ブログ
ブログ一覧
『トランプとの合意を1日で破り、変造した文在寅 中国の顔色を見る韓国、またも米国との約束を反故に』、『第2次朝鮮戦争か、金正恩体制崩壊か 米中首脳「核実験凍結では対話せず」で合意』(11/14・16日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について
11/18ダイヤモンドオンライン ロイター<トランプ大統領のアジア歴訪で喜んだ国、戸惑った国>。読後感として上っ面しか見てない感じです。まあ、ハナからトランプに良い印象を持っていない人が書いているのでしょう。批判が許される自由主義社会のリーダーは簡単に批判できますが、批判が許されない極悪非道の専制共産主義国家のリーダーを世界に開かれた自由貿易のリーダーとして持て囃すのですから、倒錯としか言いようがないです。(ロイター記事とはこの部分は関係ありませんが)
http://diamond.jp/articles/-/150006?page=4
韓国は約束破りの名人です。南京も慰安婦も中国と彼らのでっち上げと言うのが少しずつ国民に浸透してきました。中国・朝鮮半島は国連人権理事会と言う左翼組織を使い、慰安婦問題で日本に勧告してきましたが、文在寅はそれが韓・日米分断になるのが分かっていて靡いているように見えます。日本は相手にしないのでは駄目で、反撃のチャンスと思わねば歴史戦(戦争は既に始まっている)には勝てません。
11/18藤岡信勝氏のfacebook投稿より
<日韓合意は2015年12月28日に公表された。この時ほど落胆したことはなかった。滅多に落ち込まない私も、体に変調を来し、治るのに4、5日を要した。安倍内閣は日本の名誉を守れない政権であることがハッキリした。中西輝政氏は、日韓合意が河野談話の固定化・永続化だったと意味づけている。(『ニッポンはなぜ歴史戦に負け続けるのか』)まったく同感である。しかし、当時、事の本質を見抜いていた人は多くはなかった。保守言論人の多くは、何と日韓合意は安倍政権の外交的成果だと褒め称えたのである。
山岡鉄秀氏は、この時、事態を見通していた人の一人だった。氏はオーストラリアの慰安婦像を阻止した団体のリーダーだった。そのグループが日韓合意についての世界中のメディアの論調を素早く集めて官邸や各政党に送った。これが転機となった。翌年の1月18日、中山恭子先生が参議院予算委員会で質問し、安倍総理は慰安婦問題の3点セット(強制連行、性奴隷、20万人)を全て否定する答弁をした。先日、中山恭子先生が主催する政治塾で「歴史戦の構図と争点」という講義をさせていただいたが、殆どの受講生は中山質問の意味を知らなかったように見受けられた。
さて、日韓合意はオバマ政権が4年前から日本に譲歩させるべく策動を続けてきた結果でもあった。今やトランプ大統領のもとで、政権の性格は根本的に変わった。トランプはアメリカでゴルフをしながら、「シンゾー、『iannfu』って、何だ?」と聞いてきた。安倍総理が説明すると大笑いしたそうだ。
しかし、残念ながら、昨今の韓国政府のふるまいに対する政府の反応は、普通の国民の意識よりもさらに遅れている。もはや、この問題でアメリカ政府から圧力がかけられる状況にはない。政府はすでに明らかになった事実に基づいて、断固として反撃するべきだ。逃げ腰になってはならない。あれだけの得票と議席を取って国民からの圧倒的支持を得たにもかかわらず、安倍政権の政策は全体としてモタモタしていて、切れ味が感じられない。しっかりしていただきたい。
と、思っていたら、山岡氏がフェイスブックに投稿されていたので、シェアーさせていただくことにした。
◆山岡 鉄秀氏の投稿(16時間前) ・ 日韓合意の直後、私は「韓国は金を受け取り次第、反日活動を民間にやらせて裏から支援する戦術に出る」と明言していた。新しい手法でもなんでもない。わかりきったことだ。そのわかりきったことがなぜ予想できないのか、それこそまったく理解できない。「強制連行した根拠はない」とだけ言っても駄目である。そもそも、慰安婦制度とは何だったのか?何のために設置したのか?問題点はなんだったのか?強制連行していないなら、なぜ日本政府は謝り続けて来たのか?などを明確に説明できなくてはならない。つまり、自らの立場を立論する、ということだ。それをせずに、相手の顔色ばかりを伺って、「遺憾だ、残念だ」を繰り返しても何の説得力もない。日韓合意で慰安婦問題が収束するどころか、世界中にまき散らされたのは当たり前だ。日本政府がすべての罪を公式に認めたのだから。友人のイギリス人弁護士が吐き捨てるように言った。「日本政府が謝罪して金を払った時点で慰安婦問題は終わった」日本政府はいい加減に腹を決めて、一次資料に基づく立論をし、慰安婦制度とは何だったのか、慰安婦は実在したが、慰安婦問題は存在しなかったことを自分の言葉で語らなくてはならない。それができないのなら、自ら永遠の敗者に甘んじて生きるしかない。さらに言えば、国連とはこんなに腐りきった機関でもある。青山の国連大学はオリンピックに向けてさっさとマンションに転換した方がよい。ちなみに、昨年12月の人種差別撤廃委員会での日本政府回答では土下座外交に戻っていたが、今回は少し杉山発言ラインに戻した。韓国が「日韓合意は被害者や民間団体は受容できないと訴えている」などと寝言を言ってきたら、その場で”That’s your problem, not ours. You received the money. Just manage your people” と答えて終わりだ。こんなものは新手法でもなんでもない。しっかりしてほしい。>(以上)
インド・太平洋戦略に、日米ともに韓国を入れるつもりはないでしょう。いつ寝首を掻かれるか分からず、情報を中国に流す国なぞ信用できません。トランプは韓国の演説ではリップサービスで言っただけと思います。
韓国は新たにカナダと通貨スワップ協定を結びましたが、亡国の走りとなるでしょう。あんな約束を守らない国とスワップ協定を結べば、自分が損するのが全く分かっていません。まあ、日本に言い寄ってくる機会が減ったので良しとしましょう。
昨日の本ブログで11/16中国観察の記事を取り上げ、習は「双中断」案を放棄したというのが鈴置氏の記事でも確認されました。核・ミサイル凍結での話し合いはしないという事です。米中合作で金正恩体制を崩壊させるつもりでしょう。金正恩のロシア亡命がベストですが、金正恩が拒否すれば米朝戦争(日韓中も入ります)で、少なくとも中国は中立を保つでしょうし、ロシアも。
金正恩後がどうなるかです。米中露で金漢率を押し立てて管理させるのだとしても、日本が金だけ出させられるのは避けたい。同じ民族として、韓国が面倒を見るべきです。
14日記事

米韓首脳会談で合意したはずの共同発表文は、わずか1日で“変造”された(写真:AP/アフロ)
(前回から読む)
韓国がまたもや米国との合意を反故にした。もちろん、中国の顔色を見てのことだ。
立て続けの合意破棄
鈴置:韓国が堂々と約束を破りました。トランプ(Donald Trump)大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の間で交わした共同発表文を、1日後に否定したのです。
—韓国は少し前にも米国との約束を破っていました。
鈴置:その通りです。米韓国防相会談での合意(10月28日)を3日後に踏みにじりました。中国の圧力に屈し、THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の追加配備などを拒否する「3NO」を宣言したのです(「中国に『降伏文書』を差し出した韓国」参照)。
今回のは大統領同士の合意を破るものでした。トランプ大統領は11月7、8日の両日、訪韓し首脳会談に臨みました。その結果を踏まえ8日夜(日本時間)、両国政府は共同発表文を配布しました。
ホワイトハウスのサイトに「President Donald J. Trump’s Visit to Republic of Korea」として載っています。韓国政府が作成した韓国語版は、朝鮮日報の「全文 韓米共同言論発表文『トランプ訪韓結果』」で読めます。
「法治」で中国を牽制
青瓦台(韓国大統領府)が否定したのは発表文(英語版)の中の「自由で開かれたインド・太平洋地域に貢献する米韓同盟の推進をトランプ大統領は強調した」というくだりです。
韓国語版だと「トランプ大統領は、相互の信頼と自由・民主主義・人権・法治などの共同の価値に基づいた韓米同盟が、インド太平洋地域の安全保障、安定と繁栄のための重要な軸であることを強調した」との部分です。
この文言には「米韓同盟により、不法な海洋進出を続ける中国を牽制する」との含意があります。青瓦台はそれが「中国包囲網への参加」と見なされると危惧したのでしょう。
なお、「中国への牽制」は6月末の米韓首脳会談で合意済みの案件です。当時の共同声明にも「中国」とは名指ししないものの「米韓同盟により、法治に裏付けられたアジア太平洋の秩序を維持する」との文言が入っています。以下です。
President Trump and President Moon affirmed that the United States and the ROK will work together to support and uphold the rules-based order in the Asia-Pacific region.
The two leaders affirmed that the strength of the United States-ROK Alliance serves as testament to the power of freedom, democracy, human rights, and the rule of law,
日本発の構想には賛成しない
—トランプ大統領との合意を今回、韓国はどういう形で破棄したのですか?
鈴置:共同発表文を配布した翌日の11月9日午前、金顕哲(キム・ヒョンチョル)大統領経済補佐官が会見で「日本は『インド・太平洋ライン』との名で、日本・オーストラリア・インド・米国をつなげる外交的ラインを構築しようとしているが、我々がそれに編入される必要はない」と述べたのです。
韓国の通信社、NEWS1の「青瓦台、『インド・太平洋ライン』は日本が推進……韓国の参加は好ましくない」(11月9日、韓国語)などが一斉に報じました。
「インド・太平洋ライン」とは、最近、日米が唱え始めた米・日・豪・印の「4カ国戦略対話」を指します。事実上の「中国包囲網」です(「米国はいつ『韓国放棄カード』を切るのか」参照)。
金顕哲・経済補佐官の発言は偶発的なものではありませんでした。この発言に対し韓国メディアが「米国との合意違反だ」と騒ぎ出すと同日午後、青瓦台の別の匿名の高官が記者団に対し「インド・太平洋の安全保障体制に韓国は編入されない」と再度、強調しました。
朝鮮日報の「青瓦台、トランプは『インド・太平洋』参加を提案、文は『受け入れられない』」(韓国語版)から、匿名の高官の発言を拾います。
インド・太平洋の安全保障体制はトランプ大統領が強調したのであって、我々が同意したのではない。
文大統領にとっては事実上、初めて聞く概念であった。提案自体が突然のもので、きちんと検討してみたこともなかった。今の段階で受け入れるとか、共感するという事案ではない。
インド・太平洋安保は日本が推進してきた問題であり、我々としては現在の様々の国際情緒と環境を考慮した際、参加するのは望ましくないと考え、トランプ大統領の言葉を傾聴したに過ぎない。
後で言い出してもダメ
中央日報の「青瓦台、日本が構築した『インド・太平洋ライン』……韓国に編入する必要ない」(11月10日、日本語版)は、この答を厳しく批判しました。要約します。
共同発表文や共同声明に含まれる内容は相互の合意を前提とする。共同文案に含まれた以上、一方の黙認や暗黙的支持があったと見るのが外交慣例だ。
外交官出身の要人は「韓国が同意しなかったとすれば共同発表文に入れるべきでなかった。異見があったとすれば『文大統領の考えはこのように異なる』との文章も併記するべきだった」と説明した。
匿名を求めた米国専門家は「今になって、青瓦台が同意していないと言うのは筋が通らない」と話した。
要は、共同発表文を配布した後に「その内容に反対だ」と言い出しても外交的にはアウトだよ、ということです。
「文大統領はインド・太平洋安保構想を知らなかった」との主張に関しても、中央日報のこの記事は以下のように批判しました。
文大統領がインド・太平洋概念を初めて聞いたとの説明も適切でない。トランプ大統領が5日、日本に到着してアジア歴訪の日程を始めた後、数回にわたって「自由で開かれたインド・太平洋」を強調している。青瓦台も7月、韓豪首脳会談後「両国はインド・太平洋時代の核心協力パートナー」という表現を使った。
そもそも金顕哲・経済補佐官や匿名の高官の「日本が言い出した構想だからよくない」との説明も無理筋です。この構想は米国も積極的に唱えているのです。韓国では「日本」に絡めば何でも悪いことにできるので「日本発」と決めつけたのでしょうけれど。
共同発表文も変造
—「匿名の高官」が何と言おうと、青瓦台は共同発表文を配布してしまったのではないですか?
