『米との関係修復、ロシアが恐れる最悪のシナリオ 行方を左右する二つの国と米国との緊張』(2/10日経ビジネスオンライン 池田元博)について

2/12日経に米ロ中韓シンガポールの記者を集めて、座談会を開いた記事が掲載されていました。北方領土絡みの部分を抜粋します。

2/12日経朝刊〈外交〉北方領土問題、遠い解決/アジア太平洋、不安定に

――安倍首相の外交政策をどう評価するか。

ゲイル氏 安倍首相は外向的だ。トランプ氏やプーチン氏と並んでも、物おじせず落ち着いている。野田佳彦前首相など他の政治家には無理だろう。安全保障政策に関して日本は日米同盟の代替案を持ち合わせていない。慎重にやるべきだ。

トランプ氏は環太平洋経済連携協定(TPP)の離脱を決め、2国間交渉を求める。彼が国益として主張しやすい成果物を与え、うまく操ることが肝心だ。

ゴロブニン氏 安倍首相とプーチン氏は16回も会談したが、あくまで仕事上の関係だ。率直に言うと、この2人で北方領土問題の解決はできない。安倍首相が2島返還などの妥協策をのむ可能性はあるが、プーチン氏は1島も返さない。ロシア国民はプーチン氏に領土拡大や強い国を期待しており、返還とは全く逆の考えだからだ。

蘇氏 2国間における首脳の個人関係を否定はしないが、そもそもの根幹はやはり国家利益だ。国家を代表してどう相互利益を図り、信頼を構築するか。テーブルの上で握手しても、下で足を蹴り合っていては意味がない。

ローリー氏 日中関係はうまくいっていない。尖閣諸島をめぐり大きな溝を抱えている。トランプ政権の誕生がこれに拍車をかけ、アジア太平洋地域の安全保障環境はさらなる緊張状態に陥るだろう。悲観的にとらえている。

金氏 韓国と日本は歴史的にも特別な関係を築いてきた。朴槿恵(パク・クネ)政権が事実上機能していない今、重要なのは次の大統領だ。直近の世論調査では野党候補の文在寅(ムン・ジェイン)氏が勝つ可能性が非常に高い。韓国のリベラル政権と安倍政権がどう向き合うか。北朝鮮やトランプ氏も不安要素の一つだ。

慰安婦問題も簡単ではない。貧しい家庭の若い女性の悲劇として人々の関心を集めてしまう。普通は10年もたてば忘れるが、慰安婦問題はそうではない。

疑問なのは、なぜ安倍首相はロシアを非難しないのか。昨年の日ロ首脳会談でロシアのミサイル配備に全く触れなかったのは驚いた。

ゴロブニン氏 答えは簡単だ。安倍首相の対ロシア外交の目的は北方領土問題と、ロシアと中国の異常な接近を阻止することだ。だからロシアのミサイル配備には何も言わない。尖閣周辺に中国船が入ったときは大きく非難するけれども。>(以上)

さすがに、左翼リベラルの集まりの感じがあります。その中でロシア人記者のゴロブニンの発言はプーチンを牽制する意味があるのかも。KGBと繋がっている可能性もあります。北方領土の最大の問題は、4島に米軍基地を置かないように日本が約束できるかどうかです。知恵を出せば、可能になるかも。でもゴロブニンの発言は日本の足元を見ている嫌味な奴と思わせます。

本記事の結論は「米ロ関係が順調に改善すると断じるのは早計だろう」とのことですが、その通りと思います。イランと中国に関して米国の思惑通り、ロシアが動くとは思えませんし、米議会がロシアの経済制裁解除に協力するかどうかは分かりません。

宮崎正弘氏も2/13メルマガで行政府内の意見の不一致があり、ロシアに対して一直線に関係改善には行かないという事です。大局的に見れば、中国封じ込めにロシアの協力は必要ですが、日本の足元を見るようであれば、日本もロシアへの協力は控えた方が良いでしょう。

2/13宮崎正弘氏メルマガ< ラインス・プリーバス首席大統領補佐官を更迭?  はやくもトランプ政権の中枢で人事内紛が勃発

11日夜、フロリダ州の別荘で安倍首相と夕食をともにしたトランプ大統領は、安部夫妻を見送ったあと、親友のひとりと30分の密談を交わした。  ワシントンポストに拠れば、「ラインス・プリーバス首席補佐官は不的確で、連邦政府の行政の仕組みをよく知らないばかりか不適切な処置を目立つ」として更迭を促したという。  直前にも議会民主党からはマイケル・フリン安全保障担当補佐官が、その個人的コネクションとして、ロシアとの距離が親しすぎるとして適材適所にあらずと不信任の声があがっている。 フリンはトランプ就任前から在ワシントンのロシア大使館高官等と接触を繰り返したうえ、軍を退任後も二回、露西亜を訪問し、夕食会ではプーチン大統領のとなりに座っていた写真がばらまかれた。 そのこと自体に問題はないが、議会派ロシアを敵視しており、制裁の解除ではなく、強化を訴える反ロシア派勢力のほうが強い。 ティラーソン国務長官の指名でも民主党の多くが、ロシアに寄りすぎるとして反対票を投じた。  トランプ大統領はフリンを信頼しており、またラインス・プリーバス首席補佐官の更迭に関しては、ひとことも発言していない。  このごたごたの暗闘の最中、北朝鮮がミサイル実験を強行し、ふたたびトランプ大統領と安倍首相は記者団の前に現れて北用船を非難した。あのときのトランプ大統領の不機嫌な表情、大事な記者会見の最中にも、ほかのことを考えていたに違いない。>(以上)

記事

「米国第一主義」を掲げるトランプ政権が始動した。世界が懸念を強めるなか、トランプ氏の就任を心待ちにしていたのがロシアだ。ロシアとの良好な関係づくりを公言する米新政権の下で、米ロ関係は本当に改善するのだろうか。

国務長官には、「ロシア通」として知られる米石油大手エクソンモービルの前CEO、レックス・ティラーソン氏が就任した(写真:The New York Times/アフロ)

米ロ関係の先行きを占う材料として注目されたのが、先月28日に実施されたトランプ大統領とプーチン大統領の電話協議だ。

トランプ大統領の就任後、初めてとなった電話協議は約45分に及んだ。

ロシア大統領府によると、両首脳は米ロ関係の発展に向け、建設的かつ対等、相互利益の原則に基づいて共同作業を活発に進めることで合意した。ビジネス交流を通じて両国の貿易・経済協力を復活させる重要性も確認したという。

国際情勢をめぐってはとくに、国際テロリズムが世界の主たる脅威となっているとし、過激派組織「イスラム国」(IS)やシリアの他のテロ組織の撲滅に向け、米ロが共同歩調をとるべく調整していく必要性で一致した。

電話協議では、両国関係改善への最大の障害となっているウクライナ情勢も話し合った。ペスコフ大統領報道官によると、米国による対ロ経済制裁の緩和問題は議題に上らなかったという。

それでもプーチン大統領は協議のなかで、「ロシアは200年以上にわたって米国を支持してきたし、過去の2度にわたる世界大戦でも米国の同盟国だった」と強調。現在も米国は国際テロとの戦いで最重要のパートナーだと持ち上げ、関係修復への期待を強くにじませた。

一方、米ホワイトハウスも声明で「前向きな電話協議は、修復が必要な米ロ関係進展への重要なスタートとなった」と表明。「トランプ、プーチン両大統領はともに本日の電話協議後、テロとの戦いや互いに関心を持つ他の重要課題に速やかに取り組めると期待している」と指摘している。

政権だけなく、ロシア社会全体に広がる「トランプ期待」

ちなみにトランプ大統領はこの日、日本の安倍晋三首相、ドイツのメルケル首相、フランスのオランド大統領、オーストラリアのターンブル首相とも相次ぎ電話協議している。ロシア以外はすべて米国の同盟国で、トランプ氏がいかにロシアとの関係を重視しているかを示したともいえる。

しかも米メディアの報道によると、ターンブル豪首相との電話協議は難民問題で対立。トランプ大統領がわずか25分で一方的に電話を切ってしまい、「これまでの電話協議で最悪」と述べたという。

トランプ氏自身はツイッターで「フェイク(偽)ニュースのウソ」と断じているが、少なくとも同盟国首脳との電話協議より、プーチン大統領との会話のほうが雰囲気は良かった可能性は否定できない。

周知のように、トランプ氏は選挙期間中からプーチン大統領を「彼は非常に賢い」「強い指導者だ」と高く評価。オバマ前政権下で大きく冷え込んだ米ロ関係の改善に強い意欲を示してきた。

ロシアが米大統領選時、トランプ氏を支援すべく大規模なサイバー攻撃を仕掛けたのかどうかはともかく、プーチン政権が同氏の当選を切に望んでいたのは事実だろう。

ロシアの「トランプ期待」は政権だけなく、社会全体に広がっている。政府系の全ロシア世論調査センターが先月実施した調査によると、オバマ前大統領については回答者の81%が「否定的」評価を下した。一方でトランプ新大統領に対しては「良い」が40%と、「悪い」の4%を大きく上回った。

独立系の世論調査会社レバダ・センターが「米国との関係をどうみるか」と聞いた今年1月の調査でも、「良い」が37%、「悪い」が49%だった。米ロ関係を否定的にみる回答が依然として上回ってはいるが、2年前の2015年1月時点では「悪い」が実に81%に達していた。

ウクライナの戦闘激化は“瀬踏み”?

そんなロシアがトランプ新政権に最も期待しているのは、オバマ前政権がウクライナ危機を受けて発動した厳しい対ロ経済制裁の緩和や撤回だろう。

オバマ氏はとくに、ウクライナ東部で政府軍と泥沼の戦闘を続ける親ロシア派武装勢力にプーチン政権が軍事支援していると激しく非難。ウクライナ東部紛争の政治解決をめざした和平合意(ミンスク合意)が完全に履行されない限り、対ロ制裁は緩和しないとしてロシアに強硬な対応をとってきた。

ところがトランプ氏は、就任前のインタビューでロシアが核兵器削減の「取引」に合意すれば対ロ制裁を解除する可能性に言及するなど、必ずしもウクライナ東部の和平合意履行と絡ませない考えを示唆している。

トランプ大統領は今月4日、ウクライナのポロシェンコ大統領とも電話協議し「和平への協力」を約束した。しかし、直後に放映された米テレビとのインタビューで改めて「プーチン大統領を尊敬する」と述べるなど、ウクライナを全面的に支援してきたオバマ前大統領の姿勢とは明らかに異なる。

ロシアにとってさらに追い風なのは、トランプ政権の最重要閣僚とされる国務長官に、「ロシア通」として知られる米石油大手エクソンモービルの前最高経営責任者(CEO)、レックス・ティラーソン氏が就任したことだろう。

同氏はエクソンモービルのCEO時代、ロシア国営石油最大手ロスネフチとの間で油田・ガス田開発事業を進めた。2013年にはプーチン大統領が「友好勲章」を授与したこともある。対ロ制裁にはもともと反対の立場を表明してきた経緯もあり、ロシアにとっては願ってもない布陣といえる。

当のウクライナ東部ではトランプ、プーチン両大統領が電話協議した先月28日以降、ウクライナ政府軍と親ロ派武装勢力による戦闘が再び激化している。ロシア、ウクライナはいずれも相手側が仕掛けたと非難合戦を繰り広げているが、プーチン政権がトランプ政権のウクライナ問題に対する「関心」の度合いを瀬踏みしている可能性は完全に否定できない。

ロシアでは実際、「トランプ氏は誰が敵かを良く覚えている。ウクライナのポロシェンコ政権が米大統領選でヒラリー・クリントン候補を熱心に支持してきたことを決して忘れていないはずだ」(外交専門家)との見方が根強い。

関係修復の障害になりかねない米のイラン敵視政策

いずれにせよ、プーチン政権がトランプ政権の発足を好機ととらえ、関係修復と対ロ制裁解除へのシナリオを模索しているのは間違いない。とくに外交専門家の間では、まずは国際テロリズムとの戦いを前面に押し出し、米ロ協調を演出していく道筋がとりざたされている。

ロシアは現在、シリア和平を実現すべく、アサド政権と組んで外交攻勢を活発化させている。先月にはカザフスタンの首都アスタナで開いた和平会議も仲介した。この会議には米側から結果的に駐カザフ大使がオブザーバー参加しただけだが、ロシアはトランプ政権にも積極的に参加を呼びかけていた。

シリアはトランプ氏が「掃討」をめざすISの拠点だ。ロシアが「ISとの戦い」と称して米国に共闘を求めつつ、米国の協力も得ながら、アサド政権を存続する形でシリア和平実現の構想を描いていることは十分予想される。

ただし、こうした構想の障害となる暗雲が早くも漂い始めている。トランプ大統領がイランに対する敵視政策を強め始めていることだ。

イランが先月末、弾道ミサイルの発射実験を実施したのに対し、トランプ政権はさっそく追加制裁を科すと発表した。オバマ前政権時代、イランと米欧などはイランが核開発を制限する見返りに経済制裁を解除する「歴史的合意」を達成したが、トランプ氏はこの核合意を「最悪」と非難している。米国とイランの関係は早晩、大きく冷え込みかねない状況だ。

一方、ロシアは地対空ミサイルシステム「S300」を供給するなどイランとは密接な関係にある。シリアの停戦や和平協議もトルコとともに、イランの協力を得て進めた。米国とイランの関係が悪化すれば、IS掃討とシリア和平への協力を通じて米ロの関係改善をめざす道筋自体が頓挫しかねない。

ロシアが最も恐れる、対中国の強硬姿勢の余波

イラン問題だけではない。ロシアが最も恐れているのは、トランプ氏の中国に対する強硬姿勢の波及だ。まだ表面化していないが、米政権が米ロ関係を改善する見返りとして、中国と距離を置くようロシアに要求するシナリオが想定されるからだ。

ロシアにとって中国は最大の貿易相手国だ。ウクライナ危機で国際的な孤立を強めるなか、ロシアは対中依存をさらに強めた経緯もあり、中ロ関係を台無しにしてまで米国にすり寄るとは考えにくい。

自信過剰で起伏が激しいとされるトランプ大統領だけに、その外交路線も予見しにくい。ロシアの思惑通りに、米ロ関係が順調に改善すると断じるのは早計だろう。

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『「北の核」潰しの決意を日韓に質したマティス 「米国と共に戦うか、さもなくば……」』『「第2次朝鮮戦争」から目をそらす韓国人 「狂犬」のお達しも空振りに』(2/9・10日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

安倍首相がアーリントン墓地に行きましたので、今年のトランプ大統領の訪日時に靖国参拝するかどうか期待して見守りたいと思います。それにより、中国との対決度も分かり、嘘つき韓国の外交カードの無効化と朝日が策動して始めた事件の無効化が図られます。天皇参拝にも道を拓くことになります。今の自衛隊員の殉職者が靖国に祀られるようにしませんと。

本記事にありますように日本も敵基地先制攻撃能力を持たないと。似非平和主義者or平和ボケは「とんでもない」と思うのかもしれませんが、目の前の危機に何も対処しないのであれば、多くの国民が犠牲になります。何より安全優先です。トランプの考えと一緒です。“ostrich policy” こそが深刻な危機を齎すことを自覚しませんと。

米国は北に先制攻撃を仕掛けるときは、韓国に事前通知はしないでしょう。中国に漏れる可能性もあるし、北に内通者が出るかもしれませんので。日本には当然その前に、米軍の家族の沖縄基地への避難がありますので分かるでしょう。以前やったように、訓練に仮装して。

http://www.cnn.co.jp/world/35094531.html

北のミサイルはTHAADがなくても、日米のミサイル防衛で防げると思っています。問題は国内の治安でしょう。朝鮮総連も日本国内にありますし、民潭も機に乗じてテロを起こすかもしれません。水道に毒を流すとか、厳しく監視しなければ。日本は日本人の物です。外国の危険分子の物ではありません。

朝日新聞を筆頭に左翼リベラル勢力は国民の安全を蔑ろにした論調を展開すると思います。現実に対応できない空理空論というのが国民にもやっと理解できるようになるのでは。それでは気づくのが遅すぎますけど。

本来、国が音頭を取って避難訓練と自警団の組成(今の防犯パトロールを大きくしたものでも良い)を図らなければ。市に下ろして、予算措置して実現するようにできれば良いですが、メデイアの反対で潰されるでしょう。本当に困った存在です。

記事

訪韓したマティス米国防長官は黄教安大統領代行をどう“値踏み”したのか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

米国のマティス(James Mattis)国防長官が韓国と日本を訪れた。「北朝鮮の核」と戦う覚悟があるか、見定めるためだ。

トランプの暴言封じ

鈴置:マティス国防長官が2月2、3の両日に韓国を訪れ、黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行や韓民求(ハン・ミング)国防長官と会談しました。

マティス長官のメッセージは明快でした。聯合ニュースの「米国防長官『韓米同盟強化など、米国の安保公約不変』」(2月2日、韓国語版)によると、以下のように言明しました。

  • 米韓同盟の強化と拡大抑止など、米国の安全保障への公約は不変であるという事実をもう一度明確にする。

—2月3日に日本で安倍晋三首相に述べたのと同じ文言ですね。

鈴置:ええ、全く同じです。日本の外務省の「マティス国防長官による安倍総理大臣表敬」(2月3日)を見ると分かります。

トランプ(Donald Trump)大統領は選挙期間中、韓国や日本を「安保ただ乗り」と批判。「自分は自分で守れ」などと同盟を軽視する姿勢も見せました(「トランプとオバマの間で惑う朴槿恵」参照)。

マティス長官の日韓訪問はその修正、つまり「同盟の確約」が目的の1つでした。日経の吉野直也ワシントン支局長が「『狂犬』が狙ったトランプ氏の暴言封じ 日韓訪問」(2月4日)で指摘しています。

共に戦う決意はあるか

当然のことですが、「同盟の確約」には無言のうちに条件が付いています。敵――現時点では核武装間近の北朝鮮と、共に戦う決意があるのなら、です。それを見極めるのがマティス国防長官の旅の最大の目的だったのでしょう。

彼は「狂犬」(Mad Dog)のあだ名を持ちます。韓国へ向かう際、核戦争用の空中指揮機――別名「最後の審判の日の飛行機」(Doomsday Plane)の中で以下のように語りました。国防総省の「Mattis Describes Overseas Trip as Opportunity to Listen to Allies’ Concerns」で読めます。

  • together we confront the North Korean situation.
  • I want to listen to them, engage with their political leaders, listen to some of their briefs, [and] get an understanding of their view of the situation.

「我々(米日韓)は北朝鮮の状況に共に立ち向かう」と述べた後、「(日韓の)政治指導者の説明を聞き、現状をどう見ているのか理解したいのだ」と、訪韓・訪日の目的を説明しました。

「説明を聞きたい」とへりくだった言い方をしましたが、要は「米国と肩を並べて戦う決意はあるのか」と問い質しに日韓に行くと言ったのです。

北への先制攻撃論

—日本では「日米安保を尖閣諸島にも適用する」との発言が大きく報じられましたが……。

鈴置:中国がトランプ政権の最大の仮想敵であることは間違いありません。しかし米国にとって――日本にとってもそうですが、緊急の課題は北朝鮮です。

「目前に迫った北朝鮮の核武装をいかに阻止するか」が課題なのです。先ほど引用した国防総省の発表資料を見ても、マティス長官の発言は「北朝鮮の核」一色です。

2016年9月以降、米国では北朝鮮の核・ミサイル施設への攻撃論が声高に語られるようになりました(「米国が北朝鮮を先制攻撃する日、韓国と日本は?」参照)。

表「米国の『先制攻撃論』」を見れば分かる通り、2016年9月5日の北朝鮮の長距離弾道弾の試験と、9月9日の5回目の核実験の後、米軍高官らが矢継ぎ早に語りました。

5日 北朝鮮、高速道路から3発の弾道ミサイル連射、1000キロ飛び日本のEEZに落下
9日 北朝鮮が5回目の核実験を実施し「戦略ミサイルの核弾頭の生産が可能になった」
   
10日 稲田朋美防衛相、韓民求国防相に電話会談で、GSOMIA締結を呼び掛ける
12日 韓国国防相報道官「日本とのGSOMIAは必要な雰囲気。ただ、国民の理解必要」
16日 マレン元米統合参謀本部議長「北の核の能力が米国を脅かすものなら先制攻撃しうる」
19日 カーター国防長官、在韓米軍のスローガン「fight tonight」を引用「その準備はできた」
20日 北朝鮮「推力重量80トンの静止衛星運搬用ロケットの新型エンジン燃焼試験に成功」
20日 ハイテン米戦略軍次期司令官「北朝鮮はいずれICBMを持つ。すぐに備えるべきだ」
22日 米大統領報道官、対北攻撃を聞かれ「一般に先制的軍事行動に関し事前に論議しない」
24日 ヴィクター・チャ教授、中央日報に「北朝鮮のICBMの破壊も検討」と寄稿
26日 米韓海軍、日本海で合同訓練。韓国軍「北朝鮮の核・ミサイル施設や平壌が攻撃目標」
米国の「先制攻撃論」(2016年9月)

オバマ(Barack Obama)政権が北朝鮮の核開発を放置した結果、米国まで射程に収める核武装が間近に迫った、との危機感からです。

激しい大統領選挙戦もあって一時期はメディアの関心もそこから外れていました。が、トランプ政権発足の直後から再び、米議会などで「北への先制攻撃」が語られ始めました。

日本も敵基地攻撃能力を

—選挙戦の最中、トランプ氏は「金正恩(キム・ジョンウン)と話し合う」と言っていませんでしたか?

