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『ある女性ロビイストの憂鬱 なぜ米国は「ロビーの国」になったのか』(1/15日経ビジネスオンライン 池松由香)について

1/15読売新聞<韓国の追加要求拒否、支持83%…読売世論調査>

http://www.yomiuri.co.jp/politics/20180114-OYT1T50121.html?from=ytop_main3

1/15TBS<JNN世論調査、日韓合意での韓国側対応「理解できない」が85%>

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3264213.html?from_newsr

やっと国民も韓国のおかしさに気付いて来たと言う所でしょうか?所謂従軍慰安婦問題は、そもそもで言えば、中国が一番奥の奥にいて、北を動かし、韓国の挺対協、朝日新聞や反日日本人を動かして捏造した事件です。慰安婦なぞどこにでもいるではないですか。客の後を追っていくのが商売女です。米国のフッカー将軍は南北戦争時の北軍の将軍でしたが、戦場に女を侍らし、それで売春婦のことをフッカーと呼ぶようになったとか言われていますが、真偽の程は分かりません。問題は慰安婦にするのに銃剣突き付けたか(強制性)どうかです。20万人も拉致されて黙っている筈がないでしょう。南京の30万と同じく信憑性がありません。挙証責任は原告にあります。

日本にもロビイストと言う名前ではありませんが、業界団体や個別企業が政治家に陳情しています。請願権ですから民主主義の根幹を為す権利と思っています。ただ、日本では米国のようにロビイストとして役人が退職後に圧力団体として存在することはありません。米国ではロビイストの他にもいろんなシンクタンクやコンサルタントがいて金が流れる仕組みがあり、ロビイストだけが問題ではないような気がしますが。キッシンジャーなんて中国からコンサルタント料を受け取り、米国の為ではなく、中国の為だけに動いているのでは。こちらの方が余程問題です。

請願権については、小生もオバマ政権にメールで請願したことが数回あります。数が集まらないと請願しても無効になりますが、ちゃんと返事のメールは送って貰いました。外国人でも大丈夫です。

http://okfn.jp/2013/02/12/we-the-people/

“If you are not at the table, you are on the menu”という言葉を日本人は良く噛みしめませんと。謙譲の美徳が通じるのは日本人の間だけ、外国人には通用しません。中国・韓国の捏造に大人ぶって反駁しない限り、国際社会では相手の言い分を認めたと解釈されます。朝日新聞を始め左翼は日本人のお人好しの性格と国際社会に無知なのに乗じて、反駁しないように誘導してきました。反論すれば「右翼」「国粋主義者」「人種差別主義者」等のレッテルを貼って。而も新聞だけではなく、洗脳された愛読者から言わせるように仕向けました。洗脳されて自分の頭で考えない方も考えない方ですが。今の日本の知的水準を表していると言えます。中共や韓国のように平気で嘘がつける朝日、岩波を有難がっているようでは。

記事

2017年末、1月29日号特集の取材で米国ワシントンに出張した。テーマは「ロビー活動」。実質3日間で13人の現役ロビイストを取材するという過酷スケジュールだったが、おかげで「ワシントン」という独特な地域について理解できるようになった。

米国の国会議事堂(Capitol)

シリコンバレーにベンチャーキャピタリストや起業家などが構成する独特のエコシステムがあるように、ワシントンにも全く形の異なるそれがある。その中で重要な役割を果たしているのがロビイストたちだ。

ワシントンには無数のロビー事務所があり、そこにロビーを生業とするプロのロビイストたちが所属している。米国内はもちろん世界中の名だたる企業が彼らを雇い、自社や自社の属する業界が米国でバッシングされたり、不利な法案を成立されたりするのを防ぐ(逆に自社に有利な法案の成立を促す場合もある)活動を展開しているのだ。

ロビイストの多くは「元政府職員」

そんなロビイストのほとんどは、ホワイトハウスや関連省庁に勤務していた元職員、あるいは大統領候補や知事候補の選挙を手伝っていた元スタッフ。前職の人脈をフル活用して現職の懐に入るので、国のトップである大統領からはあまりよく思われていない。

前大統領のバラク・オバマ氏もそうだったが、現大統領のドナルド・トランプ氏もまた「強烈なワシントン嫌い」として知られている。トランプ氏が大統領に就任した直後の17年1月28日、同氏は「政府職員は離職後5年間のロビー活動を禁止する。外国政府のためのロビー活動は期限なしで禁止する」との大統領令に署名した。

奇想天外な発言を繰り返すトランプ氏(写真:UPI/amanaimages)

ワシントンで取材して一番驚いたのは、ロビイストたちのトランプ氏を見る目が日本のそれとは全く異なることだった。記者が日本からトランプ氏を見ていた時は、「よっぽどの世間知らずか、よっぽど計算高い策士か……」などと漠然と予想していた。ワシントンの地を踏んで、あやふやだった「トランプ像」がよりリアルに見えてきた。

その実像は特集に取っておくこととして(ぜひお読みください!)、ここでは記者が取材したロビイストの中でも特に印象に残った、ある女性ロビイストについて取り上げたい。

ロビーをすることは「恥」なのか?

彼女はトランプ氏が大統領選を戦っていた時、彼のスピーチのゴーストライターを務めていた人物だ。取材中も言葉(ワード)の選び方が秀逸で、それだけでも書き手としての能力の高さがうかがえた。

話が「なぜ米国でロビー活動が普及したか」について及ぶと、彼女は思い立ったようにこんな話を始めた。

「あたながもしアメリカで街行く人に『ロビイストのことをどう思う?』と聞いたら、きっとこんな反応が返ってくるでしょう。『(眉間にしわを寄せて)ウーム』」

ネガティブなイメージを持たれているということだ。同様のイメージを持たれている職業として彼女は、「自動車の営業マン」「弁護士」「政治家」を挙げた(これらの職業そのものが悪いわけではなく、あくまで一般人の持つイメージだ)。

日本でも、ロビー活動と聞くと、「どうせ政治家と癒着して自社の利益のためにズルしてるんでしょう?」と受け取られがちだ。同じような風潮がロビー先進国として知られる米国にもあるようだった。

「でもね」。彼女は、これだけは言わせてほしいとばかりに語気を強めた。

「私はロビイストという職業に誇りを持っているの」

米国からロビーがなくならない理由

そこで彼女が持ち出したのが「First Amendment(アメリカ合衆国憲法修正第1条)」だった。1791年に採択された憲法修正(権利章典)に出てくる最初の条項で、米国議会に「宗教の自由」「表現の自由」「報道の自由」「平和的集会の権利」「政府へ懇願する権利(請願権)」を妨げる法律の制定を禁じている。記者も米国の大学でジャーナリズムを専攻していた時に授業で習ってから、大好きになった法律だ。彼女は言った。

「この何年もロビイストのスキャンダルばかりが報道されて、すっかり『卑怯な人たち』のイメージが付いてしまった。(あえて個人名は言わずに)現行の大統領も選挙戦の間は特に、ロビイストをあたかもワシントンの悪の象徴であるかのように言ってきた。個人的には、必要以上にロビイストという職業が汚されているように感じています」

そんな彼のゴーストライターをしていたのだから、さぞ心の葛藤があっただろう。彼女は一気に続けた。

「でも、それは本当のロビイストの姿ではない。本来はFirst Amendmentに保証されている基本的人権を守る専門職なんです。請願権は、アメリカのデモクラシー(民主主義)を構成する重要な要素。私が言うとちょっと偏った意見になってしまうけれど、強く信じているのは、私たちのFirst Amendmentの一部である以上、請願権(right to petition)が無くなることはこれからも絶対にないということなんです」

「請願のやり方は、時代と共に変わるかもしれない。でも、権利そのものはあり続ける。決して消えることはありません」

同じ言葉を繰り返しながら懸命に訴える彼女を見ていて、目頭が熱くなってしまった。

米国民にも忘れられかけている

というのも記者は、この取材の直前、少しだけ時間が空いていたのでキャピトルヒル近くの「Newseum」という博物館に立ち寄っていた。報道(News)をテーマにしたワシントンらしい博物館(Museum)だ。

記者が訪問中、ちょうど子どもたちが見学に来ていた

見学の子どもたちに混じって館内を歩いていると、First Amendmentに関する展示に出くわした。そこでは街頭インタビューの映像が流れていた。「First Amendmentの権利を全部、言えますか?」とインタビュアが聞くと、大抵の人が「宗教の自由」「報道の自由」までは出てくるのだが、「請願権」まで答えられる人はほぼいなかった。

First Amendmentの文面

博物館には「Fake News」(ウソのニュース)とメディアを痛烈に批判するトランプ氏に関する展示もあった。

言うべきことを言わない方が恥ずかしい

こうした展示を見た直後の取材だったので、彼女の発言には重みを感じた。First Amendmentが200年以上も前に成立し、「国民が議会に物を言う権利」と共に歩んできた米国。ロビー活動は、本来は悪の象徴ではなく、基本的人権であり、民主主義を支える礎なのだ。だが、米国でビジネスを展開する日本の企業はもちろん、当の米国民ですら、その権利をないがしろにしつつある。それを彼女は記者に伝えたかったのだ。

ワシントンの比喩としてよく使われる言葉にこんなものがある。

“If you are not at the table, you are on the menu”

(発言のテーブルに着かなければ、食われるだけ)

ロビーをする(言うべきことを言う)ことは、何も恥ずかしいことではない。逆に言うべきことを言わないことを恥じるべきなのだ。

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『ロシアが北朝鮮情勢を注視する真の理由 米国のミサイル防衛網配備に懸念』(1/12日経ビジネスオンライン 池田元博)について

1/13看中国<俄游客心脏病发 大陆民众竟然围观嘲笑(图)>「自由アジアTVによれば、南シベリアネットニュースの記事を引用して、中国海南島を旅行中のロシア(クラスノヤルスク)人が突然心臓発作起こし、死亡したのは、中国の救急制度のレベルが低かったからと報道。三亜空港が熱暑の為であるが、妻が言うのには「ロシアだったらすぐ救急車が来るのに、ここでは待つこと30分、その間中国人が周りを取り囲み、大声で笑っていた。救急隊員のレベルも低く、顔を見れば直ぐに心臓病と分かりそうなものだが、ゆっくり血圧を測り、病院へ搬送することにしたが途中渋滞で30分もかかった」と。診察に数十万ルーブルかかり、ガイドや他の旅行客からかき集めて払った。また遺体をロシアに送るのに百万ルーブルかかるとのこと」。まあ、別にロシア人を差別して笑ったわけでなく、中国人は人の不幸を笑いものにする道徳最低な民族(韓国も同じですが)と思った方が良いでしょう。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/13/846857.html

1/14宮崎正弘氏メルマガの書評から<木村汎『プーチンとロシア人』(産経新聞出版)

一気に読める本である。そのうえ面白い。その活力ある筆致と簡潔な比喩、人間の描写が生き生きとしている。

プーチンが柔道をこよなく愛しているから日本のことが好きだと日本のロシア分析が飛躍するのは暴論のたぐい、プーチンが柔道に励んだ動機は、彼の幼少のころ、「いじめられっ子」だったからだと木村氏は言う。

