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6/29渡部亮次郎メルマガ Andy Chang『迫った台湾の総統選挙』について

Andy Changも以前は選挙で台湾は独立できないようなことを言っていた(国民党の買収工作に本省人が引っかかるため)が、環境変化①中国の横暴な正体が目に見えるようになったこと②米国の中国に対する不信③馬総統の急な中国との統一路線驀進、が重なり合ったため、持論を変えたという所でしょう。今後米中が昔に戻ることはありません。疑いなく中国は米国の覇権に挑戦してきますので、衝突はどこかの時点で必ず起こります。時間の利益を中国に与えれば与えるほど、米国には不利になることを米国は理解しなければなりません。

米国が蔡英文を支援するのがはっきりしましたので、国民党は没落することは間違いないでしょう。今までは民進党が勝つと米国が支援してくれない不安があり、そうなれば中国が攻めてくるかもしれないと思って国民党に投票してきた部分があると思います。今後外省人は肩身の狭い思いをするようになっていくと思います。香港か欧米に移民するようになるかも知れません。その前に中国に軍事機密を売る輩が出ないとも限りませんが。外省人とはいえ、何せ元々中国人ですから。

台湾が中国に取られたら、南シナ海は中国の内海になります。九段線は間違いなく中国の実質的領海と同じ扱いになり、内海での他国の自由な航行はできなくなります。今まで出来てたことがなぜできなくなるのか中国には説明責任がありますが、中国人の常で「何千年前から中国のものだったのを今までは使わしてやっていた」という反論ぐらいしか返ってこないでしょう。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う世界ですので。「法の支配」とは無縁の世界、「法」とは為政者が勝手に被統治民を弾圧できる道具なだけです。台湾は目覚めつつありますが、日本を見ますと国会、特に野党、マスメデイア、沖縄県に危機意識が足りないのは「ゆでガエル」状態、現状認識が誤っているからです。日本国民も企業で働けば真剣に問題の解決について考えるのに、世界のことには頭が回らないのは残念です。

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来年1月に台湾の総統と立法委員(国会議員)の選挙が行われる。昨年11月の市町村選挙で国民党が大敗して以来、台湾人の本土意識が高まり、中国と共に台湾統一を推進していた国民党政権はすっかり落ち込んでしまった。

来年の総統選挙に勝ち目はないと言われ、国民党の候補者選びは難航したが、ようやく洪秀柱・立法院副議長に決まるらしい。民意調査では彼女は負けると言う。負けたら国民党は没落するだろう。

戦後70年、台湾の政治は一貫して国民党独裁、外省人の天下だったが来年の選挙で総統と国会が台湾人優勢となり、強力な台湾人政権が誕生するかもしれない。外国関係、米中関係の冷え込みと中国の経済衰退が台湾の選挙に大きく影響する。

  • 米台関係の変遷

これまでアメリカは一貫して「現状維持」を要求し、国民党を支持してきた。ところが馬英九が政権を取って統一路線を取りはじめ、中国の南シナ海の岩礁埋め立てなどでアメリカはようやく中国に強い警戒心を持ち、台湾の政治に対する態度が変わってきた。

アメリカが本気で警戒心を抱いたのは南シナ海ではなく、中国がアメリカに仕掛けた大規模なサイバー攻撃である。ホワイトハウスや国務省、国防省やほとんどの政府部門が中国のハッカー攻撃にやられた。しかもオバマは防御も反撃もできない。中国は最悪な敵であるという認識がオバマにはなかったのだ。

だから今年春の蔡英文の米国訪問は、ホワイトハウスや国務省で歓待を受け、TIMEマガジンが雑誌の表面に出して蔡英文特集を組んで、米国が台湾人政党を支持する気配が出てきた。

米国の国際戦略が大きく修正されたのだ。2012年の台湾総統選挙ではダグラス・パールを派遣して投票2日前に馬英九支持を発表したアメリカは、あの時から4年後に蔡英文を支持する政策に切り替えたのだ。

米国の「現状維持」政策とは動乱が起きない穏やかな変遷を続けることだ。だから間違った政策はなかなか改善されない。戦後からこれまでアメリカは蒋介石の反共を支持してきた。

やがて反共から台湾海峡の平和維持に変わった。台湾は第一列島線の中央に位置し、中国が台湾を併呑すれば米国はアジアの覇権を失い、中国の太平洋進出を防ぐことができなくなる。

このため米国は台湾の国民党政権を支持してきたが、やがて2009年に馬英九が中国接近をはじめた。

オバマは中台関係に姑息な態度を取り、2012年の総統選挙ではダグラス・パールが蔡英文不支持を表明したのだ。

そして去年のヒマワリ運動と11月の市町村選挙で国民党が大敗し、台湾人の反中国、反統一が明確になって、アメリカは国民党を捨てて台湾人政党支持に切り替えた。米国の国際戦略が、反共→中華民国断交→国民党支持→台湾人政党支持と変化しているのがわかる。

  • 中台関係の変遷

このような国際情勢の変遷で、台湾の中華民国政権も蒋介石の反攻大陸から反共、李登輝の特殊な二国関係、陳水扁の台湾中国一辺一国、馬英九の中国接近統一路線に変った。そして米国はこれまでの国民党支持から台湾本土路線に賛同したとみられる。これが本当なら台湾人は大歓迎である。

米国は中国の台湾併呑に反対だが中華民国が台湾にある限りは併呑されないと思っていた。だから中華民国を認めていたが情勢がだんだんと変わり、1978年に中華民国と断交した。この時に台湾をどうするかという問題が起き、米国国会は「台湾関係法」を制定した。

台湾関係法の第15条には、米国は中華民国を認めないから、今後の米台関係において、「台湾(TAIWAN)とは台湾統治当局」と定義し、台湾当局が中華民国政権の続行でも、中華民国政権に代わる新政権が出来ても支持すると定義した。

