『中国でネットインフルエンサー「大粛清」、黒幕は習近平の側近か?どうやら狙いは言論統制だけではなさそうだ 習近平政権の「権力闘争」がインフルエンサーも巻き込む恐ろしさ』(9/30JBプレス 福島香織)について

10/1The Gateway Pundit<OMB Director Russ Vought Strikes Again: Eliminates $8 Billion in Green New Scam Funding to Liberal States=OMB長官ラス・ヴォート氏が再び反撃:リベラルな州への80億ドルの環境保護のための新たな詐欺資金提供を撤回>

税金から左派に流れている金を遮断し、兵糧攻めにすれば、活動できなくなる。

行政管理予算局(ONB)のラス・ヴォート局長は、極左の多くの州における環境関連の新たな詐欺プロジェクトへの資金80億ドルを削減した。

プロジェクトは、CA、CO、CT、DE、HI、IL、MD、MA、MN、NH、NJ、NM、NY、OR、VT、WA の各州で実施されています。

これは、ヴォート氏が今朝Xテレビで、NY市のインフラ整備プロジェクト約180億ドルを凍結し、そのような資金がDEIプロジェクトに使われないように努めていると発表したことを受けてのことだ。

「違憲のDEI原則に基づいて資金が流れないようにするため、NY市のインフラプロジェクト約180億ドルが保留されている」とヴォートは記した。

「詳細は近日中に@USDOTからお知らせします。」

ゲートウェイ・パンディットが報じたように、政府閉鎖を回避するための2つの措置が上院で否決された後、シューマー閉鎖は午前0時1分に発効した。

これらの法案は可決に60票必要でした。共和党が支持したこの法案は55対45で否決されました。ランド・ポール上院議員は民主党に同調して投票しました。

民主党とポールは、政府の運営よりも、不法移民の福祉、未成年者のトランスジェンダー手術、そしてその他多くのゴミ問題を優先することに決めた。

民主党のおかげで、トランプ政権はすでに米国の納税者に240億ドルを節約させました!

これは史上最大の政府閉鎖になりそうだ!

https://www.thegatewaypundit.com/2025/10/omb-director-russ-vought-strikes-again-eliminates-8/

https://x.com/i/status/1973086761304674346

10/1Rasmussen Reports<Trump Approval Index Month-by-Month  Trump Approval Gains One Point in September=トランプ大統領支持率月次推移  トランプ大統領の支持率は9月に1ポイント上昇>

トランプ大統領の支持率を日々追跡していると 、日々の変動に囚われすぎて全体像を見失ってしまうことがあります。より長期的な傾向を見るために、ラスムセン・リポートは月ごとの数値を集計しており、トランプ大統領の任期中の結果は以下のグラフでご覧いただけます。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/trump_administration_second_term/trump_approval_index_month_by_month?utm_campaign=RR10012025DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

10/2阿波羅新聞網<川普首肯!泽连斯基迎来好消息—川普首肯!美情报助乌军打击俄能源设施=トランプが承認!ゼレンスキーに朗報――トランプが承認!米国情報機関、ウクライナ軍によるロシアのエネルギー施設攻撃を支援>WSJは10/1、トランプがロシアのエネルギーインフラを標的とし攻撃するためのウクライナとの情報共有を承認したことを米国当局が確認したと報じた。トランプ政権がウクライナ軍による奥深いロシアのエネルギー施設への攻撃を支援するのは今回が初めてとなる。米国はまた、NATO加盟国にも同様の対応を呼びかけており、ロシア・ウクライナ和平交渉が停滞する中、米国がキエフへの支援を強化していることを示している。

当局者は、この情報共有により、ウクライナ軍は国境から遠く離れた製油所、パイプライン、発電所などのインフラをより正確に標的とすることができるようになると指摘し、クレムリンの関連収入と石油供給を遮断することで、ロシアの継戦能力を弱体化させることを目指している。当局者は、トランプが先週、ロシアのプーチン大統領への不満を表明する声明を発表する直前に、政府による追加の承認が行われたと指摘した。トランプは、ロシア国内の標的を攻撃しなければウクライナは勝利できないと述べている。

