2/2日経にビットコインの記事が掲載されていました。1/21本ブログでも福島香織氏のビットコイン記事の解説をしました。$買い・人民元売りの規制をかいくぐるのを防ぐためのビットコインでしたが、ここにも規制の網をかぶせようとしているという事です。でも中国は「上に政策があれば下に対策あり」ですからイタチごっこになるだけです。
トランプの中独日の為替操作への言及は真の敵・中国攻撃の目くらましでは。中国だけを攻撃すると目立つので、独日も名前を挙げていると考えています。独はEUの経済的盟主であり、戦前から裏で中国と深く結びついていますが、日本は米国に安全保障を頼る同盟国です。$の基軸通貨の地位を守るためには、ユーロが$の地位を脅かさないようになった方が良いと米国は考えるでしょうが。米中対決が本格化する中、中国軍を迎え撃つ太平洋の出口での不沈空母となるのは日本と台湾です。マテイス国防長官と安倍首相・稲田防衛相との話し合いも尖閣だけでなく、如何に中国軍を無力化するかでしょう。「航行の自由作戦」の自衛隊参加や中国沿岸のフロート型の機雷敷設などの話も出て来るかも知れません。内容は絶対機密でしょうけど。日本国内には中国・韓国のスパイがうようよいますので。
2/2日経<ビットコインの取引高急減 中国当局の締め付けで 1月4割減少
インターネット上の仮想通貨ビットコインが中国当局に揺さぶられている。昨年11月の米大統領選でトランプ氏が勝利して以降、対ドルで人民元安が進み中国で資金退避先としての存在感を高めていたが、当局が問題視して締め付けを強化。価格は年初の高値から一時3割強も急落した。急膨張していた世界取引高も1月は昨年12月に比べ4割近く減っている。
0.001ビットコインの価値を持つプラスチック製の「コイン」
調査機関ビットコイニティーによると、世界のビットコイン取引高は1月に約1億630万ビットコイン(約11兆円)。昨年12月に比べ37%減少した。昨年11月に直近で少なかった同年8月の5倍となる約1億7470万ビットコインに膨らみ、同年12月も約1億7000万ビットコインとほぼ最高水準にあった。
ビットコインの取引は9割程度を中国が占める。中国には経済減速による資金流出懸念がつきまとうなか、トランプ氏が大統領選で勝利した昨年11月からはドル高・人民元安が加速。中国では個人の外貨両替枠が年5万ドルに限られるがビットコインは対象外のため、資産防衛や値動きの大きさに目を付けた買いが加速していた。
この動きに懸念を強めた中国当局が、今年1月に入り大手のビットコイン取引所の検査に着手したと発表するなど締め付け姿勢を鮮明にした。規制導入の前ぶれととらえた中国の投資家はビットコイン売りに動いた。
ビットコイン情報サイト運営のコインデスクによると、ドル建て価格は1月5日の約3年ぶり高値となる1ビットコイン=1153ドル台から、1週間後の12日には35%安い746ドル台まで急落。日本最大手の取引所ビットフライヤーの円建て価格(終値ベース)は4日に過去最高の13万2709円を付けたが、12日にはそれより32%安い9万138円まで下がった。その後はそれぞれ、やや持ち直している。
今後は「資金流出を止めたい中国当局は実際に規制に動くと見込まれるため、価格も取引高も本格的な復調は見込みづらい」(外資系銀行)との指摘が出ている。
1月31日にはトランプ氏が「中国や日本は何年も通貨安誘導を繰り広げている」と批判した。ただ最近の市場では逆に、資金流出を懸念する中国当局は人民元の買い支えに動いているとみられている。トランプ氏の通貨安誘導けん制もあり、当面は人民元安に歯止めがかかりそうで、この点からもビットコイン買いの誘因は落ちる。
一方、世界の取引高の数%を占めるとされる日本では買い物などに使えるケースが増えている。今後は取引所の登録制がはじまり投資家保護の向上が期待されるうえ、7月から購入時の消費税の支払いがなくなる。「国内取引は投資だけでなく決済も伸びるかたちで着実に増加が続く」(ビットフライヤーの加納裕三社長)との声がある。>(以上)
http://dwellerinkashiwa.net/?p=5530
