『「ロシア革命」に変容する韓国の「名誉革命」 「広場民主主義」の暴走を恐れ始めた保守系紙』、『「キューバ革命」に突き進む韓国 どの大統領候補も皆「離米」』(12/20・22日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/19産経ニュース<世界にうずまく「恨」の不気味さ 「アメリカの韓国化」どう克服 評論家・西尾幹二

≪韓国を揺るがしたルサンチマン≫

朴槿恵大統領の職務剥奪を求めた韓国の一大政変には目を見張らせるものがあり、一連の内部告発から分かったことはこの国が近代社会にまだなっていないことだった。5年で入れ替わる「皇帝」を10大派閥のオーナーとかいう「封建貴族」が支配し、一般民衆とは画然と差をつけている「前近代社会」に見える。一般社会人の身分保障、人格権、法の下での平等はどうやら認められていない。

ただし李王朝と同じかというとそうではない。「近代社会」への入り口にさしかかり、日本や欧米を見てそうなりたいと身悶(もだ)えしている。騒然たるデモに荒れ狂った情念は韓国特有の「恨(ハン)」に国民の各人が虜(とりこ)になっている姿にも見える。「恨」とは「ルサンチマン」のことである。完全な封建社会では民衆は君主と自分とを比較したりしない。ルサンチマンが生まれる余地はない。

近代社会になりかかって平等社会が目指され、平等の権利が認められながら実際には平等ではない。血縁、財、教育などで強い不平等が社会内に宿っている。こういうときルサンチマンが生じ、社会や政治を動かす。

恨みのような内心の悪を克服するのが本来、道徳であるはずなのに、韓国人はなぜかそこを誤解し脱却しない。いつまでもルサンチマンの内部にとぐろを巻いて居座り続ける。反日といいながら日本なしでは生きていけない。日本を憎まなければ倒れてしまうのだとしたら、倒れない自分を発見し、確立するのが先だと本来の道徳は教えている。しかし、恨みが屈折して、国際社会に劣情を持ち出すことに恥がない。

≪吹き荒れる「ホワイト・ギルト」≫

ところが、困った事態が世界史的に起こりだしたようだ。ある韓国人学者に教えられたのだが、恨に類する情念を土台にしたようなモラルが欧米にも台頭し、1980年代以後、韓国人留学生が欧米の大学で正当評価(ジャスティファイ)されるようになってきた。

世界が韓国的ルサンチマンに一種の普遍性を与える局面が生じている、というのである。こういうことが明らかになってきたのも、今回の米大統領選挙絡みである。

白人であることが罪である、という「ホワイト・ギルト」という概念がアメリカに吹き荒れている、と教えてくれたのは評論家の江崎道朗氏だった。インディアン虐殺や黒人差別の米国の長い歴史が白人に自己否定心理を生んできたのは分かるが、「ホワイト・ギルト」がオバマ政権を生み出した心理的大本(おおもと)にあるとの説明を受け、私は多少とも驚いた。

この流れに抵抗すると差別主義者のレッテルを貼られ、社会の表舞台から引きずり下ろされる。米社会のルサンチマンの病もそこまで来ている。「ポリティカル・コレクトネス」が物差しとして使われる。一言でも正しさを裏切るようなことを言ってはならない。“天にましますわれらの父よ”とお祈りしてはいけない。なぜか。男性だと決めつけているから、というのだ。

あっ、そうだったのか、これならルサンチマンまみれの一方的な韓国の感情論をアメリカ社会が受け入れる素地はあるのだと分かった。両国ともに病理学的である。

20世紀前半まで、人種差別は公然の政治タームだった。白人キリスト教文明の世界に後ろめたさの感情が出てくるのはアウシュビッツ発覚以後である。それでも戦後、アジア人やアフリカ人への差別に気を配る風はなかった。80年代以後になって、ローマ法王が非キリスト教徒の虐待に謝罪したり、クリントン大統領がハワイ武力弾圧を謝ったり、イギリス政府がケニア人に謝罪したり、戦勝国の謝罪があちこちで見られるようになった。

≪トランプ氏は歪みを正せるか≫

これが私には何とも薄気味悪い現象に見える。植民地支配や原爆投下は決して謝罪しないので、これ自体が欧米世界の新型の「共同謀議」のようにも見える。日本政府に、にわかに強いられ出した侵略謝罪や慰安婦謝罪もおおよそ世界的なこの新しい流れに沿ったものと思われるが、現代の、まだよく見えない政治現象である。

各大陸の混血の歴史が示すように、白人は性の犯罪を犯してきた。旧日本軍の慰安婦制度は犯罪を避けるためのものであったが、白人文明は自分たちが占領地でやってきた犯罪を旧日本軍もしていないはずはないという固い思い込みに囚(とら)われている。

韓国がこのルサンチマンに取り入り、反日運動に利用した。少女像が増えこそすれ、なくならないのは、「世界の韓国化」が前提になっているからである。それは人間の卑小化、他への責任転嫁、自己弁解、他者を恨み、自己を問責しない甘えのことである。

トランプ氏の登場は、多少ともアメリカ国内のルサンチマンの精神的歪(ゆが)みを減らし、アメリカ人を正常化することに役立つだろう。オバマ大統領が許した「アメリカの韓国化」がどう克服されていくか、期待をこめて見守りたい。(評論家・西尾幹二 にしおかんじ)>(以上)

石平氏の『韓民族こそ歴史の加害者である』を読むと「朝鮮人は我が身を守るために外国勢力を国内に引き入れ、外国を振り回して売国するのが当たり前の政権が続いた」とありました。新羅の統一、元寇、李成桂、壬午事変、甲申政変、皆そうです。日本は朝鮮半島がだらしがないため、結局日清・日露戦争を戦わざる羽目に陥りました。朝鮮人にとって裏切りは当り前の世界です。朴槿恵大統領も中国に擦り寄ったり、米国に擦り寄ったりと忙しい。石平氏の本によると、元寇も高麗が元を唆して起こしたとのこと、朴槿恵が被害者の立場は1000年不変と言うのであれば、元寇の謝罪もないというのはおかしいと。

韓国保守が今頃になって、慌てて朴槿恵追及の手を緩めようとしても遅いでしょう。韓国民は情緒優先の民族です。言葉を変えて言えば、未熟という事です。論理的、合理的判断ができないという事です。国会で経済界を追及して、苦境にあるサムスンの足を引っ張るようなことを平気でします。雇用が失われ、自分の首を絞めることに気付いていません。まあ、北朝鮮のような粛清が当たり前の国にするつもりでしたら、企業は国有化されるでしょうけど。その時には、海外への輸出も制約されるのでは。どういう道を歩むにしろ、日本を恨むことでしかカタルシスを得られない、愚かとしか言いようがない民族です。

アメリカも韓国を見捨てるのでは。国民がここまでアホだと、救いようがない。米国が圧力をかけて結ばせた「慰安婦合意」も破棄されるでしょう。こうなることは見えていました。裏切りが当たり前の国ですので。アチソン声明に朝鮮半島を入れなかったのは正解でした。北朝鮮と一緒になればよい。米中共にどう動くかですが。

12/20記事

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韓国保守紙は朴大統領を弾劾した「名誉革命」が「ロシア革命」に変質することを恐れる。写真はロシア革命の様子が描かれた絵画(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

韓国の保守系紙が慌てる。朴槿恵(パク・クンヘ)大統領を断罪した「名誉革命」が「ロシア革命」に変容する可能性が出てきたからだ。現在の体制を破壊されたら、自分たちも危ういのだ。

憲法裁判所に圧力

—12月9日、韓国の国会が朴槿恵大統領への弾劾訴追案を可決しました(「韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決」参照)。

鈴置:混乱は続いています。可決以降の「下野を要求する土曜デモ」は憲法裁判所にも向かうようになりました。弾劾を棄却しないよう圧力をかけるためです。

デモ隊は大統領権限代行に就任した黄教安(ファン・ギョアン)首相に対しても辞任を要求しています。公安検事出身でタカ派なので、デモなどに強権を発動するのではないかと恐れているのです。

野党第1党の「共に民主党」も「即刻下野」と早期の弾劾決定を要求しています。弾劾案可決に成功した今の勝利ムードが続く間に、次の大統領選を実施したいのです。

同党の最有力大統領候補の文在寅(ムン・ジェイン)前代表は12月16日「もし、憲法裁判所が弾劾を棄却したら?」との質問に「そんな判決が出たら、次は革命するしかない」と答えています。

朝鮮日報が「文在寅『国民の憲法意識がすなわち憲法・・・弾劾棄却すれば次は革命しかない」(12月17日、韓国語版)で報じました。

弾劾訴追の可否を憲法裁判所がいつ下すか分からないことも、政局の不安定感を加速しています。一方、与党「セヌリ党」は親朴派と非朴派の対立が激化し、分裂状態です。

デモに便乗する勢力

注目すべきは保守系紙が怯え始めたことです。保守系紙は大統領を弾劾訴追に追い込んだ毎週土曜日の大型デモを「名誉革命」と絶賛してきました(「『名誉革命』と韓国紙は自賛するのだが」参照)。

「広場民主主義」の勝利とも褒めそやしてきました。ろうそくを手に広場に集まった人々が議会を突き動かしたからです。「100万人のデモでもガラス1枚割れない民度の高さ」も誇りとなりました。

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しかし「革命の熱気」が高まるに連れ、保守系紙は「広場」に不気味なものを感じ取ったのです。中央日報の社説「弾劾とろうそくに便乗する統合進歩党と尹昶重氏」(12月6日、韓国語版)がそれをよく表しています。

記事が載ったのは、6回目のソウルのろうそく集会(12月3日)に150万人(主催者側発表)が集まった後。大統領の弾劾訴追案が国会で可決される見通しが強まった時でした。ポイントを訳します。

  • 問題はこのような純粋な志に便乗して私利を得ようとする勢力が台頭し始めたことだ。北朝鮮式の社会主義を実現しようとしたとして2014年末、憲法裁判所が「危険な政党」と規定し解散させた統合進歩党出身の人物らが代表例だ。
  • この者たちは、内乱扇動罪で懲役9年を宣告され収監中の李石基(イ・ソッキ)前・統合進歩党議員の釈放を求める要求するプラカードをデモ現場で掲げた。

体制をひっくり返す

—統合進歩党とは?

鈴置:2012年の選挙では300議席中13議席を占めた、それなりに存在感のある政党でした。この選挙でも得票率は10.3%を記録しています。既存のいわゆる「進歩的な政党」に飽き足らない人々から支持を集めていたのです。

一方、保守は「北朝鮮の手先」として危険視していました。韓国憲政史上初めて政府が命令してこの政党を解散させたのもそのためです。解散を主導したのが当時、法務長官だった現在の黄首相です。

同党の指導者、李石基議員(当時)も2013年9月に内乱陰謀罪や内乱扇動罪などで逮捕されました。国会は289人中258人の賛成で逮捕に同意しています。

—なぜ、この政党の解散問題が蒸し返されるのですか?

鈴置:今、韓国では「朴槿恵が国を滅茶苦茶にした」ということになっています。左派はそのムードを利用して、既存の体制を一気にひっくり返そうと狙っています。

「ABP」モードに

—体制をひっくり返す、ですか!

鈴置:韓国紙には「ABP(Anything but Park)」という言葉が散見されるようになりました。「朴がやったことはすべて否定する」という意味です。この際、統合進歩党の強制解散も「ひっくり返そう」と考える人が出てきたのです。

左派系紙のハンギョレが、ロシア出身の朴露子(パク・ノジャ、Vladimir Tikhonov)オスロ国立大学教授の寄稿を載せています。「朴槿恵の最悪の犯罪」(12月4日、日本語版)です。朴露子教授の専門は韓国学です。彼の主張を要約します。

(朴槿恵政権の)悪行の中でも統合進歩党の法的解散とイ・ソッキ前議員らの拘束と裁判は特筆に値する。この事件により、1987年の大闘争で勝ち取られた形式的・手続き的民主主義は回復し難い傷を負った。事件以後の大韓民国を民主国家と呼ぶこと自体が無理だ。

裁判で国家情報院と検察の主張の核心的部分が事実上虚偽であることが判明した。被告たちが「作った」という「革命組織」の実体がなかったことが明らかになり「内乱陰謀」という恐ろしい容疑に対しても無罪が宣告された。

朝鮮日報は権力の手先だ

—「韓国は民主国家ではない」と言い切っていますね。

鈴置:今回の崔順実(チェ・スンシル)氏による「国政壟断事件」が露見する前でしたら、韓国人の反発を買ったと思います。でも今、韓国人は「これでも国か」と自信を失っています(「『美し過ぎた自画像』が呼んだ朴槿恵弾劾」)。

そんな時に「統合進歩党の解散だって、まともな国だったらあり得なかった」と言われれば「確かにそうだな」と考える韓国人が出ると思います。

しかし韓国の保守にとって「北朝鮮の傀儡組織」統合進歩党の解散は譲れない一線です。それに左派の矛先は自分たちに向いているのです。朴露子教授は朝鮮日報も批判しています。以下です。

  • 朝鮮日報や韓国日報など多くの新聞が、国家情報院が執筆した「内乱陰謀」小説を事実であるかのように報じた。
  • 情報機関とマスコミが一緒になって政権の政敵に対する従北攻撃(北朝鮮に賛同追従する勢力だという攻撃)に出るならば、民主主義や基礎的な人権常識がまともに残り得ようか?

左派政権のイジメ

—朝鮮日報は名指しで攻撃されましたね。

鈴置:最大手紙として保守の声を代表してきた朝鮮日報は当然、左派の最大の攻撃目標です。朴露子教授だけではありません。「朴退陣デモ」も朝鮮日報を標的にしています。

朴槿恵大統領の退陣を求める集会やデモの現場で歌われる歌には「セヌリ党よ、朝鮮日報よ、お前らも醜悪な共犯じゃないか」とのくだりがあります。

東京基督教大学の西岡力教授が月刊『正論』2017年1月号に載せた「混迷の韓国 次は過激な親北政権?」でこの歌を解説しています。西岡教授の記事によると、歌詞は以下のように続きます。

  • (朴槿恵批判の)ショーをするな。だまされないぞ。お前らも解体してやるぞ。

—朝鮮日報が「標的」になると、販売部数が減るということですか。

鈴置:それもあります。韓国ではそれに加え、政権からのイジメも恐れなければなりません。金大中(キム・デジュン)政権、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の10年間、保守系紙は苦労しました。

左派政権から「税務調査するぞ」「オーナーを収監するぞ」と脅され続けたのです。韓国では新聞も政治のプレーヤーの1つなのです。

財閥も解体せよ

—次に左翼政権ができたら保守メディアは大変ですね。

鈴置:だから朝鮮日報も「広場に便乗する勢力」に対し、必死の反撃に出ています。朴相薫(パク・サンフン)論説委員の「大衆の憤怒に乗ってはいけない」(12月12日、韓国語版)から引用します。

  • 警戒すべきことがある。(今の)雰囲気に便乗してすべてをひっくり返そうとする極端な流れだ。ろうそくデモの人波の中に、昔の統合進歩党勢力が登場した。
  • 野党の大統領候補は「鮮明性」競争を繰り広げている。朴槿恵政権のすべてを否定するというのだ。支持率1位の候補は「国家の大掃除」を打ち出した。野党で2位の候補は財閥解体論に打って出た。財閥は直すべき点が多いが、「解体」とは扇動に近い。
  • 大統領の退陣が既定事実となった状況で今、我々は冷静でなければならない。直すところは直し、守るところは守る――という玉石を見極める知恵を発揮すべきだ。
  • 何を守るのか。国家の基本を守らねばならない。統合進歩党の解散は国家体制を否定する集団に対する憲法的決定だった。大韓民国の秩序を危険にさらす勢力に対しては、より目を見開かなくてはいけない。

サムスンのオーナーを面罵

—野党で支持率1位、2位の候補とは?

鈴置:2人とも「共に民主党」の政治家で、1位の候補とは文在寅氏。2位は昔から過激な発言を繰り返し「韓国のトランプ」と評される李在明(イ・ジェミン)城南市長です。

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ただ李在明市長は「トランプ」とは異なって、政治的立場はかなり左です。極貧の環境で育った人で財閥解体論を唱えています。「日本は敵性国家だ」とも発言しています。

「ABP」ムードの中、「以前から朴槿恵を徹底的に攻撃してきた人」として急速にスポットが当たっています。文在寅・前代表の発言が過激になっているのも、李在明市長の人気急上昇を警戒してのことと見られています。

—韓国では財閥解体論が語られているのですね。

鈴置:「すべてをひっくり返す」一環です。12月6日、崔順実氏の「国政壟断事件」に関する国会の聴聞会に、財閥のオーナー9人が呼ばれました。朴大統領を初めとする歴代政権との「政経癒着」を追及されたのです。

ある野党議員はサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)副会長に向かって「あなたの財産は8兆ウォン(8000億円)でしょう」「相続税は(たったの)16億ウォン(1億6000万円)と言われています」と畳み掛けました。テレビで中継された聴聞会の場で、財閥への反感を煽ったのです。

韓国経済新聞は「『歳はいくつだ、経営権を手放せ』・・・企業人を面罵した聴聞会」(12月6日、韓国語版)の見出しでこの聴聞会を報じました。別の野党議員は李在鎔副会長を「50歳にもならないのに、ちゃんと質問に答えろ」と面罵したのです。

「革命前夜」の韓国

—韓国は「革命前夜」ですね。

鈴置:「ハンギョレ」にキム・ドンチュン聖公会大NGO大学院長が「再び岐路に立った韓国」(11月29日、日本語版)を書きました。これを読むと、左派の発想と戦略がよく分かります。引用します。

  • 「キャンドルデモ」に集まった韓国の国民は真に偉大だ。その力で弾劾局面まで持ってきた。しかし朴槿恵政権の企画、監督、演出者はそのまま残っており、政策も何も変わっていない。
  • 1987年の6月抗争(民主化)直後のように、いや4・19(1960年の学生革命)、いや8・15(日本からの独立)直後のように、韓国は再び岐路に立っている。

要は「韓国は何度も変革を体験したが、いずれも不十分だった」との認識です。そして「今こそ、既得権勢力を一掃して国を正そう」と呼び掛けたのです。以下です。

  • このゲート(国政壟断事件)のすべての法律違反者と共謀者を徹底的に捜査・処罰し、責任を負わせなければならない。
  • 検察改革、国家情報院改革、選挙法改正、公営言論改革がない改憲論や大統領選挙競争は、再び国民を”卒”(日本の将棋の歩に相当)に転落させるだろう。
  • 弾劾は始まりに過ぎず、大統領選挙は終着点ではなく過程だ。

「革命の波」は外交にも

キム・ドンチュン大学院長らの「体制一新」の主張を、保守――既得権勢力は深い恐怖感とともに聞いています。空論ではなく実現しそうだからです。次の大統領選挙では左派が勝つ可能性が高いのです。

