ブログ
ブログ一覧
2/12日経ビジネスオンライン 高濱賛 『「トランプ支持は低所得層の白人だけではない」 勢いをつけてサウスカロライナへ』について
2/13日経「米民主党テレビ討論会、非白人票の確保焦点 差別解消訴え
【ワシントン=川合智之】米大統領選の民主党候補の指名を争うヒラリー・クリントン前米国務長官(68)とバーニー・サンダース上院議員(74)は11日、米ウィスコンシン州で開いたテレビ討論会に出席した。9日のニューハンプシャー州予備選で約20ポイント以上の差で完敗したクリントン氏は、次戦に向けて黒人ら非白人有権者の票の取り込みに動いた。
「(黒人は)労働市場や教育、住宅、司法制度で人種差別に直面している」。討論会でクリントン氏は「米国人に立ちはだかる障害に取り組みたい」と述べ、移民も含め差別撤廃に向けた意気込みを協調した。
サンダース氏も「若い黒人の失業率は50%を超える」と指摘。「黒人の男の子に生まれると、4人に1人が将来刑務所行きだ」と人種差別問題を取り上げ、司法制度改革の必要性を訴えた。
次の両氏の対決は20日のネバダ州党員集会だ。ラスベガスを抱える同州はヒスパニック(中南米系)や黒人など非白人が多い。続く27日の南部サウスカロライナ州予備選も黒人票が焦点となる。
ユダヤ系で支持者が白人中心のサンダース氏に比べ、クリントン氏は夫のビル・クリントン元大統領と同じく非白人層に強みを持つ。両州ともにクリントン氏優位とみられていたが、サンダース氏は序盤の勢いを次につなげたい考えだ。
サンダース氏は黒人票の獲得を狙い、黒人運動指導者のシャープトン師と10日にニューヨークのレストランで会談した。司法制度改革など人種差別解消への意気込みを訴えたという。
クリントン氏も票固めを急ぐ。11日には米議会の黒人議員連盟から支持を取り付けた。公民権運動の指導者だったジョン・ルイス下院議員(民主)は「サンダース氏には会ったことがない」と述べ、差別問題に長年取り組んできたクリントン氏を称賛した。
米政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスが集計した主要世論調査の平均(1月17~23日)によると、サウスカロライナ州ではクリントン氏が30ポイント近く上回る。ただ2月1日のアイオワ州での接戦、9日のニューハンプシャー州でのサンダース氏の圧勝後にはまだ調査がない。サンダース氏がどこまで勢いを持続しているのかが焦点となる。」とありました。
20日のネバダ、27日の南部サウスカロライナ、3/1スーパーチューズデイと選挙も盛り上がっていきます。選挙についてのやり方についてのブログがありましたので紹介します。
これを見ると、民主党はスーパー代議員の数が多いクリントンが有利に思えます。
共和党はまだまだ混戦模様。ただ本文中にある「ティーパーティー支持者やエバンジェリカルズが共和党大統領候補の口から聞きたがっているキーワード。それは、偉大で強いアメリカの再生と、ピューリタン的価値観の堅持(同性結婚の合法化を改める、人工中絶の禁止、不法移民の禁止、銃規制の撤廃)の二つだ。トランプはこの2つだけを繰り返している。それが高い支持率と、投票結果につながっている」というのが、トランプ旋風が一時的な人気でないという理由を表しているのでは。一般大衆はオバマの優柔不断、米国の地位低下に苛立ちを覚えているのが分かります。レーガン同様強い米国の再生を願っています。それと民主党のサンダース人気は如何に米国が格差社会になったかという事です。1950~60年代の米国の黄金時代を知る人からすれば今のアメリカは自由が行き過ぎて、エスタブリッシュメントや経営者の強欲、放肆に任せすぎているように見えます。その当時は人種差別もひどかったですが、公民権運動も盛り上がった時代です。
記事
—ドナルド・トランプ氏がニューハンプシャー州予備選で雪辱を果たしましたね。アイオワ州でトップだった、「草の根保守派」が推すテッド・クルーズ上院議員は振るわず、3位に終わりました。トランプ対クルーズの「草の根」同士の対決は、今回はトランプ氏に軍配が上がりました。 民主党サイドも伏兵バーニー・サンダース上院議員が本命ヒラリー・クリントン前国務長官に圧勝しました。
ニューハンプシャー州で遊説中のトランプ氏(写真:UPI/アフロ)
高濱:「トランプ旋風」「サンダース革命」ともに、いまだ収まらず、ですね。両候補ともにこれで勢いをつけてサウスカロライナ州とネバダ州に駒を進めることになります。
「ストップ・ザ・トランプ」成功せず
まず、注目の共和党サイドから見ます。
いわゆる共和党エスタブリッシュメント(保守本流体制派)はトランプ氏やクルーズ氏を早い段階で排除し、自分たちにとって好ましい候補を指名しようと狙っています。「ストップ・ザ・トランプ」「ストップ・ザ・アウトサイダー」作戦です。
エスタブリッシュメントが推しているのは、アイオワ州で3位につけたマルコ・ルビオ上院議員、さらに「保守穏健派トリオ」のうちの誰かです。トリオとは、ジョン・ケーシック・オハイオ州知事、ジェブ・ブッシュ元テキサス州知事、クリス・クリスティ・ニュージャージー州知事らです。
ニューハンプシャー州予備選はこの4人によるサバイバル・ゲームでした。2位につけたケーシック氏が一歩先んじた感じですが、決着がついたわけではありません。ブッシュ氏がルビオ氏を抜いて4位に入ったのを「本命ブッシュいよいよ浮上」と見るべきかどうか。選挙専門家の間では意見が分かれています。
「ストップ・ザ・トランプ」「保守穏健派トリオのつば競り合い」の場は南部へ、そして西部へと続きます。
トランプの勝因は草の根「一揆」
—トランプ氏が圧勝した要因は何ですか。
高濱:勝因は3つあります。
一つは、共和党エスタブリッシュメントに対する一般党員・支持者の「草の根一揆」です。アイオワ州、ニューハンプシャー州といった予備選緒戦で、この「一揆」は成果を上げました。アイオワ州ではクルーズ氏が勝ち、ニューハンプシャー州ではトランプ氏が勝ったからです。
そもそも共和党エスタブリッシュメントというのは何でしょう。一口で言うと、上下両院共和党首脳部をはじめとする連邦議会議員や州知事、地方議会議員、財界、経済界、メディアを牛耳っている人たちを指します。今まで共和党を動かしてきた人たちです。
これに対して、「今まで共和党がやってきたことはうまくいかなかったじゃないか」と言い出しているのが、草の根保守派の人たちです。急先鋒は、「ティーパーティー」(茶会)や「エバンジェリカルズ」(キリスト教原理主義者)です。こうしたグループの主張に共鳴した「ソーシャル・コンサーバティブ」(社会的保守主義者)や「モラル・コンサーバティブ」(倫理的保守主義者)が今「一揆」に加わっているといえます。大半は白人不満分子です。彼らがアイオワ州でもニューハンプシャー州でもトランプ氏に票を投ずることでエスタブリッシュメントに反旗を翻したのです。
クルーズの敗因はエバンジェリカルズ依存
高濱:2つ目の勝因は、州の事情です。アイオワ州とニューハンプシャー州の大きな違いは、共和党員・支持者に占めるエバンジェリカルズの割合でした。
クルーズ氏、ビル・カーソン元外科医などはエバンジェリカルズ票を頼りにしてきました。
エバンジェリカルズが占める割合はアイオワ州は36%ですが、ニューハンプシャー州は22%です。この票田だけを頼りにクルーズ氏が連勝するのは元々無理でした。
「どぶ板選挙」が通用しない混成プライマリー
高濱:トランプ氏の勝因の3つ目は、ニューハンプシャー州は予備選、それも「ミックスド・プライマリー」(混成予備選)だったからです。これは、共和党員・支持者だけでなく、「インディペンデント」(無党派)も投票できるシステムです。アイオワ州は党員集会でした。
このシステムがトランプ氏に有利に働きました。党員集会では、決められた時間に決められた場所で開かれる集会に出席しなければなりません。投票するまで、数時間は拘束されます。従って各陣営は、選挙対策組織を作り、時間をかけて「グラウンド・ゲーム」(地上戦)を展開します。個別訪問して、投票してくれる人を掘り起こすのです。
ところがトランプ氏の選挙運動は、言うならば「落下傘作戦」です。組織を整備することもなく、大規模な集会を突然やって人を集め、そこでエスタブリッシュメントを激しく糾弾する――いわゆる「Trumpertantrums」(トランプ流癇癪玉)を破裂させる作戦です。大衆を喜ばせてそれを票につなげる戦術でした。ですから、「どぶ板運動」が必要なアイオワ州ではクルーズ氏に破れました。
米主要シンクタンクのメディア研究者の一人は筆者にこう指摘しています。 「ニューハンプシャー州の南部はボストン大都市圏に属する東部圏だ。日露戦争終結のポーツマス条約は同州ポーツマスで調印された歴史がある。それくらい国際性が豊かな風土を持つ。州民はワシントン、ニューヨーク、ボストンで流れている情報を時差なくキャッチできる。全米的な出来事に敏感なのだ。トランプ旋風についても熟知している。流行に後れまい、ここはトランプに票を入れようという一般州民が大勢現れても不思議ではない」
クルーズ氏について言えば、同州で予備選が行われる直前に、「カーソン氏が予備選から撤退する」かのような“誤報”を流したことが高くつきました。それをトランプ氏が激しく批判したことも、クルーズ氏の得票に悪影響を与えたという見方があります。
トランプを南部、西部で迎え討つエスタブリッシュメント
—共和党エスタブリッシュメントはトランプ氏がニューハンプシャー州でトップに立ったのを快く思っていないのでしょうね。
高濱:その通りです。ルビオ氏や保守穏健派トリオにもう少し奮闘してほしかったと思っているのは間違いありません。
共和党はこの後、20日に南部・サウスカロライナ州、23日に西部・ネバダ州でそれぞれ予備選、党員集会を行います。
サウスカロライナ州の支持率争いではトランプ氏が36%で独走。それをクルーズ氏(20%)とルビオ氏(13%)が追いかけています。保守穏健派トリオではブッシュ氏が9%で、トリオを構成する他の2候補に大きく差をつけています。 (”2016 Primary Forecasts: S.C. Republican Primary,” FiveThirtyEight, 2/8/2016)
