『香港返還20年、民主化要求デモはなぜ衰退したか デモ隊と一緒に歩きながら、日本にできることを考えた』(7/5日経ビジネスオンライン 福島香織)について

本記事を読んでジャーキーチエン(成龍)の90年代の映画“ポリスストーリー”を思い出しました。麻薬取引のボスと戦い、“ポリスストーリー3”では人民武装警察(解放軍の一部)の女性と協力してボスを追い詰める勧善懲悪・コメデイです。中国は阿片戦争に負けた怨念があり、今でも麻薬は厳罰で、禁毒教育基地が各地にあり、撲滅運動の最前線として学生への啓蒙をし、また戒毒所では麻薬犯を収容、矯正訓練を施し、3~6ケ月で出所させるとのこと。

http://weeklychinalife.blog103.fc2.com/blog-entry-181.html

ジャーキーチエンも中共べったりとの評判で、映画で演じるような正義の見方ではありません。況してや20年も前に解放軍と共に悪漢を懲らしめる映画を作ったというのですから、今から見ればブラックジョークにしかなりません。香港警察も解放軍の天安門事件に取った行動宜しく発砲を恐れないとのこと。普通の感覚で言えば、国民に向かっては、せいぜい放水車で逮捕という所でしょう。ただ、治安を揺るがす行動・テロは鎮圧されるでしょう。一番怖いのは天安門のように平和的な座り込みであっても発砲されることです。

真面な香港人は台湾へ移住を考えるでしょう。両方とも繁体字ですし。台湾人もまだ香港人であれば歓迎するのでは。中国人の発想は土地と財産さえ奪えば、人は要らない=虐殺される可能性が高いという事です。

北朝鮮も米国独立記念日にICBMをブっ放しました。中国にも事前通知はしなかったと、7/5日経朝刊にはありましたが、正確な軌道で飛ぶには人工衛星の誘導が必要なはずです。また中国と北朝鮮で口裏を合わせて嘘を言っているとしか思えません。7/5宮崎正弘氏のメルマガには「トランプは習近平に電話したが、習は不満を述べるだけで、トランプは「北朝鮮へ圧力をかけるという中国への期待は幻覚だった」と思ったと。中国を信じてはいけない、時間の利益を与えるだけというのは分かっていたハズ。

http://melma.com/backnumber_45206_6551655/

クシュナーが安邦保険の金(4億$)にクラッと来たのが良くなかった。その後この話は取りやめとなりましたが。安邦保険の呉小暉会長兼CEO(上海派)も身柄を拘束されて、仁義なき戦いそのものになっています。中国の人脈程危ないものはありません。明日は落馬しているかも知れませんので。トランプも中国人の言うことを信じたのが間違いの下です。あのリベラルのピルズベリーですら言っているではないですか。「中国は100年かけて米国を騙して世界を牛耳る」と。中国封じ込めに本気になって取り組まないと。日米ともに左翼リベラルの夾雑物が邪魔をしていますが。やはり国民の民度を上げないと。情弱ではダメです。米国でも歴史学会、一般大衆はFDRの呪縛から解放されていないとJ・モーガン氏の『アメリカはなぜ日本を見下すのか?』にありました。米国は日本より中国贔屓なので、日本ももっと日米同盟の絆を米国民にアピールしていかなければ。日本の軍事予算をもっと増やすべきです。

記事

7月1日、香港返還20年の節目に行われた民主化要求デモでは「自分は香港人」「香港占領20年」をアピールするプラカードを持った若者の姿が。反中感情は高まっているが、デモ参加者は激減。その理由は…(写真:AP/アフロ)

⾹港返還20年⽬を迎えた7⽉1⽇の返還記念⽇。多くの香港人は返還記念日といわず、「香港淪陥20年」(香港占領20年)と、皮肉を込めて呼んだ。

だが、恒例の⺠主化要求デモはむしろ、昨年の 11万⼈から⼤きく⼈数を減らし、主催者発表で約6万⼈、警察発表で1.45万⼈ということだった。これは2010年以前、つまり胡錦涛政権時代、⽐較的⾹港で親中ムードが漂っていたころの⽔準に戻ったことになる。

習近平が国家主席として初めて香港を訪問した返還記念日の式典において、「国家の主権と安全に危害をもたらし、中央権力や香港基本法の権威に挑戦する活動は、最低ラインに抵触しており、断じて許さない」と厳しい言葉で香港市民を牽制せねばならないほど、香港の反中感情は高じている。香港大学民意研究計画が実施した香港青年アイデンティティ調査では、18歳から29歳までの若者で、広義も含めて「自分は中国人」と認めるのはわずか3.1%、自分は広義の香港人であるとしたのは93.7%。つまり自分は香港人であって中国人ではないと考え、中国を否定する青年は過去最多となった。

なのに、いわば中国に対する抗議の表明である、7・1デモ参加者がかくも減ったのはなぜなのか。この日、香港で、デモ隊と一緒に歩きながら、この理由を考えてみた。

デモ隊と一緒に歩く(筆者撮影)

「俺たちが拳銃を抜かないとでも思っているのか?」

今年の7・1デモは少し例年と違った。まず、雨傘革命という激しい学生・市民運動が起きた後の初の中国国家主席の訪問ということで、香港中の空気がピリピリしていた。習近平が宿泊する湾仔のホテル・グランドハイアットだけでなく近くの高級ホテル・ルネッサンス、2つのホテル計1300室を借り切って、湾仔全体を人の背より高い「水馬」(注水式バリケード)で囲い切っていた。香港全警官の3分の1が警備に動員されるほどの厳戒態勢であった。

習近平来港前夜、2014年の雨傘革命の元学生リーダーたちによる政党・デモシスト(香港衆志)の秘書長の黄之鋒や周庭らが、香港返還記念式典の行われる香港コンベンションセンター前の金紫荊広場で抗議の座り込みを行っていたが、警察に強制排除され、デモシストメンバーら26人が一時拘束された。釈放された後も、黄之鋒らは集会中に親中派集団に襲われ、彼らは被害者であるにもかかわらず、警察に再び身柄を一時拘束された。

黄之鋒らデモシストの様子(筆者撮影)

デモ当日は、チラシを配っているところ、警官に「俺たちが拳銃を抜かないとでも思っているのか?」と恫喝され、メンバーの一人が殴られるなど、さんざんな目にあっていた。かつて香港市民の味方であり“阿Sir”と親しみを込めて呼ばれていた香港の警官が、寸鉄帯びない若者に向かって、中国公安警察のような脅し文句を言うようになった。

ちなみに、デモシストの主張は「民主自決」を非暴力で訴えていくというもので、本土派全体からみれば、極めて穏健な政党だ。だが、国際社会に最も注目されている分、当局の“いじめ”のターゲットになっているように見受けられた。本土派とは一線を画す過激な「独立派」はデモの参加自体を許可されていなかった(もっとも、彼らは無許可でデモに参加していたのだが)。

「香港独立」を主張(筆者撮影)

「打倒共産党」を掲げ、「普通選挙」を求めるグループも(筆者殺撮影)

「空手形」に抗議(筆者撮影)

こうした香港全体を覆う、異様な緊張感に加えて、例年、デモ隊の集合場所として使用許可が出ていたヴィクトリアパークでは、中国の科学技術を誇示する宇宙ロケット展が開かれていたために使用できず、デモ隊は仕方なく、いつもよりずっと狭い公園そばの草地に集合、デモの出発時点での規模を縮小せざるを得なかった。さらに言えば、天気も、時折、激しい雨が降り、不安定であった。

一方で、カウンターデモとして親中派グループが“中国愛国デモ”を行ったのだが、これが民主要求デモを、けっこう妨害していたようだ。香港独立系メディア「香港01」によれば、こうした親中派デモの参加者には日当1000~1200香港ドルが支払われたらしい。最低賃金自給34.5ドルの香港において、6時間に満たないデモに参加するだけでこれだけもらえるならば、破格の待遇だ。親中派でなくても、生活に苦しい庶民ならば、参加したかもしれない。五星紅旗を翻した親中派デモは、本土派グループと、公道上で軽いもみ合い騒動を起こし、警官が割って入る場面もあった。

例年、7月1日のこのデモ行進を実地で見ている香港政治社会研究者の倉田徹(立教大学教授)は、現場で「7・1デモは本来、平和的な行進で、どこかのんびりとした空気があったものだ。こんなギスギスした7・1デモは初めてではないか」と驚いていた。

香港の空気がギスギスし始めたのは、2014年に行政長官選挙における普通選挙実施を求めた若者たちの雨傘革命運動が挫折に終わった後、中国当局が一国二制度の根本を揺るがすような事件をいくつか起こしたこととも関係あるだろう。代表的な事件は、このコラムでも取り上げた「銅鑼湾書店事件」(2015年秋)、「蕭建華事件」(2017年1月)などだ。

【参考】 ■香港銅鑼湾書店「失踪事件」の暗澹中国の「越境拘束」、タイや香港で続発の脅威銅鑼湾書店事件、「ノーと言える香港人」の告発蕭建華失踪事件から読む「習近平vs曽慶紅」暗闘

「国家安全条例が成立すれば、移民するしかない」

今年のデモには、「銅鑼湾書店事件」当事者である銅鑼湾書店の店長、林栄基が参加していた。私は事件後、初めて彼に会うことができた。「昨年はデモ当日も自宅の周りに8人の“見張り”がついており、身動きがとれなかった」という。今年は、監視がつかなくなったこと、そして、中国から逮捕命令が出ていることがすでに国際社会にも知れ渡っており、人前に出ることが逆に身の安全につながると判断し、デモに参加した。

事件を振り返って林栄基は「あの事件で香港が失ったものは大きい。香港の出版市場の独立、司法の独立、市民の安心感」と嘆いた。「20年前、97年の返還当時は、ここまで香港が中国化するとは思っていなかった。10年前、いや、5年前ですら想像しなかった。…このままでは、おそらく、年内か来年か、国家安全条例が成立するのではないか」。

林栄基は、もし国家安全条例が成立されれば、(逮捕命令が出ている)私は移民するしかない、とつぶやいた。

蘋果日報のアンケート調査によれば、返還50年目の2047年には、すでに自分は移民していると答えた人が59.5%。57.5%が香港特区はすでに消滅している、と予想。強大な中国の力の前に、香港の将来に悲観し、デモに参加する気にもならなくなった、というのが参加者減の真相だろうか。

「あんな甘いやり方では、何も変わらない」

2016年春節(2月8日)の深夜に旺角で放火などを伴った激しい警察との衝突事件「魚蛋革命」を起こした本土派の青年(24)にも話しを聞く機会を得た。彼は、デモには参加しなかったので、デモが終わった後に会った。「自分が(魚蛋革命当事者として)公判待ちの身分だから参加しなかった、というのもあるが、本土派の若者でもう7・1デモには参加しない、と言っている人は多い。なぜなら、あんな平和的に練り歩くデモなんて無意味だから。もう何年も、あのやり方で試して、結局挫折したわけだ。あんな甘いやり方では、何も変わらない」。

ちなみに「暴力」は最後の手段だといいながらも、「魚蛋革命のとき、なぜ放火したの?」と聞くと、「その方が(警察から)身の安全を守れるから」と躊躇なく答えた。つまり、暴力を振るわれれば、暴力で応じなければならない、というのが彼ら過激派本土派の根っこにある。「英国や国連など国際社会を動かすやり方を考えないといけない。でも、そのためには、歌を歌いながらデモするだけではだめ。どうするのがいいかは考え中だ。デモには参加しなかったが、方策を議論する討論会には参加した。そっちの方に意義がある」

彼は、移民という選択肢もない「普通の香港の若者」だ。こうした普通の香港青年たちの多くが、平和的デモという手法に、物足りなさや苛立ちを感じ始めている。ヴィクトリアパークで毎年行われる6・4(天安門事件)キャンドル追悼会参加者が減少したのと同じ理由で、7・1デモも縮小しているということか。

7・1デモの参加者の推移を見てみると、一番少なかったのは2005年の2.1万人、その後2010年までは4.7~7.6万人の間だった。それが2011年から急激に増えてきて、2014年には51万人となる。SARSの隠ぺいによって中国に対する不信感が急激に高まった後、胡錦涛政権がとった23条問題(国家安全条例)棚上げ、香港経済緊密化政策が功を為したこともあって、胡錦涛政権時代、香港人の対中感情はそんなに悪くなかった。

2008年夏前の香港大学民意研究計画の青年アイデンティティ調査では、香港人青年のアイデンティティは「広義の中国人」と答えたのが43%、自分は香港人であって中国人ではないと言い切ったのは23%。中国人であると言い切ったのが26%。北京五輪直前で、香港人の中にも自分を中国人だと思いたいような憧れが中国にあったのかもしれない。この年の7・1デモの参加者は4.7万人だった。ちなみに返還された直後の97年の同じ調査では、自分が「広義の中国人」と答えた青年は31%だから、それより増えたのだ。

五星紅旗を振り、政治プロパガンダを叫ぶ親中派

ところが2011年に入ると、メディア、教育における愛国洗脳があからさまになってきた。特に愛国教育義務化問題が持ち上がった2012年は、黄之鋒ら学民思潮のティーンエイジャーたちが「官庁前占拠」という手法によって香港政府に義務化方針を撤回させるという快挙を成した。ここで一気に学生運動、市民運動によって社会を変えることができるという若者たちの自信につながったことが、おそらくは2014年の雨傘革命パワーの爆発を引き起こすことになった。

だが、香港の安定を優先し市民の大規模デモに対して譲歩姿勢を見せたこともあった胡錦涛政権と違い、習近平政権は、香港の安定や活気を犠牲にしてもかまわないという姿勢で、香港市民に一切妥協せず雨傘革命を潰した。その後も、かなり暴力的な方法で香港が中国の一地方に過ぎないことを思い知らせるようなコントロール強化策に出た。デモという手法を無力化された香港の若者たちは、香港の自治を守るためにどういう抵抗手段に出ていいのかわからず今、途方に暮れている。

経済的余裕のある者はさっさと移民を検討し、何も持たぬ者は苛立ちを中国から来た新移民らにぶつける。新天地・香港に来たにもかかわらず“いじめ”や差別を受けた新移民たちは、激しい親中派となって本土派香港人を憎み、デモの最中、公道で本土派と衝突する。今回のデモでは、五星紅旗を振り、まるで中国のような真っ赤な政治プロパガンダを叫ぶ親中派香港人の目立ち方も尋常ではなかった。

「開放」誌編集長で作家の蔡詠梅は「返還後に生まれた若者は中国のことを全く知らず、自分たちを生粋の香港人だと思う。そういう若者のナショナリズムが中国や新移民に対する“憎しみ”の感情に変わってきた。このまま“憎しみ”や“対立”を扇動するようなことだけは避けねばならない。中国介入の口実を与えてしまう。そのあたりを、私たちジャーナリストも考えないと」と懸念する。

日本は普遍的価値観をもって香港の若者を勇気づけよ

香港の自治、独立性は、香港市民にとってだけでなく、香港を経済・貿易・金融のハブとしている国際社会にとってもかけがえのないものだ。実際のところ、中国にとっても、香港の自由と独立性は得難い宝であるはずだ。もし、習近平政権がそれに気づかないまま、香港を絞め殺していこうとするならば、やはり国際社会の力でそれに気づかせないといけないのではないか。

ならば、日本としては、何ができるか。「中国のような経済と軍事力の強大化で力推ししてくる国家とは違う価値観、自由や民主、人権など普遍的価値観を持ち続け、生活の質や環境といった面で圧倒的に勝る国として日本が存在感を放ち続けることではないか」と倉田徹は言った。

アジアで日本が中国のやり方と違う方法と価値観で大国の地位を維持し続け、中国と対等に渡り合うことが、香港の若者たちを大いに勇気づけるのだということは、たぶん香港に来ればすぐ気づくと思う。まずは、香港に一度訪れてみることをお勧めする。

良ければ下にあります

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『囁かれ出した「Korea’s Brexit」説 対北朝鮮「対話」、THAAD配備で解決の糸口つかめず』(7/3日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『「反トランプ」が行き過ぎてCNNが大誤報 ベテラン記者ら3人が辞職でトランプは「それみたことか」』(6/30JBプレス 古森義久)について

トランプ大統領が自分のツイッターにCNNを倒すレスリングの動画を載せました。7/3ブルームバーグの報道です。余程メデイアの偏向報道に怒りが来ているのでしょう。CNNはロシア疑惑で事実確認ができていない報道をしたとして3人を辞職させたばかりなのに追い打ちをかけました。CNNはクリントンニュースネットワークと言われるほど民主党びいきです。でも、この動画の最後にCNNならぬFNN(Fraud News Network)と出て来るのは面白いです。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-07-02/OSHK0M6KLVR501

米国と同じように日本でも偏向メデイアが都議選で自民党が大敗したのを大喜びで報道しています。「安倍1強の驕り」とか。自民党が反省すべきはメデイアの時間差攻撃(森友・加計・豊田・豊洲問題)を軽くみた所でしょう。敵の狙いは憲法改正阻止にあります。都議選は負けるべくして負けただけ。負けに不思議な負けはないです。地方自治体の自民党は利権漁りの旧態依然とした活動をしています。偏向メデイアのチエックすら受けないのでやりたい放題です。住民の無関心(低投票率:ここ柏では市議選の投票率H27年35.25%、H23年37.62%、H19年43.24%、H15年39.33%と1/3民主主義となり果てています)をいいことに、柏市の自民党は市長を抱き込み、将来の財政負担を考えない不動産開発に驀進しようとしています。二元代表制が泣くというもの。市長の政策の監視ではなく、自らが利権の為に奔走しているのですから。東京都も同じ構図でしょう。利権に染まった内田幹事長を温存した咎めです。地方自治体の自民党に自浄作用があるのかどうか。自民党本部は指導力を発揮しなければ、明日の東京になる自治体も出て来るのでは。石破も後ろから鉄砲を撃つだけでなく、幹事長や地方創生大臣の時に地方支部の問題点にメスを入れれば良かったと思いますが、所詮は人気取りしか考えていない人間には望むべくもありませんが。

韓国や日本のトップが米国大統領と会うニュースが米国内で流れることは、以前は殆どなかったと聞きました。ニュースバリューが無いという事でしょう。況してや裏切り者の韓国では。中国にも北への対応で厳しく追及し出したトランプ政権ですから、小国の韓国に甘い顔をしたとは思えません。トランプは文に共同声明に書かれていないことで大分要求したのではと考えられます。韓国は慰安婦合意も守らない、THAAD配備も守らない、国際的な約束を守らない国、あまつさえ日米の大使館の周りで違法デモも認める国です。米国も韓国疲れが相当溜っていることでしょう。韓国を日米ともに甘やかして来たツケが回ってきたのです。韓国切りが実現する可能性もあります。その際政府は日本の安全面でやらなければならないことを挙げて周到に準備しませんと。高濱氏記事にありますように核武装も含めてのことです。

高濱記事

笑顔で写真に収まったものの…。韓国の文在寅大統領(左)と米国のトランプ大統領

—ドナルド・トランプ米大統領と文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領による初の首脳会談が6月30日に行われました。米国内ではどう評価されていますか。

高濱:なんともぎこちない会談でした。共同声明はなんと、会談が終了して7時間20分たってから発表(韓国政府は「米側の行政手続きのために遅れた」と説明)。共同記者会見は開いたものの、双方が一方的に自分の感想を述べるだけで、記者団からの質問はいっさい受け付けませんでした。

実は文大統領がワシントンに到着した直後、トランプ大統領がテレビの女性キャスターを侮辱するつぶやきをツイッターで流し、それでなくとも険悪な関係が続いてきたメディアとの全面戦争になってしまったのです。

米国の一般市民にとってはそちらの方が大ニュースで、米韓首脳会談どころではなくなってしまったのです(もともと米一般市民は米国と韓国の外交にはほとんど関心がありませんけど)。

それはともかくとして、東アジアの専門家たちは首脳会談の結果を知るにつれて、一応に呆然としています。懸案はすべて持ち越し。初顔合わせの大統領同士が「個人的信頼関係」を築く、といった淡い期待もすっ飛んでしまいました。

かたや「無手勝流ナショナリスト」、こなた「左翼民族主義者」。まさに水と油です。米韓関係が今度どうなっていくのか、東アジア情勢は「波高し」と言えそうです。

ともに新参の米韓大統領は「水と油」

—文大統領は会談後、「韓米同盟の強さを再確認した」「偉大な同盟に向けて同じ道を歩いている事実を再確認した」と言っていますが…

高濱:本当に信頼し合っている同盟国同士なら「同盟関係の強さ」を「再確認」なんかしませんよ(笑)

長いこと米韓関係に携わってきた国務省関係者の一人は筆者にこうコメントしています。「米韓ともに役者が変わっただけに、今回の首脳会談は一つの分水嶺になった。両大統領もさることながら、周りに集まったブレーンやアドバイザーの中には伝統的な米韓同盟関係を堅持する気持ちなどさらさらないものもいる」

「今後の米韓関係の変化は、東アジアの『ゲームチェンジャー』(流れを大きく変えてしまうプレーヤー)になりうる。北朝鮮、中国、日本、ロシアの動きとも絡んで、東アジアが大きく変動する時期に差し掛かったことが背景にある。それだけに、後から振り返ると、今回の首脳会談は重要だったということになるかもしれない」

「米韓が対立したのは『北朝鮮への対応』と『地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備問題』だ。北朝鮮への対応については、総論賛成(北朝鮮に対する『断固たる対応』では一致したものの)、各論反対(北朝鮮と対話を始めるための前提条件では食い違いがあった)だった。THAADの配備については、会談では激しくやり合ったと思われるが、一切明らかにされずじまいだった」

「解決の糸口をつかめなかった、あるいは先延ばしにしたのは、第一線で働いている官僚同士が対立しているからではない。二人の大統領の外交方針が異なることからくる対立だ。それが水と油なんだ。米韓はこの二人が大統領である限り、今後しばらく『家庭内離婚』状態が続くのではないか」

文大統領の「二枚舌」「二股外交」

—「家庭内離婚」ですか。でも「離婚」はしないのですね。(笑)