鈴置:その「失策」を挽回すべく、青瓦台は荒技に出ました。一度は配布し、メディアが大々的に報じた「韓米共同発表文」はなかったことにしてしまったのです。
その代わりに青瓦台のサイトに「トランプ米大統領の訪韓成果ブリーフィング」(韓国語版)を載せました。が、そこからは「インド・太平洋」部分はスッパリと落ちています。
青瓦台の英語版サイトでも同様です。政府高官が口頭で米国との共同発表文を否定したうえ、文書まで変造したのです。
朝鮮日報の「青瓦台、トランプは『インド・太平洋』参加を提案、文は『受け入れられない』」によると、匿名の高官も変造を恥じるどころか「文大統領が事実上、初めて聞く概念なので、共同発表文から抜くことにした」と手柄顔で語っています。
韓国政府の外交記録保管所には「変造品」が保存され、本物の文書はメディアのサイトにだけ残ることになると思われます。隣国のことですから、余計な心配ですが。
国家が約束したことをすぐさま破る。こんなことを繰り返していると、韓国とまともに付き合う国はなくなります。何度も騙された日本は、すでにそうしていますが。
| 10月28日 | 米韓国防相が共同声明発表 |
| 10月30日 | 午前に韓国の康京和外相がTHAAD追加配備拒否を含む「3NO」を宣言 |
| 10月30日 | 午後、中国外交部報道官が「3NOを守れ」と言及 |
| 10月31日 | 中韓両国、合意文を発表。米韓国防相の共同声明の一部を否認 |
| 11月7日 | トランプ大統領と文在寅大統領が会談 |
| 11月8日 | 米韓両国、首脳会談を受けて共同発表文を配布 |
| 11月9日 | 青瓦台高官が相次ぎ米韓共同発表文の「インド・太平洋安保構想」部分を否認 |
| 11月10日 | 韓国国防部「韓国の反対で韓米日の合同軍事演習は実現せず」と非公式に説明 |
| 11月11日 | 中韓首脳会談で習近平主席「韓国はTHAAD配備で責任ある態度を」、文在寅大統領「中国のTHAADへの関心を重視しており、中国の戦略と安全保障上の利益を損なうつもりはない」(人民網による) |
| ●「韓国の合意破棄」の動き(2017年) | |
「スワップはなかったことにするぞ」
—なぜ、韓国は米国との約束を立て続けに破ったのでしょうか。
鈴置:中国が怖いからです。今回の合意破棄はダナンでの中韓首脳会談(11月11日)の直前に起きました。
中国包囲網に賛同したと見なされ、文在寅大統領が習近平主席に叱られると韓国政府は心配したのでしょう。あるいは首脳会談の開催を取り消されると懸念したのかもしれません。
先に引用した中央日報の「青瓦台、日本が構築した『インド・太平洋ライン』……韓国に編入する必要ない」は、それを伺わせる青瓦台高官の談話を伝えています。日本語を整えて引用します。
直後に中国との首脳会談を控えている状況で、中国を軍事的に包囲しようという概念にどうやって同意するというのか。実に苦しい状況だ。
最初に「インド・太平洋安保構想」を否定したのが経済補佐官だったことから「中国に通貨スワップをキャンセルされる」と危惧したとの観測もあります。
中韓スワップは口約束に留まっています(「米国はいつ『韓国放棄カード』を切るのか」参照)。米国の利上げで韓国から資本逃避が起きそうな今、中国から「スワップはなかったことにする」と言い渡される材料を、韓国は作りたくないのです。
中国とのスワップでは人民元しか得られません。しかし韓国は日本との「慰安婦合意」を破った結果、ドルや円など交換が容易な通貨での2国間スワップ協定を結ぶ数少ないチャンスを失いました(「『百害あって一利なし』の日韓スワップ」参照)。人民元スワップとはいえ「ないよりはまし」なのです。
中韓合意を使って強弁
—いくら「中国が怖い」と言っても「米韓」の直後に「中韓」首脳会談があることは分かっていたではありませんか。
鈴置:そこで浮上するのが中国の圧力説です。今年6月末の米韓共同声明には「中国の不法な海洋進出への反対」を示唆する部分もあった。
改めてそれを謳っても中国に怒られないと韓国は考え、11月8日夜発表の米韓共同発表文に入れることに同意した。しかるに、直ちに中国が「取り消せ」と言ってきた――との見方です。
—なぜ、今回は「ダメ」なのでしょうか。
鈴置:10月31日に中韓が取り交わした「合意文」に違反すると中国が言い出した可能性が大です。
合意文のポイントは「中国側はMD(ミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した」という部分です(「中国に『降伏文書』を差し出した韓国」参照)。
- 中韓合意(2017年10月31日)のポイント
韓国側は、中国側のTHAAD問題に関連する立場と懸念を認識し、韓国に配置されたTHAADは、その本来の配置の目的からして第3国を狙うものではなく、中国の戦略的安全保障の利益を損なわないことを明らかにした。
同時に中国側は韓国側が表明した立場に留意し、韓国側が関連した問題を適切に処理することを希望した。双方は両国軍事当局の間のチャネルを通して、中国側が憂慮するTHAAD関連問題に対し、話し合いを進めることで合意した。
中国側はMD(ミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した。
双方は韓中間の交流・協力の強化が双方の共同利益に符合することに共感し、全ての分野での交流・協力を正常的な発展軌道に速やかに回復することに合意した。
※注:韓国外交部のサイト「韓中関係改善に関連した両国の協議の結果」から作成
●韓国が中国に表明した「3NO」
米国とMDは構築しない
THAAD追加配備は容認しない
日米韓3国同盟は結成しない
「3NO」と呼ばれることになった中韓の間の合意です。中国はこれをもって、以下のように主張――強弁できます。
米日韓の3国軍事協力に対する中国の憂慮の正当性を韓国は認めた。その結果、韓国は「日米韓軍事同盟は結成しない」と表明したのだ。
ゆえに、中国が憂慮する「包囲網」に韓国が参加すれば、それは合意違反となる。
韓国が中韓合意に反するのなら、合意文中の「全ての分野での交流・協力の正常な発展軌道への回復」は実現しない――韓国企業に対するいじめは続く――であろう。
突然、キャンセルの日米韓演習
—中国は韓国を「3NO」で縛り上げたというわけですね。
鈴置:その通りです。こうした拡大解釈がまかり通れば今後、韓国は「インド・太平洋安保構想」だけではなく「日米韓の軍事協力」にも参加できなくなります。というか、早くもそうなりました。
11月11日から14日まで、日本海で計画されていた日米韓の合同演習が韓国の反対で中止になりました。米空母3隻を中心とする大掛かりな訓練となるはずでした。結局、日米と米韓は別々に合同演習を実施しました。
先ほども説明しましたが青瓦台のサイトでは、正式の米韓共同発表文から「インド・太平洋」部分がスッパリと落とされました。
実はもう1カ所、韓国語版では完全に抜け落ちたくだりがあります。日米韓の3国軍事協力を約束した、以下の部分です。
両首脳は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応して抑止力と防御力を向上させるために、日本との3国間の安全保障協力を進展させていくという意志を再確認した。
青瓦台は日米韓の3国軍事協力も中国の逆鱗に触れると判断したのでしょう。もっとも、韓国政府が当初、メディアに配布した発表文は、ホワイトハウス発表の「President Donald J. Trump’s Visit to Republic of Korea」以上に具体策に踏み込んでいました。次です。
両首脳は北朝鮮の脅威に対応、3国間のミサイル警報訓練と対潜水艦戦訓練を継続して情報の共有を拡大し、共同対応能力を向上させていくことにした。
「3NO」の毒が回る
—韓国側もけっこう、やる気があったのですね。
鈴置:軍としては当然です。韓国は偵察衛星を持たないので、北朝鮮のミサイル発射を瞬時に把握する能力に乏しい。対潜能力も低い。自衛隊の持つ情報を貰える3国軍事協力は願ってもないことなのです。
—というのに日本との軍事演習を拒否するとは「3NO」の毒が回ってきたということでしょうか。
鈴置:朝鮮日報の社説「アマチュア外交、もう限界だ」(11月11日、韓国語版)もそう書いています。その部分を翻訳します。
3国合同演習が実現しなかった理由は、韓国政府が中国に伝えた「3NO」の中に「韓米日の軍事同盟はない」との内容が含まれているためだった。
しかも今、韓国軍の中には「3NO」を拡大解釈し、3国軍事協力まで縮小しようとする雰囲気もあるという。
康京和外交部長官が「3NO」を表明した際に懸念されたことが、早くも現実となりつつあるのだ。
日本ではあまり大きく報じられませんでしたが「3NO」は韓国の「離米従中」を決定的なものにする可能性があります。
WSJ「文在寅は信頼できない」
—そんな韓国を、米国はどう見ていますか?
鈴置:すっかり見はなしたようです。WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)は「South Korea’s Bow to Beijing」――「韓国、中国に屈服」という見出しの社説を載せました。
「韓国の大統領はソウルの米韓首脳会談の後、結束の姿勢を示した。だが、最近の行動からみて文在寅氏は信用できない(unreliable)友人だ」と断じました。それを含む前文が以下です。
Donald Trump on Tuesday praised Moon Jae-in for “great cooperation” on containing the threat from North Korea and said there has been “a lot of progress.” The South Korean President also made a show of unity after their summit in Seoul, but Mr. Moon’s recent actions suggest he is an unreliable friend.
この社説(電子版)の掲載時刻は米東部時間11月7日午後6時17分。韓国が米韓首脳会談の共同発表文を反故にする前に書かれました。が、WSJは「3NO」――その前の米国への裏切り――を材料に、韓国はもう味方ではないと評したのです。
敵に立ち向かおうとしないばかりか、堂々と同盟国を裏切る――。韓国は本性をすっかり見抜かれました。
というのに、米国を利用できるだけ利用しようと「米韓同盟は血盟だ」などとうそぶく韓国紙もまだあります。見捨てられるとは思ってもいないのでしょう。米韓同盟がいつまで持つのか、もう分かりません。
(次回に続く)
16日記事

アジア歴訪から戻ったトランプ大統領は11月15日、ホワイトハウスで会見。北朝鮮に「究極の2択」を突きつけた(写真:ロイター/アフロ)
(前回から読む)
米中首脳は「北朝鮮が核・弾道弾実験を凍結しただけでは米国は対話に応じない」ことで合意した。北朝鮮に時間稼ぎを許さないためだ。問題解決は軍事行動による核の除去か、金正恩(キム・ジョンウン)体制の崩壊か――の2つのシナリオに絞られてきた。
「戦争も辞さない」姿勢に押された?
アジア歴訪の旅を終えたトランプ(Donald Trump)大統領は11月15日、ホワイトハウスで会見し「いわゆる『凍結対凍結』は受け入れないことで習近平主席と合意した。そうしたやり方はこれまでずっと失敗してきた」と述べた。原文は以下だ。
¥We agreed that we would not accept a so-called freeze-for-freeze agreement like those that have consistently failed in the past.
「凍結対凍結」とは、北朝鮮が核や弾道弾実験を中断すれば米韓も軍事演習を中断し、それを期に米朝が対話を始める――構想だ。中国が「双中断」と名付けて呼び掛け、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「凍結論」の名称で賛成していた。
一方、トランプ大統領は6カ国協議など、北朝鮮との対話は核開発の時間稼ぎに利用されただけだったと主張。北朝鮮が核の完全廃棄を受け入れた時にのみ、対話に応じると主張してきた。
中国政府は「双中断」案を放棄することに関し、11月15日までに何も言及していない。ただ、米国の「軍事的な解決も辞さない」強い姿勢に押され、暗黙裡に認めた可能性が高い。
金正恩はカルト政権
トランプ大統領は11月8日の韓国国会演説で「戦争も辞さない」との決意を表明。中国を名指しして、国連決議の履行と北朝鮮との外交関係の格下げを要求した(「トランプ大統領の韓国国会演説(2)」参照)。
■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(2)
「戦争を辞さず」と決意表明
朝鮮半島周辺海域にF35とF18を搭載した3隻の巨大な空母が、適切な海域には原潜が展開中だ。私は力を通じた平和を求める
北朝鮮の政権はこれまでの米国の抑制を弱さと見なしてきた。決定的に誤った判断である。現政権は過去の米国とはまったく異なるのだ
米国は紛争や対立を望まないが、それから逃げはしない。米国の決意を愚かにも試してうち捨てられた数々の政権が歴史には満ちている
我々は米国と同盟国への威嚇と攻撃を許さない。米国の都市を破壊するとの脅迫を許さない。我々は史上最悪の残虐な行為がこの地で繰り返されるのを許さない。我々は身を守るためには戦うし、死も恐れない
「北朝鮮と戦おう」と世界に呼び掛け
この地に――自由で繁栄する韓国の心臓部に私が来たのは、世界の自由を愛する国々に1つのメッセージを伝えるためだ
それは、見逃す時が終わったということだ。今や力の時である。平和を求めるのなら、常に力強く立ち上がらねばならない。核による荒廃をもって脅迫する、ならず者政権の脅威に世界は寛容ではありえない
すべての責任ある国家は北朝鮮という野蛮な政権を孤立させ、いかなる形であってもそれを否定せねばならない。支持しても、与えても、受け取ってもならない
中国とロシアを含む、すべての国に呼び掛ける。国連安全保障理事会の決議を完全に履行し、北朝鮮の政権との外交関係を格下げし、貿易と技術に関わるすべての関係を断ち切らねばならない
この危険に、ともに立ち向かうことは我々の責任であり義務である。なぜなら我々が手をこまねくほどに危険は増し、選択肢が少なくなるからだ。この脅威に対し見て見ぬふりをする国は、つまり脅威をいっそう高める国は、自身の良心にこの危機の重みを問わねばならない
中国訪問(11月8―10日)を前に、ソウルから習近平主席に向け「『双中断』は受け入れない」と宣言したのだ。
さらに演説でトランプ大統領は北朝鮮の人権侵害、国際的な無法の数々を糾弾したうえ、金正恩政権を「狂信的なカルト集団」と決めつけた(トランプ大統領の韓国国会演説(1)」参照)。
■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)
北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え
10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ
反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている
金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた
外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた
神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている
外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた
北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示
米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)
米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)
米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)
韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)
韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)
米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)
「金正恩カルト体制」への批判
北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある
大統領がここまで言い切れば、金正恩政権の核保有を認めることになりかねない「対話」に米国は臨めない。
ロシア亡命もセット
米国が「中途半端な対話」を拒否し、中国もそれを暗に認めた後、北朝鮮には核を完全に放棄するか、米国の要求を拒否するかの2つの選択肢だけが残る。
まず、完全放棄のケース。9月15日以降、核実験も弾道弾の実験も控えているところから、北朝鮮は米国の強面に恐れをなしていると思われる。
ただ核を放棄すれば、核開発に邁進することで権力の正統性を維持してきた金正恩体制が揺らぐのは間違いない。この際は、金正恩一家と取り巻きのロシア亡命への保証などが必要になる。
2番目のケースは、早急な米国の軍事行動を呼ぶ可能性が極めて高い。米国や日本には時間が残されていないからだ。
