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『ロシア皇帝の恋愛映画が社会を分断? 対応に苦慮するプーチン政権』(10/27日経ビジネスオンライン 池田元博)について
10/26スプートニク<安倍首相の勝利:プーチン大統領はそのせいで負けるのか?>。自民党総裁選は2018年9月にあります。任期は3年ですから、2021年の9月までとなります。誰が対抗馬で出ても、安倍首相が勝つでしょう(国政選挙で5連勝の実績がある)。2021年までに北方領土問題が少しでも進むことを願っています。また中国封じ込めで、最悪中立化できるように動いて貰えればと。ただ「新しいチャイナ7の内、栗戦書はプーチン対策で3位に選ばれたもの。中国の重要な国はロシア、米国の順。ロシアのガスも江沢民の時代から買っていたが、契約書にサインしたのは習が初めて。習はプーチンが大好きだけど、プーチンは習は好みでない」と河添恵子氏は述べていました。
https://jp.sputniknews.com/opinion/201710264223378/
10/29TRT<エルドアン大統領と露プーチン大統領が電話会談>プーチンは10/29トルコ建国記念日とへの祝意とシリア問題について話合われたようです。
10/29TRT<【祝 トルコ共和国建国94周年】 アタチュルク廟で記念式典>09年4月にトルコに旅行に行きました。その時にもボートの両岸から見える家々に国旗が掲げられていたのを覚えています。国歌・国旗を悪し様に言う日本人がいる日本とは大違いです。戦後72年も経っているのにまともな精神も持ちえない日本人が多いことを嘆き悲しみます。
10/26スプートニク<プーチン大統領、シリア領90%の解放を宣言>米国も中東にかかずりあっていないで、北朝鮮・中国問題に力を入れて欲しいです。
https://jp.sputniknews.com/russia/201710264223280/
池田氏記事を読めば、ロシアは中国と違い表現の自由が許されていると感じました。昔の共産主義国ですが、今の共産主義国とは違うという事です。立場は違っても、お互いの考えをぶつけ合うことは大切かと。ただ、本当に分かり合えるかどうかは疑問ですが。日本でも左翼の生き様を見ていますと、平気で嘘をつく、手段と目的の倒錯が行われ、話す気にもなりません。人生の価値観・哲学の違いです。
映画という媒体を通じて自己表現したものが、見る人によって「大切なもの」を侵害されたと思うことはありうるでしょう。三島の『宴のあと』裁判や『チャタレイ夫人の恋人』裁判もそれに当て嵌まるかと。小生は「マチルダ」とニコライ二世との愛を描いた映画は問題ないと思います。どこが「反ロシア、反宗教」になるのか分かりません。まあ、日本でも天皇の側室との愛を描いた映画ですと問題にはなるでしょうけど。しかし、観客動員数が見込めないので商業的にペイしないと思います。日本には宮廷の華麗な男女関係を描いた『源氏物語』があります。日本人は昔から男女の仲に寛容であったという事でしょう。
記事
純愛を描いた芸術作品か、皇帝や宗教を冒瀆(ぼうとく)する愚作か――。ロシア最後の皇帝ニコライ2世とバレリーナの恋愛を描いた劇映画が大きな社会論争を引き起こし、大統領選を控えたプーチン政権も対応に苦慮している。

映画「マチルダ」の試写には多くの市民が集まった(写真:ロイター/アフロ)
ロシア社会で今、国民の関心を集めているのが新作映画「マチルダ」をめぐる論争だ。19世紀末、皇帝即位前のニコライ2世とバレリーナのマチルダ・クシェシンスカヤのロマンスを主題にした劇映画だが、宗教団体や民族主義組織などから上演禁止を求める声が上がり、劇場公開が危ぶまれる事態となったからだ。
監督のアレクセイ・ウチーチェリ氏がもともと、この映画の制作を発表したのは5年前の2012年。ロシアの映画基金が財政支援を約束し、同監督率いる映画スタジオ「ロック」が2014年から撮影を始めた。音楽はマチルダが実際に踊っていたサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場の交響楽団が担い、豪華絢爛(けんらん)な装置や衣装をそろえるなど、かなりの資金と労力をかけた。専門家の間では以前から、歴史大作への期待が高まっていた。
半面、「マチルダ」の制作や上映に反発する動きは、1年ほど前から散見されるようになった。一部の宗教団体や民族主義組織などが「反ロシア、反宗教をあおる映画」と非難し始めたのだ。ウチーチェリ監督自身は当時、「映画はまだ制作中で、まだ誰も一場面すらみていない。その段階で(映画の内容を)評価することはできないはずだ」と聞き流していた。
抗議行動が激しさを増したのは、今年10月末から劇場で一般公開するという日程が決まってからだ。上映禁止を求めるデモや集会だけでなく、今年8月末にはウチーチェリ監督の事務所が入るサンクトペテルブルクの映画スタジオに火炎瓶が投げつけられる事件が起きた。
さらに9月に入ると、今度はエカテリンブルクで「マチルダ」の上映を予定していた映画館に男が車で突っ込み、劇場内のロビーを全焼させた。モスクワではウチーチェリ監督の弁護士の事務所前で、何者かが乗用車2台に放火する事件が起きた。現場には「『マチルダ』は燃やすべきだ」と記されたチラシが残されていたという。映画館に対する脅迫も相次ぎ、ついには大手映画館チェーンが一時、「観客の安全が確保できない」と上映中止を表明する事態となった。
「ロシア最後の皇帝の愛人」の史実めぐり対立
即位前のニコライ2世とマチルダのロマンスは史実だ。ロシア紙によれば、ソ連時代のバレエ関連の書籍にはマチルダについて「ロシア最後の皇帝の愛人」と記されていた。マチルダ自身、1950年代末に自叙伝を出版し、ニコライ2世との関係を詳細に明らかにしている。
いわく、2人を引き合わせたのは皇帝アレクサンドル3世。1890年、皇帝はコンサート終了後の夕食会で、当時22歳だった息子(ニコライ2世)の隣に、17歳だったバレリーナのマチルダを座らせた。そしてこう語った。「顔を見るだけだ。恋の戯れは許さないぞ」……。
「最後の皇帝のロマンス」はソ連時代、バレエ関係者に限らず多くの国民が知っていたという。それがなぜ、今になって問題視されるようになったのか。
ちょうど100年前の1917年、ロシアでは2度革命が起きた。最初の「二月革命」でニコライ2世は退位に追い込まれた。さらに「十月革命」ではボリシェビキが権力を奪取。ニコライ2世一家は翌1918年にエカテリンブルクで全員銃殺され、300年以上続いたロマノフ王朝の歴史が名実ともに幕を下ろした。
ソ連時代は「独裁者」の汚名を着せられたニコライ2世だったが、ソ連崩壊とともに一家を襲った悲劇や残虐な処刑の実態が明らかにされ、その評価も一変した。信教の自由が公に認められ、社会的な影響力を一気に増したロシア正教会は2000年、ニコライ2世とその家族を殉教者とみなし「聖人」とした。エカテリンブルクでは一家が銃殺された場所に教会が建てられた。
一般の国民の間では確かに、100年も前に退位したニコライ2世が必ずしも積極的に評価されているわけではない。それでも政府系の全ロシア世論調査センターが今月実施した世論調査では、ニコライ2世に「好感を覚える」との回答が60%に上り、十月革命を主導したレーニンやスターリンよりも高かった。
ロシア社会の受け止め方の変化も、「わざわざ過去の色恋沙汰を映画で取り上げてニコライ2世の名誉を傷つけるべきではない」との非難の声につながっているようだ。特にロシア正教会の関係者は、「聖人」であるニコライ2世の情事に焦点を当てた映画は「信者の心情を侮辱する」と反発。キリル総主教も芸術家の自由な表現の権利を認めつつも、「史実には誠実に向き合うべきだ」とクギを刺している。
元「美しすぎる検事総長」が批判の急先鋒に
「マチルダ」をめぐっては、大きな社会論争を引き起こすようになった理由がもうひとつある。真っ先に映画非難の声をあげ、上演を禁止すべきだと執拗に訴えている人物がナタリヤ・ポクロンスカヤ氏だからだ。
ポクロンスカヤ氏は2014年春、ロシアによるウクライナ領クリミア半島の併合時にクリミア共和国の検事総長を務めた。「美しすぎる検事総長」として世界で注目を集めた女性で、アニメ風の似顔絵も盛んに出回った。日本でも話題になったので、思い出す方が多いかもしれない。ロシアでも当然、人気が高い。
2016年9月の連邦議会の下院選で、政権与党「統一ロシア」の候補者として立候補して当選。現在は下院議員を務めている。まだ新人議員とはいえ、知名度抜群の同氏が「マチルダ」批判の急先鋒(せんぽう)に立っているとあって、国民の関心が倍加しているわけだ。
そのポクロンスカヤ議員は保守系の民族団体や宗教団体の陳情もあって、昨秋以降、あの手この手で映画上映の阻止を画策してきた。まずは「信者の心情を侮辱し、人種・民族間の不和をあおる」恐れがあるとして、映画「マチルダ」をその観点から検閲するよう検事総長に求めた。
その後も、ウチーチェリ監督の資金調達や国家補助金の利用法で不正の疑いがあるとして調査を求めたり、「映画は公開すべきではない」とした専門家による鑑定結果を提出したりした。さらに映画の公開に反対する国会議員や一般市民の署名を多数集めて文化省、内務省などに提出したほか、「映画には過激主義的な素材が含まれている」と自らの主張を訴える検事総長宛てのビデオまで作成して公開した。
対するウチーチェリ監督側も、ポクロンスカヤ議員による誹謗(ひぼう)中傷の中止、脅迫を続ける一部活動家の処罰などを求めてきた。当局側はウチーチェリ監督のスタジオの捜索なども実施したが、ポクロンスカヤ議員が主張するような監督の「違法行為」は今のところ見つかっていない。
プーチン大統領は次期大統領選を控え中立
では政権の対応はどうか。プーチン大統領は今年6月、国民との直接対話のテレビ番組に出演した際、「(ウチーチェリ)監督は人間として尊敬している。とても愛国主義的で、才能のある人だ」と高く評価した。一方でポクロンスカヤ議員についても「彼女には自分の立場を主張する権利がある」とし、2人の論争には介入したくないと語っていた。
