『トランプ政権の保守本流化を後押しする3人の女性 新たな専門家の採用で共和党の伝統的な政策へ?』(5/6JBプレス 古森義久)、『「トランプ外交が変節」は大きな間違いの理由 「やっていること」を見よ!北朝鮮先制攻撃もあり得ない』(5/5部谷直亮)について

仏大統領選では、番狂わせはなくマクロンが勝利しました。反EU、反移民は受け入れられませんでした。これで仏はまた独の風下に立ちます。まあ、マクロンも支持基盤となる政党を持たない大統領ですので、議会対策をどうするのかで苦労するのでは。来月には議会選もあるようですし。

トランプについて如何にマスメデイアが間違って報道してきたかです。メデイアを鵜呑みにするのは危険という証左です。日本でも捏造の得意な朝日新聞や、海外に英字で日本の変態さ(多くはでっち上げ)を報道してきた毎日新聞とかを見れば、如何に国益を損ねる報道をしてきたかが分かります。日本や日本人を貶め、日本をデイスることで、日本から自信を奪い、弱体化させ、中国や朝鮮半島の言いなり、もっと言えば赤化させ、中国の属国にしようとする勢力の手先になっています。TVも新聞系列ですので同じです。ただ、産経とフジは毛色が違いますが。労働組合が強い所の経営はダメになるという典型でしょう。NHKだって上田哲が力を持ってからおかしくなったわけです。

朝日は押し紙が32%という「FACTA」の記事がありました。わざと事実と違ったデータを基に、広告主に高い広告料を払わせて来ましたので、間違いなく詐欺です。訴訟を起こせば良いのに。左翼は平気で嘘をつきます。嘘つきは左翼の始まりです。レーニンのメンシェビキがボリシェビキであると嘘を言って天下を取ったように。でも騙される方も騙される方です。自分に実害がないと思っているから簡単に左翼の言うことを信じてしまう訳です。中国に何年か住み、大衆と暮らせば、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というのに気付くでしょう。まあ、中国は左翼の影響だけでなく、民族的特質でもありますが。

朝日新聞「押し紙率32%」に愕然

3部に1部(209万部)が配られないまま毎日廃棄される!「販売局有志」が社内資料を暴露。

朝日新聞の発行部数の32%に当たる209万部超が毎日読者に配達されないまま廃棄されている――。同社の「販売局有志」が昨年、経営上のガバナンスが欠如しているとして取締役会を告発した内部文書と付属の資料で、同社の「押し紙」の衝撃的な実態が明らかになった。本誌が入手した朝日の内部文書によると、2016年の発行部数は654万部。押し紙が大部分を占める「残紙」の割合は32%で、実際に読者に配られている実売部数は444万7千部だった。毎日印刷される新聞紙のうち、実に3部に1部が配達されずに古紙回収業者を通じて処分されていることになる。3月30日には衆議院の消費者問題に関する特別委員会で押し紙問題が取り上げられ、公正取引委員会は「独占禁止法に基づく厳正な対処」を改めて表明した。明らかになった朝日の押し紙の実態は今後の論議にも一石を投じそうだ。

実売部数は444万部

押し紙とは、新聞社が新聞販売店 ………>(以上)。途中ですがFACTA会員でないと読めませんので。一日でも早く朝日が潰れますように。

日本にもトマホークの配備をという記事がZAKZAKにありました。しかし、軍産学協同の軍事研究を左翼が妨害しています。日本学術会議のような共産党に乗っ取られた組織が足を引っ張ります。軍事的安全保障研究と学術に関する声明を先日出しましたが、法政大学が委員長を出し、女学長ともども赤化した大学という印象を持ちます。どこの大学でも似たり寄ったりなのでしょうが。一番悪いのは東大を頂点とした権力構造でしょう。法学部出身者が、司法部門や官界や学会に居て、憲法改正反対の論陣を張ります。司法試験や公務員試験に通るためには、宮澤俊義の憲法学を学んで、その通り回答しなければなりません。一種の刷り込みです。杉原誠四郎氏に依れば、宮澤は3度変節したとのこと。「美濃部達吉の弟子で天皇機関説、次には神勅主権主義、8月革命・国民主権主義」と。如何にご都合主義で生きてきたか。そんな輩の学説を後生大事に守らないといけないというのであれば、東大出身者の頭の程度も分かろうというものです。ま、辰野隆(東京駅を造った辰野金吾の息子)が法学は当て嵌めの学、訓詁の学と言うので、卒業後仏文へ移ったのは有名な話です。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170507/frn1705071000002-n1.htm

http://dwellerinkashiwa.net/?p=3641

トランプの「言っていること」ではなく、「やっていること」に注視せよというのはその通りでしょう。煽情的なトランプバッシングを見るのではなく、行動の合理性から判断せよとの意味です。確かに今すぐは打撃群が少ないため北朝鮮への攻撃はないでしょう。でも配備が整えばやるかもしれません。というか金正恩が降りない限りはやると思っています。ただ、条件が0か100かになるかは分かりません。どこかで妥協はするかも。それで、長い歴史を保ってきた日本を滅ぼさないように、相応の軍事力を持つようにしませんと。軍事に無関心、自分だけが良ければ良いという事では、国民の義務を果たしたことになりません。憲法上の意味で言っている訳ではありません。民主主義の形をとるのであれば、国民が国防にも責任を負わないといけないという意味です。

古森記事

米ペンシルベニア州ハリスバーグで、大統領就任100日目に当たり集会を開いたドナルド・トランプ大統領(2017年4月29日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

米国のトランプ政権が発足してから4月末で100日が経った。この100日という日数に特別な意味はないが、トランプ大統領自身は多くの政策を100日以内に着手あるいは実行すると宣言していた。

その中で100日目時点でのトランプ政権の外交政策をみると、当初の予測よりも現実的で伝統的な政策をとっていることがうかがい知れる。日本をはじめ同盟諸国にとってはひとまず安心できる傾向だろう。

トランプ政権のこうした保守主流の外交政策への傾きは、国家安全保障会議(NSC)の最新の人事をみても確認できる。トランプ政権がNSCの枢要ポストに共和党系保守主流の専門家3人を新たに採用したのだ。

3人はいずれも女性で、ジョージ・W・ブッシュ政権の安全保障部門で活躍し成果をあげてきた専門家である。彼女たちの起用は、トランプ政権の対外戦略が保守本流の伝統的な政策にさらに重きを置くようになる予兆だとも言えそうだ。

3人の起用が注目を集める理由

トランプ政権は4月に入って、ブルッキングス研究所 上級研究員のフィオナ・ヒル氏をNSCのロシア・欧州部長に任命した。さらにヘリテージ財団 上級研究員のリサ・カーティス氏をNSCの南アジア・中央アジア部長に任命、そしてスミスリチャードソン財団 上級研究部長のナディア・シャドロウ氏を同戦略研究部長に任命したことを発表した。

NSCは大統領に直結し、安保政策や対外戦略を統括する重要機関である。国務省、国防総省、中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)、米軍統合参謀本部など、安全保障や外交、戦略に関わる政府各部門を総括し、最終的な政策を決めて、大統領に報告する枢要の機能を果たしている。

NSCの高官は国務省や国防総省の高官とは異なり、その任命を議会で承認される必要がない。任命されればすぐにでも活動を始められる。これらの人事は、国家安全保障担当大統領補佐官でNSC事務局長役を果たすH・R・マクマスター氏が主体となって決められた。

3人の起用は以下の諸点で専門家筋から大きな注目を集めた。

・3人ともワシントンなどの大手シンクタンクに所属する主流派の専門家である。 (トランプ政権はこれまでワシントンの研究機関の既成や著名な安全保障専門家をほとんど採用せず、むしろ避けているような印象があった。)

・3人ともブッシュ元政権に勤務した保守志向の主流派の学者である。 (トランプ政権は保守志向だが、これまでの共和党政権ですでに実績を積んだ学者や専門家をほとんど採用してこなかった。)

・3人とも政策面では、共和党主流のきわめて堅実な現実主義者として知られてきた。 (トランプ政権がこれまで起用した高官は、保守派であっても共和党全体の中では過激で極端あるいは未知の人材がほとんどだった。)

ロシアとの対決を辞さない?

フィオナ・ヒル氏(ブルッキング研究所のサイトより)

3人の女性のなかでもとくに注視されるのはロシア専門家のフィオナ・ヒル氏だろう。

ヒル氏はジョージ・W・ブッシュ政権の国家情報会議でロシア問題を担当し、『クレムリンの策謀家・プーチン氏』という著書でプーチン大統領の政治的手腕について厳しく分析している。同書ではプーチン氏を「ロシアを守るためには脅迫も事実の歪曲も辞さない人物」と批判的に評していた、さらに米国とロシアの間には大きな利害の差異があり、摩擦は避けられないとも記していた。

トランプ政権がそのヒル氏をNSCのロシア担当責任者としたことは、ロシアとの対決を辞さないという構えを予感させる。

リサ・カーティス氏は保守大手の研究機関ヘリテージ財団でオバマ政権の対アフガニスタン、対パキスタンの政策を手厳しく批判してきた。ブッシュ政権では国務省やCIAで南アジアを専門として政策形成にあたってきた。カーティス氏も保守志向が明白だとされる。

リサ・カーティス氏(ヘリテージ財団のサイトより)

ナディア・シャドロウ氏は戦略理論の専門家としてブッシュ政権国防総省の国防政策会議の委員を務めた。民間では大手研究機関の外交関係評議会の研究員を経て、保守系シンクタンクのスミスリチャードソン財団に転じた。

シャドロウ氏はイラクやアフガニスタンでの米軍の戦争と国づくりを論じた『戦争と統治の技巧』という著書で高い評価を得た。トランプ政権のNSCでは新たな戦略指針の作成に当たるという。

実績を買われた3人

ナディア・シャドロウ氏(フォーリン・ポリシー・リサーチ・インスティテュートのサイトより)

保守系の安全保障や防衛の専門家の中には、日米関係で知られたマイケル・グリーン氏のように大統領選挙戦中にトランプ氏を批判し、トランプ政権には絶対に参加しないと宣言した人物も多かった。

彼女たち3人はそうした動きには加わらなかったが、大統領選中にとくにトランプ氏への支持を表明していたわけでもない。その点では、3人とも実績を買われての起用という側面が強い。

これまで、トランプ政権が大手シンクタンクから直接に人材を登用するという例は非常に少なかった。そのため、今回の人事は、トランプ政権が安全保障や外交面で保守系主流派の積極採用へと舵を切り、政権の対外政策も共和党の伝統的な方向へ向かうのではないかという観測を呼んでいる。

部谷記事

トランプ政権の外交は変節を遂げたのか?米駆逐艦ポーターが地中海から行ったシリアへのミサイル攻撃。米海軍提供(2017年4月7日撮影)。(c)AFP/US NAVY/Mass Communication Specialist 3rd Class Ford Williams〔AFPBB News

シリア攻撃以降、トランプ外交をめぐる評価が急変した。例えば、安倍首相へのインタビューでも知られるワシントン・ポストのコラムニスト、デヴィッド・イグネイシャス氏は、それまでの罵倒から一転してトランプ大統領を褒め称えるようになった。

こうした米国のメディアや専門家の“転向”に乗じるように、我が国でも「トランプは孤立主義者から積極的関与主義になった」という見方が出てきている。最近の「米国は北朝鮮をすぐにも攻撃する」という報道や解説はその典型だろう。

だが、本当にそうだろうか。筆者は、トランプ自身の基本的な外交ドクトリンは首尾一貫して合理的であり、当初から今に至るまで少しも変化していないとみている。

トランプ大統領の一貫した外交戦略

その事実はトランプ政権に高い影響力を持つ専門家からも指摘されている。

大統領選期間中からトランプとそのチームにアドバイスしてきた人物の1人にジェイムズ・カラファーノがいる。カラファーノはトランプ政権に絶大な影響力を持つ「ヘリテージ財団」の外交・国防政策担当副所長であり、トランプ政権移行チームの国務省作業部会に所属して国務省の人事も差配した。

そのカラファーノが4月20日のナショナルインタレスト誌で「トランプ大統領は一貫した外交戦略を持っている」という趣旨の論説を掲載した。概略は以下のとおりである。

*  *  *  *

トランプ外交の変節を指摘する声が高まっている。CNNもブルームバーグもワシントン・ポストも180度転換したと表現する。孤立主義からネオコンへ転向しつつあると見なす専門家もいる。

だが、私はそうした見方を取らない。トランプ大統領の外交戦略に何ら変化はないのだ。

この12週間の間、トランプ政権は中国やロシアとの首脳会談、対シリア・北朝鮮政策など複数の問題を巧みに処理してきた。いまやトランプの国家安全保障チームの熟練と経験は疑うべくもない。だが、政権の対応は純粋にトランプ的であり、アドバイザーやスタッフの能力や意図を超えた動きである。

トランプ大統領のツイートなどを参考に、彼の外交防衛政策を理解しようとするのは愚かなことだ。トランプ政権の外交安保政策の方向性を理解するには、「言っていること」ではなく、ホワイトハウスの「やっていること」、そして彼の世界観に焦点を当てる必要がある。そうすることによって、ブッシュやオバマよりも一貫性のある外交防衛政策が浮かび上がってくるのだ。

トランプは決して孤立主義者ではない。彼は、米国はグローバルな利益を持つグローバルパワーだと認識し、米本土に閉じこもっていてはその利益を促進し保護することはできないと考えている。そして、そのために志を一にする諸国との協力が必要であるとみている。これは過去の大統領たちとなんら変わりがない。

トランプとその同志は、国連やEU、IMF、世界銀行などのグローバルな官僚主義を批判する。一方で、強く活気があり、自由で裕福な主権国家という強固な基盤こそが国際秩序の要であり、物事をより良くしてきたと見なしている。それは、これまで米国が掲げてきた普遍的な価値観に他ならない。

トランプ大統領の言動を見ていると、外交の戦略目標はかなり明確だ。欧州、アジア、中東という3地域の平和と安定の確立である。その目標に向けて、トランプはハードパワーとソフトパワーを問わず、全ての手段を活用する。

ただし、過去の政権と異なり、国連等の国際組織ですべての国際的問題を「解決」しようとはしない。米国と友好国や同盟国の問題を少しでも「緩和」しようと考えている。

そして、トランプは「侵攻と撤退の間」を歩いている。その狙いは、欧州・アジア・中東での永続的なプレゼンスの確立である。つまり、一貫してその地域で影響力を活用し行使し続けることだ。

中東での最近の活動は好例だろう。シリア攻撃はシリアでの政権交代や国家再建の前触れではなく、「難民をこれ以上発生させず、イラクの崩壊を防ぐ米国の努力を妨げることなく、イスラム国を打倒すべし」というアサドへの警告だった。アジアと欧州も同様である。中国とロシアの指導者は最近の会談の結果、トランプの要求の真剣さを受け止めて行動している。

ただし、こうした戦略にいくつかの問題があることも事実だ。大統領がこれらの障害を潜り抜け、戦略的指導者として米国を導くことができるかは不明である。だが、少なくとも国内の反対者が思っているのとは違い、明白にこうした戦略に向けて前進しようとしていることは間違いない――。

*  *  *  *

カラファーノの指摘の4つの意義

以上のカラファーノの指摘は、4つの点で大きな意義がある。

第1に、カラファーノが、トランプ政権に対して多大な影響力を発揮するヘリテージ財団の研究員であるという点だ。

いまやワシントンでは、CSISやAEIといったシンクタンクの存在感は没落し、ヘリテージ財団の勃興が著しい。CSISなどのシンクタンクはトランプ政権移行チーム及び閣僚・スタッフとしてまったく参画できず、ほとんどヘリテージ財団の独壇場となっている。

また、ヘリテージ財団には、トランプ大統領の最大の資金援助者であり、バノンやコンウェイを配下とするレベッカ・マーサが、理事&スポンサーとして所属している。ペンス副大統領もヘリテージ財団の影響下にある。

ヘリテージ財団の政策への影響力の大きさは明白だ。実際、3月27日のワシントン・ポストが指摘しているように、トランプ政権初の予算教書は、ヘリテージ財団が2016年に策定した政策提言「バランスの為の青写真:2017年度連邦予算」そのものであった。要するに、ヘリテージ財団が米国政府の予算案を事実上決めているといっても過言ではないのである。

しかもホワイトハウスの国内政策評議会には副会長を筆頭に多数のヘリテージ研究員が入り、各種政策を担当している。また、トランプ政権は中東への軍事介入を深めているが、ヘリテージ財団の研究員は1月の段階で「トランプ政権は難民を救うためにシリアに軍事介入する」と明言していた(参考「トランプは入国禁止令の裏で『宣戦布告』していた」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49107)。

以上の点から、カラファーノの論説は、トランプ政権が実際に政策を立案する際の外交戦略のロジックとして受け止めることができる。

第2の意義は、「言っていること」ではなく「やっていること」から「何を考えているか」を読み解くことの重要性を訴えている点だ。

政治家や政策担当者は、しばしば「言っていること」「やっていること」「考えていること」の矛盾に陥る。これは複雑な現実の問題をポリティカルコレクトネスや米国なり自らなりの利害関係に配慮しながら処理したり、棚上げしたりしなければならないからである。それはトランプ自身にも当てはまる。

その意味で、そろそろトランプの一言一句に振り回されたり、いちいち揚げ足取りをするのではなく、誰と何回電話会談をしたのか、どのような大統領令を出したのか、どのように部隊を配置しているか等、「やっていること」を元に考えるべきであろう。少なくとも、カラファーノはそう指摘している。

日本国内の一部の米国分析は得てしてオバマやトランプの発言ばかりに振り回され、実際にやっていることを見ない。前回指摘したように北朝鮮への先制攻撃はまず現時点ではありえないが、それをあり得るとするのは「言っていること」しか見ていないからである。

第3は、トランプ大統領が反官僚主義のグローバリストであることを指摘している点だ。

これは、保守派ならではの重要な指摘である。というのは、米国の保守派は、基本的に反中央集権・反官僚主義の「小さな政府」を信奉している。これを国際関係に当てはめれば、国連やEU等は「唾棄すべき官僚主導の中央政府」でしかない。その意味で、ペンス副大統領を筆頭とする米保守派、そしてトランプ大統領は、官僚組織による中央集権ではなく、主権国家同士の協力を重視し規制緩和を推進するグローバリストなのである。この文脈を理解すれば、トランプ政権がTPPのような官僚主義的枠組みではなく、自由主義的な日米FTAを望むこともよく分かるはずだ。

