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『卒業=失業?新卒800万人の中国就活事情 大卒「蟻族」「啃老族=スネカジリ」が社会問題に』(11/30日経ビジネスオンライン 西村友作)、『中国「国家資本主義」の抑止策が日本主導で始動 米国巻き込み、インフラとデータの公正取引を目指せ』(11/30日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

12/1中国観察<國家副主席人選爭議大 王岐山胡春華去哪兒?希望之聲電台=国家副主席を誰にするのか争いは大きい 王岐山と胡春華はどこへ行くのか 希望の声TV>「来年3月には党ではなく政府の人事があるが、中国の歴史を見ると国家副主席は常務委でなくても良く、儀礼的なポストである。曽慶紅は実権を握っていたが。王岐山が第一候補であり、胡春華が国家副主席の第二候補か副総理になる」と読んでいます。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/01/382006.htm%E5%9C%8B%E5%AE%B6%E5%89%AF%E4%B8%BB%E5%B8%AD%E4%BA%BA%E9%81%B8%E7%88%AD%E8%AD%B0%E5%A4%A7-%E7%8E%8B%E5%B2%90%E5%B1%B1%E8%83%A1%E6%98%A5%E8%8F%AF%E5%8E%BB%E5%93%AA%E5%85%92%EF%BC%9F.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

12/2ロイター<習氏、尖閣で「軍事行動」に言及>米国が北朝鮮を攻撃した時が、中国が尖閣を強奪しに来る危ない時期かと。古森義久氏の『戦争がイヤなら憲法を変えなさい 米中対決と日本』の中で、トシ・ヨシハラ氏は尖閣に有人監視設備を置くべきと言う意見があるという質問に「中国が軍事的な対抗措置に出る可能性がある」と否定的、代わりに「日本が南シナ海での海洋拡張行動に対し、米国と協力して積極的に安全保障行動を取る」という水平エスカレーションを提言(P.22)。ロバート・サター氏に依れば、「中国の艦艇や漁船に尖閣上陸できる能力はない。あるとすれば空挺作戦が先行する。或はホーバークラフト使用が合理的。海保の予算を増やし警備能力を高めるべき。また中国の嫌がることをすべき。個別or集団的な安保協力、台湾関係法の制定、人権弾圧や少数民族弾圧への非難等」と(P.30~32)。リチャード・フィッシャー氏は「中国共産党は究極的には、日本と言う国をほぼ完全に屈服させることを目指していると言えます。アメリカとの同盟はなくす。自衛能力も極めて制限される。勿論核兵器など持たない。そして少しずつ中国の国家発展長期計画に日本と言う国を組み込んでいく。そんな目標です。つまりは日本を中華帝国の隷属国家にすることです」と警告しています(P.48)。日本国民は中国の危険性に覚醒しなければ。容共政党に投票するのは中国の侵略を有利にするだけです。憲法改正もできれば実現しておきたい。間に合わなければ最悪超法規的措置で対抗、「憲法守って国滅ぶ」のでは本末転倒でしょう。

https://jp.reuters.com/article/idJP2017120201001626

中国の学生の就職状況は、

2015/3/25ニュースポスト7<中国 大学卒業者749万人中150万人が就職できず争乱の懸念も>

http://www.news-postseven.com/archives/20150325_311271.html

2016/4/13人民網<中国、大卒者の失業率が5年連続で低下>とありますが、人民日報は共産党の喉と舌=フェイクニュースですから、当然信用できません。

http://j.people.com.cn/n3/2016/0413/c94475-9043785.html

西村氏記事が実態を表していると思います。経団連はアホなことに韓国人の大学卒業生を雇用するようお触れを出すようですが、会長の出身である東レは韓国に11工場持っています。東レが雇うのは勝手ですが、他の企業に反日国家の韓国人学生の雇用を進めるのはもっての他。いまや米朝戦争が喧しい中で韓国の運命がどう転ぶか分からないときに。

http://tairitu.hatenablog.com/entry/2017/11/21/154648

https://snjpn.net/archives/37570

http://n-seikei.jp/2017/11/post-48212.html

経団連は韓国人学生だけでなく、その内中国人学生も採用するとか言い出しそうで恐ろしい。侵略のお先棒を担ぐことになります。日本の人手不足は短期的には高齢者・女性の活用で、長期的にはAI・ロボット化で対応すべきです。

元経団連常務理事の阿部泰久氏が亡くなりました。彼は経団連で税制を担当していましたのでお世話になりました。その際、東大の剣道部出身と伺いました。ご冥福をお祈りします。合掌。

細川氏の記事にありますように、中国の「一帯一路」に全面協力は避けたい。多分中国はAIIBを活用してくると思いますが、世界のスリランカ化を招くことになります。麻生財務大臣が「AIIBはサラ金」と仰ったのは、尤もな話。中国は儲けた金で軍拡を推し進める訳ですから、協力すれば日本にブーメランとして跳ね返ってきます。

http://www.recordchina.co.jp/b224281-s0-c10.html

西村記事

中国の名門大学、清華大学で開催された某国有企業の就職説明会(2017年11月、北京市内)

国慶節を終えた直後の10月中旬、対外経済貿易大学の教え子のSNS上に悲痛なつぶやきが流れた。

「倍率は50倍だって!」。

大手国有商業銀行の某地方支店の応募状況だ。彼女のSNSはほどなく、同じく就活真最中の同級生たちからのコメントで埋め尽くされた。

中国では今、秋季の就職活動が佳境を迎えている。新学期が9月から始まる中国では、就職活動は秋季と春節を挟んだ翌年の春季の二度のピークがある。それぞれ10月と2月頃から始まり、3か月ほど続く。

日本の新卒採用状況をみると、人手不足や企業の好業績を背景に空前の「売り手市場」が続いている。一方中国では、年7%近い経済成長を続けており、2012年から生産年齢人口が減少に転じ、都市部の年間新規就業者が1300万人を超えているため、学生優位の「売り手市場」となっていると思われがちだが、中国の就活状況はまったく異なる。

就職超氷河期の現実

学歴を極めて重視する中国において、現代版科挙とも言える中国の全国大学統一入試、通称「高考」は人生最大のイベントと言っても過言ではない。その熾烈な競争を勝ち抜いてきた学生たちを4年後に待っているのは「就職超氷河期」という現実である。

中国では1998年に高等教育規模拡大政策が実施され、大学の定員数は右肩上がりに増加してきた。教育部の統計によると、98年に約87.7万人(大学生83万人、院生4.7万人)だった卒業生は、2016年には760万人(大学生704万人、院生56万人)まで増加している。中国国内の報道によると、2017年に卒業生は795万人、2018年には800万人を超える見込みである。

中国の大学卒業生の推移 出所:中国教育部の統計より筆者作成

学内でも「史上最悪の就職難」という言葉をよく耳にするが、毎年「史上最悪」を更新している状況だ。

卒業生が急増する一方で、その受け皿となる企業の増加スピードは追いついていない。

大手金融機関の面接を待つ学生たち(2017年11月、北京市内)

ホワイトカラーとブルーカラーの給料は?

産業構造を見てみると、経済発展の過渡期にある中国社会では、エリート意識を持つ大卒者よりも、依然として大量のワーカーを必要としている。

若干古いデータとなるが、人力資源社会保障部の2013年の統計を使って学歴別の求人倍率を計算すると、「大学専科(大専)」を含む大卒・院卒が0.84倍であったのに対し、学歴要求なしを含む小学・中学・高校卒は1.17倍であった。2002年以降このような状況が続いている。

中国のブルーカラー市場とホワイトカラー市場は分断されている。中国では「大卒=ホワイトカラー」という意識が依然として強く、「メンツ」を重んじるあまり肉体労働を敬遠する傾向にあるためだ。

労働市場のこのような分断と不均衡は賃金にも表れている。『2017年中国大学生就業報告』によると、2016年大学生の卒業半年後の月収は全国平均で4376元(約75000円)となっている。これは「211大学(21世紀の優秀100大学)」や「985大学(1998年5月に選出された重点研究大学)」と呼ばれる国家指定の重点大学の卒業生も含む平均収入で、名前も知られていないような三流大卒の現実はさらにひどい。

大卒「蟻族」の月収は出稼ぎ労働者より低い

対外経済貿易大学の廉思教授が2009年に発表した「蟻族」と呼ばれる社会現象が話題となった。これは、地方出身の大卒者が思うような就職ができず、大都市近郊で集団生活を送る現象。社会保障も無い非正規雇用の形態が大半で、賃金も極めて低いと言われる。

「蟻族」の所得に関する公式な統計はないが、平均月収は首都北京ですら2000~3000元程度とメディアでは報じられている。中国農業部が発表した2017年第1~3四半期の農業農村経済報告によると、「農民工」と呼ばれる農村からの出稼ぎ労働者の平均月収は3459元であった。大卒「蟻族」はこのレベル以下ということになる。

さらに高収入の出稼ぎ労働者もいる。最近都市部ではフードデリバリーサービスが活況を呈しているが、中国中央テレビが運営する「央視網(CCTV.com)」で公開されている報道番組によると、配送員の月収は最低でも五、六千元で、人によっては一万元を超えるケースもあるという。ネット通販も好調で宅配業者間で人材確保競争も激しく、賃金は右肩上がりとなっている。

ブルーカラー市場にもこのような高収入の職業があるが、大卒者はほとんどいない。

まだまだ続く「卒業=失業」

中国の大学教育はエリート時代から大衆化時代へと転換している。米社会学者のマーチン・トロウは、高等教育の発展段階をエリート段階(進学率15%まで)、マス段階(同15%~50%)、ユニバーサル段階(同50%以上)に分けた。

教育部の統計によると、中国の進学率は高等教育規模拡大政策が実施前の1997年には9.1%であったが、2002年に15%に達した後も右肩上がりで上昇し、2016年には42.7%にまで高まっている。

つまり、中国の大学は既にエリート教育ではなく、大衆教育となっているのである。このように、大学進学率の上昇に伴い、大卒資格の価値が低下しているにもかかわらず、旧態依然のエリート意識が就職の足かせとなっているといえよう。

「大卒で就職できなかった友人は卒業後何をやっているのか」という問題を私の学生に尋ねたところ、「無職で家にいる」という回答が多かった。理由は「安い給料はもらいたくないから」、「メンツにかかわる職には就きたくないから」、「肉体労働は将来性がないから」だという。

要するに、思うような就職ができない卒業生は、家が比較的裕福であれば親のすねをかじる「啃老族」に、経済的に余裕がなく実家に帰れなければ大卒「蟻族」になるという構図となっている。

今後も大学の卒業生は徐々に増加していくと考えられる。また、産業構造の転換は摩擦の伴う長期的課題であり短期間で実現できるものではない。したがって、「史上最悪の就職難」は引き続き「史上最悪」記録を更新し続け、中国の「卒業=失業」という構造的問題の解決には相当時間を要するであろう。

細川記事

露骨な「国家資本主義」を強める中国。中国の「一帯一路」構想は日本にとってもビジネスチャンスだが、リスクも大きい。産業界の懸念を軽減すべく、日本主導で「中国抑止策」とも言うべき取り組みが密かに動き出している。

経団連会長らが訪中し、11月21日に李克強首相と会談した(写真:ロイター/アフロ)

先週、日本の経済界の訪中団が李克強首相や国家発展改革委員会首脳などと会談した。久々に日中関係が改善の兆しを見せている中で、日本の経済界も今後のビジネスチャンスに内心期待を抱きつつの訪中であった。最大の関心は中国の巨大経済圏構想「一帯一路」がビジネスチャンスになるかだ。しかしそこには大きな課題も横たわっている。

一帯一路には選択的協力

そもそも、中国から欧州までの陸路・海路をカバーする経済開発構想である「一帯一路」は、日本企業にとってビジネスチャンスではあるものの、実際はどう対応していいか決めかねているのが正直なところだ。

一帯一路に込められた、中国の覇権主義的な意図は明確である。従って、スリランカなどに見られる、軍事的意図での港湾整備などは警戒すべきだ。またタイなどでの鉄道整備のように、日本企業が中国企業と激しく受注を競っている分野では協力できないのは明らかである。受入国側も、日中を競わせるしたたかさを持っている。

しかし、これらの分野以外で、例えば、環境・省エネなどの分野では、第三国で日中が協力してビジネスを展開していくことは有益だろう。一帯一路に対しては、分野ごとに是々非々で「選択的に協力」するアプローチが必要だ。

問題は、その際の中国の手法が懸念されることだ。今回の訪中団も中国側に対して、協力できる条件として、グローバルスタンダードに従った透明性、開放性、経済性、採算性を充足することを求めた。

APECに国際ルールの布石を打つ

こうした中国の動きを牽制するためには、単に日本単独で注文をつけているだけでは埒が明かない。中国を牽制するための何らかの「国際的なルール」が必要だ。しかもそのルール策定に中国自身も参加して、関与していることがポイントになる。

実はそのための仕掛けができたのが、直前に開催されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議であった。

