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『外国人は我慢しろと?「鎖国」が進む中国社会 覚悟が必要、支配を拒めばこんなに不便だ』(4/24JBプレス 安田峰俊)について

4/27日経朝刊<習主席に水面下の圧力 米中会談、凍り付いた笑顔の裏 米、突きつけた制裁リスト

夏のような日差しが降りそそぐ米フロリダ州。6~7日、トランプ米大統領と初めて会談した中国の習近平国家主席は終始、笑顔を振りまき続けた。だが、その笑顔は凍り付いていた。トランプ氏が会談のさなかにシリア攻撃に踏み切り、北朝鮮や通商を巡る問題で優位に立ったことだけが原因ではない。会談前から、米国は水面下で中国を揺さぶり続けた。

中国の習主席を別荘「マール・ア・ラーゴ」で迎えたトランプ米大統領(6日、パームビーチ)=ロイター

中国企業を追加

首脳会談を2週間後に控えた3月下旬、米国務省は対米取引を禁じる制裁対象リストに、北京市内にある中国企業の名前を加えた。「イランのミサイル開発計画に関与した」との理由だった。

北朝鮮と違法に取引する中国企業があれば、同様の制裁を加える。核・ミサイル開発をやめない北朝鮮の後ろ盾である中国への明らかなけん制だ。しかも、この中国企業は特殊な背景があった。

中国のシリコンバレーと呼ばれ、ベンチャー企業が集まる北京の「中関村」。米国の制裁対象となった「北京中科華正電気公司」が公表する住所を訪ねると、警備員が入り口を守る巨大な敷地にたどり着いた。門から見える建物には「中国科学院電工研究所」。中国国務院(政府)に直属する研究機関だった。

「この会社は敷地内にあるはずだ」。警備員にただすと、記者が見せた資料をまじまじと見つめて「そうだ。この中にある。面会予約はあるのか」。何度電話しても出ないので連絡先を教えてほしいと答えると、「予約のない人は入れられない」。門前払いだった。

中国政府がイランや北朝鮮のミサイル開発を黙認している証拠をつかんでいるぞ――。制裁対象の名前を並べただけの米国務省資料の裏側には、中国への強烈なメッセージが込められている。

3月上旬、米国は中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対し、北朝鮮などに通信機器を違法に輸出したとして約12億ドル(約1300億円)の罰金を科した。同社の2016年12月期の最終損益は赤字に転落した。

外交筋によると、米国は北朝鮮の核・ミサイル開発に関わる中国企業や金融機関を調べ上げている。首脳会談前に突きつけたのはその一部だ。

畳みかけるように、トランプ氏は初めて習氏と会った6日、シリア攻撃のゴーサインを出した。北朝鮮問題でも武力に訴える構えをちらつかせ、習氏から北朝鮮の核放棄に向けた「協力強化」という合意をもぎ取った。

次の一手を迫られた習氏。会談終了後、トランプ氏とともに散歩した。現地では「習氏は笑顔を見せないかもしれない」との見方も浮上していた。散歩はたったの3分間。背広にネクタイという堅苦しい装いながら、習氏は何とかほほ笑んでトランプ氏と握手した。

会談前から揺さぶりをかけられながらも、なぜ習氏はトランプ氏との早期会談にこだわったのか。国内の政治情勢に背中を押されたからだ。

秋の党大会意識

中国では秋に5年に1度の共産党大会を控え、最高指導部の人事の入れ替えに向けた権力闘争の季節に入っている。習氏が人事の主導権を握り続け、スキをつくらないようにするためには、外交の安定が絶対条件となる。

特に、世界の大国の指導者を自負する習氏にとって、米国に自らの立場を理解させたという国内向けの演出が必要だった。中国国営中央テレビは、芝生の上をトランプ氏と肩を並べて歩く習氏の貼り付けたような笑顔を繰り返し放送した。

トランプ政権は首脳会談直後から韓国への核の再配備をちらつかせ、朝鮮半島周辺に空母を派遣するなど圧力を強めた。早く次の手を打たなければ中国の安全保障環境は悪化するばかりだが、米国に譲歩しすぎれば国内で弱腰の批判を受ける。

党大会まではまだ半年ある。習氏はトランプ氏との個人的な関係構築を国内に示す当初の目的は達成したが、北朝鮮への対処だけでなく、対米黒字の削減に向けた具体策という宿題を残した。「早すぎる会談はリスクも大きい」。訪米前から中国国内でささやかれていた懸念が再び頭をもたげ始めている。(北京=永井央紀)>(以上)

北朝鮮関連企業への制裁くらいで習がトランプの言い分を聞くとは思えません。やはり、江沢民派+瀋陽軍閥と連なる金正恩を亡き者にできると思い、トランプと手を結んだのでは。人のフンドシで相撲を取るのは、中国人の得意とするところです。ただ、多分瀋陽軍と思われますが、北朝鮮船から石炭の積み下ろしはしているが輸入ではない“China allows North Korean coal ships to unload, but not import”と主張しているという記事が4/26ロイターに載りました。人道支援や船員の健康問題、船の難破の可能性を理由に挙げています。相変わらずの詭弁です。これを見ますと、習の米国への協力の姿勢が本物なのかが不明です。

http://af.reuters.com/article/commoditiesNews/idAFL4N1HY3N7

同じく、4/27日経朝刊<中国、車の外資規制緩和、合弁出資、50%超可能に、25年までに>の記事がありました。EVやら自動運転技術をパクるための飴でしょう。でも、以前にも触れましたように、中国の合弁企業法には『董事(=取締役)全員一致の原則』があります。中国側の株式がゼロでない限り、合弁企業となり、持ち株に関係なく、少なくとも一人は中国人の董事を入れなければなりません。重要事項は中国人董事によって反対され、決定できない場面が出て来るのが予想されます。また、合弁企業の裏には必ず共産党の書記が任命され、表に出て来なくとも、裏で中国側董事を操って経営させます。100%独資であっても、許認可権を持つのは行政で、人脈を持たなければ、意地悪をされるでしょう。中国進出は控え、既に投資している企業は早く撤退すべきです。

http://www.ginkouin.com/rensai/china/5.html

本記事の中国人だけが得するサービスというのは昔からありました。外国人価格というものです。北京の大学に語学留学していた時に、先生と共に、万里の長城(八達嶺)に行きました。外国人だと高くなるというので、中国人として入ることにしました。その代り「しゃべるな」と言われましたが。

中国は軍事・治安優先国家です。ですから、便利さもその範囲内という事です。小生が中国に在勤していたのは97年~2005年までですが、物を運ぶのに大変だった記憶があります。最初の頃はリヤカーでと言った所。その頃は日本式の引越業者や宅配業者はありませんで、帰国するぐらいからボチボチと日本の運送・宅配業者が出て来て、サービスを受けれるようになりました。それを考えれば、今の中国の便利さは天国と地獄の差でしょう。外国人であっても許容できる範囲では。

中国人は基本的人権なんて求めている人は少ないでしょう。金が稼げれば良いというのが大半です。国が国民を監視してもそれが当たり前と思っているのでは。何せ、文革時には密告が奨励され、今でも密告奨励法ができるくらいですから。権力に弱く、「寄らば大樹の陰」が彼らの生き方です。中国で不便を感じるのなら、行かないことです。日本人は彼らとは本質が違いますので。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という民族です。また、日中関係が悪くなれば、確実に人質にされます。そんな危険な所に行く必要はありません。

http://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2017/04/post-42.php

記事

中国の高速鉄道。中国人は外国人よりもスムーズにチケットを買える。ただし移動の履歴をすべて当局に管理されることになる(資料写真)

今春、江戸時代の日本の外交姿勢をたとえる「鎖国」という言葉を教育指導要領に含めるか否かで世論が沸騰したことは記憶に新しい。実際はオランダや中国と交易関係があったと解釈する学問上の定説と、「鎖国」という単語に慣れ親しんだ世間の感覚とのズレが議論の原因だった。

他方、現代の中国においても「鎖国」が進んでいると聞けば、やはりピンとこない方が多いことだろう。

2016年の中国の貿易総額は3兆6850億ドルで世界2位、一帯一路政策を提唱する中国首脳部は毎日のように各国の首脳とよしみを通じ、国際社会におけるプレゼンスの拡大を図り続けている。現在、中国はボリュームの面においては史上最も海外との接触が多い時代を迎えていると言っていい。

だが、中国を訪れる外国人の肌感覚として「鎖国」はリアルな言葉だ。すなわち、われわれ外国人の多くは、現代中国の一般市民が当たり前のように享受している便利なサービスの多くを利用できず、また自国で使っている多くのサービスが中国では使えないためである。

しかも、この不便さは中国の社会が「遅れている」から発生するのではない。中国では(特にITの分野では日本以上に)先進的でスマートなサービスが数多く提供されているにもかかわらず、これらがほぼ意図的に中国国民のみに特化した提供形態を採用しているため、下準備をおこなわない外国人だけ大きく割を食うハメになっているのだ。

砂漠で自分の目の前に水がたっぷりあるのに、ヨソ者の自分だけがそれを飲めないもどかしさ。これぞ現代の中国における「鎖国」の正体である。

中国では”ガイジン”だけが損をし続ける

具体的な場面をシミュレートしたほうが分かりやすいだろう。仮にあなたが予備知識を持たず、また現地の中国人からのサポートもない状態で、北京に3日間出張したとする。

空港の制限エリアを出て、まずは困るのがホテルへの移動だ。中国では国民への情報統制と自国産業保護の目的からグーグルをはじめとした国外のインターネットサービスの多くが遮断されているため、いまや私たちの生活上の必需品となっているグーグルマップが使えない。

この問題を解決するには中国アプリ(中国語)の「百度地図」などを、情報流出のリスクを覚悟してあらかじめインストールしておくか、中国からでも国外サイトに接続可能な技術を提供するVPN機能をスマホやパソコンに仕込んでおく必要がある。ただしこのVPNも、特にセキュリティの厳しい北京などではなかなか接続できず、トライ&エラーの繰り返しで膨大な時間を無駄にすることを余儀なくされる。

そもそも、日本の携帯キャリアから海外でネットにつなぐ際に追加のパケット代を支払いたくない場合はWi-Fiを利用するしかないが、中国のパブリックWi-Fiの多くは現地の携帯電話番号を用いたログインが必須である。中国大都市部の公共スペースのWi-Fi環境は日本以上に整備されているものの、最もWi-Fiが必要であるはずの短期滞在の外国人はそれを使えないという困った事態に直面することとなる。

ちなみに外国人が中国で携帯電話のSIMカードを買う際はパスポートの提示が必須で、自分の個人情報を当局に提供しなくてはならない。他国とは異なり監視社会である中国においては、このSIMを使った携帯は当然ながら会話を盗聴される可能性があるし、その気になれば当局はGPSを使って携帯の所有者の所在地や行動の内容をリアルタイムで補足し続けることもできる(事実、中国国内にいる民主活動家や外国人ジャーナリスト、大企業の外国人幹部などはこの方法で一挙手一投足を監視され続けている)。

