12/26The Gateway Pundit<Bill O’Reilly On Investigations into Liz Cheney: ‘It’s Not Revenge, It’s Justice’= ビル・オライリー、リズ・チェイニーの捜査について「これは復讐ではなく、正義のためだ」>
カシュパテルFBI長官により、J6委員長のベニー・トンプソンを事件の証拠隠滅で、J6委員のリズ・チェイニーを証人妨害の罪で逮捕してほしい。
ドナルド・トランプ大統領は、リズ・チェイニーの汚職と、彼女が1月6日委員会の委員を務めていた間に行われた「ひどく考えられない犯罪行為」に関しては言葉を濁していない。
「リズ・チェイニー氏は、議会によるJ6非選定委員会の中間報告で、甚だしく考えられない犯罪行為を行ったと暴露された」とトランプ氏は書いた。
先週、ゲートウェイ・パンディット紙は、下院運営委員会監視小委員会のバリー・ラウダーミルク委員長(ジョージア州共和党)が、 1月6日をめぐる出来事と、武器化されたJ6委員会に関する調査についての第2次報告書を火曜日に発表したと報じた。
ラウダーミルクの報告書は、J6委員会の共同議長リズ・チェイニー氏とJ6の「スター証人」キャシディ・ハッチンソン氏とのやり取りに基づき、証人妨害の罪で同氏に対する刑事勧告の概要を示した。
トークショー司会者のビル・オライリーはチェイニー氏に何が起こるかについて意見を述べた。
オライリー:リズ・チェイニー。リズ・チェイニーが好きな人は何人いますか? 誰かいますか? こんにちは。リズが好きな人はいますか? リズ・チェイニーは1月6日委員会を率いてトランプを憎もうとしました。反乱の責任をトランプに押し付けたり、いろいろとしました。リズ・チェイニーは共和党員で、ワイオミング州選出の女性下院議員です。選挙に負けました。彼女は選挙から撤退しました。現在はバージニア大学で教えています。
さて、リズ・チェイニーはJ6委員会で最も熱烈なトランプ嫌いだ。さて、下院監視委員会は、リズ・チェイニーが、J6委員会の前で宣誓証言しなければならなかった証人キャシディ・ハッチンソンの証言を「改ざん」した可能性があると発表している。
これが申し立てです。現在、私たちはすべての人に正当な手続きを与えています。どうなるか見守る必要があります。しかし、私は昨夜クオモと一緒にニュースネイションに出演し、そこで何が起こったかをお話しします。
(ニュース・ネイションのクリス・クオモからのクリップ挿入)
オライリー:リズ・チェイニーは共和党内でおそらく最大の悪役だ。
クリス・クオモ:なぜですか? 彼女が裏切り者だからですか?
オライリー:いいえ、彼女はトランプに対して非常に憎しみを抱いていたからです。ワイオミング州の有権者は、チェイニー家がその州で最も有力な一族であるにもかかわらず、彼女を追い出しました。しかし、議会の共和党議員は、彼女が証人に妨害をさせたと言っている。そして、マスコミはこれを復讐劇のように報道している。リズ・チェイニーが証人に妨害させたのなら、FBI が彼女の家の前庭にいて当然です。今、そう言います。調査するのに十分な証拠があると思います。
クリス・クオモ:彼らが証人妨害と呼んでいるものについて、私は今のところ彼らが言っていることだけしか見ていません。明らかに、彼らは他に何も提示していません。それが何か新しい基準だというわけではありません。それは証人妨害の法的基準ではないことは確かです。皮肉なことです…。
オライリー:そうです。連邦法に違反しています。
クリス・クオモ:まあ、彼女が何をしたかによるでしょう。分かりません…。
(クロストーク)
オライリー:調べてみてください。クオモさん、あなたは間違っています。あなたは弁護士ですからね。
クリス・クオモ:分かっています。私は本当に優秀だった。私が言いたいのは…どうなるか見てみましょう、ということです。
オライリー:もし彼女がそれをしたのなら、キャシディ・ハッチンソンを説得しようとしたのなら、もちろん正当な手続きはとられます。しかしもし彼女がキャシディ・ハッチンソンを説得しようとしたのなら、つまりJ6委員会の前で特定の方法で証言するよう申し立てられたのなら、この女性は連邦法に違反したことになります。
クリス・クオモ:その通りです。
オライリー: FBIはそれを調査すべきだ。
(オライリーの解説に戻る)
オライリー:マスコミは「ああ、復讐だ、復讐だ、復讐だ」と言っている。
それは復讐ではなく、正義だ。
議員は偽証教唆罪に問われます。チェイニー議員がそうしたかどうかは知りませんが、彼女がハッチンソン氏と会って証言を誘導したという疑惑は立証できると思います。これは連邦法に違反します。
だから、調査は必要です。でも、これは復讐ではありません。連邦政府には何らかの行動基準が必要です。でもマスコミは、「ああ、復讐か。ああ、そうだ」と言っているんです。
マスコミはリズ・チェイニーが実際に何をしたのか知りたいのか?
