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『北戴河で習近平の「毛沢東に並ぶ夢」は叶うか 党大会で「党主席復活」「党規党章に“習近平思想”」目論むが…』(8/9日経ビジネスオンライン 福島香織)について

昨日に続き、中国の秋の共産党大会の動向です。議会制民主主義体制と違い、共産主義の人民民主体制は秘密主義を旨としますので、情報がなかなか入ってきません。「鉄のカーテン」ならぬ「竹のカーテン」です。ただ、中国は何でもご都合主義で、西側を利用する所は利用し(資金・技術・貿易)、軍事大国になるまでになりました。米日の愚かさです。

党大会が習の思惑通りに行くかどうかは分かりません。王岐山を利用した反腐敗運動で怨みを買っているためです。結局、面従腹背の役人が増え、業務停滞を招いています。中国人は上から下に至るまで賄賂を取らない人間はいません。チップのようなものと思っているのでしょう。桁は違いますが。ですから反腐敗運動が正義の実現の為でなく、政敵打倒で使われているのは、中国人は先刻承知です。

昨日の「看中国」の記事では、習は政治局常務委をなくすと噂を流しているとのことでしたが、それも噂だけに留まるのかどうか。ハッキリしていますのは習が独裁できるだけの絶対権力をほしがっているということでしょう。

習がもし、独裁できる権力を握れば、福島氏が懸念していますように、日本と戦争を引き起こすことを考えているのでは。中国は日本のことをよく研究していて、平和憲法の制約があり、自衛隊は思う存分戦えないと思っている可能性があります。戦争になれば、国民もやっと覚醒するでしょう。日本から戦争を仕掛けることはありませんから。自衛隊は超法規的存在として戦うしかありません。憲法や法改正は間に合いません。戒厳令の発動でしょう。(法律がありませんから宣言して、治安維持を警察にさせることになるかも)。中共の手先であるメデイアの活動はストップさせないと。中国に攻撃情報を与えるようなものです。

また、中国国内では「食い詰める」人間が増え、海外に人口輸出を強制的に行うのでは。毛沢東の「大躍進」のように餓死させるわけには行かないでしょう。「一帯一路」がそれに使われるのではないかと考えています。余剰産品だけでなく、人もです。AI、ロボット化は中国の人件費の高騰から来ています。この流れは変わりません。となると人口の多さが逆にハンデになります。

8/9日経電子版習近平派が牛耳る「一帯一路」と「北京大改造」 

中沢克二(なかざわ・かつじ) 1987年日本経済新聞社入社。98年から3年間、北京駐在。首相官邸キャップ、政治部次長、東日本大震災特別取材班総括デスクなど歴任。2012年から中国総局長として北京へ。現在、編集委員兼論説委員。14年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞

中国が総力を挙げる「一帯一路」。海と陸で欧州、アフリカまでつなぐ経済ベルトづくりを通じて、中国の影響力を広げてゆく「新シルクロード経済帯」構想である。今後、長い間、天文学的な数字の巨費を投じる一大国家プロジェクトの要のポストが、いま次々と入れ替わっている。

「一帯一路を核とする大きな国家プロジェクトの司令部は、あっという間に習近平国家主席の側近らで占められた。彼らの出身地は浙江省と福建省に偏っている。“浙江閥”と“福建閥”の勢いはすごい」。中国の経済関係者が指摘する。

「一帯一路」の総合計画や国際協力を仕切るのは、かつて社会主義計画経済の司令塔だった国家発展改革委員会。トップは2月に抜てきされた習近平側近の何立峰(62)である。前任は前首相、温家宝(74)の人脈だったが、習近平派への衣替えが一気に進む。

■「浙江閥」に加え「福建閥」台頭

習と何立峰の親密さを示す32年前の物語がある。まだ30代前半だった習は、当時としては異例の若さで副市長として福建省アモイ市に赴いた。出迎えた職員は目の前の習が余りに若いため、新任の副市長だとは夢にも思わなかった。そこで習本人に「習副市長はまだ来ないのですか」と尋ねたという。

習は、元副首相の習仲勲を父に持つ「紅二代」(高級幹部の子弟)だ。いきなりやってきた若すぎる副市長が“落下傘人事”と見られたことも響いて、当初は年長の部下が多い役所で手持ち無沙汰だった。そんな習の気晴らしはバスケットボール。市の秘書職で2歳下だった何立峰もバスケ好きで、2人は年の近さもあって意気投合し、休憩時間にバスケを楽しんで親交を深めた。

「一帯一路」の要を担う国家発展改革委トップは「福建閥」の何立峰氏

スポーツは時に身を助ける。何立峰の場合、バスケが将来を切り開いたといえる。ありがちなゴルフやテニスではなく、米国のスポーツであるバスケというのが面白い。

習はアモイに赴いて2年後、軍の国民的な歌手、彭麗媛と再婚し、新婚生活を始めた。17年近く過ごした福建省で出世の階段を登っただけに思い入れは深い。この9月、ロシア大統領のプーチン、インド首相のモディらがやってくるBRICS首脳会議をアモイで開く裏には、習の想いがある。

アモイを代表する観光地のコロンス島は2017年、世界遺産に登録された。福岡県の「神宿る島」宗像・沖ノ島と同時の承認だ。コロンス島は西洋風家屋から常にピアノの音が響く風流な地である。「習主席は故郷アモイのコロンス島を推すため、一筆添えてくれたんだ」。現地の人々は、うわさし合う。

「一帯一路」に絡む習側近は、もう一人いる。中国の命脈に関わる対米貿易摩擦の処理を担う商務省のトップも習派が制した。浙江省トップだった習を副省長として支えた鐘山(61)だ。こちらは「浙江閥」。失脚した孫政才(53)の後任として重慶市トップに座った陳敏爾(56)と同じグループだ。

対米貿易問題を仕切る商務相には「浙江閥」から鐘山氏を起用

習側近の新任閣僚、何立峰と鐘山は4月、フロリダにいた。米大統領、トランプの別荘「マール・ア・ラーゴ」の米中首脳会談で、2人は習の横に並んだ。いまトランプは、フロリダで習が約束した北朝鮮への圧力が功を奏しないため、再び貿易で中国を攻める構えである。「米中貿易戦争は百害あって一利なし」。鐘山は訴えるが、さすがのトランプも中国に甘い顔は見せにくい。正念場である。

中国のマクロ経済政策の司令塔としては、中央財経指導小組弁公室主任の劉鶴(65)が知られる。「この人は私にとって重要だ」。習がこう言ってはばからない知恵袋だ。国家発展改革委トップの何立峰、商務相の鐘山は今後、重鎮の劉鶴が描く画に沿って動く。

■北京大改造と雄安新区「千年の大計」

「一帯一路」と並んで、もう一つの巨費を投じる注目プロジェクトは、大気汚染と人口増でパンク寸前の北京の大改造だ。ばらばらだった北京、天津、河北省を三位一体で開発し、バランスのとれた人口、産業の再配置を目指す。すでに北京市の核となる政府機能は中心部から東の通州地区に移った。

次の焦点は北京から150キロも離れた河北省の農業地帯、雄安地区に一からつくる新たな開発区である。「雄安新区は千年の大計である」。習自らもこう大風呂敷を広げた。現地では、習の老齢の母親、斉心の出身地近くであることが選定の決め手になった、といううわさまで出ている。

この5月、雄安新区の予定地を訪れた。広大なトウモロコシ畑と湿地帯、そして小さな町があるだけだ。毛皮加工が有名で、軒先にはピンクに着色した毛皮がぶら下がる。すでに地価高騰の兆しから土地取引は禁止されたが、ここが10年、20年後に摩天楼に一変するとは想像もつかない。

中国には、単なる原っぱだった上海浦東地区を摩天楼に変えて新空港を整備し、ディズニーランドまで引っ張ってきた実績がある。とはいえ、高度成長期はもう終わった。巨費を投じる新都市づくりには、大きなリスクも伴う。鳴り物入りだった河北省の曹妃甸地区開発は、すでに問題が生じている。

雄安新区に絡んで、北京中心から南50キロに超大型の新国際空港を建設する計画も着々と進む。19年末の完成・運用を目指す。現在の首都空港は第3ターミナルまで拡張したが、すでに満杯で便の遅れも深刻だ。2300万人の人口を抱える首都として、もう一つ空港を持つのは理にかなう。

浙江・福建両閥の顔を持つ蔡奇・北京市党委員会書記は、朝日まぶしい人民大会堂で引っ張りだこだった(3月全人代で、当時は北京市長)

「北京大改造」の中心は、5月に北京市トップに就いた蔡奇(61)だ。まだ中央委員候補ですらない。蔡奇もまた福建省の出身。1990年代末に福建省から浙江省に異動し、同じく福建省から浙江省トップに赴いた習を現地で待ち受けた。蔡奇が「福建閥」「浙江閥」の2つの顔を持つ由縁だ。

習は、珍しく人前で蔡奇の人柄を褒めたことさえある。きたる共産党大会で「三段跳び」の党政治局入りは確実だ。河北省の保養地に要人が集う「北戴河会議」が始まったとみられる8月3日、蔡奇は北京で動いた。会議で「習近平総書記の重要思想」に繰り返し言及したのだ。党大会で習近平思想を党規約に書き込むための露払い役である。慎重派の機先を制する手でもあった。

北京で蔡奇とコンビを組むのは、代理市長の陳吉寧(53)だ。首都の市長としては極めて若い。環境保護相からの横滑りである。習の出身校、清華大学の学長という経歴からわかるように明らかな習派だ。首都ナンバーワン、ツーを身内で固めた豪腕人事には、党内から驚きのまなざしが向けられている。

■「お友達人事」にただよう危うさ

「北京、天津、河北に投ずる巨費を自派(習近平派)で動かしたいと考えるのは当然だ」。元官僚はこう見る。一連の「お友達人事は」は、習の権力基盤固めに必要な権限の再編と関係が深い。長老とそれに連なる官僚の影響力が強い北京、隣に位置する直轄市の天津をいったん解体し、新都市「雄安新区」をつくる河北省と一体で開発。自派の人材を配すれば、全権限が習の周辺に集まる。

従来、北京官界には電子・機械部門に人脈を張る元国家主席の江沢民(90)、国家発展改革委を仕切った前首相、温家宝の影響力が強かった。しかも天津は地元出身の温家宝、現最高指導部メンバー、張高麗の金城湯池だ。巨大利権を習派が牛耳る第一歩が、首都大改造と雄安新区建設である。

「身内で固める人事からは基盤の弱さも見える。組織的登用の術(すべ)がないから、知り合いを配置せざるをえない」。中国の政治学者の指摘だ。これもまた真実である。習は十分な準備を経てトップに就いたわけではない。07年秋の党大会前、急浮上して「ポスト胡錦濤」の地位を固めた。

習は最高指導部メンバー入りに先立ち、上海市トップに就いたが、わずか半年間だった。その前の5年間は浙江省トップ、さらに前の17年間弱は福建省で過ごした。習は「紅二代」とはいえ、共産主義青年団のような組織的バックを持たず、浙江や福建の人脈に頼るのは致し方ない。