なんとか空港シャトルに乗り、市内の駅に到着してからも大変だ。ホテルまでの交通手段が分からないならばタクシーを使えばいいと、北京のすさまじい大気汚染に耐えながら道路脇で車を何十分も待っていても、いつまでも捕まらない。しかも腹が立つことに、なぜか周囲にいる中国人たちは待たずにどんどん車両に乗り込んでいく。

これは彼らがタクシーの配車アプリや中国版のUber「滴滴打車」を使っているためだ。例によって中国アプリをインストールし、中国国内の携帯電話番号を入力するなどすれば、苦労を味あわずにすぐに車に乗れるわけである。

現地では逆に「流し」のタクシーがどんどん減っているため、中国語が話せなかったり、アプリ利用を知らない(できない)人だけが大幅に割を食うことになる。

利便性は個人情報と引き換えに

やっとホテルに到着して、近所のキオスクのような店でミネラルウォーターを買おうとすると、さっき空港で両替したばかりの100元札がニセ札であると突き返されるかもしれない。いっぽうで他の中国人客を見ると、スマホのウェブ電子マネー「WeChat Payment(微信支付)」などを使って、ニセ札知らずでキャッシュレスで買い物をしている。これを使うにはやはり中国アプリをスマホにインストールし、さらに現地の銀行口座と紐つける必要がある。

仮にあなたが現地の知人名義の携帯SIMを使うなどしていた場合(※ 長期・短期滞在を問わず、私を含めた外国人は従来こうした手法を取る人も多かった)、携帯と銀行口座の名義が一致しないため利用はNGである。ウェブ電子マネーはものすごく便利な機能なのだが、これを使うことで自分の行動形態はすべて当局に筒抜けだ。

翌朝、すこしホテルの近所を出歩きたいと考えたとする。中国の街はだだっ広く、徒歩移動には限界があるため、自転車があると便利だ。中国では昨年ごろからシェアサイクルがブームで、街のあちこちで乗り捨て可能なレンタル自転車を安価で借りることができる。ただ、こちらも多くは料金支払いにあたって専用アプリや WeChat Payment の利用が必要。結果、周囲の老若男女の中国人がスイスイとシェアサイクルをこいで移動するなか、外国人のあなただけが徒歩でとぼとぼと街を歩くこととなる。

ちなみにシェアサイクルの提供元である大手各社は、中国国内の信用ポイントサービスと連動しているため、過去に各種のウェブサービスで踏み倒しなどを行ったユーザーだと貸し出し処理ができない場合がある。品行方正ではない人はサービスを利用できないというわけで、確かに便利かもしれないが、中国では“オイタ”な行動やささいな失敗がまったく許容されない社会が構築されつつあるということでもある。

ほか、仮にあなたが別の都市に移動したいとする。2000年代以降、中国では高速鉄道網の整備が急速に進み、いまや総延長距離で従来は各国別1位だった日本を抜いて世界最大の高速鉄道大国に成長した。だが、(路線によっても異なるが)外国人の場合は長い列に並び、膨大な時間を使って疲れ果ててチケットを買うことを余儀なくされる。もちろん中国人であれば、自動販売機にIC化されたIDカードをかざすだけでスムーズにチケットを買えるし、そもそもネットで買ってしまう人も多い。

ここでも割を食うのは外国人だけというわけだ。ただし中国人の場合、高速鉄道や航空機での移動の履歴はすべて当局側に蓄積されていくので、お忍びの行動などはまったくできない。また当局は、過去に公共交通機関の利用上で問題行為を起こしたデータを持つ人間にチケットの購入を制限するなど、より踏み込んだ管理も進めつつある。

「鎖国」から逃れるには支配を受け入れるしかない

日本においても、一部のポイントカードや電子マネーは使用者の利用情報を収集してビッグデータとして活用しているが、こちらは個人情報保護の面での配慮がなされている(とされる)。いっぽうで中国の場合、生活の各方面において提供されている極めて便利で先進的なサービスの数々は、すべて本人のプライバシーと明確に紐付けされた膨大な個人情報を当局に握られることと引き換えに、得られる仕組みとなっている。

これらはもちろん、中国当局が防諜や国民管理の目的から意図的に政策として進行させているものである。その背景にある事情や中国人自身の認識について、亜細亜大学大学院アジア・国際経営戦略研究科(MBA)講師の田中信彦氏は下記のような指摘を行っている。これは主にウェブサービスの信用度に関して論じた内容だが、中国におけるより広範な各種サービスへの個人情報の紐付けについても同様の論理が適用できるはずだ。やや長くなるが引用しておきたい。

“悪いことをしようとしてもできない(リスクが高すぎる)社会、人を騙そうとしても騙せない(割が悪すぎる)社会をデジタル的につくり上げ、「ルールを守り、真面目にコツコツやったほうが結局はトクだ」という仕組みで、社会をがんじがらめにする。そうすることで否応なく人に「良い行動」をさせる。やや極端に言うと、そういう壮大な試みが、いま全土で進行中だ。”

“一方、中国ではもともと社会主義的な情報一元管理の仕組みがあり、西欧社会流の「プライバシー」という観念は成熟していない。宗教的、道徳的な土壌も違う。自らの情報が公的機関はもちろん、企業によって収集、活用されることへの抵抗感は、個人差はあるものの、全般に薄い。むしろ自分自身の情報開示に相応のメリットがあるならば、積極的に公開してもよいと考える人が多数派だ。そのため企業が個人の信用情報の活用を進めやすい。ここに中国の信用情報システム構築の際立った特徴がある。”

“情報のデジタル化を武器に、権力と民間が一体となって個人の信用情報を網羅的に管理し、その「アメとムチ」によって個人の行動を変えさせる。その試みは、まさに中国という専制国家ならではの凄味がある。その全ての基盤は冒頭に書いたように「快適かつ安全な社会の実現はプライバシーに優先する」という中国社会のコンセンサスにある。 ”

(「『信用』が中国人を変える スマホ時代の中国版信用情報システムの『凄み』」)

私が本稿で挙げたシミュレーションは単発の短期出張者の行動なので、やせ我慢をして中国式の「便利」なサービスの利用を拒否し、「鎖国」に甘んじる選択肢も可能ではある。だが、定期的に中国を訪問したり、現地に駐在・留学する人にとって、この選択肢は日常生活上においてきわめて不公平で理不尽な苦労を背負い込むことになるため現実的ではない。自分が損をしないためには、消費・移動・通信などにまつわるあらゆる行動の情報を、中国人と同様に当局に提供せざるを得ないというわけだ。中国における「便利」は「監視」と同義語なのである。

もちろん、「自分は悪いことをしないので情報を提供してもよい」という考え方もあるだろう。だが、中国における「悪いこと」の基準は日本とは異なる。

中国国内でNGOに協力したり、在留日本人としての権利保護を集団で主張したり、たまたま中国人の民主活動家の友人を持ったりすることも「悪いこと」である。それどころか、仮に今後に日中両国の関係が極度に悪化した場合、日本人であることそれ自体が「悪いこと」となり、移動や通信が制限される可能性だって否定できない。

──そこまで怖いことを考えなくとも、事実として中国は外国人にとってはどんどん不便な国になりつつある。そして、この変化は今後も不可逆的に進んでいくはずなのだ。

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『トランプ流交渉術は米中関係をどこに導くのか?長期戦の様相を呈してきた米中通商交渉』(4/24JBプレス 加谷珪一)について

トランプ・習会談で通商交渉と北朝鮮問題をバーター取引した可能性はあります。ただ、習近平は北朝鮮を説得できる自信はなかったでしょう。江沢民派と瀋陽軍閥と北朝鮮の結びつきを考えれば。習としては100日という時間稼ぎと政敵江派と瀋陽軍閥並びに金正恩をトランプが片づけてくれれば御の字です。トランプもそれを分かっていて持ちかけたのかも。北が中国の言うことを聞く訳ありませんから。

4/23「ワシントンポスト」の世論調査で、でトランプは未だ42%という低支持率に喘いでいます。強いリーダーとして振舞い、国民を団結できるのは戦争というのがトランプは分かっています。またトランプはオバマのやってきたことに対し、全否定の態度を採っています。北朝鮮への宥和的な態度は取れないでしょう。北がベタ降りしない限り、トランプは許さないでしょう。6者協議何て北に時間稼ぎさせるだけで、やらないと思います。金正恩も世界的に米国を恫喝してきましたので、ここで降りたら、彼自身の生命が危険に晒されます。遅かれ早かれ、米朝衝突は不可避かと。

習近平としては今回はトランプに協力したというアリバイ作りでしょう。それで何とか通商交渉で手心を加えてほしいと願っているのだろうと思います。国連安保理でのシリア非難決議に中国は反対せずに棄権しました。ロシアは中国を信用できない奴と思ったでしょう。今般の国連安保理の北朝鮮非難決議に中国も賛成、ロシア1国だけ反対して、「対話を通じて」の文言を入れることで、全会一致で採択されました。ロシアと北朝鮮はここでも中国を裏切り者と思ったでしょう。まあ、ロシアもこの文言を入れたからと言ってアメリカの武力攻撃がなくなるとは思っていないでしょう。何せ日ソ中立条約を破って参戦した前科がありますので。

日本の通商問題は米国の安全保障問題(特に中国)とリンクさせれば、手痛い目には合わないのではと考えています。それを交渉時にどれだけ強調できるかです。トランプと安倍首相の関係を利用できれば。

記事

米フロリダ州ウエストパームビーチで歓談するドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席(2017年4月6日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

貿易不均衡をめぐる米中交渉が長期戦の様相を呈してきた。4月7日に行われた米中首脳会談は、貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」について合意したことを除いて目立った成果はなかった。

トランプ米大統領は首脳会談後、ツイッターで「北朝鮮問題に関して中国が協力すれば通商交渉が有利になる」と発言しており、通商問題と北朝鮮問題とセットにすることで交渉を有利に進めようとしている。一方、「(通商問題については)時間をかけて解決していく」との発言も行っており、中国側に多少の逃げ道も用意した格好だ。トランプ流のパッケージディールは効果を発揮するのだろうか。

カギとなるのは「時間」と「北朝鮮問題」

トランプ大統領と習近平国家主席は2017年4月7日、フロリダ州パームビーチで首脳会談を行った。トランプ政権は貿易不均衡の是正を最重要課題の1つと位置付けている。トランプ氏は中国の通商政策に対して何度も批判しており、今回の首脳会談では激しいやり取りが行われるとの予想も多かった。だが意外にもトランプ氏は中国に対してソフトに接し、とりあえずは両国の友好関係をアピールするという形で会談は終了した。

