11/5『緊迫する南シナ海情勢』セミナーについて-3

講演

テイン・ホアン・タング(ベトナム外務省顧問局長)

国際仲裁裁判判決について米日、国連、国際社会は中国が面子を失わない形での撤退をさせるべき。

日豪印越のパートナーシップが大事。

日本はベトナムの長期的な同盟国。

中国はベトナム、アジア全域、全世界に対する脅威。

日本の協力なくして米越の関係緊密化は難しい。

これからは『パクス・パシフィッカーナ』の時代。

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ハリー・ロケ(フィリピン下院野党院内副総務・野党)

国際仲裁は比中両国を縛る。中国も海洋法条約を批准しているので。ただ、判決はテコにはなっても、最終解決にはならない。交渉しないとダメである。

オバマは日本の尖閣を守ると明言したが、アキノ時代米比は条約結んでいたのにも拘らず、軍の派遣はなかった。オバマは比を日本より劣った国の扱いをした。

ドウテルテ大統領は新しい外交方針を打ち立てた。今まで中国は比を米国の属国扱いして無視してきたが、今回独立国扱いをした。外交方針は比の国益を追求するという事。米中に依存しないという事。日本と中国の投資、貿易が増えることを望む。

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弊会挨拶

藤井厳喜(拓殖大学日本文化研究所客員教授)

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11/5『緊迫する南シナ海情勢』セミナーについて-2

来賓挨拶

渡辺利夫拓殖大学学事顧問ビデオメッセージ

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フレデリック・シャオ(フィリピン下院治安公安委員会委員・与党)

是非フィリピンに来て下さい。

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相林(中国民主化運動家)

中共打倒に是非力を貸してほしい。我々は国際法を守る。

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講演

湯浅誠(産経新聞特別記者・論説委員)

今の中国は帝国主義の戦略的小休止である。ドウテルテ大統領は2年後に外国の軍隊を追い払うと言ったのは心配。

緊急事態の際の連絡網を作っても中国は無視するし、海軍同士は未だしも海警では連絡しようがない。

日本の役割として、尖閣問題は国際化する。2国間でなくする。中国船を断固阻止する。日米豪印で新しい枠組を作る。アジア海洋同盟(緩やかな絆)を作る。

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『退役士官1万人が連携、北京に集結して抗議デモ 地方政府の怠慢に不満、監視かい潜る動員が当局揺らす』(11/4日経ビジネスオンライン 北村豊)について

「政権は銃口から生まれる」と言われる中国ですから、「政権を打倒するのも銃口」となるのでは。一党独裁・軍国主義国家がたどる道でしょう。中国は日本を軍国主義の道に進んでいるといつも非難しますが、彼ら一流のプロパガンダで自分がやっていることを、自分を棚に上げて非難するのが常道です。反日民進党の蓮舫も同じです。

本文中の“打靶帰来(射撃練習して兵舎へ帰る)”の靶=ba3の意味は標的とのこと。秘密裏に1万人を動員できたことは、いつでも大規模クーデターが起きる可能性を表しているのでは。一説によると、習を困らすために、団派が仕掛けたとも言われていますが。全国からの動員規模から言って、団派の策謀と言うよりは、やはり生活待遇を何らかの形で訴えることで、上を動かそうとしたのでは。エリート集団の団派には力技を使えるのはいないと思います。

やはり、中国人と言うのは、どこまで行っても、汚い連中が多いです。悪いことをしてでも、自分が儲かればよいという行動をしますので。本文中にあります、“假兵案(偽兵事件)”=幽霊兵士で自分の懐を肥やそうとしたり、PLAでは兵器の横流しや調達物資の横流し、施設内での売春とか規律無しの軍隊です。

日本でもウィッツ青山学園高等学校(三重県伊賀市)で、国の就学支援金制度に絡み、通信制課程に受給資格がない生徒を入学させたことで、2014年度に「高等学校等就学支援金」1億5711万3千円を不正受給していた詐欺容疑で、ウィッツ元監査役を逮捕した事件が起きました。日本人の中国人化、「悪貨が良貨を駆逐する」、「朱に交われば赤くなる」典型です。外国人の生活保護の不正受給も多数あります。昔の善意が通じた日本ではなくなってきているので、日本人・外国人に関係なく、法の厳正適用を望みます。

中国は内部矛盾を外部闘争へと転化し、戦争を仕掛けるかもしれません。南シナ海はフイリピンに続き、マレーシアも中国に靡きました(フリをしてるだけかもしれませんが)。そうなると可能性としては東シナ海となる可能性が高くなります。南スーダンへの自衛隊派遣は5ケ月後には撤収させて、尖閣周辺の守りに充てた方が良いでしょう。離島対策で自衛隊を駐留させるのも、抑止力・経済振興となります。

その前に、中国は瀋陽軍が反乱を起こし、軍閥割拠の時代に戻した方が世界平和のためになるのではという気がします。習が定めた5大戦区毎、或は元の7大軍区毎に独立させればよいのでは。核の扱いが問題になりますが。満洲、チベット、ウイグル、モンゴルは元の民族に返すべきでしょう。でも、民族浄化で少なくなっていると思いますが。

記事

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(写真:AP/アフロ)

“八一大楼”は北京市“海淀区”の“復興路”に所在する。北京市の中心にある“天安門”の前を走る“長安街”を西へ進むと“復興門”に至り、その先の道路は“復興路”と名称を変えるが、しばらく進むと右手に“中国人民革命軍事博物館”(以下「軍事博物館」)が見えてくる。その軍事博物館の一つ手前、即ち軍事博物館の右隣に威風堂々とそびえ立つのが地下2階、地上12階の八一大楼である。

8月1日は中国共産党の軍隊、“中国人民解放軍”(以下「人民解放軍」)の“建軍節(建軍記念日)”である。これは、1927年8月1日に“周恩来”、“朱徳”、“賀龍”などが率いる中国共産党の北伐軍が、江西省“南昌市”を守備する国民党軍に対し武装蜂起して大勝利を収めたことに由来するもので、一般には8月1日を略して“八一建軍節”と呼ばれている。

八一大楼も8月1日の建軍節にちなんで命名されたもので、中国共産党の最高軍事機関である“党中央軍事委員会”の執務ビルとして建設されたが、実際には当初の目的には使われず、現在では人民解放軍最高指導部が日常の執務を行うほか、重要な軍事会議の開催や軍事関係の外国賓客の接待や外交儀礼の場所として使われている。このため、八一大楼は「人民解放軍の“人民大会堂(国会議事堂)”」とも呼ばれている。また、八一大楼の南側(復興路側)にある“八一広場”では人民解放軍の閲兵式が挙行される。要するに、八一大楼は人民解放軍の中枢が所在する象徴的なビルなのである。

「人民解放軍の中枢」を包囲

2016年10月11日の朝早くから、八一大楼は続々と到着する緑色の迷彩服を着た軍人たちによって包囲された。目撃者によれば、軍人たちは1万人以上で、彼らの隊列は延々2kmも連なり、周辺一帯は迷彩服の軍人たちによって埋め尽くされたという。彼らは“団結就是力量(団結こそが力だ)”、“打靶帰来(射撃練習して兵舎へ帰る)”などの軍歌を高らかに歌い、「職の安定と生活保障を」などと書かれた横断幕を掲げていたが、横断幕の中には「党中央を支持する」、「習主席を支持する」などという標語も見受けられた。

これらの軍人たちの大部分は2000年以前に退役した士官であり、過去10年以上にわたって各地方政府から何ら生活保障や就職斡旋を受けることなく放置され、自力で生計を立てることを余儀なくされたのだった。彼らが軍隊時代に身に付けたのは「敵を殺す」技であり、退役して故郷へ帰っても一般社会で役立つ専門技術を何一つ持たず、社会に適用するのが非常に難しく、本来なら生活保障や就職斡旋を行ってくれるはずの地方政府から放置されたことから窮地に追いやられ、生活に困窮しているのだ。

中国の兵士は、“義務兵(徴兵制による兵士)”と“士官”に区分される。現行の規定によれば、その詳細は以下の通り。

【1】義務兵とは徴兵制によって兵役の義務を果たす兵士を意味し、その服役任期は2年である。(但し、実際にはその大部分が志願兵で、志願兵だけで徴兵で必要な兵数を満足しているのが実態である)

【2】士官への任官は次の3方法を通じて行われる: (1)服役任期を満了した義務兵の中から選抜する。 (2)軍系列の大学を卒業した学士の中から選抜する。 (3)非軍事部門の専門技能を有する民間人から直接に試験などを通じて募集する。

【3】士官は初級、中級、高級に区分され、その服役任期は、初級士官:最高6年、中級士官:最高8年、高級士官:14年以上となっている。

【4】士官は給与制であり、医療の公費負担、住宅手当の支給などの各種待遇が与えられている。また、服役期間が満10年以上の士官には転職先の紹介が行われるし、年齢が満55歳または服役期間が満30年、あるいは病気や障害により労働能力を喪失した士官には退職者としての待遇が与えられることになっている。

放置する地方政府に業を煮やし

基本的に退役士官に対する生活保障や就職斡旋は、退役士官の故郷を管轄する各地方政府が責任をもって行うことが、1999年12月13日施行の『中国人民解放軍士官退役後の身の処し方に関する暫定規則』および同規則を改訂した2011年11月1日施行の『“退役士兵安置条例(退役兵士の身の処し方に関する条例)”』に規定されている。ところが、地方政府は中央政府および中央軍事委員会の意向に従わず、退役士官に対する適切な処遇を行わぬまま放置しているのが実情である。これを不満とする退役士官たちは各地方政府に対して当該規則ならびに条例に規定されている処遇を行うよう要求して陳情を繰り返したが、地方政府は暖簾に腕押しの状態で、彼らを無視するだけだった。

地方政府が対応しないなら、北京市へ出向いて中央政府および中央軍事委員会に陳情するしかない。そう考えた退役士官たちは、北京市へ向かおうとする。そうされては困るのは地方政府である。それは、退役士官たちに北京市で騒がれては、地方政府の退役士官に対する処遇が怠慢で、冷淡なものであることが表沙汰になり、地方のNo.1である一級行政区(省・自治区・直轄市)の党委員会書記やNo.2である省長・自治区主席・市長の業績評価に影響するばかりか、一級行政区自体の評判を落とすことになりかねないからである。彼らの上京を阻止するには、退役士官たちの動向を監視し、上京する気配があったら拘束して足止めすればよい。こうして、退役士官たちは監視対象にされたが、彼らの北京行きの決意は揺るがなかった。

退役士官たちは個々の地域で集団を作るようになり、その地域集団がさらに大きな集団となり、最後には一級行政区レベルの集団と化した。当初は監視の目をかすめた地域集団の代表たちが個別に上京して八一大楼や“国家信訪局(国家投書陳情受付局)”を訪ねて陳情を行っていたが、陳情の成果は何一つ上がらなかった。そればかりか、北京市当局から彼らが陳情のために上京したとの知らせを受けた地方政府は、速やかに北京市へ受取人を派遣して彼らを強制的に連れ戻したのだった。それでも懲りずに幾度も上京しての陳情を繰り返すと、彼らの名前は地方政府のブラックリストに載せられ、彼らの周辺には常に監視の目が光るようになった。

そうなると、退役士官たちは一級行政区を越えた関係を強化し、連携して大挙して上京する計画を立てるようになった。彼らは監視の目を欺き、分派行動で秘密裏に地元を出発して北京市へ向かい、八一大楼や国家信訪局に集合して陳情を繰り返した。過去20年間の統計によれば、この種の退役軍人の集団が北京で陳情を行った回数は50回以上に上り、平均して年3回に及んでいる。但し、彼らの訴えや要求は一切顧みられることなく無視されてきた。

2014年4月28日にも、全国19の一級行政区から上京した2000人以上の退役士官たちが八一大楼および人民解放軍“総政治部”の“信訪辨公室(投書陳情受付事務室)”に押しかけて老後の生活待遇を改善するよう要求を行った。彼らは軍服を着用し、要求を書いたプラカードを掲げていたが、そこには車椅子に乗る人も多数含まれていた。これが退役軍人による過去最大規模の集団陳情行動であったと思われる。なお、2016年に入ってからも北京市では、2月には身障者の退役軍人グループによる陳情が行われたし、5月には1000人規模の退役軍人、8月には数百人規模の退役志願兵や身障退役軍人による陳情がそれぞれ行われた。

監視の目をかすめ、海外にも

さて、話は10月11日の八一大楼に戻る。同日に行われた退役士官1万人以上による八一大楼を包囲しての陳情行動は、史上最大規模のものであった。彼らは12の一級行政区から分散して北京市に集結したもので、その規模の大きさから、国内メディアはもとより海外メディアまでもが注目して彼らの集団陳情を報じたから、当該ニュースは世界中に伝えられた。この日の陳情行動に当初参加を予定していたのは1万5000人以上の退役士官であったが、多くの人々が郷里を離れる前に地元政府によって拘束されたし、1000~2000人が北京市へ向かう途上で阻止されたという。

こうした困難を乗り越えて、10月10日までに次々と北京市へ到着した人々は、事前の打合せに従い北京市内の鉄道や地下鉄の駅を含めた公共の場所に分散して身を潜め、友人宅に宿泊した者を除く大部分は野宿で10日の夜を過ごした。彼らは公安当局に察知されないために相互の電話やメールによる連絡を一切行わず、隠密裏に行動して、翌11日早朝に八一大楼へ集合したのだった。

この日に八一大楼を取り囲んだのは、中国共産党による人民解放軍の兵員削減策によって、1993年から2000年までの間に、服務任期の満了までに残る服務年数を買い取られる形で強制的に退役された人々であり。彼らの多くは未だに仕事がなく、1か月に数十元(約500~600円)から数百元(約5000~6000円)の生活保護を受けているだけで、基本的な生活すら保障されていないのが実情である。彼らが退役を強制された時期の中国共産党中央委員会総書記は“江沢民”であったが、江沢民は1997年9月に第9回目の兵員削減を行うとして、3年以内に兵員50万人を削減することを宣言した。この結果、1999年末に50万人の兵員削減が完了したが、その中には20万人の士官が含まれていた。

11日早朝に八一大楼が退役士官たちによって包囲されると、北京市当局は大規模な警察部隊を投入して警備に当たった。当初には数十人の退役士官が拘束されたが、上部から指令があったからか、彼らは間もなく釈放され、その後の警察部隊は警備だけに徹した。一方、退役士官たちは非常に秩序ある姿勢を示したので、警察部隊との間に大きな衝突は起こらなかった。彼らは八一大楼が面する復興路沿いの歩道に座り込みを行って生活水準の改善を訴えて丸1日を過ごした。しかし、翌12日の早朝3時過ぎに当局が手配した大型バス70~80台が到着し、4時過ぎから11時までの間に退役士官は30~40人ずつ1組で順次大型バスに押し込まれ、北京市南部の“豊台区”に所在する陳情者収容施設の“久敬庄接済中心(援助センター)”へ運ばれたのだった。久敬庄援助センターに収容された退役士官は2000人前後で、残りの人々は現場から逃げたか、地方政府から派遣された受取人たちによって引き取られた。

秘密裡の動員に危機感

今回の陳情で退役士官たちの代表は上層部の指導者には会えなかった。当時、党中央委員会総書記で中央軍事委員会主席の“習近平”は北京市にいたが、退役士官たちには接見しなかったし、国務院総理の“李克強”はマカオと広東省の視察中で不在であった。一説によれば、党中央政治局委員で“中央政法委員会”書記の“孟建柱”が接見しようと申し出たが、退役士官側から関係ないとして拒絶されたという。

久敬庄援助センターには湖南省、河北省、浙江省の3省から“民政”を担当する副省長が駆けつけて自身の省から来た退役士官たちと面会して、彼らを連れ帰った。その他残りの人々は、各一級行政区の北京駐在事務所の職員や地元から派遣された受取人によって連れ戻された。結局、1万人以上の退役士官を動員した陳情行動は何の成果も挙げることなく終結したが、退役士官たちが秘密裏に一級行政区を跨いだ連携を行い、1万人もの人数を北京市へ動員する力を持つことを中国社会に示した意義は大きく、党中央軍事委員会や中国政府は肝を冷やして、危機感を覚えたに違いない。

故郷に連れ戻された退役士官たちを待っていたのは、地元の公安局による取り調べであった。その容疑は『集会・デモ法』第23条規定の「軍事委員会周辺での集会・デモ禁止」並びに同法第27条規定の「違法な集会・デモの禁止」、および『“信訪条