プーチンの闘争の哲学は、このところに原点がある。

兄二人が夭折したため、母親が41歳で生んだプーチンは溺愛され、それゆえにサンクトペテルブルグの『通り』でよくイジメられた。『通り』というのは不良少年のたまり場である。

いじめっ子より強くなれば良い、こう結論したプーチンは猛烈に体を鍛える。環境が強い意志をはぐくんだことになるが、短距離出世を狙ってKGBにはいるという直線的な人間でもある。

つまり、この人生への強い姿勢こそロシア人の基本の掟である。

「力が正義」なのである。

「強くなる意志を一貫して抱き」続け、「相手を徹底的にたたく」。そうした人間がロシアでは英雄である。

ロシア人との交渉事で、妥協は禁物である。そもそも「ロシア語」には「妥協」というボキャブラリーはない。交渉事で、論理が一貫しなくても、ロシア人は気にしない。倫理をまったく重視しないし、交渉においては友情も交友関係も過去の貢献もまったく度外視される。

つまり「交渉は闘争」であり「交渉は戦争」であり、そして「交渉は武器」なのである。

なんだか中国人と似ている。ロシアのチェスも中国の将棋にも、そういえば捕虜駒がない。妥協の発想がないという一点に関しては、中ロは二卵性双生児かもしれない。

「『インテリゲンツィア』という言葉は、日本語における『青白きインテリ』という用法から想像される内容のものではない。必ずしも人間の出自、教育、職業に直目する概念ではなかった。ロシアにおいて「インテリゲンツィア」とは、その人間が自身の高い理想や使命感を抱くとともに、その使命の実現のためには全生命を賭けて戦う準備や姿勢を持ち、かつ闘いを実践中の知識人を意味する言葉だった」(62p)。

どうしてロシア人がこういう性格を形成してきたのかといえば、第一に気候、天然資源、寒さ、そしてあまりにも広大な土地が原因であると木村教授は言う。

ロシア人が二律背反を気にしないのも、論理的思考をしないからである。領土は戦争で奪うものであり、政府が何をしていようが、個人レベルでのロシア人はほとんど気にも留めない。

あれほど凶暴な謀略をめぐらし政敵を粛正しても、ロシア人がスターリンを好きなのは、かれが「大祖国戦争」に勝ったからである。ゴルバチョフに人気がないのは彼が西側に屈服したと感じているからである。

「ロシア人は、外部の世界に劣等感を抱いている。外国の列強諸国は、隙さえあればじぶんたちに襲いかかろうとする。頭からこう信じている。彼らは外部の世界を疑い、恐れおののいているのだ。(中略)彼らは善意によって差し伸べられた友好の手をいうものを信じようとしない。そこには、何か巧妙な落とし穴のようなものが隠されているのではないかと、疑る。この世に純粋な好意など存在するはずがなく、あるのは闘いのみだ」(178p)

このようなロシア人気質を了解するならプーチンの謎を解くカギが読める。

プーチンは強いもの、力を信奉する政治家を好むから、優柔不断で人権と民主とか、浮ついたことを主張したオバマを軽蔑し、短絡的なトランプが好きなのである。三木武夫を嫌い、田中角栄がすきな日本人と、この点は似ているのかもしれない。

とどのつまり民主政治をロシアに期待するのは無理な注文であり、ロシア人は準独裁、強い指導者が好きなのだ。

だからシリアへの空爆で、もやもやしたロシアの脆弱政治を吹き飛ばしたプーチンに89%ものロシア国民は賛同し、クリミア併合でも83%が賛成し、西側の制裁なんぞどこ吹く風である。

すなわち「プーチン外交には、必ずしも確固とした原則や戦略など存在しない。時々の国際状況、とりわけ、『力の相関関係』の変化、そして主要プレーヤーや相手方の出方などを注意深く観察する。その隙間を縫って自国ロシアの影響力の拡大、ひいてはプーチン自身のサバイバルを図ろうとする。すぐれて状況主義的、機械主義的、便宜主義的な行動様式を採る」(143p)

プーチンは過去18年間、事実上ロシアの命運を左右し、そして次の六年間も最高権力を掌握するだろう。合計24年におよぶロシアの最高権力者は、ピョートル大帝を尊敬しているという。したがってトリックを用いて、自国を実力以上に見せる戦いを続ける。

プーチンは「勝利をもたらし、ロシア人の不安を吹き飛ばすために,『小さな戦争』を好む」だろう。

繰り返すが、一気に読了した。快作である。>(以上)

『小さな戦争』が日本相手にならないことを祈ります。まあ、日本が相手であれば『小さな戦争』とはならないでしょうけど。池田氏記事によりますと、ロシアは「米国とその同盟国が北の脅威を防ぐためと言って、ミサイル防衛システムを配備して、中露を包囲するつもりではと思っていると。日本のイージスアショアもその一部」と考えているとのこと。話があべこべでしょう。中露は北の脅威を拡大させ、米国一極の世界を打破し、多極化世界にしようと目論んだのでは。そのために核ミサイルの技術支援やら財政支援してきたのでは。米国と同盟国が脅威に晒されるのを黙って見ている筈がないのは当り前の話。それが嫌であれば、北を飼ってきたのが両国なのであるから、餌を与えない(=国連決議遵守は勿論、石油供給の全面停止等核ミサイルの開発ができない)ようにすれば良いのでは。

1/11JBプレス 榎本 裕洋<ロシアに新経済制裁、米国が検討中 ルーブル下落と金利の急上昇、外貨準備急減の再来も経済制裁、特にロシアのルーブル建て国債取引の禁止をしても、ロシアの経済成長を下げる可能性があるだけで、致命傷にはならないとのこと。米国も大国過ぎて真の敵が中国であることに気付かないのでしょうか。北朝鮮が日米韓の離間を図るように、少なくとも中露の離間を図るような動きをしてみたらと思います。このようにロシア制裁を強化すれば、中露の結びつきを強めるだけでしょう。米国は中国にこそ制裁を課すべきです。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52045

記事

「ロシアは北朝鮮を核保有国とは決して認めない」。プーチン大統領は北朝鮮の核問題の対話による解決を主張しつつも、圧力を強めて核放棄を促そうとする国際社会と協調する姿勢は崩していない。ロシアが北朝鮮情勢を注視する真の理由は別にある。

ロシアが昨年12月にウラジオストクでも運用を開始した地対空ミサイルシステム「S-400」(写真:AP/アフロ)

ロシアメディアは昨年12月下旬、ロシア軍が最新鋭の地対空ミサイルシステム「S-400」の運用を極東のウラジオストクで開始したと報じた。戦闘機や巡航ミサイル、弾道ミサイルを撃墜できる能力を飛躍的に高めるのが狙いだ。

ロシア軍がS-400を極東に展開すると表明したのは2009年。軍幹部は当時、その理由として「北朝鮮によるロケット発射が失敗し、その破片がロシア領に落下するのを防ぐためだ」と説明していた。

その北朝鮮は当時の金正日(キム・ジョンイル)体制から3男の息子、金正恩(キム・ジョンウン)体制に変わったが、ミサイルの発射回数は増える一方だ。昨年は1年間で合計15回(総数は20発)も弾道ミサイルの発射を強行し、昨年9月には大規模な地下核実験も実施した。

しかも極東のウラジオストクから北朝鮮との国境までは、およそ100キロメートルしか離れていない。ロシア軍がS-400の運用を開始したのは当然、北朝鮮の核やミサイルの挑発におびえる地域住民の不安に対処したためと考えがちだ。しかし、実態は必ずしもそうではないようだ。

ウラジオストクの海洋国立大学で北朝鮮問題を専門にするアナスタシア・バランニコワ研究員によると、「地元のロシア市民たちは北朝鮮の弾道ミサイル発射にほとんど反応しない。核実験があった時も社会に緊張感はなく極めて平静だった。市民たちが北朝鮮に抗議することもない」と話す。北朝鮮が敵視するのは所詮、米国とその同盟国であり、ロシアの脅威にはならないという意識が根強くあるのかもしれない。

北朝鮮に近いウラジオストクですらそういう状況だけに、ロシア全体でみると、北朝鮮の核・ミサイル問題に対する関心はさらに薄くなる。

北朝鮮の核よりシリア問題

独立系の世論調査会社レバダ・センターが昨年12月、ロシア市民を対象に「2017年の最も重要な出来事」は何だったかを問う世論調査を実施したところ、過激派組織「イスラム国」(IS)との戦いやロシア軍の撤退宣言などを含め、圧倒的なトップがシリアでの戦闘だった。

続いて2位がロシアのスポーツ界を揺るがすドーピング・スキャンダル。国際オリンピック委員会(IOC)が平昌冬季五輪へのロシア選手団の参加を禁止する一方で、潔白な選手は「ロシアからの五輪選手」として個人参加を認める方針を決めたことが高い関心を呼んだ。そして3位はプーチン大統領の次期大統領選への出馬表明。半面、北朝鮮の核実験や北朝鮮をめぐる紛争は、ロシア革命(十月革命)から100年と並んで10位にとどまった。

日本と違ってロシア社会では、北朝鮮の核・ミサイル開発はさほど深刻な脅威とは受け止められていないようだ。では、ロシア軍がS-400の運用を開始するなど、北朝鮮との国境防衛強化に乗り出しているのは米国と北朝鮮の軍事衝突を警戒するためなのだろうか。

プーチン大統領の側近のニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記は昨年末、ロシア紙「論拠と事実」のインタビューで、「米政権は韓国に25万人の米国人がいるという現実を考慮せざるを得ない。仮に朝鮮半島で大規模な軍事行動が起きれば数万人の米国市民が犠牲になる」と述べ、トランプ政権が軍事オプションを選択する可能性は極めて低いとの見通しを示した。

ミサイル配備は韓国の米軍の動きに対処したもの

興味深いのはむしろ、パトルシェフ書記の次の発言だ。「もはや誰にとっても秘密ではないが、北朝鮮の核・ミサイル問題は、ロシアと中国を抑止するため、アジア太平洋地域の軍事化を続ける口実に使われている。米国は世界的なミサイル防衛(MD)システムの要素をこの地域の国々に次々と配備して計画を実現している。北朝鮮情勢の緊張は多分に、米国の戦略的な目標実現に寄与しているという側面を見逃してはならない」というのだ。

パトルシェフ書記の主張を踏まえれば、ウラジオストクでのS-400の運用開始は緊迫する北朝鮮情勢に対処するというよりも、米国主導の中ロを標的にしたMDシステム配備の動きに対抗するのが真の狙いとみることができるだろう。

ロシアは実際、自国の安全保障を脅かすとして、米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の在韓米軍への配備に強硬に反発。プーチン大統領は昨年7月に中国の習近平国家主席が訪ロした際、北朝鮮問題に関する中ロの「共同声明」をまとめ、在韓米軍へのTHAAD配備の即時中止を求めた経緯もある。

THAAD配備について米韓両国は、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対抗するのが目的と説明するが、中ロは高性能レーダーによって自国のミサイル基地が監視されると警戒している。とくに中国は韓国企業を標的にした事実上の「経済報復」まで実施し、中韓関係は大きく悪化した。韓国はTHAADの追加配備をしないといった約束をしてようやく文在寅(ムン・ジェイン)大統領の昨年末の訪中を実現したものの、THAADを巡る対立は解消していない。

