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10/14日経ビジネスオンライン 高濱賛『朴大統領は中国パレード観閲をどう説明するのか』について
朴大統領の訪米は10/13~16の間です。昨日、オバマVS朴会談が行われた模様。韓国も中国も自己中心の人達が多いから、自分たちの行動を客観的に見ることができないのでしょう。中華(世界の中心の意)と小中華と自称する連中ですから。周りの目を気にしません。ですから、中国の南シナ海、東シナ海の侵略(一昨日米海軍のリチャードソン作戦部長が急遽安倍首相と会ったとの噂。南シナ海艦艇派遣の打合せ?)、韓国の蝙蝠外交を他の国が見たらどう思うかを考えていません。
「南京虐殺」と「従軍慰安婦」の世界記憶遺産の申請で中韓はタッグを組んで日本を貶めようとしています。左翼の巣窟と言われますユネスコは資金凍結ではなく、脱退した方が良いでしょう。何故脱退するのかを事実(中国人が日本軍を歓迎する映像、東中野修三氏の写真解説、朝日新聞の慰安婦誤報を英文翻訳したもの等)に基づいて政府がキチンと説明した方が良いと思います。「災い転じて福となす」というか、空手で言う「流し突き」です。相手の攻撃を間合いに入り、躱し乍ら相手を攻撃するというものです。考えてみれば合理的ですが、怖いです。相手が日本を攻撃してきたのですから、それを奇貨として、相手を事実に基づいて攻撃すれば良いです。今までの政府が犯してきた過ち(河野談話等)をこれで清算できます。幸い、小生が2005年に中国から帰国した時と国民感情も大分変りました。中国・韓国の言動はおかしいと日本国民は気付き始めたのです。国民はやっと左翼メデイアの言ってることはおかしいと思うようになりました。中国人が日本に来て取る行動が余りに日本人と違う実態を見て、「人種差別」でなく「人種区別」で考えないといけないと思うようになったからです。韓国は日本の世界遺産登録でも騙し討ちをしました。騙される外務省は交渉能力がないことを露呈しましたが。両国は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う国なので、日本人の価値観とは相いれません。松岡洋右の国際連盟脱退の時と違い、事実に基づいた説明をすれば、支持する国は多いと思います。中韓から賄賂を貰っている国は別でしょうけど。話は変わりますが、鄭夢準FIFA名誉副会長(現代グループ)が会長選に名乗りを挙げていましたが、6年間の活動停止を言い渡されました。会長のブラッターが90日の停止なのにです。如何に韓国人が汚濁に塗れたことを国際社会でしてきたかを物語るものです。日本人はもっと世界の腹黒さに目を開いた方が良いでしょう。
アメリカもやっと韓国のおかしさに気付き始めました。多分金で籠絡されて来たのでしょう。それが慰安婦像設置に結びついてきたと思います。韓国は「裏切り者」の歴史を繰り返してきました。歴史を勉強すればすぐ分かることです。一言で言えば節操がないということ。だから簡単に韓国の親は娘を身売りしたわけです。金正恩の暗殺はないでしょう。中国と事を構えようとしている時に、二正面で戦うことになりかねません。中国は韓国主導の朝鮮統一は絶対認めません。朝鮮半島に緩衝地帯がなくなるためです。中国の共産党統治が終われば統一の可能性も出てきますが、ピルズベリーが言ってますようにそれは望み薄です。
記事
—6月に予定されていた朴槿恵大統領の訪米がいよいよ10月16日実現します。
高濱:仕切り直しですね。朴大統領は当初、6月14日から5日間の日程で訪米することになっていました。ところが6月、韓国で中東呼吸器症候群(MERS)が発生し、その対応に追われているとの理由で延期しました。
朴大統領の訪米は13年5月以来、2度目。13年の訪米の時には米議会で演説し、日本との「歴史認識」問題を念頭に「歴史に正しい認識を持たねば明日はない」と訴えました。日韓の対立に米国を巻き込むことで対日外交圧力を強め、一定の成果を上げました。
ところが今年6月、米国の雰囲気は一変していました。安倍晋三首相による4月の訪米(米議会演説、日米首脳会談)で、ワシントンは「歴史認識」問題は決着したと判断したからです。「安倍首相が訪米して以後、米国は慰安婦問題にいつまでもこだわる韓国に嫌気がさし始めた」(米国務省OB)のです。
ですから朴大統領の6月訪米がたとえ実現し、慰安婦問題を持ち出したとしてもおそらくオバマ大統領は上の空だったでしょう、あの時点でも。今回もオバマ大統領が朴大統領と話し合いたいのは一にも二にも北朝鮮有事への対応策で、慰安婦問題ではありません。何をするか予測できない金正恩政権にどう立ち向かうのか。これこそがオバマ大統領が朴大統領と話し合いたい最大の懸案なのです。
朴大統領にのしかかる対中傾斜のツケ
—6月から4カ月の間にいろいろなことが起こりました。朴大統領は9月に中国を訪問し、抗日戦勝70年記念軍事パレードを観閲するなど、従来からの「中国傾斜」外交をさらに印象付けました。
高濱:オバマ政権は、軍事パレードを観閲しないよう朴大統領に水面下で働きかけました。抗日闘争で中国とともに戦った北朝鮮の金日成主席(当時)の孫、金正恩第一書記すら出席しないのに、なぜ米国の同盟国の大統領が中ロの首脳と一緒に中国軍の軍事パレードを天安門の楼閣から観閲しなければならないのか。
米国が朴大統領に対して苛立ちを見せるのは当然です。特にロシアと米国とは、ウクライナ、シリアへの対応で真っ向から対立しています。
抗日戦勝を祝うためとはいえ、中ロの首脳とにこやかに談笑しながら中国人民解放軍のパレードを観閲する朴大統領の姿を見た米国民がどう思ったか。米国防総省OBの一人は私に「朴槿恵という政治家の神経を疑うね」と吐き捨てるように言っていました。
着々と同盟関係を深化させてきた日米
—韓国は今や中国やロシアの同盟国か、というわけですね。その一方で日米はこの4カ月の間に同盟関係を深化させました。具体的には、日本は安全保障関連法案を成立させ、すでに合意していた「新防衛ガイドライン」に肉付けしました。
高濱:その通りです。日本が集団的自衛権を行使し、米国に対して積極的に防衛協力をしてくれることは米国にとって永年の願いでした。それが実現したのですから喜びもひとしおです。外交面では対ロ、対中、対中東と、どれをとっても思い通りにならないオバマ政権にとって大きな成果でした。
それに、経済面では日米間での5年越しの懸案だったTPP(環太平洋経済連携協定)がついに合意に達しました。
日米同盟とTPPは、オバマ政権が掲げる「アジアへの回帰」(Pivot to Asia)を実現するための両輪です。「日米関係の深化は安全保障、経済両面でのオバマ外交の数少ない成果」(米主要シンクタンク上級研究員)と言えそうです。
「中国の岩礁埋め立てに韓国はなぜ抗議しないのか」
—「中国傾斜」の外交路線を続けている朴大統領をワシントンは今回、どう処遇するのでしょう。
高濱:韓国は、米国と軍事同盟を結んでいる重要な同盟国です。ですからその国の大統領がワシントンを訪れれば、外交儀礼上、無下に扱うことはありません。
ただ米政府やホワイトハウスがいくら歓待したとしても、メディアや外交問題専門家、世論はそれに倣わないのが米国です。朴大統領に対するネガティブなイメージは草の根の庶民にまで浸透しています。
—すでに「前触れ」は出ていますか。
高濱:気づいただけでも三つあります。
一つは、東アジア問題を担当する米国務省高官の発言。二つ目は米有力シンクタンク、外交問題評議会の上級研究員の発言です。そして三つ目は、韓国軍が導入する次期戦闘機に関連する技術移転を米政府が突然拒否したこと。これは深い意味を持ちそうです。
まず、ダニエル・ラッセル米国務次官補が戦略国際問題研究所(CSIS)で講演した後の質疑応答で、中国が進める南沙諸島の岩礁埋め立てについて、韓国の対応を手厳しく批判しました。
「私の考えでは、この問題で韓国政府は(中国の一方的な措置に対して)クレームをつけていない。韓国政府はその理由について説明すべきだと私は考えている。韓国政府は自らの利害だけを考えるのではなく、普遍的な理念と法による秩序に基づいて発言すべきだ」
(”High-ranking US official indicates S.Korea should ‘speakout’ on South China Sea,” english.hami.co.kr, 6/5/2015)
ちなみにこのラッセル発言は朴大統領が6月に訪米をキャンセルする5日前のことでした。ですから、6月の訪米が延期された後の動きとは言えません。しかし朴大統領の訪米を前にして、オバマ政権で東アジアを担当する高官が一発かまそうとしたことに違いはありません。その後韓国が態度を変えたとか、ラッセル国務次官補が前言を取り消したという報道は見ていません。
親韓派の学者までが「パレード観閲」の釈明求める
—外交問題評議会の上級研究員は何と言っているのですか。
高濱:スコット・スナイダーという親韓国系の学者です。朴大統領が訪中した時に「長い時間をかけて行ってきたロビー活動の末、朴槿恵に軍事パレードを観閲させるという大きな魚を中国は釣り上げた」と論じていました。
そのスナイダー氏は9月30日、ニューヨークの「コリア・ソサエティ」で開かれたパネルディスカッションでこう述べています。「米国民は、朴大統領が天安門の楼閣から中ロ首脳と一緒に中国人民解放軍のパレードを観閲しているのを見て驚いたはず。米国は事前にシグナルを出していた。(抗日戦勝記念行事に行くことは)赤信号ではないが、黄信号を出していた。慎重にしなさいよ、という意味だった。朴大統領は10月に米国にやってくる。その時、なぜ中国の軍事パレードを観閲したか、その理由について米国の一般国民にもわかるようにはっきりと説明する必要がある」
(”An Assessment of President Park Geun-hye Diplomacy in Beijing and New York, with a Preview Towards Washington,” The Korea Society, 9/30/2015)
(”Park should use upcoming U.S. visit to explain her attendance at China apreade: U.S. expert,” Chang Jae-soon, yonhapnews.co.kr, 10/2/2015)
「中国に漏れるかもしれない技術移転」は拒否
—3番目のKFXをめぐる話とは。
高濱:韓国軍は昨年9月、次期戦闘機(KFX)として米国製のF35を選定しました。この過程で、米メーカーのロッキード・マーチン社からアクティブ・フェーズド・アレイ(AESA)レーダーなど中心技術4件の移転を受けることになりました。ところが今年4月、米政府はこれにストップをかけたのです。そのことが9月22日明らかになりました。韓国は大打撃を受けています。目標の2025年までに開発を終えるのは難しくなってきたからです。
—なぜ、米政府はいったん決めたことを拒否したのですか。
高濱:いろいろな憶測を呼んでいます。ワシントンには「それほど中国に傾斜したいのであれば、ご勝手に。ただし、軍事上の機密は韓国には教えない。軍事機密が韓国経由で中国に流れる可能性がある」(米上院外交委員会スタッフ)という声があります。
米韓首脳会談で上げられる唯一の成果とは?