第4は、トランプ政権が「侵攻と撤退の間」の政策を採用しているとの指摘だろう。つまりトランプ政権は、軍事力を行使せず威嚇による強制外交を基本手段としており、全面戦争は基本的に回避しようとしていることを意味する。この点からも、全面戦争につながりかねない北朝鮮への先制攻撃は、近い将来においてはあり得ない(参考「空母を見れば明らか、米国の北朝鮮攻撃はまだ先だ」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49758)。

いずれにせよ、トランプ政権に一貫した戦略のロジックがあることをそろそろ認めるべきだ。我が国も、北朝鮮を突如先制攻撃するというようなあり得ない幻想に惑わされることなく、落ち着いて彼らの世界観に喰いこむような対米政策こそが求められていよう。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中朝一触即発!北国営メディア名指し批判に中国も反論「無謀な妄動がもたらす最悪の結果を熟慮しろ」』(5/6ZAKZAK)、『見えてきたポスト習近平 背後に胡錦濤派と習近平派の暗闘が…』(5/5石平メルマガ)について

5/6産経ニュース中国、米太平洋軍司令官の更迭要求 北朝鮮圧力の見返り

中国の習近平指導部がトランプ米政権に対し、核・ミサイル開発を進める北朝鮮への圧力を強める見返りとして、米中が対立している南シナ海問題などで対中強硬姿勢を示すハリス米太平洋軍司令官(海軍大将)を更迭するよう求めていたことが6日、分かった。米中関係筋が明らかにした。

ハリス氏は日系米国人。先月、原子力空母カール・ビンソンに北朝鮮付近へ向かうよう命じるなど、太平洋地域の安全保障の実務をつかさどる。主権国にとって軍司令官人事は内政の重要事項で、他国が更迭を求めるのは外交上極めて異例だ。

4月6~7日に米フロリダ州で行われたトランプ氏と習国家主席の初首脳会談に合わせ、中国の崔天凱駐米大使が米側に要求を伝えた。また経済関係についても、トランプ政権に対して中国の「為替操作国」認定を見送るよう求めた。

トランプ政権側は更迭要求を拒否したとみられる。(共同)>(以上)

北朝鮮に対する結果も出していないというか、トランプ・習会談の時に崔大使が要求したというのですから、思い上がりも甚だしいでしょう。それのトランプの答えが習の面前でのシリア攻撃伝達だったと思われます。本当に中国は外交非礼と言うか、ダメモトで何でも言う国です。洗練されていません。しかし、日本のひ弱な外務省と比べれば、遥かに仕事はしています。

ZAKZAK記事は中朝の軋轢を伝えていますが、裏では握っている可能性もあります。何せ崔大使が裏で画策して、他国の軍の人事に影響を与えようとするくらいですから。ただ、習と江派+瀋陽軍+北朝鮮と敵対関係にありますので、裏で江派がやらせている可能性もありますが。ま、金正恩がすんなり習の言うことを聞くことはないでしょう。それに対し、習は制裁を強化しようとしても、瀋陽軍が裏で救うでしょう。何せ中国の公式データは信用されていませんから、いくらでも誤魔化しが効きます。瀋陽軍も上にいい加減な報告をしてお茶を濁すのではと思います。

石平氏の記事は、習の引退後は江派と同じ運命を辿ることを予感させます。ただ、胆力が胡春華にあるかどうかです。お公家集団と言われる団派だから、習みたいなことはしないと思っているのかも。胡春華をねじ込まされたのは、習は米国に譲歩し過ぎと長老に責められたのかも知れません。これで米朝戦争が勃発して、中国の国益が損なわれる事態が発生すれば、習の運命もどうなるか分かりません。ただ、そうであっても、胡春華が順風満帆に天下取りできるかどうかは熾烈な権力闘争を乗り切らなければならず、予断を許しません。

ZAKZAK記事

「血の友誼(=血で固めた同盟)」とも称されてきた中国と北朝鮮の関係に亀裂が走っている。北朝鮮の国営メディアが名指しで中国批判に踏み切ったのだ。北朝鮮に対する圧力を強めたことへの反発とみられるが、極めて異例の北朝鮮の対応に対し、中国側も反論に打って出た。北朝鮮を率いる金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が暴走を続ければ、中朝関係は一触即発の危機に陥る可能性がある。  「朝中関係の赤い線(レッドライン=越えてはならない一線)を中国が越えている」  「朝中関係の柱を折る今日の無謀な妄動がもたらす最悪の結果を熟慮した方がいいだろう」  北朝鮮の国営メディア、朝鮮中央通信は3日の論評で、核開発の中止を求める中国を名指しで強く非難した。  論評では、レッドラインを尊厳と主張を侵害しないことだとし、「核は尊厳と力の絶対的象徴であり、赤い線を越えているのはわれわれではない」と主張。北朝鮮の核開発を中朝関係悪化の原因だと論じる中国共産党機関紙や系列の「環球時報」を、「米国に調子を合わせていることへのあさましい弁明だ」と批判した。  これに対し、中国外務省の報道官は4日の記者会見で、「中朝の善隣友好関係を発展させる中国側の立場は一環しており明確だ」と反論した。さらに、環球時報は4日付で「もし北朝鮮が新たな核実験に踏み切った場合、中国側がどのような未曽有の厳しい対応を取るか理解させなければならない」と主張した。

朝鮮戦争(1950~53年)に中国人民義勇軍が参戦し、強固な「血の友誼」関係を築いた中国と北朝鮮。中韓国交樹立(92年)で冷却化したことはあったものの関係を改善させ、2000年には金正日(キム・ジョンイル)総書記が訪中した。だが、金総書記の死去後に権力を引き継いだ正恩氏はこれまで一度も中国を訪問していないうえ、核開発に狂奔して関係を一気に悪化させた。  ドナルド・トランプ米政権から対北制裁強化を求められた中国は今年に入り、北朝鮮の主要な外貨獲得源である石炭の輸入禁止を徹底している。  今後の北朝鮮の行動次第では、北朝鮮が中国に依存する石油の供給制限に踏み切る可能性もある。朝鮮中央通信の論評が個人名によるものだったことが、北朝鮮による調整との見方もあるが、中朝関係がこれまでにない危険水位に近づいていることは間違いない。

石平記事

先月12日、中国共産党広東省党委員会機関紙の『南方日報』は1面トップで、習近平国家主席が広東省党委員会・政府の活動に対し「重要指示」を下したと伝えた。

この「重要指示」の中で、習主席は、第18回党大会以降の広東省党・政府の活動ぶりを「十分に評価」した上で、広東省が今後「小康(いくらかゆとりのある)社会の全面建設」と「社会主義現代化建設の加速化」において「前列に立って走る」ことを期待すると語ったという。

全国に32の省・自治区・直轄市がある中で、党総書記・国家主席の習氏が広東省にだけ「重要指示」を下したことは異例である。

しかも、その指示は、広東省の今までの活動を「十分に評価」し、今後においても全国の「前列に立ってほしい」というような内容であれば、習主席の広東省に対する思い入れの強さを印象づけることにもなろう。

だが、広東省は習主席が地方勤務時代に関わった地区でもなければ、最近、主席の“子分”がトップとして抜擢(ばってき)された「親藩」としての行政区でもない。ならば彼はなぜ広東省を特別扱いし、多大な期待を寄せたのだろうか。

注目すべきなのは、現在、広東省のトップである党委書記の任に当たっているのが共青団派の若手ホープ、胡春華氏である点だ。

2012年11月の第18回党大会で、当時49歳の胡氏は内蒙古自治区の党委書記として政治局員に抜擢され、その直後に重要行政区の広東省の党委書記に栄転した。

この時点で誰もが分かったことだが、同じ第18回党大会で引退し党総書記のポストを習近平氏に明け渡した前任の胡錦濤氏は「ポスト習近平」を見据えて、自らの引退と引き換えに、この「胡春華人事」を断行したのである。

これによって胡錦濤氏は実質上、腹心の胡春華氏を習氏の後継者の地位に押し上げた。

今年秋の第19回党大会で最高指導部が大幅に入れ替わるとき、さらに胡春華氏を政治局常務委員に昇進させておけば、2022年の第20回党大会で習氏が「2期10年」の慣例に従って引退するとき、その時点で59歳の「若手」である胡春華氏は、ほぼ間違いなく、党総書記に就任し、党と国家の最高指導者になるという目算だ。

それこそが胡錦濤氏と共青団派が描く「ポスト習近平」への次期政権戦略である。

一方の習氏がこれを快く思うはずはない。習氏はそもそも「2期10年」の慣例を破って自らの任期をさらに伸ばす腹づもりであったし、たとえ第20回党大会で引退するとしても、最高指導者のポストを共青団派の胡春華氏に、ではなく、自分自身の腹心に渡したいところだ。

そのために昨年から、習総書記サイドは胡春華氏の天下取りを潰しておこうと動き始めた。

これで一時、胡氏が後継者レースから外されたとの見方も広がったが、この動きに対抗して、共青団派ボスの胡錦濤氏は今年1月に広東省を訪問し、胡春華氏へのテコ入れを公然と行った。

今から見れば、どうやら胡錦濤氏の反撃が見事に成功して、それが前述の習近平主席の広東省への「重要指示」につながったようだ。この「重要指示」をもって広東省限定の「評価と期待」を寄せたことで、習氏は事実上、胡春華氏を特別扱いし、彼の後継者としての地位を半ば認めることになったからだ。

胡春華氏は、ポスト習近平への後継者レースにおいて大きく前進したが、もちろんそれは習氏の本意ではない。

自らの政権維持のために、彼は共青団派と妥協せざるを得なかったのである。

そのことは党内における習氏の権力基盤が決して盤石でないことを示した。

本物の「独裁者」への道のりは依然として遠いようだ。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『不動産、ネット金融…中国バブル再び 規制でマネー氾濫 上海の住宅、年収の20倍超 最盛期の東京上回る』(5/6日経朝刊)、『トランプの北朝鮮威嚇で中国が高笑いの理由 北朝鮮をどんな形でもコントロールできる中国』(5/4JBプレス 北村淳)について

あれだけ日本企業の中国進出を煽った日経ですら、中国のバブル崩壊の危険性に触れています。不動産の暴騰も日本のバブル時代よりも大きく、実需がないことは明らか(庶民が手を出せる価格でない=投機、空き家が20億人分)です。それでいて、雄安新区開発に血道を上げているのですから、何をか況やです。日本企業も中国撤退は終わっているのでしょうか?撤退で入るべき資金も、中国の資金の海外流出規制で入っていないのではと心配になります。まあ、進出した企業にとっての授業料、自業自得としか言えませんが。

http://melma.com/backnumber_45206_6497995/

日銀の黒田総裁やADBの中尾総裁(両者とも財務省出身、本当に腐った省庁です)がAIIBを評価、協調融資にも触れていますがADBと日本の民間銀行とのシンジケートローンの方が良いと思います。麻生氏はASEANに4兆円を供給するとも言っています。まあ、韓国大統領選の前に、「ASEANは$供給の通貨スワップ等優遇するけど、韓国には通貨スワップも含めて何もしないよ。慰安婦合意すら守れない国には」と言ったところでしょう。二階幹事長はAIIBに日本も参加をというのは、今村復興大臣が切られたことに対する首相への面当ての意味があったのでしょうけど、次の党・閣僚人事ではこれで干されることは間違いないでしょう。耄碌してきているという噂もありますし。AIIBは、参加国は70国とADBの67国より多いですが払込資本もまだ6.8%のままです。こんなところに参加して、敵国中国を助けるのは利敵行為としか思えません。

http://ps.nikkei.co.jp/adb50yokohama/sp/page02.html

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170118/frn1701181130003-n1.htm

http://blog.livedoor.jp/zubattosoku/archives/1065191445.html

北村氏の記事は、北朝鮮に米国の関心が移れば、南シナ海や東シナ海の中国の侵略行為に対して、関心が薄れるのではとの懸念があるとのこと。確かに、尖閣侵略の頻度も上がってきており、この部分は心配していた方が良いでしょう。でも、昨日のiza記事にあったように、北の危機を利用して、米軍にとってもいろんな海洋調査ができました。メリットもあります。米中対決にプラスになると思います。

北村氏はまた、北に中国が進軍しても、米軍が北の攻撃を明言しているのだから、可能なのではとのこと。しかし、米軍は「自衛権の発動」、且つ北とは休戦しているだけです。中国は中朝同盟があり、「自衛権の発動」とは言えないでしょう。内政干渉、しかも軍を進めることは、米軍が何も言わなくとも、正しく侵略行為になるのでは。

普通に考えて、米国が3大打撃群を配備して、何もしないというのは考えにくいです。北が金正恩の亡命又は核開発・ICBM開発凍結すれば引くでしょうけど。これまた、北が呑むとは思えません。5/9の韓国大統領選後、米軍が撤退し、民間人も脱韓させてから北を空からのみ攻撃するのかも。韓国軍も当てにならず、クーデターはおろか、北への内通者もいるくらいですから。

日経記事

通貨・人民元の急落を防ぐために海外送金などの規制を強めた中国で、国内にあふれたマネーが不動産市場やインターネット金融などに集中し、バブル懸念が再び強まっている。投資の過熱で足元の景気は持ち直している半面、鉄鉱石など資源輸入が急増し、経常収支が悪化する恐れも出てきた。膨らむバブルは中国経済の安定を損なう波乱要因になりかねない。

上海市郊外の小昆山鎮。工場などが点在する不便な地域だが、上海市が払い下げた土地の3月末の落札価格は1平方メートル当たり3万6千元(約58万円)。1坪当たりは円換算で約190万円と、東京・世田谷などと変わらない。住民は「マンションを建てれば1平方メートル当たり5万元」と噂する。

野村資本市場研究所によると、2015年の上海の新築住宅価格は平均年収の20.8倍だ。東京カンテイによると1990年の東京は18.1倍。中国の大都市の住宅はすでにバブル期の東京を上回る高根の花だが、上海では15年から足元までさらに4割値上がりした。

北京や広東省深圳も同様で、今年3月は主要70都市のうち62都市で住宅価格が上昇。1~3月の300都市の土地払い下げ額は1年前の5割増だ。値上がり期待が投資資金を引き寄せ、さらに価格を押し上げている。

当局の目が届かない「影の銀行(シャドーバンキング)」問題も再燃し始めた。インターネットを通じて個人が投資資金をやりとりする「ピア・ツー・ピア(P2P)金融」の残高は4月末で9500億元超と、1年前の1.7倍に膨らんだ。

企業などが銀行を通じて余剰資金を貸し出す「委託融資」は13兆元を突破。1年前より2割増え、一部は運用先が不透明な投資商品(理財商品)に流れる。委託融資や理財商品など狭義の「影の銀行」は16年末で60兆元弱と、国内総生産(GDP)の8割の規模だ。

ベイン・アンド・カンパニー中国代表の韓微文氏は「資本規制で海外投資が難しくなり、国内への還流が起きている」という。中国政府は米利上げに伴う急激な元安や資金流出を防ごうと、16年半ばから資本規制の強化に動き、500万ドル(約5億6千万円)を超す海外M&A(合併・買収)などに事実上、待ったをかけた。中国は従来、国境をまたぐ資金のやりとりを制限してきたが、出口を一段と絞られたマネーが国内にあふれた。

15年夏に価格急落に襲われた株式市場にも資金が舞い戻っている。約3200社の16年12月期決算の合計純利益は前の期に比べ5%増だったのに対し、足元の上海総合指数は16年初めの底値から2割近く上昇した。1~4月の新規株式公開(IPO)は167社と1年前の4倍に膨らんだ。

ベンチャー投資も1~3月に535億元と3四半期ぶりに増加。シェアサイクルのofoは3月、4億5千万ドルを調達し、非上場ながら評価額が10億ドルを超す「ユニコーン」に仲間入りした。仮想通貨ビットコインの元建て価格は9千元前後と最高値圏で推移する。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は「過度の流動性はインフレやバブルを起こす」と警戒する。もっとも、中国政府が投資ブームに火を付けている面も強い。

中国の1~3月の財政収支は1551億元の赤字。1~3月の赤字は1995年以来22年ぶりだ。秋の共産党大会を控え、政府が景気を安定させようとインフラ投資を加速している。1~3月の主要建機25社のショベルカーの販売台数は前年同期比98%増えた。1~3月平均の卸売物価は前年同期比7.4%上昇と、16年通年の1.4%下落から急反転している。

国内での過剰投資は、経常収支の悪化という副作用をもたらしている。

モノに加え、知的財産取引なども含めた貿易・サービス収支の黒字は1~3月に187億ドルと、前年同期比64%減った。四半期では赤字を記録した14年1~3月以来、3年ぶりの低水準だ。国内投資の拡大で鉄鉱石などの輸入が倍増、貿易黒字が25%減ったためだ。

所得収支は16年まで2年連続の赤字で、貿易・サービス収支と合わせた経常収支の黒字は16年10~12月に前年同期比86%減の118億ドル。経常黒字の減少が続く可能性があり、通貨・元の信認を揺るがす恐れがある。

中国経済は6%台後半の成長を保ち、金融市場に安心感も漂う。一方で、中国の金融機関を除く民間債務はGDP比200%超と日本のバブル末期並みだ。警戒を強める人民銀は金融政策を引き締め気味に運営し始めたが、社債の発行延期や中止が相次ぐといった影響がすでに出ている。投機の過熱をうまく抑え込めなければ、貸し倒れの急増など、世界が再び中国リスクを意識する展開が現実味を増す。

(上海=張勇祥、北京=原田逸策)

北村記事

米フロリダ州ウエストパームビーチのリゾート施設「マーアーラゴ」の夕食会で握手するドナルド・トランプ米大統領と習近平・中国国家主席(2017年4月6日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

日本のメディアは、トランプ政権による北朝鮮攻撃がまるで4月X日に敢行されるかのごとき無責任な報道を繰り広げ、日本国民の関心というよりは不安をあおってきた。そうした報道はもっぱらカール・ビンソン空母打撃群の動きや北朝鮮の弾道ミサイルの発射といった微視的視点に集中している。しかし、北朝鮮に対するアメリカの軍事的威嚇が強まると、実は中国が最も「得をする」という戦略的視点を忘れてはならない。

アメリカが中国に頼らねばならない事情

トランプ政権はこれまでの歴代大統領とは異なり、北朝鮮に対して軍事オプションも視野に入れた強硬姿勢で対処する方針に転じた。北朝鮮の核開発ならびにミサイル開発が、いよいよアメリカ本土(ハワイ州とアラスカ州を除いた48州)を射程圏に納めるICBM(核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル)を開発しつつある段階に達してしまったためである。

