『「文在寅の仲人口」を危ぶむ韓国の保守 騙されたと気がつけば、トランプは激怒する……』(3/15日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

3/14看中国<取消任期制:习近平预计5年内爆发战争 还有一个机密(图)=主席任期制撤廃で習は5年以内に戦争が起きると予測 もう一つ機密がある>戦争は国外だけでなく、国内でも起きることを習は心配している。任期制撤廃を主導した黒幕は王沪寧である。李克強は官僚のサボタージュに怒りを見せるようになった。18人大以降性格が変わった。3/8FTが発表した「中国は米国に特使(劉鶴&楊潔篪)を派遣して米中関係をコントロールしようとした」記事の中で、「習が任期制撤廃に賛成したのは国境線上(台湾は自国と認識しているから尖閣を持つ日本か?)で5年以内に軍事衝突が起きると予想している。彼はプーチンがした代理人(メドのこと)を国家元首にするような真似はしたくないと思っている」と。王沪寧は今の体制はまだ不安定で、軍・政党・役人・知識人の4つの役割が大事と考えている。現状はというと①軍・・・縁故主義②役人・・・腐敗で200万人も調査③知識人・・・弁護士で逮捕されるのが100人もいて、エリートは西側を見て自国のことは考えない。④政党・・・中共は崩壊の臨界点に立たされている。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/03/14/852551.html

3/16看中国<中美外交大换班 谁将管控美中关系?(图)=米中外交は大転換 誰がコントロールするのか>王岐山が国家副主席になって対米交渉しようとしてもカウンターパートを探すのは難しい。オバマの1期目は、ヒラリー国務長官、ゲーツ国防長官、ガイトナー財務長官が個々に、二期目は特定の人物はおらず集団でとなった。トランプは自分がやるのでは。中国も習が直接になるかも。劉鶴&楊潔篪を訪米させても成果なく帰った。原因の一つは相手が誰か分からないこと。王岐山が交渉に乗り出すと言っても米国から返事はない。国家副主席のカウンターパートは誰になるのか?(肩書き上はペンス副大統領でしょうけど)。誰が相手になろうとも、中国は不愉快である。中国に対し、トランプ政権は敵視政策を採っているため。

中国が嫌う政策を貫徹することが正しい道です。人権弾圧する共産主義をのさばらせておく方がおかしいでしょう。今の野党の国会運営を見ているとソ連のコミンテルンの指示通りの動き方です。議会に議席を持ち、与党の粗探しをし、針小棒大にして、与党の信用を貶め、政党政治に対する信頼をなくす方向に動き、やがて革命へと導くというやり方です。マスメデイアも野党とグルになって情弱老人へ刷り込みしているのですから。森友・加計問題より、3/13連帯ユニオン関西生コン支部にガサ入れした話の方が大きいでしょうに。メデイアは報道していません。辻元、福島瑞穂と同和、極左暴力団との関係が明るみになるかも。国会が閉じたら逮捕して、「慰安婦問題」の裏も追及したらよいでしょう。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/03/16/852898.html

3/16宮崎正弘氏メルマガ<米中貿易戦争は「破局」。中国は対米交渉陣を立て直しへ  明日、王岐山(火消し請負人)を国家副主席へ選出。対米交渉のトップへ>

http://melma.com/backnumber_45206_6658377/

3/15ダイヤモンドオンライン ロイター<米国務長官をクビにしたトランプ氏、政策停滞にいら立ち>

http://diamond.jp/articles/-/163684

次は米朝対話についての見方です。

3/16大前研一メルマガ<▼米朝直接会談の結果は、北朝鮮崩壊のシナリオしか考えられない

米政府は8日、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩委員長の申し出を受け入れ、直接会談に応じると発表しました。米朝首脳会談が実現すれば歴史上初めてで、朝鮮半島を中心とした東アジア情勢に大きな変化をもたらすとともに、日本の外交・安全保障政策にも影響を及ぼすのは確実と見られています。