—しかし米韓はれっきとした同盟国同士。首脳が会うわけですからやはり話し合わねばならない重要懸案はあるはずです。しかも首脳会談ですから成果が上げなければなりません。
高濱:ホワイトハウスの報道官は朴大統領が10月に訪米する日程を8月12日に発表しました。
その中で「朴大統領の訪米は、米韓パートナーシップの強さと幅の広さを強調するとともに、両国の国民同士の絆を証明している」としています。両首脳は米韓同盟および東アジア地域における安定と安全を保障する両者の役割はじめ経済、グローバルな諸問題など広範囲なテーマについて意見交換するとしています。
—訪米計画を発表する報道官のステートメントを読んで何か感じたことはありますか。
高濱:安倍首相の4月訪米を発表した報道官のステートメントがここにあります。この中で報道官は「日米両首脳は戦後70年間日米が培ってきた強固なグローバル・パートナーシップをお祝いするとともに、永続的な2国間関係を実現させた共通の価値観と理念を改めて確認し合う」と最大限の表現で日米同盟の重要性を強調しています。
一方、朴大統領の訪米を発表するステートメントには「共通の価値観と理念」という表現はどこにも出てきていません。ちょっと深読みしすぎかもしれませんが、対中接近を強める朴大統領に対してホワイトハウスは、ありきたりというか、なんとなくよそよそしいステートメントを出しているなといった印象を受けます。
(”Statement by the Press Secretary on the Visit of Prime Minister Abe of Japan,” The White House, Office of the Press Secretary, 3/23/20015)
米韓特殊部隊による「金正恩暗殺」共同作戦
—どことなくギクシャクした米韓関係の中で、朴大統領はどんな土産を持参するんでしょうか。
高濱:今回の訪米を成果あるものとするカギは、北朝鮮への対応です。北朝鮮が起こす可能性のある不測の事態に米韓両国が共同でどう対処するかを首脳同士できっちりと詰められるかどうか。
—朝鮮半島における有事の想定を、従来の大規模な地上戦からゲリラ戦・局地戦に変える。それに対処するために新たな作戦計画を米韓両軍が策定しているという情報がありますね。
参考:「対北朝鮮 ゲリラ戦に備え」牧野愛博、朝日新聞、10/5/2015
(”S. Korea, U.S. Draft Plan to Fight Pyongyang’s Guerrillas,” Yoshihiro Makino, Asahi Shimbun, 10/5/2015)
高濱:米国の専門家たちは、韓国サイドが意図的に漏らした情報だと見ています。後追いした韓国紙や米メディアによると、米韓両軍トップは今年6月に新たな作戦計画、「OPLAN5015」に合意していたようです。
この作戦計画によると、不測の事態を察知した場合、米韓両軍は直ちに先制攻撃を仕掛け、特殊部隊を投入して金正恩第一書記の身柄を拘束するか暗殺する、さらに北朝鮮の軍事拠点や核兵器関連施設に攻撃を加えるとなっています。
これを米韓首脳で確認し合う。これは十分考えられますし、朴大統領の訪米における最大の成果になります。もっとも、首脳会談後にどのような表現で発表するかは別問題ですが。
いずれにせよ、16日からの訪米は朴大統領にとって、ワシントンの信頼を回復するための正念場になります。 具体的には、朴大統領が推進する対中外交はじめ北朝鮮が継続的にもたらす危機への対応などが首脳会談の中心議題になるでしょう。
10/14現代ビジネス『実名!中国経済「30人の証言」 日系企業が次々撤退、大失速の真相~こんなに異変が起きていた』について
やっと中国の実態を報道するレポートが出て来たかと言う感じです。昔からひどかったのですが、圧力をかけて報道させないようにしてきましたし、日本の左翼メデイアも喜んで中国に迎合した記事を書いてきました。産経だけが中国と遣りあって、福島香織氏の記者証の更新をする・しないで揉めたことがありました。その後福島女史は独立しましたが。
小生が2005年に中国から帰国して、中国の実態、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う価値観を会社で言ったら「人種差別主義者」の烙印を押されましたが、今だったら皆納得するでしょう。一般国民は中国に関心がなく、日本人を基準として相手も行動すると思いがちです。そこが日本人の良い所でしょうが、グローバルな経済活動をして行くことになると、ネックになります。「相手をよく理解する」、そのためには既存のメデイアだけでなく、ネットからも情報を取るようにした方がバランスが取れます。筑紫哲也や鳥越俊一郎がネットを毛嫌いした・しているのは彼らの嘘がばれるからです。今ではTVでもネットのニュース人気ランキングを使って報道する時代になりました。既存メデイアが「報道しない自由」を行使するのに対し、ネットは何ら規制するところはありませんので、いろんな圧力がかかる既存メデイアより真実に近づけるのではと思っています。勿論、ネット情報は既存メデイアよりも玉石混交です。既存メデイアにしろ、ネットにしろ見抜く力を読者が持たなければ。小生は日経を購読していますが、政治は左寄り、経済は中国進出のアジ新聞と思って読んでいます。所詮は経団連の御用新聞かと。でもネットだけでは見えてこない所がありますので毎日1時間~1時間半かけて読んでいます。民主主義と言うのは国民が代表を選んで政治を負託する制度ですが、選挙の時に正しい判断をするベースとなるのがメデイアだと思っています。情報取得に受け身ではなく、積極的に入手するようにしないと民主主義国は中国のような全体主義・専制国家にしてやられてしまいます。佐藤優が本の中で「機密情報の98%は公開情報から得られる」と言っていますのは正しいでしょう。努力するかどうかです。
本記事で名前が出ていますが、仮名でしょう。今でしたら全員反スパイ法で拘引されるでしょうから。日本の経営者も真剣に中国・韓国の日本人駐在員を引き上げることを考えないと。南シナ海は波高しです。米海軍艦艇派遣がどういうリアクションを生むか予想できません。中国人は日本人の発想を超えた行動をします。盧溝橋事件の後、通州で日本人を虐殺したのが第二次上海事件となり、本格的な戦争に繋がっていきました。ソ連コミンテルンの陰謀と言われていますが。日本国民に「暴支膺懲」の気分が蔓延したためです。戦争をしたくないなら、日本人は中韓にはいないことです。後は金の問題で、損するだけですので。中国・韓国進出という愚かな判断を下した授業料と割り切るべきでしょう。
記事
「習近平にドッグフードを喰わせろ!」。中国の国家主席を、アメリカがこれほど冷たく迎えたことはなかった。中国の主要都市で中国人と日本人駐在員に取材し、失速する中国経済の真相に迫った。
中国経済は発育不良
9月25日、米ホワイトハウスでオバマ大統領と米中首脳会談に臨んだ習近平主席は、「中国経済は順調に7%成長している」と力説した。
だが9月23日に明らかになった中国の製造業の景況感を示すPMIは、47.0ポイント。リーマンショック直後以来の低水準となった。
中国経済の本当のところはどうなのか。本誌は今回、中国に暮らす30人にナマの声を聞いた。
「中国の景気は悪いなんてもんじゃない。以前は政府が、石橋を叩いて渡るような慎重かつ的確な経済政策を取っていたが、いまの政府が進めているのは、石橋を叩いて割る政策だ」(南楠・食品卸会社社長)
「多くの産業が生産過剰に陥っている。そして、中国経済を牽引する投資、輸出、消費のうち、GDPに占める投資の割合が高すぎる。これでは今後、多くの外資系企業が中国から撤退していくだろう」(孟旭光・外資系企業中国総代表)
「私は銀行員なので、普段からよく顧客の動向を見ているが、せっかく貯めた貯金を、株式投資でパーにしてしまった人がいかに多いことか。こうした現状では中国経済は今後さらに悪化していくだろう」(張微微・銀行員)
「中国経済は、一言で言えば発育不良の状態だ。そして財産を築いた人から、海外へ移住してしまう」(趙夢雲・テレビ記者)
こうした中、9月にひっそりと、北京北東部に建つパナソニックのリチウムイオン電池工場(従業員1300人)が、閉鎖された。日本企業研究院の陳言院長が解説する。
「このパナソニックの北京工場は、1979年に鄧小平が松下幸之助と建設を決めた外資系工場第1号でした。パナソニックはこれまで先端技術でリチウムイオン電池を生産してきましたが、中国市場における電池の過当競争の波に揉まれ、もはや撤退するしかなくなったのです」
20年いて、こんなのは初めて
パナソニックは、上海工場や山東工場なども閉鎖しており、中国事業を縮小する方向にある。7月29日に発表した4月~6月期決算では、純利益が前年同期比56.9%アップの595億円と、完全復活をアピールした。だがその陰に、創業者の松下幸之助が邁進した中国事業の縮小があったのである。
陳言氏が続ける。
「シチズンは中国で二つの工場を稼働させていましたが、そのうち一つを閉鎖しました。解雇された従業員は、1000人に上ります。ニュースにもなりませんが、中小零細の日系企業は、人件費や家賃の高騰などで、撤退が相次いでいます」
シャープ、ダイキン、TDK、ユニクロ……と、2015年に入って次々と、中国工場の撤退もしくは一部撤退を始めた。
8月12日には、天津で大爆発事故が発生。その損失額は、730億元(約1兆3700億円)に上ると報じられた。
4700台のトヨタ車が一瞬で鉄クズと化した
現地に進出しているトヨタの自動車4700台がペシャンコになった映像(写真左)は、日系企業にも衝撃を与えた。同じく近くに工場を持つ日系大手化粧品メーカーの幹部が語る。
「わが社もあの爆発事故で、多大な損害を被りました。事故を起こした天津瑞海国際物流公司に損害賠償請求を出しましたが、交渉は一向に進んでいません。日本の本社ではこの事故を機に、天津工場の撤退を決断したのですが、天津市政府が認めてくれない。中国事業は、まさに進むも地獄、退くも地獄です」
日系企業が多い大連で日系の建設会社社長を務めるベテラン駐在員も、ため息交じりに語る。
「私は大連に20年以上住んでいますが、こんな不景気は初めてです。資金繰りが悪化して工事を途中ストップするビルや、完成しても買い手がいない幽霊マンションが続出しているのです。
不景気のあおりを受けて、かつて1万人以上いた日本人は、もう3分の1規模です。日本の駐在員仲間と話していても、取引先の中国企業が夜逃げした話ばかり。全権を持つオーナーが、会社や従業員を置き捨てて、忽然と消えるのです。大連に進出している韓国系企業も同じことをやっていますが、日系企業は律儀なので、損ばかり被っています」
香港に隣接した深圳で、日系企業向けコンサルタントを営む加瀬秀男氏も語る。
「深圳の日系企業も、ビジネス環境の悪化にともなって、香港にオフィスを移す会社が相次いでいます。
最近の特筆すべき傾向としては、日系企業に勤める大卒社員の質の低下です。考えてみれば、大卒の初任給が4000元(約7万5000円)で、同年齢の工事現場の作業員やレストランのウエイトレスの給料は、人手不足から5000元(約9万4000円)以上です。親が一人っ子に多大な教育費をかけても、報われない社会のため、大卒の若者たちがヤル気を失っているのです」
日系企業に起こっている「変化」について、中国日本商会の中山孝蔵事務局長補佐が解説する。
「今年に入って北京の日本商会から退会した企業は40社に上りますが、新規入会も32社あるので、撤退が相次いでいるとは一概に言えません。ただ、中国ビジネスの縮小は確かに起こっている。
中国国内で生産して、先進国に輸出するというビジネスモデルが、もはや成り立たなくなってきているのです。日本人駐在員向けのだだっ広いマンションは空きだらけで、北京日本人学校の生徒数も、数年前の600人台から400人台まで減っています」
軍事パレードで大損失
中国日本商会は、毎年春に、『中国経済と日本企業白書』を刊行している。その2015年版には、次のような記載がある。
〈2014年における日本の対中投資は前年比38.8%減の43億ドルとなり、2年連続減少した。2012年には過去最高74億ドルを記録したが、2013年後半から減少基調が続いている。
今後1~2年の事業展開の方向性について、「拡大」と回答した企業の割合は46.5%(前年比7.7ポイント減少)となっている。2011年と比べると、拡大が大きく減少(66.8%→46.5%)した〉