つまり米国の台湾政策は、蒋介石支持から中華民国支持に変わり、中華民国と断交して「台湾当局」と名称を変えた国民党支持となり、国民党政権から台湾人政権になっても一貫して「台湾の存在」を支持するようになっている。

  • 台湾内部の変遷

終戦から70年たった。台湾は終戦後まもなく蒋介石が大陸から追い出されて台湾で中華民国を維持してきた。アメリカは反共の立場から中華民国を支持したが、中華民国は中国人の外来政権である。中華民国は外省人の貴族階級が台湾人を統治する独裁である。

人種差別とは中華民族の特徴と言える。中国人と台湾人は違う。だから少数の中国人が多数の台湾人に同化することはない。中国人は台湾統一を主張する、だが台湾人は中国に併呑されることを拒否し独立を主張する。中国は台湾併呑で太平洋に進出したい。アメリカは中国の野心を知りながら台湾独立を援助せず現状維持である。

台湾独立は台湾人政権を樹立すること、台湾人の夢である。だがその方法論にいろいろな違いがある。大まかに言って二つのグループ、現行の中華民国体制を修正して正名制憲で台湾国を樹立する「体制内派」と、中華民国体制を打倒して台湾政権を樹立する「体制外派」だが、双方の派閥の中にもいろいろ違った方法論があり、相互批判や攻撃でなかなか合作する気配がない。

  • 台湾人の夢

台湾独立運動はすでに40年以上の歴史があるが、少しも進展していない。理由は簡単、中国も米国も台湾独立を支持しないからだ。陳水扁が総統になった時、アメリカは陳水扁に「四歩一没有(独立せず、国名変更せず、両国論で憲法改正せず、統一、独立を公民投票にせず、など)」を押し付けて独立意識をシャットアウトした。つまり米国はこれまで台湾独立を拒否してきたのである。

このため独立運動は進展していなかった。体制内派(修正派)も体制外派(革命派)も米国の支持を得られなかったのである。もちろん中国は初めから独立に反対だから、どんな理論、方法論でも中米両国が反対すれば独立出来るはずがない。

米国の国際戦略が変化の兆しを見せたので、来年の選挙で台湾人総統と国会で台湾人多数となれば台湾の政治に大変化が起きる。もちろん数年で台湾独立を実現することはない。米国が反対せず、中国の衰退、米中関係の悪化が独立に有利な展開となる。

一部の体制外派の人たちは選挙に勝っても中華民国体制は変わらないと悲観的な主張をしている。ある人は投票に行くなと言い、あまつさえ蔡英文批判をするが、こんな言論は国民党を援助するだけ、国民党が勝てばもっと悲惨である。

選挙も一法、革命も一法、台湾のためになるなら構わない。米国の国際戦略の変化が台湾独立に有利となるなら選挙で政権を取るのも応援すべきである。

6/28産経ニュース 古森義久『「異様な反日」韓国の強迫観念』について

今までのアメリカの第一の敵は日本だったのでしょう。でなければ日本にこんなに基地を置くこともない。「瓶の蓋」論です。だから、中国とグルになって日本を攻撃してきた韓国も「いわゆる慰安婦問題」でも黙認と言う支援をしてきたわけです。ここにきて中国がハッキリ米国と敵対する姿勢を見せるにつれ、本当の第一の敵は日本でなく、中国と言うことがやっと分かりつつあるという所です。愚かと言えば愚かですが。

韓国はその第一の子分というのも分かってきたから、軌道修正し日本が真の同盟国の地位に移りつつあるという所でしょうか。ただ米国は日本の歴史の見直しを進めることは嫌がるでしょう。それはそうです。不都合な真実が世界に知れ渡りますので。日本も真の敵は誰か良く分からないと。第二次大戦はABCD包囲網まで敷かれ、勝てない戦争をしてしまいました。真の敵は中国と朝鮮半島と言うのが少しずつ国民にも分かってきていると思います。世界に日本を道徳的に貶めるプロパガンダをしているのですから間違いなく敵国です。戦争しなく、かつまた付き合うこともしないことが理想です。金を毟られるだけですから。

米国は傲慢・横柄でありますが、世界の警察官です。オバマは放棄したと言いましたが、多分次の大統領は復活させるでしょう。ただ予算の制約があるので、多国間にその責務を負って貰いたいという所です。集団的自衛権なんて当たり前。民主党・共産党・社民党は中国が南シナ海、東シナ海でやってることをどうしたら防げるのか、集団的自衛権に反対するならその説明をすべき。国民もこんな無責任政党に投票すべきではないと思います。

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韓国が日本への軟化をみせ始めた。この動きは明らかに米国の対韓姿勢の変化を大きな要因としている。オバマ政権内外で韓国の反日ぶりをあまりに理不尽とする認識が広がってきたのだ。その有力な例証の一つは韓国官民の反日傾向を病理的な「強迫観念(オブセッション)」とまで分析した米国人学者の最近の論文である。

ワシントンのアジア政策関係者たちがいま注視するこの論文は「なぜ韓国はここまで日本に妄念を抱くのか」とのタイトルで、東アジアの政治や歴史を専門とするロバート・ケリー氏により書かれた。

「ディプロマッ ト」というアジア外交問題雑誌に今月載り、米国側専門家のネット論壇で もすぐに紹介されて、一気に熱い反響を生んだ。

米国オハイオ州立大学で政治学の博士号を得たケリー氏は現在は韓国の釜山国立大学准教授を務める。

ケリー氏は同論文で近年の韓国暮らしの体験からまず「韓国で少しでも生活すれば、韓国全体が日本に対し異様なほど否定的な執着を抱いていることが誰の目にも明白となる」と書き出し、「異様な反日」の実例として 韓国の子供たちの旧日本兵狙撃遊びから日本軍国主義復活論や米国内での 慰安婦像建設ロビー工作までを指摘する。