かつてロシアがクリミアを併合した際、ポクロンスカヤ氏はプーチン政権の行動を擁護する「広告塔」の役割を担った。また、国営テレビがプーチン大統領の業績をたたえる特別番組を制作した時も、国民人気の高い同氏が一部出演していた。大統領としても恩義を感じているのだろう。
こんな経緯もあってか、大統領府はその後も原則として「中立」の立場を貫いている。ただし、大手映画館チェーンが上映中止をいったん決めたことなどを憂慮してか、政権内でもメドベージェフ首相やメジンスキー文化相らは監督擁護の立場を打ち出している。特に文化相は、映画公開を妨害する一部活動家の行動は「国家の文化政策や教会の威信を傷つける」と非難し、映画館の安全を守るよう治安機関に求めた。こうした発言や政権側の対応を受け、大手映画館チェーンも上映する方向に転換した。
そして10月23日、全国公開に先駆けてサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で「マチルダ」の試写会が開かれた。ウチーチェリ監督は「我が国でやはり常識が勝利したことは喜ばしい」と表明した。しかし、劇場周辺は特殊警察が警護するなど物々しい雰囲気だったという。また、映画に出演した外国人俳優の多くが「身の危険を感じる」として舞台挨拶のための訪ロを拒否するなど、本格的な劇場公開後への不安を感じさせる試写会となった。
ロシアでは宗教団体や民族主義組織に限らず、例えば過激な言動で知られるチェチェン共和国のカディロフ大統領なども「マチルダ」の劇場公開に反対する立場を鮮明にしている。
プーチン政権としては来年3月の次期大統領選を控えるなか、自由な芸術活動を制限するような動きも、ロシア正教会の信者やポクロンスカヤ議員の支持者らを敵に回すような行動も取りたくないというのが本音だろう。「ロシア映画界で最大のスキャンダル」とされるマチルダ騒動が、何とか平穏なまま下火になってくれることを望んでいるのは間違いない。
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『第19回党大会の「青空」はわずか1日で消えた 習近平は難敵「白色汚染」を根絶できるのか』(10/27日経ビジネスオンライン 北村豊)について
10/28「防人と歩む会」主催の河添恵子氏講演会に参加しました。以前は「士気の集い」の講演会でお会いしてからですので、7,8年ぶりに聞いたと言う所でしょうか。講演内容は相変わらず面白かったです。習近平はリークアンユー亡き後の東南アジア華僑の取り纏めをするロスチャイルド(ユダヤ右派)の代理人、ビル・クリントンはデビッド・ロックフェラー(ユダヤ左派)の隠し子、キッシンジャー(ユダヤ人)はロックフェラーの代理人。北部戦区(旧瀋陽軍区、吉林幇)と江沢民と金王朝は繋がっていて、周永康は金正日、正恩親子に「中国は張成沢、金正男に統治させることを考えている」と漏らしたため無期懲役、習は米国が金正恩を打倒するのを喜んでいる。北朝鮮は江派の利権になっているため。金漢率はイスラエルに庇護(米国が関与)されており、正恩無き後の後釜に据えるつもり。(ユダヤの言いなりになっている)中国経済が潰れることはない。ケネデイはFRBを(ユダヤから)国家のものに変えようとして殺された。トランプはそこには踏み込まないだろう。クシュナーはユダヤ右派(親イスラエル)で、キッシンジャー(ユダヤ左派)とをうまく使い分けている。中国は陳香梅(フライングタイガーのシエンノートの妻、ニクソンの愛人)やインドネシア華僑のリッポーグループを使い米政界に時間をかけて食い込んでいるとのこと。女と金を使うのは中国人の常道と小生は思います。
また、この話を聞くとトランプは本当に中国と対峙できるのかです。英国王室を頂点とし、その執事たるユダヤ人(真田幸光、馬渕睦夫氏主張)の手先を相手にどこまで戦えるかです。渡邉哲也氏の言う金融制裁と(機雷による)海上封鎖もユダヤ人の胸三寸となります。しかし、金三胖の運命は決まったも同然。ロシアへ亡命するか、米軍と戦って死ぬかだけです。
10/28日経朝刊に日経・CSISシンポの記事があり、司会が「北朝鮮問題の陰で中国は南シナ海の軍事拠点化を進めている」との問いに、ジョセフ・ナイは「欧州が中国に対してもっと強い姿勢を示すよう、日米は働きかけるべきだ。欧州も巻き込み(仲裁裁判所の判決を無視する中国に対抗し)国際法の権威を守る必要がある」と。これに対し国分良成防衛大学長は「中国は現在の国際システムが不平等と考えている。国際協調路線よりも、どちらかというと主権ナショナリズムに足を踏み出している」と。それなら中国は貿易の旨味を享受することなく、鎖国すれば良いだけ。軍事力の威嚇で領土・領海を拡張するのはもっての他でしょう。防衛大学長は中国の認識を述べるだけでは、中国の見方を追認したことになりはしませんか?五百旗頭と言い、適任者とは思えません。
10/27中国観察 希望之声電台<王岐山未能入“常”內幕被曝 趙樂際接棒 眾人提出一個疑問>程曉農博士は「希望の声」のインタビューで、「(虎も蠅も叩くということは)王岐山にしかできない。(後を継ぐ)趙樂際も含め他の人ではできないだろう。王岐山が辞めることは高級幹部にとって一安心。妥協の産物」と。四川人の分析では「反腐敗運動は王岐山の下でも極限に達していた。王岐山の辞任の事実は、中共の邪悪な体制を放棄しないということになり、もし、江沢民と曽慶紅を生き延びさせれば反撃に遭い、反腐敗運動は失敗に終わるだろう」と。
10/28ダイヤモンドオンライン ロイター<中国の終わりなき反腐敗闘争、習主席が選んだ新責任者>河添氏によれば習と趙との関係は父親同士が友人とのこと。
http://diamond.jp/articles/-/147395?utm_source=weekend&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor
北村氏の記事では、北京オリンピック時の草の代わりの緑のペンキを塗って草の代わりにした話を思い出しました。上辺を飾るだけで、環境保護を全然配慮しないやり方です。とても持続可能とは思えません。中国人が世界に出て行くのが増えれば、間違いなく環境汚染は悪化していくでしょう。
10/12新浪網<2岁男孩竟患肺癌,刷新病患年龄最低纪录!家人怀疑和这些原因有关=2歳の男の子がなんと肺癌に 罹患年齢を更新 家人はいろいろと疑う>。大連の夫婦が引越しした時に、赤ちゃんがお腹にいたが、内装のペンキと食べた(市販の)おやつが良くなかったのではと思っている。夫婦とも煙草は吸わないのに。一般論としては、受動喫煙やら大気汚染が肺癌の大きな原因になるとのこと。
http://news.sina.com.cn/o/2017-10-12/doc-ifymvuys8270185.shtml
何でもありの中国ですから、人の命何て尊重されません。習近平は大気汚染問題を解決してから中国の夢を語った方が良いのでは。
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大気汚染で霞む北京。習近平はこの「難敵」に勝てるのか(写真:ロイター/アフロ)
中国共産党第19回全国代表大会(略称:第19回党大会)が北京市の“人民大会堂”で10月18日から24日まで開催され、全国代表2280人、特別招請代表74人の合計2354人の代表の中、病気などで欠席の16人を除く2338人が参加した。
18日午前9時5分に司会者である国務院総理の“李克強”が大会の開幕を宣言した後に、国歌斉唱、革命の先達に対する黙祷が行われた。9時9分に李克強が「“習近平”総書記に第18期中央委員会を代表して報告をお願いします」と述べると、壇上の自身の席から演台へ歩み寄った中国共産党中央委員会総書記の習近平が『“小康社会”<注1>の全面的建設に最後の勝敗を決め、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取ろう』と題する報告を行った。報告は延々3時間半に及んだが、習近平はその報告の中で中国の環境汚染に言及し、「“要防止汚染源頭,為打撃空気汚染、為争取藍天而戦闘(大気汚染に打撃を与え、青空の実現を目指して戦うために、汚染源を防止しなければならない)”」と述べて、環境汚染撲滅に向けて汚染源を根絶するべく戦う意向を示した。
<注1>“小康社会”とは「いくらかゆとりのある社会」を意味し、中国共産党は2020年までに小康社会の全面的建設を実現するとしている。
違法工場を閉鎖、串焼きも工事も停止
北京市は“十九大藍(第19回党大会の青空)”を確保して、習近平が同報告の中で言及する環境汚染に打ち勝つ中国を演出しようとした。このため、8月から当局は新たな環境保護監察行動を展開し、北京市および周辺地域へ環境保護監察チームを派遣して違法な汚染排出などの違反行為を摘発し、数万社に上る化学工業、セメント、ゴムなどの企業を閉鎖させた。また、9月に入ると北京市および周辺地域の鉄鋼やセメントの生産工場に対する特別監察を実施し、違反企業に対して処罰を行い、従来の罰金に替えて生産停止や工場閉鎖を命じた。そればかりか、第19回党大会を前にして北京市ではレストランや露天の羊肉串焼きも営業停止を命じられたし、建設現場は工事の停止を命じられた。
こうして迎えた第19回党大会初日の18日は晴天に恵まれて、思惑通りに“十九大藍”を実現したが、翌19日は早朝から北京市のみならず、周辺の河北省北部、天津市、山西省などの各地はどんよりしたスモッグに覆われ、北京市“気象局”は“大霧橙色預警(霧の橙色警報)”<注2>を発布した。北京市中心部の“空気品質汚染指数(大気汚染指数)”は150を超えて4級の「中度汚染」を示し、“東四環(東第四環状線)”にある観測ステーションでは161を記録した。この汚染物質の主体はつとに名高いPM2.5だった。
<注2>“大霧預警(霧警報)”は12時間以内に出現する霧の種類により、黄色(可視範囲が500m~200m)、橙色(同200m~50m)、赤色(同50m以下)の3段階に分かれている。