そこではインフラ整備への協力について、「質」を確保するための仕組み作りが合意されたのだ。これは日本が提案を仕掛け、米国、ベトナムを共同提案者にした。明示的には言わないが、明らかに中国の「一帯一路」を牽制したものである。

例えば、途上国の返済能力を超える貸し込みを禁止することが提案された。中国がスリランカの港湾整備で、多額の借り入れの返済として99年の使用権を得て、軍事使用されることが懸念されているが、類似の動きは各地で見られる。この提案は、こうした動きを封じるためだ。

この他にも、入札における開放性、透明性の確保が重要なポイントの1つだ。日本をはじめ先進国は、経済協力開発機構(OECD)のガイドラインによって、公的資金による開発援助は自国企業から調達と結びつけないという、いわゆる「アンタイド(ひも付きにしない)」が義務付けられている。にもかかわらず、これに縛られない中国は、中国企業からの調達を「タイド(ひも付き)」にするのが通常だ。これでは、公平な競争にはならない。

また中国の場合、通常ビジネスとして成り立ち得ないような条件の案件でも、国有企業、国有銀行が政府支援を得て、案件を強引に獲得していく。行動基準が政治的な影響力を強めるといった、ビジネスとは別次元の思惑なのだが、こうした動きを是正させる仕組みも不可欠だ。国内生産の過剰能力のはけ口にするとの中国の思惑も見え隠れし、要注意だ。

今回のAPECでは、こうした様々な不公正な競争条件を是正するためのルールを来年のAPECで合意することを目指して、検討することが合意された。国際ルールへの大きな一歩と言える。

まず、昨年のG20で「インフラ整備の質」というコンセプトを日本が国際的に初めて持ち出し、中国にもこのコンセプトを認めさせた。それが第一歩だった。そしてさらに今回のAPECでは、融資する手法をも規制対象にしようとしている。中国を念頭に置いた、日本の戦略が着実に前進しているのだ。

多くの米国企業もこうした中国のインフラ輸出のあり方には深刻な危機感を持っている。例えば、途上国での発電所案件で発電タービンの輸出を手掛ける米ゼネラル・エレクトリック(GE)もその1社だ。ベトナムなど受入国側でも強引な中国の進出には警戒感も出てきている。

そうした中で、日本は米国、ベトナムをAPECでの共同提案者にした。それは国際的に連携して中国を牽制する戦略として大いに評価できよう。

中国の新法はIoTをも規制する恐れも

デジタル情報についても中国の規制の動きが懸念される。今回の経済界による訪中団においても、こうした深刻な懸念を中国当局に会談で伝えた。民間企業が企業活動によって取得したデータなどのデジタル情報の流通を、国家が規制しようとする動きがそれだ。

本年6月、中国ではインターネット安全法が施行された。制度の詳細は現在策定中だが、運用次第では、外国企業に対して、サーバー設置の現地化を義務付けたり、国境を越えて情報を移転することを規制したりする恐れもある。これは電子商取引だけの問題ではない。産業界全体に及ぶ大きな問題なのだ。

今や製造業はIoT(モノのインターネット)への取り組みが競争力の源泉になりつつある。そこではビジネスで得た顧客データや工場データを収集、活用するために、サプライチェーン全体のデータの一元管理が欠かせない。従ってグローバル企業にとって自由なデジタル情報の流通が確保されることが不可欠なのだ。

特に、巨大な生産拠点、市場である中国での自社内のデータは企業にとって重要だ。それが中国当局の運用次第では制約されかねず、産業界にとってグローバルな企業活動が妨げられるとの大きな懸念になっている。

この問題も日本の経済界だけが申し入れて、中国側の対応が変わるわけがない。国際的な連携で中国を追い込むことが必要だ。もちろん米国の産業界も深刻な懸念を表明している。そこでこの問題を中国も参加する多国間のルールの俎上に載せることが重要になってくる。

具体的には、中国も参加している、グローバルな枠組みである世界貿易機関(WTO)の場に日米共同でこの問題を提起している。今後は、国境を超えるデジタル情報の流通に関するルールを新たにWTOに提案し、WTOのルールに組み込んでいく戦略が大事になる。

中国の国家資本主義にどう向き合うか

「中国の国家資本主義にどう向き合うか」がこれからの世界が直面し続ける大きなテーマだ。今回の日本の経済界による訪中団にとっても、これが本質的なテーマだった。

特に注目すべき分野は、インフラとデジタル情報だ。これらはいずれも今後の成長分野で、中国の国家資本主義の動きが顕在化している。

にもかかわらずトランプ政権が短期志向・内向きであるのは極めて危険な状況といえる。日本は単独で中国に注文をつけたところで見向きもされないだろう。日本は分野ごとに米国を根気よく巻き込んで、国際連携の下に多国間のルール作りで中国を牽制していくべきだ。そういうせめぎ合いが、まさに始まっている。

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『なぜ中国はジンバブエのクーデターを黙認したか 習近平のメンツ潰したムガベ辞任、「植民地化」の行方は?』(11/29日経ビジネスオンライン 福島香織)、『中国人が蜜月関係だったアフリカから続々帰国している理由』(12/1ダイヤモンドオンライン 姫田小夏)について

11/29日経<「習近平新時代」の寿命決める新星は誰か  編集委員 中沢克二

先の中国共産党大会では、2012年にトップに就いて5年にすぎない党総書記(国家主席)、習近平(シー・ジンピン)の業績について重大な決定があった。「習近平新時代」が思想の形で共産党規約に明記されたのだ。

この意味を極めて分かりやすく説明した人物がいた。11月下旬、来日した中国共産党中央党校副校長、何毅亭(65)である。中央党校は共産党幹部の教育を担う重要な組織だ。とりわけ何毅亭は理論面で習近平を支える側近で、スピーチライターの一人とされる。

■共産党史の全面書き換え

「中国共産党政権の歴史は3つに分けられる。第1は毛沢東時代。人民と共に立ち上がった創立期である。第2は『改革・開放』政策の導入で富ませた鄧小平時代。そして第3は、強い国家をつくった習近平新時代だ」

習近平新時代の登場に押されて、江沢民・胡錦濤両時代は中国共産党史に入る余地がなくなった(10月の共産党大会に登場した江沢民(右)、習近平(中)、胡錦濤(左)各氏)=小高顕記者撮影

共産党の理論づくりを担う重鎮の公式見解だけに驚きだった。既に共産党の歴史は書き換えられたのだ。何毅亭は、日本の国会内で議員らを前にそう宣言した。内容を整理し、少し補足するとこうなる。

(1)毛沢東時代=1949年の新中国建国から76年の毛沢東の死を経た78年頃まで

(2)鄧小平時代=鄧小平は78年に「改革・開放」政策導入を宣言。97年に死去したが、その時代は鄧小平の指名でトップに就いた江沢民、胡錦濤の執政期を含む

(3)習近平時代=2012年から反腐敗運動による厳しい党の統治と大胆な軍改革で強国を志向。35年に経済と軍の現代化建設を基本的に終え、21世紀中葉に現代化強国を完成

まだ、たった5年にすぎない習近平の新時代は、反腐敗運動などで毛沢東と鄧小平の2つの時代に匹敵する実績を既に上げたというのだ。そして江沢民と胡錦濤の執政期は特に独自性がなく、事実上、鄧小平時代の中に組み込んでよいという結論になった。

なお存命中で党大会にも出席した91歳の江沢民、そして74歳の胡錦濤は、この党大会総括をどんな気持ちで聞いたのか。どう考えても穏やかに耳を傾けたとは思えない。

そもそも輪郭がはっきりしていなかった江沢民、胡錦濤両時代は、共産党の歴史に刻まれる余地が全くなくなった。形の上では自分たちが後継者に選んだはずの後輩、習近平が早々に自らの新時代を宣言。押さえ込まれてしまったのだ。

では習近平新時代は今後、いつまでつづくのか。それは後世が決めることだ。しかし、現時点で習自身とその周囲がどこに視点を置いているのかは極めて重要である。

習近平の国家主席として憲法上の任期は2期10年が終わる23年までだ。慣例に従うなら党総書記の任期も22年の党大会までになる。

では、たったあと5年間。つまり合計10年間で本当にトップから退くのか。それは疑問だ。毛沢東時代は30年間近く続いた。次の鄧小平時代も78年の「改革・開放」政策の宣言から鄧小平の死までの19年間に江沢民、胡錦濤両政権を加えれば合計34年間もあった。

■少なくても「2035」までは習近平新時代

ここで考えるべき重要な論点がある。今回の党大会報告で初めて登場した2035年という数字である。習近平は20年に小康社会(少し余裕のある社会)を達成した後、次の現代化建設の第一目標を35年に置いた。

中国共産党の歴史は毛沢東時代、鄧小平時代、そして習近平時代の3区分に書き換えられた(写真は北京・天安門に掲げられた毛沢東の肖像画、小高顕記者撮影)

なぜ35年なのか。今から21世紀中葉までは33年間。その中間地点であるという理屈は成り立つ。21年の中国共産党設立百年と、49年の新中国成立百年のちょうど真ん中でもある。

35年の目標設定には、国家計画の面から見ても極めて精緻な計算がある。それは中央党校副校長の何毅亭も言及した。

「(49年の建国百年を見据えてきた)現代化建設を基本的に達成する目標を15年ほど前倒した」

この言葉を聞いてハッとした。極めて重要な発言だった。党大会報告に盛り込まれた主要プロジェクトは、ほぼ全て35年を目標に計画されているのだ。

新シルクロード経済圏構想(一帯一路)、北京・天津・河北省を一体化する新首都圏構想、インターネット、ビッグデータ、人工知能(AI)と実体経済との高度な融合、グリーン・低炭素社会の実現、シェアリングエコノミー、現代版サプライチェーン構築……。全てが2035年に向けて動き出す。

中国の経済成長率は徐々に低下している。とはいえ、「今後18年間もあれば、どんなに少なく見積もっても経済規模の上では米国と肩を並べ、抜き去っているに違いない」。中国の指導層はそう考えている。問題はもはや生産能力の大きさや量ではなく質の確保だという。

そして何より重要なのは、軍の現代化建設の第一目標も35年に置いた点だ。現代電子戦に対応する人材を育て、武器・装備を近代化し、統合作戦、全域作戦の能力を高めるとしている。

大胆な軍改革は、反腐敗運動と並ぶ代表的な習の実績である。それは35年に向けて進み、最終的に21世紀中葉までに世界一流の軍隊をつくるという。世界ナンバーワンの軍事強国である米国と戦えるほどの強軍国家。それが中華民族の復興の夢の意味だ。

「2035」には、習近平新時代が少なくともそこまでは続くとの期待が込められている。それは必ずしも習近平政権そのものが35年まで続くことを意味しない。

■退く時期の選択権を手中に

習がトップから退く可能性がある時期は、5年後の22年党大会、10年後の27年党大会とある。実際はいつ退いてもよいのだ。退いた後も習近平新時代が続いていれば何の問題もない。

「改革・開放」政策で自らの時代をつくった鄧小平氏(広東省深圳で)

そのとき、習がいつか指名する後継者が「習近平チルドレン」として習近平新時代の守人になる。鄧小平時代の守人が「鄧小平チルドレン」の江沢民と胡錦濤だったように。習近平は表向きポストから退任しても、かつての鄧小平のように事実上の最高指導者として振る舞える。

今回、習は「ポスト習近平」候補とされた孫政才(54)を反腐敗で摘発し、共産主義青年団のホープ、胡春華(54)を最高指導部に引き上げなかった。次世代を担う人材を排除する手法によって、引退時期を自ら決めることができる選択権を手にしたのだ。

強い現指導者の引退時期が決まらない場合、各勢力は現指導者に服従するしかない。結果的に求心力は保たれる。

とはいえ習の思惑を阻もうとする動きは今後、必ず出てくる。その勢力は、習近平時代をできるだけ短い期間で終わらせ、さらに新しい時代を築こうとするに違いない。その際、激烈な内部闘争が繰り広げられる。

これまでの5年間、習は「反腐敗」闘争の名目で江沢民と胡錦濤の旧勢力を押さえ込んだ。次世代新星もまた別の手法で闘いを挑むだろう。標的になるのは今度は「習近平チルドレン」かもしれない。習近平時代の寿命を決めるかもしれない未来の指導者はどこかに潜んでいる。その顔が見えるのはまだ相当先になりそうだ。(敬称略)>(以上)

