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『裁定が出ても中国が一歩も引くわけにはいかない理由 「無謬性」の虜となった習近平』(7/25JBプレス 阿部純一)について

習と毛の近似性を筆者の阿部氏は捉えています。共産党政権の初代が毛沢東なら、ラストエンペラーが習近平となるかも知れません。「無謬性」が唱えられるのは絶対神だけで、小賢しき人間が言えるハズもありません。そういう自覚が習には欠けているのでしょう。驕りは身を滅ぼします。

中国の政権が考えているのは「中国共産党の存続が第一で、後のことは重要性から言って大したことがない」と織田邦男氏が言っていました。当然、中国国民のことはどうでもよく、共産党の延命のためには自国民だって簡単に虐殺できるという事です。ですから毛沢東が大躍進・文化大革命を、鄧小平が天安門事件を起こすことが平気でできた訳です。習近平は何事件を起こすのでしょうか?中国大陸は共産党と言う寄生虫に寄生、乗っ取られています。中国国民も気づいていないのでしょう。人民解放軍は共産党の軍隊ですので簡単に国民を殺すことができる訳です。

ASEANの全会一致の原則は逆に結束を弱めることになるのでは。共同声明で中国を名指しして非難できないようでは中国の思いのままになるだけです。南シナ海は中国のものになるでしょう。自分の国の領土・領海は自分で守る努力をしなければなりませんが、ASEANの各国が一国で中国に立ち向かっても個別撃破されるだけです。属国にされて初めて気が付くのかもしれませんが。中国の鼻薬が効いているのでしょう。フィリピンもドウテルテ大統領になってから態度が怪しくなってきています。

7/27日経に小原凡司氏は「軍事拠点化今後も続ける・・・中国は9月に杭州で開く20カ国・地域(G20)首脳会議までは過度な挑発行動は避けるかもしれないが、今後も南シナ海で軍事拠点化する動きは続けるだろう。南シナ海で防空識別圏(ADIZ)を設定する可能性はある。米軍が中国の人工島の12カイリを航行する「航行の自由作戦」に対しては中国海軍に行動基準があるはずで、挑発的な行動には出ないだろう。東シナ海で積極的な動きを見せることは考えられる」と述べています。米軍と戦えばすぐにも中国海軍は壊滅しますし、日本は憲法9条の制約があることを知り抜いているので、ロックオンなどの挑発行動を活発化させるという事でしょう。ヘタレオバマは何もできないし、トランプはアメリカ・ファーストで中国にそれほど関心がないし、ヒラリーに至っては中国の賄賂付けになっているので足元を見てドンドン傍若無人に振る舞っていくのでは。気づいたときには手遅れになっているのかも。

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Philippin Embassy in Beijing

北京でフィリピン大使館につながる道路を封鎖する中国の警官(2016年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/NICOLAS ASFOURI〔AFPBB News

7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が、フィリピンによって提起された南シナ海の国際法上の解釈をめぐる裁定を下した。裁定は中国の主張をことごとく否定する内容であり、中国側の「全面敗訴」と言っていい内容であった。

中国はフィリピンの常設仲裁裁判所への提訴そのものを不当なものとし、裁判への参与も行ってこなかった。事前の予想で、中国に不利な裁定となることは予想されていたが、それは中国も織り込み済みのことであっただろう。

ただし、中国側が主張してきた「古来中国のものであった」ことを根拠に、南シナ海の管轄権の範囲を示す「九段線」についてまで裁定が及ぶとは想定外だったかもしれない。

裁定が出ても一歩も引かない中国

中国は不利な裁定が出ても対応できるように、中国側の南シナ海をめぐる主張に賛同する国家を多数集める工作に励んできた。同時に、自らの主張の正当性を改めて強調するための「白書」まで多言語版で用意していた。

中国によれば、南シナ海における中国の立場を支持する国は70カ国に上るとされている。だが、その多くが南シナ海の領有権をめぐる問題に関心のないアフリカ、中東、中央アジアの国々である。その中にはインドも含まれていたが、インド政府は「すべての関係国に対し、仲裁裁判所への最大限の敬意を示すよう求める」との声明を発表しており、中国の立場を支持などしていないことが分かる。70カ国の支持というのは、かなりの誇張が盛り込まれていると見てよい。

常設仲裁裁判所の裁定では、中国の主張する九段線の「歴史的経緯」は根拠なしとして否定され、南沙諸島には「島」はなく「岩(礁)」と満潮時には水没する「低潮高地」があるだけであり、「岩(礁)」は領海12海里を宣言できるが排他的経済水域(EEZ)は設定できず、「低潮高地」はどちらもその権限を持たないとされた。要するに、中国の主張する南シナ海の管轄権が否定されたのである。

問題は、中国はいかなる裁定が出されようとも、南シナ海問題で一歩も引かない姿勢を貫く意思を明確にしていたことである。

そこまで中国が決意した背景は何なのか。

それは「党・指導者の無謬性」へのこだわりであり、ひいては習近平主席を「常に正しい判断をする指導者」であることを確保するためであったと言っていいだろう。

「無謬性」にこだわり過ぎて政策が硬直化

今年3月、新疆ウイグル自治区のネットニュースサイト「無界新聞」に「忠誠なる共産党員」の名で習近平の政策的誤謬を羅列し辞任を求める「公開書簡」が出され、大騒ぎとなったことは記憶に新しい。

民主主義国家では言論の自由があり、政権批判など当たり前の現象だが、一党独裁の中国ではそれが許されない。党とそのトップリーダーは「常に正しい」ことにされているから、党や習近平を名指しで批判することなど許されてはいないのである。

「無界新聞」の件については、当局が血眼になって犯人探しを行ったことは言うまでもないが、いまだに首謀者は見つかっていない。

中国では、現在に至るも「無謬性」の神話が生きている。毛沢東は死後、文化大革命の責任を問われたものの、1981年の歴史決議で「功績第一、誤り第二」の結論となった。鄧小平に関しては、1997年に死去して今年で19年になるが、依然として1989年の天安門事件の責任さえ正式に問われてはいない。

では習近平の場合はどうか。「中華民族の偉大な復興」を「中国の夢」であるとする習近平主席は、東南アジアの「小国」に蚕食された南シナ海、とりわけ南沙諸島を「取り戻す」ことが自らに課せられた歴史的使命であるとともに、東アジア地域秩序を形成する盟主としての中国の地位確立にとってもきわめて重要な事業であると位置づけた。

そのために、これまで台湾やチベットなど「分離独立」の気配のある地域に限って使っていた「核心的利益」という修辞を南シナ海にも援用し、「領土主権に関わる問題について一切譲歩しない」姿勢を明確にしてきた。

つまり習近平政権は、南シナ海の領有をめぐる紛議に関して「退路を断つ」政策を強行してきたのである。南シナ海での中国の政策が「正しいもの」だとする「無謬性」へのこだわりが政策を硬直化させ、状況の変化に対し柔軟な軌道修正をする余裕を失わせてしまったと言える。

米中の緊張関係はさらに高まることに

今回の常設仲裁裁判所の裁定は、「南シナ海の島嶼が誰のものか」について明確にしていない。もともと裁定の目的はそこにはなかったわけであり、今回の裁定で、中国の南シナ海の島嶼の領有権の主張までは排除されていないのである。これは中国にとって幸いであり、中国にはこれまで通りの主張を展開する余地が残されたことになる。

とはいえ、国際法廷で下された「最終判断」は、それなりに重く習近平政権にのしかかる。いわば「国際的圧力」であり、今後中国が参加する国際会議で繰り返し「裁定順守」のプレッシャーがかけられることになる。

それにもかかわらず、「無謬性」を確保しなければならない中国としては、独自の論理で2つの行動を追求するしかないであろう。

第1に、国内対策である。今回の裁定は、広く国内でも報道されており、政権の主張を「鵜呑み」にすることに慣らされてきた人民に対し、国際社会の圧力に屈する姿勢は見せられない。下手に妥協すれば「裏切られた」人民による政権批判を招くからである。

一方、知識人を中心に、裁定を「中国外交の大失敗」と醒めた目で見る「民意」にも対抗しなければならない。いずれにおいても政権批判を封じ込めるには、習近平政権の「無謬性」を証明するために南シナ海における中国の拡張主義をさらに進めるしかない。

第2に、対外政策である。中国では内政がそのまま外交に反映されるから、外交も強硬路線で突っ走るしかない。領有権問題をめぐって中国は「裁定を棚上げした上での二国間協議」を主張するが、当事国であるフィリピンは言うに及ばず、もはやそんな中国に都合のいい条件で協議に応じる国はないだろう。

南シナ海における「航行の自由」作戦を展開する米国は、裁定を追い風にさらに南シナ海における米軍のプレゼンス強化を目指すかもしれない。また、裁定を歓迎する日本が南シナ海の航行の自由へ参画することを歓迎するであろう。それを嫌う中国は、日本を牽制するために東シナ海で緊張を造成するかもしれないし、南シナ海上空の「防空識別圏」設定を急ぐかもしれない。現状では、中国の空中哨戒能力は十分とは思えないが、域外国の干渉排除のため無理をする可能性は排除できない。

結局、南シナ海をめぐる常設仲裁裁判所の裁定は出たものの、それが南シナ海の緊張を解決するものとはならず、一層緊張を高める結果になりそうである。

裁定は確かに中国を窮地に追い込んだが、だからといって「引くわけにはいかない」中国と、海洋覇権国家・米国との雌雄を決する危険性は裁定前よりも高まっていると言えるだろう。

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『日本も直撃「失われる10年」 “ミスター円”が語る「分裂の時代」 重視すべきは、成長ではなく「成熟」』(7/25日経ビジネスオンライン 杉原淳一)について

7/26日経<上期輸出額大幅減、数量には回復の芽 問われる持続力、半導体・対米の動向カギ

日本の輸出に「デフレ圧力」が強まっている。財務省が25日発表した貿易統計によると、1~6月期の輸出額は前年同期比8.7%減と、6年半ぶりの大きな落ち込みとなった。新興国経済の減速に加えて円高が円換算の輸出額を押し下げている。数量ベースでは輸出が底打ちする兆しもあり、今後の持続力が試される。

amount of export for the first half in 2016 in Japan

1~6月期の貿易収支は、原油安で燃料輸入のコストが下がり1兆8142億円の黒字だった。輸出よりも輸入の減少が大きく、東日本大震災直前の2010年7~12月期以来、5年半ぶりに黒字を確保した。

単月でも輸出額は低迷している。6月の輸出額は7.4%減と9カ月連続で減少。通関ベースの為替レートが6月は1ドル=108円48銭と前年同月比で11.8%も円高に振れたことが輸出額を大きく押し下げた。

輸出の「実力」を示す数量の伸びからは、円高によるデフレ圧力が鮮明になる。為替変動の要因を除いて輸出の数量取引を示す日銀の実質輸出(季節調整値)は、6月に前月比で4.3%上昇。伸び率は中国の春節商戦が輸出を押し上げた15年1月(4.6%上昇)以来の大きさだ。4~6月期でみても2四半期ぶりにプラスに転じた。

シティグループ証券の相羽勝彦エコノミストは「熊本地震の挽回生産で、4~5月に落ち込んでいた自動車関連の輸出が回復してきた」と指摘する。同社の分析では、6月は米国向けが5カ月ぶりに増加するなど、東南アジア諸国連合(ASEAN)を除く各地域で増えた。ただ先行きは英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた影響や中国の過剰設備問題など不透明な要素が多く、「日本の輸出が基調的に増加しているとは言いがたい」(相羽氏)。

