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『シリコンバレーで再び高まる日本への興味 「組み合わせ」で世界に通じる価値を生む』(9/26日経ビジネスオンライン 御立尚資)について
昨日、トランプとヒラリーのTV討論をリアルタイムで見ました。BS1に出てきました解説の慶応大学教授は「僅差でヒラリーの勝ち」と言っていましたが、違った印象を受けました。トランプはヒラリーの「メール問題」と「健康問題」について、軽く触れただけでした。トランプがヒラリーに「スタミナがない」と言ったら、瞬間に「112ケ国も回って和平交渉やってきた。スタミナがないとは言わせない」と切り返していました。流石よく準備してきたと思いました。トランプは自分の税務申告問題でヒラリーに大分追及されていました。でも、一般人から見たらトランプが主張した「過去10年間ヒラリーはエスタブリッシュ側にいて、誤った体験をしてきた。イランの核合意がその典型」というのに賛同するのではと感じました。過去の政策が失敗だったから、米国はうまく行ってないというのを浮き彫りにした感じで、知識人は別にしてトランプの勝ちかと思いました。しかし、産経新聞によると、CNN調査でデベイトはヒラリー:トランプ=62:27でヒラリーの圧勝でした。
http://www.sankei.com/world/news/160927/wor1609270037-n1.html
ただ、トランプは中国が米国の雇用を奪っていると何度も名を挙げて非難したにも拘わらず、ヒラリーはハッキングの所で「イラン・ロシア」の名と並列に1度だけ名前を挙げただけです。彼女が大統領になれば、中国の金塗れですので、中国に強いことはできないでしょう。スーザン・ライスもそのまま使うのでは。トランプは日本の核武装について明言しませんでした。但し、同盟国は守る義務があり、応分の負担を求めると。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160927/k10010708081000.html
本記事を読んで感じますのは、第二次大戦で戦った国同士が手を結んで、いろんなことにチャレンジしようとしていこうとしている点です。基本は相手国の尊重から始まるのでは。中国のように歴史を改竄(米国も歴史家の主流はそうですが)していつまでも日本を歴史の檻に閉じ込めておこうとする国と、韓国のように一緒に戦った国でありながら、台湾と違い、反日(国民党は同じく反日ですが)に邁進する国があります。両国とも自由な言論が存在しません。日本に有利な言論は封殺されます。
それでは良いアイデアも出て来ないでしょうし、他人が成功したのを見てパクるだけになります。日本には金剛組のように1400年前に作られた企業もあります。中華・小中華は易姓革命をモットーとするため、長寿企業が存在する余地はありません。
民間レベルでも米国との連携を深くし、安全保障面や経済面での関係深化が望まれます。「自由・民主・人権・法治」を大切にする国同士ですので。
記事

連休の週末、米国西海岸に行ってきた。以前にこのコラムでもご紹介したスタンフォード大学のダニエル・オキモト名誉教授と船橋洋一さんが立ち上げたNPO「シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム」が主催したカンファレンスがナパバレーであったのだ。私自身もこの団体の趣旨に賛同してお手伝いしているので、どちらかと言えば主催者側の立場なのだが、そのひいき目を差し引いてもなかなかおもしろい会合だった。
日本企業とシリコンバレーをつなごう、という考えで立ち上がった集まりで、日本側からは大企業経営者やベンチャー創業者、投資家の方々などさまざまなビジネス分野の出席者が集まった。米国側も元CBSニュース社長や大統領候補のひとりだった上院議員から、ベンチャー経営者やキャピタリスト、あるいはロボットの専門家などなど、多士済々な顔ぶれが揃った。
相当バックグラウンドが異なる方々も多く、正直、議論がかみ合うかなと心配したのだが、会議のセッションだけでなくランチやディナータイムまで、結構、刺激的な議論が交わされていて興味深かった。
日本への興味はビジネスから文化まで幅広い
印象に残ったのは、日本で感じているよりも日本に対する興味が(再度)高まってきていること、そして、その興味の対象がビジネスから文化まで幅広いことだ。
たとえば、Toyota Research Instituteのギル・プラット氏が登壇したAI・データサイエンス・ロボットに関するセッションがあった。これを受け、セッション以外のさまざまな場で、(今はアルファベット、という社名だが、元々はグーグルの)Xのロボット事業GMやMITメディアラボの研究者、あるいは、ゴールドマンやプルデンシャルの出資を受けて急成長している野菜工場の創業者など複数の参加者と議論する機会があったのだが、「AIを含むソフトウェアとハードウェア(メカトロニクス)の融合」であるロボットが実用化に近付けば近付くほど、日本の製造業への期待感が強い、という意味のことを何度も聞かされた。
高い信頼性を担保できるハードがあってこそ、ソフトが社会で使われる形で実用化可能だということだ。
あるいは、デザインについてのセッションでは、「日本では当たり前に見られる細部に至るまでの徹底的なこだわりこそ、ユーザー体験(UX)を高いレベルに引き上げるための鍵だ」という意見が出され、米国人参加者からはデザイン力の優れた日本企業とのアライアンスを希望する意見が随分、出ていた(これには地域の伝統工芸から、無印良品まで、広い範囲の企業群が含まれる)。
日本で過ごしていると、「第4次産業革命で、日本企業は周回遅れだ」とか、「シリコンバレーはインドや中国を向いていて、日本にはもう興味がない」という考えが、あたかも当然のことのように語られている。
数年前の状況も含めて考えれば、一面の真理はあるのだが、いまこの時点では、かなりステージが変わっていて、積極的にネットワークを広げれば、いろいろなやりようがあるな、と実感した次第だ。
この傾向に一役買っているのが、普段我々が意識していない部分も含めての「日本文化」だということも、あらためて確認させられた。
「喫茶店」にインスピレーションを受けたBlue Bottle Coffee
たとえば、米国発のサードウェーブコーヒーの旗手として大流行のBlue Bottle Coffee。今回の中でも特に面白かったのが同社の経営者が語ってくれたストーリーなのだが、元々音楽家だった創業者がもっとも強いインスピレーションを受け、いまだに大好きなのが、日本の昔からの「喫茶店」だという。
