『プーチンはプリゴジンを暗殺できない?「汚れ仕事」を任せた都合のいい存在 廣瀬陽子・慶應義塾大学教授「プリゴジンの処遇が世界の未来を左右」』(6/28JBプレス 廣瀬 陽子)について

6/27The Gateway Pundit<“The Most Corrupt Administration in History” – President Trump on Newsmax Calls Out the Biden Crime Family (Video)=「史上最も腐敗した政権」 – トランプ大統領、ニュースマックスでバイデン犯罪一家を非難(ビデオ)>

左翼(メデイア)は正義の観念を持たない。

トランプ大統領は月曜日の夜、ニュースマックスのエリック・ボリングに出演した。第45代大統領は、完全に腐敗したバイデン犯罪一家と、彼らを擁護する忌まわしい主流メディアについて語った。

トランプ大統領:ほら、この国の歴史の中で最も腐敗した政権だ。そのようなことは今までにありませんでした。家族とジョーには何百万ドルも支払われており、それは恥ずべきことだ。

そしてメディアはそれを取り上げない。あなたはそれを取り上げる。実際、Newsmax は素晴らしかった。皆さん、それを取り上げてください。しかし、他の誰もそれを取り上げない。彼らはそれについて話したくないだけなのです。そしてそれは恥ずべきことだ。主流メディアはそれについて記事すら書きません。彼らはABC、NBC、CBSではそれについて話していません。彼らはそれについて話したくないのです。

それは信じられないです。1015年前ならそれは最大の物語だったでしょう。これはピューリッツァー賞が合法だった頃のことだろうが、現在はロシア、ロシア、ロシア、ロシア、ロシアに賞を与え、それが間違っていることが証明されているにもかかわらず、彼らは賞を返したくないとしている。しかし、今日なら誰もがピューリッツァー賞を手にしていただろう。彼らはそれについて話したくないのです。それは恥ずべきことだ。史上最も腐敗した政権。彼は腐敗した大統領だ。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/06/most-corrupt-administration-history-president-trump-newsmax-calls/

6/27Just the News<With new evidence, Congress unmasks a multi-year government plot to protect Biden, sully Trump From search warrants to charges, federal agencies put thumb on scale of justice and elections, new evidence suggests=新たな証拠により、議会は、バイデンを守りトランプを愚弄する数年にわたる政府機関の陰謀を暴く 捜査令状から起訴まで、連邦政府機関が司法と選挙でごまかして利益を得ていることが新たな証拠で示唆されている>

次々とバイデンの悪が暴露されていく。民主党には自浄能力がないのか?クリントンもそうだし。

「これが必ずしも共和党対民主党の対立であるということに私は同意しません。FBI捜査官の多くは共和党員だ。これは、ドナルド・トランプと彼を擁護した人、あるいは彼に近い人たち、そして共和党も民主党も同様に他の全員にとっては別の司法制度だ」とバイデンに投票し、弾劾裁判でトランプの代理人でもあったハーバード大学法学の著名教授アラン・ダーショウィッツは述べた。

ダーショウィッツは、トランプ世界の異質なシステムについて『ゲット・トランプ』という本を書き上げた。しかし、それは次のことを示す爆弾的な証拠が出現し始める前に完了しました。

  • FBIは長年、ジョー・バイデンが贈収賄計画に関与していた可能性があるという機密情報源から得た証拠を保持しており、その証拠は17本の録音テープに記録されていたとされる。
  • バイデン氏の息子ハンター氏は220万ドルの脱税・回避計画に関与しており、国税局職員の全面的な調査は妨害されていた。
  • 悪名高いハンター・バイデンのラップトップは、2019年にFBIによって検証されており、それは2020年の選挙を前に有権者を誤解させる大作戦で、諜報専門家、ジョー・バイデン、報道機関によってロシアの偽情報であると誤って報道される1年前のことだった。

ダーショウィッツ氏は、ハンター・バイデン氏が脱税に関連した2件の軽犯罪に関して先週合意した司法取引は最大の懸念材料ではないと述べた。

「彼が恋人との取引を獲得しただけでなく、信じられないほど不当な取引を獲得した可能性があるのは、(政府が)ラップトップ、ブリスマ、これら17本のテープを調査し、おそらく起訴しなかったからだ」と同氏は述べた。

