ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

11/2日経ビジネスオンライン 倉都康行『中国が歩む「平凡な新興国」への道 外貨準備高と失業率にも「??」』について

中国の発表する数字は全部当てにならないという事です。GDP然り、外貨準備高も失業率もです。GDP、外貨準備高は前に述べてきましたので失業率について見てみたいと思います。共産主義国で失業の概念がある事自体論理矛盾ではないかという気がします。格差の存在も本来であれば資本主義国と違ってあってはならないことです。鄧小平が白・黒猫の例で「先富論」を出し、「中国の特色ある社会主義」を標榜した時から、経済は資本主義、政治は一党独裁の共産主義と都合の良いシステムにしてきました。2001年にはWTOに加盟し、そこから日米欧の支援もあって経済発展を遂げてきました。ただ、中国お得意の人海戦術で生産すればいくら賃金が安くても、生産性は上がりません。それで改革開放以降、下崗(自宅待機)で失業を見かけ上、低いようにしてきました。土地を国に強制収用されて都会に出て来ても、知識がないため流民になるしかない人達を入れれば2桁の失業率は間違いないと思います。石平氏の本にも『暴走を始めた中国2億6000万人の現代流民』とありますから。景気が良ければ農民工として雇われるでしょうけど、不動産投資が減っている状況では建設労働者として雇われるのも難しいでしょう。

中国の経済政策は金融緩和政策を取るのか引締策を取るのか行き当たりばったりです。目先の問題解決を優先するため弥縫策の連続です。宮崎正弘氏は中国経済の実力からして人民元は30%の下げまで行くだろうと予測しています。そうなると、キャピタルフライトが起こり、外貨準備高も1兆$なんてすぐに底をつくのでは。IMFの人民元SDR入りが決まったような報道が多いですが、自由な資本取引から程遠い人民元を国際通貨として信認することが世界の平和にプラスになるかどうかよく考えた方が良いでしょう。欧州勢は日米に代わり中国を支援しているように見えますが、彼らの人権という理念に目を瞑り、金儲けに走って、平和について余り考えていない気がします。

本記事では、金融緩和(30%まで元が下がるかどうか別として)したら格差が広がり、社会不安のリスクが高まるという意見ですが、共産党はいざとなれば天安門同様躊躇せず血の弾圧を繰り返すでしょう。その前に「反スパイ法」で拘引し、人知れず処刑されるのでは。人民解放軍の一部が立上れば別ですが、火力の差があり過ぎて庶民が動乱を起こしても鎮圧されるだけです。今までの中国大陸の歴史は当てはまらないでしょう。庶民の不満を和らげるため、「ふたりっ子OK」政策を今回採ったのでしょう。高齢化対策には間に合いません。「未富先老」です。中国は人口を増やし、海外に送り出すことによって戦争をせずにその国を支配できると考えていますので、庶民の不満を抑えるのと併せ一石二鳥です。米国に代表される民主主義国は一票=人の頭数が大事となります。米国大統領も中国系から出すとなると悪夢です。

記事

 10月の世界の資本市場は、米国の利上げ観測や中国経済への警戒感が後退したことに加え、ECBが12月理事会での緩和拡大の姿勢を明確にし、さらに中国人民銀行が利下げと預金準備率を引き下げたことで世界的に株価は反発、一時低下圧力の掛かったドル円も底堅く推移している。日銀の追加緩和観測はまだ根強く残っており、8-9月の悲観論を払拭した市場には、金融緩和期待の相場が舞い戻ってきた。

 FRBによる12月利上げのシナリオはまだ残っているが、その確率が相当低下したことは事実である。雇用ペースの鈍化、製造業における景況感の低迷、米主要企業の冴えない決算、そして横ばいを続ける物価上昇率など、利上げムードにはほど遠いのが実勢だ。景気拡大局面の終焉が意識され始めれば、来年以降も利上げは難しくなるかもしれない。

 世界の実体経済を見渡しても、低迷ムードが鮮明になりつつある。黒田総裁は先月の金融政策決定会合後の記者会見で「日本の生産や輸出は横ばい」と強気を維持していたが、機関投資家は新興国経済への懸念を強めるドラギECB総裁の慎重な見方の方に共感を抱いているのは明らかだ。特に中国経済の成長鈍化は長期化する可能性が高く、ハードランディングのリスクは小さいにしても、日本を含む世界経済の厳しい下押し材料になりつつあることに疑問の余地はあるまい。

実態は5~4%台と見るのが妥当

 7-9月期の中国経済成長率は前期比年率6.9%と発表されたが、世界中の機関投資家は、メディアが「6年半ぶりの低成長率」と報じるこの数字自体にもはや目を向けてはいない。失速中の中国経済への視線は、もはや政府公約の水準が達成されるかどうかではなく、どこまで景気が悪化するのか、政府の対応は成功するのか、といった点に集約されつつある。

 輸入の急減や不動産開発投資の鈍化、工業生産高や固定資産投資の低迷、そして企業利益の悪化などを総合してみれば、GDP伸び率の実態は年率5%台から4%台のペースにまで落ち込んでいる、と見るのが妥当なところだろう。

 市場には、サービス業は堅調であり小売売上高や不動産市場にも回復の兆しが見え始めている、と期待する声もある。4%台の成長なら想定内とばかり、現状にむしろ安堵感を抱く機関投資家も少なくないようだ。金融・財政など景気刺激策出動の期待値もまだ残っている。

 だが、市場不安の暴発を発するマグマが、経済成長率ではなく人民元相場の不安定性や失業率の上昇によって増幅されるとすれば、この程度の景気減速で止まって欲しいという株式市場の願望は、単なる「Wishful Thinking」に終わってしまうかもしれない。中国懸念が金融緩和期待で相殺されるという、怪しげな市場思惑の均衡が崩れる可能性が全くないとは言えない。

 今世界の金融市場で「ブラック・スワン」と囁かれているのが人民元の急落リスクである。8月の唐突な切り下げ措置に対し、中国当局が明確な説明をしなかったことで市場は疑心暗鬼に陥って株価急落の引き金を引くことになったのは周知の通りだ。その後、人民銀行が徹底的に人民元を買い支え、習主席が訪米した際に「人民元のこれ以上の切り下げ根拠はない」と明言したことで、為替相場は何とか落ち着きを取り戻しているが、その火種はまだ燻り続けている。

