『金正恩をコーナーに追い詰めたトランプ 北朝鮮は「米国が核戦争を起こす」と世界に訴え反撃』(9/27日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

9/26money voice<投資家視点で考える「安倍総理は北朝鮮との戦争を決意したのか?」=伊藤智洋>

http://www.mag2.com/p/money/307595

安倍首相はトランプ大統領から確実に北朝鮮を攻撃する話を聞き、解散を早めたのではという気がします。上記の記事の内、「北朝鮮の核兵器を容認するシナリオ」は日本にとって最悪で、韓国人、日本人に被害者を出しても、「米国に北朝鮮の現在の体制を壊してもらうこと」を安倍首相は覚悟したと見ています。それが正しい見方かどうかは別として、今の犠牲を恐れ、将来自分達の子々孫々が中国や北朝鮮の奴隷として生きていくことを考えれば、当然の帰結であり、政治家たるものその覚悟が無ければ、政治家たる資格がないと言えます。

ここでは米軍の北に対するEMP(電磁パルス)攻撃が挙げられています。確かにこれを先にやれば、北のミサイル発射は防げるのではと思います。

9/27日経ビジネスオンライン The Economist<密売買天国アフリカで荒稼ぎする北朝鮮外交官 犀の角と象牙が金正恩体制を支える>

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/092500143/?n_cid=nbpnbo_ml

北は本当に「ならず者国家」です。北に「第二次大戦中に米国から原爆を落とされた日本の仇討ち」を見る人がいますが、あの当時の日本は白人列強から圧力を受け、先ずはレーベンスラウム(生存圏)を確立し、その副次的効果として「東亜の解放」を目指しました。今の北のどこにそんな気高さがありますか?況してや日本を核攻撃すると脅し、韓国と同じく朝鮮半島の日本統治を否定的に見ている国です。所謂従軍慰安婦問題も挺対協を使嗾して日韓を離間させようとしています。中国同様、世界に悪を広める国です。北への制裁もゆっくりとではありますが効いてくるでしょう。暴発して返り討ちのパターンになるかどうかです。

鈴置氏の記事は、「米国は北に核使用も覚悟した」というものです。本ブログでも何度も言ってきましたようにB61-11(バンカーバスター、小型水爆)で北の地下兵器廠を壊滅させるつもりでしょう。これですと非戦闘員の殺戮はないでしょうから。北の核を無力化するにはこれが一番良いと思います。ハーバード大学のサンドラ・サッチャー教授も戦争は避けることができないので、正しいルールの下で行うべきだという考えでした。それは「非戦闘員の保護」が最重要視される考えで、それを行うものこそが「モラルリーダー」として評価されるという事です。(8/23本ブログ)

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6987

記事

9月23日夜、米B1B爆撃機が北朝鮮東方沖を飛行(提供:U.S. Air Force/AP/アフロ)

前回から読む)

核武装の阻止を目指し、米国が北朝鮮を追い詰める。国連演説、金融制裁、軍事力をフル動員して。

「完全に破壊」と「水爆実験」

—米国と北朝鮮の間で緊張が高まりました。

鈴置:確かに激しい言葉の応酬となっています。が、仔細に見ると米朝間で駆け引きが始まっているのが分かります。とりあえずは米国が北朝鮮を追い込んでいます。

まず、トランプ大統領が9月19日、国連で「核武装を放棄しないなら、北朝鮮を完全に破壊(totally destroy)する」と宣言しました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これに対し北朝鮮は、国連総会に出席した李容浩(リ・ヨンホ)外相に「太平洋上で過去最大の水爆実験をする」と言わせました(日経・電子版「太平洋で水爆実験なら国際法に違反」参照)。

世界のメディアは「戦争になるかもしれない」と大騒ぎしました。ただ米朝双方は、相手を威嚇する際にも状況が悪化しないよう、考えて発言しています。

9月19日のトランプ大統領の国連演説は「北朝鮮を攻撃する際は核兵器も使う」と宣言したのも同様でした。核をちらつかせての最後通牒です。米国は、北朝鮮の挑発のエスカレートを抑え込むにはこの強烈な威嚇しかないと考えたと思います。

核の使用は米軍の専門家の間では当然の選択肢でした。北朝鮮のすべてのミサイル発射台の正確な位置を把握できない以上、一部には広い範囲の地域を叩ける戦術核も一部で使うしかない、との判断です(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そうしなければ米国や韓国、日本は、北朝鮮に核ミサイルなどで反撃されてしまします。

核攻撃を辞さない

北朝鮮はすでに米国や韓国を先制核攻撃すると何度も宣言しています(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

米軍は、そうした国への先制核攻撃を躊躇しません。だから米国の安保関係者が口を揃えて「戦争になったら悲惨な目に遭うぞ」と北朝鮮に警告してきたのです。

9月3日にもマティス(James Mattis)国防長官が「米国やその同盟国を攻撃すると脅すなら、大量の軍事的対応で悪漢国家を全滅(total annihilation)させることもある」と語りました(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

