『新疆ウイグル「絶望旅行」を終えて帰国した大学生の本音 ノービザ&6万円で行けるが…』(1/12現代ビジネス 安田峰敏)について

1/13阿波羅新聞網<涉及28万人!澳移民局严查两类签证!或被取消身份!=28万人にも及ぶ! オーストラリア移民局は2種類のビザを厳格にチエック! その身分を取消す!>オーストラリア市民の身分を持っていても、枕を高くして眠れるか?事実が教えるのは、状況は全くそうではない。オーストラリアでは市民の身分を失う事例がある。しかもずっと数は上昇している。去年1年間でビザ取消は800人以上いた。その中にはオーストラリア市民の身分を失ったのがかなりある。最近は移民の審査が厳しくなり、政府は税務局とも協力することを宣言、偽造を厳しく取り締まることにした。詐欺が疑われる移民は見つけたら即強制送還にする。

犯罪を為した場合、ビザ取消後強制送還されるニュース。良く聞く話。

詐欺、家庭内暴力、偽婚姻、偽担保も。457類臨時技術ビザ、482類臨時技術短期ビザ(TSS)の2種類のビザは雇用主に保証させていて重点検査対象である。移民で14年オーストラリアに住んでいても、その身分は取り消され得る。政府は先月移民の新しい法案を出し、「移民官は市民のオーストラリア国籍を取消す決定権を持ち、相手が無国籍になるのは考慮する必要はない」というもの。

安倍首相、並びに官邸、法務省はこの記事を良く見ておいた方が良いでしょう。民主主義国家でもここまでできます。在日3世の帰還問題や、税務署と連携して違法雇用している企業の税務調査や法令違反を取り調べ、外国人の強制送還をすべきです。違法雇用は無くすべき。経営者は日本人を雇うべきです。また偽造で帰化した移民は国籍剥奪すべきです。

https://www.aboluowang.com/2019/0113/1231640.html

1/14阿波羅新聞網<中美贸易战结束之日无法预测 日商纷纷考虑从中国迁厂=米中貿易戦はいつ終わるか見通せず 日本企業は続々と中国から工場移転を検討>米中貿易戦が休戦に入って、両国の交渉団は1/6から北京で3日間に亘り副代表級の交渉をした。但し、3/1の交渉期限までに合意できるかどうか依然として未知数である。両国の対立は貿易面だけに止まらず、外交・軍事までに及ぶ。多くの日本企業は損失を避けるために、既に中国からよそへ生産基地を移す検討を始めた。

日本の共同通信は「副代表級の交渉開始前にライトハイザーがトランプに、中国の米国産大豆や牛肉輸入の口頭約束は受け入れず、圧力を強めるべきだと提案した」と報道。

日本のシンクタンクの農林中金総合研究所は、「トランプの行動は予測しがたい。中国に工場がある日本企業は最悪となる停止に備えて措置すべきである。コマツの大橋徹二社長は“もし、米国が長期に貿易戦を展開するつもりなら、生産基地を中国から移すのを排除しない”と述べた。リコーはコピー機の生産を中国からタイへ移そうとしている。

遅きに失した感はありますが、これらの日本企業に他の会社も続いてほしい。自由社会を守るためにも必要です。”better late than never”.但し、中国からの撤退は各役所の認可が必要で、同時に申請できず、順番どおりにやる必要があり、時間はかかります。早くて1年くらいか。中共が撤退させないような仕組みを作っていますので。最悪は放棄して置いてくるしかないでしょう。自業自得と言えばそれまでですが。

https://www.aboluowang.com/2019/0114/1231709.html

安田氏の記事を読んで、「本当の恐怖政治が敷かれた社会では、権力の暴力装置が道端で無差別に庶民を痛めつけたりはしていない」とありましたが、facebookの中国観察の記事を読んでいますと、日常的に“中国人は中国人を殴らない”のではなくて、官憲が庶民を殴る、蹴る、建物や設備を壊す場面を多く見ます。勿論、ウイグルの再教育改造キャンプは隠れてやっているのでしょうけど、衛星ではハッキリ捉えられています。如何に共産党が残虐非道か?左翼・リベラルだけでなく、ノンポリも少しは自分のこととして考えて見たらと言いたい。