私はトランプ大統領の物事の進め方が好きではありませんが、もしかするとこの交渉においては、トランプ大統領が圧勝してしまうかもしれません。トランプ大統領はストリートファイターであり、常にディール・交渉を前面に押し出してきます。金正恩委員長との会談が実現した場合、「ロケット開発、核開発をやめろ。やめなければ報復するぞ」という態度で臨む可能性が高いと思います。

ここで金正恩委員長が受け入れなければ、これまでのトランプ大統領のやり方からすれば、すぐにでも戦争を引き起こす可能性があります。「深刻さを見せつつ、すぐにでも殴り合う」というやり方がトランプ大統領の特徴です。

私自身はこの手のやり方は全く好みではありませんが、今回の北朝鮮との交渉においては功を奏するかもしれません。その点から考えると、代理人ではなく、トランプ大統領の特徴を活かして本人が交渉にあたるべきでしょう。

文在寅大統領の特使が北朝鮮に赴いた際に、金正恩委員長は「体制が保証されるのであれば、核開発を中止しても構わない」と述べたと言われています。この発言が本当であれば、かなり深刻な内容を含んでいると思います。つまり、金正恩委員長が亡命を希望しているのではないかということです。

現実的に、北朝鮮において金王朝が平和的に存続していくことは不可能です。「体制を保証する」という「体制」とは金正恩委員長自身とそのファミリーのことを指しているのでしょう。北朝鮮においてはそれ以外考えられません。

2歩先まで考えれば、金正恩委員長が望んでいるのは亡命以外にはないと私は思います。トランプ大統領がこの事を見抜いていれば、逃げ場所を用意してあげるということができるはずです。トランプ大統領は交渉してうまくいかなければ、その場で戦争を始めるという決断さえしかねない人物です。

金正恩委員長がトランプ大統領と1対1の会談に臨むのは、かなりのリスクを負っていると思います。

それでも、金正恩委員長がトランプ大統領に呼びかけたのは、国を空けて海外に行くことさえままならず、体制が内部から崩壊する寸前の北朝鮮の状況では、なんとか体制を保証してもらって逃げ場を確保したいという一心からの行動だと思います。

▼文在寅大統領との交渉を行っても、行き着く先は北朝鮮の崩壊

現状においては、中国もロシアも蚊帳の外に置かれています。中国は6カ国協議の議長として対話路線を押していましたが、米朝直接対話となったらそのメンツは丸つぶれもいいところです。もし米国がプレッシャーを弱めれば、文在寅大統領と金正恩委員長の直接対話の可能性がありますが、この場合でも最終的に行き着く先は北朝鮮の崩壊だと私は見ています。

文在寅大統領と金正恩委員長の直接対話を行ったとして、次に考えられるステップは平和条約の締結、国交の正常化、戦争状態の終結になるでしょう。このシナリオの場合、北と南の間をある程度

人々が自由に行き来できるようにならざるを得ません。そうなると、北朝鮮は半年も持ちません。

これまで北朝鮮は、国民に対して「南側(韓国)は貧しい」と騙してきたわけですが、その嘘が露呈してしまいます。そうなれば、ルーマニアのチャウシェスクと同様、民衆蜂起によって体制が崩壊するのは目に見えています。

北朝鮮は、韓国と平和的な話し合いが行われたとしても、その結果としては体制の崩壊以外に道は考えられません。かつてのロシアやアルバニアの例を見ても、厳しい情報統制をしていた国家が、それを維持できなくなったとき、全体主義国家は脆くも崩壊します。今の北朝鮮においても、国民に実態が明らかになれば、いかにバカなことにお金を使って自分たちが貧しい生活をさせられてきたのかと分かってしまうでしょう。

トランプ大統領と直接会談、文在寅大統領との直接対話のいずれの道を通っても、北朝鮮の金王朝は終わる可能性が高いと私は見ています。その可能性がいよいよ高くなってきたとき、中国や韓国は、金一族を受け入れる姿勢を見せるかも知れません。想像よりも早く、北朝鮮の金王朝は崩壊していく可能性が高くなっていると思います。>(以上)

