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『中国「世論工作機関」の内実』(11/16日経ビジネス11/20号 FT)について

11/19中国観察<炸鍋了 黨媒自稱中國是世界最大民主國家 網友學者鞭撻 阿波羅網=カンカンに怒った 党のメデイアが「中国は世界最大の民主国家である」と発表 メールで学者が酷評 アポロネット>韓震という中共教育部の人間が、党のメデイアに「中国はやっと世界最大の民主主義国家になった」と発表した。彼は「西洋型の民主主義は形式上の権利だけで、実質上は権利を持たず政治のお遊びをしているだけ」とも。これに対し、メール上では彼に対し「中国には実質的な選挙制度もなく、言論は封殺され、民主と言えることは少しもない」、「無恥で無賴かつ無能」、「人民は党の目から見ると機械と同じで、畜生さえにも及ばない」との怒りの声が。

でも臆面もなくこういう事が言える中国人と言うのは凄いと思います。日本人だったらすぐ嘘と分かることは恥ずかしくて言えません(日本の左翼人士は平気で嘘がつけます)。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という典型的な事例です。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/19/380419.htm%E7%82%B8%E9%8D%8B%E4%BA%86-%E9%BB%A8%E5%AA%92%E8%87%AA%E7%A8%B1%E4%B8%AD%E5%9C%8B%E6%98%AF%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%9C%80%E5%A4%A7%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%9C%8B%E5%AE%B6-%E7%B6%B2%E5%8F%8B%E5%AD%B8%E8%80%85.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/20中国観察<中共若攻台 美國學者分析:無法攻下台灣 阿波羅網=中共がもし台湾を攻めて来たとしたら、米国の学者に依れば、攻め落とすことはできないと アポロネット>その理由は、制空権を中国が取れないのと、台湾への上陸を阻止する能力が台湾にはあること、米国、日本、ベトナムが台湾を支援するので、中国は台湾へ武力侵攻しても成功しないと米国の学者は見ているとのことです。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/20/380542.htm%E4%B8%AD%E5%85%B1%E8%8B%A5%E6%94%BB%E5%8F%B0-%E7%BE%8E%E5%9C%8B%E5%AD%B8%E8%80%85%E5%88%86%E6%9E%90%EF%BC%9A%E7%84%A1%E6%B3%95%E6%94%BB%E4%B8%8B%E5%8F%B0%E7%81%A3.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/21中国観察<震驚!越共治下互聯網直通全球 對比強烈北京正驅逐外來人 阿波羅網=驚いたことにベトナム共産党はインターネットで世界と繋がることを認めた 北京の外国人の入国制限と比較すれば強烈である アポロネット>同じ共産党でありながら、先ずベトナム共産党は戸籍制度を廃止、またインターネットもファイアウォールを作らず、自由に外国のネットに登録できるようにする。これは、中国のファイアウォールを乗り越えざるを得ない人達を泣かせている。ベトナムは中国のやりかたを踏襲しないとのことです。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/21/380680.htm%E9%9C%87%E9%A9%9A%EF%BC%81%E8%B6%8A%E5%85%B1%E6%B2%BB%E4%B8%8B%E4%BA%92%E8%81%AF%E7%B6%B2%E7%9B%B4%E9%80%9A%E5%85%A8%E7%90%83-%E5%B0%8D%E6%AF%94%E5%BC%B7%E7%83%88%E5%8C%97%E4%BA%AC%E6%AD%A3%E9%A9%85.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

本記事に関して言えば、中国の国歌(義勇軍行進曲:1935年作詞)は源流が反日で出来たものです。その一部の歌詞には“把我们的血肉,筑成我们新的长城!”=我々の血肉で新しい長城を造ろうというのがあります。昔から人海戦術で戦うのが中国のやり方です。今やっていますのは、内なる長城作りではなく、外へ向けての長城作りです。海外への人口流出or棄民もそうです。侵略の糸口になりますので注意しませんと。“中華民族の偉大な復興の夢”で阿片戦争の仇を討つため、海外に侵略の手先を送り込み、得意な賄賂とハニーで海外要人を籠絡します。中国人も朝鮮半島人も道徳心がなく、特に貞操観念が薄いのは慰安婦を見ていれば分かるでしょう。本記事にありますように、中国は世界各国で、中国国内でやっているのと同じ、中国に不利な報道はさせない、中国に有利な記事はドンドン報道させるやり方をします。オピニオンリーダーを使って。日本の左翼新聞も同じやり方をします。左翼と言うのはプロパガンダでしか物を考えません。“実事求是”とは程遠い世界にいます。

中国が強権なのは、国歌の替え歌を禁止したり、一国二制度の香港に国歌を強要したりと、日本の左翼教師も真っ青になるようなことを平気でしていることからも分かります。共産中国を世界にのさばらせてはいけないと思います。日本国民全体がそう覚醒しなければ危ない所まで来ています。大本は米国の中国支援から来ていますが。日本も金儲けだけに血道を上げることは止めた方が良いでしょう。「一帯一路」の詐欺商法にまた引っかかるとしたらアホとしか言いようがありません。

記事

中国共産党の習近平総書記は、統一戦線部の力を拡大させている。国内外において反党勢力を監視し、党への忠誠拡大を図る。特に海外では親中世論を醸成する役割を担う。英フィナンシャル・タイムズが同部の幹部・工作員養成に使う教本を入手し、分析した。

雨傘運動の元リーダーで、香港衆志の秘書長を務める黄之鋒氏は17年6月、習近平国家主席の香港訪問に抗議し、警察に取り押さえられた。習氏は返還20年を記念する行事に出席すべく香港を訪れた(写真=ロイター/アフロ)

グーグルマップで北京の地図を見ると、市街地の真ん中に表示が何もない一画がある。そのすぐ隣にある、ほとんど名称が表示されない建物群が中国共産党の中枢施設だ。

実際に街路を歩いてみると、秘密めいた雰囲気が確かに漂う。制服を着た門衛が各施設を出入りする役人たちの車をチェックしている。しかし、どこにも門札は出ていない。かろうじて得られる情報は、真鍮板に刻まれた街路名と番地だけだ。

これら無名の施設の中で最大の敷地を持つのが、府右街135番地にある中国共産党中央統一戦線工作部(以下、統一戦線部)だ。この組織は、中国が持つ国際的「ソフトパワー」を推進する本部としての役割を持つ。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は、ソフトパワーの行使を政権が取り組む主要目標の一つとして取り上げた。多面的な目標だが、具体的な内容はほぼ秘密に包まれている。習氏は10月25日、少なくとも2022年まで現在の地位にとどまることを確実なものとした。

ソフトパワーを「強硬」に行使

統一戦線部の建物は、街路に沿って約200mにわたって続く。中国の野望の大きさを象徴しているようだ。習氏は「中華民族の偉大な復興」を実現するためには、統一戦線部の工作を通じて国内外の「支持」を得ることが非常に重要だと語る。しかし、府右街135番地の新古典様式の建物の中で働く同部の幹部らが振るう力は、どう見ても「ソフト」なパワーではないことが多い。

本紙(英フィナンシャル・タイムズ)はいくつかの国で、統一戦線部の活動を調査した。その結果、中国最高指導部の指令の下、特定のグループや個人を誘い、取り込み、あるいは攻撃する動きが明らかになった。この組織は全体として、中国が進める政策への支持を勝ち取り、海外における影響力を高め、重要な情報を収集することを目的としている。

本記事を執筆するにあたり、統一戦線部に取材を申し込んだが拒否された。ウェブサイトからは、断片的な情報しか得られない。しかし、本紙は同部の幹部が使用する教本「中国統戦部課程手冊」を入手した。そこには、この組織が帯びている国際的任務が長文で詳細に記されている。読む者を魅了し、かつ、おびえさせることを狙う文言が並ぶ。

教本は幹部に、親切かつ寛大な態度を取り、「統合し得る全ての勢力を(世界中で)まとめる」べく努力せよと促す。同時に、中国の領土を分割したり、中国の発展を妨げたりする意図を持つ「海外の敵対勢力」に対しては「鉄の長城」を築き、容赦のない対応を取るよう指示している。

教本には「海外の敵対勢力は中国の興隆を望まない。我が国を潜在的脅威となるライバルとして見る者が多い。それゆえ彼らは我々の邪魔をし、抑圧するために千の策略と百の計略を用いる」と書かれている。

「統一戦線部は、勝利を得るために万難を排除できる巨大な魔法の武器である」との一節もある。教本によると、執筆者と編集委員は統一戦線部の最高幹部たちだ。

統一戦線部の張裔炯常務副部長が10月、珍しく記者会見に臨んだ。この席で張氏は「中国人民が力を得ようと望むなら、そして中国の偉大な復興の実現を望むのなら、共産党の指導の下、我々はこの“魔法の武器”の使い方をさらに完全に理解する必要がある」と語った。部長を務めてきた孫春蘭氏は、10月末に党政治局員に再選された。

統一戦線部の組織図を見ると、その権限が異様に広いことが分かる。9つの局は、共産党が自らの権力に対する脅威と見なすほぼ全ての分野をカバーしている。例えば「三局」は、香港、マカオ、台湾での工作および180カ国以上で暮らす約6000万人の中国人に対する活動を任務とする。

「二局」は宗教を扱う。「七局」と「九局」はそれぞれチベット自治区と新疆ウイグル自治区を担当する。チベットと新疆は、少数民族であるチベット族とウイグル族の本拠地で、どちらも中国政府に反抗的な辺境地域だ。

オーストラリアのシンクタンク、ローウィ研究所で東アジア部長を務めるメリデン・バラル氏は、中国によるソフトパワーの行使は習氏の下で明白に変化していると指摘する。これまでは、中国の台頭は平和的なものだと他国を安心させることに重点を置いてきたが、強硬な路線にシフトしているという。

バラル氏は「習近平氏が政権に就いて以降、重点が明らかに変化してきた。他国を安心させることが大切だという感覚は今も残るが、『中国が外からどう見られるかは中国自身が決める』『世界は中国に偏見を持っている』という感覚も存在する」と続ける。

ローマ法王よりも党が上位

ダライ・ラマの写真を掲げ持つ、チベットの亡命者。場所はインドのニューデリー(写真=AP/アフロ)

統一戦線部の強硬姿勢は、次代のダライ・ラマを巡る争いにはっきりと表れている。チベットの精神的指導者で、現在亡命しているダライ・ラマ14世(82歳)の未来の生まれ変わりについての対立だ。中国政府はダライ・ラマ14世を、チベットを中国の支配から懸命に引き離そうとしている分離主義者と非難する。

チベット仏教の伝統によると、ダライ・ラマの死後、その生まれ変わりを高僧らが一連の兆候を手がかりに探していくと、転生した魂が宿る子どもの元へ導かれることになっている。

チベット仏教の指導者らは現在、ダライ・ラマ14世に従い、インド北部のダラムサラで亡命生活を送っている。このため、転生した子どもは中国国外で見つかるのではないかとの観測がある。

中国政府はこれを警戒する。政府が最も恐れるのは、「分離主義者」で「僧衣をまとった狼」と呼んできた人物の生まれ変わりが支配地の外に現れることだ。

統一戦線部は、この問題の解決策を講じる責任を負う。内部の関係者によると、今のところ計画は、共産党(公式には無神論を掲げる)が国内の転生探しを自ら監督する、というものだ。この目的もあり、党はチベットで1300人以上の「活仏(生き仏)」を公式に認め、データベース化した。これらの活仏は、その時が来たら、政府が選んだ転生者を支持するよう求められるだろう。

統一戦線部の下部組織であるチベット国際文化交流協会の幹部で、チベット自治政府の官僚でもあるレンチンルオゴ氏は、「全ての活仏の転生は中国中央政府の承認を受けなければならない」と語る。

同氏は最近ロンドンを訪れた際に、「もし(ダライ・ラマが)チベット外のどこかで転生者を見つけることにしたなら、チベットの人々は、それはいったいどのような転生なのかといぶかしむだろう。大衆は、そのような宗教は詰まるところ偽物で、空虚で、想像の産物に違いないと考えるはずだ」と指摘した。

ダラムサラのチベット亡命政府は、中国政府の「不合理」な計画を非難する声明を発表した。その中で「ダライ・ラマ14世が『母国の統一を懸命に破壊しようとする分離主義者のリーダー』であると中国が本当に信じているのなら、もう1人のダライ・ラマを探すことにどんな意味があるのか」と指摘している。

統一戦線部に所属する無神論者の工作員がこのような形而上学的な領域に足を踏み入れるのは信じ難いことかもしれない。しかし、中国にある全国規模の宗教団体は全て、同部の庇護の下にある。例えば中国仏教協会、中国道教協会、中国イスラム教協会、中国天主教愛国会、三自(プロテスタント)愛国運動などだ。

こうした情報から、中国とローマ法王庁(バチカン)の断絶した関係を修復する微妙な話し合いを統一戦線部が主導していることが分かる、と外交官らは指摘する。関係修復を妨げる最大の障害は、中国におけるあらゆる宗教は共産党を最高の権威と認めなければならないという点に中国政府がこだわっていることだ。しかし、カトリックでは最高の権威はローマ法王でなければならない。