そうでしょうか?
いいえ、違います。
https://www.thegatewaypundit.com/2024/12/bill-oreilly-takes-investigations-liz-cheney-its-not/
左翼メデイアの悪足掻き。「憲法では、宣誓を破った反乱者は大統領になる資格がない」のを理由としているが、トランプは反乱者認定されていない。
「新新天」は漢字があっているかどうか?「The Hong Kong flagged container ship Xin Xin Tian 2」とあります。台湾有事と関係が?
12/26Rasmussen Reports<Most Favor Confirming RFK Jr. Nomination=多くがRFKジュニアの指名に賛成>
ドナルド・トランプ次期大統領が次期保健福祉長官に指名したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏の上院での承認を有権者の過半数が支持した。
ラスムセン・リポートの最新の全国電話・オンライン調査によると、米国の有権者の51%が上院がRFKジュニアの指名を承認すべきだと考えている一方、35%が反対、14%がわからないと回答している。
https://x.com/i/status/1871960309901975729
12/27阿波羅新聞網<大量外资出逃,又一经济重镇慌了;躲不过!一波破产停业潮袭击中国【阿波罗网报道】=多くの外資が流出、もう一つの経済中心地はパニックに陥る;身を躱せない!破産と廃業の波が中国を襲う 【アポロネット報道】>中国の経済リーダーである上海と経済重鎮の蘇州はどちらも深刻な問題を抱えている。 中国では各業界が過当競争による消耗と価格競争から逃れることができず、その結果、倒産や廃業がブームになっている。今年に入ってからは各種病院の倒産が計1155件発生し、前年比36.5%増となった。 中国のダウンジャケットメーカー波司登の700元以上で販売されているグースダウンパンツには、わずか3グラムのグースダウンしか含まれていないというニュースが百度で話題になった。
中国経済をダメにするのが戦争を抑止する道。
https://www.aboluowang.com/2024/1227/2150989.html
12/27阿波羅新聞網<习近平意思变了?反美反日挺俄援伊喉舌大报突低眉俯首大动作—个人记忆库:《环球时报》发起征文,要我们写中美友好合作故事=習近平は考えを変えたのか?反米、反日、露支持、イラン支援の喉と舌が突然恭順の意を示す – 個人の記憶庫:「環球時報」がエッセイの募集を開始、米中友好協力に関する記事を書くよう求めた>そう、反米、反日、露支持、イラン支援を掲げる大新聞「環球時報」が、何と「米中友好協力の物語」をテーマにしたエッセイを募集していた。
「環球時報」が恭順の意を示すのは当然、指導者の意向が変わったからである。
嘘つき習と嘘つき中国人は信じないこと。なんせ中国人の基本的概念は「騙すほうが賢く、騙されるほうが馬鹿」と言うもの。“友好協力”は自分の都合に合わせて唱えるだけ。中国人の本性を理解していない岩屋外相と外務省は中国外交を止めた方が良い。日本にもトランプが現れてほしい。小生は自民党員ですが、今の自民党では応援する気になれない。岸田、石破共にダメ。
https://www.aboluowang.com/2024/1227/2151077.html
12/27阿波羅新聞網<王丹:习近平与军方闹翻了吗?=王丹:習近平は軍と不和になったか?>最近、中共中央軍事委員会上級幹部の異動、軍内部の権力闘争、解放軍報が掲載した「集団指導」を強調する一連の記事が、外界から習近平と軍の関係について広く注目を集めている。ある分析では、習近平が軍からの挑戦に直面し、「仲たがい」する可能性さえあると考えている。
しかし、多方面から総合的に分析すると、この状況はまだ決裂の段階には達していないようで、習近平と軍の関係は微妙なパワーゲームをしているようだ。
最近、解放軍報は集団指導、民主集中制、党内民主主義を強調する記事を4回連続で掲載した。これらの記事では習近平の直接の名前は出ていないが、表明された考えは軍事委員会主席の責任体制を強調する習近平に反することは事実である。しかし、これは軍幹部らが公然と習近平の考えに異議を唱えることを意味するのかどうか?