3/16ZAKZAK<トランプ大統領は金正恩氏の「10万人抹殺」を止められるのか>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/180316/soc1803160016-n1.html

3/16希望之TV<朝鮮一高官突現身北京 泄美朝首腦會談地點?=朝鮮の高官(李勇浩外相のこと)が突然北京に現れる 米朝首脳会談の場所を明らかに? >李勇浩は北京に行く前にスエーデンに寄り、外相同士で会談。スエーデンも協力は惜しまずとのこと。トランプが国務長官交代の報の後、朝鮮の「労働新聞」は在韓米軍を米帝侵略軍と呼び、トランプを「傲慢なリーダー」と呼んだ。これは去年の「老いぼれ」よりは柔らかく、3/13発表した「米国のリーダー」よりは激烈である。

https://www.soundofhope.org/b5/2018/03/15/n1621427.html

大前氏は金正恩の亡命の可能性について言及しています。ただ亡命があるとしても中韓ではなく、ロシアになるのでは。民衆蜂起は洗脳の程度を考えればあり得ないと思います。共産主義体制のまま、米国が体制保証をしますとZAKZAK記事のように証拠隠滅の為、政治犯を皆殺しにしかねません。恐ろしい政治体制・国家です。

鈴置氏の記事を読みますと、トランプの頭の良さが光ります。韓国に騙された振りをし、戦争になったとしても米国は平和の努力をした姿勢をアピールできます。すぐさま国務長官を戦争強硬派のポンペオに換え、北への無言の圧力を加えたのもそうです。これでトップ会談が実現してもトランプは強気で臨めるでしょうし、制裁もそのままですから。時間がないのは米国ではなく、北と言うのが理解できれば、金正恩の亡命があるかもしれません。その後は国連管理とするのかどうか。

記事

3月8日、韓国特使がトランプ大統領と面会後に会見、米朝首脳会談実現を宣言したが……。会見する鄭義溶国家安保室長(写真右)と徐薫国家情報院院長(写真:AFP/アフロ)

前回から読む)

米朝首脳会談がもたらすのは平和か、それとも戦争か――。

「非核化」発言は本物か

鈴置:金正恩(キム・ジョンウン)委員長は本当に「非核化する」と言ったのだろうか――。韓国政府の説明を疑う人が出てきました。

トランプ大統領を北朝鮮との対話に引き出すため、文在寅政権が「仲人口」(なこうどぐち)――縁談をまとめようと仲人が双方に都合のいい話をする――を駆使する様子が垣間見えるからです。

3月5日に特使として北朝鮮を訪問し、金正恩委員長と会談した鄭義溶(チョン・ウィヨン)青瓦台(大統領府)国家安保室長。平壌(ピョンヤン)から戻った翌3月6日、訪朝結果を箇条書きにしてブリーフしました。

青瓦台の「鄭義溶首席特使の訪朝結果 言論発表」(3月6日、韓国語、動画付き)からポイントを翻訳します。

  1. 南北は4月末に板門店の(韓国側の)平和の家で第3回南北首脳会談を開くことにした。
  2. 南北は軍事的な緊張の緩和と緊密な協議のため、首脳間のホットラインを開設することに合意した。
  3. 北側は朝鮮半島の非核化の意思を明らかにし、北に対する軍事的な脅威が解消し、北朝鮮の体制安定が保証されるなら核を保有する理由がないとの点を明らかにした。
  4. 北側は、非核化問題の協議と北・米関係正常化のため、米国と虚心坦懐に対話する用意があると表明した。
  5. 対話が続く間は、北側は追加の核実験と弾道ミサイルの試射など戦略的な挑発の再開はしないことを明らかにした。同時に核兵器はもちろん、在来型の兵器も南側に使わないことを確約した。
  6. (略)

消えた条件

「非核化」は③で言及されましたが「北に対する軍事的な脅威が解消し、北朝鮮の体制安定が保証されるなら」と条件が付いています。

こうした前提付きの主張は前から北朝鮮が表明してきたことです。「非核化を約束」と報じるほどのニュースではありません。だからメディアも見出しは他からとった。例えば日経新聞の3月7日付朝刊の見出しは以下の4本です。

