『韓国経済を破壊し独裁化する文在寅、就任2年で露呈した限界』(5/10ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

5/12希望之声<华为又有麻烦了 被控窃取美国公司技术=華為はまた面倒が 米国企業の技術を盗んだとして告発>先週、米国のスタートアップ企業は、中国の技術大手・華為が研究プロジェクトに携わっている中国の大学教授を雇い、同社の技術を不当に取得したと告発した。

Voice of Americaによると、本社がカリフォルニアにあるCNEXは、先週テキサス連邦裁判所に、毛波・厦門大学教授が同社の回路基板のプロジェクト技術を盗んだと告発した。

同社は、回路基板に関する「厳格な機密保持契約」に署名するよう毛波に要求したが、厦門大学が華為と協力していることを知らず、回路基板を教授に送った後、その製品に関する技術の詳細は華為の手に落ちた。

CNEXは法廷提出資料に次のように書いている。「華為はCNEXの特許および商業上の機密情報を盗み、それを華為のハードドライブコントローラーの開発者と共有し、CNEXの要求に違反し、またCNEX技術情報の拡散の制限に違反した」と。

中国人を信じるとこうなるというパターンです。でも日本の大学、企業はザルのように盗まれているのでは。リーダーに危機意識がなさ過ぎです。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/12/n2877948.html

5/13阿波羅新聞網<撑不下去?中国移动面临5大危机=持ちこたえられない? チャイナモバイルが5(3の間違いでは?)つの大きな危機に直面>5/9、米国連邦通信委員会(FCC)は、国家安全保障上の理由で中国の通信事業者であるチャイナモバイルが米国市場に参入し、米国と海外との電気通信サービスを提供することを正式に拒否した。中国メデイアによれば、 チャイナモバイルは利益の減少、市場の切断、人材流出など、3つの大きな危機に直面している。

今年の第1四半期には、チャイナモバイルの4G利用増が1067万件、4Gスマホのパケット量は前年同期比162%増加し、ブロードバンドが1034万件増加したにもかかわらず、純利益が史上初めて8.3%減少した。 会社の発展は歴史的な転換点を迎えた。利益はもはや高速で成長していかず、減少または赤字になる可能性もある。

ドンドン締め出しを図っていってほしい。中国国内では失業も増え、打倒中共の機運が高まれば良い。

https://www.aboluowang.com/2019/0513/1288239.html

5/13阿波羅新聞網<中国家庭债务触目惊心 远超国际水准 经济发展未爆弹=中国の家計債務は衝撃的で、国際基準をはるかに超えている 経済発展はまだ爆発せず>捜狐ネットによると、家計債務のGDPに占める割合と家計債務の可処分所得に占める割合は2大指標であり、中国の家計債務の状況は衝撃的なレベルに達しており、米国が40年で達した債務の水準まできている。 中国は10年もたたず暮らしと社会経済の長期的発展に深刻な影響を与えてきたが、住宅価格の暴騰が主な原因である。

報道では「1996年の中国の家計債務はGDPの3%に過ぎず、2008年には18%にまで増加したが、2017年上半期には47.5%と2008年に比べて30パーセント近く増加し、国際基準をはるかに上回った。 しかし、この数字には住宅積立基金のローンやP2Pなどのローンは含まれておらず、これらのデータをすべて統計に含めると、2017年上半期の中国の家計負債のGDP比率は53%を超える。

米国の家計債務が20%から50%に増加するのに40年近くかかったのに対し、中国は10年も費やしていない。

また、可処分所得に対する家計債務の比率も急上昇しており、2006年から2017年にかけては18.3%から78.1%に激増しているが、これは銀行統計のデータにすぎない。 78.1%よりはるかに高いはずである。

中国の借金は持続可能ではありません。それを瀬口清之氏のような中共御用達のエコノミストや共産主義シンパが提灯記事を書いて日本国民を騙してきたと言う訳です。日本人はもっと懐疑的にならなければ。権威を信じすぎるのは禁物です。

下の宮崎正弘氏のメルマガによれば、朱鎔基の息子のグループは中国全体の債務総額は9900兆円もあるとのこと。債権者は誰?