輸出が持ち直すかどうか、商品別で鍵を握るのが半導体など電子部品の動向だ。IC(集積回路)の輸出数量は15年7月以降、減少か横ばいが続いてきたが、6月に9.1%増と大幅に増加。SMBC日興証券の牧野潤一チーフエコノミストは「先行指標となる米国や台湾のIT(情報技術)製品の指標は改善しており、輸出が持ち直す」と分析する。

地域別では米国向けの輸出が回復するかどうかに注目が集まる。財務省によると、6月の米国向け輸出数量は1年2カ月ぶりに前年同月比で増加。輸出が上向く可能性がある。

原油価格が足元で反転していることも輸出の押し上げ材料となりそうだ。通関ベースの原粗油の価格は1バレル45.3ドル。前年同月比で29.3%低下したが、前月比で見ると11.6%上昇した。低迷する中東経済や米国での資源関連投資に好影響を及ぼすとの見方もある。>(以上)

7/27日経<EUは生き残れるか(上)相次ぐ矛盾、存続の危機 国境管理の再導入は必至 竹森俊平 慶応義塾大学教授

6月23日の国民投票での英国の「欧州連合(EU)からの離脱」という選択は欧州には衝撃だった。ショイブレ独財務相は結果を受け「ともかく、問題を解決する能力がEUにはあることを示さなければならない。もし欧州委員会にできないなら、少数の国の話し合いで進めるべきだ」とインタビューに答えている。

stock price of Italian bank

Shunpei Takemori

シリア難民やテロリズムの問題は「国境審査の撤廃」をうたったシェンゲン協定により複雑化している。6年前に発生したギリシャ債務問題は未解決だ。今や銀行危機すら再燃しかねない。何も問題を解決できず、先送りするだけの無策ぶりが、英国をはじめ欧州国民の失望を生み、政治の不安定をもたらしている。

従来の統合戦略を見直し、必要なら後退すべきだ。一つの分野を選び、そこを超国家組織の管理下に統合すると、隣接する分野をなおも国家に管理させていては矛盾が生じるので、矛盾の解消のため、隣接する分野にも統合が及ぶというのがこの戦略だった。

例えば通貨だけを統合し財政を統合しないユーロは、矛盾を引き起こすと予想されていたが、矛盾はやがて財政統合により解消されると期待されていた。「統合の後退はできない」という前提がこの戦略の鍵だった。通貨を共通化して矛盾が生じるなら、自国通貨に戻す選択もあるはずだが、それには莫大なコストがかかるので、いや応なしに財政統合に進むというのだ。

だがユーロができてから金利低下を享受した一部の国が過剰な借り入れをしたため経済危機が起き、問題国が財政援助を必要としても、財政統合は進まなかった。ドイツなど財政に余裕のある国が援助を拒んだからだ。他方、ユーロ離脱の莫大なコストを勘案し、昨年ギリシャもユーロ離脱の直前で妥協した。欧州は前進も後退もできない状態に陥り、矛盾の山に埋もれた。

欧州統合からの離脱という後退については、過去グリーンランドという特殊なケースはあるが、域内総生産第2位の英国の離脱とは重要性が違う。「英国離脱」は欧州統合に、後退という選択を与えた。

英国経済の立場からすれば明らかに「残留」が賢明だった。英国が「ユーロ」「シェンゲン協定」を選択しなかったのは好判断だった。その一方で欧州の単一市場は、英国内で認可された金融商品をそのまま大陸欧州でも販売できる「パスポート制度」の恩恵を与えた。その恩恵を捨ててEUを離脱するのは無謀だ。

だが今回、EU残留を支持した地域は、特殊な事情のある北アイルランド、スコットランドを除くとロンドン市だけだ。つまり英国社会は、グローバル化で金融業が潤うロンドンと、恩恵が少ないそれ以外の2つに分裂していた。そこで国民投票を実施するのは、ガスの充満した部屋でマッチを擦るのと同じだった。

事実、大爆発が起き、国民投票後、英国社会の分裂が鮮明になる一方、二大政党とも指導体制が混乱する。今後EU離脱交渉を進めるには、リスボン協定第50条による離脱申請が必要だが、混乱により申請まで時間がかかろう。

英国には、金融業に利益となる単一市場は維持したいが、移民の管理もしたいという思惑がある。EUは、単一市場には労働も含まれ、移民の管理だけを認めるわけにいかないと考える。

加えて、英国のメイ新首相はスコットランド独立のための再度の住民投票は認めないが、EU離脱についてはその同意を重視すると公言する。スコットランド行政府のスタージョン首相は、英国がEU離脱をするなら、住民投票を再度実施すると公言する。どちらの場合も、両方の立場に折り合いのつかない矛盾があり、解決策がみつけにくい。

もっとも、EUに残留すればほとんどの矛盾は解消するから、「メイ首相の本音は残留」という解釈も可能だ。

いずれにしろ時間を置けば、方針がいつまでも決まらないことで余計に困る側が折れ初めて決着に向かう。EUと英国の駆け引きでは、金融業での外国企業の撤退を恐れる英国が先に折れるという観測が強いようだが、EUにも銀行業、とりわけイタリアの銀行業という弱みがある。

現在イタリアの銀行が抱える不良債権は約40兆円にのぼり、自己資本の減少を招いている。特に第3位のモンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ(MPS)は資本不足の懸念から、今年に入り株価が下落している。さらに国民投票の結果を受けて金融市場が不安定になって以来急落した(図参照)。

EUでは今年できた銀行ルールで、国が銀行に公的資金を注入する際には、国民負担の軽減のため、銀行債などの減免が義務付けられている。国内銀行の銀行債依存が大きいイタリアの政府はこれを嫌い、主力行の出資で民間ファンドをつくり、資本注入を代行させる計画を進めてきた。しかし主力行にも余裕がなくファンドの資本金が不十分なため、問題の解決は遠い。

最近、イタリア政府は銀行危機回避のため、ルールを無視してでも公的資本の注入を断行する姿勢をみせている。

イタリアで銀行危機が起きた場合、欧州だけでなく世界経済に及ぼす影響は甚大だ。英国では、イタリアの銀行危機を見越して、今後のEUとの駆け引きの切り札にすべきだという議論が盛んだった。EUは英国との交渉を考えても銀行問題を放置できない。

結局、欧州中央銀行(ECB)が、欧州銀行のストレステストの結果を発表する7月29日の前後に、イタリアの問題行への、銀行債の減免なしでの公的資金の注入が特例として認められるというのが市場の予想のようだ。それを反映してイタリアの銀行株は反転している。銀行問題への対応は、まさにショイブレ財務相が指摘するEUの問題解決能力を示す試金石になる。

英国に続き、EUを離脱する可能性が一番高いのもイタリアといわれる。だがユーロ圏の国の離脱は通貨ユーロからの離脱も意味し、国内通貨の入れ替えが必要だからハードルは高い。政府が離脱をにおわせば、国民は信用のあるユーロ紙幣の確保に走り、預金の取り付けが起きる。対応策がなければ離脱は無理だ。

他方、シェンゲン協定を停止し、各国が独自に国境管理を再導入するのは不可避になりつつある。7月15日のトルコでのクーデター未遂事件をきっかけに、バルカン半島ルートをたどったシリア難民の流入が再開しそうだからだ。

昨年ドイツには100万人を超える難民の流入があり、歓迎の姿勢を示したメルケル独首相の支持率を急落させた。その後EUとトルコの間で、トルコ国民のビザ(査証)なしでのEU訪問などの便宜を与えるのと引き換えに、難民をいったんトルコが管理する協定について合意ができた。それで難民数は激減した。

だがクーデター未遂事件後トルコのエルドアン大統領は民主主義の抑圧と反対勢力の弾劾を強めている。ビザなしでの訪問を認めた場合、今度は人口約8千万人のトルコから難民が押し寄せかねない。トルコとの難民協定が白紙になるのは確実だ。それでEUへのシリア難民が急増したら国境を設け、国ごとの方針で受け入れるしかないだろう。

現在のEUは、一つの厄介な問題を解決できても(実際には全くできていないが)、すぐ次の厄介な問題が発生するという状況だ。問題解決能力を飛躍的に高めない限り、存続は難しいだろう。

ポイント ○問題解決先送りする無策ぶりが失望生む ○EUもイタリアの銀行業という弱み持つ ○トルコとの難民協定は白紙になる公算大

たけもり・しゅんぺい 56年生まれ。慶大卒、ロチェスター大博士。専門は国際経済学>(以上)

榊原氏は旧民主党支持者で、円高賛成論者のイメージがあります。1$60円の円高を予想しました。浜矩子氏のように1$50円の円高説を唱える現実を見ない学者同様です。6/26日経記事を見ますと、やはり、日本では純輸出でもGDPの数字を稼いでいるのが分かります。円高になれば日本の企業の利益が円換算で減り、社員や株主への還元も減り、消費にも影響を与えます。所得収支でも円高になれば日本に還元する時点で目減りします。急激な円高や円安は望ましくありません。

http://thutmose.blog.jp/archives/60349371.html

竹森・榊原両氏の記事はEUの終わりの始まりという気がします。やはり人工的に作った擬制国家には無理が付きまとうという事でしょう。通貨統合しても財政統合は難しいと両氏とも主張しています。これではドイツの独り勝ちになるだけです。他の国から不満が出て、離脱する国は増えて行くのでは。ユーロから自国通貨に戻すハードルは高いと竹森氏は言っていますが。竹森氏はシェンゲン協定も崩れていくとの見通しです。人・物・金・情報の自由な移動を主張してきたグローバリズムが敗れ、ナショナリズムの世界に戻っていくという事でしょう。ショービニズムなしで真の多文化尊重の姿勢があればナショナリズムの方が自然です。

英国の国民投票の結果は日本の憲法改正の国民投票の危険性も示唆しています。政府が国民にキチンと説明して受け入れられる時期まで待たないと否決される可能性が高くなります。特に偏向マスメデイアの影響を高齢者は受けやすいので。政府は中国の脅威について正確に国民に伝えていかないといけないでしょう。北野幸伯氏メルマガに例が挙がっていましたので紹介します。

http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/

記事

日経ビジネス7月25日号は「英離脱後の世界 日本も直撃『失われる10年』」と題した特集で、欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国の現状と、今後の世界経済に与える影響を分析した。  欧州に亀裂を生んだ通貨統合の問題や、世界経済が抱える低成長という共通課題について、元財務官で「ミスター円」の異名を持つ榊原英資・青山学院大学特別招聘教授に話を聞いた。

(聞き手は杉原 淳一)


 

Eisuke Sakakibara

榊原英資氏(さかきばら・えいすけ)。 1941年生まれ。東京大学経済学部卒、65年に大蔵省(現・財務省)へ。理財局総務課長や国際金融局長(現・国際局長)などを経て97~99年に財務官。積極的な為替介入で円高を是正し、「ミスター円」と呼ばれる。榊原氏の次に財務官に就任したのが、黒田東彦氏(現・日銀総裁)だった。 (撮影:北山 宏一)