習近平が今後とも、無事主席の地位を確保or最高指導者として実権を握れるかどうか分かりません。共産党のラストエンペラーになる可能性もあります。

一つはこの記事。11/30Money Voice<中国が恐れるトランプの経済侵略と北朝鮮「北京核テロ」の脅威=斎藤満>。米国のハゲタカが中国の不良債権ビジネスを展開、食い荒らすと言うもの。それより北の問題(テイラーソンが更迭、ポンペオになるという事はやはり戦争は近い?)が片付けば、次の標的は中国となるはずです。

http://www.mag2.com/p/money/342777?l=ttv0c03f55

二つ目はこの記事。12/1中国観察<張陽傳死於“非典型”政變 主謀名單或在另一巨虎身上 希望之聲電台=張陽が死に追いやられたのは“非典型政変”に絡む 首謀者は他の巨魁である 希望の声TV>「張陽の自殺は口封じの為ではという見方です。海外メデイアの博聞社に依れば、張陽と参謀長の房峰輝、武警司令の王建平と共に、毛沢東死後の「四人組」逮捕のような政変を企図、しかし早いうちに発覚、王建平は刑務所内で自殺と伝えられるが発表はない。彼らの背後にはもっと上(江沢民or曽慶紅?)がいるはず」と。非典型政変が4人組を指すのなら、さしずめ習近平は華国鋒となり主席を辞任、4人組は王岐山や陳敏爾と誰?或は張陽、房峰輝、王建平らが4人組(3人であるが)となって習を江青によって操られた毛沢東のようにするという意味なのか良く分かりません。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/12/01/382007.htm%E5%BC%B5%E9%99%BD%E5%82%B3%E6%AD%BB%E6%96%BC%E9%9D%9E%E5%85%B8%E5%9E%8B%E6%94%BF%E8%AE%8A-%E4%B8%BB%E8%AC%80%E5%90%8D%E5%96%AE%E6%88%96%E5%9C%A8%E5%8F%A6%E4%B8%80%E5%B7%A8%E8%99%8E.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/28宮崎正弘氏メルマガ<張陽(中央軍事委員会前政治工作部主任)が「首つり自殺」 巨額の賄賂を郭伯雄、徐才厚らに上納して「のし上がった」>にも軍の不満が募っているとあります。習は、クーデターか暗殺(病死か交通事故死に)されるのでは。習は決してその地位が安泰とは思えません。

http://melma.com/backnumber_45206_6615102/#calendar

また、12/1宮崎正弘氏メルマガに<中国、ベオグラード ←→ ブタペスト新幹線を着工 アフリカから足抜け、空白のバルカンと旧東欧へ集中か>とあり、中国がアフリカから「一帯一路」に投資を切り替えているとのコメントです。姫田氏と同じで情報の確度が高いと思われます。中央アジアは元ソ連の衛星国でしたからロシアは、シベリアへの中国人の人口侵略と合わせ、苦々しく思っているというか「タタールの軛」を思い起こして恐怖に感じているのでは。

http://melma.com/backnumber_45206_6616367/

福島氏の記事のムガベは中国にとって用済みという事でしょう。独裁者同士のやることですから。中国のすぐ隣にもロケットマンという独裁者がいますが。やはり全員、国民を思うことの無い為政者達です。我が身を安全地帯に置いて政府批判しかすることがない、日本の左翼リベラルの政治家・メデイア・学者に言いたい。この3ケ国と人権状況を比べてから「モノを言え」と。

福島記事

ムガベ前大統領と習近平主席、持ちつ持たれつの関係は終わりを迎えた。写真は2014年(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

ジンバブエで軍事クーデターが起こり、37年にわたり政権の座にあった独裁者・ムガベが大統領を辞任。元第一副大統領のムナンガグワが新大統領に就任した。この事件の背後で中国が関与していたのではないか、という憶測がCNNなどで流れた。証拠はあがっていない。クーデター前に国軍司令官が訪中しており、ムガベ排除について、中国の了解をとっていたのではないか、というあくまで憶測である。だが、習近平が24日にムナンガグワにすぐさま祝電を送っているのをみると、ひょっとすると、という気にさせられる。

ムガベは中国がその独立運動を軍事的に支援して政権の座につけただけに、特に親密な関係を続けてきた。ムガベ自身が毛沢東思想に傾倒し、中国共産党の古き良き友を自任していたはずだ。そのムガベ失脚に対して、ほとんど反応せず、ムナンガグワに祝辞とは。

習近平は「中国とジンバブエは良き友であり、良きパートナーであり、良き兄弟である。両国関係は時間と国際情勢の移ろいやすさの試練を耐えてきた。中国側はジンバブエとの伝統的友誼を大切なものとみて、両国関係および各領域における協力の継続が前向きに発展し、両国と両国人民がさらに幸福となるよう、ジンバブエとともに一路努力していくことを願う」とムナンガグワに強い友誼関係を約束したのである。

憶測は憶測でしかないのだが、少なくとも、この政変、中国にとっては好都合、ということではないだろうか。

では、なぜ中国は親密であったムガベ政権に対してかくも、態度が冷ややかなのか。中国とジンバブエの関係はどうなるのか、ちょっと考えてみようと思う。

「妥当に処理することを望む」

中国側の公式反応だが、中国外交部報道官は定例記者会見でジンバブエのクーデター発生時に、次のようにコメントした。

「ジンバブエは友好国であり、我々はジンバブエ情勢がどのように発展していくか注視している。ジンバブエが平和的安定発展を維持することが、ジンバブエ国家の根本利益であり国際社会の普遍的な期待である。我々はジンバブエの関係当局が内政問題を妥当に処理することを望んでいる」

実にあっさりしたものである。このとき、ある記者は、ジンバブエの元ナンバー2であり、11月6日にムガベから突如副大統領職を解任されたムナンガグワが中国に脱出しているとジンバブエ紙が報道したことについて、真偽を問うて、報道官は「彼は中国に来たことがない」と完全否定していた。実際は、ムナンガグワは南アフリカに亡命していたのだが、中国には疑われるだけの背景があったということだ。

ジンバブエのクーデターを簡単に説明すると、2018年の大統領選を前に高齢のムガベに健康上の問題が出てきて求心力が落ち始め、与党ナンバー2のムナンガグワとムガベの41歳年下の妻のグレースが後継狙いの派閥争いを昨年夏あたりから拡大し始めたのがきっかけ。ムナンガグワは軍と情報機関の支持がある一方、グレースは党内改革と世代交代を求める若手党員集団ゼネレーション40(G40)の支持がある。

今年夏、グレースの方からムガベに後継者指名を強く求め、G40が勢いづいた。ムガベは11月、ムナンガグワを副大統領から解任し、グレースを事実上、後継指名した格好となった。

クーデター5日前の訪中

だが、これに断固反対を唱える国軍司令官チウェンガが11月15日にクーデターを起こしムガベと家族を軟禁。ムナンガグワに大統領を移譲するよう求めた。当初、大統領辞任を拒否していたムガベだが、グレースに権力奪取を許した責任追及を理由に議会が弾劾の手続きに入ると21日、辞表を提出し、亡命先から帰国したムナンガグワが大統領に就任した。

中国国防部はこのクーデター発生の5日前、チウェンガの訪問を受け、国防部長の常万全が八一大楼で会見している。このとき、チウェンガが中国に政変への理解を求めた、あるいは協力を求めた、というのが主要欧米メディアの憶測である。中国外交部はすでに実施が決められていた純然たる軍事交流、と説明するが、このときすでにクーデターの準備は整っていたとみられるし、中国とムガベの関係の深さを思えば、仁義を通しておく方が安全ではある。

では、仮にそうだとして、ではなぜ、中国は軍のクーデター計画を黙認したのだろうか。ムガベと中国の絆の深さはそう簡単に切れるものではないだろう。

実はムガベと中国共産党の絆はそれなりに深いのだが、習近平個人との相性はあまりよくないといわれている。その理由の一つは、習近平自身が経済の立て直しができないムガベ長期独裁政権を完全に見下しているからだといわれている。「ムガベ長期独裁政権は“アフリカの真珠”と呼ばれたジンバブエを貧民窟に変えた」(華字ネットニュースサイト・アポロニュース)というような、その無能ぶりを嫌悪している、らしい。

「欠席」「拒否」「批判」でメンツ潰す

さらに、ムガベの厚かましさ、無礼さが習近平の気に入らないようでもある。ムガベ政権は長期にわたって中国から援助を受けてきたが、最近は足りないといっては不満げな顔をすることが多くなった。アポロニュースによると、習近平が2015年9月3日、世界反ファシスト戦争・抗日戦争勝利70周年記念の大閲兵式にムガベを招くも欠席。ムガベは中国共産党の“老朋友”というのが国際社会の認識であったから、習近平は晴れの舞台で、老朋友にメンツを潰された格好だ。しかも同年12月、中国版ノーベル平和賞とでもいうべき“孔子平和賞”をムガベに贈ると言ったら、ムガベは「意味がない」と受け取りを拒否。これも中国のメンツを大いに傷つけたことになる。

加えて2016年6月、ムガベはとある演説会で、中国が派遣してきている公務員やビジネスパーソンに対して、「稼いだ金を現地から中国に持ち帰っていることがジンバブエドルの深刻なインフレを加速させている」「中国人がジンバブエの女性を虐待している」などと中国批判を行った。ムガベがこうした中国のメンツをあえて潰すような行動をとったのは、習近平政権が満足のいく支援をくれないという不満だけでなく、そろそろ権力移譲計画を立てるようにせっつかれたからだともいわれている。

中国の軍事支援によって、独立闘争を勝ち抜き政権を樹立し、大統領の座についたムガベは、実のところこれまでは中国にとって非常に都合のよい大統領だった。中国がジンバブエに巨額投資を行えば、ムガベはその代償に金、プラチナ、ダイヤモンド鉱山の権利を中国の欲しいままに許した。ムガベは事実上、中国によるジンバブエの植民地化を手伝ってきたともいえる。巨額投資の見返りに土地、鉱山、資源などの侵食を続けてきた中国は2015年、4000万ドルというジンバブエの債務を帳消しにする代わりに人民元をジンバブエの法定通貨の一つに認めさせ、国家の基幹である通貨まで奪ってしまった。

だが、そんなムガベも高齢となり、しかもその政治的無能と長期独裁による国民からの人気の低さに、中国共産党内にもポスト・ムガベを考える空気が流れていた。それに気づいたムガベが、今度は習近平に対して不信感を募らせ始め、習近平のメンツを潰すような言動を次々とするようになった。

ダイヤモンド採掘国有化に激怒

そうして関係がだんだん険悪になってきたころ、習近平を激怒させた決定打が2016年3月にムガベが突如決めたダイヤモンド採掘企業の国有化政策である。外国の採掘企業によるダイヤモンド産業は、ジンバブエが本来得るはずの約130億ドルの潜在的収入を盗んでいる、として、外国資本によるダイヤモンド採掘企業を政府がすべて接収することを決めた。この中には当然中国企業も含まれていた。

ジンバブエ東部のマランゲは世界最大規模のダイヤモンド鉱山で、その埋蔵量は全世界の4分の1以上ともいわれている。マランゲはムガベ政権が2008年に軍と警察力を行使し、約400人を虐殺した末、その採掘権を奪取したことで知られる血塗られたダイヤモンド鉱山。このときムガベ政権に軍事協力していた中国解放軍が直接、このダイヤ採掘と治安維持に加担していたと、2010年9月当時の英デイリーポストの記者が告発している。このダイヤモンド鉱山には解放軍の秘密飛行場があり、採掘したダイヤをそのまま中国に輸送していたとも。ムガベ政権への見返りは解放軍の武器であったという。この武器がムガベ政権維持に必要な軍事力を支えていた。

だがこの中国による植民地化と富の収奪が、ムガベ政権の求心力をますます衰えさせ、またジンバブエ内の反政府活動を活発化させていくことになった。ムガベ政権に対する反発の最大の理由は中国がつくったといっても過言ではない。ジンバブエ内の中国華僑と現地人の対立も激化し、中国としては大っぴらにムガベ支持を表明しにくくなっていた。

こうした状況の中で、クーデターが起きたのだから、中国の関与が疑われたとしても致し方あるまい。ジンバブエ国軍の装備はほとんど解放軍が提供したものであり、ジンバブエ軍が中国解放軍になんらかの相談をしているかもしれないと考えるのは普通なのだ。

英国の関与は? 一帯一路への影響は?