このまま手をこまねいていれば、北朝鮮は近く米本土まで届くICBM(大陸間弾道弾)を完成する。弾道弾に搭載可能な核弾頭も多数、実戦配備する。すると「中ロとは核の均衡で平和を保ってきた。北朝鮮の核保有も認めるべきだ」との声が起きるだろう。
さらに北朝鮮は、発射前に探知が難しい固体式燃料の弾道弾も保有し始めた。北朝鮮の核弾道弾を地上で破壊するのが困難になるわけで北朝鮮を先制攻撃しても、米国や日本が核で反撃される可能性がグンと増す。
トランプ大統領が韓国国会での演説で「我々が手をこまねくほどに危険は増し、選択肢が少なくなる」(「『北朝鮮と戦おう』と世界に呼び掛け」の最後の項)と語ったのも、そのためだ。
「金正恩後」は共同管理
結局、北朝鮮の核問題で予想されるシナリオは2つに絞られた。金正恩政権が核を手放して崩壊するか、米国が軍事攻撃によって核・ミサイル関連施設を破壊するか、である。
ただ、明らかでないのは「その後」である。前者はもちろん、後者の場合でも「北朝鮮を誰が統治するか」という問題が残る。
空爆だけでは北の核施設を完全に破壊した確証は得られず、地上軍の派遣が必要になる。それは結局、金正恩体制の排除を意味する。
米中が「金正恩後の北朝鮮」を共同管理するとのアイデアが古典的だが、利権を持つロシアが黙っていないだろう(「米中ロがうごめく『金正恩後の北朝鮮』分割案」参照)。
1つ言えるのは米中が「双中断」で合意したとするなら「その後」でも何らかの合意をしていると思われることだ。11月9日の米中首脳会談は、それを話し合う会談だったのかもしれない。
習近平主席は特使として11月17日に、宋濤・中国共産党対外連絡部部長を北朝鮮に送る。目的は「10月に開かれた第19回党大会の結果説明」とされているが、中朝関係が悪化している中だけに、首を傾げる向きも多い。
本当の狙いは金正恩委員長に面会し、中国の姿勢変化を納得させることではないかとの観測も浮上している。
(次回に続く)
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『米国の劣化、完全復活した「新型大国関係」 北朝鮮の核を解決した後に待つ、中国中心の秩序』(11/14日経ビジネスオンライン 森永輔)について
11/16中国観察<習對朝立場巨變?朝鮮以世界級技術大量偽造人民幣 制裁無效—— 強力對朝制裁下的平壤…“耗材、電力充足無憂” 阿波羅網=習の北に対する立場が大きく変化か?北は世界トップクラスの技術で大量の人民元を偽造する 制裁は無効である 強力な制裁下にある平壤では“消耗品と電力供給は憂うことなし” アポロネット>トランプがいうには「中国の主張して来た米朝両者攻撃・演習ストップの要求を習は求めず、大きく変化した。ただ韓国が言うには、中国は制裁を依然としてしているが効果が上がっていない。吉林省に来た平壤市民が言うには、“消耗品と電力供給は憂うことなし“、毎日荷物満載の数十輌のトラックが行き来し、生産に必要な物資を運び、他には朝鮮39号室では世界トップクラスの技術で大量の人民元を偽造し、中国経済を破壊すると。家庭用電力は制限を受け、盗電が起きているとも。麻薬、偽札、偽煙草を39号室が作らせ、資金の管理をしている。北の偽札は台湾版と違い、高度で見た目では分からない。
11/16時事<軍事均衡崩れれば衝突も=中国の影響力拡大に警鐘-米議会報告>米国議会も気が付くのが遅いというか、ハニーと金の毒が体の至る所に回って来て、事ここに至り、遅ればせながら発表したものでしょう。今の中露の経済力を分析すれば、真の敵はすぐに分かる筈です。ロシアのGDPは中国の11.4%、米国の6.9%です。ただ核弾頭の数は米ロ拮抗していますので軍事強国ではあります。北朝鮮同様、如何に核が貧者の兵器足り得るかという事です。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111500764&g=pol
11/15WSJ日本語版<中国か米国か? アジアの答え「いずれもノー」 TPP復活と対中包囲網としての民主主義4カ国が示す代替シナリオ
――筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト
【ハノイ】米国の避けがたい衰退が中国の強力な台頭を招く。これは分かりやすいシナリオだ。
中国の習近平国家主席が国内で権力基盤を盤石にし、海外では1兆ドル(約114兆円)を超える巨大経済圏構想「一帯一路」を推進する。「ポスト米国」時代を中国が支配するとの未来図は、確かに想像が容易になりつつある。
だが待って欲しい。アジア諸国には他の考えがある。習主席とドナルド・トランプ米大統領が先週、ベトナムで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席している頃、最も注目すべき出来事は米中がいずれも関与していないところで起こっていた。
日本が奮い立たせたことで、環太平洋経済連携協定(TPP)の参加11カ国は新協定案で合意に近づいたのだ。これは市場保護と国有企業を優遇する中国の経済モデルに対する自由主義の代替策を提供する一方、トランプ政権が2カ国協定を推進する中で、多国間相互自由貿易の構想を推進する。
こうした展開を予想する声は少なかった。トランプ氏が大統領として本格始動して3日目にTPP離脱を表明した際、専門家の間では史上最も野心的なこの通商協定は葬られたも同然だとの見方が支配的だった。
そして、多くの時間と労力を要したTPP交渉から排除されていた中国が介入し、自ら主導する地域間通商協定で空白を埋めると多くの人が予想した。歴史的な勢力シフトが進んでいるとのさらなる証拠が必要だとしたら、これがまさしくその証拠だと思われていた。
だが、TPPは生き残った。カナダが土壇場で抵抗したことで、先週決着に持ち込むことはできなかったが、推進派は来年初めの交渉完了を視野に入れる。英国がかつて世界で指導的立場を米国に譲り渡したように、アジアでの「パックス・アメリカーナ(米国主導での平和)」が「パックス・シニカ(中国の覇権下での平和)」に道を譲るという単純化された考えに対し、TPP復活は疑問を投げかけている。
過去1週間で極めて明確になったのは、日本に加え、オーストラリアやニュージーランドなども自由貿易協定を強く支持しているということだ。「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」に名称変更された米国抜きの新協定は、これらの国がその点に関して影響力を発揮していくはずだ。
トランプ氏率いる米国が自ら居眠りし、一方で毛沢東並みの権力を掌握した習氏が新たな覇権争いに意を決しているとしても、アジア地域には代替策がある。この地域の未来の多くは、価値観を共有する国々の連合体によって形成されるだろう。これらの国は時に、米中という太平洋の両側に位置する経済大国のいずれか、または双方を受け入れるだろう。受け入れない時もあるだろう。
過去1週間に起きたアジアに関する他の大きな展開も、安倍晋三首相が率いる日本が主導した。日米にインド、オーストラリアを加えた民主主義4カ国による枠組みの復活だ。「日米豪印」当局者は先週11日にマニラで初会合を開いた。
これは米国発の取り組みのようにも見える。レックス・ティラーソン米国務長官も先月、「自由で開かれたインド太平洋」を唱えていた。しかし実際には、主張を強める中国と、それに対するトランプ政権の対応能力を巡って地域が抱える懸念から出た発想だ。
「日米豪印」グループは2007年に結成されたが、当時オーストラリアの首相を務めていたケビン・ラッド氏が最大の貿易相手国である中国の反発を招くことを警戒して抜け出し、1年後に棚上げとなった経緯がある。
キングス・カレッジ・ロンドンのハーシュ・V・パント教授(国際関係)は、オーストラリア政府の心変わりを受けて復活した日米豪印4カ国の枠組みについて、「中国の台頭と米国の不能さ」に対処するための包囲網作りだと述べる。
その両方について懸念を高めている安倍首相は、これまでも似た構想を提案しており、2012年に地滑り的勝利を収めて首相に返り咲く前には、日米豪印4カ国を結ぶ「ダイアモンド」と呼んでいた。それ以前の2007年にインド議会で行った演説では、太平洋とインド洋は「自由と繁栄の海」として「ダイナミックな結合」をもたらしていると語っていた。
疲弊して混乱した米国が、明確な意志を持つダイナミックな中国にアジアの覇権を譲り渡すとのシナリオはかなり的外れだ。
何より、米国の衰退はかなり誇張されている。ハーバード大学のジョゼフ・ナイ教授が指摘しているように、米国は依然として「4つの強み」を持つ。地理的な優位性(米国は海や同盟国に囲まれているが、中国を取り巻くのはライバル国だ)、エネルギー安全保障、貿易戦争に対する耐性の強さ、世界の基軸通貨であるドルの保有という4つだ。
また大国以外も影響力を有している。これには中国も遅ればせながら気がついたようだ。東南アジア10カ国と中国がマニラで開催した首脳会議で、中国政府は南シナ海の行動規範に関する交渉を開始することに同意した。中国が南シナ海で進める人工島の造成により、同国の台頭は決して平和的には済まないとの認識を周辺国が強く持ったためだ。
もちろん、こうした取り組みはまだ不確かだ。名称を変えたTPPが今後決裂することもあるだろう。インドやオーストラリアの強力な有権者が中国と露骨には対立しないよう求め、「ダイアモンド」が輝きを失うかもしれない。行動規範に関する協議が永遠に妥結しないこともあり得る(予備協議は10年以上も続いた)。
1つだけ言えるのは、アジア地域における覇権の構図は変化しているということだ。相対的には、中国が米国の犠牲の下に力を強めている。だが最終的な結果を予測することは無駄だ。将来を左右する勢力地図は、まだ見え始めた段階に過ぎない。>(以上)
パクスアメリカーナの次はパクスシニカにはならない、それは米国の衰退の穴を、日本が欧米の基本的価値観(人類の普遍的な理念)で以て、埋めているからと言うものです。中国に世界を指導する理念もなければ(共産主義は人権抑圧機構、儒教は批林批孔の対象だったご都合主義、孔子学院はスパイ機関)、世界言語(英語)、世界の軍事基地(港湾、空港)、海底ケーブル、世界標準(グリニッジ時間等科学技術の基準)等人類に貢献するものは何もありません。軍事力も含め、日本が強くならなければ、世界は共産中国に席巻されることになるでしょう。
11/16アノニマスポスト<トランプ大統領の最側近の一人だったバノン前首席戦略官、NHKのインタビューに「あなたたちは日本のCNNか」と皮肉>NHKの左巻、フェイク振りを揶揄されているのに、それすら気付かないNHK。民放化して新たな国営放送を作った方が良いでしょう。
https://anonymous-post.com/archives/16003
本記事は津上俊哉氏へのインタビューで構成されています。津上氏は2003年に『中国台頭』を書き、確か父が中国にいたので思い入れがあり、本人も経産省で中国大使館にいたこともあって、中国の台頭を歓迎していました。中国人の本質を分かっていないとの読後感でした。「騙す人が賢く、騙される方が馬鹿」というのが中国人の本質です。さしずめ津上氏は騙されたタイプでしょう。
その本の10年後の20013年には『中国台頭の終焉』を書いていますから、やっと騙されたのに気付いたのだと思います。まあ、読む気もしないので読んでいませんが。
津上氏は「米中の対北密約、中国は米国に代わることはできない、米中が協力しての軍事行動――「あり得ない」ではなくなった」というのは正しい見たてと思いますが、「事実上のG2」というのは中国の“wishful thinking”と思います。
記事

(写真:ロイター/アフロ)

津上俊哉(つがみ・としや) 津上工作室の代表。1980年、東京大学法学部を卒業し、通商産業省(当時)に入省。在中国日本大使館 経済部参事官、通商政策局北東アジア課長を経て退職。2012年から現職。
津上:一つは、中国が“お土産”外交を展開し、中国式“交際術”をいかんなく発揮したことです。2500億ドルに上るお買い物リストを提示して、トランプ氏を良い気持ちにさせ、中国が望まない要求を受け入れることなく会談を終えました。
2500億ドルの商談のリストを見ても、新たに購入を決めた物品はありません。飛行機も半導体も、これまでも購入してきたものです。アラスカの天然ガス開発に中国石油化工集団(シノペックグループ) が加わることは少し目新しいですが、これとて、米中間の貿易不均衡を改善するようなものではなく、弥縫策にすぎません。
—お土産外交は、中国国内の保守派などから弱腰外交とみなされ、非難される可能性があります。そうであるにもかかわらず、お土産外交を展開できたのは、共産党大会を経て、習氏が一強体制を築くことができたからでしょうか。
津上:それは、あります。しかし、それ以上に重要な要素として、中国という国、そして中国人の心に余裕ができたことが大きいと思います。大きな経済成長を達成し、さまざまなことに肯定感をもって臨めるようになりました。これまでだったら「へつらい」と見なされていた“破格の接待”を「大国の中国はあれくらいして当然」と受け取る雰囲気も出てきました。
10月18日から開かれた中国共産党の党大会で、習氏は活動報告を行い、21世紀半ばまでに「現代化した社会主義の強国を建設する」「総合的な国力と国際影響力で世界をリードする国家になる」と語りました。よくも、ここまで自画自賛できるものだとの印象を受けました。ただ、この空気を、13億人の中国人の多くが共有している印象もあります。
—中国が大国になったことの表れですね。
津上:そう思います。
2つ目の注目点は北朝鮮の核・ミサイル問題への対応です。公表された結果から見れば、中国は、既に賛成している国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行すると繰り返しただけでした 。
この制裁を実施すればボディーブローのようにじわじわと効いてくるので、中国がコミットしたことは重要です。しかし、本当にそれだけだったら、米国側は、2500億ドルのお土産をもらっても食い足りない思いをしたのではないでしょうか。
話し合ったのはそれだけだったのか。実は、いよいよの時に北朝鮮を軍事的に成敗する方法について秘密協議を始める、という話し合いをしたのだとしても、米中は口外しないでしょう。米中が何を話し合っているのかは、今後も注視が必要です。
リーダーとしての米国が劣化している
—第3の注目点は何でしょう。
津上:米国という国の国際的役割が劣化していることがいよいよ明らかになったことです。中国に対する姿勢に加えて、米中会談に先んじて訪れた日本と韓国でのトランプ氏の言動に顕著に表れています。
中国では民主主義や人権の尊重など、米国を米国たらしめてきた価値と原則を訴えることがありませんでした。日本と韓国では北朝鮮の核・ミサイル問題にかこつけて武器を売り込んだと誇りました。米国内の忠実な支持者層にアピールする必要があるのは分かりますが、世界中がその発言を聴いているのです。これは世界のリーダー国が取るべき態度ではありません。
—2017年4月に行われた前回の米中首脳会談に続いて、今回も共同声明を発表することができませんでした。

津上:これも劣化の表れでしょう。いまだに各省庁の政治任用のポストが埋まっておらず、文書を詰めることができる人材が政権内にいないのです。危機につながるアクシデントが今のところ起こっていないからいいものの、今後再び2008年の国際金融危機のようなことが起きた時、米国はリーダーとしての役割を果たせるのか、疑問に思います。
トランプ氏が4年の任期を終えた時、世界のリーダーとしての米国の価値は、同氏の就任前とは時代を画するほどに劣化していると思います。
習近平国家主席はこれを見て、にんまりが半分、不安が半分だったのではないでしょうか。にんまりしたのは、中国が米国の役割をとって代われる部分が増えるからです。不安は、「米国がこれほどていたらくでは、世界はどうなってしまうのか」と思うから。けれど同時に、「中国がますますしっかりして、国際的な責任を担っていかなければ」とも思っているでしょう。
中国が米国に取って代わることはできない
中国の一部にはこうした状況を見て、ほくそ笑む人もいます。米国が「オレさま」的に世界を牛耳る従来の体制が崩れ、他の国々の声をもっと“民主的”に聞く多元化体制ができると思っているからです。その中心に中国がいる世界を思い描く。
私はこうした人々を見て、なんと浅はかなと思います。米国の劣化は米国の問題にとどまりません。世界の公共財、世界のインフラの劣化なのです。中国やロシアも時間が経つにつれ、「こんなはずではなかった」と思い知ることになるでしょう。
いまの中国は米国にとって代われるのか。現状のそこここに不満はあっても、代案と呼べるような体系を持ち合わせてはいないのです。トランプ的な人たちにも共通する問題ですが、代案もなしに現行秩序を否定する、壊そうとするのは愚かな行いです。
中国は、在韓米軍によるTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備を韓国が認めたとき、ロッテいじめに走りました。これは中国の口と腹とが異なることを示す事例の最たるものだと思います。
中国は、自分の言うことを聞く者にはけっこう気前がよい。しかし、その逆も真なりで、皇帝が機嫌を損ねると、朝貢国に下賜したものを取り上げるようなことをするのです。
THAADのために用地を提供したロッテが、不買に遭い、店舗閉鎖に追い込まれたり、韓国を訪れる中国観光客がガタ減りしたりしました 。こうした行為はWTO(世界貿易機関) の理念の根幹に抵触する行いだったと思います。加盟国は相手国の市場へのアクセスをお互いに認め合う約束をしているのであって、この約束を、ある国から一方的に取り上げてはならないのです。
中国は「政府がやらせたものではない。国民感情に端を発した自然発生的なもの」と反論するかもしれませんが、本当に国民全体がそんな振る舞いをするなら、中国はWTOに加盟する資格がありません 。
日米は中国の韓国イジメを黙認した
