ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

11/6・7 ZAKZAK 宮崎正弘『死に物狂いで金集めに走る中国 日本株も静かに売却していた…』『史上例をみない“詐欺的作為”か 海外投資家は中国から一斉引き揚げ開始』について

中国の経済崩壊は避けられないでしょう。ハードランデイングになるかソフトランデイングになるかの違いです。本記事にあるように、本年末400兆円もの債券が借り換えできなければハードになるでしょう。中国の鼻薬が効いているアナリストや共産党から情報を貰うしかない無能な評論家、日中記者交換協定に唯唯諾諾と従う記者は「保守派のwishful thinking」と言うでしょうけど現実です。

米国も南シナ海の人工島の鉾を収めればIMFのSDRを認める取引をするのではと噂されていますが、これだけ中国国内の経済が困窮化しているのに、生き延びさせるような支援はすべきではありません。敵は騙すのを生業としているのですから。時間の利益は人口の多い中国に有利に働きます。世界が中国の経済崩壊の影響を受けたとしても、軍拡・世界制覇の野望を持つ中国の意図を挫いた方が良いでしょう。

AIIBの資本金が1000億$(12兆円)ですので、この金を流用しようとしても、400兆円の借り換えは出来ません。桁が違いすぎます。支払い不能の場合どうなるのか分かりません。ギリシャの場合と違って、桁が大きく救済できないのでは。中国保有の資産を差し押さえるのかどうか?中国の土地は無価値では?でも狂った共産党が戦争を仕掛けてくることが大きな懸念です。

記事

中国経済は「アリ地獄」に落ちた。「負の連鎖」が最悪の方向へ暴走し始めたことが、種々の経済データや現状分析から明瞭に観察できる。

 今年6月以来の「上海株暴落」と、8月の「人民元切り下げ」。続いた「天津大爆発」により、世界第4位の港湾施設が麻痺(まひ)し、輸出入が激減したばかりか、北京への貨物輸送が途絶えた。

 この前後の、経済動態を緻密に検証してみる。リーマンショック直後からの財政出動、強気のインフラ投資、新幹線建設はまだしも、各地にゴーストタウン(鬼城)が出現したあたりから、中国経済は崩落への道に突き進み、「負の連鎖」が始まっていたことが分かる。

 中国の経済政策は制度上、国務院(=日本の内閣に相当)が所管する。このため、李克強首相が経済政策の中枢を担い、彼の推進する中国の経済を「リコノミクス」と呼ぶ。李氏自らが認めたように、中国のGDP(国内総生産)統計は水増しが多く、信頼するに値しない。「電力消費量」と「銀行融資残高」「鉄道貨物輸送量」の3つのデータを重視するとした。

 となると、計算上、電力消費量が40%、銀行融資残高が35%、鉄道貨物輸送量が35%として振り分けられる「李克強指標」で見ると、7%成長をうたう中国のGDPは、本当のところ2%前後しかない。電力消費量は横ばい、貨物輸送量は10%のマイナスだからだ。「実質はマイナス成長」に陥っていると推定できる。

 中国の抱える債務はGDPの282%である。2015年末に400兆円、16年末に600兆円の償還時期がくるが、返済は無理。つまり借り換え、分かりやすくいえば、ギリシャのように「証文の書き換え」が目の前に来ているということだ。

5兆円にものぼった中国国富ファンドの日本株保有も、いつのまにか手元資金不足に陥って、静かに売却していた。  なぜなら、日本企業の株主リストは公開されており、豪のオムニバス・ファンド(=中国国富ファンドの別動隊)の名前が見つからなくなった。中国は日本株をほぼすべて売却していたのである。  あまつさえ中国は保有する米国債を取り崩し、備蓄した金も少しずつ売却している。次に地方政府の債券発行を認め、さらには住宅ローンの貸し出し分を担保の銀行融資枠を拡大し、10月には銀行金利の上限も撤廃した。加えて、人民元建ての中国国債をロンドンでも売り出して、死に物狂いの金集めを展開している。  これは末期的症状ではないのか。

 

 中国の外貨準備高は帳面上、世界最大で3兆6500億ドル(約443兆1465億円)=2015年6月末現在=だが、それなら、なぜ、米国債を徐々に取り崩しているのだろう? 直近の7月から9月だけでも、2290億ドル(約27兆8028億円)を売却しているのだ(米財務省速報)。

 従って、中国の外貨準備にはカラクリ、それも史上例をみない“詐欺的作為”がなされているとみるエコノミストが増えている。ドル資産が、一夜にしてブラックホールに吸い込まれるように消える恐れが強まった。

 CIA(米中央情報局)筋の調査で、中国から不正に流れ出した外貨は3兆800億ドル(約373兆9428億円)とされる。となると、15年6月末の外貨準備高は、差し引き5700億ドル(約69兆2037億円)でしかない。

 単純計算はともかく、複雑な要素が絡む。

 第1に、最も重要な外貨準備指標は「経常収支」である。この数字をみると15年3月まで1年間の統計は2148億ドル(約26兆788億円)。ところが、外貨準備は同期間に2632億ドル(約31兆9551億円)減少している。膨大な外貨が流失しているから、数字の齟齬(そご)が起こるのだ。

 そこで嘘の上塗り、つまり架空の数字をつくりかえ、粉飾のうえに粉飾をおこなう。となると「GDP(国内総生産)が世界第2位」というのも真っ赤な嘘になる。GDPのなかで、「投資」が締める割合が48%、こういうことはどう考えてもあり得ない。

 例えば、現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」は財源が400億ドル(約4兆8564億円)である。ベネズエラに投資した額は450億ドル(約5兆4648億円)前後、アンゴラへの海底油田への投資は焦げ付いたという情報があり、リビアでは100ものプロジェクトが灰燼(かいじん)に帰した。

 以下、スリランカ、ジンバブエ、スーダン、ブラジルなど。世界中で中国が展開した世紀のプロジェクトが挫折している。つまり、対外純資産が不良債権化している。オーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどでは鉄鉱石鉱区を買収し、開発していたが、鉄鋼不況に遭遇して工事を中断。このあおりで、豪ドル、カナダドル、NZドルが下落した。

 13年末の海外直接投資残高は6605億ドル(約80兆2111億円)だったが、15年3月には9858億ドル(約119兆7155億円)と急激な増加が見られる。15年3月末の対外債務残高は、直接投資が2兆7515億ドル(約334兆1421億円)、証券が9676億ドル(約117兆5053億円)。合計3兆7191億ドル(約451兆6475億円)となる。