特に、渋谷の裏通りにある「茶亭 羽當」がいかに好きか、というあたり、日本の(少しこだわりの強い領域での)生活文化は、こちらの想像以上に好きだと思ってくれる海外の人がいるのだな、と感じ入った。
ちなみに、清澄白河という東京中心部から離れた場所にBlue Bottle Coffeeの1号店を作ったとき、「12名採用しようとしたら、700名が履歴書持参(ネットで送付ではなくです)で並んでくれたのには、泣けた」という話も聞かせてもらった。
元々は日本にも存在したコーヒー文化を、一度米国のフィルターを通し、すみずみまで品質とデザインにこだわる形でパッケージし直すと、日本国内にも数多くの価値観共有者がいるということだろう。
これも、一般的なJVとかではない「組み方」について、考えさせられる話だった。
この手の集まりは、一回だけでは本当のネットワーク構築にならないのは重々承知しているので、今後長く続くジャーニーになるだろう。好むと好まざるに関わらず、日本と米国の組み合わせで世界に通じる価値を作っていくというのが、我々にとっての生き方の重要な一オプションだと思うので、多くの方々が同様のネットワーク構築をしてくださることを祈っている。
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『ブレグジット、思わぬ好機? うまみ増すロンドン和食 欧州総局長 大林尚』(9/26日経朝刊)について
EUの規制はおかしい部分が沢山あるのでは。健康を害さない基準値内であれば良いと思いますが、基準値がなく一律にダメということでしょうか?非関税障壁のようにも思えます。それでも日本人の凄さは規制をクリアするように技術開発してしまう所でしょう。
ビールの原材料や製造国などの説明書きを10ケ国表示したラベルが必要とのこと、そんなにラベルにスペースが取れるのかどうかですが、字を思い切り小さくして表示するのでしょう。英語と原産国語の2ケ国語表示で良いと思いますが、国の面子があるのでしょうか。
ブレグジットで£が安くなり、英国からEUへの輸出価格もそれにより、相殺されるという見立てもあります。確かに英国での商売でもEU基準適合商品として売り込めば良いかもしれませんし、日本の地域限定商品のように英国向け商品を開発する手もあるでしょう。
本記事にありますように、フュージョン料理の店は和食のブランド価値を下げるものです。淘汰されていってほしいと願っています。あれだけ反日を唱える中国人・韓国人が儲かるとなると日本の名前を使うのは止めてほしいと思っています。節操のない連中です。でも英国人も本物の和食とフュージョン料理の違いが分かってきたとのこと、喜ばしい限りです。
英国とは食だけでなく、安全保障面でも連携できれば良いと考えています。第二次日英同盟です。米国の力が翳り、トランプのように内向きの人間が大統領になるかも知れず、中国の力に対抗するには、米英同盟を結んでいる英国とも同盟を結んだ方が良いと思っています。幸い、パンダハガーのオズボーンやオニール財務次官も辞任したメイ内閣ですから。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM23H71_T20C16A9FF1000/
記事
東京・築地に本店を置くかつお節の老舗、和田久の3代目社長・和田祐幸さんは10年あまり前、パリのしゃれた和食店へ入ったのが一念発起するきっかけになった。満を持して注文した吸い物を一口すすったとき、うま味を感じなかった。

調べてみると、欧州連合(EU)の行政機関である欧州委員会が日本産かつお節の域内への持ち込みを禁じていた。薪(まき)でカツオをいぶすときにできる焦げ目が発がん性物質のひとつベンゾピレンを含むというのが根拠だった。
もちろんその量は人の健康を害するほどではない。だが規制は規制。試行錯誤を経て、EU基準を満たすかつお節の出荷を2010年にロンドンで始めた。ところがその翌年、欧州委はさらに規制を強めた。和田さんは創意工夫を重ね、ベンゾピレンを含まない製法を3年前に編み出した。
薪を使わず木片でいぶすやり方だ。昨年春、大西洋に面するスペインの港町ヴィーゴにほど近い缶詰工場に間借りし、新しい製法で生産を始めた。今年からはより広い加工工場を稼働させた。かつお節は和食の基礎。いまやスペイン産は欧州に暮らす日本人家庭だけでなく、和食店の料理長に広く重宝されている。
ここにきてロンドンで和食ビジネスに携わる人の口の端に上り始めたのが、英国のEU離脱(BREXIT=ブレグジット)は好機ではないかという見方だ。日本からみると、たしかにEUの食品規制は過剰感がぬぐえない。
まず日本の乳製品を輸出できない。乳成分を含む多くの加工食品は、はじかれる。香料は欧州委が指定したものだけしか使えない。だから日本のビール会社が得意とする、本物に引けを取らないノンアルコールビールが飲めない。残留農薬の基準も同様だ。欧州委の指定外農薬を使った日本茶は、味わえない。
規制に触れる食品は最悪の場合、通関前に輸出国へ送り返される。その輸送費は業者もちだ。賞味期限を考えると返送後は廃棄処分ということがままある。
成分規制だけではない。ビールの場合、原材料や製造国などの説明書きを10カ国語で表示しなければならない。「ラベルは自社ではつくれない。専門業者に依頼しており、コストが上がる要因になっている」(英国に進出したビール会社)
数々の規制のくびきから仮に英国が解放されたら長年の努力が水泡に帰すのではと、和田さんに水を向けてみた。答えは「逆手にとってEU品質を売りに攻勢に出ます」。かつお節のグローバル化に粉骨砕身した自負がにじむ。
一般に、伝統的な英国料理はうま味が乏しい。出汁(だし)に凝縮されたうま味を味わう食文化が根づいてこなかったようにも思える。もっとも、この10年ほどの間にロンドンに広がった和食人気をみると、英国人の味覚は少しずつ豊かになってきた感がある。
昨年、日本大使館は英国人向けにうま味セミナーを開き、京都の3つ星料亭、菊乃井の村田吉弘主人がさまざまな効用を語った。「塩分を控えめにしても食事の味わいを損なわない」。それでも、うま味が必要な理由を質問した女性がいたが、健康で安全性が高いという和食文化へのイメージは浸透し、定着しつつある。
ロンドンの和食店は3種に大別できる。第一は、世界から集まる資産家に照準を合わせた客単価が数百ポンド(1ポンド=130円強)の高級店。すし、懐石料理、鉄板焼きなどだ。英国人よりもアラブ系や中国人、ロシア人を上得意にしている。
第二は、客単価が数十ポンドの中級店。典型はラーメンだ。ひと昔前、ロンドンでラーメンといえば伸びた麺と出汁が利いていない冷めたスープが定番だったが、この数年間に店舗網を広げた豚骨ラーメンチェーンの味わいは日本に引けを取らない。店内では日本酒を頼み、箸を器用に使う若い人を見かける。日本のラーメン屋と異なり流行の先端をゆく食べ物は、すしと並ぶ和食の代名詞だ。