「韓国革命」の波が及ぶのは内政に留まりません。このまま行くと、米国との同盟を打ち切ることにもなりかねないのです。

(次回に続く)=12月22日に掲載予定

「国政壟断事件」の動き(2016年)
7月
26日 TV朝鮮「財界の文化財団『ミル』への486億ウォンの募金に青瓦台幹部が関与」
10月
24日 JTBC、大統領演説の草稿など機密資料が崔順実氏に漏えいと報道
25日 朴大統領が資料提供を認めて国民に謝罪
   
26日 検察が崔氏自宅など家宅捜索。外交資料なども漏洩とメディアが報道
28日 朴大統領は首席秘書官全員に辞表を出させる。秘書室長が辞表提出
28日 韓国ギャラップ「朴大統領の支持率が6週連続で落ち、過去最低の17%に」と発表
29日 青瓦台、検察の家宅捜索を拒否。ソウルで1万人強の退陣要求デモ
30日 青瓦台、検察に資料提供。朴大統領は一部首席秘書官らを辞任させる
30日 与党、挙国一致内閣を提案するも野党は真相究明が先と拒否
30日 崔順実氏帰国、31日に検察に出頭、逮捕状なしで緊急逮捕
31日 リアルメーター「潘基文氏の支持率が前週比1.3ポイント低い20.9%に」
11月
2日 朴大統領、首相を更迭し、後任に盧武鉉時代に要職を歴任した金秉準氏を指名
2日 野党各党、新首相の就任に必要な国会聴聞会を拒否することで一致
2日 検察、安鍾範・政策調整首席秘書官を緊急逮捕
3日 検察、崔順実氏を逮捕。容疑は「安鍾範氏と共に財閥に寄付を強要した」職権乱用など
4日 韓国ギャラップ「朴大統領の支持率は過去最低の5%、不支持率は89%」と発表
4日 朴大統領「検察の捜査受ける」と国民向け談話。野党は「退陣要求運動を展開する」
5日 ソウルで4万5000強人の退陣要求デモ。釜山など他都市にも拡散
6日 禹柄宇・前民情首席秘書官が検察に出頭
7日 与党・セヌリ党の金武星議員、大統領に脱党を要求
7日 朴大統領、与野党代表との会談を提案するも3野党に拒否される
8日 ソウルで4万5000強人の退陣要求デモ。釜山など他都市にも拡散
8日 検察、崔順実氏に関連するとしサムスン電子本社や大韓乗馬協会を家宅捜索
8日 朴大統領、丁世均・国会議長を訪ね「国会が推薦する総理を受け入れ、内閣を任せる」
9日 野党3党、朴大統領の国会推薦総理案を「一考の価値なし。大統領は2線に引け」と拒否
9日 米次期大統領にトランプ氏決定
11日 韓国ギャラップ「11月第2週の大統領支持率は前週と同じ5%。不支持率は最高の90%」
12日 全国で朴大統領の退陣求める集会。ソウルでは26万人参加
13日 検察、「国政壟断事件」でサムスン電子の李在鎔・副会長ら財閥トップを参考人として聴取
13日 青瓦台「昨日、大統領は国民の声を重く受け止めた。国政正常化のため苦心している」
13日 検察、国政壟断事件に関連し朴大統領に15日か16日の参考人事情聴取を要請
13日 金武星・前セヌリ党代表「唯一の収拾策は大統領弾劾」
14日 与野党、国政壟断事件に関する特別検察官の任命で合意
14日 共に民主党、大統領に対する要求を「2線への後退」から「即時退陣」にと強化
14日 秋美愛「共に民主党」代表、早朝に大統領との会談を受諾したものの同日夜に拒否
14日 日韓、東京でGSOMIAに仮署名
15日 文在寅「共に民主党」前代表「条件なき退陣求め在野団体と『非常時局機構』作る」
16日 韓国軍「2017年初めまでにTHAAD工事着工」と発表
16日 朴大統領、釜山の大型不動産開発事業「エルシティ」を巡る疑惑の徹底調査を指示
17日 崔順実氏の国政介入疑惑に関し、特別検察官任命法案と国政調査実施を可決
18日 韓国ギャラップ「11月第3週の朴大統領の支持率は5%、不支持率は90%」
18日 秋美愛「共に民主党」代表「大統領は支持者による衝突と戒厳令を準備している」
18日 青瓦台「東京での韓中日首脳会談の日程が決まれば朴大統領は参加する」
19日 退陣デモ。全国で24万人、うちソウルは17万人(警察発表)。支持デモに1万1000人(同)
20日 検察、崔順実氏らを職権乱用共犯などで起訴。「大統領も共謀と判断、捜査続ける」と発表
20日 朴大統領の弁護士「検察は想像と推測で捜査、対面調査には応じない」
20日 青瓦台「検察の発表は遺憾。特別検察官の捜査で無実を証明する」
20日 野党の大統領選立候補予定者ら8人「国民的退陣運動と平行し弾劾推進論議で合意」
21日 青瓦台スポークスマン、退陣を前提とした野党の首相推薦は拒否
21日 第1野党「共に民主党」と第2野党「国民の党」がそれぞれ弾劾推進を決定
22日 朴元淳・ソウル市長、閣議で閣僚辞任要求と日韓GSOMIAへの反対を表明
22日 崔順実疑惑を解明するための特別検察官任命法案を閣議決定
23日 ソウルで日韓GSOMIA署名・締結。写真撮影禁止に韓国写真記者が一斉抗議
24日 野党3党、朴大統領弾劾で合意
25日 韓国ギャラップ、11月第4週の朴大統領の支持率は4%、不支持率は93%
26日 5回目の退陣要求デモ。参加者はソウル27万人、全国32万人
28日 朴大統領の弁護士「求められた29日までの検察の対面調査は困難」
28日 政界元老集団と与党の「親朴」重鎮議員らがそれぞれ秩序ある退陣を朴大統領に要請
28日 教育部、国定歴史教科書の内容を開示
29日 朴大統領、3回目の国民談話を発表「任期短縮を含め進退は国会にすべて任せる」
30日 野党3党「無条件退陣の要求」と「弾劾推進」で合意
30日 朴大統領、国政壟断事件の特別検察官に元ソウル高検検事長の朴英洙氏を任命
12月
1日 セヌリ党、「4月退陣」を党論に決定
1日 朴正煕元大統領の生家に放火。犯人は「大統領が退陣しないので火を付けた」
2日 韓国ギャロップ、12月第1週の朴大統領の支持率は4%、不支持率は91%
2日 セヌリ党非朴派「12月7日午後6時までに退陣時期明言なければ弾劾に賛成」
3日 野党3党、朴大統領の弾劾訴追案を提出
3日 6回目の退陣要求デモ。参加者はソウル32万人、全国で43万人
4日 セヌリ党非朴派「4月退陣案への大統領の姿勢とは関係なく弾劾訴追案に賛成する」
5日 青瓦台「『4月退陣・6月大統領選』案を朴大統領はセヌリ党員として受け入れる」
6日 国会で「国政壟断」に関する聴聞会。財閥オーナー9人が証人として出席
6日 朴大統領「4月退陣受け入れる。弾劾可決時には憲法裁判所の審理を見守る覚悟」
6日 セヌリ党、弾劾訴追案は自由投票と決定
7日 国会で「国政壟断」に関する聴聞会。証人喚問された崔順実、禹柄宇氏らは欠席
8日 弾劾訴追案、国会本会議に報告。「セウォル号沈没当時の大統領の行為」は削除せず
9日 国会、朴大統領の弾劾訴追案可決。賛成は234票でセヌリ党から62人が賛成
10日 「共に民主党」、憲法裁判所に「早期に弾劾を認めよ」と要求
10日 「即位退陣」と「逮捕」を求めソウルで12万人がデモ。4万人が弾劾無効訴え集会
15日 文・前代表「慰安婦の法的責任と謝罪を求め追加協議を。THAADは次の政権で」
16日 朴大統領の弁護人団「弾劾訴追に足る資料なし」と反論の答弁書を憲法裁に提出
16日 文・前代表「弾劾が棄却されたら革命だ」
17日 ソウルで大統領の即時罷免と黄首相辞任を求めるデモ。保守派は弾劾無効を訴え集会
20日 崔順実氏、初公判で起訴内容を全面否認
 

※注 デモの参加者数は警察発表

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韓国の大統領候補は「離米派」揃い。韓国の「名誉革命」は「ロシア革命」から、さらに「キューバ革命」へと進む様相を呈している(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

「韓国革命」により、米韓同盟が存亡の危機に立つ。

「3点セット」拒否

前回は、韓国の自称「名誉革命」が、既得権層を打ち倒す「ロシア革命」に向かい始めた、という話でした。

鈴置:それだけではありません。米国との関係を断絶する「キューバ革命」に至る可能性も相当にあります。大統領候補と見なされる政治家が一斉に「米国離れ」を叫び始めたからです。

世論調査で支持率1位を占めることが多い「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表。12月15日にソウルの外信記者クラブで以下のように語りました。

聯合ニュース「文『THAADは次の政府に先送りすべきだ・・・誰がなるかは分からずとも、政権交代は確実』」(12月15日、韓国語版)から引用します。

  • 朴槿恵大統領の職務が停止され首相が権限を代行する中で、THAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)を強行するのは望ましくない。次の政権で十分に議論し、外交的努力を尽くして合理的な判断を下すべきだ。
  • (日本との慰安婦合意に関しては)正当性を認めることが難しい。合意に関する両国の説明が異なるだけに、合意を(再)確認する必要がある。
  • (日本とのGSOMIA=軍事情報包括保護協定=については)この協定を通じ受け渡しする情報が何なのかに対し、十分に見直し検討する必要がある。

THAADもGSOMIAも、そして実は「慰安婦合意」も米韓同盟の紐帯です。その3点セットをすべて見直す、と表明したのです。「文在寅政権」は米国との同盟を打ち切る方向で外交政策を組み立てると宣言したのも同然です。

文・前代表は翌12月16日にも「大統領に当選したら最初にどこに行くか」との質問に「躊躇せずに言う。私は真っ先に北朝鮮に行く」と答えました。

これも明確に「離米路線」を打ち出したと受け止められました。朝鮮日報が「文在寅『国民の憲法意識がすなわち憲法・・・弾劾棄却すれば次は革命しかない」(12月17日、韓国語版)で報じています。

韓国防衛に責任を持てない

—「慰安婦合意」も米韓同盟に絡むのですか?

鈴置:米国から、日本とのGSOMIAを結べと要求された朴槿恵政権は「日本が慰安婦問題の解決に応じない」という無茶苦茶の言い訳を掲げて逃げ回りました(「ついに米国も韓国に踏み絵を突きつけた」参照)。

一方、韓国の要求に対し安倍晋三首相は「何度も謝る必要はない」と突っぱねるつもりでした。しかし、米国の仲介でやむなく「慰安婦として苦労した方々へのお詫びと反省の気持ち」を表明したうえ、元慰安婦を支援するために10億円を支払いました。

そして両国の外相は「この合意により、慰安婦問題は最終的かつ不可逆的に解決された」と確認しました。これが2015年12月28日の「慰安婦合意」です。

慰安婦合意は米国を事実上の保証人として成立したのです。ことに「最終的かつ不可逆的」部分は韓国の蒸し返しを防ぐために、日本が望んだ条件でした。逆に言えば、韓国がこの合意を破棄する時は、米国との相当な摩擦を覚悟せねばなりません。

THAADもGSOMIAも同様です。米国は韓国に対し「この2つを拒絶するなら、米国は韓国の防衛に責任を持てない」と言い渡していた模様です。米国の国防政策に詳しい日本の安全保障専門家が明かしました。

THAADは米国が長らく配備を希望していました。韓国を守るために在韓米軍基地は存在します。それを防衛するためのTHAAD配備です。韓国が拒否するというなら、米軍が出て行くのは当然です。

しかし中国から「配備を認めるな」と脅されたため、韓国はなかなか応じませんでした。ようやく2016年7月8日になって米韓は正式に合意しました。配備の場所は慶尚北道・星州(ソンジュ)に確定し、時期は2017年末の予定です。

突然動いたGSOMIA

日韓のGSOMIAも主な狙いは北朝鮮のミサイル対策です。日米と米韓は同盟を結んでいるため、その間では軍事情報は円滑にやり取りできます。しかし日韓の間には同盟関係はありません。

そこで米国は日韓間でGSOMIAを結ばせ、3カ国の軍事協力強化を狙ったのです。しかしこれにも中国が反対しており、朴槿恵政権は乗り気ではありませんでした。

その朴政権が突然に動いたのが10月27日でした。聯合ニュースが「韓国政府、日本とのGSOMIA締結を検討」と報じたのです。そして11月14日には、東京で仮署名という素早い展開になりました。

米国からの「見捨てられ」を懸念したと思われます。崔順実(チェ・スンシル)氏の「国政壟断事件」で朴政権は突然に弱い立場に追い込まれました。

「GSOMIA検討」を聯合ニュースが報じた日の2日前の10月25日に、朴大統領は自分の非を認める1回目の国民談話を発表しています。1日前の10月26日には検察が崔順実氏の自宅など家宅捜索しています。

混乱時には米国が「裁定」

—「国政壟断事件」とGSOMIAがどう関係するのですか?

鈴置:韓国で民衆が蜂起し、これを抑えるため戒厳令が布告されるなど際どい状況に陥った時、米国は「裁定」を下してきました。

1960年、初代の李承晩(イ・スンマン)大統領が戒厳令を出した際、米国は圧力をかけて下野させました(「朴槿恵の下野か、戒厳令か」参照)。

1979年に釜山などで民主化運動が突然に高調した時、当時の政権は動揺し地域限定で戒厳令を布告しました。この事件が朴正煕(パク・チョンヒ)大統領――朴槿恵大統領のお父さんです――暗殺事件の遠因となりました。

暗殺犯は大統領の側近でした。民主化運動を弾圧する朴正煕政権を米国が見放すと想定した上での犯行だった、との見方も多いのです。

現在も韓国メディアは「平和なデモを米国政府が支持している」などと相当に無理筋の分析記事を流し、朴大統領に圧力をかけています。

「民衆蜂起」を恐れる朴槿恵大統領とすれば、米国の信任を取り付けるために日本とのGSOMIA締結を急ぐ必要があったのです。

10月29日に「朴退陣」を求める第1回目のデモが起きました。青瓦台(大統領官邸)に迫るものでした。GSOMIA決断の情報リーク(10月27日)は、その直前だったのです。

見捨てないでね

THAADも「国政壟断事件」との関連を疑わせます。韓国軍は11月16日、突然「2017年初めまでにTHAAD工事着工」と発表しました。

「THAAD配備を認めるな」との中国の圧力は相変わらず続いていますから、朴政権は「着工」をできる限り先延ばししたかったはずです。

そもそも配備に同意したのも、親中派が「配備拒否」に動いたため、その反動で認めてしまった側面が強いのです(「『中国陣営入り』寸前で踏みとどまった韓国」参照)。

しかし、デモの参加者が膨れ上がり、朴大統領の支持率も急降下。背に腹は代えられず「THAADも約束通りちゃんと受け入れます」とメッセージを出すことで、米国から見捨てられる可能性を少しでも減らそうとしたのだと私は見ています。

強弁に終始した文在寅

—文在寅・前代表は米韓同盟に関し明確な発言をしていますか?

鈴置:12月15日の外信記者クラブでの会見では、以下のように語りました。

  • 韓米同盟が強固であることが何よりも重要だ。過去の政府の韓米政策をそのまま継承することはもちろん、同盟を強固にし、発展させるよう努力する。

でも、この発言をそのまま受け止めた韓国紙はありませんでした。「THAADもGSOMIAも見直す」と言っているのですから「過去の韓米関係を継承する」ことは不可能です。なお、文・前代表はTHAADに関しても以下のように付け加えています。

  • THAADの再検討が韓米同盟を害するとは思わない。

これも誤魔化しです。在韓米軍基地へのTHAAD配備は「韓国防衛に責任が持てない」とまで言われたので朴槿恵政権が認めたのです。文・前代表は在韓米軍の撤収や米韓同盟の打ち切りを覚悟のうえで、再検討を語っているのでしょう。

離米は「トランプ」が先導

—安保問題に関しほかの候補は?

鈴置:野党候補は皆「3点セット」見直し論です。要は「離米派」ばかりです。朴大統領の行ったことはすべてひっくり返す、というのが今の韓国のムード。「ABP(Anything but Park)」なのです。

中でも、この3点セットは朴槿恵大統領の「悪行中の悪行」とされています。大統領選に立候補する者なら「NO!」と叫ばなくてはなりません。

激しい発言から「韓国のトランプ」と呼ばれる李在明(イ・ジェミョン)城南市長の発言に注目する必要があります。李在明市長は「日本は敵性国家だ」とまで言い出し、それを理由に「3点セット」に強く反対しています。

支持率調査あるいは人気投票で2位、あるいは1位に付けることもある政治家です。この人の発言に引っ張られ、与党系含めすべての候補が「反日・離米」に傾いて行くと思います。

「油ウナギ」の潘基文

—保守・中道から出馬すると言われる国連事務総長の潘基文(バン・キムン)氏も、ですか?

鈴置:潘基文氏は「慰安婦合意」に関しては歓迎を表明したことがあります。中央日報が「潘基文国連事務総長『朴大統領の慰安婦妥結勇断、歴史が評価』」(1月4日、日本語版)で報じています。

ただ、この人の韓国でのあだ名は「油ウナギ」。状況に応じて姿勢をコロコロ変えるので有名です。慰安婦合意の直後は、朴大統領を援護射撃するために「歓迎」を表明したのでしょう。

でも、今や「韓国人の憎悪の的」となった朴大統領とははっきりと距離を置いています。むしろ「離朴」の証拠として「慰安婦合意の見直しを要求する」と言い出すかもしれません。もともと、反米で鳴らした盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の外交通商部長官だった官僚です。

—GSOMIAやTHAADも見直すつもりでしょうか?

