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『トランプ外交をよむ(2)東アジア関与継続 求めよ 米中の対峙回避、目配りを 川島真・東京大学教授』(2/24日経朝刊)、『米中戦争 そのとき日本は 渡部悦和著 軍事能力を分析し備えを提案』(2/12日経朝刊 川島真)について
渡部氏の『米中戦争 そのとき日本は』は日本国民全員必読の書です。戦争が嫌いだからと言って目をそむけるだけでは“ostrich policy”の持主になってしまいます。ハーバード大学ケネデイ・スクールのグラハム・アリソン教授は「トウキュデイデスの罠」に注目、「過去500年間の歴史の中で台頭する大国が既存の大国に挑戦する場合、16ケース中の12ケースで戦争になった。4ケースは戦争に至っていない。戦争は回避できないわけではないが、「トウキュデイデスの罠」から逃れるには大変な努力がいる。米中間の戦争は現時点で我々が認識するよりも蓋然性が高い」(P.21)と警告しています。ナバロはこれを読んで主張したのでは。
http://www.maesaka-toshiyuki.com/person/23117.html
読後の感想として大事なポイントと思った部分を列挙します。(順不同)
- 中国の主張する第一列島線は日本全体だけでなく、カムチャッカ半島をもカバーしている。
- 日中・米中で戦争が起きれば、在日中国人が必ず破壊工作をする。大陸に人質を取られているので嫌々でもやらなければと思う人もいる。「共謀罪」に反対している民進党や共産党は中国の手先でしょう。
- 米日とも中国に先制攻撃はしない。(空手に先手なしと同じ。作戦行動に制約を受ける。中国を有利にするだけ)
- 陸・海・空・サイバー・宇宙のドメイン全部での戦争になる。中国は超限戦を主張している。各ドメインでのKFSはC4ISR(指揮(Command)、統制(Control)、通信(Communication)、コンピューター(Computer)の4つのCと、情報(Intelligence)、監視(Surveillance)、偵察(Reconnaissance)のこと)。
- 脅威=能力×意思÷距離。台湾海峡有事になった時に米軍は苦労する。嘉手納基地も米軍がいるので攻撃を受ける。南沙諸島は米軍有利。尖閣は日本の機雷敷設と潜水艦と戦闘機の能力で日本が有利。但し、POSOW(Paramilitary Operations Short Of War、準軍事組織による、戦争には至らない作戦)を中国は取ってくる可能性あり。今のままでは日米は警察・海保でしか対応できず。法的整備と警察・海保・自衛隊の縄張り争いをせずに連携して対応が必要。
- 電磁レールガンとDEW(directed-energy weapon)の開発が核ミサイルを無力化?
- 継戦能力。石油備蓄、装備の充実と消耗品の在庫。ACSAを多国間で締結。敵基地攻撃能力も。
- バランスオブパワーこそが戦争の抑止になる。日米同盟の緊密化が必要。オバマは口先だけの男で中国の脅威を増大させて来ました。トランプを支援せねば。もうこれ以上時間の利益を中国に与えてはなりません。
- レーニンは、資本家は自分の吊るされる縄を綯っていると喝破しました。日米で中国の軍事力拡大に手を貸してきました。中国経済を伸ばすために投資の形で支援してきました。ピルズベリーによれば軍事支援もしてきたとのこと。愚かです。日本の技術者も大陸に渡って技術支援しています。人質になる危険性もあるので帰った方が良いでしょう。日本企業も国内で高齢者と雖も雇用を増やすことを考えないと。
- 中国はOTHレーダーを持っています。対抗して石垣島にTHAADを配備させるのはどうでしょう?

2/24の記事で川島氏は中国のいう「一つの政策」と日米のいう「一つの政策」の違いを的確に述べています。“recognize”と“acknowledge”の違いです。日本の平和も米中の出方次第で、破られる可能性が高いです。先ずは経済(金融)制裁から始まるでしょうけど。日本人も最悪の事態を想定して、準備をしていきませんと。地下に防空壕は必須でしょう。また、左翼リベラルメデイアの言説に惑わされないようにしてほしいです。
2/24記事
トランプ政権発足から1カ月がたち、対外政策の輪郭がおぼろげながらみえ始めた。対中政策についても習近平国家主席と電話会談をして、米国の「一つの中国」政策を引き続き尊重する旨を伝えた。米中関係や台湾問題の大枠には変更がないことを示している。日米間でも日米安保の重要性が確認され、東アジアの国際関係の枠組みは従来通りであるかにみえる。だが依然不透明な点が多く、現段階で見通しを立てるのは難しい。


政権発足前の著作だが、国家通商会議議長のピーター・ナバロ氏の「米中もし戦わば」(Crouching Tiger: What China’s Militarism Means for the World)は米中間の覇権交代の可能性を前提に議論を進める。また大統領選の投票日直前に米誌フォーリン・ポリシーに掲載されたナバロ氏とトランプ陣営の上級政策顧問だったアレキサンダー・グレイ氏のアジア・太平洋政策に関する共同論文は、レーガン政権に倣い、軍事力の拡大に基づく「力による平和」を実現するとしている。
2つの著作からは中国に厳しく対峙する米国の姿が想定されるが、これらが政策として現実になるかは未知数だ。
まず比較のためオバマ前政権の政策を確認したい。東アジアに対して進めたリバランス政策は、同盟国との関係強化と経済貿易政策としての環太平洋経済連携協定(TPP)の両輪から構成されていた。また東南アジア諸国連合(ASEAN)を重視し、東アジアの多国間枠組みにも積極的に関与した。戦略的には中国を意識していたのだろう。
そして米中2国間関係では当初「G2論」を提起したものの、次第にその姿勢を厳しくし、南シナ海で航行の自由作戦などを展開した。
だがオバマ政権期には米中が相互に相手を尊重する関係が築かれた。さらに米中間には多様で多層な対話の枠組みが形成された。その政策の基調は対話路線にあり、安全保障面でもヘッジ(回避)の一方で、常にエンゲージ(関与)を維持してきた。航行の自由作戦を展開しつつ、米中合同軍事演習を実施し、環太平洋合同演習(リムパック)にも招待したのがその好例だ。
それだけにオバマ政権の対中政策は中国に極めて融和的に映っていただろう。中国を適切にシェイプ(形づくる)するという政策の意図も中国側に届いていたか疑わしい。一方で、オバマ政権が進めた同盟国間のネットワーク形成は中国には脅威に映ったのではないか。