例(投書陳情条例)』第18条と第20条規定の「国家機関への直訴強行禁止」などへの違反であった。取調官は退役士官たちに法規違反を認めて訓戒書に署名することを強要したが、大多数の退役士官は署名を拒否したという。彼らは自分たちに非があるとは全く思っておらず、その責任は退役時に約束された処遇を与えない地方政府に帰されるべきだと考えているのである。

腐敗が生んだ「偽兵事件」、全国で

それでは、地方政府が退役士官たちに約束された処遇を与えないのはどうしてなのか。その原因の一つは役人たちの怠慢であるが、それ以上に問題なのは役人たちの腐敗である。それは、全国各地で摘発されている“假兵案(偽兵事件)”から、その一端がうかがい知ることができる。1例を挙げると、河南省“安陽市”の民政局“安置科(退役軍人の就職斡旋を行う部門)”主任の“孫国銀”は1999年から2011年までの13年間にわたって、失業者から1人当たり3万~5万元(約50万~80万円)を受け取って「偽の退役士官」に仕立て、本来なら「真の退役士官」に提供すべき職場を失業者に斡旋していた。これら偽退役士官の数は13年間の合計で1000人以上に達した。この偽兵事件によって、安陽市では1000人以上の退役士官が就職の機会を失い、放置されたのであった。同様の事件は全国各地で横行している。

ところで、中国では人民解放軍の兵員削減が過去に10回行われ、最大627万人であった兵員は230万人にまで縮小されている。兵員数は上述した江沢民による9回目の兵員削減では50万人削減されて250万人となったが、江沢民は2003年にも10回目の兵員削減を行い、兵員を20万人削減して230万人まで縮小した。2015年9月3日、北京市の“天安門広場”で開催された中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典で演説した習近平は、第11回目となる人民解放軍の兵員削減を表明し、兵力を現有の230万人から30万人削減して200万人にすると宣言した。この削減される30万人のうちの半数は“軍官(士官)”が占めるという。

2016年11月の現時点でも、相当数の退役士官たちが仕事にあぶれ、生活苦に喘ぎ、退役後の処遇に不満を抱いているのが現状である。習近平が宣言した第11回目の兵員削減により新たに一般社会へ送り出される15万人もの退役士官が適正な処遇を受けることはできるのか。それは退役士官の不満分子を増大させることにつながるだけではないのか。経済が沈滞し、企業倒産の増大により失業率は上昇を続けている。国有のゾンビ企業を解体すれば、600万人もの失業者を発生させる可能性がある。そうした中で退役士官たちに職場を与え、生活を安定させることはできるのか。それは大いに疑問である。

1万人以上の退役士官たちが人民解放軍の象徴たる八一大楼を取り囲んで、生活改善の陳情を行ったことは極めて憂慮すべき事態であり、中国社会が抱える矛盾の一面を露呈したものと言えるのではないだろうか。

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『日本はトランプ新大統領を歓迎すべきである』(11/2小浜逸郎ブログ)について

11/4日経朝刊記事<オバマ氏、FBIを非難 クリントン氏メール問題 

【ワシントン=吉野直也】8日投票の米大統領選が再び緊迫している。民主党候補、ヒラリー・クリントン前米国務長官(69)の私用メール問題が再燃し、世論調査の支持率で共和党候補、ドナルド・トランプ氏(70)が猛追しているためだ。オバマ米大統領は投票直前に再捜査を発表した米連邦捜査局(FBI)を非難。クリントン氏を擁護した。

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2日、クリントン氏の応援演説に駆けつけたオバマ米大統領(ノースカロライナ州)=AP

オバマ氏はFBIの再捜査について「私たちには、結果についてほのめかしたり、不完全な情報に基づいて捜査をしたりしない規範がある」と指摘した。大統領が捜査機関であるFBIに批判的な考えを示すのは異例だ。

米ニュースサイト「ナウディスニュース」が2日、報じた。インタビューは1日に実施した。オバマ氏が再捜査について発言するのは初めて。FBIなどによる度重なる調査の結果、クリントン氏は「過ちを犯したが、その行動に事件性はなかったと判断された」と力説した。

FBIのコミー長官は7月に捜査の終結を宣言したが、10月28日、議会への書簡で再捜査の方針を伝えた。米メディアによると、コミー氏はFBIの上部機関である司法省の反対を押し切って再捜査を決断した。民主党のハリー・リード上院院内総務は投票直前の再捜査の発表に関して「公的権限を使って選挙に影響を与えることを禁じた法に違反する」と断じた。

コミー氏は2013年にオバマ氏にFBI長官に指名された。共和党系弁護士でテロ対策の専門家でもある。05年に司法省を退官した後、10年までロッキード・マーチンの役員などを務めていた。

コミー氏が再捜査を発表して以降、世論調査で10ポイント超離れていた支持率で、トランプ氏が猛追し、一部で逆転した。主要な世論調査を平均した米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」の直近の支持率もクリントン氏47.0%に対し、トランプ氏45.3%とその差は1.7ポイントまで縮まった。

選挙人予測についてはクリントン氏が一時、当選ラインである538人(全米50州と首都ワシントン)の過半数に当たる270人に達していたものの、現時点では226人まで下がった。トランプ氏は180人で、クリントン氏がなお優位だが、バージニア州などクリントン氏が引き離していた州が激戦州になった。激戦州でもトランプ氏が接近している。

クリントン陣営はオバマ氏のほか、バイデン副大統領、夫のビル・クリントン元大統領や娘のチェルシーさん、サンダース上院議員、ケイティ・ペリーさんら人気歌手が手分けして応援に入っている。一方、トランプ氏は副大統領候補、マイク・ペンス氏と2人で激戦州などを回っている。>(以上)

11/2の日経朝刊記事では<トランプ氏が支持率上回る ワシントン・ポスト調査 

【ワシントン=吉野直也】米紙ワシントン・ポストとABCテレビは1日、世論調査結果を発表した。支持率は共和党候補ドナルド・トランプ氏(70)が46%、民主党候補ヒラリー・クリントン前国務長官(69)が45%で、トランプ氏がクリントン氏を1ポイント上回った。

調査は米連邦捜査局(FBI)がクリントン氏の私用メール問題の再捜査を明らかにした10月28日を挟み27~30日に実施した。10月下旬にはクリントン氏が一時、12ポイントリードしていた。FBIによるクリントン氏の私用メール問題を巡る再捜査が支持率に響いている。

米政治専門サイト「リアル・クリア・ポリティクス」が集計した主要世論調査の平均によると、直近の支持率はクリントン氏47.5%に対し、トランプ氏は45.3%で、クリントン氏がなお優勢だ。>(以上)

同じく11/2の日経朝刊では「一方、獲得できる選挙人の予測ではクリントン氏が263人となり、当 選ラインの過半数270 人に迫る。トランプ氏は 164人にとどまる。

選挙戦の最終盤は、フ ロリダやオハイオなど8 州程ある激戦州(選挙人は約110人)の行方が焦点になる。直近の予測に基づけば、トランプ氏は残る激戦州で9割以上の選挙人を獲得しなけれ ば、当選できない。

大統領選の勝利に自信を深めていたクリントン氏は、1週間を切った選挙戦で激戦州だけでな< 共和党優位の上院選を見据えた遊説を計画していた。ただ、支持率の接近を受け、国民の支持を集めているオバマ大統領の助けも借りながら激戦州をテコ入れする。」とありましたが、地殻変動が起きているようです。後3日間しかありませんが、トランプが勝ってほしいと願っています。

FBIのヒラリーへの調査は大統領選後も続くようですので、もしヒラリーが勝ったとしても、大統領としての職務は果たせないでしょう。パーキンソン病とか認知症とか言われる健康問題もあり、メール問題がストレスとなり、病気を更に悪化させるのでは。結局、ビルが隠れて指揮を執ることになるような気がします。そうなれば、三選禁止の原則を踏みにじるものです。米国もここまで落ちぶれたのかという所です。ユダヤ金融資本の力がそこまであるというのであれば、世界はユダヤ人の為にあるということになります。

オバマはFBIの調査を非難していますが、元々7月に圧力をかけて中止させたのがおかしいはず。それこそが政治的な力で正義を捻じ曲げたものでしょう。民主党というのは日米ともに本当に質が悪い。反日民進党(英文名:The Democratic Party)も蓮舫党首が10/17になっても自分の二重国籍が解消していないことや説明責任を回避しているにも拘らず、山本農水相の辞任を求めるような恥知らずな行為を平気でします。自分が議員を辞任してから言えと言いたいです。行動原理は中国人と同じで「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というもの。

日本の真の独立の為には、トランプが大統領になった方が良い。審判の日を待ちましょう。

記事

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アメリカ大統領選もあと一週間に迫りました。ヒラリー氏かトランプ氏か、世界中が注目しています。  

今回の大統領選は、いろいろな意味で、史上まれに見るセンセーショナルな選挙だと言えるでしょう。どういう意味でそういえるのか、以下思いつくままに列挙してみます。

①政治の素人で泡沫候補だったトランプ氏が、あれよあれよという間に16人もの共和党候補を出し抜いて大統領候補に昇りつめた。

②一年前には民主党員ですらなかった自称社会主義者・バーニー・サンダース候補が予備選で46%の票を取るという大健闘を示した。

③ヒラリー氏のパーキンソン氏病が疑われている。一説に余命一年。

④トランプ氏が「メキシコとの国境に万里の長城を築く」「イスラム教徒の入国を制限する」「日本は米軍の基地費用を全額支払うべきだ」「日本や韓国は核武装してもかまわない」など、いわゆる「暴言」を発していると報道された。

⑤ヒラリー氏が私用メールで公的問題をやり取りし、FBIが捜査したが7月時点でいったん打ち切られた。しかし投票日10日前になって捜査を再開すると発表した。

⑥両者への不支持率が、これまでになく高い。

⑦有力共和党員の中に、トランプ氏を支持しないと宣言する議員が何人も現れ、民主、共和両党のエスタブリッシュメントが、こぞってトランプつぶしに走っている。

⑧ヒラリー氏が国際金融資本家や投機筋から驚くべき巨額の選挙資金を得ていることが取りざたされている。クリントン財団にはチャイナ・マネーを含む膨大な裏金が流れ込んでいるとも言われている。

⑨トランプ氏の過去の女性蔑視的な発言やセクハラ疑惑がヒラリー陣営によって暴露され、彼は発言のほうは認めて謝罪したがセクハラ疑惑は否定した。

⑩マスメディアのほとんどが民主党寄りであり、トランプ氏自身もテレビ討論におけるその偏りを指摘している。

⑪トランプ氏は結果が出る前から「この選挙は不正選挙の疑いがある。自分が落選した場合には投票やり直しを申し立てる」と広言している。独自のテレビ局を創設するという噂もある。  

まだありますが、このくらいで。  さてこれらの情報の向こう側に何が見えてくるでしょうか。  ①と②について、どうしてこういう現象が起きたのか、日本のマスコミはほとんど論じませんが、理由は明らかです。すでに6月の時点でこのブログにも書きましたが、 http://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo/e/a4185972e8dadf6f0151dc4b0a24fb67

これまでエスタブリッシュメント(ほとんどが白人エリート層)の統治によって成り立ってきた民主・共和の二大政党制秩序が、あまりにひどい格差社会(いわゆる「1%対99%」問題)の出現と中間層の脱落によって、崩壊の危機にさらされているのです。国際政治・米国金融アナリストの伊藤貫氏によれば、米国民の五割は百万円以下の金融資産しか持たず、65歳以上の引退者の三分の一は貯蓄ゼロの状態、一方ヘッジファンド業者トップの年収は時には五千億円に達するといいます。

③のヒラリー重病説は確たる証拠があるわけではありませんが、それを疑わせるに足る多くの動画が流れており、また事実9月には「肺炎」と称して入院しました。数年前には脳梗塞で倒れています。  この重病説が事実なら、ヒラリー氏は、すでに大統領の任務をこなす能力を喪失しているのに、彼女の支持基盤の一つである金融資本家層によって無理に立てられた傀儡だということになります。私はその公算が高いと思います。米国で初めての「黒人」大統領の次は、初めての「女性」大統領。この看板が、実態とは裏腹に、人権やポリティカル・コレクトネスをことさら前面に押し出すアメリカという国の国民性にマッチすることは疑いがありませんから。  

④のトランプ氏のいわゆる「暴言」ですが、これも先のブログ記事に書きました。「万里の長城」は、南米やメキシコからの不法移民がいかに多いかを物語っています(一説に現在二千万人超)。いくら国境警備員が努力しても水の泡だそうです。ちなみにトランプ氏は、不法移民を規制せよ、テロリストへの警戒を強めよと言っているのであって、合法的に合衆国国民になった移民やイスラム教徒を排斥しろと言っているのではありません。民主党の人道的理想主義の甘さと失敗を批判しているわけです。  なお日本との安全保障問題に関するトランプ発言については後述。  

⑤のメール捜査再開問題ですが、ヒラリー氏とトランプ氏の支持率にはこれまで水があいていたのに、これによってトランプ氏がヒラリー氏に肉迫したと公式メディアは伝えています。しかし、アメリカのマスコミは、日本以上にリベラル左派の傾向が強く、もともと水があいていたという報道自体、当てになりません。第一回討論会後のWEBによる百万人規模を対象とした世論調査では、トランプ氏が大差をつけたというデータもあります。第二回討論会後は、さらに圧勝だったそうです。  ちなみにこのメール問題は、国家機密を私用メールで漏らしたのですから、明らかに重大な違法行為です。⑨のセクハラ疑惑などの比ではありません。  

⑥の両者の不支持率の高さは、二人のキャラに対する感情的反発が大きいでしょうが、ヒラリー氏の場合は、きれいごとを言っていても⑧のような事情が一部の国民に見抜かれていることが関係しているでしょうし、トランプ氏の場合は、成り上がり物の品格のなさや、人種差別的ととられかねない発言からくるものでしょう。大衆社会では、イメージで決まってしまう部分が大きいですから。いずれにしても、この不支持率の高さは、今回の大統領選における、特に民主党サイドでのかつてない腐敗ぶりを物語っています。トランプ氏はタブーにひるむことなくその欺瞞性を突いたので、現状維持派から嫌われた面もあると思います。現状維持派とは、アメリカが打ち出してきた「普遍的価値」としての自由、人権などの息苦しい建前をまだ信じている人たちのことです。   

⑦の共和党上層部によるトランプつぶしこそは、アメリカ社会がどういう状況にあるかを象徴しています。すでに語ったように、いまのアメリカは世界に類を見ない超格差社会です。共和党の政治エリートもまた、ウォール街の金融資本家やエスタブリッシュメントと密着しているので、その現実を突きつけられるのはたいへん都合が悪い。そこで反ホワイトハウスの代表として登場したトランプ氏の告発を躍起になってつぶそうとしたわけです。  

いったん代表として選ばれた候補者を引きずりおろそうというのは、結束の乱れを周知させてしまう利敵行為であり、はなはだみっともない。でもなりふり構わずそれをしてしまうほどにいまのアメリカは、二極体制ではもたなくなっているのでしょう。資本主義・自由主義のあり方という地点から、根本的に体制を見直さなくてはなりません。  

ちなみにトランプ氏は、プアホワイトにだけ支持されているというようなことを言う人がいますが、不正確です。中間層から脱落してしまった白人か、脱落の不安を抱いている白人から強力に支持されているのです。またたしかに黒人への浸透はいまいちであるものの、ヒスパニックからはけっこう支持されています。  

黒人貧困層はオバマ氏への期待をヒラリー氏にそのままつないでいるのでしょうが、その期待は現実には裏切られており、この八年間に黒人の平均的生活水準はまったく改善されていないどころか、さらに悪化しています。自由平等、人権尊重、マイノリティ擁護のイデオロギーに騙されているのです。  

またヒスパニックは、新たに侵入して来ようとするヒスパニックが同一人種のコミュニティで賃金低下競争を招き、治安も悪化させる可能性が濃厚なので、それを恐れています。だからそれを防いでくれる人を望んでいるのです。  

⑩⑪の偏向や不正は相当のものらしい。マスメディアは民主党を陰で操る富裕層に牛耳られています。民主党政権は不法移民にも免許証を交付しますから有権者登録ができます。またアメリカではそもそも本人確認がきわめて難しく、二つの州にまたがって二回投票することも可能です。さらに、タッチパネル投票なのでUSBメモリーを使って登録された投票を大幅に変えてしまう不正もできるそうです。  