ネバダ州でもトランプ氏が31%でリード、これをクルーズ氏(19%)が追走しています。 (”2016 Primary Forecasts: Nevada Republican Caucauses,” FiveThirtyEight, 2/8/2016)
共和党の選挙対策専門家たちは、保守穏健派トリオが本領を発揮するのはスーパー・チューズデーになると見ています。この日には、テキサス、バージニア、ジョージア、マサチューセッツなど13州で予備選・党員集会が同時に行われます。
これら13州は、アイオワ州やニューハンプシャー州に比べて人種構成が多様化しており、エバンジェリカルズやティーパーティーの影響力が比較的弱い州が多いからです。
共和党エスタブリッシュメントがトランプを嫌う理由
—共和党エスタブリッシュメントはどうしてそれほどまでにトランプ氏を嫌っているのでしょう。
高濱:共和党保守本流の人たちは「トランプではヒラリー・クリントンには勝てない」と思っています。その理由は、第一に反エスタブリッシュメントであること。さらにあまりにも毒舌が過ぎることです。本選挙では、白人だけでなく、黒人もラティーノも投票します。人種的差別発言や政策なき暴言が多すぎるために、勝つのは困難と見ているからです。世論調査結果もそれを裏付けています。 (”Poll: General Election: Trump vs Clinton,” Real Clear Politics, 2/9/2016)
逆にルビオ氏やブッシュ氏ならクリントン氏と互角に戦えるというわけです。 (”Poll: General Election: Bush vs Clinton,” Real Clear Politics, 2/9/2016)
共和党エスタブリッシュメントが巨額の選挙資金を出す仕組みにスーパーPAC(政治行動委員会)があります。
ブッシュ陣営はアイオワ州だけで1億4900万ドルをテレビとラジオのCMに使いました。このカネはすべて、このスーパーPACから出ています。ちなみにルビオ氏が使った金額は1180万ドル、クルーズ氏は600万ドル、トランプ氏は330万ドルです。ブッシュ氏以外にスーパーPACからカネをもらったのはルビオ氏だけでした。 (”How much did the candidates spend per vote in Iowa?” Joe McCarthy, Global Citizen, 2/2/2016)
「既成」保守に裏切られた「大衆」保守
—いっぽう、一部の共和党員・支持者はどうしてこれほど熱狂的にトランプ氏を支持しているのでしょう。
高濱:当初はメディアも選挙専門家たちも、「トランプ氏を支持しているのは、教育程度がそれほど高くない白人ブルーカラー層だ」と決めつけていました。ところが予備選が始まり、トランプ氏がアイオワ州で24%の得票したことで、こうした見方が変わり始めています。実際の得票が、事前に行われた世論調査に表れた支持率に極めて近いからです。
ジョージ・メイソン大学のマーク・ロゼル教授(内政・国際関係専門)は、こう述べています。「共和党内は、宗教保守でも体制派でもないトランプに賭けてみるかといった雰囲気になっている。これまで、牧師のマイク・ハッカビー元アーカンソー知事のような宗教保守を選ぼうとしたが、予備選でジョン・マケイン氏に勝てなかった。共和党体制派のジョージ・W・ブッシュ氏を大統領に当選させたが、自分たちが期待していたことは何一つ実現してくれなかった。宗教保守も駄目、共和党主流も駄目と思っている」。 (”Why Do Evangelical Christians Love Donald Trump? Ousider Candidate Fires Up Voters Who Are Tired of Losing,” Ismat Sarah Mangla, Ibtimes, 1/28/2016)
信仰心がなくてもトランプを選ぶエバンジェリカルズ
世論調査機関、ピュー・リサーチ・センターが今年1月に行った世論調査では、共和党員・支持者のうち「トランプ氏は信仰心が篤い」と答えた回答者は44%しかいなかった。ところが、たとえそうであっても「トランプ氏は素晴らしい大統領になる」と答えたエバンジェリカルズは52%もいるのです。トランプ支持はどうやら宗教心を超えて、草の根保守の間に広がっていることがわかります。 (”Compared with Carson, Cruz and Rubio, fewer Republicans see Trump as religious person,” Pew Research Center, 1/7/2016~1/14/2016) (”Half of evangelical voters think Carson, Trump and Cruz would be good presidents,” 1/7/2016~1/14/2016, Pew Resarch Center)
その理由は何か。前述のロゼル教授は、こう述べています。「ティーパーティー支持者やエバンジェリカルズが共和党大統領候補の口から聞きたがっているキーワード。それは、偉大で強いアメリカの再生と、ピューリタン的価値観の堅持(同性結婚の合法化を改める、人工中絶の禁止、不法移民の禁止、銃規制の撤廃)の二つだ。トランプはこの2つだけを繰り返している。それが高い支持率と、投票結果につながっている」。
民主党でも「エスタブリッシュメントVS草の根」
—民主党サイドの結果をどう見るべきでしょうか。
高濱:予備選を箱根駅伝に見立てればよくわかると思います。ニューハンプシャー州予備選は言ってみれば一つの区間です。区間ごとに見れば、それぞれの陣営が勝ったり負けたりします。しかし、最終的な勝利は往復路のトータルで決まります。
ニューハンプシャー州には伝統的に近隣州から立候補した候補者を支持し、当選させようとする風土があります。サンダース氏はお隣のバーモント州選出の上院議員です。
また、サンダース氏は終始一貫して民主党リベラル急進派としての立場を貫き通してきました。極めてリベラルな立場をとってきたニューハンプシャー州の民主党員・支持者たちは、その点を評価したのでしょう。サンダース氏はイラク戦争に反対。大企業や大労組からのカネは一切受け取りません。その一方で大学授業料の無償化、若年層の労働状況の改善を打ち出して、若者たちからやんやの喝采を浴びています。
ニューハンプシャー州の民主党員・支持者たちにとって、かってはリベラル派の騎士的存在だったヒラリー氏も<ファーストレディ、上院議員、大統領候補、国務長官>を経験する中で、そのリベラリズムが色あせてしまったと見えるのかもしれません。「エスタブリッシュメントの一員」とみなしている可能性もあります。
筆者が電話取材した同州民主党員の一人、アレックス・ストラトフォード氏(元高校教師)はこう述べています。「アメリカ人は世襲政治家を嫌います。共和党でブッシュが伸び悩んでいるのは『ノー・モア・ブッシュ』という声があるから。民主党内にも『ノー・モア・クリントン』の空気があります。ブッシュ王朝もクリントン王朝も嫌だ、というわけです。『サンダースが指名されることはないだろう、せめて予備選段階ではサンダース、サンダースと叫んで、民主党の本来の政治理念を確かめよう』というのが、サンダース旋風の正体かもしれません」。
ちなみに20日に党員集会が開かれるネバダ州は、人口比で白人76%、黒人9%、ラティーノ28%。28日予備選が行われるサウスカロライナ州は白人68%、黒人28%、ラティーノ5%。白人が90%を超えるアイオワ州やのニューハンプシャー州とは人種構成が大きく異なっています。 (”States & County: QuickFacts,” United States Census Bureau)
特に「民主党員・支持者の非白人はクリントンびいき」(米主要紙政治記者)であるだけにサンダース氏にとっては厳しい戦いになりそうです。
現に世論調査における支持率を見ると、ネバダ州、サウスカロライナ州ともにクリントン氏がサンダース氏を大きくリードしています。
2/10日経ビジネスオンライン 福島香織『中国は、なぜ北朝鮮の暴走にキレないのか?「単独制裁」で牽制しつつ軍制改革邁進の習近平』について
北のミサイルについて追跡できなかった韓国軍。相変わらずの失態。キチンと対応する精神に民族的に欠けるのでは。小生も最初TVを見ていて、韓国の発表では「打ち上げ失敗」と思っていましたが、違いました。韓国米軍もこれではおちおち夜も眠れないと思います。米海軍も中国軍と対抗するため二隻目の空母を横須賀に配備する話が持ち上がっているとのこと。それは韓国より日本の方が、安全かつ安心できるでしょう。思いやり予算までついいていますし。ただ中国の言うA2/ADが米国に本当の意味で脅威を与えているのかは疑問ですが。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46013
「【北ミサイル】発射6分後には見失っていた韓国軍のレーダー