トランプは変革者(ゲームチエンジャー)ですので、今までの既得権益の受益者はトランプバッシングに走ります。米国のマスメデイアやハリウッドは民主党支持者が多いので猶更です。中国が小さなメデイアは相手にせず、大手メデイアだけを相手にする、これは裏で金が絡んでいると思いますが、米国にも相当工作が進んでいるのだろうと想像します。そうでなければ米国の建国の理念である自由から程遠い中国と余りに深く付き合うことは許されないはずです。人権弾圧、宗教弾圧、少数民族虐殺が現在も行われている国です。倫理的に許されないのに、日米は見て見ぬ振りをして来ましたのが良くなかったのです。日本人も米国人も真の中国人のことが分かっていないのが判断を曇らせる所以です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国ですので。
グローバリストが中国に対し、国境をなくす「希望の星」と思っているとしたら、金儲けしか考えない強欲人間だという事です。中国国内では基本的人権も保証されておらず、そのシステムが世界に蔓延することは、考えるだに恐ろしいことです。メデイアは取引の自由と言ってヒト・モノ・カネ・情報の自由を促進しますが、モノ・カネ・情報は金で買えますが、ヒトは金では買えません。金で取引すれば、“human trafficking”、“slave”となります。感情を持ち合わせる人間はモノとは違います。国民感情も長い間に形成されて来たもので、異質の人間が同化しないで反政府活動やテロをするのは許されません。スパイ活動です。
中国の野望はG2に留まりません。地球全体、宇宙にまで触手を伸ばして、全部自分の物と思っています。中華思想の為せる業です。太平洋2分割何てオバマとかスーザン・ライスが認めそうになりましたが、著しく米国の国益を毀損します。米国の軍事力・経済力(基軸通貨としての地位)を戦争もしないでむざむざ渡すのはあり得ない話です。それは愚か者のすることです。民主党は如何に判断が狂っていたのか。
富坂聰氏は相変わらず、中国に味方する論説を展開していますが、中国に時間の利益を与えるだけです。日本人にも覚悟が必要な時代になったという事です。
2/1ZAKZAK<トランプ氏は日本のウルトラマンじゃない 米中激突のシナリオ、日米の利害に深刻なズレ
2017年1月20日に米国の新大統領となったドナルド・トランプ氏は、その3日後の23日、早速TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)からの永久離脱を米通商代表部(USTR)に指示して世界を驚かせた。
予想されていたこととはいえ、大統領になってもトランプ節が維持されることを内外に知らしめた先制パンチに、日本の産業界はもちろん、安倍晋三政権も衝撃は隠せなかったようだ。
就任早々に火を噴いたトランプ砲が、今後、NAFTA(北米自由貿易協定)を手始めに2国間の取り決めの見直しへと次々に向けられてゆくとすれば、各国の産業界は従来の産業計画を一から見直さざるを得なくなってしまうことになるのである。
大統領就任演説を見るかぎり、「米国第一」主義をかかげるトランプ氏が、その目的達成のために日本だけを特別扱いすることを示唆する内容は見当たらなかった。それまでの発言のなかでも、米国の貿易不均衡を取り上げて、米国から富を不当に吸い上げた国として、中国やメキシコと並んで名指しされてきたのであるから当然だろう。
こうした情勢下にあっても、いまだ日本のメディアがトランプ現象を取り上げる視点が米中対決であることに私は少々不安を覚えている。曰く、「かつての日米貿易摩擦のような米中経済摩擦が本格的に始まる」「米中は南シナ海で衝突やむなし」である。
こうした米中激突のシナリオが語られるとき、必ず何となく日本側にうれしそうなトーンが漂っていることに不安が加速されるのである。
というのも、そこには日米の利害にズレが生じているという深刻な事態に目を向けようとせず、相変わらずアメリカの利益がイコール日本の利益だと勘違いしていることが、そのベースにあると思われるからだ。
視点の第一として持たなければならないのは、米中が本格的な対立期に入ったとして、それが日本とどう関係があるのかということだ。私には、とてもアメリカが日本に代わって中国の頭をたたいてくれるとは思えない。
