『ルペンの国民戦線が極右なら、日本は極右の国だ 『なぜ、世界は“右傾化”するのか?』対談(前編)』(6/22日経ビジネスオンライン 池上彰・増田ユリヤ)について

6/23には後編が掲載される予定でしたが、アップされませんでしたので、取敢えず本ブログに載せます。

今世界で起きている現象を右傾化と呼ぶのは間違っていると池上氏は主張しています。NHK出身でリベラルな彼がこういう風に言うのは珍しいと感じました。小生も「右傾化」というのは左翼・リベラルが保守派を貶めるために使う常套手段と思っています。新たな史料に基づき、歴史を見直そうとするとリビジョニストとして非難してモノを言わせないようにするやり方と同じです。ガリレイと同じで、「それでも地球は回っている」と言いたい人は一杯いるのでは。所詮、現世利益だけを追い求めている人間には真実の追及など関係ないのかもしれませんが。

6/24(土)は日本会議千葉東葛北部支部主催の古森義久氏講演会に出席しました。やはり、アメリカのメデイアは民主党びいきというのを言っていました。カリフォルニア、ニューヨーク、ハワイは民主党の岩盤州とのこと。昨年11月の大統領選でトランプは30州をものにしましたが、投票者数で見れば280万票ヒラリーが勝った。その内、700万票はカリフォルニアでの差という事です。この3州は米国の内陸部の人達とは考え方が根本的に違うとのこと。WSJが「日本国憲法の9条は日米同盟にとって危険」という記事も紹介していました。政治任用の官僚の指名が遅々として進まないのは(多分民主党の残滓を炙りだすためで)、政治任用以外の党派性の無い役人に任せれば進んでいくのでとも言っていました。

考えて見るに、森友・加計・豊田・豊洲問題は朝日を筆頭とする左翼メデイアが憲法改正させないため、良く練ったシナリオではないかと思います。都議選で自民党の力を削ぎ落すため、時間差攻撃をして、その都度、問題を膨らましてきました。テロ等準備罪はどう足掻いても通過は見えていましたので。情弱老人に「政府の説明は足りない」と思わせ、何としてでも内閣支持率を落とさせ、憲法改正を踏み止まらせたいのでしょう。でも安倍内閣は反撃に出ました。今臨時国会に発議案を提出と6/24講演会で明言したとのこと。敵の画策を読んでのことと思います。たとえ、中途半端な改正であってもWSJが「日本の憲法9条は危険」と言っている以上、改正に踏み切らないと日米同盟は持たないと思います。そうなれば、人権弾圧国家・中共の軍門に下ることに成ります。日本国民がどちらの選択をするかにかかっています。

本記事を読んで何故難民を受け入れないといけないのか理由が分かりません。二人とも公理のように思っているのでは。植民地支配してきた国が富の収奪をしてきた贖罪の意味で難民受け入れするというのなら、それはやればよいと思います。日本は植民地ではなく統合してきた訳ですので。況してや、縁もゆかりもない国からの難民受け入れは御免蒙ります。戦後のドサクサの時に、朝鮮人が無体なことを沢山し、拉致までするような民族が大手を振って日本を歩いているのはどう考えてもおかしいでしょう。新たな難民ではなく、今いる敵性国家人を何とかしないと、テロに遭うと思います。移民国家アメリカとは国の成り立ちが違いますので。

「既存政治の打破」はトランプが大統領になったことで、流れは決まったようなものです。マクロンを選んだのもそうでしょう。但し、EU内も一枚岩になれるかです。ドイツの一人勝ちを他国が許すような状況になるかどうか。イタリアの2銀行も破綻しました。ドイチエ銀行も危ないと言われています。そもそも中国との関係が深いので猶更です。情報強者になるべくいろんなところから情報を取り、分析すれば正しい判断ができるようになると思います。「98%の秘密情報は公開情報から得られる」と。

記事

「右傾化」という言葉は使いたくなかった!


 

なぜ、世界は“右傾化”するのか?

池上:それはですね、出版社が「右傾化」というキーワードをタイトルに使いたい、と言ったからです(笑)。

増田:私たちは抵抗したんです、使いたくないって。

池上:いま、世界で起きていることは、「右傾化」ではありません。なので、タイトルに「右傾化」と入れることについては、「違うんじゃないですか」と申し上げました。で、最終的に、「右傾化」という言葉を「“”」でくくる、ということです。

—イギリスのEU離脱=Brexit、アメリカのドナルド・トランプ大統領の誕生、フランス大統領選での極右政党国民戦線のマリーヌ・ルペン氏の人気と、エマニュエル・マクロン大統領の誕生。ポーランドで保守政党「法と正義」政権の樹立。本書で取り上げられている各国の一連の政治的変化を、日本のメディアの多くは「右傾化」と表現しています。でも、これは「右傾化」ではない、と。

「右傾化」と定義すると変化の意味が見えなくなる

池上 彰(いけがみ・あきら) 1950年、長野県生まれ。1973年から2005年までNHKに記者として勤務。2005年からフリーランスのジャーナリスト。2012年から東京工業大学教授に。2016年、東工大を定年退職し、名城大学教授に。東工大でも特命教授として引き続き講義を受け持つ。今年度は計7つの大学で教壇に立つ。(写真:陶山 勉、以下同)

池上:ないです。「右傾化」と言ってしまうと逆にいまの変化の意味が見えなくなる。各国の政治の変化に共通するのは、右傾化ではなく、自分の国さえ良ければいいという一国主義です。移民や難民など、自国民と異質な存在を受け入れたくないという思いです。

昨年末、米国でトランプ大統領が誕生したとき、彼が標榜した「America first」の一国主義は、このあとヨーロッパにも広がっていくのではと予測して、この本を作ることに決めました。このため、本書には、この5月のフランス大統領選の結果まで入っています。ぎりぎりでしたね。

増田:ルーブルで行われたマクロンさんの勝利宣言を聞いてから原稿を書いて送りました。マクロンさんの勢いは、向こうで取材を始めた3月の時点で感じていました。極右のマリーヌ・ルペンさんは地方では健闘していましたがパリではまったく人気がなく、「ルペンだけはイヤ。でも誰を選んだらいいか迷っている。「この人だ!」と思える候補がいない」という声も多かったですね。

池上:なぜ、いま各国で起きていることが「右傾化」ではないのか。日本では「極右」と報じられている、ルペンが率いる国民戦線の主張のひとつは、「移民は1万人まで受け入れる」というものです。

日本はどうですか。移民はそもそも正式には受け入れていない。難民の受け入れは、2015年が27人。2016年が28人です。

ルペンの国民戦線は、「フランス人から生まれた子どもは自動的にフランス国籍を得られるように制度を変える」と主張しています。これ、いまの日本がとっている国籍制度ですね。これまでのフランスの国籍の制度は、フランス国内で生まれたら、親がどの国の出身者であろうと誰もがフランス国籍を得られる、というものでした。

日本では、日本人から生まれた子でないと自動的に日本国籍を得ることができません。つまり、国民戦線が理想とする国籍制度は今の日本なんです。そしてルペンは「移民は1万人まで受け入れる」と明言しています。

ルペンの国民戦線を極右政党と呼ぶならば、そもそも移民を認めておらず、難民も数えるほどしか受け入れておらず、日本人の子供しか日本国籍を認めていない、いまの日本はもっともっと「極右の国」ということになりますね。さすがに違うでしょう。だから世界で起きている政治の流れは「右傾化」という視点ではくくれないんです。

—そういえば、トランプ大統領も、難民は5万人まで受け入れると言っていますね。

池上:バラク・オバマ前大統領が主張していた「難民10万人受け入れ」なんてとんでもない!と、トランプ大統領は「難民は5万人まで」と目標数値を削減しました。では、日本は?  27人とか28人です。となると、トランプ大統領よりいまの日本のほうがはるかに「右翼」ということになってしまう。逆に言えば、日本を基準とすると、今度は、フランスの国民戦線もアメリカのトランプ大統領も「リベラル」あるいは「左翼」ということになりますね。それもおかしいでしょう。だから、政治の右左でいまの国際政治を語ってしまうのはミスリードを招いてしまう。

増田ユリヤ(ますだ・ゆりや)1964年、神奈川県生まれ。國學院大學卒業。27年にわたり、高校で世界史・現代社会を教えながら、NHKラジオ・テレビのコメンテーターを務めた。日本テレビ「世界一受けたい授業」に社会の先生として出演のほか、現在レギュラーコメンテーターとしてテレビ朝日系列「グッド! モーニング」などで活躍。日本と世界のさまざまな問題の現場を幅広く取材・執筆している。著書に『新しい「教育格差」』(講談社現代新書)、『移民社会フランスで生きる子どもたち』(岩波書店)、『揺れる移民大国フランス』(ポプラ新書)などがある。池上彰氏とテレビ朝日「ワイド! スクランブル」のニュース解説コーナーを担当している

増田:私自身、フランスで現地取材をするまでは、人権に重きをおくフランスでも、国益だけを考え、難民など自分たちと異質な民族を排除したい人たちが増えて、「右傾化」してしまっているのか、と半信半疑でいました。

でも、池上さんが解説してくださったように、必ずしも「右傾化」ではないんですね。そもそも、いまでもフランスでは、他者を排斥するのはとんでもないという意識が根強いことがわかりました。歴史を見ても、フランスは移民で成り立っている国ですし、現時点でもその自覚を強く持っています。

国際結婚も当たり前。EU圏内のさまざまな国の人たちと結婚し、子供を生んでいる。ルペンさんの主張通りに、EUから離脱したら、各国を行き来するのにまたパスポートが必要になる。通貨も変えなくてはならなくなる。私が取材したフランス人たちの意見の多くは、そんな面倒をいまさら選ぶことは考えにくい、というものでした。

マクロンを支援する女性たちは「戦争」を意識している

池上:その点で言うと、やはりイギリスは日本と同じで島国だよね。大陸から人に来てほしくないといが気持ちが相対的に強い。

増田:EU離脱を表明したイギリスが閉ざしていることも、フランスの難民問題が解決しない大きな原因のひとつですね。

池上:今回の本では、増田さんがフランスで現地取材を行いました。その成果を聞いて、私が一番「なるほどな」と思ったのは、マクロンを支援する女性の集会の話です。

増田:パリ14区のカフェで開かれた集会ですね。私は最初、彼女たちがEUからの離脱に反対するのは経済的な不安があるからだろうと思っていたのですが、彼女たちの口から次々に聞かれたのは「戦争のこと」でした。

彼女たちいわく、「私たちの代も、私たちの親の代も戦争をしていないのに、子どもや孫の代で戦争が起こったら困る。だからEUには加盟し続けたい。それをはっきり主張しているのは、大統領候補の中でマクロンさんだけだから、彼を支持する」と。

池上:その話を聞く前は、私も「日経ビジネス」風に、経済的な理由で彼女たちのようなマクロン支持なのかと思っていました。EUに加盟している限り、関税がなく、人の行き来が自由で、経済面から考えるとやはり有利、と判断しているのかと。

池上:でも、増田さんが集めてきた生の声はちょっと違っていた。フランス人を含めヨーロッパの人たちにとって、EUにいたるヨーロッパ共同体のおかげでヨーロッパは戦争がなくなった、という意識が前提にある。2012年にEUがノーベル平和賞を受賞したときになぜなのかと思ったのですが、納得できました。

かつてヨーロッパは常にどこかで戦争や紛争が起きていた。第二次世界大戦後、1952年に欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)が発足し、それが67年に欧州諸共同体(EC)に発展し、80年代の東欧の崩壊を経て、92年にEUが発足しました。ヨーロッパ域内では戦争がずっと起こらずにすんできた。EUはヨーロッパから戦争をなくす構想のもとで立ち上がり、それを成し遂げた存在だ――。そんな風にヨーロッパの人々は思っているのだ、と、基本に立ち返らされたような感じがしています。

増田:EUに対する同じ思いは、フランス人だけではなくドイツ人たちも強く持っていると思います。あの国は、もう絶対に戦争はいけないと思っている国ですから。ただ、現在のEUでは、ドイツ一国が圧倒的に強いというイメージがあります。だからこそ、マクロン大統領は、EUの中でフランスの存在感をより高めていく政策を打ち出したのでしょう。もちろん、いまだにフランスにはドイツが大嫌いという人もたくさんいます。歴史的な経緯を考えるとしょうがないのですが。

池上:その代表が、ドイツ脅威論を唱える学者のエマニュエル・トッドでしょうね。

増田:一方で、ドイツ人と結婚しているフランス人も多いんです。イギリスはEU離脱を決めましたが、他国の人と結婚したイギリス人は、今後どうするのか。かなり悩んでいるはずです。

—これまでの話で、ヨーロッパで起きているいくつかの政治的な動きは「右傾化」ではなく「一国主義」であり、しかもフランスを見る限り、必ずしも一枚岩ではない。一方、やはり「一国主義」を打ち出したトランプ政権下のアメリカがあります。ヨーロッパとアメリカで起きている政治的変化の共通点と異なる点、どう見ていますか?

作用・反作用が素早く起こるアメリカ

池上:ヨーロッパでもアメリカでも共通しているのは、グローバリズムと一国主義の作用・反作用の繰り返しです。ヨーロッパでもアメリカでも、経済面で徹底的なグローバリゼーションが進み、ヨーロッパに関しては域内の経済がひとつになりました。その反作用として、イギリスはEU離脱というアンチグローバリズムを選びました。

アメリカでのトランプ現象も、グローバリズムという作用に対する反作用と見ることができます。ITや金融の分野で徹底的なグローバリズムを推し進めたアメリカ経済。その結果、国内で大きな格差が生まれ、グローバル化に乗り遅れた人たちの不満が募りました。結果、トランプが予想以上の票を集めたわけです。

一方、その後のイギリスの政治的な混乱やトランプ政権の迷走ぶりをみて、ちょっと待てよ、という機運が再び生まれました。その結果が、オーストリア、オランダ、そしてフランスで起き、一国主義への傾倒を踏みとどまる選挙結果が出ました。

アメリカ国内でも、トランプの一国主義に対する反作用が起き始めています。6月、トランプは、温暖化対策の世界的な枠組みを定めた「パリ協定」を離脱すると宣言しましたが、カリフォルニア州やワシントン州など複数の州が「独自に温暖化対策に取り組む」と即座に表明しました。また1月にトランプは、イラク、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンのイスラム圏7カ国からの入国を一時的に完全に禁止すると宣言しましたが、シアトルの連邦地方裁判所は、この特定7カ国からの入国制限に対して、一時的差し止めを命じました。

たとえ大統領の命令といえども、理不尽だと判断したらすぐにその反作用が起きる。それがアメリカという国です。

—そもそも、なぜアメリカでトランプが人気を勝ち取るような一国主義という反作用が起きたのでしょうか?アメリカ中部の貧しい白人たちの世界を描いた『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』(光文社)などを読むと、その空気をうかがい知ることができるような気もします……。

池上:トランプの支持者の多くは、『ヒルビリー・エレジー』で描かれたような、グローバリズムによるアメリカの繁栄から徹底的に取り残されたラストベルト(錆び付いた工業地帯)に暮らす貧しい白人たち、ヒルビリーやレッドネックと呼ばれる人たちですね。

ネイティブアメリカンやラテンアメリカ系、アフリカ系、アジア系の人たちのようにマイノリティとして逆に優遇措置を受けることもない。第二次産業が崩壊して、本当に行き場を失った人たちです。そんな彼らが突然、トランプのような著名な大富豪から「あなたたちのことは忘れていない、あなたたちこそがアメリカだ」と言われたらそれはぐっとくるでしょう。まさに「おらが大統領」に見えるでしょう。だから彼らは今でもトランプを大絶賛しています。

増田:たしかにトランプの支援者の多くは、民主党政権への不満、エリートへの不満を抱えた貧しい白人層。でも一方で実はエリートの中にも「トランプよ、よくぞ言ってくれた」という人たちがけっこういる。表立っては言えない本音を臆面もなく口にするトランプに憧れを抱いていたりするんです。

トランプの支援者集会で話を聞いたハーバード大学の卒業生もそうでした。自分の家族はみな、民主党支持だから、口が裂けても共和党を支持しているとか、ましてやトランプを支持しているなんて言えない。でも、実はトランプの支援者なんだ、この隠れトランプの集会に来れば、仲間に会って、思う存分に本当は移民や難民なんて大嫌いなんだと本音を話せると。喜んでいました。

それからトランプの支持者の中には、銃の規制に反対する人たちがかなりいます。アメリカ人にとって銃は特別な存在。トランプを支持しない人の中にも、銃の所持を規制されるのだけは嫌だという人がかなりたくさんいるんです。私も何人かにインタビューしました。日本人にとっては銃規制は当たり前ですが、9.11以降、自分の身を自分で守って何が悪いんだという空気がかなり高まっていると感じます。だから、トランプさんを全面的に支持するわけではないけれど、この一点で共和党を支持するからトランプを支持するという人も多かったですね。

既存の政治そのものへの不満

池上:フランスでもアメリカでも、今起きている政治の変化は、民主党系と共和党系、革新と保守という政治的な対立軸そのものが崩壊したことで生まれました。従来の二項対立の視点で見ると、一国主義を「右傾化」と見なしがちだけれど、正確には違う。一国主義は、これまでの二項対立の政治構造そのものへの不満から生まれている部分があります。

アメリカでは、ヒラリー・クリントンは既成政治家の象徴でした。それに対抗していたのが、トランプであり、バーニー・サンダースでした。フランスでも、共和党でも社会党でもなく、前進という新しいグループを作ったマクロンが選ばれた。既成の政党、体制への不満が一挙に吹き出ているのです。

増田:そうですね。フランスでも、テロばかり起きて失業率は下がらないので、社会党のオランドに対する不満は高まっていて、政権は共和党に戻そうという風潮も生まれていました。ところが、有力な対抗馬となるはずの共和党のフランソワ・フィヨン候補が支援者から高額のスーツを受け取っていたなど、お金のスキャンダルが出てきました。

池上:たしか1着165万円のスーツでしたね。どうしたらそんな高いスーツが作れるんでしょう(笑)

増田:そんな高額のスーツを受け取ったことを指摘されたフィヨンさんは「何が悪い」と開き直りました。彼は元々敬虔なクリスチャンであることを売りにしていたので反発も大きく、国民はこんな人には任せられないという結論を下しました。その結果、フランスでは、それぞれマイナーな政党を率いるマクロンとルペンの一騎打ちとなりました。

池上:歴史を見ると、ひとつの政治体制の耐用年数はだいたい70年間なんです。ソ連の社会主義体制は1922年のスタートから60年くらい経った80年代前半でおかしくなり始め、70年目の1991年の終わりに崩壊しました。日本の今の政治体制ができたのは1955年です。いわゆる55年体制ですね。そこから70年目は2025年。日本でも2017年時点で、すでに55年体制の崩壊は始まっていると考えたほうがいいでしょう。

東京では自民党でも民進党でもない、都民ファーストの支持が高まっています。都民ファーストは保守や革新のどちらかには分類できません。都民ファーストから出馬するとされている人を見ると政治の素人が多い。ここはフランスのマクロン新党と共通するように見えます。

—世論調査誘導型でいいのか?

増田:そもそもマクロンの支持者も政治の素人集団です。その素人の声を国会に届けることが大事だという理念を持っているのです。

今の安倍晋三政権が世論調査に非常に敏感なのは、日本の選挙民の政治意識の変化を感じ取ってのことでしょう。ただし、世論調査の結果の通りにすればいいというわけでは、もちろんありません。それでは単なるポピュリズムに陥ってしまう。

池上:民主主義とポピュリズムは不可分です。ポピュリズムをすべて否定することはできません。ただし、政治家が人気を得たいがためにあまりに実現不可能なことを公約に掲げたり、バラ色の未来ばかり主張したりする人が国民の支持を集めたりするのは危険です。

イギリスでは、総選挙に向けて、保守党率いるテリーザ・メイ首相が5月18日にマニュフェストを発表しました。そこで盛り込まれたのが、高騰する医療費を抑えようと高齢者の在宅介護の自己負担額を従来より増やす政策です。認知症を患った高齢者を自宅介護している家族にとっては大きな負担がのしかかるとして、「認知症税をつくるのか」と国民から猛反発され、撤回しました。

医療費の高騰をなんとか押さえ込もうとして、責任を持ってやろうとしたけれど、国民から叩かれて引っ込めたわけです。

一方、野党である労働党のジェレミー・コービンは、国民に負担を強いるようなことは一切言っておらず、大学の学費無料化など国民の負担を減らす公約を打ち出して、人気を獲得しつつあります。

国民としては、負担が少ないほうがありがたい。でも、国の未来を見据えたときにその選択が正しいかどうか。

—その善し悪しをチェックするのは・・・・・・。

池上:メディアの役目ですよ。

(聞き手:片瀬 京子) (後編に続きます。明日掲載予定です)

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『残留農薬で警告「中国人は子供を産めなくなる」 著名医師が予言する「50年後」を避けることができるか』(6/23日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/24日経台湾行政院長、中国との対話路線維持 

台湾の林全・行政院長(首相)は23日の日本経済新聞とのインタビューで、中国による外交圧力を警戒しつつ、摩擦を避けて対話を探る対中政策は「変わることはない」と、穏健路線の維持を明言した。米を除く11カ国での環太平洋経済連携協定(TPP)発効を日本が主導することを歓迎した。13日のパナマとの断交後、台湾首脳がインタビューに応じるのは初めて。

――台湾を国と認めて外交承認するのは20カ国に減りました。バチカンや中米ニカラグアとの関係にも懸念があります。

「どの友好国も対岸(中国)の次の目標になる可能性を排除できない。我々は一貫して良好な関係の維持を望んでおり、臆測には答えられない。対岸はパナマと台湾の外交関係に、強大な経済力を背景にした影響力を行使した。同じやり方が続くなら、他の友好国との関係にもリスクはある」

「もともと正式な外交関係を持つ国は少なく、我々は(非公式な形であっても)実質的な経済、外交関係をより重視している。脅威は認めざるを得ないが、台湾は圧力に屈することはない。屈服しないと(中国が)理解したときに(外交の切り崩しは)終わるだろう」

――蔡英文総統はパナマとの断交後の談話で「両岸(中台)情勢を再評価する」と発言。政策変更の可能性を示唆したとの見方があります。

「我々は対岸との現状維持を望む。現状のあらゆる変化を注視するという意味であり、立場は不変だ。衝突を避ける最も良い方法と考える」

――米国がTPPを離脱しました。米を除く11カ国による「TPP11」をどう考えますか。

「機会があれば参加を強く希望する。貿易は台湾が経済発展するための中核で、開放は必然だ。対岸は政治的な理由で、別の国が我々と自由貿易協定(FTA)を結ぶ際に影響力を及ぼす。日本が主導することを歓迎する。我々は加入に向けた準備を進めている。投資障壁を減らすなどの法整備を始めている」

――台湾の安全保障の要である米国は、北朝鮮問題での協力を期待し中国と接近しています。

「米国との非常に良好な関係は続いており、北朝鮮問題の影響は受けていない。米国が地域の安定と同時に、対岸との関係を維持したいと考えるのは理解できる。現状維持の立場は台湾と一致している。米国は台湾への武器売却を引き続き検討しており、手続きが順調に進むと信頼している」

――今年、日本の対台湾窓口機関の「交流協会」が「日本台湾交流協会」に、台湾側の対日窓口機関が「亜東関係協会」から「台湾日本関係協会」に改名しました。

「非常に意義が大きい。現在の台日関係は非常に良好で、民間交流や経済協力も密接だ。改名は双方が過去の政治的な隔たりなどを直視し、問題を解決しようとする素晴らしい動きだ」>(以上)

当日の日経に依れば、22日に民放TVBSが実施した世論調査では「蔡英文総統の支持率は21%と最低を更新した」とありました。林全行政院長は外省人二世です。内省人にはまだ人材が育っていないのでしょうか?蔡総統が政策的に中途半端な印象を与えているのはそのせい?

日本もTPPを先行して各国を取り纏め、台湾の加入と米国の復帰を働きかけて行くようにした方が良いでしょう。TPPは元々中国の経済的封じ込めが目的でした。北村氏記事にありますように、利益の為には毒でも何でも使う民族です。封じ込めねば。TPPを将来的には共同防衛組織に変えて行けば良いでしょう。6/24日経にはヨーロッパではNATOがあるにも拘らず、「EU防衛協力を拡大」という記事がありました。域内防衛協力を深める方針とのことです。ASEANは反共が設立の由縁ですが、今や中国に切り崩されているように見えます。米国が頼りにならないため現実を見て対応してきたからです。

6/22朝日新聞デジタルの記事<性暴力も愛情と勘違い… いいセックスって何だ?

