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『“紅色企業株”6月暴落と「経済政変」の行方 中国経済は“魔の木曜日”以降も暴風雨やまず』(6/28/17 日経ビジネスオンライン 福島香織)について
6/30日経朝刊<アジア投資銀、最高格付け 米ムーディーズ

第2回年次総会の開幕式であいさつするAIIBの金立群総裁(16日、韓国・西帰浦)=共同
ムーディーズは「ガバナンス(企業統治)の強固な枠組み、妥当な自己資本、流動性の高さを考慮した」と説明した。格付けの見通しは「安定的」とした。AIIBは2016年1月の開業から1年半で、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)など他の国際開発金融機関と同じ高い格付けを得た。
AIIBは自己資本が1千億ドル(約11兆円)と「同じ格付けの他の開発金融機関よりも厚い」(ムーディーズ)。6月末の投融資は約25億ドルと資本の2.5%にとどまり、大半が低リスクの世銀などとの協調融資だ。手元資金の管理も「他の開発金融と同等かそれより厳格」(同)とした。
今回の格付けには2つの「驚き」がある。
1つはムーディーズという国際大手の格付け会社から得たこと。海外市場で債券を発行しやすくなる。ドルなど人民元以外の資金も調達が容易になる。中国がロシア、インドなどと運営する新開発銀行(通称BRICS銀行)は審査の甘さが指摘される中国の格付け会社からしか「投資適格」の格付けを得ていない。債券発行も中国国内市場での人民元建てだ。
2つ目は格付けが最上級だったこと。低い金利で債券を発行できるので、低金利での融資が可能になる。日本政府内では「最上級は難しい」との見方があった。約3割と最大出資国の中国の国債が今年5月にムーディーズから格下げされたこともAIIBの格付けに響くとの指摘もあった。
AIIBの金立群総裁は6月の年次総会後の記者会見で「17年中に3つの格付け会社から格付けを取得できる」との見通しを示した。他の格付け会社からも格付けを取る可能性が高い。
格付け取得によりAIIBの国際開発金融機関としての体制整備はさらに進む。ムーディーズがリスクや財務の管理を評価したことで、AIIBは国際的な「お墨付き」を得たとアピールする可能性が高い。
ただ、ムーディーズはどのような場合にAIIBが格下げになるかにも言及した。融資審査やリスク管理が甘くなったり、中国など主要出資国からの支援が弱まったりした場合を挙げた。これまでのように堅実な運営を続けられるかどうかが高格付けを維持するカギを握る。
日本の財務省幹部は「民間企業の判断にコメントしない」としつつ、AIIBへの参加には慎重な考えを改めて示した。参加の是非を巡ってはAIIBの公正なガバナンスの確立などの条件が満たされるかを重視するという。>(以上)

上の写真は6/30日経朝刊に載った新刊紹介です。著者は上念司氏で「中国のGDPは437兆円以下で、日本のGDP522兆円に次ぐ3位」というもの。以前から中国の発表するGDPは日本以下という噂はありましたが。白髪三千丈の世界、捏造改竄が得意な中国だけのことはあります。何も根拠なく、中国のGDPの数字を挙げている訳ではないと思います(まだ読んでいませんので詳細は分かりません)。中国がこれに数字を挙げて反論するのを期待したいところですが、彼らは嘘がばれるのを恐れて何もしないでしょう。日本の左翼や反日民進党・共産党同様大手メデイアを押えておけばよいとの発想です。ですから、国民の情弱こそが問題になります。大手メデイアだけでなく、ネットを利用していろいろ情報を集める努力をしませんと。大手メデイアは中共の手先と思って見れば間違いありません。
高橋洋一氏も中国の公表するデータで唯一信頼できるのは貿易統計だけと言っています。誤差脱漏があっても相手のあることなので、大きくずれることはありません。以前は李克強指数(鉄道貨物輸送量、銀行融資残高、電力消費)が割と正確と言われていましたが、人口に膾炙し出すと、これもまた偽りの数字で発表されるようになりました。
http://ytanaka.g.dgdg.jp/chinaeconomy/newpage30.html
6/29日経朝刊<華為が日本に通信機器大型工場 中国勢で初、技術吸収
通信機器大手の中国・華為技術(ファーウェイ)が初の日本生産に乗り出す。年内にも大型工場を新設し、通信設備や関連機器を量産。日本の技術と人材を取り込み、日本や他の先進国で受注を増やす。事業買収や研究開発拠点の設置が中心だった海外企業による対日投資が生産まで広がる。中国企業が日本に本格的な工場を新設するのは初めて。

華為はスマートフォン販売の世界3位で、2016年12月期売上高は8兆円超。日本で初となる工場は、千葉県船橋市にあるDMG森精機の工場跡地と建屋を転用する。生産設備を導入し、早ければ年内に稼働する。当面の投資額は50億円程度とみられ、今後も追加投資を検討する。
華為はルーターなどのネットワーク機器が主力。高速通信網の整備を急ぐソフトバンクなど大手通信会社向けに販売が伸びている。新工場による現地生産で日本市場への供給力を高める。
中国企業による日本進出は00年代後半から目立ち始めた。業績が悪化した日本企業の買収が増えたためで、09年には中国の家電専門店大手がラオックスを買収した。本間ゴルフやレナウンなども相次いで中国企業の傘下に入った。
最近は研究開発拠点を設置する動きも広がる。自動車大手の長城汽車は16年に拠点を設け、電気自動車(EV)や自動運転の研究を開始。中興通訊(ZTE)もあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の拠点を都内に開設した。
すでに研究拠点を持つ華為はさらに生産まで乗り出す。日本は人件費の高さが課題だったが、中国の人件費が上昇して差が縮小。日本の割高感が薄まり、華為は新工場で生産管理の人材を多く採用する予定。中国流の低コスト大量生産と組み合わせ、品質と価格競争力を両立させる。
中国は「世界の工場」の役割を担ってきたが、国内の景気減速で海外市場の開拓が急務だ。日本の製造業が低コストを求めて中国に進出する動きが一巡する一方、今後は逆に中国の製造業が日本に進出する動きが活発になりそうだ。>(以上)
華為は深圳で起業した人民解放軍と関係が深い企業と言われ、商品にはバックドアが仕込まれ、米国での政府系機関に導入することを禁止する法律ができており、市場から締め出しを喰っています。いつも言っていますように二国間では互恵主義が基本で、日本は中国の土地を買えないのに(小生は買いたいとは思いませんが)、どうして中国が買えるようにしているのはおかしいと思います。彼らが買った土地に官憲は容易に踏み込めず、外交官特権のクーリエで持ち込んだ小型核や毒ガスだって工場地下に眠らせておくことは出来ます。2015年天津で起きた大爆発は記憶に新しい所です。あれも違法に化学物質を保管していました。中国人ですから何でもありです。
https://ssl.bsk-z.or.jp/kakusyu/pdf/25-8shousassi.pdf
福島氏の記事に出てきます「ホワイトグローブ」の意味は、「白手袋、汚れた手を隠すために白手袋をする人、金融の裏仕事請負人」の意味です。
本記事の最後に「帰国して投資しようと考えている海外華僑のみなさん、目をしっかり見開いて見ていてください。国内には頼りになる法治はありませんよ。やってくれば、虎の口に自らつっこむ羊みたいなものです」とネットで書かれています。上記のAIIBの格付けの記事は日経が喜んで記事にしましたが、いい加減中国礼賛は止めた方が良いでしょう。日本企業のミスジャッジを誘います。ムーデイーズや日経のトップは中国のハニトラか金を貰っているのか疑われても仕方がないでしょう。AIIBの融資実績は9件しかなく、しかも大半がADBや世銀との協調融資です。何故最高格付になるのか分からないというか、おかしいでしょう。安倍首相が「一帯一路」に条件付き参加を認める発言をした後、北京の日本商会が「中国からの撤退手続きの迅速化」を求める声明を出しました。まあ、撤退は難しいでしょう。早くとも2年はかかるのでは。AIIBは「一帯一路」を実現するための金融的な裏付けをする機関です。日本企業は戦争の可能性のある国には近づかないことです。
http://shinjukuacc.com/20170207-01/
6/21日経<中国進出の日系企業、「一帯一路」で協議会
【北京=原田逸策】中国に進出した日系企業でつくる中国日本商会は21日、中国独自の広域経済圏構想「一帯一路」の連絡協議会を設立した。会員企業間で一帯一路に関する情報を共有するほか、商談会やセミナー、講演会なども開く。
また日本商会は同日、中国政府に対して事業環境の改善を求める意見書も公表した。日系企業が中国から撤退する際に税務処理などの事務負担を軽くするよう求めた。>(以上)
記事