「一帯一路」「北京大改造」は習の目玉政策だけに、絶対に失敗が許されない。上から下まで担当者が受けるプレッシャーは計り知れない。各部門で経験が浅い習派の人材が司令塔として本当に機能するのか。誇り高き官僚らとの間に軋轢(あつれき)を生まないのか。興味は尽きない。(敬称略)>(以上)

「北京大改造」なんて不動産バブルを煽るだけでしょう。土建屋国家そのものです。8/7宮崎正弘氏メルマガ<中国の住宅ローン残高、ついにGDPの44・4% 香港のエコノミスト、朗喊平の予言「住宅ローンを組んだら99%は破産する」>にありますように、バブルの傷を深くするだけです。

http://melma.com/backnumber_45206_6566476/

8/9日経朝刊<中国の対外投資46%減 1~6月、資本流出規制が響く 

【北京=原田逸策】中国企業の対外投資の落ち込みが鮮明になっている。1~6月の中国による対外直接投資は前年同期比46%減の481億ドル(約5兆3千億円)と大幅に減り、対中国直接投資(656億ドル)を再び下回った。当局が資本流出と人民元安を止めようと海外企業の買収を制限したためだ。資本規制を嫌って対中投資も前年割れに落ち込む。目先の市場安定を優先した資本規制は、中国企業の経営の高度化に逆風となる。

中国は1978年の改革開放から外資を大胆に導入して経済成長を実現し、対中投資は対外投資をずっと上回ってきた。国内の資本蓄積が進んだ2000年代から中国当局は「走出去(海外に打って出よ)」の掛け声のもと、中国企業の海外進出を後押し。16年には金融以外の対外投資が1701億ドルに急増し、初めて対内投資を上回った。

対外投資が対内投資を上回る国を「資本純輸出国」と呼び、経済発展が成熟してきたことを示す。中国当局も「経済貿易大国から経済貿易強国へと躍進する上での重要な出来事」(商務省)と評価していた。それが17年に再び「資本純輸入国」へと逆戻りした。

原因は当局の資本規制による対外投資の急減だ。昨年11月から1件500万ドルを超す海外買収や海外送金、両替などは当局の事前審査を義務づけた。以前の5千万ドル超から対象を大幅に広げた。さらに「不動産、ホテル、映画館、娯楽業、スポーツクラブなどで非理性的な海外投資がみられる」(商務省)とし、高い技術を持つ製造業以外の買収が認められにくくなった。

6月には不動産大手の大連万達集団、投資の海航集団など5グループの海外買収向け融資を点検するよう、銀行監督当局が銀行に要請したことが判明した。アメリカン・エンタープライズ公共政策研究所とヘリテージ財団の調査では5グループの海外買収は1~6月に全体の約6割を占めた。

中国当局は当面は海外買収の制限を続ける意向とみられる。今月1日からは財政省が国有企業を対象に、海外買収に失敗した場合に担当者の責任を問う制度を導入した。買収した企業の経営が健全か継続的に調べることも求めた。「買収先のいくつかの企業は資産状況が思わしくなく、収益力も弱く、投資の収益率も低いなどの問題がある」(財政省)という。

規制で資本流出と人民元安を抑える目的は達成した一方、海外企業による対中投資が減る「副作用」も出ている。1~6月は前年同期比5%減った。特に米国(44%減)、英国(40%減)、ドイツ(37%減)など、高い技術を持つ欧米企業の大幅な減少が目立つ。「資本規制により利益を本国に送金しにくくなった」との不満が一因だ。

李克強首相は「対中投資の減少を高度に重視し、投資の障害を必ず取り除く」とハッパをかけるが、利益を出しても自国に還流できないとの懸念があれば、海外企業も投資拡大には二の足を踏む。

中国の習近平国家主席は1月の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で「開かれた中国」をアピールした。だが、現状は中国と海外の間を行き来する資本が細り、このままでは掛け声とは裏腹に「閉じた国」に逆戻りしかねない。>(以上)

普通に考えたら、儲けた金を還流できないような国に投資する人はいないでしょう。政策がチグハグです。習は経済音痴と言われていますので、経済政策を統合する組織が必要と思われますが、余りに数字の改竄、バブルの額が巨大すぎて打つ手がないと言ったところでしょう。でも、世界制覇を目指す中国の野望を挫くには、先ず経済で打撃を与えることです。西側は中国への投資を止めることです。

記事

7月30日、内モンゴル自治区で行われた中国人民解放軍建軍90周年の記念パレードでは習近平主席が軍服姿で閲兵した(写真:新華社/アフロ)

河北省のリゾート地、北戴河で開かれる非公式会議、別名「北戴河会議」が8月3日ごろから始まったようだ。3日ごろから習近平を含む政治局常務委員7人の動静がぴたりと報じられなくなったからだ。同時に北戴河の警備がものものしくなった。

そのころ、香港誌・争鳴が7月14日に行われた政治局委員候補予備選の結果を報じた。選ばれた35人の候補で500票以上をとったのは習近平、王滬寧、王岐山だったとか。この報道を信じるならば、王岐山の留任の可能性は強い。69歳の王岐山が留任となると、共産党ルールである定年制は崩れたということになり、習近平としては三期目の展望が開けてきたわけだ。習近平独裁体制は本当に始まるのだろうか。北戴河会議の中身はまだ不明ながら、その見どころと予測について整理してみよう。

習近平派15人、胡錦涛寄り13人、江沢民派2人

争鳴の報道を信じるなら、政治局候補の名簿は以下の通りだ。

習近平派が15人。習近平(国家主席)、王滬寧(中央政策研究室主任、習近平の政策・理論ブレーン)、王晨(全人代常務委会副委員長)、丁薛祥(中央総書記弁公室主任、習近平のスピーチライター)、栗戦書(中央書記処書記、習近平の側近、大番頭)、呉英傑(チベット自治区書記)、蔡奇(北京市書記)、応勇(上海市長)、劉家義(山東省書記)、馬興瑞(広東省省長)、黄坤明(宣伝部副部長)、陳敏爾(重慶市書記)、趙楽際(中央組織部長)、楊潔篪(国務委員)、李鴻忠(天津市書記)。

比較的共青団派、胡錦涛寄りが13人。李克強(首相)、王勇(国務委員)、憂権(福建省書記)、汪洋(副首相)、許其亮(中央軍事委員会副主席、空軍上将)、房峰輝(解放軍参謀長)、張春賢(前ウイグル自治区書記)、胡春華(広東省書記)、陳全国(ウイグル自治区書記)、孫春蘭(元天津市書記)、韓正(上海市書記)、李源潮(国家副主席)、楊晶(国務院秘書長)。

江沢民派も2人いる。郭声琨(公安部長)、車俊(浙江省書記)。風見鶏的に態度を変えそうなのが周強(最高人民法院長)、曹建明(最高人民検察院長)、黄樹賢(監察部長)、張国清(重慶市長)だろうか。そして王岐山(中央規律検査委員会書記)。王岐山と習近平の距離感は今もって、よくわからない。少なくとも習近平に従順というわけではなさそうだ。これは私見であって、人によっては違う組分けもあり得るだろう。

予備選は512人の中央委員および中央委員候補、各省自治区直轄市書記らが合格、不合格の票を入れる。最多合格508票をとったのは習近平、次に王滬寧が504票、王岐山が501票。500票以上をとったのは35人中3人だけだったという。9割以上の合格票獲得者は李克強、丁薛祥、房峰輝、許其亮、趙楽際、栗戦書、楊晶らだ。

栗戦書は習近平の側近と評されるが…

この結果をみると、習近平は別として、王岐山の高得票が印象的で、普通に考えれば王岐山は政治局常務委員に留任することになるだろう。政治局委員が現行の25人のままだすると、習近平派とアンチ習近平派の勢力図は拮抗しているといえそうだ。ただし、派閥としての団結度、信頼関係の深さに関していえば、習近平派閥はかなり早急に養成されたメンバーが多く、またイエスマンが多いという印象がある。

たとえば、栗戦書は習近平の半径5メートル以内に寄り添う側近と評されているが、習近平とのしっかりした信頼関係が構築されているかというと、疑問視する人は結構いる。

栗戦書は河北省党委員会秘書長時代に当時の河北省書記であった程維高に苛め抜かれ、あわや潰されそうになったことがあり、このとき、助け舟を出したのが当時、陝西省書記であった李建国だった。李建国が栗戦書の遭遇している不条理な状況を中央に説明し、陝西省常務委員会秘書長に引き抜かなければ、今の栗戦書はいなかったことになる。団派の李建国は2015~16年、習近平によって失脚させられそうになるのだが、このとき習近平に逆らって李建国の失脚を防いだのは栗戦書であり、これが栗戦書が義理人情に厚い人間という評価の一つの根拠になっている。ただし、習近平の性格からすれば、一度自分に盾突いたことのある部下に対して深い信頼関係を維持できるかはあやしい、というわけだ。

とすると、政治局常務委員会メンバー、つまり最高指導部の顔ぶれを予想するに、習近平が全面的に信頼できるメンバーはいないかもしれない。政治局委員を最低1期務めた人間が政治局常務委員に昇格するという前例を考えれば、習近平、李克強、王岐山、汪洋、胡春華、李源潮、栗戦書、趙楽際、韓正あたりに絞られる。予備選における王滬寧の得票数を考えると彼がトップ7入りする可能性もあるが、王滬寧は地方政府における行政経験がなく、行政経験なしに政治局常務委員会入りする前例はなかった。王滬寧を一度、地方に出すという話は指導部でしばしば話題に出ているそうだが、本人が生粋の学者肌で、地方の実務で苦労することを望んでいないという噂もある。

李克強、汪洋、胡錦涛、李源潮の人間関係の深さに比べると、習近平と王岐山、栗戦書、趙楽際の関係は微妙だ。王岐山との関係の不安定さは、“十日文革”事件の背景や“闇の政商”郭文貴の暴露情報などから、推測できるだろう。趙楽際も栗戦書も今は習近平派に分類されているが、根っこは共青団派であるし、韓正に至っては、団派で江沢民派、しかも一度ならずも、習近平から汚職摘発の照準を当てられたことがあり、習近平に対しては警戒心がある。

となると、政治局全体では勢力は拮抗しているかもしれないが、政治局常務委員会では共青団派が優勢になる見通しが強い。

強人独裁「党主席」復活を目論む

そうなってくると、習近平としては政治局常務委員会の影響力、権力をいかに削ぐか、ということがテーマになってくる。そこで党主席制度の復活を目論んでいるといわれているのだ。

党主席というのは毛沢東の肩書であり、毛沢東の死後は華国鋒が受け継ぎ、その失脚後は胡耀邦が継いで、1982年に廃止された。その後は党中央総書記が新たに最高指導者職として設置された。初代総書記は胡耀邦である。