日本の「イージス・アショア」を警戒

中国ほどあからさまではないとはいえ、在韓米軍に配備されたTHAADへの警戒感はロシアでも根強い。さらにここに来て、ロシア軍幹部や安全保障関係者が注視し警戒を強めているのが日本の動向だ。日本政府は昨年、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて、地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」の導入を決めた。ロシアはこれを「中ロを標的にした米国の世界的なMDシステム構築」の一環とみなしているのだ。

「イージス・アショア」の導入問題は昨年11月、河野太郎外相がモスクワを訪問し、ラブロフ外相と会談した際に主要議題の一つとなった。

ラブロフ外相は日ロ外相会談後の共同記者会見で、「世界的なミサイル防衛(MD)システムの要素を実際に展開しつつある米国の計画は懸念せざるをえず、アジア太平洋地域の安全保障に極めてマイナスの影響を与える」と指摘。THAADを配備した韓国と同様、日本も米国のMDシステムの一部が配備される地域になるのではないかと強く心配していると表明した。

米国はかつて、北大西洋条約機構(NATO)のMDシステム構築の理由を「イランのミサイル攻撃の脅威から欧州を守るため」と説明していた。しかし、とくにウクライナ危機後はロシアの軍事的な脅威に対抗する狙いが浮き彫りになっている。ラブロフ外相は「アジアでは北朝鮮の脅威を口実にしているが、地図を見ると分かるように、米国のMDシステムが絶妙な形でロシアと中国を包囲するのは明白だ」とも非難している。

ロシア側の懸念は昨年12月、ロシア軍のヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長が来日した際にも日本側に伝えられた。ウクライナ危機の影響などで長らく延期されていた制服組トップの来日がようやく実現し、北朝鮮の核問題を含めたアジア地域での軍事・安全保障協力の強化を期待した日本側にとっては、想像以上に厳しい会談となったようだ。

ロシアからはさらに、脅しともいえるような気がかりな発言まで飛び出している。イーゴリ・モルグロフ外務次官が「日本政府がイージス・アショアの導入を決めたことはロ日関係、とりわけ平和条約の締結作業に否定的な影響を与える」とロシアの通信社に語っているのだ。

モルグロフ次官は北方領土での日ロ共同経済活動を始め、領土問題を含めた平和条約締結交渉の直接の担当者だ。ロシアが今後、北方領土問題の解決を先延ばしする言い訳に使う懸念は否定できない。

昨年12月、国連安全保障理事会は北朝鮮に対する追加制裁決議案を全会一致で採択した。新決議は北朝鮮向けの石油精製品の輸出の9割削減、海外で働く北朝鮮労働者の2年以内の送還などを打ち出した。

米国と中国の間で事前にすりあわされた決議案は採択の直前、ロシアの要求で修正が加えられた。当初案では北朝鮮労働者の送還時期が1年以内だったが、それに難色を示したのだ。ロシアには現在、約3万5000人の北朝鮮労働者がいるとされ、「全員送還させるのに2年はかかる」というのが理由だったという。人件費が安く重宝する労働力を失う経済的な不利益を先延ばしする思惑とみられ、北朝鮮の核問題で主導権を握ろうとしたわけではない。

ロシアは軍事的な選択肢もちらつかせる米国の姿勢を批判し、北朝鮮の核問題の平和的解決に向けた対話の仲介役にも意欲を示す。ただ、北朝鮮への影響力は極めて限定的だ。かつ北朝鮮の核の脅威に対する認識も日米ほど高くはない。ロシアが北朝鮮の核問題を注視し懸念するのは、核拡散の脅威や朝鮮半島有事への警戒よりも、アジアでの米国のMD網構築の行方に重心が置かれているとみるべきだろう。

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『「湿地回復」へ改良ポプラ300万本を全量伐採 中国にはびこる上意下達の画一処理モデル』(1/12日経ビジネスオンライン 北村豊)について

1/13看中国<任意抓人 赴中国旅游需“提高警觉”(组图)>「中共当局は、旅行中の米国人やカナダ人を拘束、出国禁止や逆に追放とかをする。スマホ等で中共を批判しただけでも、国の安全と言う名目で」。中国への旅行は危険です。最も危ないのは麻薬をスーツケース等に忍び込まされて逮捕されること。最悪死刑です。罪をでっち上げることは、中共は得意ですから。日本人は平和ボケしていてそんなことは起こりえないと思っているでしょうけど、腹黒い連中ですから、何が起きても不思議ではありません。リチャードギアの映画「北京の二人(レッドコーナー)」を見れば、嵌められる怖さが分かります。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/13/846851.html

1/13看中国<衛星發射殘骸墜廣西 火光四射傳出巨響(組圖)>「中国の人工衛星が広西省で打ち上げられたが失敗、残骸が落下。地方政府の発表ではケガや死亡した人はいないとのことだが、疑問との話です」。天空1号が地球に落下、中国は没問題と言っていますが、制御不能で落ちて来るのですから、日本にも落下の可能性があり、有問題でしょう。中国の言っていることが嘘でないことを祈ります。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/13/846850.html

https://www.excite.co.jp/News/chn_soc/20180108/Recordchina_20180108013.html

http://www.sankei.com/world/news/171013/wor1710130069-n1.html

1/13NHKニュース21時37分<中国の歴史教科書 「文化大革命」を大幅縮小へ 批判高まる

中国の中学生の歴史教科書が改訂され、中国を混乱に陥れた政治運動「文化大革命」を扱う内容が大幅に縮小される見通しとなったことから、インターネット上で、共産党は歴史の教訓を十分に伝えるべきだという批判の声が高まっています。

改訂されるのは、中国の教育省が監修し、ことし3月から中学2年生が使用する歴史教科書です。 香港メディアによりますと、新たな教科書では、1960年代から70年代にかけて、中国を混乱に陥れ多数の犠牲者を出した文化大革命を扱う内容が大幅に縮小される見通しです。これまでの教科書では「文化大革命の10年」と題した項目がありましたが、この項目がなくなり、「毛沢東が誤った認識をしていた」という表現や「動乱と災難」という見出しなども削除されているということです。 新しい教科書とされるものはインターネット上に流出していて、教科書の出版社は文化大革命が巨大な損失を与えたことなどを十分に紹介していると釈明しています。しかしインターネット上では、「歴史を直視しなければ未来はない」とか「歴史教科書の問題は重要で、アジアの隣国も見ている」といったコメントが相次ぎ、共産党は政策の誤りに向き合い歴史の教訓を十分に伝えるべきだという批判の声が高まっています。>(以上)

中国や韓国が日本の歴史教科書に容喙して来るのは内政干渉です。宮澤喜一というリベラル政治家が近隣諸国条項なるものを定めたからです。文科省は外国の言うことなぞ聞く必要はないでしょう。今回の中国の歴史教科書で共産党に都合の悪い事実は消してしまう訳ですから。日本は逆に事実でないもの(慰安婦や南京)も採り上げています。採り上げるならきっぱり否定しませんと。事実が外国の政治的圧力で歪められることになります。まあ、前川喜平が事務次官をやるような三流官庁の文科省では無理でしょう。隠れ左翼が多い日本は滅びるかも。教育や政治に無関心では一党独裁の中国の侵略を防げません。

1/14日経<データ資源、米中攻防 経済覇権狙い囲い込み

インターネット上の閲覧や買い物の履歴など「データ資源」をめぐる米中の攻防が激しい。経済のデジタル化が進むなかで、データは消費者の嗜好分析やマクロ予測まで経済活動の基礎となる宝の山。その質と量が競争力を左右する。大きな消費市場と巨大なネット企業を抱える米中は、データ資源で優位を築く覇権争いを繰り広げる。政権の安定へネット統制を正当化する中国にデータの門戸を開くのか主要国は難しい選択も迫られている。

中国のネット通販最大手、アリババ集団傘下のアント・フィナンシャルは2日、米マネーグラムの買収を断念すると発表した。電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」との相乗効果を狙い、世界200カ国超で送金サービスを提供する国際送金大手のマネー社を約12億ドル(約1330億円)で買収する計画だった。

ところが、外資による企業買収を安全保障上の観点から審査する対米外国投資委員会(CFIUS)が待ったをかけた。米国人の資産や送金情報など「マネー社の個人データ流出を懸念した」(米国法弁護士)とみられる。

米国では「個人情報の扱いに信頼性がない」として中国企業による買収阻止は当然との見方が多い。中国国営の新華社通信は「CFIUSの審査はブラックボックスだ」と批判。「(中国企業を過度に警戒する)『過敏症』を改めるべきだ」とけん制した。

その直後、中国でアントのずさんな個人情報管理が露見。アリペイの利用者が2017年の利用履歴を閲覧すると、ほぼ自動的に「個人情報を第三者に提供する」との条項に同意したことになる仕組みが発覚した。謝罪しシステムを変えたが、中国の情報管理への懸念が米国の過敏症でないことを浮き彫りにした。

一連の動きは、データ資源をめぐる米中の攻防を象徴する。米国はグーグルなどネットの巨人5社が世界中で日々、膨大なデータを蓄積する。一方、14億人の巨大市場を抱える中国では、5億人が使うスマートフォン(スマホ)決済のアリペイは毎秒2千件もの決済情報をサーバーに蓄積する。世界のデータ生成量は25年に163兆ギガ(ギガは10億)バイトとなり、16年の10倍に膨らむとされる。データを集めれば、それだけ人工知能(AI)の性能を高められる。「膨大なデータは現代の石油になる」(アリババの馬雲会長)。こんな認識が米中を突き動かす。

米国がデータ資源で中国を仮想敵とする大きな理由は、ネットに対する管理・統制を「国家主権の問題」として正当化していることだ。チャットの会話内容や移動の履歴も含めた個人のデータを国民監視や治安維持の道具にも使っていると指摘される。

中国は17年6月に「インターネット安全法」を施行。外資による中国内のデータの持ち出しを厳しく制限した。各国に批判されても、国家の安全を優先する姿勢を崩さない。米アップルが中国のクラウド事業を地元企業に移管すると発表するなど海外勢は対応に苦慮している。中国の広域経済圏構想「一帯一路」で経済支援する東南アジアやアフリカ諸国を中心に、中国発のネット統制が世界に拡散する恐れも強まっている。

米国市民の機微情報を渡さない――。米議会の超党派議員は17年11月、CFIUSの機能を強化する改正案を議会に提出した。肝は個人情報や遺伝子情報など米国市民に関する「機微情報」が、外国政府や外国企業に渡らないよう厳格に審査するルールだ。

CFIUSの従来の審査対象は、軍事や半導体など安全保障に直結する案件が中心。法案が原案通り成立すれば、米国民の個人データを持つ企業の買収は厳しく審査される可能性が高い。米下院公聴会では、CFIUSに関わった元政府高官が証言。中国政府の経営関与を疑われる中国企業が、AIやビッグデータなど先端分野の技術や情報を持つ米企業を続々と買収していることに危機感を示した。法案は事実上、中国企業の買収阻止を狙っているといえる。