そのうえで同氏はこれほどの官民一体の日本たたきは70年前までの歴史だけが原因だとは思えないとして以下の骨子の説明と分析を述べていた。

「韓国の反日は単なる感情や政治を超えて、民族や国家のアイデンティティー(自己認識)の自分中心の探求に近い」

「だが民族の純粋性を強調することでは北朝鮮には劣ってしまい、国家の民主主義を強調するには人的コネや汚職が多すぎる」

「だから日本を悪と位置づけ、たたき続けることが韓国の民族の純粋性のレジティマシー(正当性)誇示の絶好の方法となる」

「韓国の国家や民族の正当性の主張は韓国の存在自体を否定する北朝鮮に向けられるべきなのに、日本たたきを代替の安易な解決法としているのだ」

日本の政治家や学者が同じことを述べたら大変な事態となるだろう。だが米国側でのいまの議論ではこうした分析への賛同が明らかに増えている。

ケリー氏自身がこの5月には「日本の『韓国疲れ』がついに米国でも広まり始めた」という論文を発表したほどなのだ。「韓国疲れ」とは「韓国の文句にはもううんざり」との現象を指す。

事実、オバマ政権のウェンディ・シャーマン国務次官は最近の訪韓で歴史問題について韓国に注文をつけ、韓国側の反発をかった。ブッシュ前政権の国家安全保障会議でアジアや韓国を担当したビクター・チャ氏やマイケル・グリーン氏も最近は韓国の対日姿勢への批判をにじませるようになった。

さらに興味深いのは慰安婦問題で日本を長年、たたいてきたコネティカット大学のアレクシス・ダデン教授が韓国政府高官に「朴槿恵(パク・クネ)大統領の訪米では日本に触れないことをワシントンも望んでいる」と助言したとの報道だ。

日韓関係の真実がやっと米国でも知られてきたということだろうか。

6/29大礒正美メルマガ 『中華のうそに染まった新覇権国ドイツ』について

国は「うそ」「大嘘」「統計」どれも言うことが当てはまります。「騙す方が賢い」のですから、何でも言ったもん勝ちです。世界に嘘を発信、信じ込ませたら賢い人間となる訳です。外務省がキチンと反論してこなかったことが一番悪いのですが。政治家が外務省を指導してやらせるべきなのに、逆に中国からハニーや金で動かされて来た政治家が一杯いますので望むべくもない。でもそういう政治家を選んで来たのは国民ですから。「親中派」とか「親韓派」と呼ばれる政治家には党派に関係なく投票しないことです。そうしないと敵にやられっ放しになります。

敵は一党独裁、専制国家です。国民の意向を気にすることなく戦争だってできます。民主主義は時間がかかるし、「社会の木鐸」とか自称しているマスメデイアは左翼思想に凝り固まって正しい報道をしていません。「沖縄タイムズ」「琉球新報」は潰れた方が良いと思いますが、強制ではなく、購読者が読まなくなればいいのです。読んでいるから増長して嘘の報道も流すのです。中国共産党とやり口はそっくり。辺野古移転に反対しているのは基地の賃貸料が入らなくなるからと言われ、金秀グループが翁長を支援しているのも癒着で甘い汁を吸おうとしているためです。沖縄県民はもっと中国に対して危険性を認識した方が良い。翁長のような人間を知事に選んでるという事は、沖縄を中国に売り渡す行為と同義語だと言うのに気が付かないと。

記事

 マーク・トウェーンが紹介して広まった「嘘には3種類ある」というジョークが知られている。「うそ」「大うそ」、「そして統計」というオチがつく。

 またよく知られた迷言に、「どんなうそでも繰り返せば人は信じる」というのもある。これはナチスの宣伝相ゲッベルスだ。

 いわゆる南京事件(英語ではマサカー=大虐殺)は、大うその典型だが、事件直後から執拗に繰り返されて人は信じてしまい、いまでは世界的に歴史的事実だと思われている。

 日本政府はいつもの伝で、全面的反論を避け、「民間人や捕虜の犠牲はあったことを否定できない」と言い訳するのみである。

 戦闘に不可避の「コラテラル・ダメージ」(まきぞえ)と言いたいのだが、そう言わないので攻撃する側に易々とすり替えられ、核心部分の「30万人以上」という大うそを「日本も認めている」と宣伝されてしまう。

 いわゆる慰安婦問題は、得体の知れない日本人の小さな嘘(ホラ話)が大うそに成長したものだが、これも同じように安倍総理の釈明が、都合のいいところだけコピペされて使われることになった。

 訪米を成功させようとして、米国向けに「人身売買」と用語を変えたため、以後は「安倍総理もとうとう強制性を認めるに至った日本軍性奴隷」、というように枕ことばにまでなっている。

 ブッシュ政権のときホワイトハウスの中枢にいたビクター・チャ元国家安全保障会議日本・朝鮮部長が、読売紙上で重要な認識を述べている(6/22)。

 <歴史問題で「日本を袋だたきにしよう」と狙う動きは、ほとんど中国から始まっている。韓国が中国と組めば、ゆっくりと「中国の属領」という地位に落ちていく。>

 これほど「分かっている」専門家がいるのに、オバマ政権も大手メディアも、歴史家と称する面々も、中韓の大うそを事実として日本に譲歩を迫ってきた。

 特に朴クネ大統領の中国すり寄りが目立つが、実際には文民政権初代の金泳三大統領から左派の金大中、盧武鉉、と代を追うごとに親中反日のギアを上げてきた。

 そして中道実務路線に戻したはずの前大統領李明博が、退任の置き土産に「初の竹島上陸」と「天皇陛下侮辱発言」で、反日扇動のトップギアに入れたと言える。

 すでに20年以上をかけて、「ゆっくり」から急速に「中国の属領」になったことは間違いない。これからではなく、現在完了である。

 読売・韓国日報による共同世論調査(5月実施)で、中国との関係が良好だと思う韓国民は76%に上る(日本では13%)。 同じ調査で、「軍事的脅威を感じている国」として韓国ではトップに北朝鮮(78%)、次いで日本が迫り(61%)、中国は43%と下がる(複数回答)。

