11/12・13日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「北朝鮮並み」の日本、「ロシア並み」の韓国 「ねずみ男

ねずみ男」で思い出すのは国連事務総長の潘基文氏です。いかにも小狡るそうな容貌で、人物の内面性を良く表していると思います。韓国人の典型とでも言うべきでしょうか。「息を吐くように嘘をつく」民族ですから。小中華ですので、中国と同じ「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と思っているでしょうし、賄賂社会もその通りでしょう。

そもそも日本が甘やかしてきたのが、彼らを増長させた原因です。やはり、日本人は真のグローバル人材がいなかったという事でしょう。言葉ができるだけでなく、民族性も理解して付き合わないと。福沢の「脱亜論」を守っていれば、大東亜戦争も起こらなかったかもしれません。明治の人達の方が、今の軽薄な語学ができる猿のような人たちと比べると遙かにグローバルな見方をしていたと思います。メデイアの海外駐在なんて、外国の新聞やTV報道を日本に対して伝えるだけで、日本の立場を伝えようとしません。民間外交の最先端にいる人達でしょうに。逆に「従軍慰安婦」など喜んで海外で煽る始末です。語学の効用は否定しません。小生も今「英語」「中国語」を習っています。日本人の立場を英語・中国語で主張するためです。

日米共に韓国は歴史的に見て「裏切り者」体質があると思って付き合った方が良い。そういう意味で、中国元のSDR入りは韓国に有利に働くことになりますので反対ですが。元のスワップがありますので。アメリカのやっていることもチグハグです。金融面だけでなく、軍事面でも、11/9発記事では米中海軍が大西洋で合同演習したとのこと。まあ、米海軍の圧倒的強さを中国海軍に見せつけるにはいいでしょうけど。日本はいろんな意味で自立していかないとダメです。

記事

(前回から読む)

 米国の引力圏を脱し、中国を周回し始めた韓国。では、その韓国と日本はどう向き合うのか。神戸大学大学院の木村幹教授と考える(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

Cold Peace

木村:「日韓関係はべったりとした昔には戻らない」。こう言い続けてきましたが、ようやく政治家や官僚の方々――日本の政策を決める人々に理解してもらえるようになりました。

 日韓は米国を媒介とした準・同盟国でなければ友好国でもない――。この現実を前提に新たな関係を考える必要があるのです。

鈴置:そう言えば、ジョン・ホプキンス大学のケント・カルダー(Kent Calder)教授が最近、木村先生と似た議論をしています。

 日韓関係をロシアと隣国との関係に見立てる意見です。朝鮮日報がインタビューし「韓日が不信を克服したいのなら、首脳の政治的な勇気が要る」(10月31日、韓国語版)という記事で紹介していました。

木村:ケント・カルダー教授は日韓関係の1つの落とし所を「Cold Peace」と表現しています。「信頼関係は存在しないものの、紛争にも至らない平和的な状態」という意味だと思います。

 「信頼関係の構築」などという高いハードルは諦めて、とりあえずは「紛争のない状態」を目指し努力すべきだ――とのアドバイスです。

 逆に言えば、米国のアジア専門家からそんな忠告をされるほどに、日韓は微妙な関係になったのです。

日韓戦争を予防する

鈴置:上手に管理すれば軍事的な衝突は避けられる――つまり、下手したら戦争になるぞ、ということですからね。ついに第3者から見ても、日本にとって韓国は「ロシア並み」の国になったわけです。

日本でも「中国の使い走りとなった韓国は信用できない。放っておけ」という空気が定着しています。韓国を完全に無視した安倍談話に、支持が集まったのもそのためです。

—安倍談話を分析した「『韓国外し』に乗り出した安倍政権」という見出しの記事は非常によく読まれました。

木村:日本人の心情としてそうなるのは分からないでもありません。でも「信頼関係がなくなった」からこそ、不必要な対立を避けるための対話やメカニズム――軍事的なものを含め、本格的な紛争に至らないようにする予防措置が必要となるのです。「むかつくから何の対処もしない」というなら外交なんて要りません。

鈴置:木村先生やカルダー教授のような議論の立て方をすると「戦争を望むのか」と言う人が必ず出てきます。

 でも、これだけ日韓が疎遠になると、現実を直視し「紛争を防ぐ」姿勢でモノを考えておかないと、かえって衝突を起こしかねないのですけれどね。

防衛費は日本の8割

—韓国は軍事的に日本の敵になり得るのでしょうか。

木村:韓国の防衛費は増え続け、現段階ですでに日本のそれの8割に達しています(グラフ「日韓・防衛費の推移」参照)。

グラフ●日韓・防衛費の推移

defence cost in Japan and Korea

注)縦軸の単位は100万USドル。SIPRI Military Expenditure Database(c)SIPRI 2015 のデータを基に木村幹教授が作成

念のために付け加えれば、韓国が意図的に防衛費を拡大させた結果ではありません。韓国のGDPに対する防衛費の割合は3%弱で固定されています。

 韓国のGDP、つまり経済規模が大きくなったからです。経済規模が大きくなれば、当然それにつれて防衛費も大きくなります。

 日本ではこのデータはあまり知られていませんが、昔の「貧しく弱い韓国」は軍事面でも、もう存在しないのです。

—韓国の防衛費が日本に追いついたとしても、その海軍力は極めて脆弱との評価が多いようですが……。

木村:それはそうです。でもこの先、東シナ海や南シナ海で中国海軍と一層厳しく向き合わねばならぬ日本とすれば、韓国との摩擦は避けた方が得策でしょう。余分な兵力をとられて、中国の脅威に専念することができなくなりますから。

薄気味悪いほどの丁重さ

鈴置:その思い――軍事的な摩擦や衝突を避けたいとの思いは、韓国側の方が強いのかもしれません。以下は最近、日本の安全保障専門家から聞いた話です。

  • 毎年、韓国でのシンポジウムに参加する。今年はなぜか異例の接遇を受けた。米国から参加したカウンターパートよりもはるかに良い待遇で、招待者側はしきりに日本との防衛協力を訴えてきた。

 韓国側の丁重さは、薄気味悪いほどだったそうです。衝突の防止に加え、日本の軍事的な能力や意図を探る目的もあるのでしょう。敵であるほど、その情報は必要になりますから。

 自衛官OBの中には日本の運用技術を取りたいのだろう、と見る人が多い。韓国はF15の整備や潜水艦救難艦の運用など、結構重要な技術を自衛隊から学んできました。

 「中国側に回った韓国」に対し、今後は米国が「教え渋る」可能性が高いので、日本とのパイプをなくしたくないのだ、との読みです。

木村:「韓国の丁重さ」には驚きません。10月20日には中谷元・防衛相が訪韓し韓民求(ハン・ミング)国防相と会談しました。

 4年振りの大臣同士の防衛対話です。安全保障関連法に理解を求めるのが訪韓の目的でしたが、防衛問題での交流強化でも合意しました。

「経済」ではなく「軍事」選ぶ

鈴置:10月18日の自衛隊の観艦式には韓国海軍の駆逐艦も参加しました。2002年の東京湾での国際観艦式に韓国海軍は艦船を送りましたが、自衛隊の観艦式に加わったのは初めてです。

木村:米国による「日韓関係の改善圧力」を受けた韓国は、その糸口に「軍事」を選んだのです。これまで日韓両国が関係改善に動く時には必ず「経済」を使いました。

 あえて「軍事」から入ったのは極めて興味深い現象です。日本との軍事的対立を避けたいとの思いが強い証拠だと思います。

 韓国から見ても、日本は危険な存在となっています。歴史認識問題や領土問題で両国の関係がどんどん悪化しているからです。

 もし、国民感情をさらに煽って領土問題などで強硬な政策を主張する政治家が現れれば、思いもかけない状況に陥る可能性もゼロではない。

 もちろん、今のところは日韓両国が戦争になる可能性はほとんどないと思いますし、両国の政治家もそれほど愚かではないでしょう。

 でも、北東アジアの情勢が不安定化していくなかで、長期的には敵対的な関係に移行しても不思議ではないと思います。

独島を日本から守れ

鈴置:同感です。韓国紙の記事を読んでも、書き込みを読んでも「昔のように簡単には謝らない日本」への苛立ちで溢れています。日韓関係が「べったりした昔」には戻らないことに、韓国人も気がつく過程にあるのです。

木村:領有権を争う竹島も、少し前までは日本が武力で奪い返しにくるとは――口ではともかく心の奥底では――韓国の人々は考えていなかったと思います。

 でも、今やそれもあり得る話と一部の韓国人は考えるようになりました。なぜなら、日本人が韓国を信じられなくなっているように、韓国人もまた日本を信じられなくなっているからです。

 つい最近も「竹島の隣の鬱陵島に、海兵隊の実戦兵力を配置する計画」との報道がありました。北朝鮮対策だとの説明が表向きは付いていますが、日本を意識したのは間違いありません。

笑いながら「日本は仮想敵」

鈴置:聯合ニュースの「韓国軍 鬱陵島に海兵隊配置を推進=独島防衛と対北圧迫」(11月6日、日本語版)ですね。「日本」とは名指ししていませんが「外部勢力の独島(竹島)侵攻に対する強力なメッセージ」と書いているところを見ると、対日防衛用です。

 そもそも見出しで「独島防衛」が「対北圧迫」より前に置いてあります。韓国人の本音が垣間見えます。

 1990年代初め――冷戦末期に、韓国国防部が白書で日本を仮想敵扱いしたことがあります。関係者に「ひどいじゃないか」と言ったら、にこにこ笑いながら「我慢してくれ」。

 北朝鮮は本当の敵だから、今更、白書で敵と強調しても予算は増えない。中国やソ連とはこれから国交を結ばなければならないから、余計なことは書けない。ここはひとつ日本に協力してもらい、敵ということになってもらわねば困る――というのです。

 当時は予算獲得用に「日本は仮想敵」と言っていた。誰もそうは思わないから、安心してそう言っていたのです。この頃は実に深い“信頼関係”があったのです。

米軍は助けてくれない

—「日本が攻めてくる」と考える韓国人が結構いるのですね。

鈴置:朴槿恵(パク・クンヘ)政権は中国と一緒になって、日本の集団的自衛権の行使容認や安全保障関連法案に否定的な姿勢を打ち出しました。

 それを支持した韓国メディアが「日本は戦争できる国になる。真っ先に襲われるのは韓国だ」と煽ったことが効いたと思います。

木村:韓国の人々が日本を本格的に仮想敵の1つと考えるようになった理由はいくつかあります。まず、彼らが今の日本社会の変化を「軍国主義への回帰」だと考えていることです。その証拠に日本は韓国に対し何やら強気になってきた――ように彼らには見える。

 さらに加え米韓同盟が揺れていることも、韓国人の対日警戒感を加速しています(「『南シナ海』が揺らす米韓同盟」参照)。

 米韓同盟が強固なら、日本とも同盟を結ぶ米国が日本の軍事的な挑発にはブレーキをかけてくれることが期待できた。

 でも米韓同盟がこれ以上、悪化すれば米国はいざという時に、韓国の側に立って動いてはくれないかもしれない。現実はともかく米韓同盟への不安は、日韓関係に対する不安にも繋がっています。

対馬を占領すればよい

鈴置:韓国の保守系サイトで面白い記事を見たことがあります。「独島に日本が攻めてくるかもしれない」と反日を煽り、日本の安保法制に反対する人に対し「そんなことはあり得ない。落ち着け」と諭した記事でした。

 筆者は「日韓関係は重要だ。つまらぬ反日をやめよ」との意図から記事を書いていました。しかし「日本の侵攻はあり得ない」理由の1つに「仮に独島を取られたら対馬を占領し、島民を人質に独島返還を交渉すればよいから」を挙げていました。

 これを日本人が読んだら日韓関係はさらに悪化するだろうな、と思ったものです。対馬攻撃論の背景には、韓国で最近高まる「対馬・韓国領土論」が背景にあります。日韓の領土紛争のタネは竹島に留まらないのです(「『対馬は韓国のものだ』と言い出した韓国人」参照)。

木村:先ほど鈴置さんは「日本にとって韓国はロシア並みの国になったか」との感慨を漏らしました。一方、韓国は日本を「北朝鮮並み」に扱うようになっています。金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)の進歩派政権は、危険な北朝鮮を対決ではなく、融和政策で抑え込もうとしました。

 「厳しい北風ではマントを脱がせることはできないが暖かい太陽なら……」というわけです。今度は日本に対し「太陽政策」を始めたように思われます。ただし、本当にいい関係を作れるとは考えておらず、あくまで計算づくの戦略として、です。

日本の頭を撫でる

—「日本は北朝鮮並み」ですか?!

鈴置:「日本人は野蛮で強大な軍事力を持つ。だから常に侵攻意図がないか調べ、頭を撫でておく必要がある」というのが韓国の伝統的な日本観です。昔から本音ベースで「日本は乱暴者」なのです。

 柳成竜(ユ・ソンヨン、1542-1607年)という文禄・慶長の役(1592―1593年、1597―1598年)当時の朝鮮の宰相がいます。この戦争――朝鮮の呼び方で言えば、壬辰倭乱を詳細に記録した『懲毖録』(ちょうひろく)を書きました。

 柳成竜は敗戦の原因を、日本を軽んじてその動向を見極めようともせず、軍備も怠っていた当時の朝鮮王朝に見出します。

 そしてこの本の冒頭には、彼よりも130年ほど前の宰相、申叔舟(シン・スクチュ、1417―1475年)が死の間際に、王に言い残した言葉を記しています。以下です。

  • 願わくば、わが国が日本との平和関係を失うことのありませんように(東洋文庫『懲毖録』7ページ、朴鐘鳴=パク=・チョンミョン訳)。

 1443年、若き申叔舟は朝鮮通信使の一員として室町時代の日本を訪れた経験がありました。1471年に刊行した『海東諸国紀』では日本の軍事力の強力なことと、上手になだめすかす重要性を説きました。

朴政権は壬辰倭乱を招く

—日本人は野蛮だから、乱暴してこないよう頭を撫でておくわけですね。

鈴置:その通りです。いまだに韓国の新聞では「何をしてくるか分からない日本」への警戒を呼び掛ける際『懲毖録』か『海東諸国紀』を引用することが多い。「そろそろ……」と思っていたらやはり、2冊とも引用する記事が登場しました。

 尹平重(ユン・ピョンジュン)韓神大教授が朝鮮日報に寄せた「日本、その永遠の烙印」(11月6日、韓国語版)です。以下がポイントです。

  • 『海東諸国紀』の序文で申叔舟は「外敵と向き合う方法は、外征ではなく内治にある」と強調した。日本を「力が非常に強い」国と規定した上で、将来の安全保障の危機に対処するためにも朝廷の綱紀を正すことが最優先課題だと力説したのだ。
  • およそ100年後に壬辰倭乱を招くことになった朝鮮王朝の国政の乱れを予見した記述であり、2015年現在の朴槿恵政権における、外交・安全保障チームの総てに渡る乱脈への警告としても読める。
  • 壬辰倭乱を省察した柳成竜は「日本と近しく」という申叔舟の遺言を『懲毖録』の冒頭に載せた。血と涙の遺言は、21世紀の今も有効だ。

 なお、尹平重教授は引用部分で日本を「外敵」と上品に表現していますが、朝鮮総督府が昭和8年に出版した『海東諸国記』を国立国会図書館のデジタルライブラリーで見ると、原文は「夷狄」(コマ番号6、2行目)です。岩波文庫版(田中健夫訳注)でも「夷狄」(14ページ)です。

 日本をなだめるどころか怒らせた朴槿恵政権への批判です。反日から卑日へ、そして警日へと韓国人はなかなか忙しいのです。

日中が衝突したら……

木村:日本との軍事対話により「軍国主義化する日本」の脅威が自らに向かないようにしたい――と今、韓国人が願っているのは間違いありません。

 韓国人のもう1つの懸念は中国です。日本と中国が尖閣諸島を巡って軍事衝突する可能性が生まれた。それには米国も何らかの形で関与する可能性がある。韓国には、日米VS中の争いにどうしたら巻き込まれずに済むか、という大きな課題が突きつけられています。

—やはり、日韓関係には中国の影が大きく差すのですね。

(次回に続く)

前回から読む)

 日中が衝突したら韓国は中国側に付くのか――。神戸大学大学院の木村幹教授と展開を読む(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

半妖怪の韓国

前回は日韓関係が悪化し、信頼関係も消えた今こそ、紛争の予防を真剣に考える必要があるとの話でした。

鈴置:日韓関係が良くなることは――日本人が韓国に気を許すことは今後、まずないと思います。「韓国はねずみ男」との認識が広まったからです。

—「早読み 深読み 朝鮮半島」の書籍化第1弾である『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』で使った「ゲゲゲの鬼太郎」モデルですね。以下、プロローグの「中国の空母が済州島に寄港する日」から引用します。

  • 読んでくれた知り合いの1人は「韓国って『ゲゲゲの鬼太郎』に出てくる『ねずみ男』のような国なのですね」と言った。確かに、米国たる目玉親父や、日本たる鬼太郎の側にいるようで、肝心な時は妖怪側――中国につくのが「ねずみ男」だ。
  • 日本は今、韓国を注視する必要がある。中国を極度に恐れ、敏感に動く韓国を通じてこそ中国やアジアの先行き、あるいは「新グレートゲーム」の帰趨を見通すことができるからだ。
  • 鬼太郎はねずみ男の言動が怪しくなった時、妖怪がこっそりと近寄ってくるのを感得する。韓国を観察するのはそれと似ている(7ページ)。

尖閣で衝突したら……

鈴置:2013年2月に出版した本です。たった3年弱前の日本には「韓国はこちら側の国」と信じていた人が多かった。

 そのため「韓国は半妖怪」と書いたこの本は驚きを持って読まれました。それが今や「『半』も取れて完全に『妖怪』ですね」と言ってくる人が相次ぎます。

 韓国は中国による南シナ海の軍事基地化に関しても、米国を明確に支持しない。様々の米中対立案件でほぼ、中国側に立つようになったからです(「米中星取表」参照)。まだ、米韓同盟は存在するけれど、韓国の言動は中国の衛星国そのものです。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年11月12日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の対中批判要請を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にも関わらず韓国は参加