党主席と総書記のどこが違うかというと、党主席とは毛沢東のことなのだ。党の絶対的権力。一方、総書記は鄧小平体制の中で、分散された権力の一つにすぎない。天安門事件で楊尚昆が国家主席権限で戒厳令を出して以降、総書記職の権威はさらに低下し、鄧小平が確立した共産党秩序においては、政治局常務委員会メンバーの一人として以上の権限はない。つまり、政治局常務委員会の総意と総書記の意見が違えば、総書記といえども政治局常務委に従ういわば“党内寡頭民主”のシステムが今の中国共産党秩序の基礎なのだ。

党主席制度復活は、これを毛沢東時代に戻す、つまり強人独裁を復活するということが狙いだ。習近平が党大会でこの党主席制度を提案して通るかどうか。これがおそらく北戴河会議での重要テーマの一つになるだろう。

習近平はこれを実現するために、2015年暮れあたりから自分を党の“核心”と呼ばせる習核心キャンペーンを展開。また今年の6月30日に、解放軍香港駐留部隊駐留20周年記念においての閲兵式および7月30日の内モンゴル自治区朱日和訓練基地での建軍90周年記念の閲兵式において、従来の「首長」(軍内における司令官に対する呼称)ではなく「主席」と呼ばせたのも、党主席制に向けたアピールの一環ではないかと勘繰られている。建軍記念日(8月1日)にあわせた閲兵式を行った例はこれまでなく、また任期5年の間の三回目の閲兵式という点でも、習近平が軍において特別であるということを内外に印象付けようとしているということは、事実だろう。

ただ、党主席の権力が絶対的であったのは毛沢東だけであって、実力の伴わない華国鋒も党主席の地位のまま失脚したし、最後の党主席、最初の総書記であった胡耀邦も失脚した。つまり、肩書がどんなに立派でも、政治家としてのカリスマ、実力が伴っていなければ失脚するときは失脚する。中国共産党においては、そのカリスマの裏付けが軍掌握にあるということを考えると、閲兵式を繰り返す習近平の気持ちはわかるのだが、実際に習近平が軍が掌握できているかは微妙な気がする。

党規党章に“習近平思想”を盛り込めるか

党主席と並んで、習近平の独裁体制に向けた攻防の焦点は、党規党章に“習近平思想”という言葉を盛り込めるかどうか、である。

習近平思想の骨子は「四つの全面」(ややゆとりある社会の全面的実現、全面的法治、全面的改革の深化、全面的に厳格に党を治める)や「五位一体」(経済、政治、文化、社会、エコを一体化して進めることがゆとりある社会、中華民族の偉大なる復興を実現する中国の特色ある社会主義事業推進のための全体的な方針)などであるが、一番重要なのは偉大なる中華民族の復興による「中国の夢」の実現である。この「中国の夢」というのは、中国が最も栄えた清朝あたりをイメージした版図や国際社会への影響力の復興であることは、これまでの習近平の言動からも明らかだろう。

指導者の指導思想を党規に書き込むというのは鄧小平以来、慣例となっているが、しかし書き込むタイミングはたいてい任期二期目が終わる最後の花道であり、任期全体を評価されて書き込むというスタイルであった。

習近平の場合は、一期目5年が終わるこの段階での党大会で書き込もうとしている。しかも、当初は習近平の指導思想は「四つの全面」という用語であらわされていたが、ここにきて「習近平思想」という個人名を冠した用語を喧伝しだした。現在、党章に書き込まれているのは「マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、三つの代表理論、科学的発展観点」。個人名を関した指導思想・理論はマルクス・レーニン、毛沢東、鄧小平だけであり、江沢民、胡錦涛は奥ゆかしく自分の名前は隠している。鄧小平理論は自分で書き入れたのではなく、江沢民が書き入れた。ついでにいえば、共産党において思想と理論では思想の方が格上であり、鄧小平理論というのは、毛沢東思想よりも格下という印象を守っている。

毛沢東に並ぶイメージ構築と戦争の影

もし、ここに「習近平思想」という言葉を入れれば、習近平は鄧小平を飛び越えて毛沢東に肩を並べる指導者である、という印象を内外に与えることになる。これは普通の党員からすれば、非常におこがましい行為であり、まさか本気でそんなことをするとは思えないのだが、最近の習近平の周辺では確かに「思想」という言葉が多様されているのは事実である。

こうした漏れ伝えられる情報を総合すると、習近平はこの党大会で毛沢東に並ぶイメージを作り上げたいと目論んでいるように見える。

定年年齢に達した王岐山の政治局常務委留任となれば、年齢による制限もなくなるので、習近平独裁の道が開かれる公算は高くなるという見込みもある。

しかしながら、強軍化、軍権掌握こそが共産党執政の権威を維持する方法だと考え、西側の影響力排除を最優先に、イデオロギー、言論統制の猛烈な強化と党内粛清、経済コントロールに走る習近平政権の指導思想が、30年以上にわたる鄧小平路線、改革開放の道をきた中国社会の現実と乖離していることは言うまでもなく、習近平は次の任期で失脚するか路線を転換せざるを得ない局面がくると、私は思う。というか、それを願っている。なぜなら、過去の中国の歴史を振り返れば、強軍化、軍権掌握のプロセスには必ず外国との戦争・紛争が利用されているのだ。中国が戦争、紛争をしかける相手国に日本は入っていないだろうか。習近平が突き進んでいる路線は、少なくとも日本の国家安全や経済発展にとって望ましいという気はしない。

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『中国次期政権のカギ握る王岐山氏』(8/7・14日経ビジネス FT)について

8/7宮崎正弘氏メルマガ<中国の住宅ローン残高、ついにGDPの44・4% 香港のエコノミスト、朗喊平の予言「住宅ローンを組んだら99%は破産する」>

http://melma.com/backnumber_45206_6566476/

8/7看中国<北戴河掀暗戰 習陣營放風?再傳取消常委(圖)

中南海權斗激烈,十九大之前政局極其敏感。(圖片來源:視頻截圖)

習近平可能會取消政治局常委制度的消息,早在一年前就已熱傳,有銷聲匿跡一段時間後,在臨近中共十九大召開、北戴河會議悄然進行的當下,又再成為熱話題。習近平主導的未來政治格局備受關注。

8月5日,中國戰略研究雜誌社前社長李偉東在接受海外媒體採訪時說,習近平在中共十九大不設政治局常委、不設中共中央副主席的可能性都變得非常大。中共十九大可能就只有一個由25人或26人組成的政治局,這樣做,習就可以把他的親信都拉入政治局來。

李偉東並認為,7月30日內蒙古閱兵時,受閱軍人喊“主席好”的現象,這可能為中共十九大重新設立中共中央主席的位置作鋪墊。

此前,習近平於6月30日檢閱駐港部隊時,受閱官兵也喊出“主席好”的口號。

法廣8月6日對此分析說,如果相關消息屬實,今後北京的最高安排將不再設中共政治局常委制度。

據境外媒體披露,中共現任或退休高層目前已雲集北戴河,一年一度的“休假式”中共高層密會已經開始,當地近期進入高度警戒狀態。有人認為,過往有“老人干政”傳統的北戴河會議,已由習近平主政成功主導;不過也有觀點認為事關中共換屆人事布局,內部角力仍然激烈。

是否取消常委制、設立黨主席及取消接班人制度等中共頂層設計,早在一年多前就開始成為熱話題,其中習近平的取向成為焦點。

在2015年10月6日,海外一篇題為《紫荊來鴻:驚人之舉》聲稱有內部消息,未來只要條件成熟,或條件許可,習近平很可能會有驚人之舉。

2016年5月初,《亞洲周刊》披露,在當年的北戴河會議上,習近平當局可能要研議“取消常委制”“廢除七上八下”(即六十七歲可留任常委,六十八歲須退休)等議題。

隨後,2016年6月16日,中共黨媒《人民日報》刊登題為《中央主要領導機構歷史演進》的文章,回顧政治局常委會、中央書記處、中央軍委等機構的歷史發展過程,指中央主要領導機構並非一成不變,而是隨着形勢發展而改革完善。

《法廣》引述分析稱,這篇看似不起眼的文章暗藏玄機,或許預示十九大上可能會對領導機構進行大幅度改革。

與取消常委制配套,習近平本身的職務設置也是一個關注點。

2016年3月底,中共國家行政學院教授汪玉凱對外媒透露,中國未來可以由國家主席制變為總統制。但從目前中國的政治生態看,必須是“系統性改革”。

另一種消息指向的則並非總統制,據說習近平可能恢復設黨主席。

據香港《爭鳴》雜誌2016年12月號曾披露一份十九大籌備組下發的內部草案,指中共擬設中央委員會主席,設兩名副主席,原來的政治局常委制實質上已被打破。換言之,習近平下屆連任,將不再是總書記職務,而是黨主席。

不過,早有觀點指,有關習近平要取消政治局常委制之說,可能只是習陣營為在內部角力中取勝而有意放風。

去年8月北戴河會議期間,在外界盛傳習近平要取消常委制的消息之際。趙紫陽時期智囊團成員之一、現任加拿大維多利亞大學教授吳國光對美國之音表示,中南海進入了十九大前最後最緊要的權力再分配關頭,高層權力博弈應該是相當緊張、相當激烈。取消常委制消息不排除是習陣營有意在海外放風,目的是在博弈中“討價還價”。

他認為習近平有兩個目標:“第一,可能就是不願意接受上一屆已經安排的更年輕的政治局委員作為下一代的接班人;第二,他希望下一屆政治局常委的安排中有他自己的多數——他願意的政治局常委人選。”

【看中國2017年8月7日訊】(看中國記者李文隆綜合報導)>(以上)

北戴河では暗闘が始まっている。習陣営は噂を流しているのか?政治局常務委員をなくすとまた伝えられている。

中南海の権力闘争は激烈で、19大会前の政局はきわめて敏感だ。

習近平が多分政治局常務委員制度をなくすだろうというニュースは、1年前にはすでに広く伝わり、出て来てから時間を置いて、中共の19大会に近づき、北戴河会議が開かれている時に、再び話題を提供している。習近平主導の将来の政治の仕組みがどうなるのか関心が払われる。

8月5日、中国戦略研究の雑誌社前社長の李偉東は海外メディアのインタビューを受け、「習近平は中共19大会では政治局常務委員を設けず、中央委員会副主席も設けない可能性があって変化はかなり大きい。19大会では恐らく25~26人からなる政治局のみで、この中に習の側近を入れようとしている」と。

李偉東はまた、「7月30日の内モンゴルでの閲兵の時には、軍人から“主席は最高”を叫ばせた。これはおそらく19大会で中国共産党中央委員会主席の地位を確立するためであろう。」とも。

その前、6月30日に習近平が香港部隊を閲兵する時も、官員と兵士に“主席は最高”と呼ばせた。

仏メデイアは8月6日に分析、「もし情報が真実であれば、今後北京のトップは再び中国共産党政治局常務委員制度を設けないことを意味する。」と。

海外メディアに流したものによれば、「中国共産党の現・元高級幹部はすでに北戴河に集まって、1年に1度のリゾートを楽しむ密会は始まり、現地では近日高度の警戒の状態である。「過去には「老人が政治をするもの」という伝統的な北戴河会議であったが、すでに習近平が主導的立場になるのに成功した。」と見る人もいる。しかし、ある見方では中共の人事を変えることにつき、内部の争いは依然として激烈である。