6月13日、中国に名をとどろかす紅色企業(革命に参加した主要ファミリーが経営や資本に関わっている企業)・安邦保険集団のトップにして、鄧小平の(元)女婿である呉小暉が失脚したことが明らかになった。9日に民生銀行から融資を受けた1000億元を横領した疑いで、身柄を拘束された、らしい。これに伴い安邦株は大暴落だ。
6月22日には、飛ぶ鳥を落とす勢いであった政商・王健林が率いる大連万達集団の株価も暴落。これに伴い王健林失脚の噂が流れた。22日午後には、中国のバフェット級投資家でもある郭広昌率いる復星集団の株価が暴落。「星野リゾートトマム」買収で日本でも知られるようになった郭広昌は2015年12月に失踪(上海市公安当局に贈賄容疑で身柄拘束されていたらしい)したが、無事復帰していたところだった。
中国経済の雄・万達、復星の株価暴落は、あまりに突然であり、22日は“魔の木曜日”と呼ばれた。その前に、米国に逃亡した闇の政商・郭文貴の暴露発言で、王岐山との癒着が噂された海航集団(南海航空集団)の株価も暴落している。
「ホワイト・グローブ」をめぐって
上記の企業に共通しているのは、政治的な強大な背景があり、その株価が鉄板と思われていた“紅色資本”であり、いずれも海外のM&Aに積極的であり、海外に巨額の資本を所有し、いずれも「ホワイト・グローブ」と呼ばれる、共産党中央の官僚・政治家の資金洗浄などを請け負っていた政商たちである。
この前に、やはり大富豪で政商であった蕭建華が香港で拉致され行方不明(北京に秘密裡に拘束されているという噂)となる事件があり、これら一見、関係ないようにも思える政商の拘束や紅色株の暴落は、実のところ関連しているとみられている。“経済政変”という言葉も飛び出している。中国経済界で一体何が起きているのか。
一連の件は、習近平の金融・保険業界の整理整頓の動きとして理解される向きも多いだろう。すでにこのコラムでも紹介したように、中国株価を自在に操る資金力を持つ大投資家・蕭建華が今年1月に、香港の五つ星ホテルから拉致され行方不明、中国北京で拘束され、取り調べを受けているといわれている(関連記事「蕭建華失踪事件から読む『習近平vs曽慶紅』暗闘」)。
彼が拉致された理由はいろいろと憶測が飛んでいるが、曽慶紅や江沢民ら太子党、上海閥の政治家・官僚たちの資金洗浄なども請け負っていたということ、また2015年6月の上海株の乱高下事件にも関わったという疑いが持たれている。習近平にとっては政敵の金庫番のような存在であると同時に、習近平の指導する金融業界整理やキャピタルフライト防止にとっては邪魔な存在であったということだ。
積極介入、積極管理の通達
4月に入ると中国保険監督管理委員会主席(閣僚級)の項俊波が失脚。そのあと、習近平は政治局会議を招集し、金融市場の活性化と安定を求める通達を出した。この通達は六つの具体的項目があったが、その六番目は「党の金融業務に対する指導を強化し、党中央委員会による集中・統一化された指導を堅持し、党が主導する金融業務の体制メカニズムを改善し、金融方面の政策決定の科学化レベルを引き上げる」。つまり金融市場の党の積極介入、積極管理の通達だった。
5月に入ると、中国保険監督管理委員会保監会は安邦保険集団傘下の安邦人寿保険株式会社に対して、三カ月の新規製品の発売禁止処分を決定。これは安邦人寿の発売する安享5号というハイリスクユニバーサルライフ保険が、規制・監督を逃れて市場秩序を乱しているなど、二種類の保険商品に違反が見られたことに対する処罰ということになっている。だが、本当の狙いは、キャピタルフライト防止しようとする習近平の意向を顧みずに海外資産買収にいそしむ怖いもの知らずの鄧小平ファミリー企業を見せしめ的に締め付けたのではないか、という見方もあった。このころから呉小暉失脚の噂が流れはじめた。そして6月についに呉小暉失脚が確定。安邦保険集団と呉小暉が中国においてどういった存在かは、過去のコラム「鄧小平一族の企業『安邦』、急ブレーキの意味」を参照していただきたい。
そして魔の木曜日事件だ。22日午前中だけで、万達集団の債券が投げ売り状態になり、2%超えの下落。深圳市場の映画関連最大手上場企業である万達電影院線は9・9%の下げ止まりとなった。この日蒸発した、王健林の資産は40億元という。
「ネットの噂」を引き金に
なぜ万達の債券投げ売りが起こったのかというと、インターネット上で、中国建設銀行など万達の主要取引銀行に対して、当局から保有する債券をすべて売却するよう通達があったという、情報が流れたからだ。万達サイドは、すぐに「銀行側に問い合わせたが、そういう通達は出ていない」として、ネット情報がデマであると火消しにまわったが、多くの人々が、王健林の失脚が近いのではないか、という予感を持った。
万達集団がハリウッド進出を目指して、無謀ともいえるような米映画関連企業の買収を行い、銀行に多額の借入金があり、財務状況が悪化していることはかねてから欧米のコンサル企業からも指摘されていた。また、米国のエンタメ業界に入れ込む姿勢は、一つ間違うと、中国独自のソフトパワー政策を掲げる習近平の不興を買う可能性もありそうだ。王健林は軍人出身であり、その父親も長征参加の革命世代。習近平ファミリーにも株を融通していたことは知られており、王健林の積極的なハリウッド買収や海外スポーツ関連の投資、買収なども習近平の意向に沿っているとも思われていた(関連記事「中国はハリウッドを乗っ取るのか」)。
だが元大連駐在記者で薄熙来失脚の内幕を暴いたことでも知られる亡命ジャーナリストの姜維平はラジオ・フリー・アジア(RFA)サイトに「王健林はひょっとして終わりか?」というコラムを寄せていて、彼が薄熙来や最近失脚した福建省の不動産王・黄如論らとも関わりが深いことを考え合わせ、失脚の確率がかなり高いのではないかとの予測を語る。
復星国際株は22日午後、8.5%という創業以来最大の暴落を経験。やはりネットの噂が引き金だった。今のところ、暴落した株価は回復したが、一時は2015年6月から始まったあの株災の再来か、と市場関係者は震え上がったことだろう。
前触れはあった。中国銀行監督管理委員会は6月半ば、大手銀行に対して、万達、安邦、海航、復星、浙江羅森などの民営企業を含む数社に対するリスク分析を行うよう要請、特に近年の猛烈な海外投資の比率などが調査対象だといわれた。こうした当局の姿勢が噂となって、この五大企業は“やばい”という心理がすでにあった上に、ネットの噂が直撃したということかもしれない。
6月上旬にルパート・フーゲワーフ研究院が発表した「2017年中国企業の越境M&A報告」によれば、中国企業が昨年海外で行った投資及びM&Aは金額にして前年比150%増、買収先は米国が一番人気で、香港、ドイツと続いているという。海外資産買収額が多いのは海航、安邦、万達…。
6月20日、中国共産党メディアの微信公式アカウント「学習小組」が、習近平の発言を流していのだが、それによると習近平は「いつの時代も権力を掌握しているのは社会の少数であり、権力の周辺には既得利益集団が集まっている。これら既得利益集団は“権力中心”に接近し、資源を独り占めし、巨大な利益を得ている。彼らは権貴階層かもしれないし、ホワイト・グローブかもしれない。…近水楼台先得月(水辺の建物では月がよりよく見える=権力に近いと得をする)、“権力が金銭に変わるゲーム”というルールを許してはならない」と語ったそうだ。習近平がわざわざホワイト・グローブに言及したことが、話題になった。
これを多くの人たちが、習近平のホワイト・グローブに対する警告、宣戦布告と受け取った。そう考えると、呉小暉失脚も、万達、復星の株価暴落(あるいは揺さぶり)も、習近平のホワイト・グローブ、既得権益層に対する攻撃、という風に理解できるだろう。
「2015年の株災」暗闘と反撃
ただし、これが純粋に習近平政権の経済政策上の現象かというと、かなり政治的な意味合いも強いと思われている。「経済政変」という言葉が出てくることからもわかるように、これは政変、つまり権力闘争とみる意見も少なくない。
香港経済日報(6月21日)がこう報じている。「最近の習近平政権が行っている金融関連政策の動きは、尋常ではなく、背後には第十九回党大会への考慮が隠然と見えている」。
報道によれば、習近平は2015年夏の株災について、経済問題ではなく、習近平に対抗する国内権貴族が、経済・政治利益を習近平から乗っ取ろうとした“経済政変”が発動した、と信じていたようだ。
“経済政変”説とは、2015年の株災は江沢民、曽慶紅、劉雲山ら上海閥の共産党金融機関のトップや、蕭建華、呉小暉ら投資家が関与し、習近平から経済・金融の操縦桿を奪おうという狙いだった、とする。目的は金融危機を通じての株民(個人投資家)の財産一掃、実体経済の悪化、大規模失業といった経済混乱を引き起こし、習近平指導部への経済界や大衆の恨みを引き起こして総書記の座から引きずり下ろすことであった、という説もある。習近平は今年に入って、そうした動きに反撃すべく、保険業界のトップの入れ替えを行い、金融市場の介入、管理強化を通達し、江沢民派、曽慶紅ら太子党の牛耳る投資企業集団をターゲットに揺さぶりを仕掛けた、という見方だ。
その黒幕こそが、呉小暉はじめ、紅二代実業家たちだという。呉小暉が横領したといわれる、民生銀行から借りた1000億元というのは、まさしく2015年の株災を引き起こした株の空売買に投入された、という話も。ちなみに民生銀行は、共青団系の初の民営銀行である。
亡命華人学者の何清漣の言葉を借りれば、中国の存在する数百に及ぶ紅色企業は、鄧小平、江沢民、胡錦涛の統治が習近平に残した政治的遺産だ。共産党は胡錦涛政権までは、資本と党を結びつける紅色企業に頼ることで、共産党の執政党としての求心力を経済成長に求めることができた。
ところが習近平時代になって、この経済成長は限界を迎え、党の執政党としての権威や求心力に利用できなくなってきた。反腐敗キャンペーンは、むしろ党内を牛耳っていた資本家を追い出す方向への転換ともいわれている。党内の資本家たちの代表は、太子党。となれば、習近平自身が習仲勲という革命世代の建国元老の息子であり太子党サラブレッドであるはずなのだが、ついに幼馴染や親戚同然の太子党ファミリー企業家を敵とみなす政策を取り始めた、ということになる。
太子党、紅二代の資本家たちは、習近平の反腐敗キャンペーンをしばらく観察した結果、紅色ファミリーを経済・金融市場から退場させようというのが習近平の最終的な狙いであると気づきはじめたのだろう。それが2015年夏の”経済政変”を仕掛けた動機であり、今年に入って習近平サイドが反撃に出ている、というわけだ。
このストーリーは一つの仮説であって、実際のところ、何が起きているのは判然としない。習近平ファミリーだって、少し以前までは紅色企業の利権にあずかる立場であったはずだ。どこか本当に太子党、紅色企業を敵に回すはずがない、という思い込みが中国ウォッチャーたちにもある。単に政権安定のために、行き過ぎたキャピタルフライトにブレーキをかけ、海外流出した資本の還流を目的とした一時的締め付けの可能性も当然残る。
「内部で殺し合いが始まっている」
しかし、もし習近平が本気で太子党権貴族、紅色資本家たちを排除し、金融や保険、株式市場の操縦桿を「習近平を核心とする党」が取り戻すというつもりなら、中国経済がこれまで進めてきた民営化、市場の自由化が一気に逆流することになるかもしれない。
ネットの天涯サイトの掲示板で、こんなコメントがあがっていた。
「内部で殺し合いが始まっている。相対的弱者がやられて、勝者が資産を山分けする。帰国して投資しようと考えている海外華僑のみなさん、目をしっかり見開いて見ていてください。国内には頼りになる法治はありませんよ。やってくれば、虎の口に自らつっこむ羊みたいなものです」
党大会まで(あるいは党大会後も?)、中国経済予報は雷雨暴風雨が続く模様である。
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『米国の没落が急加速!「アメリカファースト」政策の大失敗』(6/27ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)について
6/27ZAKZAK<【米中激戦!】「支持率低い」はつくられた? 米大手メディア、情報操作でトランプ氏たたきの理由