漫画・田房永子

■社会活動家・仁藤夢乃さん

いいセックスって何だろう。社会活動家の仁藤夢乃さんは問いかけます。女性の性が軽く扱われる世の中で、男女が対等にセックスを楽しむなんて、そもそも無理じゃないかと。

14歳の女の子の話です。ネットで知り合った「年上の彼氏」に「こんなセックスをしたい」とAVを見せられ、超汚いトイレでセックスし、裸で路上を歩かされ、異物を膣(ちつ)に入れられ、動画に撮られたという。

それって性暴力だよ、あなたが大切ならそんなことしないよ、とこちらが言っても、本人は被害を受けたとは思っていない。愛情表現だと思っている。

その後、彼女は中学生がレイプされる漫画や動画を大量に集めるようになり、「不安なとき、これを見てオナニーすると落ち着く」と。AVに出ようとしたり、危険な行為で血だらけになったり。支援者につながって施設に入っても、男性の支援者を誘って肉体関係になり、また居場所をなくしていく……。

そんな彼女が性を楽しんでいるといえるのでしょうか。私にはそうは思えない。

■「自分を大切に」は無意味

心の傷、トラウマの表れ方の一つに「再演化」があります。かつて被害に遭った時と似たような状況を作り出しつつ、積極的に誘惑的に振る舞うことで、自分の無力感を払拭(ふっしょく)しようとするのです。

また、過酷な環境で暮らす子の…

残り:1750文字/全文:2305文字>(以上)

新聞媒体の劣化はとうとうここまできたのかということです。毎日は海外版WaiWaiで日本人のありもしない変態ぶりを英語で発信し、ネットでは「変態新聞」と呼ばれています。朝日は国内でこんな性に関してあられもない記事を書いて恥ずかしいと思わないのでしょうか。買春次官がTVで堂々と政府の説明責任を追及していましたが、それなら自分の買春の疑惑を晴らしてから言えと言いたい。相手にした女性をTVに呼んで、具体的に証言して貰ったらどうでしょう?蓮舫の二重国籍の説明責任についてメデイアは知らん振りしています。また、うんこ漢字ドリルとか生きるための営みをこんなにもあけすけに書くことが知識人のやることですか?不買運動すべきです。国民も買わないで経営に打撃を与えて彼らに軌道修正せないと。

しかし、左翼・リベラルは劣化しました。昔はそれなりに、左翼独特の難しい表現を使い、煙に巻いていた時代もありました。どの程度資本論等理解していたかは分かりませんが、それなりに勉強していたとは思います。今は、それでは大衆に受けないからか迎合記事が多くなり、センセーショナルにアジるだけ。イエロージャーナリズムと何ら変わる所はありません。慰安婦の嘘は白日の下に晒され、次は南京、靖国についても朝日の果たした役割を問い、廃刊に追い込んでいかねば。

森友・加計問題で、萩生田官房副長官をダシにして、前川一派とメデイアが組んで憲法改正させないように倒閣運動しているのではという気がします。豊田真由子の件も倒閣運動の一環でしょう。彼女の場合、園遊会でも事件を起こしていますし、桜蔭高校というエリート校を出た東大キャリア組の鼻持ちならない傲慢さが窺われ、助けてやる余地はありません。次はないでしょう。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/170622/soc1706220007-n1.html?ownedref=articleindex_not%20set_newsList

6/24TV「ウエークアップ!」で「ミサイル飛来時の対応」についての政府広報の取り組みを取り上げていました。訓練の様子も。J-アラートの音声も流しました。メデイアはこうでなければ。国民の命を守るように、国民に注意を喚起しないと。政府は避難の方法もTVCMで流すとのことです。小生も以前、内閣府にシンゴジラみたいな映画を作って国民に啓蒙する必要性があることをブログに書きました。

http://mami-ch.blog.so-net.ne.jp/2017-06-23

http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/nkjalert.html

http://www.news24.jp/articles/2017/06/22/04365029.html

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6156

7/1には士気の集い主催で木中先生による講演があります。詳しくは本ブログのトップページをご覧ください。時間があれば、是非ご参加ください。

さて、本記事中の鍾南山は小生の記憶に間違いがなければ、2003年SARSの時に、衛生部が患者の人数を少なく発表し、「大したことはなくコントロールできている」としたのを、勇気を持って告発した人です。衛生部長はそれが為に更迭されました。小生は当時北京にいましたが、鍾南山は広州呼吸疾病研究所所長でした。小生は同じく広東省の深圳に仕事で住んでいましたので、成り行きを興味を持って見ていました。彼は逮捕されることもあり得たはずです。結局そうはならず、彼は中華民族の英雄となりましたが。

中国が「世界最大の農薬製造商であり輸出商」というのは知りませんでした。米国のモンサント辺りだろうと思っていましたが。一国全体と一企業の差かも知れませんが。鍾南山が言うように中国の農薬が生殖能力を落とすというのであれば、中国の人口侵略を防ぐという意味で世界に平和を齎すのでは。まあ、彼らの選択(体に異常を来す農薬の使用)の問題ですが。日本の1ha当たりの農薬使用率が中国より高いという事は、中国がまた嘘を言っているという事でしょう。何せ捏造の得意な国ですから。しかし、日本の農水省も厚生労働省も残留農薬や禁止農薬が使われていないかどうかはキチンと調べてほしいと思います。また、中国産野菜は体の為には買わないことです。外食は止めようがありませんが。前にも書きましたが、小生が上海に駐在していた時に、銀行支店長から言われたことは「錦(日式?)農園以外は買わないように。全部農薬塗れだから」でした。くれぐれも中国産野菜には注意しましょう。

記事

鍾南山は長年にわたって中国における残留農薬の危険性を訴えているが…(写真:AP/アフロ)

6月9日、中国のポータルサイト“捜狐(SOHU.com)に『“浸泡在農薬里的中国人(農薬の中に浸る中国人)”』と題する記事が掲載され、ネットユーザーたちの間に大きな反響を巻き起こした。中国では農作物に農薬が過剰に使われていることは周知の事実で、庶民は収穫後の農産物に含まれる残留農薬による健康被害を懸念している。そうした前提の下で敢えて掲載された当該記事の概要は以下の通り。

世界最大の農薬製造商であり輸出商

【1】各種病虫害を予防・駆除し、農作物の収穫量を増大させるため、農薬は農業生産活動の中で広範囲に応用されている。多くの人々の生活は田畑から遠く離れているが、農薬はすでに各種の方法を通じてひそかに我々の日常生活の中に浸透している。農薬をその効果に基づいて区分けすると、除草剤、殺虫剤、殺鼠剤、殺菌剤などに分類される。全世界の農業生産で毎年必要とされる農薬量は350万トンであり、そのうち、中国、米国、アルゼンチンの3国で70%を占め、中国だけで世界の農薬使用総量の半分を占めている。2014年における中国の農薬使用量は180.69万トンであった。

【2】2013年8月16日発行の科学週刊誌「Science」の特集記事『Pesticide Planet』によれば、2005~2009年のデータに基づいて推計すると、耕地1ヘクタール(ha)当たりの農薬使用量が、米国は2.2kg、フランスは2.9kg、英国は3.0kgであったのに対して、中国は10.3kgで、米国の4.7倍だった<注1>。過去20年間に、米国とドイツの農薬使用量は比較的安定しているが、英国、フランス、日本、イタリア、ベトナムの各国は農薬使用量をそれぞれ44%、38%、32%、26%、24%削減した。これに対して、中国の農薬使用量は過去20年間に136.1%増加した。

<注1>同記事の表によれば、農薬使用量は、日本:13.1kg、ニュージーランド:9.5kg、コロンビア:15.3kg、最大のバハマは59.4kgとなっている。従い、10.3kgの中国が最大ではない。

【3】中国の農薬使用量は、1991年には76.53万トンに過ぎなかったが、1999年には132.16万トンとなり、2014年には180.69万トンとなった。また、中国は農薬の大部分を自給自足しており、現在国内には2000社以上の農薬生産企業がある。化学農薬の有効成分である“原約(原体)”の生産量は、1998年に55.9万トンであったものが、2014年には374.4万トンになり、2015年には374万トンになった。これから分かるように、中国は世界最大の農薬製造商であり、同時に輸出商でもある。また、中国は毎年少量の農薬を輸入しているが、その量は2014年が9.25万トン、2015年が9万トンであった。

【4】それでは中国の一級行政区(省・自治区・直轄市)の中で農薬の使用量が多いのはどこなのか。中国政府“国家統計局”の「一級行政区別農薬使用総量(2014年)」で1~10位を見ると下表の通り。

一級行政区別農薬使用総量(2014年)

(出所)中国・国家統計局データ

【5】こんなに多くの農薬が健康にどのような影響を与えるのか。中国政府“農業部”の公表データによれば、2015年の「農薬有効利用率」はわずか36.6%であり、残りの63.4%の農薬は様々な形で動植物、水、土壌、大気および人々の健康に影響を及ぼしている。葉物野菜について言えば、根部は農薬が最も多く、次が茎部で、葉と果実がそれに続く。国際環境NGOの“緑色平和組(グリーンピース)”の報告書が示すように、2016年に多くの大型スーパーマーケットが販売したきれいに包装された野菜からは、国家禁止農薬である“克百威(カルボフラン=Carbofuran)”と“氟虫腈(フィプロニル=Fipronil)”が検出された。前者は人類の生殖と発育に影響を与えるし、後者は人体の甲状腺、肝臓や腎臓に対して高い毒性を持つだけでなく、人体に蓄積される。

【6】グリーピースが図示している『農薬の旅の道のり』によれば、農作業で散布された農薬は、土壌に浸透して植物に吸収されるだけでなく、水源を汚染し、そこから流れ出た汚染された水が魚介類に影響を与える。さらに、散布された農薬は蒸発によって大気を汚染し、汚染された大気が雨となって降ることで、地上の動植物に影響を与える。また、汚染された大気の中で生きる昆虫や動物にも影響を与える。農薬の使用者は、農薬の使用技術、農薬の過剰使用、禁止農薬や使用制限農薬の使用などの行為が環境中における農薬の残留を増大させることを重視しておらず、農薬の有効利用率の向上は一刻も猶予できない状況にある。

食べたいなら食べればよい

上述の記事のコメント欄には多数のネットユーザーが意見を書き込んだが、その代表的な例を紹介すると以下の通り。

(A)耕地が配分されて、個々の農民が農業を営む“小農経済”を管理・監督することはできない。農民は自分たちが食べる野菜や穀類には農薬を少量しか使わないが、市場へ売りに出す農産物には懸命に農薬を散布する。彼らは農薬によって他人である消費者が健康被害を受けることなど全く気にしていない。

(B)子供の頃、お腹には回虫が多くいて、薬屋で最も売れたのは俗に“宝塔糖”と呼ぶ“殺虫薬(駆虫薬)”だった。あれから数十年が経過したが、まだ覚えている人はいるだろうか。今もお腹にはまだ虫がいる。食糧、野菜、果物、豚肉、鶏肉などの中で、殺虫薬が不要なものがあるだろうか。もし農薬が使えなくなったら、安心して食べられるものがなくなってしまう。

(C)農薬で汚染されていようが、食べたいなら食べれば良い、全て自業自得なのだから。農薬を使わない野菜は誰も買わないが、農薬を使った野菜は争って買う。農薬を使っていない野菜は見た目が悪いだけでなく、虫もいる。農薬を使った野菜はきれいで虫もいない。虫がいて見た目も悪い野菜を誰が買うものか。“吃緑色(環境を食べる)”というスローガンを叫ぶあんたは、見た目がきれいで虫がいない野菜を食べないとでもいうのか。

ところで、中国には“鐘南山”という著名な医師がいる。現在80歳の鐘南山は江蘇省“南京市”で1936年10月に生まれた。1960年に“北京医学院”を卒業した彼は、1979年に英国は留学し、1981年にエジンバラ大学で医学博士号を取得して帰国した。鍾南山は1996年には“中国工程院”の“院士(アカデミー会員)”に選出された。彼は呼吸器疾患の専門家で、2003年に中国で重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行した際に、広東省“広州医学院”院長として広東省におけるSARS予防・治療チームの責任者として活躍した。

ガンを引き起こし、精子を減少させ…

その鐘南山は長年にわたって残留農薬の危険性を訴え、このまま残留農薬を野放しにすれば、50年後に中国人は子供を産めなくなると提起している。その根拠となるのは以下の理由からである。

【1】中国で農薬を大規模に使用するようになってからすでに20年以上が経過した。中国の野菜に残留する農薬は国家基準を22.15%上回り、一部の地区では国家基準を80%上回っている。米国環境保護局(EPA)は、92種以上の農薬、90%以上の殺虫剤ががんを引き起こすことを実証している。残留農薬の害毒は、がん、先天性奇形児、ダウン症、両性具有児、神経系統失調、心脳血管疾病、消化器疾病などを引き起こしており、それらは中国国内の至る所で目にすることができる。

【2】中国では夫婦8組のうちの1組は不妊であり、この比率は20年前に比べて3%高くなっている。中国男性の精液1ccに含まれる平均精子数はわずか2000万個前後だが、1940年代の平均精子数は6000万個以上であった。この精子減少の主因の一つが残留農薬である。世界保健機関(WHO)が男性側の受精限界としている数値は、精液量が2cc以上、精子数が1cc当たり2000万個以上、PHは7.2~8.0などであるから、中国男性の平均精子数はすでに受精限界にあり、平均精子数がこれ以上減少すれば、不妊の夫婦数は大幅に増大する。従い、このまま残留農薬を野放しにして、抑制する方策を採らないのであれば、50年後に中国人は子供を産めなくなるという鐘南山の予測は正しいものとなりかねない。

「次の世代」に深刻な影響

【3】残留農薬が妊婦の流産、死産や胎児の奇形を引き起こしていることは、世界が認めている。多くの統計が、妊娠期間中に農薬に触れた女性に流産、死産、先天性奇形の発生率が顕著に増大していることを示している。農薬は先天性奇形やダウン症などの構造や機能の異常を引き起こす。深刻な場合は、胎児の発育停止、流産、早産、死産を発生させる。また、児童の成長発育期には、彼らの急速に成長する細胞は容易に農薬の影響を受けやすい。目下、新生児の奇形率は5%を上回っており、全国で毎年生まれる奇形児の総数はすでに100万人を超えている。「新華社」の報道によれば、重慶市だけで毎年700人以上の新生児に尿道下裂があり、外性器は女性に似て、生殖器の両性奇形を示している。彼らは成人後に性機能と生殖能力を喪失する可能性が高いが、全国では毎年このような尿道下裂の新生児が20万人近く誕生している。また、農村における小児白血病患者の40~50%は、その発病の誘因や直接原因が農薬に含まれる化学物質であることは、多くの調査資料で判明している。

【4】有機塩素系農薬が主として作用する器官は大脳の中核となる神経系統で、脳や智力の異常を引き起こし、反応遅滞、智力低下、無表情などの症状を呈するようになる。人間の細胞中の有機塩素農薬の濃度が体重1kg当たり100万分の3gになると、大脳の発育を促進する蛋白質の合成作用が完全に停止し、大脳は発育しなくなる。子供が有機塩素農薬に汚染されると、体重が軽くなり、頭が小さくなり、智力が低くなり、年齢が増すに従い智力の低下は激しくなる。

【5】環境ホルモンは世界が認める「人と生物の成長に異常を引き起こす元凶」である。現在までのところ、世界で確認されている環境ホルモン(内分泌かく乱物質)は70種類あり、そのうちの40種類が農薬で、農薬は環境ホルモン全体の60%を占めている。環境ホルモンは、子供の性早熟を引き起こしていると言われている。中国では女児の初潮は20年前には平均14歳前後であったが、今では10歳前後に早まっている。また、4歳の少女の乳房が成人並みに成熟したり、5歳で初潮を迎えたりする現象が全国各地で普遍的に発生している。性早熟は身体の早期成長をもたらすが、その半数以上は最終的な身長が150cmに満たない。

【6】成人が日常の食事で少量の残留農薬を体内に取り入れても、人間の身体はそれを分解可能なので、突然に急性中毒を引き起こすことはない。但し、残留農薬を含む農産物を十分に洗わずに長期間食用すれば、必然的に健康に重大な危険を及ぼすことになる。その主なものは、免疫力の低下、がんの発生、肝硬変や肝腫大などの肝臓病変、胃腸疾病などである。

2017年5月28日付のニュースサイト“毎日頭條”は「果物・野菜に含まれる残留農薬が人々の生命に危害を及ぼすが、我々はどうしたらよいのか」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

近年、農産物の残留農薬による中毒事件と輸出検査で差し止めとなり罰金を受ける事件が頻発している。関係資料によれば、全国で発生する農薬による急性中毒は年平均で10万件以上に上っている。具体的には次の通り。

2011年:中国政府“衛生部”が受領した残留農薬による食物中毒報告は981件で、中毒者5万5715人、死亡846人。

2013年:衛生部が「中国疾病予防抑制センター」のインターネットシステムを通じて受領した残留農薬関連の食物中毒報告は、全国で1296件、中毒者7万8063人、死亡1096人、100人以上の食物中毒事件は27件だった。

2015年:「国家衛生・計画出産委員会」(旧・衛生部)は9月12日付で、「8月だけで、全国で残留農薬関連の突発性公共衛生事件は230件、中毒者8929人、死亡124人」と発表した。

国家基準で抑制するが…

中国は2005年に国家基準を制定して、食品中の残留農薬制限量を明確に規定した。その後、2006年に『農産物品質安全法』、2007年に『農薬管理規定』、2009年に『食品安全法』を公布し、2010年に「残留農薬基準審議委員会」を設置して残留農薬の抑制に努めている。

国家基準は79種類の農薬について32種類の“農副産品(農産物と副業性産物)”に対する残留農薬制限量を規定している。しかし、農民の農薬や国家基準に対する知識不足、さらには悪徳商人による禁止農薬や制限農薬の違法販売が横行しており、収穫量を増やしてカネを稼ぎたい農民たちは、禁止農薬や制限農薬などを気にすることなく、増収だけを念頭に農薬を過剰に散布するのである。そこには残留農薬の危険性などは考慮の外にある。

筆者の友人でもある日本を代表する中国農業の専門家は、かつて中国最大のニンニク産地である山東省“済寧市”の“金郷県”を訪れた時のことを語ってくれたが、過剰な農薬散布が行われた結果、ニンニクの茎や葉が白色の農薬で覆われていて、驚くと同時に、中国産のニンニクはできるだけ食べないようにしようと思ったとのことだった。「かつて」が何年前かはうっかりして聞き忘れたが、輸出商品であるニンニクに過剰な農薬散布が今なお行われているとは思えない。しかし、中国では残留農薬の危険性が解消されることなく、依然として存続していることは事実だろう。だからこそ、上述した「農薬の中に浸かる中国人」の記事に人々は大きく反応したのだろうが、残留農薬の危険性を抜本から改善できなければ、鐘南山が予測しているように、残留農薬の影響を受けて、50年後に中国人は子孫を残せなくなる可能性があるのだ。

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『「THAAD封鎖」でいよいよ米国を怒らせた韓国 文在寅の「反米」にトランプは即刻、反応した』、『「米韓合同演習」を北に差し出した韓国 文在寅は中朝と組んでトランプに対抗』(6/22・23日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

6/23日経米中安保対話すれ違い 北朝鮮など懸案進展せず 

【ワシントン=永井央紀、永沢毅】米中両政府は21日、初の外交・安全保障対話を開いた。双方が主張を譲らず、すれ違いで終わった。北朝鮮の核・ミサイル問題などの懸案で進展を示せず、共同文書もまとめられなかった。「結果重視」を掲げるトランプ米政権は7月、ドイツでの20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせた米中首脳会談で中国の協力を引き出したいが、溝の深さが改めて鮮明になっている。

 「協力関係を深め、双方の立場の違いを埋めるためには不十分だった」。ティラーソン国務長官は21日の記者会見で今回の対話について率直に認めた。従来の米中戦略・経済対話では通例だった両政府の閣僚による共同記者会見は開かず、共同文書の発表も見送った。その事実が両国の隔たりを如実に示している。

 トランプ大統領は対話前日の20日、北朝鮮問題への中国の取り組みについて「うまくいっていない」と不満を表明した。「中国は経済的、外交的圧力をさらに強める責任がある」。ティラーソン氏も会見でこう強調し、中国に1段階上の対応を迫った。

 中国の反応は冷ややかだった。中国外務省の報道官は22日の記者会見で「解決の鍵は中国にはない」と指摘。米国側が合意したと発表した「国連決議で制裁対象になっている北朝鮮企業との取引中止」も、中国側の発表には具体的な言及がない。米中が明確に一致したのは朝鮮半島の非核化や国連決議の履行などだけで、従来と変わらない。南シナ海問題の議論も平行線のままだった。

 ただ、米中両国ともに協調関係には配慮を見せた。トランプ氏は北朝鮮問題の解決には中国の協力が必要と考えている。今秋に5年に一度の共産党大会を控える中国も、米国との摩擦は顕在化させたくない。双方はトランプ氏による年後半の公式訪中を再確認し、軍同士の信頼醸成やテロ対策での協力などに触れることで関係を取り繕った。

 今後は7月の首脳会談が焦点になる。米中は4月の首脳会談で、貿易不均衡を是正するために「100日計画」をつくることで合意した。米政府高官は経済と北朝鮮の問題には一定の関係があるとする。中国の協力によって北朝鮮問題で満足できる進展があれば、米国は経済問題で中国に厳しい対応を求めない。100日目にあたる7月中旬までに成果を出すよう中国に迫っている。

 米国は北朝鮮と取引する中国企業への独自制裁をちらつかせて中国の協力を引き出す構え。中国は、国連制裁の厳格な履行や北朝鮮労働者の雇用制限など事実上の独自制裁で一定の協力を示し、米国をかわしたい。

 米国には「北朝鮮問題で成果が出なければ、今の米中協調は壊れる」との見方も根強い。習近平国家主席は北朝鮮問題の溝を米中関係全体に波及させたくない。米中はどこまで歩み寄るか難しいかじ取りを迫られる。>(以上)

トランプも中国に騙されているのにいい加減気が付かないと。中韓北の特亜3国は「騙す方が賢い」という基本的価値観で動いています。北の核開発に米国は騙され続けてきました。その動きをサポートしてきたのは紛れもなく中国です。アメリカは中国にも騙され続けてきたという事です。暴れん坊の役を北にやらせ、中国は宥め役or抑え役を演じてきました。文在寅が考えている「いい警官・悪い警官」の構図そのものです。この地域に住む者は発想が似るという事でしょう。

7月中旬には100日目を迎えますから、それまでに中国が北を押さえつけない限り、米国は中国にも経済的な締め付けをするよう、ライトハイザーのUSTRは待っているのでは。しかし、北は何もしなくても開発は続けられます。時間の利益を与えないように、中国にも厳しい締め付けをした方が良いでしょう。北はワームビアさんの件もあり、テロリスト支援国家に再指定されるでしょうから、金融制裁、北と取引のある中国企業の決済は$ではできなくするようにすれば良いと思います。そうすれば人民元以外の通貨での取引もできなくなります。

http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/21/north-korea_n_17250144.html

韓国は大統領が日本から金を引き出すのが当然というか、能力のある大統領の評価を受けることができると呉善花氏は言っていました。日本が今まで甘やかしてきたからつけ上がって世界にないことないこと触れ回ってきたのです。米国にも所謂慰安婦像なるものを建ててきました。やっと米国も韓国の言う事が嘘と分かってくるのでは。日本に少しでも関心がある米国人なら、2014年の朝日新聞の謝罪で韓国の言ってきたことは嘘と分かるはずです。朝日は日本でだけしか発信していませんが。米国は気づいていても、日本に力を持たせないorFDRや原爆投下の正当性の否定や朝鮮戦争時の基地村の存在に繋がることを恐れて像の建立を放置してきたきらいがあります。まあ、中国と韓国はハニトラと賄賂の得意な国ですから引っかかっているのが米国内に沢山いるのかも知れませんが。

6/22記事

THAAD配備に反対する住民が配備エリア入口付近で座り込み。後方には警察官が居並ぶ(写真:ロイター/アフロ )

前回から読む)

 文在寅(ムン・ジェイン)政権が米国を裏切る。それも北朝鮮の核問題という、トランプ(Donald Trump)政権が今、もっとも神経を尖らす問題で。

「韓国」でトランプが緊急会議

鈴置:米国が韓国に対し怒り出しました。6月8日の会見で、国務省のナウアート(Heather Nauert)報道官が「(同日)トランプ大統領とティラーソン(Rex Tillerson)国務長官、マチス(James Mattis)国防長官が大統領執務室で朝鮮半島と湾岸で進行中の事態に関し話し合った」と語りました(「Department Press Briefing-June 8, 2017」)。

 「湾岸」とは、サウジアラビアなどによるカタール断交を指します。米国も巻き込む中東の大混乱が懸念される事件です。トランプ大統領は「朝鮮半島」を「中東」と並ぶ、あるいはそれ以上の緊急事態として扱ったのです。

THAAD配備には2年かかる

—「朝鮮半島」の危機は続いています。なぜこの日、大統領が会議を招集したのですか?