現時点で判断は難しいが、トランプ政権の安全保障面での対中政策は前政権に比べて厳しくなるとみられる。だがそれほど事態は単純でない。
第1に「力による平和」政策での同盟国の位置づけが依然判然としない。日米同盟については首脳会談で重要性が確認されたが、韓国やオーストラリアとのネットワーク形成推進については不明確だ。
第2にTPPからの米国の撤退だ。中国は今年5月に「一帯一路サミット」の開催を予定している。経済金融面でのルールづくり、公共財の提供という場から米国が撤退・後退すれば、中国にとっては好機となる。世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での習近平氏の発言もこうした状況を踏まえている。
第3にASEANを起点とする国際協力や東アジアサミットへの関与の減退だ。トランプ政権は明確に多国間枠組みに対して消極的だ。南シナ海で航行の自由作戦を維持するにしても、東南アジアへの関与が減れば、米国の影響力は漸減していくだろうし、中国からみて戦略的好機が到来する。日豪がいかに事態に対処するかが課題になろう。
とはいえ政権発足後1カ月間の東アジア政策は比較的オーソドックス(正統)だ。まずは「一つの中国」政策の原則的維持である。米中首脳の電話会談で同政策の基本的な維持について言及がなされた。1972年、78年、82年の米中共同声明、79年の台湾関係法などを骨子とするのが米国の「一つの中国」政策だ。
しかしこれを維持することは、中国の「一つの中国」原則を受け入れることとは異なる。外交関係を持つ以上、中華人民共和国政府を中国政府と認めることは確かではあるが、中国は一つであるとか、台湾が中国の領土の不可分の一部分であるといった点について米国は「認識(acknowledge)」しかしていない。
米中電話会談を経てトランプ氏は安倍晋三首相と首脳会談に臨み、日米安保の重要性を確認し、また朝鮮半島問題にも言及した。つまりトランプ政権は同盟国との関係を維持しつつ、台湾海峡、朝鮮半島に関する立場も維持するという姿勢を示したのである。
トランプ政権の対中政策の当面の焦点は経済問題だろう。米国の貿易赤字の最大の相手は中国だし、大統領が最も固執する雇用創出の面からみても米中経済問題の解決は重要だ。また選挙期間中に為替操作国として中国を批判したことも記憶に新しい。
2月17日のムニューシン米財務長官と中国の汪洋副首相や周小川・中国人民銀行総裁らとの電話会談で、均衡のとれた米中経済関係を築いていくことで合意したという。米国政府の為替、貿易を巡る中国問題の位置づけを示す報告書が今後作成されるだろう。
米国は経済問題で中国の現状維持を認めるわけでなく、必ず何かしらの譲歩を引き出そうとするとみられる。その際に中国が一定の譲歩に応じるかどうか、粘り強い交渉が続けられるかが焦点となる。
以上のように、トランプ大統領は選挙期間中に述べていた「一つの中国」政策の見直しの可能性、為替操作国指定、中国製品への高関税付与といった一連の発言をいったん取り下げた格好になっている。これは日本に対する防衛費負担問題などに関する批判を取り下げたこととも重なる。結果的には対東アジア・北アジア外交では、比較的オーソドックスな政策が採用されており、国際政治上での「取引(ディール)」の兆候は具体的にはいまだみられない。
むしろ選挙期間中も含めたトランプ発言による「揺さぶり」を利用して、従来通りの路線を採用して相手を落ち着かせ、外交成果を上げるというのがトランプ外交のスタイルでさえあるかのようだ。
東アジアからみた場合、米中間の争点となるのはインド洋から東南アジアに至る空間だと考えられる(図参照)。トランプ政権はインド洋にいかに関与するのかまだ不明確だが、ASEANを基軸とした国際協力枠組みとは一定の距離をとるだろう。また同盟国との2国間関係には関心を払っても、同盟国間のネットワークという多国間枠組みへの関心も判然としない。
これに対して中国は、ブルネイ、スリランカなどで港湾建設、経営に関わり「一帯一路」政策の下に、経済活動とジブチの海軍基地へと至る海軍の世界展開を結びつけている。また米国がこの地域から後退すれば、ASEANを中心とした枠組みでの中国の発言権は一層増すだろう。
それでも中国が東アジアで国際主義を採っているうちはまだよいとの見方もある。最悪のシナリオは、中国が「チャイナファースト」となり、東アジアでの多国間主義を放棄し、トランプ政権に対峙する事態かもしれない。日本はそうならぬよう米国にこの地域への関与継続を求めつつ、豪州や韓国と連携し、中国とともに多国間主義を支える姿勢を示してもよいだろう。
ポイント ○対中安全保障政策は前政権よりも厳しく ○政権発足後の東アジア政策は比較的正統 ○「中国第一主義」に走らぬよう働き掛けを
かわしま・しん 68年生まれ。東京大博士(文学)。専門はアジア政治外交史
2/12日経記事
本書は、元陸上自衛隊東部方面総監である著者が、米中それぞれの軍事能力、戦略を客観的に、専門的に考察し、米中衝突のシナリオとその展開の予測、日本の果たすべき役割について記した著作である。米中戦争など起きる筈(はず)はないなどというのはまさに「思考停止」であり、最悪の事態を想定して万全の備えをすべきだと著者はいう。

(講談社現代新書・840円 ※書籍の価格は税抜きで表記しています)
著者は、中国について、特に1996年以降着実に軍事能力を上げつつ、習近平の下で軍事改革を進めていると見る。中国は、あらゆる限界を超えて作戦を遂行する「超限戦」を想定し、陸・海・空・宇宙・サイバーの各ドメインでアメリカに学びながら着実に差を縮めているという。その能力は衛星攻撃やサイバーなどの面で躍進しているが、まだ弱点も少なくなく、たとえA2/AD戦略でアメリカのエア・シーバトルに対峙しても、総合力では簡単に米軍に追いつかないという。時間軸から見れば今後5年から15年はこのままで推移するものの、次第に米軍の支配空間は小さくなり、東アジアは将来的に中国の影響下に入る可能性があるとも示唆する。
本書の分析には幾つかの特徴がある。第1に、脅威について一般に「意思と能力」で判断するが、対象までの「距離」を重視すべきだという。東シナ海、台湾海峡、南シナ海など、米中衝突の可能性のある場所まで、それぞれの基地や拠点からどれだけの距離があるかを本書は重視する。これは説得的である。第2に、これは著者からすれば当然だろうが、電磁レールガンなどの新たな軍事技術など、アメリカ側の軍事技術の開発も考慮している点だ。その上でおこなわれるスコアカードというシミュレーションも読者には新鮮だろう。それにより、アメリカは依然として優勢だが、その優位性が次第に失われてきていることにも気づかされる。