こうしたデータを見ても、明らかに日本企業は中国市場から「引き」に走っていることが分かる。中山氏が続ける。
「加えて、9月3日の抗日戦争勝利70周年の軍事パレードのようなことがあると、首都の経済機能がマヒしてしまいます。この日本商会が入っているオフィスビルも2日間、立ち入り禁止になりました」
香港紙『リンゴ日報』の試算によると、習近平主席の時代錯誤的な軍事パレードによって、215億元(約4040億円)もの経済損失を出したという。
北京在住8年という産経新聞中国総局の矢板明夫特派員が語る。
「私の携帯電話には、日本から来た客を連れて行くため、高級中華料理の店の番号がたくさん入っていますが、このところ電話しても『現在使われていません』という音声メッセージが出ることが多い。つまり、高級レストランが続々潰れているわけです。
また、不景気で銀行利用者が激減しているため、銀行での待ち時間が、めっきり減りました。以前は2時間待ち、3時間待ちでしたが、いまは30分も待たないで呼ばれます。
それから地方出張へ行って痛感するのが、大型トラックが減ったこと。どの地方も景気が悪いのです」
思えば5年前は、石炭バブルに沸く内蒙古自治区オルドスから北京まで車列が続き、わずか200kmの距離をトラックで20日間もかかるという世界最悪の渋滞が話題を呼んだ。だがいまや、オルドスは中国最大の「鬼城」(ゴーストタウン)と呼ばれていて、行き交う車すらほとんどない。
こうした中国経済の悪化を、当の中国人たちはどう捉えているのか。
「患者と話していると、景気の悪い話ばかりだ。商売は上がったりだし、とにかく商品の物流が減っているという。中国経済がここまで悪化している最大の原因は、政府が金融の自由化を断行しないことだ」(柴歓・漢方医)
「私の周囲の人々の衣食が目に見えて粗末になってきた。一番の問題は、社会的に飛躍していくチャンスが、ますます狭まってきていることだ」(劉・ITデザイナー)
「教師の給料は上がらないのに物価は高騰する一方だ。そのため消費を切り詰めるしかなく、もはやちょっとした旅行さえ贅沢になってきた」(王貞樺・中学教師)
「新常態」という言い訳
習近平政権の立場について、国務院(中央政府)の経済官僚である熊氏が説明する。
「習近平主席がアメリカ訪問でも述べたように、中国経済は悪化しているのではなく、『新常態』(ニューノーマル)という『新たな正常な状態』に移行したのです。新常態とは、高度成長から中高度成長へ、製造業中心からサービス業中心へ、そしてより環境に優しい節約型の成長へという移行です。その象徴である大型国有企業を改革し、新たな成長へと向かうのです」
湖南省の国有企業の経営者も語る。
「とにかく習近平主席の指示に従うこと。市場よりも党中央。企業経営の要諦はそれに尽きる」
国有企業は全国に1100社余りあり、国の基幹産業を握り、富の6割強を占めている。
熊氏が指摘した国有企業の改革に関しては、8月24日に習近平主席が「指導意見」(方針)を定めた。それは、国有企業の市場の寡占と、共産党の指導強化を謳ったもので、国民が期待した国有企業の民営化とは正反対の方向だった。
この「指導意見」が9月13日に発表されると、すぐさま市場が反応した。翌日の市場は失望感に覆われ、上海総合指数は2・67%も安い3114ポイントまで急落したのだった。
だが、こうした市場の反応を無視するかのように、国営新華社通信は9月17日、「私有化反対を旗色鮮明にしなければならない」と題した論評を発表し、習近平主席が進める社会主義の強化を後押ししたのだった。
上海ナンバーワンの名門校・復旦大学教授で、テレビニュースのコメンテーターとしてもお馴染みの馮瑋氏が指摘する。
「この新華社通信の論評には驚きました。確かに孔子も『富の分配が少ないことを心配せずに、分配が平等でないことを心配せよ』とは説いています。毛沢東時代も皆が貧しい公平な時代で、あの時代を懐かしむ人たちもいます。
しかし中国も含めて、どんな国でも経済が発展するということは、経済格差が生まれるということなのです」
馮瑋教授はその上で、中国が現在直面している経済状態について、次のように分析する。
「習近平主席は、アメリカを訪問する前日の9月21日に、『中国経済には下降圧力が存在する』と述べましたが、これは婉曲的な言い回しで、実際は真っ逆さまに落ちています。
私は常々、テレビや『微博』(ミニブログ)などで述べているのですが、中国経済の現状を判断するのに、経済学者の言うことを聞いたり、政府の経済統計を見たりする必要はないのです。
なぜなら、われわれ中国人にとって一番身近な二つの指標、物価と給料を比べれば一目瞭然だからです。私の周囲に、最近給料がものすごく上がった人は皆無ですが、誰もが物価の急上昇は体感している。
それを政府は、『経済の新駆動』とか『転換型発展』だとか、いろんな言葉を使って取り繕っていますが、要は『経済苦境に陥っている』という意味なのです」
馮瑋教授は、近未来の中国経済についても、悲観的にならざるを得ないという。
「中国が現在抱えている経済問題を、いかに解決していくかという道筋が、まったく見えてこない。低コストで製品を作って先進国に輸出するという経済モデルは崩壊したものの、それに代わる内需が拡大していないからです。
そのため、香港ナンバーワンの資産家、李嘉誠は、800億元(約1兆5000億円)もの資金を中国から撤退させようとしている。彼に代表されるように、外資の撤退が顕著になってきています。これでどうやって、中国経済が良くなるのでしょうか」
小学生の息子もアルバイト
中国で辛口コラムニストとして知られる丁力氏も、中国経済の現状を嘆く一人だ。
「不動産バブルが崩壊したところに、株バブルも崩壊した。これは『雪上加霜』(泣きっ面に蜂)というものです。
3ヵ月くらい前までは、私の『微信』(中国版LINE)仲間の主な会話は株に関することでしたが、いまや株の話はタブーです。私の周囲にはこの夏、株で大損こいた人が大勢いて、その中の一人は、小学生の息子に放課後、西洋人参売りのアルバイトをさせている始末なのです」
今後の中国経済についても丁氏は悲観的だ。
「現在中国では、今後の中国経済について、急降下していくという見方と、穏やかに落ちていくという2通りの見方があります。私は前者だと思っています。
その理由は、主に4点です。第一に、今夏の株価暴落に対する政府の政策を見ていると、常に後手後手に回っていて、稚拙な対策しか打てていないからです。第二に、今後ますます国有企業による市場の寡占化が進んでいき、民業が圧迫されることは明白だからです。
第三に、習近平政権の極端な反腐敗運動によって、その副作用である官僚たちの『怠工』(サボり癖)が顕著になってきています。第四に、環境保全や社会福祉といった高度経済成長時代に先送りしてきた問題のツケが、今後一気に襲ってくるからです。こうしたことを勘案すると、どうしても楽観的な気分にはなれないのです」
上海人民出版社の曹楊編集長は、マスコミによる影響について語る。
「いま中国メディアは、中国経済に対する悲観論一色で、それを見た人々は、ますます将来を不安視するようになっています。確かにいまの中国経済は底に来ていて、しかも底はしばらく続くのかもしれませんが、中国経済が崩壊することはないでしょう。昨今のマスコミ報道は、煽りすぎです」
もう一人、南部の広東省を代表する高級紙『時代週報』の張子宇編集委員も、「負の連鎖」について語る。
「つい数ヵ月前までは、オフィスやマンションの1階でエレベータを待っている間にも、人々はスマホで株価に見入っていたものです。もはやそんな光景は皆無です。
中国経済を俯瞰すると、ほぼ全産業が沈滞する中で、IT産業だけが創業ラッシュに沸いている。それで猫も杓子もIT産業を目指し、それによって社会がさらにいびつで不安定になっていくという状況です。
そして経済が悪化すればするほど、毒食品を作る人が増えたりして、それがまた経済を停滞させる要因となる。つまりいまの中国では、様々な意味で、負の連鎖が起こっているのです」
食いつなぐのに必死
張編集委員が指摘するように、IT産業は、いまや製造業に代わって、中国経済の唯一の頼みの綱と言っても過言ではない。9月22日から訪米している習近平主席は、「BAT」(バイドゥ、アリババ、テンセント)と呼ばれる3大IT企業の創業者たちを同行させた。
元日本銀行北京事務所長で現在、NTTデータ投資チーフストラテジーオフィサーの新川陸一氏(北京在住)が語る。
「中国のインターネットユーザーは、約6億5000万人もいます。IT産業の発展は目覚ましく、昨年の名目GDPの2割を超す規模に育っています。中国経済は当面、現在の『まだら模様の景気』が続くでしょうが、IT関連の消費が、景気下支え材料として続くと見ています」
前出の陳言氏も、IT産業に期待する一人だ。
「私のオフィスは『中関村』(北京のシリコンバレー)にありますが、付近の喫茶店は投資家と、アイデアを持った若者たちとの交流の場となっています。彼らは2万元(約38万円)くらいを手にして、次々に起業していくのです。
李克強首相が先日、『中国は1日1万社が起業している』と述べていました。日本は全国で600万社ですが、中国は2年で600万社が誕生しているのです。この活力に中国の未来を感じます」
他にも、少数ながら楽観主義者もいた。
「北京で日本料理店を経営しているが、折からの日本旅行ブームのおかげで、千客万来の状態。いま店舗を広げて改装中だ」(張煥利・日本料理店経営者)
「私の周囲は、7対3で景気のいい人が多いし、富裕層は相変わらず豪華な家に住み、高級車を乗り回している。中国はいまだに世界第2位の経済大国なのだし、IT産業に期待していいと思う」(陳旭・ファッションデザイナー)
「習近平政権は、今年初めから、毎月の年金を580元(約1万1000円)も引き上げてくれた。周囲も皆、ありがたがって、満足な老後を過ごしている」(李便新・大学名誉教授)
その一方で、今後のIT産業の発展に疑問を持つ向きもある。
「中国では『BAT』がサクセス・ストーリーの象徴のように持て囃されているが、バイドゥはグーグルの、アリババはアマゾンの、テンセントはホワッツアップのそれぞれパクリではないか。今がピークだろう」(呂之言・エッセイスト)
「IT産業に期待したって、そんなものはまた一つの新たなバブルに過ぎない。世界に通用する自主ブランドを作れない限り、中国経済の未来はない」(巴一・広告会社社長)
他にも、様々な職業の中国人に、中国経済に関するホンネを聞いた。
「中国経済が発展できないのは、実力ではなくコネばかりですべてが決まる社会だからだ。それでも、ギリシャよりはマシだろうが」(肖揚・広告会社勤務)
「政府の過度の金融緩和によって、インフレを招いた。それで製造業が打撃を受けたのだ」(毛傑・大学博士課程)
「中国の企業は、経営者と社員との関係が悪すぎる。このことが、中国経済が落ち込んでゆく最大の原因だ」(謝林玲・大型国有企業社員)
「3年前まで国有企業には手厚い福利厚生があったが、習近平時代になってすべて消え、初任給も毎年1000元ずつ減っている。それで優秀な若者から辞めていく」(胡麗芳・別の大型国有企業社員)
「中国人は、以前は懸命に働いて生活を向上させようとしていたが、いまや懸命に働いて何とか食いつなごうとしている。子供のいる家庭は悲惨だ」(孫江韵・設計士)
こうした声を総合すると、「習近平不況」はやはり当分、収まりそうにない。
11/12現代ビジネス 近藤大介『「対中国包囲網」がついに完成!四面楚歌に追いこまれた習近平の「次の一手」とは?』について
中国がTPPに対して反論を発表したのは内心の焦りを隠すためでしょう。それだけでも心理戦上効果があったという事です。ここにありますようにTPPは経済的な中国包囲網です。確かに米国での議会での批准がなされるかどうか心配な面がありますが、中国封じ込めの一環と言うのが理解されればうまく行くと思っています。日本の保守派も良く考えた方が良いでしょう。戦争勃発のリスクと経済どちらを犠牲にするかと問われれば自明でしょう。日本の農業をこれで本当に強くしていかなければ。農業委員会が既得権になっているし、耕作放棄地を会社運営の形にしてドンドン参入させれば良いと思います。後継者問題も雇用の形で解決できれば良し。