 中国人民銀行は8月以降のドル売り・元買い介入で約2000億ドルを投入したと見られており、それが外貨準備高の大幅な減少要因になった。とはいえ、現在の水準も3.5兆ドルと巨額であり、人民元急落リスクを回避するには十分な金額である。投機筋もおいそれと売り攻撃を掛ける訳にはいかない。

 だが問題は、この公表数字の信憑性である。欧米市場には、GDPと同様に外貨準備高も信用できないのではないか、といった声が出始めているからだ。

 2014年6月に中国の外貨準備は3兆9900億ドルに達した後、大幅な経常黒字を保ちながら急減している背景には、為替介入以外に外国資本の海外還流や国内資金の国外逃避といった資本流出要因がある。市場には対外資産で巨額損失が発生したといった観測もあるが、政府がそれを評価損と認める筈はなかろう。単純に、景気への不安感が中国からの資本流出を加速していると見るのが妥当である。

 だが外貨準備高の水準自体を客観的に確認する術はない。そもそもの疑問は、その大半を占める米国債保有額が約1.2兆ドルと日本とほぼ同程度なのに、なぜ総額に3倍もの開きがあるのか、という点だ。

 中国には、米国債投資以外に日欧国債などへの投資、国家外貨管理局(SAFE)や2007年に設立された中国投資(CIC)などを通じた積極的な証券・不動産投資、アフリカや中南米などに対する融資、そしてAIIBや新興国インフラ銀行への出資など、日本とは違った外貨準備利用が存在するのは事実であるが、それにしても2兆ドルもの差額は埋め切れない。またオフショア市場で行っているドル売り・CNH買いの介入結果が外貨準備減少に反映されていないのではないか、といった疑問も浮上している。

利用可能な外貨準備高はせいぜい1兆ドル

 景気の先行き不安が誘発する人民元急落リスクへの対応策として、中国政府にどの程度の実弾が残されているのか解りにくいことは、大きな不安材料である。また、中国の外貨準備には国有銀行の対外借り入れが含まれている、との見方もある。仮にそうであれば、3.5兆ドルの外貨準備がGDPと同様に誇大広告に近いことも否定できなくなる。欧州系金融機関の中には、人民元対策として利用可能な外貨準備高はせいぜい1兆ドル程度、と推測しているところもある。

 もちろん、1兆ドル規模の「実弾」は、他の新興国に比べれば圧倒的な防御力ではあるが、8月のような急落局面があと5回来ればゼロになる勘定だ。その金額が、人民元レートを中国政府が狙う着地点に向けて円滑に誘導するために十分かどうかは、投機筋の判断次第である。

 中国に支援材料があるとすれば、米国が今でも「人民元は割安だ」と言い続けてくれていることだろう。先般発表された米財務省の報告書でも、従来の「著しく過小評価されている」との表現を「中期的な適正価値を下回り続けている」と後退させつつも、人民元安を牽制する姿勢は維持している。これには、人民元安への圧力を軽減する効果がある。

 米国は来年に大統領選を控えていることもあり、国内批判を招きそうな人民元の大幅下落を容認したくない気配が窺える。従って、本音では人民元買い介入を歓迎している筈だが、それは米国が主張する「為替水準は市場に任せる」という大原則に背くメッセージになるので、表立っては言いにくい。中国の人為的な通貨政策を批判している米国にとって、人民元の急落など許容し難いだろうが、現実には放置せざるを得ないと思われる。

どちらに転んでも世界を揺さぶる人民元

 中国経済が1990年代の日本経済と相似形の軌跡を辿っている以上、泥沼に陥らぬための人民元切り下げは避けて通れないだろう、とコロンビア大学のジェフリー・サックス教授は指摘している。巨額の財政投入に拠る不動産開発など信用バブル造成の過程で積み上がった過剰供給や過剰債務の調整に時間と労力を食われ、金融緩和によってゾンビ企業の非効率性が温存されて低成長構造が続くというプロセスは、我々には見慣れた姿である。日本は何度も景気回復へのツールとして「円安への転換」を利用しようとしてきたのである。

 但し欧米市場には「人民元を下落させるべきではない」との論調が根強く残っている。通貨切り下げ競争を再燃させるべきではないし、ドル建て債務が急増している企業財務にも配慮せねばならないからだ。SDR構成通貨入りなど準備通貨への道を目指すのであれば、通貨急落は逆効果になる。また昨今の金融市場は人民元の下落傾向を波乱材料と見做しており、無用の混乱を避けるためにも人民元を安定化させて欲しい、という願いを込めたような論評も少なくない。

 だがサックス教授は、加重平均ベースでみた2007年以降の人民元の主要通貨に対する上昇率は40%を超えたと指摘し、中国が「ジャパン・シンドローム」を回避するには割高な為替相場水準を修正せざるを得ない、と述べている。内需主導経済への転換が容易に進まない中で、投資や輸出に依存する成長構造への郷愁が強まる可能性は高い。

 だが習主席が「切り下げはしない」との約束を守れば、景気低迷の長期化の道は避けられないだろう。一方で、割高な為替レートに中国経済が耐え切れなくなれば、投機筋はすかさず人民元売り攻勢を強め、株式市場に再びショックが及ぶことも想定される。人民元はどちらに転んでも、世界を揺さぶる運命を背負っているかのようだ。

よほど怖い失業率の不透明さ

 そしてもう一つの中国経済の「信用できない数字」が失業率である。見方を変えれば、経済成長率や外貨準備高よりも、失業率の不透明さの方がよほど怖い。雇用こそが中国共産党の一党独裁制度の生命維持装置とも言えるからだ。

 中国も毎月、都市部における失業率を公表してはいるが、その数値は過去10年以上にわたって4.0-4.3%の範囲でほぼ固定化されており、景気動向から全く分断された水準が続いている。IMFはその正確性を問い続けているが、中国政府が修正に応じる気配は全く無さそうだ。

 この問題にメスを入れたのが、上海大学のShuaizhang Feng教授ら3人のエコノミストである。彼らは、景気サイクル転換点の定義などでお馴染みの全米経済研究所(NBER)から公開した報告書の中で、1988年から2009年までの期間において、公表された失業率と実際の失業率の間にどの程度の差があったのかを調査した結果を記している。

 同教授らはまずその31年間を国有企業時代の1988~1995年、過度期の1995~2002年、そして市場経済転換への2002~2009年の3つに分割して、雇用状態を観測している。まず1988~1995年の推定平均失業率は3.9%で、公的統計の2.5%を上回っていたものの比較的低水準であった。それは国有企業が大量の余剰人員を抱えていた結果だろう。だが市場経済への過渡期に入って大幅な人員削減が行われ、失業率は急上昇していく。