とはいうものの、アメリカが実際に北朝鮮への軍事攻撃を実施した場合、ほぼ間違いなく韓国に対する激烈な報復攻撃が行われ、日本に対して弾道ミサイルが多数撃ち込まれる可能性も否定できない。そのため、トランプ政権は軍事オプションは本気であるとの姿勢を示しつつも、実際には軍事攻撃を避けつつ事態の沈静化を模索しているのが現状だ。すなわち、中国の影響力によって北朝鮮のICBM開発をなんとか抑制しようというわけだ。

いくらアメリカ第一主義を標榜するトランプ大統領といえども、同盟国である韓国と日本の市民を多数犠牲にしてまで、北朝鮮のICBM開発を(あるいは金正恩政権を)軍事攻撃によって葬り去ってしまうという決断はそう簡単にはできない。そこで、とりあえずは中国を抱き込む方策をとっているわけである。

ただし、そのために払わなければならない代償も大きいものがある。それは、第一列島線内部、すなわち南シナ海と東シナ海での中国による軍事的優勢の構築を加速させてしまうという代償だ。

“お流れ”になった南シナ海問題

3月下旬にフロリダで米中首脳会談が開かれる直前、すでにトランプ政権は北朝鮮問題に対して強硬姿勢をとる旨を明言していたが、アメリカ海軍関係戦略家たちの多くは、首脳会談で取り上げられる安全保障問題としては北朝鮮問題に加えて南シナ海(それにごく一部の人々は東シナ海も)も中心的論点になるものと考えていた。

なぜならば、南沙諸島での人工島建設をはじめとする南シナ海への中国による軍事的侵出は、アメリカにとっては容認しがたいレベルに達しているからである。そのため多くの米軍関係者たちは、南シナ海や東シナ海での中国の軍事的侵出活動について、トランプ大統領が習主席に強く抑制を求めることを期待していた。

ところが、習主席訪米中に、トランプ政権はシリアに対するトマホーク巡航ミサイル攻撃を敢行し、その余勢を駆って北朝鮮に対する軍事的威嚇態勢を強めつつ、中国に北朝鮮に対する影響力の行使を迫ることになった。

アメリカが中国に対して「北朝鮮問題で協力をお願いする」わけであるから、いくらトランプ大統領といいえども、習主席に対して南シナ海問題での対中強硬姿勢を表明することができなかったのは当然である。

結局、フロリダでの米中首脳会談以降、トランプ政権は北朝鮮に対する軍事攻撃を発動する展開を維持し続けているが、アメリカが対北朝鮮強硬姿勢を強めれば強めるほど、中国による南シナ海への侵出政策に対する強硬姿勢は弱めざるを得なくなってしまったのだ。

笑いが止まらない中国

そもそも、中国にとって北朝鮮問題はアメリカよりも圧倒的に有利な立場にある。それにもかかかわらずトランプ大統領が習主席に北朝鮮問題での協力を依頼したのだから、笑いが止まらない状況になっている。

もし、トランプ大統領がしびれを切らして北朝鮮に対する軍事攻撃を実施し、金正恩政権が崩壊に瀕する状況に立ち至ったとしよう。たしかに、これによってアメリカ本土に対するICBM攻撃という軍事的脅威は除去できる。しかし、北朝鮮の内部に食い込んでいないアメリカ軍が北朝鮮を占領することは不可能に近い。北朝鮮の混乱を収拾する名目で北朝鮮に進駐するのは中国人民解放軍ということになり、その結果、北朝鮮は実質的に中国の支配下に入り、韓国も風前の灯火となってしまう。

一方、トランプ大統領が、中国による北朝鮮の制御を我慢強く待ち続けた場合、中国は表面的には北朝鮮に対して圧力をかけるそぶりを見せつつ、中国にとって軍事的脅威になる寸前のぎりぎりの段階までは北朝鮮による対米挑発行為を目こぼしをするだろう。そのほうがアメリカに対して中国の価値を高く売りつけられることになるからだ。

万が一にも、中国が設定したレッドラインを金正恩が踏みにじった場合には、人民解放軍による北朝鮮懲罰作戦が直ちに発動され、金正恩政権は抹殺されてしまうであろう。

人民解放軍はアメリカとは比較にならないほど北朝鮮軍の内部事情を把握しているので、金正恩一派の排除は容易である。また、破れかぶれになった北朝鮮軍による報復攻撃で多数の中国市民が犠牲になることが予想されたとしても、民主主義国のアメリカ・日本・韓国とは違い、中国にとっては攻撃を躊躇する理由にはならない。

要するに中国にとって、北朝鮮などはアメリカに頼まれるまでもなく、コントロールしようと思えばコントロールできるのである(以下は、中国と北朝鮮の関係を風刺した政治漫画である。筆者の周りの海軍関係戦略家たちの間で受けている)。

ましてやトランプ政権が対北朝鮮軍事オプションを公言しているわけだから、中国が軍事力によって金正恩一派を沈黙させたとしてもアメリカから「侵略」呼ばわりされる恐れはない。このように、どう転んでも北朝鮮問題は「中国優勢、アメリカ劣勢」という状況にならざるをえないのだ。

中国と北朝鮮の関係を風刺した政治漫画(出所:Michael P. Ramirez) (*配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図版をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49912

中国が得をするメカニズム

トランプ政権による北朝鮮に対する軍事的威嚇が強まれば強まるほど、南シナ海における中国の軍事的侵出に対するアメリカおよび国際社会の関心は薄れていく。したがって中国としては、「北朝鮮がアメリカに対して挑発を続けている」という構図ができるだけ続くことは極めて都合が良い。その間に南シナ海での中国の軍事的優勢はますます強固なものとなり、アメリカの関心が再び南シナ海に向いた頃には、完全に手遅れの状態になっているであろう。

北朝鮮のICBMは、直接アメリカ本土が攻撃されるかもしれない脅威であるが、南シナ海でいくら中国が軍事的優勢を手にしても、直接アメリカが軍事的脅威を被ることにはならない。したがって、アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領にとって、ひとまず南シナ海情勢には目をつぶっても、直接的軍事脅威の芽を今のうちに摘んでしまうことが肝要である。

このメカニズムを東シナ海に当てはめると、アメリカの北朝鮮に対する軍事的威嚇が強まれば強まるほど、東シナ海における中国の覇権主義的行動に対するアメリカの関心が薄れていく、ということになる。

それにもかかわらず、日本はアメリカの対北朝鮮軍事展開を強力にサポートする態勢を強めている。ということは、いよいよ日本政府が、東シナ海での中国の軍事的圧力を跳ね返すための自主防衛努力を強力に推し進める覚悟を決めた、と理解することもできる。果たしてその通りなのだろうか?

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国が驚愕した日米韓の対北朝鮮・海上共同訓練 北牽制の裏で練られた対中「窒息作戦」とは』(5/1iza 野口裕之)、『韓国軍から北朝鮮に最高機密流出か ずさん管理で軍幹部を処分』(5/2産経ニュース)について

中国とロシアの北朝鮮や尖閣、北方領土の動きは火事場泥棒を働こうという意図が窺えます。日本国民の大多数が無関心だから、好き勝手にできます。メデイアが余り報道していないのかもしれませんが、それ以上の国民の国防に対する関心のなさが大きいと思います。平和は努力しなければ得られないのに、天賦のものと勘違いしているからです。況してや平和は憲法9条があるからなどと思っているオメデタイ人間が多くいるせいと思います。現実を全然見ていません。理想論は大事ですが、観念論に止まり、如何に現実を理想に近づけて行くかの努力が足りません。企業経営でも、現実に立脚しない数字を目標値にはしないでしょう。市場での地位、競争相手、社内資源や流通力、新商品開発等総合的に判断するはずです。国際的な外交だって同じです。「和」がいくら大事であっても、相手を見なければ、「平和」は築けません。特に帝国主義が露骨、人権無視、嘘を平気でつける国が周りにある訳ですから。

安倍首相が憲法改正をスケジューリングしたのは良かったと思います。9条2項を残したまま、「自衛隊」を合法化するのは論理矛盾していると考えますが、今の国民のレベルではここが限度のような気がします。相手から戦争が仕掛けられない限り、9条2項は消せないでしょう。国家の当然の権利の交戦権を認めないのは、国家とは言えません。今は自衛権という解釈で逃れているだけです。国連憲章51条違反との見方もあるくらいです。元々条文の成り立ちから言って、GHQが日本をカルタゴ化しようとして入れたのは明らかです。日本の真の独立を阻む条文です。左翼・リベラルはそれでも後生大事にと考えているようですが。奴隷の平和が良いのか、戦って独立を勝ち取るのが良いのか。アジア・アフリカが第二次大戦後、奴隷の平和状態から独立できたのは戦って勝ち取ったものです。口先だけで宗主国が独立を認める訳がありません。日本の場合、憲法を変えるだけで、平和的に独立できる(今は半独立の状態と思っています)のだから、国民の意識が変われば簡単にできると思うのですが。徴兵制なんて専門化が進み、無人化・ロボット化が進んできている時代にあり得ません。肉体派より頭脳派が尊重される時代です。自分に合った国への貢献の仕方があると思います。

iza記事を読みますと、中国のA2/ADもそれ程恐れることはないのかとも思ってしまいます。機雷で簡単に海上封鎖できますので。確かにコストの高い空母が中国沿岸に近づくのは戦時には危険になるでしょうが、潜水艦やステルス機の活躍、機雷による原油輸入ストップ(ロシアが支援しない前提です)による継戦能力無力化が可能になると思います。

台湾に米軍を駐留させるには、台湾軍の国民党軍化からの脱却が必要でしょう。韓国軍同様、簡単に人民解放軍に機密漏洩される恐れがあります。蔡英文総統は現状維持で何もしないのではなく、台湾を支配している国民党系の役人を軍だけでなく、民進党系に置き換えていかないと。事情変更の原則の適用は相互主義の尊重の視点からも主張すべきだと考えています。中国が変わったのだから相手国も変わりうるという事です。日本も含めて。日本も過去の約束を墨守するだけでなく、相手が別な行動を起こしたら、それに見合った行動を起こさなければ。尖閣は奪われます。北朝鮮同様に「行動には行動」です。

iza記事

現下の朝鮮半島危機に乗じて、中国の海警局・大型武装公船や人民解放軍海軍艦艇が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を火事場泥棒的に強奪するというシナリオが、防衛省内で危惧されている。しかし、米軍は半島危機に際して、北朝鮮・朝鮮人民軍のみならず、中国人民解放軍にもにらみを利かせている。いや、むしろ半島危機に乗じて、人民解放軍に対する強力な情報収集を極秘に進め、封じ込め戦略を演練している。米軍にとり、朝鮮半島危機は人民解放軍相手の格好の「模擬戦」の舞台となっている、と言い換えることも可能だ。

例えば、米空母打撃群を追尾する人民解放軍海軍の潜水艦を逆探知し、スクリュー音や機関音、船体の振動などで生じる音紋を採取し、潜水艦性能の特定などに役立てている。実戦モードに近い環境下、水中測定員(水測員)の練度向上にも資するが、今次半島危機では、比べものにならぬ超弩級の収穫があったのではないか

米軍は自衛隊や韓国軍と共同訓練を続けているが、中国人民解放軍の戦略中枢は、追尾を命じた情報収集機や情報収集艦、潜水艦などが送ってくる位置情報を地図上にプロットして驚愕しただろう。

(1)フィリピン海における、米原子力空母《カール・ビンソン》を核とする空母打撃群と海上自衛隊の護衛艦《あしがら》《さみだれ》による共同訓練。

(2)日本海における、米海軍の駆逐艦《フィッツジェラルド》と海自護衛艦《ちょうかい》による共同訓練。

(3)日本海における、カール・ビンソンを核とする米空母打撃群と海自や韓国海軍との共同訓練。

(4)沖縄本島東方の太平洋上における、米空母カール・ビンソンの艦上機FA18戦闘攻撃機と航空自衛隊のF15戦闘機との共同訓練。

(5)米原子力空母ロナルド・レーガンの艦上機が硫黄島(東京都)で陸上離着陸訓練(FCLP/5月2以降)。

(6)高高度迎撃ミサイル・システム(THAAD=サード)の韓国配備開始。

(7)黄海における米海軍と韓国海軍の共同訓練。

■黄海の対中機雷封鎖も想定

人民解放軍の危機感は(7)に象徴される。黄海~渤海にかけての海域には▽青島=人民解放軍海軍・北海艦隊司令部▽旅順と葫芦島=軍港▽大連=海軍工廠…などが点在するのだ。明治二十七八年戦役(日清戦争/1894~95年)や明治三十七八年戦役(日露戦争/1904~05年)では、国家存亡を賭した一大戦略拠点であった。この海域への機雷封鎖は、人民解放軍海軍の掃海能力の低さを考えれば、現代戦でも通用する可能性は極めて高い。今回の共同訓練で米海軍は、海底地形や海流の測定をタップリと行ったはずだ。

次は(6)のTHAAD。在韓米軍は4月末、THAADを構成する発射台やレーダーなど一部システムを南部・慶尚北道星州郡のゴルフ場に搬入した。当初の計画を前倒しして実施し、早期運用開始を目指す。THAADは6基の発射台と48発のミサイルなどで構成され、北朝鮮・朝鮮人民軍の短・中距離弾道ミサイルを迎撃すべく配備される。

中国はTHAADを構成するXバンドレーダーの韓国配備に強く反発した。射撃管制モードの探知距離は500キロで北朝鮮の中~南部をカバーするに過ぎぬが、捜索モードに徹すれば1千キロを超え、北京・天津の手前まで覗けてしまう。しかも、在日米軍が青森県車力と京都府京丹後に配備するXバンドレーダーと同型で、データリンクで連結され、互いをカバーし合える優れモノだ。

(1)のフィリピン海も、対中戦略上のチョーク・ポイントだ。台湾有事の際、来援が期待される米空母打撃群を、人民解放軍が迎撃する最前線(第2列島線)と絶対防衛線(第1列島線)にはさまれた海域だからだ。第1列島線は九州南部~沖縄~台湾~フィリピン~ボルネオを結ぶ。第2列島線は伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニアを結ぶ。

(4)の沖縄本島東方の太平洋は第1列島線の該当海域で、沖縄本島の米軍・自衛隊基地群は列島線防衛の一大策源地でもある。

(5)の硫黄島は第2列島線海域に所在し、島内の滑走路は海上自衛隊や航空自衛隊、米軍の作戦機が使用する。

最後は(2)と(3)の日本海の戦略的位置付け。自衛隊と米軍が第1列島線の防衛=封鎖に成功すれば、人民解放軍の海上・航空戦力は対馬海峡を抜き→宗谷海峡突破を選択し→第2列島線の背後に回る可能性に賭けるシミュレーションも、安全保障関係者の間では浮上した。現代版「日本海海戦」への備えも怠ってはなるまい。

現在、人民解放軍やロシア軍は北朝鮮との国境に兵力を集積し始めたが、朝鮮半島有事でも同様な動きが確実視され、自衛隊と米軍が日本海へと緊急展開する作戦は、やがて必要になるかもしれない。

もっとも、人民解放軍の海上・航空戦力が日本海を迂回する事態とは、中国の敗北を半ば意味する。米空母打撃群や地上発進の米航空戦力に海上自衛隊や航空自衛隊が協力→人民解放軍の海上・航空戦力による第1列島線越え阻止に成功し→台湾軍が人民解放軍のミサイル攻撃や渡海強襲上陸を何とかしのげば→西進中の米軍主力は第1列島線上の台湾の救援に間に合う。

■切り札は米軍の台湾駐留

だが、人民解放軍の海上・航空戦力が飛躍的に拡充される近未来図は仕上げの段階に入り、米軍遠征部隊の台湾急行は次第に不確実性を増していく。米海軍大学のアンドリュー・エリクソン教授を中心とした研究グループがまとめた《中国の海軍艦艇建造》の以下の分析結果には息を呑む。

《人民解放軍海軍は2030年に主要艦艇415隻態勢を整える》

トランプ米政権は過去100年間で最小規模にまで縮小された米海軍の現有艦艇274隻を350隻に増強する方針を公約した。が、2046年が目標で、人民解放海軍の建造スピードとは格段の差がある。しかも、国家予算の行方が未知数で、建艦数を抑えられてきた造船関連業界の熟練工確保や設備復旧も追いついていない。反面、人民解放軍海軍の艦艇は数に加え質の向上も著しい。《中国の海軍艦艇建造》は警告する。

《2030年までに、ハードウエア面で米海軍と数だけでなく、恐らくは質も肩を並べる》

《2020年までに、米海軍の対艦巡航ミサイルの射程以上のミサイルを大量保有する》

《2030年までに、『近海』で起きている他国との係争海域で、米海軍の作戦行動に果敢に対抗する大きな能力を保有する》

かくして《2020年までに、人民解放軍海軍は世界第2位の海軍となる》。当然、『近海』には尖閣諸島が連なる東シナ海や先述した黄海、人工礁を造成し軍事基地化に邁進する南シナ海が含まれる。

打開策はある。ジョン・ボルトン元国連大使が今年1月、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)に寄稿した戦略にも、傾聴に値する部分があった。《米軍の台湾駐留》である。要約すると、次のような戦略であった。

《台湾への米軍駐留や軍事装備の輸出拡大で、米国は東アジアの軍事態勢を強化できる》

台湾駐留米軍は在沖縄米軍の一部を割く構図を描いているが、具体的な兵力規模には触れていない。ただ、米軍駐留の戦略効果は絶大だ。

《海洋の自由を守り、一方的な領土併合を防ぐ戦略は米国の核心的利益だ。台湾は地理的に沖縄やグアムに比べ、中国や中国が軍事聖域化を押し進める南シナ海に近い。従って、米軍の迅速な戦闘配置を柔軟に後押しする。台湾との軍事協力深化は重要なステップなのだ》

トランプ政権は現在、暴走を止めぬ北朝鮮への説得を中国にかなり強く要求しているが、成果が上がらなければ、米中関係は悪化を含め変質しよう。東アジアや南シナ海情勢の不穏・不透明な安全保障環境を考えれば、太平洋&東シナ海と南シナ海を結ぶ「大洋の十字路」に位置する台湾は世界最大の要衝の一つで、わが国の貿易=経済の命運を握る「生命線」だ。日本列島~沖縄~台湾を結ぶ「海上の長城」上に、自衛隊や米軍に加え台湾軍が防衛線を敷けば、中国の軍事的冒険をかなり封じ込められる抑止力となる。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領の対中・対米姿勢は不安定で、米軍のフィリピンにおけるプレゼンスも定まらない情勢では尚のことだ。

