『米朝首脳会談中止通告、「最後通牒」で投降促す 即刻非核化か、空爆かの2択迫ったトランプ』(5/25日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『米朝会談ぶち壊し? 強硬派ボルトンの面目躍如 6月12日の「シンガポール会談」は無期延期か』(5/25日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

5/24中央日報<「文大統領の言葉は通訳する必要ない」…トランプの外交非礼に青瓦台の立場は?>もうこの時には米朝首脳会談はキャンセルすることが決まっていて、北の手先の文の言うことを聞いても仕方がないとトランプは思ったのでは。普通は握手の時には相手の顔を見るものですが、トランプは横を向いています。如何に文を嫌っているかです。

http://japanese.joins.com/article/667/241667.html

5/25阿波羅網<為何破局?美媒評白宮取消“川金會”=何故破局になったか 米国メデイアはWHが米朝首脳会議を取消したことを論評>WSJは非核化の定義が両者で違い、米国は最初に核廃棄、後に制裁解除、北は段階的核廃棄で最初に制裁解除と。(NYT、WP、CNNは日本メデイアの報道通り)。

http://www.aboluowang.com/2018/0525/1119276.html

5/25ロイター<焦点:米朝は「危機モード」に逆戻りか、首脳会談中止で>

https://jp.reuters.com/article/summit-cancel-analysis-idJPKCN1IQ0C4

5/25BBCニュース<トランプ氏、いざとなれば「世界最強」米軍の準備はできている>

http://www.bbc.com/japanese/video-44248882

記事が長いのでコメントは短くします。鈴置氏の記事でトランプが言った「我々のそれはとてつもなく巨大で強力だ。私はそれが使われないことを神に祈っている」というのは、戦争になれば核を使う可能性があり、それはバンカーバスターの小型戦術核のB61-11のことと思われます。時間稼ぎは許さないというスタンスだと思います。

高濱氏の記事では、やはり北の裏には中国が関与していたかと。米国の一極覇権の打破に北を利用しているのでは。北部戦区(旧瀋陽軍区)と習が不仲と言うのはデイスインフォメーションなのでは。

総じて戦争の危険が高まったと思います。日本は在韓邦人と拉致被害者救出の手立てを考えておかないと。かつ日本にいる人はミサイル飛来とテロについても普段から考えておかないとイザと言う時に体が動きません。少なくとも脳で瞬時に判断できるよう、避難場所を探せるようにしておかないと。

鈴置記事

米朝首脳会談に向けて記念硬貨も作られたが……(写真:UPI/アフロ)

前回から読む)

トランプ(Donald Trump)大統領が金正恩(キム・ジョンウン)委員長に対し、6月12日にシンガポールで開催予定だった米朝首脳会談の中止を書簡で通告した。

核を使わないよう神に祈る

鈴置:ホワイトハウスは米東部時間5月24日午前10時前(日本時間同日午後11時前)、ツイッターで書簡を発表しました。

中止の理由についてトランプ大統領は「残念なことであるが、激しい怒りとあからさまな敵意を表明したあなた方の直近の声明により、長期間、計画されたこの会談を現時点で開くのは適切ではないと感じている」と書きました。

・Sadly, based on the tremendous anger and open hostility displayed in your most recent statement, I feel it is inappropriate, at this time, to have this long-planned meeting.

さらに「あなたは自身の核戦力に関し語るが、我々のそれはとてつもなく巨大で強力だ。私はそれが使われないことを神に祈っている」と脅しました。

・You talk about your nuclear capabilities, but ours are so massive and powerful that I pray to God they will never have to be used.

無知蒙昧なペンス

—北朝鮮の「直近の声明」とは?

鈴置:崔善姫(チェ・ソニ)外務次官の声明を指します。ポイントを朝鮮中央通信の「米副大統領の対朝鮮強迫性発言を非難 朝鮮外務次官」(5月24日、日本語版)から引用します。

・21日、米副大統領のペンスはFOXニュースとのインタビューで、北朝鮮がリビアの轍を踏みうるだの、北朝鮮に対する軍事的選択案は排除されたことがないだの、米国が求めるのは完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化だの、何のと出まかせにしゃべってせん越に振る舞った。
・対米活動担当の私としては、米副大統領の口からこのような無知蒙昧(むちもうまい)な言葉が出たことに驚きを禁じ得ない。

北朝鮮は完全かつ即時の非核化を主張するボルトン(John Bolton)大統領補佐官(国家安全保障担当)を「政権から外せ」などと集中攻撃してきました(「トランプと会うのが怖くなった金正恩」参照)。

さらにFOXとのインタビューで完全な非核化を主張したペンス(Mike Pence)副大統領を攻撃対象に加えたのです。

FOXとのインタビュー5月17日にトランプ大統領が「2011年に殲滅した(decimate)したカダフィ大佐が率いるリビア」を例に挙げて北朝鮮を脅しました(「トランプと会うのが怖くなった金正恩」参照)。

ペンス副大統領も「2011年のリビア」に触れたのが、金正恩委員長のカンによほど触ったと思われます。崔善姫次官の談話は核戦争まで言及しています。

・ペンスは自分の相手が誰なのかをはっきり知らずに無分別な脅迫性発言をする前に、その言葉が招く恐ろしい結果について熟考すべきであった。
・米国がわれわれと会談場で会うか、でなければ核対核の対決場で会うかどうかは全的に、米国の決心と行動いかんにかかっている。

2018年のハル・ノート

—だからトランプ大統領が「核ならこちらの方が強力だぞ」と言ったのですね。

鈴置:その通りです。北朝鮮が「完全な非核化を要求するなら核戦争も辞さない」と言い出した。それに対し、米国は「核戦争だって受けて立つ」と答えたのです。

ただ、脅す一方ではありません。書簡では「心変わりしたら電話か手紙をくれ」と、対話に含みを残しています。以下です。

・If you change your mind having to do with this most important summit, please do not hesitate to call me or write.

そして「この素晴らしい機会を逃したのは、歴史的に深く悲しむべき瞬間だ」と結んでいます。結局は「お前が状況を悪化させたのだ。どうなっても知らないぞ」との最後通牒なのですが。

・The world, and North Korea in particular, has lost a great opportunity for lasting peace and great prosperity and wealth. This missed opportunity is a truly sad moment in history.

1941年11月26日に米国が日本に手渡した「ハル・ノート」を思い出します。「日本は中国やインドシナから軍と警察を全て引け。そうしたら経済制裁をやめる」と米国は通告しました。

米国は「ハル・ノート」を日本が受け入れればよし、受け入れなければ力でねじ伏せればよし、と考えたのです。

リビアの轍は踏まない

もちろん北朝鮮も米国のそうした腹は分かっている。そこで崔善姫次官の談話でも「戦争になってもやられる一方ではない。リビアと異なりこっちは核武装したのだからな」と肩を怒らせたのです。

・核保有国であるわが国家をせいぜいわずかの設備を設けていじくっていたリビアと比べることだけを見ても、彼がどんなに政治的に愚鈍な間抜けであるのかを推測して余りある。
・ホワイトハウスの国家安保補佐官ボルトンに続いて今回またもや、副大統領のペンスが、われわれがリビアの轍を踏むようになると力説したが、まさにリビアの轍を踏まないためにわれわれは高い代価を払いながらわれわれ自身を守り、朝鮮半島と地域の平和と安全を守ることのできる強力で頼もしい力を培った。

・ところが、この厳然たる現実をいまだに悟れず、われわれを悲劇的な末路を歩んだリビアと比べるのを見れば、米国の高位政客らが朝鮮を知らなくてもあまりにも知らないという思いがする。

体制維持の保証なし

—金正恩委員長はトランプ大統領に「電話する」のでしょうか?

鈴置:それは難しいと思います。「米朝首脳会談、3つのシナリオ」をご覧下さい。今の状態で首脳会談を開くことになれば、トランプ大統領は「リビア方式」――2003年のリビア方式で「完全な非核化の即刻実施」を要求します。

金正恩委員長がこれを飲めば、核の撤去に向けた査察が始まります。シナリオ①です。北朝鮮はある程度の核弾頭とその原材料を隠す作戦でしょうが、米国は徹底的に捜索し、満足するまでは経済援助などの見返りを与えない方針です。

  • 米朝首脳会談、3つのシナリオ
米国、リビア方式での非核化を要求
北朝鮮が受諾 北朝鮮が拒否
①米国などによる核施設への査察開始 ②米朝対話が継続 ③米国、軍事行動ないし経済・軍事的圧迫強化

2度も訪朝して首脳会談に道を開いたポンペオ(Mike Pompeo)国務長官も5月23日、米議会でそう証言しています。VOAの「ポンペオ『米朝会談開催は金正恩による、誤った合意は選択になし』」(5月24日、韓国語版)を引用すると以下です。

・We’re not going to provide economic relief until such time as we have an irreversible set of actions, not words, not commitments, undertaken by the North Korean regime.

それに、シナリオ①を選んでも金正恩体制が永続する保証はありません。トランプ大統領は5月17日、体制の保証を約束しました。しかし約束を守ってくれる保証はどこにもないのです。

金正恩政権は人権蹂躙で悪名をはせています。核を取り上げた後、この政権を倒しても誰からも文句は来ません。「後継政権の後見人は中国とする」と密約を結んでおけば、中国も米国による政権打倒の邪魔はしないでしょう(「トランプと会うのが怖くなった金正恩」参照)。

北の唯一の逃げ道

—では、金正恩委員長の選ぶ道は?

鈴置:もちろん、シナリオ③の空爆・制裁強化は絶対に避けたい。当然、北朝鮮は「時間を稼いで問題先送り」のシナリオ②を狙ってきました。

が、米国側の姿勢が固いことが次第に分かってきた。トランプ大統領もペンス副大統領も、ポンペオ国務長官も、もちろん強硬派のボルトン補佐官も、米国の高官が完全非核化を即刻実施しろと口をそろえているのです。

首脳会談で米国は北朝鮮に①か③――即刻の完全非核化か、空爆かの二者択一を迫ることになります。すると北朝鮮にとれる道は、米朝首脳会談の中止しか残っていないのです。

今回は米国側が首脳会談をキャンセルした。ただ、米国がそう動くよう、北朝鮮が仕向けたように見えます。首脳会談を開いて損をするのは北朝鮮の方なのですから。

それに米国の副大統領をこれだけ罵倒するのは異様です。普段から北朝鮮が外交で使う言葉は世界でも有数の汚さですが、それと比べても突出しています。米国を敢えて怒らせようとした感じがします。

中国を圧迫、制裁強化

—トランプ大統領は金正恩委員長の挑発に乗ってしまった……。

鈴置:ええ、その可能性が高い。でも、米国側も乗せられたふりをして、次の手を繰り出す手はすでしょう。経済制裁を強化したうえ、軍事的圧迫を強めるのは確実です。

事前に徹底的に脅し上げてこそ、首脳会談の場で完全に屈服させることができるのです。米国にとって、首脳会談の開催が少々遅れても、1発で屈服させた方がいいに決まっています。

ホワイトハウスのサイトによると、トランプ大統領は5月22日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との会談前に、記者らに以下のように語っています。

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-president-trump-president-moon-republic-korea-bilateral-meeting-2/

・Every time I talk to China about trade, I’m thinking about the border. Because that border is a very important element in what we’re doing.
・when I think of trade with China, I’m also thinking about what they’re doing to help us with peace with North Korea. That’s a very important element. .

「中国と貿易に関し対話する時も私は(中朝の)国境を意識している」「それが北朝鮮との平和構築の助けとなる」――つまり、対北経済制裁を中国が実施し、あるいは今後強化することを念頭に置いて中国との経済交渉にあたっている、と明言したのです。

化学兵器で暗殺未遂?

—軍事的な圧迫とは?

鈴置:複数の米空母が朝鮮半島周辺に出没するかもしれません。関係者によると、4隻程度は今すぐに展開できる体制になっているそうです。

F22も、空軍演習「マックス・サンダー(Max Thunder)」を名目に8機も韓国に送り済みです。F22はステルス機で、金正恩暗殺用とも見られています。

2017年半ばまでは「金正恩委員長の居所がなかなか分からず、空爆による暗殺は難しい」との見方が専門家の間でも一般的でした。

しかし、2018年春頃から「居所は24時間捕捉している」との情報が流れています。これが本当かは分かりません。しかしご本人の耳に入れば、不安に陥るのは確実です。

北朝鮮内部からの情報によると、2017年12月に金正恩委員長の暗殺事件が発覚、6人が処刑されたそうです。

暗殺未遂事件の噂はしばしば語られます。ただこの時は化学兵器を使ったものだったそうで北朝鮮の軍、あるいは外国の軍事組織の存在を感じさせました。

暗殺論者を交渉役に

—米国が暗殺を敢行すると?

鈴置:それは分かりません。しかしポンペオ国務長官はCIA長官だった2017年7月20日に「金正恩暗殺」を公然と語った人です(「金正恩すげ替え論」を語り始めた米国)。

トランプ大統領というか、米国という国はなかなかです。「暗殺発言」の10カ月後には、その提唱者を北朝鮮に送り、金正恩委員長と交渉させたのですから。

完全な非核化から逃げ回るなら「別の手もあるぞ」との脅し――。そんな圧迫感を今、金正恩氏が感じていないはずがありません。

我々はいつでも対話する

さっそく5月25日早朝、朝鮮中央通信が金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官の談話を報じました。「そんなに怒らなくてもいいじゃないか。会談を開こう」と、とりあえずは白旗を掲げて見せたのです。

「朝鮮外務省第1次官が談話を発表」(5月25日、日本語版)から肝心な部分を引用します。

・歴史的な朝米首脳の対面について言うなら、われわれはトランプ大統領が過去のどの大統領も下せなかった勇断を下して首脳の対面という重大な出来事をもたらすために努力したことについて依然として心のうちで高く評価してきた。

・われわれの(金正恩)国務委員長も、トランプ大統領と会えば良いスタートを切ることができると述べて、そのための準備に努力の限りを尽くしてきた。

・朝鮮半島と人類の平和と安定のために全力を尽くそうとするわれわれの目標と意志には変わりがなく、われわれはつねにおおらかに開かれた心で米国側にタイムとチャンスを与える用意がある。

・われわれは、いつでもいかなる方式でも対座して問題を解決していく用意があるということを米国側に再び明らかにする。

  • 北朝鮮の非核化を巡る動き(2018年)
1月1日 金正恩「平昌五輪に参加する」
1月4日 米韓、合同軍事演習の延期決定
2月8日 北朝鮮、建軍節の軍事パレード
2月9日 北朝鮮、平昌五輪に選手団派遣
3月5日 韓国、南北首脳会談開催を発表
3月8日 トランプ、米朝首脳会談を受諾
3月25―28日 金正恩訪中、習近平と会談
4月1日頃 ポンペオ訪朝、金正恩と会談
4月17―18日 日米首脳会談
4月21日 北朝鮮、核・ミサイル実験の中断と核実験場廃棄を表明
4月27日 南北首脳会談
5月4日 日中と中韓で首脳の電話協議
5月7-8日 金正恩、大連で習近平と会談
5月8日 米中首脳、電話協議
トランプ、イラン核合意から離脱を表明
5月9日 ポンペオ訪朝、抑留中の3人の米国人を連れ戻す
日中韓首脳会談
米韓首脳、電話協議
5月10日 日米首脳、電話協議
5月16日 北朝鮮、開催当日になって南北閣僚級会談の中止を通告
5月16日 北朝鮮、「一方的に核廃棄要求なら朝米首脳会談を再考」との談話を発表
5月20日 米韓首脳、電話協議(米東部時間では5月19日)
5月22日 米韓首脳会談
5月24日 北朝鮮、米韓などのメディアの前で核実験場を破壊
5月24日 トランプ、金正恩に首脳会談中止を書簡で通告
6月8-9日 G7首脳会議、カナダで
6月12日 史上初の米朝首脳会談→中止

(次回に続く)

高濱記事

米韓首脳会談に臨む文在寅・韓国大統領(左)とトランプ米大統領。右後方にボルトン補佐官の姿が見える (写真:ユニフォトプレス)

—米朝首脳会談を3週間後に控えるタイミングで、米韓首脳会談が行なわれました。これを米国はどう見ていますか。

高濱:米国は「ドナルド・トランプは文在寅(ムン・ジェイン)の口車に乗せられていた。文在寅は金正恩(キム・ジョンウン)の非核化発言を過大に評価し、トランプに伝えた。金正恩は完全な核放棄など考えていなかった」と冷たい反応を示しています。

CNNの記者は「Moon oversold Pyongyang’s promises」(文在寅はピョンヤンとの約束事を針小棒大に売りつけようとした)と書きなぐっています。

“Trump casts doubt on June summit with Kim,”Kevin Liptak, CNN, 5/22/2018)
“Trump Casts Doubt on North Korea Summit in Meeting with Moon, “Jennifer Epstein, Bloomberg, 5/23/2018)

トランプは「文在寅の一人相撲」に辟易?

トランプ大統領は今、新たな動きがあったロシアゲート捜査のほか、イラン核問題、米中経済摩擦など内外で懸案だらけ。「文在寅の一人相撲」とばかり付き合っている暇はありません。

もっとも、文大統領が「米国が主張する『完全で検証可能かつ後戻りできない核の放棄」(Complete, Verifiable, Irreversible Dismantlement=CVID)』を北朝鮮が受け入れました」という「朗報」を持ってきてくれれば、飛び上がって喜んだでしょうが……。結局「朗報」はなし。

トランプ大統領は元々、「リベラル派で親北朝鮮が見え隠れする文大統領があまり好きではない」(ホワイトハウス担当の米ベテランジャーナリスト)とされている。今回の文大統領への応対も「安倍晋三首相への対応とは雲泥の差」(同)だったらしい。

—「文大統領の口車に乗せられた」と言いますけど、金委員長自身の意向はどうなのでしょう。米朝首脳会談を提案した時、「非核化」についてその気がないのにウソを言っていたのか。あるいは、それから数週間たって「心変わり」したのか。

高濱:金委員長が非核化を真剣に考えている、という話を持ってきたのは、文大統領とその周りの容北朝鮮派のブレーンたちです。

3月5日に金委員長に会った韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン) 国家安全保障室長らが、同委員長から聞いた話をトランプ大統領に伝えた。その後、文大統領自らトランプ大統領に電話しました。「金正恩は『米国が(金)体制(の存続)を保証すれば、我々はなぜ苦労して核を持とうとするのか(持とうとはしない)』と言っている」

金桂冠談話はボルトンを3回名指して攻撃

—ポンペオ国務長官の訪朝から1週間たった5月9日、北朝鮮に変化が出てきたのですね。

高濱:これまで対米交渉を長く担当してきた金桂冠第一外務次官が談話を発表しました。「米国が核の放棄を一方的に強要するなら、金委員長は米朝首脳会談について再考せざるをえない」

おまけにこうなった直接の原因はジョン・ボルトン国家安全保障担当大統領補佐官の発言にあると、同補佐官の名前を3回挙げて激しく攻撃したのです。

金桂冠第一外務次官はタイトルこそ準閣僚ですが、米国務省筋によれば、実際には外務大臣より上の最実力者。いわば金委員長の「懐刀」です。「金桂冠は、金委員長にとっては、トランプ大統領にとってのボルトン補佐官にも匹敵する人物」(米国務省関係者)と言われています。

それだけに金桂冠談話のインパクトは大きかったといえます。この談話の中身を聞いたトランプ大統領は激高したそうです。

北朝鮮は、この談話の公表と前後して、すでに始まっている米韓合同演習にB52戦略爆撃機*が参加していると指摘して「米朝首脳会談再考」の理由に付け加えました。返す刀で、せっかく仲良しになった韓国との間で予定していた南北朝鮮閣僚会議をドタキャンしました。

*:B52は核兵器が搭載可能な戦略爆撃機。実際には、合同演習に参加しておらず、韓国空域(韓国防空識別圏)には入っていない。

トランプ氏は会談冒頭、米朝首脳会談延期を強く示唆

—6月12日に予定されている米朝首脳会談の延期はどんな形で公表されたのですか。文大統領との会談を終えてからですか。

高濱:トランプ大統領は文大統領との会談の冒頭、写真撮影のために記者団を執務室に入れました。その席上、文大統領との会談が始まる前にこう切り出したのです。

「(6月12日に予定されている米朝首脳会談が)実現しない確たる見通しがある。6月12日に開かれないからと言って、今後、一定の期間内に開かれないという意味ではない。6月12日に開かれなくとも、そのあとに開かれるかもしれない。別の時期に開かれるかもしれない。それについて話し合いを続けている」

 “Trump casts doubt on june summit with Kim,” Kevin Liptak, CNN, 5/22/2018)

隣に座っている文大統領は苦虫を噛みつぶしたような顔をしていました。

実は、トランプ・文両首脳同士の一対一の会談に先立ち、文大統領はポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官らと会談しました。

感情の起伏が激しい外交音痴のトランプ大統領がいたのでは、センシティブな話はできない、といった配慮が米韓ブレーンの間にあったのではないでしょうか(笑い)。

米主要シンクタンクのある上級研究員は、推測を交えながら「前座会談」の内容を筆者にこう「再現」してくれました。

鄭国家安全保障室長は、文大統領に促されて米側にこう説明した。

「金正恩は非核化について『総論賛成』だった。各論は米朝首脳会談で詰めようと考えていた」

「米朝当局者が水面下で交渉を進める最中、ボルトン補佐官の『リビア方式』*適用発言が浮上した。これを知った金正恩は過剰に反応した」

*:ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領が2003年、リビアのカダフィ政権に対して保有する核関連機材を即時かつ無条件に廃棄、数カ月の間にテネシー州オークリッジの施設に搬送するよう要求。カダフィ政権はこれを実行した

「金正恩はこう考えた。もしここでトランプの提案(「リビア方式」)を受け入れれば、自分もカダフィのように葬り去られるのではないだろうか。核を放棄したら米国は金王朝を崩壊させるに違いない」

「ならば、どうしたらいいか。金正恩は中国の習近平に泣きついた。習近平は、トランプが考えを変えないのであれば、米朝首脳会談をやっても何の意味もない。止めてしまえと答えた」

ボルトンは今やホワイトハウスの「ストレンジラブ博士」

—ボルトン補佐官は何と反論したのでしょうか。

高濱:ボルトン補佐官は前述の金桂冠談話で、3回も名指しされ、激しく批判されています。同補佐官は筋金入りの反共主義者です。これまでにも金王朝を崩壊させると主張していました。イラク侵攻政策を推進したネオコン(新保守主義者)です。北朝鮮の金桂冠第一外務次官とは十年来の「宿敵」です。

米朝関係を長年フォローしてきた主要シンクタンクの研究員は筆者にこう解説してくれました。「ボルトンはこの春に補佐官になって以降、国家安全保障会議のスタッフを総入れ替えしてボルトン色に塗り替え、強硬派であることを誇示してきた。対北朝鮮政策はボルトンが完全に牛耳っている。金正恩にしてみれば、文大統領をうまく使ってトランプ大統領を交渉の場に引っ張り出そうとした矢先に、天敵ボルトンが現れて米朝首脳会談をぶち壊した、と映っているはずだ」

米ワシントン・ポストのコラムニスト、リチャード・コーヘン氏はボルトン補佐官を「新しいストレンジラブ博士だ」と皮肉っぽく評してしています。「ボルトンは、1963年に公開された風刺劇映画に出てくる主人公ストレンジラブ博士*を彷彿させる。緊急事態にも動じることなく、笑みを浮かべながら持論を披露するところなどそっくりだ。ストレンジラブ博士のように偶発的に核戦争を誘発することがないように祈るだけだ」

“Bolton is the new Dr. Strangelove,” Richard Cohen, Washington Post, 5/21/2018)

*:1963年に公開された英米合作の風刺映画、「Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb」(邦題『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったのか』)に登場する狂ったドイツ人科学者。無能な大統領をそそのかし、偶発核戦争を起こす

米軍、横須賀にイージス艦をすでに追加配備

—トランプ大統領は今後、北朝鮮にどう対応するつもりでしょうか。

高濱:金委員長が「リビア方式」(あるいはそれに近い方式)をのまない限り、トランプ大統領は米朝首脳会談をやらないでしょう。

また米国が、北朝鮮の背後にいる中国の動きを警戒していることは確かです。トランプ大統領は22日、記者団に対して「金正恩が変わったのは訪中してからだ」と不快感を示しました。

文大統領は帰国後、新しく設置したホットラインを使ってトランプ大統領との会談内容を金委員長に「報告」するでしょう。金委員長がどんな反応を示すのか。「金桂冠談話」第2弾が出てくるのか。

トランプ大統領の方は、対北朝鮮への経済制裁をさらに徹底するとともに、軍事的圧力も強めていく構えです。5月22日には米海軍のイージス駆逐艦「ミリアス」が横須賀基地に追加配備されました。北朝鮮からのミサイルに対抗する弾道ミサイル防衛(BMD)がより強化されることになります。「ミリアス」には低空で飛来する巡航ミサイルを迎撃できる新型ミサイル「SM6」が搭載されています。

“U.S. bolsters Asia ballistic missile defense as Trump-Kim summit nears,”Tim Kelly, Reuters, 5/22/2018)

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『中国「一人っ子政策」が招いた親と子の苛酷な現実』(5/22ダイヤモンドオンライン 王青)について

5/23Facebookから取ったもの。

https://www.facebook.com/jiluzg.2.0/videos/252292645317802/

「国家曾多次强调要文明执法.严格执法.……!但看了这段视频让人心寒.让人意冷!在广大人民群众没有一点反抗.、抵制执法人员行政执法的同时,执法人员还憑什么这样对待?是谁给你的傲慢与权利?是谁让你这样蛮横无理?又是谁让你这样肆无忌惮?