日本のマスコミでは、ドナルド・トランプ米大統領が「ロシア・ゲート」疑惑で弾劾されるとか、あるいは近い将来、辞任に追い込まれる、というような、まったく誤った情報が蔓延(まんえん)している。
これは米大手メディア(=メーン・ストリーム・メディア、一般に『MSM』と略称されている)が意図的に流している情報を、日本のマスコミが無自覚に垂れ流しているからだ。トランプ氏が弾劾される、あるいは辞任に追い込まれる可能性はほとんどない、というのが現実である。
ただ、トランプ氏がMSMに嫌われているのは事実である。それは彼が本格的な米国社会の革新を実行しつつあり、それに既成勢力の一部であるMSMが徹底的に抵抗しているからである。
「トランプ氏の支持率が低い」との報道もあるが、これもMSMがつくっている数字である。もし、彼らの世論調査が正しいとすれば、トランプ氏は昨年11月の大統領選で大敗北を喫していたはずだ。そして、ヒラリー・クリントン元国務長官が大統領に当選していたはずである。
昨年の大統領選で間違った情報を流したというよりは、情報操作で「クリントン勝利、トランプ惨敗」を意図的に実現させようとしたマスコミや世論調査会社が、まったく同じことをやっているのである。日本の左派マスコミによる、安倍晋三首相攻撃と似ている。
トランプ氏のスローガンは「アメリカ・ファースト」であり、「米国をもう一度、偉大な国にしよう」だ。彼は共和党の指名受諾演説で明言しているが、彼の政治的使命は「国民国家・米国の再建」なのである。「新しいナショナリズム」といってもよいだろう。
このナショナリズムに反対する左派リベラルが、多国籍企業・無国籍企業などと連携して「トランプたたき」を行っている。米大手メディアも、この「リベラル=無国籍企業」連携の一部である。国民国家・米国の再建に反対する勢力が手を組んでいるのだ。
米国で生まれても、多国籍化・無国籍化した企業は、さらなるボーダーレス・エコノミー化を推進しようとする。「ヒト、モノ、カネ」が国境を無視して自由に動くような経済が彼らの理想である。このボーダーレス化に反対し、国民経済という単位を重視しようというのが、トランプ氏の基本政策である。
ボーダーレスでなく、ボーダーを強化して、米国国民の利益を第一に考えるのが、トランプ政権である。ボーダーレスを理想とする無国籍企業からすれば、民主政治に基礎を置いて企業活動を規制しようとするトランプ氏のようなナショナリストは、敵以外の何ものでもないのである。
リベラル勢力はもともと、「アンチ・国家」であり、「国家の枠組みを破壊する」ことを使命としている。ここで無国籍企業派とリベラル派が手を組んで、国益重視のトランプ氏を引きずり下ろそうとしているのだ。単純化していえば、「グローバリスト対ナショナリスト」の対決である。
■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。著書・共著に『最強兵器としての地政学』(ハート出版)、『米中激戦!』(ベストセラーズ)など。>(以上)
北野氏の記事に出てきますペドゥート・ピッツバーグ市長は民主党です。14年に初当選しましたが、1934年~今までずっと民主党が市長を担ってきました。(Wikiより)。ずっと民主党が岩盤の地域だったのに、ピッツバーグはラストベルトと呼ばれ、民主党は何もしてこなかったので、ピッツバーグの属するペンシルベニア州はスウイングステートでもあり、トランプに勝利を齎したのかと思いました。しかし、野口悠紀雄氏は違うように書いています。では何故トランプが勝利できたのかについては触れていませんが、やはり既存の政治家のやり方では国民は満足できなくなったという事ではないでしょうか。
藤井氏の言うグローバリストとナショナリストの闘いを、トランプは「アメリカ・ファースト」という事で分かり易くしました。北野氏が言うように自分ファーストを広言する人は嫌われるのはその通りでしょう。でも、本音は皆そうで、次の人や国にどういう手を打つかという選択の問題でしょう。トランプも貿易を止めるつもりもなければ、安全保障上の同盟の責任も果たすとしていますので。既存の枠組みを見直す時に、「アメリカ・ファースト」を訴えるのは、国民にとって納得しやすいでしょう。グローバリズムの手先のメデイアに対抗するためには彼らの意に反することも、ドンドン進めて行かなければなりません。グローバリズムが善だと単純に信じ込むことはナイーブ過ぎです。今の日本も全く同じ状況です。憲法改正という戦後の垢を落とすためには、国民投票で過半数を取らないとなりません。日本の反日左翼メデイアはそうさせないよう、あらゆる面で次から次へと事件化を図っています。大きく見ればグローバリズムとナショナリズムの闘い、守旧派対改革派の闘いです。情弱では正しい判断ができません。
北野氏は「習近平は、「地球ファースト」の「フリ」をして、名声を高めている。」と述べていますが、その通りです。劉暁波の緊急入院の情報で、毛沢東が周恩来の膀胱癌での入院治療を認めず、最後になってやっと認めたときには手遅れという故事を思い出させてくれました。人権弾圧が当り前の中国の中でもそれが際立っている習近平です。いずれ馬脚を現すと思います。言う事とやることが違うのが中国人、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という社会なので、付き合ってみればすぐに分かります。それでも付き合おうとするのは人口に幻惑され、経済的にメリットを受けられるのを思ってのこと。でもリスク管理をしっかり(約束違反は懲罰的ペナルテイを多国間で課すようにしないと)しないと駄目でしょう。中国が世界の救世主になると思ったら大間違いです。30兆$もの債務を抱えているので、いずれバブルははじけるでしょうし、中国の軍事暴発を防ぐためには、北野氏の「事実をあるがままに見る姿勢」ももちろん大事ですが、それ以上に日本主導の多国間での中国封じ込めの行動を起こしていくことかと。
https://ameblo.jp/yorikawa/entry-12073037590.html
ヘリ空母いずもが大活躍中です。日本のマスメデイアももっと報道しなければ。
http://jp.reuters.com/article/angle-izumo-idJPKBN19E0Z5?sp=true
こちらは、東大の新入生の政治姿勢についての記事です。直接本記事とは関係ありませんが、面白いので載せて見ました。やはり若くなればなるほど、ネットから情報を取って、メデイアの発信する記事は信じるに足りないと思っているのでは。メデイアの「報道しない自由」と「フェイク」とがあり、左翼の「目的の為には手段を選ばず」という姿勢が不信を買っているのでは。反日民進党・共産党のメデイアとグルになっての自民党攻撃はネットを読めば如何にひどいかが分かりますので。
https://www.businessinsider.jp/post-34482
記事
トランプ米大統領が孤立している。国内では「ロシアゲート」で、国際社会では「パリ協定離脱」でバッシングされている。「アメリカファースト」を掲げ、「わが道」を行くトランプ。しかし「米国を再び偉大にする」という願いとは正反対の結果になっている。(国際関係アナリスト 北野幸伯)
G7で「俺流」を貫き メルケルに見放されたトランプ
トランプは5月、多くの国々を訪れた。大統領就任後はじめての訪問先に選んだのは、サウジアラビア。5月20日、彼はここで、大きな実績を出した。なんと1090億ドル(約12兆円)の武器輸出契約を結んだのだ。これは、日本の防衛予算の倍以上にあたる、膨大な金額だ。オバマは、サウジアラビアを冷遇し、米サウジ関係は冷え込んでいた。トランプは、両国関係を修復することに成功した。