私の考えを言えば、ムナンガグワがいったん身を隠していた先が中国でなく南アであるのならば、中国関与の線は薄いのではないか。むしろ英国が積極的に関与してきそうな気がする。

ただ、ムナンガグワは、中国で軍事訓練を受けたこともある元ジンバブエ解放戦線戦士であり、クロコダイルの異名も持つ冷酷な強権主義という点では、ムガベと同じタイプだ。中国にすれば、ポスト・ムガベ体制としては理想的であり、たとえクーデターに関与していなくても、引き続き、ムガベ政権にしたように、大統領を通じてジンバブエの植民地化を進めていけると思うだろう。

ただ、ムナンガグワが大統領就任演説で訴えたように、本気でジンバブエの「完全な民主主義」を約束するのだとしたら、これはちょっと中国共産党の思惑から外れてしまう。なぜならジンバブエの大衆は、自国の経済崩壊に乗じて国を乗っ取りかけている中国に対しては極めて強い反感を持っているのだ。こうした反感は顕在化すると、習近平の壮大な大風呂敷・一帯一路構想でも重要な起点であるアフリカへのアプローチにも影響を与えそうだ。

姫田記事

中国で開催された「一帯一路」の国際会議で発言する習近平国家主席  Photo:新華社/アフロ

中国とアフリカの蜜月時代が変わりつつある。

今年9月、英フィナンシャルタイムズは「アフリカから中国人の帰国ラッシュが始まった」と報じた。中国資本によるアフリカへの「走出去(中国企業の対外進出)」と呼ばれた投資や経済活動は、一時のブームに過ぎなかったのだろうか。

数年前、世界は中国による積極的な対アフリカ投資を「新植民地主義」だと非難した。とりわけ警戒したのは、中国のアフリカ資源外交だった。2014年、新年早々に安倍晋三首相はアフリカを歴訪したが、そこにはアフリカにおける中国の影響力に一定の“くさび”を打つ意図があった。

中国が、アフリカで展開したのは資源外交だけではなかった。「メード・バイ・チャイナ」がアフリカの国々で瞬く間に普及。街を走るのは中国製の廉価バイク、市民生活に浸透するのは安価な中国の軽工業品、街を歩けば至る所に中国人──。中国による「走出去」の影響力は無視できないものになっていた。アフリカのマリでは、「この国のコンクリート建造物はすべて中国によるもの」と言われているほどだ。

他方、植民地支配を経験したアフリカにとって、「真のパートナー探し」は独立後の一貫したテーマでもあった。中国の台頭とともに、「西欧からの影響を遠ざけ、むしろ手を握るべき相手は中国だ」という機運が高まっていたことは確かである。近年は「中国は敵ではない」という共通認識すら持たれるようになっていた。

アフリカから中央アジアへシフトか

英フィナンシャルタイムズによれば、アフリカには100万人の中国人が生活しており、その大多数が零細企業のため、近年の資源価格の下落に伴うアフリカ経済の落ち込みとともに商売が成り立たなくなってきたという。あまりの勢いに警戒されていた中国資本の進出だが、アフリカでは今、大きな変化が起こっているようだ。

その変化が貿易に現れている。この5年間の中国とアフリカの貿易総額を見ると、2000年当時100億ドル程度だった貿易額は、2013年に2000億ドルと20倍にも増加した。だが、それも2014年をピークに減少に転じたのである。

中国商務部のデータを基に筆者作成

中国商務部によれば、アフリカにおける中国の貿易パートナーの「トップ10」は、南アフリカ、アンドラ、エジプト、ナイジェリア、アルジェリア、ガーナ、ケニア、エチオピア、タンザニア、モロッコの順であり、その国々の対中輸出の主要産品のほとんどが資源である。

個別に見ると、貿易パートナー1位の南アフリカは中国に鉱物資源を輸出、2位のアンゴラは原油を輸出しているが、それぞれ2013年、2014年をピークに下落している。ちなみに、下落現象はこの2ヵ国に限ったことではない。

中国商務部のデータを基に筆者作成

背景には、2005〜2012年にかけての国際商品市場での原油、鉄鉱石、非鉄、穀物などのコモディティ需要の累積的拡大と、2011年以降に顕著となった中国経済の減速がある。

資源・食糧問題研究所代表の柴田明夫氏は、2014年をピークに下落に転じたアンゴラの原油の対中輸出について、「コモディティの市場価格を歴史的水準に押し上げるという『スーパーサイクル』が2013年に終焉し、価格は下落基調に転じた」と指摘する。

その一方で、柴田氏は「『一帯一路』における中国の開発発展の主軸が、資源ブームに乗ったアフリカから中央アジアに移ったのではないか」と分析している。確かに、中国の「第13次五ヵ年計画(2016〜2020年)」が打ち出した「一帯一路」の主要6大ルートには、アフリカが含まれていない。

中国の専門媒体「オイルオブザーバー」よれば、中国の原油の輸入相手国は「非OPEC(石油輸出国機構)」にシフトする傾向があるという。中国への石油輸出国の順位はロシアを筆頭に、サウジ、アンゴラの順だが、「中国にはロシアからのパイプラインによる輸入、カザフスタンからの開発輸入に期待がある」(柴田氏)。アンゴラはOPECメンバー国だが、ロシアもカザフスタンはそうではない。

ちなみに、中国の原油の輸入量は今年、過去最高に達した。これについて柴田氏は「軍事用、輸送用の戦略石油備蓄を増やしている可能性がある」とコメントする。

資源バブルが終わりアフリカブームは終わったか

アフリカ経済は、資源価格の落ち込みで大打撃を受けている。これに伴う本国通貨の下落を阻止するため、現地では外貨管理を統制したり、脱税を摘発したりするなど、規制強化に乗り出しているようだ。多くの中国人が帰国の途に就いているのは、治安悪化のためだとも言われている。

他方、「一帯一路」の参加国として中国と協議を結んだ国もジブチ、エジプト、エチオピア、ケニアの4ヵ国にとどまる。中国では第13次五ヵ年計画に盛り込まれた「一帯一路」の主要なルートにアフリカへの経路は含まれていないことからか、2017年5月に中国で国際合作サミットに参加したアフリカの国も、ケニアとエチオピアだけだった。

中国の電子メディアには、金融の専門家が書いた「過去10年にわたってアフリカに対して行われた融資も、近年は『一帯一路』の参加国に振り向けられるようになった」とするコラムが掲載されている。中国の企業は新たに資金が向かう先へと、すでに投資の目的地を変更してしまった可能性がある。

アフリカも時々刻々と変化する。2015年から2016年にかけて、多くのアフリカの国々が発展計画を打ち出し、同時に貿易政策の見直しを図った。キーワードに据えられたのが「環境保護」と「品質重視」だったことからも、アフリカ諸国は従来行ってきた“選択”を見直したことがうかがえる。

中国とアフリカの間に存在した“資源開発バブル”は終わったと同時に、“アフリカからの中国人退避”が物語るのは、「もっともうかる別の国へのシフト」でもある。アフリカの景気悪化とともに、「一帯一路」の政策外にアフリカが置かれたことで、対アフリカの“走出去熱”は冷めてしまったのだろうか。

また、「一帯一路」という長期的な発展を目指す枠組みを前に、アフリカの士気が落ちているのは注目に値する。アフリカは資源開発バブルがはじけた今、冷静さを取り戻し、国益とは何なのかを思考し始めた可能性は否定できない。

他方、「自由で開かれたインド太平洋戦略」、「アジア・アフリカ成長回廊」など、日本やインドが中心となって新たな外交戦略を打ち出した。こうした中で、「中国主導」が真に持続可能なものなのか、関係国が中国を選ぶのか否かは引き続き注視する必要がある。

(ジャーナリスト 姫田小夏)

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『習政権を揺さぶる地方債務問題』(11/28日経ビジネスオンライン The Economist)、『支払いは顔認証!アリババが作る未来のスーパー 「現金消滅」が新しいビジネスを生む』(11/28日経ビジネスオンライン 小平 和良)について

11/30ロイター<米国、戦争なら北朝鮮政権「完全に破壊される」と警告>中国も懸念とありますが、今まで北を支援して来た咎めが出て来ただけ。北のミサイルは中国全土に届くでしょう。カナダはしゃしゃり出て来ても各国の対北への対応の違いを纏めることはできないのでは。

http://diamond.jp/articles/-/151471

11/30中国観察<龙曦儿氏のfacebook投稿より

(前の人達は左から周恩来、毛沢東、江青?)

中国の今日の形は、社会主義であれ共産主義であれ、完全に関係がない。頭の良い人が発明した「中国の特色ある」という字句は総て悪く釈明できる。これを用いて外形を繕い、皆馬鹿なのを騙している。今の中国を一言で表せば「権貴資本主義の中国」である。

龙曦儿:

【所谓反腐,就是用平民出身的贪官,祭土共的党旗】

倒霉的农民工:徐才厚瓦房店农民、郭伯雄关中贫农、张阳河北农民、房峰辉彬县城关镇农民、周元根无锡贫农、孙政才荣成虎山五龙嘴农民,被排挤的胡春华湖北五峰贫农。

红二代无一人被查,太子党如小琳、曾伟、绵恒、紫丹……,都在保险柜里继续贪腐并快乐着。

千年圣君:你个农民工来京城混什么混?滚!

【いわゆる反汚職は, 平民出身の強欲役人に用いられる田舎臭い共産主義者の党旗である。】

気の毒な農民工: 徐才厚は瓦房店の農民、郭伯雄は関中の貧農、張陽は河北の農民、房峰辉は彬県城関鎮の農民、周元根は無錫の農民、孫政才は栄成虎山五龍嘴の農民,落馬せず序列にまだ残っている胡春华は湖北五峰の貧農。

革命二世代目は一人として検査されることがない。太子党の李小琳、曽偉、江綿恒、紫丹等皆安全地帯にいて引き続き富を貪り、楽しんでいる。千年の聖君よ、あなたの農民工は首都で何をしていると思いますか? 消え失せろ!>(以上)

11/30ロイター<矢継ぎ早の中国債務対策が市場に警鐘、根強い楽観論も>北京は理財商品の規制強化など債務問題への対応策を矢継ぎ早に打ち出したとのこと。パンドラの箱になりそうな気がします。でも慌てて元に戻して蓋をするのでは。真面にやればリーマン以上の激震が走るでしょう。

http://diamond.jp/articles/-/151442?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

エコノミストの記事は中央と地方の財政の主導権をどちらが握るかと言う観点で書かれていますが、いずれにせよ嘘のデータに基づいているので根本治療とはならないでしょう。地方政府が債務をなかったことにするなんて普通に考えれば債権者が怒って訴訟を起こすと思うのですが、共産社会では党や政府には逆らえないため、そうすることはできません。司法は行政の一部であり、裁判官が賄賂を取る国ですから、公平な裁判を期待する方が無理と言うもの。まあ、公式統計に載せないだけで払う意思はあるのかもしれませんが。

小平氏の記事で、スマホ決済が進んでいくという事は、個人のデータの蓄積が共産党政府に利用されることになります。档案(三世代までの家族の状況、特に共産党に敵対したか等を含めた個人の内申書、共産党の一部の人しか見れない、職場を移動する場合は移動地に提出)にも利用状況が記載されるかもしれません。明らかな人権侵害です。

便利さは危険と裏腹の関係にあります。日本でもスマホ決済が進んでいくでしょう。民主主義国家では共産国家と違い、個人の収支データを政府が管理することはないと思います。逆に民間がビッグデータをどのように活用していくか考えないと。日本の60代のスマホ利用率は55%と言われていますが、スマホとしての利用と言うより携帯電話として使っている人の方が多いのでは。多面的な情報の取り方をしているとは思えません。もし取っていれば、既成の権威、左翼メデイアや学者、左翼野党の言っていることがおかしいと気付くでしょう。

https://marketing-rc.com/article/20160731.html

The Economist記事

2014年にいったんは収束した中国地方政府の債務問題が再び深刻化している。中央政府と地方政府の間に横たわる相互不信が問題を複雑にし、解決を遅らせている。地方政府の歳入と歳出の不均衡を是正すべく、税収の権限を地方に委譲するなどの政治改革が必要だ。

「巨額の債務が中国の金融システムを脆弱にしていることは、周知の事実だ」。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は最近、このような発言をした。

一方で、あまり広く知られていない事実もある。政治が果たす役割だ。中国の債務問題の大部分は、中央政府と地方政府との関係がうまくいっていないことから来ている。両者間の緊張の高まりによって、2015年には債務残高が金融システムを脅かす危険水準にまで達した。その後、ルールが変更されたことでしばらくは問題が解決されたかのように見えたが、映画「高慢と偏見とゾンビ」のごとく、恐怖は再び死者の中からよみがえった。

中国はあまりに巨大な国であるため、中央と地方との間に、常に問題が横たわっている。ここ数年間、中央政府は地方政府に対して統一の必要性を強調してきた。地方政府が過分な自治権を謳歌していることを苦々しく思い、その管理を強化しようとしている。これに対し地方政府は反発を続けている。

中国の風変わりな財政制度の下では、地方政府(省、地区、県レベル)の資金調達は厳しく制限されている。14年までは中央の許可なしに資金を借り入れたり、地方債を発行することは許されなかった。地方政府の収入は、税収のうち一定分を受け取ることで賄われている。例えば付加価値税の5割、個人所得税の4割といったように、だ。

歳出の3分の2を地方が負担 地方政府は歳出が歳入を上回っている

●歳入および歳出の配分割合(行政区分別)

出所:The Economist/経済協力開発機構(OECD)

この取り分は十分な金額というにはほど遠い。地方政府は中国の税収全体の約半分を受け取ることができる一方で、歳出全体の約3分の2を負担することが求められている。県レベルで見ると、この歳入と歳出の差はさらに大きなものであることが分かる。

そのため、地方政府は財政破綻を避けるために中央政府から与えられる資金にずっと依存し続けなければならない。中央から受け取る金額は平均して地方政府の支出全体の半分を占める。巨額の資金を提供する中央政府の影響力は強大なものとなる。

地方政府側は、これまた当然のように、中央の管理から逃れる方法を模索する。その一つが1990年代に出現した「融資平台」だ。これは地方政府の管轄下にある、一種の訳あり投資会社だ。地方政府は融資平台を通じて資金調達を行ってきた。国有地および地元国有企業の株式を担保にして、銀行や債券市場、そして消費者から資金を集めた。