身为执法人员就应该知法.懂法.严格.文明执法,而不是这样光明正大的损害国家形象.党的形象与你们在广大人民心中的形象!

有问题就去协商.解决问题,这样的行为只能加剧事态的严重化.人民与党的隔离化.矛盾化……!

让国无颜. 让党蒙羞.让群众心寒!

—— 河南省淮阳县新站镇徐庄大队敬老院强拆记!

国家はかつて何度も文明的かつ厳格に法を執行しなければならないと強調してきた。ただこの動画を見れば人の心を寒からしめ、人の気持ちを冷たくする。膨大な数の群衆は少しも反抗せず、法執行する役人に抵抗しないが、法執行役人はなぜこのようにとりつかれた様に対処するのだろうか?誰が彼らに傲慢さと権利を与えたのか?誰が彼らにこのような専横を許すのか?また誰が彼らにこのようにほしいままにふるまわせるのか?

法執行役人は法を知り、法を理解し、厳格かつ文明的に法を執行し、この通りにしなければ公明正大な国家イメージや党のイメージ、人民の心の中のイメージを損ねる。問題があればすぐ協議して解決すべきなのに、このような行動こそ事態の重大さを激化させ、人民と党の距離を遠ざけ、矛盾化する……!

国には面子がなくなり、党に恥をかかせ、群衆の心を寒からしめる!

—— 河南省淮陽県新站鎮の徐村大隊は養老院を強制解体する!」

5/22中国禁聞網<習近平要棄俄保美? 日媒:「朝鮮牌」效力難持久=習近平はロシアを棄て、アメリカと関係を保つ 日本メデイア:「朝鮮カード」の効力をずっと維持するのは難しい>米中貿易戦争停戦は、日本メデイアによれば朝鮮カードによると。但し長くは持たんだろう、というのは、トランプは朝鮮との開戦の持ち札がある。米国は将来中国に500~600億$のエネルギーを輸出したいと考えているが不確実である。リンジーグラハム共和党議員はFOXに「トランプは1期目の任期の内に北の核の脅威をなくしたいと思っている。北は核放棄を約束したが、実際は裏で核兵器を造って来た。過去30年はこの繰り返し。2020年までどうしても終わらせなければならない。もし、金正恩が首脳会談に参加しなければ、その時点で外交は終わる。もし、参加するならトランプ大統領を騙そうとするかもしれない。この意味するところは残っているのは戦争の道だけである。トランプは、弄ばれるのは受け入れられない。もし金がトランプをおもちゃにしようとするなら、或は値切り交渉をしようとするなら、或は時間稼ぎをしようとするなら、必ずや軍事衝突が起きる。これは彼の1期目の任期内に起こる」と。中国に対し「北は少ない代価で多くを得ようと考えている。中国の考えややり方は米国と対立しているが、何の効果も齎さないだろう」と警告した。

もし中国が米国からエネルギーを買えば、建設中の中露の石油・ガス輸送管のため中国はロシアに250億$貸付しているが、廃棄となれば廃棄損は膨大になるし、ロシアとの関係も悪化する。それで習は米国との交渉を延ばそうとしている。まあ、独裁者・習は米中の間に挟まれて苦悶するのが良いでしょう。

https://www.bannedbook.org/bnews/zh-tw/topimagenews/20180522/945945.html

王青氏の記事を読んで、「騙す方が賢くて、騙される方が馬鹿」という民族が一人っ子の介護問題の解決をどう図るのか考えて見ました。一番手っ取り早いのは、日本に来て、法の網の抜け穴を利用して、いろいろ給付を受けることです。国民健保に入ったことにして、高額療養を受け、出産一時金まで中国にいる人間に払うとは。いい加減厚労省の役人と政治家は早く動けと言いたい。

相手は反日教育を長く続けて来ました。反日有理、反日無罪と思っている洗脳が解けないかぼちゃ頭の連中が大半です。「日本だったら何をしても許される」というのが誰しも心の奥底に持っています。不合理の極みですが。彼らは科学する心を持たず、共産党の命令に唯々諾々と従うだけですから。

日本の介護業者も中国へ行けば失敗すると思います。何故なら、バブル崩壊が起きる可能性があるからです。このまま米中が貿易戦争を突き進めば、米国は金融制裁に踏み込むと思います。小生の願望も大分入っていますが。ただ、普通に考えれば、米国の覇権に挑戦している中国に対し拱手傍観することはないでしょう。相手はオバマでなく、トランプですから。$決済ができなくなれば、中国の貿易は急激に減少、それが引き金になってバブル崩壊に繋がるのではとの見立てです。

米国の貿易赤字2000億$削減要求は対華21ケ条要求と同じく、中国人にとって屈辱的との思いのようですが、金融制裁の爆発力について中国人は想像ができないようです。これは経済面における核兵器です。それ以上かもしれません。イラン制裁への連座を避けるため仏・トタルは石油開発をキャンセルしました。金融覇権($基軸だけでなく、SWIFTやFATCAも)を握っている米国には逆らえないのです。中国は身の程を弁えず、虎の尾を踏んだという事です。ただ今まで米国要人に嗅がした鼻薬や貢いだ女の影響もあり、揺り戻そうとする勢力は現れるでしょうけど。

記事

「中国全国撮影コンテスト」で賞を取り、中国のメディアやSNSで話題になっている河北省の張審軍さんの作品

中国政府は長年「一人っ子」政策を続けていたが、その結果、親の介護などの問題に直面する人が増え、社会問題化している。中国の経済は発展しているが、晩婚化・非婚化、少子高齢化が進展。かつての「一人っ子」政策が原因となって生じている、さまざまな現実を解説する。(日中福祉プランニング代表 王青)

中国全土で話題となった悲劇の「一人っ子」の写真

1枚の写真が中国のSNSで拡散され大きな話題となった。

「第26回中国全国撮影コンテスト」で賞を取った写真で、作品名は「一人っ子」。

一人の若者が両脇の病床にある両親の間に、こちらに背を向けて座っている。どんな表情かは想像するしかないが、その背中からは強烈な孤独と無力感が漂ってくる。多くの人がこの写真を見て衝撃を受けて涙を流したという。

インターネット上では、写真の中の青年は「あなたであり、私であり、丸一世代である」、「胸に突き刺った」などのコメントが綴られた。それはたった一枚の写真にすぎないが、すべての「一人っ子」にとって、“明日の自分”を暗示するような光景だったからだ。

同時に「一人っ子」の親たちにとっては、たった一人の自分の子に「こんな苦労をかけたらどうしようか」と不安にさせるものであった。

一人っ子が恐れることは親が倒れること

中国は36年間「一人っ子」政策を実施した。

現在、中国で高齢者になる世代はほとんどが「一人っ子」の親だ。そして、三十余年前の「一人っ子」も親世代になって、すでに“中年”になった。夫婦の上には4人の親がいて、下には子ども1人という4・2・1の家庭構造となっている。夫婦2人が自分の子供を育てながら、双方の親の面倒を見なければならない。

世代的に中年となった多くの「一人っ子」が、一番恐れているのは親が倒れることだ。兄弟がいないため、すべて一人で背負っていかなければならない。

経済が急速に発展していると同時に社会の競争も増していく中で、職場で厳しい競争を勝ち抜いた中年世代の人々の生活基盤は、実は脆弱である。社会保障制度が整備されていない中で、親が病気になれば生活に大きく影響してしまうからだ。

あるキャリアウーマンは、母親が入院してしばらくしたら、父親も骨折。入院した母親の病院と実家の父親の間を奔走する毎日だった。仕方なく、会社の大事な会議を欠席したり、休みを取得する時期が続いたら、上司から注意を受けた。

結果的に、何年も待っていた昇進のチャンスを逃してしまった。長年、頑張ってきて出世を目指していたが、親の介護によって昇格が泡と消えてしまったことが悔やまれてならなかったという。

中国の夫婦はほとんどが共働きのため、親の介護と仕事の狭間で苦しむ。

誰にも相談できず、一人ですべてを抱え込んでしまう。もし、親だけではなく、自分の子どもにも大きなケガや病気が起きれば、家庭が崩壊しかねない事態に発展してしまうのだ。高額な医療費だけでなく、場合によっては職を失うなどさまざまなリスクが押し寄せてくる。

「わが子はアドレス帳にいる」と嘆いた遠くに暮らす親の悲しみ

先述した通り、親から離れて別の地で働いて生活する「一人っ子」が実家からの電話に出る瞬間、最も恐れることは「親の身に何かがあった」という知らせだ。

なぜなら、帰りたくてもすぐには帰れないからだ。

ある日、ベッドから落ちて立ち上がれなくなってしまった親は、子どもに知らせようと思っても、すぐには帰ってこないことを悟り、「わが子はアドレス帳にいるだけで、そばにはいない」と嘆いた。これは一時中国で流行語となった。「遠い異郷で結婚したことを後悔している」というのは、ある知人女性の言葉である。

一方、「一人っ子」の親たちもつらい思いや経験をしている。

90年代後半、春節を祝う中国版の紅白歌合戦で、「常回家看看」<時々実家に帰ろ>という歌が披露された。この歌は人々の心を動かして、何年も歌い継がれる名曲となった。

故郷にいる親がたくさんの料理を作って、異郷にいる子どもの帰りを待つ心境を表現し、「一人っ子よ、時々親の顔を見に家に帰ろうよ」と歌った。そんな親たちは「留守親」と呼ばれていた。

異郷で子どもと一緒に暮らす「都市老漂流族」の存在

2010年以降、「一人っ子」が結婚し子どもが生まれて家庭を持つようになったら、今度は親が子や孫を恋しがり、住み慣れた故郷を離れ、子どもが住む都会にやってくる。

近年、異郷で子どもと一緒に暮らす親たちを「都市老漂流族」と名付けられている。2016年末の統計では、中国全国でこのように漂流する親の数は1800万人に達している。そのうちの約4割は、子どもの家庭で孫の面倒を見たり、家事手伝いをしているというデータがある。

親たちは、昼間は食材の買い出しや掃除、晩ご飯の準備など家事全般をする上、孫の幼稚園や学校の送り迎えもする。住み慣れてない街での生活は決して楽ではない。一番つらいのは言葉の壁だ。

中国は同じ国内であっても、地域によって言葉がまったく通じないのである。例えば北の人にとっては、上海語などの都市部の言葉はまるで外国語と同じ。ゆえに漂流族の親たちは、地元の同年代の人ともコミュニケーションを取れず、社会に溶け込むことができない。言葉が違ったら、「田舎者」と揶揄されて差別されることも度々だ。

子どもや孫と一緒に暮らしても結局は孤独だ。また、最近は、難病などを患っている親が子どもに迷惑をかけなくないため、自殺するケースが増えているとの報告もある。この報告では、毎年55歳以上の自殺者数が10万人で全体の36%を占めている。

「一人っ子」は、生まれてこの方、ずっと大事に育てられてきた。孤独だが愛情をたっぷりもらう「幸せな幼少期と青年期」を過ごしている。

ところが中年となったら、自分の家族を養うと同時に、親の面倒も見なければならない。親と家族に何かがあったら、すべてを背負っていかなければならない。だから「重圧の中年」と呼ばれている。

高齢化と少子化が進む一方、昔に比べて平均寿命も伸びている。今の中年の「一人っ子」は自分が高齢者となってからも、場合によっては自分の親を介護する必要が出てくる。そうなればまさに「老々介護」の状況で、彼らは「悲惨な高齢者」となる。

「貧乏であってはだめ、病気してはだめ、遠くに嫁いだらだめ」と一人っ子たちは口を揃える。

たった1人の子どもを失った「失独家庭」の問題も

「一人っ子」の問題は、これだけではない。

事故や病気で一人の子どもを失い、新たに子どもの可能性がない夫婦は、中国語で「失独家庭」と呼ばれる。

現在、全国で100万世帯があり、毎年7万世帯のペースで増えている。当時、国の政策に応じて1人の子どもしかつくらなかった。その一方で、中国は伝統的に「養児防老」(子を養って老後の面倒を見てもらう)や、「多子多福」(子が多ければ幸福である)などの考えがある。基本的には、いずれも「親の老後は子どもが看る」という考え方を表すものだ。そして今となって、たった1人の子どもを失った親は「心の傷」を癒されることなく、齢を重ねてきた。

そこで、新たな社会問題が生じている、彼らの老後は誰が看るのだろうか……と。

政府は、この問題についてようやく動き出した。近年、経済的な支援を行うような政策が各地で広がっている。また、北京をはじめ上海などの経済が発展している地域では、介護施設への入居希望があれば、その費用の全額を政府が負担する動きが始まっている。

一人っ子の親の介護に対する支援制度も徐々に広がっている。

昨年半ばから、福建省や重慶市などでは「一人っ子の親介護有給休暇制度」を始めた。医師の証明で親の介護が必要となる場合、企業が10〜20日の有給休暇を与えなければならない制度だ。今年に入ってから全国約10の自治体がこの制度を実施し、全国へ広がりつつある。この制度は国民に歓迎されていて、専門家は「国の法律として立法すべき」と意見表明している。

「一人っ子」政策は終わっても子どもがなかなか増えない理由

少子高齢化が進み、労働人口が毎年800万人のペースで減少していく中で、3年前に中国政府は「一人っ子」政策に終止符を打った。

しかしその後、政府の思惑とは裏腹に、予想よりも新生児の人数ははるかに少ない。全国平均でも第二子の子育て適齢期の世帯全体数から、第二子を設ける世帯はわずか2割にとどまっている(筆者の過去記事「中国で一人っ子解禁後も出産しない女性が増えている理由」参照)。

一番大きな理由は、子どもを育てるコストがかかり過ぎるということである。「十分なお金がない限り、子どもを産まない」という家庭が増えているのだ。もっぱら、子どもが2人も3人もいるのは、事業が成功している富裕層や芸能人ばかり。このため、一般の人が2人目をつくろうとすると、周りから「何よ、芸能人ぶっている」と皮肉ぽっく言われるぐらいだ。

中国では、経済や社会が発展にするにつれて、晩婚や結婚しない、結婚しても子どもがいらない人も増えている。

今後も少子高齢化はさらに加速していくことが予測される。社会保障制度が整備されない限り、「一人っ子」とその親の生きる道は決して楽にはならない。

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『中国が対米貿易問題で「譲歩」を明言できない理由』(5/22ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

5/21自由時報<中美貿易談和 6大重點一次看=中米貿易交渉の6大重点>貿易交渉の結果発表された共同声明を見ると、「中国の対米黒字の減少」、「中国は米国の農産品やエネルギー輸入を増加」、「両国の貿易総額の増加」、「知財の保護」、「中国の投資制限を減らし、双方向での投資」、「政府高官の交流継続」の6点でコンセンサスを得た。

http://news.ltn.com.tw/news/business/breakingnews/2432495

自由の擁護者・米国が強くなるには、中国を経済・金融面で封じ込める必要があります。肉を切らして骨を切る覚悟が米国にあるかどうかだけです。金融制裁をかければ一発で中国は撃沈すると思います。トタルが米国の脅しに屈したように。トランプがやるかどうかだけです。中国は米国の要人に金と女で雁字搦めにしているのが、そうさせないように動くでしょうから、反対派は工作員と思って間違いないでしょう。キッシンジャーのように。日本の政治家にも親中派の怪しい、金か女に転んだのがいます。国民は見抜く目を持ち、選挙で落とさないと。

5/22NHKニュース6:34<トランプ大統領 ”北朝鮮への圧力緩めるべきでない” 中国に警告>ここには「アメリカ議会下院では、外交委員会のアジア太平洋小委員会を率いる与野党の代表が、連名でトランプ政権に書簡を送り、北朝鮮と取り引きしている中国の大手金融機関などへの制裁に踏み切るよう求めました。書簡は、「制裁を発動しなければ、北朝鮮に対して最大限の圧力を加える取り組みが損なわれる」として、トランプ政権に制裁の強化を促しています。」とあります。中国への金融制裁発動を議会がトランプに求めています。多分中国は北への制裁をキチンとしないと中国への金融制裁もありうるという事です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180522/k10011447561000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_077

5/23日経<米財務省の制裁乱用、ドル離れに?>何となく中国が米国の金融制裁を恐れて、裏で金を払って書かせたように見えてしまう記事です。試しにやってみれば良いのに。人民元が貿易相手国に本当に喜ばれるかどうか。況してや中国の最大の貿易相手国は米国で$が使えなくなったら、中国の経済成長はお終いでしょう。中国はGDPの数字を誤魔化して来ましたけど、誤魔化しきれない事態となります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30798100S8A520C1TCR000/

5/23 NHKニュース1:48<トランプ大統領 米朝首脳会談「6月12日に開かれない可能性」>トランプの顔を見ていると、文在寅と会いたくなかったのがありあり。文が「私は会談が予定どおりに開かれると確信している」と述べたときには、「コイツ何を言っているのか」と不機嫌そうでした。またトランプは金の態度が変わったのは、習と二度目に会ってからと中国を批判しました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180523/k10011448881000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

5/23ロイター<米大統領、中国ZTEに罰金13億ドル・経営陣刷新求める案を提示>

https://jp.reuters.com/article/trump-zte-idJPKCN1IN2Q1

5/22ロイター<中国、7月1日から自動車・自動車部品の関税引き下げへ=財政省>

https://jp.reuters.com/article/china-autos-tariff-idJPKCN1IN0W3

5/23日経<自力より国家戦略で成長 外資電池は補助金対象外>下記URLは有料の為途中までです。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30837170S8A520C1FFJ000/

中国が貿易でどんな約束をしても守ろうとはしないでしょう。南シナ海や東シナ海の行動を見ていれば分かる筈です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国ですから。自動車関税引き下げても、EVのCATLのように中国製の車載用電池に補助金を出すのでは外国産の輸入車は高くなり、売れる筈がありません。中国内で製造する外国ブランド車だって中国に技術開示を求められます。本当にやり方が汚い。人口の多さに目が眩んで進出すると痛い目に遭うという事です。ZTEは議会の反対で、罰金払えば無罪放免とはならないと思います。

加藤氏の記事では、中国人の屈辱について書かれていますが、中国を侵略したのは、日本だけでなく、欧州もで、香港・マカオの一国二制度が残っているのはその名残です。米国は中国に遅れて入って来たから「門戸開放、機会平等」を唱えただけです。ただ日本は「五族協和・八紘一宇」を唱え、民族間の融和を図ろうとしました。今の中共の少数民族対策とは全然違います。中国人は過去の屈辱に拘り、報復感情だけを募らせて、世界に復讐しようとするのでは21世紀に生きる人間にそぐわないでしょう。そもそもで言えば、本記事にありますように自由な言論を許さないため、迂回して発信・閲覧する事態や、交渉の正しい結果を中共が国民に知らしめない社会が中国人はまともであると思っているのですかと聞きたい。

米国の2000億$の貿易赤字削減要求もそれだけ見ると理不尽と見えますが、中国はそれを原資に軍拡を推し進め、中国の主張に全く論拠のない南シナ海の人工島の軍事基地化を推進しています。それがトランプは分かっているから、中国に要求していると思います。

記事

we chat上で出回った米ブルームバーグの記事

「これは新たな21ヵ条だ」

 5月18日、金曜日のお昼頃、筆者は北京の一角で対外政策に関わる共産党幹部と食事をしていた。スマートフォンに目をやり、無料インスタントメッセージアプリwe chatを覗いてみると、浮かび上がってきたのがこの文言であった。

 米ブルームバーグが報じた、「米政府関係筋によると、中国側が米国側に対して2000億ドル分の貿易黒字を削減すると提案」したというウェブ記事が写真化されたものがwe chat上で出回っていたのだ(※筆者注:昨今の中国では言論統制が徹底されており、当局が政治的に敏感だと判断したサイトや文章にはアクセスできず、we chat上でもそのような文章は一方的に削除され、友人間での転送も遮断されるようになっている。ゆえに、ユーザーたちは当局に削除される前に写真化したり、VPN<バーチャル プライベート ネットワーク>を使用して敏感な文章へのアクセスに成功したユーザーが写真化したものをwe chatで流したりという現象が広まっている)。

 配信した当人は北京の著名大学を卒業し、現在は大手IT企業で働く、いわゆるエリートというカテゴリーに属する人間である。もう一人、この人間と同様の学歴やキャリアを持つ人物も同じ写真を添付する形で、「本当に受諾してしまったのか……」とつぶやいていた。同様のコメントはwe chatユーザーの間で比較的広範かつ顕著に出回っていたものと察する。

 その頃、米ワシントンD.C.では、習近平国家主席の特使として訪米した劉鶴・国務院副総理兼米中全面経済対話中国側統括者が米国側と2日間に渡る“貿易戦争”回避のための交渉に臨んでいた。今回の劉鶴訪米に当たり、トランプ政権は中国に対して2020年末までに対米貿易黒字を2018年と比べ少なくとも2000億ドル減らすことを求めていた(2017年米国の対中貿易赤字は3750億ドルで過去最大)。

「対華21ヵ条の要求」と“対米黒字2000億ドル削減提案”の関連性

“21ヵ条”が「対華21ヵ条の要求」を指しているのは言うまでもない。第1世界大戦勃発の翌年(1915年)、日本の大隈重信内閣が中国の袁世凱政府に対して突きつけたもので、日本側が山東省の利権などドイツ権益の継承を中国側に要求する条項などが含まれる。袁世凱政府は一部を除いてこれを受諾した。民衆は外国政府に対して軟弱で“売国”的な態度・対応を示した自国政府に不満を露わにした。中国ではナショナリズムが高揚し、五四運動の発生にもつながっていった。