ところが、米軍の台湾駐留には1972年の《上海コミュニケ》が障害になる。コミュニケで米国は中国側に「一つの中国」「台湾からの全武力・軍事施設の最終的撤去に向け、これらを漸減していく」などを約した。

けれども、ボルトン氏は中国との国交樹立=台湾との国交断絶後、米軍駐留終了と引き換えに武器売却などを担保した《台湾関係法の下で、台湾との(軍事)関係拡大は十分可能だ。基地を設置し、活動する権利は全面的な防衛同盟を意味しない。相互防衛条約の再交渉など新たな立法措置も不要だ》と明言。国際法上の《事情変更の原則》を持ち出した。

確かに、中国が正体をいよいよ現わし、凶暴性を増し、軍事膨張をばく進する危機的情勢に直面する今、《上海コミュニケの大部分が時代遅れになり、拘束力を失った》という合法的解釈は可能だ。

北朝鮮に断固とした姿勢で臨み、拉致家族が訪米した時にも積極的に会い、日本の国連常任理事国入りの支持者でもあるボルトン氏。在沖縄米軍が台湾に移転するもう一つの利点に言及している。

《日米関係を悩ます在沖縄米軍の一部移転で、日米間の緊張を緩和できる》

日米同盟は両国の国是に等しい。しかも今後、軍事力の拡大に比例して狼藉の度を凄まじい勢いで加速させる中国を向こうに回し、日米同盟はますます価値を高める。朝鮮半島危機を克服した日米同盟の次の「難関」は台湾危機に違いない。日米は無論、台湾もまた米軍駐留への覚悟を決める時機にさしかかった。

産経記事

韓国国防省関係者は2日、昨年9月に被害が分かった韓国軍の内部ネットワークのハッキングは北朝鮮の犯行と推定され「軍事機密が流出した」と明らかにした。韓国メディアは、最高機密とされ朝鮮戦争再燃の際に適用される米韓軍の軍事作戦「作戦計画5027」が流出していたと報じていた。

同省は、規定に違反したずさんなネットワーク管理が原因だったとして陸軍准将を含む26人を処分する方針を決めた。

国防省関係者によると、韓国軍の機密にアクセスできる内部ネットワークは外部のインターネットと遮断しなければならないと決められているが、2015年1月に施工業者が契約に違反して2系統のネットワークを連結させた。軍は違反に気付かなかったという。

軍にウイルス対策ソフトを納入する業者のネットワークもハッキングされ、ワクチン情報が抜き取られていた。(共同)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『タダでも中国には行きません 深刻な学生の中国離れ 一方通行の学生交流、このままでは情報格差が広がるばかり』(5/2JBプレス 姫田小夏)について

5/4日経朝刊で、安倍首相の改憲スケジュールと改憲項目の提案に対して、スケジュールのシナリオが挙がっていました。

20年の新憲法施行、3つのシナリオ 国民投票の時期焦点 

安倍晋三首相は2020年の新憲法施行をどう実現させるのか。

現在、自民党や公明党、日本維新の会など改憲に理解を示す勢力は衆参両院で3分の2の議席を超え、すでに改正案を国会発議できる状態にある。だが野党第1党の民進党などは国会の憲法審査会の論議が煮詰まっていない状態で首相が主導することに猛反発している。

民進党の蓮舫代表は3日、都内で記者団に「首相は自分のレガシー(遺産)のために改憲したいのではないか」と批判。共産党の志位和夫委員長は「必ず阻止する」と指摘した。衆院憲法審査会の与党幹事は「与野党が対立したまま持ち込まれた改憲案では国民投票で否決されかねない」と指摘する。改憲実現へのハードルはなお高い。

国会発議と国民投票までの手続きではいくつかのシナリオが浮かぶ。自民党内には議席を減らす可能性をはらむ次の衆院選を待たず、発議に踏み切るべきだとの声がある。

最短シナリオは今秋の臨時国会での改憲発議だ。衆参両院の憲法審査会で早期に改憲項目を絞り込み、秋までに改憲案をまとめる。発議から国民投票まで60~180日かかるため、国民投票の実施は18年前半となる。

もっとも同審査会では項目の絞り込みに至っていないため「原案づくりは早くても18年の通常国会」(自民党幹部)との声も多い。この場合、18年夏までに発議し、18年後半~19年前半の国民投票という流れになる。今の衆院議員の任期は18年12月。発議までに衆院解散・総選挙がなければ、国民投票と衆院選が同じ日に実施される可能性がある。

与野党の合意づくりを重視し、改憲案のとりまとめに時間をかける選択肢もある。18年中は与野党が憲法審査会でじっくり協議し、18年の臨時国会で発議するシナリオだ。国民投票は19年夏に予定される参院選と同日になることもありうる。

民進党などは今のところこうした首相の戦略に応じる気配はない。強引に押し切ろうとすれば実現が遠のく可能性もある。>(以上)

常識的に考えれば改憲勢力が衆参で2/3を押えている間に発議するでしょう。そうであれば、長くて18年12月で追い込まれ解散になります。18年夏までに発議、18年後半に国民投票と衆院解散・総選挙の同日選が可能性としては高いかと。ただ、米国と北朝鮮の戦争が今年の秋以降にあればその時に合わせて、解散・国民投票ができるようにスケジューリングするかもしれません。自民・公明・維新・こころと4党あるので調整が難しいでしょうけど。特に公明のように都議選で日和見するような鵺的な政党がありますので。

さて、本記事ですが、中国に行けば簡単に人質になるかもしれないと思えば行く人はいないでしょう。人権保護されない国に危険を冒してまで行くことはないと思います。中国人学生が来て何を学んでいくというのでしょうか?中共政府のプロパガンダはおかしいと思えば良いでしょうが、短期間では望むべくもありません。

日本人学生が中国に行っても、学ぶに値する人がいないというのはその通りです。賄賂にドップリ浸かっている人ばかりで、「社会の為に」何て思っている人は殆どいません。拝金教ですので。「朱に交われば赤くなる」、「悪貨が良貨を駆逐する」ことが、学生にも見えているのでしょう。自分でネット等を調べ、自分の頭で考え、偏向メデイアの影響を受けないというのであれば、素晴らしいことではないですか。それに引き換え、高齢者は自分の頭で考えず、メデイアの報道を鵜呑みにするばかり。既存のメデイアだけしか調べようがなく、情報が取れないためです。勿論ネットも玉石混交です。それを取捨選択するのが力量と言うものです。体験や読書により、蓄積された知識をフルに動員して判断するようにしないと。

記事

中国・上海の街並み。日本の学生はなぜ中国への関心をなくしているのか

先日、亜細亜大学の範雲涛氏(アジア・国際経営戦略研究科教授)から「日本の大学生の中国への関心がどんどん低下している」という話を伺った。範教授は、日中青年大学生交流事業「鑑真プロジェクト」の実行委員長を務めているのだが、目下、中国に連れて行く日本人学生の募集に腐心しているのだという。

このプロジェクトは、唐代の伝戒師、鑑真和上の足跡をたどりながら日中両国の学生が交流するというユニークな試みだ。

奈良時代に日本の僧である普照と栄叡が11年かけて鑑真和上を日本に招請した物語は、中学の歴史教科書にも記載されている。2008年、この有名な史実に着想を得て日中の学生による民間交流が動き出した。

第1回以降は、日中間の政治的冷え込みにより休眠状態に入ってしまっていたが、2016年にプロジェクトが息を吹き返す。両国の政治的関係は決して良好とは言えないが、中国からの留学生や訪日観光客の増加を見るように一時期の険悪なムードは薄れつつある。中国側も受け入れ体制づくりに積極的に関わるようになってきた。

2016年10月の第2回ツアーを実施するために、旗振り役の範教授は東奔西走した。プログラムを組んだり、協賛金を集めたり、中国側との折衝を行ったりと、仕事は骨の折れることばかりだった。中でも特に苦労したのが“学生集め”だったという。

応募の条件は「中国に興味があることと、1000字程度の小論文の提出」というもので、決して高いハードルではなかった。しかし、なかなか学生が集まらない。最終的に全国から18人の大学生が参加することになったが、そもそも「日本人学生の中国への関心がものすごく低い」ことに範教授はショックを受けた。

一方、中国側の日本への関心は高い。今年3月、中国の大学生を日本に招待して日本の大学生と交流させる企画では、募集段階で65名の申し込みがあり、そのうち43人が来日した。中国側の学生は日本を訪れることにきわめて意欲的だ。

中国となると“話は別”

範教授は、亜細亜大でのゼミの中で学生たちに「なぜ中国に関心を向けないのか」と問いかけてみた。すると、出てくるキーワードは、やはり「領土問題」「海洋進出」「反日」などだった。ある女子学生は、トイレなど衛生面の不安を挙げた。

「鑑真プロジェクト」では、現地の交通費・宿泊費・食費など滞在に関わる費用は事務局が負担する。しかし、中には「招待されても中国には行きたくない」とまで言い切る学生もいた。

近年、日本の若者が海外に行かなくなったと言われている。だが、本当にそうなのだろうか。2016年の日本人のパスポート取得数(外務省)を調べてみると、その数は2年連続で増加しており、「20~29 才」のパスポート発行数は78万3047冊、年代別比率は20.9%で「19才以下」の22.1%に次ぐ高い割合だ。

都内の大学に通う女子大生の太田稀さん(仮名)は、「若者が内に籠っているとは決して思いません。マレーシアやタイでの研修などに積極的に参加する学生は多く、留学志願者も少なくありません」と話す。

しかし、中国となると“話は別”なのだと言う。「私は第二外国語に中国語を選択していますが、同期の学生が中国に旅行や留学に行ったという話はほとんど耳にしません」(同)

その理由について尋ねると、「おそらく中国という国に魅力を感じたり、憧れたり尊敬したりする人がいないんじゃないでしょうか。大金を投じてまで行く価値があるとは、周りの友人たちは思っていないのだと思います」という回答だった。

学生が集まらないのは「鑑真プロジェクト」だけではない。日本国内で募集される訪中型の交流イベントはどこもほぼ同じ状況だ。「学生に呼びかけても反応は悪く、数が集められない」(首都圏の日中友好協会支部)という。

日中間で進む「情報格差」

旅行業界も頭を悩ませている。日本にはLCC(格安航空会社)を含めて数多くの日中航路が乗り入れているが、その利用者は圧倒的に中国からの観光客だ。日本から中国に行く日本人旅行客はなかなか集まらない。2000年代に旅行業界で中国への観光旅行が“ドル箱”と言われたことは、今では遠い昔話となってしまっている。

愛媛県のある自治体職員は、松山~上海のLCC航路について次のように語っている。

「松山に来る便は中国人客で満席だとしても、復路は別の空港から帰国してしまうケースが多々あり、搭乗率はなかなか高まらないのが実情です」

愛媛県ではそのような事態を打開するために県内の学生に注目した。LCCを使った格安の上海ツアーを企画し、学生に利用してもらおうとしたのだ。だが、事前アンケートから浮き彫りになったのは「学生たちの中国に対する無関心さ」(同)だった。結局、松山発のLCCツアーは、上海が目的地とはならず経由地となり、目的地は東南アジアや台湾になった。ツアーは「抽選でご招待」という形で無償化された。

旅行、学生同士の交流、姉妹都市交流など、日中の民間同士が交流する機会は数多くある。だが、ここに来て「双方向の交流になっていない」という問題が生まれつつある。このまま行くと、「実際に日本を訪れて日本の理解が進む中国人」と「中国についてウェブ上の情報しか持たない日本人」との間で、情報格差が広まるばかりだ。このアンバランスな状態は決して座視できるものではない。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「トランプの拳」、落としどころは視界ゼロ 秋まではいかなる失敗もできぬ習近平の限界』(5/2日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『強固な支持を続けるトランプ支持者たち 就任100日目の支持率は最低、しかし支持者たちに後悔はなし』(5/1JBプレス 古森義久)について

「曖昧戦略」こそが、武道に通じる正しい戦略です。相手が攻めてくる手が分かれば、防御は簡単になります。トランプのように「何をするか分からない」と相手に思わせることが大事です。武力行使の前にこれだけで相手を委縮させることができます。

高濱記事の中のシンクタンク研究者の習近平に対する発言は、買い被りのような気がします。トランプに習は脅されて行動していると見た方が良いのでは。5/2の小生のブログの記事で、青山繁晴氏は米軍の攻撃は秋まではないのではとの見方であると紹介しました。「中国の秋の党大会までは攻撃しないでくれ」と習がトランプに頼んだ可能性があります。その代りに、トランプは「その間に北朝鮮をもっと締め付けろ。また、国連でも協力するように」と見返りを求めたのかもしれません。習は江派と瀋陽軍閥と連なる金王朝を嫌っています。これを米軍の力を借りて排除できれば、彼の体制も安泰と考えたのでは。でも最終的な相手は中共(中国ではない、人民解放軍は中共の私兵)です。

北朝鮮に対する経済制裁をインドも課すようにしました。<5/2CNN インド、北朝鮮との貿易を停止 第3位の貿易相手国>の記事です。日本を標的にした核や毒ガスミサイルを発射しようとしている国です。インドに続く国が増えて行ってほしい。

http://www.cnn.co.jp/business/35100674.html

古森記事は日米のメデイア報道が如何に偏向しているかという事です。トランプが既存メデイアを「フエイクニュース」呼ばわりするのも頷けます。だから、ツイッター発信を多用する訳です。就任100日目記念の記者主催の夕食会にも欠席したのは、「お前らのいいようにはならない、飼いならされることは拒否する」との意思表示でしょう。日本の首相でこれができますか?日本の国民と米国の国民とを比較して、真の多様さを受け入れることができる米国民と、メデイアに洗脳され続け、自分の頭で考えることができない日本国民とで、成熟度において違いがあるという感想を持ちました。

高濱記事

—緊迫する朝鮮半島情勢をめぐって米中朝による虚々実々の駆け引きが続いています。「米朝開戦」の可能性はやや遠のいた感じがします。米国内ではどうとらえられていますか。

高濱:ドナルド・トランプ大統領の決まり文句は、「すべての選択肢はテーブルの上にある」です。

朝鮮半島へ向かう米空母カール・ビンソン(写真提供:Mass Communication Specialist 2nd Class Sean M. Castellano/U.S. Navy/ロイター/アフロ)

原子力空母カール・ビンソンを中心とした空母打撃群を朝鮮半島沖に向かわせる一方、アフガニスタンに大規模爆風爆弾(MOAB)を投下して、北朝鮮の核施設を打撃する意思をあらわにしました。MOABは通常兵器では最強の破壊力を持つといわれています。

<核兵器を放棄しないのならここまでやるゾ>という「最大限の圧力」を金正恩委員長に突き付けたわけです。

ところが3週間たった今、トランプ大統領は硬軟両様作戦に転じたそぶりをみせています。

米主要シンクタンクのアジア専門の研究者の一人はこう筆者に語りました。「トランプ大統領が就任して以降の朝鮮半島情勢を見ていると、いまのままでは危ない、いつ何が起こるかわからないという不安と緊迫感を全世界の人たちに抱かせている。『俺は手の内を事前に明かさないのが強み』と自分で言うほど想定不可能な行動をとる『型破りのトランプ』の面目躍如といったところだ」

「それに、相手は、『国体』(つまり金王朝)を守るためには国土を焦土化してもかまわないと決意しているかに見える金正恩が主役。準主役は泰然自若とした中国の習近平(国家主席)」

「朝鮮半島が置かれた地政学上の状況は分かっていても、ハッタリ合戦だと分かっていても、『米朝開戦』にまっしぐらに進むような雲行きが続いてきた。米政治学者たちが好んで使う『カブキ・プレイ』*なのだが、両者の演技が真剣みを帯びてきて、まさかと思っていた日本と韓国の政府まで血相を変え始めた。そんな中で、一番緊張しながらも腹が座っていたのは、『仲介役』を期待されている習近平じゃなかったのか(笑い)」 *:「カブキ・プレイ」(Kabuki Play)とは、実際にはサブスタンス(実質)のある行動はとらないが、思わせぶりで、大げさな立ち振る舞いをする、といった意味で使われている。 (“It’s Time To Retire Kabuki,” Jon Lackman, www.slate.com., 4/14/2010)

硬軟の「硬」はトランプ、「軟」はティラーソン

トランプ政権の現在の動きを見ていて気づくのは、その硬軟両様作戦をトランプ大統領とレックス・ティラーソン国務長官が手分けしてやり始めた点です。

トランプ大統領は得意のツイッターを使って(最近ではメディアとの単独インタビューで)緊迫感を煽っています。28日にもAP通信とのインタビューでこう言っています。「下手をすると、北朝鮮とどでかい、どでかい戦闘(Major major conflict with North Korea)になる可能性すらある。無論、外交的に解決したのはやまやまだが、これは相当難儀なことだ」 (“Transcript of AP Interview with Trump,” AP, 4/24/2017)

一方、大手石油企業エクソンの最高幹部だったティラーソン氏の方は、国務長官然とした風格が出てきてきました。雄弁じゃないけど、発言には重厚さを感じます。自ら議長を務めた4月28日の国連安保理閣僚会合の場では、北朝鮮に対する外交的圧力と経済制裁の強化を訴えました。北朝鮮が核を放棄すれば、直接対話してもいいとすら仄めかしています。 (“Interview with Bret Baier of Fox News,” Rex W. Tillerson, Secretary of State, Department of State, 4/27/2017)

「災い転じて吉」?深まる米中首脳の個人的信頼関係

—中国の存在がこれまで以上にクローズアップされています。米中首脳の胸のうちはどうなのでしょう。

高濱:トランプ政権が発足するまで、南シナ海での中国の軍事行動や為替・通商摩擦を抱え、米中関係は波乱含みだと言われていました。ところが、皮肉なことに金正恩委員長の挑発行為のお陰でトランプ、習近平両氏の個人的な関係は深まっているようです(笑)。

トランプ大統領は就任100日経って、することなすことうまく行かない。習主席も今年秋の中国共産党全国代表大会(党大会)を控えて、内政外交すべてで失敗は許されない。

4月4日にフロリダ州パームビーチの「マー・ア・ラゴ」で行なわれた両者の会談・懇談は初対面にもかかわらず、「肝胆相照らすものだった」(ホワイトハウス詰めの米テレビ記者)と言われています。

それから8日後の12日に、両首脳は緊迫化する朝鮮半島情勢をめぐって電話で協議しています。習氏は北朝鮮問題について「対話を通じた解決」というこれまでとは異なる表現を使いました。これまでは「すべての側による自制と状況の激化回避」と表現していました。ワシントン外交筋は、「習氏は米国が求める対北朝鮮制裁強化にある程度応じる意思表示をしたのではないか」と分析しています。