北のミサイル発射をめぐる騒動 北のミサイル発射をめぐる騒動 発射6分後に姿を消し、一時は「失敗」騒ぎも 韓国軍「4年前は2段目まで捕捉、今回は弾頭部分も一部追跡」 今月7日に北朝鮮が平安北道鉄山郡東倉里から発射した長距離ミサイルを、韓国軍は済州島付近の上空まで約6分ほど探知・追跡しただけで、その後は見失っていたことが分かり、探知能力が不足しているのではないかと物議を醸している。 韓国国防部(省に相当)の関係者は7日午前「北朝鮮の長距離ミサイルが、発射6分後の午前9時36分ごろ、韓国海軍のイージス艦のレーダーから消えた」「2012年12月に発射された銀河3号の場合、沖縄上空で韓国側のレーダーから消えた。(今回)消えるのが早かった原因を分析している」と語った。 韓国海軍は今回、北朝鮮のミサイルを追跡するため、西海(黄海)と済州島西方にイージス艦をそれぞれ1隻ずつ派遣したという。 イージス艦のレーダーの探知距離は1000キロほどで、済州島から沖縄上空まで追跡できる。にもかかわらず、韓国軍当局が「発射から6分後にレーダーから消えた」と発表したため、一時は「北朝鮮のミサイルが空中で爆発したのではないか」という推測も出た。 しかし国防部は7日正午ごろ「韓米共同評価の結果、北朝鮮のロケットは正常に宇宙に到達したと推定される」と発表した。 また韓国軍の合同参謀本部(合参)の関係者は「12年12月に銀河3号が発射された当時、韓国軍はロケット1段目切り離しとフェアリング(衛星の覆い)切り離しを探知することには成功したが、2段目切り離し以降、3段目の軌道捕捉には失敗していた」と語った。 北朝鮮の長距離ミサイルは3段式で、発射後は1段目→フェアリング→2段目→3段目の順で切り離し、重量を減らして推進力を高める。ところが当時、韓国軍が沖縄上空まで捕捉していたのは3段目の軌道ではなく、切り離されて自由落下する2段目だったという。弾頭を積んだ3段目の追跡が重要なのに、当時は肝心のその部分を見逃し、捨てられた部分しか捉えていなかったという。 このため韓国軍は最近、3段目の軌道を追跡するため、レーダーをアップグレードしたという。合参の関係者は「今回の光明星号の場合、2段目切り離しを捕捉し、3段目の軌道も一部追跡した。12年12月よりもよくなった」と語った。とはいえ、今回も結局、最後まで追跡することはできなかったわけだ。 ▽写真 回収されたフェアリング-韓国軍当局は9日、北朝鮮の長距離ミサイル(ロケット)から落下したフェアリング(衛星の覆い)を公開した。発射当日の7日、韓国軍のリンクス・ヘリが済州島南西の海域で発見し、イージス駆逐艦「西ガイ柳成竜」(ガイはがんだれに圭)が揚収したもの。フェアリングは、ロケットが大気圏外に出るまで、衛星を保護する役目を担う。フェアリングの直径は1メートル25センチ、高さは1メートル95センチ。 [朝鮮日報 2016.2.10]
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/02/10/2016021000559.html 」
本記事にある山東大学元教授の孫文広氏の発言、「朝鮮が飛び跳ねれば飛び跳ねるほど、中国の影響力は突出してくる。中米関係においては、中国にとって朝鮮は重要なカードであり、目下、朝鮮に対して制裁を行うつもりもないのである」が正鵠を射ているのでは。単に地政学上のバッファーゾンとしての北朝鮮の地位だけではないという気がしていました。北が暴れれば暴れるほど中国の存在が国際的に高まる事があるからでしょう。面子を重視する中国が面子を潰されても我慢しているのはそれを上回る実利があるからです。6ケ国協議も北の核開発の時間稼ぎと米国への責任転嫁が狙いだと思います。中国の最終的な目的は米国の世界覇権に対する挑戦ですから。北を利用して世界の目をそちらに釘付にして自ら為す悪(南シナ海、東シナ海での暴挙)を覆い隠そうとしていると思います。
記事
日本はあまりなじみはないが、アジアの多くの国々では2月8日は旧暦の正月、つまり春節を祝った。旧暦の大晦日には、爆竹を鳴らしたり花火を打ち上げるのが普通だが、北朝鮮は「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイルを発射。中国遼寧省の東港付近では、そのミサイルが天高く昇っていく様子が目視できたようである。ミサイルは沖縄上空を通過したそうだが、国内に被害はなかった。
平安な一年の到来を願う大晦日に、弾道ミサイルをぶち上げるセンスは、まさに国際社会の神経を逆なでする行為。1月6日に行われた「水爆実験」に続くこうした挑発行為に、一番怒り心頭なのは、普通に考えれば中国ではないだろうか。あたかも、北朝鮮はモランボン楽団のドタキャンから今回のミサイル発射に至るまで、中国を怒らせることが目的、と言わんばかりである。だが、中国の対北朝鮮への怒りの表現は、以前のことを思えば低調だ。どうしてだろう?
遺憾を表明しながら理解者の立場を崩さず
中国外交部報道官は7日の記者会見で、この北朝鮮「衛星」発射に対する記者からの質問に対してこう答えた。
「中国側は、朝鮮が宣言した衛星発射について、各方面の反応に注意している。中国側は、朝鮮が宇宙を平和利用する権利を持つと考えているが、しかし目下、北朝鮮のこの権利については、国連安保理決議の制限を受けている。中国側は北朝鮮が幅広い国際社会の反対を顧みず、意地を張って弾道ミサイル技術をもって発射を実施したことに対し遺憾を表明する。
中国としては、各方面関係者に冷静に対応し、慎重に事を行い、半島情勢の緊張をエスカレートさせるかもしれない行動を取らないよう、共同でこの地域の平和安定を維持するよう望むものである。
中国側は一貫して、対話と協調を通じてのみ半島の平和安定、長期的な安全が実現できると考えている。各方面は急いで対話を再開し、この局面のさらなるエスカレートを避けるべきである」
日本メディアは、中国がこれまで使ってこなかった「弾道ミサイル技術」と言う言葉をわざわざ使い遺憾を表明したことで、そうとう中国が頭に来ているのだと解説しているが、一方で、中国は北朝鮮の宇宙平和利用の権利を認めているのだが、国連が反対している、というニュアンスを漂わせ、あくまで北朝鮮の理解者である立場は崩していない。
外相の王毅は2月5日に、北朝鮮の「人工衛星」発射予告を受けてこうコメントしていた。
「漁夫の利」は許さず。問題は「米朝の政治決断」
「目下の半島情勢は徐々に負のスパイラルに突入している。この情勢はどの方面の利益にも決してならない。(北)朝鮮は国際社会の反対を顧みず核実験をし、国連安保理がさらなる措置を取らざるを得ず、目下各国がこの件について協議しており、このままでは新たな決議を行うことになる」
「もし北朝鮮が弾道ミサイル技術による衛星を発射し、同様に国際社会の認可を得なければ、情勢はさらに複雑化するだろう。しかし、一方で、制裁は決して目的ではない。我々の目標は、各国を再び協議のテーブルの前に回帰させることである。協議のみが、問題の唯一の解決の道筋となるからだ」
「ある論評では、協議を通じて核問題を解決する考えはすでに難しい、という。だがこれは誤りである。六者会合(六カ国協議)が8年にわたり中断し、半島情勢がたえず緊張し、北朝鮮はこの間に3回の核実験を行った。明らかに、協議の拒絶と中断が、目下の情勢の真なる原因だ。また、別の論評では、中国側が影響力を発揮できなかった、というのがあるがこれは事実とは違う。中国側は六者会合で議長国を務め、ずっと協議を促してきた。私自身が(初代議長として)六者会合を経験してきた。当時、我々のほとんどが、米朝双方を縁組みするためにもてる精力を注いできた。彼らを協議につかせ、対話を通して問題解決を図ろうとしてきた。今後、情勢の鍵は、米朝がどのような政治的決断をとるかだ」
「中国側は戦略を保持して、建設的影響力を引き続き発揮していくだろう。目下重要なことは、各国が状況を緊張させるような刺激的行動を取らないことであり、情勢の悪化を防止しコントロールを失うことを避けることである。各国がいかに協議の建設的影響力を回復させるかを考えるべきであり、誰かに責任を押し付けることではない。ましてや、このどさくさに漁夫の利を得ることではない」
王毅の発言を見るに、中国側が一番懸念しているのは、実は、北朝鮮の挑発行為自体ではなく、それを口実にどこかの国が「漁夫の利」を得ることであることがうかがえる。協議が無意味であることは、六か国協議の議長国を経験してきた中国が一番わかっているのだが、あくまで建前は崩さず、国際社会と北朝鮮との調整役としての努力不足を責められると、「米朝の政治決断」こそがキモであると反論するわけだ。
だが、北朝鮮のやり方を見れば、その挑発の一番の矛先はむしろ米国ではなく、中国であるとも見てとれる。昨年10月に中国共産党序列5位の劉雲山が訪朝した結果を受けて、12月12日に北京で初の海外公演をする予定だった金正恩の美女楽団「モランボン楽団」がドタキャンし、いきなり平壌に帰国したことは、中国のメンツを大いに潰した。
本気を出せば、ひとたまりもないはずだが…
この公演は2000人の中国高官らが招待され、2013年12月に親中派で当時ナンバー2とされていた張成沢が残酷な方法で粛正されたのち、冷え込んでいた中朝関係の回復を印象づけるはずの重要な政治イベントになるはずだった。だが、モランボン楽団訪中初日に、北朝鮮の水爆保有が報道され、楽団の公演演目に人工衛星やロケットを讃える歌や、ミサイル発射実験ムービーを映し出す演出が含まれていることがリハーサルで明らかになると、中国指導部も黙っておれなくなり、公演参加の高官のランクを下げると、これに反発した金正恩はモランボン楽団の即刻帰国を命じたのだった。
そして、そのあと、年明けて1月9日、中国をあざ笑うかのように“水爆”実験を行い、中国は「事前に知らされていなかった」と発表。だが中国が激怒して重油供給など対北朝鮮援助を止めるかと思えば、どうも歯切れが悪く、国連の対北朝鮮制裁決議案には難色を示し、1カ月たっても制裁に踏み切れない始末。
しかも、北朝鮮の対話を通じての問題解決を主張する中国が2月2日から4日にかけて平壌に派遣した朝鮮半島問題特別代表(六か国協議議長)武大偉が帰国するやいなや、金正恩政権はミサイル発射予告を発表。国連の制裁決議案に抵抗し、北朝鮮側と落としどころを探る努力をアピールしていた中国側の立場を完全に無視した。そして、中国人・中華圏が春節大晦日(除夕)という平安を祈る日にミサイル発射実験を行ったのだ。
普通なら、中国は怒り心頭に発してもよいはずだ。だが、この期に及んで、中国側報道官の発言は慎重きわまりない。
中国は2003年2月、北朝鮮に通じる重油パイプラインを閉じるなどして、北朝鮮に揺さぶりをかけた過去がある。この時、北朝鮮は猛烈に抗議するも、結局六か国協議のテーブルに着くことになった。中国が本気を出せば、やはり北朝鮮はひとたまりもないはずなのだ。