習は内部の権力奪取を急ぎ過ぎたと思います。鄧小平の「韜光養晦」に留めておけば良かったものを、「有所作為」に転換して反腐敗闘争と共に政敵を黙らせようとしました。ルトワックの読み通りに、周囲国では合従連衡が起きて来ています。米国は世界覇権を握っていますが、建国の理念の「自由」を大切にし、相手国に基地を置くだけで、領土侵略は戦後は行っていません。CIAの暗躍はありますが。中国は領土係争地or尖閣のように日本の領土であっても力で奪いに来ています。また第二次大戦後チベット、ウイグルを奪いました。遅れて来た帝国主義国で21世紀には相応しくない行動です。
オバマ政権は10/8から2週間以内に南沙諸島に米海軍艦船を派遣すると発表、これに対し中国外務省の華春瑩報道官は「いかなる国であっても、航行・飛行の自由を守る名目で中国の南沙諸島の領海・領空を侵犯することは絶対に許しません。アメリカは中国の原則的な立場を理解している」と言ったとのこと。http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2609297.html
ヘタレオバマだから、2013年のシリア介入の時のように急に「やーめた」になるかもしれませんが、「二言なく」実行して貰いたいものです。そうしなければ益々アメリカは中国に舐められます。そうなれば世界は不安定の極みに向かうだけです。ここはチキンレースです。未だ圧倒的な軍事力を誇るアメリカの艦船に中国軍が発砲することは考えにくいですが、やれば南沙諸島の中国の人工島は灰燼に帰すでしょう。そうなれば習近平の面子丸潰れです。黙って通過させれば、「先般中国軍艦船がアラスカ沖の米国領海を通過したのと同じ」と国内に向けて説明するのでは。でも華春瑩は米国を脅したつもりでしょうが、威勢が良すぎて、後々の説明には苦労するでしょう。でも中国人は嘘つきの天才ですから、何とか切り抜けるのでは。
10/14ZAKZAKにはオバマが本気で南シナ海に艦艇を送る記事が出ていました。
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151014/frn1510141140001-n1.htm
この記事によると、日本人もスパイ容疑で引っ張ると脅され、中国に寝返った人がいるようです。経営者は早く中国に居る日本人を返さないと、スパイと発覚してからでは遅くなります。まず不買運動の対象になるでしょう。
記事
「弱り目に祟り目」の習近平主席
国家、あるいは国家を背負う政治家には、「流れ」というものがある。ある時には、「勝ち将棋鬼のごとし」と言うように、何をやっても面白いようにうまくいく。まるで世界中の「運」という磁力を、掌中に収めているような錯覚を覚えるほどだ。
ところが逆に、「弱り目に祟り目」と言うように、打つ手打つ手がうまくいかないこともある。まるで水流に逆行するサケのように、このような時の周囲からの「抵抗感」は半端ではない。まさに四面楚歌となりがちだ。
2015年後半の中国及び習近平主席を見ていると、どうも後者の「流れ」に入ったように思えてならないのである。
中国経済は、株価暴落、過剰投資、債務過多、消費低迷などの影響で、減速感が強まっている。そこで状況を打開すべく、習近平主席は9月下旬に訪米したが、国賓待遇のはずなのに、まるで「国賊待遇」のような扱いを受けた。
その結果、期待していたBIT(米中投資協定)を締結できなかった。それどころか習近平主席は、南シナ海とサイバーテロ問題で轟々たる非難を浴び、オバマ大統領との米中首脳会談を終えた後、共同声明すら出せなかったのだ。
散々たる思いで帰国すると、今度はVWの排ガス規制偽装問題が火を噴いた。中国の最大の貿易相手はEUで、中でもその中心がドイツで、ドイツの中でも中心がVWである。
VWは2014年の全世界での販売台数1016万台中、中国で368万台も販売していた。実に全体の3分の1を超える量だ。中国はアメリカに右の頬を引っぱたかれた上に、EUから左の頬を引っぱたかれたようなものだ。
日米による経済的な「中国包囲網」が完成
そして先週、アジア太平洋地域から「次なる津波」が押し寄せた。10月5日に、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)が大筋合意に達したのである。オバマ大統領は同日、「中国ではなく、われわれが世界経済のルールを作るのだ」と、語気を強めて語った。
安倍首相も10月6日、こう力説した。
「TPPは、日本とアメリカがリードして、アジア太平洋に自由と繁栄の海を築き上げるものです。経済面での地域の『法の支配』を抜本的に強化するものであり、戦略的にも非常に大きな意義があります」
TPPとは、日米が中心になった経済的な「中国包囲網」に他ならないことを、図らずも日米両首脳が吐露したようなものだった。
今回の大筋合意へ至るTPPの交渉過程を振り返ると、主に「三つの流れ」があったことが分かる。「第一の流れ」は、単純な多国間貿易交渉としてのTPPである。
TPPはもともと、2002年のメキシコAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で、シンガポール、ニュージーランド、チリの3ヵ国で始めたEPA(経済連携協定)交渉が源流である。2005年に、シンガポールと並ぶ「ASEANの先進国」ブルネイも加わり、2006年5月に4ヵ国で発効した。
これによって4ヵ国の貿易において、関税の9割が撤廃された。この段階までは、いわば小国同士がまとめて締結した「共同EPA」に過ぎなかったのだ。
続いて「第二の流れ」は、アメリカが、ブレトンウッズ体制の存続のために利用したことだった。
2008年9月のリーマン・ショックで、金融危機に陥ったアメリカは、すぐにTPPへの参加を表明した。TPPを利用して、アメリカが中心となった21世紀の自由貿易体制を再構築しようとしたのである。
アメリカの呼びかけに、オーストラリア、ベトナム、ペルー、マレーシアが応じた。2010年11月の横浜APECでは、オバマ米大統領が9ヵ国の議長を務め、早期の交渉妥結を図ることを決議したのだった。
2012年11月に、アメリカとNAFTA(北米自由貿易協定)を結んでいるカナダとメキシコも合流。同年末の時点で、交渉参加国は11ヵ国となった。ここまでが、「第二の流れ」である。
そして「第三の流れ」は、2013年7月に、安倍晋三政権下の日本が参加表明したことだ。安倍政権の目的はズバリ、「アメリカと組んで経済分野で中国包囲網を築く」ことだった。
安倍政権は中国とどう向き合うのか
安倍首相は第1次政権の2006年末、「自由と繁栄の弧」という外交戦略を打ち出した。これは、自由と民主主義という同じ理念を持つ国々が、そうでない国(=中国)を海上から包囲することによって繁栄を築こうというものだった。
具体的には、日本、韓国、フィリピン、オーストラリア、タイ、インド、トルコなどを結ぶ「中国包囲網」を、日本が主導権を取って築く構想だ。もちろん、そのバックに控えるのはアメリカである。
だが、この「自由と繁栄の弧」構想は、未完に終わる。その最大の理由は、中国の周辺国の多くは、すでに中国が最大の貿易相手国か、もしくは近未来に最大の貿易相手国となることが見込まれていたからだ。
この頃からアジアの国々では、国防はアメリカに依存し、経済は中国に依存するという傾向が顕著になってきた。そのため中国の周辺国は、中国を怒らせるような戦略に与することは望まなかったのだ。
かつ2007年9月に、安倍首相の持病である潰瘍性大腸炎が悪化し、第1次安倍政権自体が崩壊してしまった。そのことで、「自由と繁栄の弧」は幻に終わった。
だが安倍首相は、諦めたわけではなかった。2012年12月に第2次安倍政権を発足させると、今度はTPPを中国包囲網に利用しようと考えたのだった。
私は安倍政権の政策に詳しい政府関係者から聞いたことがあるが、第2次安倍政権が発足した時、外交問題に関して政府内部で一番議論になったのは、「中国とどう向き合うか」という問題だったという。中国では同時期の2012年11月に、強硬派の習近平が、中国共産党トップの党中央委員会総書記に就任していたからだ。
その政府関係者は、次のように述べた。
「大まかに言えば、安倍政権には3つの選択肢があった。第一は、中国に従属する。これは古代アジアの冊封体制のように、中国に朝貢するものだ。メリットは、習近平政権と友好関係が築け、中国ビジネスの恩恵を受けられる。デメリットは、アジアにおける中国の覇権を認めてしまうことだ。
第二は、中国に対抗していく。この場合のメリットは、過去150年間にわたってアジアを牽引してきた日本の自負が保たれること。デメリットは、中国との対立による経済的損失と、軍事的緊張だ。そして何より、この選択肢の成立は、過去よりもさらに強固な日米同盟が築けるか否かにかかっていた。
第三の選択肢は、中国を無視する。これは、江戸幕府が取っていたような中国に対する鎖国政策だ。
ず第三の選択肢は、21世紀にはふさわしくない。次に第一の選択肢は、安倍首相を始め、『悪夢の選択』と呼んでいた。そこで第二の選択に舵を切っていくことにした。そのためには、アメリカを中心としたアジア太平洋地域の経済の新秩序であるTPPに、一刻も早く加わる必要があった」
そこで安倍首相は、2013年2月22日にホワイトハウスで開かれたオバマ大統領との初の日米首脳会談で、「7月の参院選が終わったら、すぐにTPPに参加する」と約束したのだった。参院選を5ヵ月後に控えていたため、自民党の支持層が多い農家に気を遣ったのである。日本国内にとってTPPへの参加とは、一言で言えば、農業を犠牲にして工業の発展を選択するものだったからだ。
2013年当時のアジアの国々は、前述のように軍事的にはアメリカに依存し、経済的には中国に依存していた。そのため日本は東アジア地域を、軍事面だけでなく、経済的にもアメリカと日本に依存させていくようなTPP体制を構築しようとしたのだった。
アメリカに「新たな大国関係」を提案した習近平主席
こうした日本のTPP参加表明は、2013年3月に国家主席に就任し、正式に政権を発足させた習近平主席にとって、大きな脅威と映った。そこで習近平政権は、経済面でますます周辺諸国を中国に依存させていくことに腐心したのだった。
具体的に習近平政権は、主に3つの対抗策を取った。第一は、RCEP(包括的経済連携構想)の早期締結を目指したことである。
RCEPは、東アジア共同体構想に入っている16ヵ国、すなわちASEAN10ヵ国と、日本、韓国、中国、インド、オーストラリア、ニュージーランドによる自由貿易協定である。
この協定が実現すれば、人口で世界の半数、GDPと貿易額で世界の3割を占める広域経済圏が、アジアに出現することになる。RCEPの最大のポイントは、アメリカが参加していないことだ。
RCEPは2011年11月に、ASEANが提唱して始まった。習近平政権は、アジア最大の経済大国として、このRCEP交渉の主導権を握り、2013年5月にブルネイで交渉の第1回会合を開いたのだった。
ところが、この初会合は、前途多難を予想させるものだったという。当時担当していた日本の経済産業省関係者が、次のように述懐する。
「この時は、ハイレベルの実務者による貿易交渉委員会に加えて、物品貿易、サービス貿易、投資に関する作業部会を開催し、交渉の段取りや分野といった大枠を話し合った。だが、議論を仕切ろうとする中国は、中国の基幹産業を独占している国有企業の民営化や自由化については、絶対にノーだと突っぱねた。
日本も、非参加国のアメリカに気兼ねして積極的ではなかった。そもそも経済産業省では、TPPの交渉グループとRCEPの交渉グループが同じメンバーで、安倍首相官邸や茂木敏充大臣からは、TPPを優先するよう指示が出ていたのだ」
世界第2の経済大国と第3の経済大国がこのような調子では、交渉が順調に進んでいくはずもなかった。習近平政権が当初期待していたRCEPは、とてもTPPより先に締結される見込みがなくなってきたのである。
習近平政権が、TPPへの対抗策として取った二つ目の措置は、オバマ政権との直接交渉だった。
政権発足から3ヵ月近くを経た6月7日、8日に、カリフォルニア州のアンナバーグ農園で、オバマ大統領と習近平主席の初めての米中首脳会談が開かれた。
習近平主席は、次のように述べた。
「ここは太平洋から近く、太平洋の向こう側は中国だ。太平洋には、中国とアメリカという両大国を包み込む広大な空間がある。今日、オバマ大統領と会談を行う主要目的は、『太平洋を跨ぐ提携』の青写真を作ることだ。中米双方は、『新たな大国関係』の構築に向けて、共に進んでいこうではないか」
この時、習近平主席は満を持して、「新たな大国関係」という新概念を提起した。習近平主席はオバマ大統領に対して、随分と柔らかい言い回しをしたが、要は言いたいのは次のようなことだった。