 1995年以降は農村部からの移民増も失業率上昇の一因となり、年間1%程度ずつ失業率が上昇することになった、と推計されている。その結果としてこの期間の最終段階での実際の失業率は10%の大台に接近したが、公表された失業率は3%前後に止まっていた。そして2002~2009年の平均失業率は10.9%と高止まりしていたと見られるが、政府の発表は平均で4.2%となっていた、という。

 公表数字の信憑性はさておき、問題は失業率の水準である。2009年時点での推計ではあるが、この分析は、一般的な理解と違って中国経済は市場経済への転換戦略の結果として国有企業が解雇した労働者や農村からの流入移民を民間企業が吸収し切れていないことを示している。昨今の景気減速局面にあって企業破綻数も増えており、雇用削減はさらに加速しているかもしれない。

 この調査対象には2010年以降が含まれていないので足許の状況は推論するしかないが、敢えて中国経済の現状を概観すれば、「4%台の成長と10%台の失業率を抱えてデフレ傾向に悩み始めている国」という、特に珍しくもない昨今の一つの新興国の姿が浮かび上がってくる。存外そのあたりが、中国の経済実像に近いのではないか。

世界金持ちランキングに並ぶ中国勢

 それでも中国の経済力を過小評価すべきではないかもしれない。世界の金持ちランキングにはビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏など相変わらず著名な米国勢がずらりと並んでいるが、いまや中国勢も急伸しているからだ。

 その代表格は、香港財閥の長江実業創設者の李嘉誠(リ・カシン)氏やアリババの馬雲(ジャック・マー)氏、そして中国本土の不動産王として知られる王健林(ワン・チェンリン)氏らである。中でも王氏の資産総額は344億ドルと、全世界のTop 5にも迫る金額になっている。

 中国のHurun Rich Listに拠れば、同国で10億ドル以上の資産を持つ大金持ちの数は今年242人増えて596人となり、米国の537人を抜いた、という。香港、マカオ、台湾を含む「Greater China」での数は715人で、その差を広げている。もちろんその資産総額は株価によって変動するため、8月の中国株暴落で大きく減少した可能性もあるが、富裕層拡大のトレンドが急変することはないだろう。

 またクレディ・スイスの推計に拠れば、各国平均所得の2倍以上の資産を持つ個人を中間層と定義した場合、今年の中国の中間層の数は1億900万人と、米国の9200万人を初めて上回った、という。中国内で富裕層だけでなく中間層も着実に増加しているようだ。

格差拡大増幅によるリスク

 こうした富の蓄積は、長期的に見れば同国が先進国と同様に内需主導の経済シフトに成功する可能性を示すものとも言えるが、同時に、米国のように所得や資産における格差拡大を増幅する確率を高めるものでもある。

 中国政府が国有企業改革や不良債権処理を先送りして金融緩和を続け、安易な財政政策の発動に踏み込めば、短期的には株高や不動産高を通じて後者の現象が色濃く出ることになる。株式市場にとって中国の景気対策は朗報となるかもしれないが、失業率が二桁の国で格差拡大が増幅されることになれば、いずれ社会リスクが増大するシナリオも視野に入れておかねばならなくなるだろう。

10/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「南シナ海」が揺らす米韓同盟 木村幹教授と韓国の「右往左往」を読む(2)』について

日中韓3ケ国首脳会議が開かれました。11/2日経夕刊の見出しは「慰安婦交渉加速」ですが、菅官房長官は「日韓基本条約から立場は変わっていない」と言っていてどこまでが真実かは分かりません。中韓が報道機関を使って先に報道させることにより日本に譲歩を迫るやり方ではないですか?日本の左翼メデイアは中韓の手先と言っても良い。日本人だったらそういうメデイアを購読することによる経営支援をしないことが大事だと思っています。朝日・毎日・東京は取らないことを勧めます。

韓国はアホというか民族的特質なのか「南シナ海に平和的解決を」と唱えても、米中は収まらないのは誰の眼にも明らかでしょう。中国・ロシア・日本の間をうろうろしていた日韓併合前の歴史そのものです。日本の左翼は共産中国を陰ながら支援するのが常。でもアメリカの覇権を揺るがすという意味では中立を装っているだけで本音は日本を共産化したいと思っているのでしょう。アメリカが歴史的に正しい何て全然思えませんが、人権抑圧国家の中国と人種差別の葛藤を乗り超えつつあるアメリカどちらの味方を日本がしたら良いかは自明です。

ここにありますように、韓国だけでなく日本も中国を取るか、アメリカを取るか迫られるでしょう。日本企業の資産接収、日本人をスパイ容疑で逮捕拘留、通州事件のような虐殺事件が想定されます。今の時代にそれはないと思うのは甘すぎです。中国体験がない人には分からないかも知れませんが。そんな手立ては、中国共産党は織り込み済みでしょう。

呉善花の『朴槿恵の真実』を読みました。朴大統領は国民情緒に左右される政治家とのこと。それであれば日本もハッキリ伝えた方が良い。「韓国とは付き合いたくない国民が増えています。『非韓三原則』と言う言葉をご存じですか?貴方が反日を止められないように、日本国内も韓国に譲歩した途端、政権は崩壊します。慰安婦が強制でなく人権侵害の問題と言うのであれば、韓国内にあった米軍慰安所やベトナムのライダイハンに謝罪して補償金を払うべきでは?」と世界に公言したらよい。韓国は告げ口外交してきたのだから、その位は「言ったれ」というのが偽らざる気持ちです。まあ、外務省はイ●ポ野郎の集団ですから。今の日本のエリートと言われる集団の縮図です。もっと子々孫々の名誉を考えよと言いたい。

記事

(前回から読む)

 「南シナ海」でアジアに緊張が走る中、韓国は米国陣営から中国側へとさらに軸足を移した。米韓同盟はどうなるのか。神戸大学大学院の木村幹教授と考える(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。

洞ヶ峠の韓国

—「南シナ海」で米中の緊張が高まりました。

鈴置:中国の軍事基地化は許さない――と、米国は行動に出ました。10月27日、中国が暗礁を埋め立て、滑走路を作っている南シナ海の人工島周辺の12カイリ内に米国は駆逐艦を進入させました。米国は今後もこのパトロールを実施する方針です。