 この辺の数字は「さもありなん」という感じだが、中韓が国策としてうそ宣伝外交を繰り広げた効果が、西欧における日本の評価に現れてきたことは、極めて重要だ。

 当コラムでも取りあげてきた英国BBCの世界好感度調査で、日本とドイツが好感度(世界に好影響を与えると評価される割合)のトップを争ってきたが、2012年版で日本が1位となったあと、翌年から一気に4位、さらに5位と続けて下がり、ドイツが1位に定着した。

 その下げの要因は、欧州連合(EU)の日本評価平均が下がり、なかでもドイツだけが日本に対して12年版の大幅プラス(好影響58%/悪影響29%)から、一気に大幅マイナス(28/46)に逆転し、14年版も全く同じ数字を続けていることだ。

 つまり、ドイツが日本叩きを主導して、自らが1位を奪還した形だ。

 日本はドイツに対して何もマイナスになるようなことをした覚えはないのに、この激変は何を意味しているのだろうか。

 考えられるのは、中韓の宣伝工作がドイツで成功しているということである。東ドイツ出身のメルケル首相は毎年のように中国を訪問しているが、日本へは今年3月、7年ぶりにやっと2回目の訪問となった。それも1日足らずの駆け足で、主要国サミット主催の事前挨拶のためだった。

 BBC調査の結果を見る限り、中国が意図的にドイツのメディアを標的にして、日本に対する悪感情を国民に植えつける工作を、集中的に行ったのではないかと推察できよう。

 日本が警戒しなければならないのは、ドイツが今や「EUの盟主」と言われ、地域経済の枠を超えて対ロシア、対イランなどの政治・安全保障問題でも、主導権を取っている事実である。

  経済大国がいつの間にかフランスを凌ぐ政治大国になったわけで、一部の研究者は、ドイツがかつて夢見た欧州帝国をメルケルが事実上実現した、と評しているほどだ。

 そうするとアジア大陸の東と西に、新たな覇権国が登場したことになる。これも、すでに現在完了と言わねばならない。

 2つの新覇権国家と日米の地盤沈下は、文字通りシーソーのように見えるだろう。中国は国内総生産(GDP)で日本を追い抜き、世界第2の経済大国にのし上がったが、「このままいけば」確実に米国を抜いて、世界一の経済大国になるはずだ。

 それよりずっと前に、韓国の1人あたり国民所得が日本を追い越すという統計もある。韓国の自信過剰にこういう数字が根拠を与えている。

 予想は逆から読むと「うそよ」となるが、そう笑って受け流すだけでは済まない。中国の南シナ海における岩礁埋め立てを見て、オバマ政権もようやく目が覚めたように見える。が、実際に何ができるか、実効を伴う対策をとれる余地はほとんどない。

 中国が英独仏などの西欧主要国をも引き寄せた「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)は、得意の「大うそ」と「統計」を掛け合わせた新種だが、それでも大コケするまでに事実上の「大中華共栄圏」が成立してしまうかもしれない。

 日本と米国は、それを防ぐことに最大の知恵を絞る必要があろう。いままでの「うそに弱い日米」を自覚した上で、下降トレンドの統計数字を逆転させることを共通の目標にするべきである。

6/25号 週刊新潮 櫻井よしこ 『国際政治と安保に疎い“長老”たちの罪』 記事について

オバマの無能と日本人の似非リーダー共に国策を誤らせてきたと言ったところでしょう。ここに挙げられている河野洋平を筆頭に皆売国奴です。こんな輩がリーダーとして評価されて来た訳ですから嘆かわしいというかお笑いものです。どうして彼らを選挙で通してきたのか?ここが根本問題です。民主的な選挙のない中国と違い、日本は1989年には制限選挙ではありますが、選挙権が与えられました。老人の投票率が高いのと、情報弱者である彼らの選ぶ判断基準がTV・新聞・雑誌の情報に偏っているからです。若い人はネットを使っていますが如何せん政治に無関心です。18歳まで投票権を拡大してもどの程度投票へ行くかです。また日教組の先生たちの刷り込みをそのまま信じてしまうと、今の団塊の世代のように脳が赤く染まってしまうかも知れません。共産主義の理想何て現実の中国を見れば一発で嘘と分かるのに。あんな人権抑圧国家はないし、平気で嘘をつき賄賂社会という事にすぐ気づくでしょう。旅行だけではダメです。まともな政治が行われるためにはまともな政治家を選ばないとダメです。ネットを活用して情報を多く取って判断しましょう。「機密情報の98%は公開情報から得られる」と言われていますので。

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河野洋平、村山富市両氏をはじめ、山崎拓、武村正義、藤井裕久、亀井静香各氏が日本記者クラブで会見し、気勢をあげた。

財政問題では筋の通った主張を展開し、尊敬を抱いていた藤井氏も含めて、この人たちは安全保障問題になると全員が思考停止に陥るのか。

国の基盤は経済力と軍事力である。如何なる国もその2つの力の上に立って、政治を行い、外交を行う。これが常識である。にも拘らず、日本には金輪際、安全保障上の自立や一人立ちは許さないというGHQによる統治と、その落とし子としての日本国憲法を厳守せよと、この人たちは言い張る。彼らこそ、日本がまともな国になるのを阻止し続け、日本弱体化をはかる人々だ。

河野氏は安倍晋三首相の平和安全保障法制を批判する前に、自身の歴史問題発言の間違いを国民に釈明し、詫びるべきだ。

慰安婦の強制連行を世界に言明した1993年8月の記者会見での発言について、氏は批判的なメディアの取材には応じない。決して反論されない場に限って出席して自己主張を展開し、「私は安倍政権に本当に怒っている」などと言う。しかし、「本当に怒っている」のは国民であり、怒りの対象が自分であることを、河野氏は認識すべきだ。