 冒頭の文言を発信した当事者が「21ヵ条の要求」と“対米黒字2000億ドル削減提案”の間に見出した関連性、言い換えれば、現在起こっている後者から約100年前に起きた前者を想起させた感情、それは「屈辱」であろう。中国語には“百年恥辱”(century of humiliation)という言葉がある。文字通り、「百年来の屈辱」という意味である。

 習近平総書記が就任以来一つの指導思想として掲げてきた“中国の夢”には「中華民族の偉大なる復興」という定義がなされてきた。その背後には“屈辱”の2文字が広く横たわっている。習近平は2014年9月3日に開催された「中国人民抗日戦争兼世界反ファシズム戦争勝利69周年」記念座談会の席で次のように主張している。

「中国人民抗日戦争の偉大なる勝利は、日本軍国主義が中国を植民地化・奴隷化する企みを徹底的に粉砕し、国家の主権と領土の保全を死守した。近代以来外からの侵略に抵抗しては敗北してきた民族的屈辱を徹底的に洗い流した。そして、中国の世界における大国としての地位を改めて確立し、中華民族の偉大なる復興という光明なる未来を切り開いたのである」

民族的屈辱から脱却することが台頭するための前提条件

 中国最高指導者によるこの主張には、民族的屈辱から脱却することが大国として台頭するための前提条件であり、大国として台頭することが中華民族の“偉大なる復興”を達成するための前提条件であるという政治的論理が赤裸々に貫かれている。

そして、“一帯一路”や“人類運命共同体”といった対外的戦略を掲げながら世界の大国として台頭し、“中華民族の偉大なる復興”を実現することを最大目標に据える習近平は“百年恥辱”という概念、そして論理を最大限に利用しているように見える。

 国民の米国や日本といった国家への対抗心・屈辱心・反発心を煽りながら、歴史的に中国に対して“民族的屈辱”を与えてきた“帝国主義者”や“軍国主義者”に勇敢に立ち向かう姿を自国民に向かって誇示し、その過程で中国共産党の正統性を確保・強化しようとしている。

 昨今の米中“貿易戦争”にまつわる中国国内世論を眺めながら、筆者は英国の哲学者、アイザイア・バーリンのナショナリズムに関する指摘を思い出した。

「民族的感情の強烈な支援が得られなければ、社会主義の全体的設計を実行することは不可能である。政権を奪取することは不可能だということである」

 中国共産党はすでに政権を取り、中華人民共和国を建国(1949年)して間もなく70年になる。当初の“革命党”から“執政党”への転換を図って久しい。

 しかしながら、民族的感情の強烈な支援を得ることによって社会主義の全体的設計を実行していくというやり方は今日まで続いているように見える。それどころか、習近平政権の下、対外的攻勢を強め、深める中、それはますます顕著になっているように見受けられる。そうしないと、“政権を維持することが不可能である”からということなのかもしれない。

 5月18日、中国国内で中国の強大化や大国への抵抗に喝采を送る大衆世論や保守的論客らから支持される《環球時報》は『トランプが劉鶴に会ったことは交渉にターニングポイントをもたらすか?』と題した社説を発表し、その中で次のように主張している。

「米国側が要求している2年で対米貿易黒字を2000億ドル削減するというまったく条理にかなっていない主張に中国側は決して応じないのは間違いない……中国側としても米国側同様今回の交渉で成果を残したいと考えている。しかし、中国代表団が“不平等条約”をお国に持ち帰ることは不可能なことである。中国社会はそのような“成果”を受け入れない」

米国の要求承諾は外国列強からの“不平等条約”に屈服したことを意味する

 “不平等条約”……

 上記で扱った“屈辱”という概念・論理を彷彿とさせる言葉に聞こえる。中国社会・世論、そして何より“中華民族”にとって、米国側が要求してきている2000億ドルの貿易黒字削減を習近平政権が受諾することは、約百年前に袁世凱政府が「21ヵ条の要求」を受諾したのと同じ性質・次元の“売国行為”であり、まぎれもなく外国列強からの“不平等条約”に屈服したことを意味するということなのだろう。

 冒頭で引用したwe chat上でのつぶやきには、そういう歴史的経緯や民族的屈辱が如実に滲み出ているというのが筆者の観察である。

 5月18日、中国外交部の陸慷報道局長は定例記者会見にて上記“2000億ドル”という情報は本当かという記者からの質問に対し「その噂は事実ではない。私が知る限り、関連協議は現在も続いている。交渉は建設的なものである」と答え、中国側が2000億ドルの貿易黒字削減に同意したという点を実質否定した。

 一方、米ブルームバーグは続報として、トランプ大統領の経済政策顧問であり側近であるラリー・クドロー国家経済会議委員長が金曜日(19日)にホワイトハウスで記者に対して「中国側は“少なくとも”2000億ドルの貿易黒字を削減すると提案してきた」と語ったと報じている。

 情報は依然として錯綜している。何をもって削減とするのか、どういう手段を通じて削減するのかといった詳細や技術面において米中間では小さくない隔たりがあるものと筆者は推察している。

 交渉終了後、米中は共同声明を発表し「有効な措置を取りつつ米国側の貿易赤字を実質的に削減させる」、「知的財産権保護における協力を強める」、「米国の農産物、エネルギー輸出を有意義に増加させる」といった点を盛り込んだ。そこには具体的な数字や日程表は一切記されていない。3月の訪米時とは異なり、劉鶴は今回トランプ大統領とも会見し、共同声明を出した。

米中間で情報は錯綜している

「今回の中米経済貿易交渉最大の成果は双方が、貿易戦争を闘わず、相互に関税をかけあうことを停止するという合意に至ったことである」

 劉鶴は米国側との交渉終了後、国営新華社通信の取材に応じた際にこう主張した(※筆者注:劉鶴のカウンターパートであるムニューシン米財務長官は、20日米FOXの番組に出演した際に「米国は貿易戦争を保留し、今のところ、関税措置についても保留にすることで合意した。一方で枠組みの執行は目指していく」と指摘している)。これによって、北朝鮮の核問題や台湾問題など懸案が積もる米中関係は多かれ少なかれ緩和するのかもしれない。中国社会・世論も劉鶴の帰国を「米国に屈しなかった愛国戦士」として拍手喝采で迎えるのだろう。

 しかしながら、上記のように、今回の米中経済貿易交渉の詳細や内実をめぐって、米中間で情報は錯綜している。

 仮に今後何らかの形で「実は中国側は米国側の要求を受諾し、妥協していた」という類の情報が明るみになり、広まった場合、人民たちの批判の矛先は米国から中国共産党に向かうとも限らない。約100年前の「21ヵ条の要求」当時のように。習近平が党の正統性を確保・強化するために活用してきた、“百年恥辱”に基づいたナショナリズムが自らの背中を押さないどころか、牙を剥いて襲い掛かってくる局面すら考えられる。

 それは結果的に中国共産党の正統性を脅かす事態を招きかねない。

 場面を冒頭に戻そう。

 昼食を中断し、目の前に座る党幹部にスマートフォンのスクリーンを見せ、聞いてみた。

「仮にこの情報が本当だったとして、貴党はどのように人民に説明し、納得してもらうのですか?」

 先方は間を置かずに答えた。

「そんな情報を人民に伝えるわけがないでしょう。報道させません」

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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『トランプと会うのが怖くなった金正恩 「所領」を安堵されても保証人がいない』(5/22日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

5/21宮崎正弘氏メルマガ<トランプの「イラン核合意」からの離脱、次に起こることは何か? 仏トタルが撤退すれば「イランのガス油田開発利権」はCNPCが引き継ぐ>流石中国、抜け目がありません。イランも経済制裁で苦しくなれば、石油を買ってくれるところにはどこでも売るでしょうし、鉱区開発権も売るでしょう。ですから制裁を実効あらしめるためには取引する欧州だけでなく中国も制裁しないと駄目という事です。北朝鮮と同じ構図です。中国の邪魔を排除しませんと。

http://melma.com/backnumber_45206_6685722/

5/21ダイヤモンドオンライン 北野幸伯<北朝鮮も警戒、米国の「嘘つき癖」が世界を不安定にしている>確かにトランプは敵を作り過ぎています。中国だけでなく、ロシア、イラン、欧州と。でも常識的な人間には、改革は出来ません。常識人は出来るだけ敵を少なくするでしょう。しかしトランプの多数の敵づくりは真の敵・中国を攪乱するためかもしれません。キッシンジャーのような中国に思い入れがある人間と言うか金も貰っているような人間が邪魔するでしょうから。米国議会が、トランプがロシアとの関係を修復するのを認めてくれるのが理想です。

http://diamond.jp/articles/-/170456

5/21ダイヤモンドオンライン ロイター<米朝首脳会談は実現するか、失敗の歴史を振り返る>過去の交渉のおさらいです。

http://diamond.jp/articles/-/170583?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

5/22ZAKZAK<米韓首脳会談を前に韓国“孤立化” 世界の脱北者が文大統領を糾弾! 米当局関係者「韓国は用済みだ」>金正恩の体制保証より、本記事にあります4月末に米カリフォルニア州で設立された「北朝鮮亡命政府」が政権を握った方が北朝鮮国民にとって遙かに幸福になります。そのためには米朝戦争になり、金を排除しないと無理です。でも文在寅のような共産シンパを大統領に選ぶ韓国民も韓国民です。残酷無比の金王朝の北と統一された後のことを考えたことがあるのかと言いたい。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180522/soc1805220001-n1.html

5/22ZAKZAK<北朝鮮で幹部の亡命が相次ぐ…金正恩氏の「親戚」も>幹部と雖も毎日命の危険に晒されているという事です。金正恩は実の兄や叔父を殺せる人間ですから、況してや幹部クラスなぞ虫けら以下としか思っていないのでしょう。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180522/soc1805220009-n1.html

鈴置氏記事は、金正恩が米朝首脳会談をキャンセルすることもありうるとしています。でもそうなると待っているのは米軍の北への攻撃です。中国はそうなっても米中貿易戦争で身動きが取れないでしょう。中国がヘタに北を支援すれば、米国は高関税、取引禁止、金融制裁等多段階で中国経済を締め上げることができます。進退窮まっているのは金正恩でトランプではありません。トランプは司法省にトランプ政権内に司法省やFBIのスパイを潜入させたかどうか調査するよう指示しました。ステイール文書での民主党の偽装工作やオバマ・ヒラリーのベンガジ・メールサーバーの闇が白日の下に晒されるかもしれません。

記事

米朝首脳会談開催に暗雲が漂い始めてきた(写真/AP/アフロ)

前回から読む)

6月12日に予定される米朝首脳会談。本当に実施されるのか、疑問視する向きが増える。

核放棄を強要するな

—5月16日、北朝鮮が米朝首脳会談を開かない、と言い出しました。

鈴置:北朝鮮は「米国が一方的に核放棄を強要するなら、首脳会談は再検討するしかない」との金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官名義の談話を発表しました。

北朝鮮の対外宣伝サイト「わが民族同士」の「朝鮮外務省第1次官が談話を発表」(5月17日、日本語版)で全文を読めます。

なお同じ5月16日未明に、北朝鮮は同日に予定されていた南北閣僚級会談もキャンセルしました。5月11日から始まっていた米韓合同の空軍演習「マックス・サンダー(Max Thunder)」が自分に圧迫を加えているとの理由をあげました。

これを通告したのが朝鮮中央通信の「朝鮮中央通信社が朝鮮に反対する大規模の連合空中訓練を行った米国と南朝鮮当局を糾弾」(5月17日、日本語版)という記事です。

記事の最後には「米国も、南朝鮮当局と共に繰り広げている挑発的な軍事的騒動の局面について考えて、日程に上っている朝米首脳の対面の運命について熟考すべきである」とのくだりがあります。

「こっちは本気だ。南北閣僚級会談もドタキャンした。米朝首脳会談だってやめたっていいのだ」と、この記事を通じても米国に肩をそびやかして見せたのです。

電光石火で非核化

—「一方的に核放棄を強要」とは?

鈴置:先ほど引用した記事からその部分を拾います。

・ボルトン(John Bolton)をはじめホワイトハウスと国務省の高官らは「先核放棄、後補償」方式を流しながら、いわゆるリビア核放棄方式だの、「完全かつ検証可能で、不可逆的な非核化」だの、「核、ミサイル、生物・化学兵器の完全廃棄」だのという主張をはばかることなくしている。

2003年12月、サダム・フセインの逮捕を見てショックを受けたカダフィ大佐は米英の情報機関に核放棄を通告しました。すると両国は直ちにリビアに査察チームを送りこみ、電光石火の早業で核施設を国外に持ち出しました。ミサイルや化学兵器に関しても同様です(「米朝首脳会談は本当に開かれるのか」参照)。

ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)はこうしたやり方――リビア方式を北朝鮮でも実施させると宣言しています(「『米韓同盟破棄カード』を切ったトランプ」参照)。

一方、北朝鮮は「打開的な解決」を主張しています。譲歩するかに見せて見返りをかちとり、最後はうやむやにしてしまう、これまでの成功を再現したいのです。

  • 非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日 南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止、核燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察を約束
→・1993年3月12日 北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言
▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日 米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与
→・2002年10月4日 ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格がある」と発言
→・2003年1月10日 NPTからの脱退を再度宣言
▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日 6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮を攻撃しないとの確認
→・2006年10月9日 北朝鮮、1回目の核実験実施
▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日 6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施しIAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給や、米国や日本の国交正常化協議開始
・2008年6月26日 米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定
・2008年6月27日 北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破
→・2009年4月14日 北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言
→・2009年5月25日 北朝鮮、2回目の核実験
▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日 米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEAの査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助
→・2012年4月13日 北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射
→・2013年2月12日 北朝鮮、3回目の核実験

目の上のたんこぶ

—北朝鮮にとって、ボルトン氏は目の上のたんこぶですね。

鈴置:だから、北朝鮮はトランプ(Donald Trump)大統領に対し「ボルトンを外せ」「外さないと、対話は進展しないぞ」とも威嚇しました。金桂官次官の談話はこう続きます。

・われわれは、すでにボルトンがどんな者であるかを明白にしたことがあり、今も彼に対する拒否感を隠さない。
・トランプ行政府がこれまで朝米対話が行われるたびにボルトンのような者のため紆余曲折を経なければならなかった過去史を忘却して、リビア核放棄方式だの何のと言う、えせ「憂国の士」の言葉に従うなら今後、朝米首脳会談をはじめ全般的な朝米関係の展望がどうなるかということは火を見るより明らかである。

—トランプ大統領はどう答えましたか?

鈴置:「非核化に応じれば、体制は保証する」と頭をなでました。一方で「首脳会談に応じないと強硬策――空爆という意味でしょうが――に出るぞ」と脅しました。

5月17日のホワイトハウスでの会見で「ボルトン氏が主張するリビア方式が北朝鮮を怒らせたが」との質問が出ました。トランプ大統領は「北朝鮮にリビア方式を当てはめるつもりは全くない」と答えました。

・the Libyan model isn’t a model that we have at all, when we’re thinking of North Korea.

そして、「米国はリビアを滅ぼした」「カダフィ体制を維持するとの取引はなかった」などと付け加えたのです。

・In Libya, we decimated that country. That country was decimated. There was no deal to keep Qaddafi. The Libyan model that was mentioned was a much different deal.

2011年のリビア方式

—話が変ですね。

鈴置:その通り、話がずれているのです。2003年、米国はリビアを攻撃しなかったし、滅ぼしもしなかった。では、大統領の言及した「リビア方式」とはいったい何なのでしょうか。

CNNの「President Trump dismisses “Libyan model” on North Korea」は、トランプ大統領が語ったのは「2011年のリビア方式」のようだと解説しました。

中東で独裁打倒運動が盛り上がった「アラブの春」――。2011年にはリビアでもカダフィ政権が転覆しました。当初は内戦でしたが、途中から米英仏などが「反政府派への弾圧」を理由に、政府軍を空爆するなど軍事介入しました。

・But while Bolton was referring to the dismantling of Libya’s weapons of mass destruction program, Trump appeared to refer to the “Libyan model” as the subsequent military intervention in Libya years later that removed Moammar Gadhafi from power.

トランプ大統領は金桂官談話が「2003年のリビア方式」を持ち出したのを利用して、独裁者カダフィが殺された「2011年のリビア方式」に話を振った。そして、対話に応じず滅ぼされたカダフィになりたいか、と脅し返したのです。

単に勘違いしただけだったかもしれませんが、結果は同じことです。

「リビア」という単語を使ってトランプ大統領の真意を説明すれば「2003年のリビア方式を拒否するのなら、2011年のリビア方式を適用するぞ」ということになります。

—トランプ大統領は譲歩したわけではないのですね。

鈴置:もちろんです。譲歩したとの誤解が広まったのは、2つの「リビア方式」をごっちゃにした記事が流れたからです。

例えば、AFPの5月18日の日本語版の記事の見出しは「トランプ氏、北朝鮮非核化の『リビア方式』否定」でした。

「リビア方式否定」との見出しを付けるのなら「トランプ氏、空爆を実施した『2011年のリビア方式』を否定」とすべきだったのです。

この記事の更新された本文では、2011年のリビアの状況にも触れていますが、トランプ大統領の「リビア方式」がそれを指すとははっきり書いてない。そこで編集者は「非核化のリビア方式」との見出しを付けたままにしたのでしょう。

猫なで声と棍棒

—「一方的な核放棄には応じない」と言い出した北朝鮮に対し「だったら空爆するぞ」と言い返した……。

鈴置:ただ、トランプ大統領は棍棒を見せるだけではなく、猫なで声でささやきもしました。以下です。

・ The Libyan model that was mentioned was a much different deal. This would be with Kim Jong-un ─ something where he’d be there, he’d be in his country, he’d be running his country.
・His country would be very rich. His people are tremendously industrious.

「言及された(2011年の)リビア方式は、取引とはほど遠いものだった。一方、金正恩氏には取引を持ちかけている。それに応じれば彼は国に留まり、国を統べ続けることになる」と誘ったのです。

金正恩氏に体制存続の保証を与えた――所領を安堵したのです。加えて「国は豊かになるし、工業化も進む」とニンジンも提示しました。

—猫なで声というか、脅しと言うか……。

鈴置:猫なで声を使うからこそ、棍棒に凄味が出るのです。さらにトランプ大統領は、カダフィやイラクのサダム・フセインになりたいのかと金正恩委員長を問い詰めました。

・We never said to Qaddafi, “Oh, we’re going to give you protection. We’re going give you military strength. We’re going to give you all of these things.” We went in and decimated him. And we did the same thing with Iraq.

我々はカダフィには「保護を与えるし、軍事的な強みも渡す。何でもだ」などと言わなかった。我々は彼を滅ぼした。同じことはイラクでもやった――。これを聞いた金正恩委員長は震えあがったことでしょう。

米朝同盟はあり得るか

—核放棄の見返りとして示した「軍事的な強み」とは?

鈴置:会見に出た記者は「在韓米軍の削減」を指すと考えたようです。「Reduce U.S. troop level is a possibility in South Korea?」と聞いています。

大統領はそれに対し「今は明かせないが十分な保護だ」「かつてない取引だぞ」などと、思わせぶりな回答をしています。

・Well, I’m not going to talk about that. We’re going to say that he will have very adequate protection, and we’ll see how it all turns out. I think this: The best thing he could ever do is to make a deal.

トランプ大統領は「朝鮮半島すべての非核化」つまり「米韓同盟の廃棄」の可能性を示唆するようになりました(「『米韓同盟廃棄カード』を切ったトランプ」参照)。

「核を捨てたら、米韓同盟を廃棄してもいい」とまで持ちかけている可能性が高い。北朝鮮に対するこれ以上の保護はないのです。

もちろん、米朝が同盟を結ぶという手もありますが、それはさすがに中国が許さない。一方、米国内からも強い反対が起きるでしょう。北朝鮮は名うての人権蹂躙国家だからです。トランプ大統領自身も2017年11月8日の韓国国会演説で、金正恩政権の悪行の数々を列挙しています。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

「人間のくず」が語る真実

—結局、北朝鮮は取引に応じるのでしょうか。

鈴置:北は核を簡単には手放せない。金正恩委員長にとって核は権力の基盤です。手放せば権力も維持できないと考えているはずです。

2016年、北朝鮮から韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)という外交官がいます。駐英大使館公使でした。2018年5月16日、ソウルの国会議員会館で講演し、以下のように語りました。

ハンギョレ新聞の「『人間ゴミ』…北朝鮮がテ・ヨンホ元公使を猛非難した理由は?」(5月17日、日本語版)から発言を引きます。

・北朝鮮が要求する「体制安全保障」は結局、金日成(キム・イルソン)家門の世襲統治が永遠に存在できるようにすることだ。
・核廃棄の過程が北朝鮮の絶対権力構造を崩す過程につながることは絶対に受け入れられない。(真の核廃棄のような)そんな奇跡は起こらないだろう。

韓国では、南北閣僚級会談のドタキャンはこの発言も関係したとの見方があります。先ほど引用したハンギョレの記事もそう書いています。

確かに「朝鮮中央通信社が朝鮮に反対する大規模の連合空中訓練を行った米国と南朝鮮当局を糾弾」は、名前をあげませんでしたが、太永浩元公使を「人間のくず」と決めつけ、韓国政府を非難しています。

・天下にまたといない人間のくずまで「国会」に立たせてわれわれの最高の尊厳と体制を謗り、板門店宣言を誹謗、中傷する行為を公然と強行するように放置している。

「金正恩除去」で困る国はない

—図星を突かれると、狼狽して怒るものです。

鈴置:体制維持のためには核はなかなか手放せない――。それはトランプ大統領もよく分かっている。だからこそ「お前を殺すことに躊躇しないぞ。核を握りしめて死ぬつもりか」と脅すわけです。

—殺されることへの恐怖から、核放棄を受け入れませんか。

鈴置:それが一番、平和的な解決法です。ただ、「殺されない」選択を選ぶにしろ、金正恩委員長には問題が残ります。

核を放棄したら本当に、米国が「保護」してくれるのでしょうか。トランプ大統領が約束を守る保証はどこにもないのです。

イラン核合意だって、国益に反すると判断したトランプ政権は世界の反対を押し切って離脱しました。米朝首脳会談を準備する最中のことでした(「北朝鮮の非核化を巡る動き」参照)。

北朝鮮は人権蹂躙国家だし、約束を破り続けている。米国がそんな北朝鮮を攻め滅ぼしても、非難する国はないでしょう。抑圧されている北朝鮮の人々も大喜びします。

—自業自得です。

鈴置:困るのは、金正恩政権とスクラムを組んでいるつもりの――北朝鮮から見れば「使い走り」の文在寅政権だけ。あとは韓国や日本、米国の北朝鮮支持グループぐらい。

  • 北朝鮮の非核化を巡る動き(2018年)
1月1日 金正恩「平昌五輪に参加する」
1月4日 米韓、合同軍事演習の延期決定
2月8日 北朝鮮、建軍節の軍事パレード
2月9日 北朝鮮、平昌五輪に選手団派遣
3月5日 韓国、南北首脳会談開催を発表
3月8日 トランプ、米朝首脳会談を受諾
3月25―28日 金正恩訪中、習近平と会談
4月1日頃 ポンペオ訪朝、金正恩と会談
4月17―18日 日米首脳会談
4月21日 北朝鮮、核・ミサイル実験の中断と核実験場廃棄を表明
4月27日 南北首脳会談
5月4日 日中と中韓で首脳の電話協議
5月7-8日 金正恩、大連で習近平と会談
5月8日 米中首脳、電話協議
  トランプ、イラン核合意から離脱を表明
5月9日 ポンペオ訪朝、抑留中の3人の米国人を連れ戻す
  日中韓首脳会談
  米韓首脳、電話協議
5月10日 日米首脳、電話協議
5月16日 北朝鮮、開催当日になって南北閣僚級会談の中止を通告
5月16日 北朝鮮、「一方的に核廃棄要求なら朝米首脳会談を再考」との談話を発表
5月20日 米韓首脳、電話協議(米東部時間では5月19日)
5月22日 米韓首脳会談
5月23~25日 北朝鮮、米韓などのメディアの前で核実験場を破壊
6月8-9日 G7首脳会議、カナダで
6月12日 史上初の米朝首脳会談、シンガポールで
  「米朝」の後、日米中南北の間で2カ国首脳会談か
 

習近平に60度のお辞儀

—米国による所領安堵の保証人に、中国はなれないのですか?