もちろん、核を使うぞと示唆したのです。核兵器を使わなければ「北朝鮮は全滅」しません。

9月18日には「(ソウルへの反撃は)防げる。ただし、その方法には言及しない」と記者に語りました(「北朝鮮に『最後通牒』を発したトランプ」参照)。

これまた「核を使用する」と言ったも同然です。それ以外に「ソウルへの反撃を完全に防ぐ方法」はないからです。

ただ、軍関係者以外には核攻撃――事実上の先制核攻撃になるのでしょうが――を実施すれば、国際的な非難を浴びると反対する向きも米国にはあります。

そうした声を増すため北朝鮮は首都、平壌の国際空港から弾道弾を発射するようになったと思われます。人口密集地にも弾道弾は配備している。そこに核を使う勇気はあるのか、と捨て身で威嚇したのです(「北朝鮮は日米分断に全力をあげる」参照)。

そこでトランプ大統領が9月19日に……。

鈴置:世界の首脳が集まる国連総会で、米国の統帥権者として「完全に破壊(totally destroy)」との言葉を使って「核使用」への決意の確かさを示したのです。

北朝鮮に「次に核・ミサイル実験をすれば、戦争になるかもしれない」と考えさせるためです。トランプ発言は核放棄を迫るのが最終的な目的ですが、核開発を現状で止める効果も期待できるのです。

史上最高の超強硬措置

—でも、世界を騒がせました。

鈴置:この発言は一部から「戦争を引き起こす」と非難されました。でも現実を見ると、逆に北朝鮮を抑止する効果も発揮し始めました。

—「抑止効果」ですか? 北朝鮮は強く反発しました。

鈴置:9月22日、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の「超強硬対応措置を断行する」との声明を発表しました。

「朝鮮民主主義人民共和国 国務委員会 委員長声明」です。その部分を朝鮮中央通信・日本語版から引用します。

トランプが世界の面前で私と国家の存在自体を否定し、侮辱し、わが共和国をなくすという歴代最も暴悪な宣戦布告をした以上、われわれもそれに相応する史上最高の超強硬対応措置の断行を慎重に考慮するであろう。

普通の人が聞いたら「北朝鮮はさらなる挑発に乗り出す」と思うでしょう。しかし「史上最高の超強硬対応措置の断行」の後に「慎重に考慮」とあるのです。北朝鮮が「慎重に」を使った場合、「やらない」か、「少なくとも当分はしない」ことが多いのです。

8月9日、北朝鮮が米領グアムの周辺にミサイル4発を撃ち込むと宣言しました(「ついに中立を宣言した文在寅」参照)。

この時の発表文にも「朝鮮人民軍戦略軍は……『火星12』型でグアム島周辺に対する包囲射撃を断行するための作戦方法を慎重に検討している」と「慎重」という言葉が入っていました。そして、今に至るまで、グアム周辺への弾道弾発射は実施していません。

腰が引けてきた北

—しかし、北朝鮮の李容浩外相は9月21日、「超強硬対応措置」について「私の考えだが、過去最大の水爆実験を太平洋上ですることではないか」と語りました。

鈴置:あくまで「外相の私見」として語ったのです。そこがポイントです。正式に発表したわけでなし、実行しなくとも面子は失わない。

北朝鮮の指導部は「核の使用も辞さない」とのトランプ演説を聞いて震え上がったと思います。米国がその気になれば、北朝鮮を「完全に破壊」するのは簡単なのです。もっとも「言われっぱなし」というわけにもいかない。

そこで史上初の「金正恩委員長声明」を発表して対抗したのでしょう。ただこの声明に「太平洋上での水爆実験」を盛り込めば、それを理由に米国から先制攻撃されかねない。そこで「外相の私見」として明かしたのだと思います。

—北朝鮮は腰が引けた、と……。

鈴置:その通りです。少なくとも今の局面では。そもそも、北朝鮮が本当にトランプ発言に対抗するつもりなら「史上最高の超強硬対応措置の断行」などという抽象的な言い方をしないはずです。

「北朝鮮を全面的に破壊する」と言われたのですから「米国全土を焦土化する」くらい言い返さないと、バランスがとれない。

個人攻撃で快哉叫ぶ

これまではそんな威勢のいいことを言ってきたのです。例えば、8月6日の労働新聞は「米国が核と制裁を振り回せば、本土が想像もつかぬ火の海になる」と宣言しました。

でも今や「トランプが本気になって潰しに来た」のです。米国を刺激するのは控えざるを得ない。ただ、罵倒し返さないと気が晴れないので「怖じ気づいた犬」「政治門外漢」「政治異端児」「老いぼれ狂人」などと、トランプの個人攻撃に力を入れたのでしょう。

