ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

『既に始まっている「日中戦争」に勝つための処方箋』(12/4ダイヤモンドオンライン 北野幸伯)について

12/3中国観察<中共突變臉 核基地被踢爆和朝鮮相同 美三步摧毀金三胖 阿波羅網=中共の突然の変心 (重慶の)核基地は朝鮮と同じと暴露 米国は3段階(石油供給停止、海上封鎖(テイラーソンの提案)、軍事行動)で三代目の豚をやっつける アポロネット>中国は北朝鮮政権が倒れることは望んでいない。中国は韓国にTHAADの撤廃を要求、これは米日韓の実質的脅威をなくし、北が持ち札であるのを減殺してしまうため。重慶の未使用の核基地を一般公開したのも、北と唇歯の関係を表すもの。また北京の幼稚園の虐待問題の目を逸らすため軍部がTHAADや北のミサイル問題を利用している。米国が中国を「市場経済国」と認定しなかった経済カードの報復として、中国は北を使い政治カードを切ろうとしている。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/12/02/382229.htm%E4%B8%AD%E5%85%B1%E7%AA%81%E8%AE%8A%E8%87%89-%E6%A0%B8%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E8%A2%AB%E8%B8%A2%E7%88%86%E5%92%8C%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E7%9B%B8%E5%90%8C-%E7%BE%8E%E4%B8%89%E6%AD%A5%E6%91%A7%E6%AF%80%E9%87%91.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/5ダイヤモンドオンライン<習近平は本気で「中国基準」の世界浸透を目論んでいる【加藤嘉一】>習は「中国共産党は中国人民のために幸福を追求する党であり、人類の進歩のために奮闘する党である。我々はまずは自分自身のことにしっかりと取り組まなければならない。それこそが人類が運命共同体を構築する上での貢献になるからである。我々は中国の発展を推し進めることを通じて世界により多くのチャンスを創造しなければならない。われわれは外国のモデルを“輸入”しないし、中国のモデルを“輸出”することもしない。他国に中国のやり方を“複製”することを要求することもないだろう」と言ったとのこと。流石、平気で嘘がつける中国人の代表と言ったところでしょう。外国からのモデルの輸入は人権に煩い西洋社会を念頭に置いたものと思われます。当初、西洋のものを毛嫌いしていた西太后・慈禧のようです。「他国に中国のやり方を“複製”することを要求することもない」というのも本心を隠した発言と思われます。中国を信じると、スリランカのようにサラ金銀行に苦しめられ、やがて乗っ取られるような運命を辿る国が多発すると思います。「チャイニーズ・スタンダードをグローバル・スタンダード」にとはならないでしょう。それは人類の不幸です。歴史が証明しています。共産主義は三権分立がなく、為政者が簡単に人権弾圧でき、自国民を大虐殺してきた歴史があることを忘れることはできません。

http://cl.diamond.jp/c/acnrawbrfgafuFai

12/2櫻井よしこ氏コラム『週刊ダイヤモンド』 <「 731部隊を巡る中国の対日歴史復讐戦 事実の歪曲・捏造阻止へ全容の解明を 」>北野氏もコメントしていますように歴史戦を中国は上手に戦っています。国連組織(殆ど左傾化した腐敗組織です)や米国のリベラルを金の力で買収し、日本の悪魔化、道徳的に劣った民族の烙印を押し、世界で日本の味方をする国がなくなるよう工作しているという事です。日米離間も図っています。プロパガンダに過ぎませんが、強力です。日本は事実に基づいた反証を世界に向けて発信していかなければ。外務省も学会も自分のことと思っていないのが痛いです。子々孫々が悪魔扱いされようとしているのに。

https://yoshiko-sakurai.jp/2017/12/02/7167

記事

ここのところ改善されてきた日中関係。しかし、安心できる状況にはほど遠い。それどころか、すでに広義の意味での日中戦争は始まっていると考えるべきなのだ。(国際関係アナリスト 北野幸伯)

広義の「日中戦争」はもう始まっている!

具体的な戦闘こそ起きていないが、「情報戦」は展開しており、日中戦争は実質的には始まったと考えるべき。今や米国に次ぐ軍事費大国になった中国と戦闘をせずに勝つために、日本は何をすべきなのだろうか? 写真:新華社/アフロ

日中関係が、改善されてきている。安倍総理は11月11日、ベトナムで習近平と会談した。雰囲気は、きわめて友好的で、両首脳は関係改善への意欲をはっきり示した。

日中関係が改善されるのは、もちろんいいことである。しかし、決して油断することはできない。中国は5年前、尖閣、沖縄を奪取するための戦略を策定した。「広義」での「日中戦争」は、もう始まっているのだ。

「日中戦争が始まった」――筆者がその事実を目の当たりにし、大きな衝撃を受けたのは2012年11月15日のことだった。

私はこの日、「ロシアの声」に掲載された「反日統一共同戦線を呼びかける中国」という記事を読んだ(記事はこちら)。いままで連載では何度も触れたが、この記事には衝撃的な内容が記されていた。

・中国は、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線」の創設を提案した。  ・「反日統一共同戦線」の目的は、日本の領土要求を断念させることである。  ・日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣および沖縄である。  ・日本に沖縄の領有権はない。  ・「反日統一共同戦線」には、米国も引き入れなければならない。

これを読み、私は「日中戦争が始まった」ことを確信したのだ。

しかし、普通の人がこれを読んでも「確かに衝撃的な内容だが、『戦争が始まった』というのは、大げさだ」と思うだろう。そう、日本人は「戦争」というと、バンバン撃ち合う「戦闘行為」を思い浮かべる。いや、それしか思い浮かべることができない。

実をいうと、「戦争」は「戦闘」に限定されない。むしろ「戦闘」は、広い意味での「戦争」の「最終段階」で起こる。そして実際は、戦闘が起こった段階で、勝敗は決している場合がほとんどなのだ。

「平和ボケ」左派のあり得ない思考回路

普通の国が「反日統一共同戦線」のような情報を得れば、即座に対応策を考え始めるだろう。つまり、対抗するための「戦略」を練るのだ。しかし、日本はそうならない。

日本では、「平和ボケ病」に冒された左派寄りの人たちと、「自主防衛主義」、さらには「核武装論」を主張する右派寄りの人たちが議論を戦わせている。しかし、いずれも日中戦争に勝つ結果にはつながらない発想だ。   平和論者の人たちは、「世界は第2次大戦後、平和になった」と主張する。しかし、新世紀に入って以降も、世界では以下のような戦闘が起きている。 2001年 アフガニスタン戦争が始まった。 2003年 イラク戦争が始まった。 2008年 ロシアージョージア(旧グルジア)戦争が起こった。 2011年 リビア戦争があり、カダフィが殺された。 2014年3月 ロシアがクリミアを併合。続いて、ウクライナ内戦が勃発した。  2014年9月 米国を中心とする「有志連合」がIS空爆を開始した。 2017年4月 米国は、シリアをミサイル攻撃した。 そして現在、世界は「朝鮮戦争は起こるのだろうか?」と恐怖している。

事実を見れば、「今の時代」は決して「平和な時代」ではなく、逆に「戦国時代」であることがわかるだろう。

「平和憲法があれば、戦争は起こらない」「平和主義を守れば、日本は安全」という神話もある。「平和主義なら日本は安全」というのなら、なぜ中国は、虫も殺さぬ平和主義のチベットを侵略し、100万人を虐殺したのか?

このように「平和ボケ病」は、「戦略的思考」を停止させる。彼らによると、「何もしなければ戦争は起こらない」。だから、「戦争に勝つ方法」(=戦略)を考える必要は、まったくないという結論になってしまう。

右派の「完全自主防衛主義」は日本を崩壊させる

一方、右派寄りの人たちは、自国防衛の強化を主張する。しかし、もはや日本が多少がんばったくらいでは到底かなわないくらい、中国との間の格差は開いている。

16年の中国の軍事費は2150億ドルで、米国に次いで世界2位だった。日本の防衛費は461億ドルで世界8位。中国の軍事費は、なんと日本の4.6倍である。さらに中国は、米国、ロシアに次ぐ「核兵器大国」でもある。

今から中国に追いつくべく、大金を投じて軍拡するというのは、現実的ではない。「いや、そんなにたくさんの金はいらない。なぜなら核武装すればいいからだ」という意見もある。確かに、最貧国の北朝鮮が保有していることからもわかるように、核兵器は「もっとも安上りな方法」だろう。

しかし、ここでも話は簡単ではない。核兵器の拡散を防ぐ「核拡散防止条約」(NPT)がある。NPTは、米国、英国、フランス、ロシア、中国以外の国の核保有を禁ずる、極めて「不平等」な条約だ。それでも、現在190ヵ国が加盟し、世界の安定を守る秩序として、機能している。

世界には、「NPT未加盟」で「核保有国」になった国もある。すなわち、インド、パキスタン、イスラエルだ。NPTに加盟していたが、脱退して核保有国になった国も、一国だけある。そう、北朝鮮だ。

日本が核武装を決意すれば、NPTを脱退せざるを得ない。つまり、核武装論者は、「日本は、北朝鮮と同じ道を行け!」と主張しているのだ。そんな道を行けば、国連安保理で過酷な制裁を課されることは、想像に難くない。   日本の核武装論者は、「日本の立場は特殊だ」と主張するが、「アグレッシブな核保有国が近くにいる」のは日本だけではない。

たとえば、核大国ロシアと戦争したジョージアは、自衛の為に核を持つべきだろうか?ロシアにクリミアを奪われたウクライナは、核を持つべきか?核大国・中国の脅威に怯えるフィリピンやベトナムは、核を保有すべきか?

「すべての国は平等」という原則に従えば、「持つべきだ」となるだろう。あるいは、「すべての国が核を廃棄すべきだ」と。しかし、これらは、いずれも「非現実的な議論」に過ぎない。

結局、「自分の国を自分で守れる体制を今すぐ作ろう」という主張は、とても現実的とはいえない。では、中国に屈伏するしか道はないのだろうか?

一国で勝てなければ仲間を集めろ!

実をいうと、柔軟に考えることができれば、「中国に勝つ方法」を考え出すのは難しくない。   日本には、世界一の軍事力を誇る米国という同盟国がいる。この事実について、「米軍に守ってもらうなんて日本は属国に等しい。恥ずべきだ」という意見がある。しかし、冷静に考えて、これは「恥ずかしいこと」なのか?