 つまり外貨準備は事実上、マイナスである。だから、海外投資家は一斉に中国から引き揚げを始めたのだ。

長洋弘『インドネシア残留元日本兵』を読んで

11/7日経朝刊には『中国の本気度 見抜けず インドネシア高速鉄道、日本が受注失敗 「親日国だから」安心あだに・・・・・・日本と中国が激しい受注合戦を繰り広げたインドネシアの高速鉄道計画。2008年ごろから提案してきた日本は、今年3月に参入したばかりの中国に計画受注をさらわれた。なりふり構わぬ中国の攻勢に日本はなすすべなく敗れた。これまでインドネシアと親密な関係を築いてきた日本側に死角はなかったのか。

 「中国の高速鉄道が工事から運営管理まで一体で海外進出する第1弾だ」。ジャカルタで10月16日開いたジャカルタ―バンドン間の高速鉄道建設に向けた合弁会社設立の署名式。中国国有大手、中国鉄道総公司幹部の楊忠民氏はこう強調した。

 インドネシア政府は9月3日に「日中双方の提案は受け入れられず事業を見直す」と宣言。ところが親中派とされるリニ国営企業相の訪中直後の23日、中国案の採用が急転直下決まり、日本は入札すらできなかった。

政権交代を利用

 「経緯が不透明で理解しがたい。信頼関係は損なわれた」。菅義偉官房長官は29日、特使として来日したソフィアン国家開発企画庁長官を厳しく非難。短時間で会談を切り上げ、安倍晋三首相との面会も拒んだ。

 日本案は技術や安全性に優れるが高価という見方は誤解だ。総事業費は中国案の74兆ルピア(約6600億円)に対し、日本案は64兆ルピア(約5700億円)だ。

 「何としても日本から奪って受注するように」。中国の習近平国家主席が中国国家開発銀行の幹部に指示したのは14年末。中国は将来的に米国と対峙するため、東南アジア諸国連合(ASEAN)の取り込みを開始。ASEAN内で影響力が大きく、ともに親日国のタイとインドネシアを特に重視した。

 中国が相手国の政権交代を「国益」に利用するのは定石だ。対インドネシア外交でも習氏は14年10月のユドヨノ前政権からジョコ現政権への交代を見逃さなかった。ジョコ氏は就任直後の11月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席で訪中し習氏と会談。2カ月後、日本が提案した高速鉄道計画の中止をいったん宣言する。

 焦る日本側は再考を促そうと15年3月に来日したジョコ氏を東京から名古屋まで東海道新幹線「のぞみ」に乗せた。インドネシア紙記者から乗り心地を尋ねられてもジョコ氏は「さあどうだろう」と答えを濁した。その理由は直後に判明する。ジョコ氏は日本に続いて訪れた中国で習氏と再び会談し、中国による高速鉄道建設の事業化調査の受け入れに合意した。

「不可能な条件」

 日本案はインドネシア政府の債務保証を伴う低金利の円借款が前提だ。ただ中国案にはインドネシア政府の財政負担や債務保証は一切不要な上、ジョコ氏の任期中の完成などインドネシア側の要求に沿った条件が並んだ。いずれも「支援の常識を外れた日本には不可能な条件」(国際協力銀行の前田匡史専務)だ。

 それでも安倍首相は和泉洋人首相補佐官を7、8月と相次いでインドネシアに派遣し追加提案を示したが、中国案優位の流れは覆せなかった。

 中国からインドネシアに多額の賄賂が飛び交ったとの情報もあり、日本政府が事実関係を一時、調査した。日本は外国公務員への贈賄行為を禁じた経済協力開発機構(OECD)加盟国。一方、未加盟の中国にそれを守る義務はない。

 もっとも中国案が計画通り進む保証はない。中国は04年、フィリピンが計画した鉄道建設事業を受注したが工事は進まず計画は凍結。この時、フィリピン政府の支援要請先は日本だった。

 「中国のなりふり構わぬ競争に付き合う必要はない」。菅氏は9月中旬、ついに幕引きを決めたが、日本にとって今後も最大のライバルが中国となるのは間違いない。

 首相周辺は「インドネシアは親日国だから、という安心感がなかったと言えば嘘になる」と振り返る。それ以上に、中国のインドネシア攻略にかける本気度を日本政府は見抜けなかった。

(政治部 島田学、ジャカルタ=渡辺禎央)』とありました。

この記事から言えることは①日本政府の油断→今までのODAの大きさから日本受注と安心。敵(中国)は政権交代を狙って仕掛けてきたのに、気が付かず。民間企業であれば、売り込み先の人事異動があれば、従来の関係を築いて行けるよう営業するものですが。さすが日本の役人というだけのことはあります。まあ、中国の賄賂攻勢の前では如何ともしがたいのかもしれませんが。②中国に新幹線技術を売り渡した売国政治家(Second floorらしいですが)とJR東日本と川崎重工業の責任は重いでしょう。大量・高速輸送が展開できるのですから軍事に応用できるでしょう。そんなことも考えずに、敵国に技術供与するのですから何をかいわんやです。

本書はインドネシア独立に貢献した日本人(含む台湾人)の記録です。積極的にインドネシア独立軍に参加した人、仕方なく参加した人といますが、植民地解放という歴史を作るのに体を張って戦ったことは間違いありません。戦後日本人の惰弱な生き方とは違います。インドネシアも『ムルデカ17805』の意味をよく考えないと。日本人も自虐史観ではなく、世界史を築いた人たちがいたというのを記憶に留めておく必要があります。残留兵は全員亡くなったので、記録としての本書の重要性は言うまでもありません。多くの方に読んで戴ければ。それと日本政府は「慰霊碑」の保存に金を出すべきです。インドネシアのジョコ政権だと中国の意を受けて、歴史を抹殺しないとも限りませんから。

内容

indonesia-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

indonesia-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

indonesia-3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

indonesia-4 indonesia-5

11/5日経ビジネスオンライン 鈴置高史『日韓は「べったり」した昔には戻らない 木村幹教授と韓国の「右往左往」を読む(3)』について

11/4日経朝刊では『木村幹•神戸大教授 今回の首脳会談は儀礼的に終わると思っていた。従軍慰安婦問題で「早期妥結を目指す」としたのはかなり前向きで強い表現だ。朴槿恵(パク•クネ)大統領はかねて「年内決着」を主張しでおり、「早期」は年内と言うのに近い。ポイントは両国の世論だ。政府が妥協しても、世論に流されて結論が変わる事がある。特に韓国はそうだ。首相は会談で「将来世代の障害にならないようにすることが重要だ」と指摘した。韓国が最終決着ということで国内を抑えられるか。日本国内も韓国への反発は強い。両首脳の強い指導力が求められる。

安倍内閣の支持率をみれば、今回の会談はやる必要はなかった。だからこそ慰安婦問題の発 言ぶりに驚いた。日本を動かしているのは、安全保障で日韓連携を求めている米国だと思う。今回の会談からは日韓の共通利益は見えなかった。政府が動かなくても経済交流や社会・文化交流は動いている。政府が旗を振る時代は終わった。むしろ、両国の外交が足を引っ張らないようにするのが大事だ。』とありました。