鈴置:その可能性が大いにあります。この人は「中国に弱い」のでも有名です。潘基文氏は2015年の天安門の軍事パレードを参観しました。

その際、会談した習近平主席に「この行事によって、平和を守るという中国の人々の願いが存分に示された。中国は長年にわたって国際平和・開発事業に積極的に尽力してきた」と称賛したのです(「『中国の尻馬』にしがみつく韓国」参照)。

米国のアジア専門家の中には「この男が大統領になったら、韓国は完全に中国側の国になる」と言い切る人もいます。

国連事務総長になれたのは米国の強力な後押しがあったからです。でも、米国にすれば「やらせてみたら中国の言いなりだった」のです。

中国が決める韓国の進路

—でも、潘基文氏は韓国ではそれなりの支持率を維持しています。

鈴置:保守としては他に選択肢がないのです。世論調査でも、5%以上の支持を獲得できる保守の大統領候補はこの人しかいないのです。

—逆に、野党候補の中に「当選するまでは『離米』だけれど、当選したら米韓同盟を熱心に維持する人」は出てきませんか。

鈴置:安哲秀(アン・チョルス)「国民の党」共同代表はそうかもしれません。「経済はリベラル」を標榜していて財閥には厳しい。でも「政治は保守」をうたっていますから。

ただ、この人を含め、韓国の政治家は外交政策を自ら選択できなくなっています。中国が圧力をかけ続けているからです。それに抗してTHAADやGSOMIAに賛成できる政治家がいるかは、大いに疑問なのです。

(次回に続く)=12月27日掲載予定

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『北方領土交渉進展へ一段と高いハードル 共同経済活動はもろ刃の剣』(12/20日経ビジネスオンライン 池田 元博)について

左翼リベラル偏向メデイアは論外ですが、保守派の中にも「経済支援だけすると、食い逃げされる恐れがある」との批判があります。可能性としては確かにその可能性はありますが、それを恐れていては何もできません。それでは中国へ6兆円も支援したときに、ストップをかけたかと言いたいです。日本の支援にも拘わらず、中国は南京や従軍慰安婦の嘘を世界に撒き散らし、反日教育をして国民に日本に対し恨みを抱くようにし、且つ尖閣はおろか沖縄までとりに来ようとしています。ロシアは少なくとも反日教育はしていません。将来国民同士が友好的に付き合うことは可能と思います。勿論、日ソ中立条約違反やシベリア抑留等過去の問題はあったにしろ。米国の原爆投下を許してきたのだから、充分ロシアの過去の行為だって許せるはずです。日本人の特質は「水に流す」ことです。中国人・韓国人のように歴史をあげつらって強請る民族ではありませんので。

ある人は「北方領土返還で一番問題は4島に日米安保が適用されるかどうか。安倍首相が1月下旬にもトランプ大統領と会い、日米安保の適用除外or4島に米軍基地は置かないと確認、密約するのでは。それを受けて本格的な返還交渉、平和条約締結交渉となるのでは」と言っていました。今回の安倍・プーチン交渉は、その露払いであったのかもしれません。日本の最大の敵国は中国です。米国の力が相対的に下落傾向にある時に、中国包囲網を築くには、ロシアをどうしてもその中に組み込まなければなりません。

米国メデイアや日本のメデイアの発する記事だけでは、真実を師知ることはできません。ネットでいろんな情報を取り、情弱を脱しませんと。それをベースにして自分の頭で考えるようにすれば、メデイアや学者、共産党や反日民進党の嘘にも騙されなくなります。民主主義は国民一人ひとりが賢明になることが要請されている政治システムです。そうでなければ衆愚政治に陥ります。

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やはり、というべきだろうか。大統領として11年ぶりとなったロシアのプーチン大統領の来日は、北方領土問題を含めた平和条約締結交渉で確たる進展のないまま終わった。ロシア側の強硬な立場が改めて浮き彫りになった。

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来日したプーチン大統領は12月16日、安倍首相と共同記者会見を行った(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ロシアの首脳にとって、日本訪問は鬼門だ。会談では常に北方領土問題が議題の中心にならざるを得ないからだ。プーチン大統領が今回、初日の会談場所となった山口県の旅館に約2時間半遅れて到着したのも、日本側の期待値をあらかじめ下げる思惑があったのかもしれない。

12月15日に安倍晋三首相の地元の山口、翌16日には東京に場所を移し、2日間に及んだ今回の日ロ首脳会談。大統領の到着が遅れたとはいえ、会談時間は合計で約6時間に上った。このうち領土問題を集中的に議論したのは、初日の安倍首相とプーチン大統領による通訳だけを交えたサシの会談だった。

首相は2人だけで約95分間も会談したとし、「平和条約の問題を中心に議論した」と語った。その成果は翌日、日ロが別々に発表した2つの「プレス向け声明」に盛り込まれた。ひとつは北方4島における共同経済活動の協議開始の合意、もうひとつは4島の元島民らがロシアの査証(ビザ)なしで「自由往来」できる制度の拡充・簡素化をうたったものだった。

なかでも注目を集めたのは、4島での共同経済活動だろう。声明では共同経済活動の協議開始が「平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得る」と指摘。具体的な分野として漁業、海面養殖、観光、医療、環境などを挙げ、関係省庁に条件、形態などを調整する協議開始を指示するとしている。

さらに、実施のための法的基盤の諸問題は「国際約束の締結」を含めて検討するとし、共同経済活動が「平和条約問題に関する日ロの立場を害するものではない」と明記した。声明には、両首脳が「平和条約問題を解決する自らの真摯な決意を表明した」との一文も盛り込まれた。

なんとかつないだ、領土問題解決への「細い糸」

ロシアのウシャコフ大統領補佐官によると、日ロは数週間前から事務レベルで「共同文書」の作成作業を進めてきた。しかし、文書の内容や表記の仕方で合意できず最終的に首脳の裁量に委ねられ、両首脳が約40分かけて調整したという。つまり95分に及んだ2人だけの会談のうち、半分近くは「プレス向け声明」に費やしていたわけだ。

ちなみに、当初予定していた共同声明が日ロ別々の「プレス向け声明」になった理由をいぶかる向きもあるが、日ロの表記で違う部分は北方4島の表現だけだ。日本側は「択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島」とし、ロシア側は「南クリール諸島」と記している。4島の名前を明記しなかったのは、ロシアでは歯舞群島とは言わず、色丹島と歯舞群島を合わせて「マーラヤ・クリールスカヤ・グリャダー」(小クリール群島)と総称しているからだろう。

話を戻そう。今回の会談は日ロの領土交渉の当面のヤマ場とみられていたが、発表された声明を見る限り、領土問題という言葉は全くなく、4島における共同経済活動の協議開始がほぼ唯一の成果だったことになる。

安倍首相は9月にロシア極東のウラジオストクを訪問した際、プーチン大統領と会談後に「新しいアプローチに基づく交渉を今後、具体的に進めていく道筋がみえてきた」と表明していた。その道筋が今回の合意だったのだろうか。

首相はウラジオ訪問に先立って5月にロシア南部のソチを訪問し、ウクライナ危機後に控えていた本格的な日ロ首脳対話を再開した。このソチ訪問の際に、首相はプーチン大統領との間で「新しいアプローチ」を掲げたわけだが、日本側はその一環として、当時から北方領土での共同経済活動に前向きに取り組む姿勢を示していたとされる。

ただ、ソチ、ウラジオ会談当時、日本側が想定していたのは恐らく、「2+α」方式だったのだろう。色丹、歯舞両島は日本に引き渡してもらい、択捉、国後の両島は共同経済活動によって日本が関与できる形で決着させる方式だ。

プーチン大統領はかねて、平和条約締結後に色丹、歯舞の2島を日本に引き渡すとした1956年の日ソ共同宣言の有効性を認めている。北方領土での日ロの共同経済活動にも前向きだ。安倍首相は70年以上も未解決の北方領土問題を動かすには、ロシアが応じやすい方式で着地点をみいだすのが現実的だとみて、これを「新しいアプローチ」と称して進めてきたようにみえる。

ところが、プーチン大統領の来日が近づくにつれ、領土問題に対するロシア側の想像以上に厳しい姿勢が明らかになり、結局は共同経済活動と元島民らの4島往来の拡充だけを打ち出す形で、なんとか細い糸をつないだのが実情ではないだろうか。

早くも浮き彫りになった日ロの見解の相違

では、共同経済活動によって平和条約交渉進展の道は開けるのだろうか。

もちろん、北方4島に日本が直接関与できるメリットはある。ヒト、モノ、カネの往来を盛んにし、現地の経済インフラを整えれば、将来の返還に向けた環境整備を事前に進めることにもなるし、地元住民との信頼醸成にも寄与するだろう。しかし、主権の問題があやふやなまま進めれば、逆にロシアによる4島の実効支配を固定化することにもなりかねない。共同経済活動はもろ刃の剣だともいえる。

両首脳の声明は確かに「双方の(法的な)立場を害さない」としており、安倍首相は「ロシアの法律でも日本の法律でもない特別な制度の下で実施していく」と述べ、「特区」を念頭に進める考えを示す。ただ、ウシャコフ大統領補佐官は「(4島が)ロシアに帰属しているのだから、ロシアの法律で実施するのは当然だ」としており、早くも日ロ間の見解の違いが浮き彫りになっている。

過去をさかのぼると、日ロ両国は1998年、北方領土の周辺水域での日本漁船の操業枠組み協定を結んだ経緯がある。管轄権を事実上棚上げにして、双方が安全に漁業に従事できるようにしたもので、日本側は今後、これを参考にしながら実現の道を探っていくとみられる。

ただ、小渕政権時代のこの年には日ロの共同経済活動委員会も設置され、操業枠組み協定を発展させてウニ、貝類の栽培漁業などを進めようとしたが、主権の問題などが絡み実現しなかった。今回もあくまでも「双方の立場を崩さない」方式で共同経済活動を実施しようとすれば、入念かつ綿密な事前調整が欠かせない。実現にはかなり長い時間がかかるとみるべきだろう。

新たなリスク要因となりかねない共同経済活動

首脳会談で打ち出された共同経済活動の協議開始の合意は、別の観点からみても新たなリスク要因となりかねない危うさを抱える。今後の平和条約交渉を進める前提条件となる恐れがあるからだ。

プーチン大統領はこれまで、平和条約の締結には「高いレベルの信頼関係」が不可欠とし、信頼醸成のひとつの方策として、日ロ間の大規模な経済協力を挙げていた。一方の日本側は今回、安倍首相が提案した「8項目の対ロ経済協力プラン」に基づき、官民合わせて80件、総額で3000億円規模に上る日ロの合意文書をまとめた。

ところが、プーチン大統領は来日直前、読売新聞と日本テレビのインタビューで、「例えば南クリール(北方領土)を含めた大規模な共同経済活動」が平和条約を準備する条件づくりに寄与するかもしれないと語っている。来日時の合意事項を事前に踏まえたうえでの発言といえるだろう。

つまりロシア側は今後、日本が4島でどれだけ共同経済活動に関心があるのかを注視するだろうし、仮に活動条件や形態をめぐる事前調整が長らく難航すれば、平和条約締結に向けた「高いレベルの信頼」が醸成されていないと言い続けることもできるわけだ。

大統領は来日時の共同記者会見で、ロシアは1855年の日魯通好条約で北方4島を日本に「引き渡し」、第2次世界大戦後にこれらの島々を「取り戻した」と言明した。両国の国境線を択捉島とウルップ島の間と定めた通好条約は日本側が「北方4島は日本固有の領土」と主張する根拠になっているが、大統領は当時から「ロシアは自国に帰属するとみなしていた」として、日本の歴史認識にも鋭くクギを刺した。

日ソ共同宣言についても「(主権の問題を含めて)どのような原則で2島を日本に返還するのかは分からない」と改めて強調。日米同盟に基づき、米軍が駐留する懸念も領土交渉の障害になっていると示唆している。平和条約締結交渉の前途はかなり厳しいと予測せざるを得ない。

ロシアが強硬姿勢を貫く背景には、米国でロシアに融和的なトランプ政権がまもなく誕生し、原油価格も底打ちしたことで、日本に接近する動機が薄れたという事情もあるのだろう。

平和条約締結への前向き姿勢は崩していないプーチン大統領

ただし、ここで止まってしまえば、領土問題決着の道は完全に閉ざされる。プーチン大統領の国内支持率は依然として80%を超え、しかも強い指導力を持つ。手ごわい相手ではあるが、日ロの平和条約締結に前向きな姿勢は崩していない。

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安倍首相はその大統領とすでに16回も会談している。今後とも首脳間の信頼関係をはぐくみ、日ロ双方の国益や実利につながる協力を積み重ねながら、局面打開の方策を粘り強く模索していくべきなのだろう。

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『トランプ時代の米中対立、想定される中国の報復シナリオ』(12/16ダイヤモンドオンライン ロイター発)、『習近平主席「トランプ劇場」に我慢の限界?』(12/14日経 中沢克二)について

トランプがブランスタド・アイオワ州知事を駐中国大使に任命するのは、楊潔篪と父ブッシュの逆をやると考えれば良いのでは。問題が生じたときの、緩衝材としての役割を果たすことが期待されていると思います。

http://blog.livedoor.jp/ussyassya/archives/52076054.html

上のURLのブログ記事を読みますとイレーン・ラン・チャオ(趙小蘭)運輸長官候補は江沢民派と思われます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%AA

江崎道朗氏によれば、今の習政権は江派の利権を潰すように動いているという事なので、中国からの投資で米国へのインフラ整備は難しくなるのでは。日本の出番と思われます。企業も内部留保を貯め込むだけが能でなく、安全保障にも目配りした外国投資が必要です。トランプはインフラ整備にメイドインUSAの物を使うと言っていますので、工場を建てるとか金融支援の道を探さないと。中国と米国の経済的結び付きをこれ以上深めないように日本は振る舞うべきです。

ダイヤモントのロイター記事にありますように、中国は着々と米国に報復しています。あまつさえ、日本や台湾にまでも。

①台湾近辺での軍事的挑発

中沢氏の記事にありますように、人民解放軍は空自機にロックオンしたのは間違いないでしょう。空自機が妨害弾を発射することは憲法の制約があってできないはずです。「チャフ」や「フレア」でロックを回避したという所では。12/17の士気の集いの江崎道朗氏の講演会に織田邦男氏も来ていましたが、「差しさわりがある」とのことで事実関係につき聞けませんでした。やはり、憲法を早く改正しないと、自衛隊員の命が守れません。

②南シナ海における対決姿勢

12/17日経<中国、南シナ海で米の無人潜水機奪う 米は返却求める 

【ワシントン=川合智之】米国防総省のクック報道官は16日、南シナ海の公海を調査していた米国の小型無人潜水機1機を中国海軍の艦船が奪ったことを明らかにした。「国際法の義務に従い、無人機を速やかに返却するよう中国に要請する」と表明した。

15日にフィリピンのスービック湾から約90キロメートル北西を航行していた米海軍の調査船が、海温や塩分濃度などを調べる無人機を海中に降ろして調査していたところ、中国海軍の艦船が近づいて無人機を引き揚げた。米海軍は無線で返却を呼びかけたが、中国軍艦は無視して立ち去ったという。

米メディアによると、無人機の価格は15万ドル(約1800万円)。無人機が集めていたのは海洋調査のデータで、機密情報ではないとしている。中国軍艦は米海軍の調査船に数日間にわたりつきまとっており、調査船が無人機を回収しようとした際、先回りして引き揚げ、去っていったという。

>(以上)

12/18日経<米、中国が奪取した潜水機返還で合意と発表

【ワシントン=川合智之】米国防総省のクック報道官は17日、中国軍が南シナ海で奪取した米国の無人潜水機について、返還を受けることで中国側と合意したと発表した。中国側も17日に返還する意向を示していた。>(以上)

中国は分かりやすく報復行動を起こします。子供じみていますが、何と言われようとも脅した方が良いと考えるのが彼らの流儀です。これから延々とこういう展開が続くと思います。しかし日米のメデイアとも強く中国を非難することはしません。左翼・リベラルの巣窟と言うこともありますが、中国のことですから裏で金を配っているのでは。悪の国の経済を大きくすれば賄賂の財源として使われます。日系企業はもっと考えないと。

オバマは本当に罪作りです。世界の平和を攪乱するような怪物を作り上げて。それでいてロシアにあれだけ強硬なのですから、二重基準としか言いようがありません。「ノーベル平和賞」受賞には全然値しないでしょう。選考基準がおかしいのでは。

ダイヤモンドオンライン記事

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2月13日、米国のドナルド・トランプ次期大統領が中国を怒らせている。台湾の蔡英文総統と電話会談を行い、米国が長く維持してきた「一つの中国」原則と言う立場を必ずしも堅持する必要はない、と発言したためだ。写真は2011年、北京のホテルに掲げられた米国と中国の国旗(2016年 ロイター/Jason Lee)

[13日 ロイター] – 米国のドナルド・トランプ次期大統領が中国を怒らせている。台湾の蔡英文総統と電話会談を行い、米国が長く維持してきた「一つの中国」原則と言う立場を必ずしも堅持する必要はない、と発言したためだ。

台湾問題は、米中関係における最も難しい要素であると言える。中国は台湾を反乱地域と見なしており、これを支配下に置くための武力行使を放棄したことはない。

トランプ氏が台湾問題をめぐって強硬姿勢を維持する場合、米国に対する中国の報復措置として、想定されるシナリオは以下の通り。

  • 米国との断交

トランプ氏が台湾に対し、何らかの公式な外交的承認を提示するならば、中国は大きな混乱を招く過激な行動ではあるが、米国との外交関係を絶つ可能性が高い。中国は、台湾と国交を維持する国に対して外交関係を持つことを拒否している。米国との断交は、中国政府による最終手段となる可能性が高い。

  • 台湾近辺での軍事的挑発

中国は、台湾近辺で軍事的挑発を行うことで、台湾支配に向けた決意を示す可能性がある。たとえば、人口密度の高い台湾西岸に近い水域にミサイルを発射することによって海路や空路を実質的に封鎖するなどの手段に訴える可能性があり、これは地域を不安定化する動きとなる。中国の国営メディアは、台湾問題を断固として解決するためには、いまや軍事的手段が必要となるかもしれないとさえ示唆している。

  • 南シナ海における対決姿勢

中国は領有権争いが生じている南シナ海において、「航行の自由」作戦の下で米国が行った哨戒活動に怒りを示してきた。中国は南シナ海で占拠した島嶼(とうしょ)や岩礁で埋め立て工事を行い、飛行場その他の施設を建設している。

これまで中国は、哨戒活動を行う米艦を追尾し、言葉による警告を発するという形で対応してきた。だが、米国による今後の哨戒活動に対しては、より強硬な手段をとる可能性がある。2001年には、米軍の偵察機が南シナ海で中国側戦闘機と接触した後、中国領内に強制着陸させられた例がある。

ただし、中国は自国の通商路を確保しておくために南シナ海の平和を必要としており、軍事衝突を起こすことには消極的だろう。

  • 台湾向け武器輸出に関与する米国企業への制裁

2010年、中国はオバマ米政権による台湾への新たな武器輸出に怒りを示し、関与した米国企業への制裁措置をほのめかした。最終的にはこの制裁は実施されなかった。

  • 保有する米国債の大量売却

中国は米国にとって最大の債権国であり、9月時点で1兆1600億ドル(約137兆円)相当の米国債を保有している。

中国が保有する米国債のかなりの部分を急に売却すると決定すれば、米債券市場に深刻な打撃を与え、米国は資金を求めて慌てることになる。ただ、中国による報復的な米国債の大量売却は、精密な照準爆撃とはなり得ない。グローバル市場を混乱させ、ひいては中国自身にもその衝撃が及ぶ可能性が高い。したがって一部のアナリストは、こうした動きは、戦争に次ぐ最悪のシナリオと認識している。

  • 北朝鮮への圧力緩和

米国は、核武装を進める北朝鮮に対して、中国に「厳しい対応」を繰り返し求めている。中国は北朝鮮にとって経済や外交面における最大の支援者ではあるが、中国自身も北朝鮮の核実験・ミサイル発射実験については強い怒りを示している。

中国が米国への不快感を表現するために北朝鮮に対する国連制裁を緩和する可能性はあるが、それは逆効果を招き、結局のところ、北朝鮮政府とそのミサイル・核開発計画を後押ししてしまう可能性がある。これは中国政府が望まない結果だ。