高濱:米国の一部外交関係者の間で「Korea’s Brexit」という言葉がはやり出しています。つまり「離婚」ですね。英国の欧州連合(EU)脱退決定をもじったもので、韓国が米国と袂を分かつという意味です。

すでにその兆候が出ているという人もいます。  トランプ大統領が金正恩委員長に拳を振り上げている真っ最中に、文大統領は開城(ケソン)工業団地再開*、金剛山観光再開を打ち上げました。その極め付けがTHAAD配備の延期だというのです。北朝鮮の核・ミサイル実験を阻止しようとしている“日米韓同盟の隊列”から韓国は離脱するのか、というわけです。(*:文大統領は、北朝鮮が核開発を凍結すれば開城工業団地や金剛山観光などを再開する考えをすでに表明している。両プロジェクトは北朝鮮の資金源となる)

「Korea’s Brexit」を文大統領に促しているのは左派労組に先導された一般大衆です。

—トランプ大統領はなぜ文大統領と個人的信頼関係を築けなかったのでしょう。政治理念も主義も異なる中国の習近平主席とは、会っただけで仲良くなったようですが(その後、中国による北朝鮮説得工作がうまくいかず、トランプ大統領は対中強硬路線に転じた?)。

高濱:文氏は「二枚舌」「二股外交」なのですよ。

北朝鮮への対応をめぐって文大統領は、大統領選の最中ら北朝鮮と「対話」することの必要性を強調してきました。文氏は盧武鉉(ノムヒョン)大統領の外交アドバイザーでしたから、「包容政策」(太陽政策)「平和繁栄政策」をとるのは米側もある程度予想していました。

韓国駐在が長かった米主要紙のジャーナリストは、筆者にこう説明しています。「文氏はトランプ氏と同様に、ポピュリズムに乗って大統領になった政治家だ。韓国のポピュリズムは反日・反米民族主義的だ。金大中にしても盧武鉉にしても根っこは同じ。文氏も米国よりも中国や北朝鮮に愛着を持っている。文氏の主張する対北朝鮮との対話にしろ、THAAD配備取りやめにしろ、背景には反米的なポピュリズムと自らの政治思想とがあるのだろう」

就任から1か月、文大統領の発言は風見鶏もいいところです。米国務省OBの一人は「どうも文氏は、鳩山由紀夫首相*に似てるんだな。朝令暮改。根っこは反米親中で、思想的にも似てるんじゃないのか」と言っています。(*:鳩山由紀夫首相(当時)は、「東アジア共同体」構想などを打ち上げ、米国と中国との中間に立つ外交を推進しようとしたことからバラク・オバマ大統領(当時)から忌み嫌われた。また普天間基地の県外移設を模索して失敗。

くるくる変わる対北朝鮮対話の前提条件

—文大統領は、国内的には与野党対立の議会運営、国際的には米中の板挟みと、極めて難しい立場にある。米国の顔色を窺い、中国にいい顔をしようとすると、「二股外交」になってしまうわけですか。

高濱:文大統領は、北朝鮮との対話を始める条件について、就任直後には「追加的な核・ミサイル実験による挑発の中断」と言っていました。

ところが米要人がそれを批判すると、今度は「(核施設の稼働中止などを伴う)核凍結」と言い出しました。条件を一段階、厳しくしたのです。これにより米国から「言っていることがくるくる変わる」(米上院外交委員会スタッフ)と見られてしまいました。

しかも文大統領が北朝鮮との対話を言い出したのは、トランプ大統領が北朝鮮を威嚇している真っ最中。トランプ大統領は、北朝鮮を説得するよう中国に要請する一方で、朝鮮半島沖に空母打撃群を派遣。米韓軍事演習に戦略爆撃機B1Bまで飛来させていたのですよ。タイミング的に最悪の時期でした。

「トランプ大統領は怒り心頭に発すの状態だった」(国務省担当記者)といいます。

米国が北朝鮮との対話に応じる条件は「直ちに非核化することです。段階的などと言うことはあり得ない」(国務省報道官6月15日定例記者会見の発言)のです。

さらに火に油を注いだのが、文正仁・安保担当補佐官です。今回の文大統領訪米の根回しをした人物です。同補佐官はワシントンでの講演で「北朝鮮が核とミサイルを凍結すれば、その見返りとして米韓合同演習の規模を縮小してもいい」(文大統領も同じような発言をしたことがあります)などと口を滑らせました。

トランプ大統領は文大統領と会談する前から、はらわたが煮えくり返る思いだったのではないですか。得意のツイッターで暴言を発しなかっただけよかったですよ(笑)。

トランプ大統領は米韓首脳会談後、「北朝鮮に関しては多くの選択肢がある」と改めて発言しています。「米国が北朝鮮に対して軍事的に威嚇することが今後ともあり得るゾ」との決意を会談で文大統領にぶつけたのであろうことは想像に難くありません。

両大統領は、北朝鮮には「断固たる対応が必要」として圧力を強めることでは原則的に一致しましたが、文大統領は北朝鮮との対話を捨てていません。「制裁と対話を活用した段階的かつ包括的なアプローチ」という表現を使いました。

THAAD配備は「親分同士」が交わした「証文」

—もう一つの懸案。THAAD配備の問題はどうなったのでしょう。

高濱:「米韓同盟」という表現は、今回の首脳会談ではTHAAD配備問題を指しています。文大統領はこの問題でも「延長」を示唆して中国の顔色を窺い、米国が怒ると弁解に終始しました。

著名な韓国人ジャーナリストの姜天錫氏はその経緯についてこう書いています。「文大統領は、すでに配備されているTHAADの発射台2基以外の4基が秘密裏に追加・搬入されていたという報告を受けて衝撃を受け、その調査を指示した。搬入と配備を混同したのだ。そこで環境に及ぼす影響について確認するという大作業になってしまった」(参考:「文在寅政権発足1か月、格下げ状態の韓米同盟」、姜天錫、朝鮮日報、6/23/2017)

トランプ大統領の憤りを国務省報道官がこう“代弁”しています。「 THAAD配備は、米韓の最高首脳レベルが合意したもの。韓国防衛という公約は鉄槌(Ironclad)のようなものだ。追加搬入・配備の延期については聞いているが、今後とも韓国政府と緊密に協議を続ける。これは同盟国同士による決定である」(国務省報道官6月8日定例記者会見)

さらに、保守系シンクタンクのアメリカンエンタープライズ研究所のマイケル・オスリン上級委員はこう指摘しています。同研究所はトランプ政権の軍事外交政策に一定の影響力を与えている存在です。「はっきり言って、米国内のすべての外交軍事専門家が、THAAD配備についての文大統領の考え方が理解できずにいる。THAADは韓国民と韓国を守るため韓国に駐留している米兵を守るための武器システムだ。いったい、なぜ、われわれは韓国防衛のために米兵を朝鮮半島に派遣しているのか。なぜ米兵たちを危険な目に遭わせてまで韓国を守らねばならないのか。いっそのこと対韓公約を破棄したほうがいいのか」

「われわれが米韓相互防衛条約を破棄すれば、日本は直ちに、日米安保条約まで破棄される可能性を憂慮するだろう。仮に破棄ということになれば、日本は核武装に踏み切るだろう」

「われわれは今、朝鮮半島問題をめぐる政策において、米国が重大な決定を下す十字路に立っているのかもしれない。韓国の出方次第では、従来からの対韓公約を維持することはできない」

さすが商売人大統領は「貿易不均衡是正」で実をとる

—それでもトランプ大統領は、貿易不均衡問題ではちゃんと実をとったようですね。

高濱:貿易不均衡に多くの時間を割きました。トランプ大統領は、5年前に結んだ「米韓自由貿易協定」(KORUSFTA)は「ひどいもんだ」とかねてから明言してきました。

トランプ大統領によれば、米韓FTA締結後、米国の対韓貿易赤字は2012年の166億ドルから16年の265億ドルへと膨れ上がっています。首脳会談では、米韓FTAを再交渉するよう提案しました。防衛費の分担問題も持ち出したようです。

文大統領は、米国に向かう専用機の中で韓国人記者と懇談し、こう述べていました。「(米韓FTAは)韓国の製造業や自動車の分野では役立っている。しかし農業分野では被害を受けている。米国はその逆だ。韓米間の貿易額は12%増えた。韓国企業の対米投資も大幅に増えた。それによって米国の雇用も大幅に増えた点をトランプ大統領に納得してもらえば、おそらく正しい理解を得られるはずだ」

今回の訪米には、企業経営者を同行させ、合計352億ドル規模の「お土産」を持参したのですけど…。今後5年間に米国に128億ドルを投資する計画と、ボーイングから航空機50機を購入したり米国産の液化天然ガス、シェールガスなど224億ドル分を調達する意向を明らかにしました(参考:「韓米首脳会談、FTAめぐり対立か」、朝鮮日報、6/30/2017)

—文大統領は経済でも、なにやら重い荷物を背負って帰国するといった感じですね。

高濱:ワシントンに駐在する韓国主要紙のジャーナリストが、ポツリと筆者に漏らしました。「文大統領が率いる与党『共に民主党』が国会で占める議席は119議席。全300議席の半数にも届かない。史上最弱だった盧武鉉政権の二の舞になるのでは、と就任時点から言われている。今回の首脳会談について左翼勢力は『よくやった』と言うかもしれないが、これからどのような対米外交をやるのか。文大統領にとって気が重い帰国になる。そしてさらに難関なのが慰安婦問題を含む対日外交。まさに前門の虎後門の狼、だ」

古森記事

アトランタにあるCNNセンター(資料写真、出所:Wikipedia

米国の大手ニューステレビ網のCNNがトランプ大統領陣営の「ロシア疑惑」に関する報道が誤報だったことを認めた。CNNは記事を撤回し、記事を担当したベテラン記者ら3人を退社させたことを発表した。

CNNは昨年の大統領選挙中から反トランプ色を露わにし、トランプ大統領から「フェイク(偽)ニュース」と非難されてきた。少なくとも今回の誤報事件では、その非難が正しかったことになる。

トランプ陣営の幹部がロシアと接触?

6月22日、CNNは自社のニュースサイトに「上院情報委員会が、トランプ陣営の幹部がロシア政府系の投資銀行総裁と密会したことへの捜査を始めた」というスクープ記事を掲載した。その具体的な内容は以下のとおりである。

「トランプ陣営の幹部で、新政権の高官に就任するとみられていたニューヨークの投資銀行『スカイブリッジ・キャピタル』の創設経営者、アンソニー・スカラムッチ氏が、トランプ政権発足数日前の今年1月中旬、ロシア政府系投資機関『ロシア直接基金(RDIF)』のキリル・ドミトリエフ総裁とスイス・ダボスのレストランで密会した」

「RDIFはロシア政府の『開発外国経済銀行(VEB)』の傘下にある。VEBはクリミア問題で米国や国連による経済制裁の対象になっている。VEBのセルゲイ・ゴルコフ頭取も、トランプ大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏とトランプ政権発足前に密会した」

「米国議会上院の情報委員会は、米国政府財務省の協力を得て、スカラムッチ氏とロシア関係者との接触について正式に調査を開始した。RDIFも米側の経済制裁の対象とみられるため、接触自体が違法である可能性が高い」

これらが事実とすれば、トランプ政権を揺るがす大ニュースである。

情報源は民主党系の匿名スタッフ1人だけ

ところが以上の報道内容に対して、スカラムッチ氏は即座に「完全な虚報だ」としてドミトリエフ総裁と密会したことなどをすべて否定した。

ロシアのスプートニク通信も報道内容を否定した。特に「RDIFはVEDの傘下にはなく、完全な別組織である」として、RDIFが米欧諸国の対ロシア制裁の対象には入っていないことを強調した。

さらにトランプ陣営に近い保守系のニュースサイト「ブライトバート・ニュース・ネットワーク」がこのCNN報道について独自に調査取材を進め、「CNNの報道は虚偽だ」と報じた。

ブライトバートによると、取材によって以下の事柄が明らかになったという。

(1)CNNの今回の報道は、上院情報委員会の1人の匿名スタッフだけを情報源としている。だが、このスタッフは民主党系であり、同委員会全体の活動を把握できる立場にはなかった。

(2)情報委員会も財務省も、スカラムッチ氏が「密会」したという未確認情報を得て独自の調査を行った。しかし「密会」があったことを示す証拠がなく、委員会として調査の対象にはしないことを決めていた。

(3)当初、この疑惑を公式に調査するよう主張していた情報委員会メンバ―の民主党議員たちも、調査が行われないことを知っていた。

そのうえでブライトバートは、CNNの報道はトランプへの敵意から作り出された意図的な「フェイクニュース」だと断じていた。

トランプ大統領は高笑いのツイート

こうしてCNNの報道への疑いが強まるなか、CNNは6月23日深夜、「編集長からのお知らせ」と題する通告をサイトに掲載した。問題の報道は誤りであり、全文を撤回して、被害を与えたスカラムーチ氏に謝罪する、という内容だった。記事が誤報だったことを全面的に認め、記事を削除することを宣言したのである

この「お知らせ」は、「問題の記事はCNNの編集基準に合っていなかった」という遠回しな表現を使う一方、全文を削除することやスカラムーチ氏への謝罪、そして一般読者へのお詫びを明確に述べていた。

さらにCNNは週明けの6月26日、3人のジャーナリストがこの誤報の責任をとって辞職したことを発表した。

辞職したのは、問題の記事を書いたベテラン記者でピュリツァー賞候補にもなったトーマス・フランク氏、記事の編集をした編集局次長のエリック・ライトブラウ氏、CNNの調査報道の責任者のレックス・ハリス氏の3人である。ライトブラウ氏は調査報道の専門記者としてピュリツァー賞を受賞し、今年4月にニューヨーク・タイムズからCNNにリクルートされたばかりだった。

トランプ大統領は6月27日のツイッターで「ワオ! CNNが『ロシア』についての大型記事を撤回し、3人の社員を辞職させる破目となった。その他の虚偽記事はどうするんだ? フェイクニュースだ!」という、高笑いが伝わってくるようなメッセージを発信した。

さて、トランプ大統領と反トランプメディアの激烈な戦いはこれからどうなるのか。

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『偽薬CMで熱演「7つの顔を持つ神医」の正体は 詐欺ネットワークが横行する中国「通販薬」事情』(6/30日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国での薬品の監督官庁は衛生部(日本の厚生省相当)の下部組織の国家食品薬品監督管理局(State Food and Drug. Administration, SFDA)です。日本でしたらインチキ薬のTVCMが流れれば厚労省がストップをかけるでしょうし、そんなものがTVで放映されることはまずないのでは。民間療法的な薬とは言えない健康食品の類はあるでしょう。効能があるかどうかは個体差もあるでしょうから、購入者の自己責任の問題です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E4%BA%BA%E6%B0%91%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%9B%BD%E8%A1%9B%E7%94%9F%E9%83%A8

TVCMを見て薬を買って騙されるというのは、やはり中国ですから「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という典型でしょう。そもそも人民が政府を信用している筈もないのに。偽薬の生産会社、販売会社、TV局、SFDA、公安局皆がグルと思います。利益をそれぞれ山分けしていると思います。毛沢東が言った“為人民服務”が如何に嘘かというのが分かるでしょう。国家主席が大躍進や文革等大虐殺の命令・発動をしたわけですから。中国人の言うことは綺麗事だけで、その通りに運用された試しがありません。何故かといえば中国人の宿痾と言うべき賄賂の存在が社会に蔓延っているためです。法を犯しても賄賂を贈れば何とかなるというのであれば社会改革は進みません。PM2.5の問題が未だ解決せず、黄砂が続いているのは、急速な経済発展のせいだけではありません。絶対監督官庁が賄賂を取ってお目こぼしをするからです。

空気だけではありません。水質汚染もそうです。化学物質も垂れ流しで、BOD・CODの規制もありますが、賄賂で其の儘にしていると思います。下の写真にあるような水を使って農作物を作っているとしたら、過剰な農薬使用と相俟って如何に人体に害を及ぼすかです。中国の農産物や水産物は危険極まりないです。外食ではチエックできませんが、自宅の食卓には中韓のものは並べない方が良いでしょう。韓国のものは衛生状態が悪いものが多いですから。今年は土用の丑の日は7/25と8/6の2回あるそうです。中国産の鰻はマラカイトグリーン(発癌性物質・合成抗菌剤)入りの飼料で育てられていますので買わない方が良いです。注意した方が良いでしょう。

http://trend-town.info/archives/3705.html

記事

往年の映画スターである片岡千恵蔵(1903年~1983年)が、私立探偵の多羅尾伴内を演じた人気映画シリーズのキャッチフレーズは「7つの顔を持つ男」だった。多羅尾伴内はNET(現・テレビ朝日)が1962年に「七つの顔の男」という題名でドラマ化したし、1978年には劇画『七つの顔を持つ男 多羅尾伴内』(小池一夫作・石森章太郎画)が講談社から出版されている。

映画のクライマックスで、悪人たちの「お前は誰だ」という問い掛けに答えて、片岡千恵蔵扮する多羅尾伴内が、「ある時は私立探偵、ある時は競馬師、ある時は画家、またある時は片目の運転手、ある時はインドの魔術師、またある時は老警官」と絞り出すようなドスの利いた声で話した後に、「しかしてその実体は、正義と真実の使徒、藤村大造だ」と本名を明かすと、観客たちは一斉に画面の中の片岡千恵蔵に拍手を送ったものだった。1956年(昭和31年)に小学校へ入学した筆者は、当時見た映画の筋は忘れたが、今なお「多羅尾伴内」と「7つの顔を持つ男」という言葉だけは鮮明に記憶している。それだけ片岡千恵蔵演じる多羅尾伴内が、小学校低学年であった筆者には格好良い正義の味方に思えたのであった。

劉洪濱とは何者?

6月21~23日、多くの中国メディアは、中国版の「7つの顔を持つ“神医(名医)”」に関する記事を報じた。各メディアが報じた記事の内容を取りまとめた概要は以下の通り。

【1】ここ数年、“劉洪濱”という名前が多くの地方テレビ局の“養生(健康増進)”番組の中で頻繁に出現している。彼女の肩書は多種多様で、「中華中医医学会リューマチ分会委員」<注1>、「中華中医医学会鎮咳(せきをしずめる)分会副会長」、“北大専家(北京大学専門家)”、“高級栄養師(高級栄養士)”など様々であり、ある時は“苗薬(少数民族である苗族の伝統医薬文化)”の伝承者になり、またある時は“蔵薬(チベット医薬)”の後継者にもなる。

<注1>“中医”とは中国伝統医学、即ち漢方医学を意味する。

【2】テレビ画面の中での医学専門家になりすました劉洪濱はきれいな白髪頭に、厳粛な顔つきで、喘息に効く“苗仙咳喘方”や“苗祖定喘方”、リューマチに効く“薬王風通方”や“苗家活骨方”、糖尿病に効く“唐通5.0”、しみ取りに効く“老院長祛斑方”、心疾患や脳血栓に効く“蒙薬心脳方”、万能薬の“天山雪蓮”などについて薬効をまことしやかに説明し、各種の肩書で“神医”としての権威付けをして宣伝販売を行っていた。

【3】5月28日、ある不愉快な出来事が吉林省“長春市”に住むネットユーザーのハンドルネーム「@験氛」を激怒させた。彼女の父親はいわゆる“三高(高血圧、高血糖、高脂血症)”患者で、家族は父親の健康を気遣っていた。ある日テレビを見ていた父親が、劉洪濱が出演した蒙薬⼼脳⽅の通信販売コマーシャル(CM)に興味を示していたようなので、気を利かせた@験氛の母親がテレビに表示された電話番号へ電話を入れて、1クール(治療期間)分の蒙薬心脳方を3480元(約5万6000円)で購入した。しかし、送付されて来た蒙薬心脳方が届くと、父親はそんな物は要らないと断固拒否したため、注文をキャンセルして返品せざるを得なくなった。父親が販売側へ電話を入れたところ、電話を受けた“馬”という姓の主任が愛想良く応対したが、父親から注文キャンセルという話が出ると、がらりと態度を豹変させて父親に罵声を浴びせた。これで終わりかと思ったら、数分後には馬主任から電話が入って口汚くののしり、これがその後数日間も続けられた。

その実体は“群衆演員”

【4】6月21日、@験氛からの通報を受けたネットメディア“紅星新聞”の記者が蒙薬心脳方の購入者として販売側へ電話を入れたところ、電話に出た馬主任は自分が蒙薬心脳方を販売していると認めた上で、本当の姓は“劉”で責任者だと名乗った。記者は電話で巧妙に劉責任者を誘導して話を聞き出したが、それは次のような内容だった。すなわち、蒙薬心脳方の通信販売CMは広告会社が作っている。劉洪濱が医学専門家として出演している薬の通信販売CMは各地のテレビ局で放映されているが、あいつの肩書はみんな偽物だ。蒙薬心脳方は劉責任者の家の先祖伝来の処方薬で、遼寧省“阜新市”の“阜新蒙薬有限公司”(以下「阜新蒙薬」)に生産の権限を授けている。そこで、記者が阜新蒙薬に連絡を入れて話を聞くと、阜新蒙薬は「我々は生産企業であって、テレビCMは我々が作っているものではなく、代理店が作っている」と答え、「我々もテレビCMに出ている劉洪濱という人は知らない」と述べたのだった。

【5】それでは“神医”の劉洪濱とはどのような人物なのか。テレビCMを通じた薬の通信販売関係者によれば、劉洪濱は北京市に居住する定年退職者で、退職後はずっと“群衆演員(三流役者)”に身を置き、命じられた通りに演技する老人の役者なのだという。神医の背後には製薬会社、販売業者、CM制作会社、公告代理店などを含む完成された産業チェーンが存在する。CM制作会社の監督によれば、劉洪濱が一本のテレビCMに出演して得られる報酬は2000元(約3万2000円)前後に過ぎないという。テレビCMは1つの商品につき長短や仕様を変えて11通りの映像を撮影すると同時に、当局の監視を免れるために法律に準拠した正規版を作って万一に備えるので、最終的には12通りのCMを制作する。