武貞秀士は11/1TV「報道2001」で、「韓国は蒸し返し、手のひら返し、ひっくり返しの3返しが常態」と言っていました。詳しいことは忘れましたが、小生が考えるに、日韓基本条約を蒸し返し、世界記憶遺産登録での手のひら返し(軍艦島の強制徴用)、ひっくり返しの事例はたくさんあり、今は韓国経済界からのスワップ要望とか、朴大統領が「慰安婦問題が解決しない限り、安倍首相とは会わない」と言っていたのに首脳会談を開いたことかと思います。ご都合主義です。「用日」なんて言葉使いをするくらいですから。いくら人の良い日本人でも怒るでしょう。韓国経済界が危惧しているように、スマホ部品を禁輸すれば良い。断交すればできるでしょう。中華も小中華も「騙す方が賢く、騙される方が悪い」価値観で動いている国であり、賄賂社会です。「悪徳」が栄える国で、世界に暗黒を齎すだけです。中国は軍拡の問題もあります。米国は宥和政策を止めて中国と早めに対峙しないと手遅れになります。また南シナ海は米・日・豪・印・比・越合同で監視する仕組みを作らないと。中国が軍事基地化すれば経済制裁して、中国の保有する米国債を紙切れにするのも手です。

11/6日経・大機小機には「中国政府は自国通貨である人民元をSDR (特別引き出し権)の構成通貨にしようと国際通貨基金(IM F)に強く働きかけている。SDRによる取引は原則としてIM Fと各国の中央銀行や財務省しか関与しないため、一般にはなじみが薄い。従来の米ドル、ユーロ、円、ポンドと並んで、人民元がSDRの構成通貨に参加することの問題とは何か。 SDRという言葉には、構成通貨を加重平均して算出した通貨バスケットの計算単位という意味がある。 4ケ国通貨のコインを一定数だけ詰め合わせたものをSDRと呼んで、売買や貸借の金額の単位にするもので、現在の価値は約1• 4 %である。また、SDRには「IMF加盟国相互の資金融通制度」という意昧もあり、I MFへの出資比率に応じて各国に借入枠が与えられている。この借入枠には返済期限がなく、SDR構成通貨の加重平均金利を支払うことで、無期限に使用できる。この資金の出し手はI MF加盟国の中で外貨準備が豊富な先進国が選ばれるのが通例で、資金の出し手は、SDRの金利を受け取ることができる。このようなSDRの機能を考えると、人民元をSD Rの構成通貨に加えるには、広く国際貿易や国際資金取引に用いられる必要がある。中国の貿易額は大きく、その面からは人民元は SDRの構成通貨になる資格がある。他方で資金取引では、なお多くの規制が行われている。特に中国に居住する人や企業が人民元を外貨に交換して対外投資を行う場合や、中国以外の地域に住む人や企業が自国通貨を人民元に交換して中国に投資することについては、中国政府による広範な規制が行われている。このため、国際的な資金取引では人民元の使用は現在のSDRの構成通貨を大幅に下回っており、この面からは人民元のSDR構成通貨への参加は時期尚早だといえる。さらに、人民元がSDR S成通貨になると、IM Fが国際収支の赤字国に資 金援助する場合の金利などに影響を与える。人民元の金利は他の主要国金利よりも相当高<、資金返済が困難になる可能性もある。人民元をSDRに加えるのは中国が国際的な資本移動を自由化してからにすベきであろう。(山河)」とあり、正論でしょう。まあ、IMFも鼻薬が聞いているのかも知りませんが。

今や日本国民も中韓に対して贖罪意識を離れ、嫌悪感を持つようになりました。親韓派代議士が「日韓議員連盟」を止めろと言われる時代です。NHK午後5:35くらいから『私は騙されない』という「おれおれ詐欺」の予防策の特集をしていますが、マスコミが中韓への友好をいくら唱えても「私は騙されない」状態になっていると思います。良い傾向です。福沢の「脱亜論」の「悪友との謝絶」が国民レベルで実現できるようになってきました。

記事

前回から読む)

 首脳会談は開かれた。でも、日韓は離れていく――と神戸大学大学院の木村幹教授は言う(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

韓国に期待しない日本

—日韓首脳会談が11月2日に開かれました。2国間の正式な首脳会談は3年半ぶりです。

木村:今回の会談は、日本と韓国が米中両国の間で異なる道を歩むことを確認するものとなりました。

木村幹(きむら・かん) 神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作の『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)で第16回 読売・吉野作造賞を受賞した。ホームページはこちら

 日本側の発表によると、会談で安倍晋三首相は南シナ海問題――中国の脅威を語りました。しかし韓国側の公式発表は、朴槿恵大統領がどう答えたかも含め、この問題には一切、触れませんでした。

 会談で安倍首相も「南シナ海」では“深追い”しなかったと思われます。韓国とはもはや水面下でさえ、中国の脅威を議論することが難しくなったからです。中国への経済的、軍事的依存を深める韓国は「中国は仮想敵」とは口が裂けても言えない状態です。

 安倍首相は会談前後の記者会見で、かつてはよく使った「韓国とは共通の価値観を持つ」という表現も用いませんでした。努力次第で韓国がこちら側に――米国や日本側に戻ってくると、日本政府がもう、期待していないことの表れだと思います。

また、蒸し返す韓国

—「慰安婦」問題では「早期妥結に向け交渉を加速すること」で日韓は合意しました。関係改善に向け日本も動くように見えます。

木村:韓国が「年内解決」にこだわり、それなりの案も出したので、日本政府はいったんこれに乗ってみることにしたのだと思います。

 「『慰安婦』で日本が言うことを聞かない限り、アベには会わない」と言い張った朴槿恵大統領は、米国の不興を買いました。

 それと同様に、とにかくも開催に漕ぎつけた首脳会談の席上で、安倍首相が「『慰安婦』では一切譲歩しない」と言ったら、今度は日本が米国をはじめとする国際社会の不興を買うでしょう。

 ひょっとすると、日本は「早期解決」のため何らかの譲歩をするかもしれません。ただそれはかつてのような「べったりした」日韓関係に戻るためのものではないでしょう。

 首相が最近よく使うキーワードは「将来の世代に問題を持ち越さない」です。慰安婦問題についてもこれを目標にしているのだと思います。

鈴置:「蒸し返さないとの保証がない限り妥協はしない」ということですね。仮に「慰安婦」できちんと決着をつけられたら、もう韓国にまといつかれないで済むとの思いも見え隠れします。

ハラを割って話し合える?