「世界は、中国とアメリカの2大国が牽引していく時代(G2時代)を迎えた。これからは、太平洋の東側、すなわちアメリカ大陸とヨーロッパは、アメリカが責任を持って管理する。そして太平洋の西側、すなわち東アジアは、中国が責任を持って管理する。そのような『新たな大国関係』を築こうではないか」
習近平主席は、この「新たな大国関係」という概念を、オバマ大統領に認めさせようとしたのだった。それに対し、オバマ大統領は即答を避けた。
アメリカの外交関係者が語る。
「この時のわれわれの最優先事項は、習近平新政権と何かを決めることではなくて、習近平という新指導者について見極めることだった」
アメリカとの直接交渉でも思い通りに行かなかった習近平政権は、第三の手段に出た。それは、『一帯一路』(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)の構築と、これを推進するためにAIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立することだった。2013年の9月から10月にかけて、習近平主席は立て続けに、これらの構想を外遊先で発表した。
シルクロード経済ベルトは、中国を起点にして、ヨーロッパへ至るユーラシア大陸のインフラ整備を進めるという構想で、その中心は北京とモスクワを結ぶ高速鉄道の敷設である。
また、21世紀海上シルクロードは、2015年末に6億人の経済統合を果たすASEANを取り込むことに、主軸が置かれていた。そしてこれらを推進するために、日本とアメリカが中心になって1966年に設立したADB(アジア開発銀行)に対抗するAIIBを、2015年末に北京に設立することにしたのである。
つまりこれら一連の構想は、アメリカも日本も頼りにならないなら、自分の道は自分で切り拓いていくという、アジア最大の経済大国としての中国の自負だった。実際、2015年12月には、57ヵ国が参加して、AIIBが設立される予定だ。
中国は「マイナスの流れ」を払拭できるのか
このようにTPP交渉は、「単純な多国間貿易交渉 → ブレトンウッズ体制維持のための交渉 → 中国の台頭を阻止するための交渉」と、漂流を続けた。前出の日本政府関係者によれば、12ヵ国全体のGDPの81%を占める日米の結束と、残り10ヵ国が日米にうまく乗っかってくれたことが、大筋合意につながった勝因だという。
「決定的だったのが、中国軍が南シナ海を埋め立てて軍用飛行場を作り始めたことと、アメリカに対してサイバーテロを起こしたことだった。南シナ海の埋立地に関しては、かつてアメリカと戦争したベトナムまでもが、必死にアメリカ軍を頼った。日本は、4月末に安倍首相が8日間も訪米して、中国の脅威を訴えた。
サイバーテロに関しては、7月9日に、アメリカ連邦政府の職員ら2000万人もの個人情報が、サイバーテロに遭って流出した。米国防総省はこれを中国人民解放軍の仕業と断定して、すぐさま中国政府のITシステムに対して報復のサイバー攻撃を行ったと聞いている」
このような状況下で、TPP参加12ヵ国を牽引するアメリカと日本は、何とか妥結させようと、互いに譲歩する姿勢を見せた。9月26日から米アトランタのウエスティンホテルで始まった交渉の最終ラウンドは、延長、再延長、再々延長し、10月5日、ついに12ヵ国が大筋合意に達したのだった。
これまで書いてきたように、安倍政権はTPPを、単なる貿易協定とは見ていない。前出の政府関係者は、改めて語った。
「日本政府はこれまで再三、アメリカ政府に、TPP交渉の首席代表を、フロマン米通商代表から、国防長官かCIA(米中央情報局)長官に換えてほしいと要請してきた。それはTPPが、今後日本が東アジアで中国に対抗していく『武器』だという認識を持っているからだ。
日本は9月に安保法制を整備して、軍事的に中国に対抗していく法整備を行った。続いて10月に、経済的に中国に対抗していくTPPというシステムを整えた。これからはこの『二つの武器』を駆使して、アジアにおける中国の覇権取りを阻止していく」
これに対して中国では、大筋合意が発表された10月5日以降、TPPに関して様々な見解が発表されている。それらを整理すると、「TPPを恐れるなかれ」と鼓舞するものが多い。なぜ恐れる必要がないかという根拠になっているのは、主に次の5点だ。
1)TPPが発効しても中国の貿易への影響は少ない
中国には世界最大14億人の巨大市場がある。また、多くの熟練工、先端的設備、豊富な部品供給体制があり、世界の工場としての地位も揺るがない。
2)TPPが大筋合意したからといって、アメリカで批准されるとは限らない
大筋合意が発表されたとたん、アメリカでは与党・民主党も野党・共和党も一斉に反対論が噴出している。来年は大統領選イヤーであり、反対論はますます強くなることが予想される。
3)TPPが発効したからといって、直ちには貿易システムは変わらない
例えば、アメリカは25年以内に日本製自動車の関税2.5%を撤廃するとした。だが25年も先の世界など、誰にも想像できない。
4)中国は個別に各国と自由貿易協定を結んでいる
TPP加盟国で言えば、2008年にニュージーランドをFTAを結んだのを皮切りに、ペルー、シンガポール、オーストラリアとFTAを結んでおり、他の国とも個別交渉を進めている。
5)中国には「一帯一路」とAIIB、自由貿易区がある
習近平主席は2013年秋に「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)と、これらを推進するためのAIIB(アジアインフラ投資銀行)構想を発表しており、AIIBは今年末に、57ヵ国が参加して北京で設立される。また、2年前に始めた上海自由貿易区や、今年発表した天津、福建などの自由貿易区もある。
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習近平主席は、10月20日から、ドイツと並ぶ「EUの盟友」と位置づけているイギリスを、国賓として訪問する。冒頭述べた自身と中国に吹く「マイナスの流れ」をどこまで払拭できるのか、お手並み拝見である。
10/13・11 ブログ 台湾は日本の生命線!『中国から見た安倍・蔡英文の“極秘会見”の演出』『中国が憎む蔡英文氏が来日! 安倍政権は厚遇しNHKは思考停止』について
本記事にありますように、日本は台湾とも連携、米・豪・印+ASEAN+(できれば露、韓国は入れません、敵国ですから)で中国封じ込めをして軍事膨張を防がねばなりません。この包囲網が完成すれば中国は内陸部しか活用できず、ランドパワーの大国だけに止まります。
日本の一国平和主義を唱える人は「非武装中立論」と同じく、スーパーパワーの餌食になり、簡単に隷従させられるだけです。少なくともスイスは国民皆兵で「永世中立」を唱えていますので「武装中立論」です。こんなことすら想像できないのは幼稚園児の頭の持主か、外国の手先となって動いているかのどちらかです。集団安保法制が通過しましたが、自衛隊員の安全を言うのであればポジテブリストではなくネガテイブリストにして現場の判断で臨機応変に対処する必要があります。その次のステップとして憲法改正でしょう。また日本もスパイ防止法を作るべきです。ただ、中国の反スパイ法のように構成要件が特定されていない法律にはならないでしょうけど。反スパイ法を見れば中国が如何に近代法の精神を理解していないかが分かります。
台湾が中国の手に落ちれば、台湾海峡はおろかバシー海峡も自由に航行できなくなります。石油タンカーのコストだけでなく東シナ海が中国の内海にされてしまう危険性もあります。台湾としっかり手を携え、悪の帝国の野望を挫かねばなりません。
国民党は今、洪秀柱総統候補を引きずり降ろそうと躍起です。本人が朱立倫党主席・新北市長の説得に応じず、10/17の国民党大会で決めるとのこと。異例と言えば異例。「最終的には中国との統一」と洪候補が言って(馬総統も考えは一緒だが明言はしてこなかった)、来年1月16日の総統選はおろか同日の立法委員選挙で1/3も取れないのを恐れて朱党主席と交代させるとのこと。1/3取れないと憲法も変えられる恐れがあるので心配している様子。中国の武力侵攻の理由を与えるので民進党もそこまでしないと思います。李登輝元総統がおっしゃるように「実質的に独立している」(通貨発行、独自の軍隊、パスポート発行)のだから、憲法までいじる必要はないでしょう。それより「中華民国」の欺瞞的な名を止め、「台湾」にすれば良いです。英語でも“Taiwanese”で、”Chinese”と区別しています。(ただ、2005年の反国家分裂法の武力侵攻の理由になるかもしれませんが。でも、中国とか中華の名前と比べれば響きが良いでしょう)
10/6キャピタルホテル東急で蔡英文民進党主席の歓迎会が開かれ200名程集まったとのこと。今の世論調査では48%の支持率で、翌年の選挙で総統は確実視されています。蔡英文氏は講演で日本と「産業同盟」を作りたいと言っていました。民進党は国民党とは違う価値観(抗日とか慰安婦記念館とか李総統以前の秘密警察重用)で、自由・民主主義・法治・人権と言う点では日本統治時代から築かれて来たものと思います。同じく日本の統治を受けた韓国には総て欠けている要素です。中国の属国の韓国とは基本的な価値観が違うのですから、台湾は中国の一部であるはずはありません。あるとすれば、朝鮮半島でしょう。まあ、韓国は国連の票数の関係で独立国扱いにしているだけと思いますけど。
10/13『中国から見た安倍・蔡英文の“極秘会見”の演出』記事
■中国が敵視する蔡主席が安倍首相と極秘会見
来年一月に行われる台湾総統選挙での最有力候補と目される民進党の蔡英文主席が十月六日から九日にかけ日本を訪問。この人物が当選して国民党から政権を奪えば、日本や中国を含むアジア情勢にも変化がもたらされることだろう。
しかしそれでありながらも日本のメディアが一部を除き、これをあまり大きく取り上げなかったのは中国への配慮からか。
日本では一部メディアしか注目しなかったが、台湾や中国では重視された安倍・蔡英文両氏による“極秘会見”
何しろ中国は蔡氏率いる民進党を敵視し警戒している。「一つの中国」(台湾は中国の一部)なる虚構を掲げる国民党と異なり、台湾を独立した主権国家であることを明確する同党を、中国は台湾独立勢力と看做し、憎悪の念を隠さない(台湾はもともと中国の支配を受けておらず、「独立」も何もないのだが)。
さてその蔡氏は日本滞在中、中国が最も見たくなかったこと、つまり日本の首相、安倍晋三氏との会見を達成している。
「極秘会見」と表現するメディアもあったが、産経新聞によれば二人は、「8日昼、都内の同じホテルに居合わせた。日本政府と蔡氏側の双方とも会談を否定しているが、非公式に接触したとみられる」という。
「菅義偉官房長官は8日の記者会見で首相と蔡氏との接触について『そうした予定はなかった』と強調。蔡氏も記者団に『(安倍首相と会ったというのは)雲をつかむような話だ』と否定している」が、「ともに否定するのは、中国が蔡氏の来日に強く反対しており、接触が公になれば、中国の反発を招くためだとみられる」とのことだが、それがすでに「公」になっている今、中国はこれをどう見ているのか。
■さっそく反応を示した人民日報
中共機関紙人民日報の海外版が十二日、早速この問題に関する論説を配信しているので見てみよう(中共中央宣伝部の指導下の香港紙文匯報なども転載している)。
そこには、まずこんなことが書かれている。
―――蔡英文が訪米に続き、東京も訪問。総統選挙前に日米を訪れるのは民進党候補者の必修科目。日米で誰と会い、何を話したが選挙に深く関わってくるという。
―――民進党は、安倍首相と会見できれば最も体面を保つことができる。しかし中国外交部はすでに蔡英文の訪日活動に対し、「厳重な関心と断固たる反対」を表明しており、日本もそれを十分に承知している。そしてその結果、蔡と安倍との某ホテルでの「偶然の出会い」が発生したのだ。
―――安倍は八日正午、実弟で衆議院議員の岸信夫と東京のザ・キャピトルホテル東急の二階で食事をしたが、蔡英文はまさにそのホテルに宿泊していた。同じ時間に蔡は一階で交流協会の代表と食事をしていた。フジテレビは安倍が十三時二十分に、蔡が十四時にそれぞれホテルを離れているのを映しており、二人は会見を行ったと推測された。日本のメディアは、二つのレストラン間は行き来が可能であり、二人は食事中に会見したと見ている。