たとえば、欧州には、北大西洋条約機構(NATO)がある。これは、29ヵ国からなる「対ロシア軍事同盟」である。そして、内実を見れば、「NATO加盟国28ヵ国は、米国に守ってもらっている」状態だ。NATOの中には、英国、フランス、ドイツのような大国もいる。彼らですら、核超大国ロシアの脅威に対抗するため、米国に頼っている。   ただ、日本とNATO加盟国の違いもある。NATO加盟国は、どんな小国でも「NATOに貢献しよう」という意志を持ち、実際に行動している。

日本の場合、「米国が日本を守るのは当然だが、日本が米国を守ることはできない。なぜなら日本は平和主義国だからだ」というロジックを持っており、長らく、まったく貢献する意志を見せなかった(小泉総理時代から、少しずつ変わってきてはいるが)。

これは、日本人に言わせれば「平和主義」である。しかし、米国からは、そう見えない。

「米国兵が日本のために何万人死んでも、それは当然だ。しかし、日本兵が米国のために死ぬことは、1人たりとも許さない」という大変狡猾なロジックだからだ。

日米安保は今でもきちんと機能している

それで、安倍総理は「安保法」を成立させ、「集団自衛権行使」が可能になった。日本は米国を守れるようになったので、もはや「属国だ」と卑屈になる必要はないのだ。

また、「いざという時、米国は日本を守りませんよ」と断言する「専門家」も多い。そうかもしれないが、実際、日米安保は機能している。

たとえば10年の「尖閣中国漁船衝突事件」、12年の「尖閣国有化」。これらの事件の直後、日中関係は大いに悪化し、人民解放軍は尖閣に侵攻する意志を見せていた。しかし、どちらのケースでも、米国政府高官が「尖閣は、日米安保の適用範囲」と宣言したことで、中国はおとなしくなった。

そう、日米安保には、いまだに「中国の侵略を抑止する効果」が十分あるのだ。

とはいえ、米国の衰退は著しい。引き続き、米国と良好な関係を維持するのはもちろんだが、日本は未来に備える必要がある。その「未来の同盟国」とは、将来中国に並ぶ大国になることが確実なインドだ。

安倍総理は今、「インド太平洋戦略」を提唱し、トランプ大統領も乗り気になっている。これは、日本、米国、インド、オーストラリアで、中国を牽制するのが目的だ。

とにかく日本が中国に勝つには、一貫した誠実さと努力によって、強い国々を味方につけていく必要がある。具体的には、最重要国家として、米国、インド。次に、EU、ロシア。そして、東南アジア諸国、オーストラリア。これらの国々との関係をますます強固にすることで、日本は守られる。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『寒空の北京、路頭に迷う10万人の出稼ぎ者たち 火災を発端に「低級人口」駆逐、新都市計画推進へ』(12/1日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/3日経朝刊にも農民工追い出しの記事が載りました。

北京、人口流入抑制へ強権 住宅撤去で立ち退き迫る

【北京=原田逸策】中国の首都、北京市の当局が農村から流れ込む人口を抑制しようとなりふり構わぬ手立てを講じている。環境改善や交通渋滞の解消が狙いだが、労働者の住居を違法建築を理由に有無を言わせず撤去するなど、当局が強制的に住民を追い出す例が目立つ。その強権ぶりには中国国内でも批判が出ており、格差への不満に拍車がかかる恐れもある。

 北京市中心部から南西に約15キロの同市大興区西紅門鎮。近隣の繊維工場の労働者らが住むアパートで火災が起きたのは11月18日夜。子供8人を含む19人が亡くなった。

 火災の1週間後、現場を訪れるとブルドーザーが行き交っていた。アパート、店舗などすべてが壊され、歩道はがれきの山。寒空の中、住民に即座に立ち退くよう命じる通知があった。トラックに家財道具を積む家族は「知り合いを頼って河北省に行く」と語った。

 火災現場は再開発地域に指定されている。11月初めに始まった立ち退き作業が火災後、一気に加速した。北京市トップの蔡奇同市党委員会書記が今年末までに違法な住宅や工場、店舗を一掃する大号令をかけたためだ。火災が起きたアパートも「違法建築」とされた。

 違法建築は窓がないなど住環境は劣悪だが家賃は格安で、北京以外から流れ込んだ低所得の労働者らが住む。市内各地で進む立ち退きを巡り、一部の学者や弁護士らは「出稼ぎ労働者の追い出しが目的」と批判。「すぐに立ち退きを迫るのは違法」との指摘もある。

 北京市は火災の前から違法建築を理由に、出稼ぎ労働者や外国人が開いた飲食店、小売店を相次いで閉鎖してきた。2017年1~6月の営業停止や閉店は計2万店という。衣類などの卸売市場も郊外に移した。「仕事を奪い、出稼ぎ労働者を追い出す狙いだ」との不満が高まっている。

 背景には市外からの流入人口を抑える政策がある。北京市の常住人口は16年末に2173万人。前年比の増加幅はわずか2万人で、出稼ぎ労働者ら北京戸籍がない外来人口は15万人減った。毎年の増加幅を圧縮して20年の人口を2300万人以下に抑え、その後も増やさない目標を掲げる。

 北京だけでなく、上海でも常住人口は16年末で2420万人と4万人の増加にとどまった。20年に2500万人、40年も「2500万人前後」を目標とする。すでに出稼ぎ労働者は学歴、技能などの理由で「居住証」が取得しづらくなった。

 生活環境の悪化や交通渋滞に歯止めをかける狙いだ。北京市トップの蔡氏は「郊外に都市機能を分散するしかない」と断言。蔡氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席の側近だ。その習指導部は17年4月、北京から南西に約100キロ離れた河北省に新都市「雄安新区」を建設し、大学などを移す方針を決めている。

 日本では東京、神奈川、埼玉、千葉の「東京圏」1.3万平方キロメートルに約3600万人が暮らす。一方、北京は1.6万平方キロメートルに約2200万人。計算上、北京の人口密度は東京圏の約半分だ。だが都心と郊外を結ぶ鉄道など公共交通インフラの整備が遅れ、先に自家用車が普及して深刻な道路渋滞が慢性化した。

 都市計画が追いつかない人口の膨張は生活環境の悪化などを招くが、都市への人口集積は技術革新を後押しし、労働生産性を高めるとの指摘が多い。むやみに人口を抑制するだけでは、将来の成長余地を狭めかねない。>(以上)

12/4facebookより<逼遷=強制取り壊し>多分北京の大興区ではないかと思われます。

https://www.facebook.com/100010739386824/videos/511835102517798/

人権が守られないのは共産国の共通した課題でしょう。中国人は家に人がいたとしてもブルドーザーを使い壊します。生きようが死んでしまおうが関係ありません。このような国が世界をリードするなんて、寝言をぬかすなと思います。

そもそも人間を「低端=low end」とスーパーやコンビニエンスストアの棚に並ぶ商品のように扱う事自体許されないでしょう。追い出しを喰らった10万人は実家に帰るしかありません。地方に職があればわざわざ都会に出て来て働くことはしないでしょうから、帰ったら失業することは目に見えています。社会保障が充実していない中国では「大躍進」時代ではないですが、餓死する危険性もあります。農業する土地も町や村に買い上げられ残っていないのでは。北村氏の言うように生活手段を考えてやってから、取り壊すべきと思うのですが、共産主義者にとって聞く耳はないでしょう。北京市書記の蔡奇は習に破格の昇進を受け、雄安新区を早く成功させようとの思いで邪魔になる農民工の住まいを取り壊したのでは。自分の出世の為には庶民が苦しもうとも関係ないというスタンスです。共産主義者だからなのか中国人だからなのか、小生はその両方と思っています。

中国は、その内に農民工を棄民として日本に送り込んでくる可能性もあります。今でも日本の健康保険を悪用している、踏み倒して帰ってしまうという事例があります。今の所、日本に来るのは富裕層でしょうけど。日本は中国の人口侵略に、土地の買い占め問題と共に真剣に対応策を考えていかないと。高級官僚はキチンと仕事をしなければ。

http://www.sankei.com/west/news/170508/wst1705080038-n1.html

記事

北京市は火災をきっかけに「工場アパート」の撤去に乗り出し、多くの出稼ぎ労働者が住む場所を失くすことに(写真:ロイター/アフロ)

 11月18日18時頃、北京市南部の“五環路(環状5号道路)”と“六環路(環状6号道路)”の間に位置する“大興区”の“西紅門鎮新建村新康東路8号”にある“聚福縁公寓(聚福縁アパート)”で火災が発生した。11月19日の“新華網(ネット)”はこの火災について次のように報じた。

工場アパートの閉鎖、違法経営の摘発を

(1)18時頃、北京市大興区西紅門鎮新建村で火災が発生した。“北京市119指揮中心(北市消防指揮センター)”<注>は18時15分に火災発生の通報を受け、消防部門は直ちに14の中隊と34台の消防車を現場へ急行させ消火活動を展開した。21時頃に火災は鎮火した。この火災による死者は19人、負傷者は8人であった。負傷者は現在治療を受けている。

<注>正式名称は“北京市公安局消防局119消防指揮中心”。北京市の消防局は本来の名称を“北京市公安消防総隊”または“中国武装警察部隊北京市消防総隊”と言い、“北京市公安局”と“中国公安部消防局”の二重の管轄下にある。消防局の隊員は武装警察官で構成されている。

(2)火災発生後、“北京市党委員会”書記の“蔡奇”と副書記で北京市長代理の“陳吉寧”は、即座に現場へ赴き緊急救助活動を陣頭指揮した。蔡奇は全力を挙げて現場における被災者の捜索と負傷者の治療を行い、後始末を十分に行い、市が先頭に立って調査チームを発足させ、事故原因を究明し、厳しく責任を追及するように要求した。また、「“挙一反三(一つの事から類推して多くの事を知る)”が必要であり、直ちに全市でローラー作戦を展開し、個々の村や居住区域をしらみつぶしに調査し、いかなる隠れた危険も見逃してはならない。さらに村・鎮に所在する“工業大院(工場アパート)”の閉鎖、違法経営の摘発をさらに進めねばならない。全ての区の全ての組織に主体的な責任を負わせ、安全生産と公共安全を確保しなければならない」と述べた。なお、今回の火災の原因は調査中であり、容疑者はすでに強制措置が採られている。

 火元となった聚福縁公寓は“新建一村”の十字路の片側にあり、周辺にはアパートや商店が立ち並んでいた。聚副縁公寓は長さ80m、幅76mの古びた3階建てのビルで、白かったはずの外壁は黒ずみ、電線が乱雑に掛かっていた。表から見れば3階建ての聚福縁公寓は実質4階建てで、地上3階、地下1階からなり、地上の1階部分はレストランや銭湯、加工工場、倉庫など、2階と3階の一部は貸室、地下1階は冷凍倉庫および工場となっていた。2階と3階の一部にある貸室は合計305室あり、全部で400人以上の人々が暮らしていた。

 上述した“工業大院(工場アパート)”とは零細企業に工場の場所を有料で提供する賃貸ビルを指し、土地を持つ地元の農民がカネ儲けのために安普請で建設したもので、工場を誘致したい村・鎮政府の意向と合致して各地で工場アパートが次々と建設された。そうなると工場で働く労働者の宿舎も必要になり、工場アパートに並行して居住用のアパートも続々と建設された。アパートの貸室には主として外地から働きに来た出稼ぎ者が住んだ。

聚福縁公寓は工場アパートとして建てられたビルだったが、5~6年前に地上2階と3階の一部を改造して10数m2程の部屋を305室作って貸室としたのだった。聚福縁公寓の正面には貸室の客を呼び込むための赤色の広告が掲げられていたが、そこには「聚福縁公寓」と大書した下に「室内設備:独立トイレ、熱水器、キッチン、暖房、ベッド、洋服ダンス、LANケーブルなど」と記され、「電話:15901222098、18911416568」と連絡先が表示されていた。なお、火災後にメディアがこの番号に電話を入れたが、1つは電源が切られていたし、もう一つは誰も出なかったという。

 さて、貸室の家賃は占有面積により異なるが、月400元(約6800円)~700元(約1万2000円)と安く、住民のほとんどは外地から来た出稼ぎ者だった。彼らの多くは1室に3~4人で住み、共同生活を送っていた。居住者の1人はメディアのインタビューに答えて、「1人で月600元(約1万200円)の部屋に住んでいるが、来月から月200元(約3400円)の暖房費を取って集中スチーム暖房が始まるはずだった。地下には倉庫や工場があるようで、しばらく前までは常にガタンガタンという音が聞こえ、変圧器のブレーカーがしばしば落ちた」と述べている。

有毒ガス発生、金網で逃げられず

 その後の調査により出火元は地下1階の冷凍倉庫であると判明した。倉庫内に貼られていたポリウレタンフォームが燃えたことにより毒性ガスが発生し、この毒性ガスが隣接する小さなアパレル縫製工場に流入したため多数の労働者が死亡した。また、2階には長さ60mの狭い廊下が2本しかなく、しかも薄暗い電灯が点いているだけだった。各部屋の窓には泥棒除けの金網が貼られていたため、煙の流入で火災発生を知った2階の住民たちは必死で金網を外そうとしたが、金網はびくともしなかった。そこで廊下に出た人々は煙が充満する中を手探りで1階の出口へ向かったが、同公寓には出入口が大門と小門の2カ所しかなく、大門は閉鎖されていたため、人々は小門からしか逃げられなかった。公寓から命からがら逃げ出した人々は誰もが全身煤まみれで、一部の人々は路上で吐いたし、子供の中には意識を失った者もいた。