本書は米中の双方を「等身大」に捉えながら、客観的、かつ具体的に軍事力と戦略を見据えて、米中戦争の可能性と結果を見定め、とかく偏りがちな日本の安全保障に関する言論を諌(いさ)めていることがわかる。その日本について著者は、大災害などが複合的に生じる「同時に生起する複合事態」への警戒が必要としつつ、安全保障については自己規制を解き、一方で自力で国土防衛する能力とともに、他方で日米により統合作戦を実施する能力を高めるべきだと提案する。尖閣諸島周辺での衝突に際してのシミュレーションもなされ、国土防衛の具体像が示される点も考える材料になるだろう。
(東京大学教授 川島 真)
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『金正男暗殺は中朝“仮面夫婦”関係を変えるのか 国内政争と対米関係が絡む混沌下、中国の選択は…』(2/22日経ビジネスオンライン 福島香織)について
2/23三島由紀夫研究会に参加しました。講師は松本徹氏、テーマは「三島由紀夫の時代」でした。三島は大正14年=昭和元年生まれですが、大正時代には円本や文庫本が安く大量に出版されていました。世界文学全集や日本文学全集だけでなく、能、歌舞伎、浄瑠璃等の全集も出ました。日本文化の集大成として、です。三島と言う天才が彗星の如く現れる裏にはこのような時代背景がありました。
蓮田善明は「花ざかりの森」を読んで、16歳の三島を天才と呼び、三島の人生にも多大な影響を与えました。彼は終戦の詔勅をボホールバルで聴き、上官と意見の対立で、上官を射殺後、自殺したことで有名です。松本氏によれば、蓮田は単に意見の違いで射殺したのではなく、自分の立場が「承詔必謹」で天皇の命令は絶対、上官の命令は絶対という中にあって、反乱を起こそうとした兵士との板挟みになることを恐れたのではとの解釈でした。上官の中島連隊長も蓮田も死んでいますのであくまでも推測の域を出ませんが。小生はこれを聞いて、三島の「憂国」を思い出しました。正しく主人公がそのような境遇にあって切腹しますので。
北の今回のミサイル発射と金正男の暗殺(影武者との説もあります。TV映像では倒れる映像は顔が写っていませんので。救急車で運ばれたときに掏りかえられた可能性もあります。マレーシアの発表だけでは何とも。本人が生きている可能性もあります)という暴挙は、いよいよ米国に早期の先制攻撃を決意させただけなのでは。北がそんな行動を取ったのは、金正恩の「斬首作戦」が行われるというニュースを米国と日本から得ていたからでは。
中国は表面的には制裁すると言っていますが、朝鮮半島人と同じく嘘つき民族ですので全然信じられません。今までもそうでしたし、これからもそうでしょう。石炭の輸入禁止にしても第三国経由でやすやすと輸入すれば良いだけです。
福島氏の見方によれば、中国は地政学上北を見捨てることができないとのこと、そうであれば同じくアメリカも南を見捨てることはしないでしょう。どんなに従北大統領になっても。暗殺やクーデターという手段を取っても、です。まあ、キチガイ民族同士ですから、米中の強力な圧力がなければ、うまく統治できないのでは。日本は朝鮮半島の面倒を見るのは御免蒙ります。
http://diamond.jp/articles/-/119004
記事

金正男暗殺は中朝関係にどんな影響を与えるのか(写真:AP/アフロ、2001年5月撮影)
北朝鮮の流浪の王子、金正男は、日本人の愛人をもち、偽造旅券で東京ディズニーランドを楽しみ、赤坂のコリアンクラブの上客でもあったという、その日本びいきぶりと、記者とメールでやり取りにも応じる気さくさと、愛嬌のある容貌と、意外に開明的で視野の広い知性も備えていて、日本のネットユーザーの間で「俺たちのマサオ!」と結構人気があった。その金正男がマレーシアで、謀略小説さながらの方法で白昼、空港で暗殺された。いや、殺されたのは影武者で、偽装暗殺だった、俺たちの正男は生きている!という人もいる。とりあえず本当に暗殺されたとして、このことは中朝関係になにか影響があるのだろうか。
11人が関与、3か月前から準備か
まず、事件の概要について、少し整理しておこう。
北朝鮮の最高指導者、金正恩の異母兄である金正男はクアラルンプール第二国際空港の自動チェックインカウンターで、2月13日午前9時、暗殺された。マレーシア警察の記者会見によれば、事件には11人が関わっているとみられ、うち4人が逮捕された。残り7人の男は逃走中。
金正男の検死解剖は15日に行われているが、目下、毒物の検出結果を待っているところで、死因となった毒物は確定していない。
わかっていることは、インドネシア籍女性のシティ・アイシャ容疑者(25)が前から正男に何か話かけ、ベトナム籍のドアン・ティ・フォン容疑者(28)が後ろから手をまわし、顔に何かを擦り付けた。倒れた正男は空港職員に助けを求め、空港内の診療所に足を運び応急手当を受けたのち、市内の病院に搬送されたが死亡した。正男は金哲名義のパスポートで今月6日にマカオからマレーシア入りし、事件当日の13日午前10時50分の飛行機でマカオに戻る予定だった。死亡が確認されたのは午前11時ごろだった。
逮捕されたのはこの女容疑者2人と、シティ・アイシャ容疑者のボーイフレンドのマレーシア男性と、主犯格とみられる北朝鮮籍のリ・ジョンチル容疑者(46)。指名手配を受けている7人の男のうち5人は朝鮮人で、その名前と年齢は判明。すでにマレーシアから出国している。この5人以外の2人の男の身元については、手がかりとなる情報提供を呼び掛けている。写真から判断すると朝鮮人らしい。
暗殺計画は3カ月前から準備されていたもようで、リ・ジョンチルが二人に犯行を指示したとされる。ドアン・ティ・フォン、シティ・アイシャ両容疑者はともに自称ネットアイドルで、犯行当日に知り合ったという。シティ・アイシャの家族が日本のテレビメディアに答えたところによると、日本のテレビ番組のために「お金持ちにいたずらをしかける」仕事を依頼され、インドネシアのショッピングモールでも、いたずらを仕掛けて、報酬をもらったことがあるようだ。リ・ジョンチルは金日成大学卒業のエリートで、抗がん剤などを製造する製薬会社に勤務、クアラルンプール郊外の高級マンションに妻子とともに暮らしていたという。
だが一部韓国メディアでは、この女たちも含めて北朝鮮の特殊部隊、工作員だとする説も報じている。