融資平台で調達した資金は、インフラ関連事業につぎ込まれた(写真=imaginechina/アフロ)

借り入れの目的はたいてい、住宅や道路といったインフラ関連事業だ。銀行ではないため、融資平台に対して金融規制が適用されることはなかった。

地方政府の一部門であれば中央の管理下に置かれるが、融資平台はそうではなかった。国有企業として設立されたため、予算上の制約を無視したり、バランスシートを世間の目にさらさないようにすることもできた。

融資平台の増加に恐れをなした中央政府は調査に乗り出した。2013年には1万社を特定し、その借入総額が7兆元(約118兆円)であることをはじき出した。これは中国のGDP(国内総生産)の13%に相当する規模だ。中国には省レベルで31、地区レベルで330、県レベルで2800の行政区がある。単純計算すると、1行政区につき3社以上の融資平台が存在することになる。15年末、地方政府の債務総額はGDPの24%にあたる15兆元(約254兆円)に達した。その大半が融資平台によるものだ。

これは当時、GDPの250%だった中国の社会融資規模と比べればそれほど大きなものではない。だが融資平台による借り入れのほとんどが貸付残高に入らない「隠れ債務」だった。隠れ債務はここ10年で急激に膨らんでいた。

14年、中央政府は地方政府が融資平台を通じて資金調達することを禁じ、事態の収拾を図った。地方債を発行することを許可し、そこで得た資金を債務の借り換えに使えるようにした。こうした債務に関しては、18年までに地方債での借り換えが完了することになっている。つまり、約15兆元という巨額の債券が発行されるというわけだ。

中央政府は地方の借り入れを計上することで債務問題の透明化を目指すとともに、地方債の発行額の上限を定め、新たな起債を制限しようとしている。

その後も怒濤のように改革は続いた。中央政府は地方政府の役人の借り入れ判断に対する評価を、毎年の勤務評定に組み入れ始めた。彼らが他の地域に異動になっても、責任を取らせる形にした。また、民間の投資家を呼び込むきっかけにつながりそうな、贈り物などの物品供与も一部禁止とした。

最も野心的な改革は、16年に始まった第13次5カ年計画で決まったことだろう。この中で歳入および税収管理の権限の一部を中央から地方に移す、新しい仕組みの導入が約束された。

すべてが素晴らしく道理にかなう内容だ。だが17年7月、習近平(シー・ジンピン)国家主席はこれらの策が機能していないことを明らかにした。金融制度をテーマとした会議で、地方政府の債務は今でも中国の金融システムの安定を脅かす2大要因の一つであると述べた(もう一つは国営企業がこれまで蓄積してきた債務である)。

債務を公式統計に入れない

問題は、地方政府が依然としてあらゆる手段を用いて、今までやらかした会計上の不正についてお茶を濁していることだ。米国のシンクタンク、ポールソン・インスティチュートのハウゼ・ソング氏は、地方政府の役人たちが、債務を公式統計に組み入れなくてもいいように、再分類を行っているという。中国財政部が8月に出した報告では、債務を民間資本に見せかけるために、込み入った仕組みの官民連携事業を立ち上げる動きがあることが指摘された。

今月、ある融資平台のマネジャーは中国経済誌「財新」の取材に対し、債務を地方政府から切り離すべく新組織を作ったとしても、財政的な問題が起これば彼らはすぐにまた政府を頼ってくると述べた。財新では、こうした分離は「形式的なものにすぎない」という中国の格付け機関、中債資信の霍志輝氏のコメントが引用されている。

債務問題が尾を引いている現状から浮かび上がるのは、中国という国を統治することの難しさと、習近平氏が持つ強大な権限にも限界があるということだ。税収に対する権限を中央政府と地方政府のどちらが持つのか、もっと明確にすることは可能なはずだ。

これは先述の5カ年計画で提起され、今年10月に開催された共産党大会で習氏が改めて言及したポイントでもある。ルール作りが進めば、歳入と歳出の不均衡は軽減されるだろう。

ここで問題となるのは、このような取り決めを行うのに十分な信頼関係が中央政府と地方政府の間にないことだ。しかも両者は融資平台の一件でそれぞれ異なる教訓を得てしまった。中央政府は、地方政府に独自の税収源を与えず抑えつけるべきだと考えるようになり、地方政府は現在わずかに与えられている財政上の「自治権」を守るためには、さらに入り組んだ計画が必要だと思うようになった。

習氏は地方政府の役人が自分の政策を妨害していると不満を表しており、改革を断行するために更なる権限が必要と考えている。今回の共産党大会は同氏にその権限を与えた。習氏は中国政治体制の改革を進めていくのか、それとも党執行部を自らの側近で固めて満足してしまうのか。地方債務問題は、その答えを引き出す試金石となる。

©2017 The Economist Newspaper Limited Nov.18-24 , 2017 All rights reserved.

小平記事

中国では2次元バーコードを利用したモバイル決済がここ数年で急速に普及し、特に大都市では現金を持ち歩かなくてもほとんど生活に困ることがない社会が実現している。その牽引役となってきたのが、中国ネット通販最大手、アリババ集団傘下の螞蟻金融服務集団(アントフィナンシャル)が提供している決済サービス「支付宝(アリペイ)」だ。

もともとアリペイは、ネット通販での安全な取引を担保するために2004年に生まれた。買い手が支払った代金をアリペイがいったん預かることで、「代金を支払ったのに商品が届かない」といった詐欺的な取引を防ぐ仕組みだ。アリペイの導入により、中国のネット通販市場は大きく広がったとも言われる。

その後、アリペイはリアルの決済にもサービスを広げ、今では公共料金の支払いや寄付、余剰資金の運用など生活に必要な決済や金融のサービスをほぼ網羅するまでになった。アリババによると、アリペイのユーザ数は約5億2000万人。時価総額が米フェイスブックを超えたことでも話題になった中国IT大手の騰訊控股(テンセント)の「微信支付(ウィーチャットペイメント)」とともに、インフラの一部となっている。

伝統的な市場や屋台のような店舗でもアリペイやウィーチャットペイのバーコードが掲げられている(写真:町川 秀人)

中国の大都市の街中には、至るところにアリペイやウィーチャットペイの2次元バーコードがある。市場、焼き芋の屋台、繁華街の花売りといったところにも2次元バーコードが掲げてある。仮にバーコードがなくても「アリペイ(もしくはウィーチャットペイ)で」と言えば、たいていはスマホに表示した2次元バーコードをこちらに差し出してくる。バーコードを読み取るだけで簡単に個人間送金が可能なサービスだからできることだ。ちなみチェーン店では、こちらが支払い用のバーコードを表示し、店舗側の端末で読み取ってもらう形式が多い。

ネットとリアルの融合を図るアリババ

9年前にアリババがネットでのセールを始めてからすっかり買い物の日として定着した11月11日の「独身の日」。中国ではこの数年で「独身の日」ではなく「11」が並んでいることを意味する「双11(ダブルイレブン)」という言い方が一般的になっている。アリババの今年の「双11」の売上高は2016年の4割増の1682億元(約2兆8000億円)に達した。

3兆円近い売上高や中国や海外のスターが登場する「双11」のイベントもさることながら、アリババが今年の「双11」で強く打ち出したのがネットとリアルの融合だ。

「ECは消える」。今年の双11に合わせて自らが主演するカンフー映画を公開したアリババのジャック・マー会長は昨年来、講演などでこう語ってきた。

ネットでの買い物とリアルでの買い物の境目がなくなり、ネット上での買い物をわざわざ「EC」と区別する必要がなくなるという意味だ。それを実践するかのように、アリババはリアルな小売りへの進出も加速している。11月20日には、大型スーパー「大潤発」を運営する高鑫零售(サンアート・リテール)に3200億円を出資すると発表した。

ネットとリアルの融合を目指す上でも、アリペイの存在がカギになっている。アリババが手がけるスーパー「盒馬(フーマー)鮮生」の上海市内の店舗では、ほぼすべての来店客がアリペイで代金を支払っている。レジカウンターは白い台と縦長のディスプレーがあるだけ。来店客が自ら商品のバーコードを読み取り、アリペイかアリペイにひも付いた同スーパーのアプリで支払う。

盒馬はアプリ上から注文をして宅配してもらうことも可能だ。店舗から3km圏内の消費者に最速で30分以内に商品を届ける。店舗内の天井には宅配用の商品を配送口まで運ぶ専用のレールが敷かれている。

顔認証ならスマホを持つ必要もない

一方で店舗では生きている魚やカニ・エビを多く取り扱っており、希望すればその場で調理し、食べることもできる。新鮮な海産物を食べられることを売りに、ネットスーパーの利用に加えて来店も促す仕掛けだ。

盒馬では現金でも支払うことは可能だ。しかし、現金を扱うレジには店員がいない。セルフレジの近くにいる店員に「現金で払いたいのだけど」と声をかけると、「アリペイがあるのではあればこちらで」とセルフレジに誘導される。

このセルフレジでは、顔認証で代金を支払うこともできる。事前にアリペイに自分の顔を読み込んでおけば、セルフレジのカメラで顔を読み取り、電話番号を入力するだけで支払いが終わる。アリババの担当者は「スマホを取り出す必要もない」と顔認証の利点を強調する。

上海にある盒馬鮮生大寧店では顔認証で買い物ができる。現金を使えるレジには誰もいない

スマホ決済が新しいビジネスの土台に

盒馬の顔認証を見てもわかるように、インフラとなったアリペイやウィーチャットペイの存在が新しい技術やビジネスの登場を促している側面もある。どうやって利用者からお金を受け取るか、現金をどのように管理するかに頭を悩ませる必要がなくなり、多種多様なベンチャー企業が出てくる土台になっている。

盒馬の店内にあるスマホ充電器の貸し出し機。貸し出しから返却の手続きまでアリペイを使用する

例えば、中国の都市で広がったシェア自転車もスマホでの決済が前提だ。以前、「アマゾン超えた?上海に登場した無人コンビニ」という記事でも触れた無人コンビニをはじめとして、中国では無人店舗が次のビジネスとして注目を集めているが、これもアリペイやウィーチャットペイといったスマホ決済があればこそだろう。

アリババの「双11」イベントでは、メディアが集まる会場に盒馬などの紹介とともに、無人店舗の実験店が設けられていた。11月初旬には、アリババも出資している家電量販大手の蘇寧雲商が上海市内の店舗に、無人売り場を開設した。無人店舗は江蘇省南京市に次いで2カ所目で、その後、北京市と重慶市にも設置した。

蘇寧の無人店舗は同社の金融アプリに顔を登録した後、顔認証で入店。店を出る際はカメラ前に数秒経つだけで、自動的に代金がアプリから引き落とされる。金額は商品についたタグを読み取って計算している。現時点で販売している商品はサッカーのユニフォームや旅行用まくらなどで、まだ実験段階のようだ。

蘇寧の無人店舗「biu!」。商品を持って立つだけで支払いが終わる

アントフィナンシャルは個人の信用度を判定する「芝麻信用(ジーマ信用)」というサービスも手がけている。信用度が高い人はホテル宿泊時やシェア自転車利用時の保証金を払う必要がないなど、様々な優遇を受けることができる。また信用度に応じて、スマホや電化製品、おもちゃなどをレンタルすることも可能だ。アリペイから始まった中国のモバイル決済サービスは、「現金消滅」という決済の変革を超えて、企業のビジネス構築や人々の行動にまで変革を起こそうとしているように見える。

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『人類史から見通す近未来(時論) ジャレド・ダイアモンド氏 作家・地理学者』、『世界の運用マネー1.6京円へ 欧米勢、勝ち残りへ巨大化』(11/28日経朝刊)について