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

木村:「妖怪」という表現はどうかと思いますが、かつてとは状況が変わってしまった。だからこそ、新たな関係をどう作るかを考えなくてはなりません。

 万が一、日本と中国が尖閣諸島を巡って軍事衝突する事態になれば、米国も何らかの形で関与する可能性も出てきました。韓国には「日米 VS 中の争いにどうしたら巻き込まれずに済むか」との死活的な課題が突きつけられた形です。

中国と一緒に日本を叩く夢

鈴置:韓国人の相当数が「中国側に立って日本をやっつけよう」という心情にあると思います。2015年2月、わざわざ私に「日中が戦争したら我が国は中国側に付くぞ」と言いに来た韓国人がいます。

 この人は近未来小説『朝鮮半島201Z年』を読んで、2012年2月に「離米従中などあり得ない」と“抗議”に来たことがありました。

 その3年後には「米中間では中立」とがらりと立場を変え、日本人に対しては「俺の後ろには中国がいるからな」と肩をいからせるようになったのです。

木村:日中両国が本当に軍事衝突した際には中国側に立ちたいと思う韓国人が、ある程度いるのは事実です。でも、実際にそれをやったら韓国は、米国を自動的に敵に回してしまいます。

 日中間で軍事的衝突が起きれば、一定の確率で日米同盟が発動されます。その時、韓国が中国に加担すれば、米韓同盟は基盤から崩壊してしまいます。

 TPP(環太平洋経済連携協定)に参加しなかったことで、すでに韓国は経済面では「中国側」と疑われています。

 軍事面でも「中国側」を完全に選択してしまうと、かろうじて握っている米国とのロープが切れてしまいます。

中立を宣言して洞ヶ峠

—「『南シナ海』が揺らす米韓同盟」で先生が使った例えですね。韓国はルビコン河で溺れ、中国側に流れ着いたがまだ、米国側につながる長いロープ――米韓同盟だけは握りしめているという……。

鈴置:韓国人に米韓同盟を打ち切るハラは今のところ、ないでしょう。

木村:だから韓国は、日中間で軍事衝突が起きた際に中立を宣言できる根拠を作っておきたい。中国が日本と衝突する時には韓国に対し、直接的な軍事的支援ではないにせよ、何らかの形で「支持」を要求するのはほぼ確実ですから。

 その場合、中国に対し言い訳するためにも韓国は、米国はもちろん、日本との軍事的なつながりを残しておく方が得策です。

 少なくとも最低限、日米の軍事的脅威が自らに向けられるのは絶対に避けたいところ。韓国が最近、歴史認識問題で対立する一方で、「軍事」で日本との交渉を急ぐ傾向にあるのは、そのための下準備でもあると思います。

—洞ヶ峠を決め込むわけですね、韓国は。

中国の談話をコピペ?

鈴置:でも、中国がそんな言い訳を認めるとも思えません。すでに「日本の再軍国主義化反対キャンペーン」には韓国も参加させています。

 2014年7月3、4日の中韓首脳会談で朴槿恵大統領は習近平主席とともに「日本の集団的自衛権の行使容認」に関し、「日本に対する憂慮」を表明しました。

 韓国政府筋は「中国に抵抗したが押し切られた」と弁解しています。しかし、そんな弁解をするほどに「中国にNOと言えない韓国」を告白することになってしまうのです。

 安全保障関連法案が2015年9月19日未明に成立すると、中国外交部は直ちに以下の談話を発表しました。

  • 戦後日本の安保政策でかつてなかった行動だ。平和路線を維持し安保面で慎重に行動し、地域の平和と安定に尽くすよう強く求める。

 韓国外交部は少し遅れ、同日朝になって以下のような報道官論評を発表しています。

  • 日本は戦後一貫して維持してきた平和憲法の精神を堅持し、地域の平和と安全に寄与するよう透明な形で推進すべきだ。

 よく似ています。韓国の論評は中国の談話をコピペしたかに見えます。対日批判する時も、中国に「右へならえ」するのです。韓国はヘビに睨まれたカエル状態になっています。

日本にスワップを要求

木村:鈴置さんの言うように、日中有事の際に韓国が中国に「NO」と言うのは次第に難しくなっていくでしょう。

 でも、そうした大状況を変えられないからこそ韓国は、何とか中国の言いなりにならないための材料を作りたいのです。そして材料は多ければ多いほど良いのです。

—11月2日の日韓首脳会談では話題にならなかったようですが、通貨スワップを日韓は結び直すことになるのですか?

鈴置:10月26日、経団連との会合で韓国の全国経済人連合会が「スワップ再開」を求めました。韓国紙にも必要性を訴える意見が2015年夏頃から載るようになりました。

 米金利の引き上げとともに資本逃避が起きて、また通貨危機に陥るとの危機感が高まったからです。

 でも、下手に大声で頼むと「やはり韓国は外貨不足なのだな」と市場に見なされ、本当に危機に陥ってしまう可能性があります。

—日本がスワップに応じれば、問題は起きないのでは?

非礼を覚えている日本

鈴置:日本が応じるかは不透明です。2008年にスワップが決まった後に、日経のインタビューを受けた韓国の企画財務相が「日本は決断が遅い。それでは大国に見なされない」と日本政府を叱りつけました。

 1997年の通貨危機の際は、米銀が逃げ出す中も邦銀が最後までドルをつないだのに、今や韓国紙は「日本のために通貨危機に陥った」と書くようになっています(「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。

 財務省や金融界はこうした「非礼」を覚えています。政界にも韓国を助けてやろうとする有力者はほとんどいなくなった。

 李明博(イ・ミョンバク)前大統領の竹島上陸や天皇への謝罪要求、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の言いつけ外交に反発する支持者から「日韓議員連盟を脱退しろ」と議員に電話がかかってくる時代です。

 近未来小説『朝鮮半島201Z年』で、韓国に対し日本が「ドルが欲しければ中国から借りたら?」と突き放すくだりを入れました(129ページ)。2010年に出版した本ですが、その頃から日本、ことに金融界の空気は変化していたのです。

通貨は中国と同盟

—米国に「貸してくれ」と頼む手はありませんか?

鈴置:米国は日本以上に韓国に怒っている。米国に守ってもらっているのに、中国の要求ばかりきくからです。

 米国はスワップに応じないばかりか、1997年の通貨危機の時のように日本に「韓国とのスワップは拒否しろ」と指示するのではないか、と見る関係者が多いのです。

 「ねずみ男」に甘い顔をしていると「自分は妖怪の仲間とは見破られていない」と勘違いし、ますますつけあがるからです。

—米国も拒否するとなると、ますます『朝鮮半島201Z年』の展開ですね。

鈴置:そもそも通貨の世界で、韓国はドル陣営から人民元陣営に鞍替え済みです。韓国はスワップの7割を人民元に頼るようになりました(「韓国の通貨スワップ」参照)。

韓国の通貨スワップ(2015年11月12日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 10月11日 2017年 10月10日
UAE 200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル) 2013年 10月13日 2016年 10月12日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル) 2013年 10月20日 2016年 10月19日
豪州 50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル) 2014年 2月23日 2017年 2月22日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル) 2014年 3月6日 2017年 3月5日
CMI<注> 384億ドル 2014年 7月17日  

 

<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)はIMF融資とリンクしない場合は30%まで。

資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)

 1997年の通貨危機の際、韓国はIMF(国債通貨基金)の救済を受け、その直後に日本からドルを借りました(「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。当時は中国から外貨を借りるなどとは想像もできなかったのです。

 2008年の危機の際には米、日、中の3カ国にスワップを結んでもらい、実際は米国だけからドルを借りました。

 それが今や全面的な中国頼みになったのです。韓国は貿易、通貨戦線で陣営を替えたうえ「そろそろ安全保障でも」といった状況にあるのです。

対越輸出が対日超える

 ちなみに、2015年1―10月の韓国の輸出額の国・地域別順位は1位が中国で2位が米国。2001年以降、長らく3位だった日本は5位に落ち、代わりに香港が3位に、ベトナムが4位に上がりました。

 サムスン電子の大規模スマホ工場があるため、ベトナムへは韓国からの電子部品の輸出が増えているのです。それにしても、韓国の対日輸出が対越輸出に抜かれる日が来るとは、ほんの数年前まで想像もできませんでした。

木村:聯合ニュースが「中国で人民元建て韓国債発行 早ければ年内にも」(11月9日、日本語版)を打っていました。

鈴置: 10月31日の中韓首脳会談での合意を受けたものです。本来は需給調整用の外貨を調達するのが目的の国債です。中韓間の貿易決済で人民元建てが増えているのでそれへの備えだ――と、韓国政府は説明しています。

 でも、本当は中国への援護射撃が狙いでしょう。中国は今、人民元をIMFのSDR(特別引き出し権)の準備通貨に採用してもらおうと動いています。

 韓国が人民元建て国債を発行すれば「国際通貨」とのイメージが増すので、採用を後押しできるとの計算です。米国や日本にとっては「妖怪の通貨」が世界に広がるのは嬉しくないのですが。

脆くなった米韓関係

—米韓関係はそこまで脆くなっているのですね。

鈴置:オバマ(Barack Obama)大統領が朴槿恵大統領を横に置いて「米中どちらの味方なのだ」と追い詰めたのを見て、世界がそれを実感しました(「蟻地獄の中でもがく韓国」参照)。

—両国はそれを取り繕うことができるのでしょうか?

木村:米国とすれば、韓国が何か具体的な対米協力の意思を示してくれると嬉しいでしょう。例えば、現在建設中の済州島の海軍基地の、有事の際の使用許可です。

鈴置:韓国と北朝鮮が軍事的な衝突を起こした際、韓国はもちろん米海軍の済州島への寄港を大歓迎するでしょう。問題は日中の紛争時です。

 仮に米空母が済州島に寄港しようとすれば、中国は黄海封鎖が目的と見なし、韓国に「受け入れるな」と命じるのは確実です。

 これを見越して韓国は、米艦船が無制限に済州島に寄港しないよう、何らかの歯止めをかけておきたいでしょうね。

反日国家の苦境

木村:となると、韓国が米国に誠意を見せるのは、在韓米軍の駐留経費をこれまで以上に分厚くする――あたりが関の山かもしれません。

 見返りに、北朝鮮有事への警戒を強める韓国も米陸軍を呼び戻す――とまではいかなくても、その削減スピードを落とすことを期待できます。これなら中国の直接的脅威とはならないので、韓国が米中板挟みに陥る可能性も低い。

 米韓の綻びを取り繕う動きを日本は注視すべきです。例えばこの仮説のように、韓国が米軍への待遇を向上させれば、米国は当然日本にもそれを要求するでしょう。米韓同盟が揺らぐからこそ、日米同盟もまた、その内容が問われていくことになります。

 日本の一部に、韓国の状況を「反日国家が苦境に陥っている」と冷笑する向きがあります。しかし変化する国際情勢の中で、立ち位置が問われているのは日本も同じなのです。

2人の釣り師と2匹の魚

鈴置:同感です。韓国はいざとなれば米韓同盟を打ち切って、中立を宣言すればいい。それは実質的に中国の属国に戻る道ですが、だからと言って米国から軍事攻撃を受けはしません。

 一方、日本は中国に立ち向かうことを決めました。「南シナ海はすべて中国のものだ」などというめちゃくちゃな主張を認めるわけにはいかないからです。

 日本は中国から、軍事を含めますます圧迫を受けることになります。それは今後、ずっと続くのです。韓国よりも日本の方が大変なのです。

木村:米中両国が力任せに自国の国益を実現しようとする中、日本も何が最も重要な国益であり、それを守るためには何をすべきかをきちんと考えておくべきでしょう。

 日清戦争のころの新聞漫画に「朝鮮という魚を釣り上げようとして釣り糸を垂れる日清両国と、その魚を横取りしようと狙っているロシア」という有名なものがあります。

 今の国際情勢も似た状況になっています。うかうかしていると、米中という2人の「釣り師」の間で、韓国も日本も「釣り上げられていく魚」になるかもしれません

11/11 ダイヤモンドオンライン 北野幸伯『米国超大物スパイが明かす、中国「世界制覇」の野望』について

何故アメリカは中国に甘く、ロシアに厳しいのだろうか?単なるオリエンタリズムとも思えません。中国は賄賂社会ですが、ロシアだって陸上競技のドーピング問題では組織的に関与していた疑いが濃厚です。両国とも似た者同士に見えるのですが。ロシアはキリスト教(正教)、中国は拝金教(道教、仏教とか言われますが、「中国冥民銀行」発行の「紙銭」という偽札を燃やしたり、紙のダッチワイフを燃やしたり、物欲一辺倒です)で違いますが。勿論、キッシンジャーを筆頭に中国は合法的かどうかは知りませんが要人に金を配って歩いていると思います。周永康の収賄額1兆6000億円を考えると、米要人にも、法外な金が流れていると見るのが正しいでしょう。結局、人間は「金」に転びやすいということです。中国を豊かにすれば、軍拡だけでなく、世界に悪徳を蔓延らせるから、一旦崩壊させ、もっと透明度の上がる仕組みに移行させないと。

アメリカの世界戦略は往々にして間違えます。日本と太平洋を挟んで戦争したのがその最たるもの。結局、中国大陸を赤化してしまって、「中国の門戸開放」を要求していたのにパーになってしまったわけです。馬渕睦夫氏によればそれも英国のユダヤ人の陰謀でそうしたのだという解釈ですが。

百年マラソン(中華人民共和国創立の1949年~2049年)とピルズベリーは捉えていますが、アメリカに対する復讐と言うか、西洋に対する復讐はもっと前から考えていたでしょう。1840年からのアヘン戦争でイギリスに敗れた辺りからではないか。ただ当時の大清帝国は満州族による統治ですが、漢民族の文化に取り込まれていました。今のアメリカもイギリスに取って代わった西洋の代表選手と思っているに違いありません。

中国は世界制覇の野望を隠そうとはしなくなっています。米国の外交・軍事頼みだけでは限界があります。多国間の同盟と、日本の核武装化(憲法問題にはならない)、軍事予算の拡大が求められます。

記事

米中の対立が激化している。現在起こっている米中の対立は、一過性のものなのだろうか?それとも、「米ソ冷戦」のように長期的なものなのだろうか?この疑問に答えを与えてくれる「衝撃の書」がある。

米中関係改善に貢献した米国の超大物スパイが暴露本を出版!

 米国は9月、訪米した習近平国家主席を「冷遇」し、両国関係の悪化が全世界に知れわたった。翌10月末、米海軍は、「航行の自由」作戦を実施。米中の軍事衝突を懸念する声が、聞かれるようになった。

米国はいよいよ、本格的に中国を倒す決意を固めた。米中対立は一過性のものではなく、戦いは長期化するだろう 

 現在起こっている米中の対立は、一過性のものなのか、それとも「米ソ冷戦」のように長期的なものなのか?この疑問に答えを与えてくれる「衝撃の書」がある。米国を代表する超大物「パンダ・ハガー」(パンダを抱く人=親中派)だったマイケル・ピルズベリーの最新作「China2049 秘密裏に遂行される『世界覇権100年戦略』だ。今回は、この本から、米中関係の変遷を読み解いて行く。

 ピルズベリーは現在、ハドソン研究所中国戦略センターの所長であり、米国防総省の顧問も務めている。また、米国の政策に大きな影響力を持つ、「外交問題評議会」「国際戦略研究所」のメンバーでもある。

 そうした「表の顔」の他に「裏の顔」も存在する。本に書いてしまっているので、「裏の顔」ともいえないが、ピルズベリーは24歳の時から、米国のスパイとして働いてきたのだ(40p)。米国の「対中政策」に40年以上深く関わってきたピルズベリーは、この本の中で、「米中関係」の驚くべき「裏話」をたくさん披露してくれている。

 よく知られていることだが、米中関係が劇的に改善されたのは、1970年代はじめだった。米国は、冷戦のライバル・ソ連に対抗するために、「中国と組む」ことにした。主導したのは、ニクソン大統領とキッシンジャー大統領補佐官といわれる。特にキッシンジャーは、「米中関係を劇的に改善させた功績」により、「リアリズム外交の神様」と評価されている。

 ピルズベリーは当時20代半ばだったが、「米中和解」に大きく貢献した。ニクソンとキッシンジャーは1969年、「中国と和解した時、ソ連との関係が過度に悪化するのではないか」と恐れていた。ピルズベリーは、ソ連人から情報を入手し、「米中が和解しても、ソ連は米ソ緊張緩和の動きを止めない」ことを伝えた人物だったのだ。

 <ほかならぬわたしがソビエト人から得ていた情報に後押しされて、ニクソンとキッシンジャーはついにその気になったのだ。

 わたしが得た情報とは、「米中が接近しても、モスクワは緊張緩和への動きを中断しないだろうし、中国のあてにならない申し入れをアメリカが受け入れることを大方予測している」というものだ。

 アルカディ・シェフチェンコとクトボイは、まさにその通りのことをわたしに語っていた。>(88p)

「キッシンジャーは毛沢東の計略にはまった」  鄧小平時代には米中「蜜月」に

 しかし、この本にはもっと重要なことが書かれている。「米中和解」を「真」に主導したのは、ニクソンでもキッシンジャーでもなく、中国だったのだ。

 <この交渉を始めたのは、ニクソンでもなければキッシンジャーでもなかった。(中略)

 ニクソンが中国を訪れたのではなく、中国がニクソンのところへやってきたのだ。>(82p)(太線筆者。以下同じ)

 キッシンジャーは71年7月、極秘で中国を訪問。そして、72年2月、ニクソンは歴史的訪中を実現させた。キッシンジャーはすっかり毛沢東に魅了され、中国に取り込まれてしまう。

 <キッシンジャーは毛の計略にまんまとはまり、ニクソンに、「中国は英国に次いで、世界観がアメリカに近い国かもしれない」と告げた。

 中国の戦略を疑う気持ちはみじんもなかったようだ。>(96p)