投票前に不正を指摘する候補者というのは前代未聞ですが、そんなことをするのは戦術的に不利であることをトランプ氏が知らないはずはありません(事実、オバマ氏に痛烈に揶揄されましたね)。それでも、あえてやるというのは、選挙戦術に長けたヒラリー陣営のやり口がよほど狡猾なのを感知してのことなのだろうと私は想像します。もっとも不正申し立ては、自分が勝てばやらないとちゃっかり言ってはいましたが。  

以上述べてきたことは、要約すれば、アメリカの民主主義は瀕死の状態にあること、それをトランプ氏が身命をかけて告発しようとしていることを意味します。アメリカは、すでに民主主義国ではなく、ごく少数の強者とその番犬どもが君臨する帝国です。  

私は、この間の選挙戦の経過を遠くからうかがい、信頼のおける情報を知るに及んで、もし自分がアメリカ人だったら、トランプ氏を支持したいと思うようになりました。  

たとえば彼は、金融資本の過度の移動の自由のために極端な格差を生んでしまった今のグローバル資本主義体制に批判的で、銀行業務を制限するグラス・スティーガル法の復活を唱えています。また死に体と化している国内製造業を復活させるためにTPPにも明確に反対の立場を取っています。スローガンの「アメリカ・ファースト」とは、孤立主義の標榜ではありません。イラク戦争以来、多くのアメリカ国民の命を犠牲にし、膨大な戦費を費やしてきたのに、アラブや北アフリカの「民主化」に失敗し、ただ混乱をもたらしただけに終わった過去を反省し、まず国内の立て直しを最優先にするというごく当然の宣言にほかなりません。  

この彼の政治的スタンスは、好悪の念を超えてアメリカの一般庶民の深層心理に届くはずですから、私はトランプ氏が勝つと思います。またたとえ敗れたとしても、いったん開いたパンドラの匣は元に戻りません。彼は強力な問題提起者としてその名を遺すはずです。  

もちろん、彼が大統領になったとしても、この腐敗した帝国の毒気に当てられて、同じ穴の狢になってしまうかもしれない。あるいは、彼の気骨がそれを許さないとすれば、あの野蛮と文明の同居した恐ろしい国では、ひょっとして暗殺の憂き目に遭うかもしれないとまで思います。  

同盟国である日本にとって、もしトランプ氏が大統領になったらどうなるのかという問題が残っていますね。  

先に述べたように、彼は安保条約の片務性を批判して、日本に応分の人的物的負担を求めています。これはアメリカからすれば当然の話で、日本が真に同盟関係を大切にするなら、この提言にきちんと付きあうべきです。そうして、その方が日本にとってもよいのです。なぜなら、対米従属と対米依存から少しでも脱却して、自分の国は自分で守るという世界常識を身につけるよい機会だからです。  

中国の脅威からわが国を守るためにはもちろんアメリカの協力が必要です。しかし協力を正々堂々と要請できるためには、まずこちらが自立した構えをきちんと見せなくてはなりません。平和ボケした日本人の多くは、何となく現状にずるずる甘えて、ヒラリー氏が大統領になってくれればこのままの状態が維持できると考えているようですが、はかない希望的観測というものです。彼女は、よく知られているように、名うての親中派です。日本のために中国と闘う気など毛頭ありません。  私たちはこのことをよく肝に銘じて、トランプ氏が大統領になったほうがよほど「戦後レジーム」の脱却に寄与すると自覚すべきなのです。脅されて突き放されて、初めて目覚める――これが日本人のパターンです。自主防衛の機運を高め、法的にも物量的にもその準備を急ぐことができます。  

トランプ氏はまた、TPPに反対しています。これも日本にとって幸いするでしょう。なぜならTPPは、アメリカのグローバル企業にとってのみ都合のよい条約で、これを呑めば、皆保険制度をはじめとした日本のさまざまなよき制度慣行が破壊されるからです。安倍政権は、率先してこれを批准するというバカなことをやっていますが、自ら墓穴を掘っているのです。経済条約が日米軍事同盟の強化につながるわけではないということがわからないのですね。てんやわんやのアメリカの実態もよく観ず、自由主義イデオロギーという「普遍」幻想に酔っているのです。  

ヒラリー氏もTPPに反対しているではないかという人がいるかもしれません。誤解している人が多いのですが、ヒラリー氏の反対は、トランプ氏のそれとは違って、今の条約規定よりももっと自分たちに都合よくなるように再交渉しようという考えです。具体的には、大きなシェアを占める製薬会社の利益拡大を図って、これと癒着している自分たちの利益につなげようというグローバリズムそのものの魂胆に発しているのです。  

日本人はお人好しで消極的、情緒的で戦略思考が苦手です。でもいざとなると敢然と立ちあがる気概がないわけではありません。トランプ新大統領というショック療法を正面から受け入れ、歓迎する覚悟を速やかに固めましょう。

【参考資料】 1.http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%B3%E6%B0%8F%E5%84%AA%E4%BD%8D%E3%81%AB%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%82%82%EF%BC%9D%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB%E6%8D%9C%E6%9F%BB%E5%86%8D%E9%96%8B%E3%80%81%E6%8A%95%E7%A5%A8%E5%89%8D%E3%81%AB%E6%BF%80%E9%9C%87%E2%80%95%E7%B1%B3%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E9%81%B8/ar-AAjyjTN?ocid=sf#page=2 2.http://www.mag2.com/p/money/25640?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000204_tue&utm_campaign=mag_9999_1101&l=bcw1560714 3.http://www.mag2.com/p/money/25621?l=bcw1560714 4.「Liberty」2016年12月号 5.「CFR FAX NEWS」2016年10月16日号 6.「正論」2016年12月号 7.「マスコミが報じないトランプ台頭の秘密」江碕道朗(青林堂) 8.産経新聞2016年10月30日付

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『習近平がどうしても「核心」の座が欲しかった理由 中国はどこへ向かうのか?ますます強まる党内統治』(11/1JBプレス 阿部純一)、『「六中全会」は習近平の勝利なのか コミュニケに残る、激しい権力闘争の跡』(11/2日経ビジネスオンライン 福島香織)について

阿部氏と福島氏の記事を並べて見ました。どちらかと言いますと、福島氏の見立ての方が合っているかと。習近平の権力奪取は未だしではないか?いくら「核心」の地位を得たとしても、「政権は銃口から生まれる」中国では①軍の経験(毛沢東、鄧小平にはあった)があるか、②金儲けを容認するか(多額の賄賂や兵器の横流しを含む、江沢民のやり方)が支持の前提となります。習近平には両方ともありません。況してや反腐敗運動に血道をあげ、パナマ文書で親族の儲け話が暴露されるのに及び、庶民や共産党幹部・軍の支持を得られるとは思えません。中国人だったら誰でも賄賂を取るのは当り前と思っています。政敵を倒すための手段として反腐敗運動を使っていることは誰でも理解しています。「反腐敗運動」は①、②ともに逆の方向を向いています。これでは支持はおろか、暗殺やクーデターの危険は増すだけでしょう。

毛沢東は根っからの人殺しで、自分のスパイをあらゆるところに根を張らしていたと思います。別に証拠がある訳でもなく、本を読んでの感想でもありません。ただ、今よりもっと権力闘争が激しかった時代に勝ち抜いたのには、理由があると思います。「自分は何時殺されても良い」という覚悟と、「いつでもどこでも簡単に人が殺せる」という姿を見せ、かつ「自分には草をいっぱい張り巡らせていて、裏切ればすぐ分かる」というのを、中国人全体に体の隅々まで沁み渡らせたから権力が取れたのでは。周恩来、劉少奇、鄧小平、林彪には唯々諾々か、放逐、クーデター失敗と恐怖政治が成功しました。大躍進や文化大革命は情報が今と比べ簡単にコントロールできる時代でした。今でも中共は情報をコントロールしていますが、完全に外界の情報を遮断は出来ません。その点でも習近平は毛沢東と比べて、権力集中は出来にくいです。

今後の問題として、常務委員の人事、定年年齢、習の後継者についてが、今後の中国を判断するに当たり、ポイントとなるのは間違いありません。ただ、「反腐敗運動」の「新たな情勢下における党内政治生活の若干の準則」と「中国共産党党内監督条例」が採択されたことは、習にとって両刃の剣となるのでは。党主席を降りた瞬間に、韓国同様弾劾される恐れがあります。今、韓国では朴槿恵大統領が、在任中ですが、その危機にあります。習がそれを防ぐには自らがずっと主席を務めるしかありません。内規を変えるのでは。息のかかった人間を後任にするとしても、自らは江沢民から指名を受けたにも拘わらず、かつ江沢民は団派を押えて習を指名した恩義があるにも拘らず、裏切りました。自らの行動を振り返ってみると、後任を選ぶことは怖くてできないのでは。「刑不上常委」という潜規則も打ち破ったのだから、江藤新平のように自ら定めた法によって裁かれる運命となりかねません。

阿部氏記事にありますように、軍事冒険に走る危険性もあります。日本人も惰弱な平和主義に染まっている時期は過ぎました。覚醒せよと言いたい。

阿部記事

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天安門広場で行われた抗日70年行事の軍事パレードで閲兵する習近平国家主席(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/GREG BAKER 〔AFPBB News

10月24日から27日にかけて、北京の京西賓館で「中国共産党第18期中央委員会第6回全体会議」(6中全会)が開催された。来年秋の第19回中国共産党大会を控えた事実上の最後の中央委員会全体会議である。

今次の6中全会の最大の注目点は、次期党大会に向けて習近平主席がどこまで権力を固めるか、であった。次期党大会の直前に7中全会が開かれるが、これは党大会に向けた最終調整の場となる。6中全会が注目される所以である。

「反腐敗」キャンペーンを今後も継続

6中全会の主な議題は、「新たな情勢下における党内政治生活の若干の準則」と「中国共産党党内監督条例」であり、この2つの文件はともに審議され採択された。これらに通底するテーマは、「全面的な厳しい党内統治」である。

習近平主席は、政権の座について以来、「トラもハエも一緒に叩く」という「反腐敗」キャンペーンを持続させてきた。その過程で、これまで暗黙の了解事項(「潜規則」)とされてきた「党中央政治局常務委員とその経験者は罪を問われない」を打破し、前常務委員の周永康を「落馬(紀律検査委による立件)」させた。さらに、徐才厚、郭伯雄といった中央軍事委副主席経験者をも「落馬」させ、人民解放軍内部の腐敗状況を白日のもとにさらした。

習近平主席は、この「反腐敗」キャンペーンを今後も継続させることを強調している。その意味において、6中全会で検討された2つの文件に共通するのが党中央の権威を高めることであったのは当然のことであった。

そして、まさにその帰結として、習近平主席は「核心」に位置づけられたのである。

6中全会閉幕後の10月27日に発表されたコミュニケ(「公報」)ではこう書かれている。「第18回党大会以来、習近平同志を核心とする党中央が身をもって実行し、率先垂範し、全面的に厳格な党統治を断固として推進し、思想による党建設と制度による党統治の厳密な結合を堅持し、腐敗を厳しく取り締まり、党内の政治生態を浄化し、党の政治生活に新たな状況が出現させ、党心、民心を勝ち取り、党と国の事業の新たな局面を切り開く上で重要な保証を提供した」

江沢民を「核心」に位置付けた鄧小平の仕掛け

これまで中国共産党で「核心」に位置づけられたのは毛沢東、鄧小平、そして江沢民の3人だけである。

江沢民が核心に位置付けられたのは、鄧小平による「仕掛け」だった。1989年6月の天安門事件の後、失脚した趙紫陽に代わってヒラの政治局委員から党総書記に抜擢された江沢民(当時、上海市党委書記)を権威付けるためである。このとき鄧小平は「いかなる指導者集団にも1人の核心が必要である。第1世代の指導者集団の核心は毛沢東同志であり、第2世代では実質上私が核心だろう。第3世代となった指導者集団にも核心が必要であり、それが江沢民同志なのである」と語ることで、党中央に何の権力基盤を持たない江沢民をバックアップしたのである。

しかし、「核心」に位置づけられた江沢民は、第2世代の「核心」である鄧小平がまだ政治的に多大な影響力を持っている間はおとなしくしているしかなかった。実際、1989年5月に訪中したソ連のゴルバチョフ書記長と会談した趙紫陽が明らかにしたように、1987年秋の第13回党大会直後の1中全会で、「以後も重大な問題は鄧小平同志の舵取りに委ねる」という秘密決議が行われ、鄧小平が「最終決定権」を持っていたからである。

鄧小平が90歳になり「完全引退」した1994年、9月に開催された党14期4中全会でようやく「江沢民を核心とする中央指導集団」が明記され、第3世代への権力継承の完了が確認された。それ以後、江沢民は権力強化に励み、翌1995年秋の5中全会では「江沢民指導部が自主的に政策を決定する」との秘密決議が採択され、これによって江沢民が鄧小平に代わり、「最終決定権」が付与されたのであった。

「核心」の座を自分の力で手に入れた習近平

では、6中全会で「核心」に位置づけられた習近平主席も、同様に秘密決議によって「最終決定権」を付与されたのだろうか。現在のところ、それを証明する情報はない。しかし、実際はそれと同等の権限が習近平主席に与えられたと見るべきだろう。その理由は2つ考えられる。

第1に、習近平主席が「核心」に位置づけられたことによって、江沢民を「核心」とする時代が事実上終わったと考えることができるからである。

「第3世代の核心」とされた江沢民はまだ存命であり、「完全引退」を自ら表明しているわけではない。しかし、習近平主席の反腐敗キャンペーンによって、江沢民に近い周永康、徐才厚、郭伯雄等が追い落とされる中で、江沢民が徐々に追い詰められてきたという文脈から導き出せる事実は、習近平が江沢民との勝負に勝ったということであり、その結果が習近平主席の「核心」という位置づけなのである。そうだとすれば、習近平主席が江沢民に代わり、「最終決定権」を事実上保持していると見なすことができるだろう。ちなみに、今年8月、江沢民は90歳になった。鄧小平の「完全引退」の年齢とも平仄が合うのは偶然だろうか。

第2に、江沢民は「核心」の座を鄧小平に用意してもらったのに対し、習近平は「核心」の座を自分の力で手に入れたからである。同じ「核心」でも習近平主席のほうが実力の裏付けがあることになる。

今年1月、地方指導者を中心に、習近平を中国政治における「核心」と位置づける発言が相次いだ。習近平の意思が働いた動きであることは間違いない。その後、習近平主席を「核心」と呼ぶ動きは下火になったが、6月末には、習近平主席の側近である栗戦書・党中央弁公庁主任が党直属機関の幹部表彰式で習近平主席が「核心」であることを強調した。また、年初の習近平「核心」キャンペーンの先頭に立っていた天津市の党委代理書記の黄興国が9月に突然「落馬」したものの、後任の李鴻忠・天津市党委書記が、繰り返し習近平主席が「党中央の指導核心」であることを強調したことで、6中全会直前には再び習近平主席を党中央の「核心」に位置づける機運が高まっていた。こうして、周囲から声を上げさせることによって、習近平は「核心」の座を手中に収めたのである。

習近平が「核心」の位置づけを欲した理由

習近平主席は、なぜ党の機関決定による「核心」の位置づけを欲したのだろうか。言葉を変えれば、重要な政策決定における「最終決定権」になぜこだわったのだろうか。考え得る理由は3つある。

第1に、習近平主席自身が持つ中国共産党体制維持への危機感がある。経済的には、世界第2位の経済規模にまで上り詰めたものの、高度成長期が終わり、国内産業構造の変革期にあって、貧富の格差拡大や環境問題を含め、これまでの経済成長がもたらした「負の遺産」をうまく処理するために強力な権限とリーダーシップが必要だという認識である。

第2に、全国の政治指導層から官僚組織、国有企業、さらに人民解放軍にまで蔓延した腐敗状況を是正するために、習近平主席が抵抗勢力を無力化できるだけの絶対的権威付けを求めたことである。執政開始から4年にわたる反腐敗キャンペーンで、組織的な抵抗や不作為(サボタージュ)に直面するなかで、党の体制を維持し求心力を持たせる必要性を痛感してきたはずであり、そのために「核心」の位置づけを望んだのだろう。