11/25『週刊ダイヤモンド』櫻井よしこ氏<「 米国と対等の地位を印象づけた中国 日本にとって最悪の国際環境が到来 」>「日米両国等、民主主義でありたいと願う国々が余程自覚し力を合わせて体制を整えていかない限り、今後の5年、10年、15年という時間枠の中で国際社会は、21世紀型中華大帝国に組み込まれてしまいかねない。」とありますが、その通りだと思います。敵は金、ハニーを使って要人を籠絡、日米分断を企てています。真の敵は共産主義者です。ゆめ忘れないようにしませんと。

https://yoshiko-sakurai.jp/2017/11/25/7162

11/28宮崎正弘氏メルマガ<張陽(中央軍事委員会前政治工作部主任)が「首つり自殺」  巨額の賄賂を郭伯雄、徐才厚らに上納して「のし上がった」>宮崎氏の言うように朝陽は自殺ではなく、口封じかもしれません。軍が習と対立すればクーデターが起きる可能性もあります。民衆蜂起は火力の差があり過ぎて天安門事件のように鎮圧されるだけです。軍を味方につけて共産主義を打倒しなければ民主化はできないでしょう。北朝鮮問題で江派の北部戦区がどう出るかも一つの見所です。

http://melma.com/backnumber_45206_6615102/

11/29ダイヤモンドオンライン<期待の国産資源・メタンハイドレートの開発研究はここまで進んだ>「日本が今後、予定しているとされるアメリカやインドとの共同研究も「政治的にも、技術的にも“対中包囲網”を意識している」という声もある。」と。コストだけの問題ではないでしょう。エネルギー安全保障と捉えるべきです。ABCD包囲網を忘れたとしたら日本人は歴史から何も学んでいないという事になります。当然、コストを下げるたゆまぬ努力を続けるべきです。

http://diamond.jp/articles/-/151039

11/29中国観察<習特使剛走 金三胖就迫不及待 給中美造個彌天大謊 阿波羅網=習の特使は行ったばかりなのに三代目の豚はがまんできず 米中に真っ赤な嘘を吐きまくり>ミサイル発射の件ではなく、第一次朝鮮戦争で米中の激突した作戦を北が手柄として北のメデイアが発表したと。中国は「北も歴史の改竄をしている。五毛党を使ってやらせている」と。お前が言うなと言いたいです。共産主義は嘘の塊です。丹東市の歴史博物館には「抗美援朝」の説明で、南が北を侵略してきたので朝鮮戦争が始まったと書いてありました。中朝とも、歴史の改竄が臆面もなくできる国です。南京も慰安婦も嘘と言うのが分かるでしょう。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/29/381577.htm%E7%BF%92%E7%89%B9%E4%BD%BF%E5%89%9B%E8%B5%B0-%E9%87%91%E4%B8%89%E8%83%96%E5%B0%B1%E8%BF%AB%E4%B8%8D%E5%8F%8A%E5%BE%85-%E7%B5%A6%E4%B8%AD%E7%BE%8E%E9%80%A0%E5%80%8B%E5%BD%8C%E5%A4%A9%E5%A4%A7%E8%AC%8A.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/29中国観察<宋濤訪朝前鬧出人命案 訪朝後北京報仇了?!阿波羅網=宋濤が訪朝する前に、北は中国人の朝鮮貿易商二人を船上で射殺(中国が制裁を緩めることに対して返事しなかった為) 宋濤が帰国した後、北京は金という姓の朝鮮族の中国人貿易商を逮捕して仇を討った>江派の張德江の指示のもと、「鴻祥」会長の馬曉紅(女性、誰かの愛人でしょう)が北に核兵器の部品を密輸していたとのことです。調べましたら、馬曉紅は昨年9月に正式逮捕とのこと。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/29/381578.htm%E5%AE%8B%E6%BF%A4%E8%A8%AA%E6%9C%9D%E5%89%8D%E9%AC%A7%E5%87%BA%E4%BA%BA%E5%91%BD%E6%A1%88-%E8%A8%AA%E6%9C%9D%E5%BE%8C%E5%8C%97%E4%BA%AC%E5%A0%B1%E4%BB%87%E4%BA%86%EF%BC%9F%EF%BC%81.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

ダイアモンド氏の記事を読んでの感想。先ず中国は一つの言語ではなく、北京語・上海語・広東語全部違うという事。福建省は山を越えたら違う言語なので意思疎通できないと聞いたことがあります。中国では地域での話す言葉が違っても、同じ漢字(繁体字と簡体字の区別はありますが)を使っていますが。欧州諸国が同じアルファベットを使っていても別な国になったのは、半島が多いせいと言う見方は無理があるのでは。山とか川で分断されたからでしょう。でも中国は漢族以外、55の少数民族からなる国です。ウイグル人は元々漢字文化ではありません。清国の乾隆帝時代に版図を一番広げました。言葉や民族の同一性だけで国が成立する訳ではないという事です。ポーランド分割で国がなくなったケースもあります。武力が物を言い、且つロジの問題だと思います。

ダイアモンド氏は民主主義>共産主義と考えておられるようですが、そうあってほしいと願っています。ただ氏の指摘通り、共産主義は圧倒的に効率は良いですから。新機軸VS効率の闘いなのかも。マイケル・ポーターの基本戦略として、①差別化②コストリーダーシップ③集中化とありますが、その内の①と②の闘いになるという事でしょう。

世界の運用マネー記事では、世界の運用額がGDPの2倍の1京6000兆円になるというのは驚き。バブルではないのでしょうか?富の分配がうまく行くことと、地球に優しくなるために、人口を抑制していくようにしませんと。

ジャレド・ダイアモンド氏記事

アジア、とりわけ中国が存在感を増す中で、世界の経済や政治、社会はどう変わっていくのか。日本に求められる役割はどう変化するか。文明や民族の攻防、勢力の逆転現象などを数百万年の時間軸で俯瞰(ふかん)した「銃・病原菌・鉄」「昨日までの世界」の著者で地理学者のジャレド・ダイアモンド氏に、人類史から見た西洋と東洋の「近未来」について聞いた。

■独裁中国 米に追いつけず

――数百万年という時間の流れの中から人類史を見つめた著作が多いです。その前提で言えば「現在」とはどんな時代でしょう。

「語りだしたら、7時間は要するテーマだ。1つだけ言うなら、技術の進歩が急速で、それが国家の発展をも速めている特徴がある。一方で、政治や経済、環境面で問題が急速に増えたり、広がったりしていて、人間社会にとっては致命的な結果をもたらす懸念も膨らんでいる。このペースで問題が拡大していったとしたら、今後30年以内に我々の未来が生きる価値があるものかどうかの決着がつくだろう」

「重要なのは、過去の社会から学ぶことが多いということだ。人類は600万年の歴史を持ち、金属、文字などの現代的特徴を持ち得たのはわずか1万1千年前のことだ。経験や英知は『昨日までの世界』の方が豊富な蓄積がある。高度な技術を使わなくても問題が解決できた時代の方が圧倒的に長かったわけだ」

――アジア、とりわけ中国の存在感が急激に強まっています。人類史的にはどんなことが言えますか。

「最近の中国は強力で、中央集権的で、意思決定能力が高く見える。これに対し、米国は意思決定に際して裁判や議会というプロセスも入るため、迅速さに欠ける場面が増えてきた。だから我々米国人は偏執狂的というか、中国を過剰に恐れる傾向を強めている」

「中国の経済が急激に拡大しているのは事実だ。だが理由の多くは少し前までの中国が貧しい国であり、豊かな国より速いスピードで経済力を拡大できる点だ。インドも似ている。もしかしたらインドは中国よりも貧しいところから発展が始まった」

――15、16世紀ごろは経済的な豊かさという点で中国と欧州が同水準にあったとの指摘もあります。欧米と中国は再び肩を並べる、ということでしょうか。

「豊かさの尺度によるが中国と欧州は1400年代の方が経済的に同等に近かったのは事実だ。その後、欧州は中国の先を行った。その理由を私は自著『銃・病原菌・鉄』のエピローグで考察している。歴史家の間ではまだ未解明の問題で、今も異なる解釈がある。だが、私は地理学者だ。地図で中国を見ていたらわかる。中国の沿岸部は滑らかな線になっているが、欧州の地形は半島が多い。だから、イタリア、スペイン、ギリシャの各半島は、異なる言語を持つ、異なる国家になった。異なる『実験』が進んだのだ」

「また欧州には大きな河川が多い。それらはアルプス山脈から流れ、ライン川やローヌ川、ポー川、ドナウ川が異なる社会を持つ国家を生んだ。一方、中国には主要な河川が(長江と黄河の)2つしかなく、2千年以上前に運河でつながった。結果として、欧州は政治的に断片化していき、中国は紀元前221年に政治的に統合された」

「統一は強みだ、と考える人が多いだろう。しかし弱みにもなった。強みは1人の指導者の下で大きな事業が実現し、経済が飛躍することだが、一方で指導者に問題があった場合には、国全体が危機にさらされやすかった」

「中国について言えば、15世紀には技術的にも欧州と同水準にあり、1430年代には世界最大の艦隊と大きな船舶を持っていた。中国の船舶は東南アジアや中東を超え、アフリカに到達した。アフリカの後は欧州を征服しようとするかに見えたが、結局、そうはならなかった」

「理由は中国で『統一の弱み』が表れたからだった。最高位に就いた皇帝が、艦隊は金の無駄遣いだとの決定をした。実際、艦隊は莫大な出費を伴う。欧州でも金の無駄だと言い切った国王がいたが、有用な出費だと考えた国王もいた。コロンブスは後者だったスペイン国王の支援を得て大西洋を渡った。彼の3隻の船は中国の船舶に比べると半分くらいの小さなものだったが、新世界を発見したのは欧州だった」

――中国は「一帯一路」政策を進めて、欧州に延びる一大経済圏を創る構えです。中国と米欧、あるいは東洋と西洋の力関係の今後をどう見ますか。

「中国はさらに強大になるだろう。だが、米国のような軍事的、経済的、政治的権力を獲得する見込みがあるかというと、そうは思わない。基本的な問題が立ちはだかるからだ。彼らは歴史上、一度も民主主義を経験していない。それは中国にとって致命的だ。一党独裁による政治は意思決定のスピードが速い。だが、多数の意見を戦わせる機会が少なく、民主主義国家のように新しいことを試すことが難しい。総合力で米国に追いつく可能性は、私にはあるとは思えない」

■日本、危機克服に多様性

――日本の今後の役割とは何でしょう。

「とても興味がある問題だ。私が今、執筆中の本は過去に起こった、あるいは今起きている、国家の政治危機に関するものだ。日本は過去に危機を迎えた。例えば1853年のペリー来航以降、日本は中国のように西洋に圧倒される危険性があったが、迅速かつ選択的な変革をして、経済的、政治的、軍事的に国家を強固にした顕著な例になった。1800年代の危機を乗り越えたのだ」

「だが現在の日本は問題を抱える。第1に政府債務の問題だ。日本の国内総生産(GDP)と比べた国債発行規模の大きさは際立っている。2つ目は出生率の低下だ。日本は世界で最も高齢化が進み、若年労働人口に対する高齢者人口の比率が最も高い。一方で、日本の女性の役割は非常に限定的だ。今回日本に来て企業の会合に出たが、出会った人の95%は男性だった。これは米国では考えられない。女性の活用が進んでいない懸念がある。移民を受け入れない姿勢を打ち出している以上、それ以外のところでダイバーシティー(多様性)のモデルとなるケースを示す必要が日本にはある。私は日本の危機克服に、非常に興味がある」

「もう1つ感じるのは国際的資源の持続可能な使用に関する問題で、指導力を発揮していない点だ。日本は資源輸入に依存しており、漁業や林業などの分野の外国資源の持続可能な管理体制づくりに強い関心を示すことを期待されている。ところが現実的には期待に応えられていない。例えば寿司だ。日本人はマグロが大好きだが、最も上質なマグロは地中海産のクロマグロだ。日本は地中海産クロマグロの保存に高い関心を払うべき国だと期待されるはずだが、実際は保存に対する大きな『障害』になっている懸念がある」

「最後に、中国、韓国との関係だ。3カ国は今も良好な関係にあるとは言えない。解決策が真剣に議論されているわけでもない。こうした問題はどこか他の国が解決してくれるものではない。日本が自らの手で解決する機会を常に見つけていかなければならない」

――インターネットなどテクノロジーの発達をどうみていますか。

「私に答える資格があるかどうかは疑問だが、強いて言えば、技術には大きな利益をもたらすものもあるということだ。例えば、太陽光発電だ。より効率的にエネルギーを生産できるのなら、原子力や化石燃料に頼らなくてよくなる」

「技術も問題解決の一助にすぎないと思う。問題は我々の振る舞いだ。私たちがエネルギー消費削減の努力をすれば、直ちに多くの問題を解決することができる。日本というより、エネルギーの無駄遣いが多い米国の同胞に向かってよく言っていることなのだが」

「欧州人の優位性」に反論  Jared Diamond 「銃・病原菌・鉄」「文明崩壊」など日本語に訳された著作は数多い。生物学や生理学の学位を取る一方で、進化論や地理学の研究も進め、ニューギニアなどでフィールドワークを始めた。ピュリツァー賞受賞の『銃・病原菌・鉄』はその成果。ニューギニア人との対話で得た「なぜ欧州人がニューギニア人を征服し、逆はなかったか」という疑問から書かれた代表作は「単なる地理的要因」という仮説を提示した。欧州人の優位性という人種差別的な偏見に反論を投げ掛け、世界的に反響を呼んだ。現在、米カリフォルニア大ロサンゼルス校教授。ボストン出身。80歳。

◇  ◇

〈聞き手から〉「一帯一路」歴史的大転換に

ジャレド・ダイアモンド氏が指摘する15世紀の中国の遠征中止とは、海禁政策や朝貢貿易にカジを切った明の洪武帝以降の時代を指しているようだ。明代には鄭和という宦官(かんがん)出身の武将が艦隊を率い、東南アジアやアフリカまで遠征した時期もあった。ところが1434年に鄭和が死去すると、その後は遠征が止まってしまう。

歴史家の間では、当時の王朝の決断が欧州との明暗を分ける節目になったとの指摘が多い。大航海時代を経た欧州は新世界から大量の銀などを獲得し、商業や金融業を発展させていく。一方の中国は自国の貿易船ネットワークを実質的に放棄し、朝貢貿易の相手国の船にヒト、モノ、カネの移動を依存していった。物流の大動脈をあっさりと明け渡してしまったのだ。