 当時49歳だったキッシンジャーの「中国愛」は、以後40年以上つづくことになる。こうして、米中関係は劇的に改善された。

「ソ連と対抗するために、中国と組む」−−。これは、論理的に非常にわかりやすいし、米国の立場からすれば「戦略的に間違っていた」とはいえないだろう。両国関係は、毛沢東が76年に亡くなり、鄧小平がリーダーになった後、さらに深まっていく。

 <西洋人にとって鄧は、理想的な中国の指導者だった。

 物腰が穏やかなおじいさんのようでありながら、改革精神に富むバランスのとれた指導者。

 要するに、西洋人が会いたいと思う人物だったのだ。>(101~102p)

 そして、米国は、この「理想的な指導者」を、惜しみなく支援することにした。

 <カーター(註、大統領)と鄧は、領事館、貿易、科学、技術についての協定にも署名したが、それは、アメリカが中国の科学者にあらゆる種類の科学的・技術的知識を提供することを約束するもので、結果的にアメリカの科学的・技術的専門知識の史上最大の流出を招いた。>(111p)

 こうして「理想的な指導者」鄧小平は、米国(と日本)から、ほとんど無料で、奪えるものを奪いつくし、中国に「奇跡の成長」ともたらすことに成功する。まさに、中国にとって「偉大な指導者だった」といえるだろう。

天安門事件と冷戦終結で関係にヒビ 驚きの「クリントン・クーデター」が勃発

 80年代末から90年代初めにかけて、米中関係に大きな危機が訪れる。理由は2つあった。1つは、89年6月の「天安門事件」。人民解放軍は、「民主化」を求める天安門のデモを武力で鎮圧し、数千人の死者が出た。もう1つは、「冷戦の終結」である。

 「ソ連に対抗するために中国と組む」というのが米国側の論理だった。では、「ソ連が崩壊した後、中国と組みつづける理由は何か?」という疑問が当然出てくる。そして、この2つの大事件は、確かに米中関係を悪化させた。時の大統領は、クリントンだった。私たちが抱くイメージとは違い、「クリントンはどの大統領より強硬な対中路線を敷いた」と、ピルズベリーは断言する。

 <大統領選のさなかには、「ブッシュ大統領は、北京の肉屋を甘やかしている」と攻撃した。

 クリントンが大統領に就任するとすぐ、国務長官のウォーレン・クリストファーは、上院外交関係委員会でこう宣言した。

 「わたしたちの政策は、経済力の強化と政治の自由化を後押しして、中国における共産主義から民主主義への広範で平和的な移行を手助けすることだ」>(140~141p)

 米国が反中に転じることを恐れた中国は、なんと米国政府内に「強力な親中派グループ」を組織し、クリントンの「反中政策」を転換させることにした。ピルズベリーによると、「親中派グループ」には、国家安全保障担当補佐官トニー・レイク、副補佐官サンディ・バーガー、国家経済会議議長ロバート・ルービン、財務次官ローレンス・サマーズなどが含まれていた。

 ルービンは、元ゴールドマンサックスの会長で、後に財務長官になっている。サマーズは、ハーバード大学の経済学者で、ルービンの後に財務長官になった。確かに「強力」だ。「親中派グループ」は、政治家の味方を増やしていった。そして、何が起こったのか?

 <ついに1993年末、中国が現在、「クリントン・クーデター」と呼ぶものが起きた。

 中国に同調する面々が大統領に反中姿勢の緩和を認めさせたのだ。

 クリントンがかつて約束したダライ・ラマとの新たな会談は実現しなかった。

 対中制裁は緩和され、後に解除された。>(143p)

 驚くべき事実である。中国はなんと、米国の外交政策を180度転換させることに成功したのだ。

米国から覇権を奪い復讐する! 驚きの中国「100年マラソン」計画

 このように、米中は、「想像以上に深い関係」であることが、この本によって明らかにされている。そして、60年代末からつい最近まで、ピルズベリーは「米中関係を良好にするために」尽力してきた。

 しかし、ここからが、最も重要な話である。ピルズベリーは「中国にだまされていたことに気づいた」というのだ。きっかけは、クリントン政権時代の90年代後半までさかのぼる。ピルズベリーは、国防総省とCIAから、中国の「米国を欺く能力を調べるよう」依頼された。彼は、諜報機関の資料を含むあらゆる情報にアクセスし、研究を行った結果、驚くべきシナリオが見えてきた。

 <これらのタカ派は、毛沢東以降の指導者の耳に、ある計画を吹き込んだ。

 それは、「過去100年に及ぶ屈辱に復讐すべく、中国共産党革命100周年にあたる2049年までに、世界の経済・軍事・政治のリーダーの地位をアメリカから奪取する」というものだ。

 この計画は「100年マラソン」と呼ばれるようになった。

 共産党の指導者は、アメリカとの関係が始まった時から、この計画を推し進めてきたのだ。

 そのゴールは復讐>(22p)

 しかし、当時はピルズベリーのこの見解を、ほとんど誰も信じてくれなかった。その後、「中国が世界制覇を狙っている」という彼の確信はゆっくりと強まっていく。

 2006年、国防総省の顧問になっていたピルズベリーは、ウォール・ストリート・ジャーナルで、「私の使命は、国防総省が『パンダ・ハガー』(=親中)にならないようにすることだ」と主張。 そして、「中国政府はアメリカを避けられない敵と見なし、相応の計画を練っている。だから、わたしたちは警戒を怠ってはならない」と警告した。

   中国は、大物パンダ・ハガーの裏切りに激怒した。以後、今まで交流のあった中国人政治家、学者、軍人などとの交流は断ち切られ、中国行きのビザも、なかなか出なくなった。しかし、ピルズベリーはその後も揺れ続けていたらしい。こんな記述もある。

 <2009年になっても、同僚とわたしは、中国人はアメリカ人と同じような考え方をすると思い込んでいた。>(316~317p)

 そして、彼が決定的に反中に「転向」したのは、13年だという。

 <2013年の秋に北京を訪れて初めて、わたしは自分たちが間違っていたこと、そして、アメリカの衰退に乗じて、中国が早々とのしあがりつつあることに気づいた。>(318p)

「China2049」が示す米中関係の未来

ここまで「China2049」の内容に触れてきた。ここで書いたことだけでもかなり驚きだが、他にも驚愕の事実が山盛りなので、是非ご一読いただきたい。

 次に、「この本の位置づけ」について考えてみよう。15年3月、親米諸国が米国を裏切り中国側についた「AIIB事件」が起こった時、筆者は「米国は必ず逆襲する」と書き、その方法についても予測した。(詳細はこちらの記事を参照)あれから半年が過ぎ、予想通り米中関係は、急速に悪化している。

 問題は、最初に触れたように両国の対立が「一過性のもの」なのか、「長期化する」のか、である。

 ところで、この本の冒頭には、「機密情報が漏えいしないよう、CIA、FBI、国防長官府、国防総省の代理によって査読を受けた」とある。つまり、この本には、CIA、FBI、国防総省もかかわっているのだ。巻末には、「謝辞」があるが、その中に、こんな一文がある。

 <ヘンリー・キッシンジャーは中国人の考えを深く理解しており、その知識に基づいて直接的にも間接的にも支援してくれた。>(360p)

 かつて米国ナンバーワン「パンダ・ハガー」だったキッシンジャーが、全面的に協力している。これは、「キッシンジャーが親中派をやめた証拠」といってよいだろう。大物親中派ピルズベリーとキッシンジャーの転向により、今後米国で「パンダ・ハガー」でいることは困難になるだろう。無理に親中派をつづければ、中国との「黒い関係」を疑われるようになる。

   そして、冒頭にある「推薦の言葉」は「決定的」だ。ウールジー元CIA長官は、中国について、こう書いている。

 <本書が明かす中国の真の姿は、孫子の教えを守って如才なく野心を隠し、アメリカのアキレス腱を射抜く最善の方法を探しつづける極めて聡明な敵だ。

 我々は早急に強い行動を取らなければならない。>

 元CIA長官が、ある国について「敵」と名指しするのは、よほどのことだ。そして、ピルズベリー自身は、「アメリカはこのマラソンの敗者になろうとしている」と警告している。さらに、「中国が覇権をとった暗黒の世界」を描き、そうならないために「米国が中国に勝利する方法」まできっちり解説している。

   これらすべての事実からわかることは、「中国の世界覇権の野心を知った米国支配層が、中国打倒の決意を固めている」ということだ。つまり、現在の「米中対立」は、「米中覇権戦争」の一環であり、戦いは「長期化」し、決着がつくまでつづく」可能性が高いのだ。私たち日本国民も、日本政府も、「今は1930年代のように、変化の激しい切実な時代なのだ」ということを、はっきり自覚しておく必要がある。

11/10日経夕刊 『新疆自治区成立60年 ウイグル 中国が抱く火種 「漢化」に反発、難民拡散』について

日経も中国の人権問題にやっと触れるようになったかと言う感じです。これも、アメリカの中国に対する態度が変わったのを見て書いたのでしょう。どうせなら、ウイグル族だけでなく、チベット族、南モンゴル族の問題をシリーズで特集を組めばよいのにと思います。

1997年小生が北京にいたときに、漢民族から聞いたのは、「ウイグル族はすぐ刀で人を傷つけるから怖い」と言っていた記憶があります。たしかにこの記事にありますカシュガルはナイフの産地でもあり、お土産屋で沢山売っていました。また、黄色いモスクとして有名なエイテイガール・イスラム寺院があります。

中国で少数民族(と言っても百万、千万単位ですが)の言葉や宗教を奪ったり、伝統をも奪うのは共産党支配だからです。それに漢民族の民族性が加わり、「人のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」ということで統治してきているのだと思います。韓国は日本が創氏改名を強制したとかありえないことをすぐデッチ上げますが、宗主国を見本として捏造しているのでしょう。

東トルキスタン共和国は第二次大戦中、中華民国から独立しましたが、国共内戦終結後すぐに共産党に奪われました。チベットも時間差があるものの同じです。中国こそ侵略国家です。

「一帯一路」は中央アジアに抜けるためには新疆を通らなければなりません。戦略的な要衝の地です。でも中央アジアはイスラムですので、逆にテロリストが中国に流入することが考えられます。今でも事件が頻発しているのに、「一帯一路」で道を開けていけば、ISのメンバーが流入する可能性もあります。エジプトでのロシア機爆破も青山繁晴氏によればインサイダーテロとのこと。内部のものの手引きで手荷物にプラスチック爆弾を入れたようです。(ブログ「ぼやきくっくり」より:

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1802.html )今後こういうケースは増えていくでしょう。

中国は内憂(イスラム)外患(米国)と二正面作戦を取らざるを得なくなるでしょう。習近平の権力奪取への焦りが失敗の元です。『あぶない一神教』の中で佐藤優は、イスラムは何故死を恐れないかと言うのを次のように説明していました。「とくにイスラム過激派は死の問題を簡単に迂回できますからね。私は人間にとって宗教が必要なのは、死の問題を扱うからと、考えています。しかし彼らは死の問題と向き合っているように思えない。彼らは、生き残っても死んでも目的を果たしたと考える。テロを行って失敗したらシャヒード(殉教者)になって、天国で72人の処女と楽しく過ごせる。もし生き残って戦闘に勝利した場合は地域の支配を任されて、現実の世界で力を誇示できる。生と死、どう転んでも勝ちが約束されている(P.128~129)」とありました。宗教的確信を持ったものは、一向一揆のように、戦闘では手強いです。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%83%88%E3%83%AB%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88

Id Kah Mosque

エイテイガールモスク

記事

中国新疆ウイグル自治区が成立から60年を迎えた。中国政府は高度な自治と経済開発の恩恵を強調するが、民族対立の火種はくすぶったままで、現地では当局に暴力で抵抗する負の連鎖が止まらない。根底にあるのは宗教や文化への締め付け、中国語の強要といった「漢化政策」への反発だ。各地に「ウイグル難民」があふれ出すなど、問題は世界に拡散し始めている。

xinjiang

 北京市の中央民族大学。9月に上京したばかりというウイグル族の那比さん(仮名、19)は予科クラスで漢語(中国語)を学ぶ日々だ。「いっぱい漢語を勉強して、将来は故郷で起業したい」。たどたどしく夢を語ってくれたが、自治区の治安悪化やタイの爆弾テロ事件に話題が及ぶと表情が一変した。「そんなこと知らない。ウイグル族はみんないい人……」

 那比さんは漢化政策の影響を最も受ける世代だ。出身地のカシュガル地区は自治区南西部に位置し、伝統的なイスラム教文化を残す地域として知られる。だが最近は国家主導の大規模開発が進み、現代風の高層マンションや大型商業施設が次々と立ち並び始めた。アニメ好きという那比さんも親が比較的裕福な公務員で、小さいときからテレビやスマートフォンなど高価な機器に囲まれて育った。

 「お祈り? 一回もしたことがない」。共産党は公務員の家庭に宗教行為を禁じている。さらに当局の統制を受け、中国の報道各社は民族問題に絡む「不都合な真実」を一切報じない。那比さんも自治区や世界でいま何が起きているか全く知らないという。「私はおかしいの?」

宗教慣習許さず

 自治区設置の1955年から60年、域内総生産(GDP)は120倍に急拡大したが、漢民族の大量入植も進み、今では自治区の人口をウイグル族と二分するまでに急増した。歴代の自治区トップは全員が漢民族で、地下に眠る石油などの豊富な天然資源も漢民族主体の国有企業が利権を独占する。自治区とは名ばかりの共産党支配が続く。

 カシュガル地区のウイグル族男性によると、昨年夏には車で赤信号を無視しようとした若者が「テロ分子」として武装警察に射殺される事件があった。礼拝のために民家に集まった主婦や老人が「テロを画策している」と連行されることも珍しくないという。

 現地では男性のひげや政府指定の民族衣装以外の着用を禁止するなど、宗教慣習への締め付けも強まる。これに反発したウイグル族による暴力事件や警官襲撃も止まらない。

 さらにいま深刻になっているのが「ウイグル難民」問題だ。ベトナムと国境を接する広西チワン族自治区の憑祥市では、警官隊が深夜の山岳地帯で象牙の密輸ルートを使って密出国を試みるウイグル族の集団を取り締まっている。今年1月にはウイグル族の1人が市内の住宅街に逃げ込み、警官隊の銃撃を受けて死亡する事件も起きた。

 新疆からは3千キロメートルも離れた場所だが、射殺される危険をも冒しながら、毎月5千人にも上るウイグル族が海外逃亡を試みているという。「新疆での弾圧から逃れるため」(関係者)で、7月にタイ政府が中国に強制送還したウイグル族も、こうした逃避行の果てに拘束された人々だった。

沈黙続ける世界

 8月にはバンコクでウイグル族組織が関与したとされる爆弾テロが起きたが、国際社会は中国の経済力になびいて見て見ぬふりを続ける。「中国政府の新疆建設に明るい先行きを持っている」。9月下旬には英国のオズボーン財務相が英閣僚として初めて新疆を訪れ、現地の発展ぶりを持ち上げてみせたが、世界が自治区の現状に対して沈黙を続ければ、漢化政策による「ウイグル問題」はさらに混迷を深めそうだ。

(北京=阿部哲也)

ウイグル族

 主に中国西部の新疆ウイグル自治区で暮らし、2200万人強いる同自治区の人口の約半数を占める。トルコ系遊牧民族を起源とし、シルクロード交易全盛期の9世紀ごろ、モンゴル高原から移住してきたとされる。イスラム教徒が多く、独自の言語を使い、中国の歴代王朝から「西域」と呼ばれる固有の文化圏を形成したが、18世紀半ばに清朝が一帯を征服して統治下に置き、1949年に中華人民共和国に統合された。

11/10ZAKZAK 加賀孝英『中台会談の裏に「海峡危機」再来の懸念 不満鬱積で不穏な中国軍』11/11日経ビジネスオンライン福島香織『分断後初の中台首脳会談、意義見えず 名を残すために台湾を売る馬英九の愚』について

「92年コンセンサス(92共識)はなかった。誰かが自分のサインを捏造したものだ」と李登輝元総統が以前の「中国時報」の中で言っていました。同じ紙面で馬総統は「92共識は間違いなく存在する」と言ってサイン入りペーパーを示していたと思います。

馬総統も本省人=中国人ですから、改竄・捏造はお手の物でしょう。そんなものに基づき、「一つの中国」を解釈するのは台湾人に失礼です。会談は、結局台湾にとって何の利益も齎さず、習近平の訪米時の扱いや南シナ海の航行の自由等、外交の失敗を救済する形となりました。馬総統は愚かとしか言いようがありません。金を習から貰ってポケットに入れるか、買収資金にするかも知れません。国民党の主流は、何せ中国人のことですからスマートに賄賂を送るやり方を知っていますので。買収を断ると付き合い上マズイと言うのであれば、受け取って、「民進党」に投票すれば良いでしょう。不法原因給付なので後で返還請求できないし、違法行為なので訴えられることもないでしょう。習VS馬は同じ中国人同士、狐と狸の化かし合いのようなものでしょう。それで台湾向けミサイルのことを「台湾には向けていない」と習が言い、馬もそれ以上突っ込まないデキレースのようなものです。

福島氏の記事にありますように、会談後の民進党候補蔡英文の支持率が5ポイント上昇して46.7%、国民党候補朱立倫の支持率は1.7ポイント下落し19%とありますので、会談は国民党にとって、来年1月の総統選には役に立たなかったというかマイナス効果しかなかったという事です。さすがKYの馬英九としか言いようがありません。習が7年間の馬の努力に感謝して会談をセットしたということはないでしょう。やはり次の蔡英文の行動を制約するためでしょう。蔡英文が言っていますように日本と産業同盟(含むTPP)を結び、中国大陸にいる台商を台湾に戻した方が良いと思います。

加賀孝英記事

 中国の習近平国家主席と、台湾の馬英九総統が先週末、シンガポールで1949年の中台分断後、初の首脳会談を行った。世界のメディアが「歴史的握手」「1つの中国を確認」などと報じたが、日米情報当局者はまったく違った分析をしている。南シナ海をめぐって「米中対立」が深刻化した習政権が、新たな台湾海峡危機を演出しかねないというのだ。衝撃的な、人民解放軍による台湾総統府制圧訓練とは。ジャーナリストの加賀孝英氏が緊急リポートする。