常務委員会をなくして、党主席を作り、トップの後継者制度もなくすやり方は、1年前から話題になっていた。習近平がどう扱うかが焦点になる。

2015年10月6日に、海外の一篇として《紫荊來鴻:人を驚かすの挙》のような内部情報があり、将来条件が熟し、あるいは条件が許せば、習近平は人を驚かす挙に出ることができるだろう。

2016年5月の初め、《アジア週刊》は「その年の北戴河会議で、習近平当局はおそらく常務委員もなくし、67才定年制をもなくすなどの議題を討議するのでは。」と。

その後、2016年6月16日には、《人民日報》の中の《中央主要幹部機関は発展変化する》の文章で「政治局常務委員制度、中央書記処、中央軍事委員会などの組織の歴史を振り返り、中央主要幹部組織がいったんできあがってしまうと変更することができなくなる訳ではなく、情勢に随い、発展・改革していく。」と。

仏メデイアは、この篇の言外の意を汲み取り、もしかしたら19大会ではトップ組織の大幅改革をするのでは。常務委をなくすことと習の身分がどうなるかがポイント。」と分析する。

2016年3月末には、中共国家行政学院の汪玉凱教授は海外メディアに「中国は将来、国家主席を大統領制にするかも。但し、目下の所は中国の政治生態を見て、システム改革は必須だろう。」と。

もう一つの情報は、大統領制ではなく、習近平はおそらく党主席を再設置するのではというもの。

香港の雑誌《学術論争》は、2016年12月号で、19大会の準備として内部草案を発表した。中共中央委員会主席、両名の副主席を設け、なんと政治局常務委員は事実上になくす。言い換えれば、習近平は次も再任される。総書記でなくて、党主席として。

ただ、先の見方をした人は、「習近平が勝負に勝つために、政治局常務委員をなくす説をわざと流した可能性もある」と。

去年の8月の北戴河会議の期間は、外に向かい、盛んに常務委員会をなくすニュースを伝えていた。趙紫陽時代のシンクタンクメンバーの一人で、カナダビクトリア大学教授の呉國光はボイスオブアメリカに対し、「南シナ海に当たることは19大会の前に当たり、最後の最も重要な権力闘争に入り、かなり緊張し、かなり激烈である。常務委員会をなくすという海外に向けての情報は、目的はバクチの“かけ引き”である。

彼は、習近平は2つ目標があると捉えている。「第一は、おそらく前に決めた若い政治局員の中から、後任を出すことは受け入れられない。第二は、彼は次の政治局常務委員の数を自分自身のシンパで固めたい。」”【看中国:2017年8月7日】 (看中国の記者の李文隆が報道> (以上)

FTの記事は当たり障りのない記事で、読んでもヒントになる部分はありませんでした。ポールソンと王岐山の関係なんて、如何に帳簿を誤魔化すかを教え合ったのではと思ってしまいます。中国では、総ての企業は小金庫(賄賂と接待に使う裏金)があり、不正に手を染めていない企業はありません。

また王岐山のGITIC(広東国際投資信託公司)の破綻処理は李長春(江派)と共に当たり、首相は朱鎔基だったと思います。何のことはない、日本の銀行に泣き寝入りさせ、損を被らせただけです。各行、数百億の損になったはずです。それで文句も言えない日本企業と言うのは骨がありません。

翻って「看中国」の記事は、中国人が書いているだけあって、いろんな取材源があるようです。真実かどうか分かりませんが、習が裏で画策しているのは窺えます。成功するかどうかで、毛沢東時代のような専制政治が始まるかどうかになります。中国人の発想は西側の発想とは全然違います。習の独裁が認められれば、人民統治も苛烈を極めるでしょう。また、男が多いこともあり、地球上のあらゆるところで戦争を仕掛けて来ると思われます。西側はそれだけの覚悟があって中国を甘やかすのですか?

宮崎氏のメルマガは、不動産の価格維持の話ですが、庶民には手の届く価格ではなくなり(=実需でない)、投機の為だけで売買しているのが分かります。日本のバブル崩壊と同じく、誰かがババを引けば、バブル崩壊の序奏曲となるでしょう。而もGDPが437兆円くらいしかないとも言われています。日本のバブル崩壊では乗り越えられる体力がありましたが、中国の真のGDPでは無理でしょう。中国に投資している人は手じまいを考えた方が良いと思います。

記事

今秋の中国共産党大会を経て、習近平体制は2期目に入る。注目すべきは王岐山・政治局常務委員の処遇だ。反腐敗運動を主導してきた。“引退年齢”を過ぎても首相に推す声がある。王氏が指導部に残れば、指導力を発揮し、行き詰まっている習政権の経済改革を再び動き出させると期待される。

今秋に予定される共産党大会を控え、最高指導部人事をめぐり注目の的になっている王岐山氏(写真=ロイター/アフロ)

中国共産党の最高指導部、中央政治局常務委員の一角を占める王岐山氏(69歳)は、同氏の崇拝者に言わせると、中華人民共和国史上最高の首相になるはずだ。

王氏は現在、習近平国家主席の下で反腐敗運動の指揮をとる。過去40年にわたり積み上げてきたその経歴は、現代中国の政界においてとりわけ注目に値するものだ。

王氏は1980年代前半に若き改革派として頭角を現した。国際金融危機の際には、対米貿易をはじめとする米国との経済関係を調整した。そのほか、現代中国が経験したほぼ全ての主要な金融・経済改革において、重要な役割を担ってきた。

 

「触れたものを全て黄金に」

王氏は大学では歴史を専攻した。文化大革命で社会が混乱した後は、古代の遺物を展示する陝西省博物館に勤務した。

王氏は、上の世代の党幹部が欠いているユーモアのセンスを持ち合わせていることで知られる。

また、政権トップの中でも特に読書家といわれる。友人や同僚によると、公的な発言でも私的な会話の中でも話題を次々と転じることが珍しくないという。その興味はアレクシ・ド・トクビルの有名なフランス革命研究から最新の天文学説に及ぶ。

王氏は1990年代半ばに、将来有望なテクノクラート(高級官僚)として中央政界に登場した。中国初の国際投資銀行である中国国際金融を発足させるべく働いた時のことだ。同行は中国建設銀行と米金融グループ、モルガン・スタンレーとの合弁事業だった。後者はその後、2004年に撤退した。

1990年代末に、国有投資グループの広東国際信託投資公司(GITIC)が50億ドルの負債を抱えて破綻した。王氏は、この中国史上最大の破綻処理を監督。その後2010年まで、国有銀行部門の再編に深く関わった。

GITICの破綻処理を成功させたことで、王氏は中国最高の「消防隊長」と呼ばれるようになった。03年に北京でSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際には北京市に移り、公衆衛生危機を鎮静化させることに成功。引き続き、08年に開催される北京オリンピックの準備に当たった。

ある政府高官は、「王岐山が触れるものは全て黄金に変わる」と表現する。王氏をギリシャ神話のミダス王になぞらえたこの例え話は、広く知られるようになった。北京で昨年来、「王氏を首相に」という声が高まっている理由の一端はここにある。

過去の慣例に従えば、今秋に予定される党の主要会議で、現職である李氏の5年間の首相続投と王氏の引退が承認される。しかし、ある政府高官が昨年10月に公の場で、引退年齢とされているものは「全くの俗説にすぎない」と発言した。また党の機関紙も、幹部の任命に際して「単純に年齢で線引きすることはできない」という習氏の発言を伝えた。

こうした発言を背景に、李氏が、お飾りにすぎない全国人民代表大会(国会に相当)委員長に降格させられるとの臆測が浮上している。経済問題に対する李氏の権限は、習氏の権威に押されて縮小を余儀なくされている。この状況は、王氏を首相の座に押し上げる道を開く。

李氏が首相の座にとどまり、王氏も政治局常務委員のまま経済や金融を担当する、というシナリオもあり得る。中国政界にパイプを持つあるアジアの外交官は、「習氏と李氏は和解した」と語り、李氏が留任するとの見方を示した。

しかし、状況はいずれとも定まっていない。党大会を前にした駆け引きは、ぎりぎりまで続く。王氏の処遇については、党大会の最後に習氏と同氏の2期目を支える指導部が壇上に登る瞬間まで、確実なことは言えないのだ。共産党のある元中央委員は最近、「次期首相が誰になるのか、我々にも分からない」と、ごく親しい者たちに語ったという。この会話を知る2人の関係者から聞いた話だ。

王氏には敵も多い。特に、反腐敗運動を指揮した5年の間に多くの敵を作った。それゆえ党内の激しい政治工作に足をとられる危険性も高まっている。

今年の春以降、これまで表立った動きを見せなかった米ニューヨーク在住の中国人富豪、郭文貴氏が、ツイッターやユーチューブを通じて、王氏とその家族を非難する発言を派手に繰り返している。発言の多くは、王氏の家族と中国の複合企業である海航集団との疑惑の関係に関するものだ。同社の不透明な所有構造については、海外の規制当局も調査を実施している。

海航集団は郭氏からの非難を懸命に否定する。非難を裏づける証拠は今のところ存在しない。しかし、中国問題の専門家の中には、王氏が国営メディアに登場しない期間が長くなればなるほど、王氏と習氏の関係が悪化している可能性が高まると見る者もいる。

中国共産党政治局常務委員を務める7人。中央に習近平国家主席、その右に李克強首相、右端に王岐山氏。秋の党大会を経て、この顔ぶれはどう変わるか(写真=新華社/アフロ)

孫政才氏の失脚の裏にも……

習氏も王氏も、中国共産党の初期の革命活動家の家系につながる、いわゆる「太子党」だ。習氏の父親は党の幹部。王氏は別の幹部の娘と結婚した。

中国メディアの報道によると、両氏は遅くとも文化大革命の時には知り合っていた。共に「下放」された陝西省で、将来の上司となる習氏に王氏が経済学の教科書を貸したという。

王氏(左)と習近平国家主席は文化大革命の時、ともに「下放」され陝西省で出会った(写真=ロイター/アフロ)

王氏が政治的に失脚するという噂は、習氏が王氏をライバルとして警戒しているせいだとされることが多い。しかし、これまでのところ、そうした噂はどれも誇張されたものであることが分かっている。

王氏は公の場に姿を表さなくなることがよくある。これは通常、彼自身ではなく、ほかの人間が危険に陥っているしるしと見なされる。

事情に詳しい2人の関係者によると、最近では、7月に入って王氏が久しぶりに姿を現した直後、中央規律検査委員会が、習体制を支える現職政治局員の身柄を初めて拘束した。習氏の後継者と目されてきた孫政才氏だ。中国の大都市の一つ、重慶市の党委員会書記だった孫氏は、「重大な規律違反」があったとして調査を受けている。

一方、王氏による中国金融界の腐敗摘発は衰える兆しを見せない。この動きは今年に入って始まり、肖建華氏など金融業者や民間の大物が次々と拘束された。肖氏は中国でも指折りの富豪で、資産は400億元(約6600億円)とされる。肖氏には、支配下の銀行や上場企業を使って、様々な金融機関の株価をつり上げた疑いがかけられている。