このリストの後半の2件は、ハンター・バイデン氏が疑わしい取引を行っていたウクライナのブリズマ・ホールディングス・リミテッドに言及しており、また、当時の副大統領ジョー・バイデン氏と息子のハンター氏に賄賂を贈ったとされる外国人が賄賂疑惑に関連して所持しているとされる音声テープに言及している。

https://justthenews.com/accountability/political-ethics/congress-has-begun-unmasking-whole-government-plot-protect-biden

RFJは民主党予備選で勝利すると、民主党支持者内の35%が思っている。

6/28阿波羅新聞網<普京依然离不开普里戈津?谁将会取代普京?—法广俄文组记者:不知为何普京依然离不开普里戈津=プーチン大統領は依然としてプリゴジンを切り離せない? プーチン大統領の後任は誰になるのか? —RFIのロシア語グループの記者:なぜプーチン大統領が未だにプリゴジンなしではやっていけないのか分からない>RFI:ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨夜テレビ演説を行ったが、クレムリンはプーチン大統領が重要な演説を行い、重要な声明を発表すると事前に公表していたが、実際にはプーチン大統領は重大な発言をしなかった。それでは、月曜日の夜に行われたプーチン大統領のテレビ演説の意味は何だったのか?

デニス・ストレルコフ:プーチン大統領のテレビ演説の目的は、プーチン大統領が依然として、情勢に対し、主導権を握っていることを外界に示すことだ。プーチン大統領がまだクレムリンにいるかどうかは分からないが、多くの専門家は、聴衆を説得するにはプーチン大統領が再びテレビに出演する必要があると考えている。これまでのところ、外界では、特に反乱が始まったばかりの頃、明らかに受動的に受け流すのが難しい男を見てきたためである。 したがって、彼は周囲の人々と世論をなだめるために、また自分が常にそこにいて状況をコントロールしており、長年彼を追ってきた人々がまだ彼の周りにいるということを皆に示すために、再び姿を現さなければならなかった。テレビでの演説を除いて、彼は親しい人々と会合を開き、ショイグ国防大臣などを含め、すべてが彼らの管理下にあったことを示したが、ここ数日間に起こったことにより、結局何が起こったのかを外界が推測することは不可能になった。ベラルーシ大統領は調停においてどのような役割を果たしたか? 実際、これらすべては今日でもまだ非常に曖昧である。 しかし、彼の主な役割はロシアのエリート層をなだめることだった。

RFI:なぜプリゴジンは反乱を起こしたのか? それは国防長官との意見の相違や対立のためか? それともお金のため、または他の理由か?

デニス・ストレルコフ: あなたは水晶玉を持っている? 私も持っていない、多くの疑問が残されたままであり、今日、専門家も情報機関の専門家も、何日も続いた出来事の原因を答えることはできないと指摘せざるを得ない。

米国情報機関はそのことを最初に知っていたと主張し、いくつかの対応策を準備していたが、現場にいた誰もが少し困惑していた。

もちろん、できるだけ質問に答えようとするなら、プリゴジンにはショイグ国防大臣や国防省との長年にわたる意見の相違、特にここ数週間での意見の相違があることは誰もが知っているため、プリゴジン自身の政治的将来が脅かされていたと言えるだろう。では、今日のプリゴジンは消極的で優勢を失ったのだろうか? 現時点ではまだ確信は持てないが、予想されることとして、同氏はベラルーシで再出発し、引き続きワグナー民兵組織の指揮を執る可能性が高い。

プーチン大統領が多くの演説でプリゴジンの名前を直接言及したことがないことは注目に値するが、これは何を意味するのか? したがって、プリゴジンに対するプーチンの扉はまだ開かれていると言える。

彼は近いうちに他の役割を担う可能性があるが、我々が分かることは、プリゴジンがプーチン大統領にとって依然として不可欠であるということであり、これは誰にとっても未解決の謎である。 プリゴジンは今日どこにいるのか? 我々が知っていることは、彼の飛行機が今日サンクトペテルブルクからベラルーシに飛んだということだが、彼自身がその飛行機に乗っていたかどうかはわからない。 プリゴジンがプーチンによって作られたキャラクターであることはわかっている。プーチンがクレムリンの扉を開いていなかったら、プリゴジンは存在しなかっただろう。

「プリゴジンはプーチン政権に完全に頼っている。プーチンがプリゴジンの反乱を容認できるかどうかについては、プーチン個人としては部下の反乱を容認できない。実際、今日の状況は本当に前例のないものであり、見たことがない。プーチン自身が100年前の「大革命の現場」について言及したが、今日起こっている出来事は100年前と同じではない。しかし、プーチン自身が自分を皇帝と比較しているのは非常に興味深い。

RFI:西側諸国と同様に、中共の当局者や民間も最近ロシア情勢に細心の注意を払っているが、プーチン政権が崩壊した場合、ロシアと中国の関係にどのような影響を与えるのか?