このスモッグの影響で北京市内の高速道路は7本が閉鎖され、西南第六環状線は車両の通行が禁止された。また、市民は外出時にはいつもながらのマスク着用を余儀なくされた。こうした状況を見た多くの北京市民は、鬱憤晴らしに「スモッグの来襲は明らかに第19回党大会の開催を祝っている」、「おめでとう、深刻なスモッグは第19回党大会の時期に我々を再び“仙境(別天地)”に招いてくれた」、「当局が懸命に青天の回復に努力したのは水泡に帰した」などと嘲笑したのだった。
中国政府“環境保護部”が発表したデータによれば、中国の大都市328カ所の大気質(air quality)は今年上半期で悪化しており、北京市(略称:京)、天津市(津)、河北省(冀)を包括する“京津冀”と呼ばれる北京首都圏では、13の都市が8月の大気質指数(air quality index)が去年同期に比べて低下し、大気中の微粒汚染物質密度は5.4%増大した。
9月末のメディア報道によれば、中国政府は鉄鋼生産が盛んな河北省の一部都市を含む北方28都市に対して、今年10月から来年3月までの6か月間に空気中の微粒汚染物質を15%引き下げる措置を採るよう命じたという。また、“北京市住房和城郷建設委員会(北京市住宅・都市農村建設委員会)”は9月下旬に厳格な工事停止命令を出し、11月15日から来年3月15日までの4カ月間は北京市内の6つの区、10の新都市区および“大興区”にある“亦庄経済技術開発区”では全ての道路工事、水利工事、住宅の取り壊しや施工工事などが全面的に停止された。
ネットに集まる反発、海外ゴミの輸入は禁止へ
こうした一連の厳格な命令に対しネットユーザーは政府部門の怠慢と反発し、「大気汚染で人が死ぬ前に餓死させられる」とネットの掲示板に書き込んだし、別のネットユーザーは「当局のやり口は、禁止、取り締まり、罰金の3種の神器で、大気汚染を改善する能力はなく、ただ禁止を命じるだけ」と書き込んだ。また、あるネットユーザーは「このような措置によって損傷を受けるのは庶民の生活であることは疑問の余地がなく、そのうち最も傷つくのは底辺の産業チェーンおよびその従業員である」と書き込んだ。大気汚染を改善するための施策を何一つ打ち出すことなく、ただ闇雲に3種の神器を振り回すだけでは大気汚染解消の道程は遥かに遠いと思えるが、出世と保身しか考えない中国の役人には目先の事しか念頭にないのだろう。
ところで、中国は2017年7月18日に世界貿易機関(WTO)に対して今年の年末から海外ごみの輸入を禁止すると通告した。海外ごみとは、再利用可能な廃プラスチック、古紙、鉄屑、スラグ、紡織品、家電や電子機器などの資源ごみである。中国は世界最大の資源ごみ輸入国であり、2016年は全世界の資源ごみの56%を輸入した。2016年の廃プラスチックの輸入量は730万トンを上回り、その総額は37億米ドルに達した。また、同年の古紙輸入量は2700万トンに上った。これらの資源ごみは正規・非正規のルートで中国へ輸入され、全国各地の再生処理場を経て再生資源に加工されるが、その過程で水質汚染、大気汚染、土壌汚染などの各種汚染を発生させ、中国の環境破壊に大きく加担してきた。中国が海外ごみの輸入禁止に踏み切ったことは、習近平が第19回党大会の報告の中で述べた汚染源根絶の一環と言って良いだろう。
「食事デリバリーのプラスチック容器」が新たに
さて、こうして汚染源の根絶に向けて歩みを進めている中国だが、国内では新たな汚染源が発生している。それは“外売送餐(食事デリバリー)”で使われるプラスチック容器である。「英国放送協会(BBC)」の中国語ネットは2017年10月21日付の記事で次のように報じている。
【1】中国ではインターネットの普及によりネットを通じて食事のデリバリーを依頼する人が、2017年6月末の時点で3億人近くに及び、しかも増大の趨勢にある。その消費額は2016年には250億米ドルであったが、2018年末には360億米ドルに増大するものと予測される。
【2】今や中国では都市の大通りや路地には必ずと言ってよいほどスクーターに乗ったデリバリー配達員の姿がある。人々はネット上で食事のデリバリーを注文して、事務室で食事が配達されてくるのを待つ。それは非常に便利で速いが、人々に食物の浪費やプラスチック容器などによる環境汚染などを想起させる。推計では、毎日約6500万個ものデリバリーに使われたプラスチック容器がごみ箱へ捨てられている。
8月29日付の「中国青年網(ネット)」は、「デリバリーのプラスチック容器の使用量は大きく、毎週2億人分のデリバリーごみを発生させる」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。
(1)昼時、北京市“海淀区”で働くメディア人の“小夏(夏君)”は昼食を食べ終わった。職場に食堂はなく、彼と同僚の昼食はいつもスマホでデリバリーを頼んで解決する。食事が終わった夏君が数えてみると、デリバリーを構成する米、主菜、副菜、汁物は一つずつプラスチック容器に盛られ、1食で4つのプラスチック容器が使われていた。これらの容器は職場の裏にあるごみ箱に捨てられるので、ごみ箱にはプラスチック容器が山を作っていた。ネットデリバリーが飛躍的なスピードで発展し、人々の食事をすこぶる便利にした反面、これまで以上の廃棄物を産み出した。プラスチック容器はごみ捨て場へ直行し、環境に隠れた災いをもたらした。どうすれば益々増えるプラスチック容器を少なくできるのか。どうすればデリバリー業界は環境保護に沿った発展を実現できるのか。これは多方面の施策を必要とする難問である。
(2)“美団外売(美団デリバリー)”、“餓了麽(腹減ったか)”、“百度外売(百度デリバリー)”などで構成されるネットデリバリー業界が発表しているデータによれば、前述の3社が全国で1日に受け取る注文書の総量は2000万件前後であるという。配達が迅速で、種類が多く、支払いが便利。中国に滞在する外国人はこれを評価して、「“高速鉄路(高速鉄道)”、“支付宝”<注3>、“共享単車(自転車シェアリング)”、“網購(ネットショッピング)”を除くと、中国の“外売(デリバリー)”は新四大発明の中の一つに数えられる」と述べたという。一般に1件の注文に対して使用するプラスチック容器は3.27個であるから、上記3社のデリバリーで毎日使用されるプラスチック容器は6000万個を上回る数量である。
<注3>IT企業“阿里巴巴集団(アリババグループ)”が提供する中国最大規模のオンライン決済サービス。
「毎日6000万個」は、一部分
(3)プラスチック容器のみならず、デリバリーに使用されるプラスチック袋、プラスチック製の箸やスプーン、フォークなどの食事用具、さらには外包装に使われるプラスチック袋などは全てプラスチックごみに属する。プラスチック容器と食事用具の主成分はポリプロピレン、プラスチック袋の主成分はポリエチレンであり、全て非生分解性の普通のプラスチックである。ある報道によれば、デリバリー業界が毎日消費するプラスチック袋は42万平方メートルの面積を覆うことができ、およそ15日間で浙江省“杭州市”にある“西湖”(6.5平方キロメートル)を覆うことができるという。
(4)“中餐(中華料理)”の食べ物は水分や油分が多く含まれているため、プラスチック容器が適当であり、紙容器は不適当である。一方、コストもデリバリー企業にとって重要な要素であり、プラスチック製の容器、食事用具および袋がコスト全体に占める比率は2%であり、廉価なプラスチック製品を代替する物はないのが実情である。
(5)デリバリーに使用されているプラスチック容器は本来使い捨てではない。太部分のプラスチック容器には「“可回収物(リサイクル)”」の標識がついており、まともに回収されればごみ回収工程を経て資源として再利用が可能である。しかし、大多数の消費者は食事を終えると、プラスチック容器をごみ箱へ直接捨てるのが現実である。たとえ容器内に米や料理が残っていようとも、そのまま蓋をして捨てるから、デリバリーのごみにはプラスチックと残飯が混在し、回収作業をより一層面倒なものとする。
上記(2)にある毎日6000万個という数字はネットデリバリー業界の大手3社が消費するプラスチック容器の総数であり、3社以外の数字は含まれていない。さらに、中国各地で目にする安価な露天や移動販売の弁当屋が消費するプラスチック容器の数量も含まれていない。ネットデリバリーを注文できるのは事務所内で執務できる比較的裕福な人々であり、屋外で肉体作業に従事する貧しい人々は露天や移動販売の弁当屋から食事を購入する。従い、毎日6000万個はあくまで一部分の数字であり、中国全土で1日に使用されるプラスチック容器、食事用具、プラスチック袋の総量は莫大な数字になるはずである。但し、その具体的数字に関する統計資料は見当たらない。
「白色汚染」との戦いは終わらず
筆者は2008年3月14日付の本リポート『レジ袋有料化に踏み切った中国』で、「レジ袋や発泡スチロール製の弁当箱、“マルチ”と呼ばれる農業用フィルムなどの大量に消費されて投棄されるプラスチック製品による汚染を意味する白色汚染との戦いに、中国政府は本腰を入れるのか」という趣旨の記事を報じた。レジ袋の有料化は確かに実施されたが、その他のプラスチック製品は分類が容易なペットボトルを除いて放置されたままとなっていた。
当該リポートから10年が経過した現在、従来は考えられなかったネットデリバリーが急速に発展・拡大したことから、改めてデリバリーに使用される大量のプラスチック製の容器、食事用具、袋が新たな環境汚染として注目を集めているのである。これは決して新しい問題ではなく、今まで放置されたままとなっていた問題である。ネットデリバリービジネスは今後さらに拡大する傾向にあり、白色汚染はますますその深刻度を強めるだろう。
この古くて新しい問題は、上記(1)にあったように、「多方面の施策を必要とする難問で」、一朝一夕で解決できるものではない。習近平が第19回党大会で行った報告の中で表明した「環境汚染撲滅に向けて汚染源を根絶するべく戦う」意向を具体化するには、白色汚染のみならず、大気、水質、土壌などの各種汚染に本腰を入れて取り組まなければならない。米国在住の小説家“鄭義”(1947年・中国重慶生まれ)は、今年9月に『未来10年でがん患者の群れは急増し、“癌症村(がんの村)”、“癌症河(がんの河)”、“癌症城(がんの都市)”から“癌症国(がんの国)”に向かう』と題する記事を書いた。彼は2010年に『がんの村が都市を包囲する』と題する記事を書いたが、その後も環境汚染が深刻さを増している中国の現状を憂いて、今後10年で中国はがんが蔓延する「がんの国」になると警告を発しているのである。