金融部門の捜査に詳しいある中国高官は「肖建華はがんだ。彼は実体経済に何の貢献もしていない。多くの者と自分自身を大いに富ませたが、国家には害悪をなした」と指摘する。

この高官はさらに、王氏による捜査の背景には、経済政策上の大きな目的があると続けた。「金融制度を、経済成長のテコとして利用するのをやめることだ。それができれば、投機的資産バブルなど、ほかの多くの問題も消え去る」

王氏を特に強く推しているのは、中国国内の経済改革派と、国際企業の経営者、海外の外交官らだ。彼らは、世界第2の経済大国となった中国は、朱鎔基氏のような気質を持つ改革派の首相を切実に必要としていると考えている。朱氏は1998~2003年に中国の首相を務めた人物で、王氏の師でもある。

 

朱鎔基氏の後を継ぐ

朱氏は首相を1期しか務めなかった。しかし、退任時には自分が大きな実績を残した首相として記憶されることを確信していた。中国は同氏の任期中に世界貿易機関(WTO)に加盟するとともに、産業・金融部門の国有企業を対象に抜本的改革を断行した。

1期目の習政権は、朱氏が成し遂げたような複雑で痛みを伴う改革に取り組むことができなかった。また取り組む意欲にも欠けていた。

改革派の官僚は、朱氏をしばしば「偉大なる首相」と呼ぶ。朱氏に近い2人の関係者は、同氏は2期目の続投を強く望んでいたと証言する。しかしその望みがかなわなかった時、朱氏は自分の仕事をいずれ王氏が引き継ぐことを期待したと、この2人は続けた。

中国の指導部人事に詳しい別の人物によると、王氏を政治局常務委員に押し込んだのは朱氏だったという。

しかし、王氏を腐敗を取り締まる組織のトップに据える決定は、王氏自身にとってさえ驚きだった。中央規律検査委員会の内部会合を撮影した1本の動画が流出している。その中で王氏は、一人の委員が新たに難しい仕事を課せられ「自分は準備ができていない」と渋っていることについて、次のように冗談めかした発言をしている。

「私も(12年には)『中央規律検査委員会を率いる準備など、申し訳ないが、できていない』と尻込みしたものだ。私がこの組織のトップに立つことなど誰が考えただろう。誰も考えなかったことだ。そう言って断ろうとしたとき、私だって本気で渋っていたさ」

王氏と親しいある人物は、「彼には世界的な人脈があり、常にコンタクトをとっている。同僚たちの大半が自分と同じようにしないのは恥ずべきことだと彼は言っている」と話す。

米財務長官や米金融大手ゴールドマン・サックスのCEO(最高経営責任者)を務めたヘンリー(ハンク)・ポールソン氏は、15年に発表した回顧録『ディーリング・ウィズ・チャイナ』の中で、世界金融危機の真っただ中で王氏と会談した際に受けたある忠告を振り返っている。

「ハンク、あなたは私の先生だったけれど、自分たちのシステムを見詰め直してほしい。我々は、あなたたちからこれ以上学ぶべきか確信が持てずにいる」(王氏)

金融危機の時、王氏(右)はポールソン米財務長官(当時)に苦言を呈した(写真=ロイター/アフロ)

一方、国家主導の資本主義という中国独自のモデルを王氏は信頼している。その自信は、むしろ強まる一方に見える。あらゆる面で統制を強めてきた習氏の独裁的な姿勢についても、王氏は不安な様子を一切見せない。王氏は今年2月、公の会合の席で「党と政府の分離というようなことはあり得ない」と発言した。

王氏はまた、自分が政治の表舞台に残るか否かにかかわらず、自身と習氏が5年前に巻き起こした政治改革旋風は今後も続くと考えているようだ。

流出した動画の中で、王氏はこう語っている。「反腐敗運動は、一陣の突風のようなものでもなければ、数日で過ぎ去るものでもない。この運動に始まりはあっても終わりはないのだ」

Tom Mitchell, Gabriel Wildau, and Henny Sender ©Financial Times, Ltd. 2017 Jul.28

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『米太平洋軍司令官が語ったアジア太平洋の3つの脅威 強固な日米同盟で北朝鮮、中国、ISに対抗を』(8/3JBプレス 北村淳)について

8/7産経<【北朝鮮情勢】中国外相、米の独自制裁に反対と伝達 マニラでの米中会談>

http://www.sankei.com/world/news/170807/wor1708070001-n1.html

8/6産経<【北朝鮮情勢】米、中国の制裁履行を見極め 「二次制裁」準備で圧力 トランプ氏「北に甚大な打撃」と称賛 >

http://www.sankei.com/world/news/170806/wor1708060045-n1.html

8/7産経<【緊迫・南シナ海】中国の時間稼ぎ奏功 ASEAN会議 軍事拠点を既成事実化、南下食い止め手立てなく>

http://www.sankei.com/world/news/170806/wor1708060054-n1.html

北朝鮮に対する決議ですが、北も中国も守ったことはないでしょう。今回も中国は裏で北に便宜を図るはずです。中国としては北を使って米国一極支配を打破したいと思っているのですから、当然でしょう。「騙す方が賢い」と評価される国ですから。時間稼ぎに使われるだけです。さっさと金融制裁、制裁関税に踏み切った方が良いと考えます。両国とも国際ルールを守らないというか、ルールは破るためにあると思っている国です。

翻って日本が満州進出した時に、中国(顧維均)は国際連盟に日本の不当性を訴えました。元々満洲は漢族の土地ではなく、満州族の土地です。万里の長城より北ですので、漢族が今でも中国の領土としているのは、南モンゴル、ウイグル、チベット同様おかしいことです。孫文だって、日本に満洲譲渡の交渉をしようとしていました。中国はいつでも二重基準です。利用できるものは何でも使います。力が弱いときには国際組織を使って嘘を蔓延させました。

http://blog.livedoor.jp/aryasarasvati/archives/46798335.html

また中国は新京(長春)の満洲国皇宮を偽満皇宮博物院と呼んで貶めて展示しています。歴史の改竄は、彼らはお手の物。「歴史」という言葉も日本が中国に伝えたのですから。「歴=暦」と「史=記録係の役人(岡田英弘)」しかありませんでした。両者とも“history”の意味はありません。日本が満州国を植民地化したと中国は言っていますが、愛新覚羅溥儀の家庭教師をしたジョンストンの『紫禁城の黄昏』には溥儀が望んで満洲王朝を作りたがったと言う話が出てきます。岩波版は都合の悪い部分はカットされているようで、渡部昇一氏監修版をお勧めします。頭が左翼洗脳脳の人ほど読んだ方が良いでしょう。何せ2004年くらいに丹東の「抗美援朝(米国に対抗し、北朝鮮を支援する)博物館」に行ったときに、朝鮮戦争は南鮮が起こしたと歴史的事実と真逆のことが書かれていましたのでびっくりした覚えがあります。改竄・捏造の得意な国です。外国人には漢字が分からないと思ってのことでしょう。

http://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=329

http://www2s.biglobe.ne.jp/nippon/jogdb_h21/jog589.html

http://nettaro-note.cocolog-nifty.com/blog/2010/11/post-e0e8.html

ハリス司令官としては大統領命令があればいつでもとの思いでしょうが、トランプ政権の腰が定まりません。ケリー、マクマスター、マテイスと軍人官邸と言われますが、バノンとマクマスターの相性が悪く、バノンはマクマスターを追い出そうと右翼メデイアを使って攻撃、解任の噂も出ているとのこと。(8/7日経朝刊)。米国がモタつけばモタつくほど中国に陣地を取られていきます。ASEANの動きで分かるでしょう。早く中国を金融制裁し、国際取引の場から締め出すことです。戦争や侵略を認めることになるより良いでしょう。

記事

ハリー・ハリス海軍大将(2016年12月7日撮影、資料写真、U.S. Marine Corps Photo by Lance Cpl. Patrick Mahoney/Released)

7月28日、駐米日本大使が主催した会合(第4回Japan-U.S. Military Statesmen Forum )でアメリカ太平洋軍司令官のハリー・ハリス海軍大将が講演し、アジア太平洋地域(太平洋からインド洋にかけての広大な海域の沿岸諸国ならびに海域)が直面している軍事的脅威について説明した。説明の概要は以下のとおりである。

アジア太平洋地域が直面する軍事的脅威

(1)北朝鮮の核弾道ミサイル

ICBMを手にした北朝鮮は、国際平和と安定に対する「明確かつ差し迫った」脅威である。それは、日本とアメリカにとってだけでなく中国にとってもロシアにとっても、そして世界中にとっても共通の脅威といえる。なぜならば、北朝鮮のミサイルは日本やアメリカのみならず、あらゆる方向に向けることができるからである。したがって、国際社会は協調して、とりわけ日米韓は緊密に連携して北朝鮮に対する経済制裁を強化し続けなければならない。

北朝鮮に対する経済制裁という外交努力が効を奏するには、日米韓は現実味のある強力な戦力を見せつける必要がある。そのためにアメリカ海軍はイージス艦を伴った空母打撃群を派遣し、世界最強の攻撃原潜を出動させ、そして爆撃機もこの地域に常駐させている。また、日本の防衛を鉄壁に維持するため、最新最強のF-35戦闘機、P-8哨戒機そしてMV-22(オスプレイ)を展開させているのである。

中国は北朝鮮唯一の同盟国であり、北朝鮮に対して最大の影響力を持っている。そこで、以上のような軍事的支援を伴った北朝鮮に対する経済的・外交的圧力とともに、中国による北朝鮮への経済的圧力が強化されることが、朝鮮半島の平和が保たれるために何よりも大切である。

(2)中国による海洋進出

国際社会が北朝鮮の核兵器開発を牽制するために中国の協力を期待しているからといって、中国による強引な海洋侵出を容認することはできない。今週も(東シナ海上空で)米軍機に対して中国戦闘機が危険な方法で接近して威嚇するという事案が発生した。このような無責任で危険極まりない中国側の行動が(東シナ海や南シナ海の上空で)頻発しているのは、理解に苦しむところである。

中国は、南シナ海に人工島を建設して軍事拠点化し、領域紛争中の海域や島嶼環礁に対する中国の主権を既成の事実としようとしている。それらの軍事施設を伴った人工島は、南シナ海の物理的、政治的な状況を根本的に変えつつある。しかし、かねてより指摘しているように、われわれは“偽の島”を真に受けてはならない。

中国軍艦はアメリカの排他的経済水域内で作戦行動をとっているが、それに対してアメリカは何ら苦言を呈していない。なぜならば、そのような海域は公海であるからだ。ところが、アメリカの軍艦や軍用機が中国軍艦や中国軍機と同じ行動を(中国の排他的経済水域内で)とると中国当局は抗議をしてくる。このように、中国は国際的ルールを選択的に用いているのである。

かねてより繰り返し主張してきたように、中国には現実的な対処、すなわち「このようにあってほしい」と期待するのではなく「このようである」として対処しなければならない。我々は、中国と協調できる部分をより発展させるために、中国と協調できない部分に関して妥協してしまうことは避けねばならない。