榊原:識者の目から見れば、あの選択は明らかに間違いなんです。キャメロン前首相の言っていたことの方が正しいわけですよ。でも、国民投票にしてしまうと、どうしても身近な問題に左右されて、単純化してこういう結果になってしまう。やっぱり、代議制というのはそれなりの意味があるんです。国民投票なんて、しょっちゅうやってはいけないんですよ。(笑)

英ポンドとユーロが相当値下がりしており、英国及び欧州には中長期的にネガティブな影響が間違いなく及ぶでしょう。英・欧州と貿易量の多い中国は、以前から成長率が下がってきていますから、これをさらに下押しする可能性があります。そうなってくると、ドミノ式に日本への影響も出てきます。

ドル円相場はいずれ1ドル=100円を突破すると思います。今は介入警戒感もあって何とかもっていますが、流れとしては緩やかな円高でしょう。さらに90円に向かうというのがいま想定されるシナリオです。為替介入もしにくいですしね。

「黒田日銀は年末までにもう一回、緩和する」

—財務官時代には積極的な為替介入に踏み切りました。介入の可能性についてはどうお考えですか。

榊原:単独介入は効き目がありません。だから米国の合意が必要になるのですが、今の為替水準では無理でしょう。市場に見透かされると、もう介入そのものが効かなくなる。介入の規模は、為替市場から見ればそんなに大きな額ではないです。だからこそ、「これが効くんだ」ということを何らかの形で市場に示さないといけないわけですよね。市場が「もう参った」と言うまでやらなければ介入なんて意味はないんです。

—日銀の黒田東彦総裁は「円安誘導ではない」と否定していますが、そうなると追加金融緩和に期待が集まりますね。

榊原:もう緩和効果が賞味期限切れなんですよ。2013年に黒田さんが就任して、当初の金融緩和は成功しました。円安・株高になったんですが、それが足元では逆に円高・株安になってきています。「金融政策を打ってもそれほど効かないだろう」という、雰囲気になってきてしまいました。

離脱問題を受けて円高が進むと、日本経済の予想成長率が下がるので、景気回復を後押しするための金融緩和だということになる。おそらく、年末にかけて黒田さんはもう一回、緩和するでしょう。でも、これは既に織り込まれていますよね。だから、市場の予想を上回るようなことをやらないといけないから、なかなか難しいでしょう。

やらないと、市場では逆にショックと受け止められます。円高・株安がさらに進行するような事態になりかねない。市場に押されて動くのを黒田さんは好まないでしょうけど、やらざるを得ないでしょうね。

大きな政府で再配分を

—アベノミクスでいう「第3の矢」、つまり成長戦略や構造改革の具体性がないという批判の声もあります。

榊原:成長戦略といっても非常に不透明ですよね。構造改革も、日本経済にはもうそれほど強い規制は残っていないんですよ。細かい規制はあるでしょうけど、それを除いたから効果がある、ということを実証している人はいません。

だからこそ「成熟戦略」が必要だと言っています。1%前後の成長を前提に、どういう政策を取るのか考えるべきです。1990年代に入ってからはずっと1%成長でしょう。それを3~4%にしようなんて無理です。先進国はみんな低成長、低インフレの時代に入ってきています。

今の低金利というのは世界的な現象で、16世紀ごろにもありました。でも、その時は技術革新や新たなフロンティアを開拓することで復活できましたが、今度はそれがないんです。

資本主義が新しいフロンティアを見つけてどんどん伸びていくという時代はもう終わったということですよね。そうなってくると、ゼロ成長の時代にどう適合するかが重要になってきます。

経済政策も配分の重要性が増します。欧州は既にそうですが、例えば消費税を20%取って、それを原資に再配分を進めるなどの施策が考えられます。日本もそういう局面に次第に入ってきているんだと思いますね。

EU分解の歯車が回り始めた

—統合通貨ユーロの存在が欧州に亀裂を生んだという見方もあります。

榊原:ユーロが誕生したことで欧州内の格差が非常に広がりました。例えば、ギリシャが旧通貨のドラクマで、ドイツがマルクであれば、一方が切り下がって、もう一方は切り上がることで調整できたわけです。

同じ通貨だとドイツの1人勝ちになってしまう。ただ、ユーロを解体するわけにはいきません。欧州統合の象徴ですから。理論的には、解決の道は財政統合しかない。しかし、違う国だからそれは非常に難しいと思います。ギリシャなど南ヨーロッパの国々には抵抗があるし、ドイツだって、逆にギリシャの面倒を見るのは嫌でしょう。

解はないが、元に戻るわけにいかない。そういう意味で、非常に欧州は難しい状況にあります。中途半端な統合でにっちもさっちもいかなくなったが、それでも問題を抱えたまま中長期的に走っていかざるを得ないわけです。

—今回の離脱問題を機に、EUはどうなっていくのでしょうか。また、米大統領選でドナルド・トランプ氏が共和党の候補に選出されるなど、自国第一主義を掲げる動きが広がっているように感じます。

榊原:世界的なトランプ現象でしょうね。つまり、トランプ氏は米国第一主義で、世界にどう貢献するかという発想が全くない。分離というか、分裂の時代になってきているということでしょう。欧州が第2次世界大戦後、70年近くずっと続けてきた統合の流れが逆転し始め、それが世界的な傾向になる可能性があるわけですね。

直ちにではないにしても、緩やかにEUが分解に向かう可能性があります。スピードは分かりませんが、少なくとも歯車はそっちの方向に回り始めたということです。

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『米大統領選に影を落とす人種差別と暴力の連鎖 権威ある機関は、早くも「クリントン圧勝」を予測』(7/25日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

7/26朝9時のNHKニュースでは

トランプ氏 世論調査で僅かにクリントン氏を抜く

アメリカ大統領選挙に向けて、最新の世論調査の平均値で、共和党のトランプ氏の支持率が民主党のクリントン前国務長官を僅かに上回り、2人の争いが激しさを増しています。

アメリカ大統領選挙に向けて、政権奪還を目指す野党・共和党は先週18日から21日までの4日間、党大会を開き、トランプ氏が党の大統領候補として正式に指名されました。アメリカの政治情報サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が25日出した最新の世論調査の平均値では、トランプ氏が44.3%、クリントン氏が44.1%とトランプ氏の支持率が2か月ぶりに僅かに上回りました。共和党の党大会前の今月17日に出された平均値と比べて、トランプ氏が3.7ポイント上昇したのに対し、クリントン氏は0.3ポイントの上昇とほぼ横ばいで、トランプ氏の支持率の伸びが逆転につながっています。 これについて、アメリカのCNNテレビは、党大会を通じてトランプ氏の好感度が僅かに改善した側面があったほか、クリントン氏を信用できないと答える人が7割近くに達しており、両者の支持率に影響していると分析しています。通常、党大会の直後にはその党の候補者の支持率が上昇する傾向があり、今後、トランプ氏が勢いを維持するのか、それとも党大会が始まったクリントン氏が盛り返すのか注目されます。>(以上) 

7/27日経では「米CNNテレビがトランプ氏指名後の22~24日に実施した世論調査ではトランプ氏の支持率は48%でクリントン氏の45%を上回った。」とあり、高濱氏記事のいうクリントンが76%の確率で勝つと言った圧勝とは違った数字が出ています。

今回の米国大統領選は歴史に残る、稀に見る最低の大統領選でしょう。余りにも候補が悪すぎます。嘘つき且つ強欲ヒラリーVS人種差別主義者且つビジネス発想だけのトランプでは余りに見ごたえがありません。リーダーからは世界観・歴史観・理想を聞きたいと思いますが、両人にはそれがありません。あるのは選挙戦術だけ。トランプは終盤になって軌道修正を図るかと思いきや、圧倒的支持者を前にそれも叶わず、以前のような発言を繰り返すだけ。確かに、白人男子にターゲットを絞ったのかも知れませんが、女子や黒人・ヒスパニックの層が逃げるのでは。これでは勝てない気がします。

子ブッシュの反動としてのオバマ、その反動としてトランプが選ばれるとしたら米国政治は振り子のようになります。これも偏にグローバリズムが蔓延し、富を米国から移転或は一部の人間に偏在させる仕組みに変えたことが祟っているのだと思います。米国民は豊かな生活を実感できなくなり、アンチウオール街、サンダースの躍進はそれが理由でしょう。富裕税の創設、タックス・インバージョン防止のための国際協調、中国からの輸入品の国内産業化等の手を打って少しでも問題を解消しなくてはトランプのいうアメリカ・ファーストにはなりません。

『評決のとき』(ジョン・グリシャム著)を英語で読み始めました。1992年の作品ですから、今から20数年前です。その時代から差別については何も変わっていない印象です。『評決のとき』は1996年に映画化され、マシュー・マコノヒー、サンドラ・ブロック、サミュエル・L・ジャクソン達が出ていました。テーマは人種差別、報復殺人、陪審制度、裁判管轄で、KKKなども登場させながらリーガルサスペンスの面白さを堪能できる小説に仕立て上げました。黒人の10歳の女の子が白人二人にレイプされ殺されかかったので、その父親が復讐の為、裁判所で二人を射殺、主人公弁護士が父親を弁護し、無罪を勝ち取るというもの。イスラムの同害報復以上の罪を犯しても許される所がミソでしょう。それはそうです。現実は今でも簡単に白人警察官から黒人が殺されてしまい、警察官が無罪を勝ち取るのですから。日本への原爆投下も基本的には白人の人種差別によるものと思っています。元KKKの幹部が上院選に出るようです。人口動態で2042年の白人のマジョリテイが崩れるのを見越した白人の焦りの表れでは。

http://www.afpbb.com/articles/-/3095015

http://www.afpbb.com/articles/-/2506773?pid=3219621

記事

Black Lives Matter

「Black Lives Matter」の標語を掲げる青年(写真:AP/アフロ)

—米共和党は党大会で、ドナルド・トランプ氏とマイク・ペンス氏(インディアナ州知事)をそれぞれ正副大統領候補に正式決定しました。民主党もヒラリー・クリントン大統領候補が事実上決定。22日にはティム・ケーン上院議員(バージニア州選出、前民主党全国委員長、元バージニア州知事)を大統領候補に内定しました。25日に開幕する民主党大会で正副大統領が正式に決まり、いよいよ本選挙に突入します。ところで本選挙の主要な争点は何でしょうか。

高濱:予備選段階で両党の候補者は次のアジェンダを挙げていました――人々の暮らし、つまり経済や雇用の問題、メキシコ系不法移民問題やイスラム教徒の入国問題、さらには同性婚や妊娠中絶問題。

オバマ政権7年半で深まる白人と黒人の確執

 しかし、選挙というものはどこの国でも、今の国際国内情勢に左右されます。米国では、警官による黒人射殺や、黒人による警官射殺事件が相次ぎ、黒人と警察当局との対立が激化しました。これが発端となり、これまでくすぶり続けていたものの、発火点には至っていなかった黒人と白人の「人種戦争」に火がついてしましました。

 米史上初の黒人大統領が2008年に誕生し、当初は、白人と黒人の確執が緩和されるのではないかという期待がありました。ところが、オバマ大統領が再選され、2期目に入ったあたりから人種対立が表面化してきました。

 ロスアンゼルス近郊パサデナのバーで会った白人の中年男性(保険会社勤務)が筆者にこう語ってくれました。「オバマが大統領になったために、それまであまり目立たなかった人種対立が一気に噴き出した。黒人大統領のお陰で白人のレイシスト(人種差別主義者)がクローゼットから日の当たる場所へ出てきたんだ。もし大統領が黒人じゃなかったら、こうはならなかったはずだ」。