EUの盟主・ドイツのメルケル首相は、他国とのコンセンサスにまったく興味を示さないトランプ大統領に幻滅したことを隠さない。今や米国は、世界中から孤立してしまった Photo:REUTERS/AFLO
トランプは22日、イスラエルを訪問。オバマはイランと和解することで、米国とイスラエルの関係を悪化させた。今回の訪問で両国は、「イランは、共通の脅威である」ことを確認。関係は改善された。トランプの中東訪問は、「成果があった」といえるだろう。
問題は、その後だ。
トランプは5月25日、ブリュッセルで開かれたNATO首脳会議に出席。彼はここで演説し、NATO加盟国がGDPの2%という防衛費の目標を達成せず、「米国の納税者に損をさせている」と非難した。要するに、「守ってほしければ、もっと金を出せ!」と要求したのだ。
次にトランプは、イタリア・タオルミナで開かれたG7サミットに出席。彼は、ここでも「俺流」を貫く。結果、G7声明は、米国以外の6ヵ国が「パリ協定を迅速に実施する強固なコミットメントを再確認する」という、奇妙なものになってしまった。つまりG7は、「米国と他6ヵ国」で「分裂している」ことを、世界に示したのだ。
ドイツのメルケル首相は、他国とのコンセンサスにまったく興味を示さないトランプにとことん幻滅したらしい。NATO首脳会議とG7サミットの後、米国への「決裂宣言」ともいえる発言をしている(太線筆者、以下同じ)。
<米英はもう頼りにできない、メルケル独首相が警告 AFP=時事 5/29(月) 14:02配信 【AFP=時事】 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)独首相は28日、ドイツ南部ミュンヘン(Munich)での選挙集会で、英国の欧州連合(EU)離脱やドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の就任で欧米の同盟関係に亀裂が走る中、欧州は「その運命を自ら握らねばならない」と訴えた。>
メルケルだけじゃない!世界中から批判の声が殺到
さらにメルケルはこうも述べた。
<「われわれが他国を完全に頼りにできた時代は終わりつつある。私はそれをこの数日間で経験した」。 聴衆に向けてこう述べたメルケル氏は、ドイツも欧州も米英との友好関係維持に努める一方で、「自らの運命のため闘わなければならない」と主張。>(同上)
この発言を見るに、メルケルはトランプを見限っている。これは、「重大事件」といっていい。2016年、世界GDPの21.8%をEUが占めた。そしてドイツはEU最大の経済大国で、最も影響力のある国である。実際、「EUの実態は『ドイツ帝国』だ」と主張する人もいる(例、フランス人の人口学者エマニュエル・トッド)。そのドイツの首相が、「もう米国は頼りにならない」と宣言したのだ。
トランプは6月1日、「パリ協定からの離脱」を宣言した。彼は以下のように語った。
< 私が選挙で選ばれたのは、ピッツバーグの市民を代表するためです。パリではありません。パリ協定は、ワシントンがまたしても、アメリカに不利な協定に参加した最新の例にすぎません。受け入れがたい法的リスクを押しつけ、われわれを世界の他国に対して、決定的に不利な状態に追いこみます。 われわれは、他国の指導者や国に、これ以上笑われたくない。これでもう笑わないはずだ。もう笑わない。今こそパリ協定を離脱すべき時だ。そして、新しい合意を追求すべきだ。環境とわれわれの企業を守り、われわれの市民とこの国を守る、新しい合意を>
トランプは、「ピッツバーグの市民を守るために、パリ協定離脱を決めた」かのような演説をした。しかし、同市のペドゥート市長は、即座に「ピッツバーグは、世界とパリ協定を支持する!」と宣言した。「トランプと同類にされたくない」ということだろう。
今やトランプは、世界中から批判されている。フランスのマクロン新大統領はパリ協定を守ることで、「地球を再び偉大にする!」と宣言。これは、「米国を再び偉大にする」のトランプを皮肉ったのだ。
マクロンは、トランプのオウンゴールを利用した巧みなパフォーマンスで、大いに人気を高めた。そのマクロン、メルケル、イタリアのジェンティローニ首相は1日、「米国の決断を残念に思う」との共同声明を出した。そして3首脳は、トランプが求める「再交渉」には「応じない」としている。
ロシアのリャブコフ外務次官は、パリ協定が「米国を含まない一部の国だけ優先しているというのは間違い」だと指摘。インドのモディ首相は2日、「気候変動に関してインドは責任ある国家だ」と語り、パリ協定を順守する決意を示した。国連のドゥジャリク事務総長報道官は、離脱発表は「大きな失望」とする声明を発表している。
「アメリカファースト」がトランプを孤立させた元凶
そして、非常に重要なポイントだが、米経済界からもトランプの決定に反対する声があがっている。BBCニュース、6月2日から。
<米経済界も声高に、協定残留を求めていた。 グーグル、アップル、化石燃料メーカーのエクソンモービルなど、何百もの企業が大統領に協定に残るよう要請していた。 エクソンモービルのダレン・ウッズ最高経営責任者は自ら大統領に手紙を送り、米国は協定に参加したままでも「十分に競争できる」し、協定に残れば「公平なルール確保のために話し合いの場に参加できる」と力説した。>
トランプが世界のみならず、自国内でも「孤立している」ことは、明らかだろう。
トランプは、なぜ就任半年で、これほど孤立したのか?彼に敵が多いのは確かだ。野党である民主党はもちろん、与党・共和党内の「反ロシア派」、マスコミ(特にCNN、ABC、ニューヨーク・タイムズなど)、CIAなど諜報機関、国際金融資本など。これらの勢力は、執拗にトランプバッシングをつづけている。
しかし、トランプがNATO加盟国の全首脳に、「もっと金を出せ!」と演説したり、「パリ協定離脱宣言」するのは、「彼自身の決断」だろう。なんといっても、これらは大統領選挙戦中からの「公約」なのだから。彼の言動は、彼の「思想」を反映しているだろうから、問題は「彼の思想」ということになる。
トランプの思想とは、なんだろうか?そう、「アメリカファースト」(米国第一主義)だ。
トランプのおかげで、「〇〇ファースト」という言葉が、流行している。「ジャパンファーストでいこう」という政治家もいるし、「都民ファースト」という言葉も、しばしば耳にする。「米国の大統領が使うから」と、あまり考えずマネをする人が多いのは、危うい傾向だ。
もし「私は、『私ファースト主義者』です。自分の利益を最優先させます!」と宣言する人がいればどうだろう?この人は、人々から愛され、会社でトントン拍子に出世していくだろうか?そんなことはないだろう。
「私ファースト」のことを、一般的な言葉で「エゴイスト」(自己中心主義者)という。「エゴイズム」は、世界のどこでも「悪いこと」とされ、嫌われる運命にある。
では、ある企業の社長が、「『わが社ファースト』でいきます。お客さまのことよりも、わが社の利益を最優先させます!」と宣言したらどうだろう?普通、そんな会社から買いたいとは思わないだろう。
「自国ファースト」を掲げた国は次々にボロボロに
トランプの「アメリカファースト」は、「米国民の利益を最優先させる」という意味もあるだろう。会社でいえば、「従業員第一主義」だろうか。トランプが、「米国民の利益を最優先させる」といえば、アメリカ人が彼を支持する理由もわかる。これは「国内世論」的には正解だが、「国際世論」を味方につけることは、まったくできない。
実際、彼は「米国企業を守るため」という理由で、「パリ協定離脱」を宣言したが、国際世論を完全に敵にまわしてしまった。一方、フランスのマクロン大統領は、「地球を再び偉大にする!」といって、国内外の名声を高めた。
そして、国際社会から孤立してしまえば、実は米国民たちも不利益を被る。それをよく知っている米経済界はパリ協定離脱に反対したが、トランプは押し切ってしまった。「アメリカファースト」は、決して自国民に有利な戦略でもないのだ。
このように、トランプが孤立する理由は、「アメリカファースト」という彼の思想自体にある。筆者は2016年4月、「トランプ大統領誕生なら米国は覇権国家から転落する」という記事を書いた。残念ながら、米国は予想通りの方向にむかっているようだ。
実際、「自国第一主義」的スローガンや言動で、孤立したり叩かれたりする例は、トランプ以外にもある。たとえば安倍総理は12年、「日本を取り戻す」というスローガンを掲げて再登場した。中国は13年、熱心に「安倍は右翼」「安倍は軍国主義者」「安倍は歴史修正主義者」というプロパガンダを展開。結果、13年12月に総理が靖国を参拝すると、世界規模で「安倍バッシング」が起こった。
「靖国参拝を批判したのは、中国と韓国だけ」というのは、事実と異なる。実際は中韓に加え、米国、英国、EU、ロシア、台湾、シンガポール、オーストラリアなどが参拝を非難している(ここでは詳細に触れないが、「ウソだ!」と思う方は、是非本連載バックナンバー「“恐怖の大王”プーチンが日米関係を変えた 日米vs中ロの新パラダイムをどう読むべきか」を参考にしていただきたい)。
プーチンは、「ロシアの国家イデオロギーは、『愛国主義』だ」と語る、「自国第一主義者」だ。彼のもっとも好きな言葉は、「ナツィオナリニー・インテレス」(国益)だろう。14年3月、プーチンは「クリミア併合」を決断した。ロシア国民はこれを熱狂的に支持したが、欧米日はロシア制裁を決めた。その結果、ロシア経済はボロボロになってしまった。
習近平は12年、「中国の夢」という「自国第一主義」的スローガンを掲げて登場した。オバマが、シリア、ウクライナ、ロシアとの争いで多忙だったことから、しばらく問題はなかった。しかし、15年3月の「AIIB事件」後、オバマは、中国を激しくバッシングするようになっていく。
結果、15~16年にかけて、中国経済はボロボロになってしまった。16年1月、ジョージ・ソロスは、「中国経済のハードランディングは不可避」と発言し、世界に衝撃を与えた。
バリバリのナショナリストだった 習近平はグローバリストに豹変した!
このように「自国第一主義者」は、叩かれる運命にある。しかし、「方向転換」することも可能だ。
たとえば、安倍総理は、もはや「日本を取り戻す」と大声で主張しない。「日本は、自由主義のチャンピオンありたい」などと、グローバリストを喜ばせる発言をしている。その一方で「憲法改正」にむけて、布石を打っている。これは、バランスをとっているのだ。
もっとひどく「豹変」したのは、習近平だろう。彼は、トランプが「アメリカファースト」で孤立している様を見て、「逆の道を行く」ことにした。
今年1月に開かれた「ダボス会議」は、「お通夜のようであった」という。ここに集まるのは、世界のエリートで、大抵はグローバリストである。なぜ彼らがナーバスになっていたかというと、世界最強国家・米国で、「ナショナリストの大統領」が誕生したからだ。
習近平は1月17日、ダボス会議に乗り込み「グローバリズム絶対支持宣言」演説をし、グローバリストを味方につけた。さらに、1月18日、習はジュネーブの国連欧州本部で演説。なんと「核兵器のない世界実現」を呼びかけた。6月1日にトランプが「パリ協定離脱」を宣言すると、中国は、即座に「パリ協定を順守していく」と声明を出した。
現状の世界を見るに、トランプは「アメリカファースト」によって孤立している。一方、習近平は、「地球ファースト」の「フリ」をして、名声を高めている。
「日本には尖閣だけでなく沖縄の領有権もない」と宣言している国が、影響力を増している。中国の脅威に怯える日本人には、受け入れたくない事態だろう。しかし、世界で起こっていることの事実は、日本に都合のいいことも、悪いことも、「あるがまま」に知っておく必要がある。
「世界で起こっていること」の「事実」を知らずに、適切な対応策を考えることはできないのだから。
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『相次ぐ下院補選敗北、米民主党はどこへ行く 苦境に立つトランプ大統領を攻めあぐむ?』(6/27日経ビジネスオンライン 高濱賛)について
6/28日経<軍事研究と大学(下)政府調達てこに技術革新 常設の司令塔で機能強化 角南篤・政策研究大学院大学副学長
2045年には人工知能(AI)が人間の能力を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)が訪れるとされる。それが現実になるかどうかは分からないが、すでにIoT(モノのインターネット)は私たちの生活環境を大きく変え、新たな産業構造への転換(第4次産業革命)による期待と不安が、経済社会から安全保障に至るまで様々な課題を突き付けている。