マレーシア警察当局は、金正男の遺体を遺族に引き渡すとしており、本物の遺族であるかどうかもしっかり確かめるとしている。一方でマレーシア当局としては、事件の背後の政治問題に関しては関心がないとして、警察として犯罪事実をはっきりさせることだけに全力をあげるとしている。
ちなみに北朝鮮サイドは、北朝鮮公民が一人死亡したことを在マレーシア北朝鮮大使館として確認していると発表。だが、朝鮮大使館はマレーシア側が検死を行うことを拒絶。マレーシア当局は大使館員の立ち合いのないまま、検死解剖を行い、また遺体を大使館に引き渡すことを拒否したため、大使館側はマレーシア警察当局に厳重抗議をし、再度遺体の引き渡しを要求している。
中国は国境警備強化、石炭輸入停止
さて、中国の報道は、マレーシアメディア、シンガポールメディアを引用する形で、こうした事実関係を報道する一方、外交部記者会見では、公式には中朝は友好の隣国関係にあり、その友好往来の伝統は続いている、という無難な答えに留めた。だが、正男暗殺事件のあと、中朝の間で変化がいくつか起きている。
まず、中国側は中朝国境の兵員配置を強化した。建前は突発事件に備えて、第一線哨戒を1000人増強したという。金正男は、典型的な親中派として知られており、彼の存在が、親中人脈の中心人物であった張成沢の処刑につながったと解放軍サイドは分析している。正男の死が、なんらかの対中アクションに連動する可能性はゼロとは言えないと警戒したのだろう。あるいは単なる亡命者増加に対する警戒かもしれない。
韓国メディアの分析によれば、まだ金正男暗殺事件の首謀者が北朝鮮であるかは確認がとれていない。もしかしたら、北朝鮮の仕業と見せかけた国際謀略の可能性だってある。
ただ金正恩は2012年からずっと、正男の暗殺機会を狙っていたという。デイリーNK編集長の高英起は、正男には政権奪取の意思も力もないながら、国際社会で意外に評価の高い異母兄に対する嫉妬が直接の動機だという見立てを話していた。一部で正男が亡命政権を中国や韓国などに樹立することを恐れていたという話もある。
もう一つの動きは、中国が北朝鮮からの石炭輸入年内停止を発表したことだ。これは18日のことで、韓国メディアをはじめ多くの海外メディアがタイミングから言って、正男暗殺事件と無関係とはいえないとみている。中国の石炭輸入停止は昨年4月から、するするといっていたが、やってこなかった。
正男と中国の関係を簡単に述べると、正男はかねてから典型的な親中派人士であり、北朝鮮も中国式改革開放に学ぶべきだと言っていた。正日存命の間にすでに、後継者候補から外れていた正男については、中国は正日に頼まれるかたちで、早くから正男の庇護役を引き受けてきた。それは最近まで続いていたはずで、最初の妻は北京郊外の豪邸に今も住んでいるはずであるし、二番目の妻や愛人はマカオに住んでいるはずである。正男の最も優秀な息子とみられている金韓松も、パリ留学を終えたあとは、中国の庇護を受けられるマカオに戻っているはずだ。一部メディアでマレーシア入りが報じられているが、詳細は現時点では不明だ。
親中・後ろ盾の張成沢処刑で価値低下
2013年ごろまで、記者たちの目撃談では、たしか金正男には中国当局が複数の厳重な護衛をつけていた。金正男は、かつて金正恩政権のナンバー2で北朝鮮内親中派の筆頭であった張成沢(処刑済)が実の父親がわりになって育てていたこともあって、金正恩にとっては、いつ自分が排斥されて正男に政権を奪われるかもしれぬという恐れがあったとみられている。実際、中国が正男を対正恩政権外交のジョーカーに使おうと準備していたフシはある。
2013年に、突如、張成沢が残忍な方法で処刑されたのは、中国サイドが、張成沢と結託して、正男を擁立して正恩を排斥し、北朝鮮に親中政権を発足させる陰謀があるのではないかと、正恩が疑ったせいだとみられている。
中国国内では、習近平政権に追い詰められていた周永康が、北朝鮮亡命を画策し、金正恩政権の庇護を受けるために、胡錦濤政権時代に張成沢と中国共産党の間で、正恩を正男に挿げ替える可能性について話題にのぼったという情報を提供し、そのことが、張成沢はじめ北朝鮮内の親中派への苛烈な粛清の原因となったという説がある。この粛清で、中朝関係は過去最悪と言われるまでに冷え込んだ。
同時に張成沢亡き後では、中国にとっては正男の切り札としての価値は急激に下がった。だから、ひょっとすると、中国側は護衛を減らしたのかもしれない。しかしながら、正男の最大庇護者が中国であったことは変わらなかったはずだ。正男暗殺は、張成沢処刑に並んで、正恩政権の対中挑発という風に受け取られても不思議はない。
正男暗殺事件だけでなく、その前に、2月11日の北朝鮮ミサイル発射実験もあり、なにより、米大統領トランプが中国の立場を慮って「一つの中国」原則放棄のカードを引っ込めたことに対する“返礼”の必要もあり、中国側もこのタイミングで北朝鮮に対する経済制裁の全面参加を決断したといえる。これだけの材料があれば、中国共産党内の親北派を抑えて対北制裁に踏み切っても誰も文句は言えない。ちなみに中国の昨年の北朝鮮産石炭輸入量はドル換算にして12億ドル近くあった。北朝鮮の2015年の輸出総額が約27億ドルぐらいだから、相当な打撃となる。
だが、これを単純に、習近平政権VS金正恩政権の対立先鋭化とみるのは、単純すぎるかもしれない。中国と北朝鮮の関係は、米国との利害関係も絡んで非常に微妙な均衡の上にある。建前上は中朝はともに朝鮮戦争で戦った同盟関係であり、「血で固めた友誼」が存在する。また中国にとっては北朝鮮は、米国勢力との緩衝地帯であり、その存続自体に地政学的意味があることから、経済上政治上の最大パトロンであり続けた。だが、北朝鮮にとっては、中国は「生かさぬよう殺さぬよう」に自分たちの命綱を握り、外交交渉にカードとして利用するだけ利用し尽くす潜在的な敵であり、特に金正恩にとっては、自分の地位を脅かしかねない正男を庇護していただけに恨みが強い。
中国からみれば、北朝鮮はその生存を大きく中国に依存しておきながら、中国の言うことを聞かずに核兵器を保有し、その核兵器は北京を攻撃する能力をもち、さらには結果的に、韓国にTHAADミサイル配備という、中国にとって最悪の展開につながった。中国にとって北朝鮮は、中国に依存しながら、中国に刃向かい、弱小国のくせに、その安全や地政学的重要性を人質にとって大国中国を振り回す潜在的仮想敵だ。憎いにもかかわらず、表向き敵対できない、いつか殺してやると思いながら、今日も同じベッドに寝る仮面夫婦のような関係だ。
韓国THAAD配備決定で関係修復?