この記事にありますように、中国の風景は美しく、料理もおいしいですが、余りに人が悪すぎます。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族ですから。米中貿易戦争が激しくなれば、米国は日本にも共同歩調を取るよう要請するでしょうから、中国に下手に旅行に行くと人質にされる可能性があります。何でもでっち上げるのが得意な国です。フジタの社員がスパイ容疑で逮捕されたことがあったでしょう。今はカナダ人が孟晩舟との交換を狙われて人質になっています。法治国家でないので何でもやります。人質になる危険性を冒してまで行く価値のある国ではありません。旅行は避けた方が賢明でしょう。中国語圏に行くなら台湾がお勧めです。台北の新北投や今度小生が行きます行義路温泉は日本と同じで水着着用なしで入れます。

エイテイガールは小生も駐在時代、行きました。敦煌からトルファン、ウルムチ、カシュガルと回りました。カシュガルの土産ではナイフとヤカンが多かった記憶があります。2004年か05年くらいですから、今とは大分変わったでしょう。しかし、宗教弾圧、民族弾圧する共産主義者と言うのは許されない。国連は現代のナチスとも言うべき中共を何故放置しておくのか?役に立たない組織、どうせ中共の賄賂漬けになっているのでしょう。やはり、新しい国際組織を作った方が良いのでは。

記事

現地の事情を知ること自体難しい

中国の西北部に位置する新疆ウイグル自治区において、現地のウイグル族(ほか、主にテュルク系の少数民族)に対する深刻な人権弾圧が起きていることはさまざまなメディアで報じられている通りだ。

現地では漢民族の移住が進み、都市部のインフラが目覚ましく整備されるいっぽう、少数民族の伝統的な生活習慣や宗教信仰への抑圧が進む。2014年ごろまでは月1回程度のペースで数十人以上の犠牲者を出す騒乱が発生していた。現在、新疆の少数民族は海外との通信が厳しく制限され、「再教育」を名目に収容施設に入れられている人々も100万人以上にのぼると伝わる。

※2014年春に筆者(安田)が訪れたときのカシュガル市の旧市街。現在は建物の多くが取り壊されて住民も移住させられ、観光用に整備された建物だけが建っているという。

2014年ごろまでは日本の新聞の現地取材もある程度まで可能だったが、取材のハードルはどんどん上がっている(ちなみに私も同年春ごろに新疆を訪れたが、結果はこの通りだった)。

現在は中国社会のサイバー化によって、メディア関係者の動向はほぼ完全に把握されるようになった。取材者が接触した現地の人(少数民族)が片っ端から拘束される可能性も高く、現地の事情を報じることそれ自体が非常に難しくなっている。

ジャーナリストは行けないが…?

だが、新疆にはもうひとつの顔がある。この地域は中国政府の見解では、諸民族が調和して暮らす中央アジア貿易の窓口で、重要な経済拠点。中国内地と同じく「安全」な場所とされているのだ。事実、日本の外務省の海外安全情報でも、新疆は最低限の注意喚起である「レベル1」の指定にとどまっている。

ちなみに、シリアやアフガニスタンの危険情報は全土が緊急退避レベルの「レベル4」だ(19年1月時点)。対して新疆と同じ「レベル1」は、インドやロシアの大部分も該当し、通常の海外旅行が十分に可能な地域とされている。航空券予約サイトで検索すれば、東京からウルムチまでは往復6万円くらいで行けてしまう(LCCならもっと安い。なお、日本人の中国渡航は2週間以内ならビザ取得が免除されている)。

ジャーナリストはなかなか立ち入れないが、一般人ならノービザかつチケット代金6万円で行くことが可能な、「世界最悪レベルの人権状況にあえぐディストピア」。それが新疆なのだ。

昨年秋、「Enamin」(@kaisokuena)さんと「ちゅうさま」(@chusama1212)さんという日本のバックパッカーが、旅行先の新疆から大量の情報をツイート。ネット上で大きな話題になった(参考:現地旅行者が伝える『ウイグル自治区における弾圧の実態』レポートに「今はここまで酷いのか」と過去に旅行した人々も驚愕)。

11月20日、筆者は帰国した2人に都内で取材し、より詳しい状況を尋ねてみた。今回の記事では、Enamin氏が語る新疆の最新事情をご紹介していきたい。

異常な警備体制が敷かれるウルムチ

――旅行お疲れ様でした。まずはあなたの自己紹介と、今回の旅の日程と目的を教えてください。

都内の私大4年生の「Enamin」と申します。もう大学の単位を取り切ってしまったので、昨年秋に友達と一緒に中央アジア旅行に行くことにしたんです。中国語は片言しかできませんが、過去に中国やロシアを何度も旅行したことがあります。