 「両岸(中国と台湾)のリーダーが会うことは歴史的一ページだ。いかなる力も(一家族である)、われわれを引き裂くことはできない」

 習氏は会談冒頭、笑顔でこう語った。なごやかに始まった首脳会談だが、馬氏が、中国が台湾向けに配備している約1500発もの弾道ミサイルの撤去を求めると、習氏は「あれは台湾に向けたものではない」と、笑顔でウソをつき、それ以外の台湾側の提案にも、ゼロ回答で応じた。

 ご承知の通り、シンガポールで7日、分断後初となる中台首脳会談が開かれた。会談は約1時間。世界が注目するなか、両首脳は「一つの中国」を確認したとされる「1992年コンセンサス」を確認し、平和的関係を築くことで握手を交わした。

 萩生田光一官房副長官は同日、「両岸にとって発展的な良い会談になるのだとすれば、決して否定するものではない」と記者団に語った。

 世界のメディアは「歴史的握手」などと絶賛したが、本当なのか。言うまでもなく、日本を取り巻く東アジアの安全保障にとって、中台が対峙する台湾海峡の安定は、朝鮮半島のそれと同様、最重要課題だ。「良い会談」ならば大いに評価したい。

 だが、驚かないでいただきたい。舞台裏はまったく違う。

 台湾では昨年3月、共産党独裁の中国と結んだサービス貿易協定をめぐり、数万人の学生と市民らが「中国NO!」を宣言して、立法院(国会)を約1カ月も占拠する事件(=ひまわり学生運動)が発生した。馬氏の支持率は10%前後まで低下し、同年11月の統一地方選挙では、「中台接近(統合)」に傾く馬氏率いる与党・国民党が大惨敗した。

 今後の最大の焦点は、来年1月16日に実施される台湾総統選挙と、立法委員(国会議員)選挙のダブル選挙だ。外務省関係者が語る。

 「ダブル選挙では、国民党が大敗することが確実視されている。馬氏の狙いは、習氏に泣きつき、巨額の経済支援などを引き出し、劣勢をひっくり返すことだ。歴史的握手というパフォーマンスの裏で、大バクチを打ったともいえる」

 「現状では、独立志向の強い蔡英文主席と、彼女が率いる野党・民主進歩党が勝利する可能性が大だ。こうした結果は、『中華民族の偉大なる復興』を掲げ、『台湾の統一(併合)』を目標とする習氏と中国共産党には絶対に看過できない。習氏は首脳会談で馬氏を取り込み、台湾統一工作を加速させるつもりだろう」

 仰天情報がある。以下、複数の日米情報当局関係者から得たものだ。

 「今年7月、中国人民解放軍が、内モンゴル自治区の軍事演習場に、台湾総統府を実物大で再現した建物を完成させ、特殊部隊による『武力制圧訓練』(斬首作戦=奇襲による台湾首脳らの排除)を行っていると、カナダの民間研究機関が明らかにした。衛星写真も公表された」

 「西側情報当局は『蔡氏と民主進歩党が勝った場合、中国が軍を動かして台湾に圧力をかける危険がある』という分析もしている。最悪の場合、1996年に勃発した『台湾海峡危機』の再来もあり得る。情報当局関係者は緊張している」

 台湾海峡危機とは、96年の台湾総統選挙直前、独立志向派である李登輝氏の当選を阻止するため、中国が演習と称して、台湾海峡に何発ものミサイルを撃ち込んだ事件だ。対岸に集結した中国軍も台湾侵攻の動きを見せた。当時のクリントン米大統領は2つの空母機動部隊を台湾近海に急派させ、中国の暴走を食い止めた。

 状況は今と驚くほど似ているではないか。情報はこう続く。

 「ダブル選挙は来年1月で、新総統の就任式は4カ月後の同年5月だ。万が一、第2の『台湾海峡危機』が起こるとすれば、この『魔の4カ月』が危ない」

 現在、南シナ海では、米国が、中国の国際法無視の暴挙を食い止めるため、「フリーダム・オブ・ナビゲーション(航行の自由)作戦」を発動している。米中衝突の危機が生じている。

 旧知の外事警察関係者は、以下のようにいう。

 「中国は南シナ海で、米イージス駆逐艦による『航行の自由作戦』に、手も足も出せなかった。習氏の権威は地に落ちた。軍に不満が鬱積しており、造反の動きもある。習氏は相当焦っている。何が起こるか、分からない」

 こんな情報も飛び込んできた。

 韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相が4日、ASEAN(東南アジア諸国連合)拡大国防会議で突然、米国の南シナ海での作戦を支持する発言をしたため、中国が「『あの韓国に裏切られた!』と激怒している」というものだ。

 事態は急変している。日本は情報収集を急がなければならない。

 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。

福島香織記事

来年1月に台湾の総統選挙が迫るなか、馬英九総統が、いきなり今月7日、シンガポールで中国共産党中央総書記の習近平国家主席と会談した。1949年の中台分断後、初めて中台の最高指導者が会談するという歴史的事件ではあるし、メディア関係者は当然大騒ぎなのだが、台湾世論も中国国内も国際社会も何か白けた空気である。

 支持率一桁の超絶不人気の、引退間際の、しかも国民党主席でもない馬英九が、習近平と会って互角に渡り合えるはずもない。一方、習近平は国内では権力闘争の真っ最中、党内でも国際社会でも政敵に足をすくわれないよう、細心の注意を払わなければならない時期だ。CCTVは馬英九の肉声を伝えず、襟の青天白日バッジにまでモザイクをかける小心ぶり。彼らは、いったい、何のためにこんな会談を今の時期に、急に開いたのか。

馬英九、ロスタイムの個人プレー

 オンラインで、この世紀の瞬間(?)を私も見たのだが、習近平も馬英九も非常にぎこちない笑顔で、まるで機械仕掛けの人形のように80秒以上握手し続け、シャングリラホテルの会見場につめかけた約600人のメディアの要請を受けて、あっちを向いたり、こっちを向いたりして、しっかり握りしめたお互いの手を見せつけた。次に、やはり機械人形のように30秒間、手を振り続けた。会場の記者たちはそれなりに興奮して、手を振った姿に、おーっ!と歓声を上げながら、フラッシュを浴びせかけていた。

 しかしながら、個人的な印象を言えば、2005年に野党時代の国民党現役主席であった連戦が初訪中して総書記の胡錦濤と初会談したときの方が感慨は強かった。あるいは、今年5月、与党の立場で国民党主席の朱立倫が北京の人民大会堂で習近平と会談したことの方が、国民党にとっては実質的な政治的意味はあったかもしれない。

 この会談がなぜ、急遽、今のタイミングで開かれたのか。

 個人的な憶測を言えば、馬英九にとっては、負け試合終了間際のロスタイムに、少しでも見せ場をつくっておきたくて個人プレーに走った、というところではないか。蒋介石、蒋経国、李登輝、陳水扁と歴代台湾の指導者は、いずれも何かしら偉業を成し遂げ、歴史に名を刻んだ。

 蒋介石は初代中華民国総統、蒋経国は戒厳令を解除し中華民国の台湾化を進めた。李登輝は台湾の民主化の立役者であり、陳水扁は最初の国民党以外の政権を台湾に樹立した。馬英九のやったことは台湾の中国化であるが、それをポジティブに語る台湾人は少ない。

 早い話が馬英九の政治に歴史的意義のある評価はひとつもなかった。それどころか、執政のまずさを酷評され続け、学生に立法院を占拠されるという前代未聞の事件も起きた。だが習近平と会談すれば、分断後、初の中台首脳会談を実現した総統、という箔はつく。実際、それぐらいしか、この会談の意義というのが、私には見いだせないのだ。

一部中国紙の論評では、この会談によって1月の台湾総統選および立法院選挙において国民党の追い風になる、というものがあったが、それは台湾民意に対する中国人識者の無知ゆえの過ったヨミであると思う。この馬英九政権7年半の間に、中国経済は台湾を侵食し、大手メディアのほとんどのスポンサーに中国が関わるようになったため、台湾の報道は中国ほどではないにしろ、中国批判を抑えるようになった。このため、メディアを通じてでは、台湾人がいかに中台接近、あるいは習近平政権の「中国の夢」に警戒心と拒否感を持っているかを分かっていない。

「自由時報がスクープ」の意味

 そもそも、この「歴史的会談」の一報を抜いたのは、自由時報である。アンチ国民党アンチ中国を旗印にしている新聞社だ。本来なら、この種のネタは親国民党の新聞の方がスクープしやすい。安倍政権のスクープを読売や産経が抜きやすいのと同じで理屈である。

 だが、この急な中台首脳会談のニュースは、台湾人にとってネガティブな情報として、アンチ国民党の自由時報がスクープした。単純に考えれば、ネタ元は国民党幹部筋であろう。あえて自由時報にリークしてネガティブ報道させたのは、国民党にとっても、この会談を忌々しく思う派が存在するということではないか。

 2014年3月の学生らによる立法院占拠から始まったひまわり運動を振り返っても、2014年11月の台湾統一地方選の結果を見ても、今の台湾民意はアンチ馬英九であり、アンチ中国である。国民党が公認の女性候補だった洪秀柱を突然、新北市長を休職した国民党主席の朱立倫に挿げ替えたのも、親中派を公言する洪秀柱では、立法院選挙まで惨敗するのが目に見えているからだった。今の国民党が受けている逆風は、すべて馬英九政権になってからの急激な台湾の中国化に対する台湾民意の抵抗から始まったのだから、この時期の中台首脳会談など、総統選・立法院選の足を引っ張る以外の何物でもない。

 参考までに三立テレビ(アンチ国民党派)の中台首脳会談を受けての民意調査では、民進党候補・蔡英文の支持率は会談前よりも5ポイント上昇して46.7%、国民党候補朱立倫の支持率は1.7ポイント下落し19%と、もともと開いていた支持率の差がさらに開いてしまった。一応、朱立倫は国民党主席としてこの会談について、台湾の国際的地位を上昇させ、両岸(中台)の未来の平和発展に貢献したとしてポジティブな評価をしてはいるが、総統選挙への影響力という点では、10日から16日の日程で組まれている朱立倫の国民党主席としての初訪米の方がよっぽど意味があるのは当然だろう。

 では、中国サイド、習近平側はどのような思惑で、この馬英九の晴れ舞台に付き合ったのだろうか。習近平の会談冒頭のスピーチを少し見てみよう。

習近平、かく語りき

 「尊敬する馬先生、みなさん、こんにちは。きょうは非常に特別な日です。両岸の指導者が一堂に会し、歴史の一ページをめくりました。歴史は今日のことを記録するでしょう。

 かつて両岸が海を隔てて軍事的に対峙し、親族も分断され、無数の家庭に骨身に染みる痛みを刻みました。その遺憾を補う方法はありません。そうして、海峡を隔てても、兄弟の情を断ち切れることはなく、故郷の父母への思念、家族が寄り添いたいという渇望、同胞の血縁の情の力を遮ることもできませんでした。前世紀の80年代に、ついに両岸は閉じていた門戸を開いたのです。

 2008年以来、両岸関係は平和発展の道をたどってきました。過去7年、台湾海峡情勢は安定し、両岸の平和発展の成果は実りあるものでした。両岸双方の広範な同胞が大量の心血を注ぎ、まさに7年の積み重ねによって、今日の歴史的一歩を踏み出すことができたのです。ここに私はすべての両岸発展推進に貢献してきた同胞、友人たちに心よりの感謝を示したい。66年の両岸発展の道のりにおいて、多少の風雨と長年の断絶があったとしても、いかなる力も我々をわかつことはできないのです。なぜなら、我々は骨を断たれても心はつながっている同胞であり、濃い血で結ばれた家族なのだから。

 今日、両岸発展の内容は、その方向性の選択に直面しています。我々が今日ともに会したのは、歴史の悲劇を繰り返さず、両岸関係の発展成果を二度と失うことなく、同胞が継続して平和で安定した生活を送り、子孫に美しい未来を共有するためです。両岸双方がこの発展の道のりの中で啓発を得て、民族の責任、歴史的責任を担い、歴史経験に基づいた正しい選択を行わなければなりません。

 我々は世の人々に行動でもって、両岸中国人が自分たちの問題を解決する完全なる能力と智慧をもっていることを表明し、共に世界と地域の平和発展の繁栄にさらなる大きな貢献をしていくのだと表明せねばなりません。私は、両岸双方がともに努力し、両岸同胞が手を取り合って奮闘し、92年コンセンサスを堅持し、共同の政治基礎を固め、両岸の和平発展の道をしっかり定めて、両岸関係の発展の正しい方向性を維持し、両岸の協力を深め、両岸同胞の福祉を増進し、共に中華民族の偉大な復興をはかり、民族の復興の偉大なる躍進を享受してほしいと思います」

中国と台湾は濃い血で結ばれた家族である、と強調し、台湾に未来の選択を間違わぬようにと訴え、中台問題について国際社会の介入を牽制し、台湾人民に中華民族の復興の果実をともに享受しようと呼びかけている。

 また、「歴史」と言う言葉を繰り返した。台湾紙・聯合報によれば、晩餐会では抗日戦争時の話題で盛り上がったらしく、馬英九が「総統府はかつて爆撃された」というと、習近平から「あなたがたの総統府とは、日本時代の総督府のことか」との質問があったとも。7月に提案されていた、抗日史を盛り込んだ共同歴史書作りに関しても一致したという報道もある。馬英九は9月3日の中国の抗日ファシスト戦争勝利70周年記念日に、習近平が、あたかも共産党が日本に勝利したように喧伝したことについて、さすがに当時は「遺憾」の意を示していたが、そういう国民党員としてのプライドはここにきて捨てたようである。

中国の成果は「都合の良い歴史」

 馬英九は国民党内でもかなり孤立しており、引退後の政治的影響力はゼロだろう。台湾民意は今のところ中国に対する警戒感が強く、台湾海峡に向けたミサイルを配備した状況での習近平の平和メッセージなど心に響かない。このメッセージはむしろ、中国人民に向けて、そして国際社会に向けてのものと考える方がいい。

 選挙で選ばれていない共産党政権は「中国共産党は日本軍から中国を守った」という歴史が、執政党としての正統性の根拠である。現実の歴史は、国民党軍が米国の支援を受けて日本軍を破ったのだが、続く内戦で既に疲弊していた国民党軍は共産党軍に敗れるのだ。国民党軍が日本と激戦を展開している間、共産党は延安での拠点づくりに勤しんでいた。日本軍とは極力戦うなという毛沢東の意向に背いて、百団大戦を指揮した彭徳懐は、後に失脚させられた。

 毛沢東が半分冗談めかしてだが社会党委員長・佐々木更三に「皇軍(旧日本軍)のおかげで政権がとれた」と語ったというエピソードも伝えられている。共産党は国民党とともに戦い日本軍に勝利したという中国に都合のよい歴史を総統に認めさせたというのが、中国にとっての会談成果かもしれない。

 もちろん習近平にとって任期中に中台統一を実現させることは悲願であり、中国に従順な馬英九の総統任期中に、中台首脳会談を行い、少しでも有利な状況を作っておきたいという希望はあった。南シナ海の問題が先鋭化し、中国にとっては対米戦略上も、また尖閣諸島をめぐる問題を含めた対日戦略上も台湾を抱き込むことは一層重要である。

 ただ、習近平のパートナーとなるべきは、台湾民意も国民党内の支持もついていない馬英九ではお話にならない。馬英九は半年後には何の権力も持たなくなる。今の習近平にとって重要なのは、馬英九との会談よりも、次の政権との関係性である。特に民進党政権になれば、中国の対台湾戦略は大幅な調整が強いられる。この会談でたとえ、何か密約めいたものが決められても、実際意味をなすとは考えにくい。

台湾を中国に売り渡した総統

 それでも、馬英九の最後の花道に習近平も付き合ったのは、中国国家主席としてのねぎらい、感謝の気持ちからではないか。中国が台湾をここまで経済的に支配でき、メディアコントロールを強化し、中国化を進めてこられたのは、馬英九政権7年半の積極的な協力があったからこそなのだ。

 李登輝政権後期から民進党政権樹立にかけてのころ、台湾アイデンティティと言う言葉がはやり、「一つの中国」というコンセンサスから、「一辺一国(中国と台湾は別の国)」に変わりかけたことがあった。この流れを馬英九政権が完全に止めて、中台急接近に動いてくれたのだから、中国にとっては大恩人だ。

 振り返れば、馬英九政権が行った政治の歴史的意味は小さくなかった。台湾独立の最初の芽を完全に摘んだのだ。馬英九の名前は、やはり歴史に残るかもしれない。だが、それは中台分断後「初の首脳会談に臨んだ総統」ではなく「台湾を中国に売り渡した総統」という評価にはなるが。

11/6 EPOCH TIMES 『Film Exposing Forced Organ Harvesting in China Wins UK Award(=中国の臓器移植のドキュメンタリー映画が英国で受賞)』について

EPOCH TIMESは「大紀元」=「法輪功」が発行している媒体ですから、中国の上海派には厳しいです。江沢民が共産党より「法輪功」の信者数が多くなるのを恐れて「法輪功」をずっと弾圧してきました。その反作用として「法輪功」は共産党憎しとなっているのは間違いありません。それで「大紀元」記事は割り引いて見ないといけないと思っています。でも、英国で賞を受けたのは間違いないでしょうから。南シナ海の問題もあり、今後アメリカとイギリスメデイアは中国の人権状況について厳しい報道のネタをドンドン流し、中国から外資のキャピタルフライトが起きるように持って行くのではと思っています。直接戦闘すれば兵器の消耗になって経済効果はあるのでしょうけど、核を持ったスーパーパワー同士が戦争すればどこで止められるか分からないので、直接対峙するのであれば経済戦争を選ぶと思います。シエールオイルのあるアメリカと違い、中国は自前で石油を総ては賄えないので経済封鎖されれば音を上げます。内乱になるでしょう。それこそ欧州とは桁違いの難民が出るでしょう。