 中国は、そこは領海であるとして反発しており、軍事的な衝突が起きる可能性もあります。韓国がいつまで米中間で二股外交を続けられるのか、注目を集めることにもなりました。

 日本とフィリピンは米国を断固支持する姿勢を明らかにしました。しかし、韓国政府は「米中どっちつかず」の姿勢を見せたに過ぎません。

 中央日報の「青瓦台『南シナ海の紛争、国際規範に沿って平和的解決を』」(10月28日、日本語版)によると、10月28日になって匿名の政府高官が以下のように語りました。韓国各紙によると、記者の質問に応える形でした。

  • この地域での紛争は国際的に確立された規範により平和的に解決されるべきだ。
  • 南シナ海地域の平和と安定に影響を及ぼすいかなる行動も自制することを(韓国は)国際会議などのあらゆる機会を通じて強く求めてきた。
  • 南シナ海地域は韓国の輸出物流量の30%、輸入エネルギーの90%が通過する重要な海上交通路で、我々の利害関係が大きい地域だ。

 「平和と安定に影響を及ぼすいかなる行動も自制すべきだ」という部分は、南シナ海を軍事基地化する中国だけではなく、そこに駆逐艦を送った米国も悪い、と読める仕掛けになっています。要は洞ヶ峠を決め込んだのです。

「現実が間違っている」

木村幹(きむら・かん)

神戸大学大学院・国際協力研究科教授、法学博士(京都大学)。1966年大阪府生まれ、京都大学大学院法学研究科博士前期課程修了。専攻は比較政治学、朝鮮半島地域研究。政治的指導者の人物像や時代状況から韓国という国と韓国人を読み解いて見せる。受賞作は『朝鮮/韓国ナショナリズムと「小国」意識』(ミネルヴァ書房、第13回アジア・太平洋賞特別賞受賞)と『韓国における「権威主義的」体制の成立』(同、第25回サントリー学芸賞受賞)。一般向け書籍に『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)、『韓国現代史』(中公新書)がある。最新作の『日韓歴史認識問題とは何か』(ミネルヴァ書房)で第16回 読売・吉野作造賞を受賞した。ホームページはこちら

木村:韓国からすれば「現実が間違っている」と叫びたいところでしょう。朴槿恵政権は「米中は対立しない」との前提で外交政策を組み立ててきたからです。

 韓国の安全保障を最も左右する北朝鮮問題では、米中の利害は「北朝鮮の暴発を防ぐ」ことで一致している。世界の他の地域でも、米中は「G2」として協調しながら問題を解決する――ことに、韓国ではなっていました。

 米国や中国でさえあまり使われない、米中協調を示唆する「G2」という単語が韓国では頻繁に使われるのも、それを示しています。

 ところがこの前提に反し、南シナ海の問題をめぐって、米中が厳しく対立し始めた。韓国は頭を抱えている状態です。

鈴置:韓国の中国傾斜を疑う米国は予め「南シナ海の踏み絵」を突きつけていました。10月16日、米韓首脳会談後の共同会見でオバマ大統領は「韓国が中国側でないというなら、中国の無法を批判しろ」との趣旨で発言したのです。

 「米韓同盟は盤石だ」とのお墨付きを貰いに来た朴槿恵(パク・クンヘ)大統領目の前で、です(「蟻地獄の中でもがく韓国」参照)。

 「Remarks by President Obama and President Park of the Republic of Korea in Joint Press Conference」(10月16日、英語)の該当部分を翻訳します。

  • 朴大統領にも伝えたのだが、1つだけ、中国に言い続けねばならぬことがある。それは中国が国際的な規範とルールに従うことだ。もし中国がそうしない時には、韓国が我々と同様にしっかりと声を上げて批判することを望む。
  • なぜなら、米韓両国は第2次世界大戦の後から続いてきた国際的な規範とルールに恩恵を被ってきたからだ。
  • 我々はそのルールが守られなかったり、あるいはどこかの国が大きいからと言って有利になるのを望まない。それは韓国を含む、どの国にとっても良いことではない。

 地域は特定しませんでしたが批判の対象が、タイミングから見て、南シナ海であることは疑う余地がありません。

3塁側に座る韓国

木村:野球の試合に例えれば「おまえ、3塁側――敵側に座るつもりか」と米国は怒った形です。

鈴置: 10月19日、尹炳世(ユン・ビョンセ)外交部長官は国会答弁で「オバマ大統領の会見では『南シナ海』の『南』の字も出なかった」「(オバマ大統領から踏み絵を迫られたというのは)一部メディアの誤解だ」と述べました。

 「南シナ海への米駆逐艦進入」に先立ち、米国の踏み絵に対しては徹底的にとぼける作戦に出ることを韓国政府は決めていたのです。韓国世論も、この「米国側には立たない」姿勢を大筋で支持すると思われます。

木村:そうでしょうね。韓国には中国とは準・同盟国になった雰囲気がありますから。9月3日の天安門の軍事パレードの中継を、YTNという韓国のニュース専用チャンネルで見ていて驚きました。

 中国のミサイル部隊が天安門広場を行進すると、司会者と解説者が「これはグアムまで届きます」「米国の空母を攻撃するミサイルです」などと、他人事のように語り合ったのです。

 天安門の上空を中国製の空中給油機などが飛ぶと「なかなか性能がいいものです。我が国も導入を検討したらいい」といった会話にさえなりました。韓国人はもう「中国に攻撃される自分」の姿さえ想像しにくくなっているのです。

二股外交は限界だ

鈴置:ただ、一部メディアからは「二股外交は限界に達した。我々はいったい、どうすればいいのか!」との悲鳴が上がっています。

 保守系紙ながら朴槿恵政権に厳しい東亜日報は10月21日、社説「『南シナ海は誤って解釈』と尹炳世長官、メディアは馬鹿というのか」を掲載しました。結論部分は以下です。

  • 韓国は中国の顔色を見てTPP(環太平洋経済連携協定)への参加の機会を逃した。それに続き、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備問題でも「戦略的曖昧性」を駆使する。だから米国で「韓国の安保ただ乗り論」が出てくるのだ。
  • 尹長官は真実を覆い隠し、朴大統領に対しても「(二股外交により米中双方から大事にされているとの)外交祝福論」の大風呂敷を広げたのかもしれない。
  • 戦略的利害が異なる米中間で実際に衝突が起きた場合、韓国は絶体絶命の選択を迫られるかもしれない。外交部が洗練された国家戦略を練るどころか大統領を欺き、メディアを非難する国が危機に陥らないか懸念する。

 韓国は米国から中国側にどんどん傾いています。中国と米国の要求が異なる時には、ほとんど中国に従います(「米中星取表」参照)。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年10月29日現在)
案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」
中国の 南シナ海埋め立て 米国の対中批判要請を韓国は無視
抗日戦勝 70周年記念式典 米国の反対にも関わらず韓国は参加

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

 それに伴い、人々の意識もどんどん中国寄りになっている。世論調査でも明らかです(「米中どちらが重要か」参照)。ただ、軍事同盟だけはいまだに米国と結んでいる。実に奇妙な状況です。

グラフ●米中どちらが重要か

Korean choice between US and China

米韓同盟は長いロープ

—韓国は米韓同盟を打ち切るつもりでしょうか?