しかも、そこに中国共産党内の権力闘争も影響してくる。金正男、張成沢ら北朝鮮親中人脈は北京においては主に江沢民派の利権にかかわってきた。また中朝国境の東北地域においては、解放軍旧瀋陽軍区という習近平ときわめて相性の悪い旧軍区の利権であった。張成沢ら親中派人脈の粛清は、中国共産党にとっては対中挑発という文脈で捉えられるのだが、中国共産党内権力闘争においては、習近平派にとって、政敵たちの北朝鮮利権をつぶす好機となった。習近平は、江沢民派や旧瀋陽軍区とつながる既存の北朝鮮利権をつぶしながら、新たな北朝鮮利権を模索しているという見方もある。
特に韓国のTHAADミサイル配備が決まったあたりから、張成沢処刑で冷え込んだ中朝関係修復の動きが伝えられるようになった。昨年秋、北朝鮮に核兵器開発に必要な部品素材を輸出していたとして失脚させられた東北の女企業家・馬暁紅は、米国の情報筋によれば、党中央対外連絡部(部長の宋濤は習近平の核心人事の一人で、習近平の右腕として対北朝鮮外交を担っている)に属する人間であり、むしろ習近平派に属するらしい。国内で「習近平が激怒して自ら彼女に逮捕状を出した」という報道が喧伝されたのは、習近平、馬暁紅の北朝鮮利権ラインが米国につかまれたことを精一杯カモフラージュするためだという見方もある。一方で、解放軍筋から、中朝関係の悪化を伝える情報が集中して流れている。こうしたリークは、さまざまな陽動目的がありそうだ。
こういう状況を整理しつつ、最近の新華社や中国社会科学院の半島研究専門家のリポートなどを読み解いていくと、中朝関係の現状と未来については、次のような見立てが言えるかもしれない。
過去最悪、政争の具、制裁強化…楔打つ好機だが
① 現状、中朝関係は過去最悪にまで冷え込んでいる。しかしながら、習近平政権にとって、張成沢粛清や正男暗殺は、中朝対立の決定的な要因にはならない。むしろ、習近平の権力闘争に利用された感がある。ただし、米国の妨害もあって、習近平の新しい北朝鮮利権人脈の構築はうまくはいっていない。
② トランプ政権の登場で、1958年の朝鮮半島停戦以来、米朝関係は最も厳しい状況を迎えそうだが、その米朝対立の先鋭化を利用して、中国としては、潜在的仮想敵とみなす北朝鮮に対するコントロール力を強化するとともに、韓国のTHAADミサイル配備を何とか阻止したい。そのために、米国に協力して北朝鮮に対する経済制裁を強化することはやぶさかではないし、今後さらに、北朝鮮の締め付けを強化していく可能性はある。
③ 新華社世界問題研究センターのリポートを参考にすれば、北朝鮮が核保有国となることは規定路線であると中国はすでに認めている。中国にとっての最大の問題は、北朝鮮の核保有ではなく、その核保有問題を利用して朝鮮半島をアジア太平洋戦略の拠点に利用しようとする米国であり、それを阻止することが最大にして最終目標である。
④ 米国のアジア太平洋戦略を阻むために、韓国との関係正常化が必要だが、THAADミサイル配備は妥協できない。次の韓国の政権が親北政権となるのは歓迎であり、願わくばTHAADミサイル配備の白紙撤回をさせたい。だが韓国の翻意を促すには、中国が善意を示すだけでは難しく、相応の実力を見せつける必要がある。中国は今後も韓国に対しては経済圧力などを使って揺さぶりをかけていくだろう。
⑤ 中国社会科学院の半島研究専門家・李敦球の中国青年報への寄稿(1月18日)によれば、目下の状況では、韓国の次の政権が親北政権になろうとも米韓同盟が大きく損なわれる可能性は低い。半島情勢はますます緊張化し、南北衝突あるいは米朝衝突の可能性は高まるだろう。となると中国としては、適度に核問題を超越して、(現状冷え込んでいる)中朝関係正常化を加速することは現実的地縁政治の必需であり、中国の国家利益に符号する。
⑥ 南北問題は半島の病根である。南北が分裂していなければ、米韓同盟もなく、米国が半島情勢にコミットしてくることもなかった。中国が南北融和推進に積極的な役割を果たすことこそが、米韓同盟を揺さぶることであり、半島および東北アジアの地縁政治秩序を中国に取り戻すことにつながる。
あくまで中国サイドに立った見立てであり、北朝鮮には北朝鮮の思惑があろう。ただし中国にとってぶれない目標は、半島の小NATO化阻止の一点だと考えれば、いくら習近平と金正恩の相性が悪くとも、中国の方から北朝鮮を見放すことはないだろう。逆にいえば、中朝関係に本当に楔を入れられれば、半島の旗色は一気に日米韓同盟に有利に動き、中国のアジア覇権の夢に大きな打撃を与えることになるのだが、日本や韓国は、そういう中国を出し抜くような外交のできる状況にないのが、残念である。
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『米国でささやかれ始めた“合法的クーデター” 共和党がトランプ大統領を見限る日』(2/21日経ビジネスオンライン 篠原匡)について
本記事は筆者の“wishful thinking”なのではと思います。既存のやり方を変えようとするゲームチエンジャーのトランプを既存のシステムを使って妨害しようとしている構図です。ユダヤ系国際金融資本が裏で動いているのでしょう。娘婿のクシュナーはユダヤ人であるにも拘らず。アメリカ(国民)ファーストを唱えるトランプはグローバリズムの目で見れば障害物にしか見えないでしょう。中国の賄賂もグローバリストにとっては魅力なのでしょうけど。
米国のメデイアは国際金融資本に牛耳られています。敵のトランプを叩くのは当り前です。トランプはシエールオイル・ガスの産出により、ロシアと和解し、中東をロシアに任せて、中国と対峙しようと考えていたのではと思われます。フリンの辞任だって、CIAが盗聴してなければ分からなかった話です。CIAやソロスは大統領選の時から反トランプでヒラリーを露骨に応援していました。本来ヒラリーはベンガジ事件で刑務所行きが当然の人間です。トランプはヒラリーのメールについてキチンと再調査した方が良いでしょう。ただ、暗殺の可能性が高まりますが。
トランプがやりたいことは既存勢力に阻まれています。議会共和党もその一つです。既成概念に捉われているから、大局が見えてこないのでしょう。閣僚人事も承認が進まず、トランプの思惑通りの人事も修正を余儀なくされているように見えます。最高裁判事の指名もフイリバスターのため上院の60人の承認が必要で、ペンデイングになったままです。三権分立がハッキリしている米国の統治システムですので、時間がかかるのは仕方がありません。特に大幅な変革を目指そうとしていますので。トランプの反対運動をしているのは不法移民や国際金融資本から金を貰った連中でしょう。日本の沖縄で反基地運動しているのが在日や中国から裏で金を貰っている左翼と同じ構図です。グローバリストとコミュニストは親和性がありますので。
日本はナショナリスト(国民主義者)であるトランプを支援し、グローバリスト(ユダヤ国際金融資本)とコミュニスト(中国)に反対していかねば。日本の伝統文化が壊されてしまいます。
記事

2月16日、ホワイトハウスで共和党下院議員との会談に出席したドナルド・トランプ大統領。(写真:AP/アフロ)
「4年間、政権が持つのかどうかかなり疑問」
トランプ大統領は“Like a fine tuned machine(精緻に調整された機械のように)”と自身の政権運営を評しているが、足元の現実を見れば、カオスと指摘されても仕方のないような状況だ。
トランプ大統領の最側近の一人、マイケル・フリン大統領補佐官(安全保障担当)は就任前に、駐米ロシア大使と対ロ制裁について協議した問題で辞任した。労働長官に指名したファストフードチェーンCEO(最高経営責任者)のアンドルー・パズダー氏も上院での承認の見込みが立たず、指名辞退を余儀なくされた。
大統領選の最中にトランプ大統領の側近がロシア高官と接触していたという報道も浮上、フリン氏を辞任に追い込んだロシアスキャンダルに大統領自身が関与していたかどうかが焦点になりつつある。「4年間、政権が持つのかどうかかなり疑問」(大手商社の幹部)という声が上がるように、不安定な政権運営が続く。
発足1カ月にも満たず政権の持続可能性が問われるという異例の事態にあって、ある条項の存在がクローズアップされている。それは合衆国憲法「修正25条第4節」だ──。
合衆国憲法「修正25条第4節」について ■上院のウェブサイト(※ ページ下部に「Amendment XXV(修正25条)」がある) ■コーネル大学のウェブサイト
合衆国憲法「修正25条第4節」は、副大統領と閣僚による“合法的クーデター”の手順について述べた条項だ。米ワシントンポストは2月15日に、“Capitol Hill Buzz(連邦議会のひそひそ話)”というコラムで、同条項に対する民主党の関心を報じている。
“合法的クーデター”の手順
修正25条第4節は以下のような内容だ。
「副大統領および行政府長官の過半数が上院仮議長と下院議長に、大統領が職務上の権限と義務を遂行できないと文書で申し立てを送る際には、副大統領が大統領代理として権限と義務を直ちに遂行するものとする」。
つまり、ペンス副大統領と15人の閣僚の8人が「トランプ大統領は職務の遂行が不可能」と判断すれば、更迭できるということだ。
民主党の一部はトランプ大統領を放逐するための手段として関心を寄せるが、過去にこれでクビになった大統領がいないという事実が示すように、実現のハードルは高い。
副大統領や閣僚はトランプ大統領が指名した人物であり、通常の状況であれば忠誠心は高く、クーデターに加担するとは考えにくい(大統領は閣僚を解任することもできる)。また、同条項は大統領の不服申し立てを認めており、大統領の不服申し立てに対して上下両院の3分の2が副大統領を大統領代理として認めなければ、大統領の復帰が認められる。
共和党が大統領を切り捨てる可能性はあるか?