2000年代の台頭から中国という“敵”が厳然と日本の前に現れてから、日本人の願望はいつもそこに向けられてきたのだが、トランプ大統領の誕生は「アメリカが決して日本のウルトラマンではない」ことを日本が本格的に認識しなければならなくなる最初の1年かもしれないと危惧している。
ウルトラマンとアメリカンヒーローで育った日本人にとって、安全保障とは長らくアメリカにすり寄って中国と韓国・北朝鮮の悪口を言っていればよかった。冷戦が成功体験であることも影響しているかもしれない。
実際、敵と味方がはっきりしている国際関係はストレスがないので日本の国民も大好きだが、恐らく今後の国際社会はそれを許してはくれない。
次週はもう少し踏み込んでこの問題に触れてゆきたい。>(以上)
記事
矢継ぎ早の大統領令で世界を右往左往させるトランプ新大統領。中国には吉か凶か(写真:代表撮影/UPI/アフロ)
日本の場合、選挙時の公約というのは、たいてい守られないものなのだが、米トランプ政権は、ものすごい勢いで公約を履行している。政権スタートから、わずか20日で、14本もの大統領令に署名。「まさか本当にやるとは思っていなかった」と思われていた、メキシコ国境の壁建設はじめ、TPP離脱、中絶支援のNGOへの資金供給停止などを指示する大統領令が次々と出された。中東・北アフリカ7カ国出身者の入国を一時停止する大統領令では、各空港で大混乱を引き起こし、世界中が右往左往している。
この様子を慎重に見守っているのが中国だ。トランプ流の矛先のいくつかが中国に向かってくるのは必至。その一方で、米国の世論が分裂し、米国が世界のリベラル派から批判されるようなこの状況は、中国にとってチャンスという見方もある。トランプのこの“異次元の手法”が中国にとって凶と出るのか、吉と出るのか、ちょっと状況を整理しておこう。
在米華人はトランプを支持したが…
まず普通の中国人たちは、このトランプ流に、どのような影響を受けるのだろうか。環球時報が、専門家にインタビューしていたので概要を引用してみる。
まず、ここ数年の間に急増していた中国からの合法移民が一定の影響を受けるとされている。H1-Bビザを受けた中国人のほか、グリーンカード所有者で米国への納税記録がない人間がグリーンカードを取り消される懸念が持ち上がっている。
また、オバマ政権時代に、米中間の旅行者は10年マルチビザ制度が実施され、中国人観光客や留学生が急増し、在米華人の数も増加していた。中には米国で不法就労している者もあった。こうした不法就労者に対する取り締まりは強化され、ビザ発行審査がさらに厳格になり、留学生や観光客の米国滞在期限も厳格化されるのではないかと見られている。
トランプの性格上、在米華人に対する政策が厳しくなり、華人社会に対する差別が引き起こされる可能性もある。特に、米国籍取得目的で米国に行って子供を出産した“出産ツアー”によって、国籍を得た中国人の子供は、法的にはグレーゾーンに入り、すでに米国の社会問題になっている。一部華人は、こうして取得した米国籍の子供の世話を理由に、自分の家を売り払って米国に資産移転して移住し、米国政府からの社会保障手当を得て生活している人たちもいるが、こうした人たちが追い返される政策転換が起きるかもしれない。
さらに、投資移民にとっても、投資額が引き上げられる可能性がある。米国の移民に対する政策は目下、支離滅裂になってきており、中国人とてその混乱に巻き込まれることは避けられない。在米華人社会は、選挙のときはおおむねトランプを応援してきたわけだが、結果としては、華人社会にとってあまりありがたくない現象が引き起こされつつあるわけだ。
中国企業としては、どのような影響を受けるだろう。一番気になるのは、いずれ実施されるであろう中国製品に対する関税45%への引き上げである。
関税45%、乗り切れると強気だが…
少なくとも対米輸出が業務の大口を占めている、中国アパレル業界、家具業界、皮革産業、電子産業はもろに打撃を受けることになる。これら産業の利益率は全部45%以下なので、45%の関税をかけられたら、利益を生まない。実質全面的に対米輸出を停止せざるを得ない。これにより中国家具産業は生産規模が15%縮小せざるを得ないという試算もある。アパレル、皮革、電子産業も少なくとも5%の生産規模縮小が予想されている。