【6】CM撮影には薬品の説明書があればそれでよく、役者の薬品に対する知識で必要なのは、薬品名、主な成分と何の病気に効くかの3点だけで、後は役者に医学専門家を演じてもらい、薬のメリットを上手く話してもらえばよい。要するに、テレビ視聴者を医学専門家の肩書で神医に扮した役者の演技で騙し、彼らにほとんど効果のない薬を購入させれば良いのである。北京紙「北京青年報」が報じたところによれば、現在中国には劉洪濱以外で肩書や名前を変えて薬の通信販売CMに出演している神医は3人おり、劉洪濱を加えた4人を業界筋では「四大神医」と呼ぶのだという。

「四大神医」の残り3人も…

【7】劉洪濱を除く「四大神医」のうち3人について北京青年報は次のように報じている。

(A)“李熾明”:元“首都医科大学付属院”院長、米国留学の医学博士、「血栓溶解の第一人者」などの肩書を自称。「脂肪溶解による痩身」と「薬を飲まない糖尿病治療」に長けていると自認。

(B)“王志金”(別名:“王志今”):名前を常に変え、中華中医薬学会専門家、漢方医学の名門の第6代目、“解放軍465医院”の“少校(少佐)”軍医などを自称。“波尓徳細胞用糖療法”(詳細不詳)を表看板に糖尿病の治療に奇跡的な効果があるとしている。

(C)“高振宗”(別名;“高振忠”):名前を頻繁に変え、精力増強の専門家、“京城名医(国都の名医)”、“中国医学科学院”教授などを自称。掌紋を見ることで健康診断を行うのを得意とし、眼病と高血圧の治療も行う。

【8】これら「四大神医」はいずれも役者であり、彼らの役目はいかに医学専門家になりきって視聴者を信用させ、視聴者に彼らが宣伝する薬品を購入させることである。彼らが出演するテレビCMの多くは各テレビ局の健康番組として放映されるもので、その内容はアナウンサーが偽の医学専門家である彼らにインタビューする形で薬品の宣伝を行うのが通例で、宣伝する薬品が異なれば、彼らの名前や肩書も多様に変化する。劉洪濱を例に挙げれば、ここ数年の間に、チベット衛星テレビ(チベット自治区)、青海衛星テレビ(青海省)、甘粛衛星テレビ(甘粛省)、東南衛星テレビ(福建省)、遼寧衛星テレビ(遼寧省)、吉林衛星テレビ(吉林省)、黒龍江衛星テレビ(黒龍江省)などの健康番組で放映されたテレビCMに出演していた。その際にアナウンサーからインタビューを受ける側の劉洪濱扮する医学専門家に冠せられた肩書および宣伝販売した薬品名は上述の通りである。

【9】劉洪濱が「中華中医医学会リューマチ分会委員」の肩書で出演した『“薬王養生匯(薬王養生集)”』というテレビ番組では、リューマチの専門家である劉洪濱が1人の長年にわたるリューマチで車椅子生活を余儀なくされている患者に先祖伝来のリューマチ薬である“薬王風痛方”を塗布すると、あら不思議、数分後にはその患者が立ち上がり、狂喜して感涙にむせび、その状況を見ていた観客たちも感激して涙する場面が放映された。

そもそも医薬品ではなく…

【10】しかし、これは実況ではなく、事前に撮影されたテレビCMで、当然ながら全ては演出であった。しかも、劉洪濱が患者に塗布した“薬王風痛方”は、このCMの発注元である“北京華珏達科貿易有限公司”(以下「北京華珏(ぺきんかかく)」)が貴州省の某製薬会社から購入した“保健品(医薬部外品)”で、医薬品には該当しない代物だった。要するに“薬王風痛方”は架空の薬品であり、当該企業は廉価で購入した“保健品”に“薬王風痛方”のシールを張り付け、“薬王風痛方”の箱に入れることにより、原価の数倍、数十倍の価格で販売して荒稼ぎをするのである。

【11】北京華珏は2011年に設立されたテレビ通信販売会社である。北京華珏は湖南省と貴州省の製薬会社からリューマチの痛みを緩和する“保健品”を購入した。北京華珏が制作を依頼したテレビCMでは、それらの“保健品”がそれぞれ“御医風通方”と“薬王風通方”という名のリューマチ薬に生まれ変わる。2014年、北京華珏からの依頼を受けたCM制作会社は、医学専門家の雰囲気を持った役者の劉洪濱を探し出し、彼女に医学専門家を演じさせる“御医風通方”と“薬王風通方”のテレビCMを制作した。

【12】北京華珏は完成したテレビCMの内容に合わせて電話応対のマニュアルを作成し、雇い入れた電話受付係に電話応対の訓練を重ね、視聴者から注文の電話が入った際の受け答えに支障がないように万全の態勢を整えた。こうして準備を整えてから各地のテレビ局のCM枠を買い取って、“御医風通方”と“薬王風通方”のCMを流し、視聴者から次々と注文を受けて順調にビジネスを展開した。

【13】単なる医薬部外品を先祖伝来のリューマチ薬だと騙して販売すれば、当然ながら薬効がないから、高いカネを払ったのに何も効き目がないとして、文句を言ってくる客が出てくる。最終的には、2014年の7月頃(?)、江蘇省“淮安市”に居住する“王某”が「効果のない薬を売りつけられた」として地元の“公安局”へ通報したことで、9月21日に北京華珏に対する公安部門の調査が入り、関係者に対する取調べが行われた。その結果、北京華珏が2014年の営業開始から3か月間に製品を販売した金額は、“御医風通方”が474万2620元(約7588万円)、“薬王風通方”が195万4687元(約3128万円)で、合計669万7307元(約1億716万円)であったことが判明した。

【14】公安部門は、北京華珏が医薬部外品を薬品と偽って対外的に宣伝を行い、偽薬を販売したことは極めて重大な犯罪であると認定し、北京華珏の責任者である“張某”を偽薬販売罪で逮捕した。裁判では、張某に対して偽薬販売罪により懲役3年、執行猶予3年、罰金20万元(約320万円)の判決が下された。なお、事件発覚後、北京華珏の被告人の1人が北京華珏を代表して不当利益400万元(約6400万円)を返却しており、これが張某に対する刑罰を軽くしたものと思われる。

【15】こうして劉洪濱が出演したテレビCMで偽薬の通信販売を行っていた北京華珏は摘発されたが、彼女を除いた「四⼤神医」のうちの3⼈が出演したテレビCMの通信販売も取締りを受けている。李熾明がテレビCMで宣伝していた“一子三葉茶”は、2014年に山東省の“濰坊市食品薬品監督管理局”によって重大な違反公告と判定された。王志金が宣伝していた“九千堂化糖老方”は違法公告の容疑で、湖南省の“株洲市食品薬品監督管理局によって取調べを受けた。また、高振宗がテレビCMで宣伝していた“蒙薬名目二十五味丸”は虚偽公告により“河北省食品薬品監督管理局”および広東省の“広州市工商行政管理局”の取り締まりを受けた。

11万円でCM枠を買って…

それにしても、北京華珏がわずか3か月で偽薬を670万元(約1億円)も売り上げていたとは驚きである。テレビ局のCM枠は、テレビ局の格によって異なるが、“県”レベル<注2>のテレビ局では6か月間で7000元(約11万円)程度というから、各地のテレビ局でCM枠を購入してもさほど大きな金額にはならず、北京華珏が返却した400万元(約6400万円)以上の利益を得ていたことは想像に難くない。なお、670万元は日本円に換算すると約1億円だが、中国の庶民感覚では670万元は日本円で3億円以上の金額になるはずである。

<注2>中国の県は、「省・自治区・直轄市」、「市」に次ぐ行政区分。

病気を抱えて藁にもすがる思いで神医が推奨する妙薬を購入した人々を騙すとは、北京華珏を始めとする詐欺師たちは度し難い存在と言える。しかし、この種の詐欺師たちはいくら取り締まっても雨後の筍で、次々と出現して消滅することはないのが実情である。

ところで、偽薬や薬の功能を誇張したテレビCMに出演して詐欺師たちの片棒を担いだ「七つの顔を持つ神医」たちが処罰されることはないのか。この事件を報じた中国メディアの多くに目を通したが、彼ら「偽神医」が罰せられたという記述はどこにも見つからなかった。役者である神医たちはCM監督から要求された演技をしただけで、詐欺には加担していないということなのだろうか。「四大神医」と呼ばれる役者たちは、今後もテレビCMに出演して、神妙な顔で新たな偽薬を宣伝し、視聴者の購買意欲を刺激し続けることだろう。

つまるところは、「騙す人が悪いのか、騙される人が悪いのか」という問題になるが、病気を抱えて苦しむ人たちを騙す方が悪いことは明らかである。その片棒を担いでいることを「四大神医」も知っているはずで、役者だから監督から要求されるままに演技したでは済まされない。「四大神医」にも厳罰を科すべきだと思うが、中国には彼らに適用する刑法はないのだろうか。少なくとも、日本の「七つの顔を持つ男」は正義と真実の使徒であった。

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『中国の青年が金正恩に感服する意外な理由 「世界一ストレスフルなのにいつも笑顔」と感心する背景にあるもの』(6/29日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

7/1桜内文城氏ブログ<【裁判闘争記】「慰安婦=性奴隷」説の上告人に最高裁で勝訴確定!!!>で従軍慰安婦の嘘を朝日と共に世界にばら撒いた吉見義明中大名誉教授の上告棄却の経緯の報告です。これを是非世界にアピールしていってほしいし、日本国民も韓国の嘘吐きを許さないような運動に結び付けられればと思います。なお、桜内文城氏は宇和島東高→東大法学部→大蔵省→「みんなの党」参議院議員1期(愛媛県選出)→「日本維新」衆院議員1期(愛媛県選出)→現在はフリーです。

http://ameblo.jp/sakurauchi/entry-12288695874.html

同じく慰安婦がらみの訴訟で2016年6/22産経ニュースは元慰安婦側が敗訴 米連邦地裁、産経新聞などの主張認める

韓国の元慰安婦の女性2人が日本政府や産経新聞社などの日本企業に原告1人当たり2000万ドル(約21億円)の損害賠償を求めて米サンフランシスコの連邦地裁に起こした訴訟で、同連邦地裁は21日(現地時間)、全21被告に対する原告の請求をすべて退ける判決を下した。これで第1審は終結した。被告のうち産経新聞社については昨年11月にいったん原告の訴えを却下するとの決定がなされたが、その後、原告が証拠開示手続きを求めたため、審理が続いていた。(ロサンゼルス支局)>と報じています。韓国の嘘が世界に知れ渡ればよい。

7/1自由時報(台湾)に<郭文貴再爆:王岐山睡了范冰冰>という記事が載り、米国逃亡中の郭文貴が「虎も蠅も叩く」と豪語している王岐山と女優の范冰冰は関係があったと暴露したという報道です。王岐山は多くのスターと浮名を流しているが、郭文貴は王岐山と范冰冰のセックスビデオを見たことがあり、王岐山は全部で18部のセックスビデオを作ったとのことです。まあ、男女の仲は仕事とは関係ないでしょうけど。范冰冰の写真を下に載せます。

http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2117824

本記事を読んで思ったことです。中国も北朝鮮も共産国家=専制国家で「言論の自由」=政府を批判する自由がありません。特に中国は主席に習近平がなり、彼は第二の毛沢東を目指していますので、個人の人権、自由に対して大きく制約がかけられています。香港の独立は許さない=武力鎮圧するぞという脅しをしたり、ノーベル平和賞受賞者の劉暁波の入院を遅らせたりと。北は日本統治時代に民主選挙を一度は経験していますが(1933年に朝鮮半島で選挙が初めて行われた)、中国大陸の歴史の中で真の民主選挙が行われたことは一度もありません。ですから専制国王と言ってよい金三胖を中国人が賞賛するのでしょう。自国民を虐殺しているというのに。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%B5%B1%E6%B2%BB%E6%99%82%E4%BB%A3%E3%81%AE%E6%9C%9D%E9%AE%AE

日本人のストレスですが、これは飲む機会が減っていることが大きいと思います。昔は会社の同僚や大学時代の友人と飲みに行き、会社の上司の悪口を言い、憂さを晴らせばストレスの大部分は解放されました。今は若い人が、会社の仲間と連れ立って飲みに行くのが少なくなっているそうです。まあ、気の合わない人間と飲みに行ってもつまらない気持ちは分かりますが。それと、新自由主義の影響で、会社が運命共同体でなく、利益共同体になり、簡単に解雇できるようにしたのも大きいでしょう。会社からは忠誠を要求され、その代り終身雇用はないのでは社員も不安や不満が溜ります。アメリカナイズの弊害でしょう。

記事

(写真=KCNA/新華社/アフロ)

新聞で、雑誌で、テレビで、ラジオで、ネットの記事で、ツイッターで。日本において、「ストレス」という文字を目にし耳にしない日は1日たりともない。ただ、肉声で「ストレスがひどくて」と誰かが話しているのを実際に聞く機会というのは、意外に少ないものだ。例えば職場や学校で「実はストレスが……」と同僚や同級生に打ち明けるとすれば、それはストレスが相当な程度にまで進んでしまった時ではないだろうか。10代や20代の子供や学生であれば、「だりぃ~んだよ~」「やってらんね~よ~」というのと同じ調子で「まじストレスやべぇ~」ぐらいは言うだろう。ただ、大人になると、ストレスを感じていてもなかなか人前でそれを公言はしないものだ。

翻って中国。ストレスのことを中国語で「圧力」と書く。発音は「ヤーリー」だ。「ストレスがひどい」は「圧力很大」で「ヤーリーヘンター」と発音する。中国ではこの「ヤーリーヘンター」を肉声でつぶやく声を聞かない日は1日たりともない。職場で、食事に入ったレストランで、休憩に立ち寄ったカフェで、地下鉄を待っている駅のホームで。どこにいてもどこからともなく、友人に、同僚に、電話の相手に「ヤーリーヘンター」と話している声が耳に入ってくるのである。

ストレスを感じる内容については、日本も中国もそう変わらない。仕事のこと、上司のこと、家族関係、家のローン等々。だから、中国人がストレスを感じている問題については、共感できることは多い。ただ一方で、上海で働き始めて4、5年のころまで特に共感できなかったのは、まるで口癖のようにストレス、ストレスとわめき愚痴をこぼすその態度だった。特に会社勤めをしていたころは、同僚や部下がさして難しくも複雑でも期限が差し迫ってもいない仕事をしながら、「ヤーリーヘンター」を連発するのを見て、「まあ分かるけど、いちいちストレス、ストレス言わずにやれよ、大人なんだからさ」と心の中で何度つぶやいたことだろう。

ただ、中国での生活が長くなってくると、すぐに愚痴をこぼすのは、ストレスを極限までためないための知恵なのではないかと思い始めた。それに気付いたのは帰省先の日本でである。当時は年に1、2回しか日本に帰省しなかったのだが、東京ではJRや地下鉄のホームで、スーツに身を固めた中年の男性が人目をはばからずに号泣していたり、1点を見つめてブツブツつぶやきながら歩いていたりするのに毎回のように遭遇した。大の大人が人目もはばからず泣くほど追い詰められてしまうのは、まだ大丈夫、まだ耐えられる、と思ってストレスをため込むうちに限界が来てしまっているのではないかと思った。

そして、痛ましい姿になんともやり場のない気持ちを抱えながら、そういえば、中国で大人の男がストレスをためて泣いている姿に遭遇したことなどないということを思い出した。それは、日本の、とりわけ東京のサラリーマンがより屈折したストレスを抱えているという事情もあるのだろうが、一方で、中国人のように早い段階でストレスを抱えていることを公言するのは、こまめにガス抜きをすることで、取り返しのつかないところまでストレスを蓄積しない効果もあるのではないかということを考えた。それ以来、中国の大人がストレスを口にすることを私は少なくとも否定はしなくなった。

ところが先月のこと。中国の大手Q&Aサイト「知乎」で、ストレスに関するある回答が話題を集めたのを見て、私は再び、中国人のストレス感を考えさせられることになった。

一人っ子世代が興味を持つ金正恩

質問は、「金正恩は、世界で最も成功した80後か?」というもの。「80後」とは、1980年以降に生まれた中国人のことを指す。2年前の2015年に事実上撤廃されるまで、中国では1979年から37年間にわたって一組の夫婦の子供を1人に制限する「一人っ子政策」が実施されていた。同政策施行後に生まれた中国人のことを、それ以前の世代と区別して「80後」と呼ぶ。

一人っ子世代の子供を抱える家庭の問題に「421家庭問題」と呼ばれるものがある。一人っ子政策が始まったばかりのころは、家族の愛を文字通り一身に受けることから、一人っ子たちは祖父母と親の分を合わせて「6つの財布を持つ」と言われたものだ。ところが、21世紀に入って一人っ子世代の親や祖父母の高齢化問題が顕在化してくると、今度は、一人っ子は「2人の親」と「4人の祖父母」の老後を「1人で支え」なければならないと言われるようになる。一人っ子政策が廃止になったのも、若年層を増やさなければ早晩、高齢化問題で中国が破たんするとの危機感からのこと。421家庭問題は、それ以前の世代が抱えたことのない、80後特有のストレスだと言われる。

話を戻そう。「金正恩は、世界で最も成功した80後か?」という質問がQ&Aサイトに立った5月は、北朝鮮が毎週のようにミサイル発射実験をしていた。表面上、北朝鮮最大の友好国である中国でも北朝鮮情勢についての関心は当然高い。このQ&Aサイトでも、「朝鮮」が独立した質問のカテゴリーとして設けられていて、「仮に朝鮮半島統一なら、日本を凌ぐ存在になるか」「北朝鮮の生活はどんな感じ?」「北朝鮮が軍事パレードで披露した新型武器をどのように評価するか」等々、無数の質問が並んでいる。金正恩・朝鮮労働党委員長が80年代生まれだということがなぜ話題になるのかは、外国人にはなかなか分かりづらいが、「一人っ子政策前・後」で社会が大きく変わった中国人にとって、1984年生まれで今年33歳の金正恩氏を「80後」という切り口で見るのは興味深いことなのだろう。

「成功」という、見る角度や価値観によって様々に評価でき、これという正解も出ないだろうキーワードを設問に立てたのだから、回答にも当然、様々な意見が並んだ。ある意味、陳腐な質問で、普通であれば、数多の質問の中に埋もれて消えてしまってもおかしくない類のものだったはずだ。

ところが、ある回答が、この質問に輝きを与え命を吹き込んだ。この回答を機にこの質問は注目され転送が繰り返され拡散した。私がこの質問の存在を知ったのも、Q&Aサイトそのものではなく、SNSで何人かの友人が拡散しているのを目にしたことからだった。それも、友人らが拡散していたのは、「金正恩は、世界で最も成功した80後か?」という質問そのものではなく、「最も人気のある回答」の方だったのだ。

それは、金正恩氏のストレスを切り口にした回答だった。

「最も成功しているか否かについて、確かなことは言えない。ただ、彼が世界中で最も大きなストレスに晒されている80後であることは間違いないのである」と強調。その上でこの回答者は中国の読者を、こう叱咤したのだ。

「おい、『ストレスがひどい、ストレスがひどい』ばっかり言ってるんじゃないよ。80後のこの小僧(金正恩)を見よ。両親は共に亡く、兄貴ももはや亡い。世界最強の敵に対峙し、内憂外患で亡国や命の危機にさらされながらなお、弾けるように笑っているではないか! これこそ真の男だ。それに比べて、お前たちのストレスなんて、ストレスのうちに入らんわ!」

ストレスを笑い飛ばす姿に憧れ

そして文章の下には、ネットから拾ってきたのだろう、視察先の工場、ミサイル実験場、海岸、農場と思しき場所で老将、市民、美女らに囲まれ、時に1人で、しかしすべて豪快に笑っている金正恩氏の写真がこれでもかと貼り付けられていた。さらにこの回答に対するコメントや、私の友人たちが転送したものには、「おっしゃるとおり」「親がいないのによくやってる」「よく笑う男の運気は悪くない」「楽しい。それが一番大切」「確かに大変なストレスだろう。見習いたい」等々、意見を肯定するコメントが並んだのである。半面、「背負わなければならない親や祖父母がいなくて気楽じゃないか」というような意見は見当たらなかった。

パニックで泣き出した青年

 約束の時間に間に合わず、エレベーターの中でパニックになって泣き出してしまった青年。中国に暮らす人々にも日本と同じように、大きなストレスが日々襲っている。

「世界最大のストレスを抱えているのにいつも笑っている」という指摘の善し悪しについては置く。私には、ストレスを愚痴らず笑い飛ばす人間を肯定する中国人の姿が新鮮だった。

ただ、中国もストレスで大の大人が泣き出さないという社会ではもはやない。以前この連載で触れたが、デリバリーサービスの青年が約束の配達時間に間に合わず、少ない給料の中から罰金を取られる悔しさと悲しさでパニックになって泣き出してしまい、その様子を映したエレベーターの監視カメラの動画がネットで広まり話題になるというご時世である。

ストレスを小出しにして爆発させないためとはいえ、今までのようにまるで呼吸をするように「ストレス、ストレス」と簡単に愚痴っていたら、乗り越えられない類のストレス社会に中国が入ったのだということを、中国人がおそらく無意識のうちに感じ始めた。金正恩氏の笑い顔に集まった賛同は、それを裏付けるものなのではないか、というのが私の推論である。

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『「韓国の鳩山」に悲鳴をあげる保守系紙 韓国人が選ぶのは「同盟堅持」か「自主外交か」』(6/29日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