—それは多くの日本人の思いでしょう。

木村:問題が何らかの形で「解決」してしまえば、日本の負担は小さくなります。そしてその後の日韓関係については別途に考えればそれで良い。

 お互いをうとましく思っている夫婦を想像下さい。もう、食事さえ別々にとるようになっている。だけどまだ、財産分けで合意できていない。

 この夫婦がそれを解決したら、夫婦はお互いに次のステージに入ることができます。離婚したければ離婚すれば良いし、そのまま籍を残すならそのままでも良い。自分たちの利益に沿って自由に判断すればいいだけです。

 安倍政権の対韓政策は明らかに変化してきました。スタート当初は河野談話の見直しを検討するなど、韓国に対し強気の姿勢で挑みました。逆説的な言い方ですが、これは韓国へのなにがしかの期待があったからです。

 2、3年前は「ハラを割って話し合えば韓国が変わるかもしれない」あるいは「韓国と手を携え、膨張主義の中国に対抗する」などという発想が日本政府にも残っていた。

 でも、安倍政権は次第に韓国への期待と関心を失っていきました。「韓国には大きな期待をしない」時代に入ったと言えるかもしれません。そして、だからこそ、面倒な問題はさっさと解決したい。

中国とさえ向き合えば良い

鈴置:関係改善のためではなく、“手切れ”のための問題解決――ということですね。安倍政権の中枢に詳しい人によると、2014年夏頃から「韓国が中国側に行くとの前提でモノを考えねばならない」と枢要な地位の人が語り始めていたそうです。

 今や、日本の外交専門家の多くが「日本は主敵たる中国とどう向き合うかを決めれば十分だ。中国のお先棒担ぎの韓国は『日中』の間合いを見て日本との関係を決める。日韓関係は日中関係の従属変数に過ぎない」――と考えています。

 ことに2014年11月、朴槿恵政権が「日中韓首脳会談を開こう」と突然に言い出したので、専門家はその思いを強くしました。

 それまで韓国は「日本を孤立させた」と快哉を叫んでいた。そこに寝耳に水の日中首脳会談の開催が決まった。韓国メディアは「我が国こそ孤立している」と一斉に政権を批判しました。

 中国の顔色を見て日韓首脳会談を拒否していた朴槿恵政権は焦りました。そして「日中韓」を開くとの名分で、日韓首脳会談の開催を画策したのです。それが1年後の2015年11月に、ようやく実現したわけです(「中国の掌の上で踊り出した韓国」参照)。

木村:それに加え、米国の働きかけもありました。米国は韓国に2つ宿題を出していた。1つは日本との関係改善――具体的には首脳会談開催です。もう1つは「南シナ海」での米国支持です。後者に比較すれば容易で、自分も必要だった前者を選び、米国に提出した格好です。

日韓関係はどんどん悪くなる

鈴置:数年前まで「文化、人的交流が進んでいるので日韓関係の先行きは明るい」との主張が声高に語られていました。それに対し木村先生は「おいおい、待てよ」と警告を発しました。当時は「相当につむじ曲がり」と世間から見なされたと思います。

—2012年8月3日の日経ビジネスオンラインに載った「日韓関係はこれからどんどん悪くなる」ですね。当時としてはかなり刺激的な見出しでした。

木村:あの頃まで「人的交流による関係改善論」が真顔で語られていました。事実とは関係なしに「若者が交流すれば日韓は対立を乗り越えられる」となぜか信じられていたのです。

 でも今や、そんな期待を語る人は一部の韓国専門家を除いて、ほとんどいなくなりました。日韓が異なる世界に住み始めたという現実を、多くの人が理解したからです。

 雑誌に「韓国は放っておけ」とはっきり書く研究者も出てきました。今の日本社会の韓国に対する雰囲気を象徴的に示しています。

別段、韓国がなくても困らない

鈴置:8月24日発表の日経の世論調査によれば「日韓首脳会談は急ぐ必要はない」との意見が47%。「早く開くべきだ」の39%を8%ポイント上回りました(「中韓との首脳会談開催、見方割れる 本社世論調査」参照)。

 首脳会談を開いても関係が改善するわけでもない、あるいは日韓関係が悪くても別段困らない――との日本人の率直な思いがうかがえる結果です。

 日本人の多くは、韓国が「慰安婦」を蒸し返すので、その解決は容易ではないと考えるようになった。

 そして仮に「慰安婦」が解決しても、米国と中国ブロックに分かれて住む日韓の潜在的な敵対関係が解消するわけでもない――との認識も定着し始めたのだと思います。

もの分かりが悪くなった日本

木村:日韓は同盟関係にはないものの、それぞれが米国と同盟を結んでいて準・同盟国ともいえる関係にあった。でも、前々回に申し上げたように、韓国はルビコン河を流されて中国の岸にたどり着きました。

 中国側の国となった韓国は、米韓同盟を対北朝鮮専用に限定しました。少なくとも韓国はそう考えています。米国から「3塁側――敵側に座るな」と叱責されても動じません(「『南シナ海』が揺らす米韓同盟」参照)。

 一方、膨張する中国に備え、日本は米国との同盟を強化しました。日韓関係は根っこから変わったのです。日韓はルビコン河の反対側の岸辺――米国側と中国側にそれぞれ住む国になりました。

 少し前まで「日―米―韓」の関係は「未完の三角軍事同盟」と呼ばれたものですが、文字通り未完に終わったわけです。

鈴置:日本が「未完の三角軍事同盟」を意識していた頃は、韓国が少々無理難題を吹っ掛けてきても我慢して聞いていた。先ほど木村先生が使った「べったりした関係」とはまさにこれです。

 でも「未完」が本当に「未完」で終わることが分かれば、もう韓国の言うことを聞く必要もない。ある外交専門家の表現を借りると、韓国からはこの変化が「もの分かりが悪くなった日本」に見えるというのです。

可愛げのなくなった韓国

 これは対句になっていまして、日本から見ると「可愛げがなくなった韓国」――。昔は「兄貴」とおだてながら日本に接してきた。これも「べったりした関係」の半分を構成していましたが、最近は上から目線で命令してくるようになりました。

—「べったりした関係」が終われば、もう韓国人にまといつかれないで済むのでしょうか。

木村:韓国人も「新しい日本」には気がつき始めました。ただ最近、逆行する動きも観察されます。日本のリベラル勢力が「慰安婦」でも応援してくれるはずだ、との期待感が再び盛り上がったのです。

 国会前での安保法制反対デモが韓国で大きく報じられたことが原因です。「極右のアベはどうしようもないが、良心派は健在だ」と韓国の人々は考えたのです。韓国の日本専門家からは「自民党のハト派は何をしているのか」と、期待感を込めて聞かれもします。