そうなると、大手輸出代理企業も打撃を受けるわけで、例えば広州発の衣料品・おもちゃ・旅行・スポーツ雑貨などの輸出を手掛ける国際輸出企業・香港李豊集団の米国向け業務は売り上げの61.9%を占めているし、香港に本部を置き、レジャー、ファッション、靴ブランドを世界展開している九興ホールディングスも、その収入の49.7%を米国から得ている。これら企業は存亡の危機に直面することになる。
ただ、中国全体としては、対米輸出が全輸出に占める割合は18%程度で、中国の通商官僚らは「短期間ならば耐えられる」という楽観的な見方を示す意見の方が多い。
元国家対外経済貿易部副部長の龍永図が先日、フェニックステレビ主催のシンポジウムで、「中小企業はトランプの中国製品に対する高関税政策を恐れる必要はまったくない」と発言していた。その根拠は、トランプを当選させた有権者は中低所得者であり、最大の利益享受者は米国の中低所得層であり、中国製の低価格商品はその中低所得者に利益をもたらしてきたのだから、最終的にはトランプは中国製品を排除できない、という理屈だ。
さらに、中国は米国にとって最大の農産品輸出国であり、もし、中国が対抗策として米国の農産品に関税を20%かければ、米国農業の打撃は、中国製品排除によって生まれる数十万の雇用よりも大きいかもしれない。だからトランプは最終的に、中国製品排除政策はとれない、という。
龍永図は昨年9月にトランプとの面会を果たしており、その時の印象ではトランプの対外貿易についての理解は一知半解であり、もし、トランプが米中貿易の全体を正しく理解すれば、いったん45%関税を実施しても、すぐに調整すると考えているわけだ。あるいは、中国側も米国農産物に対する高関税カードをちらつかせて、トランプを説得する自信があるようだ。龍永図は、トランプがいずれ正気になって、中国製品の高関税が自国の経済や国民の福利にとってもマイナス影響の方が大きい、と気づくはず、という予測でものを言っているわけだが、それはひょっとすると希望的観測にすぎるかもしれない。
ただ、中国製品高関税の部分を除くと、トランプの経済政策は、中国がほくそ笑んでいる部分もありそうだ。まずは、TPP離脱宣言。これは疑いなく中国にとって朗報だ。TPP構成国12カ国のGDPは全世界の40%を占め、このメンバー間で低関税、あるいは無関税で取り引きされてしまえば、非TPPメンバーの中国が受ける打撃は、米国から45%関税をかけられるどころの話ではなかった。しかもTPPが事実上ダメになったことで、中国主導でASEAN地域全体の経済パートナーシップ関係を形成するRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に断然注目が集まるようになってきた。
「中国こそ指導者」とうそぶくが…
さきのダボス会議で習近平が中国国家主席としてデビューした際の開幕式での演説「ともに時代の責任を負い、ともにグローバルな発展を促進していこう」では、中国として、初めて自由世界のリーダーとしての存在感を打ち出してきた。中国がグローバル経済のリーダーであり最大の庇護者で貢献者であると訴え、保護主義に反対の立場を強調し、世界経済のキーマン、救世主であることをアピールした。
「今は最良の時代であり、最悪の時代である」というディケンズの言葉を引用して展開された演説では、「これぞ我々がこの時代の指導者として負うべき責任であり、各国人民が我々に期待するところだ」とうそぶいた。
冷静に考えてみると、中国はむしろ、これまで徹底した保護主義で、各国からWTOにダンピングなどでさんざん提訴されてきた。高級輸入品に高関税をかけ、日系企業などの外資国内製造業には17%の消費税をかけて、国内企業を守ってきた結果、国内には競争力のないゾンビ企業があふれかえっている。中国がグローバル経済の最大の受益者であることは確かだろうが、中国自身は真の意味でのグローバル経済推進者ではない。
トランプ政権のドラゴン・スレイヤー(対中強硬派)筆頭のピーター・ナヴァロ(米国家通商会議代表)らが、中国を批判するのは、グローバル経済を批判しているのではなく、フェアな市場競争をせずに環境と人権を犠牲にして不当に安価な商品を世界にばらまいているからだ。中国はいまだ市場経済国として認定されていない。