第3に、軍事改革の関連である。昨年末から今年前半にかけて、習近平主席は、組織を改編しすべてを中央軍事委員会が仕切ることになる人民解放軍の抜本的な機構改革を実施した(参考記事「海軍重視にシフト、人民解放軍が進める再編の中身」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43910)。中央軍事委員会のトップは主席を務める習近平自身である。いわば、米国大統領が米軍の総司令官であるように、習近平主席が人民解放軍の総司令官になったわけであり、そのためにも自らの権威付けが必要とされたのである。

功をあせって軍事強硬策に走る可能性も

最後に、「核心」に位置づけられた習近平主席の今後について考察する。あくまでも考察であるから、可能性を論じるにとどめたい。

第1に、次期(第19回)党大会に向けた人事である。

人事に関する問題は2つある。1つは政治局常務委員会における「七上八下」という定年制の問題だ。67歳以下なら継続可能だが68歳以上であれば引退という「潜規則」で、この規定に従えば2017年に69歳になる中央紀律委書記の王岐山に再任の目はない。しかし、「余人を持って代えがたい」ことを理由に定年の潜規則を打破して習近平主席が再任を求めれば、それが実現する可能性はありうる。これは、2022年の第20回党大会への布石ともなる。というのも、その時点で李克強総理はまだ67歳で再任の資格があるが、68歳になった習近平主席は退任を余儀なくされる。「七上八下」の潜規則を打破しておけば、習近平主席の「続投」も可能になる。

もう1つは後継者の問題である。江沢民、胡錦濤時代の慣例を踏襲するなら、次期党大会で後継者を政治局常務委員に入れなければならない。胡錦濤も習近平も、「国家副主席」「中央党校校長」のポストで常務委員会入りした。習近平主席は「核心」に位置づけられたことによって、後継者指名権も手に入れたと見なすことができるが、もし習近平主席が自らの「続投」を意識するなら、そうした後継者を置かないという選択肢もあるだろう。

第2に、穿った見方として、「核心」に位置づけられたものの、習近平主席には反腐敗以外にこれと言った政治実績がないがゆえに、「功をあせる」恐れがある。

問題は、どこで「功をあげる」かだが、反腐敗取り締まりをこれ以上強化すれば「恐怖政治」になりかねないし、強い反発もありうる。国内経済に関しては、習近平主席は社会主義経済への「未練」が強く、国有企業優先の罠にはまって経済改革には後ろ向きであるから、実績のあげようがない。外交では近代以降の屈辱的歴史からの復興を強調する「中国の夢」を語ることで国内のナショナリズムに火を付けてしまい、「国家の主権・国益を守る」強硬路線をいまさら軟化させるのは難しい。

となると、自ら大胆な改革を実行した人民解放軍に手柄を立てさせ、国民の喝采を得る軍事強硬策に走る可能性は否定できない。その場所が南シナ海なのか、東シナ海の尖閣諸島になるのかはわからないが、日本としては用心しておくことに越したことはないだろう。

もちろん、習近平主席にとって、軍事作戦の失敗は政権の命取りにもなりかねない危険をはらむから、慎重に判断するだろうが、その成功のメリットが失敗のリスクよりも大きいと判断すれば、習近平主席は迅速に行動に出るだろう。

福島記事

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六中全会は習近平主席を“核心”として閉幕した(写真:新華社/アフロ)

共産党の秋の政治イベント、六中全会が10月24日から27日にかけて行われ、最終日にはコミュニケが発表された。六中全会コミュニケのポイントはおよそ五点。①「習近平同志を核心とする党中央」という表現が盛り込まれたこと②党内監督条例と党内政治生活準則という党内規律厳格化に関する二つの法律について審議、可決されたこと③集団指導体制の維持と党内民主の堅持が言明されたこと④遼寧省元書記の王珉、北京市元副書記の呂錫文、解放軍蘭州軍区副政治委員の范長秘、武装警察部隊元副司令員の牛志忠の解任、除籍の確認⑤いかなる党幹部の私有財産形成、派閥形成(人身依附関係=不正常な上下関係)を許さず、これについてはいかなる例外もない、としたこと。後、付け加えるまでもないが、第19回党大会を2017年下半期に北京で開催することも決定された。

ではこのコミュニケをどのように評価すればよいのだろうか。中国国内外の論評を見ながら解説を試みたい。

「習近平同志を核心とする」

まず、「習近平同志を核心とする」という文言を中央委員会全体会議のコミュニケに盛り込んだ点をどのように考えればよいだろうか。六中全会前に関心が寄せられていた点は、この「領導核心」を習近平とする表現が盛り込まれるか、68歳定年制や政治局常務委員会制度の変更に言及されるかという点だ。結果からいえば、「習近平同志を核心とする」という言葉は明確に盛り込まれた。だが、定年制については触れられず、また集団指導体制、党内民主の堅持という文言で政治局常務委員会制度も維持されることになった。

コミュニケではこう言っている。

「全会では、党中央の権威を維持することを固く決定し、全党において法令が厳しく執行されることを保障することは、党と国家の前途の運命がかかわることであり、全国各民族の根本利益のあるところであり、また、党内政治生活を規範化し強化するための重要目的でもある。党の指導を堅持するにはまず、党中央の集中統一指導を堅持することである。一つの国家、一つの政党、指導核心が、非常に重要であることは必至である。全党は思想上政治行動上、党中央の行動に一致した自覚を持たねばならない。党の各級組織全体の党員、特に高級幹部はすべて党中央に倣い(看斉)、党の理論と路線方針政策に倣い、党中央の政策配置に倣い、党中央が提唱する決定に呼応し、党中央の決定を執行し、党中央の禁止事項は決してしてはならない」

そしてコミュニケの結びでは「全会は次のように宣言する。全党は習近平同志を核心とする党中央を囲むように緊密に団結し、全面的に今回の全会の精神を深く貫徹し、政治意識、大局意識、核心意識、中央に倣えという意識を堅牢に打ち立て、党中央の権威と党中央の集中統一指導を動かぬよう定め、全面的に厳格な党の統治を継続して推進し、共同で政治生態の清らかで正しい風紀を作り、中国の特色ある社会主義事業の新局面を切り開くべく人民を指導するため党としての団結を確保しよう」

この表現を見る限り、習近平の権力集中が六中全会でさらに進められた、というふうに見てとれる。「核心」という言葉は、習近平が昨年暮れから周到に党内で浸透させようと画策していた権力集中の象徴的ワードだ。共産党の歴史において、この「核心」という形容詞を使われたのは毛沢東、鄧小平、江沢民だが、江沢民に関しては、鄧小平が江沢民を「核心」と位置付けたのであって、江沢民が自らそれを名乗ったのとは少し違う。自らを「党中央の核心」と呼ばせ、しかも全党が自分を核心とする党中央に「看斉」(右へ倣え)するよう求める「集中統一指導」を打ち出している。そういう意味では、習近平は自らを毛沢東、鄧小平に次ぐ三人目の核心、と言いたいようだ。

「安寧の日を望めなくなった」

中国共産党中央文献研究室出身の在米共産党史研究家・高文謙がVOA(ボイスオブアメリカ、米国営華人向けラジオ)の対談番組でこうコメントしている。

「六中全会の最大の注目点は、習近平の核心としての地位が確立されたことだ。年初からあらゆる手段を使ってこの核心ブームを創ろうとしてきた。習近平がなぜ核心にここまでこだわるのか? 核心地位は“最後の決定権”を意味するからだ。鄧小平の言葉を引用すれば、“鶴の一声”というやつだ。かつて延安整風(1940年代の毛沢東による反対派粛清運動)を通じて、『主席は最終決定権を有する』という決議が明文化された。今(の集団指導体制)では、国家主席は大きな権力を有するが最終決定権はない。党内の駆け引きの中で、一票の権利はあっても否決権はなく、最終的には多数決で決定する。このままでは、習近平は第19回党大会で自分に有利な人事布石が打てないのだ。…現在、“核心”地位を得て、また手の内に『党内政治生活準則』や『党内監督条例』をもって、政治局常務委員に自分の意見を押し付けることが可能になった。反対者はこの準則・条例をもって処罰すればいいわけだから。『核心』の冠を得て、正真正銘の核心に一歩近づいたと言える。習近平のやり方が、人心を納得させることができるかは今後見ていく必要があるが」

ちなみに高文謙は引き続き、毛沢東が最終決定権を掌握した後、文革路線にひた走った歴史に触れて、毛沢東と似た性格の習近平が核心になったことで「党も国も民も安寧の日を望めなくなった」と不穏なことを言っている。

一方、このコミュニケのもう一つのポイントは「党内民主」「権力集中」の堅持を強く打ち出していることだ。これは「習近平の核心地位確立=否決権獲得」とはいかにも相反する内容ではないか。これについて、同じくVOAの同じ番組で、在米中国政治評論家の陳破空が次のようなコメントをしている。

「滑稽であり悲劇である」

「習近平は“核心”の称号を得て勝利したといえるが、完全な大勝利とはいいがたい。半分の勝利というべきだ。あるいは辛勝というべきか。なぜなら相当な妥協をせざるを得なかったからだ。つまり他の派閥と妥協した結果、“集団指導体制の堅持”を強調し続けなければならなかった。…これは、習近平の権力が相当の抵抗を受けた証拠といえるだろう。この種の抵抗勢力は、中・下層の党員、地方党員にはなくとも、ハイレベルの幹部、特に政治局常務員、政治局員、中央委員会の中には存在している。これら最高権力機構の中に親習近平派は依然少数なのだ。だから第19回党大会の人事こそが、最大の鍵となる。

習近平は“核心”地位を求めて、まるまる四年、苦しい権力闘争を経て、なんとか願いを叶えた。これは中国一党専制制度の疲弊が深刻であるということの証でもある。もし、民主国家ならば、指導者は選挙によって選ばれ、人民から権力を授与され、すぐに核心になって大きな権力を掌握できる。同僚との権力闘争によって“核心”の地位を勝ち取る必要も、政治老人(長老ら)の顔色をうかがう必要もないのだ。…まるまる任期一期分を、中国では狭い政治世界の権力闘争の中で喘がねばならないとは。これは一党専制が日ごと、袋小路に迷い込んでいるということだ。中国共産党が米国の大統領選を嘲笑する一方で、自分たちの共産党専制下の内部闘争を笑えないとは、滑稽であり悲劇である」

この二人のコメントは、私が感じた印象と近い。このコミュニケの一番の見出しは「習近平“核心”的地位を明文化」だが、現実にはかなり妥協を強いられ、集団指導体制の堅持に言及せざるをえなかった。習近平は一歩、権力集中、独裁体制に近づいたが、その道のりには相当の抵抗勢力が存在する。

ここで興味深いのは、党内の風紀粛清に関する法律、党内監督条例と党内生活準則を制定する狙いについてだ。この二つの法律を制定することは、鄧小平時代から不文律として続いていた「刑不上常委(政治局常務委員経験者は司法の刑罰に問われない)」を、はっきりと否定し、反腐敗キャンペーンに聖域を設けないという意味である。香港紙・明報が指摘していたが、2015年4月、王岐山(党中央規律検査委員会書記)が米国の政治学者フランシス・フクヤマらと対談した時、「私が捕まえた中に紅二代(親が革命戦争参加者や建国の功労者である二世官僚・政治家・企業家)はいない」とため息をつき、党内に完全な自浄作用を求めることが難しいと嘆いたという。

この条例・準則の施行によって紅二代や太子党、政治局常務委員など従来、聖域とされていた党中央幹部に対しても汚職摘発できるというならば、これは習近平が江沢民や曾慶紅を反腐敗で追い詰めるつもりかもしれない。だが「いかなる例外も認めない」ということは、現役の党総書記、国家主席も例外ではないともいえる。習近平とて脛に傷がないわけではないのだ。文革ばりの聖域なき権力闘争を仕掛けるというなら、習近平自身も返り討ちにあう可能性はあるだろう。

「またやっているのか」

もう一つ、党内幹部の私有財産権を許さないと言明したことも、習近平にとっては諸刃の剣だ。党幹部の私有財産は90年代の改革開放による経済環境の激変にともなって出現し、今の権貴政治(産官結合、権力と富の結合)の温床となっている。この時代、最も私有財産を蓄えたのはいうまでもなく上海閥、江沢民派だが、習近平とて元・上海閥。彼の一族の不正蓄財疑惑はブルームバーグも報じている。

毛沢東が政敵に返り討ちにあうことなく、延安整風や文化大革命を通じて権力集中を発揮できたのは、そのカリスマ性による大衆動員力だった。では習近平には、その大衆動員力があるのだろうか。六中全会直前、CCTVが習近平の反腐敗キャンペーンの成果をまとめるドキュメンタリー番組「永遠在路上」(全8回)をゴールデンタイムに放送した。これは習近平政権下で汚職で捕まえられた党や政府の高官が出演して涙ながらに懺悔し、庶民に習近平を礼賛するコメントを語らせる、あからさまな習近平礼賛番組だった。

共産党の執政党としての地位の正当性を危うくしているのは党内の腐敗であるとし、習近平こそがその腐敗をただす英雄として描きつつ、合間に整風運動時代の毛沢東の映像などを差しはさみ、「毛沢東時代のようにクリーンな共産党に戻る」といったメッセージを発している。

だが、こうした宣伝番組は、農村の老人たちならばいざしらず、スマホ時代の若者に対して絶大な感染力があるかというとそうではなく、むしろ、またやっているのか、といった冷めた反応の方が強い。というのも4年間、反腐敗キャンペーンを行っても、若者の貧困問題も解決できず庶民の暮らしは改善されていない。その一向に改善されない生活苦の不満の矛先は、むしろ政権の方に向き始めている。

在米華字メディア明鏡集団総裁で、党中央にもディープスロートを持つ何頻がVOAにこんなコメントをしていた。

「多くの人が、習近平は(革命)戦争を経験しておらず、真の“核心”にはなれないと言っている。ただ、今の官僚は、ほとんどまともな功績を持っておらず、習近平は地位上の優勢がある。ただ情勢が変動する要素も非常に豊富にある。さらに言えば、彼はあえて責任ある地位を引き受け、多くの組織・機関の組長も務めている。権力を振り回すだけでなく、責任を担う勇気も必要なのである」

さらに何頻は別のVOAの番組のコメントでこう語っている。

「習近平がこのように早く核心地位を獲得できたということは、勇敢にも中国政治の一切の責任を自ら担うということである。だから中国問題をうまく処理できれば、習近平の功績であるが、問題が起きれば習近平の責任である」

しかしながら、何頻は政権に変数が出現する可能性が大きくなっていることも認識しており、「習近平の権力集中は中国共産党の新しい政権モデルになる可能性もあるし、中国共産党が習近平で終わる可能性もある」とも語った。

野望と孤立と攻防と

こうした論評を総じてみると、一つはっきり言えるのは、六中全会コミュニケの中に、習近平のあくなき権力集中の野望とその孤立、それを阻む強い反対派勢力との激しい攻防の跡があり、この激しい権力闘争は今後も一層、血なまぐさく、ひょっとすると習近平自身が返り傷を負いかねない激しさを見せるかもしれない、ということである。

本来、為政者が本当に権力を掌握していれば、わざわざ“核心”という言葉を持ち出す必要はない。“核心”に意味があるかどうか、習近平が勝利者であるかどうかは、政治局常務委員会の人事と今後の反腐敗キャンペーンの行方を見てからでないと何とも言えない。

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『朴槿恵の下野か、戒厳令か 「国政壟断事件」で崖っ縁に立つ韓国』(10/31日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『韓国大統領周辺の醜聞、発火点は名門・梨花女子大 疑惑の女性の娘の入試疑惑で設立以来総長も辞任』(11/1JBプレス 玉置直司)について

韓国は民度の低い社会と言うのが分かります。崔順実に抗議するため、検察庁で犬の糞を投げつけたり、クレーン車を突入させたりと。中国の趙薇が旭日旗に似たワンピースを着て舞台に上がったら糞をかけられた事件を思い出します。

http://j.people.com.cn/2002/06/06/jp20020606_17818.html

こういうことが発想として出て来るのは、中華と小中華と言われる人達です。日本でもそういう行動を取ったり、人種差別とかヘイトスピーチとかわめく輩は在日中国人か在日朝鮮半島人と見て間違いないでしょう。日本人にはそういう文化はありませんので。

沖縄・高江で、ヘリパッド建設阻止で動いている中にも左翼の他にそれと思しき人がいるのがネットで流されています。マスメデイアは大阪府警の「土人」発言しか報道しませんが、反対派の罵詈雑言ほど聞きにくいものはありません。結局、左翼と在日に牛耳られているから報道しないというのが分かり、やがて信用を失って、経営破綻するのは間違いありません。真実の報道、公正な報道から如何に遠いのかということです。使命を忘れた報道機関は共産党のプロパガンダ機関と一緒でしょう。メデイアを牛耳る老経営者には見えていないのでしょう。