両者は10年以上前から秘密裏に交渉を重ね、合意の足がかりを探ってきた。そして最近、進展の兆候が見られた。15年と16年に新たな中国人司教を5人任命することで両者が合意した。

それでも統一戦線部は、少なくとも公式には、カトリックとの合意に対して否定的な立場を保っている。「いかなる外国の宗教団体や個人にも、国内の宗教への干渉を絶対に許してはならない」と教本は説く。

中国が経済改革にかじを切ってから40年近くがたち、社会の多様性が拡大している。中国政府から見れば、共産党に忠実な主流派以外の人々の忠誠心と支持を維持する統一戦線部の価値が高まったと言える。歴代の指導者たちも同部を称賛してきたが、習氏以上に賛美した者はいない。習氏は14年と15年に同部の地位と権限を高めるいくつかの措置を講じた。

まず、同部が取り組む工作の対象を拡大した。例えば、新疆での工作を担う「九局」を新設した。つまり、同部が、新疆の分離主義者との激烈な闘争を監督する機関になったということだ。

また、同部の活動を指導する「領導小組」の新設を命じた。党中央政治局から同部へと命令系統が直接つながっていることを示す措置だ。

海外中国人社会に親中促す

これまで習氏が取り組んだ施策の中でおそらく最も重要な一歩は、同部を「全党」のための活動と位置付けたことだろう。これを受けて15年以降、同部が指名した者が党や政府の最高レベルの役職に就くケースが急増した。また、匿名で語ったある高官によると、ほぼ全ての在外中国大使館に同部の任務を公式に負う職員が駐在するようになったという。

この結果、海外で暮らす中国人に向けた同部の働きかけも強まった。海外で暮らす約6000万人の中国人のうち80%以上は、180を超える国で市民権を取得している。それでも、中国政府から見れば彼らは重要な支持者予備軍だ。同部の教本にも「本土の中国人を統一するには、海外で暮らす中国人子女の統一が必要である」とある。

教本は、工作員が海外に住む中国人の支持を勝ち取るための方法を数多く推奨している。例えば、情緒的な方法。祖国との「血と肉」の結びつきを強調する。思想的な方法もある。「中華民族の偉大な復興」への参加に焦点を当てる。

中でも、中心を成すのは物質的なものだ。中国政府の目的に照らして価値があると考えられる、海外中国人のグループや個人の一部に資金などを提供する。

英国を拠点に活動するある中国人の学者は次のように語る。この人物は統一戦線部が開催するイベントに何度か出席したことがあるという。最初は、中国の祝日を祝う晩餐会や宴会への招待を受ける。たいていは主催者である「友好協会」のホストからの招待だ。友好協会は同部の傘下で活動している。

同協会では愛国的なスピーチが雰囲気を盛り上げ、優秀な学生、特に科学系の学生に、奨学金や給付金といった「アメ」をちらつかせて帰国を促すという。これらの給付を賄う資金を提供する多くは、中国留学人材発展基金会など、統一戦線部の下部機関であることがこれらの基金の文書から分かる。

17年3月、豪キャンベラを訪れた李克強首相を歓迎する中国系の学生たち(写真=AAP Image/アフロ)

しかし、施しを受ければ義務が生じることがある。オーストラリア国立大学の学生、アレックス・ジョスケ氏と呉楽宝氏によると、オーストラリアでは中国学生学者連合会(CSSA)が在豪中国大使館の末端機関として機能している。例えば、李克強首相が今年キャンベラを訪れた際には、CSSAが数百人の中国人留学生を動員して中国への抗議デモを圧倒した、とジョスケ氏と呉氏はブログに書いている。

オーストラリアでも欧米のほかの国でも、全ての中国人留学生が自分を中国ソフトパワーの代理人と見なしているわけではない。それは確かだ。しかし、中国人の学者もオーストラリア人の学者も共に、中国政府を支持する闘争的な気分が高まっていると指摘する。

シドニー工科大学の馮崇義准教授は、中国政府がオーストラリアの中国人団体に及ぼす影響力は、1990年代後半から、それと分かるほど強まってきたと語る。「私の見るところ、中国政府はコミュニティー団体のほぼ全てと中国語メディアの半分以上を支配している。そして今、大学の世界に足を踏み入れてきたのだ」(馮准教授)

海外の政界に根を伸ばす

こうした草の根の活動とは別に、欧米社会で政治的な影響力を持つことができれば、それは大きな成果となる。教本は、カナダのトロントの選挙で中国系の候補者が成功を収めていることを満足げに記している。2003年の選挙では25人が立候補し6人が当選した。06年には当選者が急増。44人の候補者のうち10人が当選したという。

教本は「我々は、これら比較的高い地位にいる人々やグループとの協力を目指し、社会の主流の中で工作して前進への見通しを立てなければならない」と訴える。

しかし、政治的な影響力を求めた結果、不首尾に終わることもある。ニュージーランドの国家情報機関は、中国生まれの国会議員、ジャン・ヤン(楊健) 氏を捜査中だ。ヤン氏がかつて、中国の主要な軍事大学に15年間在籍していたことを問題視している。

本紙の調べによると、ヤン氏は1994年に統一戦線部に加わり、工作員として活動した。10年以上にわたり、中国のエリート養成機関で訓練を受けたり、授業をしたりしていた。これらの機関の中には、軍事情報将校のための最上位の語学学校もあった。同氏はその後、2014年から16年にかけて、ニュージーランド議会の外交・防衛・貿易特別委員会に所属した。

ニュージーランドにあるカンタベリー大学のアン・マリー・ブラディー教授は、中国の政治的影響力が増大していることを真剣に受け止める必要があると警告する。同氏は、オーストラリア政府が内政干渉につながる活動を防止する法律の導入を検討している例を挙げ、ニュージーランド政府に対して、中国による政治ロビー活動を調査する委員会を立ち上げるよう求めている。

カナダの国家情報機関の責任者は10年、カナダの地方政府の閣僚および職員の中に、外国、特に中国の影響力を行使する「代理人」が数人いると警告した。オーストラリアも最近、中国による情報活動や秘密工作がオーストラリアの政治に影響を及ぼしているとの懸念を表明した。

中国流の容赦ないソフトパワーを世界中に広める動きは、このところ壁にぶつかっている。だが、いずれ、一時的な挫折だったということになるのかもしれない。

北京にある清華大学国際伝播研究センターの李希光所長は、「中国政府は最初、京劇や雑技団などの文化をソフトパワーと呼んでいた。しかし、権力の座に就いた習氏は、それまでの指導者とはまったく異なる。中国は自国の文化と発展の道筋、政治制度、理論について100%の自信を持たなければならないと習氏は言う」と指摘する。

習氏が統一戦線部の重要度と権限を高めた以上、中国政府がこの努力をあえて弱めることはないだろう。

*=統一戦線部の部長は、孫春蘭氏から尤権氏に代わった

James Kynge, Lucy Hornby and Jamil Anderlini ©Financial Times, Ltd. 2017 Oct.27

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『上海IT企業で幼児の口にからしを押し込む虐待 先進の企業内託児所で発覚、主犯は無資格の清掃員』(11/17日経ビジネスオンライン 北村豊)について

11/18facebookの中国観察の記事から<強國教師這行業經過老毛的當臭老九批判到改革後把老師奉若神明,到現在當教師只是當打份工(當然,人格高尚的教師也有,就像強國清官一樣稀有),師德早就被拋棄了,特別那些有點後台的更不得了,站在講臺上就像君臨天下。使用些小暴力也覺得人之常情。

強国の教師という職業は、過去には毛沢東に階級の敵と批判され、改革開放後は教師を神棚に奉り、 今は単なる労働者となってしまった。(勿論、人格高潔な教師もいるが、強国の清廉な役人同様稀である)、教師の徳はとっくに捨て去られ、特に舞台裏ではそれが一層激しくなり、演台に立てば将に天下に君臨したようなものである。小さな暴力を使いたくなるというのも世の常である>

https://www.facebook.com/jiluzg.2.0/videos/193015564578844/

11/19中国観察<江歌劉鑫案的最終結局(圖) 看中国>日本に来て中国人同士で殺人事件を起こすのは止めてほしい。殺された娘の母親は殺人犯の前の娘の友達を死刑にしてほしいと願っていますが、日本の判例では2人以上殺さないと死刑になりません。これもおかしな話で、最高裁は判例を変更すべきです。一人殺した場合、死刑にそぐわない理由がある場合は情状酌量して減刑すれば良いのでは。でも、犯人が日本の刑務所に入り(中国の人権無視の刑務所と比べれば遙かに快適)、運営費が日本の税金で賄われることを考えれば、中国で面倒を見ろと言いたくなります。でも、犯人が中国に逃げ帰っていれば代理処罰の制度を使うことは可能(犯罪人引渡条約を結んでいるのは、日本は韓米だけとのこと)ですが、中国は賄賂が横行する国ですから、犯人・遺族とも金で何とでもなるでしょう。反日教育をしている中国と朝鮮半島から人を日本に入れるのは制限すべきです。いつ日本人が殺されるか分かりません。ビザなしは止めるべきです。在日も帰国させるべきです。反日教育を止めてから付き合えば良いのでは。やっと訪中経済団も「一帯一路」参加について条件を付けるようになりました。まあ、公明で正大な取引、撤退条件がクリアにならないと参加しないというのは、永遠に参加できないの意味では。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/comments/2017/11/19/380368.htm%E6%B1%9F%E6%AD%8C%E5%8A%89%E9%91%AB%E6%A1%88%E7%9A%84%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%B5%90%E5%B1%80%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/21JBプレス 川島博之<中国は絶望的「格差」国家、民衆の怒りが爆発する日 「中国の特色ある社会主義」は19世紀の帝国主義にそっくり>川島氏は「大手マスコミは全くと言ってよいほど非難しなかったが、習近平が「新時代の中国の特色ある社会主義」と言っているものは、とても歴史の審判に耐えうる代物ではない。まさに噴飯ものである。そもそも社会主義は人々の権利の平等と所得分配の公平を謳う思想であろう。根底に平等がなければ社会主義とは言えない。中国にはものすごい格差が存在する。共産党幹部と深いつながりを有する一部の富裕層が天文学的な富を蓄えた。そして、それに連なる人々も裕福になった。その子弟は海外に留学するとともに、ショッピングバックを抱えて銀座を闊歩している。」と述べています。また「「新時代の中国の特色ある社会主義」とは、ものすごい格差を固定し、それを維持する体制を言う。それによって強い中国を作るということだ。 それは「社会主義」と言うよりも「絶対王政」と言い換えた方がよい。ビスマルクが唱えてもおかしくない「軍国主義」であり、「中華民族の偉大な復興」とは、格差に苦しむ庶民に対して国威を誇示して不満をそらすことを言う。まさに19世紀である。」とも。左翼の好きな一党独裁になればこういう結果になるのは自明です。三権分立していないので、為政者の思うが儘。況してや今は火力の差が大きく、大衆の反乱は簡単に鎮圧できてしまいます。ソ連時代もそうでした。ノーメンクラツラーが存在していたのも同じです。共産主義はその構造上、人類に対し悪を含んでいると言えます。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51618

北村氏記事にあります、上海の幼児虐待事件は大紀元(法輪功の機関紙)でも11/16報道されていました。

https://edit.djy.co.jp/2017/11/29614.html

まあ、他人がどうなろうと知ったことはないという中国人ですから(毒月餅、毒餃子、毒野菜、大気汚染、河川汚染を考えれば分かります)。それと一人っ子政策で我儘に育ち、自己中の中国人の性格が益々悪くなったと見るべきでしょう。日本の保育士だって近頃は当てになりませんが。子供を預ける場合は、キチンと人物を見て預けるしかありません。

記事

上海市“福泉路99号”にある“携程網絡技術大楼(携程ネット技術ビル)”を本部とする“携程計算機技術(上海)有限公司(Ctrip.com International Ltd.)”(以下「携程公司」)は、傘下に旅行サイト“携程旅行網(Ctrip.com)”を持つ中国最大のオンライン旅行企業である。1994年に創業した同社は、1999年にCtrip.comを開設し、中国の飛躍的な経済発展を背景として順調に業績を伸ばし、2003年12月には米国にある新興企業向け株式市場NASDAQに上場を果たした(銘柄コード:CTRP)。同社は現在1万5000人以上の従業員を擁し、中国国内の北京市、広州市などの大都市および香港に16カ所の支店を持ち、中国のオンライン旅行市場で50%以上のシェアを誇っている。なお、2015年における同社の売上高は195億元(約3315億円)、純利益は26億元(約442億元)であった。

400万元を投じた「携程親子園」

その携程公司が上海本部に勤務する従業員に対する福利厚生の一環として、本部ビルの1階に幼児を預かる託児所“携程親子園(Ctrip Nursery)”(以下「親子園」)を開設した。幼児を持つ従業員たちは募集に応じて承認されれば、自身が勤務するビルの1階にある親子園に子供を預けて、安心して業務に専念できる。携程公司は親子園の管理運営を上海市にある著名雑誌『現代家庭』を出版する「現代家庭雑誌社」の読者サービス部門である“為了孩子学苑(子供のための学園)”に委託した。