鈴置:そう語りました。米国が初めから対話を拒否するとは限らない。でも、話し合いで金正恩が核を放棄するとはまず考えられない。そして対話に時間を費やせば、その間に核を実戦配備されてしまう。

日本政府がミサイル防衛網を3段構えに強化しようと動いているのもそのためです。現在は地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)と、海上配備型のSM3の2段構え。

これにTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル防衛システム)か、SM3の地上配備型を加えて3段にする計画です。

ただ、ミサイル防衛網をいくら強化しても完璧ではない。北朝鮮が一度に大量のミサイルを撃ってきたら「撃ち漏らし」が出ます。

そこで、日米の安保専門家の間では「北の核・ミサイル施設を先制攻撃すべきだ」との意見が密やかにですが、急速に高まっています。

だから安倍首相もマティス訪日直前の1月26日に、衆院予算委員会で北の核・ミサイル開発を念頭に「敵基地攻撃能力の整備を検討すべきだ」と答弁したのでしょう。以下です。

1年あれば日本も可能に

  • (敵基地攻撃に関して)政府は従来、他に手段がないと認められるものに限り憲法が認める自衛の範囲に入り、可能であると考えている。
  • 一方、わが国は敵基地攻撃を目的とした装備体系を保有しておらず、保有する計画もない。
  • 国民の生命と財産を守るために何をすべきかという観点から、常にさまざまな検討は行っていくべきものと考えている。

米軍が先制攻撃する際、第1波の攻撃に日本は加わらないでしょう。しかし当然、北朝鮮は米軍基地のある日本に対しミサイルで反撃してくる。

その北朝鮮のミサイル基地を叩くのを米軍任せにしていいものか、との議論が起きると思われます。米軍だけでは「手が足りない」可能性があるからです。

ある専門家は「死に物狂いで整備すれば、日本も1年間で北朝鮮への攻撃能力を整備できる。ただし、敵基地の所在に関する情報などは米国に依存することになる」と解説しています。

逡巡するロッテ

—韓国軍に敵基地攻撃能力はあるのですか。

鈴置:もちろんあります。韓国空軍の使命の半分以上が北朝鮮の基地攻撃にあるとされます。ただ、やはり情報は米軍頼みです(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

韓国の問題は「能力」ではなく「意図」です。北朝鮮は日本に対しても反撃するでしょうが、主な目標は韓国となります。韓国人がそれに耐えられるかどうか――。

ソウルを含む韓国の北半分は、長距離砲と300ミリロケット砲の射程に入る。北朝鮮はミサイルなどという高価な武器を使わずとも、簡単に韓国を「火の海」にし得るのです。

韓国人が恐れるのは「火の海」だけではありません。中国も怖いのです。米国は北朝鮮のミサイルから在韓米軍基地と、韓国の南半分を防衛するため、THAADの在韓米軍基地への配備を計画しました。

ところが、中国に脅された韓国が配備を承諾しませんでした。米国が「在韓米軍を引いてもいいのか」と脅したため、ようやく昨年7月に認めました。

ただ、これがすんなり進むか分かりません。配備場所はロッテ・グループが所有するゴルフ場ですが、中国政府から圧力を受けたロッテが引き渡しに逡巡し始めました。

米韓離間のチャンス

大統領選で先頭を走るのが「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表。「大統領に当選したら当然、米国より先に北朝鮮に行く」と語る親北左派です。

THAAD配備に関しても「次期政権で決めるべきだ」と反対しています。もちろん中国の顔色も見てのことです(「中国が操る韓国大統領レース」参照)。

マティス国防長官が今回の訪韓で「予定通りの配備」を確認したうえ中国を暗に批判したのも、次の政権では配備は困難と見られるからです。

—中国批判とは?

鈴置:先に引用した聯合ニュースの記事から引用します。

  • どこの誰も、米韓両国を離間することはできない。米国はいつも韓国とともにいる。

わざわざ「米韓を引き離そうとするどこかの誰かさん」つまり中国と、韓国内の従中・従北勢力に言及し、牽制したのです。

中国などにすれば、THAADは米韓同盟の空洞化の絶好のテコです。韓国にTHAAD配備を拒否させれば、米国は在韓米軍を撤収する可能性が高い。ことに今は米国が対北先制攻撃を検討するなど、状況が煮詰まっているからです。

「狂犬」よりも中国が怖い

—でも「狂犬」に脅されたら、左派も配備に同意しませんか?

鈴置:中国が怖くて、なかなかそうはいきません。国会で最大会派の「共に民主党」はマティス長官が韓国を離れた2月4日、「THAAD配備、弾劾政権でこれ以上論議するな」(韓国語)とのコメントを発表しました。理由には「中国との外交摩擦と経済面での報復」を挙げました。

日本ではあまり報じられませんでしたが、「共に民主党」の7人の国会議員が1月4日「中国政府とTHAAD問題を論議するため」に訪中しました。

彼らは王毅外相から「THAADの配備は一時中断せよ」との韓国政府への伝言を貰って帰りました。中国は、配備を遅らせておけば「文在寅大統領」が誕生し、配備は雲散霧消すると計算しているのでしょう。

韓国では7人の議員を「朝貢使」と批判する向きもありました。が、同党の支持率が落ちたわけでもなかった。

米国の言うことを聞かなくても無茶はされないと韓国人は思っている。半面、中国に逆らうとどんな報復をされるか分からない(「中国が韓国を『投げ売り』する日」参照)。

意識調査の結果を見ても韓国人にとって、もう「米国よりも中国が大事」なのです(グラフ「韓国にとって重要な国は?」参照)。

これもあって、日米の安保専門家の多くが「米国は先制攻撃の際、韓国には事前通告しないだろう」と見るのです。教えたら、たちどころに中国に御注進するでしょうから。

(次回に続く)=2月10日掲載予定

2月3日、マティス米国防長官と韓民求国防部長官が会談した国防部前ではTHAAD配備反対集会が(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

米国が「北朝鮮の核武装」阻止に動く。だが、韓国の腰は定まらない。

マティスに反旗の左派系紙

鈴置:「狂犬」(Mad Dog)のあだ名を持つマティス(James Mattis)米国防長官が2月上旬、韓国と日本を訪問しました。

—韓国紙はマティス訪韓をどう評したのですか?

鈴置:在韓米軍へのTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル防衛システム)配備に焦点を当てました。韓国がそれを受け入れるかが米韓同盟の試金石となっているからです(「『北の核』潰しの覚悟を日韓に質したマティス」参照)。

メディアにより、意見は割れました。左派系紙のハンギョレはTHAAD配備の危うさを指摘しました。社説「新ミサイル体制のために訪韓したような米国防長官」(2月3日、日本語版)で以下のように主張しました。

  • マティス長官は24時間ほどの短い訪韓中にTHAADの配備を押し切ると何度も表明した。訪韓の最大の目的が「THAAD配備固め」のようにすら感じられる。
  • このような動きは中国やロシアを刺激して朝鮮半島と北東アジアの安保情勢を悪化させ、核問題解決策の議論の障害物になりかねない。
  • マティス長官の今回の歴訪は北朝鮮だけでなく中国にも警告メッセージを送る意味がある。トランプ大統領が公言してきた対中国圧迫を本格化させるのに先立って、韓米日の協力体制を固めようとしているのだ。
  • 我が国は今後韓米日の軍事安保協力強化の求めによって具体化していくこのような動きに対して、バランス感覚を持って対処する必要がある。

ハンギョレは「日米韓」の軍事協力強化に反対してきました。北朝鮮との融和も唱えています。こうした書きっぷりになるのも当然です。

「ずるい」中央日報

配備には賛成するけれど、さりげなく留保条件も付ける「ずるい」社説を書いたのが中央日報です。「THAAD配備と拡大抑止の強化に漏れがあってはならぬ」(2月3日、韓国語版)です。

見出しだけ見ると、親中色が強くTHAAD配備に慎重だった中央日報が「狂犬」の訪韓を受け、宗旨替えしたかと思います。

本文中でも「THAADは北朝鮮の核・ミサイルから国民と財産、米軍の兵力の保護と生存に必須の防御兵器だ」と主張しました。でも、それに続いてこんなくだりがあるのです。

  • 配備に反対する国民をもう一度説得し、中国とロシアにも誠意を持って説明することを政府に望む。

韓国民はともかく、中国とロシアは韓国政府がいくら説得しても応じるはずがありません。米国に対しては「私は配備に賛成しました」とゴマをすり、中ロには「御意向を尊重するよう政府に要求しました」と弁解する、子供だましの筆法です。

相変わらず「二股」の朝鮮日報

—最大手の朝鮮日報は?

鈴置:やはり米中双方にいい顔をする「二股社説」を載せました。2月4日の社説「トランプ時代にも米韓は利益ではなく『価値の同盟』でなければ」(韓国語版)から引用します。

  • マティス長官の言葉通り「THAADはひとえに北朝鮮のミサイルの脅威に対する防衛的な武器」であり「韓国国民と我々(米国)兵力を保護するための措置」だ。
  • 中国がTHAADに憂慮することには留意せねばならぬが、我々を手なずけようとか、韓米同盟を離間する機会にしようとするのは決して容認しない。

まず、マティス長官の言葉を引用することで中国の怒りを米国にそらそうとしました。「配備は米国の意向です。文句を言うなら米国に言って下さい」というわけです。

そのうえ「中国の憂慮に留意せねばならぬ」と書いて「あなたに逆らうつもりはありませんから」と、もみ手したのです。

こんな舌先三寸の社説を書いて、もし中国から「だったらお前の言う通り、俺にもちゃんと留意して配備を拒否しろ」と言われたら、朝鮮日報はどうするのでしょうか。

マティスもげっそり?

—韓国各紙の社説をマティス長官が読んだら、さぞかしげっそりするでしょうね。

鈴置:げっそりしたと思います。韓国は北朝鮮との緊張が高まるたびに米国に「次の米韓合同軍事演習では、B52爆撃機など戦略兵器を持ち込んで北を脅してくれ」「いっそのこと戦略兵器を韓国に配備してくれ」と要求する。

今回も中央日報が社説「韓米国防会談、米国の戦略資産を韓半島に常時循環配備せよ」(2月3日、日本語版)でそれを主張しました。

でも、韓国は米国にそう要求する一方で、中国に秋波を送る。「米国と協力して北の核を根絶しよう」と国民に戦争の覚悟を訴えるわけでもない。韓国の言うことを聞いて戦略兵器を韓国に送ってきた米国からすれば「食い逃げ」されっぱなしです。

「覚悟」を訴えた東亜日報

—1紙ぐらいは「覚悟」を呼びかけてもよさそうなものですが。

鈴置:私が見た中では唯一、高まる「第2次朝鮮戦争」の可能性を指摘し、国民に心構えを説いた社説がありました。東亜日報の「ただならぬトランプの対北圧迫に準備はあるか」(2月4日、韓国語版)です。

  • 最近、トランプ政権や米議会では対北先制打撃はもちろん、北朝鮮政権の交代や金正恩(キム・ジョンウン)の暗殺まで議論されている。
  • 1994年に北の寧辺(ヨンビョン)核施設への空襲の一歩手前まで行ったが、全面戦争勃発と韓国の被る莫大な被害への憂慮のため、取り止めたことがある。今回も、タカ派一色のトランプ政権の動きがただならない。
  • 金正恩の予告通りに北朝鮮が大陸間弾道弾(ICBM)の試射を断行した場合、米国が要撃などの強硬措置に出れば、朝鮮半島情勢がすぐさま、激浪に飲み込まれることもあり得る。
  • 国が百尺竿頭の危機にあるというのに、政界は大統領選ごっこに血道をあげる。野党には、THAAD配備など敏感な懸案でトランプ政権の対北政策と反対の方向に旋回する動きも見える。一般の国民の安保意識もこれまでと変わらない。

どうせ大国が決める

—なぜ、韓国人は「百尺竿頭の危機」を直視しないのでしょうか。

鈴置:「直視してもしょうがない」と思っているからでしょう。仮に「北朝鮮の核施設を先制攻撃してほしい」と韓国人が頼んでも、米国がすんなり応じてくれるわけでもない。反対に「やめてくれ」と頼んでも、自分に必要なら米国は実行する。

1994年の寧辺への攻撃も韓国と相談もなく計画され、韓国の意向とは関係なく取り止めになりました。当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領は後になって「自分が中止させた」と言い張っていましたが、それを本気で信じる韓国人は少ない。

この問題に限らず、韓国人には「自分の運命は周辺大国が決めるものだ」との諦念のようなものがあります。歴史的に「常に大国に決められてきた」からです。

元寇や明治維新のように外敵を追い払った経験を持ち「団結すれば運命は切り拓ける」と考える日本人とは完全に異なるのです。

「自らの意思で自分の運命を決められない」以上、韓国メディアが厳しい現状の分析よりも、読者の耳に心地よい話を報じるのは当然です。

マティス訪韓に関しても多くの新聞が「日本に勝った」「やはり韓国は米国に愛されている」といった情緒的な分析を載せました。

日本に勝った!

—なぜ「日本に勝った」のでしょうか。

鈴置:マティス長官が日本よりも先に韓国を訪問したからです。韓国を「愛する」からというより、韓国が米中間で「揺れている」ので、米国はまずその姿勢を確かめたかったのだ、と私は想像しますけれど。

国会開催中だった日本が「木・金」ではなく「金・土」の日程を希望したこともある、と説明する関係者もいます。

今、韓国人は孤独感にさいなまれています。それも「日本に勝った」式の報道を加速していると思います。

中国からはTHAADで苛められ、日本からは「慰安婦像」で見捨てられた。その結果、実害も出ています。

資金流出が始まりそうというのに韓国は、大口の通貨スワップを失う可能性が大きくなったのです(「中国が韓国を『投げ売り』する日」参照)。

朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の北京の軍事パレード参観で、米国から白い目で見られていることに、韓国人はようやく気づきました(「掌返しで『朴槿恵の親中』を批判する韓国紙」参照)。

ことに米国に自国の利益を徹底的に追求するトランプ(Donald Trump)大統領が登場しました。韓国人はどんなに苛められるかと冷や冷やしていた。

そんな中、米国の国防長官が日本よりも先に韓国を訪問してくれたのです。そこで韓国各紙は「まだ、捨てられていなかった」「完全に孤立したわけではない」と小躍りしたわけです。

苦笑する中国

韓国経済新聞の2月5日の社説「堅固な韓米同盟を確認したマティス訪韓」(韓国語版)から引用します。

  • 主要国の大統領や官僚、さらには有名な芸能人、スポーツ選手もアジアに来る時は日本から訪問し、次に韓国を訪れるのが通例だ。しかし、マティス国防長官は異なった。トランプ政権が東アジアでどれほどに韓国を重視しているかを示す象徴的な例だった。
  • 国内政治が混乱する中、中国や日本との関係も疎遠になり東アジアで外交的な孤立に陥った韓国に配慮し、力づけようとしているのではないかと思えるほどだ。

米国にとって「北朝鮮の核」が最も緊急の課題ではありますが、それと「韓国を重視する」こととは異なります。もし、韓国が対北先制攻撃のお荷物になるのなら、トランプ大統領は韓国を見捨てると思います。

—韓国人はプラス思考ですね。

鈴置:こんな韓国人を笑いながら見ている国があります。中国です。中国共産党の対外威嚇用メディア「環球時報」が2月3日の社説「韓国は米国から重視されたというけれど、幸せにはなれない」(中国語)で、以下のようにマティス訪韓を評しました。

  • 韓国はマティス長官が自分たちの国に最初に来たと、興奮している。北朝鮮の核の脅威に驚くあまり、韓国は米国を救世主だと見なし、外交の独立性を失った。韓国は独立国として思考する能力をますますなくした。

米国に頭を撫でられたと大喜びする韓国――。中国は苦笑しています。この分ならもう少し脅せばまた、こっちの言うことを聞くだろうと考えていると思います。

不透明な米国

—では、中国は韓国イジメを強化するのでしょうか。

鈴置:それもするでしょうが、中国にとって韓国はあくまで外交ゲームの「駒」に過ぎません(「米国から『ピエロ役』を押し付けられた朴槿恵」参照)。

中国は小さな「駒」を動かすことよりも、ゲームの相手である米国の出方を研究する必要に迫られています。

トランプ大統領はいったい何をするのか分からない指導者です。突然の入国制限だけではありません。中国に対しては「1つの中国」という米中の基本的な合意を破る姿勢をちらつかせながら「北の核」の解決を迫り始めました。

環球時報の英語版「Global Times」が2月3日、マティス長官の訪韓・訪日に関する2人の中国人学者の意見を載せました。

Korean Peninsula tensions top the agenda of Mattis Asian tour」です。2人とも「トランプの不透明さ」を前提に議論を進めています。

朝鮮半島問題の専門家であるCui Zhiying氏は、北朝鮮への米国の先制攻撃の可能性に言及しました。以下です。

  • North Korea should stop developing its nuclear power before a possible rise in tension in the Korean Peninsula, as well as Trump’s preemptive countermeasures.
  • China should continue to deter Pyongyang’s nuclear programs while the Trump administration should seek to carry out the US-North Korea dialogues in the near future.

米国が先制攻撃的な手法をとって緊張が高まる前に、北朝鮮は核開発を止めよ。中国は北朝鮮を抑え込むから、米国は北との話し合いを早急に始めてくれ、との悲鳴に近い提案です。

判断の早いトランプ

—米国は先制攻撃するのか、それとも話し合いに入るのでしょうか。

鈴置:分かりません。今、米国はまさに分岐点に立っています。言えるのは、どちらの道を選ぶにせよ、トランプ政権は判断に時間をかけないと思われることです。

ここがオバマ(Barack Obama)前政権と完全に異なる点です。理由は2つ。トランプ大統領の性急な性格と、北の核武装が目前に迫ったという冷厳な事実からです。

(次回に続く)

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『トランプ流排外主義で米EUの亀裂深刻に 欧州極右と連鎖の危険』(2/8日経ビジネスオンライン 岡部直明)について

2/10變態辣椒氏のfacebookより

<如果川普總統是這樣的態度,向習近平承認“一個中國”的中美外交政策,我對他保持觀望的唯一理由也不存在了,我不會再支持他,我的漫畫衹支持反共者,你既然要和包子合污,我的畫筆也不會客氣了,再見川普,再見MAGA

もしトランプが習近平に向かって「一つの中国」の外交政策を認めるような態度であれば, 私は成り行きを見守る理由はないし、彼を支持することはできない。私の漫画を支持するのは反共主義者のみで、あなたが饅頭(台湾のこと?)を汚す以上は、私の筆は遠慮しない。さようならトランプ。さよならMAGA(=Make America Great Again)。

2/9米国務省のリリースは“and President Trump agreed, at the request of President Xi, to honor our “one China ”policy ”.(=トランプ大統領は、習近平総書記の要求している「一つの中国」政策に対して尊重することに同意した。)とあります。中華人民共和国は中国で一つしかありません。台湾就是台湾です。中国とは元々別なのでトランプの思いが変わったと言う訳ではないでしょう。これから具体的にいろんな意味で中国と交渉していくための通過儀礼と思います。

国務省に隠然たる影響力を持つキッシンジャ-が蠢いてトランプに「一つの中国」政策を認めさせたと思いますが、これからが米中対決の本番です。習が軍事膨張主義を止めれば米国も引くでしょうけど、習は止められないでしょう。それこそ軍から暗殺されます。やはり経済から中国を封じ込めて行かねば。ただ、トランプ大統領と安倍首相の共同会見時、両者とも『航行の自由作戦』に言及しましたから、日本も何らかの協力を求められるかもしれません。

岡部氏はトランプを極右扱いしたいようですが、もともと右翼の語源はフランス革命後の王党派支持を指していました。王もいない、共和党出身の大統領を右翼と呼ぶのはどうかと思います。彼自身が左翼リベラルだから、彼らにありがちなレッテル貼りをしてイメージを下げることを狙っているのでしょう。国民の想いからは遊離した意見だと思います。

岡部氏が、ヨーロッパでの極右と呼んでいますウイルダースやルペンも反移民・反EUなだけです。極右ポピュリズムと言って腐すのもどうかと思います。良識派として自己を規定し、上から目線で、大衆の想いに寄り添うことが無いのです。そんなに偉いのかと言いたい。新聞情報では、ルペンは第二回決選投票で負けると予想していますが、隠れトランプ支持同様、隠れルペン支持が多くいるかもしれません。期待して見守りたいと思います。

記事

トランプ流排外主義が猛威を振るうなかで、トランプ米政権と欧州連合(EU)の亀裂が深刻化している。「英国に続いて、EUを離脱する国が出る」と公言するトランプ大統領に、穏健派のトゥスクEU大統領もトランプ政権を「外的脅威」と決めつけた。EU首脳がトランプ流に危機感をつのらせているのは、選挙の年に台頭する欧州極右とトランプ政権の排外主義が連鎖しかねないと懸念しているからだ。共通の価値観に基づいて世界をリードしてきた米EUの亀裂は、国際秩序に大きな影響を及ぼす恐れがある。

欧州連合(EU)のトゥスク大統領は2月3日、EUの首脳会合を前に加盟国首脳に送った書簡で、米国のトランプ政権を「外的脅威」だと名指しして批判した。(写真:NurPhoto/Getty Images)

「右翼」に牛耳られるトランプ政権

メキシコ国境に壁建設、イスラム7か国からの入国制限、難民受け入れ停止など大統領令に基づいて排外主義を連発するトランプ政権には、米国内のみならず世界中に抗議活動が広がっている。覇権国の狭量なナショナリズムが世界を揺るがしている。

なぜ、こんな異常事態になったのか。トランプ政権の本質はどこにあるか。少なくともトランプ政権は大統領就任演説に表れていたように従来型の共和党の保守政権ではない。脱ワシントンをめざすトランプ政治は大統領選を通じて2大政党制を崩壊させたようにもみえる。

トランプ政権はどう控えめにみても、「右翼」と保守の連立政権と言わざるをえない。突き詰めていえば、「右翼」に牛耳られた政権ということになる。

戦後の主要民主主義国で、政権の中枢に「右翼」が座るのはこれが初めてといっていい。欧州に極右ポピュリズムが台頭したとはいっても、政権に直接参加しているわけではない。それがなんと覇権国・米国で起きてしまったのである。

白人至上主義者が中枢に

トランプ政権の中枢に座るのは、スティーブン・バノン首席戦略官・上級顧問である。「オルトライト(ネット右翼)」を掲げるウェブサイト「ブライトバート・ニュース」を会長として仕切ってきた。「米国第一」どころか白人至上主義者で、イスラム圏からの入国制限の旗を振ったとされる。女性差別、人種差別主義者としても知られる。中国との戦争を予言するなど対中強硬論者でもある。主要メディアに対しては「抵抗勢力だ。黙っていろ」とあからさまに威嚇している。

そんな「右翼」と目される人物が、トランプ大統領の最側近として、各国首脳との電話会談に立ち会っているのである。それどころか、安全保障の最高意思決定機関である国家安全保障会議(NSC)の常任メンバーに加わった。国家情報長官や統合参謀本部議長を非常任に降格させての起用だった。