 後に公表された火災による死亡者名簿の内容は以下の通り。彼らの死因は全て一酸化炭素中毒だった。

【1】山東省“郯城県”出身の男性(60歳)、その妻(58歳)、孫(男6歳)、孫(女1歳)

【2】河南省“拓城県”出身の女性(50歳)、孫(男1歳)、孫(女4歳)

【3】河北省“曲周県”出身の女性(31歳)、息子(1歳)

【4】陝西省“周至県”出身の女性(24歳)、息子(3歳)

【5】北京市大興区の子供(男11歳)、その弟(3歳)

【6】その他:河北省“深州市”出身の女性(27歳)、河北省“威県”出身の男性(30歳)、河南省“固始県”出身の男性(21歳)、黒龍省“五常市”出身の女性(42歳)、新疆ウイグル自治区“葉城県”出身の男性(26歳、ウイグル族)、吉林省“楡樹市”出身の男性(47歳)

 上記の通り【5】の2人を除く17人は全て外地の出身者であり、“県”出身者が大部分であることから農村からの出稼ぎ者およびその家族であることは明白である。彼らは故郷から北京市へ出稼ぎに来て、家賃の安い聚福縁公寓でつつましく暮らしていたが、不幸にも火災により命を落としたのだった。名簿からはアパレル縫製工場の労働者が何人死亡したのかは分からないが、死亡者19人中の8人が子供であったことは悲しい事実である。

出稼ぎ労働者を放逐、新都市計画を推進

 ところで、北京市党委員会書記の蔡奇は、どうして聚福縁公寓の火災現場において全市でローラー作戦を展開して隠れた危険をあぶり出すと同時に、村・鎮に存在する工業アパートの閉鎖と違法経営の摘発を行えと命じたのか。それは北京市の“城郷結合部(都市部と農村部の隣接地域)”にある出稼ぎ者主体の貧困者向けアパートや零細企業向け工場アパートを取り壊して新たな都市計画を推進するためである。貧困者向けアパートと工場アパートを兼ね備えた聚福縁公寓で火災が発生し多数の死亡者が出たことは、都市計画推進の理由付けとしては十分であり、この機を捉えて都市改造を進めると同時に外地から来た出稼ぎ者を駆逐するというのが本音と思われる。

 多数の新建村住民がメディアに語ったところでは、聚福縁公寓が所在する新建一村には違法建築が比較的多く、村の住人の多くが外地から来た出稼ぎ者であることから、新建一村は今年12月15日より前に建物の取り壊しと住民の移転を終わらせることを計画している。但し、現在までのところ住民の移転は進んでおらず、当該計画の進行は遅滞している。新建一村の掲示板に張り出されていた『通知書』には、「西紅門鎮は北京市の“城郷結合部”改造のモデル鎮として、都市部と農村部の様相を徹底的に改善し、都市部・農村部一体化の進行を加速させるべく、西紅門鎮の新建一村、“新建二村”、“新建三村”、“新建四村”と“北京市五連環投資有限公司”による“工業大院(工場アパート)”の明け渡し・取り壊し作業を2017年11月2日にから開始する」と記されていた。こうして見ると、聚福縁公寓の火災は遅々として進んでいなかった建物取り壊しと住民移転を促進させる作用をもたらした。

 この動きに呼応するかのように、11月21日には大興区の北部に位置する“旧宮鎮”の地元政府が次のような緊急通知を布告したことがネットに掲載されて話題になった。

《緊急通知》

 “大興区政府”および“旧宮鎮政府”の通知に応じ、北京市政府の関係文章の要求に基づき、本地区にある全ての“公寓(アパート)”および“出租房屋(貸室)”は5日間を期限として大至急清算し、返却することを要求する。11月26日には水、電気、ガスを強制的に停止する。全ての居住者はこの期限前に完全に退去することを要求する。この期限を過ぎても退去しない者は本公司および政府が強制的な措置を採るが、その結果は自己責任である。

2017年11月21日

 要するに、11月18日夜に聚福縁公寓の火災現場で北京市党委員会書記の蔡奇がローラー作戦を展開しろと命じたことを契機として、北京市は全市を上げて“城郷結合部”の改造に着手したのである。上述したように聚福縁公寓が所在する新建一村では11月2日から工場アパートの明け渡し・取り壊しが始まり、聚福縁公寓もその例外ではなく、一部の住民はすでに退去していたが、大多数の行き場のない人々は依然としてアパートの貸室に留まっていたし、地下のアパレル縫製工場も残留して稼働していた。そんな最中に火災は発生したのだった。本来11月18日には地下にある冷凍倉庫や工場に対する法執行が行われる予定だったが、週末を理由に2日間延期された。法執行が2日間延期されなければ、火災は発生しなかったに違いない。

零下の寒空に橋脚の下で寝泊まり

 聚福縁公寓の周辺では翌19日から住民の強制立ち退きが開始され、アパートや工場アパートの取り壊しが始まり、ホテルやレストランを始めとする各種商店は移転を余儀なくされた。この動きは上述した大興区内の西紅門鎮や旧宮鎮のみならず、全市の“城郷結合部”に拡大し、非公式な統計によれば、北京市全体で11月19日中に1万人以上の外地から来た出稼ぎ者が従来の住居から強制退去させられたし、11月24日までには1000棟近いアパートと工場アパートが違法建築や違法経営などの各種名目で取り壊され、強制退去させられた出稼ぎ者の数は10万人を超えたという。

 外地から来た出稼ぎ者たちは、その多くが上述の大興区西紅門鎮新建村のほか、“通州区馬駒橋鎮”、“豊台区盧溝橋郷張儀村”などの“城郷結合部”に居住して、縫製、飲食、物流、建築などの産業に従事していた。ところが、彼らが住居から強制退去させられて通常通りに働けなくなったことで、彼らを雇用していた業界は大きな影響を受けている。その最たるものは物流業界であり、彼らを配達員として大量に雇っていた“快逓公司(宅配便会社)”の一部では配達員不足により北京市内の宅配業務を停止さざるを得ない状況に陥った。

 北京市の天気は聚福縁公寓火災が発生した11月18日が晴れで、気温は最高5℃、最低零下6℃であった。翌19日は曇りで、最高7℃、最低零下5℃であった。乾燥している北京市の寒さは、室内から外へ出てすぐは気温が零下でもさほど寒いとは感じないが、しばらくすると底冷えして凍り付くような痛みを感じるようになる。そんな気候の中を10万人以上もの人々が住み慣れた住居から強制退去を命じられたのである。メディアによれば、零下5℃の寒空の中で立体交差橋の橋脚の下で寝泊まりする人々の姿が目撃されたという。

 強制退去させられた人々が向かう先は“城郷結合部”からさらに奥に位置する環状6号道路の外側にある辺ぴな地域しかないが、そこに10万人以上の人々を受け入れる貸室があるとは思えない。しかし、所得の少ない彼らに支払える家賃には限界があり、住める地域は限られる。どうしても貸室が見付からなければ、故郷へ戻るしかないのだ。

“低端人口”を整理・抑制

 実は2011年4月25日にも大興区旧宮鎮で300m2を焼失する火災が発生し、死亡者17人、負傷者25人(含女児2人)を出したことがあった。火災が起きた建物は2010年に建てられた違法建築で、4階建てで38室の貸室あり、80人前後の人々が住んでいたが、消防安全措置は全く取られていなかった。死亡者17人中の13人は建物1階にあった零細なアパレル縫製工場の労働者で、外地から来た出稼ぎ者であった。この旧宮鎮の火災と聚福縁公寓の火災は6年の年月を隔てながら共通点を持っている。それは現場が工場アパートであることと、犠牲者の多くが労働集約型産業のアパレル縫製工場で働く出稼ぎ者であったことである。火災発生場所が旧宮鎮の現場から聚福縁公寓の現場まで7km南下しただけで、出稼ぎ者が犠牲となる構図は何も変わっていない。

 ところで、上述した北京市の“城郷結合部”改造計画に関連して、市内の“石景山区”、“海淀区”などの区政府が発行する公文書に、「“低端人口”を整理する」、「“低端人口”の流入を厳しく調整する」、「“低端人口”を抑制する」といった記述のあることが発見され論議を呼んでいる。“低端人口”とは「低級人口」の意味で、最下層に位置づけられる外地から流入した出稼ぎ者を指す。公文書の中であからさまに「低級人口を整理する」、「低級人口を抑制する」と記載する真意は、最下層の出稼ぎ者を北京市内から駆逐することにある。これは大都市への人口集中を抑制する政策の一環であり、北京市だけの問題ではないと思うが、出稼ぎ者を低級扱いするとは言語道断と言わざるを得ない。

 それにしても、10万人以上の人々を従来の住居から強制退去させるなら、予め然るべき受け皿となる居住場所を準備するのが為政者としての務めだと思うのだが、彼らを路頭に迷わせて泰然としている所はさすがと言うしかない。しかし、彼らは低賃金で働く最下層の出稼ぎ者が北京市にどれだけ大きな貢献を果たしているかを理解していないようだ。

良ければ下にあります

 

を応援クリックよろしくお願いします。

『卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情 大卒「蟻族」「啃老族=スネカジリ」が社会問題に』(11/30日経ビジネスオンライン 西村友作)、『中国「国家資本主義」の抑止策が日本主導で始動 米国巻き込み、インフラとデータの公正取引を目指せ』(11/30日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

12/1中国観察<國家副主席人選爭議大 王岐山胡春華去哪兒?希望之聲電台=国家副主席を誰にするのか争いは大きい 王岐山と胡春華はどこへ行くのか 希望の声TV>「来年3月には党ではなく政府の人事があるが、中国の歴史を見ると国家副主席は常務委でなくても良く、儀礼的なポストである。曽慶紅は実権を握っていたが。王岐山が第一候補であり、胡春華が国家副主席の第二候補か副総理になる」と読んでいます。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/01/382006.htm%E5%9C%8B%E5%AE%B6%E5%89%AF%E4%B8%BB%E5%B8%AD%E4%BA%BA%E9%81%B8%E7%88%AD%E8%AD%B0%E5%A4%A7-%E7%8E%8B%E5%B2%90%E5%B1%B1%E8%83%A1%E6%98%A5%E8%8F%AF%E5%8E%BB%E5%93%AA%E5%85%92%EF%BC%9F.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/2ロイター<習氏、尖閣で「軍事行動」に言及>米国が北朝鮮を攻撃した時が、中国が尖閣を強奪しに来る危ない時期かと。古森義久氏の『戦争がイヤなら憲法を変えなさい 米中対決と日本』の中で、トシ・ヨシハラ氏は尖閣に有人監視設備を置くべきと言う意見があるという質問に「中国が軍事的な対抗措置に出る可能性がある」と否定的、代わりに「日本が南シナ海での海洋拡張行動に対し、米国と協力して積極的に安全保障行動を取る」という水平エスカレーションを提言(P.22)。ロバート・サター氏に依れば、「中国の艦艇や漁船に尖閣上陸できる能力はない。あるとすれば空挺作戦が先行する。或はホーバークラフト使用が合理的。海保の予算を増やし警備能力を高めるべき。また中国の嫌がることをすべき。個別or集団的な安保協力、台湾関係法の制定、人権弾圧や少数民族弾圧への非難等」と(P.30~32)。リチャード・フィッシャー氏は「中国共産党は究極的には、日本と言う国をほぼ完全に屈服させることを目指していると言えます。アメリカとの同盟はなくす。自衛能力も極めて制限される。勿論核兵器など持たない。そして少しずつ中国の国家発展長期計画に日本と言う国を組み込んでいく。そんな目標です。つまりは日本を中華帝国の隷属国家にすることです」と警告しています(P.48)。日本国民は中国の危険性に覚醒しなければ。容共政党に投票するのは中国の侵略を有利にするだけです。憲法改正もできれば実現しておきたい。間に合わなければ最悪超法規的措置で対抗、「憲法守って国滅ぶ」のでは本末転倒でしょう。

https://jp.reuters.com/article/idJP2017120201001626

中国の学生の就職状況は、

2015/3/25ニュースポスト7<中国 大学卒業者749万人中150万人が就職できず争乱の懸念も>

http://www.news-postseven.com/archives/20150325_311271.html

2016/4/13人民網<中国、大卒者の失業率が5年連続で低下>とありますが、人民日報は共産党の喉と舌=フェイクニュースですから、当然信用できません。

http://j.people.com.cn/n3/2016/0413/c94475-9043785.html

西村氏記事が実態を表していると思います。経団連はアホなことに韓国人の大学卒業生を雇用するようお触れを出すようですが、会長の出身である東レは韓国に11工場持っています。東レが雇うのは勝手ですが、他の企業に反日国家の韓国人学生の雇用を進めるのはもっての他。いまや米朝戦争が喧しい中で韓国の運命がどう転ぶか分からないときに。

http://tairitu.hatenablog.com/entry/2017/11/21/154648

https://snjpn.net/archives/37570

http://n-seikei.jp/2017/11/post-48212.html

経団連は韓国人学生だけでなく、その内中国人学生も採用するとか言い出しそうで恐ろしい。侵略のお先棒を担ぐことになります。日本の人手不足は短期的には高齢者・女性の活用で、長期的にはAI・ロボット化で対応すべきです。