この件については、日本と米国も大失態を侵しました。中国の韓国イジメを傍観して、韓国が中国の力に屈服する結果を招いてしまったからです。
本来なら、世界中の国が口々に「通商・経済的利益を人質にとって、こういう『力による強制』を行うことはあってはならない」と批判するべきでした。日米だけが抗議すると、「腹にイチモツある国が中国悪魔論をたきつけている」と勘違いされてしまいます。しかし、多くの国が抗議に参加すれば、中国も「評判が落ちて孤立しかけている」と、過ちに気付くでしょう。
日本人の中には中国の力の行使に苦しむ韓国を見て、「ざまみろ」と思った人が少なからずいた気がします。それでは「熊さん、八さん」のレベルです。
—2010年に中国漁船衝突事件が起きた後、レアアースの日本向け輸出が滞ることがありましたね。あのときは日本の産業界も難渋しました 。
津上:そうです。
ここで誤りを認めさせなければ、中国はこれからも事あるごとに同じ振る舞いをするでしょう。習氏は「自由貿易」を標榜していますが、世界の側が「中国を怒らせたら、何をされるか分からない」という不安に付きまとわれていたら、「自由貿易」は成り立ちません。関税引き下げや外国投資開放の「約束」も、そういう状況では意味をなさないのです。
ロッテに対する中国の態度は、ある意味で中国の伝統です。第2次世界大戦前、力が弱かった時代の中国も、同様の行動に出ました。日貨排斥(ボイコット)がそれです。当時の中国民衆には、それしか抵抗の手段がなかったのです。しかし、大国となり、他国を強要(coerce)する力を持つようになった今も、過去からの惰性で同じ態度を取り続けている。
米国が主導する体制が崩れた世界は「第一次グローバリゼーション」時代と言われる20世紀初頭と同じ様相を呈することになるかもしれません。グローバル化が進み、格差が広がった。その後の世界は、大恐慌を挟んで、ヒトラーの台頭、日独伊三国同盟、第2次世界大戦への歩みを進めました。
新しい秩序が整っていないにもかかわらず、現在の秩序を壊すようなことはしてはならないのです。
AIIBだけ見ていても一帯一路構想は理解できない
—米中首脳会談から、2期目に入った習政権の外交ドクトリンを読み取ることはできますか。
津上:今のところ、見えていません。2018年の動きを継続的に見ていくことが必要になるでしょう。
これまで中国は、5年に1度の党大会や、年に1度の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)といった節目、節目で大きな政策を明らかにしてきました。しかし、習政権はこのサイクルにこだわらずに政策を発表しています。例えば、「一体一路」構想はその一つです。この結果、10月の党大会は、21世紀中葉をにらんだ「夢」以外に中身のないものになりました。具体的な政策は新味のない発表済みのものが大半だったのです。
サイクルにこだわらない方針に変わったことを割り引く必要がありますが、そうだとしても、経済でも外交でも、来年以降早めに新しい政策を打ち上げないと、政権運営に停滞感が出てきてしまうでしょう。
一体一路構想だけではもたないと思います。この構想は国際社会から注目を集めましたが、課題が山積しています。シルクロードの沿道には儲かる案件が数多くあるわけではありません。放漫投資をしたら、不良債権が積み上がる恐れがあります。
—一体一路構想の実行機関であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)も慎重になっているようですね。世界銀行やアジア開発銀行との協調融資が多い。
津上:AIIBについては誤解があります。一体一路構想の中心的実行機関は、実は国家開発銀行 や中国輸出入銀行 なのです。これらの機関は、中国政府が一体一路構想を発表する前から関係する投融資を実行してきた“横綱”です。これらに比べれば、AIIBやシルクロード基金などの新設機関は“平幕力士”にすぎません。AIIBは国際協調をうたうことで“横綱”との差別化を図ろうとしている“新顔”であり、AIIB=一体一路構想では決してありません。
日本はAIIBにばかり警戒の目を向けて、主役である国家開発銀行などの事業についてはノーマーク…。いつになったらこのバイアスがはずれるのでしょう。このままでは、一体一路構想の実態を見誤りかねません。
ちなみに、米国でも、財務省などは最近、国際協調を目指すAIIBの姿勢を理解するようになりました。このため、AIIBに加盟はしなくても、共存共栄の道を歩もうとしているようです。
「新型大国関係」は完全復活
—米国との「新型大国関係」はどうなったのでしょう。今回の首脳会談に関する報道でも、この表現をみる機会はあまりありませんでした。
津上:いやいや、今回「新型大国関係」は完全復活しました。トランプ大統領との共同記者会見において、習氏はこう語りました。「主権や領土の保全についてはお互いに尊重すべき」「発展モデルに関する考え方の違いを尊重すべき(中国には中国のやり方がある)」「太平洋は米中両国を収めるのに十分な大きさがある」「米中両大国は国際社会の発展と維持に大きな責任を負っている」
習氏が2013年にぶち上げた新型大国関係の趣旨そのままです。「米中で世界を仕切るなんて何事だ」と第三国から非難されていたので、しばらく引っ込めていましたが、完全復活させました。
—これから米国に同意を求めていくのでしょうか。
津上:米国の合意がなくても、実態がそうなっているというのが中国の受け取り方です。
北朝鮮への対応はその典型例です。中国は「中国なしで米国は何もできない。だから、協力しましょう。その代わり、中国を尊重すべき」と考えているのです。
習氏だけでなく、中国の多くの外交専門家も「新型大国関係は事実上、出来上がっている」と自信を強めています。先ほど、13億人の中国人の多くが空気を共有しているとお話しました。それと相通じる話です。
北朝鮮が先に手を出せば、中国は味方しない
—北朝鮮をめぐる政策に関して、米中首脳会談から読み取れることはありますか。先ほど「米国は食い足りないと思っているかもしれない」と指摘されました。
津上:国連安保理決議を受けて、北朝鮮への原油輸出量を現状で凍結することが決まりました 。石油精製品の輸出についても、年間20万バレルとのキャップを設けた。これが長く続けば、ボディーブローのように効いてきます。
私は、米国と中国がいま、北朝鮮に対するある認識を共有していると考えています。北朝鮮が越えてはならない一線を越えた時、米国は軍事行動に出るでしょう。中国は米国のその覚悟を認識しているし、一線を越えた北朝鮮にもう味方しない、という認識です。
—越えてはならない一線とは、どういうものですか。
グアムに向けたミサイルの発射実験や、地表での核実験などです。
例えば朝鮮人民軍の軍司令官がこの8月、中距離弾道ミサイル4発をグアム周辺に向けて打つ計画を検討していると脅しをかけました。これに対して中国共産党のプロパガンダ紙である環球時報は社説で、「これが原因で北朝鮮が米国から攻撃を受けても、中国は中朝友好協力相互援助条約の義務を履行しない(北朝鮮に味方しない。自業自得である)」との意見を表明しました。
また最近、米海軍で太平洋軍の司令官を務め、その後、オバマ政権で国家情報長官を務めたデニス・ブレア氏が次の意見を明らかにしました 。「北朝鮮が核弾頭を搭載したミサイルを発射し、これを太平洋上で爆発させたら、米韓両軍は大量の報復攻撃をする」。グアムやハワイに被害が及ばなくても、地下実験と地表での実験ではインパクトが違うということですね。
どちらの例も「次のステップに進むな」と米中が口を揃えて北朝鮮に警告を発していると見ることができます。最近1カ月と少しの間、北朝鮮の挑発行為がやんでいます。これは、米国と中国が認識を共有していることを察知して、北朝鮮が「本当に攻撃されるかもしれない」と恐れ、自重しているからかもしれません。
北朝鮮は「英霊」の血であがなった地
津上:習近平政権になって、中国が北朝鮮政策を転換したのは明らかです。同氏はいい意味で、この問題に関するリビジョニストで、北朝鮮は「英霊の血であがなった地」という伝統的な考えに立っていません。
—それは、どういうことですか。
津上:中国はこれまで、「なぜこれほどお人好しなのか」と思えるほどに、北朝鮮のわがままを許してきました。私はその理由が、北朝鮮が「中国人の英霊の血を捧げた地」だからだと考えています。中国は朝鮮戦争の時、義勇軍を立ち上げて北朝鮮に味方し、何十万人もの戦死者を出しました。それだけの犠牲を払った北朝鮮が、中国に仇をなす国になってしまったという話は聴くに堪えないという人が大勢いるのです。
日本も同様の経験をしています。例えば、日露戦争で手に入れた南満州鉄道の取り扱い。日本は米国のユダヤ資本に国債を購入してもらい戦費を賄いました。この過程で、満鉄を米国資本との共同経営にするという約束をしていました。しかし戦後、「日本人の血であがなった満鉄の経営に米国が介入するのか」という批判を恐れて、けっきょく、日本はこの約束を反故にしました。第2次世界大戦につながる米国との対立はこの時に種が蒔かれたのです。
血であがなった地に固執するのは日本に特有の現象かと思っていたら、そうではないようです。中国語にも同じ「英霊」という言葉があります。
ただし、リビジョニストである習氏は、こうした考え方にとらわれない。トップの姿勢の変化は、中国の今後の北朝鮮政策を占う上で非常に重要だと考えます。その一つの表れとして、いま中国では、北朝鮮批判についてはメディアに言論の自由が認められています。何を書いてもかまわない情況です。
北朝鮮もこの変化を意識しており、習氏を敵視しています。そして習政権が、金正恩委員長を追い出し金正男氏に取って代えようとしていると疑ったからこそ、正男氏を亡き者にした。
米中が協力しての軍事行動――「あり得ない」ではなくなった
津上:米中が協力し、北朝鮮を南北から挟み撃ちにする――。5年前までは、そんなことはあり得ないと言われたでしょう。しかし今は「あり得ない」では片付けられない状況に至っています。もちろん簡単なことではありませんが。
これまで、北朝鮮から中国に難民が大量に押し寄せるから、中国は軍事行動をしないとの見方がありました。しかし、人民解放軍は、難民対策を既に考えていると思います。中朝の国境沿いに展開している15万人を北朝鮮内に派遣し、国境沿いにキャンプを作り食物や生活物資を供給することで、越境させないようにする。ドローンを飛ばし国境線の監視の目を強化するでしょう。
また、中国は「北朝鮮という緩衝地帯を失うことを懸念して、米国とは協力しない」という見方も絶対的なものではなくなりつつあります。米国の雰囲気も変わってきています。識者の中に「中国が、緩衝地帯を失うことを恐れて北朝鮮の核・ミサイル問題に真剣に取り組まないのであれば、在韓米軍の撤退を交渉材料にすればよい」という意見が出始めました。もちろん簡単なことではありません。しかし、緩衝地帯問題を交渉の材料とすることが可能になれば、これを理由に「軍事行動はあり得ない」とすることはできません。THAADについても同様に交渉材料とすることできるでしょう。
中朝の国境近くにある核実験場、豊渓里(プンゲリ) の扱いが米中の軍事協力を促す可能性もあります。例えば米国が単独での軍事行動を決めたとします。当然、豊渓里も叩くことになります。豊渓里には地下施設があるので、巨大な破壊力を持つバンカーバスターを使用する可能性があるでしょう。実は中国東北区の住民は豊渓里から核物質が飛来することを非常に恐れています。なので、米軍による豊渓里攻撃に強く反対する。米国は「ならば、豊渓里は中国が何とかしてくれ」と協力を持ちかけることが考えられます。
米国とこのような協力をすることは、中国にとってリスクであると同時に大きなチャンスでもある話です。「新型大国関係」づくりを完成させられるからです。北朝鮮の核・ミサイルという世界最大のリスクを米中が協力して解決して、米国に大きな貸しを作ることができる。米国は「東アジアのことは中国の意向を尊重する」という姿勢に転じざるを得ないでしょう。在韓米軍が事実上撤退ないし大幅縮小する可能性もありますし。
ただし、米中の協力があり得ないものでなくなっても、ネックとなる大きな問題が残っています。核・ミサイル問題を解決した後の朝鮮半島をどのような政権が統治するかです。この問題の解法が見えないと、中国はなかなか動けないと思います。
核問題解決しても、待つのは中国の勢力拡大
津上:今後の展開として最も可能性が高いのは「膠着状態」でしょう。
先ほど指摘したように、北朝鮮は大気圏内での核実験などはできません。米国に攻撃されますから。しかし、核弾頭の数を着々と増やしていく。
交渉も実現しない。仮に北朝鮮が交渉のテーブルに着いたとしても、北朝鮮は「核保有強国として認めよ」「在韓米軍を撤退させろ」しか言わず、進展しない。
ただし北朝鮮が核兵器を使用したら、その時は北朝鮮が終わる。
こんな、すっきりしない情況のまま時間が進んでいく。
—膠着状態の中で北朝鮮はどのような態度を取るでしょうか。
津上:北朝鮮は「主体」思想に基づき改革開放路線を取る――と期待する向きがあります。しかし、北朝鮮がこの路線を進めるためには、国連決議に基づく制裁がネックになります。ここで、どのような交渉をするのか。「200ある核弾頭を100に減らす」という交渉はできるかもしれませんが、核兵器を放棄させることはできないでしょう。
その一方で、北朝鮮が核兵器を拡散させることを懸念する見方もあります。北朝鮮は、大枚はたいて核兵器を開発したのだから、その投資を回収したいと考える、というわけです。
北朝鮮が核兵器を拡散させるのをとめることは容易ではありません。今でも、中国は北朝鮮にやりたい放題やられています。麻薬、覚醒剤、偽札――。これらも、中国民衆が北朝鮮を嫌う原因になっています。
北朝鮮が核兵器の拡散に進んだ場合、米中は“最終解決”を図るべく、密接な協力をすることになるでしょう。
日本は核の威嚇の下で暮らしていかなくてはなりません。
仮に中国の協力を得て、核・ミサイル問題を解決できたとしても、晴れ晴れとした世界が戻ってくるわけではありません。その時の東アジアは中国の力が大きく高まり、新型大国関係の秩序が支配する世界になるからです。日本を巡る「地政学」は塗り変わってしまう。
米国も日本も、北朝鮮の核・ミサイル問題を今日まで放置してきたことのツケを払わなければなりません。
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『トランプはアジア歴訪で中国の取り込みに失敗した!元駐韓大使が解説』(11/14ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について
11/15ZAKZAK<トランプ氏、正恩氏に亡命促す? 異例ツイートで“真意”注目、識者「行き着く先はロシアのプーチン大統領」>中国の北朝鮮への特使派遣と足並みを揃えたトランプのツイートでしょう。でも17日に金正恩が中国の特使と会わないか、邪険にして追い返す可能性もありますが。
http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171115/soc1711150004-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList
武藤氏記事はメデイアの報道だけで知り得た範囲での話でしょう。外務省経由で話が入っているとも思えませんし、機微に触れる話は公開できないでしょうから。外形上は中国を抑えきれなかったとの論評になるのは仕方がありません。大型商談に目を眩まされたとも。でも、中国に北の問題を解決させようとしているのですから、実現させるまで中国に厳しい態度は取れないでしょう。金正恩政権打倒の密約は公開しないから密約足りうる訳で。習も江派+瀋陽軍閥+金王朝は打倒したいと願っているでしょうから。もし、期待通りに習が動かなければ、丹東銀行以外に金融制裁をかけるようにするとトランプは脅したのでは。まあ、何が正しいかは正直分かりません。推測の域を出ませんが、北の非核化と攻撃型ミサイルの廃棄は実現してほしいと思っています。金正恩のロシア亡命or人民軍のクーデターで打倒されるかで、戦争が起きないことがベストですが、それが叶わないのであれば、日本の脅威除去の意味で、戦争も止む無しかと。
11/15産経ニュース<中国が北朝鮮へ特使 米朝対話の道筋模索? 中朝関係改善のシグナルか>これは前述の通り、トランプ・習会談で決めたシナリオでは。中国は党大会後の定例報告と言っていますが、最後通告となるのでは。『核もミサイルも放棄しなければ、米国は戦争するつもりだ。中国は助けられない』と。このタイミングでの特使派遣はやはりクリスマス休暇を利用したNEO実施後の年明け早々の米軍による攻撃開始かと思ってしまいます。
http://www.sankei.com/world/news/171115/wor1711150033-n1.html
11/14CNN<米司法長官、クリントン財団の捜査検討を指示>トランプのロシア疑惑より、ウラニュウムワン疑惑の方が問題としては大きいし、モラー特別捜査官がFBI長官時代にクリントンンに手心を加えた話もあります。売国奴はクリントン夫婦でしょう。もっと米国メデイアは大騒ぎすべきでしょうに。
https://www.cnn.co.jp/usa/35110401.html
11/16朝日新聞デジタル<維新・足立議員「石破氏らは犯罪者」「朝日報道は捏造」>日本も同じでメデイアが「報道しない自由」を行使して、隠蔽を図っても、ツイートで「朝日死ね」とまで言われたら報道せざるを得なくなったと言う所でしょう。朝日は共産党議員と石破に「論証せず発言「いかがか」」と発言させていますが、正しくモリカケ問題がそうでしょう。挙証責任は糾弾する側にあるのに、証拠も示さず、加戸前知事の発言を無視して、「忖度」したとかでっち上げ、内閣の信用を貶める工作をずっとして来ました。憲法改正を何としてでも改正させないためです。朝日新聞の読者も少しは自分の頭で考えることをしたらどうですか?