第三は、中国や韓国風の味つけが施されたフュージョン(無国籍料理)店。料理人はたいてい日本人以外だ。最近は「現地の人も本物の和食とフュージョン和食の違いが分かる」(レストラン運営コンサルタントの小池道隆氏)。
話を食品規制に戻そう。今月半ば、EUはスロバキアの首都ブラチスラバで英国を除く27カ国の非公式首脳会合を開いた。トゥスクEU大統領は記者会見で英国との離脱交渉は来年1~2月に始まるだろうと語った。離脱手続きを定めたリスボン条約50条は、交渉期間を原則2年と規定する。ただし当事国を除くすべての加盟国が同意すれば、期間は延ばせる。
こまごましたEU規制を離脱後の英国がどう扱うかを展望すると「2年で交渉がまとまるとは考えにくい」と英外交官はみる。
国民投票のキャンペーン中、離脱派はEUの官僚統制をはねのけ、英国に主権を取り戻そうと説いた。与党保守党内に少なからずいる主権回復論者が意識したかどうかはともかく、時間をかけてでも科学的根拠が乏しく健康被害と関係がない食品規制から自由になる利は、小さくなかろう。
うま味をふんだんに味わう環境は、英国人の食文化に変革をもたらす。和食ビジネスのうまみも増す。
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『米大統領選の行方を占うメキシコペソ ドナルド・トランプの支持率上昇で為替相場が急落』(9/22JBプレス 9/20FT記事)について
9/24、柏のマンションで納涼会が開かれました。そこから撮った柏そごうのビルです。テナント(ビッグカメラ側)の方は残りますが、そごう本体は今月末閉鎖予定です。

9/26大統領選のTV討論会についての記事を紹介します。トランプは必ずやヒラリーの健康問題を取り上げ、激務に耐えられるかどうか問うと思います。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/nakaokanozomu/20160924-00062508/
9/24宮崎正弘氏のメルマガでは、過去30年間大統領選の結果をはずしたことの無いアラン・リクトマン教授が「トランプ」勝利を予言しました。外務省は安倍首相とヒラリーの面談をセットしましたが、トランプとはセットしませんでした。トランプが勝利した場合、どう埋め合わせするのでしょう。
https://melma.com/backnumber_45206_6424581/
9/20時事通信の記事ではメルケル首相は、難民受入について「できることなら時計の針を何年も戻し、政府全体で備えをしっかりし直したいくらいだ」と言ったとのこと。時既に遅し、の感がありますが。欧州の難民だけでなく、米国の不法移民の問題も大きいです。日本にも在日の問題があります。受入国に同化しないで特権を主張するところは共通しているかと思っています。
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016092000072&g=int
ペソと米国大統領選との相関関係についてはそれほどないような気がします。
記事

米サンディエゴ側から国境越しに撮影したメキシコ北西部のティファナ(2014年8月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/Mark RALSTON〔AFPBB News〕
世論調査など忘れてしまっていい。米国大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝算を知りたいなら、メキシコペソの方が優れたバロメーターになった。
ニューヨークの大物で共和党大統領候補であるトランプ氏の勝算が再び上向いた流れは、同氏いわく強姦魔と犯罪者を輸出し、米国の雇用を吸い上げ、移民流入を防ぐ国境の壁の建設費を払うことになる国の通貨の急落に反映されている。
メキシコの独立記念日にあたる16日金曜日、ペソは対米ドルで最安値を更新し、一時、1ドル=19.77ペソの安値をつけた。週が明けた19日のロンドン市場では、場中に19.60ペソ前後で取引されていた。
トランプ氏が世論調査で支持率を伸ばし、民主党の対抗馬であるヒラリー・クリントン氏と事実上並んだだけでなく、一部の激戦州で追い抜いたことは、ペソを痛めつけている唯一の材料ではない。だが、ニューヨークに本拠を構える銀行の新興国市場部門のトップが言うように、「もしヒラリーが勝つと思っているなら、メキシコの資産を買いまくっているはずだ」。
クレディスイスのアロンソ・セルベラ氏(メキシコシティ在勤)によると、ペソと米国大統領選との相関関係は、5月初旬、トランプ氏がインディアナ州の予備選で勝利を収め、対抗馬のテッド・クルーズ氏が選挙戦から撤退した時にさかのぼるという。「ペソが売られる一方、ほかの新興国通貨はすべて変わらなかった」(セルベラ氏)。
メキシコペソは世界で8番目に売買が活発な通貨で、市場が荒れた時にほかの新興国市場のポジションに対して売るヘッジとして広く利用されている。ペソは今年、12%近く下落し、新興国通貨で最悪のパフォーマンスを見せていると野村証券のベニート・ベルベール氏は言う。
米国の次の利上げのタイミングをめぐる不確実性のほか、産油国がすでに供給過多の市場へさらに石油をつぎ込む準備を進める中で原油価格を取り巻く不安、ほかの新興国通貨に対するドル高もペソに重くのしかかっている。
「悪い意味でのちょっとしたパーフェクトストームだ」。スタンダードチャータード銀行の米国・中南米経済調査部門を率いるマイク・モラン氏(ニューヨーク在勤)はこう語る。「メキシコペソは本当に、バケツの底にある状態だ」。
実際、この数カ月のペソ安は珍しいことにインフレにつながっていないにせよ、ペソ相場は今、1ドル=20ペソという心理的な節目――多くのメキシコ人にとって、かつては考えられなかったショッキングな水準――の射程圏内に入っている。UBSウェルス・マネジメントの新興国投資責任者、ホルヘ・マリスカル氏は、「多くの意味で、極めて開放的なメキシコ経済にとって弱いペソは良いことだ」と言う。
国内総生産(GDP)の3分の1は輸出から来ており、ペソが安いと輸出競争力が強まると同氏は指摘する。ドル建ての石油収入と在外メキシコ人からの送金――昨年は総額250億ドルにのぼった――も、ペソが弱ければ使いでが大幅に増す。
ペソ安をすべてトランプ氏のせいにしたくなるかもしれないが、本当のリスクは、トランプ大統領であれクリントン大統領であれ、米国の新政権がメキシコに害を及ぼす保護主義的な対策を講じることだとマリスカル氏は言う。メキシコは輸出の80%以上を米国に送り込んでいるからだ。