英語版では、「法輪功」信者だけでなく、ウイグル人、チベット人、キリスト教信者から臓器を取って移植したとあります。2003年~2008年までに40万~60万の人が犠牲になったと。別の資料では200万と言うデータもあるという事です。それでも氷山の一角と言うのですから。中国は何でも桁違いです。彼らの感覚では嘘の南京虐殺も30万人くらいいないと虐殺とは言わないのかもしれません。何せ20万しか南京市民がいないのに10万人がわざわざ虐殺されに来たと中国は主張するのですから。

本記事は中国の拝金主義の毒が良く分かるでしょう。解放軍の外科医が担当してことを窺わせる記事です。日本の軍医と精神構造が違います。彼らの言うことは如何に嘘が多いかという事がこの記事でも分かるでしょう。日本人は中韓の嘘には毅然と反論すべきですし、主張する政府を応援すべきです。

同日付の「大紀元日本版」では次のようにありますので紹介します。

「ドキュメンタリー映画「人狩り」 英国際放送協会最優秀賞 2015/11/06 17:22

 中国での受刑者に対する組織的臓器収奪疑惑の調査を収録したドキュメンタリー映画「人狩り(Human Harvest)」が、4日夜にロンドンで開かれたAIB(国際放送協会)国際メディア コンクールで、国際調査ドキュメンタリー部門の最優秀賞を受賞した。

 中国系カナダ人である李雲翔・監督は2006年から中国の臓器問題を追跡してきたという。同作品は、中国で臓器移植を受けた外国からの患者、元受刑者や元警察官などの証言のほか、カナダの元アジア太平洋地区担当大臣デービット・キルガー氏と人権弁護士デービット・マタス氏が率いるカナダ独立調査団の一部調査を収録している。

 受賞後、大紀元の取材に応じた李・監督は「作品を通して、臓器をめぐる中国の国家犯罪の真実を国際社会にもっと知ってもらいたい」と心情を語った。

 AIB国際メディアコンクールは世界的権威のある賞で、NHKの複数の番組も受賞したことがある。今年度は「人狩り」のほか、BBC、アルジャジーラテレビ局、英スカイ・ニュースなどの5作品が各部門の最優秀賞を獲得した。

 中国の臓器問題の闇は非常に深いとみられる。

 これまでの国内の医療関係者や警察官など各方面の情報によると、1970年代ごろから死刑囚や、政治犯などの「良心の囚人」の臓器を移植用に使うことが「日常的に行われている」。中国政府は一貫して完全否認していたが、2005年ごろから死刑囚の臓器利用を渋々認めた。

 一方、1999年7月から中国で禁止され集団弾圧を受けている伝統気功・法輪功は、「迫害開始直後から臓器移植件数が急激に増えている理由は、強制収容された大勢の愛好者が臓器狩りの対象にされたからだ。刑務所、病院、司法の関係者は暴利を貪るため組織ぐるみで愛好者を殺してきた」と主張している。前出のカナダ人独立調査員2人は、法輪功の迫害実態を調べる米人権団体「追査国際」の要請を受けて、2006年から関連の調査に着手し、「紛れもない事実である」との結論の報告書を発表した。

 「人狩り」は今年4月、米国放送界の最高栄誉賞であるピーボディ賞を受賞したばかり。(翻訳編集・叶子)」とあります。

記事

By Diane Palframan, Epoch Times | November 5, 2015 Last Updated: November 6, 2015 11:42 am

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‘Human Harvest’ director Leon Lee receiving the AIB Award with CNN International’s anchor and correspondent Hala Gorani (Courtesy of AIB)

LONDON—A documentary about the killing of tens of thousands of Chinese prisoners of conscience for their organs has won the 2015 Association for International Broadcasting (AIB) award for best international investigative documentary. It follows the film’s receipt of a prestigious Peabody award earlier this year.

On winning the most recent award, director Leon Lee said: “This is a huge honor for me and the team who stood by me for eight years while we made the film. I hope more people will now be prompted to watch the film and, most importantly, that it will make a difference and end organ harvesting.”

Judges who chose the film, which was competing against productions from the BBC, Sky News and others, said that it “captures the horror of the story through credible testimony and proactive research”, adding that the story “definitely needs to be more widely known.”

The film’s producer, Flying Cloud, is a small independent company based in Vancouver, Canada.

Simon Spanswick, chief executive of UK-based AIB, agreed with the judges: “Although I was not a judge for this category, as a former programme-maker, I could see this film was clearly up there. Small production companies that do really good work do win AIB awards – it’s not unusual – and the award will have an impact and enable the programme to be sold more widely.”

“Human Harvest: China’s Illegal Organ Trade” tells the story of how in a few years, China created a large-scale, highly profitable organ transplant business without an organ donor system.

It questions the source of the organs and how Chinese hospitals can offer transplants within weeks when patients in the West typically wait years.

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“Human Harvest” director Leon Lee stands outside the UK Parliament in London, where his documentary exposing forced organ harvest in China was screened on Nov. 4. (David Sun/Epoch Times)

The truth unfolds: The organs are being forcibly taken from prisoners of conscience including people who practice Falun Gong, an ancient spiritual practice, Uyghurs, Tibetans, and House Christians. The film reveals that it is Falun Gong practitioners who are targeted most.

“When I came across this in 2006, I could not believe it at all. I thought it was nonsense,” said Lee. Nevertheless, he decided to look into the subject and became convinced that organ harvesting is taking place on a large scale in China.

It is estimated that 40,000 to 60,000 people were killed for their organs between 2003 and 2008, although Lee spoke off the record to a military surgeon from China who said the figure was over 600,000. “Other information suggests it could be 2 million,” Lee said. “We were conservative in the film. What we showed was the tip of the iceberg.”

The film was screened in British Parliament prior to the AIB award ceremony.

Lee admits that many times he felt a sense of hopelessness but, after winning the Peabody award, the film captured the interest of mainstream media. “Media executives told me that they had heard about organ harvesting in China but never took it seriously,” he said.

That has now changed. The film has been broadcast in 20 countries and is also available, unofficially, in China. “As a filmmaker, I’m against piracy but you can buy it in China for 10 yuan [$1.60],” he admitted.

Lee is increasingly convinced of the power of film. While he acknowledges that more work is needed to stop the atrocities taking place in China, he believes change is coming and that raising awareness will help the process.

“When people ask me what anyone can do when China is so big and powerful, I tell them to pass the word to family, friends, and colleagues, because the more people know about this, the sooner it will end,” he said.

平塚柾緒『写真で見るペリリューの戦い』を読んで

今年の7/31のブログ記事『井上和彦著『パラオはなぜ「世界一の親日国」なのか』について』でパラオを紹介しました。その続編です。

今回は、太平洋戦争(大東亜戦争)後でも、ペリリュー島に残って戦い続けていた人達のことを紹介したいと思います。戦後の日本人はGHQによるアメリカの価値観を植え付けられ、刹那主義・快楽主義・拝金主義が跋扈するようになりました。先人たちの生き方を見て、如何に生きたら良いか考えるキッカケになればと思います。是非本を手に取ってお読みいただきたく。

内容

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第4章奇跡の生還

洞窟に潜んでいた三十四人の日本兵

昭和二十二年の日米銃撃戦

昭和二十年(一九四五)九月ニ日、東京湾に錨を降ろした米戦艦「ミズーリ」艦上で、連合国と日本国との降伏調印式が行われ、三年八力月に及んだ「太平洋戦争」 (大東亜戦争)は正式に幕を下ろした。ところが一年半後の昭和二十ニ年(一九四七)三月の末、あの激戦の地ペリリユー島で突然、激しい銃撃戦が起こった。米軍と複数の日本兵による銃撃戦である。

パラオ本島(バベルダオブ島)や、コロール島で敗戦を 迎えパラオ地区集団の陸海軍将兵の大半は、前記したように昭和.二十年十月から翌二十一年三月にかけて日本本土に復員している。ところが集団司令部が引き揚げ船 に乗る直前になって、「ペリリュー島に敗残兵がニ、三 人いる」と、米軍から連絡を受けた。そこで集団司令部付の日系二世の通訳浜野充理泰少尉が二回にわたってペリリユー島に派遣され、米軍とともに捜索にあたったが 発見できず、捜査は打ち切られた。

このとき、実際は山口永少尉ら歩兵第ニ連隊と海軍の将兵三十数名がジャングルや洞窟内に潜んでいたのだが、 日本側による捜索はこれが最後で、パラオの日本軍将兵は日本本土に引き揚げていった。米軍もその後の捜索は行わず、再開したのは統撃戦後の昭和二十二年三月末だ ったのである。

その日——夜になるのを待って海軍の千葉千吉兵長と塚本忠義上等兵は、パパイアを採るため洞窟を出ていった。そのとき浜田茂上等兵は自分たちの壕からニ、三十メートル離れた「エ兵隊グループ」の壕を訪れ、斎藤平之助上等兵たちと談笑していた。そして千葉兵長と塚本上等兵が歩いてくるのを目撃した。

浜田上等兵は二人に小声で声をかけた。 「おい、拳銃でも手榴弾でもいいから持っていけよ」「いや、すぐ帰るから   」

そう言い残して二人は消えていった。だが、浜田上等兵の危惧は当たってしまった。まもなくニ人は米軍のパトロール隊に発見されてしまった。

そのときの模様を塚本上等兵はこう説明する。 「待ち伏せを食ってしまったんです。逃げたのだが、前を走っている千葉兵長が二人の米兵に捕まってしまった。 工兵隊の壕までは百メートルもないところだった」

塚本上等兵は救いを求めるために、無我夢中で壕に向かって走った。二人の米兵に両脇からベルトを摑まれて.いる千葉兵長は、逃げる塚本上等兵の姿を見やった。そして〈塚本が逃げたから、時問を稼げば必ず助けに来て くれる〉と考えた。

しかし、米兵たちも興奮していた。米兵たちと鉢合わせになったとき、二人はなんとか逃れようとしてジャングル内を走ったのだが、千葉兵長は壕の跡に足をとられ、倒れたところを捕まえられている。そのとき〈もうだめだ〉と思った千葉兵長は帯剣を抜き、米兵に突っ込んだのだ。傷を負った米兵は千葉兵長の顔を殴り飛ばし、強引に連行しょうとしたのだった。

一方、塚本上等兵の知らせを受けた日本兵たちは、それぞれMlラィフルの安全装置をはずして夜のジャングルを突っ走った。十二、三名はいた。山口少尉も工兵隊壕の近くに居たため、千葉救出に加わった。つい半年ほど前にも仲間の一人が待ち伏せに遭って死んでいる。なんとしても救出しなければならない。山ロ少尉は発砲を許した。洞窟生活に入ってからは部下の発砲を禁じていたのである。

「月夜だったので、目を透かしてみると百メートルばかり先の道路に二人のアメリカ兵に捕まっている千葉さんの姿が見えた」

と浜田上等兵は言う。救出隊は道路の両側からできるだけ近づくことにし、真っ暗なジャングル内を進んだ。

そのとき、千葉兵長がいきなり道路にパタッと倒れた。 これが合図となって、道路の両側から一斉に銃が乱射された。

しかし、米兵を射殺した場合の後難は誰もが知っていた。日本兵たちは米兵らの頭上すれすれのところを狙ってラィフルや自動小銃を放った。驚いた二人の米兵は、 千葉兵長を放置して逃げだした。

この日米の銃撃戦がきっかけとなって、日米合同の大投降作戦が開始され、三十四名の日本兵が戦後1年八カ月目に救出されるのである

米軍の帰順工作開始

千葉千吉兵長の救出が成功した夜、工兵隊壕周辺の日本兵たちは山ロ少尉の判断で別の壕に移動した。救出に参加した兵たちの大半は、弾倉を空にするまで撃ち尽くしている。おそらく現場には真新しい米国製の空薬莢が山になっているに違いない。その数から推して米軍がこちらの人員を割り出すことは、そう難しくはあるまい。必ず掃討戦を繰り広げてくるに違いない、そう考えたからであった。

一方、米軍は緊急対策を立てていた。 グアム島の海兵隊司令部に「ペリリュー島に武装した大勢の日本兵が潜んでいる」と報告、応援部隊の派遣を要請した。 そして翌朝、約一個大隊の海兵隊が二機の輸送機で送られてきた。

当時のペリリュー島には米軍の戦闘部隊はいない。基地の保安要員とその家族だけであった。そこで米軍は島に戒厳令を布き、婦女子は舟艇に乗せて沖合に避難させ、本格的な掃討戦を展開することにした。米軍側は、この千葉兵長事件の起こる前から島の住民の情報や、たび重なる食糧盗難などから日本兵の存在は知っていた。それが乱射事件によって決定的になったため、この際ー挙に解决をしなければ島の住民と米軍家族の安全ははかれないとの結論を出したのである。

しかし、いかに武装集団とはいえ、戦 争はとっくに終わっている。できることなら無事に救出してやりたい。いや、あの三年八力月に及んだ太平洋戦を生き抜いてきた兵士たちに、いま死を与えるのはあまりにも悲しいことである。それに掃討戦を決行すれば、米軍側の損害も相当数覚悟しければならない——軍司令部は平和的解決を求めた。日本兵の帰順工作の実施である。それが失敗したら、 そのときに武力掃討を検討すればいい、そう結論したのである。

米軍は帰順工作の有力手段として、二人の旧日本軍将官を起用することにした。

米軍が白羽の矢を立てたのは、日本の第四艦隊参謀長であった澄川道男海軍少将であった。

当時、澄川少将はグアム島で行われていた戦犯裁判の証人としてウィッドネス・キャンプ(証人キャンプ)に抑留された形になっていた。そこを米軍に呼び出され、こう告げられた。

「ぺリリユー島にホールド・アウトが五十人ばかりいて、米軍や島民とトラブルを起こしておる。ついてはペリリユー島に行って、彼ら日本兵に降伏を勧告してくれまいか」

ホールド・アウトとは、殺してもかまわない無法者の兵隊という意味である。 米軍は「貴方はアドミラル(将官)だから、行けば皆が言うことを聞くだろう」という。そこで澄川少将は条件を出した。

「ホールド・アウトの兵隊たちを救出したら、命の保障と戦犯にはかけないと約束をしてくれますか」

米軍は両方とも承知し、ただちに澄川少将を米軍機でペリリユー島に運んだ。 澄川少将は昭和五十四年(一九七九)に亡くなったが、生前、太平洋戦争研究会の取材に語ってている。 「私には島にどういう人たちが残っているのかわからないし、一応、戦争は終わったことを伝えようということで、メガホンでふれ歩いた。渓谷部にいるらしいということはわかっていたが、いくらやっても反応がない。そこで自分で文章を書いて、島民から聞いた『日本兵の通り道だ』という場所の木にぶら下げておいたです。

この一回目の捜索は五、六日間続けたが手掛かりは得られず、米軍の要請でいったんグアム島に帰ったわけです」

澄川少将が書いた文書は「ペリリュー日本人諸君へ」という平易な文体のものだった。日付は昭和二十ニ年三月二十三日となっている„

投降勧告に揺れ動く洞窟内の日本兵たち

グアム島に帰った澄川少将の不安は募るばかりだった。少将はペリリュ—島で硬軟二通の呼びかけ文と一緒に、米マリアナマ地区司令官であるC・A •ポーネル海軍少将の『日本人へ』という文書の邦訳の手紙も同封して、木にぶら下げてきた。その邦訳文には、次のようなことが書いてある。 「若シ降伏ヲ拒絶スルニ於テハ、不法行為及犯罪者卜認メ、法ノ定ムル所ニヨリ捕縛シ、其ノ取扱ヲ受クべシ」とあり、さらに「パラオ島指揮官ニハ、諸君ガ降伏セザルカ捕縛ニ抵抗スルニ於テハ、捕縛及射殺ニ於ケル必要ナル兵力ヲ使用スルコトヲ命ジアリ。必要ニ応ジ増援隊ヲ送ル用意アリ」とも書かれてある。

澄川少将は米軍側に申し出、再びペリリユー島に飛んだ。〈彼等は日本が負けたことを信じていないからこそ出てこないのに違いない。それなら日本軍の上官としての「命令」なら聞き入れるかもし れない> そう思った澄川少将は、今度は旧海軍スタイルの命令調で投降勧告文を書いた。

「去ル三月二十三日余ハ諸子ニ対シ降伏勧告ノ為、当島ニ来リ。四日間滞在、諸子ト連絡ノ機会得ント努力セシモ遂ニ成功セズ一旦ガム島ニ帰投シ、写真及印鑑 (職印ハトラック島ニ於テ焼却セリ)ヲ携行再度来島セリ。茲ニ書面ヲ以テ改メテ諸子ノ誤謬ヲ解キ速ニ米軍ニ降伏センコトヲ望ム」

と始まる長文の『再度ペリリユー島残存日本軍将兵ニ告グ』と題された呼びかけ文である。しかし反応はない。

だが、日本兵たちは澄川少将の呼びかけや行動は逐一知っていた。そして 、一人一人に微妙な心境の変化を与えつつあったのだ。〈日本が負けることなどあり得ない〉と思いつつも、一抹の不安は誰もが抱いていたからだった。やがて単独でグループから“脱走”し、三十四人生還のきっかけを作る土田喜代一上等兵などは、「私は九分九厘まで日本が負けたと考えるようになっていた」と断言する。 しかし、単独で行動するには相当の覚悟がいる。澄川少将が最初に呼びかけを始めたときから、三十四人の日本兵たちは全員が実弾を込め、完全武装で洞窟内に潜んでいた。もし単独で洞窟を出た場合、背後から戦友の実弾が飛んでくる恐れは充分にあったからである。

“脱走”を決行した 土田上等兵

再びペリリュー島の土を踏んだ澄川道男海軍少将は、オブクルソン村長とともに投降作戦に協力してくれている島の男に、「もし日本の兵隊を見たら、この袋を渡してくれ」と一個の布袋を手渡した。中には澄川少将が旧軍スタイルで書いた、前記の『再度ペリリュ—島残存日本軍将兵ニ告グ』という昭和ニ十ニ年三月三十一日付の投降勧告文と煙草が入っていた。そしてチャンスはすぐに訪れた。 翌四月一日、斎藤平之助上等兵は缶詰の空き缶を捨てに米軍のゴミ捨て場に向かった。そこで、島の男にいきなり声をかけられた。 「ニツボンのへイタイサン?」