https://www.aboluowang.com/2019/0513/1288237.html

5/12阿波羅新聞網<媒体:边打边谈?只打不谈! 中国知识分子热赞特朗普 中共各级官员退党保平安=棍棒外交?交渉せず打つだけにして!中国の知識人はトランプを称賛 中共の各クラスの役人は、身を守るために党を離れる>台湾メディア《中央社》の分析では「トランプの忍耐力は限られているので、トランプと習が話し合ったとしても、米国が要求している水準に達していなければ、トランプはその場を去り、貿易戦争は“話し合うのではなく、争うだけ”に変わる。 米中貿易戦争が激化して、中国の知識人たちは喝采を送り、“米国が貿易戦争を使って、中国の政治の根本的な変化を促してほしい”と。 同じ期間に、党からの撤退、団体からの撤退、隊からの撤退の3つの後退は止められず、中共の各レベルの役人もまた身を守るために党を離れた。

トランプが6月のG20サミットで習と会談しても、習は政敵との関係もあり、米国の要求はのめないでしょう。それこそ売国奴呼ばわりされ、責任を自身で引き受けざるを得なくなりますので。うまいやり方です。習は逃げる可能性もあります。習は行くも地獄、退くも地獄が待っています。

https://www.aboluowang.com/2019/0512/1288220.html

5/13日経<中国マネー、巨象の虚像 編集委員 滝田 洋一  黒字大国なのにドル不足

対中貿易交渉の遅れに業を煮やし、トランプ砲がさく裂した。中国からの輸入品2000億ドル分への関税を10日、10%から25%に引き上げた。

確かに中国の貿易黒字は巨額だ。2018年は米国の対中輸出が1203億ドルで、中国の対米輸出は4.5倍の5395億ドル。米国の対中貿易赤字は4192億ドルだった。

米国のトランプ政権のいら立ちはここに根ざしている。ところが貿易収支にサービス収支や所得収支を加えた経常収支をみると、黒字大国中国というイメージは一変する。

15年に3000億ドルあまりあった経常収支の黒字は、18年には500億ドルを下回るまでに落ち込んだ。この減少は一時的な現象ではない。

国際通貨基金(IMF)の予測では、中国の経常収支の黒字は19年に600億ドル弱に持ち直すものの、20年に400億ドル強、21年は200億ドル強へと減少。22年には経常収支は60億ドルあまりの赤字に陥る見通しなのである。23年以降は赤字が続く予想だ。

日本やドイツで経常収支の黒字が続く見通しなのと、中国は好対照だ。日本の貿易収支はこのところほぼトントン。企業が海外で稼いだ収益が所得収支で国内に還流することで、経常収支の黒字を維持している。

一方、中国はサービス収支の赤字が目立つ。貿易黒字が約4000億ドルなのに対し、サービス収支の赤字は3000億ドル規模まで膨らんだ。

海外旅行での”爆買い”が、中国のサービス収支の巨額赤字となって表れている。もちろん爆買いのなかには、中国での転売を目的とした買い付けも多い。形を変えた輸入ともいえる買い付けだ。

かくて経常黒字が細っているが、国際収支でもうひとつ目を引くのが誤差脱漏だ。

誤差脱漏とは国際収支でハッキリとは分類できない資金の流れだ。どこの国でもその時々で大きく振れるのだが、中国の場合、15年以降は年2000億ドル前後と奇妙に安定している。

その中身は何か。ひとつの可能性として、外貨準備の運用損が指摘されている。中国の外貨準備の6割は米国、欧州、日本の国債などに投資されている。残りの運用先は不明である。特別目的会社を通じ、新興国や資源国に向かっているかもしれない。

中国当局は新興国向け投融資について詳しい中身を公表していない。だが天網恢々(かいかい)疎にして漏らさず。米ジョンズ・ホプキンス大学のアフリカ・中国研究チームは借り手と貸し手の個別の公表資料から、詳細なデータベースを作成した。

それによれば、2000年から17年にかけて中国のアフリカ向け融資額は1430億ドルにのぼった。米ボストン大学も中国の中南米・カリブ諸国向け融資を集計したが、その額は05年以降1400億ドルに達した。中国による融資はアフリカと中南米だけで合計30兆円を超える勘定となる。