今回の日程は、中国の重慶市を起点に、新疆からキルギス・タジキスタン・ウズベキスタンまで陸路でシルクロードをたどるものでした。寝台列車で新疆の区都・ウルムチに入ったのは10月29日です。市内で1泊後、再び寝台列車でカシュガルに行き2泊。その後、ウルグチャット(ウチャ)という街からキルギスへ乗合自動車で国境越えをしました。

※ウイグル料理はめちゃくちゃ美味しい。最近は日本でも食べられる店が増えつつあるが、現地の味は格別だ。(Enaminさん撮影)

旅の目的は、中国から中央アジアへと風景や文化が変わってゆくシルクロードの様子を見てみたいなと。あと、僕は政治的な関心は強くないのですが、ネットで「ウイグル」を検索するとギラギラしたセンセーショナルな情報がたくさん出てくるので、実際はどうなのか気になったんです。現地では本当に少数民族が弾圧されているのか、一体どんな社会になっているのか、自分の目で見てみたいなと思いました。

――正しくバックパッカー的な動機ですね(笑)。私も2014年春にウルムチに行ったことがあります。当時も警備体制は厳重でした。特に地方都市は、城管・公安・武装警察・特殊警察……と、中国の治安維持機関の見本市みたいな状態でしたが、現在はもっと深刻でしょう。

はい。商業地域と居住地域とを問わず、ウルムチやカシュガルの街のいたるところに監視カメラがありました。見た目や配線も新しく、最近設置された最新型の機器のようです1ヶ所に2〜3個設置されていることが多く、死角が無いように作られていました。自動車道路にも3車線の道幅いっぱいに10個ぐらいカメラがあって、すべてのナンバーを記録しているようでした。

※ウルムチ市内の各店舗に掲げられた中国国旗。街は「開発」されている。(Enaminさん撮影)

街は異常なほどの数の中国国旗と習近平政権のスローガンだらけで、正直に言って不気味です。バスの中まで中国国旗だらけですから。あと、駅やバスターミナルはもちろん、バザールや商業ビルなど人の集まる場所に入るときは必ず身分証を確認され、金属検査を受けます。バザールや一部の施設では顔認証機械の通過も必要でした。ただ、これを課されているのはウイグル族っぽい顔立ちの人だけのケースが多かったです。

顔認証システムで行動を監視

――顔認証は、以前は存在しなかった監視システムですね。しかもウイグル族(らしき顔の人)だけが対象か……。通過する様子を見ましたか?

はい。まず、身分証確認機械に身分証をかざして、顔認証の画面になったら自分の顔を撮影して、それが適合しているかどうか機械が確認する仕組みです。ただ、精度が悪くて列ができている場合が多かったですね。

防犯カメラだけじゃなく、生身の「人間」も総動員されています。街の大通りには「便民警務站」という交番が数百メートルおきにありました。交差点や歩道にも数百メートルおきに警官が2人ずつ監視に立っていて、電動バイクや歩行者を無作為に呼び止めて身分証確認をしていました。

※街のあらゆる場所にこうした検問がある。カシュガル市内。(Enaminさん撮影)

警官はウイグル族らしき外見の人を重点的に呼び止めているみたいです。私たちは何度か呼び止められそうになりましたが、警官がこちらの顔を見てから声掛けをやめました。漢民族と間違えられたのかもしれません。

――新疆で特徴的なのは、相当大勢のウイグル族が治安要員として雇用されていることです。ウイグル族は差別を受けているので、漢民族の商店やホテルでは雇ってもらえないことも多い。彼らに残された最も安定した職業は、当局に雇われて同胞を監視する仕事なんです。

そうでしょうね。僕が新疆で見た警官たちも、ほとんどがウイグル人でした。必ず2人組で監視をおこなっているんです。スマホをいじっていたり仲間同士でダベっていたり、仕方なく今の仕事をやっているように見える人も多かったですね。

カシュガル駅の検問では、警官が私たちの顔や個人情報(氏名、国籍、誕生日、身分証番号、目的、入国日など)を専用のアプリに入力していたんですが、その際にウイグル族の警官が「旅游(Lǚyóu)」という単語のピンイン(中国語のローマ字表記)入力ができず、上司にからかわれていたのが印象的でした。

信仰施設であることをやめてしまったモスク

――カシュガルには中国で最大のモスク(イスラム教の礼拝施設)、エイティガール寺院があります。80年代の記録映像を見ると、往年は大勢の信者で賑わっていたようですが、私が2014年に行ったときは閑散としていました。現在はどうなっていましたか?