木村:韓国は米韓同盟をやめるつもりはありません。北朝鮮への備えに米韓同盟は依然、大事だからです。中国とはいくら親密になっても同盟関係はないので、いざという時に守ってくれない。だから米国との同盟関係は手放したくない。

 前回、「ルビコン河に飛び込んだ韓国は急流に流され、ついに中国側に打ち上げられた」と申し上げました。この例えに付け加えると、中国側の岸に横たわりながら韓国は、まだ米国側の岸から伸びている長いロープの端をしっかり握っているのです。

—ロープとは米韓同盟のことですね。

木村:その通りです。ロープを手繰ることにより、米国側に戻る可能性はたぶんもうない。でも、放してしまうのは不安過ぎる。だからロープを時々引っ張っては、まだ米国が引っ張り返してくれるのを確かめている。

 朴槿恵大統領が訪米した際、韓国政府は「米国と近しいことを示す写真」を異様に欲しがった。「米韓同盟は健在だ」とのオバマ大統領の談話を得ようと必死になった。国民に対し「まだロープはつながっている。安心しろ」と示す必要があったのです。

ロープを切ろうとする日本

鈴置:米韓首脳会談の日に朝鮮日報のワシントン特派員が、日本の特派員を批判する記事を書きました。「大統領の訪米を前に、記者会見で米韓関係がよくないとの談話を米政府から引き出そうとした」というのです。

 「韓米友好に唐辛子粉を振りまく日本の記者たち」(10月16日、韓国語版)です。木村先生の例え話を使えば「貴重なロープを悪い日本がたち切ろうと画策している。けしからん」とこの新聞は怒ったのです。相当筋違いの怒りですが。

 こっそりと中国陣営に軸足を移している。でも、それがばれて米国から同盟を打ち切られないかとびくびくしている。韓国人のそんな不安が日本への八つ当たりとなったのでしょう。

—米国はどうするのでしょうか。

木村:「南シナ海の踏み絵」と言っても、米国が韓国に求めたのは先の「対中批判に加われ」程度です。いずれ米国は日本や豪州には西太平洋での米国との広範な共同作戦を求める可能性がある。一方、韓国は外洋作戦用の海軍を持ちません。だから、そこまでの関与は期待されないのです。

 野球の例えをもう一度使えば、韓国は監督たる米国から「選手として参加しなくていいから、せめて1塁側の観客席に座って応援しろよ。それが同盟国として最低限の義務だろう」と言われたのです。

 米中の対立の中で、韓国は同盟国とはいっても、その程度の存在になっています。期待が小さいからこそ、1塁側と3塁側の間のバックネット裏をウロウロしていても、米国から叱責が飛ぶ程度で済むのです。

「ただ乗り」どころか「裏切り」

鈴置:ただ「南シナ海」は韓国にとって、AIIB(アジアインフラ投資銀行)やTPPとは比べものにならないほど本質的な「踏み絵」です。在韓米軍基地にTHAADを配備する問題と比べても、そうです。

 南シナ海での「航行の自由」には海洋国家、米国の死活的な利益がかかっています。それは単なる原則論ではありません。米中間の核戦力バランスを根本的に変える、極めて現実的な問題です。

 中国は南シナ海を、米国とその同盟国を狙う核ミサイル原潜の根城にするつもりです。それにより核の第2撃能力――報復能力を持てるのです。これを持った中国が一気に傲慢になるのは確実です。

 だから米国は中国の南シナ海の「私物化」を防ぐべく必死なのです。冷戦期、ソ連の核ミサイル原潜がオホーツク海を根城にできないよう、日米が協力してこの海を制圧したのと同じです。

 「南シナ海」で米国の側に立たない韓国は、「安保ただ乗り」どころか「裏切り者」と見なされるでしょう。

被害者の韓国

—韓国はそれを理解しているでしょうか。

鈴置:安全保障の専門家は十分に承知していると思います。ただ、普通の人は「遠い海の領土・領海紛争」程度の理解です。新聞には「遠い海での縄張り争い」「米国や日本と、中国の紛争に巻き込まれそうになっているかわいそうな私たち」といったノリの読者の書き込みが目立ちます。

 海洋国家ではないので韓国人は「海」に関心が薄い。冷戦期にオホーツク海でソ連の原潜を死に物狂いで制圧した記憶も、もちろんない。

 そんな韓国人の意識もあって、朴槿恵政権は「南シナ海」を軽く扱い、米国との関係を決定的に悪くしていく可能性が大きいと思います。

 米韓同盟は大きな矛盾を抱えていました。米国と韓国の主敵ははっきりと異なった。米国の主敵は中国であって、北朝鮮ではありません。

 一方、韓国の主敵は北であって中国は敵どころか、非常に親しい友好国です。協商相手と言ってもいい。その矛盾が「南シナ海」で一気に噴き出てくると思います。

お荷物の韓国を助けるか?

—米国にとって、韓国と軍事同盟を続ける意味はあるのですか?