トランプ・習近平の関係緊密化で米中に「変化」

4日の首脳会談以後、米中の関係に「変化」が出ていました。

中国は13日、今年1月~3月期の北朝鮮からの石炭輸入量が前年同期比で半分に減少したと発表しています。さらに14日には中国国際航空の北京―ピョンヤン運航便を17日から停止すると発表しました。

一方、米国側にも「変化」が見られます。米財務省は14日に公表した半期為替報告書で、中国の為替操作国への認定を見送りました。認定は、トランプ大統領が「公約」に掲げていたものです。米中首脳協議を踏まえ、中国へ配慮したと見るべきでしょう。

—米国が求める対北朝鮮制裁強化で中国が動き出したことが北朝鮮に影響をあたえているのでしょうか。

高濱:北朝鮮は、25日の朝鮮人民軍創設85周年に合わせて行なうと見られていた核実験を現時点までしていません。確かに16日と29日に弾道ミサイル実験をしました(ともに失敗)。「史上最大の軍事演習」も行いました。しかし核実験はしていません。

北朝鮮が核実験をしなかったことについてティラーソン長官は、27日のフォックス・ニュースとのインタビューに応えて、こう述べています。「北朝鮮は、『もし核実験をやったら我々は独自の制裁を科す』と中国から脅されたのだ」 (“Interview with Bret Baier of Fox News,” Rex Tillerson, U.S. Department of State, 4.27.2017)

トランプ大統領も21日のインタビューで、この点について「習主席とはすばらしい関係にある。中国は北朝鮮への対応を強めている」と暗に認めました。 (“Transcript of AP interview with Trump,” AP, cnbc.com., 4.24.2017)

対北朝鮮制裁で「人道上の物資支援」打ち切りも要求か

—こうした動きを踏まえてトランプ大統領はこれからどうしようとしているのですか。

高濱:国際軍事政治分析で定評のある「ストラトファー」社(本社テキサス州ヒューストン)は4月25日付に公表した「アセスメント」(情勢分析)でこう分析しています。

「トランプ政権は当面、①朝鮮半島での軍事力堅持②国連安保理での対北朝鮮制裁強化――の二つを同時並行的に行うことになる」

ここに特に新味はありません。この作戦の主要ファクターとなるのは中国への具体的な対応策についての次の記述です。

「北朝鮮に核・ミサイル開発を止めさせる上で最も影響力を持っているのは依然として中国だ。その中国に対して米国はアメ(経済通商スタンスの軟化)とムチ(北朝鮮に対する一方的単独軍事行動の用意)をちらつかせる。北朝鮮が暴発すれば米国だけでなく中国の国益にも反することを、口を酸っぱくして中国に言い、理解させなければならない」

「これまでの対北朝鮮制裁には『抜け道』(Loophole)があった。中国はこれまで適切な措置をとっていない――中朝国境地域における石油、石炭、鉄鋼、燃料、為替などの貿易・金融の業務取引、人道上の物資支援、武器弾薬等の密輸などを許している。この点について徹底的に遵守することを今こそ中国に求めるべきである」 (https://worldview.stratfor.com/article/china-solution-north-korean-problem)

米軍事包囲網から中国を守る「緩衝地帯・北朝鮮」

—対北朝鮮制裁として米国が求める要求に中国は応じるでしょうか。

高濱:確かに中国にとって北朝鮮は、朝鮮戦争以来の「血で固めた友誼の同盟国」です。そうした歴史的な関係もさることながら、北朝鮮は現在の地政学上からも中国にとって不可欠な「特別な国」です。

国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長を務めたこともあるビクター・チャー博士(米戦略国際問題研究所=CSIS)はこう述べています。「中国にとって必要なのは東アジア地域における戦略的安定だ。同地域には米国の軍事同盟国の日本と韓国がある。戦略的安定は、朝鮮半島に北朝鮮が存在することで保たれている。トランプ大統領はこの状況を何としても変えようとしている。だが中朝関係は危機が起こらない限り揺るがない」 (“A reckless North Korea remains China’s useful ally,” James Kynge, The Finacial Times, 4/18/2017)

つまり中国は、核武装した北朝鮮は受け入れがたい。けれども北朝鮮という国家が崩壊することだけは避けたい。崩壊して、韓国に併合されれば、「統一朝鮮」は米国の核の傘に入ってしまう。中国は「核保有国・北朝鮮」よりもそのことを恐れているのです。北朝鮮は中国にとっては「バッファー(緩衝地帯)」の役割を果たす重要な国家なのです。

党機関紙の社説が意味するものはなにか?

中国共産党機関紙「人民日報」傘下の「Global Times」(環球時報=4月28日付)が、こんな社説を掲載しました。「北朝鮮が核・ミサイル開発を継続するならば、中国は、国連安保理によるさらなる厳しい制裁決議を支持するべきだ。北朝鮮による核保有は中国の国益に反している」 (“China must be ready for worsened NK ties,” Global Times, 4/27/2017)

—習近平主席の対北朝鮮スタンスが変化しているのを反映しているかのようですね。

高濱:そうだと思います。この新聞は中国国内向けではなく、在外の華僑向け新聞です。「観測気球」的な側面も持っています。

ロンドンの戦略問題研究所(IISS)が4月28日にあるレポートを発表しました。タイトルは「米朝関係」(China-North Korea relations)。前述の「ストラトファー」の記事とともに、今ワシントンの外交専門家の間で注目されている論文(IISS Strategic Comments)です。筆者の名前はありません。おそらく世界各国から集まっている中国・北朝鮮専門家が討議したものをまとめたものだと思います。 (“China-North Korea relations and the 19th Party Congress,” IIAA Strategic Comments, IISS, 4/28/2017)

刮目すべきは、習近平主席が今おかれている国内状況に言及している点です。

「北朝鮮の核実験はなかった。一番胸をなでおろしている中国の習近平ではないだろうか。中国では第19回党代表大会*が開かれる。習近平の2期目の政権が誕生することはまず間違いないだろうが、問題は執行部にどれだけ多くの習近平派を送り込めるか、だ」 *:第19回党代表大会=執行部(政治局常務委員)メンバー7人のうち習近平主席、李克強首相を除く5人が「年齢制限」(就任時点で67歳以下という不文律)を超えるため引退する。このうち4人は「江沢民人脈」と見られている

「習近平はこれまで軍と中央委員会における地盤を固めるのに成功してきた。だが、引き続き現状を維持できるかどうかは予断を許さない。そのカギを握っているのが、北朝鮮問題と米中関係だ。北朝鮮問題では、いかにして『もっともらしい対北朝鮮戦略(One plausible strategy for dealing with North Korea)』を実践できるか否かにかかっている」

「ポストをめぐって、これから秋にかけて権力闘争が激化する。そのためにも習近平は北朝鮮問題で、そして対米政策において、絶対に失敗は許されないセンシティブな時期に直面している」

「習近平が朝鮮問題で強力な行動に踏み切れるのは、秋以降になることだけは間違いない。それまで習近平はいかに現状(悪化の一途を辿ってはいるが)を維持するか、ステータス・クオー(現状)を引き延ばすか、だ」

「北朝鮮が核武装するのは時間の問題になっている。その結果、極東における米軍のプレゼンスはより強化されるし、日韓はともにその軍事力を強化する。中国にとっては短期的には北朝鮮の核開発を遅らせる用心深い戦術が必要になってくる」

トランプ大統領の振り上げた「拳」の落としどころはどこか。金正恩委員長が「核開発を止める」と宣言することだろう。そうなれば、かっての6カ国協議を復活させる可能性も出てくる。このシナリオは習近平主席にとってもベストに違いない。

だが今のところ、「落としどころ」への筋道は視界ゼロ。習近平体制が盤石になる秋に向けて何が起こるのか。「米朝開戦」の時限爆弾を抱えながら視界ゼロが続きそうです。

古森記事

大統領就任100日目に米ペンシルベニア州ハリスバーグで開いた集会で演説するドナルド・トランプ米大統領(2017年4月29日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON 〔AFPBB News

米国のトランプ政権が誕生してから100日が経過した。就任以来、トランプ大統領の支持率が低下しており、「就任後100日目の支持率」としては史上最低であることが日米両国のメディアによって伝えられた。

だが同時に、トランプ氏に投票した米国民の間での支持率は96%と非常に高いことも判明した。トランプ氏に投票した有権者で「後悔した」という人はわずか2%しかいないという世論調査結果も出ている。この現実は日本の大手メディアではほとんど報じられていない。

再びトランプ対クリントンで戦ったら?

4月下旬にABCニュースとワシントン・ポストが合同で実施した米国の世論調査によると、トランプ大統領の支持率は42%だった。この数字は1945年以来の米国歴代大統領の就任後100日目の支持率として最低だという。

だが同じ世論調査で、昨年11月の大統領選挙でトランプ氏に投票した国民の96%が「再び選挙があればまたトランプ氏に投票する」と回答した、という結果も出ている。トランプ氏に投票したことを「後悔した」と答えたのはトランプ支持層全体のわずか2%だったという。

つまり、トランプ氏の支持層の間では、トランプ氏への信頼と支持がまったくと言っていいほど揺らいでいないのだ。

同調査によると、民主党のヒラリー・クリントン候補に投票した人たちの間では「もし選挙が再度あれば、また投票する」と答えたのは85%だった。15%ほどが今度は投票しない、というわけだ。その結果、もしトランプ対クリントンという組み合わせで再び大統領選を実施した場合、トランプ氏が全体の総得票数でもクリントン氏に差をつけて圧勝することになるという。実際の選挙では、クリントン氏の総得票数がトランプ氏を280万票ほど上回っていた。

支持者は「腰を据えて見守るつもり」

トランプ支持層の堅固な支持が続いていることは、他の世論調査でも裏づけられた。

バージニア大学政治センターが4月中旬に全米規模で実施した世論調査によると、昨年の選挙でトランプ氏に投票した有権者の間では、その93%がトランプ大統領への支持を表明した。

それらの支持者の間では「トランプ政権の100日間で米国経済が良くなったと思うか」という質問に対して61%がイエスと答えた。また、31%が「米国経済はオバマ政権時代とほぼ同じ」と答えたという。つまり、トランプ氏に投票した有権者たちはそのほとんどが、米国経済がトランプ政権下で以前よりは悪くなってはいない、と考えているのだ。

バ―ジニア大学政治センターは、同調査に寄せられたトランプ支持者たちの意見も紹介している。例えば、2012年の選挙ではオバマ氏に投票し、2016年にはトランプ氏に投票したというある中年男性は、「トランプ氏は大統領になってほんの2~3カ月で、まだ職務に慣れつつあるところだから、私はまだ彼がどこまでやれるか、腰を据えて見守るつもりだ」と言う。こうしたトランプ支持者の発言は、日本の主要メディアで報じられることはまずない。

偏っている反トランプメディアの報道

今回の世論調査では、トランプ大統領を支持しない層が、必ずしも反対勢力の民主党の支持に回っているわけではないという実態も判明した。

前述のABCニュースとワシントン・ポストの合同調査では、全米の一般国民の67%が「私たちの懸念を民主党は理解していない」と答えた。「私たちの懸念を共和党は理解していない」という答えは58%だったという。この世論調査に限って言えば、トランプ政権を支える共和党の方が、わずかながら米国民一般の信を得ている、と言えそうだ。

日本にとって、米国の現政権に対する米国民の評価の状況を正しく把握することは言うまでもなくきわめて重要である。だが、現在、日本で伝えられるトランプ大統領の評価は、そのほとんどが米国の反トランプメディアの報道と、その報道に依拠する日本メディアの報道によるものである。本当は今回の米国での世論調査の結果のように、トランプ大統領への米国民の支持、不支持には多様な側面があるということを認識しておく必要があるだろう。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『副都心「雄安新区」建設は千年の大計か大愚策か 習近平主席が主導、GDPの数字は増えるが…』(4/28日経ビジネスオンライン 北村豊)について

米朝戦争の行方について4/30看中国の記事は<朝鮮危機歷來最大 外媒:開戰後美最怕…(圖)=朝鮮の危機は今までで最大 海外メデイア:開戦後、米軍が最も恐れるのは(図)>とあります。その一部を翻訳します。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/05/01/347748.htm

報導中分析,一般認為,美韓聯軍必定能夠擊敗朝鮮,如果美軍先發制人,則可能會先打擊朝鮮的核設施與導彈,同時轟炸韓朝邊境的火炮。另一方面,如果朝鮮先發制人,則可能會先攻擊首爾地區,而且哈里斯也表示,目前美軍並無法阻擋朝鮮已發射出的密集炮彈。

報導中稱,美軍有信心快速贏得這場戰爭,但如戰事拖長,則美軍將會擔憂因多年軍費下降且不穩定情形,後續增兵可能會有問題。

(ボイスオブアメリカ)の報道の分析は、一般的に米韓連合軍が必ずや北朝鮮軍を充分に打ち負かすことができると思われている。もし、米軍が先制攻撃すれば、北朝鮮の核施設やミサイルを攻撃でき、同時に38度線近くのロケット砲も無力化できる。逆に、もし北朝鮮が先制攻撃すれば、ソウルを攻撃でき、ハリス司令官も言ったように、目下米軍は北朝鮮が発射したロケット砲の飽和攻撃を防ぐことはできないと。

報道の中で、「米軍はこの戦争にすぐに勝利を収める自信はあるが、もし長引けば、米軍は長年の軍事費の低下に悩まされて来、状況が不安定になり、増派もおそらく問題になるだろう」

北村氏の記事の写真で「我们都是首都人」というのは、香港人の劉徳華(アンデイ・ラウ)の歌『中国人』の最後に出て来る「我们都是中国人」をもじったものでしょう。

中国も朝鮮半島も表現が大袈裟すぎです。千年計画や千年の恨みなんて言っても、国が残っているかどうかです。中共が支配する中華人民共和国や大韓民国は消滅している可能性もあるでしょう。易姓革命や事大主義の国柄ですので。

“雄安新区”は19番目の国家プロジェクトのようですが、土建国家の面目躍如たる所があります。李冰親子が都江堰(四川省)で世界最古(紀元前272年)の水利・灌漑施設を造ったのを思い起こさせます。

https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/06_11_g2.pdf

でも中国はいつの世でも賄賂社会ですので、今回も政権にある連中が、工事に絡んで鞘抜きするでしょう。おから工事(=豆腐渣工程)が多くなる訳です。四川大地震の時に小学校が潰れ、児童が多く亡くなったのもおから工事のせいと言われています。私腹を肥やす為に、国民の命を粗末にする政権は長続きしないと思います。

信用膨張をまだ不動産開発で乗り切ろうというのが理解できません。日本のバブル崩壊という貴重な前例があるというのに。値段を吊り上げるため、業者間でキャッチボールし合いながら進んでいき、ただ不動産価格が上がり過ぎて、実需がなくなり、最後にババを引いたものが倒産する構図でした。その後の失われた20年に繋がったことは記憶に新しいです。まあ、中国の為政者は、自分の代のことしか考えませんから。ただ、中国に貸しこんでいる世界の銀行はリーマン以上の痛手を蒙るでしょう。ドイチエ銀行がその最右翼です。EUも連鎖倒産?ジムロジャースは中国より日本が売りとか言っていますが、予想は外れるでしょう。

http://www.news-us.jp/article/438563412.html

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/021200253/

記事

「我々はみな首都圏の住人だ」との横断幕。新区建設の行方やいかに(写真:ロイター/アフロ)

中国国営の「新華通信社」は4月1日付の記事で、「“中国共産党中央委員会”と中国政府“国務院”が、河北省に“国家級新区”の“雄安新区”を設立することを決定した」と報じた。このニュースは日本ではほとんど報じられなかったが、中国国内では国家的な重大決定事項であるとして大々的に報じられた。折しも4月1日は“愚人節(エイプリルフール)”当日で、その設立が何らの前触れもないまま突然に報じられたことから、中国国民は雄安新区の設立をエイプリルフールの嘘ネタかと半信半疑であったが、雄安新区は国務院によって批准された正真正銘の国家事業である。

19番目にして千年大計

“国家級新区”とは、国務院の批准を経て設立される「国家の重大発展と改革開放戦略の任務を受け持つ総合機能区」を意味する。中国で最初に設立された国家級新区は1992年に国務院の批准を受けて設立された上海市“浦東新区”であった。2番目の国家級新区は、それから14年後の2006年に設立された天津市“濱海新区”であった。2010~2012年には4カ所の国家級新区(重慶市“両江新区”、浙江省“舟山群島新区”、甘粛省“蘭州新区”、広東省“広州市南沙新区”)が設立された。2014年以降は、2014年1月に陝西省“西咸新区”と貴州省“貴安新区”の2か所が国家級新区として設立されたのを皮切りに、2016年末までに山東省“青島市”、遼寧省“大連市”、四川省“成都市”など合計12カ所の国家級新区が設立された。従って、今回の雄安新区は19番目の国家級新区となる。

雄安新区は国家級新区としては19番目だが、上述した新華社の記事は「これは“習近平”同志を核心とする中国共産党中央委員会が行った重大な歴史的戦略の選択であり、広東省の“深圳経済特区”と上海市の浦東新区の後を継ぎ、全国的な意義を持つ新区であり、“千年大計、国家大事”である」と述べている。すなわち、雄安新区は、国務院の批准を受けて1980年8月に設立された「深圳経済特区」、並びに1992年10月に設立された「上海浦東新区」と同等に位置付けられていることを示している。雄安新区の設立を国務院だけでなく、中国共産党中央委員会も批准していることが重要なポイントなのである。

中国共産党中央委員会総書記の習近平は、2014年2月26日に“京津冀共同発展座談会”<注>を開催し、北京市・天津市・河北省の一体化による首都経済圏の発展を促進するよう指示した。これを受けて北京市は、2015年11月24~25日に開催された北京市党委員会第11期第8回全体会議で、北京市内の南東部に位置し、隣接する河北省の“廊坊市”と境を接する“通州区”に“行政副中心(行政副都心)”を建設することを決議した。また、2016年4月には“行政副中心”から“副中心(副都心)”への改称が決議され、2017年には北京市の行政部門や事業機関の一部または全部が通州区へ移転することになっている。計画によれば、副都心としての通州区は、2030年の常住人口を130万人以内に、就業人口を60万~80万人の規模に抑制するとしている。