個人情報保護に厳しい欧州連合(EU)も18年5月に、EU域外へのデータ移転を厳しく制限する「一般データ保護規則(GDPR)」を全面的に施行する予定だ。欧州の制度は情報の流通をただ制限するだけではない。「十分な保護水準がある」とした国や地域は、個別に許可をとらなくても個人情報の域外移転ができる仕組みも併せて備える。データという資源を保護する一方で、ビジネスへの活用との両立を図る狙いだ。

データの非資源国である日本は、自由な流通を掲げる。18年春にEUとの間で、EU並みの保護水準を確保して日欧間でデータを移転しやすくする新たな枠組みで合意する見通し。日本はアジア太平洋経済協力会議(APEC)が定めた個人情報の越境移転ルールに米国、カナダ、メキシコ、韓国とともに加わり中国にも採用を求めている。

データは21世紀の経済に不可欠な資源になった。世界経済の発展には、安全保障や人権を大義名分に自国で囲い込むのではなく、各国・地域で共有することが欠かせない。データを求めて動き始めた中国。ネット上の言論統制や国民監視など、民主主義とは相いれにくい動きを強める中国にデータの取得を許すのか。主要国には難しい判断が待ち構えている。(上海=小高航、ワシントン=鳳山太成、八十島綾平)>(以上)

日本も中国に対して買収(企業だけでなく土地や建物も)防止策を打たないと。それとスパイ防止法を早く成立させてほしい。日本には外国のスパイがうようよいるのに罰する法律がないため、スパイ天国と言われています。また日本人のスパイも相当数いる筈です。利敵行為をする人間は断罪されねば。

北村氏の記事で思い起こされるのは、1999年から始まった「退耕環林」プロジェクトでしょう。「退耕環林」の説明には「連作障害などで収量の減った土地での耕作をやめ、代わりにポプラなどを植えて林業へ転換して環境への負荷を減らし、収益も上げようという政策。参加した農民には、8年間分の補助金と苗木が支給される。苗木が育てば、森林法の範囲内で伐採・利用が可能。しかし、灌水・除草や柵のメンテナンスなど育生・管理コストは農民の自己負担であるため、ほとんどの土地が植栽後の管理をされておらず、植栽苗の生育は芳しくない。同様の政策で、退牧環草政策がある。牧草地利用を止め、草原を回復するという政策で、同様に補助金が支給されるが、こちらも補助金を食いつぶした後の展望がない点では同様。」とあります。 農民が手入れをすることがないのは農薬を大量散布して手をかけず毒野菜とする心理と一緒でしょうか?

また生態系に悪影響があると言われていたにも拘わらず、李鵬が賄賂を取るため、三峡ダム建設を強行しました。中国駐在時代、1998年に三峡川下りをして白帝城に行きました。劉備玄徳と諸葛孔明の人形が展示されていて、劉備の死に際し「息子の劉禅が蜀の皇帝の器量がなければあなたが代わりになってくれ」と言ったとのことでした。そこも今は水没して浮島になったとのこと、中共は人権だけでなく歴史も尊重しない賄賂塗れの悪逆非道の連中です。

記事

植樹も伐採も“極端な処理”が中国流

民間の社会団体である“中国環境保護協会”は、そのウェブサイトに2016年11月29日付で「“西洞庭湖”で生態の殺し屋“欧美黒楊”を徹底処理」と題する記事を掲載した。“洞庭湖”は、湖南省北東部にある淡水湖で、通常の面積は2820km²で琵琶湖4つ分に相当するが、増水期には2万km²に拡大して四国の面積(1万8800km²)を上回る規模となる。洞庭湖は、先端を少し短くした「J」の様な形状で、東、南、西に3地区に分けられ、それぞれ“東洞庭湖”、“南洞庭湖”、西洞庭湖と呼ばれる。

“欧美黒楊(学名:Populus xeuroamericana)”とは、「改良ポプラ」と呼ばれるもので、欧州・北米原産のポプラを欧州各地で交配して生まれた品種である。上述の記事には伐採されて、短く切り分けられた改良ポプラの木材を載せた運搬船が運河を進む写真が掲載され、下記のような説明が書かれていた。

改良ポプラのあだ名は湿地の“抽水機(吸い上げポンプ)”であり、改良ポプラは湖岸湿地の乾燥化を早めて“生態殺手(生態の殺し屋)”となる。洞庭湖保護区内の改良ポプラは出来るだけ早く徹底処理すべきで、今年7月末に中央政府の「環境保護監督査察チーム」が湖南省政府に提起した意見の中で整理改革を要求する突出した問題となった。目下、西洞庭湖にある国家級自然保護区の中心地区内の改良ポプラ5万ムー(畝)<注1>余りはすでに伐採が完了しており、南洞庭湖にある自然保護区の改良ポプラ2万ムー余りの伐採作業が進行中である。

<注1>1ムー(畝)は約667m²。1万ムーは6.67km²。5万ムー(33.35km²)は東京の杉並区の面積(34.1km²)に近く、2万ムー(13.3km²)は墨田区の面積(13.8km²)に近い。

狂ったように植えた300万本を全て伐採

さて、2018年1月2日付の全国紙「経済参考報」は、「洞庭湖の改良ポプラ300万本が全て伐採された:往時は狂ったように植樹」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

【1】300万本近い改良ポプラが切り倒された。2017年12月31日、これは中央政府の環境保護監督査察チームが湖南省政府に対して要求した洞庭湖湿地の改良ポプラ9万ムー以上<注2>を全て伐採する期限であった。往年は行政命令で“瘋狂植樹(狂ったように植樹)”したものを、今は惜しげもなく“全面砍樹(全面伐採)”している。発展と保護という相反する2つの力を反映し、“長江之腎(揚子江の腎臓)<注3>という称号を持つ洞庭湖でまたしても発展か保護かの綱引きが行われている。植林して造林するという過激な“大躍進”<注4>運動は、自然を救済して原点に戻ることで収束することになるが、これは地方政府の“非糧(食糧以外の)”産業の育成を反映しており、行政による衝動的な動きを抑制することは難しい。そして、それがもたらす産業の苦痛には深く反省させられるものがあるが、洞庭湖地区産業の持続的発展という難題の解明が待たれる。

<注2>9万ムーは60km²で、東京都大田区の面積(60.7km²)に相当する。

<注3>洞庭湖は長江の水を調節する機能を果たしていることから「長江の腎臓」と呼ばれる。

<注4>“大躍進”とは、1958年から始まった中国の第2次5か年計画の初年度に行われた農工業の大増段を図った政策であったが、非科学的であったことからわずか1年で失敗して終結した。

【2】2017年7月末に中央政府の環境保護監督査察チームが湖南省政府に提起した意見は、「洞庭湖地区に植えられている製紙用経済林である改良パルプの面積は39万ムーであり、その中核区域は9万ムー、周辺区域は21万ムーである。これらの改良ポプラは洞庭湖の生態安全に深刻な脅威をもたらすので、2017年の年末までに洞庭湖保護区中核区域内の改良ポプラを全て伐採することを要求する」というものだった。湖南省政府から命令を受けた人々は、否応なく改良パルプの伐採に応じた。2010年から改良ポプラの植林事業に参画した地元出身の企業家は4000ムー以上の植林を行っていたが、生態保護という名目には抗し難く、止む無くポプラを全て伐採した。“漢寿県”の西洞庭湖自然保護区で“造林模範”と呼ばれた“余青山”はチームを組織して10日間かけて長年育てた改良ポプラの樹を泣きの涙で全量伐採した。彼らには何らの補償金も出ないから、その損失は甚大なものがある。

草も生えず、鳥の影もない

【3】湖北省と湖南省の間に横たわる中国第2の淡水湖である洞庭湖は、長江の重要な調整湖で、“魚米之郷(土地が肥沃で物産が豊な土地)”として知られている。その地理的優位性から洞庭湖は中国で最初に『“国際湿地公約(ラムサール条約)”』に登録された7つの湿地の1つで、世界的にまれな巨大な「種の遺伝子」の宝庫と呼ばれている。その洞庭湖に改良ポプラが導入されたのは2000年の初めだった。当時は食糧を植えても利益が薄く、一方で製紙工場の“楊樹(ポプラの樹)”に対する需要が急増していた。洞庭湖地区では水田にポプラの苗木を植えるところが出現したため、「新華社」が2003年に「良田にポプラを植える風潮に警戒せよ」と報じ、これを政府が問題視すると同時に世間が注視するようになった。すると、ポプラの植樹は⽔⽥から離れ、堤防を越えて洞庭湖の⽔際へと移って行った。水際の荒地が大量に請負われて改良ポプラの植林場と化したことにより、湿地保護区の中核地区でさえもその被害を免れることはできなかった。

【4】請負人は勝手気ままに水際を変貌させ、原生の葦(あし)を刈り払ったり、直接に排水を行った上で改良ポプラを植えた。甚だしい場合は水際にコンクリートの枠を組んで土地を囲い込み、排水した上で改良ポプラを植えた。「湿地の吸い上げポンプ」というあだ名を持つ改良ポプラが自然保護区に大量に植えられたことによる損害は甚大で、湿地は日に日に陸地化が進んだ。改良ポプラの成長に有利なように、植林の請負人たちは、油圧ショベルで溝を掘り、掘った土で湿地を埋め立てて土壌に変えた。また、ポプラはカミキリムシの食害に遭いやすいことから、殺虫剤も多用されたため、土壌汚染も進んだ。改良ポプラが密集する地域では、渡り鳥の姿もなく、地元の人々は、「樹の下には草も生えず、樹の上には鳥の影もない」と嘆いた。

【5】改良ポプラの価格は2000年前後がピークで、改良ポプラ1ムー当たりの木材価格は5000元(約8万7000円)以上であったが、伐採する前3年間は樹の周囲で野菜の栽培が可能で、別途1ムー当たり1000元(約1万7400円)の収入を得ることができた。ところが、改良ポプラの1ムー当たりの木材価格は2003年頃から急激に下降し、2014年には2000元(約3万4800円)前後に落ち込んだ。

【6】2014年4月、『洞庭湖生態経済区計画』が中央政府“国務院”で承認され、これに加えて「長江経済ベルト建設」が国家戦略になると、洞庭湖地区は新たな歴史的転機を迎えることになった。しかし、洞庭湖の生態悪化は明白で、洞庭湖地区の生態環境は深刻な状況にあった。中央政府の環境保護監督査察チームが湖南省政府に意見を提起した時には、“一針見血(ずばり急所を突いて)”次のように指摘した。すなわち、洞庭湖のⅢ類水質<注5>は2013年には36.4%あったものが、2016年にはゼロに低下し、出口部分の総リン濃度は97.9%に上昇しており、形勢は楽観できないものとなっている。洞庭湖周辺の人々は、“靠湖吃湖(湖に頼って生活)”しながら、洞庭湖の生態保護など一顧だにせず、長年にわたって慣れと依頼によって洞庭湖をむしばんで来た。その縮図の最たるものが改良ポプラの植林なのである。