―――日本のメディアは、安倍は最近中国との関係修復を求めており、面会を認めることはないという。
論説はこのように、事実関係を書き綴った後、安倍、蔡両氏の思惑をさまざま分析するのである。
■あながち間違いとは言えない中国人の詮索
―――「偶然の出会い」の演出は蔡英文のアイデアではない。二か月前に李登輝もザ・キャピトルホテル東急に宿泊し、安倍はその時そこで食事をとりながら、双方はそれぞれ密会を否定した。蔡英文はかつて李登輝の「二国論」(台湾と中国は国と国との関係)を案出するなど台独理念で共通している。
これなどは、安倍氏が台湾の「台独」勢力(台湾を主権国家と主張する反中勢力)と水面下で結託し、中国への挑戦を図っていると言わんばかりの書き方だが、しかしあながち間違いともいえないだろう。
実際は李登輝氏の時も含め、「密会を行った」というより、「密会を演出した」というべきではないか。事実、これらの会見はともに、メディアにすぐ気付かれる形で行われている。
つまり中国に抗議の口実を与えて混乱を広げないよう、口頭では会見を否定する一方で、メディアに暴露報道をさせ、中国に「日本は台湾との関係を軽視しない」とのメッセージを送り付けたように見えるのだ。
論説はさらに、安倍、蔡両氏の思惑に対する詮索を続ける。
―――「思わぬ出会い」の前日、蔡英文は安倍の故郷、山口県を訪問し、それに岸信夫が同伴した。
―――山口県は安倍の故郷であるだけでなく、下関条約を締結した伊藤博文と、台湾人を懐柔した総督である児玉源太郎という、台湾の親日派が常に慕ってやまない人物も輩出している。農業が盛んな山口県は台湾とは密接な関係があり、蔡は更なる産業交流を訴えたが、真の目的は明らかに日本の右翼と台湾の親日派へのアピールだった。
伊藤博文だとか児玉源太郎だとか、想像もここまで度が過ぎると滑稽だが、しかしそれでも、何かしら本質を穿つような部分もある。
■中国が警戒してやまない日本と台湾の反中連帯
ここで中国人が言う「日本の右翼」とは「中国を恐れない日本人」で、「台湾の親日派」とは「反日思想=中国人意識に染まらない台湾人」といったところだ。蔡氏が山口県を訪れ、その「日本の右翼」の代表たる安倍首相との関係の緊密さをアピールし、所謂「台湾の親日派」に希望を抱かせようとしたというのは、事実ではないだろうか。
―――民進党伝統の「聯日抗中」(日本と連帯して中国に抵抗する)政策はあまり変わっていない。民進党は対日政策において党内独立派大老の反中思想を継承する一方で、李登輝の媚日史観の統括を受けている。
―――民進党の「聯日抗中」は日本右翼と利害が一致している。日本は台湾を海上生命線の要衝と見ており、台湾と中国が釣魚島(尖閣諸島)、南海(南支那海)問題で連携するのを恐れている。日本は親日的な民進党が政権を取り、そしてそれが中国を牽制するのを望んでいる。
国民党が「聯共制台」、つまり「中共と連帯して台湾人勢力の台頭を制する」ことに躍起になって来たのに対し、民進党は「聯日抗中」が伝統なのだという。
それであるなら所謂「日本右翼」とは自ずと利害が一致するわけだ。いや、今後更に一致させて行かなくてはならないというべきだろう。
中国はそれを警戒している訳だが、だからなおのこと。それができるかどうかで、日本政府の勇気と叡智が問われることになる。
■今が安倍政権であることは日台にとり幸運
―――日本が今回蔡英文を厚遇したのも、安倍が戦後七十周年談話でアジアの隣人に触れた際、「台湾、韓国、中国」と述べたのも、台湾を序列第一位に置くためであることは明らかだ。
安倍談話が「台湾」を韓中の前に置いたのは、本当にそのためなのかも知れない。なぜならこれまでの日本政府なら中国の顔色をうかがい、台湾を中国と対等に並べて表現することすら憚って来たからだ。
だからこの論説が批判することが事実なら、中国の脅威に対抗するため日台連携の強化を進める以外にない日本としては喜ぶべきである。台湾で蔡英文政権が発足し、敗北主義的な対中宥和路線が修正されそうな今、日本が安倍政権で本当に好かったと。
もし往年の民主党政権だったら、断じてこうはならない。
安倍、蔡両氏が密かに日台関係強化を目指しているのを陰謀と呼ぶなら呼んでいいだろう。そしてその陰謀が持つ目的、意義がどのようなものであるかを知る上で、世界一陰謀に長けると言われる中国人による分析がとても参考になる。
もちろんこの論説も含めてだ。
10/11『中国が憎む蔡英文氏が来日! 安倍政権は厚遇しNHKは思考停止』記事
■中国が抗議する中で蔡氏を厚遇した安倍政権
来年一月に行われる台湾総統選挙の最有力候補で野党民進党主席の蔡英文氏が、十月六日から九日まで日本を訪問した。
台湾総統選挙の民進党公認候補、蔡英文氏(左2)が来日。写真は安倍首相の地元、山口県で
歓迎を受ける蔡氏。現地を案内したのは首相の実弟、岸衆院議員(左1)
目的の一つは日本の政界との関係の深さを有権者にアピールすることだろう。これまで中国傾斜を強めて来た国民党政権だが、台湾の安全保障にとって、やはり重要な国は日米。両国の支持を取り付けた候補に、やはり有権者は安心するわけだが、その蔡氏の期待に、安倍政権はしっかりと答えた。
蔡氏はすでに五月、訪米も行っている。
国民党と異なり、「一つの中国」(台湾は中国の一部)なる虚構を認めず、台湾が主権国家であるとの現状を強調する民進党を、中国は台湾独立の分裂勢力と位置付けており、台湾海峡の緊張を望まない米国は、これまで民進党を「トラブルメーカー」視して冷淡。むしろ国民党の対中宥和姿勢に期待を寄せていた。
だがこの時の訪米で蔡氏は、ホワイトハウスや国務省で政府高官に迎えられるなど、厚遇を受けた。米国が中国の反撥を覚悟で蔡氏を厚遇した背景には、米中関係が南支那海問題等々で悪化している情勢もあると見られる。
それでは今回の訪日はどうだったか。
ちなみに中国は、これについて苛立ちを隠さず、日本に威圧を加えていた。たとえば中国外交部の報道官は九月二十五日、「我々は蔡英文が日本へ赴き活動することに厳重な関心を寄せ、断固反対する。日本側は一つの中国の原則を堅持し、台湾問題における中国側との約束を遵守し、いかなる人物、いかなる名義、いかなる口実であれ、台湾独立の言論の散布に空間を与えてはならない」と、まさに「断固」とした口調で、厚遇しないよう牽制している。
だが日本政府は、そうした恫喝圧力を無視し、やはり蔡氏を厚遇した。
今回の「訪日の全スケジュールを組み立てたのは日台若手議連の会会長の岸信夫氏」(台湾紙自由時報)だという。言うまでもなく岸衆議院議員は安倍晋三首相の実弟。岸氏は蔡氏を安倍氏の地元である山口県にも案内している。
■安倍首相と見え見えの「極秘会見」
そして都内では安倍氏との会談も行ったとされる。これについて産経新聞は、両者は八日、「都内の同じホテルに居合わせた。日本政府と蔡氏側の双方とも会談を否定しているが、非公式に接触したとみられる」とし、「ともに否定するのは、中国が蔡氏の来日に強く反対しており、接触が公になれば、中国の反発を招くためだとみられる」と報じる。
もっとも、「同じホテルに居合わせ」るなど、あまりに出来すぎている(しかも安倍氏には岸氏も同行していた)。
自由時報は当日、次のように速報している。
「信頼できる筋の情報によると、安倍首相は今日正午、弟の岸信夫氏とホテル東急で食事をした。同じホテルでは蔡英文氏も交流協会幹部と食事をしており、途中で席を離れている。安倍首相と会見のために違いないという」
「極秘」は演出だったのではないか。おそらく安倍氏は、中国に抗議の口実を与えないため会談を「否定する」一方で、あえて会見したことを見せつけ、それを台湾と中国へのメッセージにしたのではないか。
つまり「これからは従来のように、中国の顔色ばかりを気にして台湾との繋がりを無視、軽視することはしない」といったメッセージをだ。
「軟らかい土を深く掘る」(弱い相手だけに手を下す)ことばかりに精を出すのが中国という国だ。今後あの国が台湾問題を巡ってあれこれ大騒ぎしそうな中、「日本は最早軟らかくない」とのメッセージを送ることは有効だ。台湾に対しても大きな激励になろう。
また自由時報によると蔡氏は九日、「訪日で重大な突破を見せた。秘密裏に内閣府に入ったのだ。慣例では、台湾は日本と国交がないため、台湾の政治家が日本で日本の政府関係者と会うのは通常、国会議員会館においてだけだ。しかし今回、直接内閣府を訪問することができたのは、破格の厚遇を受けたということだ」とのことである。
なお同紙は「内閣府で訪問した相手は菅義偉官房長官との情報もあるが、しかし未確認だ」という。
■中国と同じ立場で蔡氏を疑うNHK
さて、今回の訪日についてはNHKの報道番組「国際報道2015」が九日に取り上げた。
キャスターは民進党を紹介するに「独立志向が強いと中国から看做されているのが最大野党の民進党」と表現した。
これまで日本のマスコミ各社は「独立志向の(志向が強い)民進党」と言い表して来た。そもそも台湾独立とは「中華民国体制からの台湾人民の独立」との意味だが、中国は勝手に「中華人民共和国からの独立」と定義している。そして各社も、どうもそれに沿って「独立」という言葉を使用しているようなのだ。
しかしそれは、虚構宣伝を受け入れたがた故の誤報ということになる。なぜなら台湾は中国に帰属しておらず、そこからの独立というのはあり得ないからだ。
だから、「独立志向が強いと中国から看做されている」としたNHKの今回の表現は正確なのだ。
さて報道の内容だが、NHKは蔡氏に「中国とどう向き合って行くのか」と質問し、次のような回答を引き出している。
「民進党の重大な責務は平和・安定のため対中関係の現状を維持することです」
それではその「現状維持」とは何か。蔡氏は「“現状維持”とは台湾の自由で民主的なライフスタイルを変えないことです」と答えた。
これまでも「現状維持」という言葉を繰り返して来た蔡氏だが、彼女に「台湾独立を企図して現状を破壊しようするトラブルメーカー」とのレッテルを張りたい中国や国民党などは、額面通りに受け取らないというか、あえてそれを否定しようとするのだが、面白いことにこの番組のキャスターまで、この言葉を疑って見せたのだ。
こう言ったのだ。
「蔡主席の言う“現状維持”。これはちょっと曖昧で、誤魔化されているようなニュアンスもある。これはどう意味なんでしょうか」と。すっかり蔡氏を嘘つき扱いだ
■日本のメディアは中国の宣伝に洗脳されている
これに対し、出演していた台湾問題の専門家である松田康博・東京大学教授は次のように説明した。
「簡単な言葉で言えば、“安心して下さい”というメッセージになります」
「民進党政権になりますと中国との関係が緊張して経済関係がうまく行かなくなるのではないか、軍事的な緊張、あるいは本当の紛争に発展してアメリカや日本も巻き込まれるのではないかという懸念がないことはない。それに対して、“決して台湾の方から中国を挑発し、そうした経済、安全保障にマイナスになるようなことはしません。安心して下さい”というメッセージです」
とても適切な説明と言えるだろう。
これを聞かされてキャスターは、ハッと目が覚めたようだ。少し慌てて、「なるほどね。ちょっと今、“誤魔化す”などと…。違いましたね!冷静なアプローチだということだと思います」などと、蔡氏擁護へと態度を変えた。
まさにキャスターが、中国の洗脳宣伝から解放された瞬間だった、と私には見えた。
ちなみにキャスターの名は有馬嘉男氏。特派員経験が豊富な割には、簡単に独裁国家の宣伝に踊らされるなど、甘っちょろい。きっとNHKは日頃の中国迎合の習慣により、中国が「独立志向が強いと看做す」のに歩調を合わせ、民進党に対して同じような見方、感情を持ってしまうのだろう。
他のマスコミも、だいたい同じような雰囲気があるのではないだろうか。
中国の脅威増大の前で、台湾問題を巡って日米が姿勢を変えつつある中、メディアが旧態依然たる思考(台湾問題に対する思考自粛と言うべきか)のままでは、あまりに心許ない。
平間洋一著『日英同盟』について
朝日新聞はアジの名手という所でしょう。日露戦争の講和条約締結に反対して日比谷公園焼き打ち事件を起こす元となりました。今はGHQの検閲時代と同じく「日本が(何でも)悪い」派に宗旨替え。こういう節操のない人間(新聞社)を昔の日本人は毛嫌いしたものですが。
この焼き打ち事件がアメリカの世論を変えたとありますから、朝日新聞等の為したことの責任は大きいです。慰安婦の誤報同様、国際世論に与えた影響は大きいという事です。でも、彼らの体質は都合が悪くなると知らん振りを決め込みます。あれだけ、政官財で不祥事が起きると正義面してバッシングするくせに、自分の落ち度は認めない左翼にありがちな無謬路線で対抗します。ズルイ連中の集まりです。