<注>「京」は北京市、「津」は天津市、「冀(き)」は河北省を意味する略称。

首都機能の停滞解消のために

それならば、「深圳経済特区」と「上海浦東新区」に並ぶと位置付けられた「雄安新区」とは一体何なのか。中国メディアが報じたところによれば、「通州区は北京市の副都心だが、雄安新区は首都の副都心」なのだという。従来の考え方ならば、北京市は中華人民共和国の首都であると同時に、北京市という地方政府の行政府が所在する場所であったが、あらゆる人や物が北京市へ、特にその中心部へ集中することによる弊害(人口集中、交通混雑、自然環境や生活環境の悪化など)はすでに限界を超えている。そこで、北京市が持つ“首都功能(首都機能)”と“非首都功能(首都ではない機能)”を分け、後者の滞りを解消するために策定されたのが通州区を副都心にすることだった。一方、首都機能の滞りを解消するための方策を“京津冀一体化(北京市・天津市・河北省一体化)”方針に基づいて検討した結果、最適な方策として決定されたのが国家級新区としての雄安新区であった。

雄安新区の計画範囲は、北京市に隣接する河北省の中部に位置する“保定市”の管轄下にある“雄県”、“容城県”、“安新県”の3県およびその周辺部で構成される地域である。雄安新区の名称は、雄県と安新県から一文字ずつ取って命名された。

雄安新区は北京市から南西に110~120km、天津市から東に100~110kmに位置する。北京市とその南東にある天津市との距離は約120kmなので、北京市、天津市、雄安新区の3地域は、天津市-雄安新区を結ぶ直線を底辺とする二等辺三角形を形成することになる。

雄安新区を構成する3県の所在位置を個別に見てみると次の通り。

【雄県】 北京市まで108km、天津市まで100km、保定市まで70km 北京まで車で45分。“津保鉄路(天津・保定間鉄道)”で天津市まで15分。
【安新県】 北京市まで162km、保定市まで45km 高速道路で北京市、天津市、保定市に通じ、全国各地とつながっている。
【容城県】 北京市まで110km、天津市まで100km “津保鉄路”と“保津高速公路(保定・天津高速道路)”で1時間以内に北京市と天津市に到着可能。

なお、雄県と安新県の間には“華北”最大の淡水湖“白洋淀”(336km2)が有り、将来は雄安新区の水源としての役割を担うことが期待されている。

主席主導で視察と討議を重ね

雄安新区を構成する3県の面積は、雄県:524km2、安新県:739km2、容城県:314km2であり、その合計は1577km2になるが、これ以外に3県の周辺地域も含まれる。新華社通信の記事によれば、雄安新区は選定された特定地域から開発に着手することになるが、初期の開発面積を約100km2とし、中期的には約200km2、長期的には約2000km2とすることが計画されているという。深圳経済特区の面積が1996km2、上海浦東新区の面積が1210km2であるから、雄安新区の最終的な規模はこれら両地域を上回ることになる。但し、現状の雄県、安新県、容城県の3県は緑の麦畑に覆われた農業地帯であり、白洋淀を中心とする観光業と安新県における廃品非鉄金属の集積業くらいしかめぼしい産業はない。

習近平は2012年11月に開催された中国共産党第18期中央委員会第1回全体会議で総書記に就任して以来、幾度となく北京市、天津市、河北省を視察すると共に、何度も北京市・天津市・河北省の一体化による発展戦略を討議する会議を開催して来た。2017年2月23日に、習近平は河北省安新県を視察し、河北省雄安新区建設計画の座談会を開催して、雄安新区建設の意向を確たるものとしたという。

習近平は雄安新区の建設に当たり、次の7点を強調したという。すなわち、(1)緑の“知恵城市(スマートシティ)”の建設、(2)生態環境に配慮した都市の建設、(3)ハイテク産業の発展、(4)質の高い公共サービス、公共施設による都市管理のモデル、(5)高速、高効率な交通網によるグリーン交通システム、(6)体制メカニズム改革の推進、(7)全方位的な対外開放。

習近平の参謀に腹心の“栗戦書”がいる。栗戦書は“党中央政治局委員”、“党中央書記処書記”、“党中央辦公室主任”などの要職を兼任しているが、出身は河北省“石家荘市”に属する“平山県”である。1983年頃、栗戦書は石家荘市“無極県”の党委員会書記であったが、当時隣接する同市“定正県”の党委員会書記は地方官僚としての第一歩を印したばかりの習近平であった。2人は近隣の県党委員会書記として親交を深めたというが、その関係が栗戦書の大出世につながっている。人の縁とは実に分からぬものである。とにかく、河北省は栗戦書にとって出身地であり、習近平にとっては役人としての出発点であり、2人の河北省に対する思い入れは格別のものがある。

地価急騰、違法取引、売買停止、強制収容

こうした背景の下で動き始めた雄安新区だが、4月1日に雄安新区の設立が報じられると、たちまち始まったのは雄安新区に組み込まれる3県における“房地産(不動産)”価格の急騰であった。雄県にある4年前に1m2当たり3150元(約5万400円)で購入した127.5m2の住宅は、即金で1m2当たり3.1万元(約50万円)に値上がりしたという。雄安新区で一儲けしようと考える投資家たちは、押っ取り刀で雄安新区となる3県に駆けつけ、手あたり次第に住宅の購入に奔走した。雄県では“雄縣住房和城郷建設局(雄県住宅・都市農村建設局)”が不動産売買に関する公開状を発表し、一部の不動産開発業者や仲介業者による違法な不動産取引に注意を喚起した。また、これと相前後して、3県における不動産売買は全面的に凍結された。

一方、白洋淀周辺では当局が農地の強制収容に着手しており、1ムー(畝=666.7m2)当たり6万元(約96万円)で農民から農地を買上ようとしている。これを1m2当たりの単価にすれば、90元(約1440円)という計算になり、“麦当労(マクドナルド)”の“巨無覇(ビッグマック)”の現行価格は17元(約272円)だから、ビッグマック5個分の金額で農地1m2を接収しようとしているのである。当然ながら農民たちはこれに反発し、徹底抗戦を決意していると言うが、今後は3県の各地で同様な宅地や農地の強制収容が実施されるものと思われ、当局側と農民側との間に激しい闘争が行われることが予想される。

さて、深圳経済特区は今や深圳市全区に拡大され、人口は1055万人、GRP(域内総生産)は1兆9493億元(約31兆1890億円)と全国第4位となっている。深圳市は香港に隣接する地の利を活かして、急速な経済発展を遂げることに成功した。上海浦東新区は、人口519万人、GRPは約7200億元(約11兆5200億円)で、上海市全体のGRP2兆7455億元(約43兆9280億円)の26%強を占めているとされる。但し、浦東新区には、超高層ビルが立ち並ぶ“陸家嘴金融貿易区”、“上海浦東国際機場(空港)”、“磁懸浮(リニアモーターカー)”、“上海迪士尼楽園(上海ディズニーランド)”の印象だけが強く、それほど大きなGRPを産み出しているようには見えないのが実感である。

背水の陣も、「鬼城」「空域」の恐れ

習近平が推進する雄安新区の建設は失敗を許されない。かつて上海浦東新区の建設に携わり、“浦東開発領導小組(浦東開発指導グループ)”のリーダーであった元上海市長の“徐匡迪”を担ぎ出し、「京津冀協同発展専門家諮問委員会」のリーダーに任命した。また、深圳市党委員会書記兼深圳市長であった“許勤”を河北省長に任命した。こうして、深圳経済特区並びに上海浦東新区の経験を活かして雄安新区の建設を成功させるべく背水の陣を敷いたのである。

中国経済が景気の低迷から抜け出せず、2017年の政府目標であるGDP6.5%前後を実質的には大きく下回る可能性が高く、GDP成長率にも陰りが見え隠れする。そんな中で国家主導の一大都市建設プロジェクトで、巨大なインフラ建設を必要する雄安新区は、莫大な国家や民間の資金が投入されて、GDPの増大に寄与することは間違いない。しかし、北京市と天津市から100km以上も離れた場所に、たとえ将来的に交通手段の充実と時間短縮が約束されたとしても、自ら進んで移り住むことを希望する人々がどれだけいるかは予断を許さない。

100万都市を夢見て建設された内モンゴル自治区“鄂爾多斯(オルドス)市”の“康巴什(カンバシ)新区”は“鬼城(ゴーストタウン)”として世界にその名を知られているが、中国全土には同様の“鬼城”が数え切れない程存在し、朽ち果てるままに放置されている。

雄安新区の建設はこれから始まろうとしているが、それが“鬼城”とならない保証はどこにもない。雄安新区の水源としての役割を期待されている白洋淀が、水質汚染と水不足に悩まされていることは周知の事実であり、習近平が夢に描いた“藍図(青写真)”通りに雄安新区の建設が進められる可能性は極めて小さい。

唐の詩人“王維”の詩『鹿柴(ろくさい)』に、「空山人を見ず、但(た)だ人語の響きを聞くのみ」とあるが、これを“鬼城”に当てはめれば、「空城人を見ず、但(た)だ風声の響きを聞くのみ」となる。雄安新区が“空城(空の都市)”にならなければ良いが、果たしてその結果は将来どうなるだろうか。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国 日本に対する核攻撃のシュミレーション』(4/30ブログ 「日本と韓国は敵か?味方か?」)、『中国のEXILE系不人気と許されるポルノの関係 社会問題をゴシップで嗤う分断の闇』(4/27日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

米朝戦争が起きるのは今年の秋以降になるようです。米軍が北のミサイルを無力化するのを確認するのに時間がかかるとのこと。青山繁晴氏は山口敬之氏同様、GW中に米国に渡り、情報収集、青山氏は米軍の要人に会って、情報を取るだけでなく、日本の情報も伝えるとのことです。

<4/29 よるバズ (オンライン番組)青山繁晴×山口敬之>

https://youtu.be/4IbwmGarjUw

日本は民主主義国家ですので、国民一人ひとりが国の安全について真剣に考えて、対策を講じるよう政治家を動かさなければ、何も変わりません。無関心こそは敵国の思惑通りとなります。もっとひどいのは左翼リベラルの日本の自衛を骨抜きにしようとする態度です。「憲法9条が日本を守って来た」なんて、戦後のモンゴル、ウイグル、チベットの状況を見て、どのように説明するのでしょうか?中国は、今は尖閣はおろか、沖縄、日本まで取りに来ようとしています。その時には、戦わず中国の軍門に下り、日本を共産主義化しようと思っているのでしょうか?基本的人権の根幹である言論の自由がない世界です。マスメデイアこそ声を大にして、その危険性を主張しなければならないのに、アカに染まっている人間しかメデイアでは生き延びられないので、そうはしません。

次は中国の核攻撃の被害見積りについてです。下記の孫向文氏の記事を記載しました。今、目先の北朝鮮の脅威に目を奪われていますが、実は中国の脅威がもっと大きいという事です。こういう記事を報道して、中国人の頭の中に、日本抹殺を刷り込んでいるのでしょう。嘘の中国侵略(満洲は中国の領土ではない)、南京虐殺のデッチアゲ且つ反日教育、反日報道で日本を恨むように中国国民は洗脳されていますので。

日本が“ostrich policy”を取れば、間違いなく、中国へ隷属することになります。自主防衛強化と日米同盟を強化かつ多国間同盟で中国を封じ込めないと。二階幹事長は「日本はAIIBに参加すべき、一帯一路にも「最大限の協力」と言ったそうで、秋に米国の北攻撃が延びたのであれば、国会の会期延長かつ衆院解散して、党人事や内閣改造をした方が良い。売国奴の二階幹事長は下ろした方が良いでしょう。岸田でも良いのでは。

孫向文と同じく中国人漫画家の辣椒氏と遠藤誉氏との対談の様子が下記URLに載っています。如何に中国がひどい社会か分かるはずです。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2048.html

山田氏の記事は中国人への地についた観察がベースにあるので、何時も面白く感じ乍ら読んでいます。小生が中国在勤時代、合弁先の企業が派遣してきた既婚社員同士で、恋愛関係になり、お互いに配偶者と分かれて、一緒になったというケースがありました。本記事にありますように、中国では、仕事の関係で遠隔地に行くことが多いです。男女平等で女性でも遠くへ派遣されますので。中国は人口が多いため、ピンキリのホテルが沢山あり、連れ込みホテルとして利用されていました。日本のようにハッキリ分かる(連れ込み)ホテルはありませんので。

中国人と米国人は似た所が多いです。本音の所での、人種差別や貧乏人差別。グリシャムの『評決の時』には共和党員や“red neck=〔米南部の〕教養の低い白人”を馬鹿にした表現が出てきます。スコット・トウローの『推定無罪』では、犯罪病理学者のクマガイという日系米国人を登場させ、大チョンボをする人物として描いています。映画では、第二次大戦中の日本人を描いた、ちょび髭かつ丸眼鏡、出っ歯のイメージを彷彿させるようにしたような印象を持ちました。(正確ではありません)。1989年に書かれたこの作品は、米国では日本の製品に勝てず、不景気が続いたため、日本人に対して悪意を持って書いたのでは思ってしまいます。また、殺された女性検事は、自分の出世の野心のため、主人公の検事以外にも、裁判官やら他の検察官とも寝ていました。中国人と発想は一緒です。一応中国も男女平等を標榜していますので。日本の男女参画運動も如何わしく感じます。

http://homepage1.canvas.ne.jp/minamihideyo/note-masatu.htm

孫向文氏記事

<日本と韓国は敵か?味方か?>

#中国 日本に対する核攻撃のシュミレーション

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/70399198.html

これを見たら憲法改正を賛成する人が増えるだろう。 中華人民共和国によるシミュレーション。 日本列島に大量の大陸間弾道核ミサイルを同時に発射して、24時間以内に 500万人死亡、800万人被害。 引用元 https://twitter.com/sun_koubun/status/858354792585809920 民進党や共産党や社民党は、なんて言いますかね。 『日本が歴史問題を反省しないから』と言うのか、『アベ政権を倒せば攻撃されない』と言うのか。 韓国は所詮1回戦の相手、北朝鮮は2回戦、決勝は中国13億人。 1回戦はとっとと片付けるか、1回戦と2回戦の相手で共倒れさせるか。 一番悪いのは、韓国中国を育ててしまった日本のミスを繰り返す事。 韓国に関わらないのでは無く、より積極的に生かさず殺さずで2度と浮かび上がれないようにきつく元栓を締め続ける事。

山田記事

北京・ロンドン五輪のバドミントン男子シングルスで2大会連続金メダルに輝いた林丹選手。卓球と並ぶ人気スポーツだけに国民的英雄の彼はヨネックスのキャラクターも務める。だが、不倫騒動が持ち上がると非難が集中、ヤセ型で浅黒い容貌を「出稼ぎ農民のようだ」とバカにするコメントが相次ぎ、農民に対する蔑視が浮き彫りになった(写真=市野 瑞穂)

中国に林丹というバドミントン選手がいる。北京、ロンドンと2大会連続でオリンピック男子シングルスで金メダルを獲得した。バドミントンは卓球と並ぶ中国の国民的スポーツで、市民スポーツとしてもどちらも盛んだ。上海で私が最初に勤めた国営の雑誌社でも、昼休みは会議室のテーブルを使って卓球、そして月に1、2度、土日のどちらかに中学や高校の体育館を借りて同僚が集まりバドミントンに興じていた。そんな人気スポーツで林丹選手はオリンピックを連覇、うち1度は自国開催の金メダリストなのだから、まさに国民的英雄だったのである。

「だった」というのは、その林丹選手に昨年11月、不倫が発覚したためである。林選手の妻はやはりバドミントン選手で北京オリンピック女子シングルスの銀メダリスト謝杏芳選手だが、2人の間に第一子が生まれてから2週間とたたない時点でゴシップメディアが林丹選手とモデルの不倫現場の写真を暴露。日本で言うところの「ゲス不倫」に、メディアや市民の非難が殺到した。

ちなみに、「不倫」は中国語では以前、「婚外情」という言い方が一般的だったが、いつからか「出軌」、すなわちレールや軌道を踏み外すという表現が定着した。今回の林丹選手のケースを伝える見出しには、「孕期出軌」、すなわち妻が孕んでいた時期の不倫という言葉が並んだ。そして、そんな林丹選手には「渣男」という非難が浴びせられた。「渣」は日本語と同じ「しぼりかす」の意味で、文字通り「カス男」というわけである。「孕期出軌」をした「渣男」。改めて、中国語はあからさまで生々しい言葉だと思う。

林丹選手に「カス男」という非難が集まるのは、言葉の激しさを脇にのければ、ある程度致し方のないことではあろう。ただ、この騒動で私が気になったのは、非難の書き込みに、林丹選手の行為とは直接つながらない中傷が、不倫騒動をきっかけに一気に噴出したことである。それは、林丹選手の容姿が、農村出身の出稼ぎ労働者、中国で言う「農民工」「民工」のようだ、というものだ。

EXILEのあだ名な「民工団」

上海の工事現場で働いていた農村からの出稼ぎ労働者「農民工」の男たち。赤銅色の肌は一生の大半を紫外線に照らされ太る間もなく働いてきた証だ

掲載した広告写真で分かる通り、林丹選手は色黒で痩せマッチョ、眼光は鋭く、おしゃれなひげを蓄えている。昨今の日本人であれば、「EXILE系だね」と多くの人が思うのではないか。

ところが中国でこのEXILE系、すなわちちょいワルの色黒系の受けは、あまり芳しくない。そしてその理由も、「まるで民工のようだから」というものなのだ。

EXILEには「放浪兄弟」という正式な中国語名があるのだが、ネットでは早くから、「民工団」と呼ばれている。真っ黒に日焼けして、痩せている様がまるで、都会の工事現場にいる民工のようだ、というわけである。

一方で、林丹選手については、工事現場と並んで近年、出稼ぎの人たちを主力の働き手としている宅配便の配送員になぞらえる書き込みが並んだ。「前から思ってたけど、林丹って、電動バイクで町を走り回ってる配送員の民工みたいだよね、真っ黒で」というような書き込みが殺到したのだ。

EXILEのニックネームと林丹選手に対する書き込みで露呈したのは、中国で好まれる男性像、そして中国人、とりわけ都会の人々による、農村や出稼ぎの人たちに対する蔑視である。

問題のすり替えと差別

中国では基本的に、白くてツルッとした肌感の男が好まれる。以前このコラムで、「ピチピチのしっとりした肌を持つ若い男」という意味を表す「小鮮肉」という言葉が、なんと2015年の流行語に選ばれたということを書いた。この言葉が流行ることを見ても、「白くてツルッと」を好む傾向に拍車がかかってきたのが分かる。