南北首脳 来月末に会談

非核化へ「米と対話」

北朝鮮 ミサイル発射凍結

韓国側発表

しかし3月8日、鄭義溶・室長はワシントンでトランプ大統領に「北に対する軍事的な脅威が解消し、北朝鮮の体制安定が保証されるなら」との条件を省いて「金正恩は非核化を約束した」と語った模様です。

なぜなら、トランプ大統領と会った直後、鄭義溶・室長は会見(3月8日、英語)でこう述べたからです。

I told President Trump that, in our meeting, North Korean leader Kim Jong-un said he is committed to denuclearization.

「判断の根拠は?」

—条件がすっぽり落ちていますね。

鈴置:だから「米朝会談、3つのシナリオ」で「トランプ大統領が『北朝鮮が全面的な非核化に向け大きく動き出した』と理解――誤解したフシがある」「韓国の仲人口」などと指摘したのです。

韓国の特使がトランプ大統領に会う前から「金正恩の言う非核化とは何か」が焦点でした。朝鮮日報の姜仁仙(カン・インソン)ワシントン特派員が特使の1人、徐薫(ソ・フン)国家情報院院長にこの点を問い質しています。

3月8日、特使団がソウルからワシントンに向かう飛行機に同乗し、機中で単独会見したのです。「金正恩は年内に核と平和体制で大筋にメドを付けるつもり」(3月10日、韓国語版)のうち、関連する一問一答の部分を翻訳します。

(質問)金正恩が特使団に語った「非核化」とは「核開発の凍結」や「核不拡散」ではない、本当の非核化だと言うのか。

「そうでないなら我々(韓国の特使団)が受け入れるわけがない。金正恩委員長が直接、非核化を約束したことに意味を見いださねばならない」

(質問)金正恩が本当に、心からの非核化の意思を語ったという判断の根拠は?

「こういう仕事をする際には、相手の意思を持ってして判断はしない。相手が語った言葉の中から意味あることを引き出して実践できるよう形を成していくことが重要である」

万歴帝に処刑された沈惟敬

—「金正恩は本気で非核化するつもりだ」との韓国政府の説明には、さしたる根拠もないのですね?

鈴置:そうなのです。徐薫・国情院長が正直に語ったように「韓国側が北朝鮮を非核化に誘導したい」ということに過ぎないのです。徐薫氏が言葉を濁しているところから見て、金正恩委員長は「非核化」という言葉さえ使わなかった可能性があります。

北朝鮮との交渉に長らく携わった韓国保守の長老、李東馥(イ・トンボク)氏も、特使団の「仲人口」を厳しく批判しました。趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに載せた「沈惟敬の末路をたどる文在寅の北核特使外交」(3月10日、韓国語)がそれです。

見出しの「沈惟敬」は文禄慶長の役当時の明の対日交渉使節。日本と明の双方を偽って和解工作を進めたものの結局は露見、万歴帝により処刑されました。

「偽の肖像画」に怒ったヘンリー8世

なお、前回引用した中央日報の「『何も見えない』仲立ち外交の危険性=韓国」(日本語版、3月7日)。筆者の金玄基(キム・ヒョンギ)ワシントン総局長は文字通りの「仲人口」により処刑されたエピソードを使って韓国の危さを説きました。

面食いのイングランド王のヘンリー8世(Henrry VIII)に「誇張された肖像画」を見せて政略結婚を成功させた側近がいた。本物を見て驚いたヘンリー8世はやむなく結婚したものの、半年後に離婚。怒って側近も殺した――そうです。

話を戻すと、李東馥氏はまず「鄭義溶・室長はホワイトハウスの記者団に対するブリーフィングで、金正恩がかかげた『前提条件』を一切無視し、事実上その言葉を歪曲、変造した格好となった」と指摘しました。