元経団連常務理事の阿部泰久氏が亡くなりました。彼は経団連で税制を担当していましたのでお世話になりました。その際、東大の剣道部出身と伺いました。ご冥福をお祈りします。合掌。

細川氏の記事にありますように、中国の「一帯一路」に全面協力は避けたい。多分中国はAIIBを活用してくると思いますが、世界のスリランカ化を招くことになります。麻生財務大臣が「AIIBはサラ金」と仰ったのは、尤もな話。中国は儲けた金で軍拡を推し進める訳ですから、協力すれば日本にブーメランとして跳ね返ってきます。

http://www.recordchina.co.jp/b224281-s0-c10.html

西村記事

中国の名門大学、清華大学で開催された某国有企業の就職説明会(2017年11月、北京市内)

国慶節を終えた直後の10月中旬、対外経済貿易大学の教え子のSNS上に悲痛なつぶやきが流れた。

「倍率は50倍だって!」。

大手国有商業銀行の某地方支店の応募状況だ。彼女のSNSはほどなく、同じく就活真最中の同級生たちからのコメントで埋め尽くされた。

中国では今、秋季の就職活動が佳境を迎えている。新学期が9月から始まる中国では、就職活動は秋季と春節を挟んだ翌年の春季の二度のピークがある。それぞれ10月と2月頃から始まり、3か月ほど続く。

日本の新卒採用状況をみると、人手不足や企業の好業績を背景に空前の「売り手市場」が続いている。一方中国では、年7%近い経済成長を続けており、2012年から生産年齢人口が減少に転じ、都市部の年間新規就業者が1300万人を超えているため、学生優位の「売り手市場」となっていると思われがちだが、中国の就活状況はまったく異なる。

就職超氷河期の現実

学歴を極めて重視する中国において、現代版科挙とも言える中国の全国大学統一入試、通称「高考」は人生最大のイベントと言っても過言ではない。その熾烈な競争を勝ち抜いてきた学生たちを4年後に待っているのは「就職超氷河期」という現実である。

中国では1998年に高等教育規模拡大政策が実施され、大学の定員数は右肩上がりに増加してきた。教育部の統計によると、98年に約87.7万人(大学生83万人、院生4.7万人)だった卒業生は、2016年には760万人(大学生704万人、院生56万人)まで増加している。中国国内の報道によると、2017年に卒業生は795万人、2018年には800万人を超える見込みである。

中国の大学卒業生の推移 出所:中国教育部の統計より筆者作成

学内でも「史上最悪の就職難」という言葉をよく耳にするが、毎年「史上最悪」を更新している状況だ。

卒業生が急増する一方で、その受け皿となる企業の増加スピードは追いついていない。

大手金融機関の面接を待つ学生たち(2017年11月、北京市内)

ホワイトカラーとブルーカラーの給料は?

産業構造を見てみると、経済発展の過渡期にある中国社会では、エリート意識を持つ大卒者よりも、依然として大量のワーカーを必要としている。

若干古いデータとなるが、人力資源社会保障部の2013年の統計を使って学歴別の求人倍率を計算すると、「大学専科(大専)」を含む大卒・院卒が0.84倍であったのに対し、学歴要求なしを含む小学・中学・高校卒は1.17倍であった。2002年以降このような状況が続いている。

中国のブルーカラー市場とホワイトカラー市場は分断されている。中国では「大卒=ホワイトカラー」という意識が依然として強く、「メンツ」を重んじるあまり肉体労働を敬遠する傾向にあるためだ。

労働市場のこのような分断と不均衡は賃金にも表れている。『2017年中国大学生就業報告』によると、2016年大学生の卒業半年後の月収は全国平均で4376元(約75000円)となっている。これは「211大学(21世紀の優秀100大学)」や「985大学(1998年5月に選出された重点研究大学)」と呼ばれる国家指定の重点大学の卒業生も含む平均収入で、名前も知られていないような三流大卒の現実はさらにひどい。

大卒「蟻族」の月収は出稼ぎ労働者より低い

対外経済貿易大学の廉思教授が2009年に発表した「蟻族」と呼ばれる社会現象が話題となった。これは、地方出身の大卒者が思うような就職ができず、大都市近郊で集団生活を送る現象。社会保障も無い非正規雇用の形態が大半で、賃金も極めて低いと言われる。

「蟻族」の所得に関する公式な統計はないが、平均月収は首都北京ですら2000~3000元程度とメディアでは報じられている。中国農業部が発表した2017年第1~3四半期の農業農村経済報告によると、「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者の平均月収は3459元であった。大卒「蟻族」はこのレベル以下ということになる。

さらに高収入の出稼ぎ労働者もいる。最近都市部ではフードデリバリーサービスが活況を呈しているが、中国中央テレビが運営する「央視網(CCTV.com)」で公開されている報道番組によると、配送員の月収は最低でも五、六千元で、人によっては一万元を超えるケースもあるという。ネット通販も好調で宅配業者間で人材確保競争も激しく、賃金は右肩上がりとなっている。

ブルーカラー市場にもこのような高収入の職業があるが、大卒者はほとんどいない。

まだまだ続く「卒業=失業」

中国の大学教育はエリート時代から大衆化時代へと転換している。米社会学者のマーチン・トロウは、高等教育の発展段階をエリート段階(進学率15%まで)、マス段階(同15%~50%)、ユニバーサル段階(同50%以上)に分けた。

教育部の統計によると、中国の進学率は高等教育規模拡大政策が実施前の1997年には9.1%であったが、2002年に15%に達した後も右肩上がりで上昇し、2016年には42.7%にまで高まっている。

つまり、中国の大学は既にエリート教育ではなく、大衆教育となっているのである。このように、大学進学率の上昇に伴い、大卒資格の価値が低下しているにもかかわらず、旧態依然のエリート意識が就職の足かせとなっているといえよう。

「大卒で就職できなかった友人は卒業後何をやっているのか」という問題を私の学生に尋ねたところ、「無職で家にいる」という回答が多かった。理由は「安い給料はもらいたくないから」、「メンツにかかわる職には就きたくないから」、「肉体労働は将来性がないから」だという。

要するに、思うような就職ができない卒業生は、家が比較的裕福であれば親のすねをかじる「啃老族」に、経済的に余裕がなく実家に帰れなければ大卒「蟻族」になるという構図となっている。

今後も大学の卒業生は徐々に増加していくと考えられる。また、産業構造の転換は摩擦の伴う長期的課題であり短期間で実現できるものではない。したがって、「史上最悪の就職難」は引き続き「史上最悪」記録を更新し続け、中国の「卒業=失業」という構造的問題の解決には相当時間を要するであろう。

細川記事

露骨な「国家資本主義」を強める中国。中国の「一帯一路」構想は日本にとってもビジネスチャンスだが、リスクも大きい。産業界の懸念を軽減すべく、日本主導で「中国抑止策」とも言うべき取り組みが密かに動き出している。

経団連会長らが訪中し、11月21日に李克強首相と会談した(写真:ロイター/アフロ)

先週、日本の経済界の訪中団が李克強首相や国家発展改革委員会首脳などと会談した。久々に日中関係が改善の兆しを見せている中で、日本の経済界も今後のビジネスチャンスに内心期待を抱きつつの訪中であった。最大の関心は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」がビジネスチャンスになるかだ。しかしそこには大きな課題も横たわっている。

一帯一路には選択的協力

そもそも、中国から欧州までの陸路・海路をカバーする経済開発構想である「一帯一路」は、日本企業にとってビジネスチャンスではあるものの、実際はどう対応していいか決めかねているのが正直なところだ。

一帯一路に込められた、中国の覇権主義的な意図は明確である。従って、スリランカなどに見られる、軍事的意図での港湾整備などは警戒すべきだ。またタイなどでの鉄道整備のように、日本企業が中国企業と激しく受注を競っている分野では協力できないのは明らかである。受入国側も、日中を競わせるしたたかさを持っている。

しかし、これらの分野以外で、例えば、環境・省エネなどの分野では、第三国で日中が協力してビジネスを展開していくことは有益だろう。一帯一路に対しては、分野ごとに是々非々で「選択的に協力」するアプローチが必要だ。

問題は、その際の中国の手法が懸念されることだ。今回の訪中団も中国側に対して、協力できる条件として、グローバルスタンダードに従った透明性、開放性、経済性、採算性を充足することを求めた。

APECに国際ルールの布石を打つ

こうした中国の動きを牽制するためには、単に日本単独で注文をつけているだけでは埒が明かない。中国を牽制するための何らかの「国際的なルール」が必要だ。しかもそのルール策定に中国自身も参加して、関与していることがポイントになる。

実はそのための仕掛けができたのが、直前に開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議であった。

そこではインフラ整備への協力について、「質」を確保するための仕組み作りが合意されたのだ。これは日本が提案を仕掛け、米国、ベトナムを共同提案者にした。明示的には言わないが、明らかに中国の「一帯一路」を牽制したものである。

例えば、途上国の返済能力を超える貸し込みを禁止することが提案された。中国がスリランカの港湾整備で、多額の借り入れの返済として99年の使用権を得て、軍事使用されることが懸念されているが、類似の動きは各地で見られる。この提案は、こうした動きを封じるためだ。

この他にも、入札における開放性、透明性の確保が重要なポイントの1つだ。日本をはじめ先進国は、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインによって、公的資金による開発援助は自国企業から調達と結びつけないという、いわゆる「アンタイド(ひも付きにしない)」が義務付けられている。にもかかわらず、これに縛られない中国は、中国企業からの調達を「タイド(ひも付き)」にするのが通常だ。これでは、公平な競争にはならない。

また中国の場合、通常ビジネスとして成り立ち得ないような条件の案件でも、国有企業、国有銀行が政府支援を得て、案件を強引に獲得していく。行動基準が政治的な影響力を強めるといった、ビジネスとは別次元の思惑なのだが、こうした動きを是正させる仕組みも不可欠だ。国内生産の過剰能力のはけ口にするとの中国の思惑も見え隠れし、要注意だ。

今回のAPECでは、こうした様々な不公正な競争条件を是正するためのルールを来年のAPECで合意することを目指して、検討することが合意された。国際ルールへの大きな一歩と言える。

まず、昨年のG20で「インフラ整備の質」というコンセプトを日本が国際的に初めて持ち出し、中国にもこのコンセプトを認めさせた。それが第一歩だった。そしてさらに今回のAPECでは、融資する手法をも規制対象にしようとしている。中国を念頭に置いた、日本の戦略が着実に前進しているのだ。

多くの米国企業もこうした中国のインフラ輸出のあり方には深刻な危機感を持っている。例えば、途上国での発電所案件で発電タービンの輸出を手掛ける米ゼネラル・エレクトリック(GE)もその1社だ。ベトナムなど受入国側でも強引な中国の進出には警戒感も出てきている。