2016年2月18日、親子園は正式に開業した。当日は上海市“長寧区”の“婦女連合会”、現代家庭雑誌社および携程公司などの関係者が出席してテープカットが行われた。当時のメディアは、親子園は上海市長寧区の婦人連合会が旗振りを行い、携程と現代家庭雑誌社が共同して実現したと大きく報じた。携程親子園は次のように紹介された。

(1)親子園は携程公司本部ビル1階にあり、敷地面積は800m2、総投資額は400万元(約6800万円)。内部の施設は50m2以上の教室が5室、10m2以上の幼児用トイレが2か所あるほか、保健室、清掃室、栄養室、応接ホール、従業員事務所など。親子園には5つのクラスがあり、幼児の収容可能数は125人。

(2)親子園の特徴は携程公司の従業員が「子供を連れて出勤できる」ことである。親子園が受け入れるのは、幼稚園に上がる前の幼児(18カ月~40カ月前後)であり、毎週月曜日から金曜日の早朝8:30から夜18:30まで開放され、冬休み・夏休みも休業しない。毎日昼食、夕食、2回のおやつがあり、専門の保育士による学習と遊びがある。幼児1人当たりの管理費は毎月1600元(約2万7200円)、これに1日当たり28元(約480円)の食費を加えて、1カ月の託児費は合計で2216元(約3万8000円)になる。

1カ月の託児費が2216元というのは外部の託児所に比べて安く、さすがは携程公司が従業員のために開設した従業員専用の託児所だと言えるが、この良い事尽くめの親子園で保育士による幼児虐待事件が発生したのだ。事件は11月初旬にあるネットユーザー(実際は幼児の父親で携程公司の社員)が、親子園で保育士が幼児に暴行したり、無理やり異物を食べさせる動画をネット上に投稿したことで注目を集めた。それを各種メディアが大々的に報じたことで何も分からない幼児に対する不埒な虐待であるとして話題になり、中国社会に大きな反響を巻き起こしたのだった。

突き飛ばし、口に何かを押し込む映像

投稿された動画は2017年11月1日の朝と11月3日の昼の映像で構成されていたが、その内容は以下の通り。

【1】11月1日午前8時51分:  白いライトダウンを着た保育士(A)がピンク色のコートを着た2歳前後の女児を抱いて画面に現れる。Aは薄黄色のセーターを着た保育士(B)に歩み寄ると、抱いていた女児をBに手渡した。女児を受け取ったBは横のソファーに座り、女児を自分の前に立たせると、女児が手に持っていた小さなバッグをむしり取ってソファーの上に放った。それからBは女児からピンク色のコートを脱がせようとしたが、女児がリュックサックを背負っていることを知ると、リュックサックをむしり取って床へ投げ捨てた。その手荒い扱いに呆然とする女児を尻目に、Bは女児の頭の両脇に結んだ右側の毛髪を強く引っ張って女児の身体を前に押すと、反転した女児は1m以上飛ばされ、そこにあった机の角に頭を打って倒れた。これを見たBは、慌てて女児を抱き起してソファーへ運んだ。

【2】11月3日午後12時7分:  椅子に座っている2歳前後の幼児たちの前に立つ薄黄色のセーターを着た保育士(B)が、赤い服を着た男児(D)の赤いジャンパーを脱がすところから映像が始まる。ジャンパーを脱がされたDは大声で泣き叫ぶ。それを見て白い服を着た男児(E)が泣き始める。すると、Bは手にしたピンク色のチューブから正体不明な物質をEの口に押し込み、続いてDの口にも同じ物質を押し込んだ。これに釣られてBの後ろにいた黒い服を着た男児(F)が泣き始めると、BはFの口にも2度にわたってチューブからその物質を押し込んだ。Dが依然として泣き叫んでいると、Bはうるさいとばかりに、Dを壁際にある机の前につれて行って放置した。振り返ったBはFが泣き続けているのを見ると、Fに近寄りまたしてもその口へ2度もその物質を押し込んだ。

上記の動画がネットに投稿されたことで人々は事態の深刻さを認識し、メディアは次々と事件を報じたのだが、当該動画が投稿されるまでの経緯は以下の通り。

監視カメラの映像を父親が入手

(1)ある父親が親子園への入園申請を経て許可され、11月1日から2歳に満たない娘を親子園に預けた。11月3日夜、父親は娘の左耳の上部に赤くうっ血したような傷があることを発見した。そこで翌4日に親子園へ連絡して娘に何があったのかと問い合わせたが、親子園側は即座に傷ができるような事態は発生していないと否定した。その答に納得できなかった父親は、11月6日の昼に携程公司の同僚を通じて11月3日当日の親子園の監視カメラの動画を入手し、動画の映像を確認したところ、保育士が娘の左耳上部をつかみ、強い力でひねっていた事実を発見した。

(2)父親はこの旨を携程公司の人事部門へ連絡して親子園の園長との面談を要求したが、人事部門は何度もお茶を濁そうとし、当該映像を調べたがいかなる異常事態の発生も確認できなかったと回答する始末だった。納得が行かない父親は祖父母に連絡を入れ、6日午後3時に祖父母と母親の3人で親子園へ出向き、当事者である保育士と会わせるよう要求した。これに対して親子園側はのらりくらりと保育士との会見を拒否し、遂には携程公司の人事部門が介入して交渉した結果、保育士との面談が実現した。遅れて到着した父親は親子園側に対し、娘が入園してからの3日間の監視カメラの動画を全て見せるよう要求して了解を取り付けた。

(3)親子園側から入手した3日分の動画コピーを持ち帰った両親と祖父母は、自宅で全ての映像を確認したが、そこには連日のように幼児たちを威嚇し、暴力を振るう保育士たちの姿が映っていた。そこで父親は動画から抜き出した代表的な映像をネットに投稿し、親子園の保育士による常軌を逸した幼児虐待を世間に訴えたのだった。

なお、携程公司によれば、親子園には95人の幼児が在籍していたが、この動画の事件が発生したのは2歳未満の幼児を預かる“彩虹班(虹組)”であったという。画面で見る限りでは、虹組に在籍する幼児は20人程であった。その中の1人の母親が娘にピンク色のチューブから正体不明な物質を食べさせられたことがあるかと質問したら、娘は「ある」と答え、どんな味がしたかと聞くと、娘は「辛かった」と答えたという。母親はそこにピンク色のチューブを重ね合わせて、正体不明の物質がチューブ入りの“芥末(からし)”であることに思い至った。それにしても、2歳未満の幼児の口にチューブから「からし」を押し込むとは常識では考えられない妄挙(思慮のない行動)である。それが幼児の心に「辛い物」に対する拒否反応を植え付ける可能性は否定できない。

さて、事件が明るみに出た11月7日、虹組の父母たちは親子園へ押しかけ、幼児を虐待した保育士たちをつるし上げた。ある母親は子供が1日に6回もチューブから「からし」を口に押し込まれた結果、その日の夜に子供は1時間に6回も下痢をしたと訴えたし、別の母親は子供たちが顔面にトイレ用の消毒液を噴射されたと憤った。また、保育士が幼児たちに睡眠薬を飲ませて眠らせていたこと、下痢の幼児のオムツを故意に取り換えなかったこと、食事を食べさせなかったことなどの事実も明るみに出た。

激しい抗議を繰り返す父母たちの矢面に立った虹組の“班主任老師(組主任)”は、父母たちに土下座し、「私が間違っていました」と述べて涙ながらに謝罪したが、父母たちの怒りは収まらず、お返しとばかりに、彼女の口にピンク色のチューブから強引に「からし」を押し込んだ。

主犯は無免許の清掃員

その後に判明したところでは、虐待を主導していた薄黄色のセーターを着ていた保育士(B)は、実際には保育士ではなく、単なる清掃員で、病気でないことを公的に証明する“健康証”は持っているものの、“幼児教師資格証(幼児教員免許)”は持っていなかった。携程公司は当該清掃員は募集に応募してきた者の中から面接で篩(ふるい)にかけて採用したのだというが、驚くことに、親子園の園長は清掃員に対して本来の業務以外に保育士の補助として幼児管理業務に介入することを認めていたのであった。さらに、携程公司は親子園の職員募集に際して、「幼児教員免許所持者優先」の一文はあったものの、幼児教員免許所持を必須条件とはしていなかったことも明らかになった。

虹組の父母たちは子供に病院で健康診断を受けさせたが、子供たちには体の外傷のほか、一部に咳(せき)、下痢などの症状が見られただけでなく、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症が確認された者もいたという。

11月7日、携程公司はこの事件を“上海市公安局長寧分局”へ通報したことで、警察が介入するところとなった。翌8日、携程公司は動画の映像が事実であることを公式に認め、事件の当事者である薄黄色のセーターを着た清掃員、保育士、組主任の3人、さらに職務怠慢の園長を加えた4人を解雇した。11月8日、上海市公安局長寧分局は事件に関与した親子園の園長および清掃員、保育士、組主任の計4人を拘束して取調べ、園長を除く3人の従業員は幼児虐待の容疑で刑事拘留された。一方、“長寧区人民検察院”は、未成年者の合法的権利の擁護を標榜して、早々に未成年者刑事検察部門の係官を親子園へ派遣し、事件に関する調査ならびに証拠固めを行わせしめた。

逮捕、閉鎖、診療費用全額負担

こうして事件は、主犯の清掃員、その清掃員の行為を黙認して放置していた保育士ならびに組主任が幼児虐待の容疑で逮捕され、監督責任者たる園長が解雇されたことで決着した。携程公司は11月9日から親子園を組織立て直しのために閉鎖し、このために幼児を預けられなくなる社員には有給で2週間の休暇を与えると言明した。また、携程公司は関連する幼児の検診・診療費用および心理カウンセリング費用を全額負担する旨を表明した。

中国では子供を“宝宝”という愛称で呼ぶほどで、子供は宝物のような存在と考えられている。この傾向は1980年頃に始まり、2016年1月1日に終止符を打った“独生子女政策(一人子政策)”によって、1980年以前よりもさらに強まった。その大事な子供が信頼して預けたはずの託児所で保育士によって虐待されたとなれば、当の子供の父母ばかりか一般大衆までが怒りを表明し、世論が沸騰するのは当然の帰結である。

ところが、中国では3歳以上の子供が通う幼稚園については中国政府“教育部”の管轄であることが定められているが、3歳未満の子供を預かる託児所については所管官庁が明確でなく、グレイゾーンとなっている。このため、託児所は極めて少ないのが実情である。夫婦共稼ぎが当たり前の中国では、祖父母と同居あるいは近隣に祖父母が居住していれば幼児の世話を頼めるが、都市部では祖父母に頼れない夫婦も多く、彼らにとっては勤務中の不在時に幼児をどこに預けるかは非常に深刻な問題なのである。

“上海市総工会(上海市の労働組合組織)”が2016年に行った調査によれば、上海市の託児サービスは極端に不足しており、上海市が独自に設置した託児所は35カ所に過ぎす、2011年に比べて21カ所減少していた。そこに預けられている幼児は5222人で、2010年に比べて3000人以上減少していた。上海市の0~3歳の乳幼児総数80万前後の中で、託児所に預けられている乳幼児の比率はわずか0.65%に過ぎないという。

こうした深刻な状況下で携程公司が自社の従業員の福利厚生の一環として親子園を開設したことは、画期的なことであり、企業内託児所の先駆けとして有意義なことであった。しかし、管理の不徹底という思いも掛けない伏兵が大きな汚点を残す結果につながったのだった。

日本では2016年2月に保育園の待機児童問題に強い不満を訴えた「保育園落ちた日本死ね」と題する匿名のブログが話題となり、この言葉は2016年のユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選ばれた。こんな言葉を大賞に選ぶとは、選定した審査員の作為的意図を感じるが、こうした偏向が許される日本は良い国だと言える。これを中国に当てはめれば、「託児所ない中国死ね」ということになるが、中国でこのような題名のブログを公表すれば、間違いなく国家反逆罪で逮捕されるだろう。

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『「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(1)』、『「習近平が恐れるのは中産階級の離反」(2)』、『今の中国って「ジュリアナ消滅直前」の感じかな (3)』(11/15・16日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

11/21朝のNHKニュースで「トランプが北朝鮮をテロ支援国家に再指定」と報道していました。中国の宋特使と北朝鮮との話し合いはうまく行かなかったというか、ハナから調停役を演じるつもりはなく、最後通牒を言い渡すつもりで行ったと思います。それをトランプは待って再指定したと思いますので、米中合作で金正恩体制打倒に動くのでは。少なくとも米国が北を攻撃しても、中国は中立を保つことになるでしょう。北部戦区(旧瀋陽軍区)の動きが気になりますが。日本も準備しておくことは沢山あります。左翼が国民の命を守る邪魔をしています。国民は良く彼らの言説を見ておいた方が良いでしょう。特に既存メデイア。

川島・山田氏記事は長いので、余りコメントしません。賄賂、戸籍、档案等の問題に触れるともっと深みが出たのではと思いますが、大学に在職中では難しいのかも。日本の大学に中国人の留学生が沢山入るのは好ましくないでしょう。日本人の税金で敵を育成しているようなものです。また大学や語学学校等は中国人を入れてでしか経営できないのなら、学校の総数を減らすべきです。