第4次産業革命は、宇宙、サイバー、海洋などの空間を一体化させる巨大な情報インフラだ。これらの空間はかつて人類が未踏だった領域で、科学技術の発展により、主要国の覇権争いが今後激しさを増すと予測される。また安全保障と民生の双方で必要とされるデュアルユース(軍民両用)技術のインパクトが最も顕著な空間であり、こうした技術を開発・獲得して「技術的優越」を確保することは、国際社会における新たな秩序の構築に大きな影響力を持つことになる。
それゆえ主要国は「核心的技術」の獲得に向けたイノベーション(技術革新)システムの構築に心血を注いでいる。AI、ロボット、無人機、3Dプリンター、脳波で機械などを動かすブレイン・マシン・インターフェース(BMI)といった核心的技術は、新しい産業構造を支える基盤であり、国家の安全保障においても重要な影響を与える技術群といえる。
最先端技術で技術的優越の確保を明確に重要視してきたのが米国だ。第2次世界大戦の直後は、航空、レーダー、暗号解読、原爆開発の成功で世界をリードした。ところが1957年にソ連が人類初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げ、技術分野でライバルに先を越されてしまった。その上、自分達の手の届かない上空から敵に見下ろされるという恐怖は、最先端技術で競争相手国に敗れることが直接の脅威につながるということを実感させた。
スプートニク・ショックを2度と繰り返してはならないとアイゼンハワー大統領が58年に設立したのが国防高等研究計画局(DARPA)だ。ここから誕生した技術がインターネットや全地球測位システム(GPS)などで、いずれも世の中の常識をひっくり返す斬新な「ゲームチェンジャー」だった。
米国は現在、次のゲームチェンジャーとなりうる最先端技術の研究開発で、敵の軍事的優位を相殺することを目的とした第3のオフセット(相殺)戦略を展開している。戦略のキーワードは外部の技術やアイデアを研究開発に生かす「オープンイノベーション」だ。情報通信技術(ICT)などの民生技術を安全保障にも使う「スピンオン」へのシフトを意味している。
一方、中国も建国当初から核心的技術の開発に力を入れ、改革開放が始まるまでは原子力や宇宙分野などの技術開発に取り組んだ。政府、人民解放軍、国有企業が連携し、例えば政府の宇宙・サイバー技術を国有企業にスピンオフして民生部門の競争力強化につなげていくあたりは米国のモデルに近い。
今後は先端技術で社会生活を豊かにする「超スマート社会」をリードするため、ロボット技術やAIなどを融合し宇宙空間を利用した情報通信インフラを広域経済圏「一帯一路」に展開する方針だ。習近平政権は宇宙、原子力、船舶のほか、量子通信、ロボット、バイオメディカルなどに重点投資する2兆円超の官製ファンドを立ち上げ、中華民族の偉大な復興という「中国の夢」を先端技術開発でも実現しようとしている。
日本も第4次産業革命を推進し、コネクテッドインダストリー(つながる産業)の創出を通じた超スマート社会「ソサエティー5.0」の実現を目指している。言うまでもなく、核心的技術の獲得による技術的優越の確保は重要な課題である。ただ、この取り組みで世界をリードしてきた米国とは、いくつかの重要な点で違いがある。
米国は国防総省が大きな役割を担っており、基礎研究から開発までを支援したり、中小企業技術革新制度(SBIR)などを活用した政府調達で需要サイドからイノベーションを引き起こしたりしている。一方、日本は防衛部門に同様の役割はそもそも存在せず、軍需工場も持たない。防衛関連の企業も収益などは民生事業に依存している。
こうした現実を前提として、ハイリスクだがゲームチェンジャーになるような核心的技術を創出するために、日本ならではのイノベーションのエコシステム(生態系)の構築が求められている。そこで、核心的技術の源泉となる長期的な基礎研究や基盤的研究を担う大学や国の研究開発法人への期待が大きい。
一方、大学や研究開発法人の先端性を確保するには、国際的にも開かれたオープンで研究者の自由な発想を引き出す研究環境が必要不可欠だ。そうした研究成果を企業との産学連携で実用化につなげていき、その過程においても大企業と中小ベンチャー企業との効果的なマッチングが常態的に発生するよう、大学、研究開発法人、産業界それぞれにかかわる制度改革を後退させてはならない。
今後とりわけ重要になるのは、政府が需要サイドからイノベーションをけん引するために調達制度を見直し、企業の予見可能性を高めてハイリスクな研究に産学で取り組みやすい環境を作ることである。我が国でも、DARPAを参考にした内閣府の「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」など、核心的技術に関して研究開発から産業化まで視野に入れた新しいエコシステムを構築する取り組みが始まっている。
2015年には防衛装備庁が基礎研究に資金を提供する「安全保障技術研究推進制度」も創設された。こうした取り組みが我が国の基礎研究力の向上につながるように、課題領域の設定や運用について、国内外の専門的知見を最大限活用することが肝要だ。
今後は、核心的技術の動向を把握して技術開発戦略を展開する一方、新しいシステム全体を管理する司令塔機能の強化が求められる。例えば、多義性のある技術について調査・分析・評価や提言をする有識者委員会を政府内に設け、その上で時限のImPACTを発展させた真のDARPAのようなプログラムを常設する。さらに、情報収集・分析機能を担う本格的なシンクタンクも必要である。
技術的優越を確保する上で最も重要なのは、国際標準の獲得である。新しい核心的技術が社会に実装される過程で、それを規定するさまざまなルール形成に関わることは、産業競争力に大きな影響を与える。外生的に与えられたルールに適応するためのコストは大きく、グローバル経済における市場獲得戦略の一つとしてもルール形成を有利に動かすことが重要である。
戦略的な国際標準化活動の推進は、最先端技術が切り開く新たなサイバーや宇宙空間でのガバナンス(統治)の在り方にもつながる。イノベーションが経済活動や安全保障に与える影響が極めて高いことからも、規制も含めた国際的なルールやガバナンスのメカニズムの構築が急がれる。
新しい産業構造の創出による経済発展のためにも、技術的優越の確保は欠かせない。我が国でも核心的技術の開発を軸にしたイノベーションシステムの構築が急がれる。
〈ポイント〉 ○第4次産業革命で技術的優越の確保急務 ○米は安全保障で民生技術の活用にシフト ○新しい核心的技術の国際標準獲得が重要
すなみ・あつし 65年生まれ。コロンビア大博士。専門は科学・産業技術政策論>(以上)
軍産学の共同研究についての提言です。米中と言うか世界各国では当たり前のように行われていることが戦後の日本では行われてきませんでした。GHQの呪縛から脱し切れていないという事です。況してや日本学術会議はアカに乗っ取られて「大学の軍事研究反対」声明を出す始末。自分たちの生存を他者に依存するのでは奴隷と何ら変わりがありません。日教組や日弁連もノイジーマイノリテイに押されて、マジョリテイはサイレントの役を演じてきました。そろそろこういう態度は止めて、マトモに国防を考えるようにしないと。日経に本記事が載るようになったのも、メデイアの論調の変化の兆しかも知れません。政策研究大学院は左翼・リベラルが多い印象を持っていましたが、そうでもないようです。角南篤氏は米国の大学・大学院を出ていますので、イデオロギーではなく、現実を見据えた対応を考えることができる人物と思います。こういう人が学会で主流になってほしい。
トランプの勝利は選挙だけでなく、6/27ロイター<入国制限の米大統領令、最高裁が一部容認 秋以降に最終判断>という記事にありますように、トランプの大統領令の「6ケ国からの一部入国差し止め」を最高裁が認めました。 4/7にニール・ゴーサッチ氏が最高裁判事に選ばれ、保守派判事が9人中5人を占めた効果が出たためです。トランプを支援した故フィリス・シェラーフリー女史は正しかったと思います。
https://jp.reuters.com/article/usa-court-immigration-idJPKBN19H2AD
https://matome.naver.jp/odai/2147428507352178601?&page=1
本記事にありますように、共和党の岩盤はそう簡単に崩れないでしょう。ケント・ギルバート氏が言っていますように、米国メデイアはリベラルばかりですが、カリフォルニアやNYの論調だけ見ると、そうなります。去年の大統領選で日本のメデイア、評論家が読み間違えたのも、それが理由です。左翼リベラルは日米問わず、世論を誘導すれば政治家選出も何とでもなると言った驕りを感じさせます。民意はそんなに簡単には動きません。日本でも「一度民主党にやらせてみれば」とメデイアがキャンペーンをうって政権を取らせましたが、失敗の連続でした。国民も分かっていますので、反日民進党は、復活はおろか、解体の憂き目に遭うのでは。森友・加計・豊田・豊洲問題があっても反日民進党は低支持率なのが、それを暗示しています。
記事
—「ロシアゲート」疑惑の影響もあってドナルド・トランプ米大統領の支持率は30%台に低迷しています。にもかかわらず6月20日に行われた米下院の補選で、民主党は二つとも負けてしまいました。なぜですか。
高濱:理由は簡単です。サウスカロライナ州第5区とジョージア州第6区はともに共和党の金城湯池だったからです。