だがトランプ氏は中国に対する強硬姿勢を全面的に撤回したわけではない。トランプ氏はこれまでのビジネスで培った経験を生かし、得意の交渉術で通商問題を解決しようとしている。カギになるのは「時間」と「北朝鮮問題」の2つである。

2016年における米国の貿易収支は約5000億ドル(約55兆円)の赤字となっており、このうち対中国の赤字は6割を占めている。だが貿易赤字というのは供給を上回る需要が存在することで発生しており、経済学的に見ると単純な損得の問題ではない。財政赤字や設備投資の水準とも密接に関係しており、現在、主流となっている学説では、単純に貿易赤字を減らせばよいという結論にはならない(貯蓄投資バランス論)。

もっともトランプ政権は、貿易不均衡の是正は最終的に経済成長につながるという立場であり、そうであればこそ中国との貿易不均衡の是正を最優先課題と位置付けている。ただ、中国側に何らかの措置を求めるにしても、現実問題として短期間で貿易収支が改善することは考えにくい。時間をかけて通商交渉を行い、その過程で別の交渉材料を持ち出すことで、総合的に利益を得る方が合理的だ。少なくとも現時点においてトランプ政権はこうした方針で通商交渉に臨んでいる可能性が高い。

首脳会談の直前に署名された大統領令の中身

実は、通商交渉が長期戦になる兆候は首脳会談の前からあった。トランプ氏は米中首脳会談直前の3月31日、貿易不均衡是正に関する大統領令に署名している。今回の首脳会談はこの大統領令がベースになっていることはほぼ間違いない。

大統領令の中身は、不公正貿易を行っている国について関係省庁が調査を行い、大統領に対して報告することを義務付けるというもの。

商務省と通商代表部(USTR)は、大統領令の発令から90日以内に、国務省や財務省などと協議の上、貿易赤字に関する報告書を大統領に提出することになる。つまり、この大統領令はあくまで貿易不均衡に関する調査を行うだけであり、その是正に関する具体策を示したものではない。

一方、ロス商務長官はこの大統領令に関して、中国や日本そしてドイツを名指しで批判し、調査対象にこれらの国が入る可能性を示唆している。またUSTRは、3月1日に公表した年次報告書の中で、米国の主権を侵害していると見なした場合、世界貿易機関(WTO)の決定であっても米国は従わない可能性があることを示した。さらに同報告書では、制裁措置として「米通商法301条」の適用についても言及している。

米通商法301条は、米国が貿易相手国に対して制裁的な措置を独自に発動する手続きを規定したものであり、1980年代から90年代にかけて勃発した日米貿易摩擦では何度も日本側が耳にしたキーワードである。

つまり、トランプ政権は中国を不当な貿易相手国と認定する可能性を示唆するとともに、かつての日米貿易摩擦と同様、制裁措置の発動をチラつかせながら今回の首脳会談に臨んだわけである。

首脳会談において両国は、貿易不均衡の是正に関して今後100日以内をメドに具体的な道筋を示すことで一致した。また、従来から続く米中戦略経済対話を「米中包括対話」に格上げし、あらゆる分野を網羅したハイレベル協議の場とすることについても合意している。

ここでポイントとなるのは100日という日数だろう。米中はこれから水面下での具体的な交渉に入ることになるが、中国側は3月の大統領令で示された90日という期限を意識せざるを得ない。米側は時間を切ることで、中国側の譲歩を引き出せると考えている。一方でトランプ氏は「通商問題については時間の経過を待つしかない」との発言も行うなど、中国側に多少の逃げ道を用意している。両国は、米中包括対話の日程についても協議する必要があるが、これも1つの交渉材料となるだろう。

通商問題と北朝鮮問題をパッケージディールに

もう1つのテーマは北朝鮮問題である。北朝鮮の核問題についてトランプ大統領は「中国側の協力が得られない場合には単独行動の用意がある」と中国の積極的な関与を強く求めている。さらにトランプ氏は「中国が北朝鮮問題で協力すれば、通商交渉もうまくいく」との発言も行っており、通商問題と北朝鮮問題をパッケージディールにしたいと考えている。

中国側としては、米国による北朝鮮への単独介入は避けたいシナリオである。通商問題を解決したいという希望も大きいはずであり、そうであればこそ、北朝鮮問題について踏み込んだ姿勢を示すだろうというのがトランプ政権側の読みである。

ただこのパッケージディールはチキンレース的な色彩があり、多少の危うさをはらんでいる。一般に米国の外交政策における北朝鮮問題の優先順位は低い。ブッシュ(息子)政権の時ですら、北朝鮮への軍事介入は何度も話題に上ったものの、実現すると考えた人は少数派だった。

中国側が、米国は北朝鮮への単独介入は決断しないと踏んで強気のスタンスに転じた場合、トランプ政権は引っ込みがつかなくなってしまう。そうなるとトランプ流のパッケージディールは一気に崩れてしまう可能性がある。

トランプ政権は4月13日、通常兵器としては最強の破壊力を持つと言われるMOAB(大規模爆風爆弾)をアフガニスタンに投下した。これは北朝鮮に対する空爆を強く意識したものであり、中国に対してさらにプレッシャーをかける目的であることは明らかだ。だが中国に対してはすでに十分なメッセージが伝わっているはずであり、こうしたダメ押し的な交渉術は相手の態度を硬化させるリスクがある。

日米貿易摩擦と同じ展開となるか?

最も可能性が高いシナリオは、中国が冷静に対処し、北朝鮮問題の解決に積極的に取り組むとともに、内需拡大策の策定や輸出の自主規制など、数値目標を伴わない形で通商問題の解決策を提示するというパターンである。

これはかつて日本が米国に提示した貿易摩擦の解決策でもある。日本は米国からの要望であった内需拡大を実現するため、中曽根康弘首相(当時)の諮問機関が「国際協調のための経済構造調整研究会報告書」(いわゆる前川レポート)を発表し、提言の一部は実行に移された。

前川レポートは結果的に過度な金融緩和策をもたらし、バブル経済を引き起こしたとの批判がある。だが、現在の中国経済は実質的にバブルが崩壊した状態にあり、中国の場合、内需型経済への転換は意外とスムーズに進むかもしれない。また日本の自動車メーカーは前川レポートをきっかけに現地生産を加速させ、これによって日本の自動車産業のグローバル化が一気に進展した。場合によっては、今回の通商問題をきっかけに中国メーカーの国際化が進むかもしれない。

一連の施策によって日米の貿易不均衡が解決したのかというと、それはまた別の話である。前半でも述べたように、貿易収支は貯蓄投資バランスと深く関係しており、単純に輸出入の増減で解決できる問題ではないからだ。ただ、日本の一連の対応によって米国側の姿勢は徐々に軟化し、最終的に日米の通商問題はフェードアウトした。米中双方にとって、このシナリオが一番理想的なのかもしれない。

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『北朝鮮問題、トランプ政権への期待と懸念 ティラーソン国務長官の大失態で日本に降りかかる火の粉』(4/21JBプレス 渡部悦和)について

宿泊先のフロントのwifiが雪害の為、使えずとのこと。光ケーブルがダウンしたとのことです。仕方なくスマホ経由でアップできないか探したら、できました。

「発射前(left-of-launch)」対処で、欧米からの部品を中国を通じて北朝鮮が入手しているという事は、中国も欧米系の部品を使ってミサイルを作っている可能性があります。それであれば、米軍も人民解放軍のA2/ADを恐れることもないのでは。

トランプの選挙中の主張からの変貌は日本にとって良い部分と、悪い部分とあります。TPPには確かに米国は入っていませんが、残り11ケ国で先行実施できることになりました。中国は入れないようにしませんと。元々それを狙っていたわけですから。いつも言っていますように、中国を経済的に富ませれば、軍事力拡張に使いますので、やがてそれが我々の深刻な脅威を引き起こします。愚かなやり方でしょう。

ただ、今回の北朝鮮の問題で中国と取引したとしたら、やり方によっては問題となります。太平洋を二分割して管理するというのを認めたら、日本も台湾もASEANも全部中国が管理することになります。基本的人権の無い、賄賂に染まった国の悪習が日本に持ち込まれます。

テイラーソンが「中国側が「新型大国関係」を説明するのに使ってきた「衝突せず、対抗せず、相互尊重、ウィン・ウィン(nonconflict, nonconfrontation, mutual respect, win-win cooperation)」という諸原則を国務長官として最初の習主席との会談において自ら自発的に発言してしまった。」とのことです。やはり素人国務長官なのでしょうか?国務省の原稿を其の儘中国に伝えたのか、キッシンジャーかスーザン・ライスに吹き込まれたのでしょうか?でもオバマ時代、スーザン・ライス大統領補佐官がG2を認めた発言をしても、オバマが撥ね返した前例がありますので、トランプがどう出るかがポイントです。中国はクシュナーやイバンカを使って影響力を行使しようとするでしょうから、日本も安倍首相だけに頼るだけでなく、人脈を積み上げて行く必要があります。

武道で言えば相手が次に何を仕掛けて来るか分かれば、これは楽になります。それを読んで受けながら攻撃すれば良いだけです。小生はそのレベルには達していませんが。トランプは何が出て来るか分からず、相手にとって嫌な相手となります。状況対応型で不安定と評する向きもありますが、“make America great again”の軸は変わらないわけですので、それに沿って、地政学上と共産主義やグローバリズムの防波堤としての日本の存在をアピールしていけば、うまくやっていけると思います。

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北朝鮮の首都・平壌で行われた軍事パレードで披露された種類不明のミサイルとその移動式発射機(2017年4月15日撮影)〔AFPBB News

トランプ1.0からトランプ2.0への変化

米国のドナルド・トランプ大統領は、4月6日を境として自己の主張を180度変えた。米国の戦略家エドワード・ルトワックの著書「中国4.0」ふうに言えば、トランプ1.0からトランプ2.0へ変化したと言える。

周知のとおり4月6日は、米海軍がシリアの空軍基地に対してミサイル攻撃を行った日だ。このミサイル攻撃は、トランプ氏の選挙期間中の主張とは180度違う決断であった。

彼は、選挙期間の終始を通じて「アメリカ・ファースト」を唱え、「外国への軍事介入(例えばシリアへの軍事介入)や政権転覆(regime change)は馬鹿げている」と主張し続けてきた。

大統領の発言は、4月6日を境に選挙期間中の発言と180度違うケースが多い。

例えば、 選挙期間中は中国を為替操作国として激しく批判していたにもかかわらず、あっさりと「為替操作国ではない」と認め中国との関係を重視し始めたし、最近までロシアのウラジーミル・プーチン大統領を異常に高く評価し、ロシアとの関係改善を選挙公約としたが、今やプーチン大統領とロシアを批判している。