デニス・ストレルコフ:ロシアについて言及するとき、それが何を意味するのか理解する必要があるということを強調しなければならないと思う。ロシアはすべてが問題になるからである。ポスト・プーチン時代の鍵は、誰がプーチンに代わるかだ。何が起こったのかはまだ正確にはわからないが、プーチン政権が動揺したのを見たばかりだ。 プーチン大統領の体制は今のところまだ機能しているようである。 ロシアと中国の関係といえば、ロシアが2024年に大統領選挙を実施することが知られているが、過去にプーチン大統領が政権を握って以降、ロシアの選挙では度々大規模な不正があったが、選挙統計からは依然としていくつかの問題を説明できる可能性がある。支持率が低すぎると、中国を含む一部の国は、プーチン政権の衰退と解釈する可能性もある。次のステップは、プーチン大統領がいつ、どのように辞任するかに焦点を当てることである。いずれにせよ、生物学的理由により、プーチン大統領は最終的に辞任しなければならないだろうが、集権支配に挑戦するこの反乱がどのような結果をもたらすのかを知るのは難しい。総じて、何でもありである!

RFI:ロシア国民は今起きたことに対してどう反応したのか? ロシアには中国と同様、自由な世論がないことは承知しているが。

デニス・ストレルコフ:国民は自由に意見を表明できないため、ロシア世論の傾向を一般化することは難しいが、最近ロシア国民が驚くほど自由に意見を表明し、プーチン大統領の行動を批判することさえあることは指摘に値する。しかし、この言論の自由の窓が今後も開かれ続けるかどうかは、また未知数である。

中国語グループからのインタビューに応じてくれたRFIのロシア語グループの同僚、デニス・ストレルコフ氏に感謝するとともに、技術協力をしてくれたジュリーにも感謝したい。

https://www.aboluowang.com/2023/0628/1920068.html

6/28阿波羅新聞網<普里戈津已是半疯狂状态 …卢卡申科详述斡旋过程=プリゴジンはすでに半狂乱の状態にある・・・ルカシェンコが調停プロセスを詳述>ロイター通信によると、ルカシェンコは24日、プリゴジンと電話で会談し、両者の罵りの言葉は通常の「10倍」だったと述べた。 彼はプリゴジンを英雄として称賛したが、戦場で部下が死ぬのを目の当たりにして、ストレスを感じた。 彼がウクライナからロシア南部の都市ロストフに到着したとき、彼はすでに「半狂乱の状態」にあった。

プリゴジンは電話で、ロシア軍指導部の汚職と無能に怒っており、相手側から攻撃を受けたので復讐したいと述べた。 彼は当時、「我々は正義を望んでいる!彼らは我々を殺そうとしている!我々はモスクワに行かねばならない!」と語った。

ルカシェンコは、プリゴジンがモスクワに向かう途中であることを指摘し、「あなた方は虫けらのように押しつぶされるだろう」、「ロシアのセルゲイ・ショイグ国防大臣やゲラシモフ参謀長を誰もあなたに引き渡さないだろう」と述べた。

24日の早い時間に、プーチンはルカシェンコに電話し、プリゴジンが電話に出なかったと苦情を述べた。 ルカシェンコは、プーチン大統領に対し、反政府勢力の鎮圧を「急ぐ」のではなく、まずプリゴジンとその司令官と話し合うべきだと提案したと述べた。