日韓議員連盟を辞めよ

鈴置:でも実際は、そのハト派の大物代議士の事務所に支持者から「日韓議員連盟を脱退しろ」と電話が掛かってきて、韓国とは距離を取ったりする時代なのですけれどね。

 韓国が「慰安婦」問題で日本攻撃の武器に活用してきた河野談話。産経とFNNの世論調査によると、自民党支持者の59.8%が「見直すべきだ」と答えました。

 興味深いのは左派や“リベラル”にも「見直し派」が結構いることです。社民党支持者では55.6%と過半数。公明党が47.9%、民主党が41.9%、共産党は35.3%でした。

 産経の「広がる『河野談話見直し』賛成、リベラル・左派支持層にも」(2014年7月1日)からの引用です。

 「済州島で強制連行」との記事は誤報だったと朝日新聞が取り消す前の調査ですから、いずれの数字も今はもっと高いと思われます。韓国人の期待を裏切ってしまいますが。

国家の財産を私物化

—結局「慰安婦」は解決するのでしょうか。

鈴置:しないと思います。「慰安婦」に代表される歴史問題は、韓国にとって貴重な財産です。韓国の政権は不安定な5年の単任制。政権は自分に向かう国民の不満を逸らすために、日本との紛糾を起こす必要があります。

 もちろん外交上も「慰安婦」など歴史問題は日本攻撃用の戦略兵器です。日本が反論しにくい「歴史」を持ち出してこそ、様々の要求をのませることができるのです。

 ただ、スタート時から「慰安婦」を掲げた朴槿恵政権に対しては、韓国内から批判がありました。貴重な対日攻撃カードを乱用すると、日本人も怒り出して効き目がなくなる。朴槿恵政権は国家的な財産を私物化し使い尽くしてしまう、という理屈です。

木村:日本に対し最初から最強硬姿勢をとったので、その後の手がなくなった、というのはその通りですね。

具体案を示さない朴政権

鈴置:朴槿恵政権も、この批判は承知していると思います。これもあって、自分からは具体案を示さないのです。

 首脳会談の直前に朴槿恵大統領は、毎日新聞との書面インタビューで以下のように答えています。毎日新聞(東京本社版)の10月30日8面に掲載された「一問一答 要旨」から引用します。

・日本政府が、被害者に受け入れ可能で、韓国民が納得できる解決案をできるだけ早く提示することが重要だ。

 具体的な解決案を自らは示さず日本に提示させておけば、妥結した後に「やはりあれでは韓国人は納得できなかった」と蒸し返すことができる仕組みです。

木村:韓国政府が自分で解決案を示さないのは、慰安婦の支援団体を説得する自信がないためでもあると思います。

動くゴールポスト

—これが「動くゴールポスト」ですね。でも、今後は韓国を徹底的に無視すればいいのでは?

鈴置:もう1つ、日本を攻撃する国ができました。中国です。表「中韓の『慰安婦共闘』」をご欄になると分かりますが、両国は2014年7月の首脳会談で「慰安婦カード」をシェアすることに正式に合意しました。

中韓の「慰安婦共闘」

2014年7月3日
中韓首脳会談で「慰安婦の共同研究」に合意。共同声明の付属文書に盛り込む(聯合ニュース・韓国語版
2014年12月15日
韓国政府系の東北アジア歴史財団と、中国吉林省の機関、档案局(記録保管所)が慰安婦問題関連資料共同研究のための了解覚書(MOU)を締結(聯合ニュース・日本語版
2015年8月15日
中国国家公文書局が『「慰安婦」–日本軍の性奴隷』第1回文献テレフィルムを公式サイトで公表(人民網日本語版
2015年9月22日
サンフランシスコ市議会が「慰安婦碑または像の設置を支持する決議案」を全会一致で採択。運動の中心となったのは中国系団体(産経新聞
2015年10月12日
中国外交部の華春瑩副報道局長、旧日本軍の慰安婦に関する資料について「ユネスコ世界記憶遺産への登録申請を他の被害国と共同で進める方針」(聯合ニュース・日本語版
2015年10月13日
韓国外交部の魯光鎰報道官、慰安婦資料のユネスコ世界記憶遺産に中韓が共同で登録申請することに関し「推進中の民間団体が判断すべきだ」。推進中の民間団体とは女性家族部傘下の財団法人、韓国女性人権振興院(聯合ニュース・日本語版
2015年10月28日
「中韓の慰安婦像2体」をソウル城北区に設置、除幕式。中韓の彫刻家が製作し、両国市民団体が支援(産経新聞

 今や、韓国の背中を中国がつついて日本を攻撃させています。仮に韓国が米国の顔色を見て「慰安婦」で日本と妥協を考えても、中国が許すかは疑問です。

 もちろん、中国自身も対日歴史攻撃に乗り出しています。ユネスコの記憶遺産に「南京大虐殺文書」を登録したのがその例です(「大陸と付き合ってろくなことはない」参照)。

「妥結」が失敗したら

木村:「慰安婦」の解決は、日韓両国の世論が強硬姿勢をとっている以上、容易ではないと思います。もちろん、今回の日韓首脳会談で示された「早期の妥結」がなされれば話は違ってきますが、逆に失敗に終われば、両国の間には更なる諦めに近い失望が広がっていくでしょう。

 日本政府は「韓国はまたゴールポストを動かした」と言い、韓国政府は「日本は誠意を見せていない」と言う、お馴染みのやり取りが展開されることになります。そして両国の世論はそれを白けた雰囲気で見守ることになるのだと思います。

 だからこそ、今回の首脳会談で合意された「妥結」が失敗に終わった場合にも、備えておかなければならないと思います。

—それでもまだ、韓国に付き合わなくてはならないのですか?

(次回に続く)

11/4日経ビジネスオンライン 福島香織『中国「二人っ子政策」、それは“朗報”ではない 「国家管理出産」では経済減速を乗り越えられない』について

「計画出産も計画経済も止めろ」と福島氏は言っていますが、それを止めたら共産党のレーゾンデ-トルがなくなるでしょう。夢の話です。問題は共産主義でなく、中国人の国民性にあります。経済で見た場合、富の分配がいつの世にもうまく行ってこなかったと言えます。「苛政は虎より猛なり」の諺が象徴しています。自己中の中国人ですから自分が儲かれば他人はどうでもよいという発想ですし、権力者は「清官三代」と言われるように清官であっても蓄財に励みます。中国のGDP構成比で消費の割合が低く出るのはここいらに原因があります。大衆に富を渡さず、貧しいものは益々貧しくなります。何清漣は「腐敗は中国の歴史であったけれども、一番ひどいのは共産党支配」と言っていたと思います。権(ポスト)銭(金)交易です。周永康の賄賂受領額が1兆6000億円と言うのですから、他の要人たちはどのくらい取っているのかです。「共産主義は能力に応じて働き、必要に応じて受け取る。」と言われますが、「必要」額を超えているし、周永康に能力があったとも思えません。共産党支配の一番ダメなところは「三権分立」「選挙による国民の為政者への監視」がない所です。