  • 米企業に対する圧力

国営メディアや消費者団体を通じて、あるいは単に国民感情を煽ることによって、米企業に打撃を与えるという間接的な手段もある。

南シナ海における領有権紛争に関して今年、国際司法の場で中国が敗れた後、アップルやケンタッキーフライドチキンの親会社ヤム・ブランズなど複数の米国ブランドが、短期間ではあるが反米的な抗議行動やボイコットの標的となった。

米企業に対し関税を引き上げる可能性や、航空機などの製品について、米国以外の競合他社へ乗り換える動きが露骨に進められることも考えられる。

また中国は、国内で活動する米企業に対して官僚主義的な障害を設けるかもしれない。在中の米大手消費財メーカー幹部は、米企業に対する何らかの報復があるとすれば、声高で攻撃的な対応よりも、地元当局による認可プロセス停滞や書類処理の遅れなどが発生する可能性が高いとロイターに語った。

  • 農産物調達先の乗り換え

銅からトウモロコシ、原油に至るまで、中国は世界随一のコモディティ消費国である。したがって中国は、農産物調達先の乗り換えを模索することで米国に打撃を与えることができる。トウモロコシから大豆に至るまで、米国産農産物の中国輸出量は、2015年に過去最高の4790万トンに達した。

  • 市場アクセス推進の停止

トランプ氏が「1つの中国」原則を捨てれば、ほぼ確実に2国間投資協定をめぐる協議に差し障りが出る。そもそもトランプ氏はこの種の協定に乗り気ではないかもしれないが、2国間投資協定による市場アクセスの拡大は、中国に対して米ビジネス界が望む最優先項目である。

以前からずっと、米中の2国間投資協定が中国に対する投資自由化の先駆けになると考えられていた。その協議が停滞すれば、中国は欧州との投資協定に関する協議を推進する可能性もある。

  • サイバー問題に関する合意への障害

トランプ氏が「1つの中国」政策を維持しなければ、2015年に中国の習近平主席とオバマ大統領が合意したサイバーセキュリティに関する誓約を中国が反故にする可能性がある。政府顧問やセキュリティ専門家は、この誓約によって中国主導のサイバースパイ行為が減少したと評価している。

(Ben Blanchard記者、Michael Martina記者、John Ruwitch記者、 Jo Mason記者、Adam Jourdan記者、翻訳:エァクレーレン)

日経記事

「トランプが『一つの中国』を商業的な利益と交換しようとするのは幼稚な衝動だ」「外交をまるで知らない子供」「台湾に関して平和統一を武力統一に優先させる必要があるのか」

中国共産党機関紙、人民日報傘下の環球時報は12日付の社説でかなり鋭く米次期大統領トランプを攻撃した。言いたい放題である。そこには共産党内部の本音がにじむ。

さらに、13日付社説では「北京は、非平和的手段による台湾独立派への様々な懲罰を探る必要に迫られている」「武力行使による台湾統一は一つの選択肢だ」などと強調した。

同紙は中国の保守・強硬派を意味する「左派」の影響力が強く、ときに当局の公式答弁と異なる見解を示す裁量権を持つ。特に今回は、中国が武力行使も辞さない「核心的利益」とする台湾問題だ。関係者は「編集幹部は人脈上、人民解放軍との関係が深く、内部の声も反映されている」と指摘する。

■「一つの中国」のほごも取引次第

「様々な取引ができないなら、なぜ『一つの中国』の原則に縛られなければならないのか」

トランプの米FOXテレビにおける発言は、中国国家主席、習近平に衝撃を与えた。中国が40年かけて慎重に重ねた「積み木」を崩されかねない。トランプは「外交の素人」を装って、高いハードルを軽々と乗り越えそうな勢いだ。その威力は、トランプと台湾総統の蔡英文による電話会談を超す。

なお、中国政府の公式答弁はおとなしい。「関係報道に注目している」「強く懸念している」。中国外務省スポークスマンは、トランプという固有名詞の名指しをあえて避け、新しい米政府の指導者という用語を使った。「一つの中国」に関する立場を表明する声色も抑制的だ。

なぜなのか。前回、このコラムで紹介したように、訪中した米元国務長官、キッシンジャーが習近平に「協力的に対処せよ」とアドバイスした点も効いている。

習近平としては、トランプが2017年1月20日に大統領に就任する前に、決定的な対立に至るのは避けたい。だが、共産党内の情勢は刻々とそれを許さない雰囲気に傾きつつある。その一端が、連日掲載された環球時報の社説にも表れた。

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習近平・中国国家主席(左)とトランプ米次期大統領=AP

一方、トランプは中国に変化球を投げ込んだ。次期駐中国米大使に70歳のアイオワ州知事、ブランスタドを指名したのだ。習近平の古い知り合いだからである。1985年、32歳だった習近平は初めて訪米した。当時、彼は河北省の小さな町、正定県のトップだった。

訪米の目的は、農業大国の穀倉地帯、アイオワ州の視察である。そこで習近平は、若きアイオワ州知事のブランスタドに会う。中国トップへの道が見えてきた頃から、2人のパイプは徐々に太くなる。12年、習近平が国家副主席として訪米した際も、わざわざアイオワ入りし食事を共にした。

トランプ人事は、なかなか巧妙である。農業州、アイオワにとって中国は大得意先だ。トウモロコシ、大豆の大切な輸出先なのだ。中国は、習近平の「老朋友(古い友達)」を拒めないし、農産物の対中輸出拡大にも寄与する、とにらんでの人選だった。

はたして中国は、次期中国大使を大歓迎した。トランプ・蔡英文の電話会談が「硬」の策とすれば、中国に秋波を送る「軟」の策がブランスタドの起用――。中国はそう分析した。

ところが、事はそう単純ではなかった。それはトランプが出向いたアイオワ州の集会に布石があった。トランプは次期大使を紹介する前のあいさつで、予想を覆して対中強硬発言を繰り返した。ツイッターのつぶやきを拡声器で言い直したような中身は、大統領選挙中の激しい言葉を彷彿(ほうふつ)とさせた。

■駐中国大使は「トロイの木馬」か

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2016年9月、宮古海峡の上空を飛行して西太平洋に向かう遠洋訓練を強行した中国空軍のH6K爆撃機(左)と戦闘機スホイ30=共同

「米国の貿易赤字の半分近くを中国がつくり出している。中国は市場経済でない。彼らに(規則順守を)始めさせる時だ」「知的財産を盗み、我々の企業に不公平な税を課した」「北朝鮮の脅威を抑える役にも立っていない」「(人民元の)為替相場を低く抑え、ダンピング輸出している」

最後に、こう付け加えた。「ここで挙げたこと以外、彼ら(中国)は、なかなかすばらしい」。皮肉の効いたトランプ演説は、とても次期大使への餞(はなむけ)には聞こえない。ブランスタドは驚きつつも、トランプとにこやかに握手するしかなかった。

一連のトランプ発言は、その後のテレビインタビューで語った「『一つの中国』にこだわらない」という発言の前段だった。そこでトランプは南シナ海問題にも踏み込み「巨大な要塞を造っている」と中国を非難した。ひとまず習近平に歓迎されて北京入りするブランスタドだが、トランプが中国に送り込む「トロイの木馬」にも見えてくる。

中国の内部では侃々諤々(かんかんがくがく)の「トランプ論議」が始まっている。強硬派の本音の一端が表れたのが、先の環球時報の論調でもある。さらに問題なのは、中国人民解放軍の「独自」の動きだ。

電子偵察機を含む中国空軍の編隊は12月10日午前、スホイ30の護衛を伴って沖縄本島と宮古島の間を超えた後、台湾南部の空域とバシー海峡を通過した。台湾をぐるりと囲むように飛行したのだ。中国による明らかな挑発行為だった。

飛行の目的はなにか。日本の自衛隊、台湾軍、そして背後にいる米軍を試しているのだ。特に、政権移行期にある米軍の動きを気にしている。中国が本気で台湾を攻略しようとすれば、台湾東部の西太平洋の制空権、制海権を握って島全体を攻囲するのが手っ取り早い。「第一列島線」を越え、台湾南部とフィリピンの間のバシー海峡に回り込むのはその訓練だ。

■軍は日米台けん制、空自機を「ロックオン」?

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日本側は航空自衛隊のFー15が出動。台湾南部の守りを担う戦闘機も緊急発進し、追尾した。一部の中国系軍事サイトが驚くべき情報を意図的にリークした。「日本の戦闘機は東シナ海で人民解放軍機に『ロックオン』されて、妨害弾を放って命からがら逃げた」との見方だ。「ロックオン」情報のリークは、一連の動きが軍主導の動きであることを示唆している。

今回、中国国防省は「空自機の妨害」に関して、日本側の機先を制していきなり発表した。中国軍機の動きをあえて明かして「台湾問題は日本にも大きく影響する」と脅した形だ。真の狙いはトランプにある。だが、矛先はひとまず日本にも向けられている。

日本側は、空自機による至近距離の危険行為や、「妨害弾」の発射を否定している。とはいえ、周辺に緊張が走ったのは事実だ。だからこそ台湾側も「スクランブルをかけて、中国軍機を追い払った」としている。

習指導部は外交上、なお「冷静な対応」を続けているが、軍の論理と動きはまったく別である。トランプと蔡英文の電話会談を見過ごすわけにはいかない。人民解放軍はあらかじめ一定の権限を付与されている。軍が安全保障上の理由で作戦を立てるなら、最高指揮官の習近平は認めるしかない。今回の事態は、ある意味で軍が習近平に圧力をかけている、とも言える。

そもそも習近平は「韜光養晦(とうこうようかい)」と呼ばれる、鄧小平以来の安全保障の考え方を捨てた。軍事的な実力を隠して、ひたすら経済建設に没頭する中国は、すでに過去のものだ。それなら「核心的利益」である台湾問題では、武力行使も辞さない姿勢を示すしかない。仮に副作用がどんなに大きくても、である。トランプ劇場「台湾編」の刺激は強い。周辺からの圧力も強まるなか、いつまで習近平が我慢できるのか。限界は近付いてきている。(敬称略)

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『安倍-プーチン会談のウラ 対中密約か、トランプ氏含め3国で習氏に圧力』(12/17 ZAKZAK)について

12/17「士気の集い」主催の江崎道朗氏の講演会に出ました。「ロシアとの信頼関係構築と言うのはおかしい。国益こそ考慮されるべき」とのことで至極当然な話と思いました。日本も韓国を笑えないような情緒的且つ左翼の影響を受けた論調が多すぎです。保守系と雖も。ただ、「米軍の優先順位は、1位は中東、次に中国」とのこと。そうであれば、中東問題をロシアに任せられれば、米軍も中国に力が振り向けられるのではと小生は考えます。「トランプは経済と軍事とで中国への対応を変えるのでは。経済問題では国民を喰わせないといけないので、TPPは止めるがRCEPやAIIBに加入するのでは。インド洋・太平洋開発や中央アジア開発で儲けたい。トランプがどこまで抗せるか。日本には米国経済を牽引する力はない。日米でどう儲けて行くか。中国は国家でない。習財閥と江財閥があるだけ。国民がどうなろうと知ったことではない。中国の高速鉄道でインドネシアと南米でうまく行っていないのは、習が江を邪魔しているだけ。経済と軍事は二律背反」。

「米国のメデイアは日本以上に左翼リベラル。FDRの時代に乗っ取られた。日本の方がまし。FDRを批判すると学会にも残れない。日本ではありえない。日本のメデイアが米国の実態を書くとワシントンで仲間はずれになる。僕の書いたことは皆知っていると日本の記者は言うけど」。

「キッシンジャーが習と会った時に言ったことは2つの見方がある。『俺はトランプをコントロールできないから報復しないでくれと懇願に行った』と『俺はトランプをコントロールできる』と。ただ、キッシンジャーとトランプは仲が良かったが、蔡総統に電話したことによりキッシンジャーの顔を潰したことは間違いない」。

「中国はペンス副大統領と習近平は人脈を作っている。また、イバンカの夫のクシュナーの弟の恋人のカーリー・クロスと华为(huawei、人民解放軍系)が広告契約を結んだ(=これは形を変えた賄賂です。合法ですが)。日本はまだまだ」とのことです。

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日本もトランプが大統領になって、浮かれてばかりではいけないでしょう。藤井氏の言うように日米露で中国包囲網が築ければ理想です。日本政府及び民間団体もそうなるべく努力せねば。

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首脳会談冒頭、握手を交わした安倍首相とプーチン大統領=15日午後、山口県長門市(代表撮影)

安倍晋三首相は15日夜、地元・山口県長門市で、ロシアのプーチン大統領と首脳会談を行い、16日には東京に移動して首相官邸で平和条約締結に向けた協議を続けた。今回の会談では、領土問題を含む平和条約締結交渉の進展が注目されているが、同時に、安全保障をめぐる緊密な協議もあったようだ。アジアでの軍事的覇権を目指す中国を牽制(けんせい)する、日米露連携が構築されるのか。  「日露両国が安全保障上の関心事項について率直な意見交換を行うことが重要だ」  安倍首相は15日の首脳会談で、プーチン氏から提案があった外務・防衛閣僚級協議(2プラス2)の再開について、こう応じた。  日露両国の2プラス2は、2013年11月に1度だけ開催しているが、これを復活させ、安全保障分野で緊密に連携していこうというのだ。また、合同捜索・救助訓練の再開を確認するほか、訓練海域を広げて対テロや海賊対策も実施する方向だ。  東アジアや北極圏でプレゼンスを高める、習近平国家主席率いる中国に対する牽制という意味もありそうだ。  日露2プラス2は、早ければ年明けにも開催し、日本側は岸田文雄外相と稲田朋美防衛相が出席し、ロシア側はラブロフ外相とショイグ国防相が参加する見通し。  今回の首脳会談では、日露間の経済連携を中心に議論され、8項目の対露経済協力プランの内容を具体化した事業などで合意。両首脳は16日午後、共同記者会見に臨んだ。

「領土問題」と「経済協力」がクローズアップされたが、日露の安全保障上の連携は、東アジアの地政学を大きく変えることになる。  ドナルド・トランプ次期米大統領は、世界各国の首脳で真っ先に安倍首相と会談し、選挙中からプーチン氏を評価していた。一方、台湾の蔡英文総統と電撃的な電話協議を行い、米メディアのインタビューで、中国の主張する「1つの中国」政策や南シナ海での軍事的覇権に異議を唱えた。  日米露が安全保障で連携すれば、中国は震え上がる。  国際政治学者の藤井厳喜氏は、日露2プラス2について「非常にメリットがある。日本とロシアの『仮想敵国は中国だ』という共通認識ができた」といい、続けた。  「日露間が安全保障分野で連携することは、『お互いが軍事的に敵対する国ではない』ということを確認でき、両国間の信頼関係を醸成できる。『友好関係を深めてから、領土問題を解決しよう』というロシア側のメッセージではないか。オバマ米政権は日露の接近を警戒してきたが、今回の動きを見ると、安倍首相は事前に根回ししている可能性が高い。トランプ氏は『親露反中』という姿勢を明確に示している。日本が米国とロシアと歩調を合わせることは、中国を押さえ込む戦略上、非常に重要だ」

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『習近平の「一帯一路」に入れ込まない華僑たち 華僑サミットに参加して分かった活力とネットワークの秘密』(12/15JBプレス 新潮社フォーサイト)について

共産党の権力闘争の怖さを華僑も良く理解しているという事です。香港の大富豪の李嘉誠は江沢民派でしたが習近平に替わってすぐ大陸の不動産を売りに出し、英国への投資に切り替えました。さすが、李嘉誠のことだけはあります。薄熙来や周永康の逮捕を見ていれば賢明なやりかたでしょう。

中国は賄賂社会と言うのは常に言っていますが、華僑も当然賄賂を贈っています。贈らなければビジネスが成り立ちませんので。地方政府であっても、敵方が権力を握ると虐めにあったり、投獄、場合によっては死刑と言うのもあり得ます。何せ捏造が得意な国ですので、麻薬を扱ったことにして死刑にだってするでしょう。そう言う恐怖は中国人の末裔である華僑は体で知っていると思います。

麗澤大学の英語クラスに聴講生で参加したことがありましたが、シンガポールの留学生に「中国語はできるか」聞きましたら、「聞くのは出来るが、話すのと漢字を読むのはダメ」とのことでした。アルファベットは表音文字、漢字は表意文字ですので、英語に慣れていると、漢字を見て意味を想像するというのができないのでしょう。ピンイン(を聞くこと)でしか分からないのでは。

脱国家というのであれば脱華僑にならなければとも思うのですが。そこは中国人の血を利用しようとする下心が働いているような気がします。でも中国人のしたたかさなんでしょう。世界のどこでも彼らは生き残れる生命力を持っています。

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「中国版ディアスポラ」たちは習近平の「一帯一路」構想をどう受けとめているのか(資料写真)。(c)AFP/WONG MAYE-E〔AFPBB News

(文:田中 直毅)

中国が世界史において昇竜として新たに浮上したのは21世紀に入って以降である。再登場したのは、江沢民総書記(当時)が中国農村の農業生産力に見切りをつけて、穀物、飼料などの対外開放の見返りとしてWTO(世界貿易機関)加盟を獲得した時だ。

WTOは貿易や投資を巡って内外無差別の条件を課しており、これで「共産中国」に投資をしても理不尽に資産接収の憂き目にあうことはない、と理解された。これでまず在外中国人のビジネスマンが対中投資に本格的に乗り出した。

華僑新世代が立ち上げた「世界華人経済峰会」

本稿では世界華人経済峰会(ワールド・チャイニーズ・エコノミック・サミット)を紹介する。この集まりは、マレーシア在住の華僑指導者が中心となって、年1回の華僑大会を世界の各地で開催することを2008年に決めたことに発する。

2008年から2009年にかけて世界の金融危機は深刻化した。中国は4兆元(約57兆円)の公共投資の拡大策を発表し、世界の総需要を管理するという気概を示した。その後の中国経済の過剰供給能力に直結する施策取り決めであったが、この時点で中国は間違いなく世界経済の最前線に立った。

自分たちをDiaspora(ディアスポラ、バビロン幽囚以降の離散ユダヤ人)と英語表記する華僑たちは、立ち上がる時が来たと感じたようだ。

この時中核的な役割を果たした人々は、決して「長老」ではなかったことが興味深い。1980年代の後半以降は東南アジア諸国の経済勃興が顕著となった。ちょうどこのときに商機を見出した人々が中心となったのである。「ディアスポラ」の受難の歴史のただなかにあった世代の人々にとっては、現地政府の華僑への目線を知るがゆえに、とても「離散中国人」を名乗ることなど考えられもしなかったといえよう。

それではなぜ華僑新世代が登場したのか。そして彼らはどのような認識を、1)中国に対して、2)世界経済秩序の新展開に対して、3)地域経済統合の新潮流に対して、もっているのか。

北京の政権の動向に左右されたインドネシアの華僑

「ディアスポラ」の受難の歴史を描ききった著作は世界的にもないのではないか。私が多少とも知るインドネシアでの華僑の人々の思いを試みに記してみる。

中国の国内情勢とインドネシアにおける政治経済情勢とが「共鳴」するときに、受難は一挙に顕在化するのだ。インドネシアの華僑の命運は、北京の政権の動向によって左右された。