男はそう言うなり、何か物を投げて寄こした。澄川少将から預かった布袋だった。仰天した斎藤上等兵は工兵隊グループの壕に走り込み、「敵に発見された!」 と告げる。伝令が各グループのもとに走り、協議が行われた。そして島の男が投げてきた袋を取りに行くことになった。 武装した四、五名の者が現場に急行し、 袋を回収してきた。

みんなの前で袋が開けられ、勧告文が読まれた。「これはニセ物だ、だまされるな」

「これはスパイのだ」 次々否定する言葉が飛んだ。しかし、 土田喜代一上等兵は〈これは本物だ〉と思った。海軍上等水兵である土田さんは「澄川少将」なる提督の名前は知らなかったが、文の書式が海軍様式で書かれてあるからだった。だが話し合いの結論は、情況が悪いから一カ月ぐらい壕の中にいて様子を見ようということになった。土田上等兵は決意した。 〈このままでは全員が自滅してしまう。 日本は間違いなく負けたのだ。残る道は脱走以外にない〉

昭和二十ニ年四月ニ日の夜、土田上等兵は書き置きを記すために見張役を申し出て、ランプの明かりで短い鉛筆を走らせた。

隊長以下其の外の者に告ぐ

私の行動を御許し下さひ、私は飛行場に突込もうと思ひました、而し他の持久作戦部隊に迷惑をかけると思ひ、私はガダブス(注.ガドブス島)進撃をやり、敵と逢ひ次第交戰、華々しく散る積もりです。そして無事ガダブスを通り越した場合、本島へ渡り、そして其の畤は其の時で散る積りです。

おそらく本島へ渡れるのは、九分九厘まで不可能と思ひます。又気が向いたら本島より帰り、ニユースを持つて再び帰ります。其の時は後弾丸を喰うのは覚悟して帰る積りです。今後、持久作戦部隊の武運長久を御祈り致します。私の行動をヒキョウと思ふのが全部と思ひます。 而し、私のやることが其の本人の幸福なら心から許して下さい。五、六中隊、又通信、本部、とよろしく御伝え下さい。 又特に、千やん、横田、小林、斎藤さんは直接御世話になりました。厚つく御礼申し上げます。又相川兵曹は再び海軍へ帰えってはどうですか、心配致します。 隊長殿、以上の私しの行動を御許し下さい。(原文のまま)

土田上等兵は書き置きを置くと、さりげなく洞窟を出た。月の位置からみて午後の十時半ごろと思えた。

日本の敗戦を確認した土田上等兵

土田上等兵は、住民が住んでいる島の北部に向かって一目散に走り続けた。その途中、パトロール中の米軍に遭遇、保護されて飛行場に隣接した米軍のカマボコ兵舎で澄川少将と対面させられた。そこで土田上等兵は驚かされる。米軍側は確実な情報をつかんでいたのである。 「三十何名いるんだね」 澄川少将がズバリと言ってきたのだ。 「百名くらいいるのかと思ったら、三十何名なのか?」

少将はたたみかけてきた。 「はあ、そうです」 土田上等兵は思わず答えてしまってか ら、しまったと思った。日本軍の勢力を洩らしてしまったからだ。それに「澄川少将」と名乗っている男の頭は白髪で、 アメリカ人に見えなくもない。土田上等兵は質問した。 「あなたは、失礼ですが本当に日本軍の澄川少将ですか?」

「そうだ、私は澄川だ」 言葉は立派な日本語だった。しかし、まだ信用はできない。土田上等兵が「日本が負けた証拠を見せろ」と言うと、澄川少将は日本の現況を載せたアメリカの雑誌を見せて説明したが、「そんなもんはゴミ捨て場で何回も見たし、信用できん」と突っぱねた。

そのころ、隣のアンガウル島に燐鉱石の採掘作業に六百人近い日本人が来ていた。澄川少将は米軍と相談をして土田上等兵をアンガウルに連れて行き、日本人に会わせることにした。米軍はさっそく複座の戦闘機を用意し、士田上等兵をアンガウルに運んだ。ペリリユー島とアンガウル島は十キロ足らず、時間にしたら十分とかからない。

アンガウル島に着いた土田上等兵は、 日本人作業員たちに引き合わされた。 「日本は本当に戦争に負けたのか?」

と土田さんは聞き、続けて「戦友たちはあのペリリユー島でまだ戦っている」

と言うと、日本人たちは驚き、「日本はとっくに負けていますよ。戦争は終わって、こうしてわれわれは燐鉱石を掘りに来ている」と言う。

こうして土田上等兵が日本の敗戦を確認し、洞窟に潜む日本兵たちの氏名と階級が知らされた。何人かの兵の出身県もわかった。

その後、土田上等兵は澄川少将や米軍捜索隊とともに、仲問の投降呼びかけに参加した。ところが土田上等兵の呼びかけは、洞窟の□本兵たちに逆効果を与えてしまった。

「あのバカ、ただじゃすまさねえ、ぶっ殺してやる」

と息巻く親しい戦友もいた。残された兵たちにすれば、まさか米軍に投降などするはずはないという信頼と確信があったからであろう。ジャングルの日本兵たちは厳戒態勢に入った。

兵士たちの心を動かした肉親の手紙

澄川少将は出身県の判明した兵士たちの対策について、米軍に一つの提案をした。「日本政府に連絡して兵士らの肉親の手紙や新聞、雑誌などを届けてもらい、それを洞窟内の兵隊たちに見せてはどうか」というものである。米軍は即座にOKし、計画はグアム島の米軍司令部に報告され、東京のG HQ司令部(連合国軍総司令部)に打電された。そして電文は日本の復員局を通じて、四月十二日、それぞれの兵隊たちの出生地に飛んだ。山口少尉の自宅にも、森島通一等兵の自宅にも茨城県庁の世話部を通じて“朗報”がもたらされた。

肉親や友人、知人は、生存の報に涙を流しながら、ジャングルに潜む息子や兄弟に戰争が終わったことを信じさせようと必死の想いで書き綴った。農夫の父親は、何年ぶりかで筆をとり、幼い弟妹たちは、拙い文字で「あんちゃん、日本は 戦争に負けたが、みんな生き残っている。早く帰ってきて」と訴えた。そして父親や母親は、息子が信じるようにと、最後には実印まで押した。

情報は旧十四師団関係者にも伝えられた。多田督知参謀長もその一人で、多田大佐はかつての部下のために二百字詰原稿用紙十七枚に、日本が敗れ、パラオ集団が内地に引き揚げるまでのいきさつを事細かに書いた。

肉親や友人、知人、それにかつての上官たちが必死で綴った手紙は、日本の新聞や雑誌類とともに米軍機で急送され、ペリリューの澄川少将の手に渡された。

効果はただちに現れた。土田上等兵の案内で、日本兵たちの潜む洞窟に近づいた澄川少将は、大声で叫んだ。 「私は日本からお前たちを迎えに来た澄川だ。日本は戦争に負けたんだ。降伏し たのだから話し合いをしよう。山ロ少尉、 出てこい!」

シーンとして声はない。 「それでは、お前たちの家族からの手紙が今朝内地から着いた。土田上等兵が君たちの名前を教えてくれたので連絡を出し、米軍の飛行機で運んでもらったのだ。 私信の封を切って悪いが、いまから読むから聞いておれ。山ロ少尉のお父さん、 源一郎さんの手紙から始める」

澄川少将は、静かに、ゆっくりと読み始めた。(手紙は原文のまま) 「拝啓時下桜花開き多忙の季節となりました。御前には元気との事家内一同よろこび居ります。日本は昭和二十年八月十五日、天皇陛下の命によって終戦となり、今は平和なる農業国となって居り、 御前と友人の根本裕治君や山ロ六郎君は 復員して職務に従事して居るのであります。君は米軍に抵抗して居るとの事でありますが、其のような事は寸時も早く止めて米軍の光栄により一日も早く帰国せられ、楽しき生活をせられんことを家内一同待ち受けて居る次第であります。 先は健康を祈る早々不一

父より(実印) 昭和弐十弍年四月十六日 永へ 」 「兄さん、お元気ですか、おばあさんも元気で兄さんの帰りを待ってをります。 戦争は昭和二十年の八月十五日に天皇陛下の命により降伏してしまいました。 兄さんも降伏をして一日も早く家へ帰って来ておばあさんを喜ばせて下さい。と なりの六郎さんも元気でふくいんをしてをります。兄さんも一日も早くおばあさん、家中の人を喜ばせて下さい。兄さんお身をたいせつにさようなら。

昭和二十ニ年四月二十一日月曜 初五山ロ信子(認印) 山ロ永樣

洞窟内からはなんの反応もなかったが、兵隊たちは聞いていた。澄川少将は次から次へと読み進んでいった。四人目の兵隊の分が終わると、五人目の兵隊のものへと移っていった。

どのくらい時間が経ったであろうか、 洞窟の中から初めて反応があった。 「わかった、話はわかったから連絡員が出る」

という声がし、梶房一上等兵と浜田茂上等兵が這い出てきた。

かくして三十四人の日本兵は全員が姿を現し、米軍の施設に収容された。昭和二十二年四月二十二日のことであった。

11/6・7 ZAKZAK 宮崎正弘『死に物狂いで金集めに走る中国 日本株も静かに売却していた…』『史上例をみない“詐欺的作為”か 海外投資家は中国から一斉引き揚げ開始』について

中国の経済崩壊は避けられないでしょう。ハードランデイングになるかソフトランデイングになるかの違いです。本記事にあるように、本年末400兆円もの債券が借り換えできなければハードになるでしょう。中国の鼻薬が効いているアナリストや共産党から情報を貰うしかない無能な評論家、日中記者交換協定に唯唯諾諾と従う記者は「保守派のwishful thinking」と言うでしょうけど現実です。

米国も南シナ海の人工島の鉾を収めればIMFのSDRを認める取引をするのではと噂されていますが、これだけ中国国内の経済が困窮化しているのに、生き延びさせるような支援はすべきではありません。敵は騙すのを生業としているのですから。時間の利益は人口の多い中国に有利に働きます。世界が中国の経済崩壊の影響を受けたとしても、軍拡・世界制覇の野望を持つ中国の意図を挫いた方が良いでしょう。

AIIBの資本金が1000億$(12兆円)ですので、この金を流用しようとしても、400兆円の借り換えは出来ません。桁が違いすぎます。支払い不能の場合どうなるのか分かりません。ギリシャの場合と違って、桁が大きく救済できないのでは。中国保有の資産を差し押さえるのかどうか?中国の土地は無価値では?でも狂った共産党が戦争を仕掛けてくることが大きな懸念です。

記事

中国経済は「アリ地獄」に落ちた。「負の連鎖」が最悪の方向へ暴走し始めたことが、種々の経済データや現状分析から明瞭に観察できる。

 今年6月以来の「上海株暴落」と、8月の「人民元切り下げ」。続いた「天津大爆発」により、世界第4位の港湾施設が麻痺(まひ)し、輸出入が激減したばかりか、北京への貨物輸送が途絶えた。

 この前後の、経済動態を緻密に検証してみる。リーマンショック直後からの財政出動、強気のインフラ投資、新幹線建設はまだしも、各地にゴーストタウン(鬼城)が出現したあたりから、中国経済は崩落への道に突き進み、「負の連鎖」が始まっていたことが分かる。

 中国の経済政策は制度上、国務院(=日本の内閣に相当)が所管する。このため、李克強首相が経済政策の中枢を担い、彼の推進する中国の経済を「リコノミクス」と呼ぶ。李氏自らが認めたように、中国のGDP(国内総生産)統計は水増しが多く、信頼するに値しない。「電力消費量」と「銀行融資残高」「鉄道貨物輸送量」の3つのデータを重視するとした。

 となると、計算上、電力消費量が40%、銀行融資残高が35%、鉄道貨物輸送量が35%として振り分けられる「李克強指標」で見ると、7%成長をうたう中国のGDPは、本当のところ2%前後しかない。電力消費量は横ばい、貨物輸送量は10%のマイナスだからだ。「実質はマイナス成長」に陥っていると推定できる。

 中国の抱える債務はGDPの282%である。2015年末に400兆円、16年末に600兆円の償還時期がくるが、返済は無理。つまり借り換え、分かりやすくいえば、ギリシャのように「証文の書き換え」が目の前に来ているということだ。

5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も、いつのまにか手元資金不足に陥って、静かに売却していた。  なぜなら、日本企業の株主リストは公開されており、豪のオムニバス・ファンド(=中国国富ファンドの別動隊)の名前が見つからなくなった。中国は日本株をほぼすべて売却していたのである。  あまつさえ中国は保有する米国債を取り崩し、備蓄した金も少しずつ売却している。次に地方政府の債券発行を認め、さらには住宅ローンの貸し出し分を担保の銀行融資枠を拡大し、10月には銀行金利の上限も撤廃した。加えて、人民元建ての中国国債をロンドンでも売り出して、死に物狂いの金集めを展開している。  これは末期的症状ではないのか。

 

 中国の外貨準備高は帳面上、世界最大で3兆6500億ドル(約443兆1465億円)=2015年6月末現在=だが、それなら、なぜ、米国債を徐々に取り崩しているのだろう? 直近の7月から9月だけでも、2290億ドル(約27兆8028億円)を売却しているのだ(米財務省速報)。

 従って、中国の外貨準備にはカラクリ、それも史上例をみない“詐欺的作為”がなされているとみるエコノミストが増えている。ドル資産が、一夜にしてブラックホールに吸い込まれるように消える恐れが強まった。

 CIA(米中央情報局)筋の調査で、中国から不正に流れ出した外貨は3兆800億ドル(約373兆9428億円)とされる。となると、15年6月末の外貨準備高は、差し引き5700億ドル(約69兆2037億円)でしかない。

 単純計算はともかく、複雑な要素が絡む。

 第1に、最も重要な外貨準備指標は「経常収支」である。この数字をみると15年3月まで1年間の統計は2148億ドル(約26兆788億円)。ところが、外貨準備は同期間に2632億ドル(約31兆9551億円)減少している。膨大な外貨が流失しているから、数字の齟齬(そご)が起こるのだ。

 そこで嘘の上塗り、つまり架空の数字をつくりかえ、粉飾のうえに粉飾をおこなう。となると「GDP(国内総生産)が世界第2位」というのも真っ赤な嘘になる。GDPのなかで、「投資」が締める割合が48%、こういうことはどう考えてもあり得ない。

 例えば、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」は財源が400億ドル(約4兆8564億円)である。ベネズエラに投資した額は450億ドル(約5兆4648億円)前後、アンゴラへの海底油田への投資は焦げ付いたという情報があり、リビアでは100ものプロジェクトが灰燼(かいじん)に帰した。

 以下、スリランカ、ジンバブエ、スーダン、ブラジルなど。世界中で中国が展開した世紀のプロジェクトが挫折している。つまり、対外純資産が不良債権化している。オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでは鉄鉱石鉱区を買収し、開発していたが、鉄鋼不況に遭遇して工事を中断。このあおりで、豪ドル、カナダドル、NZドルが下落した。

 13年末の海外直接投資残高は6605億ドル(約80兆2111億円)だったが、15年3月には9858億ドル(約119兆7155億円)と急激な増加が見られる。15年3月末の対外債務残高は、直接投資が2兆7515億ドル(約334兆1421億円)、証券が9676億ドル(約117兆5053億円)。合計3兆7191億ドル(約451兆6475億円)となる。

 つまり外貨準備は事実上、マイナスである。だから、海外投資家は一斉に中国から引き揚げを始めたのだ。

長洋弘『インドネシア残留元日本兵』を読んで

11/7日経朝刊には『中国の本気度 見抜けず インドネシア高速鉄道、日本が受注失敗 「親日国だから」安心あだに・・・・・・日本と中国が激しい受注合戦を繰り広げたインドネシアの高速鉄道計画。2008年ごろから提案してきた日本は、今年3月に参入したばかりの中国に計画受注をさらわれた。なりふり構わぬ中国の攻勢に日本はなすすべなく敗れた。これまでインドネシアと親密な関係を築いてきた日本側に死角はなかったのか。

 「中国の高速鉄道が工事から運営管理まで一体で海外進出する第1弾だ」。ジャカルタで10月16日開いたジャカルタ―バンドン間の高速鉄道建設に向けた合弁会社設立の署名式。中国国有大手、中国鉄道総公司幹部の楊忠民氏はこう強調した。

 インドネシア政府は9月3日に「日中双方の提案は受け入れられず事業を見直す」と宣言。ところが親中派とされるリニ国営企業相の訪中直後の23日、中国案の採用が急転直下決まり、日本は入札すらできなかった。

政権交代を利用

 「経緯が不透明で理解しがたい。信頼関係は損なわれた」。菅義偉官房長官は29日、特使として来日したソフィアン国家開発企画庁長官を厳しく非難。短時間で会談を切り上げ、安倍晋三首相との面会も拒んだ。

 日本案は技術や安全性に優れるが高価という見方は誤解だ。総事業費は中国案の74兆ルピア(約6600億円)に対し、日本案は64兆ルピア(約5700億円)だ。

 「何としても日本から奪って受注するように」。中国の習近平国家主席が中国国家開発銀行の幹部に指示したのは14年末。中国は将来的に米国と対峙するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り込みを開始。ASEAN内で影響力が大きく、ともに親日国のタイとインドネシアを特に重視した。

 中国が相手国の政権交代を「国益」に利用するのは定石だ。対インドネシア外交でも習氏は14年10月のユドヨノ前政権からジョコ現政権への交代を見逃さなかった。ジョコ氏は就任直後の11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席で訪中し習氏と会談。2カ月後、日本が提案した高速鉄道計画の中止をいったん宣言する。

 焦る日本側は再考を促そうと15年3月に来日したジョコ氏を東京から名古屋まで東海道新幹線「のぞみ」に乗せた。インドネシア紙記者から乗り心地を尋ねられてもジョコ氏は「さあどうだろう」と答えを濁した。その理由は直後に判明する。ジョコ氏は日本に続いて訪れた中国で習氏と再び会談し、中国による高速鉄道建設の事業化調査の受け入れに合意した。

