導正は2014年10月、同誌をしっかり守れる後継の社長に、開明派政治家・胡耀邦の息子であり、習近平とも話をつけられる胡徳平をつけようとしたが、習近平からの圧力を受けた胡徳平がYesと言わなかった。
2014年暮れに同誌の主管は文化部傘下の芸術研究院に変更され、いよいよ、雑誌の命である編集権が奪われようとしていた。こういったごたごたの中で、2015年7月に長年編集長を務めていた楊継縄が圧力に屈する形で辞任。彼が2015年の間に雑誌に掲載した記事のうち37本が事前の許可を受けなければならない内容であったと、当局から警告を受けたことを最後の読者への手紙で明らかにしていた。続いて、顧問の杜潤生が2015年10月9日、102歳で死亡、今の党中央指導部にも、影響力を持つような良心的知識人が次々鬼籍に入り、炎黄春秋を守れる立場の人がいなくなってしまった。
南方週末は、2015年12月3日に「習近平改革三年」と題したごますり長編記事を掲載、これをもって国内外知識人は南方週末が習近平政権に全面降伏した、とささやいた。そして、「炎黄春秋」が習近平に屈するのも時間の問題となっていた。
炎黄春秋の代理人を引き受けている弁護士・莫少平がロイターやRFI(フランス国営放送)などのメディアに語っているところを総合すると、炎黄春秋は目下、中国で唯一真実を語る雑誌であるが、今の共産党はその存続に耐えられないでいるという。弁護士として提訴する努力は続けているが、裁判所は根本的に提訴を受理する気はない。しかも弁護士にまで、警察や国内安全保衛局などから強い圧力がきているという。
今回の当局のやり方は違法性が高く、悪質であり、社会秩序擾乱に抵触する。公正な法的プロセスを経て、雑誌の復刊と救済が望ましいが、それができるかは今のところなんともいえない、としている。
また炎黄春秋雑誌社委員会内部筋の話では、「まず停刊して、条件を満たせば復刊の可能性もあるが、条件を認めてもらえねばそのまま廃刊になる」という。杜導正はかつて「玉砕瓦全」(堕落するくらいなら玉砕を選ぶ)と語り、炎黄春秋のプライドを失うくらいなら、中国当代雑誌史上に一部の栄光を残したまま、停刊する選択をする、という姿勢を示していた。今の状況ではそれが現実になりそうだ。
父が賞賛した雑誌に、息子がトドメ
顧問の李鋭が一部メディアに語ったところよれば、以前に炎黄春秋の主管部門の紛争について、党の老幹部たちが意見書を習近平に送ったところ「封鎖しないで、引導せよ」という指示を出したという。つまり、管理組織の改編によって雑誌の編集方針を当局の都合に合うように変えよ、ということだ。今行われていることは、まさしく習近平政権の方針だと言える。習近平の父親が「すばらしい」と褒めたたえた雑誌に息子の習近平がトドメを指すわけだ。
炎黄春秋の停刊は、一つの雑誌の終焉というだけではなく、おそらくは中国共産党内右派の敗北、そして排除につながる、中国の行方の左右を決する歴史的な事件といえるだろう。
この半年、何度か私的に匿名を条件に中国のメディア関係者や知識人との意見交換を行っているが、共通して訴えているのは、文革以来の厳しい知識人弾圧、メディア弾圧が起きているということである。江沢民政権時代、胡錦濤政権時代に許されていた「エッジボール」といわれる、共産党メディアとしてのタブー報道ラインにぎりぎりかするような記事は今ではすべてアウト判定になる。それどころか、明白にコートに入っているボールですら審判は、打ち手が気に入らなければアウトの判定を下して失脚させる状況であり、それはまるで文革時代の右派狩りに似ている。
なぜそうなっているのか。
それは習近平政権の目指す方向に少なくとも、従来の中国、胡錦濤政権時代に可能性が検討されていた政治改革の目がないからだと思われる。習近平政権樹立後、炎黄春秋内部の改革派知識人たちの仲には、習近平は「隠れ改革派である」という根強い希望的観測があった。実際、習近平は胡徳平とも昵懇であった。
メディア統制の先は、破たん
だが、その後3年の知識人に対する迫害の事実をみると、その可能性はゼロだということが誰の目にも明らかになった。最近、習近平の内部講話集というものを読み返しているのだが、その中で習近平はこんなことをいっている。
「私はゴルバチョフのようにはならない。…皆、旧ソ連共産党の失政を歴史上の教訓として学ばねばならない」「政治体制改革はいったん始めればもう、後戻りはできず、またコントロールも不可能になる。その時、私が総書記でおられるか、党の指導的地位を維持できるかわからない。簡単に改革に手を付けて、誰が責任をとるのだ」(2013年2月27日 中南海)。
中国を旧ソ連のようにしない、政治改革を行わない、という方針は実は習近平は幾度となく主張しており、そのために、軍権を掌握すること、ありていにいえば軍事と政治を一元化することが必要だと何度となく訴えている。胡錦濤政権時代まで党内の隠れたテーマであった解放軍の国軍化問題は完全に封印され、むしろ党と軍の一体化を習近平は目指している。
今、習近平にとって目障りなのは、改革を期待する勢力、つまり右派知識人であり、右派知識人が集まるメディアである。彼らを弾圧して排除し、世論をコントロールするためのメディア統制を強化しつつ、軍制改革や南シナ海などでの対外強硬姿勢を利用して党と軍の一体化を進め、共産党の執政と指導的地位を維持していく、それが習近平のシナリオではないか。
だが、そういうやり方では、中国経済が回復に必要な条件である法治の徹底や市場の自由化は遅れ、あるいは逆進し、経済失速に歯止めがかかることは習近平政権が続く限りないだろう。共産党体制は力技で維持できても、息詰まるような言論弾圧の中で、経済も悪化すれば、人々の不満が募る。その不満を対外戦争の興奮に誘導にするにしても、強力な治安維持力によって抑え込むにしても、そういうやり方では、必ずどこかで国家は破たんする。
「炎黄春秋」停刊宣言は、中国の良心の断末魔であり、中国の未来が絶望の坂を転がり始める、ポイント・オブ・ノーリターンのように感じた。
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