韓国にも大統領弾劾制度があります。盧武鉉が訴追されましたが、棄却されました。朴槿恵は野党から首相を選んで逃げ切ろうとしていますが、野党が反発し、逃げ切れないのでは。韓国社会はトップが我先に逃亡、潘基文のようにネポテイズムが当たり前です。腐った社会と言えます。中国の賄賂同様、皆やっていることではないですか?韓国政治は地域で分断した政治を行うと言いますが、それもまた国としてのまとまりに欠け、国の力を落とすことになるのが分かっていません。良いように北の謀略にしてやられるのもそのためでしょう。今回の事件の発覚は裏で、北かTHAAD配備を許した朴槿恵追い落としの謀略があるのでは。

鈴置記事

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朴槿恵大統領の「国政壟断事件」への大規模な抗議デモが起きた。29日、ソウル中心部ではデモ隊が機動隊の阻止線を突破(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

朴槿恵政権が「国政壟断事件」で国民の支持を失った。北朝鮮の核武装が目前に迫り、国の死生を決めるという時に、韓国は司令塔が「死に体」となったのだ。

10月
24日 JTBC、大統領演説の草稿など機密資料が崔順実氏に漏えいと報道
25日 朴大統領が資料提供を認めて国民に謝罪
   
26日 検察が崔氏自宅など家宅捜索。外交資料なども漏洩とメディアが報道
28日 朴大統領は首席秘書官全員に辞表を出させる。秘書室長が辞表提出
29日 青瓦台、検察の家宅捜索を拒否。ソウルで2万人デモ
30日 青瓦台、検察に資料提供。朴大統領は一部首席秘書官らを辞任させる。与党、挙国一致内閣を提案するも野党は真相究明が先と拒否。崔氏帰国
「国政壟断事件」の動き(2016年)

警察の鎮圧も不可能に

鈴置:保守運動の指導者の趙甲済(チョ・カプチェ)氏が、自身が主宰するネットメディアに「『下野か戒厳令か』に行く前に」(10月28日、韓国語)を載せました。

—戒厳令!?ですか。

鈴置:このままなら、そうなりかねない、との主張です。その部分を要約しつつ訳します。箇条書きで書かれていまして、文頭の数字は項目の順番です。

  • 12.朴槿恵大統領の取り得る手段は多くない。第1に(事件の核心である)崔順実(チェ・スンシル)母子を一刻も早く帰国させ、捜査に協力せねばならない。2つ目は「自分も調べを受ける」と宣言すべきだ。3番目。青瓦台秘書室の人事を一新せねばならない。4番目。与党、セヌリ党を脱党すること。5番目。後は国務総理に日常的な業務を任せ、自身は経済再生と北朝鮮の核問題への対処と(2017年12月の)大統領選挙の公正な管理に専念すると宣言する。6番目。下野はしないことを明らかにする。
  • 13.このような措置が行われるのか? 行われたとしても(国民から)受け入れられるのか? 今は問題が民主的な制度の場内に留まっている。メディアと国会が状況を主導している。もし、場外(街頭)集会が始まれば問題はさらに複雑になる。狂牛病暴動のようなことが再演されれば、今度は警察力による鎮圧が不可能になるかもしれない。国民の支持がなければ警察も踏ん張れない。デモ隊が青瓦台を包囲し、警察が無力化すれば、大統領は「下野か戒厳令か」の選択の岐路に立つかもしれない。

阻止線を突破したデモ隊

—朴槿恵政権の命運はデモ隊が握っているということですね。

鈴置:その通りです。韓国では直接行動が威力を発揮します。歴代政権が最も神経を使ってきたのは、青瓦台をデモ隊に取り囲まれないかということでした。

1960年、初代の李承晩(イ・スンマン)政権はデモで倒れました。この政権は「戒厳令」で大衆運動を抑え込もうとしましたが、最後は米国の圧力で「下野」したのです。

1987年には数十万人ものデモ隊が連日、ソウル市内で大集会を開き、軍出身の全斗煥(チョン・ドファン)政権は民主化を受け入れざるを得ませんでした。この時の政権は任期を全うしました。が、全斗煥大統領は退任後、刑務所に送られました。

—10月29日の夜、ソウルでは2万人のデモが行われたそうですが。

鈴置:ええ、趙甲済氏がこの「警告」を載せた翌29日に、韓国では「朴槿恵退陣」と「真相究明」を要求するデモが各地で起きました。

参加者は1980年代の民主化運動と比べれば、1ケタ少なかったのですが注目すべきは、ソウルでデモ隊が機動隊の阻止線を突破したことです。

デモ隊は一番の大通り、世宗路の青瓦台のそばまで進出しました。1980年代の激しいデモでも、そんなことはまず、ありませんでした。

「退陣要求」に共感した警官

—李承晩政権も最後は激しいデモに見舞われました。

鈴置:李承晩政権を倒すことになったデモは警察の阻止線を突破、警官隊が発砲して多数の死者を出しました。

「阻止線を超えたら政権が倒れた」という記憶の下に「それを防ぐために警察は銃器を使用する」という暗黙の了解と言いますか、ガイドラインが韓国社会にあったのです。

今回のデモに関し、左派系紙のハンギョレは「警察と対峙しながら市民ら『明日も来る』」(10月29―30日、韓国語版)で「機動隊が弱腰だった」と報じています。以下です。

  • 「警察官(機動隊員)のこんな言動は初めて」という話がデモ現場で交わされた。一部の警察官は微笑みを浮かべ、デモ隊と共に行進するような動きを見せた。ある警察官は「私たちも人間だのに、それ(訳注・デモ)もできない」と語った。デモ隊からは「警官も加われ」とのシュプレヒコールも上がった。

趙甲済氏が「国民の支持がないと警察も踏ん張れない」と恐れていたことが起き始めたのかもしれません。政権側がきちんと対処しないと「下野か戒厳令か」に至る可能性が出てきました。

大統領の長年の腐れ縁

—趙甲済氏の「アドバイス」通り、朴槿恵政権は10月30日に崔順実氏を帰国させたうえ、青瓦台の人事も一新しました。

鈴置:デモが効いたのでしょう。青瓦台は検察の捜査に対しても、29日にはろくな資料を出さなかった。それが翌30日には資料請求にそれなりに応じたようです。

ただ、「宿題」は残っています。国民が納得するほどの真相究明をしない限り、デモは収まらないでしょう。もっとも、その真相究明の結果が国民の怒りに油を注ぎかねません。

今回の「国政壟断事件」は、朴槿恵大統領の古くからの知り合いである「崔一家」が、大統領との深い関係を元手に特権や利権を漁ったという構図です。

この腐れ縁を国民も薄々とは知っていました。が、改めて「真相」を突きつけられれば、朴槿恵氏の大統領の資質に疑問を抱き「退陣しろ」と叫ぶ人も出てくるはずです。そうなれば韓国の混迷は一層深まります。

挙国内閣を拒否した野党

—ことに今、北朝鮮が核武装する寸前です。

鈴置:そこです。今は、米国が先制攻撃して北の核を潰すか、あるいは北と手打ちして韓国を事実上、見捨てるかという際どい状況にあります(「米国が北朝鮮を先制攻撃する日、韓国と日本は?」参照)。

趙甲済氏は、こんな時に韓国から司令塔が失われたらおしまいだと憂慮し、大統領に「下野はしないと宣言すべきだ」と意見具申したのでしょう。もちろん国民の不満を抑えるために「自身も調査を受けよ」と書いたのだと思います。

与党のセヌリ党も「挙国中立内閣を作れ」と言い出しました。野党の重鎮も取り込んで事態の鎮静化を図る作戦です。

でも、野党第1党の「共に民主党」はその手に乗るつもりはなさそうです。「まず、真相究明が先だ」と挙国内閣を拒否しました。

船長のいない船に

—展開は?

鈴置:全く読めません。1つだけ言えることがあります。韓国が船長のいない船になることです。

仮に挙国中立内閣を作ったとします。この際、大統領の権限は大幅に縮小される見込みです。でも、憲法で定められた責任内閣制というわけではない。大統領との住み分けは極めて難しい。

その内閣も与野党の呉越同舟になりそうです。「北朝鮮の核」や「北への先制攻撃」といった微妙な案件で、容易に結論は出せないでしょう。

一方、朴槿恵大統領が従来の職責を維持した場合です。法的にはそのままの権限を与えられても、国民からこれだけ不信感を買った以上、お飾りの大統領になるのは確実です。「壟断事件」以前から、レームダックと言われていたのですから。

(次回に続く)

玉置記事

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韓国ソウルで行われた朴槿恵大統領の機密漏えい問題に対する抗議デモで、朴大統領(右)と崔順実氏のマスクをかぶってポーズを取る参加者たち〔AFPBB News

韓国の朴槿恵(パク・クネ=1952年生)大統領の周辺で起きている女性実業家を巡る数々の疑惑で韓国の国政は大混乱に陥っている。問題の女性は2016年10月31日、ソウル中央地方検察に出頭し、本格的な捜査が始まった。

今回の問題で世論の怒りを買ったきっかけとなったのは、名門・梨花女子大への「特別入学疑惑」だった。梨花女子大は、設立以来の騒動で総長が辞任するなど大揺れだ。

2016年10月31日午後3時、疑惑の渦中にある崔順実(チェ・スンシル=1956年生)氏がソウル中央地検に出頭した。韓国では検察に出頭する際、取材陣が入り口前に「フォトライン」を作り、召喚された人物がここでカメラのフラッシュを浴びる。

山ほどある崔順実氏への疑惑

崔順実氏の場合、韓国内での関心がきわめて大きかったため、100人以上の取材陣や「崔順実拘束!朴槿恵下野!」と叫ぶ市民団体関係者が詰め掛け、「フォトライン」周辺は大混乱した。崔順実氏はもみくちゃにされて地検の建物に入って行った。

崔順実氏に対しては、山ほど疑惑が出ている。

国家機密を含む青瓦台(大統領府)の文書が大量に「民間人」である崔順実氏に流出してのか。崔順実氏が青瓦台や政府高官の人事に介入していたのか。大企業から巨額の資金を集めて文化、スポーツ関連の財団を設立させ、これらの財団を通して崔順実氏が経営する会社を支援していたのか・・・。

疑惑は次々と出てきて、韓国社会全体が騒然としている。

日本のメディアでも詳しく報じられている通り、崔順実氏と朴槿恵大統領の関係は、崔氏の父親の時代からのことで、もう40年以上になる。この間、何度も、「異常な関係」との指摘を受けてきたが、大統領は強く否定してきた。

一般の国民から見れば、「崔氏にかかわる疑惑」には半信半疑で、「前にも何度も聞いたことではないのか?」という雰囲気もあった。

梨花女子大の熱い夏

こんな反応を一変させ、世論の怒りに火をつけたのが、「梨花女子大問題」だった。

梨花女子大は、2016年夏、創立以来の混乱に陥っていた。

2016年7月15日、韓国の教育部は、社会人学生などを対象とした「生涯学生過程」を新設する大学として梨花女子大などを選定した。さまざまな理由で大学に進学しなかった社会人を受け入れる新学部の認可だった。

梨花女子大は、「未来ライフ学部」新設を申請していた。この構想が、学生や卒業生の強い反発を招いた。

梨花女子大と言えば、韓国で最も伝統がある女子大だ。最近でこそ、女子大人気のかげりで「難易度」は以前ほどではないが、学生や父兄、卒業生の愛校心とプライドは高い。

厳しい大学入試を勝ち抜いて梨花女子大学に入学したのに、社会人が比較的簡単に入学できる学部を新設することに対して強く反発したのだ。

学生有志は7月28日から学内ろう城に入った。名目は、「政府の補助金や社会人からの学費をあてにした安易な新学部の設置は、教育の場を金儲けの場に変える暴挙で断じて許せない」ということだった。

学生の言い分にも一理はある。新学部を推進した総長は、決定を急ぎ、学内や卒業生への説明が足りなかった面もある。

それでも学生のろう城に対しては、「結局、梨花女子大の卒業証書の価値が下がることを恐れた既得権者のわがまま」という批判もあった。

ともあれ、ろう城は延々と続き、大学は結局、新学部の設置計画を取り下げた。それでも学生は、総長の退陣を要求してろう城を続けた。

総長も一歩も引かず、事態は泥沼化していた。

こう着状態にメガトン級疑惑

そんな中で、突然、メガトン級のスキャンダルが飛び出した。崔順実氏の娘の「入学疑惑」だった。

崔順実氏の娘は、乗馬選手だ。高校生だった2014年の仁川アジア大会では団体競技で金メダルを獲得している。

この娘は2015年春、梨花女子大に入学した。優秀なスポーツ選手を対象とした特別入学枠での入学だった。

ところが、梨花女子大学は従来、乗馬を該当競技としていなかった。急に「乗馬選手」も選抜の対象になり、合格者になった。

それだけではない。この娘は、入学後も、「競技出場」などを理由に、ほとんど大学に姿を見せていない。それにもかかわらず、単位を取得しているのだ。

「大統領周辺からの圧力があって入学基準が変わり、単位取得でも便宜を与えているのではないか」

豊富な補助金がつく新学部の設置許可と入学疑惑を結びつける声もある。ろう城していた学生は一気に勢いづいた。それだけではない。

「入試」と「兵役」は韓国最大の関心事

韓国では、「入試」と「兵役逃れ」にかかわる不正は、国民の圧倒的な関心事だ。崔順実氏の娘の問題は、梨花女子大のろう城問題を超えて、全国民的な関心事となった。

10月19日、梨花女子大の総長は辞任した。130年の歴史で、総長が辞任するのは初めてのことだった。

学内での混乱の責任を取ったが、決定打は、崔順実氏の娘の入学疑惑で学内外から強い疑惑提起と批判を受けたことだ。

梨花女子大にとっても、創立以来の重大危機になってしまった。同時に、この「入学疑惑」が「崔順実疑惑」への国民の怒りに火をつけてしまった。

「入試」はそれだけ敏感な問題なのだ。

国民の怒りが高まる中で、メディアも野党も新しい疑惑を次々と暴き立てる。出るは出るは・・・。

崔順実疑惑はこうして、大スキャンダルに発展してしまった。

10月29日、ソウル市内では疑惑に抗議する集会が開かれた。参加者は1万人を超えたという。参加者の中には、制服を着た高校生や大学生、一般市民が大勢詰め掛けた。一部の反政府市民団体による「政権打倒集会」とは全く違う様相になった。

「不正入試疑惑」がその引き金になったのだ。

10月31日、崔順実氏が検察に出頭した日、韓国の教育部は、梨花女子大に対する「特別監査」に着手した。

崔順実氏の娘は、高校時代にも出席日数不足が問題になった。これを注意した教師がいたが、崔順実氏が学校に出向いてこの教師を罵倒したとの報道もある。さらに複数の教師に現金の入った封筒を渡そうとした。

相当な「モンスター」ぶりだが、高校時代の疑惑についてはソウル教育庁がすでに調査に入っている。

梨花女子大学はこれまで、学内規則にしたがって処理してきたという立場だ。

これに対して教育部は、崔順実氏の娘が入学した過程と入学後の単位取得について徹底的に調査する。韓国メディアは「場合によっては、入学取り消しもある」と報じている。

今回のスキャンダルの発火点は、梨花女子大だったとも言えるのだ。

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『ウソまみれの中国。6.9%成長の裏で進行する「第2のアジア通貨危機」』(10/27MONEYVOICE北野幸伯)、『地球・月系の支配を狙う中国の野望』(10/27週刊新潮 櫻井よしこ)について

10/29産経ニュース<【田村秀男のお金は知っている】中国、日本国債爆買いの狙い 円に対する人民元安政策か

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今年2月、証券業界筋から「中国が日本国債を爆買いしている」との情報を耳にした。財務省の国際収支統計で国別の対日証券投資の動向が明らかになるのは2カ月後で、4月に2月のデータを見ると購入額がかなり減っていた。つい先日、最近のデータをみると、中国による対日債券投資は4月に再び活発化し、6月まで大きな規模で行われたことがわかった(グラフ参照)。(夕刊フジ)

中国の対日投資の大半は国債であり、そのうち主に短期債である。短期債は価格の変動リスクが小さく、外国為替市場での通貨投機の手段となる。現在の円高基調は昨年12月に始まり今年1月から6月にかけて加速した。円高トレンドと中国の短期債投資動向は一致している。円高の背後に中国あり、である。