中国が2020年までに小康社会の全面的建設を実現するのであれば、残り3年間で環境汚染を撲滅しなければならないと思うが、それはいかに習近平が偉大でも不可能と言えよう。
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『トランプ大統領が北朝鮮の核保有を断固認めない理由 「原則ある現実主義」を掲げ、イランに対しても強硬姿勢崩さず』(10/26JBプレス 樋口譲次)について
10/27メルマガ【国際インテリジェンス機密ファイル】より<◆ルトワック「自衛隊は北朝鮮を爆撃できる」を読み解く 雑誌・月刊ハナダより。
※要旨
日本に必要なのは核抑止力ではなく、役に立つ防衛力だ。先制攻撃能力を持つことで抑止力が強まる。
たとえ1,000発の核兵器を持っていても使えないので、ナイフより無意味だ。ナイフは簡単に使用できるが、核は強力すぎて使うに使えない兵器だ。
北朝鮮の弱点。
北がすっかり欠いているものは、防空体制だ。技術的な理由で、防空には莫大なカネがかかる。
自国民が脅威に晒されているとき、その直接の危険を除去するために先制攻撃を行う権利はあらゆる国家が持っている。日本政府がそうした意思を持つことは大きな意味がある。
日本政府は、すでに保有している航空機をそのまま使って、追加の兵装を購入するだけで可能になる。
イスラエルの人々は、イラクの核開発の脅威に直面したとき、それを破壊した。
日本ができるだけ早く行動しなければ、間違いなく2年後には核の脅しに屈する危機に直面すると
断言できる。
※コメント
ルトワックのアドバイスは、たいへん本質的な的を得たものだ。長年の経験と知識は強い。>(以上)
日本の核保有は国論を二分するでしょうし、NPT体制からの離脱という事で国際的にも批判の目が注がれます。でも議論をしないという事では進歩がなく、左翼の狙い通りになります。先ず、非核三原則の見直しと米国とのニュークリアシエアリングから始めるのは如何でしょう?
10/26Newsweek<北朝鮮の電磁パルス攻撃で「アメリカ国民90%死亡」――専門家が警告>。書いた記者の事実誤認があるのでは。北は、人口衛星は打ち上げたけど失敗して持っていなくて、ミサイル誘導も中国かロシアの衛星の力を借りているとの話です。プライ氏は北の能力を過大視させて、北への攻撃を制止させようとしている北の工作員では。勿論、可能性について否定することはしないで、対策に万全を期すべきと思います。まあ、常識的に考えれば、北が米国上空までICBMを飛ばし、EMP攻撃するのを黙って見ているとは思えません。必ずや迎撃するでしょうし、北は跡形もないくらい破壊されるでしょう、
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/90-9.php
10/28日経朝刊に27日に実施した日経・CSISシンポの記事があり、マイケル・グリーンは「北朝鮮の核・ミサイル開発は最終段階にある。外交的な解決が可能だというのは幻想だ。いくら対話しても開発を止められない」と述べています。軍事力行使以外に選択の道はないという事です。
何時も言っていますようにここで怯めば日本の将来の危機は増大し、かつ北も倒せない米国となって中国が増長し、益々世界制覇への道を加速化するだけです。
樋口氏の論考で主張しています通り、米国が北を核保有国として承認するのは日本にとって最悪です。安倍・トランプの良好な関係の内に北の問題を解決しなければなりません。日本は衆院選が終わったばかりで4年の任期がありますが、米国は来年11月には中間選挙です。それまでに解決しようとするでしょう。日本人も左翼人の言説等に右顧左眄することなく、覚悟を持つ必要があります。
記事

北朝鮮の朝鮮中央通信(KCNA)が配信した、朝鮮人民軍810軍部隊傘下の第1116号農場を訪れた金正恩朝鮮労働党委員長(写真中央、撮影日不明、2017年9月30日配信、資料写真)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News〕
国際社会に悪しき前例を作る北朝鮮の核保有国容認
北朝鮮が、国際社会や日米などの要求を無視して核ミサイル計画の放棄を受け入れず、米国が経済制裁や外交から最終手段の軍事力に至るまでの対応策を行使することなく北朝鮮を核保有国として認めた場合、どのような影響を及ぼすことになるのであろうか。
北朝鮮が1992年に核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言して以来、日米をはじめ、国際社会は「北朝鮮の核プログラム廃棄」という目標を立ててきた。
またジョージ・W・ブッシュ政権以降の米国はすべての核ミサイル計画の「完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な放棄」という目標を掲げ、長年にわたって努力を積み重ねてきたが、計画は頓挫したままである。
もし、このままなし崩し的に北朝鮮を核保有国として容認した場合は、その目標を放棄することを意味し、国際社会、特に国連の無力さ並びに米国の地位と影響力の低下を際立たせる結果になるのは目に見えている。
そして、国際社会が一貫して取り組んできた核軍縮・不拡散体制に対して極めて大きなダメージを与え、国際社会のガバナンスに悪しき前例を作るのは必定であり、甚大な影響を及ぼさずにはおかないのである。
米国が北朝鮮を核保有国と認めた場合の影響
核兵器不拡散条約(NPT)を基礎とした核軍縮・不拡散体制の崩壊
核軍縮、核不拡散および原子力の平和的利用の三本柱からなる核兵器不拡散条約(NPT)は、現在の国際的な軍縮・不拡散体制の基礎であり、その意味で、わが国もNPT 体制を重視している。
インド、イスラエル、パキスタンはNPTの非締約国として核を保有しているため、NPT体制は実質的に崩壊しているのではないかとの指摘もあるが、これらの国は北朝鮮のように挑発的な言動を繰り返すこともなく、過去10年以上、核実験を自粛している。
一方、北朝鮮は、21世紀に入って核実験を行った唯一の国であり、深刻な国際法違反を繰り返し、また、それを継続することにより国際社会に挑戦し続けている。
米国には、非核保有国を核兵器で攻撃しない、極限状態(extreme circumstances)でのみ核兵器の使用を考慮する、などの厳重に制御された核政策(2010年「核態勢見直し」(NPR))が存在する。
しかし北朝鮮は、日米韓などと過去に多くの国際約束や合意を結びながら破ってきた由々しい前例がある。
そのために、国際社会からの信用を失墜し、「責任ある核保有国」として振る舞う可能性は極めて低く、国際社会にとって重大な脅威になるとの認識が広がっている。
そのような北朝鮮に新たな核保有国としての地位を認めることは、すでにNPTの枠外で核を保有しているインド、イスラエル、パキスタンの事情とは異なり、現在のNPT体制下で特別な例外を認めることに等しい。
そして、北朝鮮が核保有国になったら、さらに多くの同じような立場の国が刺激されて核兵器開発や核兵器購入に走る可能性が高まり、結局、NPT体制を崩壊させ、国際社会に核の恐怖の連鎖をもたらすのは間違いないであろう。
米国との同盟に対する信頼感の揺らぎと拡大抑止の信憑性の低下
これまで、北朝鮮に対し核ミサイル計画の「完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な放棄」を迫ってきた米国が、北朝鮮を核保有国として認めるというコペルニクス的転換を図ることは、米国の抑止力や影響力が機能しなかった証左であり、米国が自らの意思と能力の弱体化を認めることにほかならない。
そのことは、日本、韓国、台湾、フィリピンといった東アジアの国だけでなく、米国との同盟関係にある世界中の国の間で、同盟に対する信頼感を根本から揺るがしかねない事態を招いてしまう。
同時に、核保有国となった北朝鮮に対する米国の拡大抑止(「核の傘」)の信憑性の低下にもつながる重大問題であり、米国の立場を大きく毀損することになるのである。
つまり、核保有国としての北朝鮮の容認は、日本や韓国などにとって、米国の「核の傘」に入らない途を選択する誘因となる恐れがあり、同盟の弱体化あるいは解体にもつながりかねない。
それは、米国の東アジアからの地政戦略的後退を意味し、その場合、当該地域諸国は、膨大な軍事圧力をもって覇権的拡大を続ける中国の影響力の大きさを無視できなくなり、アジア太平洋地域における米中間の勢力図が大きく塗り替えられる可能性さえも否定できない。
地域における核の全面拡散による不安定化と危機の継続
いったん北朝鮮が核保有を果たせば、韓国や日本に対して核の威嚇をしない、核を使用しないという保証はどこにもない。
そのため、米国では、日本や韓国の核保有を容認すべきだという議論も出始めている。
米国の拡大抑止の信頼性と信憑性の低下が懸念される中において、北朝鮮の核保有に対抗し、パワーバランスを保つために日本や韓国は核保有まで含めた軍事力強化の途を歩まざるを得ない事態に追い込まれるかもしれない。
そうなると、北東アジアのすべての国に核が拡散し、そのため、米中露に加え、日本、韓国、北朝鮮が絡んだ多国間に跨る核戦略のせめぎ合いは極めて複雑、不安定かつ予測不能となり、地域は常に核の恐怖と隣り合わせの危機をはらみながら推移することを余儀なくされよう。
また、世界で唯一の戦争被爆国である日本では、核保有について世論が分裂し、長期にわたって政治の混乱・不安定を招く恐れがあることにも十分に留意しなければならない。
「原則ある現実主義」のトランプ米大統領
ドナルド・トランプ米大統領は、対外政策の遂行にあたって「原則ある現実主義」(principled realism)を掲げている。では、北朝鮮の核ミサイル開発に対する、曲げられない「原則」とは何であろうか?