1963年4月から5月にかけて中国の劉少奇国家主席が東南アジア各地を1カ月かけて訪問した。これは通常の国家間関係の改善を狙いとするものだった。ところが劉少奇の留守の期間に毛沢東の主宰する会議が開かれ、階級闘争重視の方針が決定された。同年9月に入ると農村の社会主義教育運動に関する方針が決定された。これと同時にソ連批判論文が『人民日報』や『紅旗』に相次ぐことになり、1964年に入ると中国共産党は内に対しても、また外に対しても対立軸を相次いで打ち出した。

1964年2月「工業は大慶に、農業は大寨に学ぶ」運動が始まった。5月に入ると毛沢東は戦争の危険性を指摘する。そして軍は『毛主席語録』を刊行する。6月には江青女史が京劇革命について講話を行った。7月には彭真を組長として文化革命5人小組が結成された。

1964年12月には毛沢東は共産党内の資本主義派に言及する。そして1965年1月に入ると「党内の資本主義の道を歩む実権派」を批判した。

こうした毛沢東による奪権闘争の開始は、インドネシアにも波及した。インドネシア共産党議長のディパ・ヌサンタラ・アイディットは1965年2月に、使用されていない国有地や不在地主の土地を、農民たちに一方的に占拠させようという「一方的行動」を提起した。指示と応諾の関係は間違いなくあっただろう。毛沢東は内と外とで「革命」情勢を生み出したがっていた。インドネシアの政治権力がスカルノ大統領からスハルト少将へと移行せざるをえない情勢が生まれつつあったといえるだろう。

「中国語ができない」華僑

10月1日未明に9・30運動グループが決起しクーデターを実行する。ジャカルタに戒厳令が布告され、共産党は各地で襲われた。この時、インドネシア共産党=北京の支配下=中国人の暗躍という構図の元、華僑系の商店への暴行がくり返された。アイディットが処刑され、中国人学校の打ちこわしが相次いだ。1965年9月30日という日付けをもってインドネシアから中国人学校は消えたのだ。華僑にとってこのことは何を意味したか。

1997年はアジア通貨危機の年となった。経済活動が一挙に収縮するなかで、インドネシアではまた経済暴動が起き、華僑系の商店はまたしても襲撃の対象となる。

1998年に私はジャカルタで中国系経済人の話を聞いて回ることがあったが、彼らは声を潜めて恐怖感が持続していることに言及した。そして亡命したい、財産処分を考えていると述べた。亡命先としてどこを想定するのか、と聞くと、「米国」との回答が圧倒的に多かった。これは私にとって想定外であって、華僑のネットワークに繋がって他の東南アジア諸国に移転するのでは、と聞いたものだ。彼らは「中国語ができないので」と述べた。

中国人学校はジャカルタでも閉鎖されたまま30年以上が経過していた。アジア通貨危機の折に40歳前後の華僑にとって、中国語は完全に外国語でしかなかった。「ディアスポラ」の受難は、北京発でもたらされ、現地政府との間で更に追い込まれ、選択肢は狭められるという経緯のなかで生ずるのだ。

「華僑による投資」という仕訳勘定

世界華人経済峰会の結成は、1)北京との距離感に十全の注意を払い、2)各地の現地政府の意向を無視することなく、3)ファミリービジネスとしての到達度を高める、という秘せられた目的から始まったのではないか、と私は考えている。

「ディアスポラ」の受難を軽減するためには、工夫も必要、連携の具体化はその第1歩という思いがあったに違いない。そこに世界金融危機をきっかけとした4兆元プロジェクトが登場したのだ。

世界華人経済峰会はまずマレーシアで開催された。そして2014年の第6回年次総会は重慶で行われた。この地を選択したのには、習近平体制のもとで「脱・薄熙来」を掲げて経済再建を急ぐ重慶という都市の政治的背景があったといえよう。

そしてこの時、来賓として李源潮副主席は次のように述べた。「中国への改革、開放以来の投資の60%は、在外中国人によるものだ」。

香港から中国への投資が多いことは言及されることがしばしばだ。台湾、シンガポールからの投資もこうした勘定に入るだろう。しかし、国別の統計ではマレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナムと分類されているものを、「ディアスポラ」とみなすわけにはいかない。李源潮発言は、中国は国別とは区分した「華僑による投資」という仕訳勘定をもっていることを明らかにしたともいえよう。

「ゲストに馬英九」で示した認識力

2015年の年次総会はロンドンでの開催だった。英国への投資を通じて、一帯一路の投資メカニズムを作ろうとする習近平体制を、裏面から支援しようとする狙いだったといってよい。そして2016年11月16~17日はマレーシアのマラッカで開催された。明時代の鄭和提督が5度にわたってマラッカを訪問して以来、マラッカは「ディアスポラ」の拠点のひとつとなっている。首都クアラルンプールから車で2時間は要する地だが、開催の条件は整っていた。

まず中国を巡る情勢認識では、「ディアスポラ」にとって次の3点が気がかりだった。1)中国の経済調整のよって来る原因と今後の経済見通し、2)保護主義に転じようとする米国の新政権の位置づけ、3)南シナ海を巡る中国の単独主義的な安保姿勢。

またマレーシア華僑の立場からは次の3点が気にかかる。1)漂流を始めたTPP(環太平洋経済連携協定)とブミプトラ政策(マレー人優遇措置)との関連、2)1国2制度を掲げるものの、香港、台湾での反北京の政治意識の高まりに苦悩し始めた中国の指導者の考え、3)マレーシアの経済情勢悪化のもとで、中国からの観光客への依存を高めようとするマラッカ州の動き。

TPPの漂流はナジブ政権にとって想定外だった。ブミプトラをTPPの他の11カ国に公認してもらったのだ。これでTPP体制の発足となれば、マレーシアの中小企業政策に弾みがつくはずだった。このTPPの漂流に対して華僑は「それみたことか」という態度は決してみせない。それは排外意識の強いマレー系の人々の「思う壺」にはまることを意味するからだ。

台湾から蔡英文総統に近い人を呼ぶことははばかられた。北京との関係が良好な馬英九前総統を呼ぶことで、北京に対して自分たちの認識力を示そうとした。

残る問題は、中国経済の構造改革路線の必然性を誰に説明させるのか、であったという。北京や上海からの研究者はリスクを取りたがらなかったからである。外国人にということになり、マレーシアの経済研究所に人物打診があった。もちろん「ディアスポラ」の分類に入る人からの助言を多とした。

たまたま私はこうした事情の中、マラッカで「中国大停滞」というテーマを提示することになった。そしてこの「ディアスポラ」の一群の人々を観察する幸運にも遭遇したのだ。

頼りは「脱国家のネットワーク」だけ

私の観察の第1は、一帯一路プロジェクトを取り上げて、その陰に隠れる術を彼らが完全に身につけていることだ。一帯一路に対して、自らの持ち分を入れ上げるという意図は全く感じられなかった。北京から資金が降りてくれればありがたい、という程度の入れ込み具合といってよい。習近平の提起する一帯一路を大会の主要題目として取り上げ、中国人の研究者に論じさせたことで、護符を手に入れたと判断しているが如くであった。

観察の第2は、投資に当たってコンサルタントを使うことはないと言われる彼らのコネクティビティ(周辺との連結)のつくり方である。

彼らにとって、主権国家の枠組みに入って自らを守るという行動基準は想定外なのだ。北京政府も一面では恐ろしいし、現地政府もいつ牙をむくかわかったものではない。頼りになるのは脱国家のネットワークだけだ。

最もオープンであるはずのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)も信用していない。私の観察によれば、彼らにとって、顔色もわからない、話の持つアヤも判断できない、そして語感に込めるニュアンスも引き出せないデジタルメッセージは、決していざという時に頼るべきものではない。生のぶつかり合い、とでもいうべきものからの受信だけが、依るべきものなのだ。

有益な分析枠組みを提示し、リスクの所在について吟味する力量のある人物を求めて、彼らは会場内で見解をぶつけ合っていた。この活力には世界中も脱帽することだろう。

田中 直毅 国際公共政策研究センター理事長。1945年生れ。国民経済研究協会主任研究員を経て、84年より本格的に評論活動を始める。専門は国際政治・経済。2007年4月から現職。政府審議会委員を多数歴任。著書に『最後の十年 日本経済の構想』(日本経済新聞社)、『マネーが止まった』(講談社)などがある。

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『安倍首相の真珠湾慰霊がアメリカで歓迎される理由 これで真珠湾攻撃と原爆攻撃が同列に、願ったり叶ったりのアメリカ』(12/15JBプレス 北村淳)について

12/15産経ニュースには<衆院解散 1月見送り 安倍晋三首相決断、来秋以降

安倍晋三首相(自民党総裁)は、来年1月の衆院解散を見送る方針を固めた。各種情勢調査の結果を分析した結果、現状で衆院選を実施すれば、自民、公明両党で3分の2超を有する現有議席を割り込む公算が大きく、衆院任期2年弱を残して勝負を打つメリットはないと判断した。来夏は東京都議選が予定されているため、次期衆院選は来秋以降にずれ込む見通し。

首相は、年末か来年1月の衆院解散を選択肢の一つとして、自民党の古屋圭司選対委員長に所属議員の集票力などを調査・分析するよう内々に指示していた。若手議員の一部差し替えも検討したが、民進、共産両党などが共闘して各選挙区の候補者を一本化した場合、自民党の現有議席(292議席)を割り込み、与党の議席数が3分の2を下回る可能性が大きいことが分かった。

加えて、衆院任期を2年近く残して厳冬期に衆院選に踏み切れば「党利党略で国民を振り回すな」という批判が強まりかねない。首相はこのような情勢を総合的に勘案し、1月解散を見送った。首相は周囲に「1月の解散はない。メリットはない」と語った。

来年の通常国会では、平成29年度予算案などに加え、天皇陛下の譲位に関する法整備など重要案件を抱えている。米英伊比など各国で首脳交代が相次いでいることもあり、首相は今後、外交・安全保障や内政などの政治課題に全力を傾注する構え。

首相の悲願である憲法改正に関する審議は来秋の臨時国会以降に持ち越されることになる。このため、憲法改正の本格審議を前に、首相が来秋に衆院解散するかどうかが政局の焦点となる。合わせて日本維新の会など第三極勢力の動きが活発化する可能性がある。

ただ、民進党の支持率は低迷を続けている上、蓮舫代表が「二重国籍」問題を抱えていることもあり、与党内では早期解散を望む声は少なくない。来年の通常国会冒頭で28年度第3次補正予算案を成立させ、速やかに解散すべきだという意見もくすぶっている。>(以上)

12/13時事通信社<民進、解散恐れ腰砕け=共産「理解不能」

国会最終盤で焦点となった年金制度改革法案とカジノ解禁を柱とする統合型リゾート(IR)推進法案をめぐり、「廃案に追い込む」と意気込んでいた民進党が突然、柔軟姿勢に転じた。年金法案の採決に応じるとともに、カジノ法案では、修正した上で採決するとの自民党提案を容認。与党側が野党の出方次第で今国会会期の再延長をちらつかせたことで、衆院解散を恐れた民進党の腰が引けた格好だ。  「現段階でも政府の説明不足に納得していない。ただ、ようやく政府が(年金支給額の)試算を公表することを明言した」。民進党の蓮舫代表は13日の常任幹事会で、年金法案採決を受け入れた方針転換に理解を求めた。  年金法案をめぐり、民進党は衆院審議の段階から「年金カット法案」と厳しく批判。共産党などとともに廃案を目指す方針を確認していた。これに対し、自民党からは年金・カジノ両法案の成立のためには「小幅の再延長も仕方ない」との声も出ていた。  会期末を翌日に控えた13日になって突如、民進党が自民党と採決日程で合意した背景には、選挙準備不足から衆院解散を回避したいとの「本音」をのぞかせたとの見方もある。実際、12日の執行役員会で幹部の1人が「再延長は解散の呼び水となる」と、徹底抗戦路線に慎重論を唱えた。

カジノ法案をめぐっても、自民、民進の参院幹部が協議を重ね、ギャンブル依存症対策の明示などを盛り込んだ修正案を採決することで合意。蓮舫氏が8日の記者会見で、廃案にして再提出を要求した攻めの姿勢は消えうせていた。  民進党の「変節」に他の野党は不満を募らせている。共産党の井上哲士参院幹事長は記者団に「修正案の相談もなかった。採決に応じるのではなく、徹底審議を求めていくべきだ」と主張。別の同党幹部も「(民進党の対応は)理解できない」と納得がいかない様子だった。>(以上)

とあり、民共連携の態勢が整わない内に、解散総選挙した方が良いのでは。自民党は前回参院選での民共単純合計で票数を計算しているだけと思われます。共産党とくっつけば、民進支持だった人も逃げる人は必ず出てきます。連合も自主投票にする可能性もあります。

本記事は、米国人の考えを知るうえで良いと思います。大国の傲慢さが感じられるところです。別に米国だけでなく、中国、ロシアもそうでしょう。日本人にとって、真珠湾と広島・長崎がツーペイとはどうしても思えません。真珠湾は不意打ちではありましたが攻撃対象は軍であり、広島・長崎は非戦闘員の大量死と放射能の悪影響を齎したことを考えますと、余りにバランスを欠く見方と思います。彼らにしてみれば、自国を正当化しようと思う気持ちは理解できますが。歴史を知れば、日本は英米によって戦争に追い込まれたとしか思えません。宣戦布告しないのが当時の常態であったとしても、敵にそれを使われた訳ですから、非常にマズイ展開となった訳です。米国は暗号傍受で日本の攻撃を知っていたと思いますが、まさか布告が攻撃より55分も遅れるとはまさに「棚から牡丹餅」でしょう。天皇陛下も宣戦布告をキチンとするよう念を押していたのに、外務省の大きなチョンボです。今でもまともな外交はしていませんが。

まあ、謝罪ではなく、未来志向で同盟の強固さを確認して、対中包囲網について協議出来れば良いと考えます。

記事

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ハワイ・真珠湾のアリゾナ記念館(出所:米海軍)

安倍首相が年末にハワイ真珠湾(アリゾナ記念館)を訪問する。日本のメディアの多くは、「訪問決定に対して、アメリカ側では歓迎の声が上がっている」といった報道をしている。

それらの報道では、「安倍首相には、今日(12月7日)訪問してほしかった」「もっと早く来るべきだった」「安倍首相は真珠湾攻撃について謝罪するべきだと思う」といった少数の真珠湾攻撃経験者たちの声も紹介されている。しかし基本的な報じ方としては、そうした謝罪云々を口にする人々すら「現在、そして将来にわたって日米が平和な関係を保つことが大切」などと未来志向を語っている状況を紹介し、安倍首相のアリゾナ記念館への慰霊訪問がアメリカで極めて好意的に受け止められている状況を強調している。

日本海軍による真珠湾攻撃についてさしたる知識を持たない多くのアメリカ国民にとって、安倍首相がアリゾナ記念館を慰霊しようがしまいが、何ら関心事ではない。しかし、多くの軍人や退役軍人、それに教養人など真珠湾攻撃を知る(どの程度の真相を知っているのかは問わず)人々にとっては、確かに日本の首相による真珠湾アリゾナ記念館の慰霊訪問は大きな関心事であり、日本のメディアが伝えているように歓迎の声が上がっている。

ただし、日本側としては、なぜ歓迎の声が上がっているのかを認識しておく必要がある。

真珠湾と広島・長崎はワンセット

アメリカ側から歓迎の声が届くのは当然である。なぜならば、安倍首相の慰霊ツアーは、オバマ大統領の慰霊ツアーと一対のものとみなされているからだ。実際、この点を日本政府は警戒して、管官房長官も「オバマ大統領の広島訪問と関係するものではない」とあえて明言している。

しかしながら、いくら日本側が「安倍首相の真珠湾(アリゾナ記念館)訪問はオバマ大統領の広島(平和記念資料館、原爆死没者慰霊碑、原爆ドーム)訪問への返礼あるいは対をなすものではない」と予防線を張っても無駄である。ほとんどのアメリカ国民にとって真珠湾攻撃と広島長崎に対する原爆攻撃は一対の出来事として刷り込まれているからだ。

対日戦争終結直後から開始された「真珠湾攻撃調査統合委員会」による真珠湾攻撃に関する調査検討の詳細な報告書(*)の前文にも、アメリカ海軍が大損害を受けた真珠湾攻撃と広島長崎に対する原爆攻撃を一対の出来事として結びつけた因果的説明がなされている(もちろん強引に結び付けているのだが)。

(*)”Investigation of the Pearl Harbor Attack: Report of the Joint Committee on the Investigation of the Pearl Harbor Attack Congress of the United States”,1946年7月20日

それ以降も、この種の説明はアメリカ社会において繰り返されてきた。その結果、多くのアメリカ国民の意識には、「真珠湾攻撃(による大損害)と原爆攻撃(による日本軍閥への復讐)」が対をなして刷り込まれているのだ。

プロパガンダに過ぎない「だまし討ち」の主張

周知のように、真珠湾攻撃開始時刻の30分前に、駐米日本大使が「対米開戦に関する覚え書き」を米国国務長官に手渡すことになっていた。だが、駐米日本大使館のミスにより、手渡されたのが攻撃開始(実際にはハワイ時間12月7日午前7時55分)の55分後になってしまった。その日本側の手違いをルーズベルト政権が「だまし討ち」と騒ぎ立てた。

確かに、1907年に締結(日本では1912年に公布)された「開戦に関する条約」第1条には、締約国は「最後通牒などの形で事前に開戦を通告する」ことが明記されている。しかしながら、条約締結以降、真珠湾攻撃が開始されるまでの期間に世界各地で勃発した戦争や軍事衝突において、戦闘行為が開始される以前に正式な開戦の通告がなされた事例は見当たらない。そのため「開戦に関する条約」は、実務上厳密に解釈されていたとはみなされない。

実際に、第2次世界大戦初頭のドイツ軍による数々の侵攻作戦では事前の開戦通告などなされていない。また、真珠湾攻撃よりも先に開始されたマレー半島における日本軍とイギリス軍の戦闘に関しても、事前の開戦通告はなされていない。にもかかわらずそれらの戦闘開始に関して「だまし討ち」との声は全く上がっていない。

また、日本の敗北後に、アメリカが中心となって進められた極東軍事裁判においても、真珠湾攻撃に際しての「開戦に関する条約」違反、すなわちアメリカの言うところの「だまし討ち」は取り上げられていない。ということは、アメリカ自身も国際法的には真珠湾攻撃を「だまし討ち」として訴追するには無理があることを認めているのだ。

ルーズベルト政権がつくり上げた「だまし討ち」のレトリックは、アメリカ国民をドイツと日本に対する戦争に駆り立てるためのプロパガンダにすぎなかったことは、誰の目にも明らかである。

にもかかわらず、自らの先人たちが選んだ大統領の非を直視することを避けるため、真珠湾攻撃から75年も経た現在でも、「だまし討ち」のプロパガンダがアメリカ社会に定着している。そのため、安倍首相のアリゾナ記念館訪問に際して、「だまし討ち」を謝罪せよという声が上がるのである。