債務のワナ。中国の新興国向け投融資に、トランプ米政権は神経をとがらせる。借金で首が回らなくなったスリランカから、同国のハンバントタ港を中国が99年も運営することになったのは、まさに債務のワナといえるだろう。

ならば中国は、借金を返せなくなった国々から、次々と資産を手に入れているのだろうか。米経営コンサルティング会社のロジウム・グループが、過去10年間に中国が24カ国との間で実施した、38件の債務の再交渉を追った。再交渉の金額は500億ドル。

その調査によれば、スリランカのほか、タジキスタンでも中国は1158平方キロメートルの土地を差し押さえた。でも、こうした資産の差し押さえは極めてまれなケースという。

借金が返せなくなった国に対する最も一般的な措置は債務免除。キューバ、ジンバブエ、カメルーン向けなどで16件実施した。次は支払い猶予で、エチオピア、カザフスタン向けなどで11件。ほか借り換え、返済条件変更、追加融資が4件ずつとなっている。

19年4月、北京での一帯一路サミット。習近平主席は参加企業が合意した640億ドルの協力事業の新規案件に胸を張りつつ、プロジェクトの持続可能性を強調した。「借り手の借金漬け」という米国などからの批判に応えたばかりではない。中国自身が、持続可能性の乏しい案件で、不良債権の山を抱え込むことを警戒しだしたのがうかがえる。

海外融資の担い手である銀行の資金繰りにも異変が生じている。国際業務が主力の中国銀行は、18年末時点でドル建て債務が同資産を700億ドル上回るドル不足に陥った。

理由はハッキリしている、と米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはいう。中国当局は海外で主要な資金の貸し手となりたいと考えているが、借り手の人民元建て融資への関心は低い。一帯一路に基づく開発案件も圧倒的にドル資金で手当てされている。こうして中国の銀行がドル不足に陥ってしまう分は、外貨準備で穴埋めするほかない。

バブルが頂点を極め、崩壊に向かった1990年代の日本が思い起こされる。米国との貿易摩擦はいわずもがな。日本からは海外不動産の購入などで直接投資が膨らんだが、その多くは焦げ付いた。国内でも不良債権が膨らむなか、邦銀の格付けは低下し、海外での資金繰りの足元が揺さぶられた。

米国などがいら立つ無敵の巨象。中国のそうしたイメージは、今や虚像に転じつつあるのではあるまいか。>(以上)

5/10宮崎正弘氏メルマガ<IMFに続きADBも対中国向け融資に「チャイナ・プレミアム」を適用へ  誰も知らない負債総額。ひょっとして9900兆円か?>

http://melma.com/backnumber_45206_6816573/

日経もやっとジャーナリズムの責務を果たしたかと言う感じ。でもこの内容は宮崎正弘氏が数年前からメルマガや本で主張してきたことばかり。こんなに遅いのでは情報感度の高い人の新聞購読は減るばかりでしょう。「機密情報の98%は公開情報から得られ」ますので。 新聞・TVだけで情報を取る人はガラパゴス時代を生きることになります。

5/13宮崎正弘氏メルマガ<「中国はグアダル開発をやめろ」。BLAがヴィデオで警告 BLAは豪華ホテル襲撃、カラチ中国領事館自爆テロの武装集団>泣き面に蜂でしょう。ムスリムは、中共がウイグル人をエスニッククレンジングしているのに何もしないのはおかしい。

http://melma.com/backnumber_45206_6817654/

武藤氏の記事では、情緒優先の韓国民の合理的判断は期待できないと言うものでしょう。中国が米国に圧迫されている現在、経済で中国を当てにしても無理と言うのが分からないのでしょう。今韓国では徴用工像反対集会が行われているようですが、気付くのが遅かったと思います。もう、北と一緒に滅ぶしかないのでは。ウオンも下がっているし(先月初め1ドル=1130ウォン→5/10には1182.90ウォン)、IMF管理目前では。左翼は経済が分からないから、そういう人をリーダーに選ぶことが間違いです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190511-00010004-nishinpc-int&fbclid=IwAR0WkLgdkh6BlhT13I0cda6D1UggaKpi8PNE6fReiNR8n3chQRoUXACC1Gk

https://japanese.joins.com/article/268/253268.html

記事

写真:ユニフォトプレス

文在寅政権は5月10日で発足2周年を迎える。過去2年間の政権の評価を朝鮮日報、中央日報等、韓国の主要紙の記事を基に分析し、解説したい。

文在寅大統領の支持率と主要政策への評価には大きな乖離

政権発足2周年を迎えるに当たり、韓国ギャロップが4月10日に行った世論調査によると、文大統領の支持率は45%で、就任当時の84%と比べると大幅に低下したが、それでも就任後2年時点の比較では、歴代大統領の中でも金大中氏に次ぎ2位である。