(3)ISのフィリピンへの勢力浸透

フィリピンに勢力を浸透させているISも、アジア太平洋地域における大きな軍事的脅威の1つと言える。

フィリピン南部に勢力を張り巡らせているアブ・サヤフ(イスラム原理主義組織)の指導者の1人であるイスニロン・ハピロンは、昨年、ISの東南アジア指揮官に指名されている。(今年の5月から6月にかけて)ミンダナオ島のマラウィ市におけるフィリピン軍治安部隊(アメリカ軍特殊部隊も支援していた)とアブ・サヤフの武力衝突は、東南アジア地域において発生したISの影響を受けた武装勢力による戦闘としては最大規模のものであった。

アメリカ海兵隊とフィリピン海兵隊の対アブ・サヤフ合同訓練

マラウィ市での戦闘は、外国から流入したISのイデオロギーや戦闘資源やノウハウが地元出身者の間にも浸透し、東南アジアにも拡散しつつあることを物語っている。

ISのような暴力的過激組織の勢力の伸張を防ぐためには、国際協力が必要不可欠である。このようなIS打倒のための国際連携に日本は貢献している。たとえば、日本がフィリピンに供与した巡視船や海洋哨戒機などは有用だ。アメリカも、新型哨戒機をフィリピンに提供し、それらはミンダナオ島やスールー諸島での対IS作戦に貢献している。

このような二国間(日本とフィリピン、アメリカとフィリピン)の協力も大切だが、それ以上に効果的なのは多国籍間の協働(共通の目的に向けての協力)である。最近実施されたアメリカ、日本、オーストラリア、そしてインドによる合同軍事演習は、批判を加える勢力もあるが、民主主義という共通の価値を分かち合って集結する安全保障協力関係の構築努力と言える。

講演するハリス司令官(写真:米国防総省)

*  *  *

以上のようにハリス司令官は北朝鮮の核ミサイル、中国の海洋進出、そしてISの東南アジアへの浸透がアジア太平洋地域の3大軍事的脅威であることを説明した。

同時に、アメリカがアジア太平洋地域を最も重視し、今後も最優先で関与していくことが、アメリカの指導者たちの共通認識であることを強調した。

ハリス大将によると、これまでの70年と同様に、アメリカ太平洋軍は今後もその強力な統合戦力で睨みを効かすことによりアジア太平洋地域の軍事的安定を維持していき、アメリカが太平洋国家そして太平洋のリーダーとしての地位に留まり続ける決意であるという。そして、世界中で脅威が高まり、より強いリーダーシップが求められている今日ほど強固な日米同盟が求められている時はない、と日米同盟の必要性を繰り返し強調した。

米海軍が誇る空母打撃群

いまだに定まっていない中国に対する姿勢

本コラムでも何度か触れたように、ハリス司令官は太平洋軍司令官に就任する直前の太平洋艦隊司令官時代より、中国による好戦的な海洋進出政策に対して強い警鐘を鳴らし続け、対中強硬派とみなされていた。しかし、極めて“平和愛好”的な日本主催の会合での講話であることに加え、アメリカとしては中国に北朝鮮への何らかの圧力を発揮してもらうことを期待せざるを得ないという状況のため、ハリス大将の中国に対する姿勢は上記のように穏やかなものであった。

ただし、アメリカ海軍関係者たちの間では、来年の「リムパック2018」に中国を招待したことを巡って、それを容認したとしてハリス司令官を含む海軍やペンタゴン上層部を強く批判する人々も存在する。

また、アメリカ軍関係者たちの間では、東アジア地域での新興覇権国である中国と既成覇権国であるアメリカは武力衝突が避けられないという「トゥキディデスの罠」に関する議論も半年以上にもわたって続いている。さらには、最近、中国海軍首脳が明らかにした最新鋭潜水艦技術を巡っても、アメリカ海軍関係者たちの間では中国に対する姿勢を巡って意見の対立が見られる。

そのため、果たしてトランプ政権がアジア太平洋を最優先させるのか、中国に対して封じ込め的姿勢を取るのか? それとも融和的姿勢を取るのか? については、いまだに定まっているとは言えない状況である。

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『一瞬の蜜月関係が終わった米国と中国 北朝鮮を制裁しない中国に米国は「失望」』(8/5JBプレス 古森義久)、『「日本に核武装させるべきか?」米メディアに現れ始めた「日本頼み」の論調』(8/4NewSphere)について

トランプは習近平に騙されたと思っているでしょう。習はトランプを騙せて賢かったと思っているのでは。そもそも中国人を信用するのが間違いです。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う価値観で動いていますので。北の問題を始め、時間の利益を中国・北朝鮮に与えてきたことになります。南シナ海だって2015年9月に習近平はホワイトハウスで「軍事化することはない」と約束しました。今はもう完全に軍事基地化したではないですか。

http://www.sankei.com/politics/news/170801/plt1708010007-n1.html

米国がロシアと対抗するために中国という悪魔の帝国を製造したわけです。壜の蓋論で日本を抑えながら。製造物責任は米国にあります。米国が解決する義務を負います。今になって日本にだけ押し付けられても、片づけられないくらい中国は軍事力が突出してしまいました。ただ、日本の核武装は必要と思います。第二、第三の広島、長崎を出さないために。唯一の被爆国ですから、核を持つ権利はあります。左翼政党・左翼メデイアは反対するでしょうけど、彼らは中共の手先ですから、当然そうするでしょう。

米国が北を攻撃するのは9月以降かもしれません。8月までに北朝鮮にいる米国民の国外避難を求めているからです。遠藤氏のブログによれば、本年9月から1年の内には攻撃があるかもしれないとのこと。

http://endokentaro.shinhoshu.com/japan/post4918/

韓国は愚かにも中国と北の煽動に乗り、8/15ソウルの米大使館前で反「THAAD」のデモをするようです。自国の安全に関することなのに、政府も司法もデモを許すところに、衆愚民主の弱さがあります。敵はそこをついてきて利用するだけです。共産主義国は自国の自由なデモは簡単に鎮圧できますので。天安門事件のように容易に虐殺します。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/08/03/2017080303030.html

8/6宮崎正弘氏メルマガに<マレーシア、中国のフォレストシティをめぐり政局化 マハティール vs ラジブ政権+サルタン連合が「主権」で論争>という記事が載りました。北海道にも同じ手でやってくるのではと危惧されています。いつの世でも人口侵略を実践して来た中国ですから、さもありなん。ラジブとサルタンには賄賂を贈っていると思います。日本では、官僚に賄賂は贈れませんが。中国でも人件費が上がり、AI化やロボット化が進んできています。人口の多さが消費を支える筈(でも富の分配がうまく行ってないため、個人消費の占める割合はGDPの37%)でしたが、それが逆回転し出しています。そうなると共産党が考えるのは人口輸出・棄民でしょう。そこの土地も奪い、中華帝国に跪くようにすることを狙っていると思います。

http://melma.com/backnumber_45206_6565870/

中国で流行っていると言われるレンタサイクルが日本に進出との記事。中国では返さない顧客が多いので潰れた会社が2社ありましたが。中国のモバイク進出も軍事用なのかもしれません。日本のGPSを使って攻撃地点を調べるように使われるかもしれません。日本の役人はセキュリテイに危機感がなさ過ぎです。

http://www.imasugu-chinese.net/chinese/post19685

https://japan.cnet.com/article/35103252/

古森記事

米フロリダ州にトランプ氏が所有するリゾート施設「マーアーラゴ」で、中国の習近平国家主席(左)を歓迎する米国のドナルド・トランプ大統領(右、2017年4月6日撮影)。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News

米中関係の“ミニ蜜月”は終わった――米国のトランプ政権の最近の対中姿勢と、中国側の反応をみていると、北朝鮮問題に共同で対応しようという一時の協調関係は完全に終了し、本来の対立状態へと戻ったようである。新たな米中対立は、日本にも当然、大きな影響を及ぼしそうだ。

中国への失望が鮮明に

トランプ大統領は4月上旬の習近平国家主席との米中首脳会談で、北朝鮮の核兵器開発阻止のための協力を中国に要請した。北朝鮮経済の生殺与奪も可能な中国に、石油の輸出停止など北朝鮮に対するこれまでにない強硬で大規模な経済制裁措置をとることを頼んだのである。それと引き換えに、トランプ政権は経済面や軍事面での中国の荒っぽい行動への抗議は当面みあわせるという態度をとった。

トランプ政権はこの対中要請に、米中貿易不均衡問題での中国側の善処策とからめ、100日間という期限をつけた。その間、トランプ大統領は中国への批判を一切行わず、逆に「習近平氏は好ましい人物だ」などいうコメントを発し、米中協調の構えをみせた。

もともとトランプ氏は、大統領選キャンペーン中から中国に対して厳しい非難を浴びせていた。当初は、中国の巨大な対米貿易黒字や、米国企業を不当に扱う不公正貿易慣行、知的所有権の侵害など、経済分野での非難だった。だが、次第に南シナ海での無法な領有権の主張やその拡大についても批判するようになった。中国からの米国の官民に対するサイバー攻撃もトランプ氏は糾弾していた。

ところがトランプ政権は、4月上旬に、中国に北朝鮮への圧力行使を要請するのに伴い、こうした批判的な対中姿勢を一変させた。それ以降の米中関係は、あたかも小さな蜜月関係に突入したかのようだった。

しかし、中国は北朝鮮問題に関して米国が求めるような動きを見せなかった。トランプ政権は中国への批判的な姿勢の表れとして、6月下旬に台湾への兵器売却を決定し、7月初頭には南シナ海で中国の領土拡張に抗議する意を込めた「航行の自由作戦(FONOP)」を実行した。いずれも中国政府が嫌がる動きであり、同政府はその両方について米国政府に激しい抗議の意を表明した。

そして、「100日の猶予」が完全に終わる7月中旬ごろには、トランプ政権の中国への失望が鮮明となった。

とくに北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)と豪語する長距離ミサイルの実験発射を7月に2回実施すると、トランプ大統領は「中国には失望した。アメリカの政治指導者たちはこれまで中国の対米貿易黒字の巨額な膨張を許容して、中国側に利益を与えてきたのに、中国はこちらの要請を受けても北朝鮮に圧力をかけもしない。この状態を続けることはできない」と激しい中国非難を打ち上げた。

トランプ大統領の対中非難に呼応するように、CIA(中央情報局)のマイク・ポンペオ長官も米国の一部メディアとのインタビューで、「米国にとって中期、長期の最も深刻な脅威は中国だ」と語った。ポンぺオ長官はさらに「経済面でも軍事面でも米国に対して最もチャレンジをする能力を持つのは中国だ。南シナ海でも東シナ海でも、中国は米国やその同盟国の利益を盗むか、侵すかしている」とも述べた。

中国側は国営新華社通信がこのポンぺオ長官の発言を詳しく取り上げ、「米国は自分たちのせいで生まれた危機を中国のせいにしている」と反撃した。トランプ大統領自身の中国批判に対しては中国外務省の報道官が「米国政府は北朝鮮の核危機を中国の責任だと非難するが、まったくの的外れだ」と反論した。