トランプ氏は、自らの主張の変化を柔軟だと主張するが、節操がない、知識や見識がなく一貫した戦略を持っていないと批判する者も多い。

トランプ氏のトランプ2.0への変化を現実的な政策を重視する良い変化だと評価する者もいれば、その変化を警戒し批判する者もいる。筆者個人としては、トランプ1.0があまりにも独りよがりで強引であっただけに、トランプ2.0はより現実的になってきたと思っている。

一方で、トランプ政権においては、各省庁の副長官より下の大部分のスタッフがいない状況が続いている。このため、各省庁の政策を準備し実行できない状況が続いている。

安全保障面では、首尾一貫した「国家安全保障戦略」「国家軍事戦略」がないことは明らかである。シリア空軍基地へのミサイル攻撃に関しては国民の57%程度が賛成したが、次の一手が難しく、トランプ政権には首尾一貫した中東戦略がないという指摘が多い。

同様にアジアにおける一貫した戦略も問われている。6日のシリア空軍基地に対するミサイル攻撃に続き、非核兵器としては最大の威力がある大規模爆風爆弾(MOAB)を使ってアフガニスタンのISIS(イスラム国)に対する攻撃を行った。

このMOABは、洞窟や地下トンネルを破壊する能力があり、北朝鮮の地下施設に対する攻撃を連想させるものであった。

6日以降も米国に対する挑発を続ける北朝鮮に対してトランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と軍事行動も選択肢であると断言し、カール・ビンソン機動打撃群を朝鮮半島近くに配置した。一触即発の状況である。

トランプ大統領は、米中首脳会議において中国の習近平主席とディールをしたと思われる。

そのディールとは、中国に北朝鮮を説得させ核・ミサイル開発を断念させる、それに成功すれば中国とのより友好的な関係(中国を為替操作国と呼ばない、貿易などをめぐる敵対的な姿勢を緩和する、THAADの韓国配備延期や中止など)を保証する、というものである。

事実、中国が主体となって北朝鮮を説得する努力がなされていて、その結果が出るまでは米軍の北朝鮮に対する爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動はないであろうというのが筆者の意見である。

以下、トランプ大統領の変化について、米国の北朝鮮に対する軍事行動について、トランプ政権に対する懸念について記述する。

トランプ大統領の対外政策 対外不介入主義から単独行動主義に変化した

  • 選挙期間中に主張した対外不介入主義(non-interventionism)

選挙期間中にトランプ氏が主張した対外政策は、米国ではしばしば孤立主義(isolationism)と呼ばれてきたが、中西輝政氏が指摘する*1ように対外不介入主義という語句が適切であり、この語句を採用する。

トランプ氏は、米国外の紛争への不介入を主張し、ジョージ・W・ブッシュ元大統領が始めたイラク戦争を手厳しく批判し、米国が軍事力により外国の政権転覆を図ること、その後の国家再建に関与することに大反対してきた。

彼が主張するアメリカ・ファーストの意味するところは、「世界の諸問題には関心がない。米国はもはや世界の警察官ではない。アメリカさえ強く豊かになればいい」ということである。

彼のアメリカ・ファーストの主張は、まさに対外不介入主義であり、2001年から15年以上も続く対テロ戦争にうんざりしていた多くの米国人の支持を得た。

  • 単独行動主義(unilateralism) への転換

トランプ氏の対外不介入主義は、シリアの化学攻撃で苦しむ子供たちの映像が全世界に流された瞬間に吹き飛んでしまい、単独行動主義に転換した。

シリアに対するミサイル攻撃に対しては、スティーブン・バノン首席戦略官の反対を押し切り、リベラルな考えの持ち主のイヴァンカおよびクシュナー夫妻の助言に従って実行されたと報道されている。

今回のトランプ氏の反応は、米歴史学者のエドワード・ルトワックが言うところの「冷静な考えが最も必要とされる瞬間に、突然の感情の激流に人々が襲われてしまう」症状である。

要するに、トランプ氏の対外不介入の主張は確固たる信念に基づくものではなく、当時の激情によって簡単に単独行動主義に転換するものだった。彼は、この転換を柔軟性の発揮だと言うが、節操のなさと批判する者も多い。

  • 軍事力の活用の仕方に関するオバマ政権とトランプ政権の違い

米国は世界一の経済大国、軍事大国である。世界の諸問題の解決においては、この2つのパワーをいかに活用するかがカギとなる。

オバマ政権は、世界最強の軍事力を活用した問題解決が極めて下手であった。オバマ氏は、北朝鮮の核・ミサイル開発問題、南シナ海の人工島建設問題、シリア内戦問題などにおいて、まず軍事力による解決を否定し、それを公言してしまった。

*1=中西輝政、「日本人として知っておきたい「世界激変」の行方」、P76

諸問題の当事国の指導者たちは、オバマ政権が軍事力を使用しないことが分かっているから、米軍の脅威を気にしないでさらに一歩踏み込んだ挑発行為を行ってきた。

まるでオバマ政権のレッドラインがどこかを試すかのような挑発を行うことができた。米国の軍事力を最初から使用しないと宣言するオバマ氏のアプローチが、彼の対外政策の失敗の大きな要因である。

また、オバマ政権下においては、国防省に対するマイクロマネジメント(些細なことまで管理すること)の弊害が指摘されている。

あまりにも軍事作戦の細部にまで関与してくるオバマ氏やスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官(当時)と国防省の関係は良いものではなかった。

一方、トランプ政権は、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と宣言し、軍事力の使用に関しては状況により使用することもあるし、使用しないこともあるという「あいまい戦略」を採用している。

この軍事力の使用を否定しないアプローチこそが相手のさらなる挑発を抑止するために不可欠だ。

また、トランプ政権は、国防省に対し「自由に作戦をしなさい」というお墨付きを与えている。米国内の報道によると、トランプ大統領は、アフガニスタンにおけるMOABの攻撃についてメディアが報道するまで知らなかったという。

ここまで国防省に自由度を与えるのも問題があるが、オバマ政権とは180度違う国防省に対する管理方法である。

米国は北朝鮮に対する軍事行動を実施するか?

  • 爆撃・ミサイル攻撃・斬首作戦などの軍事行動の可能性は(当分の間)低い

現時点(4月17日)では、米軍による北朝鮮に対する爆撃、ミサイル攻撃、金正恩委員長を狙った斬首作戦などを行う確率は低くなってきた。理由は以下の通りである。

・米軍による軍事作戦は、北朝鮮の韓国攻撃や在日米軍を含む日本に対する攻撃を誘発する可能性が高い。この北朝鮮軍の攻撃に対抗するためには大規模な戦力が必要だし準備も必要だが、現在の米軍はそのような態勢になっていない。

・マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は、4月16日に米国ABCテレビに出演し、「平和的に問題を解決するために、軍事的選択を除くあらゆる行動に出るべき時だ。武力衝突に至らない範囲で行動を起こせば、最悪の事態は避けられる」と軍事行動を否定している。

・韓国に所在する米国人を避難させる非戦闘員避難作戦(NEO)が大々的になされたという兆候がない。NEOは戦争開始の重要な兆候だ。

・ワシントンポストは14日、トランプ米政権の公式な対北朝鮮政策として、「金正恩委員長の政権変更(regime change)は求めない方針を固めた」と伝えた。

2か月にわたる政策の検討の結果、北朝鮮に対し、経済制裁や外交手段により「最大限の圧力(maximum pressure)」をかけながら非核化(核兵器の放棄)を迫るとしている。圧力強化に際しては、北朝鮮の後ろ盾である中国の協力に重点を置いたと説明している。

  • しかし、目に見えない軍事行動は常に遂行中である

米軍は、今回は目立った軍事行動をとらないであろうが、米軍は、常に目に見えない重要な作戦を実施している。

つまり、米軍はこの瞬間も、将来の作戦に備えたISR(情報・監視・偵察)活動を行っている。金正恩委員長の動向(居場所、通信状況など)、重要な軍事施設(核関連施設、ミサイル開発施設、陸・海・空軍施設など)、各軍隊の動向などを継続的に情報収集・分析・評価し、将来の作戦遂行に備えている。

また、さらに重要な作戦は、北朝鮮の弾道ミサイル発射を失敗させる米軍の「発射前(left-of-launch)」作戦であるが、日本では馴染みのない表現の作戦なので説明する。

  • 米軍の「発射前(left-of-launch)」作戦が北朝鮮のミサイル発射失敗の原因の1つ?

北朝鮮のミサイル発射における失敗確率が高いと思う方が多いと思う。北朝鮮のミサイル開発・製造技術が低いことも理由の1つであるが、米軍が実施する「発射前」対処の成果の可能性がある。

例えば、北朝鮮のムスダン(中距離弾道ミサイル)の失敗率はなんと88%であるが、ムスダンを構成するソ連製のミサイルのソ連時代の失敗率は13%であった。この圧倒的な差は米軍による「発射前」作戦の成果かもしれない。

米軍が考えている弾道ミサイル対処の1つとして、「発射前(left-of-launch)」対処と「発射後(right-of-launch)」対処という考え方がある。

ミサイル発射を時系列でみると、発射時点を中心として左が「発射前」、右が「発射後」になるのでこのような名称になっている。我が国では、left-of-launchを「発射の残骸」と訳している人*2がいるが、明らかに誤訳である。

まず、「発射後」対処は自衛隊も実施しているもので、イージス艦から発射される「SM-3」や地上配備の「PAC-3」などの運動エネルギー兵器で弾道ミサイルを破壊することである。

周知のとおりSM-3やPAC-3は高額で対処も難しい。もっと安価に、より効率的に、より確実に相手のミサイルを無効化できないかという問題意識で「発射前」対処が考えられた。

「発射前」対処は、相手の弾道ミサイルが発射台を離れる直前までにミサイルを無効化することを狙いとする。

ミサイルが発射される前や発射台にまだ存在する時期はミサイルの弱点であり、この弱点を呈する時期にミサイルを無効化できれば最善である。

しかし、この「発射前」対処は目に見えない作戦で派手さはないが効果的な作戦であり、米軍は極秘裏に行っている可能性がある。

*2=長谷川幸洋、「トランプ政権が画策する対北朝鮮「静かなる先制攻撃」の全容」、現代ビジネス

「発射前」対処の手段については、サイバー攻撃、電子戦(電波妨害など)と記述される場合が多いが、閉鎖社会の北朝鮮でサイバー攻撃を成功させることは難しいと言われている。

それでは、具体的にいかなる手段を使うのか。

可能性があるのは、高周波マイクロ波をミサイル電子部品に照射し熱で破壊する、ミサイルに備わっている電波信号による自爆機構を逆用する、ミサイルの部品に攻撃プログラムを埋め込むこと(これは広義のサイバー攻撃の1つ)である。