http://www.asahi.com/articles/ASKCH52L5KCHUTIL029.html
記事

中国で握手を交わす米トランプ大統領と中国の習近平国家主席 Photo:AFP/AFLO
11月5日から、日本、韓国、中国を相次いで訪問、APECやASEAN首脳会議にも出席した米トランプ大統領。アジア歴訪の最大の狙いは、中国の取り込みだった。しかし、結果を見る限り中国は姿勢を変えておらず、失敗したと言えそうだ。
米トランプ大統領のアジア歴訪は、11月5〜7日の日本訪問に始まり、7〜8日に韓国、8〜10日に中国を回った後、10〜12日にベトナムで開かれたAPEC首脳会議に出席、12〜14日にはフィリピンで開かれたASEAN首脳会議に出席するなど、実に精力的であった。
日本政府内では、冬に入って国際社会からの制裁の影響が大きくなり始めると、それに伴って北朝鮮が対外的な強硬姿勢を強めるのではないかとの見方が多い。今後、北朝鮮の核ミサイル開発が進めば、米国も決断を迫られることになり、米朝間で緊張が高まる可能性がある。
そうした状況にあって、トランプ大統領としては、北朝鮮問題をめぐって日米韓の連携を強化した後、中国の取り込みを目指したのであろう。だが、結論を先に述べると、中国との間で北朝鮮包囲網の強化こそ同意できたものの、中国の基本的なスタンスを変えるまでには至らなかった。
したがって、北朝鮮に対する今後の対応は、より難しい選択が迫られることになったと言えるかもしれない。
軍事的なオプションの内容についても議論
それではまず、トランプ大統領が訪問した各国での状況を見ていこう。
まずは日本。「軍事オプションを含むあらゆる選択肢がテーブルの上にある」と述べるトランプ大統領を、安倍晋三首相は100%支持するなど、北朝鮮への対応にあたって日米間では大きな違いはない。今回の会談でも、「北朝鮮に最大限の圧力をかける」「日米韓の連携を図る」「中国に対応を働きかける」といった方針を確認している。
安倍首相は、今回の訪日にあたって、少人数で話し合える場をできるだけ増やすよう指示していた。その結果、首脳会談以外にもゴルフや食事会として4回、自動車の中でも会談するなど、緊密な協議が行われた。
ゴルフ場の会談で、トランプ大統領が、北朝鮮問題は「解決する、解決するまでやる」と言ったのは本音を語ったのであろう。これを受けた6日の晩さん会後、安倍首相は「トランプ大統領が北朝鮮にどう対処しようとしているのか、だいぶ見えた感じがする」と述べている。
特に日本として知りたいのは、米国が軍事行動に踏み切るのか、その場合どのようなオプションがあるかであった。共同記者会見で軍事行動を仮定した質問も出たが、トランプ大統領は明確には答えず、日本政府関係者も「具体的なやり取りは控えたい」と述べるにとどめている。
しかし、日本経済新聞によれば、日米外交筋は議論したことを認めている。また、マクマスター大統領補佐官も「同盟国との間で軍事的な努力の可能性を話さないのは無責任」だとしている。他方、有事の際に在韓邦人を退避させる方策については、今回の会談では出なかったものの、水面下では具体的に話し合っているという。
今回、トランプ大統領は拉致被害者家族とも面会した。拉致問題は、核ミサイル問題と同時に、包括的に解決しなければならない問題だ。国際社会の関心が北朝鮮の核ミサイル問題に集中している中で、今回の面会を通じて拉致問題の重要性について訴えることができたことは重要なポイントと言える。
訪韓前に中国と連携強化する文政権は「信頼できない友人」
次にトランプ大統領が訪れた韓国では、連携こそ何とか保つことができたものの、立場の違いも残った。
米韓両国の首脳は、北朝鮮が自ら核を放棄し、真摯な対話に応じるまで最大限の制裁と圧力を加える方針を再確認。トランプ大統領は、「北朝鮮の核・ミサイル問題の平和的解決を目指す方針で一致」したと述べ、「米国と同盟国の防衛のために必要なら、比類なき軍事力を最大限活用する用意がある」と語った。
トランプ大統領は韓国の国会演説で、「朝鮮戦争後の再興で、韓国は偉大な国の一つに成長した」とたたえる一方、北朝鮮は「誰も住むに値しない『地獄』だ、『カルト国家』だ」と酷評している。そして、「核で脅迫する、ならず者政権に世界は寛容ではいられない」「力による平和を求めていく」「われわれを甘く見るな。われわれを試そうとするな」と軍事行動も辞さない立場を明らかにしている。
また、「北朝鮮の残酷な政権を孤立させるため、責任ある全ての国々が力を結集させなければならない」「いかなる形でも北朝鮮を支援してはいけない」として国際的な連携を求めている。
ただ、トランプ大統領は「北朝鮮にとっては対話の席につき、取引をするのが道理だ」と「対話」に含みを持たせるなど、韓国側にも一定の配慮を示した。これは、韓国との“結束”を演出する意図があったものと思われる。
というのも、トランプ大統領の訪韓に先立つ10月31日、韓国は中国との関係改善で合意しているからだ。
この中で韓国は、THAAD(地上配備型迎撃ミサイル)については北朝鮮の弾道ミサイル迎撃が目的であって、第三国を狙ったものではなく、中国の安保を脅かすものではないとの立場を示し、中国もこれを留意した。
中国にとってみれば、トランプ大統領の歴訪前に、「平和解決路線」で一致する韓国との“連携”を演出したかったのであろう。事実、中国側の発表では、韓国から「米国のミサイル防衛システムに加わらない」「韓米日の安保協力を軍事同盟に発展させない」「THAADの追加配備をしない」との立場表明があったとしている。
米国は、このような内容で中国との関係改善に動いた文在寅政権に対する不信感をぬぐい切れてはいない。三つの「ノー」に対する懸念を持っているものの、過剰反応によって北朝鮮や中国を利する事態を避けたいとの思惑から、表立った反応は示していないのであろう。
しかし、ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙は、文大統領について「信頼できない友人」であり、最近の言動を見る限り米国の政策に逆行していると批判している。
トランプ大統領を招いての公式晩さん会には、日本に対して公式謝罪と法的賠償を求めるなど、厳しい主張で知られる元慰安婦の李容洙氏が招待された。また、領有権をめぐって日韓が争っている竹島(韓国では独島と呼んでいる)で採れた「独島エビ」使ったチャプチェも出された。
日本政府は、慰安婦については「適切でない」と強く抗議、独島エビについても「受け入れられない」と反発した。河野太郎外相も、APECで韓国側出席者に抗議した。これに対し、韓国外交部報道官は「問題提起するのは適切ではない」と一蹴した。
こうした晩さん会の趣向は、外交部と相談せず、大統領府の独断で行ったものだったようだ。外交部の林聖男(イム・ソンナム)第1次官は国会に呼ばれ、「このようなメニューが問題になるとは予想しなかった」と答弁している。TPOをわきまえず、このような不思議な行動をとることは以前にもあったが、現在の韓国の政権中枢部は特に革新思想に染まった人々が多く、そうした人々がこのような問題を起こすのだろう。
また、トランプ大統領の訪韓中、大規模な反米集会が行われたが、これは220以上の革新系市民団体が共催するものであり、北朝鮮の意向に沿ったものである。
中国の姿勢を変えることできず「習近平国家主席は強かった」
韓国の次に訪れたのは中国。米中首脳会談は、中国共産党大会が終了して最初の首脳会談である。
中国は、北朝鮮が核を持つことは中国にとっても危険であるばかりか、核ドミノにつながりかねない、日米韓を結束させ中国の外交にとってマイナスであるといったさまざまな理由から好ましく思っていなかった。このため、共産党大会以降、北朝鮮に対してどのような姿勢で臨むのか世界的に注目されており、今後の北朝鮮問題を占う大きな分水嶺になると考えられていた。
そうした中で開かれた米中首脳会談では、北朝鮮への圧力を継続して核兵器を放棄させ、完全非核化する方針で一致した。一方で、習国家主席は、「国連制裁を引き続き全面履行する」「北朝鮮籍を持つ人の銀行口座規制や、中朝間の交易を制限する」と言いつつも、「問題は対話によって解決すべきである」「制裁の効果が出るには少し時間がかかるが、北朝鮮は制裁の痛みを十分に感じている」と主張した。
これに対し、トランプ大統領は「時間は少ない。早く行動せねばならない」と反論したが、中国は耳を貸さなかった。その結果、米中両国は、国連制裁決議を含めた制裁を強化することで当面は同じ方向を見て進むことになりそうだが、外交関係者の多くは、いくら制裁を強化しても北朝鮮は核ミサイルを放棄しないと見ており、いずれ北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を実戦配備したタイミングなどで溝が露呈するのではないかと見ている。
また、日経新聞によれば、複数の外交筋の言葉として、中国は金正恩政権後など北朝鮮の「将来シナリオ」について、米側と協議することを拒み続けているようである。北朝鮮の耳に入り、暴発するのを恐れているからだ。中国が北朝鮮情勢に対し肯定的な役割を果たすためにはこうした議論は不可欠であり、可及的速やかに議論を開始してほしい。
こうした状況もあって、トランプ大統領は28兆円もの商談がまとまったにもかかわらず、終始、仏長面だったという。習国家主席の演説では腕を組み、同氏をにらみつける場面もあり、会談での激しいやり取りをうかがわせた。
中国でのもてなしは、世界遺産の故宮を貸し切っての「超国賓」級のものであった。トランプ大統領も、会談前日は終始上機嫌でツィッターにも投稿していたが、中国はこうしたもてなしにたけていることを理解すべきであった。ワシントンポスト紙は、「トランプ大統領は中国から譲歩を引き出したいと望んでいたが、共産党大会を経て権力基盤を固めた習国家主席は強かった」と報じている。
中国が変わらなければ制裁をさらに強化するしかない
トランプ大統領のアジア歴訪を受け、北朝鮮問題は今後どうなるのかと言えば、事態はますます流動的になったと思わざるを得ない。
北朝鮮は、石炭増産や電力供給量の拡大など、自給自足に力を入れている。金正恩委員長も、9月からは農場や生産現場に足を運ぶ姿が相次ぎ伝えられている。しかし、「自立経済」の強化は、制裁を覚悟で核開発を進める意思の表れでもある。現にサイバー攻撃を多用するなど、核・ミサイル開発資金の確保に躍起となっている。
北朝鮮はこの50日間ほど核・ミサイルによる挑発は控えているが、それは米軍の朝鮮半島集結など北朝鮮にとって危険な状態が続いているからであり、今後は核ミサイル実験を強化しても不思議ではない。
北朝鮮の「労働新聞」は、「核・ミサイル開発が最終完成のための目標が達成された段階であるとし、非核化など夢にも考えるな」と述べており、いくら国際社会が制裁による国際的な包囲網を強化しても、北朝鮮は核ミサイルを放棄しないだろうと、多くの外交筋は見ている。
これに対し米国は11〜14日、朝鮮半島近海で、原子力空母「ロナルド・レーガン」「セオドア・ルーズベルト」「ニミッツ」3隻による米韓・日米合同演習を行う。米国NBCテレビは、「戦争せずに降伏するか、戦争して降伏するかの選択しかないとのメッセージを送るため」との政府筋の解釈を伝えている。
だが、今後も中国の対応に変化がなければ、当面の間できることは、北朝鮮に対する経済制裁を確実に履行してさらに強化する、もしくはAPECやASEAN首脳会議のような「国際会議の場」を活用して北朝鮮包囲網をさらに狭めていくことしかないのではなかろうか。
その間に、北朝鮮国内で政権に変化が起きればいいのだが。
(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『習近平が震えた真夏の怪文書 政変に利用され始めた中国の農民たち(前編)』、『習近平の悩みは「置き去り許さん」と牙剥く弱者 政変に利用され始めた中国の農民たち(後編)』(11/13・14日経ビジネスオンライン 山田泰司)について
11/3民報<林媽利:台灣人、中國漢人逐漸成為不同民族=林媽利博士:台湾人と中国の漢人とは少しずつ民族が違ってきた>8~9割の台湾人は南島語族のDNAを持つと。中国大陸人は中共の宣伝に刷り込まれていますので台独は許さないと思っています。洗脳の力です。元々台湾を漢人が統治したことは一度もないでしょう。満洲人だけです。鄭成功は抗清復明に失敗、台湾に逃れて蘭を追放したのが1661年。蘭は清と組んで台湾回復を狙うがうまくはいかず、やがて三藩の乱のお陰もあって台湾鄭氏政権は約20年持つ。台湾を蘭に返すくらいなら清の軍門に降るとばかり清に投降、台湾が清の版図に入るのが1683年です。鄭成功は半分日本人の血が入っています。台湾を漢人が統治したというのは無理があるでしょう。何せ2020年までに中国は台湾に武力侵攻しようとしていると言われていますので。下記URL10/3デイリーメールの記事を参照ください。同胞同士の争いではなく(=civil war=内戦ではない)単なる侵略行為です。
http://www.peoplenews.tw/news/e8b836e4-419f-43d6-9f57-d8ee6886b2d6