セオドア・ルーズベルト大統領はマイヤー駐伊大使に「若し平和が今到来するならば、日本は朝鮮を保護国とすべきである。(朝鮮は自立しうる能力が全くないことを示してきた)」と書き送っていたとありますように、日露戦争の時には朝鮮半島は自分たちで治める能力がないと認めていたという事です。中国かロシアか日本かのいずれかの属国か保護領にあるしかなかったのです。日本と併合されて良かったと喜ぶべきなのに彼らから聞こえるのは恨み節ばかり。中国の属国のままか、ロシアの一部になったことを考えてみたことがあるのかと言いたい。歴史を政治のプロパガンダに使うのでなく、もっと真摯に勉強した方が良い。
ドイツは性悪女そのものです。国際謀略を仕掛け、日米分断を図りました。アメリカのハースト系新聞はイエローペーパーなんでしょうけど、人種差別が米国人に受け入れられていたから日本人排斥を読者が素直に受け入れたのではと思います。結局、米国の人種差別がドイツの言っていることを信じさせ、それが太平洋戦争に繋がり、日本の敗戦で幕引きとなりました。後の三国同盟が失敗の基でしたし、ドイツの嘘にキチンと反論しなかったからです。
日中提携を夢見て失敗した歴史が過去にもあるということです。中国人の本質が見えていなかったという事でしょう。日本人は「信義」を大切にしますが、中国人は「詐術」を旨とします。孫文だって、日本が金ヅルの時は日本を頼り、日本から金が出なくなるとロシアを頼りました。西原借款だって返して貰っていないでしょう。今も日本人4人をスパイ容疑で拘留しています。こういう国と付き合うと碌なことにはなりません。恩を仇で返すのが賢いと思う民族性ですので。マクマレーも「ナショナリズムをロにして国際法や条約を蹂躅することは許されない。」と言って中国を非難しています。昔からそういう国です。今も東シナ海や南シナ海でやっていることはそういう伝統に則って行動しているという事です。日米ともにこういう中国を豊かにして、力を付けさせたのですから愚かとしか言いようがありません。
内容
P.68~70
6.親日的世論を一転させた日比谷騒動
日本はアメリカからもイギリスからも称えられ栄光に満ちていた。だが、日本国内は混乱の坩堝と化していた。多くの政治家、学者や『萬朝報』『ニ六新聞』『都新聞』『日本新聞』『大阪日報』『大阪朝日』などの大新聞が、講和条約の条文に領土の割譲も賠償金もないことが判明すると、「この屈辱!」「あえて閣員元老の責任を問う」などと政府を攻撃した。
特に『大阪朝日』は帝国の威信を傷つける「屈辱の和約」である。小村全権は「努力を怠り違算を致して、この屈辱に甘んぜんとす」。このような条件で講和条約を蹄結するのは陛下の「聖意に非ざる」ものであり、「和議の破棄を命じ給はんことを請い奉る」と社説を掲載した。
また、『萬朝報』も社説で、「帝国の光栄を抹殺し、戦勝国の顔に泥を塗りたるは我が全権なり、国民は断じて帰朝を迎ふることなかれ。これを迎えるには弔旗を以てせよ」など書き立てた。そして、講和問題同志連合会長の元衆議院議長の河野広中は、小村全権に「閣下の議定せる講和条約は、君国の大事を誤りたるものと認む。すみやか処決して罪を上下に謝せよ」と打電し、満州軍には進撃せよと打電した•。
八月初旬の満州における日露の戦力比は、日本軍二五ヶ師団に対しロシア軍は四九ヶ師団と二倍の兵力差となっており、さらに第二一軍団、第二二軍団の到着も予想されていた。
だが実情を知らない無知な群衆は、九月五日の対露同志会など数団体の講和問題国民同志連合会の日比谷集会の後、内務大臣嘉や外務省、講和会議の仲介をしたアメリカ大使館などを襲撃し、教会一三カ所を焼打し破壊した。警官と群集の衡突は三〇数回を数え、 死者一七名、負傷者五〇〇余名を出した日比谷事件を起こしてしまった。この不祥事件がアメリ力に伝わると、アメリカの新聞は次のように批判した。
日本は異教徒の国であるが、たとえ宗教が異なっていても、神に祈りを捧げる神聖な場所を焼き払い、破壊するのは人間ではないことを示す何よりの証拠である」。「日本人は戦争中、見事な秩序と団結で輝かしい勝利を得た。彼等は人道と文明のために 戦い、講和会議の蹄結にもそれを感じさせた。しかし、東京騒動は日本人が常にロにしていた人道と文明のためという言葉が、偽りであることを明らかにした。彼等は黄色い野蛮人にすぎない。
このように日比谷騒動はアメリカを失望させ、アメリカの日露戦争中の親日的世論を一転させた。特に教会を破壊したことが、アメリカ人に日露戦争がキリスト教徒と異教徒、白色人種と黄色人種の戦争であるとの人種論的な感情を高め、今までの日本に対する同情的態度を一変させ、人種差別問題、カリフォルニアの排日土地所有禁止法案へと連なる遠因を与えてしまった。
一方、国内では世界の大局を説き妄動を戒め、「今や吾人は戦勝の結果として、平和条約においてその目的を達したり」。「この度の講和条約にて、わが主義は完舍貫徹し、我々は戦勝の効果を遺憾なく発揮したり」と書いた國民新聞社は、民衆の怒りを受け焼打ちされてしまった。
P.80~85
2戦争は避けられたか
日露戦争は日本の奇襲で幕が落とされ、学者の中には日本が大陸進出のために開戦に踏み切ったとの説も散見される。また、未だ交渉の余地があり、ロシアが回答を送ろうとしていたのに、早々に開戦に踏み切ってしまったと主張する論者もいる。確かにウィッテの回想録やその後に公開された文書などを読むと、ロシアにも戦争を回避しようとの議論があり開戦は避けられたかもしれなかった。
だか、それは恫喝すれば日本が要望に屈すると考えたからであり、極東に充分な兵力を展開するまでの一時的な期間ではなかったか。日本から宣戦布告は発せられたが、それはロシアの増援兵力が展開される前にしか勝算がないという追い詰められた軍事力の格差の増大にあった。日本が大陸に進出したのは日.露戦争に勝ったからであり、勝つか負けるか分か!らない戦争に、そんな悠長なことを言っていられなかったのが実情ではなかったか。『原敬日記(一九〇四年二月五日)』には、伊藤博文、井上馨、一 般国民、特に実業家は「戦争を嫌うも表面に之を唱える勇気なし」と書かれており戦争を望んでいなかった。当時の陸軍内部でも中佐、少佐の中堅幹部は悲憤慷慨の余り、開戦を強硬に主張したものもいたが、高級将校、すなわち将官以上の者は「斯く申しては如何かと存じますが」、ロシア対して「到底戦争は出来ない」と云う主義の人が多かった。
また、さらに当時の陸軍の中にはロシア崇拝者がおり、ロシアと戦争するのは、卵を以て岩石にぶっつかる様なものであると反対する者もいた。確かに「七博士が熱心なる開戦論者でありました。……しかし、民間の世論は七分三分であり」、参謀総長の大山巌はロ シアとの戦争について「何ら所見を発表することなく」、参謀次長の田村怡与造中将は 「真に開戦の意図なく、満州問題を利用して軍備の充実を謀らんとするに過ぎず」であったと、当時の参謀本部員の福田雅太郎少佐(のち大将)は後に語っている。
もし日本が戦わなかったら、あるいは敗北していたらば朝鮮半島はロシア領になり、日本も最貧国に転落したのではなかったか。ウラジミール•ラムズドルフ外相は伊藤博文に会う直前に、駐露ドイツ大使フレドリック・E •アルベンスレーベンに次のように語っていた。
「われわれは中立の朝鮮を必要とする。もし中立の提案が日本の気に入らないならばこの表現はやめるが、現実の事態はそうする。われわれが決して日本に朝鮮を与えないことは確実だということを日本は理解すべきである。もし朝鮮が自由でなければわれわれの極東における全戦略が脅かされるからだ。朝鮮における日本の経済活動などは心配してしないが、旅順からウラジオストクに至るルートの障礙はなくしておきたい。もし日本がこれに同意しなければ、海陸における戦闘という犠牲を払わねばならない」。
ニコライ皇帝はプロイセンのハインリヒ親王に、「日本が朝鮮に確固たる地歩を占めようとするならば、それはロシアにとって開戦理由となる。日本が朝鮮で地歩を確立することは、極東に新しい海峡問題(ダーダネルス海峡)を作り出すのと同じ意味になるので決して許容しない」と語った。ウイッテ外相は開戦半年後の一九〇五年六月下句に、チヤールス・ハ—デイング駐露英国大使に「ロシア軍による満州占領以来、あの地方は実際上ロシアの保護領となった。統治は現実にロシアの手中にあり、ロシアは問題となっている一切の事業と特権に関する優先権を獲得した。他の諸国が同等の立場をえようと期待しても不可能である。……満州からの撤兵条約が清国と締結されたとはいえ、これを実施するまじめな意向はこれまで決してなかった。日本がロシアと戦争に入ったのが、満州における平等な待遇の要求であったが、戦勝の際に皇帝がこれらの点で譲歩するつもりはなさそうだと私は考える。〔戦勝の場合の日本への平和条件〕は満州及び朝鮮の併合の問題の他に、日本から戦闘力を奪わなければならないとの見解に一致している。それは日本に対する艦 隊所有禁止であり、さらに黄海における優越を維持するために旅順に加えて、鴨緑江の江ロの竜岩浦に築城し前哨を確保し、さらに朝鮮海峡を制することが必要となるであろう。 また敗北した日本から充分の賠償を得ることは事実上不可能であり、韓国が経済上無価値なことを考慮すれば、この戦争から得るべきロシアの唯一の具体的な賠償は満州の併合であるかに思われる」と語っていた。
このように、ロシアは日本の要求には何も譲る気はなかったのである。しかし、ウイッテは日本の同盟国のイギリスに、なぜこのようなことを言ったのであろうか。それは日本の敗北を前提とし、講和会議で日本に要求すべき項目や、その程度についてイギリスに探りを入れたのである。 .
3大韓帝国の併合と列強の対応
次に当時の韓国に対する列強の対応をみてみよう。アメリカのホーラス・N ・アレン駐韓公使は在韓宣教師出身で、韓国宮廷や要人にアメリカに支援を求めるよう画策し、一九〇三年に帰国した時にはセオドア・ルーズベルト大統領を親韓•反日にしようと試みた人物であった。
だが、「韓廷の腐敗と陰謀による幻滅を経験」したためであろうか、日露戦争の始まる直前の一九〇四年一月四日にはセオド・ロックヒル国務長官に「米国が感情上の理由から韓国の独立について支援するならば、米国は大きな誤りを犯すであろうと私は信ずる。 韓国民は自己を治めえない。私は熱狂的な親日派ではないが、久しい征服の権利と伝統とによって韓国は日本に所属すべきものと考える。わが政府が日本をして徒らにこの仮構の独立を持続させようと試みるならば、誤りを犯すことになるだろう」一九〇四年一月四日付ロックヒル宛アレン発)との電報を発していた。
一方、ロックヒルからは「韓国の独立を支援するために、わが政府がその勢力を行使するいかなる見込も看取しえない」(一九〇四年一月四日付アレン宛ロックヒル発)。日本の「韓国併合は日本帝国の西方への伸展の大規模、かつ最終の措置として絶対に示されていると私には思われる。それが発生する時には、それは韓国民にとっても極東の平和にとってもより良いであろうと私は考える」(一九〇四年二月ニ○日付アレン宛ロックヒル発)などの電報が打たれていた。
また、ルーズベルト大統領も一九〇五年一月 一四日には、高平小五郎駐米公使に「余ノ見ル所ヲ以テスレバ、日本ハ韓国ヲ日本の勢力範囲ニ置クノ権利アリト信ズル」と語ったが、二八日にはジョン・ミルトン・ヘイ国務長官にも「我々は恐らく韓国のために、日本に対抗して干渉しえない。韓国人は自らの防衛のために一撃をも揮えなかった」との書簡を送り、二月六日にはマイヤー駐伊大使に「若し平和が今到来するならば、日本は朝鮮を保護国とすべきである。(朝鮮は自立しうる能力が全くないことを示してきた)」と書き送っていた。
さらに、ルーズベルトは、反日的志向のあったアレン公使を辞めさせ、後任にエドワー ド・V •モルガン公使を起用した。そして、一九〇五年三月ニ〇日にサンズを後任にと有力筋から「強イラレタ」が、サンズは日本に対する「同情ニ於テ稍欠クル処アルヲ以テ」、 これを「捨テ」、モルガンを任命した。モルガンには「日本ノ官憲ト絶エズ密接ナル関係ヲ保チ、日本ノ政策トー致スル行動ヲ探ルべキ旨ヲ以テセリ」と高平公使に伝えた。このようなアメリ力の反応を見た日本は、一九〇四年二月二三日に日韓議定書を強引に調印させ日本の保護下に置き、外交•軍事事項を取り上げた。日本が欧米諸国に説明した理由は、 「韓国当事者は誠心誠意国家のために慮るものなく、あるは黄白(金銭)あるいは自家の権勢維持のためには、いかなる約束もあえてするものにして、殊に宮中はこれら陰謀の淵藪なるが故に、もし外政を為すがままに一任せんには、闇黒裡いかなる危険なる事態の成立を見るやも料かるべからず」ということであった。