そうした中で、日本は米国、ベトナムをAPECでの共同提案者にした。それは国際的に連携して中国を牽制する戦略として大いに評価できよう。

中国の新法はIoTをも規制する恐れも

デジタル情報についても中国の規制の動きが懸念される。今回の経済界による訪中団においても、こうした深刻な懸念を中国当局に会談で伝えた。民間企業が企業活動によって取得したデータなどのデジタル情報の流通を、国家が規制しようとする動きがそれだ。

本年6月、中国ではインターネット安全法が施行された。制度の詳細は現在策定中だが、運用次第では、外国企業に対して、サーバー設置の現地化を義務付けたり、国境を越えて情報を移転することを規制したりする恐れもある。これは電子商取引だけの問題ではない。産業界全体に及ぶ大きな問題なのだ。

今や製造業はIoT(モノのインターネット)への取り組みが競争力の源泉になりつつある。そこではビジネスで得た顧客データや工場データを収集、活用するために、サプライチェーン全体のデータの一元管理が欠かせない。従ってグローバル企業にとって自由なデジタル情報の流通が確保されることが不可欠なのだ。

特に、巨大な生産拠点、市場である中国での自社内のデータは企業にとって重要だ。それが中国当局の運用次第では制約されかねず、産業界にとってグローバルな企業活動が妨げられるとの大きな懸念になっている。

この問題も日本の経済界だけが申し入れて、中国側の対応が変わるわけがない。国際的な連携で中国を追い込むことが必要だ。もちろん米国の産業界も深刻な懸念を表明している。そこでこの問題を中国も参加する多国間のルールの俎上に載せることが重要になってくる。

具体的には、中国も参加している、グローバルな枠組みである世界貿易機関(WTO)の場に日米共同でこの問題を提起している。今後は、国境を超えるデジタル情報の流通に関するルールを新たにWTOに提案し、WTOのルールに組み込んでいく戦略が大事になる。

中国の国家資本主義にどう向き合うか

「中国の国家資本主義にどう向き合うか」がこれからの世界が直面し続ける大きなテーマだ。今回の日本の経済界による訪中団にとっても、これが本質的なテーマだった。

特に注目すべき分野は、インフラとデジタル情報だ。これらはいずれも今後の成長分野で、中国の国家資本主義の動きが顕在化している。

にもかかわらずトランプ政権が短期志向・内向きであるのは極めて危険な状況といえる。日本は単独で中国に注文をつけたところで見向きもされないだろう。日本は分野ごとに米国を根気よく巻き込んで、国際連携の下に多国間のルール作りで中国を牽制していくべきだ。そういうせめぎ合いが、まさに始まっている。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『なぜ中国はジンバブエのクーデターを黙認したか 習近平のメンツ潰したムガベ辞任、「植民地化」の行方は?』(11/29日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国人が蜜月関係だったアフリカから続々帰国している理由』(12/1ダイヤモンドオンライン 姫田小夏)について

11/29日経<「習近平新時代」の寿命決める新星は誰か  編集委員 中沢克二

先の中国共産党大会では、2012年にトップに就いて5年にすぎない党総書記(国家主席)、習近平(シー・ジンピン)の業績について重大な決定があった。「習近平新時代」が思想の形で共産党規約に明記されたのだ。

この意味を極めて分かりやすく説明した人物がいた。11月下旬、来日した中国共産党中央党校副校長、何毅亭(65)である。中央党校は共産党幹部の教育を担う重要な組織だ。とりわけ何毅亭は理論面で習近平を支える側近で、スピーチライターの一人とされる。

■共産党史の全面書き換え

「中国共産党政権の歴史は3つに分けられる。第1は毛沢東時代。人民と共に立ち上がった創立期である。第2は『改革・開放』政策の導入で富ませた鄧小平時代。そして第3は、強い国家をつくった習近平新時代だ」

習近平新時代の登場に押されて、江沢民・胡錦濤両時代は中国共産党史に入る余地がなくなった(10月の共産党大会に登場した江沢民(右)、習近平(中)、胡錦濤(左)各氏)=小高顕記者撮影

共産党の理論づくりを担う重鎮の公式見解だけに驚きだった。既に共産党の歴史は書き換えられたのだ。何毅亭は、日本の国会内で議員らを前にそう宣言した。内容を整理し、少し補足するとこうなる。

(1)毛沢東時代=1949年の新中国建国から76年の毛沢東の死を経た78年頃まで

(2)鄧小平時代=鄧小平は78年に「改革・開放」政策導入を宣言。97年に死去したが、その時代は鄧小平の指名でトップに就いた江沢民、胡錦濤の執政期を含む

(3)習近平時代=2012年から反腐敗運動による厳しい党の統治と大胆な軍改革で強国を志向。35年に経済と軍の現代化建設を基本的に終え、21世紀中葉に現代化強国を完成

まだ、たった5年にすぎない習近平の新時代は、反腐敗運動などで毛沢東と鄧小平の2つの時代に匹敵する実績を既に上げたというのだ。そして江沢民と胡錦濤の執政期は特に独自性がなく、事実上、鄧小平時代の中に組み込んでよいという結論になった。

なお存命中で党大会にも出席した91歳の江沢民、そして74歳の胡錦濤は、この党大会総括をどんな気持ちで聞いたのか。どう考えても穏やかに耳を傾けたとは思えない。

そもそも輪郭がはっきりしていなかった江沢民、胡錦濤両時代は、共産党の歴史に刻まれる余地が全くなくなった。形の上では自分たちが後継者に選んだはずの後輩、習近平が早々に自らの新時代を宣言。押さえ込まれてしまったのだ。

では習近平新時代は今後、いつまでつづくのか。それは後世が決めることだ。しかし、現時点で習自身とその周囲がどこに視点を置いているのかは極めて重要である。

習近平の国家主席として憲法上の任期は2期10年が終わる23年までだ。慣例に従うなら党総書記の任期も22年の党大会までになる。

では、たったあと5年間。つまり合計10年間で本当にトップから退くのか。それは疑問だ。毛沢東時代は30年間近く続いた。次の鄧小平時代も78年の「改革・開放」政策の宣言から鄧小平の死までの19年間に江沢民、胡錦濤両政権を加えれば合計34年間もあった。

■少なくても「2035」までは習近平新時代

ここで考えるべき重要な論点がある。今回の党大会報告で初めて登場した2035年という数字である。習近平は20年に小康社会(少し余裕のある社会)を達成した後、次の現代化建設の第一目標を35年に置いた。

中国共産党の歴史は毛沢東時代、鄧小平時代、そして習近平時代の3区分に書き換えられた(写真は北京・天安門に掲げられた毛沢東の肖像画、小高顕記者撮影)

なぜ35年なのか。今から21世紀中葉までは33年間。その中間地点であるという理屈は成り立つ。21年の中国共産党設立百年と、49年の新中国成立百年のちょうど真ん中でもある。

35年の目標設定には、国家計画の面から見ても極めて精緻な計算がある。それは中央党校副校長の何毅亭も言及した。

「(49年の建国百年を見据えてきた)現代化建設を基本的に達成する目標を15年ほど前倒した」

この言葉を聞いてハッとした。極めて重要な発言だった。党大会報告に盛り込まれた主要プロジェクトは、ほぼ全て35年を目標に計画されているのだ。

新シルクロード経済圏構想(一帯一路)、北京・天津・河北省を一体化する新首都圏構想、インターネット、ビッグデータ、人工知能(AI)と実体経済との高度な融合、グリーン・低炭素社会の実現、シェアリングエコノミー、現代版サプライチェーン構築……。全てが2035年に向けて動き出す。

中国の経済成長率は徐々に低下している。とはいえ、「今後18年間もあれば、どんなに少なく見積もっても経済規模の上では米国と肩を並べ、抜き去っているに違いない」。中国の指導層はそう考えている。問題はもはや生産能力の大きさや量ではなく質の確保だという。

そして何より重要なのは、軍の現代化建設の第一目標も35年に置いた点だ。現代電子戦に対応する人材を育て、武器・装備を近代化し、統合作戦、全域作戦の能力を高めるとしている。

大胆な軍改革は、反腐敗運動と並ぶ代表的な習の実績である。それは35年に向けて進み、最終的に21世紀中葉までに世界一流の軍隊をつくるという。世界ナンバーワンの軍事強国である米国と戦えるほどの強軍国家。それが中華民族の復興の夢の意味だ。

「2035」には、習近平新時代が少なくともそこまでは続くとの期待が込められている。それは必ずしも習近平政権そのものが35年まで続くことを意味しない。

■退く時期の選択権を手中に

習がトップから退く可能性がある時期は、5年後の22年党大会、10年後の27年党大会とある。実際はいつ退いてもよいのだ。退いた後も習近平新時代が続いていれば何の問題もない。

「改革・開放」政策で自らの時代をつくった鄧小平氏(広東省深圳で)

そのとき、習がいつか指名する後継者が「習近平チルドレン」として習近平新時代の守人になる。鄧小平時代の守人が「鄧小平チルドレン」の江沢民と胡錦濤だったように。習近平は表向きポストから退任しても、かつての鄧小平のように事実上の最高指導者として振る舞える。

今回、習は「ポスト習近平」候補とされた孫政才(54)を反腐敗で摘発し、共産主義青年団のホープ、胡春華(54)を最高指導部に引き上げなかった。次世代を担う人材を排除する手法によって、引退時期を自ら決めることができる選択権を手にしたのだ。

強い現指導者の引退時期が決まらない場合、各勢力は現指導者に服従するしかない。結果的に求心力は保たれる。

とはいえ習の思惑を阻もうとする動きは今後、必ず出てくる。その勢力は、習近平時代をできるだけ短い期間で終わらせ、さらに新しい時代を築こうとするに違いない。その際、激烈な内部闘争が繰り広げられる。

これまでの5年間、習は「反腐敗」闘争の名目で江沢民と胡錦濤の旧勢力を押さえ込んだ。次世代新星もまた別の手法で闘いを挑むだろう。標的になるのは今度は「習近平チルドレン」かもしれない。習近平時代の寿命を決めるかもしれない未来の指導者はどこかに潜んでいる。その顔が見えるのはまだ相当先になりそうだ。(敬称略)>(以上)

習近平が今後とも、無事主席の地位を確保or最高指導者として実権を握れるかどうか分かりません。共産党のラストエンペラーになる可能性もあります。

一つはこの記事。11/30Money Voice<中国が恐れるトランプの経済侵略と北朝鮮「北京核テロ」の脅威=斎藤満>。米国のハゲタカが中国の不良債権ビジネスを展開、食い荒らすと言うもの。それより北の問題(テイラーソンが更迭、ポンペオになるという事はやはり戦争は近い?)が片付けば、次の標的は中国となるはずです。

http://www.mag2.com/p/money/342777?l=ttv0c03f55

二つ目はこの記事。12/1中国観察<張陽傳死於“非典型”政變 主謀名單或在另一巨虎身上 希望之聲電台=張陽が死に追いやられたのは“非典型政変”に絡む 首謀者は他の巨魁である 希望の声TV>「張陽の自殺は口封じの為ではという見方です。海外メデイアの博聞社に依れば、張陽と参謀長の房峰輝、武警司令の王建平と共に、毛沢東死後の「四人組」逮捕のような政変を企図、しかし早いうちに発覚、王建平は刑務所内で自殺と伝えられるが発表はない。彼らの背後にはもっと上(江沢民or曽慶紅?)がいるはず」と。非典型政変が4人組を指すのなら、さしずめ習近平は華国鋒となり主席を辞任、4人組は王岐山や陳敏爾と誰?或は張陽、房峰輝、王建平らが4人組(3人であるが)となって習を江青によって操られた毛沢東のようにするという意味なのか良く分かりません。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/01/382007.htm%E5%BC%B5%E9%99%BD%E5%82%B3%E6%AD%BB%E6%96%BC%E9%9D%9E%E5%85%B8%E5%9E%8B%E6%94%BF%E8%AE%8A-%E4%B8%BB%E8%AC%80%E5%90%8D%E5%96%AE%E6%88%96%E5%9C%A8%E5%8F%A6%E4%B8%80%E5%B7%A8%E8%99%8E.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/28宮崎正弘氏メルマガ<張陽(中央軍事委員会前政治工作部主任)が「首つり自殺」 巨額の賄賂を郭伯雄、徐才厚らに上納して「のし上がった」>にも軍の不満が募っているとあります。習は、クーデターか暗殺(病死か交通事故死に)されるのでは。習は決してその地位が安泰とは思えません。

http://melma.com/backnumber_45206_6615102/#calendar

また、12/1宮崎正弘氏メルマガに<中国、ベオグラード ←→ ブタペスト新幹線を着工 アフリカから足抜け、空白のバルカンと旧東欧へ集中か>とあり、中国がアフリカから「一帯一路」に投資を切り替えているとのコメントです。姫田氏と同じで情報の確度が高いと思われます。中央アジアは元ソ連の衛星国でしたからロシアは、シベリアへの中国人の人口侵略と合わせ、苦々しく思っているというか「タタールの軛」を思い起こして恐怖に感じているのでは。

http://melma.com/backnumber_45206_6616367/

福島氏の記事のムガベは中国にとって用済みという事でしょう。独裁者同士のやることですから。中国のすぐ隣にもロケットマンという独裁者がいますが。やはり全員、国民を思うことの無い為政者達です。我が身を安全地帯に置いて政府批判しかすることがない、日本の左翼リベラルの政治家・メデイア・学者に言いたい。この3ケ国と人権状況を比べてから「モノを言え」と。