しかし、同政権の経済・外交・対北朝鮮政策などを肯定する評価は就任1年時点と比べほぼ半減し、朝鮮日報によれば落第点に近い評価であった。

各政策を肯定する評価と否定する評価は、経済政策が「肯定23%:否定62%」、公職人事が「肯定26%:否定50%」、雇用労働政策は「肯定29%:否定54%」であった。文政権が力を入れる北朝鮮政策でも、過去1年間で肯定的評価が83%から45%に、外交政策でも74%から45%に大幅に低下している。

このように、文政権の政策への支持が急降下しているにもかかわらず、支持率が依然として歴代2位にあるのには韓国特有の事情があるからだ。

韓国では朴正煕(パク・チョンヒ)、全斗煥(チョン・ドファン)大統領と軍事政権が続き、軍事革命や光州事件といった暗いイメージが付きまとっている。これを打倒すべく立ち上がったのが、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)といった民主政治家であり、「民主政治家=革新系」とのイメージができているのである。韓国人は、「頭ではなくハートで考える」といわれるが、頭で考えれば、文政権の政策は韓国の多くの人々に受け入れられていないが、無条件で革新系を支持する市民がいまだに多いということであろう。

製造業の「脱韓国」が進む経済・雇用政策の破綻

朝鮮日報は「発足2年で国民を生活苦に追い込んだ文在寅政権」と題する社説を掲載している。朝鮮日報と韓国経済研究院による世論調査で、文政権発足後、生活が苦しくなったと感じている人が58.9%、1年前の調査時点(28.8%)の倍に達している。特に自営業者は82%が文政権の発足後、生活状況が悪化したと回答した。昨年廃業した自営業者は100万人を超えた。所得主導成長政策が弱者の財布を補うどころか、貧しさを増幅させた。それでも政府の対応は税金をつぎ込み、見せかけの雇用を作り出し、福祉名目で現金をばらまくだけである。

さらに中央日報は「文政権の反市場政策2年間で…製造業が『脱韓国』」と題する記事を掲載している。韓国の海外直接投資は07年から17年まで毎年80億ドル前後を維持してきたが、18年はその倍の164億ドルに達した。それは国内生産環境、経営環境の悪化による生産拠点の海外脱出である。賃金の上昇、労働時間の制限、法人税の引き上げ、規制強化または法制度の変革など国内の事業環境は悪化しており、「今韓国で事業を拡張する者は『愛国者』」だと皮肉る声も聞く。こうした企業の脱出は韓国の質の高い雇用を奪っている。

さらに東亜日報は、4月1ヵ月間のウォン安は金融不安のトルコに次いで2位であり、これは韓国内外の投資家が韓国経済の減速ぶりが尋常でないと受け止めているからであるとの分析を紹介している。

このように、文政権の経済政策は韓国の経済力を弱体化させ、雇用を奪い、国民を生活苦に追いやっている。韓国国民の経済、雇用政策に対する肯定的評価がいずれも20%台に低迷しているのも理解できる。

対北融和姿勢が米朝会談の物別れの一因

過去2年間の中で、文在寅大統領、韓国国民ともに一番失望したのが北朝鮮との関係だろう。文政権としては、米朝首脳会談を成功させ、これをきっかけに北朝鮮への経済協力に乗り出す腹積もりであった。しかし、2月末のベトナムにおける米朝首脳会談は物別れに終わった。

韓国は米朝双方から、これまでの役割を否定されている。北朝鮮は4月27日の南北首脳会談1周年記念に姿を見せなかった。加えて、北朝鮮は、文氏は米朝の仲介役ではなく米国の同盟者であると反発した。文氏は米韓首脳会談の単独会談が実質2分に終わり、米国からも仲介者としての役割を事実上否定されている。それはこれまで韓国が米朝対話を促すため、聞き心地の良いことを言い、双方をミスリードしてきたからであろう。