<注5>中国の水質基準(地表水)はⅠ類が水源水、Ⅱ~Ⅲ類が生活飲用水、Ⅳ類は工業用水、Ⅴ類は農業用水。

残る21万ムーも全て伐採へ

こうした状況下で、2017年7月末に中央政府の環境保護監督査察チームが湖南省政府に要求したのが、12月末までに洞庭湖湿地の中核地区に植えられた9万ムーの改良ポプラを全て伐採して根絶することだったのである。この9万ムーに植えられていた改良ポプラの総数は何と300万本、それを8月から12月末までの5カ月間で全て伐採することが至上命令として中央政府から湖南省政府に下され、湖南省政府はそれに応えて12月末を待たずに300万本の改良パルプの全量伐採を完了させたのだった。

2000年頃から始まった改良ポプラの植林は、地方政府にとって利益を生む、うま味のある事業であったことから、洞庭湖周辺の市政府や県政府が挙って詳細な「改良ポプラ発展計画」を策定し、政府出資の奨励策や企業誘致などを行って大々的に改良ポプラ植林事業を展開した。“郷”や“鎮”の幹部が植林事業に不熱心であると、その怠慢の責任を追及されたという。

改良ポプラを植林したことにより、洞庭湖の湿地は乾燥して土壌となり、改良ポプラが密集する地域では太陽光がポプラにさえぎられて、周辺の植物は壊滅の危機に瀕した。また、改良ポプラは魚類の繁殖地や鳥の生息地をも破壊した。さらに、湿地が土壌に変わったことにより、洪水期には水の円滑な流れが阻害され、洪水防止にも影響を与えた。確かに改良ポプラの植林は地元の政府や企業に利益をもたらしたが、ラムサール条約に登録されている洞庭湖の湿地を破壊し、その貴重な生態系に甚大な損害を与えたのである。

上述したように、洞庭湖地区における改良ポプラの植林面積は30万ムーであり、2017年12月末までに伐採されたのは、そのうちの中核区域の9万ムーに過ぎない。残る21万ムーは引き続き伐採されることになるが、改良ポプラの数量は9万ムーの密集地域で300万本であったから、密集度が多少低い21万ムーでは恐らく500万本前後になるだろう。今後何カ月かけて21万ムーの伐採が完了するかは分からないが、伐採によって作られる改良ポプラの木材が膨大な量であることは間違いない。

全てお上のご意向に沿って“一刀切”で

1月3日付の北京紙「新京報」は、環境研究者である“于平”の「300万本の改良ポプラを植林して伐採し、洞庭湖を痛めつけた責任は誰が負うのか」と題する所見を掲載した。于平はこの事件の経緯を説明した上で、専門家や業界人が絶えず植林事業に異議を申し立てたにもかかわらず、目先の利益に目がくらんだ地元政府の役人は耳を傾けることなく無視を決め込んだため、植林狂騒はますますひどいものとなったと苦言を呈し、文末で次のように述べている。

過去数十年間、勝手に湿地を占拠してでたらめな開発を行うことは、全国各地で普遍的に行われて来た。利益を得るために、一部の地方役人はそれをはばかることなく行っているが、湿地保護の法的執行力が脆弱なだけでなく、責任を追及する体制ができていない。指導幹部の環境に対する「離任審査」や「責任の終身追及」制度はすでに明確になっているが、目下のところ、地方政府の主要幹部が湿地破壊により責任を追及された例はない。環境破壊を行いながら昇進した役人に対して遡って処罰しないのであれば、誰もが湿地開発に手を伸ばすのではないか。湿地を野蛮な開発の犠牲にしないためには、法律の完備と事後の責任追及が伴わなければならない。

これは正論であり、湿地破壊に止まらず、“形象工程”と呼ばれる「指導者個人のイメージアップや指導者とその仲間の利益獲得を目的とした、実際には必要ないのに、権力を濫用して国民の財産・労力を浪費する工事」などにも当てはまる。そうした無用な工事が業績として評価された者は党の高級幹部や高級官僚に昇進し、無用な工事の後処理を背負わされた後任者が貧乏くじを引くことになるのだ。改良ポプラの植林を推進して地方財政を潤すことに成功した官僚たちは昇進を果たしただろうが、後処理の伐採作業を強制させられた後任者たちこそいい面の皮と言えよう。

ところで、中国語に“一刀切”という言葉がある。これは「(実情を無視して)物事を画一的に処理する」ことを意味する。上述した改良ポプラの植林も伐採も全てお上のご意向に沿って“一刀切”で行われたものであり、中国共産党主導の中国では異議を唱えることは許されない。改良ポプラを例にとれば、改良ポプラが湿地の“抽水機(吸い上げポンプ)”であることを科学的に検証していれば、貴重な洞庭湖の湿地を破壊するであろうことは事前に分かったはずである。しかし、科学的な検証を怠り、目先の利益だけを追求した結果が、改良ポプラの植林による湿地の破壊であり、今回の30万ムーの改良ポプラの全量伐採である。改良ポプラを全量伐採したとしても、根っこまで掘り出すわけではなく、短期間に元の湿地に戻るわけではない。科学的検証を経て、湿地に回復する最善の方策を究明した上で改良ポプラの伐採を行うのならまだしも、単に伐採すればよいと“一刀切”で動くのはいかがなものか。

繰り返される「非科学的技術とずさんな管理」

1958年に毛沢東主導で開始された“大躍進”政策では、農工業の大増産により数年で経済的に米国や英国を追い越すことを目標としたが、非科学的技術とずさんな管理により数千万人の餓死者を出して失敗し、1959年に毛沢東は責任を取って国家主席を辞任した。この時も科学的検証に基づき毛沢東をいさめる人がいれば、数千万人の餓死者を出す悲劇は起こらなかったはずだが、全国民が毛沢東の指示に妄信的に従い“一刀切”で動いたことが甚大な損害と悲劇を導いた。当初の政策決定が非科学的であり、目先の短期的利益を追求するものであれば、後日必ずその後遺症が現れる。それは大躍進により発生した数千万人の餓死者であり、改良ポプラの植林によって破壊された洞庭湖の湿地であった。

2017年11月18日に北京市“大興区”の“聚福禄公寓(アパート)”で発生した火災を契機として北京市が開始した“低端人口(低級人口)”を北京市内から駆逐する動きは、“一刀切”でいかなる例外も認めない形で進められている。地方から出稼ぎに来た人々に借家・借室から数日以内に立ち退くよう要求し、拒めば住居の取り壊しや電気・水の供給停止を行い、立ち退きを強制している。彼らが北京市内から去った後は、家政婦、子守、トラック運転手、宅配便の配達員、各種の店員や作業員などの低賃金労働者が不足し、物価上昇や都市の機能不全が発生している。北京市ではこれと同時進行で、大気汚染を減らすための“煤改気(石炭を天然ガスに換える)”や都市景観を整えるための「ビル屋上・壁面から広告・看板標識の撤去」<注6>が強制的に“一刀切”で行われた。

<注6>“煤改気”および広告・看板標識の撤去の詳細は、本リポートの2017年12月15日付『1000万人が凍える中国「暖房変換政策」の失態』および12月22日付『北京に吹き荒れた「看板・広告撤去騒動」の顛末』参照。

2017年12月17日に“北京大学”講堂で開催された第19回「北京大学光華新年フォーラム」に登壇した教育企業“新東方教育科技集団”会長の“兪敏洪”は講演の中で、北京市で行われている低級人口の駆逐、“煤改気”、広告・看板の撤去に言及し、「私が特に怖いのは、中国で出現している各種各様の“一刀切”モデルである。中国の官僚主義は上位下達の管理モデルで、下部が執行する時に現実の状況を考慮しないばかりか、庶民感情も考慮せず、盲目的に指示に従う対応を引き起こす」と述べて、事前に事態を十分に検討することの必要性を訴えた。このように“一刀切”の問題点を公式の場で堂々と指摘する人物もいるのだが、こうした意見が取り入れられて“一刀切”モデルが見直されるのはいつの日か。

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『中国「北朝鮮フェイク文書」はなぜ流布したか 偽造犯は米国逃亡中の元スパイ?』(1/10日経ビジネスオンライン 福島香織)について

1/13現代ビジネス<中国「大物政治家」のスキャンダルを暴露し続けた大富豪の狙い 民主化の星か、中国版籠池氏か… 安田 峰俊>

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54113

1/11ZAKZAK<中国共産党が恐れる郭文貴を直撃 「宿敵・王岐山を絶対潰す」>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180111/soc1801110012-n1.html

郭文貴が未だ生き延びられているのは、彼の持っている金のお蔭か、彼の持っている中共にとって都合の悪い資料を米国が守るため安全を保証しているためかは分かりません。両方かも知れません。『毛沢東の私生活』を書いた李志綏は米国移民して本の出版3ケ月後、シカゴの自宅浴室で遺体となって発見されました。1995年2月のことで、心臓発作が原因との発表でしたが、江沢民が殺したとの噂がありました。タイミングが良すぎましたので。

また、先日慰安婦像の寄贈を受けたリー・サンフランシスコ市長も中共のスパイ容疑でFBIの調査が入る前日に、中共が暗殺したとの噂がたちました。死因は同じく心臓発作です。朝日新聞の若宮啓文元主筆も北京のホテルで病死しました。中共は用済みになれば無慈悲に処分するという事でしょう。「ザ・レイプ・オブ・ナンキン」を書いたアイリス・チャンの自殺も中共の関与があってもおかしくないと思っています。

https://youtu.be/yQsXoPvwZVI

郭文貴はデータを小出しにしていると、いつ暗殺されるか分からないから、手持ち資料を全部出した方が良いのでは。CIAには渡しているのかもしれませんが。米中衝突のタイミングを見ているのかもしれません。アサンジやスノーデンはロシアが支援していると1/12宮崎正弘氏メルマガにありました。米露で暴露合戦をすれば国民を犠牲に悪に手を染めているのが白日の下に晒されるから良いと思いますが。

http://melma.com/backnumber_45206_6632369/

1/12日経電子版<中国、17年の対米黒字最高 米経済好調で輸出拡大>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25601980S8A110C1MM0000/

これで益々トランプは中国に厳しい政策を採るようになるでしょう。1/11ロイターの記事“China opposes U.S. pro-Taiwan bills welcomed by Taipei”のように中国の嫌がることを米議会でも始めています。

1/13宮崎正弘氏メルマガ<『広辞苑』こと『嘘辞苑』は開き直り、岩波の本性を暴露したが  デルタもマリオットも「台湾は独立国」ばかりか、チベットも主権国家だ、と>では、

「中国に乗り入れている米国のデルタ航空はウェブサイトにおいて「台湾、チベット、マカオ、香港」を独立国家として扱ってきた。

同様に最大のホテルチャーン「マリオット」、服飾の「ZARA」、そして医療メーカーの「エドロニクス」などは自社のウェッブサイトにおける表現で「台湾、チベット」は独立国家と記述してきた。」とありました。日本は中国に弱腰すぎます。在米の民主派を価値観を共有するとして支援、南京や慰安婦は中共の息のかかった在米反日組織の「世界抗日戦争史実維護連合会」(世界史維会)のプロパガンダと主張して貰えば良いでしょう。

記事

“犯人”は郭文貴?(写真:ロイター/アフロ)