トランプ大統領が掲げるアメリカの夢としての「偉大なアメリカの復活」と「米国第一主義」は大原則である。
それは取りも直さず、国家目標としての「パクス・アメリカーナ」、すなわち「アメリカの力による(世界)平和」の再現を目指し、その達成のために米国の国益追求を第一に置くとの意思表示に他ならない。
つまり、第2次大戦後、「米国の力による(世界)平和」を支えたアメリカの圧倒的な経済力と軍事力の2本柱を再建強化し世界一を維持するとの基本的考えであり、その最大の戦略対象国(ライバル)として、経済的、軍事的に力をつけ、覇権大国として米国に挑戦する中国を念頭に置いている。
トランプ大統領は、ツイッターで「私の大統領としての最初の命令は、核戦力の改修と近代化だった」と述べたように、就任直後の2017年1月、最優先で「軍再建」を命じる大統領令に署名し、今後5~10年間の核政策の指針となる新たな「核態勢の見直し」(NPR)の作成を指示した。
また、弾道ミサイル防衛(BMD)に関しても、新たな態勢見直しに着手するよう命じた。
その目指す核戦力は、「二度と使わずに済むよう望むが、われわれが世界最強国家でなくなる時は決して来ないだろう」とし、「今では、これまでのどの時期よりはるかに強力だ」と強調した。バラク・オバマ大統領の「核兵器のない世界」路線からの完全な決別宣言である。
北朝鮮の核ミサイル開発について、トランプ大統領は、2017年10月はじめの軍幹部との協議で「北朝鮮における米国の目標は非核化だ」と明言し次のように述べた。
「想像を絶するほどの人命の犠牲を払わせると米国やその同盟国を脅迫する独裁国家の行為を許すことはできない。われわれは(北朝鮮の)脅迫が現実とならないために必要なことをする」
必要な場合に軍事的選択肢をより迅速に提供できる体制を整えるよう求めたのである。
以上から、トランプ政権下の米国は、世界最強の核戦力・核抑止力を維持すること、そして、NPTが「核兵器国」と定めた米国、ロシア、英国、フランス、中国、これら国連安保理の常任理事国と重なる5か国以外に、今後、断じて核兵器を持たせないというのが核政策・戦略における原則と見て取れる。
この際、トランプ大統領は、逆に、その原則を曲げて北朝鮮を核保有国と認める政策を採った場合、「パクス・アメリカーナ」を目指す自らの立場を大きく毀損するとの否定的影響について十分に検討したはずである。
つまり、それによって起こり得るNPT体制の崩壊、同盟国による米国に対する信頼感の揺らぎと拡大抑止の信憑性の低下、それに伴うアジア太平洋地域における米中間の勢力図の塗り替え、北東アジア地域における核の全面拡散による不安定化と危機の継続など、国際社会におけるガバナンスの悪しき前例となるからである。
そのうえで、原則を現実に即した実践に移すため、中露の反応や日韓との緊密な連携・調整を踏まえて、経済制裁、外交的アプローチ、軍事力による圧力とその行使など、様々な選択肢を織り交ぜた幅広な計画を作り、それを着実に実行しているということではないだろうか。
トランプ大統領は、2017年10月、イランが米欧など6か国と結んだ核合意を順守しているとは「認めない」とオバマ政権下での合意の破棄を警告し、制裁措置を強化して何としてもイランの核開発を阻止する構えである。
また、北朝鮮について、トランプ大統領は、米国およびその同盟国に対し核ミサイル攻撃の挑発を続ける「最も重大な脅威」とみなしている。
しかし、米国の歴代大統領が北朝鮮指導部に寛大な態度を取ったことで北朝鮮問題の解決に失敗したと指摘して、対話路線には否定的であり、その非核化の実現に向けては、当面、経済制裁による圧力を加えつつ外交的解決を優先する姿勢を強調している。
そのように、軍事衝突を回避する努力を尽くしながらも、最終的に「軍事力を使いたくはないが、あり得ることだ。そうなれば北朝鮮にとって悲劇の日となる」との「原則ある現実主義」に基づいた警告は、真剣に受け止めなければならないのである。
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『北朝鮮への軍事攻撃、近づきつつあるタイムリミット 北朝鮮が対米攻撃力を手にするまで「あとひと月」?』(10/26JBプレス 北村淳)について
10/26NHKニュース7:58<プーチン大統領側近の上院議長 北朝鮮訪問の計画
ロシアのプーチン大統領の側近、マトビエンコ上院議長が来年、北朝鮮を訪問する計画があることを明らかにし、ロシアとして、さまざまな対話のチャンネルを使って、北朝鮮の問題に積極的に関わっていく姿勢を示したものと見られます。
ロシア議会上院のマトビエンコ議長は25日、記者会見で北朝鮮の問題について触れ「ロシアは政権幹部や外務省などを通じて北朝鮮との接触を続けている」と述べ、北朝鮮との対話を活発化させていると強調しました。そのうえで「私も北朝鮮と韓国から訪問の招待を受けている」と述べ具体的な内容には触れなかったものの来年、韓国とともに北朝鮮を訪問する計画があることを明らかにしました。 マトビエンコ議長はロシア政界ナンバー3にあたり、プーチン大統領の側近で、今月、ロシアで開いた国際会議に北朝鮮の最高人民会議の副議長などを招きロシア議会として、北朝鮮問題の事態打開に向けて努力する考えを示していました。 ロシアは、先月から今月にかけて北朝鮮外務省でアメリカを担当する幹部をロシアに招いていて、このところ北朝鮮との関係を強める動きを見せています。マトビエンコ議長が北朝鮮を訪問する計画を明らかにしたことはロシアとしてさまざまな対話のチャンネルを使って、北朝鮮の問題に積極的に関わっていく姿勢を示したものと見られます。>(以上)
ロシアもここへきて北の問題に容喙しようとしています。米中で北の行方を決められるのが面白くないのか、仲介成功させれば外交的地位が上がると思っているのか。どうせなら金三胖をロシアに亡命させるように説得してほしいと考えます。それ以外は核とICBMを放棄しない限り戦争でしょう。時間稼ぎは許されません。韓国もやはり日米の邪魔をしている感じです。
ロシア絡みで、Facebookにはヒラリー・オバマが為したロシア企業ロスアトム傘下のカナダ企業ウラニュームワンへウラン売却のスキャンダルがアップされています。10/21National ReviewのAndrew C. McCarthy の記事<The Obama Administration’s Uranium One Scandal>
アンデイ・チャン氏が本件メルマガで解説しています。如何に米国民主党が腐っているかです。日本の(立憲)民主党もそうですが。FBIが事実を隠蔽、3大ネットワークが「報道しない自由」を行使する等、日本の「もりかけ」とは逆ですが、旧民主党支援という意味で似た構図です。
http://melma.com/backnumber_53999_6600877/
佐伯啓思氏の『さらば、民主主義』によれば、デマゴーク(扇動政治家)は、元々はデモス(民衆)のアゴーゴス(指導者)から来ているそうです(P.29)。そんな悪い感じはしません。左翼のアジ演説より国民の感情を掬える扇動政治家の方が幾段素晴らしいことかと小生は思います。氏は「日本国憲法は違憲である」(P177以降)、故に廃止すべきと主張しています。論点は“occupied Japan”は主権国家でなかったからというもの。宮澤俊義が唱えた8月革命説も降伏調印後には日本に主権がなく、連合国に隷属したので、主権が天皇から国民に移ったとは言えないとのこと。また、ポツダム宣言には大日本帝国憲法を廃止するとは書かれていないし、国際条約でもない。いくら内容が良いからという主張でも、「基本的人権を守るには法が必要であり、法秩序を実行あらしめるのは国家である。国家に属する国民は国家に対して一定の義務を負い、国家を支える必要がある。国が無ければ憲法は存在しない。憲法は「主権」によって構成され、主権によって守られるもの。主権が奪われれば憲法も成立しない。国家の緊急事態においてはシュミットが言ったように憲法を超えて「主権」が直接出動する。」と述べています。超法規的措置です。考えて見れば当たり前で、国家が危急存亡の秋に憲法論議を戦わせるとしたら滑稽以外の何物でもありません。こんなことが真剣に議論されること自体、日本の学者の程度、卑怯者の集団というのが分かってしまいます。家族が殺されようとするとき、国が異国に蹂躙される時に黙って見ていられるかという話です。憲法の制約なんて関係なくなるでしょう。
西田幾多郎は「民主主義とは万人による貴族政治だ」、ルソーは「民主政は、市民がすべて神のような存在であればうまく行く」と言ったとのこと。(P.229)。理想型ではありますが、それを目指さなければ民主政治は衆愚に堕するでしょう。正しい情報を取れるようにしませんと。
日本の左翼は似非平和主義者で、日本に抑止力を持たせず、中共の属国にするのがありありです。どうして彼らは、体を張って北朝鮮の暴発を抑えなくて、沖縄の辺野古への基地移転を邪魔するのでしょう。中韓人も活動しているとのことで彼らの狙いが分かります。多数の国民が関心を持っていないためです。国民としての国防の義務は果たさねば。別に戦闘行為に参加しなくても後勤部隊で役に立つ部分はあるでしょう。
北をのさばらして将来の脅威を増大させるよりは今の内に外科手術をしなければ。腹を括る必要があります。次には中国が待っています。
記事

米中央情報局(CIA)のマイク・ポンペオ長官。(c)AFP/JIM WATSON〔AFPBB News〕
先週の木曜日(2017年10月19日)、アメリカ中央情報局(CIA)長官、アメリカ国家安全保障問題担当補佐官、それにロシア大統領が、北朝鮮に対する軍事力の行使に関する見解を公の場で述べた。
CIAのマイク・ポンペオ長官は、ワシントンDCでの講演で、北朝鮮がアメリカに核ミサイルを撃ち込む能力を手にするのはいよいよあとひと月に迫っていると語った。
ただし、アメリカにICBMを撃ち込めることができるようになるといっても、「どのような威力を持った核攻撃になるのか」、たとえば「いくつかの目標を同時に攻撃できる多弾頭型弾頭が搭載されているのか?」といった情報までは確認できていないという。ポンペオ長官は、「この種の諜報は不完全であり、常に危険が付きまとっている」として、いくらCIAといえども確定的な情報の提示には限界があることも付け加えた。
「我々は時間切れになりつつある」
やはり先週の木曜日(19日)、国家安全保障問題担当大統領補佐官ハーバート・マクマスター陸軍中将も、「北朝鮮がアメリカ攻撃力を実際に手にするのは間近に迫っており、これまでのように(「オバマ政権のように」という意味)状況の予測や分析にのみ没頭して軍隊の投入をためらっているわけにはいかない」と語ったという。
そして「我々は時間切れになりつつある」と指摘し、北朝鮮が核搭載弾道ミサイルを手にし、それを前提に対北朝鮮戦略を模索するという状況は「断じて受け入れてはならない」ことを強調した。
このように、ポンペオCIA長官もマクマスター補佐官も、北朝鮮が先月(2017年9月3日)の核実験以降も“着実”にICBMに搭載する核弾頭の開発を進めており、極めて近い将来、核弾頭を搭載した弾道ミサイルをアメリカに撃ち込む能力を手にすることは“確実”である、ことを公の場で認めたのである。
北朝鮮内の軍事施設を一撃で破壊できるのか?