「真珠湾攻撃」と「原爆攻撃」を同列に

その反面、広島と長崎に対する原爆攻撃が「陸戦の法規慣例に関する条約:付属規則第2款第1章」に明白に違反していた重大な戦争犯罪であり、アメリカ側が日本側に対して謝罪する“確固たる理由”があることを(認識してはいても)口にする者は極めて稀である。

このように、自らの原爆攻撃に関しては何ら謝罪理由など存在しないと考えており、真珠湾攻撃に関しては「だまし討ち」という謝罪理由が存在すると考えているのがアメリカ社会(少なくとも公的立場の人々)なのである。

したがって、オバマ大統領が広島を訪問した際に「“そもそも謝罪する理由のない”謝罪の言葉などは一切述べず、あくまでも慰霊訪問である」ということで押し通したのは、アメリカ側にとっては理の当然ということになる。

反対に、安倍首相がアリゾナ記念館を訪れるにあたって謝罪の意を表さないことに関しては、「日本側は謝罪すべきだが、良好な同盟関係の維持が大切な現在、なにも謝罪を云々する必要性はない」として寛容な態度を見せればよい、ということになるのだ。

そして、真珠湾攻撃ならびに原爆攻撃に関する詳細な背景事情をある程度理解している人々にとっては、戦時国際法を踏みにじった原爆攻撃と、国際法的に非難されるいわれがない真珠湾攻撃を一対のイベントにすることで、晴れて同列に位置づけることが達成される。まさにアメリカにとっては「願ったり叶ったり」の歓迎すべきアリゾナ記念館訪問ということになるのである。

真珠湾慰霊を「開戦の地での慰霊」に変える方法

安倍首相は、12月26、27日に予定されているハワイ訪問について、「オバマ大統領との総括的な最後の会談を実施するとともに、『二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない』という未来へ向けての決意を示すために、真珠湾への慰霊訪問を行いたい」と述べている。

以上のような真珠湾攻撃と原爆攻撃に対する複雑な意識の存在を鑑みると、真珠湾攻撃による犠牲者のみを慰霊・顕彰するアリゾナ記念館だけを慰霊訪問するのは得策ではない。

つまり、日米開戦の地であるオアフ島の、日米両軍双方に直接的あるいは間接的に関係するいくつかの慰霊施設を包括的に訪問することにより、アメリカ側に存在する一般的感情である“真珠湾攻撃に対する謝罪”という意味合いが薄まるものと考えられる。

2年ほど前になるが、当時「次世代の党」の党首であった平沼赳夫衆議院議員が同党の国会議員4名を率いて太平洋海兵隊司令官との意見交換に訪れた。その際、平沼議員は「日米開戦という土地柄、日米双方の慰霊を行いたい」という意向であったため、海兵隊関係者たちと筆者が話し合い、慰霊訪問ツアーを行ってもらった。訪れたのは、「パンチボール国立記念墓地」「マキキ日本海軍墓地」「カネオヘ海兵隊ハワイ基地内、飯田大尉記念碑」そして「えひめ丸慰霊碑」(注)であった。

安倍首相もこれらの慰霊施設を訪問すれば、まさに日米開戦の地における慰霊訪問という大義名分が立ち、“真珠湾謝罪訪問”という誤解や曲解が薄められ、「二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない」という決意を内外に示すことになるであろう。

(注) 「ホノルル、パンチボール国立記念墓地」 第1次世界大戦からベトナム戦争に参戦した米軍将兵を中心に軍関係者その家族が葬られている。

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パンチボール国立記念墓地で献花する平沼議員一行

「ホノルル、マキキ日本海軍墓地」 明治9年から明治32年の間にハワイ方面海域で病没した日本海軍水兵たちの墓とハワイ周辺海域に眠る日本海軍将兵の英霊を祀る鎮魂碑がある。

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マキキ海軍墓地で献花する平沼議員一行

「カネオヘ、米海兵隊ハワイ基地内、飯田大尉記念碑」 真珠湾攻撃の際、カネオヘ海軍航空基地(現在、海兵隊ハワイ基地)を攻撃した零戦部隊の指揮官であった飯田房太海軍大尉(戦死により中佐)は、自らの零戦が被弾したため米軍格納庫に向かって突入を図った。海兵隊はその勇猛果敢な戦闘精神に感服し、同所で戦死した海兵隊員たちと共に飯田大尉を丁重に葬った。戦後、海兵隊は飯田大尉が戦死した場所に記念碑を建て、現在に至るまで敬意を表している。

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飯田大尉記念碑に献花する山田宏議員(現自民党参議院議員)一行

「ホノルル、えひめ丸慰霊碑」 2001年2月10日に、オアフ島沖で実習中だった愛媛県立宇和島水産高校の練習船「えひめ丸」は、急浮上してきたアメリカ海軍原子力潜水艦「グリーンビル」に衝突され沈没し、9名の生徒教員が死亡、12名が負傷した。えひめ丸の犠牲者たちを追悼する記念碑が、多くの日本人観光客で賑わうアラモアナショッピングセンター付近の海岸公園に立っている。

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『5歳の娘の白血病を利用した“蓄財事件”の顛末 娘の回復を祈る父親の姿に人々は涙したが…』(12/16日経ビジネスオンライン 北村豊)について

本記事を読んですぐ思い出したのは2006年に起きた事件で、NHKの管理職が娘(さくらちゃん)の外国での手術費用を、当初全額カンパで賄うつもりでいたケースです。自分で財産を処分することもなく、他人の善意を当てにして、まるで焼け太りになろうとした感じにも思えます。娘の病気が無ければ、完全に詐欺です。地震の募金とかいろんな形の募金も胡散臭く感じるのもあり(特にアグネスチャンの日本ユニセフ協会)、きちんと調べて募金協力しないと何に使われるか分かりません。ネットで調べると、その後も『○○ちゃんを救う会』というのが立上っています。本記事の中国のケースもこれに相当するでしょう。人を騙すのが得意な中国人ですから、日本人のケースに触発されて実行した可能性もあります。

https://www18.atwiki.jp/sinusinu/22.html

日本人にもモンスター〇〇〇〇とか言われる人が沢山出てきました。さくらちゃんの父親はモンスターペアレントの一種でしょう。救急車をタクシー代わりに使い、本当に必要な人の為に出動できなくなる可能性があるにも拘らず、平気でそうする人がいます。戦後民主主義教育の欠陥です。権利のみ主張して、義務を果たすことをキチンと教えて来なかったためです。諸悪の根源はアメリカですが、戦後70年も経っていても良くなるどころか、益々悪くなるだけ。特に刷込みの呪縛から抜け出せない戦中・戦後すぐ生まれた老人にその程度が甚だしいのでは。その姿を見て子は育ちますので。

記事

11月25日、中国版メッセンジャーアプリ“微信”の“公衆平台(公式アカウント)”に『“羅一笑, 你給我站住(羅一笑、君は私のために立ち止まって)”』と題する文章が掲載された。この文章は広東省“深圳市”に住む“羅爾(らじ)”という名の父親が白血病を患って“深圳市児童医院”に入院している娘の“羅一笑”(5歳)に対する思いをつづったものだった。その訳文は以下の通り。なお、文中にある“笑笑”は羅一笑の愛称。中国の家庭では子供に同じ漢字を重ねた愛称を付け、愛称で呼ぶのが一般的である。

白血病の娘に対する思いを

『羅一笑、君は私のために立ち止まって』

11月23日午後6時、“笑笑”は再び危篤になり、集中治療室(ICU)に入った。ベッドが集中治療室へ運ばれて行く時、私は笑笑の耳元で「きっと良くなるよ」とささやいた。私はこぼれ落ちる涙をこらえることができなかった。

妻の“文芳”は私の肩に顔を埋めて泣いた。集中治療室の費用は毎日1万元(約16万5000円)を上回るだろう。彼女は私たちがその費用を支払えないことを悲しみ、たとえその費用を支払えたとしても、笑笑の命は助からないことを悲しんだ。私はもう泣かない。何としてでも文芳を悲しみの中から引っ張り出さねばならない。

集中治療室の扉の外にある長椅子の上で1人の父親が眠っていた。笑笑が21日の早朝に集中治療室に入った時も、その父親は長椅子の上で眠っていた。私と彼は親しくなった。意外にも、彼は湖南省“泪羅(べきら)市”出身の私と同郷人だったのだ。彼は深圳市“宝安区”でゴミ拾いをして暮らしているが、10歳で小学4年生の息子が数日前にタクシーにはねられて意識不明になり、集中治療室で治療を受けていた。彼はずっと集中治療室の外で息子の意識が回復するのを待ち続け、疲れると長椅子の上で眠り、空腹になるインスタントラーメンを食べていた。私は彼にどうして家に帰らずにここで待っているのかと尋ね、「あんたは息子に会うこともできないし、かといって何もしてやれることはないじゃないか」と言ったが、彼は息子のいない家に帰っても眠れないのだと答えた。

笑笑の集中治療室への入院手続きを終えて、私と文芳は家に帰ったが、その時ようやく同郷人であるあの父親がどうして集中治療室の外で眠らなければならなかったのかを理解した。娘のいない家はひっそりして寒々しかった。友人が酒でも飲もうと声をかけてくれたが、私は応じなかった。家に文芳を1人残して外出することなどできなかったし、1人で読書することもはばかられた。文芳は昨夜も医院で過ごして一睡もしていなかったので、私は彼女に早く休んで欲しかったが、彼女は何度も寝返りを打って眠ることができず、私たちはため息をつくばかりであった。

私のために立ち止まってほしい

木曜日(24日)は面会日ではなかったが、私と妻は早めに医院へ向かった。それは医師の口から笑笑の良い知らせを聞きたかったためだったが、医師は非常に忙しく、病状を二言三言話してくれただけで、私たちの心配を何ら解消するものではなかった。丁度良い具合に文芳の親友2人が医院へ見舞いに来てくれたので、私は彼らに文芳を任せて走り回った。私は各種各様の証明や印鑑を取って回り、笑笑の重病診察予約を取り、“小天使基金”<注1>に対して救援を申請した。

<注1>“中国紅十字基金会(中国赤十字基金会)が提唱して設立された白血病の児童を救援することを目的とする基金。

以前、私は政府からこの種の援助をびた一文たりとも受けたいと思ったことはなかった。今でもそう思っているが、こういう方法でしか私は笑笑にパパも全力で頑張っているということを告げられないのだ。君は絶対にパパを待っていて欲しい。それらの手続きが完了するのには少なくとも2か月が必要だが、笑笑は2か月を待ってくれるだろうか。待ってくれさえすれば、どんな問題でも解決することができる。

笑笑が歩くようになってから、私たちはずっと1つのゲームで遊んでいた。彼女が歩きたくないと駄々をこねると、私は前の方に走ってからしゃがんで両手を広げる。笑笑はこれを見ると、満面の笑顔で走って来て私の懐に飛び込んでくる。愛しの娘よ、今、パパは家の中で君に向かって両手を広げている。今すぐに家へ戻ってパパの胸に飛び込んで欲しい。昨日は“感恩節(感謝祭)”だったが、私はこの2か月間にわたって私たちを励まし、支援してくれた身内や友人に対する感謝の気持ちを文字で記そうとしたが、心乱れて一文字も書くことができず、結局、書かないことにした。

羅一笑、お爺ちゃんとおばあちゃん、おじさんとおばさん、兄さんと姉さんが君に与えた恩情は非常に重く深いものであり、私はそれを君のために書き記しておくけど、君はしらばくれることなく、自分から彼らが与えてくれた恩に感謝しなければならないよ。

羅一笑、幼稚園の先生や友達は君のために“献愛心的活動(愛の手を差し伸べる活動)”を展開してくれているよ。先生や友達は皆が君を心配し、早く幼稚園へ戻って来るのを待ち望んでいるよ。君は彼らを失望させてはだめだよ。

羅一笑、むやみに走り回らず(=勝手に天国へ行こうとせず)、私のために立ち止まって欲しい。もしも君がおとなしく家へ帰らないというなら、たとえ君が天使になり、天国へ行ったとして、いつか私たちが天国で会っても、パパは君に知らない振りをするよ。

上記の文章が11月25日に微信上で発表されると、多くのネットユーザーの共感と関心を呼び、次々と転載されて広範囲に知れ渡ることになった。この文章の作者である羅爾は2016年1月に発行を停止した女性誌「女報・故事」に勤めていた人物だが、9月8日に娘の羅一笑が検査で白血病にかかっていることが判明し、彼女はすぐさま深圳市児童医院へ入院したのだった。その後、羅爾は微信の個人アカウントで白血病にかかった娘の闘病記録を有償で発表していたのだ。有償とは、文章を読んで「良かった」と感じた読者が文章の下部に置かれている「“賛賞(称賛)”」のボタンをクリックすると、自動的に課金されて作者にカネが支払われることを指す。要するに、羅爾は“売文救女(文を売って娘を救う)”<注2>を行っていたのだった。

<注2>“売文救女”の“女”は娘を意味する。

美談が内情暴露で一転

12月1日付の北京紙「北京青年報」はこの“売文救女”について次のように報じた。

【1】11月30日の朝8時前に“宋先生(宋さん)”はいつもの習慣で微信の“朋友圏(モーメンツ)”をチェックしたが、そこにあった新着記事の『“羅一笑, 你給我站住”』という題名の文章に注意を引かれた。多数の友人たちが同じ記事を転載しており、ある人は記事を転載するのと同時に「この白血病の娘を持つ父親は“売文救女”である」と注釈を付けていた。興味を持った宋さんは当該記事が引用していたリンク先をクリックしてその文章を読んでみたが、文末の段落を読む頃には思わず涙ぐんでしまった。文章に感激した宋さんが「称賛」のボタンをクリックしようと文章の下部を見ると、そこにあった“閲読(読んだ)”欄の読者数と称賛欄の称賛者数は共に10万人を超えていた。そこで、宋さんも称賛のボタンをクリックしたところ、画面上に「当該作者が本日受領した称賛金額はすでに上限に達しました」との表示が出たのだった。

【2】宋さんは、“小銅人”という名の会社が持つ微信の公式アカウント「P2P観察」も同様に『“羅一笑, 你給我站住”』の記事を掲載していることに気付いた。羅爾の個人アカウントと違うのは、公式アカウント「P2P観察」の方には文章に注記があり、「あなたが本文章を転載すると、我が社は献金を行います。あなたが転載する毎に、我が社は1元(約16.7円)を献金します」と書かれていた。当該文章を自分の友人グループであるモーメンツ内に転載するだけで、小銅人という会社が文章の作者である羅爾に献金をするというのは奇妙な話だが、これも羅爾と羅一笑の親子を支援する方式なのかと理解した。ところが、それから4時間も経たないうちに、事態は思いもしない方向に逆転を始めたのだった。

その逆転とは何か。各種各層の内部事情を知る人たちが次々と、微信上に作者の羅爾に関する内情を暴露したのだった。それは次のような内容だった。

(1)羅爾は以前、自分の微信アカウントに掲載した文章の中で、自分は住宅3戸、自動車2台、広告会社1社を保有していると述べていた。それが本当なら、白血病の娘を救うために自分が持つ住宅を売れば治療費は負担できるはずだが、何故に微信上で“売文救女”を標榜し、娘の治療費を捻出するための献金を求めるのか。

(2)小児白血病患者の治療を専門とする医師に確認したところでは、目下のところ、羅爾の娘の医療費は医療保険の公費負担比率が高く、患者の負担額はわずか数万元に過ぎないはずである。従い、羅爾の家庭が“入不敷出(収入が支出に追い付かない)”状況になっていることなど有り得ない

(3)問題の矛先を作者の羅爾と小銅人との関係に向け、彼らが採用した「転載したら献金」方式は、一般大衆の善意を利用して商業活動を行っているに等しいと批判すると同時に、本当に羅一笑は白血病にかかっているのかと疑問を呈した。

献金額を公表後、基金設立へ

これら内情を知る人々によって提起された指摘や疑問点は、微信の中だけに止まらず、メディアによって大きく取り上げられたことから、深圳市の“民政局”が介入して羅爾と小銅人および深圳市児童医院に対する聞き取り調査が行われた。11月30日、深圳市民生局は調査結果を発表したが、その要点は以下の通り。

【1】羅爾の月給は4000元(約6万7000円)で、他に収入源はないし、妻の文芳にも収入はない。住宅3戸(深圳市内に1戸、広東省“東莞市”に2戸)および自動車1台を所有している。深圳市にある80m2の住宅はローンを完済したが、東莞市にある住宅は昨年投資のために2戸合わせて100万元(約1670万円)で購入したもので、融資を受けたので借金がまだ40万元(約668万円)残っている。医院の費用を支払うために家を売ればよいという人がいるが、深圳市内の家は今住んでいる家であるから売るわけには行かない。東莞市にある2戸の住宅は借金があるため不動産権利書がなく、売りたくても売れない。自動車は2007年に買った米国製のビュイック(Buick)で、すでに廃車同様である。

【2】娘の羅一笑の医療費は、9月分と10月分の総額から公費負担額を差し引いた自己負担額は確かに数万元であった。但し、娘が集中治療室に入院した後の医療費は、多くの器具や治療が公費負担の範囲外になるため、自己負担額がどの位になるかは分からない。また、小銅人の「転載1回毎に1元献金」については、羅爾は決して商業活動には該当しないとの意見を堅持した。

【3】深圳市児童医院が出した声明によれば、羅一笑の医療費明細は次の通りだった。すなわち、羅一笑が3回入院した費用の合計は20万4244元(約341万円)であったが、このうち医療保険による公費負担分が16万8051元(約281万円)で、自己負担分は3万6193元(約60万円)であった。入院毎の医療費に占める自己負担比率の平均は17.7%だった。

こうして羅爾の経済状況と羅一笑の医療費の詳細が白日の下に晒されたが、そこで人々が注目したのは、羅爾が微信に『“羅一笑, 你給我站住”』を掲載したことにより一体いくらの献金を受領したのかという点だった。

12月1日、羅爾と彼の友人で小銅人の経営者である“劉侠風”は共同声明を発表して、次のように述べた。

(1)11月30日24時までに、小銅人の公式アカウント「P2P観察」で掲載した文章の転載回数は54万8432回であり、2016年11月27日の約束に基づき、小銅人は50万元(約835万円)を羅爾に献金した。また、読者が「称賛」ボタンをクリックしたことによる課金の合計は10万1111元(約169万円)であった。一方、羅爾個人の公式アカウントで掲載した文書に対し読者が「称賛」ボタンをクリックしたことによる課金の合計額は207万元(約3457万円)であった。この両者の合計額は267万1111元(約4461万円)であった。

(2)2人で協議した結果、上記の金額は読者の同意を得ているものと見なして、全額を拠出して小児白血病患者の救済を目的とする基金を設立する。羅一笑の医療費については、合法的なルートで当該基金に救援を申請することで対処する。今回の件を通じて、社会に悪い影響を与えたことに対して深く謝罪する。

表面上の決着は見たが…

こうして通称「羅一笑事件」と呼ばれた事件は表面上の決着を見たが、内情を知る人々が問題を提起しなければ、羅爾は白血病の娘を利用して267万元余の大金を得ていた可能性が高い。彼が娘の医療費の支払いに困難を来す程に困窮しているならともかく、3戸の住宅を保有していたことを考えると、白血病を名目とした詐欺を画策したというのが実態であろう。

中国では白血病の発病率が小児がんの首位にあり、10歳以下の小児白血病の発病率は10万分の7である。この数字だけを見るとそれほど高いようには思えないが、小児白血病の発病率は成人に比べて遥かに高い。中国赤十字基金会の研究報告によれば、中国で毎年新たに発病する白血病患者の数は4万人だが、その半数は児童で、2歳~7歳が最多を占める。児童と青少年の白血病は90%が急性白血病であり、年間の発病率は10万分の3~10万分の6だが、発病が急であることから、直ちに適切な治療を行わないと、寿命は平均して半年も持たない。なお、中国の白血病による死亡率は50%に上っている。

こうした状況下において、娘の白血病を利用して金儲けを企んだ羅爾とその友人の劉侠風は許し難く、人の道理を踏み外した存在と言える。事件は小児白血病患者救済基金の設立で決着したが、真に救済を求める貧しい小児白血病患者に対して人々が猜疑の目を向ける悪しき前例を作ったのだった。羅爾が娘の回復を心から望んでいることに偽りはないはずだが。

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『揭秘:三十年前中共極力掩蓋南京大屠殺的原因(30年前、中共は南京大虐殺について極力蓋をしようとした原因を明らかにする)』(12/15中国観察)について

Henry Scott Stokesの“Fallacies in the Allied Nations’ Historical Perception As Observed by a British Journalist”を読み始めました。日本語版は3年前に読んでいますから、大体の言わんとしている所は分かると思っています。やはり、日本語で出版するより、英語で世界に発信して貰う方が、インパクトが大きいです。ヘンリー・ストークスは三島由紀夫の友人であったことが、彼の英国での刷り込み教育を変えさせた大きな原因とのこと、死せる三島、生けるストークスを走らすと言ったところでしょうか。ストークスにしてみれば、三島との「果たし得ていない約束」のつもりで出版したのかもしれません。ストークスは「南京」にしろ「従軍慰安婦」にしろ、プロパガンダと言っています。序に、

“The Tokyo Trials were a total sham, serving only as a theater for unlawful retribution. And as for the “Nanking Massacre,” there is not one shred of evidence attesting to It. However, the Chinese are hell-bent on using foreign journalist and corporations to spread their propaganda throughout the world. I find it very disappointing that so few Japanese attempt to discredit the false accusations and set the record straight. In today’s international community those who maintain that there was no massacre in Nanking are shunned.”