鈴置:6月8日朝(米国東部時間7日夕)、北朝鮮が地対艦ミサイル数発を発射しました。というのに、韓国ではその前日の6月7日に青瓦台(大統領府)関係者が、環境影響評価を理由にTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備には2年間ほどかかるとの見通しを明かしました。

 中央日報の「青瓦台がTHAADは至急ではないと言った翌日、北が巡航ミサイル発射」(6月9日、日本語版)によると、具体的な発言は以下です。

北朝鮮の核実験とミサイル発射はかなり以前から行われてきた。環境影響評価を省略するほど緊急を要する事案ではない。

 米朝の軍事的対立が深まっている時に、在韓米軍と韓国を守るためのTHAAD配備を遅らせようと韓国が画策していることが明らかになったのです。もちろん米国でも重大ニュースとして速報されました。

汚い言葉で罵る

 6月8日の会見で「配備を遅らす韓国に対し米国は失望したか?」との質問に対し、ナウアート報道官は「そこまではっきり言うつもりはないが、米国にとって極めて重要な問題だ。この配備は同盟国同士が決めたのだ」と答えました。「それでも同盟国か」と韓国をなじったのです。

 原文を先の「Department Press Briefing-June 8, 2017」から引用します。

I don’t want to characterize it as that, but that’s something that is incredibly important to the U.S. Government. This is a conversation that’s taken place at the highest level.

we would continue to say that THAAD was an alliance decision at the time, and we continue to work closely with the ROK throughout the process.

 中央日報の金玄基(キム・ヒョンギ)ワシントン総局長は「青瓦台の『THAAD搬入は知らなかった』との主張を嘘と疑うホワイトハウス」(6月19日、韓国語版)で「トランプの激怒」を報じています。

8日昼、ホワイトハウスの執務室で「THAAD配置遅延」を報告するティラーソン国務長官、マチス国防長官、マクマスター(Herbert MacMaster)大統領補佐官(国家安全保障担当)にトランプ大統領は火のように怒った。消息筋によると「汚い言葉も多く使った」という。

WSJ「韓国の大失態」

—米メディアはどう反応しましたか?

鈴置:韓国の裏切りを厳しく批判しました。WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)は6月12日「South Korea’s Defense Blunder」――「韓国の防衛上の大失態」という見出しの社説を掲げました。

 ワキ見出しは「THAADに関し新大統領は中国の圧力に屈した」(The new President bows to Chinese pressure o missile defense )です。以下が前文とその邦訳です。

Moon Jae-in’s decision to suspend deployment of a missile-defense system last week signals how the new South Korean President will approach the threat from North Korea as well as relations with the U.S., China and Japan. Like his center-left predecessors, Mr. Moon wants to play a balancing role between the regional powers and convince North Korea to negotiate an entente. This naivete puts South Korea’s security in peril.

文在寅大統領のTHAAD配備延期は韓国の新政権が北朝鮮の脅威にどう対するのか、米中日との関係をどうするのかを示した。

文氏は彼の中道左派の前任者と同様、地域の大国の間を「バランス外交」で立ち回り、北朝鮮とは協商を図るつもりだ。この鈍感さは韓国を安全保障上の危機に追いやるだろう。

—中道左派の前任者」とは?

鈴置:盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領のことです。盧武鉉政権(2003―2008年)は北朝鮮との融和を第1に掲げる民族主義的な路線を打ち出し、ことあるごとに米国と衝突しました。

 当時、駐米大使だった国際政治学者の韓昇洲(ハン・スンジュ)氏によると、民族主義的で反米的な大統領の参謀たちを米政界は「韓国のタリバン」と呼んでいたそうです(「文在寅は『五面楚歌』から脱出できるか」参照)。

 文在寅氏は盧武鉉氏の親友で、政治的な盟友でもありました。盧武鉉政権では秘書室長など要職を務めましたから、米国は新政権を「盧武鉉 シーズン2」と警戒していました。そこに「配備延期」。米国とすれば「やはりそう来たか」といった感じでしょう。

  • 米国が神経を尖らす文在寅の「離米従中親北」公約 ・早期の南北首脳会談 ・在韓米軍へのTHAAD配備の見直し ・開城工業団地と金剛山観光の再開 ・戦時作戦統制権の返還 ・日韓慰安婦合意の破棄または再交渉

在韓米軍撤収の名分に

—「韓国が追いやられる安保上の危機」とは?

鈴置:「在韓米軍撤収」を指すのは間違いありません。WSJの社説は結論部分でもう一度、韓国に警告を発しました。

Mr. Moon still has time to fix his mistake before he meets President Trump in Washington later this month. Environmental assessments can and should be waived when national security is at stake. If Thaad doesn’t satisfy that requirement, it’s hard to imagine what does.

 6月末の米韓首脳会談までに文在寅は誤りを正せ。環境影響評価などというものは国の安全がかかる時には辞めることもできるし、そうすべきだ。もし、THAADが機能しないのなら、どんな結果となるか、想像するのは難しくない――です。

—確かに、米軍兵士を後ろから撃つような国に軍は置いておけませんね。

鈴置:米国の朝鮮半島専門家であるスナイダー(Scott Snyder)外交問題評議会(CFR)シニア・フェローは「The Holt of South Korea’s THAAD Deployment」で明確に在韓米軍撤収に言及しました。

もし、韓国政府が米軍を守る手段を妨害するとの認識が広がれば、米軍が韓国に関与することへの米国の世論の支持は急速に消え失せる。それはトランプ大統領に対し在韓米軍撤収の名分を与えることになりかねない。

左派が米軍基地を「封鎖」

鈴置:韓国の保守系メディアは「トランプの怒り」に震え上がり、「米韓同盟を壊すつもりか」と文在寅政権を非難しました。朝鮮日報はさらなる「不都合な真実」も暴露しました。

 6月8日付の「最近、北朝鮮が弾道ミサイルを撃った時、THAADは油がなくて動かせなかった」(韓国語版)で、THAADが配備されている慶尚北道・星州(ソンジュ)の米軍基地を左派の運動団体が封鎖し、米軍車両による石油の搬入を阻止していると報じたのです。

 星州には強力なレーダーと射撃管制装置、それに2本の発射筒が配備済みです。本来、THAADは6本の発射筒を備えるものですが、残り4本は韓国には持ち込まれたものの星州の基地には運び込まれていません。

 左派が物理的に阻止しているうえ、先ほど説明したように韓国政府が環境影響評価を理由に配備拒否の構えを見せているからです。

 ただ、星州基地のTHAADは発射筒が2本という不完全な形ながら機能していると見られていましたが、そうではなかったというのです。

 THAADの強力なレーダーには大量の電力が要ります。米軍は韓国の民間会社から購入する計画ですが、左派の反対運動で高圧線工事ができず、非常用の自家発電装置でまかなっていた。

 しかし基地が「封鎖」されたため、陸路ではレーダーを動かす石油を運び込めず、ヘリコプターで空輸していた。

 でも、運べる量は知れていてフル稼働できない。何と、北が弾道ミサイルを撃った5月21日も動かせなかった――と朝鮮日報は報じたのです。これではTHAAD配備の意味がありません。

 米国の大物議員が「韓国がTHAAD配備を望まないなら、他の場所で使う」と文在寅大統領に抗議したのも当然です(「『第2次朝鮮戦争』を前に日米を裏切る韓国」参照)。

怒りに油注ぐ文在寅政権

—韓国の警察は左派の石油搬入阻止を許しているのですか?

鈴置:その通りです。朝鮮日報の社説「星州と議政府で繰り広げられるとんでもない光景」(6月13日、韓国語版)は「韓国を守るTHAADへの妄動を政府と警察が放置する」と嘆きました。

—それでは米国の大統領や議員が怒ります。

鈴置:というのに、文在寅大統領は米国の怒りに油を注ぎました。

(次回に続く)=6月23日掲載予定

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韓国政府筋が「米韓合同軍事演習の縮小」に言及する中、米国は戦略爆撃機「B-1B」を韓国に派遣。文在寅政権への怒りを示したと韓国では見られている(写真:YONHAP NEWS/アフロ 2016年9月撮影)

前回から読む)

 米韓の対立は深まるばかりだ。同盟がいつまで持つのか分からない。

「挑発中断なら無条件で対話」

前回は文在寅(ムン・ジェイン)大統領がトランプ(Donald Trump)大統領の怒りに油を注いだという話で終わりました。

鈴置:在韓米軍に配備されたTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)を韓国は「封鎖」しています。当然、米国は怒り心頭に発しました。

 それに加え、文在寅大統領は6月15日にソウル市内で開かれた南北首脳会談の開催17周年を記念する式典で演説し、北朝鮮に次のように呼び掛けたのです。

北が核とミサイルの追加挑発を中断すれば、北と条件なく対話に臨めることを明確にする。

膝を突き合わせ、どのように従来の南北合意を履行するか協議する意思がある。核の完全な放棄や朝鮮半島平和体制の構築、朝米関係の正常化まで包括的に議論できる。

条件切り下げて抜け駆け

 北朝鮮のミサイル実験の直後に、文在寅大統領が「核・ミサイル実験を中断すれば対話できる」との趣旨で発言したことはありました(「北朝鮮のミサイル発射が増幅する米韓の不協和音」参照)。しかし、北朝鮮に「実験を停止すれば対話する」と正式に呼び掛けたのは初めてです。

 米国は驚きました。トランプ政権は北朝鮮との対話を始める条件として「核・ミサイル開発の完全で検証可能な停止」つまり「廃棄」を要求してきました。

 文在寅大統領が言うように「核・ミサイル実験の中断」だけ、つまり「凍結」を交換条件にすると、北朝鮮に核開発の時間を稼がれてしまう可能性が大きいからです。実験を「凍結」しても、開発は続けられますからね。

 そもそも「凍結」を交渉条件に掲げていたのは北朝鮮。これに中国も賛同し、米国にも乗るよう勧めています(「韓国を無視して『パンドラの箱』を開ける米国」参照)。今回、それに韓国が加わったのです。

 交渉事ですから今後、米朝が「凍結」で手を打つ可能性が全くないわけではありません。しかし今現在は、米国は「廃棄」を条件に掲げ、全力で北朝鮮に圧力をかけているのです。その米国を韓国は裏切ったのです。抜け駆けです。

「火に油」第2弾

—韓国が中朝側に回り、米国を孤立させる……。

鈴置:その通りです。米政府が運営するVOA(Voice of America)はさっそく翌6月16日「米国務省は『北が非核化してこそ対話』」(韓国語版)という記事で韓国にクギを刺しました。

 ナウアート(Heather Nauert)報道官の6月15日の定例ブリーフでの発言を引用しています。以下が前文です。

米国務省は北朝鮮の非核化を対話の前提条件とすると重ねて提示した。「挑発を中断すれば、条件なしに対話する」との文在寅大統領との発言とは異なると示唆した。

—韓国政府は軌道修正したのですか?

鈴置:いいえ。それどころか文在寅政権は、米国の怒りにもう一段の油を注ぐ挙に出ました。大統領の統一外交安保特別補佐官である文正仁(ムン・ジョンイン)延世大学特認名誉教授が米国を訪れ、具体的な「凍結案」を主張したのです。それも、現在北朝鮮にかけている軍事的圧力を弱める融和策です。

 6月16日にワシントンDCで開かれたセミナーと、それに続く韓国メディアの特派員懇談会で語りました。朝鮮日報の「文正仁『THAADのために韓米同盟が壊れるなら、それが同盟か』」(6月17日、韓国語版)から、同氏の発言を引用します。

北朝鮮が核・ミサイル活動を中断すれば、米国との協議を通じて韓米合同軍事演習を縮小できる。朝鮮半島に展開する米国の戦略的資産の配置も縮小できる。

「米韓の差」が鮮明に

—「戦略的資産」とは?

鈴置:米国の空母や戦略爆撃機を指します。それらを「縮小」すれば、北朝鮮は米国から受ける軍事的な圧迫を大いに減らすことができます。

 その戦略爆撃機「B-1B」2機が6月20日、グアムから韓国に飛来し、韓国空軍機と合同訓練を実施しました。異例だったのは米軍が飛来と同時に、その事実を公開したことです。20日の訓練の写真付きです。

 朝鮮日報は「文正仁発言受けたのか……在韓米軍司令官が『B-1Bの出撃を積極的に知らしめよ』」(6月21日、韓国語版)で「文正仁発言に対する米軍の怒り」を次のように報じました。

軍事筋によると、ブルックス(Vincent Brooks)在韓米軍司令官自身が「B-1B」展開の事実を積極的に広報せよと指示した。

「文正仁発言とは関係なく戦略的資産を投入する」との米国の意思を明確にしたもの、と関係者は見ている。

—文正仁氏は米韓合同演習の規模縮小まで言い出しましたね。

鈴置:もちろん、これも軍事的な圧力を弱める融和策です。北朝鮮が一貫して「演習中止」を求めているので、これを「ニンジン」にすれば対話に応じると文正仁氏は言いたいのでしょう。

 しかし文正仁発言により、軍事的な威嚇で北朝鮮を対話に引き出そうとする米国との姿勢の差がますます鮮明となりました。この米韓ギャップを突くことで、中国や北朝鮮が時間稼ぎに出る可能性もあります。米国や日本が実施してきた核放棄圧力を台無しにしかねません。

VOA、「タリバン」に反撃

—米国政府は文正仁氏の「合同演習縮小」発言にどう対応しましたか?

鈴置:これにもVOAが直ちに反撃しました。「国務省『文正仁の軍事訓練縮小発言は韓国政府の政策ではないだろう』」(6月18日、韓国語版)です。

 見出しは国務省のエドワーズ(Alicia Edwards)東アジア担当報道官の発言からとっています。VOAの質問に答えたものです。次がポイントです。

We understand these views are the personal views of Mr. Moon and may not reflect official ROK Government policy. I refer you to the ROK Government.

 要は、文正仁発言はあくまで個人的な意見に過ぎず、韓国政府とは関係ないんだろ。もしそうでなかったら、大変なことになるぞ。韓国政府は今すぐに訂正したらどうだ――との威嚇です。

 なお、文正仁氏は統一・外交問題の専門家で金大中(キム・デジュン)政権(1998―2003年)以降の左派政権で参謀役を務めました。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(2003-2008年)では政府の委員会のトップも務めました。

 民族主義的で「反米親北」路線に突っ走った盧武鉉大統領。その参謀陣の一部を米政界は「韓国のタリバン」と呼びました(「文在寅は『五面楚歌』から脱出できるか」参照)。文正仁氏は米国から「タリバンの中心人物」と見られていると思います。

大統領も「文正仁発言」を支持

—文正仁発言は韓国政府と無関係なのですか?

鈴置:そんなことはあり得ません。大統領の特別補佐官なのです。経験豊富な国際政治学者ですから失言ではなく、反響を十二分に計算したうえでの発言でしょう。

 文在寅大統領は6月20日、米CBSのインタビューを受けました。この問題に関しては「彼(文正仁氏)がワシントンで語ったことは個人的な意見だ」と述べました。「Top 5 takeaway from S. Korean President’s Interview with Norah O’Donnell」(6月20日、英語)です。

what he mentioned in Washington was his personal view.

 しかし「北朝鮮をいかに対話に引き出すかには様々の意見がある」「トランプ大統領との会談でそれを話し合い、合意に至りたい」とも語りました。文正仁発言を事実上、支持したのです。

I believe that there can be many opinions on how we will draw North Korea out to dialogue.

I believe that when it comes to the detailed strategy and tactics on how we will achieve this, this will be ? have to be discussed and agreed upon during the summit meeting with President Trump.

いい警官、悪い警官

—なぜ大統領の周辺は6月末の首脳会談を前にして、米国との摩擦を引き起こす発言をするのでしょうか。

鈴置:韓国の発言力を増す狙いと思います。朝鮮日報の「青瓦台、文正仁特別補佐官に『韓米関係の助けにならない発言』」(6月20日、韓国語版)にも以下のくだりがあります。

文正仁氏は訪米前「米国に言うべきことは私が前に出て言う。ある種の『いい警官、悪い警官』の役割だ」と漏らしていたと消息通は語る。

 自分が過激な発言をして「悪い警官」を演じておけば、大統領が少々厳しいことを言っても、トランプの目には比較的「いい警官」に映るはずだ。そうすれば、THAADや対北政策を巡り激突が予想される米韓首脳会談を乗りれる――と計算したのでしょう。

小細工外交で存在を主張

—うまくいきますか?

鈴置:トランプ大統領が文在寅大統領を、いいにしろ悪いにしろ「警官」と見る保証はありません。むしろ「凶悪犯」の共犯者扱いする可能性の方が大きいと思います。日米からは、核武装に突き進む北朝鮮の「時間稼ぎ」を手伝っているように見えますから。

—韓国は小細工が好きですね。

鈴置:そうでもするしかないのでしょう。この政権は「米国の言いなり」と見られるのだけは避けたいのだと思います。

 文在寅大統領はワシントン・ポストのインタビューに答え「北朝鮮の核問題を解決するにあたって、韓国はより重要でより主体的な役割を果たさねばならない」と語っています。

 「South Korea’s new President: Trump and I have a common goal」(6月20日、英語)の冒頭に出てきます。以下です。

there is one thing I would like to stress: Korea should now play a larger and more leading role in this process. During the periods when South Korea played a more active role, the inter-Korean relationship was more peaceful and there was less tension between the United States and North Korea.

「韓国無視」と自嘲

 しかし、文在寅大統領の願いとは反対に韓国は、北朝鮮の核を巡る駆け引きで完全にカヤの外に置かれています。

 米国は、北朝鮮に経済的な圧力をかけてくれそうな中国とは頻繁に話し合う。軍事基地を提供し、後方支援してくれる日本の顔は立てる。しかし韓国にはろくに相談しません。

朝鮮半島を巡る米・中のカード

米国 中国
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定(不可侵協定)の締結  ・米朝国交正常化  ・在韓米地上軍撤収  ・在韓米軍撤収  ・米韓同盟廃棄 北朝鮮の核兵器廃棄  ・核弾頭の増産中断  ・弾頭再突入技術の開発中断  ・弾頭小型化技術の開発中断  ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障
 

注)左右の項目は必ずしも連動しない

 在韓米軍基地は北朝鮮に近すぎて使い勝手が悪いうえ、THAADの配備も邪魔するなど、韓国は信用できないからです(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。この結果、韓国は北朝鮮からも交渉相手とは見なされない。

 そこで存在感を増すべく使い始めたのが「米韓合同演習の縮小」カードでしょう。これなら韓国にも発言力があるように見える。それをかざせば韓国を無視する米国と北朝鮮を振り向かせることができると考えたのでしょう。

 韓国紙には毎日のように「Korea Passing」(韓国無視)との自嘲的な単語が踊ります。北朝鮮の核問題には韓国人の死活的な利害がかかるというのに、自分たちは関与できないとの不満です。そんな中「韓国も駆け引きに参加する」ことになれば、政権は浮揚力を一気に増せます。

米韓同盟は要らない

—でもそんな小細工をすると、米国との関係が悪化しませんか。

鈴置:もちろん悪化します。米朝の軍事衝突が予想される中、同盟国の米国を裏切って中朝側に走るのですから。

この政権の中枢部には「韓国にとってもっとも重要な北との和合・統一を米国が邪魔している」と考える人たちが座っています。彼らにとって米韓同盟は邪魔なのです。文正仁氏は米国で以下のように発言しています。

THAAD問題が解決されなければ韓米同盟が壊れるとの見方があるが、そうだとするなら何たる同盟なのか。

 米国人は「THAADで言うことを聞かねば、在韓米軍を撤収する」と脅してくる。韓国を子分扱いして意見を聞かず、南北和解を阻害する同盟など願い下げだ。いつでも打ち切る――との思いの表出です。

マケインと会わなかった文在寅

 一連の「反米騒動」の中で、米上院軍事委員会委員長のマケイン(John McCain)議員と文在寅大統領の「会談消滅事件」が明るみに出ました。

 中央日報の社説「マケイン米上院議員の取りやめ、尋常ではない兆候だ」(6月16日、日本語版)によると、5月に青瓦台(大統領府)はマケイン議員から会談の要請を受けましたが、すぐには返答しませんでした。

 韓国側は1週間後に面談日を指定しましたが、マケイン議員から「その日には別件がある」と連絡があり、会談は不成立に終わったというのです。

 マケイン議員のような同盟国の安全保障の命綱を握る大物政治家との会談に、韓国の大統領が積極的に応じないのは前代未聞です。普通だったら要請を1週間も放置しません。

中国の顔色を見た?

 マケイン議員と会えば「米国ではなく北朝鮮に味方するのか」と問い詰められる可能性が大でした。会談を受けていいのか、大統領周辺は判断できなかったのだと疑う向きが多いのです。

 あるいは同議員が軍事問題の専門家であることから「米韓同盟強化を嫌う中国の顔色を見て、会談を事実上、拒否したのだろう」と言う人もいます。

 会談不発の原因について青瓦台は「事務的な問題」と説明していますが、米政界はそうは考えないでしょう。「やはり、第2のタリバン政権だ」と見なしたはずです。

 米国と韓国は激突します。これまでは前哨戦。6月29、30日の首脳会談が天王山です。

(次回に続く)

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『中国がパナマと国交樹立、その意味を考える トランプ迷走の中、台湾を追い込みつつ中南米攻略へ』(6/21日経ビジネスオンライン 福島香織)について

6/22日経中国ネット統制 波紋広がる 上級論説委員 飯野克彦

インターネットの安全を保障し、ネット空間の主権と国家の安全、社会の公共利益を擁護し、公民や法人その他の組織の合法的な利益を守り、社会と社会の情報化が健全に発展するのを促す……。

中国で1日に施行された「インターネット安全法」は、こんな文章で始まる。個人の権利や経済・社会秩序、そして国家の安全保障まで、幅広い課題に対する法律であることが伝わってくる。

ユニークなのは「ネット空間の主権」を守ると明記した点だ。国内法であえて「主権」を主張したのは、サイバーセキュリティーの問題を国際的な視点からとらえていることの表れだろう。実際、中国のネット統制の波紋は世界的な広がりを見せている。

同法については、中国に進出した外資が早くから懸念の声をあげてきた。たとえば、「大切な情報インフラの運営者」は個人情報や重要なデータを中国国内に保存しなくてはならず、海外に持ち出すには関係当局の定めに従わなくてはならない、との条項だ。「ビッグデータの持ち出しが禁じられるのでは」。こんな声が聞こえてくる。

実際にどんな影響が出るか現時点では未知数といえる。「大切な情報インフラの運営者」が何を指すのか、はっきりしないからだ。そうした不透明感こそが外資の不安を増幅している印象もある。

国際的な人権団体などからは、情報統制が一段と強まるのでは、といった声が出ている。中国では最近、政権に批判的な発言で知られる賀衛方・北京大学教授が、自分の公式アカウントを閉鎖されたことへの抗議としてソーシャルメディアでの「断筆」を宣言し、話題になった。

習近平国家主席ひきいる共産党政権は、異論を封殺しようとする姿勢をますます強めている。ネット安全法の施行は、賀教授への圧迫のような活動に対する法的根拠を改めて用意したことになろう。

波紋が及ぶのは中国の内側に限られない。米国で生まれ広がってきたサイバー空間のありようそのものが、影響を免れない。

情報が国境をも軽々と飛び越えて自由に流通できる世界的なインフラとしてのインターネットに、共産党政権は早くから警戒感を抱いてきた。1998年には公安省が「金盾工程」というプロジェクトに乗り出した。

これは国民の海外サイト閲覧を制限する「グレート・ファイア・ウオール」(防火長城)を含むネット統制の事業で、2006年に第1期の完了を宣言した。「自由」を核心とするインターネットを、中国は「統制」しつつ利用する道を選んだわけである。

今年はじめに防火長城の迂回が困難になるなど、ネット統制は「進化」している。そこに改めて明確な法的根拠を用意したのがネット安全法であり、同時に「金盾工程」などの成果が同法の実効性を高めているともいえる。

中国の取り組みは一部の国々、とりわけ独裁的な国々の指導者にとって魅力的なようだ。ジャーナリストの国際的な非政府組織(NGO)「国境なき記者団」は10年以上も前から、中国の技術がキューバなどに提供されている可能性を指摘してきた。法体系の整備も今後は協力のテーマになるのかもしれない。

日本など民主主義の国々にとって体制の維持を最優先する中国流は論外ではある。ただ参考にすべきことがないわけではない。たとえばネット安全法は、エネルギーや金融といった重要インフラを担う企業に、厳しい安全管理を義務づけている。ネットの安全に関する宣伝・教育の重視を明確に打ち出している。

サイバー空間の自由な情報の流通は、民主主義にとっても脅威となりうる。米大統領選を揺さぶったフェイク(偽)ニュース、ネットを利用したテロ組織の宣伝活動、個人攻撃やヘイトスピーチの拡散などを思い浮かべればいい。

その対策は中国のような独裁国家であればむしろ簡単といえる。情報の自由な流通を妨げず、それにともなう弊害を抑え込むにはどうしたらいいか。民主主義世界は、共産党政権よりも真剣に取り組む必要があるはずだ。>(以上)