事実上の首相にあたる首席補佐官のラインス・プリーバス氏と同格とされるが、その影響力はプリーバス氏をしのぐかもしれない。米議会で閣僚の承認が大幅遅れになるなかで、バノン氏の突出ぶりが目立っている。各省庁抜きでの大統領令はこうして連発された。

これが移行期間の一時なごたごたなのか、それともトランプ政治の方向性を示すものなのか注視する必要があるが、「右翼・保守連立政権」がいつの間にか「右翼政権」になってしまうのが最も危険なシナリオだ。

欧州極右ポピュリストと連動の危険

こうしたトランプ流排外主義に、最も警戒感を強めているのは、EU各国の首脳である。マルタの首都バレッタで開いたEU首脳会議では、EU分裂を歓迎するかのようなトランプ大統領の言動に批判が相次いだ。オランド仏大統領は「欧州をどう築くかは我々の問題で、外から干渉されるものではない」と反発した。ドイツのメルケル首相は「テロ対策のために特定の信条や出身の人々に疑いをかけることは正当化されない」とイスラム圏からの入国制限に警告した。議長国マルタのムスカット首相は「欧州は米国に沈黙しない」と強調した。

EU首脳がトランプ流を警戒するのは、EUの行方を決める重要な選挙が待ち受けているからだ。3月にはオランダの総選挙、4、5月にはフランスの大統領選挙、9月にはドイツの総選挙が予定されている。これらEUの原加盟国で実施される選挙では、極右ポピュリストが勢いを増す可能性がある。トランプ大統領の誕生で「今度は欧州の番だ」と勢いづき、しかも連携を強めている。

オランダ自由党のヘルト・ウィルダース党首は反EUだけでなく、反イスラムの姿勢をみせる。フランス国民戦線のマリーヌ・ルペン党首はEU離脱を国民投票にかけ、ユーロからも離脱すると訴える。「ドイツのための選択肢」のフラウケ・ペトリ党首は反難民を掲げている。

カギを握るのは、ドイツとともにEUの行方を決めるフランスの大統領選である。最有力とみられてきた共和党のフランソワ・フィヨン元首相が妻の給与をめぐる疑惑から支持率が低下し、ルペン氏を相対的に浮上させる結果になっている。ルペン氏は大統領選に向けて、トランプ大統領の「米国第一」にならって「フランス第一」を掲げた。

トランプ大統領は、こうした欧州の極右ポピュリストとの具体的な連携は避けている。自らに「右翼」というレッテルを張られることは警戒しているからだろう。しかし、英国に続いてEU離脱をする国が出るという予言は、事実上の欧州極右へのエールと受け止められる。移民排斥、難民受け入れ規制などその排外主義は極めて似通っている。

ドイツ照準にユーロ安批判を展開

トランプ政権はEUの核にあるユーロをも批判の対象にし始めた。保護主義と通貨介入をかみ合わせる戦略である。トランプ大統領が中国と日本に対して「通貨安誘導」と警告する一方で、国家通商会議トップのピーター・ナバロ氏は「暗黙のドイツ通貨・マルク安が貿易交渉の障害になっている」とユーロ安をけん制した。ユーロをあえて現存しないマルクを呼ぶのは、ユーロがドイツのための通貨であることを強調するためだろう。とくにユーロ危機のおかげでユーロ安が続きドイツの国際競争力が高まったことへの批判である。

トランプ政権は対米貿易黒字の上位3カ国である中国、ドイツ、日本を照準に、貿易戦争・通貨戦争を展開する構えである。日中だけでなく、ドイツを加えたのは、ドイツに圧力をかけることでEU全体を揺さぶろうという作戦なのだろう。

トランプ大統領は大統領就任直後、英紙『タイムズ』とドイツの大衆紙『ビルト』との共同インタビューで、「EU(欧州連合)は貿易面で米国に害を与えるために創設された」などとEUを批判。トランプ政権で国家通商会議トップを務めるピーター・ナバロ氏もユーロ安を批判し、米国とEUの間の亀裂は深刻に。(写真:Chip Somodevilla/Getty Images)

揺らぐ米欧同盟

危険なのは、トランプ政権の反EU姿勢が鮮明になるにつれ、第2次大戦後の国際秩序の基本になってきた米欧同盟が揺らいでいることだ。英国のメイ首相はトランプ大統領との首脳会談で、「時代遅れ」としてきた北大西洋条約機構(NATO)の重要性を100%確認したとしているが、防衛負担をめぐってトランプ政権の批判が和らぐわけではない。

EUを離脱する英国のメイ首相がトランプ政権とEU諸国の橋渡しをしようとすることに対しては、「橋渡しはいらない。米国とはツィッターでコミュニケーションできる」といった皮肉も聞かれる。

米EU関係の冷却化は、主役なき世界をさらに混乱させるだろう。とくにトランプ米政権と欧州極右がともにロシアとの関係修復をめざしているだけに、混迷は一層深まることになる。

排外主義の連鎖をどう防ぐか

米国とEUという主要な先進地域に広がる排外主義の連鎖をどう防ぐか。世界各国に広がる排外主義批判の抗議行動は、自由で開かれた民主主義に対する危機感の表れだろう。

第1に、トランプ政権下で米国が民主主義の基本である三権分立を機能させられるかである。「右翼」支配を防ぐうえで、米議会の役割は決定的に重要だ。民主党の抵抗だけでなく共和党の良識派の発信力が問われる。司法の役割も重い。米連邦地裁はイスラム圏7カ国からの入国を制限する大統領令を差し止めたが、大統領権限に抗して司法が機能を発揮できるかが試される。

米企業も役割を果たすときだ。入国制限にアップルやスターバックスは反対の声をあげたが、移民の国の企業が一斉に声をあげなければ、米国の活力は失われるだろう。トランプ政権からの攻撃にさらされる米メディアは正念場である。ヘイトスピーチを面白がって取り上げ、トランプ大統領の誕生を許したメディアの責任は重い。主要メディアは社運をかけて言論の自由を実証する責務がある。

第2に、EUの結束である。ローマ条約60年の今年、EUは再結束に踏み出すときである。2度の世界大戦を受けて創設されたこの平和の組織をこれ以上、危機にさらすべきではない。英国のEU離脱、トランプ政権の誕生で勢いづく極右ポピュリズム勢力と戦うには、再結束に向けてEUの将来ビジョンを打ち出すしかない。EU市民意識が根付いている若者の知恵と行動力を生かすことも肝心だ。

第3に、自由貿易の恩恵を最も受けてきた日本の役割である。日米同盟は重要だが、それだけではすまない。トランプ政権のイスラム圏7カ国への入国制限に、安倍晋三首相は「ノーコメント」を繰り返したが、それでは責任ある民主国家の首脳とはいえない。排外主義に反対することを鮮明にしたうえで、自由貿易論を展開することだ。

環太平洋経済連携協定(TPP)はトランプ大統領による離脱で風前の灯だが、このTPPと東アジア地域包括的経済連携(RCEP)を結合すれば、アジア太平洋に自由貿易地帯が築ける。そうして米国の復帰を待つしかない。EUとの経済連携協定の締結は、一層重みを増す。トランプ政権が打ち出す保護貿易、管理貿易を食い止めるには、日本とEUが連携するしかない。

トランプ流排外主義に、日本も傍観者ではいられない。

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『「アパホテル問題」はスルーするに限る 中国の「公共外交」に踊らず、日本の魅力を示せ』(2/8日経ビジネスオンライン 福島香織 )について

「「アパホテル問題」はスルー」しないでこれを奇貨として、国民にアピールするチャンスとした方が良いのでは。今までの左翼メデイアの刷り込みで「南京虐殺」や「従軍慰安婦」があったと国民は思いこまされて来ました。「ない」と主張する人間を「右翼」とか「歴史修正主義者」と呼んでレッテル貼りをして主張が広がらないようにしてきました。国民もそれに乗せられ、無関心と言うか見て見ぬ振りをして来ました。自分がレッテル貼りされるのが嫌だからです。未だ黙っている方は可愛いもので、調べもしないのに、「ない」と主張する者を非難したりしてきました。ところが、2014年朝日新聞が「従軍慰安婦」の誤報を認めました。それでもまだ、朝日新聞を購読している人がいるのですから、何をか況やです。朝日新聞は昔から共産主義国の手先です。信念を持った共産主義者でなければ、無自覚のまま或は高級紙と勘違いして購読して経営を助けることは止めて戴きたい。

国民的議論を起こさないと中国の嘘の宣伝が世界的、歴史的に定着してしまいます。歴代自民党政権が、教科書にも載せてきたくらいですから、これをヒックリ返すのは膨大なエネルギーが要ります。民主主義を機能させるには、正しい情報を国民に提示して、国民に判断して貰い、我々の代表として選良を選んで、政治を委託するシステムです。前提となる正しい情報が提供されなければ誤った判断をしてしまいます。ネットで、自分で情報が取れる時代になったとはいえ、高齢者はまだまだ既存のメデイアからの情報入手が主流です。今や一億総白痴ならぬ一億総保身となり果てています。理想は一億総保守となってほしいのですが。マザー・テレサは「愛の反対は憎しみではなく無関心」と言っています。それだけ無関心と言うのは罪深いものです。日本は自由主義国ですから、多様な意見を尊重します。小生と反対の意見であっても尊重します。ただ、長幼の序と表現の仕方には配慮が必要ですが。汚い言葉で罵るのは駄目です。ただ、在日中国人と在日朝鮮半島人には国民の安全の為、帰国願いたいと思っています。

中国は一党独裁国家ですから、動くのが早いし、捏造・改竄何でもありです。それは政治体制の構造的問題ですが、更に民族的特質として「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というのがあります。ですから平気で嘘がつける訳です。ルーツが中国人と言われる朝鮮半島も同じですが。

それに、日本国民が対抗するには、国民が一丸となってプロパガンダに対抗しなければなりません。言論人がアパホテルだけに問題を矮小化することなく、外国人の政治デモを認めるのか活発な議論を展開して、国民にその議論を通して、判断材料を提供してほしいと思っています。自国に報道の自由がない国にはプロパガンダとして利用されるのですから、相互主義の原則として認めなくても良いのではと小生は思っていますが。

記事

(写真:ロイター/アフロ)

アパホテルの客室内に、アパホテルグループの元谷外志雄代表の書いた歴史本が常備されていて、しかもその内容が「南京大虐殺や慰安婦問題はねつ造」といったものが含まれていたことが、中国さまの怒りをたいそう買って、“管制”不買運動に発展したことは、すでにいろんなメディアが報じている。

先週日曜には、ついに在日中国人らによる抗議デモが新宿で行われて、それに対して在特会元会長らがカウンターデモを行ったという。ライブでのネット放送や、知人が現場で取材した様子を見るに、口汚い言葉を発するのはカウンターデモ側で、むしろ中国人サイドは「日中友好」や「JAPAN好き」みたいな垂れ幕を掲げて行進するサイレントデモだった。当初300人などと言われていたデモ参加者も100人以下、正味の中国人参加は数十人レベルで、むしろカウンターデモが騒ぎを起こさねば、ほとんどニュースバリューもない話だった。

結果的には、中国やアンチアパホテル側にとっていい感じの映像や記事が山のように出来上がった。ちなみに、私は現場にはいかなかった。目の前の片付けなければいけない仕事が山積みであったのと、実際あんまり興味がわかなかったことも、目と鼻の先の現場にいかない怠け者のいいわけである。

だが、はっきり言って、これはニュースとして取り上げれば取り上げるほど、中国にとって有利な情報拡散になるプロパガンダという気がして、かかわりたくないのだ。もちろん、そう言い切ってしまうほどの確たる裏はとれない。そういう場合は、報道しない自由を行使する。だが、ちょっと目に余る現象がいろいろと起きているので、現状を整理してみることにする。

実質主義の人たち

そもそもアパホテルの経営者の歴史認識がどういうものであるかなど、例の田母神論文問題である程度新聞を読んでいる日本人ならば知っているし、在日中国人でも日本語のニュースを日々読んだり聞いたりしている人ならば、おおむね察しのつく話だ。

それでも多くの中国人がこれまでアパホテルに泊まっていたということは、普通の民間人にとってホテル経営者の歴史認識、思想・信条などは気にするほどのものではなくて、ホテルとしてよいサービスやリーズナブルな価格の方を重視するのだ。反日活動家だってカメラはパナソニックを愛用しているし、播磨屋のおかきやDHCのサプリや化粧品を土産にもっていっても、普通の中国人はその会社の思想信条などに関心はなくて、日本の安全、安心、おいしい商品に夢中になる。そこらへんは実質主義の人たちである。

それよりも、南京事件80周年の今年の春節前に、中国の動画サイトや微博で中国人向け投稿を頻繁にしているKat&Sidという米国人女性と中国人男性の二人組が、アパホテルの歴史本の存在を今更のように投稿して、批判し、中国のネットで炎上気味に拡散して、中国政府が旅行代理店や国民にはっきりと、アパホテルを使用するなと通達した一連の流れに、なにかしらの偶然とはいいがたいものを感じる。

もちろん、Kat&Sidが、中国共産党の手先だというつもりは毛頭ない。しかしながら、中国がこれまでとってきた、パブリックディプロマシー(公共外交)や歴史戦、国際世論戦の手法を思い返すと、最初のきっかけが偶然だとしても、中国当局はすぐさま戦略的に有効な展開を考えるものだ。そして、また日本のメディアも活動家も面白いようにそれに呼応してくれる。

反安倍の「公共外交」、およそ100編

中国の近年のパブリックディプロマシー成果については、「中国公共外交発展報告(2015)」によくまとめられている。

パブリックディプロマシー、公共外交とは「外国の一般市民に直接情報を供給したり、国際的に鍵となる人々を関与させたりして影響を与え、(自国にとって有利な)国際世論の形成を図ること」と定義されるが、そのコツについては、外国メディアに発信させ、外国人に発言させることだとしている。たとえば、2014年の対日国際世論戦である。

この一年、中国の対日公共外交のポイントは安倍晋三の軍国主義復活を喧伝し、日米を離反させ、国際社会で日本を孤立させることだった。

具体的に何をやったかというと、2013年12月30日に駐日本大使の程永華が毎日新聞に「“不戦の誓い”は場所が違う」とする署名記事を寄稿、続いて12月31日に、外交部国際局長の呉海龍が新欧州ウェブサイトに「ドイツと日本、歴史に対する態度がことなる」を寄稿、英国大使の劉暁明がデイリーテレブラフに「侵略戦争の歴史への反省を拒む日本は必ず世界の平和に対して深刻な脅威となる」を寄稿、日本の軍国主義を「ハリーポッター」に出てくる闇の帝王・ヴォルデモートだと比喩した。こうした中国外交官の文書が2014年4月まで、外国のメーンストリームメディアを中心に次々と発表された。その数、およそ100編。

日本の外交官もこれに反撃したが、数からいえば中国が圧倒した。あと英語による文章、発言の洗練さが、中国外交官の方に軍配があがったといわれている。

発展報告は、こうした外交官たちが外国メディア上で対日世論戦をしかけたことについて、「我が国の外国メディアを利用した公共外交工作の戦端を開いた」と評価している。

ただ、こうした流暢な英語を駆使した中国外交官による外国メディアの利用は、国際世論誘導戦において完全に勝利をおさめたかというと、そうでもなかった。

これは日本の外交官が頑張ったというわけではなく、中国側のオウンゴールで失敗した。日本の安倍が右傾化していると宣伝し、国際社会で孤立させるつもりだったが、中国の南シナ海覇権戦略の展開が予想以上に早く大胆であったため、あるかなきかの日本の軍国主義復活より、はっきり目に見える中国の覇権主義の方が、国際社会にとっての脅威と認識されるようになった。

同時に、日本の右傾化より、米国や欧州、他国の右傾化の方がより激しく目立つようになった。親中派だった英国のキャメロン政権がブレグジット問題を機に中国と距離をおくメイ政権に転換し、トランプだけでなく、堂々とナショナリズムを主張し、時に排他的なことも言う政治家が世界で目立つようになると、安倍政権のささやかなナショナリズムなど、かすんでしまった。

トランプ現象のおかげで、米メーンストリームメディアもそれに追随してきた日本大手メディアがいまいち、信じてもらえなくなったことも、中国の対日公共外交の効果を低くした。

「SNS外交」にシフト、官製発信5億件

中国の対日世論工作のやり方は、日本や欧米のメーンストリームメディアに世論として日本批判を報道させることだったが、日本では朝日新聞の慰安婦報道の誤報に始まり、大手メディアの信頼を損なう事件が次々と起こり、またこれまで世論をリードしてきたリベラル派の学者や評論家、コメンテーターの人気も急激に落ちてきた。日本の大衆は無条件に米大手メディアを信じ込む傾向があったが、トランプの当選を予想できなかったことで、米大手メディアの報道も政治的に偏向している事実を認識するようになった。

ただ、世論形成の主戦場が大手メディアから、SNSなどのインターネット上に変化してきたことは、中国にとっては歓迎すべきことかもしれない。中国語でいうところの微博外交、SNS外交は、かねてから力がいれられてきた。既存メディアを使わずにツイッターで直接大衆に発信するトランプがSNS外交の典型のよういわれているが、中国のSNS外交は政治家や外交官やアカウントから発信されるものだけでなく、人気ブロガーやタレント、俳優、スポーツマン、新聞記者も動員できる。

さらに中国の場合、普通のユーザーを装った、雇われオンラインコメンテーターのアカウントによる政治的発言、世論誘導発言もある。こうした“管制”オンラインコメンテーターのネット上の書き込みは年間5億件にものぼるという。

さて2017年の中国の公共外交の方針であるが、同済大学中国戦略研究院長の門洪華教授がこんな指摘をしていた。

①今年は中国の国際的地位が歴史的に転換する重要な一年であるとして、まず特に戦略的忍耐が必要だ。 ②対日公共外交に関しては、日本の民衆と右翼分子を分けて対応し、日本の世論を戦略的に誘導していくこと、そのためにインターネットを十分活用する。 ③日本においては専門家、学者が政府よりも発信力や信頼性が高いので、学術交流など、政治的背景を明らかにせず、積極的に利用していく。

彼の提言がどの程度まで当局の耳に届くかはわからないが、年初の中国の国際世論戦を見てみると、確かに忍耐が効いているような気がする。

「戦略的忍耐」には慎重対応を

例えば、トランプ政権はさかんに中国を恫喝しているが、それに対する中国サイドの反応は比較的抑制が効いて、ダボス会議などではまるで、中国が世界のリーダーとして待望されているような世論形成に成功している。トランプが暴言を吐き、無茶な大統領令を次々と出しているおかげで、相対的に中国のこれまでの傲慢な印象が薄まり、信じられないことだが、トランプの米国よりも、習近平の中国の方に期待したいような意見が欧米メディアにも出てくるに至った。このまま沈黙していれば、トランプ政権が強引な政策を推し進めて、自滅してくれるんじゃないかと、中国サイドは静かに見守っているところではないか。

そして、今回のアパホテル問題も、門洪華の提言どおりの、中国式世論誘導が展開されている気がする。まず、インターネットを十分に活用して、日本の“右翼分子”に批判を集中させる。アパホテル抗議デモも、非常に抑制・忍耐が効いていて、日本を愛する故の抗議活動である、というスタイルをとっている。環球時報も、日本の警察や民間人が、右翼の攻撃から、中国人たちの抗議デモを守ってくれた、との参加者のコメントを載せていた。

たとえば、このあと、日本の左派学者らとの学術交流による中国の主張の補強といった展開になれば、なるほど、と思う。

こういう風に今年、中国が戦略的忍耐でもって、慎重に国際世論戦を展開してくるというなら、日本も慎重に迎え撃つしかない。右翼活動家の罵詈雑言による短絡的なカウンターデモは、はっきり言って、こうした公共外交、国際世論戦にとって日本の足を引っ張る以外の何者でもなかった。

日本の公共外交は、実のところ中国が歯噛みするほどの底力がある。

まず、観光。すり・ひったくりにおびえる必要もなく、交通事故に遭う可能性も比較的低い安全性。恐ろしい風土病も感染症もほとんどない衛生面。物価は意外に安く、気候は過ごしやすく、空気も水もきれいだ。

次にアニメ・漫画・映画サブカルチャー。この二つが合わさる場合もある。“聖地巡礼”、アニメや映画に関する博物館、展示、コミケ。サブカルチャーに影響されて日本旅行に来た外国人が、SNSで写真やコメントを発信する。

日本の場合、政府がオンラインコメンテーターを雇わなくても、本当に好きで日本発信をしてくれるのだからありがたいことである。政府が主導する公共外交というよりは、むしろ日本という国や日本人がもともと持っていた創造力や資質が普通に発揮された、というべきかもしれない。

罵声よりも、胸を張れ

日本に来た外国人を、中国人も含めてきっちり親日派に“洗脳”することほど、強力な公共外交はない。そういう意味では、ホテルに特定の外国人が不愉快になるような思想・信条の本を置くのが、国際世論戦において有効かどうか、同じ歴史戦を仕掛けるにしても、もうちょっとうまいやり方があるのではないか、と議論されてもいいかもしれない。

ただアパホテルが歴史本を客室に常備するのは本来、経営者の思想信条の自由に類することで、日本や外国の政府が干渉する話ではない。南京事件があったかなかったなど、専門家たちが何年も論争を続けているのに決着がつかないのだから永遠につかないも同じだ。なかったことを証明する方法はなく、これまであったという証拠としてきた史料に説得力がないというなら、わからないというしかないではないか。それをあった、なかったと断言するのは、もはや個人の信念、信条、宗教みたいなもので、自由であるが、人に押し付けるようなものでもない。アパの歴史本は欧米のホテルに常備されている聖書とそう変わりなく、抵抗感がある人は、消費者として別のホテルを選択すればよいだけのことなのだ。

個人的にはあの時代の戦争で無辜の民間人を一人も殺害せず、捕虜を一人も処刑しなかったというのは無理があるが、30万人の虐殺というのも無茶な話だと思っている。民間人に便衣兵や少年少女兵も混じっていただろうし、捕虜の中にも最後まで反撃の機会を狙っていた者もいただろう。

一つ言えることは、あの時代、それに続く国共内戦の期間も含めて、国民党軍も共産党軍も数十万単位の民間人虐殺(兵糧攻めによる餓死者も含む)を行っていた。戦争が終わって新中国が建国されて以降も、毛沢東は8000万人以上の中国人を虐殺あるいは不正常死に追い込んだ(餓死者も含む)。中国人を一番殺してきたのは中国人である。そしてそれは比較的最近まで続いていたので、中国人自身がよく知っている。