興味深いことに、ポンペオ長官やマクマスター補佐官が、北朝鮮が核ICBMを手にする日が迫りつつあるとの見解を述べたのと同じ日に、ロシアのプーチン大統領は「北朝鮮の武装を解除させてしまうための『予防戦争』などもってのほかであり、アメリカが対北朝鮮武力行使をほのめかしたり、公の場で威嚇したりしている状況は極めて危険である」と強い警告を発した。
そして、プーチン大統領は次のように述べ、トランプ大統領が言うところの軍事オプションに対して強い疑問を投げかけた。
「アメリカは、北朝鮮内の攻撃目標(核施設、ミサイル施設、地上移動式ミサイル発射装置など。それらの多くは地下や洞窟式施設に隠匿されている)の位置を把握しているのであろうか? もしアメリカが攻撃目標を把握していたとしても、それらの全てを一撃の下に破壊することなど、本当にできると思っているのであろうか? ──私は、ほぼ不可能であると考える」
実際には極めて困難な「予防戦争」
もっとも、米軍関係者の中にも、北朝鮮に対する軍事オプションの行使、すなわち「予防戦争」の名目での先制攻撃には極めて慎重(技術的理由から)な考えを持っている人々は少なくない。
それらの人々によると、プーチン大統領が指摘するように、核関連施設やミサイル関連施設をはじめ北朝鮮各地の地下施設や洞窟施設などに展開されている各種弾道ミサイルの移動式発射装置(TEL)の位置を特定するのは至難の業である。
また、やはりプーチン大統領が述べたように、万が一にもそれらの位置を特定したとしても、核・ミサイル関連攻撃目標の数は極めて数が多い(TELだけでもゆうに200両を超える)。さらに、北朝鮮軍がソウル攻撃用に配備している各種火砲の数は膨大な数に上るため、一気に空爆によって沈黙させることは不可能に近い、と指摘している。
したがって、北朝鮮の膨大な数の攻撃目標の位置が特定でき、堅固な防護施設を破壊するための強力な非核爆弾(大型地中貫通爆弾GBU-57、地中貫通爆弾GBU-27、GBU-28)や、それらを投下する爆撃機(B1爆撃機、B2ステルス爆撃機、B52爆撃機、F-15E戦闘攻撃機)の準備が整ったとしても、北朝鮮の重要攻撃目標を一挙に破壊し尽くすことは神業に近い、と多くの人々が考えている。まして、核・ミサイル関連施設の破壊と連動して「金正恩一味を排除してしまうことなど、SF映画に近い」とまで言われている。
そのため、本当に一撃で北朝鮮の戦力を沈黙させるには、何らかの核攻撃を実施するしかないと口にする人々も現れている。万難を排して北朝鮮に対する予防戦争を敢行するとなると、「核使用か? それとも核を使わない代わりに米軍側(韓国、日本の民間人を含む)の多大な損失を覚悟するか?」という厳しい選択が迫られることになるのだ。
重大決意が迫られる日米両政府
武力攻撃の可能性が近づいていることを示唆するような発言をしているマクマスター補佐官やトランプ大統領と違って、ティラーソン国務長官は、あくまで外交交渉を優先させる姿勢を捨ててはいない。現状ではプーチン大統領が警告するように、北朝鮮に対する「予防戦争」を口実とした先制攻撃がかなり困難であることも事実である。
とはいうものの、「北朝鮮の核兵器保有を前提としての抑止体制の構築は受け入れ難い」というマクマスター補佐官の姿勢も説得力がある。
なぜならば、アメリカをはじめ日本を含む利害関係国がそのような方針に転じてしまったならば、ますます北朝鮮に強力な核兵器を開発して数を揃える時間を与えてしまうことになるからだ。
これ以上北朝鮮に時間を与えてしまうと、アメリカ以上に北朝鮮によるむき出しの軍事的脅威に晒されるのは日本である。現時点でも日本は多数の弾道ミサイル(ただし非核弾頭搭載)の脅威に直面している。
日本政府もアメリカ政府も、将来の破滅的状況を阻止するためには、ある程度の犠牲(もちろんその犠牲は極小に押さえねばならないが)も覚悟する、“腹をくくった決断”を準備する段階に近づきつつあるといえるかもしれない。
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『習近平独演、3時間半「政治報告」を整理する 一見、自信に満ちた「独裁者宣言」の内実は』(10/25日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国新指導部が発足、漂い始めた文革の空気 企業への締め付けはより厳しく、日本への脱出を急ぐ起業家も』(10/26日経ビジネスオンライン 小平和良)について
昨日に続き、中国共産党関連記事です。
10/26日経朝刊には<権力を何に使うのか
2期目に入った中国共産党の習近平総書記(国家主席)は毛沢東、鄧小平両氏に並ぶ巨大な権威と権力を手にした。習氏は権力を一身に集めて何をしたいのか。世界はそこに不安を覚えている。
「天地をあやつる傑出した知略と遠大な計略」「限りない愛にあふれた領袖」。党大会の期間中、北京は習氏への賛辞で埋め尽くされた。
文化大革命を思い起こさせる前時代的なことばは、最先端の国際都市に生まれ変わった北京の景色とあまりに釣り合わない。私たちが向き合っているのは、未来を先取りする経済とは逆に、政治が過去に戻る中国だ。
鄧氏が1978年に改革開放を始めたとき、大胆にしくみを変えたのは経済だけでなかった。
文革で毛沢東氏への個人崇拝が極まり、国がばらばらになる寸前までいった過ちを繰り返してはならない。鄧氏はそんな思いから、権力をひとりに集めない集団指導体制の構築に心を砕いた。
習氏はそれを壊そうとしている。周りを自分に逆らわない側近たちで固め、党規約に自らの名を冠した思想を盛った。新しい最高指導部に後継候補を入れず、5年後に任期が切れても権力の中枢にとどまり続ける意欲を隠そうとしない。
みんなで時間をかけて決めるやり方が、時代にそぐわなくなった面はある。胡錦濤前政権は派閥間の調整に明け暮れ、決めるべきことを決められなかった。汚職に手を染める幹部も相次いだ。
米欧の民主主義国がポピュリズム(大衆迎合主義)の波に覆われるなか、権威主義的な中国のしくみが自分たちに合っているとみる途上国は増えている。強い指導者を望む世論は世界の潮流だ。習政権が2期目に入るのと同じ時期に、安倍晋三首相が衆院選で再び1強体制を固めたのは必ずしも偶然でないだろう。
問題は、習氏が権力を何に使おうとしているかだ。中国は経済規模で米国に迫り、追い越そうとしている。習氏が権力を持続的な成長に必要な痛みを伴う改革や、国際協調に向けた外交を進めるために使うなら、それは世界の安定に結びつく。
しかし、どうもそうはみえない。南シナ海の軍事拠点化を強行するなど国益を一方的に主張する横暴な振る舞いが目立つ。大国として、世界が共感する理念や価値観も示せていない。
「党が一切を指導する」。習氏は政治、経済、文化のあらゆる面で党の支配を貫くと繰り返す。「国益」どころか「党益」こそがすべてと言わんばかりだ。党を強くするためだけに権力を使うのか。だとすれば、中国だけでなく世界にとって不幸である。
(中国総局長 高橋哲史)>(以上)「権力を何に使うか」と聞いていますが、共産主義では国民の為の政治は望むべくもないでしょう。党益追求か習個人の私益の追求でしょう。それを選挙という民主主義手続きで選ばれた安倍首相を共産党独裁の習と一緒にするのはどう考えても頭がおかしいとしか思えません。それでも、習に対する不安は感じているようですが。筆者は、実は個人の問題ではなく、共産主義と言う構造上の問題であるというのが理解できていません。大躍進・文革での虐殺を起こした毛だけでなく鄧小平だって天安門事件を引き起こしたではないですか。日本の左翼議員が良く言う「国民の為の政治」何て嘘に決まっています。
同じく10/26日経朝刊には<米豪印と戦略対話、河野外相 4カ国で自由貿易推進
河野太郎外相は25日、日本経済新聞のインタビューで、日米豪印4カ国の首脳級でつくる戦略対話の実現をめざす考えを表明した。南シナ海からインド洋を経て、アフリカに至る地域を中心に自由貿易を推進し、防衛協力も念頭に置く。広域経済圏構想「一帯一路」を掲げて海洋進出を強める中国に対抗する狙いがある。>(一部抜粋)。8月のマニラで開かれた戦略対話の時には英仏外相にも連携を打診したとあります。軍拡に邁進し国際ルールを守らない、歴史・領土問題で平気で嘘をつく中国は封じ込めなければなりません。自由主義諸国は中国の人口と金に目が眩んで後悔することの無いよう、「肉を切らして骨を切る」痛みを覚悟せねば。
10/25中国観察<“絕不會犧牲台灣” 美國前亞太助卿訪台(圖) 看中国=「米国は絶対に台湾を犠牲にすることは無い ラッセル前国務次官補(東アジア・太平洋担当)が台湾を訪問>
ラッセル前国務次官補(東アジア・太平洋担当)は2013年7月~2017年3月までその任にあった。オバマ時代ですから民主党に近いと思われますが、彼が10/24台北政治大学で講演した時に、「米国の台湾関係法、米中共同声明、米国の主張する“一つの中国の原則(中国の主張とは違う)”に基づき、中国との関係を良くするために台湾を犠牲にすることは絶対にない」と述べています。日米印豪台+英仏(独が入っていない所がミソ、独は経済的に中国に傾斜し過ぎ、中国経済が崩壊したらどうするのでしょう)で中国を封じ込め出来れば良いです。