理由は「当時の中国が欧州と比べても豊かで、わざわざ外に出かけていく必要がなかったからだ」と物流の歴史に詳しい京都産業大の玉木俊明教授は話す。一方、欧州は地理的、気候的な問題などから、中国よりも食料や資源が少なく、「必然的に大西洋を渡って、新世界の発見に向かわざるを得ない状況にあった」という。

現代中国の新経済圏構想「一帯一路」はそうした意味で歴史的大転換と言える一大イベントだろう。今後の経済成長の根幹が物流ネットワークにあると考え、ユーラシア大陸全体のヒト、モノ、カネの中心に座ろうとの国家プロジェクトだ。日本の経済界にとっても見逃せない節目が迫っている可能性がある。

(本社コメンテーター 中山淳史)

世界の運用マネー記事

アセットマネジメント(資産運用)業が成長産業へと変貌しつつある。先進国の高齢化や新興国での中間層台頭により、世界の運用資産は2025年には1京6000兆円強と、現在の世界の国内総生産の約2倍に達する見通しだ。M&A(合併・買収)などを駆使して巨大化した運用会社が、世界を舞台にマネーを奪い合う別次元の競争が始まっている。

「投資の多様化には、彼らの助けが欠かせない」。中東の盟主サウジアラビア。王位継承を狙う実力者ムハンマド皇太子が10月下旬に開いた「サウジ版ダボス会議」である人物に秋波を送った。世界最大の資産運用会社、米ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)だ。

サウジがめざす脱原油依存のカギとなる政府系ファンド。運用の主要な担い手がブラックロックだ。巨額の国家マネーを牛耳るほどの影響力を持つようになった同社は、「新たな金融の覇者」とも称される。

運用資産は足元で5兆9700億ドル(660兆円強)にのぼる。たった1社で日本の公募投資信託全体の残高(約107兆円)の約6倍、東証1部全銘柄の時価総額(約660兆円)に匹敵するほどの規模だ。

運用業界の興隆は世界的な現象だ。PwCの予測では、世界の運用業界の資産規模は25年に145兆ドル(1京6000兆円強)まで拡大する。16年末比で約7割増という大幅な伸びだ。

根底には世界的な成長鈍化や金融緩和によるカネ余りがある。投融資の資金を用立てる銀行や証券の役割は薄れ、余資を運用する資産運用業の重要度が増すという構造変化を促す。

先進国の高齢化による退職後に向けた運用ニーズの拡大、新興国での中間層の台頭も大きい。米ブルッキングス研究所の試算では、世界の中間層は25年までの10年間で1.5倍の46億人に膨らむ。最大勢力はその6割を占めるアジア太平洋地域の中間層だ。

特に「中国では巨大なマス・アフルエント(大衆富裕層)が出現する」(野村ホールディングスの永井浩二グループCEO)。中間層の増加につれて余裕資金が投資に向かう流れが太くなっていくのは先進国の歴史が示している。

ブラックロックに加えて、米国のバンガード、フィデリティ、JPモルガン――。16年末で欧米16社の資産規模がそれぞれ1兆ドルを超えた。これら「1兆ドルクラブ」は世界の運用業界をけん引していく主要プレーヤーだ。最近では英国でスタンダード・ライフとアバディーン・アセット・マネジメントが経営統合し、運用資産を1兆ドル近くまで膨らませた。

中間層マネーが増大するアジア展開のほか、AI(人工知能)など運用テクノロジーの開発も必須。指数連動型運用の普及で運用手数料の引き下げ競争も厳しい。経営規模を巨大化させないと、運用会社は生き残れない時代となってきた。

運用マネーの急成長、競争のグローバル化、テクノロジーの進化。様々な面で新世紀に向かう資産運用業界を追う。

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『米中は金正恩を「アジアのムガベ」にできるか 「テロ支援国家」再指定は「ならず者」の烙印』(11/28日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

11/29宮崎正弘氏メルマガ<北朝鮮、ICBMを日本海に飛ばしたが  新型か「火星型」は不明。ロフテッド軌道。4000キロを「遙かに超えた」>

http://melma.com/backnumber_45206_6615297/

11/29ZAKZAK<正恩氏“軍事的沈黙”破るか 北にミサイル発射兆候、「年内有事」の可能性も>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171129/soc1711290006-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

11/28ZAKZAK<12・18、米の北朝鮮攻撃Xデー警戒 各国緊張の極秘情報、世界最強ステルス戦闘機6機投入の狙い>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171128/soc1711280007-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

11/28ZAKZAKの加賀孝英氏のレポートでは12/18に米軍の先制攻撃があるかもしれないとのこと。クリスマス休暇を待たずと言うことは事態がそれだけ逼迫しているのでは。

11/27中国観察<金正恩逼得習近平再下手-局勢極其緊張?阿波羅網=金正恩は習近平が再び動き出すよう追い詰めた 情勢は極度に緊張している アポロネット>

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/27/381410.htm%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E9%80%BC%E5%BE%97%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E5%86%8D%E4%B8%8B%E6%89%8B-%E5%B1%80%E5%8B%A2%E6%A5%B5%E5%85%B6%E7%B7%8A%E5%BC%B5%EF%BC%9F.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

この記事によりますと、「①北部戦区は中朝境界付近で実戦演習をする予定②読売新聞を引用して鴨緑江にかかる「中朝友誼橋」の修理は12月中旬まで延ばす③陳破空氏によれば中国は北朝鮮と戦って3度とも敗れている。一、張成沢の粛清、二、金正男の毒殺、三、金正恩毒殺の失敗、習は党内では連戦連勝であるが北に対しては恥をかかされ放し。」とのこと。習は中朝間で戦争になったら江沢民派の北部戦区軍を投入し、毛が第一次朝鮮戦争でやった国民党の敗残兵を投入して始末したのと同じことをしようとしているのでは。またジンバブエのムガベを下ろした背後に中国がいることも宋濤特使が伝えた可能性もあります。

11/29長尾たかし衆院議員は「我国がしなければならない「圧力を最大限まで高める」事とは、朝鮮総連の破産申立てと金正恩本人を資産凍結対象者とする事です。政府の決断で実行できる事だと確信しています。」と述べています。「遺憾」砲だけではなく、敵基地攻撃能力を持つよう国民に呼びかけなければ、国民に切迫度が伝わりません。

鈴置氏の記事や他の記事を読みますと戦争は不可避との印象を強く持ちました。而もクリスマス休暇にかこつけたNEO実施後の年明けでなく、12/18と中朝友誼橋の封鎖時期とも重なります。難民が中国に押し寄せるのを防ぐためでしょう。

米国は戦術核の使用を躊躇わないとのこと、バンカーバスターで地中深く軍事施設・核施設だけ壊滅させれば、国際世論も認めるのでは。何せ金正恩は鈴置氏の言うようにMAD(相互確証破壊)が成り立たないMadman ですから。

在韓邦人は自己責任で帰国した方が良いでしょう。会社の指示を待っていたら手遅れになる可能性もあります。日本へのミサイルよりソウルの砲弾飛来の可能性は高いですから。最悪の場合、核ミサイルが飛んでくる可能性もあります。

記事

北朝鮮兵が韓国に亡命する事件が発生。兵士が境界線を越える映像が公開された(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

金正恩(キム・ジョンウン)委員長はジンバブエのムガベ大統領の末路をたどるのだろうか。

「イスラム国」と同列

—北朝鮮の兵士が韓国に亡命しました。

鈴置:兵士は板門店(パンムンジョン)のJSA(共同警備区域)を走って南側に駆け込みました。ハンギョレの「映像・北朝鮮、軍事境界線を越えて銃撃……停戦協定に2回違反」(11月22日、韓国語版)などで、動画を見ることができます。

北朝鮮の枯野の一本道を飛ばすジープ型自動車。車がJSAに到着すると、北側の警備兵が慌てて走り出す。何かにはまり込んで動けなくなった車。そこから飛び出て南側に走り出す兵士。背後から狙い撃ちする警備兵。南側に少し入ったところで撃たれて倒れ込んだ亡命兵士。そこまで匍匐前進で近づき、引きずって救出した南の2人の兵士……。

スパイ映画のスリリングな1シーンを見るようです。が、これはすべて現実です。冷戦時代を生きた人は、ベルリンの壁を東から西に越えようとして撃たれた市民を思い出したでしょう。

この映像の公開により、世界の人は北朝鮮という国の異様さに改めて思い至りました。事件発生は11月13日。映像を公開したのが9日後の11月22日。

ちょうど米国が世界に向け「金正恩政権は危険な、ならず者集団だ。放置すれば世界が危機に瀕する」と訴えている最中でした(「金正恩に『ならず者の烙印』を押すトランプ」参照)。

  • 金正恩に「ならず者の烙印」を押すトランプ(2017年)
9月19日 国連演説で邪悪(wicked)な北朝鮮と戦うよう、世界に呼び掛け
11月6日 日本で拉致被害者家族らと面会「拉致はとんでもない行為だ」
11月8日 韓国国会演説で北朝鮮の人権侵害と対外テロなど非道ぶりを列挙
11月9日 米中首脳会談後の会見で「北朝鮮が向こう見ずで危険な道を放棄するまで経済的圧力を強める必要があるとの認識で一致した」と強調
11月15日 帰国後の会見で「習近平主席も『北朝鮮の核は中国にとって極めて深刻な脅威だ』と認識している」「我々は『凍結対凍結』は受け入れないことで合意した」
11月20日 「テロ支援国家」指定発表の席で「北朝鮮は世界を核で廃墟にすると脅し、何度も外国での暗殺を含む国際テロを支援してきた」
 

9月19日のトランプ大統領の国連演説では北朝鮮を国家と見なさず「金政権」(Kim regime)と呼んで「イスラム国」(IS)と同列に扱いました。11月8日の韓国国会演説でも「狂信的なカルト集団」と規定しました(「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(1)」参照)。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

11月20日(米国東部時間)の「テロ支援国家」再指定は、その総仕上げでした。その直前に、思いもかけず亡命事件が発生。米国は「烙印」にダメ押しできたのです。

戦争を避けるクーデター

—いよいよ、戦争ですか?

鈴置:米国がその覚悟を固めたことは明らかです。北朝鮮を、雑居ビルに立てこもって通行人に銃を乱射するカルト集団と認定したのです。武器を捨て、両手を上げて出て来ない限り、小屋ごと爆破することになります。

—でも、金正恩委員長は核を捨てるつもりはない。

鈴置:その通りです。習近平主席が11月17日に送った特使にも会いませんでした。例え話を続けるなら、ビルの大家さんの説得も無視し、徹底抗戦を宣言したのです。

—やはり、戦争ですね。

鈴置:それを避ける道があります。カルト集団の中堅幹部がボスから銃を取り上げるか、あるいはボスを射殺して投降するか、です。要はクーデターか暗殺です。

米国も戦争はしたくない。悲惨な結果が見えているからです。先制攻撃すれば、米国や日本の被害を最小化しつつ、北朝鮮の核関連施設を破壊できるとされています。ただ、そのためには核兵器――少なくとも戦術核を使う必要がある、と専門家は見ます。

戦術核は最低、使う

—核まで使うのですか?