村山氏は、安保法制のような大事な問題について、安倍政権はもっと議論すべきだと強調したが、私は反射的に氏の独裁専制振りを思い出す。

社会党党首として、自衛隊は違憲だと唱えていた村山氏が、河野氏らと組んで政権を奪取し、首相の地位を得た。首相になった村山氏は自衛隊合憲論へと身を翻したが、その時点で全国の社会党支持者に対して十分な説明や時間をかけた議論をしたのか。

モーニング姿に正装し自衛隊の観閲式などで、立派に職務を果たせと訓示したが、そのときも、社会党支持者らに十分説明したのか。

私は社会党や氏が支持者に対して十分説明したという話を寡聞にして聞かないが、少なくとも村山氏の変節がここで止まっていれば、まだ国民は救われる。しかし、氏の節操のなさには続きがあった。1年半で首相を退き、社民党党首に就いたら、氏はまたもや自衛隊はやはり違憲だと言い出した。

軍事力への忌避感

現在の社民党に繋がる日本社会党には、それなりの長い歴史と熱心な支持者が存在した。その支持者に、国の安全保障の最重要点である自衛隊と憲法の関係について、違憲から合憲へ、再び違憲へと変転し続けたことについて村山氏は一体どれ程説明したのか。

納得してもらえる議論は殆どしていないはずだ。であれば、氏は安倍首相批判などをする前に、自身の軌跡をふりかえり、独裁専制君主のような方針転換に心からの反省を示すべきだ。

“長老議員”たちは、彼らが憲法を守れと主張している間に、世界がどう変化し、それがなぜ起きたのか、考えたことがあるだろうか。

誰の目にも明らかなように、アメリカは中東、ヨーロッパ、アジア、世界各地域で影響力を低下させている。対照的に、中国は軍事的膨張を続けている。

このような変化のきっかけが中東での混乱だった。拙著『日本の敵』で詳述したが、中東でテロリスト勢力が跋扈し始めた原因は、オバマ大統領が国際政治における軍事力の意味を理解しようとせず、介入に躊躇したからである。

2010年12月、チュニジアで民主化運動が発生し、瞬く間にエジプト、リビアへと広がった。当時イラクは米軍の駐留と支援で安定を保ちながら自由選挙を行い、シーア派、スンニ派、クルド人の3勢力による政権誕生に、兎にも角にも漕ぎつけていた。

3勢力の協力関係が実現したとはいえ、イラクは危ういバランスの上にあった。にも拘らず、オバマ大統領は公約に従って11年末までにイラクからの米軍撤退を完了させた。

イラク、アフガン戦争からの撤兵を公約して大統領となったことにも見られるように、オバマ氏は歴代大統領の中で、軍事力行使に対して恐らく最も強い忌避感を抱く大統領だ。

13年9月10日、大統領はシリア問題に関連して、アメリカは世界の警察ではなく武力介入は行わないと演説した。ただでさえ難しいイラクの政権運営は不安定さを増し、マリキ首相率いる政府は少数派のスンニ派住民やクルド人への目配りが行き届かず、結果としてシーア派以外は退けられた。

マリキ政権下のイラクが直面するこうした一連の問題に、オバマ大統領は積極的に関わろうとしなかった。混乱と不満が拡大していく中で過激派が力をつけ、「イスラム国」勢力を生み出し、中東をより深い混迷に陥らせたのである。中東における混乱の主原因はオバマ大統領の無策だったのである。

日本国民の命と領土を守る力

南シナ海で中国が埋め立てを加速させたのは、この1年半、つまり、14年以降である。プーチン大統領がウクライナからクリミア半島を奪ったのが、オバマ 大統領の「アメリカは世界の警察ではない」という宣言から半年後だっ た。中国とロシアを国際法無視の蛮行に走らせたのも、オバマ大統領の武 力不介入宣言だったのである。

国家にとっての最重要の責務は、国民の命を守り、国土、領海を守り、民族が民族らしい生き方を追求する自由を守ることだ。如何なる国家にとっても、その責務は基本的に自力で担うものだ。

だが、日本には国民を守るに足る十分な自力が備わっていない。現行憲法はそのようなことを禁ずる精神で作られており、だからこそ、戦後ずっと、アメリカが日本を守る形が整えられてきた。

しかし、今、アメリカが自分たちは世界の警察ではないと言っているのだ。この状況下で日本国民の命と領土を守る力を、日本国自身が身につけなければならないのは明らかだ。それを達成しようとしているのが、いま国会で議論されている安保法制である。

前出の“長老”たちは烈しく安保法制に反対したが、仮に一連の法改正がこの国会でなされなかったとすると、どういうことになるのか。それは中国に大いなる誤解を与えるだろう。しっかり自分たちを守るという日本人自身の気概が十分ではなく、実力も大したことはないと判断されれば、そのときが一番危うい。

危険な国に対しては、十分な抑止力で行動を起こさせないことが最善の防衛力につながる。こちら側に十分な力と意志があるのを見せることだ。それをしなかったために、オバマ大統領は中東のみならず世界中に混乱をひきおこした。

前述の“長老議員”らには、日本のやる気の無さが、オバマ大統領のやる気の無さと同様の構図で中国の対日侵略を招いた場合、政治家としてどう責任をとるのかを問いたいものだ。

6/29号『TIME』アジア版(蔡英文特集)日本李登輝友の会台北事務所翻訳記事について

外省人のメデイアである「中国時報」は洪秀柱が出馬候補になった途端、洪をヨイショ、蔡英文をくさす記事を載せていました。馬英九よりも統一派だからで、さすが中国人、分かり易い。アメリカもやっと国民党が中国人の政党と言うのに気付いてきたというところでしょうか。中国がアメリカの覇権に挑戦しようというのに、中国との統一派が実権を握ったら困るでしょう。