中で揉めるだけにしてほしい。
https://www.aboluowang.com/2024/1227/2151031.html
12/27阿波羅新聞網<灾难来了!三峡大坝3倍?中共正式批准兴建全球最大水电站大坝—三峡大坝3倍?中国要建超级大坝,恐酿新冲突=災害がやってくる!三峡ダムの3倍?中共、世界最大の水力発電ダムの建設を正式に承認-三峡ダムの3倍?中国のスーパーダム建設計画、新たな紛争につながる可能性も>中国は世界最大の水力発電ダムの建設を正式に承認し、チベット高原東端のヤルンツァンポ川下流域で野心的な水力発電プロジェクトを開始した。このプロジェクトは下流のインドとバングラデシュの数百万人に影響を与える可能性があり、両国に懸念を引き起こしている。
中共の国営メディアである新華社は水曜日、このプロジェクトが最近中国政府によって承認されたと伝え、このプロジェクトは中国の「カーボン・ピーキング」と「カーボンニュートラル」の「ダブルカーボン」戦略を促進し、地球規模の気候変動への対処に非常に重大な意義があり、地元の土木建設、物流、運輸、その他の関連産業の急速な発展を促進し、チベットの雇用を創出し、電力、水利、交通などのインフラレベルを向上させるだろう。
ロイター通信が木曜日に報じたところによると、中国電力建設集団公司の2020年の見込みでは、ヤルンツァンポ川水力発電プロジェクト完了後の年間発電量は3000億キロワット時に達し、年間発電能力は三峡水力発電所の3倍である。
三峡水力発電所は現在、世界最大の設備容量を持つ水力発電所であり、設計年間発電量は882億キロワット時である。ヤルンツァンポ水力発電プロジェクトの建設費も三峡ダムを上回ると予想されている。三峡水力発電所の総事業費は2542億元で、当初の見積もり570億元の4倍以上となった。
ヤルンツァンポ川はチベットで最も長い川で、下流50キロメートルの短い直線距離で落差が2,000メートルあり、巨大な水力発電の可能性を秘めているが、独特の工学的課題も抱えている。
利己主義の塊である中国人の国を大きくするとこういうことが起きる。キッシンジャーやビル・クリントンは先見の明がなかった。まあ、両方とも金と女で篭絡されたのでは?
https://www.aboluowang.com/2024/1227/2151010.html
何清漣が再投稿
Hu Ping胡平 @HuPing1 8時間
李江琳:アカい家庭とは袂を分かち、それぞれの道を行く、この革命は間違っていると。 https://voachinese.com/a/CCP100-LiJianglin-Profile-20210615/5929618.html @voachinese 経由
voachinese.com から
山崎氏の記事では、大富豪と言ってもピンキリ。マスクは中道保守、ザッカーバーグとビル・ゲイツ(二人ともユダヤ人)は極左に位置付けられる。
「収奪的(extractive)な経済制度」の国に中共を入れていないのはおかしい。山崎氏は忖度したのか?