ルカシェンコは、自分はこの事件の英雄ではないと述べたが、自身の個人的な運命はプーチンの運命と密接に結びついていることを認めた。 「神が望んで、この反乱がロシア全土に広がれば、次は我々になるだろう。」

https://www.aboluowang.com/2023/0628/1920063.html

6/28阿波羅新聞網<网海拾贝:俄罗斯的今天,就是中共的明天=ネットの海で貝を拾う:ロシアの今日は中共の明日>ロシアと中共の運命が密接に関係していること、プーチンの生死が習主席の将来と密接に関係していること、ロシア崩壊後は中共が次の番となることは誰もが知っている…この恐ろしい暗黙の了解には以下のような大きな期待が含まれている。この期待はいつでも形を変えることができ、それは機会を待って動くようになる。 ロシアの今日は中共の明日である。この種のドミノ効果により、ギャングの指導者と中共全体が絶えずパニックに陥っている。

https://www.aboluowang.com/2023/0628/1920094.html

6/28阿波羅新聞網<北京不安 李尚福突向他示好—美越靠拢北京不安,李尚福向越南防长示好愿加强军事合作=北京は不安、李尚福は突然好意を示す-米国とベトナムが接近 北京は不安、李尚福は突然好意を示す>中国の李尚福国防相は6/27(火)、北京でベトナムの潘文江国防相と会談し、中国はベトナムとのハイレベルの交流と協力を強化する用意があると述べた。

潘文江は、中国を訪問中のベトナムの范明正首相の代表団の重要メンバーであり、この代表団にはベトナムのブ裴青山外相や他省庁の高官も含まれている。 中国の李強首相は月曜日に范明正と会談し、中国の秦剛外相も裴青山と会談した。

李尚福は潘文江との会談で、国際情勢は混沌とし複雑であり、アジア太平洋の安全保障も課題に直面していると述べた。

ロイター通信は李尚福の発言として、「中国とベトナムは社会主義の新たな歩みで手を携えて緊密に団結し、両国の共通の戦略的利益を守り、地域の平和と安定に積極的に貢献すべきだ」と伝えた。

李尚福はまた、潘文江に対し、中国とベトナムの両軍の関係は順調に発展しており、中国は両軍の関係をより高いレベルに引き上げる意向があると語った。

中共は南シナ海の人工島占拠を止め、ベトナム漁師虐めを止めてから言え!!

https://www.aboluowang.com/2023/0628/1920058.html

何清漣 @HeQinglian 1h

姜尚栄のチャンネルは本日、ベラルーシのルカシェンコ大統領とワグナーの指導者プリゴジンとの間の交渉の内容を公開した。長いが、興味のある方はどうぞ。

t.me

ロシア情報参考チャンネル

料理が苦手な歌手は、良い特派員ではないはずである! – 我々はロシアのクラシック音楽家のグループで、ロシアの特別軍事作戦中、ロシア語情報が遮断されていたため、我々は率先してロシア・ウクライナ戦争に関するロシアの公式情報を、客観的、冷静、独立して考えようとする中国語圏のグループに提供した。独立した思考の基礎を提供するために、できるだけ多くの事実と客観的な情報を提供する。 プロモーション情報はない。

何清漣 @HeQinglian 10h

ワグナーの反乱に関する残りの議論(梁恵王の雲の夢より) https://mp.weixin.qq.com/s/rjtduhX1-zxI-EZFhbu6Rw

記事中のロシア内部の描写は真実に近い。

著者自身も2020年以前は筋金入りの左翼であり、現状を理解していなかったがために、左翼の正義感を深く理解していた。 「私にとって、これらの人は何も感じない。彼らの「正義」は私にとって何の価値もない。なぜなら、私は『正義』、つまり真実をより強く信じているからである」

何清漣 @HeQinglian  8h

返信先:@HeQinglian

「真実」を嘲笑うツイ主たちへ:

人々は真実を追い求めると言っているが、あなた達は真実をすぐに出せと要求する。

あなた達は今も「クーデターは成功した」-「計画は頓挫したが、ロシアを弱体化させ、プーチンの弱い本性を暴露した」という路線に沿って前進を続けている。

残りは言いたくない。 しかし、あなた達は私のところに来て、ツイートを見るのは実際多い。

しばらくファンが増えてないけど、気にしない。

何清漣 @HeQinglian 3h

気候変動はプーチン大統領の気分を含むあらゆるものに影響を及ぼし、そうでなければロシア・ウクライナ戦争は起こらなかっただろう。

米国におけるLGBTQIの人々の数はますます増えており、プライド月間は軍のトランスジェンダー中将にとってプライドの夏に変わる予定である。これはすべて気候変動の影響によるもので、人体内のホルモンの分泌に影響を与える。