鈴置:金正恩氏もそれに期待して、40日の間に2度も訪中したのでしょう。3月の訪中時には習近平主席の発言にメモをとって見せるなど恭順の意を示しました。

5月の訪中では、同行した妹の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第1副部長が習近平主席と握手した際、60度ほど腰を曲げてお辞儀をしました。4月27日の南北首脳会談の際、文在寅大統領と握手した金与正氏は頭を全く下げなかったというのに。

中央日報の「文大統領と直立で握手した金与正氏、習近平主席に腰曲げてあいさつした理由」(5月13日、日本語版)は頭の下げ方が完全に異なる2枚の写真を並べて載せました。金正恩一家はなりふり構わず、中国に保証人になってくれるよう土下座したのです。

—効果はあるでしょうか?

鈴置:ないと思います。北朝鮮は自分が困った時はヘコヘコと頼んできますが、状況が変わるとすぐに掌を返します。そんな国を信用するほど中国はお人好しではありません。

それに、中国には金正恩体制を支える積極的な理由がないのです。今は、米国が怒り出して空爆に踏み切らないよう「後ろ盾になるから米国との首脳会談に臨め」と金正恩氏の頭をなでている。

でも、北朝鮮が核を放棄した後は「金正恩体制存続」のメリットは中国にない。強権的で常に不安定さをはらむこの政権よりも、もっと自分の言うことを聞く政権を押し立てたいと願うでしょう。

もし米国が金正恩体制の打倒に乗り出せば、そのどさくさにまぎれて中国が朝鮮半島での影響力拡大に動く可能性が極めて高い(「しょせんは米中の掌で踊る南北朝鮮」)。

誰もが五里霧中

—その中国の本心を北朝鮮も分かっている?

鈴置:もちろんです。だから金正恩氏は米朝首脳会談に容易には踏み切れない。これまで北朝鮮は「核をやめる」と周辺国を騙しては、援助を取り付けてきた。

今度もそのつもりだったのでしょうが、「何をするか分からない」トランプ大統領が相手ではそうはいかないことにようやく気が付いた。下手に交渉すれば、我が身を滅ぼしかねないのです。

会談まで1カ月を切る5月16日になって「首脳会談などしなくたっていい」と言い出したことからも、北朝鮮の困惑ぶりがうかがえます。

トランプ大統領も5月17日の会見で「何が起こるか見守ろう(we’ll see what happens. )」と述べています。誰しもが五里霧中なのです。

(次回に続く)

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『無人カラオケボックスが中国で急成長する理由 日本企業のノウハウに期待集まる』(5/21日経ビジネスオンライン 西村友作)について

5/19看中国<深沉大略 成吉思汗因何横扫欧亚大陆?(图)=内に込めた大戦略 ジンギスカンは何故ヨーロッパやアジア大陸まで征服したのか>何故遠征したかの理由ははっきり書いていません。広大な帝国を作ったと結果だけです。中国人は満州族が作った清帝国の版図を引き継いだ形となり、内蒙古もウイグルもチベットも中国人=漢族の仲間と思っているようです。モンゴル人もウイグル人もチベット人も漢族と一緒になりたいとは思っていないのに。楊海英氏の『「中国」という神話 習近平「偉大なる中華民族」のウソ』の中に、王昭君や文成公主の例を挙げ、漢民族は嫁に差し出した民族も中華民族の一員と思う節があるとありました。平和的に暮らせればそれでも良いでしょうが、大体漢族はそれを許さず、搾取するだけです。
この記事ではジンギスカンも中国人と思って書いているのがありありです。日本人にはすごく違和感があります。歴史の改竄ではと。耶律楚材の例を挙げて、用兵の妙を謳い、優しい人間のような書きぶりですが、そんな優しいだけでは版図は広げられなかったでしょう。以前読んだ本で、ジンギスカンの征服した土地の統治のやり方として、逆らえば皆殺し、恭順の意を示せば少数の行政官を置くだけで、後はその土地に合ったやり方を認めたと記憶しています。多分、こちらの方が正しいかと。


ジンギスカンが死んだときの版図。中国の大部分は入っていません。万里の長城以北でしょう。
https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/19/857067.html
5/20阿波罗新闻网<国产航母奇怪设计曝光 4艘航母网友仍称“航母垃圾大国”=国産空母のおかしな設計が白日の下に ネット民は4隻の空母に対し「空母ゴミ大国」と>何がおかしいかというと操舵室に沢山の柱があるのは倒れないように慮かってとのことであるが、非人道的。強度が足りないから柱が多くなった。名前もおかしくて、4隻の空母の名前が、「瓦良格号=ヴァリャーグ号」、「山寨号=偽物号、もともとの意味は山賊の砦」、「明斯克号=ミンスク号」、「基辅号=キエフ号」で「ミンスク号」は南通で空母公園となり、「キエフ号」は天津でホテルになっている。もし、米軍と戦えば100%の確率で撃沈される。もし船の名前を「中南海号」とか「北京号」、「共産党号」としたら海に出られないのでは。米軍の空母と性能、装備、兵器の差が歴然としている。
http://www.aboluowang.com/2018/0520/1117016.html
5/21日経電子版<米財務長官「制裁関税は当面保留」 中国、輸入拡大>
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30745910R20C18A5MM8000/
北朝鮮問題が解決するまでは中国の協力度を見て制裁をかけるかどうか決めると言う所では。
5/21日経電子版<無人店、中国を席巻 飲食店やカラオケで続々
【杭州(浙江省)=原島大介】中国でレジなどに人を配置しない「無人」サービスが広がっている。ネット通販最大手、アリババ集団は外食企業と組みレストランやベーカリー店を展開。ホテルやカラオケボックスにも広がり、4年後に市場規模は16兆円を超えるとされる。日本では人手不足が深刻だが、中国ではスマートフォン(スマホ)決済を土台に人件費削減を狙う。


客はスマホで注文、支払いを済ませ、通知が来ると料理を取りに行く(浙江省杭州)
浙江省杭州のオフィス街。昼すぎに中華ファストフード店に入ると、周辺で働く会社員でごった返していた。だが店員の姿は見当たらない。客はスマホを操作し、5分ほどで約40のロッカーが並ぶ場所へと向かう。客が再びスマホを触ると、ロッカーの扉が開き、中から料理を取り出した。
この店は1月末にアリババ傘下で外食店向け支援サービスを手掛ける阿里口碑のシステムを導入して改装オープンした。アリババのスマホ決済アプリ「アリペイ(支付宝)」で店内のQRコードを読み取れば、注文や支払い、料理完成の通知までスマホで完結する。
もともとは従業員が13人いたが、改装を機にレジ担当などを減らして6人にし、年60万元(約1千万円)だった人件費は半分以下になる見通し。一方、効率化で客の滞在時間が短縮され、売り上げは改装前より4割伸びた。週1~2回訪れる会社員、章遠強さん(27)は「前は昼時は外まで並んでいたけど、今は待つ必要がなくなった」と歓迎する。


口碑は同店の結果を踏まえ、4月から対象を他の業態に拡大。浙江省内にある高速道路のサービスエリア内にファストフード店を2店開いたほか、北京や上海、深圳でも調理場などを除き無人のベーカリー店やデザート店、火鍋店を開く計画。口碑の担当者は「業態や立地ごとの消費者の需要を把握し、さらに広げる」という。
中国では昨年以降、「無人店」の開発競争が進む。当初はスタートアップ企業が中心だったが、ネット通販大手の京東集団や蘇寧雲商集団といった小売大手も参入。コンビニや衣料品店などの小売店が大都市で続々と無人店を開業するほか、商業施設には無人のカラオケボックスがすでに3万カ所に広がった。
無人化の対象は幅広い。浙江省杭州にはロボットがミルクティーを提供する店がオープンした。価格は1杯10元(約170円)程度と、店員のいる店の3分の1だ。また内陸の四川省成都にはフロントがないビジネスホテルが登場。予約時に身分証の画像をネットで送れば、ホテル内のカメラで顔を認証し、チェックインできる仕組みだ。


ロボットがミルクティーを作る店も登場した(浙江省杭州)
中国では経済成長に伴う家賃や人件費の高騰が続いており、実店舗の運営者は商品の販売価格にコスト上昇分を上乗せせざるを得ない。この結果、割安なネット通販にさらに客を奪われる悪循環を招いており、コスト対策は喫緊の課題だ。
このため、目に見える効果が期待できる無人化への期待は高い。中国の調査会社、中商産業研究院によると、中国の無人店市場は小売店だけでも22年に9500億元と、18年の30倍に成長する見通しだ。
■日本、なお実証実験レベル
人材不足に悩む日本でも無人店への期待は高いものの、依然として実証実験レベルにとどまる。中国が日本以上のスピードで実用化が進む背景には、スマホなどのネット決済と従業員サービスに対する両国の考え方の違いがある。
中国の調査会社によると、スマホ決済の利用者は全体の7割に達し、16年時点で決済額が39兆元(約660兆円)に上る。沿岸部の都市では露店や市場でも利用可能で、最近では会計をする際に現金を出すと、店員にしかめ面をされるほどだ。
中国ではそもそも偽造紙幣が多く流通している。事業者にとってはネット決済の方が確実に料金を回収できるメリットがある。ただ、消費者にとっては銀行口座と決済アプリをひもづけるため、不正利用などのリスクは残る。このためメイン口座とは別にネット決済用の口座を設けリスクに備える消費者も多い。
日本では「店員がいる方が安心できる」という考えが根強い。これは接客サービスへの期待値が高く、かつ従業員の水準も高いためで、ネット通販よりも近くの小売店を選ぶ遠因ともなっている。
一方、中国の小売店やレストランでは一部を除き、丁寧な接客サービスを受ける可能性は低い。そもそも中国の消費者は従業員に対して良いサービスを期待しておらず、無人の方が不快な思いをしないで済むと考える。
事業の継続性や経営リスク、消費者の安全よりも、まず行動に移す中国の国民性も大きい。こうした両国の考え方の違いが、無人サービスの普及スピードの差につながっているようだ。>(以上)
阿里巴巴は千夜一夜から取ったのかもしれませんが、漢字の「阿里」は台湾の「阿里山」から取ったのかもしれません。厭らしいです。アリペイは螞蟻金服(金融服務)(アント・フィナンシャルサービスグループ)が運営しているサービスです。螞蟻は日本語で蟻の意味です。CEOの馬雲は日本語も少しはできるのかも。
https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20141121/Searchina_20141121142.html
中国は人口が多く、消費市場が大きいのが売りだったのに、無人化を進めていけば、雇われない人も増えていき、今でもジニ係数が0.73(北京大学調べ)と言われているのに、格差は広がるばかりになるのでは。富の分配を公平にしないと臨界点を迎え、革命が起きることになるのではと感じます。
中国は良いことばかりではありません。先日知人からメールを貰い、そこには「日本から中国入国時に、広州空港で両手10本の指の指紋を取られた」との不満が書かれていました。大事な個人情報ですが、共産党にとって外国人と中国人留学生はスパイの可能性が高いと思っているのでしょう。経済発展に釣られて中国に仕事に行くのは避けた方が良いです。米中の行方もどうなるか分かりませんので。先ずは北の問題でしょうけど。
記事


休み時間にスマホでコーヒーを購入する対外経済貿易大学の学生。
北京市北東部の幹線道路・四環路の南に位置する対外経済貿易大学。最近コーヒーやジュースの入った紙コップを持ち歩く学生をよく見かけるようになった。
その購入先は、教室の横に設置されたコーヒーと生絞りオレンジジュースの自動販売機。私がこの大学に来てから16年経つが、キャンパス内に自動販売機が置かれたのはこれが初めてだ。
北京のオフィスビルではお弁当の自動販売機も登場。大気汚染がひどくなる冬場にはPM2.5対策用マスクの自動販売機も地下鉄駅に出現した。
近年中国では、自動販売機の設置台数が急拡大しており、今後もそのすう勢が続くと見込まれる。自動販売機大手の富士電機は、「中国における自動販売機の市場出荷台数が2015年度の約4万台から18年度には約17万台、20年度には34万台まで伸長する(16年7月28日付同社ニュースリリース)」と予測する。
中国の自動販売機は歩道で見かけることがほとんどなく、バス停や駅などの交通拠点、学校、病院、スーパー、オフィスビルなど施設内での設置が中心となっている。
消費現場を変えたモバイル決済
少し前まで北京では自動販売機を見かけること自体、ほとんどなかった。硬貨の流通量が少なく、紙幣も多くが破損しているため、自動販売機の普及に適した環境でなかったためだ。北京の地下鉄の切符販売機には今も、紙幣を硬貨に交換するために駅員が常駐している。
しかし、スマートフォン(スマホ)人口の急増に伴うモバイル決済の爆発的普及により状況が一変した。現在新しく設置されたほとんどの自動販売機はモバイル決済に対応しており、中には現金支払いができないものまである。
2010年代、インターネットアクセス手段の主役はパソコンからスマホへと大きくシフトした。中国互聯網絡信息中心の統計によると、スマホによるインターネット利用者は06年末では1701万人でネット利用者全体の12.4%にすぎなかったが、17年末には7.53億人と全体の97.5%にまで高まった。
スマホの急速な普及に伴い、これまでパソコン上でしか使用できなかったオンライン決済がスーパーやレストラン等の実店舗でできるようになった。
中国のモバイル決済市場は、インターネットサービス大手の騰訊控股(テンセント)が独自のスマホ向けチャットアプリ「微信(ウィーチャット)」に決済機能をつけた「微信支付(ウィーチャットペイ)」で本格参入して以降、急拡大が続いている。中国人民銀行の統計によると、17年のモバイル決済額は前年比28.8%増となる202.9兆元に達し、5年間で21.1倍拡大した。また決済回数についても、17年は前年比46.1%増の375.5億回で、13年の22.4倍となっている。
モバイル決済状況


(出所)中国人民銀行より筆者作成
17年にはスマホで入店、決済ができる無人コンビニが話題になったが、最近では無人レストランも登場した。従業員は厨房のみで、注文から商品の受け渡し、決済まで全てがセルフサービスとなっている。
小売り以外のサービスも無人化へ
自販機やコンビニ、レストランなどの小売り以外でも、様々な無人サービスが登場している。その一つに、ミニカラオケと呼ばれる1~2人用の無人カラオケボックスがある。
私も最寄りのショッピングセンターに出向きこのミニカラオケをチャレンジしてみた。今回試したのは業界大手の「友唱」。
まずはウィーチャットで登録し、スマホ側で料金プランを選択する。今回は最も安価で時間が短い20元(約350円)/15分を選択、ウィーチャットペイを使ってその場で支払いを済ませるとサービスが始まる。中国語の曲以外にも、英語や日本語、韓国語といった海外の曲もある。歌い終えると、登録したウィーチャットに自分が歌った楽曲の履歴と録音された自分の歌声が送られてきた。これまで歌った楽曲をまとめてアルバムを作ったり、ネット上にアップして共有したりできるようだ。


最寄りのショッピングセンターに設置されているミニカラオケ「友唱」に初挑戦する筆者
このミニカラオケが多く設置されているのがショッピングセンターなどの商業施設で、ちょっとした隙間時間での利用がメインとなっている。私が試したミニカラオケも、ショッピングセンター内の映画館やレストランの横に設置されており、映画や食事の待ち時間を利用した顧客が多いようだ。
手軽に暇つぶしができる点がうけ、中国のミニカラオケ市場は急拡大している。調査会社iiMedia Researchが発表した「2017年中国ミニカラオケ産業白書」によると、17年のミニカラオケ市場は35.2億元(約600億円)に達し、19年には140億元(約2400億円)に達する見通しとなっている。
カラオケ以外でも、トレーニングジムや図書館などの無人サービスが登場しており、無人化の波は着実に押し寄せている。
期待される日本企業のノウハウ
小売りやサービス業での無人化が進んでいる中国の無人消費市場は今後更なる拡大が期待されている。中商産業研究院が発表した「2017年中国無人販売市場展望研究報告」では、中国の無人消費は17年の100億元(約1700億円)から22年には100倍の1兆元(約17兆円)に達し、ユーザーは2.4億人を超えると予想している。
中国無人消費市場に参入を始めた日本企業もでてきた。イオンの子会社であるイオンディライトは、中国のIT企業ディープブルーテクノロジー(深蘭科技)と合弁会社を設立し、無人店舗の開発に乗り出す。
これまでの無人コンビニは、無人化技術に偏重しており品揃えの悪さを指摘する声が多かったが、イオンの小売りのノウハウとディープブルーの技術力とのシナジー効果が期待できそうだ。
モバイル決済の普及や人件費の高騰を背景に急拡大する中国の無人消費市場。小売りやサービスなどの従来型ビジネスにおいては多くのノウハウを持つ日本企業と、AIや顔認証などの先端技術に長けた中国新興企業との異業種間による提携が今後増えてくるかもしれない。
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『高齢化控える中国「老人の世話は…」発言の波紋 約束した「年金による老後の生活保障」は反故か』(5/18日経ビジネスオンライン 北村豊)について

5/18希望之声<“中兴案”似难翻身 美众议院禁止取消制裁=ZTE制裁案件は引っ繰り返すのは難しいだろう 米下院は制裁取消を禁止する>17日下院は「ZTE制裁保持修正案」を提出し、商務省がZTEへの輸出禁止令を取消すのを禁じた。下院通過後、上院で可決されれば、法案成立となる。下院での投票は6月中に行われる見込み。法案提出後トランプはZTEに言及することはなくなった。マルコ・ルビオ議員はFOXニュースに「私はZTEとか華為とかいう会社に済まないという感情は持たない。中国政府が支持してきた企業が既に多くの我が国の会社を倒産させてきた。彼らはこのようにして経済的、ネポテイズム(中国企業に米国高官及びその縁者を雇用の意味?)を利用して、国家の安全を危険に晒している。我々は彼らを助けるべきではない」と。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/05/18/n1792512.html

5/20日経朝刊<中国、米製品の購入拡大 両国合意 1日遅れで声明>共同声明は「米国が検討する対中制裁の撤回には触れておらず、両国は「高いレベルで引き続き貿易問題の解決策を探る」としている。」とあり、駆け引きが続きます。次は王岐山の出番でしょうが、ポールソン人脈がどの程度生きているかでしょう。ゴールドマンサックス繋がりで言えば、ムニューチンですが、前回北京での会合時にもムニューチンが譲歩する様子は窺えませんでした。次はラリー・クドロー辺りに焦点を充てるのかもしれませんが、トランプの思惑と外れることはできないでしょう。米中貿易摩擦は米国の対中高関税で終わるというか、次には金融制裁が待っているという気がします。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30740300Q8A520C1000000/?nf=1

5/18日経ビジネスオンライン<中国頼みだったスクラップ処理が危機に 日本資源戦略の危機、サントリーが放つ一手とは 馬場 未希>中国が環境保護を意識してスクラップの輸入を減らし、国内でのリサイクルを強化するとのこと、うまく行くかどうかです。まあ、中国人に分別回収は難しいのでは。何でも道路に捨てる公衆道徳のない人が大半なので、上の号令があるからといってすぐにできるかというとそうはならないのでは。北京市の石炭使用禁止令のようにガス供給が間に合わなくて撤回に追い込まれたように、企業の原料が調達できなくなって撤回に追い込まれることは充分考えられます。しかし日本ではもっと国内でゴミを資源として活用する方向に行かないと。中国だけでなく世界にスクラップを輸出するのはどうかと。勿論、中古の物は良いと思いますが。ゴミと中古の線引きが難しいかも。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16eco/042500006/051700009/?n_cid=nbpnbo_mlpum

5/20日経朝刊<中国の「ダム攻勢」、メコン川流域の東南ア諸国を翻弄

カンボジア北東部ストゥントレン州の稲作農家のサム・イン氏は2016年、東南アジア最長の河川であるメコン川の支流沿いにあった家から立ち退いた。今年後半に本格稼働すれば、発電能力400メガ(メガは100万)ワットと同国で最大規模のダムになる「セサン2」建設に伴い、村が水没するためだ。

メコン川でのダム開発は漁獲量の減少を招くという(支流のカンボジア・トンレサップ川で魚を捕る漁民の親子)

10年ほど前にダムの計画を聞かされた際、サム・イン氏ら村民は反対した。カンボジア政府は、ダムの発電が国全体に寄与すると説明した。代替地には、政府が約束した灌漑(かんがい)施設も農機具もなく、生産性は以前の半分以下に低下したという。メコン川流域ではほかにも、ダム建設により稲作に必要な川の堆積物が減り、魚も絶滅の危機にひんすると予想される。

カンボジアは12年、中国の支援を得て「セサン2」のプロジェクトを推進した。中国発電最大手の中国華能集団の子会社が、ダム会社の過半数の株を持つ。中国によるダム建設は、メコン川に頼る6000万人規模に上る東南アジアの流域住民の生活を、大きく変えつつある。中国は全長約4800キロメートルの川のうち、自国の上流域を制御し、下流域には摩擦や懸念を引き起こす。一部の専門家は、物流なども含むメコン川流域国のリスクの度合いを、中国による南シナ海の人工島建設と比べる。

米非政府組織(NGO)インターナショナルリバーズによると、中国以外のメコン川本流で計画するダム11カ所のうち、6カ所は中国の支援を受ける。一方、欧米や日本などの投資家は、メコン川のダム開発から撤退しつつあるようだ。日本が最大株主のアジア開発銀行(ADB)は環境への影響を考慮し、メコン川本流での水力発電プロジェクトへの融資を凍結した。

中国政府は、メコン川を使った巧みな外交攻勢を展開してきた。16年の干ばつでは下流域の水流を改善するため、上流域のダムからの放水を発表した。特に緊張が高まっていたベトナムとの関係改善に役立てたかったようだ。タイやラオス、ミャンマーも含め流域国はダムについて、巨大な貿易相手や投資国となった中国への反対は難しいと感じている。中国は15年に発足した、中国を含む流域6カ国の新たな枠組み「瀾滄江―メコン川協力(LMC)」も主導した。16年の第1回首脳会議では、流域開発に100億ドル(約1.1兆円)超の融資枠を設けると約束した。

電力の需要は高まっている。カンボジア政府は、約50%の家庭にしか電気が届かない現状を、30年までに70%まで改善したいとする。ラオスも、電力販売により「東南アジアの電源」となるのを望む。だが電力供給が増えても、環境への悪影響のほうが大きいという研究結果は少なくない。タイのメーファールアン大学の17年の報告書によれば、30年までに計画中のダムがすべて完成すると、下流域の国への悪影響は今後半世紀ほどで73億ドルにのぼる。