中国元のIMFのSDR入りが確実視されているという話で、今般のASEAN国防相会議では「元」の力を見せつけ、AIIBからの融資を梃子にして「南シナ海」問題の共同声明を見送りにさせたようです。ASEAN諸国も中国の軍門に下れば、チベット・ウイグル・南モンゴルのように虐殺、領土の蹂躙と言うのが分かっていないのでしょうか?日本の経済団体も大挙して北京に押し掛け、愚かとしか言いようがありません。「敵を詐術によって勝つ」のが中国兵法です。官民の発表数字は勿論出鱈目、国全体が過重債務なのに、人民元を発行して、他国に元での支払いを押し付けようとするでしょう。日本企業は$払いで契約しないと痛い目に遭います。出来れば付き合わない方が良い。経済を富ませることは中国の軍拡に手を貸すことにもなるし、駐在員の人質化を認めることになるからです。

中国で「ふたりっ子政策」より問題なのは、「都市戸籍」と「農村戸籍」の存在と「档案」の存在でしょう。「都市戸籍」と「農村戸籍」では生活する上での待遇格差が激しく、この是正がなくならない限り、総体としての格差も縮まりませんが、自己中の中国人はやらないでしょう。また「档案」は共産党支配の根幹を為すもので、敵を「家族を含めた経歴」で縛るものですのでこれも共産党支配が続いている間は止めないでしょう。ピルズベリーは「中国に騙されて来た」とやっと気づいたようですが、遅すぎです。もっと下の人間と付き合えばいろいろ見えたでしょうに。日本のエリートと言われるのも同じ。今頃言っても遅いとしか言いようがありません。中国の民主化何て百年早いとしか言いようがありません。

記事

 中国でおよそ35年間続いていた”一人っ子政策”が廃止された。これからはどんな夫婦も二人まで出産してもいい”二人っ子政策”になるという。これは目下、目立った成果が報じられていない五中全会(18期中央委員会第五回全体会議)で決定されたほぼ唯一の”朗報”であり、とりあえず歓迎の声で迎えられている。

 早速、”ご近所で子づくりに励む声が聞こえる”、”二人目解禁になってから、夜の微博の書き込みが減った”といったつぶやきがネットの上で散見され、東京株式市場でも紙おむつや粉ミルクなど新生児関連の株価が上昇した。来年は中国でベビーラッシュが起きるであろうと言われている。なので、ポジティブなニュースとしてとらえられるべきなのだが、ここであえて懸念もあることをまとめておきたい。

五中全会「唯一の朗報」が抱える懸念

 五中全会は25日から29日まで開かれ、最終日にコミュニケが採択された。蛇足ながら中央委員会全体会議は中国において毎年秋に開かれ、翌年以降の重要政策および人事を決める党中央の最重要会議である。毎年春に行われる国会もどきの全人代(全国人民代表大会)には実は政策も法案も決める実質的権限はなく、中央委員会全会の決定をなぞるだけである。五中全会の最大の注目点は第13次五か年計画の内容と政治局人事であったが、人事も経済成長目標も打ち出されなかった。おそらくは人事と経済数値については議論が紛糾したまま、まとまらなかったのだろう。

 だが、その代わり、「人口バランスの発展を促進し、計画出産育成の堅持を基本国策とした上で、人口発展戦略を完璧なものとするために、一組の夫婦に二人の子供を出産育成する政策を全面的に実施し、人口老齢化に積極的に対応していく」という一文がトップニュースになった。

 これを受けて、国内外メディアは一胎化政策(一人っ子政策)廃止と大きく報じた。

 一人っ子政策問題は1970年代末に段階的に導入され、80年9月25日の「人口増加抑制に関する問題で全共産党員・共青団員に対する公開書簡」の発表をもって正式に全国での導入が推進された。

 中華民国時代4億人であった人口が1980年にはおよそ10億人に急増し、60年代からすでに人口急増は中国政府の課題であった。この人口の急増が食糧不足を引き起こし、社会の現代化を大幅に遅らせるという問題提起が70年代からさかんになり、文革終了とともに試験的に導入が始まっていた。

計画出産委員会による厳罰という名の蛮行

 この政策推進にあたっては計画出産委員会という組織が設立され、全国各地の農村単位までその支部が作られた。その政策の実行は極めて厳格で、一人目を出産したあと避妊手術を受けるなどして「一人っ子宣言」した夫婦に対しては奨励金や医療、教育費の一部免除、退職金の割り増しなど七つの優遇を受ける一方、この政策に違反した夫婦は厳しいペナルティを課せられた。その代表的なものが年収の6倍から10数倍に上るという罰金であり、また二子目の妊娠が発覚したときの強制堕胎措置、また賃金カットや昇進の停止といったものだった。

 一部の農村の計画出産委員会の役人たちの罰金の取り立てや強制堕胎のむごさは、21世紀に入ってからも大きな人権問題として批判の的になった。

 盲目の人権活動家で2012年に自宅軟禁状態から脱出し米国大使館に亡命した陳光誠は、山東省臨沂市当局の一人っ子政策を理由にした強制堕胎や罰金徴取の違法性を訴えたことが、当局の恨みを買ったために不当逮捕、軟禁、虐待の憂き目にあった。払う罰金がない場合は、暴力的な家探しをして家財道具のすべてを奪ったり、嫌がらせに家屋を破壊したり、泣きながら抵抗する女性に強制堕胎手術を行ったりする計画出産委員会の蛮行が、しばしば告発されていた。役人が超生(政策違反で生まれた子供)を無理やり奪って、養子縁組組織(人身売買組織)に転売する事件もあった。妊娠七カ月を過ぎた段階で見せしめ的に強制堕胎した例も報告されている。

 農村では男尊女卑の価値観が根強く、一子目、二子目が女児の場合、違反を知りながら男児が生まれるまで出産を続けることも多かった。最初に生まれた女児たちは間引かれたり、戸籍を与えられなかったり、売り飛ばされたりして存在しないことになった。結果的に、男児が増え女児が減少する出生性別比の不均衡が現れ、農村では女児100人に対して男児が120人前後という極端な女児不足が続いた。2020年までに結婚相手に不自由する結婚適齢期男性が3000万人前後にのぼるという推計も出された。

政策転換を阻んだ年200億元の利権

 私が北京に赴任した2002年ごろから人口学の専門家は一人っ子政策の転換を訴えていたが、中国政府は農村部ではまだ人口が多すぎる、という理由でその主張を無視し続けていた。当時、農村の労働力は4億~5億人と推計され、うち1.5億~2億人が余剰労働力だと言われてきた。この余剰労働力が都市に流入すれば都市資源があっと言う間に食いつぶされてしまうおそれがあり、一人っ子政策転換は戸籍制度改革問題とセットで政権がなかなか手を付けられない鬼門の政策であった。一方で、一人っ子政策が時代遅れになってきたという認識も芽生えており、農村部では各地の条例により一子目が女児や障害児であった場合、インターバルをあけて二子目を産んでよいとする政策の緩和も始まった。