表題の「トランプの迷走」というのは、トランプが当初蔡英文台湾総統に電話したり、一つの中国政策を見直すこともできると言った後、北朝鮮問題で中国を担いで取引しようとしていることを指すのではと思われます。6/22日経には「イバンカ・クシュナーに年内訪中を要請」という記事、6/22産経ビズ「米国、中国をWTO提訴へ 通商代表、不公正貿易で」という記事が載っていました。外形上はぶれているようにも見えます。ただ中国のやろうとしていることは、米国の国益(世界覇権)に挑戦してきていることが明らかです。それに気づかぬ米国人ではないでしょう。世界の人々にとって、米国の世界覇権と中国の世界覇権どちらが人類にとって良いかの選択の問題です。上記日経の記事にありますように、共産主義という人権抑圧する政治体制になれば人々に不幸を齎すのが見えています。ここは米国に頑張って貰って、北と中国と共産国を崩壊させてほしい。日本も相応の役割を果たしていかねば。

福島氏記事で面白く感じたのは、次の台湾総統になるのは蔡英文氏よりもっと独立志向が強く、より親日の度合いを明らかにしている頼清徳台南市長かも知れないという点でした。習近平の強引さが敵を作り、中国国内外で彼の思惑から離れた方へと動いて行っているのでは。下放時代の厳しさが彼の人生観を変えたのかもしれませんが。でも小島直記の『出世を急がぬ男たち』を思い出しました。習近平は作中の田中角栄のように転ぶ可能性があります。暗殺か失脚かは分かりませんが。

南シナ海の問題はASEANと台湾それに日本と米国の結びつきを強めるのでは。このままいけば南シナ海は中国の内海になり、海洋に眠る資源は皆中国のモノとなり、どこへ出るにも中国の許可が必要となります。少し考えれば分かること。今までは米国の覇権内にありましたので、領海・領土は保全でき、自由な航行も妨げて来られませんでした。ASEAN諸国を発奮させられるかどうかは偏に米国にかかっています。日本もヘリ空母「いずも」を南シナ海に派遣しています。

https://youtu.be/mPp4kQlFoTM?t=11

Japan Largest Warship To Be Deployed To South China Sea

ニカラグア運河で思い出したのは、満洲鉄道の並行線を張作霖が作ったことです。中国人は如何に約束を守らないか、日本人は歴史上からも見る必要があります。米国も裏庭の中南米を中国に荒らされて傍観しているだけではだめでしょう。パナマはノリエガ逮捕のようにいつでも侵攻できると思っているのかもしれませんが。台湾人の先生に聞いたところによると、パナマの台湾断交について「パナマ運河を支援してきたのは長栄(エバーグリーン)の張栄発氏。生きていれば、すぐにクレームを付けただろう」とのことでした。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%80%E5%B7%9E%E5%9B%BD%E5%9B%BD%E6%9C%89%E9%89%84%E9%81%93

記事

中国とパナマが国交樹立。中国は中南米を飲み干せるのか(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

中国がパナマと国交を樹立した。すなわち台湾とパナマが断交したことになる。これは単に、台湾の国際生存空間が中国によって狭められた、という以上の意味があるのではないか、と思う。そのあたりをいろいろ推察してみたい。

パナマへの照準は毛沢東時代から

パナマは6月12日夜に中国との国交樹立を発表。「一つの中国」政策を支持し、台湾が中国の一部であるとして、これを受けて台湾と断交することになった。2016年12月には西アフリカの島国サントメ・プリンシペが中国との国交樹立とともに台湾と断交したのに続いて、台湾に蔡英文政権ができてから、台湾と正式国交を結ぶ国は二つ減った。残るはバチカン市国を含めてわずか20カ国。昨年は、中国がブルキナファソに多額の経済支援と引き換えに台湾断交を持ちかけていたことが、ブルキナファソの外務担当相に暴露されるなどしていたが、台湾と正式国交を持っていた国の中では、最も影響力の強かったパナマとの断交によって、他の小国もドミノ式に、台湾から中国に乗り換えていくのではないか、という声もある。

ちなみにパナマは、蔡英文が台湾総統に就任した後、最初の外遊先に選び、パナマ運河拡張工事の竣工式にも参加した。中華民国として107年の国交があり、パナマは台湾にとって最重要友好国としての待遇を受けてきた。経済援助も過去数十年にわたって累計十数億ドルに上るという。だが、パナマ運河利用国第二位である中国の方が、パナマ経済にとっては重要であるということだろう。パナマの対中ラブコールは今に始まったことではない。

中国としては、1964年当時、米国の支配下にあったパナマ運河地帯でパナマ学生がパナマ国旗を掲揚しようとして、暴行を受けたことから始まる市民暴動・国旗事件のころから、パナマへのアプローチを続けており、毛沢東はパナマの運河主権回復を支援するためのデモを指示したりもした。84年に香港返還を決めた中英連合声明が出されると、香港を窓口とした経済関係が強化され、香港に置かれる貿易事務所が事実上の大使館として機能することとなった。

このころ、台湾総統であった李登輝は巨額の援助を伴う札束外交攻勢によってパナマをつなぎとめていたが、2000年、陳水扁民進党政権になると、パナマ側は足元をみて外交関係維持をちらつかせて台湾に経済利益を要求するようになった。陳水扁政権の行った対パナマ経済援助は、かなりの部分が当時の女性大統領・モスコソの個人資産に入ったといわれるし、また陳水扁が機密費から彼女に巨額賄賂などを送ったことなどが、後に問題視されることとなった。

2004年にマルティン・トリホスが大統領になると中国と急接近、この時点で中国・パナマ間の国交樹立の方向への認識が共有されることとなった。だが2009年、いざパナマ側が中国との国交樹立を望んだとき、おりしも台湾は親中派の馬英九が総統。2011年にウィキリークスが暴露した駐パナマ米大使の外交電文によれば、中国側はこのパナマの申し出を拒否したという。馬英九のメンツを優先させたからだという。ちなみに、ロイター通信によれば、この当時、中国が外交関係樹立を持ちかけられて、馬英九政権のために拒否した国は五カ国に上るとか。

そういった経過を経て、今年のこの時期、中国とパナマの国交が樹立した背景には、①台湾内の反中意識の高まりによって蔡英文政権が発足した今、中国としては、台湾からパナマを奪うことで、蔡英文政権に思いっきり打撃を与えたい。②パナマ側の都合もある。2014年から深刻な経済悪化に見舞われたパナマ大統領、バレーラは中国との国交樹立準備を急いでいた。中国も地下鉄建設などを含む7.5億ドルの融資などパナマを積極的に支援した。③トランプ政権発足後、米国の対中南米、対台湾政策に、明確で安定した方向性が見えづらくなった。米国の影響を強く受けているパナマだが、今のタイミングは、中国にしてみればパナマを含め中南米に深く入り込む好機であり、パナマにしても台湾を軽視するきっかけになった、などの見方があがっている。

なりふり構わぬ外交圧力

パナマが中国との国交樹立を望むのは、単純に中国の経済力に期待してのことだろうが、中国の目的はかなり戦略的なものを感じる。

一般に、上記に挙げたうちの背景の中の①、つまり、中国が“敵”と見定める蔡英文政権を追い込むことが中国の最大の目的といわれている。確かに、そういう部分はある。基本的に反中的な民進党政権になるたびに、中国は台湾の国際社会における生存空間を狭めようと、台湾と国交を持つ国を、巨大な中国経済の影響力を武器に奪ってきた。陳水扁政権のときは、マケドニア、リベリア、ドミニカ、グレナダ、ナウル、セネガル、チャド、コスタリカ、マラウイが中国の“金銭外交”によって奪われた。馬英九政権のときは、胡錦涛政権は台湾を経済依存させることによる中台平和統一の実現に自信を持っていたので、馬英九のメンツを立てる形で、“台湾の生存空間を維持させてやった”のである。だが習近平政権になり、これまで水面下でひそやかに進展させていたはずの、中台統一への野望を一気に表面化させたことで、危機感に目覚めた台湾に蔡英文政権が登場した。こうなれば、中国は再び、なりふり構わず台湾への外交圧力をかけてくるわけだ。

ただ、蔡英文政権に圧力をかけても、今のところは台湾の国民党自体に、執政党になり得る実力や求心力がないので、国民党に対する追い風にはあまりなっていない。中国はWHO(世界保健機関)に総会(WHA)参加の招待状を台湾に送らないように圧力をかけたが、この事件にしても、むしろ台湾世論の蔡英文批判は「中国になめられている」という方向に流れる。もし、中国の圧力に弱腰の蔡英文政権がダメだと台湾有権者に判断されれば、おそらく次に登場するのは、民進党のより反中的な、例えば頼清徳(台南市長)あたりが総統候補として台頭してくるのではないか、と見られている。仮に彼が台湾総統になれば、おそらく、中国にとって蔡英文よりも扱いづらい相手となろう。

狙いは中南米への食い込み

なので、私はむしろ、中国にとってパナマとの国交樹立は上記に挙げた背景の③の部分、米国の裏庭であった中南米への食い込みの好機という意味合いの方が大きいような気がする。新華社が実に誇らしげに記事を配信している。

「中国遠洋海運集団(COSCO)の貨物船が夕日を浴びながら悠々と、パナマ運河を通過している。船長は鮮やかな五星紅旗を掲げ、船員とともに記念写真を撮り、中パ国交樹立を祝った…」

「船長は振り返る。以前はこの地方の人々は中国に対して理解も少なかった。中国の国力が増強するにつれて、多くの外国人が中国経済の奇跡を絶賛し、中国と中国文化への理解は日々増している」

「中国はすでに(米国に次いで)パナマ運河第二の顧客。中パ国交樹立後は、この世界の“黄金水道”を通って、五星紅旗がはためく中国貨物船が世界の隅々に向けて馳せ参じ、中国とラテンアメリカ地域の貿易往来をさらに一歩推進させることだろう」

「24年前にパナマにやってきた中国文化センター創始者の張雲懐は感動して語る。…『数年前までは、中国国旗はこの文化センターくらいにしかなかった。だが中パ国交樹立後は、五星紅旗は美しき“中国の夢”を乗せて、華僑華人の心の中からパナマの津々浦々、メーンストリートから小さな路地にまで広がっていくだろう』」

なんか、国交を樹立しただけなのに、まるでパナマを占領したかのような勝ち誇った口ぶりではないか。うがった見方かもしれないが、この新華社が配信するパナマ運河ルポには、ついに米国の裏庭で中国国旗を翻してやったぜ、というニュアンスを感じるのである。

米国によって建設され99年にパナマに返還されたパナマ運河というのは、中国から見れば、今なお米国の海運支配の歴史の象徴的存在。そして米国によってコロンビアから独立させられたパナマ自身、今なお米国の強い影響下に置かれる。習近平ファミリーを含む中国大物政治家ファミリーたちがパナマ経由の英領タックスヘイブンで不正な蓄財をしている可能性を暴露した「パナマ文書」が、実は中国やロシアをターゲットにした当時のオバマ政権の陰謀である、みたいな噂が出てくるのも、パナマと米国の緊密な関係が背景にあるからだろう。

不透明なニカラグア運河よりも

中国としては、この米国の影響力が強いパナマ運河に対抗すべく、香港企業を通じて2014年からニカラグア運河建設に巨額投資してきたのだ。ニカラグアも正式国交を結んでいるのは台湾だが、パナマと違って反米的で、中国としては与しやすい。ニカラグア運河ができれば、おそらくニカラグアと中国は国交を樹立、しかも、米国のお膝元で中国が管理するパナマ運河より巨大な、軍艦も悠々通れそうな運河が誕生するわけだから、その戦略的意義というのは、深く考えるまでもなかろう。運河沿岸は中国企業の管轄地となり、積み荷検査も中国自国が行う。そういう地域が中米にぽっかりできると、南米諸国に中国は、米国に干渉されずに、なんでも売り込むことができる。それこそ、南米武器市場を中国が奪うことも可能だろう。

ただ、今の中国の懐事情を考えると、一応2022年竣工をうたうニカラグア運河建設が本当に順調に進むのかどうかは、まだわからない。ニカラグア運河の竣工を待つより、パナマがその気ならば、パナマにおける中国のプレゼンスを強化する方が、話が早いともいえる。

ロイター通信(3月27日)によれば、パナマ運河管理当局は年内に、運河沿岸の1200ヘクタールに及ぶ土地の物流拠点建設プロジェクト(40年の土地使用権付き)の公開入札を行うが、すでに中国企業が水面下で当局者に接触しているとか。

トランプ外交の危うさと連動

中国の「走出去」(海外進出)戦略の本質は覇権拡大、なかでも海洋覇権に重きが置かれている。新シルクロード構想「一帯一路」戦略も、海のシルクロードにおける軍事利用も視野に置いた港湾建設など海洋インフラ建設の意義は大きい。COSCOがギリシャのピレウス港管理経営権を取得したことは一帯一路の欧州における海洋出口を押さえたという大きな戦略的意義があったが、そこから南米東海岸につながる国際海洋物流の極であるパナマ運河沿岸の土地を押さえる意味も、同等かそれ以上に大きい。中国はすかさず、パナマも「一帯一路」に参加するよう呼びかけ、パナマサイドも「パナマは一帯一路で重要な役割を負う」などと発言している。

こうした中国の一連の動きは、トランプ政権の中南米政策の変化や、対中政策、対台湾政策の定見のなさと連動している。トランプ外交は自国利益優先の駆け引き、ディール外交といわれていたが、今や、瞬時の利益を判断して処理するトランザクション外交だ、という表現もある。この言葉には、瞬時の利益に目を奪われて、長期的な国益を損なう可能性もある、という含みがあるが、日本として傍から見ていても、実に危うい。そして、こうしたトランプ外交が、内政ではいろいろ苦労している習近平政権に、意外な外交的チャンスを与えていることが、日本にとってはなかなか懸念されるところである。

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『中国農村に「ロミオとジュリエット」が大量に出現?中国共産党よりもはるかに厳しい「村の掟」』(6/19JBプレス 安田峰敏)について

6/21JX通信社が纏めた新聞社別の内閣支持率が出ていました。如何に新聞社が偏向報道しているかという事です。安倍支持率の高い産経、安倍支持率の低い朝日、毎日、東京を除いた読売、日経が一番妥当な国民の意識を表しているのでは。左右ともプロパガンダで国民を洗脳しようとしている感じです。野党は、今度は萩生田官房副長官を槍玉に上げる作戦に転じました。そもそもメモにどの程度の証拠能力があるというのか。言った、言わないの水掛け論になります。大体組織の中で働いていれば「黄門の印籠」宜しく、自分の思い通りになるよう「上の意向」だとして相手を説得するのは良く見られる話、また自分が失敗した時の「エクスキューズ」として「会長・社長の指示があったから」とか「特約店から言われたので止む無く」とか直属の上司に報告することも多々あります。況してや自分の責任になることを一番嫌がる官僚でしょう。文科省は三流官庁と言われても仕方がありません。省内の文書を持ち出すことが正義ではないはず。守秘義務違反です。そもそも事務次官が買春に勤しんでいた時点でアウトでしょう。子供たちに何を教えるのか?教育への自覚のない前川や寺脇がTVで堂々と政府を攻撃するのは違和感があります。碌を食んだものとしての仁義もない。見下げ果てた連中です。そいつらを担ぐメデイアも。

https://news.yahoo.co.jp/byline/yoneshigekatsuhiro/20170620-00072316/

本記事の械闘(中国語読み=xie4dou4、水利権等の争いで村毎に対立する村と火器を使わない棍棒等の武器でのケンカのイメージがあります)がまだ残っていたというのは流石としか言いようがありません。前近代な風習が今でも残っているという事です。日本国憲法の前文の「平和を愛する諸国民」から程遠いのでは。彼らを信じて無防備になることは、泥棒に入ってくれと言わんばかりでしょう。前近代的な風習は儒教の影響と見る向きもありますが、中国内では儒教にそんな力はないでしょう。孔子も仕官できなかったくらいで、今でも孔子学院は語学学校で中共のスパイ活動に利用されているだけです。孔子の説いた道を一番守っているのは日本人でしょう。韓国人の信じる儒教は形だけを尊重して、精神に迫るものが無いと言われます。朝鮮半島人は儒教と言うよりも華夷秩序を重んじ、島国である日本人を侮蔑します。所謂従軍慰安婦も強制性の有無は関係なく、アニマルの日本人とセックスしたのを咎めているとのこと。では何故、日本の統治を受けたのか、当時は喜んで日本人と結婚した人もいたでしょうに。究極の人種差別主義者です。彼らは歴史上誇れるものがないため、嘘をでっち上げ、日本人を虐めるのが元気の素とか。お粗末な民族です。(呉 善花・加瀬 英明 共著『呆れた哀れな隣人・韓国』より引用)。在日も同じ考えでしょう。だから日本人に対して平気でヘイトスピーチする訳です。日本人に対するヘイトスピーチも取り締まれるよう法律改正してほしい。

中国では人権という考えそのものが無いのではと思います。こういう国とは付き合うと危ないです。6/11大紀元記事上海の弁護士「中国の人権派弁護士は将来の大統領候補」

人権派弁護士として知られる上海在住の鄭恩寵氏。同氏はこのほど大紀元の取材に対し、709弁護士一斉拘束事件で弾圧された中国の人権派弁護士は、中国の未来のために自分と家族の経済的利益のすべてを投げ打って尽力を尽くしていることを特に取り上げた。その上で、彼らの払った犠牲と受けた苦難の数々は中国の歴史に深く刻み付けられるだろうと敬意を表し、彼らこそが中国の未来の大統領候補だとの思いをあらわにした。

鄭恩寵弁護士は取材に対し、709弁護士一斉拘束事件で逮捕された李和平、謝陽、王全璋の各氏は中産階級に属していたため、本来ならば経済的に恵まれ、豊かな暮らしを送ることができる立場にあったことに触れ、やり方によっては巨額の富を築くことも不可能ではなかったはずだと述べている。だが、彼らは中国の未来のため、自分や家族にもたらされるはずだった金銭的な豊かさを投げうったのだと語った。

「彼らは(自分の使命のために)家族全員を犠牲にした。子供たちは(当局の妨害により)学校へ通うこともできなくなり、家族は職を追われ、住む場所も(当局の嫌がらせで)度々引っ越しを余儀なくされている」と家族の置かれた境遇に心を痛めている。

709弁護士一斉拘束事件とは、2015年7月9日、中国公安部が中国全土で一斉に人権派弁護士を大量に拘束した事件のことで、翌12月16日までに少なくとも319人の弁護士、人権活動家やその家族らが、事情聴取、出頭命令、出国禁止、軟禁、住居の監視、逮捕、強制失踪(政府による拉致)など、何らかの形で迫害を受けた。

彼らが当局からこれほどまでに虐げられた理由は、社会的弱者の代弁者になったからにすぎない。李和平氏、王全璋氏、余文生氏をはじめとする弁護士の多くが、国の巨大な権力に果敢に立ち向かい、無実の罪に問われた法輪功学習者らの無罪を勝ち取るため、当局からの妨害に晒されながらも、いくども弁護を引き受けた。

今年5月9日、李和平弁護士は669日間に及ぶ長い不当拘留からようやく解放された。だがその間に、わずか47歳の李弁護士の頭髪は老人のような白髪に変わってしまった。李弁護士の妻の王峭岭さんは、李弁護士には高血圧の持病はなかったのに、拘留中に医師から無理やり高血圧の治療薬と称して薬を流し込まれた結果、筋肉の痛みや意識の混濁、視力の深刻な低下などが引き起こされたと語り、拘留中に李弁護士が当局から非人道的な扱いを受けたことを明らかにしている。

李弁護士と同じく、長期にわたり不当に収監されているとされる王全璋弁護士の消息は依然として不明のままだ。謝陽弁護士については、収監先で酷い拷問を受けているといった話が伝えられている。

鄭恩寵弁護士は彼らについて「当局に投獄された若い弁護士たちこそが、中国の未来の大統領候補だと思う。彼らは今、中国のネルソン・マンデラやマハトマ・ガンジーとも言える立場にある」と大きな期待を寄せている。

「中国の良心」と称された高智晟弁護士もまた、以前に法輪功学習者の弁護に立ったという理由で当局からひどい弾圧を受けた。だが高氏が高潔な心で、不屈の精神により信念を貫いたことは、国際社会から大きな称賛を浴びている。彼もまた、中国の未来の大統領候補の1人だと言える。

鄭氏は「法輪功学習者が弾圧されたとき、他にもたくさんの弁護士が立ち上がって声を上げた。これこそが中国の人権派弁護士が(人として)優れた品格を備えていることを表している」「彼らがそのために払った犠牲や受けた苦難の数々は、中国の歴史に刻まれるだろう」と語った。

鄭氏はまた、彼らに向けられる海外からの称賛はありがたいが、もっと別の視点も持ってほしいと願っている。彼らのような人権派弁護士は、しばしば海外から勇敢であるとか、脅しに屈せず毅然とした発言をすることについて評価されることが多いが、そこだけに注目するのではなく、彼らが自身や家族の経済的利益を犠牲にしていることを理解してほしいと訴えている。

取材の最後、鄭氏はこのように結んだ。「習近平主席は腐敗撲滅運動で成果を挙げた。だが私は、709事件に関する態度と処理については彼は失敗していると認識している。(反対勢力の仕業であるかもしれないが)709事件に関しては間違いなく誤っていると思う」>(以上)

反日左翼に牛耳られている日弁連もこういう人権の為に頑張っている中国人弁護士を支援したらどうか。海渡弁護士や戸塚弁護士、伊藤和子弁護士等は国連人権理事会を舞台に日本を貶める活動を止め、中共に対抗して戦っている人権派弁護士を応援すべきです。まあ、日本共産党と繋がり、裏では中共と繋がって金も貰っているのでしょうから、望むべくもありませんが。

没有共産党就有新中国(共産党が無ければ、新しい中国ができる。革命歌:没有共産党就没有新中国=「共産党なくして新中国なし)をからかったもの)です。人権を弾圧する左翼は根絶せねば。

記事

記念撮影に臨む中国の新婚カップル(本文とは関係ありません)

先月、中国福建省を舞台とする興味深いニュースが報じられた。水利をめぐって数百年にわたり対立していた同省南安市郊外の梧山村と月埔村が歴史的な和解を実現し、それまで駆け落ち同然で地元を離れていた両村の出身の男女が晴れて結婚を認められたというニュースである。AFP通信の日本語版(「300年の争い終わらせた中国版ロミオとジュリエット」)が報じているので、ご覧になった方もおられるかもしれない。

もっとも、上記の記事は片方の村の共産党委員会のトップの話しか載せていないので、本件について中国国内における他の関連報道も紹介しておこう

まずは『北京青年報』が報じた、両村の村人の証言の大意訳である。ちなみに梧山村の証言者の姓が「王」ばかりなのは、この村の住民の大部分が王さん一族だからだ(対して月埔村の大部分は傅さん一族であるらしい)。

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「とにかくガキのころから『大きくなって嫁を探すときには、なにがあっても月埔村の娘だけはやめろ』と両親に言われていてね。なぜなのか尋ねたりはしなかったのだが、とにかく周囲の親戚も友だちもみんなそう言っていたんだ」 ──梧山村で通信用品ショップを経営する王権有さん(仮名 36歳)

「年寄りたちはみんな、恨みができたのは清朝のころで、200年以上昔だって言っている。当時、山から流れてくる水の灌漑をめぐって(梧山村と)衝突があったらしい。そのあとで、互いの村は決して通婚しないことと、もし通婚したら呪いを受けるということが取り決められたと言うんだ。まあ、本当にそういう事情なのか、よく分からないし調べようもないんだけど」 ――月埔村で民宿を経営する傅維建さん

「田舎の村というのは人間の情がたいそう濃い。もしも先人の決まりを破ればずいぶん居心地が悪いし、この先になにか不吉なことが起きるかもしれんと心配にもなる。そりゃあ禁忌を破った(相手の村と通婚した)人間も実は過去にいたのだが、やはり数はとても少なかった」 ――梧山村の王氏一族の長老の1人である王蹺鼻さん

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もはや当の村人同士もなぜ対立しているのかよく分かっていないものの、とにかく両村は仲が悪かった。地元紙『東南早報』が月埔村の老人に取材したところでは、数百年前の水争いの際に両村を挙げての武力衝突(械闘)が発生して死亡者が出て、それから村民たちはクワを持って隣村との戦いに備える日々が続き、やがて不婚の掟ができたのだという。

当初の抗争の原因となった水利の問題は中華人民共和国の建国後に解決されたが、その後も1960年代に墓地の場所をめぐって深刻な対立が発生。前出の梧山村の長老、王蹺鼻さんも当時は20代の若者であり、一族の年長者に言われて刃物や棍棒を持って村を防衛したという。彼は「村中の老若男女がみな出てきて村境に集まり、戦いに備えた」と地元紙の取材に対して述べている。

しかし、近年は掟にとらわれない若者が増え、両村は経済活動などで交流するようになった。AFP通信の報道でも紹介された両村の「ロミオとジュリエット」は、中学生のころから相思相愛で、やがて男女の交際に発展してから7~8年が経過。しかし村の掟を理由に両家の親や親族から結婚を反対され続けたので、遠く離れた貴州省でこっそり事実婚をおこない、2人の子どもを授かったこともあってなし崩し的に結婚を認めてもらったようである。