背景には、農民や出稼ぎのように日に当たらずとも稼げる人間の方が文化的、文明的だという思想があり、そのようなものに対するあこがれがある。そして、あまり痩せぎすよりは、むしろ太っている男の方が人気がある。これも、太っているのはたっぷり食えていることを象徴するものだというイメージから来ている。引き締まった色黒のEXILE系と、色白の小太りのどちらが好まれるかと言えば、中国では断然、小太り色白派なのである。だから、林丹選手の容姿は本来、中国人の好む男の容姿ではない。ただ、バドミントンという国民的スポーツの英雄だったためにこれまでは容姿を茶化す声が聞こえなかったが、不倫問題で重しが外れると、大衆の本音が一気に吹き出したというところなのだろう。

国や地域によって好まれるタイプが違うのは当然。不倫で批判を浴びるのも仕方がない。しかし、EXILEやスポーツ選手の不倫の話をしていたはずが、それはあくまでダシに過ぎず、いつの間にか、「豊かな色白=都会人」が、「貧しい色黒=民工・貧困層」をバカにするという話にすり替わってしまう。そこに、中国に横たわる断層の深さを垣間見るのである。

豊かな都会人と民工・貧困層との関係で、いつのまにか話がすり替わっているということについて、私がもう1つ気になっていることがある。民工夫婦を取り巻く厳しい環境に同情を寄せるふりを装いつつ、その実、内容は官能小説に限りなく近いメディアやブログの記事の存在である。

硬派記事を装った官能小説

民工には、自宅のある地元で子供を学校に通わせるため、夫が1人で都会に出稼ぎに行き、子供の面倒を見るため妻は自宅に残るというケースがある。家族が集まるのは春節(旧正月)の年に1度だけ、という離ればなれの生活を10年、20年と続けているという人たちも少なくない。これら婦女子のことを「留守児童」「留守婦女」と呼ぶ。中国民生部によると、夫と離ればなれで留守を守る妻は全国に4700万人いるという。離ればなれで暮らすと言うことは、若くて健康な夫婦であれば当然の性生活の機会も極めて限られるということ。さらに男手のない婦女子だけの生活による不安感から、肉体的、精神的なバランスを崩す妻も少なくない。

一方で、再開発に伴う建築工事や、宅配便の配送員、共働き家庭の家政婦等々、都会人の生活を支える仕事の多くは、民工が低賃金で働くことで担ってきた。こうした不公平の是正に政府も動き出してはいて、留守を守る婦女に手当を出したり、地元で仕事を紹介したりして、家族全体の収入を底上げするよう努めている。ただ、離ればなれの生活を強いられていた夫婦が一緒に暮らせるようになったというケースが目立って増えたということにはなっていない。

こうした中、メディアやブログでも留守児童、留守婦女の問題を取り上げる記事が少なくない。ただ、これら記事の中には、冒頭に留守婦女の統計などを書くことで真面目な記事と思わせ、その実、読み進めていくと、夫と離れて暮らす留守婦女が不倫に陥ったり、自慰にふけったりする様を興味本位で、あるものは小説仕立てで、あるものはドキュメンタリー風にきわどい描写をちりばめつつ書いているものが多々ある。これら記事の書き込みも、読むに堪えないような下卑たもののオンパレードである。ポルノが禁じられている中国で、社会問題を扱う体裁をまとった「許されるポルノ」とでもいうべき歪んだ存在だ。

過酷な労働の証である色黒を嗤われた民工は、自らが抱える深刻な問題を、ポルノまがいの記事に仕立てられ、面白おかしく消費され、また1つ、鬱憤をため込むのである。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『北京對朝不樂觀 黨媒:半島生戰或難免=北京は北朝鮮に対し楽観せず、党のメデイアは半島での戦争勃発は不可避』(4/29新唐人電視台)について

本記事は、特に目新しい部分は、ありません。ただ、中朝間で軋轢が相当なものになっていることは分かりました。日本では報道されません。ただ、狐と狸の化かし合いで、お互いが役割を演じているだけかも。山口敬之氏によれば、中朝間には地下のパイプラインがあり、そこから石油を北朝鮮におくっているとのことで、これはチエックが難しいです。中国の統計には出てきませんから。勿論中国が発表する数字は全然当てになりませんけど。

中国も米国にアリバイ作りしているだけです。本気で金正恩を排除しようとしている訳ではありません。ヘタすれば、瀋陽軍と内乱になりますし、中南海も北の核ミサイルで一瞬にして消失する可能性があります。まあ、特亜の2国で核ミサイル撃ちあう分には「我関せず」ですが。日本にそれが向けられるとなれば話は別です。

習近平としては心の中で、米国が金正恩を排除するのを願っていると思います。江沢民派と瀋陽軍閥と連なる金正恩を排除し、その後に金漢率でも持って来れれば万万歳です。一石三鳥です。まあ、暗殺される可能性がありますので、金漢率がスンナリ受けるとも思えませんが。

トランプも国内の既存勢力に騙されてはいけないと思います。早く北を解決し、来るべき中国との対決に舵を切るべきです。日本の周囲は脅威だらけです。米国が守れないというのであれば、核兵器を日本に売るべきです。米国債で払いましょう。

国民もこの危機を自分のものとして考えるようにしないと。子々孫々に「日本」が残せません。「安全第一」です。企業の標語だけでなく、国についても同様です。似非平和主義者に騙されてはダメです。企業は「安全第一」の為に、いろんな手を打ちます。それと同じ事を国でもすれば良いだけです。

米国はカーターやビル・クリントン、オバマに代表される民主党大統領のように、中国に宥和政策を採ってきました。共産主義国家に対する危機感が足りなさ過ぎです。人権を守らない、邪悪で、人類を不幸にするシステムです。中国が世界を制覇するようなことになれば、人類の悪夢です。「そんなことはあり得ない」と普通の人は思うでしょうが、小生は中国に8年間勤務して、中国人の強欲さを見てきました。今の東シナ海や南シナ海のやり方を見ていれば分かるでしょう。中国の野望はそこで留まる訳はありません。世界を、宇宙を制覇するつもりです。2045年には米国を軍事力で抜くとも言われています。その前に中国経済を崩壊させて、分裂させるようにしなければ。

記事

雖然金正恩在4月沒有進行核試驗,但是朝鮮官方表態絕不放棄,半島危機走向依然不樂觀。日前,大陸官媒發表社評稱,如果朝鮮核問題持續發酵,最終半島生戰難以避免,並警告朝鮮不要將中朝矛盾推向〝質變〞。

港媒《香港經濟日報》報導稱,4月27日,正在紐約出席聯合國安理會會議的中共外交部部長王毅,在與俄羅斯副外長加季洛夫會面時表示,當前朝鮮半島局勢存在輪番升級甚至失控的危險。

4月28日,大陸黨媒人民日報旗下的《環球時報》發表題為《中朝關係或更糟糕,中國應有所準備》的社評,警告朝鮮若繼續開展核導活動,中方勢支持安理會通過更嚴厲的制裁決議。

文章認為,目前中朝關係已受到嚴重影響。自金正恩擔任朝鮮最高領導人以來,兩國元首從未會晤,雙方戰略互信所剩無幾,溝通出現嚴重障礙。

而隨着半島局勢進一步惡化,中朝關係很可能變得更糟糕,平壤或許會採取某些〝不友好動作〞,中方對此應有所準備。

文章強調,今天的中朝關係首先應當是正常國家關係,兩國也可在此基礎上做更親密的朋友,但前提必須是不違背中方的利益,不讓北京為平壤的極端政策埋單。

只要朝鮮棄核,兩國關係將很容易重回正軌,北京會鼓勵平壤在核問題上的態度鬆動。反之,若朝核問題持續發酵,最終半島生戰難以避免。

文章表示,半島戰爭帶給中方的風險要比制裁朝鮮所產生的麻煩嚴重得多,如果中方現在不下力氣,未來的選擇將更加艱難。

文章警告,朝鮮只要尚存一絲理性,就不會走與中方軍事對立的那一步。如果平壤將中朝矛盾推向〝質變〞,那麼中方〝有足夠能力駕馭變局〞。

同時,文章也警告美韓,〝雙暫停〞(朝鮮暫停核開發,美韓暫停軍事行動)是中方的真正目標,它們的思路必須與中方的思路相互靠近,而不是〝一個壓倒另一個〞。

此前,《環球時報》一篇社評表示,〝一旦美韓軍隊越過三八線〞,〝中囯就應立即開展必要的軍事介入〞。但在這段文字之前,該報還有表態稱,〝北京應予以外交抵制,但不必軍事介入〞。

韓國《中央日報》解讀稱,《環時》社評暗示,中方或默許美國只對朝鮮核試驗場或導彈發射基地展開〝外科手術式打擊〞。

另一方面,在黨媒持續對朝發出戰爭威脅的同時,習近平和外交部則反覆呼籲〝有關各方克制〞,強調朝核問題要通過外交談判〝和平解決〞。

4月以來,北京和華盛頓合作,持續在核武問題上向朝鮮施壓,威脅朝鮮放棄開發核武。不過,朝鮮則強硬回應,針鋒相對。

4月26日,朝鮮駐聯合國大使發出朝核試驗絕不會停止的強硬聲明。

僅僅一天後,一名朝鮮政府高級官員罕見地接受了CNN採訪,再次做出同樣表態。

這位朝鮮社會科學院人權研究所朴姓負責人表示,核試驗、以及核武技術的提高,是朝鮮最重要的國策之一,核武與導彈的研發決不停止。

此外,朝鮮官媒近日也頻頻喊話,不點名地威脅中方要為兩個關係的〝災難性後果〞負責,並嘲諷北京〝跟隨美國起舞〞等等。

4月28日,韓國網路新聞《Daily NK》報導,朝鮮當局正在國內民眾中積極開展反中宣傳,持續通過人民班演講與保衛部講座對中方進行譴責。

不過,雖然朝鮮官媒表態一直強硬,金正恩在4月15日的金日成冥誕和25日的建軍節,均未進行核試驗和發射導彈。外界認為,這是平壤在中美壓力下的妥協,至少是暫時的避讓。

【新唐人2017年04月29日訊】

金正恩は4月に核実験をしなかったが、北朝鮮の報道官は「核は放棄しない」ことを表明、半島の危機は依然として楽観を許さず、である。先日、中国の公式メデイアの社説に「もし、北朝鮮が核問題を続けるのであれば、最終的に朝鮮半島での戦争は避けられない。北朝鮮は中朝間にある矛盾を質的変化させないよう警告する」とある。

香港メデイアの「香港経済日報は、4/27NYの国連安保理に出席している王毅外交部長はロシアのカデロフ外務副首相と共に「目下の朝鮮半島情勢は交互に危機を煽り、あまつさえ制御できない危うさを秘めている」と述べた」と報道した。

4/28党のメデイアである人民日報の傘下にある「環球時報=global times」は「中朝関係は更にひどくなった。中国はあらゆる事態に備えるべき」と社説で発表し、北朝鮮がもし核ミサイルの開発を続けるなら、中国は安保理で更に厳しい制裁決議を通すことを支持するようになると警告した。

この文章は目下、中朝関係は既に厳しい影響を受けていることを示している。金正恩が北朝鮮のリーダーになってから、中朝の元首は会談したこともなく、双方の戦略的な信頼関係はわずかばかりで、意思疎通を図るには厳しい障害がある。

半島情勢が悪化するにつれ、中朝関係もひどくなり、平壌はもしかしたら友好的でない動きを見せるかもしれない。中国はあらゆる事態に備えなければならない。

文章は「今日の中朝関係は先ず、正常な国同士の関係を築くべきで、両国はこの基礎の上に緊密な友好国となるべき。但し、必須条件として、中国の利益に反しないこと、中国に北朝鮮の瀬戸際政策のツケを払わせないことである」と強調している。

北朝鮮が核を放棄しさえすれば、両国はたやすく再度正常な関係に回復し、北京は平壌の核問題に対する態度を緩めることができる。これに反し、もし北朝鮮が核問題を持続させるのなら、終には半島での戦争は免れない。

文章は「半島で戦争が起きれば、北朝鮮への制裁が生じさせる面倒より中国に危険を齎す方が非常に大きくなる。もし、中国が今何もしなければ、将来の選択はより困難になる。

文章は「北朝鮮に理性が少しでも残っているなら、中国と軍事対立を進めることはできないはずである。もし、平壌が中朝間の矛盾に質的変化を齎すのであれば、中国は事態を変え、制御する能力を充分に持つ」と警告する。

同時に文章は米韓に「“双方の一時休戦”(朝鮮は暫しの間核開発を止め、米韓は軍事行動を暫く止める)が中国の真の目標であって、両者の思惑は中国に近づけるべきで、米韓が北朝鮮を倒すことではない」とも警告する。

以前「環球時報」は社説で「米韓軍が38度線を越えたら、中国はすぐにでも軍事介入する」と表明した。但し、前段があって、「北京は外交で(北の核開発を)防ぐべきで、軍事介入する必要はない」とも報じた。

韓国の「中央日報」は「「環球時報」の社説は、「中国は、米国が北朝鮮の核実験場やミサイル発射基地を外科手術的に空爆するのであれば、黙認する」と暗示している」と解説した。

一方、党のメデイアは朝鮮戦争勃発の脅威が続くと同時に、習と外交部は「関係各方面は良くコントロールせよ」と呼びかけ、「北朝鮮の核問題は外交交渉による平和的解決を望む」と強調した。

4月以降、北京とワシントンは、北朝鮮に核問題で圧力をかけ、核開発を放棄させることで協力してきた。しかし、北朝鮮は強硬な反応を示し、鋭く対立したままである。

4/26北朝鮮の国連大使は「核開発は絶対に止めない」と強硬な声明を発表した。

僅か1日後、北朝鮮の高官が珍しく、CNNのインタビューを受け、再度同じことを言った。

朴という姓の朝鮮社会科学院人権研究所の担当が「核実験は核兵器の技術水準を上げ、北朝鮮の最重要な国策の一つであり、核とミサイルの研究開発は決して止めない」と表明した。

この他に、北朝鮮の公式メデイアは最近頻りに呼びかけているのは、名指しはしないが、「中国は両国の関係が齎す災難の結果にも責任がある」と脅し、「北京は米国と一緒にダンスを踊っている」と嘲笑っていることである。

4/28韓国のオンライン新聞の「デイリーNK」は「北朝鮮当局は国内向けに反中宣伝を積極的に展開しており、人民班や保衛部の講演で中国を責め立てている。

しかし、北朝鮮の公式メデイアはずっと強硬姿勢を貫いているが、金正恩は4/15の金日成の誕生日や4/25の建軍節で、まだ核実験やミサイル発射をしていない。(4/29ミサイル発射しましたが)。世界は、「これは米中の圧力で平壌は妥協し、少なくとも暫くは様子見」と思っている。

【新唐人2017年04月29日報道】

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「韓国は中国の一部だった」と言うトランプ 焦点は「金正恩後の朝鮮半島」に』(4/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『「韓国守る必要なし」トランプ氏に喝采送る米有権者、かつて「敵前逃亡」した韓国軍に“根深い”不信』(4/26産経West)について

米国の同盟国であるにも拘わらず、裏切りの連続だった韓国を見捨てる動きが加速してきた感じです。米国が韓国を甘やかせば、甘やかすほど増長する民族と言うのに気が付かないで来たのでしょう。ですから、見捨てる動きになれば、所謂慰安婦像や強制徴用像への日本政府の動きももっと活発化できるようになるのでは。

朝鮮戦争時、李承晩は北朝鮮軍の攻撃から、自分が逃亡するためにソウル市民を見捨て、漢江にかかる橋を落としました。蒋介石の黄河決壊作戦と同じです。また、李承晩は米国の参戦で持ちこたえられたのに、米国の了解も取らず、38度線を越えて進撃して、中国の参戦を招きました。特亜の民族は皆同じ行動を取ります。トランプが「韓国は中国の一部だった」と言ったのは正確ではありませんが、朝鮮人はルーツは中国人ですから。中国人をもっと性格を悪くしたのが、朝鮮人と思えば良いでしょう。

4/27ZAKZA<韓国への“報復”失敗…中国、強硬外交敗北 軍事的対応も示唆「THAAD反対は口だけではない」>

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170427/frn1704271100012-n1.htm

4/26ZAKZAK<中ロ国土を丸裸にするTHAAD、米国と水面下で怪しい火花 韓国経済には致命的なダメージ>

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20170426/frn1704261530003-n1.htm

4/27朝鮮日報<中国が抗議すべきは韓国のTHAADではなく日本のXバンドレーダー>

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/04/27/2017042701001.html

朝鮮人と言うのは自責の概念がありません。悪いのは総て他人という精神です。魯迅の「阿Q」の精神勝利法は自分の心の中の話であって、他人に罪をかぶせるようなことはしていません。如何に朝鮮人と言うのが下劣かです。

トランプは韓国に「THAAD代10億$払え」と要求しているのも、払わなければ北の問題が解決した時には、装備を引き上げるつもりかもしれません。戦時作戦統制権の返還はおろか、在韓米軍の撤退も視野に入っているのかも。アチソン声明同様、朝鮮半島は米国の防衛線には入っていないのでは。

朝鮮半島の統一が韓国主導で為されるか、北朝鮮を国連軍が管理することになるのか分かりませんが、日本に資金を供出させようと朝鮮人は思っています。他人の褌で相撲を取る連中ですから、日本は絶対に拒絶しなければ。盗人に追い銭になると思うべきです。その時は国民の結束力が試される時です。朝日を筆頭にマスメデイアは「日本が金を出せ」の大合唱になるでしょうけど、国民の底力を見せるべき時です。

4/28報道特注のyoutubeです。ご参考まで。北の手先の評論家や政治家にも言及されています。

https://youtu.be/bkS31wuE3Ss

日経ビジネスオンライン記事

「韓国は中国の一部だった」。米中首脳会談での習近平主席の“講義”に、トランプ大統領は耳を傾けた(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

米中が朝鮮半島の「勢力圏」見直しに動く。

習近平から習った

鈴置:トランプ(Donald Trump)大統領が「韓国は歴史的に中国の一部だった」とウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に語りました。これは歴史認識の問題に留まりません。

「朝鮮半島を今後どう仕切るか」について、米中の談合が始まったことをうかがわせる発言です。トランプ大統領によれば4月6、7日の首脳会談で習近平主席から、そう講義を受けたのです。

WSJの単独会見記事「WSJ Trump Interview Excerpts: China, North Korea, Ex-Im Bank, Obamacare, Bannon, More」(4月12日、英語版)から引用します。

  • He then went into the history of China and Korea. Not North Korea, Korea. And you know, you’re talking about thousands of years …and many wars. And Korea actually used to be a part of China.