人の営みが全然感じられない場所でした。全体的に建物の劣化が進んでいて、修復もされず荒れるに任されていた感じです。正面右側のミナレット(尖塔)の塗装は剥げていて、屋根の頂点に据えられているはずの三日月(イスラム教の象徴)も撤去されていて、代わりに中国国旗がひるがえっていました。内部を見ても、モスクに必ず掲げられているはずの「アッラーフアクバル(アッラーは偉大なり)」の額縁が剥がされていました。

――無理に日本で例えれば、東大寺で卍(まんじ)マークが全部撤去されていたり、明治神宮の鳥居が取り払われたりしているようなものですね。エイティガール寺院にイスラム教の信仰施設としての役割はまだ残っていましたか?

実質的には失われていると感じました。玄関口から中に入ると、まずは「愛党愛国」とウイグル語と漢字で書かれたスローガンの看板です。その下の切符売り場で22.5元(約350円)の入場料を払うと、パスポート番号を控えられて「写真撮影禁止、荷物はすべて預けるように」と英語で指示されました。

それから、サスマタが脇に置かれている検査場があって、盾を装備した警官を前に金属探知ゲートをくぐらされます。敷地内には大小合わせて10個ぐらい防犯カメラがあって、礼拝堂の正面には習近平国家主席とイスラム教指導者の写真や国家スローガンが掲げられていました。

※エイティガール寺院の内部。「中華民族はひとつの家族だ、心を同じくして中国の夢を築こう」と政権のスローガンが貼られているが、「家族」の間でも虐待はあるわけで……。(Enaminさん撮影)

――中国の宗教団体は、公式にはすべて党の指導下に置かれることになっています。イスラム教も「中国イスラム協会」という統括組織があり、親政府的な指導者が幹部層を占めている。そういう人たちの写真が掲げられていたわけですね。続けてください。

ええ。正確な宗教用語がわからないので恐縮ですが、礼拝堂や講堂らしき施設は白いビニールテープで封鎖されて入れません。絨毯は色あせていて、ホコリをかぶっていました。そこで、まだこの建物にモスクとしての機能は残っているんだろうかと気になって、受付の男性に英語で「この寺院では、毎日何時から礼拝が行われているんですか?」と尋ねてみることにしたんです。すると、「1時間後」と言うので「見学できますか?」と聞くと、駄目だと。

公安の見張りと宗教弾圧

――絨毯がホコリだらけになっている時点で、地元の人が気軽に礼拝できる施設ではなさそうですね。

ええ。気になったので寺院の前で1時間待ってみたんですよ。でも、職員以外は誰も出入りをしていないし、アザーン(礼拝時間にモスクに集まるように呼びかける音声。イスラム圏では拡声器などを使い大音量でおこなわれることが多い)も流れない。寺院の周囲の広場に、帽子を被ったイスラム教徒の老人が何人かいて、モスクの方角を向いてボーッとしているだけでした。モスク内で礼拝はおこなわれていないように見えました。

※エイティガール寺院付近の広場にいた老人。現在はこうした民族帽をかぶるウイグル人も、老人のみに限られているようだったという。(ちゅうさまさん撮影)

ウォッチングの際には、男女2人組と男3人組のカメラを持った漢民族のグループがずっとこちらの様子をうかがっていました。彼らはカメラを持っているのに周囲の写真を撮らない、ずっと同じ場所から動かない、別グループのはずの男女2人組の女性と男3人組の男性の1人が短く言葉を交わしているなど不自然な行動が多く、公安の監視だろうと思いました。広場を出るまでは視線を感じましたが、離れると尾行されている気配はなかったです。

――他のモスクはどうでしたか? 2014年時点では、ヤルカンドの街の大きなモスクに、数十〜100人くらいまで成人男性の信者が集まって礼拝をしているのを見たことがあります。当時はまだ、モスクへの立ち入り制限を受ける人は未成年や大学生、公務員らに限られていたはずです。

ウルムチやカシュガルのモスクは、ほとんどが封鎖されていて礼拝者の姿も見ませんでした。これらでもアラビア文字の額が塗りつぶされたり、三日月が撤去されたりしていて、立ち入れないように鍵が掛かっているモスクも多かったです。