さらに「北朝鮮は韓国を相手に常套的に『用語混乱戦術』を使ってきた」と説明したうえ、今回の「非核化」という言葉もその典型だと警告しました。訳します。

英語で「北のまやかし」を発信

米国を含め世界が使う「非核化」(Denuclearization)とは、北朝鮮が保有する核物質と核関連施設、核開発計画を完全かつ検証可能で不可逆的な方法で解体するということだ。これには「北朝鮮を核保有国とは認めない」との前提がある。

一方、北朝鮮の言う「非核化」とは実際は「非核地帯化」(Nuclear Free Zone)を意味する。北朝鮮の自衛用の核を撤去する前に、その原因となった米国の核兵器問題を先に――少なくとも同時に解決すべきだ、という主張である。これには「北朝鮮が核保有国であることを認める」との前提がある。

米朝首脳会談を開いた場合、金正恩が「非核地帯化」を主張するのは確実だ。首脳会談は6カ国協議のように漂流し、その時間を北朝鮮は核兵器と運搬手段の開発に活用するだろう。

趙甲済ドットコムはこの記事を世界の人々にも読んで欲しかったのでしょう、2日後の3月12日には英語に訳した「Mounting Risks Confronting Moon’s Nuclear “Shuttle Diplomacy”」を掲載しました。

6カ国協議も悪用

—米朝首脳会談は北朝鮮の核開発の時間稼ぎに使われるだけ、ということですね。

鈴置:首脳会談を開いている最中は、普通は攻撃されませんからね。李東馥氏も指摘していますが、6カ国協議がそれに悪用されました。トランプ政権内でも「時間稼ぎに利用されるだけ」との懸念が高まっています。

ホワイトハウスのサンダース(Sarah Sanders)報道官が3月9日の会見で「北朝鮮が約束したことがはっきりと行動で示されなければ、この(米朝首脳)会談は開かれない」と語ったのが一例です。

And, again, this meeting won’t take place without concrete actions that match the promises that have been made by North Korea.

韓国の保守も疑いを捨てていません。朝鮮日報も3月10日の社説「北を引っ張り出した『対北制裁』と『軍事圧迫』は最後まで貫け」(韓国語版)で次のように主張しました。

まだ、北朝鮮が崩壊する段階には至っていないため、金正恩の非核化への言及が心からのものであるかは不確実だ。ひょっとすると金正恩自身も確信がないのかもしれない。

ここで非核化以外のすべての出口を封じ、他の選択の余地を与えないための方法は、金正恩が非核化を実践するまで、現在の経済制裁と軍事的な圧迫を揺るぎなく続けていくことだ。それだけが北の核問題を平和的に解決するのだ。

「ホンとアベ」だけ

—日本政府の立場と同じですね。

鈴置:ええ。ただ、韓国の左派はもろ手をあげて米朝首脳会談に賛成しています。金大中(キム・デジュン)大統領の腹心だった民主平和党の朴智元(パク・ジォン)議員は、韓国の保守と日本の安倍晋三首相をひとまとめにして批判しました。

中央日報が「朴智元議員、地球上で米朝対話に反対する人は『ホン・アベ』だけ」(3月13日、日本語版)で伝えました。「ホン」とは野党、自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)代表を指します。

安倍首相は韓国で「極右の指導者」と見なされています。米朝首脳会談に懐疑的な「アベ」と一緒にすることで、保守派の「ホン」を「極右」と貶める作戦です。

—北朝鮮はさぞかし、米朝首脳会談に期待しているでしょうね。

鈴置:そうとは言えません。労働新聞など北朝鮮のメディアは3月14日に至るまで一切、米朝首脳会談を報じていない。

朝鮮総連の機関紙、朝鮮新報だけが3月10日にウェブサイトで触れたものの、翌11日に削除したようです。聯合ニュースが「米朝首脳会談に北朝鮮の反応なし 韓国『慎重に取り組んでいるよう』」(3月12日、日本語版)で報じました。