「不可能な条件」

 日本案はインドネシア政府の債務保証を伴う低金利の円借款が前提だ。ただ中国案にはインドネシア政府の財政負担や債務保証は一切不要な上、ジョコ氏の任期中の完成などインドネシア側の要求に沿った条件が並んだ。いずれも「支援の常識を外れた日本には不可能な条件」(国際協力銀行の前田匡史専務)だ。

 それでも安倍首相は和泉洋人首相補佐官を7、8月と相次いでインドネシアに派遣し追加提案を示したが、中国案優位の流れは覆せなかった。

 中国からインドネシアに多額の賄賂が飛び交ったとの情報もあり、日本政府が事実関係を一時、調査した。日本は外国公務員への贈賄行為を禁じた経済協力開発機構(OECD)加盟国。一方、未加盟の中国にそれを守る義務はない。

 もっとも中国案が計画通り進む保証はない。中国は04年、フィリピンが計画した鉄道建設事業を受注したが工事は進まず計画は凍結。この時、フィリピン政府の支援要請先は日本だった。

 「中国のなりふり構わぬ競争に付き合う必要はない」。菅氏は9月中旬、ついに幕引きを決めたが、日本にとって今後も最大のライバルが中国となるのは間違いない。

 首相周辺は「インドネシアは親日国だから、という安心感がなかったと言えば嘘になる」と振り返る。それ以上に、中国のインドネシア攻略にかける本気度を日本政府は見抜けなかった。

(政治部 島田学、ジャカルタ=渡辺禎央)』とありました。

この記事から言えることは①日本政府の油断→今までのODAの大きさから日本受注と安心。敵(中国)は政権交代を狙って仕掛けてきたのに、気が付かず。民間企業であれば、売り込み先の人事異動があれば、従来の関係を築いて行けるよう営業するものですが。さすが日本の役人というだけのことはあります。まあ、中国の賄賂攻勢の前では如何ともしがたいのかもしれませんが。②中国に新幹線技術を売り渡した売国政治家(Second floorらしいですが)とJR東日本と川崎重工業の責任は重いでしょう。大量・高速輸送が展開できるのですから軍事に応用できるでしょう。そんなことも考えずに、敵国に技術供与するのですから何をかいわんやです。

本書はインドネシア独立に貢献した日本人(含む台湾人)の記録です。積極的にインドネシア独立軍に参加した人、仕方なく参加した人といますが、植民地解放という歴史を作るのに体を張って戦ったことは間違いありません。戦後日本人の惰弱な生き方とは違います。インドネシアも『ムルデカ17805』の意味をよく考えないと。日本人も自虐史観ではなく、世界史を築いた人たちがいたというのを記憶に留めておく必要があります。残留兵は全員亡くなったので、記録としての本書の重要性は言うまでもありません。多くの方に読んで戴ければ。それと日本政府は「慰霊碑」の保存に金を出すべきです。インドネシアのジョコ政権だと中国の意を受けて、歴史を抹殺しないとも限りませんから。

内容

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11/5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『日韓は「べったり」した昔には戻らない 木村幹教授と韓国の「右往左往」を読む(3)』について

11/4日経朝刊では『木村幹•神戸大教授 今回の首脳会談は儀礼的に終わると思っていた。従軍慰安婦問題で「早期妥結を目指す」としたのはかなり前向きで強い表現だ。朴槿恵(パク•クネ)大統領はかねて「年内決着」を主張しでおり、「早期」は年内と言うのに近い。ポイントは両国の世論だ。政府が妥協しても、世論に流されて結論が変わる事がある。特に韓国はそうだ。首相は会談で「将来世代の障害にならないようにすることが重要だ」と指摘した。韓国が最終決着ということで国内を抑えられるか。日本国内も韓国への反発は強い。両首脳の強い指導力が求められる。

安倍内閣の支持率をみれば、今回の会談はやる必要はなかった。だからこそ慰安婦問題の発 言ぶりに驚いた。日本を動かしているのは、安全保障で日韓連携を求めている米国だと思う。今回の会談からは日韓の共通利益は見えなかった。政府が動かなくても経済交流や社会・文化交流は動いている。政府が旗を振る時代は終わった。むしろ、両国の外交が足を引っ張らないようにするのが大事だ。』とありました。

武貞秀士は11/1TV「報道2001」で、「韓国は蒸し返し、手のひら返し、ひっくり返しの3返しが常態」と言っていました。詳しいことは忘れましたが、小生が考えるに、日韓基本条約を蒸し返し、世界記憶遺産登録での手のひら返し(軍艦島の強制徴用)、ひっくり返しの事例はたくさんあり、今は韓国経済界からのスワップ要望とか、朴大統領が「慰安婦問題が解決しない限り、安倍首相とは会わない」と言っていたのに首脳会談を開いたことかと思います。ご都合主義です。「用日」なんて言葉使いをするくらいですから。いくら人の良い日本人でも怒るでしょう。韓国経済界が危惧しているように、スマホ部品を禁輸すれば良い。断交すればできるでしょう。中華も小中華も「騙す方が賢く、騙される方が悪い」価値観で動いている国であり、賄賂社会です。「悪徳」が栄える国で、世界に暗黒を齎すだけです。中国は軍拡の問題もあります。米国は宥和政策を止めて中国と早めに対峙しないと手遅れになります。また南シナ海は米・日・豪・印・比・越合同で監視する仕組みを作らないと。中国が軍事基地化すれば経済制裁して、中国の保有する米国債を紙切れにするのも手です。

11/6日経・大機小機には「中国政府は自国通貨である人民元をSDR (特別引き出し権)の構成通貨にしようと国際通貨基金(IM F)に強く働きかけている。SDRによる取引は原則としてIM Fと各国の中央銀行や財務省しか関与しないため、一般にはなじみが薄い。従来の米ドル、ユーロ、円、ポンドと並んで、人民元がSDRの構成通貨に参加することの問題とは何か。 SDRという言葉には、構成通貨を加重平均して算出した通貨バスケットの計算単位という意味がある。 4ケ国通貨のコインを一定数だけ詰め合わせたものをSDRと呼んで、売買や貸借の金額の単位にするもので、現在の価値は約1• 4 %である。また、SDRには「IMF加盟国相互の資金融通制度」という意昧もあり、I MFへの出資比率に応じて各国に借入枠が与えられている。この借入枠には返済期限がなく、SDR構成通貨の加重平均金利を支払うことで、無期限に使用できる。この資金の出し手はI MF加盟国の中で外貨準備が豊富な先進国が選ばれるのが通例で、資金の出し手は、SDRの金利を受け取ることができる。このようなSDRの機能を考えると、人民元をSD Rの構成通貨に加えるには、広く国際貿易や国際資金取引に用いられる必要がある。中国の貿易額は大きく、その面からは人民元は SDRの構成通貨になる資格がある。他方で資金取引では、なお多くの規制が行われている。特に中国に居住する人や企業が人民元を外貨に交換して対外投資を行う場合や、中国以外の地域に住む人や企業が自国通貨を人民元に交換して中国に投資することについては、中国政府による広範な規制が行われている。このため、国際的な資金取引では人民元の使用は現在のSDRの構成通貨を大幅に下回っており、この面からは人民元のSDR構成通貨への参加は時期尚早だといえる。さらに、人民元がSDR S成通貨になると、IM Fが国際収支の赤字国に資 金援助する場合の金利などに影響を与える。人民元の金利は他の主要国金利よりも相当高<、資金返済が困難になる可能性もある。人民元をSDRに加えるのは中国が国際的な資本移動を自由化してからにすベきであろう。(山河)」とあり、正論でしょう。まあ、IMFも鼻薬が聞いているのかも知りませんが。

今や日本国民も中韓に対して贖罪意識を離れ、嫌悪感を持つようになりました。親韓派代議士が「日韓議員連盟」を止めろと言われる時代です。NHK午後5:35くらいから『私は騙されない』という「おれおれ詐欺」の予防策の特集をしていますが、マスコミが中韓への友好をいくら唱えても「私は騙されない」状態になっていると思います。良い傾向です。福沢の「脱亜論」の「悪友との謝絶」が国民レベルで実現できるようになってきました。

記事

前回から読む)

 首脳会談は開かれた。でも、日韓は離れていく――と神戸大学大学院の木村幹教授は言う(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

韓国に期待しない日本

—日韓首脳会談が11月2日に開かれました。2国間の正式な首脳会談は3年半ぶりです。

木村:今回の会談は、日本と韓国が米中両国の間で異なる道を歩むことを確認するものとなりました。

木村幹(きむら・かん) 神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作の『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)で第16回 読売・吉野作造賞を受賞した。ホームページはこちら

 日本側の発表によると、会談で安倍晋三首相は南シナ海問題――中国の脅威を語りました。しかし韓国側の公式発表は、朴槿恵大統領がどう答えたかも含め、この問題には一切、触れませんでした。

 会談で安倍首相も「南シナ海」では“深追い”しなかったと思われます。韓国とはもはや水面下でさえ、中国の脅威を議論することが難しくなったからです。中国への経済的、軍事的依存を深める韓国は「中国は仮想敵」とは口が裂けても言えない状態です。

 安倍首相は会談前後の記者会見で、かつてはよく使った「韓国とは共通の価値観を持つ」という表現も用いませんでした。努力次第で韓国がこちら側に――米国や日本側に戻ってくると、日本政府がもう、期待していないことの表れだと思います。

また、蒸し返す韓国

—「慰安婦」問題では「早期妥結に向け交渉を加速すること」で日韓は合意しました。関係改善に向け日本も動くように見えます。

木村:韓国が「年内解決」にこだわり、それなりの案も出したので、日本政府はいったんこれに乗ってみることにしたのだと思います。

 「『慰安婦』で日本が言うことを聞かない限り、アベには会わない」と言い張った朴槿恵大統領は、米国の不興を買いました。

 それと同様に、とにかくも開催に漕ぎつけた首脳会談の席上で、安倍首相が「『慰安婦』では一切譲歩しない」と言ったら、今度は日本が米国をはじめとする国際社会の不興を買うでしょう。

 ひょっとすると、日本は「早期解決」のため何らかの譲歩をするかもしれません。ただそれはかつてのような「べったりした」日韓関係に戻るためのものではないでしょう。

 首相が最近よく使うキーワードは「将来の世代に問題を持ち越さない」です。慰安婦問題についてもこれを目標にしているのだと思います。

鈴置:「蒸し返さないとの保証がない限り妥協はしない」ということですね。仮に「慰安婦」できちんと決着をつけられたら、もう韓国にまといつかれないで済むとの思いも見え隠れします。

ハラを割って話し合える?

—それは多くの日本人の思いでしょう。

木村:問題が何らかの形で「解決」してしまえば、日本の負担は小さくなります。そしてその後の日韓関係については別途に考えればそれで良い。

 お互いをうとましく思っている夫婦を想像下さい。もう、食事さえ別々にとるようになっている。だけどまだ、財産分けで合意できていない。

 この夫婦がそれを解決したら、夫婦はお互いに次のステージに入ることができます。離婚したければ離婚すれば良いし、そのまま籍を残すならそのままでも良い。自分たちの利益に沿って自由に判断すればいいだけです。

 安倍政権の対韓政策は明らかに変化してきました。スタート当初は河野談話の見直しを検討するなど、韓国に対し強気の姿勢で挑みました。逆説的な言い方ですが、これは韓国へのなにがしかの期待があったからです。

 2、3年前は「ハラを割って話し合えば韓国が変わるかもしれない」あるいは「韓国と手を携え、膨張主義の中国に対抗する」などという発想が日本政府にも残っていた。

 でも、安倍政権は次第に韓国への期待と関心を失っていきました。「韓国には大きな期待をしない」時代に入ったと言えるかもしれません。そして、だからこそ、面倒な問題はさっさと解決したい。

中国とさえ向き合えば良い

鈴置:関係改善のためではなく、“手切れ”のための問題解決――ということですね。安倍政権の中枢に詳しい人によると、2014年夏頃から「韓国が中国側に行くとの前提でモノを考えねばならない」と枢要な地位の人が語り始めていたそうです。

 今や、日本の外交専門家の多くが「日本は主敵たる中国とどう向き合うかを決めれば十分だ。中国のお先棒担ぎの韓国は『日中』の間合いを見て日本との関係を決める。日韓関係は日中関係の従属変数に過ぎない」――と考えています。

 ことに2014年11月、朴槿恵政権が「日中韓首脳会談を開こう」と突然に言い出したので、専門家はその思いを強くしました。

 それまで韓国は「日本を孤立させた」と快哉を叫んでいた。そこに寝耳に水の日中首脳会談の開催が決まった。韓国メディアは「我が国こそ孤立している」と一斉に政権を批判しました。

 中国の顔色を見て日韓首脳会談を拒否していた朴槿恵政権は焦りました。そして「日中韓」を開くとの名分で、日韓首脳会談の開催を画策したのです。それが1年後の2015年11月に、ようやく実現したわけです(「中国の掌の上で踊り出した韓国」参照)。

木村:それに加え、米国の働きかけもありました。米国は韓国に2つ宿題を出していた。1つは日本との関係改善――具体的には首脳会談開催です。もう1つは「南シナ海」での米国支持です。後者に比較すれば容易で、自分も必要だった前者を選び、米国に提出した格好です。

日韓関係はどんどん悪くなる

鈴置:数年前まで「文化、人的交流が進んでいるので日韓関係の先行きは明るい」との主張が声高に語られていました。それに対し木村先生は「おいおい、待てよ」と警告を発しました。当時は「相当につむじ曲がり」と世間から見なされたと思います。

—2012年8月3日の日経ビジネスオンラインに載った「日韓関係はこれからどんどん悪くなる」ですね。当時としてはかなり刺激的な見出しでした。

木村:あの頃まで「人的交流による関係改善論」が真顔で語られていました。事実とは関係なしに「若者が交流すれば日韓は対立を乗り越えられる」となぜか信じられていたのです。

 でも今や、そんな期待を語る人は一部の韓国専門家を除いて、ほとんどいなくなりました。日韓が異なる世界に住み始めたという現実を、多くの人が理解したからです。

 雑誌に「韓国は放っておけ」とはっきり書く研究者も出てきました。今の日本社会の韓国に対する雰囲気を象徴的に示しています。

別段、韓国がなくても困らない

鈴置:8月24日発表の日経の世論調査によれば「日韓首脳会談は急ぐ必要はない」との意見が47%。「早く開くべきだ」の39%を8%ポイント上回りました(「中韓との首脳会談開催、見方割れる 本社世論調査」参照)。

 首脳会談を開いても関係が改善するわけでもない、あるいは日韓関係が悪くても別段困らない――との日本人の率直な思いがうかがえる結果です。

 日本人の多くは、韓国が「慰安婦」を蒸し返すので、その解決は容易ではないと考えるようになった。

 そして仮に「慰安婦」が解決しても、米国と中国ブロックに分かれて住む日韓の潜在的な敵対関係が解消するわけでもない――との認識も定着し始めたのだと思います。

もの分かりが悪くなった日本

木村:日韓は同盟関係にはないものの、それぞれが米国と同盟を結んでいて準・同盟国ともいえる関係にあった。でも、前々回に申し上げたように、韓国はルビコン河を流されて中国の岸にたどり着きました。

 中国側の国となった韓国は、米韓同盟を対北朝鮮専用に限定しました。少なくとも韓国はそう考えています。米国から「3塁側――敵側に座るな」と叱責されても動じません(「『南シナ海』が揺らす米韓同盟」参照)。

 一方、膨張する中国に備え、日本は米国との同盟を強化しました。日韓関係は根っこから変わったのです。日韓はルビコン河の反対側の岸辺――米国側と中国側にそれぞれ住む国になりました。

 少し前まで「日―米―韓」の関係は「未完の三角軍事同盟」と呼ばれたものですが、文字通り未完に終わったわけです。

鈴置:日本が「未完の三角軍事同盟」を意識していた頃は、韓国が少々無理難題を吹っ掛けてきても我慢して聞いていた。先ほど木村先生が使った「べったりした関係」とはまさにこれです。

 でも「未完」が本当に「未完」で終わることが分かれば、もう韓国の言うことを聞く必要もない。ある外交専門家の表現を借りると、韓国からはこの変化が「もの分かりが悪くなった日本」に見えるというのです。

可愛げのなくなった韓国

 これは対句になっていまして、日本から見ると「可愛げがなくなった韓国」――。昔は「兄貴」とおだてながら日本に接してきた。これも「べったりした関係」の半分を構成していましたが、最近は上から目線で命令してくるようになりました。

—「べったりした関係」が終われば、もう韓国人にまといつかれないで済むのでしょうか。

木村:韓国人も「新しい日本」には気がつき始めました。ただ最近、逆行する動きも観察されます。日本のリベラル勢力が「慰安婦」でも応援してくれるはずだ、との期待感が再び盛り上がったのです。

 国会前での安保法制反対デモが韓国で大きく報じられたことが原因です。「極右のアベはどうしようもないが、良心派は健在だ」と韓国の人々は考えたのです。韓国の日本専門家からは「自民党のハト派は何をしているのか」と、期待感を込めて聞かれもします。

日韓議員連盟を辞めよ

鈴置:でも実際は、そのハト派の大物代議士の事務所に支持者から「日韓議員連盟を脱退しろ」と電話が掛かってきて、韓国とは距離を取ったりする時代なのですけれどね。

 韓国が「慰安婦」問題で日本攻撃の武器に活用してきた河野談話。産経とFNNの世論調査によると、自民党支持者の59.8%が「見直すべきだ」と答えました。

 興味深いのは左派や“リベラル”にも「見直し派」が結構いることです。社民党支持者では55.6%と過半数。公明党が47.9%、民主党が41.9%、共産党は35.3%でした。

 産経の「広がる『河野談話見直し』賛成、リベラル・左派支持層にも」(2014年7月1日)からの引用です。

 「済州島で強制連行」との記事は誤報だったと朝日新聞が取り消す前の調査ですから、いずれの数字も今はもっと高いと思われます。韓国人の期待を裏切ってしまいますが。

国家の財産を私物化

—結局「慰安婦」は解決するのでしょうか。

鈴置:しないと思います。「慰安婦」に代表される歴史問題は、韓国にとって貴重な財産です。韓国の政権は不安定な5年の単任制。政権は自分に向かう国民の不満を逸らすために、日本との紛糾を起こす必要があります。

 もちろん外交上も「慰安婦」など歴史問題は日本攻撃用の戦略兵器です。日本が反論しにくい「歴史」を持ち出してこそ、様々の要求をのませることができるのです。

 ただ、スタート時から「慰安婦」を掲げた朴槿恵政権に対しては、韓国内から批判がありました。貴重な対日攻撃カードを乱用すると、日本人も怒り出して効き目がなくなる。朴槿恵政権は国家的な財産を私物化し使い尽くしてしまう、という理屈です。

木村:日本に対し最初から最強硬姿勢をとったので、その後の手がなくなった、というのはその通りですね。

具体案を示さない朴政権

鈴置:朴槿恵政権も、この批判は承知していると思います。これもあって、自分からは具体案を示さないのです。

 首脳会談の直前に朴槿恵大統領は、毎日新聞との書面インタビューで以下のように答えています。毎日新聞(東京本社版)の10月30日8面に掲載された「一問一答 要旨」から引用します。

・日本政府が、被害者に受け入れ可能で、韓国民が納得できる解決案をできるだけ早く提示することが重要だ。

 具体的な解決案を自らは示さず日本に提示させておけば、妥結した後に「やはりあれでは韓国人は納得できなかった」と蒸し返すことができる仕組みです。

木村:韓国政府が自分で解決案を示さないのは、慰安婦の支援団体を説得する自信がないためでもあると思います。

動くゴールポスト

—これが「動くゴールポスト」ですね。でも、今後は韓国を徹底的に無視すればいいのでは?