東南アジア最大の淡水湖、カンボジアのトンレサップ湖は同国の全漁獲量の半分以上を占める。湖水の約60%はメコン川から流れ込むが、上流のダム開発は魚の回遊を妨げ、漁獲量の減少を招く。漁業を営むオエル・ネイビー氏は「どこかの政府が発電のためダムをつくっていると聞くが、自分に関係があるとは感じられない。生きていくため、もっと魚を捕りたい」と話す。

(バンコク=小野由香子)>(以上)

中国は環境保護強化を謳っていますが、それなら下流の国々に迷惑がかかるダムの建設は止めるべきでは。中国の水源はチベットにあり、元々中国とは別の国です。漢民族お得意の歴史の改竄・捏造です。結局水を政治的に利用し、東南アジア諸国を中国に從わせようという帝国主義的振舞いなのでは。

北村氏記事で感じますのは、中国の年金や医療保険の基金は高級官僚が着服して、全員に給付することはできないのではという事です。それでなくとも低い給付なのに、それすらできないような状況になっているという事です。また、北村氏が言いたかったのは「中国の夢」なる中華帝国を作るための軍拡を止め、その財源をもっと福祉に充てたらと言うものと理解しました。大賛成です。中国の平和的台頭は歓迎しますが、軍拡には反対します。世界の平和への攪乱要素となりますので。でも中国人の性格から言って無理でしょう。自己中で周りを見ませんから。今、井波律子氏の『中国侠客列伝』を読んでいますが、非常に面白い。紀元前まで中国には自分の命を顧みず、他人の為に戦った侠(おとこ)が沢山いたという話です。秦の始皇帝の命を狙った荊軻も含まれています。長い歴史の中で、漢民族は北方民族に圧迫され(北宋時代)、南に下っていき、昔の漢族が残っているは今の広東省や福建省の客家だとも言われています。客家たちでも、昔の侠(おとこ)と言われる人は少ないでしょうが。

記事

一人っ子を失った両親による北京での抗議集会(写真:ロイター/アフロ、2016年4月18日撮影)

5月12日は“国際護士節(国際看護師の日)”である。この日は、1854年に勃発したクリミア戦争に看護婦として従軍し、その目覚ましい働きから「クリミアの天使」と呼ばれ、後に英国の看護教育に貢献して、「近代看護教育の母」と呼ばれたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日であり、これにちなんでスイスのジュネーブに本部を置く国際看護師協会が1965年に「国際看護師の日」を制定した。

国際看護師の日を2日後に控えた5月10日、中国政府“国家衛生健康委員会”(以下「国家衛生委」)は記者会見を行った。それは、2008年1月に公布された『“護士条例(看護師条例)”』の実施10周年と中国が2008年5月に国際看護師の日を初めて実施してから10周年に当たることを記念して開催されたのだった。

この記者会見に出席した国家衛生委“医政医管局”副局長の“焦雅輝”(女性)は以下のように述べた。

【1】『看護師条例』の施行以来、看護事業は急速な発展を遂げ、顕著な成果を納めている。2017年末における、我が国の登録看護師の総数は380万人を超えており、衛生・家族計画専門技術者の42.3%を占めている。彼らの67%が大学卒業以上の学歴を持っている。ここ数年、我々は看護士の労働条件を絶えず改善し、看護師の待遇を保障し、労働と成績に応じた報酬を実現し、看護師の積極性を引き出している。

【2】データによれば、目下のところ、中国の60歳以上の老人は約2.4億人で、65歳以上の老人は約1.6億人であるが、その中には要介護と要支援の老人が相当数含まれている。但し、老人介護と老人看護に携わる看護師は慢性的に不足し、看護師の増員は急務であり、2020年までに全国の看護師を450万人にする目標を達成する必要がある。

【3】これら看護師による優良看護サービスはすでに全ての“三級医院(上級医院)”で実施されており、90%近い“二級医院(中級医院)”でも優良看護サービスが展開されている。しかし、今後さらに増大する老齢人口に対応するためには、これら医院の介護サービスだけに頼っている訳にはいかない。そこで、国家衛生委は人々の看護サービスに対する多様化した複合的な要求に対応すべく、看護師部隊の創設を強化し、新たな看護サービスモデルを創り、看護サービスの供給を増大させ、看護サービス業務の改革と発展を推進する。

【4】現在2.4億人に達している60歳以上の老人は、今後さらに増大するが、我々は積極的に人口の高齢化に対応し、老人介護と老人看護を発展させなければならないが、そのためには「誰が世話をする」、「誰の世話をする」、「誰がカネを出す」などの問題を解決しなければならない。我が国の国情から見て、政府機関による看護は我々の主要な方向ではない。将来、これら老人たちを看護する主体と主要なモデルは“社区(地域社会)”と家庭である。特に地域社会では、現在多くの地方で互助式の“養老(老人をいたわり養う)”が模索されており、都市には老人が集中する老人アパートや地域社会があり、農村には民政部門が推進しているものに似た“養老”のための“幸福院”、または互助の“養老”モデルがある。村の“衛生室(診療室)”付近では、村の医師が日常的に健康サービスを提供している。

【5】誰がカネを出して老人の世話をするのかという問題を解決する件に関しては、日本の経験を参考にして、医療保険の他に長期看護保険があるので、老人の長期医療看護問題は解決できる。我が国では中央政府の人力資源・社会保障部門が先頭に立ち、全国の一部の都市で長期看護保険の試験を行っており、長期医療看護の費用負担問題の解決を図っている。この他に、我が国は民間保険をさらに発展させ、民間保険会社に老人の長期介護と看護に特化した保険を開発して補充作用を発揮してもらわねばならない。

「中国の年金政策は不公平、無責任、不透明」

上述した焦雅輝副局長の発言を受けて、米国の中国語ニュースサイトである“阿波羅新聞網(アポロニュースネット)”は、5月12日付で「人を驚かす社会保障の内幕、中国は約束の履行を拒否して、“養老”を地域社会や家庭に押し付ける」と題する同ネットの記者の筆による記事を報じた。その概要は以下の通り。

(1)数日前、中国版Twitterである“微信(WeChat)”の“朋友圏(モーメンツ)”に“独生子(一人っ子)”という題名の写真が掲載され、大きな話題となった。それは1人の若い男性が2つ並んだ病院のベッドの間に座り、左右のベッドに横たわる2人の患者を見守っている写真であった。ベッドに横たわっているのは病気に倒れた彼の父母で、右のベッドには父親が、左のベッドには母親が、それぞれ憔悴しきった様子で写っていた。“朋友圏”で結ばれた人々は写真を見た後に評価を返信したが、中には涙をこらえきれない人もいた。その写真が表していたのは中国政府による一人っ子政策がもたらした高齢化問題の厳しい現実であるが、中国政府はまたしてもその責任を回避しようとしている。5月10日、中国政府の国家衛生委は、老人医療看護問題の解決を強力に推進するとして、未来の老人看護は主として地域社会と家庭が受け持つことになるだろうと言明した。

(2)最近、写真家の“張審軍”が撮影した“独生子”と題する作品がネット上に繰り返し投稿されたが、これを見たあるネットユーザーは「この写真は人を絶望させる」と述べた。3月8日午後に中国メディアのインタビューに答えた張審軍は、「写真は社会の忌諱(きき)<注1>に触れるかもしれない。それは主として一人っ子政策との時代的な関連性である。この写真を撮影したのは2013年だが、写真の中に写っている母親はすでにこの世を去った」と述べた。
<注1>「忌諱(きき)」とは、嫌って避けること。

(3)時事評論家の“李沐陽”は、「これは今の中国の現実であり、中国が30年以上にわたって推進してきた計画出産政策で生まれた第一世代の一人っ子が40歳前後の中年になった。誰もが知っているように、現在この年代は「“上有老(上に老人)”、“下有小(下に子供)”」の段階にある。一人っ子が直面している家庭構造はどのようなものだろうか。ある学者は現在の家庭構造を「4+2+1」と表現している。すなわち、上には夫婦の両親である60歳を過ぎた老人が4人いて、下には未成年の子供が1人いる。

(4)少し前にネット上に『インフルエンザ下における北京の中年』と題する文章が掲載されたことがあった。それは北京の中産階級の話で、1人の老人がインフルエンザに罹って病気になると、医療費が高いので2カ月も経たないうちに長年蓄えた家財が空っぽになるというものだったが、もしこれが他の地方だったらどうだろう。これは想像したくない問題だが、中国では実際に必ず直面しなければならない問題である。それが“養老”問題だったらどうだろうか。

(5)著名な経済学者である“郎咸平”はかつて文章の中で、中国の年金政策には不公平、無責任、不透明という重大な問題が存在していると指摘した。不公平な問題は2つある。第1は、給料の8%が年金保険料として自動的に天引きされる。第2は、低収入の人々が徴収される年金保険料が割高である。中国政府は月収の最低基準で計算して保険料の納付を要求しているが、月収が最低基準に到達していない人も同じ基準で保険料を納付しなければならず、低収入の人々はそれ以上の負担を求められているのに等しい。退職者の年金はもっと不公平である。公務員の年金は企業職員の年金より数倍も高い。

話は変わるが、年金保険に加入していて保険契約の解除を求めても、思い通りに解除して従来納入した保険料の払い戻しを受けることができた人はほとんどいない。2007年頃、広東省“深セン市”では494万人が年金保険に加入していたが、保険契約を解除した人は83万人に達した。彼らのうち、保険料の払い戻しを受けることに成功したのは9672人に過ぎず、残る82万人が納入した保険料は一銭も払い戻しされなかった。この金額は巨大である。同様に、企業が職員のために納入する年金保険料(給料の20%)は社会統一管理口座に収められるが、その口座に集められた保険料がどのように運用されているか、運用益がどうなっているかは全く知らされていない。

「政府が責任を持つのは不可能」

(6)郎咸平が述べているように中国の年金政策には不公平、無責任、不透明という重大な問題が存在しているというのに、5月10日に国家衛生委の焦雅輝副局長は将来の“養老”の主役は中国政府ではなく、地域社会や家庭だと言明したのである。この点について米国ウイスコンシン州立大学の客員教授で中国人口学者の“易富賢”は、次のように述べた。すなわち、中国の老齢人口が直面する“養老”問題は極めて深刻である。中国政府が過去に計画出産政策を実行した時には、政府は国民の“養老”に責任を負うと約束していたのに、高齢化問題がますます深刻な状況になったら、政府が“養老”に責任を持つことなど根本的に不可能と表明している。これはどう考えても政府の身勝手であると言える。

(7)2015年12月、“失独者(一人っ子を亡くした父母)”の代表が北京に集まり、当時の「国家衛生・計画出産委員会(現:国家衛生委)」に対し、一人っ子の子供が死亡したことにより自分たちの“養老”に多大な負の影響が出ている旨を訴えた<注2>。しかし、国家衛生・計画出産委員会の回答は、一人っ子が死亡した家庭に国家が行政保障を行うとの法的根拠はないというものであった。

<注2>“失独者”の詳細については、2015年12月11日付の本リポート『「一人っ子」亡くし、56歳で出産した母の挑戦』参照。

中国には1996年8月に制定され、2012年12月と2015年4月に改正された『老人権益保障法』という法律があり、以下の条文が明記されている。

【第2章 家庭扶養】
第13条:老人の“養老”は住家を基礎とし、家庭構成員は老人を尊重、重視、世話しなければならない。

第14条:扶養者は老人に対し経済上の扶養、生活上の世話と精神的上の慰めを履行すべきであり、老人の特殊な要求に対応しなければならない。扶養者とは老人の子女およびその他法に照らして扶養義務を負う人を指す。扶養者の配偶者は扶養者の扶養義務の履行に協力せねばならない。

第18条:家庭構成員は老人の精神的要求に関心を払わねばならず、老人を無視したり、冷遇してはならない。老人と別居している家庭構成員は絶えず老人を見舞ったり、ご機嫌伺いをしなければならない。雇用組織は国家の規定に基づき扶養者が帰省休暇を取る権利を保障しなければならない。

【第3章 社会保障】
第28条:国家は基本年金保険制度を通じて、老人の基本的生活を保障する。
第29条:国家は基本医療保険制度を通じて、老人の基本医用の需要を保証する。最低生活保障を受ける老人と低収入家庭の条件に符合する老人は、参加する新型農村協力医療保険と都市住民基本医療保険が必要とする個人の納入する保険料を政府が補助する。

ところで、2012年12月に改正された同法は2013年7月1日に発効したが、その発効当日に江蘇省“無錫市”の“北塘区人民法院(下級裁判所)”で公開審理が行われた親の扶養を巡る裁判は、原告である親が、家庭内紛で家を出て、親との関係を絶った娘と娘婿を被告として訴えたものだったが、判決は被告に対し親に一定の経済的保障を与えるほかに、少なくとも2カ月に1回は親を見舞うことを命じた。第18条は2012年12月の改正で修正が加えられた条文で、この判決が親を定期的に見舞うのを命じた最初の判例となった。

不足する施設や看護、介護スタッフ

話は本題に戻る。上記の条文からも分かるように、中国政府は国家が年金制度を通じて老人の基本的生活を保障すると約束したはずである。しかし、郎咸平が述べている不公平、無責任、不透明な年金政策と乱脈な年金運用による結果かどうかは分からないが、2017年4月時点で“清華大学”の報告書は国民から集めた年金資金が4.7兆元(約80兆円)も不足していると指摘しているし、2017年12月に中国政府の報告書が多数の一級行政区(省・自治区・直轄市)で年金資金の不足が急を告げていると述べている。中国政府は年金資金不足を懸命に否定し、年金財政は健全であると公言しているが、すでに中国の年金制度は破綻したと公言する学者もいるのである。

そうした状況下で国家衛生委の焦雅輝副局長が「今後、“養老”の主体は国家ではなく、地域社会と家庭である」と言明したことで、中国の年金制度が危機的状況にあり、社会保障全般に問題があるのではと、国民が危機感を募らせる結果となったのである。

中国には養老施設が2017年末時点で15.4万カ所存在しているが、正式に登録されているのは約2.9万カ所にすぎず、これら施設のベッド数は700万床しかなく、とうてい現在2.4億人いる60歳以上の老人の中で介護や看護を必要とする人々を収容できる態勢には程遠い現状である。また、国家資格を持つ介護士は2万人しかおらず、今後必要となる介護士1000万人を養成するには相当な年月を必要とする。

“養老”を地域社会や家庭が主体となって行うにしても、要介護や要看護の老人を世話するのには限度がある。限度を超えた段階では、国家が彼らを受け入れる必要があるが、それが期待できないとなれば、現在の日本で問題となっている親の介護を理由とする退職や老々介護が増大することになるだろう。中国の高齢者は2050年には4.8億人となり、予測される総人口13.6億人の35%を占めることになる。

世界第2の経済大国となった中国は、習近平が提唱する「中国の夢」を実現して世界に覇を唱えようとしているが、超高齢社会(65歳以上の人口が全人口の21%以上)が到来することを念頭に今から万全な対策を取り、地道な努力を積み重ねないと、悲惨な未来が待つことになるだろう。

中国の史書『戦国策』にある“燕策”の故事から出たとされることわざ「先ず隗(かい)より始めよ」(意味:遠大な事業や計画を始めるときには、まずは手近なところから着手するのがいい)の精神は、今の中国にとって不可欠なものではないだろうか。

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『リムパック参加の中国軍、次は何をしでかすのか?国際ルールを無視して米軍機に高出力レーザー照射』(5/17JBプレス 北村淳)について

5/17看中国<习近平到军科院发声 毛新宇再次被关注(组图)=習近平は軍事科学院で声を上げた 毛新宇はまた注目を浴びた>毛沢東の嫡孫で朝鮮での自動車事故で亡くなったと韓国で報道されていた毛新宇は生きていたようです。習はZTEの問題で焦って中国軍の科学技術力を上げるよう5回の会議を通じてはっぱをかけたとのこと。会議が終わった後の宴会で習は毛新宇を見て見ぬふりをしたと。毛新宇は軍事科学院戦争研究院副院長の肩書きを得たとも。(下記URLでは記事が出ないようなので、表題をコピペして検索ください)

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/17/858895.html

5/14Share News Japan<琉球新報「レーザー照射や凧揚げは市民の抗議行動。米軍機はそれで墜落するほど脆弱なのか」>ここまで言われりゃ米軍もレーザー照射や凧揚げする人間に機銃掃射でも浴びせて見たら。被害が出たら文句は琉球新報に言えば良いでしょう。まあ、冗談ですが。沖縄は無法地帯になっています。国民の関心が行かないので、敵に付け込まれやすいという事です。翁長が膵臓癌で辞任するかも知れず、自民党は早めに沖縄県知事候補を立てた方が良いというのが小坪慎也氏の意見です。彼は安里繁信氏を応援しています。翁長も元々は自民党沖縄県連の幹事長だったのに、結局共産党に魂を売った変節漢です。前例がありますので自民党だからと言って安心はできませんが、安里氏は翁長よりは100倍以上に良いでしょう。県警本部長の交代を具申して、違法デモやストライキを厳しく取り締まらないと。福島瑞穂が出て来たら、ネットで目一杯、晒してやれば良いでしょう。国会議員の不逮捕特権は国会開会中だけです。いくらアホでも閉会中に変なことはしないと思いますが。

https://snjpn.net/archives/51254

https://samurai20.jp/2018/05/asato/

左翼の発想は似通るようで、①ルールを守らない②自己中心の人の集団です。ジブチの人民解放軍と沖縄の反基地運動をしている人間の行動の何と似ていることか。両方とも米軍パイロットに何かあれば、戦争勃発や日米同盟の崩壊に繋がりかねません。まあ、敵はそれを狙っているのでしょうけど。平和を唱え、暴力反対をスローガンに掲げる人が一番その反対の行動をするという分かり易い事例です。違法な反対運動をしている人間を日本政府が取り締まれないなら、米軍に頼んで取り締まって貰ったら。米軍が反対派を基地に引きずり込み、グアンタナモまで連れて行って、水責めにでもしたら良いでしょう。ハスペル氏は上院公聴会で拷問は再開しないと答えて、CIA長官として上院で承認されましたが。まあ、米軍が取り調べれば、簡単に裏の活動資金がどこから出ているか簡単に明らかになるでしょう。中国と朝鮮半島でしょうけど。敵はそうできないことを知悉しているので歯がゆい思いをします。

リムパックに中国を参加させる必要はないと思います。貿易摩擦とも絡めて、国際ルールを守れない国は、参加資格はないと断れば良いでしょう。時間が迫っているからというのは関係ありません。中国なんかギリギリになって態度を豹変するのを何度も見ました。そうすれば相手が代替を探すのに時間やコストがかかるだろうと踏んで、足元を見て吹っかけてくるわけです。それに負けては駄目。日本人はその点が甘すぎです。

記事

ジブチにある米軍基地キャンプ・レモニエで軍用機に乗り込む海兵隊や水兵ら。米国防総省提供(2013年12月24日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / US DEPARTMENT OF DEFENSE / US Marine Corps Staff Sgt. Robert L. Fisher III〔AFPBB News

紅海とアデン湾を結ぶ海上交通の要衝に位置するジブチの首都ジブチ市周辺には、かつて宗主国であったフランス軍の基地をはじめ、大規模なアメリカ軍基地、ドイツ軍、イタリア軍、スペイン軍の施設、それに自衛隊初の海外基地などが存在している。それらに加えて昨年(2017年)夏には、中国軍初の海外基地も開設された。

ちなみに、フランス、アメリカ、日本、ドイツ、イタリア、スペインの軍事施設はいずれもジブチ国際空港に位置している。その中で最大の施設はアメリカ軍のキャンプ・レモニエであり(滑走路はジブチ国際空港と共用)、それと隣接してフランス軍と自衛隊の基地が設置されている。中国軍基地はキャンプ・レモニエからジブチ市街を挟んで10キロメートルほどの海岸にある。

ジブチは紅海とアデン湾を結ぶ海上交通の要衝に位置する(出所:Googleマップ)

ジブチで、中国軍事基地の開設式に参加した中国人民解放軍の軍人ら(2017年8月1日撮影)。(c)AFP PHOTO / STR〔AFPBB News

米軍機へのレーザー照射で搭乗員が負傷

そのジブチで、4月下旬から5月上旬にかけて、キャンプ・レモニエから発着するアメリカ軍航空機に対して強力なレーザーが照射される事件が連続して発生した。そして5月2日には、米空軍C-130輸送機の搭乗員2名が、レーザーの照射を受けて負傷するという事態にまで至った。

幸いにも失明するような重傷ではなかったものの、ペンタゴン広報官によると「ジブチで頻発している米軍機に対するレーザー照射事件で用いられているレーザーは、極めて高出力であり、市販のレーザー装置から発せられたものではなく軍用レーザーと考えざるをえない・・・場合によっては失明の恐れもあり、極めて危険な行為である」ということである。

米軍機に対する一連の軍用レーザーによる“照射攻撃”は、いずれも中国軍基地付近から発せられていた。そのため、連邦航空局(FAA)は「中国軍ジブチ基地周辺750メートル付近から高出力レーザーが照射された事案が数回発生している。この地域周辺を通過する際には、最大限の注意を払うように」といった警告を航空関係者に対して発した。

各国のジブチ基地エリア

中国政府は米政府の抗議を一蹴

照射事件が起き始めてから数件に関しては、搭乗員たちに直接的被害が発生しなかったこともあり、米側が中国側に抗議することはなかった。しかし、負傷者が生ずるに至って、アメリカ政府は中国政府に対して公式な外交的抗議を申し渡した。

ところが中国側の反応は、米軍当局が予想していたとおり「米軍機に対して故意にレーザーを照射した覚えはない」「基地周辺でのレーザー照射は、鳥を追い払うためと、基地上空に接近する可能性があるドローンを撃退するためである」といった声が聞こえてくるのみであった。中国外交当局も「厳正に事態を調査したが、アメリカの主張は全く根拠のないものである」と米側の公式抗議を一蹴している。

中国によるレーザー照射に米軍が激怒しているのは、失明の恐れすらあるような危険な攻撃を受けたことに対する直接的な怒りだけではなく、中国がジブチおいても国際的取り決めを守らないことに対してである。

中国は高出力レーザーの使用に関する国際的取り決めに参加している。それにもかかわらず、数回にわたって軍用レーザーを米軍機に向けて照射し、そのうえ中国国防当局は「中国は、地域の安全保障と平和維持のために、国際ルールそして現地の法令などに厳正に従って行動している。言われなき外交的抗議は受け付けない」と米国側の抗議を無視する姿勢を崩さない。

「関与政策」のなれのはて

米軍関係者からは、「百歩譲って、米軍機に対する軍用レーザー照射事件が、上部からの命令に従ったのではなく個人が勝手に行ったものであったとしても、海外に駐屯する部隊の統制すらまともに行えない無責任な国際協力部隊の存在は、迷惑なだけでなく危険極まりない」と危惧の念も聞こえている。

そして、今回の高出力レーザー照射事件や、南シナ海での人工島建設のように、中国が国際ルールを踏みにじる行為を繰り返しているのは、アメリカ側にも責任の一端があるという指摘がある。つまり、アメリカ側が「なんとかして中国を国際社会の枠組みに組み込んでしまおう」という、いわゆる「関与政策」をとり続けて来たことの結果だというわけだ。

今年になってトランプ政権は、国際安全保障環境を「大国間の角逐」状況にあると明言するに至った。すなわち、中国との関係は、これまでの協調関係の維持を目指す「関与政策」から一転して、対決に打ち勝つことを前提とした「封じ込め」、あるいはそこまでいかなくとも「封じ込め的政策」へと大きく舵を切ったのである。