 「ラジオのトークショーで誰かが言っていた。白人警官が黒人を射殺するなんていうのは日常茶飯事だった、と。警官が否定すれば、正当防衛や公務執行妨害だったということでケリがついていた」

「ところが今や警官に暴行を受けた黒人の被害者や目撃者は、待っていましたとばかりに現場動画をスマホで撮り、オンラインで流す。ビジブリティ(可視範囲)が拡大したんだ」

トリガーは黒人を射殺した白人への無罪評決

 米国は一応「法と秩序」の国です。人を殺せば裁判にかけられる。裁判で有罪か無罪かを決めるのは一般市民から選ばれた陪審員による評決です。2012年以降、黒人を射殺した非黒人が裁判で相次いで無罪判決を受けました。

 1つは、フロリダ州で起こった事件。白人とラティーノの混血の自警団員が、無抵抗の黒人少年を射殺したのです。裁判所は無罪を言い渡しました。

 「オバマが大統領だというのになぜ判決になるんだ」。黒人たちは怒りを露わにしました。全米各地で判決に抗議するデモが起こりました。

 2013年にはミズーリ州のファーガソンで白人の警官が黒人を射殺。ニューヨークでも2人の黒人が警官(中国系)に射殺されました。警官はみな無罪となりました。

「Black Lives Matter」が台頭

—最近日本のメディアにもしきりと出てくる「Black Lives Matter」(BLM=黒人の命も大切だ)はどのような組織ですか。

高濱:黒人の若者たちの間で自然発生的に生まれたグループです。警官による「残忍な行為」を許している政治体制に公然とチャレンジして、ソーシャルメディア上で批判してきました。ミズーリ大学などのキャンパスで黒人学生を中心とした集会などを重ねながら、全米各地に23の支部を結成。動きはカナダやアフリカ・ガーナなどにも飛び火しました。

 と言ってもこのグループには司令塔のようなものはなく、命令系統も統一した組織もありませんが。

—黒人公民権運動といえば、マーチン・ルーサー・キング師や全米黒人地位向上協会(NAACP)、黒人過激派団体には武装した「ブラック・パンサー」などがありましたね。BLMはどんな団体なのですか。

高濱:この運動の特徴は、公民権運動を行ってきた既成の黒人指導者、例えばアル・シャープトン師やジェッシー・ジャクソン師といった中高年層とは一線を画していることです。黒人公民権運動の歴史は、キリスト主義を軸にした無抵抗主義です。キング師はその典型と言えるでしょう。シャープトン師やジャクソン師はこの流れを継いでいます。

 しかしBLMのメンバーは20代、30代の若年層。集会にはミュージシャンが必ず登場してラップ音楽でムードを盛り上げます。著名なメンバーの一人に、ボルティモア出身のデロイ・マクケソンという31歳の政治運動家がいます。ただし、彼があれこれ指示を出しているわけではありません。デモに参加する黒人の若者たちはソーシャルメディアを通じて連絡を取り合っているようです。

 この4月、メリーランド州ボルティモアで黒人男性が白人警察官に拘束された後、死亡しました。それに抗議するため、BLMがデモを主導。このデモが暴徒化しました。さらに8月には、ミズーリ州ファーガソンで昨年起きた事件の一周忌に行なわれた追悼デモで一部が暴徒化。非常事態宣言が出される事態に発展しました。

 さらに今年7月に入ると、ルイジアナ州バトンルージュとミネソタ州セントポールで、BLMが主催するデモや集会の場で、参加者ではない黒人が白人警官を銃撃しました。一部の白人は「奴らはBLMを隠れ蓑にして警官を狙撃した」と主張しています。また、「BLMは白人警官を公然と殺害するテロリスト集団だ」という白人もいます。 (“Formally recognize Black Lives Matter as a terrorist organization,” We the PEOPLE, 7/6/2016)

警官射殺犯は精神障害に罹った帰還兵

 もう一つ注目すべきは、バトンルージュのケースもセントポールのケースも、警官を狙撃したのは、アフガニスタン戦争やイラク戦争に従軍した経験を持つ元兵士の犯行でした。

 使用されたのはAK-15という攻撃用自動小銃。元兵士にとって、アフガニスタンやイラクでの戦闘で使い慣れた銃器でした。銃撃戦になれば、警官よりも正確に銃撃することができるという指摘もあります。

 今月、米復員軍人省が発表したデータによると、2014年の1年間に自殺した復員軍人は7400人。1日に22人が自殺している計算になります。全米の自殺者の18%を占めるもの。その大半が精神障害から命を自ら断っているというのです。

 警官を射殺した黒人はみな撃ち殺されているので、その動機や背景を解明するのは容易ではありません。が、警察当局は2人が精神障害者だったと発表しています。一つ言えることはアフガニスタンやイラクの戦場での経験が彼らの精神に大きな影響を与えたという点です。 (“New VA study finds 20 veterans commit suicide each day,” Leo Shane III, Military Times, 7/7/2016)

 バトンルージュで警官2人を殺した元兵士は、実行する前日、警官を殺す理由を理路整然と語る姿を撮影し、ソーシャルメディアにアップしていました。「歴史を振り返ってもわかる通り、あらゆる変革には血を伴うのだ」。なにやら、過激組織「イスラム国」(IS)の戦闘員が口にする「ジハード」(聖戦)の理由に似た響きを感じます。

公民権法施行から52年経っても変わらないもの

—人種差別を禁じた公民権法が施行されてから50年以上たっているのに、なぜ差別はなくならないのですか。

高濱:米国における人種問題は何も今始まったものではありません。米国は「人種のるつぼ」と言われる多民族国家です。しかし、実際に住んでみると、白人と黒人がるつぼで溶け合っているとは思えません。お互いに棲み分けているにすぎません。

 公民権法が成立したのは1964年。これによって人種差別は法的に禁じられました。公的な場所、例えば職場とか学校などで白人が黒人を差別すれば訴えられます。しかし、プライベートな場では人種的差別や偏見は歴然として残っています。嫌いなものは嫌い、と感じるのは人間の性(さが)です。

—史上初の黒人大統領の下、黒人と白人との確執は解消され、黒人の地位は向上したのではないのですか。

高濱:7月13日に公表されたニューヨーク・タイムズの世論調査によると、69%の人が「人種関係は悪化した」と答えています。これはロサンゼルスで黒人暴動が起きた時(1992年) 以来の高い数字です。バトンルージュで黒人が警官2人と副保安官1人を射殺した事件の直後に行った世論調査ですから、事件の生々しさが影響した可能性もありますが。

 回答を人種別にみると、「白人警官が黒人に対して蛮行を振るっている」という問に対して「イエス」と答えた人は、黒人で4分の3、白人で半分でした。「警官はよく任務を全うしている」と答えた白人は5人中4人。黒人は5人中2人。

また「BLMの活動に理解を示す」と答えた黒人は70%、白人は37%でした。 (“Race Relations Are at Lowest Point in Obama Presidency, Poll Finds,” Giovanni Russonello, New York Times, 7/13/2016)

—オバマ氏が大統領になって、なぜ人種問題は悪化したのですか。

高濱:カリフォルニア大学アーバイン校のマイケル・テスラー教授は次のように指摘しています。「オバマが大統領になって白人は、オバマ政権は黒人に有利な政策を取るのではないかと警戒心を持ち始めた。白人の論理はこうだ。<黒人大統領だから『人種差別が白人と黒人の貧富の差を生んでいる』と考えるに違いない>と」。

 「基本的には白人の大半は、オバマが嫌いだ。それをスレートには口に出せない。というのも白人が黒人に対して持つレイシズムは米国内で最もパワフルなタブーになっているからだ」

 「そこで白人はなんと言っているか。いまだに<オバマは外国生まれだ><オバマはイスラム教徒だ>と信じて疑わない白人がそれぞれ20%、29%もいる。<オバマは黒人だから嫌いだ>という代わりに、こうした表現で嫌悪感を表していると言える」 (“For Whites Sensing Decline, Donald Trump Unleases Words of Resistance,” Nicholas Confessore, New York Times, 7/13/2016) (“One in Five Americans Still Think Obama is Foreign-Born, According to Poll,” Sam Frizell, Time, 9/14/2015)

 こうした白人のホンネは、今回のように白人警官が黒人に射殺されると爆発します。オバマ大統領は7月12日、テキサス州ダラスで射殺された警官5人の追悼式に出席しました。同大統領は席上で「米国の刑事司法制度には人種による格差が存在する」と明言しました。それをとらえて、白人保守派の一部は「殉死した警官の追悼式の席で不適切な発言だ」と激しく批判しました。

—「暴力の連鎖を断ち切るうえで最大の障害になっているのは人種差別と銃だ」と指摘する識者が少なくありません。

高濱:その通りだと思います。公の場での人種差別を一掃するにはさらなる措置が必要かもしれません。

 まず学校教育です。人種差別をなくす教育は小学校からです。

 次に警察官への教育。米国の警察機構は州単位、群単位で警官を育成します。「法と秩序」を守る公僕としての自覚と常識を、州や郡のポリス・アカデミー(警察学校)で徹底する必要があります。

 銃の問題は、独立戦争の時から米国人が堅持してきた「武器を保持する権利」への執着が背景にあります。この権利は憲法修正第2条に明記されています。侵略してきた英国兵士から自分と家族を守るために、農民も商人も銃を取り戦った歴史があるのです。自分の身は自分でしか守れないという信念なのです。我々日本人にはなかなか理解できないことなのですが。

 銃愛好家は全米に1億人います。彼らを束ねるロビー団体「全米ライフル協会」(NRA=会員数約500万人)が民主・共和両党の垣根を超えて政治家たちを支援しています。

 銃による殺人を少しでも減らす手短な対処策は、AK-47の販売・所持を禁止する銃規制法(1994年に10年間の時限立法として成立、その後廃止)を復活させることです。AK-47は、最近起きている多くのテロや乱射事件に使われているもの。クリントン氏はこの政策を実行すべきと予備選段階ですでに言及しています。

—次期大統領になりうるクリントン氏、トランプ氏は「人種戦争」についてどんな発言をしているのですか。

高濱:クリントン氏は、相次ぐ警察官射殺事件を受けて、「われわれは暴力を拒否し、社会で結束していくべきだ」「米国を分断させるのはトランプ氏だ」と訴えています。

 一方のトランプ氏は、自身のツィッターで「米国は犯罪に引き裂かれ、悪くなるばかりだ」「法と秩序を徹底させる大統領は私以外にいない」と指摘しています。

 一方のトランプ氏は、共和党大統領候補指名受諾演説で、こう述べています。 「われわれ(トランプ大統領と共和党)はこの国を安全と繁栄と平和の国へと導く。寛大さと温情のある国へ導く。そして法と秩序の国にさせる」。

 「われわれは国家が危機にある時にこの党大会を迎えた。われわれの警察官は攻撃を受け、街はテロに襲われ、われわれの日常生活は脅かされている。この危険さを把握できない政治家は我が国をリードするのには適していない」

 「今晩、私の演説を聞いている米国民は、われわれの街で最近起こっている暴動の現状や、われわれのコミュニティが無秩序な状況に置かれていることを知っている。その多くは、自らそれを目撃しているだろうし、その犠牲者もいるにちがいない」

 「あなた方(米国民)への私のメッセージはこれだ。わが国を今悩ましている犯罪と暴力はまもなく終わりを告げるだろう。17年1月20日(私が大統領に就任する日)2017年1月20日、安全は回復されるだろう」 (“ Donald Trump’s prepared speech to the Republican National convention, annotated,” Philip Bump, Washington Post, 7/21/2016)

 米国人が「法と秩序」という表現を使う時、それは国家権力に対する非合法な活動の取り締まり強化を意味します。おそらくトランプ政権はMLB運動に対して、徹底した警察力の行使をすることになるでしょう。黒人はこれに反発するでしょう。「人種戦争」は激化するに違いありません。

全米黒人地位向上協会(NAACP)の全国大会が7月19日、シンシナティで開かれました。参加した黒人指導者たちは口々にトランプ氏が大統領になることへの危惧を表明していました。

 ミシガン州から来た元ロビーストは、こう述べています。「人種差別主義者トランプが大統領になったら米国は今以上にバラバラになってしまう。米国は今以上に人種分裂国家になってしまう」 (“Black Americans fear Trump will incite a race war,” Agence France-Presse, rawstory.com, 7/19/2016)

クリントンが勝つ可能性は76%?