下図は橘玲著『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』から。ゲイツはテクノ・リバタリアン ではなく、単に世界統一政府を作って独裁者になりたいだけ。ローマ時代には任期を限って独裁官を任命したこともあったが、任期(6ケ月)を限ってと言うのがミソ。ずっと独裁者でいたいと思うのでは習と同じ。
ピーター・ティールはマスクのペイパル時代の友人で、マスクがトランプを支援するよう要請したが、ダメ(どの候補にも寄付しない)だったと記憶するが・・・。彼はテクノリバタリアンだったと思います。
記事
この記事の3つのポイント
- かつてビル・ゲイツとノーベル賞学者の間に論争が勃発
- 「独占」を肯定的に捉えるかどうかが、一つのポイント
- 専門家よりも大富豪を信じる風潮に警鐘を鳴らす契機に
イーロン・マスク、マーク・ザッカーバーグ、ビル・ゲイツなどのテクノロジー系の起業家を英雄視し、「大富豪が言っていることは正しいと考えるのは問題だ」と主張する論考を発表した2024年のノーベル賞経済学者のダロン・アセモグル。日経BPの新刊『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊 (日経ビジネス人文庫)』の著者が、10年余り前のゲイツとアセモグルの因縁を解説します。(文中敬称略)
イーロン・マスクやビル・ゲイツらテクノロジー系の大富豪の発言力が強まっていることに対し、ノーベル賞経済学者のダロン・アセモグルが最近、警鐘を鳴らしたことを前回の記事(「イーロン・マスクら大富豪を英雄視するのは危険 ノーベル賞学者の警告」)では取り上げました。
この背景にあったのが、10年余り前に生じた、ゲイツとアセモグルのある“因縁”です。2013年2月、ゲイツはアセモグルらの著書『国家はなぜ衰退するのか』を辛辣に批判しました。英エコノミスト誌など複数のメディアがこれを取り上げて話題になり、アセモグルらは「ゲイツは完全に誤解している。本当に本を読んだのか?」という厳しいトーンの反論を米フォーリン・ポリシー誌に掲載して、ゲイツとの間に論争が勃発したのです。
この論争を理解するためには、アセモグルらが書いた『国家はなぜ衰退するのか』について知る必要があります。『天才読書』でも取り上げている同書の概要をまず紹介しましょう。
『国家はなぜ衰退するのか』は国家の繁栄と衰退の理由に迫った本です。古代ローマからマヤ文明、ベネチア共和国、英国、ソビエト連邦、メキシコ、米国など、多様な国を取り上げて、どのような政治的、経済的な制度が、それぞれの繁栄と衰退に影響を与えたのかを考察しています。
著者はアセモグルと、シカゴ大学の教授で政治学者のジェイムズ・A・ロビンソンです。アルメニア系トルコ人で米国籍も持つアセモグルは、05年に若手の優秀な経済学者に贈られる「ジョン・ベイツ・クラーク・メダル」を受賞した俊英で、論文の引用数の多さでも、13年当時から知られていました。
「世界にはなぜ豊かな国と貧しい国があるのか」という疑問からこの本は始まっています。第1章の冒頭に登場するのが、米国とメキシコの国境で2つに分断されているノガレスという都市です。もともとはメキシコの1つの都市でしたが、19世紀半ばに米国が購入した土地にノガレスの北半分は含まれていました。
マスク、ゲイツのほか、ジェフ・ベゾスの愛読書100冊を紹介する『天才読書』。このたび、新たに加筆・編集して文庫化された。本稿で触れたアセモグルらの著書も紹介
平均的世帯の年収が3倍も違うのはなぜか?