福島記事

ムガベ前大統領と習近平主席、持ちつ持たれつの関係は終わりを迎えた。写真は2014年(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ジンバブエで軍事クーデターが起こり、37年にわたり政権の座にあった独裁者・ムガベが大統領を辞任。元第一副大統領のムナンガグワが新大統領に就任した。この事件の背後で中国が関与していたのではないか、という憶測がCNNなどで流れた。証拠はあがっていない。クーデター前に国軍司令官が訪中しており、ムガベ排除について、中国の了解をとっていたのではないか、というあくまで憶測である。だが、習近平が24日にムナンガグワにすぐさま祝電を送っているのをみると、ひょっとすると、という気にさせられる。

ムガベは中国がその独立運動を軍事的に支援して政権の座につけただけに、特に親密な関係を続けてきた。ムガベ自身が毛沢東思想に傾倒し、中国共産党の古き良き友を自任していたはずだ。そのムガベ失脚に対して、ほとんど反応せず、ムナンガグワに祝辞とは。

習近平は「中国とジンバブエは良き友であり、良きパートナーであり、良き兄弟である。両国関係は時間と国際情勢の移ろいやすさの試練を耐えてきた。中国側はジンバブエとの伝統的友誼を大切なものとみて、両国関係および各領域における協力の継続が前向きに発展し、両国と両国人民がさらに幸福となるよう、ジンバブエとともに一路努力していくことを願う」とムナンガグワに強い友誼関係を約束したのである。

憶測は憶測でしかないのだが、少なくとも、この政変、中国にとっては好都合、ということではないだろうか。

では、なぜ中国は親密であったムガベ政権に対してかくも、態度が冷ややかなのか。中国とジンバブエの関係はどうなるのか、ちょっと考えてみようと思う。

「妥当に処理することを望む」

中国側の公式反応だが、中国外交部報道官は定例記者会見でジンバブエのクーデター発生時に、次のようにコメントした。

「ジンバブエは友好国であり、我々はジンバブエ情勢がどのように発展していくか注視している。ジンバブエが平和的安定発展を維持することが、ジンバブエ国家の根本利益であり国際社会の普遍的な期待である。我々はジンバブエの関係当局が内政問題を妥当に処理することを望んでいる」

実にあっさりしたものである。このとき、ある記者は、ジンバブエの元ナンバー2であり、11月6日にムガベから突如副大統領職を解任されたムナンガグワが中国に脱出しているとジンバブエ紙が報道したことについて、真偽を問うて、報道官は「彼は中国に来たことがない」と完全否定していた。実際は、ムナンガグワは南アフリカに亡命していたのだが、中国には疑われるだけの背景があったということだ。

ジンバブエのクーデターを簡単に説明すると、2018年の大統領選を前に高齢のムガベに健康上の問題が出てきて求心力が落ち始め、与党ナンバー2のムナンガグワとムガベの41歳年下の妻のグレースが後継狙いの派閥争いを昨年夏あたりから拡大し始めたのがきっかけ。ムナンガグワは軍と情報機関の支持がある一方、グレースは党内改革と世代交代を求める若手党員集団ゼネレーション40(G40)の支持がある。

今年夏、グレースの方からムガベに後継者指名を強く求め、G40が勢いづいた。ムガベは11月、ムナンガグワを副大統領から解任し、グレースを事実上、後継指名した格好となった。

クーデター5日前の訪中

だが、これに断固反対を唱える国軍司令官チウェンガが11月15日にクーデターを起こしムガベと家族を軟禁。ムナンガグワに大統領を移譲するよう求めた。当初、大統領辞任を拒否していたムガベだが、グレースに権力奪取を許した責任追及を理由に議会が弾劾の手続きに入ると21日、辞表を提出し、亡命先から帰国したムナンガグワが大統領に就任した。

中国国防部はこのクーデター発生の5日前、チウェンガの訪問を受け、国防部長の常万全が八一大楼で会見している。このとき、チウェンガが中国に政変への理解を求めた、あるいは協力を求めた、というのが主要欧米メディアの憶測である。中国外交部はすでに実施が決められていた純然たる軍事交流、と説明するが、このときすでにクーデターの準備は整っていたとみられるし、中国とムガベの関係の深さを思えば、仁義を通しておく方が安全ではある。

では、仮にそうだとして、ではなぜ、中国は軍のクーデター計画を黙認したのだろうか。ムガベと中国の絆の深さはそう簡単に切れるものではないだろう。

実はムガベと中国共産党の絆はそれなりに深いのだが、習近平個人との相性はあまりよくないといわれている。その理由の一つは、習近平自身が経済の立て直しができないムガベ長期独裁政権を完全に見下しているからだといわれている。「ムガベ長期独裁政権は“アフリカの真珠”と呼ばれたジンバブエを貧民窟に変えた」(華字ネットニュースサイト・アポロニュース)というような、その無能ぶりを嫌悪している、らしい。

「欠席」「拒否」「批判」でメンツ潰す

さらに、ムガベの厚かましさ、無礼さが習近平の気に入らないようでもある。ムガベ政権は長期にわたって中国から援助を受けてきたが、最近は足りないといっては不満げな顔をすることが多くなった。アポロニュースによると、習近平が2015年9月3日、世界反ファシスト戦争・抗日戦争勝利70周年記念の大閲兵式にムガベを招くも欠席。ムガベは中国共産党の“老朋友”というのが国際社会の認識であったから、習近平は晴れの舞台で、老朋友にメンツを潰された格好だ。しかも同年12月、中国版ノーベル平和賞とでもいうべき“孔子平和賞”をムガベに贈ると言ったら、ムガベは「意味がない」と受け取りを拒否。これも中国のメンツを大いに傷つけたことになる。

加えて2016年6月、ムガベはとある演説会で、中国が派遣してきている公務員やビジネスパーソンに対して、「稼いだ金を現地から中国に持ち帰っていることがジンバブエドルの深刻なインフレを加速させている」「中国人がジンバブエの女性を虐待している」などと中国批判を行った。ムガベがこうした中国のメンツをあえて潰すような行動をとったのは、習近平政権が満足のいく支援をくれないという不満だけでなく、そろそろ権力移譲計画を立てるようにせっつかれたからだともいわれている。

中国の軍事支援によって、独立闘争を勝ち抜き政権を樹立し、大統領の座についたムガベは、実のところこれまでは中国にとって非常に都合のよい大統領だった。中国がジンバブエに巨額投資を行えば、ムガベはその代償に金、プラチナ、ダイヤモンド鉱山の権利を中国の欲しいままに許した。ムガベは事実上、中国によるジンバブエの植民地化を手伝ってきたともいえる。巨額投資の見返りに土地、鉱山、資源などの侵食を続けてきた中国は2015年、4000万ドルというジンバブエの債務を帳消しにする代わりに人民元をジンバブエの法定通貨の一つに認めさせ、国家の基幹である通貨まで奪ってしまった。

だが、そんなムガベも高齢となり、しかもその政治的無能と長期独裁による国民からの人気の低さに、中国共産党内にもポスト・ムガベを考える空気が流れていた。それに気づいたムガベが、今度は習近平に対して不信感を募らせ始め、習近平のメンツを潰すような言動を次々とするようになった。

ダイヤモンド採掘国有化に激怒

そうして関係がだんだん険悪になってきたころ、習近平を激怒させた決定打が2016年3月にムガベが突如決めたダイヤモンド採掘企業の国有化政策である。外国の採掘企業によるダイヤモンド産業は、ジンバブエが本来得るはずの約130億ドルの潜在的収入を盗んでいる、として、外国資本によるダイヤモンド採掘企業を政府がすべて接収することを決めた。この中には当然中国企業も含まれていた。

ジンバブエ東部のマランゲは世界最大規模のダイヤモンド鉱山で、その埋蔵量は全世界の4分の1以上ともいわれている。マランゲはムガベ政権が2008年に軍と警察力を行使し、約400人を虐殺した末、その採掘権を奪取したことで知られる血塗られたダイヤモンド鉱山。このときムガベ政権に軍事協力していた中国解放軍が直接、このダイヤ採掘と治安維持に加担していたと、2010年9月当時の英デイリーポストの記者が告発している。このダイヤモンド鉱山には解放軍の秘密飛行場があり、採掘したダイヤをそのまま中国に輸送していたとも。ムガベ政権への見返りは解放軍の武器であったという。この武器がムガベ政権維持に必要な軍事力を支えていた。

だがこの中国による植民地化と富の収奪が、ムガベ政権の求心力をますます衰えさせ、またジンバブエ内の反政府活動を活発化させていくことになった。ムガベ政権に対する反発の最大の理由は中国がつくったといっても過言ではない。ジンバブエ内の中国華僑と現地人の対立も激化し、中国としては大っぴらにムガベ支持を表明しにくくなっていた。

こうした状況の中で、クーデターが起きたのだから、中国の関与が疑われたとしても致し方あるまい。ジンバブエ国軍の装備はほとんど解放軍が提供したものであり、ジンバブエ軍が中国解放軍になんらかの相談をしているかもしれないと考えるのは普通なのだ。

英国の関与は? 一帯一路への影響は?