一方、米国は射程約800キロメートルのトマホークやバラクーダといった米国製の長距離ミサイルの供与を検討している。しかし、当局者は供与するかどうか、数量、モデルはまだ決定していないと明らかにした。

クレムリンは、米国の軍事支援増強の可能性について慎重な姿勢を維持している。ドミトリー・ペスコフ報道官は9/29、ロシアは関連声明を慎重に分析していると述べ、「ミサイルがキエフの手に渡った場合、発射したのはウクライナ軍か、それとも米軍か?標的を指定した者は誰か?これは非常に詳細な分析が必要だ」と疑問を呈した。

欧州は米国の新たな動きを歓迎した。例えば、ドイツはウクライナの縦深攻撃能力開発支援に数億ドルを投資しており、この動きがロシアの補給線を弱体化させ、ウクライナの戦場での防衛・反撃能力を強化すると考えている。

モスクワ人にも戦争の恐怖を教えないと、停戦交渉は進まない。

https://www.aboluowang.com/2025/1002/2285382.html

10/2阿波羅新聞網<斩首行动?日本公开中共军事基地最新卫星影像=斬首作戦?日本、中共軍事基地の最新衛星画像を公開>アポロネット王篤若の報道:近年、台湾海峡の緊張は高まり続けており、「2027年台湾攻撃計画」が繰り返し言及され、中共による台湾侵攻の可能性への懸念が高まっている。東京に拠点を置くシンクタンク「国基研」(国家基本問題研究所)は10/1、中共が内モンゴル自治区の朱日和軍事基地に、総統府や司法院など台湾政府機関を模した複数の建物を建設している様子を捉えた新たな衛星画像を公開した。分析は、人民解放軍が台湾指導部への斬首作戦を念頭に、実物に似せて訓練を行っていると指摘した。

インド太平洋戦略シンクタンクの矢板明夫CEOは1日夜、産経新聞の記事をFacebookで共有し、国基研が朱日和基地で新たな拡張施設を発見したと報じた。司法院を模した新たな建物が模擬総統府の隣に建設され、総統府とは280メートルの地下通路で繋がっている。これは、人民解放軍による台湾への奇襲攻撃能力と斬首作戦能力の向上を狙ったものだ。矢板氏は、これらの非常にリアルな建物が演習に使用されていることを強調し、中共が将来の台湾への奇襲攻撃に備えていることを示していると述べた。

どうせなら訓練の様子も撮影できるとよいが、衛星を停止させるのは難しい?

https://www.aboluowang.com/2025/1002/2285383.html

10/1阿波羅新聞網<十一亮相 习走路有点吃力 忧心重重=10/1に登場:習は歩くのにやや苦労する、心は重い>10/1は中共創立76周年である。例年通り、北京では記念日前夜に盛大な歓迎会が行われた。9/30、習近平主席は常務委員会の他のメンバーを率いて天安門広場で人民英雄に花輪を贈呈した。習近平の最近の登場は注目を集めている。

昭明:

習は歩くのにやや苦労し、右太腿の力が弱く、足を引きずりながら歩いていた。四中全会の日程は決定し、党は人事案を一応まとめたものの、依然として不確定な点が残る。楊蘭蘭のロールスロイス事件と于朦朧殺人事件は国家レベルの高官が関与しており、第18回党大会前の令谷(令計画の長男)のフェラーリ事件と酷似している。長老勢は、相手を自由に泳がせ、兵は動かさず、相手が証拠を出すのを待ち、四中全会で突然網を回収し、証拠を打ち出して人事案が修正されるのを待っている。

蔡慎坤:

