敵国にアメを与えるようなことはしない方が良いでしょう。中国のWTO加盟は2001年の12月。ほぼ2002年から。それで2014年までのダンピング措置発動件数は759件とトップ。中国が如何に国際ルールを守らないかです。国際ルールに従わせようと思うのが無理。中華思想に凝り固まり、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観の持主ですから。「市場経済国」認定をすれば、中国はここぞとばかり過剰在庫を吐き出し、ダンピング輸出するに決まっています。各国の産業は持ちません。欧州はAIIBの時のように日米を裏切るのかどうかです。特に、英国(オズボーンがいる)、独(メルケルは中国に距離を置き出したと言われていますが)、フランス(ラガルドIMF 専務理事がいる)が危ないです。国営企業の多い中国を市場経済国とすれば、その定義をはっきりさせる必要があります。共産国が市場経済国となるのでは。
日銀のマイナス金利導入は株価底上げ効果があります。これは衆参同日選か時期をずらした衆院選が今年中にあるという事です。本記事に「日銀がマイナス金利の導入に踏み切ったきっかけは中国を起点とする新興国経済の減速懸念だ。」とあり、消費税増税も「中国発のショックを予防」するため再延期して自民党は選挙に臨むのではという気がしています。
『中国を「市場経済国」と認めるか 日米欧の足並み焦点』記事
中国を世界貿易機関(WTO)協定上の「市場経済国」と認定するかどうか――。この問題が今年の経済外交の焦点の一つに浮上してきた。
中国が2001年にWTOに加盟した際の議定書には各国が中国を「非市場経済国」と扱えるとした条項がある。この条項が今年12月に失効する。オーストラリアなど一部の国はすでに中国を市場経済国と認めているものの、日米欧やインドはその是非を個別に判断する。
ざっくり言うと、中国を市場経済国と認めると不当に安い価格で輸出しているとして反ダンピング(不当廉売)措置を発動しにくくなる。
日米に先がけて欧州では議論が熱を帯びている。
「中国に市場経済国の地位を」。昨年、欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会の法制局がこんな見解をまとめたと欧州メディアが報じた。
これに対し、欧州労働組合連合は「安い中国製品が大量に域内に流入し、製造業に深刻な影響を与えかねない」と反対の声明を発表。EU加盟国でもイタリアなどが慎重な立場とされる。
EUでは欧州委員会が法案を準備し、加盟国と欧州議会の承認を得る必要がある。欧州委の正式提案はまだだが、日米両政府の間では「いずれゴーサインを出す」との警戒感が強い。なぜか。
ブリュッセルのシンクタンク、欧州国際政治経済研究所のマキヤマ代表は「複数の欧州委員は中国から外交成果を引き出す好機とみている」と指摘する。中国に市場経済国の地位を与える見返りとして、EUの投資基金に中国マネーを呼び込む案があるという。
中国が自らを市場経済国と認定しなかった国を相手取って提訴する対抗策もとりざたされる。外交問題に発展する可能性もある。
焦点は日米欧の足並みがそろうかだが、欧州とは対照的に米国では中国に市場経済国の地位を与えようという議論はほぼゼロだ。為替操縦の有無など判断基準のハードルは高い。米大統領選を前に中国に融和姿勢を示しにくい背景もある。
既視感? 中国が欧米の間にくさびを打ち込むことができれば、参加と不参加で対応が割れたアジアインフラ投資銀行(AIIB)と同じ構図となる。だが、足元では中国製の鉄鋼製品の安値輸出問題が事態を複雑にしている。
過剰設備によってつくられた中国製品は世界中にあふれ、日米欧や新興国の鉄鋼メーカーを悩ましている。中国の不当廉売を抑えようと昨年12月には世界の鉄鋼団体が連名で「中国はいまなお非市場経済国」との統一見解をまとめた。米欧の団体もそろって加わり、対中国で共同戦線を組む。
さて日本はどう動くか。巨竜(中国)にアメを与えて日中関係改善に弾みをつけるか。それとも主要7カ国(G7)議長国として、日米欧が共同歩調をとるようEUに圧力をかけて粘るか。最終判断は首相官邸にゆだねられるだろう。
(編集委員 瀬能繁)
『中国減速リスク残る 緩和効果続かぬおそれも』記事
日銀がマイナス金利の導入に踏み切ったきっかけは中国を起点とする新興国経済の減速懸念だ。中国不安から円高・株安が進んだ市場の動揺に対応して異例の手を打った。ただ、日本の金融緩和が中国の景気を支えるわけではなく、緩和効果がいつまで続くかは不透明な面もある。
日銀は29日の金融政策決定会合で国内の景気判断は据え置きつつ、緩和を強化した。もっぱら海外経済の波及に備える金融政策の対応は珍しい。日銀内でも「中国発の市場の動揺に日銀の緩和で対処して効果があるのか」と疑念の声もあった。それでもマイナス金利の導入を決めたことで円安が株価を支える効果は期待できる。当面は市場心理の悪化を防ぎそうだ。
ただ、日本がマイナス金利になっても、中国景気への懸念は収まりづらい。中国は景気減速を防ぐため、緩やかな人民元安を目指すとみられている。日銀の緩和で円安が加速して人民元高を招けば、中国景気を減速させる恐れがある。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「過去数年の日銀の緩和による円安が、中国の輸出や消費を抑えた影響は大きい」と指摘する。
先にマイナス金利を導入した欧州中央銀行(ECB)は、3月の追加緩和を示唆しており、通貨安競争の色合いも帯びている。