先週のネットの話題でなかなか興味深かったのは、中央弁公庁の“絶密文書”を米国のニュースサイト・ワシントンフリービーコンが入手した、というものだった。この“絶密文書”は、中国党中央として、下部組織に、国連の対北朝鮮制裁決議は象徴的に実施するにとどめとけ、とか、北朝鮮が核実験をやめてくれれば、中国としては体制維持を保障し、北朝鮮の国防建設や民生インフラ建設への投資を拡大して、中距離弾道ミサイルなんかも供与する、とか、北朝鮮にすぐさま核兵器を廃絶させる必要性は中国にはない、とか結構スゴイことを通達していた。本物の絶密文書であれば、超一級特ダネであり、とりあえず日本の毎日新聞だとか産経新聞だとか、それなりの大手メディアも転電していた。

だが、この絶密文書、コピー写真が同ニュースサイトで公開されていて、それをよくよくみれば、なんか偽物っぽい。1月2日に公開されて、3日に日本や英米メディアが転電したりしたが、4日はおおむねの人が「フェイクニュース」と断定するにいたった。しかしながら、時期的にも、北朝鮮が南北対話を受け入れるというタイミングで、さらにトランプ政権の暴露本『炎と怒り』出版もかさなり、米中はいったい北朝鮮問題をどうするつもりなんだというところに投下された、この“フェイクニュース”は、誰が何のために、作り上げたのだろうか、と興味をそそられることだろう。ちょっと勝手な推理をしてみようか。

「核問題解決を深化させるための決定」

まず、文書の中身をもう一度、詳しく紹介しよう。

タイトルは「我が国と朝鮮民主主義人民共和国が当該国の核問題解決をさらに一歩深化させるためのコミュニケーション協調工作に関する中央弁公庁の決定」。2017年9月15日発行の日付と中央弁公庁印がついてある。党中央の外交マターを担う中央対外連絡部に決定を通達する文書であるが、9月19日には全人代、国務院、中央軍事委員会にも回された、という。

内容は「朝鮮(北朝鮮)は我が国の西側敵対勢力に抵抗するための重要な軍事緩衝区であり、わが党が指導する中国の特色ある社会主義制度としても、朝鮮の持つ政治的戦略的地位の重要性は何物にも代えがたい。このため、わが党、国家は一切の代価を惜しまずに朝鮮の主権とその領土の保全を守り、そして朝鮮政権の安定と継続を切実に保障する必要性がある」

「手をこまねいて傍観することはない」

「党中央および国務院の北朝鮮問題対応にかかわる関連部署および中央国家安全委員会のこれまでの会議の中で処理してきた北朝鮮にかかわる問題の指導的精神にかんがみ、朝鮮執政当局と当該国の核問題について交渉協力工作を行う関連部署に対しては、以下のように具体的な要求を通達する」

「中共中央を代表し、朝鮮サイドに対してはわが方は朝鮮政権の防衛の決心を一層強調する」

「朝鮮政権の崩壊及びこれにより引き起こされる米国を始めとする西側敵対勢力が朝鮮半島において引き起こすであろう直接的軍事対峙(原文では対持と誤記)を防ぐため、わが国とロシアなどの国家は外交斡旋と軍事牽制など一切の手段を駆使して、必ずや朝鮮半島の平和安定を保障し、戦乱が生じることを防止すると決心しており、これはわが方とロシアなどが共通して堅持する立場である」

「同時にもし米国が対朝鮮戦争を発動した場合、アジア太平洋地域および全世界の政治経済の枠組みが巨大な影響と衝撃を受けうることを十分考慮し、わが方とロシア方面は絶対に朝鮮半島の混乱情勢を手をこまねいて傍観することはない」

「国連の対北朝鮮制裁決議については、我が国は朝鮮内の内需を十分に保障する前提のもと、象徴的に処理して懲罰すればよい」

「中国で開設されている朝鮮企業は閉鎖されたが、わが方は対北朝鮮貿易仲介機関および第三国(地区)を経由して引き続き関連貿易活動を展開することをしばらくは制限しない」

「朝鮮民生と基礎インフラ建設に対する援助は、2018年度は、2017度比で一回当たり15%増とする。今後5年の間、年平均で前年同期比10%増をくだらないようにする」

「わが方の朝鮮と関連する銀行業務は一時的に停止する規定があるが、これは中央直属の国有銀行および一部地方銀行に限定することになるだろう」

「北朝鮮の防御的軍事建設に対する投資は増加させ、わが国の先進的中短離弾道ミサイルやクラスター爆弾などハイレベル軍事科学技術を提供する」

「厳正に朝鮮当局に核問題における自制を警告すると同時、目下、わが方に強制的にすぐさま朝鮮の完全核兵器廃棄を要求する必要性は存在せず、そのかわり北朝鮮に自制を求め、将来若干の条件が成熟したときに、徐々に改革を行い、最終的に朝鮮半島の非核化要求に到達すればよい」…。

要するに、中国は北朝鮮がこれ以上の核実験を行わないでいてくれるなら、ロシアとともに核兵器保有を容認する、国連の制裁決議も象徴的な実施にとどめるし、何なら北朝鮮の国防のために中距離ミサイルやクラスター爆弾をあげてもいいよ、という話であり、中国が国連の対北朝鮮制裁決議に賛成したり、米国と足並みをそろえて北朝鮮に圧力をかけるというのは完全な見せかけである、という内容である。本当ならば中国の嘘の大暴露である。

作ったのは、逃亡中の郭文貴?

だが残念ながら(?)、この文書がフェイクであることも、ほぼ間違いない。中国外交部は捏造と一蹴しているし、確かに見る人が見れば、変である。

具体的にいえば、今時の公文書には公文書QRコードがつけられる規定になっているが、そのQRコードが見当たらない。「直接的軍事的対峙」とあるべきところが「直接的軍事的対持」というありえない誤字がある。そもそも、絶密文書というのは幹部に回した後、持ち帰ることも許されず、読んだあとはすぐ回収されるので普通はコピーも不可能。コピーすれば画面がつぶれる特殊な紙でできている。用語も党中央とすべきところを中共中央と表示していたり、党中央の文書として不自然な言葉遣いが散見される。ただ、全くのド素人が作ったものとするほど幼稚でもない。(コピーして黒くつぶれたものを特殊な光を当てて読み取ったかのような不鮮明なコピー写真をわざわざ作っている)。それなりに党中央内部に通じた人間が作ったものとみられる。

では、誰が作ったのか、という話だが、一般に噂されているのは「闇の政商」として北京五輪プロジェクトにかかわったビジネスマンで、習近平政権に汚職容疑で失脚させられるとみて、政権スキャンダルの証拠をにぎったまま現在米国に逃亡中の郭文貴である。このコラムでも何度か取り上げた。彼は自分自身でも告白しているが国家安全部17局に所属してビジネスマンの肩書を使って諜報・特務工作に従事していたことがある。つまり、スパイである。文書の偽造などはお手のものではあろう。

ではネタ元が郭文貴だと仮定し、なぜ彼がこのようなこった文書を捏造し、フリービーコンという新興保守ネットニュースメディアに報道させたのか。

郭文貴といえば、昨年から王岐山および中央規律検査委員会のあることないことを含めたスキャンダルをネットを通じて暴露し続け、習近平政権を揺さぶり続けているが、なぜ急に北朝鮮がらみのフェイクの絶密文書を持ち出したのか。自分の身を守るための習近平政権に向けた駆け引き材料としてのフェイクニュース投下なら、習近平や王岐山の蓄財や下半身スキャンダルの方が裏がとりにくい分、長持ちするだろうに。

わかっていても転電したくなる

一つには、この文書がフェイクでありながら、文書の中身がじつのところまんざらフェイクばかりともいえないものを含んでおり、外国メディアがフェイクとわかっていても転電したくなるようなものであるという点だろう。

実際のところ、中国共産党内に北朝鮮擁護派が依然存在しており、金正恩の体制維持は絶対である、という主張はまだ根強い。そういう親北勢力を抑えながら、習近平は少なくとも表向き、対北朝鮮制裁を強化する姿勢を示した。しかしながら、トランプ政権は中国の対北朝鮮制裁の本気度を疑っており、中国の石油タンカーが海上で北朝鮮に原油を提供していることが、米監視衛星の写真などで判明したこともあって、米中の北朝鮮問題をめぐる共闘関係も揺れている。そういうなかで、なんとか南北対話が行われることになったのだが、果たしてこれに素直に期待を寄せてよいのかどうか、不安が募る。

一方、中国の民主化を願う華人活動家や、米国の反中保守派は、北朝鮮問題における米中融和・協力体制が進むこと自体に強い懸念を感じている。というのも、解放軍が実際に北朝鮮の核兵器排除のために米国の要請にしたがって軍事行動を行えば、半島における中国の軍事プレゼンスが強化され、韓国のTHAADミサイルの撤退、ともすれば在韓米軍の撤退などにもつながりかねず、極東アジアの米中パワーバランスは中国が圧倒的に有利になるやもしれない。これは習近平政権の独裁確立シナリオを補強することになり、共産党政権の崩壊を願う華人民主化活動家からすれば、避けたい未来なのだ。

華人民主化活動家たちは、むしろ米中対立が激化し、トランプ政権が中国共産党体制を弱体化させてくれればいい、と思っている。だから、中国の人権問題では真逆の立場にあるスティーブ・バノンを持ち上げたりするのである。バノンは「米国にとって真の敵は中国」といってはばからないトランプ側近の中の反中派の筆頭で、すでにトランプ政権からは追い出されているのだが、華人民主化活動家たちは依然トランプ政権になんらかの影響力を持つと思って働きかけている。トランプ政権が妙に対中融和的な動きをしていることに懸念している在米華人活動家たちは、バノンを通じてトランプ政権をもう一度選挙前に見せたような対中強硬路線にひき戻したい、と考えている。

このバノンと郭文貴は10回以上面会し、郭文貴は独自のメディア・プラットフォームを創るために、ブライトバードニュース会長のバノンにアドバイスを求めていることをAFPのインタビューで明らかにしている。郭文貴はこのインタビューで、自分の活動の目的が中国の体制転換、つまり民主化であるとしている。どこまで本気かは知らないが、少なくとも郭文貴は、自分の生き残り策を、米国で華人民主化活動家たちに協力することで切り開こうとしている。

とりあえず現状に楔を

郭文貴は、華人民主化活動家、バノンら米国政治の反中保守派勢力と共闘関係を構築しようとする中で、こうした米中間の疑心暗鬼を引き起こすようなフェイクニュースを投下した、ということになる。その狙いを想像するに、民主化活動家たちの期待に応えて米中間に不信を引き起こすこと。絶密文書という、めったに手に入らない情報を入手できる自分の価値をバノンや保守派政治家たちにアピールし、その庇護を求めること。さらに言えば、王岐山や党中央指導部の個人スキャンダルレベルでは、米国を含む外国メディアは反応しなくなってきた。もっと、外国メディアが食いつきやすいネタ、それが北朝鮮問題であったということだ。