すでに各信用格付け機関から、債務水準の上昇のせいで格下げのリスクがあると通告されているメキシコは、金融政策、財政政策の両面で難題に直面している。
中央銀行は1760億ドルの外貨準備を保有しており、拡大された国際通貨基金(IMF)の与信枠もあるが、トランプ氏が勝利した場合、急激な為替相場の振れを和らげるために介入せざるを得なくなる事態に備え、この資金枠を使う気にはならないだろう。
財政面では、振るわないメキシコ経済にとっても微妙な綱渡りになる。2017年の緊縮財政予算は、8年ぶりとなるプライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)の黒字を目指しており、来年、1ドル=18.2ペソを為替相場のターゲットにしている。
このターゲットより大幅に弱いペソは、特に債務の3割を占める米ドル建て債務の返済コスト上昇のために、政府の計算に穴を開ける恐れがあるとマリスカル氏は言う。
だが、メキシコ財務省は、為替相場が予算より1ペソ安くなれば――つまり来年、年間平均で1ドル=18.2ペソではなく19.2ペソになれば――、財政収支に対してGDP比0.1%のプラス要因になると試算しているとセルベラ氏は指摘している。
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『香港立法会選挙、「本土派6議席獲得」の意味』(9/21日経ビジネスオンライン 福島香織)について
9/23日経<中国、政府主導で能力削減 鉄鋼2社統合
【上海=小高航】中国の国有鉄鋼大手、宝鋼集団(上海市)と武漢鋼鉄集団(湖北省)が経営統合を発表した。習近平指導部は過剰設備の削減など「供給側改革」で低迷する経済のてこ入れを図る姿勢を打ち出している。今回の大型再編はその一環だ。世界の粗鋼生産能力の半分を占める中国で設備削減が進めば中国発の「鉄冷え」が解消に向かうが、実効性のある設備の統廃合となるかは不透明だ。

宝山鋼鉄の製鉄所(上海市)

宝鋼は22日、「品質や効率を高め、国際競争力のある企業をめざす」との声明を出した。習指導部は昨年12月、「供給側構造改革」を進める方針を打ち出し、生産能力の削減や過剰債務の削減などを掲げた。今回の大型再編は、非効率な産業構造を改め低迷する経済のてこ入れを図る姿勢を強調する狙いがある。
中国では鉄鋼やセメント、石炭など幅広い産業で過剰設備が深刻だ。補助金などにより赤字続きでも生き残る「ゾンビ企業」の比率は鉄鋼では5割を超えるとされる。
中国政府は20年までに1億~1億5千万トンの生産能力を削減する計画を持つ。今年の削減目標は4500万トンで1~7月の進捗率は47%だった。年6千万トンの生産規模の統合新会社で効率化を進め削減に弾みを付ける。
再編に踏み切った背景には中国の過剰生産が各国から批判されていることもある。今月上旬、中国・杭州で開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議。欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長は「欧州の鉄鋼産業は近年1万人が失業した。この状況は受け入れられない」と不満をぶちまけた。
中国経済の減速で鉄の国内需要が減った結果、2015年の中国の鉄鋼輸出量は1億トン強と日本の年産量を上回る規模に膨らんだ。G20では、中国も含め解決策を探る「世界フォーラム」の設立を決めた。
中国の鉄鋼再編を巡ってはこれまで中央政府が笛を吹いても地方政府や企業の抵抗で進まなかった経緯がある。主力2社の統合で世界の鉄鋼業界では中国発の「鉄冷え」の解消に向かうのでは、との見方も出ている。
新日鉄住金の宗岡正二会長は22日、訪問先の北京で記者団に、今回の再編について中国の過剰生産設備削減に向けた「最初の一歩だ」と述べた。「(経営統合が)次々と連鎖すればだいぶ変わってくると思う」と一段の再編に期待を示した。
実際、中国では宝鋼・武鋼に続く「再編第2弾」が取り沙汰される。河鋼集団(河北省)と首鋼集団(北京市)の組み合わせや、鞍山鋼鉄集団(遼寧省)を軸とする統合案が浮上。中国鋼鉄工業協会の幹部は今月、「25年までに全生産量の6割以上が大手10社に集約されるだろう」と述べた。
ただ、実際に設備削減が進むかどうかは不透明だ。中国には中小の民営製鉄所が無数に存在する。宝鋼など大手が生産を抑制して市況が回復すると中小各社が生産量を増やし、市況が再び悪化するというイタチごっこが続く。今年に入り国内で2千万トン強の設備が廃棄されたが、中小が競って増産し、足元の輸出量は逆に増加傾向にある。
統合新会社が重複設備や人員をどこまで削減できるかも焦点だ。日本の鉄鋼商社幹部は「統合後に設備廃棄に踏み込めなければ焼け太りするだけ」と懸念する。>(以上)
9/24日経<台湾、外交に中国の壁、ICAO総会出席できず
【台北=伊原健作、北京=山田周平】台湾の蔡英文政権がめざす国際機関での外交活動に対し、中国が阻止する動きに出始めた。台湾当局は23日、27日にカナダで開く国際民間航空機関(ICAO)の総会に出席できない見通しになったと発表した。中国が、台湾と中国は一つの国とする「一つの中国」の原則を受け入れない台湾の参加を認めないためで、蔡政権は強く反発している。
「出席できるよう今朝まで努力してきたが、非常に残念だ」。李大維・外交部長(外相)は23日に記者会見し、台湾のICAO総会参加に向けた協議に中国側が応じなかったことについて唇をかみしめた。対中政策を担当する行政院(内閣)大陸委員会は同日「国際機関への参加に政治圧力を加えるやり方に強烈な不満を表明する」とのコメントを出した。
ICAO総会は3年に1度開かれ、航空の安全確保や管制などに関する国際的な基準の作成について話し合う。台湾は国民党の馬英九政権だった前回の2013年には「中華台北」名義で特別ゲストとして出席。1971年の国連脱退以降、国連機関の公式会議への参加はほとんど実現していなかっただけに、念願の国際機関参加の拡大を象徴するイベントだった。
馬前政権は92年に「一つの中国」の原則を中台双方が口頭で認め合ったとする「92年コンセンサス」を中国側と共有し、融和を推進した。このため台湾が国際機関で活動することを外交圧力で阻んできた中国が軟化。台湾は09年には世界保健機関(WHO)総会へのオブザーバー参加、13年にはICAO総会へのゲスト参加の実現にこぎ着けた。
しかし台湾独立志向を持つ現在の民主進歩党(民進党)の蔡政権は「92年コンセンサス」を認めておらず、中国は当局間の直接対話メカニズムを停止し、再び圧力を強める姿勢に転じた。国際機関への台湾参加を阻止することで、馬前政権への対応との格差を鮮明にして、蔡政権に揺さぶりを仕掛けた。