円投機は中国勢に限らない。米欧のヘッジファンドはもっと強力だし、やみくもに円を買うわけではない。円高に賭けるだけの合理的な根拠がある。それは日米間の実質金利差の縮小・逆転だと、本欄では以前から指摘してきた。2014年4月の消費税増税後のデフレ圧力のために、名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利は昨年12月、米国よりも高くなってしまった。この2月には日銀がマイナス金利政策に踏み切ったが、実質金利は逆に上昇を続ける始末だ。中国の対日短期債投資はその線にも沿っている。

中国のどこが日本国債の爆買いを行ってきたのか。大手の国有電力会社だとする見方が有力だ。電力会社は現金収入が豊富で、手元資金を日本の証券会社に委託して臨機応変に売買し、円高投機で大いに利益を稼ぐ。日本の財務省は米オバマ政権の反発を恐れて円売り市場介入に動かないので、投機家にとってはやり放題だ。

円債投機は国有電力会社の独断であって、習近平政権は無関係なのだろうか。

中国の日本国債買いは米国債売りと対になっている。昨年12月から今年8月までの9カ月間累計で、中国は米国債を日本円換算で約14兆円売却した。この間の日本国債買いは10・7兆円に上る。米国債売りと日本国債買いはいわばセットであり、北京の政策的意図が底流にあるはずだ。

この意図とは、円に対する人民元安政策だとみる。中国は対円、対ドルとも人民元を安く誘導している。昨年11月に比べ、この8月時点で、元は対ドルで4・5%安、対円で21%安である。中国人民銀行はドルに対する基準レートを人為的に設定し、基準レートに対して上下2%の変動幅に収まるように管理する。対ドルでなだらかな元安とする一方、東京市場では円債を買って円高を助長する。

中国製品は今や鉄鋼、自動車、家電、情報技術(IT)関連を含め、広範囲の分野で日本製と競合する。円高・元安で日本企業の対中投資継続を促す効果もあるだろう。対日債券投資は今、縮小気味だが、北京はもう一段の円高・元安の機会を待っているに違いない。 (産経新聞特別記者・田村秀男)>(以上)

利に敏い中国人だから、あらゆる手(汚い手でも)を使ってでも儲けようとするでしょう。騙すのはお家芸です。対$、円で人民元を安くして中国の輸出活性化(輸入相手国が相対比較で$高と円高となり競争上有利)と日本国債購入での円高誘導策で日本に投資を促す狙いとのこと。中国の企業を買っても良いことはありません。自由主義諸国における相互主義はありませんから。

①企業の土地の所有権はなく、使用権だけ。勿論、個人の不動産は言わずもがな。

②有力企業の株式の過半数は押えられない。

③株の過半数を押えたとしても、「董事全員一致の原則」がある。1%の株主(中国側)でも言うことを聞かないと経営の決定ができない。

④Due Diligence が信用できない。日本の法律事務所、監査法人に中国企業の落とし穴を見つけるスキルはない。

⑤契約も隠れた瑕疵ある契約の場合が多い。基本的に中国人に有利になる場合は、契約の条文を挙げて主張するが、相手側に有利になる場合は無視するのが常。後は泣き落とし。甘い日本人は手玉に取られる。

IMFが人民元をSDRに組み込んだのは、時期尚早だったのでは。資本取引の自由化に逆行する行動を採っているではないですか。そんなものは分かり切った話です。彼らは騙すのが得意ですから。ラガルドも鼻薬が効き過ぎたのでは。

宇宙への野心を顕わにしてきたという櫻井氏の記事を読むと、米ロは如何に愚かな行動を採ってきたかというのが分かります。米ロが争うのを漁夫の利として中共は活かしてきました。ソ連についたり、米国についたりと。日本と中国国民党を戦わせたのも彼ら一流の戦術でしょう。

彼らの行動を見ていると偽書の「田中上奏文」其の儘の行動を採っているではないですか。先ず、南シナ海、西太平洋、一帯一路と地球制覇の野望だけでは飽き足らず、宇宙にまで手を出そうとしている強欲集団です。世界はこの悪逆な中共の野望を押しとどめないと。経済を崩壊させるのが一番良いでしょう。自由主義諸国は目先のことだけしか考えないのではなく、世界の平和のために行動を起こさなければ。

北野記事

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中国経済の「負の連鎖」がいよいよ本格化か。2015年度のGDPを「6.9%の成長」と発表している中国ですが、「現状とはかけ離れている」とするのは無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』の著者・北野幸伯さん。では実際、中国経済はどのくらい危険な状態にあるのでしょうか。北野さんがさまざまなメディアの記事を引きつつ、わかりやすく解説して下さいました。

中国の現状はサブプライム危機やアジア通貨危機前より厳しい

攻撃性を増す中国

中国の挑発が、ますますエスカレートしています。

防衛省統合幕僚監部は14日、7~9月の航空自衛隊戦闘機による中国機への緊急発進(スクランブル)が208回で、前期より9回増えたと発表した。四半期ベースで3期続けて過去最多を記録した。

中国軍の戦闘機とみられる2機が9月25日、戦闘機としては初めて沖縄本島と宮古島の間を通り、東シナ海と太平洋を往復するなど、中国軍機の行動範囲は拡大が続いている。

引用:中国機へのスクランブル、最多208回 7~9月 – 朝日新聞デジタル10月14日(金)22時57分配信

対中国機スクランブル、7~9月で208回(!)。毎日平均2回以上じゃないですか!心配です。なぜ中国は、ますます攻撃的になっているのでしょうか?どうも、経済が本当にやばいことと無関係ではなさそうです。

【関連】「北方領土断固奪還」で最後に泣く国、笑う国、ほくそ笑む中国=北野幸伯

中国経済、唯一信用できる指標は?

中国のGDP、2015年度は6.9%の成長だそうです。しかし、この数字を信用している人は誰もいない。「ホントは、4%だ!」とか、「いや、3%だ!」など、いろいろいわれています。要は、誰も正確な数字がわからない。

「中国のGDP発表は、あてにならない!」。なんと李克強首相も断言している。同首相によると、あてになるのは、

  • 電力消費量
  • 鉄道貨物輸送量
  • 銀行融資額

この三つは、「克強指数」として、世界的に知られています。小泉総理や安倍総理のブレーンをされた高橋洋一先生は、『中国GDPの大嘘』の中で、こんなことを書いておられます。

中国が発表する統計のうち、数少ない、というか、唯一信用できるのが、この貿易統計。貿易統計は外国との関係もあって捏造しにくい。相手国の「正しい」対中国貿易量を集計すれば正確な数値が求められるからだ。

そのとおりでしょう。日本の対中輸出額と、中国の対日輸入額は、同じ数字でなければならない。GDPやその他の指標と違い、ウソをつけば、即座にばれます。唯一信用できる貿易統計で見ると、高橋先生は、「2015年のGDPは、6.9%なんてとんでもない。おそらく、マイナス3%だ」(!)と断言されています。

ちなみに2015年の中国貿易。貿易総額は、前年比8%減の3兆9,586億ドル。輸出は2.8%減の2兆2,765億ドル。輸入は、14.1%減の1兆6,820億ドル。確かにこれで、「GDPは6.9%増です」って、「怪しい」を通り過ぎて「不可能」ですね。

輸出激減でついに始まった、中国経済「負のスパイラル」

では、2016年9月時点の中国貿易はどうなのでしょうか?

中国の税関総署が13日発表した9月の貿易統計によると、輸出が前年同月比10.0%減の1,845億ドル(約19.1兆円)と大きく減った。輸出の前年割れは6カ月連続で、減少幅が10%以上になるのは7カ月ぶり。世界的な貿易の低迷が、中国経済に重くのしかかっている。

引用:中国の輸出、急ブレーキ 9月は1割減、7カ月ぶり水準 – 朝日新聞デジタル10月13日(木)13時27分配信

輸出は9月、前年同期比で10%減少(!)。

9月は最大の貿易相手の欧州連合(EU)向けが約10%減るなど、米国や日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)など主要な貿易相手向けの輸出が軒並み5%を超える大きな落ち込みを示した。

一方、9月の輸入は同1.9%減の1,425億ドル(約14.8兆円)で、2カ月ぶりの前年割れとなった。輸出が落ちこんだことで今後、中国の輸入にも影響が出る可能性がある。

引用:(同上)

輸入は1.9%減。2015年は、14.1%減でしたので、よくなっています。しかし、輸出は、昨年通期の2.8%減が、9月は10%減になっている。また、輸出が10%減ったということは、世界市場で中国製品の消費が10%減ったことを示しています。

そうなると、中国企業もそれにあわせて生産を減らすことでしょう。消費が減り、生産が減れば、企業の売上と利益が減り、所得も減ります。所得が減れば、中国企業、中国人は、投資も消費も控えることになるでしょう。そうなると、当然輸入も減っていくことでしょう。

図にすると、 世界における中国製品需要の減少 → 中国輸出減 → 中国生産減 → 中国所得減 → 中国消費減(輸入減)→ 中国生産減 → 中国所得減 → 中国消費減 → 以下同じプロセスの繰り返し。

止まらない人民元安。中国経済は崩壊間近なのか?

このように、中国経済に暗雲が漂っています。夕刊フジ10月15日付は、人民元安と資本流失が深刻であることを指摘していました。

中国の通貨、人民元の下落が止まらない。10月から国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に正式採用されたが、約6年ぶりの安値水準まで売り込まれた。

そんな中、中国からの資本流出は見掛けよりも深刻かもしれないと米投資銀行のゴールドマン・サックスが警告している。

人民元は「国慶節」の連休明けの10日から続落し、11日には一時1ドル=6.7148元と、2010年9月以来の元安水準になった。米国の利上げ観測やドル高も元売りに拍車をかけた。

ブルームバーグによると、8月の公式統計では、人民元決済を通じ277億ドル(約2兆8,700億円)が中国から流出した。

2014年までの5年間の月平均では44億ドル(約4,560億円)にとどまっている。

引用:中国、止まらぬ人民元安 見掛けより深刻な資本流出 ゴールドマンが警鐘 – 夕刊フジ10月15日(土)16時56分配信

人民元安、資本流出について、週刊東洋経済元編集長の勝又先生は、こう解説します。

人民元安と資本流出の背景について、週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏はこう解説する。

「SDR採用を決めた当のIMFが、中国の債務水準に警告を発しているうえ、国際決済銀行(BIS)は3年以内に中国で金融危機が起こる危険性があり、米国のサブプライムローン危機やアジア通貨危機の前より厳しい状況だと警告している。元売りや資本流出は避けられない」

引用:(同上)

「米国のサブプライムローン危機やアジア通貨危機の前より厳しい状況」だそうです。「中国、あるいは欧州(特にドイツ)から次の危機が起こる」というのは、世界的コンセンサスになりつつあります。パニくる必要はありませんが、心の準備と、できる対策はしておきましょう。

櫻井記事

いま、世界のどの国よりも必死に21世紀の地球の覇者たらんと努力しているのが中国だ。彼らは習近平国家主席の唱える中国の夢の実現に向かって 走り続ける。そのひとつが、宇宙制圧である。

21世紀の人類に残された未踏の領域が宇宙であり、宇宙経済を支配できれば、地球経済も支配可能となる。宇宙で軍事的優位を打ち立てれば、地球も支配できる。

10月17日、中国が2人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船「神舟11号」を打ち上げた背景には、こうした野望が読みとれる。内モンゴル自治区の酒泉衛星 発射センターから飛び立った中国の6度目の有人宇宙船打ち上げは、無人宇宙実験室「天宮2号」に48時間後にもドッキングし、2人の飛行士は30日 間宇宙に滞在する。

打ち上げは完全な成功で、計画から実行まで全て中国人が行ったと、総責 任者の張又侠氏は胸を張った。中国は独自の宇宙ステーションを2022年までに完成させ、30年までに月に基地を作り、中国人の月移住も始めたいと する。

いま宇宙には、日本をはじめアメリカやロシアなど15か国が共同で運営維持する国際宇宙ステーション(ISS)が存在する。ここに参加しない唯 一の大国が中国である。

中国はアメリカとロシアの技術をさまざまな方法で入手し、独自の開発を 続けてきた。また彼らは世界で初めて「宇宙軍」も創設した。その狙いは何か。少なからぬ専門家が中国の軍事的意図を懸念する。

アメリカのシンクタンク「国際評価戦略センター」主任研究員のリチャー ド・フィッシャー氏もその一人だ。氏が中国の宇宙開発に関して最初の警告を発したのは、85年だった。

「詳細な分析と報告を国防総省をはじめ、主要シンクタンクに提出しましたが、誰も私の危惧を理解しませんでした。中国が宇宙に軍事的野心を抱 いているということ自体、誰も信じなかった。私は変人扱いされ、中国の脅威を大袈裟に言い立てているだけだと思われたのです」

宇宙戦闘部隊

だが、中国の宇宙進出は、氏の指摘どおりの道を辿ってきた。いまや多くの人の目に宇宙における中国の軍事的野心は明らかだ。そうした中、氏は、中国政府の姿勢に興味深い変化が見られると、シンクタンク「国家基 本問題研究所」で語った。

「彼らは自分たちの宇宙活動について、以前よりずっと積極的に語り始めています。無論、国家機密は口外しませんが、イーロン・マスクが目論むような宇宙開発が実現されるとき、中国はそれを支配(dominate)しよう と考えていると思います」

マスク氏は南アフリカ生まれの起業家で、アメリカのシリコン・バレーの寵児にして宇宙企業「スペースX」の創業者だ。今年9月末、氏は新たな ロケットと宇宙船の開発計画を発表、地球滅亡に備えて火星への人類移住 を進めるという。

フィッシャー氏が続ける。

「中国はマスクの考えるようなビジネスから、宇宙資源の活用までひっくるめて宇宙経済を支配したいのです。その前に地球・月系の宇宙圏を自らの支配圏として確定させようとしています。それこそが中国の軍事・政治 戦略の基本です」

その第一歩がアジア地域での覇権確立だと、氏は語る。

「アジアにおいて軍事力、経済力、政治力で圧倒し、それを地球全体に広げていく。そのための能力を、現在、磨いています」

海や陸を制するには空を制しなければならない。空を制するには宇宙を制しなければならない。

その意味で中国は着々とアジア制圧の構えを築き、支配圏を広げているとして、あと10年もすれば、中国の覇権は現在よりはるかに目に見える明らかな形で出現すると、警告する。地球の覇者となるのと同時進行で、宇宙での支配力を強めているというのだ。

「想像して下さい。高高度の宇宙を制すれば、地球上のどの国もどの地域も制圧できます。中国の宇宙開発が濃い軍事的色彩を帯びているのは、宇宙開発の全てを人民解放軍(PLA)が担っていることからも明らかです。習主席は今年、軍の大改革を断行しました。そのときに新設された戦略支援部隊が、中国の宇宙戦略を支えています」

近い将来、PLA空軍に創設されると見られているのが宇宙戦闘部隊である。その長に、リ・シャンフー将軍の名が挙がっているという。

「リ将軍は2007年に中国が地上発射のミサイルで800キロ上空の軌道上にあった中国の衛星を撃ち落としたときの指揮官です」とフィッシャー氏。

中国の衛星破壊は当時世界を震撼させた。なぜなら、中国はアメリカの衛星も破壊できる能力を見せつけたからだ。アメリカ軍は高度のハイテクに依拠しており軍事衛星はアメリカ軍の生命線だと言ってよいだろう。

その意味で衛星破壊行為は宇宙戦争に踏み込んだ行為だと解釈されたのだ。それを指揮した人物が宇宙戦闘部隊の長になるということは宇宙戦争の体験者が長になるのと同じ意味だというのだ。

地球規模で衛星監視

アメリカの専門家たちを真に憂慮させる次元に至るまでの中国の努力は凄まじい。今年6月、彼らは南シナ海の海南島東部の文昌市から新世代ロケット「長征7号」を打ち上げた。

2030年までに米露と並ぶ宇宙強国になると決意している中国の宙開発の鍵を握るロケットである。

「今年から運用を開始した文昌衛星発射センターは今後、非常に重要な地球・月系支配の拠点となると思います。中国が南シナ海の支配に拘る大きな理由のひとつが、この衛星発射センターにあると、私は見ています」 と、フィッシャー氏。