—クリントン氏とトランプ氏の一騎打ちはどのような展開になるのでしょうか。

高濱:各種世論調査は日めくりカレンダーのように、その時々の瞬間風速的な情報を報じています。どちらが何%リードしたとか、抜き返したとか。ですが、権威ある2つの選挙分析によると、クリントン氏が勝利する可能性が76%前後となっています。

 一つはニューヨーク・タイムズの7月19日段階での予想です。 (“Who Will be President? Hillary Clinton has almost a 76% chance of winning the presidency,” Josh Katz, TheUpshot, New York Times, 7/19/2016)

 もう一つは、バージニア大学政治研究センターが公表した6月23日時点の予想です。同センターは、米国屈指の選挙予測家であるラリー・サバト教授の下、膨大なデータに基づいて大統領選選挙人の数の動向を占っています。

 それによると、ヒラリー氏は選挙人538人中347人を獲得する見込みです。一方のトランプ氏は191人。当選に必要な選挙人数は270人ですからクリントン氏は圧勝ということになります。 (“The Electoral College: Map No. 2,” Larry J. Sabato, Center for Politics, University of Virginia, 6/23/2016)

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『洪水を防げぬ三峡ダムで私腹を肥やしたのは誰か 長江氾濫で広がる被害、国家的愚行の深刻』(7/22日経ビジネスオンライン)、『寝静まった中国の村を洪水襲う 住民憤慨「ダム放流の連絡なかった」「共産党は何やってる」』(7/24 ZAKZAK)、『集中豪雨+ダム放水で甚大な被害 多くの地域が孤立無援に=河北省』(7/24大紀元日本語版)についてについて

本記事にありますように、三峡ダムは洪水防止のために造られた訳ではありません。李鵬が賄賂を取るためだけです。電力関係は李鵬の利権ですから。江沢民はそれに乗っただけです。1997年に三峡下りをした時に、下船して白帝城の遺跡(劉備が死ぬときに諸葛孔明に、自分の息子が能力が無ければ孔明に国を任せると遺言した場所。人形が飾られていた)を見ましたが、後に水没しました。「歴史を鑑に」と何度も言う割には、歴史を大切にしない国です。まあ、捏造・改竄が当たり前の国ですから。

1993年、李鵬は豪・キーティング首相と会見した時に「日本は取るに足るほどの国ではない。20年後には地上から消えていく国となろう」と言いましたが、残念ながら日本は生き残り、暴力団国家・中国と対峙する国となりました。でも日本も李鵬にそこまで言われながら、中国に金と技術支援を続けてきたのですから、狂っているとしか言いようがありません。親中派政治家を選んで来た国民、人口の多さに幻惑され中国進出した(或はハニーにかかった)企業経営者の何と愚かなことか。今や中国は、南シナ海はおろか東シナ海の尖閣、沖縄を奪おうとしています。それが、実現すれば太平洋2分割で日本は共産中国の属国となり、次のステップで中国は米国を打倒して世界制覇を目指すでしょう。モンスターを作った製造物責任は米国と日本にあります。キッシンジャーの見通しが大きく間違っていたことが証明されました。キッシンジャーもクリントンも中国から多大のマネーを受け取っています。中国は賄賂とハニーで外国や相手を籠絡しようとする国・国民という事を覚えておかないと。

本記事を読んで、真っ先に思い出したのは、蒋介石が日本軍の追跡を防ぐため黄河の花園口を決壊させ、日本軍のせいにしようとしましたが、救出に当たった日本軍を見て誰も信じませんでした。今回の件はこれを彷彿とさせます。中国国民は為政者にとって虫けら以下という事です。自分が助かることだけを考え、他人はどうなろうと関係ないと言う発想です。南京陥落時の唐智生将軍、韓国のセウオル号の船長と通じる精神構造です。日本人の武士道精神とは全く違います。日本は封建領主の切腹と城の開け渡しだけで領民にはお咎めなし、部下を撤退させ「艦と運命を共にする」艦長、玉砕時の将軍の切腹と中韓とは美学の違いがあります。

日本人は日本に生まれた幸せをもっと感じられるようにしていかないと。他国と相対比較すればすぐに分かることですが。日本のマスメデイアの報道だけを聞いていると分かりません。外国で長く暮らす体験をすれば一発で分かります。日本に帰ってくるときになれば必ずや愛国者になって帰ってきます。日本にいる在日は、日本を貶めるためだけに存在するのであれば祖国に帰って貰った方が良いでしょう。他国に住んで反政府活動するのは以ての外。中国や朝鮮でそんなことをする外国人の運命は聞かずもがなでしょう。日本は優しすぎというか勇気がない国になってしまったという気がします。偏向マスコミとそれを恐れる政治家や役人が多すぎます。都知事選の桜井誠候補をもっとメデイアは取り上げるべきですが、在日に牛耳られている現状を見ますと望むべくもありません。日本人は情弱状態から抜け出す努力をすべきです。もっとネット、SNSを活用しましょう。特に高齢者の方は。

日経ビジネスオンライン記事

7月17日付の“中国天気網(ネット)”は、「増水期に入って以来、“長江(=揚子江)”流域では降水量がすこぶる多く、多数の地域で累積の降水量が平年同期の水準を遥かに上回っている。昨日(15日)から大雨がまたもや長江流域を襲っているが、この雨は17日まで持続し、今日、明日の両日、南部地方の5省では一部地区で大雨または暴風雨になる可能性があり、現地では大雨がもたらす二次災害の警戒と洪水防止活動の強化に注意が必要」と報じた。

最近の1か月間、長江流域では累積の降水量が多いだけでなく、降水日数も多かった。特に湖北省西南部、湖南省西北部、江蘇省西部、安徽省南部、浙江省北部などの長江の中・下流域では、6月15日から7月14日までの1か月間に降水日数が20日を上回った。このうち、湖北省“武漢市”では当該1か月間の降水日数19日のうち6日が大雨で、降水日数に対する大雨日数の比率は32%に達した。また、同様に安徽省“合肥市”では降水日数18日のうち7日が大雨で大雨日数の比率は39%、江蘇省“南京市”では降水日数17日のうち9日が大雨で大雨日数の比率は53%に達した。

洪水頻発の長江

それでは長江流域の降水量はどれほどなのか。7月15日付の“中国気象網(ネット)”は「梅雨入り以来、長江流域の平均降水量は1949年以来同期で最多」と題して次のように報じた。

【1】今年の梅雨入り(6月19日)から7月13日までの長江流域における平均降水量は249mmで1949年以来最も多く、平年および1998年<注1>の同期に比べてそれぞれ46%と17%多かった。目下、長江の中・下流域は新たな暴風雨の影響を受けており、梅雨が依然として続くものと予想されることから、長江の洪水防止の状況は楽観を許さない。

<注1>中国では1998年の夏に長江、東北地方の“松花江”や“嫩江”などの主要河川で大規模な洪水が発生し、死者4150人、直接経済損失2551億元(約4兆816億円)を出した。この時に長江で発生した洪水は20世紀で2番目の規模で、1954年に次ぐものだった。

【2】今年、長江流域の増水期入りは早く、流入する水量が多く、増水が急激であるなどの特徴がある。長江流域でも中・下流域の平均降水量は298mmと突出して多く、平年および1998年の同期に比べてそれぞれ65%と47%多く、1954年以来最も多かった。江蘇省南部と浙江省北部の境界にある太湖の流域では、梅雨入り以来の平均降水量は340mmで平年同期に比べて76%多く、1999年以来最も多かった。

上記を総合してみると、今年の梅雨入り以来、長江の中・下流域では豪雨に見舞われる日数が多く、平均降水量は298mmに達し、平年同期の平均降水量を遥かに上回ったのみならず、1998年夏に大規模洪水が発生した時の平均降水量をも大幅に上回ったという事が分かる。この結果がどうなったのかと言うと、長江の中・下流域に連日のように降った雨水は一斉に長江へ流れ込み、長江沿いの各地で氾濫による大規模な洪水を発生させた。

7月5日に安徽省“民政庁”が発表したところによれば、7月5日午前9時までの統計で、安徽省の累計被災人口は1053万人に上り、死者は29人、直接経済損失は220億元(約3520億円)を上回った。また、湖北省武漢市“防汛指揮部(洪水防止指揮部)”の責任者は、6月30日20時から7月6日10時までの武漢市における豪雨の累積降水量は561mmに達したと述べた。この降水量は、武漢市が気象記録を取り始めて以来最大の週間降水量であった、1998年7月17日から23日までの累積降水量539mmを上回った。

7月6日12時までの時点で、豪雨により武漢市では12の市街区で75.7万人が被災し、延べ16万7897人が安全な場所に避難し、8万207人が依然として避難場所に留まっていた。農作物の被害は9万7404ヘクタール(ha)に及び、そのうち3万2160ヘクタールは収穫が絶望となった。倒壊家屋は2357戸の5848部屋、重大な損壊家屋は370戸の982部屋、一般的な家屋損壊は130戸の393部屋に及んだ。直接経済損失は23億元(約368億円)で、死者14人、行方不明は1人だった。

7月11日に中国政府“民政部”が発表した統計によれば、6月末から7月10日までの長江の洪水による被災者は3100万人で、死者164人、行方不明者26人、直接経済損失670億元(約1兆720億円)であった。

最大効能は洪水防止?