この背景については、海外だけでなく、中国国内の学者や知識人たちの間でも「なぜ?」の声が上がり、それぞれに分析している。
中国の独立系外交政策シンクタンク・察哈尔協会の高級研究員・呉非が香港のラジオ・フリーアジアの取材にこうコメントしていた。
「中国と朝鮮の関係において、実際のところ、核兵器問題については一切の共通認識がないのだ。金正日時代に中国から大量の援助を受けて、また金正恩もこの援助を受けているが、それでもはばかることなく核実験を行い、長距離弾道ミサイル実験も行っている。しかも我々はいまだこれを“人工衛星”と言っている。彼らがこうした実験を一層集中して行うのは、彼らの政権が危機に瀕しているということでもある。相当焦っているのでなければ、中国の除夜に長距離弾道ミサイル実験など行うわけがない。もし中国がこれによって援助をやめ、さらに国際社会も強烈な圧力を持ち続けていれば、金正恩はすぐさま訪中団を差し向けて泣きついてくるに違いない」
山東大学元教授の孫文広もやはりラジオ・フリーアジアに対し、「中国は朝鮮のミサイル発射に反対はしているが、同時に朝鮮の行動が中国の国際的地位や影響力を体現するものであることを望んでいる」とコメント。「朝鮮が飛び跳ねれば飛び跳ねるほど、中国の影響力は突出してくる。中米関係においては、中国にとって朝鮮は重要なカードであり、目下、朝鮮に対して制裁を行うつもりもないのである」
北を隠れ蓑に「南シナ海」着々、本命は軍制改革
彼らの意見は、中国にはまだ北朝鮮に“好き勝手させる”余裕があり、むしろ、いまの北朝鮮の余裕のなさなど内実をわかっているだけに焦りがなく、むしろ対米外交的に利用できると踏んでいる、というものである。実際、北朝鮮が年末から米国を思いっきり挑発してくれる前は、米中の南シナ海をめぐる対立が先鋭化していたのである。北朝鮮が米国の批判の矛先を代わって受けてくれる間に、中国は着々と南シナ海の人工島の滑走路で離着陸試験を行っていた。
一方、現段階では北朝鮮問題を顧みる余裕がないのはむしろ中国ではないか、という見方もある。既報されているように、習近平政権は現在、軍制改革の真っ最中である。この改革案のキモは七大軍区制を五大戦区(戦略区)に編成し直すという劇的なもので、2月1日に五大戦区の設立が宣言されたものの、正直うまくいくかどうかはまだ見極めがついていない。
この軍制改革の目的は、一つは時代遅れの軍区制を米国のような戦略区制に改編することで軍の近現代化を大幅に進めるというものだが、もう一つの目的は、いわずもがな、習近平が政敵として失脚させた徐才厚一派の巣窟である瀋陽軍区の解体でもある。瀋陽軍区をそのままにしていては、いつクーデターがあるかと習近平もおちおち枕を高くして寝られない。実際クーデター未遂らしき事件も起きていると伝えられ、また北朝鮮の核実験、ミサイル実験に使われている部品も瀋陽軍区から横流しされているとの噂も絶えない。遠い北京への忠誠よりも、近くの北朝鮮との利権関係を重視してきたのが瀋陽軍区であった、とも指摘されている。
そこで習近平の軍制改革では瀋陽軍区と北京軍区を一つにし、従来の徐才厚派将校や北朝鮮利権を持つ将校を一掃し、自分の肝いりの部下を配置し、北部戦区として、対北朝鮮、ロシア、日本の一部からの攻撃に備えたい考えなのだ。
北朝鮮側はこのことをよく承知しており、核兵器の完成を急いでいる。習近平の軍制改革が完了し、金正恩と非常に相性の悪い習近平政権が北部戦区を掌握すれば、北朝鮮としては、かなり厄介なことになるわけだ。
「単独制裁」で支配強化、「漁夫の利」は渡さない
一方、習近平としては、困難を極めるとみられている軍制改革を無事終わらせるまでは、北朝鮮の挑発にいちいち乗って、注意力を分散しているわけにはいかない。とりあえずは北朝鮮を孤立させ、各国に北朝鮮の悪辣ぶりを印象づけ、国際社会の中国に頼る気持ちを掻き立てるだけでいい。こうした見方は、たとえば、華字ネットニュース多維新聞などの報道にも垣間見えている。
著名国際政治学者の時殷弘は、中国が国連の制裁決議案に同調しないのは、「単独制裁」の柔軟性を保つためだと見ている。国連の号令に合わせて制裁を始めたり止めたりするのは、中国としては独自の北朝鮮に対する支配力を損なうことになる。あくまで中国が願うのは、中国の北朝鮮に対する支配力強化なのだ。だから時殷弘は、中国が北朝鮮に対する制裁を急激にエスカレートさせる可能性はあると見ている。
中国は「協議のみが問題解決の唯一の道筋」「このどさくさに紛れて漁夫の利を得るな」などと神妙な発言を繰り返しているが、だいたい口で言うのと腹で思うのが逆であるのが外交的発言である。その本音では、一番「漁夫の利」を得る計算をしているのは中国かもしれない。
2/9日経『政府、ミサイル防衛強化 3段階の迎撃検討』、『「衛星」 周回軌道に投入成功か』について
守備だけでは激しい攻撃には耐えられません。数百発の核ミサイルが日本に飛んで来たら防衛ミサイルだけでは間に合いません。その意味で本当の脅威は北朝鮮ではなく中国です。日本の主要都市に向けて核ミサイルの照準を合わせていることは公知の事実です。(2009年5月の、読売新聞の報道では、中距離ミサイルを、沖縄の米軍基地や日本の主要都市に照準を合わせて配備していると報じています)。
特に中国が内乱状態に陥った時に、狂った人間が日本に向けて発射しないとも限りません。反日教育をずっとしてきたのですから、そういう人間が出ないとも限りません。日本政府がずっとクレームを付けずに見返り(中国への経済支援)を与えて来た咎めです。照準を一時的に外させ得たとしても、いざと言うときには簡単にロックオンできると思いますので、報復できる力を持たないと安心はできません。やはり、抑止力としての核は必要かと。ただMAD(mutual assured destruction)の考えを中国の為政者が理解できるかですが。何せ毛沢東はポンピドーとの話し合いで、
ポンピドー「ソ連からICBMを大量に輸入しているようだがアメリカと戦争する気ですか?」
毛沢東「戦争になったら私たちは水爆の使用も辞さない」
ポンピドー「そんなことしたら中国人もたくさん死にますよ」
毛沢東「人口が多いので二~三千万人ぐらい死んでも構わない」と言ったと。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110203/chn11020312410001-n1.htmというのもあります。
中国人の手前勝手な考えが推し量れます。ほぼキチガイと言ってよい。いかに中国人の生命が軽んじられているか。実際毛は大躍進、文革で2000万人~1億人の中国人の命を奪ったと言われています。こういう民族の国が隣にあるのですから。とても仲良く付き合うことはできません。
米国だってイザと言うときに日本を守るかどうか分かりませんので、①日本も核を持つ②ミサイルを撃ち落とすレーザー技術の確保③ミサイルの誤爆誘導できる技術の確保(発射した地点での爆発誘導)辺りが軍事技術について素人ですが小生の考えです。
勿論、記事にあるように守備の層を厚くすることにも賛成です。
記事
撃ち漏らし防ぐ
北朝鮮による事実上の弾道ミサイル発射を踏まえ、政府はミサイル防衛システムの強化に乗り出す。より高高度の迎撃が可能な海上配備の次世代型ミサイルを米国と共同開発し、2017年度の生産開始をめざす。同時に現在は2段階となっているミサイル防衛システムの迎撃のタイミングを3段階に増やすことを検討する。ミサイルの脅威が増しているとみて、撃ち漏らすリスクを減らす。
日米が共同開発している新たな海上配備型の次世代迎撃ミサイルは、イージス艦に搭載する「SM3ブロック2A」。今秋に米ハワイ沖で海上実験を行い、命中精度を初めて測定する。19年度の配備を目指す。
SM3による迎撃の最高高度は地上300キロメートル程度とされる。新型SM3は現行型より推進力が大きく、最高高度1千キロメートル以上での迎撃が可能となる見通し。防衛省は「迎撃の高度が高ければ高いほど落下予想地点の守備範囲の面積は広がる」(幹部)と説明する。
新型を搭載したイージス艦の防空範囲は1千キロメートル程度と現在の数百キロメートルよりも大きく広がる。従来は日本の領域全体を守るのにイージス艦3隻が必要だったが「新型SM3を搭載すれば2隻で十分」(同)という。
一方、政府はミサイルの迎撃精度を高めるため、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の導入も検討する。菅義偉官房長官は8日の記者会見でTHAADについて「現段階で自衛隊への導入計画はない」とする一方、「国民を守るため米国の装備品を研究しつつ、検討を加速する」と語った。
THAADは大気圏内に再突入した最終段階のミサイルを迎撃するもので、最高高度は地上から約150キロメートル。航空自衛隊に現在配備されている地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)の最高高度は地上から約20キロメートルのため、迎撃のタイミングとしてはSM3とPAC3の間に位置する。ただ、防衛省幹部は「導入経費が極めて高額」と指摘しており、慎重に判断する。
THAADをめぐっては在韓米軍への配備計画が進むなか、中国が反発を強めている。背景には中国内陸部のミサイル基地の情報が米軍レーダーに捕捉されるとの懸念が中国側にあるとみられる。このため、日本がTHAADの導入に踏み切れば、配備する地域によっては中国側が反発する可能性もある。
▼ミサイル防衛システム 弾道ミサイルの発射を探知し、着弾前に迎撃・破壊するシステム。日本の場合、米国の早期警戒衛星などがミサイル発射を捉えると直ちに防衛省などが連絡を受ける。この情報をもとに海上自衛隊のイージス艦や国内レーダーなどでミサイルを追跡し、イージス艦に搭載しているスタンダードミサイル(SM3)が大気圏外でミサイルを撃ち落とす。現在は撃ち漏らした場合、地上配備のパトリオットミサイル(PAC3)が迎撃する2段構え。
米軍が確認