同じ先祖を持ち、同じ物を食べ、同じ音楽を聴き、同じ「文化」を持っていますが、ノガレスの平均的世帯の年収は米国側がメキシコ側の3倍もあります。米国側では、ティーンエージャーの大半が学校に通っており、大半の大人は高校を卒業していますが、メキシコ側はそうではありません。両者の格差は、平均寿命や乳児死亡率、犯罪率でも目立ちます。
韓国と北朝鮮も取り上げ、同じ民族で、もともとは1つの国であったにもかかわらず、分断から「わずか半世紀ほどを経た1990年代末までに、10倍もの経済格差を生み出した」とアセモグルらは指摘します。
地域間格差が生まれる理由を「地理」や「文化」に求める学説も少なくありませんが、このような見方をアセモグルらは否定し、国家の経済制度の違いに注目します。それが「包括的(inclusive)な経済制度」と「収奪的(extractive)な経済制度」です。
包括的な経済制度においては、大多数の人が経済活動に参加でき、安全な私有財産、公平な法体系、公共サービスの提供が保証されています。自由主義的で、新しい企業がビジネスに参入でき、人々が自分のキャリアを選ぶことも可能です。米国や英国、ドイツに加えて、日本も包括的な経済制度の国に当てはまります。
一方の収奪的な経済制度では、一部のエリートに権力と富が集中しています。独裁的な政権とそこに結びついた企業が強い力を持つケースが多く、自由な競争は制限されています。収奪的な経済制度では、エリートが自分の利益を優先し、国民全体が豊かになることをあまり重視しません。さらに私有財産も守られないことが少なくありません。ロシアや北朝鮮、ペルーやベネズエラなどラテンアメリカの一部の国もここに含まれます。
米アリゾナ州のノガレスから見る米国・メキシコの国境。このラインの南北で大きな格差が生じ、その理由については論争がある(写真=ロイター/アフロ)
2つの経済制度を比較した上で、アセモグルらは、次のような一般原則があると主張します。「包括的な経済制度は、経済活動、生産性の向上、経済の繁栄を促すのだ。安全な私有財産権が重要なのは、そうした権利を持つ人しか投資しようとか生産性を向上させようなどとは思わないからだ」
包括的な経済制度であるかどうかが、国家の繁栄と衰退にどのように影響するかをアセモグルらは様々な事例を使って説明していきます。例えば、「ローマ帝国やベネチア共和国は、包括的な制度による交易などの自由な経済活動を促進して繁栄したものの、次第に収奪的な制度に移行して衰退した」と指摘。ソ連も共産主義エリートが支配する収奪的な制度が、イノベーションと経済的な発展を阻害しました。持続的な成長を実現できなくなって経済が崩壊し、91年にソ連は解体されます。
多くの米国の知識人に高く評価されているアセモグルらの『国家はなぜ衰退するのか』ですが、ゲイツは辛口の書評を書きました。
ゲイツは「独裁的でも経済成長する可能性」を指摘
「著者の分析は曖昧で単純化されている。政治的及び経済的な制度に関する『包括的』対『収奪的』という見方にとらわれて、他のすべての要因をほとんど無視している」と批判します。とりわけ、ローマ帝国やベネチア共和国、マヤ文明の衰退に関して、無視すべきではない他の要因があると指摘します。
さらに独裁的なリーダーが国家の成長につながる正しい選択をする場合もあり、その後、国がより包括的な体制を持つ形に進化する可能性がある、とゲイツは主張します。韓国や台湾、シンガポールがその好例といえるでしょう。
「経済成長は政治システムとは無関係であり、資本主義経済を受け入れることと強く相関している」とゲイツは主張します。例えば、中国は共産主義エリートによる独裁国家で、国民の自由も制限されていますが、改革開放路線をとり、資本主義の仕組みを巧みに取り入れて持続的な経済成長を実現しました。政治体制にかかわらず、国がインフラ整備や教育改善に力を注ぎ、市場原理に沿った自由主義的な経済政策を採用すれば、成長の可能性は高まるという意見です。
このようなゲイツの批判に対し、アセモグルらはフォーリン・ポリシー誌で、こう反論しました。「ゲイツの私たちの本に対するレビューは、非常に冷淡なものだった。しかし、残念ながら、多くの点で完全に間違っていた」。詳細は同誌の記事で説明されていますが、主なポイントをまとめてみます。
「ゲイツは最も基本的な部分さえ理解できていない」