習近平は、国家レベルの高官らを率いて記念碑の周りを回ったのは、何を伝えようとしているのだろうか?四中全会が迫る中、習近平は自信を見せているのだろうか、それとも不安を感じているのだろうか?彼に従って回ったこれらの高官らはそれぞれに思惑があり、習近平のこの行動が成功するかどうかは不透明だ。

9/30のレセプションで、習近平は「両岸の交流と協力を深化させ、台湾独立を企図する分裂活動や外部からの干渉に断固反対し、国家主権と領土保全を断固として守らなければならない」と述べた。李強が主催したこのレセプションには、趙楽際、王滬寧、蔡奇、丁薛祥、李希といった政治局常務委員、そして韓正国家副主席が出席した。さらに、国務院各部局の要人、各国の重要な特使、外交官、高官らも出席した。

習近平は昨年の建国75周年レセプションで台湾問題について演説し、「台湾は中国の神聖な領土であり、台湾海峡両岸の人民は血で結ばれており、血は水よりも濃い」と強調した。習近平は、「一つの中国」原則と「92年コンセンサス」の堅持、両岸の経済・文化交流・協力の深化、両岸同胞の精神的融和の促進、「台湾独立」を主張する分裂主義活動への断固たる反対を強調した。「祖国の完全な統一は、止めることのできない時代の潮流であり、大義であり、人民の意志である。歴史の歯車を止めることは誰にもできない」と述べた。今年、習近平の台湾に関する発言は大幅に減少し、統一への言及はなかった。

最近の報道によると、習近平は権力基盤を強化するため、トランプ政権に対し、台湾独立への反対を正式に表明するよう要請したという。これに対し、米国務省は、米国の台湾に対する立場は不変であり、いかなる一方的な現状変更にも反対し、中共こそが台湾海峡の平和に対する最大の脅威であると強調すると述べた。

米国、日本、その他の国の情報によると、習近平は2023年までに台湾攻撃の準備を進めていた。2022年、習近平は中共20大の報告の中で台湾問題に繰り返し言及し、「武力行使の放棄を約束することは決してない」と強調し、必要なあらゆる措置を取る選択肢を留保していると述べた。2023年には、当時のバーンズCIA長官が、習近平が人民解放軍に対し、2027年までに台湾との軍事統一の準備を命じたと繰り返し警告した。近年、習近平による2027年の台湾軍事攻撃発言は、国際メディアで熱く議論されている。中国の経済低迷と、台湾への武力統一を認めない米国の政策を受け、習近平は武力統一戦略の調整を迫られ、外交的孤立から台湾内部への浸透へと舵を切り、台湾の政治構造を変え、平和的な統一を早期に実現しようとしている。

台湾側が共産主義の悪について認識できていれば、平和統一はあり得ない。

https://twitter.com/i/status/1973011404983787697

https://www.aboluowang.com/2025/1001/2285085.html

福島氏の記事では、左翼は言論の自由や表現の自由を恐れ、検閲をして罰を加えようとする。米国民主党もその列に加わっている。中共が個人の表現に介入するのは当たり前で、プロレタリア独裁だから、個人の自由裁量を許すはずがない。共産主義体制の構造的問題。

中共は「集団対立を煽る」のは禁止というが、反日は許される。反日で対立することはないと言うことか?ご都合主義的な感じが否めない。ヘイトクライムを現実に引き起こしているのに。中共に向けられる不満を反日で躱そうとしているだけでは。

暴力表現もダメというのでは“ドラゴンボール”の実写版のようなものは作って流せなくなる。国家が個人の表現に介入するのは最小限度に抑制すべきだが、邪悪な共産主義システムでは望むべくもない。

記事

中国・習近平政権による「粛清」がインフルエンサーにも(写真:ZUMA Press/アフロ)

(福島 香織:ジャーナリスト)