中国外務省の陸慷報道局長は23日の記者会見で「台湾は中国の1つの省にすぎず、この行事に参加する権利を当然持っていない」と語った。
また中国で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の馬暁光報道官も同日「台湾側が(ICAO総会に)参加できない状況は、完全に民進党当局が作り出したものだ」と批判する談話を発表。「(蔡政権は)大陸(中国)をみだりに非難し、民衆を間違った方向に導くべきではない」と主張した。
中国側は一段踏み込んだ台湾内部の切り崩しにも出ている。18日に中国の兪正声・全国政治協商会議主席が台湾の8県市の首長らで作る訪中団と会談し、農産品購入や観光促進などの優遇策を約束した。8県市はいずれも国民党系で、野党側を露骨に優遇することで台湾社会の分断を狙ったとの見方が強い。
これに関して、日本の菅義偉官房長官は23日、「(台湾が)何らかの形で参加するのが、現実問題として望ましい」と語った。さらに「日台間では多数の定期直行便が運航されている。国際民間航空の安全で着実な発展を確保するべきだ」と付け加えた。>(以上)
宝鋼は山崎豊子の『大地の子』のモデルになった会社です。稲山嘉寛氏も黄泉の国で中国や日本をどう見ているのでしょうか。中国に技術援助して世界経済を攪乱する元凶を作りました。戦後のGHQの洗脳に引っかかり、贖罪意識の塊になってしまったためと思われます。日本人は戦前・戦中・戦後と中国人の本質を理解できないでいます。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と。こういう民族と誠意をもって付き合えばどういう結果を引き起こすかは明らかです。中国は政治的には一党独裁・人権抑圧国家ですが、経済的には弱肉強食のウルトラ資本主義(但し、営業・生産の許認可権と言う生殺与奪の権限を政府が持ち、腐敗の温床となっています)です。本記事にありますように宝鋼と武鋼が合併したとしても、設備廃棄しなければ規模が大きくなるだけで、世界の実需を無視して、在庫は維持されるか、増加することになります。中小の鉄鋼メーカーでは大手と比べると規模の経済で違いがあり、価格面で大手とは対抗できないと思いますが、地方政府との癒着があれば話は別になります。1994年には704社あったビール会社は、2005年(華潤ビールが雪地ビールを買収した年から推定。下記URL参照。中国の記事には年月日が入っていない。)に400社に減ったと次の記事にあります。中国のビールは国内消費かつ実需が伸びています(ここ2年はマイナス成長ですが。15年4299万kl(▲4.3%)、14年4493万kl(▲3.1%)、13年4635万kl(4.5%)。因みに日本は発泡酒・第三のビールを含めて15年546万kl)のでまだ良いですが、過剰生産かつ世界的にソーシャルダンピングするのでは、世界の同業者が迷惑するだけです。根本問題は賄賂に行きつく訳です。物を造ったり、動かすときには必ず賄賂が絡みますので、生産にブレーキがかけられない構造的なシステム欠陥があります。
“随着外资收购速度的加快,中国啤酒市场的竞争正在发生变化:最初啤酒行业有1000多家企业,经过收购兼并,目前还剩下400多家,今后啤酒企业的数量还将减少。”
http://www.jiuwang.org/pijiu/sc/613.html
台湾のICAO参加について菅官房長官は「参加が望ましい」と言うだけでなく、裏で働きかけをしなくては。日本でいくら発言しても台湾人は喜びません。カナダに圧力をかけるべきです。中国人のカナダ進出で、経済も握られ難しいかもしれませんが。
香港への中国からの新移民は中共の殖民政策です。香港の自治を自ら崩すものです。言って見れば外国人参政権のようなものです。勿論、帰化させるので香港人となりますから、帰化条件の問題となりますが。福島氏の言うように民族自決派と雖も中共、特に習近平を甘く見ている気がします。香港に軍の投入があったときに、国際社会の真価が問われます。中国と経済的結びつきが如何に深くとも経済制裁すべきです。NHKの国谷裕子は「天安門事件で大きな虐殺はなかった」と中共のセリフを鸚鵡返しにしましたが、香港ではそんなことは許されません。
記事

最多投票を獲得した土地正義連盟党首の朱凱廸。「予算案を否決できる勢力となって、北京との交渉を目指す」(写真:ロイター/アフロ)
少し前の話になるが、香港の立法会選挙が9月4日に行われた。雨傘革命後、初めての立法会(香港議会)選挙として国内外でも注目された選挙だ。結果は既報の通り、親中派(建制派)が過半数を維持したものの3議席減らし、反中国派(非建制派)が30議席を獲得、法案の否決に必要な議席の3分の1(24議席)以上を維持できた。
今回の選挙で特筆すべきは、やはり本土派(独立派、自決派)と呼ばれる雨傘革命後に生まれた、新政治勢力の若者が6議席獲得したことだろう。この6議席が多いか少ないか、その評価は分かれるが、これまで全く存在しなかった本土派という勢力が議会に誕生したこと、しかも最年少当選者、最多得票数当選者ともに本土派であったことの意味は決して小さくない。
「香港自決」掲げる新勢力が台頭
従来の議会における反中国派の主流は、民主派と呼ばれる民主党を中心とする勢力だが、彼らはあくまで2047年まで維持されるとした一国二制度の枠組み内で香港の民主・自治を守る考えであり、香港返還時に与えたられたミニ憲法・香港基本法に忠実だ。
だが、この新しい政治勢力は一国二制度の枠組みを越えて、香港の未来を香港人が決める香港自決を掲げ、中国と英国が作って香港に与えた基本法も、香港人が新しく作り変えるべきだと主張している。中国にとっては決して座視できない主張を掲げているのである。このことが、今後の香港にどのような変化をもたらすのだろう。
香港の立法会選挙の仕組みを少しだけ説明しておく。
定数は70議席、4年ごとに選挙が行われる。直接選挙で35議席、職能別に35議席がそれぞれ選ばれる。直接選挙は香港島、九龍西、九龍東、新界西、新界東の5選挙区に分けて行われる。職能別議席は、産業界議席(30議席)と区議会(5議席)に分かれ、産業界議席は、金融、建設業、教育、法律、医療などの産業界ごとに候補を立て、その産業界ごとの職能団体者の投票による間接選挙で選ばれる。
産業界は中国経済との関係から圧倒的に親中派議員が多くなるし、立候補者が少なく選挙自体が行われない無投票当選で決まる場合もある。区議会議席は、香港の地方区議の中から立候補を募り、有権者が区に関係なく直接投票する。つまり香港有権者は基本的に2枚の投票権(直接選挙枠と区議会議席枠)を持つ。職能団体に属する有権者はこれに加えてさらに1枚、3枚の投票権を持つことになる。