地元紙が報じた月埔村と梧山村の手打ちの式典の様子

今年(2017年)5月1日、この2人の結婚が引き金となり、梧山村と月埔村は手打ちの集会を開いて数百年の対立に終止符を打った。ひとまずハッピーエンドで一件落着というわけだ。

結婚すれば不思議な力で死ぬことになる

上記の話だけなら、読者各位はごく珍しいニュースであると感じるかもしれない。しかし実のところ、似たような話は南方の福建省や広東省ではしばしば報じられている。

例えば2015年5月19日付けの中国のウェブ新聞『大河網』は「広東省のロミオとジュリエット」と題して、上記とそっくりな話を紹介している。

こちらで反目しているのは、広東省広州市郊外の西洲村の徐さん一族と夏埔村の鐘さん一族だ。現地紙の記者が西洲村の老人たちに取材したところ、もはや理由はよく分からないが100年以上も前から彼らは夏埔村と仲が悪いそうで、両村の男女が結婚すると村人が不思議な力で死ぬことになると信じられているらしい。

報道によれば、この両村の「ロミオとジュリエット」はなんと複数いる。まず西洲村の徐天くんと夏埔村の鐘欣さん(ともに仮名)は、お互いに中学生だった2007年に徐天くんが愛の告白をしてから長年のカップルであり、すでに交際は8年になるが、村の掟にこだわる両親の反対によって結婚できていないという。また、夏埔村の鐘強くんと西洲村の徐莉さん(ともに仮名)も中学生のときにいったん付き合ったものの両親の反対で別れさせられ、3年前に再度交際を始めたが、いまだに親を説得できていないらしい。

「運悪くがんになった村人がいて、(西洲村の)村人たちはこれも祟りだと言うんです。なので、(夏埔村の人との)結婚は、お年寄りたちがみんな反対するんです」とは徐天くんの弁である。彼が地元紙の記者に語ったところでは、すでに10組以上のカップルがこの掟によって破局を迎えたらしい。冒頭の梧山村と月埔村とは違い、こちらの両村はいまだに和解していないらしく、より深刻な状況だ。

ほかにも報道は多い。2013年1月には、福建省晋江市の浦辺村と荘頭村が100年の不婚の掟を解消して歴史的な和解。両村のロミオとジュリエットであった浦辺村の許明くんと荘頭村の陳紅さんが晴れて結婚できるようになった。また、2016年には同じ晋江市の井上村と内林村も、110年の不婚の掟を破棄して和解したという。

2017年3月にはもっとすごい話も報じられている。同じく福建省晋江市の8つの村々は、かつて400年間にわたりバトルロワイヤル的に相互に反目し合い、互いの通婚を禁止するという鉄の掟を結んでいたが、ついに時代の流れに従って和解を決めたというのだ。結果、2014年にこっそり掟を破って結婚していた梧山村(冒頭の梧山村とは別の村)出身の蘇景東くんと西畲村出身の陳菁さん(ともに仮名)は大喜び。こちらは関係する村の数が多いだけに、彼らの他にもロミオとジュリエットがもっと大量にいた模様である。

近年、安倍総理が習近平政権の世界戦略である一帯一路政策に協力を表明したり、中国都市部を中心に広がる先進的なスマホ決済システムに日本のテック系の人たちが驚嘆の声を上げたりと、中国の国際的なプレゼンスの増大やデジタル社会化の進展がニュースを賑わせることが多い。こうした「大国・中国」を実感させる話は間違いなく事実だが、一方で農村部において数百年来の「村の掟」を理由に、今日もなお前時代的なロミオとジュリエットがぼこぼこ生まれているというのも、やはり中国の現実である。

かの国の奥深さとカオスぶりをしみじみと実感させられる話ではあるだろう。

2014年1月、中国内部情報告発サイト『中国茉莉花革命』が報じた、広西チワン族自治区の農村の戦い。廖さん一族が、敵の劉さん一族の村に討ち入るところである。

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『ついに出た! トランプと正反対の次期大統領候補 米国版・二宮尊徳は、歴史学者、大学学長で名声を得た45歳』(6/19JBプレス 高濱賛)について

6/17・18前後のマスコミ各社の世論調査で、内閣支持率は軒並み下がっています。テロ等準備罪の法案化は阻止できなくとも、憲法改正の歩みを遅くさせる目論見は成功したという事でしょう。まあ、あれだけ連日連夜、森友や加計で政府の悪口を聞かされれば刷り込みされます。6/19には近くのスーパー銭湯に出かけました。昼間ですので、圧倒的に老人が多かったです。彼らの話を聞いていても、内閣の批判ばかり。加計の政府の説明には納得できず、悪いことをしているのではと言ったものでした。中にはTVはどこのチャンネルも同じ内容だから見ないようにしているという人もいました。また談義は野球の話題に移っていきました。やはり、TVや新聞からの情報だけで判断しているのが窺えます。世代交代しないと情報の取り方は変わらないのかもしれません。加計問題で文科省の牧野美穂氏の報告を見ると、総理が個別具体的に大学・学部設置を指示したとは読めません。前川・メデイア・民共の共謀しての捏造と言うのが分かります。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-19/ORRV006JIJUQ01

http://netgeek.biz/archives/98162

トランプもメデイアのバッシングと官僚の裏切りという点で日本と同じ事が起きていると見えます。中国のような専制国家では起きないことで、それだけ健全ということですが。

ベン・サーサ氏は歴史学者とのことで、インデイアン・西漸運動や植民地獲得、第二次大戦の評価を聞いてみたいところです。異論をリビジョニストとして排斥するかどうかで“court historian”(FDRを信奉する御用歴史家)かどうかが分かります。

本記事は、トランプは長くは持たないという希望を色濃く感じさせます。メデイアは今後もトランプの足を引っ張ろうとしますが、堅い岩盤の支持層が崩れない限り、政権は続くと見ています。2018年の中間選挙までは弾劾の動きもないでしょう。それも、北朝鮮や中国との関係で、人気が急上昇する可能性があります。日本の内閣支持率と同じで、世論と言うのは移ろいやすいものです。それほど気にせず、やるべきことを着々やっていく方が大事です。

でも、民主党には新しい大統領候補が出ず、共和党にはいるというのは日本にとって良い傾向と思っています。而も二宮尊徳流でマックス・ヴェーバーのように勤労の精神の大切さを説くのであれば、日本人と合うと思います。

記事

ドナルド・トランプ米大統領周辺とロシアが共謀した疑惑の捜査を指揮するロバート・モラー特別検察官。米首都ワシントンで(2013年5月16日撮影)〔AFPBB News

「ロシアゲート」疑惑で風雲急を告げる「トランプ幕府」

メリケン国の「トランプ幕府」は大揺れに揺れている。

時の将軍(ドナルド・トランプ大統領)から切腹を命じられた「火付盗賊改方」(ジェームズ・コミ―前FBI長官)がこともあろうに将軍を「嘘つき」呼ばわり。将軍を取り巻く「太鼓持ち家老」たちは「火盗改は幕府の極秘覚書をリークした」と騒ぎ立ている。

これまで「ロシアゲート」疑惑に関わっていたとの疑いで蟄居を命じられていた火盗改の上司、若年寄(ジェフ・セッションズ司法長官)は「葵の御門(の印籠)」(大統領特権)を翳して「この紋所が目に入らぬか」と将軍の弁護に目の色を変えている。

将軍にとっては数少ない、昔からの子分だ。

江戸の町民(米国民)はうんざり。そうした矢先、江戸城下では「譜代大名」(スティーブ・スカリス下院共和党院内幹事)が何者かに命を狙わる事件が起こった。

巷には、「いつ腹を召されるか」(弾劾や辞任があるか)と書きたてる瓦版(フェイクニュース)が横行している。講談なら、差し当たり、ここで「べべん、べんべん」となるところだろう。

「分別も責任感もある米国の大人たち」はどこへ行った

The Vanishing American Adult: Our Coming-of-Age Crisis–and How to Rebuild a Culture of Self-Reliance by Ben Sasse St. Martin’s Press, 2017

風雲急を告げる大江戸で今、「世直し」本が静かなブームを呼んでいる。

タイトルは「The Vanishing America Adult」(滅びゆく米国の分別ある成人)。

サブタイトルは「Our Coming-of-Age Crisis–and How to Rebuild a Culture of Self-Reliance」(忍び寄る危機──いかにしたら独立独行文化を再構築できるか)。

筆者(Ben Sasse)は「譜代大名」(共和党)の末席を汚す身分(上院議員=ネブラスカ州選出)だが、「関ケ原の戦い」(大統領選)の時から「我が将軍(トランプ候補)も敵将(ヒラリー・クリントン民主党大統領候補)も信用できぬ嘘つき」と公然と言ってのける強者だ。当年とって45歳。

上院議員1期目の「陣笠」だが、メディアからは早くも注目されている。

と言うのも名門エール大学で歴史学博士号を取得、英オックスフォード大学に留学。テキサス大学で教鞭に立ったのち、いきなり厚生労働次官に任命され、さらには38歳の若さでネブラスカ州にあるミッドランド大学学長に就任。

5年間学長を務め、同大学を有名校にまで引き上げたのち、2014年の上院選に出馬して当選、中央政界に躍り出た。共和党内では「将来の大統領候補」と高く評価する向きも出始めている。

両親は規律を重んずるエバンジェリカル・ルーテル教団の信者で、夏休みともなれば、7歳の頃からトウモロコシ畑で働かされた。「おカネが問題ではない。額に汗して働くことこそが人生にとっていかに大切かを叩きこまれた」と言う。

両親の訓えはサーサ家にも受け継がれている。子供3人は学校には行かせず、すべてホームスクーリング(母親が教える自宅学習)。ワシントン勤務のサーサ氏は週末には必ずネブラスカに戻り、子供たちと週末を過ごしている。

まさに「古き良き開拓期」の米国の成人男性だ。信仰心が篤く、女性を蔑視するような下品な言葉は一切言わない。結婚歴3回、離婚歴2回。宗教とは全く無縁な「将軍さま」とは対照的な米国市民だ。

まず子供からスマートフォンを取り上げよ

本書は、「建国の父」たちが誓い合った「Exceptional America」(つまり他国とは異なる特別な国家)のバックボーンである「独立独歩」の精神がいかに大切か、を説く。

返す刀で米国の親たちはいかにしたら子供たちを勤労精神を持った「成人」に育て上げるか、そのノウハウを教示している。

とにかく子供は朝から晩までスマートフォンにかじりついていないで、もっと本を読んだり、音楽を聞きなさい。親も額に汗してまともな仕事をし、人様から後ろ指を差されないように子供の範となるべきだ――と当たり前のことを当たり前に書いているにすぎない。

不動産の売り買いで財を成し、ギャンブルビジネスで巨万の富を得た社会的な常識もなければモラルのない「将軍さま」への当てつけのようにも思える。

著者は本の構想や執筆はトランプ大統領就任前だったと弁明していただけでなく、本書は上院議員としてではなく、子供の父親として、一読者として、一市民として書いたものであることを強調している。

本の根幹をなすのはピューリタニズム。「道徳を忘れた商売は罪悪」だと説いた二宮尊徳を米国流に諭して説いている。

サーサ氏は、政治家である前に歴史学者。さすが歴史学者だけあってアリストレスに始まり、ジャン=ジャック・ルソー、トーマス・ペイン、アダム・スミスなど古今東西の賢者や思想家の引用が至る所に出てくる。

そうした中で教育論としては、19世紀の米哲学者のジョン・デューイ博士の進歩主義の影響が色濃く出ている。

「<われわれは個々の人間の自発性を重視せねばならない。その自発的な成長を促すための環境を整えるのが教育の役割だ>」という基本スタンスだ。

「我が家では人間の性格を作り上げ、成長させるためには厳しい勤労体験を徹底的に、限界ギリギリまで追求させることだという結論に達している」

子供たちをダメにしたのは「アフルエンザ」(金満主義)

サーサ氏はその動機についてこう記している。

「私が学長をしている時に校内に巨大なクリスマスツリーを立てることになった。学生たちと一緒に木にイルミネーションや飾りをつける段になった。学生たちは安易に手の届く木の下段にばかり飾りをつけて、梯子を使って上段につけるものは1人もいなかった」

「私は学生たちの行動に驚き、ショックを受けた。安易なことをするだけで満足している。嫌なことや面倒くさいことは誰かがやるだろうと思っているのだ」

「こうした傾向は何も我が大学だけのものではないことが分かった。私が住んでいるコミュニティでも我が家においてもだ。米国という国全体がそうなのだ」

「次の世代に生きる学生がそうだとすれば、この国はいったいどうなってしまうのだろう。かって一生懸命、精一杯働いてきた『アダルト』、つまり社会に対し責任を持ち、その社会の一員として自主的に貢献するまともな大人は滅んでしまうのだろうか。無責任、無気力は今や集団的危機になっている」

「親たちは、『金満主義』(Affluenza)の影響を受け、無為で行き当たりばったりになっている自分たちの子供をそのままダメな大人にさせてしまってはならない。その危機から子供たちを救い出さねばならない」

「経済不況の今日、個々の市民は独立独歩志向文化に回帰せねばならない。これまで以上に緊急になってきている」

2020年共和党大統領候補の呼び声も

サーサ氏はなぜ今の時期にこの本を書いたのか。政治家になった今、どうしても書き残しておきたかったとしているが、政治家が本を書けば当然、将来、政界における上昇志向、つまり大統領を狙う野望(2020年あるいは2024年)があるのではないかと勘繰られる。

特に共和党内だけでなく、民主党内でも「共和党議員としては数少ないまともで有能な政治家」(民主党全国委員会幹部の1人)といった評価があるくらいだ。

トランプ政権下の米国にうんざりしている人たち(民主党支持者はもちろんのこと、共和党支持者の中にも急増している)にとって、サーサ上院議員の今後の動向は気になるところだ。

そんな中でサーサ氏の地元ネブラスカの主要紙「リンカーン・ジャーナル・スター」は意味深な書評を掲載している。

「おらが国の上院議員が著した本書は、政治などよりも子供を育て、円満な家庭を築くことがいかに重要かを思い起こせてくれた。ワシントン(連邦政府)などの世話にならずに次の世代を育て上げることがいかに大切かを教えてくれた」

トランプ政治で保守とリベラルが激しく対立、分裂国家の様相を呈する米国。それなのに負けた民主党からは2020年に向けた、これは、といった新進気鋭の大統領候補がまだ現れていない。

むしろ共和党からサーサ氏のような潜在性を秘めた候補が出てきたとは、皮肉なことである。

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『辜寬敏:北京派人來,說要重新檢討對台政策』(6/14民報=Taiwan People News)、『米国で大統領訪台も可能な「台湾旅行法案」が下院外交委員会アジア太平洋小委員会で可決』(6/17日台共栄メルマガ)について

6/19日経で安倍内閣の支持率が載っていました。支持率:不支持率=49%:42%と支持率は7%ダウン、不支持率は6%アップとのこと。6/18TV報道2001の中で、10%のダウン以内であれば織り込み済みというか許容範囲内と誰かが言っていました。しかし、この結果を見て、まだまだTVや新聞の言うことに左右される人が多い気がします。これは民主主義の根底を揺るがすものと思っています。いろんな情報を収集し、その中から自分の頭で考えて判断していかないと、プロパガンダにしてやられます。

また、同番組内で足立康史・維新衆議院議員は「玉木・福山民進党議員は獣医師会から金を貰っている」と発言したら、江田憲司・民進党議員は慌てて「ちょっと黙って下さい」と言って、直ぐCMへ移行しました。「忖度」よりはこちらの方が余程ひどいでしょう。1989年のリクルート事件で、リクルートに有利になるよう国会質問した公明党の池田克也衆議院銀は受託収賄容疑で起訴、懲役3年、執行猶予4年の有罪になっています。これと同じ構図でしょう。玉木と福山は金を貰って獣医師会に有利になるような発言をしてきたのですから。まあ、もう加計学園は既に認可が下りているので不可罰でしょうけど。テロ等準備罪は通過が見込まれていましたので、民共は足立議員の言うように憲法改正の邪魔をするためでしょう。しかし、メデイアは偏向しています。玉木・福山の日本獣医師政治連盟からの100万円献金に対し「報道しない自由」を行使して知らん振りです。自民党だったら大騒ぎでしょう。http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/a23c1a9b2ce3ea53dea5c0cb2ed065d2

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%A0%E7%94%B0%E5%85%8B%E4%B9%9F

http://deliciousicecoffee.blog28.fc2.com/blog-entry-6698.html

6/19の日経には5Gの記事もありました。スマホの普及率は70%とのこと。老人がガラケーの利用が多いのは、小生の周りを見ていますと分かります。ネットを利用すると便利というのが、体で分かっていないためです。PCは使えたとしてもメールだけで、ネットで調べることはできていません。情報弱者になる所以です。スマホこそPCよりユビキタスなのに。

記事は、5Gは4Gの1000倍の速さという事です。考えましたのは、衛星からの誘導電波のスピードが上がるという風に受け止めました。(正しいかどうかは不明です)。攻撃ミサイルと迎撃ミサイルとも同じような効果がでるのか?迎撃に有利にはならない?しかし、光速より早いものはこの世にはないのでレーザーが一番迎撃に向くのでは。ただ、抑止力の観点から言って防御だけでは効果が薄いので、攻撃用武器も装備しなければ。核も必要で、差当りはニュークリアシエアリングの話を詰めて行かないと。ただ、反日左翼メデイアに洗脳された国民の理解を得るのは難しいでしょう。また、自国民の殺戮を厭わない共産主義国にMAD(相互確証破壊)が存立できるかどうかという問題もあります。

6/19宮崎正弘氏のメルマガに依れば、中国は海外の軍事拠点の拡大を図ってきています。日米の愚かさが招いたものですが。トランプもキッシンジャーの言う通りに動いたらダメでしょう。中国から金を貰って動いている工作員ですから。ルトワックの言う周辺国の合従連衡が起こり、封じ込めできるようにしませんと。日本はG7+NATOで新しい国際組織を作り、中国を国際貿易から締め出すようにした方が良いでしょう。「一帯一路」もAIIBも中国の軍事的野心に使われます。在庫処分、人口侵略、文化侵略が待っています。ゆめ警戒を怠りませんように。

http://melma.com/backnumber_45206_6544728/

民報の記事は、辜寬敏(息子はリチャード・クー)が北京要人と対中関係について話したとのこと。6/19日経には「兪正声(政協会議主席・序列4位)がアモイ(台中交流イベント「海峡フォーラム」の開幕式)で「台湾独立は台湾海峡の平和と安定に対する最大の脅威だ」と述べたとのこと。こんなことは何時も言っていることで、目新しいものはありません。ただ場所がアモイなので、要人は兪正声の可能性もあります。ただ、兪正声は上海派で習近平とは敵対グループですが。まあ、裏切りが当り前の中国ですから、寝返るのも簡単でしょうけど。でも、台湾は騙されないように。でっち上げた「92共識」も、認めるように迫ってくるのでは。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%9C%E5%AF%9B%E6%95%8F

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AA%E6%AD%A3%E5%A3%B0

日台共栄記事で、早く日本も「台湾関係法」を作らなければという思いです。辜寬敏が言うように台湾は自由で民主主義、且つ価値観が共有できる国家です。中国の侵略の脅威に晒されているのは共通です。合従連衡しなければ。中国が民主化することは、共産党が統治している限り無いでしょう。ベルリンの壁のようなことが起きるかと言うと絶望的です。血を見ないで共産党打倒は出来ないでしょう。その時に世界が手を貸して、打倒に味方するかどうかです。その前に、拝金教に汚染されている中国人が本当に民主化を望んでいるかですが。

民報記事

總統府資政辜寬敏今(14)日召開記者會評論巴拿馬斷交,會中提及台灣對中國的關係。辜寬敏在會中透露,北京有派人來,提及內部已有檢討對台灣政策的聲音。圖/唐詩

此外,在答覆媒體詢問時,辜寬敏也提及台灣與日本的關係。他曾當面告訴日相安倍,台灣對日本安全的重要性,若台灣變成中國的一部分,日本將成為二等國家,不然就要再軍備,對抗中國,這二個都是日本不能接受的。安倍則向他表示「百分之百贊成你的意見」。

辜寬敏在記者會中提到,「最近我有一點消息,我在這裏跟大家公開。北京有派人來,他們高階的人,跟他們國家研究跟台灣關係的人,已經有一點聲音:如果我們繼續以前對台灣的態度的話,對台灣文化也好,歷史上也好,經濟上也好,我們的關係這麼惡劣,惡劣的原因就是對台灣的政策,如果要改變關係的話,他們有人要開始重新檢討對台灣的政策」,「我有這個消息」。

「中國人不會那麼笨啦」,辜寬敏說,幾十年對台灣的政治的失敗,怎麼搞得台灣的民調我們最痛恨、最不喜歡的是中國人呢?所以他們開始要檢討,不曉得這個檢討有沒有結果,但是現在已經有這樣的氣氛、動向」。

此外,辜寬敏在答復外媒提問時也提到,「台灣是一個民主國家,也許有一些過頭的民主,有一點反對的聲音,政府就不敢動」,他拿出地圖解釋,中國是這樣,亞洲是這樣。以日本的立場,如果台灣變成中國一部分,北朝鮮可能會去打南韓,日本最重要的生命線(sealane)要受中國的影響」。

他告訴日媒說,「我當面跟你們總理(首相)安倍晉三和副總理麻生太郎講,對外若受中國影響的話,「日本可能會變成二等國家」,不然的話日本要再軍備,對抗中國。

他說,「現在我是覺得,以前攸關台灣問題,日本基本上的態度就是我們已放棄台灣,對台問題沒發言資格,但我們的關係在地理上、人的來往、文化也好,關係是這麼密切,但那個時代日本是全部交給美國,但最近日本社會也慢慢了解台灣的存在,對日本的安全、發展非常重要」。

辜寬敏以華語和日語對媒體說,「我一向想,台灣沒有日本不行,但你們日本沒有台灣也不行」,我們跟日本的關係就是這樣,「如果台灣變成中國一部分,日本會變成二等國家,不然就要再軍備,這二個都是日本不能接受的」,日本要重新認識台灣這個自由民主國家,對日本是多重要的存在!