これらを実行するためには高度な能力が必要だが、実際に米軍がこれらの手段を使用していることが、北朝鮮の弾道ミサイルの発射失敗が多い原因かもしれない。最近の資料では、ニューヨークタイムズが3月4日に読み応えのある記事*3を書いているので参照してもらいたい。

「発射前」対処の手段として、ミサイルの部品に攻撃プログラムを埋め込むことについて書いたが、4月13日付のワシントンポスト紙の記事*4によれば、2016年2月7日北朝鮮が発射したロケット光明星(カンミョンソン)4号の残骸(特に推進ロケット)を海から回収し分析した結果、その重要な部分はほとんど西側諸国製のものであり、中国企業を通じて入手したことが判明した。

つまり北朝鮮ミサイルのサプライチェインのどこかでミサイル部品に攻撃プログラムを埋め込むことは可能であろう。

中国の北朝鮮説得に対する期待と懸念

  • トランプ大統領の中国活用

トランプ大統領は習近平主席との首脳会談を経て、徐々に中国の重要性、米中関係の重要性を認識するとともに、諸問題の解決特に北朝鮮問題の解決のために中国を活用することを決断したと思う。

トランプ大統領にとっての米中首脳会談の成果は、まず中国に北朝鮮を説得させ、北朝鮮の核・ミサイル開発を断念させるように仕向けたことである。中国としても今までとは比較にならない真剣さで北朝鮮を説得している。

一方で、習近平主席の説明を聞き、中国の北朝鮮に対する影響力が限定的であることも認識したはずである。

中国が金正恩の説得に失敗した場合の対応が難しいが、成功よりも失敗する確率の方が高いと思う。トランプ大統領は、「中国が失敗した場合、米国単独でもやる」と言っているが、実際に米国が単独で何をするかだ。

  • いま中国は北朝鮮に対してどのような説得をしているのか?

最も望ましいのは、北朝鮮が中国の説得を受け入れて核・ミサイル開発を断念し、核兵器を廃棄することである。その際に周辺諸国にとって最も被害が少ない案は、金正恩委員長を説得し亡命させることだ。

「国外に亡命したならば、その後の面倒を見る。拒否すれば米国が攻撃する」という飴と鞭で説得している可能性もある。この説得が成功すれば画期的だが、金正恩がすんなり受け入れるとも思えず、結果はどうなるかである。

また、「中国は北朝鮮への石油の供給を断つ」という脅しをかけているかもしれない。しかし、過去何度も米国などから「北朝鮮への石油の提供を止めること」を催促されても拒否した経緯があり、説得力を持つかどうかだ。

*3=David E. Sanger and William J. Broad、“Trump Inherits a Secret Cyberwar Against North Korean Missiles”

*4=Joby Warrick、“Kim Jong Un’s rockets are getting an important boost from China”

トランプ政権への懸念

  • 新型大国関係を受け入れたティラーソン国務長官

習近平主席は、「偉大なる中華民族の復活」を掲げて中国のリーダーとなった。そして、彼は、2013年6月のオバマ大統領との会談の中で、米中の「新型大国関係」を提案して以来、一貫して米国と中国との新型大国関係を主張している。

中国にとっての「新型大国関係」とは、米中が対等の立場であることを前提として、各々の国益を認めること。特に中国にとっての核心的利益を認めること。つまり、チベットや新疆ウイグル両自治区、台湾などの中国国内問題や東シナ海と南シナ海の領土問題に対して米国は口を出さないこと、手を出さないことを要求している。

しかし、オバマ大統領(当時)は、新型大国関係の危険性を理解し、習近平主席の要求を拒否してきた。このオバマ前大統領の拒絶は当然である。

レックス・ティラーソン国務長官は、習近平主席との会談において、習氏が主張してきた米中の「新型大国関係」を実質的に認める発言を自発的にしてしまった。

つまり、中国側が「新型大国関係」を説明するのに使ってきた「衝突せず、対抗せず、相互尊重、ウィン・ウィン(nonconflict, nonconfrontation, mutual respect, win-win cooperation)」という諸原則を国務長官として最初の習主席との会談において自ら自発的に発言してしまった。

これは由々しき問題であり、この新型大国関係を認めたということは、中国が核心的利益と主張する台湾、チベット、東シナ海、南シナ海について中国の主張を認めるということであり、日本への影響も大きい。いくら新任の国務長官であっても今回の発言はひどい。

ティラーソン国務長官のみならずトランプ大統領以下の閣僚が中国との新型大国関係を認めるとしたならば、我が国はいかに対処すべきか悩ましい事態になる。

  • トランプ大統領はドラゴン・スレイヤー(反中派)なのかパンダ・ハガー(親中派)なのか?

トランプ氏は、選挙期間中は為替操作国であり米国の貿易赤字の元凶であると中国を厳しく批判し、大統領選挙勝利後も一中政策(一つの中国政策)を認めないと発言するなど、ドラゴン・スレイヤーの評価であった。

しかし、日米首脳会談直前に一中政策を認めると発言し、最近では中国は為替操作国ではないと発言するなどパンダ・ハガーに変身したのではないかと思うほど、その発言は急変している。

歴代大統領の中で、当初、中国に厳しい発言をしていたビル・クリントン大統領(当時)やジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)が最終的には中国と親しい関係になったように、トランプ大統領も同じように中国とことを構えない大統領になるのではという懸念がある。

トランプ大統領の誕生に伴い中国はいかにトランプ氏に対処するかを検討した結果導き出された1つの結論が、トランプ大統領の最側近である「イヴァンカおよびクシュナー夫妻を取り込むこと」であり、猛烈な外交攻勢により2人の取り込みが実現しつつあると言われている。

この2人がパンダ・ハガーになれば、トランプ大統領もその影響を受けるであろう。その時に日本は米中に対していかに対応するかが問われる。

おわりに

トランプ大統領は、4月6日のシリア空軍基地へのミサイル攻撃を契機として選挙期間中に主張してきた対外不干渉主義を改めた。

北朝鮮の核・ミサイル開発に対しても「軍事行動を含む全ての選択肢がテーブルにある」と表明し、その解決に向けた努力を行っている。

この対外政策の変化は現段階では望ましい変化だと言えるが、最終的には中国による北朝鮮説得の結果とその後の米国の対応を見て判断したい。

米中首脳会談を受けて中国の北朝鮮に対する姿勢が確かに変化している。中国にとっても北朝鮮の核開発は厄介であり、その核開発を阻止し、朝鮮半島の非核化を達成したいはずである。

中国は、北朝鮮側に立つよりも米国側に立った方が中国の国益に沿うと判断したのであろう。中国と北朝鮮間の定期航空機の運行を一時停止し、中国の港に到着していた北朝鮮の石炭積載船を追い返したのはささやかな努力の証である。

中国の環球時報は4月12日、「北朝鮮は核やミサイルに関連した活動を中止すべきだ。米国が核武装した北朝鮮と共存する気はないことは明白だ」と強調した。また、「北朝鮮は今回こそ過ちを回避すべきだ」とまともなことも書いている。

協調し始めた米中が北朝鮮の核ミサイル問題をいかに解決するかは見ものだが、我が国も当事者として様々な状況を想定し、その状況にいかに対処するかを具体的に詰めなければいけない。

特に米中協調が続くと仮定した場合の日本のあるべき姿を真剣に検討すべきであろう。

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『女子大生を餌食にする中国「裸ローン」の罠 自撮りヌード写真を担保に借金、返済できなければバラマキ』(4/21日経ビジネスオンライン 北村豊)について

『韓国は敵か?味方か?』ブログの4/22に似たような記事がありました。中国福建省で裸の映像を渡した女子学生が自殺したというものです。

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/70273610.html

日本のサラ金を思い出させる記事です。やはりこういう阿漕な利率で雪だるま式に債務を増やしていき、人生を雁字搦めにして、最後には死ぬしかない所まで追い込んでいきます。サラ金は在日が主体となって経営していましたが、「貸金業の規制等に関する法律等の一部を改正する法律」が平成11年にできて、制限利率が引き下げられました。過払い金返還訴訟も多くなり、経営が苦しくなって、今は大手銀行の傘下に入っています。ただ、パチンコやゲームセンターの傍に、サラ金の出張所や看板があって、敗けて熱くなっている人間に金を貸して、更に負けを込まさせようという発想のビジネスです。こんな阿漕なことを考え出すのは、朝鮮半島人です。勿論、サラ金に手を出す人の方が悪いのですが。

女性の裸で融資するなんて言うのは、如何にも中国人です。宗教心を持たない(神をも畏れぬ)民族で、現世利益、拝金教ですので。ですから、葬儀の時に、ストリッパーを呼んで皆で楽しむことができるのでしょう。また冥婚(未婚の男性が死亡した時に、来世でも結婚できないと可哀想というので、一緒に死んだ女性を葬ること。近年はこのため墓を荒らして遺体を売ったり、挙句は殺人まで犯すケースがあるという)や紙銭を燃やしてあの世で、金持ちになりたいというのですから。日本人の無常観と如何にかけ離れているかです。

中国ではこういった犯罪集団を取り締まるべき公安が、賄賂を取り、見て見ないふりをします。彼らもグルである時の方が多いでしょう。歴史的に「清官三代」と言われる中国ですが、共産党になって、かつ経済成長してからの中国の賄賂の額は桁違いです。国民のチエックを受けないシステム(=三権分立していない)、共産主義の本質的な問題です。

記事

“恩施市”は、湖北省の西南部に位置する“恩施土家族苗族自治州”の州政府所在地で、海抜900m以上の山岳地帯にある常住人口75万人の風光明媚な地域である。省都 の“武漢市”からは直線で500kmの距離にあり、自動車なら6.5時間かかる。4月3日、その恩施市の農民である周さんは自分の携帯電話に1通の写真付きメールを受領した。何だろうとメールを開くと、周さんは自分の目を疑った。携帯電話の画面には娘の“小周”(仮名)の“裸照(ヌード写真)”が写っていたのだった。

身分証明書を持って全裸写真を自撮り

4月10日付の湖北紙「楚天都市報」は、『武漢女子大生の“裸貸(裸ローン)”5000元(約8万円)が雪だるま式に増えて26万元(約416万円)に』と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

【1】20歳の小周は、武漢市”にある某職業技術学院大学の2年生である。2016年10月の或る日、大学のトイレに入った小周は、個室のドアに貼ってあった消費者金融業者の広告に目を止めた。当時、小周には買いたい物があったが、懐が寂しく、到底手が届きそうになかった。そうだ、一時的に借金すれば欲しい物が買える。そう思ったら、何かに取りつかれたように、自身のスマートフォン(以下「スマホ」)で広告に書かれていたSNSの“微信(WeChat)”に連絡を入れ、先方の担当者に借金したい旨を伝えていた。