【ワシントン=川合智之】米戦略軍は7日、北朝鮮による事実上の長距離弾道ミサイルの発射後、2個の物体が高度約500キロメートルで地球を回る軌道に乗っているのを確認したと明らかにした。北朝鮮が打ち上げたとする人工衛星と、多段式ミサイルの3段目とみられる。周回軌道への投入成功は、北朝鮮のミサイル技術の精度が高まったことを示す。
朝鮮中央テレビは「地球観測衛星『光明星4号』の軌道投入に完全に成功した」と報じている。米軍が観測した軌道は北朝鮮の発表と近く、想定通りの軌道に精密に投入できた可能性が高い。
大同大学の沢岡昭学長は「衛星は地球を南北に回る極軌道に投入されたようだ。ロケットとミサイルは表裏一体なので、衛星を軌道に投入できる技術はミサイルを目標地点に精密に飛ばす技術につながる」と話す。
米メディアなどによるとミサイルの射程は最大1万3千キロメートル、積載重量は500キログラム。南米を除く全世界が射程圏内だ。米ランド研究所のブルース・ベネット防衛上級研究員は「核兵器をほぼ搭載可能な打ち上げ能力となった」とみる。
ただ実際に弾道ミサイルとして使う場合は宇宙空間から大気圏に戻ってくる。ベネット氏は「大気圏再突入の際に高温に耐えるという別の課題がある」と指摘。核ミサイルとして使用できる段階には至っていないとみる。
2/8ダイヤモンドオンライン 嶋矢志郎『中国が発表する経済成長率は本当に“偽り”なのか?』、2/9日経ビジネスオンライン 上野泰也『「リーマンショック2」は来るのか 中国「不信」・原油「底なし」、2つのビッグリスク』2/8日経『中国外貨準備、減少続く 元買い介入で1月末378兆円』、2/9ZAKZK 大前研一『中国発の大恐慌は不可避 行き先は超元安とハイパーインフレ』について
やっとメデイアもまともに中国の経済リスクを取り上げるようになったかと言う気がします。日本の報道は欧米の後追いで中国進出を煽るだけという気がずっとしていました。特にヒドかったのが日経。その日経ですら中国の経済危機を報道せざるを得なくなりました。嶋谷氏は日経記者OBです。小生の中国8年間の駐在経験から言って、中国は「何でもあり」「数字の誤魔化しは当り前(財務諸表は少なくとも3通り)」「賄賂は上から下に至るまで受け取る文化」「平気で嘘をつく」「偽物文化(卒業証書、発票=公的領収書)」「破廉恥・反人道主義」なのを目の当たりに見てきましたので、この国はいつか、どこかで頓挫するだろうと思っていました。ただ、こんなに早く経済発展するとは思っていませんでしたが。1997年8月末に北京空港に降り立った時に夜の余りの暗さと道路の大きさにビックリした覚えがあります。車は少なく、自転車が多かったです。帰国時の2005年の時も豊かになったとは言ってもまだまだでした。ただ、2002、3年頃、上海では渋滞で浦西と浦東とのトンネルをナンバープレートの奇数・偶数で通れる、通れないの交通整理をしていましたから、やはり2001年のWTO加盟が効いていたのかとも思います。上海は江沢民の地元でしたので。でも、無理な背伸びをしすぎてコントロール不能まで来ました。何の裏付けもなく借金を重ね、過剰な設備投資して、需給を無視した過剰在庫を抱えるようになりました。世界の産業を潰すまでになりました。崩壊するしかありません。世界平和のためには良いことです。
本4記事は、田村秀男氏や高橋洋一氏がずっと言ってきたことと同じ見方になってきたなあと感じました。上野氏はみずほ証券勤務だからリーマンみたいにはならないと言っていますが。しかし、心の中は違うのでは。あの中国進出を煽り、薄熙来の経済顧問までした大前研一氏までが小生が前から言ってきましたように「打つ手なし」です。如何に中国から遠ざかるかが痛手を少なくする道です。中国と関係の深い企業の株価は激しく下落するでしょう。間違っても中韓を助けることをしないように。特に通貨スワップをすれば大ヤケドくらいでは済まず地獄まで道連れになります。
中国のデフォルト・ショックが起きたときにどうなるのか予想できません。澁谷司拓大教授は「中国には1日600円以下で暮らす貧困層が10億人いる」と仰っていました。この層が革命を起こすかもしれません。天安門事件のようなことが起きるかですが、衛星が発達した現在、かつ解放軍兵士が貧乏人に銃を発砲できるかです。日本人のように組織に帰属意識を持たない民族ですので。反共産党クーデターが起きるかもしれません。中国大陸の歴史は動乱の歴史=易姓革命の歴史ですので、大量の難民が発生するかもしれません。欧州を対岸の火事とせず、対応策は考えておかないと。在中邦人救出とスパイの可能性のある中国人の日本上陸を阻止しないと。
嶋矢記事
中国の常識は世界の非常識?王国家統計局長はなぜ失脚したか
王保安事件の真相は何か。中国の統計に対する信頼が揺らげば、世界に与える影響も大きい。
中国共産党の中央規律検査委員会は、国家統計局の王保安局長を「重大な規律違反」で調査していると発表した。王局長は1月19日には世界が注目していた昨年2015年の中国のGDP(国内総生産)を発表し、同26日には中国の経済情勢に関する記者会見に臨み、終了後も取り囲む記者団の質問に気さくに受け答えしていた。その直後の連行、失脚である。
習近平指導部としては、電撃的な摘発により、「重大な規律違反」への厳しい姿勢を国内外に強く印象づける狙いがあったに違いない。
その「重大な規律違反」とは何か。肝心の内容が何も明らかにされていないが、一部海外メディアによると、統計データを取り扱う国家統計局のトップである同局長が、事前に外部に情報を漏らしてその見返りに金品を受け取っていたのではないか、という疑惑が浮上しているという。
さらに今回の事件については、中国の国内外の消息筋から、「本当のデータを公表したら処罰され、捏造のデータを発表したら規律違反では、立つ瀬がない」などと揶揄する声も、筆者の耳に届いた。何らかの目的により、王局長が統計データを改竄していたのではないか、という見方もあるわけだ。
様々な憶測が飛び交っており真相は不明だが、いずれにせよ、今や世界第2位の経済大国となった中国の統計データを取り扱うトップの汚職がもし真実だとすれば、世界の金融市場に波紋を呼びかねない。今回の報道は、かねてより指摘されていた中国の統計データに関する課題を、筆者に思い起こさせた。それは、統計データの信憑性に関する課題だ。これを機に、それを検証してみたいと思う。
中国政府が国内外へ向けて正式に発表する統計データの多くは、偽装された「真っ赤な嘘」ではないか――。今回の事件とは直接関係なく、そんな疑惑は以前からずっとあった。今や「知る人ぞ知る常識」として語られている雰囲気もある。真偽のほどは別として、問題はそうした疑惑があるという事実を、いつの頃からか当事者の中国だけでなく、国際社会も暗に認めてきたということだ。
上海株の大暴落をはじめ、人民元の対ドル為替相場の切り下げ、全国各地で廃墟と化している工業団地や商業施設、主要業種に広がる深刻な過剰設備、さらにはおよそ2億人分に及ぶとされる不動産の余剰在庫など、中国経済の憂々しき実態が次々と顕在化している。中国経済は今、どこまで失速しているのか。全世界が注目する中で、2015年の実質GDP(国内総生産)の成長率が発表されたが、データの信憑性が怪しいことを知る者の中には、公表された数値を信じない人もいたのではないか。
公表されたGDPの数値は、想定内の前年同期比6.9%増であった。ちなみに、中国政府の目標値は7%である。これに対し、国内外の消息筋の事前予測では、おおむね数字の操作を織り込んで6.8%前後と見られていたが、案の定、その中間に落とし込んできたと思える苦肉の策であった印象は拭えない。
発表した時点も、昨年末からわずか3週間以内の1月19日である。これ自体が信じ難い早さで、不自然ではある。自由経済圏の場合、最も早い米国でも締め切り1ヵ月後であり、EUや日本では大体、同50日後である。
GDP統計は、一般に各種統計を加工した、いわば二次統計なので、その算出には一定の手間暇がかかる。先進国の場合は、関係各省庁が英知の粋を集めた複雑な計算式の下で算出し、産業連関表などを駆使して、算入が重複しないよう、縦横斜めの試算を繰り返してから公表するため、これ以上は短縮できないという日時を要してから公表する。中国の場合はこの精査工程を省略して、「算入の重複を削除しないまま公表しているのではないか」と疑われてもやむを得まい。仮にそうだとすれば、GDPは水増しされ、成長率は上振れすることになる。
信じられないGDP統計発表の早さ 「李克強指数」が信頼される理由
中国の経済政策の司令塔である李克強首相は、前職の遼寧省共産党委員会書記であった2007年当時、すでに「中国のGDP統計は人為的であるため、信頼できない」と喝破して憚らず、「経済指標として信頼できるのは貨物輸送量、電力消費量、銀行融資残高の3指標だけである」と公言した。それ以来、中国ではGDP統計よりもこれら3指標による「李克強指数」の方が信頼され、跋扈しているのが実態である。こうした状況に鑑み、統計作業を透明化、改善しようという声も聞こえてこない。GDP統計による公表データの同6.9%増を、この李克強指数で試算し直した修正値もある。それによると、実際は半分以下の同2.8%増だという。
前述の3指標よりも誤魔化せないという点で、実態により近い指標が貿易統計である。中国側の輸入は相手国の輸出であり、輸出は相手国の輸入になるため、偽装が不可能だからである。とりわけ、輸入の伸び率とGDPの成長率は正の相関関係にあるため、一方が増えるときは共に増え、一方が減るときは共に減って、同じ方向へ連動するため、少なくとも大きな誤魔化しは不可能に近い。
発表によると、輸入は同14.1%減となっており、これは尋常な減り方ではない。輸入が前年比14.1%も減っていながら、GDPだけ6.9%も伸びることは、まずあり得ないだろう。逆に、GDPが6.9%も伸びていながら、輸入だけが前年比14.1%減ることも、まずあり得ない。どちらに疑問があるかと問われれば、明らかにGDPの方である。
輸入が二桁マイナスなのに GDP6.9%成長はあり得るのか?