他說,他當面跟安倍講,安倍握著他的手說,「辜先生,我百分之百贊成你的意見」。

総統府顧問の辜寬敏は本日(14日)記者会見して、パナマ断交について論評した。その中で台中関係についても言及した。辜寬敏は「北京から人を送り込み、内部で台湾政策を検討した」とも明らかにした。図/唐詩より

この他、メディアに答えて、辜寬敏は台湾と日本の関係についても言及する。彼はかつて安倍首相に会い、「台湾は日本にとって安全保障上重要である。もし台湾が中国の一部分になったなら、日本は2流の国家になるだろう。そうでなければ再軍備して中国に対抗しなければならなくなる。これは日本が受け入れることはできない」と伝えた。安倍はすぐに「100パーセントあなたの意見に賛成します」と答えた。

辜寬敏は記者会見で、「最近のニュースをここでみんなに公開する。北京から人が送り込まれたが、台湾を研究している国の高いレベルの人である。「もし我々が以前のような台湾への態度を採り続ければ、台湾文化も、歴史上も、経済も良いのに、我々の関係はこんなにも劣悪で、その原因は台湾への政策にある」。もし関係を変えるのであれば、彼らは改めて台湾政策を検討し始めるとのこと。私はこれを伝えたい」と。

辜寬敏は「中国人はそんなに馬鹿ではない。この数十年の台湾政策は失敗だった。どんなに頑張っても台湾人の世論は好転せず、最も嫌いなのは中国人である。それで彼らは再検討し始めた。この検討の結果が出せるかは明らかではない。しかし今はその気分なり動きが出てきている」。

この他、辜寬敏は海外メディアに対し、「台湾は民主主義国で、民主の程度が行き過ぎているかもしれない、反対意見があっても、政府はすぐには動かない」と答えた。彼は地図を出して説明した。「中国はここ、アジアはここ。日本の立場にすれば、もし台湾が中国一部分になれば、北朝鮮はおそらく南進するだろう。日本の生命線であるシーレーンも中国の影響を受けることになる」。

彼は日本のメデイアに、『私は安倍総理と麻生副総理に、「対外的に中国の影響を受けるのであれば日本はおそらく2流の国家になる。そうでなければ、日本は再軍備して、中国に対抗する必要がある。」と話した』と伝えた。

「今感じているのは、以前台湾に関わる問題では、日本の基本的態度として「我々はすでに台湾を放棄したのだから、台湾問題に発言する資格はない」と。ただ我々の関係は地理的にも、人の往来にしても、文化的にも良く、関係は密接である。その当時、日本はアメリカにすべてを渡していた。ただ最近の日本社会はゆっくりと台湾の存在を理解し、日本の安全にとって非常に重要である」と彼は話した。

辜寬敏は中国語と日本語でメディアに「私はずっと、台湾にとって日本がなければ駄目になり、日本も台湾がなければ駄目になる。我々と日本の関係はこうである。もし台湾が中国の一部分になれば、日本は2流の国家になってしまう。さもなくば、日本は再軍備が必要となる。日本はどちらも受け入れられない。日本は台湾が自由民主主義国ということを再認識しなければいけない。日本にとって死活的な存在である」と言った。

彼が安倍首相と話した時に、安倍首相は彼の手を握って、「辜さん、私は100パーセントはあなたの意見に同意する」と言った。

日台共栄記事

やせても枯れてもアメリカはアメリカ─。アメリカという国は、日本にはとても真似のできない懐の深さを見せることがある。

今年の1月半ば、共和党のスティーブ・シャボット下院議員、民主党のブラッド・シャーマン下院議員、下院外交委員会のエド・ロイス委員長が共同で「台湾旅行法」(Taiwan Travel Act)という法案を提出した。

これはどういう法案かというと、米国と台湾のすべての政府関係者の相互訪問を可能にするという法案だ。3条からなるこの法案の第1条に「米国の全てのレベルの政府関係者による台湾訪問、および対等な行政レベルにある台湾の政府関係者への訪問を許可する」とある。

なんと、大統領をはじめとする全てのレベルの政府関係者の台湾訪問をできるようにするというのだ。日本では、日本版・台湾関係法(Taiwan Relations Act)の制定さえままならないというのに、大統領の訪台まで可能にしようというのだ。こういう法案が出てくるのがアメリカという国だ。

さらに驚かされたのは、6月15日、下院の外交委員会アジア太平洋小委員会において全会一致で可決されたことだ。下記に台湾の台湾国際放送の記事をご紹介するとともに、併せて原案(英文)をご紹介したい。

アメリカではすでに、昨年12月23日、「2017国防授権法案」(NDAA: National Defense Authorization Act)がオバマ大統領の署名をもって法案が成立している。米台の軍の高官の交流が盛り込まれたのは初めてだ。

この国防授権法について、小笠原欣幸・東京外大准教授は「『国防長官は、米国と台湾の間の軍と軍の関係を向上させるため米台間の高級将官と国防にかかわる高官の交流プログラムを実行すべきである』というセクションがあり、交流内容として、『脅威分析,軍事理論,軍隊計画,後方支援,情報収集と分析,作戦の戦術・技術・手順,人道援助・災難救助』が挙げられている。『高級将官』とは現役の軍の将官を指し、『国防にかかわる高官』とは国防総省の次官級以上を指すとの定義も規定されている」(蔡英文政権論 2 膠着状態の中台関係とトランプ政権の登場)と指摘している。

「台湾旅行法」は今後、米国連邦議会において、下院・外交委員会→下院→上院・外交委員会→上院のそれぞれの可決を経、トランプ大統領の署名をもって法律として成立する。今後の行方を注意深く見守りたい。

◇     ◇     ◇

Introduced in House (01/13/2017)

Taiwan Travel Act

This bill expresses the sense of Congress that the U.S. government should encourage visits between U.S and Taiwanese officials at all levels.

The bill states that it should be U.S. policy to :(1)allow officials at all levels of the U.S. government to travel to Taiwan to meet their Taiwanese counterparts;(2)permit high-level Taiwanese officials to enter the United States under respectful conditions and to meet with U.S. officials, including officials from the Department of State and the Department of Defense; and (3) encourage the Taipei Economic and Cultural Representative Office, and any other instrumentality established by Taiwan, to conduct business in the United States.

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台米政府関係者の相互訪問が実現の見通し

【台湾国際放送:2017年6月16日】

台湾と米国の全ての政府関係者の相互訪問を可能にする法案、「台湾旅行法(Taiwan Travel Act)」が15日、米下院外交委員会アジア太平洋小委員会で全会一致で可決された。この法案が米上

下院で可決されれば、台湾と米国の全ての政府関係者の相互訪問が実現できる見通し。

この法案の内容は次の通り。

一、米国の全てのレベルの政府関係者による台湾訪問、および対等な行政レベルにある台湾の政府 関係者への訪問を解禁する。

二、台湾の政府関係者の尊厳を守る原則の下、台湾の政府高官の訪米、および国務省や国防総省を 含む米政府高官との対面を解禁する。

三、米駐在の台湾の代表機関、駐米台北経済文化代表処、および台湾が設置した全ての機関による 米での正式な活動を奨励する。

この法案は今年1月、共和党のスティーブ・シャボット下院議員、民主党のブラッド・シャーマン下院議員、下院外交委員会のエド・ロイス委員長が共同で提出したもの。外交委員会アジア太平洋小委員会で可決後、外交委員会で可決されれば、下院に提出される。この法案が上下院を共に通過した場合、トランプ大統領によって署名すれば正式な法律になる。この法案は米連邦議会の今会期内に全ての立法手続きを完了する必要がある。

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『「アジア最大の大学合格工場」毛坦廠中学の正体 中国・安徽省の山村で地元経済を支える「予備校ビジネス」』(6/16日経ビジネスオンライン 北村豊)について

毛坦廠という地名も毛坦廠中学(高級中学=日本の高校、初級中学=日本の中学でここでは高校の意)も聞いたことがありませんでした。観光名所でなく大学予備校として名を馳せて来たのですから当然と言えば当然かも。

中国は人口の多さのメリットもあれば、デメリットもあります。人口の多さのメリットは商売が当たれば浸透度のスピードが上がり、成功する確率が高くなること、デメリットは逆に多くの人間を養うのにコストがかかることです。特に鄧小平が白猫黒猫論で経済発展に舵を切ってから経済格差が広がりました。中国人の長い歴史で培ってきた腐敗体質を無視して進めたからです。林語堂、何清漣が語っている通りです。

中国の高齢化のスピードは凄まじく、医療保険も養老年金制度も充実していません。他国の制度を利用しようと考えるのが彼らです。日本で500万円投資して会社を起こせば、国民健保に入り、中国から家族を呼び、高額医療(例:癌手術)を受けさせることをやっています。規制緩和も考えてやらないと、専制国家・中国に利用されるだけ。民泊も中国人が日本で不動産を購入し、中国人を相手に貸し、汚く使おうが関係ないまま。悪くすれば、テロの武器の保管庫になりかねません。日本の官僚・経済人は経済のことしか見てません。軍事を知らないエリートというのは欠陥持ちです。互恵主義(reciprocity)で、中国が不動産の所有権の売買やら、株式会社の100%購入の自由やらを認めないのであれば、日本で自由に不動産売買させるのは認めないようにしないと。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170524-00129137-diamond-bus_all&p=1

中国には人権が無いと断言できるのは、制度上からも言えます。一つは戸籍制度。農村戸籍と都市戸籍の区別があり、都会で生活するときに農村戸籍では医療や教育等受給時に大きな差があります。ですから、本記事のように大学に入り、都市戸籍を取得するのに躍起になる訳です。ただ、省毎、優良大学かどうかで転籍できる人数が変わってきますが。二つ目は档案です。共産党に敵対した行動を取った家族がいないか3代まで遡って記録されている共産党の内申書です。

http://toyokeizai.net/articles/-/70555

http://www.nippon.com/ja/in-depth/a01404/

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A1%A3%E6%A1%88

この他にも、人権侵害としては一人っ子政策の時には党による強制堕胎や少数民族の断種や漢族との強制結婚とかあります。最終的に人口過多を解決するために、共産党は海外への棄民や戦争による人口減を考えるのではと思っています。

日本人は中国人や朝鮮半島人に対する見方がかなり甘いのではと感じます。体験しないと分からないのかもしれませんが。彼らは日本の敵と考えた方が良いでしょう。日本を利用できるところは利用し、世界に日本を貶めるキャンペーンを展開しているのですから。問題なのは日本国内にそれに手を貸す連中が多くいるという事です。分かっていてやっているとすればスパイですし、分かっていないとすればempty-headedでしょう。学会、法曹界、マスメデイア、官僚がその典型です。

記事

中国・全国統一大学入試「高考」 受験に出発する毛坦廠中学の学生たちを、家族や地元民が“熱烈応援”とともに送り出す(写真:Imaginechina/アフロ)

中国における2017年の全国統一大学入試“普通高等学校招生全国統一考試(略称:“高考”)”は、6月7日、8日の両日に全国各地の試験場で行われた。2017年の志願者数は940万人だった。高考は文化大革命(1966~1976年)で停止されていたが、1977年に再開された。今年はその再開から40周年目に当たる。1977年の高考に参加した志願者は570万人(合格者数:27万人)に過ぎなかったが、その後の志願者数は年々増大を続け、2008年には1050万人(同:599万人)まで増大して頂点を極めた。そして、2009年からは減少に転じて、2013年に912万人(同:694万人)となって底を打ち、2014年:938万人(同:694万人)、2015年:945万人(同:700万人)、2016年:940万人(同:772万人)と大きな変動はなく、4年間横ばい状態になっている。

大学増加、合格率8割超に

上述したカッコ内の合格者数を見れば分かるように、1977年の高考ではわずか5%であった合格率は、2008年には57%へ上昇した。それが、2016年には82.2%まで上昇し、大学のレベルにさえこだわらなければ、志願者10人中の8人以上が大学に合格できるようになった。これは大学の数および各大学の合格者数が大幅に増大したからに他ならない<注>が、“985工程”や“211工程”と呼ばれる大学育成プロジェクトに含まれる名の有る大学(985工程は39校、211工程は112校)に合格することは依然として至難であり、厳しい受験競争を勝ち抜かねばならないのである。

<注>中国における“高等学校(大学)”の総数は2879校。

さて、高考の時期になると、中国メディアが必ず取り上げて報道する“高級中学(高校)”がある。それは“亜洲最大高考工廠(アジア最大の大学合格工場)”と形容される“毛坦廠中学”である。毛坦廠中学が所在する“毛坦廠鎮”は、安徽省の西部に位置する“六安市”にある。“六安市”は、東が安徽省の省都“合肥市”に隣接し、西は湖北省“黄崗市”及び河南省“信陽市”、南は“安慶市”、北は“淮南市”及び“阜陽市”とそれぞれ境を接する位置にあり、人口は581万人の中都市である。“毛坦廠鎮”はその六安市の“金安区”に属し、湖北省、河南省、安徽省の3省にまたがる“大別山(標高1777m)の東北麓に連なる山並みに囲まれた山村である。

“毛坦廠鎮人民政府”のウェブサイトには2017年2月14日付の「“毛坦廠鎮簡介(毛坦廠鎮案内)”」が掲載されているが、その要点は以下の通り。

名を知らしめる、かけがえのない存在

1. 毛坦廠鎮は中国の歴史・文化上で名高い鎮であり、大別山の東北麓に連なる山並みに位置し、六安市に属する“舒城県”と“霍山県”、“金安区”の境目に所在し、金安区で最南端の山村である。総面積は59.6km2、常住人口は4.5万人で、その内3.2万人が3.5km2の町部に住んでいる。また、耕地面積は9979ムー(約6.7km2)に過ぎない。国道105号線と県道「六毛路」が鎮内を通っている。毛坦廠鎮の歴史は古く、文化は奥深く、自然の風景は美しい。鎮内にある“東石笋風景区(風致地区)”は国家AAAA級の風致地区であり、“大別山国家地質公園”の11カ所ある目玉の1つである。

2.毛坦廠鎮内にある“毛坦廠中学”は安徽省のモデル“高級中学(高校)”で、在校生は1.5万人、2011年の“高考本科(大学入試)”で合格ラインに達した者が6912人で、合格ライン到達率は80%以上であった。長さ1321mの明・清時代の古い町並みは保存が良好で、省政府認定の省重要文化財である。鎮内には1947年に“劉伯承”と“鄧小平”率いる“中原野戦軍”が大別山へ千里の行軍を行って勝利した“張家店戦役”の記念館があり、省の共産党軍歴史遺跡となっている。2012年、毛坦廠鎮は、域内総生産7.5億元(約120億円)、財政収入1237万元(約2億円)、農民1人当たりの平均純収入8200元(約13万1200円)を実現し、2009年以来連続4年、六安市の経済発展総合実力ランキングで20位以内を維持した。ここ数年、毛坦廠鎮は、明・清時代の古い町並み、有名高校、風致地区という特色ある優位性に立脚し、「旅行で鎮を興し、教育で鎮を強め、商売で鎮を活性化させ、工業で鎮を富ませる」方針を堅持している。

上記の毛坦廠鎮案内から分かるように、毛坦廠中学は毛坦廠鎮にとってかけがえのない存在であり、毛坦廠中学が中国全土に毛坦廠鎮の名を知らしめているのである。上述したように毛坦廠鎮の常住人口は4.5万人だが、地元民の人口は1万人程度で、残りの3.5万人は外来人口である。この3.5万人のうちの2.5万人が学生とその付き添いの家族で、残りの1万人は周辺各地からやって来た学生や付き添い家族にサービスを提供する商売人である。

毎年6月5日は毛坦廠中学が1年に1度迎える“送考節(大学入試へ受験生を送る祭典)”の日で、28台のバスが受験生を乗せて試験場のある六安市の中心部へ向かうのを多数の人々が見送るのである。毛坦廠中学は「“高圧苦読、厳苛管理(情け容赦ない厳しい管理の下で、苦しみに耐えて勉学に励む)”」で知られ、「アジア最大の大学合格工場」と呼ばれている。毎年の“高考本科(4年制大学入試)”の合格率は90%以上を超えることから、「成績の悪い学生は、毛坦廠中学へ送り込めば大学合格の夢がかなう」と言われている。

学生と家族の消費がGDPに貢献

毎年の繰り返しによって、毛坦廠鎮の経済は藤のつるの様に、毛坦廠中学にすがりついて大きく発展した。毛坦廠鎮政府は毛坦廠中学の学生たちが心静かに学習できるように、鎮内のネットカフェ、ゲームセンターやビリヤード場などの遊戯施設の営業を禁止し、露天の飲食店や洋服店などの営業は存続させた。ある毛坦廠鎮の指導者が計算してみたところでは、毛坦廠中学の学生や付き添い家族の2.5万人が、少なめに見積もって毎日1人当たり10元(約160円)を鎮内で消費したとすれば、毛坦廠鎮の第三次産業が稼ぐ1日の営業額は少なくとも25万元(約400万円)になり、年間では9000万元(約14億4000万円)になり、鎮のGDPに大きく貢献する。

毛坦廠鎮の主要道路である“元亨路”沿いには鎮政府の役所が立ち並ぶが、毛坦廠中学の正門付近の路地には間口3m程の露店が軒を連ねている。それらは外地から来た人々が開いた“小吃店(軽食屋)”、洋服屋、電器屋などである。メディアに対し毛坦廠鎮政府の役人は、「もし毛坦廠中学が大学合格率を上げて有名にならなかったら、我々の鎮は今なお山間部にある貧困な小さな鎮に過ぎなかった」と述べ、地元の住民はメディアに対して「毛坦廠鎮は金安区の中で唯一財政が赤字ではない」と誇らしげに語っている。

それというのも、毛坦廠鎮住民1人当たりの平均可処分所得は、2008年に6300元(約11万3400円)だったものが、2010年には1万7000元(約27万2000円)まで上昇した。毛坦廠鎮住民1人当たり平均可処分所得が2016年にいくらだったかを示すデータは公表されていないが、毛坦廠鎮が所在する金安区の住民1人当たりの平均可処分所得が2016年にようやく1万9000元(約34万2000円)になったことを考えれば、山間の小さな鎮に過ぎない毛坦廠鎮がいかに健闘しているかが分かる。

私立学校を合併、補習センターを合体

【1】1999年の高考で毛坦廠中学から大学に合格した学生は98人しかいなかった。こうした状況が変化したのは2005年からだった。2005年当時、毛坦廠中学の校長だった“朱志明”(現金安区教育局長)が主導する形で、毛坦廠中学と地元の私立学校を合併して株式制の“金安中学”を設立し、同一校区内にある両校で共同して外部から受け入れる卒業年次の3年生と“復読生(浪人生)”とを教育することにした。要するに、表面上は毛坦廠中学と呼ばれているが、実態は毛坦廠中学と外部から来た卒業年次の3年生と浪人生に高考受験のための補習授業を行う“補習中心(補習センター)”を合体させたものと言うことができる。この結果、2005年の毛坦廠中学の大学合格者は1000人を突破し、その後は毎年約1000人ずつ増え続け、大学合格者は2016年には3年連続で1万人を超えて、合格率は90%以上になった。

【2】2014年を例に取ると、毛坦廠中学の卒業年次である3年生は5000人以上、“補習中心”の浪人生は8000人以上で、その総数は1.3万人以上であった。補習中心の授業料は一律ではなく、高考の文科系で500点以上の点数を取った浪人生の場合は、1学期(半年)の学費は4500元(約8万1000円)だが、点数が低ければ低いほど学費は高くなり、その最高は1学期で4万8000元(約76万8000円)になる。従い、補習中心の浪人生が1人当たり平均で年間に1万元(約16万円)の学費を支払うとすれば、その収入は8000万元(約12億8000万円)になる。

【3】毛坦廠中学では卒業年次の3年生は、早朝5時30分に起床し、1日の学習は、6時20分からの自習に始まり、夜10時50分までの自習で終わる。この間に昼食と夕食の時間が40分ずつあるだけである。但し、自らに厳しさを課す学生たちの多くが、実際に休息を取るのは深夜になることもしばしばであり、学生たちの学習時間は毎日16時間以上になる。このため、教師向け週刊紙「中国教師報」は、「ここでは、学習と点数以外の要素は最大限取り除かれ、試験の点数を上げるのに不利な娯楽からは最大限隔離され、趣味や個性的な物は最大限抑制される」と報じた。また、米国のニューヨークタイムズ紙は「最寄りの都市から2時間以上の距離があり、現代生活の妨害から遮蔽され、学生たちは携帯電話やノートパソコンも使用を禁止されている。学生たちの半数は宿舎に住み、部屋には電源すらもない。また、残りの半数は鎮内に借りた小さな部屋で母親と生活している」と報じている。

【4】毎年1万人を超える学生と付き添い家族が毛坦廠中学で学ぶために毛坦廠鎮へ流入してくるが、上述にように彼らの半数は鎮内に部屋を借りて付き添いの母親と生活する。毛坦廠鎮の借家は、最も安い部屋で年間の家賃は4000~5000元(約6万4000~8万円)であり、最も高いものは2万元(約32万円)である。このため、毛坦廠中学の学生に母親が付き添って毛坦廠鎮内に部屋を借りて生活するとなれば、学費と家賃に生活費を加えれば、年間に少なくとも4~5万元(約64万~80万円)程度が必要になる。2016年における中国の都市部住民1人当たりの平均可処分所得は2万3821元(約38万1000円)であるから、4~5万元は大金である。なお、家賃は毎年500~1000元(約8000~1万6000円)の幅で上昇を続けている。

【5】毛坦廠中学の学生は、農村から来ている者が大部分である。彼ら農村出身者にとって、高考で大学に合格することは、個人や家庭の運命を変え、彼らが属する“農民”という階級から脱却して“城市居民(都市住民)”に転身する機会を得ることを意味する。2016年6月時点で、毛坦廠中学には間も無く卒業する3年生のクラスが55組、浪人生のクラスが61組あり、高考の受験生は約1.3万人であった。これは安徽省全体の高考志願者数50.99万人の約2.5%に相当した。これに1年生と2年生を加えた毛坦廠中学の在校生は約2万人であった。

【6】毛坦廠中学の敷地面積は400ムー(約26万6667m2)で、東京ドームの5.7個分に相当する広さを持つが、そこには、毛坦廠中学、金安中学、“金安補習中心(補習センター)”の3校が存在する。毛坦廠中学の北の校門には「毛坦廠中学」の扁額が、東と西の校門には「金安中学」の扁額が掲げられている。2004年に中国政府は公立学校が有償で補習授業を行うことを禁じたことから、上述したように、毛坦廠中学は2005年に地元の私立学校を合併して株式制の金安中学を設立し、外部から来た高校3年生と浪人生に有償で高考受験のための補習授業を行うことにしたのである。従い、3校で異なるのは卒業証書だけで、校舎、教員、食道などは全て共通で、3校まとめて毛坦廠中学なのである。

中国には毛坦廠中学と並んで高考受験で有名な高校に河北省“衡水市”の“桃城区”に所在する“衡水第二中学”がある。同校は河北省のモデル“高級中学(高校)”に認定されているが、「地獄」とあだ名される程の厳しい教育方針で知られている。同校のウェブサイトには、“一本”と呼ばれる高考において高得点が必要な“清華大学”や“北京大学”などの有名大学に合格した学生の名簿が掲載されているが、2016年の合格者名簿には約3500人の名前とクラス番号、合格した大学名が記載されている。同校では地獄の教育方針に耐えられず、校舎から飛び降り自殺する学生が後を絶たない。このため、同校では校舎の通路に鉄柵を設置して自殺防止を図ったこともあったが、後に消防の観点から鉄柵は撤去された。

大学は出たけれど…の現実の中で

衡水第二中学は“一本”レベル大学への合格者が多く、その合格率が70~80%と高いことで知られている。これに対して、毛坦廠中学は“一本”レベル大学への合格率が20~30%に過ぎず、大多数の学生が合格しているのは“三本”レベルの、いわゆる「三流大学」である。しかし、毛坦廠中学の学生たちの大多数は教育環境が低劣な農村から来た学生であることを考えれば、本来なら大学合格が難しい学力しかない学生を合格レベルまで引き上げ、多数の合格者を出していることは、毛坦廠中学の輝かしい業績と言えるのである。

文化大革命によって中断されていた高考が1977年に再開されてから、2017年の今年は40周年となる。かつて大学卒業生の数が少なかった時代には、大学卒業生は金の卵で庶民から尊敬されていた。しかし、今では700万人以上の人々が大学へ入学する時代となり、大学卒業生の価値は大きく低下している。大学卒業にさらに箔を付けようとして海外の大学へ留学する人も増大したが、これも海外留学からの帰国者が増えすぎて価値は低下しているのが中国の実情である。

そうした状況を知ってか知らずか、毛坦廠中学では農村出身の高校生たちが高考受験で大学合格を勝ち取ろうと眠る時間を削って猛勉強に励んでいる。そして、毛坦廠中学は多数の大学合格者を産み出すことで全国にその名を轟かせると同時に、大学予備校ビジネスで収益を上げて毛坦廠鎮のGDPに貢献し、鎮財政を潤しているのである。今後も高考が実施される6月初旬には、メディアによる毛坦廠中学の高考受験に関する報道は続けられることだろう。

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『米軍準機関紙が断言「米軍は北朝鮮を攻撃しない」 ソウルにおけるメガシティ戦闘で泥沼化の恐れ』(6/16JBプレス 部谷直亮)、『試射と侮ってはいられない北朝鮮の地対艦ミサイル 国産「巡航ミサイル」の開発に成功か』(6/15JBプレス北村淳)について

6/17渡部亮次郎氏メルマガの記事で、櫻井よしこ氏が週刊新潮6/15号に寄稿したもの。

世界の安定剤、マティス長官の安全観

毎年シンガポールで開催される「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダ イアローグ)」は、世界の安全保障戦略で何が一番の問題になっているかを知り、大国の思惑がどのように交錯しているかを知る、極めて有意義な場である。今年は米国防長官、ジェームズ・マティス氏が演説を行った。

トランプ大統領が、ロシア問題で追及され、身内のジャレッド・クシュ ナー大統領上級顧問までもが疑惑を取り沙汰されている。そうした中、軍人として培った揺るぎない安全保障観を披露したマティス国防長官は、国際社会の安定装置として機能しているかのようだ。

6月3日に行われた氏の演説の内容は予想を超える率直さだった。敢えてポイントを2つに絞れば①アジアの同盟諸国への固い絆の再確認、②中国には断固たる姿勢を取る、ということになるだろう。

まず、アジアの安全保障についてマティス氏は、アメリカが如何に国際法順守を重視しているかを強調した。

アジアの安全保障が国際法に基づいて担保されるべきだとの考えは、世界恐慌とそれに続く第二次世界大戦の凄まじい体験から学びとった教訓だと、マティス氏は強調する。氏は演説で人類の戦いの歴史にさり気なく触れたが、蔵書6000冊を有し、その大半が戦史に関する著作だといわれる氏の、国家と国家の摩擦としての戦いや、その対処の原理についての、奥深い理解を感じさせる。

氏は語っている。国の大小、その貧富に拘らず、国際法は公平に適用されるべし、と。海の交通路は全ての国々に常に開かれ、航行及び飛行の自由が保たれるべきだという価値観は、時代を通して守られてきたとマティス氏は語る。その自由で開かれた世界を、アメリカはこれからも担保するのだと。

同じ趣旨を、表現を変えながら、マティス氏は繰り返した。講演録を読むと、国際法の重要性を説いた段落が幾つも続いている。

「航行の自由」作戦

それらの発言が中国に向けられているのは明らかである。マティス氏がこれ程、或る意味で執拗に、国際法や航行の自由について語ったのは、アメ リカは北朝鮮問題で中国に協力を求めても、南シナ海、東シナ海、台湾などの他の重要な地域問題で従来の基本的立場を譲るつもりは全くないと示しているのである。マティス氏は、中国について前向きに丁寧に言及しながらも、要所要所で釘をさしている。