木村:存在することに意味があると思います。鈴置さんが指摘するように、主敵が食い違う「ねじれ切った」同盟になりました。しかしまだ、北朝鮮は米国にとってもなにがしかの敵ではあります。

 北朝鮮の暴発を抑えるためにはやはり、米韓同盟の存在が意味を持ちます。朝鮮戦争の引き金となった「アチソン声明」を思い出して下さい。

 韓国が防衛線の外にあると米国が表明した瞬間、戦争が起きた。結局、当時は韓国と同盟を結んでいなかった米国が関与する羽目に陥ったのです。ねじれていようと、同盟がないのとは大違いです。

鈴置:だから韓国は、北朝鮮の脅威を言い募ることで同盟を堅持しようとするのですね。しかし、米国にとって韓国がどんどん「お荷物」になっていくのも事実です。自分の主敵の言いなりで、いざという時は3塁側――敵側に座る。

木村:でも、米国が「ただ乗り」として韓国を切り捨てれば、他の米国の同盟国に不安を呼ぶでしょう。同盟関係のない国はもっと不安になる。「米国はもう東アジアについて責任を持たない国なのだ」との動揺が広まる。

 するとドミノ倒しのように、米国の同盟ネットワークが崩れていく可能性があります。かつて朝鮮戦争に米国が参戦したのも、それを恐れてのことでした。

米韓同盟は「中朝」に似てきた

鈴置:朝鮮戦争の開戦時には米韓同盟はまだなく、米国には韓国を助ける義務はなかった。でも助けないと、欧州の同盟国がソ連に傾くとの懸念を当時の米国は強めた……。

 もっとも今の韓国は自ら「裏切り者」のメッセージを世界に発信してしまいました。「南シナ海」はもちろん、大統領の天安門の軍事パレード参観などその「証拠」は山ほどあります。

 第3者から見ても「韓国が勝手に同盟を壊している」のであって、「米国が切り捨てた」ことには、もうならないのではないですか?

木村:そうなのですけど、大国は大国としての度量が求められるものです。むしろ、「あれほど失礼なことを繰り返す韓国」でさえも米国は包容している――そういうイメージが大事なのです。

 今の米韓同盟のあり方は中朝同盟と似ています。北朝鮮は中国の言うことを聞かず、その顔に泥を塗るばかり。核開発を進めることで中国の安全まで脅かす。でも、中国は北朝鮮を切り捨てない。

 同盟を結んでいる間はある程度は、ですが北朝鮮をコントロールできる。やめてしまえば、北朝鮮はもっと好き勝手やるでしょう。つまり米国同様に中国も「度量」を試されているわけです。大国は大変なのです。

米中が談合して中立化

—鈴置さんの近未来小説『朝鮮半島201Z年』は、米中が談合して、それぞれが結んでいる同盟を打ち切り、朝鮮半島全体を中立化する――と予測しました。

木村:それもあり得ない話ではありません。しかし、世の中には「ややこしくなる」から「いじらない」こともあります。加えて、米韓同盟では日米同盟同様、駐屯軍の経費は「守ってもらう側」が負担していますから、米国にとって「おいしい」ところもある。

鈴置:不完全だけど何とか均衡しているものを、きちんと整理しようと下手に動かすと状況を悪化させるかもしれない……。

木村:少しきつい言い方をすればそうなりますね。現在の国際社会において、朝鮮半島は触って得にもならないし、楽しいところでもない。けれど、切り捨てるとそれはそれで影響が出る。

 だからこそ米国は韓国、中国は北朝鮮をそれぞれ「困った奴だ」と心の底では思っても、そのままにしている。

 我慢という点においては、中国は北朝鮮については随分長い間、我慢しているのです。その「相場観」から言えば米国も、もうちょっと頑張って我慢しても不思議ではないということになります。

米国は競争相手を必ず倒す

鈴置:南シナ海で対立を深める米中の間で、興味深い論争が起きました。10月23日、ソウルで開かれたシンポジウムのことです。

 「大国は生存を賭けて必ず覇権を争うものだ」と主張したジョン・ミアシャイマー(John J. Mearsheimer)シカゴ大学教授がそこに招かれ、以下のように語りました。朝鮮日報の「米中の碩学、『韓国外交』巡り舌戦」(10月24日、韓国語版)を引用します。

  • 中国の台頭に対抗し、米国と中国に隣接する各国が反中連帯を結成、アジア地域で激しい安保競争が発生するだろう。中国はアジアで「ゴジラ」になろうとしている。米国はこれまで、ドイツ帝国、日本帝国、ナチスドイツ、ソ連を滅ぼしたことからも分かる通り、潜在的な競争相手を容認したことがない。
  • 韓国は、米中の狭間で中間的な位置取りをしてきた。しかし安保競争が激化すれば、韓国は米国主導の反中連帯に加わるのか、それとも中国に便乗するのかの選択を迫られる。厳しい決断だが結局、韓国は米国と手を握るだろう。

中国批判は決して許さない

 韓国に「二股外交はもう終わりにしろ。こっちへ戻って来い」と言い渡したのです。これに対し、胡錦濤・前国家主席の外交ブレーンとされる北京大学国際戦略研究院の王緝思院長は以下のように反論しました。

  • 今後、アジア・太平洋地域で軍備競争が激化するだろうが、北朝鮮の核問題は米中間のクッション的な役割をしている。韓米中3カ国の関係の中で、中国は韓国がもう少し中立的になることに期待している。

 北朝鮮の暴発を後ろから抑えているのは中国だ。韓国はそれを忘れるな。南シナ海で中国に敵対的な言動をしたら、北朝鮮の抑止に協力しないぞ――との脅しです。

 すると、ミアシャイマー教授は次のように再反論したのです。

  • 中国の台頭に伴う安保競争は朝鮮半島の統一に否定的だ。北朝鮮は中国の重要な戦略的資産であり、中国は米国と手を握る韓国が主導する形の統一を絶対に許さない。近いうちの統一は難しい。

 朴槿恵政権は「統一に協力してくれると言うので中国に接近している」と言い訳する。だが、それは中国のペテンだぞ――と韓国に警告したのです。

 この時期に米中2人の学者がソウルで舌戦を繰り広げたのは「南シナ海」が韓国の岐路――運命を決める転換点になると見てのことでしょう。

試される日本の覚悟

木村:私も同じようなシンポジウムに招かれることが多いので、こういう国を背負った、危ない論争には巻き込まれないようにしたいものです。

 韓国が向き合う問題は、日本にとって他人事ではありません。米中両国の対立が激しくなる中で、立ち位置が試されているのは日本も同じなのです。

—日本は米国と同盟を強化しました。立ち位置ははっきりしていませんか?