北朝鮮に対する姿勢は、おそらくまだ党内で完全には一本化されていない。習近平がトランプと対北朝鮮政策でなんらかの合意をもっている一方で、金正恩とも密約があっても不思議ではない、と誰もが思っている。また、北朝鮮核問題の落としどころが、北朝鮮の核保有容認とならざるを得ないということは、中国の専門家の意見にもある。文書自体はフェイクだろうが、中身はこれまで内部での専門家たちの議論が反映されているので、ある種の説得力があるのだ。

だから私はフリービーコンやそれを転電した保守系メディアは、文書の真贋の裏を取らずに、とりあえず米中融和の現状に楔を入れたいという意図もあって、わざと郭文貴のフェイクニュースに乗ったのではないか、とも疑っている。

昨年から「フェイクニュース」という言葉が一つの流行語となっているが、フェイクニュースというのはなかなか面白い。ニュースの受け手自身も、それが事実であるかどうかより、その言説が流布することでどういう影響を政権や国際情勢に与えるかということを優先して信じたり騙されたりする。安倍政権を打倒するという目的で流れるフェイクニュース、トランプ政権を揺るがすフェイクニュース、そして習近平政権を揺るがすフェイクニュースがほとんど同時に世界に流れるのも偶然の一致だろうか。

個人的にいえば、このフェイク北朝鮮文書ニュースに関しては、私もちょっと騙されたふりをしたい気分だ。実際、南北対話なんて、そちらのほうがよほどフェイクな気がする。

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『中国「一帯一路」が英国の国家事業に触手を伸ばす思惑』(1/12ダイヤモンドオンライン 姫田小夏)、『英国のEU離脱を歓迎し、待ち構える中国 ブレグジットでますます深まる英中経済関係』(1/9JBプレス 姫田小夏)について

1/8アポロネット<中共國恐怖計劃 兩年後全體國民成瓮中之鱉 ——逾700萬人登上黑名單=中共国務院は恐怖計画を持つ 2年後には国民全体が甕の中のスッポン同様逃げられず 700万人超がブラックリストに掲載>国が国民を評価するシステムを作り、公共道徳、政府への不満の言論をした人はブラックリストに載せられ、既に700万人を超えたと。二等国民として、航空券や乗車券も買えないし、銀行ローンや住宅も買えない。新聞記者は腐敗追及の記事を載せただけでブラックリスト入りした。2017年、何の通知もなく、逮捕もないのにこの扱いを受けた。2013年に捏造拡散罪で逮捕・起訴、2015年に裁判では名誉棄損で訴えられ、判決はHPに謝罪文の掲載を要求された。この信用システムは、当局が政治的に異なる意見に対し圧力をかける手段として使っているのに、驚くことに、大陸の人は批判を多くしない。

共産党は毛沢東がやった黒5類と同じことをやろうとしています。共産党に敵対する者は二等国民に仕立て上げ、社会生活をできないようにします。まだ文革のように虐殺が起きていないだけマシとは言えるでしょうが、党や政府を批判できない社会程恐ろしいことはありません。これが三権分立のない、選挙で自分達の統治者を選ぶこともできない共産主義の実態です。

http://hk.aboluowang.com/2018/0108/1051666.html

1/8希望の声<“一代奸相”周恩來42周年忌 評:秦檜、西特勒自嘆不如=一代の国民への裏切り宰相 周恩来の42周忌 評価:秦檜もヒットラーも彼には及ばない>毛沢東が文革後、聖壇から降り、周は共産党の道徳聖人の役割を果たした。しかし、周がいなければ、毛は文革を発動できなかったし、他の残虐な事件も周が手を貸していたのでできた。日本人の中で、周は不倒翁として褒め称える向きもありますが、単なる保身の塊です。毛を抑えようとすれば出来たかもしれないのに、それをせず何千万と餓死させました。彭徳懐将軍の方が良心的でしょう。

http://www.soundofhope.org/b5/2018/01/08/n1429749.html

1/10ダイヤモンドオンライン・ロイター<中国の不良債権市場、世界的な専門ファンドが食指>悪辣な中国は、ハゲタカの為すが儘にはさせないでしょう。買わせておいて急に法律を変え、売らせることをできなくし、再建したらハゲタカの買値で、買い戻しするのでは。こんな国を信用する方が間違っています。

http://diamond.jp/articles/-/155410

1/10希望の声<传一批中共特工渗入朝鲜 金正恩生日加强警戒>朝鮮の新義州に中国のスパイが入り込んでいるので、(斬首作戦を恐れてか?)朝鮮の緊張は高まっているとの話です。

http://www.soundofhope.org/gb/2018/01/10/n1439115.html

1/12日経朝刊「EU離脱、後戻りできない英国 ジャンクロード・ピリス氏 元EU理事会法制局長 

英国の欧州連合(EU)離脱交渉の第1段階が簡単でなかったのは、英政府と英保守党が結束できず、国民に「交渉はとても難しい」と説明できずにいたからだ。国民が何を望んでいるかを知るには、EU離脱から15年は必要だろう。その間、経済的には苦しむ。

Jean-Claude Piris フランス国立行政学院(ENA)卒。仏国連代表部などを経て、2010年までEUに勤務。数多くのEU条約の起草に携わった。74歳。

EU加盟国とノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタインの31カ国が加盟し、人やモノ、カネ、サービスを域内で自由に行き来させられる欧州経済地域(EEA)がある。英国では今でも多かれ少なかれ、EEAのような合意をEUと結べるという幻想がある。

しかし、英国は合意を結べない。EUから離脱した後はEUの政策決定に参加できないのに、英国のような大国がEUの法律のコピーを受け入れるわけがない。法的に可能だとしても、EEA入りには残る30カ国の議会承認が要る。

英EUの将来の協定は、EUがカナダや韓国と結び、日本と交渉が妥結した自由貿易協定(FTA)なら可能だ。協定はFTAに「プラスアルファ」を加えるのがいい。安全保障やテロ対策、原子力、医薬品、航空といった分野での協力になるだろう。

英国は現状のままだと離脱後、EUの金融サービス市場には自由にアクセスできなくなる。EUとカナダのFTAの金融の取り決めは、世界貿易機関(WTO)の協定を写した薄い内容だ。英国はEUと金融規制などで同等の条件を得ようと努めるだろうが、同等かどうかはEUの執行機関である欧州委員会が決める。

ロンドンの金融街シティーは魅力的な場所で、多くの人材を抱える。(EU離脱後に)1万~10万の雇用が失われても、シティーの終わりでない。EUと自由にアクセスできなくなるのは、英国への懲罰でも差別でもない。EU加盟国でないウクライナのような欧州の国に示した条件と同じだ。

もし(単一市場内での)人の移動の自由を望んでいない国があれば、移動できなくなる。スイスにも金融サービスの自由なアクセスは与えていない。単一市場はEUの魂そのものだ。金融サービスだけいいとこ取りするのは、政治的にも法的にも問題外だろう。

離脱後の少なくとも2年近くの移行期間中、英国は今のまますべてを手に入れられる。ただEUがそれを超えた期間を設定する用意があるとは思えない。せいぜい1年を加えた3年近くだろう。アイルランドは5年というが、無理だ。離脱から5年後(2024年)には市民を代表する欧州議会の選挙がある。

英国のEU離脱自体の撤回は可能だろうか。実は法的には、交渉の最初の時点では可能だと思った。英国が単一市場に残りつつ、ユーロ圏に対しても、国境管理を廃止したシェンゲン協定にも入らない今の立場を保てると思った。しかし、政治的にもう後戻りできるとは思えない。EU離脱を撤回する可能性はせいぜい2~3%で、それ以上ではないだろう。

仮に英国とほかのEU加盟27カ国がEU離脱撤回で合意しても、合意案は英下院だけでなく欧州議会でも審議される。私は英国が要請すれば離脱を撤回できると思っているが、加盟国で構成するEU理事会の法制局によると、撤回には英国の要請に加え27カ国の合意が必要という。

欧州議会は撤回の阻止さえできる。予定通りであれば、英国がEUから離脱した直後の19年5月か6月、次の欧州議会選が控える。(英国のEU残留を前提に)欧州議会の選挙運動が英国で展開されるとは想像できない。現実的・政治的にEU離脱撤回の可能性はほぼなくなった。英議会が離脱に反対し、政権が退陣し、総選挙や再び国民投票があったとしても時間切れを迎えつつある。

EUが英国を失うのはとても不幸で、悲しいことだ。EU理事会の法制局時代も英国人とともに働いてきた。だが、EUにとって単一市場は必要不可欠で、きわめて重要なのだ。単一市場のルールはEU司法裁判所で解釈される。その司法管轄権は厳密に守らなければならない。

(談)

準備進む欧州議会

ピリス氏はEU法の権威だ。英国のEU離脱撤回は可能と訴えてきたが、主張を百八十度変えたところにEU本部のあるブリュッセルの雰囲気の変化がみてとれる。

日本ではなじみの薄いEUの議決機関である欧州議会だが、19年の次回選挙を控え、実は英EU離脱を前提にした改革案をめぐる水面下の議論が大詰めを迎えている。欧州議会選挙法の改正にあわせ各加盟国の選挙法も変えなければならず、「逆算すると18年の早い段階で改革案をまとめねばならない」と欧州議会幹部は明かす。

欧州議会選の準備が着実に進む中、英国はもう後戻りできなくなったというのがピリス氏の判断だ。度重なる条約改正で権限を強める欧州議会は交渉自体にもにらみを利かし始めている。(編集委員 瀬能繁)」(以上)

ピリス氏の言うのは、英国のEU脱退撤回は加盟国の承認が要るのでできないとの見通しですが、元々英国にその気もないでは。あれば早くから手を打っていたでしょう。“Commonwealth of Nations ”と中国を活用しようとしているのかも。ただ姫田氏の意見にもありますように、中国の狙いは“Commonwealth of Nations ”に「一帯一路」を繋げようとしている訳ですから、取らぬ狸になる可能性があります。オズボーンは中国人の正体を知らずウブだったか、ハニーにでもかかったかです。何せ中国の屈辱の原典は阿片戦争にあります。ただ当時の中国は満洲人に統治されていましたが。扶清滅洋から滅満興漢に簡単に切り替わるのですから、漢民族は如何に忠義のない民族という事です。阿片戦争については、英国を相当恨んでいる筈です。英国王室の執事としてのロスチャイルド(真田幸光氏談)に中国とくっつくことをどう思っているのか聞きたいものです。河添恵子氏は習近平はリークワンユー亡き後のロスチャイルドの東南アジアの代理人だと言っていました。

ダイヤモンドオンライン記事

急接近する中国と英国

中国と英国が急接近している。両国が距離を縮め始めたのは、1997年の香港返還が契機だが、これまで中国にとっては、長期にわたって「喉の奥に小骨のささった状態」が続いていた。

ロンドンのチャイナタウンは、すごい賑わいを見せていた Photo by Konatsu Himeda

そもそも、中国と英国の関係には長い歴史がある。南京条約(アヘン戦争の講和条約・1842年)で英国は清朝に開港を迫り、香港を割譲させた。その後英国は、日清戦争(1894~95年)のドサクサにまぎれて香港の領域を拡大させ、1898年から99年間にわたる租借権を設定したのだ。

近年は、2012年にキャメロン首相が、ダライ・ラマ14世と会見したことが関係をギクシャクさせたが、2015年10月の習近平国家主席による訪英で、二国間関係はこれまでにない発展的局面を見せた。