さらに、日本は一九〇五年七月に蹄結された桂・タフト協定、八月に更新された第二次日英同盟の改定、一九〇七年六月の日仏協商と同年七月の日露協商などにより、英米仏露などから日本の韓国に対する保護権を確立した。なお、アメリカは一九〇五年一一月には西欧諸国で最初に在韓公使を引き上げた。
大韓帝国の併合に朝鮮各地で抵抗運動が起き、一九〇七年には高宗が欧州に臣下を派遣して日本の不当を訴える「ハーグ密使事件」も起きた。しかし、いずれの国も法律上解決済みであるとして取り上げなかった。総てが韓国の頭越しであり、現在の民族自決、主権平等の世の中では不当なことではあるが、当時は弱小国は国際法の主体として相手にしてもらえなかった時代だったのである。また、当時は中国もルーズべルトが「シナは腐敗と動乱の国だ」。「シナはフィリピン人と同様に自治の能力はない。古代に文明を持ったが、 今では劣等民族だ」。「シナ人を日本人と同じ人種などということは何たる戯言か」とへイ国務長官に語っていたが、これが当時の国際的な中国や韓国観であったのである。
P.95~97
2日本の参戦阻止へのドイツの陰謀
一方、カリブ海やメキシコへの進出でアメリカと対立するドイツは、アメリカの反独世論を反日世論に変えようと、また、アメリカと対立しているメキシコは日本を利用してアメリカを牽制しようと各種の陰謀工作を行っていた。しかし、第一次世界大戦が始まると日本の参戦を阻止するとともに、黄色人種と同盟したイギリスへの反感を高め、アメリカの世論を反英に転じようと、さらに活発な反日キャンペーンを開始した。八月一二日には、 日本の参戦に関して種々伝えられているが、この戦争はヨーロッパの戦争であり、もし日本が参戦し日本の軍艦がアメリカ近海に出現することになれば、アメリ力の安全上から無視できないであろうとのサンフランシスコのドイツ領事の自署の一文が新聞に掲載された。
また、アメリ力の新聞は日米戦争の勝敗はメキシコにおける勢力の消長如何にあり・・・メキシコにおける両国の角逐はその「勝負ノ分岐点ナリトス」と論じた。さらにハースト系新聞はビクトリアノ •ウエルタ大統領がアメリカに反抗するのはメキシコ軍の中に、 日露戦争に参加した多数のベテラン日本兵が従軍し、メキシコ軍を指揮しているからであると報じていた。
いかに日米開戦のうわさが流布していたかは、ニユーヨークの日本協会が、アメリカは日本商品の主要輸出先で全輸出の三分の一が向けられている。日本の国力は貧弱であり、さらに現在多額の負債を抱えている。日米間には四五〇〇マイルの距離があり、しかも中間に補給基地がないなどと、経済的にも技術的にも日本がアメリカに戦争を仕掛けることなどはありえない、との「日米開戦不可能の理由一一項目」を新聞広告に出さなければならなかったことでも理解できるであろう。
このような状況のなかで、一九一七年一月にはドイツ外務大臣アルトゥール・チインメルマンから、メキシコ駐在ドイツ大使に宛てた電報が、アメリカの新聞に大きく掲載され 対日猜疑心をさらに高めた。この電報はアメリカが参戦するならば、ドイツはメキシコと 同盟しドイツが勝利した暁には、米墨戦争でアメリカに奪われたテキサスやアリゾナなどを返還させる。また、メキシコにドイツと日本の仲裁と日本の対米戦争への参戦を説得せよとの内容であった。
この電報がアメリカの対日不信感を髙め日米に深い亀裂を生んだ。一九七年には農務次官プルマンが、アメリカがメキシコに対して強圧的手段を講じられないのは、メキシコ軍に多数の日本の退役軍人がいるからであると発言し、議会でも下院共和党党首マンが陸軍予算の説明に、プルマン次官の発言を引用して対日脅威を煽るなど、海軍のみならず陸軍の兵力増強にも日本の脅威が利用されたのであった。
P.122~126
2日中共同防衛思想の萌芽
蛮狄小邦と蔑視する日本に日清戦争で敗北し、台湾を領有された中国人は反日感情を高めたが、日本がロシアを破り日本のエ業化が進むと、日本に対する視察団や留学生の派遣、 艦艇の発注がはじまった。一九〇三年二月には揚子江警備用の江元級砲艦四隻、一九〇四年には浅底砲艦楚秦級六隻と水雷艇四隻が川崎造船所に発注され、これら艦廷は一九〇六年から八年かけて引き渡されるなど、アメリ力における排日法案などの人種差別問題で日米関係が緊迫すると日中関係は緊密化した。
一九一四年八月に山縣有朋は「対支政策意見書」を提出し、将来の人種戦争を予想し中国との連携強化の必要性を説いたが、陸軍部内では二月下旬に陸軍省兵器局長筑紫熊七大佐により日本が中国に武器を供給する代わりに、中国は原料を日本に優先的に供給することを骨子とした「帝国中華民国兵器同盟策」を脱稿し、失敗に終わったが具体的交渉を開始していた。次いで第一次世界大戦が劫発すると、八月七日には欧州の禍乱が極東に波及する場合に備え、日中が共同して防衛態勢を整備すべきであると、中国軍の改革と日中両軍の兵器統一を実現しようとの「日支協約要領」が、再び陸軍参謀本部第二部長福田雅太郎少将から提出された。
一九一六年一〇月に寺内内閣が成立し袁世凱が死去し、親日派の段祺瑞が首相となると、 ロシアの革命勢力が「漸次極東ニ波及セントスル」危機を背景に、日支提携の強化の流れが強まり、特に一九一七年一二月の連合国会議でフヱルディナン•フォッシユ元帥が、ドイツの支援を受けたロシアの革命勢力のシベリア方面への進出を阻止すべきであると提案すると、段首相は林董公使に「日本ト提携スルコト出来レバ『ウラル』以東、西比利亜地方一帯ハ日支両国ニテ自由ニ処分スルコト然程難事ニアラザルべシ」などと語り、武器援助を申し出てきた。しかし、日本は複雑な中国情勢や輪出した武器で南方派の孫文などを攻撃することを危惧し決めかねていた。
しかし、段政権の脆弱性やロシア革命の影響を受け、一九一八年一月の閣議で段内閣を支援し、資金不足からアメリカに頼る事態を阻止しよぅと、多量の武器と西原借款と呼ばれる多額の借款を与えることになった。このように第一次世界大戦、ロシア革命の勃発、連合国のシベリア出兵が日中を急速に結び付け、一九一八年五月一六日の日華陸軍共同防敵軍事協定、一九日の日華海軍共同防敵軍事協定調印へと進んだ。
さらに、太平洋から日米共通の敵ドイツが消え、アメリカが日本を対象に大規模な海軍軍備の増強を始めると、駐華海軍武官の八角三郎中佐などにより中国海軍を育成強化し、 中国と提携してアメリカに対処しようとの動きが生まれた。一九一八年七月にアメリカのべツレへム製鋼が江南造船所を担保として多額の借款を与えるとの情報(中米海軍借款協約)に、アメリカが「支那沿岸、特ニ上海ノ如キ枢要地点ニ戦時之ヲ利用シ得ヘキ造船所ヲ其勢力下ニ置クカ如キ」は、戦時に「米ノ軍港ヲ我最短距離ノ地ニ現出セシ得ルト同一影響ヲ来スへク、実二直接累ヲ我国防ニ及ホス恐アリ」と、日本海軍の危機感を高めた。 そして、一九二〇年には川崎造船所の東京支社長岡田晋太郎が北京に派遣され、借款総額五〇〇万円、年利九分で中国に造船所を造る交渉が成立するかに見えた。だが、日中提携の夢は川崎造船所の経済的破綻、中国の内戦による混乱や反日運動の高まりなどから実を結ばなかった。
3総力戦認識と中国資源への着目
短期で終結すると予想された戦争が長期化し、さらにアメリカが参戦し軍需用鉄材を確保するために鉄材などの輸出制限を行うと、日本の工業界、特に造船界は大きな打撃を受けた。雑誌『大日本』には「日本は知識、支那は原料」の「日支軍事エ業同盟論』が掲載された。陸軍参謀本部の兵要地誌班では小磯国昭中佐を中心に『帝国国防資源』がまとめられ、「欧州戦ノ与へタル国防上ノ戦訓」として、「原料ト云フモノハ成ルべク近イ地区ニ於テ充分ニ得ル方策ヲ確立スルノガ、日本ノ経済政策トシテハ最モ急務デアリマス」。この点で「我々ハ実ニ天与ノ好地位ニ在リマス。対岸ノ支那、西比利亜ト云フ畑ニハ甚ダ近イ」と、大陸資源確保の重要性が強く認識されるに至った。第一次世界大戦勃発一力月前の一九一四年六月の貴族院予算委員会で、八代六郎海相は 「財政状態ノ許ササル今日」、「最小限度ノ国防力トハ他国ヲ侵略スルノ意ヲ有サス、仮想敵ヲ設ケス、単ニ護国ノ任ヲ尽シ得ル力ヲ言フ」としていた。
だが、一九一八年一一月九日のウィルソンの一四ヵ条問題を検討した外交調査会で、加藤友三郎海相は「帝国ハ所謂自給自足ノ国ニ在ラス。平時戦時ヲ問ハス物資ヲ海外ニ仰カサルへカラサルノ実情」にあるので、海洋白由の原則に賛同することを利益とする。しかし、アメリカとの戦争の場合には物資を中国大陸に依存せざるをえないので、「南部支那厦門付近ヨリ台湾南端ニ亙リ一線を劃し、この線より台湾•琉球諸島を経て九州南端に至る線内の海面の「海上権ヲ確立スルヲ得ハ、支那大陸ト連絡ヲ維持スルヲ得テ戦略物資ノ持久可能ナルべシ」と、海軍は総力戦認識や中国大陸への日本企業の進出増加、日米対立の顕在化などにより、国防の範囲を単に「護国ノ任」の日本周辺海域から、「妙クモ東亜海面ノ管制」へと拡大した。
その後、一九二九年に軍令部長が加藤寛治大将になると、アメリカが「『モンロー』主義及支那ニ於ケル門戸開放主義」を「国策中最モ重要ナルモノ」とし、また、アメリカが現状ノ如キ法外ナル繁栄ヲ持続セントセパ、世界ニ向テ大々的二市場ト資源トヲ求メサルベカラズ」。アメリカは国策擁護を任務とするマハン流の「攻勢的海軍」を整備しつつあり、「支那市場ヲ開拓センガ為ニハ手段ノ如何ヲ選パザル」傾向にある現状に鑑み、日本の大陸政策は重大な脅威にさらされている。「日米海軍の争覇戦」の真の原因は、「支那ノ資源ト市場」をめぐる「経済戦」である。
日米海軍軍縮問題も、シンガポール軍備増強問題も、ハワイの軍事施設の増強も、アメリカの「赤裸々の心理を解剖しますれば、悉く日本の死活問題に関する極東一帯の支配権、とりわけ対中帝国主義の争覇戦の利を先制せんとするの準備に外ならぬ」。「太平洋を知らずして支那を論ずること能わず。支那を知らずして太平洋上に日米海軍競争の起きる所以を理解すること能わず」と、中国間題は日米問題であると強く主張するに至った。このように日米関係の悪化と海軍の総力戦認識の高まりが、日中共同の相互防衛協力と自給自足へと進み、それまで陸軍の北進、海軍の南進であった日本の針路を南北並進に変えた。
P.185~186
7日本敵視の危険を指摘したマクマレー
一九ニ五年から 一九二九年まで駐華公使を経験し中国関係の条約集を編纂するなど、当時のアメリカの中国通の第一人者といわれていたジヨン・V・A・マクマレーは、クローデルが報告した一四年後の一九三五年に、国務省極東部長スタンリー• K •ホーンベックに「極東における米国の政策に影響を及ぽしつつある諸動向」という文書を提出した。マクマレーはワシントン会議以来の極東情勢とアメリカの政策を振り返り、ワシントン体制が崩壊した理由を分析し次のように進言した。
ワシントン体制を崩壊させたのは日本ではなく、中国及びアメリカを先頭とする欧米列強である。中国は国内の諸勢力がナショナリズムを自らの勢力延長の手段として、不平等な国際条約を無視し、破棄してワシントン体制の存続を危なくした。アメリカは中国に死活的利益を持っていなかったが、いたずらに中国のナショナリズムへの迎合を繰り返し、ワシントン体制を崩壊に導いた。……国際法や条約は各国が順守し、その変更はルールに則とって行われなければ安定した国際社会を築くことは不可能である。関税主権の回復や治外法権の撤廃のためであれ、領土保全のためであれ、ナショナリズムをロにして国際法や条約を蹂躅することは許されない。……中国やアメリカなどの西欧諸国が、国際法や条約を順守する立場に立たない限り、日本は今後ますます追い詰められ、日米戦争に至ることは必然である。
このように、マクマレーはワシントン会議以降に諸条約を無視した中国の政策と、それに迎合したアメリカの政策を批判し、極東に於ける唯一の安定した国家である日本を敵視することなく協調すべきであると、日本を敵視する危険を指摘した。しかし、この報告書は親中国派のホーンべックには影響を与えなかった。
確かに、歴史的にみればワシントン体制の崩壊を決定付けたのは満州事変であり、日本の中国への侵略行為であった。しかし、日本がそのような行為に走ってしまったのは、クローデル大使も指摘するとおり、「相続人不在」の「未開発で無防備」な中国の存在と、中国のワシントン体制を無視する過激なナショナリズムにあったことを否定することはできないのではないか。