【2】ひとしきりチャットを続けて、カネを借り入れる意向を示すと、消費者金融業者の担当者から身分証の写真、学生証の写真、スマホの通話履歴を微信で送るよう要求された。小周が指示通りの物を送信すると、担当者はさらに次の物を微信で送信するよう要求した。

(1)“手拿借條”:担当者が送信するひな型に通りに手書きした借用書に自分の署名を行い、署名済みの借用書を手に持って上半身を撮影した画像。

(2)“裸條”:“全身赤裸手持身分証自拍(全裸で身分証を手に持って自撮りした)”写真あるいは動画。

【3】欲し物を買いたい一心の小周も“裸條”にはさすがに躊躇した。これを担当者に伝えると、この写真や動画は担保であり、万一返済期日までに返金されなくても、必ず流出する訳ではないので心配不要だと答えた。これで安心した小周は借入額もさほど大きくないので、返金は問題なくできると判断して、担当者の要求通りに(1)と(2)を送信した。

【4】小周の借入金は5000元(約8万円)であったが、審査費、写真の秘密保持費などの費用を差し引かれて、消費者金融業者から小周の銀行口座へ払いこまれたのは2750元(約4万4000円)だけだった。この2750元を何に使ったのか、小周には全く記憶がない。彼女が覚えているのは、毎月の生活費が1000元(約1万6000円)で、常に足りなかったからカネを借りて何かを買ったという事だけで、具体的に何を買ったのかは覚えていないのだ。

30社以上から借金、8万元が26万元に

【5】署名した借用書には借入金を1週間以内に全額返済することが明記され、返済できない場合は、完済まで毎週287元(約4600円)の金利を支払わねばならないと規定されていた。ただでも少ない毎月1000元の生活費に頼るしかない小周に借金を返済する術はなかったが、借金のことを両親に告げる勇気はなかった。そこで、ひたすら友人たちに頼み込んでカネを借りて回ったが、最後には誰もカネを貸してくれなくなった。カネに詰まって苦しんでいると、消費者金融業者の担当者が親切に助言してくれた。それは、インスタントメッセンジャーアプリ「QQ」の借金グループに加入し、別の消費者金融業者から新たにカネを借りて、前の借金を返済するというもので、小周を借金地獄の泥沼に陥れるものだった。

【6】借金の返済に追いまくられて冷静に物を考えられなくなっていた小周は、何も考えずにQQの借金グループに加入し、半年間に30社以上の消費者金融業者からカネを借入れては借金の返済に充てることを繰り返した。この結果、手続き費用を差し引いて、小周が手にした元本の合計は8万元(約128万円)以上に達したが、これに利子を加えた返済が必要な借入れ金の総額は26万元(約416万円)近くに膨れ上がっていた。

【7】2017年の“春節(旧正月)”休暇(1月27日~2月2日)中に、小周はスマホの電源を切って、外部との連絡を絶った。春節休暇中は小周のスマホと連絡が取れなくても仕方ないと考えていた消費者金融業者も、休暇が明けても連絡が取れないことに業を煮やした。そこで小周から事前に受け取っていたスマホの通信履歴にある電話番号宛てに下記のような返金催促メールを発信した。

どうぞ返済するよう忠告して下さい。  小周  身分証番号:4228221997XXX  貴女は2017年1月26日に4万元を借入れたが、明日2月4日の午後6時が返済期限です。ここに約束の時間と金額に基づき貸付金の返済を行うよう注意を喚起します。いかなる理由でも返済金額と期限の変更は認められません。もし詐欺的手段を隠して故意に貸付金を返済しないことが疑われるなら、我々は強大な社会世論の圧力、身近な親友や友人、通信履歴、第三者の借金返済機関を通じ、また、直接住宅を訪ねての催促、地元の住民委員会および地元の尋ね人広告に借金未済を暴露するなどの手段で24時間返済催促を行います。負債を返済するのは当然の道理であり、期限を過ぎて返済しない結果は重大なものとなります。期限超過の罰則は毎日200元(約3200円)となります。この返済催促は貸付側がQQや携帯電話などの常用通信手段を通じて告知義務を履行していることを示しています。

2017年2月3日

【8】父親の周さんは消費者金融業者から届いた催促メールを見て、初めて娘が借金取りに追われていることを知った。周さんは慌てて小周に連絡を取り、借金について問いただしたが、小周は言葉を濁し、カネを借りたと言うだけで、カネを何に使ったのかは口を閉ざしたままだった。愛する娘が困っている。仕方なく、周さんは虎の子の4万元(約64万円)を小周に手渡し、大至急借金を返済するよう言い聞かせた。

親や親戚、友人にヌード写真が届く

【9】ところが、文頭に述べたように、4月3日に全裸の小周が身分証を手にした“裸照(ヌード写真)”が周さんの携帯電話に送信されて来た。これを見て肝を潰した周さんは精神的に崩壊した。まさか娘にまだ借金があったなんて、周さんは考えたこともなかった。“裸照”は小周の“姑姑(父方のおば)”や“姨媽(母方のおば)”、大学のクラスメートたちにも届いていた。急きょ武漢市へ出向いた周さんは小周と会って彼女がはまった消費者金融の罠の全貌を聴取し、4月5日の午後に娘を伴って“武漢市公安局”の“東湖新技術開発区分局関南派出所”に事態を通報した。

【10】小周は今まで経験した事のない恥辱と後悔にさいなまれ、周さんに全てを告白した。借金の元本と利子の合計は26万元だが、父親の援助もあって、すでに16万元(約256万円)は返済済みで、残りの借金は10万元(約160万円)余りだが、その大部分は“裸照”を担保に取られている。かくも膨れ上がった借金の起因になったのは、最初に借入れた5000元であった。その後に借入れたカネを彼女はほとんど使っておらず、その大部分を借金の返済に充てていた。“裸照”付きのメールが大学のクラスメートたちにも届いたことから、小周は面子を失い、大学にいられなくなった。また、さらなる借金取りの出現を恐れて、小周は周さんと共に武漢市を離れ、現在は両親と共に上海市へ出稼ぎに行っている。なお、周さんによれば、彼には小周の他に9歳の息子がおり、上海市では夫婦2人でプラスチック工場の臨時工として働いているが、月収は2人合わせて6000元(約9万6000円)程なので、借金の残額10万元(約160万円)を返済することはどうやってみても不可能だという。

【11】楚天都市報の記者が“借貸(貸借)”、“借銭(借金)”などのキーワードでネット検索を行ってみると、非常に多くの消費者金融業者がヒットした。彼らの数社に微信やQQ、電話を通じて連絡してみると、ローンの月利は8~15%とまちまちであった。月利15%として1万元(約16万円)を借りると、毎月の支払い利息は1500元(約2万4000円)となるが、1か月目の利息は先払いが要求されるのだった。記者が小周にカネを貸した消費者金融業者たちに連絡を取ってみたところ、ある業者は小周など知らないと言って電話を切ったし、またある業者は返済催促業務を外部に委託しているので、もしかすると“裸照(ヌード写真)”を使って催促している可能性もあるかもしれないと答えた。

【12】小周は大学には行きたくないと言っていたが、大学側は小周に対する心理カウンセリングを継続しており、当面は休学扱いとして、一定時間が経過したら復学が可能なように配慮してくれている。周さんは小周を復学させるかどうかを思案中であるという。

【13】小周事件に関する弁護士の意見はどうなのか。湖北典恆弁護士事務所の“陳亮”弁護士は次のように述べている。すなわち、“裸照”を担保として行う貸付は、契約そのものが無効である。なおかつ、我が国の法律が認めているのは年利24%以内の貸借関係だけで、これを超えた部分は法律の保護を受けない。小周の借金は高利貸しに属するものであり、借金1件毎に小周が元本と年利24%の利息を支払っていれば、それ以上の利息を支払う必要はない。余分に支払った利息が36%以上であれば、民事訴訟を通じて返還を求めることができる。

中国では上述したような「“裸照”を担保に取る貸付」を“裸貸(裸ローン)”と呼ぶ。3月7日付で中国国営通信社の「新華社」が報じたところによれば、大学生向けのネット消費者金融の規模は2016年に800億元(約1兆2800億円)を突破し、さらに拡大する傾向にあるという。こうした大学生向けのネット消費者金融を“校園貸(キャンパスローン)”と呼ぶが、“校園貸”は借入がネット完結型で簡便であることが大きな魅力となっている。身分証番号、在学している大学名、学年、学生番号、学部などの個人情報を登録して、身分証や学生証の写真を示して検証し、署名した契約書の写真や動画を送信すれば、わずか10分足らずの時間で数千元から数万元のカネを借入れることができる。このため、“校園貸”はネット消費者金融の中で目覚ましい発展を遂げているのである。

2015年に始まり、各地に波及

しかし、“車貸(自動車ローン)”なら“汽車(自動車)”を担保に取れるし、“房貸(住宅ローン)”なら“房産(家屋)”を担保に取れるが、大学生相手では担保に取るものがない。そこで悪質な消費者金融業者が女子大生を対象として考え出したのが“裸照(ヌード写真)”を担保に取る“裸貸(裸ローン)”であった。キャンパスローンの“裸貸”は2015年に中国南部から始まったとされるが、2016年には山東省、江蘇省、広東省、北京市、四川省などの各地に波及し、急速に全国的な存在となった。

2016年11月30日には、消費者金融プラットフォームの“借貸宝”を経由して“裸貸”を利用した161人の女性たちの個人情報を記録した10ギガ(G)の圧縮データがネット上に流出する事件が発生し、“裸貸”は中国社会で改めて注目を集めることになった。161人中で本籍が流出した者は146人で、その内訳は14人の四川省が最多で、広東省(11人)、江蘇省(10人)がそれに続いた。また、年齢情報が流出したのは144人で、そこには1993~1997年生まれ(23~19歳)が91人含まれ、最年少は1999年生まれの17歳で4人含まれていた。また、学校情報が流出したのは28人であり、借入金額が流出したのは26人で、最高額は2.3万元(約37万円)、最低額は1000元(約1万6000円)だった。

メディアの記者が“借貸宝”を運営する“九鼎集団”に連絡を取ったところ、先方の担当者は、「“借貸宝”は消費者金融の仲介を行っているだけで、金融実務は貸付人と借入人が個人的に行うP2P方式であり、我々は双方の貸し借りには介入しておらず、“裸貸”を行うような不良業者とは全く関係ない」と述べたという。

“裸貸”で借りたカネを返済期日までに返済できなければ、通話履歴に記載された父母や親戚、友人、知人に返済催促のメールが発信され、それでも返済がなされなければ、“裸照”がメールでばらまかれる。さらに返済がなければ、元本に高率な利息を加えた莫大な金額を、彼女たちにその肉体で償わせることになる。2016年11月11日付の甘粛紙「蘭州晩報」が報じたところによれば、“裸貸”を行っている貸付人たちは、返済不能となった借入人の女性たちに肉体による返済方法を提案し、彼らの客である“富二代(富豪の子供)”や“官二代(政府高官や地方幹部の子供)”の放蕩息子などと一夜を共にしたり、愛人になることを強要するのだという。逃げ道をふさがれ、追いつめられた女性たちは自暴自棄となり、春をひさぐ転落人生を歩むようになるのである。