記事

10月に開催された第19回中国共産党全国代表大会を経て、2期目をスタートさせた習近平(シー・ジンピン)国家主席。トランプ大統領の訪中においてはその外交術によって大きな不利なく交渉を終わらせ、またその後のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議では、多国間の自由貿易を支持すると述べ大きな賛同を得た。習主席の手腕により、盤石な体制が築かれつつあると感じている向きも多いのではないだろうか。

その一方で、経済成長も緩やかになる中、中国は問題も抱えている。その中でも最も大きいと考えられるのが、この連載でも幾度となく取り上げてきた国民の中で大きくなる“格差”であろう。先日の「独身の日」にはアリババ集団だけの取引額が1600億元(2兆7000億円)を突破するなど、消費が盛り上がっているのも事実。ただ一方で、そのような繁栄には取り残され貧困にあえぐ人たちが大勢いる。主に消費を盛り上げているのは、都市に戸籍を持つ都会人。農村に戸籍を持つ農民は中国の発展を支えた功労者でありながら、豊かにはなれない。

都市戸籍を持つ4億人を農村戸籍を持つ9億人が支えるいびつな国家である中国。その実態を紹介した書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(川島博之著、2017年、講談社)は近著『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』と通ずるところが多くある。今回から3回にわたって、川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授をお招きして中国の近未来について語ってもらった様子を紹介する。

川島博之 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。

山田:本日はよろしくお願いいたします。

先生ちょっとご覧になっていただきたいものがあるんです。これは先生が執筆された書籍『農民国家・中国の限界』(2010年、東洋経済新報社)です。その当時買って、このように付せんをいっぱい付けて読んでいたんです。まさか先生と対談するようなことになると思っていませんでした。非常に光栄です。

川島:そうですか。ありがとうございます。

山田:私、仕事柄、中国関連の書籍をいろいろ読むのですが、この10年間で読んだ書籍の中で、こちらの本には大変感銘を受けました。

中国にいると、中国にいなくてもそうかもしれないですが、疑問に感じることがあります。多くの中国人はそんなに収入がない。例えば給料の明細上は3000元(約5万1000円)しか収入がない。そういう人たちがどうして銀座とかで買い物がばんばんできるんだと。説明のつかないことがたくさんあります。

川島:そうですね。

山田:ただし、それについて中国専門家の人が書いたものでちゃんと答を書いてくれているものが本当にないですね。

川島:ないですね。

  

戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』、川島博之著(講談社) 3億人の中国農民工 食いつめものブルース』、山田泰司著(日経BP)

山田:一番不思議なのはお金の出所なんですよ。なおかつ私は個人的に地方から出稼ぎに来ている農民工の人たちに興味を持っていろいろ話をしている中で、そういう疑問みたいなものがだんだん膨らんできた。そうした中で先生の本を読んだら、土地の開発公社、それとその周辺の人間が土地を転がして大変な富を生み出していると書いてありました。そういったことを統計を読み解いていろいろ教えていただき、本当に目からうろこでした。先生は農業のご専門ですよね。

川島:そうです。

山田:誤解を恐れずに言うと、中国がご専門ではないですよね。

川島:違いますね。アジアの農業と開発が専門です。

山田:だから、かえってそういう大きい視点でご覧になっているから、中国をお分かりになるんじゃないのかなと思ったのです。とにかく日本人は、特にバブルが崩壊してからこの20年、中国のことを冷静に見られなくなっているように思います。1つはやっかみから見られなくなっているという気もします。

川島:私もそう思います。

山田泰司

山田:そうですよね。そのころから例えば反中、嫌中の本がものすごく売れるようになった。だから本当に中国を冷静に見て書かれた、しかも平易に書いている本というのがなかなかなくて。そういう中でこの本に出合って非常に印象に残っていました。

川島:私も中国の農村を度々訪ねていて、実際に見ているんですよ。山田さんも見ているんですよ。ただ、中国関連の書籍を書いている人って、ホテルに泊まって向こうの学者と話しているだけの人が多いんだよね。

日本の学者の中でそれなりの地位を築くと、日本の科学研究費などで中国と共同研究をやろうと。今は中国もお金を持っているので。中国と10年、20年一緒に仲良くやっていくと、ちょっと悪い言い方だけど向こうのペースに乗せられちゃう。向こうのことをおもんぱかると、実態とか書けないんですよね。

山田:そうですね。

川島:それは私は、不幸だと思うし。私は中国や文科省からはお金はもらっていないし、一番ある意味で冷静なことを書ける。中国に遠慮することないし。そんなことで、最近では『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を出版しました。

習主席と安倍首相は1歳違い

山田:世代的にいうと、先生は安倍晋三首相と同じ世代ですよね。

川島:同じです。安倍首相は私の1つ下。

山田:そうですよね。安倍首相と習近平国家主席も1歳違いですよね。

川島:だから、私は習主席と同じ歳です。習主席が文化大革命(1966~1976年)の時期に反動学生として下放されていた時代、私も高校から大学の時期に当たるんです。だから、習主席にはものすごく親近感があるというわけではないけど、長い目で習主席がどうなるかを見てみたいと思います。悲観的に見ているんですけど。

山田:私は、安倍首相と習主席が1歳違いでほぼ同世代ということに非常に関心があります。ほぼ同時期に、同じ時代にあの2人が中国と日本で台頭してきたということに、共通する背景がないのかなと。ただ、それを政治家に直接取材するわけにいかないので、同じ年代の市井の人たちをインタビューすることで何か浮かび上がってくるのではないかと考えていて、次の仕事にしようとも思っているんです。

川島:今の64歳ね。

山田:先生は同じ世代としてどのようにお考えですか。

川島:中国の64歳にインタビューしてもほとんど何も出てこないと思う。要するにみんな教育を受けてないから。習主席みたいに、父親が副総理をやっていたとかいう人じゃない限り、教育を受けるチャンスがなかったから。だから私と同年代の大学の先生っていないんですよ。

山田:なるほど、すぽっといないんですね。

川島:今、だいたい大学のトップになってくるのが50歳くらいで、40歳くらいにもいますよね。だから変な話、みんな若くして大学教授になっている。

山田:一方で、その世代で大学に行っている人はとびっきり優秀な人がいますよね。

川島:そこがよく分からなくて。文化大革命が起きているから、みんな下放されているんですよ。胡錦濤前国家主席の世代であれば、とびきり優秀なら大学に行けたんですよ。ところが習主席の世代って、とびきり優秀でも田舎に飛ばされたんですよね。とびきり優秀でもとから北京大学に入っていたりすると、殴り殺されている可能性がある。造反とかで。

仏頂面で権力闘争を勝ち抜いた習主席

山田:私には川島先生と同じ歳の知り合いがいるのですが、文化大革命当時、新聞社の北京の社宅に住んでいると今日は隣の棟から人が飛び降りた、昨日はこっちから飛び降りた、もうそんなのが日常だったと言っていました。

川島:習主席は、その世代の中ではかなり感情のコントロールがうまい人ですよね。だから化けちゃったんだよね。本当、顔に出しただけでも当時はやばいから。彼らに気に入られるような顔をつくる。習主席って表情が動かないよね。

山田:そうですね。ちょっと前の話になりますが、2014年に3年振りの日中首脳会談があり、その際に安倍首相と握手する際の習主席の仏頂面が話題になりました。日本人はああいうのを見るとびっくりしちゃうと思うんですけど、僕なんかはあまり感じませんでした。

というのも、かなり前の話になるのですが、春節(旧正月)近くにある地方都市のホテルに泊まったんです。そのときに、もう何のいわれもないのに公安が20人ぐらい突然部屋に突っ込んできたんです。賭博、売春など違法行為を取り締まるためです。もう本当にみんなヘビみたいな目をしていました。

ああ、もうこれはだめだ、何も悪いことしていないのに罰金取られるんだろうなと思ってふっと振り向いたら、ちょっと目に表情がある人がいたんです。彼らの上司で女の人だった。この人なら話が通じるかもしれないと思って説明したら、ああ、そうなのか、分かった。じゃあ、次の部屋へ行くぞと言って出ていったんですよ。本当にね、その場に崩れ落ちました。

そういう経験から、僕の個人的な皮膚感覚なんですけど、習主席は話が分からない人じゃないと思うんです。ただ、本当に中国を知らない人があの顔を見ると、何だ、無礼な、みたいな感じになってしまう。

川島:あれは彼の普通の顔ですよね。やっぱり表情を動かさないです。

それから感情を相手に読み取られないような行動をしていますね。明らかにそう思いますね。私はある人から聞いたんだけど、アメリカでは習主席は非常に評判が悪いんですよ。アヘン戦争のときとかに西洋で書かれたアジア人の顔というのは、目が細くて表情がなくて何を考えているかよく分からない。習主席はその代表みたいだと。

ただ、習主席はそれで権力闘争に勝ってきたんだよね。

山田:この15年、20年の期間で日本人が中国を見る中で、あの習主席の表情とか、あるいは南シナ海の問題への対応とか、一帯一路の進め方とか、何か乱暴だと思ってしまうかもしれませんが、あれって多分に国内に向けてのものですよね。国内に向けてこわもてでいないと、内政が保てない。

川島:怖いのは内部であって、米国が怖いとか日本が怖いとかはない。

もし習主席が、鄧小平的な教養を持っていたら今のこの路線は取らなかったですね。一帯一路とかアメリカの感情を逆なでするようなことをやったり、誰も言ってないのに自分からG2とか言いだしたり。G2とかは人から言われるものだよ。そうじゃないのに、東西の横綱だと言いだして、それで握手しようとか言いだせば、向こうは感情的になるのは当然だし。

でも習主席もばかじゃないから分かるんだよ。ひょっとしたら俺は愚かなことをやっているのかなと、寝る前に思っちゃったりするんじゃない(笑)。人間だから。もしここに鄧小平が生きていたら何と言うだろう、毛沢東が生きていたら何と言うだろうと思ったら、やっぱり鄧小平からはボロクソに言われるはず。

お前は中華帝国の滅亡を招くおろかな3代目になるぞと。毛沢東は創立したんだから、いろいろなことがあったのは仕方がない。それを大きく路線を変更して、基本的に鄧小平は何だかんだ言いながら欧米と仲良くしていこうというスタイルを取って、米国のサポートなんかも受けて高度成長するわけですよね。改革開放が1978年ですから40年たって、習主席は愚かなことをしようとしている。

結局のところ中華人民共和国ができてから、70年近く経つけど文化は何も生み出していないんですよ。日本は70年経ったとき、徳川からの70年ってちょうど太平洋戦争に入っていくときになりますけど、それなりのものを生み出した。中国はあれだけの人がいて70年間何もやってないんですよね。ただひたすらもうけることを考えただけ。

山田:確かにそうなんですよね。

川島:農民という9億人を土台にして、その上にいる4億人が豊かになる方法だけを考えた。

山田:なるほど。

どこも報道しない「農民9億人」

川島:結局この前の中国共産党大会で、習主席は何も実のあることを言ってないんですよ。「新時代の特色ある中国の社会主義」って具体的に何なのかというのも言ってないし、「偉大なる中華文明の復興」とも言っているんだけど、これもよく分からなくてね。

山田:ただ、江沢民時代の「3つの代表」もそうだし、胡錦濤時代の「科学的発展観」もそうですけれども、まず中国ってスローガンだけ考えるじゃないですか。考えた後にむだなことをすると言ったら語弊があるけど、日がなその理論を後付けできるブレーンみたいなのがたくさんいる。そういうところが中国の底力の1つだと思うんです。

川島:まあ、そうかもしれない。

山田:やっぱり13億の人を引っ張っていくには、目指すべき北極星みたいなのが必ずいります。中国がスローガン好きなのはそういうところもあると思うんです。分かりやすいスローガンを出して。

発展のモデルでもそうですけれど、北京オリンピック終わっちゃった、万博終わっちゃった、もう次にないとなったら今度は、有人飛行船を打ち上げてみたりとか。ちょっと時間稼ぎは言い過ぎかもしれませんが、これも引っ張っていくためのスローガンの1つかと。

川島:まあ、そうですね。スローガンにもたいした意味はない。言ってみただけという感じはする。

ただ、マスコミに触れてほしいのは、農民が、農村にいる農民と都市に住んでいる農民戸籍で9億人いるわけですよ。一方で都市戸籍が4億人。この構造について日本においては、具体的に大マスコミが触れることがない。

山田:分かっていないんじゃないでしょうか。

川島:農民の人には会ってないからね。向こうでエリートにしか会ってないから。

山田:私は近著『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』で農民工を描きました。ボツになっちゃったんですけど、自分で考えた題名は、『いるのに見えない人々』だったんです。

川島:そういうことですよ。私も彼らのことをこう表現しました。影のような人々だと。

(以下、明日公開の2回目に続く)

絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談の2回目。先が見えずに不満がたまって爆発寸前の農民工。習近平(シー・ジンピン)体制は、それを抑えるために独裁政治を続けようとするが、実は一番怖いのが中産階級の離反だと指摘する。

川島博之 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。

山田:本当に誤解を恐れずに言うと、上海に住んでいる上海人よりも僕の方が農民工を分かっているというか、見えているという自負はあります。というのは、まず関心がないんですよね。自分たちの生活は日々彼らに支えられているんだけれども、彼らがどんな暮らしをしていて、どれだけ最近困っている、といった実態が本当に見えてない。

先生も書籍でお書きになっていましたが、中国はそもそも囲う文化。囲う文化の内側にいるのは文明人だけど、外にいるのは野蛮人、2流国民と考えている。

それは分かるんだけど、それでも今までは、そうですね、2013年ぐらいまでは、農民工って淡々と働いていた。愚痴も言わず、とにかく最近だったら子供を大学から卒業させるため、廃墟に住みながらでも都会で淡々と働いていた。それがPM2.5がひどくなってきたぐらいから、ちょっと私の周りの農民工も愚痴っぽくなってきたんです。それがあって、さすがの彼らもちょっときているなと。

川島:2020年ぐらいに爆発する?