ちなみに、李克強指数と同じく、輸入が同14.1%減であった場合、GDPの成長率はどうなるか。単純な回帰分析で試算すると、成長率はなんと、おおよそ▲3%近くになる。中国政府が「GDPの成長率が同6.9%増、輸入同14.1%減であっても、共に真実の数値であり、両者の相関関係には矛盾はない」と言い切れるならば、「輸入とGDPは必ずしも正の相関関係にあるとは限らず、負の相関関係になることもあり得る」ことを立証する義務があるだろう。
中国のGDP統計を「信頼できない」と思っていたのは、李首相だけではない。元来、中国の経済統計の信頼性には、国内外から疑問視する声が広がっていた。中国全土の各地、各省で集計した総和が、中国統計局が発表する全中国のGDP統計の数値を大きく上回る珍現象が毎年のように繰り返され、常態化していたからである。全国の各地、各省の末端から中央へと数値を集めてくる集計過程でも、申告者が常に正しく申告するとは限らない。収穫や生産の自己申告が業績や昇進などの評価、採点に直結していれば、なおさらである。
人間の心理上、評価、採点にとってマイナスとわかる結果を自ら奨んで報告する人は少ない。結果として、常に過大な申告になりがちである。とりわけ社会主義経済圏の下では、これが避け難い仕組みであることは、旧ソ連や毛沢東による大躍進時代の中国の名残といえ、その悪弊は歴史が証明している。李克強指数が誕生し、信頼され、跋扈してきた背景でもある。
ただし国際社会も、中国の経済統計の捏造疑惑を決して看過してきたわけではない。IMF(国際通貨基金)は昨秋、中国に対し、経済統計に関する「質」的な向上の必要性を呼びかけている。中国が経済構造の質的転換を進めていることに対し、その構造転換の成果が経済統計にも正しく反映されるよう、経済統計を「質」的に飛躍させる必要がある、と指摘している。
世界銀行も、「中国の政策決定者は市場への介入を自制できないでいる。これが市場に混乱をもたらし、市場に対する信頼感の低下を招いている。中国が2015年に史上最大の資本流出を経験したのは、政府の介入が要因の1つである公算が大きい。市場は予測可能性と透明性を必要としている」(マデリン・アントンシック前副総裁)として、経済政策の透明性の確保に厳しく注文を付けている。
実際はマイナス成長もあり得る? チャイナショック回避への期待
習近平主席とその指導部が、二桁台の高度成長から一桁台の安定成長へと経済成長ペースを軌道修正しながら、いわば経済成長よりも構造改革を優先し、7%成長を死守する「新常態」化路線を宣言して走り出してから、まだ間もない。それが早くも7%割れを余儀なくされたため、金融緩和を急いででも経済成長を優先すべきか、経済成長は後回しにして構造改革を優先すべきか、という二者択一を迫られ、大いに迷っているに違いない。
しかし、データ偽装が真実ならば、実態は7%割れどころか、3%割れやマイナス成長であることも考えられる。世界第二の経済大国である中国経済の実態が、実は想像以上に失速しているとなれば、それだけでも2008年のリーマンショックならぬ「チャイナショック」を引き起こしかねない。影響が国際社会の隅々へ及ぶことは必至である。
そうなれば、隣国の日本も想定外の経済的な激震に見舞われないとは言い切れない。景気減速や外貨準備高の減少を不安視する習近平が、人民元の流出を食い止めるため、3月開催の全人代において、富裕層に対する「爆買い禁止令」を通すのではないかという見通しも浮上している。それが最悪シナリオへと通じるアリの一穴になるかもしれない。
これから世界は、中国発の世界同時不況を引き起こしかねない可能性とその誘因因子を、徹底的に洗い出す必要があるのではなかろうか。とりわけ中国と経済上のつながりが深い日本は、中国やアジア諸国と協力しながら、チャイナショック防止を議論するための戦略プロジェクトチームを発足させるなどして、中国の体制整備に力を注ぐべきであると、筆者は提案したい。
上野記事
昨年から今年に持ち越した「3つのリスク」(①中国経済不安、②下げ止まらない原油価格、③米利上げ後の新興国を含むマネーフロー変調)のうち、③は、米国の利上げに打ち止め感が出れば、とりあえず歯止めがかかるリスクと言える。
だが、残りの2つはかなりの難物だと筆者はみている。年明け以降の市場で大きな不安材料になり続けている①と②をスピーディーに消し去ることができ、しかも現実味のある解決策は、筆者には思い当たらない。
まず、①中国経済不安は、昨年夏~秋の局面よりもはるかに事態は深刻であり、中央政府が財政政策を用いて景気を刺激すれば市場の不安心理が沈静化する、というような生易しいものではなくなっている。
「不安」から「不信」へ
市場のセンチメントは、「不安」と形容されるレベルから、中国当局による経済政策運営や人民元という通貨そのものに対する「不信」「信頼感の喪失」へと、悪い方向に一段シフトした。最近出てきた中国問題関連の要人発言などをいくつか挙げた上で、筆者のコメントを加えてみたい。
◆マルコ・ルビオ米上院議員(共和党の大統領候補指名争いで3位につけている有望株) 「中国が国内で深刻な危機に面している。バブル経済には、別のバブルで埋め合わせをしてきたが、ついに危機がやってきた」(2016年1月7日)
~ この見方に筆者も賛同する。「リーマンショック」後の危機局面で大規模な景気刺激策を実施したことが、不動産バブルを膨らませた。これが崩壊したものの、抜本的な政策対応を怠り続けた結果、政策面で手詰まり感が強くなり、市場の不安感のみならず不信感をも招いている。
◆中国の銀行不良債権、2015年の増加幅は前年の倍以上(2016年1月12日 ロイター)
「中国の銀行が抱える不良債権の2015年の増加幅は前年の倍以上となった。匿名の関係者2人がロイターに明らかにした」 「関係者によると、2015年の不良債権の総額は1兆9500億元(2968億ドル)」 「2014年の不良債権は2574億元(391億9000万ドル)増の1兆4300億元であったため、15年の増加幅は5000億元以上とみられる」 「銀行業監督管理委員会はロイターのコメントの求めに応じていない」
~ 日本の経験からすると、不良債権問題を解消するための切り札は、「徹底したディスクロージャー(情報開示)」と「公的資金の大規模な投入」の2つである。だが、中国の当局はいずれにもまだ取り組んでいない。そうした実情をあらためて確認できる報道である。
◆中国の中央財経指導グループ弁公室の韓俊・副主任(2016年1月11日 ニューヨークの中国領事館で)
「(人民元が対ドルで一段と大幅に下落すると想定するのは)ばかげている」「人民元に対する経済ファンダメンタルズに大きな変動はみられない」「人民元を空売りする試みは成功しないと思う。投資家は人民元を信頼すべきだ」
~ 人民元の対ドル相場下落(=人民元からドルへの資金流出)の問題で、事態の全体像を人民銀行など中国の政策当局がどこまで把握してコントロールできているのかに、市場は疑念を抱きつつある。
IMF(国際通貨基金)がSDR(特別引出権)の構成通貨に人民元を新たに採用することを決定した後で、無理に通貨価値を支える必要性はもはや薄れたという考えから人民銀行が元安ドル高に誘導し始めたというような、単純な話ではなさそうである。
人民元の下落を当局が容認していることへの不信感から、「草の根」レベルで中国から海外への資本逃避(キャピタルフライト)が起こっており、人民銀行は外貨準備を大量に使ってドル売り人民元買い介入などをしてなんとか食い止めようとしているのではないかという見方が浮上している。
中国の外貨準備高(金やSDRなどを含まないベース)は、昨年12月末時点で3兆3304億ドル(前月比▲1079億ドル)。12月の月間減少幅は過去最大で、このペースが続くと3年もたない計算である<図1>。そして、中国の外貨準備高は1月も995億ドルという巨額の減少になったことが、直近データから明らかになっている。
■図1:中国の外貨準備高
(出所)中国国家外為管理局(SAFE)
仮に、中国の外貨準備高の急ピッチの減少が今後も続くようだと、中国は自国通貨の防衛を継続できなくなって人民元はフリーフォール状況に陥るのではないかといった見方が市場で広がりかねない。
日本の20年前に似た雰囲気
また、最近の中国の政府当局者の市場に関する言動を見ていると、「上から目線」を感じることが多い。日本でも少なくとも20年ほど前まではそうした雰囲気が漂っていたと記憶している。だが、内外経済におけるマーケットの影響力の大きさが政治の世界でもよく知られるようになる中で、日本の当局者の姿勢は大きく変わり、マーケットの動向を重視して、参加者の意向を尊重するようになっていった。
中国でも金融市場は自由化されていく流れにある。当局者の姿勢もまた、いずれ変わらざるを得なくなるだろう。また、市場はいわゆる「大本営発表」を安易に信用しない。情報発信の手法などにおいても、中国でいずれ大きな変化が出てくるのではないか。
だが、これらはいずれも長いタイムスパンの話である。中国当局による「市場との対話」は今のところ、それが存在しているのかどうかさえ定かではなく、世界の金融市場を不安定化させる原因の1つになっている。
もう一つの大きなリスク、②原油価格はどうか。原油の価格は崖から落ちるように下落してきており<図2>、この問題は「出口が見えない袋小路」に入った感が強い。サウジアラビアとイランの関係が悪化して外交関係断絶にまで至ったことで、石油輸出国機構(OPEC)が減産に動く可能性はかなり小さくなったというのが、筆者の見方である。
■図2:OPEC原油バスケット価格
原油の減産に動くための前提条件として、サウジアラビアは以前から、ロシアなど非OPEC(OPECに加盟していない)産油国との協調減産の必要性を強調している。だが、OPECと非OPECの協調減産が実現するかどうかのカギを握るとみられるロシアのノバク・エネルギー相は、その実現に否定的なコメントをたびたび発している。
1月15日にテレビ出演したノバク氏は、「OPECの全加盟国が(減産で)合意することさえ見込めない。いわんや非OPECとの協調減産もあり得ない」と指摘。「石油輸入国が世界市場からの輸入を減らしており、現段階では輸入国の影響力が大きい」と述べた。また、同エネルギー相はロシアの石油企業にとって「カギとなる原油価格の水準は、生産コストの水準、すなわち1バレル=5~15ドルだ」と話した。