この秋から、ネットインフルエンサー(網紅)の「大粛清」が始まりそうだ。仕掛けているのは習近平の側近、蔡奇だとみられている。9月だけで、中国の階級社会批判などを展開していた戸晨風、ゲーム中継アカウントで人気を博しネット長者を代表する藍戦非、若者の就職事情分析などで定評があった教育評論家の張雪峰らのアカウントが次々と消えた。いずれも数百万から数千万単位のフォロワーを誇る影響力の大きい網紅たちだ。

さらに9月22日に党中央ネット安全情報化委員会弁公室が「悪意を持って否定的な感情をあおる問題を是正するための特別行動」展開を宣言しており、この一連の網紅粛清が、偶然ではなく党中央としての決定、方針であることが判明した。

では一体、この網紅粛清の狙いは何なのだろうか。あまたいる中国人ネットインフルエンサーたちのうち、粛清される理由、決め手は何なのだろうか。

まず、22日に通達された「特別行動」の中身を見てみたい。
「悪意を持って対立をあおり、暴力や敵意などの否定的な感情を助長する問題を是正し、より文明的で理性的なネット環境を構築するため、中央インターネット安全情報化委員会弁公室はこのほど、2カ月間にわたる全国的な特別行動を展開することを通達する。

…この特別行動は、SNS、ショート動画、ライブストリーム、その他のプラットフォームを対象に、トピック、リスト、推奨、弾幕、コメント、その他の重要な側面を包括的に調査し、以下の問題行為に焦点を当てる。

①    極端な集団対立をあおる。話題の社会的出来事を利用して、アイデンティティ、地理、性別などの情報を無理やり関連付け、憶測にレッテルを貼って汚名を着せ、集団間の対立をあおる。映画やテレビ作品、トークショー、スポーツイベントなどを題材に、ファングループに犬笛を吹いて、悪意の批判、攻撃・罵倒するコメントの投稿、集団クレームなどを組織するよう促す。一部の二次元グループ、いわゆる「噴系少年」と呼ばれる攻撃的スパムアカウントの中には、対立を煽動し、「開箱」と呼ばれる情報窃取テクニックまで教示している。

②    パニックをあおり、悪意のフェイクの災害情報、危険情報、警戒情報などを拡散し、公共安全突発事件に影響を与える。「内幕情報」「内部情報」といって、経済・金融、社会・国民生活、公共政策などに関する風説情報をねつ造・流布するために、切り抜き動画などを拡散させる。出来事の原因や内容、経過を偽って歪曲し、「陰謀論」などセンセーショナルな情報を流す。「教祖」や「専門家」といった偽の身分や人格をねつ造し、就職、結婚、教育などをめぐる不安をあおり、商品や商材を販売する。

③    インターネット上で暴力を引き起こす。喧嘩や迷惑行為の台本を企画・上演し、「暴力には暴力で対抗する」ことを宣伝する。グロ画像や凄惨なシーンの画像を加工せずにそのまま表示したり、動物虐待や自傷行為など過激な行為を含む刺激的な画像や動画を公開したりする。AI合成や動画編集、画像のつなぎ合わせなどを駆使して暴力行為を表現・装飾し、好奇心を刺激するスリリングな雰囲気を演出する。自傷行為や自傷行為の生中継、「殴打チャレンジ」、武力による威嚇などの仕掛けでファンを集め、アクセスを集める。

④    マッチング、出会いを主催する。オフラインでの侮辱や双方からの侮辱、喧嘩などのシーンをリアルタイムで生中継する。

⑤    過剰に否定的、悲観的な感情を拡散する。「努力無用論」「学問無用論」など、集中的、一方的に絶対主義的否定論を唱える。社会現象を悪意をもって解釈し、否定的な事例を一方的に拡大し、人間嫌いなど否定的な人生観をあおる。いわゆる話題の検索ワード、流行りのステマ、顔文字、名言などを作り出し、過度に自らを卑下したり、退廃の負の感情を誇張したりすることで、模倣を引き起こす。

