10/19「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 を読んで

世界はE・ルトワックが予言したように、中国封じ込めで合従連衡していく気がします。問題はオバマのアメリカでいつも後手後手に動き(決断力のなさ・無能の証)、アジア・ピボットとか言っても有言不実行だから中国に足元を見られています。11/4の中間選挙のことで頭が一杯でしょうが、10/19日経新聞の情報によれば、「共和党が若干有利で、上下院を共和党が押えればオバマは大統領令で対抗するだろう」との見通し。共和党はそうなれば弾劾裁判を起こすと思われます。6月には共和党のベイナー下院議長がオバマを「職権濫用」で提訴するように動いたくらいですから。南シナ海にも防空識別圏を設定すれば、東南アジアの国は反発を強め、日米豪とASEANが軍事同盟を結ぶかもしれません。(オバマ後になるでしょう)。台湾は先般李登輝元総統来日の折、「台日関係法を作った方が良い」とコメントされたそうです。日米豪+台湾+ASEAN+ロシアで中国封じ込めすると陸を延ばそうとしますが、ロシア、インドと仮想敵国とイスラム教の国です。新疆ウイグルにやってきたことを考えればそんなに簡単に陸で勢力を伸ばすことはできません。香港での対応を世界は固唾を呑んで見守っています。89年の天安門事件のようには行かないでしょう。11/10、11APECまではおとなしくしているでしょうが、その後世界の報道機関を追放、香港のメデイアを全部国有化するかストップさせるような荒業を繰り出すかもしれません。そうすればチベット、新疆と同じように秘密裏に拘引し、拷問・虐殺することも起こりうるでしょう。台湾でも蒋介石の指揮下の陳儀が2・28事件で弾圧したように。そうなれば、西側社会が経済制裁するかもしれません。香港が中国経済崩壊の引き金になるかもしれません。

<記事:北京APECが終わると、中国は南シナ海にも「防空識別圏」を設置か  日本、台湾、米国、フィリピン、ベトナムの「有志連合」は可能か?>

安倍首相はASEM(アジア欧州会議)出席のためイタリアのミラノを訪問したが、大きな「外交的成果」を挙げた。議長声明に「誘拐」と「航行の安全ルールの遵守」を盛り込ませたのである。 今回のASEMへの出席で安倍首相はプーチン大統領、李克強首相などとの会談もこなしたが、そんなことより議長声明に日本の主張を盛り込ませたことのほうが重要なのである。シンガポール(14年五月、シャングリラ対話)でも安部首相が基調演説をした。アセアン日本特別首脳会談では、中国を名指しこそしないまでも、「航海の安全」「国際ルールの遵守」を共同声明で発表した。アセアン諸国からはカンボジア、ラオスを含めて、とりたてての反対はなかった。多くの国際会議で中国は自らの四面楚歌をやっと認識できたのだ。 中国はいまのところ、11月下旬の北京APECをうまく乗り切るために柔軟な姿勢を崩さず、各国とにこにこ外交を続けている。警備には百万人を動員するものものしさ。 とりわけ中国はベトナムと「和解」の演出に余念がない。こういう状況下、10月17日に都内では三カ国参加の「台湾の現状と日米台の安全保障」をテーマとした大規模なシンポジウムが、「日本戦略研究フォーラム」(中条高徳会長)の主催で開催された。同フォーラムは副会長が小田村四郎、屋山太郎の両氏。米国からは知日派のジェイムズ・アワー(ヴァンダービルト大学名誉教授)、台湾からは蔡明憲・前国防部長(国防大臣)、そして台湾独立運動の象徴的存在である辜寛敏(リチャードクー氏の父親。88歳)も出席した。ほかに米国上級軍人と自衛隊OBの軍事評論家が勢揃いした。

▼台湾の安全こそ日本の生命線だ

まずジム・アワー氏が冒頭の基調演説で「日米安保の進化と安倍首相の『集団的自衛権』の閣議決定は、つぎの日米ガイドラインの見直しに道をひらいたもので、前向きに評価できる」としたうえで、こんごは地政学的に枢要な要衝である台湾と、関係国との安全保障面での協力が重要になる」とした。川村純彦・元海将は、「日本、米国、台湾、そしてフィリピン、ベトナムを加えての『有志連合』を結成し、中国の軍事的脅威に対抗する必要があるのではないか」と訴えて注目を集めた。台湾政界要人は来日の度に「日本も米国のような『台湾関係法』を策定すべきであり、FTA交渉を急ぐべきだ」と発言しているが、日台二国間関係を飛び越えての『有志連合』に言及したことはなかった。しかし中国は「サラミ戦略」(川村氏の造語)といってサラミをすこしずつ細切りにして気がつくとなくなっているように、深く静かにしかし長期的視野に基づくアジア戦略に立脚して台湾を攻略し、その台湾を「不沈空母」として活用し、南シナ海を「聖域化」する方向にある。かような中国の軍事力増強を前にして、米国の対中関与戦略は失敗し、いまや「ピボット」、「アジア・リバランス」と言いながら、確乎とした大戦略が不在である。もし自由世界が台湾を失えば、中国は一気呵成に「第一列島線」を確保し、南シナ海を聖域化し、シーレーンを脅かす。日本にとって、台湾は死活的な問題なのである、と強調された。また「十一月のAPECを終えると、頃合いを計って中国は南シナ海へも『防空識別圏』を設置する可能性が高い」と台湾の国防相を経験した蔡明憲氏らの衝撃的な発言が相次いだ。

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