「RIMPAC-2018から中国を閉め出せ」

そこで対中強硬派の米海軍関係者たちの間に、レーザー照射事件を機に、またまた浮上してきたのが「RIMPAC-2018から中国海軍を閉め出せ」という声である。

RIMPAC(リムパック)とは、2年に一度アメリカ太平洋艦隊が主催して行われる多国籍海軍合同演習だ。各国の海軍(海兵隊を含む)が参加し、ホノルルを中心に実施される。2014年からは中国も参加するようになり、今年の夏に開催されるRIMPACにも参加することになっている。

なぜ、米海軍を中心とする同盟海軍にとって仮想敵である中国が、合同演習に参加し始めたのか? それは、中国に対する弱腰ともいえるほどの「関与政策」を取っていたオバマ政権が、多くの米海軍関係者たちの反対を押し切って招待したからであった。

しかしながら、1回目の参加(RIMPAC-2014)では、中国海軍は公式に参加した艦艇以外にも電子情報収集艦(スパイ艦)を訓練海域に派遣して情報収集活動を展開するという国際ルール違反を犯した。そして2回目のRIMPAC-2016では、参加国の“仲間”である海上自衛隊に対して公然と非礼を行うという国際的な海軍信義則を踏みにじる行為を繰り返して、主催者である米海軍を困惑させるとともに激怒させた(参考「中国海軍の参加で意味不明となりつつあるリムパック」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50446)。

このため、今回のジブチでのレーザー照射事件を受けて、これまで何度も中国海軍をRIMPACから排除せよと主張してきた米海軍対中強硬派の人々の間から、「これまでRIMPACに参加させることによって、中国軍が国際ルールを尊重するよう促してきたものの、全く効果はない。アメリカの安全保障戦略の基本的スタンスが『大国間角逐』へと方針転換したのであるから、この際RIMPAC-2018から中国を閉め出すべきだ」との声が上がっている。

とはいっても、RIMPAC-2018への中国海軍の参加を間近に迫った現時点で拒絶するのは外交的には困難と考えざるを得ない。そのため、対中強硬派は「中国海軍は今度はなにをしでかすのか?」と身構えるしかないというのが現状である。

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『朝日も読売も優生思想丸出し記事連発の過去、過ちを認めないマスコミ』(5/17ダイヤモンドオンライン 窪田順生)について

国際関連記事ではありませんが、最近読んだ本で面白かった内容と関連していますので紹介します。今も昔もメデイアは自分の所業を棚に上げて批判することしかできない能無しです。彼らは、戦前・戦中は戦争を煽って亡国の一歩手前まで追いやり、戦後は打って変わって外国の手先となって日本を安全保障の面で丸裸にし、外国からの攻撃に対抗できなくして、国を危殆に瀕するように仕掛けています。戦前・戦中・戦後ともメデイアは方法こそ違え国を滅ぼし共産主義化しようとしているのではと勘繰ります。戦後教育でも悪いのは右翼・軍部と日教組が刷り込んでいますが、自分達のアジテーションについては一言も触れません。

筒井清忠氏著『戦前日本のポピュリズム 日米戦争への道』が読んだ本です。松岡洋右と近衛文麿も国民世論(実質新聞世論)に迎合して、政治の舵取りを誤ったと批判しています。昔からメデイアは無責任だし、下種な発想を煽情するのが得意という事です。でも騙される方も悪いのです。今はインタラクテイブに情報が交換できる時代。時代の利を生かしませんと。情弱ではまともな民主主義社会の構築は出来ません。

新聞と大衆

次に重要な論点として新聞と(日比谷公園焼き打ち)事件との関連という問題がある。何よりも河野広中、小川平吉ら事件関係者が、暴動の波及が急速となった原因として警察への憤懣が浸透していたこととともに「新聞が是を煽動的に報道せることを挙げて居る」のであるが、取り締まる側もこれを「傾聴に値すると思う」と著していることは見逃せない(社会問題資料研究会〔一九七四〕七五頁)。

この点について松尾尊兊は次のような重要な指摘を行っている。

「調査しえた各種の地方新聞によるかぎり、まず注目すべきは運動の組織には必ずといってよいほど、地方新聞社、ないしはその記者が関係していることである。新聞は政府反対の論陣を張り、あるいは各地の運動の状況を報ずることで運動の気勢を高めただけではなく、運動そのものの組織にあたったのである」(松尾〔ニ〇〇一〕ニ六頁) すなわち、以下のような事例が挙げられる。

八月二十日、九月八日二回にわたる和歌山県民大会。『和歌山実業新聞』『和歌山新報』(政友会系)、『紀伊毎日新聞』『南海新報』(憲政本党系)四社共催

九月三日、五日、十八日 三次にわたる呉市民大会•広島市民大会。地元新聞記者団主催。名古屋市民大会•愛知県民大会。記者団が準備

九月九日静岡県民大会。『静岡新報』(政友会系)、『静岡民友新聞』(憲政本党系)両社と静岡県選出の政・憲両党代議士が発起人

九月十二日新潟県民大会。『東北日報』『新潟新聞』『新潟公友』『新潟日報』四社発起

同日長崎市民大会、九月二十日長崎県民大会。『長畸新報』『九州日の出新聞』『鎮西日報』『長崎新聞』四社と、県会•市会の両議長などが発起人

同日市制施行地でないところでも、愛知県豊橋町や新潟県長岡町などで地方新聞社の発起による町民大会開催

「判明するかぎりのほとんどすべての集会には、新聞記者が発起人あるいは弁士の一員として参加しているのが実状である」(松尾〔ニ〇〇一〕ニ六〜ニ七頁)

こうした新聞の激しい反対運動が日比谷焼き打ち事件を誘発した有力な原因であることは間違いないが、それがのちの憲政擁護運動(護憲運動)•普通選挙要求運動(普選運動)につながったことも否定できない。」(P.30~32)

「日本の行動がよくないと指弾されても、制裁などはないのだから無視してそのまま(国際連盟に)居つづければいいということになるわけである。これは「頰かぶり」論と言われることになる。

十一月三〜七日、松岡はモスクワに滞在したが、リトビノフ外務人民委員から不侵略条約を提議されている。その後、松岡は十一月十八日にジュネーヴに到着した。政府はこの日、 リットン報告書に対する意見書を提出するが、翌日の新聞各紙はリッ卜ン報告書を一斉に非難した。新聞との同調の本格的な始まりである。

十一月二十一日、リットン報告書を審議する国際連盟の第五回理事会が開かれ、松岡と顧維鈞中国代表が演説、さらに十二月六日、総会で松岡と顔恵慶中国代表が演説した。 十二月七日、サイモン英外相が演説し波紋を呼んだ。次のようなものであった。 報告書は両国を正確に批判している。中国に排外感情がないと擁護する向きもあるが報告書は排外感情が疑いなく存在していると結論づけている。中国はワシントン会議の国際協力の道を歩み始めたのだから一〇年間その道を歩んでおればいいものを排外的宣伝の悪意のためにそれを妨げられた。批判ばかりでなく実際的妥協が必要なのである。

中国の激しい運動に苦しめられてきた英国は日本に好意的であったことがわかる。松岡は喜び、中国は憤慨した(臼井〔一九九五〕一四四〜一四五頁)。しかし、松岡にはこれを日本の利益に結びつける工夫に乏しかった。

十二月八日、松岡が著名な十字架演説を行った。日本を十字架上のキリストに喩えたのだが、キリスト教国にプラスであったのか疑わしいところであった。

十二月十五日、一九人委員会は十五日の総会決議に基づき、総会報告案文を日中に提示した。決議案•理由書で構成されているが、和協委員会を設置し、そこに米ソ両国を招請するとし、理由書第九項において「満洲における現体制の維持および承認は解決と見なされない」として満洲国を否認していた。日本代表部は米ソ招請を「快諾」と上申したが、内田外相は紛糾させるだけと拒否した。

十二月十九日、全国の新聞一三ニ紙がリットン報告書受諾拒否共同宣言を出した。これだけの規模と量を合わせた共同宣言はかつてないものであった。ロンドン海軍軍縮条約に賛成で歩調を合わせた新聞メディアは、それをはるかに上まわる対外強硬論で一致したのである。 一九三三年一月一日、山海関事件が起きた。満洲国と中国の国境の山海関を日本軍が占領したのである。これを聞いた対日強硬派のスチムソン米国務長官は、出淵勝次駐米大使に「日本は国際連盟やパリ不戦条約から脱退したほうがよい」と言明した(臼井〔一九九五〕一五〇頁)。

このあと、日本軍は満洲国を固めるため熱河作戦を展開。天皇は国際連盟から除名されることを心配したが、五月の塘沽停戦協定に至る。」(P.196~197)

「このように見てくると、日本が「頰かぶり」主義でじっと黙って待っている戦略を取っていれば、その後の国際情勢の変化のなか国際連盟で生き延びえていた可能性はきわめて高かったと言えよう。勧告を聞きつつ脱退せずにすませるという「頰かぶり」戦略を放棄したことが、日本の失敗の最大の外交的原因であった。

先に見た松岡の文章には「国家の前途は、一に国民精神の如何に依る、断じて一時の便宜、若くは物質的損得に依り決せらるべきものに非ず」とあったが、日米開戦の前にも政府は同種の決断をすることになる。これは政党政治といえば「党利党略を排斥すべきだ」という見方に類似している。外交や政治の主体を「利益」の観点から見ることができない、成熟のない政治観が根本にうかがえるのである。もちろん、「利益」がすべてではない。そこには例えば「価値」「理想」なども必要なのだが、「利益」の追求は合理性を担保することになり、 政治主体が置かれた環境を無視した非合理的行動に走らせないという視点が重要なのである。 それが現実性・合理性を踏まえた外交世論の熟成につながるのである。この視点をたえず保持していた石橋湛山から今日学ぶべきことが多い理由でもある。

ポピユリズム的世諭の問題

松岡は四月二十七日、横浜港に婦国したが、「数万人の山」と言われる大群衆が出迎え万歳の歓呼の声が怒濤のようにわき上がった。「JOAK〔NHK〕のマィクを通じて河西アナウンサーがこの盛観を全国氏の胸へ伝える……官民一同の熱狂歓呼のあらし」(『朝日』四月二十八日夕刊)という有り様であった。鉄道省は横浜駅から東京駅まで「全権列車」を特別編成。東京駅には全閣僚、陸海軍代表らが参列、宮城に向かう車の両側はやはり群衆が万歳を歓呼して迎えたのだった。

著名な外交評論家清沢洌は、このころ松岡に「松岡全権に与ふ」(一九三三年)という文章を書いている。この文章こそ、この問題の本質を最も的確に表現したものであった(緒方〔一九七〇〕)。

清沢は日露戦争後のポーツマス会議と今回のジュネーヴ会議とを比較し、三つの相違点を指摘している。

第一に、日露戦争当時、桂太郎首相と小村寿太郎外相は一体となって、いかに民論による迫害があろうとも断乎として講和会議をまとめる意志があった。これに対し、ジュネーヴ会議の場合には、斎藤実首相、内田康哉外相は民論の赴くままに動くというよりも、むしろ民論に責任を転嫁して、「與論の趨向」「国民の総意」と言って、この蔭に隠れようとした。

第二に、「桂と小村が絶対に、わが国の国際的孤立を避けんとしたに対して、斎藤、内田は寧ろわれから進んで孤立を選んだ傾き」があった。

第三に、日清、日露の戦争中には、「衆論に抗して毅然として立つ少数有力者があった」のに比べ、今回は国家の危機に直面してそうした主張をする者がなかった。「国家の絶大なる難局に面した場合には、暫らく輿論を無視し、国家のために一身を橇牲にするのも国民、殊に指導者の任務」ではなかろうか。かつての日本は小村をはじめこの種の指導者に事欠かなかったが、「今や、こういう国士的矜持を有している者が何処にも見あたらなくなった。

こう主張して清沢は次のように結論づけていく。外交においては「断じて」とか「常に」という断定的な言葉は禁句であり、また結果を急ぐことも外交に求めてはいけない。これまでのいかなる公文書よりはるかに日本の立場を認めたリットン報告書に対して、松岡のやったことは連盟脱退という恫喝と妨害だけであり、戦術として拙劣極まりないものだった。日本で絶賛されている松岡の外交は真の外交ではなく「背面外交」とでもいうべきものだ。背面の国民世論と傍聴席を喜ばせているだけで、肝賢の世界の裁判官席には何も届いていないのだ。

明治末、ポーツマス講和会議から帰国した小村寿太郎は、息子が生きているのに驚いたというほどの轟轟たる国民的非難を浴びたが、これ以上ロシアとは戦えない日本の国力を知っていた小村は、断然講和条約を結んだのだ。満罵を浴びても本当の国民の利益を考えて一身を犠牲にしてまでやり抜くのが真の指導者だ。かつてはわが国には確かにこういう指導者がいた。しかし今こういう「国士的矜持」を持つものがどこにいるか。彼らは「キング・モッブ(群衆王)の前に平伏し、恐怖して、ただその御機嫌を失わざらんことにつとめているではないか」。このように「輿論を懼るる政治家」が闊歩する現状の危険性を、清沢は激しく指弾したのであった。

この違いは言うまでもなく、普通選挙が始まりマスメディアが発達した今日に続く大衆政治の時代と、そうでない時代との政治家の差であった。以後、「群衆王」に突き動かされた日本は日中戦争から日米戦争への道を走る。

清沢は自由主義者として、外交と同じく思想においても左右両極の極論を排した。また、海外経験の長かった清沢は、欧米には老練のジャーナリストが多く、彼らは知力で勝負しており優れた分析力を見せるのに、日本の新聞記者は若者ばかりで、ジャーナリズムは体力で勝負するものだと日本人は勘違いしていると嘆じた。また、欧米のジャーナリズムは厳密な統計など正確なデータに基づいた報道を熱心に心がけているのに、日本のジャーナリズムでは不正確なものが平気で横行しており、ボピュリズムに足を取られやすい危険性の高いことも強く指摘している。

すでに見たように、日比谷焼き打ち事件は日本のポピュリズムの起源となるものだが、それでもそこには小村のような指導者がいた。しかし、国際連盟脱退の時点では下から上まで大衆世論に覆い尽くされていたというわけである。すなわち外交問題における日本のボピュリズムが明治と異なり昭和前期には、ある完成段階に達したことを告げたのが国際連盟脱退事件なのであった。」(P.206~210)

新聞の無反省

無罪判決の日の『大阪朝日』「天声人語」(一九三七年二月十七日)は次のようなものであった。

「この事件は政界と財界と官界とにわたる複雑なる事件であって、その法律的審理が尽されたとしても、何か割り切れないものが国民の脳裏に残るのであり、部分的には疑雲のはれやらぬものがないとはいえないであろうが、それにしても法律によって罰するには無理であるのを、或る前提されたる観念をもって予めこの事件に対したという印象が、司法ファッシヨの名をもって世間を恐れしめていたのである。

斎藤内閣の総辞職が国家にどれだけの損害をかけたかは、今日において計量し得る限りではないが、十六名の被告が全部無罪となり、一部には国家賠償の途があるとしても、その社会的、個人的の損害は到底補うことは出来ないのである」

事件発覚時に「暴露された株売買の裏面 驚くべき策謀と醜悪な犯罪事実 背任として最も悪質 検察当局の鋭いメス」と「犯罪」が存在したかのごとく書き立てた自らの責任には、まったく何の反省の言も報道事実についての確認もなかった。(今のモリカケ騒動と一緒。進歩していない)

「何か割り切れない」で始まり、自ら同調した検察を「司法ファッショ」などと糾弾して、「斎藤内閣の総辞職」にまったく無関係のごとく書き、「その社会的、個人的の損害は到底補うことは出来ないのである」としたのであった。

すなわち新聞は、当初検察に乗って財界・官界要人を激しく攻撃しておきながら、無罪となると今度は検察を糾弾、自ら内閣を倒したことには無関係を装い、損害に対する補債も無頓着のままやりすごしたのだった。新聞は政党攻撃を開始してから、田中義一内閣攻撃では天皇周辺•貴族院による倒閣を支えた形になり、五・一五事件裁判では陸海軍とともに世論を煽動するなどしてきたが、今度は司法官僚の「社会革正」と組み、無罪の人たちを攻撃し内閣を倒したのだった。

一九三四年に起きた事件の判決が三年後に無罪と出たとしても、内閣が倒れ、天皇機関説事件がありニ・ニ六事件などがあった後では、人々の記憶が大きく修正されるものではないだろう。こうして、この事件は政党•財界の腐敗を印象づけ、正義派官僚の存在をクローズアップさせた事件として記憶に残るものとなった。言い換えれば、政党の後退と官僚・軍部の擡頭の方向へのマスメディアによるポピュリズムに大きくプラスした事件なのであった。」(P.223~224)

「しかし、このような達見の士は、極く少数であり、沸き立っている大衆の耳からは遠く、かすかであった。・・・これを批判したり、水を掛けるようなことを言うものは、袋叩きに会うのである。・・・武藤も、軍務局長として、政府と軍部との連絡役という立場で、いろいろと調整に努めてはいた。しかし、ドイツ大勝に煽られ、バスに乗りおくれるな、という大衆の昂奮や、参謀本部将校団の焦燥感とが、相乗作用を起こすし、沸き立つような「反米内」の風潮の中で、次第に戸迷いを見せていた」(矢次〔一九七九〕下巻)

この気運のなか、六月二十四日、近衛は「新体制確立運動」のため枢密院議長辞職を発表、事実上の出馬表明であった。

七月六日、近衛はブレーンの矢部と軽井沢で会談した。新党は「職能的国民組織」を基礎とし、そのなかから優秀な人材を集めて中核体を作り「挙国的な国民運動」を展開する、という方針にした。内容は明確でないが、中身よりドイツの電撃的勝利による気運に後押しされて、近衛自身もはや引き戻せないのである。

そして、この中身のない気運だけの新党運動にすべての政党が慌てて、それこそ「パスに乗りおくれるな」と合流し、解党していくことになる。この言葉の初出は『朝日』(六月二日)のようだ。」(P.274)以上

5/17NHKニュース5:24<北京で香港のカメラマンが連行される 人権派弁護士を取材中>

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180517/k10011441311000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_057

こういう場合、中国に対して日本のメデイアは何も発信しません。取材の自由が侵されている同業者との連帯を重視するのであれば、何らかのコメントを出すべきでしょう。そうすれば北京から取材の制限を受けるとか考えて黙るのであれば、窪田氏の言うように「社会の木鐸」とか言う言葉は使わない方が良い。国内で政府が反撃しないことをいいことに、事実を曲げてまでも批判するのはおかしいでしょう。我が身を安全地帯に置いて批判するのは卑怯者のすることです。中国へ行って政府を批判して来たら。大好きな共産主義国ですよ。

窪田氏の記事で、過去の不法行為についての損害賠償は20年の時効にかかるのではと思いますが。96年に法案が廃止されたなら時候の中断がない限り、時効と思いますが訴える側に成算があるのでしょうか?(手術は96年以後も続いた?それなら医者の違法医療行為の問題でしょう。訴える先が違います)況してや当時の医療技術水準が妥当と判断したわけですから。行政訴訟も民事訴訟も同じでしょう。多分アカが嫌がらせで訴訟提起を勧めたものと思われます。窪田氏によれば、自分達が立法化に尽力したくせに自分の責任は頬被りです。まあ、左翼の特徴ですが。オペされた方には気の毒ですが、子供を産みたい気持ちを抑えて20年以上も生きて来たのに今更それを思い出させるのは悪質でしょう。政府の信頼を失わせるためにやっているとしか思えません。こんな刷り込みに乗せられないようにしませんと。

5/16ブルームバーグ<ZTEの技術利用禁じる文言、国防権限法案に残る公算-米共和党議員>

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-16/P8SVK26KLVR601

5/17ロイター<米FBI、中国ZTEのような企業に「深刻な懸念」=長官>

https://jp.reuters.com/article/usa-china-zte-fbi-idJPKCN1IH38E

ZTEの件で、トランプが習に営業再開を約束しても、議会の反対があればできないという事のようです。トランプが国防権限法に署名拒否すれば、軍全体の活動が停止してしまうためです。元々ZTEは経済問題ではなく安全保障問題ですから、議会の言うのが正しく、トランプが取引材料に使うのは間違っています。まあ、トランプは習の気を引くために営業再開について踏み込んで発言したのかもしれませんが。

記事

旧優生保護法問題でマスコミが国を糾弾している。しかし、同法の前身である旧国民優生法の時代から、朝日新聞を始め、マスコミ各社が「優生思想で日本民族を繁栄させる」ことをバンバン喧伝し、世論形成に絶大な威力を振るったことは報じられないままだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)

旧優生保護法下の悪行をマスコミはこぞって取り上げるが…

旧優生保護法の前身にあたる旧国民優生法成立後、優生思想礼賛記事をバンバン掲載し、世論形成に大きな役割を果たしたのは他ならぬマスコミ各社。にも関わらず、自らの罪をスルーする厚顔無恥な報道姿勢は醜悪だ

なぜ彼らは、この問題をまったく自分たちに関係ないことのような顔をして平気で報じることができるのか。嫌味とかではなく、本気でその神経を疑ってしまう。

旧優生保護法のもとで、約1万6000人にも上る障害者が不妊手術を強制的に受けさせられた問題を扱う、マスコミの「報道スタンス」のことだ。

戦後間もない1948年、人口抑制や強姦などによる「望まぬ出産」の回避を目的として、旧社会党の女性議員たちが中心となった議員立法で成立した「優生保護法」は、その名の通り「優生思想」を色濃く反映しており、「総則」にも「不良な子孫の出生防止」が掲げられていた。

どんな悪法も、できてしまえば役人は機械的に実行していく。かくして、96年に母体保護法にとって代わるまで、膨大な数の障害者の方たちが、自分の意志に反して不妊手術を受けさせられるという悲劇が引き起こされたのだ。

「そんな非人道的なことを日本がやっていたなんて!」「政府は過ちを認めて被害者の方たちを救済すべきだ!」

そんな怒りの声が聞こえてきそうだが、この問題を扱うマスコミの基本的なスタンスも同様だ。わかりやすいのがNHKの「グローズアップ現代+」で4月25日に放送した「”私は不妊手術を強いられた”~追跡・旧優生保護法~」の番組紹介文である。

《番組では関係者を独自に取材。そこからは「社会のためになる」という国のかけ声のもと、社会に潜む“優生思想”を背景に強制手術が広がった実態が明らかになってきた》

クロ現らしい硬派なスタンスじゃないかと思うかもしれないが、筆者からすると、よくもまあそんな当事者意識ゼロの発言ができるものだ、という驚きしかない。

当時のマスコミは悪法の宣伝役を担っていた!