高利貸しの危険、知っていたのは1.75%

キャンパスローンで“裸貸”を主体としている消費者金融業者によれば、女子大学生が借金をする理由は、恋愛や遊びの資金不足、アップルのiPhone購入、ファッションアイテムの購入など、千差万別だが、彼女たちは“裸貸”によって地位や名誉を失うことになるかもしれない危険を負うことなど一顧だにせず、安易な気持ちで“裸照(ヌード写真)”を送信してくるのだという。

4月14日付の北京紙「新京報」は『大学生のネット金融調査報告』を掲載したが、調査結果の概要は以下の通り。

(1)大学生の66%はキャンパスローンの危険性を認識しておらず、年利36%以上が高利貸しとなることを知っていたのは、わずか1.75%に過ぎなかった。

(2)キャンパスローンの利用者は、男子学生が73%、女子学生が27%で、圧倒的に男子学生が多かった。キャンパスローンを利用する目的は、物質生活の改善(デジタル機器、ファッション、化粧品などの購入):54%、基本的な生活支出:36%、娯楽支出(旅行、ゲーム、会合など):24%、などであった。

文頭に述べた小周の場合は、父親の周さんが速やかに公安局へ通報したことにより難を免れたが、違法な消費者金融業者の餌食になっている女性たちが多数存在することは疑いのない事実である。“裸貸”は日本に存在しないと思うが、それにしても、担保に取った女子大生の“裸照(ヌード写真)”を肉親や友人にばらまくとは、人間の皮を被った悪魔の所業で、厳しく断罪されて然るべきである。

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『北朝鮮、パレードで見せたハリボテICBMの意味 「米本土を狙う固体推進剤ミサイルの開発を止めない」と宣言』(4/20日経ビジネスオンライン 松浦晋也)、『日本がICBMよりも目を向けるべき北朝鮮の脅威とは 弾道ミサイル「北極星1号」が日本を狙う』(4/20JBプレス 北村淳)について

23日~26日まで万座温泉に来ており、旅館のフロントのみwifi可能ですので、4日間は簡単に解説をします。

中国もロシアも北朝鮮が崩壊するのを見越して、領土分割の挙に出ようとしています。知らぬは金正恩と韓国人ばかりなりと言ったところでしょうか。本当に阿漕な連中です。

<中国環球時報「韓米が北朝鮮攻撃すれば軍事介入する」>

http://japanese.joins.com/article/360/228360.html

<「北朝鮮利権」奪取へ奔走するロシア>4/14

https://myjitsu.jp

<「日本人シェフが逃げたので店を閉めます」韓国の飲食店の貼り紙が話題に=韓国ネット「サムライ精神はどこに?」[04/20]>

http://sp.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=175866&ph=0

韓国政府は日本政府と日本人の退避について協議に応じる姿勢を示していません。人間の盾にする積りなのでしょう。こんな品性下劣な韓国人の為に、日本人が犠牲になることはないと思います。日本企業の経営者は在韓従業員を早く帰国させた方が良いでしょう。『葉隠』には「たとへば刀の身の如く、切れ物を研ぎはしからして鞘に納めて置き、自然には抜きて眉毛にかけ、拭いて納むるが良し。外にばかりありて、白刃を常に振回す者には人が寄り付かず、一味の者無きものなり。内にばかり納め置き候へば、錆もつき刃も鈍り、人が思ひこなすものなり」と。蛮勇は評価されませんし、過去の歴史の中で見れば、口だけで逃げてばかりいる韓国人とは覚悟が違いますので。退避を非難できる韓国人は一人としていないでしょう。「日本人をさんざん貶めて来て、まさか自分だけ助かるために日本に来るようなことはよもやないでしょうね」と念を押せば良いだけです。

北朝鮮が何故、核やICBMを持っていけないのか論理的に明快に説明は出来ません。第二次大戦の戦勝国のみが持てるというのは、一時的な勝利者が永劫に特権を持つという意味で、考え方としてはおかしいでしょう。彼らが道徳的・倫理的に優れていて、他の国や民族を支配する権利を持つというのは過去の歴史を見れば、あり得ません。ジェフリー・レコード著、渡辺惣樹訳『アメリカはいかにして日本を追い詰めたか』の中に『「恐怖心」や「威信(プライド)」は「国益」と同程度に国家の意思決定に影響を及ぼす』(P.106)とあります。追い込まれれば合理的判断ではなくても、立上るという事です。第二次大戦の日本が正しくそうでした。ですから北朝鮮が暴発する可能性はあります。それが彼らの名誉にかかわるという点で。ただ、戦前・戦中の日本は八紘一宇を実現しようとしていたのであって、植民地収奪をしていたわけではありません。今の北朝鮮のように自国民虐殺、他国を大量破壊兵器で脅すようなこともしませんでした。P5が良いかどうかは別にして、北の現体制は潰すべきです。

松浦記事

太陽節軍事パレードに登場した新型ICBMと運搬車両(朝鮮中央テレビよりキャプチャー)

米国との関係が緊迫する中、北朝鮮は4月15日に平壌で軍事パレードを実施した。

発射実験が最近相次いだことから、メディアの報道はSLBM(潜水艦から発射する弾道ミサイル)に集まっているが、最も注目すべきは、射程1万km級と目される新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)が登場していることだ。

これだけの射程があれば、北朝鮮から北米大陸の大半を射程に収めることが可能になる。

先に言っておくと、このICBMはまず間違いなくモックアップ、実物大の模型だ。では、単なるこけおどしだから心配は要らないのか? そうではない。パレードでのお披露目は北朝鮮が世界に向かって「このサイズのICBMに核弾頭を搭載するまで技術開発を止めない」という言う宣言であり、その意味するところは重大だ。米トランプ政権は、北朝鮮に対して「核兵器開発を止めよ」という圧力を掛けているが、北朝鮮はそれに応じず、「どんどん賭け金をつり上げるぞ」と意思表示をしているのだ。

突如登場、ロシアの「トーポリ」に似た新型ICBM

4月15日は、北朝鮮建国の父とされる故・金日成主席の誕生日で、同国では「太陽節」という最大級の祝日である。パレード会場となった平壌の金日成広場には、金正恩朝鮮労働党委員長以下の国家首脳部が列席した。

今回のパレードで公開された主なミサイルは以下の通り。

  1. 2016年8月に発射に成功した潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)「北極星1号」
  2. 今年2月に発射試験に成功した「北極星1号」の陸上発射型「北極星2号」
  3. 2016年6月に発射試験に成功した「ムスダン」中距離弾道ミサイル(IRBM)
  4. 初公開となる「ノドン」準中距離弾道ミサイル(MRBM)の弾頭に空力操舵面が付いたノドン改良型ミサイル
  5. 開発中の液体推進剤を使用する3段式弾道ミサイル「KN-08」
  6. 初公開の中国の「東風21」MRBMと類似の固体推進剤を使用すると思われるMRBM
  7. 同じく今回が初公開となる射程1万km級と目されるICBM

(※詳しくは「北朝鮮のミサイル、固体推進剤で脅威度急上昇」:2017年2月21日、及び「北朝鮮、ムスダンの開発の異常なペース」:2016年6月30日、を参照。特に、固体推進剤を使うICBMがどれだけ脅威なのかをご存知ない方には、前者をぜひお読みいただきたい)

この中で注目すべきは、7つめの新型ICBMだ。

新型ICBMは、打ち出し用の筒状構造物(キャニスター)に搭載されていたため、ミサイルの外観は不明だが、キャニスター及びキャニスターを搭載する運搬車両が外見、サイズ共に、ロシアのICBM「トーポリ」と酷似していた。

トーポリ(ロシア語でポプラを意味する)ICBMは、旧ソ連が1977年から開発を開始して、1985年から配備したものだ。全長21.5mで固体推進剤を使用した3段式、打ち上げ時重量45トンで、1トンの弾頭を搭載できる。運搬車両から直接発車するので、打ち上げ時は車両の焼損を避けるため、キャニスターから高圧ガスでICBMを空中に射出した上で推進剤に点火するコールド・ローンチ方式を採用している。

ロシアが配備しているICBM「トーポリ」(ロシア語版Wikipediaより)

こちらはトーポリ発展型の「トーポリM」。北朝鮮の新型ICBMの運搬車両は、こちらに類似している。

未完成のICBMを公開したのは米国へのサイン

北朝鮮がこうしたことをやるのは初めてではない。過去に何回も、開発中のミサイルのモックアップをパレードに登場させたことがある。

2012年の太陽節軍事パレードではコード名「KN-08」というICBMを、2015年パレードではその改良型と目される「KN-14」ICBMを、それぞれモックアップで見せつけた。共にムスダンの技術を発展させた液体推進剤を使うICBMと推定されており、全長約16m。射程距離はグアムを狙うことが可能な6000km程度らしい。これらは現在開発中と目されており、使用すると思しき液体ロケットエンジンの燃焼試験映像も公開している。

これらと比較すると、今回の新型ICBMは、全長20m程度と大きい。トーポリと同程度の性能があるなら射程は1万kmで、北米大陸の大半を狙うことが可能となる。

新型ICBMを収めたキャニスター頭部には、開口部の継ぎ目が見あたらない。モックアップと考えられる根拠のひとつである(朝鮮中央テレビよりキャプチャー)

これだけ大型のICBMの発射試験は確実に検知されるので、まだ新型ICBMが完成していない(打ち上げの実験段階に進めていない)ことはほぼ間違いない。また、KN-08/KN-14も開発中の現状で、さらに大型、それも有事即応性に優れる固体推進剤を使用して、コールド・ローンチ可能なICBMを同時並行開発するだけの国力が、北朝鮮にあるかどうかも分からない。

しかし、たとえブラフであったとしても、北朝鮮が射程1万kmと目される新型ICBMのモックアップを軍事パレードに登場させた意味は大きい。米トランプ政権に対して「お前らがどうプレッシャーを掛けようが、米本土に到達するこのICBMに核弾頭を搭載するまで、我々は技術開発を続けるぞ」という明確なサインを送ったのである。

強硬姿勢の表れとして、北朝鮮は翌4月16日朝に半島東海岸の新浦からミサイル1発を発射した(発射直後に爆発)。発射されたのは比較的小型の新型ミサイルと推定されており、「スカッド(ノドン)」改良型ではないかとの報道もある。