山田:そして、都市では不動産バブルがとんでもないことになった。彼らが住んでいたような郊外ですら家賃が2倍、3倍になって住むところがなくなってきた。私の周りの農民工は、一旦、国に帰る人が出てきたんです。みんな国に帰ったから、その子どもたちが通う幼稚園がつぶれそうになっちゃっうくらいの勢いで国に帰ったんです。だけど1年もしないうちに戻ってきた。

というのは、国に仕事がないわけじゃないけど、でも月に1500~2000元(2万5500~3万4000円)ぐらいしか稼げない。生活するだけならともかく、それでは子供を大学にやろうとか、何かをするには全然足りない。かといって彼らが上海を出ていった問題は、何一つ解決されてないどころか、むしろ悪化している。だからこの2~3年ぐらいで農民工がさまよいだしているんです。

川島:その通りだと思います。マクロに見ても、今から5~6年前は農民工の給料を上げると政府が言っていたんだよね。だから、だいたい1500元ぐらいだった給料が数年のうちに倍になったんですよね。3000元(5万1000円)ぐらい。今上海だったら3500元(5万9500円)とか、場合によっては5000元(8万5000円)ぐらいもらっていますよね。

山田:そうですね。

   

川島:ちょうど胡錦濤政権の終わりのころから、それに対して冷や水を浴びせたのがチャイナ・プラス・ワンです。彼らの給料が上がっちゃうと中国で生産しているメリットがないから、バングラデシュに行け、ベトナムに行けとなった。

中国も内心は結構焦ったんだよね、チャイナ・プラス・ワンは。結局中国が何で豊かになれたかというと、日本の高度成長期と同じで、工業製品を大量に海外に出していって、お金が入ってきて。膨大な貿易黒字を生み出した。そういう国では必ずいろいろなところで土地の値段が上がるから、土地転がしがうまくいく。

だけど今は中国をあまり楽観視できないのは、もうこれ以上輸出は増やせない。また貿易黒字に関してはトランプ米大統領がいろいろ言いだしちゃったから、基本的には私は増えないと思う。日本もや今から30年前、貿易戦争で叩かれてからは横ばい。

過去30年くらいはずっと順調に、韓国を破り、日本を破り、世界の工場になって儲けた金が入ってきて、バブルが起きた。そしてそこにぶら下がっている一部の不動産屋とか建設業者、官僚が大もうけしたというのが中国のモデルなんですよ。

これを冷静になって考えれば、製造業を支えている農民工の給料もどんどん上がっちゃう。コスト面で競争力がなくなれば大した技術力はないわけ。だからまた最近、日本も復活かとかよく記事に出ていますよね。日本も、中国より相対的には安くできるとか。そうなっちゃうのが困るんですよ。

ということは、山田さんがおっしゃるように、これ以上農民工らを甘やかすわけにはいかないと、そういうことですよね。だから賃金も、通常だと今でも地方では月に2000元と言われていますよね。

山田:そのぐらいですね。

川島:大都市で3000元。北京、上海だともう少し高いと彼らも言っているけど。でも3000元にしたって、月収5万円とかそのくらいですからね。ボーナスだって年に1カ月あるかないかでしょう。

山田:1カ月分ぐらいですね。

江沢民も胡錦濤もみんながグル

川島:そうですよね。日本みたいに出ませんよね。要するに社会が、その辺でピン留めされてしまった。それは私より習近平国家主席の方がよく分かっているはずですよ。

山田:もちろんです。

川島:マスコミは中国の権力構造について書いています。江沢民派が負けて、胡錦濤派が負けて、習派が勝ったと、面白おかしく書いています。でも、真実は違うと思う。真実は、実は江沢民も胡錦濤もグルですよ。サスペンスドラマだったら、この3人は対立しているんだけれど、最後の5分で実は3人はグルだったんだというオチ。対立しているようなふりをしていただけ。

その3人が影で言っているのは、このままじゃ全部俺たちが壊れちゃう、共産党が壊れちゃう。それは困る。どうやったら自分たちの目の黒いうちはもたせられるか。やっぱりかなり強い独裁を引かなきゃいけないよということです。

文句を言うやつは捕まえる。妙に民主化とかをすると早く壊れちゃう。独裁で文句を言うやつは徹底的に叩く。それからファイアウォールで外から情報は入ってこないようにする。そうすれば20年ぐらいはもたせられるかもしれない。だったら、権力闘争に勝ったこわもてのやつがやるのがいいだろうと。

みんなでシャンシャンで決めちゃうと中国って何を考えているのと言われるから、派閥抗争をやって、その後に習主席が勝ったというストーリーをつくる。中国の人って政治のこと大好きじゃない、話すの。だから中国の中でも、習主席が勝ったぞとか言って、何か『三国志演義』を読んでいるみたいになっちゃう。海外から見れば、習主席は頑張ったよねとなる。

でも、実は3人はグルでね。私はそのストーリーだと思う。それは中国共産党の現在の体制を、要は都市戸籍を持つ4億人が農村戸籍の9億人から搾取する「戸籍アパルトヘイト」をもう20年くらいやりたい。その後はまあ、悠久の歴史の流れに身を任せようと。

山田:では、この構図は20年変わらないということでしょうか。

川島:変えようとしないわけ。だから今回の共産党大会でも全然触れていませんよね。農民工のことは一言も言ってないもんね。

私は最終的には、中産階級の離反が怖いと思っています。農民はもう分断されちゃうし、農民工も個人個人は不満があるけど、何かちょっとやったらすぐ逮捕ですよね。だからあんまり怖くない。一方で、中産階級の支持はほしい。でも、この人たちもすごく悩んでいる。私は留学生をたくさん抱えているのですごくよく分かるんですよ。

だって東大に留学したって、中国に戻ってもいい就職先がないわけよ。

中国人で定員を埋める日本の大学

山田:東大に留学してもそうなんですか。

川島:30年前の中国の留学生ってえらく優秀でした。留学生の枠が非常に狭くて、例えば東大が10人募集するというところに万単位で応募してきちゃう。

今から20年前くらいだと、それほどもう優秀ではないんだけど、非常に皆さん頑張り屋さん。向こうの大学を出てからこっちの大学院に来て、6畳のアパートに3人で住んで。バイトに行きながら一生懸命勉強して帰った。

このときに留学してきた人の中には、今日本で大学の先生になっている人も多いよね。非常に頑張り屋さんで、結構優秀なんだけど、おそらく飛び抜けて優秀という人はもう米国に行っていたんだと思う。

それに比べると、今、留学してくるのは、普通の子だよね。

山田泰司

山田:そうなんですか。

川島:東大とか早稲田、慶応が中国人に乗っ取られると報道しているところもあるけど、あれ違うよ。大学院の定員が埋まらないから、それを中国人が埋めてくれているんですよ。今、大学院生のための図書館での説明会、第1回は日本語でやって、第2回は中国語でやるんです。

大学院の定員の約半分は中国人なんです。半分が日本人。もちろん、ほかの海外の子もいますけど。じゃあ、その子たちがすごく優秀だったら日本の大学は乗っ取られるけど、そんなに優秀じゃない。優秀な子はやっぱり米国に行きたいというし、もっと優秀だったら、まずは北京大学と清華大学、復旦大学に入るんです。

そこからこぼれちゃうと米国、例えばハーバードとかに留学させたりする。でも、米国にもいけないとなると、お手軽留学で日本に来るんです。実は日本は学費が安いんです。ドイツとかフランスも学費は安いけど、ドイツやフランスに中国人が行きたがらないのは、卒業するのが難しいから。

山田:なるほど。

川島:日本は入れば卒業させてくれる。これは東大でも最大の問題なんだけど、文科省は入学させたら卒業させろと言うし。

だから中国からは留学生がたくさん来ています。日本が一番そういう意味ではなめられています。ただ、中国の企業ももう気が付いていて、日本の大学で、しかも東大、早稲田、慶応で学位を取ってきても、たいしたことないと。米国の大学出身者よりもレベルは落ちるし、それほど使える人間でないというのが分かってきているわけですよね。

だから、日本に留学に行って、2年後、3年後に中国に戻ってもそんなにいい就職先がないんです。ちょうど日本でバブルが崩壊したときのような感じですね。

バブルといえば、そういう子どもを留学に行かせられるような家庭は不動産を持っているわけですよ。だけど今、簡単に売っちゃいけないみたいだし。

山田:そうですね。

川島:今中国がやっていることは、私の聞いている範囲では、全部統制経済にして続かせようと思っているんだけど、これは無理だもん。

山田:おっしゃるように、これまではスクラップ&ビルドを永遠にやってきたのですが、もうそろそろ本当に無理だろうというのがいろいろなところで出てきている。

川島:出てきていますよね。明らかに。例えば、高速鉄道の路線も作るところがなくなっちゃったし。

山田:そうなんですよ。

不満がたまり始めた中国の中産階級

川島:気が付いたらほとんどのところに高速鉄道の路線を作った。80兆円の負債が残っているらしいんだけど、誰が払うんだろうね。それに高速鉄道は乗っても空いていますよね。不採算路線みたいなのがいっぱいできちゃっている。そういうことも伏せられているんですね。どういう収益になっているかとか。

話を戻すと中産階級が持っている不動産が売れない、例えば自分が病気になってお金が必要だから売ろうと思っても売れない。そうしたら一銭にもならないわけです。また、息子、娘に関してはお金をかけて日本に留学させて修士を取らせても、有力な企業にはいけない。おそらく、3年ぐらい日本にいたら、1000万円ぐらいかかるでしょう。でも、勤める企業は、月収1万元くらいと言っていますね、よくて。17万円の月収ですよ。

自分はマンションが売れなくて、子供の就職先にも満足していない。習主席のことをみんなで崇めていても、これはちょっとおかしいよね、と思ってくる。今まではイケイケどんどんで豊かになれた。特に今の50代だと文化大革命を覚えていて、芋とかを食べていたから、ちょっと前までは、綺麗な家に住めるだけで満足だった。でも、その中産階級にも不満がたまっている。

山田:子供を東大に留学させられる人の年収は、どれぐらいなんでしょうか。

川島:だいたい2000~3000万円ぐらいじゃないのかな。

山田:私は上海にいて、確かに不動産の転売禁止だとかいろいろあるんですが、彼らの羽振りを見ていると、2000~3000万円という数字より、もっといいような気がするんです。この財源ですが、1つには自分の土地が再開発地域だったらものすごい額が手に入りますよね。一夜にして本当に億万長者になった人はごまんと周りにいる。それを見ていた人たちは次は自分の番だと思っていたものの、今はひょっとしたら回ってこないと思い始めている。

川島:そういうことだよね。だから親は豊かになったけど、子供たちにはもう回らない。ただ親がいっぱい持っているからいいやと思っている部分もあるよね。明らかに成長は止まりましたよね。

山田:そうですね。だからさっき言ったようにもうスクラップ&ビルドで自転車操業は限界だけど、じゃあ、その限界がいつ来るかというと、なかなかそこの予想というのが分からない。

最近『ニューズウィーク』で、「中国予測はなぜ間違うのか」という特集を掲載していました。1990年代の初めごろ、具体的には鄧小平の「Xデー」が取りざたされはじめたころから、中国はいつ崩壊するかというのをずーっとやっていますけど、いまだに崩壊してない。周りを見ていると、都市部の人たちだけでいえば、特に上海なんかはまだちょっとお尻に火がつくというところまでは来てないですよね。

川島:私もそう思います。

(以下、明日公開の3回目に続く)

絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談も今回で最終回。都市戸籍を持つ4億人が農民戸籍を持つ9億人から搾取するといういびつな構造を持つ中国。今後、農民たちは希望を持って生活することができるのか。

(前々回の記事「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」から読む)

(前回の記事「習近平が恐れるのは中産階級の離反」から読む)

川島 博之 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。(写真=深澤明、以下同)

山田:中国がそろそろ限界なのは間違いないと思います。では、どうしていくかなんですけど。

川島:日本では、バブルの象徴ともいえる、ジュリアナ東京がなくなったのが1994年だったけど、中国はまだその前ぐらいの感じじゃないかなと思います。日本でもそのころは、バブルがはじけるとは感じていなかった。日本はお尻に火がついたのは1997年です。山一証券がつぶれた。ただ、中国だったら山一証券をつぶしませんから。公的資金で救済するような形でいくから。