「トランプ政権は、朝鮮半島の非核化に向けての国際社会の努力に中国が コミットメントを再確認したことに安堵している」「(4月の米中首脳会 談で)習近平主席は、全ての関係国が各々の責任を果たせば、朝鮮半島の核の問題は解決されるはずだと語った」と、紹介したうえで、マティス氏は述べた。

「自分は習近平主席に全く同意する。大事なのは、そうした言葉は行動によって本物であることが確認されなくてはならないということだ」

中国に強い口調で迫っているのである。中国よ、言葉はもういい。実行によって証明せよ、制裁を強化せよと要求しているのである。

約30分の演説の中で、マティス氏は南シナ海の問題についても、中国の建設した人工島を批判しながら言及した。主旨は、①中国の行動は国際社会の利益を侵し、ルールに基づく秩序を揺るがすもので、受け入れることはできない。②人工島の建設とその軍事化は地域の安定を損ねる。

氏の一連の発言に、質疑応答で、多くの質問者が率直な謝意を表した。 国防長官の発言は「希望をもたらす」とまでコメントした人がいた。膨張する中国が恐れられ、嫌われているのとは対照的に、強いアメリカが望まれているということだ。

トランプ政権発足以来約4か月が過ぎた5月下旬、ようやく南シナ海で「航行の自由」作戦を行った。北朝鮮問題で中国に配慮して南シナ海とバーターするのではないかという懸念の声さえささやかれていたときに行われた「航行の自由」作戦は、オバマ政権のときには見られなかったアメリカの断固たる意志を示すものだった。

スプラトリー諸島のミスチーフ礁に建設された人工島の近く、中国が自国の領海だと主張している12カイリ内の海で、「航行の自由」作戦は、中国 への「事前通告」なしに行われた。オバマ政権時代に4回行われた「航行の自由」作戦と、今回のそれには全く異なる意味があった。今回は、通常は公海で行う海難救助訓練を行ったのだ。

「米中接近」はない

中国の主張など全く認めないという姿勢を示したのだが、この訓練には中国も反対しづらい。なぜなら、それは「人道的な」海難救助だったからだ。

非常に慎重に考え抜かれた緻密な作戦を決行したことでアメリカは、人工島を建設しても中国は領海を拡大することはできないと示したのだ。アメリカの考えは、まさに常設仲裁裁判所がフィリピン政府の訴えに対して出した答えと同じものだった。

もうひとつ、非常に大きな意味を持っているのが、マティス氏がパートナー国との関係を継続していくとする中で、インド、ベトナムなどに続いて台湾に触れたことだ。

「国防総省は台湾及びその民主的な政府との揺るぎない協力を継続し、台湾関係法の義務に基づいて、台湾に必要な防衛装備を提供する」と、マ ティス氏は語った。

トランプ大統領が北朝鮮の核及びミサイル問題で中国に配慮する余り、南シナ海や台湾への配慮が薄れて、台湾も事実上見捨てられるのではないかという懸念さえ、生れていた。そのような疑念をマティス氏の発言はさっ と拭い去った。

米国防長官としては異例のこの発言と、それを支える戦略的思考が、トランプ政権の主軸である限り、台湾や日本にとっての悪夢、「米中接近」 はないと見てよいだろう。

会場の中国軍人が直ちに質問した。「中国はひとつ」という米中間の合意を覆すのかと。マティス氏は「ひとつの中国」政策に変更はないと答えたが、蔡英文総統は独立志向が高いと見て、台湾に軍事的圧力を強めるようなことは、アメリカが許さないという強いメッセージを送ったということだ。

アメリカの政策は読み取りにくい。マティス発言に喜び、トランプ発言に 不安を抱く。トランプ氏は基本的にマティス氏らの進言を受け入れているかに見えるが、究極のところはわからない。だが、マティス氏ら手練れの兵(つわもの)が政権中枢にいる間に、わが国は急いで憲法改正などを通して、国の在り方を変えなければならないと、心から思う。>(以上)

Facebookからの記事。蔡英文台湾総統(日本語と英語で表記されていました。中国人が漢語を使えと文句を言っていましたが)

台湾はアメリカ、日本とほかの国からの相変わらずの支持に対して、誠に感謝しています。これからも引続き地域の平和と安定のために、各国と一緒に頑張りたいと思います。

23:01 – 2017年6月15日

それに対し西村幸祐‏ 氏のリツイート

台湾の蔡英文総統の非常に重要なツイートだ。台湾が自由と民主主義と独立の危機に瀕している事。ヒタヒタと中国共産党の覇権主義の侵略意思が台湾に忍び寄っている事を、世界中の人々に気づいて欲しい、注視して欲しいという心からの叫びである。日本は台湾と軍事も含めた関係強化に直ちに取り組むべき。>(以上)

台湾に対して日本政府は口先、形だけの支援に止まっているようにしか思えません。中国が外交・経済で台湾の締め上げを図っている時ですので、台湾と一緒にASEAN諸国へのインフラ投資ができるように手を差し伸べる等やってほしいし、2020年東京オリンピックも台湾名義での参加もできるようにしてほしいです。中国が東京オリンピックをボイコットするなら、それもOKです。国連に代わる新たな組織、G7+NATOを中心とした組織を作るように動いていけば良いのでは。国連は第二次大戦国の戦勝国の組織で、産み落とされた瞬間から不純なものがあり、敵国条項がその最たるものでしょう。今やP5の拒否権で機能不全に陥っています。そんな組織を有難がって崇拝するほど愚かなことはありません。

米軍の北朝鮮攻撃はいろんな人がいろんな意見を言っています。鈴置高史氏や青山繁晴氏、山口敬之氏は「あるかも知れない」派で、「何時攻撃するかは分からない」と(6月~8月、秋以降とかあります)。これに対し部谷氏は「ない」と言いきっています。確かに民間人の犠牲が多ければ多くなるほど攻撃は躊躇せざるを得ないでしょう。でも、日本だって300万人の犠牲を第二次大戦で払っています。犠牲者数だけで戦争が起きないとの論理展開は出来ないのでは。況してや自国への脅威が増大するとなれば、他国への犠牲には目を瞑り、「今の内に」と考えるのはおかしくないでしょう。善悪の問題ではありません。戦争が悪とすれば、世界で戦争が起きる筈もない。日本や韓国にとっては堪ったものではありませんが。

6/13のNHKニュースに依れば、米国議会の公聴会でダンフォード統合参謀本部議長は「(朝鮮で)戦争になればわれわれが勝利することは疑いがないが、この6、70年間では見たこともない犠牲者が出る」と述べました。ただ、戦争はしないとは言っていません。可能性はあるという事です。日本はその備えがキチンとできているのかを問うべきです。「ない」と言って切り捨てるのでもなければ、「あるある」と言って不安を煽るのではなく、起きた時の対処を万全にするようにすべきと考えます。官邸・自衛隊・警察・消防・海保・市町村・民間がどう動くべきかを予行演習しなければ咄嗟には動けません。そうしなければ、起きたときに犠牲者が増えることが予想されます。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170613/k10011016181000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001

やはり、日本の防衛体制は、今までの延長線で考えることはできないという事です。中国が陰に日向に北朝鮮を支援してきたのは事実なので、日本も米国に核保有(できなければニュークリアシエアリング)やレールガンやレーザー研究を一緒にやるくらいの話を持ち掛けませんと。そのためには、江崎道朗氏が言いますように、防衛費をGDPの2%まで上げませんと、トランプは相手にしてくれないでしょう。

部谷記事

韓国・ソウル。米軍が北朝鮮を攻撃すると北朝鮮軍が一気にソウルに侵入してくる可能性がある(資料写真)

今年の春、米軍の北朝鮮への先制攻撃の可能性を報じたメディアやジャーナリストは今やすっかり口を閉ざしてしまった。中にはいまだにそうした見解を述べる論者も散見されるが、現実的にはその可能性はきわめて薄い。

5月21日、米軍の準機関紙「military times」は、北朝鮮への先制攻撃はリスクが高く、トランプ政権は攻撃を考えていないとする記事を掲載した。記事の概要は以下のとおりである。

*  *  *

トランプ政権は、北朝鮮への軍事的選択肢はないと考えている。

確かに北朝鮮の現政権によるミサイル実験は頻繁さを増し、金正恩は米西海岸への核攻撃能力獲得に近づいている。だが、米国の軍高官は、先制攻撃が大惨事を招き、最悪の場合、10万人の民間人を含む大量の死者を生み出すと懸念している。

まず、国境地帯の花崗岩の山岳地帯に秘匿された北朝鮮の砲兵部隊は、砲撃から数分で山中に秘匿できる。また、韓国のソウルは非武装地帯から約56キロメートルにある人口2500万人の大都市である。シンクタンクの分析では、170ミリ自走砲、240ミリおよび300ミリの多連装ロケットシステムがソウルを攻撃できる。特に300ミリロケットがソウルに向けられた場合、都市火災が発生する。数百万人の民間人がソウルから南下して鉄道・航空・道路における大混乱をもたらし、大規模な人道危機を引き起こす。

元航空戦闘軍団司令官のハーバート・カーライル元空軍大将は、「米韓連合軍が北朝鮮を倒すのは間違いないが、韓国の民間人犠牲者を減らすのに十分な迅速さで北朝鮮軍を機能停止に追い込めるかが最大の問題だ」と警鐘を鳴らす。専門家たちも、ひとたび通常戦争が始まれば戦いは数カ月以上続くとみている

米軍が特に懸念しているのが、ソウルの一角に北朝鮮軍が侵入する事態である。北朝鮮軍は非武装地帯に多数掘削した秘密トンネルから1時間に2万人を侵入させることができる。これは「恐るべきメガシティ戦闘」を引き起こす可能性がある。カーライル元空軍大将は「ソウルのどこかに北朝鮮軍が侵入すれば、航空戦力の優位性は相対化される。メガシティ戦闘では航空戦力は極めて限定的な役割しか発揮できない」と指摘する。

米海兵隊の活動も困難である。第1の理由は、海兵隊は朝鮮戦争以来、大規模な強襲揚陸作戦を行っていないこと。第2は、現在西太平洋に展開中の5~6隻の水陸両用艦艇では、上陸作戦に必要な1~1.7万人の戦力を運べないこと。第3は、北朝鮮の沿岸防衛能力は1950年とは比較にならないほど向上し、何百マイル先の艦艇や舟艇を破壊できることだ。

しかも、開戦となれば、米軍の地上基地が打撃を受ける可能性があるため、利用可能なすべての米空母がこの地域に吸引されることになる。陸空軍なども同様で、全世界における米軍の即応能力を低下させるリスクがある。また、ヘリテージ財団研究員のトム・スポウラー元陸軍中将は「戦争が始まると米陸軍は旅団戦闘団を新たに編成しなければならない。だが、イラクにおける経験で言えば2年間は必要だ」と指摘する。

*  *  *

考えれば考えるほどリスクが高い先制攻撃

以上の記事から分かるのは、元軍人たちは我々が考える以上にリスクを重く見ているということだ。

元米軍人たちの指摘は、(1)海兵隊の脆弱性に伴う上陸作戦の困難性、(2)頑丈な花崗岩と複雑な地形を利用した砲兵陣地の強靭さと威力、(3)メガシティ戦闘、(4)戦力の枯渇、に集約できる。

海兵隊の脆弱性は言うまでもないが、(2)(3)(4)については改めて説明が必要だろう。まず(2)についてだが、地形・地質の有効な活用は沖縄戦における日本軍の粘り強さを振り返れば、その効果がよく分かる。沖縄戦闘時の日本軍は、沖縄の硬い珊瑚岩と起伏の激しい地形を利用して砲兵陣地(いわゆる反斜面陣地)を形成して、航空・火砲の圧倒的な劣勢下でも米軍を苦しめた。

(3)の「メガシティ戦闘」は、2014年頃から米陸軍が強調している概念である。米陸軍は、2030年には全世界人口の6割がメガシティ(人口1000万以上の大都市圏で、世界に27か所存在)に居住する時代になるとして、メガシティ戦闘に必要な将来の米陸軍の戦力構成やドクトリンの検討を続けている。

米陸軍は、メガシティでは民間人への配慮や戦力の分散が余儀なくされるため、作戦が極めて複雑になる他、敵戦力が建物や住民に紛れ込むことで航空戦力が活用できず、相手の情報も手に入らないため、大苦戦が予想されるとしている。イラク戦争時のファルージャ攻防戦や近年のイスラム国との各都市における死闘を思えば、元軍人たちがソウルに北朝鮮軍の部隊が侵入すればやっかいなことになると考えるのも当然だろう。

(4)については、要するに北朝鮮問題以外にも米国の抱える脅威はたくさんあるということだ。米国は既にイスラム国との戦い、アフガンでの戦い、テロとの戦い、サウジアラビアとイランの覇権争いに巻き込まれている。米国としては、すでに炎上しているそちらの「戦線」にこそ、まず戦力を割く必要がある。特にイスラム国打倒はトランプ政権の主要公約であり、これを成し遂げねば北朝鮮どころではない。

実際、トランプ政権のシリアへの肩入れはさらに深まっている。6月13日、米軍はついに「南シリア」に初めて長距離砲兵部隊を展開させた。しかも、国防総省のスポークスマンたるライアン・ディロン大佐は、記者たちに対して「これは親アサド勢力の脅威に備えるためである。今後もそのために米軍の現地におけるプレゼンスを拡大していく」と述べた。親アサド勢力とは、イランが支援する武装勢力のことであり、これは単にシリアへの深入りだけではなく、イランの代理勢力と米軍の戦闘すら秒読みに入ったことを意味する。要するに、米イラン関係の悪化の第一歩になりかねないということだ。

このように、考えれば考えるほど、北朝鮮への先制攻撃は軍事的リスクが高く、それは外交的・政治的リスクに直結しているのである。もちろん、政治的に「詰み」に近づきつつあるトランプ大統領が北朝鮮攻撃を決断するといった可能性もあるが、その場合でも、現時点では中東でさらなる軍事行動の方がはるかに安易かつ安全なのは言うまでもない。やはり、北朝鮮への先制攻撃の可能性は「現時点」では低いだろう。

北村記事

北朝鮮軍の新型ミサイルを搭載した装軌TEL(地上移動式発射装置)

韓国軍合同参謀本部によると、6月8日早朝、北朝鮮軍が元山付近から地対艦ミサイルと思われる飛翔体を数発発射した。ミサイルは日本海上空を200キロメートルほど飛翔し公海上に落下したとのことである。

今回のミサイル連射に対してアメリカ政府はさしたる反応は示しておらず、国連安全保障理事会も新たな制裁などに関する動きは見せていない。日本政府も「我が国の安全保障に直ちに影響を与える事態ではない」との声明を発し、「アメリカ、韓国と連携しながら・・・」といったお決まりの対処策を述べたにとどまった。

国産巡航ミサイルの開発に成功か

今回の地対艦ミサイル発射試験に関して、北朝鮮の国営メディア(KCNA)は「新型の巡航ロケットは海上の目標を精確に探知し命中した」と伝えており、「(北朝鮮)攻撃のために接近を企てる敵の軍艦を、地上から攻撃する強力な手段である」と豪語している。

韓国軍や米軍関係ミサイル専門家たちの分析のように、北朝鮮メディアが「巡航ロケット」と発表した今回の飛翔体は沿岸防備用巡航ミサイル(CDCM:いわゆる地対艦ミサイル)であることは間違いない。今年に入って北朝鮮は弾道ミサイルの試射を10回繰り返してきたが、今回は初めて巡航ミサイルの試射を行ったことになる。

これまでも、北朝鮮軍がソ連や中国から手に入れた「シルクワーム」(北朝鮮バージョンはKumsong-1、Kumsong-2)と呼ばれる地対艦ミサイルを装備していたことは知られていた。ただし、それらの最大飛翔距離は、長くとも、せいぜい120~130キロメートル程度と考えられていた。

それらに加えて北朝鮮はロシアからKH-35U地対艦ミサイルを手に入れたことも確認されていた。このKH-35Uは最大射程距離が300キロメートルに達すると言われている極めて強力な対艦巡航ミサイルである。そして、KH-35Uをベースに北朝鮮が改良を加えてKumsong-3という新型地対艦ミサイルを造り出しているといわれていた。

今回試射された地対艦ミサイルは、飛翔距離が200キロメートル程度であったことから、KH-35UあるいはKumsong-3である可能性が高い。とすると、北朝鮮軍は国産の巡航ミサイルの開発にも成功し、その配備も開始したと考えることができる。すなわち、これまでは北朝鮮のミサイル戦力イコール弾道ミサイルという図式で考えられてきたが、それに巡航ミサイルも加えなければならないことになったのだ。

中国と類似するミサイル戦力強化の過程

北朝鮮のこのようなミサイル戦力強化の流れは、中国と類似している。

中国人民解放軍も当初は、アメリカに到達する核弾道ミサイル(ICBM)の開発に全力を投入していた。それが達成されると、ICBMだけでなく中距離や短距離の弾道ミサイルの高性能化を目指した。そして弾道ミサイル戦力がある程度強化されると、それまでも地道に研究開発を続けていた巡航ミサイルの開発生産に本腰を入れ始め、アメリカのトマホークミサイルを凌駕する長距離巡航ミサイルの開発を目指した。

現在は、「中国だけが開発に成功した」と豪語する対艦弾道ミサイルをはじめ多種多様の弾道ミサイル、それに地上・空中・海上・海中の様々なプラットフォーム(地上移動式発射装置、駆逐艦、潜水艦、航空機など)から発射される多種多様の長距離巡航ミサイルを合わせて2000発以上保有する長射程ミサイル大国になっている。

もちろん、北朝鮮と中国では国力が圧倒的に違うため、北朝鮮軍が中国軍のような超強力な長射程ミサイル戦力を手に入れるには至らないであろう。しかし、丸腰に近い状態の日本を脅かす程度のミサイル戦力を手にすることは可能である。

既に北朝鮮軍は日本各地を射程圏に納めた弾道ミサイル(ノドン、スカッドER)を、おそらくは100程度は手にしている。中国ミサイル戦力の進化過程を当てはめると、北朝鮮軍の次のステップは弾道ミサイルの性能アップと長距離巡航ミサイルの開発ということになる。

そして、最近連続して実施された弾道ミサイル試射によって、北朝鮮の弾道ミサイル技術が目に見えてレベルを上げていることが明らかとなった。そして、今回の地対艦ミサイルの試射により、北朝鮮製が国産巡航ミサイルの開発に本腰を入れ始めたことも明らかになった。

ミサイル技術者たちによると、巡航ミサイルの場合、射程距離を伸ばすだけならば、技術的に困難ではないという。つまり、今回北朝鮮が試射した巡航ミサイルは200キロメートルほど飛翔したが、これを400キロメートル飛ばすということ自体はそれほど困難ではないというのだ。

もちろん、ただ長距離を飛ばせれば長射程巡航ミサイルが出来上がりということにはならない。400キロメートル、そして1000キロメートル、さらには2000キロメートルと攻撃目標が長射程になれば、そのようなはるか彼方の攻撃目標を的確に捕捉する技術や、長距離にわたって海面すれすれを飛翔させる技術、攻撃コース(注)の制御技術など、さまざまな最先端技術が必要になる(注:巡航ミサイルは弾道ミサイルのように一直線に飛翔するのではなく飛行機のように転針を繰り返して目標に接近する)。そのため、北朝鮮技術陣にどれだけの力量があるのかによって北朝鮮軍の巡航ミサイルの開発速度は左右される。だが、そう遠くない将来には、北朝鮮から直接日本を攻撃することができる長距離巡航ミサイルが誕生することになるであろう。

進化しているミサイル発射装置

ミサイルそのものに加えて、アメリカ軍関係ミサイル専門家が注目しているのは、試射に使われているミサイル発射装置である。

ここのところ北朝鮮がミサイル試射を行う際に、これ見よがしに公表しているのが「TEL」と呼ばれる地上移動式発射装置である。かつては、中国から輸入したTELしか確認できなかったが、今回の地対艦ミサイルだけでなく最近発射した「北極星2号」中距離弾道ミサイルや「新型スカッド」短距離弾道ミサイルなども装軌式(戦車のようなキャタピラーで動き回る方式)のTELが用いられた。

中国から北朝鮮が手に入れたTELはすべて装輪車両であったため、装軌TELは北朝鮮国産ということになる。北朝鮮の道路の大半(97%)は未舗装道路であるため、装軌TELのほうが使い勝手が良いと思われる。その上、装軌TELの場合、海岸や荒れ地それに山岳地帯など、移動発射地域が大幅に広がるという利点もある。

このように、発射装置に関しても、北朝鮮のミサイル戦力の強化には警戒を払わねばならない。

北朝鮮軍の弾道ミサイルを搭載した装軌TEL

北朝鮮軍の地対艦ミサイルと装軌TEL

北朝鮮軍長距離巡航ミサイルへの備えも必要

菅官房長官や稲田防衛大臣が述べたように、射程距離200キロメートル程度の地対艦ミサイルを北朝鮮軍が手にしても「日本の国防が直接脅威を受けるような問題ではない」ことは確かである。

しかしながら、北朝鮮が“ミニ中国”のようなミサイル戦力強化の途を歩んでいることは間違いない。そして戦力強化は中国同様に一定レベルに達すると加速度的になされる可能性が高いため、対日攻撃用弾道ミサイルの性能が強化され、対日攻撃用の長距離巡航ミサイルが誕生することも否定できない。

日本国防当局は、中国人民解放軍の対日攻撃用ミサイル戦力に対して完全に後手に回っている。少なくとも北朝鮮軍の対日攻撃用ミサイル戦力の脅威からは、国民を守り抜く対抗戦略を構築し、防御態勢を固めなければならない。

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『四面楚歌のトランプ、弾劾は時間の問題か 全米で次々提訴され、ロシアゲート捜査は核心に迫る』(6/16JBプレス 堀田佳男)、『目の前に迫ったトランプ退任、ペンス大統領就任 予算教書で明らかになった”まさか”の無知無能ぶり』(6/15JBプレス伊藤乾)について

6/16渡部亮次郎氏メルマガから杉浦正章氏のブログで、トランプの今後の行方について書かれたものがありました。トランプ対マスコミの対立は長丁場に FBIとCIAを敵に回して低空飛行 一時は特別検察官解任へと動く

CNNから初閣議を「まるで北朝鮮の閣議だ」と酷評されては、トランプも形無しだ。どうもトランプの打つ手は田舎芝居じみており、稚拙だ。

その原因を探れば、政権が素人集団だからだろう。ワシントンで昔から言 われている政権維持の要諦は3つある。「連邦捜査局(FBI)を敵に回すな」 「敵になりそうなものは抱え込め」「ばれるような隠ぺいはするな」である。

1つでも守らないと政権は危機に瀕するといわれ、歴代政権が重視してきたポイントだが、トランプは3つとも破っている。まさにハチャメチャ大統領による五里霧中の低空飛行だ。

政権発足以来5か月たってやっと23人の閣僚がそろって12日に開いた閣議がなぜ「北朝鮮の閣議」かといえば、見え透いたお追従強要閣議であった からだ。冒頭20分間をテレビに公開したが、まずトランプが「我々は驚異的なチームで、才気にあふれている」と自画自賛。次いで閣僚に発言を求めたが、根回し済みとみえて、ごますり発言が相次いだ。

史上初のゴマすり閣議だ。メディアが「賞賛の嵐」と形容したほどだ。 CNNが「賞賛度第1位」に挙げたのが副大統領ペンス。何と言ったかという と「大統領を支持するという国民への約束を守る。大統領に奉仕できるの は人生最高の特権です」と大ゴマをすった。

そして次から次へと歯の浮く ようなお追従を閣僚が繰り返した。まさに世界最強の民主主義国の閣僚 が、皇帝トランプにひれ伏すの図であった。

司法長官セッションズの議会証言もトランプの意向が強く働いたもので あった。もともとセッションズとトランプは不仲と言われており、一時は辞任説も流れた。ところが14日の議会証言では打って変わった“忠節”ぶり を示した。どのような忠節ぶりかと言えば、トランプが窮地に落ちいった ロシアゲートの全面否定である。

ロシアとの共謀を強く否定し、そのよう な主張は「おぞましく忌まわしい嘘」だと述べたのだ。

さらにトランプは身内を使ってすぐにばれるような芝居を続けた。親しい友人であるクリストファー・ラディに「大統領は特別検察官の解任を検討している」と発言させたのだ。ニューヨーク・タイムズは13日、トランプが実際にモラー解任に動き、夫人メラニアが止めたと報じている。

先月 特別検察官に任命されたモラーはワシントンで与野党を問わず信頼を集め ている人物だ。ニクソン政権のウォーターゲート事件やエネル ギー大手エンロンの粉飾決算事件を扱った経験者らを集め、強力なチームを編成して ロシアゲートの捜査任務に着手している。ラディ発言には反発が大きく、 ロシア介入疑惑を調べている下院情報特別委員会の民主党メンバーのトッ プ、シフ議員はツイッターで、「大統領がモラー氏を解任した場合は議会が直ちに独立検察官を設置し、そのポストにモラー氏を任命することにな る」と述べたほどだ。