6/30産経ニュース<THAAD配備「覆さず」 韓国・文在寅大統領、トランプ米大統領との会談前に表明>

http://www.sankei.com/world/news/170630/wor1706300012-n1.html

同じく6/30産経ニュース<文在寅氏がトランプ氏を「北核解決で偉大な大統領に」と最大級の持ち上げ THAADの不満はくすぶり続け>

http://www.sankei.com/world/news/170630/wor1706300049-n1.html

文在寅大統領がTHAAD配備「覆さず」といっても、沖縄同様デモで工事を遅らせているではないですか。また、配備は認めても運用は認めるとは言っていないという意見もあります。(ただ、米軍内部にTHAADが配備されれば、韓国がストップできる手段はないのではという気がしますが)。慰安婦像も(ソウルだけでなく釜山でも)条例で中央政府は撤去できなくなりました。中央政府が法律を作って慰安婦像を禁止すれば良いだけです。地方自治体の条約より優先されるので。韓国政府はハナからやる気がないのは見え見えです。こういう中央と地方とを分けたセコイやり方が通用すると思っているのですから、その内痛い目に遭うでしょう。

また文大統領はトランプ大統領を持ち上げたというのは、韓国民の「強きに擦り寄り、弱きを挫く」事大主義そのものです。事大主義のDNAが長い歴史の中で組み込まれたのでしょう。商人が揉み手をして武士に近づく卑屈さを感じさせます。それでいて唯我独尊なのですから、日本も相手に痛みを感じさせないと分からないでしょう。経済面での支援(生産財や部品供給も含む)は韓国には禁止することです。

6/30産経ニュース<釜山の慰安婦像も市の管理下に ソウルに続き条例制定 日本の要求を完全無視>

http://www.sankei.com/world/news/170630/wor1706300059-n1.html

7/1産経ニュース<韓国の丁世均議長が大放言! 「平昌五輪、日本人観光客少なかったら東京五輪に1人も行かせない」「日本企業は韓国の若者を引き受けろ」…大島理森衆院議長らと会談で>。こういう傍若無人な振る舞いにきちんと対応しないから、相手はつけあがるし、日本は舐められるだけです。大島議長も行政府ではないからと責任逃れをするのではなく、相手も議長なのだから、「アナタの言い分は分かりました。首相に伝えます。自分としては東京五輪に韓国人が来なくても困らない。慰安婦合意を守らないような国にあれこれ言われたくない。日本も韓国へのスマホの部品供給を止めることもできるんですよ。反論は聞きたくない」くらい言って席を立ち、帰って来たらどうですか。

http://www.sankei.com/world/news/170701/wor1707010005-n1.html

西村 幸祐・ケント・ギルバート『トランプ革命で甦る日本 「日米新時代」が見えてきた!』の中でケント氏は「地政学上、中国と日本の緩衝地帯として韓国は必要。朝鮮半島を統一させて中国に譲り渡すのは誰が米国大統領になろうとも許さない。朝鮮戦争で米軍は36000人の死者を出している。韓国で働いている米国人も多く、韓国を大事にしたいと思っている」(P.198~199)。「韓国と関係断絶して米軍が撤退すれば、朝鮮半島への影響力が失われる。引き揚げは難しい。米国の退役軍人は「何をやっているんだ」となる。もし、撤退したら中国が何を言いだすか分からない。ドイツにオーストリアを譲ったことが第二次大戦を誘発したという歴史を無視する訳にいかない」(P.203~204)。これに対し西村氏はもう韓国は見限っても良いのではというニュアンスでした。この本の出版は今年の1/27ですから、対談は昨年中に行われたと思います。もう既にそれから半年たち、状況は変化しつつあります。

ケント氏が考えているレベルから米国は離れている気もします。韓国の対応(大使館デモ、北が拉致した米大学生の死亡後の文の北宥和策)はトランプ及び米軍をも怒らせているのでは。戦時作戦統制権も韓国に返すかもしれません。その前に、在韓米軍は規模を縮小し、日本or台湾へシフトすれば良いと思っています。長谷川慶太郎氏の『世界が再び日本を見倣う日 「トランプ砲」は恐れる必要なし』に「在韓米軍は陸軍なので兵を動かすには米国議会の承認が必要。海兵隊は大統領令で動かせる。朝鮮戦争が始まれば最初に動くのは沖縄の海兵隊では」との記述がありました。

韓国は北と一緒になって核で日本を脅すつもりなら、米国から核を買い、その間に自前の核を用意すれば済むことです。最大の敵は朝鮮半島ではなく中国ですから、日本の核武装を進めるうえで良い口実となります。

記事

6月24日、THAAD配備反対派がソウルに集結。デモ隊の「米国大使館包囲」を裁判所が認可したのは初めて(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

米国との同盟を維持するのか、北朝鮮と手を握るのか――。北朝鮮の核問題が煮詰まる中、韓国が岐路に立つ。

中朝に屈する米韓

鈴置:韓国の保守系紙が悲鳴をあげています。文在寅(ムン・ジェイン)政権が米国と激しく対立し始めたからです(「『米韓合同演習』を北に差し出した韓国」参照)。

最大手紙の朝鮮日報が先頭に立ちました。同社顧問で保守の大御所、金大中(キム・デジュン)氏が「北の核・ミサイルに韓米は膝を屈するのか?」(6月5日、韓国語版)を載せました。以下が書き出しです。

THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)を巡る韓国・米国・中国の間の葛藤がこのまま続けば、最後は在韓米軍の撤収と韓米同盟の瓦解にまでつながる可能性が大きい。

結局、米国のアジアの防衛線は日本列島を境界とする「アチソンライン」に後退し、朝鮮半島は中国大陸圏に編入される状況も起こり得る。

世界からの非難と制裁にもかかわらず核とミサイル開発にかけた北朝鮮の戦略と、中国の二重プレーの前に韓米が膝を屈する格好だ。

同盟を売り渡す

—朝鮮日報の金大中顧問はしばしば「アチソンライン」を例えに「米国から見放される」と警告しますね。

鈴置:大統領選挙の前にも「左派政権ができたら、米国は再びアチソンラインに後退する」と書きました(「文在寅が大統領になったら移民する」参照)。

ただ、今回はその時以上に必死です。まず、文在寅政権が反米の「本性」をあらわして、在韓米軍へのTHAAD配備を邪魔し始めたからです(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。

もう1つの理由は、米国の外交専門家が「米韓同盟を中国に売り渡す案」を真剣に語り始めたからです。金大中顧問が注目したのはニューヨーク・タイムズ(New York Times)への寄稿でした。

ハーバード大学ケネディスクールのアリソン(Graham Allison)教授が書いた「Thinking the Unthinkable With North Korea」(5月30日、英語)です。

金大中顧問はこの寄稿の「同盟売り渡し」部分を引用しながら論を進めました。

4月の米中首脳会談で習近平主席が「北朝鮮がミサイル発射を中断する見返りに、米国は韓国内の軍事活動(たぶんTHAAD配備など)を凍結するよう」提案したとアリソン教授は言う。

「もし中国が金正恩(キム・ジョンウン)政権を取り除き、非核化を達成するとの責任を果たせば、米国も基地を撤収し韓米軍事同盟を破棄したらどうか」との提案だったということだ。

これが事実なら(日米がフィリピンと韓国の支配権を相互に認め合った)「桂―タフト密約」である。

キューバ危機の再来

—今ごろ「売り渡し」に驚いているのですか?

鈴置:確かに韓国の反応は遅い。トランプ(Donald Trump)大統領が「習近平主席によると、韓国は歴史的に中国の一部だった」と語った時、鈍感な日本でさえ、専門家は「米国は韓国を見捨てる伏線を張り始めたな」と考えました(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。

「朝鮮半島全体が中国の勢力圏である」との習近平主席の主張を、トランプ大統領が認めたということですからね。

しかし、韓国人は「我が国が属国だったと米中首脳が話し合った」ことに怒りを爆発させてしまい、発言に込められた意味に思い至らなかったのです(「米国に見捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。

—アリソン教授は米韓同盟をも材料にした「米中の取引」があり得るというのですか?

鈴置:「多くの米大統領にとってはあり得ない案だ。しかし、トランプは独創的だ」と書いています。つまり「あり得ない話ではない」と予測したのです。

アリソン教授は1962年のキューバ危機の例を挙げています。米ソは核戦争の危機を目前にして、双方が歩み寄りました。

ソ連はキューバからミサイルを引き上げました。当時は秘密にされていましたが、米国はソ連を狙っていたミサイルをトルコから撤収しました。危機に直面した大国はそれまでの常識を越え「大きな取引」に出たのです。

「日本の良心」の失敗

—金大中顧問は「THAADなどでつまらぬ嫌がらせをしていると、今度こそ米国に見捨てられるぞ」と言いたいのですね。

鈴置:その通りです。同じ朝鮮日報の鮮于征(ソヌ・ジョン)論説委員は「日本の失敗」を例に挙げ「見捨てられ」に警鐘を鳴らしました。「米国はこんな韓国を理解するか」(韓国語)です。ポイントを訳します。

鳩山元首相は韓国に来てはひざまずいて謝罪する「日本の良心」だ。しかし日本では「戦後最悪の首相」である。

首相になると、自民党政権が米国に約束していた沖縄・普天間基地をサンゴ礁に移すとの約束を覆した。「自然への冒涜だ」と言ったが、それこそ米国への冒涜だった。

米国側は「同盟の意味は特定の基地の場所を巡る問題よりも大きい」とコメントした。これを日本政府は「沖縄の基地問題が同盟を揺るがすことはない」と受け止めたが、間違っていた。

米国の真意に気づいた鳩山首相はあたふたと自民党が合意した案に戻ったが、一度ヒビの入った米日関係は元に戻らなかった。

「THAADを弄ぶ文在寅大統領は韓国の鳩山になる」ということです。

無神経な文在寅政権

—「韓国史上最悪の大統領になる」わけでもありますね。

鈴置:保守派としては、そうです。もっとも、文在寅大統領はこうした批判に馬耳東風。THAAD以外でも「反米親北」路線に突き進んでいます(「文在寅政権の『反米親北』の動き」参照)。

文在寅政権の「反米親北」の動き

5月10日 文在寅大統領就任
5月中旬 マケイン米上院議員が文大統領に面談を要請。青瓦台は1週間返答せず(韓国各紙の報道による)
5月30日 文大統領、THAAD発射台4基の追加配備に関し真相究明を指示
6月7日 青瓦台、環境影響評価を理由にTHAADの4基の発射台増設先送りを示唆
6月12日 文大統領、訪韓したインファンティーノFIFA会長に「2030年ワールドカップは南北中日で開催したい」
6月15日 文大統領、南北首脳会談記念式典で「挑発を中断すれば無条件で対話する」
6月16日 文正仁・大統領特別補佐官、ワシントンで「核・ミサイルを中断すれば米韓合同軍事演習を縮小できる」
6月20日 文大統領、米CBSに「北朝鮮を対話に引き出す方法には様々の意見がある。トランプ大統領と話し合う」
6月20日 都鍾煥・文化体育観光相、北朝鮮の馬息嶺スキー場に関し「活用方法を探す」と平昌五輪共催の検討を表明
6月24日 文大統領、平昌五輪での南北合同チームの結成を呼び掛け
6月24日 THAAD反対を唱える左派のデモ隊が在韓米国大使館を19分間包囲。裁判所が史上初の許可
6月29日、30日 ワシントンで米韓首脳会談
 

米国と日本が北朝鮮に完全な核放棄を求め、経済に加え軍事的な圧力までかけている時に「核とミサイル実験の凍結だけで対話する」と宣言してしまった。

さらには大統領の特別補佐官――大統領と似た名前ですが、文正仁(ムン・ジョンイン)氏が米国まで行って「米韓合同軍事演習の縮小」に言及。大統領もそれを事実上、支持しました(「『米韓合同軍事演習』を北に差し出した韓国」参照)。

1年間半も北朝鮮に拘束されたあげく、6月13日にようやく釈放された米国の大学生が帰国後6日で死亡。米国の世論が激高している時に、韓国の大統領は2018年の平昌五輪の南北共同開催を呼びかけた……。

史上初の米国大使館包囲デモ

—無神経ですね。

鈴置:ここまで来ると、無神経というよりもわざと――米国の反韓ムードを盛り上げる目的でやっているとしか思えません。6月24日にはソウルの米国大使館を取り囲むデモが敢行されました。政府の認可したデモとしては史上初です。

主催者発表によると3000人が「THAAD反対」を訴えて米大使館の周囲を巡るコースを行進。「人間の鎖」で包囲した、と誇ったのです。

ウィーン条約により各国政府は外国公館の安寧を守る義務があります。が、裁判所は「韓国の法律では大使館の機能と安寧が守られれば可能」として左派のデモを認めたのです。

日本大使館はともかく、米国大使館に対し歴代の韓国政府はデモを認めませんでした。今回、裁判所が国内法を理由に許可したのも、反米政権の顔色を見てのことと韓国では見なされています。

ワシントンは馬鹿ではない

—保守系紙の悲鳴は……。

鈴置:高まるばかりです。各紙のワシントン特派員は現地の反韓ムードを丹念に伝えています。例えば、東亜日報は米国の識者の「ワシントンは馬鹿ではない」との声を紹介しました。

米国は文在寅政権を金大中、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の太陽政策の継承者と考えている」(6月21日、韓国語版)はクローニン(Patrick Cronin)CNAS所長にインタビューした記事です。

「太陽政策」とは1998年から2代、10年に渡って続いた左派政権が実施した親北政策のことです。両政権は南北首脳会談を開いてもらう代わりに、北朝鮮に多額の援助を送りました。

韓国の保守派や日本、米国の多くの専門家はそのカネで北朝鮮が核武装した、と極めて否定的に韓国の左派政権を見ています。

クローニン所長も文在寅政権が太陽政策を再開すると警戒しているのです。しかも、北朝鮮に核を放棄させようと米国が死に物狂いになっている時に。

—「ワシントンは馬鹿ではない」とは?

鈴置:先ほど言及した、大統領の特別補佐官が米韓合同軍事演習の縮小をワシントンで唱えた事件(「『米韓合同演習』を北に差し出した韓国」参照)。

青瓦台(大統領府)は「個人としての発言」「特別補佐官には言動を注意した」と弁解しました。が、クローニン所長は「嘘つけ」と言い放ちました。以下です。

特別補佐官の発言は文在寅大統領が選挙当時から言っていたこととほぼ同じだ。問題は外交安保政策を助言すべき人が政権をとった後にワシントンで、それも米韓首脳会談の直前に語ったことだ。憂慮が深まるばかりだ。

ワシントンの人間は馬鹿ではない。特別補佐官はセミナーで米国の専門家と議論を交わした後、韓国大使館の関係者を陪席させたうえ「私の発言を書き取ったか」といちいち指示していた。自分の発言と反応を、外交部を通じ大統領に伝えようとしていたのだ。

猿芝居が好きな韓国人

—「猿芝居をするな」ということですね。

鈴置:韓国はそれをやるから嫌われるのです。異なる国なのですから意見に違いがあるのは当然です。でも、すぐに透けて見える小細工を堂々とやって本人は悦に入っている。嫌われるというか軽んじられるのです。

この指摘には東亜日報も恥ずかしく思ったのでしょう。社説でも取り上げました。「米国務省の高官たちが10月を心配する」(6月22日、日本語版)です。

中央日報も2日続けて、社説で特別補佐官を批判しました。いずれも日本語版で読めます。6月19日には「文正仁特別補佐官の不安な韓米同盟観」、翌6月20日には「青瓦台特別補佐官の軽率な発言で揺れる韓米同盟」を載せました。

興味深いことに左派系紙のハンギョレも社説「論議呼んだ文正仁特補の『対北対話』発言」で、特別補佐官の発言内容は「解決策の1つ」と評価しながらも「韓米首脳会談の10日前に表明するのは慎重でない」と、首を傾げたのです。左派系紙にも「米韓関係が破壊されるのは見ていられない」と考える人がいるのです。

左派系紙でそれぐらいですから、保守系紙の社説欄には毎日のように、「反米親北」批判が載ります。

朝鮮日報は1日に3本、週に18本の社説を載せます――日曜日は休刊なので。6月19日から24日までの6日間で、うち5本が「反米親北」批判でした。6月22日には1日に2本も載せたのです。

朝鮮日報も借りてきた猫

—よく書くネタがありますね。

鈴置:あります。この政権が本性をあらわし、急速に「反米親北」色を濃くしたからです。6月24日の「米大使館包囲デモ」に関しても朝鮮日報が社説「韓国大使館がデモ隊に包囲されたらどんな気がするか」(6月26日、韓国語版)を載せました。

「THAADを配備して韓国を守ろうとする米国の大使館にはデモをし、THAADで韓国に嫌がらせする中国の大使館にはデモをしない韓国人」を憂えたのです。

まあ、朝鮮日報も米国や日本を批判する時と比べ、中国を批判すべき時は借りてきた猫のように大人しくなりますが。

同じ日には中央日報が社説「『6・25』韓国戦争記念日の騒々しい韓国社会」(日本語版)で、翌6月27日には東亜日報が社説「韓米同盟の未来、文在寅―トランプ会談にかかる」(韓国語版)で、いずれも米大使館包囲デモに触れ、米韓関係への悪影響を懸念しました。

THAADが守るのは日米

—「反米親北をやめろ!」の大合唱ですね。

鈴置:でも、文在寅政権はこの路線を突っ走る可能性が高い。まず、80%前後の高い支持率を維持しているからです。

確かに「反米親北」に不安を感じる人もいるでしょう。ただ、普通の人は外交よりも内政、それも経済で政権を評価します。「バラマキ」が始まっている中、この高い支持率は当面、続きそうです。

もう1つは「反米親北」に拍手する韓国人も結構いることです。THAAD反対のための「米国大使館包囲デモ」を報じたハンギョレの「“韓国初”のアメリカ大使館前合法集会、平和的に終了」(6月25日、日本語版)から引用します。

この日発言に立ったパク・ソグン韓国進歩連帯常任代表は「米国や日本を防御するためになぜ朝鮮半島が火だるまになる必要があるのか。韓米首脳会談で、文在寅大統領はTHAAD配備を撤回させなければならない」と主張した。

—THAADがあるとなぜ「半島が火だるまになる」のでしょうか。

鈴置:米国はTHAADで在韓米軍や在日米軍を北のミサイルから守る。すると米軍は北朝鮮を心おきなく攻撃できるようになる。この結果、第2次朝鮮戦争が起きて火だるまになる――との理屈でしょう。

与党「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表も6月27日「THAADのために戦争が起きかねない」と語りました。

「THAAD配備が米中間の葛藤と南北の誤解を呼ぶ」からと説明しました。中央日報の「韓国与党代表、『THAADのために戦争になることも』」(6月28日、日本語版)が伝えています。

左派にとっては「THAADを追い出すことこそが半島の平和を守ること」なのです。

南北共同軍が日本を核で脅す

—THAADは「韓国も」守るのではないですか?

鈴置:その質問に対し彼らは「同じ民族の北朝鮮と仲良くすればミサイルは飛んで来ない。これが平和を守る一番いい方法だ。南北を仲違いさせているのは米国だから、THAADだけではなく米国も追い出せばすべてが解決する」と答えるでしょう。それに、THAADもなくせるから中国との関係も一気に改善する……。

—米国を追い出しても、北朝鮮の核問題は解決しません。

鈴置:北朝鮮との関係を正常化することで「南の経済力と北の核」を合わせ持つ、強力な統一国家を作れると信じる人もいます。

「民族ファースト」です。周辺大国の言いなりになって生きてきた。いつかは民族が1つになって自分の意思を通したい――。これが左派、保守を問わず韓国人の夢なのです。

ベストセラーになった『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』(1994年刊)はそんな夢を描いた近未来小説です。この話の中では、統一には至りませんが「南北共同軍」を組織し、日本を核で脅します。

反米の裏返しの「民族共助」

—いくらなんでも「北朝鮮と組むよりは米国と組んだ方がいい」と考える人の方が多いのでは?