このとき、両国はその外交関係において「21世紀グローバルな全面的戦略パートナー関係」を結び、英中両首脳(当時の英国はキャメロン政権)はこの二国間関係を「黄金時代を迎えた」と自賛した。

従来、中国にとって英国は「全面的戦略パートナー関係」という立ち位置だったが、これが格上げされた形だ。「21世紀」「グローバル」「全面」「戦略」「パートナーシップ」という五つのキーワードの並列について、中国の研究者は「二ヵ国の関係が最高級の段階に引き上げられたことを示唆するもの」と指摘する。

ちなみに同じ欧州でも、中国とフランスの関係は、中英関係に比べて温度差がある。1月9日に北京で行われた中仏首脳会談では、1997年に結ばれた「全面的戦略パートナーシップを推進」することで一致を見たものの、英国とのパートナーシップからすればその成果は精彩を欠く。

「一帯一路」が英国の国家事業とドッキング

訪英時の演説で習主席は、「一帯一路は開放されたもので、英国など欧州国家の参加を歓迎する」と強調し、英国に向けてアピールした。英国によるお墨付きをもらえれば、「一帯一路」も”鬼に金棒”との思惑が見て取れる。

振り返れば2015年、米国やEUとの歩調も顧みず、英国が率先してアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加盟したことは、中国が進めようとする「一帯一路」に自信を与えるものにもなった。中国はこれを「英国は『一帯一路』に対し金融面からサポートするもの」と解釈したのだ。

習主席の滞在中、両国は、総事業費160億ポンドの原子力発電所建設プロジェクトを始め、英国政府によるイングランド北部の経済振興策(ノーザンパワーハウス)のプロジェクトを含む、総額400億ポンドにのぼる150のプロジェクトに署名した。 「150のプロジェクトに署名」というのは、そもそも英国が進める国内プロジェクトに中国が便乗した構図だが、英国の一部のプロジェクトは、「一帯一路」とドッキングした形になった。

「既存のプロジェクトに相乗りする」という手法で、「一帯一路」に関わりのある国を増やそうというケースは、他国の例でも散見される。

イングランド北部の経済振興策は、「EU離脱決定を受けて、政府が今後ロンドンのみならず、英国全土への投資誘致を強化する上で重要性を増す」(自治体国際化協会ロンドン事務所)と言われており、ロンドンに次ぐ第二の経済の中心を形成すべく、産業振興と交通インフラ整備が計画されている。これが、インフラ建設を得意とする中国の”垂涎の的”であることは想像に難くない。

原発建設への中国資本の参入については、一時、英国メディアの強い危機感とともに、メイ首相が再検討に入る場面もあったものの、最終的には調印にこぎつけた。

英国が中国資本に対して行った市場開放は、「メード・バイ・チャイナ」(特に原発建設)にお墨付きを与え、世界市場を切り開く追い風になったという意味で、今後の「一帯一路」にとって中国に有利な展開になったことは間違いない。

余談だが、ドッキングを提案したのは、キャメロン政権時の財務大臣ジョージ・オズボーン氏だったという。オズボーン氏は親中派で知られており、英国では「拝金主義者」かつ「中国共産党寄り」という悪評すら存在するようだ。「英国がAIIBに先進国で一番乗りしたのは、彼が首謀したからだ」とも伝えられている。

大英帝国の”遺産”にうまみか

「一帯一路」の布陣を広げるなかで、中国が英国を重要国家に位置づけるのは、いくつかの理由がある。

その一つが、英国を抱き込めば、間接的に英連邦圏への影響を強めることができ、「一帯一路」の舞台を格段に広げられるという胸算用だ。英国をパートナーにすれば、欧州市場はもとより北米、中東、アフリカへのアクセスに弾みがつく。

大英帝国時代、英国もまた植民地でインフラ建設に乗り出し、鉄道や道路の建設が行われた。商品の供給先や資本の投資先、あるいは資源の調達先である植民地で、当時英国が行ったインフラ整備は、まさに中国の「一帯一路」と相似を成す。

サマセット・モームの小説には、南洋の島に英国から派遣された行政官が、実に狡猾に地元の労働者を使いこなす様子が描かれているが、世界経済の頂点に立とうとする中国は、経験豊富な英国を巧みに利用しようとしているのではないだろうか。

英国も「中国しか目に入らない」

日増しに高まる中国の影響に「いまや英国は中国しか目に入らない」と語るのは、ロンドン在住の日本人実業家だ。その変化は日常にも色濃く表れる。

「ロンドンのギャラリーで貸し出すイヤホンガイドは、日本語から中国語に取って代わりました。飛行機のビジネスクラスで配られるのは中国紙、中国人スタッフが常駐するブランドショップでは、中国人客を歓迎こそすれ日本人客には見向きもしません。テレビのコンテンツに至っては、中英同時放映が実現しますが、日本に番組が上陸するのは1年遅れです」

皮肉なことに、筆者がロンドンで最もにぎわいを感じたのがチャイナタウンだった。「安くておいしい」という評判もあるのだろう、小雨の降る夜、実に多くの観光客でごった返し、どの飲食店にも長蛇の列ができていた。

英国において、日本企業はまだ優勢だが、今後は中国企業の対英投資に勢いが出てくる可能性が強い。それは、中国が「世界2位の投資大国」となったからでもある。中国商務部によれば2015年、中国の対外直接投資総額は1456億ドルとなり、日本の対外直接投資の1364億ドルを抜いた。中国の旭日昇天の勢いは否めない。

世界の観光客が集まるロンドンの中華街が暗示するのは、「品質もそこそこで価格も安い」とされる”メード・バイ・チャイナ”の影響力だ。「老獪な英国は、日本と中国を競争させようとしている」(在英の日本人駐在員)といわれるだけに、その動向から目が離せない。

(ジャーナリスト 姫田小夏)

JBプレス記事

英ロンドンのバッキンガム宮殿で開かれた公式晩さん会で、エリザベス女王(右)と乾杯する中国の習近平国家主席(2015年10月20日撮影、資料写真)。(c)AFP/DOMINIC LIPINSKI〔AFPBB News

1月2日、米調査会社のユーラシア・グループが「2018年の10大リスク」を公表した。その筆頭は「中国の影響力」だが、8位に「英国」がランキングしている点にも注目したい。なぜ英国がリスクかというと、ブレグジット(Brexit、英国のEU離脱)の期限が2019年3月末に迫るなか、英国が首尾よくこの離脱手続きを進められるかが問われているためだ。

ロンドンに拠点を置く日本の政府機関も、「英国とEUとの間で交渉の進め方に隔たりがある」と懸念する。英国は離脱に関わる清算金の交渉にケリをつけ、離脱後の貿易条件を協議したいところだが、「EUから自由になりながらもEUとの関係を維持したい英国の思惑に、EUは反発している」(同)という。

EU離脱は英国経済や社会に短期的な弊害をもたらす。一方、EU残留は長期的な苦痛をもたらす――そんな判断のもとブレグジットを選択した英国に対し、国際社会は「2018年のリスクは英国そのものだ」と悲観的な視線を向けている。

ブレグジットは「リスクよりチャンス」

しかし、“ブレグジットは好機だ”とばかりに英国に急接近を図っている国もある。中国だ。

2016年6月、離脱をめぐる英国の国民投票が僅差で「離脱」という結果になったとき、中国は歓迎しなかった。中国による英国企業の買収が進む中、「中国が投資した資産価値はどうなるか」が懸念されたのだ。

だが時間の経過とともに、「英国のEU離脱は、中国にとってリスクよりチャンスが大きい」と楽観視する空気が形成されていき、英国に同調する記事も徐々に増えてきた。

例えば、中国商務部のシンクタンクに所属する研究員は、中国紙への寄稿で次のように指摘している。

「EUの管理システムは官僚主義だ。そのルールは世界で最も細かくて煩わしく、事務効率は主要先進国に比べて低い。これらは英国の経済的活力をそいできた」

EUとの交渉を担当した日本の通産省OBも、「EUは各国の寄り合いなので意思決定に時間がかかるのは事実。そもそも『欧州の統合』という高邁な理念のもとに結成された組織なので、理念先行のきらいがある」と明かす。

英国はこうした大陸諸国とは異なり、よりプラグマチックに思考する。「経済的実利」を追求するという点では、むしろ中国とそりが合うといえるだろう。両国がブレグジットをきっかけに接近を図ってもおかしくはない。

英国市場へのアクセスが容易に?

話は10年以上前にさかのぼるが、2005年に繊維製品の輸入数量規制が撤廃されると、EU市場にどっと中国製品がなだれ込んだ。このとき、EUは緊急輸入制限(セーフガード)の発動を発表するが、英国は自由貿易を主張して輸入制限に反対した。中国は今なお、このときの英国の対応を評価している。

そして、英国のEU離脱に対しても、英国との貿易の障壁を低くし、英国市場にアクセスしやすくするものであると確信しているのだ。

2017年1月、浙江省義烏と英国ロンドンを結ぶ国際貨物列車が運行を開始した。鉄道によって中国と英国の市場はますます接近している。義烏から運ばれる貨物は大半が日用雑貨だと言われるが、ロンドン発の復路にはウイスキーが積まれている。

ウイスキーは英国にとって、国内産業をけん引する重要な商品である。しかし人口6500万人(2015年)の島国である英国にとって国内市場は今後の成長が見込めない。そのため輸出拡大への取り組みを避けることはできない。そこにタイミング良く打ち出されたのが中国の「一帯一路」構想だった。英国のウイスキーは今後「一帯一路」に乗って中国へ大量に運ばれるだろう。

中国メディアは「『一帯一路』はブレグジット後の英国に、市場のみならず自信も与えることになるだろう」と論じている。

中国は、英国が債務問題を抱え、生産現場が資金不足に陥っていること、大量のインフラが老朽化していることを知っている。「英国にはパートナーが必要だ。中国の投資で製造業を復活させてやろう」――中国がそう目論んでいることは想像に難くない。

両国は「英中黄金時代」を宣言

中国の掲げる「一帯一路」と英国の「ノーザンパワーハウス(Northern Powerhouse)」(イングランド北部の経済振興策)、中国の「メイド・イン・チャイナ2025」(製造業の強化を図る政策)と英国の工業政策「The future of manufacturing」など、両国の経済政策には類似性があり、さまざまなプロジェクトの相互乗り入れが検討されている。

また、中国は「ロンドンが、中国の人民元の国際化を推進する橋頭保になる」と期待している。ブレグジットが決まった際、「ロンドンは国際金融センターとしての地位が低下し、パリやフランクフルトに取って代わられるだろう」との見方があった。しかし今では、「結局、ロンドンの地位が他所に取って代わられることはなく、影響は限定的だった」(中国の電子メディア)と捉えられている。

「一帯一路」構想で世界への影響力を強めようとしている中国にとって、ブレグジットは渡りに船だ。すでに両国は「英中黄金時代」を宣言しており、ブレグジット後の英国の運命は“中国とのタッグ”に強く支配される気配さえする。

果たして数年後、世界の10大リスクから英国の名前は消えているだろうか。

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