福島氏の記事とは逆になりますが、中国では高圧的な指導者が長く続いた方が日本人に中国人の本音を気付かせるうえで良いのではと思います。日本人は簡単に騙される人が多すぎます。中国が猫苗声で日本に近づいてくるときは何かあると思わないと。それに左翼メデイアと左翼政党が呼応して中国に有利な政策を採らせようとします。中国があからさまな反日政策を出せば、彼らもそうそう味方はできないので。自分の頭で考える人をもっと増やさなければなりません。物事の改善プロセスは、現状把握(情報収集)→問題解決→再発防止の行程を通ります。戦争でもしっかり、敵の情報を集めないと負けてしまいます。情弱人間では正しい判断ができないという事です。
習は強国を目指すと言っていますが、経済と軍事が車の両輪で、経済音痴の習では強国の実現は難しいでしょう。中国の膨大な債務問題を解消するのは誰にもできないと思いますが。でも、言論の自由だけでなく、営業の自由もなくなれば、利に敏い中国人ですから海外に逃げ出すことは充分考えられます。日本に来たとしても簡単に永住権は与えないように。中韓人はいつ裏切るか分かりませんので。
福島記事

長い長い政治報告の狙いと意味は…(写真:AP/アフロ)
党大会が始まった。この原稿が掲載されるころに、ちょうど閉幕し、人事が明らかになっているかもしれないので、現時点で人事については触れない。ひょっとすると、メディアが報じているような、人事予測がまったく外れることもあり得る。しかしながら、3時間半、3万2000字以上におよぶ習近平総書記の政治報告は予想どおり、自分が毛沢東に比肩する唯一の党と国家の指導者として新しい時代を創るのだという、一見、極めて自信に満ちたものだった。はっきり言ってしまえば独裁者宣言である。この長い政治報告で特に、個人的に注目したいポイントを整理していきたい。
36回の「新時代」で「強国化」を宣言
まず、この長さ自体に意味がある、と言われている。
3時間半の演説の間、習近平は一度、水を飲んだだけで、ずっと直立したまま報告を朗読。この長さ自体が、党と国家の指導者としての強い意志、頑健な体力をアピールする演出であったと思われる。
もう一つは演説後に胡錦涛らと握手し、胡錦涛が腕時計を示しながら談笑し、江沢民とも短く握手してみせた点。これは習近平の強権を長老たちが認めているのだという演出、あるいは党内団結の演出だと見られている。この演出が、習近平が胡錦涛らに何かを譲歩して成り立ったものなのか、それとも習近平の力が、胡錦涛たちも認めざるを得ないほど強いということなのかは、人事などの結果も併せてみないとわからない。一つはっきりしているのは、相変わらず習近平と李克強の仲は険悪なままで、演説後、習近平は李克強には会釈すらしなかった。
内容についての最大の注目点は、党規約に盛り込まれるであろう習近平の「新時代の中国の特色ある社会主義思想」が具体的に何を指すのか、である。
「中国の特色ある社会主義は新時代に入った。これは我が国の新たな歴史的方位である」という表現。これは趙紫陽の政治報告で提示された「社会主義初級段階論」(第13回党大会、1987年)の一段階上に入った、ということで間違いない。つまり初級から中級への段階を上った、初級段階を鄧小平時代とすると次なる習近平時代という意味で、鄧小平時代との決別宣言であるともいえる。
とにかく「新時代」という言葉だけでも36回も繰り返している。自分が新時代の創立者であるということを強調したいのだ。そして鄧小平時代が党の権威、求心力の根拠を高度経済成長に求めていたのに対し、習近平時代は「中華民族の偉大なる復興の中国の夢」を実現する「強国」化に求めるということが特徴だ。
その強国化の方法が、軍の現代化建設であり、世界一流の軍隊を創る、ということだ。
さらに「我が国の社会の主要な矛盾は変化した。我が国の社会主義があるところの歴史的段階の判断を変えねば、つまり社会主義の初級段階に我が国が長期に居続けるという基本的国情が変化しなければ、我が国が世界最大の発展途上国であるという国際的地位も変わらないのである」。この表現から見てもわかるように、習近平は強国化することで、中国の国際的地位をいわゆる「発展途上・新興国」の立場から世界のリーダーシップをとる大国へと格上げしよう、と考えている。
そして「中国の夢」実現にとって重要なのが、「四つの偉大」(偉大なる闘争、偉大なる工程、偉大なる事業、偉大なる夢)としている。気になるのが「偉大なる闘争」であり、単純に目標に向かっての奮闘ともとれるが、過去の発言などとすり合わせると、反腐敗闘争ともとれるし、いわゆる新たな階級闘争ともとらえられるし、外国の敵対勢力との闘いともとらえられる。反腐敗闘争の継続、党の一切の指導の徹底、なども合わせると、習近平のやろうとしていることは、独裁強化以外の何物でもない。
「二つの百年」は任期継続への布石か
また習近平の目指す社会主義現代国家建設のタイムスケジュールとして、第19回党大会から第20回党大会(2022年)の5年が、「二つの百年」目標に向けて進む時期とした。
二つの百年とは、①中国共産党成立百年に当たる2021年に小康社会(ややゆとりある社会)建設を達成し、国内総生産(GDP)と都市・農村部住民の所得を2010年比で倍増する。②中華人民共和国が成立百年を迎える2049年に富強・民主・文明・調和をかなえた社会主義現代国家の建設、という目標を指し、習近平政権二期目の5年がこの目標達成の鍵となる時期である。2020年から2035年までの15年で小康社会を実現し、次の15年のさらなる奮闘で富強民主文明調和の美しい社会主義現代化強国の建国実現する、とした。
この習近平政権二期目の途中から15年ずつ区分していることが、あたかも第20回党大会以降も自分が任期を二期に限らず、継続して党と国家の指導に当たるという含みをもたせているように感じるのも、私だけではなかろうと思う。
このとき、「中国は総合国力と国際影響力が世界の指導的国家となり、全人民の共同富裕を実現し、我が国人民はさらに幸福で健康な生活を享受でき、中華民族は世界民族の林に更なる昂然と屹立する姿を見せることになる」という。
経済の「厳しい挑戦」に青写真なし
一方、だがこの長い演説において、具体的な経済成長戦略、たとえば市場改革については触れていない。「経済発展について厳しい挑戦に直面する」という危機認識を政治報告で示すことは珍しい、と欧米メディアなどは報じているが、じゃあどうするのか、という青写真がない。
米国の中国経済専門家のオーサー・クロエバーがVOAの取材で次のようなコメントをしている。
「この報告書は政治を重視し、経済を軽視し、国有企業を重視し、市場を軽視し、党の指導を重視し、政府機能を軽視している…。習近平は党大会では何ら政策の方向性の変化を打ち出しておらず、ただ政治議論のプロセス重視を強調し、経済優先を無視している。
すなわち、胡錦涛や江沢民や鄧小平のような経済優先ではなく、政治プロセス、とくに社会の安定維持、監督審査の拡大と強化と維持、社会福利、あらゆる機関含め社会のすべてを中国共産党の強大な指導下に置くことを重視している。これは決して目新しいことではなく、これまでやってきたことを一つの正式な声明にしただけだ」
ちなみに、彼は中国経済が抱える債務の急増について、すでにGDPの250%を超えており、90年代の日本経済のようなどん詰まり状態であることを指摘し、習近平がこの報告で行うような国有企業重視の政策が、さらにこの状態を悪化させるであろうと予測している。
とすると、経済成長というパイが広がらないなかで、収入格差、貧富の差、教育や医療の地域格差の問題解決について、「危険を冒しても、主要な阻害要因を克服する」というならば、方法論としては、豊かになりすぎた中間層を既得権益層として引きずり下ろす方向で格差を調整する、ということなのか。反腐敗キャンペーンは、権力闘争という面も、党内粛清という面もあるが、同時に党内の資産家潰し、既得権益潰しという面もある。それが継続されるとみていいだろう。
「南シナ海」称賛、「安全」倍増、「市場」激減
国防や外交については、南シナ海の島々の埋め立て行為を称賛し、中国共産党が国家安全と社会の安定を維持する力として強調している点に、ワシントンポストなど米メディアが注目している。
これは習近平の強軍化路線が今後も継続されるというシグナルであり、またハーグ裁定を公式に無視するという宣言というとらえ方もできる。中国には中国のイデオロギー、秩序、価値観があり、それは西側の常識、秩序と全く違う。しかし、習近平はそれを世界に認めさせようという、西側世界に対する公然とした挑戦姿勢も打ち出している。さらに西側の影響を強く受けている台湾や香港の独立派に対する強い牽制も示した。
中国経済が厳しい挑戦に直面し、社会が不安定化したとき、国内の視線を外に向けさせるため、南シナ海の成果を喧伝することが、党の執政党の正統性維持につながる、ということかもしれない。