米ジョージア州の下院補選で当選したカレン・ハンデル氏。共和党の筋金入りの保守層に対象を絞った選挙戦が功を奏した(写真:ロイター/アフロ)
で、その選挙結果をどう見るか。二つの見方があります。
「6月20日に行われた補選の選挙区は共和党の牙城だから負けても当然なところを、よくここまで共和党候補を追い詰めた」(ニューヨーク・マガジンのジョナソン・チャイト記者)という見方。 (”This Might be the Worst Democratic Freak out Ever,” Jonathan Chait, New York Magazine, 6/21/2017)
もう一つは、「民主党は、ジョージア州第6区ではなんとしてでも勝って18年の中間選挙に向けて弾みをつけようと臨んだ。接戦だったが負けは負け。共和党は『トランプ・アレルギー』を超えて党勢を維持すべく、党主流とトランプ支持の反主流が連帯感を持ち始めたようだ」(ジ・アトランティックのデイビッド・フラム記者)という見方です。 (”It’s Trump’s Party Now,” David Frum, The Atlantic, 6/21/2017)
補選はトランプ政権の信任問うリトマス紙
トランプ政権が発足して以降に行われた下院補選はこれで5回(カンザス、モンタナ、カリフォルニア、ジョージア、サウスカロライナ)。共和党の4勝1敗*となりました。 *:民主党の1勝はカリフォルニア州第34区。民主党現職議員が州司法長官に就任したため補選が行われた。本選は民主党候補同士の一騎打ちとなり、ジミー・ゴメス州下院議員が当選した。
6月20日に下院補選が実施された2選挙区について詳しく見ます。
サウスカロライナ州第5区は、ミック・マルバニー議員が行政管理予算局長(OMB)に就任したため欠員となりました。
同区は同州北部の農村地帯で、人口の67%は白人、黒人は29%。白人の多くはトランプ氏を当初から支援していた「中流の下」の農民・労働者層です。草の根保守「ティーパーティ」(茶会)支持者の多い選挙区です。
一方のジョージア州6区はトム・プライス議員が厚生長官に転出したため欠員となった選挙区です。同区はアトランタ市の近郊で、日本流に言えば「ベッドタウン」です。人口の72%は白人、黒人13%、ラティーノ(中南米系)12%で、有権者の多くは「中流の中」です。16年の選挙では、プライス氏が投票総数の61%を得て当選しています。
—トランプ大統領が閣僚や連邦判事に指名した下院議員は選挙が強い人ばかりなのでは? そうしないと下院における共和党の議席が減ってしまうからですか。
高濱:その通りです。ただ問題なのは、大統領は支持率30%台に低迷しています。その大きな要因は「ロシアゲート」疑惑です。いくら共和党が強い選挙区でも、また強力な候補者を立てたとしても、大統領自身がネガティブ要因をばらまいているわけですから(笑)共和党候補が絶対勝つとは言えない状況にありました。
つまり今回の下院補選はトランプ大統領への信任を問うリトマス試験紙のような意味合いを持っていたのです。
共和党候補はトランプ天敵の保守強硬派
—サウスカロライナ州の補選にはどんな候補が立候補したのですか。
高濱:共和党は、地元不動産会社の経営者を経て、08年から州下院議員を務めているラフル・ノーマン氏(64)を立てました。保守強硬派で、当選すれば「フリーダム・コーカス」(自由議員連盟)*に入ると断言しています。つまり「親トランプ」でないことだけは確かです。
ノーマン氏は選挙戦中、トランプ大統領についてはほとんど触れず、「医療保険制度改革」(通称オバマケア)の破棄一本に焦点をしぼりました。
*:フリーダム・コーカスは共和党下院の保守強硬派40人前後からなる議員連盟。トランプ大統領が提案したオバマケアの代替法案に反対するなど「トランプの天敵」とされている。
民主党は、司法省の税担当検事や下院歳入委員会スタッフなどを歴任した中道派のアーチー・パーネル氏(66)を立てました。同氏は「ロシアゲート」追及をキャンペーンの軸に据えました。
5月中旬段階での世論調査では、共和党ノーマン氏(53%)がパーネル氏(36%)を大きく引き離していました。しかし終盤でパーネル氏が猛追。結果はノーマン氏が僅差で当選しました。同氏の得票率は51%、パーネル氏は49.9%。票差はわずか2836でした。
サウスカロライナ州民主党支部で働く幹部の一人は、筆者にこう語りました。
「わが民主党は、共和党の金城湯池であるこの選挙区でもこれだけやれた。いま中間選挙をやればば勝てる。『ロシアゲート』で国民の信頼を失った共和党は中間選挙で必ず打ち負かせる」
「『トランプ政権はめちゃくちゃで任しておけない。政権があと4年続くというなら、まず議会に<民主党政権>を作らねばダメだ』という有権者の声がはっきりと表れた。この声はいずれ全米で『ツナミ』を起こすはずだ」
民主党、ジョージア州補選に2250万ドルを投入
—ジョージア州第6区のほうはどうでしたか。
高濱:同区は、民主党がカネとエネルギーを最もたくさん投入して戦った補選でした。民主党の戦略チームは、やれば勝てると踏んだのでしょう。
この選挙区は、トランプ大統領の盟友、ニュート・ギングリッチ元下院議長の地盤です。ですから民主党、ここで勝つことは、16年大統領選で負けた屈辱を晴らす絶好のチャンスと掛け声をかけていました。
共和党の候補は、カレン・ハンデル氏(55)。40年間、共和党ジョージア州支部で党勢拡大のために働いてきた女性です。一方の民主党候補はジョン・オーフソ(33)という全く無名のドキュメンタリー作家兼ジャーナリスト。選挙区に住んだことが一度もない「落下傘候補」です。
二人の戦いぶりは対照的でした。ハンデル氏は、共和党支持者を集めた小規模な会合や、メディアをシャットアウトした個人集会に専念しました。確実に票を入れてくれる共和党支持者に標的を合わせた戦術でした。ハンデル氏の狙いは72%いる白人のうちの筋金入りの保守層だけを狙った捨て身の作戦だったわけです。かつて小沢一郎氏(現自由党代表)が自民党時代に盛んにやっていた徹底した「どぶ板作戦」に似ていますね。
一方、オーソフ氏は若さをいかして、票のあるところならどこへでも赴くキャンペーンを展開。共和党系の会合にまで顔を出して支持を訴えました。
これに対して民主党本部は、まさに全米規模のメガ作戦を展開し、大物を応援に送り込みました。民主党全国委員会、議員選挙対策委員会をはじめとする民主党系PAC(政治活動委員会)が一丸となって選挙資金を集め、2250万ドルの資金も集めた。下院選にこれだけの選挙資金を集めたのは史上初だと言われています。まさに「金権選挙」(と言ってもカネを不正に有権者にばらまくわけではありません)です。
オーソフ陣営は、潤沢な選挙資金を使って運動員100人を雇ったほか、全国各地から1万2000人のボランティアを集めました。テレビ、ラジオ、インターネットなどに掲出した政治広告の費用は1100万ドルに上ったそうです。
共和党のほうが「金持ち」のイメージが一般に強くあります。しかしハンデル氏が集めたカネは、オーソフ氏の13%、310万ドルにとどまりました。
—トランプ大統領の政治手法、とくに「ロシアゲート」疑惑は選挙にどの程度響きましたか。
高濱:ハンデル氏も、サウスカロライナ州のノーマン氏と同じようにトランプ大統領についてはほとんど触れずしまい。「真実の解明こそ国民の知る権利だ」との抽象論に終始しました。つまり勝つためには、「トランプ隠し」が一番と考えたのでしょう。あとは共和党主流が主張してきた伝統的な保守政治の推進と経済政策に絞りました。
一方の民主党のオーフソ氏の「錦の御旗」はトランプ攻撃でした。「私は、トランプの疑惑を解明する、皆さんのエージェント(代理人)になる」と宣言し、折からの「ロシアゲート」疑惑を追い風にして戦いました。
突き崩せない共和党の南部中西部の「岩盤」
—それでもオーソフ氏は勝てなかった。民主党内には失望感がひろがっているのではないですか。
高濱:オーソフ氏自身は選挙結果を受けてこう言っています。「運動員の皆さん、支持者の皆さん。皆さんは『希望のたいまつ』を高く掲げてくれました。そのたいまつは、ジョージア州民を照らすだけのものではありません。世界中の人々へ示したたいまつです。この戦いは今始まったばかりです。『希望のたいまつ』は燃え続けます」
これまでジョージア州第6区では、大統領選でも上下両院選でも、共和党候補が60%の票を獲得してきました。12年の大統領選では、ミット・ロムニー共和党候補(当時)がバラク・オバマ民主党候補(同)に23%差をつけました。
それが今回の補選では、民主党のオーフソ候補と共和党のハンデル候補との差は3.8%、得票数の差は1万と拮抗しました。
リベラル系オンラインメディア「デイリー・ビースト」のパトリシア・マーフィ記者はこう解説しています。
「ハンデル氏は、これまで40年間積み上げてきた地元保守層との絆と政治的実績をアピールすることでかろうじて勝利した。『トランプ政治』を切り離したことが奏功した。一方、民主党は全党を上げて総力戦を繰り広げたが、今一歩及ばなかった。民主党が18年の下院選挙で過半数をとるには、岩盤のように固い南部・中西部の共和党支持基盤を崩さねばならない。中間選挙に向けて民主党の課題は残った」 (”Jon Ossoff’s $23 Million Loss Shows Dems Have No Idea How to Win in the Age of Trump,” Patricia Murphy, The Daily Beast, 6/21/2017)
民主党若手から首脳部批判も
—トランプ政権が発足して以降に行われた補選で民主党は1勝4敗。党首脳部への批判などは出ていませんか。
高濱:出始めています。下院の若手議員は補選で連敗した理由についてこう言い出しています。
「旧態依然とした民主党のイメージがトランプのイメージよりも悪いからだ」(ティム・ライアン下院議員=オハイオ州第13区)
「イメージを変えるためには今の党首脳を刷新することが必要だ」(キャサリン・ライス下院議員=ニューヨーク州第4区)
下院議員にとって来年は、生きるか死ぬかを決める中間選挙です。それだけ神経質にならざるをえません。
これに対して、ナンシー・ペローシ下院院内総務は、声を荒げて弁明しています。「ジョージア州第6区という共和党地盤で数%差まで追い詰めることができたのは大成果だ。私は党内での支持基盤に自信を持っている。私がどれだけ院内総務のポストに留まるかどうかは、あなたたちが決めることではなく、私自身が決めることだ」
ノースカロライナとジョージアの補選が終わり、次の下院補選は11月7日に実施されるユタ第3区です。現職のジェイソン・チヤフィッツ共和党議員が6月30日に辞任するからです。健康上の理由とのうわさがもっぱらです。この選挙区も94年以降、共和党候補が圧勝してきました。
「ユタの補選は中間選挙まできっかり1年という区切りの時期に実施される。ここで民主党がどこまで戦えるか。中間選挙を占う上で極めてカギ」(米主要紙の政治担当論説記者)となりそうです。
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『日本にも「移民局」が必要だ 『なぜ、世界は“右傾化”するのか?』対談(後編)』(6/25日経ビジネスオンライン 池上彰・増田ユリヤ)について
本記事では、移民受け入れが公理のように論じられている感じがします。労働力不足の観点からだけでは、不景気になれば、外国人労働者の帰国の問題が生じるでしょう。労働力の問題は、長期的にはAI、ロボット化で、中期的には雇用のミスマッチのある業界の賃金アップ、高齢者・女性の活用、短期的には外国人研修生で対応すればよいのでは。但し、外国人研修生は3年の任期が過ぎたら、再度の研修生での入国は認めないよう取り締まりを厳しくしないと。日本の企業経営者は内部留保に血道を上げるのではなく、消費者ともなる被雇用者の賃金を上げるべきです。
外国人研修制度は、人口侵略を目指している中国のカモになります。その内、増え過ぎれば今沖縄で行われている反基地闘争のようなことが東京で起きるかも知れません。中国人は偽物大国ですから、パスポートだって偽名で作れます。例えば劉明(Liu Ming)劉敏(Liu Min)のように英語で最後のgを消して署名すれば別人で再発行できます。入国審査の顔判別の精度を上げないとダダモレになります。
http://www.imin-nanmin-gaikokujin.com/entry/2017/02/04/125046
6/25産経ニュースには「中国経済データ「水増し」横行で統計法施行へ 改竄には厳罰も 8月1日から 管理組織を新設」という記事がありました。中国で流通する人民元の2割が偽物、小生が中国滞在時代(97~05年)によく言われていた「世界の偽物の4割は中国で作られ、その内の4割は広東省で作られる」事を考慮すれば、疑問符がつきます。賄賂と同じく改竄・捏造が社会的に当り前の国です。立派な環境保護法があっても、賄賂で運用を如何様にでもできる国ですから、本法も実効性は薄いでしょう。
http://www.sankei.com/world/news/170625/wor1706250018-n1.html
本記事の二人の論議は、世界は善人で溢れているという前提で進めていますが、おかしくはないでしょうか?上述の中国人の例を見れば分かりそうなものなのに。また、今欧州で一番問題になっているのは難民でしょう。何故欧州が難民を受け入れないといけないのか。欧州が困っているのであれば、内政干渉してでも、難民が祖国に留まれれば良いようにしたら良いと思うのですが。内政干渉できないのであれば、難民受入はストップすべきです。自国民を不幸にするだけです。日本も「中国人、朝鮮半島人を受入よ」となったら困るでしょう。米朝戦争が現実のものになったら、敵はそう迫ってくるかも知れません。ガードを固くして国民の意思を示さないと。
記事
(前編から読む)

—英国のEU離脱、アメリカのトランプ大統領の誕生、フランスでの極右勢力、国民戦線の台頭、ポーランドなどの政治の保守化、そして欧米全体を覆う反イスラム主義。池上さんと増田さんの著書『なぜ、世界は“右傾化”するのか』とお二人の解説によれば、いま世界で起きているのは、言葉通りの「右翼化」ではなく、極端な一国主義の台頭である、と。そこで連想するのが、日本における移民問題です。少子高齢化の進む日本で、保守・革新どちらの側にも、積極的に移民策を進める話はなかなかでてきません。
増田:まず、日本人のマインドに、移民や難民の受け入れがなじまないという実態があります。
地続きで隣国と接していて、たくさんの植民地をアジアやアフリカに有していたヨーロッパ各国や、そもそもが移民国家であるアメリカでは、絶えず移民がやってくるのは当たり前でした。一方、島国国家の日本の場合、文化や宗教の異なる外国人がどんどん押し寄せる、という経験をしていません。だから、「移民政策が必要かもしれない」と頭では理解していても、全く異なる文化や宗教を持っている人たちとお隣さんになる、ということに肌身では納得できない側面があるでしょう。結果、人手不足にもかかわらず、インドネシアやフィリピンなどからやってきた人たちに介護されるのに抵抗感を覚える、という人たちが少なくなかったりする。
こうした日本人の意識を前提に、海外からの移民を受け入れるのなら、どういう形でなら受け入れやすいのかを考えていかないとならないと思います。日本の人口が減少し、高齢化が進むのは、逃れられない事実ですからね。
日本も移民局をつくるべき

池上 彰(いけがみ・あきら)/1950年、長野県生まれ。1973年から2005年までNHKに記者として勤務。2005年からフリーランスのジャーナリスト。2012年から東京工業大学教授に。2016年、東工大を定年退職し、名城大学教授に。東工大でも特命教授として引き続き講義を受け持つ。今年度は計7つの大学で教壇に立つ。(写真:陶山 勉、以下同)
池上:今、コンビニエンスストアに行くと、店員の多くが外国人です。物流センターなどで働く人も外国人が多いと聞きます。介護や福祉の専門学校や大学では、多数の留学生を受け入れており、彼ら彼女らがそのままこうしたアルバイトについているケースも見受けられます。また、農村や漁村には、技能研修生という名の、事実上の移民が入っています。
前回、日本では公式には移民政策をとっていないと言いましたが、一方で、留学生や短期の労働者として日本で働いている外国人は数多くいるのです。でないと、日本の「現場」は人手不足で立ち行かなくなってしまう。つまり、建前と現実に大きな乖離が生まれているのです。ここで、日本のずるい建前と本音の使い分けが透けて見える。人手不足だから外国人に頼るしかない。でも、本当は入れたくない。だから、建前としては認めていないけど、移民という名目じゃないかたちで、入ってきてもらおう、と。
個人的な意見を言えば、私は日本も移民局をつくるべきだと思います。今は、入国管理局が難民の審査をしていますが、彼らの仕事は「不正に入ってこようとする人を入れない」というのが基本スタンスです。つまり、入れることが前提ではなく、入れないことが前提となっている。当然、入国審査は厳しくなる。日本の現実と未来を見据えたら、海外からの移民を受け入れることを前提とした役所をつくるべきでしょう。
増田:ヨーロッパの中でも日本と同じ島国国家イギリスの例をとってみましょう。
イギリスの国民が、なぜEUを離脱するBrexitの道を選んだのか。理由のひとつは、「移民に職を奪われた」という声が大きかったからです。90年代にEUができて、域内の移動が自由になると、かつての東欧各国から職を求めてヨーロッパの先進国に移民がやってきました。イギリスにもポーランドをはじめたくさんの東欧移民がやってきました。
増田:彼らは、農業や倉庫の仕事など、イギリス人が好まなくなった肉体労働につき、成果をあげました。さきほど池上さんが指摘された日本で外国人雇用が増えているのと同じ分野ですね。その結果、「移民が我々の仕事を奪った」という声が大きくなったのです。
池上:アメリカでトランプ大統領が政権をかちとった背景にも、同じような構造がありますね。アメリカでは、メキシコからの不法移民がアメリカ人の仕事をたくさん奪った、だからメキシコからの不法移民を防ぐために「壁」をつくろう、とトランプは公約にかかげ、大統領になりました。
でも、逆に考えれば、メキシコからの不法移民に頼らなければ、なり手がいなかった仕事がアメリカにも多数あった、ということです。いまの日本と同じですね。
増田:そう、日本の現状は、イギリスやアメリカが辿ってきた道とさほど変わりません。