気候変動に対する税金を課税し、収入の 1% から始まり、年々増加させる。

引用ツイート

Ezio Mao ☢ @KELMAND1 3h

ECB総裁、「気候変動はインフレに影響を与える」と発言。

廣瀬氏の記事で、今後のロシアを正確に予測するのは、確かに難しい。

ウクライナ戦争と併せて注視する必要あり。プーチンが下りて、習の思惑とはずれることが、台湾侵攻抑止となるので、そうなることを願う。

記事

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」創始者のプリゴジン氏とプーチン大統領は蜜月の関係にあったが…(写真:AP/アフロ)

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創始者であるエフゲニー・プリゴジン氏の武装蜂起は、同氏の撤退により未遂に終わった。だが、先行きは予断を許さない。『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』 (講談社現代新書)でワグネルやプリゴジン氏の実態を詳報した慶應義塾大学総合政策学部教授の廣瀬陽子氏に話を聞いた。廣瀬氏は断定的なことは言えないとしつつ、プリゴジン氏の暗殺やワグネルの解体は起きないのではないかと分析する。その理由は?(JBpress)

「プーチンの料理人」がなぜ軍事会社を創設?

──プリゴジン氏が武装蜂起してから3日が過ぎました。26日(日本時間)、同氏はSNSで「政権転覆の意図はなかった」と発信し、プーチン大統領も同日「(ワグネルの)戦闘員は国防省などと契約し、ロシアの兵役を続ける機会がある」と述べています。27日夜にはベラルーシのルカシェンコ大統領が、プリゴジン氏が同国に到着したと声明を出しました。一見すると事態は収束しつつあるようにも見えますが、廣瀬先生はどのように分析していますか。

廣瀬陽子・慶應義塾大学総合政策学部教授(以下、敬称略):情報が錯綜していて、はっきりと事態をつかめていないというのが正直なところです。事態は刻一刻と変化しています。状況を注視したいと考えています。

廣瀬陽子(ひろせ・ようこ)氏 慶應義塾大学総合政策学部教授 慶應義塾大学総合政策学部卒、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了、同博士課程単位取得退学。学位は博士(政策・メディア)(慶應義塾大学)。2016年より現職。専門は国際政治、旧ソ連地域研究。国家安全保障局顧問など政府の役職も多数。主な著書に、『コーカサス 国際関係の十字路』集英社新書【第 21 回「アジア・太平洋賞」特別賞受賞】、『ハイブリッド戦争 ロシアの新しい国家戦略』講談社現代新書など多数。

──そもそも、プリゴジン氏とは何者なのでしょうか?

廣瀬:1961年生まれのプリゴジンは、ソ連時代には強盗や詐欺、売春の罪で9年間収監されていました。釈放後、ホットドッグの屋台業で成功し、レストラン業に進出します。運営していたレストランが大統領就任前のプーチン氏に気に入られ、それ以来、密接な関係を築いていきます。「プーチンの料理人」とも呼ばれる背景には、こうした2人の関係があります。

2012年、プリゴジン氏はビジネスを広げ、軍のフードコート運営という業務を受注していました。そして2014年のクリミア併合の際に、プーチン氏は「民間の軍事会社をつくってほしい」と依頼します。

ワグネルが担うグローバルサウス戦略

──なぜ、プーチン氏は民間の軍事会社の創設をプリゴジン氏に依頼したのでしょうか。

廣瀬:プーチン氏は、旧ソ連圏や中東、アフリカなどで公的機関にはできない「汚れ仕事」を誰かにやってもらう必要があると考えていました。それは、正規戦だけではなく、サイバー攻撃や情報戦、非民主政権のサポートなど非正規戦を含んだ「ハイブリッド戦争」を仕掛け、ロシアの権益を拡大することです。

(関連記事:ワグネルが暗躍するハイブリッド戦、ウクライナだけではなく日本も「戦時中」

国防省やロシア連邦保安局(FSB、旧ソ連のKGBの流れをくむ諜報機関)は官僚的で、必ずしもプーチン氏の思い通りには動かせません。プーチン氏は、自分の思い通りに汚れ仕事をしてくれる組織を欲していたのです。

ワグネルのトップ、プリゴジン氏は「プーチンの料理人」と言われる。写真は2011年にモスクワ郊外のレストランでプーチン氏に料理を振る舞うプリゴジン氏(写真:AP/アフロ)