だからと言って露骨に独立を言って中国の武力介入もアメリカとしては避けたい。選挙で選ばれた政体が漸進的に実質的に憲法改正をしていけば良いと思います。中国は香港の行政長官の選挙でも約束を反故にしています。心ある香港人は台湾に移住するかも知れません。中共のスパイになる危険性もありますが。

中共は外省人経営のメデイアを使って、蔡英文の誹謗・中傷記事を書かせるかもしれません。また、大陸に居る台湾ビジネスマン100万人に帰省旅費を渡し、国民党に投票させるでしょう。これは間違いありません。でも総統選では洪秀柱と比べ、蔡英文の知名度が高いので勝つでしょう。同日行われる、立法委員選挙で勝たないとレイムダックになります。民進党はこちらにも力を入れないと。

記事

民進党の総統候補、蔡英文主席が、米誌『TIME』アジア版(6月29日号)の表紙を飾っている。

同誌は巻頭記事として同誌は巻頭記事として「中華圏唯一の民主主義を率いるのは彼女か。それが中国にとって頭の痛いところだ」と題する密着記事も掲載、その素顔に触れた。

本会台北事務所では日台関係に関心を寄せる本会会員の参考に供するため、大意の日本語訳を行った。なお、原文は、民進党によって各台湾メディアに提供され、全文が公開されている。

「中華圏唯一の民主主義を率いるのは彼女か。それが中国にとって頭の痛いところだ。台湾次期総統候補、蔡英文かく語りき。有権者の支持は?」

 蔡英文の朝食。彼女はフライパンにベーコンとともに卵を5個落とし、厚めに切ったトーストに載せていく。英国の名シェフ、ジェイミー・オリヴァーのレシピだが、蔡英文は言わずにはいられないとばかりに「食材は全て台湾産」と言う。ベーコンは彼女の自宅に近い「幸福豚」農場で購入したし、トーストも近所のパン屋から。蔡英文は記者にオレンジを手渡しながら英語で言った。「すべてオーガニック、そして台湾の食材よ」。

 とはいえ、これが58歳の彼女の毎日の平均的な朝食というわけではない。ほぼ毎日、一杯のコーヒーを片手に迎えの車に乗るのが常であり、それが彼女のスタイルでもある。台北育ちで英米留学、博士論文は国際貿易法をテーマとした。大陸委員会主任委員、民進党主席、総統候補(2012年の総統選挙では、僅差で馬英九に敗れた)と歩んできた彼女には、コーヒー片手に貿易保護政策を語るような学者出身というイメージが定着している。

 目下、来年の総統選挙の大本命とされる彼女の未来像は自信に溢れ、台湾を利益の核心として強調することにいささかの躊躇いもない。彼女は「両岸関係は現状維持」と明言し、台湾の運命は未来にその決定を委ねると言う。

 ただ、彼女のビジョンでは台湾の経済、国家の発展、文化が最優先だ。馬英九政権が中国との貿易や観光を推進した際(台湾の輸出先は中国が40%を占めている)、蔡英文は、中国への依存を軽減するには、よりグローバルな繋がりを模索し、台湾ブランドを確立させるべきだと批判した。彼女は記者に言う。「経済には新しい台湾モデルが必要なのです」。

 彼女が有権者の支持を得るカギは、台北だけを見ていてはわからない。台湾は国土が小さく、人口は2300万足らず。とはいえ、電子産業、農業、観光業を基幹とする台湾経済のGDPは世界でも20位台にランキングされている。一人あたりのGDPは実に中国の三倍である。

 台湾は1894年から95年にかけての日清戦争によって清朝から割譲され、半世紀にわたって日本の植民統治を受けた。その後、国共内戦に敗れて敗走してきた国民党による統治を受けることになる。台湾は長期にわたり、この地域で将棋の駒のような役回りを引き受けてきたのだ。米国の東アジア政策では、台湾、日本、韓国、フィリピンが要であるが、より重要なのは台湾が中華圏における唯一かつ本物の民主主義を有していることにある。作家であり、前文化部長(文化庁長官に相当)の龍應台は言う。「台湾の経験があるからこそ、世界は中国が変われるのでは、と期待できるのだ」。

 台湾の政治は時に中国を怒らせ、苛立たせる。中国共産党は、台湾は中国の失われた領土の一部と主張する。台湾の存在は、仮に中国共産党がチベットは新疆ウイグル、香港への締め付けを緩めれば、これらの地域も台湾のようになるぞ、と示唆するものである。

 中国が何より憂いているのは、親中の馬英九率いる国民党政権から、中国に懐疑的な蔡英文の民進党へ政権交代が起きる可能性が大きいことだ。2012年の総統選挙では、中国は直接の名指しはせずとも、明らかに蔡英文を指して「トラブルメーカー」「分裂主義者」と大きく非難した。これらのフレーズは、共産党においては、ダライ・ラマ級の人物を非難する最高レベルである。上海交通大学国際公共関係学院で台湾研究が専門の林岡は「民進党=両岸関係が不確実になるということだ」と述べる。

 米国は、台湾関係法に則り、仮に台湾が武力攻撃を受けた場合、台湾を防衛する義務がある。台湾は米国にとって正式な同盟国ではないものの、長期にわたる友邦であるが、その友好関係の強さが中国の発展によって試されている。米国は正直なところ、台湾の、特に若者たちが中国への警戒心を高めていくことに頭を痛めている。台湾と中国が衝突することになれば、自ずと米国も巻き込まれることになるからだ。

 『台湾はなぜ重要か(Why Taiwan Matters)』の著書がある米ノースカロライナ州デビッドソン・カレッジのシェリー・リガー教授曰く「今回の選挙では、民意が変わってきたことを反映して、あらゆる変化が具体化されることになるだろう。両岸関係はもはや楽観視できる方向ではなく、米国が希望しない方向に流れるだろう」。