私の考えを言えば、ムナンガグワがいったん身を隠していた先が中国でなく南アであるのならば、中国関与の線は薄いのではないか。むしろ英国が積極的に関与してきそうな気がする。

ただ、ムナンガグワは、中国で軍事訓練を受けたこともある元ジンバブエ解放戦線戦士であり、クロコダイルの異名も持つ冷酷な強権主義という点では、ムガベと同じタイプだ。中国にすれば、ポスト・ムガベ体制としては理想的であり、たとえクーデターに関与していなくても、引き続き、ムガベ政権にしたように、大統領を通じてジンバブエの植民地化を進めていけると思うだろう。

ただ、ムナンガグワが大統領就任演説で訴えたように、本気でジンバブエの「完全な民主主義」を約束するのだとしたら、これはちょっと中国共産党の思惑から外れてしまう。なぜならジンバブエの大衆は、自国の経済崩壊に乗じて国を乗っ取りかけている中国に対しては極めて強い反感を持っているのだ。こうした反感は顕在化すると、習近平の壮大な大風呂敷・一帯一路構想でも重要な起点であるアフリカへのアプローチにも影響を与えそうだ。

姫田記事

中国で開催された「一帯一路」の国際会議で発言する習近平国家主席  Photo:新華社/アフロ

中国とアフリカの蜜月時代が変わりつつある。

今年9月、英フィナンシャルタイムズは「アフリカから中国人の帰国ラッシュが始まった」と報じた。中国資本によるアフリカへの「走出去(中国企業の対外進出)」と呼ばれた投資や経済活動は、一時のブームに過ぎなかったのだろうか。

数年前、世界は中国による積極的な対アフリカ投資を「新植民地主義」だと非難した。とりわけ警戒したのは、中国のアフリカ資源外交だった。2014年、新年早々に安倍晋三首相はアフリカを歴訪したが、そこにはアフリカにおける中国の影響力に一定の“くさび”を打つ意図があった。

中国が、アフリカで展開したのは資源外交だけではなかった。「メード・バイ・チャイナ」がアフリカの国々で瞬く間に普及。街を走るのは中国製の廉価バイク、市民生活に浸透するのは安価な中国の軽工業品、街を歩けば至る所に中国人──。中国による「走出去」の影響力は無視できないものになっていた。アフリカのマリでは、「この国のコンクリート建造物はすべて中国によるもの」と言われているほどだ。

他方、植民地支配を経験したアフリカにとって、「真のパートナー探し」は独立後の一貫したテーマでもあった。中国の台頭とともに、「西欧からの影響を遠ざけ、むしろ手を握るべき相手は中国だ」という機運が高まっていたことは確かである。近年は「中国は敵ではない」という共通認識すら持たれるようになっていた。

アフリカから中央アジアへシフトか

英フィナンシャルタイムズによれば、アフリカには100万人の中国人が生活しており、その大多数が零細企業のため、近年の資源価格の下落に伴うアフリカ経済の落ち込みとともに商売が成り立たなくなってきたという。あまりの勢いに警戒されていた中国資本の進出だが、アフリカでは今、大きな変化が起こっているようだ。

その変化が貿易に現れている。この5年間の中国とアフリカの貿易総額を見ると、2000年当時100億ドル程度だった貿易額は、2013年に2000億ドルと20倍にも増加した。だが、それも2014年をピークに減少に転じたのである。

中国商務部のデータを基に筆者作成

中国商務部によれば、アフリカにおける中国の貿易パートナーの「トップ10」は、南アフリカ、アンドラ、エジプト、ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ、ケニア、エチオピア、タンザニア、モロッコの順であり、その国々の対中輸出の主要産品のほとんどが資源である。

個別に見ると、貿易パートナー1位の南アフリカは中国に鉱物資源を輸出、2位のアンゴラは原油を輸出しているが、それぞれ2013年、2014年をピークに下落している。ちなみに、下落現象はこの2ヵ国に限ったことではない。

中国商務部のデータを基に筆者作成

背景には、2005〜2012年にかけての国際商品市場での原油、鉄鉱石、非鉄、穀物などのコモディティ需要の累積的拡大と、2011年以降に顕著となった中国経済の減速がある。

資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫氏は、2014年をピークに下落に転じたアンゴラの原油の対中輸出について、「コモディティの市場価格を歴史的水準に押し上げるという『スーパーサイクル』が2013年に終焉し、価格は下落基調に転じた」と指摘する。

その一方で、柴田氏は「『一帯一路』における中国の開発発展の主軸が、資源ブームに乗ったアフリカから中央アジアに移ったのではないか」と分析している。確かに、中国の「第13次五ヵ年計画(2016〜2020年)」が打ち出した「一帯一路」の主要6大ルートには、アフリカが含まれていない。

中国の専門媒体「オイルオブザーバー」よれば、中国の原油の輸入相手国は「非OPEC(石油輸出国機構)」にシフトする傾向があるという。中国への石油輸出国の順位はロシアを筆頭に、サウジ、アンゴラの順だが、「中国にはロシアからのパイプラインによる輸入、カザフスタンからの開発輸入に期待がある」(柴田氏)。アンゴラはOPECメンバー国だが、ロシアもカザフスタンはそうではない。

ちなみに、中国の原油の輸入量は今年、過去最高に達した。これについて柴田氏は「軍事用、輸送用の戦略石油備蓄を増やしている可能性がある」とコメントする。

資源バブルが終わりアフリカブームは終わったか

アフリカ経済は、資源価格の落ち込みで大打撃を受けている。これに伴う本国通貨の下落を阻止するため、現地では外貨管理を統制したり、脱税を摘発したりするなど、規制強化に乗り出しているようだ。多くの中国人が帰国の途に就いているのは、治安悪化のためだとも言われている。

他方、「一帯一路」の参加国として中国と協議を結んだ国もジブチ、エジプト、エチオピア、ケニアの4ヵ国にとどまる。中国では第13次五ヵ年計画に盛り込まれた「一帯一路」の主要なルートにアフリカへの経路は含まれていないことからか、2017年5月に中国で国際合作サミットに参加したアフリカの国も、ケニアとエチオピアだけだった。

中国の電子メディアには、金融の専門家が書いた「過去10年にわたってアフリカに対して行われた融資も、近年は『一帯一路』の参加国に振り向けられるようになった」とするコラムが掲載されている。中国の企業は新たに資金が向かう先へと、すでに投資の目的地を変更してしまった可能性がある。

アフリカも時々刻々と変化する。2015年から2016年にかけて、多くのアフリカの国々が発展計画を打ち出し、同時に貿易政策の見直しを図った。キーワードに据えられたのが「環境保護」と「品質重視」だったことからも、アフリカ諸国は従来行ってきた“選択”を見直したことがうかがえる。

中国とアフリカの間に存在した“資源開発バブル”は終わったと同時に、“アフリカからの中国人退避”が物語るのは、「もっともうかる別の国へのシフト」でもある。アフリカの景気悪化とともに、「一帯一路」の政策外にアフリカが置かれたことで、対アフリカの“走出去熱”は冷めてしまったのだろうか。

また、「一帯一路」という長期的な発展を目指す枠組みを前に、アフリカの士気が落ちているのは注目に値する。アフリカは資源開発バブルがはじけた今、冷静さを取り戻し、国益とは何なのかを思考し始めた可能性は否定できない。

他方、「自由で開かれたインド太平洋戦略」、「アジア・アフリカ成長回廊」など、日本やインドが中心となって新たな外交戦略を打ち出した。こうした中で、「中国主導」が真に持続可能なものなのか、関係国が中国を選ぶのか否かは引き続き注視する必要がある。

(ジャーナリスト 姫田小夏)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『習政権を揺さぶる地方債務問題』(11/28日経ビジネスオンライン The Economist)、『支払いは顔認証!アリババが作る未来のスーパー 「現金消滅」が新しいビジネスを生む』(11/28日経ビジネスオンライン 小平 和良)について

11/30ロイター<米国、戦争なら北朝鮮政権「完全に破壊される」と警告>中国も懸念とありますが、今まで北を支援して来た咎めが出て来ただけ。北のミサイルは中国全土に届くでしょう。カナダはしゃしゃり出て来ても各国の対北への対応の違いを纏めることはできないのでは。

http://diamond.jp/articles/-/151471

11/30中国観察<龙曦儿氏のfacebook投稿より

(前の人達は左から周恩来、毛沢東、江青?)

中国の今日の形は、社会主義であれ共産主義であれ、完全に関係がない。頭の良い人が発明した「中国の特色ある」という字句は総て悪く釈明できる。これを用いて外形を繕い、皆馬鹿なのを騙している。今の中国を一言で表せば「権貴資本主義の中国」である。

龙曦儿:

【所谓反腐,就是用平民出身的贪官,祭土共的党旗】

倒霉的农民工:徐才厚瓦房店农民、郭伯雄关中贫农、张阳河北农民、房峰辉彬县城关镇农民、周元根无锡贫农、孙政才荣成虎山五龙嘴农民,被排挤的胡春华湖北五峰贫农。

红二代无一人被查,太子党如小琳、曾伟、绵恒、紫丹……,都在保险柜里继续贪腐并快乐着。

千年圣君:你个农民工来京城混什么混?滚!

【いわゆる反汚職は, 平民出身の強欲役人に用いられる田舎臭い共産主義者の党旗である。】

気の毒な農民工: 徐才厚は瓦房店の農民、郭伯雄は関中の貧農、張陽は河北の農民、房峰辉は彬県城関鎮の農民、周元根は無錫の農民、孫政才は栄成虎山五龍嘴の農民,落馬せず序列にまだ残っている胡春华は湖北五峰の貧農。

革命二世代目は一人として検査されることがない。太子党の李小琳、曽偉、江綿恒、紫丹等皆安全地帯にいて引き続き富を貪り、楽しんでいる。千年の聖君よ、あなたの農民工は首都で何をしていると思いますか? 消え失せろ!>(以上)

11/30ロイター<矢継ぎ早の中国債務対策が市場に警鐘、根強い楽観論も>北京は理財商品の規制強化など債務問題への対応策を矢継ぎ早に打ち出したとのこと。パンドラの箱になりそうな気がします。でも慌てて元に戻して蓋をするのでは。真面にやればリーマン以上の激震が走るでしょう。

http://diamond.jp/articles/-/151442?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

エコノミストの記事は中央と地方の財政の主導権をどちらが握るかと言う観点で書かれていますが、いずれにせよ嘘のデータに基づいているので根本治療とはならないでしょう。地方政府が債務をなかったことにするなんて普通に考えれば債権者が怒って訴訟を起こすと思うのですが、共産社会では党や政府には逆らえないため、そうすることはできません。司法は行政の一部であり、裁判官が賄賂を取る国ですから、公平な裁判を期待する方が無理と言うもの。まあ、公式統計に載せないだけで払う意思はあるのかもしれませんが。

小平氏の記事で、スマホ決済が進んでいくという事は、個人のデータの蓄積が共産党政府に利用されることになります。档案(三世代までの家族の状況、特に共産党に敵対したか等を含めた個人の内申書、共産党の一部の人しか見れない、職場を移動する場合は移動地に提出)にも利用状況が記載されるかもしれません。明らかな人権侵害です。

便利さは危険と裏腹の関係にあります。日本でもスマホ決済が進んでいくでしょう。民主主義国家では共産国家と違い、個人の収支データを政府が管理することはないと思います。逆に民間がビッグデータをどのように活用していくか考えないと。日本の60代のスマホ利用率は55%と言われていますが、スマホとしての利用と言うより携帯電話として使っている人の方が多いのでは。多面的な情報の取り方をしているとは思えません。もし取っていれば、既成の権威、左翼メデイアや学者、左翼野党の言っていることがおかしいと気付くでしょう。

https://marketing-rc.com/article/20160731.html

The Economist記事

2014年にいったんは収束した中国地方政府の債務問題が再び深刻化している。中央政府と地方政府の間に横たわる相互不信が問題を複雑にし、解決を遅らせている。地方政府の歳入と歳出の不均衡を是正すべく、税収の権限を地方に委譲するなどの政治改革が必要だ。

「巨額の債務が中国の金融システムを脆弱にしていることは、周知の事実だ」。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は最近、このような発言をした。

一方で、あまり広く知られていない事実もある。政治が果たす役割だ。中国の債務問題の大部分は、中央政府と地方政府との関係がうまくいっていないことから来ている。両者間の緊張の高まりによって、2015年には債務残高が金融システムを脅かす危険水準にまで達した。その後、ルールが変更されたことでしばらくは問題が解決されたかのように見えたが、映画「高慢と偏見とゾンビ」のごとく、恐怖は再び死者の中からよみがえった。

中国はあまりに巨大な国であるため、中央と地方との間に、常に問題が横たわっている。ここ数年間、中央政府は地方政府に対して統一の必要性を強調してきた。地方政府が過分な自治権を謳歌していることを苦々しく思い、その管理を強化しようとしている。これに対し地方政府は反発を続けている。

中国の風変わりな財政制度の下では、地方政府(省、地区、県レベル)の資金調達は厳しく制限されている。14年までは中央の許可なしに資金を借り入れたり、地方債を発行することは許されなかった。地方政府の収入は、税収のうち一定分を受け取ることで賄われている。例えば付加価値税の5割、個人所得税の4割といったように、だ。

歳出の3分の2を地方が負担 地方政府は歳出が歳入を上回っている

●歳入および歳出の配分割合(行政区分別)

出所:The Economist/経済協力開発機構(OECD)

この取り分は十分な金額というにはほど遠い。地方政府は中国の税収全体の約半分を受け取ることができる一方で、歳出全体の約3分の2を負担することが求められている。県レベルで見ると、この歳入と歳出の差はさらに大きなものであることが分かる。