民主党勢力もトランプ政権に同調

トランプ政権は同時に議会の共和党議員たちと連携して、北朝鮮との取り引きを続けている中国企業への経済制裁の強化や、中国企業の米国との間の不公正な貿易慣行を新たに指摘して、経済制裁をかけるという動きにも出始めた。

この動きには議会の民主党勢力も珍しくトランプ政権に同調する形で、中国企業による対米投資に厳しく規制をかける措置を提案し始めた。上院の民主党院内総務のチャック・シューマー議員は8月1日、「中国政府が北朝鮮の核開発を抑える具体的な行動をとるまで、中国企業の米国内の企業買収を一切、認めない政策をとるべきだ」というトランプ政権への要望を発表した。

中国側も黙ってはいない。トランプ政権や米国議会のこうした姿勢の硬化に反発し、政府報道官の言明や国営メディアの評論を通じて米国を非難するようになった。

米中関係のこうした悪化によって日米同盟が強化されるという現象も起きている。安倍晋三首相はこれまで、北朝鮮の核問題で中国に頼ることは賢明ではないという見解をトランプ大統領に伝えてきた。しょせん中国は米側の思いどおりには動かないという意味の見解である。現実の展開は、この見解が正しいことを証する形で動いたわけだ。米中両国が安全保障面で再び対立すれば、米国は在日米軍の基盤となる日本との同盟関係をより重視するようになるであろう。

NewSphere記事

supot phanna / shutterstock.com

このところの北朝鮮の相次ぐ大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験成功は、米本土に到達する能力を秘めたものであるだけに、アメリカの危機感を大きく煽ったようだ。しかし、外交的手段は手詰まりで、直接攻撃にも踏み切れない状態だ。これに業を煮やしたような形で、米メディアには、北の核に対する最も有効な抑止力は、「日本の核武装」だとする論調も出始めた。

◆日本のタブーは破られた  FOXニュース(web版)は、「日本の核が北朝鮮の攻撃を止めるか? 北の実験で弱まる日本のタブー」と題した記事で、専門家の意見を交えて日本の核武装の是非を論じている。冒頭で、「北朝鮮がさらなる長距離ミサイルの実験で核の野望を前進させる中、かつては考えられなかったことが日本でメインストリームになりつつある。非常に不安定な地域で生存するために、日本には核による抑止力が必要だという考えが、議論されているのだ」と書く。

4人の専門家がFOXニュースのインタビューに答えているが、それぞれ日本の核武装に対して賛成、反対の違いはあるものの、共通しているのは、今の日本には核武装を議論することのタブーがなくなったという認識だ。Center for Non-proliferation Studies(核不拡散研究センター)のアナリスト、マサコ・トキ氏は、世界で唯一の被爆国である戦後の日本には、「政治家が少しでも核武装を論じただけで辞任に追い込まれる」ほどの“核アレルギー”があったことを指摘。しかし、北朝鮮と中国の脅威が急激に増している今は、そのタブーが破れ、「比較的自由に論じられるようになった」と述べている。

国際戦略研究所のエグゼクティブ・デレクターで『Asia’s Latent Nuclear Powers(アジアの潜在的核戦力)』という著書があるマーク・フィッツパトリック氏は、事態はさらに進んでいて、核武装をするべきだという考えが「主流になっている」と分析する。ポリティカル・リスクのコンサルタント会社を運営するアンダース・コール氏も、「日本では、過去数ヶ月間で核武装を支持する軍事アナリストが急増した」と語る。

◆「日本が核を持てば情勢はさらに不安定に」と反対派  FOXニュースは、戦後日本の“核のタブー”がなくなった理由に、隣国の中国が核保有国として領土拡大の野心をあらわにしていることと、北朝鮮の相次ぐミサイル発射実験、トランプ米大統領が自国を優先し、日米安保における日本の役割の拡大を望んでいることを挙げている。

それを十分に認識したうえで、フィッツパトリック氏は核不拡散を提唱する立場から、日本の核武装に「私は、それは非常に危険だと思う。なぜなら、故意であろうが、偶発的であろうが、(極東地域の)軍拡競争と核取引の機会を加速させるからだ」と反対する。また、アメリカは敵対している国に対しても同盟国に対しても、等しく核の不拡散を求めている。その点でも、日本が核武装すれば、アメリカに大きな外交的課題が突きつけられるという見方を示している。

そもそも日本はアメリカの核の傘に守られているので、独自に核を保有する必要がないと主張する専門家もいる。カーネギー国際平和基金の核政策プログラムの共同ディレクター、ジェームズ・アクトン氏は「日本の核兵器だけではない。アメリカの核兵器もあるのだ」と語り、「これは日本が核を保有すべきだという議論において、見逃してはならないことだ」と強調している。

◆賛成派は「最大にして唯一の抑止力」  一方、ユダヤ系保守メディアのコメンタリー誌(web版)は、「日本が核武装すべき理由」と題した記事で、日本の核武装を強く推している。相次ぐ北朝鮮のミサイル発射実験に対し、今のところトランプ政権は無策であり、事態は悪い方向に進んでいると同メディアは見る。そして、「大統領選の最中、トランプは日本と韓国には核兵器が必要だと示唆した。後に幅広い層からの批判を受け、自ら撤回したが、日本について言えば、彼は間違っていなかったかもしれない」と書く。もはやアメリカの核抑止力が無視され、外交的手段では北朝鮮の蛮行を止めることができない以上、隣国の日本が核を持つこと以外に解決策はないという考えだ。

コメンタリー誌は、「日本は既に核兵器を開発可能だ。既に作り方を知っている爆弾を、材料を手に入れて組み立てればいいだけだ」とも書く。また、「日本の核武装の可能性は、中国の高官たちを本当に立ち上がらせ、傾注させるただ一つのものだ」と、中国に対しても絶大な効果を発揮するとしている。Foxニュースのインタビューに答えた賛成派、アンダース・コール氏は、「近年、急速に日本の領空でアグレッシブになっている」ロシアも抑えることができると語っている。

コール氏は、日本の核武装は東アジアの不安定化を加速させるという反対派の懸念を、「実際には東アジアの緊張を和らげる」と一蹴する。北朝鮮は核開発を中止するし、中国も尖閣諸島を奪取するのをあきらめることになると、同氏は見ている。さらに、韓国と台湾も核武装すれば、東アジアはより安定するという持論を展開する。日本在住のジャーナリスト、ウィリアム・ペセク氏も、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)設置に対する中国のヒステリックな反応(韓国旅行の禁止、K-POPスターのビザ発給拒否、ロッテの店舗を閉鎖)を引き合いに出し、中国や北朝鮮のような国に対しては武力による抑止力こそが有効だと見ているようだ(フォーブス誌)。

アメリカの影響力は無視できないとはいえ、最終的に決めるのは我々日本人自身だ。臭いものには蓋をしたままでやり過ごせるほど、日本を取り巻く情勢は甘くはない。結論はどうであれ、核武装について議論を進めること自体は必要なことだと思うが、いかがだろうか?

Text by 内村浩介

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『「北爆」準備は着々と進む 北朝鮮の反撃に備えを固めた日米』(8/3日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

8/4北野幸伯氏メルマガでは、米国世論も北への攻撃止む無しに傾いているとのこと。「▼アメリカ世論は、「朝鮮戦争やむなし!」に傾いてきている

夕刊フジ8月1日に、非常に興味深い情報が載っています。

FOXニュースが7月16日~18日、世論調査を実施した。その結果・・・。

<北朝鮮が核兵器開発を続けるのを止めるため、米国が軍事行動を取ることに賛成か反対かを聞いた質問に対しては、51%が賛成と回答した。共和党員に限ると、73%が賛成だった。>

なんと「朝鮮戦争賛成」は、51%!共和党員だと、73%(!)が賛成!注目してください。

世論調査が行われたのは7月16日~18日。

「ニューヨークを射程に収める」ICBM実験が実施されたのは、7月29日。調査には、この実験結果が反映されていない。

つまり、次の世論調査では、「朝鮮戦争支持者数」は、もっと増えると予想される。おそらく、アメリカ全体で6割を超え、共和党員では8割を超えてくるのではないでしょうか?

「世論の後押し」は、トランプに「決断する勇気」を与えることでしょう。

(私は、もちろん戦争反対です。)」(以上)

潮匡人氏の『安全保障は感情で動く』には故松原正早大名誉教授の言葉が紹介されていました。「未来永劫人間は決して戦争を止めはしない。なぜなら、戦争がやれなくなれば、そのとき人間は人間でなくなる筈だからである。では、人間をして人間たらしめているものとは何か。「正義とは何か」と常に問はざるをえぬという事、そして、おのれが正義と信じるもののために損得を忘れて不正義と戦いたがるという事である。即ち動物は縄張を守るために戦うに過ぎないが、人間は自国を守るために戦うと同時に、その戦いが正義の戦いであるかどうかを常に気にせずにはいられない。これこそ動物と人間との決定的な相違点なのである。」(P.186)

米国は自衛権の発動、正義の闘いとして北を先制攻撃するのでは。米軍の攻撃があるとすれば、鈴置氏の言う北の核実験後にあるのではないでしょうか。以前言っていました、レッドゾーンを越えた状態(米国に到達するICBM開発と核開発)になりますので。

韓国人100万人が犠牲になると言われて、韓国は戦争をストップさせようとしているでしょうけど、米国にとってこれ以上待つと米国人に大量の犠牲が出かねません。米軍もソウル南部80Kmの所に移した点や、横田にバラックを作っているという事は「やる気」と見ておいた方が良いでしょう。

問題は日本です。朝鮮総連や朝鮮高校、在日がテロを起こす可能性があります。「テロ等準備罪」法案を適用して事前に取り締まれれば良いのですが。警察がキチンと抑えられるかです。出動があるとすれば、沖縄の海兵隊もあると思われますので、沖縄県警は米軍基地をしっかり警護しませんと。長谷川慶太郎氏によれば、在韓米軍を動かすには議会の承認が必要ですが、沖縄海兵隊は大統領命令だけでできるとのことです。ただ、空母やグアムからの攻撃は議会承認がいるのかどうかは分かりません。でも、事後承認の形になるのでは。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6610

記事

北朝鮮のICBM発射を受け、7月30日に米爆撃機B-1Bと自衛隊F2戦闘機が朝鮮半島南方で共同訓練を行った(提供:航空自衛隊/AP/アフロ)

前回から読む)

米国は戦争準備をほぼ終えた。それは北朝鮮も分かっている。

「嫌がらせ」をあきらめた文在寅

鈴置:文在寅(ムン・ジェイン)大統領が7月29日未明、米軍のTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の追加配備を認めました。7月28日深夜、北朝鮮が米本土まで届くと見られるICBM(大陸間弾道弾)を試射したからです。

180度の姿勢転換です。文在寅政権は追加配備に難色を示したうえ、国を挙げて在韓米軍のTHAAD基地を封鎖するなど嫌がらせをしてきました(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。