主に民意が反映されるのは、直接選挙枠35議席と区議会枠の5議席だ。直接選挙枠の選挙法は比例代表制・最大剰余方式(有効投票数を定数で割った基数で、得票数を割った数字の大きさで当選順位を決めていくやり方)。
今回の有権者登録は378万人で、直接選挙枠の投票率は58%で前回よりも5ポイント高い過去最高を記録した。直接選挙枠35議席のうち、民主派が獲得した議席は13議席、本土派が6議席、親中派が16議席。職能代表枠35議席のうち民主派は10議席、親中派は24議席、無党派が1議席。反中国勢力は合計して30議席という内訳だ。
特に注目すべきは、直接選挙枠で6議席を獲得した本土派と呼ばれる勢力だ。雨傘運動後、雨後の筍のように本土派の小政党が乱立し、それらが民主派票と食い合うのではないかと心配されたが、香港の比例代表・最大剰余方式という選挙法が小政党乱立選挙に有利に働いたこと、そして雷動計画と呼ばれるインターネットのSNSを使った票の分配指南が比較的うまくいったことで(いかなかったという評価もある)、民主派票の死票をかなり抑えることができたと見られる。
圧力や妨害が、有権者に危機感
本土派6議席の内訳は、雨傘革命で中心的役割を果たした学生運動体「学民思潮(スカラリズム)」を母体とした政党・香港衆志(デモシスト)の最年少当選者、羅冠聰(ネイサン・ロー、23歳、香港島区)、土地正義連盟党首の朱凱廸(エディー・チュー、38歳、新界西区)、劉老師のあだ名でしられる小麗民主教室の劉小麗(40歳、九龍西区)、青年新政の游蕙禎(25歳、九龍西区)、青年新政の梁頌恆(バッジョ・レオン、30歳、新界東区)、熱血公民の鄭松泰(32歳、新界西区)。
選挙前に、本土派はかなり圧力を受け、一番過激な暴力革命の可能性も排除しないと主張していた香港民族党の陳浩天(アンディー・チャン)や、2016年春節の旺角騒乱に関わった本土民主戦線の梁天琦(エドワード・レオン)ら約6人が、基本法に反するとして、その出馬を取り消された。
だが、こうした妨害は逆に、有権者の危機感をあおり過去最高の投票率となり、また、中間派を本土派票に取り込む作用もあったという見方もある。圧力を受けたことで、本土派の候補たちの発言も、革命や独立といった過激な発言を抑えるようになり、むしろ環境保全や土地問題といった有権者の共感を得やすいテーマを主張に盛り込む工夫もして、より一般の有権者の共感を得やすくなった効果もあった。
この結果、「本土派」として6議席を獲得したのだが、彼らはこの選挙結果にはどのような意義を見出したか。
全候補者中、最多得票を誇る朱凱廸にインタビューする機会があった。彼は、新界西区の土地利権・腐敗問題を告発し、同区の環境保全を公約の一つに据えている。
この新界西区の不動産開発問題は中国資本も絡み、それを快く思わない地元有権者の共感を集める一方、いわゆる“反中ヘイト”とは違う環境保全という普遍的な問題意識の提示によって、狭い意味の本土派以上の有権者の支持を獲得できた。だが、当選後も不動産利権に絡むマフィアから執拗な脅迫を受けており、彼自身のみならず家族の身の安全も心配されている。
予算案をカードに北京と交渉を
彼は今回の選挙については、極めてポジティブに評価しており、次のように語っていた。
「今回の選挙は、香港の歴史に残るものだ。初めて、民主派と建制派(親中派)という二つの選択肢以外の選択肢を有権者に与えられた選挙だった。有権者が探している新しい政治の方向性を示すことができた。英中が香港返還協定を結んで以降、香港人は自分で自分の未来を決める権利を奪われていた。香港人は民主化運動は基本法に従って一国二制度の枠組みの中で進めるという方程式しかないと思い込んできた。でもそれは騙されていたんだ。雨傘運動で、その方程式とは違う方法で民主化を進める方法があるのではないかということに気づき、今回の選挙を通じて、香港人は香港の未来をどう発展させるかを自分で決めることができる、自分で決めたいという考えを示すことができたのだと思う」
「今回の選挙では、政府からの圧力がかかって候補者は心底自由に、香港人は自分で香港の未来を決めることができるということを十分に訴えられなかった。でも、そう語れなくても、有権者にはメッセージは伝わった」
さらに朱凱廸は今回の選挙結果をこう分析する。
「今回の選挙結果を見ると、20%の有権者は香港の未来は自分たちが決めるべきだと考えている。35%の有権者は民主主義が重要だが、どうすればいいかわからない。なので旧来の民主派に投票した。だが旧来の民主派には、香港の民主を守るためにどうしたらよいか方法論がない。民主派はただ、今の行政長官を辞任させればいいと考えている。我々の任務は、民主派の中で自決派に共感できる人間に働きかけ、増やしていき、最終的には予算案を否決できる勢力にまで伸ばすこと。そうすれば、予算案をカードに北京と交渉できるようになると思う」
希望に満ちた意見だが、実は本土派の内情はそう単純ではない。
本土派(自決派)は主に二派に分かれている。民主自決派と民族自決派。朱凱廸、羅冠聡、劉小麗ら3人は民主自決派、鄭松泰と青年新政の2人は民族自決派だ。
民族自決派は、香港の最大の問題点は中国人が香港に多すぎることだと考え、新たに中国から来る新移民に対して排他的な姿勢を隠さない。一方、民主自決派は、新移民を含め、香港で生活する人たちが香港人であり、一緒に香港の民主化を実現していきたいと考えている。反中国であり、香港の前途を香港人が決めていくという点は共通だが、今後増えていくだろう新移民の対応で、決定的な対立点がある。
民族自決派の熱血公民党首、鄭松泰にも話を聞いた。彼は香港理工大学の社会学専任講師で北京大学にも留学経験のあるインテリである。熱血公民は「熱血時報」などのセルフメディアを持ち、若者の支持が大きい政党で期待を込めて5人の候補を立てたが、結局、鄭松泰一人しか当選しなかった。
この理由について雷動計画が関係あるかもしれない。雨傘革命に参加した香港中文大学の戴耀廷教授に提唱されたネット選挙戦略で、民主派・本土派小政党が乱立する今回の選挙において、死票を減らし、党落選上の候補に票を集めて当選させるために、民意調査などを基に得票予想数などのデータをSNSで計画参加者に発信、投票指南を行う。投票締め切り間際に有権者が殺到して、投票時間を延期する騒ぎが起きたが、これは雷動計画で得票推計を見たうえで投票行動を決めようとした結果、締め切りぎりぎりに投票する有権者が増えたせいだと言われている。約4万人の有権者が参加した。だが、これは熱血公民など、もともと人気の高い政党の票を思いがけなく減らす結果になったともいえる。
流血、暴動を避け、憲法を変える