中国は地球・月系支配のために、地球規模で衛星を追跡、コントロールす る監視基地網を築いてきた。

中国を中心に、パキスタンのカラチ、アフリカ大陸のケニアのマリンディ、ナミビアのスワコプムンド、南米チリのサンティアゴ、豪州西部のドンガラに、各々衛星追跡及びコントロールのための基地を築き上げた。 アルゼンチンにも、新しい衛星監視基地が間もなく完成する。

フィッシャー氏が、そうした衛星監視基地の意味を解説した。

「アルゼンチンは中国に基地を提供する見返りに、中国の衛星情報を貰う取り決めを結んでいます。もう一度、フォークランド紛争が起きたら、アルゼンチンは中国提供の情報を活用して、大西洋の真ん中で英国の艦船を 待ち伏せできるのです」

このような中国の宇宙進出を前に、オバマ政権はブッシュ前大統領が月開発計画を再開しようとしたのを、全て止めた。日本も参加するISSは2024年にも運用を終えるかもしれない。

日本はここで宇宙開発における国際協力体制を推進する強い力とならなければならない。

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『横暴な権力者を殺害した男の死刑は止められるか 追い込まれての報復に同情、広がる執行停止署名運動』(10/28日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国社会は如何に悪が蔓延っているかという記事です。法治国家を装っているだけで、その実、人治国家だというのが本記事からも窺えます。習近平が法治国家を目指すというのは「法に依り政敵を倒す」意味しかありません。それはそうです。賄賂で如何様にでもなるし、ネポテイズムの社会ですから、正義の実現には程遠い世界です。

多くの中国人には絶望しかない世界でしょう。一部の人間が権力と富を握り、恣に人民を抑圧するのですから。絶望から、自救行為に走ったとしても、相手が横暴な権力者であれば仕方がないように見えます。法が個人の権利を守ってくれない以上、「報復」ではなくて「正当防衛」になるのでは。

そもそもで言えば、生産手段の個人所有を認めない共産主義が本事件を引き起こしたと見るべきです。共産党幹部が土地を勝手に召し上げ、自分の懐を潤すことしか考えなければ、庶民の怒りに触れるでしょう。毛沢東は小作農を騙して、地主や知識階級を虐殺するよう仕向けました。今その咎めが出ているという事です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観で言えば毛沢東は天才としか言いようがないでしょう。偉大な「腹黒王」を天安門に掲げているのですから、中国人の本性が分かるというものです。

まあ、少しは中国社会も変わりつつあるのかと思います。以前は、死刑が確定すれば即日執行だったのですが。しかも、新聞報道やネットで助命嘆願されるというのは時代の変化を表しています。ただ、個人の権利より、共産党支配の秩序を重んじる為政者は、死刑確定判決・最高人民法院の死刑執行許可を出した以上、覆すことはしないでしょう。せいぜい、執行を無期延期するのができるくらいのことで、ほとぼりが冷めた頃、死刑執行して、家族には執行後に通知するだけで終わるのでは。

日本と言う国に生まれて良かった幸せを噛みしめないと。暴虐国家・中国が日本を侵略しようと狙っています。日本共産党や社民党、極左暴力集団の中核派や革マル派、蓮舫に代表される反日民進党の一部はその手先と見て良いのでは。日本国民がしっかりしないと中国の侵略を許すことになります。民主主義国家は中国のような独裁国家と違い、国民の代表を選挙で選ぶシステムです。選挙の時に、政党や個人の信念を吟味して選ばないと国民に不幸を齎すことになります。我々ができるのは、偏向新聞は購読しない、偏向TV番組は見ない、ネットで多面的な情報を取る、選挙で日本を愛する政治家を選ぶことです。くれぐれも「甘い言葉」に騙されないように。彼らの価値観は中国人と一緒ですので。

記事

2008年7月1日の午前9時40分頃、北京市出身の失業者“楊佳”(当時28歳)が上海市公安局の“閘北(こうほく)分局”を単独で襲撃して、警官6人を殺害、警官5人と保安係1人に重軽傷を負わせるという大事件が発生した。この後に“楊佳襲警案(楊佳警察襲撃事件)”と呼ばれた事件は、閘北分局傘下の“芷江西路(しこうせいろ)派出所”の警官が登録証の貼っていない自転車に乗っていた楊佳を職務質問したところ、楊佳が身分証の提示を拒み、自転車の出所に関する質問に答えなかったことから、芷江西路派出所へ連行したことに端を発する。

警官殺傷に喝采も

芷江西路派出所に連行された楊佳は、取り調べの警官に協力しようとせず、警官と言い争いになった。このため、警官は楊佳に対して過酷な取調べを行ったようだが、最後には楊佳の身元が判明し、自転車は借り物であることが証明されたことで、楊佳は釈放された。その後、北京市へ戻った楊佳は閘北分局へ訴状を送り、芷江西路派出所の警官に不当な取調べを受けたとして、当該警官の解雇と精神的慰謝料の支払いを要求したが、閘北分局は取調べに違法性はないとして、これを拒否した。

この対応を不満として楊佳は6月12日に上海市入りし、閘北分局近くの旅館に宿泊して下見を行い、出刃包丁や催涙ガスなどを買いそろえて準備を整え、7月1日に閘北分局襲撃を決行したのだった。午前9時40分頃、防毒マスクをかぶった楊佳は、閘北分局の正門に7本の火炎瓶を投げ込んで混乱を巻き起こした隙に、出刃包丁を手にして分局内に侵入し、警官を手あたり次第に切りつけて殺傷した後に、指導幹部を殺傷しようと分局ビルの21階まで上ったところで逮捕された。

“故意殺人罪”で立件された楊佳に対する裁判は、9月1日に“上海市第二中級人民法院(地方裁判所)”で開廷された一審で死刑判決が下されたが、これを不服とする楊佳は控訴した。9月12日に“上海市高級人民法院(高等裁判所)”で開廷された二審は、10月20日に控訴棄却の判決が下されて、楊佳の死刑が確定した。その後、“最高人民法院(最高裁判所)”から上海市高級人民法院の死刑判決に対する承認が下り、11月26日午前中に楊佳に対し薬物注射による死刑が執行された。

日頃から警察官の横暴さに憤りを感じている庶民たちの中には、楊佳による警察襲撃事件の発生に喝采を叫ぶ者も多数いた。彼らは楊佳をあたかも英雄であるかの如く祭り上げ、北京市“石景山区”に所在する“福田公墓(共同墓地)”にある楊佳の墓には密かに花を手向ける人が後を絶たないと言われている。

さて、前書きが長くなったが、本題に入る。第二の楊佳と呼ばれる“賈敬龍”という人物がいる。その賈敬龍に対して、2016年8月31日に二審の“河北省高級人民法院”は死刑判決を下し、10月18日に最高人民法院が死刑判決を承認したが、多数の知識人がこれに異議を唱え、最高人民法院に対して死刑の撤回を求めて署名活動を展開している。その詳細は以下の通り。

新婚新居を襲撃、取り壊し

【1】賈敬龍は河北省“石家荘市”の“長安区”に属する“北高営村”の農家の若者である。2013年の年初に相思相愛で4年間付き合った恋人が賈敬龍の求婚を受け入れてくれ、2人は5月25日に結婚することを決めた。喜び勇んだ賈敬龍は、自宅を新婚住宅に改装しようと、自力で工事を始め、あちこちに建築材料を買いに走り、連日のように夜遅くまで働いた。そうして新婚住宅への改装が完成すると、賈敬龍はコツコツ貯め込んだ1元硬貨を使って「“我愛我家(私は我が家を愛する)”」という文字を書き、それを額に入れて部屋の壁に掲げた。賈敬龍はそれほどに新婚住宅の出来栄えに満足し、恋人との結婚の日を待ち望んでいた。

【2】1979年、賈敬龍の父親は北高営村から宅地の配分を受けて自宅を建設したが、2007年に自宅を3階建てに改築した。ところが、それから5年後の2012年1月に父親は村の集合住宅の中にある3DKの部屋を購入し、そこへ賈敬龍の両親と姉が移り住んだ。その後、祖母がその部屋に同居することになり、両親、姉、祖母が各々1部屋を使うことになった。一方、賈敬龍は3階建ての家に残留していたから、彼が新婚住宅に改装したのは3階建ての家だった。

【3】2013年2月27日、中国共産党北高営村支部書記で村民委員会主任の“何建華”が組織した取り壊し部隊が賈敬龍の住む3階建ての家に突然押しかけ、家を取り壊そうとした。これに驚いた賈敬龍は警察に通報し、取り壊しには断固応じない姿勢を示したので、彼らは諦めて帰って行った。ところが、5月6日の早朝、何台のも黒色の乗用車に分乗した一団が賈敬龍の家を取り囲むと、家に向けて一斉にレンガを投げつけて去っていた。何かが起こりそうな気配に賈敬龍が家の周辺を監視していると、翌7日の午後5時頃に、何建華の指示を受けた取り壊し部隊20人以上が敬龍の家に再び押しかけて来た。この日は結婚式まで18日、賈敬龍の27歳の誕生日まで6日に迫っていた。

【4】彼らは家の前にクローラー式油圧ショベル1台を持ち込むと、問答無用とばかりに賈敬龍が改装した新婚住宅を強引に取り壊しにかかった。賈敬龍が制止しようとしても、彼らは一切聞く耳を持たず、手あたり次第に破壊するだけで、それは正に暴徒による乱暴狼藉としか言いようがなかった。賈敬龍は2階で暴徒が上ってくるのを懸命に阻止していたが、父親が彼らに取り押さえられ、親戚の人々が殴打されるのを見ると、2階から下りざるを得なかった。すると、暴徒たちは賈敬龍を地面に押し倒して殴る蹴るの暴行を加えたから、賈敬龍は頭部に打撃を受けて流血した。そうこうするうちに、賈敬龍の姉が警察に通報し、警官が現場へ急行したが、なぜか賈敬龍は“高営派出所”へ連行され、8日の午前3時過ぎまで取調べを受けて調書を取られた。ようやく帰宅を許された時には、家はすでに全て取り壊さて廃墟と化し、汗水たらして改装した新婚住宅も、準備した新婚の調度品も全て廃墟の下に埋もれていた。

【5】家が取り壊された2か月後、恋人は彼女の両親から諭されて賈敬龍と別れた。家を取り壊された上に、恋人との結婚もダメになり、賈敬龍は失意のどん底に陥った。絶望の中で、賈敬龍は北高営村を管轄する長安区の“検察院”と“信報局(陳情局)”に告発状を何度も送付したが、なしのつぶてだった。家取り壊しの黒幕である何建華を訪ねて立ち退き補償を要求したが、無視された。家を破壊され、補償もなく、恋人も失い、結婚の夢も消失した。全ての夢と希望を打ち壊された賈敬龍に考えられるのは、北高営村で思いのままに権力を振るう何建華に対する報復しかなかった。

くぎ打ち機で報復

【6】賈敬龍の家が取り壊されたのは、2009年11月に北高営村の村民委員会で決議された「旧村改造計画」によるものだった。賈敬龍の父親は2010年11月に祖母が受けている社会保険を停止すると脅されて、家の立ち退き協議書に署名させられていた。この協議書は村民委員会の意向に沿って書かれた違法な内容で、立ち退き側である父親を利するところが何もない代物であったが、そこには村の共同住宅の1室を売り渡す代わりに、2013年2月20日までに旧宅(3階建ての家)を引き渡す旨の項目が含まれていた。賈敬龍がこの協議書の存在を知っていたかどうかは定かではないが、たとえ知っていたとしても彼は協議書を無視したと思われる。一方、村党支部書記で村民委員会主任として北高営村を牛耳る何建華は、賈敬龍の父親からサインを取り付けた協議書を盾に、合法と称して賈敬龍の家を強制的に取り壊したのであり、引き渡し期限を過ぎた2013年2月27日に旧宅の取り壊し作業を行おうとしたのだった。

【7】賈敬龍は何建華に報復する機会を探った。家が取り壊されてから1年半以上の月日が経過した2015年の“春節(旧正月)”に機会は巡って来た。北高営村では春節には毎年恒例の春節祝賀会を開催するが、何建華は北高営村の最高権力者として必ず出席する。2015年の春節祝賀会の当日、賈敬龍は村民たちに紛れて祝賀会の会場に入った。彼は密かに何建華の後ろに近付くと、隠し持っていた改造したくぎ打ち機で何建華の後頭部を撃って死亡させた。報復を果たした賈敬龍は自首しようと、自分の車で会場に近い“長豊派出所”への道を急いだが、追い掛けて来た何建華の親族に捕まり、殴る蹴るの暴行を受けた後に、長豊派出所の警官に引き渡されて逮捕された。

【8】賈敬龍は“故意殺人罪”で起訴された。賈敬龍の裁判は、2015年11月24日に“石家荘市中級人民法院”で一審判決が下され、賈敬龍に対し故意殺人罪により死刑、政治的権利の終身剥奪が言い渡された。これを不服とした賈敬龍は“河北省高級人民法院”へ控訴したが、2016年5月17日に河北省高級人民法院が下した二審判決は、「控訴棄却、原判決維持」であった。こうして、賈敬龍の死刑判決は確定した。河北省高級人民法院は8月31日付で最高人民法院宛てに賈敬龍に対する死刑判決の承認を求める文書を提出した。これを受けた最高人民法院は、10月18日付で賈敬龍に対する死刑判決を承認した。この結果、賈敬龍の死刑執行はいつでも可能となった。死刑は最高人民法院の承認が出てから数日中に執行されるのが通例である。

死刑執行の停止を求める

【9】一審、二審を通じて賈敬龍の弁護団は、種々の論点から刑の軽減を求めたが、石家荘中級人民法院も河北省高級人民法院も弁護団が提起した意見を一顧だにせず、検察側の意見を全面的に採用して死刑判決を下したのだった。論点の概要は以下の通り。

(1)殺害された何建華は2度の刑罰を受けた前科者であり、服役後に北高営村党支部書記、村民委員会主任になった人物である。権力を笠に着て、男を騙し、女に手を出すなどして村民たちを苦しめており、かつて人妻にちょっかいを出して、その夫に十数カ所も切られたこともあった。そんな人物だから、ならず者を組織して賈敬龍の家の違法な取り壊しを命じたのは何建華と考えられる。

(2)賈敬龍の父親が脅迫されて署名した「家の立ち退き協議書」は内容から判断して違法であり、それを根拠に家を強制的に取り壊したことは犯罪行為である。その結果として、家を失い、恋人を失い、結婚を逃した賈敬龍は、精神的に追い詰められて犯行に及んだものである。その境遇には同情すべきものがあると判断するので、情状を酌量し、法の公平の観点から刑の軽減を要請する。

(3)何建華の襲撃後、賈敬龍は自首するために車で長豊派出所へ向かっていた。ところが、何建華の親族に捕まったため、自首することができなかった。彼が逃亡する積りだったならば、別の方向へ車を走らせたはずで、自首する意向であったことは明白である。

【10】10月21日、賈敬龍の姉の“賈敬媛”は、最高人民法院ならびに河北省高級人民法院に宛てて「賈敬龍故意殺人事件死刑執行停止申請書」を提出し、改めて賈敬龍の弁護団が裁判で述べた意見を提起して賈敬龍に対する死刑執行の停止を求めたのだった。

事件の経緯が長くなったが、10月18日に最高人民法院が賈敬龍に対する死刑判決を承認したことは、賈敬龍の弁護団からメディアに伝えられた。賈敬龍に同情的なメディアが賈敬龍の死刑執行が近いことを報じると、世論は賈敬龍に対する死刑判決の是非を巡って大きな盛り上がりを見せ、多数の法学者や弁護士がネット上で賈敬龍の死刑執行停止を求める嘆願書の署名運動を展開した。嘆願書の内容は以下の通り。

賈敬龍は罪がないのに大きく傷つけられたことにより殺人に及んだものであり、自首する積りであったし、罪のない者を傷つけてはいません。社会の矛盾がますます激しくなっている今日、賈敬龍の一命を留め、怒れる者たちに罪のない者を傷つけないことを覚えさせ、我慢できない者たちには自首する道を残すべきです。  我々は最高人民法院に賈敬龍に対する死刑判決の承認を撤回するよう強く要求します。  添付は友人ならびにネットで賛同した人々の署名です。