鈴置:今から、日米同盟にかける日本人の決意が試されます。「南シナ海」で米国側に立った日本に対し、中国は様々の形で脅迫を強める可能性が大です。

 在中日本企業はまた、襲撃の対象になるかもしれません。中国に住んだり、旅する日本人への迫害も増えるかもしれません。中国は韓国を手先に使った「歴史攻撃」も強化するでしょう。

 日本の経済界は音を上げるかもしれません。左派系紙が「中国との関係に配慮すべきだ」と言い出すのは目に見えています。その中には「韓国の立ち位置を見習おう」との主張も含まれるでしょう。

 中国の下風で生きるつもりはない――との覚悟を、日本人がどれほど固めるかがこれから問われるのです。

(次回に続く)

10/28日経ビジネスオンライン 福島香織『中国第三世代原発「華龍1号」の実力 英国進出で「日本を焦らせた」急成長に差す影』について

昨日夜12時近くに家へ帰ってきました。離島&山で新聞も読めずにいましたが、山歩きを楽しみました。ネットで情報を読むだけでした。でもスモホが便利だと思うのは海外でもメールも読めるし、ブログもアップできることです。これで月1600円/月ですから安いものです。音声通話を入れても月2000円程度ですので。

原子力発電は核分裂から核融合へと至ると思います。核融合の方がより安全にというか、事故率ゼロに近いでしょう。原料も水(含む海水)なのでほぼタダに近い。それでも後40年と1基数兆円単位の金がかかります。その間は原子力は核分裂による発電で対応せざるを得ません。

しかし、福島氏の友人が言うほど中国の民生技術が優れているとは思えません。英国も中国の原発がフランス仕様だから安心と思ったのかどうかですが、運用する人の心の持ち方が大事と思います。「没办法=仕方がない」、「没問題=問題なし(こういう時は大体問題あり)」とすぐ思う民族性ですから。細かいことを気にしないと言えば聞こえは良いですが、細かいことに気が回らないタイプです。そういう民族性の持主が事故を起こさないとは思えません。共産党は隠蔽体質なのでSARS同様、事故が起きても隠蔽しようとするでしょう。偏西風に乗って放射性物質が日本に来るのが心配されます。日本がモニターを使って厳しく監視して、事故があれば世界に公表した方が良い。中国国民には知らされていないでしょうから。

記事

 習近平の初の英国訪問が終わった。英国メディアの辛辣な報道や世論の反応はさておき、習近平政権としては7億円超え相当の投資に見合う厚遇を受けて、米国や日本を少なからずヤキモキさせるなど十分な外交的成果を得たようだ。

「見えないハードル」越え、英国から受注

 特に、英国が中国自主開発の第三世代原発・華龍1号(HPR1000)の建設に合意したことは、大きな成果だろう。英国では古い原発の廃炉を迎え、2030年までに8基の新炉建設計画が進められている。その計画を受けて、日本の日立製作所(日立GE)は2012年に英国ホライズン・ニュークリアパワーを、競合相手の中国企業を退けて、親会社のドイツ電力会社RWEと同オーエンの2社から買収したことは、記憶に新しい。

 この時、中国政府をバックにした中国国有企業2社、国家核電技術公司(核電技術、SNPTC)と中国広東核電集団(広東核、CGN)がそれぞれ米ウェスチングハウスと仏アレバと組んで入札に挑んだものの退けられたのは、英国政府が中国企業に原発事業を任せることを安全保障上の問題と懸念し、介入したことが理由だと言われている。

 中国では「中国原発企業には見えないハードルがある」と恨みがましく報じていた。だが、その中国の独自原発技術がその後2年あまりのうちにIAEAのお墨付きをもらい、あれよあれよと言う間に英国政府から原発の建設・運用の発注を受けるまでになったのだ。

 一部で、これは原子力技術勢力地図の地殻変動がいよいよ起きるきっかけとなるという観測につながっている。つまり、中国が日本の技術を含む先進国技術を追い越して、世界の原子力技術のリーダーシップをとるようになる、という。では、その中国の第三世代原子炉というのはどれほどすごいのだろうか。今後の中国の原発事業というのはどれほどのものなのだろうか。

 華龍1号は中国が自主知的財産権を保有する第三世代原発技術。第三世代原発技術の概念とは、大規模な放射性物質放出事故発生確率が10のマイナス7乗を下回るように設計されたもの、つまり第二世代原発技術よりも事故が起きる確率が10分の1以下になるものという。

 世界で初めて第三世代原発技術の原子炉が建設されたのは1996年、日本の柏崎刈羽原発で、ABWR(改良型沸騰水型軽水炉)。日本ではABWRは4基運転されている。GE日立と東芝がこの技術を提供している。三菱重工の開発した第三世代技術はAPWR(改良型加圧水型軽水炉)といい現在、敦賀原発で建設(準備)中。ほかにVVER(ロシア型加圧水型原子炉)などがある。これは中国で2基稼働中、2基建設中。

「独自に開発」した技術にIAEAのお墨付き

 華龍1号は中国二大原発企業、中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核電集団公司(CGN)のそれぞれの第三世代技術を融合させた設計で、3-Loop PWR(加圧水型)という。

 90年代から中国の原発技術・運転を指導、調査してきた技術者の知人によれば、これはフランス・フラマトム(アレバ)社からCGNに導入された技術で、この技術については中国国内で自由に使ってよい、とフランスから許可が下りていたという。中国側の主張では、これにCNNCの自主開発ACP1000とCGN自主開発のアレバのEPR(欧州型加圧水型)技術を取り入れたACPR1000を融合させて、独自に開発を重ねた、らしい。「福島原発の事故経験もフィードバックさせ、国内外の経験を十分に成熟させた安全性」と「目下、国際市場で最も単価が安いロシア製と競争できる経済性」の両方を兼ね備えた、主要部品の85%以上中国産の、輸出可能な中国独自技術の第三世代技術ということである。

 震源地の深さ50メートル、マグニチュード6.5級の揺れにも津波にも洪水にも、旅客機の衝突にも堪えうる強度だとも。

 2014年12月に華龍1号はIAEA(国際原子力機関)の原子炉安全設計審査で承認され、安全のお墨付きをもらった。ネット百科事典・百度百科によれば、2015年5月、福建省福清原発5号機として華龍1号の建設がスタート。建設が完了して原子炉が運転される実績を積む前に、英国からの発注が正式に決まったわけだ。