今のところ、上下両院を制している共和党はトランプ大統領を支持しており、共和党がトランプ大統領を見限らない限りあり得ない。その中でなお、修正25条第4節が注目を浴びるのは、米国の国益と2018年の中間選挙を見据えたときに、絵空事と笑えない状況になっているためだ。
共和党はオバマケアの撤廃、置き換えや大規模減税、法人税改革など宿願とも言える政策を推し進めようとしている。細部で意見の相違はあるものの、トランプ大統領も基本的に同じ方向を向いており、今のところ両者は手を携えて政策を実現しようとしている。
だが、トランプ大統領の乱暴な政権運営に対しては懸念の声も上がる。
1月27日に署名したイスラム教徒の入国制限に関わる大統領令は米国のみならず、世界中で混乱を招いた。細部を詰めず、議会への根回しもなく進めたことに対する批判は根強い。また、同大統領令の執行差し止めを命令した判事を「いわゆる裁判官」と嘲笑したことは、司法に対する侮辱と受け止められている。
それ以外にも、長女のイバンカ・トランプ氏が手がけるブランドの取り扱いを停止した米百貨店ノードストロームに対する批判、企業に対するツイート介入、メキシコ大統領との会談中止や豪首相との険悪な電話会談など常軌を逸した振る舞いが続いている。このままの暴走が続けば国益と党勢にかかわる──。共和党幹部や閣僚がそう判断すれば、大統領を切り捨てる可能性もゼロではないという読みだ。
共和党や議会の中で人気の高い、ペンス副大統領
実際、フリン氏の辞任劇では同氏が「不完全な情報」を関係者に伝えていたということがペンス副大統領にシェアされず、フリン氏の説明に基づいて最後まで擁護したペンス副大統領は赤っ恥をかいた。この件でペンス副大統領は激怒したと報じられている。ペンス氏は共和党、とりわけ議会の中で人気が厚く、トランプ大統領とペンス副大統領のどちらを望むかと聞けば、大多数はペンス氏を選ぶだろう。
支持率も低空飛行が続いており、最近の世論調査でも不支持率が50%を上回る。
冒頭の“Like a fine tuned machine”発言が出た2月16日の記者会見。トランプ大統領は従来のメディア批判とともに、ヒラリー・クリントン氏に対する批判を展開した。トランプ大統領が大統領選に勝利した一因に、有権者のクリントン嫌いがあった。今のタイミングでクリントン批判を再開したのは、同氏を再び槍玉に上げることで支持率を浮上させようという思惑だ。
「トランプ大統領は共和党の重荷になっている。ある時点で、下院での再選を固めるためにトランプと距離を置く必要があるだろう」。英マンチェスター大学のアンジェリア・ウィルソン教授(政治学)は英インディペンデント紙にこう述べた(記事)。現状では、副大統領や閣僚による合法的クーデターを「希望的観測」と見る専門家が多いが、今の状況が続けばどうなるかわからない。
ストレートに弾劾に至る可能性もある
もちろん、修正第25条第4節の発動を待つまでもなく、ストレートに弾劾に至る可能性もある。
あるワシントンウォッチャーによれば、弾劾につながり得る罪状として現時点で認識されているものに、「報酬条項違反」があるという。これは連邦議会の同意なく、大統領が外国政府から報酬や官職、称号などを得てはならないという規定だ。トランプ大統領は世界中に企業を所有しており、そういった企業を外国政府などが利用すれば、同条項に抵触する。
また、先に述べた「いわゆる裁判官」発言も、三権分立の原則を踏みにじったとして弾劾対象になり得るという指摘もある。何より、フリン氏の辞任につながったロシアスキャンダルはくすぶったままだ。トランプ大統領の関与が示されれば、事態は劇的に動き出すだろう。
現状のカオスは政権を立て直す好機という声もあるが、事態が好転しそうな気配は今のところ見えない。どう引きずり下ろすかという議論が就任わずか1カ月で始まっているところに、終末感が漂う。頼みの大規模減税や法人税改革も財源の国境税調整を巡って紛糾していることを考えれば、案外、共和党がトランプ大統領を見限る日も近いのかもしれない。
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『中国の国際貨物列車、ロンドンへ18日で走破』(2/17日経ビジネスオンライン 北村豊)について
小生が中国に初めて赴任しました1997年頃には、山賊がいて列車を襲い、物を掠奪すると言われていました。本記事にありますように、百円ショップで売られるようなものであれば、襲う値打ちもないでしょう。今の中国は2001年のWTO加盟により、経済的に豊かになりましたので。
イギリスも中国から安い物が入ってくると喜んでいて良いのでしょうか?そのうち英国産業が傾くことになり、雇用にも甚大な被害を及ぼすのではと心配になります。英国がEU離脱したのは移民問題・外国人労働者問題での自主決定権の回復と関税自主権の回復があったと思います。EU内の競争相手でなく、今度は中国が競争相手になるのでは。価格面では、中国は鉄鋼に代表されるように大量生産・過剰生産しますので、英国には勝ち目はないと思います。
中国はアヘン戦争の恨みを晴らそうと思っているハズです。英国は日本ほどヤワではありませんので黙って仕返ししようと思っているでしょう。ただ、ロスチャイルドがどう動くかです。金にしか忠誠心が無いのは中国人と一緒でしょう。気が合うのかも知れません。注視しておく必要があります。
鉄道輸送が海運より高いとすれば普通に考えれば、百円ショップで売られるようなものは海運にするのでは。中国人お得意の一帯一路の宣伝の為でしょう。昔、モルトケが育てたドイツ参謀本部は鉄道を使い、兵士の迅速・大量輸送をして戦争に勝ちましたが、今は簡単に空から線路を爆破できます。海外の線路の軍事利用はなかなか難しいでしょう。国内の反乱分子の鎮圧には威力を発揮すると思います。
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1月18日、中国・浙江省から遠路、ロンドンに到着した貨物列車(写真:ロイター/アフロ)