弁公室は、各地方当局に厳格にこの要求に対応して調査、措置を強化し、該当するネット上のプラットフォーム、アカウント、マルチチャンネルネットワークを処置、処罰し、改善を督促し、自己反省を求め、問題の漏れを徹底的に防ぎ、良好なネット環境を運営するよう求める。同時に、広範なネット民と社会に対して、積極的に告発に参加し、悪意あるネガティブ情緒の挑発などの問題に対し共同で排斥するよう奨励する。…」

この基準に応じて、9月、戸晨風、藍戦非、張雪峰の中国3大ネットインフルエンサーがネットから消された。

アカウントが削除された3人のインフルエンサー

戸晨風は、自動車修理工出身のセルフメディアインフルエンサー。中国人ネット民をアンドロイド派とアップル派に分けて論評、アップル派を上位に見なしていたことが対立をあおっている、とされたのだろう。

彼の持論は「中国は工業生産の分野ではまだ欧米先進国に遅れをとっており、中国の一般市民としては、大きな買い物をする際には、愛国的感情やマーケティング・プロパガンダに頼って選択するのではなく、まず製品の品質(製品力)を考慮しなければならない」というもの。アップル、テスラ、サムズなど西側製品、サービスを選択する人を「アップル人」、中国ブランドEVやスマートフォンを選ぶ人を「アンドロイド人」として、アップル人をエリート、アンドロイド人を底辺とするような対立を助長していたとされたようだ。

9月16日、彼の微博、抖音、Bilibiliなどのアカウントがすべて封鎖された。彼のタオバオ店舗の商品もすべて削除されていた。フォロワーはすべてのアカウントを合わせて200万~300万ほどだった。

張雪峰は、鄭州大学を卒業したエリートで、中国教育問題に関する論評が人気だ。フォロワーは中国五大SNS(微博、抖音、Bilibili、小紅書、快手)合わせて6500万以上。中国でもトップクラスのインフルエンサーだ。

彼は学生たちに大学や学部の選び方、就職の選び方などのアドバイスを行い、「もし家庭に資産がないなら、金融関係の職業につくな」とか「お金があれば、学歴がなくともうまくいく」といった学歴無用論発言をしていた。だが、今回、「粛清」された一番の理由は、中国の台湾武力侵攻支持の発言を繰り返したことだとみられている。

「台湾と戦争するためなら5000万元寄付する」といった過激な愛国発言をし、これが暴力的とみられたか、あるいは対立をあおるとみられたかもしれない。習近平自身が、台湾武力統一への熱意を見せているのだから、これで粛清されるのは不条理だとは思うが、張雪峰の動画は洗脳性が高いという指摘もあった。

9月24日、彼のアカウントは「法律やルールに違反している」として凍結された。

藍戦非はもともとゲーム実況主として人気を博し、フォロワーは3000万前後。インフルエンサーとして儲けた巨額資産を公開、その資産を全部売り払って、世界旅行を開始し、世界見聞録なども発信している。一種の流浪人的な人物として、若者のあこがれを集めた。

藍戦非は「実は金儲けへの衝動はあまり強くない」「(インフルエンサーとして)完全に商業的になれば、今のアクセス数と人気なら、年収9桁(億元)は実は簡単だ」などと語り、そのことは、就職難に悩む若者たちに希望を与えた。

だが「結婚しなければ破産することはない」「家庭の負担がなければ、自由にお金がつかえる」のように、中国の伝統的家庭観を否定する発言をしており、これが中国当局にとって問題視された可能性がある。9月25日から、アカウントが凍結されている。
実は今年に入ってネット上の粛清キャンペーンは何度か発動している。