こうした洪水による被災状況を知るにつれ、中国国民が疑問を投げかけたのは“三峡大壩(三峡ダム)”である。三峡ダムは2000億元(約3兆2000億円)もの巨資を投じて建設された、中国が世界に誇る巨大プロジェクトであり、秦の始皇帝が建設した万里の長城に匹敵する壮大な建設事業であるが、建設に当たってのうたい文句は「1万年に一度の大洪水をも防ぎ止めることが可能な三峡ダム」ということではなかったのか。

2006年5月6日、“中国工程院(The Chinese Academy of Engineering)”の“院士(アカデミー会員)”で、“長江水利委員会”の“総工程士(技師長)”でもある“鄭守仁”は、三峡ダム建設工事完成の記者会見で、「三峡ダムの最大の効能は洪水防止である」と何回も強調して次のように言明したのだった。すなわち、三峡ダムが完成した暁には、その洪水防止能力は百年に一度の大洪水を食い止めるまで引き上げられるが、三峡ダムの洪水防止能力は1000年に一度の洪水防止基準に基づいて設計してあり、たとえ1万年に一度の特大洪水が起こったとしても、三峡ダムは補助的な措置を採ることにより防ぎ止めることができる。

但し、これは鄭守仁が口から出まかせを言った訳ではなかった。これより3年前の2003年6月1日に国営通信社の“新華社”は、「三峡ダムは“固若金城(守りがこの上もなく堅固)”であり、1万年に一度の洪水を防ぎ止めることができる」と題する文章を発表していた。ところが、上述した鄭守仁の発言から1年後の2007年5月8日に新華社が発表した文章では『三峡ダムは今年以降千年に一度の洪水を防ぐことができる』になり、1万年だったはずの洪水規模が千年に縮小された。さらに、2008年10月21日に新華社が発表した文章では「三峡ダムは百年に一度の特大洪水を防ぎ止めることができる」になり、千年の洪水規模が百年に縮小された。そして、2010年7月20日に“央視網(中央テレビネット)”が報じたのは「三峡ダムの“蓄洪能力(洪水防止のための貯水能力)”には限りがあり、希望の全てをダムに託すな」であった。

“北京大学”法学部教授の“賀衛方”は、「当時の論証では三峡ダムの長所は下流の水量を有効的に調整できるとされた。しかし、現在の状況は正に逆で、長江の下流が干ばつの時は、三峡ダムは貯水を必要とし、下流に水害が発生した時は、三峡ダムは増水により水門を開いて放水をする必要がある」と述べているが、これは現実を的確に言い当てている。

現実は逆

要するに、現実の三峡ダムは建設当初の最大目的であったはずの洪水防止機能を全く果たしていないのである。長江の中・下流域に大雨が降れば、中流域に所在する三峡ダムは満水により水門を開けて放水することを余儀なくされる。下流域はただでさえも大雨による増水で氾濫直前にあるのに、三峡ダムから排出された膨大な水量が加わることで、長江沿いの地域に甚大な洪水被害をもたらしているのだ。一方、長江の下流が干ばつに襲われて水を必要とする時期には、三峡ダムは一定の水量を貯水しておく必要性から放水を行っておらず、下流域の水不足を知りながら見殺しにしているのが実情である。

三峡ダムの建設費は主として「三峡プロジェクト建設基金」(以下「三峡基金」)によってまかなわれた。三峡基金は全国の電気料金をキロワット・アワー(kwh)当たり4厘(約0.064円)引き上げることで調達されたもので、国民から強制的に徴収したものだった。2013年6月7日に“国家審計局(日本の会計検査院に相当)”が発表した「長江三峡プロジェクト竣工財務決算草案検査結果」によれば、2011年12月末までに投入された三峡プロジェクト建設資金は2079億元(約3兆3264億円)で、そのうちの78%に相当する1616億元(約2兆5856億円)を三峡基金が占めた。その後、1000億元(約1兆6000億円)以上の三峡基金が追加投入されたことから、三峡ダムの建設に当たっては中国国民が負担した金額は1人当たり200元(約3200円)という計算になる。それにもかかわらず、三峡ダムが完成すれば安くなるという話だった電気料金は逆に高くなったのだった。

三峡ダムを建設するために、200万人近い人々が移転を余儀なくされただけでなく、完成した三峡ダムの貯水湖周辺では土砂崩れや陥没が多発し、汚泥の沈殿や水質汚染が進んでいる。また、従来は長江の渇水期でも水をたたえていた“洞庭湖”や“鄱陽湖”などの湖沼は干上がることが多くなったばかりか、増水期には例年のように洪水が発生している。最終的には3000億元(約4兆8000億円)もの巨資を投じて建設した三峡ダムが最大目的であったはずの洪水防止機能を果たせないなら、その建設は一体何のためだったのか。<注2>

<注2>一口に4兆8000億円と言うが、当時の人民元の価値は日本円に換算すれば10倍の値打ちがあったので、実質的な総工事費は48兆円と考えることができる。

三峡ダムの建設は1994年12月14日に着工された。これを推進したのは、1989年6月4日に発生した“六四事件(天安門事件)”の直後に開催された中国共産党第13期中央委員会第4回全体会議で“中央委員会総書記”に選出された“江沢民”だった。当時すでに中国共産党“中央政治局常務委員”で“国務院総理”の地位にあった“李鵬”は党総書記となった江沢民と同盟を結び、江沢民・李鵬のコンビは権力をほしいままにした。

5大目標の百年夢想

1989年6月に総書記に就任した江沢民は、1991年頃から総理の李鵬と手を組んで三峡ダムの建設に向けて活動を開始した。1991年7月6~14日、江沢民の意を受けた李鵬は国務院の名目で「三峡プロジェクト事業化検討会」を招集したが、その席上で江沢民は三峡プロジェクトの建設支持を表明し、それを契機に党“宣伝部”に命じて三峡ダム建設の利点を大いに言いはやした。その論法は、「三峡ダムを建設して洪水をダムに封じ込めれば、下流に洪水はなくなると言ったのは“毛沢東”である。歴史的に見ても、長江と洪水は切っても切れない関係にあるが、三峡ダムを建設しさえすれば、洪水の制御は可能となる」というもので、三峡ダムは中国の“百年夢想(百年の夢)”であり、その建設は洪水防止、発電、水上輸送、“南水北調”<注3>および地域発展という5大目標の達成を可能にするという良いこと尽くめの宣伝を行ったのだった。

<注3>南方にある長江の水を北方へ引いて、水不足の解消に役立てること。

江沢民を中核とする三峡ダム建設賛成派に対して建設反対を表明した専門家たちは言論を封殺され、文章を発表することも、意見を述べることも妨げられた。著名な水利専門家で“清華大学”教授の“黄万里”は、地質、環境、生態などの観点から三峡ダムの建設に反対し、中国政府に対して幾度となく意見書を提出したが一切無視された。こうして反対派を黙殺する形で三峡ダム建設の世論形成を図った江沢民と李鵬は、1992年4月3日に第7期全国人民代表大会第5回全体会議で『三峡プロジェクト建設に関する決議』を67%の賛成票で通過させることに成功した。但し、これはラバースタンプと揶揄される中国の議案票決では史上最低の賛成率であった。

1993年1月3日、国務院に三峡プロジェクトの最高政策決定機関である「三峡プロジェクト建設委員会」が設立されたことにより、三峡プロジェクトは本格的に動き出すこととなった。しかし、それでも頑なに三峡ダム建設の危険性を憂いた黄万里は、1993年の2月と6月に江沢民を始めとする国家指導者宛に書状を送り、三峡ダム建設を再考するよう訴えたが、返書が届くことはなく、1994年12月14日に三峡プロジェクトは着工された。

2006年5月18日付の“新華網(ネット)は、「李鵬:三峡プロジェクト決議の内幕を披露」と題する文章を掲載したが、その中で李鵬は、「江沢民が総書記就任後に最初の地方視察を行った場所は三峡ダムの予定地だった。1989年以降の三峡プロジェクトに関する重要政策の決定は全て江沢民主宰の会議で決定されたものだった」と言明し、江沢民が三峡ダム建設にいかに執着していたかと述べると同時、三峡ダム建設に対する自身の責任を回避した。

有責必問、問責必厳?

江沢民が三峡ダム建設に並々ならぬ情熱を持っていたことは、総書記就任後の最初の地方視察地に三峡ダム建設予定地を選んだことからも分かるが、彼を三峡ダム建設に突き動かした物は何だったのか。筆者は1995年から2000年まで商社の駐在員として中国に滞在し、三峡プロジェクト関連の国際入札にも関与した経験を持つが、三峡プロジェクトを江沢民や李鵬を筆頭とする国家指導者から末端の地方役人までが私腹を肥やす絶好の機会と見て、それぞれの地位や身分に応じた形で賄賂を受け取り、公金を横領していたと考える。三峡プロジェクトに関わる機材の国際入札で、日本企業の受注が確定したと聞いて、当該企業のトップが事業主に御礼の挨拶に出向いたら、急きょフランス企業の受注に変更となっていたというような話は多々あった。「地獄の沙汰も金次第」とは良く言ったもので、そうした大型入札の背後には国家指導者の影が見え隠れしていた。

江沢民や李鵬が三峡プロジェクトを通じてどれほどの富を得たかは定かではないが、彼らが三峡ダム建設反対派の意見に耳を貸さずに建設に邁進した理由は明らかに私腹を肥やすためだった。1992年に「三峡プロジェクト建設に関する決議」が全国人民代表大会を通過してから24年が経過した現在、中国国民は三峡ダムの役割に疑問を投げかけている。

2014年10月23日、中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議はコミュニケを発表して、重大政策決定の責任追究制度および責任遡及原則を制定して全面的に行政執行責任制度を実施する旨を表明した。これを踏まえて、2016年6月28日、総書記の“習近平”が主宰する中国共産党中央政治局会議は審議を経て「党内問責条例」を採択したが、これは問責制度の強化を意味し、“有責必問、問責必厳(責任があれば必ず追及し、責任を追及したら必ず厳しく罰する)”という強いシグナルなのだという。習近平が最大の目的であった洪水防止に役割を果たさない三峡ダムの建設を強引に推し進めた江沢民と李鵬にその責任を問う可能性は極めて小さいが、中国国民は責任の所在が誰に有るかを知っている。

ZAKZAK記事

Xingtai city in China

23日、洪水被害を受けた中国河北省邢台市大賢村は、道路に泥水が残り、がれきが散乱していた(西見由章撮影)

生活道路を歩くとくるぶしまで泥で埋まり、トウモロコシ畑では横転した乗用車が無残な姿をさらしていた。人々が寝静まった未明に突然洪水が襲い、大きな被害を出した河北省邢台市に23日、記者が入った  洪水の発生から3日以上たったこの日午後。邢台市大賢村の集落では、住民らが家の中に入り込んだ泥をかき出す作業に追われていた。路上は衣類などの家財が散乱し、ごみの集積場所はハエが飛び交い、異臭が鼻をつく。  夫と2人暮らしの李さん(75)は洪水が発生した20日午前2時ごろ、平屋建て住宅のベッドで寝ていた。「突然水が家の中に入ってきて、あっという間に腰までつかったよ」。夫とはしごを登って屋根の上に逃げた。自宅から完全に水が引くまで10時間ほどかかったという。  洪水を起こした河川、七里河に向かって集落を南に歩いていくと、建物に残された洪水の痕がだんだん高くなり、2メートルを超える場所も。高さ5メートルほどの街路樹がなぎ倒され、水流のすさまじさをうかがわせる。  洪水の原因は現時点では明確になっていない。中国メディアの財新ネットは、30キロ以上離れた上流のダムの水が放流されて水量が増え、川幅が急に狭くなる同村で洪水が起きたとの見方を伝えた。  邢台市の副市長は23日、原因は人為的なものではないと否定した。ただ、多くの住民は「ダムの水を放流した地元政府が、住民に何も通知しなかった」(30代の男性)と認識しており、不満が高まっている。

被災者対応にあたる地元の中国共産党幹部は発生直後の20日、地元テレビ局の取材に「被災者の救出を進めており、死傷者はいない」と回答。その後ネット上で子供の遺体の写真などが拡散し、ようやく地元当局が犠牲者の情報を公表した。