だから今は1992年、1993年くらいだと思うね。ちょっとやばいかな、でも政府が何とか、やってくれるよねと。大学生も、だからまだ朝まで踊れていた。そんな感じで。中国の場合、そういう意味では国にはかなりの余剰があるので、そこを使って陰で支えていけば、日本のバブルの崩壊みたいなのは防げると。だらだらだらだらバブルの崩壊しない状態が続くと私は思っていますね。

山田:金融政策と財政出動ですね。

川島:今の習近平(シー・ジンピン)国家主席の最初のときからそうなんですよね。何もしなかったら山一証券や日本長期信用銀行がつぶれたような日本みたいに、大変なことになる。ところがそこでうまくやっちゃうから。いつの間にかホワイトナイトが現れたと言って収まっていくというのは、そこはつぶさない技術です。

だけど、これは私だけじゃなくて多くの人が言っているんだけど、もう成長しない状態で変な金融政策によりずるずる延ばしていっても、病が重くなるだけだ。やめると痛いからやめないんだけど、じゃあ、永遠にできるのといったら永遠でもない。でも明日には壊れないし、明後日も大丈夫そう。そういうことだよね、今、やっているのは。

山田:だから私の友達なんかでも、事業を始める人は結構いるんです。だけど全然もうかってないんですよね。もうかってないんだけど、出資する人はいっぱい出てくるんですよ。

川島:貸自転車がそうだよね。もうかってないんだもん。

山田:本当にそうなんです。それで全くうまくいってないのに、そろそろエンジェル投資家が出てくるころですと、みんなそんなことばっかり言っているんですよ。実態がないのにお金だけはどこからか出てきて動いているという不思議な状態が。

温和な顔になった中国の指導者

川島:1993年くらいの日本はみんなそう。何とかなるよ、最後は日銀、大蔵が何とかしてくれるよみたいな。

さっきから言っているように、共産党はこの事態によく気が付いていて、締めなきゃだめと考えた。だから民間企業の中にも共産党支部をつくって、共産党の指令によって全部を動かす。例えばここを売りたいとか、ここを閉めたいとかも勝手にはできないんだよね。じゃあ、営業を続けられませんと言っても、そうしたらこっちの銀行に声を掛けるからといって、担保もないのに銀行から金を借りられちゃう。だから奇妙なゾンビ経済が続いているんだと思う。

山田 泰司

山田:本当にそうですね。

川島:ゾンビ経済において、私は学生の顔つきとかを見ていると、もう今の若者たちは中国の経済を支えていくことはできないと思う。柔和な顔になっているし、頑張るのは嫌いだし。

山田:柔和な顔ということで思い出しましたが、最近の中国の指導者の顔は柔和になりました。昔は人間というよりは妖怪みたいな感じの方もいました。とにかく中国を回していくためには、あのぐらいのカリスマじゃないとだめ。本当に人間離れしてないとだめだなと。

それがやっぱり胡錦濤前国家主席になってくると、優秀なテクノクラート、優秀な公務員の顔になってきましたよね。平和な時代の指導者。習主席も、仏頂面だし表情は出さないけど、明らかに妖怪ではない。

川島:李克強首相もそうだよね。

山田:そうですね。

川島:普通の秀才の顔だよね。ちょっとこのごろだと、おどおどしている秀才の顔だよね。よくいるよね。次、先生に指されると困る。「習主席からは指されないように、目を合わせないように」みたいな感じになっているよね。

農民工はどこに行くのか?

山田:先生がおっしゃるように、習主席は今の経済のことが全部分かっている。とにかく都会に農民工を抱える余裕がなくなってきているんです。

川島:そういうことですね。

山田:だから一生懸命彼らを国に帰そうとしているんだけど、やっぱり戻ってきちゃうんです。それでさまよい始めているんですけど、彼らは一体、どこに行くんでしょうね。非常に私は怖いんです。

川島:だから中国当局は、押さえ付けでしかないんだよね。

山田:押さえ付けるか。

川島:胡錦濤は、彼らにあめ玉をなめさせていけば何とかなると考えていた。和諧社会と言っていたんだけど。今はどうもあめ玉がなくなったんだよね。あめ玉をやっていたらチャイナ・プラス・ワンになっちゃうので、習主席が決めたのはあめ玉はやらないこと。でも彼らは、不満を持っている。どうしたらいいか。警察国家ですよね。今明らかにそちらに進んでいる。

山田:地方の都市をハイテクの町にして、雇用をつくりましょうみたいな報道もちらほらあるんですけど、あれじゃ追い付かないんでしょうか。

川島:一番の例は深センをそうしたいと言っていますよね。深センには確かに優秀な人たちが集まってきていて、中国のシリコンバレーにしようとしている。でも、所詮1000万人ですから。中国は13億人、明らかに数が小さい。

それからそこがいくら発展しても、本質的には9億人の農民の底上げをどうするかという問題なんです。それに対しての答えにはならないですよ。ほとんどが中卒か高卒なんですよね。

山田:そうですね。「農村はみんなこんなもんだ」と言って、子供を高校に進ませずに働かせる親がいまだにとても多いです。

川島:勉強してないから農民なんです。農民の中でも、すごく優秀なら都市戸籍になれるんです。農民でもチャンスがあるんですよ。小学校で1番、中学校で1番。勝ち抜いてトップになれば、農民でも北京大学とかに入れて、そして都市戸籍を取れるんです。

だから中国人の中には、貧困は自己責任という感情があるように思います。日本からだとそう見えるんです。私は大学にいて、そういうのを見ているから。だから彼らの心の中では、小さいときに勉強しなかったやつらを、対等に扱うことはできないとなるんです。私はあのときに一生懸命勉強したけど、そのときにいつも遊んでいたんだから、農民だと。徹底した学歴社会です。

山田:中卒で働きに出て、1万元ぐらい稼いでいる内装屋さんが知り合いにいます。まだ20代前半。背中に一面の入れ墨を入れてるんです。彼は中卒で重慶から出てきて、北京にまず行ったらしいんです。そこにしばらくいたんだけど仕事を辞めて、その後、海南島に流れていった。僕は海南島で知り合ったのですが、その彼は北京を離れるときに背中に入れ墨を入れました。要は、ものすごい差別をされたらしい。

川島:ああ、そういうことね。

山田:自分の中で、とにかく生き抜いてやるというしるしですね。背中に入れ墨を入れようが何しようが、根性を出してやるしかない。彼も農民です。

川島:そういう社会ですよね。だから仕事でもとにかく頑張るしかない。

山田:ただ、上海に出てきて住んでいる人たちなんか、とにかく取り壊しが決まって廃墟みたいな格安のところに住んでいる。トイレもなければ、何もない。そういうところでみんなやっているわけです。

彼ら僕と同世代ぐらいで、自分は小学校を出たかどうか分からない。ただ、自分の子供は大学にやろうと思って一生懸命やっているんです。でも最終的には、田舎の農民はみんなこんなものだからと言ってあきらめちゃう。そういうのを見ているから、もっと頑張らなきゃだめじゃないかとは、とてもじゃないけど言えない。もう十分頑張っている。くじけるのは当たり前だと思います。

反日デモも農民のせい?

川島:都会人と接していると軍人もすごくばかにしているんです。軍人って農民ですから。彼らは軍人にはまずならないですよね。幹部学校には行く人もいると言っていたけど。

だから武装警官をすごく怖がりますね。あいつら農民だから、頭の中がどうなっているか分からないという感じで怖がる。やっぱりすごい強い差別意識を感じますよ。学生は皆さん都市戸籍で、親は向こうのエリートさんだから。

それから大規模な反日デモが起きたときがあったじゃないですか。例えば2012年だったか、日系のスーパーなどが被害を受けた。壊したのは、みんな農民工だと言うんだよね。都市戸籍の人は日本なんか襲わないよと。彼らの言い訳かなと思って聞いてたんだけど。

山田:そうですよね。何かそういうことがあると農民工のせいにする。

あれは2005年に反日デモが盛んに行われたときでした。私は上海の日本総領事公邸やアメリカ大使館のそばに住んでいたんです。軍用のトラックが20台ぐらい私の家の前の道路に集結して、荷台に武装警官をギュー詰めにして市内に散っていったというのを毎日見ていました。話に聞くとあのときは、大学の寮で人が集められる。今日はデモへ行きますからこの寮から何人、この寮から何人といった形で集合をかけられたそうです。

だから、全くの官製デモですよね。その中に農民工はいませんよ、本当に。

川島:非常に強い偏見を感じるよね。

山田:EXILEって、男性ユニット。彼らのようなEXILE系の男、真っ黒でマッチョでちょびひげな男は中国では人気ないんですよ。色白、ぽっちゃりの方が中国ではいいんです。EXILEって、中国名は「放浪兄弟」という名前があるんですけど、ネットなんかで言われているのは「民工団」。容姿が農民工に似ているから。

また、バドミントンで林丹(りんたん)という選手がいて、北京五輪、ロンドン五輪と2大会連続で金メダルを獲得した。国民的英雄だったんですが、不倫が見つかってすごく叩かれた。彼もやっぱりEXILE系なんですが、叩かれた途端に、何かこいつ農民工みたいだとバカにされる。そういうところで形を変えて農民工が出てくるんです。

中国経済は20年はこのまま、でもその先は……

川島:非常に強い差別意識だよね。

でも私は結論に近いけど、農民戸籍の9億人を豊かにすることはできないと思っています。繰り返すけど都市戸籍の4億人は9億人を踏み台にして豊かになった。それが中国の特殊な社会主義。この踏み台を外してみんなで一緒になったら自分たちも貧しくなっちゃう。そのことはすごくよく分かっているんだと思う。

差別意識もあって、9億人はもう仕方のない人という見方をしている。4億人経済が動いているし、4億人の部分はかなりの部分リッチになった。山田さんがおっしゃるようにすごくグレーなマネーが動いていて、日本に爆買いに来られるようになっちゃっている人たちがいるんだけど、そのマネーは絶対下の方には行かないんですよ。

でも、農民の人を救おうと思えば、簡単なんですよ。都市戸籍の人の多くの財産というのは都市の不動産に変わっています。中国では固定資産税と相続税がかからない。税率にもよるけど、固定資産税と相続税がかかるようにすれば、今の体系は一遍で変わるよね。そこから出てきた税金で、例えば農民の小学校を建てるなどに回せばいいんだから。全部そこに富をため込んでいるんだから。

私は、過去30年くらい研究してきて、アジアの発展の中で農地の転用がすごく大きい発展の原動力になっていることを感じています。日本の場合でいえば、農民自身が大きな金を得たケースが多くあります。農民の人が駅前ビルのオーナーになっているとか、駐車場のオーナーになっているとかあるよね。

そういうところで非常に分散していったんだけど、中国は農民ではなくて、国営公社が取っていっちゃった。アジアでいえば、ベトナムが中国とほぼ同じ構造で動いているんです。中国は農民たちが農地の所有権を持ってなかったというのが決定的にうまくいかないですよね。

山田さんには悪いけど、アイデアってないでしょう。どうやって彼らを豊かにしていいか。彼らに「どうしたら先生、いいですか」と聞かれるんだけど、今は答はないと言っている。と言っても、このシステムは止められない。

山田:25~26年前からの知り合いが、今は中国の国家税務総局にいるんです。彼が税金の問題についてはずっと言っていますね。90年代から言っていますが、何の進展もしていない。

川島:中国はほとんどの税金が日本で言うところの付加価値税なんですよね。それで税金の多くの部分を所得税じゃなくて企業から取っているんですよ。多くの部分を払っているのは国営企業なのね。

中国で大きな税金を払っているのって、水道局とか、ガスとか電気とか、そして今一番大きいのは通信機器業者。普通の庶民が電気代を払う、ガス代を払う、それから携帯を使う。そうすると自動的に税金を取られちゃっているんです、国営企業を通じて。だから中国の貧しい人たちは、税金を取られたと思ってなくても、税金は取られている。スマホを使えば税金を取られる。中国は頭いいよ。

山田:そういうことですね。

川島:そういったところは共産党が胸先三寸でやっている。だから絶対国営企業は文句を言わない。中国の財政ってすごく健全なんです。中国の政府って人民をどう飼いならしていくかみたいなのをよく知っている人たちだよね。

私は日本人だから農民に同情を寄せるけど、彼らに明日はない。だけど限界が来ているのも事実だから、中国には明日がない、中国崩壊となっていく。都市戸籍の4億人だけでやっているこんな状態はいつまでも続かない。ではどういうシステムにするのかといったら答がない。ただ、前にも述べましたが、少なくとも20年ぐらいはこの状態が続くと思います。

山田:党大会の後に、習近平独裁体制がいよいよ強まりました、みたいな報道があふれる中、中国の抱えている問題が、改めて分かりました。本日はどうもありがとうございました。

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『日中首脳会談「習近平の笑顔」の狙いは? なぜ今「関係改善の兆し」が強調されるのか』(11/15日経ビジネスオンライン 福島香織)について