慌てて報道官スパイサーに否定させたが、トランプ はマッチポンプでモ ラーとFBIをけん制したつもりなのであろう。

こうしてトランプは身内を固めようとしているが、最大の問題は敵に回 してはいけないFBIを敵に回していることだ。前長官のコミーは8日の証言 で「トランプからロシアゲートの捜査中止を求められた」と述べると共に、トランプとの会談のメモを明らかにした。捜査中止命令は大統領による司法妨害であり、ウオーターゲート事件の核心でもあったほどだ。

FBIだけではない中央情報局(CIA)まで敵に回した。前長官ブレナンは23 日に議会で「ロシアが昨年の大統領選挙にあからさまに介入し、非常に強引に米国の選挙に入ってきた」とロシアゲートの実態を明らかにしている。

議会証言はFBIとCIAの前長官が疑惑の存在を明らかにして、“忠犬”に戻ったような司法長官セッションズだけが否定するという構図である。

誰が見ても信用出来るのはFBIとCIAであって、司法長官ではあるまい。こう した捜査当局の資料を基に特別検察官が捜査するのだから、その結果は火を見るより明らかなものとなろう。

今後の展開としては①準レームダック化して来年の中間選挙までは続く②弾劾が早期に成立する③副大統領が大統領の執行不能を宣言する④いつかは不明だがモラーが政権直撃の捜査結果を公表してトランプが窮地に陥るー などが考えられる。

①についてはトランプの支持率が38.6、不支持率が 56.0であることが物語るように、下院が中間選挙で民主党優位に逆転する可能性が高い。従って過半数で弾劾を発議出来る可能性があるが、上院の3分の2の壁があり、共和党が弾劾に回らなければ困難だ。ニクソンの場合は民主・共和両党の合意で弾劾が可能となり、弾劾を待たずにニクソンは辞任している。そうした事態に発展するかどうかで決まる。従って②の弾劾早期成立は困難だろう。③の副大統領による解任も、トランプが精神的な異常を来すなどよほどのことがないと難しい。 アメリカ合衆国憲法修正第25条は副大統領が大統領の執行不能を宣言できるとしているが、まだ発動されたことはない。従ってトランプの低空飛行は継続するが、ホワイトハウスの記者団を中心とするマスコミとトランプの対立は衰えることなく 長丁場化して継続する方向だ。>(以上)

堀田氏の記事にありますように、利益相反問題が起きているならば、トランプは直ぐにでも解消すべきと思っています。日本には「李下に冠を正さず」、「瓜田に履を納れず」という諺もあります。トランプに誰か教えてやった方が良いでしょう。「強いアメリカの復活」を目指して大統領にまで上り詰めたのですから、こんなことで大統領を棒に振ることはないと思います。既に財は為したのだから、当初の目標実現に邁進して貰いたい。

大統領の免責特権の話を読むと、ビル・クリントンの女好きが浮き彫りになります。名前が出ているモニカ・ルインスキーやポーラ・ジョーンズは氷山の一角で、手を出したのはあまた居ると思われます。ケネデイも似たり寄ったり、FDRも、です。全部民主党です。まあ、日本の買春事務次官よりはスマートですが。金か権力の違いはあります。

FBIやCIAの言っていることが正しいかどうか分かりません。FBIのフーバー長官時代やCIAのダーテイ工作を思い浮かべればすぐに理解できるでしょう。彼らの発言を与件として考えるのではなく、証拠による事実の積み重ねで判断すべきでは。日本の森友・加計問題と同じく印象操作でマスメデイアが政権を貶める構図に似ています。日米共にメデイアは左翼かリベラルだから、でっち上げを恥じずにできるのでしょう。米国はそれに、国際金融資本が重なりますので、一層大変です。FBIやCIAにはオバマ民主党の残党が巣食っており、彼らがいろいろリークして、トランプを倒そうとしているのでしょうけど。そもそも大統領選にロシア介入疑惑があったとするならば、オバマは大統領として防御もできたはずです。ヒラリーが勝つことを疑っていなかったから、油断したのでしょう。負けてから蒸し返すのは卑怯者のやることです。

ただ予算教書の中で、中国に対抗するため軍事力強化には大賛成ですが、研究開発投資を減らすと全世界の研究者に対し米国の魅力を半減させるのではと危惧します。強いアメリカの復活は出来なくなるのでは。

伊藤氏の国連信仰は多数の日本人と同じです。リベラルな人間としか付き合ってないから、見えないのでしょう。国連で今まで何が起きて来たかを良く見た方が良い。P5の仕組みがうまく行っているのか?戦争のない世界が実現できているのか?国連の役人の腐敗ぶりを知っているのか?人権理事会の構成国を知っているのか?(一番人権弾圧している中国が理事国に入っています。ブラックジョークとしか言いようがない。だから中国は人権理事会を利用して、日本を貶めるプロパガンダを続ける訳です)。昨日の小生のブログに書きましたように、長谷川慶太郎氏の意見、「日本はG7メンバ-+NATOメンバーになる。機能不全の国連ではなく、新たな国際的な枠組みとしてそれを活用していけば良い」と考えます。NATOに入れば、当然相互扶助で、加盟国が侵攻されれば、当然出動義務は発生します。ただ、中国の日本侵攻にとって大きな抑止力となります。リスクよりメリットの方が大きいでしょう。

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/i/12/index3.html

http://www.sankei.com/world/news/151007/wor1510070035-n1.html

http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press4_003868.html

堀田記事

ドナルド・トランプ米大統領。ホワイトハウスで(2017年6月6日撮影)〔AFPBB News

過去1週間でドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が立て続けに提訴されている。

大統領を有罪にすることは可能なのか。今後の見通しと、5月15日に当欄で論じた弾劾の可能性(「トランプ大統領が弾劾される可能性は50%」)についても改めて述べていきたい。

まず提訴について記したい。

1つ目は米首都ワシントンとメリーランド州の両司法長官が12日に起こしたものだ。

すべての事業を息子に引き継いだと言うが・・・

トランプは昨年9月、ホワイトハウス近くに「トランプ・インターナショナル・ホテル」を開業。もともとはオールドポスト・オフィスという商業施設で、トランプがホテルに改装した建物である。1泊5万円超の高級ホテルだ。

大統領就任前、トランプは数百に及ぶ事業のすべてを息子2人に引き継ぎ、同ホテルの利益は国庫に納めると述べた。

だが両長官は、トランプがホテル事業などで依然として報酬を得ているばかりか、外国政府から多額の利益を上げていると指摘。サウジアラビア政府などはすでに同ホテルで数十万ドルを使途したという。

提訴の柱になっているのは「報酬条項(第1章第9条第8項)」という憲法のくだりである。大統領に限らず、連邦職員は連邦議会の同意なしに外国から「贈与、支払い、利益」を受けてはいけないというルールがある。

ただ1回20ドル(約2200円)までであれば許可される。手土産の範疇である。トランプは息子に任せたと言ったが、ホテル事業などで、いまだに利益を得ているというのだ。

もう1つの訴訟も「報酬条項」の違反である。ただ原告は連邦上下両院の約200議員で、民主党が議員団を結成して連名でトランプに反旗を翻した。

トランプが憲法違反を犯しているという主張は、状況を冷静に考察する限り、トランプを政権の座から引きずり下ろしたいという野党の願望の具現化である。筆者としては、トランプを政権の座から引きずり下ろすことに異論はないが、現実はそう簡単ではない。

メディアはあまり論じていないが、米大統領には免責特権がある。大統領が持つ広範な特権で、民間の訴訟から免れられるのだ。

理由は、大統領は日々の職責の遂行を最優先にすべきであり、個人の訴訟に時間と労力を割くべきではないとの判断である。そのため、今回のような司法長官や連邦議員による提訴であっても、裁判所(ここでは地方裁判所)は訴訟を却下できる。

訴訟となれば膨大な時間が取られる。トランプの顧問弁護士が実務をするとはいえ、トランプも証言をしたり、出廷したりする必要が生じてくる。仮に裁判所が提訴を受理したとしても、トランプの大統領任期中は審理を止め、任期を終えてから裁判に入ることも考えられる。

裁判で負けたビル・クリントン元大統領

ただ例外もある。ビル・クリントン元大統領のセクハラ訴訟である。

クリントン氏と言えばモニカ・ルインスキーさんとの情事が思い起こされるが、実はポーラ・ジョーンズさんというアーカンソー州職員からセクハラ訴訟を起こされていた。

訴えが起こされたのは、クリントン氏が大統領に就任した翌1994年。懲罰的損害賠償として85万ドル(約9350万円)の支払いを求められた。

だがアーカンソー州地裁は大統領特権を重視し、ジョーンズさんの訴えを却下。しかし、ジョーンズさんはすぐに控訴する。

連邦控訴裁では、大統領であっても法の下では平等であるとの理念から、審理が継続されることになった。つまり大統領特権はすべての訴訟で有効ではないということだ。

クリントン氏は最高裁に上訴申請をし、裁判は長引く。最終的には1998年になってクリントン氏側が折れて、ジョーンズさんに和解金として85万ドルを支払うことになった。結果的には大統領の負けである。

トランプ訴訟の今後の流れとしては、弁護団が裁判所に訴訟の却下を求めてくるはずだ。その時に裁判所がどう判断するか。却下するのか、審理を継続させるか、判事の判断に委ねられている。

それよりも、今後トランプがより大きな危機に見舞われると思われるのが、ロシア政府による昨年の大統領選へのサイバー攻撃とトランプ陣営の関係である。いわゆるロシアゲートだ。

6月8日の連邦上院情報特別委員会の公聴会で、実はジェームズ・コミー前FBI(連邦捜査局)長官が、今後のトランプ政権を揺るがしかねない発言をしている。ロシア政府による選挙介入があったと断言したのである。その場面の質疑応答を抜粋したい。

上院情報特別委員会での証言

リチャード・バー上院議員「(ロシアからの)サイバー攻撃に最初に気づいたのはいつですか」

コミー氏「最初のサイバー攻撃・・・、ロシア政府が主導した最初のサイバー攻撃は、覚えている限りでは2015年夏の終わりでした」

バー議員「民主党全国委員会(DNC)と民主党議会選挙対策委員会(DCCC)が標的でしたか」

コミー氏「その通りです。政府関係組織だけでなく、政府以外の団体も標的にされていました」

バー議員「どれくらいの個人・組織・団体が標的にされていたのですか」

コミー氏「たぶん数百です。1000以上かもしれません」

(中略)

バー議員「ロシア政府が州政府の有権者登録ファイルにサイバー攻撃をしかけたことに、疑いはありますか」

コミー氏「ないです」

バー議員「ロシア政府高官がサイバー攻撃を熟知していたことに疑いはありますか」

コミー氏「ないです」

この証言から分かることは、ロシア政府が昨年の大統領選に大々的に関与していたという事実だ。コミー氏は疑いようがないと明言した。

ただ、同氏はロシア政府とトランプ陣営がどう関わっていたかについての言及は避けた。それはロバート・モラー元FBIが特別検察官として現在捜査を進めている最中だからである。

ロシア政府が大統領選に介入していた件については、前CIA(中央情報局)長官のジョン・ブレナン氏も5月23日、連邦下院の公聴会で次のように証言している。

諜報機関のトップがロシアによる関与を断言

「ロシア政府は大統領選にあからさまに介入していました。さらにトランプ陣営に関わる複数の米国人との間にやりとりがありました。その証拠に遭遇しています」

すでに辞めた2人の諜報機関のトップがロシア政府による大統領選関与を断言したのだ。しかもウソをつけば偽証罪に問われる公聴会という場においてである。

しかし、現職のジェフ・セッションズ司法長官は13日の公聴会で、言葉を濁している。トランプはコミー長官の証言の直後、「我々は包囲された」と発言したが、顔には余裕の表情を浮かべていたところが不吉でさえある。

それでは前出の「報酬条項」違反によって、トランプは大統領職を追われるだろうか。可能性は低い。それよりも、ムラー氏によって少しずつロシア政府による選挙介入の実態が明らかにされ、トランプ陣営の不正な動きが立証されれば、弾劾裁判に進む可能性はある。

都議会と同じで、トランプの支持率がさらに低下して求心力を失い、共和党議員が来年11月の中間選挙で敗北が予想されるような政局になれば、「トランプ離れ」が始まるはずだ。ましてや米国には党議拘束がないため、投票時に党の決定に従う必要はない。

1か月前に弾劾の可能性を50%と述べたが、筆者の見立ては現在も変わっていない。

伊藤記事

ドナルド・トランプ大統領(2017年5月10日撮影)〔AFPBB News

愚かさとは何か、考えて見ましょう。

例えば、家を新築して災害保険に加入したとしましょう。そして1年経った。特段何事もなく、翌年の家計を家族会議で相談しているとします。

「いろいろ出物もあったから、がま口を引き締めて考えたい。ついては、火事とかは火の元を気をつけたりすれば起きないダロウから、保険加入はやめることにしよう。意味がない」

そこで無保険の状態になったと思ったら、突然地震が襲ってきて、せっかくの新居がガタガタに。もちろん保険はなく・・・。

実は、こんな状態を引き起こそうとしているのが、2018年米国予算教書(Budget Message of the President 2017.10-2018.9)で、5月末にその概要が発表されてから様々な波紋を投げかけているのは周知のとおりでしょう。

一言で言えば、末期的な企業経営における赤字削減のような性格が強い。

10年で3兆6000億ドルの歳出削減に取り組み、貧困層保護や開発援助、環境対策、基礎科学研究などの予算が大幅に削られる一方、軍事費などは大幅増額を提示しています。

例えばODA(政府開発援助)。国際開発庁を含む国務省予算は28%の大幅減、約375億ドルに対して、国防予算は約10%、540億ドル増額して6030億ドル、日本円にして約68兆円規模。

国防、治安維持、交通、退役軍人対策費などが各々10%程度増額される以外は、軒並み大幅の減額が提案されています。

具体的に項目を列挙してみると、教育研究開発(Education)、通商産業(Commerce)、労働対策(Labor)、都市住環境(Uran Development)、ヘルスケア(Health and Human Service)、農業(Agriculture)、環境(Environment Protection)・・・といった項目は軒並み10~30%近く削減。

当然ながら民主・共和両党から、大きな反発が出ており、個別の項目については議会をそのとおりに通過するとは限りませんが、大枠、このような方向性にあることは間違いないでしょう。

ここで3歩下がって改めて考えて見たいのです。この「損切り予算案」、トランプ“恐書”は何がいけないのか?

「かもしれない」運転から「だろう」運転へ

簡単に言えば、米国という国が長続きしなさそうである、国を滅ぼすリスク、つまり亡国の現実的な可能性が低くない。持続的(Sustainable)でないというのが、国際社会が現在の米国を憂慮する、端的なポイントと言っていいと私は思います。

軍事・警察・退役者の厚遇はしっかり守る。これをもって「強い米国を取り戻す」という、見るからにシンプルなセールスポイントが増額されますが、以下やや誇張して列挙すると、

教育・・・ 最低限の読み書きができればよい → 未知のリスク対処力低下 研究・・・ いまある程度の基礎で十分    → 未踏のイノベーション不可能 通商・・・ そこそこ回っていればいいでしょ → 流通・経済のリスク野放し

労働・・・ そんなものは経営の埒外     → ブラック企業ならぬ黒色国家化 健康・・・ ほっといてもどうにかなるよ   → 中流層以下で生命に影響 農業・・・ 適当に生えてくりゃいいでしょ  → 国際バランスの視野など全欠如

環境・・・ 湯も水も酸素も森も海も使い放題 → 高度成長期並みの環境破壊も平気

という、およそ人類が地球環境の中で長期持続的に発展存続しそうな重要ポイントを軒並み軽視、ないし無視、もっと言えば愚弄~侮辱するレベルのものだと憤る人も少なくありません。

よく分からないけど、素人目でちょっと見て、大丈夫そうだ、というところは、軒並みケアを外して「無駄を省いていい経営だ・・・」などと悦に入っている、二世三世のバカ社長、もとい、若社長のような了見を見るのは、決して少数ではないでしょう。

車の免許の書き換えなどで「だろう」運転から「かもしれない」運転へ、という標語を目や耳にされた方は少なくないと思います。

「見通しの悪い交差点に進入するけれど、どうせ誰もいないだろう」

ではなく

「見通しの悪い交差点の四角では、その先に高齢者が立っているかもしれないし、子供がボール遊びをしているかもしれない」

という、見えないリスクの可能性を予測し、未然に安全を確保しながらハンドルを握りましょう、というのがその意味で。「だろう」型のリスク軽視では、とてもではありませんが「想定の範囲外」のハザードが襲ってきたとき、対処のしようがありません。

泥棒がやって来てから縄を綯っていたのでは遅いのです。未然に、危機がある「かもしれない」と慎重果敢に事前の対策を打ちながら、5年10年とできる限りリスクを回避して、もし危ない兆候があれば早期に発見、対策を打って、長くサステイナブルな国際社会を作っていきましょう。

そのような機運が高まっていた最中、悪い冗談のように誕生してしまったのがドナルド・トランプ政権、いや、トラップ政権と呼ぶのがふさわしいかもしれません。

先日のパリ協定離脱は、

「地球温暖化なんて本当に起きるか分からないし(実際起きていますが)環境科学なんて都合の悪いデータが出てくるようなら、もみ消してしまえばよい(ポスト・トゥルース)。中国を筆頭に各国は何の責任も取っていないじゃないか。米国だけに負担を求めるなんて不平等だ(米国は1人当たりの環境負荷が世界ダントツ1位ですが)」

という、幼稚園児並みのやりたい放題、結局、大人の賢慮を持った各国が、現実的な対策を協議しているわけです。

「もしかしたら、本当にバカなのかもしれない」 各国の静かなどよめき

日本では国際社会のルールや国際機関の位置づけがまともに理解されていないようです。例えば、国連の特別報告者(special rapporteur)とは国際連合人権理事会から任命され、特定の国の人権問題状況について調査や報告、場合により監視や勧告を行う無給の専門家で「独立専門家(independent expert)」とも呼ばれ、人権委員会はもとより国連事務総長とも各国の思惑にも左右されず、また利害による偏向、お友達への利益供与などがないよう。職務に関して金銭的報酬を受けません。

この1週間ほどだけでも、デイビッド・ケイ(David Kaye)カリフォルニア大学アーバイン校教授(国際人権法、国際人道法)、ジョセフ・キャナタッチ(Joseph Cannataci)マルタ大学教授(IT法)など特別報告者の名前が、基本的な国際常識とかけ離れた形の日本語で取り沙汰されるのを目にしましたので、一応念のため記しておきます。

例えば、国連から委嘱を受けて、東京大学のI先生が何らかのアクションを取ったとしましょう。例えば講演を委嘱されるとして、交通費や宿泊、日当相当の費用は用意、負担があります。しかし講演そのものは無報酬で行います。

「なんでそんなこと、タダでやるの?」

と理解されないことも少なくありませんが、それが国際知識人のオブリージュ、道義的責任ということで、この20年来、私が国内外で手がけてきた学術外交のすべては無報酬ないし自腹を切って行う場合も少なくありません。

利害関係がないから公正とみなされ、信頼が確かなものとなりパートナーシップが永続します。給料や基本的な諸費用は国際機関や大学が持ちますが、動き自体は「公務」に編入され、エキストラの報酬は発生しません。

学会の会長や役員、大会の主催、論文誌の査読や指導添削・・・少なくとも私が関わるこうしたものについてはすべて手弁当で基本、俸給は出ません。

もし利害で手がけるなら、それで査読結果が左右されたりするリスクを免れないでしょう。そういう善意の公正性で成立している社会、何でも銭勘定というものの見方からは、決して理解され得ないと思います。しかし、そういう高い志があって、成立している水準があります。

これは、今まさに問題になっている、米国のロシアゲート調査を考えると分かりやすいでしょう。

2017年5月17日、米国司法省はジェームズ・コミー氏の罷免とロシア・ゲート疑惑についてロバート・モラー(Robert Swan Mueller II )(1944-) 前FBI長官(2001-2013)を特別捜査官(special counsel)に任命しました。

特別捜査官は別名特別検察官(special prosecutor)あるいは独立法曹捜査官(independent counsel)とも呼ばれ、とりわけ在職中の大統領(sitting President)ないし司法長官(Attorney general)を被疑者とする不正、犯罪、疑惑などの捜査の必要が生じた場合、第三者性を持って公正に検察活動が進むよう、大統領や司法長官と指揮系統的に完全に独立していなければ意味がありません。

私が在職している大学の中で、ある不祥事がありました。その調査の必要が出たとき、ルールでは第三者委員会を立ち上げねばならないのですが、目配せの利く身近なメンバーだけで特別委員会を作り、抹消しようとする試みがありました。

しかし、その試みはあえなく費え、責任を問われる方向に流れていきました。世の中はそのように動いて当然です。独立性のない調査や操作に、公正を期待することなどありません。

寡聞にして、大統領を捜査対象とするモラー特別検察官の俸給がどのように独立性を保障されているのか、詳細を認識していません。

しかし、一国の根幹に関わることで、俸給の多寡がどうこうという話ではなく、ノブレス・オブリージュ、つまり前FBI長官として、FBIの独立性が危機にさらされたという「長官への大統領忠誠の強要疑惑」などを徹底して調査せねばならない、道義的倫理的義務を、社会全体に対してモラー氏は追っていることになります。

ちなみに、国連の「独立調査官」を「あれは国連事務総長とも、加盟国の総意とも無関係に<個人が勝手にやっていること>と、あろうことか政府の極めて責任ある立場にある人がメディアで口走り、国際的な関係者の多くがまず「?」となり、次に「本当に、バカなのではないか」という静かな疑念とどよめきが生まれました。この旬日の動きです。

国連とSDGs・・・團藤思想の今日的展開

国連は2016年1月1日から「SDGs(Sustainable Development GoalS」という持続的発展目標を掲げており、私は故・團藤重光教授の思想と行動を大切に、大学教員としての公務ではこれに関わる問題を扱っています。

次回は東京大学のスタッフとして伊東研のSDGs展開にも触れたいと思いますが。一言で言うとトランプ2018年予算恐書は SDGsを軒並み踏みにじるような予算方針を打ち出しており、国連加盟国全体を敵に回すようなパフォーマンスが断続、パリ協定離脱もその1つとして。皆からあきれられ諦められているというのが実情と思います。

「もしかしたら、本当にバカなのかもしれない」

ちなみに、全くの私信ですが、トランプ大統領が「特別検察官の解任検討か?」という報道をめぐって、海外のある友人から先ほどメールを受け取りました。

申すまでもないことですが、モラー特別検察官の解任を、被疑者であるトランプ大統領が決定することはできません。

ルパンⅢ世が銭形警部を更迭できるわけがない。あまりに当たり前のことです。それがもし分かっていないとしたら、相当に頭のねじが緩んでいる。とてもではないが超大国を統治運営していく判断力があるなどと見なすことはできない。

モラー特別検察官を任命したのはロッド・ローゼンシュタイン司法副長官で、ローゼンシュタイン自身がそうそうにコメントを出しています。

セッションズ司法長官はトランプ大統領から任命されているので、トランプ大統領の捜査には関与しません。長官の自己忌避によって、ロシア・ゲートとFBI独立性疑惑の捜査指揮はローゼンシュタイン副司法長官に一任され、政治任用の埒外に置かれます。

要するに、事務次官が内閣の「政治主導」の不正疑惑と独立して、政権そのものの不正を正すというもので、どこかの国にも制度が必要だった可能性を冷静に思います。

そして、前回詳しく記したとおり、ほかならぬジェームズ・コミー氏自身が、ジョージ・W・ブッシュ政権下で大量破壊兵器情報操作のプレイム・ゲート事件で、ジョン・アシュクロフト司法長官が自己忌避した状態で捜査の総指揮を採った事務次官=副司法長官その人です。

当時のコミー次官は盟友のパトリック・フィッツジェラルド現連邦イリノイ州検事を独立検察官に任命、ブッシュ元大統領もチェイニー元副大統領もさすがにこれを罷免などと口にすることはなく、捜査は粛々と進められました。

「独立検察官」を「解任」検討・・・。

一瞬でもそんなことが脳裏をよぎったとすれば、それは緩み切ったCEO(最高経営責任者)体質でそんな思考しかできない人物が、間違って票を得てしまった不幸としか言いようがありません。

万が一そんな低見識を周囲に漏らすようなことがあれば、その時点で国事の判断能力がないと断定される水準と見切っています。

弁護士のマイク・ペンス政権では、いま大量空席の連邦公職が少しは埋まるだろうか・・・。

通常2月に出る予算教書を、素人が升目だけ埋めるのに余計に3か月かかった、あの枠組みで、本当に国を壊してしまうのだろうか・・・。

国際機関のプロフェッショナルは本気で心配し、持続的な対策を取り始めているのが2017年6月の裏表ない現実と思います。

良ければ下にあります

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