アパホテルの歴史本に抗議の声を上げる在日中国人たちだって、わかっているはずだ。祖国では恐ろしくて口にできないことも、外国では声高に叫ぶことができる。「JAPAN好きだ」のスローガンはたぶん、彼らの本音だ。でも、天安門広場で「JAPAN好きだ」の垂れ幕を広げる勇気はあるまい。そういう彼らには、出ていけと罵声を浴びせるのではなく、民主主義っていいもんだろう、と胸を張って見せるのが、公共外交、国際世論戦においては有効だと思う。

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『日米首脳会談の隠れたアジェンダは「中国」 要警戒!「米中戦争」を予見する腹心バノンの囁き』(2/9日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

一党独裁で三権分立してない(司法は行政機構の一部)、且つ賄賂を取るのが当たり前の中国の最高人民法院の判事が吠えていますが笑劇としか思えません。中国に詳しくない人は、自国のシステムと同じと思う効果を狙ってのことと思います。習近平のダボス会議でのスピーチと同じく、人を批判する前に自国でやることが沢山あるだろうと言いたい。

2/7AFPBB Newsトランプ氏は「法の支配の敵」、中国最高裁判事が非難

【AFP=時事】中国の最高人民法院(Supreme People’s Court、最高裁に相当)の判事が5日、メッセージアプリに投稿したメッセージでドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領を「弱い者いじめ」にたとえ、米国の司法制度を破壊する「法の支配の敵」だと激しく非難した。  トランプ氏は先週自らが発令したイスラム圏7か国出身者の入国を禁止する大統領令に対し、差し止めを命じたシアトル(Seattle)連邦地裁のジェームズ・ロバート(James Robart)判事を「いわゆる判事」とあざけりながら激しく攻撃した。  これを受けて中国最高人民法院の何帆(He Fan)判事はメッセージアプリ「微信(ウィーチャット、WeChat)」に、「判事を批判する大統領や判事を殺害する暴徒は、すべて法の支配の敵である」と投稿した。  さらに何判事は「最も民主的で、また法治の精神を最も重んじていると主張する国家において、大統領が先頭に立って判事を攻撃している」と皮肉り、トランプ氏は「品のない弱い者いじめと変わらない」と批判した。  先月のトランプ氏の米大統領就任以降、中国共産党のスポークスマンとしても知られる何判事は、欧米の民主主義が「全体的な危機」に直面しているなどと非難を繰り広げながら、中国の一党独裁体制を称賛している。【翻訳編集】AFPBB News>(以上)

中国の外貨準備高が3兆$を切りました。中国の外貨準備高は借金も入っていますので、2.8兆$が一つの山、2兆$が貿易可能かどうかの分岐点となります。人民元は基軸通貨でもなく、SDR入りしたとはいえ、国際決済での使用比率は1.67%で日本円より低いです。人民元が暴落する恐れもあり、$と交換するときには減価しますので、持ちたがらないためと思われます。中国と二国間貿易の決済で$を噛ませない人民元建ての時は、相手国は人民元が下がれば支払いに有利になりますが。

いよいよ中国経済崩壊が現実味を帯びてきたという事です。日本は間違っても敵国・中国に通貨スワップで助けないように。

http://thutmose.blog.jp/archives/62224159.html

2/8NHKニュース<中国の外貨準備高 3兆ドルの大台を割り込む

中国の外貨準備高は、海外への資金の流出を背景にした通貨・人民元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるため、当局が引き続き市場介入を行ったと見られることなどから、先月末の時点で5年11か月ぶりに3兆ドルの大台を割り込みました。

外貨準備高は、各国が為替介入や外貨建ての借金の返済に備えて保有する資産のことで、中国は世界一の規模ですが、このところ残高が急速に減少しています。 こうした中、中国の中央銀行、中国人民銀行は7日、外貨準備高が先月末の時点で2兆9982億ドルになったと発表しました。 これは、前の月と比べ123億ドル減って7か月連続の減少となり、5年11か月ぶりに3兆ドルの大台を割り込みました。 中国では、景気の減速懸念やアメリカ経済への期待を背景に、企業や個人が、海外に資産を求めようと人民元を売ってドルを買う需要が高まっていて、人民元の相場はドルに対して値下がりしやすい状況が続いています。 このため市場では、今回の外貨準備高の減少について、中国当局が元のドルに対する急激な値下がりを食い止めるためドル売り・元買いの介入を引き続き行ったと見られることなどが要因だという見方が広がっています。 海外への資金流出の勢いが収まっていない実態が改めて印象づけられた形で、元安につながる海外への資金の流れの管理を今後さらに厳しくするのかどうか、中国当局の対応が焦点となっています。>(以上)

本日夜から安倍首相は訪米します。高濱氏はトランプが「航行の自由作戦」への参加を求めて来た時に、“yes”と言えば「日中関係は一気に険悪となる」と思っていますが、とっくになっているでしょう。原因は中国側にあって、日本側にある訳ではありません。論理の倒錯でしょう。軍事拡張を続ける中国に時間の利益を与えることは出来ません。高濱氏の言うように本会議の隠れたアジェンダ(隠れているとも思いませんが)は中国です。経済と軍事面で、如何に中国封じ込めで協力できるかが話し合われると思います。航行の自由作戦にも参加すれば良いと思います。相手が尖閣を守ると言っているのに何もしなければ、自分勝手な奴と思われるだけでしょう。

トランプがターンブルとの電話会談で早めに打ち切ったのは、オバマ時代の難民受入の話だけでなく、ダーウイン港を中国に99(=久久と発音は同じ、永遠の意味です。阿片戦争後、英国に香港割譲(1942年の南京条約、1860年の北京条約、1898年の展拓香港界址専条での期限))年租借させたことも怒りの原因だったのでは。ダーウイン港は戦略的要地で近くに海兵隊が駐留しています。ターンブルは中国語もできるし、大英連邦の一員だから99年租借のことも知っていたでしょうに。中国の英国への復讐ですよ。彼の息子は、中国政府のアドバイザーとして活躍していた中国共産党党員の娘と結婚しています。親中派と言うより、完全な敵国・中国の味方でしょう。米中対決を目論むトランプが信用しないのは当り前です。日本はそうなってはなりません。

記事


 

米ニューヨークでは、大統領令を支持する集会が開かれた(写真:ロイター/アフロ)

高濱:トランプ大統領は律儀なほど選挙公約を守り、着実に実行に移しています。これまで署名した大統領令、大統領覚書は、就任後直ちに実行すると公約した「100日間行動計画」に盛り込まれたものばかりです。

この計画に盛り込まれていて、まだ署名していないのは、中国の為替操作国認定、国連気候変動プログラムへの資金拠出停止、法人税・所得税の減税、インフラ投資などです。

米国民が大統領令に賛成する理由

—注目すべきは大統領令に対する米国民の反応です。世論調査では、大統領令に賛成する人が49%もいました。反対は47%。つまり米国民の半分は支持、半分は反対しているのですね。

(“Exclusive: A third of Americans think Trump’s travel ban will make them safter,” Chris Kahn, Reuters, 2/1/2017)

高濱:そうなのです。米国民がいかにテロを恐れているかがよくわかります。トランプ大統領がこの大統領令を出した真の意図は「イスラム教徒締め出し」と見られています。

大統領令に反対している人のホンネは「トランプ氏が嫌いだ」ということでしょう。タテマエとしては「米国が掲げる自由」「宗教の自由に反する」を挙げていますが。つまりトランプ氏のやること、なすことのすべてに反対しているのです。

問題は、大統領令によってテロが減り、より安全になるかどうかです。同じ世論調査で、大統領令が発令される前より「安全になった」と答えた人は31%、「危険になった」と答えた人は26%。ここでも国論は二分しています。

ロサンゼルス近郊のアルハンブラでガソリンスタンドを経営するトム・ストーン氏(48)は、その「庶民感覚」について私にこう述べています。「ここ1、2年の間に米国内で起こったテロはイスラム教国から侵入したテロリストの仕業じゃない。米国に定住しているイスラム系移民の子供や孫が、インターネットなどを通じてイスラム過激派の思想に染まってテロに走っている」。

「大統領令に怒ったイスラム系移民の中に『それならテロをやってやろうじゃないか』と考える者が出てくるかもしれない。そちらを警戒する必要が生じている」

では、どうしたらいいのか。米国民にも正直言ってわからない。でも、何もしないよりも大統領令を出したほうがよいのではないか。これが大統領令 を支持する半分の人たちの「庶民感覚」なんだと思います。

マティスもティラーソンも蚊帳の外

—トランプ大統領自身、ホームグローン・テロの危険があることを百も承知で決定に踏み切ったのではないでしょうか。

高濱:今回の決定が準備不足だったことは否めないと思います。外交が絡むにもかかわらず、トランプ大統領は、国務、国防、司法、国土安全保障の各閣僚予定者と一切相談していなかったそうです。

決定をニュースで知ったレックス・ティラーソン国務長官は、自分が蚊帳の外だったことを知り、ホワイトハウス高官に『唖然とした』と漏らしています。トランプ大統領はホワイトハウスにいる一部の超側近とだけ協議して決めたのです。

(“Trumponomics Daily,” Tory Newmyer, Fortune, 1/31/2017)

—超側近とは誰ですか。以前、高濱さんが指摘していたホワイトハウスの「四天王」ですか。スティーブ・バノン首席戦略官・大統領上級顧問、ジャレッド・クシュナー大統領上級顧問(トランプ大統領の娘婿)、ケリーアン・コンウェイ大統領顧問、マイケル・フリン国家安全保障担当大統領補佐官の4人ですね。

ユダヤ教徒のクシュナー夫妻は金・土曜は働かず

高濱:「四天王」の全員と相談したのでもなかった、という説もあります。「イスラム教徒入国禁止をできるだけ早く打ち出したほうがいい」と督促し、その草案を書いたのはバノン氏でした。

クシュナー夫妻は伝統的ユダヤ教徒です。毎週金曜日の日没から土曜日の日没まで飲食はもとより電気もガスも一切使いません。クルマにも乗りませんし、インターネットはおろか携帯電話も使いません。今回の決定がなされた27、28日は、トランプ大統領とは一切接触なしです。ですから同夫妻は一切相談を受けていない可能性があります。

コンウェイ顧問やフリン補佐官に連絡をとったかもしれませんが、米情報機関関係者の一人は「フリンは会議で発言はするが、バノンのお陰で完全に影が薄くなっている」と漏らしています。

(“Steve Bannon Is Making Sure There’s No White House Paper Trail, Says Intel Source,” Kate Brannen, Foreign Policy, 1/30/2017)

(“Can Jared and Ivanka Outrun Donald Trump’s Scandal?” Emily Jane Fox, Vanity Fair, 1/30/2017

バノン氏は「ホワイトハウスのラスプーチン」

—そのバノン氏が、軍事外交政策の最高決定機関である国家安全保障会議(NSC)の「幹部会議」(Principals Committee)のメンバーに抜擢されましたね。

高濱:トランプ大統領は、大統領令への署名に先立つ1月28日、NSCの組織改正を断行しました。

同会議の「幹部会議」*のメンバーから統合参謀本部議長と国家情報長官(DNI)を外し、その代わりにバノン氏を加えたのです。バノン氏は国家安全保障問題ではずぶの素人です。おそらくトランプ大統領は自分の腹心を、他のメンバーを牽制するお目付け役として加えたのだと思います。

*:NSC「幹部会議」には正副大統領、国務、国防、司法、国土安全、エネルギー各長官、国連大使、行政管理予算局長、大統領首席補佐官に加え、統合参謀本部議長と国家情報長官が「軍事」と「情報」のアドバイザーとして常時出席してきた。国家安全保障担当大統領補佐官が議事進行役を務める。

(“Organization of the National Security Council System,” Presidential Policy Directive, The White House, 2/13/2009)

トランプ大統領から絶対的信頼を得ているバノン氏が一人で、上級顧問、首席戦略官、そしてNSC幹部会議メンバーという三役をこなす。「バノンはホワイトハウスのラスプーチン*的存在になってきた」(主要紙ホワイトハウス詰め記者)という指摘も出てきています。

*:帝政ロシア末期、ロシア皇帝ニコライ2世に重用され、権力を欲しいままにした祈祷僧グリゴリー・ラスプーチン。ロシア帝国が滅びる遠因となった。

ニューヨーク・タイムズは1月30日付の社説で、バノン氏の重用について警戒心を露わにしています。「万一、南シナ海で中国と軍事衝突が起きたり、ウクライナでロシアと軍事対決する事態になった時、トランプ大統領はこの扇動者(バノン氏のこと)に助言を求めるのか。あるいは、分別もあり国際感覚のあるマティス国防長官やティラーソン国務長官の意見を聞くのか。想像しただけで背筋が寒くなる」

(“Organization of the National Security Council System.” Presidential Policy Directive, The White House, 2/13/2009)

極右団体の旗艦「ブライトバート・ニュース」

—スティーブ・バノン氏とはどんな人物ですか。

高濱:先の選挙ではトランプ陣営の首席戦略担当者として陣頭指揮をとりました。陣営に参加するまでは、超保守系オンラインニュースサービス「ブライトバート・ニュース」*の最高経営責任者をしていました。

*:ブライトバート・ニュースは超保守派のアンドルー・ブライトバート氏が創設したメディア。白人至上主義を唱える極右政治団体「アルト・ライト」の旗艦的存在。ブライトバート氏は2012年に45歳の若さで他界。この後をバノン氏が受け継いだ。保守系メディアでは最高のアクセス数を誇っている。

バノン氏は「これまでやらなかった職業はない」と自分で言うほど様々なことをしてきました。バージニア州立工芸大学を中途退学して海軍に入隊。7年の間に、駆逐艦乗組員や米海軍作戦部長付き副官などを務めました。

除隊後、大手投資銀行の米ゴールドマン・サックスで投資担当を経験。その後ジョージタウン大学大学院、ハーバード大学経営大学院で修士号を取得。ゴールドマン・サックス当時の同僚とメディア関連の投資会社を興し、90年代にはハリウッドに進出して映画制作を手掛ける一方、地球温暖化や大気汚染防止について研究するプロジェクトにまで手を広げました。

トランプ氏とは、保守的な政治哲学で意気投合。同氏が2016年6月、大統領選に立候補した時にはせ参じて、選挙戦略参謀に就任しました。「トランプの不用意な発言や過激な主義主張に肉付けし、理論構成したのはバノン」(トランプ氏の選挙活動を取材した米テレビ局記者)と言われています。主要メディアからの攻撃に一人で立ち向かい、トランプ氏を守ってきたのはバノン氏でした。

(“A Guide to Steve Bannon, the Trump advisor who spent years main streaming white nationalism,” Zach Beauchamp, Vox, 11/15/2016)

ニューヨーク・タイムズを目の敵

—これだけの学歴と経験がありながら、どうして極右運動にのめり込んだのでしょう。

高濱:学歴と政治思想とはあまり関係ないのではないでしょうか(笑い)。バノン氏は、東部の最高学府で学び、大企業で働いたにもかかわらず、東部エスタブリッシュメントの水には馴染まなかったようです。とくにリベラル・エリートには反感を持っていたようです。海軍の町、バージニア州ノーフォークで働くブルーカラーの息子だったことと無縁ではないかもしれません。

バノン氏は、ニューヨーク・タイムズとのインタビューで、「この国のメディアは反対勢力だ」と激しい口調で攻撃しています。「君たちは大統領選挙の見通しを見誤った。歴史に残る屈辱的敗北だ。これを恥じて、しばらく黙っていたらどうか」

(“Trump Strategist Steve Bannon Says Media Should ‘Keep Its Mouth Shut,‘” Michael Grynbaum, New York Times, 1/26/2017)

中国には厳しい態度

—ところで、2月10日にはワシントンで安倍首相がトランプ大統領と会談します。今や、トランプ大統領の内政外交を陰で操るバノン氏はトランプ大統領にどんな知恵を授けるでしょうか。

高濱:バノン氏は、中国が南シナ海で軍事施設を建設するのに厳しい目を向けてきました。2016年3月にはラジオ番組で、米中が軍事対決する可能性についてこう述べています。「我々は今後5~10年の間に南シナ海で中国と戦争を始めることになるだろう。疑問の余地なしだ。なぜか、中国は南シナ海のど真ん中の岩礁に事実上の『固定空母』を構築し、そこにミサイルを配備している。そして我々に対し『あの海域は大昔から中国の領海だ』と主張している。面と向かってだぞ。我々にも面子がある。面子は我々にとって非常に重要だ」。

(“White House’s Steve Bannon thinks war with China is imminent: ‘There’s no doubt about that,‘” International Business Times, 2/2/2017)

南シナ海における中国の動向については、ティラーソン国務長官も1月11日、上院外交委公聴会で「人工島建設の中止、人工島へのアクセス阻止が米国政府の意向だという明確なシグナルを送るべきだ」と証言しています。

また東シナ海における中国の動きに関しては、訪日したマティス国防長官が2月3日、安倍首相と稲田朋美防衛相に対し、尖閣諸島は日米安保条約第5条の適用対象であると明言しています。2月6日にはティラーソン国務長官も岸田文雄外相との電話会談で尖閣諸島について同様の発言をしています。

トランプ大統領は、「一つの中国」にこだわらないと発言したり、中国を「為替操作国」に認定すると発言したりしてきました。外交・経済の両面で中国に対し厳しく対応する姿勢を打ち出しています。こうした対中認識を持って安倍首相との会談に臨むはずです。

かって民主、共和両政権で東アジア政策を担当した米政府の元高官は私にこう指摘しました。「10日の日米首脳会談の陰のアジェンダは中国だ。トランプが対中政策について何を言い出すかに注目すべき。就任早々でまだ国務、国防両省のサブキャビネット(次官、次官補クラス)のポストは完全には埋まっていない。このため、新政権は対日戦略をまだまとめ上げていない。だから日本としてはやりづらいはず。予測不可能なトランプが安倍に面と向かって何を言い出すか、誰にもわからない」。

例えばトランプ大統領が安倍首相に対して、こう切り出したどうなるでしょう。「中国は南シナ海でやりたい放題だ。日米で阻止しなければならない。日本は東南アジア諸国との防衛協力の強化や、海上警備能力の構築支援において役割を拡大すると公約している。『航行自由作戦』(FONOP)*の最中に米中が軍事衝突したら自衛隊の支援を頼む」。

*:米国は「国連海洋法条約」を締結していないが、「他国が公海上で第三国の航行に制限を課す試みを容認しない」ことを示すため、中国のほかインド、イランなど10数か国に対して同作戦を展開している

米海軍は2015年10月以降、駆逐艦などを南シナ海に出動させて、国際規範の順守を訴える「航行自由作戦」を展開しています。

マティス国防長官は稲田防衛相に「現時点では軍事的な行動をとる必要は全くない」と述べていますし、稲田防衛相は「自衛隊が『航行自由作戦』ですぐ出て行くことはない」と自衛隊の参加を否定しています。

安倍首相はトランプ大統領に何と答えるのでしょう。仮定の話とは言え、安倍首相の発言次第で、日中関係は一気に険悪となります。

マティス国防長官は、日本による在日米軍駐留経費の負担を「他のホストネーションのモデル」と評価し、日本政府はひとまず安堵しています。しかし、「敵は本能寺にあり」。日米首脳会談の陰のアジェンダは「中国」です。

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『実は新しくない、トランプ大統領の入国制限令』(2/6ロイター コラム)『早くも囁かれ始めたポスト・トランプの可能性~注目されるマイク・ペンス副大統領』(2/6 yahooニュース 児玉克也)について

ロイターの記事は、まともに見えます。別にトランプの時代に初めて入国制限している訳ではありません。1924年には排日移民法が成立し、米国との戦争の遠因の一つになりました。今の時代、露骨に肌の色や宗教で入国制限は出来ないでしょう。少なくともイスラム国家全体の入国を禁止している訳ではありません。テロを起こす確率が高い人間のいる国を狙っての話です。今欧州で起きている反移民・反EUの大きなうねりも同じようにテロ対策としての側面が大きいでしょう。

日本も高度人材だったら1年で永住権付与なんて愚かな人間のやることでしょう。変な所だけ欧米の反応を気にするくせに、大事な動きを見逃してしまいます。机上で議論するから、経済効果にしか目が行かないのです。中国人が大量に入って来たらどうなるか、長野オリンピックの時に実証済です。中共は日本に喜んでテロ要員を送り込んでくるでしょう。

日本も安全を自分のこととして考えないといけない時代に入っていますが、多くの国民は自覚のないままです。犠牲者が出ないと気付かないのでしょう。それでは遅すぎですが。小坪しんや行橋市議がブログで書いていますが、中国との軍事対決で、中国は尖閣を取りに来るのでなく、主戦場は東京と読んでいます。そこまで本当に中国がやってくるかは分かりませんが、危機管理の要諦で「最悪を予想して手を打つ」ことが大事だと思います。

https://samurai20.jp/2017/02/apa-4/

児玉克哉氏の属する社会貢献推進国際機構は理事として羽生田 栄一(事務局長)、武者小路 公秀、宮崎冴子が名を連ねています。武者小路公秀は北朝鮮に近い人物です。まあ、児玉氏は左翼の友達が多いという事ではないでしょうか。そういう人物の発する言葉には注意が必要です。

彼の記事は、トランプが暗殺されるのを望んでいるような記事の書き方です。左翼は常に「生命の尊さ」を唱道しますが、それは自分の命だけで他人の命は関係ありません。ですからスターリンや毛沢東が何千万という国民を虐殺出来た訳です。

トランプは世界のリベラルの潮流を変えようとしているイノベーター、ゲームチエンジャーです。歴史的使命を負っているため、そんなに簡単には暗殺されないでしょう。軍産複合体は軍事力強化を目指しているトランプを亡き者にするとは思えません。今後世界はグローバリズムが停滞して、国家主権の力を最大限に活用していくようになるのでは。

http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/23296981.html

ロイター記事

Peter Van Buren

[1日 ロイター] – 「これは私たち(の国)ではない」と言う人々は、考え直した方がいい。残念ながら、私たちの国は以前から変わっていないのだ。

ムスリムを主体とする7カ国からの旅行者や難民の入国を禁じるトランプ米大統領による命令は、以前からずっと米国に存在していた暗い流れが、新たに表面化したにすぎない。

この大統領令は特に目新しいものではない。ただ、進化しただけなのだ。トランプ氏の大統領令の対象となるイラン、イラク、リビア、ソマリア、スーダン、シリア、イエメンは、9.11同時多発攻撃以降の移民法のなかで名指しされてきた国々なのである。