1月18日午後1時、英国のロンドン東部(イーストロンドン)のバーキング駅(Barking)にゆっくりと姿を現したのは、中国の浙江省“義烏市”から古(いにしえ)のシルクロードを経由して遠路はるばる英国へ到着した貨物列車だった。バーキング駅には、「“First freight train from China to UK Yiwu(義烏) to London(倫敦) January 2017(中国義烏から英国ロンドンへの最初の貨物列車 2017年1月)”」と書かれた横断幕が掲げられ、多数の鉄道ファンや英国・中国の政府関係者および鉄道関係者、メディアの記者が待ちわびる中、貨物列車がバーキング駅に到着すると観衆から万雷の拍手が巻き起こった。
68個のコンテナに「百円商品」を積んで
2017年の年が明けた1月1日の午前0時、合計700トンの輸出商品が詰まった68個のコンテナを積んだ列車番号X8024/X8065の中国・欧州直通国際貨物列車(義烏-倫敦)(以下「義・倫国際貨物列車」)が始発駅である義烏西駅から終着地の英国ロンドンへ向けて出発した。その貨物について、1月19日付の英紙「ザ・サン(The Sun)」は100万足の靴下と報じたが、そこには靴下だけでなく各種各様の日用雑貨が含まれていた。義烏市は“金華市”が管轄する“県級市(県クラスの市)”で、世界最大の“小商品批発市場(日用雑貨卸売市場)”として名高く、日本の百円ショップで販売されている商品の故郷として知られており、今では遠くアフリカ、中東からも多数の商人が押しかけている。世界のクリスマス用品の60%は義烏から出荷されていると言っても過言ではないほどである。
今回、義・倫国際貨物列車に積み込まれたのは、“杭州海関(杭州税関)”が新たに拡張した「義烏鉄道税関検査所」で2016年11月16日に税関検査を終了した貨物で、最初の義・倫国際貨物列車ということで出発の1か月半も前に万全を期して税関検査をすませたのだった。1月1日午前0時、義烏西駅を出発した義・倫国際貨物列車は34両の車両に68個のコンテナを積んで一路英国のロンドンを目指した。列車は湖北省“武漢”、陝西省“西安”、新疆ウイグル自治区“ウルムチ”を経て隣国カザフスタンとの国境の町である新疆ウイグル自治区“阿拉山口”の税関を通過してカザフスタンへ入り、その後、ロシア、ベラルーシ、ポーランド、ドイツ、フランスに到り、英仏海峡(ドーバー海峡)トンネルを抜けて英国のケント州フォークストンに到着、さらに北西に向かって走り、1月18日午後1時にロンドン東部のバーキング駅に到着したのだった。
義・倫国際貨物列車が走破した距離は1万2451km、所要日数は18日間、実質的には17日と13時間であった。伝統的な海上輸送であれば、義烏から英国の港までは35日間を必要とするが、義・倫国際貨物列車はこれを半分の17.5日間に短縮したのである。貨物到着までの所要時間を考えれば航空輸送(3~5日)の方が速いのは当然だが、列車輸送はその運賃が航空輸送の20%前後に抑えられる。なお、この17.5日間に国毎に異なるレール幅の関係から台車を3回交換していたのであり、義・倫国際貨物列車は国毎に鉄道規則が異なる中を驚異的な速度で貨物を義烏からロンドンまで運んだのである。
義烏から8路線、中国から38路線
さて、義烏から欧州へ向けて国際貨物列車が運行されたのは今回が初めてではない。これらの列車は「“義新欧”国際貨物列車」と統一的に命名され、上述した英国ロンドンを終着地とする「義・倫国際貨物列車」を含めて都合8路線が運航されている。その内訳は<表1>の通り。
<表1> 義新欧国際貨物列車の運行状況

(出所)浙江省交通運輸庁統計から作者作成
英国は義烏市にとって欧州で最大の貿易相手国である。統計によれば、2016年1~10月の義烏市の対英国輸出入総額は5.69億ドルで前年比10%増であった。このうち、対英国輸出額は5.63億ドルで前年比9.4%増、対英国輸入額は564万ドルで前年比172.8%増であった。義烏市は義・倫国際貨物列車の運行を成功させたことにより、欧州最大の貿易相手国である英国との鉄道輸送ルートを確立したのであった。
ところで、中国にとって最初の“中欧班列(中国・欧州国際貨物列車)”(以下「中・欧国際貨物列車」)は、2011年3月19日に重慶市からドイツ西部のデュースブルク(Duisburg)を終着地として運行された。この成功を契機として、四川省“成都市”、湖北省“武漢市”、河南省“鄭州市”、江蘇省“蘇州市”、広東省“広州市”、浙江省“義烏市”などの諸都市が次々と中・欧国際貨物列車の隊列に加わり、ポーランドのウッチ(Lodz)、ドイツのデュースブルグやハンブルグ、スペインのマドリードなどの欧州諸都市との間でコンテナの鉄道輸送を開始した。今回のロンドンは中・欧国際貨物列車の15番目の都市になったのだった。中・欧国際貨物列車の運行回数は2014年に100回、2015年に156回、2016年には200回に達し、累計運行回数は1700回に及んでいる。また、中国から欧州諸都市への運行路線は38本に上っている。
中国メディアが報じた中・欧国際貨物列車の欧州諸都市までの所要日数は<表2>の通り。
<表2> 中・欧国際貨物列車の所要日数

義烏市と時を同じくして2017年の1月1日午前0時に、四川省の省都“成都市”からもポーランド第3の都市「ウッチ」に向けて中・欧国際貨物列車、通称“蓉欧快鉄”<注1>が発車した。蓉欧快鉄は成都市からウッチまでの9965kmを14日間で走破するが、今回の蓉欧快鉄には、中国家電メーカー“TCL集団”製のテレビが満載されていたほかに、成都市“温江区”で栽培された生花が積み込まれていた。TCL集団の生産拠点は広東省の沿海都市“恵州市”だが、彼らはテレビの生産ラインを成都市へ移して、成都市で生産されたテレビを蓉欧快鉄で欧州へ出荷しているのである。
<注1> “快鉄”は“快速鉄路(快速鉄道)”の略。“蓉欧”の“蓉”は成都がかつて“芙蓉城(芙蓉の都市)”と呼ばれたことにちなむ。
現状のところ、蓉欧快鉄はポーランド、トルコ、ロシアの3路線あり、成都-ウッチ(ポーランド)の中央ライン、成都-イスタンブール(トルコ)の南ライン、成都-モスクワ(ロシア)の北ラインで構成されている。蓉欧快鉄にとって2017年の目標は3路線のさらなる拡大であり、2017年は芙欧快鉄を1000回運行することを予定しているという。
「一帯一路」の一翼に