 まだ正式な指名ではないものの、国民党の総統候補者は恐らく洪秀柱・立法院副院長(67歳)になると目されている。小柄ながら勝ち気な性格のため「小とうがらし」と呼ばれる彼女が、党の指名を受ければ、学者の雰囲気を漂わせる蔡英文とは対極的な存在になるだろう。

 洪秀柱は記者に対し「蔡英文が強力な相手だとは思わない」と言っている。しかし蔡英文はすでに意気軒昂で台湾各地で選挙活動を展開している。蔡英文曰く「私のことを保守的だという人もいます。でも実際は結構冒険好きなんですよ」。彼女には間違いなくユーモアのセンスがある。記者が彼女の料理の腕前を褒めたときも、怒ったふりをして言った。「私は博士号持ってるのよ」

 蔡英文は台北の中山北路で育った。この街は、革命によって清朝を倒し、国民党を創設したことで国父として崇められる孫文の名を冠したものだ。蔡英文の父親は車の修理工で、後に土地開発の分野に転じた。父親は儒家思想を強く持ち、蔡英文の学問を後押ししたが、一方で末っ子の彼女を手元においておきたいという希望もあったようだ。彼女も「子供の頃、私は決して未来を嘱望されていたわけではないと思う」と話している。

 台湾大学を卒業すると、彼女は米コーネル大学で法律を学ぶ。彼女によると、ここは「革命的な生活」を夢見た若い娘たちが行くべき場所だという。その後、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで3年を経ずして法学博士を取得、父親はひどく喜んだという。父の希望もあり、台湾に戻った彼女は大学で教鞭をとった後、1994年に政治の世界に入り、公正取引委員会、国家安全局、大陸委員会など、政府の政策を主導する重要なポストを歴任する。

 蔡英文を近くで見てきた人々、特に民進党の人間は、彼女のことを政治家らしくないと言う。現在は野党の民進党は、台湾の民主化運動の過程で結成され、民主化運動の闘士たちが多く携わった。こうした民主化運動のほとんどに、蔡英文は関わっていない。

 1979年、高雄での美麗島事件が発生、人権デモに参加した人々を警察が暴力で解散させたことが、民主化運動の激化を招いたとされる。この時、蔡英文は海外留学中で、象牙の塔の庇護を受けていた。徒手空拳で街頭デモに参加する闘士が典型的な民進党員だとするならば、蔡英文は抑制的かつ精密なオリンピックレベルのフェンシング選手といえるだろう。

 2008年に民進党が政権を手放し、陳水扁総統が汚職によって起訴されると、蔡英文は火中の栗を拾うがごとく、民進党主席の座についた。政治というものへの理解が小さくなかった彼女であったが、それでもなお彼女は指導者らしくなかった。長いこと彼女の同僚であり友人であった立法委員の蕭美琴は「以前、選挙運動で戸別訪問した時も、彼女は私の後ろに立っていた。一部の人たちは彼女を森に迷い込んで狼に囲まれたウサギだ、狼は党内にも党外にもいる、と評している」と話す。

 2010年、蔡英文は市長選に出馬して敗れ、2012年の総統選挙でも勝つことは出来なかった。民進党のスピーチライター劉建忻によると、選挙運動では蔡英文の「売り込み」が足りなかったのだという。理想は非常に強いのに、実際にそれを実行する時になると、彼女と有権者の間には距離ができてしまう。皮肉なことに、敗戦のスピーチの段になってやっと、彼女と有権者の間の感情の一体感が生まれたという。蔡英文は涙ぐむ支持者たちに言った。「泣いてください。でも、がっかりはしないでください」。

 2012年以降、台湾は大きく変化した。朝食の卵を焼いてから11時間後、政策会議に出席した蔡英文は台湾新幹線で南部へ。民進党の牙城高雄に着くと、高雄港を視察した後、数百人の大学生を前に講演。リラックスしたスタイルで民進党の経済政策を語り、地域間の連携を強化することで小型経済を創出する政策への支持を求めた。彼女が学生たちに「台北でヒマワリ運動に参加した人、手を挙げて」と聞くと、3分の1の学生の手が挙がった。

 台湾の学生は一時期、非常にドライだと思われていた。しかし昨年春、台北は中国とのサービス貿易協定締結に抗議する数千の学生で埋まった。学生や市民団体は、この協定が台湾経済に打撃を与え、中国の圧力で台湾経済がよりいっそう脆弱になることを危惧したのだ。また、学生たちはサービス貿易協定が社会の正当な審判を全く受けていないと考えている。ヒマワリ運動は不満が累積した民間から発生した運動で、3月18日に立法院に突入したことを発端とした。運動の名称は、ある花屋から贈られた大量のヒマワリに由来する。

 この運動の主眼は社会正義である。2008年、国民党が政権を取り戻すと、21もの両岸貿易協定を締結、馬英九は両岸のビジネス往来こそが台湾を豊かにするカギだと主張した。しかし、若者たちはこの主張に懐疑的だ。この協定は両岸の大企業を潤すのみで、中国の宥和政策は決して台湾の若者たちを潤すものではなく、むしろ不動産価格は高騰し、賃金は上昇せず、就業機会もすべて中国に流れていくとにらんでいる。昨年3月30日、総統府を取り巻いた抗議活動では、ある標語が社会全体の思いを体現していた。「台湾は一つだけ。売り払ったらもうおしまい!」

 マクロ的な経済指標だけにとらわれず、生活の質を重視する台湾社会は蔡英文にとって有利だ。彼女の希望としては、経済的に独立した台湾を打ち立てたいと考えている。こうした理念は、2012年の時点では有権者の心を捉えられなかったが、現在では強い吸引力を持っている。国民党はヒマワリ運動によって重傷を負い、昨年秋の統一地方選挙では有権者によって再びお灸をすえられており、目下、国民党は大衆に迎合した党の再編に躍起になっている。