鄭松泰は今回の選挙結果については、「我々の党は失敗した」という。だが「(本土派の意見を選挙運動によって広めたことで)民主派に現実問題を直視させ、基本法改正などのプレッシャーを与えることができた」と選挙自体の意義は高く評価した。雨傘革命の要求である真の普通選挙が実現できなかった背景には基本法の問題がある。香港にとっての憲法・基本法では直接選挙を行う場合の候補者は指名委員会が指名すると決められており、誰でも立候補できる真の普通選挙は「違憲」となる。
「熱血公民の主張は、香港人の公民投票権獲得と全民制憲、つまり自分たちの憲法を創ること。今の基本法(ミニ憲法)の解釈権は中国全人代にしかない。香港の憲法なのだから、香港人が作り、香港人に解釈権があるべきだろう。公民投票によって、憲法改正を実現させることが私たちの運動の目標だ。今の香港の状況を客観的にいえば、香港は中国の一地方化が進んでいる。同時に香港独立を主張する若者が台頭している。だが、香港独立を強く主張すれば、必ず流血沙汰になるだろう。流血、暴動を避けるために、立法会で公民投票法を作り、憲法を変えていくことが必要だ」と訴える。そして、本土派各党、民主派との間に様々な対立点はあるとしても、基本法改正の一点については共闘できる部分があるのではないか、と期待する。
ただ鄭松泰は北京留学の経験から、中国が民主化する可能性はゼロと見切り、中国人に対しても不信感がある。「毎年5万人増える中国からの新移民も投票権が与えられる。彼らのうちにどのくらいが建制派、親中派に投票するのかはわからない。だが半分以上は親中派の票田になるのではないか。これが今の香港政治の現実だ。香港の血が入れ替えられようとしている」。青年新政の主張にも「抗赤化(抗中国化)」がある。この新移民への警戒感が本土派を二分する対立点だが、こうした対立点も含めて、議会制度によって香港のありようを決めていこうという姿勢を打ち出している。
雨傘革命から今回の立法会選挙の道のりを振り返ると、香港人、特に若者たちの政治参与の努力に少なからぬ感動を覚える。2014年秋から冬にかけて79日にわたる公道占拠――真の普通選挙を求めて行われた法律違反ともいえる若者の抗議行動は、中国当局の香港統治のあり方を改善させるどころか悪化させる形で終わり、一時は香港に言いようのない挫折感が漂った。
だが、その挫折感の中から、曲りなりにも政党と呼べるものがいくつか生まれ、立法会選挙で議席を獲得した。独立派・本土派は暴力革命も辞さない危険勢力というレッテルも張られかけたが、選挙運動で有権者と向き合い、当局からの圧力を論理的にかわすことで、自分たちの主張をより現実とすり合わせて前に進んでいる。当選後は意見・立場を異にする政党との共闘点も見出そうと、それぞれが真剣に考えている。なぜ日本の若者の政治運動に、こうした変容や成熟が生じなかったのかと思う。
3月の行政長官選挙で“奇跡”は起きるか
もちろん、中国に対する予見はたいそう甘い。北京と交渉したり、基本法を改正したりというのは、今の段階では夢想に近い。中国が香港に対して絶対に軍事行動をとらないと彼らが考える根拠は、香港が党中央の官僚たちのマネーロンダリングの場であり、その財産を守る大事な金融都市・香港の安定を損なうような真似はしないはずだ、という一点にすぎない。
だが、果たしてそうか。私の観察するところは、胡錦濤政権ならばいざ知らず、習近平政権は、香港の安定をそれほど重視していない。むしろ恐怖政治で北京への抵抗を封じようとする傾向が、例の銅鑼湾事件などからも見て取れる。
だが、それでも、選挙や議会政治という今、与えられているシステムを使って、なんとか香港を変えていこうとする若い運動家、政治家たちの情熱と努力を見ていると、なにか奇跡を期待する気持ちも抑えられないのだ。
次の香港政治の山場は来年3月の行政長官選挙。その結果いかんによっては、中国が香港政策を変更してくるかもしれない。香港の若い政治家たちの動向と香港世論の動きから、これからも目が離せない。
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『アメリカ人、差別批判が怖くてうかつに口を開けず エスカレートする「ポリティカルコレクトネス」に四苦八苦』(9/20JBプレス 老田章彦)について
米国もここまで愚かになったかという気がします。侮蔑的響きがあるからと言って、社会が圧力により言葉を使用を中止させるというのは、歴史や伝統を軽視するものです。確かに”Jap” より”Japanese” 、“Nigger” より”African American”の方が聞いていて気持ちが良いでしょう。でも小説や学術論文まで規制の網をかけるのはどうかと思います。時代を正しく反映しない表現となります。それでは時代考証が意味をなさなくなります。差別かどうかは文脈の中や語調で分かるものです。一律に自主規制する必要はないと思います。
米国での「約束の地」や「マニフェスト・デステイニー」もダメになるのでは。日本でも筒井康隆の断筆宣言もありました。一種の「言葉狩り」でしょう。筒井氏は癲癇協会からのクレームが発端らしいですが、「つんぼ(耳の不自由な人)」「めくら(視力障害者、目の不自由な人)」「おし(口の不自由な人、聾者、ろうあ者)」「ぎっちょ(左利き)」も差別用語に指定されています。「つんぼ桟敷に置かれる」は使えません。「ぎっちょ」なんて別に差別の意図を感じませんので、違和感があります。
米国がPC(ポリテイカル・コレクトネス)に拘るなら、それ以上に、歴史の真実に真摯に向かいあった方が良いのでは。クーリッジ時代の排日移民法案、FDRの謀略(ハルノートを翳して日本への大戦への誘導)や原爆投下、現在の「南京」や「従軍慰安婦」の歴史解釈において中韓の捏造を放置する姿勢(これは日本政府が悪いのが大部分=日本国民の責任)は日本人に対する差別です。
人種差別を口実に反論を許さない姿勢は、在日や台湾出身で中国人の精神を持った蓮舫に見受けられます。これを認めることは日本人に対する逆差別になりますし、本記事にありますようにルールの正誤の境を曖昧にします。言葉は時代と共に変遷するとはいえ、できるだけ文法的に正しい言葉を使うべきでしょう。それは差別の問題とは関係ありません。学問は真理の追究にあります。社会的圧力によって歪められるべきではありません。ガリレイの時代に逆戻りします。「実事求是」では。
記事

アメリカ人の多くは我々の想像以上にポリティカルコレクトネスに気を遣って会話をしている(写真はイメージ)
カリフォルニア大学は、「バークレー校」や「ロサンゼルス校」など10大学の連合体として、学生23万8000人、教員19万人を抱える大所帯だ。2015年、その頂点に君臨するナポリターノ学長がすべての教員に向けて発した通達が、関係者を驚かせた。
それは、教員は次のような表現を口にしないよう求めるものだった。
「アメリカは機会の土地だ」(America is the land of opportunity.)