2013年9月7日、カザフサタンを訪問していた中国国家主席の“習近平”は首都アスタナにあるナザルバエフ大学で講演し、「シルクロード経済ベルト」の共同建設を提案した。また、習近平は同年10月にブルネイのバンダルスリブガワンで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席した際、「21世紀海上シルクロード」の戦略構想を提起した。これは古代に中国と地中海世界とを結ぶ交易路「シルクロード」を構成した北方の「草原の道」と南方の「海の道」を現代に復活させて関係諸国による一大経済圏を建設する構想である。この両者を統合させたものが“一帯一路(The Belt and Road、略称:B&R)”経済圏構想であり、中国がさらなる発展を目指すための国家的最重要戦略なのである。2014年11月に北京市で開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議で、習近平は正式に“一帯一路”経済圏構想を提起して、関係諸国に支持と参加を呼び掛けた。
2015年3月28日、中国政府の“国家発展改革委員会”、“外交部”、“商務部”は連名で『シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロードを共同で建設するためのビジョンと行動』を発表し、具体的な一帯一路の方向性を示した。中国政府が提唱して2015年12月25日に発足したアジアインフラ投資銀行(Asian Infrastructure Investment Bank、略称:AIIB)は、創設メンバー57か国、資本金1000億ドルで、2016年1月16日に開業式典を挙行した。AIIBは一帯一路経済圏の建設を促進することにより、不振を極める中国経済を活性化させると同時に、同経済圏における中国の覇権を確固たるものとすることを目的としたものだった。
その一帯一路の一翼を担っているのが、上述した中・欧国際貨物列車なのである。古代、絹を主体とする中国産品を西域や中東へ運ぶ隊商がラクダを連ねて砂漠を踏み越え遥々と往来したシルクロードを、今では機関車に牽引された数十両のコンテナを載せた台車がラクダと比べものにならない速度で疾走している。これこそは中国と欧州がユーラシア大陸でつながっていることの証であり、中国の経済力を示すデモンストレーションに他ならない。
BBCが実況、270万人が注目
1月18日、英国放送協会(BBC)は義・倫国際貨物列車のバーキング駅到着をテレビで実況放送し、それを270万人の英国民が見たという。英国の総人口は約6400万人であるから24人に1人が実況放送を見た勘定になる。それほどまでに中国東部にある義烏市から遠路遥々1万2451kmをわずか18日間で走破した中国の国際貨物列車に対する英国民の興味は大きかったと言える。
英国では鉄道は元来国営事業であったが、1980年代のサッチャー首相時代に民営化された。このため、鉄道は多数の民営企業により複雑に分割され、運賃が値上がりしたばかりか、各民営鉄道相互間の制約が多く、英国全土の鉄道を統一的に運行することは困難となっている。従い、多くの英国人は中国から多くの国々を横断してロンドンまで18日間で到着した義・倫国際貨物列車に対し驚くと同時に強い羨望を感じたのだった。英国の或るネットユーザーは、「中国人は全長1万2000kmの鉄道を整然と秩序立てて運行できるが、英国政府と民営の鉄道会社は恐らく数百kmの鉄道もまともに運行できないだろう」と述べた。また、別のネットユーザーは、「中国の列車は中国からロンドンまで運行できたが、我々の北部鉄道ならソルフォード(Salford)からバースカフ(Burscough)までの52km、所要時間50分さえも正常に運行できないだろう」と辛らつな書き込みを行った。
こうしてみると、義・倫国際貨物列車が18日間で順調にロンドンへ到着したことは、中国の底力を見せる意味で非常に大きな意味を持っていたと言える。但し、中国は今回の国際貨物列車のロンドン乗り入れで、欧州連合(EU)の金融の中心であるロンドンに貨物を届けることにより、EU諸国への中国商品の販売を促したいというのが本来の心積もりだった。それが2016年6月の国民投票で英国のEU離脱が決定したことで、既定方針の変更を余儀なくされた。
「鼠一匹」の恐れも
1月17日付のウエブサイト“海運圏商務網(ネット)”は「理性分析:中国の“一帯一路”政策は海運貿易に影響しない」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。
(1)“中国鉄路総公司(中国鉄道総公司)”は、衣類や小包などの物品を満載して、東部の浙江省義烏市を発車した貨物列車が、カザフスタン、ロシア、ドイツを経由して1万2000kmを走行し、18日間でロンドンに到着する予定であると対外的に宣伝している。ロンドンは習近平総書記が“一帯一路”計画を提起してから第15番目の中国・欧州直通列車の終着都市になる。
(2)中国から欧州までは、列車輸送は15~19日間で、海上輸送の所要時間(33~38日間)の半分だが、航空輸送(3~5日間)に比べれば遅い。英国海事調査機関DrewryのチーフアナリストMr. Victor Waiは次のように述べた。すなわち、海上輸送のコストは列車輸送のコストに比べ顕著な優勢を保っている。特に、現在のコンテナ船の建造は節約型となっているから尚更である。これ以外に、貴重なあるいは急を要する物品は速度が速い運輸サービスを受けることが必要だが、普通の商品はその必要がない。従い、海上輸送が列車輸送に取って代わられる可能性はなく、極東から中央アジアを経て欧州へ到る貿易の中で、列車輸送が輸送市場全体に占める比率は非常に小さい。
義・倫国際貨物列車のロンドン到着は中国と英国のみならず世界中で華々しく報じられたが、専門家の目から見れば、上述したように海上輸送が列車輸送に取って変わられる可能性はないばかりか、列車輸送が輸送市場全体に占める比率は小さいという。成都市から出荷される生花のように輸送時間を短縮する必要があるものは列車輸送が必要となるが、義・倫国際貨物列車で運ばれた靴下や日用雑貨は、敢えて列車輸送にして無駄に高い輸送コストを費やす必要なないということになる。これでは“一帯一路”も「大山鳴動して鼠一匹」と言われかねない。
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スリランカ旅行-4

キャンデイ・デボンホテル。

ギガラマ紅茶工場。

コロンボ港を臨む建物。「中国港湾」の垂れ幕が見える。

コロンボ港。