アセモグルらは、ゲイツが「最も基本的な部分さえ理解できていない」ことを問題視し、そんなゲイツに自分たちがわざわざ反論しなければならないのは、そのレビューが、大富豪でありイノベーターであるゲイツの名声を背景に「不当なほど注目を集めているからだ」と、嘆いています。さらにゲイツが学術文献に詳しくないのは当然だとしても、巻末に示した参考文献さえも調べていないようだ、と批判。その上で、「ベネチア共和国やマヤ文明の衰退に関して、他の要因を無視している」といったゲイツの指摘について、専門家の研究などを引用して丁寧に反論しています。
強い憤りが感じられる文章の中で、とりわけ注目すべきなのはアセモグルらの「独占」に関するコメントです。「私たちは、ゲイツがメキシコの通信業界の大物カルロス・スリムと同様に独占を望んでいただろうと指摘しています。彼(ゲイツ)はそれを試みましたが、失敗しました」
これは、かつて、ゲイツの経営するマイクロソフトが、パソコン用OS(基本ソフト)「ウィンドウズ」における圧倒的なシェアという「独占的な地位」を乱用し、競争を阻害したとして、米司法省などから提訴されたことなどを指します。この裁判の一審ではマイクロソフトが敗れ、「OSの会社とアプリケーションソフトの会社の2つに分割せよ」という命令が下されました。その後、和解して、分割も撤回されましたが、訴訟によりマイクロソフトの独占は厳しく批判され、企業イメージも傷つきました。
さらに強烈なのは、ゲイツが、アセモグルらが『国家はなぜ衰退するのか』で、自分のことを「好意的に取り上げている」と述べたことに対し、「申し訳ないが、そんなことはまったくしていない」と、きっぱり否定していることです。そして、こう記します。
「私たちの本が好意的に取り上げているのは、(編集注:ゲイツではなく)司法省など、ゲイツとマイクロソフトによる市場の独占を阻止した米国の機関です」
独占を許せば、収奪的になる
アセモグルらが国家の繁栄の鍵を握ると考える「包括的な経済制度」には、個人の財産権と自由が保障される民主主義に加えて、一部の特権階級による独占が起きないように競争を確保する仕組みが欠かせません。独占を許すと、特権階級や一部のエリートが自分たちの利益を優先する「収奪的な経済制度」になって経済発展に悪影響を及ぼす、とアセモグルらは考えています。
しかしながら、前回の記事で述べたように、トランプの大統領復帰を後押ししたピーター・ティールらは独占を肯定的に捉えています。ティールのようなテクノロジー系のリバタリアンが一層力を持つようになると、バイデン政権下で強まっていたGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)のようなプラットフォーマーを規制しようとする動きが弱まる可能性があります。
もちろん独占は自由な競争の障害となり、包括的な経済制度を重視するアセモグルからすれば、受け入れがたいものです。さらにイーロン・マスクがX(旧ツイッター)などで発言力を増していることにも危機感を募らせています。10年余り前のゲイツとの論争を踏まえて、大富豪の発する言葉が社会に与える影響力の大きさに、アセモグルは強い懸念を抱いているのでしょう。
2024年12月10日、ノーベル賞の晩さん会におけるスピーチで、アセモグルはこう述べました。
「歴史は再び私たちに教訓を与えてくれる。繁栄の共有は人類の歴史の中で限られた期間にしか起こっておらず、決して自動的に起こるプロセスではない。包括性が鍵となる。もし、進歩の名の下に、政治的権力者が人々の権利と発言権を踏みにじり、特権階級が社会の残りの人々を不要とみなし始め、エリート層が自分たちのアイデアと才能だけが重要だと誤って思い込むなら、繁栄の共有を支える制度は崩壊するだろう」
トランプの大統領復帰を後押ししたとされるピーター・ティール。独占を肯定的に捉えている(写真=AP/アフロ)
『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』
天才イノベーター3人が選ぶ100冊を一挙紹介。イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ビル・ゲイツ。世界一の富豪になった3人は猛烈な読書家。歴史、SF、科学、経済学……古典から最先端まで。「21世紀の教養」が学べる最高のブックガイド! 著者テレビ出演(日本テレビ系列「世界一受けたい授業」)で大反響のベストセラーが、ついに文庫化
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