11/19中国観察<“頌習”玩過火?貴州緊急封殺“偉大領袖”(圖) 看中国=習を称えすぎ?貴州では「偉大なリーダー」との形容を緊急に取り下げ>黔西南(貴州の西南部にある少数民族の自治区)で会議があった時に、「偉大なリーダー」と習を持ち上げたが、「褒め殺し」は駄目というルールがあるので、慌てて取り下げたと言うもの。少数民族の哀れさか(小生の意見)?「偉大なリーダー」と言うのは毛沢東を呼ぶ時に使う4つの内の一つだから。それでも習を「党の核心」、「人民を幸福にするための仕事師」、「改革発展のための戦略家」「軍を近代化させた国防の統帥」、「大国のリーダー」、「総設計師」(これは鄧小平と同じ)、「国の舵取り」、「英明なリーダーの名に愧じず」、「歴史が選び、人民が選び、全党が選び、正しく選ばれた」とも。小生は専制国家の個人崇拝の極致で、ゴマスリも大概にしたらとの思いです。気持ちが悪い。北朝鮮と変わることがないでしょう。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/19/380369.htm%E9%A0%8C%E7%BF%92%E7%8E%A9%E9%81%8E%E7%81%AB%EF%BC%9F%E8%B2%B4%E5%B7%9E%E7%B7%8A%E6%80%A5%E5%B0%81%E6%AE%BA%E5%81%89%E5%A4%A7%E9%A0%98%E8%A2%96%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/19中国観察<習近平未來三十年政治教父 差點被李源潮令計劃廢了 阿波羅網=中央組織部部長兼中央党校校長の陳希は習の30年後の政治リーダーになる 危うく李源潮や令計劃によってダメにされるところであった>習近平は自分の出身である清華大学出の陳希、胡和平、陳吉寧の3人を良く用いているとのこと。(朱鎔基も清華大学出身で習を支えているとの話です)。陳希は次の5つのタイプの人間は幹部には用いられないと言っています。

①党に忠誠を誓わず、習総書記の核心的地位を固く守らず、党中央と一緒に舞台の上で歌うような政治野心を持つ人は用いられない。

②鬼神を信じ、 “大師”を敬い、西側の三権分立や多党制を信奉し、社会主義の前途を信じられないものも用いられない。

③原則問題に関わる政治挑戦の場面で表だって何も動かず、重大政治事件や敏感な問題でも態度を明らかにせず、洞ヶ峠を決め込むのも用いられない。

④マルクス理論の基礎もしっかりせず、政治に対し鋭敏さや鑑別能力に欠け、あまつさえ政治の最低ラインに対し挑戦する誤った言論や不良の気風を聞くだけであるなら用いられない。

⑤政治規律と政治のルールを児戯に看做すのは唯我独尊、憚る所のない人間も用いられない。

まあ、お上の言ったことを忠実にこなすタイプでしょう。構想力に欠けるタイプかと。でも世界恒久革命を唱え、実践されるよりましですが。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/11/19/380418.htm%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%9C%AA%E4%BE%86%E4%B8%89%E5%8D%81%E5%B9%B4%E6%94%BF%E6%B2%BB%E6%95%99%E7%88%B6-%E5%B7%AE%E9%BB%9E%E8%A2%AB%E6%9D%8E%E6%BA%90%E6%BD%AE%E4%BB%A4%E8%A8%88%E5%8A%83%E5%BB%A2.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

福島氏の見立ては正しいのではと思います。中国はご都合主義で、自分が困ると擦り寄ってくるのは朝鮮半島と同じです。まあ、彼らよりはスマートで矢面に立つことをしません。裏で何でもします。賄賂もそう、ハニーもそうです。一帯一路なんてインド太平洋戦略をぶち上げ、TPP11も立ち上げて中国を軍事的・経済的に封じ込めようとしているのですから、本気で参加しようとしているとは思えません。「公明正大な取引が担保された場合」と条件を付ければ中国が守れるはずがないと読んでいるからでしょう。WTOやIMF通貨バスケット入りの条件だって守っていません。そもそも外資を中国からは撤退させないようにし、資金の海外送金もできず、3種の財務諸表を作り、国防動員法に協力させ、共産党書記が企業経営に表立って関与するような国に、企業が出て行くかどうかです。いい加減高い授業料を払ったのだから、分からなければ。

トランプも北の問題が解決するまでは中国を大目に見ようと言う所でしょう。11/20夜のニュースでは、北朝鮮はミサイルを年内にも打ち上げるのではと言われています。そうなれば開戦止む無しです。在韓邦人は日本に帰ってきた方が良いでしょう。

https://www.excite.co.jp/News/world_g/20171120/Reuters_newsml_KBN1DK0L3.html

記事

日中両国の国旗の前で、習近平主席が笑顔を見せる。その狙いは?(写真:新華社/アフロ)

ベトナム・ダナンで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議の場で行われた日中首脳会談は珍しく、習近平(シー・ジンピン)の愛想がよかった。これをもって日中関係の改善の兆し、と報じているところもある。本当にそうなるのだろうか。そうなるとしたら、何が要因なのか、ということを考えてみたい。

「国旗入り写真」の意味は

11月11日夕、APEC首脳会議が開かれたダナンで、安倍晋三と習近平が会談した。いつになく習近平は上機嫌で、安倍に笑顔を向けて握手。またプレス向け写真も、背景に日中の国旗を入れたものだった。それまでは中国はわざと国旗を入れない写真を撮り、習近平がいかにも仏頂面で、偉そうな態度を見せているような写真を選んでいた。

これをもって、 中国メディアも日本メディアも、いよいよ日中改善の兆し、「日中関係の新しい始まり」と報じている。果たしてこれは、尖閣諸島漁船衝突事件以来続いている日中関係氷河期の雪解けと受けとっていいのか。

報道を総合すると、会談では両首脳は北朝鮮問題で協力を強化することで一致、早期に日中韓首脳会議を開催できるよう尽力するとした。また日中の懸案となっている海空連絡メカニズム(艦船や航空機による偶発的な衝突が起きるのを防ぐため、防衛当局間で緊急に連絡を取りあえるようにする仕組み)の早期確立についても共通認識を得た。日中が第三国の市場においてのビジネス協力を行っていくことも日本側から提案された。

新華社通信によれば、習近平は「中日は隣国同士であり、アジアと世界の主要な経済体だ。中日関係の安定的発展は双方の利益に合致しており、地域と世界に重要な影響を与える。双方、両国人民の根本利益から出発して、有利な条件を積み重ねて、中日関係を引き続き改善していきましょう」と語ったとか。

さらに「中日関係の改善は相互信頼が鍵となる」として日本に対し「実際の行動と具体的成果で中日のパートナーシップを体現し、ともに脅威をつくらないという戦略的共通認識を持ってほしい」と呼びかけた。また、習近平は台湾問題および歴史問題にについて「中日の四つの政治文書に基づいて、双方がすでに合意している共通認識を持ち続けて、両国に存在する意見の対立については建設的で妥当な方法でコントロールしていこう」と語った。

確かに、以前の木で鼻をくくったような習近平の態度はずいぶん変わってきているようだ。ただ、安倍からは日中平和友好条約40周年に合わせて、来年の相互訪問を提案したが、習近平は明確な回答は避けている。

こうした状況について、中国の識者たちはおおむね、安倍の態度の方が軟化した、という見方で表現している。

中国識者の見立ては…

北京大学の国際関係学院教授の梁雲祥は「先月、安倍率いる自民党が総選挙で勝利し、今月トランプとも会談した。安倍は内政外交とも好成績をあげており、さらに自信を持って中国との関係改善に動き始めたのだろう」(澎湃新聞)と、安倍政権の自信の表れが、対中姿勢の軟化につながり、それに習近平側が応えたと分析する。

また外交学院教授・周永生は新華ネット上で安倍の対中態度軟化の背景として三つの点を挙げている。

(1)安倍晋三は周辺国との関係安定を望んでいるが、政権発足後、ずっとそれはうまくいっていない。ロシアとの北方四島の共同経済開発も、ロシアが主張する領土に関する固有の立場と矛盾しており、日本国内ではまだ不満がくすぶっている。韓国との関係も改善されていない。文在寅は慰安婦問題と労働者強制連行問題が解決していないとし、日本に積極的な対応を求めている。独島(日本では竹島)問題もまだ解決していない。このことから、中国との関係改善は安倍政権の安定にとって有利である。

(2)安倍政権は「一帯一路」(新シルクロード経済構想)によって、日本経済振興を期待している。アベノミクスはさほど大きな進展がなく、すでに息切れし始めている。同時に人口減少の構造性の問題などにも直面している。今後10年、中国経済の成長率は6%以上、米国は1.5%以上、EUは1.5%以上と推計されているが、日本はセロ成長だ。こうしたなか、少なからぬ日本企業が「一帯一路」に興味を持っており、日経新聞サイト(中文)などは、もし「一帯一路」と安倍の提唱する「質の高い基礎インフラ投資」が結びつけば相乗効果でアベノミクスに勢いがつくだろう、と指摘している。日本企業の働きかけで、安倍は「一帯一路」への態度を転換させている。

(3)日本は米国と対外政策で協調していかねばならない。日米首脳会談で、中国政府との建設的対話を継続して展開していくことの重要性を特に確認したという。

懸案解決に「長期安定」望む?

ダナンAPEC前、都内で在日中国人学者をゲストスピーカーに招いた勉強会があった。頻繁に北京に赴き中国内政事情にもそれなりに、詳しいその学者によれば、習近平政権は最近、安倍政権の長期安定を望んでいる、という。10月の総選挙も自民党圧勝を期待していたという。

それはなぜなのかというと、一つには、習近平の周辺には日本を重視するように進言する声はもともとあった、ということ。習近平自身に、無事に第19回党大会を乗り越えたことで少し自信が出てきて、そうした意見に耳を傾ける余裕が出てきたこと。習近平政権二期目としては、ライバルは米国であり、いずれ米中対立が先鋭化するタイミングが来ると予想されるが、その時までに日本を米国から引き離しておく必要がある。そのためには日本を中国サイドに引き寄せる努力をすべきだ、という考えに傾斜してきていることなどが背景にあるらしい。

さらに言えば、日中関係を改善する上で、懸案の海空連絡メカニズムや東シナ海ガス田開発の問題について、日中は込み入った交渉をしなければならないが、そういう実務的交渉は安倍政権のような継続性のある政権の方がやりやすい。

2012年6月に大枠で合意した海空連絡メカニズム実施に向けた協議は尖閣国有化問題で一時中断した後、2014年11月に協議再開で合意した。だが、尖閣周辺海域をこのメカニズムに組み入れるか入れないか、入れるとすれば、どういう扱いなのかで日中の意見は対立し、今に至っている。

最終的には文書に使われる文言や定義の問題で、その最後の交渉の大詰めに入っているようだが、こうした双方が国家利益をかけた込み入った実務交渉ができるのは、今のところ安倍政権しかない、とその学者は指摘した。中国サイドにしてみれば、日中関係の悪化のきっかけは、実務能力の不足した民主党政権の“政治的空白”で起きているので、もともと野党に対する信頼度は低いのだろう。

ただ、こうした意見はすべて中国サイドの見方、立場から発せられている。果たしてそれが本音なのか、というと中国の場合、公式に喧伝されていることとほぼ真逆のことが実は本音というパターンが多い。なので、こうした中国人識者の見方を反対側から透かして見てみることも必要だ。

例えば、安倍政権サイドが中国との関係改善を望んでいる、と強く主張するときは、実は中国サイドの方が切実に対日関係改善を必要としていることが多い。周永生は日本が周辺外交がうまくいっていないため、中国との関係改善を望んでいると指摘するが、安倍政権の外交は、対韓国以外は、比較的効果が上がっているように私には見える。特に対ロシア、対インドはそれなりに手応えがあったと見られている。

トランプ対策と「一帯一路」問題と

安倍が2016年8月、ケニアで開催されたアフリカ開発会議で打ち出したインド太平洋戦略は、今回の日米首脳会談でも実現に向けた連携が確認されたほか、トランプにフィリピン大統領ドゥテルテとの会談を行えるように環境を整えたりもした。

残念ながら、トランプ・ドゥテルテ会談で、日本が密かに望んでいたであろう南シナ海問題における中国への牽制姿勢はひき出せなかったが、それなりに日本も対中包囲網を目指して舞台回し的な役割を演じようと動いていることは、中国も気づいているはずだ。国際情勢に関する正確な知識や認識がまだ不足しているように見えるトランプに安倍が個人的人間関係を利用して、日本の立場の“国際観”を吹き込むことを相当警戒しているようにも見える。

「一帯一路」に関しても、アベノミクスを成功させるためにも日本が興味を持っているというが、これを裏返しに見ると、中国がぜひとも日本を引き込みたいということかもしれない。

今、「一帯一路」が直面している問題は資金ショートである。現在は中国が相当無理をして国有銀行の資金をぶち込んでいるが、中国の銀行システムが抱える不良債権の莫大さを考えると、中国金融にシステミック・リスクを引き起こしかねない問題をはらむ。これは「財経」など中国の経済誌などにも結構赤裸々に指摘されている。だからこそ、日本のような資金力のある国にぜひとも参加してほしいところだろう。