より具体的に言えば、トランプ氏の大統領令で国名が挙げられているのはシリアだけである。その他の国については、2015年、オバマ政権時代の法律である合衆国法典第8編第1187条(a)(12)を参照する形で言及している。このリストはトランプ氏の事業の取引先とは何の関係もない。リストを作ったのはトランプ氏ではないし、9.11後の厳格な審査の対象からサウジアラビアを除外した米国大統領は彼が最初ではない。

このリストは、小説「1984年」の著者ジョージ・オーウェルを思わせる「2015年ビザ免除制度改善及びテロリスト渡航防止法」に含まれるもので、対象国を1度でも訪れたことのある者が米国のビザ免除渡航制度を利用することを禁じている。

したがって、たとえば、通常ならばビザなしで米国に入国する資格のある英国市民であっても、対象国への渡航歴があれば、審査のために在外米国大使館又は領事館に出頭し、個別に承認を得て、パスポートに実際に印刷されたビザの発給を受ける必要がある。この規則は、ジャーナリストとして、あるいはボランティアの医療チームのメンバーとして対象国に渡航した場合にも適用される。

トランプ氏は例によって乱暴なスタイルで「きわめて厳格な審査」を提案したが、そのような審査プロセスはすでにジョージ・W・ブッシュ政権以来導入されており、オバマ政権でも引き継がれて現在に至っている。

これもオーウェル風の命名で「行政管理上の処理」と呼ばれている。対象となるのは、やはり同じ7カ国である。これら諸国からの渡航者は、それ以外とは別のビザ手続を必要とすることになり、さまざまな情報機関による審査を待つために渡航が遅れる。申請の一部は期限を切らずに審査待ちとなっている。

こうした措置のいずれに対しても、国務省の職員が集団で不同意の覚書を提出した例はない。

この週末に伝えられた、個々の難民に関するお誂え向きのエピソードは非常に感動的だが、諸外国と比較して、米国がきわめて少数の難民しか受け入れていないという事実については論じられないままである。

米国は年間の難民受け入れ人数に上限を設定しており、2016年度については8万5000人だった。8万5001番目の難民は、いかに絶望的な状況にあろうとも、翌年まで待たなければならない。2006年に遡ると、当時の上限は7万人だった(実際に認められたのは5万人以下だ)。

第2次世界大戦後のホロコーストの生存者(65万人、米国民の半数が受入に反対)、ベトナムのいわゆる「ボートピープル」(13万人、米国民の57%が受入に反対)など、米国に流入する難民数が急増することはあったが、歴史的に、米国民は難民を歓迎するというよりは、彼らを恐れる傾向がある。

1980年以来、米国が受け入れてきた難民は合計200万人に満たず、そのうち40%は、難民である親に連れられてきた子どもである。これに対し、難民には限定されないが、国外退去者の数はオバマ政権時代に限っても250万人に上る。

米国の州知事のうち30人は、可能であれば自州へのシリア難民の受入を拒否したいと表明している。米国民全体の約60%は、シリア難民のをけ入れに反対している。「テロ多発地域」からの移民受け入れ一時停止については、半数弱の米国民が支持している。

2016年度、米国が受け入れるシリア難民の上限は1万人だった。対照的にカナダは同年、シリア難民だけでも2万5000人受け入れている。ドイツが2016年にさまざまな国から受け入れた難民は30万人、前年の2015年には100万人近くを受け入れている。

合衆国法典第8編第1152条(a)(1)(A)は「国籍、出生地又は常居所」を理由として移民(合法的永住者、グリーンカード保有者)を禁じることを違法としている。だがこの法律は、 観光客や留学生、そして難民など移民以外の渡航を同様の理由で禁止することについては何も触れていない。

また、国籍や出生地、常居所を理由とした合法的移民の禁止が許されないとはいえ、特定の国について年間の移民数が決まっていることは、事実上の禁止措置となっている。

たとえば、米国市民の親族である一部のフィリピン人やメキシコ人は、グリーンカード取得までに24年間待たされるに等しい制限に直面している(これもまたオーウェル流の用語で「優先期日」と呼ばれている。順番が来るまでに申請者が死亡してしまう例も珍しくない。

トランプ氏による大統領令を覆すことは難しいだろう。司法省の法律顧問室が署名したにもかかわらず、法廷においてトランプ氏の大統領令を弁護することを拒否して解任されたサリー・イェーツ司法長官代行は、自らの反対の理由を厳密な法律的根拠以外のもの、つまりこの大統領令の意図に置いているようだ。彼女は、大統領令が「賢明又は公正」であるか否かという基準を、自らの異議の根拠としたのである。

米国の裁判所は、最近では2015年にも、長年続く「海外でのビザ発給をめぐる決定に関する司法審査の否定」という原則を支持している。つまり、海外でのビザ発給をめぐる決定に対して国内の裁判所で異議を申し立てることはできないという意味だ。

また米国は一般的に、米国法による保護を、国外の外国人に拡大適用していない。連邦最高裁判所は、移民法の「絶対的権限の法理」を認めており、大半の裁量的判断を行政府に委ねている。法廷における週末の勝利は、米国の国境内部での執行を部分的に停止しただけであり、国土安全保障省も、政策としてではなく、例外的な「国益」を根拠として従っているにすぎない。憲法上の危機が生じているかどうかは明らかではない。

だが、移民に関するトランプ氏の大統領令を通じた行動をめぐって最も注目すべき側面は、この事態全体の原動力となっている要因、すなわち「恐怖」である。

米国政府は、2001年9月12日(訂正)から今日に至るまで、恐怖を煽ってきた。国内の米国民はテロよりも転倒によって命を落とす可能性の方が高いにもかかわらず、トランプ氏は前任者たちと同様に、恐怖のシンボルである「米国内に侵入した外国人戦闘員」が引き起こす米国本土での攻撃への警戒を呼びかけている。

「何も行動せずに誰かが殺されたらどうするのか」。トランプ政権のスパイサー報道官は、大統領令を擁護してこう語った。

9.11の幻影は、これまでにも何かを正当化するために利用されてきたが(容疑者に対する拷問やグアンタナモ収容所の維持、空港での過剰な保安検査)、その頃よりもずっと過去に追いやられていたにもかかわらず、今回の大統領令は再びそれを呼び起こしている。

移民に関してトランプ大統領が行ったことは、いずれも米国の安全強化には貢献しないだろう。だが、9.11後の米国で一般化したセキュリティ状況と同様に、「安全」はテーマではない。

国民の恐怖を保ち、政府は国土を保護する任務を果たしている、という政治的な神話を維持することが肝心なのだ。トランプ大統領は、オバマ氏やブッシュ氏と同様に、このことを理解している。

目を背けたくなる真実は、抗議行動の一方で、多くの米国民は外国人を恐がっており、トランプ氏が自分たちに与えてくれるものを求めている。これまでも常にそうだった。残念ながら、トランプ時代だからといって、根本的な部分では特に変わったことはほとんどないのである。

*最後から6段落目の年を訂正しました。

*筆者は米国務省に24年間勤務。著書に「We Meant Well: How I Helped Lose the Battle for the Hearts and Minds of the Iraqi People」など。「Hooper’s War: A Novel of WWII Japan」が刊行予定。

*本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。(翻訳:エァクレーレン)

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにロイターのコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。

児玉記事

(写真:ロイター/アフロ)

アメリカでトランプ大統領が誕生してからまだ半月が経ったに過ぎない。しかしすでに国内外で反トランプの嵐が吹き荒れている。

8年前、オバマ大統領は国内の高支持率と海外の期待で祝福され誕生した。日本でも歓迎の声一色と言っていい状態であったし、ヨーロッパも中国も高評価であった。就任後すぐにノーベル平和賞受賞というおまけもあった。トランプ大統領は波乱の船出だ。まずは国内の反トランプデモが活気づいた。私の知人らも「トランプ氏を大統領から引摺り下ろす」と執念を燃やしている。彼らの決意は大統領就任以降の一連の政策で一層強まった。国際的にも多くの国を敵に回してしまった。イスラム圏、ラテンアメリカ、中国は明らかに敵対しており欧州でも反トランプの動きは強い。忠犬の日本にもケンカを売る発言があり安倍政権も困惑だ。ほぼ全世界を敵に回しつつある。トランプ氏の政策は刺激的で熟慮された戦略が必要であったがあまりに急で雑な展開であった。大統領就任後すぐに、メキシコ国境の壁、イスラム7カ国の国民に対して入国禁止、シリア難民の入国の禁止など矢継ぎ早に刺激的な政策を展開している。国内外から強い批判の声が高まっている。最初の段階で躓くとこれからトランプ大統領の政策展開に大きな障害になる。テロとの戦いも逆に困難になるしアメリカ経済にも悪影響になりかねない。現在注意すべきは大統領本人の安全だ。大変なトランプ劇場の幕開けだ。

トランプ大統領は敵を作るのに躊躇はない。既にほとんどのメディアは反トランプの姿勢を明確にしている。異常な状況だ。アメリカの大学関係者が相当な割合でトランプ倒しに動いている。反対運動に関わる研究者や学生は少なくない。いわゆるオピニオンリーダーの多くがトランプ大統領を酷評するのだから、トランプ政権のレジティマシーが崩されることに繋がる。

すでにポスト・トランプの議論がされている。もちろん4年後の話ではない。それまでにトランプ大統領が辞める可能性とその後が話されているのだ。過去に大統領に昇格した副大統領は9人である。病死、暗殺、辞任の3つのパターンがある。

大統領が病死により副大統領が昇格したのは4人だ。1841年にウィリアム・ヘンリー・ハリソン大統領が病死し、ジョン・タイラー副大統領が昇格した。同様に、1850年にテイラー大統領病死によりミラード・フィルモア副大統領が、1923年にハーディング大統領病死によりカルヴァン・クーリッジ副大統領が、1945年にフランクリン・ルーズベルト大統領病死によりハリー・トルーマン副大統領がそれぞれ大統領に昇格している。暗殺により大統領に昇格した副大統領は4人。1865年にリンカーン大統領暗殺によりアンドリュー・ジョンソン副大統領が、1881年にガーフィールド大統領暗殺によりチェスター・アーサー副大統領が、1901年にマッキンリー大統領暗殺によりセオドア・ルーズベルト大統領が、1963年にケネディ大統領暗殺によりリンドン・ジョンソン副大統領が、それぞれ大統領に昇格した。大統領が辞任に追い込まれて、副大統領が昇格したのは1例だけだ。1974年にニクソン大統領辞任によりジェラルド・フォード副大統領が昇格した。

オバマ大統領が44代アメリカ大統領になる。その中には上記の副大統領から昇格した9ケースがあるわけで、それを引けば、35人の内、9人の大統領が病死、暗殺、辞任のいづれかで交代となったことになる。かなりの確率だ。

トランプ大統領は70歳で、就任時に最高齢の大統領である。高齢が話題になった第40代大統領のロナルド・レーガン氏は69歳でトランプ氏よりも若干若かった。いうまでもなくアメリカ大統領職は激務であり、特にトランプ大統領は批判も半端ではなく、精神的なプレッシャーがかかる。なんらかの体調不良が起こってもおかしくはない。

暗殺もかなり現実的なリスクだ。オバマ大統領も就任時には初めての黒人大統領の誕生ということで、暗殺の危険性が論じられたが、敵を少なくする戦略もあり、暗殺には至らなかった。しかしトランプ大統領にはすでに国内外に怒り狂った敵がいる。トランプ大統領を差別主義者と罵る人もいれば、テロリスト的な人もいる。どこから弾が飛んできてもおかしくない状態だ。

ニクソン大統領のように辞任に追い込まれるシナリオも現実的だ。これまでもビジネスの中でも問題視される部分はある。メディア、知識人、IT企業実業家などを敵に回しているわけで、問題が明らかになれば、辞任に向けての大集会・大デモが組織される可能性がある。メディアも徹底的に叩くだろう。

このように考えるとトランプ大統領が病死、暗殺、辞任のいづれかで交代となる可能性はかなり高い状態になっていることがわかる。

もう一つ重要なポイントは、誰が引き継ぎ、その人がどのように見られているか、である。副大統領はマイク・ペンス氏で、インディアナ州知事、連邦下院議員、連邦下院予算委員長などを歴任している。共和党の保守的政治家であり、ティーパーティー運動にも参加している。ちょっと前まではティーパーティ参加者は極右のようなレッテルが貼られていたが、共和党の大統領候補者争いに加わったテッド・クルーズ氏やマルコ・ルビオ氏らもかなりの保守で、トランプ氏がでてくると、彼らがまともなような感じがしてきた。ペンス氏は、インディアナ州知事時代には海外企業の誘致にも熱心であった。日系企業の誘致にも積極的で、トヨタなどの企業とパイプがある。TPPにも基本的には賛成派とみられている。また、移民政策においてもトランプ氏のような反対派ではなく、バランスがとれているといわれる。キリスト教保守的な発想からLGBTへの厳しい見方をしていることは批判の的になっている。しかし、その他においては何をするかわからないトランプ政権において、バランサー的役割を果たすと見られている。

つまり、ポスト・トランプとしてマイク・ペンス氏の昇格を歓迎している人がかなりいるということだ。政治家としての経験も豊富で、安定感のある保守だ。アメリカの混乱が進めば、ペンス待望論が強まる可能性が高い。

児玉克哉社会貢献推進国際機構・理事長

トルコ・サカリヤ大学客員教授、愛知大学国際問題研究所客員研究員。三重大学副学長・人文学部教授、国際社会科学評議会(ISSC)副会長、国際平和研究学会(IPRA)事務局長を歴任し現職。専門は地域社会学、市民社会論、国際社会論、政治社会学など。公開討論会を勧めるリンカーン・フォーラム事務局長を務め、開かれた政治文化の形成に努力している。「ヒロシマ・ナガサキプロセス」や「志産志消」などを提案し、行動する研究者として活動をしている。2012年にインドの非暴力国際平和協会より非暴力国際平和賞を受賞。連絡先:kodama2015@hi3.enjoy.ne.jp

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『在日中国人「反アパホテル」デモ 対抗団体も登場、休日の新宿が混乱』(2/5産経ニュース)について

facebookで集めた記事からの引用が中心になります。ネットの力は大きいと感じます。家に居ながらにして、タダでいろんな情報が集められるわけですから。佐藤優の本に「米国の情報将校は『機密情報の98%は公開情報から得られる』と言っている」とありました。情報収集の手間を惜しまなければ、メデイアのように偏向している以外の情報を得ることができます。メデイアは、「ネットはフェイクが多い」と印象操作しています。確かにネット情報も玉石混交であることは間違いありません。ただ読者の鑑定力が問われるだけで、メデイアの報道が正しいという保証もありません。そう言う意味ではネットもメデイアもイーブンでしょう。

本多勝一・朝日新聞記者が中国取材を元に朝日新聞を使って「南京虐殺」の火を付けました。中共と示し合わせてでしょう。如何に朝日新聞が腐っているかです。日本を、人権抑圧する中国のような共産主義国家にしたいと思っているからでしょう。本多は2014年9月25日号週刊新潮の中で自分の書いた記事で使った写真の誤用を認めました。東中野修道氏の追及本で誤りを認めざるを得なかったためと思われます。朝日新聞は記者のやったことに口を拭わず、誤報を世界に向けて謝罪しなければ。いつも日本企業の不祥事には厳しい癖に、自分には甘い中韓人と同じ態度を取ります。使用者責任と言うのがあるでしょうと言いたい。朝日の読者も早く捏造・改竄の「南京虐殺」、「従軍慰安婦」の記事の呪縛が解けるようになってほしいです。購読中止が一番です。

http://blog.goo.ne.jp/kuninomahoroba81/e/61da2e1e11802221cd3f8782fe473b5f

次はブログ『正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現』とfacebookから取った中国人漫画家・孫向文の記事です。『嘘つき中国共産党』を書いた中国人漫画家・辣椒氏同様、中国国民に伝わっていくことを願っています。漫画は主張が分かり易いですから。以前の日本の小林よしのりのようになればいいなあと思います。

http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6553.html

https://twitter.com/sun_koubun?lang=ja

http://www.dailyshincho.jp/article/2017/01201237/?all=1

ブログでは「2月5日(日)当日、在日支那人たちのアパホテルへの抗議デモ参加者は、当初予定していた1,000人に遠く及ばず、主催者発表で300人、実際には当初予定の10分の1の約100人しか集まらなかった!(ソース:レコードチャイナなど)。たった40人という情報も有り(ソース)」とありました。

孫向文

‏@sun_koubun

アパホテルのデモ、「俊龍」という在日中国人が主催者、工作員集団「在日華人圏」のトップ幹事です。日本警視庁頑張れ

13:01 – 2017年2月5日

孫向文

‏@sun_koubun

日本の皆さんはデモ隊に騙されない証拠を見せます。

左の写真は「日本が好き」右の画像は主催者が、中国人サークルに参加者募集する時に発表した文章です。

赤の文字を注目して「犯我中华,虽远必诛」(中国を犯すなら、ぶっ殺す)

これは中国共産党の信条です、彼ら羊を被ってる狼です。

彼らは親日?

2/6facebook 孫向文氏の「南京大虐殺の虚構」本について

日本政府はこの本を買い上げ、証拠としてネットに挙げれば良いでしょう。ユニセフにも証拠として使用すれば良いでしょう。日本国民向けに本多勝一のいる朝日新聞に釈明を求めたら。ただ、この本は入手困難らしいですが。当然中国は焼却処分しているでしょうから。

この本は、田中正明氏の『南京虐殺の虚構—松井大将の日記をめぐって』を中国共産党が1985年に翻訳して発行したようです。

次は石平氏のfacebookから。

http://www.honmotakeshi.com/archives/46980977.html

如何に日本人がメデイアなるものに騙され続けてきたかです。日本人の誇りを呼び覚まして、嘘を主張し続ける国・会社に反撃しましょう。

記事

ホテルチェーンのアパホテルが「南京大虐殺」などを否定する書籍を客室に備えているとして、中国当局が猛反発している問題で、日本在住の中国人らが5日、東京都新宿区で同ホテルへの抗議デモを実施した。現場周辺にはデモに抗議する団体メンバーも多数詰めかけ、休日の新宿は混乱した。

 デモを行ったのは、このデモのために結成された日本で生活している中国人企業経営者、会社員らで作る「中日民間友好委員会」。約300人(主催者発表)の参加者が午後3時から、新宿中央公園から新宿御苑に近い同ホテル周辺まで行進した。「中日友好」「民族の尊厳を守る」などと書かれたプラカードや横断幕を掲げながら道路を歩いたが、シュプレヒコールを上げることはなかった。

 デモには抗議する右翼団体の構成員らが併走。「JAPANが好きだ」と書かれた横断幕を奪い取ろうとしたほか、デモに飛びかかろうとして、警戒に当たっていた警察官に静止される場面が何度も見られた。

 デモを主催した来日10年になるという中国人女性は「(周囲の)みなさんにはご迷惑をおかけした。今回声を上げたのは勇気ある中国人だ」などとコメント。年齢や名前などは明らかにしなかった。

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『屋台の玩具銃に銃器不法所持罪?懲役3年6月? 庶民の不満に神経尖らす中国政府の目には“草木皆兵”か』(2/3日経ビジネスオンライン 北村豊)、『中国“メンツ”捨て…日本の特恵関税継続“懇願” 「経済規模2位だけど発展途上国」持論展開で猛反発』(2/5ZAKZAK)について

千代田区長選で予想通り、小池都知事側が圧倒的勝利を収めました。自民党都議だけでなく東京選出の自民党国会議員も焦っているでしょう。与謝野という玉が悪かっただけではありません。地方自治体の自民党は利権集団で腐っています。そもそも叔父の与謝野馨は自民党を裏切って民主党の大臣になりました。裏切り者の親戚を担ぐ時点でボロ負けは予想されていました。硬い岩盤の保守層も応援しなかったでしょう。而も都議会のドンと言われる内田茂氏の地元ですから。2020年東京オリンピックに影響しないように、2/10 首相訪米後に首相は衆議院解散してはどうか。6/18通常国会閉会後では都議選が動いているし、民共提携で候補者一本化が進んでいる可能性もあります。まあ、自民党の世論調査の数字如何になるのかもしれませんが。「皇室典範」の改正、「共謀罪」等は新衆議院議員で検討すれば良いのでは。

https://matome.naver.jp/odai/2135252397544683201?&page=1

2/6日経のステイーブン・ローチの「米の対中制裁裏目に」と言う記事は経済効果しか見てなく、中国が南シナ海を始め、軍事的に米国の覇権に挑戦している事実には目を瞑っています。編集委員の吉田忠則氏は本記事解説で「中国は世界のサプライチエーンの要で報復措置の連鎖が現実になれば世界は計り知れないリスクを抱え込む(一部表現を変えています)」と書いています。別にサプライチエーンの要を中国でなく、時間をかけても他国に移して中国経済の弱体化を図らなければ軍拡に利用されるだけです。

同じく2/6日経朝刊には大学の軍事研究に水を差す人間がまだまだ多いようです。研究費という金の問題だけではありません。軍産学連携している米中の軍事技術に追いつけなくなります。大学には国の税金が入っている訳で、国の為になるのが嫌なら、国の補助金は受け取らないでほしいです。東大は左翼教授が多く、共産党に支配されているのではと思わざるを得ません。中国の侵略行動を支援していることになります。彼らの言うことを信じていたら亡国となります。権威を信ぜず、自分の頭で考えるべきです。大学の軍事研究に慎重論強く 学術会議の議論ヤマ場 

大学などが軍事研究に関わることの是非を巡る日本学術会議の検討作業がヤマ場を迎えている。同会議の検討委員会は軍事研究に慎重な姿勢を示す中間報告をまとめ、4日に都内で開いた公開討論会でも軍事研究に反対する意見が相次いだ。4月に出される同会議の見解は軍事研究に抑制的な内容となる見通しだ。

学術会議は1950年と67年に「戦争を目的とする科学研究を行わない」などとする声明を出し、軍事研究とは距離を置いてきた。しかし防衛省が2015年に、安全保障に関する基礎研究に資金を配分する「安全保障技術研究推進制度」を始めた。これを機に学術会議は昨年6月に検討委を設置。学術界の対応について1月まで8回にわたって話し合ってきた。