これは勤勉に働けば報われるという意味の、アメリカ人が誇りにしてきた言葉だ。だが学長によれば、この言葉は「有色人種は怠け者で能力が低いから、より努力する必要があることを暗示」するものであり、人種差別につながるリスクがあるという。
一方で、さまざまな人種・民族の共存を意味する「アメリカは人種のるつぼ」(America is a melting pot)、「人類はひとつ」(There is only one race on this planet, the human race)も禁句とされた。これらの言葉は個々の人種・民族が培ってきた文化の軽視につながりかねないため、授業はもとより学生たちとの雑談においても使われるべきではないという。
驚くばかりの気の遣いようだが、今のアメリカはそこまでする必要があるのか。こういう社会で一般市民はどのようにして暮らしているのか。
目を白黒させながら言葉を探すアメリカ人
ポリティカルコレクトネスとは、対人関係において相手の人種・性別・宗教などに十分に配慮することを指す。直訳すれば「政治的な正しさ」だが、ここでは「差別なく中立であること」と理解しておきたい。
日本でも最近耳にするようになった言葉だが、アメリカでは多くの人が、日本人の想像以上にポリティカルコレクトネスに気を遣いながら暮らしている。
筆者が住むワシントンDCには、南北戦争により解放された奴隷が、身の安全や職の確保などに関して連邦政府の保護を求めて集まってきたという歴史がある。そのため、アフリカ系市民が多く人口の約50%を占める。これは全米トップの割合だ。
黒人は全般的に所得が低く、失業率は高く、彼らが固まって住む地域では犯罪が多い。筆者はそうした地域の目と鼻の先に住んでおり、近所の人との間で「今週の殺人事件」が話題に上ることもある。
だが、筆者はあるとき気がついた。人々は「やっぱり危ない地域だね」といった感想を滅多に口にしないのだ。
その理由は、もしも目の前に黒人がいたら、そうした言葉は「黒人を犯罪者と見るステレオタイプ」として相手の気分を害することがあるからだという。たとえ統計的な根拠があってもだ。
教養のある人ほどそうした気遣いが顕著で、彼らはたとえば白人同士であっても「ステレオタイプな人種観」に結びつきそうな言葉を慎重に避けているのが分かる。
アフリカ系、ヒスパニック系やアジア系、ユダヤ系など、アメリカ人が互いに配慮すべき対象は多い。倹約家のことを「彼は○○○人だからね」などと言うのもアウトだ。出かかった言葉をあわてて飲み込み、目を白黒させながら別の言葉を探す様子は(繰り返すが、そこに他の人種がいないにもかかわらず)、痛々しいまでのお行儀よさと見えることがある。
「文章の間違い」を直すのは間違いだ!
だが、そのようにしてポリティカルコレクトネスを心がけていれば差別問題と無縁でいられるのかといえば、そうもいかないことがある。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のバル・ラスト名誉教授は、大学院生のレポートを添削し、綴りや文法のミスを訂正して返却した。ところが、レポートを受け取った学生のうち数人から強い抗議の声があがった。そのうち何人かは有色人種だった。彼らは、自分たちが書いた綴りや文法は決して誤りなどではなく、自分たちの思想を反映した独自の表現だと主張した。
たとえば黒人同士が会話するときは独特な英語が使われ、ブラックイングリッシュなどと呼ばれている。
「彼は何もしなかった」という場合、私たちが教わった英語では
He didn’t do anything.
だが、ブラックイングリッシュでは
He didn’t do nothing.
となることが多い。 ‘No’ が繰り返される二重否定文だ。
そのほか、
You (were) playing football.
のように単語が略されることや、三人称の動詞が異なることもある。
He don’t have a choice.
いうまでもなく He doesn’t が「正しい文法」だ。
こうしたブラックイングリッシュは、古くから黒人音楽や文学を通して独自の文化を表現してきた。近年はラップミュージックの隆盛により、若い世代の間に強烈な民族的プライドが育っている。UCLAの学生の主張はそうした流れのなかから出てきたものだった。
学生たちは、民族の文化の表れである文章表現を否定し、文法ミスとみなす教授の態度はもってのほかであり、「学内にはびこる人種差別的な空気」を象徴するものだと主張して、教室での座り込みを開始。同調者を含む25人が抗議行動に加わり、授業は阻止された。
学生たちの個々の「文化」は、学問的な正しさを曲げてまで守るべきものなのか。大学のポリティカルコレクトネスは難しい局面を迎えている。
ブリトーを食べるのはメキシコ人差別?
こんな出来事も起きている。
カリフォルニア州にあるスティーブンソン大学では、SF小説好きの学生たちが宇宙イベントを開催し、宇宙船や異星人(エイリアン)の写真を展示した。ところが、このイベントで提供されたブリトーなどメキシコ料理が問題となった。ある学生が「この料理は、メキシコなど中南米の出身者が異邦人(エイリアン)であることを暗示している」と考え、大学に抗議の手紙を送ったのだ。
たしかに「エイリアン」という単語は、排他的・差別的なニュアンスで使われることもある。そして、この大学には正式な入国書類を持たない(たいていの場合は親世代が不法入国した)メキシコ人学生が少なからずいる。
「そうした学生の心情にも配慮すべきだ」と考えた大学側は、ブリトーの提供を許可したことは誤りだったと謝罪した。加えて今後は、イベントを開く学生に対して「文化習熟トレーニング」の受講を義務付けると発表した。
このように人種・民族をめぐるポリティカルコレクトネスが先鋭化する理由は2つあるだろう。1つは奴隷制への贖罪意識と、間違いを繰り返してはいけないという自己規制。もう1つは、このような多民族国家で誰もが居心地よく暮らせるようにするための譲り合いの心だろう。少なくとも筆者の周辺にいるアメリカ人にはそのように捉えている人が多い。
ポリティカルコレクトネスへのいらだちも
だが米国全体を見れば、ポリティカルコレクトネスへのいらだちも募っているようだ。その表れの1つは、オバマ大統領が一貫して寛容な姿勢を見せてきた不法移民について「問答無用で国外退去させる」とぶち上げるドナルド・トランプ候補が一部の大喝采を浴びていることだろう。
ポリティカルコレクトネスという言葉自体も微妙な響きを漂わせつつある。「アメリカ人は今後、どこまでポリティカリーコレクトでいられるのか・・・」といった文章も、今後はより慎重な姿勢で書くべきかもしれない。
ウィスコンシン大学ミルウォーキー校が行った「適切なことば?」(Just Words?)というキャンペーンによれば、ポリティカルコレクトネスという用語そのものが、すでにポリティカリーコレクトではないらしい。この言葉は、人々に不適切な表現を駆逐するよう迫ってくる攻撃的な言葉になってしまったというのだ。
「もっと肩の力を抜いて」と言ってあげたいが、アメリカ人の格闘は緩む気配もない。多民族社会であることがアメリカの繁栄の源泉だと多くの人々が信じている以上、こうした努力がやむことはないのだろう。「文法ミス」やブリトーのエピソードを笑って済ませることのできない複雑さがこの社会にはある。
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