政治報告に頻繁に出てくるキーワードでは、「強国」「大国」が26回も繰り返されている。これは、鄧小平の「韜光養晦」をやめて、あからさまに強国・大国を目指すこと、その高い目標を堂々と掲げることによって党の求心力、執政党としての正統性を維持しようということだろう。「民族主義を利用して、政権の正統性の基礎とするやり方は、経済発展が困難になったからだ。中国の夢、強国の夢を打ち出すことが、習近平個人の威信、個人的影響力を高めることにつながるという考え方がある」(香港城市大学の元政治学教授・鄭宇碩)という。
だが、同時に「安全」という言葉が55回もある。これは10年前の胡錦涛の政治報告の倍以上だ。ということは、習近平は大国の自信を打ち出している姿勢とは裏腹に、実際は安全感がまったくないのかもしれない。「社会矛盾が突出して、中国共産党体制は安全でなくなっている。大衆・公民が官僚や政府部門に対して大きな威圧感となっているので、これが彼らにとって強烈な不安感となっている」(人権活動家・胡佳のコメント、ニューヨークタイムズ)ということかもしれない。
一方、「市場」という言葉は19回という少なさだった。江沢民が1997年に行った政治報告では「市場」は51回繰り返された。習近平がいかに市場を重視していないかが浮かび上がる。「市場だけでなく、民営企業に関する言及も非常に少なく、一度しか触れていない。民営企業の多くは投資を望まず、むしろ資金を外国に撤退させたいと願っている」(北京理工大学経済学教授・胡斗星、RFA)。
「習近平時代」経済依存度で評価に差
さて、この政治報告に対する海外メディアの評価は結構幅がある。
例えばシンガポール華字紙聯合早報は「この報告書に国際社会はほっとしたことだろう。中国が毛沢東時代の権威政治と計画管理時代に回帰するのかと心配していたから。政治報告は全体として温和な態度で改革姿勢を打ち出している」とポジティブに評価している。こういう肯定的な評価はスペインメディアや、中国経済の依存度が高いところでは目立つ。
ニューヨークタイムズは「注目点は五つ。①経済調整はするが市場改革はしない、②外交と軍隊の現代化、③台湾と香港、④国内安全、⑤中国が新時代に突入」「報告は広範な政策大綱を示すが、具体的な青写真は一つもない。とはいえ、習近平自身が何を重視しているかは余すところなく体現している。つまり中国の偉大なる転換期に立つ一人の指導者である」と北京駐在記者の署名記事で論評している。
厳しいのはVOAなど、在外華人向け華字メディアで、在米共産党研究者の高文謙は「政治報告に何ら目新しいものはなく、空話(中身のない話)、老話(言い古された言葉)の羅列、“四つの偉大”も“党の一切の指導”も文革時代の言葉を繰り返しただけ」「今後5年も高圧統治を続けていくことは政治の後退であり、経済の萎縮であり、文化の凋落であり、中国の自己封鎖時代の到来である。“新時代”とは実際のところ毛沢東時代と鄧小平時代の悪い所を集めたもの、それが習近平時代だ」という。
さて私個人の評価は、やたら壮大で自信たっぷりで強気の政治報告が、習近平の実力、政治基盤の強さに裏付けられたものなのか、足元の不安定さとコンプレックスの裏返しなのか、人事の蓋をあけてみないとわからない、ということで党大会が終わるまで保留しておきたい。しかしながら、この“習近平時代”というものが、中国国内の人民と国際社会にある種の混乱をもたらすものであることは間違いないと思う。習近平時代がそう長く続かない方が、少なくとも日本と日本人にとっては良いだろうし、中国人民にとってもハッピーだろうと考えている。
小平記事
「日本で500万円投資するとしたらどうしたらいいのでしょうか」
中国でベンチャー企業を経営しているある中国人経営者は今、日本の「経営管理ビザ」を取得しようと躍起になっている。経営管理ビザは外国人が日本国内に置かれた企業を経営するために必要となるもので、500万円以上の投資などが条件となっている。経営管理ビザを手に入れれば、将来的には永住許可の取得も視野に入る。
この経営者は今すぐ日本に拠点を移すことは考えておらず、中国での事業を止めるつもりもない。「いざという時のため備え」だという。それでも経営管理ビザ取得を急ぐのは、中国の企業経営環境が激変する可能性を実感しているためだ。この夏、きっかけとなる「事件」があった。
この企業が提供しているサービスが一時、インターネット上で問題となった。企業の製品やサービス、はたまたCMがネット上で炎上することは今や世界中で見られる現象で珍しいものではない。だが、炎上騒ぎを起こしたことで公安当局の取り調べを受けるとなればどうだろうか。
個人の安全を守るため同社が引き起こした「炎上」の詳しい内容に触れることはできないが、詐欺のような、どの国でも犯罪に該当するような行為はしていない。不注意により、敏感な問題に触れてしまった格好だ。だが公安当局が取り調べる以上、中国の何らかの法律に触れているということになる。結局、この企業は行政処分を受けることになった。
規模の大きくない同社は事業継続が危ぶまれる事態に陥った。この経営者は、中国では企業の生死は国の考え一つで決まってしまうと改めて分かったという。日本の経営管理ビザ取得を真剣に考え出したのはそれからだ。
中央委員から外れた王岐山氏
中国共産党は10月25日、第19期中央委員会第1回全体会議(1中全会)を開き、最高指導部となる政治局常務委員の7人を選出した。習近平総書記(64歳)と李克強首相(62歳)が続投。栗戦書・中央弁公庁主任(67歳)、汪洋・副首相(62歳)、王滬寧・中央政策研究室主任(62歳)、趙楽際・中央組織部長(60歳)、韓正・上海市党委員会書記(63歳)が政治局委員から昇格した。

中国の新しい「チャイナセブン」。左から韓正、王滬寧、栗戦書、習近平、李克強、汪洋、趙楽際の各氏(写真:Bloomberg/Getty Images)
10月18日から10月24日まで開催した中国共産党第19回全国代表大会(党大会)前には、今回の常務委員人事がいくつかの点で注目されていた。1つは反腐敗運動を取り仕切ってきた王岐山氏(69歳)の去就だ。王氏は結局、約200人の中央委員の名簿にも名前がなく、党の中枢メンバーからは外れた形になった。
また習氏の「子飼い」とされる陳敏爾・重慶市党委書記(57歳)が常務委員入りするかも焦点だったが、常務委員を含む25人で構成される政治局委員入りにとどまった。また、胡錦濤・前国家主席や李首相を輩出した共産主義青年団出身の次期エースとされ、同じく常務委員入りの可能性が出ていた胡春華・広東省党委書記(54歳)も常務委員には昇格しなかった。結局、次の指導者候補となり得る50代の常務委員入りはなかったが、習氏の長期政権への布石なのだろうか。
この先5年の中国を率いる新たな常務委員メンバーは「習氏のチーム」と言った様相だ。特に栗戦書氏と王滬寧氏はこの5年、すぐそばで習氏を支えてきた側近だ。習氏と栗氏は1980年代に河北省の近接する県の書記として知り合って以来の関係だという。また王氏は思想面などのブレーンとして習氏の外遊に同行するなどしてきた。また趙楽際氏は人事を差配する党中央組織部長として反腐敗を後方から支え、習氏に近い人物の昇格などを実現してきた。
漂い始めた文化大革命の空気
24日に閉幕した党大会では、習氏の名を冠した「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を行動指針として盛り込んだ党規約の改正案が採択され、習氏は毛沢東に並ぶ権威となった。習氏は党大会冒頭の演説で次のように述べている。「新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取り、中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けてたゆまず奮闘しよう」。これが習氏をはじめとする新最高指導部の目標となる。
具体的には何をしていくのか。特に経済面について見ていきたい。習氏は演説で「供給側構造改革を深化させる」「革新型国家の建設を加速する」などと述べた。「世界レベルの先進的製造業クラスターをいくつか育成」し、「経済体制の改革は(中略)公平で秩序のある競争、企業の優勝劣敗を目指して進まなければならない」と説く。また習氏は「開放は進歩をもたらし、閉鎖は遅れを招く」とも述べた。
これだけ見れば、中国の市場経済は一段と開放に向かうようにも思えるが、その一方で「全活動に対する党の指導を堅持する」とも述べている。革新や開放はあくまで共産党の指導の範囲内で、ということになる。それどころか、共産党や国による締め付けはますます厳しくなっているように見える。
冒頭の中国人経営者が経験した「事件」はその一端だろうか。この経営者はまだ若く文化大革命を経験してはいない。だが、知識層だった経営者の父親は農村に下放された経験がある。父親の経験を聞いたこの経営者は、現在の中国に当時と似た雰囲気を嗅ぎ取った。
習氏の権威がさらに強まるこの先の5年は、中国の企業経営者であっても難しい判断を迫られる局面が増えるかもしれない。「中華民族の復興を追求する」という習氏の所信表明に照らせば、日本企業を含む外資企業にとってはさらに厳しいものとなりかねない。
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