イスラム教徒は礼拝のために手足を洗って身を清めるのですが、ある洗い場は物置として使われていて、本来の用途で使われている形跡がありませんでした。国境の街にあったモスクは軍人らしき人たちが厳重に管理していましたね。

「安全」なダークツーリズムの地・新疆

――現在進行系の悲劇が存在している場所という点で、新疆へのダークツーリズムは興味深いものがあります。

もともと中国に悪感情を持っていなくても、新疆にいると「中国共産党の政策は許せない」という義憤を感じてしまったのは確かですね。ウイグル族は宗教信仰を制限されて、伝統的な建物も壊されている。日本で僕らが当たり前のように享受している「人権」というか、人間の尊厳みたいなものが、新疆では少なくともウイグル族に対しては存在していなかった。肌感覚として「民族弾圧は確かに存在する」と考えざるを得なかったです。

※カシュガル三運総合市場。ここに限らず市内の商店は柵で囲まれている。(Enaminさん撮影)

新疆の特殊性をあらためて認識したのは、国境を超えてからでした。中国を出てキルギスに入ると、モスクはどれも「生きて」いましたし、人々の表情も明るい気がしました。ただ、キルギスで夜間にちょっと治安の悪い場所を歩いたときには、新疆では味わったことがない「治安への不安」も感じました。新疆だと大量の監視カメラがあるので、スリや強盗みたいな単純犯罪に遭うことはまずないように思えたんです。

――新疆は極端すぎるとはいえ、中国はどこでも監視カメラだらけです。ただ、中国人にはそれに一種の安心感を覚える人も多いんですよね。個人の行動が国家に監視されることへの懸念より、従来は多かった泥棒や誘拐が起きなくなることの安心感を重視する人が多い。

かもしれないですね。日本人は中国人(漢民族)と外見的に似ているためか、漢民族住民と同じく手荷物検査や顔認証検査もほとんど免除されます。つまり、新疆では「守られる」側の方にいるので、ある意味での安心感もあるわけです。旅行のしやすさで言えば、上海や北京を旅したことがある日本人なら、何の問題もなく旅ができてしまう。料理はおいしいですし、自然の風景も美しい。

カシュガル市内の「旧市街」。建物はすべてリノベーションされてしまったが、伝統的なウイグル人の居住地域だ。(Enaminさん撮影)

人権弾圧問題や民族問題といった中国の負の面を、完全に「安全」な状態で観察してさまざまなことを考えさせられるという点では、新疆はダークツーリズムの行き先としてはおすすめなのかもしれません。ただ、重ねて言いますが、たとえ好奇心だけを理由に現地に行っても「中国共産党の政策は許せない」という思いを抱いてしまう場所ではありました。

――ありがとうございました。

本物の恐怖政治とは何か?

一般的な日本人は、「人権が蹂躙されている社会」について、なかなか想像が働かない。なんとなく、『北斗の拳』や『マッドマックス』に出てくる近未来世界のような、傍若無人な悪党が公然と庶民を虐待している感じの社会をイメージする人も多いのではないだろうか。

だが、本当の恐怖政治が敷かれた社会では、権力の暴力装置が道端で無差別に庶民を痛めつけたりはしていない(むしろ権力の管理統制が行き届かず安定性に欠けた社会のほうが、末端の警官や兵士が暴走する)。

新疆におけるウイグル族の強制収容や拷問は、陰で人知れずおこなわれている。そして、その恐ろしい噂と徹底した人民監視のもとで人々の活力が奪われた結果、むしろ「安全」で「平和」な社会が実現してしまっているのである。

※カシュガルの旧市街。人通りはまばらで、左手のモスクは「アッラーフアクバル」のアラビア語の額が取りさらわれて「愛党・愛国」のスローガンが取り付けられていた。(Enaminさん撮影)

また、広義の支配階級を形成している多数派の人たち(漢民族)にとっての新疆は、そこそこ暮らしやすい社会であり、物質的な面での豊かさも十分に存在している。少数民族への抑圧と恐怖支配のシステムはすでに一定の安定性を持って定着しているとも言えるのだ。

決して渡航を積極的にオススメはできないが、一般的な日本人旅行者であれば非常に安全な旅ができる「持続可能性のある地獄」、それが新疆だ。ご興味のある方は、次の休暇の旅行先として検討してみるのもいいかもしれない。

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