http://www.dailymail.co.uk/news/article-4944902/China-drawn-secret-plans-invade-Taiwan-2020.html
11/14ぼやきくっくりには「虎ノ門ニュース」で青山繁晴氏が「もし米朝戦争が起きれば、その隙に中国は尖閣を取りに来るかもしれない」と。どこまでも汚い奴らでしょう。在日だけでなく、日本国内にいる中国人にも要注意です。何せ国防動員法がありますから。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2123.html
山田氏記事では、怪文書は反習派が作って流したものと思います。でも中国人が怪文書を作成したのは台独派と言うのには恐れ入りました。確かに小生が中国駐在時代に開明的な中国人と話した時に、台湾の独立だけは許されないというのを聞いてびっくりした覚えがあります。それだけ中共の刷り込みが強烈という事です。歴史を改竄・捏造して反日の刷り込みをしている中共のことです。やはり批判精神が養われる「言論の自由」が必要です。中共を打倒しないと無理でしょうけど。彼らには自浄作用がありませんから。
「農民工を置き去りにするな」と言って、他国を侵略することが正当化される筈はないでしょう。やはり国内の富の分配の問題です。あれだけ賄賂を取るのですから、賄賂を止めて農民工に分配すれば経済的な問題は、少しはましになるでしょう。戸籍や档案、言論の自由がない問題、債務問題、大気汚染の問題、どれも解決が難しい問題です。共産党支配を止めて一から出直さないと駄目なのでは。
11/14日経夕刊に中国の大気汚染の記事が載りました。
<中国、長引く大気汚染 官民で広がる対策 (グローバルViews) 川上尚志
国で長引く大気汚染に対し、官民で様々な対策が広がっている。民間では小学校に空気清浄機を贈る募金活動が登場し、行政では工場の操業を止めるほか道路を清掃して土ぼこりを抑えるといった地道な取り組みも出ている。大気汚染をすぐさま解決する手立てがなく長期化も予想されるなか、影響をどう抑えるかが課題になっている。

大気汚染で視界が悪くなる日は珍しくない(スモッグの影響でかすむ故宮博物院、10月20日、北京)=小高顕撮影
「子どもたちの教室にきれいな空気を届けましょう」。10月中旬、上海市で募金イベントが盛大に開かれた。呼びかけたのは上海現代サービス業連合会という金融や流通などのサービス業関連の企業が集まる非営利団体だ。市内の幼稚園や小学校、中学校といった教室に無料で空気清浄機や関連設備を合計で500台贈ることを目標にした。
子どもたちが教室で長い時間を過ごすなか、人が密集することもあって空気中の粒子状物質(PM)などの健康への影響が大きいと判断。募金活動により対策の必要を幅広く周知する狙いもあった。初日の開幕式だけで約66万元(約1100万円)が集まったという。
中国の大気汚染は大都市を中心に1990年代ごろから深刻化した。肺がんや気管支炎を患う人が増え続けており、自身や家族、子どもたちをどう守るかは人々の大きな関心事であり続ける。企業にとってはビジネスチャンスにもなりうる。

6月に上海市で開かれた空気清浄機や空調などの展示会「エコテック・チャイナ・上海国際空気新風展」。3回目となる今年は過去最大の規模となり、467社が出展、3日間の会期に3万人近くが来場した。出展ブースの中で注目を集めた1つが、植物と一体化した異色の「スマート植物空気清浄機」だ。
盆栽や苗木など観賞用植物を手掛ける浙江森禾生態科技(杭州市)が4月に発売した空気清浄機の新ブランド「森境」で、空気清浄機の側面に観葉植物が植えられているのが最大の特徴だ。「家庭園芸を楽しみながら、植物の力で24時間空気をきれいにする」とうたう。スマートフォンのアプリを使い操作したり設置場所の空気の清浄度を確認したりできる。価格はネットで購入する場合で1万4千元程度だ。
もともと中国では大気汚染に対し「コケ類を部屋に置くと良い」「梨やキクラゲを食べると肺をきれいにする効果が期待できる」という俗説が多い。植物の力を借りるというアイデアもそこまで奇抜ではないようだ。
行政も大気汚染への対策に力を入れる。土ぼこりが原因の一つだとして、大気が目に見えて悪化すると道路の清掃や散水に取り組む自治体が目立つ。江西省の南昌市は2016年から、道路を清掃して本来の色を取り戻すという「本色」活動を実施。地区別に取り組み状況のランキングも出し対策を徹底させた。

植物と一体化した空気清浄機も登場した(発売元の浙江森禾生態科技のウェブサイトより)
北京市は今年10月に開かれた中国共産党の党大会を前に、「青空防衛戦」と銘打って周辺の市などと連携し大気汚染防止に取り組んだ。鉄鋼やセメントなど多くの工場が操業停止になり、建設工事の現場でも中断を求められたとされる。
それでも党大会期間中、青空があったと言えた日は1日程度。秋の北京はもともと空気がこもりがちで青空が少ないという事情もあるが、最悪から2番目に当たる「オレンジ色」の汚染警報が出される日もあった。環境保護省の幹部は「大気汚染は短期間で解決できる問題ではなく、腰を据えて取り組む必要がある」と説明する。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の李智雄シニアエコノミストは、大気汚染の指標となるPMの濃度について「現在の中国の水準は日本の空気の1975~76年ごろと同じ」と説明する。日本では75年以降に急速にPMの濃度が下がった。「中国が日本と同じペースで空気の改善を進めていくとしたら今後10年程度で、過去の日本と同程度の空気の質が手に入る可能性はある」と指摘する。
中国の大気汚染 中国環境保護省の2016年版「中国環境状況公報」によると、主要な338都市合計で、大気汚染が重度か厳重とされる日は延べ3248日あった。重度汚染が続いたり厳重汚染の発生が見込まれる場合は「赤色」「オレンジ」などの警報が発令され、学校が休みになったり特定の車両が走行禁止になったりする。中国では大気汚染が原因で13年に160万人が死亡したとの試算もある。主要な原因となる粒子状物質(PM)は、工場のばい煙や自動車の排ガスなどが発生源とされる。>(以上)
まあ、賄賂を取る社会的習慣を無くさない限り、日本と同じような環境保護国にはならないでしょう。書いてる記者も分かっている筈ですが。
記事

(写真:AP/アフロ )
トランプ米大統領が3日間にわたる訪中を終え2017年11月10日午前、北京から中国を後にした。トランプ氏を迎えた習近平国家主席は、2017年10月末の中国共産党第19回党大会で2期目を決めたばかり。事前に党規約入りがうわさされた「習近平思想」という直接的な表現は見送られたが、「習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想」と、個人名を盛り込むことに成功した。党規約に個人名が記されている中国歴代の指導者は新中国建国者の毛沢東、「改革開放の総設計師」として中国経済を今日の隆盛に導く礎を築いた鄧小平の両氏のみ。習氏の前2代の総書記である江沢民氏が打ち出した「三つの代表」、胡錦濤氏の「科学的発展感」も党規約に記されているが、個人名を入れることは叶わなかった。
この党大会では次の5年を担う中国の最高意思決定機関、共産党中央政治局常務委員として7人が選出されたが、全員が60歳以上で、次代の中国を担う50歳代以下のホープの選出は見送られたため、習氏が長期政権を目指していることの証左だと指摘されている。習氏が2期目の総書記に選出された10月25日、トランプ大統領は、「extraordinary elevation」(異常な栄達)という表現を用いて直接祝福したことをツイッターに記している。
新中国の2大カリスマ指導者である毛沢東、鄧小平に並ぶ権威に手が届きかけているとまで称されるようになった習氏。だが、党大会を控えた真夏の中国では、習氏打倒を画策する一派が仕掛けたと思しき怪文書が農民の間を中心に出回っていた。
SNSに飛び交った農民工宛て怪文書
観測史上最も暑い40.9度を記録するなど酷暑に見舞われた2017年の上海の夏。その暑かった今年の上海で8月も半ばにさしかかろうとしていたある日のこと。真夜中になっても33度にピタリと張り付いて動かないスマホの温度計を恨めしく眺め、あまりの寝苦しさにベッドの上をゴロゴロと寝返りを打ちながら、中国のSNS「微信(Wechat)」を眺めていた私は、あるつぶやきに目を止めた。中国内陸の農村からある大都市へ出稼ぎに行き働いている「農民工」の知人の一人が、友人やグループに転送して拡散していたもので、表題には、
「たったいま得た重要な通知。8月18日、中国は徹底的に変わる」
という文字が躍っていた。少し追跡してみると、主に都会で働く農民工や彼らの故郷の農村にいる家族や友人の間で拡散しているようだった。
興味を引かれ、投稿に貼られてあったリンクを開いてみた。PC版とスマホ版の両方があった。スマホ版のページは14ページ構成で、雑誌なら表紙に当たる最初のページの最上部には「一帯一路でウインウイン」と大書され、その下に、「中国共産党第19回全国代表大会を迎えるために、習大大(習お父さん)が間もなく、22項目の最新政策を公布し、祖国を新たな段階に導く。習主席を皆で支持しよう!」と呼びかけていた。
先にも書いたとおり、中国では今秋、5年に一度の中国共産党全国代表大会が開催され、次の5年の指導陣が決まることになっていた。前回大会のあった2012年、中国共産党のトップである総書記に就任した習氏が2選を果たすものと見られており、事実、その通りになったわけだが、5年前の就任以来、反腐敗闘争の名の下、政敵を容赦なく失脚に追い込んできた習氏の強引なやり口には敵も少なくない。
一方、「一帯一路」とは、その習氏が提唱して始まった経済圏構想で、中国を起点に中央アジアと欧州を陸路で結ぶ「21世紀のシルクロード」(一帯)と、中国、東南アジア、中東、アフリカを海路で結ぶ「海上のシルクロード」(一路)を構築するというもの。一言で言えば、21世紀は中国主導で世界経済圏を再構築しようという話だ。
さて、投稿は2ページ目で「深遠な意義を持つ習主席の構想と戦略は庶民の楽な暮らしと経済の繁栄、国家の安定をもたらし、『中国の夢』を実現するものだ。皆で習主席を支持しよう!」と主張していた。
「中国の夢」とはやはり総書記就任間もない習氏が2012年に打ち出した「中華民族の復興」を実現しようというスローガンだ。中国の町中至る所に、その地域を管轄する政府や共産党が準備した「中国的夢」と書かれた宣伝の看板が貼られている。
美辞麗句の並ぶ「習氏の22項目の新政策」
投稿の3ページ目以降には、いよいよ習氏が近く打ち出すという22項目の新政策が羅列してあった。
- 財政支出の50%以上を民政に用いる一方、行政経費を20%以下に抑える。
- 医療と教育を完全無償化する。
- 物価を抑えるとともに、低所得層の賃金基準を大幅に引き上げる。
- 養老の待遇を引き上げる。
- 銀行、電力、水力部門に対し手数料・諸費用の透明化を求め、違反は一律厳罰に処する。
- 計画生育政策を撤廃し、多子多産を許可する。
- 国営企業を民営化する。
- 一切の特権・覇権を禁ずる。
- 文工団の性質を持つあらゆる機構を廃止し、人員は全員解雇する。
- 公務員の採用を減らし、スリム化を図る。
- 立法、行政、司法、軍事に無関係のあらゆる準行政機構を閉鎖し、人員を養うことを止める。
- 現在5つの段階(5級)に分かれている行政区分を「国(中央)」「省」「県」の3つ(3級)に改める。それ以下の行政区分については人民の自治を実現する。
- 役人の財産は透明化を義務付け、ネットに公開し随時閲覧できるようにする。
- 共産党の党庫と国庫を分離する。党は党、国は国とし、混在させない。
- 対外援助を止める。国は一銭の単位に至るまでカネの使い道は公民の同意を得る。
- 社会保障は官民同一、平等とする。
- 公用車を廃止する。金儲けしたい人間は役人に就かせない。
- 国有企業をリストラされた人の年金等の待遇を引き上げる。
- 反腐敗法を制定する。わずかな収賄であっても犯罪とし、贈賄は無罪、収賄は重罪と法で定める。
- 言論の自由、人民の自由、個人メディア、自由な発言を認める。人民に監督の権限を認めて初めて、汚職や腐敗は逃げ道がなくなる。
- 都市と農村で戸籍を一本化する。サラリーマンにも購入可能な低価格住宅を多数建設する。
- 中華民族の伝統文化や信仰を全面的に回復し、人民に霊魂の帰属先を与える。
そしてこの文書は次のページで、新中国の絶対的な偶像である毛沢東主席、1980年代の中国に最高実力者として君臨した鄧小平氏という、中国では既に伝説と化した2人の指導者の顔写真と習主席の顔写真を並べ、「毛主席は中国人を立ち上がらせた。鄧主席は中国人を豊かにした。そして習主席は中国人を強くした」とし、「習主席を支持するために、この文書を拡散希望!『中国の夢』実現に力を提供しよう」として終わっている。ちなみに、この文書では鄧小平氏にも主席を付けているが、鄧氏は軍を除けば共産党のトップの役職に就いたことは一度もない。
さて、1項目目の「民政への支出を増やす一方、行政経費を抑える」というのは、50%と20%という無理目の数字を除けば、内容自体は至極当然のことで、習氏が行財政改革に本腰を入れるということだなと思い込んでもおかしくない。
言論を自由化?