もちろんこの部分は、トランプ大統領に「ロケットマン」(rocket man)と揶揄されたことへのお返しでもあるので、念を入れたのでしょうが。

—李容浩外相は9月23日の国連演説でも米国に凄んでみせました。

鈴置:「もし米国とその従属国が我々の本部への“斬首”作戦や我が国への軍事行動の兆しを見せたら、無慈悲な先取行動による予防措置を取る」と李容浩外相は述べました。

でも、あくまで「米国などが攻撃の姿勢を見せたら自衛措置をとる」と、当然のことを言っているに過ぎません。少し前までの「先制核攻撃するぞ」といった、米国に開戦の言質を与える発言とはかけ離れています。

ボディ・ブローとなる金融制裁

—要はトランプ大統領の威嚇により、北朝鮮は身をすくめたということですね。

鈴置:そうです。米国が使った威嚇の武器はトランプ演説だけはありません。米国は9月21日、独自の追加制裁を発表しました。

その柱が「北朝鮮と取引のある金融機関を米国の金融システムから排除する」です。中国を標的にしたもので、これは効果があると思います。

「米国の金融システムから排除」されたら外国為替取引はできなくなりますし、ドル調達も極めて不自由になります。そして中国の大手銀行で「北朝鮮と取引のない」銀行はないでしょう。

米国はいつでも中国の金融システムを破壊できる体制を整えたのです。もちろん、中国の大手銀行を制裁すれば米国も返り血を浴びます。

ただ、自国の安全保障のためならトランプ大統領は躊躇しないと思われます。だから中国政府も、直ちに自国の金融機関に北朝鮮との取引中止を命じたのです。

北朝鮮は貿易決済が相当に困難になる見込みです。この制裁の効果は今日明日に出るわけではありません。が、過去の制裁の抜け道をふさぐ効果もあり今後、北朝鮮経済はボディ・ブローを打たれ続けることになります。

暗殺用爆撃機が出撃

米国はこれに加え、軍事的にも対北圧力のレベルを上げました。9月23日夜、米国の爆撃機と戦闘機が朝鮮半島に沿って日本海を北上しました。国防総省は「21世紀に入ってから最も非武装地帯(DMZ)の北側に入った飛行だった」と発表しました。

爆撃機はグアムから飛び立った2機のB1B、戦闘機は沖縄を発進した6機のF15CだとWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)の「Tensions Rise as U.S. Warplanes Skirt North Korean Coast, Pyongyang’s Envoy Sharpens Threats」(9月23日)が伝えました。

B1Bは地下に潜む金正恩委員長を暗殺するためにも使われるとされています。海上とはいえ、軍事境界線の北まで進出され、金正恩氏はさぞ、肝を冷やしたことでしょう。

9月25日、李容浩外相がニュ―ヨークで「米国の戦略爆撃機が我が国の領空に入らなくとも撃ち落とす権利を持つ」と語ったのもその恐怖を示しています。

反米包囲網を呼び掛け

—北朝鮮は追い込まれた……。

鈴置:が、やられっ放しではありません。「米国が核戦争を始めようとしている」と世界に訴え始めました。トランプ大統領の「過激な国連演説」を逆手にとり、危機を訴えて反米包囲網を作る作戦です。

9月24日、最高人民会議は世界各国の国会に向けた書簡を発表しました。「最近、米大統領トランプの不法無道な妄言により朝鮮半島に核戦争の危険が刻一刻と迫っている」と主張しました。

—呼応する国はあるでしょうか。

鈴置:ロシアのラブロフ外相が9月24日、同国のテレビで「米国は絶対に北朝鮮を攻撃しない。核兵器を保有していることを確信しているためだ」と語りました。米星条旗紙のサイトで読めます。

核戦争になりかねない、と米国に自制を求めたのです。戦争になれば北朝鮮からロシアに難民がなだれ込むのは確実です。ロシアは北朝鮮の北東部の不凍港に利権も持っています。北朝鮮の宣伝がなくとも「軍事行動は止めよ」と米国に言い続けるでしょうが。

北朝鮮の宣伝に最も踊るのは韓国かもしれません。また「親北」の動きに出たのです。事実上の中立化宣言を発して米国から厳重注意を受けたばかりなのに(「韓国の無神経な『中立宣言』に米軍が怒った」参照)。

また裏切った韓国

—また、韓国がやらかしたのですか?

鈴置:9月21日、韓国統一部は北朝鮮への人道支援を正式に決めました。米国と日本が国連を舞台に北朝鮮と戦っている最中のことでした。

日米が「世界が力を合わせて北を圧迫する時に、いくら人道支援とはいえやめるべきだ」と繰り返し忠告したので最後には、援助の時期に関しては未定、と発表しました。しかし、対北包囲網を破ったことに変わりはありません。

人道支援を発表した9月21日、ニューヨークでの日米韓首脳会談で、文在寅大統領は北朝鮮への圧力を強めることに合意しました。その裏で韓国は北朝鮮にすり寄っていたのです。怒った米国は韓国の頭を小突きました。

(次回に続く)

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