増田ユリヤ(ますだ・ゆりや)/1964年、神奈川県生まれ。國學院大學卒業。27年にわたり、高校で世界史・現代社会を教えながら、NHKラジオ・テレビのコメンテーターを務めた。日本テレビ「世界一受けたい授業」に社会の先生として出演のほか、現在レギュラーコメンテーターとしてテレビ朝日系列「グッド! モーニング」などで活躍。日本と世界のさまざまな問題の現場を幅広く取材・執筆している。著書に『新しい「教育格差」』(講談社現代新書)、『移民社会フランスで生きる子どもたち』(岩波書店)、『揺れる移民大国フランス』(ポプラ新書)などがある。池上彰氏とテレビ朝日「ワイド! スクランブル」のニュース解説コーナーを担当している。
—日本で移民を受け入れたくないと考える人の中には、テロを恐れる人もいます。
増田:たしかに、アルカイーダやイスラム国=ISの台頭により、アメリカやヨーロッパではテロが頻発しています。とりわけヨーロッパでは、イギリスでもフランスでもここ数年テロの話を聞かないときがない。移民を認めると、テロリストがたやすく国内に入ってきてしまうのではないか、と恐れるのも無理はありません。
ただ、多くの日本人が誤解している事実があります。ここのところフランスで起きているテロは、いまフランス国内に移ってきた移民や難民や旅行者が起こしたものではありません。かつての移民の二世、三世、つまりすでに「フランス人」となった人たちによる、ホームグロウン・テロであるケースが非常に多いのです。
なぜ、自国民にテロを行うのか
池上:現実には、フランス国民がフランス国に対してテロを行っていると。
増田:そうなんです。ちゃんとフランス国籍を持っていて、生まれも育ちもフランスで、フランス人として生きてきた人たちが、フランス人がフランスに対して起こしているテロなんです。難民や移民が起こしているテロではない。ではなぜ彼らがテロを起こすのかというと、もちろんそこには理由があります。
フランスの北部にダンケルクという港町があります。ここは典型的なブルーカラーの街であり、イギリスに渡りたくても渡れずに森の中で野宿をしている難民たちの問題を抱えています。ですから住民の多くは、大統領選の際に移民や難民の排斥を打ち出した国民戦線のマリーヌ・ルペンを支持しました。一方で、このダンケルクは、移民によって支えられてきた街でもあります。もともと鉄鋼業が栄えており、その現場を担ったのが、北アフリカなどからやってきた移民だったのです。
池上:かつての植民地などからやってきた移民の第一世代ですね。
増田:そうです。移民の第一世代は、過酷な現場で必死に働き、フランスで生きることを目標にしていました。その結果、彼らはフランス国民となり、子供たちは最初からフランス人として生まれ育ったわけです。
増田:けれども、子供たちが大人になる頃には、あるいはさらに孫の世代が大人になる頃には、環境が一変しました。工場が自動化されたり、海外移転したりして、仕事そのものが激減してしまったのです。
ここでネックとなるのが教育です。もし子供たちが十分な教育を受けていないと、仕事を探すことができません。移民である親の出身地(母国)では、子どもが学校に行って教育を受けることに対して、フランス(先進国)のような高い意識がなかったりします。つまり、自分は忙しくて仕事だけで精一杯、子どもの教育にあまり熱心でない親も少なくない。

そうした価値観の家庭で育った子どもは、勉強熱心でなく、学校を休みがちでドロップアウトしてしまったり、高校卒業資格であるバカロレアも取れなかったり、というケースもあります。フランスは資格社会ですから、手に職がなければ安定した仕事につくのが難しい。
移民の二世三世の中には、こうした未来が見えない若者が少なくない。ホームグロウン・テロの根っこには、移民の子供たちの教育問題が潜んでいるのです。
池上:いつの時代でも、どこの地域でも起こりうることですよね。テロリストにならなくても、定職につけなかった移民の子供たちの一部がギャングになったりするケースは、世界各国で起きています。もし、日本で移民を正式に認めるとするならば、同時にその子供たちの教育環境をちゃんと用意する必要があります。社会不安やテロなどは、最初にやってきた親の世代ではなく、むしろその国で生まれ育った子供や孫の世代が自分の未来に絶望して起こしているケースが、少なくないわけですから。
増田:若くて力が有り余っているのに勉強はできないし、仕事もない。そうなった若者たちはたいがいたむろし始めます。そこで、自分たちの不満や不安を解消してくれるような何かに引き込まれるようになったら……。
若いときは誰もが不安を抱いていますし、一方で何かに単純に感化されやすかったり、信じ込んだりします。読者の皆さんも10代20代前半の頃を振り返ったら、思い当たる節があるはずです。ましてや今やインターネットがあるので、魅力的な誘いが簡単に手に入る。
67歳の「中核派」に見る埋没の怖さ
池上:しかもいったん感化された人は、その世界に閉じこもるとそのまま年を重ねていってしまう。1971年、警官が殉職した過激派による「渋谷暴動事件」の犯人として指名手配されていた「中核派」の大坂正明容疑者が、つい先日逮捕されました。年齢は67歳ですから私と同世代。暴力的な共産主義革命を打ち出していた「中核派」に当時共鳴して、そのまま歳を経たということになります。
これは日本の例ですが、アフガニスタンとパキスタン周辺で生まれたイスラム主義の武装勢力「タリバン」も、若い人たちが教育されて生まれたものです。アフガニスタンの内戦からパキスタンへ逃れた難民の子供たちが、難民キャンプで過激な思想を知り、学び、母国へイスラムの兵士として送りこまれたところから始まっています。
増田:もちろん、難民が犯罪を犯すケースもあります。2016年7月、ドイツのバイエルン州の列車の中で、アフガニスタン出身の少年がナイフや斧を振り回し、数十人の乗客に無差別に攻撃を加え、死亡者が出る事件が起きました。このとき、少年がアフガニスタン出身だったこともあり、ただの無差別殺人ではなく「イスラム教徒によるテロ」と報じられました。
増田:あってはいけない犯罪ですし、少年はこのあと警察により射殺されました。問題は、この事件がテロだったかどうか、ということです。イスラム系のひとが犯した犯罪を内容を精査せずになんでも「難民によるテロだ」「イスラム過激派の仕業だ」とステレオタイプにくくってしまうのは、社会不安を煽るだけで本質的な解決にはむすびつきません。
池上:だからこそ「教育」が重要となるわけです。社会の安定と経済成長にとって、いちばん確実に効く長期投資が、高水準の教育の普及であることは論をまちません。
増田:その通りです。私自身長年高校教師をしてきたので教育の重要性は痛感します。ただ一方で、エリート教育を受けていても、若者は感化されると過激な行動を起こすことが多々あります。イスラム過激派の中には、貧しい家庭の出身者だけではなく、裕福なエリートの子弟もいますし。
池上:日本でいえば、オウム真理教事件の主犯格の若者たちがいずれも高学歴でした。
増田:ですから、ただ高等教育を受ければいいというものでもない。フランスでも、問題の多い学校には生活指導を行う専門の先生を配置するなどして、子供たちと教師とが親密に相談できる環境をつくろうとしています。インターネットの世界だけに埋没されてしまうと手の施しようがなくなってしまうおそれがあるので、こうした先生が子供たちとアナログなコミュニケーションを深める機会を増やすわけですね。いわゆる「フェイクニュース」と呼ばれるような、俗情を煽るような虚偽の報道やデマゴーグに惑わされないだけの良識を持った大人に育てよう、という試みです。
欧州はこれからどうなるか

池上:若手が相対的に少なくなって、移民などを積極的に受け入れないと国が立ち行かなくなるかもしれない、というのは日本に限らず、東アジアに共通する問題です。だからこそ、ヨーロッパやアメリカの現状から学ぶ必要がある、と私は思っています。中国や韓国の少子高齢化のスピードは日本を上回る勢いです。中国にはすでに65歳以上の人口が1億5000万人いますから。
増田:日本の人口と同じくらいいるということですね。
池上:また、2014年の数字で比較すると、韓国の出生率は女性1人あたり1.20人と日本の1.42人より低いんです。しかも、中国や韓国には日本のような社会保障制度が充実していない。このため歳をとってからどうやって生きていくのか、という問題が、あらゆる人につきつけられます。
—大変ですね。日本や中国や韓国は、そして世界はどうなっていくのでしょうか。
池上:あまりに漠然とした問いでどう答えていいのかわかりません。いい質問じゃないですねえ(笑)。
—そ、そうですね。では、話をヨーロッパに戻して、今後ヨーロッパはどうなっていくでしょうか?
増田:今、イギリスではメイ首相の方針が半ば国民から否定されるような状況になり、当初の予定通りにEU離脱の手続きが進むのかどうか、わからなくなってきています。なので、まずは様子を見るしかない。
池上:そう思います。
増田:フランスのマクロン大統領は自分の考えをかなりはっきり口にします。どこに対してもいい顔をするのではなく、ロシアに対してはノーとか、ドイツとは協調するとか、かなり姿勢をクリアにしています。日本の政治家にもそれがあっていいと思います。
池上:マクロンはトランプとの握手でも態度を明確に示しましたからね。トランプはいつも相手の手を強く握りしめるんだけれど、マクロンはそれを上回るような力で握り返しました。手が真っ白になってしびれたトランプはかなり不快な表情をしていましたが、フランスの国民はそれを見て、トランプに負けないという姿勢を示したとしてマクロンを評価しました。
マクロンの希望、メルケルの苦悩
池上:さらに、マクロンが支持を得て力を持ったことで、EUはドイツとフランスで支えていくという姿勢が明確になりました。これまでは明らかにドイツ一国がEUを支えていきましたが、それが変わろうとしています。すると、ほかの小さな国も安心してEUに留まり続けられるという構造になるでしょう。
今、一番頭を悩ませているのはメルケルでしょうね。強くなってしまったマクロン、フランスとどう付き合っていけばいいか、相当、考えているはずです。
ただ、5月28日にメルケルはミュンヘンで、これからヨーロッパは他国に頼ることなく進む道を決めていかなくてはならないといった趣旨の演説をしましたが、それは、アメリカは、少なくとも今後3年半はダメだと見切ったということです。それは、トランプがパリ協定について改めて協議したいと言ってきたときにきっぱりと拒絶したところからもわかります。
増田:日本に話を戻すと、マクロンのように立ち位置を具体的に示し、世界とちゃんと対話し、対峙し、協力できる毅然としたリーダーが必要になってくるでしょうね。そのためにはやはり教育を……となると、道は遠いですが(笑)
(聞き手:片瀬 京子)