鈴置:普通の人は皆、驚いてそう聞いてきます。しばしば「ピンポイント攻撃」という、限定的な戦闘をイメージさせる単語が使われているからでしょう。

実際、シリアやアフガンで米国が敵の重要施設を破壊する時は、巡航ミサイルやドローンを使って「ピンポイント攻撃」し、民間人の被害を減らしています。

しかし北朝鮮はアフガンとは完全に異なります。核武装しているのです。米国が先制攻撃した瞬間、核弾頭を搭載した弾道弾を撃って反撃してきます。

弾道弾の多くは地下サイロに隠されています。上空から赤外線センサーを使ってその大まかな位置は割り出せますが、完全には絞り込めません。そこで広範囲な地域を壊滅できる戦術核を使うのです。

日本人は「核まで使うのか」と驚きますが、米軍は「戦術核」と「通常兵器」の間に線を引かないのだそうです。全面戦争を引き起こす「戦略核」と、そこまでは至らない「戦術核・通常兵器」という区分があるに過ぎないと専門家は言います。

ただ、トランプ大統領が国連演説で「完全に破壊する」(totally destroy)と述べました。この言い方から、戦略核を使う可能性もあると見る人もいます。

8月29日と9月15日の弾道弾は首都、平壌(ピョンヤン)の順安(スナン)空港から発射されました。「移動式発射台を使えば、平壌を含めどこからでも核ミサイルを撃てるぞ。多くの非戦闘員が住む平壌も核で先制攻撃する根性があるか」と米国に凄んで見せたのです。

それに対しトランプ大統領は「完全に破壊」との言葉を使うことで「どこだろうと、何だって使ってやってやるぞ」と言い返したというわけです。平壌市内を動き回る発射台を殲滅するには戦術核ではなく、戦略核が要るのです。

北はすでに「先制核攻撃」宣言

—本当に、米国は核も使う先制攻撃に踏み切れるのでしょうか。

鈴置:北朝鮮に対してならやるでしょう。北朝鮮は2016年ごろから米国や韓国に対する先制核攻撃を公言してきました(「朴槿恵は『北爆』を決意できるのか」参照)。

日本に対しても2017年9月13日、朝鮮中央通信が「日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈める」と威嚇しました。

先制核攻撃されても、北朝鮮は文句を言えないのです。トランプ政権も「先制核攻撃するぞ」と威嚇する国を許しません。

大統領自身が韓国国会演説で「我々は米国と同盟国への威嚇と攻撃を許さない。米国の都市を破壊するとの脅迫を許さない」「我々は身を守るためには戦うし、死も恐れない」と言い切っています(「トランプ大統領の韓国国会演説のポイント(2)」参照)。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(2)

「戦争を辞さず」と決意表明

朝鮮半島周辺海域にF35とF18を搭載した3隻の巨大な空母が、適切な海域には原潜が展開中だ。私は力を通じた平和を求める

北朝鮮の政権はこれまでの米国の抑制を弱さと見なしてきた。決定的に誤った判断である。現政権は過去の米国とはまったく異なるのだ

米国は紛争や対立を望まないが、それから逃げはしない。米国の決意を愚かにも試してうち捨てられた数々の政権が歴史には満ちている

我々は米国と同盟国への威嚇と攻撃を許さない。米国の都市を破壊するとの脅迫を許さない。我々は史上最悪の残虐な行為がこの地で繰り返されるのを許さない。我々は身を守るためには戦うし、死も恐れない

「北朝鮮と戦おう」と世界に呼び掛け

この地に――自由で繁栄する韓国の心臓部に私が来たのは、世界の自由を愛する国々に1つのメッセージを伝えるためだ

それは、見逃す時が終わったということだ。今や力の時である。平和を求めるのなら、常に力強く立ち上がらねばならない。核による荒廃をもって脅迫する、ならず者政権の脅威に世界は寛容ではありえない

すべての責任ある国家は北朝鮮という野蛮な政権を孤立させ、いかなる形であってもそれを否定せねばならない。支持しても、与えても、受け取ってもならない

中国とロシアを含む、すべての国に呼び掛ける。国連安全保障理事会の決議を完全に履行し、北朝鮮の政権との外交関係を格下げし、貿易と技術に関わるすべての関係を断ち切らねばならない

この危険に、ともに立ち向かうことは我々の責任であり義務である。なぜなら我々が手をこまねくほどに危険は増し、選択肢が少なくなるからだ。この脅威に対し見て見ぬふりをする国は、つまり脅威をいっそう高める国は、自身の良心にこの危機の重みを問わねばならない

MADは成り立たない

北朝鮮が米国や日本に対し、先制核攻撃するぞと堂々と威嚇するという事実――。これを見落としてはなりません。なぜなら、こうした国とは「核の均衡」がなり立たないからです。

核兵器による報復が恐ろしくて容易に核で先制攻撃できない――。ざっくり言えば、これが核均衡による平和です。専門用語で「相互確証破壊」(MAD)と言います。冷戦時代に核戦争が起きなかったのはMADのおかげだ、との見方が一般的です。

最近、これをもって「米国はソ連や中国の核を認め共存した。同様に北朝鮮の核保有も認めるべきだ」と言う人が出始めました。「米国も核を持つのだから、核武装した北朝鮮とは核の均衡を図ればよい」との理屈です。

でも、冷戦時代の中ソは「先制核攻撃するぞ」とは言いませんでした。核の均衡は「『先制核攻撃すれば自らも悲惨な目に遭う』と冷静に判断する常識を相手も持つ」との認識が双方にあって成立します。

北朝鮮は少しでも自分が気に入らないことがあると「先制核攻撃するぞ」と大声で叫ぶ。こんな非常識な国とは核の均衡など期待できないのです。

トランプ大統領が韓国国会演説で北朝鮮をカルト集団と規定したのも、その異常さを指摘することで「北朝鮮の核武装を認めよ」との意見を封じ込めたのでしょう。

俺の後ろには中国がいるぞ

—状況は煮詰まっていますね。

鈴置:だからこそ、暗殺やクーデターという「平和な手段」が求められるのです。7月にCIAのポンペオ(Mike Pompeo)長官が政権交代を目指すと公言しました。米国では、一番妥当な解決策として議論されているようです(「『金正恩すげ替え論』を語り始めた米国」参照)。

ただ、暗殺やクーデター――つまり金正恩政権の打倒は中国かロシア、あるいは双方の暗黙の支持が不可欠です。

仮に誰かが金正恩委員長の殺害に成功しても、それだけでは逮捕されて終わりです。「俺の後ろには中国がいるぞ!」と叫んでこそ、皆が付いてくるのです。クーデターの際はなおさらです。金正恩委員長が生きているうちに軍を動かすわけですから。

—「俺の後ろには米国がいるぞ」と叫んだら?

鈴置:それは効き目がありません。陸上の大兵力を直ちに平壌に送れる国でないと金正恩側に勝てませんから。米国の名を出しても誰も付いて行かないでしょう。

ちなみに1979年に朴正煕(パク・チョンヒ)大統領を暗殺した金載圭(キム・ジェギュ)KCIA部長も、拘束された時に「自分の後ろには米国がいる」と叫んだとの噂が当時、韓国で流れました。大兵力を駐屯させる米国の存在は韓国では桁はずれに大きいのです。

WP「米中は崩壊後を協議」

—中国は米国の「金正恩打倒」作戦に乗るのでしょうか。

鈴置:分かりません。ただ、金正恩委員長にとって不気味な情報がいくつか流れています。

トランプ大統領はアジア歴訪からワシントンに戻った後の11月15日、会見で「習近平主席も『北朝鮮の核は中国にとって極めて深刻な脅威だ』と認識している」と語りました。原文は以下です。

President Xi recognizes that a nuclear North Korea is a grave threat to China,

「金正恩打倒」に中国も同意したとは言っていません。ただ、金正恩委員長が核放棄を拒絶しているところに、習近平主席が「北の核は中国にとって極めて深刻な脅威」と語ったのです。米中は金正恩政権の存在が危険だとの認識では少なくとも一致しているのです。

11月21日には、ワシントンポスト(WP)のコラムニスト、イグナティウス(David Ignatius)氏が興味深い記事を載せました。「Rex Tillerson’s secret survival weapon」で、その中に以下の1文があります。

the United States continued a high-level, secret dialogue with China about how to secure North Korea’s nuclear weapons if the regime implodes.

この記事も「米中が政権崩壊に向け協力している」と書いているわけではありません。でも「金正恩政権崩壊後の北の核兵器をいかに安全に確保するか、米中は高いレベルで秘密裏に協議してきた」というのです。

「政権崩壊後」の問題を米中が相談しているというのなら「崩壊に至るプロセス」も話し合っていることでしょう。

中国軍が平壌進撃

—ニュースですね。

鈴置:多くの専門家が「金正恩政権崩壊後の朝鮮半島の安保の枠組み」について、米中が話し合っているだろうと想像していました(「第2次朝鮮戦争か、金正恩体制崩壊か」参照)。

米中首脳会談(11月9日)のすぐ後にこの記事が載ったので、専門家はますます疑いを深めました。北朝鮮の外交関係者は、絶望的な気分でこの記事を読んだと思います。

すでに中国の学者は「中国軍の北朝鮮侵攻で政権交代を実現すべきだ」との過激な意見を公開の席上、語っています(「米中が朝鮮半島で談合する時」参照)。

「米中は崩壊後を話し合うべきだ」程度の“穏健な主張”は中国では普通になりました。最近では11月16日、ソウルで開いたシンポジウムで同済大学の政治・国際関係学院の夏立平院長が主張しました。

東亜日報の「中国学者『中国は躊躇せず、韓米と北の急変事態を論議すべきだ』」(11月21日、韓国語版)から引用します。

夏立平院長は「2017北東アジア協力フォーラム」で中韓米3カ国の「緊急計画対話」を提案した。議題として「北朝鮮の体制崩壊時、誰が核兵器を制御するのか」「北朝鮮からの難民問題をどう処理するか」「北朝鮮の秩序回復は誰が責任を負うのか」「危機後の朝鮮半島の政治の枠組みをどう整理すべきか」を提示した。

金日成から学んだムガベ

—確かに、北朝鮮にとっては不気味な記事が続きますね。

鈴置:記事だけではありません。ジンバブエのムガベ政権の崩壊という「現実」に、金正恩委員長は青ざめているでしょう。

—ジンバブエですか?

鈴置:ムガベ大統領は北朝鮮と深い関係を持ち、独裁の手法も故・金日成(キム・イルソン)主席を見ならったとされています。

韓国保守派の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏が、自身が主宰するサイトに「金日成から学んで国を滅ぼしたムガベの失脚、金正恩に衝撃を与えていることだろう」という記事を載せています。以下、要約します。

アフリカで最も生活水準が高いとされたローデシア(現・ジンバブエ)を37年間で台なしにした独裁者、ムガベが事実上の軍事クーデターで失脚した。

一時はまともな指導者と評されたムガベは1980年に金日成と会って、人が変わった。崇拝の対象となっているのを見て羨ましかったのだろう。

(北朝鮮の)主体思想を利用した鉄拳政治を導入し、ムガベは「アフリカの金日成」と呼ばれるようになった。独裁者は自分よりも強力な独裁者に会うと羨望し、真似をする。チャウシェスクとムガベは金日成の弟子だったのだ。

チャウシェスクとは1989年に処刑されたルーマニアの独裁者のことです。金日成主席と関係が深く、冷戦当時、ルーマニアは北朝鮮と並び東側の中でも強権ぶりで悪名をはせていました。

北からの亡命者によると、チャウシェスク政権が崩壊した時、金日成政権は深い衝撃を受けたそうです。当然のことですが。

北朝鮮<ジンバブエ=韓国

—ジンバブエ軍は独裁者を倒せたのですね。

鈴置:韓国の保守はそこに注目しました。「未来志向」というペンネームの識者が趙甲済ドットコムに「アフリカの軍人よりもダメな北朝鮮軍」(11月17日、韓国語)を寄稿しました。ポイントを訳します。

ジンバブエの軍人は勇気を出した。北朝鮮の多くの軍人の中で長期政権と独裁に対し立ち上がる軍人は1人もいないのか。彼らの奴隷根性には語る言葉もない。本当に金正恩を尊敬してじっと服従しているのか。

北朝鮮の軍人に、決起を呼び掛けたのです。

—韓国紙はこうした視点で書きませんね。保守系紙を含めて。

鈴置:それは当然です。ムガベ政権を倒したのは軍だけではありません。退陣を要求するデモと、議会の弾劾手続きも貢献しました。

—デモと弾劾……。北東アジアのどこかの国と似ていますね。

鈴置:そこです。韓国の大手メディアは朴槿恵(パク・クネ)退陣を実現したデモを称賛し「世界に誇る快挙」と自画自賛していました(「『名誉革命』と韓国紙は自賛するのだが」参照)。

東亜日報は「日本人は羨ましがっている」、朝鮮日報は「外国メディアも感嘆」と書きました。韓国では朴槿恵弾劾騒動が「英国の名誉革命の再現」「フランス革命などと並ぶ世界4大革命」ということになっている。

というのに「なんだ、我が国はジンバブエと同じ水準だったのか」と読者に思わせる記事は載せられません。韓国人はアフリカを露骨に下に見ますしね。

韓国の弾劾騒動を「衆愚政治の極み」と批判していた趙甲済ドットコムくらいでないと、ジンバブエで起きた「韓国に続く名誉革命」を報じにくいわけです。

クーデターは訪中直後

—なるほど。「ジンバブエの軍人のように勇気を出せ」と揺さぶられたら、金正恩は「韓国はジンバブエと同じじゃないか」と言い返せばいいわけだ。

鈴置:「韓国はジンバブエだ」なんて言っている余裕は金正恩政権にはないでしょう。ムガベ退陣の後ろには中国がいたとの見方が広がっているからです。

CNN・日本語版が「ジンバブエの『クーデター』、中国関与か 軍幹部が直前に訪中」(11月20日)で報じています。引用します。

チウェンガ司令官が中国から帰国した数日後、ジンバブエの首都ハラレで同司令官率いるジンバブエ軍が政変を起こして実権を握り、ムガベ大統領を自宅軟禁状態に置いた。

この経緯からチウェンガ司令官の中国訪問に注目が集まり、同司令官がムガベ大統領に対する行動について中国政府による暗黙の了解を求めたのではないかという臆測が浮上している。

要は、中国がムガベ大統領を見限った、ということです。中国はジンバブエに多くの経済的な利権を持ちます。そんな国が政情不安に陥ったら困るのです。

ひょっとすると中国は、こうした情報をリークし「ムガベになりたいか」と金正恩委員長を脅したのかもしれません。中国の安全保障にとって、北朝鮮の安定はジンバブエのそれとは比べものにならないほど重要ですから。

(次回に続く)

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