鈴置:今現在はそうです。でも、韓国ギャラップの2002年12月の世論調査では、米国を肯定的に見る人が37.2%。それに対し、北朝鮮は47.4%と大きく上回っていました。

一方、「米国」と「北朝鮮」を否定的に見る人はそれぞれ53.7%と37.9%でした。「米国よりも北朝鮮が好き」だったのです。

米軍装甲車の事故で韓国の女子中学生2人が死んだ事件の影響です。事件が起きたのは同年6月。米軍の軍事法廷が11月に無罪を言い渡した後、反米感情が高まり、韓国全土でデモが繰り広げられました。

この勢いに乗って、同年12月の大統領選挙では文在寅大統領の盟友である盧武鉉氏が当選したのです。

—そんな時代もあったのですね。

鈴置:今後もあるかもしれません。反米感情をかき立てる何らかの事件が起きるたびに、韓国では「反米」とその裏返しの「民族共助」が叫ばれてきたのです。

事件が発生しなくても、米国に思うように操られていると韓国人が考えれば、反米感情が盛り上がります。例えば、第2次朝鮮戦争の足音が聞こえてくれば、普通の韓国人も「米国は出て行け」「戦争を起こすな」と言い出すと思います。

すでに左派の間では「米国は北朝鮮との戦争を始めるつもりで、それに韓国を引き込もうとしている」との見方が広まっています。だからこそTHAAD反対デモが起きるのです。

本家・鳩山は挫折したが

—「米国は出て行け」と普通の人も言い出すでしょうか。

鈴置:その証拠が保守系紙の「反米親北」批判です。詳しく説明したように、連日の紙面は親米的な社説であふれています。ただ、保守系紙は「このままでは米国に捨てられる!」と悲鳴をあげはしますが「北朝鮮と戦おう」とは書かない。

「戦争になってもいいのか」という批判と「同じ民族よりも米国が大事なのか」との非難を恐れているのです。

保守系紙が覚悟を固めていないぐらいですから、米朝関係が際どくなれば、韓国の世論は米国との同盟を打ち捨てて、中立に傾く可能性が高い。

今でも「我が国が中立化すればミサイルは日本にだけ飛んでいく。高みの見物だ」と日本人に言ってくる韓国人もいます。

それに韓国が「米国は出て行け」と言う前に、米国が韓国を見捨てる可能性もあります。それを韓国人が自覚すれば、親米派の「同盟を堅持しよう」との主張は説得力を失います。

「韓国の鳩山」は「本家の鳩山」とは異なって「反米路線」を貫徹する可能性があります。もちろん、トランプ大統領の出方次第ですが。

(次回に続く)

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『“紅色企業株”6月暴落と「経済政変」の行方 中国経済は“魔の木曜日”以降も暴風雨やまず』(6/28/17 日経ビジネスオンライン 福島香織)について

6/30日経朝刊アジア投資銀、最高格付け 米ムーディーズ 

第2回年次総会の開幕式であいさつするAIIBの金立群総裁(16日、韓国・西帰浦)=共同

ムーディーズは「ガバナンス(企業統治)の強固な枠組み、妥当な自己資本、流動性の高さを考慮した」と説明した。格付けの見通しは「安定的」とした。AIIBは2016年1月の開業から1年半で、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)など他の国際開発金融機関と同じ高い格付けを得た。

AIIBは自己資本が1千億ドル(約11兆円)と「同じ格付けの他の開発金融機関よりも厚い」(ムーディーズ)。6月末の投融資は約25億ドルと資本の2.5%にとどまり、大半が低リスクの世銀などとの協調融資だ。手元資金の管理も「他の開発金融と同等かそれより厳格」(同)とした。

今回の格付けには2つの「驚き」がある。

1つはムーディーズという国際大手の格付け会社から得たこと。海外市場で債券を発行しやすくなる。ドルなど人民元以外の資金も調達が容易になる。中国がロシア、インドなどと運営する新開発銀行(通称BRICS銀行)は審査の甘さが指摘される中国の格付け会社からしか「投資適格」の格付けを得ていない。債券発行も中国国内市場での人民元建てだ。

2つ目は格付けが最上級だったこと。低い金利で債券を発行できるので、低金利での融資が可能になる。日本政府内では「最上級は難しい」との見方があった。約3割と最大出資国の中国の国債が今年5月にムーディーズから格下げされたこともAIIBの格付けに響くとの指摘もあった。

AIIBの金立群総裁は6月の年次総会後の記者会見で「17年中に3つの格付け会社から格付けを取得できる」との見通しを示した。他の格付け会社からも格付けを取る可能性が高い。

格付け取得によりAIIBの国際開発金融機関としての体制整備はさらに進む。ムーディーズがリスクや財務の管理を評価したことで、AIIBは国際的な「お墨付き」を得たとアピールする可能性が高い。

ただ、ムーディーズはどのような場合にAIIBが格下げになるかにも言及した。融資審査やリスク管理が甘くなったり、中国など主要出資国からの支援が弱まったりした場合を挙げた。これまでのように堅実な運営を続けられるかどうかが高格付けを維持するカギを握る。

日本の財務省幹部は「民間企業の判断にコメントしない」としつつ、AIIBへの参加には慎重な考えを改めて示した。参加の是非を巡ってはAIIBの公正なガバナンスの確立などの条件が満たされるかを重視するという。>(以上)

上の写真は6/30日経朝刊に載った新刊紹介です。著者は上念司氏で「中国のGDPは437兆円以下で、日本のGDP522兆円に次ぐ3位」というもの。以前から中国の発表するGDPは日本以下という噂はありましたが。白髪三千丈の世界、捏造改竄が得意な中国だけのことはあります。何も根拠なく、中国のGDPの数字を挙げている訳ではないと思います(まだ読んでいませんので詳細は分かりません)。中国がこれに数字を挙げて反論するのを期待したいところですが、彼らは嘘がばれるのを恐れて何もしないでしょう。日本の左翼や反日民進党・共産党同様大手メデイアを押えておけばよいとの発想です。ですから、国民の情弱こそが問題になります。大手メデイアだけでなく、ネットを利用していろいろ情報を集める努力をしませんと。大手メデイアは中共の手先と思って見れば間違いありません。

高橋洋一氏も中国の公表するデータで唯一信頼できるのは貿易統計だけと言っています。誤差脱漏があっても相手のあることなので、大きくずれることはありません。以前は李克強指数(鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費)が割と正確と言われていましたが、人口に膾炙し出すと、これもまた偽りの数字で発表されるようになりました。

http://ytanaka.g.dgdg.jp/chinaeconomy/newpage30.html

6/29日経朝刊華為が日本に通信機器大型工場 中国勢で初、技術吸収 

通信機器大手の中国・華為技術(ファーウェイ)が初の日本生産に乗り出す。年内にも大型工場を新設し、通信設備や関連機器を量産。日本の技術と人材を取り込み、日本や他の先進国で受注を増やす。事業買収や研究開発拠点の設置が中心だった海外企業による対日投資が生産まで広がる。中国企業が日本に本格的な工場を新設するのは初めて。

華為はスマートフォン販売の世界3位で、2016年12月期売上高は8兆円超。日本で初となる工場は、千葉県船橋市にあるDMG森精機の工場跡地と建屋を転用する。生産設備を導入し、早ければ年内に稼働する。当面の投資額は50億円程度とみられ、今後も追加投資を検討する。

華為はルーターなどのネットワーク機器が主力。高速通信網の整備を急ぐソフトバンクなど大手通信会社向けに販売が伸びている。新工場による現地生産で日本市場への供給力を高める。

中国企業による日本進出は00年代後半から目立ち始めた。業績が悪化した日本企業の買収が増えたためで、09年には中国の家電専門店大手がラオックスを買収した。本間ゴルフやレナウンなども相次いで中国企業の傘下に入った。

最近は研究開発拠点を設置する動きも広がる。自動車大手の長城汽車は16年に拠点を設け、電気自動車(EV)や自動運転の研究を開始。中興通訊(ZTE)もあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の拠点を都内に開設した。

すでに研究拠点を持つ華為はさらに生産まで乗り出す。日本は人件費の高さが課題だったが、中国の人件費が上昇して差が縮小。日本の割高感が薄まり、華為は新工場で生産管理の人材を多く採用する予定。中国流の低コスト大量生産と組み合わせ、品質と価格競争力を両立させる。

中国は「世界の工場」の役割を担ってきたが、国内の景気減速で海外市場の開拓が急務だ。日本の製造業が低コストを求めて中国に進出する動きが一巡する一方、今後は逆に中国の製造業が日本に進出する動きが活発になりそうだ。>(以上)

華為は深圳で起業した人民解放軍と関係が深い企業と言われ、商品にはバックドアが仕込まれ、米国での政府系機関に導入することを禁止する法律ができており、市場から締め出しを喰っています。いつも言っていますように二国間では互恵主義が基本で、日本は中国の土地を買えないのに(小生は買いたいとは思いませんが)、どうして中国が買えるようにしているのはおかしいと思います。彼らが買った土地に官憲は容易に踏み込めず、外交官特権のクーリエで持ち込んだ小型核や毒ガスだって工場地下に眠らせておくことは出来ます。2015年天津で起きた大爆発は記憶に新しい所です。あれも違法に化学物質を保管していました。中国人ですから何でもありです。

https://ssl.bsk-z.or.jp/kakusyu/pdf/25-8shousassi.pdf

福島氏の記事に出てきます「ホワイトグローブ」の意味は、「白手袋、汚れた手を隠すために白手袋をする人、金融の裏仕事請負人」の意味です。

本記事の最後に「帰国して投資しようと考えている海外華僑のみなさん、目をしっかり見開いて見ていてください。国内には頼りになる法治はありませんよ。やってくれば、虎の口に自らつっこむ羊みたいなものです」とネットで書かれています。上記のAIIBの格付けの記事は日経が喜んで記事にしましたが、いい加減中国礼賛は止めた方が良いでしょう。日本企業のミスジャッジを誘います。ムーデイーズや日経のトップは中国のハニトラか金を貰っているのか疑われても仕方がないでしょう。AIIBの融資実績は9件しかなく、しかも大半がADBや世銀との協調融資です。何故最高格付になるのか分からないというか、おかしいでしょう。安倍首相が「一帯一路」に条件付き参加を認める発言をした後、北京の日本商会が「中国からの撤退手続きの迅速化」を求める声明を出しました。まあ、撤退は難しいでしょう。早くとも2年はかかるのでは。AIIBは「一帯一路」を実現するための金融的な裏付けをする機関です。日本企業は戦争の可能性のある国には近づかないことです。

http://shinjukuacc.com/20170207-01/

6/21日経中国進出の日系企業、「一帯一路」で協議会

【北京=原田逸策】中国に進出した日系企業でつくる中国日本商会は21日、中国独自の広域経済圏構想「一帯一路」の連絡協議会を設立した。会員企業間で一帯一路に関する情報を共有するほか、商談会やセミナー、講演会なども開く。

また日本商会は同日、中国政府に対して事業環境の改善を求める意見書も公表した。日系企業が中国から撤退する際に税務処理などの事務負担を軽くするよう求めた。>(以上)

記事

6月13日、中国に名をとどろかす紅色企業(革命に参加した主要ファミリーが経営や資本に関わっている企業)・安邦保険集団のトップにして、鄧小平の(元)女婿である呉小暉が失脚したことが明らかになった。9日に民生銀行から融資を受けた1000億元を横領した疑いで、身柄を拘束された、らしい。これに伴い安邦株は大暴落だ。

6月22日には、飛ぶ鳥を落とす勢いであった政商・王健林が率いる大連万達集団の株価も暴落。これに伴い王健林失脚の噂が流れた。22日午後には、中国のバフェット級投資家でもある郭広昌率いる復星集団の株価が暴落。「星野リゾートトマム」買収で日本でも知られるようになった郭広昌は2015年12月に失踪(上海市公安当局に贈賄容疑で身柄拘束されていたらしい)したが、無事復帰していたところだった。

中国経済の雄・万達、復星の株価暴落は、あまりに突然であり、22日は“魔の木曜日”と呼ばれた。その前に、米国に逃亡した闇の政商・郭文貴の暴露発言で、王岐山との癒着が噂された海航集団(南海航空集団)の株価も暴落している。

「ホワイト・グローブ」をめぐって

上記の企業に共通しているのは、政治的な強大な背景があり、その株価が鉄板と思われていた“紅色資本”であり、いずれも海外のM&Aに積極的であり、海外に巨額の資本を所有し、いずれも「ホワイト・グローブ」と呼ばれる、共産党中央の官僚・政治家の資金洗浄などを請け負っていた政商たちである。

この前に、やはり大富豪で政商であった蕭建華が香港で拉致され行方不明(北京に秘密裡に拘束されているという噂)となる事件があり、これら一見、関係ないようにも思える政商の拘束や紅色株の暴落は、実のところ関連しているとみられている。“経済政変”という言葉も飛び出している。中国経済界で一体何が起きているのか。

一連の件は、習近平の金融・保険業界の整理整頓の動きとして理解される向きも多いだろう。すでにこのコラムでも紹介したように、中国株価を自在に操る資金力を持つ大投資家・蕭建華が今年1月に、香港の五つ星ホテルから拉致され行方不明、中国北京で拘束され、取り調べを受けているといわれている(関連記事「蕭建華失踪事件から読む『習近平vs曽慶紅』暗闘」)。

彼が拉致された理由はいろいろと憶測が飛んでいるが、曽慶紅や江沢民ら太子党、上海閥の政治家・官僚たちの資金洗浄なども請け負っていたということ、また2015年6月の上海株の乱高下事件にも関わったという疑いが持たれている。習近平にとっては政敵の金庫番のような存在であると同時に、習近平の指導する金融業界整理やキャピタルフライト防止にとっては邪魔な存在であったということだ。

積極介入、積極管理の通達

4月に入ると中国保険監督管理委員会主席(閣僚級)の項俊波が失脚。そのあと、習近平は政治局会議を招集し、金融市場の活性化と安定を求める通達を出した。この通達は六つの具体的項目があったが、その六番目は「党の金融業務に対する指導を強化し、党中央委員会による集中・統一化された指導を堅持し、党が主導する金融業務の体制メカニズムを改善し、金融方面の政策決定の科学化レベルを引き上げる」。つまり金融市場の党の積極介入、積極管理の通達だった。

5月に入ると、中国保険監督管理委員会保監会は安邦保険集団傘下の安邦人寿保険株式会社に対して、三カ月の新規製品の発売禁止処分を決定。これは安邦人寿の発売する安享5号というハイリスクユニバーサルライフ保険が、規制・監督を逃れて市場秩序を乱しているなど、二種類の保険商品に違反が見られたことに対する処罰ということになっている。だが、本当の狙いは、キャピタルフライト防止しようとする習近平の意向を顧みずに海外資産買収にいそしむ怖いもの知らずの鄧小平ファミリー企業を見せしめ的に締め付けたのではないか、という見方もあった。このころから呉小暉失脚の噂が流れはじめた。そして6月についに呉小暉失脚が確定。安邦保険集団と呉小暉が中国においてどういった存在かは、過去のコラム「鄧小平一族の企業『安邦』、急ブレーキの意味」を参照していただきたい。

そして魔の木曜日事件だ。22日午前中だけで、万達集団の債券が投げ売り状態になり、2%超えの下落。深圳市場の映画関連最大手上場企業である万達電影院線は9・9%の下げ止まりとなった。この日蒸発した、王健林の資産は40億元という。

「ネットの噂」を引き金に

なぜ万達の債券投げ売りが起こったのかというと、インターネット上で、中国建設銀行など万達の主要取引銀行に対して、当局から保有する債券をすべて売却するよう通達があったという、情報が流れたからだ。万達サイドは、すぐに「銀行側に問い合わせたが、そういう通達は出ていない」として、ネット情報がデマであると火消しにまわったが、多くの人々が、王健林の失脚が近いのではないか、という予感を持った。

万達集団がハリウッド進出を目指して、無謀ともいえるような米映画関連企業の買収を行い、銀行に多額の借入金があり、財務状況が悪化していることはかねてから欧米のコンサル企業からも指摘されていた。また、米国のエンタメ業界に入れ込む姿勢は、一つ間違うと、中国独自のソフトパワー政策を掲げる習近平の不興を買う可能性もありそうだ。王健林は軍人出身であり、その父親も長征参加の革命世代。習近平ファミリーにも株を融通していたことは知られており、王健林の積極的なハリウッド買収や海外スポーツ関連の投資、買収なども習近平の意向に沿っているとも思われていた(関連記事「中国はハリウッドを乗っ取るのか」)。

だが元大連駐在記者で薄熙来失脚の内幕を暴いたことでも知られる亡命ジャーナリストの姜維平はラジオ・フリー・アジア(RFA)サイトに「王健林はひょっとして終わりか?」というコラムを寄せていて、彼が薄熙来や最近失脚した福建省の不動産王・黄如論らとも関わりが深いことを考え合わせ、失脚の確率がかなり高いのではないかとの予測を語る。

復星国際株は22日午後、8.5%という創業以来最大の暴落を経験。やはりネットの噂が引き金だった。今のところ、暴落した株価は回復したが、一時は2015年6月から始まったあの株災の再来か、と市場関係者は震え上がったことだろう。

前触れはあった。中国銀行監督管理委員会は6月半ば、大手銀行に対して、万達、安邦、海航、復星、浙江羅森などの民営企業を含む数社に対するリスク分析を行うよう要請、特に近年の猛烈な海外投資の比率などが調査対象だといわれた。こうした当局の姿勢が噂となって、この五大企業は“やばい”という心理がすでにあった上に、ネットの噂が直撃したということかもしれない。

6月上旬にルパート・フーゲワーフ研究院が発表した「2017年中国企業の越境M&A報告」によれば、中国企業が昨年海外で行った投資及びM&Aは金額にして前年比150%増、買収先は米国が一番人気で、香港、ドイツと続いているという。海外資産買収額が多いのは海航、安邦、万達…。

6月20日、中国共産党メディアの微信公式アカウント「学習小組」が、習近平の発言を流していのだが、それによると習近平は「いつの時代も権力を掌握しているのは社会の少数であり、権力の周辺には既得利益集団が集まっている。これら既得利益集団は“権力中心”に接近し、資源を独り占めし、巨大な利益を得ている。彼らは権貴階層かもしれないし、ホワイト・グローブかもしれない。…近水楼台先得月(水辺の建物では月がよりよく見える=権力に近いと得をする)、“権力が金銭に変わるゲーム”というルールを許してはならない」と語ったそうだ。習近平がわざわざホワイト・グローブに言及したことが、話題になった。

これを多くの人たちが、習近平のホワイト・グローブに対する警告、宣戦布告と受け取った。そう考えると、呉小暉失脚も、万達、復星の株価暴落(あるいは揺さぶり)も、習近平のホワイト・グローブ、既得権益層に対する攻撃、という風に理解できるだろう。

「2015年の株災」暗闘と反撃

ただし、これが純粋に習近平政権の経済政策上の現象かというと、かなり政治的な意味合いも強いと思われている。「経済政変」という言葉が出てくることからもわかるように、これは政変、つまり権力闘争とみる意見も少なくない。

香港経済日報(6月21日)がこう報じている。「最近の習近平政権が行っている金融関連政策の動きは、尋常ではなく、背後には第十九回党大会への考慮が隠然と見えている」。

報道によれば、習近平は2015年夏の株災について、経済問題ではなく、習近平に対抗する国内権貴族が、経済・政治利益を習近平から乗っ取ろうとした“経済政変”が発動した、と信じていたようだ。

“経済政変”説とは、2015年の株災は江沢民、曽慶紅、劉雲山ら上海閥の共産党金融機関のトップや、蕭建華、呉小暉ら投資家が関与し、習近平から経済・金融の操縦桿を奪おうという狙いだった、とする。目的は金融危機を通じての株民(個人投資家)の財産一掃、実体経済の悪化、大規模失業といった経済混乱を引き起こし、習近平指導部への経済界や大衆の恨みを引き起こして総書記の座から引きずり下ろすことであった、という説もある。習近平は今年に入って、そうした動きに反撃すべく、保険業界のトップの入れ替えを行い、金融市場の介入、管理強化を通達し、江沢民派、曽慶紅ら太子党の牛耳る投資企業集団をターゲットに揺さぶりを仕掛けた、という見方だ。

その黒幕こそが、呉小暉はじめ、紅二代実業家たちだという。呉小暉が横領したといわれる、民生銀行から借りた1000億元というのは、まさしく2015年の株災を引き起こした株の空売買に投入された、という話も。ちなみに民生銀行は、共青団系の初の民営銀行である。

亡命華人学者の何清漣の言葉を借りれば、中国の存在する数百に及ぶ紅色企業は、鄧小平、江沢民、胡錦涛の統治が習近平に残した政治的遺産だ。共産党は胡錦涛政権までは、資本と党を結びつける紅色企業に頼ることで、共産党の執政党としての求心力を経済成長に求めることができた。

ところが習近平時代になって、この経済成長は限界を迎え、党の執政党としての権威や求心力に利用できなくなってきた。反腐敗キャンペーンは、むしろ党内を牛耳っていた資本家を追い出す方向への転換ともいわれている。党内の資本家たちの代表は、太子党。となれば、習近平自身が習仲勲という革命世代の建国元老の息子であり太子党サラブレッドであるはずなのだが、ついに幼馴染や親戚同然の太子党ファミリー企業家を敵とみなす政策を取り始めた、ということになる。

太子党、紅二代の資本家たちは、習近平の反腐敗キャンペーンをしばらく観察した結果、紅色ファミリーを経済・金融市場から退場させようというのが習近平の最終的な狙いであると気づきはじめたのだろう。それが2015年夏の”経済政変”を仕掛けた動機であり、今年に入って習近平サイドが反撃に出ている、というわけだ。

このストーリーは一つの仮説であって、実際のところ、何が起きているのは判然としない。習近平ファミリーだって、少し以前までは紅色企業の利権にあずかる立場であったはずだ。どこか本当に太子党、紅色企業を敵に回すはずがない、という思い込みが中国ウォッチャーたちにもある。単に政権安定のために、行き過ぎたキャピタルフライトにブレーキをかけ、海外流出した資本の還流を目的とした一時的締め付けの可能性も当然残る。

「内部で殺し合いが始まっている」

しかし、もし習近平が本気で太子党権貴族、紅色資本家たちを排除し、金融や保険、株式市場の操縦桿を「習近平を核心とする党」が取り戻すというつもりなら、中国経済がこれまで進めてきた民営化、市場の自由化が一気に逆流することになるかもしれない。

ネットの天涯サイトの掲示板で、こんなコメントがあがっていた。

「内部で殺し合いが始まっている。相対的弱者がやられて、勝者が資産を山分けする。帰国して投資しようと考えている海外華僑のみなさん、目をしっかり見開いて見ていてください。国内には頼りになる法治はありませんよ。やってくれば、虎の口に自らつっこむ羊みたいなものです」

党大会まで(あるいは党大会後も?)、中国経済予報は雷雨暴風雨が続く模様である。

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『米国の没落が急加速!「アメリカファースト」政策の大失敗』(6/27ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)について

6/27ZAKZAK【米中激戦!】「支持率低い」はつくられた? 米大手メディア、情報操作でトランプ氏たたきの理由

日本のマスコミでは、ドナルド・トランプ米大統領が「ロシア・ゲート」疑惑で弾劾されるとか、あるいは近い将来、辞任に追い込まれる、というような、まったく誤った情報が蔓延(まんえん)している。

これは米大手メディア(=メーン・ストリーム・メディア、一般に『MSM』と略称されている)が意図的に流している情報を、日本のマスコミが無自覚に垂れ流しているからだ。トランプ氏が弾劾される、あるいは辞任に追い込まれる可能性はほとんどない、というのが現実である。

ただ、トランプ氏がMSMに嫌われているのは事実である。それは彼が本格的な米国社会の革新を実行しつつあり、それに既成勢力の一部であるMSMが徹底的に抵抗しているからである。

「トランプ氏の支持率が低い」との報道もあるが、これもMSMがつくっている数字である。もし、彼らの世論調査が正しいとすれば、トランプ氏は昨年11月の大統領選で大敗北を喫していたはずだ。そして、ヒラリー・クリントン元国務長官が大統領に当選していたはずである。

昨年の大統領選で間違った情報を流したというよりは、情報操作で「クリントン勝利、トランプ惨敗」を意図的に実現させようとしたマスコミや世論調査会社が、まったく同じことをやっているのである。日本の左派マスコミによる、安倍晋三首相攻撃と似ている。