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『「コミー氏のロシア亡命を受け入れてもいい」 「ロシアゲート」を皮肉るプーチン大統領の真意』(6/23日経ビジネスオンライン 池田元博)について
プーチンは組織への裏切りは許さないタイプですから、スノーデンを亡命受け入れしましたが、利用価値があると判断してのこと。本音で信頼はしていないと思います。コミーにもロシア亡命を勧めたという事は、スノーデンと同じく組織への裏切り者というのを痛烈に皮肉ったものでしょう。
本記事を読めば、米国だってロシアへのサイバー監視はしているでしょう。西側諸国のトップを盗聴していた国が敵国ロシアに何もしないでいると思うのはナイーブすぎです。まあ、ロシアが領土的野心を持ってないとも思わないので、抑止の手段はいろいろと持っておいた方が良いと思います。しかし、メデイアの報道は偏っているのでは。プーチンの言うように米国はロシアをダシにしてトランプを追い落とそうとしている構図です。
何時も分からないのは、何故ロシアと協調するのが良くなくて、中国と協調するのが良いのかです。論理的にどう説明するのでしょう?昔はソ連も共産国でしたが今は違います。中国にはソ連打倒の為に米国が利用しようとして、逆に利用され続けてきました。それもこれもキッシンジャー一派の為せる業でしょう。勿論彼にも多額の金が贈られています。賄賂社会の中国ですから当たり前のこと。道徳的に高潔でない人間が世界の歴史の中で評価されるのはおかしいと感じます。
日本も良く相手を見た方が良いでしょう。真の敵は誰かという事を。北方領土は民間で協力できる範囲で良いのでは。ただ、こちらでロシア軍の駐留基地が強化されるのは問題です。中国との二正面作戦は取れません。トランプ大統領の在職中に日本は憲法改正を含め、軍事力を強化し、抑止力を高めていかねば。
記事
米国でロシアゲートを巡るトランプ政権への攻撃が過熱している。昨年の米大統領選へのロシアの介入疑惑とともに、同政権とロシアの不透明な関係が取り沙汰されるが、“悪者”扱いされた当のプーチン政権の反応はどうなのか。

6月15日、毎年恒例の国民からの質問に答えるテレビ番組に出演するロシアのプーチン大統領(写真:ロイター/アフロ)
ロシアで6月15日、毎年恒例の「プーチンとのホットライン」が実施された。プーチン大統領がテレビに生出演し、全国から寄せられる国民の様々な質問や苦情に直接対話形式で答えていく番組だ。今年は約4時間にわたり、合計で68の質問に答えた。
若手教師の低賃金、老朽住宅やゴミ処理問題、劣悪な道路事情……。来春に次期大統領選を控えているとあってか、例年に比べても国内の社会・経済問題がより多く取り上げられた。こうした中、外交分野で時間を割いたのはやはり、米国で広がるロシアゲートの問題だった。
「ひとえに米国内で激化する政治闘争の結果だ」
まず、「プーチン大統領の大ファン」と称し、米国で広がるロシア嫌いの風潮へのコメントを求めたアリゾナ在住の米国人男性の質問に対し、大統領は「我々は米国を敵だとはみなしていない」と強調。第1次、第2次世界大戦で両国が同盟国として協力した過去の経緯なども持ち出した。その上で最近、米国で広がるロシア嫌いは「ひとえに米国内で激化する政治闘争の結果だ」と断じた。
続いてロシアの「独立新聞」編集長が、米ロのどのような分野の協力が有益かを尋ねたのに対し、大統領は(1)大量破壊兵器の拡散防止(2)地球温暖化対策(3)テロの温床となる世界の貧困対策(4)シリアを中心とする中東政策――などを列挙。「我々は建設的な対話をする用意がある」と述べ、米国との関係改善への期待を示した。
ただし、米国との協力はロシアの意思だけでできるものではないと指摘。「(ロシアゲートは)明らかに米国内の政治闘争だけに、我々は何もできないし、何の影響力もない」と強調することも忘れなかった。
コミー氏のロシア亡命を提供する用意がある
プーチン大統領はコミー前米連邦捜査局(FBI)長官による米上院情報特別委員会の公聴会での証言に関する別の参加者の質問に対しても、「FBIの前長官は米大統領選でロシアの介入があったとみなしているが、今回もいかなる証拠も示さなかった」と反論した。
大統領はさらに、そもそも米情報機関のトップがトランプ大統領との会談記録を友人経由でマスコミに流すのはとても奇妙な話だと言明。コミー前長官の行動は米政府の情報収集活動を暴露してロシアに亡命中のスノーデン米中央情報局(CIA)元職員と大差はないとし、「我々は彼(コミー氏)にもロシアへの政治亡命を提供する用意がある」と痛烈に皮肉った。
「プーチンとのホットライン」は事前に大統領府と入念な調整をしているといわれる。それだけに、ロシアゲートを巡るプーチン発言はロシア国民が「米国の内政問題で、ロシアとは全く無関係」と納得できるように構成した面は否定できない。
ただ、国際的な関心の高まりを受け、プーチン大統領が様々な場面でこの疑惑をめぐるコメントを余儀なくされているのは事実だ。かつ、その発言内容はほぼ一貫しているといっていい。
例えば6月初め、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで開かれた国際経済フォーラム。プーチン大統領は総会演説後の質疑応答でロシアゲートが取り上げられると、「これは我々の問題ではなく、米国の国内の政治問題だ」と何度も強調。この疑惑は国際関係や国際経済、安全保障やテロとの戦いにも悪影響を与えているとして、早期に終止符を打ち、米国との「正常な協力」を開始すべきだと訴えた。
大統領はこの経済フォーラムの場で、米NBCテレビとのインタビューにも応じている。当事国のメディアとあって、質問の大半がロシアゲートを巡る疑惑に割かれた。米大統領選への介入の有無、キスリャク駐米ロシア大使は誰と会っていたのか、トランプ陣営との秘密ルートの可能性、対ロ疑惑で早々に辞任したフリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)との関係などだ。
辛辣で細かい質問の連続に、大統領もさすがに憤りをあらわにする場面もあった。特に駐米ロシア大使の行動を聞かれた時には、「米国を含めて世界に駐在する大使が毎日、誰に会ったかを私に報告すると思っているのか。あなたは何を質問しているかわかっているのか」と激しい調子でまくしたてた。米大統領選への介入疑惑をめぐっても、「世界の至る所で他国の選挙に盛んに介入しているのは米国の方ではないか」と反論した。
その一方で、「私はロシアが米大統領選に直接介入したという証拠を一度もみていない」とし、そもそも「米国のような大国の選挙結果に影響を与えることはいつの時代であっても不可能だ」と述べている。
誰が大統領だろうと米露関係は変化しない
もちろん、米大統領選にロシアがサイバー攻撃で介入したとする報告書を米情報機関が公表している以上、プーチン大統領の主張を鵜呑みにするわけにはいかないだろう。
大統領自身、かつて「米ロの関係正常化の意向を公の場で語ってくれる人を歓迎しないわけにはいかない」と、トランプ氏の当選を望むような発言もしている。トランプ陣営に有利になるよう、ロシアが米大統領選で何らかの関与をした可能性は完全には否定できない。
とはいえ、仮にサイバー攻撃などによるロシアの介入が事実としても、プーチン大統領が指摘するように、米国のような大国の選挙結果を左右するほど多大な影響を与えたとは考えにくい。インテリジェンスの世界では半ば当たり前の情報工作合戦をことさら大ごとにし、米国内の政争にロシアを悪用するのはいいかげんにしてほしい、というのがプーチン政権の本音ではないだろうか。
いずれにせよロシアでは、トランプ氏の大統領当選直後にみられた米ロ関係改善への期待は急速にしぼんでいる。ロシアの世論調査会社レバダ・センターが5月下旬に実施した調査でも、米ロ関係に「変化はない」とみる国民が過半を占めている。
最近の米ロ関係をどう見るか

(注)5月下旬、ロシア市民1600人を対象にした世論調査 出所=レバダ・センター
米ロは7月7~8日にドイツのハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議の際に、トランプ大統領とプーチン大統領による初の首脳会談を計画している。ただ、ロシア大統領府内では会談の実現すら懐疑的な見方も浮上。仮に予定通り首脳会談が実施されても、抜本的な関係改善につながるような進展は期待できないとの観測が大勢だ。
プーチン大統領も米ロの冷たい関係が長期化することを前提に、対米戦略を練り直しつつあるようだ。その兆候は最近の大統領発言にも垣間見られる。
例えば、くだんの米NBCとのインタビュー。プーチン大統領は「大統領や政権党が変わっても、基本的な政策は変わらない。従って本質的に、我々にとっては米大統領が誰になろうがどうでも良いことだ」と述べている。
大統領はこれに先立つ5月末、フランス訪問時にパリで実施したフィガロ紙とのインタビューでも、「私は既に3人の米大統領と接してきたが、政策は変わらない。なぜなら政権の官僚主義が非常に強いからだ」と指摘。例え何らかの理想をもって大統領になっても、どの政権でも官僚の説得によってたちまち理想は修正されてしまうと分析した。
領土問題の解決は日米安保条約が障害に
もちろん、米ロの関係正常化への期待も示してはいるが、「我々は決して急がない」とも語っている。恐らく、トランプ政権下でも米ロの抜本的な関係改善はほぼ望めないと結論づけたのだろう。
実際、フィガロ紙のインタビューでは、北大西洋条約機構(NATO)の東方拡大や対ロ防衛の強化、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの一方的脱退、欧州でのミサイル防衛(MD)システム配備といった米国の安全保障政策を「近視眼的な政策」などと再び鋭く批判した。同時にNATOがどう対処するにせよ、「我々は自らの防衛能力を高めていく」としている。
米ロ「冷戦」の長期化を前提にしたロシアの外交・安保政策は、思わぬところにも波及している。日ロの北方領土問題への影響だ。
プーチン大統領は「プーチンとのホットライン」終了後に記者団の質問に答えた際、日ロの北方領土交渉にも言及。領土問題の解決に向けては「良好な条件の創設」とともに、「もうひとつやっかいな問題がある。この地域を含めた安保の問題だ」と強調。「日本が自らの同盟国に対して負う義務」という言い回しで、日米の安保条約が障害になるとの見方を暗に示したのだ。
要は仮に北方領土の日本への引き渡しに応じれば、米軍基地が展開される恐れを懸念したものだ。プーチン政権が北方領土交渉のハードルをさらに引き上げるために編み出した言い訳といえなくもないが、米国内で広がるロシアゲートの余波が日ロ関係にも影響しつつある現実には留意すべきだろう。
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