4日の討論会では、検討委の杉田敦委員長(法政大学教授)が「審議経過の中間とりまとめ」を説明した。同報告は、過去の戦争で政府によって科学者が軍事研究に動員された歴史を踏まえ、「学術研究の自主性・自律性を担保する必要がある」と強調。「政府による研究への介入の度合いが大きくなる懸念がある」として、大学などが軍事研究を進めることに慎重な姿勢を打ち出した。

検討委では軍事と民生に使えるデュアルユース(軍民両用)技術の考え方も議論されたが、報告では「科学者が自らの研究成果を管理するのが難しい」として、研究の「入り口」で慎重な判断をするよう要請。大学などが、軍事研究についてその適切性を技術的・倫理的に審査する制度を設けるよう提言している。

討論会では学術会議の関係者や外部の識者6人が意見を表明した。その後の総合討論を含め、中間報告の内容を支持する意見が大勢を占めた。「過去の学術会議の声明を堅持し、防衛省の研究制度には参加しないことを見解に明記すべきだ」(須藤靖東京大学教授)など踏み込んだ意見も出た。

防衛省の研究制度の予算規模は15年度3億円、16年度は6億円だったが、17年度予算案では110億円に拡大した。15~16年度は大学からは東京工業大学、豊橋技術科学大学、東京電機大学などの9件が採択された。

一方、関西大学、明治大学、法政大学などは同制度に応募しないことを決めた。学術会議が4月に出す見解でも軍事研究を抑制する姿勢を示した場合、大学側が防衛省のプロジェクトへの参加を「自粛」する流れが強まる可能性もある。

ただ、学術会議の見解は学術界の総意を示す意味があるものの、各大学の判断を拘束するわけではない。防衛省の予算が増える中で、研究資金の獲得を優先する大学や研究者も出るとみられる。理想と現実の間で、各大学や研究者は独自の判断が求められることになりそうだ。(編集委員 吉川和輝)>(以上)

2/5在日中国人によるAPAホテルへのデモがありました。まあ、中国は日本が威嚇している構図にして中国から世界に向けて報道する狙いなのでしょう。板東忠信氏の言うようにこのデモを認めた警察署長(警視総監or警察庁長官の承認をとっているかもしれませんが)がアホとしか言いようがありません。国内治安に対して責任感がありません。

http://www.honmotakeshi.com/archives/50593403.html

沖縄のデモでも外国人が参加しています。東京MXTVの「ニュース女子」の報道で在日が焦っているようです。辛淑玉が如何に日本人の生命軽視の発言をしているかです。

http://mera.red/%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%82%B4%E3%81%A8%E6%B2%96%E7%B8%84%E3%81%A8

経産省前のテント村は撤去されましたが、撤去までに5年以上かかりました。道路の違法占拠でしょう。こんなものは早く撤去しなければ。追い出された中核派の老人が怒って経産省に火をつけて逮捕されました。

http://mera.red/%E7%B5%8C%E7%94%A3%E7%9C%81%E3%83%9C%E3%83%A4%E3%81%AE%E7%8A%AF%E4%BA%BA

左翼や在日は民主主義によって選ばれた議会で制定する法の制約・隙間をついて暴力行為や嫌がらせを働きます。裏には共産中国がいるのでしょうけど。日本は法治国家かと言いたい。法を厳格に運用できないのであれば、法律の条文を変えて反論を許さずにすぐ現行犯で逮捕できるようにすべきだし、外国人のデモも禁止すべきでしょう。警察はヘタレが多くなってしまいました。国民を本当に守れるのでしょうか?

外国人の政治活動は制限を受け、在留を認めるかどうかは法務大臣の広範な裁量を認めた「マクリーン」最高裁判決があります。韓国崩壊が噂される今日、特別永住者の地位も見直した方が良いでしょう。日本人は昔の仲間という事で優しい扱いをしました。でも中韓人の性格の悪さには思いが至らなかったのでしょう。彼らが南京虐殺や従軍慰安婦を世界にアピールしてきたことを目の当たりに見れば臍を噛む思いです。特別永住者の地位は「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」と言う法律で定められています。韓国大統領選の候補者李在明は「日本は敵性国家」と述べるくらいですから、本法律を廃止して一般外国人と同じ扱いにすべきでしょう。英国のEU離脱、トランプ大統領誕生と自国民ファーストの流れが出てきています。自民党は国会で動かないといけないのでは。テロが起きてからでは遅すぎます。高度人材の受入も慎重にしなければテロリストを受け入れることになりかねません。皇室典範が改正されるくらい(小生は薩長が法律を作ったのが間違いと思っています。天皇は歴史的存在、祭祀王なので法で定める必要はありません。せいぜい国家元首と明記するだけでしょう)なのだからできないことはないでしょう。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%B3%E4%BA%8B%E4%BB%B6

北村氏の記事で射的屋の女性は多分公安に賄賂を贈っていなかったのでしょう。公安が嫌がらせする場面を北京駐在時代によく見ました。別におもちゃの銃所持が問題ではなく、“草木皆兵”で共産党打倒の革命が起きるのを恐れているのでしょう。一番問題なのは人民解放軍による兵器の横流しでしょう。庶民を恐れるより、軍のクーデターを恐れた方が良いでしょう。

ZAKZAKの記事はさすが中国人と思います。恥も外聞も捨てて泣き落としにかかってきています。まあ、中国人の二面性の使い分けによるご都合主義は、中国駐在時代に交渉相手が良く使って来ましたから、特に驚きはしません。財務省は取り消すことはしないように。敵国に有利な政策を採るのは売国です。基準の発表までしたのですから貫徹するようにしてほしいです。日米で中国を追い込んでいけば良いです。

北村記事

屋台の射的で使っていた空気銃で逮捕とは…(写真は空気銃の一例。本文とは関係ありません)

天津市“河北区”に居住する“趙春華”は51歳の独り身である。彼女には婚姻歴があり、娘が1人いる。2016年8月、彼女は天津市“紅橋区”を流れる“海河”を跨ぐ“永楽橋”と一体化する形で建設された観光名所“天津之目摩天輪(天津の目観覧車)”に近い“李公祠大街”の河岸で屋台の射的屋を開業した。射的屋とは、お客にプラスチック製のBB弾を装填した玩具の空気銃「エアーガン」を貸して、彼らに仕切り線から数メートル先に置かれた板に固定された数十個の風船を狙い撃ちさせる商売で、お客は風船にBB弾を命中させて破裂させることを楽しむのである。

観光名所である“天津之目摩天輪”は連日多数の人々が訪れて賑わい、射的を楽しもうとする人も多かったので、趙春華の商売は順調だった。天津市の規則で、街頭で露天商を営むことは禁止されているため、趙春華は毎晩8~9時頃に射的屋の屋台を出し、深夜0時に店仕舞いして働き、月に3000元(約5万円)以上の収入を得ていたが、昼間は段ボール拾いをして稼いでいた。趙春華は毎日自宅から李公祠大街の河岸まで三輪車をこいで屋台を運び、仕事が終わると三輪車で屋台を自宅まで運んでいた。これだけでも重労働だが、彼女は毎日、数百個もの的になる風船を一つずつ口にくわえて自分の息で膨らませていたから、頭がくらくらすることも度々だった。

空気銃9丁を「銃器」と認定

趙春華が8月に射的屋を始めてから2か月間は何事もなく過ぎたが、その彼女に悲運が襲い掛かったのは2016年10月12日の夜10時頃だった。周辺を巡回していた警察官が突然に彼女の屋台へ立ち寄り、彼女を連行すると同時に商売用のエアーガン9丁とBB弾を押収したのだった。彼女の娘である“王艶玲”は、「趙春華が屋台を営業しているのは元々射的屋を営んでいた老人から譲り受けた場所であり、射的屋は玩具のエアーガンで風船を撃つもので、使う弾はプラスチック製のBB弾だから、母は何も悪いことをしていない」とメディアの記者に強い口調で語った。

“天津市公安局”の“物証鑑定中心”は趙春華から押収した銃形状物9件のうち6件を「圧縮空気を動力とする“槍支(銃器)”」と認定した。このため、趙春華は正式に逮捕された後に“天津市人民検察院”へ送検された。“天津市人民検察院”は事件の調査を行った上で、趙春華を“非法持有槍支(銃器不法所持)”の容疑で起訴した。趙春華の逮捕から2か月半後の12月27日、“天津市河北区人民法院(下級裁判所)”で趙春華の銃器不法所持容疑に関する一審の審議が行われた。法廷では、検察側が趙春華の銃器不法所持は6件で、その情状は重大であるとして懲役3年6か月を求刑したのに対して、弁護側は趙春蘭が初犯であり、素直に罪を認めているとして情状酌量を要請したが、最終的に下された判決は検察側の求刑通り懲役3年6か月であった。

射的屋が商売に使うエアーガンを所持していたとして銃器不法所持容疑で逮捕された末に、裁判で懲役3年6か月の実刑判決を受けた。この事実がメディアを通じて報じられると、人々は唖然として耳を疑った後に「こんなふざけた判決があるか」と怒りを爆発させた。趙春華に対する判決の不当性を問題視する声は全国で高まり、メディアもこれを社会問題として大きく取り上げた。

通常は公安も見て見ぬふりだが…

2010年に中央政府“公安部”が発行した『公安機関の事件に関わる銃器・弾薬の性能鑑定業務規程』によれば、この種の規格外銃器(玩具の銃を含む)については、その殺傷能力が1.8J(ジュール)/cm2以上の物を銃器と認定し、本物の銃としている。この規定によれば、玩具の銃の大部分が本物の銃となり、玩具の銃で遊んだことがあるだけで、銃器隠匿あるいは銃器不法所持で逮捕されて懲役刑の判決を受けることになる。2008年の基準は今よりもずっと緩い16J/cm2であったので、以前はただの玩具の銃であったはずのものが、現在ではどれも銃器になってしまっているのだという。

中国の玩具工場では毎日何千何万丁の玩具の銃が生産されているし、玩具店やデパート、ネット商店などでは毎日十万丁もの玩具の銃が販売されている。上述した公安部の規定に従えば、これら玩具の銃の大部分は銃器に該当するが、公安当局は見て見ぬふりをしているのが実情である。

香港の評論家“藩小濤”は、趙春華が懲役3年6か月の一審判決を受けたことに関する文章の中で、「中国では過去数年の間に、玩具の銃を販売、購入あるいは使用したことにより起訴された事件は23件に上るが、その量刑は大部分が3年以下の懲役であり、多くは執行猶予が付いていた」と述べている。そこで、藩小濤が言及した玩具の銃に関わる23件の事件とは異なるが、模造銃や本物の銃に関わる銃器不法所持事件の量刑を代表的な3例で見てみると以下の通り。

【1】2012年11月、広東省“呉川市”にある“看守所(拘置所)”で留置されていた“李某某”は看守の隙を突いて脱獄に成功した。その後、李某某は友人から模造の“54式手槍(54式拳銃)”1丁と多数の弾薬を入手して逃亡していたが、遂に公安警察に発見された。李某某は警官を人質に取って抵抗したが、最後には逮捕された。54式拳銃は中国共産党が政権を握った後に人民解放軍に装備された最初の制式拳銃であった。李某某は「銃器不法所持罪」に問われ、裁判で懲役2年6か月に処せられた。<注1>

<注1>李某某は他に誘拐罪などが加算され、最終的には懲役15年の判決を受けた。

【2】2012年、広東省“東莞市”で“一五金加工廠(工場)”を経営する“孫某某”とその仲間は、“盧某”との間で争いを生じ、双方が相手に報復を加えようと画策していた。孫某某は仲間の“許某某”に模造品の“64式手槍(64式拳銃)”を渡して“盧某”を射殺させた。64式拳銃は中国で最も普及している警察の制式拳銃である。殺人に使われた模造の64式拳銃は孫某某が所有していたものであったため、孫某某は銃器不法所持罪に問われ、懲役1年6か月の判決を受けた。<注2>

<注2>孫某某の量刑はこれ以外に“故意傷害罪”が加算され、最終的に懲役15年となった。

【3】2013年、安徽省“淮北市”出身の“段某某”は“KTV(カラオケ店)”で人と争い殴り合いになったが、段某某は突然懐から拳銃を取り出し相手の頭に狙いを定めた。死の恐怖を感じた相手は拳銃を奪おうと必死に抵抗して段某某に組み付いたので、拳銃から弾薬が入ったマガジンケースが脱落し、拳銃が発射されることはなかった。段某某は通報を受けて急行した警察官に逮捕されたが、段某某が所持していたのはドイツ製拳銃「ワルサーPPK」を改造したものだった。段某某は銃器不法所持罪に問われたが、裁判所は段某某が素直に罪を認めたことから懲役1年を科した。<注3>

<注3>段某某には難癖をつけて騒動を起こした罪が加算され、最終的な量刑は懲役1年6か月となった。

上記の3例からも分かるように銃器不法所持罪の判決はいずれも懲役2年6か月、1年6か月、1年で、趙春華が一審で受けた懲役3年6か月のような判決は出されていない。3例はいずれも悪事を働いた犯罪者であるのに対して、趙春華は善良な庶民であり、悪事と言える行為は何一つ犯していない。趙春華は、射的屋の商売に使用していた玩具の「エアーガン」が公安部の規定する銃器に該当していた事実を知らなかったに過ぎず、一審の懲役3年6か月という実刑判決はあまりにも過酷と言わざるを得ない。

二審でようやく執行猶予

一審判決を受けた後、趙春華は事態が良く理解できぬままただ茫然自失の状態だったが、娘の王艶玲に説得される形で弁護士を雇い、一審判決を不服として控訴した。一審判決から1か月後の2017年1月26日、“天津市第一中級法院(地方裁判所)”で趙春華の銃器不法所持事件に関する二審判決が言い渡された。判決は趙春華による銃器不法所持は犯罪を構成するとした一審判決を支持するが、被告人の趙春華が罪を認めて悔い改めていることを考慮し、趙春華を懲役3年、執行猶予3年に処すというものだった。この結果、趙春華は判決言い渡しの直後に釈放され、1月28日の“春節(旧正月元旦)”前に家に帰ることができた。二審判決は幾分かの人情味が感じられるものとなったが、裁判所に執行猶予を付けさせたのは、全国の怒れる庶民が天津市の司法部門に向けて浴びせかけた抗議の巨大な圧力によるものであった可能性が高い。

ところで、中国メディアの多くは、趙春華が逮捕された時の情景を「周辺を巡回していた警察官が突然に彼女の屋台へ立ち寄り」と報じたが、実際は“天津之目摩天輪(天津の目観覧車)”付近で営業する射的屋の屋台に対し天津市公安局が一斉取り締まりを行ったのだった。2016年10月12日の夜、“天津之目摩天輪”周辺では趙春華の屋台を含む10軒の射的屋の屋台が天津市公安局の取り締まりを受け、13人が公安局へ連行された。趙春華は最初に一審の判決を受けたのであり、1月5日時点の報道によれば、残りの12人は8人が保釈され、4人が依然として拘留中で、裁判がいつ行われるかは未定となっていた。趙春華に対する厳しい判決が世論の怒りを買ったことから、彼らにはたとえ懲役刑が下されても執行猶予が付くものと思われる。

評論家の藩小濤は上述した文章の中で、河南省“信陽市”の“新県人民法院”がインターネットの「司法オークションサイト」を通じ、「日用品オークション」と題して玩具のエアーガン29丁を2016年10月30日と12月28日の2回に分けて競売にかけたことに言及した。競売にかけられたエアーガンの一部は趙春華が銃器不法所持とされたのと同一のモデルであった。藩小濤は、「裁判所は法を知りながら法を犯すのか。裁判所は一方で玩具の銃を所持する販売者や庶民に刑罰を下しながら、他方では庶民から押収した玩具の銃を競売にかける。もし、庶民がこれを購入したら、公安警察が出動して庶民を逮捕し、裁判所が庶民に刑罰を科し、裁判所は押収した玩具の銃を競売にかける。これなら裁判所は食うに困らない」と述べて、新県人民法院を痛烈に批判した。

70~80年代生まれは皆、犯罪者?

2016年9月27日、湖南省“株州市”に住む“葉准”(仮名)は車で走行中に交通警官の取り調べを受けた。警官は車のグローブボックスに玩具の“火柴銃”<注4>が1丁入っているのを見つけ、葉准を取り調べのため公安局へ連行した。“株州市公安局”が当該火柴銃を鑑定した結果、公安部の規定により銃器に該当することが判明し、葉准は銃器不法所持の容疑で逮捕された。葉准はその火柴銃を彼の子供のために、ネットのショッピングサイト“淘宝”を通じて148元(約2500円)で購入したと供述したという。2016年12月14日、株州市の“天元区検察院”は葉准を銃器不法所持罪で起訴した。

<注4>中国語で“火柴”は「マッチ」を意味する。“火柴銃”はマッチの「頭薬(発火性のある混合物)」を動力とする玩具の銃で、1970年代に小学生によって開発されて全国的に普及した。

葉准が銃器不法所持罪で起訴されたことは、年が明けた2017年1月に公表されたが、天津市の趙春華事件が波紋を巻き起こしている中で玩具の銃に関わる新たな事件が発生したことに、中国の人々は驚きを隠せないでいる。ネット上では事件に関する議論が熱を帯びており、「問題の火柴銃を販売した“淘宝”も銃器売買罪を構成するのではないか。“淘宝”が販売した火柴銃の数は膨大なものになる」とか、「子供の頃、誰もが一度は火柴銃で遊んだものだ。その火柴銃が違法な銃器に該当するというなら、“70后(1970年代生まれ)”や“80后(1980年代生まれ)”の人は皆が銃器不法所持の罪を犯したことになる」といった書き込みが多数見受けられた。葉准の裁判がいつ行われるかは未定だが、果たしてどのような判決が下されるのか。

上述した藩小濤は同じ文章の中で次のように述べている。すなわち、“菜刀(包丁)”を買うのにも実名登録が必要なご時世の下で、公安部は銃器鑑定基準をかくも過酷な内容に改訂したが、これは決して奇怪なことではない。そこから見えてくるのは、彼らが“草木皆兵(草や木まで敵兵に見える)”の精神状態にあり、自国民に対して疑心暗鬼であるということである。

政府の“不安定化”が恐ろしい

玩具の銃を本物の銃器として認定し、それを使って射的屋を営んでいた者や子供に与えるべく購入した者を銃器不法所持容疑で逮捕するとは、どう考えても尋常とは思えない。彼らを逮捕する前に、本物の銃器と見なされる玩具の銃を製造する工場を取り締まるのが本来の筋だろう。それをしないで、購入する方を逮捕して罰するとは本末転倒も甚だしい。天津市や株州市の公安局が銃器と鑑定される玩具の銃を取り締まっているのであれば、それは中国全土の公安局が同様な取り締まりを行っていると考えてよいだろう。

玩具の銃まで取り締まる必要があるということは、中国政府は庶民が銃器と認定される玩具の銃を手にしてテロ行為やクーデターを起こすことを恐れているのだろうか。中国社会がそこまで不安定化していると想像すると恐ろしいものがある。“草木皆兵”の精神状態は、一種の強迫観念にとらわれているということができる。中国共産党や政府が恐れているものは一体何なのか。

ZAKZAK記事

日中間で、にわかに“貿易摩擦”の火種がくすぶっている。財務省は中国の輸出競争力が高まったとして、発展途上国支援のために輸入関税を低くする「特恵関税」の対象国から中国を除外すると表明。これに対し中国側は自ら「経済規模では世界2位だが、世界最大の発展途上国」とする持論を展開して猛反発している。中国は輸出が減少傾向で、しかもトランプ米大統領が中国から米国への輸出拡大を牽制(けんせい)する中、日本への輸出減の要因は、是が非でも排除したい思惑が透けてみえる。  「中国は依然として世界最大の発展途上国だ」  中国情報サイトのレコードチャイナによると、中国商務部の沈丹陽報道官は昨年11月下旬、日本が中国を特恵関税の対象国から除外する方針を打ち出したことを受け、こう反論した。  沈報道官は続けて、「中国の経済規模は世界2位だが、1人当たり国内総生産(GDP)や、都市と農村部の発展、社会福祉などでは先進国と大きな格差がある」と力説。「近代化実現の道は依然として遠い」とも主張した。  何かにつけて「大国」を主張する中国だが、“メンツ”をかなぐり捨て、中国はまだまだ特恵関税の措置による支援が必要な国との訴えを繰り返したのだ。インターネット上では、「中国は『大国』と『発展途上国』を場面に応じて使い分けている」といった指摘が上がっている。  ただ、同時に日本をくさすことも忘れていない。財務省が発表した昨年11月の貿易統計によると、対中国では57カ月連続の貿易赤字。レコードチャイナによると、中国社会科学院日本研究所の張季風研究員は、「日本経済の不振と長期的な貿易赤字から見て、日本が貿易ルールの調整によって自国経済の輸入減少と改善を図った可能性は排除できない」と指摘した。

特恵関税制度は、途上国の輸出振興や経済支援のために多くの先進国が導入している。日本も約140カ国・地域からの輸入品で、関税を下げたり、免除したりしている。この制度は経済発展を遂げた国を外す規定があり、財務省は今回、所得要件を広げるなどの見直しを行いたい考えだ。  現行の規定では、2016年公表の世界銀行統計で「高所得国」(14年時点の1人当たり国民総所得が1万2736ドル以上)に3年連続で該当した国・地域を対象から除外している。今回は、これに「高中所得国」(同4125~1万2736ドル)を追加。さらに、「輸出の世界シェアが1%以上」との基準も設ける。  新規定で、中国のほかメキシコ、ブラジル、タイ、マレーシアの計5カ国が適用の対象外となる。平成27年度に優遇税率を適用されたものの6割は中国からの輸入品。今回、冷凍タコやペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタレートなど約1000~2000品目で関税が上がるとみられる。  昨年11月下旬に東京・霞が関の財務省で開かれた関税・外国為替等審議会の分科会では、ある委員が「そもそも途上国の経済発展に資することが趣旨で、経済が発展した国への特恵措置は廃止されていくべきだ」と主張。政府内には「経済発展しているのに関税をまけてやる必要があるのか」(関係者)との声もある。

中国が特恵関税にこだわる背景には、輸出の低迷がある。中国税関総署が今年1月13日に発表した2016年の貿易統計によると、輸出は前年比7.7%減の2兆974億ドル。14年半ばから人民元安の傾向が続いているにもかかわらず、輸出がじり貧状態に陥っている格好だ。  中でも鋼材の輸出が数量で3.5%減だったのに対し、輸出額は13.4%も減少。過剰生産で余剰在庫を抱える鋼材を、海外に安値で売りさばくという構図が浮き彫りになった。鉄鋼の過剰生産は国際問題に発展しており、生産削減を求める声が強まっている。  トランプ米大統領は中国産品への関税引き上げを訴え、米中間の貿易に大きな影響を及ぼす可能性もある。こうした中、特恵関税の対象から外れ、日本への輸出が減るのは避けたいというのが中国の本音だ。  そのすがるような思いは、中国商務部の沈報道官が、先に触れた11月の会見の中でみせた“最後の泣き落とし”ににじんでいる。  「世界経済の回復の勢いは依然弱く、国際貿易・投資は低迷している。日中双方が共に努力し、日中の経済・貿易の健全な発展を後押しし、世界経済の成長に貢献することを希望する」(経済本部 中村智隆)

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『米国が貿易戦争によらず中国を抑え込む法 建設的な対中アプローチのための提案』(2/3日経ビジネスオンライン The Economist)、『トランプを討つ明智光秀は誰だ!早くも余命のカウントダウン始まり、ペンスの注目度急上昇』(2/3JBプレス 高濱賛)、『トランプの外圧は日本の国防“独立”への好機 米国のご機嫌取りでは同盟強化にならない』(2/2JBプレス 北村淳)について

エコノミストのこの記者は問題がサッパリ分かっていないのでは。中国について問題とすべきは飽くなき軍拡の追求にあります。このまま中国の経済成長がリニアに発展していけば(経済崩壊が噂されていますのであり得ないとは思いますが、最悪を想定して)、米国の軍事力もいつの日か逆転されます。中国は今の所、技術的には幼稚とはいえ将来は分かりません。盗むのも得意ですから。時間の利益を与えることは米国、翻って日本にも不利となります。「言論の自由」のない国が世界を統治するとすれば、悪夢でしょう。中国は分割する以外、民主化することはないと思っていますので。

http://hiah.minibird.jp/?p=2004

http://www.huffingtonpost.com/artyom-lukin/world-war-3_b_5720254.html

中国は日本侵略の狙いで、世界に日本民族は如何に道徳的に劣るかと言うのを韓国と共にやってきています。中韓とも自国が真面でないため、他国への移民が多い訳ですが、彼らが反日で自国の為に動くというのも皮肉なものです。棄国した筈なのに。中国は人口侵略の狙いもあるのかもしれませんが。次はfacebookから取った「なでしこアクション」さんのブログに基づき「カナダ・オンタリオ州が南京大虐殺記念日の制定審議中」との記事に関し、州首相と州議会に抗議のメールを送りました。英語ですが文法的にあっているかどうかより、抗議の声をあげることが大事と思っています。日本人が自分の事以外は無関心、or左翼の自虐史観に洗脳されて中韓の言っていることが正しいと思っている人が多いから、中韓の好き勝手にされてしまっている訳です。反撃しなければ。英語の読める人はヘンリーストークスの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”を、読むのが大変と言う人は日本語版の「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」を読むことを勧めます。そうした文章を挙げます。

Dear, sir

I would like to appeal the massacre of Nanking has been a Chinese propaganda.