これに対し、韓国統一部の報道官は「北なりに立場を整理する時間を必要とする」と述べ、北朝鮮が「米朝」に慎重な姿勢で取り組んでいると分析しました。

自分の首を絞める時間稼ぎ

—北朝鮮はなぜ「慎重」なのでしょうか。

鈴置:米朝首脳会談を開くことにすれば、軍事的な攻撃を防げる。しかし米国は、経済制裁に関しては緩めるつもりは今のところない。これでは「時間稼ぎ」したつもりでも、苦境からは脱出はできない。

北朝鮮は今、水面下で米国に「首脳会談を開くのだから制裁を緩めてくれ」と要求し、これに対する回答を見極めていると思われます。

北朝鮮はもう1つ懸念を抱いているはずです。「トランプの逆上」です。首脳会談で金正恩委員長が「非核化などやるつもりはない」とか「北朝鮮式の非核化」を主張したら、トランプ大統領は「話が違う」と怒り出し、軍事行動の引き金になると予想する専門家がいます。

『時間稼ぎ』の金正恩に『助け舟』出した文在寅」で紹介したスェミ・テリー(Sue Mi Terry)CSIS上級研究員です。

朝鮮日報に寄せた「下手な米朝対話は逆効果だ」(3月5日、韓国語版)で「米国は北朝鮮に対し、本当に核開発計画を放棄する意思があるのかを質すであろう。北朝鮮が否定的に答えたり回答を拒否した場合、米朝対話はその瞬間に終了し、緊張はますます高まるであろう」と予測しました。

トランプの「激怒」リスク

韓国外交部で北朝鮮問題を担当した魏聖洛(ウィ・ソンラク)ソウル大学客員教授も、中央日報への寄稿「米朝首脳会談、期待よりも危険に備えるのが先だ」(3月12日、日本語版)で、「トランプの激怒リスク」を指摘しました。

韓国は南北、米朝首脳会談が続く未曽有の状況を迎えることになった。北核問題の解決に対する期待も大きくなっている。しかし、冷静に考えると、大きな交渉の場は解決の機会にも、破局の契機にもなり得る。

北朝鮮が核とミサイル実験の中断に触れたのは進展だ。一方、非核化協議をするという言葉は立場の変化なのか、米国が非核化を提起すれば聞いてみるという意思なのか不明だ。

米国は非核化への意志を確認するだろうし、さらなる譲歩を確保しようとするだろう。万一、北朝鮮の立場が前と同じであれば、会談は先行きが見えない中で開かれることになる。危険なことだ。

外交官出身らしく上品に書いていますが、要は文在寅政権の「仲人口」が戦争を招きかねないとの危機感の表明です。

金正恩も疑う?

—トランプ大統領は文在寅大統領の「仲人口」に騙されたのでしょうか。騙されたフリをしているのでしょうか。

鈴置:そこです。関係者は「韓国の特使団がトランプ大統領に会って報告する前に米政府は、金正恩委員長の首脳会談への意向を詳細につかんでいた」といいます。

トランプ大統領が韓国特使団との会談の場で、北朝鮮との首脳会談を即決してみせたことから見ても、それは事実でしょう。

米国の情報力を考えると、トランプ大統領は騙されたフリをして金正恩委員長を会談におびき出し「核を直ちに放棄するか否か」と迫る作戦を採用した可能性もあるのです。

今、金正恩委員長も頭を悩ませているでしょう。「文在寅は我々と組んでいるように見せて、実は米国の手先ではないのか」「文在寅の仲人口を信用していいのか」と。

—3月13日、ティラーソン(Rex Tillerson)国務長官が解任されました。

鈴置:3月末に退任します。後任はポンペオ(Mike Pompeo)CIA長官です。金正恩体制の打倒を堂々と主張してきた人です(「『金正恩すげ替え論』を語り始めた米国」参照)。

「金正恩の悩み」はますます深まったでしょう。とりあえずは「時間稼ぎ」に出るでしょうが、それがうまくいく保証はますます減った。では白旗を掲げて降参するか、あるいは徹底抗戦するか――。注目すべきは北朝鮮の出方です。

(次回に続く)

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