「東京裁判は全部インチキだった。違法な報復のための芝居としてしか役割を果たしていない。そして「南京大虐殺」に関しては、それを証明する証拠のひとかけらもない。しかし、中国人は外国人ジャーナリストや企業を使って、世界中で彼らのプロパガンダを広めるために躍起になっている。私は、数少ない日本人が冤罪で日本を貶めようとし、記録を直そうというのを見て、大変ガッカリしている。今日の国際社会で、南京で虐殺がなかったことを主張する人は敬遠される。」と。

「新唐人」は法輪功系列です。江沢民に弾圧された気功の宗教団体です。でも本記事を読む限り、やはり中国人の限界が垣間見えます。プロパガンダが得意な共産党が、虐殺があれば30年も黙っている筈がありません。日本人を貶める勢力に手を貸しているのと同じです。やはり、歴史は自分の都合の良いように解釈するのでなく、実証的であらねば。中国の出してきている写真は南京とは関係ない写真が多いとのこと。朝鮮戦争も南が仕掛けたと捏造する国ですから。中国共産党も中国国民党も同じ中国人で構成されているため、嘘で塗り固められた歴史を主張します。

記事

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對中華民族而言,12月13日是個極其慘烈的日子。79年前的這一天,侵華日軍攻佔當時的中華民國臨時首都南京後,在南京及附近地區進行長達四十多天慘絕人寰的大屠殺。至少有20萬至30萬的中國平民和戰俘被日軍殺害,約2萬中國婦女遭日軍姦淫,南京城三分之一的建築被日軍縱火燒毀。

 然而,在中共建政後的30多年裡,中共官方為學生們編寫的歷史課本中,對這場令世界震驚的日軍暴行卻隻字不提,好像這場暴行從未發生過。直到上世紀80年代以後,中國大陸的媒體中才漸漸出現有關南京大屠殺的文字記載。

中共為何要長期替日本人掩蓋這樣的歷史罪惡呢?《揭秘:三十年前的中國為何極力掩蓋南京大屠殺》一文揭開了這個歷史謎題。

文章介紹,過去中共當局給國人灌輸的歷史知識中,有關中國〝八年抗戰〞是這樣描寫的:當年日本鬼子打進中國,蔣介石不抵抗,躲進了四川峨嵋山。抗戰八年,全是中共領導八路軍、新四軍、還有敵後武工隊,靠着地雷戰、地道戰、游擊戰——打下來的。直到日本鬼子被中共領導的軍隊打敗了,投降並滾回日本後。〝蔣該死〞才從峨嵋山下來!開始伸手——摘桃子。(毛澤東原話)。對於南京大屠殺這場慘絕人寰的日軍暴行,中共官方的歷史資料則隻字不提。

在毛澤東時代,南京並無〝南京大屠殺紀念碑〞和〝侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館〞。1979年以前大陸歷史課本中,也無關於〝南京大屠殺〞的任何記載。

比如1958年版《中學歷史教師手冊》〝中外歷史大事年表〞中,1937年內容只有〝日軍侵佔上海,國民政府遷都重慶〞簡單記述,全然不提〝南京大屠殺〞。而該書在1927年大事中,倒有蔣介石〝四一二大屠殺〞記述。1975年版《新編中國史》〝歷史年表〞中,1937年也只有〝國民政府遷都重慶,南京防禦失敗〞記載,〝南京大屠殺〞仍是隻字不提。

直到1979年版中學歷史書中,〝南京大屠殺〞一詞才首次列出。1985年8月15日,日本投降40周年後,中共南京政府才建成了〝侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館〞。

直到上世紀八十年代初,中國大陸的媒體才開始〝呑呑吐吐、半遮半掩〞地告訴國人——原來,國民黨軍隊才是真正的抗日主力,而且他們打的還是〝正面戰場〞,還打了許多大仗。這些大仗都比中共軍隊打下的〝平型關戰役〞要大的多。也正因為如此,日本軍隊在攻下南京後,才瘋狂屠殺了中國的平民百姓和被俘軍人30萬人!

所以,當上面這幅全新的慘烈的雄壯的真實的抗日畫卷,慢慢地展現在國人面前的時,許多中國人甚至不能馬上就接受,許多人懷疑南京大屠殺是否真實存在過。

三十多年來南京市只修建了雨花台來紀念那些為國捐軀的烈士,中共官方卻從不提南京大屠殺。

為什麼毛時代要對中國百姓——隱瞞〝南京大屠殺〞,難道是毛澤東有天生親近日本人的情愫?

文章寫道,〝我想,毛澤東建國後多年不提〝南京大屠殺〞,倒也不是毛天生就有親日情懷,而是因為以毛為首的中共政權,要從根本上否定蔣介石政權當年全面抗戰的正確歷史觀,要編織一個〝蔣該死〞從不抗日,只有毛澤東才是〝抗日領袖〞、中國共產黨才是抗日主體的歷史謊言。〞

文章質問:〝毛時代的歷史教科書,有謝晉元指揮下的〝八百壯士〞嗎?有歷時四個月之久的〝武漢會戰〞嗎?有中國軍隊前後投入兵力達五十萬人以上的三次〝長沙會戰〞嗎?沒有!只有中共領導的八路軍、新四軍,用地雷戰和地道戰,爆了八年地雷,鑽了八年地道,硬是把日本鬼子——給打敗了!〞

可想而知,在中共這種完全歪曲歷史的宣傳語境中,如果向中國的學生們提起〝南京大屠殺〞,就無法迴避國民黨軍隊在抗戰中對日軍的全面抵抗和犧牲。但是在中共過去的字典里,〝犧牲〞二字只屬共產黨。因此,〝南京大屠殺〞的歷史數十年不提〝亦屬必然〞!

文章最後寫道,〝‘南京大屠殺’多年被抹去的事實說明,人們為了圓一個謊言往往就不得不另外再追加十個謊言,以此才能維繫和支撐!因此,這一至十再至百的成串歷史謊言,多年來充斥着中國(中共)歷史教科書。〞

(阿竺整編,有刪節)【新唐人2016年12月15日訊】

(訳)

「中国にとって、 12 月 13 日は極めて悲惨な日である。 79 年前のこの日、日本の侵略軍が当時の中華民国の臨時首都・南京を攻め落とした後、南京とその周辺地域で 40 日以上に亘り大虐殺が行われた。 少なくとも 20万から30万の 中国の民間人と捕虜が日本軍によって殺された。また、2万人の女性は日本軍によって強姦され、日本軍により南京市の3 分の 1 の建物が放火・焼失した。

しかるに、中共が統治してからの30 数年間は、学生のために書かれた歴史の本に、世界を驚かせた日本軍による残虐行為について一言も触れられておらず、このような暴行が起こったことがないかのように思わせている。 1980年代以降になって、やっと中国大陸で南京大虐殺について書くメディアが現われ始めた。

中共は何故長期に亘り歴史の悪行を日本に替わって覆い隠してきたのか。「30年前、中共は南京大虐殺について極力蓋をしようとしたのか」という一文はこの歴史の謎を明らかにする。 文章は、過去中共当局が国民に歴史知識を吹き込む中で、「8 年抗戦」について次のように描かれている。その年、日本が進軍してきたときに蒋介石軍は抵抗せず、四川省の峨眉山に逃げて行った。8年の抗戦中に戦ったのは中共の指導する八路軍や新四軍、銃後の武工隊だけだった。地雷戦やトンネル戦、遊撃戦で打ち負かした。日本軍が中共の指導する軍隊に負けて、投降し、日本に帰ってから蒋介石はやっと峨嵋山から下りて来て、漁夫の利を得ようとした。(毛沢東の話)。南京大虐殺がこのような凄惨な日本軍による暴行なのに、中共の歴史資料には一言も触れられていない。

毛沢東の時代には「南京虐殺記念館」や「日本侵略軍による南京で殺された同胞の虐殺記念館」はなく、1979 年以前の中国の歴史教科書の中には、「南京大虐殺」の記載はなかった。1958年版の中学校の歴史教師の歴史年表の手帳の中に、「1937 年には日本は上海を占領し、国民政府は重慶に遷都した」とあるだけで、「南京大虐殺」への言及が全くない。その本の中には、 1927 年に、蒋介石が「 412 」大虐殺したとの記述のみ。 1975 版「新編中国史」の歴史年表では「1937 年に国民政府は重慶に遷都し、南京の防衛に失敗した」とあるだけで、南京の大虐殺については触れられていない。

1979 年版の中学歴史の教科書になってやっと「南京大虐殺」の文字が最初に現れた。 1985 年 8 月 15 日、日本降伏 40 周年になって、やっと中共政府は「日本侵略軍による南京で殺された同胞の虐殺記念館」を造った。

80年代初めになって、やっと大陸のメディアが出しては引っ込め、様子を見ながら、国民に教え始めた。元々国民党軍が真の抗日の主力であり、かつ正面戦で大きな戦いに勝利した。これらの大規模な戦いは、中共の軍隊が勝った「平型関」 の戦いをはるかに凌ぐ。まさにこれが為に、日本軍は南京を占領した後、狂った様に中国の一般市民と捕虜兵士30万人を虐殺した。それ故、この新しい凄惨かつ勇壮な真実の抗日絵巻の上部を見せ、国民にゆっくりと知らしめて行くと、多くの中国人は受け入れることができないし、南京大虐殺の存在そのものを疑った。

30 数年以上たって南京市は雨花台に国に殉じた烈士の記念するものを造ったが南京虐殺についてはまだ触れていなかった。

何故、毛時代には中国人に対し「南京大虐殺」を隠したのか。まさか毛沢東は生まれながらの日本人情緒を持っていたのではあるまい? その文章には「思うに、毛沢東が建国後、ずっと南京大虐殺について言わなかったのは、毛が生まれながらに親日感情を持っていたからではなく、毛がリーダーである中共政権にとって、蒋介石政権が全面的に戦ったという正確な歴史観を否定し、蒋介石の抗日は無かった、毛が抗日のリーダーであって、中共こそが抗日の主体であるという歴史上の嘘を言うためである」と。

文章の質問には「毛時代の歴史教科書には謝晋元指揮下の800 人壮士が載っているか?4か月の長きに亘った武漢会戦は?中国軍が前後で50万以上の兵力を投入した3 回の長沙の戦いについては?ないではないか。ただあるのは中共が指導した八路軍や新四軍、8年の地雷戦や8年のトンネル戦だけ、確実なのは日本を打ち負かしたことだけである」と。

考えれば分かるが、中共のこのような完全に歴史を歪曲したプロパガンダの中で、中国の学生に南京虐殺について提起すれば、国民党軍が日本軍に徹底抗戦し多大な犠牲を払ったことを回避することはできない。 但し、中共の過去の辞書の中に「犠牲の2字は共産党に属するのみ」とあった。このため、「南京大虐殺」の歴史が数十年触れられないでいたのは、必然であった。

文章の最後に、「南京大虐殺」が長年に亘り、拭い去られて来た事実の説明として、人間は1回嘘をつけば、更に10回嘘をつかざるを得なくなる。これにより、やっと人心をつなぎ留め、1~10、或は100回まで歴史の嘘をつき、長年に亘り中共の歴史教科書が蔓延っている。」と。

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『「確信犯」のトランプ、蔡英文との会談で中国挑発 「一つの中国」を揺るがすトランプ次期大統領』(12/14JBプレス 古森義久)、『トランプ対中外交の成否 発言は“素人”南シナ海は米中の代理対決』(12/14ZAKZAK 富坂聰)について

富坂氏の論調はいつも中国の肩を持つように感じます。中国から情報を取っているので、中国の言い分を日本人に広めないと、次から情報を貰えないからかも。彼の学歴は北京大学中文系留学(卒業したかは不明)ですから、中国要人とのコネがあるのかも知れません。彼らの見方を代弁しているような気がします。やはり、米国発の情報の方が信頼に足るのでは。

米・国務長官としてエクソンモービルのCEO、ティラーソン氏が指名されましたが、上院の承認(上下院とも共和党多数にも拘らず)を得るのが難しいとの報道です。ミット・ロムニーは大恥をかかされたことになり、益々議会工作が難しくなって、国務長官人事が宙に浮く形となるのでは。国務副長官候補のボルトンも議会承認が必要ですが、マケインとの関係が良いので承認されるのではないかと思っています。ランド・ポール上院議員は反対のようですが。ボルトンが国務副長官になれば、米国の対中・対台・対日政策も変わる可能性があります。そうなってほしいと願っています。

https://japanese.japan.usembassy.gov/j/info/tinfoj-bio-blinken.html

やはり、軍関係者は、中国問題について、オバマの無能が中国を増長させ、好き勝手やらせてきたという風に思っているのでしょう。「これからは、好き勝手はさせない」、オバマ外交の全否定をして行くのでは。ただロシアとの関係がどこまで深く入っていくのかが分かりません。日本の対ロも米国の対ロも中国包囲網の一環と言う範囲であれば問題ないと思うのですが。

古森記事

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台湾・台北で行われた就任宣誓式の際に手を振る蔡英文新総統(2016年5月20日撮影)。(c)AFP/SAM YEH 〔AFPBB News

「一つの中国」に懐疑を唱える米国のドナルド・トランプ次期大統領の言動が米中関係に激震を招きそうな気配となってきた。

台湾の蔡英文総統との電話会談に始まったトランプ氏の米中間のタブーを破る動きは、当初は単なる思いつきともみられていた。だが、その後の展開によって、トランプ新政権が対中政策を根本的に変化させて強固な対決姿勢を打ち出そうとしていることが次第に明らかになってきた。

トランプ氏が12月2日に台湾の蔡英文総統と電話で語り合ったことは、ワシントンの政府関係者、外交関係者に大きな衝撃を与えた。1979年の米中国交樹立以来、両国関係の間では「一つの中国」の原則が保持されてきたからだ。

中国側の「台湾は中国の一部であり、中国を代表する唯一の合法政権は中華人民共和国である」という主張を米国も認識していた。だから、まだ大統領就任前とはいえ、米国の首脳が台湾の総統と直接言葉を交わしたことは前例がない。しかもトランプ氏はツイッターで蔡氏を「台湾の総統」と呼んだ。当然、中国側は「一つの中国」原則に違反すると解釈し、激しく反発した。中国政府はすぐに公式に抗議した。

米国でもオバマ政権は即座にトランプ氏のこの言動を批判し、「米国政府は『一つの中国』の大原則を尊重している」と言明した。トランプ陣営でもマイク・ペンス次期副大統領が「従来の外交政策からの逸脱ではない」と沈静化を図る説明をした。

ところがトランプ氏自身は、すぐにツイッターで「中国に命令されるいわれはない」と反発した。そのうえで「中国は、米国製品の輸入に高関税をかけたり、南シナ海で軍事基地をつくるとき、米国側の了解を得ただろうか」という疑問を提起した。中国が台湾総統との電話会談に抗議してくることが不当であると反撃したのである。

「なぜ『一つの中国』に縛られなければならないのか」

トランプ氏と台湾総統との電話会談について、当初、米国では、外交経験のないトランプ氏が米中関係の複雑な経緯や現実をよく知らないまま行動を起こしたのだろうという見方が一般的だった。

ところがトランプ氏は12月11日に、「米国はなぜ『一つの中国』策に縛られなければならないのか」という疑問を正面から表明した。

その結果、さらに大きな波紋が広がった。同氏は米国FOXテレビのインタビューで中国問題に触れ、「私は『一つの中国』政策を完全に理解している」と強調したうえで、「中国との間で貿易関係などでの合意が得られないならば、米国はなぜ『一つの中国』に縛られなければならないのか」と語った。

中国は貿易その他の摩擦懸案で米国の意向に反する行動を取り続ける。それならば、米国側も「一つの中国」政策を越えた対中対応があってもよいではないか、という指摘である。

中国政府は再度すぐに抗議の意を表明した。中国官営新聞の「環球時報」は「米中関係の基本を壊しうる危険な発言だ」として、トランプ発言を「子供っぽく、衝動的だ」と断じ、「トランプ氏は外交経験がないために対中強硬派の影響を受けやすい」と論評した。

トランプ陣営が明らかにするトランプ氏の本気度

だが、トランプ陣営の要人たちによるその後の説明によって、トランプ氏の一連の言動は、実は意外と深い計算や戦略に基づいている事実が明らかになってきた。

トランプ新政権は中国に対して、オバマ政権とはまったく異なる強固な姿勢をとり、米中関係の聖域とさえされてきた「一つの中国」の原則さえも打破しようとしている気配がうかがわれる。

トランプ陣営の枢要メンバーや同陣営に近い専門家たちは、ここ1週間ほどの間に、対中関係や台湾との関係、そして「一つの中国」策について、次のように発言した。

「トランプ氏は、民主的な選挙で選ばれた台湾の最高指導者からの儀礼的な電話に応えたに過ぎない。トランプ氏は大統領として全世界との関与を進めていく。その関与の仕方はあくまで米国が自主的に決める」(マイク・ペンス、次期副大統領)