以下は全訳です。

  • それから彼(習近平主席)は中韓の歴史に話を進めた。北朝鮮だけではなく朝鮮半島全体についてだ。数千年の間……多くの戦争があった。そして韓国は事実上、中国の一部であったのだ。

なお「韓国は中国の一部」を正確に表現するのなら「朝鮮半島の歴代王朝は中国大陸の歴代王朝に朝貢し、その冊封体制下にあった」と言うべきです。「中国」や「韓国」という名の国が連綿と続いてきたわけではないからです。

難民は韓国に押しつけよう

—なぜ、「北朝鮮の核問題」を話し合う米中首脳会談で、歴史が語られたのでしょうか。

鈴置:驚くには当たりません。必然的にそういう話の展開になるのです。トランプ大統領は中国に「経済制裁を強化することで北朝鮮に核を放棄させよ」と要求しています。「中国がそれをやらないなら軍事攻撃も辞さない」とも明らかにしています。

それを直接、聞かされた習近平主席は「いずれにせよ、核を失った金正恩(キム・ジョンウン)体制は大きく揺れる。混乱した北朝鮮から大量の難民になだれ込まれる中国の身になってほしい」と言い返したはずです。

若くて実績に乏しい金正恩委員長は「核武装」により求心力を維持していますから、核を取り上げられたら政権は崩壊するか、大きく揺らぐのは確実です。

また、南北朝鮮の間には地雷原を含む軍事境界線が横たわっています。普通の人が北から南に脱出するのは困難です。半面、中朝国境は容易に行き来できます。

難民を心配する習近平主席に、トランプ大統領は「難民問題は韓国に任せればよい。『お前が長く望んでいた統一に向けた第1歩だ』と言えば言うことを聞くはずだ」と応じたと思います。

日本への盾は捨てない

それでも、習近平主席は納得できません。韓国が北朝鮮を吸収統一すれば中国は北朝鮮という盾を失い、米国と同盟を結ぶ韓国と接することになってしまいます。中国とすれば「骨折り損のくたびれ儲け」です。

そこで習近平主席はトランプ大統領に対し、歴史的に朝鮮半島は中国にとって海洋勢力――日本や米国の侵略を防ぐ盾であった。それを捨てるわけにはいかない、と強調したのでしょう。

この地政学的説明にトランプ大統領も理解を示し「韓国は中国の一部だった」とWSJに語ったのだと思います。

先に引用した部分に続き、トランプ大統領は次のように述べています。

  • And after listening for 10 minutes I realized that not – it’s not so easy. You know I felt pretty strongly that they have – that they had a tremendous power over China. I actually do think they do have an economic power, and they have certainly a border power to an extent, but they also – a lot of goods come in. But it’s not what you would think. It’s not what you would think.

この記事は大統領の発言をそのまま起したもので、言い足りないところやダブリがあるので意訳します。

  • 習近平主席の10分間の話を聞いて(中国による対北制裁は)簡単なものではないことが分かった。中国は北朝鮮に対する大変な影響力を持っている。経済的な影響力――多くの商品を受け入れる国境貿易という確かな影響力だ。だが、我々が考えるようにはいかない。

なお、原文では「power over China(中国への影響力)」とありますが、文脈から見て「北朝鮮への影響力」の言い間違いでしょう。そう訳しました。

WSJも言い間違いと判断したようです。この記事の1時間22分後に、大統領の発言の背景も書き込んだ雑報「Tramp says He Offered China Better Trade Terms in Exchange for Help on North Korea」を配信しましたが、そこではやはり「over North Korea」と直しています。

要は、トランプ大統領は「中国は北朝鮮に核を放棄させる力を十分に持っている。でも、中国は歴史的に保持してきた盾を投げ捨てるつもりはない。だから問題の解決は簡単ではない」と語ったのです。

交換条件は「米軍撤収」

—結局、米中はどんな取引をしたのでしょうか。

鈴置:トランプ大統領は「核を放棄するまで北に圧力をかけてくれ。ご心配の『朝鮮半島という盾』――中国の既得権は絶対に尊重するから」と約束した。習近平主席はそれを北京に持ち帰った、ということではないかと思います。

そこで現在、米国は北朝鮮を空母などの軍事力で脅しながら、中国の強力な対北制裁を待っているのでしょう。

「朝鮮半島という盾」をどういう形で保証するかまでは詰めていないと思います。在韓米軍の撤収、さらには米韓同盟の廃棄につながる可能性が高いとは思いますが。

「混乱する北朝鮮」には米軍と中国軍を中心とする国連軍が進駐するか、あるいは中国軍が単独で進駐して治安維持活動を展開すると専門家は見ています。ただ、いずれは兵を引くことになるわけでその際、中国は見返りに韓国からの米軍撤収を求めると思われます。

—まさに、前々々回に予想した展開ですね。

鈴置:沈志華・華東師範大学教授は「米国から『北朝鮮の核潰し』を頼まれた今がチャンスだ。重荷の金正恩体制を倒し、韓国に統一させる。さらには半島から米軍を追い出そう」と主張したのです(「米中が朝鮮半島で談合する時」参照)。

韓国に引導を渡す

—直ちに米国から、呼応する声が上がったのでした。

鈴置:同様の意見を発表したのは、カーネギー国際平和財団( the Carnegie Endowment for International Peace)のマイケル・スウェイン(Michael Swaine)シニアフェローです(「『米韓同盟』も『中韓』も賞味期限切れだ」参照)。

この人に続き、中国に詳しいジャーナリスト、クリス・バックレー(Chris Buckley)氏が沈志華教授の講演を紹介しつつ、北朝鮮の核問題を論じました。ニューヨーク・タイムズ(NYT)の「Criticism of Beijing’s North Korea Policy Comes From Unlikely Place: China」(4月18日)です。

ご丁寧に講演の英訳――抄訳ですが「Excerpts From a China Historian’s Speech on North Korea」(4月18日)も付けています。

中国政府の対北朝鮮政策を真っ向から批判した沈志華教授の講演がウェブ上に残っていることにバックレー氏は注目し「金正恩切り捨て→韓国による吸収統一→半島からの米軍追い出し」という同教授の政策が採用される可能性があると見ました。

沈志華教授の講演と同様に、バックレー氏の記事の存在を教えて下さったのは中国研究者の辻康吾氏です。辻氏も沈志華教授の講演筆記がウェブで読めることから、当局が頭から否定する意見ではないと分析していました。

韓国人に“引導を渡す”記事も登場しました。米国のアジア専門家、マイケル・グリーン(Michael Green)CSIS上級副所長が中央日報に「強大国は韓国の統一を望まない?」(4月7日、韓国語版)を書きました。

同じ日に日本語版にも載りました。原文は英語版の「Do big powers oppose unification? 」(4月10日)で読めます。

主張は単純で「韓国人は統一に備えよ」です。中国の賛同を得て北朝鮮の核を解決するには、韓国による難民引き受けがどこかで必要になるとの見通しからでしょう。グリーン副所長はそこまでは言わず「統一」という糖衣でくるんで語っているのですが。

韓国にとっても緩衝地帯

—なぜ「強大国は統一を望まない?」という見出しなのですか。

鈴置:ほとんどの韓国人は早急な統一を望んでいません。貧しい北朝鮮と一緒になれば生活水準が下がるのは確実です。それに統一すれば、中国と国境を接してしまうのです。韓国人にとって北朝鮮は恐ろしい巨人との緩衝地帯なのです。

もっとも韓国には「統一は民族の悲願」との建前があって、露骨に統一に反対はできない。そこで「周辺大国が望まないから統一はできない」と言い合って、問題から目をそらしてきたのです。

こんな意地の悪い指摘は、グリーン上級副所長はしていません。しかし韓国人の願いとは異なり、周辺大国による「強制統一」が視界に入ってきたので中央日報の定期寄稿者として、韓国人に警告を発したのでしょう。

—「勢力圏の見直し」に向け、意見が収斂(しゅうれん)してきた感じですね。

鈴置:「北朝鮮の核問題」を解決すべく外交的な詰将棋をすると、こうなってしまうのです。例えばフィナンシャル・タイムズ(FT)は2013年4月3日に「Pyongyang must be kept talking」で在韓米軍撤収と北の核廃棄の交換を唱えました。

2010年11月に、それを予想した近未来小説『朝鮮半島201Z年』を書いた時は「米韓同盟がなくなるなんて、あり得ない」と、日本の外交関係者から笑われてしまいました。

でも「北の核」と、韓国人の中国への恐怖感が組み合わさると、そうなってしまうのです。「中国に立ち向かおう」との、よほどの覚悟が韓国人にない限り。

なお、『中国という蟻地獄に落ちた韓国』(2013年11月刊)の末尾には、架空の米中首脳会談を載せています。2017年4月の米中首脳会談で、トランプ大統領と習近平主席が本音をぶつけ合ったとすると、こんな感じになると思います。

損切りが不動産業の要諦

—しかし、米国が韓国を見捨てるでしょうか。

鈴置:米韓同盟は根腐りしています。共通の敵を失ったからです。(「『米韓同盟』も『中韓』も賞味期限切れだ」参照)。だからこそ、韓国は同盟国の米国ではなく、中国の言いなりになるのです(「米中星取表」参照)。

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、朴槿恵大統領の弾劾訴追後の2017年2月28日にようやく米軍への用地提供を決定
日韓軍事情報保護協定 (GSOMIA) 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。締結を望む米国に対し、朴槿恵大統領は「慰安婦」を理由に拒否。しかし下野要求デモが激化した2016年11月突然に締結
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にもかかわらず韓国は参加
米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年4月26日現在)

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

トランプ大統領は不良資産を早めに処理するのが身上と思われます。損切りの上手さこそがビジネス、ことに不動産業の要諦だからです。4月12日の米ロ外相会談の後の記者会見でも、象徴的なやり取りがありました。

米国のティラーソン(Rex Tillerson)国務長官が「ラブロフ(Sergey Lavrov)外相と、シリアのアサド(Assad)政権がどれだけ持つか話し合った。米国はアサド一家の体制は終わりだと見ている」と語ったのです。ロシアに対し「どうせ長続きしない政権なのだから、早く切り捨てろ」と要求したわけです。

これに対しラブロフ外相は「ティラーソン国務長官は歴史に関心がないと言う。だが、過去に起きたことを無視して現在は語れない」「スロベニア、イラク、スーダンで独裁者を取り除いた後に何が起きたか、我々は経験したではないか」と反論したのです。

ホワイトハウスのホームページの「Remarks With Russian Foreign Minister Sergey Lavrov at a Press Availability」(英語、動画付き)でやりとりを読めます。

ティラーソン国務長官も石油産業に長く携わったビジネスマンで「早めの損切り」が身についていると思われます。

しかしロシアの外相に「外交では下手に損切りすると、損がどんどん膨らむことが多い。出口戦略を十分に練ってから不良資産の処理に動くべきだ」と諭されたのです。

アサド=金正恩

—「アサド」を「金正恩」に換えれば、そのまま米中間の対話になります。

鈴置:トランプ大統領も習近平主席から、北朝鮮の核問題における出口戦略の重要性をレクチャーされたと思われます。WSJに「韓国は中国の一部だった」とわざわざ語ったのも「了解した」との意思表示でしょう。

「韓国が歴史的に中国の勢力圏下にあったことを認める。対北圧力を骨折り損にはさせない」と、北京に約束手形をかざして見せたわけです。

そして自分の国民に対し「北朝鮮の核をなくすために韓国を捨て駒にする必要がある」と了解を求めたのかもしれません。「どうせ韓国は歴史的に中国側の国だったのだから」という説明付きで。

属国扱いされた

—韓国では「韓国は中国の一部」発言はどう受け止められたのでしょうか。

鈴置:政府もメディアも「属国扱いされた」と怒りました。ピントが大きくずれている感じです。トランプ発言で韓国が警戒すべきは「自分の知らないところで取引材料に使われそうになっていること」のはずです。

韓国人にとっては自分たちの「未来」よりも「昔、属国だったかどうか」という「名分」が大事なのです。さすがに朱子学を国教としてきた国のことだけはあります。

(次回に続く)

産経記事

米大統領選で大方の予想を裏切り、今も共和党候補のトップを独走する不動産王、ドナルド・トランプ氏が、在韓米軍の撤退を筆頭に、韓国を軍事的に見捨てる発言を繰り返している。在韓米軍の撤退や核兵器保持の容認など、総じて「北朝鮮と韓国の戦争に、なぜ米国が巻き込まれなければならないのか」との、従来の米国の軸足を変えるような主張だが、有権者の多くに支持され、4月19日のニューヨークでの予備選では圧勝した。身勝手にもみえる発言の裏には、朝鮮戦争で「自分たちの戦争」を米国に押しつけて敵前逃亡した韓国軍のイメージが当時を知る人の間で浸透しているという事情がある。(岡田敏彦)

自分の身は自分で守るべき

「凶暴な指導者を阻止するため、2万6千人の在韓米軍兵士が北朝鮮と韓国の間の休戦ライン付近に配置されているが、我々はこれによって何かを得られているのか。金を無駄にしているだけだ。我々は韓国を守っているが、税金を払う米国民に返ってくるものはない」。トランプ氏は4月2日のウィスコンシン州での演説で韓国との軍事的関係を変えるべきだと主張した。

予備選に伴う各地の演説会で「米国が多額の借金をしてまで世界の警察官を続けることはできない」と約19兆ドルの借金を抱える国家財政に言及して、韓国に「自分の身は自分で守るべきだ」と訴えてきたトランプ氏。米韓軍事同盟を結び、米国の軍事的庇護と引き替えに韓国の核武装を禁じてきた従来の米国の論理とは相容れない主張だ。

韓国は困惑と反発を隠せないが、一連の発言は有権者の米国民に喝采をもって受け入れられている。米国にとって、韓国は米国の若者の命を賭してまで守らなければならない存在なのかという問いに、明確に「NO」を示したからだ。

韓国軍だけが悩みの種

韓国という国家が消滅せず今も存在しているのは、朝鮮戦争(1950-53)で米軍中心の国連軍を率いたマシュー・リッジウェイ将軍の功績が一つの理由だ。同戦争で中国軍(表向きは義勇軍)が参戦してからの、困難な“後半戦”をしのいだ名将は自著「THE KOREAN WAR」(日本語版・恒文社)で、韓国軍のありのままの姿を描写している。

「韓国軍の態度だけが私の悩みだった。進撃する中国軍は韓国軍部隊を次々と敗走させ、そのたび韓国軍は補充困難な、高価な多数の(米国供与の)装備を放棄した」。

同様の描写は度々出てくる。51年5月の東部中央戦区では、中国軍の攻勢に韓国軍が「戦線の遙か後方まで駆逐され」た。そして「退却する韓国軍が放棄した装備は、肩をすくめるだけで済むものではなかった。それは完全装備の数個師団を充分に装備できた」と嘆いている。武器を放り出して敵前逃亡するのは韓国軍の常だったようだ。

にもかかわらず、当時の韓国大統領の李承晩は「非武装の巨大な韓国の人的資源を米国の武器で武装させれば、米軍の兵員は少なくて済む」といった主張を繰り返し、リッジウェイを不快にした。

見下す中国

リッジウェイによれば「李大統領の第一の課題は、彼の軍隊に充分な統率力を確立することであった」が、李大統領自身が、戦争勃発時に民衆や軍を置き去りにして韓国南部へ逃走を続けた人物だ。そんな最高司令官に倣ったのか、韓国軍の敵前逃亡癖はなおらなかった。逃げる上司と、逃げる部下…。2年前のセウォル号沈没事件を彷彿させる。

リッジウェイは「第一線から全ての韓国師団を引き上げ、訓練する時間が必要」と結論づけている。しかし、誰より韓国軍を弱兵と見下し軽蔑していたのは中国軍だった。戦線に突破口を開こうとする際、中国軍は、英軍やトルコ軍、米軍の担当戦線区域ではなく、常に韓国軍の担当区域を攻撃し、もくろみ通り韓国軍は総崩れとなった。リッジウェイによれば「韓国軍1個師団の崩壊によって、他の国連軍部隊の各側面が危険にさらされ、彼らもまた後退を余儀なくされた」。

こんな戦いぶりが3年以上続き、ようやく中国・北朝鮮軍と国連軍の間で停戦交渉が結ばれようとしたとき、李承晩は、“反乱”を起こす。停戦の前提条件のひとつだった捕虜交換を阻止するため、収容所の看守に捕虜釈放を命じ、北朝鮮軍捕虜を市中に解き放ったのだ。反日かつ反共だった李承晩は、朝鮮半島全土が韓国のもの、つまり自分のものになるまで戦争を続けるよう望んだ。

米国だけが残った

国連軍参加各国の態度ははっきりしていた。その声をまとめれば「そんなに戦争を続けたいなら、あなたたちだけでやりなさい」。

第二次大戦を戦い抜いてわずか5年後、地の果ての極東で小国の内戦に縛り付けられる理由がどこにあるのか-。

国連軍は予定通り停戦協定を結び、日本統治も含め極東の安定に責任を持つ米軍を除いて韓国を去った。

2013年、韓国紙の中央日報はこの捕虜釈放について「李承晩は韓国の単独行動でいくらでも停戦体制を崩すことができるという点を世界に知らせた」と、李承晩の“外交力”を肯定的に評価している。こういった「韓国は常に正しい」式の見立ては韓国以外では通用しない。

韓国軍の敵前逃亡について苦言を呈したリッジウェイは、日本ではダグラス・マッカーサーほど知名度は高くないが、米国では「最高の軍人」との評価が確定している。朝鮮戦争当時、中国軍の人海戦術に押され士気阻喪した米第8軍を戦闘集団としてよみがえらせた手腕は、米陸軍で統率(リーダーシップ)の手本として今も信奉されるとともに、一般のビジネス書にも組織運営の理想として取り上げられている。そのリッジウェイの著書によって、多くの米国民が、「本当の朝鮮戦争」を知っているのだ。そして、上官と部下が揃って逃げる韓国軍の実態も-。

戦う条件

米国の“軍事支援”の姿勢は明確だ。例えば日本の尖閣諸島について今年2月、米太平洋軍のハリス司令官は、尖閣諸島をめぐり中国が日本を攻撃してくれば、「米国は間違いなく、日本を防衛する」と述べたが、一方で「米軍が尖閣の防衛義務を果たすからといって、日本が自らの努力を怠れば、米軍が出動する前提が崩れるということだ」と強調している。祖国が侵攻されたら、まずはその国の国民が戦うべきだという当然の主張だ。

トランプ氏の主張は、63年前の「なぜ戦わなければならないのか」との問いそのものだ。韓国はその63年間で、果たしてどう変わったのだろうか。(4月26日掲載)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。