ところが、2項目目の「医療と教育の完全無償化」で途端に怪しくなる。中国にも国保や社保に相当する医療保険はあるが、戸籍地以外の土地で診療を受けると保険が利かず全額自己負担になる等問題が多い。農村に戸籍のある農民工は、出稼ぎ先の都市で病院にかかると高額な医療費を負担しなければならない。その逆、つまり都市に戸籍のある人が農村で就業するということは中国ではほとんどないことで、これも農村と都会の格差の1つになっている。それが、いきなり医療の完全無償化などすぐに実現すると思う方がおかしいということになる。
このように、おしなべて不平等の是正や腐敗の根絶を説くこれら22項目の新政策は、実現すれば庶民、とりわけ不平等や格差で割を食っている農民工や、都市部の貧困層など弱者は大喝采で迎えるだろうが、中国の現状を見て少し冷静に考えれば、少なくとも数年内に実現するのは無理だということが一目瞭然なものばかりだということが分かる。
極めつけは、9項目目の「文工団の性質を持つあらゆる機構を廃止する」と、20項目目の「言論、人民の自由、個人メディア、自由な発言を認める」である。このうち言論の自由については、例えば中国当局は「金盾(グレートファイヤーウォール)」という情報検閲システムを敷いて海外とのアクセスを制限しているから、ツイッター、フェイスブック、ユーチューブ等、海外のメディアに中国国内からアクセスすることができないし、さらにその規制を強化しようとしている。
監視は、中国当局が認めている国産のSNSにも及んでいて、私の知人の知り合いが、中国当局を批判する内容を頻繁につぶやいていたところ、近所の派出所から警察がやってきて「批判は控えなさい」と警告されたという話も聞いた。このように、ネットの規制だけをとっても、新政策で習氏が、言論の自由、報道の自由を認めるというのは、冗談にすら思えない程度の話である。
「習夫人の権力基盤を解体」のあり得なさ
そして、言論の自由を認める以上にあり得ないのが、「文工団の廃止」だ。文工団の正式名称は「文芸工作団」といい、軍に所属する慰問団で、歌や踊り、芝居で前線の兵士を鼓舞したり、軍の宣伝活動を行ったりする組織である。そして、今回のトランプ訪中でも「中国のファーストレディー」としてトランプ氏とメラニア夫人をもてなした習近平夫人の彭麗媛氏は、この文工団に所属するスター歌手だった人で、人民解放軍総政治部歌舞団の団長を経て、現在は文工団の元締めとも言える中国人民解放軍芸術学院の院長を務めているのだ。中国では、所属する機関や企業を基盤に権力を固めていくのが常。夫人の権力基盤の源で軍ともつながる文工団を、習氏自らが消滅させることなどまず考えられない。
こうして見てくると、この22項目の新政策は、「習主席を支持しよう」と繰り返し主張してはいるものの、どうやら習氏やその周囲が決めた内容を自らリークしたというのではなく、習氏と対立する勢力が、習氏に打撃を与えるために流したという可能性もあるのではないか、とも思えてくる。
例えば、「文工団」を廃止して人員を全員解雇するというのは、「公のカネを使って文工団のような組織を養うな」ということであり、言い換えれば、文工団の象徴とも言える習夫人の彭麗媛氏を痛烈に批判するものなのだから。
そんなことを考えながら私はいつの間にか眠りに落ちたようだった。そして翌朝、再びリンクを開いてみると、既にページは削除されていた。
農民の失望・怒りを習氏に仕向ける政敵
幸いなことに私は文書のキャプチャをスマホの中に残していた。そこで農民工の知人の1人に、あなたのところにもこれが届いたか? といって見せてみた。「オレのところには来ていない」と彼は答えたが、22項目の新政策にはとても興味を示した。「これは聞いたことがある。これも本当かもしれない」と1項目目から順を追って読んでいた彼だったが、8項目目の「一切の特権を禁ずる」のあたりまで来ると、あまりにもきれい事や理想のオンパレードだと気付いたのか、スマホから顔を上げて、「この文書はウソだな」と言った。そして彼は次に、驚くべきことを言った。
「これを流したのは、『台独分子』(台湾独立主義者)じゃないのか?」と。
それを聞いて私は思わず苦笑した。習氏を応援しようと繰り返し主張している割には、夫人が率いる文工団の一件のように、暗に習氏を批判している内容が含まれているのは私にも既に分かっていたのは先に書いたとおりだ。ただ、そこから先が、「習氏を批判する勢力」イコール「習氏、すなわち中国の意に反して中国からの独立を企てる台湾の独立主義者」という思考回路になってしまうのは、メディアがすべて政府や党の管理下に置かれ、当局の主張を垂れ流す広報のようなテレビ番組が頻繁に流れる中国ならではのことだと思った。
ただ、22項目の新政策の文書を流したのが台湾独立主義者かどうかはさておき、彼の発言は私にあることを気付かせてもくれた。
「えー、なんで台湾独立主義者がこの文書を流すのか、オレにはまったく分からないなあ」と私が言うと、彼は、「この日本人は何十年も中国に住んでいてそんなことすら分からないのか」というような顔で私を見つめ、こう続けたのだ。
「この政策を実行するというなら、オレたちみたいな農民は習近平を支持したくなるよ。ただもし口だけで実行しなかったり実現しなかったら、期待が大きい分、習近平に失望し怒りを覚えるよ。そして、冷静に読めば実現しそうもないことが随分盛り込まれているじゃないか。習近平の評価を下げれば台独分子にとっては思うツボさ、そうだろ?」
なるほど、と思った。あの22項目の新政策は、文工団のような項目で習夫人や習氏を暗に批判するだけでなく、美辞麗句を並べて習氏を持ち上げるだけ持ち上げた上で、実行されないことが分かったときに農民工ら民衆の失望や怒りがより大きなものになることを狙ったものなのかもしれない、と。
(以下、明日の後編に続く)
(前回の記事「習近平が震えた真夏の怪文書」から読む)
「怪文書」とも言えそうな習近平国家主席が打ち出すという22項目の新政策を書いた文書が流れてきたころはちょうど、中国の幹部や長老が例年、避暑地の河北省北戴河に集まり2~3週間にわたって人事や重要議題の根回しや詰めの協議をする、いわゆる「北戴河会議」を開いていた時期と重なる。特に今年はこの先5年の最高幹部の人事を決める5年に1度の重要な全国大会を控えるという、政治的には極めてセンシティブな時期にあった。こうした中、22項目の新政策を掲げたあの文書は、習氏と権力闘争を繰り広げる政敵が流し、習氏一派が慌てて削除した、というところなのではないのか。
ただ、習氏に失望した農民工や貧困層が蜂起するようなことになれば、習氏1人が権力闘争に敗れるだけでは済まず、中国自体が転覆してしまうほどの大混乱につながりかねない。習氏も政敵もそんなことは百も承知のはずで、農民が不安定な状態に陥ることを恐れているはずだ。
習氏の政敵なのか、知人の言うとおり台湾独立を目指す勢力なのか、それとも習氏自身なのか。それは分からない。ただ、最悪の場合、大混乱に陥るリスクを認識しつつ、あえて農民や農民工を政争に利用するという大博打を打った勢力の姿が、おぼろげながら浮かび上がる。
そして、何も起こらなかった
そうして私は、あの文書が「中国が徹底的に変わる」としていた8月18日を待ってみることにした。
結論から言うと、何も起こらなかった。8月18日に中国共産党や中国政府が22項目の新政策を発表することもなかったし、類似する政策めいたものも出なかった。
ただ、中国系の複数のネットメディアがトップ記事の位置に、「中国が打ち出した貧困解消案に習近平が貢献した」という記事を掲載した。習氏が海南省で仕事をしていた時代に考えた貧困解消の案が、25年を経た今でも色あせず貧困の解消に役立っているという内容だ。8月18日にあえて、習氏が昔から貧困の解消や弱者の救済に心を砕いてきたという記事をぶつけてきたのを見ると、習氏やその周囲はどうやら間違いなく、22項目の新政策の文書に神経をとがらせ、相当に意識していたということなのだろう。
ところが、これと矛盾するかのように、習政権は今年に入り、都会から貧困層の農民工追い出しに拍車をかけており、私は近著『食いつめものブルース 3億人の中国農民工』でも、このあたりの事情を繰り返し書いている。表向きには違法建築の取り締まり、違法経営の取り締まりと、「違法の摘発」という体を取って、農民工が経営者や従業員としてかかわっている店を封鎖するというものだ。
ただ、高度成長の時代が去り、「新常態」という低成長の時代に突入した今、人口の急速な高齢化と30年あまりにわたって続けてきた一人っ子政策のツケによるいびつな人口構成で、都会生まれの貧困層を支えるのが精一杯という社会の到来が間近に迫る中、農民工を支えるだけの余力がもはや都会には残っていないというのっぴきならない事情がそこにはある。
「無くてもいい仕事」で延命図る

「無くてもいい仕事」を生み出すために投入されたおびただしい数のシェアリング用自転車
とはいえ、農民工の受け皿を作らないことには、社会不安が一気に増大してしまう。だから習政権はこれまで、無理矢理にでも仕事を作り出して農民工の働き口を確保し、経済を回そうとしてきた。PM2.5など深刻な大気汚染を引き起こすことが分かっていながら過剰生産に走ったことなどは、その典型的な例だ。最近では、上海等の大都市で爆発的に増殖している自転車シェアリングも、「無くても特に困らない仕事」を、経済を回すために無理矢理膨らませたというのが私の見方だ。
自転車シェアリングは上海で2016年夏ごろから始まったサービスだ。中国自転車協会は、開始から半年あまりの2017年2月末時点で、全国30余の都市で自転車シェアリングを導入しており、台数は200万台にまで膨らみ、うち最大は上海で45万台、中国全土で参入企業は15~20社に上るとしていた。それが、2017年9月末時点には上海だけで178万台、参入企業は13社に達していたというのだから、いかに異様なペースで増殖したかが分かると思う。
海外にも進出済みで、中国の自転車シェアリングの火付け役で最大手のMobike(摩拝単車)は2017年8月、日本にも上陸し札幌でサービスを始めた。報道を見ると、北海道では地球環境に優しいエコなサービスとして拡大を期待しているうようだ。
地元中国でも登場した当時は、自転車の所在地検索や施錠解錠にスマホを使うことや、料金の支払いもスマホの電子マネーでできるという現代のテクノロジーを使った最新ビジネスを評価する声や、二酸化炭素排出量を減らすエコな移動手段の拡大がPM2.5の解決につながると期待する報道が多かった。ところが、自転車シェアリングで最近、中国国内で話題になることと言えば、参入する企業が殺到しすぎて自転車の数がだぶつき、多くが産業廃棄物に化しつつあるという実態や、駐車した自転車が歩道や車道を占拠して歩行者や自動車の通行を著しく阻害しているというマイナスの側面ばかりになっている。
二酸化炭素排出量削減についても、効果ははなはだ疑問だ。というのも、自転車シェアリングはそもそもが「最後の1キロ」、すなわち地下鉄やバスを降りて職場や自宅に向かうまでの間の最後の移動手段をうたって登場した。実際、それまで徒歩で移動していた区間を自転車に乗れるようになって楽チンで便利、という使い方が、私の周囲では圧倒的に多い。そもそも交通機関を利用していなかった区間で自転車を利用しても二酸化炭素の削減にはならない。
そしてついに2017年8月中旬には、上海市政府が供給過剰や交通の混雑を生み出していること等を理由に、シェアリング用自転車の投入禁止を通達するに至った。エコを期待されて登場したサービスが、だぶついて利用されない自転車の山という産業廃棄物の排出マシーンと化してしまったのだから、なんとも皮肉だが、儲かりそうだとなれば短期間に参入業者が殺到してたちまち供給過剰になって政府が規制に乗り出し、後には失敗した業者等の残した負債と産業廃棄物が屍のように累々と残るということを中国はこれまで延々と繰り返してきたし、これからも繰り返していくのだと思う。なぜなら、無理をしてでも、無駄と分かっていても、それでも仕事を作り出し動き続けていないと、一瞬でも動きを止めたが最後、中国という巨象が倒れてしまうだろうことを、だれよりも中国自身がよく知っているからだ。
強面の裏にのぞく切実な国内事情
こうした観点で中国を見ると、中国を中心とした世界経済圏の構想「一帯一路」や、南沙諸島海域に強引に人口島を建設するなどの、一般的には覇権主義、強権、強引とみられがちな外に向かう中国の行動が、実は、自国の力だけでは経済が回らず国の中に就業機会を作り出すことが難しくなってきたため、労働力の受け皿や稼ぎどころを外にも作りたいのだという、切実で、内向きで、弱気な要素が大きいという側面が見えてくる。
ただ、受け皿を作ろうとする外に向けた動きは、時に中国国内に計算外の矛盾やひずみを生み出してしまう。
例えばフィリピンのメディア『Philstar』は2017年7月31日付でフィリピン労働雇用省の話として、北京、上海、福建省アモイ等中国の5都市にフィリピン人家事労働者を派遣することで中国と協議していることを明らかにしたと報じたのだが、給料は10万フィリピンペソ(21万円)で調整しているという話に私は目を疑った。人民元では約1万3000元で、中国人農民工が同じ仕事をする場合の倍以上の報酬である。また、フィリピン人家事労働者を多数受け入れている香港でも、給料は月額4310香港ドル、人民元にして3600元に過ぎない(2017年)。
いくらフィリピン人家事労働者は英語が堪能で雇い先の中国の富裕層の家庭では子息の英語教育にも期待できるとはいえ、ピーク時よりは仕事が減り収入も頭打ちになっている中国人の農民工たちは、自分たちよりも倍稼ぐフィリピン人の受け入れに納得しないだろう。フィリピン人家事労働者の受け入れは、南沙諸島の領土問題で高まったフィリピンとの緊張を緩和する目的があるとのことだが、中国経済の後方支援を期待して外に拡張したはずなのに、国内に農民工の不満という火種を背負い込むという矛盾を生んでしまっている。
だれにも分からない「この先」
都会の農民工の新たな受け皿として新たに台頭した仕事で現在最もかつ唯一有望なのは、ケータリングや宅配便を電動バイクで運ぶ飲食や物流の配送員である。