これまで文政権の最大の“売り”は北朝鮮との関係改善によって、南北の緊張緩和を図ってきたことである。しかし、韓国が実際にやったことは、一方的な北朝鮮に対する軍事力の削減である。昨年の南北首脳会談の際の軍事合意で、38度線付近での偵察飛行と合同軍事演習の中止は、韓国軍の作戦能力を一方的に低下させるであろう。また、最近では軍事装備の強化をおろそかにしつつ、米韓連合軍の指揮権を韓国に返還させる動きを示している。

国の安全保障を維持強化するのは大統領の責務である。それをおろそかにし、北朝鮮との接近を図ることは韓国の安全を脅かすもとになりかねない。

文大統領が進める積弊清算は就任演説になかった

大統領の最も重要な任務は、国民の融和を図り、国民の団結をもたらすことである。しかし、文大統領は北朝鮮との融和に熱心であるが、国民の融和に対する関心がないのではないか。

大統領は2日、各方面の有識者を招いた懇談会で、「ある方たちから、もう積弊清算はやめて、統合に向かって進むべきだとよく言われる」とした上で、「生きて動く捜査に対し政府は統制できないし、また統制すべきでもない」と述べた。積弊精算とは、朴槿恵前政権が行った政策を正し、精算するという意味だ。朴槿恵前政権の不正疑惑の捜査もこれに当たる。

文大統領の言葉は、積弊清算やその捜査が文氏の意向とは関係なく捜査機関独自の判断で始まり、今も続いているように聞こえる。

しかし、文大統領は、「時効が過ぎた事件でも事実関係を究明せよ」と指示を出している。文大統領にとって、積弊清算は就任直後に挙げた国政課題の第一であり、「自分が最も重視するのは積弊清算」なのである。ちなみに、就任演説では「積弊清算」という言葉は1回も使われず、国民統合をやたら強調していたという(朝鮮日報)。

このやり取りを聞いていると、徴用工問題に関し、「司法判断を尊重する」と述べただけで、問題の解決を投げ出しているやり方と同じである。このように自分にとって面倒なことは他人に押し付け、逃げている大統領を国民が心底から尊敬できるであろうか。

うまくいかない焦りからますます独裁志向に

文政権はますます独善的な政策を進めている。民主主義の基本である議会を無視し、言論弾圧に走っている。

文政権の特徴の1つが、行政に関して未経験の人材でも、文大統領の考えに近い政治活動家を要職に就けていることである。そのため、強引なやり方で人事を断行しており、公職者の任命に関する評価が低い。現政権になって国会の報告書採択なしに任命された人事聴聞対象者は計15人。直近では「高額株投資」で物議をかもした、李美善(イ・ミソン) 氏を憲法裁判官に任命した。また、開城工団、金剛山観光事業の実施に情熱を燃やす金錬鉄(キム・ヨンチョル)氏を統一部長官に任命した時も、野党の反対を押し切って強行した。

言論に対しても今年3月、与党である共に民主党が、ブルームバーグ記事の見出しで文在寅大統領を「金正恩(キムジョンウン)氏の首席報道官」と表現した韓国系の記者を公の席で非難した。さらに警察は、ソウル大学、延世大学、釜山大学など全国100以上の大学で文在寅大統領を「王」に例え、「経済王」「雇用王」「太陽王」と表現し、「彼(文大統領)の偉大な業績に酔ってみましょう」などと風刺したことに対し、厳しい捜査を行った。この風刺では現政権による「自分がやったら恋のロマンス、他人がやったら不倫」式の時事に対する批判も込められている。

こうした与党や警察の締め付けに関し、米国の知韓派有識者は文大統領に公開の書簡を送り、「韓国政府は名誉棄損を乱用し、政治的に反対の意見を検閲している。この点を懸念する」と憂慮を示した。また、「国境なき記者団」や国際新聞編集者協会も、「記者は政府の応援団ではない」「記者の役割は公益の事案に対し独立かつ批判的に報じることだ」と批判している。