仮に、最近報道されているように、経済がかなり苦しくなったベネズエラなど一部加盟国の要請をうけてOPECが2月に緊急会合を開催し、ロシアも参加して協調減産を協議する場合でも、合意までこぎつけるのは至難の業だろう。
欧米などから経済制裁の解除をうけて原油の増産・輸出増加に動き出しているイランは、このタイミングでは減産合意には乗りにくい。イランの増産を認めつつOPEC全体で減産しようとする場合は、主にサウジアラビアが自国の生産枠について、イランの増産分を上回る規模で引き下げを受け入れるという話にならざるを得ない。
だが、両国の関係が悪化している中では、サウジアラビアが一方的に損をかぶる形になる生産枠調整は、実現する可能性がきわめて小さい。イスラム教スンニ派の盟主であるサウジアラビアが、シーア派の盟主である国であるイランに対し、いわば敵に塩を送るような形になるからである。
また、サウジアラビアは市場におけるシェアを重視し続けており、原油価格下落を容認して米国のシェール会社(総じて原油生産のコストが高いとされる)の市場からの退場を促す「持久戦」を、このままさらに続ける意向を示唆している。同国のヌアイミ石油相は1月17日、国際石油市場で供給過剰が続く中、市場安定には「ある程度の時間」がかかると述べた上で、今後について楽観的な見方を示した。
リーマンショック2にはつながらない
株価に話を転じよう。「グローバルな金あまり」状況の継続に鑑みた場合、リスク要因が多い中であっても、内外で株価が一方的に下げ続けることまではないと予想するのが順当だろう。
米国の利上げが続きにくいこと(当コラム1月26日配信「昨年末の米利上げは2000年の日本そっくり」参照)、各国の規制監督当局が金融システムの安定維持に注力していることも考え合わせると、「バブル崩壊でサヨウナラ」的な一方的な株価暴落や、先進国の金融システムへの甚大なダメージは発生しにくいと、筆者は考えている。その意味で、年初からの市場の大きな混乱が「リーマンショック2」につながるとは予想されない。
とはいえ、「中国」と「原油」という2つのビッグリスクが早期に払しょくされそうにない状況下、内外の金融市場の動きは今後も不安定なものにならざるを得ない。したがって、株式の押し目買いなど「逆張り」で投資家が動く際には柔軟性が必要で、無理は禁物である。
日経記事
ピークから2割減 【北京=大越匡洋】中国の外貨準備高が過去最大規模の減少を続けている。中国人民銀行(中央銀行)は7日、1月末の外貨準備高が3兆2309億ドル(約378兆円)で、前月に比べ995億ドル減ったと発表した。減少幅は過去最大だった2015年12月の1079億ドルに次ぐ大きさだ。中国の通貨、人民元への下落圧力が強まり、人民銀がドルを売って元を買う為替介入を繰り返していることが大きな要因だ。
中国の外貨準備高はなお世界最大で、2位の日本の約2.6倍の規模がある。ただ、15年は23年ぶりに通年で減り、減少幅は5千億ドル以上に達した。4兆ドル近くにのぼったピーク時の14年6月からみると、足元ではすでに約2割減った。
ユーロ安などで評価額が目減りしたり、中国企業の海外進出の支援に活用したりした減少分はあるものの、中国の外貨準備が大幅に減っている大きな要因は為替介入だ。
中国の景気減速に加え、米国の利上げで海外への資本流出が加速し、市場では人民元の下落圧力が増している。人民銀は急激な元安を食い止めるため、為替介入で元を買い支えている。その分、外貨準備で持つドル資産を売却し、外貨準備の減少につながっている。
元買い介入は、国内の金融政策にも影を落とす。元買い介入で市中に出回る元を吸い上げることになるため、流動性が目減りし、景気下支えのための金融緩和の効果をそぐことになるためだ。一方で、追加の金融緩和に動けば、利上げに動いた米国など海外へのマネーの流出に拍車をかけ、元安圧力が一段と強まるというジレンマを抱える。
人民銀は6日発表した四半期に1度の金融政策執行報告に載せたコラムで、主な金融政策手段である預金準備率について「引き下げれば緩和期待が強まり、人民元安の圧力や資本流出の増加、外貨準備の減少を招く」として、一段の引き下げに慎重な姿勢を示した。
実際、7日に始まった春節(旧正月)の大型連休を控え、人民銀は市場が期待していた預金準備率の引き下げは見送り、公開市場操作(オペ)や特定の金融機関に資金を供給する「中期貸出制度(MLF)」などの手法で大量に流動性を増やした。
人民元の先安観は依然として強く、景気の先行きも不透明だ。景気のてこ入れには金融緩和が避けられないが、「通貨安競争」と受け止められかねない過度の元安を回避したい思惑も働き、人民銀は金融政策の難しいかじ取りを迫られている。
大前記事
中国経済はもはや破綻が起きるか否かが問題ではなく、いつ起きてもおかしくない状況なので、もはや経済政策の打ち手はないと経営コンサルタントの大前研一氏はいう。それでも危機を回避するにはどうしたらよいのか、大前氏が解説する。 かつてアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領が世界恐慌(1929年~)を克服するために行なったニューディール並みの政策で有効需要を創出しようと思っても、すでに中国では高速鉄道、高速道路、空港、港湾、ダムなどの大型インフラはあらかた整備済みで、乗数効果のあるインフラ投資の領域は見当たらない。 しかも、一人っ子政策を続けてきたせいで今後は高齢化が急速に進展するが、介護や年金などの社会保障を支える人材・予算が大幅に不足している。 さらに「理財商品」という隠れた爆弾もある。これは短期で高利回りをうたった資産運用商品で株式ブームの前に人気となり、集まった資金が主に地方政府の不動産開発やインフラ整備などの投資プロジェクトに流れたとされる。今後はそれらの投資プロジェクトが行き詰まり、理財商品を発行した「影の銀行」が損失を受けてデフォルト(債務不履行)を起こす可能性があるのだ。日本のバブル崩壊でノンバンクが次々に倒れたのと同じ現象だ。 そして、中国国内で投資先を失ったお金のエクソダス(大脱走)が加速している。人民元は個人は年間約120万円しか海外に持ち出せないが、中国本土から人民元を香港などに違法に送金する「地下銀行」を運営していた300人余り、総額8兆円近くが摘発された例もある。資金の海外流出は必然的に人民元安と株安につながる。
鳴り物入りでスタートした中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)も、中国にはプロジェクトを審査して遂行していく能力があるマネジメント経験者がいないから、ことごとく失敗するだろう。
以上が中国トラブルの一覧だが、まるで先進国がこの100年間に経験してきたことを10年間に凝縮したかのようだ。しかも、その規模は10倍に膨れ上がり、対する政府の能力は100分の1ぐらいしかないといった状態である。
もはや中国は習近平政権に限らず、誰をもってしてもコントロールできなくなった。コントロール・フリークが、コントロールしてはいけないものをコントロールしたから、そうなったのである。行き着く先は、超元安&ハイパーインフレしかないだろう。
いずれにしても、もう中国は「詰んで」しまった。中国発の大恐慌は不可避であり、導火線に火がついてじりじりと燃えている状態だ。これまで中国は世界の景気を支えてきたが、それが全部ひっくり返って日本もその他世界も大混乱に陥る。その余波はサブプライム・ショックやリーマン・ショックよりはるかに大きく、アメリカ発の世界恐慌と同じぐらいか、もしかするとそれ以上かもしれない。
その危機に備えよと言っても、何が起きるか予想がつかないので、備えようがない。世界恐慌が軍需景気を待望して第2次世界大戦につながった歴史の教訓に学び、中国の動向を注視しながら諸外国に対する攻撃の口実を与えないよう柔軟に対応するしかないだろう。
※週刊ポスト2016年2月12日号
2/8日経ビジネスオンライン 鈴置高史『北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射 日・韓の「核の傘」を揺らす一撃に』について
ジェブ・ブッシュは大統領選の討論会で、「北朝鮮のミサイルへの先制攻撃」について言及していましたが、「衛星かミサイルか」人工衛星で撮った映像で分かるのであれば兎も角、分からなければ無理でしょう。地下にミサイルを隠して発射時にだけドームを開いてと言うのは007の映画でも良く出てきます。やはり、ミサイル防衛システムが必要となってきますし、有事の際に反撃できる姿勢を確保できることこそが相手の抑止力になります。米国は勿論抑止力を持っています。日本海にも核を搭載した原潜が遊弋している(対北ではなく対中・対露では)と思われます。日本も早く憲法を改正し、いつでも反撃できるようにし、自衛隊にはネガテイブ・リストだけにすればそれだけでも相手国に対する強大な抑止力になります。それはそうでしょう。攻撃側が中段突きしか出せないと分かったら、それを流して上段突きを出せばよいのですから簡単です。何が来るか分からないようにして初めて相手が言うことを聞くようになります。
中国は外交上の蹉跌を繰り返しています。ルトワックが言っていた通りの道を歩んでいます。北への制裁もいつもどおり「圧力をかけると暴発する」と消極的です。周辺諸国は中国がまた邪魔をしていると思うだけです。国連は無用の長物と益々思われるでしょう。北朝鮮を中国のバッファ・ゾーンにという思いは勿論あるでしょうが、北京軍と瀋陽軍の権力争いもあり下手すればクーデターになることを恐れているのかもしれません。金正恩だって後ろ盾がなければあんなに狂気じみたことはできません。2/9日経には「マカオのバンコ・デルタ・アジアの口座を凍結後、関連口座は複数に分散され、実態がつかみにくくなった。中国から北朝鮮の原油輸入は統計上ゼロ。実際は中朝国境付近の鴨緑江に埋設された約11キロのパイプラインを通じて北に送油」とありました。でなければ経済的に息の根を止められて金王朝はすぐにでも崩壊するでしょう。イランとかは米国と国交回復(共和党大統領が出て来たらどうなるか分かりませんが)する予定なので、イランも北を応援することはしにくいでしょう。やはり中国が鍵です。でも北の主体思想は中国からの「主体」=中国の言いなりにはならないという考えです。朝鮮半島人は相手を利用することしか考えません。