──ワグネルは非合法の組織です。だからこそ他国の政府から批判されてもプーチン氏は「我関せず」を貫けるというわけですか。

廣瀬:そうです。知らない民間軍事会社がやったことだと言えるので便利な存在です。実際、ワグネルはロシアの東部戦線やシリア、アフリカなどで暗躍してきました。特に、今では「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国に対する戦略において、ワグネルは欠かせない存在となっています。

アフリカでは非民主的な政府をサポートしたり、金・ダイヤモンドなど資源採掘に関与して多大な利益を得たりしています。プリゴジン氏がワグネルで得た資金はプーチン氏やその親族にも渡っているとも言われています。

軍とFSBに嫌われたワグネル

──ロシア国内では、ワグネルはどのような受け入れられ方をしているのでしょうか。

廣瀬:ワグネルは本来、表に出てきてはいけない組織ですが、今回の戦争で脚光を浴びるようになりました。例えば、東部バフムートの戦いで成果を上げ、プーチン大統領は称賛していました。

ワグネルがいなければロシアは「すでに負けていた」という専門家も多数います。ロシア人でワグネルの存在を認識していない人はほとんどいません。

ただ、報道ではワグネルの進軍を歓迎しているような市民の映像もありましたが、全員ではないと思います。政府に対して閉塞感を抱いていた一部の層はワグネルを支持しているかもしれませんが、「しょせん非合法な組織で信じられない」と言っている人たちも少なくありません。

──非合法ながら存在感を増した民間軍事会社に対して、ロシアの軍や諜報機関はどのような立場をとっていたのでしょうか。

廣瀬:国防省をはじめとした軍部との関係はものすごく悪い。実際に、今回起きたワグネルの反乱は、プリゴジン氏とショイグ国防相の確執も大きな要因であると言われています。

FSBも、ワグネルとは距離を置いています。今回、プーチン政権からワグネルの進軍を止めるようにと指示され、さまざまな場所に配置されたようです。しかし、戦闘は起きなかったようです。本音では、FSBもワグネルには関わりたくないのでしょう。

──ワグネルとそのトップのプリゴジン氏は、プーチン氏の私的部隊、といったイメージですね。言い換えれば、プーチン氏の独裁的な権力を支える一翼を担っているということでしょうか。

廣瀬:だからこそ、この先プーチン氏がプリゴジン氏やワグネルをどう扱うのか、現状ではあまり断定的なことは言えません。

プリゴジン氏「暗殺」の可能性は?

──プリゴジン氏は暗殺されるのか。ワグネルは解体されるのか、それとも温存されるのか。さまざまな憶測が飛び交っています。

廣瀬:プーチン氏がプリゴジン氏の反乱を許さず、仮に暗殺するようなことがあれば、ワグネルは瓦解するでしょう。それほど、創始者であるプリゴジン氏のワグネルへの影響力は強く、プリゴジン氏抜きのワグネルは機能しないと考えています。

しかし、プーチン氏にとっても、ワグネルは今後の軍事・外交政策を考える上で不可欠な存在です。特にグローバルサウスの中でもアフリカ諸国に対して、ワグネルなしでは影響力を維持できないでしょう。そのため、安易にワグネルを解体するようなことはしないと思います。

一方で、プーチン氏は政敵に対して容赦せず、粘着質なところもありますので、プリゴジン氏に対する恨みを持ち続けている可能性も否定できません。今のところは、それ以上のことは言えないのが現実です。

プリゴジン氏の処遇次第で未来が変わる

──今回の反乱に対してプーチン氏が甘い対応を取れば、軍やFSBなどからの信頼を失い権力の弱体化を招きかねません。まさに、プーチン政権は重大な局面に立たされているわけですね。

廣瀬:ウクライナも北大西洋条約機構(NATO)諸国も、いろいろと画策しているのだと思いますが、ロシアがどう動くのか見えないので慎重になっていますよね。

ウクライナにとっては、ロシアの脆弱さが明らかになったのはプラスでしょう。ロシアの政治体制が一枚岩ではなく、統制もできていないことがはっきりしました。義勇兵などを使ってロシア内部にもっと入り込んでもいいのでは、といったことを考えている可能性はあると思います。

いずれにせよ、今回の反乱は「プーチン政権下におけるワグネルの影響力の大きさ」を知らしめる事件になりました。プリゴジン氏がどうなるかによって、今後の流れが大きく変わってくることだけは確かです。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。