PM2.5の根源となる汚染を生み出すペットボトル等資源ゴミのリサイクル価格が暴落し、廃品回収を生業としていた農民工たちが上海等の大都市で食えなくなり、さりとて故郷にも仕事がなく、仕事を求めて国内をさまよい出したことを、私はこの連載で繰り返し書いてきた。20年近く廃品回収業しかしてこなかった河南省の農村出身で中卒40代の私の友人は転職もままならず、資源ゴミに比べればまだ値のつく中古家電の回収でなんとか糊口を凌いでいるのだが、PM2.5の騒動以来タダ同然になってしまった資源ゴミの中で唯一、古紙の値段だけが2017年に入って上がり出したのだという。宅配サービスの急成長で、梱包用のダンボールや包装紙の需要が急拡大しているためなのだそうだ。
ただ、無人コンビニを世界に先駆けて導入したり、検索大手の百度や通販の大手のアリババ(阿里巴巴)等、IT大手がこぞってAI(人工知能)を使った自動運転技術やロボットの導入に積極的だったりする中国で、物流がいったい何年、農民工の受け皿として機能するのかといえば、悲観的にならざるを得ない。それでなくても、「動きを止めると倒れてしまう」中国の宿命で、配送業でもお定まりの参入業者の殺到が既に起こったために1人あたりの稼ぎが減り、頑張る人で8000元(13万円)程度稼げると言われた配送員の月収は2016年をピークに下がり始め、1日10時間稼働しても3000元台が精一杯という人が目立ち始めたとも言われる。物流頼みの危うさが既に露呈した形で、さてでは「その先」はというと、今のところ、習氏をはじめ、問題の深刻さはだれもが分かっているが、どう解決すればいいのかは「だれにも分からない」と言うのが現実なのである。
これ以上の置き去りは許さない

対外的な強面の表情とは裏腹に、国内向けのスローガンは謙虚だ(2017年11月12日、上海展覧中心)
受け皿が減り始めた上、政争にも利用され、先行きも不透明と、農民工を取り巻く環境は実に不安定だ。ただ、今のところ、農民工や貧困層は、現政権及び体制を支持していると言える。背景には2つの事柄がある。
1つは、習氏による貪吏の摘発を、農民工や貧困層が高く評価しているということ。もう1つは、現在40代までの世代には、自分たちの幼少期や青年期に比べ、中国が着実に豊かに、確実に良くなっているという思いがあるためである。
先月の党大会で再任された習氏は、「現代化した社会主義強国を建設し、総合的な国力と国際影響力で世界をリードする国家になる」との目標を示した。これを取り上げて、中国が外向きの覇権主義をさらに推し進めるのではと警戒する指摘がある。ただ、決して高いとは言えない水準で頭打ちになりつつある都会の農民工たちの暮らしを間近に見ている私は、国力をそれほどまでに強大にしなければ、とてもではないが農村人口や農民工を養っていくことができないところにまできている、切実な国内問題が産み落としたスローガンであり目標だと捉えている。
党大会が終了し、上海市内には新たなスローガンが街のあちらこちらに掲げられている。その中で最も露出の頻度が高いスローガンは、「社会主義強国」といった覇権主義の推進を思わせるような勇ましいものではない。
「人民対美好生活的向往就是我們的奮闘目標」(国民を美しく麗しい生活に向かわせること、それが我々共産党の奮闘すべき目標だ)
為政者がこの謙虚な言葉を選んだのは他でもない。「強国でも何でもいい。とにかくこれ以上、オレたちを置き去りにするな」という、弱者の苛立ちの高まりが分かっているからこそなのである。
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。
『トランプ大統領はなぜ横田基地に来たのか 日米同盟に刻まれた「吉田茂のトラウマ」』(11/10JBプレス 池田信夫)について
11/13ダイヤモンドオンライン<財界の知られざる右派人脈、保守系団体に属する企業首脳の実名>国策研究会の企業家の名簿を見ますと保守派と思われる人だけではありません。今の日本では綺麗に色分けするのは難しいでしょう。別にリベラルであっても愛国者であれば問題ないですが、今の日本の左翼リベラルは売国・反日ですから。ダイヤモンドオンラインは書籍(11/18号)で企業・経済・政治・大学で右派VS 左派という特集をしているようです。まあ、立ち読みすれば良いのでは。大学は「真っ赤」なのが多いでしょう。それと老人VS若者では圧倒的に老人は左巻きが多いのでは。国際社会の現実を直視できない「昔取った杵柄」から変えられない人達です。
http://diamond.jp/articles/-/149098
11/12ダイヤモンドオンライン<リベラルに復活の道はない、中核派・全学連委員長が激白>29歳で未だ共産主義に幻想を持てるところが凄い。大学はやはり法政かというところ。女性総長がおかしいせいもあるのでは。ただ彼はリベラルなぞ鵺的存在と思っているようで、旗幟鮮明なのは良いと感じました。
http://diamond.jp/articles/-/148939
11/13ダイヤモンドオンライン<内ゲバは「やるべき戦争」だった、中核派・全学連委員長が激白(2)>内ゲバという戦争を肯定しておいて、防衛省との産学連携を否定するのは矛盾では。まあ、彼らは国家を否定して、共産党一党独裁、党の赤軍を使い、世界を全部赤化革命しようと思っているので矛盾は感じないのかもしれませんが。共産主義が世界に蔓延れば、各地・各国の伝統文化・宗教等全部否定される怖い世界になります。
http://cl.diamond.jp/c/acltavxXswoUfOan
11/14ダイヤモンドオンライン<左翼は89年「総評」崩壊で心が折れた、中核派・全学連委員長が激白(3)>総評崩壊、ソ連崩壊、国鉄民営分割化が左翼運動の衰退を招いたと述べていますが、極左は別にして、日本社会の表には見えて来ない部分で左翼の力は大きく浸透してきました。教育やメデイア、学界、官界等。保守派の力はなかなか伸びて来ません。世代交代が起きないと難しいのかと思っています。
http://diamond.jp/articles/-/149125
11/13中国観察<川習會誰贏了?川普:朝鮮矮胖子小心了 習要動手 阿波羅網=トランプ・習会談でどちらが勝った?トランプ:朝鮮のチビデブは習が動くのに気を付けた方が良い アポロネット>魏碧洲氏が言うには、トランプは2500億$の取引で得意になって喜んでいると、契約書にサインしたわけではないので、騙されることもある。一番勝ったのは中国で一番悪かったのは韓国であると。陳破空氏は、「トランプは経済的実利を取ったが、習は国内基盤を確固たるものとした上に、トランプから政権支持、国際社会での地位の裏書きを貰った。北朝鮮問題は非公開で何が話し合われたかは分からない」と。中国は口先だけで、騙すのが普通ですから、トランプは中国が約束を履行しない場合は厳しくチエックし、丹東銀行以外にも金融制裁をかけるようにすれば良いでしょう。
池田氏記事は如何に先を見通すことが難しいかを表しています。吉田が良かれと思ってやったことが、日本の今を歪な国にしたままとしました。米国が中国にしてやられているのもキッシンジャーの敵の敵は味方で、共産ロシアに対抗するために同じ共産中国を味方につけた所から始まります。キッシンジャーがロックフェラーの代理人とすればロスチャイルドの代理人と言われる中国も含めて世界はユダヤ・グローバリストに牛耳られていることになりますが。グローバリズムは未だ許せるとして、共産主義は自国民を大虐殺します。絶対に反対です。
池田氏が最後に書いていますように「国防を正常化する道は、憲法改正しかない」とのこと、大賛成です。でも、北朝鮮有事の際は間に合わないでしょう。そうなれば、超法規的措置で戦うしかありません。戦後憲法改正の手続きを踏めばよいと思います。
記事

米軍横田基地で米軍人らを前に演説するドナルド・トランプ米大統領(2017年11月5日撮影)。(c)AFP/Toshifumi KITAMURA〔AFPBB News〕
トランプ米大統領が来日したとき、大統領専用機「エアフォース・ワン」で米軍の横田基地に降り立ったことに違和感を覚えた人もいるだろう。これまで日本を訪問した米大統領は、すべて羽田空港に降りている。米軍基地に直接来て、しかも軍服を着て演説したのは異例だった。
もちろん一般人とは違うので、大統領が空港で入国審査を受ける必要はない。警備も米軍基地のほうがはるかに楽だ。しかしそこにはもっと重要なメッセージがあった。米軍は在日米軍基地から自由に出撃できると北朝鮮に見せることだ。「どんな独裁者も政権も国家も、米国の決意を甘く見るべきではない」と彼は横田基地で演説した。
米軍基地の撤去を阻止した基地反対派
同じように基地に降り立ったアメリカの指導者がいる。1945年8月30日に厚木飛行場に降りた、ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官である。当時まだ厚木は日本海軍の飛行場だったが、そこに将軍が降りたことは、改めて日本の敗戦を印象づけた。
それ以来、横田も厚木も米軍の指揮下に置かれている。基地の中はもちろん、首都圏上空の「横田空域」は米軍の管制下にあるので、たとえば伊丹から羽田に飛ぶ飛行機は、房総半島に大きく迂回して南から着陸する。
1951年に締結された安保条約は、本来は講和条約と一体の「日米相互防衛条約」になる予定だったが、吉田茂首相が憲法を改正しなかったため、米軍が一方的に日本を守る奇妙な「安全保障」条約になった。これを「対米従属」と批判する人がいるが、憲法の制約で「戦力」をもてない日本は戦争の主力になりえないので、米軍が指揮権をもつしかない。
保守合同で自民党が結成された最大の目的は、憲法を改正して安保条約を改正することだったが、アメリカに「現憲法下で日本はアメリカを守れるのか」と却下された。国内では、砂川基地反対闘争などの「安保反対」運動が盛り上がっており、憲法を改正する見通しは立たなかった。
米軍基地の撤去を妨害した最大の要因は、皮肉なことに憲法改正に反対する基地反対派だったのだ。
吉田=ダレスの「密約」が不毛な対立を生んだ
希望の党の共同代表選挙では、大串博志氏が「安保法制を容認しない」という主張を掲げて立候補した。希望の党の総選挙の公約には「安全保障法制をめぐる与野党の不毛な対立から脱却し、日本の厳しい安全保障環境に対しては、党派を超えて取り組みます」と書かれている。これを「安保法制を容認しない」と解釈することはできない。
そもそも希望の党ができたのは、民進党の内部で憲法論争が続いて行き詰まったためだ。小池百合子代表が「排除」するといったのは、こういう安保反対派だったはずだ。安保法制反対派が共同代表に立候補するのは、公約に違反して「与野党の不毛な対立」をまた作り出す有権者への背信行為である。
集団的自衛権を認めるかどうかなどという問題が、議会で論争になる国はない。自衛権は国家の自然権であり、軍事同盟と集団的自衛権は一体だ。こういう奇妙な対立ができた原因も、1950年代の講和条約と再軍備をめぐる吉田のボタンの掛け違えだった。
1950年に朝鮮戦争が起こると、マッカーサーは日本政府に警察予備隊の創設を命じ、51年1月にダレス国務長官が来日して吉田と再軍備を条件に講和条約を結ぶ交渉を行った。吉田は講和条約を結んで在日米軍基地を置くことは歓迎したが、再軍備は拒否した。
このため交渉は難航したが、なぜか2月7日に急転直下、妥結する。この経緯は外交機密とされていたが、2001年に機密指定が解除され、日米交渉の妥結した原因が分かった。吉田はダレスに、憲法を改正しないで再軍備する密約をかわしたのだ。これでダレスは要求を収め、警察予備隊は「保安隊」と改称され、1954年に自衛隊となった。
アメリカに対しては再軍備を約束する一方、国内向けには憲法を改正しない吉田の二枚舌は、朝鮮半島の戦火がいつ日本に拡大するか分からない状況では、それなりに正しい判断だったともいえよう。
だが彼が再軍備を密約にしたことが、保守派に「対米従属」というトラウマを刻む一方、左翼には「憲法違反の軍隊」への反感を生み、今日に至る不毛な対立の原因になった。最近では「対米従属を批判する左翼」という冗談のような存在も出てきた。
安保法制でよみがえったトラウマ
アメリカから見ると、日米同盟は米軍が一方的に日本を防衛する不平等条約なので、日本にもっと責任をもってほしいという要求が根強くある。トランプ氏も大統領選挙のときは「日本は核武装してもいいから米軍は撤退する」などといっていたが、大統領になってからは言わなくなった。
それは第一に、在日米軍基地がアメリカにとって圧倒的に重要だからだ。これは戦後アメリカの一貫した方針で、韓国の米軍基地は不可欠だと考えていないが、日本の基地を撤去することは考えていない。アジア戦略の中で、日本は飛び抜けて重要な国なのだ。
もう1つは、在日米軍基地が安上がりだからだ。日本政府は米軍の駐留経費を「思いやり予算」6000億円として負担しているが、これは駐留経費の70%で、アメリカ本土に配備するより安いといわれる。米軍の経費をこんなに負担している国はない。
つまり日本は軍事的な「血」の代わりに財政の「金」で安全を買っているわけだが、こういう曖昧な状態で、米軍が日本を守るかどうかは当てにならない。たとえば中国が尖閣諸島を攻撃したとき、米軍が守るかどうかは不明だ。
こうした制度設計を考えることは重要だが、「集団的自衛権は憲法違反か」などというのは無意味な問題である。国際紛争を国内法で解決することはできない。国防は政治の問題であって、憲法解釈の問題ではない。
国防の素人である憲法学者が安保法制をめぐる論議で前面に出てきたのは、2015年の憲法審査会で自民党の参考人が「安保法制は違憲だ」と答えた失敗が原因だ。それまで民主党も現実路線に軌道修正を図っていたが、このアクシデントで吉田茂のトラウマがよみがえってしまった。
現実には憲法を改正しても日米相互防衛条約ができる見通しはなく、今の日米同盟は十分機能しているので、与野党が「解釈改憲」で合意するなら憲法を改正する必要はない。しかし大串氏のような政治家がいる限り、トラウマは果てしなく再生産される。国防を正常化する道は、憲法改正しかないだろう。
良ければ下にあります
を応援クリックよろしくお願いします。