インフルエンサー粛清のきっかけは

7月29日、「セルフメディア」による「事実でない発信」を取り締まるキャンペーンが呼びかけられた。これは当時ネットで大きな話題となった問題、例えば、甘粛天水幼稚園の給食が鉛入り絵具で色付けされていたために児童が鉛中毒になった事件や、杭州の上下水道が分かれておらず住民が大便の混じった水を飲まされていた事件、嵩山少林寺住職・釈永信逮捕事件、四川省江油市の女子中学生いじめ動画の拡散などがきっかけになったとみられている。

これら事件の共通点は、ネット上の投稿がセルフメディアにより整理されることで拡散し、さらに世論が沸騰して、最終的に当局が事実を確認するという形で事件が明るみに出たことだ。一部の事件では、現地で官民の衝突を伴うような大規模群衆事件まで起きている。

これらの事件を通じて中国当局はネットのセルフメディアの情報収集能力、世論喚起力の大きさを再認識し、恐れたために「セルフメディア粛清」を開始した、とみられている。事実でない情報発信を取り締まる、と建前では言っているが、要するに当局がコントロールしきれないセルフメディアを取り締まるということだ。その流れで、続いてインフルエンサーにターゲットが広がった、とみられている。

さらに、9月にもネットインフルエンサー粛清のきっかけとなった事件もあった、と言われている。それは于朦朧事件ではないか、とみられている。

于朦朧はイケメンアイドル系俳優で、役者としてのキャリアはいまいちだが、フォロワー2000万人以上のネットインフルエンサーでもあった。9月11日に北京の高級マンションから墜落死したのだが、警察や遺族は「泥酔して誤って墜落した」と早々に発表している。

だがネット上では、この墜落死の背景に芸能界の大物が関与しており、その大物が習近平の側近の蔡奇の親族であり、于朦朧はとある事実を隠蔽するために謀殺されたのだ、との声が少なくない。

于朦朧は死亡する前日、業界仲間と宴会で酒を飲み、泥酔して別室で休んでいたはずだが、11日未明に建物の下で倒れて死亡しているのが発見された。その後、いわゆるネット上の「特定班」が同じマンションの住人の証言や現場の写真、宴会に参加しているメンバーなどの情報(AIによるフェイクも含む)をネット上に持ち寄り、いろいろな推理が広がり、いくつかの陰謀論的「ストーリー」が形成されていた。

たとえば、蔡奇の隠し子である業界大物プロデューサーに于朦朧が「性上納」させられており、于朦朧が反撃のために蔡奇ファミリーの「資金洗浄ルート」を暴こうとしたので、それを防ぐために泥酔させられて事故死を装って殺害された、といった話だ。

あるいは、人気インフルエンサーの于朦朧は蔡奇ファミリーのための「ホワイトグローブ」(政治家のために資金洗浄をかわりにする企業や企業家、政治家の汚れた手を隠す白手袋の意)だった。蔡奇のライバル政治家がそれに気がつき于朦朧逮捕に動こうとしていたため、蔡奇サイドが逮捕される前に事故死を装って謀殺した、といった憶測もある。

なかには、于朦朧がオーストラリアで飲酒交通事故を起こし、ひん死の重傷を負わせた謎の富豪中国人美女(習近平の親戚説などがある)へ送金していたらしい、といったうわさまで、まことしやかに広まっていた。

言論統制に加えて権力闘争の側面も

不可解なほどに死因の発表が早かったことなどをみると、于朦朧事件が単純な泥酔墜落死ではなさそうなのは確かだろう。また、最近はネットインフルエンサーの一部が、政治家や官僚たちの新たな資金洗浄ルート、ホワイトグローブになっているのも事実だろう。

そう考えると、今回のネットインフルエンサー粛清が単にネット言論統制強化だけでなく、そのインフルエンサーたちの背後にいる政治家などとの利権がからむ「権力闘争」という側面がある可能性も否定できない。

いずれにしろ、不条理な粛清におびえるのはいまや、政治家や軍人、官僚だけでなくなっているというのが、中国の恐ろしいところであろう。

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