態度急変の前日、7月28日には韓国国防部が「すでに配備した装備を含めTHAADすべてに関し、環境影響評価を実施する」と正式発表したばかりでした。

文在寅大統領は2017年3月、テレビ討論会で「THAAD問題を次の政権に手渡せば、いろいろな外交カードとして使える」と主張しました。

環境影響評価を理由に配備を遅らせることにより、米国を脅す作戦でした。在韓米軍の兵士と韓国国民を守るTHAADを、外交の小道具として使おうとしたのです。

米軍の顔色を見る国防部は環境影響評価の実施に否定的でしたが、青瓦台(大統領府)に押し切られたのです。

THAADの「非正常な運用」

これを報じた東亜日報は「THAAD、年内配備は不透明に」(7月29日、日本語版)で「(環境影響評価は)1年以上かかる可能性が高く、THAADの非正常な運用が長期化すると懸念されている」と書きました。

韓国の左派団体は慶尚北道・星州(ソンジュ)の米軍THAAD基地を封鎖。通行する車両を検問しては、新たな発射台や発電機の燃料の搬入を阻止してきました。それを警察も止めません。

文在寅政権が「環境影響評価が実施されていない」ことを盾に追加配備を認めないこともあって、4台の発射台は韓国に持ち込まれましたが、星州の基地に配備されていません。米軍は本来なら6台の発射台で構成するTHAADを、先に持ち込まれた2台で運用しています。

高性能レーダーに必要な電力も外部から供給されず、ヘリコプターで発電機用の燃料を運んでいます。このため、北朝鮮がミサイルを発射しても稼働していなかったこともあると朝鮮日報は報じています(「『THAAD封鎖』でいよいよ米国を怒らせた韓国」参照)。

「見捨てられ」の恐怖

—政権が態度を急変したのはなぜでしょう?

鈴置:「米国に見捨てられる」との恐怖でしょう。5月末に訪韓した米国の大物議員は「韓国がTHAAD配備を望まないなら他で使う」と語りました(「『第2次朝鮮戦争』を前に日米を裏切る韓国」参照)。

韓国に頭を下げてまでTHAADを配備するつもりはない、ということです。この発言により、米朝間の緊張が高まった時に韓国が配備を邪魔し続けるなら、米国は軍を引き揚げる可能性が高いと見られるようになりました。

韓国の保守も「THAADでつまらぬ嫌がらせをしていると米国から見捨てられる」と悲鳴をあげました(「『韓国の鳩山』に悲鳴をあげる保守系紙」)。安全保障に鈍感な日本の軍事専門家の間でも、在韓米軍撤収が囁かれ始めていたのです。

文在寅政権は7月29日の北朝鮮のICBM発射を見て「米国が軍事行動に出る可能性が増した。もう、米国への嫌がらせを続けるわけにはいかない」と判断したのでしょう。

この政権の基本路線は「反米親北」です(「『米帝と戦え』と文在寅を焚きつけた習近平」)。しかしまだ、米韓同盟の廃棄につながる米軍撤収までは覚悟できていないのです。

南下した米軍兵士と家族

—米国は「第2次朝鮮戦争」への備えをさらに固めましたね。

鈴置:その通りです。2台より、6台の発射台の方がいいのは当然です。米国防総省のスポークスマンは7月31日、韓国記者らに「追加配備の準備は終えている」と語りました。

「すべてのことは韓国政府との継続的な協議の産物」とも述べ、追加配備容認は対韓圧力の結果と誇りもしました。

聯合ニュースの「米国防総省『THAADの追加発射台、可能な限り迅速に配備の準備完了』」(8月1日、韓国語版)が伝えています。

文在寅政権は北朝鮮との対話に未練を持っています(「早くも空回り、文在寅の『民族ファースト』」参照)。

北朝鮮は追加配備に怒り出しますから、米国は韓国にそれを認めさせることにより「対話より戦争準備」を選択させたのです。

戦争準備と言えば、7月11日には在韓米軍の主力である陸軍第8軍の司令部の移転が終わっています。ソウルから、その南方80キロの平沢(ピョンテク)に移りました。

これに伴い、各地に分散して駐屯していた米軍部隊も平沢に集結、ソウルよりも北に残るのは砲兵1個旅団だけになりました。もちろん在韓米軍の家族も一緒に平沢に移り住みます。

これらの大移動は予定されていたことですが、北朝鮮の長距離砲や多連装ロケット砲の射程圏内から、多くの米軍兵士と家族が脱したことを意味します。米国は戦争を始めやすくなりました。

なお「最近、横田基地に大量のバラックが建てられた。朝鮮有事の際、韓国から退避した米軍関係者を収容するためだろう」と語る日本の専門家もいます。

「人間の盾」を予防

—米国政府は自国民の北朝鮮旅行も禁止したとか。

鈴置:7月21日、北朝鮮への渡航禁止を発表しました。7月27日に施行され、30日の猶予期間を経て発効します。北朝鮮旅行を斡旋してきた中国の旅行社には発表前から通知しており、実質的には7月中旬から渡航を止めている模様です。

北朝鮮で拘束された米国人青年が6月13日、人事不省の状態で送り返されました。この青年は6月19日、脳の損傷のため亡くなりました。

米国政府は渡航禁止を発令した理由にこの事件をあげました。が、米朝の軍事衝突を念頭に置いているのは間違いありません。いざ戦争になった際、北朝鮮が米国人旅行者を「人間の盾」に使うのは確実だからです。

渡航禁止令の発表と同じ日、7月21日にはハワイ州政府が、北朝鮮の核攻撃を想定した市民向け対応マニュアルを公表しました。7月4日に発射したICBMの射程距離が従来の北朝鮮のミサイルよりも長いため、ハワイが核攻撃に晒されると判断したのです。

北朝鮮支援が目的の吹田事件

—米国は準備、着々ですね。

鈴置:日本も備えを進めています。安倍晋三政権は6月15日、共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法を成立させました。「第2次朝鮮戦争」に伴う日本国内でのテロの防止にも活用する狙いと見られます。

北朝鮮軍の奇襲攻撃で始まった朝鮮戦争(1950-1953年)。一時は朝鮮半島の東南の片隅に追い込まれた米軍が、態勢を挽回できたのは日本の強大な補給力のおかげでした。

戦争の真っただ中の1952年6月24―25日、北朝鮮を支持する左派勢力は朝鮮半島に送られる米軍の武器・弾薬を阻止しようと吹田事件を起こしました。

大阪大学豊中キャンパスを出発したデモ隊は、警官隊から拳銃を奪い、米軍の高級将校に暴行したうえ、国鉄・吹田操車場に突入しました。    朝鮮半島で再び軍事衝突が起きれば「日本の補給力」を潰そうとするテロが起こり得ます。安倍政権が「共謀罪」を強引に国会で通過させたのも、新たな朝鮮半島有事を意識してのことと思われます。

「北への侵略と共謀罪を許すな」

—「共謀罪」が「第2次朝鮮戦争」と関連するとは初耳です。

鈴置:公安関係者には関連付けて考える人が多いのです。逆に、北朝鮮を支援する勢力にすれば、共謀罪は「目の上のたんこぶ」です。

7月29日、「北朝鮮への侵略戦争を阻止せよ!」をスローガンに掲げ、署名を呼びかける人々が都内で見受けられました。彼らのもう1つのスローガンが「共謀罪を許すな!」でした。自分たちに適用されかねないと懸念しているのでしょう。

1994年の朝鮮半島の核危機の際、日本には戦争準備が全くないことが露呈し、米国を激怒させました。例えば、日本を守る米海軍の艦船が敵から攻撃を受けても法的に、自衛隊は指をくわえて見ているしかなかったのです。

そこで安倍政権は2016年9月になってようやく、米艦防御などを可能にする安全保障関連法を成立させました。

それから2年近く経った2017年7月26日、青森県陸奥湾沖で海上自衛隊は「米艦防御」を実施しました。もちろん、安全保障関連法が根拠です。参加したのは海自の掃海母艦「ぶんご」と、米海軍の掃海艦「パイオニア」(Pioneer)です。

戦争になったら北朝鮮の流す機雷を、海上自衛隊と米海軍の掃海部隊が一緒になって除去することになります。その訓練を新しい法制の下で実施したのです。

深夜のICBM試射

—これだけ準備したとなると、米国は北朝鮮を攻撃するのでしょうか?

鈴置:それは分かりません。準備はあくまで準備です。「いざ」に備えているに過ぎません。ただ、北朝鮮は米国の戦争準備にしっかりと対応しています。7月28日のICBM試射はその好例です。

北朝鮮が発射した場所は中国国境沿いの慈江道・舞坪里(ムピョンリ)です。「先制攻撃してきたら、国境沿いから核ミサイルで反撃するぞ。中国への誤爆が怖くて、ここは攻撃できないだろう」と、米国を嘲笑したのです。

発射時刻も28日午後11時42分ごろと、珍しく深夜でした。米国が戦争を開始するのは、真っ暗な新月前後の夜がほとんどです。

湾岸戦争の「砂漠の嵐」作戦(1991年1月17日開始)も、イラク戦争の「イラクの自由作戦」(2003年3月20日開始)もそうでした。

北朝鮮は「米国は深夜に攻撃してくるだろうが、いつでもICBMで反撃できるぞ」と言いたかったのだと思われます。7月の新月は23日で、試射の28日はその少し後でしたが。

次の新月は8月22日

—次の新月は?

鈴置:8月22日です。その前日の8月21日から米韓は合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン」を始めます。

「演習を始めると見せかけて兵を集めておき、一気に攻撃してくるのではないか」と北朝鮮は疑っていることでしょう。「米国の先制攻撃」を牽制するため、6回目の核実験など新たな動きに出るかもしれません。

■北朝鮮の核実験

回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1
4回目 2016年1月6日 M5.1
5回目 2016年9月9日 M5.3

(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による。

■「軍事衝突」準備年表

2015年
9月19日 米艦防御などを可能にする安全保障関連法成立(施行は2016年3月29日)
2016年
1月6日 北朝鮮、4回目の核実験
9月9日 北朝鮮、5回目の核実験
2017年
3月17日 秋田県男鹿市で全国初の弾道弾を想定した住民の避難訓練実施
6月15日 共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法成立(施行は7月11日)
7月4日 北朝鮮、ICBM「火星14」を試射、飛行時間は約40分間
7月11日 在韓米軍の主力、陸軍第8軍司令部がソウルから平沢に移転
7月21日 米政府、自国民の北朝鮮渡航禁止を発表(施行は7月27日)
7月21日 ハワイ州政府、北朝鮮の核攻撃を想定した市民向け対応マニュアルを公表
7月26日 海上自衛隊と米海軍の掃海艦が青森県陸奥湾沖で共同訓練。安全保障関連法を根拠にした「米艦防御」を実施。
7月28日 北朝鮮、ICBM「火星14」を試射、飛行時間は約45分間
7月29日 文大統領、難色を示していた米軍のTHAAD発射台の増設を認めるよう指示
7月31日 安倍首相とトランプ大統領、北朝鮮のICBMに関し、52分間に渡り電話で協議
 

(次回に続く)

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