この法律ができたプロセスを振り返っていけば、「社会のためになる」と喧伝して、社会に“優生思想”を潜ませた「犯人」が誰かは明白である。そう、マスコミだ。

先ほど紹介した旧優生保護法の成り立ちは、この問題を扱うマスコミの解説を真似ただけで、本当のルーツはもっと時代を遡る。実は、この法律には前身となるものがあるのだ。それがナチス・ドイツをはじめ当時、欧州でポピュラーだった、優生学に基づく「断種法」にならって、日本政府が1940年に成立させた「国民優生法」である。

当時のマスコミは一大キャンペーンを行い、国民に「優生学」を啓蒙した。たとえば、1941年7月1日の読売新聞では紙面の半分以上を割いて、厚生省の課長のインタビューをデカデカと掲載。「日本の民族の繁栄へ・優生法實施」「悪質遺傳を減少」「よい子をどしどし産む」と、これでもかというくらいのPRを行った。

中でも特筆すべきは、しきりに「日本の危機」を煽っている点だ。「健全者」と「不健全者」の人口をグラフで示し、30~120年後にかけて「不健全者」が圧倒的に増えていくイメージを見せて、こんな記述をしている。

「国民の素質は現在のままに放置すればだんだん低下する。(中略)現在は不健全者と健全者が同数だとしても百二十年後には図のように真に恐るべき結果を来します。これを防止するためにこそ優生法は誕生したのです」

断っておくが、このような論調は「読売」だけではない。他の新聞やラジオでも当たり前のように、「危機」を煽って「優生法」の重要さを力説した。

つまり、マスコミが国民優生法を重要であると喧伝し、日本社会もそれを受け入れたからこそ、戦後の旧優生保護法につながったわけで、戦後の経緯のみを洗っても、「国が悪い」という極めて近視眼的な結論しか出てこないのである。

問題の本質を読み解くには、戦前のマスコミによる嵐のような「優生学が日本を救うキャンペーン」があり、それを大衆が是としていたという事実を直視しないことには、何も始まらないのである。

「健康優良児表彰」も優生学の一環だった

なんてことを言うと、「いや、それは軍部の命令で仕方なかったんだ」とか、「確かに戦時中、マスコミは優生学を触れ回っていたが、敗戦で反省してガラっと変わったんだ!」みたいなことを言い出す人がいるが、残念ながらそれは「そうであってほしい」という願望というか、「妄想」に過ぎない。

吉田茂、佐藤栄作などの面々を見ればわかるように、戦後復興は、ほぼ例外なく戦前のリーダーたちによって進められた。それはマスコミも然りで、一部の幹部はしばらく公職追放されたりしたものの、戦後の報道スタンスを定めたのは、戦前から報道に携わっていた新聞人たちである。

敗戦、そしてGHQの占領政策という日本人の価値観に影響を与える大きな出来事はあったが、たかだが数年で人間の本質は変わらない。戦前のマスコミが張り切っていた「優生学が日本を救うキャンペーン」も1945年でパタリと終わるわけはなく、戦後も外見だけはリノベーションして続けられた。そのおかげで、優生学の残り香のようなものが、つい現代にまで脈々と受け継がれてしまったのである。

象徴的なのが、朝日新聞社が主催、文部省が後援して1978年まで行われていた「健康優良児表彰」。年配の方は覚えておられるだろうが、全国の小学校で、肉体的、運動能力的に優れた子どもを男女1人ずつ選んで表彰をしたキャンペーンだ。

拙著『「愛国」という名の亡国論 日本人スゴイ!が日本をダメにする』(さくら社)の中で詳しく述べているが、実はこの「健康優良児表彰」というのは「優生学」と非常に密接に関係している。

「健康優良児表彰」がスタートしたのは1930年。その年、「東京朝日新聞社」から世に出た「全日本より選ばれたる健康児三百名」(朝日新聞社編)の中で、当時の副社長だった下村宏氏が、「朝日新聞」を代表してこの表彰を続けていくと宣言して、こんなことをおっしゃっている。

「本日この盛大なる式場に於て表彰された健康児は、本人も家庭もお芽出度い喜ばしい事であります。しかし一面に重い責任を負はされて全国の幼年者の中から選り出されたのであります」(p313)

マスコミ界のスターが堂々と優生学を主張していた

子どもに負わされた責任とはどういうものかというと、ここで選ばれた「健康児」たちは当初、「丁年(20歳)」になるまで経過観察をされるという試みだったのだ。「時代」と言ってしまえばそれまでだが、「健康優良児」は単なる全国一斉小学生スポーツテストではなく、もともとは「富国強兵」や「優生学」という考えに基づいた「調査」の側面もあったのである。

朝日新聞を擁護するわけではないが、これは当時としてはおかしな考え方ではなく、特に世界情勢を知るインテリの間では珍しいものではなかった。「健康優良児表彰」に関わっていた下村氏も、もともと台湾総督府民政長官などをつとめた国際派。1921年に朝日新聞に入社してからは専務取締役、副社長を歴任して経営改革に携わる一方で、ラジオ出演をしたり、全国を回って「日本民族の将来」という題目で講演を行い、国際情勢、そして日本の「危機」について触れ回った。今でいえば、池上彰氏のようなスターだった。

では、下村氏のような当時のインテリはどんなことを大衆に説いてまわったのか。「健康児優良児表彰」が始まった3年後、1933年に児童養護協会が出した「児童を護る」の中で、下村氏はこう主張している。

「私は今日日本の国策の基本はどこに置くかといへば、日本の人種改良だらうと思ひます。この點から見ますると、どうも日本の人種改良といふ運動はまだ極めて微々たるものである。それでは一體その他の改良といふことは日本ではやらんのかといへば、人種改良の方は存外無関心であるが、馬匹改良はやつて居る。豚もだんだん良い豚にする。牛も良い牛にする。牛乳の余計出る乳牛を仕入れる」(p8)

このように、国民優生法ができるほんの7年前、当時のマスコミや文化人は日本の「危機」を克服するために、「日本人の改良」の必要性を説いていたのである。

下村氏はこの後、朝日新聞を退社。貴族院議員となって活動するかたわら、「大日本体育協会」の会長や、「財団法人 日本文化中央聯盟」という団体の理事を経て、1943年には日本放送協会(後のNHK)の会長になった。そして、終戦直後には国民の啓蒙・思想取り締まりを行う内閣情報局の総裁となり、「玉音放送」の実現にも関わっている。

彼が力を入れた「健康優良児表彰」は戦後も続き、優生保護法が成立した翌年の「朝日新聞」(1949年7月25日)でも華々しく募集がなされている。

「自らの過ちはすべてスルー」では社会の木鐸は務まらない

「審査の項目」の中には、こんな言葉も見つけられる。

「家族の状況」

「健康優良児」をセレクトする上で、家族のどのような「状況」を精査するのかは、推して知るべしであろう。

1万6000人の障害者に強制的に不妊手術を受けさせた旧優生保護法問題は、確かに政府の責任だ。救済を行うのも政府だ。だが、そのような法律の成立に大きな役割を果たし、戦後になってもなお、オブラートに包んで優生思想を広めていた者たちがいた事実も検証しなければ、同じ過ちを繰り返すだけではないのか。

今年1月、仙台地裁に60代女性が国に謝罪と慰謝料を求めて提訴したことで、この問題が大きく注目をされた際、朝日新聞が「強制不妊手術 救済に向け調査を急げ」という社説を掲載していた。

『驚くことに、自治体の50年代の冊子には「優生手術千人突破」「群を抜き全国第一位の実績」などの記述まである。手術増を奨励した厚生省(当時)の通達により、都道府県で競いあったのではないか。国家による命の選別が、なぜつい二十数年前まで続いていたのか。負の歴史に向き合うことは、政策を許した社会全体の責任でもある』(朝日新聞2月21日)

自分たちの戦前記事や、当時の副社長の講演をよく精査していただければ、なぜ1950年代の自治体の冊子にそんな驚くような記述があふれたのか、原因がわかるはずだ。

負の歴史に向き合うことは大賛成だが、責任を社会全体へ分散させる前に、まずはご自分たちがどういうことをしてきたのかを、ここらで改めてしっかりと検証してみてはいかがだろうか。

マスコミの「世論誘導力」というものは、マスコミ人が思っている以上に強大で、何十年も尾を引くものだ。なぜ戦後70年以上も経ったのに、戦前のような「日本人は世界一優秀」みたいな歪んだ愛国心が社会に溢れているのか。なぜ社会全体で「平等」や「人権」をうたっているのに、下村氏が主張したようなことをネットで触れ回る人々がいるのか。

これらの問題は、戦前にルーツを持つ旧優生保護法が平成まで続けられていたのと、根っこはまったく同じである。自らのとんでもない過ちに触れるのは辛いことだ。しかし、「社会の木鐸」を名乗っているマスコミのみなさんの「スルー」は許されない。「軍国主義が悪い」「時代の犠牲者だ」みたいなトーンでお茶を濁すことなく、問題の本質に迫るような調査報道を期待したい。

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『米国の「原則ある現実主義」が導く核なき中東 国際世論はイランに味方している』(5/14日経ビジネスオンライン 森永輔)について

5/16看中国<九一三事件:林彪出逃 周恩来欲软禁毛泽东(图) ——周恩来弑了林彪 毛泽东又弑了周恩来=913事件(林彪が逃亡して撃墜された日):林彪が逃げだした時 周恩来は毛沢東を軟禁しようとした 周恩来は林彪を殺し、毛沢東は周恩来を殺した>長いので簡単に説明。林彪は毛沢東の政治闘争に寒気を覚え、精神錯乱となり、「1号令」を出し、ソ連と戦争になりかけた。毛は林彪に自分の別荘に軟禁して反省させようとした。林彪は逃亡するつもりか遊びに出て気を紛らわせるつもりか分からない。周は林彪の妻の葉群に電話し、汪東興(党中央弁公庁主任・公安出身)にその内容を伝えた。林彪をソ連まで逃がし、裏切り者を出した責任を毛の追及に使う良い機会だからである。毛は事件を知らず、事後報告となった。周は呉法憲(軍副総参謀長)に「北京に来る飛行機は着陸させるな」と命令、これは林彪が改心して戻ってくるのを防ぐためである。

周の本心を見抜いたのは、毛と江青であった。それで江青は政治局会議で周を責め立てた。だから周に膀胱癌が見つかっても、治療団に「①機密保持、周とその妻には内緒に②検査は不要③手術も不要④栄養摂取と看護強化を命じ、死ぬのを待った。

これは共産党の暴虐な殺人であり、仁政を施さず、互いに殺し合い、その本質が邪悪である例証である。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/16/857918.html

5/17看中国<中兴只是“小事件” 习近平因何事夜不能寐?(图)=ZTEは小さなことである。習近平はどうして夜も眠れないのか>習の不眠の原因は、ワシントンの専門家は①重大リスクのメルトダウン防止②格差解消③汚染防止と。中国の速い経済発展の代価は高いものについた。環境汚染、極端な貧富の差、低効率の為の大量のエネルギーや材料の消費、低劣な製品しかできなく、甚だしい浪費である。更に生産過剰と在庫過剰、国と地方の債務は深刻さが大である。

NYTは5つの大問題で習は夜も眠れずという内容の新刊を紹介。①科学技術の劣勢②軍事上の劣勢③金融システムリスク(膨大な政府債務や不動産バブル)④ネットリスク(反共産党の正しい情報が入手可能)⑤環境汚染を原因とした社会動乱の5つである。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/17/858851.html

5/17北野幸伯氏メルマガ<アメリカの「イラン核合意離脱」で、中東大戦争が起こる?>

http://archives.mag2.com/0000012950/

この記事中に出て来る4/26JETROリリース<ユーラシア経済連合、イランとFTA締結へ>です。

https://www.jetro.go.jp/biznews/2018/04/345a2f9b9169d138.html

日経ビジネスオンラインの記事で、村上氏は「米国の国防授権法」が重要なポイントと言っています。米国の国防上、安全が阻害されるのであれば、イラン以外にも適用することはできるでしょう。新たな立法措置が必要でしょうけど。昨年度成立した2018年度国防授権法には台湾への米艦船寄港も明文化されました。やはり軍拡路線を突っ走る中国を困らすには$決済させないことです。イランのような鎖国に近い状況に陥るでしょう。或はロシアのような地域大国に止まるだけです。

JETROの記事では、イランは$決済ができないため貿易はルーブル建てにしたとのこと。日本の敵と言うか、自由社会の敵である中国も、$を使える状況にしておくのはおかしいです。自由で開かれた民主主義国と貿易で稼いでいながら、国内では苛政に勤しむのでは。自由主義諸国は中国のいいとこどりは許さないようにしませんと。

欧州はイラン核合意を遵守する構えを見せていますが、米国がSWIFTやFATCAを使い、パナマ文書のように従わない国の機密を漏らす可能性があります。軍事的にもNATOを支えているのは米軍ですので、トランプはNATOの米軍の大幅削減を言いだすかも知れません。まあ、米国がどこまで本気になって追い込むかですが。村上氏の言うようにトランプのイラン封じ込めは難しいとして、イスラエル&サウジVSイランの戦争が起きるかどうかですが、村上氏の言うイランに核兵器開発の技術を持っていないとすれば、戦争を起こす大義名分がないので、戦争にはならないのでは。中東問題もユダヤVSアラブではなく、スンニVSシーアの問題の方が大きくなっていますので。アラブでないチュルク(トルコ)とペルシアの動きに注目していた方が良いでしょう。両国は過去に強大な帝国でしたので、中国のように「民族の偉大な復興の夢」を追い求めるかもしれません。そうなると戦争の可能性も出て来るのかと。

記事

トランプ米大統領が5月8日、イラン核合意からの離脱を決めた。「近隣諸国の核武装を抑止する機能が低下する」と懸念する向きもあるが、村上拓哉・中東調査会協力研究員は「イランは穏健路線を維持する」とみる。その背景に何があるのか。(聞き手 森 永輔)

米国によるイラン核合意離脱に抗議するテヘラン市民(写真:AP/アフロ)

—ドナルド・トランプ米大統領が5月8日、イラン核合意からの離脱を決めました。「イランは核エネルギーの平和的な利用だけを考えているという巨大な作り話に基づく」と断定。この合意では、イランは短期間で核兵器が獲得できる状態にとどまる、核弾頭を搭載できる弾道ミサイルの開発にも対処できない、と理由を挙げています。これらも含めて、今回の離脱の理由をどう分析していますか。

村上:それらに加えて、この合意に反対する共和党議員からの強い支持があったと思います。彼らは、核合意の交渉中に「(もし合意に至ったとしても)次期大統領が無効にすることができる」との書簡をイランの指導者宛に送ったりしていました。

村上拓哉(むらかみ・たくや)
中東調査会協力研究員。2007年3月、中央大学総合政策学部卒業。2009年9月、桜美林大学大学院国際学研究科博士前期課程修了(修士)。2009年10月~2010年8月、クウェート大学留学。在オマーン日本国大使館専門調査員を経て中東調査会に

 「この合意ではイランの核開発を封じることができない」との懸念を感じているからでしょう。トランプ大統領が指摘しているようにミサイルの開発を止めるものではありません。イランが心変わりし、核開発を秘密裏に行う可能性も完全に否定することはできません。

 1994年の米朝枠組み合意が北朝鮮の核開発を止めることに失敗したように、イラン核合意についてもこうした懸念を抱くのはもっともです。ただし私は、合意を維持していく方がイランの核開発を制限できると考えています。

 共和党議員からの支持に加えて、トランプ大統領自身が持つ姿勢もあるでしょう。1つは、バラク・オバマ前大統領のレガシーを無に帰したいという考え。TPP(環太平洋経済連携協定)から離脱したのと同様です。2つ目はトランプ大統領のイラン観です。

—それは、親イスラエルの裏返しですか。イランとイスラエルは対立の度を深めています。トランプ大統領は在イスラエル米国大使館をテルアビブからエルサレムに移転することを決めました。娘婿のジャレッド・クシュナー氏はユダヤ教徒です。

村上:トランプ大統領の中で親イスラエルと反イランがどこまでつながっているかはよく分かりません。親イスラエルであることは間違いありませんが、イスラエルのネタニヤフ首相が求めることをすべて受け入れているわけでもありません。

 シリアに対する米国の姿勢にネタニヤフ首相は不満を抱いていることでしょう。イランが支援している民兵やヒズボラ*がシリアで活動範囲を拡大させているのを放置しているのですから。イスラエルにとって目前の問題は彼らの存在です。イランの核は、将来に問題となる可能性はありますが、「今」の問題ではありません。

*レバノンで活動するイスラム教シーア派政治組織

 ただしネタニヤフ首相がトランプ大統領に対してこの状況に強く文句を言うことはないでしょう。オバマ政権との関係に比べればはるかにましですから。

欧米の良識に期待

—イランは再び米国から強力な制裁を科されることになります。しかし、今のところ強硬な動きはなく、平静を保っていますね。米国が離脱した後の合意に残留する価値があるのでしょうか。

村上:イランと米国の間に通商関係はほとんどありません。このため、イランが恐れるのは米国の制裁により他の国との通商が阻まれる事態です。特に大きいのは米国の国防授権法がもたらす影響ですね。イランの金融機関と取引する第三国の銀行と米国の銀行とのドル決済を禁止するものです。国防授権法が2012年に施行された後、イランは非常に辛い目に遭いました。

国防授権法はイランと米国のどちらを取るのか第三国に踏み絵を迫る措置と言えます。これを突き付けられてイランを選ぶ国はないでしょう。

 とはいえ欧州諸国は、米国から制裁逃れとの追及を受けることなくイランとの関係を維持する策を模索しています。イランは欧州諸国を味方につけ、制裁がもたらすネガティブな効果を十分に軽減することができるかどうかを、見極めようとしています。

 米国の制裁を回避するには、まずは前回の国防授権法のときと同様に、制裁対象から除外される例外措置の適用を米国に要請することでしょうか。例えば、イランからの石油輸入量をある程度減らしたら、制裁の対象からはずすという措置が前回は取られました。

 もちろん、容易なことではありません。しかし欧州産業界が各国政府に強い要望の声を上げるでしょう。例えば仏トタルをはじめとする少なからぬ欧州企業がイランへの投資を決めていますから。

—トタルは2017年4月、南パルス田の開発をめぐってイラン国営石油会社(NIOC)および中国石油天然ガス集団(CNPC)と契約を結んでいますね。

村上:はい。そして国際世論はイランに味方しています。核合意を支持する声も大きい。米国という巨人が一人で暴れている、と見る向きが多いのです。

 後はロシア、中国、インドがどのように行動するかが注目です。インドは、イラン核合意がまとまる前、国防授権法の影響を避けるため、イランとの間でドルを介さない物々交換のような貿易をしていました。イラン産の原油とインド産の小麦を交換するといった具合です。

—90日・180日の期限がすぎ制裁が本格化したとき、イランが強い対抗措置に出る可能性はありませんか。

村上:ロウハニ政権のこれまでの主張に照らして考えると、その可能性は低いでしょう。ロウハニ大統領は次のような論理で自らの立場を正当化しようとします――米国が勝手に合意から離脱し、イランに対して不当な制裁を再び科そうとしている。そして、我々は、良識ある国際社会の国々と共にこの苦難に立ち向かっていく。なので合意維持を唱える諸国との連携を崩すような過激な行動は取りづらいでしょう。

 国内的な要因もあります。イランでは「米国の制裁など効いていない」ことになっています。したがって、ロウハニ政権に反対する勢力も制裁再開をもって同政権を攻撃することはできません。ロウハニ大統領は昨年の選挙で再選されたばかりで、任期は後3年あります。欧州諸国との交渉で事態を打開できるチャンスがある。ここで強い行動に出る必要はないでしょう。

 さらに原油価格が高止まりしているのも、政権を支えます。制裁のため輸出が減少するのは避けられません。しかし、高い原油価格がこの影響を軽減するでしょう。米国と距離を保つ中国とインドがイラン産の石油を買い続けてくれればなおさらです。

—現在のイランの原油輸出先は両国が1位と2位を占めていますね。それぞれ24%、18%です。

ウラン濃縮の強化やNPT離脱はない

村上: ただしロウハニ政権と対立する保守強硬派の動向は要注意です。例えば最高指導者直属の革命防衛隊や、彼らの支援を受けた国会議員などですね。彼らがイスラエルとの間で軍事的な緊張を高めようとする可能性が考えられます。

 もちろん全面戦争にする気はどちらにもないでしょう。代理戦争が行われるのはやはりシリアだと思います*。

*:イスラエル軍は5月10日、シリア国内にあるイランの軍事拠点数十か所に対して空爆を実施した

—制裁への対抗措置として、イランがウランの高濃度濃縮を再開するという見方があります。

村上:ロウハニ大統領が、産業レベルの濃縮を無制限で行う準備をするよう原子力庁に指示しました。産業レベルが何を指すのか明確ではありませんが、これまでの経緯を考えると発電用途を指していると思います。周辺国に脅威を与える発言とは言えないのではないでしょうか。

—イランはNPT(核不拡散条約)*から離脱するかもしれないと見る向きもありますが。そのようなことは……

*:核兵器の管理に関する条約。以下の3点が柱。米、ロシア、英、仏、中の5か国を「核兵器国」と定め、この5カ国以外への核兵器の拡散を防止する。核軍縮交渉を誠実に行なう。原子力の平和利用を認める

村上:ないでしょう。イランが核兵器の保有を望んでいるという見方はまゆつばものです。

—IAEA(国際原子力機関)はイランへの査察に基づいて「2003年まで組織的に核兵器の開発が行われていた。しかし、それ以降について確証はない」と報告しているわけですね。

村上:はい。それに、イランの技術力はまだ十分なレベルに達していないと思います。さらに、イランは地域において孤立しているわけではありません。イラク、ロシア、中国、インド、パキスタン、アフガニスタン、中央アジア、アゼルバイジャンなどのコーカサス諸国……。これらの国との関係を維持できるようまず考えると思います。

米国が進める「原則ある現実主義」

—次に米国の中長期戦略についてうかがいます。村上さんは、トランプ大統領が用いる「原則ある現実主義」という表現に注目されています。

村上:ほとんど話題にされることがありませんが、「米国第一主義」と並ぶ重要な戦略だと思います。トランプ大統領が初の外遊として2017年5月にサウジアラビアを訪問した際に行ったリヤド演説でこれに初めて言及しました。続いて2017年9月の国連総会でこの表現を用いました。この時は対象を中東戦略から政策一般に広げています。さらに2017年12月に発表した「国家安全保障戦略」でもこの考えを踏襲しました。

 その意味するところは、米国の価値観に根差した原則の推進と力の重視です。具体的な手段としては、「同盟国と協調した力による抑止」となるでしょう。トランプ大統領には政策理念というものがほとんど見られません。望ましい社会像を提示することもない。ただし、国家には主権があり、これを侵害してはならない――という一線だけは守る。後は目前の問題を是々非々で判断する。

 トランプ大統領は、米国が世界の秩序を維持するのはもう無理と考えているのでしょう。内政干渉もしない。では何をするのか。伝統的な力による抑止を強め、「米国の安全保障を守る」ことに軸足を移したわけです。地域の問題は地域で解決するよう促す。米国が考える1つの秩序ではなく、地域もしくはそれより小さな単位でのミニ秩序が多数出来上がることになります。

 この考えを中東政策にフォーカスしてブレークダウンすれば次の5つになります。

(1)米国の国力は相対的に衰退している。よって、中東に軍事的に深く介入することはしない。

(2)中東地域における米国にとっての最大の懸念はイスラム過激派のリスト。これを殲滅すること、再び力を持たせない環境を確立することが重要。

(3)地域の不安定化を引き起こしているのはイラン。これを封じ込める必要がある。

(4)地域の問題は地域が主導的に解決すべき。米国の役割は支援である。支援には限定的な軍事関与を含む。

(5)上記の目標が達成されるのであれば、米国は地域秩序や現地の政治体制の在り方に積極的に関心を払うことはない。

—「同盟国と協調した力による抑止」はいわゆるオフショアバランシングとは異なるのですか。

村上:そこは意見が分かれるところです。オフショアバランシング戦略では「米国が求める秩序の実現をジュニアパートナーに任せ、これを支援する」ことになります。冷戦期の中東が分かりやすい例でしょう。米国はサウジアラビアやイランを支援して共産主義に対する防波堤を築きました。しかし、現在のトランプ政権は、「米国が求める秩序」を示していません。