トランプ氏のスローガンは「アメリカ・ファースト」であり、「米国をもう一度、偉大な国にしよう」だ。彼は共和党の指名受諾演説で明言しているが、彼の政治的使命は「国民国家・米国の再建」なのである。「新しいナショナリズム」といってもよいだろう。

このナショナリズムに反対する左派リベラルが、多国籍企業・無国籍企業などと連携して「トランプたたき」を行っている。米大手メディアも、この「リベラル=無国籍企業」連携の一部である。国民国家・米国の再建に反対する勢力が手を組んでいるのだ。

米国で生まれても、多国籍化・無国籍化した企業は、さらなるボーダーレス・エコノミー化を推進しようとする。「ヒト、モノ、カネ」が国境を無視して自由に動くような経済が彼らの理想である。このボーダーレス化に反対し、国民経済という単位を重視しようというのが、トランプ氏の基本政策である。

ボーダーレスでなく、ボーダーを強化して、米国国民の利益を第一に考えるのが、トランプ政権である。ボーダーレスを理想とする無国籍企業からすれば、民主政治に基礎を置いて企業活動を規制しようとするトランプ氏のようなナショナリストは、敵以外の何ものでもないのである。

リベラル勢力はもともと、「アンチ・国家」であり、「国家の枠組みを破壊する」ことを使命としている。ここで無国籍企業派とリベラル派が手を組んで、国益重視のトランプ氏を引きずり下ろそうとしているのだ。単純化していえば、「グローバリスト対ナショナリスト」の対決である。

■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。著書・共著に『最強兵器としての地政学』(ハート出版)、『米中激戦!』(ベストセラーズ)など。>(以上)

北野氏の記事に出てきますペドゥート・ピッツバーグ市長は民主党です。14年に初当選しましたが、1934年~今までずっと民主党が市長を担ってきました。(Wikiより)。ずっと民主党が岩盤の地域だったのに、ピッツバーグはラストベルトと呼ばれ、民主党は何もしてこなかったので、ピッツバーグの属するペンシルベニア州はスウイングステートでもあり、トランプに勝利を齎したのかと思いました。しかし、野口悠紀雄氏は違うように書いています。では何故トランプが勝利できたのかについては触れていませんが、やはり既存の政治家のやり方では国民は満足できなくなったという事ではないでしょうか。

https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E3%81%AE%E7%A5%A8%E7%94%B0%E3%80%8C%E9%8C%86%E3%81%B3%E3%81%9F%E5%B7%A5%E6%A5%AD%E5%9C%B0%E5%B8%AF%E3%80%8D%E3%80%81%E5%AE%9F%E3%81%AF%E7%9B%AE%E8%A6%9A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%8F%E5%BE%A9%E6%B4%BB/ar-AAmeW06#page=1

藤井氏の言うグローバリストとナショナリストの闘いを、トランプは「アメリカ・ファースト」という事で分かり易くしました。北野氏が言うように自分ファーストを広言する人は嫌われるのはその通りでしょう。でも、本音は皆そうで、次の人や国にどういう手を打つかという選択の問題でしょう。トランプも貿易を止めるつもりもなければ、安全保障上の同盟の責任も果たすとしていますので。既存の枠組みを見直す時に、「アメリカ・ファースト」を訴えるのは、国民にとって納得しやすいでしょう。グローバリズムの手先のメデイアに対抗するためには彼らの意に反することも、ドンドン進めて行かなければなりません。グローバリズムが善だと単純に信じ込むことはナイーブ過ぎです。今の日本も全く同じ状況です。憲法改正という戦後の垢を落とすためには、国民投票で過半数を取らないとなりません。日本の反日左翼メデイアはそうさせないよう、あらゆる面で次から次へと事件化を図っています。大きく見ればグローバリズムとナショナリズムの闘い、守旧派対改革派の闘いです。情弱では正しい判断ができません。

北野氏は「習近平は、「地球ファースト」の「フリ」をして、名声を高めている。」と述べていますが、その通りです。劉暁波の緊急入院の情報で、毛沢東が周恩来の膀胱癌での入院治療を認めず、最後になってやっと認めたときには手遅れという故事を思い出させてくれました。人権弾圧が当り前の中国の中でもそれが際立っている習近平です。いずれ馬脚を現すと思います。言う事とやることが違うのが中国人、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という社会なので、付き合ってみればすぐに分かります。それでも付き合おうとするのは人口に幻惑され、経済的にメリットを受けられるのを思ってのこと。でもリスク管理をしっかり(約束違反は懲罰的ペナルテイを多国間で課すようにしないと)しないと駄目でしょう。中国が世界の救世主になると思ったら大間違いです。30兆$もの債務を抱えているので、いずれバブルははじけるでしょうし、中国の軍事暴発を防ぐためには、北野氏の「事実をあるがままに見る姿勢」ももちろん大事ですが、それ以上に日本主導の多国間での中国封じ込めの行動を起こしていくことかと。

https://ameblo.jp/yorikawa/entry-12073037590.html

ヘリ空母いずもが大活躍中です。日本のマスメデイアももっと報道しなければ。

http://jp.reuters.com/article/angle-izumo-idJPKBN19E0Z5?sp=true

こちらは、東大の新入生の政治姿勢についての記事です。直接本記事とは関係ありませんが、面白いので載せて見ました。やはり若くなればなるほど、ネットから情報を取って、メデイアの発信する記事は信じるに足りないと思っているのでは。メデイアの「報道しない自由」と「フェイク」とがあり、左翼の「目的の為には手段を選ばず」という姿勢が不信を買っているのでは。反日民進党・共産党のメデイアとグルになっての自民党攻撃はネットを読めば如何にひどいかが分かりますので。

https://www.businessinsider.jp/post-34482

記事

トランプ米大統領が孤立している。国内では「ロシアゲート」で、国際社会では「パリ協定離脱」でバッシングされている。「アメリカファースト」を掲げ、「わが道」を行くトランプ。しかし「米国を再び偉大にする」という願いとは正反対の結果になっている。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

G7で「俺流」を貫き メルケルに見放されたトランプ

トランプは5月、多くの国々を訪れた。大統領就任後はじめての訪問先に選んだのは、サウジアラビア。5月20日、彼はここで、大きな実績を出した。なんと1090億ドル(約12兆円)の武器輸出契約を結んだのだ。これは、日本の防衛予算の倍以上にあたる、膨大な金額だ。オバマは、サウジアラビアを冷遇し、米サウジ関係は冷え込んでいた。トランプは、両国関係を修復することに成功した。

EUの盟主・ドイツのメルケル首相は、他国とのコンセンサスにまったく興味を示さないトランプ大統領に幻滅したことを隠さない。今や米国は、世界中から孤立してしまった Photo:REUTERS/AFLO

トランプは22日、イスラエルを訪問。オバマはイランと和解することで、米国とイスラエルの関係を悪化させた。今回の訪問で両国は、「イランは、共通の脅威である」ことを確認。関係は改善された。トランプの中東訪問は、「成果があった」といえるだろう。

問題は、その後だ。

トランプは5月25日、ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議に出席。彼はここで演説し、NATO加盟国がGDPの2%という防衛費の目標を達成せず、「米国の納税者に損をさせている」と非難した。要するに、「守ってほしければ、もっと金を出せ!」と要求したのだ。

次にトランプは、イタリア・タオルミナで開かれたG7サミットに出席。彼は、ここでも「俺流」を貫く。結果、G7声明は、米国以外の6ヵ国が「パリ協定を迅速に実施する強固なコミットメントを再確認する」という、奇妙なものになってしまった。つまりG7は、「米国と他6ヵ国」で「分裂している」ことを、世界に示したのだ。

ドイツのメルケル首相は、他国とのコンセンサスにまったく興味を示さないトランプにとことん幻滅したらしい。NATO首脳会議とG7サミットの後、米国への「決裂宣言」ともいえる発言をしている(太線筆者、以下同じ)。

<米英はもう頼りにできない、メルケル独首相が警告
AFP=時事 5/29(月) 14:02配信 
【AFP=時事】 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は28日、ドイツ南部ミュンヘン(Munich)での選挙集会で、英国の欧州連合(EU)離脱やドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任で欧米の同盟関係に亀裂が走る中、欧州は「その運命を自ら握らねばならない」と訴えた。>

メルケルだけじゃない!世界中から批判の声が殺到

さらにメルケルはこうも述べた。

<「われわれが他国を完全に頼りにできた時代は終わりつつある。私はそれをこの数日間で経験した」。
 聴衆に向けてこう述べたメルケル氏は、ドイツも欧州も米英との友好関係維持に努める一方で、「自らの運命のため闘わなければならない」と主張。>(同上)

この発言を見るに、メルケルはトランプを見限っている。これは、「重大事件」といっていい。2016年、世界GDPの21.8%をEUが占めた。そしてドイツはEU最大の経済大国で、最も影響力のある国である。実際、「EUの実態は『ドイツ帝国』だ」と主張する人もいる(例、フランス人の人口学者エマニュエル・トッド)。そのドイツの首相が、「もう米国は頼りにならない」と宣言したのだ。

トランプは6月1日、「パリ協定からの離脱」を宣言した。彼は以下のように語った。

< 私が選挙で選ばれたのは、ピッツバーグの市民を代表するためです。パリではありません。パリ協定は、ワシントンがまたしても、アメリカに不利な協定に参加した最新の例にすぎません。受け入れがたい法的リスクを押しつけ、われわれを世界の他国に対して、決定的に不利な状態に追いこみます。  われわれは、他国の指導者や国に、これ以上笑われたくない。これでもう笑わないはずだ。もう笑わない。今こそパリ協定を離脱すべき時だ。そして、新しい合意を追求すべきだ。環境とわれわれの企業を守り、われわれの市民とこの国を守る、新しい合意を>

トランプは、「ピッツバーグの市民を守るために、パリ協定離脱を決めた」かのような演説をした。しかし、同市のペドゥート市長は、即座に「ピッツバーグは、世界とパリ協定を支持する!」と宣言した。「トランプと同類にされたくない」ということだろう。

今やトランプは、世界中から批判されている。フランスのマクロン新大統領はパリ協定を守ることで、「地球を再び偉大にする!」と宣言。これは、「米国を再び偉大にする」のトランプを皮肉ったのだ。

マクロンは、トランプのオウンゴールを利用した巧みなパフォーマンスで、大いに人気を高めた。そのマクロン、メルケル、イタリアのジェンティローニ首相は1日、「米国の決断を残念に思う」との共同声明を出した。そして3首脳は、トランプが求める「再交渉」には「応じない」としている。

ロシアのリャブコフ外務次官は、パリ協定が「米国を含まない一部の国だけ優先しているというのは間違い」だと指摘。インドのモディ首相は2日、「気候変動に関してインドは責任ある国家だ」と語り、パリ協定を順守する決意を示した。国連のドゥジャリク事務総長報道官は、離脱発表は「大きな失望」とする声明を発表している。

「アメリカファースト」がトランプを孤立させた元凶

そして、非常に重要なポイントだが、米経済界からもトランプの決定に反対する声があがっている。BBCニュース、6月2日から。

米経済界も声高に、協定残留を求めていた。 グーグル、アップル、化石燃料メーカーのエクソンモービルなど、何百もの企業が大統領に協定に残るよう要請していた。 エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者は自ら大統領に手紙を送り、米国は協定に参加したままでも「十分に競争できる」し、協定に残れば「公平なルール確保のために話し合いの場に参加できる」と力説した。>

トランプが世界のみならず、自国内でも「孤立している」ことは、明らかだろう。

トランプは、なぜ就任半年で、これほど孤立したのか?彼に敵が多いのは確かだ。野党である民主党はもちろん、与党・共和党内の「反ロシア派」、マスコミ(特にCNN、ABC、ニューヨーク・タイムズなど)、CIAなど諜報機関、国際金融資本など。これらの勢力は、執拗にトランプバッシングをつづけている。

しかし、トランプがNATO加盟国の全首脳に、「もっと金を出せ!」と演説したり、「パリ協定離脱宣言」するのは、「彼自身の決断」だろう。なんといっても、これらは大統領選挙戦中からの「公約」なのだから。彼の言動は、彼の「思想」を反映しているだろうから、問題は「彼の思想」ということになる。

トランプの思想とは、なんだろうか?そう、「アメリカファースト」(米国第一主義)だ。

トランプのおかげで、「〇〇ファースト」という言葉が、流行している。「ジャパンファーストでいこう」という政治家もいるし、「都民ファースト」という言葉も、しばしば耳にする。「米国の大統領が使うから」と、あまり考えずマネをする人が多いのは、危うい傾向だ。

もし「私は、『私ファースト主義者』です。自分の利益を最優先させます!」と宣言する人がいればどうだろう?この人は、人々から愛され、会社でトントン拍子に出世していくだろうか?そんなことはないだろう。

「私ファースト」のことを、一般的な言葉で「エゴイスト」(自己中心主義者)という。「エゴイズム」は、世界のどこでも「悪いこと」とされ、嫌われる運命にある。

では、ある企業の社長が、「『わが社ファースト』でいきます。お客さまのことよりも、わが社の利益を最優先させます!」と宣言したらどうだろう?普通、そんな会社から買いたいとは思わないだろう。

「自国ファースト」を掲げた国は次々にボロボロに

トランプの「アメリカファースト」は、「米国民の利益を最優先させる」という意味もあるだろう。会社でいえば、「従業員第一主義」だろうか。トランプが、「米国民の利益を最優先させる」といえば、アメリカ人が彼を支持する理由もわかる。これは「国内世論」的には正解だが、「国際世論」を味方につけることは、まったくできない。

実際、彼は「米国企業を守るため」という理由で、「パリ協定離脱」を宣言したが、国際世論を完全に敵にまわしてしまった。一方、フランスのマクロン大統領は、「地球を再び偉大にする!」といって、国内外の名声を高めた。

そして、国際社会から孤立してしまえば、実は米国民たちも不利益を被る。それをよく知っている米経済界はパリ協定離脱に反対したが、トランプは押し切ってしまった。「アメリカファースト」は、決して自国民に有利な戦略でもないのだ。

このように、トランプが孤立する理由は、「アメリカファースト」という彼の思想自体にある。筆者は2016年4月、「トランプ大統領誕生なら米国は覇権国家から転落する」という記事を書いた。残念ながら、米国は予想通りの方向にむかっているようだ。

実際、「自国第一主義」的スローガンや言動で、孤立したり叩かれたりする例は、トランプ以外にもある。たとえば安倍総理は12年、「日本を取り戻す」というスローガンを掲げて再登場した。中国は13年、熱心に「安倍は右翼」「安倍は軍国主義者」「安倍は歴史修正主義者」というプロパガンダを展開。結果、13年12月に総理が靖国を参拝すると、世界規模で「安倍バッシング」が起こった。

「靖国参拝を批判したのは、中国と韓国だけ」というのは、事実と異なる。実際は中韓に加え、米国、英国、EU、ロシア、台湾、シンガポール、オーストラリアなどが参拝を非難している(ここでは詳細に触れないが、「ウソだ!」と思う方は、是非本連載バックナンバー「“恐怖の大王”プーチンが日米関係を変えた 日米vs中ロの新パラダイムをどう読むべきか」を参考にしていただきたい)。

プーチンは、「ロシアの国家イデオロギーは、『愛国主義』だ」と語る、「自国第一主義者」だ。彼のもっとも好きな言葉は、「ナツィオナリニー・インテレス」(国益)だろう。14年3月、プーチンは「クリミア併合」を決断した。ロシア国民はこれを熱狂的に支持したが、欧米日はロシア制裁を決めた。その結果、ロシア経済はボロボロになってしまった。

習近平は12年、「中国の夢」という「自国第一主義」的スローガンを掲げて登場した。オバマが、シリア、ウクライナ、ロシアとの争いで多忙だったことから、しばらく問題はなかった。しかし、15年3月の「AIIB事件」後、オバマは、中国を激しくバッシングするようになっていく。

結果、15~16年にかけて、中国経済はボロボロになってしまった。16年1月、ジョージ・ソロスは、「中国経済のハードランディングは不可避」と発言し、世界に衝撃を与えた。

バリバリのナショナリストだった 習近平はグローバリストに豹変した!

このように「自国第一主義者」は、叩かれる運命にある。しかし、「方向転換」することも可能だ。

たとえば、安倍総理は、もはや「日本を取り戻す」と大声で主張しない。「日本は、自由主義のチャンピオンありたい」などと、グローバリストを喜ばせる発言をしている。その一方で「憲法改正」にむけて、布石を打っている。これは、バランスをとっているのだ。

もっとひどく「豹変」したのは、習近平だろう。彼は、トランプが「アメリカファースト」で孤立している様を見て、「逆の道を行く」ことにした。

今年1月に開かれた「ダボス会議」は、「お通夜のようであった」という。ここに集まるのは、世界のエリートで、大抵はグローバリストである。なぜ彼らがナーバスになっていたかというと、世界最強国家・米国で、「ナショナリストの大統領」が誕生したからだ。

習近平は1月17日、ダボス会議に乗り込み「グローバリズム絶対支持宣言」演説をし、グローバリストを味方につけた。さらに、1月18日、習はジュネーブの国連欧州本部で演説。なんと「核兵器のない世界実現」を呼びかけた。6月1日にトランプが「パリ協定離脱」を宣言すると、中国は、即座に「パリ協定を順守していく」と声明を出した。

現状の世界を見るに、トランプは「アメリカファースト」によって孤立している。一方、習近平は、「地球ファースト」の「フリ」をして、名声を高めている。

「日本には尖閣だけでなく沖縄の領有権もない」と宣言している国が、影響力を増している。中国の脅威に怯える日本人には、受け入れたくない事態だろう。しかし、世界で起こっていることの事実は、日本に都合のいいことも、悪いことも、「あるがまま」に知っておく必要がある。

「世界で起こっていること」の「事実」を知らずに、適切な対応策を考えることはできないのだから。

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『相次ぐ下院補選敗北、米民主党はどこへ行く 苦境に立つトランプ大統領を攻めあぐむ?』(6/27日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

6/28日経軍事研究と大学(下)政府調達てこに技術革新 常設の司令塔で機能強化 角南篤・政策研究大学院大学副学長 

2045年には人工知能(AI)が人間の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れるとされる。それが現実になるかどうかは分からないが、すでにIoT(モノのインターネット)は私たちの生活環境を大きく変え、新たな産業構造への転換(第4次産業革命)による期待と不安が、経済社会から安全保障に至るまで様々な課題を突き付けている。

第4次産業革命は、宇宙、サイバー、海洋などの空間を一体化させる巨大な情報インフラだ。これらの空間はかつて人類が未踏だった領域で、科学技術の発展により、主要国の覇権争いが今後激しさを増すと予測される。また安全保障と民生の双方で必要とされるデュアルユース(軍民両用)技術のインパクトが最も顕著な空間であり、こうした技術を開発・獲得して「技術的優越」を確保することは、国際社会における新たな秩序の構築に大きな影響力を持つことになる。

それゆえ主要国は「核心的技術」の獲得に向けたイノベーション(技術革新)システムの構築に心血を注いでいる。AI、ロボット、無人機、3Dプリンター、脳波で機械などを動かすブレイン・マシン・インターフェース(BMI)といった核心的技術は、新しい産業構造を支える基盤であり、国家の安全保障においても重要な影響を与える技術群といえる。

最先端技術で技術的優越の確保を明確に重要視してきたのが米国だ。第2次世界大戦の直後は、航空、レーダー、暗号解読、原爆開発の成功で世界をリードした。ところが1957年にソ連が人類初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ、技術分野でライバルに先を越されてしまった。その上、自分達の手の届かない上空から敵に見下ろされるという恐怖は、最先端技術で競争相手国に敗れることが直接の脅威につながるということを実感させた。

スプートニク・ショックを2度と繰り返してはならないとアイゼンハワー大統領が58年に設立したのが国防高等研究計画局(DARPA)だ。ここから誕生した技術がインターネットや全地球測位システム(GPS)などで、いずれも世の中の常識をひっくり返す斬新な「ゲームチェンジャー」だった。

米国は現在、次のゲームチェンジャーとなりうる最先端技術の研究開発で、敵の軍事的優位を相殺することを目的とした第3のオフセット(相殺)戦略を展開している。戦略のキーワードは外部の技術やアイデアを研究開発に生かす「オープンイノベーション」だ。情報通信技術(ICT)などの民生技術を安全保障にも使う「スピンオン」へのシフトを意味している。

一方、中国も建国当初から核心的技術の開発に力を入れ、改革開放が始まるまでは原子力や宇宙分野などの技術開発に取り組んだ。政府、人民解放軍、国有企業が連携し、例えば政府の宇宙・サイバー技術を国有企業にスピンオフして民生部門の競争力強化につなげていくあたりは米国のモデルに近い。

今後は先端技術で社会生活を豊かにする「超スマート社会」をリードするため、ロボット技術やAIなどを融合し宇宙空間を利用した情報通信インフラを広域経済圏「一帯一路」に展開する方針だ。習近平政権は宇宙、原子力、船舶のほか、量子通信、ロボット、バイオメディカルなどに重点投資する2兆円超の官製ファンドを立ち上げ、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」を先端技術開発でも実現しようとしている。

日本も第4次産業革命を推進し、コネクテッドインダストリー(つながる産業)の創出を通じた超スマート社会「ソサエティー5.0」の実現を目指している。言うまでもなく、核心的技術の獲得による技術的優越の確保は重要な課題である。ただ、この取り組みで世界をリードしてきた米国とは、いくつかの重要な点で違いがある。

米国は国防総省が大きな役割を担っており、基礎研究から開発までを支援したり、中小企業技術革新制度(SBIR)などを活用した政府調達で需要サイドからイノベーションを引き起こしたりしている。一方、日本は防衛部門に同様の役割はそもそも存在せず、軍需工場も持たない。防衛関連の企業も収益などは民生事業に依存している。

こうした現実を前提として、ハイリスクだがゲームチェンジャーになるような核心的技術を創出するために、日本ならではのイノベーションのエコシステム(生態系)の構築が求められている。そこで、核心的技術の源泉となる長期的な基礎研究や基盤的研究を担う大学や国の研究開発法人への期待が大きい。