鈴置:もう1つ、日本を攻撃する国ができました。中国です。表「中韓の『慰安婦共闘』」をご欄になると分かりますが、両国は2014年7月の首脳会談で「慰安婦カード」をシェアすることに正式に合意しました。

中韓の「慰安婦共闘」

2014年7月3日
中韓首脳会談で「慰安婦の共同研究」に合意。共同声明の付属文書に盛り込む(聯合ニュース・韓国語版
2014年12月15日
韓国政府系の東北アジア歴史財団と、中国吉林省の機関、档案局(記録保管所)が慰安婦問題関連資料共同研究のための了解覚書(MOU)を締結(聯合ニュース・日本語版
2015年8月15日
中国国家公文書局が『「慰安婦」–日本軍の性奴隷』第1回文献テレフィルムを公式サイトで公表(人民網日本語版
2015年9月22日
サンフランシスコ市議会が「慰安婦碑または像の設置を支持する決議案」を全会一致で採択。運動の中心となったのは中国系団体(産経新聞
2015年10月12日
中国外交部の華春瑩副報道局長、旧日本軍の慰安婦に関する資料について「ユネスコ世界記憶遺産への登録申請を他の被害国と共同で進める方針」(聯合ニュース・日本語版
2015年10月13日
韓国外交部の魯光鎰報道官、慰安婦資料のユネスコ世界記憶遺産に中韓が共同で登録申請することに関し「推進中の民間団体が判断すべきだ」。推進中の民間団体とは女性家族部傘下の財団法人、韓国女性人権振興院(聯合ニュース・日本語版
2015年10月28日
「中韓の慰安婦像2体」をソウル城北区に設置、除幕式。中韓の彫刻家が製作し、両国市民団体が支援(産経新聞

 今や、韓国の背中を中国がつついて日本を攻撃させています。仮に韓国が米国の顔色を見て「慰安婦」で日本と妥協を考えても、中国が許すかは疑問です。

 もちろん、中国自身も対日歴史攻撃に乗り出しています。ユネスコの記憶遺産に「南京大虐殺文書」を登録したのがその例です(「大陸と付き合ってろくなことはない」参照)。

「妥結」が失敗したら

木村:「慰安婦」の解決は、日韓両国の世論が強硬姿勢をとっている以上、容易ではないと思います。もちろん、今回の日韓首脳会談で示された「早期の妥結」がなされれば話は違ってきますが、逆に失敗に終われば、両国の間には更なる諦めに近い失望が広がっていくでしょう。

 日本政府は「韓国はまたゴールポストを動かした」と言い、韓国政府は「日本は誠意を見せていない」と言う、お馴染みのやり取りが展開されることになります。そして両国の世論はそれを白けた雰囲気で見守ることになるのだと思います。

 だからこそ、今回の首脳会談で合意された「妥結」が失敗に終わった場合にも、備えておかなければならないと思います。

—それでもまだ、韓国に付き合わなくてはならないのですか?

(次回に続く)

11/4日経ビジネスオンライン 福島香織『中国「二人っ子政策」、それは“朗報”ではない 「国家管理出産」では経済減速を乗り越えられない』について

「計画出産も計画経済も止めろ」と福島氏は言っていますが、それを止めたら共産党のレーゾンデ-トルがなくなるでしょう。夢の話です。問題は共産主義でなく、中国人の国民性にあります。経済で見た場合、富の分配がいつの世にもうまく行ってこなかったと言えます。「苛政は虎より猛なり」の諺が象徴しています。自己中の中国人ですから自分が儲かれば他人はどうでもよいという発想ですし、権力者は「清官三代」と言われるように清官であっても蓄財に励みます。中国のGDP構成比で消費の割合が低く出るのはここいらに原因があります。大衆に富を渡さず、貧しいものは益々貧しくなります。何清漣は「腐敗は中国の歴史であったけれども、一番ひどいのは共産党支配」と言っていたと思います。権(ポスト)銭(金)交易です。周永康の賄賂受領額が1兆6000億円と言うのですから、他の要人たちはどのくらい取っているのかです。「共産主義は能力に応じて働き、必要に応じて受け取る。」と言われますが、「必要」額を超えているし、周永康に能力があったとも思えません。共産党支配の一番ダメなところは「三権分立」「選挙による国民の為政者への監視」がない所です。

中国元のIMFのSDR入りが確実視されているという話で、今般のASEAN国防相会議では「元」の力を見せつけ、AIIBからの融資を梃子にして「南シナ海」問題の共同声明を見送りにさせたようです。ASEAN諸国も中国の軍門に下れば、チベット・ウイグル・南モンゴルのように虐殺、領土の蹂躙と言うのが分かっていないのでしょうか?日本の経済団体も大挙して北京に押し掛け、愚かとしか言いようがありません。「敵を詐術によって勝つ」のが中国兵法です。官民の発表数字は勿論出鱈目、国全体が過重債務なのに、人民元を発行して、他国に元での支払いを押し付けようとするでしょう。日本企業は$払いで契約しないと痛い目に遭います。出来れば付き合わない方が良い。経済を富ませることは中国の軍拡に手を貸すことにもなるし、駐在員の人質化を認めることになるからです。

中国で「ふたりっ子政策」より問題なのは、「都市戸籍」と「農村戸籍」の存在と「档案」の存在でしょう。「都市戸籍」と「農村戸籍」では生活する上での待遇格差が激しく、この是正がなくならない限り、総体としての格差も縮まりませんが、自己中の中国人はやらないでしょう。また「档案」は共産党支配の根幹を為すもので、敵を「家族を含めた経歴」で縛るものですのでこれも共産党支配が続いている間は止めないでしょう。ピルズベリーは「中国に騙されて来た」とやっと気づいたようですが、遅すぎです。もっと下の人間と付き合えばいろいろ見えたでしょうに。日本のエリートと言われるのも同じ。今頃言っても遅いとしか言いようがありません。中国の民主化何て百年早いとしか言いようがありません。

記事

 中国でおよそ35年間続いていた”一人っ子政策”が廃止された。これからはどんな夫婦も二人まで出産してもいい”二人っ子政策”になるという。これは目下、目立った成果が報じられていない五中全会(18期中央委員会第五回全体会議)で決定されたほぼ唯一の”朗報”であり、とりあえず歓迎の声で迎えられている。

 早速、”ご近所で子づくりに励む声が聞こえる”、”二人目解禁になってから、夜の微博の書き込みが減った”といったつぶやきがネットの上で散見され、東京株式市場でも紙おむつや粉ミルクなど新生児関連の株価が上昇した。来年は中国でベビーラッシュが起きるであろうと言われている。なので、ポジティブなニュースとしてとらえられるべきなのだが、ここであえて懸念もあることをまとめておきたい。

五中全会「唯一の朗報」が抱える懸念

 五中全会は25日から29日まで開かれ、最終日にコミュニケが採択された。蛇足ながら中央委員会全体会議は中国において毎年秋に開かれ、翌年以降の重要政策および人事を決める党中央の最重要会議である。毎年春に行われる国会もどきの全人代(全国人民代表大会)には実は政策も法案も決める実質的権限はなく、中央委員会全会の決定をなぞるだけである。五中全会の最大の注目点は第13次五か年計画の内容と政治局人事であったが、人事も経済成長目標も打ち出されなかった。おそらくは人事と経済数値については議論が紛糾したまま、まとまらなかったのだろう。

 だが、その代わり、「人口バランスの発展を促進し、計画出産育成の堅持を基本国策とした上で、人口発展戦略を完璧なものとするために、一組の夫婦に二人の子供を出産育成する政策を全面的に実施し、人口老齢化に積極的に対応していく」という一文がトップニュースになった。

 これを受けて、国内外メディアは一胎化政策(一人っ子政策)廃止と大きく報じた。

 一人っ子政策問題は1970年代末に段階的に導入され、80年9月25日の「人口増加抑制に関する問題で全共産党員・共青団員に対する公開書簡」の発表をもって正式に全国での導入が推進された。

 中華民国時代4億人であった人口が1980年にはおよそ10億人に急増し、60年代からすでに人口急増は中国政府の課題であった。この人口の急増が食糧不足を引き起こし、社会の現代化を大幅に遅らせるという問題提起が70年代からさかんになり、文革終了とともに試験的に導入が始まっていた。

計画出産委員会による厳罰という名の蛮行

 この政策推進にあたっては計画出産委員会という組織が設立され、全国各地の農村単位までその支部が作られた。その政策の実行は極めて厳格で、一人目を出産したあと避妊手術を受けるなどして「一人っ子宣言」した夫婦に対しては奨励金や医療、教育費の一部免除、退職金の割り増しなど七つの優遇を受ける一方、この政策に違反した夫婦は厳しいペナルティを課せられた。その代表的なものが年収の6倍から10数倍に上るという罰金であり、また二子目の妊娠が発覚したときの強制堕胎措置、また賃金カットや昇進の停止といったものだった。

 一部の農村の計画出産委員会の役人たちの罰金の取り立てや強制堕胎のむごさは、21世紀に入ってからも大きな人権問題として批判の的になった。

 盲目の人権活動家で2012年に自宅軟禁状態から脱出し米国大使館に亡命した陳光誠は、山東省臨沂市当局の一人っ子政策を理由にした強制堕胎や罰金徴取の違法性を訴えたことが、当局の恨みを買ったために不当逮捕、軟禁、虐待の憂き目にあった。払う罰金がない場合は、暴力的な家探しをして家財道具のすべてを奪ったり、嫌がらせに家屋を破壊したり、泣きながら抵抗する女性に強制堕胎手術を行ったりする計画出産委員会の蛮行が、しばしば告発されていた。役人が超生(政策違反で生まれた子供)を無理やり奪って、養子縁組組織(人身売買組織)に転売する事件もあった。妊娠七カ月を過ぎた段階で見せしめ的に強制堕胎した例も報告されている。

 農村では男尊女卑の価値観が根強く、一子目、二子目が女児の場合、違反を知りながら男児が生まれるまで出産を続けることも多かった。最初に生まれた女児たちは間引かれたり、戸籍を与えられなかったり、売り飛ばされたりして存在しないことになった。結果的に、男児が増え女児が減少する出生性別比の不均衡が現れ、農村では女児100人に対して男児が120人前後という極端な女児不足が続いた。2020年までに結婚相手に不自由する結婚適齢期男性が3000万人前後にのぼるという推計も出された。

政策転換を阻んだ年200億元の利権

 私が北京に赴任した2002年ごろから人口学の専門家は一人っ子政策の転換を訴えていたが、中国政府は農村部ではまだ人口が多すぎる、という理由でその主張を無視し続けていた。当時、農村の労働力は4億~5億人と推計され、うち1.5億~2億人が余剰労働力だと言われてきた。この余剰労働力が都市に流入すれば都市資源があっと言う間に食いつぶされてしまうおそれがあり、一人っ子政策転換は戸籍制度改革問題とセットで政権がなかなか手を付けられない鬼門の政策であった。一方で、一人っ子政策が時代遅れになってきたという認識も芽生えており、農村部では各地の条例により一子目が女児や障害児であった場合、インターバルをあけて二子目を産んでよいとする政策の緩和も始まった。

 2011年ごろから余剰労働力がほぼゼロになり、いわゆるルイスの転換点を迎えたと言われるようになった。だが、50万人以上の職員を抱える計画出産委員会という巨大な役所が得る、年間200億元超えの「超生の罰金」はすでに大きな利権構造をもち、官僚たちは依然、この政策転換に抵抗していた。

 だが、いよいよ一人っ子政策を維持する公式の理由がなくなり、本格的緩和が模索される。夫婦がともに一人っ子の場合、二子目出産を認める双独二胎政策が導入され、続いて2013年暮れ、片親が一人っ子の場合は二子目出産を認める単独二胎政策に切り替わる。1100万夫婦が二子目を生む対象であったが、1年たち、二子目出産を申請したのはわずか70万組と政府の期待に大きく反した。こうして今年夏ごろから一人っ子政策を全面的に二人っ子政策に切り替える方針が固まっていた。ただ既得権益グループの抵抗も強く、実施は来年に持ち越されるのではないかと言う観測もあった。

 こうしてついに、一人っ子政策の歴史が終わったわけだが、国内外の反応は意外に芳しくない。まず、政策転換の理由は、一人っ子政策の非人道性を反省したのではなく、純粋に経済対策として行ったと言うことに対し、一人っ子政策反対派の人権活動家は比較的冷ややかだ。陳光誠はAFPのインタビューにこうコメントしていた。「きょう一人っ子政策をやめても、少子高齢化問題の解決にはあと50年かかる」「彼らはただ制限を少し緩和しただけで、やはり本来個人に属する出産の権利を厳格にコントロールし続ける」。

 実際五中全会コミュニケでも、「計画出産政策は国家の基本政策として堅持する」としており、出産が女性の権利として自由になるというわけではなく、また計画出産委員会が解体されるわけでもない。むごい方法で堕胎させられたり罰金を徴収される悲劇が無くなるのは朗報だとしても、「そのうち二人目出産が義務化される」「二人目を出産しないと罰金が科されるんじゃないか」と揶揄する声もネット上には散見された。

労働力不足が招いた外国人違法就労問題

 肝心の労働力不足、少子高齢化問題の緩和も、この政策自体に即効性があるわけではない。

 来年生まれた子供が一人前の労働力に成長するのは少なくとも18年後だ。中国は将来10年の間に18歳から22歳の人口が4000万人減り、20歳から40歳の働き盛りの人口は1億~3億人減るという推計がある。この中国の労働人口1億人分を補うために、中国はどうすればいいのか。

 労働力不足に関していえば、この数年、広東省などでは「洋黒工」と呼ばれる外国人の違法就労者急増が社会問題としてメディアでも論じられはじめている。アフリカ諸国やミャンマー、パキスタン、ベトナムなど東南アジアからの不法移民の中国の工場での不法就労が急増していて、それが治安悪化などを引き起こしている。一人っ子世代の若者の工場労働に対する賃金や労働環境の要求が高く、安価な労働力を武器にしていた中国の製造現場に一人っ子世代労働者が寄り付かなくなった。その穴を、工場側は、より低賃金、悪条件で働くアフリカ人や東南アジア人の違法就労で補おうとしているのだ。

 移民は、中国にとっても極めてリスクが大きい。最大の懸念が治安の悪化。さらにイスラム教徒やキリスト教徒ら、中国にとってコントロールしにくい思想、信条を持つ人が多く、各地で地元中国人との間で文化的衝突を起こすほか、国内の少数民族の過激派と結びつくのではないかという不安もあり、彼らが定住化すれば新たな民族問題に揺れる可能性もある。世界で四番目の移民輸出国の中国が、実は国内の不法移民問題で悩んでいたわけだ。

 労働者不足に続いて大きな懸念は、少子高齢化問題だ。高齢者の社会福祉システムの整備が完成していない中国では子供が老親の暮らしを支える。60歳以上の人口は2010年11月の段階で総人口の13.3%だが、2042年には総人口の30%を超えると推計されている。労働人口と扶養される高齢者の人口比は2020年で1:3。健康な老人であれば、現行の55歳定年、60歳定年を延長し、高齢者労働力を活用して労働力不足を補うという方法もあるのだが、中国の場合、60歳を過ぎて労働意欲のある高齢者は日本よりずっと少ないように思われる。

 一つの大きな懸念は、政策が変わったことで、むしろマイナスの影響が起きるかもしれない、ということである。子供の教育費が日本などよりもよっぽど割高な中国で、都市民や豊かな農民があえて二人目を生む選択をするかという問題もあるが、たとえば昔の男児重視、男尊女卑的伝統にとらわれたままの貧困農民層・労働者層ほど、子供を多く生み、現役労働力世代が、高齢者の扶養と増えた子供の養育の板挟みになってますます貧困化し、貧富の格差がより激しくなるかもしれない。

計画出産も計画経済も、もう限界

 結局、一人っ子政策の転換は中国の目下直面する経済成長急減速の特効薬ではないのだ。経済成長のための具体的政策があり、給与が順調に増えていくという期待があり、生まれてくる子供に未来のある社会を用意できるのだと思うからこそ、若い夫婦が子供をもう一人産もうと考える。それが正しい順番だろう。

 経済のために、国家のために、子供を何人産めという政策自体が実は極めていびつで、党と政府が出産という家族のプライベートに介入することは、企業の人事や株の売買に行政指導が入ることと同様、国家の成長の伸びしろをたわめることになると私は思っている。

 改革開放以来最大の経済減速期を迎える中国が、次の発展段階の軌道に乗るためには本当ならば「一人っ子政策廃止」ではなくてこう言わなくてならないだろう。

 計画出産も計画経済も廃止する、と。