「殺すべきではない」89%

本稿を執筆している10月24日の時点では、賈敬龍の死刑が執行された形跡はないが、最高人民法院が一度は承認した死刑判決を覆すことはあるのだろうか。中国のニュースサイトが実施した「賈敬龍の死刑執行」に関する三択アンケート調査の結果は、(A)の「殺せ。さもないと、さらに多くの役人の殺害が誘発されるし、誰も立ち退きの仕事をやらなくなる」を選択したのはわずか3%に過ぎなかった。(B)の「殺すべきでない。さもないと、さらに多くの法律を信じず、武器を信じる人々が類似の犯行に走る可能性がある」を選択したのは89%、(C)の「判断が難しく、分からない」は6%で、圧倒的多数が(B)を選択した。

以上から分かるように、賈敬龍を第二の楊佳と呼ぶのは、賈敬龍に対して気の毒だと思うが、両者に共通するのは職権を笠に着て横暴を極める権力者に報復したことだろう。楊佳は警官6人を殺害したから死刑は当然だと思うが、賈敬龍は前科2犯の悪質な村役人を1人殺害したに過ぎない。内蒙古自治区“公安庁長(警察庁長官)”の“趙黎平”は、2015年3月に37歳も歳下の情婦を拳銃で射殺した故意殺人罪、銃器不法所持罪などで起訴されたが、2016年6月に行われた秘密裁判で下された判決は“死緩(死刑執行猶予)”であったと言われている。中国ではこの類の「官僚に甘く、庶民に厳しい」判決が下される例は枚挙にいとまがないが、中国共産党中央委員会総書記の“習近平”が標榜する法治国家を目指すのであれば、少なくとも法は万民に平等かつ公平でなければならないはずである。

殺害された何建華のように村党委員会書記兼村民委員会主任として村を私物化し、私腹を肥やす村役人は、全国各地にはびこっている。それにしても前科2犯の人間がどうやって村役人のトップになれたのだろうか。それはともかく、賈敬龍の死刑執行が停止され、死刑判決が見直されることを期待するものである。

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『ロシア、奥の手「大民営化政策」に漂うきな臭さ 背に腹はかえられない――プーチン大統領の苦しい“二枚舌”』(10/28日経ビジネスオンライン 池田 元博)について

10/30日経朝刊には<ロシアを熊に例えれば… 日欧の危機感に溝(風見鶏) 

暴れている熊がいるとしよう。正面に立たされる人は、牙が迫り、命の危険を感じる。ところが後方から見れば、お尻しか見えず、さほど怖くはない。ロシアを熊にたとえれば、前者の視線が欧州、後者がアジアといえるだろう。

abe-putin

一方、中国を龍に見立てると、日欧の立場は入れ替わる。日本は龍の牙と向き合っているが、欧州は尻尾しか見ていないため、危機感が乏しい。欧州のベテラン外交官は打ち明ける。

「我々は中国から遠く離れており、物理的な脅威は及ばない。日米ほどには東・南シナ海問題を深刻には受け止めていない」

見える光景が違うのだから認識に大きな差が生じるのも当然だ。それにしてもロシアをめぐる日欧の脅威観の溝は、日本が思っている以上にずっと深いようだ。いま滞在しているロンドンで外交や安全保障専門家と話して痛感するのは、冷戦再来を思わせるほどのロシアへの警戒感だ。

「彼らは今や戦略敵対国になった。しかも対立は長年にわたり続く」。対ロ強硬派と呼ばれる識者だけでなく中道派もこう話す。大きな原因はロシアが軍事挑発を強めていることにある。

テムズ川にたたずむ大きな石造りの英国防省。10月21日朝、省内の空気が張りつめた。シリア沖に向かうとみられるロシアの空母機動部隊が最短で幅約34キロメートルしかない英仏のドーバー海峡に現れたからだ。「冷戦中にソ連の空母は出没したが近年はなかった。挑発的だ」。英国防省に近い安保専門家は語る。

これは氷山の一角にすぎない。10月上旬、ロシアは東欧にある飛び地の自国領カリーニングラードに、核弾頭を搭載できるミサイルを配備した。欧州各国へのサイバースパイやデモをあおる情報工作も激しいらしい。

英国のロシア専門家によると、英外務省と国防省は最近、ロシアのスパイ活動やサイバー工作に対処する専門部局をひそかに立ち上げたという。

それだけに、12月にプーチン大統領を招き、経済協力を大盤振る舞いしようとする日本をみる英国の視線は冷ややかだ。「ドイツ政府内でも同様の空気が漂っている」(欧州外交筋)

対中戦略上、日ロ関係を強めたいという安倍晋三首相の発想は、欧州でもそれなりに理解されてはいる。それでも日ロ接近に批判がくすぶるのは、シリア・アレッポへの空爆問題などが重なり、プーチン政権への不信感が臨界点に達しつつあるからだ。

英国王立防衛安全保障研究所のジョナサン・アイル国際戦略部長はこう指摘する。「安倍氏が中国に対抗するため対ロ関係を強めようとしているのはわかる。だが日本は動くのが遅すぎた。10年前ならよかったが、ロシアがここまで強硬になってしまった以上、タイミングが悪い」

ロシアへの米国のまなざしは、欧州よりも険しい。米大統領選のかく乱を狙ったロシアのサイバー攻撃が指摘されるなか、ワシントンの警戒感は一段と強まっている。

「来年1月に『クリントン政権』が生まれれば、米国の対ロ政策はもっと強硬になる」。米民主党関係者からはこんな観測が流れる。

ロシアと交渉し、領土問題を解決しようとする安倍氏の姿勢自体がいけないというわけではない。

ただ、米欧との不協和音が広がれば、プーチン氏から足元を見透かされやすくなる危険があることも念頭に、外交を進めるべきだ。立地条件の違いから生まれる対ロ観の溝を、決して侮るべきではない。(ロンドンで、編集委員 秋田浩之)>(以上)とありました。

欧米も手前勝手です。自分たちの安全がロシアに脅かされているから日本にも同じ行動をと要求するなら、彼らも中国に対して経済制裁すべきです。南シナ海は国際仲裁裁判所の判決が出たではないですか。ロシアのウクライナ問題は国際司法の場で争ってはいません。それなのにロシアにだけ経済制裁を課し、中国に課さないというのはどう考えてもおかしいのでは。領土と領海の違いはあったにせよ。要求する場合は相互主義が原則でしょう。

プーチンは12月の訪日で領土返還・平和条約に対する日本人の期待が高まらないよう予防線を張っています。

10/28時事通信は<対日交渉に期限設けず=「中国は40年」-プーチン・ロシア大統領

【モスクワ時事】ロシアのプーチン大統領は27日、北方領土問題を含む日本との平和条約交渉について「(合意までの)期限を設けるのは不可能であり、むしろ有害だ」と語った。タス通信が伝えた。南部ソチで開かれた内外のロシア専門家の会議で「今後2~4年間で平和条約締結は可能か」と問われたのに対し、否定的に回答した。  プーチン大統領は、強い信頼関係にある中国との国境画定交渉ですら40年を要したと指摘。「残念ながら、日本とはその水準に達していない」と主張した。  ただ、平和条約締結は不可能でなく、「全ての問題の最終解決は日ロの国益にかなう」と述べた。また、「解決したいし、努力しているが、いつ解決できるか現時点で答えることはできない」として、今後の交渉次第だという認識を示した。  12月にプーチン大統領の公式訪日を控え、懸案の平和条約交渉が大きく進展するのではないかと日本側で期待が高まっている。今回の発言は、自身の訪日時に領土問題で思い切った決断をする可能性を事実上排除して、日本側の期待値を下げる狙いもありそうだ。 【時事通信社】

>(以上)

やはり、一筋縄では行きません。プーチンもロシアの国益をかけてやってくるわけですから。中国包囲網を築く為とはいえ、中途半端な妥協は駄目です。現実的に考えれば、領土がゼロ回答でシベリアの経済開発を先行するのであれば、欧米にも疑いの目を向けられかねません。そこが難しい所でしょう。しかし、交渉に40年もかけていたのであれば環境が変わってしまいます。特に技術の進歩が速い現代にあっては、軍事も経済も大きく変わってしまいますので。

記事

ロシア政府は今月、国内最大の国営石油会社「ロスネフチ」に中堅国営石油会社の株式を売却した。財政赤字の穴埋めに充当する狙いだが、本来は「民営化」を掲げていた。なぜ民間企業でなく、国営企業に売ることになったのか。

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ロシア最大の石油会社「ロスネフチ」が所有するクラスノヤルスクの油田(写真:ロイター/アフロ)

今月10日、唐突に公表されたロシア政府の指令書が、国内のエネルギー関係者を驚かせた。メドベージェフ首相が署名したもので、ロシアの国営中堅石油会社「バシネフチ」の政府保有株を、国内最大の国営石油会社「ロスネフチ」に売却するという内容だった。

日本ではほとんど報道されなかったが、このバシネフチの株式売却はロシアではエネルギー関係者だけでなく、政界ウォッチャーからも高い注目を集めていた。政権の中枢を巻き込み、侃々諤々(かんかんがくがく)の論争が繰り広げられた、いわく付きの案件だったからだ。

国内経済低迷で打ち出された「大民営化」政策

話を少し戻そう。ロシアは近年、主要輸出商品である原油・天然ガスなどエネルギー価格の急落と、ウクライナ危機を受けた欧米の経済制裁の影響で、厳しい経済環境が続いている。昨年の実質国内総生産(GDP)成長率はマイナス3.7%に落ち込み、今年もマイナス成長が避けられない情勢だ。

こうした中、政府が苦肉の策として打ち出したのが「大民営化」政策だ。有力国営企業の民営化や政府保有株の売却を進め、それによって調達する資金を今年の財政赤字の穴埋めに利用しようという計画である。同時に、経済の国家依存を下げることで、国内産業の構造改革につなげる狙いも込められていた。

政府はその対象企業として、ダイヤモンド採掘大手の「アルロサ」、海運大手の「ソブコンフロート」のほか、アエロフロート、ロシア鉄道、VTB銀行、バシネフチ、ロスネフチを選定した。財務省は一連の政府保有株の売却により、総額でおよそ1兆ルーブル(1ルーブル=約1.67円、約1兆6700億円)の歳入増が見込めると試算した。

突然延期された民営化入札

実際、政府は第1弾として今年7月、アルロサの10.9%分の株式を複数の投資家に売却した。続いて着手したのが石油会社のバシネフチだ。ただ、原油市況が低迷しているだけに、バシネフチについては発行済み株式の「50%+1株」を公開による民営化入札で一括売却することにした。過半の議決権を握れるというプレミアをつけることで、売却価格の上乗せを狙ったわけだ。

同社の民営化入札は当初、今夏中に実施する予定だった。事前の各社への打診では、国内の石油会社や投資ファンドなど9つの企業・組織が入札参加の意思を示したという。中でも当初から最有力視されたのが、ロシアの民間石油会社で最大手の「ルクオイル」だ。同社自身、買収に強い意欲を示していた。

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ところが入札は突然、延期された。国営企業のロスネフチにも入札資格を与えるべきだとの意見が浮上したためだ。かねてバシネフチの買収に関心を示していたロスネフチのイーゴリ・セチン社長が土壇場で、政権に強い圧力をかけたともいわれている。

これには政府や大統領府からも、反発が相次いだ。急先鋒は政府内で燃料エネルギー複合体を統括するドボルコビッチ副首相で、「ロスネフチは国営企業なので、バシネフチの民営化に参加できるわけがない」と切り捨てた。大統領府内でも「ばかげた発想だ」と批判の声が出た。

ただ、政府内ではシュワロフ第一副首相のように参加を支持する意見も多く、結局、バシネフチの民営化計画は明確な指針もタイムテーブルもないまま先送りされてしまった。実質的な棚上げの背景には、ロスネフチに買収資金を確保する時間的な余裕を与える狙いがあったとの説もある。

プーチン大統領の消極的な容認

事態が再び動きだしたのは9月になってからだ。きっかけになったとみられるのが9月初め、プーチン大統領の米ブルームバーグとのインタビューだ。

ロスネフチのセチン社長がバシネフチの民営化に高値で入札する意向を示しているが、「大統領は常に、巨大な国営企業が民営化される別の企業を買収するようなことは望んでいないと語っています。つまり、あなたは(ロスネフチの参加を)認めないということですね」。こんな質問に対して、大統領は以下のように答えたのだ。

「国営企業というが、ロスネフチは厳密にいえば国営企業ではない。英国企業のBPが株主に名を連ねていることを忘れてはならない」

ロスネフチは、政府が100%出資する国営企業の「ロスネフテガス」が69.5%、英石油大手のBPが19.75%の株式を保有している。国家の管理下にはあるものの、外国資本が入っている以上、ロスネフチをバシネフチの民営化入札から完全に除外するわけにはいかないという理屈だった。

大統領は続いて「政府の管理下にある企業が他の国営企業を買うのは良い選択肢とはいえない」と述べる一方で、「最終的には財政が重要だ」と表明。民営化入札ではより多くの資金を調達する必要があるとして、ロスネフチの入札参加を消極的ながらも容認する姿勢を示唆したのだ。

これを機に、ロスネフチへのバシネフチ株売却の流れが水面下で一気に進んだ模様で、冒頭の政府指令書の公布につながった。

政府の指令書は、財務省の同意を得た経済発展省の提案を受け入れ、バシネフチの50.0755%の株式を総額3296億9000万ルーブル(約5500億円)で売却すると表明。10月14日までの支払いを求めた。ロスネフチは指令書に基づいて期限内に振り込みを完了したため、バシネフチのディールはつつがなく終了したという。

ロスネフチによる自社株買いも

ロシア政府が国際会計事務所に試算を依頼し、それをもとに事前に想定していたバシネフチ株の売却価格は2970億~3150億ルーブル。ロスネフチが提示した価格はそれを上回ったが、不可思議なのは公開入札という当初の触れ込みと違い、ほぼ秘密裏に契約が結ばれたことだ。

ウリュカエフ経済発展相は入札に2社が参加し、ロスネフチだけが想定価格を上回る額を提示したと説明する。しかし、有力経済紙のベドモスチは、当初有力とされたルクオイルを含めて入札に関心を示した各社には正式な応札要請がなく、民営化の条件や入札日の公表を待っている間にロスネフチへの売却が発表されたと報じている。

「大民営化」という当初の掛け声とはかけ離れた入札騒動となったわけだが、これを巡ってはさらに続きがある。政府の指令書が公布された2日後の10月12日。プーチン大統領は政府会議で、バシネフチ株の購入代金を支払ったロスネフチの潤沢な資金力に注目し、今度はロスネフチによる自社株買いを「暫定的な措置」として認める可能性に言及したのだ。

政府はロスネフチも“民営化”の対象としている。同社については国家管理を維持しながら、全体の19.5%の株式だけを売却する計画だが、大統領発言の趣旨はこれをロスネフチによる自社株買いの形で代替し、得られる資金を財政赤字の穴埋めに充てるというものだった。

背に腹はかえられない

「本当の民営化とはいえないのではないか」――。後日、記者団に厳しく問われたプーチン大統領は「あくまでも中間的な措置であり、外国資本を含む戦略的投資家への売却を想定した本格的な民営化への一歩だ」と弁明。「これまで何度も言ってきたように、国家資本主義をつくるつもりはない」と強調した。

大統領は別の場でも「本格的な民営化の準備だ」と表明。ロスネフチの将来の民営化を想定すれば、バシネフチとの統合も相乗効果が見込めると主張している。一方で、こうした発想は「政府内の財政・経済派の立場だ」と指摘し、自らの本意ではないことも随所にほのめかせている。昨今の財政状況を踏まえれば、背に腹はかえられないということのようだ。

バシネフチ株の売却では、政府が入札企業に国営銀行からの融資による資金調達を禁じた。このためロスネフチは東シベリア有数のバンコール油田の権益の一部をインド企業に売却するなどして、短期間に資金を確保したとされる。辣腕タイプのセチン社長が率いるからこそ可能だったともいえる。

だが、こうしたいびつな“民営化”が長期的視点からみて、ロシアの国益につながるのか疑問視する声もある。財政赤字の穴埋めに苦慮する政府にとって、ロスネフチ頼みの状況が当面続くとみられるものの、政財界で特異な存在感をみせるセチン社長には政敵も少なくない。

セチン社長をめぐっては蓄財疑惑もしばしばとりざたされ、かつて「側近中の側近」といわれたプーチン大統領との関係も、さほど親密ではなくなっているとの噂も流れる。ロスネフチの肥大化が一段と進むなか、バシネフチの“民営化”騒動のしこりが政権内の経済路線対立や、石油利権をめぐる抗争を助長する可能性は否定できない。

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