農業を営む男性(26)は村全体で顔見知りの子供ら約20人ほどが犠牲になったと話し、こう憤った。「これほど時間がたっても慰問にもこない。住民なんかどうでもいいんだ」

ただ、地元政府は職員が不足し、被害の全容も把握できていないようだ。自宅玄関で泥を掃除していた20代の男性は「党が調査に来たらたくさん言いたいことがある」と吐き捨てた。

住民の避難所となった病院には、「政府の救援に感謝します」と書かれた赤い横断幕が掲げられていた。(邢台市 西見由章、写真も)

大紀元記

Handan city in China

7月18日から2日連続の集中豪雨により、河北省邯鄲市周辺の県、町、村に甚大な被害が見られるほか、連絡の取れない多くの地域が孤立無援の状態に置かれている。(ネット写真)

集中豪雨+ダム放水で甚大な被害 多くの地域が孤立無援に=河北省

2016/07/24 21:30

7月上旬に中国南部を襲った水害に続き、18日には中国北部の多くの省が連続的な集中豪雨により広範囲の被害を受けた。河北省邯鄲市周辺の県、町、村に甚大な被害が見られるほか、多くの地域が連絡が取れず孤立無援の状態に置かれている。被災者の数は相当数とみられているが、当局は死傷者情報も含めた正確な人数を把握しきれていない。

 渉県で過去最大級の集中豪雨

中国メディアの報道によると、18日から2日間にわたって降り続いた豪雨により、邯鄲市郊外に深刻な水害がもたらされた。特に同市渉県では12時間で460mmという過去最高の降雨量を記録したほか、交通網が寸断されたため同県内の多くの村が孤立した状態に置かれている。

渉県龍虎郷村出身だという出稼ぎ労働者の張さんは、大紀元の取材に対し、19日の夜10時過ぎから家族と連絡が取れなくなったと語り、心配を隠せないようだ。押し寄せた洪水が橋や土手の樹木、そして村民も押し流し、人口約4000~5000人の村民全体の安否が、現在も確認できない状態だという。

 甘泉村では通信網が寸断 断水と停電が続く

渉県西達鎮甘泉村も同様に交通が寸断されている。加えて村全体の通信網も寸断され停電と断水が続き、500人余りの村民が孤立を余儀なくされた。甘泉村出身の劉さんは村を離れており何の手助けもできないため、ネットで逐次、村の状況を発信し救援を求め続けているという。

また住民の話によると、渉県の治水本部は19日正午、各村民に対し4時間以内に村 から避難するよう通達を出した際、8月10日までに本部からの通達無しに村に帰ることはできないと発表したことが明らかになった。

地元の張さんは、なぜ8 月10日より前に帰村できないのか理由が分からないと不信感をあらわにしている。他の地域において予告なしにダム放水した事による人災の可能性が取り沙汰されているが、今のところ、村を襲った洪水がダムの放水の影響を受けているかどうかは不明。

 武安市郊外でも孤立化

河北省邯鄲市の県級市、武安市郊外などでも深刻な被害が広まり、渉県同様孤立した地域が点在しているが、死傷者の数は明らかになっていない。

同市在住のある人物は取材に対し、10か所くらいの村が甚大な被害を受け、通信網と電力網、交通網すべてが寸断され、多くの村民が流されている、固義村では商店が丸ごと押し流され、4人が行方不明になるなどの被害が出ているという。

武安市当局の災害速報によると、今回の大型豪雨は武安市史上まれにみる規模で、10カ所余りのがけ崩れが起きたほか、複数の橋梁が押し流された。

Handan city in China-2

7月18日から2日連続の集中豪雨により、河北省邯鄲市周辺の県、町、村に甚大な被害が見られるほか、連絡の取れない多くの地域が孤立無援の状態に置かれている。(ネット写真)

 河北省では豪雨赤色警報が発令 県内全18カ所のダムが放水

河北省南部の邯鄲、邢台、石家庄でも、場所により腰の高さほどの深刻な冠水が見られ、交通網もほぼ麻痺した状態にある。

また連日の豪雨により、ほとんどの貯水施設が警戒水域に達しており、県内18カ所のダムがすべて水門を開けて放水を行っているという。

 北部6省に渡る広範囲の被害 今後の予測

中国メディアの報道によると、今回の豪雨は河北省、山西省、山東省、陝西省、甘粛省などの北部6省市にわたって広範囲な災害をもたらした。中央気象台は、今後雨雲は東北地方に移動すると予測している。

(翻訳編集・島津彰浩)

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『南シナ海問題でロシアが中国を支持しない理由 蜜月演出の裏に透ける、危うい中ロ関係』(7/22日経ビジネスオンライン 池田元博)について

7/25日経朝刊には<ロシアのリオ五輪参加、競技ごとに判断 IOC決定

【ジュネーブ=原克彦】国際オリンピック委員会(IOC)は24日に緊急理事会を開き、国家主導のドーピングが問題視されるロシアのリオデジャネイロ五輪への参加について、競技ごとの国際連盟に判断を委ねることを決めた。薬物の使用状況は競技により濃淡があると判断し、全面的な参加禁止処分は見送った。今後は各国際連盟の決定が焦点になる。五輪開幕を8月5日に控え、一部競技では混乱が避けられない。

Russian national flag

リオ五輪の選手村に掲げられているロシア国旗(中央)=24日(共同)

IOCのバッハ会長は理事会後の電話による記者会見で「組織での連帯責任と、個人が持つ権利のバランスを取った」と説明した。緊急理事会ではリオ五輪からロシアを全面除外する処分は見送り、出場の可否の判断は各国際連盟に委ねることを決めた。

ただ、出場には厳しい条件を付けた。過去にドーピングを使用して制裁を受けた選手の参加は認めないとした。スポーツ仲裁裁判所(CAS)の専門家の支持を得たり、参加が決まった後も規定の検査以外に検査を受けたりすることを求めた。

ロシアの五輪参加には米欧などが強く反発し、14カ国の反ドーピング機関は連名でバッハ会長に全競技でロシアを資格停止にするよう求める文書を送っていた。IOCの決定に対しては米欧などから批判が出そうだ。

Russian entry of Rio olimpic

今後は陸上を除く27競技の各国際連盟が結論を出す。リオ五輪の開催が近づいており、急な対応を迫られることになる。

ロシアは既に参加禁止が決まった陸上のほか、レスリング、柔道、体操などで多くのメダルを獲得してきた。世界反ドーピング機関(WADA)報告書で不正が指摘されなかった体操は国際連盟が早くからロシアの参加を認めるよう要請。国際柔道連盟会長も全面参加禁止に反対する声明を発表している。

一方、08年北京と12年ロンドンでの五輪で多くのドーピングが発覚した重量挙げは6月、ロシアなど3カ国の資格を停止する準備を始めている。

ロシアの薬物使用では2015年11月、WADAが陸上競技で組織ぐるみの不正があったと指摘、国際陸連が同国選手を五輪などの国際大会に参加させないことを決めた。ロシア選手68人がCASに取り消しを求めたが、訴えは却下された。

5月には同国の反ドーピング機関の幹部が過去の不正を米国メディアに暴露した。WADAはパラリンピック競技を含む30の競技で国家主導の薬物使用と隠蔽が行われていたと報告し、ロシアをリオ五輪に参加させないよう勧告した。

IOCは19日の緊急理事会でロシア参加の是非を協議。いったん判断を見送っていた。

五輪憲章は制裁の取り決めを記した59条で、IOCが五輪憲章や国際的な反ドーピング規則に違反した国のオリンピック委員会の資格を停止できると定めている。人種差別政策を理由に南アフリカの資格を停止した例などがあるが、薬物問題では前例がない。

ロシア側は一貫して政府の関与を否定。陸上界の問題が表面化してからは検査強化などの対策を公表し、22日には外国人を含む独立検査機関を設けるなど追加策も打ち出した。五輪からの締め出しについては「西側諸国によるスポーツへの政治介入」と批判してきた。

■IOC決定骨子、参加に厳しい条件 ○ロシア選手の五輪参加は競技ごとの国際連盟が個々に判断 ○各連盟の決定は国際的な反ドーピング規則と6月の五輪サミットでの合意に従う ○過去に薬物使用で制裁を受けた選手は参加を認めない ○参加にはさらにスポーツ仲裁裁判所の専門家の支持を必要とする ○ロシア選手は追加の検査を受ける ○規律委員会の報告内容によっては追加の制裁もあり得る>(以上)

IOCも責任を下部機関に押し付けただけの感があります。今回はロシアの地でのオリンピック開催ではないのでソチでのような不正はできません。オリンピックを目指して練習に励んできた選手を前回の不正で一律に不参加にするのは公平性を欠くと思います。前回のソチのドーピング不正者のメダルを剥奪するのが合理的と思います。ただ現実的にロシアが自己申告することはないでしょうから、この手は使えませんが。

領有権の問題については、米国も当事者間の争いには関与しないとの立場です。本記事を読む限り、中国、ロシアも同じするこ立場でしょう。ただ米国が「尖閣は日米安保の対象」と言っていますのはサンフランシスコ講和条約で尖閣は日本の領土と認識し、一部を射爆場として利用していたこともあり、今でもそうすることができることがあるからだと思います。ただ、ルトワックによると「無人島のために最初から米軍が出るのではなく、中国が尖閣を奪いに来たら日本が守り切るか奪還してからの出動になる。」とのこと。中国は最初から軍艦を派遣することはせず、民間の船か海警の船を出してくるでしょうから、日本も海保や警察の装備と人材の層を厚くする必要があります。

http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/senkaku/qa_1010.html#q11

http://www.nippon.com/ja/editor/f00036/

http://jp.wsj.com/articles/SB12387842356326593464804580638370900220984

日本は中国封じ込めの完成の為(日本の独立維持に必須)にはロシアの協力が死活的に重要と言うのがルトワックの考えであり、為に安倍首相はプーチンとの関係を良くしようとしています。

南シナ海の問題も台湾問題もサンフランシスコ講和条約で日本に領有権を放棄させ、その後の領有を米国が曖昧な態度でいたことが問題を惹起してきた大きな原因です。南シナ海は「新南群島」として一時日本の領土としていた時期がありました。戦後日本人は歴史を知らないし、知る努力を怠ってきました。もっともっと知るようにしないと敵国の主張を論破できません。特に中韓は歴史の捏造・改竄は当り前ですから。反日日本人はすぐに中韓の立場を擁護しますが、中韓の国際的な問題での行動をみればどちらが正しいかは自明の理です。

http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~worldjpn/documents/texts/docs/19510908.T1J.html