また、17日にBBC記者と面会した北朝鮮の韓成烈(ハン・ソンリョル)外務次官は、今後ともミサイル発射実験を繰り返すと発言、「米国が軍事行動に出ればすぐに全面戦争になる」と警告した。

ミサイルはパワーゲームの賭け金をつり上げる道具

こうした強気の姿勢は、先代の金正日朝鮮労働党中央委員会総書記以来の瀬戸際外交と考えて良いだろう。北朝鮮は1990年代と同様に、ぎりぎりまで危機感を醸成して、米国や周囲の譲歩を引き出そうとしている。

核兵器は「使わないことに意味がある」という特徴を持つ兵器だ。北朝鮮も米国も核兵器を使えば世界中からの非難を浴び、特に国力で大きく劣る北朝鮮が核兵器を使用すれば、即体制崩壊につながると見て間違いない。だから北朝鮮としては、核兵器開発をいかに高いカードとして売りつけるかに腐心している。「全面戦争だ」と口には出すが、もし全面戦争になれば最初に滅ぶのは、現在の金正恩体制であることを、北朝鮮は熟知しているはずだ。

北朝鮮の望みは、核兵器と、核兵器を米本土に送り込むことができるICBMを完成させ、なおかつそれを実戦に使用することなく恫喝に使って米国を交渉のテーブルに引きずり出し、金正恩体制の継続を米国に保証させること、と考えられる。

北朝鮮の核兵器開発は、米国だけではなく、中国もロシアも、もちろん韓国も日本も朝鮮半島のパワーバランスを崩すものとして危険視している。核兵器開発の鍵を握るのは核実験だ。実験を繰り返すほど、核兵器は完成に近づいていく。

だから米国は、今年3月末に北朝鮮が核実験を実施する徴候が現れてから、様々なラインを使って「北朝鮮が核実験を行うとの確証を得た時点で通常兵器による先制攻撃を行う」という情報をリークし、北朝鮮への圧力を強めていた。

北朝鮮としては、米国という虎の尾を踏むことはできない。かつては後ろ盾となってくれていた中国との関係が悪化している今、核実験を実施して米国が通常兵器による攻撃をかけてきたなら、その後の体制存続のシナリオが描けないからだ。

ここで、瀬戸際外交をさらに推し進める手段として、急浮上したのがICBMだ。

ミサイルだけならば、米国の尻尾を踏まずに掛け金を釣り上げられる、と、おそらく北朝鮮は判断したのだ。太陽節軍事パレードでの新型ICBMモックアップ多数登場や、16日のミサイル発射は、そう考えれば符合は付く。

理性的なら核攻撃はない、が、理性を担うのは個人

今回、日本では北朝鮮がいまにも核ミサイルを日本に打ってくるかのような言説が目立ったが、危機感醸成のために北朝鮮が切ることができる持ち札はまだまだある。よって、いきなり北朝鮮が最後のカード、核ミサイルを発射することはないだろう。

次に注目すべきは、通算6回目となる核実験を北朝鮮が実施するかどうかだ。米国が「実施の確証があれば攻撃」というサインを送っている以上、北朝鮮としては米国が手を出さないという確実な証拠を手に入れない限り、核実験を実施せず、一層のミサイル実験を重ねるはずだ。

ただし、これらの予想は北朝鮮が理性的であるという前提に立っている。

複数の人間がコントロールに絡む普通の国家ならばともかく、現在、北朝鮮という独裁国家の理性は、金正恩という一個人の理性に依存している。個人が強いストレスのために理性を失うことはあり得る。

言わずもがなだが、彼に理性が残り続けることを祈りたい。

北村記事

北朝鮮の首都・平壌で行われた軍事パレードに登場した弾道ミサイル。国営朝鮮中央通信(KCNA)配信(2017年4月16日配信、資料写真)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

アメリカ軍による軍事的威嚇の中、北朝鮮で軍事パレードが執り行われた。北朝鮮政府は多数の海外メディアを招き、国際社会に向けて軍事パレードの映像画像を発信した。

このデモンストレーションに関する日本政府のコメントやメディアの報道などをみると、新型「ICBM(大陸間弾道ミサイル)」(とみられるミサイル)に関心が集中していたようである。

もちろん、北朝鮮が核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルを完成させた場合、日本にとっても軍事的脅威は高まる。だが、パレードではICBMよりも直接的に日本にとって脅威となっている兵器を見せつけていたにもかかわらず、日本政府もメディアもそれらの直接的脅威に対しては言及していなかった。

日本にとってICBM開発が危険な理由

北朝鮮は軍事パレードの直後に「IRBM」(中距離弾道ミサイル、日本列島は飛び越してしまうが、アメリカ本土には届かない)の発射テストを実施し失敗した。したがって、新型IRBMやICBMといった長射程の弾道ミサイルが実戦配備段階に至っているとはいまだにみなすことができない。また、それらの弾道ミサイルに搭載する核弾頭も、まだ完成の域に達してはいないものと考えられている。

トランプ政権は北朝鮮の核実験、ICBM試射を強く警戒しているが、アメリカ本土が直接核弾道ミサイル攻撃の被害を被るには、ある程度の時間がかかりそうである。

一方、日本にとって北朝鮮の核実験やICBM試射はどのような脅威があるのか。

もちろん、それらが日本にとっても軍事的脅威にならないわけではない。とはいっても、核搭載ICBMが日本に飛んでくるわけではない。

北朝鮮が開発に成功した場合はもちろん、さらに核実験を繰り返した場合に、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃する恐れがあるから、日本に対する軍事的脅威と言えるのだ。

すなわち、本コラムでも繰り返し指摘しているように、トランプ政権が北朝鮮を軍事攻撃したならば、北朝鮮による韓国に対する報復攻撃により多数の在韓邦人が死傷することは避けられず、日本領内に弾道ミサイルが降り注ぐ可能性も高いと考えられている。

パレードに登場したソウルを火の海にするロケット砲

北朝鮮は核弾頭の小型化に成功し保有しているものの、その数は極めて少数とみられる。貴重な核弾頭を対日攻撃用のノドンやスカッドERに装着することは、現時点では現実的ではない。そのため、報復攻撃によって日本に飛来する弾道ミサイル弾頭には、非核の高性能爆薬が装填されていると考えられる。

ただし、それでも日本が甚大な被害を受けることは避けられない。まして、過去70年以上にもわたって軍事攻撃を被った経験も戦闘の経験もない日本では物理的惨状に加えて心理的大パニックに陥る可能性が高い。

日本の最大の脅威は「北極星1号」

北朝鮮が軍事パレードで見せびらかした兵器システムのうち、日本政府やメディアが大きく取り上げるべきだったのは、ICBMよりも“地味”な弾道ミサイル「北極星1号(KN-11)」である。

潜水艦発射型ミサイル(SLBM)のKN-11は、パレードでは他の弾道ミサイルや巡航ミサイルのように地上移動式発射装置に搭載されるのではなく、展示用トレーラーに積載されていた(下の写真)。

パレードに登場した潜水艦発射型ミサイル(SLBM)「北極星1号」

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の写真をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49760

KN-11はいまだに開発途上であり、これまでの試射において達成している射程距離は500キロメートル程度と、目標とみられる1500キロメートルには到達していない。また、発射プラットフォームとなる潜水艦もやはり開発途上であり、いまのところ新浦級潜水艦1隻が確認されているに過ぎない。

だが、KN-11の当面の主な攻撃目標は日本とされている。たとえ飛距離が1000キロメートル以下と短くとも、北朝鮮がKN-11を安定して水中から発射できるレベルに完成させ、より改良を加えた新浦級潜水艦を数隻生み出してしまった場合、日本にとっては、まさに深刻な軍事的脅威が追加されることになる。

たとえば、これまでの試射で達成されている500キロメートルという飛距離のKN-11が搭載された新浦級潜水艦数隻が、実戦配備されたとしよう。日本としては、日本各地を射程圏に納めたKN-11を2基搭載した北朝鮮潜水艦が2~3隻、常に日本海のどこかの海中を潜航していると考えなければならない。そのため海上自衛隊は、なんとしてでもそれらの弾道ミサイル搭載潜水艦を発見し捕捉しなければならなくなる。

これまで、日本海から日本に加えられる軍事的脅威は、対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡を日本海へと通航する中国とロシアの艦艇ならびに航空機に限定されていた。そのため、それらの海峡部において中国軍やロシア軍の動向を見守っていれば、日本海からの軍事的脅威に備えることができた(ただし、満州方面から発射される長射程ミサイルは除く)。

ところが、KN-11を搭載した北朝鮮の潜水艦は、日本海に面する基地から直接日本海へ展開するため、海上自衛隊は広大な海域を警戒監視し続けなければならなくなるのだ。

現在の北朝鮮の潜水艦建造技術から判断すると、海上自衛隊の潜水艦、哨戒機、水上艦を繰り出せば、広大な日本海とはいえ、北朝鮮潜水艦を捕捉することは不可能とは言えない。しかし、日本攻撃用のKN-11、それも核弾頭が搭載されているかもしれない弾道ミサイルを搭載した新浦級潜水艦は、いつ日本に対してSLBM攻撃を敢行するかは分からない。

また、日本と北朝鮮が戦争状態に陥ってでもいない限り、海上自衛隊は新浦級潜水艦を発見したからといって直ちに撃沈してしまうわけにはいかない。北朝鮮潜水艦を発見したならば見失わないように捕捉し、海上自衛隊潜水艦が執拗に追尾し続けなければならない。

海自潜水艦戦力の増強が急務

だが、海上自衛隊にとって問題なのは、中国への対応も迫られていることである。

新たに日本海を動き回る北朝鮮の潜水艦に対処しなければならなくなったからといって、東シナ海や南シナ海からバシー海峡を抜け南西諸島沖に接近してくる中国海軍の動きがなくなるわけではなく、それどころかますます中国海洋戦力の対日圧力が増大していくことは間違いない。したがって、今ですら不足している海上自衛隊の現有戦力では、北朝鮮が近い将来に繰り出してくる北極星1号搭載新浦級潜水艦を発見し、追い回すことは至難の業だ。

幸い日本は、北朝鮮の弾道ミサイル搭載潜水艦にとって最大の脅威となる高性能潜水艦を造り出す能力に恵まれている。よって海上自衛隊の潜水艦戦力の増強は不可能ではない。

とはいえ、いくら潜水艦建造メーカーが2社あるといっても、軍艦建造には時間がかかるし、何よりも増強した軍艦を操る海自要員の育成にも時間がかかる。北朝鮮や中国など日本周辺の軍事情勢のきな臭さが加速度的に悪化している状態に即応して防衛態勢を変化させなければ、手遅れになることは必至だ。

「中期防衛力整備計画」などという“お役所の論理”とは無関係に国際軍事情勢は変化し続けている。そうである以上、安倍政権は前例に縛られずに思い切った手を打たねばならない。

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