 国民党のシンクタンクである「国家政策基金会」で副董事長を務める、元外交部長の楊進添は「国民党は両岸関係の立場を堅持する」と言う。ただ、敬虔な党員である楊進添でさえも、公平という問題の解決を示唆する。つまり「両岸関係の利益は、全国民によって享受されるべきだ」と言うのだ。

 蔡英文が、伝統的な民進党支持者からの支持を取り付けるのは簡単だ。南部の有権者、若者票、台湾人アイデンティティを持つ有権者たちだ。しかし、民進党は大企業との繋がりが薄い。というのも、台湾企業は中国に大規模投資を行っており、その多くが国民党支持かつ中国との緊密な関係を築いているからだ。蔡英文も彼らを取り込む必要があることは認めているものの、これといってハッキリとした青写真があるわけではない。「我々の挑戦は、双方が納得できる合理的な立場を創り出すことです。とはいえ、野党時代に支持してくれた方々を裏切るような立場であってもいけないのです」。

 これはまた難しい挑戦だ。これまで国民党は、経済を回復させられるのは民進党ではなく自分たちだと主張してきた。特に陳水扁政権は汚職や不況の問題が山積であった。蔡英文を支持する人々もこうした状況には同意し、民進党は野党ではやっていけても与党は任せられないと考える人もいる。

 ノッティンガム大学中国政策研究センターの研究員で小英基金会の主任も務めるマイケル・コール(J. Michael Cole)は「国民党はいつでも国民党こそが経済を回復させるにふさわしいと主張している。一方で、民進党政権になったら商売に不利という扱いにくさがあると考えている」と述べる。

 こうした論調は共産党の支持を受け、選挙運動が進むに連れて随時報道されることになるだろう。共産党は中国国内で支配下にあるメディアを直接利用し、あるいは間接的に中国と台湾のビジネス界の繋がりを利用するかもしれない。米ワシントンにあるシンクタンク、スティムソン・センターのアラン・ロンバーグ曰く「中国は大企業など、あらゆるチャンネルを利用してその立場を伝えてくるだろう。仮に台湾の人々が、この8年間の両岸発展の基礎となった政府の功績を否定するような選択をすれば、その後の両岸関係の発展は現在のように順調ではなくなるだろう」。

 民進党政権が中国に受け入れられる余地はほとんどない。中国国家主席の習近平は2012年に就任以来、周囲から思われるよりもずっと独断的で強烈な民族主義者であり、一切妥協しない人間だということを自ら証明してきた。昨年9月、習近平は台湾からの代表団に対し、中国と台湾は将来、香港のような「一国二制度」モデルによる統一が出来るのではないかと語ったが、この方式は民進党どころか国民党からも拒絶され、世論調査でも受け入れると答えた台湾人は皆無に近かった。今年5月、習近平は再び「分裂主義勢力」が台頭して来ていると警告したが、これは民進党に対する先制攻撃だったといえよう。

 両岸関係は、現在のところ中国と台湾(当時は国民党政権)による「92年コンセンサス」を基礎としているとされている。この政策は、前出の楊進添によれば「曖昧さの一大傑作」だという。

「92年コンセンサス」は、双方が「一つの中国」を承認しつつも、その内容については各々が表明すればよいというもので、楊進添によれば「このコンセンサスのおかげで、国民党は両岸の貿易や交通、観光分野での発展を推し進めることができた。その一方で、台湾や中国が考えている『一つの中国』の中身とは何ぞや、と回答を迫られることもなかったのだ」という。

 民進党は長期にわたり、台湾の法的独立を推進してきた。民進党の党綱領第一条には「主権独立自主の台湾共和国の建立」が謳われているが、台湾の正式な国号は中華民国である。民進党支持者の基盤は主にここにあると考えてよいが、中国の経済力が目覚ましく発展し、国際社会における発言力が増すなか、この理念の実現はますます難しくなっている。陳水扁政権時代の民進党と、それまでの民進党の政策に大きな違いはなかったものの、中国との関係はかなり冷え込み、馬英九政権になって再び距離が近づいた。

 前出の上海交通大学の林岡によれば「蔡英文の立場は馬英九と陳水扁の中間にあたり、彼女が総統選挙に勝利すれば、台湾独立を追い求めることはなく、馬英九のような両岸関係の発展を推し進めることもないだろう」と分析する。

 蔡英文自身は、台湾と中国の政治関係を変える気はないと強調する。とはいえ、民進党の台湾独立綱領を撤廃するかについては依然として回答を濁している。では、統一についてはどうか?「統一であっても、民主主義の手続きによって解決されなければなりません。この場所に住む人々の決定によって進められなければならないのです」。

 暫定で蔡英文の相手となる洪秀柱は「民進党のリーダーは両岸関係に対する立場をはっきりと説明するべきだ。誰もが蔡英文に『現状を維持するというのはどういう意味か』と尋ねるが具体的な回答がない」と批判する。国民党の楊進添はこんな比喩を持ちだした。「収穫のためには土地を耕し、種を播き、肥やしをくれなければならない。これまで全部、国民党がやって来た。民進党は収穫だけしようという魂胆か」。

 蔡英文は、勝利のあかつきにはその収穫の権利があると信じている。記者が北京に戻る数日前のこと、高雄の日本料理レストランで蔡英文は記者に、静かながらも確かな自信を込めて、中国がどう出ようが、有権者の信任を得て選挙に勝つと言い切った。

 彼女は、最後に残ったマグロの刺身を記者の皿に取り分けてくれた。このマグロは彼女の生まれ故郷である南部の屏東から来たのだ。「北京に帰ったら皆さんに言ってくださいね。台湾の次の総統にサービスしてもらっちゃった、って」。