日米を分断させる、というのはもともと中国が持っている戦略だ。これまでの基本方針は米中接近による、日本の孤立化である。だが習近平政権は二期目に入って、G2時代への野心を隠さなくなってきた。トランプ・習近平会談で、「太平洋は中国と米国が共存するのに十分な広さがあるので、2つの大国が意思疎通と連携を強化すべきだ」と語り、かつて呉勝利(海軍司令)がキーティング(太平洋司令官)に提案し、米国を激怒させた「太平洋米中二分割論」を蒸し返した。

ただ、トランプは紫禁城貸し切りという特別接待に懐柔されたのか、あるいは余裕があるのか、この発言に反論したりすることはなく「米中両国が連携すれば、世界中のあらゆる問題が解決できる」とリップサービスした。一方、日本外相の河野太郎が「中国は太平洋と接していない」と不快感を表すコメントを出した。

トランプの対中戦略が今後どのように変わるかは、まったく予見できないのだが、今現在までの状況を客観的に言えば、北朝鮮問題に対しては中国を頼りにしているようだし、米中融和と言うべき状況が起きている。米中融和に引きずられるかたちで、日本も対中姿勢軟化に動いている、という中国人学者の見方も、あるいは来たるG2時代を見据えて、中国が日本を取り込もうという見方も、それなりに説得力はあるのだが、私は、もう一つの見方にも触れておきたい。

笑顔の下で、激しく

ビジネスマン的リップサービスをすらすら言える代わりに、たびたび発言や態度を大きく変えてきたトランプに、中国は警戒し始めている。一方、安倍はそんなトランプに影響を与えるキーマンの一人であり、同時に明確に中国の脅威を意識して、対中包囲網をつくろうという地道な外交も行っている。これまでは、日本を孤立させることで日米分断を試みてきたが、5年を費やしても、それは成功していない。ならば日本の懐柔に作戦を切り替えるのは当然の選択肢だろう。日本を懐柔すれば、日米を分断できるかは別としても、トランプに“中国の脅威”を吹き込むヤツはいなくなる。

中国としても、それなりに安倍政権の外交力を見て、あまり軽んじるわけにはいかないと判断したのではないだろうか。しかも日本は、「北朝鮮の脅威」論を借りて、憲法を改正し、国防を強化しようとしている。経済が落ち目と言われながらも、世界第三の経済大国が本気で再軍備強化すれば、中国にとっては北朝鮮の核より脅威かもしれない。少なくとも今しばらく、日本の中国に対する脅威論を和らげる必要がある。だから、中国は対日関係改善に取り組み始めた。習近平個人はどうやら安倍と相性が悪そうだが、政権としてはそういう方向に持っていこうとしているように見える。

ただし、中国が将来的に尖閣諸島を奪い、台湾を統一しようという野心を隠し持っていることには変わりはないだろう。日中関係が雪解けムードになり、ハイレベルの交流が維持され意思疎通が深まることは大いに歓迎だ。だが、仏頂面でお互いそっぽを向いているより、笑顔の下に思惑を隠して利害を争う交渉を行うことの方が、よっぽど厳しい外交であることは言うまでもない。日中関係改善が本当にどれくらい進むかは、今しばらくの様子を見る必要があるが、それが事実としても、単純に朗報だと喜んでばかりもいられない、ということである。

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『トランプ大統領の「米国第一」政策は初来日を経てさらに強まる』(11/14ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

11/18中国観察<習特使送金正恩神秘禮物傳達啥信號?三胖定母親節有特殊禁忌 阿波羅網=習の特使は金正恩に絶妙なるギフトを送り、米中の信号を伝えた。三代目のブタの定めた母の日には特別なタブーがある>ボイスオブアメリカは米国のシンクタンクの発言を引用、「宋濤の北朝鮮訪問は2つの見方がある。一つには、習は既にトランプにやるべきことを教えたことである。習は恐らく北に伝える内容も教えただろう。宋濤は強硬な意見を持って行ったという見方。もう一つはトランプ政府には突発事件になる。どちらの可能性が高いかは分からない」と。「縦覧中国」の主筆の陳奎德は「中国は米国の経済的圧力のもと、金融とその他の国連決議の制裁を実行、但し石油はまだ閉じられていない。核は中国の安全にも影響がある。北の非核化は米中共通の認識、但しミサイルについて中共は従来より我関せずの立場」と。革命二世代目の羅宇が言うには「今回の宋濤の訪朝の目的は再度核実験をしないように忠告すること。もし言う事を聞かなければ石油も食糧も止める。そうなれば金三胖の生きる道はない」と。

11/16は金正恩が定めた母の日で、今年で6年目になる。以前は花籠に「有難う、お母さん」とか「愛している、お母さん」とかリボンをつけたが、今年は個人崇拝と誤解されるのを恐れて付けられない。代わりに手鏡や靴下、手袋が歓迎されているとのこと。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/18/380345.htm%E7%BF%92%E7%89%B9%E4%BD%BF%E9%80%81%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E7%A5%9E%E7%A7%98%E7%A6%AE%E7%89%A9%E5%82%B3%E9%81%94%E5%95%A5%E4%BF%A1%E8%99%9F%EF%BC%9F%E4%B8%89%E8%83%96%E5%AE%9A%E6%AF%8D%E8%A6%AA.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

昨日の本ブログで鈴置氏の記事を紹介しましたが、11/15ホワイトハウスでトランプは次のように述べたと。羅宇が言う「核実験の停止」だけではダメと言うこと。それが違った形でしか伝わらないとすればトランプは習に騙されたことになります。 “We agreed that we would not accept a so-called freeze-for-freeze agreement like those that have consistently failed in the past.”

20日まで宋濤氏が北朝鮮にいますのでどういう結果になるかです。どのような結果になろうとも、日本は抑止力を持たなければなりません。“If you want peace, prepare for war ”です。真の敵は北ではなく、中国ですので。多国間同盟で対抗するにしても、いざという時に兵を出さないのでは誰も相手にしてくれないでしょう。

真壁氏の記事は80年代の日米関係を思い出します。日本の貯蓄超過が貿易黒字を齎すので、もっと内需をと米国に言われ、森永貞一郎氏のレポートまで出して内需を増やそうとしたこと。今の中国が正しくそうでしょう。違いは、中国は貿易で稼いだ金を内需どころではなく、軍拡と賄賂に使っているので、貯蓄率は下がりません。社会保障も全然充実していないのでISバランス式が正しければ、米国の貿易赤字は減らないでしょう。

http://blog.livedoor.jp/keperukun/archives/1018516489.html

記事

Photo:The New York Times/AFLO

11月5日、ドナルド・トランプ米大統領が初来日した。政府はトランプ大統領を、事実上の“国賓”として扱い、天皇陛下との会見や安倍総理と計4回の食事をともににするなど、手厚い待遇でもてなした。

そうした厚遇の背景には、安倍政権として北朝鮮に対して日米の緊密な連携を誇示するだけでなく、トランプ大統領が強行に進める米国の貿易赤字削減交渉の矛先を和らげる狙いも大きかったと考えられる。

今回のアジア歴訪を通してトランプ大統領は、米国の貿易不均衡を是正することが一つの命題になっていた。そのため、米国に有利な条件を、わが国や中国から引き出すことが重要な目的だったはずだ。

貿易赤字は、大統領自身の政治生命の“命綱”というべき、白人労働者階層の支持をつなぎとめる大切な材料だ。具体的には、米国に有利に働くようなFTA(自由貿易協定)交渉を求めることである。それはまさに、米国の利益を第一に考え、トランプ大統領の支持層に恩恵をもたらす“アメリカファースト”への取り組みに他ならない。

今後、トランプ大統領は米国第一の主張をより強める可能性が高く、「グローバル経済の発展」を重視した行動は期待できないだろう。

むしろ、FTA交渉を求める米国は、主張をますます強める可能性がある。わが国は、そうした要求をうまくかわしつつ、アジア各国を中心に“親日国”を確保し、国際社会での発言力を高めることにエネルギーを注ぐ必要がある。

強硬にFTA交渉を進めたいトランプ大統領

トランプ大統領訪日を前にした10月16日、麻生副総理(財務大臣)とペンス米副大統領が、第2回目の“日米経済対話”を開いた。この場で米国は日米間のFTAに強い関心を示した。前回4月の経済対話ではFTAが議論に上がらなかったことを考えると、わが国に農畜産分野等での市場開放などを求める米国の考えは、一段と鮮明になっている。

一方、わが国としては強硬な米国を相手にする2国間の協定よりも、むしろTPPを中心に「多国間の連携」を進めることを重視している。そうした日米間のスタンスの違いを考えると、先の経済対話での通商問題の議論が過熱した可能性は十分に考えられる。

今回の大統領の訪日は、白熱の通商交渉の延長線上で考えるべきだ。6日、トランプ大統領が日米の経済関係者に対して行った講演では、まさにその“本音”が現れた。大統領は日米の貿易が不公平であると述べ、財政赤字に不満を示した。また、米国内で完成車を生産することを検討するよう企業トップに求めた。

韓国訪問においても、トランプ大統領は米韓FTAの早期見直しを要求した。それを見ても、米国の目的は、わが国などからFTAへのコミットメントを引き出すことにあったと考えられる。

わが国としては北朝鮮問題への対応力を高めるためにも、米国との関係は強化しなければならない。また、TPPからの離脱を表明し国際社会からの孤立に向かっているトランプ政権と、アジア地域の安定に向けた指針を共有することは、当地域におけるわが国の存在感を示すために重要だ。

そうした考えから、安倍総理は米国製の新型戦闘機やイージス艦を購入する考えを示し、米国の要求に一定の配慮を示したとも言えるだろう。

理論的に矛盾するトランプ大統領の政策運営

では、貿易赤字の削減は本当に米国の経済にプラスに働くか。理論上、米国の輸入が減少し、米国国内での完成品の生産と輸出が増加すれば、貿易赤字は縮小する。しかし、それが米国の経済にとってプラスになるかは別の問題である。

米国の輸入が輸出を上回っているのは、米国民が、メキシコなど他国で生産された自動車や、中国で生産されたスマートフォンなどの電機製品を必要としている要因が大きい。また、米国の企業の多くが海外で事業を展開している。

その理由は、国内での生産に比べ海外で生産した方が、米国企業の利益率が高くなるからだ。実際、米国の自動車業界は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に反対している。ここに、トランプ大統領の主張の矛盾がある。

現在、下院歳入委員会が審議している税制改革案が成立し、米国の家計の可処分所得が増加したとする。その場合、家計の消費意欲は高まるはずだ。耐久財から消費財まで多くのモノの売れ行きが増加する可能性がある。それは、米国の輸入増加につながるだろう。

輸入が制限され、米国製の製品が供給されてしまうと、輸入品以上の金額を支払って消費者は満足度を満たす必要が生じる。それでは、潜在需要を十分に引き出し、経済成長率を引き上げることが難しくなるかもしれない。実際にそうした状況が発生すると、グローバル経済の発展とともに競争力を失った米国の鉄鋼産業などは、一段と厳しい状態に追い込まれる恐れもある。

トランプ大統領は、就任以来一貫して貿易赤字の解消に執着している。トランプ大統領は、基本的な「経済の仕組み」を十分に理解しているか疑問符が付く。すでに多くの経済学者が、リーマンショックの以前から米国の労働参加率が低下し、インターネット革命がもたらした生産性向上などの効果が低下してきたことを指摘している。

この問題を解決するためには、輸入の制限ではなく、むしろIT分野など新しい産業への経営資源の移転を促し、米国経済全体の競争力を高める方が有効な政策運営といえるはずだ。

今後の米国経済の行方とわが国の取るべき行動

足元、米国の経済は緩やかな回復を続けている。株価は連日のように史上最高値を更新し、先行きへの楽観的な見方は広がっている。ただ、いつまでも景気の回復が続き、株式市場が上昇し続けることはありえない。どこかで景気と株価はピークをつけ、経済成長率が低下することになるはずだ。

今後、FRBの金融政策に関する不透明感がある中、税制改革への期待から相場が上昇した場合には、機関投資家が利益確定のため保有株式を売却する展開も考えられる。実際に米国の株価が下落し始めると、世界の金融市場はリスクオフに向かい、円キャリートレードの巻き戻しが進みやすい。それが円高圧力を高め、国内の株式市場にも下落圧力がかかるだろう。

今すぐこうした展開が現実のものとなるとは考えづらいが、向こう1~2年程度の間にマーケットの調整圧力が高まる展開は十分に考えられる。

わが国は、米国を中心に世界経済が安定している間に、アジア各国へのインフラ開発支援などを進めて経済連携を深め、親日国を確保して自国の発言力を高めておく必要がある。同時に、米国からもわが国の取り組みに対する理解と協力を引出して行くべきだ。そうした取り組みを一定の期間内に進めることは、口で言うほど容易なことではない。

しかし、米国が自国の事情を重視した政治を進める中、わが国は、アジア太平洋地域の安定を支えていかなければならない。それができないと、中国の海洋進出などを抑止することができず、アジアの中でわが国が孤立する恐れが高まる。

米国では2018年中間選挙が視野に入る中、トランプ大統領はこれまで以上に“アメリカファースト”の主張を強めることが想定される。それだけに、わが国は世界経済のダイナミズムの源泉と考えられるアジア新興国との関係を強化し、多国間連携の意義と魅力を各国に示しつつ、連携を呼びかけていく必要がある。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

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