今度はその韓国。2/8日経には「韓国国防相が「検討」 日本との防衛秘密共有
【ソウル=峯岸博】韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相は7日の国会答弁で、日本と直接、防衛秘密を共有するのに必要な軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結について「日本が何度も要求しているので、政府内で他の要素を一緒に見ながら検討していこうと考えている」と述べた。日韓のGSOMIAは2012年に署名直前で韓国側の要求により棚上げされた。日本は北朝鮮への対応に欠かせないと締結を求め続けている。」とあり、2012年にサイン直前でキャンセルした非も詫びずこれですから。如何に厚かましい民族かという事です。韓国を切れないという甘えと言うか足元を見ているのでしょう。Yahooニュースでは否定する一幕も。変わり身が早いのでしょう。この国の民は信用できません。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160208-00000036-yonh-kr
南スーダンで、自衛隊から弾薬1万発を借りたのに韓国国家としてお礼も言わず、「韓国側から要請したことはない」「不足していたわけではない予備的に借りただけ」とか見え透いた嘘を言う連中です。
また、韓国は米国ともTHAADで方針転換し配備を検討とありましたが、これも中国の恫喝でどうなる事やら。中国に振り向かせるために(女が男に気を持たせるような焦らし作戦のような)、やっているのでしょう。米国も韓国を信じてはTHAADの技術・情報が中国に流れると見ていいです。米軍基地内に配備し、韓国人はオフリミット、韓国シンパの米国軍人もオフリミットにしなければ。日本もTHAAD配備について新たに検討と2/9日経記事にありましたが、金が高くても買うべきです。自衛隊基地の中に置いて研究すべきです。
記事
北朝鮮が2月7日午前9時31分頃(日本時間)、北西部の東倉里(トンチャンリ)から長距離弾道ミサイルを発射した。米国をも核ミサイルの射程に入れたと誇るのが目的だ。韓国や日本に対する米国の核の傘を揺るがす一撃となる。
「衛星打ち上げに成功」
北朝鮮の朝鮮中央テレビは午後0時半(同)に特別重大報道を放送し「地球観測衛星『光明星4号』の衛星軌道進入に完全に成功した」と伝えた。
朝鮮日報のユ・ヨンウン軍事専門記者は「軍、『北のミサイル(による)人工衛星、宇宙軌道進入に成功』」(2月7日、韓国語版)で以下のように報じた。
- 北のミサイルによる人工衛星は宇宙軌道進入に成功したと推測される、と韓国国防部は公式発表した。
- 米本土に到達できる射程距離1万―1万3000キロのICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発が、ほぼ成功段階に至ったことを意味する。
ミサイル実験で何が変わる?
—北朝鮮の狙いは?
鈴置:「米国にまで届く核」を持ったと示すことです。1月6日には4回目の核実験を実施し「核弾頭を着々と作っているぞ」と示しました。
- 北朝鮮の核実験
| 回数 | 実施日 | 規模 |
| 1回目 | 2006年10月9日 | M4.2 |
| 2回目 | 2009年5月25日 | M4.7 |
| 3回目 | 2013年2月12日 | M5.1 |
| 4回目 | 2016年1月6日 | M5.1 |
(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による
2月7日の長距離ミサイル実験で、今度は「その核弾頭を米国まで打ち込めるようになったぞ」と見せつけたつもりでしょう。
韓国人が米韓同盟への疑いを深めるのは間違いありません。例えば、北朝鮮の通常兵器による挑発で南北が衝突したとします。大規模な戦闘に至れば、米軍が韓国軍を支援することになります。
が、今後は北朝鮮が「介入すれば、米国を核攻撃する」と脅す可能性が高まります。すると、そうなる前から――平時から、韓国人は「米国人が自分の国への核攻撃リスクまで冒して、果たして自分を守ってくれるのだろうか」と悩むようになるわけです。
こうして韓国人に米韓同盟への不信感を持たせたうえで、北朝鮮は米韓同盟の弱体化に本腰を入れるでしょう。すでに「米韓合同軍事演習を中止すれば核実験を凍結する」などの誘い水を韓国に向けています(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。
もしこの取引が成立すれば、北朝鮮は次には「在韓米軍撤収」や「米国との平和協定締結」を言い出し、米韓同盟を廃棄に追い込むシナリオを描いていると思われます。
5月の党大会で「実績」誇示
—今回実験したのは長距離弾道ミサイルだから、韓国と日本にはあまり関係ない、という人もいますが。
鈴置:日韓は北朝鮮がすでに保有している短・中距離弾道ミサイルの射程に入っています。確かに、今回の実験により直接的な脅威が増すわけではありません。
ただ、韓国はある意味でそれ以上の脅威――米韓同盟への信頼性が大きく減じるという大問題に直面するのです。
北朝鮮は「米国まで届く核」をかざして、日本に対しても強腰で挑むようになる可能性が大です。
—北朝鮮の労働党大会との関係は?
鈴置:労働党は5月に党大会を開きます。36年ぶりの党大会でして、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の権力基盤を固めるのが目的です。
30歳代前半の若い指導者だけに実績が必要です。当然、4回目の核実験と合わせ今回のミサイル実験を、第1書記の権威付けに使います。
「米国に届く核」を完成し、米国と対等に付き合えるようになった――と国民や韓国の親北派に向け、宣伝に乗り出すでしょう。
韓国は軍事行動に出るか?
—韓国はどう出ますか?
鈴置:手の打ちようがありません。中国はもちろん米国も、軍事力まで使って北から核ミサイルを取り上げてはくれません。
経済制裁も、北朝鮮との輸出入を100%断つといった完全なものなら効果があります。が、原油の90%以上を供給するなど最大の貿易相手国である中国が消極的です。
—韓国自身が軍事力を使う手があるのでは?
鈴置:韓国人にそこまでハラは固まっていないようです。軍事行動に出れば、第2次朝鮮戦争になりかねませんからね。
もちろん保守の中には、今春実施する米韓合同演習の際に一気に北進し北朝鮮を吸収合併するしかない――と主張する人もいます。戦争を始めてしまえば、米軍も韓国を助けざるを得ない、と説明してくれます。
あるいは金正恩第1書記を暗殺しよう、と主張する人もいます。ただ、常に隠密行動をするリーダーの暗殺は、口で言うほど易しくはありません。
そもそも軍事行動を唱える韓国人も、朴槿恵(パク・クンヘ)政権にはそんな思い切った手は打てないだろうとあきらめ顔です。大統領は「国民の目を意識して発言は強気一本やり。だが実は、度胸はない」と言うのです。
せいぜい、対北支援のトンネル機関、開城工業団地の一時閉鎖程度の「強硬策」しか打てないだろうと見る韓国の専門家が多い。
ソウルに「核武装」の垂れ幕
—国民はフラストレーションがたまるでしょうね。
鈴置:核武装論がさらに盛り上がると思います。4回目の核実験の直後、保守系紙は「核武装を検討せよ」と書き始めました(「やはり、韓国は核武装を言い出した」参照)。
その後も、米中など国際社会が早急な対北制裁に乗り出さないので、韓国の核武装論者の声はボルテージが上がる一方です。
「日本と一緒に核武装に動けば米中も本気になって北を叱ってくれるだろう」との意見も出ています(「そうだ、日本と一緒に核武装しよう」参照)。
さらには保守の大物政治家も、核武装を呼び掛けるに至りました(「FIFA元副会長も訴えた『韓国の核武装』」参照)。
ソウルの繁華街には「核武装」を訴える垂れ幕が掲げられ始めたようです。保守サイト、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムに金泌材(キム・ピルジェ)記者が書いています。
「愛国党、ソウルのあちこちで『NPT脱退、自ら核武装』の垂れ幕掲げる」」(2月3日、韓国語)という記事で、写真付きです。
国論は分裂へ
—韓国の世論は核武装論一色になるのでしょうか。
鈴置:左派は核武装論に乗りそうにありません。反対に、北朝鮮との対話で解決しようという人が目立ちます。先ほど説明した「米韓合同軍事演習と核実験凍結の取引」に応じよう、といった意見です。
驚くべきことに、保守の中からも「米中が談合して北の核を認めそうだ。この状況を根本から変えるために、在韓米軍撤収と北の核廃棄を取引する手もある」との意見が飛び出しました(「『在韓米軍撤収』を保守も主張し始めた」参照)。
韓国の核武装は実現性が低いから、何とか他の手段も考えよう、ということでしょう。
—「韓国の世論は割れる」のですか?
鈴置:そちらの方向に向かっています。
—米国は?
鈴置:打つ手がないでしょう。韓国同様に、軍事力を使うつもりはないからです。4回目の核実験後から、中国と対北制裁を話し合ってきましたが、合意に至っていません。今後も、制裁強化に向け中国の説得に動くでしょうが「北の核」廃棄は難しい。
今すぐではありませんが、韓国の左派や一部保守までが言い始めた「北朝鮮との取引」に応じる可能性もあると見る人が増えています。ベストの解決策ではありません。が、軍事力を使わないとの前提下では、これがベターに見えるからです。
「米韓同盟」消滅を待つ中国
—では、米韓同盟は緩んでいくということですね。
鈴置:そういうことです。中国にとっては願ってもない状況です。中国が「北の核」の解決に熱心でないのは、北という緩衝地帯を失いたくないからだ、というのが定説です。
もちろんそれは正しいのですが「北の核」の存在により、米韓同盟を消滅させられると見ていることもあるでしょう。
今回の北の長距離弾道ミサイルの実験は、単に「ミサイルの射程が伸びたかどうか」といった話ではないのです。東アジアの安全保障の構造を大きく変える事件なのです。