そのため、地方政府は財政破綻を避けるために中央政府から与えられる資金にずっと依存し続けなければならない。中央から受け取る金額は平均して地方政府の支出全体の半分を占める。巨額の資金を提供する中央政府の影響力は強大なものとなる。

地方政府側は、これまた当然のように、中央の管理から逃れる方法を模索する。その一つが1990年代に出現した「融資平台」だ。これは地方政府の管轄下にある、一種の訳あり投資会社だ。地方政府は融資平台を通じて資金調達を行ってきた。国有地および地元国有企業の株式を担保にして、銀行や債券市場、そして消費者から資金を集めた。

融資平台で調達した資金は、インフラ関連事業につぎ込まれた(写真=imaginechina/アフロ)

借り入れの目的はたいてい、住宅や道路といったインフラ関連事業だ。銀行ではないため、融資平台に対して金融規制が適用されることはなかった。

地方政府の一部門であれば中央の管理下に置かれるが、融資平台はそうではなかった。国有企業として設立されたため、予算上の制約を無視したり、バランスシートを世間の目にさらさないようにすることもできた。

融資平台の増加に恐れをなした中央政府は調査に乗り出した。2013年には1万社を特定し、その借入総額が7兆元(約118兆円)であることをはじき出した。これは中国のGDP(国内総生産)の13%に相当する規模だ。中国には省レベルで31、地区レベルで330、県レベルで2800の行政区がある。単純計算すると、1行政区につき3社以上の融資平台が存在することになる。15年末、地方政府の債務総額はGDPの24%にあたる15兆元(約254兆円)に達した。その大半が融資平台によるものだ。

これは当時、GDPの250%だった中国の社会融資規模と比べればそれほど大きなものではない。だが融資平台による借り入れのほとんどが貸付残高に入らない「隠れ債務」だった。隠れ債務はここ10年で急激に膨らんでいた。

14年、中央政府は地方政府が融資平台を通じて資金調達することを禁じ、事態の収拾を図った。地方債を発行することを許可し、そこで得た資金を債務の借り換えに使えるようにした。こうした債務に関しては、18年までに地方債での借り換えが完了することになっている。つまり、約15兆元という巨額の債券が発行されるというわけだ。

中央政府は地方の借り入れを計上することで債務問題の透明化を目指すとともに、地方債の発行額の上限を定め、新たな起債を制限しようとしている。

その後も怒濤のように改革は続いた。中央政府は地方政府の役人の借り入れ判断に対する評価を、毎年の勤務評定に組み入れ始めた。彼らが他の地域に異動になっても、責任を取らせる形にした。また、民間の投資家を呼び込むきっかけにつながりそうな、贈り物などの物品供与も一部禁止とした。

最も野心的な改革は、16年に始まった第13次5カ年計画で決まったことだろう。この中で歳入および税収管理の権限の一部を中央から地方に移す、新しい仕組みの導入が約束された。

すべてが素晴らしく道理にかなう内容だ。だが17年7月、習近平(シー・ジンピン)国家主席はこれらの策が機能していないことを明らかにした。金融制度をテーマとした会議で、地方政府の債務は今でも中国の金融システムの安定を脅かす2大要因の一つであると述べた(もう一つは国営企業がこれまで蓄積してきた債務である)。

債務を公式統計に入れない

問題は、地方政府が依然としてあらゆる手段を用いて、今までやらかした会計上の不正についてお茶を濁していることだ。米国のシンクタンク、ポールソン・インスティチュートのハウゼ・ソング氏は、地方政府の役人たちが、債務を公式統計に組み入れなくてもいいように、再分類を行っているという。中国財政部が8月に出した報告では、債務を民間資本に見せかけるために、込み入った仕組みの官民連携事業を立ち上げる動きがあることが指摘された。

今月、ある融資平台のマネジャーは中国経済誌「財新」の取材に対し、債務を地方政府から切り離すべく新組織を作ったとしても、財政的な問題が起これば彼らはすぐにまた政府を頼ってくると述べた。財新では、こうした分離は「形式的なものにすぎない」という中国の格付け機関、中債資信の霍志輝氏のコメントが引用されている。

債務問題が尾を引いている現状から浮かび上がるのは、中国という国を統治することの難しさと、習近平氏が持つ強大な権限にも限界があるということだ。税収に対する権限を中央政府と地方政府のどちらが持つのか、もっと明確にすることは可能なはずだ。

これは先述の5カ年計画で提起され、今年10月に開催された共産党大会で習氏が改めて言及したポイントでもある。ルール作りが進めば、歳入と歳出の不均衡は軽減されるだろう。

ここで問題となるのは、このような取り決めを行うのに十分な信頼関係が中央政府と地方政府の間にないことだ。しかも両者は融資平台の一件でそれぞれ異なる教訓を得てしまった。中央政府は、地方政府に独自の税収源を与えず抑えつけるべきだと考えるようになり、地方政府は現在わずかに与えられている財政上の「自治権」を守るためには、さらに入り組んだ計画が必要だと思うようになった。

習氏は地方政府の役人が自分の政策を妨害していると不満を表しており、改革を断行するために更なる権限が必要と考えている。今回の共産党大会は同氏にその権限を与えた。習氏は中国政治体制の改革を進めていくのか、それとも党執行部を自らの側近で固めて満足してしまうのか。地方債務問題は、その答えを引き出す試金石となる。

©2017 The Economist Newspaper Limited Nov.18-24 , 2017 All rights reserved.

小平記事

中国では2次元バーコードを利用したモバイル決済がここ数年で急速に普及し、特に大都市では現金を持ち歩かなくてもほとんど生活に困ることがない社会が実現している。その牽引役となってきたのが、中国ネット通販最大手、アリババ集団傘下の螞蟻金融服務集団(アントフィナンシャル)が提供している決済サービス「支付宝(アリペイ)」だ。

もともとアリペイは、ネット通販での安全な取引を担保するために2004年に生まれた。買い手が支払った代金をアリペイがいったん預かることで、「代金を支払ったのに商品が届かない」といった詐欺的な取引を防ぐ仕組みだ。アリペイの導入により、中国のネット通販市場は大きく広がったとも言われる。

その後、アリペイはリアルの決済にもサービスを広げ、今では公共料金の支払いや寄付、余剰資金の運用など生活に必要な決済や金融のサービスをほぼ網羅するまでになった。アリババによると、アリペイのユーザ数は約5億2000万人。時価総額が米フェイスブックを超えたことでも話題になった中国IT大手の騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイメント)」とともに、インフラの一部となっている。

伝統的な市場や屋台のような店舗でもアリペイやウィーチャットペイのバーコードが掲げられている(写真:町川 秀人)

中国の大都市の街中には、至るところにアリペイやウィーチャットペイの2次元バーコードがある。市場、焼き芋の屋台、繁華街の花売りといったところにも2次元バーコードが掲げてある。仮にバーコードがなくても「アリペイ(もしくはウィーチャットペイ)で」と言えば、たいていはスマホに表示した2次元バーコードをこちらに差し出してくる。バーコードを読み取るだけで簡単に個人間送金が可能なサービスだからできることだ。ちなみチェーン店では、こちらが支払い用のバーコードを表示し、店舗側の端末で読み取ってもらう形式が多い。

ネットとリアルの融合を図るアリババ

9年前にアリババがネットでのセールを始めてからすっかり買い物の日として定着した11月11日の「独身の日」。中国ではこの数年で「独身の日」ではなく「11」が並んでいることを意味する「双11(ダブルイレブン)」という言い方が一般的になっている。アリババの今年の「双11」の売上高は2016年の4割増の1682億元(約2兆8000億円)に達した。

3兆円近い売上高や中国や海外のスターが登場する「双11」のイベントもさることながら、アリババが今年の「双11」で強く打ち出したのがネットとリアルの融合だ。

「ECは消える」。今年の双11に合わせて自らが主演するカンフー映画を公開したアリババのジャック・マー会長は昨年来、講演などでこう語ってきた。

ネットでの買い物とリアルでの買い物の境目がなくなり、ネット上での買い物をわざわざ「EC」と区別する必要がなくなるという意味だ。それを実践するかのように、アリババはリアルな小売りへの進出も加速している。11月20日には、大型スーパー「大潤発」を運営する高鑫零售(サンアート・リテール)に3200億円を出資すると発表した。

ネットとリアルの融合を目指す上でも、アリペイの存在がカギになっている。アリババが手がけるスーパー「盒馬(フーマー)鮮生」の上海市内の店舗では、ほぼすべての来店客がアリペイで代金を支払っている。レジカウンターは白い台と縦長のディスプレーがあるだけ。来店客が自ら商品のバーコードを読み取り、アリペイかアリペイにひも付いた同スーパーのアプリで支払う。

盒馬はアプリ上から注文をして宅配してもらうことも可能だ。店舗から3km圏内の消費者に最速で30分以内に商品を届ける。店舗内の天井には宅配用の商品を配送口まで運ぶ専用のレールが敷かれている。

顔認証ならスマホを持つ必要もない

一方で店舗では生きている魚やカニ・エビを多く取り扱っており、希望すればその場で調理し、食べることもできる。新鮮な海産物を食べられることを売りに、ネットスーパーの利用に加えて来店も促す仕掛けだ。

盒馬では現金でも支払うことは可能だ。しかし、現金を扱うレジには店員がいない。セルフレジの近くにいる店員に「現金で払いたいのだけど」と声をかけると、「アリペイがあるのではあればこちらで」とセルフレジに誘導される。

このセルフレジでは、顔認証で代金を支払うこともできる。事前にアリペイに自分の顔を読み込んでおけば、セルフレジのカメラで顔を読み取り、電話番号を入力するだけで支払いが終わる。アリババの担当者は「スマホを取り出す必要もない」と顔認証の利点を強調する。

上海にある盒馬鮮生大寧店では顔認証で買い物ができる。現金を使えるレジには誰もいない

スマホ決済が新しいビジネスの土台に

盒馬の顔認証を見てもわかるように、インフラとなったアリペイやウィーチャットペイの存在が新しい技術やビジネスの登場を促している側面もある。どうやって利用者からお金を受け取るか、現金をどのように管理するかに頭を悩ませる必要がなくなり、多種多様なベンチャー企業が出てくる土台になっている。

盒馬の店内にあるスマホ充電器の貸し出し機。貸し出しから返却の手続きまでアリペイを使用する

例えば、中国の都市で広がったシェア自転車もスマホでの決済が前提だ。以前、「アマゾン超えた?上海に登場した無人コンビニ」という記事でも触れた無人コンビニをはじめとして、中国では無人店舗が次のビジネスとして注目を集めているが、これもアリペイやウィーチャットペイといったスマホ決済があればこそだろう。

アリババの「双11」イベントでは、メディアが集まる会場に盒馬などの紹介とともに、無人店舗の実験店が設けられていた。11月初旬には、アリババも出資している家電量販大手の蘇寧雲商が上海市内の店舗に、無人売り場を開設した。無人店舗は江蘇省南京市に次いで2カ所目で、その後、北京市と重慶市にも設置した。

蘇寧の無人店舗は同社の金融アプリに顔を登録した後、顔認証で入店。店を出る際はカメラ前に数秒経つだけで、自動的に代金がアプリから引き落とされる。金額は商品についたタグを読み取って計算している。現時点で販売している商品はサッカーのユニフォームや旅行用まくらなどで、まだ実験段階のようだ。

蘇寧の無人店舗「biu!」。商品を持って立つだけで支払いが終わる

アントフィナンシャルは個人の信用度を判定する「芝麻信用(ジーマ信用)」というサービスも手がけている。信用度が高い人はホテル宿泊時やシェア自転車利用時の保証金を払う必要がないなど、様々な優遇を受けることができる。また信用度に応じて、スマホや電化製品、おもちゃなどをレンタルすることも可能だ。アリペイから始まった中国のモバイル決済サービスは、「現金消滅」という決済の変革を超えて、企業のビジネス構築や人々の行動にまで変革を起こそうとしているように見える。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。