「オバマ大統領は、多数の国民を殺したキューバの独裁者に接触してきた。一方、トランプ次期大統領は台湾の民主的指導者と接触しただけだ。新政権になって、中国に対する経済政策などは大幅に変わるだろう」(同)

「トランプ氏の台湾総統との電話会談は、トランプ新政権が新しい国際戦略を採用することを意味する。新政権が中国との関係を改善して、米国の労働者を守るようになることは明らかだ」(レインス・プリーバス、次期大統領首席補佐官)

「オバマ政権の台湾に対する扱いはあまりにひどかった。アジアの民主主義の灯台といえる台湾は米国からの武器供与を拒まれ、米国の同盟国やパートナーの間で軍事的に最も弱い存在となってしまった。トランプ新政権はこの状況を変えるだろう」(アレックス・グレイ、トランプ陣営防衛問題上級顧問)

「トランプ氏は中国側に『予測不可能』という認識を抱かせ始めた。台湾総統との電話会談はそうした対応の始まりであり、同時に実際の新対中政策の始まりだろう」(マイケル・ピルズベリー、ハドソン研究所中国研究部長)

「米国の歴代政権の『一つの中国』に基づく対中政策は、結果的に失敗だった。米国の国益は、経済面、政治面、安保面で中国に大きく傷つけられてきた。トランプ新政権が台湾との関係の復活をも含めて、まったく新しい対中政策をとろうとしていることは歓迎すべきだ」(ジョン・タシック、元国務省中国担当官)

以上のような発言から、トランプ新政権が中国に対して、年来の「一つの中国」原則を変えることまでを含めて大胆な新政策を打ち立てようとしている構図がかなり明確となってきたと言えるだろう。そうなると、日本への影響も重大となることは必至である。

富坂記事

トランプ次期米大統領は先ごろ、中国の経済・軍事政策をツイッターで批判した。  「中国が(米企業の競争が厳しくなる)通貨切り下げや、中国に入る米国製品への重い課税(米国は中国に課税していない)、南シナ海の真ん中での大規模な軍事複合施設の建設を、われわれに了解を求めてきただろうか。そうは思わない」  大統領選の期間中にもトランプ氏は中国をターゲットに過激な発言をしていたが、この時期の発信となれば中国が敏感に応じるのではないかと、関係悪化を懸念する声が世界に広がった。  中国の頭をアメリカが押さえつけてくれることを期待する日本だが、この発言にはさすがにもろ手を挙げて喜ぶ声は聞こえてこない。  それはアメリカがたとえ中国と衝突することになったにせよ、結果は必ずしも日本の国益とは結び付かないということを日本人はトランプ氏のこれまでの発言から学習しているからなのだろう。  トランプ外交の船出前の功罪を言うならば、これは「功」だ。日米の利害は、ことアジアにおいても必ずしも一致するわけではないことを、国際社会の非情さを忘れた日本人に痛感させる良い機会であったと思われるからだ。  例えば、「中国製品に45%の関税をかける」としたトランプ氏の発言だが、これは単純な米中摩擦ではないことは、中国がいま「世界の工場」と呼ばれている現実を見れば明らかである。  少し前の日中の貿易構造にこれを当てはめればどうなるだろうか。  日本は対中貿易の絶対的な勝者で、そこには中国がEUやアメリカに製品を輸出して黒字を積み上げれば積み上げるほど日本から部品を調達して対日赤字を積み上げる構造であった。  同じことは中国に工場を大量に移した国のすべてにも当てはめることができる。それは日本の輸出品の競争力が対ドルの円レートよりもウォンやバーツとの比較の方が重要になっていった変化にも重なるものだ。

話を経済から外交に戻せば、トランプ氏は当初から米国と諸外国との関係に「予測不能性」を持ち込む必要性を公言していたので、対米外交に変化が持ち込まれるとの警戒感は各国にあった。  だが、現状を見る限りトランプ外交の中身は、発言が具体的になればなるほど「素人外交」としての色彩が強まっているといわざるを得ない。  それがよく分かるのが冒頭の発言である。なかでも南シナ海に関するものがそうだ。  私は新著『トランプvs習近平』(角川書店)のなかで、南シナ海は単純にフィリピンやベトナムと中国の争いではなく、米中の代理対決が背後にあると指摘してきた。それに対し批判も多かったのだが、今回トランプ氏は自らそれを堂々と言ってしまっているのだ。  オバマ政権が巧みに隠していた実態をこうも簡単にさらしてしまうのは、素人であるからに違いない。だが、だからといってアメリカが中国にとって御しやすい相手になるかといえば、そうではない。むしろ逆になる可能性が出てきたといわざるを得ないだろう。

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『中国の若者は「君の名は。」のどこに共感するか 「金メダル」と「BL」と「村上春樹」と「孤独」と』(12/14日経ビジネスオンライン 福島香織)について

中国人社会は何時も言っていますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言うものです。福島氏がいみじくも言っていますように、中国は「人は騙し騙されるものだという前提の社会で、安易に共感しては身ぐるみをはがされてしまう。文化大革命時代などは、家族や夫婦の間ですら裏切りが普通にあった。人はまず疑え、というのが中国人が生きていく上で必要な感覚である。」というのが中国人を理解するうえで大事なポイントです。

岡田英弘氏の『妻も敵なり:中国人の本能と情念 』の中の「中国人・・・妻すら敵と考える民族。なぜ彼らは自分以外の人間を信用しないのか」という部分には<数千年もの間、あの広大な大陸に存在していたのはばらばらの 「個人」 のみ。住民にとって頼りになるのは自分だけ、自分を守ってくれるような国家も民族もなかったから、というのである。 「他人はすべて敵、油断をすればいつ寝首を掻かれるか分からないという考えが、中国人のメンタリティの中に牢固として根ざしている>とあり、一番自分の弱みを知っているのが妻だから、最大の敵は妻という発想です。不信社会もここに極まれりと言ったところでしょう。

文化大革命時には、親を密告・売った子供が沢山いました。紅衛兵を動員した毛沢東のせいです。判断力の劣る子供たちを使って権力闘争するのですから、毛のあくどさが分かろうというもの。二本松少年隊の健気さとは対極にあります。

経済格差が激しいものの、90年代辺りから中国は経済発展し、今や公称GDP世界第二位(米国:18037、中国:11182、日本:4124、ロシア:1320(世界12位、韓国の下)、中国のGDPの数字は信用できませんが)となりました。経済的に豊かになれば中国は民主化するとアホな米国人は思ってきたみたいですが、余りに中国人のことを知らなさ過ぎです。

中国人は自分達の政府が如何に嘘を吹きまくって来たか考えれば分かるでしょう。SARSや新幹線事故の時も隠蔽しようとして、人命を疎かにしようとしました。そんな政府の主張する「南京」や「従軍慰安婦」について、もっと真剣に調べれば良いでしょう。日本人も騙されてばかりいないように。

ただ、豊かになり、ある程度ネットで情報が取れるようになると、若者の考え方も変わっていく可能性はあります。

記事

北京にいく飛行機の中で、この秋の話題の映画「シン・ゴジラ」と「君の名は。」を遅ればせながら見た。「シン・ゴジラ」については、ノンフィクション作家の関岡英之さんから「すばらしい」と強く勧められていたので期待していたのだが、「君の名は。」については使い古されたテーマの焼き直しと軽くみていた。

結果からいうと「シン・ゴジラ」も面白かったが、「君の名は。」の方が印象深かった。陳腐な言い方だが癒しを感じた。アニメという絵の世界であることもあって、普段私たちが見ている東京の街並みや山村の日常がこれでもかというほど美しく、このささやかながら美しく愛おしい日常が突然奪われる喪失の深さに自然と思いをはせた。

実写では人や車で混雑した東京がここまで美しく描けるかわからない。「シン・ゴジラ」も「君の名は。」も東日本大震災が原点にあり、その喪失感を取り戻そうとする人の希望を描こうとした映画だとしたら、日本のこまった政治状況を揶揄することに前半重点をおいた「シン・ゴジラ」よりも、かけがえのない日常を美しく描くことに力を入れた「君の名は。」の方が「共感」力はあるだろう。

ところで、この日本人的「共感」というのは中国人に通じるのだろうか、とふと思った。おりしも、12月2日から中国で「君の名は。」が異例のスピードで公開され、歴代アニメ映画の中ではウォルトディズニーアニメーションスタジオが制作した3Dアニメ「ズートピア」や香港カンフー映画をモチーフにした米国の3DCGアニメ「カンフー・パンダ」あるいは日本の国民的アニメ「STAND BY MEドラえもん」に迫る勢いで興行収入を伸ばしているとニュースになっていた。

「99%あり得ない」格差の壁

そう思ったのは、中国人と日本人の共感ポイントは、実はかなりずれている、と常々感じていたからだ。「君の名は。」は大都会・東京のど真ん中で暮らす男子高校生と現代の秘境と呼ばれる飛騨の山村の女子高生の恋物語であるが、普通に考えて、中国の上海や北京戸籍の重点高校に通うような都会の少年と、四川や雲南の寒村に生まれ育った少女が偶然出会ったとして、恋に落ちる可能性があるだろうか。そもそも、言葉は通じるのか。リアルな視点でいえば、おそらく99%の中国人があり得ない、というだろう。中国人の社会階層における差別感は日本人が想像するより厳然としており、それを乗り越えるラブロマンスがなかなか成立しがたいほどに根深い。

思い出すのは中国の著名映画監督、張芸謀がかつて無名だったころの章子怡(チャン・ツィイー)を主演に撮った「初恋のきた道」という映画(1999年)。これは国際的には高く評価されベルリン国際映画祭で銀熊賞も獲得したのだが、中国では上映されても全く人気がでなかった。実際、中国の映画館で中国人と一緒にこの映画を見た人に聞くと、日本人には理解不能な場面で大爆笑するのだという。

例えば、田舎娘を演じる章子怡があこがれの都会から来た青年教師に会いたくて必死に走るも、道の真ん中ですてん、とこけるシーンとかで爆笑がおきるのだという。なぜ笑うのか、と聞くと、単純に必死で走る女の子のこける姿が面白いから、笑う。あるいは美人女優が小汚い田舎娘の扮装をしているのが面白いから笑うのだという。好きな人を思って必死に走る少女に感情移入する、ということは99年当時の映画館の大衆にはなかったようである。

感情移入できる人物が少ない

私のあまり多くはない中国小説読書体験からしても、中国の小説には日本人読者に共感を訴えるものは少ない。例えばノーベル賞文学賞を獲った莫言やフランツ・カフカ賞を獲った閻連科、彼らと並ぶ小説の名手・余華の作品は物語の壮大な構成力と実験的な文体筆致で読者を圧倒するが、登場人物の一人ひとりに素直に感情移入することは難しい。

登場人物はどこか尋常ではなく、こうした小説を読んで理解するのは中国社会の無情さや残酷さや不条理、奇怪さ、複雑さであり、あまり救いがなく、希望もなく、その中で生きてゆく中国人の強さというものに感慨を覚えても、それは共感とはちょっと違う。彼らの小説の読後は、カタルシスよりも、むしろ何とも言えぬ後味の悪さにとらわれることの方が多い。もちろん、彼らの作品にも情感の漂うものも多々あるのだが、中国人読者自身がそうした作品を小品と評価しがちである。

大衆小説にしても、素直に感情移入できる人物というのはなかなか少なくて、例えばテレビドラマにもなった六六のベストセラー小説『上海、かたつむりの家』(邦訳、プレジデント社)の登場人物にしても、中国の庶民小説の名手といわれる劉震雲の『盗みは人のためならず』(邦訳、彩流社)にしても、なるほどこれが中国人か、という描写にうならされるも、やはり感情移入はできないのである。

こういった話を、中国で発行されている日本テーマ雑誌「知日」の編集者に話してみると、彼女も同じ感想をもっていたようで「中国人はもともと他人に共感しにくいから」という。人は騙し騙されるものだという前提の社会で、安易に共感しては身ぐるみをはがされてしまう。文化大革命時代などは、家族や夫婦の間ですら裏切りが普通にあった。人はまず疑え、というのが中国人が生きていく上で必要な感覚である。

とりあえず「金メダル」

そのような社会で生きている若者たちが「君の名は。」のような物語に果たして、素直に共感できるのだろうか。この問いに編集者は「中国人は“金メダル”が好きなんだよ。日本で、記録的ヒットを飛ばしている映画だという前評判を聞いて、とりあえず見てみよう、という人が多いのではないか」ということだった。

確かに無意識の差別や偏見を戒める子供向け3D映画「ズートピア」が、差別や偏見がシステムとして存在し、多くの市民に肯定されている中国社会でアニメ映画として一番のヒット作品となるのは、話題作だから見てみよう、という「金メダル」志向の中国人の性格のせいだ、といわれるのが一番納得できる。

中国では、改めて説明するまでもなく、農村戸籍と都市戸籍の差別がシステムとして存在している。最近では納税額や投資額、犯罪や規則違反による加点減点によって、個人の社会信用度をスコア化して差別化するシステムも導入されはじめている。この新たな社会信用システムは2020年に完成される予定で、ブラックリスト入りした市民の名前をネットサイトで公開するといったことが既に一部都市で行われており、それを多くの市民は、中国人のモラルの低さはこのくらいしないと直らないと受け入れている。

中国人が「君の名は。」をどう見ているのか、確かめるために12月半ば、北京の西単にある映画館で中国語吹き替えバージョンを実際見て、中国人観客の反応を観察してみることにした。

公開からすでに一週間過ぎていたこともあり、また平日の昼間ということもあって館内は意外にガラガラだった。その少ない観客からは時折、笑い声が上がったが、クライマックスで私のように涙にくれているような人は見かけなかった。上映が終わってエンドロールが流れ始めると、みな余韻に浸ることもなくさっさと席を立って帰っていった。

足早に返ろうとする20歳代ぐらいのカップルに「面白かったですか?」と尋ねると、「面白かった! 日本に行きたくなりました!」と明快に答えてくれたが、泣けたか、というと泣くほどではなかった、という。この映画の感想などをSNSなどで拾ってみると、純粋に男女入れ替わりのドタバタが面白い、という喜劇的要素に反応する声が多かったように思う。次に、日本の風景が美しい、旅行にいってみたい、という反応が目についた。もちろん、時空も身分も超えた初恋という部分がいい、後半30分は泣いた、という声もあるのだが、私と同世代の友人などからは「これ、中国では成立しない物語だよね。都会の男子と地方の農村娘との恋愛なんてありえない」と冷静な意見もあった。

存在感示すライトノベルや「BL」

ただ、もう少しいろいろな世代の人に聞いていくと、80年代生まれ以降の若い世代とそれ以前の世代の間には、日本人と中国人以上に大きな感覚の差異がある、という意見もある。

「80后以降の若者は小さいころから、日本のアニメ、漫画、ドラマに慣れ親しんでいる。90后以降になるとインターネットでほぼリアルタイムで日本のアニメなどを視聴しているので、老世代にはなかった日本人とあまり変わらない恋愛観などは養われている」という人もいる。

そういう傾向が見えてきたのは、日本映画の「Love Letter」(1995年)の異例のヒットあたりからで、この映画以降、中国でも純愛をテーマにした映画や小説などの創作物は確かに増えていた。もっとも中国における純愛創作物モデルは、長い間途絶えていたので、90年代後半から今に至るまで、映画からネット小説にいたる若者の純愛もの創作物の多くは日本の小説や映画や漫画、アニメの影響を感じる。

典型的なのは中国ネット小説界で存在感を示すライトノベルやBL(ボーイズラブ)と呼ばれる青少年同士の恋愛もので、これは明らかに日本のライトノベルや同人誌の創作作法を踏襲している。BLに関していえば、中国の伝統的家族観や共産党的価値観によって虐げられている同性愛を障害を乗り越えて成立する純愛もの、あるいは成立しない悲恋ものとして、むしろ日本よりも感動的な作品が多いくらいだ。中国人にとっては、戸籍や生活レベルの差異を乗り越えた都会っ子と農村少女の恋愛よりも、同じ大学で同室になった同性の学友との恋愛の方が条件的に成立しやすく、共感を呼びやすいのかもしれない。

話を「君の名は。」に戻すと、村上春樹的である、という意見もあった(監督の新海誠自身が村上春樹が好きだとインタビューに答えているようだ)。

百度百家というサイトに寄稿されていたあるコラムは村上春樹の短編小説『四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて』や『ノルウェイの森』『ダンス・ダンス・ダンス』に通じる共感点について深く考察している。

新人類たちの「孤独」を癒す

いうまでもなく村上春樹は中国の外国翻訳小説の中で異例のロングセラーを誇る日本人作家である。彼の小説が中国で受ける理由の解釈は、天安門事件後の喪失感、傷心に対する癒しを求める若者層に受けた、高度経済成長で形成されたおしゃれな都市生活へのあこがれを体現している、といったものが主流だが、それに加えて最近は、小説に流れる孤独感が、80后以降の孤独感と共通する、と言われている。

このコラムでも次のような指摘がある。

「(「君の名は。」の)細かい描写、情景は実に観客を知らず知らずに現実から超現実に催眠術のように引き入れる寓意的物語である。作品の現実性というのはリアリズムと同じではない。しばしば相反し、細部がリアルであるほど、観衆は寓話的超現実を信じ込める。そうして物欲世界を異化した背後にあるのが、いわくいいがたい現代人の孤独感である」「村上春樹のファンである新海誠監督もまた、繁栄した都会の中の孤独の情緒を描くのに優れている」

「孤独」は、今、中国の若者がもっとも反応する情緒的キーワードの一つだ、と言われる。かつて一人で食事をすることなど考えられなかった中国人の生活だが、今は一人用の食事を提供する中華料理店やチャイニーズファストフードが増え、若者が一人で食事をする風景が普通にある。一人っ子政策時代の若者には兄弟姉妹がなく、厳しい受験競争の学生時代では恋愛どころか友情を築くのもままならない。そんな若者が社会に出れば、コミュニケーションの仕方すらわからない。農村から都市に出稼ぎにきた若者は、誰にも心を開けずに単調な労働にあけくれ、疲弊する。そういう寂しい中国の若者にとって、どこか遠いところに、時空を越えて運命的につながっている名も知らぬ異性がいるのだ、という物語には癒しを感じるのは当然かもしれない。

そう考えると、この広い中国には、中国人同士で信じあえず、疑いあう一方で、日本の創作物のほうにむしろ共感を覚える若者は、少数ながらも徐々に増えているともいえるかもしれない。中国社会はますます、人を信用しないことを前提とした密告システム、ブラックリストシステム、差別化システムを導入し、まるで『1984年』(ジョージ・オーウェル著)のビッグブラザーに監視された社会を彷彿とさせる。そうした中国の厳しい社会になじめない若者たちは、今後どうなっていくのか。淘汰されるのか、それとも中国を少しずつでも変えていく力になっていくのか。

私の考えをいえば、より多くの日本の創作物がそうした中国の”新人類“たちに届けば、多少なりとも彼らを力づけるエールになるのではないかと思っている。

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