 2011年ごろから余剰労働力がほぼゼロになり、いわゆるルイスの転換点を迎えたと言われるようになった。だが、50万人以上の職員を抱える計画出産委員会という巨大な役所が得る、年間200億元超えの「超生の罰金」はすでに大きな利権構造をもち、官僚たちは依然、この政策転換に抵抗していた。

 だが、いよいよ一人っ子政策を維持する公式の理由がなくなり、本格的緩和が模索される。夫婦がともに一人っ子の場合、二子目出産を認める双独二胎政策が導入され、続いて2013年暮れ、片親が一人っ子の場合は二子目出産を認める単独二胎政策に切り替わる。1100万夫婦が二子目を生む対象であったが、1年たち、二子目出産を申請したのはわずか70万組と政府の期待に大きく反した。こうして今年夏ごろから一人っ子政策を全面的に二人っ子政策に切り替える方針が固まっていた。ただ既得権益グループの抵抗も強く、実施は来年に持ち越されるのではないかと言う観測もあった。

 こうしてついに、一人っ子政策の歴史が終わったわけだが、国内外の反応は意外に芳しくない。まず、政策転換の理由は、一人っ子政策の非人道性を反省したのではなく、純粋に経済対策として行ったと言うことに対し、一人っ子政策反対派の人権活動家は比較的冷ややかだ。陳光誠はAFPのインタビューにこうコメントしていた。「きょう一人っ子政策をやめても、少子高齢化問題の解決にはあと50年かかる」「彼らはただ制限を少し緩和しただけで、やはり本来個人に属する出産の権利を厳格にコントロールし続ける」。

 実際五中全会コミュニケでも、「計画出産政策は国家の基本政策として堅持する」としており、出産が女性の権利として自由になるというわけではなく、また計画出産委員会が解体されるわけでもない。むごい方法で堕胎させられたり罰金を徴収される悲劇が無くなるのは朗報だとしても、「そのうち二人目出産が義務化される」「二人目を出産しないと罰金が科されるんじゃないか」と揶揄する声もネット上には散見された。

労働力不足が招いた外国人違法就労問題

 肝心の労働力不足、少子高齢化問題の緩和も、この政策自体に即効性があるわけではない。

 来年生まれた子供が一人前の労働力に成長するのは少なくとも18年後だ。中国は将来10年の間に18歳から22歳の人口が4000万人減り、20歳から40歳の働き盛りの人口は1億~3億人減るという推計がある。この中国の労働人口1億人分を補うために、中国はどうすればいいのか。

 労働力不足に関していえば、この数年、広東省などでは「洋黒工」と呼ばれる外国人の違法就労者急増が社会問題としてメディアでも論じられはじめている。アフリカ諸国やミャンマー、パキスタン、ベトナムなど東南アジアからの不法移民の中国の工場での不法就労が急増していて、それが治安悪化などを引き起こしている。一人っ子世代の若者の工場労働に対する賃金や労働環境の要求が高く、安価な労働力を武器にしていた中国の製造現場に一人っ子世代労働者が寄り付かなくなった。その穴を、工場側は、より低賃金、悪条件で働くアフリカ人や東南アジア人の違法就労で補おうとしているのだ。

 移民は、中国にとっても極めてリスクが大きい。最大の懸念が治安の悪化。さらにイスラム教徒やキリスト教徒ら、中国にとってコントロールしにくい思想、信条を持つ人が多く、各地で地元中国人との間で文化的衝突を起こすほか、国内の少数民族の過激派と結びつくのではないかという不安もあり、彼らが定住化すれば新たな民族問題に揺れる可能性もある。世界で四番目の移民輸出国の中国が、実は国内の不法移民問題で悩んでいたわけだ。

 労働者不足に続いて大きな懸念は、少子高齢化問題だ。高齢者の社会福祉システムの整備が完成していない中国では子供が老親の暮らしを支える。60歳以上の人口は2010年11月の段階で総人口の13.3%だが、2042年には総人口の30%を超えると推計されている。労働人口と扶養される高齢者の人口比は2020年で1:3。健康な老人であれば、現行の55歳定年、60歳定年を延長し、高齢者労働力を活用して労働力不足を補うという方法もあるのだが、中国の場合、60歳を過ぎて労働意欲のある高齢者は日本よりずっと少ないように思われる。

 一つの大きな懸念は、政策が変わったことで、むしろマイナスの影響が起きるかもしれない、ということである。子供の教育費が日本などよりもよっぽど割高な中国で、都市民や豊かな農民があえて二人目を生む選択をするかという問題もあるが、たとえば昔の男児重視、男尊女卑的伝統にとらわれたままの貧困農民層・労働者層ほど、子供を多く生み、現役労働力世代が、高齢者の扶養と増えた子供の養育の板挟みになってますます貧困化し、貧富の格差がより激しくなるかもしれない。

計画出産も計画経済も、もう限界

 結局、一人っ子政策の転換は中国の目下直面する経済成長急減速の特効薬ではないのだ。経済成長のための具体的政策があり、給与が順調に増えていくという期待があり、生まれてくる子供に未来のある社会を用意できるのだと思うからこそ、若い夫婦が子供をもう一人産もうと考える。それが正しい順番だろう。

 経済のために、国家のために、子供を何人産めという政策自体が実は極めていびつで、党と政府が出産という家族のプライベートに介入することは、企業の人事や株の売買に行政指導が入ることと同様、国家の成長の伸びしろをたわめることになると私は思っている。

 改革開放以来最大の経済減速期を迎える中国が、次の発展段階の軌道に乗るためには本当ならば「一人っ子政策廃止」ではなくてこう言わなくてならないだろう。

 計画出産も計画経済も廃止する、と。

11/2宮崎正弘メルマガ アンディチャン『台湾独立は外国に頼るべきでない。明白な嘘で独立するほど台湾人は恥知らずではない』について

11/4朝7時のNHKニュースで「11/7習近平・馬英九がシンガポールで会談」のニュースが流れました。来年1/16の総統選で蔡英文・民進党党首の独走をストップするため、中国共産党と中国国民党の合作でしょうが、これがうまく行くとは思えません。昨年の太陽花学運、九合一統一地方選での国民党の惨敗の流れを見ていると、国民党の総裁選の候補者が洪秀柱から朱立倫に代わったからと言って民進党有利の構図は変わらないのでは。何故そういう現象が起きたかと言えば馬総統が急進的に中国との結びつきを強めようとしたことに対する反発からです。そのことを考えますと11/7の会談で中国との結びつきをアピールすると国民党にとっては逆効果になりかねません。まあ、馬総統は中国人だけあって、台湾人の庶民感覚がないことで有名ですから。