Henry Scott Stokes, the former journalist of Financial times, Times, NYT, wrote the book called “Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist” was published in NY Nov last year.

The prologue in that book goes as follow.

“The Tokyo Trials were a total sham, serving only as a theater for unlawful retribution. And as for the “Nanking Massacre,” there is not one shred of evidence attesting to It. However, the Chinese are hell-bent on using foreign journalist and corporations to spread their propaganda throughout the world. I find it very disappointing that so few Japanese attempt to discredit the false accusations and set the record straight. In today’s international community those who maintain that there was no massacre in Nanking are shunned.”

I strongly protest against the Bill 79 Nanjing Massacre Commemorative Day Act.

It will create conflict between Chinese background citizens and Japanese background citizens in Ontario.

It is not good in your multicultural society.

Sincerely,

http://nadesiko-action.org/?p=11084

高濱氏の記事を読みますとペンスでは中国と対決は出来ないでしょう。でも、高濱氏はトランプが何らかの理由で下り、ペンスが大統領になることを期待しているように見えます。

北村氏の言うように防衛費は増やしていく必要があります。米国が同盟国にGDP比で防衛費の増額を求めるのは、中ロが仮想敵国になっているからでしょう。ワシントン会議やロンドン会議で日本の軍事支出を抑えにかかった米国の姿とは打って変わってです。防衛費増は日本の自主防衛にもプラスになります。ただ、単独で防衛は出来ません。多国間で中国に対峙しなければ。防衛費を増やすだけでなく、法的に戦える(憲法改正とネガテイブリストの法律)ことと、死亡した時の補償と靖国に合祀することを約束すること、「月月火水木金金」の編隊運用にならないような編成、装備の充実が大事かと思います。

The Economist記事

ダボス会議で登壇し、自由貿易に取り組む姿勢を強調する習近平国家主席(写真:AP/アフロ)

ようこそ、混迷を極める新たな通商政策の世界へ――。現在の世界貿易体制を生んだのは米国だ。米国はこれを、その後70年にわたって守り続けてきた。ところがこのたび就任したばかりの大統領は、どうやらこの体制を一新しようと決めているらしい。この人物は現システムに破綻をもたらすかもしれない。

一方、中国は大国として力をつけてきたもののルールに従わないことが多い。それでも習近平国家主席は現状を維持するための手段を講じている。

米国のドナルド・トランプ新大統領がケンカ腰なのは、貿易において中国や各国から譲歩を引き出すための単なる策略か。それとも目的を妨害されれば本当に経済戦争(およびさらなる惨劇)を引き起こす覚悟があるのか。その点はいまだ明らかではない。しかしながら世界最大の経済大国とそれに継ぐ大国の関係以上に重要な二国間関係など存在しない。今後の新たな経済秩序は、トランプ大統領と習国家主席がどう付き合っていくかで決まる部分が大きい。他の多くの事柄も同様だ。そして、ここには多くの不安材料がある。

トランプ大統領は政策が大きく揺れることで知られているが、こと貿易に関しては、米国が貧乏くじを引いているとの考えを一貫して主張している。大統領に就任してから数日のうちに、トランプ大統領は環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱を宣言した。これはアジアと南北アメリカの国々が参加する自由貿易協定だ。また、海外に生産拠点を移して米国内の雇用機会を奪う米国企業には高い国境税を適用すると圧力をかけた。加えて北米自由貿易協定(NAFTA)についても再交渉する考えを明らかにした。

貿易に対するこうした圧力とは異なり、中国に対抗したいという考えについてはまだ理解できる。習国家主席は自由市場を支持すると公言しているが、経済を重商主義に基づいて運用している。中国では、政府が指定する特定の企業だけが財務や賃借料について補助金を受けることができる。海外投資家が自国経済に参加するのを禁止する一方で、多額の資本を国内の有望企業につぎ込んでいる。例えば、半導体産業を育てるためにこれまで1500億ドル(約17兆2000億円)を充ててきた。中国市場への参加を許された企業は、知的財産の譲渡をしばしば求められる。

必要なステップは3つ

中国を相手に賢い取引をするつもりなら、トランプ大統領は次の3つのルールに従うべきだ。

第一は、貿易政策と地政学を混同しないことだ。人は得てして、この衝動に駆られる。トランプ新大統領は、中国が南シナ海で主張する権利と台湾の主権問題を貿易に結びつけることで、自らの交渉力を高められると考えているようだ。しかし、愛国主義的な支持層の機嫌をとりたいのはなにもトランプ大統領だけではない。習国家主席にとって台湾は交渉の余地のない事柄であるし、南シナ海は「核心的利益」なのだ。

第二のルールは、現実に起きた不正に的を絞ること、そして、自らを傷める行為を避けることだ。大統領選の間、トランプ大統領は中国を為替操作国に指定すると公約していた。中国が今も為替に介入しているのは、元の急激な値下がりを防ぐためである。元安を導いて輸出業者を支えるためではない。

トランプ大統領が導入すると威嚇している包括的な関税の類は、最終的に米国の最貧民層に打撃を与えることになるだろう。米国の対中輸出品は航空機や農産物の分野に集中している。これは中国当局による報復に対して米国が脆弱であることを意味する。

第三は、現在の国際貿易体制が擁する機関に、中国の濫用行為を訴えることだ。そして「中国は世界貿易における模範的存在だ」とする習国家主席のはったりを暴くべきである。国際貿易を管理する機構は極めてうまく機能している。オバマ前政権は世界貿易機関(WTO)に中国に関する16件の申し立てを行った。このうち敗訴したケースは一つもない。

確かに、対立を好む短気な大統領には合わない方法かもしれない。WTOは貿易を巡る政治案件を、劇的ではない平凡なものに見せようと意図的に事を運ぶ。一つの案件が決着を見るまでに数年を要することもある。訴訟が増え過ぎればWTO自体がパンクする恐れもある。だがWTOへの申し立ては、トランプ大統領が第一の目標に掲げる米国経済の健全な成長を脅かす全面対立のリスクを軽減することにつながる。

皮肉なことに、トランプ大統領はTPPから離脱し、最大の懸案である中国経済に影響を与えるための最善の道に自ら背を向けてしまった。TPPは現時点では中国を除外しているが、将来的には、同国が環境を汚染したり、国営企業に助成金を与えたりするのを抑制できる可能性がある。

もしもトランプ大統領が本気で世界の貿易体制を改善したいのであれば、TPP条項の一部を復活させ、中国をはじめとする国々との重要取引の基盤として活用するはずだ。そうすれば見事な取引になるだろう。だが残念ながらそういう展開にはとてもなりそうにない。

© 2017 The Economist Newspaper Limited. Jan 28th- Feb 2nd 2017 | From the print edition, All rights reserved.

高濱記事

米ニューヨークのトランプタワーに到着したマイク・ペンス次期副大統領〔AFPBB News

本文敬称略

就任以来、バナナのたたき売りのように大統領令を連発するドナルド・トランプ第45代大統領。メディアに叩かれようと、米議会共和党から批判が出ようとも、トランプの「悪性自己陶酔症」(Malignant narcissism)*は収まりそうにない。

*ジョンズホプキンス大学医学部のジョン・ガートナー博士が「診断」したトランプの病状。反社会的行動、サディズム、攻撃的言動、パラノイア、誇大妄想がその特徴だという。

メキシコとの国境に「壁」を造る。イスラム教徒の入国を禁ずる。大統領選の最中に言っていたことを本当に実行に移すとは、トランプに票を入れた米国民も驚いている。世界は仰天している。

「壁」の方は、予算措置を米議会が認めなければ、すぐには実現しないが、イスラム教徒の入国禁止は大統領令発布と同時に実施された。これに疑義を申し立てた司法長官代行は即刻解任された。

反移民の草の根保守が拍手喝采する一方で、これに反対する「良識派市民」は米国内主要都市の空港で抗議デモを繰り広げている。

「国益第一主義」追求で「例外主義」放棄か

自由と民主主義を「衣」に纏い、Exceptionalism(例外主義=米国は他の国とは違う特別の国家だという信念)を金科玉条に第1次大戦以後、超大国にのし上がったU.S.A.は、トランプの下でその「衣」をあっさりと脱ぎ捨て、「国益第一主義」を追求する並みの国家になってしまうのか――。

Mike Pence: A Biography by Jesse Dawson A & E Television Network, 2017

もう少し様子を見ないと、即断はできない。

やりたい放題のトランプの一挙手一投足を傍らでじっと見ている、胸に一物ありそうな男がいる。今は何も言葉を発さない。第48代副大統領のマイク・ペンス(57)だ。

ワシントン政界を過去50年間、取材してきた米有力紙のベテラン・ジャーナリストは、筆者にこう述べている。

「今ワシントン政界で最も注目されているのがペンスだ。このままトランプが突き進めば完全に生き詰まる。そうなると、病気を理由に辞めるか、弾劾されるかだ」

「その時とって代わるのは、継承順位第1位のペンスだ。就任時はペンスが大統領に昇格する確率は五分五分だったが、今や七分、三分になってきたぞ」 ケネディを信奉していたカトリック教徒民主党員

そのペンスの本が2冊出ている。出版関係者は今後、ペンスものが続々、出るだろうと見ている。大統領への昇格を睨んだ「狸の皮算用」であることは言うまでもない。

トランプが2016年7月、ツィッターでペンスを副大統領候補に選んだと書き込んだ時、米メディアは「Pence Who?」とこぞって報じた。

中西部の小州、インディアナでは下院議員6期12年、州知事を1期4年務め、知らぬ者はいなかった。共和党下院ナンバー3の「下院議員総会長」としてワシントン政界では一目も二目も置かれていた。だが、全国レベルではペンスを知る人はあまりいなかった。

「一にキリスト教徒、二に保守主義者、三に共和党員」

ここで紹介する2冊の本を読み通して、浮かび上がるペンス像は以下の通りだ。

一、ペンスは1959年、中西部インディアナ州コロンバスに生まれた。祖父はアイルランド移民、父親はガソリンスタンドを経営するカトリック教徒だった。

Mike Pence Biography with Election Analysis: Trump Pence 2016 and the Unauthorized Story of America’s Next VP(News Guide) by Slim Reader CreateSpace Independent Publishing Platform, 2016

ペンスは6人兄弟姉妹の3男坊で、幼い頃からカトリック教会のミサのAltar Boy(侍者)を務める信仰心の厚い子供だった。

一、地元の大学に入学、政治に関心を持った。特にカトリック教徒で初の大統領となったジョン・F・ケネディ第35代大統領を信奉していた。民主党支部青年部でリーダーとなり、1980年の大統領選挙にはジミー・カーター大統領候補(第39代大統領)の応援に加わった。

ー、その後、在学中に知り合ったカレンさん(現夫人)の影響を受けてキリスト教エバンジェリカルズ(福音主義)にのめり込んだ。

ケンタッキー州で行われたエバンジェリカルズ音楽祭に参加した際に「宗教的ひらめき」(いわゆるボーン・アゲイン・クリスチャン)を体験。それ以後「エバンジェリカルズ・カトリック教徒」になる。

その後の選挙ではエバンジェリカルズの多い草の根保守「ティーパーティ」(茶会)から強い支持を得たのもこうした背景があったからだ。

一、自らの政治理念を問われて、「まずキリスト教徒であり、次に保守主義者であり、共和党員だ」と答えている。

一、ハノーバー大学卒業と同時にインディアナ大学法科大学院に進み、地元法律事務所で勤務。1994年には地元ラジオ局のホストを務め、「宗教保守」的なメッセージを発信する。99年、下院選挙に立候補するが落選。2000年再び立候補して見事当選する。

一、ペンスは上下両院議員の平均的共和党議員に比べるとより保守的で、米国最大の草の根保守団体「アメリカ保守同盟」(ACU)の保守度査定では最高点を得ていた。

一、不法移民問題ではペンスは極めて柔軟だった。2006年にはジョージ・W・ブッシュ第43代大統領に移民法改正を進言する一方、インディアナ州立大学に入学した不法移民の子女の授業料を州出身者並みにする法案に著名したりしている。

一、ペンスは2015年、個人、団体から自分の心情に反する行為を要求された場合、宗教的心情を理由にそれを拒否する権限を認める条項を盛り込んだ「宗教自由回復法」に署名。ところがメディアから「同性愛者を差別する反動主義者だ」と激しい批判を浴びるや、これを撤回した。

一、また教育面では、2015年から本格的スタートを切るはずだった「コモン・コア・ステート・スタンダード」(義務教育期間の全国統一学習到達度テスト)から脱退、インディアナ州独自の学習到達度テストの導入に踏み切った。

一、州知事時代には日系企業誘致にも積極的で、北米自由貿易協定(NAFTA)や環太平洋経済提携協定(TPP)には賛同する姿勢に終始していた。

一、2016年大統領選では当初はテッド・クルーズ上院議員(中間選挙途中で撤退)を支持、その一方でトランプを称賛する発言を繰り返すなど日和見的なスタンスを取り続けていた。

ぶれぬ座標軸に立ちながら融通無碍の風見鶏

こう見てくると、予想不可能な言動を繰り広げるトランプに比べ、ペンスは宗教的政治的スタンスでは確固たる座標軸があった。

と同時に、「宗教自由回復法」や「コモン・コア」、さらには自由貿易協定についても一度決めたことを状況次第で百八十度転換させる。

ペンスのこれまでの生き様を見て見ると、座標軸はぶれないが、政策スタンスでは融通無碍に修正したり、撤回したり、極めて現実的、風見鶏的なところが目立つ。

ペンスを下院時代、知事時代から取材してきたインディアナ州地元紙のベテラン記者は著者にこう指摘している。

「万一、トランプにもしものことがあってペンスが大統領になったとしたら、ペンスはトランプが出した大統領令をすべて反故にして、白紙に戻すことだってあり得る」

「ペンスにはそうした可能性を秘めたところがある。トランプのように大声で喚き立てるようなことをせずに、何もなかったかのように冷静沈着に180度大転換するかもしれない」

「敬虔なカトリック教徒、徹底した保守主義者」の「衣」を纏って、その本心を表に出さぬペンスの「本性」をリベラル系雑誌「ローリング・ストーン」のステファン・ロドリックが見破っている

「ペンスが大好きな映画は『オズの魔法使い』だ。彼は常にカーテンの後ろで控えているように振舞う。だがトランプのホワイトハウスでの彼の影響力は計り知れない。それは最高裁判事選びから慣れ親しんできた議会のかっての同僚たちへの説得に至るまで及ぶ」

「同じカトリック教徒でペンスの竹馬の友の1人は、こうつぶやいた。『ペンスは司祭の傍者をするときもまるで司祭よりも信仰心の厚いものであるかのように振る舞っていた。今はトランプへの忠誠を誓っている。しかし本当にそうなのか、ただそう振舞っているのか。その答えを知っているのはペンス自身以外にいないよ』」

何やらペンスは、「信長トランプ」にとっては「明智光秀」的存在になってきた感すらする。

北村記事

英国で開かれた「ファンボロー国際航空ショー」で飛行したロッキード・マーチンの最新鋭ステルス戦闘機F-35(2016年7月12日撮影、資料写真)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS〔AFPBB News

先週の本コラム「トランプの『防衛費増額』要求はこうして突っぱねよ」では、トランプ政権による在日米軍駐留経費の増額(例えば沖縄を本拠地にしている第3海兵遠征軍の駐留に関連する経費の全額負担、あるいは大幅増額など)に対しては、金銭に見積もれば日本側だけでなくアメリカ側も莫大な利益を享受している情況を示しながら日米交渉にあたるべきだということを指摘した。

ただし、これは「駐留経費」増額の要求に対してである。トランプ政権は駐留経費増額以上に日本の国防費全体の増額も求めてくるであろう。それに対しても突っぱねるべきだというわけではない。

日本の国防費が国際的指標ならびに日本を取り巻く軍事的環境から客観的に評価すると異常なほど少ないことは明らかである。トランプ政権からの国防予算の増額要求は、いわば外圧を契機として国防費を国際常識的規模にするための良い機会と言える。

国防費のGDP比が低い日本とドイツ

中国の覇権主義的海洋進出や北朝鮮の核戦力強化などに対応すべく、安倍政権は防衛費の増額を進めている。とはいうものの、増額の幅はいまだに微増レベルに留まっている。各国の防衛努力を数量的に指し示す国際指標である国防支出対GDP比は依然として1%レベルであり、国際社会平均(2.3%)の半分以下の状態が続いている。

ちなみに、日本の国防予算の規模そのものはストックホルム国際平和研究所(スウェーデン)が公表した国際比較(2015年)では第8位である。しかしGDP比はきわめて低い。

下の表はストックホルム国際平和研究所のデータより作成した国防支出トップ15カ国のデータである。表から明らかなように、GDP額が高い割に国防支出が低いのが日本とドイツだ。結果として両国は国防支出のGDP比がそれぞれ1%と1.2%と15カ国中最低レベルになっている。

国防支出トップ15カ国(ストックホルム国際平和研究所のデータより作成)

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図表をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49060

トランプの言う「同盟力強化」とは

トランプ政権はオバマ政権下でGDP比3.5%以下にまで落ち込んでしまったアメリカの国防費を、かつてのレベルである4.0%以上に引き上げるという方針を打ち出している。この程度の額にしなければ、選挙期間中より公約してきた海軍力再建は不可能である。そして、アメリカ自身の国防費を増額する以上、NATO諸国や同盟諸国に対しても経済規模相応の国防費増額を要求することは必至である。

アメリカが国防費を増加させて戦力増強に努めるのと歩調を合わせ、同盟諸国も国防費を増加させ戦力アップを図ることで、アメリカと同盟諸国の総合戦力は大増強が目論める。これこそ、トランプ大統領が打ち出している同盟の強化の実体的意味である。

「同盟を強化する」と首脳同士が誓い合っても、自動的に同盟国全体の戦力すなわち同盟力がアップするわけではない。また、どちらか一方が国防費を増額し戦力強化に励んでも、他方がそのような努力を欠けば、それは同盟戦力の強化とは見なせない。それぞれの同盟国が経済規模や戦略環境に応じて、相応の国防費を計上して戦力アップを図ることにより、同盟力が強化されるのだ。

おそらくトランプ政権は、世界第3位の経済規模を誇る日本と同じく4位のドイツには、少なくともイギリスやフランス並みにGDP比2%以上、できれば国際平均値である2.3%程度を目標に国防費を引き上げるように要求してくるものと思われる。その場合、日本の国防費は11.5兆円まで引き上げられることになる。

従来の慣行では血税を無駄遣いするだけ

だが、仮に日本が国防費をGDP比2%程度まで、もしくはそこまではいかずとも1.5%程度まで引き上げたとしても、従来の国防予算編成の慣行から脱却しない限り、血税の無駄遣いを倍増させる結果となりかねない。

すなわち、予算が大幅に増えたからといって国防当局がここぞとばかりに「買い物リスト」をこしらえて「モノ先にありき」を繰り返すようでは、それこそトランプ政権の思う壺になってしまう。

「日本の国防費が倍増されそうだ」となったら、トランプ政権はアメリカの基幹産業たる軍需産業を陣頭指揮して日本への売り込みを図るであろう。

すでに日本への売り込みを始めている超高額兵器の弾道ミサイル防衛システム「THAAD」、F-35戦闘攻撃機などをはじめ、日本を売り込み先として狙う商品は少なくない。