一方、大学や研究開発法人の先端性を確保するには、国際的にも開かれたオープンで研究者の自由な発想を引き出す研究環境が必要不可欠だ。そうした研究成果を企業との産学連携で実用化につなげていき、その過程においても大企業と中小ベンチャー企業との効果的なマッチングが常態的に発生するよう、大学、研究開発法人、産業界それぞれにかかわる制度改革を後退させてはならない。

今後とりわけ重要になるのは、政府が需要サイドからイノベーションをけん引するために調達制度を見直し、企業の予見可能性を高めてハイリスクな研究に産学で取り組みやすい環境を作ることである。我が国でも、DARPAを参考にした内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」など、核心的技術に関して研究開発から産業化まで視野に入れた新しいエコシステムを構築する取り組みが始まっている。

2015年には防衛装備庁が基礎研究に資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」も創設された。こうした取り組みが我が国の基礎研究力の向上につながるように、課題領域の設定や運用について、国内外の専門的知見を最大限活用することが肝要だ。

今後は、核心的技術の動向を把握して技術開発戦略を展開する一方、新しいシステム全体を管理する司令塔機能の強化が求められる。例えば、多義性のある技術について調査・分析・評価や提言をする有識者委員会を政府内に設け、その上で時限のImPACTを発展させた真のDARPAのようなプログラムを常設する。さらに、情報収集・分析機能を担う本格的なシンクタンクも必要である。

技術的優越を確保する上で最も重要なのは、国際標準の獲得である。新しい核心的技術が社会に実装される過程で、それを規定するさまざまなルール形成に関わることは、産業競争力に大きな影響を与える。外生的に与えられたルールに適応するためのコストは大きく、グローバル経済における市場獲得戦略の一つとしてもルール形成を有利に動かすことが重要である。

戦略的な国際標準化活動の推進は、最先端技術が切り開く新たなサイバーや宇宙空間でのガバナンス(統治)の在り方にもつながる。イノベーションが経済活動や安全保障に与える影響が極めて高いことからも、規制も含めた国際的なルールやガバナンスのメカニズムの構築が急がれる。

新しい産業構造の創出による経済発展のためにも、技術的優越の確保は欠かせない。我が国でも核心的技術の開発を軸にしたイノベーションシステムの構築が急がれる。

〈ポイント〉 ○第4次産業革命で技術的優越の確保急務 ○米は安全保障で民生技術の活用にシフト ○新しい核心的技術の国際標準獲得が重要

すなみ・あつし 65年生まれ。コロンビア大博士。専門は科学・産業技術政策論>(以上)

軍産学の共同研究についての提言です。米中と言うか世界各国では当たり前のように行われていることが戦後の日本では行われてきませんでした。GHQの呪縛から脱し切れていないという事です。況してや日本学術会議はアカに乗っ取られて「大学の軍事研究反対」声明を出す始末。自分たちの生存を他者に依存するのでは奴隷と何ら変わりがありません。日教組や日弁連もノイジーマイノリテイに押されて、マジョリテイはサイレントの役を演じてきました。そろそろこういう態度は止めて、マトモに国防を考えるようにしないと。日経に本記事が載るようになったのも、メデイアの論調の変化の兆しかも知れません。政策研究大学院は左翼・リベラルが多い印象を持っていましたが、そうでもないようです。角南篤氏は米国の大学・大学院を出ていますので、イデオロギーではなく、現実を見据えた対応を考えることができる人物と思います。こういう人が学会で主流になってほしい。

トランプの勝利は選挙だけでなく、6/27ロイター<入国制限の米大統領令、最高裁が一部容認 秋以降に最終判断>という記事にありますように、トランプの大統領令の「6ケ国からの一部入国差し止め」を最高裁が認めました。 4/7にニール・ゴーサッチ氏が最高裁判事に選ばれ、保守派判事が9人中5人を占めた効果が出たためです。トランプを支援した故フィリス・シェラーフリー女史は正しかったと思います。

https://jp.reuters.com/article/usa-court-immigration-idJPKBN19H2AD

https://matome.naver.jp/odai/2147428507352178601?&page=1

本記事にありますように、共和党の岩盤はそう簡単に崩れないでしょう。ケント・ギルバート氏が言っていますように、米国メデイアはリベラルばかりですが、カリフォルニアやNYの論調だけ見ると、そうなります。去年の大統領選で日本のメデイア、評論家が読み間違えたのも、それが理由です。左翼リベラルは日米問わず、世論を誘導すれば政治家選出も何とでもなると言った驕りを感じさせます。民意はそんなに簡単には動きません。日本でも「一度民主党にやらせてみれば」とメデイアがキャンペーンをうって政権を取らせましたが、失敗の連続でした。国民も分かっていますので、反日民進党は、復活はおろか、解体の憂き目に遭うのでは。森友・加計・豊田・豊洲問題があっても反日民進党は低支持率なのが、それを暗示しています。

記事

—「ロシアゲート」疑惑の影響もあってドナルド・トランプ米大統領の支持率は30%台に低迷しています。にもかかわらず6月20日に行われた米下院の補選で、民主党は二つとも負けてしまいました。なぜですか。

高濱:理由は簡単です。サウスカロライナ州第5区とジョージア州第6区はともに共和党の金城湯池だったからです。

米ジョージア州の下院補選で当選したカレン・ハンデル氏。共和党の筋金入りの保守層に対象を絞った選挙戦が功を奏した(写真:ロイター/アフロ)

で、その選挙結果をどう見るか。二つの見方があります。

「6月20日に行われた補選の選挙区は共和党の牙城だから負けても当然なところを、よくここまで共和党候補を追い詰めた」(ニューヨーク・マガジンのジョナソン・チャイト記者)という見方。 (”This Might be the Worst Democratic Freak out Ever,” Jonathan Chait, New York Magazine, 6/21/2017)

もう一つは、「民主党は、ジョージア州第6区ではなんとしてでも勝って18年の中間選挙に向けて弾みをつけようと臨んだ。接戦だったが負けは負け。共和党は『トランプ・アレルギー』を超えて党勢を維持すべく、党主流とトランプ支持の反主流が連帯感を持ち始めたようだ」(ジ・アトランティックのデイビッド・フラム記者)という見方です。 (”It’s Trump’s Party Now,” David Frum, The Atlantic, 6/21/2017)

補選はトランプ政権の信任問うリトマス紙

トランプ政権が発足して以降に行われた下院補選はこれで5回(カンザス、モンタナ、カリフォルニア、ジョージア、サウスカロライナ)。共和党の4勝1敗*となりました。 *:民主党の1勝はカリフォルニア州第34区。民主党現職議員が州司法長官に就任したため補選が行われた。本選は民主党候補同士の一騎打ちとなり、ジミー・ゴメス州下院議員が当選した。

6月20日に下院補選が実施された2選挙区について詳しく見ます。

サウスカロライナ州第5区は、ミック・マルバニー議員が行政管理予算局長(OMB)に就任したため欠員となりました。

同区は同州北部の農村地帯で、人口の67%は白人、黒人は29%。白人の多くはトランプ氏を当初から支援していた「中流の下」の農民・労働者層です。草の根保守「ティーパーティ」(茶会)支持者の多い選挙区です。

一方のジョージア州6区はトム・プライス議員が厚生長官に転出したため欠員となった選挙区です。同区はアトランタ市の近郊で、日本流に言えば「ベッドタウン」です。人口の72%は白人、黒人13%、ラティーノ(中南米系)12%で、有権者の多くは「中流の中」です。16年の選挙では、プライス氏が投票総数の61%を得て当選しています。

—トランプ大統領が閣僚や連邦判事に指名した下院議員は選挙が強い人ばかりなのでは? そうしないと下院における共和党の議席が減ってしまうからですか。

高濱:その通りです。ただ問題なのは、大統領は支持率30%台に低迷しています。その大きな要因は「ロシアゲート」疑惑です。いくら共和党が強い選挙区でも、また強力な候補者を立てたとしても、大統領自身がネガティブ要因をばらまいているわけですから(笑)共和党候補が絶対勝つとは言えない状況にありました。

つまり今回の下院補選はトランプ大統領への信任を問うリトマス試験紙のような意味合いを持っていたのです。

共和党候補はトランプ天敵の保守強硬派

—サウスカロライナ州の補選にはどんな候補が立候補したのですか。

高濱:共和党は、地元不動産会社の経営者を経て、08年から州下院議員を務めているラフル・ノーマン氏(64)を立てました。保守強硬派で、当選すれば「フリーダム・コーカス」(自由議員連盟)*に入ると断言しています。つまり「親トランプ」でないことだけは確かです。

ノーマン氏は選挙戦中、トランプ大統領についてはほとんど触れず、「医療保険制度改革」(通称オバマケア)の破棄一本に焦点をしぼりました。

*:フリーダム・コーカスは共和党下院の保守強硬派40人前後からなる議員連盟。トランプ大統領が提案したオバマケアの代替法案に反対するなど「トランプの天敵」とされている。

民主党は、司法省の税担当検事や下院歳入委員会スタッフなどを歴任した中道派のアーチー・パーネル氏(66)を立てました。同氏は「ロシアゲート」追及をキャンペーンの軸に据えました。

5月中旬段階での世論調査では、共和党ノーマン氏(53%)がパーネル氏(36%)を大きく引き離していました。しかし終盤でパーネル氏が猛追。結果はノーマン氏が僅差で当選しました。同氏の得票率は51%、パーネル氏は49.9%。票差はわずか2836でした。

サウスカロライナ州民主党支部で働く幹部の一人は、筆者にこう語りました。

「わが民主党は、共和党の金城湯池であるこの選挙区でもこれだけやれた。いま中間選挙をやればば勝てる。『ロシアゲート』で国民の信頼を失った共和党は中間選挙で必ず打ち負かせる」

「『トランプ政権はめちゃくちゃで任しておけない。政権があと4年続くというなら、まず議会に<民主党政権>を作らねばダメだ』という有権者の声がはっきりと表れた。この声はいずれ全米で『ツナミ』を起こすはずだ」

民主党、ジョージア州補選に2250万ドルを投入

—ジョージア州第6区のほうはどうでしたか。

高濱:同区は、民主党がカネとエネルギーを最もたくさん投入して戦った補選でした。民主党の戦略チームは、やれば勝てると踏んだのでしょう。

この選挙区は、トランプ大統領の盟友、ニュート・ギングリッチ元下院議長の地盤です。ですから民主党、ここで勝つことは、16年大統領選で負けた屈辱を晴らす絶好のチャンスと掛け声をかけていました。

共和党の候補は、カレン・ハンデル氏(55)。40年間、共和党ジョージア州支部で党勢拡大のために働いてきた女性です。一方の民主党候補はジョン・オーフソ(33)という全く無名のドキュメンタリー作家兼ジャーナリスト。選挙区に住んだことが一度もない「落下傘候補」です。

二人の戦いぶりは対照的でした。ハンデル氏は、共和党支持者を集めた小規模な会合や、メディアをシャットアウトした個人集会に専念しました。確実に票を入れてくれる共和党支持者に標的を合わせた戦術でした。ハンデル氏の狙いは72%いる白人のうちの筋金入りの保守層だけを狙った捨て身の作戦だったわけです。かつて小沢一郎氏(現自由党代表)が自民党時代に盛んにやっていた徹底した「どぶ板作戦」に似ていますね。

一方、オーソフ氏は若さをいかして、票のあるところならどこへでも赴くキャンペーンを展開。共和党系の会合にまで顔を出して支持を訴えました。

これに対して民主党本部は、まさに全米規模のメガ作戦を展開し、大物を応援に送り込みました。民主党全国委員会、議員選挙対策委員会をはじめとする民主党系PAC(政治活動委員会)が一丸となって選挙資金を集め、2250万ドルの資金も集めた。下院選にこれだけの選挙資金を集めたのは史上初だと言われています。まさに「金権選挙」(と言ってもカネを不正に有権者にばらまくわけではありません)です。

オーソフ陣営は、潤沢な選挙資金を使って運動員100人を雇ったほか、全国各地から1万2000人のボランティアを集めました。テレビ、ラジオ、インターネットなどに掲出した政治広告の費用は1100万ドルに上ったそうです。

共和党のほうが「金持ち」のイメージが一般に強くあります。しかしハンデル氏が集めたカネは、オーソフ氏の13%、310万ドルにとどまりました。

—トランプ大統領の政治手法、とくに「ロシアゲート」疑惑は選挙にどの程度響きましたか。

高濱:ハンデル氏も、サウスカロライナ州のノーマン氏と同じようにトランプ大統領についてはほとんど触れずしまい。「真実の解明こそ国民の知る権利だ」との抽象論に終始しました。つまり勝つためには、「トランプ隠し」が一番と考えたのでしょう。あとは共和党主流が主張してきた伝統的な保守政治の推進と経済政策に絞りました。

一方の民主党のオーフソ氏の「錦の御旗」はトランプ攻撃でした。「私は、トランプの疑惑を解明する、皆さんのエージェント(代理人)になる」と宣言し、折からの「ロシアゲート」疑惑を追い風にして戦いました。

突き崩せない共和党の南部中西部の「岩盤」

—それでもオーソフ氏は勝てなかった。民主党内には失望感がひろがっているのではないですか。

高濱:オーソフ氏自身は選挙結果を受けてこう言っています。「運動員の皆さん、支持者の皆さん。皆さんは『希望のたいまつ』を高く掲げてくれました。そのたいまつは、ジョージア州民を照らすだけのものではありません。世界中の人々へ示したたいまつです。この戦いは今始まったばかりです。『希望のたいまつ』は燃え続けます」

これまでジョージア州第6区では、大統領選でも上下両院選でも、共和党候補が60%の票を獲得してきました。12年の大統領選では、ミット・ロムニー共和党候補(当時)がバラク・オバマ民主党候補(同)に23%差をつけました。

それが今回の補選では、民主党のオーフソ候補と共和党のハンデル候補との差は3.8%、得票数の差は1万と拮抗しました。

リベラル系オンラインメディア「デイリー・ビースト」のパトリシア・マーフィ記者はこう解説しています。

「ハンデル氏は、これまで40年間積み上げてきた地元保守層との絆と政治的実績をアピールすることでかろうじて勝利した。『トランプ政治』を切り離したことが奏功した。一方、民主党は全党を上げて総力戦を繰り広げたが、今一歩及ばなかった。民主党が18年の下院選挙で過半数をとるには、岩盤のように固い南部・中西部の共和党支持基盤を崩さねばならない。中間選挙に向けて民主党の課題は残った」 (”Jon Ossoff’s $23 Million Loss Shows Dems Have No Idea How to Win in the Age of Trump,” Patricia Murphy, The Daily Beast, 6/21/2017)

民主党若手から首脳部批判も

—トランプ政権が発足して以降に行われた補選で民主党は1勝4敗。党首脳部への批判などは出ていませんか。

高濱:出始めています。下院の若手議員は補選で連敗した理由についてこう言い出しています。

「旧態依然とした民主党のイメージがトランプのイメージよりも悪いからだ」(ティム・ライアン下院議員=オハイオ州第13区)

「イメージを変えるためには今の党首脳を刷新することが必要だ」(キャサリン・ライス下院議員=ニューヨーク州第4区)

下院議員にとって来年は、生きるか死ぬかを決める中間選挙です。それだけ神経質にならざるをえません。

これに対して、ナンシー・ペローシ下院院内総務は、声を荒げて弁明しています。「ジョージア州第6区という共和党地盤で数%差まで追い詰めることができたのは大成果だ。私は党内での支持基盤に自信を持っている。私がどれだけ院内総務のポストに留まるかどうかは、あなたたちが決めることではなく、私自身が決めることだ」

ノースカロライナとジョージアの補選が終わり、次の下院補選は11月7日に実施されるユタ第3区です。現職のジェイソン・チヤフィッツ共和党議員が6月30日に辞任するからです。健康上の理由とのうわさがもっぱらです。この選挙区も94年以降、共和党候補が圧勝してきました。

「ユタの補選は中間選挙まできっかり1年という区切りの時期に実施される。ここで民主党がどこまで戦えるか。中間選挙を占う上で極めてカギ」(米主要紙の政治担当論説記者)となりそうです。

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『日本にも「移民局」が必要だ 『なぜ、世界は“右傾化”するのか?』対談(後編)』(6/25日経ビジネスオンライン 池上彰・増田ユリヤ)について

本記事では、移民受け入れが公理のように論じられている感じがします。労働力不足の観点からだけでは、不景気になれば、外国人労働者の帰国の問題が生じるでしょう。労働力の問題は、長期的にはAI、ロボット化で、中期的には雇用のミスマッチのある業界の賃金アップ、高齢者・女性の活用、短期的には外国人研修生で対応すればよいのでは。但し、外国人研修生は3年の任期が過ぎたら、再度の研修生での入国は認めないよう取り締まりを厳しくしないと。日本の企業経営者は内部留保に血道を上げるのではなく、消費者ともなる被雇用者の賃金を上げるべきです。

外国人研修制度は、人口侵略を目指している中国のカモになります。その内、増え過ぎれば今沖縄で行われている反基地闘争のようなことが東京で起きるかも知れません。中国人は偽物大国ですから、パスポートだって偽名で作れます。例えば劉明(Liu Ming)劉敏(Liu Min)のように英語で最後のgを消して署名すれば別人で再発行できます。入国審査の顔判別の精度を上げないとダダモレになります。

http://www.imin-nanmin-gaikokujin.com/entry/2017/02/04/125046

6/25産経ニュースには「中国経済データ「水増し」横行で統計法施行へ 改竄には厳罰も 8月1日から 管理組織を新設」という記事がありました。中国で流通する人民元の2割が偽物、小生が中国滞在時代(97~05年)によく言われていた「世界の偽物の4割は中国で作られ、その内の4割は広東省で作られる」事を考慮すれば、疑問符がつきます。賄賂と同じく改竄・捏造が社会的に当り前の国です。立派な環境保護法があっても、賄賂で運用を如何様にでもできる国ですから、本法も実効性は薄いでしょう。

http://www.sankei.com/world/news/170625/wor1706250018-n1.html

本記事の二人の論議は、世界は善人で溢れているという前提で進めていますが、おかしくはないでしょうか?上述の中国人の例を見れば分かりそうなものなのに。また、今欧州で一番問題になっているのは難民でしょう。何故欧州が難民を受け入れないといけないのか。欧州が困っているのであれば、内政干渉してでも、難民が祖国に留まれれば良いようにしたら良いと思うのですが。内政干渉できないのであれば、難民受入はストップすべきです。自国民を不幸にするだけです。日本も「中国人、朝鮮半島人を受入よ」となったら困るでしょう。米朝戦争が現実のものになったら、敵はそう迫ってくるかも知れません。ガードを固くして国民の意思を示さないと。

記事

(前編から読む

なぜ、世界は“右傾化”するのか?