以前読んだ日経記事によれば「1/16総統選と2/8春節が近いので台商は2回帰省費用を出さなければならず、民進党独走で、総統選時は出さないでおくか」というニュアンスでした。今度の打合せで、共産党が裏から金を出し、帰省させて投票させるようにするでしょう。台湾国民は熟慮して選挙に臨んでほしい。失礼な言い方になりますが、共産党の金で買収されないように。そのための両者会談でしょうから。中国は領土・領海・領空の野心を隠さないようになりました。11/4のNHKニュースではインドネシア海軍がナトウナ島を中国漁船の底引き網漁から守るために装備を充実、警戒に当たるとのこと。九段線外であるにも拘わらずです。ジョコ大統領もやっていることがチグハグです。賄賂に弱いのでしょうけど。

nine dots line

選挙で台湾が独立できるのであればそちらが良い。中国が武力侵攻しようとすれば、アメリカも黙ってはいないでしょうから。「台湾関係法」の発動です。南シナ海の「ラッセン」だけでなく、第七艦隊の出番でしょう。http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20151031/frn1510311530002-n1.htm

「中華民国」は名前が良くないので「台湾」に変えることから始めたらよい。中国は良く台湾同胞とか言いますが同じ民族であっても別な国はたくさんあります。シンガポールだって中国華僑の国です。これも無理やり奪い取ろうとするのでしょうか?東南アジアは華僑が沢山います。民族的にルーツが同じ(?)と言って国を奪い取るのは21世紀には相応しくない行為でしょう。今回のASEAN国防相会議ではもっと中国非難の声を上げても良かったのでは。

記事

大東亜戦争が終わって70年たった。アジアではいろいろな国が植民地から独立した。だが日本の植民地だった台湾だけは今も独立していない。終戦後すぐに蒋介石が台湾で日本軍の降伏を受理し、そのまま居直り、今も中華民国を名乗って台湾占領を続けている。台湾人は70年たった今でも自分の国を持つことが出来ない。

台湾が独立すると言えば台湾を中国領と主張する中国が武力行使で恫喝する。1978年にカーターが中国と国交を回復し、アメリカは中華民国を認めなくなった。世界で中華民国を承認する国は23カ国しかない。台湾が独立すれば台湾国を認める国は増えるに違いないが独立を助ける国はない。米国も独立を助けない。

外国に頼ってはならないのである。

  • 台湾には二百以上の政治団体

台湾には二百以上の政党や政治団体がある。その殆どが独立を主張しているのに今でも独立を果たせない。各々の独立主張や方法に違いがあり、団結しないからである。問題は方法の違いにある。

人民の蜂起で中華民国の体制を倒すことは中国が反対し、米国は中国と事を構えるつもりがない。平和的手段で政治体制を変えることが台湾人に支持されている。中華民国の制度のもとで選挙して台湾人の政党が過半数を制してから正名制憲が可能となる。

来年1月の選挙では民進党優勢で総統は蔡英文が当選するとみられ、立法委員の選挙で国会の過半数57席を取れる可能性もあると言われている。だけどもこの選挙で勝利を収めてもすぐに独立できるわけではない。現状維持を数年続ける必要があると言うのが大方の意見である。

  • 台湾は「政治体制のある無名国」

李登輝が「台湾は既に独立した国だ」と主張していろいろ批判された。台湾は人民がおり領土があり政治体制もあるが、この体制は中華民国と言う名前でアメリカでさえ承認しない。世界で中華民国を承認し国交のある国は23カ國しかない。領土があり政治体制が存在しても台湾が独立したとは言えない。

それでも李登輝がこの主張をしたおかげで台湾国の名義で国連加盟運動が起き、国連は却下した。台湾国がないのに国連加盟はできない。台湾が独立し、台湾国を認める国があってこそ国連加盟が出来る。独立が先で加盟が先ではない。独立しなければ外国が承認するわけがない。

  • 独立主張の違い

 台湾政府を名乗る政党は幾つもあるが、名乗りを上げても人民がついてこない。革命運動は人民がついてこない。台湾の政治事情が大幅に変化したのはつい去年のことだった。去年3月のヒマワリ学生運動で国民党独裁を阻止した、そのお蔭で人民の独立意識と反中華民国の民意が高揚し、11月の中間選挙で国民党が大敗したので、中国人の台湾統一計画は挫折した。

人民は投票によって意見を表明することがわかった。この次もまたその次も、投票で人民の意見を表明出来ることが可能となったのである。革命のような激烈な手段ではなく、投票と言う民主的手段で国を改善できることがわかった。

投票は中華民国の制度だから投票に反対する者もいる。しかし投票で中華民国を倒して台湾独立が出来るなら不完全でもみんな賛成である。これは大きな魅力である。

一部の革命論者が中華民国の制度に反対してもダメ。たとえ中華民国の制度であっても中華民国を倒せる方法が見つかったのだ。中華民国の制度で中華民国を変えることが出来る、これこそ民主主義である。

  • 独立建国は外国に頼るな

台湾国、台湾政府を名乗る政党、グループは幾つもある。台湾独立を主張するグループは歓迎だが、皆が投票によって独立が達成できることを認めるべきである。

独立を主張するグループのうち、サンフランシスコ平和条約の第23条bにより米国は台湾の占領権を持つと主張し、台湾自治政府を名乗るグループと、もう一つの昭和天皇は台湾の主権を放棄していないと主張する台湾民政府と称するグループは、二つとも詐欺集団である。嘘で独立を果たすことはできない。嘘で一部の台湾人を騙せても米国および世界諸国を騙すことはできない。

米国は台湾の占領権など持っていない。グーグルでサンフランシスコ平和条約の第23条を調べればすぐにわかることだ。ウソで人を騙しても嘘とわかる時がくる。昭和天皇が台湾の主権を放棄していないなど、噴飯ものだ。

米国が台湾の占領権を持っているなら「アメリカが台湾自治政府を認可した」証明書がなければ台湾政府はニセモノ、詐欺集団である。台湾人民にアメリカの認可証書を見せてから台湾政府を名乗るべきだ。アメリカに台湾の占領権があると主張しながらアメリカの認可証書がない、自己の主張を証明できない集団である。

日本はサンフランシスコ条約で台湾澎湖の主権を放棄した。しかし林志昇は日本政府が放棄したが日本天皇は放棄していないと言う。それなら正当な方法で日本政府に掛け合い、日本政府が彼の主張を認めてから台湾人の支持を求めるべきである。日本政府が認知しない嘘の主張を勝手に言い触らすのは詐欺行為である。

至誠に悖るなかりしか、行に恥づるなかりしか

台湾独立は外国に頼るべきでない。明白な嘘で独立するほど台湾人は恥知らずではない。