同時に、アメリカ自身が高額すぎて調達に支障を来している最新鋭高性能超高額兵器を日本に売り込むことでコストダウンを図り、米軍にとっても手ごろな価格に引き下げる策を実施するであろう(例えばTHAADはあまりにも高額なため、アメリカ軍は思ったように配備数を増やせない。F-35も、トランプ大統領自身が高額過ぎるとクレームをつけた)。

米国のご機嫌取りでは同盟強化にならない

アメリカの超高額兵器を日本が多数購入すれば、トランプ政権は、日本政府やメディアを喜ばせるノウハウに長けているアメリカのシンクタンクなどと一緒になって「日米同盟が強化された」などというまやかしを並べ、日本側を持ち上げたり安心させたりするであろう。

しかし、自衛隊がアメリカ製の超高額兵器を手にしたとしても、必ずしも日本の防衛力が強化されるわけではない。場合によっては、日本防衛にとって決して効率の良いツールとはならない。莫大な予算を投入してアメリカ製超高額商品を調達する前に、そのような予算を投入して揃えるべき日本の防衛にとって不可欠なシステムがいくらでも存在するのだ。

地政学的戦略環境を考えれば、日本にとって国防費総額の倍増は間違いなく必要である。トランプ政権の外圧を利用することはその絶好のタイミングであるし、ひょっとすると最後のチャンスかもしれない。

しかし、アメリカに対する“ご機嫌取り”が、すなわち“日米同盟の強化”という誤った姿勢のままでいては、国防費倍増も無駄な出費に終わるだけである。そうした姿勢は即刻捨て去り、アメリカも日本も共に戦力強化に努め、トータルで同盟力を強化するという正しい方向性に向かわなければ、日米同盟が中国に太刀打ちできなくなる日が遠からず訪れることになるであろう

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『中国との「戦い」辞さないトランプ政権 成否の鍵は日本の対米協調』(1/29産経ニュース 田村秀男)、『トランプはかくも賢く、計算高い! メディアが知らない「真の実力」 歪んだイメージに騙されるな』(1/30現代ismedia 高橋洋一)、『【断末魔の中韓経済】トランプ氏問題視の「逆輸入問題」 日本も対中直接投資で中国の軍事力拡大に貢献した過去』(2/2ZAKZAK 三橋貴明)について

米国も日本も愚かなことに中国と言うモンスターを作ってしまいました。両国とも製造物責任を負うべきです。米国については田村氏の記事が、日本については三橋氏の記事が説明しています通り、対中貿易赤字や対中直接投資、対中輸入の額の大きさが中国の軍事拡張に利用されてきたという事です。田村氏の記事にあります通り、トランプ政権はその現状をストップするため、ナバロが中心になり「貿易」「金融」「軍事」のオプションを使って中国の勢いを削ごうとしています。それに、日本も協力をしていかなければ。同じく田村氏の記事に、中国保有の米国債の日本引き受けが載っていますが、小生も1/25本ブログで取り上げています。2/10首相と麻生財務相が訪米するときの議題に上るからと思った次第です。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=5546

メデイアは人権問題を取り上げてトランプをバッシングしていますが、騒いでいるのはソロスの金で動いているのか、不法移民の類でしょう。TVしか見てない日本人はトランプ批判に容易に転じます。洗脳効果と言うものです。今世界は米中対決の方向で動いて行こうとしています。それに対して都合の悪いグループが金にあかせてメデイアや人々を使い、さも問題であるという印象操作をしています。中共と同じやり方ではありませんか?反日デモを共産党が組織し、大きくメデイアを使って報道、日本でも左翼媒体が大きく報道するといったパターンです。こういった構図で動いてきたことにトランプは異議申し立てしているだけです。ですからメデイアは信ぜず、ツイッターで彼の思っていることを述べようとしています。歪曲報道しかしないメデイアは存在価値がありません。

対中直接投資は日本人の雇用の流出を意味します。無警戒に中国へ進出して言って、戦前の教訓が全然生かされていません。中国人と言うのは、信頼するに値しないというのが、何故分からないのでしょう。軍事に関心のない日本の経営者が劣化していることもあるでしょう。もっと駐在員の生の声を聞くか、マテイス国防長官のように前線(中国)で戦わないと。結局はハニーも含めて接待上手な中国にしてやられることになります。日本の経営者は、中国や韓国に直接投資や技術移転をしてきたことを恥じるべきです。自ら強大な敵・反日国家を作ってしまったのですから。2/4日経に黒田真元通産審議官の記事が出ていました。誰の書かれた記事かは思い出せませんが、モトローラ等の米国半導体輸入の圧力をかわすため、彼がシャープの佐々木正役員を動かして半導体技術を韓国に移転したとのこと。それが真実だとすれば、シャープの凋落は言ってみれば黒田氏の指示のせいとも言えます。普通に考えれば、日経に出て来てコメントなぞできないのでは。(『「タフな交渉官」が語るトランプ氏対策 「冷静な説得重要」「2国間協定は是々非々で」』という記事です)

高橋氏の記事にありますとおり、トランプの英語は非常に分かり易いと感じます。ゆっくり且つ易しい単語なので字幕を見なくても殆ど理解できます。

2/3首相とマテイス国防長官の面談が行われましたが、マテイス国防長官は優秀な軍人だけあって、何気ない所作の中にあって、相手を射すくめる眼光の鋭さを感じました。宮本武蔵等を彷彿させ、日本の名だたる侍もかくありなんと思わせるような目です。「相手と会った時に、どう相手を倒すか」を常に考えているというのですから、日本の侍に相通じるものがあります。(「礼儀正しく、プロフェッショナルであれ。ただし出会った相手は、誰であろうと殺せるよう準備しておけ」と言ったとされています)

田村記事

トランプ米政権が始動するや否や、口撃の矛先が日本車にも向けられたが、慌てることはない。事実関係を説明すれば済む。新政権の最大の標的は中国であり、通商・安全保障一体の対中強硬策を繰り出そうとしている。この「戦い」の成否の鍵を握るのは日本の対米協調である。

「米国第一」政策には、なぜ中国について通商と安保が不可分なのか。グラフは中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した2001年以降の米国の対中貿易赤字と中国の軍事支出である。グローバルな貿易自由化の恩恵を受けた中国は対米貿易黒字を15年までに4・4倍増やしたのに対し、日本は1倍にも満たない。トヨタ自動車など日本の製造業が米国での現地生産を増強してきたからだ。

目を引くのは7・7倍にも上る中国の軍事支出の膨張だ。08年のリーマン・ショックの後は、中国の軍事費は対米貿易黒字の約5割相当だ。中国は貿易で稼いだドルを旧ソ連製の空母など、武器購入予算に充当する。人民解放軍のサイバー部隊によるハッカー攻撃が米国や日本を標的にしているが、そのハイテク技術の多くは米国製だ。

外貨の源泉はもちろん対米貿易に限らない。リーマン後は不動産ブームを演出し、海外からの投資資金を呼び込んできた。中国人民銀行は外国為替市場を管理して人民元相場をドルに対して固定し、その交換レートに基づいて流入外貨をことごとく買い上げ、外貨準備を積み上げてきた。

軍事支出の膨張は、14年までは外準の急増と軌を一つにしている。15年からは海外への資本流出が激しくなり、外準は縮小しているが、貿易黒字総額は年間6千億ドル前後(対米は約3500億ドル)と高水準を保っている。

こうした分析から、こと中国については通商と軍事は切り離せないと拙論は本欄などで以前から指摘してきたが、トランプ政権はまさにそこに焦点を合わせている。

鍵となる人物は、新設される「国家通商会議」のトップに任命されている経済学者のピーター・ナバロ氏だ。英エコノミスト誌は1月21日号で「米国導く対中強硬派、ナバロ氏」という題名で特集記事を組んだ。ナバロ氏は自ら監督した13年製作のドキュメンタリー映画“Death By China”(「中国による死」)の冒頭で、「中国製」と刻まれたナイフが米国本土を刺し血が流れるというアニメ映像を流し、トランプ氏から称賛された。

「米中もし戦わば」の題名で昨年11月に邦訳された著書(原本は15年11月刊)では、「中国のWTO加盟により米国経済は壊滅的な打撃を受けた」「米国による経済的関与が中国の軍事力の源泉になっている」と断じている。

トランプ氏は、大統領選中に提唱した中国への45%の報復関税適用には直ちには踏み切らない。北京と話し合う構えだが、北京の「一つの中国」路線を逆手に取って通貨と通商での譲歩を引き出す。

「一つの中国」論は台湾ばかりか、南シナ海の諸島や尖閣諸島(沖縄県石垣市)まで中国のものだという論理である。次期米国務長官のレックス・ティラーソン氏は、南シナ海で中国が造成した人工島への同国のアクセスを認めないと言明、トランプ氏もティラーソン氏を支持している。

政経分離の従来の対中政策は廃棄される。上記の国家通商会議はホワイトハウス内に設置され、関係閣僚やスタッフの陣容が整えば、通商問題を外交、軍事、金融に関連付けて対中戦略を練るだろう。米メディアでは、「米中対立、実際の戦争に発展するリスク」(1月18日付ウォールストリート・ジャーナル)を指摘するほど、対立激化の様相だ。軍事面で制約のある日本はどう対応すべきか。

トランプ政権の対中警戒論を共有し、全面的に協調するかどうかだ。例えば、ワシントンの強硬策に対抗して、北京が米国債売りを仕掛けてくるようだと、米金融市場は不安定になる恐れがある。その場合、カネ余りの日本は対米投資でカバーできる。共産党中央が人民元を管理し、国際通貨に仕立て上げ、それを武器に東アジア全域を中国の影響下に置こうとする習近平政権の野望にも、日米は結束して対抗しなければならない。

安倍晋三政権はこの際、トランプ政権の国家通商会議に倣った政治主導の横断的チームを設置してはどうか。通商は経済産業省、安全保障・外交は外務省、通貨・金融は財務省といったのでは官僚任せの事なかれ主義に終始しかねず、米国との対話は細分化された特定の分野に限定されてしまうだろう。

高橋記事

公約実行は当然のこと

トランプ政権が20日にスタートし、矢継ぎ早に大統領令を出している。

これに対してほとんどのマスコミは「異例である」と報じ、識者の多くはトランプ政権が早々に行き詰まるだろう、という見方を示している。

筆者がレギュラー出演している朝日放送「正義のミカタ」(毎週土曜日朝9時~)でも、米国人モーリー・ロバートソン氏が大統領令について、「異例の多さで、内容が悪い」と語っていた。彼は民主党支持者で、まるで大統領選挙中の民主党によるトランプ批判そのものを聞いているかのようだった。

米国の大統領令は、連邦政府や軍に対して連邦議会の承認を得ることなく、行政権を直接行使するものだ。これをモーリー氏は「今回は異例に多い」と言っていた。これに対して一緒に出演していた岡田斗司夫氏は、「オバマ大統領も数多くの大統領令を出していた」と返していた。

また、筆者は、実はどこの国でも行政権の行使に関して、議会承認を得ないで行うものはあり、たとえば日本でも政令は国会の承認を得ないで行うものだと説明した。同じ番組内で、新たな元号についての話題もあったが、実は元号の決定は国会の承認ではなく、政令によって政府が決めているものだ。

アメリカの大統領令の範囲が明確でないという批判もあるが、連邦議会の制定する法律に基づき大統領に委任されているものも少なくない。

この点、日本の政令でも、根拠法律が明確な委任政令と、そうでない実施政令が混在しているので、アメリカの大統領令との差異は、少なくとも筆者にとってはそれほど明確でなく、五十歩百歩ではないかと思う。

こうした意味で、「大統領令が乱発されている」という報道は、アメリカでもなされているが、やや大げさであると思う。

新政権が選挙期間中の公約を実行に移すのは当然である。また、見方を変えればトランプ政権は、選挙期間中、当選後の戦略をよく考えて、議会の承認の必要のない大統領令でできることばかりを公約に掲げてきたともいえるのだ。

もっとも、連邦議会が反対法律を制定したり、過去にも大統領令について連邦裁判所が違憲判断を示したことも2回ある。行政権の執行であるので、三権分立の立場から立法と司法からチェックを受けるのもまた当然である。

マスコミが知らないトランプの素顔

マスコミの報道の多くは、いまだに「トランプ大統領はバカではないか」というものが主流であるように感じる。これは(筆者は直接トランプ大統領と面識があるわけではないが)、私の友人・知人を通じて知るトランプ大統領のイメージと異なっている。

実は、昨年11月、安倍首相が当選直後のトランプ氏と電撃的な会談をしたが、それを仲介した人物は、筆者の長年の友人である日系三世アメリカ人、村瀬悟氏である(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50422)。友人の名を明かすのは気が引けるが、もういいだろう。

彼は、日本語の勉強のために日本に中学・高校と留学しているが、留学先は成蹊中学・高校である。年齢は安倍首相と一つ違いであり、安倍首相も成蹊中学・高校であるので、当然よく知っている仲だ。

ハーバード大卒、ニューヨークで評判のいい弁護士をしており、トランプ大統領のかつてのビジネス案件も手がけていたこともあって、トランプファミリーとも密接な関係がある。

当然、トランプ大統領に直接連絡できる人物だ。彼は、トランプはとても賢く数々の発言は計算に基づいているといっていた。

また、トランプ大統領がかつて倒産したとき、彼のために金策で奔走した日本人も知っている。苦境の時に助けに乗り出した人であり、そういうときの恩義は古今東西を問わず忘れないものだ。その人も、トランプ大統領はかなり賢く、先々のことをいろいろと考えて行動していたといっていた。

最も大きな失点は「国境税」

さらに、かつてのトランプ氏は今のようなやさしい英語を使わなかった。しかし、不動産で失敗した後、テレビショーに出演していたときのトランプ氏は別人のように言葉づかいが変わり、難しい表現を使わなかった。

しかも、WWEというプロレス団体のリングにも登場した。日本では、地位のある人がプロレスを好きだといっても自然だが、アメリカではプロレスは完全にプア・ホワイトら向けのもので、リング上で使われる言葉も基本的には低レベルだ。こうした経験を積むこと、トランプ大統領は一皮むけたという。

ただし、トランプ大統領の行動すべてが計算づくでうまくいっているわけではない。

メキシコとの国境に壁をつくる、というところまでは想定内だ。実際、今でもメキシコとの国境には壁がある。そもそも国境に壁があるのは、アメリカとメキシコの間を往復すれば旅行者もわかることだ。それに入国管理を強化するのも大統領選挙期間中の公約である。

しかし、国境税についてまともにブチ上げたことには面食らった。たしかに大統領選挙でも国境税については言及されていたが、これは悪手だろう。早速、「国境税といっても、相手国に課すことができない以上、アメリカ国民が支払うことになる」といった批判が出た。

この批判はその通りであるし、相手国もWTOなどの国際機関をうまく使えばかなり防戦できる。こうした意味で、これは「ディール」に向かない戦法であり、トランプ政権としては「しまった!」と思ったはずだ。

ただ、トランプ大統領とメキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領との間で、電話会談が行われたので、ディールは一歩前進している。結果オーライ、ともいえるかもしれない。

実はしたたかな「失業・雇用論」

さて、経済政策に関しての言動は想定内である。もっとも、トランプ政権への批判はまだ強く、そうした論者のなかには「トランプ政権が掲げる経済政策は、とてもできっこない」と断言する者が多い。

一方、『現代ビジネス』のサイトには、冷静な記事もある。1月26日付けの安達誠司氏の「トランプの経済政策は本当に『保護主義』なのだろうか?」(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50815)は有用だ。この見方には、経済学的な観点から賛同するとことが多いが、筆者の場合、それに政治的な観点を加えてみている。

トランプ政権は、雇用を増やすことを主張しており、これに対して「アメリカはいま、完全雇用に近い状態」という批判がなされている。安達氏は、アメリカ経済は「完全雇用」に近いのか? と自ら問いかけて、実際の「失業率」はもう少し高いとの試算を提供している。

興味深い指摘だが、もしそうであっても、統計で目に見える「失業率」は容易に低下しない。高い失業率を低くするのは困難なので、これでは政治的には無意味な主張になる。

トランプ政権の射程は2年、中間選挙までに政治的に目に見える成果を求めている。それまで、マクロの「失業率」は、理由がどうあれ顕著に低下することはない。

トランプ政権はこのことをよく知っているのだと思う。マクロの「失業率」には目をくれずに、個別企業の雇用を促進させ、「その雇用はオレが作った」と成果を主張することを考えているのだろう。

実際、そういわんばかりのつぶやきをツイッター上で展開している。一連の日本叩き、日本企業叩きも、そうした戦略から行われているのだろう。

となると、日本としては、1980年代に起こったような日本叩きにならないよう、したたかな対応が必要だ。

幸いなことに、対日貿易赤字は80年代ほど大きくはない。ところが、貿易赤字は経済学的にはたいした意味はないが、政治的な意味は大きいので、あまり経済的に考えるのは得策ではないのだ。

80年代、筆者は実際に対米交渉をやった経験があるが、そのとき一応経済学的な観点から各所に説明するのだが、あまり意味がなかった。今や中国が日本のポジションに変わっているので、この点(つまり、政治的な観点)を強調した方が日本のためにもなる。

日本が優位に立つチャンスはある!

さて、これについて「トランプ政権の80年代を彷彿させる行動は、トランプ政権が比較優位の貿易論も知らないから採られるもので、いわば暴挙」という識者もいるが、それは誤りだ。

伝統的な貿易論どころか、その次の「新貿易論」、さらに貿易は格差の源になりうるという「新新貿易論」さえも利用して、対日交渉に臨んでくると思ったほうがいい。

1月28日夜、安倍首相とトランプ大統領は電話会談した。2月10日、安倍首相が訪米し日米首脳会談を行うことを取り付け、その直前の2月3日にマティス国防長官が来日する予定だ。

当面は、トランプ政権が離脱を表明しているTPPの後をどうするかだ。筆者は、昨年米大統領選直後11月14日付けの本コラムで、日米2国間交渉に移行すべきと書いた(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50202)。それは、日本が言わなくともアメリからそう求めてくることが予想できたからだ。

案の定、日米2国間貿易交渉という流れが出てきている。報道によれば、アメリカから提案が持ち出されたら、日本も受けるという。だが、この報道通りの受け身対応だと、ちょっと心配である。

筆者が昨年の本コラムで書いたのは、どうせ2国間になるから、日本から先に持ちかけるべきだ、ということだ。そのほうが、議論の枠組が作れるので有利になるからだ。

これも新聞報道だが、アメリカが2国間交渉を日本に持ちかけるとき、在日米軍の駐留経費負担増を日本に求めない、とのマティス長官の話が出ている。

一見すると、マティス長官は日本に配慮したように見えるが、日本にとってはいい話ではない。じつは、在日米軍の駐留経費増を日本がいわれても、年間2000億円程度なのでたいした話でないのだ。むしろ増額に応じて、2国間貿易交渉を有利に運んだり、日米地位協定の見直しをとる方が、日本としても得策だっただろう。

トランプ政権がそれを察知して在日米軍の駐留経費増を持ち出さないのだとしたなら、2国間交渉はかなりタフなものとなるだろう。

日米2国間交渉は、TPPで決まったことをベースにして行うのは当然として、場合によっては、オーストラリア、ニュージーランドの旧英連邦も加えればいいだろう。少なくとも、TPPベースの交渉ではいいパートナーとなる。

さらに、NAFTAで再交渉のカナダ、EUから離脱するイギリスも加えて、アングロサクソン+日本という先進国型自由貿易経済圏を模索するのもありだ。

トランプ政権は、貿易交渉をしようというだけで、先進国間では保護主義ではなくどちらかといえば自由貿易を指向するだろう。その中で、日本もしたたかな交渉術が求められている。

ディール(契約)は、売りと買いで折り合いがつかないと思っても粘り強く交渉すると着地点があるように、決して破壊的な結末ではなく、両者が納得できるところに落ち着くものだと肝に銘じてほしいものだ。

三橋記事

ドナルド・トランプ米大統領は、メキシコからの低賃金労働者流入に加え、「逆輸入問題」を問題視している。逆輸入とは、米国の企業が「安い人件費」を求め、メキシコに工場を建設する直接投資を実施する。そして、メキシコで米国企業が生産した「安い製品」を米国に輸入する。これが逆輸入問題だ。

対外直接投資と輸入の組み合わせは、米国経済の「雇用」と「需要」に悪影響を与える。本来は、米国国内で、米国国民が生産し、供給すべき需要が、外国に奪われてしまうのだ。

なぜ、米国企業がメキシコに工場を移したのか。もちろん、その方が利益が増え、株主が喜ぶためだ。さらに、米国国民も「消費者」としては、安い製品を購入できるというメリットを受ける。とはいえ、その反対側で米国の生産者たちが所得や雇用を奪われ、彼らのグローバリズムに対する怨嗟(えんさ)の声が、トランプ大統領誕生に繋がった。

さて、対外直接投資と輸入の組み合わせといえば、わが国にとっても他人事でも何でもない。実は、日本は「ある国」に対外直接投資を実施すると同時に、その国で生産された「安い製品」を輸入することで、デフレを促進してきたのだ。

言うまでもないが、中国である。

図の通り、わが国はほとんどゼロに近かった対中直接投資を、21世紀に入って以降に激増させた。もちろん、例えば、日本が完全雇用で、国内の生産能力が限界に達しているにも関わらず、日本製品に対する世界各国の需要が大きい-といったケースであれば、日本企業の対中直接投資は正当化される。

とはいえ、現実には、日本は対中直接投資を増やすと同時に、対中輸入も激増させたのだ。日本で生産可能な製品について、わざわざ中国で生産し、日本の国内需要に向けて逆輸入した。中国からの逆輸入は、間違いなく日本のデフレ長期化の一因となった。  同時に、わが国は対中直接投資で、中国の生産力を強化してしまった。すなわち、仮想敵国の経済力、財政力、そして軍事力拡大に貢献してしまったのだ。  米国とメキシコとの間には、別に軍事的な緊張があるわけではない。とはいえ、日中関係は違う。われわれは「利益」のために対中直接投資、対中輸入を拡大し、仮想敵国を育ててしまったのである。  本件は、日本国の存亡にかかわる重要な問題だ。というわけで、筆者は本問題を社会に提起するため、昨日、小学館新書から『中国不要論』を刊行した。

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