韓国では、現政権の施策がいずれも壁にぶち当たっており、打開の道も見当たらなくなってきている。また、大統領周辺や政権幹部、与党関係者を巡るスキャンダルが頻発している。そのため、大統領や政権に対する批判には極めて敏感になっており、批判を抑圧する傾向を強めている。

与党、共に民主党が目指すのは20年政権

文大統領とその与党は、大統領の任期が終わった後、保守派が政権を奪回すれば、今度は自分たちがたたかれることを恐れ、革新政権の存続にきゅうきゅうとしている。

文大統領を擁立する革新政権は、今後20年間政権を維持することをもくろんでいるといわれる。そのために行おうとしているのが、「選挙法」の改正と「高位公職者不正捜査処設置法 」の成立である。これは地域区の議席数を大幅に減らす代わりに、比例代表の議席を増やすことを骨子としている。新しい選挙法に基づき選挙を実施した場合の結果をシミュレーションしたところ、「自由韓国党」はマイナス20議席に対し、弱小与党の議席は大幅増になるという。また、「高位公職者不正捜査処設置法 」は、検察と裁判官、警察などの高級公職者の不正を捜査し、起訴できるもう1つの「司法機関」を設置する法案である。

これらの与党にとって都合のいい法律が、ファーストトラック(迅速処理案件指定)で審議する法律が、自由韓国党を除く与野党4党の合意で先月国会に上程されたが、共に民主党はこれを押し切る意向ではないかとみられている。

政権存続のための備えは、政権発足以降継続して進めてきている。青瓦台主導の国政運営を行い、国防部、外交部などを思うように動かしている。主要政府機関の局長以上のポストには政治活動家を送り込んでおり、あらゆる行政事項をコントロールしている。そして、国家情報院、検察、警察、国防部などの権力機関の改革を行い、革新系の支配を強めている。

司法は憲法裁判所、大法院とも文大統領が任命した裁判官が主流となっている。マスコミに対しても放送局人事を行い、文政権支援の放送を行わせている。

文在寅政権がこのまま権力基盤を固めていけば、革新系の地盤が一層強固なものになりかねない。

文政権と過去の軍事政権はどこが違うのか?

過去の軍事政権に正統性がなく、国民の反発があったのは、朴正煕氏、全斗煥氏がともに、軍事クーデターで政権を奪取したこと、そして朴氏の場合、国民の反対を押し切り日韓国交正常化を果たしたこと、全氏の場合は光州事件で市民を弾圧したことが挙げられる。

文氏の場合には、民主労組や全教組など、北朝鮮との関連が疑われる革新系の主導によるローソク革命で朴槿恵氏を政権の座から追い出したが、そこには市民の絶大な支持があったため、逆に市民の文氏に対する蜜月期間が長くなったといえる。しかし、実際には朴氏は清廉な人物であり、発端となった崔順実(チェ・スンシル)氏とのやり取りを記録したとされるPCも偽物であったといわれ、同氏に対する嫌疑にはでっち上げの側面があった。そこから見えるのは、軍事力は使わないまでも巧妙に仕組まれた「革命」であるという点では共通性があることである。

過去の政権は、軍事的な力を背景に独裁的な政権を築き、特に朴正煕氏の場合には生涯大統領を目指したとされている。ただ、それは、国の発展のため、自分がやらなければとの強い思いが背景にあったともいわれている。現に朴氏、全氏の時代には韓国は高度経済成長を続けてきた。文大統領が韓国の教科書から「漢江の奇跡」に関する記述を削除させた(朝鮮日報)といわれるが、いかに隠そうとしても朴氏の実績は消えるものではなく、歴代大統領の中でいまだに最も評判の高い大統領である。

文氏の場合、これまで述べてきたように、三権分立を否定し、行政府ばかりでなく立法、司法を掌握し、政権を20年存続させようとしている。そこには軍事政権と同じように、独裁政権の延命の意図が見える。ただ、大きな違いは韓国経済を破壊していることである。

いかなる政権を選択するかは韓国国民の問題ではあるが、韓国国民が情緒的に文政権を支持するのではなく、文政権の現実を理解し、判断することが極めて重要になっている。文政権に対する後世の評価が見たい。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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