米国の中東での軍事行動はない

—トランプ政権は4月にシリアを空爆しました。これは先の5つの項目に合致しないように映ります。

村上:これは、化学兵器の使用に対する制裁でした。これによって米国の強さを世界に示すことができる。ただしイラク戦争に突き進んだブッシュ大統領と異なり、トランプ大統領はコストをかける気はありません。攻撃はあくまで単発。これならば、統治に関するコストの負担にはつながりません。

—先ほど言及された「反オバマ」の特性がなさしめたものかもしれませんね。

村上:それもあるかもしれません。つけ加えるとすれば「なめられてたまるか」という意識です。オバマ政権は2013年にシリア空爆を躊躇し批判にさらされました。トランプ大統領は「自分は違う」というところを見せたかった。

—トランプ大統領はシリアからの米軍撤収をほのめかしています。「原則ある現実主義」に沿って考えた場合、実現する可能性をどう見ますか。

村上:米国がシリア駐留に利益を見いだすのは難しいでしょう。最大の敵であった、過激派イスラム国(IS)はほぼ壊滅しました。

 シリアにアサド政権が残存し、弾圧されるかわいそうな人々が残り、イランの橋頭堡ができても、そのいずれも米国を攻撃することはありません。

 この地域の秩序が乱れればイスラエルに負の影響がありますが、それに対しては武器供与などのかたちで協力すればよい。

 トランプ大統領は3月末「シリアのことはほかの人たちに任せよう」と発言しました。ロシアやアラブ諸国を念頭に置いての発言と思われます。イスラエルは反対するでしょうが、米国が一方的に撤収する事態も十分にあり得ることだと考えます。

—以上の話を踏まえて、「原則ある現実主義」を改めてイランに当てはめると、米国が軍事的な動きを示すことは……

村上:考えづらいでしょう。トランプ大統領は一度も言及していません。政権スタッフも同様です。

—国家安全保障問題担当のジョン・ボルトン大統領補佐官ですら言及していませんね。

村上:その通りです。つまり、トランプ政権において現実的な選択肢になっていないのです。

トランプ氏が望むイラン包囲網形成は難しい

—今回の米国の核合意離脱が、中東の関係図を塗り替えることはありますか。イランとイスラエルの対立が中心にあり、米国がイスラエルへの支持を強めていく。その後は……

村上:米国としてはイラン包囲網を形成したいところでしょう。先ほどお話しした、地域のことは地域に任す、です。その第一歩として、サウジアラビアとイスラエルとの連携が強まるのを期待する。サウジアラビアは対イランでイスラエルと同じ立場にあります。しかし、両者の間にパレスチナ問題*をめぐる対立がある限り、サウジがイスラエルとの協力関係を表沙汰にすることはないでしょうが。

*:中東におけるアラブ人とユダヤ人の対立を指す。第二次世界大戦後、アラブ人が住むパレスチナに、ユダヤ人がイスラエルを建国したことで発生した。両者は以降、中東戦争を繰り返した

 米国は、湾岸諸国が対イランで連帯することにも期待しています。そのため、サウジとカタールの対立も早く解決してほしいと考えているでしょう。サウジは2017年6月、カタールがイランに融和的な態度を取っている、サウジがテロ組織に指定しているムスリム同胞団を保護しているとして断交に踏み切りました。

 しかし、カタールはイランとの関係を無碍にすることはできません。イランとガス田を共有しています。また、イランからオマーンに天然ガスのパイプラインを通すという話もあります。こうした国々は、イラン包囲網への参加には「ちょっと待ってくれ」と考えているでしょう。

 米国はイラン包囲網にエジプトやヨルダンが加わることを望んでいます。米国の伝統的な同盟国ですから。エジプトはイスラエルと79年に平和条約を締結しており、安全保障上の対立はありません。一方で、エジプトとイランは79年以降、国交断絶が継続しています。しかし、エジプトはイランとの対立に巻き込まれるのを懸念している状態です。得られるものは何もありませんから。

 イラン包囲網が形成され、関係国がトランプ政権が望むレベルで負担を負う可能性は高くないでしょう。サウジアラビアは米国に代わって地域秩序を維持するだけの軍事力も指導力も有していません。エジプトやカタールはイランとの関係を損なうデメリットを考えています。こうした中で、トランプ政権が軍事的な関与を避け、地域に負担を求め続ければ、サウジやイスラエルが米国離れを起こす事態が進みかねません。

 また、湾岸諸国が一致してイランに対抗する状態を展望するトランプ大統領は、その足並みを乱す行動を自ら取っています。サウジがカタールとの断交を決めた時、トランプ大統領はサウジを積極的に支持する発言をしました。これには米国務省、米国防総省、米軍ともに強く反対しました。カタール含め湾岸諸国には米軍の基地が点在しており、地域での米軍の活動に支障が出る恐れがあるからです。

イランがもたらす脅威は核より覇権拡大

—サウジ、トルコ、ロシアという周辺の大国の動きをうかがいます。

 サウジアラビアは米国が合意から離脱するのを支持しました。ライバルであるイランが核開発する可能性が出てくるわけですから、本来なら反対すべきではないでしょうか。

村上:サウジの関心は、イランの核開発よりも、地域における覇権的な行動を止めることにあります。イラクやシリア、レバノン、イエメン、バーレーン、サウジ東部におけるシーア派勢力への支援をやめさせる。サウジにとっては、これらが実存的脅威です。

 イランが核兵器を保有するのをもちろん容認はしません。しかし、イランが核兵器を用いる対象はまずイスラエル、あるいは米軍です。サウジではありません。

 したがってサウジが望むのは、米国がイランに対して強硬な姿勢を取り、その力を削ぐべく経済制裁をかけ続けることなのです。

—米国の離脱により核開発のドミノ現象が起こるという見方があります。まずイランの核開発を招く。これに対抗すべく、サウジをはじめとする周辺国が追随する。こうした事態は当面考えづらいということですね。

村上:はい。少なくともロウハニ政権下でイランが核開発に進むとは考えられないです。先ほどご説明したとおりです。

—サウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が「イランが核武装すればサウジも追随せざるを得なくなる」と発言しています。

村上:それは現時点ではブラフでしょう。サウジは同様の発言を10年以上前から何度となく繰り返しています。

去就が見えないトルコ

—トルコはどう動きますか。

村上:トルコはややこしいです。戦略的にどちらを向いているのかよく分からない。

 当面の課題はクルド勢力の封じ込めです。この点に関してはイランと手を組むことができる。イラクのクルド勢力が昨年の9月、自治区の独立を目指して住民投票を実施しました。このとき、トルコとイランはイラク政府とともに軍事演習を実施し威嚇しました。ただし、イランのクルド勢力はトルコやイラクのクルド勢力ほど独立志向が強くない。したがって、イランにとってそれほど深刻な問題ではありません。トルコとは温度差があるのです。

 一方、トルコとイランの経済関係は良好です。米国が核合意からの離脱を決定した後、トルコのゼイベクチ経済大臣はイランとの貿易を今後も続けるとすぐさま宣言しました。

 トルコと米国の関係は悪化していますが、両国の間に戦略的な対立はありません。米国が、シリアで活動するクルド人民兵組織「人民防衛部隊」(YPG)への支援をやめ、ギュレン問題*が解決すれば改善に向かう可能性が高いでしょう。

*フェトフッラー・ギュレン氏はトルコで活動するイスラム教指導者。同氏を指導者と仰ぐ勢力が軍、警察、官公庁に多数いるとされる。AKP(公正発展党)を与党とするエルドアン現政権と対立関係にある。エルドアン政権は、2016年7月のクーデター未遂に同氏が関与していると主張。現在、米国で暮らす同氏を引き渡すよう、トルコ政府は米国政府に求めている

 というわけで、クルド問題やギュレン問題など目の前の課題が解決した後にトルコが、米国とイランのどちらに向くか判断が難しいのです。確実なのは、トルコは、サウジとイランが対立する湾岸地域の争いに巻き込まれたくはないということでしょう。

ロシアはゲームマスターを目指す

—最後は、ロシアについてです。

村上:ロシアの動きも読みづらいところです。シリアに目を向ければ、イランと協調しアサド政権を支援しています。

 一方、石油市場に目を向ければサウジとの協調を続けている。

 サウジはロシアとの関係を強化したいと考えています。米国との関係が悪化した時のことを考えて、ロシアをヘッジに使いたい。昨年10月にはサウジのサルマン国王が訪ロし、ロシア製のS400地対空ミサイルシステムを購入することで合意しました。資金面の支援を誘い水に、シリア問題やイラン問題での協調を呼びかけてもいます。ロシアは乗ってきませんが。

 これらを勘案すると、ロシアの目標は、中東のゲームマスターになることだと思います。サウジとイランのどちらかにつくのではなく、必要に応じてパートナーを組み替える。ソ連時代のように共産主義・社会主義体制の国を支援したような硬直した考えはありません。

 そして、関係国の皆がロシアの方を向き、ロシアを頼る環境を作りたいと考えているのかもしれません。加えて、ロシア製の武器を買ってくれる。こうしたこの目標は実現に向かって既に動いています。

 例えばイスラエルのネタニヤフ首相が5月9日に訪ロしました。10日に実施したシリア空爆について事前に話を通したのでしょう。米国の同盟国であるイスラエルがこのような行動を取るようになっているのです。

 また、イランとサウジがどちらもロシア製地対空ミサイルを導入している。サウジは先ほどお話ししたとおりS400を購入、イランはS300を購入しました。加えて、トルコもS400を購入しています。対立する国の軍がいずれもロシアから武器を購入している。しっちゃかめっちゃかの状態です。普通なら信義の問題になるものですが、ロシアはそんなこと気にしていないようです。

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『米朝会談に中国はどうからむのか 日本に迫られるプレイヤーとしての米中との駆け引き』(5/16日経ビジネスオンライン 福島香織)について

5/15希望之声<金正恩对韩朝高阶会变脸 美国在”独立评估“=金正恩は朝韓高級幹部会議を中止 米国は独自の評価>5/16韓国・聯合ニュースによれば、北は今行われている米韓軍事演習を理由に突然韓国との高級幹部会議を取り消すことを発表した。また米朝首脳会談も止めることも検討すると脅した。これに対し米国のWHのサンダース報道官は「トランプ政権はこの情報に対して独自の評価をしている。北が言うのは理解はするが、同盟国と緊密に連携する。」と。彼女は今進めている首脳会談の計画について影響があるかどうかについてコメントしなかったが、国務省は「たとえ北が軍事演習に反対を宣言しても、首脳会談の準備は継続して行われる。6/12シンガポールで会談は行われるだろう」と。国務省のナウアート報道官は「軍事演習に関して首脳会談をどうするか北から公式、非公式を問わず、連絡を受けていない。まだ会議の準備は米朝高官の間で続けられている」と。国防総省の広報官は「今回の軍事演習はいつもやっているもの」と。北に対する脅威は声明文の中には入っていなかった。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/05/15/n1781295.html

5/15看中国<习金会大连密谈曝光 金正恩提出一个要求(图)=大連での習金密談の内容が明らかに 金正恩は要求を一つ出した>金は習に「もし、朝米が非核化で一致出来れば、中国は途中で北に経済援助をしてほしい」と。習は「一致にこぎつけ、具体的な進展が見込まれれば、中国の北への経済支援は正当な理由がある」と。

北の思惑はトランプとの会談の道具を増やしておきたいのと、北京の思惑は中米貿易戦争が硝煙くすぶる中、金正恩の訪中にかこつけ、中朝の友誼は昔と変わらずと言うのを見せつけ、貿易交渉時の人身御供として「北朝鮮カード」を打ち出そうとしている。

NYTの分析によれば、「北は安全保障の観点から見れば米国に近づき、北京から離れることになる。これは賢い戦略だ。中国は朝鮮の独立をオープンに威嚇することはできないだろうが、近隣国に対して支配したいという野心は強まっている。東南アジアや南シナ海周辺、「一帯一路」計画等を見れば北は厳しく警戒を強めるだろう。金正恩が米国に近づくのは、このことが北京の東アジア支配の野望を抑えることを期待しているから。金正恩はずっと中国の全面的な経済支援を減らそうと希望して来たし、北京が未来の朝鮮半島を牛耳ることを封じ込めたいとも思っている」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/05/15/858597.html

NYTの論評が合っているのかどうか。米国に都合の良い見方ですが、ポンペオ周辺から取材したのかも知れません。ただ朝鮮半島の事大主義のDNAは変わらないでしょうから、北は時勢が転ぶ方にいつでも乗り換えられるように米中それぞれに保険をかけているところではないでしょうか?

中国は中国で、昨日の本ブログで指摘しました通り、「北の非核化」を貿易のカードとしてZTEへの制裁緩和を持ちかけたようです。それは福島氏の見方もそうですから、多分その通りなのだろうと思います。

中国が北朝鮮の緩衝国家としての存在を有難がらないとすれば、北はそう感ずれば米国に近づくことも充分あり得ます。米国に自分と北朝鮮を高く売りつけ、「非核化」と「朝鮮半島の統一」をバーターとし、統一朝鮮の安全保障を米国及び在日米軍がするというシナリオです。

武貞氏が「北の核保有は朝鮮半島の統一の為」というのであれば、目的(統一朝鮮の完成)が成就できれば、一つの手段(核保有)は放棄しても良いことになります。ただ、時間の制約があります。2020年までに核放棄と統一朝鮮ができるかどうか?文在寅が率いる韓国も統一には経済的理由で二の足を踏むのでは。日本は拉致被害者の全員帰還が為されない限り、北を支援してはならず、況してや反日国・韓国に支援なぞまっぴら御免です。

記事

米朝首脳会談が現地で開催されることを報じるシンガポールの新聞 (写真:AP/アフロ)

この4月から5月にかけて、アジアでは重要な事件が次々と起きた。南北会談があり、米国務長官ポンペオの訪朝があり、中国外相・王毅の訪朝と金正恩との面会があり、米中通商協議が北京で行われて物別れとなり、北朝鮮外務省が突然、米国を非難しだし、金正恩の二度目の中国訪問があり、そして米朝会談の日取りと場所が決定した。その傍らで、米国は核イラン合意を離脱、マレーシアでは92歳のマハティールが親中派のナジブをやぶって新首相の座についた。中国の李克強首相が初来日し、日中韓首脳会談および日中首脳会談が行われた。

それぞれが連動しており、米中関係を中心に、アジアのパワーバランスに激変が起きうる予感に満ちている。その震源地は半島ではあるが、それは中東の動きとも呼応しており、メーンプレイヤーは言うまでもなく米中である。だが、10日の日米首脳電話会談では、トランプは安倍晋三のことを朝鮮問題について「ビッグプレイヤー」と表現し、日本が半島情勢の動きにおいて影響力をもつキー国の一つであるという認識も示された。

そこで、6月12日にシンガポールで行われる米朝首脳会談を前に、プレイヤーとしての中国の影響力、そして日本の影響力について、少し整理しておこうと思う。

習近平が米朝会談に乗り込む?

シンガポールで6月12日に行われる米朝首脳会談には、トランプ、金正恩のほかに、第三国の首脳が参加する可能性が日本の毎日新聞などで報じられている。その第三の男は中国の習近平ではないか、とも言われており、米国家安全保障会議(NSC)のコーツ国際交渉担当上級部長は記者団の質問に対して、習近平や韓国の文在寅の参加について「可能性はある」と含みをもたせている。中国外交部も今のところ完全否定はしていない。

中国は朝鮮戦争の休戦協定に署名した当事国でもあり、金正恩からの訪問をこの1カ月半のうちに2回も受けて、事実上の後見人役を引き受けた格好になっている。だが、習近平政権が、この米朝首脳会談に対して、どのような立ち位置で関与するかはまだ見定められていない。シンガポール華僑の著名チャイナウォッチャーの頼涯橋や、シンガポール国立大学東南アジア研究所の研究員・藍平児らは、「第三国参加の可能性は高くない」とシンガポールメディアに語り、習近平が米朝会談の現場に入り込んで関与するとの見方には否定的だ。

こうした予測情報がいろいろ流れる背景は、米朝首脳会談の日程と場所が決まっていながら、その成果の見込みがまだ立っていないからだ。可能性としては、トランプサイドが主張する「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)」をそれなりの期限(6カ月から1年)を切って行うという文書で合意となるか、金正恩サイドが主張する半島の非核化への数年をかけた段階的措置で合意となるか、あるいは決裂するかの三択であるが、成果が違えば、当然中国にとっても戦略が変わってくる。何度も言っているが、中国にとって半島問題の最大のテーマは、非核化ではなく、米中新冷戦構造における勢力争いである。

中国がどういったシナリオを望んでいるかも、実のところ分析がわかれている。5月7日に行われた大連での習近平・金正恩会談については、大連で初の国産空母「山東」の試験航海にあわせて行われ、金正恩を中国最新の空母に乗艦させたのではないか、という見方もあった。それは、双方の軍事同盟関係をアピールし、米朝会談を前にした米国への牽制だとも言われている。このとき、金正恩は習近平に緊急の経済支援を頼み込んだという情報もあるが、それに習近平が応じたという話は今のところ聞いていない。

トランプはZTEの事業再開に含み

その直後、習近平とトランプとの電話会談では、北朝鮮に恒久的に核開発・ミサイル開発計画を放棄させるまで制裁を緩めずに継続することが重要だという認識で一致した、ということになっている(ただし新華社はこれを報じていない)。もちろん、習近平は、「双方が信頼を築き、段階的行動で、双方の関心事を解決し、北朝鮮への合理的な安全を考慮して、共同で半島の政治問題を解決してほしい」ということも言っているが、金正恩が切実に望む制裁解除への口添えはなかった模様だ。こうしたことから、習近平としては北朝鮮に完全に肩入れして、その利益の代弁者として米国と対峙するつもりはない、という観測がある。ひとまずの傍観者席をキープしつつ、推移によって、次の対応を決めようとしているのではないか。

中国にとって米国との駆け引きで重要なテーマとして、半島問題と並行して通商問題がある。貿易戦争開始後の一回目の米中通商協議は物別れで、非常に険悪な雰囲気であったと伝えられている。米国から仕掛けられた貿易戦争では、目下中国がかなり不利に追い込まれている。だが、それに屈するわけにはいかない中国側の内政上(習近平政権の安定性)の事情がある。そういう中、中国がもっとも青ざめたといわれる中興通訊(ZTE)への米国製チップ禁輸措置で、トランプが急にZTEの事業再開のために習近平と協議中であるとツイート(5月14日)した。ZTEはこのまま米国が禁輸を続ければ破綻に追い込まれることは確実な状況だった。

これはZTE8万人の雇用が一気に失われるだけでなく、関連企業もふくめた中国の通信端末事業が次世代(5G)市場から締め出されることを意味し、中国の通信覇権の野望にとどめがさされかねない。だが、ここにきてトランプがいきなり、ZTEを救う意向を見せた。これは、中国側がおそらくは水面下でなにか大きな譲歩したことを意味する。私はそれが半島問題ではないか、と見ているのだが、どうだろう。つまり、次の米朝首脳会談では、中国は北朝鮮の味方をしない、ということを了承したのではないか。

北の頼みの綱・プーチンは沈黙

中国が北朝鮮に対し、独自に経済制裁を解くこともせず、突き放す、あるいは米国と共同歩調をとるとなると、米国側のめざす“リビア方式”での非核化実現の可能性が高まってくる。その場合、最終的にリビアのカダフィが、米国の支援する反カダフィ派に殺害された歴史を振り返れば、金正恩としてはいくら体制を保障すると約束されても、体制維持どころか身の安全にすら不安を覚えるだろう。金正恩がそうなったとき頼る相手は、残るはロシアだが、プーチンも今のところは沈黙を守っている。

もし、中国が北朝鮮に与しないで傍観を決め込むとすれば、これは実は中国が唯一の同盟国を裏切るということであり、中国の孤立化が進むことになる。そうなることを予感しているからこそ、中国は、今年になってあからさまな日中関係、中印関係改善に動いている、と解釈できる。

そうなってくると半島問題において「蚊帳の外」と揶揄されてきた日本もプレイヤーとして、米国や中国と駆け引きする必要に迫られてくるだろう。北朝鮮問題において、日本には核廃棄問題のほかに拉致被害者の返還という重要なテーマがある。半島の非核化(CVID)に伴う費用、北朝鮮の経済的支援について、おそらく日本の“財布”が期待されているだろうが、日本が北朝鮮に経済的支援を決める必須条件は、CVIDに加えて拉致被害者100人の一括返還である、という姿勢を崩さないことが重要だろう。これが拉致被害者を取り戻す最後のタイミングになるかもしれない。北朝鮮に拉致された日本人を救う全国協議会(救う会)の西岡力会長によれば、米国サイドはその日本側の意思を理解しているはずだ、という。

さらには経済支援した以上は、それが北朝鮮の人々に恩恵があるだけでなく、日本企業や国際社会の利益にかない、また対日感情にプラスになる形で進めていくことを考えねばなるまい。かつての対中ODAの轍は踏めない。北朝鮮はウランをはじめとするレアアース資源の宝庫であり、また良質で安価な労働力とほとんど手つかずの市場が期待できるアジア最後の経済フロンティアだ。特にウラン鉱山の利権は米中ロその他の国々が虎視眈々と狙う中、日本がどのように立ち回れるかも、プレイヤーとしての力量が問われるだろう。その結果が北朝鮮、あるいは未来の統一朝鮮が日本の安全保障を脅かす反日国家となるか否かにつながってくるやもしれない。

賞味期限切れ?「北朝鮮屏風論」

中国側の半島専門の学者たちが最近指摘しているのは、中国にとって北朝鮮が米韓西側勢力との間に存在する緩衝地帯であるという「北朝鮮屏風論」がそろそろ賞味期限切れである、という問題だ。北朝鮮屏風論は北朝鮮指導者と中国指導者が同盟国同士の信頼関係を築いていてこそ成り立つのだが、習近平と金正恩の間には修復不可能な深い溝がすでにあるといわれている。中国としては、在韓米軍が完全撤退すれば、半島の非核化問題の解決の主導を米国に譲ることは許容範囲内、という見立てもある。ボイス・オブ・アメリカによれば、米シンクタンク・スティムソンセンターの中国専門家・孫韵がとあるシンポジウムで、そのような分析をしている。

中国はすでに、リビア方式による核廃棄の末、現北朝鮮のレジーム交代が行われる可能性も含めてのシナリオを考え始めている。たとえば南北統一の動きの中で、治安の悪化、無秩序・無政府状態が起きた場合、米国がどのように動き、中国としてはどのように動くのか。あるいはロシアはどう動くのか。南北統一の動きがでたとき、中国東北の朝鮮族がどういった反応にでるのか、も重要だ。中国の研究者の中には、東北の朝鮮族および解放軍北部戦区の朝鮮族兵士は北京への忠誠よりも民族の統一に走る可能性がある、という意見もある。北朝鮮の体制転換が中国の体制にどのような影響を及ぼすか、という懸念もある。

もちろん、米朝首脳会談の結果、トランプ側が妥協して北朝鮮の求める数年かけた段階的な核廃棄という“時間稼ぎ”になる可能性も、話し合いが決裂して戦争機運が一気に高まる可能性もある。あるいは直前になって会談自体が延期される可能性もゼロではないかもしれない。

どのような形になっても、これがアジアの国際秩序と枠組みの転換点であり、日本という国の命運の曲がり角であったと後々振り返ることになりそうだ。

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