—英国のEU離脱、アメリカのトランプ大統領の誕生、フランスでの極右勢力、国民戦線の台頭、ポーランドなどの政治の保守化、そして欧米全体を覆う反イスラム主義。池上さんと増田さんの著書『なぜ、世界は“右傾化”するのか』とお二人の解説によれば、いま世界で起きているのは、言葉通りの「右翼化」ではなく、極端な一国主義の台頭である、と。そこで連想するのが、日本における移民問題です。少子高齢化の進む日本で、保守・革新どちらの側にも、積極的に移民策を進める話はなかなかでてきません。

増田:まず、日本人のマインドに、移民や難民の受け入れがなじまないという実態があります。

地続きで隣国と接していて、たくさんの植民地をアジアやアフリカに有していたヨーロッパ各国や、そもそもが移民国家であるアメリカでは、絶えず移民がやってくるのは当たり前でした。一方、島国国家の日本の場合、文化や宗教の異なる外国人がどんどん押し寄せる、という経験をしていません。だから、「移民政策が必要かもしれない」と頭では理解していても、全く異なる文化や宗教を持っている人たちとお隣さんになる、ということに肌身では納得できない側面があるでしょう。結果、人手不足にもかかわらず、インドネシアやフィリピンなどからやってきた人たちに介護されるのに抵抗感を覚える、という人たちが少なくなかったりする。

こうした日本人の意識を前提に、海外からの移民を受け入れるのなら、どういう形でなら受け入れやすいのかを考えていかないとならないと思います。日本の人口が減少し、高齢化が進むのは、逃れられない事実ですからね。

日本も移民局をつくるべき

池上 彰(いけがみ・あきら)/1950年、長野県生まれ。1973年から2005年までNHKに記者として勤務。2005年からフリーランスのジャーナリスト。2012年から東京工業大学教授に。2016年、東工大を定年退職し、名城大学教授に。東工大でも特命教授として引き続き講義を受け持つ。今年度は計7つの大学で教壇に立つ。(写真:陶山 勉、以下同)

池上:今、コンビニエンスストアに行くと、店員の多くが外国人です。物流センターなどで働く人も外国人が多いと聞きます。介護や福祉の専門学校や大学では、多数の留学生を受け入れており、彼ら彼女らがそのままこうしたアルバイトについているケースも見受けられます。また、農村や漁村には、技能研修生という名の、事実上の移民が入っています。

前回、日本では公式には移民政策をとっていないと言いましたが、一方で、留学生や短期の労働者として日本で働いている外国人は数多くいるのです。でないと、日本の「現場」は人手不足で立ち行かなくなってしまう。つまり、建前と現実に大きな乖離が生まれているのです。ここで、日本のずるい建前と本音の使い分けが透けて見える。人手不足だから外国人に頼るしかない。でも、本当は入れたくない。だから、建前としては認めていないけど、移民という名目じゃないかたちで、入ってきてもらおう、と。

個人的な意見を言えば、私は日本も移民局をつくるべきだと思います。今は、入国管理局が難民の審査をしていますが、彼らの仕事は「不正に入ってこようとする人を入れない」というのが基本スタンスです。つまり、入れることが前提ではなく、入れないことが前提となっている。当然、入国審査は厳しくなる。日本の現実と未来を見据えたら、海外からの移民を受け入れることを前提とした役所をつくるべきでしょう。

増田:ヨーロッパの中でも日本と同じ島国国家イギリスの例をとってみましょう。

イギリスの国民が、なぜEUを離脱するBrexitの道を選んだのか。理由のひとつは、「移民に職を奪われた」という声が大きかったからです。90年代にEUができて、域内の移動が自由になると、かつての東欧各国から職を求めてヨーロッパの先進国に移民がやってきました。イギリスにもポーランドをはじめたくさんの東欧移民がやってきました。

増田:彼らは、農業や倉庫の仕事など、イギリス人が好まなくなった肉体労働につき、成果をあげました。さきほど池上さんが指摘された日本で外国人雇用が増えているのと同じ分野ですね。その結果、「移民が我々の仕事を奪った」という声が大きくなったのです。

池上:アメリカでトランプ大統領が政権をかちとった背景にも、同じような構造がありますね。アメリカでは、メキシコからの不法移民がアメリカ人の仕事をたくさん奪った、だからメキシコからの不法移民を防ぐために「壁」をつくろう、とトランプは公約にかかげ、大統領になりました。

でも、逆に考えれば、メキシコからの不法移民に頼らなければ、なり手がいなかった仕事がアメリカにも多数あった、ということです。いまの日本と同じですね。

増田:そう、日本の現状は、イギリスやアメリカが辿ってきた道とさほど変わりません。

増田ユリヤ(ますだ・ゆりや)/1964年、神奈川県生まれ。國學院大學卒業。27年にわたり、高校で世界史・現代社会を教えながら、NHKラジオ・テレビのコメンテーターを務めた。日本テレビ「世界一受けたい授業」に社会の先生として出演のほか、現在レギュラーコメンテーターとしてテレビ朝日系列「グッド! モーニング」などで活躍。日本と世界のさまざまな問題の現場を幅広く取材・執筆している。著書に『新しい「教育格差」』(講談社現代新書)、『移民社会フランスで生きる子どもたち』(岩波書店)、『揺れる移民大国フランス』(ポプラ新書)などがある。池上彰氏とテレビ朝日「ワイド! スクランブル」のニュース解説コーナーを担当している。

—日本で移民を受け入れたくないと考える人の中には、テロを恐れる人もいます。

増田:たしかに、アルカイーダやイスラム国=ISの台頭により、アメリカやヨーロッパではテロが頻発しています。とりわけヨーロッパでは、イギリスでもフランスでもここ数年テロの話を聞かないときがない。移民を認めると、テロリストがたやすく国内に入ってきてしまうのではないか、と恐れるのも無理はありません。

ただ、多くの日本人が誤解している事実があります。ここのところフランスで起きているテロは、いまフランス国内に移ってきた移民や難民や旅行者が起こしたものではありません。かつての移民の二世、三世、つまりすでに「フランス人」となった人たちによる、ホームグロウン・テロであるケースが非常に多いのです。

なぜ、自国民にテロを行うのか

池上:現実には、フランス国民がフランス国に対してテロを行っていると。

増田:そうなんです。ちゃんとフランス国籍を持っていて、生まれも育ちもフランスで、フランス人として生きてきた人たちが、フランス人がフランスに対して起こしているテロなんです。難民や移民が起こしているテロではない。ではなぜ彼らがテロを起こすのかというと、もちろんそこには理由があります。

フランスの北部にダンケルクという港町があります。ここは典型的なブルーカラーの街であり、イギリスに渡りたくても渡れずに森の中で野宿をしている難民たちの問題を抱えています。ですから住民の多くは、大統領選の際に移民や難民の排斥を打ち出した国民戦線のマリーヌ・ルペンを支持しました。一方で、このダンケルクは、移民によって支えられてきた街でもあります。もともと鉄鋼業が栄えており、その現場を担ったのが、北アフリカなどからやってきた移民だったのです。

池上:かつての植民地などからやってきた移民の第一世代ですね。

増田:そうです。移民の第一世代は、過酷な現場で必死に働き、フランスで生きることを目標にしていました。その結果、彼らはフランス国民となり、子供たちは最初からフランス人として生まれ育ったわけです。

増田:けれども、子供たちが大人になる頃には、あるいはさらに孫の世代が大人になる頃には、環境が一変しました。工場が自動化されたり、海外移転したりして、仕事そのものが激減してしまったのです。

ここでネックとなるのが教育です。もし子供たちが十分な教育を受けていないと、仕事を探すことができません。移民である親の出身地(母国)では、子どもが学校に行って教育を受けることに対して、フランス(先進国)のような高い意識がなかったりします。つまり、自分は忙しくて仕事だけで精一杯、子どもの教育にあまり熱心でない親も少なくない。

そうした価値観の家庭で育った子どもは、勉強熱心でなく、学校を休みがちでドロップアウトしてしまったり、高校卒業資格であるバカロレアも取れなかったり、というケースもあります。フランスは資格社会ですから、手に職がなければ安定した仕事につくのが難しい。

移民の二世三世の中には、こうした未来が見えない若者が少なくない。ホームグロウン・テロの根っこには、移民の子供たちの教育問題が潜んでいるのです。

池上:いつの時代でも、どこの地域でも起こりうることですよね。テロリストにならなくても、定職につけなかった移民の子供たちの一部がギャングになったりするケースは、世界各国で起きています。もし、日本で移民を正式に認めるとするならば、同時にその子供たちの教育環境をちゃんと用意する必要があります。社会不安やテロなどは、最初にやってきた親の世代ではなく、むしろその国で生まれ育った子供や孫の世代が自分の未来に絶望して起こしているケースが、少なくないわけですから。

増田:若くて力が有り余っているのに勉強はできないし、仕事もない。そうなった若者たちはたいがいたむろし始めます。そこで、自分たちの不満や不安を解消してくれるような何かに引き込まれるようになったら……。

若いときは誰もが不安を抱いていますし、一方で何かに単純に感化されやすかったり、信じ込んだりします。読者の皆さんも10代20代前半の頃を振り返ったら、思い当たる節があるはずです。ましてや今やインターネットがあるので、魅力的な誘いが簡単に手に入る。

67歳の「中核派」に見る埋没の怖さ

池上:しかもいったん感化された人は、その世界に閉じこもるとそのまま年を重ねていってしまう。1971年、警官が殉職した過激派による「渋谷暴動事件」の犯人として指名手配されていた「中核派」の大坂正明容疑者が、つい先日逮捕されました。年齢は67歳ですから私と同世代。暴力的な共産主義革命を打ち出していた「中核派」に当時共鳴して、そのまま歳を経たということになります。

これは日本の例ですが、アフガニスタンとパキスタン周辺で生まれたイスラム主義の武装勢力「タリバン」も、若い人たちが教育されて生まれたものです。アフガニスタンの内戦からパキスタンへ逃れた難民の子供たちが、難民キャンプで過激な思想を知り、学び、母国へイスラムの兵士として送りこまれたところから始まっています。

増田:もちろん、難民が犯罪を犯すケースもあります。2016年7月、ドイツのバイエルン州の列車の中で、アフガニスタン出身の少年がナイフや斧を振り回し、数十人の乗客に無差別に攻撃を加え、死亡者が出る事件が起きました。このとき、少年がアフガニスタン出身だったこともあり、ただの無差別殺人ではなく「イスラム教徒によるテロ」と報じられました。

増田:あってはいけない犯罪ですし、少年はこのあと警察により射殺されました。問題は、この事件がテロだったかどうか、ということです。イスラム系のひとが犯した犯罪を内容を精査せずになんでも「難民によるテロだ」「イスラム過激派の仕業だ」とステレオタイプにくくってしまうのは、社会不安を煽るだけで本質的な解決にはむすびつきません。

池上:だからこそ「教育」が重要となるわけです。社会の安定と経済成長にとって、いちばん確実に効く長期投資が、高水準の教育の普及であることは論をまちません。

増田:その通りです。私自身長年高校教師をしてきたので教育の重要性は痛感します。ただ一方で、エリート教育を受けていても、若者は感化されると過激な行動を起こすことが多々あります。イスラム過激派の中には、貧しい家庭の出身者だけではなく、裕福なエリートの子弟もいますし。

池上:日本でいえば、オウム真理教事件の主犯格の若者たちがいずれも高学歴でした。

増田:ですから、ただ高等教育を受ければいいというものでもない。フランスでも、問題の多い学校には生活指導を行う専門の先生を配置するなどして、子供たちと教師とが親密に相談できる環境をつくろうとしています。インターネットの世界だけに埋没されてしまうと手の施しようがなくなってしまうおそれがあるので、こうした先生が子供たちとアナログなコミュニケーションを深める機会を増やすわけですね。いわゆる「フェイクニュース」と呼ばれるような、俗情を煽るような虚偽の報道やデマゴーグに惑わされないだけの良識を持った大人に育てよう、という試みです。

欧州はこれからどうなるか

池上:若手が相対的に少なくなって、移民などを積極的に受け入れないと国が立ち行かなくなるかもしれない、というのは日本に限らず、東アジアに共通する問題です。だからこそ、ヨーロッパやアメリカの現状から学ぶ必要がある、と私は思っています。中国や韓国の少子高齢化のスピードは日本を上回る勢いです。中国にはすでに65歳以上の人口が1億5000万人いますから。

増田:日本の人口と同じくらいいるということですね。

池上:また、2014年の数字で比較すると、韓国の出生率は女性1人あたり1.20人と日本の1.42人より低いんです。しかも、中国や韓国には日本のような社会保障制度が充実していない。このため歳をとってからどうやって生きていくのか、という問題が、あらゆる人につきつけられます。

—大変ですね。日本や中国や韓国は、そして世界はどうなっていくのでしょうか。

池上:あまりに漠然とした問いでどう答えていいのかわかりません。いい質問じゃないですねえ(笑)。

—そ、そうですね。では、話をヨーロッパに戻して、今後ヨーロッパはどうなっていくでしょうか?

増田:今、イギリスではメイ首相の方針が半ば国民から否定されるような状況になり、当初の予定通りにEU離脱の手続きが進むのかどうか、わからなくなってきています。なので、まずは様子を見るしかない。

池上:そう思います。

増田:フランスのマクロン大統領は自分の考えをかなりはっきり口にします。どこに対してもいい顔をするのではなく、ロシアに対してはノーとか、ドイツとは協調するとか、かなり姿勢をクリアにしています。日本の政治家にもそれがあっていいと思います。

池上:マクロンはトランプとの握手でも態度を明確に示しましたからね。トランプはいつも相手の手を強く握りしめるんだけれど、マクロンはそれを上回るような力で握り返しました。手が真っ白になってしびれたトランプはかなり不快な表情をしていましたが、フランスの国民はそれを見て、トランプに負けないという姿勢を示したとしてマクロンを評価しました。

マクロンの希望、メルケルの苦悩

池上:さらに、マクロンが支持を得て力を持ったことで、EUはドイツとフランスで支えていくという姿勢が明確になりました。これまでは明らかにドイツ一国がEUを支えていきましたが、それが変わろうとしています。すると、ほかの小さな国も安心してEUに留まり続けられるという構造になるでしょう。

今、一番頭を悩ませているのはメルケルでしょうね。強くなってしまったマクロン、フランスとどう付き合っていけばいいか、相当、考えているはずです。

ただ、5月28日にメルケルはミュンヘンで、これからヨーロッパは他国に頼ることなく進む道を決めていかなくてはならないといった趣旨の演説をしましたが、それは、アメリカは、少なくとも今後3年半はダメだと見切ったということです。それは、トランプがパリ協定について改めて協議したいと言ってきたときにきっぱりと拒絶したところからもわかります。

増田:日本に話を戻すと、マクロンのように立ち位置を具体的に示し、世界とちゃんと対話し、対峙し、協力できる毅然としたリーダーが必要になってくるでしょうね。そのためにはやはり教育を……となると、道は遠いですが(笑)

(聞き手:片瀬 京子)

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『「コミー氏のロシア亡命を受け入れてもいい」 「ロシアゲート」を皮肉るプーチン大統領の真意』(6/23日経ビジネスオンライン 池田元博)について

プーチンは組織への裏切りは許さないタイプですから、スノーデンを亡命受け入れしましたが、利用価値があると判断してのこと。本音で信頼はしていないと思います。コミーにもロシア亡命を勧めたという事は、スノーデンと同じく組織への裏切り者というのを痛烈に皮肉ったものでしょう。

本記事を読めば、米国だってロシアへのサイバー監視はしているでしょう。西側諸国のトップを盗聴していた国が敵国ロシアに何もしないでいると思うのはナイーブすぎです。まあ、ロシアが領土的野心を持ってないとも思わないので、抑止の手段はいろいろと持っておいた方が良いと思います。しかし、メデイアの報道は偏っているのでは。プーチンの言うように米国はロシアをダシにしてトランプを追い落とそうとしている構図です。

何時も分からないのは、何故ロシアと協調するのが良くなくて、中国と協調するのが良いのかです。論理的にどう説明するのでしょう?昔はソ連も共産国でしたが今は違います。中国にはソ連打倒の為に米国が利用しようとして、逆に利用され続けてきました。それもこれもキッシンジャー一派の為せる業でしょう。勿論彼にも多額の金が贈られています。賄賂社会の中国ですから当たり前のこと。道徳的に高潔でない人間が世界の歴史の中で評価されるのはおかしいと感じます。

日本も良く相手を見た方が良いでしょう。真の敵は誰かという事を。北方領土は民間で協力できる範囲で良いのでは。ただ、こちらでロシア軍の駐留基地が強化されるのは問題です。中国との二正面作戦は取れません。トランプ大統領の在職中に日本は憲法改正を含め、軍事力を強化し、抑止力を高めていかねば。

記事

米国でロシアゲートを巡るトランプ政権への攻撃が過熱している。昨年の米大統領選へのロシアの介入疑惑とともに、同政権とロシアの不透明な関係が取り沙汰されるが、“悪者”扱いされた当のプーチン政権の反応はどうなのか。

6月15日、毎年恒例の国民からの質問に答えるテレビ番組に出演するロシアのプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)

ロシアで6月15日、毎年恒例の「プーチンとのホットライン」が実施された。プーチン大統領がテレビに生出演し、全国から寄せられる国民の様々な質問や苦情に直接対話形式で答えていく番組だ。今年は約4時間にわたり、合計で68の質問に答えた。

若手教師の低賃金、老朽住宅やゴミ処理問題、劣悪な道路事情……。来春に次期大統領選を控えているとあってか、例年に比べても国内の社会・経済問題がより多く取り上げられた。こうした中、外交分野で時間を割いたのはやはり、米国で広がるロシアゲートの問題だった。

「ひとえに米国内で激化する政治闘争の結果だ」

まず、「プーチン大統領の大ファン」と称し、米国で広がるロシア嫌いの風潮へのコメントを求めたアリゾナ在住の米国人男性の質問に対し、大統領は「我々は米国を敵だとはみなしていない」と強調。第1次、第2次世界大戦で両国が同盟国として協力した過去の経緯なども持ち出した。その上で最近、米国で広がるロシア嫌いは「ひとえに米国内で激化する政治闘争の結果だ」と断じた。

続いてロシアの「独立新聞」編集長が、米ロのどのような分野の協力が有益かを尋ねたのに対し、大統領は(1)大量破壊兵器の拡散防止(2)地球温暖化対策(3)テロの温床となる世界の貧困対策(4)シリアを中心とする中東政策――などを列挙。「我々は建設的な対話をする用意がある」と述べ、米国との関係改善への期待を示した。

ただし、米国との協力はロシアの意思だけでできるものではないと指摘。「(ロシアゲートは)明らかに米国内の政治闘争だけに、我々は何もできないし、何の影響力もない」と強調することも忘れなかった。

コミー氏のロシア亡命を提供する用意がある

プーチン大統領はコミー前米連邦捜査局(FBI)長官による米上院情報特別委員会の公聴会での証言に関する別の参加者の質問に対しても、「FBIの前長官は米大統領選でロシアの介入があったとみなしているが、今回もいかなる証拠も示さなかった」と反論した。

大統領はさらに、そもそも米情報機関のトップがトランプ大統領との会談記録を友人経由でマスコミに流すのはとても奇妙な話だと言明。コミー前長官の行動は米政府の情報収集活動を暴露してロシアに亡命中のスノーデン米中央情報局(CIA)元職員と大差はないとし、「我々は彼(コミー氏)にもロシアへの政治亡命を提供する用意がある」と痛烈に皮肉った。

「プーチンとのホットライン」は事前に大統領府と入念な調整をしているといわれる。それだけに、ロシアゲートを巡るプーチン発言はロシア国民が「米国の内政問題で、ロシアとは全く無関係」と納得できるように構成した面は否定できない。

ただ、国際的な関心の高まりを受け、プーチン大統領が様々な場面でこの疑惑をめぐるコメントを余儀なくされているのは事実だ。かつ、その発言内容はほぼ一貫しているといっていい。

例えば6月初め、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラム。プーチン大統領は総会演説後の質疑応答でロシアゲートが取り上げられると、「これは我々の問題ではなく、米国の国内の政治問題だ」と何度も強調。この疑惑は国際関係や国際経済、安全保障やテロとの戦いにも悪影響を与えているとして、早期に終止符を打ち、米国との「正常な協力」を開始すべきだと訴えた。

大統領はこの経済フォーラムの場で、米NBCテレビとのインタビューにも応じている。当事国のメディアとあって、質問の大半がロシアゲートを巡る疑惑に割かれた。米大統領選への介入の有無、キスリャク駐米ロシア大使は誰と会っていたのか、トランプ陣営との秘密ルートの可能性、対ロ疑惑で早々に辞任したフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)との関係などだ。

辛辣で細かい質問の連続に、大統領もさすがに憤りをあらわにする場面もあった。特に駐米ロシア大使の行動を聞かれた時には、「米国を含めて世界に駐在する大使が毎日、誰に会ったかを私に報告すると思っているのか。あなたは何を質問しているかわかっているのか」と激しい調子でまくしたてた。米大統領選への介入疑惑をめぐっても、「世界の至る所で他国の選挙に盛んに介入しているのは米国の方ではないか」と反論した。

その一方で、「私はロシアが米大統領選に直接介入したという証拠を一度もみていない」とし、そもそも「米国のような大国の選挙結果に影響を与えることはいつの時代であっても不可能だ」と述べている。

誰が大統領だろうと米露関係は変化しない

もちろん、米大統領選にロシアがサイバー攻撃で介入したとする報告書を米情報機関が公表している以上、プーチン大統領の主張を鵜呑みにするわけにはいかないだろう。

大統領自身、かつて「米ロの関係正常化の意向を公の場で語ってくれる人を歓迎しないわけにはいかない」と、トランプ氏の当選を望むような発言もしている。トランプ陣営に有利になるよう、ロシアが米大統領選で何らかの関与をした可能性は完全には否定できない。

とはいえ、仮にサイバー攻撃などによるロシアの介入が事実としても、プーチン大統領が指摘するように、米国のような大国の選挙結果を左右するほど多大な影響を与えたとは考えにくい。インテリジェンスの世界では半ば当たり前の情報工作合戦をことさら大ごとにし、米国内の政争にロシアを悪用するのはいいかげんにしてほしい、というのがプーチン政権の本音ではないだろうか。

いずれにせよロシアでは、トランプ氏の大統領当選直後にみられた米ロ関係改善への期待は急速にしぼんでいる。ロシアの世論調査会社レバダ・センターが5月下旬に実施した調査でも、米ロ関係に「変化はない」とみる国民が過半を占めている。

最近の米ロ関係をどう見るか

(注)5月下旬、ロシア市民1600人を対象にした世論調査 出所=レバダ・センター

米ロは7月7~8日にドイツのハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際に、トランプ大統領とプーチン大統領による初の首脳会談を計画している。ただ、ロシア大統領府内では会談の実現すら懐疑的な見方も浮上。仮に予定通り首脳会談が実施されても、抜本的な関係改善につながるような進展は期待できないとの観測が大勢だ。

プーチン大統領も米ロの冷たい関係が長期化することを前提に、対米戦略を練り直しつつあるようだ。その兆候は最近の大統領発言にも垣間見られる。

例えば、くだんの米NBCとのインタビュー。プーチン大統領は「大統領や政権党が変わっても、基本的な政策は変わらない。従って本質的に、我々にとっては米大統領が誰になろうがどうでも良いことだ」と述べている。

大統領はこれに先立つ5月末、フランス訪問時にパリで実施したフィガロ紙とのインタビューでも、「私は既に3人の米大統領と接してきたが、政策は変わらない。なぜなら政権の官僚主義が非常に強いからだ」と指摘。例え何らかの理想をもって大統領になっても、どの政権でも官僚の説得によってたちまち理想は修正されてしまうと分析した。

領土問題の解決は日米安保条約が障害に

もちろん、米ロの関係正常化への期待も示してはいるが、「我々は決して急がない」とも語っている。恐らく、トランプ政権下でも米ロの抜本的な関係改善はほぼ望めないと結論づけたのだろう。

実際、フィガロ紙のインタビューでは、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大や対ロ防衛の強化、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの一方的脱退、欧州でのミサイル防衛(MD)システム配備といった米国の安全保障政策を「近視眼的な政策」などと再び鋭く批判した。同時にNATOがどう対処するにせよ、「我々は自らの防衛能力を高めていく」としている。

米ロ「冷戦」の長期化を前提にしたロシアの外交・安保政策は、思わぬところにも波及している。日ロの北方領土問題への影響だ。

プーチン大統領は「プーチンとのホットライン」終了後に記者団の質問に答えた際、日ロの北方領土交渉にも言及。領土問題の解決に向けては「良好な条件の創設」とともに、「もうひとつやっかいな問題がある。この地域を含めた安保の問題だ」と強調。「日本が自らの同盟国に対して負う義務」という言い回しで、日米の安保条約が障害になるとの見方を暗に示したのだ。

要は仮に北方領土の日本への引き渡しに応じれば、米軍基地が展開される恐れを懸念したものだ。プーチン政権が北方領土交渉のハードルをさらに引き上げるために編み出した言い訳といえなくもないが、米国内で広がるロシアゲートの余波が日ロ関係にも影響しつつある現実には留意すべきだろう。

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