 英国も思い切ったものだ。まだ中国で建設もされていない原子炉の国内導入を決めたのだから。本当にそれほど、安全性の高い技術なのだろうか。

 だが、この華龍1号の設計について、CGN、CNNC二社のエンジニアから直接説明を受けた前述の知人によれば「相当安全なものを作った。よくぞここまで仕上げたものだ」と高評価の感想を漏らしていた。1991年に中国初の原発・浙江省秦山原発1号機の稼働以来、中国の原発稼働の歴史はわずか約25年だ。だが、2015年7月の段階で中国の原発は25基が稼働、27基が建設中。あわせて発電容量は5000と数百万キロワット相当となる。

 運用面も「かつての現場は、掃除の仕方からなってなかった。床に水が溜まっているとか、あり得なかった。あわや大惨事という事故もあった。その頃からみると飛躍的な進歩を遂げた」と肯定的に見る。

未公表の事故の経験も糧に

 中国の原発事故は報道、公表されていないだけで、小さなものは実はある。最近のものでは、2010年5月に広東省深圳市の大亜湾原発で放射能漏れ事故があった。燃料棒の容器に金属疲労による亀裂が入ったことが原因と見られている。下手に公表すると住民がパニックを起こすとして当初は報道封鎖された。香港メディア報道後は、「軽微な放射能漏れがあった」と認めたが詳しい状況は今もって謎である。ちなみに、この原発の稼働は94年から。中国は原発の耐用年数60年としているが「金属疲労で亀裂」ということであれば、公表されている耐用年数からして信じられないのではないか、という不安も出てくる。

 だが、知人に言わせれば、こうした事故も含めて、中国が経験として糧にしてきた。

 「原発というのは一基造るごとに技術が進歩する。経験の積み重ねがものをいう」。あと数年以内に日本より多くの原発を完成させて稼働させるのだから、20年前はお話にならなかった中国の技術や運転ノウハウが日本を追い越すのは時間の問題かもしれない。

 中国が原発大国になる背景は、単に技術やノウハウの進歩だけではない。放射能事故や被ばく問題に対する姿勢も能動的だ。

 2011年3月の福島第一原発事故後の対応はかなり早い。16日には中国国内で稼働中、建設中の全プラントの安全検査、新規プラント建設許可の厳格化および一時凍結を通達している。また3月末までに、放射線防護策問答集を編集した。この問答集は、放射線への認識の啓蒙を目的としている。たとえば、原発周辺の放射線量と火力発電所周辺の放射線量では、火力発電所周辺の放射線の方が2.7倍高い、といった指摘もあった。また、低線量放射線被ばくを克服する食事としてリコピンを含むトマトやアブラナ科の野菜などを挙げていた。

 知人に言わせれば「中国の方が、放射線についての認識が深い」。バリバリの原発推進派の知人からすれば、高い技術を持ちながら、事故のショックから立ち直れず、反原発世論に推されて国際社会で中国との競争に負けそうな日本の原発産業に歯がゆい思いをしているのだろう。だからこそ、中国のこういう積極的な原発推進政策に素直に感心するのかもしれない。

放射能を恐れない国家と臆病な国民

 ところで、少し驚いたのは、中国は放射能と言うものに対して意外に恐れをなしていない。これはやはり核実験を自国内で行い、核兵器を保有する国の経験値だろうか。中国は公表していないが、国内に実験による被ばく者は兵士一般市民も含めて相当数いると見られている。少なくとも46回も、新疆ウイグル自治区の観光地に比較的近いところで核実験を行ったのだから、村人の過半数が被曝した村などもある。こうした放射線被ばくに関する臨床データや、治療経験をかなり蓄積しているはずであり、放射能漏れ事故に対するある程度の準備、対応シミュレーションというか覚悟というものができているのかもしれない。あるいは少々、人民に健康被害が出ても気にしないか。

 一般市民は、放射線に対して日本人以上に臆病だ。2011年3月の東日本地震直後、東北で現地取材を予定していた中国人記者が、原発事故の一報を聞くや、取材を投げ出して大阪や九州にまで退避したのを目の当たりにしている。こんなに臆病なのに、中国国内に反原発の世論の声はほとんど聞かれない。私がかつて参加した環境NGOの会合では、決まって火力発電や水力発電による環境破壊問題が議題に挙がるのだが、原発については太陽光や風力発電と並ぶエコなエネルギーという認識の方が多い。確かに、事故さえ起こらなければクリーンエネルギーではある。事故が起きるということへの想像力が欠如しているか、あるいは当局が決定した原発推進戦略に庶民が異論を唱えるだけ無駄と諦めているのか。

 いずれにしろ、日本と違って世論の抵抗のない中国の原発推進政策がこのまま順調に進めば、2050年の段階で原子力発電設備容量は3億キロワットに達する原発大国となる見通しだ。2015年末まで凍結していた内陸部の原発建設プロジェクトも来年になれば解禁されるとみられている。同時に海外の原発市場参入も加速していくだろう。華龍1号はパキスタン・カラチでの建設が始まっているほか、タイ、インドネシア、ケニア、南アフリカ、トルコ、カザフの市場を開拓している。英国は先進国での最初の輸出となるが、これを皮切りに欧州へも進出することになるだろう。

 中国は、原発技術に関しては、かなり日本を意識していて、英国への進出についても、「日本を焦らせてやった」といったニュアンスの報道も散見される。中国は第四世代原発の超高温ガス炉建設を江西省瑞金で2017年に着工する予定だ。第四世代原発技術は、日本がリードしていると言われていたが商業化は中国の方が早いのかもしれない。

中国に預けるわけにはいかない

 東シナ海を挟んで向き合う中国の沿岸にずらりと中国独自開発の原発が並び建ち、世界中に安価な中国製原発が輸出されるやがて来るかもしれない時代を想像すると、私は正直恐ろしい。中国の技術が劣っている、と決めつけるわけではないが、天津大爆発のような死者100人規模の人災事故が年間に何度もおき、その事故の原因究明すら藪の中にしてしまう中国で、この異様に早すぎる技術開発のスピードの何百基もの原発を本当に何十年も安全に運転し続けることができるのだろうかと思う。人の暮らす地域で平気で核兵器実験をやる国が、本気で人々の暮らしの安全を守る意識を持ち続けることができるのかと思う。

 巨大地震の多い狭い島国の日本で原発を何十基も稼働させる必要はない、いっそ、原発などなくてもやっていけるのでは、という考えもチラリと頭をかすめるのだが、技術を手放して、この市場を中国に全面的に預ける恐怖を想像すると、日本はそれでも、有り余る慎重さをもって、執拗に原発技術の開発を続けていくことが、やはり必要だと思うのだ。