しかしながら、このダボス会議では、EUの元首があまり参加していなかったこと、そしてトランプの登場があまりに国際社会にとってショックだったことも手伝って、習近平にスポットライトが当たった。
BBCなどは、事前から、習近平がダボス会議のスターになると予想しており、習近平がわざわざダボス会議に出席した理由として、「自由貿易の優勢を称賛し、世界の最も友好的な貿易パートナーであることをアピールするため。この場で、中国のパブリックディプロマシーの一環として、世界を説得し、中国の台頭が人々の利益になると訴えるのが狙い」と伝えていたが、まさに、その通りとなった。
ダボス会議のスポークスマンは、環球時報に対して「習近平主席が世界経済とグローバル化において、世界のカギとなる問題に影響を与え、人類の幸福と発展に対して提案を出してくれることを期待する」などとたぶんにリップサービスも入ったコメントをしていたが、トランプの非常識ぶり、無茶ぶりのおかげで、習近平がなんか、真っ当なことを言っているような錯覚に陥りやすくなっているのは確かだ。
「一帯一路」のてこ入れ、手応えは…
トランプがTPPを離脱し、保護主義をとり、国内就業と経済成長にのみ注意力を払うタイミングで、中国としてもう一つ期待することは「一帯一路」戦略のてこ入れである。現代版シルクロード構想ともいわれるこの戦略は、陸のシルクロードと海のシルクロードの沿線国である中央アジア、東南アジアにおける経済一体化構想だが、昨年11月に、李克強がニューヨークを訪問した際に、キッシンジャーを含むトランプ政権のブレーンや金融関係者らと座談会をもって、「一帯一路」について、かなり詳細に説明したという。
このとき、中国側は、トランプ政権やニューヨークの金融街が「一帯一路」に関心をもっているという手応えを得ていたという。中国としては、こういったいきさつを踏まえて、トランプはビジネスマンであり、経済面では交渉できると踏んでいたからこそ、選挙前には、トランプを影ながら応援していた。
とすると、中国EC最大手企業のアリババのCEOであるジャック・マー(馬雲)が、トランプと面会してその席で米国に100万人の雇用機会を約束したことなども、中国政府の意向と全く無関係というわけでもないだろうし、春節にあわせて、中国企業100社が合同でトランプ大統領宛ての新年グリーティングカード式広告をタイムズスクエアに掲げるなどのアクションも、企業の自発的行動というよりは、中国の対トランプ攻略の一環かもしれない。トランプの移民政策はシリコンバレーのIT企業らからかなり反感を買っており、中国IT企業にとっては米国進出のチャンスという見込みも当然ある。
念願の「G2」も、「一つの中国」放棄なら…
中国にとっての最大の懸念は対米貿易摩擦の問題よりも、むしろ「一つの中国」原則放棄などの台湾政策の変更が今度どう展開されるかということの方だろう。
仮に「一つの中国」原則を放棄されてしまうと、中国共産党の執政党としてのメンツが立たないので、切羽詰まった中国側が、例えば台湾の太平島を争奪作戦とか、ベトナムが領有権を主張する南シナ海の島にちょっかいを出すとか、尖閣諸島に上陸するとか、なんらかの軍事アクションをとる可能性は当然考えられる。そのときに、トランプ政権がどう出るかが、中国の命運を左右することになるやもしれない。
総じて言えば、トランプ流の無茶ぶりは、中国にとって吉にも凶にも転び得る。トランプが差別的で人権無視の言動をすれば、中国の差別や人権問題のネガティブイメージは何となく薄められてしまうし、保護主義的になれば、もともと保護主義だった中国が「なんかグローバルな印象」になる。だが、トランプ政権が本気で中国共産党体制を潰しに来る可能性もあるので、中国としても、先の見通しが立ちにくい分、トランプの言動に振り回されている感がある。
一つ言えるのは、トランプ大統領でなければ、良くも悪くも中国がここまで米国の対立国として世界からクローズアップされなかった。かつて中国が熱望したG2時代がまがりなりにも実現したのだから、やっぱり中国はうれしいんじゃないかな、と私は思っているのだが。
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