2016/2/16ZAKZAK 日本の領土だった南シナ海「南沙諸島」 終戦まで実効支配

南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島が、元は日本の領土だったことをご存じですか。南シナ海問題をめぐる背景知識の一つとして紹介したいと思います。  中国は今、南沙諸島で、国際法(国連海洋法条約)に照らして領土にはできない暗礁を勝手に埋め立てて「人工島」を造り、滑走路を造るなど軍事基地化を進め、領土であると強弁しています。  南沙諸島の領有権を中国と争っているフィリピン、ベトナムといった沿岸国はもとより、日本や米国など多くの国々が中国を批判しています。しかし、中国は今年1月に入って、人工島の一つ、ファイアリークロス礁に造った滑走路で航空機を離着陸させました。中国の傍若無人な振る舞いは、今年も国際社会を悩ませそうです。  1952(昭和27)年4月発効のサンフランシスコ平和条約第2条のf項にこうあります。  「日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」  ここでいう新南群島が南沙諸島を指すのです。  新南群島は、1918(大正7)年に海軍中佐の小倉卯之助という探検家が発見し、島の一つに標柱を立てています。いわば南方領土の発見です。ちなみに小倉が探検に使った帆船は、明治時代に千島探検で名を馳(は)せた元海軍大尉、郡司成忠の所有でした。郡司は作家、幸田露伴の実兄です。  その後、ラサ島燐礦(りんこう)会社(現・ラサ工業)という日本の会社が、大正期から1929(昭和4)年にかけて、新南群島で肥料の原料となるリン資源グアノの採掘をしていました。最盛期には140人ほどの日本人が働いていました。  また、日本統治下にあった台湾の高雄を根拠とする漁業者が、マグロ漁の中継点にしたり、貝の採取をしたりしていました。

ラサ島燐礦会社は、政府に領土編入を陳情しましたが、外務省がぼやぼやしていたのか領有宣言をしていなかったのです。  すると1933(昭和8)年になって、インドシナ(今のベトナムなど)を支配していたフランス(仏印当局)が、新南群島のうち9つの島の領有を宣言しました。これに日本と中華民国が抗議しています。  大阪毎日、東京日日の両新聞社(現毎日新聞社)はこのとき、新南群島へ探検隊を派遣し、日本の領土だと大々的に報じています。  結局、1939(昭和14)年に平沼騏一郎内閣が日本の領有を宣言し、台湾の高雄市に組み込みました。日本の主張は正当であり、1945(昭和20)年の敗戦まで日本は実効支配をしています。  日本の敗戦で再びフランスが占領しましたが、同国がベトナムから引き揚げたことに伴って1950年代には空白の地となり、領有権争いの対象になったのです。  中国(中華人民共和国)が今、領有権を主張しているのは、中華民国の立場を踏襲したからなのですが、戦前に中華民国や清朝が南沙諸島を領有していた事実はありませんでした。  また、日本が、台湾の行政区画に属させたことから、南沙諸島は台湾のもの、中国のものと主張することも成り立ちません。  日本は、台湾に付属する島々だから高雄市に編入したのではないからです。台湾とは別に日本人が発見し、日本の会社が利用していたことから領土とし、たまたま地理的に近い台湾・高雄市の行政区画に入れただけだったのです。  日本が領有権を主張することはもはやできませんが、南沙諸島は、日本と無縁の島々ではないのです。  もし、日本の領土のままであれば、今、南シナ海で中国の横暴がまかり通るようなことはなかったでしょう。(論説委員 榊原智)>(以上)

記事

中ロ関係は「蜜月」とされる。先の在韓米軍への米ミサイル防衛システム配備決定にそろって非難の声を上げるなど、外交分野でも連携を強めている印象を受ける。ただ実態はどうか。むしろ両国関係の危うさが随所にうかがえる。

Putin & Xi

6月末のプーチン大統領訪中の際には、共同声明から個々の経済協力の覚書まで含めて、両国が調印した合意文書は合計で37に上ったが…(写真:Kremlin/Sputnik/ロイター/アフロ)

「強烈な不満と断固たる反対を表明する。中国の戦略安全利益を損ねることをしてはならない」(中国外務省声明)

「この決定に深刻な懸念を表明する。米国は同盟国の支持を得て、アジア太平洋地域でも世界的なミサイル防衛(MD)システムの構築を進め、その内外の領域の戦略的なバランスを崩そうとしている」(ロシア外務省声明)

中国とロシア両政府は今月8日、そろって激しい非難声明を出した。米国と韓国政府が同日、最新鋭の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の在韓米軍への配備を決めたことに、すかさず反応したものだ。

米韓がTHAADを在韓米軍に配備するのは、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対し、抑止力を高めるのが狙いだ。米領グアムや在日米軍基地なども射程に入る中距離の「ムスダン」や「ノドン」、さらに短距離の「スカッド」といった弾道ミサイルの迎撃を想定している。北朝鮮以外の「いかなる第三国も対象にしない」というのが米韓の説明だ。

しかし、中ロはいずれも、自国の弾道ミサイルを無力化するのが米国の真の狙いだとみて猛反発しているわけだ。

「我々の立場は極めて近いか、完全に一致している」

実はこのTHAAD配備をめぐっては、中ロが連携して事前に警告を発してきた経緯もある。ロシアのプーチン大統領が6月25日、北京を公式訪問し中国の習近平国家主席と首脳会談を開いた時だ。両首脳は会談後、合意文書のひとつとして「世界の戦略的安定強化に関する共同声明」を発表したのだ。

声明で両首脳は、世界では今、特定の「国家」や「軍事政治同盟」が国際的な戦略的安定に否定的な影響を及ぼす不穏な動きが広がっていると警鐘を鳴らした。その上で、とくに欧州や北東アジアでのMDシステム配備に反対する立場を鮮明にした。いわば中ロが共闘して、米国とその同盟国、あるいは北大西洋条約機構(NATO)の動きをけん制したわけだ。

中国軍とロシア軍は5月末には米国に対抗し、コンピューターを使ったミサイル防衛演習も初めて共同で実施している。

中ロはかねて「蜜月」の関係とされる。プーチン大統領は先の中国訪問に先立ち、新華社とのインタビューで「外交問題をめぐる我々(中ロ)の立場は極めて近いか、あるいは完全に一致している」と述べている。こうして見てみると確かに、外交や安全保障分野でも両国は連携を深めている印象を受ける。

折から先月8~9日、ロシア海軍の駆逐艦など3隻と中国海軍のフリゲート艦1隻が相次ぎ、沖縄県・尖閣諸島の接続水域内に一時的に入る“事件”も起きた。この問題をめぐっても当時、中ロが連携して日本をけん制したのではないか、といった噂が流れた。

しかし実際は、中ロ海軍の連携は確認されていない。むしろ中国海軍が尖閣諸島の接続水域内に意図的に入る理由付けとして、ロシア海軍がたまたま利用されたというのが真相のようだ。

「原則としてどの国の側にも立たない」とロシア

中ロは米国への対抗意識が強いが、外交・安保のあらゆる面で連携を強めているわけではない。むしろTHAADのように、自国の国益にともに負の影響を及ぼす案件に限り、協調姿勢を誇示しているだけだと見るべきなのだろう。

それを如実に示したのが、南シナ海問題をめぐる対応だ。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は今月12日、中国が主張する主権や管轄権、歴史的権利に根拠がないと認定した。人工島を造成するなど、南シナ海で実効支配を強める中国の主張に国際法上の根拠がないと断定したわけだ。

「判決に基づくいかなる主張や行動も受け入れない」。習主席は北京を訪問していた欧州連合(EU)のトゥスク大統領にこう語った。とはいえ、中国にとって決して寝耳に水の判決ではなかった。中国は自国に不利な結果をあらかじめ想定し、親中派の国々への外交的な説得を積極的に進めていたからだ。

6月23~24日、ウズベキスタンの首都タシケントで開かれた「上海協力機構」の首脳会議も、その格好の場となった。中国とロシア、さらに中央アジア5カ国のうちトルクメニスタンを除く4カ国が参加する同機構は、もともと地域の安保面での信頼醸成を主眼にしていたが、近年は中国が経済支援をテコに加盟各国との関係を深める場としても利用されてきたからだ。

実際、習主席はタシケントで精力的に2国間会談も行った。新華社によれば、このうちタジキスタンのラフモン大統領は習主席との会談で南シナ海紛争を「国際問題化する試みに反対する」と表明し、中国の立場を全面的に支持したという。

ところがロシアはどうか。仲裁判決後も公式声明は出さず、外務省のザハロワ情報局長が14日の記者会見でようやく、「原則としてどの国の側にも立たない」との公式的な立場を明らかにした。この問題では中立的な姿勢を堅持し、中国を支持しなかったわけだ。

国連総会決議でロシアを支持しなかった中国

国際社会では、中国が南シナ海で実効支配を強める動きはしばしば、ロシアが2年前、ウクライナ領クリミア半島を併合した経緯と同列視される。ともに国際法を順守せず、軍事的な圧力で一方的に「領土」を拡張したという趣旨だ。

では、クリミア併合に対する中国の反応はどうだったか。国連総会はクリミア併合直後の2014年3月末、「ウクライナの領土一体性」を支持する決議を採決している。ロシアはもちろん、アルメニアやベラルーシ、北朝鮮など11カ国がこの決議に反対したが、中国は「棄権」だった。中国もまた、ロシアの行動を支持しなかったわけだ。

クリミアと南シナ海――。中国とロシアが真の「蜜月」関係であれば、国際的な批判の矢面に立たされている両国が共闘してもおかしくないわけだが、そんなレベルには到底、至っていないのが実情といえるだろう。

進まない経済連携

中ロ関係は本当に「蜜月」なのか。相互の疑心は経済協力にも垣間見られる。

中ロは両国間の貿易額を15年に1000億ドル、20年に2000億ドルに伸ばす目標を掲げてきた。しかし、昨年の実績はおよそ635億ドルにとどまり、前年比で30%近くも減少した。

ロシアの中国専門家によれば、15年の中国の対外投資に占める対ロ投資の比率は0・5%にも満たなかったという。プーチン大統領も新華社との会見で、「両国関係がうまく発展するための努力が足りない」と認めている。

確かに、6月末のプーチン大統領訪中の際には、中ロは親密な関係を改めて誇示した。共同声明から個々の経済協力の覚書まで含めて、両国が調印した合意文書は合計で37に上った。

ただ、プーチン大統領が首脳会談後の共同記者発表で例示した両国の協力案件は、東西のパイプラインを通じたロシア産天然ガスの対中供給、モスクワとカザン間の高速鉄道建設など、以前から合意済みのものも多かった。しかも「供給条件を詰めている」と大統領が言及した西ルートの天然ガス供給は、いったん覚書に調印したものの、中国側が難色を示して交渉がほとんど進んでいないのが実情だ。

中央アジアでの中ロの覇権争いに激化の恐れ

さらに懸念材料がある。両首脳が今回、ロシアが主導する経済連合の「ユーラシア経済同盟」と、中国が進める新ユーラシア経済圏構想「一帯一路」の協力に向けた交渉を開始することで合意したことだ。この路線は一歩間違えば旧ソ連、とくに中央アジア地域での中ロの覇権争いを一段と激化させかねない。

ユーラシア経済同盟にはロシア、ベラルーシ、アルメニア、中央アジアのカザフスタン、キルギスが加盟し、さらなる拡大をめざしている。一方の中国もかねて、資源の豊富な中央アジアとの関係強化を進めてきた。中央アジア5カ国の対外貿易額はすでに、ほとんどの国でロシアより中国が上回っている。中央アジアを自国の裏庭とみるロシアと、「一帯一路」を通じて一層の浸透を狙う中国は、水面下で激しい火花を散らしているのが現状だ。

trade amang central Asia & China, Russia

表面的な「蜜月」の裏に、中ロの様々な確執がくすぶる。偶然かもしれないが、ロシアの新聞メディアでは最近、中ロ関係について「失望」(ベドモスチ紙)、「中国は虚構の同盟国」(独立新聞)といった専門家の指摘が目立つようになっている。

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